JP5992680B2 - Tracking prevention tool - Google Patents
Tracking prevention tool Download PDFInfo
- Publication number
- JP5992680B2 JP5992680B2 JP2011275082A JP2011275082A JP5992680B2 JP 5992680 B2 JP5992680 B2 JP 5992680B2 JP 2011275082 A JP2011275082 A JP 2011275082A JP 2011275082 A JP2011275082 A JP 2011275082A JP 5992680 B2 JP5992680 B2 JP 5992680B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- main body
- tracking
- cap
- prevention tool
- tracking prevention
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Electric Cable Installation (AREA)
- Suspension Of Electric Lines Or Cables (AREA)
Description
本発明は、絶縁電線に取り付けるトラッキング防止具に関する。 The present invention relates to a tracking prevention tool attached to an insulated wire.
配電機器等の電力設備に使用される絶縁電線の被覆材が塩害等により汚損されると、汚損部分に漏れ電流が流れる。この漏れ電流によって、被覆材が炭化してトラッキングが生じる。 When the insulation material of the insulated wire used in power equipment such as power distribution equipment is fouled by salt damage, a leakage current flows through the fouled portion. Due to this leakage current, the coating material is carbonized and tracking occurs.
このトラッキングに関し、本願発明の発明者は、トラッキング発生の主要因がドライベルトの発生にあることを見出した。即ち、配電機器等の電力設備に使用される絶縁電線の被覆材や碍子等の絶縁物が塩害等により汚損されると、汚損部分に漏れ電流が流れる。この漏れ電流によって、被覆材の表面にはジュール熱が発生し、発熱が起こる。発熱によって乾燥が進み、乾燥した部分の抵抗が増大するため、その箇所の発熱は他より大きくなる。このため、局所的に高温のドライベルト(ドライバンド)と呼ばれる乾燥帯が絶縁物を一周するように形成される。このドライベルトに、絶縁電圧のほとんどが印加される。さらに汚損が進むと、ドライベルトにコロナ放電や微少アークが発生し、これにより、絶縁物が有機材料であると、炭化してトラッキングが生じる。トラッキングにより生成された物質は炭素を多く含むため導電性であり、これが電路となりさらに絶縁劣化を進める。 With regard to this tracking, the inventors of the present invention have found that the main cause of tracking is the generation of a dry belt. That is, when an insulation material such as a sheath of an insulated wire or an insulator used in a power facility such as a power distribution device is fouled by salt damage or the like, a leakage current flows through the fouled portion. Due to this leakage current, Joule heat is generated on the surface of the coating material, and heat is generated. Drying progresses due to heat generation, and the resistance of the dried portion increases. For this reason, a dry zone called a high-temperature dry belt (dry) is locally formed around the insulator. Most of the insulation voltage is applied to the dry belt. As the contamination further progresses, corona discharge and minute arcs are generated on the dry belt, and if the insulator is an organic material, carbonization occurs and tracking occurs. The substance generated by tracking contains a large amount of carbon and is conductive, which becomes an electric circuit and further promotes deterioration of insulation.
さらに、ドライベルトの発生箇所が磁器碍子等の無機材料であっても、碍子類より径が小さく、電流密度が高くなる絶縁電線上にドライベルトが移動する。このため、当初は磁器碍子等に発生していたドライベルトが、有機材で被覆されている絶縁電線上に移動して、トラッキングを引き起こす場合がある。 Furthermore, even if the dry belt is generated by an inorganic material such as a porcelain insulator, the dry belt moves on an insulated wire having a diameter smaller than that of the insulator and a higher current density. For this reason, the dry belt initially generated in the porcelain insulator or the like may move onto the insulated wire covered with the organic material to cause tracking.
