JP5989175B1 - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技興趣の低下が抑制されうる遊技機を提供する。【解決手段】このパチンコ機1では、上液晶表示装置3610および下液晶表示装置3620を有する液晶表示装置と、この液晶表示装置の後方に配設される可動装飾部3710とを有して構成されている。上液晶表示装置3610および下液晶表示装置3620は互いに離れるように上下方向に移動可能であり、この移動により出来た空間を通じて表示装置後方から表示装置前方に可動装飾部3710が出現する。これにより、可動装飾部3710の大きな動きを実現するようにしている。【選択図】図84

Description

本発明は、ぱちんこ遊技機(一般的に「パチンコ機」とも称する)や回胴式遊技機(一般的に「スロットマシン」とも称する)等の遊技機に関するものである。
従来、例えば特許文献1に見られるように、当りに当選したとき、多量の賞が獲得可能とされる特別遊技が行われる遊技機が知られている。
すなわち、この特許文献1に記載の遊技機では、まず、始動口への遊技球の入賞があるか否かを判断する。そして、この始動口への遊技球の入賞があったときは、当りの当落などが判定される判定処理を行う。またこの際、特別図柄を所定の変動時間だけ変動表示させる。そして、所定の変動時間が経過したとき、当りに当選したことが示される表示態様にて上記特別図柄を停止表示させるとともに、大入賞口の開閉部材を動作させることで、遊技者に対して多くの賞が獲得可能とされる特別遊技を提供する。
また、特許文献1に記載の遊技機では、当りの当落にかかる判定の結果に基づいて演出用役物の動作を演出に用いることがなされる。このような演出を通じて、特別遊技が行われるまでの演出性の向上を図るようにしている。
特開2010−187791号公報
ただし近年、演出用役物の動作を用いた演出は、どれも似たような演出として実現される傾向にあり、こうした演出の陳腐化によって遊技興趣が低下することが懸念される。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、遊技興趣の低下が抑制されうる遊技機を提供することを目的とする。
手段1:遊技の進行に基づいて判定を行う判定手段と、
前記判定手段による判定の結果に応じた表示が行われる表示手段と、
特定の装飾を有しており、移動可能に設けられる特定装飾物と
を備え、
前記表示手段は、
第1の表示領域及び第2の表示領域を有し、それら2つの表示領域に跨るかたちで特定の演出画像が表示されている状態で前記第1の表示領域及び前記第2の表示領域の互いの位置関係が変化するようにそれら表示領域の少なくとも一方が移動可能とされるものであり、
前記特定装飾物は、
前記特定の演出画像が表示され得ない特定箇所を挟んで前記第1の表示領域及び前記第2の表示領域に跨るかたちで前記特定の演出画像が表示されているときに正面視でそれら表示領域の間にある前記特定箇所と重なるように位置しうるものであり、
さらに、
前記特定装飾物は、
正面視で前記第1の表示領域及び前記第2の表示領域の間にある前記特定箇所と重なるように位置する場合、前記特定の演出画像が表示され得ない当該特定箇所を含めて、前記第1の表示領域と前記第2の表示領域との両方に対してそれら表示領域よりも前側で正面視で跨るかたちで位置するようになっており、且つ前記特定箇所を挟んで前記第1の表示領域と前記第2の表示領域とに跨るかたちで表示されている前記特定の演出画像よりも前側となる当該位置で発光可能とされる
ことを特徴とする遊技機。
この発明によれば、遊技興趣の低下が抑制されうる。
本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。 パチンコ機の右側面図である。 パチンコ機の平面図である。 パチンコ機の背面図である。 パチンコ機を前から見た斜視図である。 パチンコ機を後ろから見た斜視図である。 本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。 パチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図である。 パチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。 パチンコ機における外枠の正面図である。 外枠の右側面図である。 外枠を前から見た斜視図である。 外枠を後ろから見た斜視図である。 外枠を分解して前から見た分解斜視図である。 (a)は外枠における外枠側上ヒンジ部材の部位を左枠部材を省略して下側から見た斜視図であり、(b)は(a)を分解して示す分解斜視図である。 (a)は外枠の外枠側上ヒンジ部材に対して本体枠の本体枠側上ヒンジ部材が取外されている状態を拡大して示す斜視図であり、(b)は外側上ヒンジ部材に本体側上ヒンジ部材が取付けられている状態を拡大して示す斜視図である。 外枠におけるロック部材の作用を示す説明図である。 (a)は図1におけるA−A断面図であり、(b)は(a)において外枠に対して扉枠と共に本体枠を開いた状態を示す断面図である。 パチンコ機における扉枠の正面図である。 扉枠の背面図である。 扉枠を右前から見た斜視図である。 扉枠を左前から見た斜視図である。 扉枠を後ろから見た斜視図である。 扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 扉枠の皿ユニットを前から見た斜視図である。 皿ユニットを後ろから見た斜視図である。 皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は皿ユニットの演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。 演出操作ユニットを主な部材毎に分解して上から見た斜視図である。 演出操作ユニットを主な部材毎に分解して下から見た分解斜視図である。 演出操作ユニットの取付ベースユニットを分解して上から見た分解斜視図である。 取付ベースユニットを分解して下から見た分解斜視図である。 演出操作ユニットのタッチユニットを分解して上から見た分解斜視図である。 タッチユニットを分解して下から見た分解斜視図である。 演出操作ユニットのボタンユニットを分解して上から見た分解斜視図である。 ボタンユニットを分解して下から見た分解斜視図である。 皿ユニットの平面図である。 図39におけるB−B断面において演出操作ユニットの部位を拡大して示す断面図である。 図39におけるC−C断面において演出操作ユニットの部位を拡大して示す断面図である。 (a)は皿ユニットの扉右下演出ユニットの正面図であり、(b)は扉右下演出ユニットの右側面図である。 (a)は扉右下演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉右下演出ユニットを後ろから見た斜視図である。 図42(b)の扉右下演出ユニットにおけるD−D断面図である。 扉右下演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 扉右下演出ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 扉右下演出ユニットの回転体内部ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 回転体内部ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は扉右下演出ユニットの扉右下回転体が前を向いた状態の正面図であり、(b)は扉右下回転体が後ろを向いた状態の正面図である。 (a)は皿ユニットの上皿球抜きユニットを皿ユニットベースに取付けた状態で前から見た斜視図であり、(b)は上皿球抜きユニットを皿ユニットベースに取付けた状態で後ろから見た斜視図である。 上皿球抜きユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 上皿球抜きユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は皿ユニットの下皿球抜きユニットを前から見た斜視図であり、(b)は下皿球抜きユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は扉枠のファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)はファールカバーユニットを蓋部材を外して前から見た分解斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを蓋部材を外して後ろから見た分解斜視図である。 蓋部材を外した状態のファールカバーユニットの正面図である。 本体枠を前から見た斜視図である。 本体枠を後ろから見た斜視図である。 本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。 本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 払出ユニットを前から見た斜視図である。 払出ユニットを後ろから見た斜視図である。 払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図である。 払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は払出ユニットの球誘導ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球誘導ユニットを後ろから見た斜視図である。 球誘導ユニットの分解斜視図である。 (a)は払出ユニットの払出装置を前から見た斜視図であり、(b)は払出装置を後ろから見た斜視図である。 払出装置を分解して前から見た分解斜視図である。 払出装置を分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は払出装置の正面図であり、(b)は(a)におけるE−E線で切断した断面図である。 (a)は払出装置において球抜き可動片により球抜き通路を閉鎖した状態を示す説明図であり、(b)は球抜き可動片により球抜き通路を開放した状態を示す説明図である。 払出装置における払出羽根の部位を拡大して示す説明図である。 (a)は払出ユニットにおける上部満タン球経路ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は上部満タン球経路ユニットを後ろから見た斜視図である。 (a)は上部満タン球経路ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は上部満タン球経路ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は払出ユニットにおける下部満タン球経路ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は下部満タン球経路ユニットを後ろから見た斜視図である。 下部満タン球経路ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。 下部満タン球経路ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。 (a)は下部満タン球経路ユニットにおいて誘導路開閉扉が閉じている状態を示す説明図であり、(b)は誘導路開閉扉が開いている状態を示す説明図である。 扉枠のファールカバーユニットと下部満タン球経路ユニットとの関係を示す説明図である。 払出ユニットにおける遊技球の流れを示す説明図である。 遊技盤の右斜視図である。 遊技盤の左斜視図である。 遊技盤の背面図(斜視図)である。 遊技盤の正面図及び断面図である。 遊技盤の分解斜視図である。 遊技盤の分解斜視図である。 遊技パネルの分解斜視図である。 パネル板正面図、断面図、裏面図 センター役物の正面図、断面図及び裏面図である。 遊技パネル正面図、案内出口付近拡大図、案内出口付近断面図である。 裏ユニットの正面図である。 裏ユニットの分解斜視図である。 裏ユニットの分解斜視図である。 裏飾りユニットの分解斜視図である。 ワープ通路の拡大斜視図である。 前側役物ユニットの分解斜視図である。 後側役物ユニットの分解斜視図である。 後側役物ユニットの分解斜視図である。 正面図・背面図である。 裏箱+右側流路斜視図 右側流路透過図 液晶駆動ユニットの分解斜視図である。 上液晶表示装置が移動していない状態の液晶駆動ユニットの正面図及び断面図である。 上液晶表示装置が移動していない状態の液晶駆動ユニットの斜視図である。 上液晶表示装置移動後の液晶駆動ユニットの正面図及び断面図である。 上液晶表示装置移動後の液晶駆動ユニットの斜視図である。 上液晶表示装置が移動していない状態の液晶保持部材の正面図及び断面図である。 上液晶表示装置が移動していない状態の液晶保持部材の斜視図である。 上液晶表示装置移動後の液晶保持部材の正面図及び断面図である。 上液晶表示装置移動後の液晶保持部材の斜視図である。 液晶装飾部材の回転演出の一例を示す図である。 胴体駆動部の正面図及び背面図を示す図である。 胴体駆動部の斜視図を示す図である。 胴体駆動部が視認可能になった状態の裏ユニットの正面図である。 胴体駆動部の背面に取り付けられた隠し板を説明する図である。 胴体駆動部の可動装飾部の初期状態を説明する図である。 胴体駆動部の可動装飾部が前進した状態を説明する図である。 胴体駆動部の可動装飾部が分離した状態を説明する図である。 胴体駆動部の可動装飾部が変形(合体)した状態を説明する図である。 演出開始前の遊技盤の正面図・斜視図である。 液晶が開いた状態の遊技盤の正面図・斜視図である。 図121の状態における胴体駆動部の平面図・斜視図・正面図・側面図である。 胴体が前進した状態の遊技盤の正面図・斜視図である。 図123の状態における胴体駆動部の平面図・斜視図・正面図・側面図である。 胴体のパーツが分離した状態の遊技盤の正面図・斜視図である。 図125の状態における胴体駆動部の平面図・斜視図・正面図・側面図である。 胴体が完成した状態遊技盤の正面図・斜視図である。 図127の状態における胴体駆動部の平面図・斜視図・正面図・側面図である。 合体が完成した状態遊技盤の正面図・斜視図である。 主制御基板ブロック図の一例を示す図である。 周辺制御基板ブロック図の一例を示す図である。 主制御側電源投入処理の手順の一例を示すフローチャートである。 主制御側タイマ割込み処理の手順の一例を示すフローチャートである。 特別図柄・特別電動役物制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。 特別図柄変動待ち処理の手順の一例を示すフローチャートである。 特別図柄変動パターン選択処理の手順の一例を示すフローチャートである。 変動パターン選択判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部電源投入時処理の手順の一例を示すフローチャートである。 周辺制御部1msタイマ割り込み処理の手順の一例を示すフローチャートである。
[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1乃至図9を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2はパチンコ機の右側面図であり、図3はパチンコ機の平面図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5はパチンコ機を前から見た斜視図であり、図6はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。図7は本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。図8はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図9はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
パチンコ機1の外枠2は、図8及び図9等に示すように、上下に離間しており左右に延びている上枠部材10及び下枠部材20と、上枠部材10及び下枠部材20の両端同士を連結しており上下に延びている左枠部材30及び右枠部材40と、を備えている。上枠部材10、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40は、前後の幅が同じ幅に形成されている。また、上枠部材10及び下枠部材20の左右の長さに対して、左枠部材30及び右枠部材40の上下の長さが、長く形成されている。
また、外枠2は、左枠部材30及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材30とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3が開閉可能に取付けられている。
パチンコ機1の扉枠3は、正面視の外形が四角形で前後に貫通している貫通口111を有した枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられ遊技球を貯留可能な上皿201及び下皿202を有した皿ユニット200と、扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるトップユニット350と、扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられる左サイドユニット400と、扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられる右サイドユニット450と、扉枠ベースユニット100の前面右下部に皿ユニット200を貫通して取付けられ上皿201に貯留された遊技球を遊技盤5の遊技領域内へ打込むために遊技者が操作可能なハンドルユニット500と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられ遊技領域内へ打ち損じた遊技球を受けて皿ユニット200の下皿202へ排出するファールカバーユニット520と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられ上皿201の遊技球を球発射装置680へ送るための球送りユニット540と、扉枠ベースユニット100の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット560と、ガラスユニット560の後面下部を覆う防犯カバー580と、を備えている。
パチンコ機1の本体枠4は、一部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側の上下両端に取付けられ外枠2の外枠側上ヒンジ部材60及び外枠側下ヒンジ部材70に夫々回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150が夫々回転可能に取付けられる本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640と、本体枠ベース600の正面視左側面に取付けられる補強フレーム660と、本体枠ベース600の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置680と、本体枠ベースの正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット700と、本体枠ベース600の正面視上辺及び左辺に沿って後側に取付けられており遊技者側へ遊技球を払出す逆L字状の払出ユニット800と、本体枠ベース600の後面下部に取付けられている基板ユニット900と、本体枠ベース600の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース600に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー980と、を備えている。
本体枠4の払出ユニット800は、本体枠ベース600の後側に取付けられる逆L字状の払出ユニットベース801と、払出ユニットベース801の上部に取付けられており上方へ開放された左右に延びた箱状で図示しない島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク802と、球タンク802の下側で払出ユニットベース801に取付けられており球タンク802内の遊技球を正面視左方向へ誘導する左右に延びたタンクレール803と、払出ユニットベース801における正面視左側上部の後面に取付けられタンクレール803からの遊技球を蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット820と、球誘導ユニット820の下側で払出ユニットベース801から着脱可能に取付けられており球誘導ユニット820により誘導された遊技球を払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板951(図142を参照)からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置830と、払出ユニットベース801の後面に取付けられ払出装置830によって払出された遊技球を下方へ誘導すると共に皿ユニット200における上皿201での遊技球の貯留状態に応じて遊技球を通常放出口又は満タン放出口の何れかから放出させる上部満タン球経路ユニット850と、払出ユニットベース801の下端に取付けられ上部満タン球経路ユニット850の通常放出口から放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路526へ誘導する通常誘導路及び満タン放出口から放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口530へ誘導する満タン誘導路を有した下部満タン球経路ユニット860と、を備えている。
本体枠4の基板ユニット900は、本体枠ベース600の後側に取付けられる基板ユニットベース910と、基板ユニットベース910の正面視左側で本体枠ベース600の後側に取付けられ内部に低音用のスピーカ921を有したスピーカユニット920と、基板ユニットベース910の後側で正面視右側に取付けられ内部に電源基板が収容されている電源基板ボックス930と、スピーカユニット920の後側に取付けられており内部にインターフェイス制御基板が収容されているインターフェイス制御基板ボックス940と、電源基板ボックス930及びインターフェイス制御基板ボックス940に跨って取付けられており内部に遊技球の払出しを制御する払出制御基板951が収容された払出制御基板ボックス950と、を備えている。
パチンコ機1の遊技盤5は、図8及び図9等に示すように、遊技球が打込まれる遊技領域5aの外周を区画し球発射装置680から発射された遊技球を遊技領域5aの上部に案内する外レール1001及び内レール1002を有したパネル飾り1000と、パネル飾り1000の後側に取付けられると共に遊技領域5aの後端を区画する平板状の遊技パネル2000と、遊技パネル2000の後側の下部に取付けられており上方に開放された箱状の基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後側に取付けられておりパチンコ機1の遊技を制御するための主制御基板4100を有している主制御ユニット1300と、遊技パネル2000の前側で遊技領域5a内に取付けられ遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能な複数の入賞口を有した表ユニット (図示は省略)と、基板ホルダ1200の上側で遊技パネル2000の後側に取付けられている裏ユニット3000と、を備えている。
本実施形態のパチンコ機1は、上皿201に遊技球を貯留した状態で、遊技者がハンドルレバー504を回転操作すると、球発射装置680によってハンドルレバー504の回転角度に応じた強さで遊技球が遊技盤5の遊技領域5a内へ打込まれる。そして、遊技領域5a内に打込まれた遊技球が、図示しない入賞口に受入れられると、受入れられた入賞口に応じて、所定数の遊技球が払出装置830によって上皿201に払出される。この遊技球の払出しによって遊技者の興趣を高めることができるため、上皿201内の遊技球を遊技領域5a内へ打込ませることができ、遊技者に遊技を楽しませることができる。
[2.外枠の全体構成]
パチンコ機1の外枠2について、図10乃至図15を参照して説明する。図10はパチンコ機における外枠の正面図であり、図11は外枠の右側面図である。また、図12は外枠を前から見た斜視図であり、図13は外枠を後ろから見た斜視図である。図14は、外枠を分解して前から見た分解斜視図である。図15は(a)は外枠における外枠側上ヒンジ部材の部位を左枠部材を省略して下側から見た斜視図であり、(b)は(a)を分解して示す分解斜視図である。外枠2は、遊技ホール等のパチンコ機1が設置される島設備(図示は省略)に取付けられるものである。
外枠2は、図示するように、上下に離間しており左右に延びている上枠部材10及び下枠部材20と、上枠部材10及び下枠部材20の両端同士を連結しており上下に延びている左枠部材30及び右枠部材40と、を備えている。上枠部材10、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40は、前後の幅が同じ幅に形成されている。また、上枠部材10及び下枠部材20の左右の長さに対して、左枠部材30及び右枠部材40の上下の長さが、長く形成されている。また、外枠2は、上枠部材10及び下枠部材20の左右両端面と、左枠部材30及び右枠部材40の左右方向の外側を向いた側面とが、同一面となるように組立てられている。
また、外枠2は、上枠部材10の正面視左端部側に取付けられている外枠側上ヒンジ部材60と、外枠側上ヒンジ部材60の下面に取付けられているロック部材66と、幕板部材50の正面視左端側上部と左枠部材30とに取付けられている外枠側下ヒンジ部材70と、を備えている。外枠2の外枠側上ヒンジ部材60と外枠側下ヒンジ部材70とによって、本体枠4及び扉枠3を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2は、左枠部材30及び右枠部材40の下端同士を連結し下枠部材20の前側に取付けられる幕板部材50と、幕板部材50の後側に取付けられていると共に両端が左枠部材30及び右枠部材40に夫々取付けられる幕板補強部材80と、幕板部材50の上面における左右中央から左寄りの位置に取付けられている平板状の左滑り部材81と、幕板部材50の上面における右端付近の位置に取付けられている平板状の右滑り部材82と、を備えている。幕板補強部材80は、中実の部材(例えば、木材、合板、等)によって形成されており、下枠部材20、左枠部材30、及び右枠部材40に、取付けられている。
更に、外枠2は、上枠部材10と左枠部材30、上枠部材10と右枠部材40、下枠部材20と左枠部材30、及び下枠部材20と右枠部材40を、夫々連結している連結部材85を備えている。また、外枠2は、右枠部材40の内側(左側面側)に取付けられており後述する施錠ユニット700の外枠用鉤703が係止される上鉤掛部材90及び下鉤掛部材91を、備えている。
[2−1.上枠部材]
外枠2の上枠部材10は、所定厚さの無垢(中実)の材料(例えば、木材、合板、等)によって形成されている。この上枠部材10は、左右両端における前後方向の中央に、上下に貫通しており左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部11を備えている。この係合切欠部11内には、連結部材85の後述する左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの上横固定部87が取付けられる。また、上枠部材10は、正面視左側端部の上面と前面に、一般面よりも窪んだ取付段部12を備えている。この取付段部12には、外枠側上ヒンジ部材60が取付けられる。
[2−2.下枠部材]
外枠2の下枠部材20は、所定厚さの無垢(中実)の材料(例えば、木材、合板、等)によって形成されている。この下枠部材20は、左右の長さ及び上下の厚さが、上枠部材10の左右の長さ及び上下の厚さと同じ寸法に形成されていると共に、前後の幅が、上枠部材10の前後の幅よりも長く形成されている。下枠部材20は、左右両端における前後方向の中央よりも後側寄りの位置に、上下に貫通しており左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部21を備えている。この係合切欠部21内には、連結部材85の後述する左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの下横固定部88が取付けられる。
また、下枠部材20は、左右両端の前面から後方へ窪んだ前端切欠部22を備えている。下枠部材20において、前端切欠部22の後端から下枠部材20の後面までの前後方向の幅が、上枠部材10の前後方向の幅と同じ寸法に形成されている。この下枠部材20は、外枠2に組立てた状態で、左右の前端切欠部22同士の間の部位が、幕板部材50内に挿入される。
[2−3.左枠部材及び右枠部材]
外枠2の左枠部材30及び右枠部材40は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金等の金属の押出形材によって形成されている。左枠部材20及び右枠部材40は、平面視において互いに対称の形状に形成されている。左枠部材30及び右枠部材40は、外枠2として組立てた時に、左右方向の外側となる側面において、前後方向中央に対して後寄りの位置から後端付近までの間に、内側へ窪んだ凹部31,41と、凹部31,41の反対側の側面から膨出しており内部が空洞に形成されている突出部32,42と、を備えている。この左枠部材30及び右枠部材40は、突出部32,42によって、強度・剛性が高められている。また、突出部32,42内には、連結部材85の後述する左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの後側の下横固定部88が挿入されて取付けられる。
また、左枠部材30及び右枠部材40は、表面に上下に延びた複数の溝が形成されている。この複数の溝によって、パチンコ機1を遊技ホール等の島設備に設置したり運搬したりする等の際に、作業者の指掛りとなってパチンコ機1を持ち易くすることができると共に、パチンコ機1の外観の意匠性を高めることとができる。
[2−4.幕板部材]
外枠2の幕板部材50は、後側が開放された箱状に形成されている。幕板部材50は、上面における正面視左端付近に後方へ平板状に延出している後方延出部51と、後方延出部51の左端から遊技球が通過可能な大きさでU字状に切欠かれており上下に貫通している左排出孔52と、後方延出部51における左排出孔52の右側において遊技球が通過可能な大きさで上下に貫通している右排出孔53と、後方延出部51の後端を含む幕板部材50の上面の後端から上方へ平板状に延出している立壁部54と、立壁部54の上端付近から前方へ膨出しており前面が上方へ向かうに従って後方へ向かうように傾斜している返し部55と、を備えている。
幕板部材50は、後方延出部51の前側の上面と、後方延出部51の上面とに、外枠側下ヒンジ部材70が載置されるように、外枠側下ヒンジ部材70の後述する水平部71が取付けられる。また、幕板部材50の左排出孔52は、外枠2に組立てた状態で外枠側下ヒンジ部材60の後述する排出孔74と一致する位置に形成されている。また、右排出孔53は、外枠に組立てた状態で外枠側下ヒンジ部材60よりも右側となる位置に形成されている。右排出孔53は、左排出孔52よりも大きく形成されている(図18等を参照)。
また、幕板部材50は、後方延出部51よりも右側の上面が、前端側が低くなるように傾斜している。また、幕板部材50は、上面における後方延出部51よりも右側の部位に左滑り部材81を取付けるための左取付部56と、上面における右端付近に右滑り部材82を取付けるための右取付部57と、を備えている。幕板部材50は、上面に、左滑り部材81及び右滑り部材82を介して本体枠4の下面が載置される。
この幕板部材50は、図示するように、前面に浅いレリーフ状の装飾が形成されている。また、幕板部材50は、図示は省略するが、箱状の内部が複数のリブによって格子状に仕切られており、強度・剛性が高められている。また、幕板部材50は、幕板補強部材80の前側半分を、内部に収容可能に形成されている。
[2−5.外枠側上ヒンジ部材]
外枠2の外枠側上ヒンジ部材60は、図示するように、水平に延びた平板状で外形が四角形の上固定部61と、上固定部61の前端から前方へ延出している平板状の前方延出部62と、前方延出部62の右端から前方へ向かうに従って前方延出部62の左右中央へ延びており上下に貫通している軸受溝63と、上固定部61の平面視左辺から下方へ延びている平板状の横固定部64と、前方延出部62の左端から前端を周って軸受溝63が開口している部位までの端辺から下方へ延びており横固定部64と連続している平板状の垂下部65と、を備えている(図15(b)等を参照)。
外枠側上ヒンジ部材60は、外枠2が組立てられた状態で、上固定部61が、上枠部材10の取付段部12の上面に載置されており、図示しないビスによって固定されている。また、前方延出部62は、上枠部材10の前端よりも前方へ延出している。また、横固定部64は、左枠部材30の外側側面の凹部31内に上側から挿入された状態で、ビスによって左枠部材30に固定されている。
この外枠側上ヒンジ部材60は、軸受溝63内に本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を挿入させることで、外枠側下ヒンジ部材70と協働して本体枠4を開閉可能に支持することができる。この外枠側上ヒンジ部材60は、金属板をプレス成型により屈曲させて形成されている。
[2−6.ロック部材]
外枠2のロック部材66は、図15に示すように、左右が所定幅で前後に延びている帯板状のロック本体66aと、ロック本体66aの後端から右方へ突出している操作部66bと、ロック本体66aの後端から左方へ延びた後に斜め左前方へ延びている弾性変形可能な棒状の弾性部66cと、ロック本体66aの後端付近で上下に貫通している取付孔66dと、を備えている。このロック部材66は、合成樹脂によって形成されている。ロック部材66は、取付ビス67によって、外枠側上ヒンジ部材60における前方延出部62の下面に回動可能に取付けられる。
このロック部材66は、取付孔66dを通して、ロック本体66aの後端が、外枠側上ヒンジ部材60の前方延出部62における軸受溝63よりも後側の位置に取付けられる。また、ロック部材66を外枠側上ヒンジ部材60に取付けた状態では、ロック本体66aが、平面視で軸受溝63を遮ることができると共に、前端付近の右側面が、外枠側上ヒンジ部材60の垂下部65における軸受溝63の開口まで延びている部位と当接可能となるように前方へ延びている(図17を参照)。
また、ロック本体66aの後端から左方へ延びている弾性部66cの先端は、外枠側上ヒンジ部材60における垂下部65の内周面に当接している。このロック部材66は、弾性部66cの付勢力によって取付孔66dを中心に、前端が左方へ回動する方向に付勢されている。従って、通常の状態では、ロック部材66のロック本体66aの前端付近の右側面が、垂下部65に当接している(図17を参照)。この状態では、軸受溝63におけるロック本体66aよりも前側の部位に、本体枠側上ヒンジ部材620の後述する本体枠上ヒンジピン622を収容可能な空間が形成される。
このロック部材66は、操作部66bを操作することで、弾性部66cの付勢力に抗してロック本体66aを回動させることができる。そして、操作部66bの操作によって、ロック本体66aを、その前端が左方へ移動する方向へ回動させることで、平面視において軸受溝63からロック本体66aを後退させることができ、軸受溝63が全通している状態とすることができる。これにより、軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入したり、軸受溝63内から本体枠上ヒンジピン622を外したりすることができる。
[2−7.外枠側下ヒンジ部材]
外枠2の外枠側下ヒンジ部材70は、図示するように、水平に延びている平板状の水平部71と、水平部71の左辺において前後方向中央よりも後側の部位から上方へ立上がっている平板状の立上り部72と、水平部71の前端付近から上方へ突出している外枠下ヒンジピン73と、水平部71を上下に貫通しており遊技球が一つのみ通過可能な大きさの排出孔74と、を備えている。この外枠側下ヒンジ部材70は、金属板をプレス成型により屈曲させて形成されている。
外枠側下ヒンジ部材70の水平部71は、平面視において、左辺を底辺とした台形に形成されている。外枠下ヒンジピン73は、円柱状で、上下方向中央よりも上部が、上端が窄まった円錐台状に形成されている。この外枠下ヒンジピン73は、水平部71の前端付近における左寄りの位置に取付けられている。排出孔74は、水平部71において、立上り部72の前後方向中央の部位と接し、水平部71の左辺から右方へ逆U字状に延びるように形成されている。この排出孔74は、幕板部材50の左排出孔52と、略同じ大きさに形成されている。
外枠側下ヒンジ部材70は、外枠2が組立てられた状態では、水平部71が、幕板部材50の左端付近の上面と後方延出部51上に載置されており、水平部71が、幕板部材50の上面を貫通する図示しないビスによって幕板補強部材80に固定されている。また、外枠2が組立てられた状態では、立上り部72が、左枠部材30の内側側面における突出部32よりも前側の部位に、図示しないビスによって取付けられている。この外枠側下ヒンジ部材70は、外枠下ヒンジピン73を、本体枠4の本体枠側下ヒンジ部材640における本体枠用下ヒンジ孔(図示は省略)に挿通させることで、外枠側上ヒンジ部材60と協働して本体枠4を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2が組立てられた状態では、排出孔74が、幕板部材50の左排出孔52と一致している。これにより、水平部71上の遊技球を、排出孔74及び左排出孔52を通して、幕板部材50の後側へ落下(排出)させることができる。詳述すると、外枠2に対して本体枠4を閉じる時に、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球が、本体枠4が閉じられるのに従って、外枠2と本体枠4との間が徐々に狭くなることから、間隔が広い後方側へ転動とすることとなり、排出孔74から排出させることができる。この際に、排出孔74が、パチンコ機1に組立てた状態で、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4の後端と略同じとなる位置に形成されているため、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球を、排出孔74から排出させることで本体枠4よりも後側へ転動するのを阻止し易くすることができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位に遊技球が留まり難くすることができる。
[2−8.連結部材]
外枠2の連結部材85は、上枠部材10と左枠部材30とを連結する左上連結部材85Aと、上枠部材10と右枠部材40とを連結する右上連結部材85Bと、下枠部材20と左枠部材30とを連結する左下連結部材85Cと、下枠部材20と右枠部材40とを連結する右下連結部材85Dと、がある。
連結部材85は、水平に延びた平板状の水平固定部86と、水平固定部86の左右側辺の何れか一方から上方へ延出している平板状の上横固定部87と、水平固定部86における上横固定部87が延出している部位と同じ側から下方へ延出している平板状の下横固定部88と、を備えている。この連結部材85は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左上連結部材85A及び右上連結部材85Bでは、水平固定部86の前後方向の中央から上横固定部87が上方へ延出していると共に、上横固定部87の前後両側から下横固定部88が下方へ延出している。つまり、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bでは、下横固定部88が前後に離間して二つ備えられている。左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの水平固定部86は、上枠部材10の下面に当接した状態で上枠部材10に固定される。また、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの上横固定部87は、上枠部材10の係合切欠部11内に挿入されて、上枠部材10の左右方向の端部に固定される。また、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの前側の下横固定部88は、左枠部材30又は右枠部材40、突出部32,42よりも前側の内側側面に固定される。更に、左上連結部材85A及び右上連結部材85Bの後側の下横固定部88は、左枠部材30又は右枠部材40、突出部32,42内に挿入されて外側側面から捩じ込まれるビスにより左枠部材30又は右枠部材40に固定される。
左下連結部材85C及び右下連結部材85Dでは、上横固定部87の後端が、水平固定部86の後端よりも後方へ突出していると共に、上横固定部87の水平固定部86よりも後方へ突出している部位の下端から下横固定部88が水平固定部86よりも下方へ延出している。また、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dでは、上横固定部87の後端から水平固定部86と同じ側へ突出している屈曲部89を更に備えている。左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの水平固定部86は、下枠部材20の上面に当接した状態で固定される。また、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの上横固定部87は、左枠部材30又は右枠部材40の突出部32,42よりも前側の内側側面に固定される。更に、左下連結部材85C及び右下連結部材85Dの下横固定部88は、下枠部材20の係合切欠部21内に挿入されて下枠部材20の左右方向の端部面に固定される。
[2−9.外枠側上ヒンジ部材のロック機構]
次に、本実施形態のパチンコ機1の外枠2において、外枠側上ヒンジ部材60におけるロック部材66による本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620に対するロック機構について、図16及び図17を参照して説明する。図16は(a)は外枠の外枠側上ヒンジ部材に対して本体枠の本体枠側上ヒンジ部材が取外されている状態を拡大して示す斜視図であり、(b)は外側上ヒンジ部材に本体側上ヒンジ部材が取付けられている状態を拡大して示す斜視図である。図17は外枠におけるロック部材の作用を示す説明図である。
外枠2におけるロック部材66は、外枠側上ヒンジ部材60の前方延出部62に取付けた状態(通常の状態)では、弾性部66cの先端が垂下部65の内周面と当接しており、ロック本体66aがく字状に屈曲した軸受溝63の一部を閉塞するようになっていると共に、ロック本体66aの先端部分が、軸受溝63の最深部分を閉塞した状態とはならず、軸受溝63の最深部分に本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を挿入可能な空間が形成された状態となっている。
本実施形態における外枠側上ヒンジ部材60とロック部材66とを用いた本体枠上ヒンジピン622の支持機構は、本体枠上ヒンジピン622が軸受溝63の最深部分に挿入されてロック本体66aの前端の右側面が、右側の垂下部65と接近している状態(この状態ではロック本体66aの前端の右側面と右側の垂下部65との間に僅かな隙間があり当接した状態となっていない)である通常の軸支状態においては、屈曲している軸受溝63の最深部分に位置する本体枠上ヒンジピン622とロック本体63の前端面との夫々の中心が斜め方向にずれて対向した状態となっている。
そして、この通常の軸支状態においては、重量のある本体枠4を軸支している本体枠上ヒンジピン622が軸受溝63の前端部分に当接した状態となっているので、本体枠上ヒンジピン622からロック部材66aの前端面への負荷がほとんどかかっていない。つまり、ロック部材66の弾性部66cに対し負荷がかかっていない状態となっている。なお、ロック本体66aの前端面が円弧状に形成されているため、ロック部材66を回動させるために操作部66bを回動操作した時に、ロック部材66がスムーズに回動するようになっている。また、図示では、ロック本体66aの前端面の円弧中心が、取付孔66dの中心(ロック部材66の回転中心)とされている。
従って、本体枠上ヒンジピン622がく字状に形成された軸受溝63の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって、ロック本体66aの円弧状の前端面に当接したとき、その作用力Fを、本体枠上ヒンジピン622と円弧状の前端面との当接部分に作用する分力F1(ロック本体66aの前端面の円弧の法線方向)と、本体枠上ヒンジピン622と軸受溝63の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けたときに、分力F1の方向が取付孔66d(取付ビス67)の中心(ロック部材66の回転中心)を向くため、ロック部材66のロック本体66aの前端が、右側の垂下部65から離れる方向に回転させるモーメントが働かず、本体枠上ヒンジピン622がロック部材66のロック本体66aの前端部と軸受溝63の一側内面との間に挟持された状態が保持される。
このため、通常の軸支状態、或は、本体枠上ヒンジピン622の作用力がロック部材66にかかった状態でも、ロック部材66の弾性部66cに常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性部66cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って本体枠上ヒンジピン622の軸受溝63からの脱落を防止することができる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材66のロック本体66aの前端部が右方へ移動する方向へ回転させられても、ロック本体66aの前端右側面が垂下部65に当接してそれ以上回転しないので、ロック部材66が前方延出部62の外側にはみ出ないようになっている。
なお、ロック本体66aの前端面の形状は円弧状でなくても、上記した分力F1の作用により回転モーメントが生じない位置又はロック部材66をその前端部が前方突出部62の外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材66の回転中心(取付ビス67により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材66の弾性部66cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材66が回転してもロック本体66aの前端の右側面が垂下部65に当接するだけであるため、ロック部材66が前方延出部62の外側にはみ出ることもない。
外枠側上ヒンジ部材60の軸受溝63に、本体枠側上ヒンジ部材620の本体枠上ヒンジピン622を支持させる場合は、軸受溝63の開放されている側から軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入する。軸受溝63内に本体枠上ヒンジピン622を挿入すると、ロック部材66のロック本体66aの右側面に本体枠上ヒンジピン622が当接し、弾性部66cの付勢力に抗してロック本体66aの前端が左方へ移動するようにロック部材66が取付ビス67を中心に回動する。これにより、軸受溝63を閉鎖していたロック本体66aが後退して軸受溝63が開放され、軸受溝63の最深部(前端)へ本体枠上ヒンジピン622を移動させることができるようになる。
そして、軸受溝63の最深部に本体枠上ヒンジピン622を移動させると、本体枠上ヒンジピン622とロック部材66のロック本体66aとの当接が解除され、弾性部66cの付勢力によってロック本体66aの前端が右方へ移動するようにロック部材66が回動し、ロック部材66が通常の状態に復帰する。これにより、本体枠上ヒンジピン622が、軸受溝63内におけるロック本体66aの前端よりも前側の空間に収容された状態となり、本体枠上ヒンジピン622が、軸受溝63の最深部において回動可能な状態で保持(ロック)された状態となる。
軸受溝63内から本体枠上ヒンジピン622を取外す場合は、ロック部材66の操作部66bを操作して、ロック本体66aの前端が左方へ移動するようにロック部材66を回動させ、弾性部66cの付勢力に抗して軸受溝63からロック本体66aを後退させる。これにより、軸受溝63の最深部と開口部とが連通した状態となり、軸受溝63から本体枠上ヒンジピン622を取外すことができる。
[2−10.外枠側下ヒンジ部材の部位における防犯機構と球噛み防止機構]
本実施形態のパチンコ機1における外枠2の外枠側下ヒンジ部材70の部位における防犯機構と外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれるのを防止するための球噛み防止機構について、図18を参照して説明する。図18(a)は図1におけるA−A断面図であり、(b)は(a)において外枠に対して扉枠と共に本体枠を開いた状態を示す断面図である。
外枠2は、組立てた状態では、幕板部材50の上面における正面視左端部に外枠側下ヒンジ部材70が取付けられている。外枠側下ヒンジ部材70の水平部71は、幕板部材50の上面の左端付近と後方延出部51の上面とに載置された状態で取付けられている。この幕板部材50には、上面の後端から上方へ立上がっている立壁部54を備えている。これにより、外枠側下ヒンジ部材70と本体枠側下ヒンジ部材640との間の隙間を通して、本体枠4(パチンコ機1)の後側へピアノ線等の不正な工具を侵入させようとしても、不正な工具の先端が幕板部材50の上面の後端から上方へ延出している立壁部54に当接するため、不正な工具がこれ以上後側へ挿入されるのを阻止することができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位を介して不正行為が行われるのを防止することができる。
また、立壁部54の上端に、前方へ延出している返し部55を備えているため、立壁部54に当接した不正な工具が上方へ曲がった場合、返し部55によって不正な工具の先端を更に前方へ折返させることができるため、本体枠4の後側に不正な工具が侵入させられるのを阻止することができ、外枠側下ヒンジ部材70の部位を介して不正行為が行われるのを確実に阻止することができる。
ところで、幕板部材50の上面の後端に上方へ延出している立壁部54を備えるようにした場合、図18(b)に示すように、外枠2に対して本体枠4を開いている状態で、遊技球が外枠側下ヒンジ部材70(水平部71)上に落下した場合、水平部71上の遊技球が、立壁部54の存在によって水平部71の後端から後方へ排出されないため、外枠2と本体枠4との間に挟まれてしまう虞がある。これに対して、本実施形態では、外枠側下ヒンジ部材70の水平部71と、幕板部材50の後方延出部51とに、遊技球が通過可能な排出孔74、右排出孔52、及び左排出孔53を備えているため、外枠側下ヒンジ部材70の水平部71上の遊技球を、排出孔74等から下方へ排出することができ、外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれるのを低減させることができる。
従って、外枠2と本体枠4との間に遊技球が挟まれることで、外枠側下ヒンジ部材70の周りが破損したり、本体枠4が正常な状態で閉まらずに外枠2と本体枠4との間に隙間ができてしまい、その隙間を使って不正行為が行われてしまったりするのを防止することができる。
[3.扉枠の全体構成]
パチンコ機1の扉枠3について、図19乃至図25を参照して説明する。図19はパチンコ機における扉枠の正面図であり、図20は扉枠の背面図である。図21は扉枠を右前から見た斜視図であり、図22は扉枠を左前から見た斜視図であり、図23は扉枠を後ろから見た斜視図である。図24は扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図25は扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠3は、正面視の外形が四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられる皿ユニット200と、扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるトップユニット350と、扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられる左サイドユニット400と、扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられる右サイドユニット450と、扉枠ベースユニット100の前面右下部に皿ユニット200を貫通して取付けられるハンドルユニット500と、を備えている。
また、扉枠3は、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられるファールカバーユニット520と、扉枠ベースユニット100の後面下部に取付けられる球送りユニット540と、扉枠ベースユニット100の後面に取付けられ貫通口111を閉鎖するガラスユニット560と、ガラスユニット560の後面下部を覆う防犯カバー580と、を備えている。
扉枠3の扉枠ベースユニット100は、図24及び図25に等に示すように、外形が縦長の長方形で前後に貫通している貫通口111を有した板状の扉枠ベース110と、扉枠ベース110の前面で正面視右下隅に取付けられておりハンドルユニット500を取付けるための筒状のハンドル取付部材120と、扉枠ベース110の後側に取付けられている枠状の補強ユニット130と、補強ユニット130の正面視左端側の上下両端に取付けられており前方へ突出して本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640に回転可能に取付けられる扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150と、扉枠ベース110の後側に回動可能に取付けられておりガラスユニット560を着脱可能に取付けるためのガラスユニット取付部材160と、を備えている。
扉枠3の皿ユニット200は、詳細は後述するが、上下に列設されており前方へ膨出しており遊技球を貯留可能な上皿201及び下皿202と、上皿201及び下皿202が取付けられていると共に扉枠ベースユニット100の前面に取付けられる板状の皿ユニットベース210と、上皿201の前側で皿ユニットベース210に取付けられ画像を表示可能な上皿液晶表示装置244、遊技者が操作可能なタッチパネル246及び上皿演出ボタン257を有している演出操作ユニット220と、上皿201及び下皿202を前側から覆う皿ユニットカバー260と、正面視上皿201の右側に配置されており遊技状態に応じて回転する扉右下回転体270Aを有している扉右下演出ユニット270と、扉右下演出ユニット270を前側から覆う透明な演出ユニットカバー300と、上皿201に貯留されている遊技球を下皿202へ抜くための上皿球抜きユニット310と、下皿202に貯留されている遊技球を下方へ抜くための下皿球抜きユニット320と、遊技ホールの島設備においてパチンコ機1と隣接して配置される球貸機(図示は省略する。CRユニットとも称す)を操作するための球貸操作ユニット330と、皿ユニットベース210の上部に取付けられており発光装飾可能な上皿トップ装飾部材340と、を主に備えている。
扉枠3のトップユニット350は、図24及び図25等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面において上辺に沿って取付けられる一部が透光性を有したユニットベース360と、ユニットベース360の前面で左右の中央に取付けられており前方へ膨出している透光性を有したトップ装飾部材370と、トップ装飾部材370内に取付けられており高音域のサウンドを出力するトップスピーカ(図示は省略)と、ユニットベース360の後側に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられている扉枠上装飾基板380と、を備えている。
扉枠3の左サイドユニット400は、図24及び図25等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面で貫通口111の左側外周縁に沿って取付けられる平板状のユニットベース410と、ユニットベース410の前面に取付けられており上端がトップユニット350のトップ装飾部材370の左端まで延びている透光性を有した左サイド装飾部材420と、左サイド装飾部材420の前側で正面視扉枠3の左上隅となる位置に取付けられており左スピーカ(図示は省略)を有した左スピーカユニット430と、ユニットベース410の後側に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられた扉枠左装飾基板440と、を備えている。