一方、トラッキング防止具とは別に、例えば、特許文献1には、収縮チューブから構成される電力ケーブルの端末処理具が開示されている。この端末処理具は、合成ゴムから形成され、その外周に、先端側から順に円盤状の浅い笠、カップ状の深い笠、および円盤状の浅い笠を備える。チューブ本体によって、電力ケーブルの被覆材を保護しつつ、これらの笠によって、沿面距離を長くして漏れ電流を低く抑え、チューブ本体に発生するトラッキングの発生を防止している。
On the other hand, apart from the tracking prevention tool, for example,
電力ケーブルの端末処理具は、それ自身で対地間との絶縁を図るものであるのに対し、「トラッキング防止具」は他に対地間との絶縁を図る物があり、絶縁電線に発生するトラッキングを防止する装置であり、全く別個のものである。従って、特許文献1に開示された、端末部本体の構成を使用する場合でも、その先に接続されている絶縁電線の方が径が細いことが多く、そこにドライベルトが移行する為、絶縁電線のトラッキングを防ぐことができないという問題がある。
While power cable end treatment tools are intended to insulate themselves from the ground, the “tracking prevention tools ” also have other objects that provide insulation from the ground. Is a completely separate device. Therefore, even when using the configuration of the terminal unit main body disclosed in
このため、トラッキングを防ぐには最も径の細い絶縁電線上で対策を取るのが効果的であり、トラッキングの発生しない材料にドライベルトを誘導し、絶縁電線に発生するトラッキングを犠牲作用により防止することが効果的である。 For this reason, it is effective to take measures on the insulated wire with the smallest diameter in order to prevent tracking. The dry belt is guided to a material that does not generate tracking, and the tracking generated on the insulated wire is prevented by sacrificing action. It is effective.
本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、トラッキングが発生しにくいトラッキング防止具を提供することを目的とする。 The present invention has been made in view of the above problems, and an object of the present invention is to provide a tracking prevention tool in which tracking is difficult to occur.
上記目的を達成するために、本発明のトラッキング防止具は、
シリコーン樹脂から形成され、絶縁電線に装着される筒状の本体部を備えることを特徴とする。
In order to achieve the above object, the tracking preventive device of the present invention comprises:
It is formed from a silicone resin and includes a cylindrical main body portion that is attached to an insulated wire.
前記本体部の一端部に設けられ、前記本体部の他端部に向かって拡径して延び、前記本体部の一部を覆い、前記他端部を露出する1つの笠部を備えてもよい。 It is provided at one end of the main body, and has one cap portion that extends in diameter toward the other end of the main body, covers a part of the main body, and exposes the other end. Good.
前記笠部は、前記本体部の一端から前記本体部の長さの1/4乃至1/3の間の位置に固定されていてもよい。 The said cap part may be fixed to the position between 1/4 thru | or 1/3 of the length of the said main-body part from the end of the said main-body part.
前記笠部は、前記本体部の軸方向の長さの1/4乃至3/4の深さを有してもよい。 The shade portion may have a depth of ¼ to ¾ of an axial length of the main body portion.
前記本体部は、均一な外径を有してもよい。 The main body may have a uniform outer diameter.
前記笠部と前記本体部とは一体に形成されていてもよい。 The said cap part and the said main-body part may be formed integrally.
前記笠部が前記本体部と別体であってもよい。 The shade portion may be a separate body from the main body portion.
前記笠部が開口を有してもよい。 The said cap part may have an opening.
前記本体部および前記笠部は、それぞれ、前記本体部の長手方向に一端から他端に延び、かつ前記笠部の端部に延びる切れ目を有してもよい。 Each of the main body portion and the cap portion may have a cut extending from one end to the other end in the longitudinal direction of the main body portion and extending to the end portion of the cap portion.
前記本体部は、絶縁電線が挿入される貫通孔を備え、前記貫通孔に連通する孔を前記本体部の周面に有してもよい。 The main body may include a through hole into which an insulated wire is inserted, and may have a hole communicating with the through hole on the peripheral surface of the main body.
本発明の実施形態に係るトラッキング防止具は、トラッキングの原因がドライベルトにあるとの本願発明者の知見に基づいて、簡単な構成でありながら、ドライベルトをトラッキング防止具内に留める構成を有するものである。以下、実施形態に係るトラッキング防止具を、図面を参照して具体的に説明する。 Tracking preventer according to an embodiment of the present invention, the cause of tracking based on the present inventor's finding that in Doraiberu bets, while having a simple configuration, has a structure to fasten the dry belt in the tracking preventer Is. Hereinafter, a tracking prevention tool according to an embodiment will be specifically described with reference to the drawings.
(第1の実施形態)
本実施形態に係るトラッキング防止具は、簡単小形な構造を備えつつドライベルトの初期発生位置とその後の移動経路を制御して、ドライベルトがトラッキング防止具上に留まって電力線(絶縁電線)の被覆材上に移動しないように誘導することにより、トラッキングを防止する機能を備えるものである。
(First embodiment)
The tracking prevention device according to the present embodiment controls the initial generation position of the dry belt and the subsequent movement path while having a simple and small structure, so that the dry belt stays on the tracking prevention device and covers the power line (insulated wire). It has a function of preventing tracking by guiding it so as not to move on the material.
このトラッキング防止具10は、図1、図2に示すように、本体部14と本体部14に設けられた笠部16とから構成される。
As shown in FIGS. 1 and 2, the
本体部14は、絶縁電線12が通る貫通孔14hを中央に備える円筒状又はチューブ状に形成されている。
The
本体部14を貫通する貫通孔14hの径D1は、配設対象の絶縁電線の外径より若干大きく、装着状態において、絶縁電線12の被覆材にシリコーンコーキング等で接着するように形成されている。また、本体部14の外径は一定に形成されている。さらに、貫通孔14hの径D1は、絶縁電線12の外径とほぼ等しくして、装着状態において、絶縁電線12の被覆材に接着剤を用いることなく密着するように形成してもよい。
The diameter D1 of the through-
笠部16は、本体部14の一端部14aの近傍で本体部14に固定され、本体部14と同軸に形成され、本体部14の他端部14bの方向に拡径して延びている。笠部16は本体部14の上部を覆い、塩害等による汚損や降雨による湿潤の影響を本体部14に生じ難くする。
The
本体部14と笠部16とは、シリコーンゴムから形成され、一体成形されている。ここで、シリコーンゴムとは、シリコーン樹脂(シリコーンを主成分とする合成樹脂)のうち、ゴム状のものを意味する。また、シリコーンとは、シロキサン結合による主骨格を持つ人工高分子化合物の総称である。シロキサンはケイ素と酸素を骨格とする加工物でありSi−O−Si結合(シロキサン結合)を持つものの総称である。シリコーンゴムはドライベルト形成時に炭化物を生成しない。
The
本体部14及び笠部16には、本体部14の長軸に沿って、切れ目18が形成されている(図4参照)。切れ目18によって、後述のようにトラッキング防止具10を既存の絶縁電線に容易に取り付けることができる。
A
また、笠部16の深さL4は、本体部14の柄の長さL1の1/2〜1/3に形成されている。笠部16は、本体部14の一端14aからL1の1/4以下の範囲に配置される。これは、後述するように、ドライベルトが本体部14の下方(笠の広がっている方向)に移動するため、移動可能な距離を確保するためである。
Further, the depth L4 of the
また、本体部14のうち、笠部16の上方に突出した部分の長さL2は、0.5cmから2cm程度に設計される。これ以上長くても問題はないが、ドライベルトの生成と移動に寄与せず、無駄になるためである。
Moreover, the length L2 of the part which protruded above the
笠部16の厚さL3は、たわんだり、閉じたりしない程度、例えば、1〜8mm程度、好ましくは2〜5mmに形成されている。
The thickness L3 of the
また、笠部16の半径D2は、絶縁電線12の印加電圧に依存し、印加電圧分の耐圧を得ることができる空気層の厚さ×安全係数で定まる。例えば、電力線の印加電圧を3.8kVとすれば、L7の値が1cmから2cmになる径に設計される。
Further, the radius D2 of the
本体部14の貫通孔14hの径D1は、保護対象の絶縁電線の径とほぼ同一かわずかに大きく形成される。
The diameter D1 of the through
また、本体部14の厚さT1と、笠部16の厚さL3と、本体部14の貫通孔14hの径D1とは、絶縁耐圧とコストとの関係から設定され、本体部14の厚さT1は、例えば、使用電圧が3.8kVの3相変圧器にトラッキング防止具10を使用した場合、2〜8mm、好ましく2〜5mmに形成される。なお、本体部14及び笠部16にドライベルトが発生すると、それらの表面が削られるエロージョンが起きる。本体部14及び笠部16の厚さT1、L3はエロージョンが発生しても使用年数の間に十分な絶縁耐圧が得られるように設計される。
Further, the thickness T1 of the
次に、トラッキング防止具10の使用態様を説明する。
Next, how the
トラッキング防止具10は、図3に示すように、笠部16が上方に凸状態で位置し、笠の柄に相当する部分が下に位置するように、例えば柱上変圧器50のブッシング52から引き出されたリード線(絶縁電線)12に、外気に曝された状態で取り付けられる。
As shown in FIG. 3, the
トラッキング防止具10のリード線12への装着は、新設の変圧器のリード線の場合はリード線を本体部14に挿入し、シリコーンコーキングで接着する。また、既設の変圧器のリード線に取り付ける場合は図4に示すように、切れ目18から笠部16および本体部14を開き、シリコーンコーキングを塗布した上で切れ目18からリード線12を本体部14内に入れることによって行われる。装着後、リード線12の外面と貫通孔14hとはシリコーンコーキングにより接着される。
When the
なお、リード線12の外面と貫通孔14hとの接着は、シリコーンコーキングのような接着剤を使用する場合に限定されず、本体部14および笠部16の弾性による復元力により密着状態にすることもできる。
The adhesion between the outer surface of the
次に、図5を参照して、トラッキング防止具10にドライベルトが形成され、そのドライベルトが移動する様子を説明する。なお、トラッキング防止具10に使用されるシリコーン樹脂は撥水性があるため、有機絶縁材料よりドライベルトが形成されやすい特徴を持っている。