扉枠3の右サイドユニット450は、図24及び図25等に示すように、扉枠ベースユニット100の前面で貫通口111の右側外周縁に沿って取付けられる平板状のユニットベース460と、ユニットベース460の前側に取付けられており上端がトップユニット350のトップ装飾部材370の右端まで延びている透光性を有した右サイド装飾部材470と、右サイド装飾部材470の前面で正面視扉枠3の右上隅となる位置に取付けられており右スピーカ(図示は省略)を有した右スピーカユニット480と、ユニットベース460と右サイド装飾部材470との間に取付けられており前面に複数のLEDが取付けられた扉枠右装飾基板(図示は省略)と、を備えている。
扉枠3のハンドルユニット500は、図24及び図25等に示すように、扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材120に取付けられるハンドル本体502と、ハンドル本体502に回動可能に取付けられており遊技者が回動操作可能なハンドルレバー504と、ハンドルレバー504の前側からハンドル本体502に取付けられておりハンドル本体502と協働してハンドルレバー504を回動可能に支持しているハンドルカバー506と、を備えている。また、ハンドルユニット500は、図示は省略するが、ハンドル本体502内に取付けられておりハンドルレバー504の回転角度を検知するハンドル操作センサ507(図142を参照)と、ハンドル本体502に取付けられており遊技者が操作可能なストップボタンと、ハンドル本体502内に取付けられており遊技者とハンドルレバー504との接触を検知する接触検知センサ509(図142を参照)と、を備えている。
扉枠3のファールカバーユニット520は、図24、図25、及び図54乃至図56等に示すように、扉枠ベースユニット100の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体522と、ユニット本体522の前面に取付けられている平板状の蓋部材524と、を主に備えている。ファールカバーユニット520は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路と皿ユニット200の上皿球供給口210aとを連通させる貫通球通路526と、貫通球通路526の正面視右側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路と連通可能な満タン球受口528と、満タン球受口528の正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置680により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を受けるファール球受口530と、正面視右下隅で前方へ向かって開口しており満タン球受口528及びファール球受口530に受入れられた遊技球を放出すると共に皿ユニット200の下皿球供給口210cと連通する球放出口532と、を備えている。
扉枠3の球送りユニット540は、図24及び図25等に示すように、左右に延びており後側が開放された箱状のユニット本体542と、ユニット本体542の後側に取付けられており前側が開放された箱状でファールカバーユニット520の正面視右側で扉枠ベースユニット100の後側に着脱可能に取付けられるユニットカバー544と、前方へ向かって開口しており皿ユニット200の上皿201に貯留されている遊技球が進入する球進入口546と、球進入口546に進入した遊技球を放出可能とされており後方へ向かって開口している球放出口548と、球進入口546に進入した遊技球を排出可能とされており球進入口546の下側で前方へ向かって開口している球排出口550と、を備えている。また、球送りユニット540は、図示は省略するが、球進入口546から進入した遊技球を一つずつ球放出口548から放出させるための球送りソレノイド551(図142を参照)と、球進入口546から進入した遊技球を球放出口548側又は球排出口550側の何れかに切換える切換機構と、を備えている。
扉枠3のガラスユニット560は、図24及び図25等に示すように、扉枠ベースユニット100の貫通口111よりも大きい枠状のユニット枠562と、ユニット枠562の前後両側に取付けられておりユニット枠562の枠内を閉鎖する一対のガラス板564と、を備えている。
[3−1.皿ユニットの全体構成]
扉枠3の皿ユニット200について、図26乃至図41を参照して詳細に説明する。図26は扉枠の皿ユニットを前から見た斜視図であり、図27は皿ユニットを後ろから見た斜視図である。図28は皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図29は皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図30(a)は皿ユニットの演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図31は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して上から見た斜視図であり、図32は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して下から見た分解斜視図である。図33は演出操作ユニットの取付ベースユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、図34は取付ベースユニットを分解して下から見た分解斜視図である。
また、図35は演出操作ユニットのタッチユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、図36はタッチユニットを分解して下から見た分解斜視図である。図37は演出操作ユニットのボタンユニットを分解して上から見た分解斜視図であり、図38はボタンユニットを分解して下から見た分解斜視図である。図39は皿ユニットの平面図であり、図40は図39におけるB−B断面において演出操作ユニットの部位を拡大して示す断面図であり、図41は図39におけるC−C断面において演出操作ユニットの部位を拡大して示す断面図である。
更に、図42(a)は皿ユニットの扉右下演出ユニットの正面図であり、(b)は扉右下演出ユニットの右側面図であり、図43(a)は扉右下演出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉右下演出ユニットを後ろから見た斜視図である。図44は、図42(b)の扉右下演出ユニットにおけるD−D断面図である。図45は扉右下演出ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図46は扉右下演出ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図47は扉右下演出ユニットの回転体内部ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図48は回転体内部ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。図49(a)は扉右下演出ユニットの扉右下回転体が前を向いた状態の正面図であり、(b)は扉右下回転体が後ろを向いた状態の正面図である。
また、図50(a)は皿ユニットの上皿球抜きユニットを皿ユニットベースに取付けた状態で前から見た斜視図であり、(b)は上皿球抜きユニットを皿ユニットベースに取付けた状態で後ろから見た斜視図である。図51は上皿球抜きユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図52は上皿球抜きユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図53(a)は皿ユニットの下皿球抜きユニットを前から見た斜視図であり、(b)下皿球抜きユニットを分解して前から見た分解斜視図である。
皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100から前方へ膨出している。この皿ユニット200は、払出装置830から払出され遊技領域5a内に打込むための遊技球を貯留する上皿201と、上皿201の下側に配置されており上皿201から供給される遊技球を貯留可能な下皿202と、を備えている。また、皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100に取付けられる平板状の皿ユニットベース210と、皿ユニットベース210の前面上部に取付けられると共に左右中央より左側が前方へ大きく膨出しており上皿201を形成している上皿本体212と、皿ユニットベース210の前面下部で左右中央に取付けられると共に前方へ大きく膨出しており下皿202を形成している下皿本体214と、を備えている。
また、皿ユニット200は、上皿本体212の前側及び皿ユニットベース210の前面に取付けられる演出操作ユニット220と、上皿本体212、下皿本体214、及び演出操作ユニットの前側及び下側を覆い皿ユニットベース210の前面に取付けられる皿ユニットカバー260と、演出操作ユニット220の右側に配置されており皿ユニットベース210の前面右部に取付けられる扉右下演出ユニット270と、扉右下演出ユニット270の前側を覆い皿ユニットベース210の前面に取付けられる演出ユニットカバー300と、皿ユニットベース210を前後から挟むように取付けられており上皿本体212の上皿201内に貯留されている遊技球を下皿202へ抜き取るための上皿球抜きユニット310と、下皿本体214の下側に取付けられており下皿202に貯留されている遊技球を下方へ排出するための下皿球抜きユニット320と、を備えている。
更に、皿ユニット200は、演出操作ユニット220の上面に取付けられており遊技ホールの島設備においてパチンコ機1と隣接して配置される球貸機を操作するための球貸操作ユニット330と、皿ユニットベース210の上部に取付けられており発光装飾可能な上皿トップ装飾部材340と、皿ユニットカバー260の後側で皿ユニットベース210の前面左側に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えている皿ユニット左装飾基板345と、演出ユニットカバー300の後側且つ扉右下演出ユニット270の下側で皿ユニットベース210の前面右側に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えている皿ユニット右装飾基板346と、皿ユニットベース210の後側に取付けられており後述する上皿前装飾基板233、上皿後装飾基板235、上皿液晶基板241、加振装置242、タッチパネル246、演出ボタン装飾基板251、演出ボタン押圧センサ258、扉右下中継基板281、皿ユニット左装飾基板345、及び皿ユニット右装飾基板346と遊技盤5の図示しない周辺制御基板4140との接続を中継する皿ユニット中継基板347と、を備えている。
[3−1a.皿ユニットベース]
皿ユニット200の皿ユニットベース210は、図28及び図29に示すように、扉枠ベースユニット100の全幅に亘って左右に長く延びている。皿ユニットベース210は、正面視左上隅付近で前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている上皿球供給口210aと、上皿球供給口210aの下側で前後に貫通していると共に上下に延びている複数の長穴からなるスピーカスリット210bと、正面視左右中央の下部において前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている下皿球供給口210cと、下皿球供給口210cの正面視右上側で前後に貫通していると共に上下に延びており上部が上皿本体212の右端に位置する上皿球送り口210dと、を備えている。
また、皿ユニットベース210は、上皿球送り口210dの正面視左側で前後に貫通している内周が四角形の透口210eと、透口210eの下辺から前方へ板状に突出している受片210fと、上皿球送り口210dの正面視右上側で前後に貫通している逃し口210gと、正面視右下隅で前後に貫通しており扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材120が挿通されるハンドル挿通口210hと、正面視右隅付近で前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口210iと、筒状の下皿球供給口210cの正面視右側の側面において後端から前方へ向かって切欠かれている切欠部210jと、を備えている。
[3−1b.上皿本体]
皿ユニット200の上皿本体212は、図28及び図29に示すように、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出しており、上方及び後方へ開放された容器状に形成されている。上皿本体212は、正面視右端側に左方及び後方へのみ開放されており遊技球が流通可能な誘導通路部212aを備えている。この上皿本体212は、底面が全体的に右端が低くなるように傾斜している。詳述すると、上皿本体212を皿ユニットベース210に取付けた状態で、上皿本体212の底面が、上皿球供給口210aの下側の位置から上皿球送り口210dの上端から遊技球の外径よりも若干下側の位置へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球供給口210aから前方へ放出された遊技球を、上皿本体212内に受けて貯留することができると共に、受けた遊技球を誘導通路部212aの右端側から上皿球送り口210dへ供給することができる。
また、上皿本体212は、底面の後端側で左右の中央から右端付近まで延びている金属製のアース金具212bを備えている。このアース金具212bは、図示は省略するが、電気的に接地(アース)されており、遊技球が接触することで、遊技球に帯電した静電気を除去することができる。
[3−1c.下皿本体]
皿ユニット200の下皿本体214は、図28及び図29に示すように、前端辺に対して後端辺が長い平面視台形で、上方及び後方が開放された容器状に形成されている。下皿本体214は、底面に上下に貫通しており下皿球抜きユニット320によって閉鎖可能とされている球抜き孔214aを備えており、球抜き孔214aへ向かって低くなるように底面が傾斜している。この下皿本体214は、皿ユニットベース210の下皿球供給口210cから前方へ放出された遊技球を受けて貯留することができると共に、球抜き孔214aから遊技球を皿ユニット200の下方へ排出することができる。
[3−1d.演出操作ユニットの全体構成]
皿ユニット200の演出操作ユニット220は、図30乃至図32に示すように、正面視左右の中央で皿ユニットベース210及び上皿本体212に取付けられる取付ベースユニット220Aと、取付ベースユニット220Aに取付けられるタッチユニット220Bと、タッチユニット220Bの正面視左側で取付ベースユニット220Aに取付けられるボタンユニット220Cと、タッチユニット220Bと取付ベースユニット220Aとの間に介装される円筒状の複数のダンパ222と、タッチユニット220B及びボタンユニット220Cの外周を上側から覆うように取付ベースユニット220Aに取付けられるユニットカバー224と、取付ベースユニット220Aの正面視右端に取付けられる装飾部材226と、を備えている。
演出操作ユニット220のダンパ222は、円筒状に形成されており、外周面における軸方向の中央に溝222aが全周に亘って形成されている。本実施形態におけるダンパ222は、合成ゴムによって形成されている。複数のダンパ222によって、タッチユニット220Bが叩かれた時の衝撃を緩和させて取付ベースユニット220Aや皿ユニットベース210側へ作用する負荷(衝撃)を低減させることができると共に、タッチユニット220Bの後述する加振装置242による振動が、取付ベースユニット220Aや皿ユニットベース210側へ伝達されるのを低減させることができる。
[3−1d−1.取付ベースユニット]
演出操作ユニット220の取付ベースユニット220Aは、図31乃至図34に示すように、皿ユニットベース210の前面に取付けられ上方が開放された浅い箱状の取付ベース230と、取付ベース230の上側に取付けられると共に後端が上皿本体212の前端に取付けられ上側からタッチユニット200Bを収容可能な上方が開放された浅い箱状のユニットケース231と、ユニットケース231の前端に取付けられる横長の上皿前レンズ部材232と、上皿前レンズ部材232とユニットケース231との間に配置され前面に複数のLEDを備えた上皿前装飾基板233と、上皿前レンズ部材232の前側を覆いユニットカバー224に取付けられる透光性を有した上皿前装飾部材234と、を備えている。
また、取付ベースユニット220Aは、ユニットケース231の後端に取付けられており上方へ向かって光を照射可能な複数のLEDを備えた上皿後装飾基板235と、上皿後装飾基板235の上側に配置されユニットカバー224に取付けられる透光性を有した上皿後装飾部材236と、上皿後装飾部材236の前側においてユニットカバー224とユニットケース231とによって挟持され上皿後装飾基板235からの光を導いて上端が線状に発光可能な線状発光レンズ部材237と、上皿後装飾部材236の正面視右側でユニットカバー224に取付けられる筒状のボタン取付部材238と、ボタン取付部材238によって上下にスライド可能に取付けられる上皿球抜きボタン239と、を備えている。
取付ベース230は、前後の略中央から前側に、前方へ向かうに従って低くなるように傾斜している平板状の取付側受部230aと、取付側受部230aを貫通しており左右に離間した二つの貫通口230bと、貫通口230bの周縁から下方へ延出している筒状の筒状受部230cと、を備えている。貫通口230bは、内周が四角形に形成されている。筒状受部230cは、下方へ向かうに従って窄まるように角錐筒状に形成されている(図41を参照)。詳述すると、筒状受部230cは、前側の内周壁が取付側受部230aの面に対して略垂直に延びており、後側の内周壁が取付側受部230aの面に対して下方へ向かうに従って前方へ向かうように傾斜して延びている。また、筒状受部230cは、左右両側の内周壁が取付側受部230aの面の垂直に対して下端(先端)同士が僅かに接近するように傾斜して延びている。
ユニットケース231は、上方へ開放されておりタッチユニット220Bを収容可能な収容凹部231aと、収容凹部231aの底面の正面視左右両端付近から夫々前後に離間して一対ずつ上方へ円柱状に突出している横支持ピン231bと、収容凹部231aの底面の前端付近から左右に離間して上方へ円柱状に突出している一対の前支持ピン231cと、収容凹部231aにおいて底面の前後端側の左右中央から上方へ突出している中央支持突起231dと、収容凹部231aの底面の下側から下方へ向かうに従って窄まるように角錐状に突出しており左右に離間した二つの受突部231eと、を備えている。
また、ユニットケース231は、収容凹部231aよりも正面視左側で上下に円形に貫通しておりボタンユニット220Cの下部が挿通される挿通孔231fと、上面における挿通孔231fの周りに配置されておりボタンユニット220Cを取付けるためのボタンユニット取付部231gと、収容凹部231aの後側の外周壁において左右に延びていると共に上端から下方へ窪み線状発光レンズ部材237の線状発光部237bが配置される切欠部231hと、を備えている。
ユニットケース231の収容凹部231aは、平面視の形状が、左右に延びた四角形と、その四角形の左右両辺から外側へ突出した台形とを組合せた形状に形成されている。また、収容凹部231aは、左右両側の台形の部位の底面に対して、四角形の部位の底面が、下方へ低く形成されている。この収容凹部231aの底面の段差は、ダンパ222の高さ(軸方向の長さ)よりも若干低く形成されている。
四つの横支持ピン231bは、収容凹部231aにおける台形の部位の底面から上方へ突出しており、筒状のダンパ222内へ挿入可能に形成されている。また、横支持ピン231bは、上端側に、上端側へ向かうに従って直径が小さくなる円錐台状のテーパ部231iを備えている(図40を参照)。横支持ピン231bは、収容凹部231aの底面からテーパ部231iの中間までの距離が、ダンパ222の長さと同じとされており、全体がダンパ222よりも長く形成されている。一対の前支持ピン231cは、筒状のダンパ222内へ挿入可能とされており、ダンパ222の半分の長さよりも若干長く形成されている。
中央支持突起231dの上端は、収容凹部231aにおける台形の部位の底面と同じ高さまで突出している。受突部231eは、外周が四角形の円錐台状に形成されている。二つの受突部231eは、取付ベース230の二つの貫通口230bと対応した位置に形成されている。受突部231eは、前側の外周壁が収容凹部231aの底面に対して略垂直に延びており、後側の外周壁が収容凹部231aの底面に対して下方へ向かうに従って前方へ向かうように傾斜して延びている。また、受突部231eは、左右両側の外周壁が収容凹部231aの面の垂直に対して下端(先端)同士が僅かに接近するように傾斜して延びている。受突部231eの外周壁の形状は、取付ベース230の筒状受部230cの内周壁の形状と対応している。この受突部231eは、組立てた状態で、下端が取付ベース230の貫通口230a内に挿入されると共に、筒状受部230cの内周壁との間に僅かな隙間が形成される。
上皿前装飾部材234は、皿ユニット200が組立てられた状態で、前面が外部に露出する。上皿後装飾基板235は、上皿後装飾部材236を発光装飾させるための複数の装飾用LED235aと、線状発光レンズ部材237を発光装飾させるための複数の周縁用LED235bと、を備えている。
線状発光レンズ部材237は、上皿後装飾部材236よりも左右が長く形成されており、上皿後装飾基板235の複数の周縁用LED235bの上側に配置される受光部237aと、受光部237aと連続しユニットケース231の切欠部231hに嵌め込まれる平板状の線状発光部237bと、を備えている。線状発光レンズ部材237は、線状発光部237bをユニットケース231の切欠部231hに嵌め込むことで、線状発光部237aの前面が収容凹部231aの内周壁の一部を形成する。また、線状発光レンズ部材237は、皿ユニット200が組立てられた状態で、線状発光部237bの上端が外部に露出する。この線状発光レンズ部材237は、周縁用LED235bからの光を受光部237aで受光することができ、受光部237aで受光した光を線状発光部237bへ導光して線状発光部237bの上端全体を(線状に)発光させることができる。
上皿球抜きボタン239は、ボタン取付部材238によって上下にスライド可能に取付けられ、ボタン取付部材238よりも下方へ延出している延出片239aを備えている。この上皿球抜きボタン239を下方へ押圧することで、上皿球抜きユニット310を動作させて上皿201内に貯留されている遊技球を、上皿201から下皿202へ排出する(抜く)ことができる。
取付ベースユニット220Aは、四つの横支持ピン231bと二つの前支持ピン231cに夫々挿入されたダンパ222によって、タッチユニット220Bを弾性的に支持することができる。また、タッチユニット220Bが取付けられるユニットケース231の下方へ突出している二つの受突部231eの外周面と、ユニットケース231の下側で受突部231eの下端が挿入されている取付ベース230の筒状受部の内周面との間に僅かな隙間を形成している。これにより、タッチユニット220B側からユニットケース231が下方へ移動するような力(衝撃)が作用した時に、その力が直ちに取付ベース230の取付側受部230aに伝達されず、ユニットケース231の収容凹部231aの底面が下方へある程度撓んで受突部231eの下端の外周面が筒状受部230cの内周面に当接することで、取付ベース230側へ力が伝達される。つまり、ユニットケース231から取付ベース230へ力を伝達させる際に、ユニットケース231が撓むため、その撓みによって力をある程度減衰させて取付ベース230へ伝達させることができる。
また、ユニットケース231の受突部231e及び取付ベース230の筒状受部230cは、それらが形成されている面(タッチユニット220Bの上面と平行な面)に対して傾斜した外周面及び内周面を備えているため、受突部231eから筒状受部230cへ伝達される力の一部が、筒状受部230cが備えられている取付側受部230aの底面に沿った方向へ作用する。これにより、受突部231e(ユニットケース231)側からの力が分散し、取付ベース230に対して一方向へ大きな力が作用するのを回避させることができ、取付ベース230が破損し難くなる。
[3−1d−2.タッチユニット]
演出操作ユニット220のタッチユニット220Bは、図35及び図36に示すように、上方が開放された浅い箱状の下ケース240と、下ケース240内に上側から取付けられる上皿液晶基板241と、下ケース240内において上皿液晶基板241の左右両外側に配置される一対の加振装置242と、一対の加振装置242及び上皿液晶基板241の上側を覆うと共に下ケース240に取付けられ上方が開放された浅い箱状のベース部材243と、ベース部材243内に上側から挿入され上皿液晶基板241によって制御され画像を表示可能な上皿液晶表示装置244と、上皿液晶表示装置244の外周を覆う薄い金属板からなる枠状のアース金具245と、アース金具245及び上皿液晶表示装置244の上面を覆う透明なタッチパネル246と、タッチパネル246の外周を上側から覆いベース部材243を通して下ケース240に取付けられる枠状の上カバー247と、を備えている。
また、タッチユニット220Bは、下ケース240、ベース部材243及び上カバー247を組立てた状態で、それらの後端面において、下ケース240の下端から上カバー247の上端まで上下に延びていると共に、下ケース240等の後端面の左右の略全長に亘って延びており、下ケース240、ベース部材243及び上カバー247の後端面に貼付けられている防水性を有したシート状の防水シール248を備えている。
下ケース240は、外形がユニットケース231の収容凹部213aの内形と対応しており、収容凹部213a内に収容可能に形成されている。下ケース240は、左右に延びた長方形状の基板取付部240aと、基板取付部240aの左右両側から夫々台形に突出している平板状の突出部240bと、各突出部240bをダンパ222の外径と同じ内形で上下に貫通していると共に一部が左右方向外側へ開放されており前後に離間して形成された一対のダンパ取付凹部240cと、ダンパ取付凹部240cの内周面から突出しているフランジ部240dと、突出部240bにおける一対のダンパ取付凹部240cの間で基板取付部240a寄りに配置され加振装置242が取付けられる加振装置取付部240eと、を備えている。
下ケース240のダンパ取付凹部240cは、平面視の形状がC字状に形成されており、C字の開放されている側からダンパ222を挿入させることができる。また、フランジ部240dは、ダンパ取付凹部240cの上下の略中央で、ダンパ取付凹部240cのC字状の内周面の全周に亘って備えられている。このフランジ部240dは、ダンパ222の溝222a内に挿入可能とされている。
加振装置242は、小型の加振駆動モータ242aと、加振駆動モータ242aの回転軸に重心が偏芯して取付けられる錘242bと、を備えている。この加振装置242は、加振駆動モータ242aによって錘242bを回転させることで、振動を発生させることができる。
ベース部材243は、上皿液晶表示装置244が上側から挿入され浅い箱状に形成された液晶取付凹部243aと、液晶取付凹部243aの左右両側から外方へ延出している延出部243bと、延出部243bの先端で下ケース240のダンパ取付凹部240cと対応する位置で上下に貫通しており上側が大径に座グリされたネジ孔243cと、ネジ孔243cの下端側に形成されており下端へ向かうに従って直径が大きくなるC面取り状のテーパ部243d(図40を参照)と、を備えている。
ベース部材243のネジ孔243cの下側の内径は、ユニットケース231における横支持ピン231bのテーパ部231iよりも先端側が通過することができると共に、テーパ部231iよりも基端側(下側)が通過することができない大きさに形成されている。
タッチパネル246は、衝撃に強く割れ難い強化ガラスと、強化ガラスの上面に備えられた静電容量方式の透明なセンサシートと、強化ガラス及びセンサシートの外周を覆う枠状の保護カバーと、を備えている。
タッチユニット220Bは、下ケース240の左右に夫々一対ずつ備えられたダンパ取付凹部240c内に、C字の開放されている側からダンパ222を挿入して、ダンパ222を取付けることができる。この際に、ダンパ取付凹部240cの内周面から突出しているフランジ部240dが、ダンパ222の溝222a内に挿入される。これにより、ダンパ取付凹部240c内のダンパ222が、軸方向へ移動するのが規制される。ダンパ取付凹部240cにダンパ222を取付けた状態では、ダンパ222の上端がベース部材243の延出部243bの下面に当接すると共に、ダンパ222の下端が下ケース240の下端(下面)よりも下方へ突出する。
また、タッチユニット220Bは、一対の加振装置242の加振駆動モータ242aが、下ケース240とベース部材243との間に挟持されている。一対の加振装置242は、夫々独立して振動を発生させることができる。
また、タッチユニット220Bは、タッチパネル246を通して上皿液晶表示装置244に表示される画像を上側から視認することができる。そして、上皿液晶表示装置244にボタン等の画像を表示させ、遊技者がその画像のボタンを操作するようにタッチパネル246に触れることで、画像のボタンを操作することができる。
更に、タッチユニット220Bは、後側の外周面に防止水シール248が貼付けられているため、皿ユニット200上で飲み物等の液体をこぼした時に、その液体がタッチユニット220B内に浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bが液体の浸入によって破損するのを防止することができる。
[3−1d−3.ボタンユニット]
演出操作ユニット220のボタンユニット220Cは、図37及び図38に示すように、取付ベースユニット220Aにおけるユニットケース231のボタンユニット取付部231gに取付けられる円筒状のユニット本体250と、ユニット本体250の下側に配置され上面にLEDが備えられた演出ボタン装飾基板251と、演出ボタン装飾基板251の下側を覆いユニット本体250の下側に取付けられる基板カバー252と、を備えている。
また、ボタンユニット220Cは、ユニット本体250内に上側から上下へスライド可能に挿入される筒状のボタンベース253と、ボタンベース253とユニット本体250との間に配置されボタンベース253を上方へ付勢するバネ部材254と、ボタンベース253内に挿入され演出ボタン装飾基板251のLEDからの光を上方へ導くことが可能な導光部材255と、導光部材255の上側に配置され複数の微小なプリズムを備えたシート状の拡散レンズ部材256と、拡散レンズ部材256の上側を覆いボタンベース253に取付けられる透光性を有した上皿演出ボタン257と、演出ボタン装飾基板251の上面に取付けられておりボタンベース253の下降端への移動を検知する演出ボタン押圧センサ258と、を備えている。
ユニット本体250は、外周面の下端から外方へ延出しボタンユニット取付部231gに取付けられる三つの取付片250aと、内周面の下端から内方へ延出しているフランジ状の棚部250bと、内周面に沿って棚部250bを貫通している一対の貫通口250cと、を備えている。
ボタンベース253は、棚部250bの内周に挿入される筒状の下筒部253aと、下筒部253aの上端から上方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状の上筒部253bと、上筒部253bの上端から下方へ延出しており下端がユニット本体250の貫通口250cを貫通可能とされていると共に下端から外方へ突出しユニット本体250の下面と係合(当接)可能な爪を有する一対の係合爪部253cと、上筒部253bの外周面から上端の外径よりも短く外方へ放射状に突出しており下端がユニット本体250の棚部250bの上面と当接可能な複数の平板状の当接片253dと、下筒部253a及び上筒部253bの外周面から外方へ平板状に延出しており演出ボタン押圧センサ258に検知される検知片253eと、を備えている。
バネ部材254は、図示するように、コイルバネとされている。このバネ部材254は、下端がユニット本体250の棚部250bの上面に当接され、上端がボタンベース253における複数の当接片253dによって支持される。
導光部材255は、ボタンベース253における上筒部253bの上部に嵌め込まれる円盤状の本体部255aと、本体部255aの下面から下方へボタンベース253の下筒部253aの下端付近まで延びている円柱状の複数の導光部255bと、を備えている。複数の導光部255bは、演出ボタン装飾基板251のLEDと対応するように備えられており、LEDからの光を導いて本体部255aの上面全体から放出させることができる。
このボタンユニット220Cは、ボタンベース253、導光部材255、拡散レンズ部材256、及び上皿演出ボタン本体が一体的に組立てられており、それらが一緒にユニット本体250内を上下にスライドすることができる。これらボタンベース253等は、バネ部材254の付勢力によって、上皿演出ボタン257の上面がユニット本体250の上端よりも上方へ突出すると共に、ボタンベース253の一対の係合爪部253cがユニット本体250の下面と係合することで、これ以上の上昇が規制され、上皿演出ボタン257等が上昇端に位置した状態となる。
バネ部材254の付勢力に抗して上皿演出ボタン257を下方へ押圧すると、上皿演出ボタン257等が下降し、ボタンベース253の検知片253eが、演出ボタン押圧センサ258によって検知され、上皿演出ボタン257の押圧操作が検知される。上皿演出ボタン257の押圧により、ボタンベース253が下降すると、ボタンベース253の複数の当接片253dの下端が、ユニット本体250の棚部250bの上面に当接し、これ以上の下降が規制され、上皿演出ボタン257等が下降端に位置した状態となる。
また、ボタンユニット220Cは、演出ボタン装飾基板251のLEDを発光させることで、上皿演出ボタン257を発光装飾させることができる。演出ボタン装飾基板251のLEDは、フルカラーLEDとされており、上皿演出ボタン257を様々な色に発光装飾させることができる。
[3−1d−4.演出操作ユニットの特徴]
本実施形態の演出操作ユニット220は、図40に示すように、組立てた状態で、タッチユニット220Bの下ケース240のダンパ取付凹部240cに取付けられたダンパ222の下端が、下ケース240の下面よりも下方へ突出していることから、取付ベースユニット220Aのユニットケース231の収容凹部231aの底面と、タッチユニット220Bの下ケース240の下面との間に、隙間が形成される。また、ユニットケース231の四つの横支持ピン231bの先端面(上端面)は、ベース部材243のネジ孔243cの座グリの底面と一致しており、横支持ピン231bに対するタッチユニット220Bの上方へ移動が、横支持ピン231bの上端にねじ込まれたビス227の頭部の平座金によって規制されている。また、横支持ピン231bの上端側に形成されたテーパ部231iと、ベース部材243のネジ孔243cの下端側に形成されたテーパ部243dとは、互いに離間している。
また、演出操作ユニット220は、図41に示すように、ユニットケース231の前支持ピン231cに挿入されているダンパ222の上面は、収容凹部231aの底面における横支持ピン231b側の底面よりも若干上方へ突出している。また、ユニットケース231の収容凹部231aの底面と、下ケース240の下面との間に隙間が形成されていることから、ユニットケース231の前支持ピン231cに挿入されたダンパ222の上面と、下ケース240の下面との間にも隙間が形成されている。また、ユニットケース231の中央支持突起231dの上面と下ケース240の下面との間にも隙間が形成されている。つまり、タッチユニット220Bは、左右両側の横支持ピン231bに挿入されたダンパ222によって、下面が宙に浮いた状態で取付ベースユニット220Aに取付けられている。
更に、演出操作ユニット220は、取付ベースユニット220Aの取付ベース230における下方へ窄まる角錐筒状の筒状受部230c内に、上側からタッチユニット220Bが取付けられているユニットケース231における下方へ窄まる角錐状の受突部231eの下端が挿入されている。この筒状受部230cの内周壁と、受突部231eの外周壁との間には、僅かな隙間が形成されている。これにより、通常の状態では、取付ベース230には、ユニットケース231の内側(収容凹部231aの中央側)が宙に浮いた状態で、ユニットケース231の外周付近のみが取付けられている。
また、演出操作ユニット220は、図30等に示すように、タッチユニット220Bにおいて遊技領域5aに近い後側の辺に沿って線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの上端が線状(帯状)に露出している。線状発光部237bの上端の長さは、タッチユニット220Bの後辺の長さの約2/3である。このタッチユニット220Bの後辺に沿って露出している線状発光部237bの上端の後側に、上皿後装飾部材236が配置されている。また、上皿後装飾部材236の正面視右側に、上皿球抜きボタン239が配置されている。更に、タッチユニット220Bの正面視左側に、ボタンユニット220Cが配置されている。
この演出操作ユニット220は、遊技領域5a内に遊技球を打込むことで変化する遊技状態に応じて、遊技者に対して様々な演出を提示することができる。例えば、タッチユニット220Bの上皿液晶表示装置244に画像を表示させることで、透明なタッチパネル246を通して画像(演出画像)を遊技者に提示して楽しませることができる。
この上皿液晶表示装置244に表示される画像として、操作ボタンを模した画像を表示させると共に、タッチパネル246のセンサシート246bによるタッチの検知を受付可能とすることで、遊技者に対して画像の操作ボタンを操作させることができ、タッチパネル246を用いた演出を楽しませることができる。タッチパネル246を用いた演出の際に上皿液晶表示装置244に表示される画像は、操作ボタンに限定するものではなく、様々な画像を表示させることができる。
また、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bを複数のダンパ222によってユニットケース231から浮いた状態で支持しているため、遊技状態に応じて加振装置242を動作させることで、タッチユニット220Bを振動させることができる。タッチパネル246を用いた演出の際に、加振装置242によってタッチパネル246(タッチユニット220B)を振動させることで、加振装置242による振動をタッチパネル246に接触している遊技者の指や手等に伝達させて、遊技者に対して画像の操作ボタンを操作しているにも関わらず恰も実体のある操作ボタンを操作しているように錯覚させて驚かせることができ、タッチパネル246と振動による演出を遊技者に楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bの正面視左側にボタンユニット220Cを備えているため、遊技状態に応じて遊技者に上皿演出ボタン257を押圧操作させて、上皿演出ボタン257の操作を楽しませることができる。詳述すると、タッチパネル246における画像の操作ボタンでは、タッチパネル246に触れるだけであるため実際の操作ボタンと比較して操作感に欠ける嫌いがあるが、上皿演出ボタン257では現実に押圧操作することができるため、上皿演出ボタン257の操作に違和感を与えてしまうことがなく、上皿演出ボタン257の操作を快適に楽しませることができ、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
この演出操作ユニット220は、前方へ膨出している皿ユニット200において上皿201が備えられている部位に配置されているため、タッチユニット220Bやボタンユニット220Cを用いた演出中以外においても、遊技者がタッチユニット220B等を上から叩く虞がある。これに対して、演出操作ユニット220では、タッチユニット220Bをダンパ222によって下側のユニットケース231から浮いた状態で支持しているため、タッチユニット220Bが上から叩かれても、ダンパ222の弾性力によってその衝撃をある程度吸収することができる。詳述すると、タッチユニット220Bが叩かれたり等して上から衝撃(荷重)が作用すると、左右の横支持ピン231bが挿入されているダンパ222に伝達され、タッチユニット220Bが下降しながらダンパ222が圧縮される。横支持ピン231bに支持されたダンパ222が圧縮されることで、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。
そして、更に、衝撃によってタッチユニット220Bが下降すると、下ケース240の下面が前支持ピン231cが挿入されているダンパ222の上端に当接し、タッチユニット220Bの下降に伴って前支持ピン231cに支持されているダンパ222が下方へ圧縮される。これにより、横支持ピン231bに支持されているダンパ222に加えて、前支持ピン231cに支持されているダンパ222によっても、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。
タッチユニット220Bに作用する衝撃によってタッチユニット220Bが更に下降すると、タッチユニット220Bの下ケース240の下面がユニットケース231における収容凹部231aの左右両側の底面と中央支持突起231dの上面とに当接する。これにより、タッチユニット220Bからの衝撃が、複数のダンパ222介さず、タッチユニット220Bからユニットケース231へ直接作用することとなる。
更に、タッチユニット220Bが下降すると、中央支持突起231dからの荷重によってユニットケース231の収容凹部231aの底面が、その中央が下方へ移動するように撓むこととなる。この収容凹部231aの底面の撓みによる弾性力によって、タッチユニット220Bからの衝撃が吸収される。この収容凹部231aの底面が撓むことで、収容凹部231aの底面の下側から下方へ突出している一対の受突部231eが下降する。そして、タッチユニット220Bからの衝撃によって受突部231eが更に下降すると、受突部231eの外周壁の下端側が、取付ベース230の筒状受部230cの内周壁に当接し、タッチユニット220Bからの衝撃が、ユニットケース231から取付ベース230へ伝達されることとなる。
受突部231eの外周壁と筒状受部230cの内周壁は、夫々が下方へ窄まる角錐状に形成さていることから、受突部231eから筒状受部230c(取付ベース230側)へ伝達される荷重が、取付ベース230の取付側受部230aの底面に沿った方向と底面に垂直な方向とに分散されて伝達される。このように、タッチユニット220Bに作用した衝撃が、取付ベース230に伝達されるまでに、その衝撃を吸収する構成が幾重にも配置されているため、タッチユニット220Bに作用した衝撃を十分に吸収して緩和させることができ、その衝撃によって、タッチユニット220B、ユニットケース231、取付ベース230等を破損し難くすることができる。
また、演出操作ユニット220は、遊技状態に応じて上皿後装飾基板235の周縁用LED235bによりタッチユニット220Bの後側の外周縁に沿って延びている線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの上端を線状に発光させることができる。これにより、遊技者の関心をタッチユニット220Bへ引付けることができ、タッチユニット220Bにおける上皿液晶表示装置244に表示される画像や、タッチパネル246を用いたタッチ演出等を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技状態に応じて、上皿後装飾基板235の装飾用LED235aによりタッチパネル220Bの後側(線状発光部237bよりも後側)に配置されている上皿後装飾部材236を発光装飾させることができる。この上皿後装飾部材236を発光装飾させることで、線状発光レンズ部材237の線状発光部237bの発光と同様に、遊技者の関心をタッチユニット220B等の演出操作ユニット220へ引付けることができ、演出操作ユニット220によって提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、上皿液晶基板241や上皿液晶表示装置244を備えたタッチユニット220Bを、取付ベースユニット220Aの取付ベース230とユニットケース231とによって、皿ユニットカバー260の後述する上皿下被覆部262の上面よりも高い位置に配置していると共に、タッチユニット220Bの後側の外周面に防水シール248を貼付けている。これにより、上皿201において、外気に触れることで上皿本体212や遊技球の表面で結露した水(水滴)が、上皿201の下方(上皿下被覆部262上)へ流動しても、タッチユニット220B内へ結露した水が浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bにおいて不具合が発生するのを防止することができる。
また、図41に示すように、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237を発光装飾させる上皿後装飾基板235を、上皿201の底面よりも高い位置に配置しているため、上皿201で結露した水滴にさらされることがなく、上皿後装飾基板235においてショートや腐蝕等の不具合が発生するのを防止することができる。
[3−1e.皿ユニットカバー]
皿ユニット200の皿ユニットカバー260は、図26乃至図29に示すように、左右に延びていると共に、左右の中央が前方へ膨出しており、後方へ開放された殻状に形成されている。皿ユニットカバー260は、左右の略中央で前方へ開口しており後端が皿ユニットベース210によって閉鎖される下皿開口部261と、下皿開口部261の内周壁における天板側(上側)を形成しており上皿本体212及び演出操作ユニット220の下側を覆う上皿下被覆部262と、下皿開口部261の正面視左側に配置されており本体枠4のスピーカユニット920の低音スピーカからの音を透過させるスピーカグリル263と、スピーカグリル263の上側に配置され皿ユニット左装飾基板345によって発光装飾される皿ユニット左装飾部材264と、下皿開口部261の正面視右側に配置されておりハンドルユニット500のハンドル本体502の後部が通過するハンドル口265と、皿ユニットカバー260の底面を形成しており下皿本体214の下側を覆う底板部266と、左右の中央で底板部266を上下に貫通しており下皿球抜きユニット320によって閉鎖される底板開口部267と、を備えている。
下皿開口部261は、内周壁の底板側(下側)が下皿本体214によって閉鎖される。スピーカグリル263及び皿ユニット左装飾部材264は、金属板に複数の孔を設けたパンチングメタルによって構成されている。
この皿ユニットカバー260は、正面視左側の表面が滑らかな感じに形成されているのに対して、右側の表面がゴツゴツした感じに形成されている。また、正面視の右側は、略全体的に透光性を有している。
皿ユニットカバー260は、皿ユニット200に組立てた状態で、タッチユニット220Bの上面と上皿下被覆部262の下面との間が、片手で掴むことが可能な間隔に形成されている。これにより、遊技者が、タッチユニット220Bをタッチ操作する際に、下皿開口部261の上側を掴むことで、タッチする指(手や腕)を安定させることができ、タッチユニット220Bのタッチ操作を行い易くできる。
詳述すると、組立てた状態では、タッチユニット220Bの前端上面と上皿下被覆部262の下面との間の厚さが約25mmに、タッチユニット220Bの後端上面と上皿下被覆部262の下面との間の厚さが約50mmに、上皿下被覆部262の前端からタッチユニット220Bの後端までの前後の距離が約60mmに、夫々形成されている。また、タッチユニット220Bの上面が、水平に対して約20度傾斜している。これにより、タッチユニット220Bの上面と上皿下被覆部262の下面との間を、遊技者の手で掴むことができる。
[3−1f.扉右下演出ユニット]
皿ユニット200の扉右下演出ユニット270は、図42乃至図49に示すように、ハンドルユニット500の上側、且つ、演出操作ユニット200の右側に配置されており、遊技状態に応じて回転すると共に発光装飾する球状の扉右下回転体270Aを備えている。扉右下演出ユニット270は、皿ユニットベース210の前面で逃し口210gを閉鎖するように取付けられ扉右下回転体270Aを回転可能に支持するユニットベース271と、ユニットベース271に取付けられている扉右下駆動モータ272と、扉右下駆動モータ272の回転軸に固定されている駆動ギア273と、駆動ギア273と噛合し扉右下回転体270Aに取付けられている従動ギア274と、従動ギア274を回転可能に支持しておりユニットベース271に取付けられている軸部材275と、を備えている。
また、扉右下演出ユニット270は、従動ギア274とは扉右下回転体270Aの反対側に取付けられておりユニットベース271に回転可能に支持されている回転体側軸受部材276と、扉右下回転体270Aの従動ギア274とは反対側をユニットベース271と協働して回転可能に支持しているベース側軸受部材277と、ユニットベース271に取付けられており扉右下回転体270Aの回転位置を検知可能な二つの回転検知センサ278と、扉右下回転体270Aの正面視左側でユニットベース271に取付けられている装飾部材279と、ユニットベース271の後側に取付けられており前面に複数のLEDを備えた扉右下ベース装飾基板280と、ユニットベース271の後側に取付けられており扉右下駆動モータ272、回転検知センサ278、扉右下ベース装飾基板280、及び後述する扉右下回転体装飾基板291と周辺制御基板4140との接続を中継する扉右下中継基板281と、を備えている。
扉右下回転体270Aは、外殻を構成し夫々が半球殻状の前外殻部材285及び後外殻部材286と、前外殻部材285と後外殻部材286との間に配置される回転体内部ユニット290と、を備えている。前外殻部材285及び後外殻部材286は、回転軸を中心に半円形状の切欠部285a,286aが夫々形成されている。前外殻部材285は、透光性を有した半球殻状の表面に、金属光沢を有し周方向へ帯状に延びている帯装飾285bと、帯装飾285bの中央に配置されているハート形のハート装飾285cと、を備えている。一方、後外殻部材286は、透光性を有した半球殻状の表面に、金属光沢を有し周方向へ帯状に延びている帯装飾286bを備えている。前外殻部材285と後外殻部材286とを合わせた時に、前外殻部材285の帯装飾285bと後外殻部材286の帯装飾286bとが繋がるように形成されている。
回転体内部ユニット290は、図47及び図48に示すように、円盤状で両面に複数のLEDが備えられている扉右下回転体装飾基板291と、扉右下回転体装飾基板291の中心に取付けられており扉右下回転体装飾基板291の面に対して垂直に延びており先端が軸部材275に取付けられる円柱状の第一固定軸部材292と、第一固定軸部材292とは扉右下回転体装飾基板291の反対側に取付けられており扉右下回転体装飾基板291の面に対して垂直に延びており先端がユニットベース271及びベース側軸受部材277に取付けられる円筒状の第二固定軸部材293と、を備えている。図示は省略するが、第二固定軸部材293の内部には、扉右下中継基板281と扉右下回転体装飾基板291とを接続する配線コードが挿入されている。
また、回転体内部ユニット290は、扉右下回転体装飾基板291の両側に配置されており前外殻部材285及び後外殻部材286の内側に取付けられる平板で円環状の透明なリフレクタベース294と、リフレクタベース294に取付けられており円環状で軸方向外側へ開いた朝顔状の第一リフレクタ295と、第一リフレクタ295の円環内を通してリフレクタベース294に取付けられており中心に六角形の貫通孔296aを有した第二リフレクタ296と、を備えている。第一リフレクタ295及び第二リフレクタ296は、表面に金属光沢を有したメッキ層が備えられており、扉右下回転体装飾基板291からの光を反射させることができる。また、第一リフレクタ295及び第二リフレクタ296には、放射状に延びた平板状のリブが複数備えられている。
この回転体内部ユニット290は、扉右下回転体装飾基板291、第一固定軸部材292、及び第二固定軸部材293と、リフレクタベース294、第一リフレクタ295、及び第二リフレクタ296とが、相対回転可能に互いに分離している。
ユニットベース271は、扉右下回転体270Aの後側に配置される環状のリング部271aと、リング部271aの外周におけるリング部271aの中心に対して正面視斜め右上の部位から前方へ平板状に突出している第一突出片271bと、リング部271aの外周における第一突出片271bとは反対側の部位から前方へ平板状に突出している第二突出片271cと、第二突出片271cの前端から後方へ向かってU字状に窪み第二固定軸部材293の先端が挿入される軸受溝271dと、を備えている。
扉右下駆動モータ272は、第一突出片271bの外側の側面(右側の側面)に、回転軸が貫通した状態で取付けられる。従動ギア274は、駆動ギア273よりも大径に形成されている。軸部材275は、第一突出片271bの前端に取付けられる取付部275aと、取付部275aから筒状に突出している筒状軸部275bと、を備えている。この軸部材275は、筒状軸部275bの外周によって従動ギア274を回転可能に支持できると共に、筒状軸部275bの内周によって第一固定軸部材292の先端を回転不能に支持できる。
回転体側軸受部材276は、第二固定軸部材293が回転可能に挿入される軸受孔276aと、外方へ延出している平板状の検知片276bと、を備えている。ベース側軸受部材277は、ユニットベース271における第二突出片271cの前端のU字状の軸受溝271dの開放されている前端側を閉鎖するように、第二突出片271cの前端に取付けられる。二つの回転検知センサ278は、扉右下回転体270Aの回転軸を挟んで対称に第二突出片271cに取付けられる。二つの回転検知センサ275は、扉右下回転体270Aのハート装飾285cが前方を向く回転位置(図49(a)を参照)と、ハート装飾285cが後方を向く回転位置(図49(b)を参照)とを、夫々検知することができる。
本実施形態の扉右下演出ユニット270は、遊技状態に応じて、扉右下駆動モータ272によって扉右下回転体270Aを回転させることができると共に、ハート装飾285cが前方を向くように停止するか否かで、遊技者に対してチャンスの到来等を示唆することができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、扉右下演出ユニット270は、扉右下回転体270A内部の扉右下回転体装飾基板291が回転不能に取付けられていることから、扉右下回転体270Aの回転中に、扉右下回転体装飾基板291(のLED)を発光させると、扉右下回転体270Aの回転につれて扉右下回転体装飾基板291から照射される光の位置が移動すると共に、第一リフレクタ295や第二リフレクタ296によって反射誘導される光の方向が変化するため、扉右下回転体装飾基板291のLEDを点滅させなくても、光が点滅しているように扉右下回転体270Aを発光装飾させたり、LEDから多様な色の光を照射することで扉右下回転体270Aを虹色に発光装飾させたりすることができ、遊技者を楽しませることができる。
[3−1g.演出ユニットカバー]
皿ユニット200の演出ユニットカバー300は、図28及び図29に示すように、扉右下演出ユニット270における球状の扉右下回転体270Aの前側を覆う半球状で透明な回転体カバー部301と、回転体カバー部301の外周に形成されており皿ユニットカバー260の正面視右側の装飾と連続した装飾部302と、回転体カバー部301の下部右側において前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口303と、を備えている。
演出ユニットカバー300は、全体が後方が開放された容器状で、透光性を有している。この演出ユニットカバー300は、回転体カバー部301の上側が扉右下演出ユニット270の扉右下ベース装飾基板280によって発光装飾されると共に、回転体カバー部301の下側が皿ユニット右装飾基板346によって発光装飾される。
[3−1h.上皿球抜きユニット]
皿ユニット200の上皿球抜きユニット310は、図50乃至図52に示すように、皿ユニットベース210の透口210e及び受片210fを前側から覆うように皿ユニットベース210の前面に取付けられ後方が開放された縦長箱状で上部に上皿球抜きボタン239の延出片239aが挿通可能な挿通口311aを有しているカバー311と、カバー311内における皿ユニットベース210の透口210eの正面視左上となる位置に取付けられている前ベース部材312と、前ベース部材312によって回転可能に支持されており上皿球抜きボタン239の押圧により回動する押圧伝達部材313と、押圧伝達部材313を上皿球抜きボタン239が上昇する方向へ付勢している第一バネ部材314と、を備えている。
また、上皿球抜きユニット310は、皿ユニットベース210の上皿球送り口210dを後側から閉鎖するように皿ユニットベース210の後側に取付けられている後ベース部材315と、後ベース部材315と皿ユニットベース210との間に配置されていると共に後ベース部材315によって昇降可能に取付けられており上側から押圧伝達部材313が接触している上皿球抜きスライダ316と、上皿球抜きスライダ316を上方へ付勢している第二バネ部材317と、を備えている。