Next, with reference to FIG. 5, a state where a dry belt is formed on the
トラッキング防止具10が図3に示す形態で使用された場合、使用当初は、笠部16の内側は汚損が少なく初期抵抗が高いことから、ドライベルト22が、図5(A)に示すように、笠部16の内面16cに形成される。ドライベルト形成箇所表面には塩の結晶ができ、汚損される。このとき、降雨があると、汚損部分が洗浄され、リード線12を含めて、トラッキング防止具10全体の絶縁耐圧が一旦上がるためドライベルト22が消滅する。さらに汚損が進むと、ドライベルト22は次に汚損が少ない部分(図5(B)→図5(C))へと移行する。降雨のつど、汚損部分が洗浄され、ドライベルト22は、図5(D)、および図5(E)に示すように、移動する。
When the
さらに汚損が進むと、その間に、塩の結晶は海水に含まれる塩化マグネシウムの潮解性によって流され、最初の発生箇所に移動する。 As further fouling progresses, salt crystals are washed away by the deliquescence of magnesium chloride contained in seawater and move to the first occurrence site.
ドライベルトの移動が幾度となく繰り返されている間、コロナ放電や微少アークが生じる本体部14及び笠部16が、炭化物を生成しないシリコーンゴムから形成されているため、本体部14及び笠部16の表面を削るエロージョンが発生するが、炭化せず、トラッキングの発生を防止することができる。
While the movement of the dry belt is repeated several times, the
トラッキング防止具10がエロージョンによって表面が削られ、リード線12の被覆材に到達するには、数十年の時間を要する。従って、柱上変圧器50の耐用年数の間、ドライベルト22が、リード線12上に移動することを防止でき、トラッキング防止具10を交換する必要がない。
It takes several decades for the tracking
以上説明したように、本実施形態に係るトラッキング防止具10は、シリコーン樹脂から形成され、絶縁電線12を被覆するための筒状の本体部14と、本体部14に配置され、本体部14の一部を覆って拡径して延びる1つの笠部16と、を備える。
As described above, the tracking
このような構成とすることにより、トラッキングを起こす原因となるドライベルト22を、笠部16の凹面(図5(A)→図5(B))→本体部14の笠部16により覆われている部分(図5(C)→図5(D))→本体部14の笠部16から露出している部分(図5(E))と順次発生及び移動するように誘導する。このため、絶縁電線12の絶縁被覆上にドライベルト22が発生しない。
With this configuration, the
トラッキングの主要因がドライベルトにあることは、従来知られておらず、これまでは碍子を強化することによりトラッキングを防止しようとしていた。しかし、実際には碍子より径が小さく、熱伝導率が低いリード線にドライベルトの発生が集中しており、また碍子に発生したドライベルトも必ずリード線に移行することを突き止めた。従って、本実施形態に記載のように、リード線にトラッキング防止具10を設置することにより、上記現象に基づくドライベルトをトラッキング防止具10に留めて、トラッキングの発生を予防できる。
It has not been known in the past that the main cause of tracking is the dry belt, and until now it has been trying to prevent tracking by strengthening the insulator. However, in practice, the generation of dry belts is concentrated on lead wires that are smaller in diameter than insulators and have a low thermal conductivity, and it has been found that dry belts generated on insulators always shift to lead wires. Therefore, as described in the present embodiment, by installing the
さらに、トラッキング防止具10に炭化物を生成しないシリコーンゴムから形成することにより、ドライベルト22にコロナ放電や微少アークが生じても、本体部14及び笠部16の表面を削るエロージョンが発生するのみで、炭化が発生しない。従って、トラッキング防止具10上にドライベルトが発生しても、トラッキングは発生しない。
Further, by forming the
なお、本実施形態のトラッキング防止具10と特許文献1に記載の電力ケーブル端末処理具とは、軸部と笠部を備える点等において共通する部分がある。しかしながら、電力ケーブル端末処理具は荷電側と非荷電側の境界部分に使用するのに対して、本実施形態のトラッキング防止具は電路の途中または、磁器碍子等で絶縁されている境界部に施設するもので、装置両側とも荷電部分で使用する点等で全く異なるものである。
In addition, the
(変形例)
本実施形態では、笠部16は椀状であるが、笠部16が本体部14に設けられた位置から他端部14bの方向に拡径する内面を有することができれば、スカート状、コップ状等の任意の形状にすることができる。
(Modification)
In the present embodiment, the
また、本体部14の形状も、円筒状に限定されず、楕円筒状、多角筒状等任意である。ただし、その外径は均一であることが望ましい。
Further, the shape of the
本体部14及び笠部16に切れ目18を設けたが、新設の変圧器のリード線の場合は本体部14にリード線を挿入することができるので、切れ目18は必ずしも必要ではない。
Although the
本体部14と笠部16とは、両者の間に、塩害の塩分、埃、または降雨による水分が侵入しないように、一体に形成されていることが望ましい。但し、両者の結合部分の強度を維持することができれば、互いに別個の部材で形成することができる。この場合、本体部14と笠部16とは、耐候性等に優れた接着剤、例えばシリコーン接着剤で結合することができる。
It is desirable that the
トラッキング防止具10の本体部14および笠部16の長さ、厚さは、上述の値に限定されず、トラッキング防止具10が取り付けられる絶縁電線の使用電圧、使用予定の年数によって異なる。
The length and thickness of the
また、笠部16が設けられた位置を、本体部14の一端部14aから1cmの位置にしたが、これに限定されず、その位置は任意である。
Moreover, although the position where the
(第2の実施形態)
上記第1の実施形態においては、笠部16は、本体部14の一部を完全に覆っていたが、ドライベルトを本体部に誘導できるならば、笠部16の一部に開口が形成されていてもよい。
(Second Embodiment)
In the first embodiment, the
以下、このような構成の第2の実施形態について説明する。 Hereinafter, a second embodiment having such a configuration will be described.
本実施形態に係るトラッキング防止具80は、図6及び図7に示すように、筒状の本体部84と、本体部84の一端付近の周面に設けられた笠部86とを備える。
As shown in FIGS. 6 and 7, the
笠部86は、4個の開口88(図6では3個のみ示す)を有する。降雨時には、開口88を通して本体部84に雨が当たり、本体部84に塩、埃等の汚損物質が付着した場合であっても、その汚損物質をある程度洗浄することができる。なお、本体部84と笠部86とは、任意の接着剤により接着されている。
The
本体部84は、図1のトラッキング防止具10の本体部14と同様に、配電機器のリード線82に取り付けられる。
The
このような構成によれば、ドライベルトは、笠部86の内面に最初に形成され、続いて、本体部84の笠部86に覆われた部分に移動する。ただし、本体部84が、降雨などによりある程度洗浄されるため、ドライベルトの移動が制限され或いは発生したドライベルトが消滅する。
According to such a configuration, the dry belt is first formed on the inner surface of the
このため、ドライベルトが発生しても、本体部84の他端部84bに到達するまでに長い時間がかかり、小形でもトラッキングを有効に防止することが可能となる。
For this reason, even if a dry belt is generated, it takes a long time to reach the
本実施形態の笠部86は、開口88を備えるため、その深さは、例えば、笠部の柄に相当する部分の長さの3/4〜1/4程度に設定され、第1の実施形態の笠部16より深くてもかまわない。
Since the
図7では、本体部84と笠部86とは別体構成として示すが、第1の実施形態のトラッキング防止具10と同様に、本体部84と笠部86とを一体に成形することも可能である。
In FIG. 7, the
本実施形態では、4つの開口88を笠部86に形成したが、トラッキング防止具の取付地域の気候に合わせて、雨洗効果を軽減または増強するために、任意の数とサイズにすることができる。例えば、雨の多い地域では、開口88の総面積を小さくし、雨の少ない地域では、開口88の総面積を大きくしたり、塩害の大きい地域では、開口88の総面積を大きくし、塩害の小さい地域では、開口88の総面積を小さくすることができる。また、開口88の形状は、円形、楕円、矩形等任意である。
In the present embodiment, the four
(第3の実施形態)
上記第1および第2の実施形態においては、トラッキング防止具10、80が本体部14、84と笠部16、86とで構成されていたが、本体部のみで構成することも可能である。
(Third embodiment)
In the first and second embodiments, the
以下、このような構成のトラッキング防止具90について説明する。 Hereinafter, the tracking prevention tool 90 having such a configuration will be described.