前ベース部材312は、皿ユニットベース210の前面と平行に延びておりカバー311に取付けられる平板状のベース部312aと、ベース部312aの左右両辺から前方へ平板状に延出している一対の延出片312bと、延出片312bの前端から後方へU字状に凹んだ軸支部312cと、ベース部312aの前面下端付近に備えられており第一バネ部材314の後端が係止される鉤状のバネ係止部(図示は省略)と、を備えている。
押圧伝達部材313は、両端が前ベース部材312の一対の軸支部312c内へ回転可能に挿入される横長円柱状の軸部313aと、軸部313aから後方へ平板状に延出している後方延出片313bと、後方延出片313bの上面における正面視左端付近から上方へ平板状に延出しており上皿球抜きボタン239の延出片239cの下端が当接可能な上方延出片313cと、後方延出片313bの下面における正面視右端から下方へ平板状に延出している下方延出片313dと、軸部313aにおける正面視左端付近の下側から下方へ突出しており第一バネ部材314の前端が係止される鉤状のバネ係止部313eと、を備えている。下方延出片313dは、後方へ向かうに従って下方へ延びる三角形に形成されており、下端が上皿球抜きスライダ316と当接可能とされている。
後ベース部材315は、皿ユニットベース210の後面と平行に平板状に延びており皿ユニットベース210に取付けられるベース部315aと、ベース部315aの前面で左右に離間して備えられており上皿球抜きスライダ316の左右両端をスライド可能に支持するスライダ支持部315bと、ベース部315aの上端における皿ユニットベース210の上皿球送り口210dの上部と対応する位置に前方へ開口していると共にベース部315aの後側で下方へ開口し遊技球が流通可能な上部入口315cと、を備えている。
また、後ベース部材315は、ベース部315aの後側で上部入口315cと連続して下方へ延びていると共に後方へ開放されており下端が後方へ湾曲している第一誘導路315dと、第一誘導路315dの下側から下方へ延びた後に正面視左方へ延びて左端が左方へ開放されており全体が後方へ開放されているL字状の第二誘導路315eと、第二誘導路315eにおける左方へ延びた部位の後端側を閉鎖している平板状の通路蓋315fと、L字状の第二誘導路315eに二辺が囲まれるようにベース部315aを前後に貫通している開口部315gと、ベース部315aの前面から前方へボス状に突出しており第二バネ部材317の上端が係止されるバネ係止部315hと、を備えている。
後ベース部材315におけるL字状の第二誘導路315eは、左方へ延びた部位が、左方へ向かうに従って低くなるように傾斜している。この第二誘導路315eの左端は、図50(b)に示すように、皿ユニットベース210における筒状の下皿球供給口210cの切欠部210jに挿入されており、第二誘導路315eと下皿球供給口210cとが互いに連通している。
上皿球抜きスライダ316は、平板状で左右両端が後ベース部材315のスライダ支持部315bにスライド可能に支持されるスライダベース316aと、スライダベース316aの上端における正面視中央より左側から前方へ皿ユニットベース210の透口210eを通って受片210fの上側へ延出し上面に押圧伝達部材313の下方延出片313dの下端が当接可能な伝達片316bと、伝達片316bの下側でスライダベース316aの後側から下方へ向かうに従って後方へ突出している三角状の作動伝達部316cと、スライダベース316aの前面から突出しており第二バネ部材317の下端が係止される鉤状のバネ係止部316dと、を備えている。
上皿球抜きユニット310は、皿ユニット200を組立てた状態で、後ベース部材315の上部入口315cが、上皿本体212の誘導通路部212aの正面視右端側となる下端に開口している。これにより、上皿201内の遊技球を、上部入口315cからベース部315aの後側の第一誘導部315dを介して球送りユニット540へ供給することができる。
また、上皿球抜きユニット310は、上皿球抜きボタン239を下方へ押圧すると、上皿球抜きボタン239の延出片239aによって押圧伝達部材313が、第一バネ部材314の付勢力に抗して軸部313aを中心に、下方延出片313dの下端が下方へ移動する方向へ回動する。押圧伝達部材313の回動に伴って下方延出片313dの下端が下方へ移動すると、下方延出片313dの下端が当接している上皿球抜きスライダ316の伝達片316bによって上皿球抜きスライダ316が第二バネ部材317の付勢力に抗して下方へスライドする。
この上皿球抜きスライダ316が下方へスライドすることで、作動伝達部316cが、球送りユニット540の切換機構を動作させて球送りユニット540内での流路が切換えられて、第一誘導路315d側が第二誘導路315e側と連通した状態となる。これにより、上皿201内の遊技球が、上部入口315c、第一誘導路315d、球送りユニット540、及び第二誘導路315eを通って、下皿球供給口210cから下皿202へ排出され、上皿201内の遊技球を抜くことができる。
なお、上皿球抜きボタン239の下方への押圧を解除すると、第一バネ部材314及び第二バネ部材317の付勢力によって、上皿球抜きスライダ316や上皿球抜きボタン239が上昇し、元の状態に復帰することができる。
[3−1i.下皿球抜きユニット]
皿ユニット200の下皿球抜きユニット320は、図53等に示すように、皿ユニットカバー260の底板開口部267を閉鎖するように下皿本体214の下側に取付けられ下皿本体214の球抜き孔214aと一致する開口部321aを有している平板状の下皿球抜きベース321と、下皿球抜きベース321上を左右にスライドし開口部321aを閉鎖可能な平板状のスライド蓋322と、スライド蓋322の前端に取付けられており皿ユニットカバー260の前面から外部へ露出する摘み部323と、スライド蓋322によって開口部321aを閉鎖する方向へスライド蓋322を付勢しているバネ部材324と、バネ部材324の付勢力に抗してスライド蓋322を開口部321aを開放している位置に保持する保持装置325と、を備えている。
下皿球抜きベース321の開口部321aは、正面視左右中から右寄りの位置に形成されている。この下皿球抜きベース321は、下皿本体212に取付けることで、下皿球抜きベース321と下皿本体212との間でスライド蓋322を左右へスライド可能に支持することができる。スライド蓋322は、正面視左端側に保持装置325によって保持される保持突起322aを備えている。
保持装置325は、下皿球抜きベース321に取付けられる本体325aと、本体325aから開閉可能に突出しており保持突起322aを掴むことができる一対の保持爪325bと、を備えている。保持装置325は、開いている一対の保持爪325aの間に、保持突起322aを挿入して本体325a側へ押圧すると、一対の保持爪325bが閉じて保持突起322aを保持すると共に、一対の保持爪325bが閉じた状態で維持される。この状態で、保持突起322aを本体325a側へ移動させると、一対の保持爪325aが開いた状態となり、保持突起322aの保持が解除される。
この下皿球抜きユニット320は、摘み部323(スライド蓋322)が正面視右側へ移動している状態では、開口部321aと下皿本体214の球抜き孔214aとの間にスライド蓋322が位置し、下皿202内の遊技球が、球抜き孔214aから下方へ抜けることがなく、下皿202内に遊技球を貯留させることができる。
この状態から、摘み部323を左側へ操作することでスライド蓋322が左方へスライドし、開口部321aと球抜き孔214aとが連通する。これにより、下皿202内の遊技球が球抜き孔214a及び開口部321aを通って皿ユニット200の下方へ抜けるようになり、下皿202内の遊技球を抜くことができる。この際に、スライド蓋322の保持突起322aが、保持装置325の一対の保持爪325bによって保持されるため、摘み部323の操作をやめてもスライド蓋322が開いたままの状態となり、下皿202内の遊技球を抜き続けることができる。
スライド蓋322を閉めるには、摘み部323を左側へ僅かに操作すると、一対の保持爪325bが開いて保持突起322aの保持が解除され、バネ部材324の付勢力によってスライド蓋322が右側へスライドして、球抜き孔214aを閉鎖する。このように、下皿球抜きユニット320の摘み部323を操作することで、下皿202に遊技球を貯留させたり、下皿202に貯留された遊技球を抜いたりすることができる。
[3−1j.球貸操作ユニット]
皿ユニット200の球貸操作ユニット330は、図28及び図29等に示すように、演出操作ユニット220における正面視右端付近の上面に取付けられ透光性を有しているユニットケース331と、ユニットケース331の上面に露出しており遊技者が操作可能な球貸ボタン332と、球貸ボタン332の後側でユニットケース331の上面に露出しており遊技者が操作可能な返却ボタン333と、返却ボタン333の後側でユニットケース331の上面を通して遊技者側から視認可能とされている表示部334と、を備えている。
この球貸操作ユニット330は、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、球貸ボタン332を押すと、所定数の遊技球を皿ユニット200の上皿201内へ貸出す(払出す)ことができると共に、返却ボタン333を押すと貸出された分の残りを引いた上で投入した現金の残金やプリペイドカードが返却される。また、表示部334には、球貸機に投入した現金やプリペイドカードの残数、或は、球貸機が故障した時のエラーコード等、が表示される。
[3−1k.上皿トップ装飾部材]
皿ユニット200の上皿トップ装飾部材340は、図28及び図29等に示すように、皿ユニットベース210の上端における左右中央に取付けられ左右に帯状に延びた透光性を有する上皿トップレンズ340aと、上皿トップレンズ340aの下側に取付けられており上面に複数のLEDが取付けられた上皿トップ装飾基板340bと、を備えている。
この上皿トップ装飾部材340は、上皿トップ装飾基板340bのLEDを発光させることで、上皿トップレンズ340aを帯状に発光させることができる。この上皿トップ装飾部材340は、演出操作ユニット200の後側に配置されていることから、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237等の発光装飾と同様に、上皿トップ装飾部材340を発光装飾させることで、遊技者の関心をタッチユニット220B等の演出操作ユニット220へ引付けることができ、演出操作ユニット220によって提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
[3−1l.皿ユニットの特徴的な作用効果]
本実施形態の皿ユニット200は、遊技領域5aの下側の遊技球を貯留する上皿201を有した皿ユニット200の上面における演出操作ユニット220のタッチユニット220Bに、遊技領域5a内に遊技球を打込むことで変化する遊技状態に応じて上皿液晶表示装置244に画像を表示させる際に、上皿液晶表示装置244の遊技領域5aに近い側の後側の外周縁に沿って帯状の線状発光レンズ部材237、上皿後装飾部材236、及び上皿トップ装飾部材340等を発光させることができるため、遊技者の視線が遊技領域5a内に集中していても、視線(視界)の外側から入る線状発光レンズ部材237等の光に気付くことができ、遊技者の視線(関心)を線状発光レンズ部材237等つまり上皿液晶表示装置244側へ引き付けることができる。従って、上皿液晶表示装置244において、遊技状態に応じて画像等の演出を提示する際に、線状発光レンズ部材237等を発光させることで、遊技者に対して上皿液晶表示装置244による演出の提示に気付かせることができ、上皿液晶表示装置244による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、皿ユニット200に遊技状態に応じて画像を表示可能な上皿液晶表示装置244を備えていることから、チャンスの到来を示唆する画像を表示させるようにした場合、遊技領域5a外に配置されている上皿液晶表示装置244によってチャンスの到来が示唆されることとなるため、遊技者に対して遊技領域5a内での遊技と、遊技領域5a外の上皿液晶表示装置244での演出との両方を気に掛けさせることができる。従って、遊技領域5a内と遊技領域5a外(上皿液晶表示装置244)とを気に掛けさせることで、スピード感のあるタイトな遊技を楽しませることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができると共に、上皿液晶表示装置244においてチャンスの到来を示唆する画像を表示する時に、線状発光レンズ部材237等を発光させることで、遊技者を上皿液晶表示装置244に注目させることができ、チャンスの到来を確実に認識させて遊技者を楽しませることができる。この場合、遊技者によっては、遊技領域5a内と遊技領域5a外との両方が気になることで、どちらにも集中できなくなって興趣を低下させてしまう虞があるが、遊技状態(チャンスの到来)に応じて線状発光レンズ部材237等が発光するため、線状発光レンズ部材237等が発光するまでは遊技領域5a内へ集中することができ、遊技領域5a内での遊技を楽しませることができると共に、線状発光レンズ部材237等の発光時には上皿液晶表示装置244での演出を楽しませることができ、遊技にメリハリを付けて飽き難くすることができる。
また、遊技領域5aの下側で遊技者側へ膨出した皿ユニット200に上皿液晶表示装置244を備えているため、上皿液晶表示装置244が遊技者から近い位置に配置されることとなる。これにより、本パチンコ機1の正面に位置している遊技者によって上皿液晶表示装置244が隠れ易くなり、上皿液晶表示装置244を隣や後ろの他の遊技者からは見え難くなるため、上皿液晶表示装置244により提示される演出を当該遊技者のみに楽しませることができる。従って、上皿液晶表示装置244による演出を楽しんでいる時に、他の遊技者によって覗かれることで、不快に感じて興趣を低下させてしまうのを低減させることができると共に、上皿液晶表示装置244による演出の提示の際に線状発光レンズ部材237等が発光することで、上皿液晶表示装置244による演出を見逃し難くすることができ、上皿液晶表示装置244による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、線状発光レンズ部材237等を帯状に発光させるようにしているため、点状に発光させる場合と比較して、線状発光レンズ部材237等の発光を目立ち易くすることができ、遊技者の意識が遊技領域5a内に集中していても、線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせ易くすることができ、上皿液晶表示装置244やタッチパネル246等による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。また、線状発光レンズ部材237等を帯状に発光させるため、他の発光装飾体等の発光とは異なる発光態様となり、発光装飾体等の発光と誤認してしまうのを低減させることができ、確実に線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせることができる。
また、上皿液晶表示装置244の外周縁のうち遊技領域5aに近い後側の位置に線状発光レンズ部材237等を配置しているため、線状発光レンズ部材237等を発光させた時に、線状発光レンズ部材237等の光を遊技者の視界に入り易くすることができ、線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせて上皿液晶表示装置244の演出を楽しませることができる。
また、上皿201等を有している皿ユニット200の上面に上皿液晶表示装置244等を有した演出操作ユニット200を備えており、皿ユニット200の上皿201は遊技領域5a内に打込むための遊技球の量を確認するための遊技者がある程度の頻度で視線を向けることから、上皿201へ視線を向けた際に上皿液晶表示装置244や線状発光レンズ部材237等が視界に入り易く、線状発光レンズ部材237の発光に気付き易くなる。また、遊技者が上皿201へある程度の頻度で視線を向けることから、視線を遊技領域5a内から上皿201(上皿液晶表示装置244)へ向け易い。従って、線状発光レンズ部材237等の発光に気付いた時に、即座に視線を上皿液晶表示装置244へ移すことができ、上皿液晶表示装置244により提示される演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、遊技領域5aの下側に演出操作ユニット200を配置しており、下側から遊技者へ線状発光レンズ部材237等からの光が照射されるため、遊技領域5aの上側に配置した場合と比較して、遊技者の目に入り易く線状発光レンズ部材237等の発光に気付かせ易くすることができ、遊技者を上皿液晶表示装置244に確実に注目させることが可能となり、演出操作ユニット200による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、遊技領域5aの左右方向の中央と対応する位置に演出操作ユニット200(上皿液晶表示装置244)を配置しているため、遊技者の視線の中心が遊技領域5a内のどの位置にあっても、線状発光レンズ部材237等からの光に気付き易くすることができ、遊技者を確実に上皿液晶表示装置244へ注目させることが可能となり、演出操作ユニット200による演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、演出操作ユニット200にタッチパネル246を備えているため、画像による演出の他に、遊技者にタッチパネル246を操作させる演出も行うことができ、多彩な演出によって遊技者を楽しませることができると共に、遊技者にタッチパネル246を操作させることで、演出に参加させることができ、遊技者に対して能動的に演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bの後側の外周縁に沿って配置された線状発光レンズ部材237(線状発光部237b)が、上皿201における遊技球を球送りユニット540(球発射装置680)へ送る誘導通路部212aに沿って配置されていると共に、誘導通路部212aとの間に上皿球抜きユニット310を動作させる上皿球抜きボタン239を配置されている。つまり、遊技者が遊技に必要な遊技球を確認する場所の近傍に線状発光レンズ部材237が備えられており、遊技中でも遊技者が気にする位置に線状発光レンズ部材237を配置した構成としているため、線状発光レンズ部材237の発光に気付かせることができ、遊技者の関心をタッチユニット220Bに引付けてタッチユニット220Bによる演出(上皿液晶表示装置244による演出画像、タッチパネル246のタッチ操作、等)のタイミングに気付き易くすることができる。
また、上皿液晶基板241や上皿液晶表示装置244を備えたタッチユニット220Bを、取付ベースユニット220Aの取付ベース230とユニットケース231とによって、皿ユニットカバー260の上皿下被覆部262の上面よりも高い位置に配置していると共に、タッチユニット220Bの後側の外周面に防水シール248を貼付けているため、上皿201において、外気に触れることで上皿本体212や遊技球の表面で結露した水(水滴)が、上皿201の下方(上皿下被覆部262上)へ流動しても、タッチユニット220B内へ結露した水が浸入するのを防止することができ、タッチユニット220Bにおいて不具合が発生するのを防止することができる。
また、図41に示すように、上皿後装飾部材236や線状発光レンズ部材237を発光装飾させる上皿後装飾基板235を、上皿201の底面よりも高い位置に配置しているため、上皿201で結露した水滴にさらされることがなく、上皿後装飾基板235においてショートや腐蝕等の不具合が発生するのを防止することができる。
更に、皿ユニット200の演出操作ユニット220において、加振装置242によってタッチパネル246と上皿液晶表示装置244とを備えたタッチユニット220Bを振動させた際に、タッチユニット220Bが複数(二つ)のダンパ222を挟んで浮いた状態で取付ベースユニット220Aのユニットケース231に取付けられているため、タッチユニット220B(加振装置242)の振動がダンパ222によって吸収・減衰されて取付ベースユニット220Aに伝わることとなり、取付ベースユニット220Aの振動を低減させることができる。従って、タッチユニット220Bのタッチパネル246をタッチ操作した際に、加振装置242によってタッチユニット220Bを振動させると、タッチユニット220Bのみが振動することとなるため、遊技者に対してタッチユニット220Bのタッチパネル246の操作感を十分に付与することができ、遊技者にタッチパネル246のタッチ操作を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、加振装置242によってタッチユニット220Bを振動させることができるため、遊技者に対してタッチパネル246の操作感の他に、タッチユニット220Bの振動によって驚かせたり、タッチパネル246を操作するタイミングを示唆したりすることができ、タッチユニット220Bのタッチパネル246による操作演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bを複数のダンパ222によって下側から支持しているため、タッチユニット220Bを上側から叩いたり強く押したりしてタッチユニット220Bに衝撃や荷重等が加えられても、ダンパ222によってその衝撃等を吸収することが可能となるため、衝撃等によってタッチユニット220Bや取付ベースユニット220A等が破損してしまうのを低減させることができ、タッチユニット220B等の破損により遊技が中断することで遊技者の興趣が低下してしまうのを抑制することができる。
また、タッチユニット220Bの操作する部位をタッチパネル246としていることから、遊技者が操作する際には、ボタンを押圧操作する場合と比較して、タッチパネル246に触れている時間が長くなるため、タッチパネル246に触れた時に加振装置242でタッチユニット220Bを振動させると、その振動を遊技者の指(手)に確実に伝達させることができる。従って、遊技者の指が振動することでタッチパネル246を操作していることを遊技者に実感させることができるため、十分な操作感を付与することができ、遊技者にタッチパネル246の操作を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、タッチユニット220Bの上皿液晶表示装置244に表示される画像を変更することで、タッチ操作(ボタン)の種類を簡単に変更することができ、多様な演出に対応することが可能となり、多様な演出によって遊技者を飽き難くして興趣が低下するのを抑制することができる。更に、タッチユニット220Bにタッチパネル246を備えているため、従来の押圧ボタンと比較して、タッチ、タップ(シングルタップ、ダブルタップ)、ドラッグ、フリック、ピンチ(ピンチアウト、ピンチイン)、スワイプ、タッチアンドホールド、等の様々な操作を行うことができる。これにより、より多彩な操作演出を行うことができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bを、取付ベースユニット220A(ユニットケース231)に対して上方へ移動不能且つ下方へ移動可能に取付けるようにしており、複数のダンパ222の弾性力(付勢力)によってタッチユニット220Bが上側の移動端に押し付けられた状態となるため、タッチパネル246の操作中にタッチユニット220Bを動き難くすることができ、タッチパネル246の操作を的確に行い易くすることができる。また、タッチユニット220Bが動き難くなることから、遊技者に対してタッチユニット220Bが動かないものであると思わせることができ、動かないと思っていたタッチユニット220Bが遊技状態に応じて加振装置242により振動することで遊技者を驚かせることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、互いに離間した複数の加振装置242によってタッチユニット220Bを振動させるようにしているため、例えば、タッチパネル246において遊技者が操作する部位に近い位置の加振装置242を駆動させることで、強い振動を伝達させることができる。従って、タッチパネル246において、遊技者が操作すべき位置と異なる位置を操作した場合、遊技者に伝達される振動が異なることとなるため、遊技者に対して、操作を間違えていることを知らせることが可能となり、遊技者に対して正しい操作を行わせることができ、タッチパネル246を用いた操作演出を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、互いに離間した複数の加振装置242を備えているため、各加振装置242の振動の周波数や強さ等を適宜制御することで、タッチパネル246の任意の位置で共振現象を発生させることができる。従って、遊技者が操作した任意の位置で共振現象が発生するように各加振装置242を制御することで、より一層の操作感を付与したり、遊技者を大いに驚かせたりすることができ、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、タッチユニット220Bが上側から叩かれたり強く押されたりしてタッチユニット220Bに衝撃や荷重等が作用した場合、タッチユニット220Bの左右両端側がダンパ222を挟んでユニットケース231に取付けられているため、ダンパ222とタッチユニット220Bの撓りとによって上側からの衝撃等をある程度吸収して(減衰させて)ユニットケース231側へ伝達させることができる。また、ユニットケース231側では、ユニットケース231の外縁が下側の取付ベース230に取付けられているため、ユニットケース231を介したタッチユニット220B側からの衝撃や荷重等を、取付ベース230に対して広く分散させて伝達させることができる。この際に、ユニットケース231の下面から下方へ突出した受突部231eの外周壁と、取付ベース230の取付側受部230aの底面において受突部231eが挿入されている筒状受部230cの内周壁との間に隙間が形成されているため、タッチユニット220Bからの衝撃や荷重等によって、ユニットケース231が下方へ撓んだ後に、受突部231eと筒状受部230cとが当接してユニットケース231から取付ベース230へ衝撃等が伝達されることとなり、ユニットケース231の撓みによって、衝撃等が更に減衰された状態で取付ベース230に伝達される。この受突部231eの外周壁と筒状受部230cの内周壁は、下方へ窄まっているため、受突部231eと筒状受部230cとが当接すると、受突部231e(ユニットケース231)側からの衝撃や荷重等が、取付ベース230の取付側受部230aの底面に対して斜め方向へ伝達され、取付ベース230の取付側受部230aの底面に垂直な方向と底面に沿った方向とに分解されることとなり、取付ベース230を撓ませようする底面に垂直な方向(下方向)の力が小さくなって取付ベース230側へ伝達される。従って、タッチユニット220Bが上側から叩かれたり強く押されたりしても、複数のダンパ222、ユニットケース231、取付ベース230によって、その衝撃等を効果的に減衰させることができ、タッチユニット220Bや取付ベースユニット220Aが破損するのを抑制することができる。
[3−2.ファールカバーユニット]
扉枠3のファールカバーユニット520について、図54乃至図56を参照して詳細に説明する。図54(a)は扉枠のファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。また、図55(a)はファールカバーユニットを蓋部材を外して前から見た分解斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを蓋部材を外して後ろから見た分解斜視図である。更に、図56は、蓋部材を外した状態のファールカバーユニットの正面図である。
本実施形態のファールカバーユニット520は、図示するように、扉枠ベースユニット100の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体522と、ユニット本体522の前面に取付けられている平板状の蓋部材524と、を備えている。ファールカバーユニット520は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861と皿ユニット200の上皿球供給口210aとを連通させる貫通球通路526と、貫通球通路526の正面視右側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862と連通可能な満タン球受口528と、を備えている。
また、ファールカバーユニット520は、満タン球受口528の正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置680により発射されにも関わらず遊技領域5a内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を受けるファール球受口530と、正面視右下隅で前方へ向かって開口しており満タン球受口528及びファール球受口530に受入れられた遊技球を放出すると共に皿ユニット200の下皿球供給口210cと連通する球放出口532と、を備えている。
更に、ファールカバーユニット520は、ユニット本体522及び蓋部材524とによって、満タン球受口528及びファール球受口530と球放出口532との間に形成されており所定量の遊技球を貯留可能な広さを有している貯留通路533と、貯留通路533の内壁の一部を構成しており下端が回動可能にユニット本体522に取付けられている平板状の可動片534と、可動片534の貯留通路533から遠ざかる方向への回動を検知する満タン検知センサ535と、可動片534を貯留通路533の中心側へ付勢しているバネ536と、を備えている。
このファールカバーユニット520は、皿ユニット200の下皿202内が遊技球で一杯になって、球放出口532から遊技球が下皿202側へ放出されなく無くると、貯留通路533内にある程度の数の遊技球を貯留することができる。そして、貯留通路533内にある程度の数の遊技球が貯留されると、遊技球の重さによって可動片534の上端が貯留通路533から遠ざかる方向へ移動するように可動片534が回動し、その回動が満タン検知センサ535によって検知される。これにより、下皿202が遊技球で満タンになっていると判断することができるため、満タン検知センサ535により満タンが検知されると、これ以上の遊技球の払出しを停止させると共に、その旨を遊技者や遊技ホールの係員等に報知して、下皿202の満タンを解消させるように促すことができる。
また、ファールカバーユニット520は、ユニット本体522の後側で貫通球通路526の下側に取付けられており、本体枠4の後述する払出ユニット800における下部満タン球経路ユニット860の誘導路開閉扉863の作動突部863eが当接可能な扉開閉当接部537を備えている(図79を参照)。扉開閉当接部537は、後面が下方へ向かうに従って前方へ移動するように傾斜している。この扉開閉当接部537は、本体枠4に対して扉枠3を閉じると、誘導路扉部材863の作動突部863eが当接するように形成されている。この扉開閉当接部537に誘導路開閉部863の作動突部863eが当接することで、誘導路扉部材863が回動して通常誘導路861及び満タン誘導路862の下流端(前側開口)を開放させることができる。
[4.本体枠の全体構成]
本実施形態のパチンコ機1における本体枠4について、図57乃至図60を参照して説明する。図57は本体枠を前から見た斜視図であり、図58は本体枠を後ろから見た斜視図である。また、図59は本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図60は本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。本実施形態の本体枠4は、図示するように、前方が開放された箱状に形成されており、内部に遊技盤5が着脱可能に収容される。この本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられるものである。
本実施形態の本体枠4は、一部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側の上下両端に取付けられ外枠2の外枠側上ヒンジ部材60及び外枠側下ヒンジ部材70に夫々回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠側上ヒンジ部材140及び扉枠側下ヒンジ部材150が夫々回転可能に取付けられる本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640と、本体枠ベース600の正面視左側面に取付けられる補強フレーム660と、を備えている。
また、本体枠4は、本体枠ベース600の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球を打込むための球発射装置680と、本体枠ベースの正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット700と、本体枠ベース600の正面視上辺及び左辺に沿って後側に取付けられており遊技者側へ遊技球を払出す逆L字状の払出ユニット800と、本体枠ベース600の後面下部に取付けられている基板ユニット900と、本体枠ベース600の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース600に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー980と、を備えている。
[4−1.本体枠ベース]
本実施形態における本体枠4の本体枠ベース600は、図57乃至図60に示すように、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されている。この本体枠ベース600は、上端よりやや下側の位置から全高の約3/4の高さの範囲で前後に貫通しており遊技盤5が前側から挿入される遊技盤挿入口601と、遊技盤挿入口601の下辺を形成しており遊技盤5が載置される遊技盤載置部602と、遊技盤載置部602の左右方向中央から上方へ突出しており遊技盤5の下端の左右及び後方への移動を規制する遊技盤規制部603と、を備えている。
また、本体枠4は、遊技盤載置部602の正面視右下側に形成されている球発射装置680を取付けるための発射装置取付部604と、発射装置取付部604の正面視右側で前後に貫通しており施錠ユニット700の鍵シリンダ710が挿通されるシリンダ挿通口605と、遊技盤載置部602の正面視左右中央から左寄り下側で前後に貫通しており基板ユニット900の低音スピーカを前方へ臨ませる接続用開口部606と、遊技盤載置部602の正面視左下側で前後に貫通しており基板ユニット900におけるスピーカユニット920を前方へ臨ませる円形状のスピーカ用開口部607と、を備えている。
更に、本体枠4は、遊技盤挿入口601の正面視右辺から後方へ板状に延出しており、右側面に施錠ユニット700が取付けられると共に、後端に裏カバー980が回動可能に取付けられる後方延出部608を備えている。また、本体枠4は、後面における正面視左端の上下両端部付近に形成されており、本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640を取付けるための上ヒンジ取付部609及び下ヒンジ取付部610を備えている。
また、本体枠4は、接続用開口部606を開閉可能に閉鎖する開口カバー615と、遊技盤載置部602の正面視左右中央より左側でやや下側の位置に回動可能に取付けられ、遊技盤挿通口601に挿通された遊技盤5の前方への移動を規制可能な遊技盤ロック部材616と、を備えている。
[4−2.本体枠側上ヒンジ部材及び本体枠側下ヒンジ部材]
本実施形態における本体枠4の本体枠側上ヒンジ部材620と本体枠側下ヒンジ部材640について、図46乃至図49を参照して説明する。この本体枠側上ヒンジ部材620及び本体枠側下ヒンジ部材640は、本体枠4の上ヒンジ取付部609及び下ヒンジ取付部610に取付けられるものである。
本体枠側上ヒンジ部材620は、水平に延びた平板状の板材の後部が下方へL字状に折り曲げられている上ヒンジ本体621と、上ヒンジ本体621の前端から上方へ円柱状に突出しており外枠側上ヒンジ部材60に軸支される本体枠上ヒンジピン622と、本体枠上ヒンジピン622の正面視左側で上ヒンジ本体621を貫通しており扉枠側上ヒンジ部材140を軸支するための扉枠用上ヒンジ孔623と、を備えている。本体枠側上ヒンジ部材620は、上ヒンジ本体621における下方へ折り曲げられた部位が、本体枠4の上ヒンジ取付部609に取付けられる。
本体枠側下ヒンジ部材640は、水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第一本体641と、下ヒンジ第一本体641の前端で上下に貫通しており外枠2の外枠側下ヒンジ部材70に軸支される外枠用下ヒンジ孔(図示は省略)と、下ヒンジ第一本体641の上側に配置されており水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられて下ヒンジ第二本体643と、下ヒンジ第二本体643の前端で上下に貫通しており扉枠3の扉枠側下ヒンジ部材150を軸支するための扉枠用下ヒンジ孔644と、下ヒンジ第二本体643の水平に延びている部位における扉枠用下ヒンジ孔644よりも後側で左端から上方へ延出しており扉枠3の回動範囲を規制するための規制片645と、を備えている。
下ヒンジ第二本体643は、水平に延びた部位が、下ヒンジ第一本体641の水平に延びた部位の上側に一定の間隔を開けた状態で、上方へ折り曲げられた部位が下ヒンジ第一本体641の上方へ折り曲げられた部位の前面に当接している。この本体側下ヒンジ部材640は、下ヒンジ第一本体641及び下ヒンジ第二本体643の上方へ折り曲げられた部位が、本体枠4の下ヒンジ取付部610に取付けられる。
[4−3.補強フレーム]
本実施形態における本体枠4の補強フレーム660について、図46乃至図49を参照して説明する。補強フレーム660は、本体枠ベース600の左側面に取付けられるものである。この補強フレーム660は、平面視の断面形状が、右側が開放されたコ字状に形成されており、一定の断面形状で上下に延びている。また、補強フレーム660には、前端から右方へ延びている部位の後側に、本体枠ベース600の遊技盤挿入口601に挿入された遊技盤5が前方及び上下に移動するのを規制する左位置決め部材661が、上下に離間して一組取付けられている。
この補強フレーム660によって本体枠ベース600のヒンジ側(正面視左側)を補強することができると共に、外枠2と本体枠4の間を通した左側からの本体枠4内(遊技盤5)への不正な工具の差し込みを防止することができる。
[4−4.球発射装置]
本実施形態における本体枠4の球発射装置680について、図57、図59及び図60を参照して説明する。球発射装置680は、皿ユニット200の上皿201に貯留されている遊技球を、本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5a内に打込むための装置である。この球発射装置680は、扉枠3の前面右下隅のハンドルユニット500のハンドルレバー504の回動角度に応じて、遊技球の打込強さが変化する。
球発射装置680は、本体枠ベース600の発射装置取付部604に取付けられる平板状の発射ベース681と、発射ベース681の正面視右部の後面に取付けられており回動軸が発射ベース681を貫通して前方へ延出しているロータリーソレノイドからなる発射ソレノイド682と、発射ソレノイド682の回転軸に基端が取付けられている打球槌683と、打球槌683の先端付近から左斜め上方へ延出するように発射ベース681の前面に取付けられており遊技球が転動可能な発射レール684と、を備えている。
この球発射装置680は、扉枠3の球送りユニット540から遊技球が発射レール684の上面右端に供給されるようになっており、発射レール684の上面右端に遊技球が供給されている状態で、ハンドルレバー504を回動操作すると、その回動操作角度に応じた強さで発射ソレノイド682が駆動して、打球槌683により遊技球を打球する。そして、打球槌683により打たれた遊技球は、発射レール684を通って遊技盤5の案内レール(外レール1001及び内レール1002)に案内されて遊技領域5a内に打込まれる。
なお、遊技球の打込強さ等の関係で、打球した遊技球が遊技領域5a内に到達しなかった場合は、発射レール684と遊技盤5(外レール1001及び内レール1002)との間から、下方のファールカバーユニット520のファール球受口530へ落下し、ファールカバーユニット520内を通って下皿202に排出される。
[4−5.施錠ユニット]
本実施形態における本体枠4の施錠ユニット700について、図57乃至図60を参照して説明する。本実施形態の施錠ユニット700は、本体枠4に取付けられ、本体枠4と扉枠3、本体枠4と外枠2、との間を施錠することができる。施錠ユニット700は、本体枠ベース600の後方延出部608の右側面に取付けられ上下に延びているユニットベース701と、ユニットベース701から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤702と、ユニットベース701から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤703と、ユニットベース701の下部にから前方に円柱状に突出しており前側から挿入した開錠鍵の回動方向に応じて扉枠用鉤702又は外枠用鉤703の何れかの係止を開錠させる鍵シリンダ710と、を備えている。
[4−6.払出ユニット]
本実施形態における本体枠4の払出ユニット800について、図61乃至図72を参照して説明する。図61は払出ユニットを前から見た斜視図であり、図62は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図63は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図64は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。また、図65(a)は払出ユニットの球誘導ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球誘導ユニットを後ろから見た斜視図である。更に、図66は、球誘導ユニットの分解斜視図である。また、図67(a)は払出ユニットの払出装置を前から見た斜視図であり、(b)は払出装置を後ろから見た斜視図である。また、図68は払出装置を分解して前から見た分解斜視図であり、図69は払出装置を分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図70(a)は払出装置の正面図であり、(b)は(a)におけるE−E線で切断した断面図である。また、図71(a)は払出装置において球抜き可動片により球抜き通路を閉鎖した状態を示す説明図であり、(b)は球抜き可動片により球抜き通路を開放した状態を示す説明図である。図72は、払出装置における払出羽根の部位を拡大して示す説明図である。
また、図73(a)は払出ユニットにおける上部満タン球経路ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は上部満タン球経路ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図74(a)は上部満タン球経路ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は上部満タン球経路ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図75(a)は払出ユニットにおける下部満タン球経路ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は下部満タン球経路ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図76は下部満タン球経路ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図77は下部満タン球経路ユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図78(a)は下部満タン球経路ユニットにおいて誘導路開閉扉が閉じている状態を示す説明図であり、(b)は誘導路開閉扉が開いている状態を示す説明図である。また、図79は、扉枠のファールカバーユニットと下部満タン球経路ユニットとの関係を示す説明図である。図180は、払出ユニットにおける遊技球の流れを示す説明図である。
本実施形態の払出ユニット800は、図61及び図62等に示すように、本体枠ベース600の後側に取付けられる逆L字状の払出ユニットベース801と、払出ユニットベース801の上部に取付けられており上方へ開放された左右に延びた箱状で図示しない遊技ホールの島設備から供給される遊技球を貯留する球タンク802と、球タンク802の下側で払出ユニットベース801に取付けられており球タンク802内の遊技球を正面視左方向へ誘導する左右に延びたタンクレール803と、を備えている。タンクレール803内では、遊技球を左方へ誘導させながら、上方から揺動可能に垂下している球均し部材804(図180を参照)によって、前後二列に整列させる。
また、払出ユニット800は、払出ユニットベース801における正面視左側上部の後面に取付けられタンクレール803からの遊技球を蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット820と、球誘導ユニット820の下側で払出ユニットベース801から着脱可能に取付けられており球誘導ユニット820により誘導された遊技球を払出制御基板ボックス950に収容された払出制御基板951からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置830と、を備えている。タンクレール803から払出装置830までは、遊技球が二列で流通し、払出装置830からは、遊技球が一つずつ払出される。
更に、払出ユニット800は、払出ユニットベース801の後面に取付けられ払出装置830によって払出された遊技球を下方へ誘導すると共に皿ユニット200における上皿201での遊技球の貯留状態に応じて遊技球を通常放出口850d又は満タン放出口850eの何れかから放出させる上部満タン球経路ユニット850と、払出ユニットベース801の下端に取付けられ上部満タン球経路ユニット850の通常放出口850dから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路526へ誘導する通常誘導路861、満タン放出口850eから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口530へ誘導する満タン誘導路862、及び通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を本体枠4に対する扉枠3の開閉に応じて開閉する誘導路開閉扉863、を有した下部満タン球経路ユニット860と、を備えている。
[4−6a.球誘導ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の球誘導ユニット820について、図65及び図66を参照して説明する。球誘導ユニット820は、上下に延びており後側が開放された箱状の前ケース821と、前ケース821の後側に取付けられており前側が開放された箱状の後ケース822と、前ケース821と後ケース822との間に取付けられており前ケース821と後ケース822と間を仕切る平板状の仕切板823と、仕切板823を貫通して前後両端が前ケース821及び後レース822に取付けられている棒状の軸部材824と、軸部材824によって回動可能に取付けられており前ケース内及び後ケース内に夫々配置されている一対の可動片部材前825及び可動片部材後826と、前ケース821内に取付けられており一対の可動片部材前825及び可動片部材後826の回動位置を検知可能な球切れ検知センサ827と、を備えている。
前ケース821は、右側面の上部において遊技球が通過可能に開口している球誘導入口821aと、底面の左右方向中央よりも右寄りの位置で遊技球が通過可能に開口している球誘導出口821bと、球誘導入口821aと球誘導出口821bとを連通しており遊技球が流通可能な誘導通路821cと、を備えている。誘導通路821cは、球誘導入口821aから左端付近まで水平に対して小さい角度で低くなるように斜めに延びている導入部821dと、導入部821dから前ケース821の左辺に沿って高さの中央付近まで下方へ真っ直ぐ延びている検知部821eと、検知部821dから前ケース821の左右の幅で蛇行状に延びている蛇行部821fと、で構成されている。また、前ケース821は、誘導通路821cにおける検知部821eの正面視右側の壁に切欠部821gを備えている。
後ケース822は、右側面の上部において遊技球が通過可能に開口している球誘導入口822aと、底面の左右方向中央よりも右寄りの位置で遊技球が通過可能に開口している球誘導出口822bと、球誘導入口822aと球誘導出口822bとを連通しており遊技球が流通可能な誘導通路822cと、を備えている。誘導通路822cは、球誘導入口822aから左端付近まで水平に対して小さい角度で低くなるように斜めに延びている導入部822dと、導入部822dから後ケース822の左辺に沿って高さの中央付近まで下方へ真っ直ぐ延びている検知部822eと、検知部822dから後ケース822の左右の幅で蛇行状に延びている蛇行部822fと、で構成されている。また、後ケース822は、誘導通路822cにおける検知部822eの正面視右側の壁に切欠部822gを備えている。
この後ケース822は、前ケース821に対して左右に略対称に形成されており、球誘導ユニット820を組立てた状態で、誘導通路821cと誘導通路822cとが前後に一致するように形成されている。
軸部材824は、前ケース821及び後ケース822における切欠部821g,822gの上端の下側且つ誘導通路821c,822cの外側の位置に前後の端部が取付けられている。
可動片部材前825は、上下に延びた平板状の可動片825aと、可動片825aの右側の面の上端で前後に貫通しており軸部材824が挿通される軸孔825bと、可動片825aの上端から可動片825aの右面に対して直角に右方向へ延びている延出部825cと、延出部825cと可動片825aとを連結しており軸孔825bを中心に扇状に延びている連結部825dと、延出部825cの上部及び連結部825dの外周の中央付近から外方へ夫々突出しており前後に貫通している貫通孔を有した錘取付部825eと、延出部825cの右側先端から外方へ平板状に延出しており球切れ検知センサ827により検知可能な検知片825fと、連結部825dの外周における可動片825aに近い位置から外方へ平板状に延出しているストッパ片825gと、を備えている。
この可動片部材前825は、軸孔825bに軸部材824を通すと、その自重によって、連結部825dの外周から突出している錘取付部825eが、軸孔825bの直下に位置するように回動し、可動片825aが軸孔825bの部位から斜め下方へ延出した状態となる。従って、球誘導ユニット820を組立てた状態では、連結部825dが前ケース821の切欠部821gに挿通されて、可動片825aの下端が誘導通路821c内に突出した状態となると共に、ストッパ片825gが誘導通路821c(検知部821e)の外壁に当接した状態となる。このストッパ片825gが誘導通路821cの外壁に当接することで、可動片825aの下端が、誘導通路821c内へ突出する方向(正面視左方向)へこれ以上回動するのが規制される。また、可動片部材前825は、可動片825aの下端を、誘導通路821cの壁に接近させる方向(正面視右方向)へ回動させると、可動片825aの左側の面が、誘導通路821cの内面と一致する。この状態では、可動片部材前825の検知片825fは、球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となる。つまり、誘導通路821c内に遊技球がある時は、球切れ検知センサ827が非検知となる。
可動片部材後826は、上下に延びた平板状の可動片826aと、可動片826aの右側の面の上端で前後に貫通しており軸部材824が挿通される軸孔826bと、可動片826aの上端から可動片826aの右面に対して直角に右方向へ延びている延出部826cと、延出部826cと可動片826aとを連結しており軸孔826bを中心に扇状に延びている連結部826dと、延出部826cの上部及び連結部826dの外周の中央付近から外方へ夫々突出しており前後に貫通している貫通孔を有した錘取付部826eと、延出部826cの右側先端から外方へ平板状に延出しており球切れ検知センサ827により検知可能な検知片826fと、連結部826dの外周における可動片826aに近い位置から外方へ平板状に延出しているストッパ片826gと、を備えている。
この可動片部材後826は、軸孔826bに軸部材824を通すと、その自重によって、連結部826dの外周から突出している錘取付部826eが、軸孔826bの直下に位置するように回動し、可動片826aが軸孔826bの部位から斜め下方へ延出した状態となる。従って、球誘導ユニット820を組立てた状態では、連結部826dが後ケース822の切欠部822gに挿通されて、可動片826aの下端が誘導通路822c内に突出した状態となると共に、ストッパ片826gが誘導通路822c(検知部822e)の外壁に当接した状態となる。このストッパ片826gが誘導通路822cの外壁に当接することで、可動片826aの下端が、誘導通路822c内へ突出する方向(正面視左方向)へこれ以上回動するのが規制される。また、可動片部材前826は、可動片826aの下端を、誘導通路822cの壁に接近させる方向(正面視右方向)へ回動させると、可動片826aの左側の面が、誘導通路822cの内面と一致する。この状態では、可動片部材前826の検知片826fは、球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となる。つまり、誘導通路822c内に遊技球がある時は、球切れ検知センサ827が非検知となる。
本実施形態の球誘導ユニット820は、タンクレール803によって複数の遊技球が前後に夫々一列で並ばされた状態で供給され、複数の遊技球が一列に並んだ状態で、前ケース821及び後ケース822によって、前後に二列の状態で下方の払出装置830へ誘導することができる(図180を参照)。この際に、前ケース821と後ケース822とは仕切板823によって仕切られているため、夫々の誘導通路821c,822cを流通する遊技球が、互いに干渉し合うことはなく、良好に流通することができる。
また、球誘導ユニット820の誘導通路821c,822c内を遊技球が流通すると、遊技球が可動片部材前825及び可動片部材後826の可動片825a,826aに当接し、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁面と一致する方向へ可動片部材前825及び可動片部材後826が回動する。これにより、可動片部材前825及び可動片部材後826の検知片825f,826fが球切れ検知センサ827に対して非検知の状態となり、誘導通路821c,822c内に遊技球があることが判る。
そして、球誘導ユニット820の下流側の払出装置830により遊技球の払出し等が行われると、誘導通路821c,822c内の遊技球が下流へ流れることとなる。誘導通路821c,822c内を遊技球が流れると、導入部821d,822dを流れる遊技球の勢いが強くなり、導入部821d,822dを流れた遊技球が、検知部821e,822eの上部で可動片825a,826a側へ跳ね返り、可動片825a,826aに当接することとなる。この遊技球の当接により、可動片825a,826aが振動することとなるため、その振動により可動片825a,826aと誘導通路821c,822cの切欠部821g,822gとの間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を除去することができ、自重等によって可動片825,826aが良好に回動できるようになる。
また、球誘導ユニット820は、各誘導通路821c,822c内を流通する遊技球を夫々別々の可動片部材前825及び可動片部材826によって検知するようにしていると共に、可動片部材前825及び可動片部材後826の夫々の検知片825f,826fを一つの球切れ検知センサ827で検知するようにしているため、何れかの誘導通路821c,822c内の遊技球がなくなると、可動片部材前825又は可動片部材後826の可動片825a,826aが誘導通路821c,822c内へ突出するように回動し、遊技球のなくなった側の検知片825f,826fが球切れ検知センサ827で検知される。従って、遊技球の球切れを早期に検知することができるため、速やかに遊技球を補充させることができ、遊技が中断する時間を可及的に短くすることで、遊技者の興趣の低下を抑制することができる。
更に、可動片部材前825及び可動片部材後826の錘取付部825e,826eに、錘として金属ビスを捩じ込んで取付けることで、可動片部材前825及び可動片部材後826と錘の重量とによって、可動片825a,826aの下端側を、誘導通路821c,822c内に突出する方向へ回動させ易くすることができる。また、可動片825a,826aの上端を誘導通路821c,822cの外側で回動可能に取付けて、下端側が誘導通路821c,822c内に突出するようにしているため、誘導通路821c,822c内の埃やゴミ等が、可動片825a,826aの上端や下端に付着することがない。従って、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁側に回動しても、可動片825a,826aの下端と壁との間に埃やゴミ等が噛み込むことはないため、自重等によって良好に回動することができ、可動片825a,826aが回動しなくなるような不具合の発生を抑制することができる。