本実施形態に係るトラッキング防止具90は、図8及び図9に示すように、筒状の本体部94から構成される。
As shown in FIGS. 8 and 9, the tracking prevention tool 90 according to the present embodiment includes a cylindrical
降雨時には、本体部94に雨が当たり、本体部94に塩、埃等の汚損物質が付着した場合であっても、その汚損物質をある程度洗浄することができる。
Even when rain hits the
本体部94は、図1のトラッキング防止具10の本体部14と同様に、配電機器のリード線92に取り付けられる。
The
例えば、撥水性の低い絶縁電線や劣化し撥水性を失った既存電線に、トラッキング防止具90を取り付けると、これらの絶縁電線や既存電線に発生したドライベルトは、トラッキング防止具90のシリコーンゴムの撥水性により、トラッキング防止具90の本体部94に移行する。これにより、上記実施形態同様にトラッキングの発生を防止できる。
For example, when the tracking prevention device 90 is attached to an insulated wire with low water repellency or an existing wire that has deteriorated and lost water repellency, the dry belt generated on the insulated wire or the existing wire is made of the silicone rubber of the tracking prevention device 90. Due to the water repellency, the
実験によると、笠部を有する第1および第2の実施形態では、ドライベルトの発生から消滅までの時間のうち、ドライベルトが、トラッキング防止具10、80上に有る時間的割合は80%程度であったが、笠部が無いトラッキング防止具90であっても50%程度あり、トラッキングの発生を十分抑制する効果があった。
According to experiments, in the first and second embodiments having a cap portion, of the time from the generation of the dry belt to the disappearance of the dry belt, the time ratio of the dry belt on the
このような構成によれば、ドライベルトは、本体部94に発生するが、本体部94が、降雨などによりある程度洗浄されるため、ドライベルトの移動が制限され或いは発生したドライベルトが消滅する。
According to such a configuration, the dry belt is generated in the
従って、ドライベルトが発生しても、本体部94の他端部94bに到達するまでに長い時間がかかり、小形でもトラッキングを有効に防止することが可能となる。
Therefore, even if a dry belt is generated, it takes a long time to reach the
(第4の実施形態)
上記第1の実施形態のトラッキング防止具10においては、既設のリード線12に取り付けるために本体部14に切れ目18を設けていたが、本実施形態のトラッキング防止具100では、切れ目18を設けることなく、既設のリード線12に取り付けることができる構成である。
(Fourth embodiment)
In the
このトラッキング防止具100は、図10、図11に示すように、本体部104と本体部104に設けられた笠部106とから構成される。
As shown in FIGS. 10 and 11, the
本体部104の中央付近の周面には、貫通孔104hに連通する充填孔104jが形成されている。
On the peripheral surface near the center of the
トラッキング防止具100のリード線102への装着は、新設の変圧器のリード線102の場合はリード線102を本体部104の一端から挿入し、充填孔104jからシリコーンコーキングを貫通孔104hとリード線102の外面との間に充填してリード線102を貫通孔104hに接着する。
In the case of the
また、既設のリード線102に取り付ける場合は、まず、リード線102を切断し、両切断面からリード線102の被覆材を剥ぎ取って導体102aを、例えば約5mmぐらい露出させる。切断されたリード線102の一方の導体102aに、例えばシリコーン樹脂製の筒状の接続部材103を取付け、その状態で本体部104の貫通孔104hに、その一端から、接続部材103とともにリード線102を挿入する。本体部104の他端からは、切断されたリード線102の他方を挿入して、その導体102aを接続部材103内の一方の導体102aと突き合わせて電気的に接続する。その後、充填孔104jからシリコーンコーキングを、貫通孔104hと接続部材103との間、両方の導体102aと接続部材103との間、および貫通孔104hと両方のリード線102の外面との間に充填して両方のリード線102を貫通孔104hに接着する。
In addition, when attaching to the existing
接続部材103の径は、接続部材103を本体部104の貫通孔104hに挿入することができれば、任意の値に設計することができる。また、接続部材103の貫通孔の径は、導体102aが挿入できれば、任意の値に設計することができる。
The diameter of the connecting
このように、本実施形態は、トラッキング防止具100を新設および既存のリード線に容易に取り付けることができる。
Thus, this embodiment can attach the
(変形例)
本実施形態は、笠部106を備えるが、笠部がない構成にすることもできる。
(Modification)
Although this embodiment is provided with the
上記第1〜4の実施形態等では、本発明のトラッキング防止具を柱上変圧器に適用する例を示したが、変圧器の他に、断路器、遮断器、変成器、開閉器等の絶縁電線を使用する設備にも適用することができる。 In the first to fourth embodiments, etc., the example in which the tracking prevention device of the present invention is applied to the pole transformer has been shown. However, in addition to the transformer, disconnectors, circuit breakers, transformers, switches, etc. It can also be applied to facilities that use insulated wires.
また、本発明のトラッキング防止具を変圧器の絶縁電線に使用する場合を示したが、配電線、引込線、架空電線等の絶縁電線を碍子等で支持する付近にも使用することができる。 Moreover, although the case where the tracking prevention tool of this invention was used for the insulated wire of a transformer was shown, it can be used also in the vicinity which supports insulated wires, such as a distribution line, a lead-in wire, and an overhead wire, with an insulator.
本発明は、上記実施形態等に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々の変形、変更が可能である。 The present invention is not limited to the above-described embodiment and the like, and various modifications and changes can be made within the scope of the claims.
10、80、90、100・・・トラッキング防止具
12、82、92、102・・・リード線(絶縁電線)
14、84、94、104・・・本体部
14h、104h・・・貫通孔
16、86、106・・・笠部
18・・・切れ目
88・・・開口
104j・・・充填孔
10, 80, 90, 100 ...
14, 84, 94, 104 ...
Claims (9)
請求項1に記載のトラッキング防止具。 The thickness of the main body is 2 to 8 mm, and the thickness of the cap is 1 to 8 mm.
The tracking prevention tool according to claim 1 .
請求項1又は2に記載のトラッキング防止具。 The cap is fixed in a range of 1/4 or less of the length of the main body from one end of the main body.
The tracking prevention tool according to claim 1 or 2 .
請求項1乃至3の何れか1項に記載のトラッキング防止具。 The cap portion has a depth of ¼ to ¾ of the axial length of the main body portion,
The tracking prevention tool according to any one of claims 1 to 3 .
請求項1乃至4の何れか1項に記載のトラッキング防止具。 The length of the main body portion that protrudes from the cap portion toward the one end is 0.5-2 cm.
The tracking prevention tool according to any one of claims 1 to 4 .
請求項1乃至5の何れか1項に記載のトラッキング防止具。 The said cap part and the said main-body part are integrally formed,
The tracking preventing tool according to any one of claims 1 to 5 .
請求項1乃至5の何れか1項に記載のトラッキング防止具。 The cap portion is separate from the main body portion,
The tracking preventing tool according to any one of claims 1 to 5 .
請求項1乃至7の何れか1項に記載のトラッキング防止具。 The main body portion and the cap portion each have a cut extending from one end to the other end in the longitudinal direction of the main body portion and extending to the end portion of the cap portion,
The tracking prevention tool according to any one of claims 1 to 7 .
請求項1乃至8の何れか1項に記載のトラッキング防止具。 The main body includes a through hole into which an insulated wire is inserted, and has a hole communicating with the through hole on the peripheral surface of the main body.
The tracking preventing tool according to any one of claims 1 to 8 .