このように、本実施形態の球誘導ユニット820は、自重によって下端側が遊技球の流通する誘導通路821c,822c内へ突出する可動片部材前825及び可動片部材後826の可動片825a,826aにおいて、遊技球と当接する面の反対側の錘取付部825e,826eに金属ビスからなる錘を取付けることで、可動片部材前825及び可動片部材826の自重と錘の重量とによって、可動片825a,826aの下端側を誘導通路821c,822c内に回動(突出)させ易くすることができる。また、可動片825a,826aの上端を誘導通路822cの外側で回動可能に取付けて、下端側が誘導通路821c,822c内に突出するようにしているため、誘導通路821c,822c内の埃やゴミ等が、可動片825a,826aの上端や下端に付着することがない。従って、可動片825a,826aが誘導通路821c,822cの壁側に回動しても、可動片825a,826aの下端と壁との間に埃やゴミ等が噛み込むことはないため、自重等によって良好に回動することができ、可動片825a,826(可動片部材前825及び可動片部材後826)が回動しなくなるような不具合の発生を抑制することができる。
また、錘としての金属ビスを、貫通孔とされた錘取付部825e,826eに捩じ込んで取付けるため、可動片部材前825及び可動片部材後826が頻繁に回動しても、錘が可動片部材前825及び可動片部材後826(錘取付部825e,826e)から外れることがなく、長期に亘って可動片部材前825及び可動片部材後826を良好な状態に維持することができる。また、錘取付部825e,826eに金属ビスを捩じ込むだけで、可動片部材前825及び可動片部材後826に錘を容易に取付けることができるため、錘の取付けの手間を簡略化することができ、パチンコ機1の組立てに係るコストを低減させることができる。
更に、誘導通路821c,822c内において可動片825a,825cが内部に突出する部位よりも上流側に、可動片825a,825cへ向かって遊技球を誘導させる導入部822dを備えていることから、誘導通路821c,822c内を遊技球が流れることで、遊技球が可動片825a,826aに当接するため、遊技球の当接によって可動片825a,826aを振動させることができる。従って、可動片825a,826aの振動により、可動片825a,826aと誘導通路821c,822cの壁との間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を除去することができ、自重等によって可動片部材前825及び可動片部材後826が良好に回動するようにできる。
従って、可動片部材前825及び可動片部材後826を良好に回動させることができるため、誘導通路821c,822c内の遊技球の状態(有無)を確実に検知させることができ、遊技球の誤検知等による不具合の発生を抑制させることができる。また、払出装置830へ供給される遊技球が誘導通路821c,822c内からなくなっても、可動片825a,826aを介して確実に誘導通路821c,822c内の有無を検知することができるため、速やかに遊技球を補充させることができ、遊技が中断する時間を可及的に短くすることで、遊技者の興趣の低下を抑制することができる。
[4−6b.払出装置]
本実施形態における払出ユニット800の払出装置830について、図67乃至図72を参照して説明する。払出装置830は、後側が開放されている箱状で、上面における左右方向中央に遊技球が通過可能に開口している払出入口831a、底面における正面視左端付近で遊技球が通過可能に開口している払出出口831b、底面における正面視右端付近で遊技球が通過可能に開口している球抜き出口831c、払出入口831aと払出出口831bとを連通しており遊技球が流通可能な払出通路831d、及び払出通路831dの途中から分岐して球抜き出口831cと連通しており遊技球が流通可能な球抜き通路831e、を有している前箱831と、前箱831の後側に取付けられており前側が開放されている箱状で、上面における左右方向中央に遊技球が通過可能に開口している払出入口832a、底面における正面視左端付近で遊技球が通過可能に開口している払出出口832b、底面における正面視右端付近で遊技球が通過可能に開口している球抜き出口832c、払出入口832aと払出出口832bとを連通しており遊技球が流通可能な払出通路832d、及び払出通路832dの途中から分岐して球抜き出口832cと連通しており遊技球が流通可能な球抜き通路832e、を有している後箱832、を備えている。
また、払出装置830は、前箱831の前側に取付けられており後側が開放されている浅い箱状の前カバー833と、前箱831内に取付けられており回転軸が前箱831を貫通して前カバー833内に延出している払出モータ834と、払出モータ834の回転軸に取付けられている駆動ギア835と、駆動ギア835と噛合しており前箱831と前カバー833とで回転可能に取付けられている平歯車状の中間ギア836と、中間ギア836と噛合している従動ギア837と、従動ギア837が回転可能に貫通しており前端が前カバー833に取付けられていると共に後端が前箱831を貫通して後箱832に取付けられている軸部材838と、軸部材837を貫通して回転可能に取付けられていると共に前箱831及び後箱832の払出通路831d,832d内に配置されており従動ギア837と一体回転する払出羽根839と、前箱831と後箱832との間に取付けられており払出羽根839の回転を検知する羽根回転検知センサ840と、を備えている。
更に、払出装置830は、前箱831と後箱832の間に取付けられており前箱831の払出通路831dと後箱832の払出通路832dとを仕切る平板状の仕切板841と、前箱831と後箱832との間に取付けられており払出羽根839の回転により払出されて払出出口831b,832bから放出される遊技球を検知する払出検知センサ842と、払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eとが分岐している部位で前箱831と後箱832とによって回動可能に取付けられており球抜き通路831e,832eを閉鎖可能な球抜き可動片843と、前箱831及び後箱832の正面視右側面上部で上下にスライド可能に取付けられており球抜き可動片843を回動可能又は回動不能とする球抜きレバー844と、を備えている。
前箱831の払出通路831dは、払出入口831aから球抜き出口831cへ向かうように正面視右下へ斜めに延び、前箱831の全高に対して上面から約1/3の高さのところで下方へ垂直に延びるように折れ曲がり、全高の中央付近で左方へ略水平に延びるように曲がった後に、前箱831の左右の幅に対して左端から約1/3のところで再び下方へ垂直に延びるように折れ曲がっており、前箱831の全高に対して底面から約1/4の高さのところで払出出口831bの直上へ位置するようにクランク状に折れ曲がって払出出口831bへ垂直に延びている。払出通路831d内のクランク状に折れ曲がっている部位に払出羽根839が配置される。
一方、球抜き通路831eは、払出通路831dにおいて払出入口831aから右下へ斜めに延びている部位を更に延長する形態で、前箱831の全高に対して上面から約1/3の高さから中央付近の高さまでの間で分岐している。
また、前箱831は、払出通路831d内の払出出口831bへ向かって垂直に延びている部位において下方へ向かうに従って後方へ突出している誘導棚831fと、正面視右側面の上部に形成されており球抜きレバー844を上下にスライド可能に取付けるためのレバー取付部831gと、を備えている。
後箱832の払出通路832dは、払出入口832aから球抜き出口832cへ向かうように正面視右下へ斜めに延び、後箱832の全高に対して上面から約1/3の高さのところで下方へ垂直に延びるように折れ曲がり、全高の中央付近で左方へ略水平に延びるように曲がった後に、後箱832の左右の幅に対して左端から約1/3のところで再び下方へ垂直に延びるように折れ曲がっており、後箱832の全高に対して底面から約1/4の高さのところで払出出口832bの直上へ位置するようにクランク状に折れ曲がって払出出口832bへ垂直に延びている。払出通路832d内のクランク状に折れ曲がっている部位に払出羽根839が配置される。
一方、球抜き通路832eは、払出通路832dにおいて払出入口832aから右下へ斜めに延びている部位を更に延長する形態で、後箱832の全高に対して上面から約1/3の高さから中央付近の高さまでの間で分岐している。
また、後箱832は、払出通路832d内の払出出口832bへ向かって垂直に延びている部位において下方へ向かうに従って前方へ突出している誘導棚832fと、正面視右側面の上部に形成されており球抜きレバー844を上下にスライド可能に取付けるためのレバー取付部832gと、を備えている。
前箱831及び裏箱832の払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eは、同じ形状に形成されている。払出通路831d,832dは、払出羽根839が配置されている部位の上流までが仕切板841によって仕切られている。また、誘導棚831f,832fと払出出口831b,832bとの間に、払出検知センサ842が取付けられている。つまり、前箱831の払出通路831dを流通した遊技球と、後箱832の払出通路832dを流通した遊技球とは、夫々の誘導棚831f,832fによって前箱831と後箱832との前後の境界付近に寄せられて、一つの払出検知センサ842により検知される。
従動ギア837は、中間ギア836と噛合する平歯車状のギア部837aと、ギア部837aの後面から周方向へ60度の角度の間隔で放射状に突出しており羽根回転検知センサ840によって検知可能な複数の検知片837bと、ギア部837aの中心から後方へ円筒状に突出していると共に後端の周面に凹凸が形成されており払出羽根839と連結可能な連結部837cと、を備えている。
払出羽根839は、前後に円筒状に延びており軸部材838が挿通されるベース筒部839aと、ベース筒部839aの前端から周方向に一定間隔でベース筒部839aの軸直角方向へ突出している複数(三つ)の前羽根839bと、ベース筒部839aの後端から前羽根839bとは互い違いとなるように周方向に一定間隔でベース筒部839aの軸直角方向へ突出している複数(三つ)の後羽根839cと、ベース筒部839aの前端から前方へ筒状に突出していると共に前端の周面に従動ギア837の連結部387cと連結可能な凹凸が形成されている被連結部839dと、を備えている。
払出羽根839の前羽根839b及び後羽根839cは、周方向へ120度の角度の間隔で夫々三つずつ備えられており、互い違いとなるように、前羽根839bに対して後羽根839cが、周方向へ60度の角度でオフセットして外方へ延出している。本実施形態の払出羽根839は、三つの前羽根839b(後羽根839c)同士の間が中心側へ窪んだ円弧によって結ばれており、その円弧の直径が遊技球の直径と同じか若干大きい。これにより、前羽根839b(後羽根839c)同士の間には、遊技球が一つのみ収容することが可能な球収容部839eが形成されている。
また、三つの前羽根839b及び後羽根839cは、ベース筒部839aの軸を中心としたそれらの外周の直径D1が、遊技球の外径の1〜1.4倍に形成されている。また、前羽根839b(後羽根839c)同士の間の円弧の部位(球収容部839e)におけるベース筒部839aの軸に最も接近した部位までの、ベース筒部839aの軸を中心とした直径D2は、遊技球の外径の約0.3〜0.4倍に形成されている(図72を参照)。つまり、前羽根839b及び後羽根839cの外周から球収容部839eの最も凹んだ部位までの深さ[(直径D1−直径D2)/2]が、遊技球の外径の0.1〜0.4倍とされている。
従って、前羽根839b(後羽根839c)同士の間の円弧の部位(球収容部839e)により、遊技球の外周の約3/10(1/4〜1/3の間)を保持することができる。換言すると、遊技球の外径の約1/5(1/7〜1/4)の深さを収容することができる。これにより、払出通路831d,832d内の遊技球を、速やかに前羽根839b(後羽根839c)同士の間(球収容部839e)に収容することができる。
本実施形態の払出羽根839は、払出装置830を組立てた状態で、前羽根839bが前箱831の払出通路831d内に、後羽根839cが後箱832の払出通路832d内に位置し、夫々の払出通路831d,832d内の遊技球を、夫々払出すことができる。また、払出羽根839は、払出通路831d,832dにおいて、前箱821及び後箱832の全高の中央よりも下側でクランク状に折れ曲がっている部位に配置されている。詳しくは、払出通路831d,832dにおいて、前箱821及び後箱832の全高の中央付近から下方へ垂直に延びている部位の直下に、払出羽根839の回転中心が位置している。そして、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位では、払出羽根839から遠い側の壁(内壁)が、払出羽根839の回転中心を中心とし、前羽根839b及び後羽根839cの外周から遊技球の外径よりも小さい距離Sだけ離れた円弧状に形成されている(図61を参照)。なお、本実施形態では、距離Sが、遊技球の外径の0.7〜0.9倍とされている。換言すると、球収容部839eの最も凹んだ部位から払出通路831d,832dの円弧状に形成されている部位までの距離が、遊技球の外径の1.03〜1.1倍とされている。
これにより、払出装置830は、払出羽根839上に流下してきた遊技球が、前羽根839b,839cの外周に当接すると、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位を通ることができず、払出出口831b,832bから下方へ放出されることはない。一方、遊技球が、球収容部839eに収容されると、払出羽根839の回転と共に移動し、払出通路831d,832dのクランク状に折れ曲がっている部位を通ることができ、払出出口831b,832bから下方へ放出される。
また、払出装置830では、前羽根839b及び後羽根839cの直径D1を、遊技球の外径の約1.2〜1.4倍とすると共に、球収容部839eにより遊技球の外径の1/7〜1/4の深さを収容するようにしているため、払出羽根839の外径を可及的に小さくしつつ、遊技球の収容にかかる時間を短くすることができる。これにより、払出羽根839を速く回転させても、球収容部839eに遊技球を収容させて、払出出口831b,832b側へ送ることができる。従って、従来よりも単位時間当りの遊技球の払出数を多くすることができ、遊技球の払出しにかかる時間を短縮することができる。
球抜き可動片843は、上下及び前後に板状に延びており下部が折れ曲がって正面視く字状に形成されている本体部843aと、本体部843aの上端で前後に筒状に延びており両端が夫々前箱831及び後箱832に回動可能に取付けられる軸筒部843bと、本体部843aのく字状に折れ曲がっている外側面の上部から突出している突出部843cと、本体部843cのく字状に折れ曲がっている下部において前後に貫通している貫通孔からなる錘取付部843d(図71を参照)と、を備えている。
球抜き可動片843は、払出装置830を組立てた状態では、本体部843aの下部が正面視斜め左下へ延びるような向きで、上端の軸筒部843bが、前箱831及び後箱832の払出通路831d,832dにおいて、払出入口831a,832aから正面視右下へ斜めに延びている部位で、且つ、下方へ折れ曲がる部位よりもやや上側の正面視右側の壁の外側の位置で、回動可能に取付けられている。
本実施形態の払出装置830は、通常の状態では、球抜きレバー844を下方へスライドさせた状態としており、球抜きレバー844の下部が球抜き可動片843の突出部843cに正面視右側から当接している。これにより、球抜き可動片843は、正面視反時計回りへの回動が規制されている(図71(a)を参照)。
この通常の状態では、球抜き可動片843のく字状に折れ曲がっている本体部843aにおいて、曲がっている部位よりも上側が垂直に延びていると共に、曲がっている部位の下側が正面視斜め左下へ延びている。そして、本体部843aの下端は、払出通路831d,832dと球抜き通路831e,832eとが分岐している部位の近傍に位置している。従って、球抜き可動片843(本体部843a)によって、球抜き通路831e,832eを閉鎖していると共に、本体部843aの左側を向いた面が、払出通路831d,832dの一部の壁を形成している。
本実施形態の球抜き可動片843は、通常の状態において、球抜き可動片843の重心が、軸筒部843bの中心を通る垂直線の正面視左側に位置するように形成されており、自重によって正面視反時計回りに回転させようとする力が作用しているが、球抜きレバー844によって反時計回りへの回動が規制されているため、通常の状態が維持される。
通常の状態から、球抜きレバー844を上方へスライドさせると、球抜きレバー844の下部が、球抜き可動片843の突出部843cから離れ、球抜き可動片843の正面視反時計回りへの回動の規制が解除される。従って、球抜き可動片843は、重心が軸筒部843bの直下へ位置するように、自重によって反時計回りへ回動することとなる。なお、球抜き可動片843は、本体部843aの下部の右側側面が、前箱831及び後箱832の右側面を形成している部材の左面に当接するまで、反時計回りに回動することができる(図60(b)を参照)。これにより、球抜き通路831e,832eが開放された状態となり、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、払出通路831d,832dの途中で、球抜き可動片843の本体部843aに当接して球抜き可動片843を正面視反時計回りへ回動させて球抜き通路831e,832eを開放し、開放された球抜き通路831e,832eを流通して球抜き出口831c,832cから下方へ放出されることとなる。
本実施形態では、球抜き可動片843に錘取付部843dを備えているため、この錘取付部843dに金属ビスからなる錘を捩じ込んで取付けることで、球抜きレバー844を上方へスライドさせて、正面視反時計回りへの回動の規制を解除した時に、球抜き可動片843の自重と錘の重量とによって、球抜き可動片843の下端を球抜き通路381e,832e内へ突出する方向へ(正面視反時計回りに)回動させ易くすることができる。
また、球抜きレバー844を下方へスライドさせて球抜き通路831e,832eを閉鎖している通常の状態において、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、球抜き可動片843の本体部843aに当接するようにしているため、遊技球の当接によって球抜き可動片843を振動させることができる。従って、球抜き可動片843の下端と球抜き通路831e,832eの内面との間に挟まれたり侵入したりした埃やゴミ等を、球抜き可動片843の振動によって除去することができ、埃やゴミ等を噛み込んで球抜き可動片843が回動できなくなるのを防止することができる。
また、錘としての金属ビスを、貫通孔とされた錘取付部843dに捩じ込んで取付けることができるため、球抜き可動片843が頻繁に回動しても、錘が球抜き可動片843(錘取付部843d)から外れることがなく、長期に亘って球抜き可動片843を良好な状態に維持することができる。また、錘取付部843dに金属ビスを捩じ込むだけで、球抜き可動片843に錘を容易に取付けることができるため、錘の取付けの手間を簡略化することができ、パチンコ機1の組立てに係るコストを低減させることができる。
ところで、球抜き可動片843によって球抜き通路831e,832eを長期に亘って閉鎖していると、球抜き可動片843の回転軸に微細な埃が付着したり回転軸が錆びたりして、球抜き可動片843が回動し辛くなることがある。これに対して、本実施形態では、払出入口831a,832aから進入した遊技球が、球抜き可動片843の本体部843aに当接するようにしているため、球抜き可動片843により球抜き通路831e,832eを閉鎖している状態から、閉鎖を解除する球抜きレバー844を上方へスライドさせてロックを外した時に、遊技球が球抜き可動片843に当接することで、その当接の衝撃によって球抜き可動片843を回動させることができ、球抜き通路831e,832eを確実に開放させることができる。
従って、球抜きレバー844を操作して球抜き通路831e,832eを開放させる際に、球抜き可動片843が良好に回動することができるため、遊技球の抜取り作業を確実に行うことができ、メンテナンス等の際の作業性を良くすることができる。
[4−6c.上部満タン球経路ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の上部満タン球経路ユニット850について、図73及び図74を参照して詳細に説明する。上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニットベース801において、払出装置830の下側の位置に取付けられるものである。この上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニットベース801に取付けられ後側が開放された箱状の上部満タンベース851と、上部満タンベース851の後側に取付けられており前側が開放された箱状の上部満タンカバー852と、上部満タンカバー852の後側に回転可能に取付けられており払出装置830を上方へ押圧可能な払出装置押圧部材853と、を備えている。
また、上部満タン球経路ユニット850は、上面における正面視左右中央から左側の部位で遊技球が通過可能に上方へ開口している上部払出球受口850aと、上面における正面視左右中央から右側の部位で遊技球が通過可能に上方へ開口している上部球抜き入口850bと、上部満タンベース851と上部満タンカバー852との間に形成されており上部払出球受口850aに受けられた遊技球が流通する所定広さの上部球貯留通路850cと、上部球貯留通路850cの下端における上部払出球受口850aの直下の部位で下方へ開口している通常放出口850dと、上部球貯留通路850cの下端における通常放出口850dを除いた部位で下方へ開口している満タン放出口850eと、通常放出口850dと満タン放出口850eとの間から上方へ突出しており上部球貯留通路850c内の下部を左右に仕切っている仕切片850fと、を備えている。
また、上部満タン球経路ユニット850は、上部球抜き入口850bから進入した遊技球を下方へ誘導する上部球抜き通路850gと、上部球抜き通路850gの下端で下方へ向かって開口している上部球抜き出口850hと、を備えている。この上部満タン球経路ユニット850は、正面視で左側から、通常放出口850d、満タン放出口850e、上部球抜き出口850hが順に並んで下方へ開口している。また、上部満タン球経路ユニット850は、上部満タンベース851の右端に裏カバー980を取付けるための裏カバー取付部854を備えている。
この上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニット800に組立てた状態で、上部払出球受口850aが、払出装置830の払出出口831bの直下に位置していると共に、上部球抜き入口850bが、払出装置830の球抜き出口831cの直下に位置している。また、上部満タン球経路ユニット850は、払出ユニット800に組立てた状態で、通常放出口850d、満タン放出口850e、及び上部球抜き出口850hは、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865の夫々後端開口の直上に夫々開口している(図180を参照)。
上部満タン球経路ユニット850は、払出装置830によって払出されて払出出口831bから下方へ放出された遊技球が、上部払出球受口850aから上部球貯留通路850c内へ進入する。上部球貯留通路850cの下端の通常放出口850dが閉鎖されていない状態では、上部払出球受口850aから上部球貯留通路850c内へ進入した遊技球が、上部払出球受口850aの直下に開口している通常放出口850dから放出される。
扉枠3の上皿201内が遊技球で満たされて遊技球を貯留させることができなくなり、更に、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861内が遊技球で満たされると、通常放出口850dが閉鎖された状態となる。この状態で上部球貯留通路850c内に遊技球が進入すると、通常放出口850dの上側に貯留される。そして、通常放出口850dの上側に貯留されている遊技球の量が、仕切片850fよりも高くなると、新たに上部球貯留通路850c内に進入してきた遊技球は、仕切片850fを乗り越えて満タン放出口850eから下方へ放出されることとなり、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862を通って下皿202に送られることとなる。
このように、上部満タン球経路ユニット850は、払出装置830から払出された遊技球を、扉枠3における上皿201での遊技球の貯留量に応じて、自動的に上皿201から下皿202へ振分けることができる。
[4−6d.下部満タン球経路ユニット]
本実施形態における払出ユニット800の下部満タン球経路ユニット860について、図75乃至図79を参照して詳細に説明する。下部満タン球経路ユニット860は、払出ユニットベース801における上部満タン球経路ユニット850の下側に取付けられるものである。下部満タン球経路ユニット860は、上部満タン球経路ユニット850の通常放出口850dから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の貫通球通路526へ誘導する通常誘導路861と、上部満タン球経路ユニット850の満タン放出口850eから放出された遊技球を前方へ誘導して前端から扉枠3の満タン球受口530へ誘導する満タン誘導路862と、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を本体枠4に対する扉枠3の開閉に応じて開閉する誘導路開閉扉863と、誘導路開閉扉863を通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖する方向へ付勢している閉鎖バネ864と、を備えている。
また、下部満タン球経路ユニット860は、上部満タン球経路ユニット850の上部球抜き出口850hから放出された遊技球を前方へ誘導し前後方向の中央右端から基板ユニット900の基板ユニットベース910上へ放出する下部球抜き誘導路865を、備えている。
下部満タン球経路ユニット860は、通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865が、正面視において、左側から順に右側へ並んでいる。これら通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865は、後端が上方へ向かって開口している。また、通常誘導路861、及び満タン誘導路862は、左右に遊技球が複数並ぶ幅で、前端側が低くなるように本体枠4の前端付近まで前方へ延びている。更に、満タン誘導路862は、通常誘導路861よりも低い位置で前方へ延びている。これら通常誘導路861、満タン誘導路862、及び下部球抜き誘導路865は、図示するように、上下に分割可能な上ケース866及び下ケース867によって形成されている。
誘導路開閉扉863は、下ケース867の前端における通常誘導路861と満タン誘導路862との間の部位に、回動可能に取付けられており、閉鎖バネ864によって正面視時計回りの方向へ付勢されている。更に詳述すると、下部満タン球経路ユニット860の前端において、正面視で通常誘導路861の前端開口の右側に開口している満タン誘導路862は、通常誘導路861に対して一つの遊技球の高さ分低い位置に配置されている。そして、誘導路開閉扉863は、通常誘導路861の下側で、且つ、満タン誘導路862の左側の位置で、前後に延びた軸周りに対して回動可能に取付けられている。
誘導路開閉扉863は、回転可能に取付けられる円盤状の基部863aと、基部863aから斜め左上側に平板状に延びており通常誘導路861の前端開口を閉鎖可能な第一扉板部863bと、基部863aから右側に平板状に延びており満タン誘導路862の前端開口を閉鎖可能な第二扉板部863cと、基部863aから斜め左下側に平板状に延びている延出部863dと、延出部863dの先端部前面から前方へ突出しており扉枠3におけるファールカバーユニット520の扉開閉当接部537と当接可能な作動突部863eと、を備えている。
ここで、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖するとは、開口を密閉する必要はなく、遊技球が通過不能となれば良いことである。作動突部863eは、正面視の形状が、基部863aを中心とした短い円弧状に形成されており、前端面が、反時計回りの方向の端部側へ近付くに従って前方へ突出するように傾斜している。
誘導路開閉扉863は、閉鎖バネ864によって正面視時計回りの方向へ付勢されており、第二扉板部863cが、下カバー867の前端における満タン誘導路862の前端開口の下側から前方へ突出しているボス部867aに当接することで、時計回りの方向への回動が規制される。
本実施形態の下部満タン球経路ユニット860は、パチンコ機1を組立てた状態で、前端が、扉枠3のファールカバーユニット520における貫通球通路526、満タン球受口530、及び扉開閉当接部537と対向する位置に取付けられている(図79を参照)。そして、誘導路開閉扉863は、本体枠4に対して扉枠3が開いている状態では、作動突部863eに何も当接していないため、誘導路開閉扉863は閉鎖バネ864の付勢力によって、正面視時計回りの方向へ回動させられ、第二扉板部863cが下ケース867のボス部867aに当接した状態で停止する。この状態では、第一扉板部863bと第二扉板部863cが、通常誘導路861と満タン誘導路862の前端開口の前面に位置しており、前端開口を閉鎖している(図78(a)を参照)。従って、この状態では、通常誘導路861及び満タン誘導路862内の遊技球が、前端開口から前方へ移動することができず、扉枠3を開けても、通常誘導路861や満タン誘導路862から遊技球がこぼれることはない。
そして、本体枠4に対して扉枠3を閉じると、誘導路開閉扉863の作動突部863eの前端面に、扉枠3におけるファールカバーユニット520の扉開閉当接部537が当接し、作動突部863eの前端面の傾斜によって、閉鎖バネ864の付勢力に抗して誘導路開閉扉863を正面視反時計回りの方向へ回動させようとする力が作用する。これにより、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を閉鎖していた第一扉板部863bと第二扉板部863cが、前端開口から離れる方向へ回動し、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口が開放された状態となる(図78(b)を参照)。この状態では、図示するように、第一扉板部863bが通常誘導路861の前端開口の下側に、第二扉板部863cが満タン誘導路862の前端開口の上側に位置している。
この通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を開放させた状態では、本体枠4に対して扉枠3が完全に閉じられた状態となっていると共に、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口の前側に、扉枠3におけるファールカバーユニット520の貫通球通路526及び満タン球受口528が位置しており、通常誘導路861及び満タン誘導路862側から、貫通球通路526及び満タン球受口528側へ遊技球を受渡すことができる。
このように、通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を上下方向に異ならせると共に、誘導路開閉扉863を回動させることで通常誘導路861及び満タン誘導路862の前端開口を開閉させるようにしているため、誘導路開閉扉863の動作範囲を可及的に狭くすることができ、通常誘導路861及び満タン誘導路862の開閉機構を小型化することができる。従って、相対的に他の部材のためのスペースを広くすることができ、パチンコ機1の内部空間をより有効活用することができる。
本実施形態の払出ユニット800は、扉枠3の上皿201が遊技球で一杯になり、上皿201へ遊技球を放出することができなくなった状態で、払出装置830から更に多くの遊技球が払出されると、下部満タン球経路ユニット860の通常誘導路861内が遊技球で一杯になるまで遊技球を貯留することができる。そして、通常誘導路861が遊技球で一杯になった状態で払出装置830から更に遊技球が払出されると、上部満タン球経路ユニット850の上部球貯留通路850c内において、遊技球が通常放出口850dよりも上側に留って仕切片850fを超えると、満タン放出口850e側へ流通するようになり、満タン放出口850eから、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862、ファールカバーユニット520を通って下皿202へ遊技球の払出しが自動的に切換えられる。その後、払出装置830から更に遊技球が払出されて、上皿201に加えて下皿202も遊技球で一杯になって下皿202へ遊技球を供給することができなくなると、ファールカバーユニット520の貯留通路533内に遊技球が貯留される。そして、貯留通路533内に遊技球が貯留されることで可動片534が回動して満タン検知センサ535により検知されると、上皿201及び下皿202が遊技球で満タンであることが報知されると共に、満タン検知センサ535による可動片534の検知が解除されるまで払出装置830による遊技球の払出しが一時的に停止される。
なお、満タン検知センサ535による可動片534の検知に対する払出装置830による遊技球の払出しの停止を、例えば、ファールカバーユニット520の貯留通路533内に可動片534が検知されるまで遊技球が貯留されている状態で、その上流側の貯留通路533、下部満タン球経路ユニット860の満タン誘導路862、及び上部満タン球経路ユニット850の上部球貯留通路850c内を満たすことが可能な数の遊技球が払出されると、払出装置830による遊技球の払出しを停止させるようにしても良い。これにより、従来のパチンコ機よりも多くの遊技球を貯留することができるため、大当り遊技中等の多くの遊技球が払出される遊技状態において、遊技球の払出しによって上皿201や下皿202が遊技球で一杯になることに対して気に掛ける必要を低減させることができ、遊技者を大当り遊技に専念させて楽しませることができる。
[4−7.基板ユニット]
本実施形態における本体枠4の基板ユニット900について、図57乃至図60を参照して説明する。本体枠4の基板ユニット900は、本体枠ベース600の後側に取付けられる基板ユニットベース910と、基板ユニットベース910の正面視左側で本体枠ベース600の後側に取付けられ内部に低音スピーカを有したスピーカユニット920と、基板ユニットベース910の後側で正面視右側に取付けられ内部に電源基板が収容されている電源基板ボックス930と、スピーカユニット920の後側に取付けられており内部にインターフェイス制御基板が収容されているインターフェイス制御基板ボックス940と、電源基板ボックス930及びインターフェイス制御基板ボックス940に跨って取付けられており内部に遊技球の払出しを制御する払出制御基板951が収容された払出制御基板ボックス950と、を備えている。
払出制御基板ボックス950内に収容された払出制御基板951によって、払出装置830が制御されている。
[5.遊技盤の全体構成]
次に、パチンコ機1の遊技盤5の全体構成について、図81乃至図88を参照して詳細に説明する。図81は遊技盤を左前から見た斜視図であり、図82は遊技盤を右から見た斜視図であり、図83は遊技盤を後ろから見た斜視図である。図84は、(A)が遊技盤の正面図であり、(B)が遊技盤の中央で切断したA−A断面図である。また、図85は遊技盤を主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図86は遊技盤を主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態の遊技盤5は、上記遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされたパネル飾り1000と、パネル飾り1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル2000と、遊技パネル2000の後面に取付けられる裏ユニット3000と、パネル飾り1000の後側下部に対して上記遊技パネル2000及び上記裏ユニット3000をその間に挟むかたちで取付けられる基板ホルダ1200とを備えて構成されている。なお、図示は省略するが、遊技パネル2000の前面において遊技領域5a内となる部位には、遊技球と当接する複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されている。
また、遊技盤5には、基板ホルダ1200の後面に取り付けられ上記遊技の進行にかかる制御を行う主制御基板4100(図130参照)を有する主制御ユニット1300や、主制御ユニット1300(主制御基板4100)からの制御信号に基づいて遊技状況を表示しパネル飾り1000の左下隅に遊技者側へ視認可能に取付けられる機能表示ユニット1400、裏ユニット3000の背面部の後側に取り付けられ上記主制御ユニット1300(主制御基板4100)からの制御信号に基づいて演出にかかる制御を行う周辺制御ユニット1500(周辺制御基板4140)、さらには裏ユニット3000の背面部の前側に取付けられ正面視においては遊技領域5aの中央に配置され上記周辺制御ユニット1500(周辺制御基板4140)からの制御信号に基づいて所定の演出画像を表示可能な液晶表示装置3600なども設けられる。
ただし後述するが、この実施の形態にかかる液晶表示装置3600は、上液晶表示装置3610と、下液晶表示装置3620とを有して構成されており、それら上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620は、それぞれ上下に移動可能な構造をもって設けられている。またこれに伴い、上記裏ユニット3000としても、液晶表示装置3600が移動可能とされる演出スペースや、液晶表示装置3600に対して駆動力を付与する駆動部の配設スペースなどを確保する特殊な構造を有して設けられるものとなっている。なお、本実施形態では、上液晶表示装置3610のほうが下液晶表示装置3620よりも縦方向の長さが長く、横幅が狭くなっている。
なお、この実施の形態にかかる液晶表示装置3600では、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620に特定の演出画像が跨るように表示されうるようになっており、これによって大型の表示演出を実現したり、2つの表示部で連携した演出を行うことができるようにしている。
また、図図84(b)に示されるように、遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画するパネル飾り1000と、パネル飾り1000の後側に取付けられる板状の遊技パネル2000と、遊技パネル2000の後面に取付けられる裏ユニット3000とを備えている。遊技パネル2000には、第一始動口2002や第一大入賞口などを有する始動口ユニット2200と、センター役物2500と、が前面に取付けられている。裏ユニット3000は、裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられる液晶駆動ユニット3400を備えている。裏箱3010は箱状となっており、その後壁に前側役物ユニット3200(顔駆動部3210、肩駆動部3220、フルバースト駆動部(下部役物)3230、右誘導路3250と、)が取付けられる。また、前側役物ユニット3200の前面側に重なるようにして、飾りユニット3100(裏飾り上ユニット3110、裏飾り左ユニット3120、裏飾り下ユニット3130)が取付けられ、待機位置に位置する前側役物ユニット3200のそれぞれを視認し難くするように構成されている。
また、液晶駆動ユニット3400の液晶収容部3480は箱状となっており上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620を収容している。上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620の間の前方には、液晶装飾部材3630が取付けられている。裏箱3010の後面に液晶駆動ユニット3400を取付けたときには、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620の前面と裏箱3010の後端に接近する構成であるため、液晶装飾部材3630と裏箱3010とが干渉しないように裏箱3010の後壁には段差部3315が設けられている。尚、段差部3315は、液晶装飾部材3630の可動範囲にあわせて設けられる。液晶駆動ユニット3400の後面には、主制御ユニット1300、周辺制御ユニット1500、後端装飾物ユニット3700が取付けられる。
この点、この実施の形態にかかる後端装飾物ユニット3700では、上述の通り、こうした要求に応えることのできる構造をもって設けられている。例えば、この実施の形態にかかる後端装飾物ユニット3700は、図84(b)に示されるように、主制御ユニット1300及び周辺制御ユニット1500は、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620が可動したときに生まれる演出空間に正面視で重なることなくこれを避けるように液晶駆動ユニット3400の後面に取付けられている。これにより、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620が可動したときに生まれる演出空間を奥行き方向に最大限に活用することができ、ひいては遊技機の最後端まで奥行方向を利用した大型の胴体駆動部3700を配設することが可能となる。同図84(b)に示すように、周辺制御ユニット1500の最後端よりも後方に突出した胴体駆動部3700が取付けられており、液晶表示装置3600の厚みやその前に設けられる液晶装飾部材3630よりも肉厚な可動装飾部3710を有することによってリアル感がある演出を提供できる。
特に、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、後述するが、このような肉厚とされた可動装飾部3710の肉厚部分を、遊技者側に対向させる可動演出として実現する構造となっていることから、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620によって開放される演出空間を比較的小さくしたとしても、この演出空間を通り抜けた後に、肉厚部分を遊技者側に対向させるようにすることで、演出空間における正面視での面積よりも大きな可動演出を提供することができるようになる。
[5−1.パネル飾り]
次に、上記遊技盤5のうちのパネル飾り1000について、主に図85及び図86を参照して詳述する。
パネル飾り1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。パネル飾り1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿ってパネル飾り1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、パネル飾り1000は、アウト誘導部1003の正面視右端からパネル飾り1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部がパネル飾り1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球が当接する衝止部1006と、を備えている。
また、パネル飾り1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
[5−2.遊技パネル]
次に、上記遊技盤5のうちの遊技パネル2000について、主に図87乃至図89を参照して詳述する。図87は、遊技パネル2000の分解斜視図である。図88は、(a)がパネル板2100の正面図、(b)がパネル板2100のA−A断面図、(c)がパネル板2100の裏面図である。図88は、(a)がセンター役物2500の正面図、(b)がセンター役物2500のA−A断面図、(c)がセンター役物2500の裏面図である。図89は、(a)が遊技パネル2000の正面図、(b)が案内出口付近の拡大図、(c)が案内出口付近のA−A断面図である。
遊技パネル2000は、図87に示すように、外周が枠状のパネル飾り1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な平板状のパネル板2100と、遊技領域5a内の左右方向中央でアウト口1111の直上に取付けられている始動口ユニット2200と、遊技領域5a内の略中央に取付けられている枠状のセンター役物2500とを備えて構成されている。なお、始動口ユニット2200及びセンター役物2500は、パネル板2100に前方から取付けられており、前端がパネル板2100の前面よりも前方へ突出しているとともに、後端が開口部2112を貫通してパネル板2100の後面よりも後方へ突出している。
また、本実施形態の遊技パネル2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球を受入可能としており常時開口している複数の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球を受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球の通過を検知するゲート部2003と、遊技球がゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球の受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球の受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球の受入れが何れかにおいて可能となる第一大入賞口2005及び第二大入賞口2006と、を備えている。
ここで、複数の一般入賞口2001は、遊技領域5a内の正面視左下付近や、遊技領域5a内における正面視右下付近などに配置されている。そしてこのうち、遊技領域5a内の正面視左下付近に配置された一般入賞口2001は、複数の遊技球を同時に受け入れ可能な2つの開口部を有して設けられている。ゲート部2003は、遊技領域5a内における正面視右中央上で衝止部1006の略直下に配置されている。第一始動口2002は、遊技領域5a内の左右方向中央でアウト口1111の直上に配置されている。第二始動口2004は、衝止部1006とゲート部2003との間に配置されている。第一大入賞口2005は、第一始動口2002の正面視右上方に配置されている。上述した複数の一般入賞口2001のうち遊技領域5a内の正面視右下付近に配置されている一般入賞口2001は、第一大入賞口2005の直上に配置されている。第二大入賞口2006は、ゲート部2003の直下に配置されている。
[5−2a.パネル板]
次に、上記遊技パネル2000のうちのパネル板2100について、図87及び図88を参照して詳述する。
パネル板2100には、遊技領域5a内において最も低い位置となる部位において、前後に貫通しているアウト口1111が形成されている。また、パネル板2100には、前後に貫通しており、始動口ユニット2200やセンター役物2500などを取付けるための開口部2112が複数形成されている。さらに、始動口ユニット2200やセンター役物2500、裏ユニット3000を取付けるための取付孔と、位置決め孔とが複数形成されている。
遊技パネル2000をパネル飾り1000の後側に取付けた状態では、パネル飾り1000のアウト誘導部1003の後側にパネル板2100のアウト口1111が開口した状態となる。これにより、遊技領域5aの下端へ流下した遊技球が、アウト誘導部1003によって後側のアウト口1111へ誘導され、アウト口1111を通過して遊技パネル2000の後側へ排出される。
すなわち、このパネル板2100とは、周知の通り、上記始動口ユニット2200や上記センター役物2500のほか上記パネル飾り1000が取り付けられたときに、遊技球が流下する流路としての上記遊技領域5aが区画形成されるかたちで生み出されることを目的として設けられる部分となっている。ただし後述するが、本実施形態のパネル板2100のうち、その上側部分においては、上記目的に反して遊技球が通過可能とされる流路が区画形成されることはなく、上記パネル飾り1000が取り付けられた状態において遊技球の直径にも満たない細形状の「のりしろ部2113」が外レール1001によって区画形成されるに留まる構造となっている。
なお後述するが、上記のりしろ部2113は、他の領域よりも板厚が薄くなっており正面視で窪地形状をもって設けられる部分であり、該窪地においては、センター役物2500がビスなどによって取り付け可能とされる複数の取付孔2113aが形成されている。また、これも後述するが、上記のりしろ部2113は、案内レール(外レール1001及び内レール1002)の出口と対向する位置から衝止部1006と対向する位置までにわたって形成されており、これによって案内レール(外レール1001及び内レール1002)から勢いよく打ち出された遊技球が上記衝止部1006に衝突してその勢いが殺されるまでの高速流下区間における流下の安定化に貢献しうるようになっている。
また、こうした取付孔2113aは、パネル板2100のうちの上記のりしろ部2113とは異なる他の領域にも形成されており、この領域に対してもセンター役物2500などの前飾りがビスなどによって取り付け可能とされる。
[5−2b.始動口ユニット]
次に、始動口ユニット2200について、主に図87を参照して説明する。始動口ユニット2200は、遊技領域5a内の正面視左中央の下方よりからアウト口1111、さらには右下方部にわたって設けられており、パネル板2100に対して前方から取付けられている。始動口ユニット2200は、ワープ入口2220、一般入賞口2001、第一始動口2002、第一大入賞口2005及びV入賞ユニット2210を有している。
ワープ入口2220は、始動口ユニット2200の左上端に前面から突出するように形成されており、遊技領域の上方から遊技球を受入可能となっている。ワープ入口2220に受け入れられた遊技球は、遊技盤5の奥側に誘導され、パネル板2100に形成されたワープ孔2123を通過して、パネル板2100の裏面側に配置されたワープ通路2521に誘導され、センター役物2500に形成されたステージ2530上に流下する。ワープ関連については後述する。
一般入賞口2001は、始動口ユニット2200の左下方及び右下方に前面から突出するように配置されている。また、左下方に配置された一般入賞口2001とのワープ入口2220と間には、前方に突出しているとともに正面視右端側が低くなるように左右に延びている棚部2203が形成されている。棚部2203の左端は、内レール1002に略接しており、内レール1002に沿って流下してきた遊技球を、棚部2203により右方(遊技領域5aの左右方向中央)へ誘導させることができる。左下方に配置された一般入賞口2001は、正面視左上方に向って開口しており、例えば、棚部2203上に流下した遊技球を受け入れやすくなるように構成されている。また、右下方に配置された一般入賞口2001は、第一大入賞口2005の直上に配置され、上方に開口しており、遊技領域5aの右打遊技領域2540を流下する遊技球を受入可能になっている。
第一始動口2002は、アウト口1111の直上に前面から突出するように配置されており、遊技球を一度に一つのみ受入可能な大きさで受入口が上方に向って開口している。また、第一始動口2002の前面には装飾板2205が配置されているため、正面視では遊技球の入球を遊技者が視認できないようになっている。第一始動口2002に受入れられた遊技球は、始動口スイッチ3022(第一始動口スイッチ)に検知された後に、パネル板2100に形成された始動口通過孔2122を通過して裏面側に誘導される。
第一大入賞口2005は、一般入賞口2001の直下に、第一始動口2002の右上方に前面から突出するように配置されている。第一大入賞口2005には、始動口ユニット2200に上辺が回動可能に支持され、通常遊技状態(第一アタッカソレノイド2113が非通電の状態)において、遊技盤5と垂直に遊技者に向って突出する状態で第一大入賞口2005の受入口を塞ぐように配置されている板状の第一大入賞口扉部材2112が備えられている。大当り遊技状態に移行すると、第一大入賞口扉部材2112は、第一アタッカソレノイド2113が通電されることによって下辺が後方かつ下方に回動し、流下する遊技球を受け入れ可能な状態になる。第一大入賞口2005に入賞した遊技球は、カウントスイッチ2110によって計数され、始動口ユニット2200の内部に設けられた誘導路を通過して裏面側に誘導される。
始動口ユニット2200の右端には、V入賞口2021が配置され、遊技球が入賞すると、所定の抽選が実施される。V入賞口2021に入賞した遊技球は、始動口ユニット2200の内部に設けられた誘導路を通過して裏面側に誘導される。
[5−2c.センター役物]
次に、表ユニット2000のセンター役物2500について、主に図89及び図90を参照して説明する。図90(a)はセンター役物2500の正面図、(b)はA−A断面図、(c)がセンター役物2500の裏面図である。また、図90(a)はセンター役物2500がパネル板2100に取り付けられた状態の正面図、(b)は案内レール出口付近におけるセンター役物2500とパネル板2100との取り付け部分を説明する図、(c)はセンター役物2500とパネル板2100との取り付け部分の断面図である。
センター役物2500は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2200よりも上方で、正面視略中央上寄りに配置されており、遊技パネル2000のパネル板2100の前面に取付けられている。センター役物2500は、枠状に形成されており、枠内を通して遊技パネル2000の後方に配置された液晶表示装置3600や裏ユニット3000に備えられている演出ユニット等を前方から視認することができる。センター役物2500は、ゲート部2003、第二始動口2004、及び第二大入賞口2006を有している。
センター役物2500は、パネル板2100の中央で大きく前後に貫通している開口部2112の周縁に沿ってパネル板2100の前面に当接する平板枠状のフランジ部2511と、フランジ部2511から前方へ突出しており枠内への遊技球の浸入を阻止する前周壁部2512と、フランジ部2511から後方へ突出して開口部2112内に挿入される後周壁部2513と、を有している枠状のセンターベース2510を備えている。前周壁部2512は、下辺の一部を除いてフランジ部2511の略全周に亘って形成されている。また、前周壁部2512は、上辺における左右方向中央からやや左寄りの位置が最も高くなっている。
また、センター役物2500は、センターベース2510の左右方向の中央部の枠内で下辺に沿って左右に延びているステージ2530を備える。始動口ユニット2200に設けられたワープ入口2220に進入した遊技球は、パネル板2100の裏面側に設けられたワープ通路3050(図94、図95等参照)を流通し、裏ユニット3000に設けられたワープ出口2522からステージ2530上に放出される。ステージ2530では、ワープ出口2522から放出された遊技球が、ステージ2530上を左右方向に転動した後に遊技領域5a内に放出される。
遊技盤5を組立てた状態では、遊技領域5a内においてワープ入口2220に進入し、ワープ通路2521、ワープ出口2522、及び誘導路2523を経てステージ2530に供給された遊技球が、ステージ2530の中央付近から前方へ放出されて再び遊技領域5a内に戻される(還流される)。また、ステージ2530は、遊技盤5を組立てた状態では、中央部の直下に第一始動口2002が位置しており、ステージ2530から遊技領域5a内へ遊技球が放出されると、高い確率で第一始動口2002に受入れられる。
ただし、図87及び図90に併せて示されるように、この実施の形態にかかるセンター役物2500の上部に設けられるフランジ部2511は、上記パネル板2100ののりしろ部2113の形に合わせて形成されており、上記パネル板2100ののりしろ部2113に嵌められるかたちで対向すると、該のりしろ部2113の窪地形状が当該フランジ部2511の肉厚によって丁度埋められてパネル板2100の他の領域と概ね同じ高さを生み出すような構造をもって設けられている。
すなわち、この実施の形態にかかるセンター役物2500では、その上部に設けられるフランジ部2511を、パネル板2100ののりしろ部2113の窪地形状をこうして埋めるようにこれと対向して位置させた状態において、のりしろ部2113における上述した複数の取付孔2113aに対してそれぞれビス留めすることによって、上記パネル板2100の前面に取付けられることはもとより、上述の如くの細形状の「のりしろ部2113」側では形成され得ない遊技球の流路を当該フランジ部2511(センター役物2500)側で形成することとしている。このように、パネル板2100の上部を大きく削ることができるようになり、これによって遊技機としての奥行き空間を上方にまで広げることができるようになる。
また、このような構成では、センター役物2500の上部のフランジ部2511が、上記パネル飾り1000の外レール1001と対向(近接)する位置にまでその枠状部から延設されることとなるが、このフランジ部2511によってパネル板2100の他の領域との間に段差が生まれることはない。
そして、このようなセンター役物2500の上部のフランジ部2511側で形成される遊技球の流路は、上記のりしろ部2113の形状に合わせて、案内レール(外レール1001及び内レール1002)の出口と対向する位置から衝止部1006と対向する位置までにわたって形成されることとなる。したがって、この実施の形態にかかるセンター役物2500にあって、その上部のフランジ部2511側で形成される遊技球の流路には、案内レール(外レール1001及び内レール1002)からの遊技球をセンター役物2500の左側にある遊技領域5aへと誘導する左側誘導通路2580と、同遊技球をセンター役物2500の右側にある遊技領域5a(右打遊技領域2540)へと誘導する右側誘導通路2590とが形成されている。
そしてこのうち、右側誘導通路2590には、1個分の遊技球が転動しうるだけの幅(フランジ幅)しか持たされていないのに対し、左側誘導通路2580には、右側誘導通路2590と概ね同じ位置で遊技球を転動させうる部分と、右側誘導通路2590よりも下方側で遊技球を転動させうる部分とが設けられている。すなわち、左側誘導通路2580のうち、右側誘導通路2590と概ね同じ位置で転動している遊技球は上記右側誘導通路2590へとそのまま転動する可能性があるのに対し、右側誘導通路2590よりも下方側を転動するようになった遊技球は上記右側誘導通路2590へと転動する可能性がなくなりセンター役物2500の左側にある遊技領域5aへと誘導されることとなる。
また、左側誘導通路2580のうち、上記右側誘導通路2590よりも下方側で遊技球を転動させうる部分には、当該センター役物2500のフランジ部2511と樹脂によって一体成形されて凸形状を有した複数の障害構造物2581が設けられており、これら障害構造物2581の間(谷部)に形成される複数の流路のいずれかを通って遊技球がセンター役物2500の左側にある遊技領域5aへと誘導されるようになっている。このような構成によれば、左側誘導通路2580において複数の流路を形成するにあたり、障害釘を用いる必要がなくなることから、当該フランジ部2511としての厚みを薄く形成することが可能とされるようになる。
なお、左側誘導通路2580のうち、上記右側誘導通路2590よりも下方側を遊技球が転動するようになるか否かや、複数の障害構造物2581の間に形成される複数の流路のいずれを遊技球が転動するかについては、ハンドルレバー504が回転操作されるときの回転角度に応じた発射強度の大小によって定まるようになっており、遊技者側での技量によって遊技球の打ち分けが可能とされている。
一方、図90に示されるように、センター役物2500の右側誘導通路2590は、上記左側誘導通路2580と連通される部分から上記衝止部1006と対向する位置までにわたって形成されており、その下方側に形成された右打遊技領域2540(センター役物2500の右側にある遊技領域5a)へと上記左側誘導通路2580からの遊技球を誘導してこれを供給する部分となっている。
ただし、この実施の形態にかかる右側誘導通路2590では、上記衝止部1006よりも下側で上記パネル板2100に対してビス留めされる構造を採用するにあたり、該ビス留め部においてはあえて上記パネル板2100の他の領域との間に段差を設けることで、上記衝止部1006によって抑制された球速度をさらに抑制し、右打遊技領域2540(センター役物2500の右側にある遊技領域5a)における遊技の安定性の向上を図るようにしている。
なお、こうした右側誘導通路2590の構造に伴い、上記パネル板2100ののりしろ部2113(窪地形状)は、図88及び図90に併せて示されるように、上記衝止部1006よりも下側の取付孔2113aにまでは設けられておらず、該取付孔2113aは、上記パネル板2100のうちの窪地ではない他の領域にあえて設けられている。
すなわち、右打遊技領域2540(センター役物2500の右側にある遊技領域5a)は、主にいわゆる時短機能が作動しているときに遊技に用いられる領域であり、このような遊技状態においては、遊技を安定的且つ高速に進行させることが求められることが多い。この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1によれば、上記衝止部1006のみならず、その下側の段差によっても転動速度が抑えられた遊技球が当該右打遊技領域2540を流下するようになることから、当該右打遊技領域2540における各種の受入口への受入確率にバラツキが生じ難くなり、時短機能が作動している遊技状態における遊技の安定性の向上を図ることができるようになる。
ここで、右打遊技領域2540は、センター役物2500の前周壁部2512や、パネル飾り1000の右レール1005などによって区画形成されており、センター役物2500の右側にある遊技領域5aとして上下方向及び左右方向の寸法が遊技球の外径よりも十分に大きい所定広さの空間を有している。右打遊技領域2540は、パネル飾り1000の衝止部1006の下方から、第二大入賞口2006付近までの領域となっており、各種の受入口のほか、障害釘などの遊技球の流下方向に影響を及ぼす部材が配置されている。
右打遊技領域2540には、各種の受入口として、第二始動口2004、ゲート部2003及び第二大入賞口2006が配置されている。第二始動口2004は、右上流通空間2541の直下に配置される。第二始動口2004の下方には、ゲート部2003が配置されている。ゲート部2003の下方には、第二大入賞口2006が配置される。
ゲート部2003は、第二始動口2004の下方やや右寄り、かつ、装飾部材2545の中段やや下寄りに、フランジ部2511の前面から前方に突出するように備えられており、遊技球が一つのみ上下方向に通過可能に形成されている。ゲート部2003には、遊技球の通過を検知するゲートスイッチ2352が取付けられている。
第二始動口2004は、パネル飾り1000の衝止部1006の直下に、フランジ部2511の前面から前方に突出し、上方に向かって開口するように形成されている。また、第二始動口2004に受入れられた遊技球は、始動口スイッチ3022(第二始動口スイッチ)によって検知され、遊技盤5の裏面側に誘導され、排出される。
ところで、近年、遊技機分野においては、遊技機構成部品(役物や、球通路など)の複雑化・大型化が図られており、より自由度の高い設計を許容可能な遊技機を開発することが求められる。前述のように、パネル板2100の厚さはセンター役物2500よりも厚いため、パネル板2100によって形成される遊技領域5aが多くなるほどパチンコ機1における奥行き方向の空間が狭くなってしまう。そのため、遊技機構成部品の配置などの自由度が低くなってしまうおそれがある。
この点、本実施形態のパチンコ機1では、上述の通り、センター役物2500側に、左側誘導通路2580と右側誘導通路2590との両方を樹脂によって一体に形成することとした。これにより、パネル板2100側の上部に球通路を設ける必要(パネル板2100側に、パネル飾り1000が取り付けられた状態において外レール1001にから球直径以上の長さまで延びる領域を確保する必要)がなくなり、本実施形態のパネル板2100には、遊技球が通過する流路が形成されていない。そもそも、のりしろ部2113は、他の領域に対して窪地形状として設けられていることから、遊技球が通過する流路としては機能し得ない。そして、パネル板2100よりもセンター役物2500のフランジ部2511のほうが肉厚を薄くできることから、その分だけ、パネル板2100上部の左(案内レールの出口と対向する位置)から右(衝止部1006と対向する位置)までの全域にわたって奥行きに余裕を持たせることができるようになり、遊技盤上部側における奥行き空間を好適に確保することができるようになる。これにより、本実施形態のパチンコ機1では、後述するが、遊技盤5の上部に、役物の可動領域と、液晶の可動領域とを奥行き方向にずれて配置させることが可能となっている。
より具体的には、パネル板2100に形成されたのりしろ部2113にセンター役物の上フランジ部が覆うかたちで取り付けられる。このとき、のりしろ部2113は、図88(a)に示すように、センター役物2500を取り付けるためにビス留め可能な細形状となっている。なお、ビス留めを行う部分以外の領域においては、のりしろ部2113これ自体が必ずしも存在しなくてもよい。
そして、パネル板2100上部に形成されたのりしろ部2113に取り付けられるセンター役物2500のフランジ部2511が外レール1001及びセンター役物2500の前周壁部2512とともに左側誘導通路2580と右側誘導通路2590との両方を形成する。このとき、左側誘導通路2580及び右側誘導通路2590を通過する遊技球は、のりしろ部2113を含めパネル板2100には直接接触しないように構成されている。
前述のように、のりしろ部2113は、パネル板2100の他の部分よりも板厚が薄く形成されており、図90に示すように、のりしろ部2113とセンター役物のフランジ部2511とが取り付けられた状態でパネル板2100の他の部分と略同じ厚さになるようになっている。そのため、案内レール(外レール1001及び内レール1002)から放出された遊技球が、上記遊技パネル2100から上記センター役物のフランジ部2511に移るときに段差などによってその転動が不安定となり、ひいてはガラスに衝突するような事態を招くことが抑制されうるようになる。
他方、遊技中に始動口などへの遊技球の入球率が悪い場合、遊技者は、案内レール(外レール1001及び内レール1002)からの遊技球の放出具合(速度など)を確認する頻度が高くなる傾向にあることが知られている。ただし、案内レール(外レール1001及び内レール1002)からの遊技球の放出具合を確認しているタイミングにおいて液晶表示装置3600上で熱い演出が開始されたり、センター役物2500の前方で可動役物による演出が開始されたり、ボタン演出が提供されたりするようなことも多々あり、これに気付かずに演出機会が失われるようなことがあると遊技興趣が低下しかねない。
特に、案内レール(外レール1001及び内レール1002)の出口(案内出口)と対向する位置にセンター役物2500とパネル板2100との接合部が設けられる場合、この接合部は、案内レール(外レール1001及び内レール1002)からの遊技球がすぐに接触する部分(全球の通り道)となることから、発射ごとに当該接合部(センター役物2500とパネル板2100との接合部)にガタツキが生じるなどの悪影響が及ぼされ、さらには遊技球の入球率の悪化によって遊技者による案内出口の確認頻度を高めてしまう懸念がある。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、パネル板2100のうち、案内レール(外レール1001及び内レール1002)の出口(案内出口)と対向する位置に窪地形状(のりしろ部2113)を形成した上で、この対向する窪地部分に取付孔2113aを設けることとした。そして、この窪地形状(のりしろ部2113)に対してこれを埋めるようにセンター役物2500のフランジ部2511を取り付けて該フランジ部2511側にて遊技球の流路を形成するようにしたことから、上記接合部(センター役物2500とパネル板2100との接合部)に段差が生じることが抑制されるようになり、且つこの位置にビス留めするようにしたことで、発射ごとに当該接合部(センター役物2500とパネル板2100との接合部)にガタツキ(遊技球の転動の不安定化)が生じ難くなることから、案内レール(外レール1001及び内レール1002)からの遊技球の放出具合を確認する頻度を抑えることができるようになり、演出機会が失われることによる遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
また、案内レール(外レール1001及び内レール1002)の出口(案内出口)と対向する位置にまでセンター役物2500のフランジ部2511を形成するようにしたことで、その裏面側の奥行き空間をその近傍にまで広げることができるようになる。これにより、パチンコ機の上部側にまで演出用のスペースを拡大させることができるようになるなど、遊技機としてのより自由度の高い設計、構造を通じて遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
しかも、この実施の形態にかかるパチンコ機1にあって、センター役物2500のフランジ部2511と案内レール(外レール1001及び内レール1002)の出口とが対向する位置は、図84に示されるように、液晶表示装置3600のうちの正面からの可視領域の左端よりも左側となっている。このような構成によれば、パネル板2100とフランジ部2511とのビス留め部(パネル板2100の裏側に演出空間を作り出せない部分)を、液晶表示装置3600の可視領域の左端よりも左側に追いやることができるようになる。これにより、液晶表示装置3600の可視領域の上方側の略全域を、役物やランプ等の配置スペースとして確保することが可能となり、案内出口の付近において液晶表示装置3600の可視領域と連携した演出などが設計し易くなることで、演出機会が失われることによる遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
特に、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図84(b)に示されるように、該パネル板2100の上部には遊技球が通過可能とされる流路が区画形成されることはなく、上記パネル飾り1000が取り付けられた状態において遊技球の直径にも満たない細形状の「のりしろ部2113」が外レール1001によって区画形成されるに留まる構造となっていることは上述した。
このように、パネル板2100の上部を、遊技球の直径にも満たない細形状の「のりしろ部2113」として形成した上で、その前側に置かれる薄肉のフランジ部2511(センター役物2500)によって遊技球の流路を形成するようにしたことで、パネル板2100の裏側の奥行き空間(演出空間)を、上部にある遊技球流路の裏側にまで広げることができるようになる。
なお、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図84(b)に示されるように、左側誘導通路2580における上側の球1つ分の領域は、その裏側に、発光可能に設けられる装飾部材の配設領域や、上液晶表示装置3610の可動領域を配しており、それらと正面視でそれぞれ重なるように設けられている。このように、左側誘導通路2580における上側の球1つ分の領域の裏側に、2つの異なる装飾可動部(ここでは、発光可能に設けられる装飾部材と、上液晶表示装置3610)が奥行き方向に重ねて配されるだけのスペースが確保可能とされている理由が、パネル板2100の上部を、上記遊技球の直径にも満たない細形状の「のりしろ部2113」として形成していることにあることは明らかである。
以上のように、案内出口と対向する位置にまで飾り役物のフランジ部を形成するようにしたことで、その裏面側の奥行き空間をその近傍にまで最大限広げることができるようになる。そのため、この空間に演出に供される役物やランプ等を配設することが可能となり、ひいては案内出口あたりを確認しているときに演出機会を逃し難くすることができるようになる。
すなわち、遊技者は遊技中に遊技球の発射を調整するために、案内レールの出口付近を注視する機会があり、このような状態においては液晶表示装置3600にて行われる演出内容を見落としがちになる。この点、上記構成では、案内レールの出口付近まで開口部2112を拡大し、そのスペースに液晶表示装置3600にて行われる演出と連携して発光演出を行いうる装飾部材を配設可能としたため、案内レールの出口付近における遊技球の放出具合を確認しながらも液晶表示装置3600によって行われる演出を見落とすことを防ぐことができるようになる。
例えば、案内出口(案内レール(外レール1001及び内レール1002)の出口)と対向する位置の裏側に設けられる装飾部材を、液晶表示装置3600に特定の表示演出(上皿演出ボタン257等の操作を促す演出など)が現れるときに発光させるようにすれば、案内レールの出口付近を確認しながらも上皿演出ボタン257等の操作機会を失わずに演出を楽しむことができるようになる。
この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図88(a)に示されるように、パネル板2100の上部のパネル飾り1000(外レール1001)からはみ出している部分には、太い箇所と細い箇所とがあり、太い箇所に取付孔2113aを設けることとしている。この太い箇所については、パネル板2100の上部中央にて設けるようにすることが望ましい。すなわち、円弧状に開口部が形成されることに鑑みれば、パネル板2100の上部中央はパネル上部における他の領域よりも上側に位置することとなる。そして、矩形状の演出体(液晶表示装置)を配設することに鑑みれば、パネル板2100の上部のパネル飾り1000(外レール1001)からはみ出している部分を他の領域よりも太くしたとしても、演出体を配設するための奥行き空間を圧迫することにはつながり難いからである。なお、この太い箇所については遊技球の直径よりも大きく形成するようにしてもよい。
パネル板2100は、透明樹脂ではなく、板部材であってもよい。
この実施の形態によれば、上述の通り、案内レール(外レール1001及び内レール1002)によって遊技領域5aに案内された遊技球が転動する上流側の誘導通路である左側誘導通路2580と右側誘導通路2590との両誘導通路をセンター役物2500上部のフランジ部2511と一体に形成している。つまりセンター役物2500のフランジ部2511は、パネル板2100に取付ける機能と、遊技球を左遊技領域へ案内する左側誘導通路2580と右側遊技領域へ案内する右側誘導通路2590との誘導通路の機能を有するように構成されている。従来では、パネル板2100の上部に遊技球の流路となる領域とセンター役物2500を取付けするフランジ部2511を設置する領域と両領域を確保する必要があったが、このような構成によれば、パネル板2100側の上部には遊技球が通過する流路を確保する必要がなくなるため、センター役物2500のフランジ部2511を外レールに最大限まで近接させる構成とするができ、パネル板2100に設けられるセンター役物2500などを取付けるための開口部2112を大きく形成することができる。それにより開口部2112内の空間を十分に確保・活用することができ、開口部2112内に配置・駆動される構造体の大型化・複雑化を実現可能している。
さらに、本実施形態では、図87、88に示すようにフランジ部2511が設置されるパネル板2100側の領域であるのりしろ部2113は遊技球の直径にも満たない細形状で構成している。つまり、取付けされたフランジ部2511と重なる位置までパネル板2100の開口部2112を広げるように拡大している。パネル板2100よりもセンター役物2500のフランジ部2511は肉厚が薄いことから、フランジ部2511の背面空間はパネル板2100の背面空間よりも奥行方向の空間を拡大することができる。つまり、遊技盤上部側のフランジ部2511によって誘導通路とされる範囲(パネル板2100上部の左(案内レールの出口と対向する位置)から右(衝止部1006と対向する位置)までの全域)にわたって奥行き方向まで空間の拡大を図ることができる。
パネル板2100の開口部2112を拡大するため、図84(a)が示すようにパネル板2100の上部の案内レール(外レール1001及び内レール1002)の出口と対向する位置にセンター役物2500のフランジ部2511が取付けられる構成とした。しかし、案内レール(外レール1001及び内レール1002)の出口と対向する位置にセンター役物2500のフランジ部2511が取付けられたとき、フランジ部2511の厚みによってパネル板2100との接合部が段差となり、案内レール(外レール1001及び内レール1002)から勢いよく案内された遊技球が段差と接触することにより発射方向が変化してしまい、変化された方向によっては、遊技領域の前方を覆うガラスに遊技球が衝突してガラスが破損してしまう。
そのため、この実施形態では、上述の通り、パネル板2100の上部には、案内レール(外レール1001及び内レール1002)の出口と対向する位置から衝止部1006と対向する位置まで領域にわたってパネル板2100の他の領域よりも板厚が薄い窪地形状ののりしろ部2113を形成し、のりしろ部2113を左側誘導通路2580と右側誘導通路2590との両誘導通路が形成されたセンター役物2500のフランジ部2511が覆うかたちで取り付けられる。そしてセンター役物2500のフランジ部2511は、のりしろ部2113の窪地形状の凹みと同じ厚みに形成されているため、のりしろ部2113に取付けられたときにパネル板2100の他の領域との間に段差が生まれることはなく面一状に構成可能である。そのため、案内レール(外レール1001及び内レール1002)の出口に対向する位置にまでフランジ部2511を取り付けることができ、パネル開口部2112の拡大(演出空間の拡大)を図りながらも、案内レール(外レール1001及び内レール1002)によって案内された遊技球の発射方向を確実に誘導通路に沿って案内することが可能となる。
また、この実施の形態では図87に示した通り、パネル板2100には、遊技球の直径にも満たない細形状ののりしろ部2113のほかに遊技球の直径よりも大きな幅広状ののりしろ部2113が一部に設けられている。センター役物2500のフランジ部2511がビスなどによって組み付けるための取付孔2113aは、幅広状ののりしろ部2113に形成される。センター役物2500のフランジ部2511をビスによる組み付けは、幅広状ののりしろ部2113になされることで強度が確保できる。
[5−3.基板ホルダ]
次に、基板ホルダ1200について、図81乃至図85を参照して説明する。基板ホルダ1200は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されており、底面が左右方向中央へ向かって低くなるように傾斜している。基板ホルダ1200は、遊技盤5に組立てた状態では、遊技パネル2000の後側に取付けられている裏ユニット3000の下部を下側から覆うことができる。これにより、アウト口1111を通って遊技パネル2000の後側へ排出された遊技球、及び、表ユニット2000及び裏ユニット3000から下方へ排出された遊技球、を全て受けることができ、底面に形成された排出部から下方へ排出させることができる。
[5−4.主制御基板ユニット]
次に、主制御ユニット1300について、図83乃至図87を参照して説明する。主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に着脱可能に取付けられている。主制御ユニット1300は、遊技内容及び遊技球の払出し等を制御する払出御基板4110や、主制御基板4100、さらにはこれらの基板に対して制御用電源を生成して供給する電源基板を収容しており、基板ホルダ1200に取付けられる主制御基板ボックス1320と、を備えている。
主制御基板ボックス1320は、複数の封印機構を備えており、一つの封印機構を用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。従って、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御基板4100への不正行為に対する抑止力が高められている。
[5−5.機能表示ユニット]
次に、機能表示ユニット1400について、図81、図82及び図84を参照して説明する。機能表示ユニット1400は、図示するように、遊技領域5aの外側でパネル飾り1000の左下隅に取付けられている。機能表示ユニット1400は、遊技盤5をパチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の貫通口111を通して前方(遊技者側)から視認することができる(図1参照)。機能表示ユニット1400は、主制御基板4100からの制御信号に基づき複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通抽選結果や特別抽選結果等を表示するものである。
機能表示ユニット1400は、詳細な図示は省略するが、遊技状態を表示する一つのLEDからなる状態表示器と、ゲート部2003に対する遊技球の通過により抽選される普通抽選結果に基づいて二つのLEDを点滅制御することにより普通図柄を変動表示した後にこれら二つのLEDを普通抽選結果に応じた点灯態様で表示させる普通図柄表示器と、ゲート部2003に対する遊技球の通過に係る普通図柄の変動表示のうち未だ変動表示の開始条件が成立していない変動表示の個数である保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器と、第一始動口2002への遊技球の受入れ(始動入賞の発生)により抽選された第一特別抽選結果に基づいて八つのLEDを点滅制御することにより第一特別図柄を変動表示した後にこれら八つのLEDを第一特別抽選結果に応じた点灯態様で表示させる第一特別図柄表示器と、第一始動口2002への遊技球の受入れに係る第一特別図柄の変動表示のうち未だ変動表示の開始条件が成立していない変動表示の個数である保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器と、第二始動口2004への遊技球の受入れ(始動入賞の発生)により抽選された第二特別抽選結果に基づいて八つのLEDを点滅制御することにより第二特別図柄を変動表示した後にこれら八つのLEDを第二特別抽選結果に応じた点灯態様で表示させる第二特別図柄表示器と、第二始動口2004への遊技球の受入れに係る第二特別図柄の変動表示のうち未だ変動表示の開始条件が成立していない変動表示の個数である保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器と、第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」等の時に、第一大入賞口2005や第二大入賞口2006の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する二つのLEDからなるラウンド表示器と、を主に備えている。
機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
[5−6.周辺制御ユニット]
次に、周辺制御ユニット1500について、図83及び図86を参照して説明する。周辺制御ユニット1500は、裏ユニット3000の後面に取付けられている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板4100からの制御信号に基いて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板4140(図131を参照)と、周辺制御基板4140を収容している周辺制御基板ボックス1520と、を備えている。周辺制御基板4140は、発光演出、サウンド演出、及び可動演出、等を制御するための周辺制御部1511と、演出画像を制御するための液晶表示制御部1512と、を備えている(図128参照)。
[5−7.液晶表示装置]
次に、液晶表示装置3600について、図81、図82、図84及び図85を参照して説明する。液晶表示装置3600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル2000の後側に裏ユニット3000に取付けられている。詳述すると、液晶表示装置3600は、裏ユニット3000の後壁の略中央の後面に対して、着脱可能に取付けられている。液晶表示装置3600は、遊技盤5を組立てた状態で、枠状のセンター役物2500の枠内を通して、前側(遊技者側)から視認することができる。液晶表示装置3600は、白色LEDをバックライトとしたフルカラーの表示装置であり、静止画像や動画を表示することができる。
本実施形態の液晶表示装置3600は、上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620とを備えており、それぞれ上下方向に移動可能に構成されている。各液晶表示装置が基準位置(上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620が最下方に位置している状態)にあるとき、上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620との間には、液晶装飾部材3630が配置されており、各液晶表示装置3610,3620とは独立若しくはいずれかの液晶表示装置3610,3620と連動して上下に移動可能となっている。上液晶表示装置3610、下液晶表示装置3620及び液晶装飾部材3630は、各々を駆動させるためのアクチュエータ(モータ)を備えた液晶駆動ユニット3400に取り付けられている。液晶駆動ユニット3400は、裏ユニット3000に含まれる。上液晶表示装置3610、下液晶表示装置3620及び液晶装飾部材3630の動作態様については、後述する。
[5−9.裏ユニットの全体構成]
次に、遊技盤5における裏ユニット3000の全体構成について、主に図91乃至図93を参照して詳細に説明する。図91(a)は裏ユニットを前から見た図であり、(b)は裏ユニットを背面から見た図である。図92は裏ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図93は裏ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
裏ユニット3000は、遊技パネル2000の後面に取付けられており、図92及び図93に示すように、センター役物2500の背後に臨む領域部分を装飾する裏飾りユニット3100と、後述する後端装飾物ユニット3700(胴体駆動部)による可動演出時に頭部、腕部、脚部などを構成する役物を備える前側役物ユニット3200と、液晶表示装置3600やその駆動機構(伝達機構)などを備える後側役物ユニット3300と、を備えている。
また後述するが、この実施の形態にかかる裏ユニット3000の背面部(後側役物ユニット3300の背面部)には、主制御基板ボックス1320や周辺制御基板ボックス1520などの制御部のほか、上液晶表示装置3610又は下液晶表示装置3620の少なくとも一方が移動することによって上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620との間から前方側へと移動可能な役物を備える後端装飾物ユニット3700(胴体駆動部)がその後側に取り付けられている。
[5−9a.裏飾りユニット]
次に、裏ユニット3000のうちの裏飾りユニット3100について、図94を併せて参照しつつ詳述する。図94は、裏飾りユニット3100の分解斜視図であり、(a)は裏飾り上ユニット3110、(b)は裏飾り左ユニット3120、(c)は裏飾り下ユニット3130である。
裏飾りユニット3100は、遊技パネル2000のパネル板2100の後方、センター役物2500の背後に配置される装飾部材であり、裏飾り上ユニット3110と、裏飾り左ユニット3120と、裏飾り下ユニット3130と、を備えて構成されている。また、裏飾りユニット3100は、透過性をもって形成されるパネル板2100を通して視認することが可能とされるとともに、前側役物ユニット3200に備えられる可動役物の少なくとも一部を非動作時に遊技者側から視認し難くするように設けられている。
ここで、裏飾り上ユニット3110は、開口部の上辺を覆うように配置されている。また、裏飾り左ユニット3120は、開口部の左辺側中央部から上辺にかけて配置されている。裏飾り下ユニット3130は、開口部の左辺側中央部から下辺全体を覆うように配置されている。
また、裏飾り下ユニット3130には、図91、図92、図94(c)及び図95に示すように、ワープ通路3150が形成されている。図95は裏ユニットのワープ通路付近を拡大した斜視図である。ワープ通路3150は、始動口ユニット2200にワープ入口2220に流通した遊技球を、センター役物2500に備えられたステージ2530に流下させるために誘導する流路である。このように、センター役物2500にワープ通路を形成するのではなく、パネル板2100の裏側を遊技球が通過するように形成することによって、ワープ通路3150の配置の自由度を高めることができる。すなわち、センター役物2500の形状によらずにワープ入口を配置することが可能となる。
[5−9b.前側役物ユニット]
次に、裏ユニット3000のうちの前側役物ユニット3200について、図96を併せて参照しつつ詳述する。図96は、前側役物ユニット3200の分解斜視図であり、(a)は顔駆動部3210、と、フルバースト駆動部(下部役物)3230と、(b)は肩駆動部3220、(c)はフルバースト駆動部(下部役物)3230、(d)は右誘導路3250である。
前側役物ユニット3200は、裏飾りユニット3100の後方に取り付けられ、顔駆動部3210と、肩駆動部3220と、フルバースト駆動部(下部役物)3230と、右誘導路3250と、を備えている。
ここで、顔駆動部3210は、可動役物として左顔部3210aと右顔部3210bとによって構成されており、さらに、これらの可動役物を駆動するためのアクチュエータを含めた駆動機構を備える。これらの可動役物や駆動機構は、特定の可動演出が実行されていない状態(非動作時)においては、上記裏飾り上ユニット3110の背面側にて配設されて遊技者側から視認し難くされる一方で、特定の可動演出が実行される状態(動作時)においては、まず、下方に向かって移動し、その後、液晶表示装置3600の前面側で中央方向に移動することによりロボットの顔部を形作るように設けられている。顔駆動部3210による演出の詳細については後述することとする。
肩駆動部3220は、左腕部3220aと右腕部3220bとによって構成されており、さらに、これらの可動役物を駆動するためのアクチュエータを含めた駆動機構を備える。肩駆動部3220は、可動演出が実行されていない状態では、顔駆動部3210と同様に、遊技者から視認し難い位置に配置されている。具体的には、左腕部3220aは裏飾り左ユニット3120の背面側に配置され、右腕部3220bはセンター役物2500に備えられた装飾部材2545の裏側に配置される。演出実行時には、左腕部3220a及び右腕部3220bが中央方向に移動し、後述する後端装飾物ユニット3700(胴体駆動部)と合体するかのような演出が実行される。
フルバースト駆動部3230は、上記の各駆動部(顔駆動部3210、肩駆動部3220、後端装飾物ユニット3700(胴体駆動部))によって特定の可動演出が行われる演出条件とは異なる演出条件が満たされたときに、これ単独で上記液晶表示装置3600の前方に移動して演出を行う下部役物と、該下部役物を駆動するためのアクチュエータを含めた駆動機構を備える。
ただし、フルバースト駆動部3230の駆動機構のうち、下部役物を上下に摺動可能ならしめるレール部のうちの右側レール部3240は、フルバースト駆動部3230とは別体として設けられており、上記右誘導路3250は、この別体として設けられる右側レール部3240と一体形成されるかたちで設けられている。また、後述するが、この右側レール部3240は、センター役物2500の右側に備えられた装飾部材2545の裏側に配置されるとともに、上記右誘導路3250を、後述する後側役物ユニット3300を構成する裏箱3310と対向させてその間に排出通路を設けた上で、右打遊技領域2540内の受入口(例えば、始動口など)と連通させることで、該受入口に受け入れられた遊技球を遊技領域5aから排出可能な構成とされている。
[5−9c.後側役物ユニット]
次に、裏ユニット3000のうちの後側役物ユニット3300について、図97,図98を併せて参照しつつ詳述する。図97は後側役物ユニット3300を主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図98は後側役物ユニット3300を主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
後側役物ユニット3300は、前側役物ユニット3200の後方に取り付けられ、前側から順に、裏箱3310と、液晶駆動ユニット3400と、後端装飾物ユニット3700(胴体駆動部)と、を備えている。
[5−9c−1.裏箱]
まず、後側役物ユニット3300のうちの裏箱3310について、図99を併せて参照しつつ詳述する。図99(a)は、裏箱3310を正面から見た図であり、(b)は背面から見た図である。
裏箱3310は、前方が開放されている箱状であり、後立設壁3312に四角く貫通している開口部3311が形成されている。開口部3311は、液晶表示装置3600の表示画面と略同じ大きさ(若しくは、若干小さい大きさ)に形成されている。液晶表示装置3600には、前述したように、前面側を上下に移動可能な液晶装飾部材3630が配置されており、裏箱3310の後立設壁3312には、液晶装飾部材3630の可動範囲にあわせて段差部3315が形成されている。すなわちこの場合、液晶表示装置3600の液晶装飾部材3630が、段差部3315によって確保された空間を移動可能となるようにしつつも、後立設壁3312を、液晶表示装置3600の周縁(横側)に取り付けられて該液晶表示装置3600を駆動するためのアクチュエータを含めた駆動機構(伝達機構)に近接させるかたちで配設することができるようになる。
すなわち、上述の前側役物ユニット3200は、裏飾りユニット3100の背面側に配設されることで遊技者側から視認し難くされているとは言え、横から覗き込むように視認されるとその存在は容易に把握されてしまう。この点、液晶表示装置3600の駆動機構(伝達機構)については、液晶装飾部材3630の可動範囲にあわせた段差部3315が形成される程度にまで上記後立設壁3312と近接していることに加えて、横から覗き込もうにもそこには液晶表示装置3600が設けられている。これにより、少なくとも液晶表示装置3600が非駆動時の状態においては、液晶表示装置3600の駆動機構(伝達機構)を含めて、上記後立設壁3312よりも後側に設けられている各種の部材(後端装飾物ユニット3700(胴体駆動部)など)の存在を遊技者側から秘匿にしておくことができるようになる。
しかも、この実施の形態にかかる後立設壁3312は、液晶表示装置3600の駆動機構(伝達機構)や後端装飾物ユニット3700(胴体駆動部)などの存在を秘匿にする裏箱隠匿部として機能することに加えて、その前面側に複数の可動体(駆動部)を有する上記前側役物ユニット3200の被取付部(取付孔など)が設けられており該前側役物ユニット3200の支持部としても機能するようになっている。このような構成によれば、奥行き方向のスペースを無駄に使用することなく、液晶表示装置3600の周縁に設けられる駆動機構(伝達機構)が視認されるようなことが回避されるようになる。
これにより、奥行き方向に乏しい配設スペースでありながらも、前側役物ユニット3200のほか、液晶表示装置3600の駆動機構(伝達機構)や後端装飾物ユニット3700(胴体駆動部)を、正面視で視認されるべきものと、正面視で視認されるべきでないものとに分けて適切に配設することができるようになる。
なお、後立設壁3312のうち、開口部3011の正面視上方となる部分に上記前側役物ユニット3200の顔駆動部3210が取り付けられている。また、後立設壁3312のうち、開口部3011の正面視左側上端から中央、及び、正面視右側上端から中央に左腕部及び右腕部を含む肩駆動部3220がそれぞれ取り付けられている。また、後立設壁3312のうち、開口部3011の正面視左側中央から下端及び下辺に沿ってフルバースト駆動部3230が取り付けられている。
またさらに、この実施の形態にかかる裏箱3310では、後立設壁3312内の正面視右下隅の前端付近に、上記右側レール部3240(右誘導路3250)と対向することによりその間に排出通路(右打遊技領域2540内の受入口(例えば、始動口など)に受入れられた遊技球を下方に流下させ、右下球通路ユニット3316、さらには集合樋に誘導する通路)を形成する部分が設けられている。ただし、この排出通路も、上記段差部3315によって上記前側役物ユニット3200との間に確保される空間の少なくとも一部を利用するかたちで形成されるものであり、奥行き方向のスペースを無駄に使用するようなものではない。
図100は、裏箱3310に右誘導路3250の取付位置を説明する図である。図101は、右誘導路3250の形状を示す透過斜視図である。図101に示すように、右誘導路3250の内部には、図101に示すように、リブ部3251が形成されており、右誘導路3250を流下する遊技球の通過速度を低下させることができるようになっている。
[5−9c−2.液晶駆動ユニット]
次に、液晶駆動ユニット3400について図97、図98及び図102乃至図110を参照しながら説明する。図102は、液晶駆動ユニット3400の分解斜視図である。図103(a)は上液晶表示装置が最下位に位置する場合の液晶駆動ユニットの正面図であり、(b)はA−A断面図である。図104(a)は上液晶表示装置が最下位に位置する場合の液晶駆動ユニットの斜視図であり、(b)は液晶装飾部材を除いた液晶駆動ユニットの斜視図である。図105(a)は上液晶表示装置が最上位に位置する場合の液晶駆動ユニットの正面図であり、(b)はA−A断面図である。図106(a)は上液晶表示装置が最上位に位置する場合の液晶駆動ユニットの斜視図であり、(b)は液晶装飾部材を除いた液晶駆動ユニットの斜視図である。図107(a)は上液晶表示装置が最下位に位置する場合の液晶駆動機構の正面図であり、(b)はA−A断面図である。図108(a)は上液晶表示装置が最下位に位置する場合の液晶駆動機構の斜視図である。図109(a)は上液晶表示装置が最上位に位置する場合の液晶駆動機構の正面図であり、(b)はA−A断面図である。図110(a)は上液晶表示装置が最上位に位置する場合の液晶駆動機構の斜視図である。
前述したように、本実施形態における液晶表示装置3600は、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620を備えて構成されており、それぞれ上下に独立して移動可能となっている。また、液晶駆動ユニット3400は、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620を収容し、各液晶表示装置を移動させるためのアクチュエータを含めた駆動機構(伝達機構)を備える。
また、前述のように、液晶表示装置の移動を伴う演出が実行されていない通常状態において、上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620との間には、水平方向に長い矩形の液晶装飾部材3630が配置されており、液晶装飾部材3630は上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620と、独立又は連動して上下に移動可能となっている。図104に示すように、液晶装飾部材3630は、上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620との間に生じる隙間やフレーム部を隠蔽することができる。
液晶駆動ユニット3400は、上液晶表示装置3610を保持し、周辺制御基板4140の制御によって上液晶駆動モータ3415が上液晶表示装置3610を上下に移動させる上液晶駆動ユニット3410と、下液晶表示装置3620を保持し、周辺制御基板4140の制御によって下液晶駆動モータ3445が下液晶表示装置3620及び液晶装飾部材3630を上下に移動させることを可能とする下液晶駆動ユニット3440と、上液晶駆動ユニット3410及び下液晶駆動ユニット3440を収容する液晶収容部3480と、を備える。液晶収容部3480において上液晶駆動ユニット3410を収容する上液晶収容部3480aと、下液晶駆動ユニット3440を収容する下液晶収容部3480bとの間には、後端装飾物ユニット3700(胴体駆動部)の前面装飾部3700aを臨むことが可能な開口部3480cが形成される。
上液晶駆動ユニット3410は、その駆動機構として、上液晶表示装置3610を支持する上液晶保持部材3411と、自重の大きい上液晶表示装置3610を遊技盤5を組み立てた状態で上方向に付勢することによって上液晶表示装置3610の上方向への移動を補助する付勢部材3412と、上液晶表示装置3610を上液晶駆動モータ3415によって上下に移動させる機構とを備える。
また、上液晶駆動ユニット3410には、上液晶表示装置3610の高さよりもやや短い長さのガイドロッド3413が上液晶表示装置3610の両側に上下方向に配置される。ガイドロッド3413は、上液晶保持部材3411の左右両側にそれぞれ上下2箇所形成された軸受け部3414に挿着される。
また後述するが、上液晶保持部材3411の下辺両端には、図104及び図105に示されるように、これとは別部材である下液晶駆動ユニット3440に備えられた板状部材3450を下方向に押圧することによって該下液晶駆動ユニット3440側に設けられる上記液晶装飾部材3630をこれ単独で上方向に移動させる押圧部3418が形成される。
次に、上液晶駆動ユニット3410の駆動機構について説明する。上液晶駆動モータ3415は、液晶収容部3480の上液晶収容部3480aの正面視右側に形成されたモータ収容部3485に取り付けられており、回転軸に平歯車状の上液晶駆動ギア3420が取り付けられている。また、上液晶駆動ギア3420と噛合する大径で平歯車状の大径伝達ギア3421a、及び大径伝達ギア3445aと一体回転する小径で平歯車状の小径伝達ギア3421bを有する上液晶伝達ギア3421を備える。さらに、上液晶伝達ギア3421の小径伝達ギア3421bと噛合する平歯車状の伝達ギア3422と、伝達ギア3422と噛合する平歯車状の昇降駆動ギア3423と、を備える。昇降駆動ギア3423は、上液晶保持部材3411の右辺側に形成されたラックギア3416と噛合し、上液晶駆動モータ3415の回転によって上液晶表示装置3610を上下に移動させる。また、昇降駆動ギア3423には、上液晶表示装置3610の裏面側に配置された駆動シャフトが連結されており、駆動シャフトには正面視左側に配置された昇降駆動ギア3423が連結される。昇降駆動ギア3423は、上液晶保持部材3411の左辺側に形成されたラックギア3416と噛合することで上液晶駆動モータ3415の駆動力を付与して上液晶表示装置3610を上下に移動させることができる。
下液晶駆動ユニット3440は、その駆動機構として、下液晶表示装置3620を支持する下液晶保持部材3441と、自重の大きい下液晶表示装置3620を遊技盤5を組み立てた状態で上方向に付勢することによって下液晶表示装置3620の上方向への移動を補助する付勢部材3442と、下液晶表示装置3620を下液晶駆動モータ3445によって上下に移動させる機構とを備える。また、下液晶駆動ユニット3440には、下液晶表示装置3620の高さと略同じ長さのガイドシャフト3443が下液晶表示装置3620の両側に上下方向に配置される。ガイドシャフト3443は、下液晶保持部材3441の左右両側にそれぞれ上下2箇所形成された軸受け部3444に挿通される。
次に、下液晶駆動ユニット3440の駆動機構について説明する。下液晶駆動モータ3445は、液晶収容部3480の下液晶収容部3480bの正面視右側に形成されたモータ収容部3486に取り付けられており、回転軸に平歯車状の下液晶駆動ギアが取り付けられている。また、下液晶駆動ギアと噛合する大径で平歯車状の大径伝達ギア及び大径伝達ギアと一体回転する小径で平歯車状の小径伝達ギアを有する下液晶伝達ギアを備える。さらに、下液晶駆動ギアの小径伝達ギアと噛合する平歯車状の伝達ギアと、この伝達ギアと噛合する平歯車状の昇降駆動ギアと、を備える。昇降駆動ギアは、下液晶保持部材3441の右辺側に形成されたラックギア3446と噛合し、下液晶駆動モータ3445の回転によって下液晶表示装置3620を上下に移動させる。また、昇降駆動ギアには、下液晶表示装置の裏面側に配置された駆動シャフトが連結されており、この駆動シャフトには正面視左側に配置された昇降駆動ギアが連結される。昇降駆動ギアは、下液晶保持部材3441の左辺側に形成されたラックギア3446と噛合することで下液晶駆動モータ3445の駆動力を付与して下液晶表示装置3620を上下に移動させることができる。
ところで、一般的な駆動モータは、コイルを励磁していない状態で静止トルクが作用する。この静止トルクをディテントトルクといい、ディテントトルクが大きい場合には直接駆動モータの回転軸を回転させようとしてもこれに抗した力が大きくなり回転しにくくなる。すなわち、このディテントトルクは、パチンコ機1がホールに設置された状態において、駆動モータ3415,3445に対して電源が供給されていない場合は、付勢部材3412,3442による各付勢力と協働して、上液晶表示装置3610,下液晶表示装置3620が自重によって下方向に移動しようとする力に抗するように機能する。
このとき、上液晶表示装置3610の自重による下方向への力よりも、上液晶駆動モータ3415のディテントトルクと付勢部材3412による付勢力の合成値(自重に対して逆向きに働く方向成分の力の合成値)のほうが大きくなるか略同じ程度となるように、上液晶駆動モータ3415と付勢部材3412とがそれぞれ設けられている。また、これと同様、下液晶表示装置3620の自重による下方向への力よりも、下液晶駆動モータ3445のディテントトルクと付勢部材3442による付勢力の合成値(自重に対して逆向きに働く方向成分の力の合成値)のほうが大きくなるか略同じ程度となるように、下液晶駆動モータ3445と付勢部材3442とがそれぞれ設けられている。そして、このような力の関係は、付勢部材による付勢力の大きさに変化が生じるとしても、上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620とが可動範囲におけるどの位置にあっても成立するようになっており、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、このような原理を用いることで、駆動モータ3415,3445によって駆動力を付与することなしに、比較的重量の大きい上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620とをそれぞれ適宜の位置にて留まらせることが可能な構造が採用されている。
ただしその一方で、液晶駆動ユニット3400を倒した状態(液晶の表示面が上方または下方を向くような平置きの状態)では、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620の自重による力が作用しなくなる。そしてこのとき、付勢部材3412による付勢力の大きさに変化が生じるとしても、上液晶表示装置3610が可動範囲におけるどの位置にあっても、ディテントトルクよりも付勢部材3412による付勢力が大きくなるように、上液晶駆動モータ3415と付勢部材3412とがそれぞれ設けられている。また、これと同様、付勢部材3442による付勢力の大きさに変化が生じるとしても、下液晶表示装置3620が可動範囲におけるどの位置にあっても、ディテントトルクよりも付勢部材3442による付勢力が大きくなるように、下液晶駆動モータ3445と付勢部材3442とがそれぞれ設けられている。これにより、液晶駆動ユニット3400を倒した状態(液晶の表示面が上方または下方を向くような平置きの状態)では、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620はいずれも可動範囲における上端まで上方向に移動するようになる。
換言すれば、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、液晶表示装置3600(ここでは、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620)が静止状態にあるときにその場に留まろうとする力を「A」、付勢部材による第1位置(ここでは、液晶表示装置3600の可動領域における最上部)に向けての付勢にかかる力を「B」、液晶表示装置3600の自重による力のうちの上記「B」に抗する方向成分(ここでは下方向)の力を「C」とするとき、液晶表示装置3600が第1位置とは逆側の第2位置(ここでは、液晶表示装置3600の可動領域における最下部)へと近づくにつれて「B」が増大される傾向のあるなかで、第1位置から第2位置までの可動範囲におけるいずれに位置する場合であっても「A<B」なる関係が成立するにもかかわらず、当該パチンコ機1がホールに設置された状態においては、第1位置から第2位置までの可動範囲におけるいずれに位置する場合であっても「A>B−C」なる関係が成立するように設けられている。
このような構成によれば、駆動源からの駆動力を必ずしも受けずとも、可動範囲のうちのいずれの位置においても液晶表示装置3600を静止状態にて維持することができるようになる。すなわちこの場合、液晶表示装置3600の重量いかんにかかわらず、可動範囲のうちの複数の位置で液晶表示装置360を比較的長い時間にわたって静止させることが可能とされるようになるなど、自由度の高い演出設計を通じて遊技興趣の低下の抑制が期待されるようになる。
ただし、こうした自由度の高い演出設計を許容する上では、付勢部材による付勢力に大きな劣化が生じないことが重要とされる。この点、上記構成によれば、パチンコ機1がホールに設置されるまでの間、付勢部材の付勢力に自重が働かないように配置(例えば、平置きなど)させておくだけで、「A<B」なる関係によって演出移動体が自ずと第1位置まで移動して付勢部材による付勢機能を自動的に休ませることができるようになっている。これにより、パチンコ機1がホールに設置されるまでの間、付勢機能の劣化が抑制されるようになり、上述した自由度の高い演出設計のもとでの遊技を提供することができるようになる。
なお、液晶表示装置を移動させる駆動源モータと、それに噛み合わせるギアのギア比によって、ディテントトルクを変化させることができる。例えば、モータが3回転すると、噛み合わせるギアが1回転するギア比にすると、トルク(=ディテントトルク)の大きさが3倍になる。本実施形態では、液晶表示装置の自重が大きいため、ギア比を高くしていることからディテントトルクが比較的大きくなっている。
このようなディテントトルクの設定変更、若しくは付勢部材による付勢力の設定変更を通じて、付勢部材による付勢力が最大になる位置に液晶表示装置3610,3620があるときにのみ、液晶表示装置3610,3620が移動するようにしてもよい。
また、液晶装飾部材3630の中央には、図111に示すように、回転可能な回転部材3631が備えられており、図示しないモータから液晶装飾部材3630の背面側に設けられる無端ベルトを通じて駆動力を付与することにより回転部材3631が回転する演出が実行される。また、液晶装飾部材3630の正面視左右両端には、下液晶表示装置3620の外側を下方向に延出するガイド部3630aが一体に形成されており、ガイド部3630aの下端には下方向に付勢する付勢部材(バネ)が連結されている。ガイド部3630aは、下液晶表示装置3620と、ガイドロッド3413との間を上下に移動することができる。また、ガイド部3630aの内側には、ラックギア3630bが形成されており、後述する伝達ギア3451と噛合して板状部材3450と連動して移動可能になっている。
また、下液晶保持部材3440の内側には、下液晶表示装置3620と液晶装飾部材3630のガイド部3630aとの間に、板状部材3450が摺動可能に配置されている。板状部材3450には、案内スリット3450a(図103,図104を参照)が形成されており、この案内スリット3450aの正面視奥側にラックギア3450bが形成されている。
板状部材3450に形成された案内スリット3450aには、伝達ギア3451が配置されており、板状部材3450のラックギア3450bと、ガイド部3630aのラックギア3630bと、が噛合するように配置されている。板状部材3450は、上液晶保持部材3411の下辺両端に形成された押圧部3418に、該板状部材3450の上端が押圧されることによって下方向に移動する。このとき、板状部材3450のラックギア3450bに噛合した伝達ギア3451が回転し、ガイド部3630aのラックギア3630bに駆動力が伝達されることで液晶装飾部材3630が上方向に移動する。これにより、上液晶駆動ユニット3410の押圧部3418が下液晶駆動ユニット3440の板状部材3450に当接している範囲では、上液晶駆動ユニットの変位量よりも液晶装飾部材3630の変位量を大きく、すなわち、高速に動作させることができる。
ここで、この実施の形態にかかるパチンコ機1にあって、液晶表示装置3600の裏に配置される可動役物(胴体駆動役物3700)は、後述するが、液晶表示装置3600の移動が開始されることで遊技者側から視認可能とされるように設けられている。しかも、液晶表示装置3600の移動が終了して演出空間が生成されたときには、該演出空間を通って、液晶表示装置3600の表示面よりも前側まで移動可能とされるように設けられている。
ただし、このような大掛かりな大型・複雑な可動演出(特定の可動演出)を実現しようとすると、こうした複数の可動体の順序立った動き(切り替わり)に時間を要してしまい、遊技興趣が逆に低下することが懸念される。例えば、液晶表示装置3600の裏に配置された可動役物(胴体駆動役物3700)は、液晶表示装置の移動が開始されることで遊技者側から視認可能な状態になったとしても、液晶表示装置の移動が終了して演出空間が生成されるまでの間は前進することができない。そればかりか、液晶表示装置の移動が開始されたとしてもその移動距離が十分でない限りは、可動役物(胴体駆動役物3700)の表面全体をそもそも視認することすらできない。
前述のように、液晶装飾部材(特定移動体)3630は、初期位置(特定位置)において、上液晶表示装置3610の下部(上液晶表示装置3610の下フレーム部を少なくとも含む領域)及び下液晶表示装置3620の上部(下液晶表示装置3620の上フレーム部を少なくとも含む領域)との両方に重なる位置に配置されるため、2つの液晶表示装置の境界を違和感なく隠すことができる。
そして、このような状態にあるときに、液晶表示装置3600の裏に配置された可動役物(胴体駆動役物3700)を用いた特定の可動演出を実行する場合、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620が互いに離間する方向にそれぞれ移動することによって、可動役物(胴体駆動役物3700)の演出空間を生成することとなる。
このとき、液晶装飾部材3630も、下液晶駆動ユニット3440の移動に伴って、上液晶表示装置3610の下部(上液晶表示装置3610の下フレーム部を少なくとも含む領域)と正面視でその一部が重なっている状態から、該上液晶表示装置3610と離間する方向(下側方向)へと移動することとなる。ただし、この液晶装飾部材3630は、上液晶駆動ユニット3410の押圧部3418が下液晶駆動ユニット3440の板状部材3450を押圧している範囲内にある限りは、下液晶駆動ユニット3440これ自体が上液晶表示装置3610から離れる方向へと移動する速度よりも高速で該方向へと移動するようになる。
このような液晶装飾部材3630の動きによれば、上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620とが互いに離れるように移動開始した際に、液晶表示装置3600の背後側の可動役物(後端装飾物ユニット3700(胴体駆動部))の演出空間を比較的早く生成することができるようになり、ひいては大掛かりな大型・複雑な可動演出(特定の可動演出)を実現するときに、それら可動体の順序立った動き(切り替わり)に時間を要してしまうようなことが回避されるようになる。また、上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620とが互いに離れるように移動開始してから比較的早くそれらの背後側の可動役物(後端装飾物ユニット3700(胴体駆動部))の表面側全体を露にすることができるようになる。
なお、上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620とが互いに離れるように移動した結果、押圧部3418が板状部材3450に当接しなくなると、液晶装飾部材3630は、下液晶表示装置3620これ自体の動きのままでこれに連れ立たれるかたちで移動するようになる。このように、液晶装飾部材3630は、演出の進行(移動距離)に応じて段階的に移動速度が変化するように構成される。本実施形態では、板状部材3450の長さを調節することによって液晶装飾部材3630が移動する速度が高速な範囲を調整することができる。
ところで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、液晶表示装置3600における演出に合わせて、上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620とを同じ方向に同じ変位量だけ移動させたり、同じ態様で振動させたりする可動演出が行われうる。ただしこの場合、上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620との間で制御のズレが生じたり、互いの物理的な干渉による跳ね返りが生じることなどによって、上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620との間に意図しない隙間が生じることが懸念される。すなわちこの場合、液晶表示装置3600の背後側にて密かに設けられる後端装飾物ユニット3700が露になることから遊技興趣が低下しかねない。ただしその一方で、こうした課題を懸念して、液晶表示装置3600これ自体の動きに過大な制約を課してしまうと、液晶表示装置3600に駆動機構を設けてこれを可動とするようにしたメリットを十分に生かしきれず、遊技興趣が低下する懸念がある。
この点、上記構成によれば、上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620とに跨るように位置する液晶装飾部材3630が設けられている。しかも、この液晶装飾部材3630は、上液晶駆動ユニット3410の押圧部3418が下液晶駆動ユニット3440の板状部材3450を押圧している範囲内にある限りは、上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620とに跨るような位置を維持するように設けられていることから、上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620との間に意図しない隙間が生じたとしてもこれを好適に秘匿にすることができるようになる。これにより、上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620とによる協働演出をより積極的に実行することができるようになり、これによって遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
すなわち、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、可動装飾部3710が遊技者側から視認し難くされるように少なくとも液晶装飾部材3630を該可動装飾部3710に対して正面視で重ならせるように位置される第1の演出状態と、可動装飾部3710が遊技者側から視認し易くされるように少なくとも液晶装飾部材3630を上記第1の演出状態にあるときに位置する箇所から変位される第2の演出状態と、液晶装飾部材3630を上記第1の演出状態にあるときに位置する箇所から変位させるにもかかわらず可動装飾部3710が遊技者側から視認し難くされるように、複数の可動対象のうちの上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620の少なくとも一方(ここでは両方)を、該液晶装飾部材3630とが併せて変位される第3の演出状態とが現れうる。
そしてこの場合、第1の演出状態と第3の演出状態とがそれぞれ発生することによって「液晶装飾部材3630が変位するだけの可動演出が行われるに過ぎない」ことを遊技者側に誤認させた後に、第2の演出状態を発生させることが可能となる。すなわちこの場合、遊技者側の上述の認識(液晶装飾部材3630が変位するだけの可動演出が行われるに過ぎない)を覆すかたちで可動装飾部3710を出現させることができるようになることから、可動演出にサプライズ感を付与して遊技興趣の向上が図られることが期待されるようになる。
上記液晶装飾部材3630としてのこのような構成によれば、上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620との間に意図しない隙間が生じることをそれほど気にせずに、液晶表示装置3600これ自体の動きによって演出を積極的に盛り上げることができるようになる。例えば、液晶表示装置3600(上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620)は、表示領域にて現れる演出画像の動きに合わせて動く(振動など)ようにすることが望ましい。
ただし、液晶表示装置3600(上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620)が単に移動(振動)するだけでは、表示領域内の演出画像が単に移動(振動)しているだけなのか、それとも液晶表示装置3600が実際に移動(振動)しているのかを遊技者側からは把握し難いことが想定されうる。したがって、表示領域内の演出画像に合わせて液晶表示装置3600(上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620)を移動(振動)させるときには、液晶表示装置3600のみならず、該液晶表示装置3600の前側に設けられる液晶装飾部材3630もこれに合わせて移動(振動)させるようにすることが望ましい。これにより、可動装飾部3710を隠すことができるはもとより、液晶表示装置3600に近接して設けられる液晶装飾部材3630が動くことで、、表示領域内の演出画像だけでなく液晶表示装置3600これ自体が動いていることを実感し易くすることができるようになる。
また、上記液晶装飾部材3630は、可動装飾部3710が遊技者側から視認し易くされるようにするときには、下液晶表示装置3620が移動しなかったとしても、上液晶表示装置3610の動く方向(上方向)とは逆向き(成分を有した方向)に動いてその開口部の拡大に寄与するように設けられている。これにより、上液晶表示装置3610の可動領域を抑制しつつも比較的大きな可動装飾部3710(開口部)を出現させることができるようになることから、こうした目的を達成する上で液晶表示装置3600の後側の余裕のないスペースを圧迫するようなことが抑制されるようになる。
また後述するが、上記液晶装飾部材3630は、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620の液晶電極(フレーム部)の少なくとも一部が露にされないように設けられており、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620が移動するときにもそれらの液晶電極(フレーム部)を隠す位置で一緒に動くように設けられている。また、液晶装飾部材3630は、その前方側に他の肉厚な可動体(可動装飾部3710)が進出可能とされる程度にその肉厚は薄くされている。
なお、可動装飾部3710を出現させるように上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620のいずれかが移動するとき、それら上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620のフレーム部の少なくとも一部は露にされる。したがって、フレーム部が露になるよりも前に液晶表示装置3600の表示領域において暗転演出が実行されて、フレーム部の存在を気付き難くすることで、遊技興趣の低下を抑制するようにすることが望ましい。この際、演出を行うのであれば、暗転による黒色の部分が表示領域の面積の半分以上を占めるようなエフェクト画像(雷光など)を行うようにすることが、フレーム部の存在を気付き難くする上で望ましい。
また、上記第3の演出状態は、上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620との両方が移動することによってその後側の可動装飾部3710を秘匿にするようにしたが、例えば、可動装飾部3710を、上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620とのいずれかの背後側に配置しておき、該配置された側の液晶表示装置のみを移動させるときに、その背後側の可動装飾部3710もこれに追従するように移動させるようにすることで、該可動装飾部3710の存在を秘匿するようにしてもよい。ただしこの場合、液晶表示装置の裏側に可動装飾部3710の可動領域を設ける必要がある。
このような構成によれば、可動装飾部3710を用いた演出を行わないにもかかわらず該可動装飾部3710を移動させる、といった特殊な制御によって可動装飾部3710の秘匿性が維持されるようになることから、液晶表示装置3600の後側に可動装飾部3710が存在していることを遊技者側が予想することは極めて困難とされるようになる。そしてこの場合、可動装飾部3710が配置される側の液晶表示装置を移動させるときに、可動装飾部3710を移動させない演出パターンを用意しておくことで、遊技者側からすれば、液晶表示装置の背後側に可動装飾部3710が存在するときと存在しないときとがあるように見えるようになり、遊技者の興味をひきつけて稼動の向上を図ることができるようになる。
また、周辺制御基板4140は、特定の演出条件が満たされたとき、大当たり判定の結果に基づいて図柄変動が行われるときの一の変動期間内で、上記第1の演出状態、上記第3の演出状態、上記第2の演出状態の順番で発生させる演出制御を行いうるようにすることが望ましい。すなわちこの場合、第1の演出状態と第3の演出状態とによって「液晶装飾部材3630が変位するだけの可動演出が行われるに過ぎない」ことを遊技者側に誤認させた後に、第2の演出状態を発生させることが可能となる。これにより、遊技者側の上述の認識(液晶装飾部材3630が変位するだけの可動演出が行われるに過ぎない)を覆すかたちで可動装飾部3710を出現させることができるようになることから、可動演出にサプライズ感を付与して遊技興趣の向上が図られることが期待されるようになる。
なお、液晶表示装置3600(上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620)が移動する場合であっても、液晶装飾部材3630によってその後側に配設される可動装飾部3710を必ずしも出現させない、といった目的を達成する上では、可動装飾部3710は必ずしも前後に移動したり、変形するようなものでなくてもよい。
以上のように、液晶装飾部材3630は液晶表示装置の移動に連動して動作し、液晶表示装置の裏面側に配置された役物を違和感なく視認させることが可能となる。なお、液晶表示装置の移動後に裏面側に配置された役物は前面に移動せずに遊技者が視認できるようにするだけでもよいし、役物ではなく液晶表示装置などの表示体を配置して遊技者に視認させるようにしてもよい。また、液晶装飾部材3630は上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620との境界と重なって配置されている必要はなく、液晶表示装置の移動に対応して動作するものであってもよい。
したがって、本実施形態では、液晶装飾部材3630(繋ぎ役物)が移動するときに、その後側の所定の演出を少しでも速く視認可能とするような動作を行うことによって、大型・複雑な可動演出を実現するにあたり、その切り替わりに時間を要してしまうようなことが抑制されるようになる。
[5−9c−3.後役物ユニット(胴体駆動部)]
続いて、液晶表示装置3600の背後側に配置されるにもかかわらず、大当り判定の結果に基づいて特定の可動演出が実行されると、液晶表示装置3600よりも前方側へとその装飾部(役物)を移動させて演出を行う後端装飾物ユニット3700(胴体駆動部)について説明する。まず、後端装飾物ユニット3700の構造を中心に説明する。図112(a)は後端装飾物ユニット3700の正面図、(b)は背面図である。図113は後端装飾物ユニット3700の斜視図であり、(a)は初期状態、(b)は可動装飾部3710が前進した状態である。図114は液晶表示装置が移動したことによって後端装飾物ユニット3700が視認可能となった状態を示す図である。図115(a)は後端装飾物ユニット3700の可動装飾部3710のさらに後側にて潜むように配設される後端装飾部3708を当該後端装飾物ユニット3700から分離した状態を示す斜視図であり、(b)は後端装飾部3708を分離した状態を裏面側から見た斜視図である。なお、図113及び図115においては、説明の便宜上、後述の駆動シャフト3734L,Rなどを割愛した状態にて後端装飾物ユニット3700を示すこととしている。
後端装飾物ユニット3700は、図102に示すように、その前面にある可動装飾部3710が上記液晶収容部3480に形成された開口部3480cに臨むように配置されており、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620の少なくとも一方が他方から離間する側へと移動することによって、上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620との間から開口部3480cを介して遊技者から視認できるようになっている。
なお、後端装飾物ユニット3700の可動装飾部3710を視認可能にするためには、上液晶表示装置3610のみを上方向に移動させてもよいし、下液晶表示装置3620のみを下方向に移動させるようにしてもよいし、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620の両方を互いに離間する方向へと移動させるようにしてもよい。
そして、こうして液晶表示装置3600が移動した結果、上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620との間に所定の離間距離が生まれるようになると、その間の空間を通じて可動装飾部3710を前進させることができるようになる。さらに、後述するように、可動装飾部3710が所定位置まで前進すると、可動装飾部3710が分離し、変形することができるようになる。
この実施の形態にかかる後端装飾物ユニット3700は、図112、図113、及び図115に示されるように、正面視でその後側に立設されるかたちで設けられるベース部3701と、正面視でベース部3701の前面のうちの上部側に配設されて動的に位置しうる可動部材群Xと、正面視でベース部3701の前面のうちの下部側に配設されて静的に位置しうる非可動部材群Yとを備えて構成されている。
上記ベース部3701には、その上辺及び下辺の両端に遊技盤取付部3702が設けられており、該遊技盤取付部3702によって後端装飾物ユニット3700が遊技盤5の裏面(液晶駆動ユニット3400の液晶収容部3480の裏面)側に取り付けられる構造となっている。
また、図112(b)及び図115に示すように、ベース部3701には開口部が形成されており、該開口部を塞ぐように後端装飾部3708が取り付けられている。後端装飾部3708を取り付けることによって、図113(b)に示すように可動装飾部3710が前進したときに隙間から該可動装飾部3710のさらに後側に潜むように設けられる後端装飾部3708が遊技者側から視認可能とされるようになる。
また、上記可動部材群Xには、大きく分けて、正面視で所定の装飾が施された可動装飾部3710と、この可動装飾部3710を前後方向(奥行き方向)に移動可能に支持する支持駆動部3740とが設けられており、図113(a),(b)に併せて示されるように、これらはいずれも前後方向に移動しうる部分となっている。
特に、この実施の形態にかかる可動装飾部3710は、図112に示されるように、左上可動装飾部3710a、左下可動装飾部3710b、右上可動装飾部3710c及び右下可動装飾部3710dを備えて構成されており、液晶表示装置3600の背後側に配置される初期状態にあるときからそれらの位置関係によって特定の装飾(ここでは、特定キャラクタが所属するチームの象徴であるデザイン)を生み出すものとなっている。したがって、この実施の形態にかかる可動装飾部3710によれば、上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620との間から開口部3480cを介して遊技者側から視認可能とされるようになる時点では、複数の可動装飾部3710a〜3710dの位置関係によって特定の装飾が既に生み出されていることとなる。
ただし後述するが、この実施の形態にかかる可動装飾部3710は、前述のように所定位置まで前進した後、特定の装飾(ここでは、特定キャラクタが所属するチームの象徴であるデザイン)を生み出していた各可動装飾部3710a〜3710dを分離させて特定の装飾を一旦崩し、さらには何らの装飾も出現させないかたちでそれぞれ位置させる。そしてこの後、特定の装飾(ここでは、特定キャラクタが所属するチームの象徴であるデザイン)を生み出していたときとは異なる態様で左上可動装飾部3710a、左下可動装飾部3710b、右上可動装飾部3710c及び右下可動装飾部3710dをそれぞれ位置させることにより上記特定の装飾とは異なる一の装飾を新たに生み出す演出を行いうるものとなっている。すなわちこの場合、一の装飾が新たに生み出されるまでこれを秘匿にすることができるとともに、その出現時から特定の装飾が現れていることにより遊技興趣の維持が図られうるようになる。
また、後端装飾物ユニット3700の支持駆動部3740には、可動装飾部3710のうちの左上可動装飾部3710a及び左下可動装飾部3710bをそれぞれ移動可能に支持する部分である左支持駆動部3740Lと、可動装飾部3710のうちの右上可動装飾部3710c及び右下可動装飾部3710dをそれぞれ移動可能に支持する部分である右支持駆動部3740Rとがそれぞれ設けられている。
図112及び図113に示すように、左支持駆動部3740Lには、左上可動装飾部3710a及び左下可動装飾部3710bを動作させるための合体駆動モータ3730aが配置され、同様に、右支持駆動部3740Rには、右上可動装飾部3710c及び右下可動装飾部3710dを動作させるための合体駆動モータ3730bが配置される。
また、各合体駆動モータ3730は、可動装飾部3710よりも外側に配置されており、後端装飾物ユニット3700が遊技盤5に取り付けられた状態で可動装飾部3710が動作していない状態では、図114に示すように、液晶駆動ユニット3400の前面側に配置された裏箱3310の後立設壁3312によって隠匿されるように位置される。
また、図113(b)に示すように、ベース部3701の上辺側には、長手方向にガイドロッド3715が取り付けられている。これに対し、左支持駆動部3740Lの上部にはロッド挿通部3741Lが設けられており、このロッド挿通部3741Lがガイドロッド3715に対して摺動自在に挿通されている。また、これも同様、右支持駆動部3740Rの上部にはロッド挿通部3741Rが設けられており、このロッド挿通部3741Rがガイドロッド3715に対して摺動自在に挿通されている。
すなわち、この実施の形態にかかる後端装飾物ユニット3700では、ガイドロッド3715に挿通されたロッド挿通部3741Lにおける正面視での左右方向の動きが、左上可動装飾部3710a及び左下可動装飾部3710bをそれぞれ奥行き方向に移動させる第1左アーム部3705Lの動きに変換されるとともに、ガイドロッド3715に挿通されたロッド挿通部3741Rにおける正面視での左右方向の動きが、右上可動装飾部3710c及び右下可動装飾部3710dをそれぞれ奥行き方向に移動させる第1右アーム部3705Rの動きに変換される構造となっている。
以上の構成によって、非可動部材群Yに設けられる前進駆動モータ3720によって、可動部材群Xに設けられるロッド挿通部3741L及びロッド挿通部3741Rが互いに近づく向きである中央方向に移動すると、図117に示されるように、可動装飾部3710の可動支点部3706が前進してその全体が前進するようになる。また逆に、非可動部材群Yに設けられる前進駆動モータ3720によって、可動部材群Xに設けられるロッド挿通部3741L及びロッド挿通部3741Rが互いに離れる向きである外側方向に移動すると、可動装飾部3710の可動支点部3706が後進してその全体が後進するようになる。
ただし後述するが、この実施の形態にかかる後端装飾物ユニット3700では、こうした前進駆動モータ3720により付与される駆動力に応じた上記可動装飾部3710の前後方向への動きとは独立した別の動きとして、合体駆動モータ3730(左合体駆動モータ3730a、右合体駆動モータ3730b)により付与される駆動力に応じた上記可動装飾部3710の前後方向への動きを出現させることが可能な構造となっている。
また、この実施の形態にかかる後端装飾物ユニット3700では、図示は割愛するが、液晶表示装置3600の背後側に撓みを有して配されている電気配線をベース部3701に引き込んでおり、この電気配線を、右支持駆動部3740Rや左支持駆動部3740Lを通して可動装飾部3710にまで供給する構造となっている。この電気配線は、撓んで配されている分だけ延びることが可能(伸縮可能)とされており、これによって可動装飾部3710を、該電気配線と電気的に接続されたままで、後述のように液晶表示装置3600の前側まで移動させることができるようにしている。
すなわち後述するが、後端装飾物ユニット3700は、可動装飾部3710を、液晶表示装置3600よりも前側に移動させた状態において発光させうるものとなっているが、この状態にあるとき、後端装飾物ユニット3700のうちの可動装飾部3710は上記液晶表示装置3600の表示面よりも前側の空間で位置するのに対し、その駆動機構部(ベース部3701や、右支持駆動部3740R、左支持駆動部3740Lなど)は上記液晶表示装置3600の表示面よりも後側の空間が少なくとも利用されるかたちで位置しており、こうした後側の駆動機構部に上記液晶表示装置3600の背後側から引き込まれるかたちで配される電気配線を通じて可動装飾部3710が発光しうるようになる。
このような構成によれば、液晶表示装置3600によって遊技者側から視認し難くされている駆動機構部や電気配線を用いて、可動装飾部3710を移動させたり発光による装飾を施すことができるようになる。すなわち、演出用役物の設計をするにあたり、「駆動機構部や電気配線に対する視認困難性の実現に寄与すること」を求められることが抑制されるようになることから、こうした演出用役物の設計にかかる自由度の向上を通じて、遊技興趣の低下を抑制することのできる演出を実現することが期待されうるようになる。
特に、この実施の形態にかかるパチンコ機1によれば、駆動機構部と、液晶表示装置3600の背後側から引き込まれるかたちで配される電気配線とはいずれも、奥行き方向に移動する可動装飾部3710を正面視で見たときにその投影面内に収められるようになることから、演出用役物の設計をするにあたり、「駆動機構部や電気配線に対する視認困難性の実現に寄与すること」が求められるようなことがなくなる。
続いて、図116から図119を参照しながら後端装飾物ユニット3700の動作態様について詳述する。図116は初期状態、図117は可動装飾部が前進した状態、図117は左右の可動装飾部が外端部を軸に回動した状態、図118は左右の可動装飾部が前面で合体した状態を示す図である。図116から図119の(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は斜視図である。また、図116から図119においては、説明の便宜上、ベース部3701や、後端装飾部3708、第1左アーム部3705L、第1右アーム部3705R、さらには可動装飾部3710のカバー部分を割愛した状態にて後端装飾物ユニット3700を示すこととしている。
可動装飾部3710を前方に移動させる前進駆動モータ3720の回転軸には、駆動ギア3720aが挿着されており、図116(b)に示すように、該駆動ギア3725は、下方向に歯切りにされておりロッド挿通部3741Lの摺動動作に寄与する第1ラックギア3721と、上方向に歯切りにされておりロッド挿通部3741Rの摺動動作に寄与する第2ラックギア3722とそれぞれ噛合されている。
このような構成によれば、図116(a)〜(c)に示される状態において、前進駆動モータ3720を駆動(右回転)させた場合、ロッド挿通部3741Lは右方向、ロッド挿通部3741Rは左方向にそれぞれ摺動するようになる。すなわち、こうして互いに近づく向きである中央方向に移動することで、第1左アーム部3705L及び第1右アーム部3705Rの動きを通じて図117(a)〜(c)に示される状態へと移行するようになり、可動装飾部3710の可動支点部3706が前進してその全体が前進するようになる。
また逆に、図117(a)〜(c)に示される状態において、前進駆動モータ3720を逆駆動(左回転)させた場合、ロッド挿通部3741Lは左方向、ロッド挿通部3741Rは右方向にそれぞれ摺動するようになる。すなわち、こうして互いに離れる向きである外側方向に移動することで、第1左アーム部3705L及び第1右アーム部3705Rの動きを通じて図116(a)〜(c)に示される状態へと移行するようになり、可動装飾部3710の可動支点部3706が後進してその全体が後進するようになる。
以上のように、前進駆動モータ3720に挿着された駆動ギア3725を、平行に配置され、下方向に歯切りされた第1ラックギア3721及び上方向に歯切りされた第2ラックギア3722とを噛合させることによって、第1ラックギア3721が移動する方向と反対方向に第2ラックギア3722を移動させることが可能となる。
ただし、遊技機において可動役物による演出は、遊技者の目を引きやすく、より興趣を高めることが期待されるが、遊技機内部における役物の可動範囲は遊技者によって予想し易く、遊技興趣の低下が懸念される。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上述の通り、こうした前進駆動モータ3720による動きとは独立した別の動き(合体駆動モータ3730)によっても、上記可動装飾部3710の前後方向への動きを出現させることが可能な構造となっており、これによって遊技者の予想の範疇を超えるような役物の動きを実現可能としている。
すなわち、この実施の形態にかかる後端装飾物ユニット3700にあって、可動装飾部3710を前後方向(奥行き方向)に移動可能に支持する支持駆動部3740L,Rには、前進駆動モータ3720からの駆動力を伝達する上記第1左アーム部3705L,第1右アーム部3705R(図115を参照)のほか、図117(a)〜(c)に示されるように、合体駆動モータ3730a,bからの駆動力を伝達する駆動シャフト3734L,Rが設けられている。
ここで、駆動シャフト3734L,Rは、第1左アーム部3705L,第1右アーム部3705R(図115を参照)の背後側にて設けられており、それらの一端側が上記合体駆動モータ3730a,bの駆動を受けて回転する適宜のギアと噛合される歯車部3733L,Rとして形成されるとともに、それらの他端側が上記可動装飾部3710の内部に設けられる駆動機構とリンクされている歯車部3736L,Rと噛合するねじ歯車(ウォーム)3735L,Rとして形成されている。
上記可動装飾部3710の内部には、歯車部3736L,Rとリンクされている駆動機構として2系統の駆動機構が設けられており、歯車部3736L,Rは、まず、1系統目の駆動機構に対して所定量(所定の回転量)の駆動力を付与するように機能する。そして、1系統目の駆動機構に対して所定量(所定の回転量)の駆動力を付与すると、該1系統目の駆動機構の動きがロックされる構造となっており、このロックされた状態においてさらに駆動力を付与し続けたときに、2系統目の駆動機構に対して駆動力が付与される構造となっている。
この実施の形態にかかる後端装飾物ユニット3700では、このような駆動原理のもとで、上記1系統目の駆動機構として、図117(a)〜(c)に示される状態にある可動装飾部3710を、図118(a)〜(c)に示される状態へと変形させる駆動機構が設けられている。
より具体的には、図117(a)〜(c)に示される状態において、合体駆動モータ3730a,bを駆動させた場合、まず、歯車部3736L,Rが、上記駆動シャフト3734L,Rによる回動を受けることによりそれぞれ回動するようになる。こうした歯車部3736L,Rの動き(回動)は、上記可動装飾部3710の内部に設けられる駆動機構に伝達され、最終的には、上記可動装飾部3710の側面にて設けられる歯車部3737L,R、3738L,R、3739L,Rを順次回動させるようになる。
すなわちこの場合、3つの歯車部3737L、3738L、3739Lが回動することによって左上可動装飾部3710a及び左下可動装飾部3710bが内部左側の駆動機構を露にするように上方向(正面視で反時計回り)と下方向(正面視で時計回り)とにそれぞれ回動するようになり、これによって図118(a)〜(c)に示される状態へと移行するようになる。また、これと同様、3つの歯車部3737R、3738R、3739Rが回動することによって右上可動装飾部3710c及び右下可動装飾部3710dが内部右側の駆動機構を露にするように上方向(正面視で時計回り)と下方向(正面視で反時計回り)とにそれぞれ回動するようになり、これによって図118(a)〜(c)に示される状態へと移行するようになる。
そして、こうして図118(a)〜(c)に示される状態へと移行された時点で当該1系統目の駆動機構の動きはロックされることとなる。ただし上述の通り、このロックされた状態において合体駆動モータ3730a,bからの駆動力をさらに付与し続けると、2系統目の駆動機構に対して駆動力が付与されるようになることで、図118(a)〜(c)に示される状態にある可動装飾部3710を、図119(a)〜(c)に示される状態へと変形させることができるようになる。
この2系統目の駆動機構についての詳細は割愛するが、歯車部3736L,Rは、上記1系統目の駆動機構の動きがロックされた時点でそれまでとは違う歯車を回動させるようになっており、これによって可動装飾部3710内の2系統目の駆動機構に駆動力が付与されることで、図119(a)〜(c)に示される状態へと変形するようになっている。なおこの場合、初期位置における左上可動装飾部3710a及び右上可動装飾部3710cの上側、左下可動装飾部3710b及び右下可動装飾部3710dの下側の面が遊技者側に対向することとなる。すなわち、後端装飾物ユニット3700は、初期位置において遊技者が視認できない装飾面を組み合わせることによって全く異なる態様に変形させることが可能となる。
また逆に、図119(a)〜(c)に示される状態において、合体駆動モータ3730a,bを逆駆動させた場合、図118(a)〜(c)に示される状態へと移行されるようになる。そして、図118(a)〜(c)に示される状態へと移行された時点で、1系統目の駆動機構の動きのロックが解除されることとなり、合体駆動モータ3730a,bをさらに逆駆動させ続けると、図117(a)〜(c)に示される状態へとさらに移行されるようになる。
このような構成によれば、図117(a)〜(c)に示される状態から、図118(a)〜(c)に示される状態へと移行される場合、特定の装飾(ここでは、特定キャラクタが所属するチームの象徴であるデザイン)を生み出していた各可動装飾部3710a〜3710dが分離して特定の装飾が一旦崩されることとなる。しかも、図118(a)〜(c)に示される状態においては、各可動装飾部3710a〜3710dは、何らの装飾も出現させないばかりか、それらのカバー部分によって隠蔽されていた内部の駆動機構を露にするなど、可動演出における成否に失敗したかのような演出状況が生み出される。
そして、図118(a)〜(c)に示される状態において、大当たりへの期待感を低減させるかのような演出状況が生み出された後に、図119(a)〜(c)に示される状態に移行されると、各可動装飾部3710a〜3710dは、上記特定の装飾とは異なる一の装飾を新たに生み出すかたちでそれぞれ位置するようになる。すなわちこの場合、当初出現時の特定の装飾を形作る役物であるという先入観を覆して、該特定の装飾に戻さずにこれとは異なる装飾を新たに生み出すようにしたことから、遊技者の予想を超える役物演出を提供することができるようになる。
なおこの場合、遊技興趣の向上を好適に図る上では、当初出現時の特定の装飾で現れている場合よりも、これとは異なる装飾を新たに生み出す状況にあるときのほうが大当たりへの期待度が高くなるようにすることが望ましい。
また、上記構成によれば、可動装飾部3710は、前進駆動モータ3720によって前後方向(奥行き方向)に移動する動き(図116(a)〜(c)に示される状態と、図117(a)〜(c)に示される状態との間での動きを利用した前後方向への移動)とは別に、合体駆動モータ3730a,bによって前後方向(奥行き方向)に移動する動き(図117(a)〜(c)に示される状態と、図119(a)〜(c)に示される状態との間での動きを利用した前後方向への移動)を独立して出現させることが可能な構造とされている。
すなわちこの場合、例えば、合体駆動モータ3730a,bからの駆動力によって可動装飾部3710を特定方向(例えば、前方向)に変位させる際に、前進駆動モータ3720からの駆動力によって可動装飾部3710これ自体を特定方向とは逆向きとなる方向(例えば、後方向)に変位させることも可能とされるようになる。すなわちこの場合、限られた演出スペースから想定されうる範疇を超える程度にまで、可動装飾部3710を特定方向(例えば、前方向)へと変位させ続けることができるようになることから、想定を超えた大きな可動演出の実現を通じて遊技興趣の低下が抑制されることが期待されるようになる。
より具体的には、この実施の形態にかかる可動装飾部3710は、奥行き方向に変位可能に設けられるものであるが、その前方側には、ガラス板564までの距離しか残されておらずこれを超えようとすればガラス板564に衝突してしまう。したがって、遊技者側からすれば、可動装飾部3710が前方側に移動するとしてもその範囲内に限られるものであることを予想することとなるが、合体駆動モータ3730a,bからの駆動力によって可動装飾部3710を前方向に変位させる際に、前進駆動モータ3720からの駆動力によって可動装飾部3710これ自体を特定方向とは逆向きとなる方向(例えば、後方向)に変位させるようにすれば、合体駆動モータ3730a,bからの駆動力によって可動装飾部3710が予想を超える程度にまで前方向に変位しているかのように見せることができるようになる。
事実、このパチンコ機1においては、図118(a)〜(c)に示される状態から、図119(a)〜(c)に示される状態へと移行されるとき、合体駆動モータ3730a,bからの駆動力によって可動装飾部3710を前方向に変位させるのと同時に、前進駆動モータ3720からの駆動力によって可動装飾部3710これ自体を特定方向とは逆向きとなる方向(例えば、後方向)にも変位させている。これにより、限られた演出空間のなかでも大きな役物演出が実現されるようになる。
また、この実施の形態にかかる例では、遊技者側に近い側の可動装飾部3710をこれ自体の変形によって前方側へと大々的に移動させる動きを見せているなかで、その背後側にあり正面視では視認し難い第1左アーム部3705L,第1右アーム部3705Rの動きによって密かに後方側へと同時に移動させるようにしている。したがって、遊技者側からは後方側への動きを把握し難くさせつつ、限られた演出空間のなかでその限界を超えるかのような役物演出を提供することができるようになる。
また、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、「A>B」、「A>C」、「A<B+C」なる関係がそれぞれ成立するもとで、後端装飾物ユニット3700が液晶表示装置3600の後側に位置(図84(b)に示される位置)しているときに可動装飾部3710の前面からガラス板564までの距離(長さ)を「A」とするとき、合体駆動モータ3730a,bからの駆動力を受ける場合、奥行き方向(ここでは前側方向)に最大で「B」の長さにわたって可動装飾部3710が変位可能とされ、且つ前進駆動モータ3720からの駆動力を受ける場合、奥行き方向(ここでは前側方向)に最大で「C」の長さにわたって可動装飾部3710が変位可能とされるように設けられている。
この点、周辺制御基板4140は、大当たり判定の結果に基づいて可動装飾部3710を移動させる場合、合体駆動モータ3730a,bからの駆動力による可動装飾部3710の奥行き方向(ここでは前側方向)への変位量と、前進駆動モータ3720からの駆動力による可動装飾部3710の奥行き方向(ここでは前側方向)への変位量との合計値が最大で「A」よりも大きい「B+C」とされる可動構造が実現されるなかで、その合計値が「A」を上回ることがない範囲内で、合体駆動モータ3730a,bからの駆動力による可動装飾部3710の奥行き方向(ここでは前側方向)への変位にかかる制御と、前進駆動モータ3720からの駆動力による可動装飾部3710奥行き方向(ここでは前側方向)への変位にかかる制御とをそれぞれ行うようにしている。
このような構成によれば、複数の駆動源を同時使用すると演出空間内に収まりきらない大きな動きが許容されるなかで、各駆動源単体では演出空間に収まる演出によって窮屈さを感じさせることなく、同時駆動時には各駆動量にかかる適切な制御を通じて演出空間内での従来にはない限界を超えるかのようなダイナミックな可動演出が実現されるようになり、遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
なお、この実施の形態にかかる周辺制御基板4140は、大当たり判定の結果に基づいて、合体駆動モータ3730a,b及び前進駆動モータ3720のうちの合体駆動モータ3730a,bのみを用いて可動装飾部3710の奥行き方向への動作を出現させる場合と、前進駆動モータ3720のみを用いて可動装飾部3710の奥行き方向への動作を出現させる場合とがあり、これらのいずれが出現したかに応じて大当たりが得られている期待度が異なるようになっている。またこの際、前進駆動モータ3720のみを用いて可動装飾部3710の奥行き方向への動作を出現させる場合は、奥行き方向(ここでは前側方向)に最大の「B」の長さにわたって可動装飾部3710を変位させる演出パターンが現れうるようになっている。
ただし、合体駆動モータ3730a,bのみを用いて可動装飾部3710の奥行き方向への動作を出現させる場合にも、奥行き方向(ここでは前側方向)に最大の「A」の長さにわたって可動装飾部3710を変位させる演出パターンを出現可能とするようにしてもよい。
このような合体駆動モータ3730a,b及び前進駆動モータ3720のいずれかのみを用いた演出態様を出現させうるようにしておくことで、合体駆動モータ3730a,b及び前進駆動モータ3720の両方が同時駆動してしまうと、演出空間内に収まりきらなくなってしまうのではないかというドキドキ感を提供することができるようになる。
すなわち、合体駆動モータ3730a,b及び前進駆動モータ3720のいずれか一方のみを用いて可動装飾部3710を特定方向に変位させる場合(単独の可動演出)、所定の有限空間内に収まる規模の可動演出が現れるに留まる(「A>B」、「A>C」)。ただし、こうした単独の可動演出を提供することで、「合体駆動モータ3730a,bと第2の前進駆動モータ3720との両方から駆動力が付与されると、所定の有限空間内に収まりきらない、限界を超えた大規模の可動演出が現れるのではないか」といった感覚を遊技者側に対して覚えさせることができるようになる(「A<B+C」)。
そしてこの上で、合体駆動モータ3730a,bと第2の前進駆動モータ3720との両方から駆動力を付与する場合は、所定の有限空間を超えることがない範囲内(その合計値が「A」を上回ることがない範囲内)で、合体駆動モータ3730a,bからの駆動力による可動装飾部3710の特定方向への変位にかかる制御と、第2の前進駆動モータ3720からの駆動力による可動装飾部3710の特定方向への変位にかかる制御とをそれぞれ行うようにしている。すなわちこの場合、所定の有限空間を今にも打破するかのような、面白みのある可動演出を提供することが可能とされるようになり、これによって遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
ところで、近年は、演出表示装置における表示面積の大型化が進んでおり、遊技者側としてもマンネリの感覚でこうした大型の演出に触れるようになってきており、大型の表示面積だけでは遊技興趣の維持に貢献し難くなっている。そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、大当たり判定の結果に基づいて所定の演出条件が満たされたとき、正面視で視認可能とされる表示領域の総面積(上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620のうちの視認可能とされる各表示領域を加算した面積)をあえて減少させる制御を実行することとしている。このような構成によれば、表示領域の総面積が減少していない状態においては、相対的に大きな表示演出が行われていることへの実感を覚えさせることができるようになることから、該状態にあるときの遊技興趣の維持が期待されうるようになる。
ただしこの場合、正面視で視認可能とされる表示領域の総面積が減少している状態においては、相対的に小さな表示演出しか行われ得ないことへの実感を覚えさせることになることから、遊技興趣の低下が懸念される。この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、正面視で視認可能とされる表示領域の総面積が減少されたときには、該減少によって生まれたスペースを利用して、該表示領域の総面積が相対的に大きいときには出現しない後端装飾物ユニット3700の可動装飾部3710を表示領域の前方へと移動させる以下に説明する「可動役物による演出」を行うことで、正面視で視認可能とされる表示領域の総面積が減少したときの遊技興趣も好適に維持されるようにしている。
なお、以下に説明する「可動役物による演出」として上述の作用効果を得る上では、液晶表示装置3600(上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620)これ自体が視認可能な表示面積を減らすように移動することが求められる。このように、液晶表示装置3600これ自体が表示面積をあえて減少させる動きを見せるようにすることで、遊技者に対して相対的に小さな表示演出しか行われ得ないことへの実感を覚えさせることが期待されるようになる。
[5−10.可動役物による演出]
次に、本実施形態の遊技盤5における後端装飾物ユニット3700(胴体駆動部)による演出を含む可動演出について、主に図120乃至図129を参照して詳細に説明する。図120は、可動演出実行前の状態を示す図である。図121は、上液晶表示装置が移動し、胴体駆動部を遊技者が視認可能になっている状態を示す図である。図122は、図121に示す状態における胴体駆動部の状態を示す図である。図123は、胴体駆動部の可動装飾部が前進した状態を示す図である。図124は、図123に示す状態における胴体駆動部の態様を示す図である。図125は、胴体駆動部の可動装飾部が分離した状態を示す図である。図126は、図125に示す状態における胴体駆動部の態様を示す図である。図127は、胴体駆動部の可動装飾部の変形が完了した状態を示す図である。図128は、図127に示す状態における胴体駆動部の態様を示す図である。図129は、変形完了後の可動装飾部に前側役物ユニットの役物が合体し、合体演出が完了した状態を示す図である。
いま、主制御MPU4100aによる大当たり判定の結果に基づいて所定の演出条件が満たされたとすると、周辺制御MPU4150aは、後端装飾物ユニット3700を用いた特定の可動演出にかかる制御を実行する旨の決定を行う。
ただし、特定の可動演出が行われていない通常状態においては、図84及び図120に示されるように、後端装飾物ユニット3700は、遊技者側からその存在を把握し難くされるように、液晶表示装置3600や液晶装飾部材3630の背後側にて設けられている。
特に、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図120(b)に示されるように、遊技者が横側や上側から覗き込むように見た場合、前側役物ユニット3200(顔駆動部3210、肩駆動部3220、フルバースト駆動部(下部役物)3230、右誘導路3250など)についてはそれらの存在を把握することができるのに対し、後端装飾物ユニット3700や、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620の駆動機構は、液晶表示装置3600や後立設壁3312などによってその存在を感じ取ることすらできない構造とされている。
すなわち後述するが、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、このような構造を用いることで、奥行き方向に演出空間を広げた上で、奥行き方向に隠されるように並ぶ複数の装飾物による多重的な演出として、奥行き方向へと徐々に遊技者の注視を向けさせるような演出進展を実現したり、液晶表示装置3600の前側の演出空間だけでは到底実現し得ないような巨大で迫力のある役物演出を遊技者が見逃さずに楽しむことができるようにしている。
周辺制御MPU4150aは、まず、後端装飾物ユニット3700を用いた特定の可動演出にかかる制御を実行するに際しては、図121に示されるように、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620の少なくとも一方を、互いに離間する方向へと移動させ、正面視で視認可能とされる表示領域の総面積を減少させる制御を行う。これにより、表示領域の総面積が減少した分のスペースを利用して、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620の間には、後端装飾物ユニット3700の可動装飾部3710が前方側へと移動することができるだけの演出空間が生み出されるようになる。
こうして演出空間が生み出されると、液晶表示装置3600よりも奥側に位置される後端装飾物ユニット3700の可動装飾部3710が遊技者側から視認可能とされるようになる。これにより、奥行き方向へと徐々に遊技者の注視を向けさせる演出が第一進展されるようになる。なお、この状態においては、後端装飾物ユニット3700の可動装飾部3710(左上可動装飾部3710a、右上可動装飾部3710c、左下可動装飾部3710b、右下可動装飾部3710d)に対して未だ駆動力を付与せずにこれを図122(a)〜(d)に示される状態にて維持するようにしている。
ただし、左上可動装飾部3710a、右上可動装飾部3710c、左下可動装飾部3710b、及び右下可動装飾部3710dのいずれにも駆動力を未だ付与していないにもかかわらず、左上可動装飾部3710a、右上可動装飾部3710c、左下可動装飾部3710b、及び右下可動装飾部3710dは、特定の装飾(ここでは、特定キャラクタが所属するチームの象徴であるデザイン)を生み出す位置関係にて配設されていることは上述した通りである。
なお、こうして生み出される演出空間は、前方側へと移動する上記可動装飾部3710これ自体の大きさを決定付けるものであるから、より大きな演出空間を生み出すことが求められる。ただしその一方で、該演出空間を大きくする分だけ液晶表示装置3600の表示面積が縮小される関係とされることから、小さな演出空間でありながらも該演出空間を通って前方側へと移動した装飾物によって大きな役物演出を実現するようにすることが望まれる。
この点、この実施の形態にかかる後端装飾物ユニット3700では、上述の通り、こうした要求に応えることのできる構造をもって設けられている。例えば、この実施の形態にかかる後端装飾物ユニット3700の可動装飾部3710は、図84(b)に示されるように、液晶表示装置3600の厚みやその前に設けられる液晶装飾部材3630よりも肉厚に設けられており、このような肉厚とされた可動装飾部3710の肉厚部分を、遊技者側に対向させる可動演出として実現する構造となっている。
より具体的には、周辺制御MPU4150aは、こうして演出空間が生み出された状態において、前進駆動モータ3720を駆動(右回転)させることで、図123及び図124に示されるように、可動装飾部3710これ自体を前方側へと移動させる。こうして可動装飾部3710これ自体を前方側へと移動させることで、該可動装飾部3710のさらに後側に潜むように配設されている後端装飾部3708が遊技者側から僅かに視認されるようになり、奥行き方向へと徐々に遊技者の注視を向けさせる演出が第二進展されるようになる。
またこの際、周辺制御MPU4150aは、前進駆動モータ3720のみを用いたときの最大の「B」の長さにわたって可動装飾部3710を前方へと変位させる制御を行うことで、合体駆動モータ3730a,bを用いた駆動制御がさらに行われると演出空間の限界を超えてしまうのではないかといったドキドキ感を付与するようにしている。
ただし、最大の「B」の長さにわたって可動装飾部3710を前方へと必ずしも変位させずともよく、可動装飾部3710の全体が、液晶表示装置3600の表示面や液晶装飾部材3630よりも前側に完全にせり出す位置にまで前進駆動モータ3720を少なくとも駆動(右回転)させるものであれば特定の可動演出を実現することはできる。
すなわち、周辺制御MPU4150aは、可動装飾部3710の全体が、こうして液晶表示装置3600の表示面や液晶装飾部材3630よりも前側に完全にせり出すようになった状態において、合体駆動モータ3730a,bを駆動させることで、図125及び図126に示されるように、左上可動装飾部3710a及び左下可動装飾部3710bと、右上可動装飾部3710c及び右下可動装飾部3710dとを、離間した状態にある上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620を正面視でそれぞれ跨るように位置させるようにしている。
このような構成によれば、特定の演出画像が跨るように表示されうる上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620の間に割って入るかのように実体物である上記可動装飾部3710が位置しうるようにしつつも、該可動装飾部3710が、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620を正面視でそれぞれ跨るように位置することで、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620が互いに遠ざかった状態においてもこれらを繋ぐように機能する可動装飾部3710によって連携した演出を実現したり、連携した演出が行われる状況にあることを遊技者側に把握させることができるようになる。
また、図125及び図126に示される状態においては、左上可動装飾部3710a及び左下可動装飾部3710bと、右上可動装飾部3710c及び右下可動装飾部3710dとは、液晶装飾部材3630に対して正面視でそれぞれ重なるようにも位置されることとなる。
すなわち、可動装飾部3710が上記液晶装飾部材3630よりも前側に位置されるまでの期間では、液晶表示装置3600の表示面よりも前側の領域では、液晶装飾部材3630が、下液晶表示装置3620と連動して動作したり、図111に示されるような態様にて動作していたことから、遊技者側からすれば、こうした液晶装飾部材3630の可動領域が役物演出としての動作が許容される演出空間であるように見える。それにもかかわらず、このような許容される演出空間を打ち破るかのように、これまで未使用とされており演出空間とは認識されていない前方側の空間にまで可動装飾部3710が移動することで、可動装飾部3710と液晶装飾部材3630との間での前後の位置関係が逆転されるようにしている。これにより、「どれだけ遊技者側に向かって移動してくるのか」といった、遊技者側の想定を超えた演出を実現することができるようになる。
また、可動装飾部3710をこのように未使用の領域にまで移動させたとしても、奥行き方向における位置関係は正面視で把握し難いことから、これが遊技者側に把握されずに上述の如くの作用効果が十分に奏されないことも懸念されうるが、左上可動装飾部3710a及び左下可動装飾部3710bと、右上可動装飾部3710c及び右下可動装飾部3710dとは、液晶装飾部材3630に対して正面視でそれぞれ重ならせるようにしたことで、こうした懸念も好適に解消されるようになる。
また、図123及び図124に示される状態においては、可動装飾部3710が、最奥に配設される後端装飾部3708と正面視で大部分が重なるようにその前側に位置していたにもかかわらず、図125及び図126に示される状態においては、可動装飾部3710が、後端装飾部3708と正面視で重なる部分を減少させる態様で移動(変形)している。これにより、該可動装飾部3710のさらに後側に潜むように配設されている後端装飾部3708が遊技者側から視認し易くなり、奥行き方向へと徐々に遊技者の注視を向けさせる演出が第三進展されるようになる。
また、このような状態では、特定の装飾(ここでは、特定キャラクタが所属するチームの象徴であるデザイン)を生み出していた各可動装飾部3710a〜3710dが分離して特定の装飾が一旦崩されていることに加えて、何らの装飾も出現させないばかりか、それらのカバー部分によって隠蔽されていた内部の駆動機構が露にされており、可動演出における成否に失敗したかのような演出状況が生み出されることは上述した通りである。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4150aでは、可動演出における成否に失敗したかのような演出状況を生み出した後にも合体駆動モータ3730a,bの駆動を継続させることで、図127及び図128に示されるように、特定の装飾(ここでは、特定キャラクタが所属するチームの象徴であるデザイン)を生み出していたときとは異なる態様で左上可動装飾部3710a、左下可動装飾部3710b、右上可動装飾部3710c及び右下可動装飾部3710dをそれぞれ位置させることにより上記特定の装飾とは異なる一の装飾(ここでは、ロボットの胴部)を新たに生み出すようにしている。
より具体的には、初期位置における左上可動装飾部3710a及び右上可動装飾部3710cの上側の面と、左下可動装飾部3710b及び右下可動装飾部3710dの下側の面とを遊技者側に対向させることで上記特定の装飾とは異なる一の装飾(ここでは、ロボットの胴部)を新たに生み出すようにしている。
このような構成によれば、初期位置において遊技者が視認できない装飾面を組み合わせることによって全く異なる形状であり且つ全く異なる装飾が現れるようになることから、遊技者側の想定を超えた演出を実現することができるようになる。また、初期位置における左上可動装飾部3710a及び右上可動装飾部3710cの上側の面と、左下可動装飾部3710b及び右下可動装飾部3710dの下側の面とは、図84(b)に示される肉厚部分に関わる部分であり、このような部位で可動演出を実現するようにしたことで、小さな演出空間でありながらも該演出空間を通って前方側へと移動した装飾物によって大きな役物演出を実現することができるようになる。事実、図127(a)に示されるロボット胴体部は、可動装飾部3710の肉厚部分を2つ並べることにより構成されるものとなっており、その横幅は、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620の間に設けられる空間の縦幅よりも大きくなっているし、その面積も、同空間の開口面積よりも大きくなっている。
なお、図125及び図126に示される状態から、図127及び図128に示される状態へと移行されるときには、可動装飾部3710は、合体駆動モータ3730a,bによって前方側へとさらに移動することとなる。ただしこのとき、可動装飾部3710は、前進駆動モータ3720を用いたときの最大の「B」の長さにわたって既に前方側へと移動した状態にあるから、合体駆動モータ3730a,bを用いたときの最大の「C」の長さにわたって前方側へとさらに移動させることはできない。それにもかかわらず、ロボットの胴体部が形成されるためには、合体駆動モータ3730a,bを用いたときの最大の「C」の長さにわたって前方側へとさらに移動させる必要があり、これではガラス板564との衝突が避けられないことから、遊技者側からすれば、特定の可動演出を実現し得ない程度にまで前進駆動モータ3720による駆動がなされてしまった状態にあり、該駆動が、特定の可動演出が実現されないことを予告しているかのように見えるようになる。
この点、周辺制御MPU4150aは、合体駆動モータ3730a,bの駆動と、前進駆動モータ3720の逆駆動とを同時に行うことで、このような限られた空間においても大きな可動演出を実現することができるようにしている。
また、図127及び図128に示される状態においては、最奥に配設される後端装飾部3708のうち、図125及び図126に示される状態にあったときに可動装飾部3710が重なるように位置しており視認し難くされていた部分を露にするように、可動装飾部3710を移動(変形)させるようにしている。これにより、可動装飾部3710のさらに後側に潜むように配設されている後端装飾部3708のうちの視認し難くされていた部分が遊技者側から視認し易くなり、奥行き方向へと徐々に遊技者の注視を向けさせる演出が第四進展されるようになる。
そして、周辺制御MPU4150aは、こうして可動装飾部3710によってロボット胴体部を上記液晶表示装置3600の前方側に出現させた後に、図129に示されるように、顔駆動部3210(左顔部3210aと右顔部3210b)、及び肩駆動部3220(左腕部3220a、右腕部3220b)を、該ロボット胴体部に近づける方向に移動させてそれぞれロボットの顔と肩とを形作るように位置させることで、液晶表示装置3600の前方側に大型のロボットを出現させる特定の可動演出が実行されるようになる。
なお、こうして大型のロボットが出現した後、これらの顔駆動部3210、肩駆動部3220、可動装飾部3710が初期位置にそれぞれ戻る手順は、出現した場合とは真逆であり、まず、顔駆動部3210及び肩駆動部3220がロボット胴体部(可動装飾部3710)から遠ざかって初期位置に戻ることとなる。その後、可動装飾部3710が、図127及び図128に示される状態から、図125及び図126に示される状態、図123及び図124に示される状態、さらには図121及び図122に示される状態へと順次に移行した後、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620の間の演出空間がなくなるようにそれらが互いに近づくように移動することで、当該特定の可動演出が終了するようになる。
このような特定の可動演出によれば、液晶表示装置3600の前側空間に初期位置で配設される装飾物(顔駆動部3210、肩駆動部3220)と、液晶表示装置3600の後側空間に初期位置で配設される装飾物(可動装飾部3710)とがいずれも液晶表示装置3600の前側空間に位置した状態において、互いの位置関係によって一の装飾(ロボット)が生み出されるようになる。すなわちこの場合、液晶表示装置3600の後側のスペースをも、液晶表示装置3600の前側で実現される役物演出に寄与してその大型化に貢献させるようにしていることから、液晶表示装置3600の前側のスペースにある部材だけでは実現し得ない大規模(出現する装飾の肉厚も含めて)の役物演出を、液晶表示装置3600の前側空間にて実現することができるようになる。なお、こうして出現する装飾(ロボット)は、液晶表示装置3600よりも肉厚とされている。
また、このように奥行き方向に演出空間を広げた上で、液晶表示装置3600よりも前側に位置する前側装飾物(顔駆動部3210、肩駆動部3220)と、液晶表示装置3600よりも後側に位置する後側装飾物(可動装飾部3710)との少なくとも一方が奥行き方向に移動し、互いに近づいたときに協働して所定の装飾演出(ロボットの出現)を行うようにしたことから、奥行き方向の動きを用いた立体感のある可動演出を実現することができるようになり、遊技興趣の低下の抑制が期待されうるようになる。
なお、このような奥行き方向への移動は、奥行方向の成分があればよく、例えば、置側斜めへの移動によって互いに近づく方向に移動し、互いに近づいたときに協働して所定の装飾演出を行うようにしてもよい。
また、このような特定の可動演出では、液晶表示装置3600の後側にて潜むように配設される可動装飾部3710を用意し、該可動装飾部3710及び液晶表示装置3600を移動させることで、該可動装飾部3710が上記液晶表示装置3600よりも前側の領域にまで飛び出して特定の装飾形状(胴体部)が露にされる演出を実行可能とした。したがって、液晶表示装置3600よりも前側の領域において、演出用役物の配設スペースに乏しい場合であっても、同前側の領域にある装飾物(顔駆動部3210(左顔部3210aと右顔部3210b)、及び肩駆動部3220(左腕部3220a、右腕部3220b)とは異なる形状(特定の装飾形状)をもった可動装飾部3710を上記液晶表示装置3600の後側から突然に出没させることが可能とされるようになり、このような遊技者側では想起し得ない斬新な演出によって遊技興趣の低下の抑制が期待されうるようになる。
なお、このような特定の可動演出が現れる条件(所定の演出条件)としては、例えば、特別図柄変動パターン設定処理において特定の変動パターンが選択されることや、大当たり遊技の実行が開始されたこと、等々といった条件を採用可能である。ここで、特定の変動パターンが選択されたことが演出条件とされる場合は、特別図柄の変動が開始されてから終了されるまでの間に特定の可動演出を開始してこれを終了させることとなり、大当たり遊技の実行が開始されたことが演出条件とされる場合は、大当たり遊技の実行期間中に特定の可動演出を開始してこれを終了させることとなる。
また、こうして実現される大規模の役物演出については、液晶表示装置3600の全面を覆うようなものであってもよい。
また、液晶表示装置3600よりも前側の領域に配設されている装飾物(前側役物ユニット3200の左顔部3210a、右顔部3210b、左腕部3220a、右腕部3220b)については、必ずしもその全体が液晶表示装置3600の表示面よりも前側である必要はなく、少なくとも一部の特定部位が表示面よりも前側にあり、該特定部位と可動装飾部3710とによって現れる装飾が液晶表示装置3600の表示面よりも前側で出現するものであれば、液晶表示装置3600の前側のスペースにある部材だけでは実現し得ない大規模(出現する装飾の肉厚も含めて)の役物演出を、液晶表示装置3600の前側空間にて実現することはできる。
また、液晶表示装置3600よりも前側の領域に配設されている装飾物(前側役物ユニット3200の左顔部3210a、右顔部3210b、左腕部3220a、右腕部3220b)については、非駆動の状態(初期位置)にあるときも、少なくとも一部が表示面よりも前側にあるものであればよい。
また、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、液晶表示装置3600の後側に可動装飾部3710を配設することとした上で、該液晶表示装置3600については、可動装飾部3710を正面視で視認し難い状態から正面視で視認し易い状態にすることが可能とされる構造をもって設けるようにしている。そして、可動装飾部3710が正面視で視認し易い状態にされたとき、それまで視認し難くされていた可動装飾部3710とこれとは別に設けられる装飾物とを用いた特定の役物演出を行いうるようにしたことから、より迫力のある役物演出を実現することができるようになり、遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
また、上記特定の可動演出によれば、液晶表示装置3600よりも後側に配設される後端装飾物ユニット3700のうちの特定部位(可動装飾部3710)を、その全体が液晶表示装置3600よりも前側にせり出すように位置するまで移動させるにあたり、該可動装飾部3710が液晶表示装置3600の背後側に位置している状態(図120に示される初期状態)にあるときと、該可動装飾部3710が液晶表示装置3600よりも前側に位置して演出を行う状態(図129に示される演出状態)にあるときとのいずれにおいても、正面視で可動装飾部3710と液晶表示装置3600とが互いに重なるように位置させている。
すなわちこの場合、液晶表示装置3600の背後側で隠蔽されていた可動装飾部3710が、液晶表示装置3600の前側に移動して該液晶表示装置3600の少なくとも一部を逆に隠すことにより遊技者の注視を奪うかのような位置で他の装飾物(顔駆動部3210、肩駆動部3220)と協働して役物演出を行うようになる。これにより、遊技者の注視が、可動装飾部3710を隠す位置にあった液晶表示装置3600から、液晶表示装置3600を隠す位置になった可動装飾部3710へと移された後に、液晶表示装置3600の前側の演出空間だけでは到底実現し得ないような巨大で迫力のある役物演出を遊技者が見逃さずに楽しむことができるようになる。
このように、可動装飾部3710が、液晶表示装置3600の少なくとも一部を逆に隠すことにより遊技者の注視を奪うかのようにしたことで、当該特定の可動演出が行われる期間中においても、役物演出を遊技者が見逃してしまう可能性を考慮することなく、正面視で視認可能とされる表示領域の総面積が減少された状態にある液晶表示装置3600において表示による演出を積極的に行うことができるようになる。なお、このような特定の可動演出が行われる期間中における表示演出としては、可動装飾部3710によって役物演出が行われるときの興趣を高めるエフェクト(暗転表示や雷光を走らせる表示)を出現させるようなものが望ましい。またこの際、上記液晶表示装置3600と下液晶表示装置3620とに跨るような一の連携した表示演出を行うようにすれば、可動装飾部3710が、一の表示演出をその後側から打ち破ってその前側に移動してきたかのような斬新な演出を提供することができるようになる。
ただし、液晶表示装置3600の前側に装飾物を単に位置させるだけでは、液晶表示装置3600から必ずしも注視を奪うことができるとは言えない。例えば、このような装飾物として顔駆動部3210や肩駆動部3220を用いたとしても、これら装飾物は、上述の通り、特定の可動演出が行われていない状態においても、遊技者が横側や上側から覗き込むように見ることでその存在が容易に把握されうるようになっていることから(図120(b)を参照)、このような既知の装飾物を液晶表示装置3600の前側に位置させたとしても、遊技者の注視を惹きつけるだけの効果が奏されるとは言い難い。
この点、この実施の形態にかかる後端装飾物ユニット3700は、上述の通り、液晶表示装置3600の背後側にて位置しているときには、液晶表示装置3600のみならず、該液晶表示装置3600とは異なる部材(後立設壁3312や、液晶装飾部材3630)によってもその存在が隠蔽される構造となっており、こうした高い秘匿性をもった後端装飾物ユニット3700の可動装飾部3710を、液晶表示装置3600の前側に移動させるようにしたことで、該液晶表示装置3600からより確実に遊技者の注視を奪うことが期待されるようになる。
なお、この実施の形態にかかる特定の可動演出では、このような可動装飾部3710によって注視を奪った後に(図125を参照)、該可動装飾部3710は、それまで(図121,図123を参照)とは異なる装飾面で全く別態様の装飾(ロボットの胴体)を生み出すことによって、遊技者の注視をさらに集めることができるようになっている(図127を参照)。そしてこの後、こうして遊技者の注視が集まっている可動装飾部3710に対し、既知の装飾物(顔駆動部3210、肩駆動部3220)が近づいて一の装飾(ロボット)を生み出すようにしたことから、可動装飾部3710が出現してから一の装飾(ロボット)が生み出されるまでの間、遊技者の注視を集めてこれを楽しませることができるようになる。
なお、この実施の形態にかかる液晶表示装置3600は、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620を有して構成されるが、後端装飾物ユニット3700は、これら上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620の少なくとも一方の後側に配設されるものであればよい。ただし、後端装飾物ユニット3700の可動装飾部3710が液晶表示装置3600よりも前側に移動した状態において、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620のいずれにおいても表示演出が現れるのであれば、可動装飾部3710は、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620の両方に正面視で重なるように位置されることが、液晶表示装置3600から注視をより確実に奪うようにする上で望ましい。
またこの際、可動装飾部3710と既知の装飾物(顔駆動部3210、肩駆動部3220)とで生み出される一の装飾(ロボット)については、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620のいずれかよりも正面視で大きな面積をもって出現されるようにすることが、液晶表示装置3600から注視をより確実に奪うようにする上で望ましい。
また、このように可動装飾部3710(若しくは、一の装飾(ロボット))を、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620の両方に跨るように位置させるようにしたことで、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620が離間している場合であっても、それらの間で連携した表示演出が行われることを遊技者側が認識し易くすることができるようになる。
したがって、図126〜図128に示される状態においては、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620を跨るように位置している可動装飾部3710、若しくは一の装飾(ロボット)を発光させて、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620とこれらを繋ぐ装飾物とで連携した演出を行うようにすることが、離間した状態にある上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620で連携した演出を実現する上でより望ましい。このとき、可動装飾部3710、若しくは一の装飾(ロボット)のうち、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620の間に位置している部分が発光されるようにすることが、離間した状態にある上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620で連携した演出を実現する上でさらに望ましい。発光部分これ自体が、離間した状態にある上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620に跨って位置されるようにすることがより望ましい。
また、このような離間した状態にある上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620と、これらを繋ぐ装飾物(可動装飾部3710)とで実現される連携演出としては、例えば、上液晶表示装置3610に表示される演出画像と、実体物である装飾物(可動装飾部3710)と、下液晶表示装置3620に表示される演出画像とによって一の装飾が現れるような演出として実現することが可能である。
また、この実施の形態にかかる特定の可動演出では、上述の通り、液晶表示装置3600、可動装飾部3710、及び後端装飾部3708のうち、後端装飾部3708よりも前側にそれぞれ位置する液晶表示装置3600及び可動装飾部3710、を移動させて、液晶表示装置3600の後側にて潜むように配設される可動装飾部3710が、後端装飾部3708との間における奥行き方向の距離を広げるように液晶表示装置3600よりも前側の領域にまで飛び出すことで、該可動装飾部3710の装飾形状とこれよりも後側にある後端装飾部3708とがそれぞれ前方側から視認可能とされるようになる。このように、奥行き方向に演出空間を広げた上で、奥行き方向に隠されるように並ぶ可動装飾部3710、後端装飾部3708による多重的な演出として、奥行き方向へと徐々に遊技者の注視を向けさせるような演出進展(第1進展、第2進展、第3進展、第4進展)を実現するようにしたことで、従来にはない奥行度合いを好適にアピールすることができるようになり、遊技興趣の低下が抑制されうる。また、可動装飾部3710の前側への移動を用いた演出が、液晶表示装置3600よりも前側の領域のみに留まらず、液晶表示装置3600よりも後側の領域までにわたって奥行き方向に広がるようになることで、遊技興趣の低下を抑制することができるようになる。
なお、この実施の形態にかかる特定の可動演出では、図129に示されるように、液晶表示装置3600よりも前側に位置する前側装飾物(顔駆動部3210、肩駆動部3220)と、液晶表示装置3600よりも後側に位置する後側装飾物(可動装飾部3710)とで所定の装飾演出(ロボットの出現)が行われる際、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620の間にある演出空間を視認可能としているが、液晶表示装置3600よりも前側に設けられている他の装飾物を、該演出空間の前側まで移動させて視認し難くするようにしてもよい。
また、液晶表示装置3600の後側にある可動装飾部3710を該液晶表示装置3600の前側にまで移動させる演出を実現するにあたり、液晶表示装置3600は必ずしも移動可能とされなくてもよい。例えば、液晶表示装置3600の後側にある可動装飾部3710を、液晶表示装置3600の横側から回り込むように移動させることで、該液晶表示装置3600の前側にまで移動させるようにしてもよい。
この実施形態では、上述の通り、液晶駆動ユニット3400におけるメイン液晶表示装置3600(上液晶表示装置3610および下液晶表示装置3620)の駆動機構(ガイドロッド3413、ガイドシャフト3443等)を後立設壁3312によって隠匿しつつ(正面視において遊技者から視認困難としつつ)その後立設壁3312の前面側に、前側可動役物ユニット3200を取り付けるための被取付部(取付孔など)を設けることとした。このような構成によれば、後立設壁3312によって駆動機構を隠匿する機能と前側可動役物ユニット3200の取り付け機能との2つが実現され、奥行き方向のスペースを無駄に使用せず、液晶の周縁で後側可動ユニットの駆動機構が視認されるようなことを回避することができる。
さらに、この実施の形態では、メイン液晶表示装置3600(上液晶表示装置3610および下液晶表示装置3620)の駆動機構が、メイン液晶表示装置3600の横側(奥行き方向においてはメイン液晶とほぼ同じ奥側位置)に配設される液晶駆動ユニット3400の構造とし、この液晶ユニット3400の前側に、正面視において上液晶表示装置3610および下液晶表示装置3620の液晶フレーム部分とこれら液晶装置を移動させるための駆動機構とにまたがるようにしてこれら液晶フレーム部分および駆動機構を隠匿する(遊技者が正面視から視認困難な状態とする)後立設壁3312を有する裏箱3010が設けられるようにした。これにより、メイン液晶表示装置3600と同メイン液晶表示装置3600の駆動機構との段差が大きく生まれないようにすることが可能となり、裏箱3010の後立設壁3312による隠匿構造を簡易化することができる(後立設壁3312を凹凸の少ない略壁状にすることができる)。
さらに、この実施の形態では、メイン液晶表示装置3600の横側の駆動機構は、メイン液晶表示装置3600の前側から後側までにわたって(液晶の厚みを超えて)設けられ、このようにメイン液晶表示装置3600の横側スペースを上手く利用して駆動機構を設けることで、奥行き方向のスペースを無駄に使用せずこれだけ大型の駆動機構(ひいては大型の液晶駆動ユニット3400)を設けることを可能としている。
また、本実施の形態では、図96、図100および図101を用いて上述した通り、右打遊技領域2540内の受入口(例えば、始動口など)に連通されて同受入口に入球した遊技球を遊技機外に排出する排出通路の少なくとも一部である右誘導路3250が、前側可動ユニット3200のフルバースト駆動部3230の駆動機構を構成する右側レール部3240と一体形成されるかたちで設けられている。このような構成によれば、前側役物ユニット3200の駆動機構が排出通路としても兼用されるため、奥側スペースを有効活用することができる。また、フルバースト駆動部3230を支持する支持部材(この実施例では右側レール部3240であり、このような支持部材は可動役物の安定駆動のためベース部材(裏箱3010)に固着固定される)に排出通路を形成することとしたため、可動役物が駆動した際の振動等の影響が、固着固定される支持部材の剛性によって抑えられて球を安定し誘導することができる。
この実施の形態では、下液晶駆動ユニット3440の液晶装飾部材3630の可動範囲に相当する部分に対応して段差部3315が形成された後立設壁3312によって液晶装飾部材3630の可動を許容しながらも駆動機構を好適に隠匿するようにしたが、この段差部3315によって液晶装飾部材3630の可動範囲を規制する機能を持たせるようにしてもよい。すなわち、この液晶装飾部材3630は上述したように下液晶駆動ユニット3440の駆動によって移動するものであるが、同ユニットが非駆動時の初期位置と駆動したときの駆動最大位置の両者を段差部3315によって規制するようにしてもよいし、一方だけ規制するようにしてもよい。特に、下液晶駆動ユニット3440の非駆動時において上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620とが連なった1つの表示装置として認識させるようにするべく両表示装置の隙間やフレーム部の隠蔽として機能する液晶装飾部材3630については、その位置がずれることは遊技者の興趣を低下させてしまうため、この位置ずれを抑制することは極めて重要である。このため、少なくとも下液晶駆動ユニット3440の非駆動時の液晶装飾部材3630の位置が自ずと段差部3315によって規制されるようにすることは興趣の低下を抑制するうえで極めて有効である。
また、この実施の形態では、裏箱3010の後立設壁3312として、メイン液晶表示装置3600を囲むような形状としたが、例えば、メイン液晶表示装置3600の一方側にのみ立設されるかたちで設けられるものであってもよいし、左右両側、上下両側に立設されるかたちで設けられるものであってもよく、その立設位置については限定されない。なお、例えば、一方側にのみ立設されるかたちで後立設壁3312が設けられる場合、液晶横の駆動機構も、この後立設壁3312に合わせてメイン液晶表示装置3600の一方側にのみ配置されることとなる。
また、この実施の形態では、下液晶表示装置3620の横側に設けられる駆動機構によってメイン液晶表示装置3600(上液晶表示装置3610および下液晶表示装置3620)前方を移動可能な液晶装飾部材3630が常に表示装置前方に位置することとしたが、上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620との間に位置してこれら表示装置の隙間やフレーム部を隠蔽する機能を持たない、表示装置前方で移動可能な可動装飾部材として捉えた場合に以下のような態様をとるようにしてもよい。
すなわち、上記実施の形態では非駆動時においても表示装置の前方に位置することとしていた可動装飾部材(液晶装飾部材3630)が非駆動時には上述の後立設壁3312の後方に位置するようにして駆動機構とともに隠匿され、駆動時に後立設壁3312後方からメイン液晶表示装置3600の前方に出現するようにしてもよい。こうした表示装置前方に出現する可動装飾部材としては従来、その駆動機構も含めて表示装置の前側に配置されているのに対し、この例によれば、駆動機構が表示装置の横側(表示装置の真横に限らず、奥行き方向において表示装置よりも奥側に位置していてもよい)に設けられるため、表示装置の厚みを利用して奥行き方向のスペースを有効に活用した可動装飾部材を実現することができる。また、表示装置の横側の駆動機構とこの駆動機構により駆動可能な可動装飾部材(液晶装飾部材3630に相当)が表示装置とともにユニット化されることで、表示装置前方に出現する可動装飾部材を有する表示装置ユニットという新しい形態を実現することができる。
この実施の形態では、上述の通り、液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620とが互いに近づいたり離れたりすることで押圧されたり押圧が解除されたりする上記押圧部3418および上記板状部材3450を液晶装飾部材3630の機構として採用した。このような構成によれば、上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620とが互いに離れるように移動した結果、上液晶駆動ユニット3410の押圧部3418が下液晶駆動ユニット3440の板状部材3450を押圧している範囲で変位するときと、押圧部3418が板状部材3450に当接しない範囲で変位するときとで、下液晶駆動ユニット3440の下方向への駆動態様については何ら変化させていないにもかかわらず(下液晶駆動ユニット3440は下液晶表示装置3620を所定速度で下方向へ移動させる駆動制御を維持しているだけにもかかわらず)、液晶装飾部材3630の移動速度が段階的に変化されることとなり、液晶装飾部材3630の移動速度を変更するために別途新たに駆動源等を設けることなく簡便にこうした液晶装飾部材3630の段階的な速度変化を実現することができる。
また、この実施の形態によれば、上液晶表示装置3610と下表示液晶装置3620とに跨るように液晶装飾部材3630が設けられている。このような構成によれば、上液晶表示装置3610と下表示液晶装置3620との間で制御のズレが生じたり、互いの物理的な干渉による跳ね返りが生じたりすることなどによって、上液晶表示装置3610と下表示液晶装置3620との間に意図しない隙間が生じたとしてもこれを好適に秘匿することができる。ただ一方で、この隙間を秘匿するべく十分に上液晶表示装置3610に液晶装飾部材3630を重ならせた場合には、液晶表示装置3600の背後側の可動役物(後端装飾物ユニット3700(胴体駆動部))の演出空間を形成するべく液晶装飾部材3630を移動させる際に多くの時間がかかってしまう。このため、この実施の形態では、上述の通り、少なくとも上液晶表示装置3610と重なっている部分ではその全域で速度を速められるようにするべく上記押圧部3418および板状部材3450の関係を調整しているため、上液晶駆動ユニットおよび下液晶駆動ユニットが動作しているにもかかわらず液晶表示装置3600の背後側の可動役物(後端装飾物ユニット3700(胴体駆動部))が出現するまでの時間がかかるようなことが好適に抑制される。なおこの実施の形態では、液晶装飾部材3630が上液晶表示装置3610に重なるようにしたが、必ずしも重なる必要はなく、液晶表示装置3600の背後側の可動役物(後端装飾物ユニット3700(胴体駆動部))が正面視において上液晶表示装置3610と下表示液晶装置3620との間の隙間から見えない程度にこの隙間の全部または一部に重なるだけとしてもよい。
この実施の形態では、上述の通り、可動装飾部3710が前進駆動モータ3720によって特定方向(前方向)に移動した後、合体駆動モータ3730a,bからの駆動力によって可動装飾部3710を前方向に変位させる際、前進駆動モータ3720からの駆動力によって可動装飾部3710これ自体を特定方向とは逆向きとなる方向(後方向)に変位させるようにすることで、可動装飾部3710が予想を超える程度にまで前方向に変位しているかのように見せることとしたが、こうした可動役物の動きは奥行き方向(前方向、後方向)に限らず、他の方向で行うこともでき、例えば、高さ方向や横方向であってもよい。この場合、奥行き方向と異なり、特定方向とは逆向きとなる方向の動作が遊技者から容易に見えてしまうので予想を超えた演出は期待し難くはなるものの、限られた演出空間(液晶の前側空間)において実現し難い演出が実現できることには変わりない。なお、特定方向とは逆向きとなる方向の動作を遊技者側から見えにくくするために、特定方向とは逆向きとなる方向の動作の際に可動装飾部3710を発光させてそちらに遊技者の注視を集めるようなことをしてもよい。また、特定方向、特定方向とは逆向きとなる方向は、必ずしも180度ずれた方向でなくてもよく、その方向成分が含まれていれば、上述の作用効果は得られる。また、この実施の形態では、合体駆動モータ3730a,bからの駆動力により可動装飾部3710が回動動作により前方向に移動するものを示したが、回動動作に限らず直進動作などの他の動作を採用することもできる。
この実施の形態では、上述の通り、可動装飾部3710を前進駆動モータ3720によって特定方向(前方向)に移動させた後、合体駆動モータ3730a,bからの駆動力によって可動装飾部3710を前方向に変位させる際、前進駆動モータ3720からの駆動力によって可動装飾部3710これ自体を特定方向とは逆向きとなる方向(後方向)に変位させる演出パターンを示したが、これに限らず、特定方向とは逆向きとなる方向(後方向)に動かずに、前進駆動モータ3720と合体駆動モータ3730a,bとが同時に前方向に動いて可動装飾部3710が登場する特別演出パターンを採用するようにしてもよい。この場合、可動装飾部3710を前進駆動モータ3720によって特定方向(前方向)に移動させた後の合体駆動モータ3730a,bが動くかどうかの演出を経ずに合体駆動モータ3730a,bによる合体演出に繋がるようになるため遊技者に対しては合体確定パターンとして認識させることができ、合体演出の期待度が高い場合に演出に対してより遊技者を注目させることができるようになる。
また、前進駆動モータ3720のみが単独で動き、合体駆動モータ3730a,bが動くことなく戻る演出パターンを採用するようにしてもよい。この場合には、合体駆動モータ3730a,bが動いて合体演出に繋がるかどうかの演出に遊技者を注目させることができる。さらに言えば、前進駆動モータ3720のみが単独で最大位置まで動くことで、上述した「A」の制限との関係から合体駆動モータ3730a,bの動作が行われることを否定(合体駆動モータ3730a,bが動作できるスペースを潰す)するかのような演出(残念でした演出)として機能させるようにしてもよい。また、この否定の後に合体駆動モータ3730a,bが動いて合体演出へと繋がる復活パターンを採用してもよく、この復活パターンで合体演出へと発展すると合体確定パターンよりも期待度高いというようにしてもよい。
また、合体駆動モータ3730a,bのみが単独で動いて、前進駆動モータ3720が動かない演出パターンを採用してもよい。この場合には、単独の可動演出パターン(合体駆動モータ3730a,bのみが動くパターン、前進駆動モータ3720のみが動くパターン)をそれぞれ提供することで、両方の駆動源が駆動したら、空間内に収まりきらなくなってしまうという感覚を遊技者に覚えさせることが好ましい。また、限られた空間(液晶前の空間)を超えて遊技機前面のガラスに可動装飾部3710が当たってしまうんじゃないかというスリルのある演出を役物によって実現することもできる。
この実施の形態では、上述の通り、各可動装飾部3710a〜3710dが特定の装飾を形作る状態(図113および図117の状態)から各可動装飾部3710a〜3710dを分離させて特定の装飾を一旦崩し、何らの装飾も出現させないかたちでそれぞれを位置させる(図118の状態)。そしてこの後、各可動装飾部3710a〜3710dが、上記特定の装飾を生み出していたときとは異なる面で組み合わさることにより、上記特定の装飾よりも正面視にて大きな形状からなる装飾を新たに生み出す演出を行うこととした(図119の状態)。このような構成によれば、当初出現時の特定の装飾を形作る役物であるという先入観を覆し、該特定の装飾に戻さずにこれとは異なる装飾が新たに生み出されるようになるため、遊技者の予想を超える役物演出を提供することができるようになる。
なお、この実施の形態では、上記特定の装飾を形作る状態から一旦分離した後、再度各可動装飾部3710a〜3710dが組み合わさって新たな装飾を生成することとしたが、一旦分離した後、各可動装飾部3710a〜3710dが、例えば、液晶前方に設けられる他の可動装飾部材やセンター役物の装飾物等と組み合わさって新たな装飾を生成するようにしてもよい(第1の装飾物が、第2の装飾物との間で一の装飾を形作るように位置するときと、第3の装飾物との間で一の装飾を形作るように位置するときとがあってもよい)。この場合においても、当初出現時の特定の装飾を形作る役物であるという先入観を覆し、該特定の装飾に戻さずにこれとは異なる装飾が新たに生み出されるようになるため、遊技者の予想を超える役物演出を提供することができるようになる。そして、これを上記実施形態と組み合せることで、例えば、特定の装飾を形作っていた状態から一旦分離した後、各可動装飾部3710a〜3710dが、上記特定の装飾を生み出していたときとは異なる面で組み合わさって新たな装飾を生成するか、他の可動装飾部材やセンター役物の装飾物等と組み合わさって新たな装飾を生成するか、が大当たり期待度に応じて選択されるようにすることで遊技者はいずれに進むかに注目しながら遊技に臨むこととなる。
この実施の形態では、上述の通り、特定の装飾形(実施形態では、チームの象徴であるデザイン)のままでメイン液晶表示装置3600の後方の待機位置(原位置)にあることとした。このような構成によれば、可動装飾部3710の登場時から装飾態様の生成状態にすることができる。しかもこの実施形態では、液晶表示装置の可動によって可動装飾部3710が露にされる手法なので、可動体自体は動作させる必要無く特定の装飾を出現させることができる。
また、この実施の形態では、上述の通り、特定の装飾形の状態(図113の状態)では、液晶表示装置の可動によって奥行き方向に生成される演出空間を奥行き方向に移動可能な大きさであるのに対し、一旦特定の装飾を崩して新たな装飾を生成した状態(胴体役物の状態、例えば図119の状態)では、液晶表示装置の可動によって奥行き方向に生成された演出空間を奥行き方向に移動不可能なより大きな装飾形となっている。これにより、要求される可動役物の演出時の形状に対して液晶表示装置の可動範囲や液晶裏の配設スペースを抑制することができるようになり、可動役物演出時の液晶での表示演出を大きく犠牲にせずに役物演出を比較的大きく実現することができるようになる。
また、可動装飾部3710に関し、特定の装飾形の状態(図113の状態)から一旦装飾を崩し新たな装飾を生み出した状態(ロボット胴体部の状態、図119の状態)においては、特定の装飾形の状態(図113の状態)のときには結びつかなかった他の可動体(駆動部3210及び肩駆動部3220)とも結びつくので、役物演出として実現できるバリエーションや大きさを飛躍的に向上させることができるようになる。
また、液晶前方を移動可能な可動役物については従来、液晶周縁部で遊技者から視認困難となるようにセンター役物後方の位置に配置されることが多いが、この位置では可動役物の一部が視認されてしまうため役物演出が駆動前からイメージできてしまい、役物演出の驚きを十分に与えられないおそれがある。この点、この実施形態では、通常時には可動装飾部3710を視認不可能な液晶表示装置後方に待機させておき、駆動時には液晶を移動させて液晶前方に出現させるようにしたことでこうしたおそれを解消している。また、液晶表示装置後方から可動装飾部3710が出現するため、液晶表示装置前に可動役物を出すときにリンク機構とかが視認され難く、いわゆる浮島的に表示装置の略中央部に突如として可動装飾部3710が出現したかのような印象を遊技者に与えることができる。
この実施の形態によれば、上述の通り、ホールに設置された状態においては、上液晶表示装置3610および下液晶表示装置3620の自重による下方向への力よりも、駆動モータのディテントトルクと付勢部材による付勢力の合成値(自重に対して逆向きに働く方向成分の合成値)の方が大きくなるか略同じ程度となるように、駆動モータおよび付勢部材が設けられている。このような構成によれば、上液晶表示装置3610と下液晶表示装置3620については、可動範囲のいずれの位置で留めても駆動源による駆動力が必ずしも付与されなくてもよくなることから、可動範囲の複数の位置を原位置(演出停止位置)として用いることができるようになる。
このため、例えば、上液晶表示装置3610の原位置として、下液晶表示装置3620から離れるほど大当たり期待度が高い複数の位置を設定し、この複数の位置のいずれに上液晶表示装置3610が位置にするかによって、上液晶表示装置3610および下液晶表示装置3620にて展開される大当たり期待度が異なるようにしてもよい(例え同じ演出が表示されていても下液晶表示装置3620から離れた位置に上液晶表示装置3610があるほど期待度が高くなる等)。これにより、大当たりの結果が表示されるまでの変動時間で長い場合であっても上液晶表示装置3610を留めるための駆動源の駆動を必要とすることなく、可動範囲の所定位置を原位置とした演出を実現することができる。
また、こうした可動範囲の複数の位置を原位置として用いた演出については、複数の変動にまたがって行うようにしてもよい。例えば、複数の変動にわたる演出モードに応じて上液晶表示装置3610が配置される位置が異なり、例えば下液晶表示装置3620に対する上液晶表示装置3610の位置が離れていくほどいわゆる確率変動状態である期待度が高い演出を実現することもできる。複数の変動としては、いわゆる先読み演出とよばれる最大4回の変動にわたるものから、例えば50回の変動にわたるような長い期間であってもよい。上液晶表示装置3610を留めるための駆動原の駆動を必要とすることなく、さらには、その期間内において原位置を期待度等に応じて変更することも容易に行うことが可能な状況下において、可動範囲の位置を原位置として用いる複数変動にまたがる演出を実現することができる。
また、この実施の形態では、上述した通り、遊技機を使用するまでの間は、付勢部材の付勢力に自重が働かない(水平など)ように配置(例えば、平置き)しておけば、少なくとも使用されるまでの間に付勢機能が劣化することを抑制することができるようになることとした(自動劣化抑制機能)。この場合に、ディテントトルクよりも付勢部材3412による付勢力が大きくなるように、上液晶駆動モータ3415と付勢部材3412とがそれぞれ設けられるようにすることで、付勢部材の付勢力に自重が働かない(水平など)ように配置(例えば、平置き)した状態では、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620はいずれも可動範囲における上端まで上方向に移動するようになる。なお、自動劣化抑制機能によって位置することとなる特定位置(上端まで上方向に移動した位置)については上記可動範囲の複数の位置を原位置として採用しないこととするのがよい。
なお、この実施形態では、上述したように、上液晶表示装置3610および下液晶表示装置3620が上下方向に動く例を示したが、上下方向の移動成分を含むのであればその方向は限定されない。上下方向の移動成分を含む限りにおいては、ホールに設置された状態で少なくとも液晶表示装置の自重が発生するため、上記ディテントトルクおよび付勢部材による付勢力によって調整を図ることができる。
また、この実施形態では、液晶を例に上液晶表示装置3610の位置が下液晶表示装置3620の場合を示したが、液晶に限定されることはなく、例えば、ドット表示器、有機EL表示器等の様々な表示器を採用することができるし、表示器以外に装飾物等の構造物であってもよい。
また、上液晶表示装置3610および下液晶表示装置3620付勢の仕方は、引く力による付勢と、押す力による付勢とのいずれであってもよい。また、上記可動範囲の複数の位置を原位置として可動範囲のいずれかの位置で留めるにあたっては、その原位置に留まらせるように寄与する駆動力を付与するようにしてもよい。
この実施の形態では、上述した通り、液晶装飾部材3630が液晶前にあるときに、液晶装飾部材3630よりも後ろ側の可動装飾部3710が出現し、液晶装飾部材3630よりも前側に位置するようにした。このような構成によれば、後ろの可動装飾部3710が、それまで前列で演出していた液晶装飾部材3630よりもさらに前側にまで変位することで、遊技者の演出空間として意識しておらず前列の液晶装飾部材3630すらも使用していない前側空間が利用されることとなり、「どれだけこっちに向かってくるのか」という、予想を超えた演出の実現ができる。
また、この実施の形態では、可動装飾部3710は、液晶装飾部材3630よりも前側に位置したとき、液晶装飾部材3630と正面視で重なる位置で演出動作するようにした。こうした可動役物の前後方向における入れ替わりを行うにあたってはその前後方向の空間は極めて狭く限られていることから、前後方向に並べた両者の関係性が把握されなければ意味がない。そこでこの実施の形態では、可動装飾部3710が液晶装飾部材3630よりも前側に位置したとき同液晶装飾部材3630と正面視で重なる位置で演出動作するようにしたため、可動役物の前後方向の入れ替わりが明確に遊技者に認識され、液晶表示ではなしえない前後方向に並んだ可動体の演出効果(3次元的な可動役物演出の効果)を十分に発揮することができる。
また、この実施の形態では、通常時には、液晶装飾部材3630が液晶前で演出動作しているときには可動装飾部3710は演出動作しないこととし、特別時には、可動装飾部3710が液晶装飾部材3630よりも前側に出て演出動作し、液晶装飾部材3630は演出動作しないようにしている。液晶装飾部材3630および可動装飾部3710が前後方向に並んで演出したとしても、後ろに位置する可動体は相対的に目立たず演出効果が低くなることが懸念されるため、演出動作する側の可動体が演出動作しない側の可動体の前側となって行うことで、前後方向に並んだ可動体の演出効果を最大限引き出すことができるようになる。
また、この実施の形態では、上述の通り、可動装飾部3710は液晶装飾部材3630よりも後側では可動領域が狭く、液晶装飾部材3630よりも前側に出て可動領域が広がるようにし、これに伴い可動装飾部3710は狭い可動領域から出現した後、上記液晶装飾部材3630よりも前側に出たときに出現時の狭い可動領域よりも大きな装飾に変形するようにしたため、上記液晶装飾部材3630を越えて出てきた可動装飾部3710の前後方向の入れ替わり動作の印象を強く与え、前後方向に並んだ可動体の演出効果をよりいっそう引き出すことができるようになる。
また、可動装飾部3710は、液晶表示装置の後方位置のままで遊技者に視認可能に出現するものの、同液晶表示装置の前方に出てくることなく再度見えなくなるような演出パターンを有するようにしてもよい。これにより、可動装飾部3710が後側にある可動体という先入観を遊技者に与えておくことができ、実際に可動装飾部3710が出現して液晶装飾部材3630よりも前側に移動したときには、後側の可動体という先入観により、可動装飾部3710が後から手前までかなりの距離を移動して向かってきたような印象を与えることができ、前後方向に並んだ可動体の演出効果をよりいっそう引き出すことができるようになる。
また、液晶装飾部材3630は、前側にあるときは、可動装飾部3710と正面視で重なる位置で動く。そして、可動装飾部3710と正面視で重ならない位置に液晶装飾部材3630が移動した後、可動装飾部3710が出てくる。そして、可動装飾部3710は、重ならない位置に移動した液晶装飾部材3630の前側で重なる位置で動く。こうした動きを実現するにあたって、液晶裏のスペースを節約できる。
また、この実施の形態では、液晶装飾部材3630と可動装飾部3710とが奥行き方向で入れ替わり、前側に出てきた装飾部が演出動作を行うものを示したが、これに限らず、可動装飾部3710が液晶装飾部材3630よりも前に出てきた後に、液晶装飾部材3630と合体する演出動作を行うようにしてもよい。
また、この実施の形態では、上述の通り、可動装飾部3710が液晶装飾部材3630よりも前に出てきた後に、他の可動体(顔駆動部3210、肩駆動部3220)もその演出空間を利用して出てきて上記可動装飾部3710と合体する演出動作を行うようにした。すなわち、可動装飾部3710が前に出てくるまでの間、液晶装飾部材3630よりも前の空間が演出に利用されるのを遊技者に意識させないように動作制御するようにしたため、他の可動体が出現したときの印象が遊技者に強く与えられ、前後方向に並んだ可動体の演出効果をよりいっそう引き立てる演出動作を実現することができる。
なお、この実施の形態では、可動装飾部3710と液晶装飾部材3630との両方が動いて互いに奥行き方向で入れ替わることとしたが、少なくとも一方が動いて奥行き方向が入れ替われば上述した効果と同様の効果を奏することができる。
[6.制御基板]
次に、パチンコ遊技機1の各種制御を行う制御基板について、図面を参照しながら説明する。パチンコ遊技機1の制御構成は、主制御基板4100、払出制御基板4110及び周辺制御基板4140から主として構成されており、各種制御が分担されている。まず、パチンコ遊技機1の遊技制御を行う主制御基板について説明し、続いて、演出制御を行う周辺制御基板について説明する。
図130は、主制御基板の構成を示すブロック図である。主制御基板4100は、遊技の進行を制御し、主制御MPU4100aと、主制御入力回路4100bと、主制御出力回路4100cと、主制御ソレノイド駆動回路4100dと、停電監視回路4100eと、を備える。
主制御MPU4100aは、各種制御プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである。ROMには、例えば、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行されるとともに遊技動作を制御するメイン制御プログラムなどが記憶される。
主制御入力回路4100bは、各種検出スイッチからの検出信号が入力される。主制御出力回路4100cは、各種信号を外部の基板等へ出力する。主制御ソレノイド駆動回路4100dは、可動役物用等の各種ソレノイドを駆動する。停電監視回路4100eは、予め定めた電圧の停電又は瞬停の兆候を監視する。
主制御MPU4100aには、RAM(以下、「主制御内蔵RAM」)や、ROM(以下、「主制御内蔵ROM」)のほかに、動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御入力回路4100bは、各種入力端子に各種検出スイッチからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられておらず、リセット機能を有していない。このため、主制御入力回路4100bは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、主制御入力回路4100bは、各種入力端子に入力されている各種検出スイッチからの検出信号に基づく情報が、後述する主制御システムリセットによりリセットされないことによって、当該情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
主制御出力回路4100cは、リセット機能付き主制御出力回路4100caと、リセット機能なし主制御出力回路4100cbと、から構成されている。リセット機能付き主制御出力回路4100caは、各種入力端子に各種信号を外部の基板等に出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有する。
リセット機能付き主制御出力回路4100caは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き主制御出力回路4100caは、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。
これに対し、リセット機能なし主制御出力回路4100cbは、後述する主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし主制御出力回路4100cbは、各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等に出力するための情報が後述する主制御システムリセットによりリセットされないことによって、当該情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
始動口スイッチ3022及び一般入賞口スイッチ3020からの検出信号、停電監視回路4100eからの信号は、主制御入力回路4100bを介して、主制御MPU4100aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。始動口スイッチ3022は、第一始動口スイッチと第二始動口スイッチとを総称したものであり、第一始動口2002、第二始動口2004c夫々に入球した遊技球を検出する。一般入賞口スイッチ3020は、一般入賞口2104に入球した遊技球を検出する。
また、ゲートスイッチ2352、カウントスイッチ2110、及び、磁気検出スイッチ3024からの検出信号は、遊技盤5に取り付けられたパネル中継端子板4161、主制御入力回路4100bを介して主制御MPU4100aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。ゲートスイッチ2352は、ゲート部2003を通過した遊技球を検出する。カウントスイッチ2110は、大入賞口2003に入球した遊技球を検出する。磁気検出スイッチ3024は、裏ユニット3000に取り付けられて磁石を用いた不正行為を検出する。
主制御MPU4100aは、これらの各スイッチからの検出信号に基づいて、所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路4100caに駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路4100caから主制御ソレノイド駆動回路4100dに制御信号を出力し、主制御ソレノイド駆動回路4100dからパネル中継端子板4161を介して始動口ソレノイド(可動片2005b駆動用ソレノイド)2105及びアタッカソレノイド2108に駆動信号を出力する。
さらに、主制御MPU4100aは、所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路4100caに駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路4100caからパネル中継端子板4161、そして機能表示基板1191を介して各種表示器に信号を出力する。各種表示器には、第一特別図柄表示器1185、第二特別図柄表示器1186、第一特別図柄記憶表示器1184、第二特別図柄記憶表示器1187、普通図柄表示器1189、普通図柄記憶表示器1188、遊技状態表示器1183、及びラウンド表示器1190が含まれる。
また、主制御MPU4100aは、所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路4100caに遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路4100caから払出制御基板4110に各種情報(遊技情報)を出力する。さらに、所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路4100caに信号(停電クリア信号)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路4100caから停電監視回路4100eに信号(停電クリア信号)を出力する。
なお、本実施形態おいて、始動口スイッチ3022、ゲートスイッチ2352、及び、カウントスイッチ2110には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口スイッチ3020には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球が第一始動口2002や第二始動口2004cに頻繁に入球し、ゲートも頻繁に通過するため、始動口スイッチ3022、及び、ゲートスイッチ2352による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、始動口スイッチ3022、及びゲートスイッチ2352には、寿命の長い近接スイッチを用いている。
また、遊技者にとって有利となる大当り遊技状態(特別遊技状態)が発生すると、大入賞口2003が開放されて遊技球が頻繁に入球するため、カウントスイッチ2110による遊技球の検出も頻繁に発生する。このため、カウントスイッチ2110にも、寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対し、一般入賞口2001には遊技球が頻繁に入球しないため、一般入賞口スイッチ3020による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口スイッチ3020には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
また、主制御MPU4100aは、所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路4100cbに払い出しに関する各種コマンドをシリアルデータとして送信することにより、リセット機能なし主制御出力回路4100cbから払出制御基板4110に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。
払出制御基板4110は、主制御基板4100からの各種コマンドをシリアルデータとして正常に受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を主制御基板4100に出力する。払主ACK信号は、主制御入力回路4100bを介して主制御MPU4100aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。
また、主制御MPU4100aは、払出制御基板4110からのパチンコ遊技機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして主制御入力回路4100bで受信することにより、主制御入力回路4100bからその所定のシリアル入力ポートの入力端子で各種コマンドをシリアルデータとして受信する。
制御MPU4100aは、払出制御基板4110からの各種コマンドをシリアルデータとして正常に受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を、所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路4100caに出力する。主払ACK信号は、リセット機能付き主制御出力回路4100caから払出制御基板4110に出力される。
また、主制御MPU4100aは、所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路4100cbに遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ遊技機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして送信する。そして、リセット機能なし主制御出力回路4100cbから周辺制御基板4140に各種コマンドをシリアルデータとして送信する。
なお、主制御基板4100に各種電圧を供給する電源基板は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板4100に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPU4100aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を主制御内蔵RAMに記憶することができるようになっている。
主制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に後述する払出制御基板4110の操作スイッチ(RAMクリアスイッチ)が操作されると、操作スイッチからの操作信号(RAMクリア信号)が払出制御基板4110から出力される。RAMクリア信号は、主制御入力回路4100bを介して、主制御MPU4100aの所定の入力ポートの入力端子に入力される。主制御MPU4100aは、RAMクリア信号の入力を契機として、主制御内蔵RAMの内容を完全に消去(クリア)する。
続いて、演出制御を行う周辺制御基板について説明する。図131は、周辺制御基板の構成を示すブロック図である。周辺制御基板4140は、周辺制御部4150と、液晶及び音制御部4160と、リアルタイムクロック(以下、「RTC」と記載する。)制御部4165と、音量調整ボリューム4140aと、を備える。
周辺制御部4150は、主制御基板4100からの各種コマンドに基づいて演出制御を行う。また、上皿演出ボタン257等の演出操作手段の操作の入力情報を受け付けて演出動作を制御する。液晶及び音制御部4160は、液晶表示装置3600及び上皿側液晶表示装置244の描画制御を行うとともにタッチパネル246の接触状態の検知制御を行う一方、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れる音楽や効果音等の音制御を行う。
RTC制御部4165は、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを保持する計時手段である。音量調整ボリューム4140aは、本体枠に設けたスピーカボックスに収容されるスピーカ及び扉枠に設けたスピーカから流れる音楽や効果音等の音量を、つまみ部を回動操作することにより調節する。
演出制御を行う周辺制御部4150は、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU4150aと、周辺制御ROM4150bと、周辺制御RAM4150cと、周辺制御SRAM4150dと、周辺制御外部ウォッチドックタイマ4150e(以下、「周辺制御外部WDT4150e」と記載する。)と、を備えている。
周辺制御ROM4150bは、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御する。また、電源投入時から所定時間が経過した後に実行されるとともに演出動作を制御するサブ制御プログラムなどの各種制御プログラム、各種データ、各種制御データ及び各種スケジュールデータを記憶する。
周辺制御RAM4150cは、後述する液晶及び音制御部4160の音源内蔵VDP4160aからのVブランク信号が入力されるごとに実行される周辺制御部定常処理をまたいで継続される各種情報(例えば、液晶表示装置3600に描画する画面を規定するスケジュールデータや各種LED等の発光態様を規定するスケジュールデータなどを管理するための情報など)を記憶する。
周辺制御SRAM4150dは、日をまたいで継続される各種情報(例えば、大当り遊技状態が発生した履歴を管理するための情報や特別な演出フラグの管理するための情報など)を記憶する。周辺制御外部WDT4150eは、周辺制御MPU4150aが正常に動作しているか否かを監視する。
周辺制御RAM4150cは、瞬停が発生して電力がすぐ復帰する程度の時間しか記憶された内容を保持することができず、電力が長時間遮断された状態(長時間の電断が発生した場合)では記憶された内容を保持することができない。これに対し、周辺制御SRAM4150dは、電源基板に設けられた大容量の電解コンデンサ(以下、「SRAM用電解コンデンサ」と記載する。)によりバックアップ電源が供給されることにより、記憶された内容を50時間程度、保持することができるようになっている。
なお、電源基板にSRAM用電解コンデンサが設けられていることから、遊技盤5をパチンコ遊技機1から取り外すと、周辺制御SRAM4150dにバックアップ電源が供給されなくなる。その結果、周辺制御SRAM4150dは、記憶された内容を保持することができなくなり、その内容を失う。
周辺制御外部WDT4150eは、周辺制御MPU4150aのシステムが暴走していないかを監視するためのタイマであり、このタイマがタイマアップすると、ハードウェア的にリセットをかける。つまり、周辺制御MPU4150aが一定期間内(タイマがタイマアップするまで)に周辺制御外部WDT4150eのタイマをクリアするクリア信号を周辺制御外部WDT4150eに出力しない場合にリセットがかかるようになっている。すなわち、周辺制御MPU4150aは、一定期間内にクリア信号を周辺制御外部WDT4150eに出力することによって周辺制御外部WDT4150eのタイマカウントを再スタートさせることが可能となり、リセットがかからないようにすることができる。
周辺制御MPU4150aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵している。主制御基板4100からの各種コマンドを受信すると、受信した各種コマンドに基づいて、ランプ駆動基板4170、モータ駆動基板4180、枠装飾駆動アンプ基板194等の演出制御用の各種基板に制御信号を送信する。
具体的には、周辺制御MPU4150aは、遊技盤5の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データを、ランプ駆動基板用シリアルI/Oポートから図示しない周辺制御出力回路を介してランプ駆動基板4170に送信する。また、遊技盤5に設けた各種可動体を作動させるモータやソレノイド等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための遊技盤側モータ駆動データをモータ駆動基板用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路を介してモータ駆動基板4180に送信する。
周辺制御MPU4150aは、扉枠に設けたダイヤル駆動モータ等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側モータ駆動データを枠装飾駆動アンプ基板モータ用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板、そして周辺扉中継端子板を介して枠装飾駆動アンプ基板194に送信する。さらに、扉枠の各装飾基板に設けた複数のLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データを枠装飾駆動アンプ基板LED用シリアルI/Oポートから周辺制御出力回路、枠周辺中継端子板、そして周辺扉中継端子板を介して枠装飾駆動アンプ基板に送信する。
主制御基板4100からの各種コマンドは、図示しない周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU4150aの主制御基板用シリアルI/Oポートに入力されている。また、ハンドルユニット500に設けられた、ダイヤル操作部の回転(回転方向)を検出するための回転検出スイッチからの検出信号、及び押圧操作部の操作を検出するための押圧検出スイッチからの検出信号は、枠装飾駆動アンプ基板に設けた図示しない扉側シリアル送信回路でシリアル化される。そして、シリアル化された操作ユニット検出データが扉側シリアル送信回路から、周辺扉中継端子板、枠周辺中継端子板、周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU4150aの操作ユニット検出用シリアルI/Oポートに入力されている。
遊技盤5に設けた各種可動体(可動役物)の原位置や可動位置等を検出するための各種検出スイッチ(例えば、フォトセンサなど)からの検出信号、さらに、演出ボタン等の押圧スイッチからの検出信号は、モータ駆動基板4180等に設けた図示しない遊技盤側シリアル送信回路でシリアル化される。シリアル化された検出データは、遊技盤側シリアル送信回路から周辺制御入力回路を介して、周辺制御MPU4150aのモータ駆動基板用シリアルI/Oポートに入力される。
周辺制御MPU4150aは、モータ駆動基板用シリアルI/Oポートの入出力を切り替えることにより周辺制御基板4140とモータ駆動基板4180との基板間における各種データのやり取りを行う。
なお、周辺制御MPU4150aは、ウォッチドックタイマを内蔵(以下、「周辺制御内蔵WDT」と記載する。)しており、周辺制御内蔵WDTと周辺制御外部WDT4150eとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
[7.主制御基板の各種制御処理]
[7−1.主制御側電源投入時処理]
パチンコ遊技機1に電源が投入されると、主制御基板4100の主制御MPU4100aが主制御プログラムを実行することによって、主制御側電源投入時処理を実行する。図132は、主制御側電源投入時処理の手順を示すフローチャートである。
主制御側電源投入時処理が開始されると、主制御MPU4100aは、まず、初期化処理を実行する(ステップS10)。初期化処理では、割り込み処理の実行条件の設定などを行うとともに、パチンコ遊技機1の起動状態に応じて主制御内蔵RAMに記憶するデータを設定する。
例えば、停電又は瞬停した場合には、電源が遮断される前の状態に復旧させるためにバックアップされた遊技情報に基づいて主制御内蔵RAMに記憶されるデータを復元する。一方、ホール開店時に遊技機の電源を投入する場合(払出制御基板4110の操作スイッチ860aが操作されている場合)などには主制御内蔵RAMの初期化を行うRAMクリア処理を実行する。
初期化処理が終了すると、主制御MPU4100aは、まず、停電予告信号が検出されたか否かを判定する(ステップS11)。停電予告信号は、パチンコ遊技機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりする場合に電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電監視回路4100eから入力される。
主制御MPU4100aは、停電予告信号が検出されない場合には(ステップS11の結果が「No」)、非当落乱数更新処理を実行する(ステップS12)。非当落乱数更新処理では、当落判定(大当り判定)にかかわらない乱数を更新する。非当落乱数には、例えば、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数等が含まれる。その後、停電予告信号が検出されるまで、非当落乱数更新処理を継続して実行する。
一方、主制御MPU4100aは、停電予告信号を検出した場合には、主制御内蔵RAMに記憶された遊技情報を保護するための主制御側電源断処理を実行する(ステップS12)。主制御側電源断処理では、まず、割り込み処理の実行を禁止して主制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、遊技情報の書き換えから保護する。さらに、始動口ソレノイド2105や機能表示ユニットなどへの駆動信号の出力を停止するとともに、停電復旧時に遊技情報の正当性を判断するためのチェックサムを算出し、バックアップフラグを設定する。
パチンコ遊技機1(主制御MPU4100a)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により主制御側電源投入時処理を実行し、主制御側電源断処理で保護された遊技情報に基づいて停電前の状態に復旧させる。
[7−2.主制御側タイマ割り込み処理]
次に、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。主制御側タイマ割り込み処理は、主制御側電源投入時処理(図132)において設定された割り込み周期(本実施形態では、4ms)ごとに繰り返し行われる。
主制御側タイマ割り込み処理が開始されると、主制御MPU4100aは、割り込みフラグをクリアする(ステップS72)。割り込みフラグがクリアされることにより割り込み周期が初期化され、次の割り込み周期がその初期値から計時される。
続いて、主制御MPU4100aは、スイッチ入力処理を実行する(ステップS74)。スイッチ入力処理では、主制御MPU4100aの各種入力ポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。例えば、大入賞口2103に入球した遊技球を検出するカウントスイッチ2110からの検出信号、始動口2101に入球した遊技球を検出する始動口スイッチ3022からの検出信号、磁石を用いた不正行為を検出する磁気検出スイッチ3024からの検出信号、賞球制御処理で送信した賞球コマンドをなどをそれぞれ読み取り、入力情報として入力情報記憶領域に記憶する。
続いて、主制御MPU4100aは、設定された計測時間からタイマ割り込み周期(4ms)が0になるまで減算することによって時間を管理するタイマ更新処理を行う(ステップS76)。タイマ更新処理における計測時間には、例えば、特別図柄及び特別電動役物制御処理で決定される変動表示パターンに対応する特別図柄の変動時間、普通図柄及び普通電動役物制御処理で決定される普通図柄変動表示パターンに対応する普通図柄の変動時間のほかに、主制御基板4100(主制御MPU4100a)が送信した各種コマンドを払出制御基板4110が正常に受信したことを示す払主ACK信号が入力されるまでの時間(ACK信号入力判定時間)等がある。
続いて、主制御MPU4100aは、当落乱数更新処理を実行する(ステップS78)。当落乱数更新処理では、大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、及び小当り図柄用乱数を更新する。
続いて、主制御MPU4100aは、賞球制御処理を実行する(ステップS80)。賞球制御処理では、遊技球を払い出すための賞球コマンドを作成したり、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間の接続状態を確認するためのセルフチェックコマンドを作成したりする。そして作成した賞球コマンドやセルフチェックコマンドを主払シリアルデータとして払出制御基板4110に送信する。例えば、大入賞口2103に遊技球が1球、入球すると、賞球として15球を払い出す賞球コマンドを作成して払出制御基板4110に送信したり、賞球コマンドを払出制御基板4110が正常に受信完了した旨を伝える払主ACK信号が所定時間内に入力されないときには主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを作成して払出制御基板4110に送信したりする。
続いて、主制御MPU4100aは、枠コマンド受信処理を実行する(ステップS82)。枠コマンド受信処理は、払出制御基板4110から出力された各種コマンドを受信する。
続いて、主制御MPU4100aは、不正行為検出処理を実行する(ステップS84)。不正行為検出処理では、賞球に関する異常状態を確認する。例えば、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、大当り遊技状態でない場合にカウントスイッチ2110からの検出信号が入力されているとき(大入賞口2103に遊技球が入球するとき)等には、異常状態として入賞異常表示コマンドを作成する。
続いて、主制御MPU4100aは、特別図柄及び特別電動役物制御処理を実行する(ステップS86)。特別図柄及び特別電動役物制御処理では、大当り判定用乱数が大当り判定値と一致するか否かを判定したり(「特別抽選」)、大当り図柄用乱数を確変当り判定値と一致するか否かを判定(確率変動を発生させるか否かの判定)したりする。ここで、「確率変動」とは、大当りする確率が通常時(低確率)と比較して高く設定された高確率(確変時)に変化することである。特別図柄及び特別電動役物制御処理の詳細については、図134にて後述する。
続いて、主制御MPU4100aは、普通図柄及び普通電動役物制御処理を実行する(ステップS88)。普通図柄及び普通電動役物制御処理では、ゲートスイッチ2352からの検出信号が入力端子に入力されていた場合には、普通図柄当り判定用乱数等を抽出する。そして、普通図柄当り判定用乱数が普通図柄当り判定値と一致するか否かを判定する(「普通抽選」)。この判定結果(普通抽選による抽選結果)により可動片2106を開閉動作させるか否かが決定する。この決定で開閉動作をさせる場合には、一対の可動片2106が左右方向へ拡開した状態となることで下始動口2102へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態なる。
続いて、主制御MPU4100aは、ポート出力処理を実行する(ステップS90)。ポート出力処理では、主制御MPU4100aの各種出力ポートの出力端子から各種信号を出力する。メイン制御プログラムは、例えば、出力情報に基づいて主制御MPU4100aの所定の出力ポートの出力端子から、払出制御基板4110からの各種コマンドを正常に受信完了したときには主払ACK信号を払出制御基板4110に出力したり、大当り遊技状態であるときには大入賞口2103の開閉部材2107の開閉動作を行うアタッカソレノイド2108に駆動信号を出力したり、可動片2106の開閉動作を行う始動口ソレノイド2105に駆動信号を出力したりするほかに、15ラウンド大当り情報出力信号、2ラウンド大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力情報、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する各種情報(遊技情報)信号を払出制御基板4110に出力したりする。
続いて、主制御MPU4100aは、周辺制御基板コマンド送信処理を実行する(ステップS92)。周辺制御基板コマンド送信処理では、送信情報記憶領域から送信情報を読み出して主周シリアルデータとして周辺制御基板4140に送信する。送信情報には、液晶表示装置や可動役物などによる演出の実行を指示するコマンド、遊技状態やエラーの発生などを報知するためのコマンドなどが含まれる。
最後に、主制御MPU4100aは、レジスタの切替(復帰)を実行し(ステップS96)、主制御側タイマ割り込み処理を終了する。ここで、主制御側タイマ割り込み処理が開始されると、主制御MPU4100aは、ハード的に汎用レジスタの内容をスタック領域に退避させる。これにより、主制御側メイン処理で使用していた汎用レジスタの内容が破壊されることを防いでいる。ステップS96の処理では、スタック領域に退避した内容を読み出し、もとのレジスタに書き込む。なお、主制御MPU4100aは、ステップS96の処理後に割り込み許可を設定する。
[7−3.特別図柄及び特別電動役物制御処理]
次に、特別図柄及び特別電動役物制御処理について説明する。図134は、特別図柄及び特別電動役物制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。特別図柄及び特別電動役物制御処理は、図133に示した主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS86の処理で実行される。
特別図柄及び特別電動役物制御処理では、始動口2101への遊技球の受け入れ、すなわち、始動入賞を契機として(始動条件の成立)、この始動条件が成立した始動記憶情報(始動情報)ごとに大当り判定用乱数を取得し、この大当り判定用乱数が主制御内蔵ROMに予め記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する(抽選手段)。そして、抽選結果に基づいて大当り遊技状態(特別遊技状態)を発生させるか否かを判定し、大当り用乱数値が大当り判定値と一致している(予め定められた当選条件が成立している)場合には通常遊技状態から大当り遊技状態に移行させる。以下、図20に示したフローチャートに沿って特別図柄及び特別電動役物制御処理の手順を説明する。
特別図柄及び特別電動役物制御処理が開始されると、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、大入賞口に遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップS100)。大入賞口に遊技球が入賞した場合には(ステップS100の結果が「yes」)、大入賞口入賞指定コマンドをセットする(ステップS102)。
続いて、主制御MPU4100aは、始動入賞口に遊技球が入賞したか否かを判定する(ステップS112)。そして、始動入賞口に遊技球が入賞したか否かは、主制御側タイマ割り込み処理(図133)におけるスイッチ入力処理(ステップS74)で始動口スイッチ3022からの検出信号の有無を読み取って主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶された入力情報に基づいて行われる。
主制御MPU4100aは、始動口2101に遊技球が入賞した場合には(ステップS114の結果が「yes」)、始動口入賞時処理を実行する(ステップS116)。始動口入賞時処理では、始動口に新たに遊技球が入賞した場合に送信される始動口入賞コマンドを設定したり、大当り判定用乱数等を抽出して所定の領域に格納したり、特別図柄先読み演出を実行するための処理等を実行したりする。
続いて、主制御MPU4100aは、遊技の進行に応じて実行される分岐処理の種類が指定された遊技進行状態変数である特別図柄・電動役物動作番号に基づいて対応する処理を実行する(ステップS124)。遊技進行状態変数は、主制御内蔵RAMの遊技進行状態記憶領域に記憶されており、遊技の進行に応じて実行された各分岐処理において更新される。ステップS124の処理では、遊技進行状態記憶領域に記憶されている遊技進行状態変数の値に基づいて指定された分岐処理に移行し、移行した分岐処理を終えると、特別図柄及び特別電動役物制御処理を終了する。なお、遊技進行状態記憶領域に記憶される遊技進行状態変数の値等は、遊技情報であるため、主制御側電源断時処理においてバックアップされる。
ステップS130の処理では、遊技進行状態変数の値に基づいて、分岐処理として、特別図柄変動待ち処理(ステップS130)、特別図柄変動中処理(ステップS132)、特別図柄大当り判定処理(ステップS134)、特別図柄はずれ停止処理(ステップS136)、特別図柄大当り停止処理(ステップS138)、大入賞口開放前インターバル処理(ステップS140)、大入賞口開放処理(ステップS142)、大入賞口閉鎖中処理(ステップS144)又は大入賞口開放終了インターバル処理(ステップS146)が実行される。
特別図柄変動待ち処理(ステップS130)では、始動入賞口に遊技球が入球したことに基づいて、特別図柄表示器における特別図柄の変動表示を開始させる処理等を行う。
特別図柄変動中処理(ステップS132)では、特別図柄の変動表示を制御する処理等を行う。特別図柄大当り判定処理(ステップS134)では、始動入賞口に遊技球が入球したことに基づいて、確定停止した特別図柄が大当り遊技状態を発生させるか否かの判定を行う。
特別図柄はずれ停止処理(ステップS136)では、大当り遊技状態を発生させない場合に特別図柄の変動表示を停止させてその旨を報知する処理等を行う。特別図柄大当り停止処理(ステップS138)では、大当り遊技状態を発生させる場合に特別図柄の変動表示を停止させてその旨を報知する処理等を行う。
大入賞口開放前インターバル処理(ステップS140)では、大当り遊技状態を発生させて大当り動作が開始される旨を報知するための処理等を行う。大入賞口開放処理(ステップS142)では、開閉部材を閉じた状態から開いた状態とすることにより各大入賞口に遊技球が入球容易とする大当り動作に関する処理等を行う。
大入賞口閉鎖中処理(ステップS144)では、開閉部材を開いた状態から閉じた状態とすることにより各大入賞口に遊技球が入球困難とする大当り動作に関する処理等を行う。入賞口開放終了インターバル処理(ステップS146)では、大当り動作が終了しているときにはその旨を報知する処理等を行う。
[7−4.特別図柄変動待ち処理]
続いて、特別図柄及び特別電動役物制御処理における特別図柄変動待ち処理(ステップS130)の詳細について説明する。図135は、特別図柄変動待ち処理の手順の一例を示すフローチャートである。特別図柄変動待ち処理では、特別図柄の変動表示が実行されていない状態で実行され、当該変動表示が保留されている場合には、特別図柄の変動表示を開始する準備を行う。
主制御MPU4100aは、まず、特別図柄の変動が保留されているか否かを判定する(ステップS420)。具体的には、特別図柄作動保留球数が0でないか否を判定する。なお、特別図柄作動保留球数は、複数の始動入賞口が設けられている場合には始動入賞口ごとに記憶される。特別図柄の変動が保留されていない場合には(ステップS420の結果が「no」)、特別図柄の変動表示を開始しないので本処理を終了する。
一方、特別図柄の変動表示が保留されている場合には(ステップS420の結果が「yes」)、主制御MPU4100aは、コマンドデータとして保留球数指定コマンドをセットする(ステップS438)。
続いて、主制御MPU4100aは、特別図柄・フラグ設定処理を実行する(ステップS442)。特別図柄・フラグ設定処理では、始動口入賞時に取得された大当り判定用の乱数などに基づいて、特別抽選を実行する。
さらに、主制御MPU4100aは、特別図柄変動パターン設定処理を実行する(ステップS444)。特別図柄変動パターン設定処理では、特別抽選の結果に基づいて、変動パターンを設定する。特別図柄変動パターン設定処理の詳細については、図35にて後述する。
次に、主制御MPU4100aは、周辺制御基板4140に送信するための変動パターンコマンドを作成する。具体的には、まず、コマンド値として、特別図柄識別フラグに対応する特図変動パターン基準コマンドの上位バイトを設定する(ステップS452)。さらに、下位のコマンドデータとして、変動パターンエリアに格納された変動パターン値を設定する(ステップS458)。さらに、変動タイプ種別エリアから変動タイプ種別値を取得し(ステップS460)、ステップS452の処理で設定されたコマンド値に変動タイプ種別値を加算することによって変動タイプに応じた変動パターンコマンドの上位バイトを算出する(ステップS462)。このようにして作成された変動パターンコマンドのコマンドデータを所定の領域に格納する。
続いて、主制御MPU4100aは、周辺制御基板4140に送信するための図柄種別コマンドを設定する(ステップS466)。さらに、変動時状態指定コマンドをコマンドバッファに設定する(ステップS474)。
以上の処理で作成された各コマンドは、コマンドバッファに設定される。コマンドバッファに設定された保留球数指定コマンドは、主制御側タイマ割り込み処理における周辺制御基板コマンド送信処理(ステップS92)によって送信される。
[7−5.特別図柄変動パターン設定処理]
続いて、特別図柄変動待ち処理における特別図柄変動パターン設定処理(ステップS444)の詳細について説明する。特別図柄変動パターン設定処理では、特別図柄の変動表示における変動パターンを設定するための処理である。図136は、特別図柄変動パターン設定処理の手順の一例を示すフローチャートである。
主制御MPU4100aは、まず、特別図柄作動保留球数を取得する(ステップS530)。特別図柄作動保留球数は、特別図柄作動保留球数バッファに格納される。さらに、主制御MPU4100aは、大当りフラグエリアから大当りフラグを設定する(ステップS538)。
そして、主制御MPU4100aは、特別図柄作動保留球数及び大当りフラグに基づいて、特別図柄の変動パターンを選択する変動パターン選択判定処理を実行する(ステップS542)。変動パターン選択判定処理の詳細については、図137にて後述する。
次に、主制御MPU4100aは、変動パターン選択判定処理によって抽出された変動パターン値を取得する(ステップS544)。そして、特別図柄変動時間データから変動パターン値に対応するデータ(変動時間値)を検索する(ステップS546)。
さらに、主制御MPU4100aは、特別図柄の変動表示における変動パターンに定義された変動タイプを選択するための変動タイプ判定処理を実行する(ステップS548)。変動タイプ判定処理によって取得された変動タイプ種別値を設定する(ステップS550)。
続いて、主制御MPU4100aは、変動時間加算値データから変動タイプ種別値に対応する変動時間加算値を検索する(ステップS552)。変動時間加算値は変動タイプに対応する加算時間であり、例えば、疑似連回数に応じた加算時間などに相当する。そして、主制御MPU4100aは、ステップS546の処理で検索された基準となる変動時間値にステップS552の処理で検索された変動時間加算値を加算し、最終的な変動時間を取得する(ステップS554)。最後に、最終的な変動時間を特別図柄・電動役物動作タイマエリアに格納し(ステップS556)、特別図柄変動パターン設定処理を終了する。
[7−6.変動パターン選択判定処理]
続いて、変動パターン選択判定処理(ステップS258)の詳細について説明する。図137は、変動パターン選択判定処理の手順の一例を示すフローチャートである。変動パターン選択判定処理は、特別図柄の変動表示における変動パターンを選択するための処理である。
主制御MPU4100aは、まず、変動テーブル番号に基づいて変動情報源テーブルを取得する(ステップS340)。変動テーブル番号は、変動情報源アドレステーブルから変動情報源テーブルを選択(取得)するための値である。変動情報源テーブルは、遊技状態などに応じた、当り(当り変動選択情報状態テーブル)、はずれ(はずれ変動選択情報状態テーブル)、リーチ(リーチ変動選択情報状態テーブル)、リーチ確率(特別図柄リーチ確率テーブル)、変動タイプ(変動タイプ判定データテーブル)を参照するためのテーブル情報が記憶されたデータテーブルである。
続いて、主制御MPU4100aは、特別抽選の結果を導出するための当り判定値を取得する(ステップS346)。当り判定値が大当り値と一致するか否かを判定することによって大当りに当選したか否かを判定する(ステップS350)。大当りに当選した場合には(ステップS350の結果が「yes」)、大当りフラグ及び大当り図柄種別を取得する(ステップS354)。
次に、主制御MPU4100aは、大当りフラグ及び大当り図柄種別に基づいて、変動情報番号検索処理を実行する(ステップS358)。変動情報番号検索処理では、大当り変動選択情報種別テーブルから当り時変動パターン選択値データテーブルを決定するための変動情報番号を取得する。主制御MPU4100aは、取得された変動情報番号に基づいて、大当り変動選択情報種別テーブルから変動パターン用乱数1を取得する(ステップS360)。
一方、主制御MPU4100aは、大当り若しくは小当りに当選していない場合には(ステップS350の結果が「no」)、始動入賞に対応する変動表示においてリーチを発生させるか否かを判定する(ステップS372)。
主制御MPU4100aは、当該変動表示においてリーチを発生させない場合には(ステップS372の結果が「no」)、保留球数に基づいてはずれ変動選択情報保留テーブルから変動パターン用乱数1を取得する(ステップS376)。
一方、主制御MPU4100aは、当該変動表示においてリーチを発生させる場合には(ステップS372の結果が「yes」)、状態フラグに基づいて、リーチ変動選択情報状態テーブルから変動パターン用乱数1を取得する(ステップS382)。
続いて、主制御MPU4100aは、ステップS360、ステップS378又はステップS382の処理で取得された変動パターン用乱数1に基づいて、変動情報番号検索処理を実行する(ステップS388)。そして、変動情報番号検索処理によって変動パターン選択値データテーブルを取得し、変動パターン選択値データテーブルから変動パターン用乱数2を取得する(ステップS392)。さらに、変動パターン用乱数2及び変動パターン選択値データテーブルに基づいて、変動情報番号検索処理を実行する(ステップS394)。変動情報番号検索処理の結果に基づいて変動パターンを選択し(ステップS396)、本処理を終了する。
本実施形態では、変動パターン用乱数1(ステップS386)及び変動パターン用乱数2(ステップS392)の2種類の乱数によって2段階で変動パターンが選択される。まず、変動パターン用乱数1に基づいて変動パターンの種別(○○系リーチといった変動パターン群)を選択する。さらに、変動パターン用乱数2に基づいて変動パターン用乱数1によって選択した変動パターン群から、最終的に変動表示する変動パターン(変動パターンコマンドに設定される値)が選択される。なお、2段階で抽選する方法に限定されず、3段階以上で抽選する方式でもよいし、一の変動パターン用乱数で直接変動パターンを選択するようにしてもよい。
[8.周辺制御基板の各種制御処理]
次に、主制御基板4100(主制御MPU4100a)から各種コマンドを受信する周辺制御基板4140の処理について、図138及び図139を参照して説明する。図138は周辺制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートである。図139は周辺制御部1msタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。
[8−1.周辺制御部電源投入時処理]
まず、周辺制御部電源投入時処理について、図138を参照して説明する。パチンコ遊技機1に電源が投入されると、周辺制御部4150の周辺制御MPU4150aは、演出制御プログラムを実行することによって、周辺制御部電源投入時処理を行う。周辺制御MPU4150aは、周辺制御部電源投入時処理が開始されると、初期設定処理を実行する(ステップS1000)。初期設定処理では、周辺制御MPU4150a自身を初期化する処理、ホットスタート/コールドスタートの判定処理、リセット後のウェイトタイマを設定する処理等を行う。
周辺制御MPU4150aは、まず自身を初期化する処理を行うが、周辺制御MPU4150aを初期化する処理にかかる時間は、マイクロ秒(μs)オーダーであり、極めて短い時間で周辺制御MPU4150aを初期化することができる。これにより、周辺制御MPU4150aは、割り込み許可が設定された状態となることによって、例えば、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理において、主制御基板4100から出力される、遊技演出の制御に関するコマンドやパチンコ遊技機1の状態に関するコマンド等の各種コマンドを受信することができる状態となる。また、当該周辺制御MPU4150a自身を初期化する処理においては、周辺制御MPU4150aが、音源内蔵VDP4160aにその内蔵VRAMの記憶領域に、例えば「0」を書き込ませることによってその内蔵VRAMを初期化する。
続いて、周辺制御MPU4150aは、演出制御プログラムは現在時刻情報取得処理を実行する(ステップS1002)。現在時刻情報取得処理では、RTC制御部4165のRTC4165aのRTC内蔵RAM4165aaから、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得し、周辺制御RAM4150cのRTC情報取得記憶領域4150cadに、現在のカレンダー情報としてカレンダー情報記憶部にセットするとともに、現在の時刻情報として時刻情報記憶部にセットする。
周辺制御MPU4150aは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットする(ステップS1006)。Vブランク信号検出フラグVB−FLGは、後述する周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。Vブランク信号検出フラグVB−FLGは、周辺制御MPU4150aからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が音源内蔵VDP4160aから入力されたことを契機として実行される周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。
周辺制御MPU4150aは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS1008)。Vブランク信号検出フラグVB−FLGが値1でない(値0である)ときには、再びステップS1008の処理に戻ってVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを繰り返し判定する。このような判定を繰り返すことにより、周辺制御部定常処理を実行するまで待機する状態となる。
Vブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行するときには(ステップS1008の結果が「YES」)、周辺制御MPU4150aは、まず、定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットする(ステップS1009)。定常処理中フラグSP−FLGは、周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
続いて、周辺制御MPU4150aは、1ms割り込みタイマ起動処理を実行する(ステップS1010)。1ms割り込みタイマ起動処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理を実行するための1ms割り込みタイマを起動するとともに、この1ms割り込みタイマが起動して周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするための1msタイマ割り込み実行回数STNに値1をセットして1msタイマ割り込み実行回数STNの初期化も行う。この1msタイマ割り込み実行回数STNは周辺制御部1msタイマ割り込み処理(図139)で更新される。
続いて、周辺制御MPU4150aは、ランプデータ出力処理をを実行する(ステップS1012)。ランプデータ出力処理では、例えば、ランプデータ作成処理によって作成された、遊技盤4に設けた各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号、又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データを出力する。
続いて、周辺制御MPU4150aは、操作ユニット監視処理を実行する(ステップS1014)。操作ユニット監視処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理における操作ユニット情報取得処理において、操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号に基づいて、各操作手段の操作有無を監視し、遊技演出に反映するか否かを適宜決定する。
続いて、周辺制御MPU4150aは、表示データ出力処理を実行する(ステップS1016)。表示データ出力処理では、表示データ作成処理で音源内蔵VDP4160aの内蔵VRAM上に生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを音源内蔵VDP4160aによって遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244に出力する。
続いて、周辺制御MPU4150aは、音データ出力処理を実行する(ステップS1018)。この音データ出力処理では、演出制御プログラムが、音データ作成処理で作成された音楽及び効果音、さらに、報知音や告知音等の音データをシリアル化したオーディオデータとしてオーディオデータ送信IC4160cに出力する。
続いて、周辺制御MPU4150aは、スケジューラ更新処理を実行処理を実行する(ステップS1020)。スケジューラ更新処理では、画面データ、発光データ、音データ、可動役物などの駆動データなどを出力するタイミングを指示するスケジュールデータを更新する。例えば、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを音源内蔵VDP4160aに出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
続いて、周辺制御MPU4150aは、受信コマンド解析処理を実行する(ステップS1022)。受信コマンド解析処理では、主制御基板4100から送信された各種コマンドを、周辺制御部コマンド受信割り込み処理(コマンド受信手段)において受信した各種コマンドを解析する(コマンド解析手段)。受信したコマンドの解析結果に応じて遊技状態を認識したり、対応する演出を実行したりする。
続いて、周辺制御MPU4150aは、警告処理を実行する(ステップS1024)。警告処理では、ステップS1022の受信コマンド解析処理で解析したコマンドに、報知表示に区分される各種コマンドが含まれているときには、各種異常報知を実行するための、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、設定する。なお、警告処理では、複数の異常が同時に発生した場合には、予め登録した優先度の高い順から異常報知から行われ、その異常が解決して残っている他の異常報知に自動的に遷移するようになっている。これにより、一の異常が発生した後であってその異常を解決する前に他の異常が発生して一の異常が発生しているという情報を失うことなく、複数の異常を同時に監視することができる。
次に、周辺制御MPU4150aは、RTC取得情報更新処理を実行する(ステップS1026)。RTC取得情報更新処理では、ステップS1002の現在時刻情報取得処理で取得したカレンダー情報と時刻情報とを更新する。RTC取得情報更新処理により、時刻情報記憶部に記憶される時刻情報である時分秒が更新され、さらに、カレンダー情報記憶部に記憶されるカレンダー情報である年月日が更新される。
続いて、周辺制御MPU4150aは、ランプデータ作成処理を実行する(ステップS1028)。ランプデータ作成処理では、各種装飾基板の複数のLEDへの点灯信号、点滅信号、又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データを作成する。
続いて、周辺制御MPU4150aは、表示データ作成処理を実行する(ステップS1030)。表示データ作成処理では、液晶表示装置に出力するための画面データを作成する。音源内蔵VDP4160aは、作成された画面データが入力されると、入力された画面データに基づいて液晶及び音制御ROM4160bから少なくとも1つのキャラクタデータを抽出するとともに当該抽出した少なくとも1つのキャラクタデータからスプライトデータを作成し、遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244に表示する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAM(フレームバッファに相当)上に生成する。
続いて、周辺制御MPU4150aは、音データ作成処理を実行する(ステップS1032)。音データ作成処理では、液晶及び音制御ROM4160bに記憶されている音楽や効果音等の音データを抽出して内蔵音源を制御することにより、音指令データに規定された、トラック番号に従って音楽及び効果音等の音データを組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定する。
続いて、周辺制御MPU4150aは、バックアップ処理を実行する(ステップS1034)。バックアップ処理では、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cに記憶されている内容をバックアップエリアにコピーしてバックアップする。
続いて、周辺制御MPU4150aは、WDTクリア処理を実行する(ステップS1036)。WDTクリア処理では、周辺制御内蔵WDT4150afと、周辺制御外部WDT4150eと、にクリア信号を出力して周辺制御MPU4150aにリセットがかからないようにしている。
最後に、周辺制御MPU4150aは、周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットし(ステップS1038)、再びステップS1006の処理に戻る。そして、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットして初期化し、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値1がセットされるまで待機する。Vブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であると判定されると、ステップS1009〜ステップS1038の処理を実行する。ステップS1009〜ステップS1038の処理を「周辺制御部定常処理」という。
本実施形態では、遊技盤側液晶表示装置1900及び上皿側液晶表示装置244のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっている。
[8−2.周辺制御部1msタイマ割り込み処理]
次に、図42の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する周辺制御部1msタイマ割り込み処理について説明する。
周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されると、周辺制御MPU4150aは、まず、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいか否かを判定する(ステップS1100)。1msタイマ割り込み実行回数STNは、周辺制御部電源投入時処理(図42)の1ms割り込みタイマ起動処理(ステップS1010)で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするカウンタである。本実施形態では、上述したように、周辺制御部定常処理が約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっているため、周辺制御部定常処理の1ms割り込みタイマ起動処理(ステップS1010)で1ms割り込みタイマを起動した後、次の周辺制御部定常処理が実行されるまでに、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が32回だけ実行されるようになっている。
ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さくない場合(ステップS1100の結果が「NO」)、つまり、33回目の1msタイマ割り込みが発生して周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始された場合には、周辺制御MPU4150aは、そのまま周辺制御部1msタイマ割り込み処理を終了する。
一方、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さい場合には(ステップS1100の結果が「YES」)、周辺制御MPU4150aは、1msタイマ割り込み実行回数STNに値1を加算する(ステップS1102)。1msタイマ割り込み実行回数STNに値1を加算することによって、周辺制御部電源投入時処理の1ms割り込みタイマ起動処理(ステップS1010)で1ms割り込みタイマが起動して周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数が1回分だけ増えることとなる。
続いて、周辺制御MPU4150aは、モータ及びソレノイド駆動処理を実行する(ステップS1104)。モータ及びソレノイド駆動処理では、時系列順に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに従って、枠装飾駆動アンプ基板194及びモータ駆動基板4180のモータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動する。
続いて、周辺制御MPU4150aは、可動体情報取得処理を実行する(ステップS1106)。可動体情報取得処理では、遊技盤4に設けた各種検出スイッチからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報(例えば、原位置履歴情報、可動位置履歴情報など)を作成する。この作成された履歴情報から遊技盤4に設けた各種可動体の原位置や可動位置等を取得することができる。
続いて、周辺制御MPU4150aは、操作ユニット情報取得処理を実行する(ステップS1108)。操作ユニット情報取得処理では、操作ユニット400に設けられた各種検出スイッチからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種検出スイッチからの検出信号の履歴情報(例えば、押圧操作部405の操作履歴情報など)を作成する。この履歴情報から押圧操作部405の操作有無などを取得することができる。
最後に、周辺制御MPU4150aは、描画状態取得処理を実行する(S1110)。さらに、バックアップ処理を実行し(ステップS1112)、本処理を終了する。バックアップ処理では、周辺制御MPU4150aと外付けされる周辺制御RAM4150cに記憶されている内容をバックアップエリアにコピーしてバックアップする。
以上のように、周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、1msの期間において、ステップS1104〜ステップS1108の演出に関する各種処理を実行することで演出を進行させている。これに対して、周辺制御部電源投入時処理における周辺制御部定常処理では、約33.3msの期間において、ステップS1012〜ステップS1032の演出に関する各種処理を実行することで演出を進行させている。また、上述のように、周辺制御部定常処理が1回実行される間に、1msタイマ割り込み実行回数STNを計数することによって、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が33回以上実行されないように制御しているため、演出の進行状態を確実に整合させることが可能となっている。
周辺制御MPU4150aは、このような処理進行が行われるなかで、主制御基板4100(主制御MPU4100a)からの遊技に関する情報(大当たりの判定結果や、現在の遊技の進行状況など)を取得し、該取得した情報に基づいて各種の演出にかかる制御を行うようになっている。これらの演出にかかる制御としては、上液晶表示装置3610や下液晶表示装置3620において、主制御基板4100にて決定された変動時間に応じた演出パターンを出現させることや、大当り遊技中に特別の演出画像を出現させることなどのほか、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620を含めて、遊技盤5に配設されている各種の装飾物のいずれか(若しくは、適宜の複数の装飾物)を移動させることや、それら装飾物のいずれか(若しくは、適宜の複数の装飾物)を発光させることなども含まれる。
なお、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4150aは、各種の演出にかかる制御の1つとして、上液晶表示装置3610及び下液晶表示装置3620において、それら2つの表示面に跨る特定の演出画像を出現させる制御を行ったり、それら2つの表示面でそれぞれ異なる演出画像を出現させる制御を行ったりすることが可能とされている。
また、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4150aは、各種の演出にかかる制御の1つとして、上記特定の可動演出を実行したり、該特定の可動演出が行われる期間中に、各種の装飾物のうちの1つである上記可動装飾部3710を発光させることが可能とされている。
また、可動装飾部3710は、液晶表示装置3600と一体に設けられるものであってもよい。
1 パチンコ遊技機
2 外枠
3 扉枠
4 本体枠
5 遊技盤
5a 遊技領域
930 電源基板ボックス
940 インターフェイス制御基板ボックス
950 払出制御基板ボックス
951 払出制御基板
980 裏カバー
1000 パネル飾り
1001 外レール
1002 内レール
1003 アウト誘導部
1005 右レール
1006 衝止部
1007 逆流防止部材
1111 アウト口
1183 遊技状態表示器
1184 第一特別図柄記憶表示器
1185 第一特別図柄表示器
1186 第二特別図柄表示器
1187 第二特別図柄記憶表示器
1188 普通図柄記憶表示器
1189 普通図柄表示器
1190 ラウンド表示器
1191 機能表示基板
1200 基板ホルダ
1300 主制御ユニット
1320 主制御基板ボックス
1400 機能表示ユニット
1500 周辺制御ユニット
1520 周辺制御基板ボックス
1610 下表示液晶装置
2000 遊技パネル
2001 一般入賞口
2002 第一始動口
2003 ゲート部
2004 第二始動口
2005 第一大入賞口
2006 第二大入賞口
2006a 受入部
2006b 棚部
2021 V入賞口
2100 パネル板
2101 始動口
2102 下始動口
2103 大入賞口
2104 一般入賞口
2105 始動口ソレノイド
2106 可動片
2107 開閉部材
2108 アタッカソレノイド
2110 カウントスイッチ
2112 開口部
2113 のりしろ部
2122 始動口通過孔
2123 ワープ孔
2200 始動口ユニット
2203 棚部
2205 装飾板
2220 ワープ入口
2500 センター役物
2510 センターベース
2511 フランジ部
2522 ワープ出口
2523 誘導路
2530 ステージ
2540 右打遊技領域
2541 右上流通空間
2542 経路変更部材
2545 装飾部材
2547 ゲートセンサ
2551 第二始動口センサ
3000 裏ユニット
3010 裏箱
3050 ワープ通路
3100 裏飾りユニット
3110 裏飾り上ユニット
3120 裏飾り左ユニット
3130 裏飾り下ユニット
3200 前側役物ユニット
3210 顔駆動部
3210a 左顔部
3210b 右顔部
3220 肩駆動部
3220a 左腕部
3220b 右腕部
3230 フルバースト駆動部(下部役物)
3250 右誘導路
3251 リブ部
3300 後側役物ユニット
3310 裏箱
3315 段差部
3316 右下球通路ユニット
3320 液晶駆動ユニット
3400 液晶駆動ユニット
3410 上液晶駆動ユニット
3411 上液晶保持部材
3412 付勢部材
3413 ガイドロッド
3414 軸受け部
3415 上液晶駆動モータ
3416 ラックギア
3418 押圧部
3420 上液晶駆動ギア
3421 上液晶伝達ギア
3421a 大径伝達ギア
3421b 小径伝達ギア
3422 伝達ギア
3423 昇降駆動ギア
3440 下液晶駆動ユニット
3441 下液晶保持部材
3442 付勢部材
3443 ガイドシャフト
3444 軸受け部
3445 下液晶駆動モータ
3445a 大径伝達ギア
3446 ラックギア
3450 板状部材
3450a 案内スリット
3450b ラックギア
3451 伝達ギア
3480 液晶収容部
3480a 上液晶収容部
3480b 下液晶収容部
3480c 開口部
3485 モータ収容部
3486 モータ収容部
3600 液晶表示装置
3610 上液晶表示装置
3620 下液晶表示装置
3630 液晶装飾部材
3630a ガイド部
3630b ラックギア
3631 回転部材
3700 胴体駆動部
3700a 前面装飾部
3701 ベース部
3710 可動装飾部
3710a 左上可動装飾部
3710b 左下可動装飾部
3710c 右上可動装飾部
3710d 右下可動装飾部
3715 ガイドロッド
3720 前進駆動モータ
3721 第1ラックギア
3722 第2ラックギア
3725 駆動ギア
3730 合体駆動モータ
3734 駆動シャフト
3735 ねじ歯車(ウォーム)
3736 歯車(ウォームホイール)
3738 回動ギア
4100 主制御基板
4110 払出制御基板
4140 周辺制御基板

Claims (3)

  1. 遊技の進行に基づいて判定を行う判定手段と、
    前記判定手段による判定の結果に応じた表示が行われる表示手段と、
    特定の装飾を有しており、移動可能に設けられる特定装飾物と
    を備え、
    前記表示手段は、
    第1の表示領域及び第2の表示領域を有し、それら2つの表示領域に跨るかたちで特定の演出画像が表示されている状態で前記第1の表示領域及び前記第2の表示領域の互いの位置関係が変化するようにそれら表示領域の少なくとも一方が移動可能とされるものであり、
    前記特定装飾物は、
    前記特定の演出画像が表示され得ない特定箇所を挟んで前記第1の表示領域及び前記第2の表示領域に跨るかたちで前記特定の演出画像が表示されているときに正面視でそれら表示領域の間にある前記特定箇所と重なるように位置しうるものであり、
    さらに、
    前記特定装飾物は、
    正面視で前記第1の表示領域及び前記第2の表示領域の間にある前記特定箇所と重なるように位置する場合、前記特定の演出画像が表示され得ない当該特定箇所を含めて、前記第1の表示領域と前記第2の表示領域との両方に対してそれら表示領域よりも前側で正面視で跨るかたちで位置するようになっており、且つ前記特定箇所を挟んで前記第1の表示領域と前記第2の表示領域とに跨るかたちで表示されている前記特定の演出画像よりも前側となる当該位置で発光可能とされる
    ことを特徴とする遊技機。
  2. 請求項1に記載の遊技機において、
    所定の発光演出が行われるランプ装置をさらに備える
    ことを特徴とする遊技機。
  3. 請求項1または2に記載の遊技機において、
    所定の音響演出が行われるスピーカ装置をさらに備える
    ことを特徴とする遊技機。
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