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011275082A JP5992680B2 (en) | 2011-12-15 | 2011-12-15 | Tracking prevention tool |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011275082A JP5992680B2 (en) | 2011-12-15 | 2011-12-15 | Tracking prevention tool |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015207110A Division JP2016021416A (en) | 2015-10-21 | 2015-10-21 | Tracking prevention tool |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013126341A JP2013126341A (en) | 2013-06-24 |
JP5992680B2 true JP5992680B2 (en) | 2016-09-14 |
Family
ID=48777286
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011275082A Active JP5992680B2 (en) | 2011-12-15 | 2011-12-15 | Tracking prevention tool |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5992680B2 (en) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN113659484B (en) * | 2021-08-23 | 2023-02-21 | 国网河南省电力公司伊川县供电公司 | Adjustable heat insulation type insulator insulation shielding cover for electric power and using method thereof |
Family Cites Families (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58223276A (en) * | 1982-06-21 | 1983-12-24 | 住友電気工業株式会社 | Method of connecting control signal cable to plug |
GB8524238D0 (en) * | 1985-10-02 | 1985-11-06 | Raychem Gmbh | High voltage insulating material |
JPH0917548A (en) * | 1995-06-30 | 1997-01-17 | Toshiba Corp | Arrester |
JPH0951627A (en) * | 1995-08-07 | 1997-02-18 | Yonezawa Densen Kk | Member and method for preventing tracking of wire |
JP3453017B2 (en) * | 1995-12-19 | 2003-10-06 | 日本碍子株式会社 | Polymer insulator |
JPH09284977A (en) * | 1996-04-10 | 1997-10-31 | Furukawa Electric Co Ltd:The | Enclosure for power cable connecting part |
JP3910660B2 (en) * | 1996-05-24 | 2007-04-25 | 古河電気工業株式会社 | High-voltage equipment parts for transmission lines |
JPH10233247A (en) * | 1997-02-17 | 1998-09-02 | Seiwa Electric Mfg Co Ltd | Cable connection tool |
JP4114994B2 (en) * | 1998-04-09 | 2008-07-09 | 古河電気工業株式会社 | Insulator with deep groove |
JP2000037027A (en) * | 1998-07-16 | 2000-02-02 | Fujikura Ltd | Terminal main part for power cable terminal insulating |
JP2001190792A (en) * | 2000-01-12 | 2001-07-17 | Sophia Co Ltd | Game machine |
JP2009207220A (en) * | 2008-02-26 | 2009-09-10 | Chugoku Electric Power Co Inc:The | Cable-mounting fixture |
-
2011
- 2011-12-15 JP JP2011275082A patent/JP5992680B2/en active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013126341A (en) | 2013-06-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
CA2799594C (en) | A high voltage direct current cable termination apparatus | |
US20130081851A1 (en) | High Voltage Direct Current Cable Termination Apparatus | |
KR102386729B1 (en) | Installation method of pulling eye for submarine cable and Submarine cable having the pulling eye | |
KR20150106639A (en) | Termination connection box | |
JP2006296190A (en) | Synthetic material end unit of dc electric cable | |
JP6593051B2 (en) | Polymer connection for power cables | |
KR20130060931A (en) | Dual insulated cable | |
KR20150099373A (en) | Termination connection box for DC cable | |
JP5992680B2 (en) | Tracking prevention tool | |
EP2682952B1 (en) | Electrical cable | |
JP5606252B2 (en) | Polymer sleeve | |
JP2016021416A (en) | Tracking prevention tool | |
JP2005353329A (en) | Insulating insulator cover | |
KR200482717Y1 (en) | Lightning Arrester with Eco-Friendly Lead Wire | |
JP6644013B2 (en) | High voltage distribution insulator | |
JP5825874B2 (en) | Termination part of power cable and assembling method of termination part | |
KR20150117355A (en) | Termination connection part for power cable | |
KR102096111B1 (en) | Premolded joint for DC cable | |
JP4495514B2 (en) | Cable termination | |
JP6854163B2 (en) | Insulation cover connection structure | |
KR20150037361A (en) | Insulator integrated lightning arrester | |
KR20180048943A (en) | Process for the manufacture of power transmission cables and power transmission cables | |
KR20150139653A (en) | High voltage direct current type tower | |
KR20160091029A (en) | Termination connection box | |
JP2002135962A (en) | Taped cable splice and its overloaded use |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20140404 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20141226 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150602 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20150729 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20150825 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20151021 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20151208 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160208 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20160517 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160622 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20160707 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160726 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160818 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5992680 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |