<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)についての第1の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の斜視図であり、図2はパチンコ機10の正面図である。なお、本パチンコ機10は、所謂、封入式遊技機(封入球式遊技機、封入式パチンコ機、封入球式パチンコ機)である。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。パチンコ機10を遊技ホールに設置する際には、遊技ホールの所謂島設備に外枠11が釘などによって固定される。
遊技機本体12は、本体ベース21と、当該本体ベース21の前方に配置される前扉22とを備えている。遊技機本体12のうち本体ベース21が、左右両側部のうち一方を支持側として外枠11に回動可能に支持されている。また、本体ベース21には、前扉22が回動可能に支持されており、外枠11に対して本体ベース21が支持されている側と同一の側を支持側として前方へ回動可能とされている。
遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置(図示略)が設けられており、遊技機本体12を外枠11に開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉22を本体ベース21に開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠23に解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
詳細には、施錠装置及びシリンダ錠23は、本体ベース21に設けられている。シリンダ錠23においてキー孔が形成された面は、前扉22に形成された露出用凹部24を通じてパチンコ機10前面に露出している。また、前扉22には図示しない前側鉤フック部が後方に突出させて設けられており、当該前扉22を閉鎖した状態においては当該前側鉤フック部が上記施錠装置の前側鉤受け部に受けられることにより、当該前扉22が本体ベース21に施錠状態とされる。そして、シリンダ錠23に解錠キーを差し込み所定方向に回動操作することで、前側鉤受け部が解錠方向に変位し、当該前側鉤受け部と前側鉤フック部との係合状態が解除される。これにより、本体ベース21に対する前扉22の施錠状態が解除される。
一方、上記施錠装置には、図示しない後側鉤フック部が後方に突出させて設けられており、本体ベース21を閉鎖した状態においては当該後側鉤フック部が外枠11の後側鉤受け部に受けられることにより、当該本体ベース21が外枠11に施錠状態とされる。そして、シリンダ錠23に解錠キーを差し込み、上記所定方向とは逆方向に回動操作することで、後側鉤フック部が解錠方向に変位し、後側鉤フック部と後側鉤受け部との係合状態が解除される。これにより、外枠11に対する本体ベース21の施錠状態が解除される。
図3は、前扉22を取り除いた状態のパチンコ機10の正面図である。図3に示すように、本体ベース21は、合成樹脂により形成された支持ベース体31を備えている。支持ベース体31は、横方向の寸法が外枠11の横方向の寸法と略同一とされており、縦方向の寸法が外枠11において下枠部11aの上面から上枠部11bの上縁までの高さ寸法と略同一とされている。したがって、本体ベース21を外枠11に閉鎖した状態では、外枠11の上枠部11b及び左右の側枠部11c,11dに本体ベース21の背面が前方から重なることとなる。
支持ベース体31には、前後方向に貫通する露出用孔部32が形成されている。露出用孔部32を通じて支持ベース体31の前面側に露出されるようにして、支持ベース体31にはその背面側から遊技盤33が装着されている。ここで、遊技盤33の構成を図4に基づいて説明する。図4は遊技盤33の正面図である。
遊技盤33には、前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には、図4に示すように、一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口(第1始動入球部)43、下作動口(第2始動入球部)44、スルーゲート45、可変表示ユニット46、特図表示部47及び普図表示部48等がそれぞれ設けられている。なお、一般入賞口41は3個設けられており、スルーゲート45は2個設けられており、それ以外はそれぞれ1個ずつ設けられている。
各一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43、下作動口44及び各スルーゲート45には1対1で対応させて検知センサ41a,41b,41c,42a,43a,44a,45a,45bが設けられている。これら検知センサ41a〜45bはいずれも遊技盤33の背面側に配設されており、検知結果は後述する主制御装置に出力される。なお、検知センサ41a〜45bとしては、磁界の変化を検知する電磁誘導型の近接センサが用いられているが、遊技球の入賞を個別に検知できるのであれば使用するセンサは任意であり、例えば光学式センサを用いてもよい。
一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43及び下作動口44への入球の発生が検知されると、所定数の遊技球が賞球として遊技者に付与される。当該賞球個数について具体的には、上作動口43への入球が発生した場合及び下作動口44への入球が発生した場合には3個の賞球が発生し、一般入賞口41への入球が発生した場合には10個の賞球が発生し、可変入賞装置42への入球が発生した場合には15個の賞球が発生する。但し、これら賞球数は任意であり、例えば上作動口43の賞球数よりも下作動口44の賞球数が多いといったように、両作動口43,44の賞球数が相違していてもよい。また、可変入賞装置42の賞球数が他の賞球数に比べて多い構成に限定されることはなく、例えば一般入賞口41の賞球数よりも少ない構成としてもよい。
その他に、遊技盤33の最下部にはアウト口49aが設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口49aを通って遊技領域から排出される。また、遊技盤33には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘49bが植設されているとともに、風車等の各種部材が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口49aへの遊技球の入球と明確に区別するために、一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43、下作動口44又はスルーゲート45への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
可変入賞装置42は、遊技盤33の背面側へと通じる大入賞口42bを備えているとともに、当該大入賞口42bを開閉する開閉扉42cを備えている。開閉扉42cは可変入賞装置42として一体的に設けられた可変入賞駆動部42dに連結されており、当該可変入賞駆動部42dにより駆動されて、閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。具体的には、通常は遊技球が入賞できない閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モードへの移行に当選した場合に遊技球が入賞可能な開放状態に切り換えられるようになっている。また、可変入賞装置42には、大入賞口42bを介して入賞した遊技球が必ず通過する位置に検知部が存在するようにして大入賞口検知センサ42aが設けられている。大入賞口検知センサ42aによって、可変入賞装置42に入賞した遊技球が個別に検知される。
上作動口43及び下作動口44は、図4に示すように、作動口装置としてユニット化されて遊技盤33に設置されている。上作動口43及び下作動口44は共に上向きに開放されている。また、上作動口43が上方となるようにして両作動口43,44は鉛直方向に並んでいる。下作動口44には、左右一対の電動役物44bが設けられている。
電動役物44bは遊技盤33の背面側に搭載された電動役物駆動部44cに連結されており、当該電動役物駆動部44cにより駆動されて閉鎖状態及び開放状態のいずれかに配置される。電動役物44bの閉鎖状態では遊技球が下作動口44に入賞できず、電動役物44bが開放状態となることで下作動口44への入賞が可能となる。
なお、これに限定されず、下作動口44への遊技球の入賞が発生し易い状態と、入賞が不可ではないが上記入賞が発生し易い状態よりも入賞が発生しづらい状態とに、電動役物44bが切り換えられる構成としてもよい。また、電動役物44bを不具備とし、入賞が発生し易い状態とそれよりも入賞が発生しづらい状態との間の切り換えが、下作動口44自身の変位により行われる構成としてもよい。
特図表示部47では、上作動口43又は下作動口44への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口43又は下作動口44への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口43への入賞と下作動口44への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口43又は下作動口44への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域である特図表示部47にて明示される。そして、上作動口43又は下作動口44への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、特図表示部47にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。また、特図表示部47では、抽選結果の種類毎に異なる結果表示がなされるため、遊技ホールの管理者は特図表示部47を確認することにより、抽選結果を目視により簡易的に確認することができる。
なお、特図表示部47は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、特図表示部47にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
普図表示部48では、スルーゲート45への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート45への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。スルーゲート45への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、普図表示部48にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口44に設けられた電動役物44bが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット46には、絵柄の一種である図柄を変動表示する図柄表示装置46aが設けられているとともに、図柄表示装置46aを囲むようにしてセンターフレーム46bが配設されている。図柄表示装置46aは、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置46aは、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置46aでは、上作動口43又は下作動口44への入賞に基づいて図柄の変動表示が開始される。すなわち、特図表示部47において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置46aにおいて変動表示が行われる。
当該変動表示の内容について詳細には、図柄表示装置46aの表示面には複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列が設定されている。各図柄列は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列には「1」〜「9」のいずれかの数字が付された9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列には「1」〜「9」のいずれかの数字が付された9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列と下図柄列は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。表示面は、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示面には、5つの有効ラインが設定されている。
上作動口43又は下作動口44への入賞に基づいて表示面において遊技回用の演出が行われる場合には、各図柄列の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示が開始される。そして、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順に変動表示から待機表示に切り換えられ、最終的に各図柄列にて所定の図柄を静止表示した状態で遊技回用の演出が終了される。
また、遊技回用の演出が終了する場合、後述する最有利大当たり結果の発生に対応した遊技回であれば、いずれかの有効ラインに同一の奇数の数字が付された図柄の組み合わせが形成され、後述する低確大当たり結果の発生に対応した遊技回であれば、いずれかの有効ラインに同一の偶数の数字が付された図柄の組み合わせが形成される。また、後述する低入賞高確大当たり結果の発生に対応した遊技回であれば、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせではないが所定の図柄の組み合わせ(例えば「3・4・1」)が形成される。
なお、いずれかの作動口43,44への入賞に基づいて、特図表示部47及び図柄表示装置46aにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
また、図柄表示装置46aにおける図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置46aにて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
センターフレーム46bの前面側における左上部分には、図4に示すように、特図表示部47及び図柄表示装置46aに対応した第1保留ランプ部46cが設けられている。遊技球が上作動口43又は下作動口44に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部46cの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
センターフレーム46bの右上部分には、普図表示部48に対応した第2保留ランプ部46dが設けられている。遊技球がスルーゲート45を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留ランプ部46dの点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部46c,46dの機能が図柄表示装置46aの一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
遊技盤33には、内レール部33aと外レール部33bとが取り付けられており、これら内レール部33aと外レール部33bとにより誘導レールが構成されている。図3に示すように、支持ベース体31の前面において遊技盤33の下方には遊技球発射機構34が設けられており、当該遊技球発射機構34から発射された遊技球は上記誘導レールにより遊技領域の上部に案内されるようになっている。
支持ベース体31の下端側には、下側カバー体35が設けられている。下側カバー体35は、支持ベース体31の下端部から高さ方向の所定範囲に亘って延在させて設けられており、当該高さ方向の範囲では下側カバー体35により支持ベース体31の前面が前方から覆われている。下側カバー体35が設けられた高さ方向の範囲には遊技球発射機構34の一部が含まれており、この範囲では遊技球発射機構34が下側カバー体35と支持ベース体31とにより前後に挟まれた空間に存在している。下側カバー体35は、前扉22を開放操作しているか否かに関係なく支持ベース体31側に存在している。つまり、下側カバー体35はパチンコ機10前面を構成している。
下側カバー体35において右側の端部には、パチンコ機10前方に突出させて発射操作装置36が設けられている。発射操作装置36は、前方に突出させて設けられた操作基部36aと、当該操作基部36aに回動可能に支持させて設けられた操作ハンドル36bとを備えており、操作ハンドル36bが回動操作されることにより遊技球発射機構34からの遊技球の発射強度が調整される。また、発射操作装置36には、操作ハンドル36bが遊技者に触れられていることを検知するためのタッチセンサ36cと、操作ハンドル36bの回動操作量を検知するための可変抵抗器36dと、操作ハンドル36bが遊技者により操作されている状況であっても遊技球の発射を停止させるべく操作されるストップスイッチ36eとが設けられている。なお、操作ハンドル36bが初期位置に配置されている状況では、当該操作ハンドル36bによってストップスイッチ36eが自ずとONとなる構成となっている。
遊技者による発射操作に基づき遊技球が発射される場合、操作ハンドル36bが触れられていることがタッチセンサ36cにより検知されていること、及びストップスイッチ36eがONとなっていないことの両条件が成立している場合に、可変抵抗器36dを通じて検知されている回動操作量に応じた発射強度で遊技球が発射される。
下側カバー体35の中央側には、遊技状況に応じた効果音などが出力されるスピーカ装置37を前方から覆うとともに当該スピーカ装置37から出力された音のパチンコ機10前方への伝播を可能とするスピーカカバー38が設けられている。なお、スピーカ装置37は、支持ベース体31に設けられている(図5参照)。
支持ベース体31の前面における下側カバー体35よりも上方の領域全体を覆うようにして前扉22が設けられている。前扉22には、図1及び図2に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部51が形成されている。窓部51は、略楕円形状をなし、窓パネル52が嵌め込まれている。窓パネル52は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよい。ちなみに、図柄表示装置46aの表示面及び特図表示部47などは、パチンコ機10前方から窓パネル52を介して視認可能となっている。
窓部51の周囲には、各種発光部53,54が設けられている。当該各種発光部53,54の一部として異常報知用発光部53が窓部51の上方に設けられている。また、当該異常報知用発光部53の左右両側には、左右一対の演出用発光部54が設けられている。
前扉22における窓部51の下方には、図1に示すように、手前側へ膨出させて皿形成部55が設けられている。皿形成部55は、多数の遊技球が貯留可能となるように形成されており、皿形成部55に貯留された遊技球が遊技球発射機構34に導かれて遊技領域に向けて発射される。当該皿形成部55の構成については、後に詳細に説明する。ちなみに、皿形成部55以外には、前扉22の前面側において遊技球を貯留する部位は設けられていない。
既に説明したとおり、前扉22は、本体ベース21に対して開閉可能に設けられているが、当該本体ベース21の支持ベース体31には、図3に示すように、前扉22が開放されているか否か(又は閉鎖されているか否か)を検知する開放検知スイッチ39が設けられている。開放検知スイッチ39は、支持ベース体31の前面から出没可能なピンを有しており、本体ベース21に前扉22を閉鎖した状態ではピンが押し込まれて前扉22の閉鎖が検知され、前扉22を開いた状態ではピンが突出位置に戻って前扉22の開放が検知されるようになっている。
ちなみに、開放検知スイッチ39は、前扉22が開放状態の場合に後述する主制御装置61にHIレベルの開放検知信号を出力し、前扉22が閉鎖状態の場合に主制御装置61にLOWレベルの開放検知信号を出力するが、これらHI及びLOWの関係が逆であってもよい。
次に、本体ベース21の背面側の構成について、図5を参照しながら説明する。図5は、本体ベース21の背面図である。
図5に示すように、遊技の主たる制御を司る機能を有する主制御装置61と、主制御装置61からの指令に基づき音声の出力制御及び発光制御を行う音声発光制御装置62と、音声発光制御装置62からの指令に基づき図柄表示装置46aの表示制御を行う表示制御装置63と、遊技球の貸し出し及び遊技価値の付与に関する制御を行う払出制御装置64と、遊技球の発射制御を行う発射制御装置65と、各種制御装置61〜65に電力を供給する第1電源装置66及び第2電源装置67とを備えている。これらのうち、主制御装置61と、音声発光制御装置62と、表示制御装置63と、第1電源装置66とは遊技盤33の背面に搭載されており、遊技盤33を支持ベース体31から取り外した場合にはこれら装置61〜63,66は遊技盤33側に追従することとなる。
一方、払出制御装置64と、発射制御装置65と、第2電源装置67とは支持ベース体31の背面に搭載されており、遊技盤33を支持ベース体31から取り外したとしてもこれら装置64,65,67は支持ベース体31側に残ることとなる。この場合、発射制御装置65と払出制御装置64とは前後に重ねて搭載されており、詳細には、発射制御装置65が支持ベース体31の背面に搭載されており、払出制御装置64がその後方に搭載されている。したがって、払出制御装置64は、主制御装置61や発射制御装置65といった他の制御装置よりもパチンコ機10後側に位置している。
ここで、各種制御装置61〜65及び各電源装置66,67はそれぞれ対応する基板が基板ボックスに収容されてなる。主制御装置61及び払出制御装置64について詳細には、主制御装置61は、図示しない主制御基板を備えており、当該主制御基板が基板ボックス61aに収容されてなる。また、払出制御装置64は、図示しない払出制御基板を備えており、当該払出制御基板が基板ボックス64aに収容されてなる。これら基板ボックス61a,64aは、基板ボックス61a,64aの外部から対応する基板を目視確認可能とするように透明に形成されている。また、主制御装置61には、本体ベース21を外枠11に閉鎖した状態においてパチンコ機10後方を向くこととなる表面に、第1消去ボタン61bと第2消去ボタン61cとが設けられている。
基板ボックス61a,64aには、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けることが好ましい。痕跡手段としては、基板ボックス61a,64aを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしに際して粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックス61a,64aを構成する複数のケース体間の境界に接着剤を塗布する構成が考えられる。
支持ベース体31の背面側には、払出制御装置64と、後述する管理ユニット131との電気的な接続を中継するための払出側の中継基板68が設けられている。また、支持ベース体31の背面側には、遊技ホールの商用電源と第1電源装置66とを中継するとともに、当該商用電源と第2電源装置67とを中継する電源側の中継基板69が設けられている。当該電源側の中継基板69には、ON操作及びOFF操作が可能な電源スイッチ69aが設けられている。電源スイッチ69aがON操作されることにより、商用電源から第1電源装置66への電力の供給及び商用電源から第2電源装置67への電力の供給が同時に開始され、電源スイッチ69aがOFF操作されることにより、商用電源から第1電源装置66への電力の供給及び商用電源から第2電源装置67への電力の供給が同時に停止される。
<遊技球を循環させるための構成>
次に、遊技球を循環させるための構成について説明する。当該循環させるための構成のうち、まず皿形成部55の構成について、図1に加えて図6を参照しながら説明する。図6(a)は皿形成部55の平面図であり、図6(b)は皿形成部55の縦断面図である。なお、図6(a)においては皿形成部55に設けられた皿カバー75を省略している。
皿形成部55は、有色不透明の合成樹脂により形成されており、図1に示すように、パチンコ機10前方に突出させて形成されているとともに、横方向に延在させて形成されている。皿形成部55の左端部は、前扉22において横方向の中央よりも左端部側に位置しており、皿形成部55の右端部は、前扉22において横方向の中央よりも右端部側に位置している。
皿形成部55には、図6(a)に示すように、横方向に延在させて球皿部71が形成されている。球皿部71は、所定の深さ寸法を有する空間を区画するように形成されているとともに、当該区画された空間を上方に開放させるようにして形成されている。
球皿部71の左端側には、前扉22の背面側に存在する遊技球B1を球皿部71に導出するための導出口72が形成されており、球皿部71の右端側には、球皿部71に存在する遊技球B1を遊技球発射機構34に導くための導入口73が形成されている。球皿部71の底面は、導出口72側から導入口73側に向けて下り傾斜となるように形成されており、球皿部71に存在する遊技球B1は自重により導入口73に向けて流下することとなる。
球皿部71は、導出口72側が導入口73側よりも幅広、すなわち前後方向の寸法が大きくなるように形成されており、具体的には、導出口72側においては複数(例えば6個)の遊技球B1が幅方向に並ぶことが可能なように形成されている。これにより、球皿部71は、多数の遊技球を貯留可能となっており、具体的には少なくとも150個の遊技球B1を貯留可能とするように球皿部71が形成されている。
一方、導入口73から上流側に向けた所定範囲は、遊技球B1を横方向に一列で整列させることが可能な整列領域74として形成されている。この場合、整列領域74の奥側壁部の位置は、当該整列領域74よりも上流側領域における奥側壁部の位置と前後方向において同一の位置となっている。ちなみに、球皿部71において導出口72の前方の領域が最も幅広となった領域であるが、当該幅広領域と整列領域74との間では、球皿部71の前壁部が整列領域74に向かうほど後側となるように傾斜させて形成されている。
皿形成部55には、図6(b)に示すように、球皿部71を上方から覆うように皿カバー75が設けられている。皿カバー75は、板状に形成されており、球皿部71の上端部において当該球皿部71を上方から覆うようにして設けられている。但し、皿カバー75と球皿部71の底面とは、縦方向に複数の遊技球B1分離間されており、皿カバー75が装着された状態であっても球皿部71に多数の遊技球B1、具体的には少なくとも150個の遊技球B1を貯留可能となっている。また、皿カバー75は、球皿部71に貯留されている遊技球を、皿カバー75を通じて目視確認可能となるように、ポリカーボネートなどの合成樹脂を利用して透明(具体的には無色透明)に形成されている。
皿カバー75は、球皿部71を上方から覆う領域を有し、上面及び下面が水平又は略水平となるように設けられたカバー本体部75aと、皿形成部55の背面側に存在するフランジ部75bと、が一体形成されてなる。カバー本体部75aは、球皿部71の形状に合わせて形成されているとともに、球皿部71の外縁形状よりも一回り大きく形成されている。カバー本体部75aは、皿形成部55において球皿部71の奥壁71aを構成する部位から側壁71b及び前壁71cを構成する部位に亘って延在している。
詳細には、奥壁71aには、前後方向に貫通し、カバー本体部75aを挿通可能な挿通用孔部76が形成されている。カバー本体部75aは、皿形成部55の背面側から挿通用孔部76に挿通されていることにより、球皿部71の上方に存在している。また、側壁71b及び前壁71cにおいて挿通用孔部76と同じ高さ位置には、内側に凹ませて嵌合凹部77が形成されている。カバー本体部75aにおいて挿通用孔部76よりも前方に存在する領域の周縁部は、その全体が嵌合凹部77に入り込んでいる。これにより、球皿部71の上面開口部はその全体が皿カバー75により覆われているとともに、球皿部71と皿カバー75との境界では縦方向に対して交差する方向の境界面が生じている。また、嵌合凹部77にカバー本体部75aの周縁部が入り込んだ状態においては、図6(b)に示すように、皿カバー75のフランジ部75bが皿形成部55の背面部に後方から当接することとなる。
嵌合凹部77にカバー本体部75aの周縁部が入り込んだ構成において、当該入り込みが生じている領域では、皿形成部55と皿カバー75とが固定具としてネジ78aを利用して固定されている。当該固定箇所78は、図1に示すように、上記入り込みが生じている領域に沿って、断続的に複数(例えば20個)設けられている。また、皿カバー75のフランジ部75bが皿形成部55の背面部に当接した構成において、当該当接している領域では、皿形成部55と皿カバー75とが固定具としてネジ79を利用して固定されている。当該ネジ止めは、皿形成部55の後方から行われている。
上記構成であることにより、球皿部71は皿カバー75により覆われているとともに皿カバー75の分離が阻止されているため、皿カバー75が設けられた状態においては、球皿部71に貯留されている遊技球B1に触れること、及び球皿部71に遊技球B1を投入することが不可となっている。また、皿形成部55と皿カバー75との境界には、両者の縦方向の重なりが生じていることにより、縦方向に交差する方向の境界面が生じている。これにより、両者の境界を通じて上記遊技球B1に触れようとしてもそれが不可となっている。
一方、カバー本体部75aの固定箇所78について固定解除操作を行うとともに、前扉22を本体ベース21に対して開放操作して皿形成部55の背面側からフランジ部75bの固定箇所について固定解除操作を行うことにより、皿カバー75を取り外すことができる。これにより、球皿部71内において球詰まり等が発生した場合に、当該球詰まりを解消するといったメンテナンスを行うことは可能である。また、皿カバー75を取り外すためには、固定解除操作だけでなく前扉22の開放操作を要するため、当該皿カバー75を不正に取り外す行為を行いづらくすることが可能となる。
なお、皿形成部55とカバー本体部75aとの固定箇所78を覆うように別のカバー部材を設けることにより、当該固定箇所78が外部に露出しないようにしてもよい。また、皿カバー75と皿形成部55との固定が、皿形成部55の背面側においてのみ行われている構成としてもよい。
球皿部71に貯留された遊技球B1は、既に説明したとおり整列領域74で整列された後に、導入口73を通じて遊技球発射機構34側へ導かれる。当該導出先側の構成について、図7を参照しながら説明する。
図7(a)は本体ベース21の一部を拡大して示す正面図であり、図7(b)は遊技球発射機構34の構成を説明するための模式図であり、図7(c)は球皿部71に貯留された遊技球B1を遊技球発射機構34側へ供給するための球送り装置86の構成を説明するための模式図である。
図7(a)に示すように、遊技球発射機構34は、本体ベース21における支持ベース体31の前面に設けられている。遊技球発射機構34は、図7(b)に示すように、遊技盤33に形成された誘導レールに向けて延びる発射レール81と、発射レール81上に供給された遊技球B1を誘導レールに向けて発射させる電動アクチュエータであるソレノイド82と、発射レール81上に供給された1個の遊技球B1をソレノイド82による打ち出しを可能とする位置にて保持するための保持部材83とを備えている。
支持ベース体31には、発射レール81上において保持部材83により保持された遊技球B1を検知するための発射球検知センサ84と、当該遊技球B1からID情報を読み取るためのリーダ装置85とが設けられている。
発射球検知センサ84は、発光部と受光部とを有する光学式のセンサからなり、保持部材83により遊技球B1が保持されている状況では発射球検知信号としてHIレベルの信号を出力し、保持部材83により遊技球B1が保持されていない状況では発射球検知信号としてLOWレベルの信号を出力する。したがって、発射球検知センサ84によって、発射レール81上に遊技球B1が供給されたこと、及びその供給された遊技球B1が発射されたことを特定することが可能となる。
なお、これらHI及びLOWの関係が逆であってもよい。また、発射球検知センサ84は、光学式のセンサに限定されることはなく、他の検知方式のセンサであってもよい。但し、リーダ装置85におけるID情報の読み取りに悪影響を及ぼさないようにするためには、発射球検知センサ84は磁界をあまり発生させないセンサであることが好ましく、光学式のセンサ以外であればプッシュ式のセンサなどが好ましい。リーダ装置85の詳細については、後に説明する。
発射レール81上には、球皿部71に貯留された遊技球B1が球送り装置86により1個ずつ供給される。球送り装置86は、前扉22の背面において球皿部71における導入口73の後方に設けられている。球送り装置86は、図7(c)に示すように、球皿部71の導入口73から続く球送り通路87と、当該球送り通路87により誘導された遊技球B1を下方から受けて1個ずつ発射レール81上に供給するための供給部材88と、球送り通路87からの遊技球B1の受入を許容する受入位置及びその受け入れた遊技球B1を発射レール81に供給するための供給位置の間で供給部材88を回動させる球送り駆動部89と、を備えている。なお、球送り駆動部89は、磁気による吸引を利用して供給部材88を受入位置に配置するとともに、その吸引を解除することで供給部材88を供給位置に配置する駆動部であるが、これに限定されることはなく、例えば回転モータを利用してもよい。
発射操作装置36が操作されること等を通じて遊技球B1の発射が行われる場合には、1個の遊技球B1を発射すべき条件が成立したことを契機として、球送り装置86により1個の遊技球B1が発射レール81上に供給される。この供給された遊技球B1は発射球検知センサ84により検知される。その後、ソレノイド82が駆動制御されて、発射レール81上に保持されている1個の遊技球B1が遊技領域に向けて発射される。
次に、発射された遊技球B1を球皿部71に戻すための構成について、図7に加えて図8及び図9を参照しながら説明する。
図8は、パチンコ機10の背面図であって、払出制御装置64、発射制御装置65、第2電源装置67及び中継基板68,69を取り除いた状態を示す図である。図9(a),(b)は、支持ベース体31の一部を拡大して示す斜視図であって、遊技領域から排出された遊技球B1を球皿部71に戻すための構成を分解して示す斜視図であり、図9(a)は支持ベース体31の一部を前方から見た斜視図であり、図9(b)は支持ベース体31の一部を後方から見た斜視図である。
遊技球発射機構34により発射されて遊技盤33の誘導レールから遊技領域に放出された遊技球B1は、釘49bや風車などに跳ね返りながら遊技領域を流下する。そして、一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43、下作動口44又はアウト口49aに入球した遊技球B1は、遊技盤33の背面側に導かれる。
遊技盤33の背面には、図8に示すように、集合通路形成体91が設けられており、当該集合通路形成体91と遊技盤33の背面とを利用して区画形成された集合通路により、遊技盤33の下端部における所定領域に導かれる。この所定領域に導かれた遊技球B1は、支持ベース体31の背面であって遊技盤33の下方に形成された排出用回収部101にて回収される。
排出用回収部101は、図9(a)及び図9(b)に示すように、排出用回収部材102を支持ベース体31の背面に後方から装着することにより形成されている。排出用回収部101は、図8に示すように、横方向に延在させて設けられている。この場合、排出用回収部101は、支持ベース体31の横方向の中央付近から球皿部71の導出口72側に亘って存在しており、当該導出口72側の端部は当該導出口72の全体に対して後方から対向している。
排出用回収部101は、所定の深さ寸法、具体的には2個の遊技球B1分以上の深さ寸法を有する空間として形成されているとともに、当該空間が上方に開放させて形成されている。また、排出用回収部101の底面103は、球皿部71の導出口72側の端部に向けて下り傾斜となるように形成されている。
上記集合通路に流入した遊技球B1は、遊技盤33の下端であって、導出口72側とは反対側の端部寄りの位置にて、排出用回収部101に導出される。排出用回収部101に導出された遊技球B1は、当該排出用回収部101の底面103を自重により下り、支持ベース体31を前後に貫通するように形成された連通口104に到達する(図9(b)参照)。
連通口104は、球皿部71の導出口72と排出用回収部101とを連通するように形成されており、その前側領域は、支持ベース体31の前面において周囲の面よりも前方に向けて突出させて形成されている。この前方に向けて突出している前方開口部には、図9(a)に示すように、シャッタ機構105が設けられている。
シャッタ機構105は、前方開口部の遊技球の通過を阻止する阻止位置と、遊技球の通過を許容し導出口72への遊技球B1の流入を可能とする許容位置とに変位可能に設けられたシャッタ部材106を備えている。シャッタ部材106は、その下端部を回動軸として、シャッタ支持部107により回動可能に支持されている。前扉22を閉鎖した状態においては、前扉22の背面において周囲の面よりも後方に突出させて形成された図示しない導出口形成部が入り込み、シャッタ部材106は許容位置に配置される。一方、前扉22を開放した状態においては、上記導出口形成部が入り込んだ状態が解除されて、シャッタ部材106は阻止位置に配置される。これにより、排出用回収部101に遊技球B1が存在している状態で前扉22が開放されたとしても、当該排出用回収部101内の遊技球B1が流出してしまうことが抑制される。
ちなみに、球皿部71の導出口72には、シャッタ機能は存在しておらず、前扉22が開放された状態であっても導出口72が後方に向けて開放された状態は維持される。これに対して、導出口72は球皿部71においてパチンコ機10前方に膨出している貯留空間に向けて下り傾斜となっているとともに貯留空間の底面も球皿部71の導入口73に向けて下り傾斜となっているため、球皿部71に貯留されている遊技球B1が前扉22の開放に際して流出してしまわないようになっている。
シャッタ部材106が許容位置に配置されている状況では、連通口104に到達した遊技球B1は導出口72に流入する。導出口72は、既に説明したとおり球皿部71の貯留空間に向けて下り傾斜となっているため、導出口72に到達した遊技球B1は最終的に当該貯留空間に戻ることとなる。
排出用回収部101には、図9(b)に示すように、球磨き機構111が設けられている。球磨き機構111は、球磨き体112と、磨き用駆動部113とを備えている。球磨き体112は、排出用回収部101の横方向の寸法よりも軸方向の寸法が大きい球磨き軸部112aと、当該球磨き軸部112aの周囲において放射方向に突出するように設けられたブラシ状の球磨き部112bとを備えている。球磨き体112は、その軸線方向が横方向となるように排出用回収部101に収容されており、その横方向の両端はそれぞれ排出用回収部101の側方に突出している。かかる突出した両端部は、それぞれ支持ベース体31の背面に形成された一対の支軸部114により回転可能な状態で支持されている。また、球磨き体112の横方向の一端、詳細には導出口72側の端部は磨き用駆動部113に連結されている。磨き用駆動部113は、回転モータからなり、駆動信号が供給されている間は、球磨き体112を所定方向に回転させる。
球磨き体112が排出用回収部101に収容された構成において、球磨き体112は排出用回収部101に流入した遊技球B1の導出口72側への流下を可能とするように、且つその流下する遊技球B1に球磨き部112bが接触するように、その寸法及び配置位置が設定されている。したがって、排出用回収部101において回収された遊技球B1は、導出口72に誘導されるとともに、その誘導に際して球磨き体112により磨かれる。
上記のように遊技球発射機構34により発射されて遊技領域に到達した遊技球B1は、排出用回収部101を通じて球皿部71に戻ることとなるが、発射強度によっては遊技球発射機構34により発射されたものの遊技領域に到達することなく誘導レールを戻る遊技球B1も存在する。当該遊技球B1を回収するために、図7(a)及び図9(a)に示すように、戻り球用回収部121が設けられている。
戻り球用回収部121は、連通口104において支持ベース体31の前方に突出する前方開口部を区画形成するための形成部と一体形成された壁部により区画形成されており、支持ベース体31の前面に形成されている。戻り球用回収部121は、図7(a)に示すように、誘導レールと発射レール81とを横方向に離間させることにより生じた領域に形成されており、両レール間に亘って存在している。
戻り球用回収部121は、所定の深さ寸法を有する空間として形成されているとともに、当該空間が上方に開放させて形成されている。この場合に、戻り球用回収部121の前壁部122は、発射レール81側の方が誘導レール側よりも低くなるように傾斜させて形成されているため、戻り球用回収部121は、誘導レール側においては2個の遊技球B1分以上の深さ寸法を有しているのに対して、発射レール81側においては1個の遊技球B1分未満の深さ寸法となっている。これにより、遊技球発射機構34から発射された遊技球B1の誘導レールに向けた移動が戻り球用回収部121により邪魔されてしまうことを防止しつつ、戻り球を確実に回収することが可能となる。
戻り球用回収部121は連通口104に連通されており、さらに戻り球用回収部121の底面123は当該連通口104に向けて下り傾斜となっている。したがって、戻り球用回収部121にて回収された遊技球B1は、当該戻り球用回収部121の底面123を自重により下り、連通口104に到達する。そして、連通口104に到達した遊技球B1は、既に説明したとおり、前扉22が閉鎖されていることを条件として、球皿部71の貯留空間に導出される。
戻り球用回収部121には、当該戻り球用回収部121にて回収された遊技球B1を検知するための戻り球検知センサ124が設けられている。戻り球検知センサ124は、発光部と受光部とを有する光学式のセンサからなり、遊技球B1を検知している状況では戻り球検知信号としてHIレベルの信号を出力し、遊技球B1を検知していない状況では戻り球検知信号としてLOWレベルの信号を出力する。また、戻り球検知センサ124の検知領域は、戻り球用回収部121にて回収された遊技球B1が連通口104に導出される場合に必ず通過する位置に設定されている。したがって、戻り球用回収部121にて回収された遊技球B1を戻り球検知センサ124によって確実に検知することが可能となる。
なお、これらHI及びLOWの関係が逆であってもよい。また、戻り球検知センサ124は、光学式のセンサに限定されることはなく、他の検知方式のセンサであってもよい。但し、リーダ装置85におけるID情報の読み取りに悪影響を及ぼさないようにするためには、戻り球検知センサ124は磁界をあまり発生させないセンサであることが好ましく、光学式のセンサ以外であればプッシュ式のセンサなどが好ましい。
以上のように排出用回収部101及び戻り球用回収部121が設けられていることにより、パチンコ機10にセットされている特定個数の遊技球B1は、遊技球発射機構34により発射されたとしても、球皿部71に戻ることとなる。また、既に説明したとおり、球皿部71には、皿カバー75が設けられているため、球皿部71に貯留されている遊技球B1を遊技者が取り出すことは不可となっている。これにより、当該特定個数の遊技球B1は、パチンコ機10において循環する。
<遊技球B1の貸し出し及び記憶媒体Mの付与に関する構成>
次に、遊技球B1の貸し出し及び記憶媒体Mの付与に関する構成について、図1、図2及び図6(a)を参照しながら説明する。
本パチンコ機10では、遊技者による現金の投入に対して実際の遊技球B1が貸し出されるのではなく、投入された現金に対して使用可能な遊技球B1の数の情報が内部的に記憶され、その記憶された数の範囲で遊技球B1を使用可能な構成となっている。また、遊技球B1の付与に対応した入賞が発生した場合にも、実際の遊技球B1が付与されるのではなく、入賞に対応した遊技球B1の数の情報が内部的に記憶され、その記憶された数の遊技球B1の使用が可能となる。また、その記憶された遊技球B1の数の情報を実際の遊技価値として付与されることを希望する場合には、記憶されている遊技球B1の数の情報が記憶された記憶媒体Mが遊技者に提供される。
上記のような現金の投入、記憶媒体Mの投入、及び記憶媒体Mの提供を行うための装置として、外枠11の側方には図2に示すように、管理ユニット131が設けられている。管理ユニット131の前面側には、現金として紙幣が投入される現金投入口132と、記憶媒体Mが投入される媒体投入口133と、記憶媒体Mが排出される媒体排出口134とが、上からこの順で設けられている。管理ユニット131では、現金投入口132から投入された紙幣を識別する処理、その情報をパチンコ機10に出力する処理、媒体投入口133から投入された記憶媒体Mを識別する処理、その情報をパチンコ機10に出力する処理、パチンコ機10からの遊技球B1の数の情報の書き込み指示に対して当該情報を記憶媒体Mに書き込む処理、当該情報を書き込んだ記憶媒体Mを媒体排出口134から排出する処理などを実行する。これらの処理の詳細については、後に説明する。
管理ユニット131に現金が投入された場合にその現金の情報を使用可能な遊技球B1の数の情報に変換することを指示するための操作、及び未使用の現金の情報や使用可能な遊技球B1の数の情報を記憶媒体Mとして排出することを指示するための操作は、パチンコ機10に設けられた操作ユニット141に対して行われる。操作ユニット141は、図1及び図6(a)に示すように、皿形成部55に設けられている。詳細には、既に説明したとおり、皿形成部55に形成された球皿部71は、整列領域74において幅寸法が小さくなっており、その分、皿形成部55において球皿部71を区画形成する領域の上面は整列領域74の前方において前後方向の寸法が大きくなっている。この前後方向の寸法が大きくなった領域に、操作ユニット141が設けられている。
操作ユニット141は、図6(a)に示すように、各種操作ボタン142〜146として、球供給ボタン142と、全返却ボタン143と、増加指示ボタン144と、減少指示ボタン145と、一部返却用の決定ボタン146とが設けられている。また、各種表示部147,148として、度数表示部147と、残数表示部148とが設けられている。
度数表示部147には、投入されて未使用の現金の情報が表示される。例えば、1万円が未使用の場合には「100」が表示され、1千円が未使用の場合には「10」が表示される。残数表示部148には、使用可能な遊技球B1の数の情報が表示される。例えば、使用可能な遊技球B1の数の情報が1万個の場合には「10000」が表示され、1千個の場合には「1000」が表示される。
球供給ボタン142は、度数の情報を使用可能な遊技球B1の数の情報に変換すべく操作される。この場合、一度の球供給ボタン142の操作に対して変換可能な度数情報は所定度数(すなわち所定額の現金)に限られており、具体的には500円分の度数情報が使用可能な遊技球B1の数の情報(例えば125個)に変換される。
全返却ボタン143は、パチンコ機10に記憶されている度数情報及び使用可能な遊技球B1の数の情報を記憶媒体Mとして排出させるべく操作される。増加指示ボタン144、減少指示ボタン145及び一部返却用の決定ボタン146は、使用可能な遊技球B1の数の情報のうち一部の数の情報を記憶媒体Mとして排出させるべく操作される。この場合、増加指示ボタン144が操作された場合には排出対象とする遊技球B1の数の情報が増加し、減少指示ボタン145が操作された場合には排出対象とする遊技球B1の数の情報が減少し、一部返却用の決定ボタン146が操作された場合には、選択されている一部の数の情報が記憶媒体Mとして排出される。
<パチンコ機10の電気的構成>
図10は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置61は、遊技の主たる制御を司る主制御基板151と、第1電源装置66からの電力の供給状況を監視する第1停電監視基板155と、主制御装置61における基板ボックス61aの外部から押圧操作可能に設けられた第1消去ボタン61b及び第2消去ボタン61cとを備えている。
主制御基板151には、MPU152が搭載されている。MPU152には、ROM153及びRWM154が内蔵されている。
ROM153は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM153は、MPU152により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。RWM154は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM153よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RWM154は、ROM153内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。また、MPU152又は主制御基板151には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。
MPU152には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU152の入力側には、主制御装置61に設けられた第1停電監視基板155、第1消去ボタン61b及び第2消去ボタン61cが接続されている。
第1停電監視基板155は、主制御基板151と第1電源装置66とを中継し、さらに第1電源装置66から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、その監視電圧が5ボルト未満となった場合に、第1電源装置66について停電が発生したものとして、MPU152に停電信号を送信する。
第1電源装置66は、遊技ホールの商用電源に接続されており、パチンコ機10において遊技盤33に搭載された電気機器に動作電力を供給するものである。具体的には、第1電源装置66は、主制御装置61、音声発光制御装置62、表示制御装置63、並びに遊技盤33に搭載された各種駆動部42d,44c及び各種表示部47,48に動作電力を供給する。
第1電源装置66には、商用電源から第1電源装置66への動作電力の供給が停止されている状況であっても、RWM154においてデータの記憶保持を可能とするために当該RWM154にバックアップ電力を供給する図示しない電断時用電源部が設けられている。当該電断時用電源部は、コンデンサなどの充電式のものであり、商用電源から第1電源装置66に動作電力が供給されている場合に充電が行われる。電断時用電源部からのバックアップ電力によって、停電中であっても所定期間(例えば1日又は2日)は、RWM154においてデータが記憶保持される。
なお、第1電源装置66が動作電力を供給する対象として、遊技盤33に搭載された電気機器に加えて、前扉22に設けられた各種発光部53,54及び操作ユニット141といった電気機器が含まれている構成としてもよい。
第1消去ボタン61b及び第2消去ボタン61cは、RWM154のデータや、後述する払出制御装置64のRWM164のデータをクリアする場合に操作される。
MPU152の入力側には、上記のもの以外にも、各種入賞検知センサ41a〜45bといった各種センサや開放検知スイッチ39が接続されている。各種入賞検知センサ41a〜45bには、一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43、下作動口44及びスルーゲート45といった入賞対応入球部に1対1で対応させて設けられた検知センサが含まれており、MPU152において各入球部への入賞判定が行われる。また、MPU152では上作動口43への入賞に基づいて各種抽選が実行されるとともに、下作動口44への入賞に基づいて各種抽選が実行される。
MPU152の出力側には、音声発光制御装置62が接続されている。音声発光制御装置62には、変動用コマンド、種別コマンド及びオープニングコマンドなどの各種コマンドが出力される。音声発光制御装置62は、主制御装置61から受信したコマンドに基づき、各種発光部53,54及びスピーカ装置37を駆動制御するとともに、表示制御装置63にコマンドを送信する。表示制御装置63は、音声発光制御装置62から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行って、図柄表示装置46aの表示面における画像の表示を制御する。
MPU152の出力側には、上記のもの以外にも、可変入賞装置42の開閉扉42cを開閉動作させる可変入賞駆動部42d、下作動口44の電動役物44bを開閉動作させる電動役物駆動部44c、特図表示部47及び普図表示部48が接続されている。主制御基板151には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU152は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては可変入賞装置42の大入賞口42bが開閉されるように、MPU152において可変入賞駆動部42dの駆動制御が実行される。また、電動役物44bのサポート当選となった場合には、電動役物44bが開閉されるように、MPU152において電動役物駆動部44cの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU152において特図表示部47の表示制御が実行される。また、電動役物44bを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU152において普図表示部48の表示制御が実行される。
MPU152の入力側及び出力側の両方には、払出制御装置64が接続されている。払出制御装置64は、遊技球B1の使用及び付与に関する制御を司る払出制御基板161と、第2電源装置67からの電力の供給状況を監視する第2停電監視基板165とを備えている。
払出制御基板161には、MPU162が搭載されている。MPU162には、ROM163及びRWM164が内蔵されている。ROM163は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM163は、MPU162により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。RWM164は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM163よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RWM164は、ROM163内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。また、MPU162又は払出制御基板161には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。
なお、以下の説明では、主制御基板151のMPU152、ROM153及びRWM154と、払出制御基板161のMPU162、ROM163及びRWM164とを明確に区別するために、前者を主側MPU152、主側ROM153及び主側RWM154と言い、後者を払出側MPU162、払出側ROM163及び払出側RWM164と言う。
払出側MPU162には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。払出側MPU162の入力側には、払出制御装置64に設けられた第2停電監視基板165が接続されている。
第2停電監視基板165は、払出制御基板161と第2電源装置67とを中継し、さらに第2電源装置67から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。そして、その監視電圧が5ボルト未満となった場合に、第2電源装置67について停電が発生したものとして、払出側MPU162に停電信号を送信する。
第2電源装置67は、遊技ホールの商用電源に接続されており、パチンコ機10において遊技盤33以外に搭載された電気機器に動作電力を供給するものである。具体的には、第2電源装置67は、払出制御装置64、発射制御装置65、遊技球発射機構34、球送り装置86、発射操作装置36、発射球検知センサ84、戻り球検知センサ124、リーダ装置85、磨き用駆動部113、各種発光部53,54、スピーカ装置37及び操作ユニット141に動作電力を供給する。また、第2電源装置67は、パチンコ機10の側方に設けられた管理ユニット131にも動作電力を供給する。
第2電源装置67には、商用電源から第2電源装置67への動作電力の供給が停止されている状況であっても、払出側RWM164及び管理ユニット131のRWM174においてデータの記憶保持を可能とするためにこれらRWM164,174にバックアップ電力を供給する図示しない電断時用電源部が設けられている。当該電断時用電源部は、コンデンサなどの充電式のものであり、商用電源から第2電源装置67に動作電力が供給されている場合に充電が行われる。電断時用電源部からのバックアップ電力によって、停電中であっても所定期間(例えば1日又は2日)は、RWM164,174においてデータが記憶保持される。
なお、上記のように第1電源装置66が動作電力を供給する対象として、遊技盤33に搭載された電気機器に加えて、前扉22に設けられた電気機器を含む場合には、第2電源装置67が動作電力を供給する対象から各種発光部53,54及び操作ユニット141は除外される。
払出側MPU162の入力側には、上記のもの以外にも、発射球検知センサ84及び戻り球検知センサ124が接続されている。払出側MPU162では、発射球検知センサ84の検知結果に基づき発射球の有無を把握するとともに、戻り球検知センサ124の検知結果に基づき戻り球の有無を把握する。
払出側MPU162の出力側には、磨き用駆動部113が接続されている。払出側MPU162に動作電力が供給されている間は、磨き用駆動部113への動作電力の供給が常時行われるように構成されている。
払出側MPU162の入力側及び出力側の両方には、主制御装置61以外にも、発射制御装置65、リーダ装置85、操作ユニット141及び管理ユニット131が接続されている。
発射制御装置65は、遊技球発射機構34と、球送り装置86と、発射操作装置36と接続されている。発射制御装置65は、発射操作装置36の操作ハンドル36bが触れられていることがタッチセンサ36cにより検知されており、且つストップスイッチ36eがONとなっていない状況では、払出側MPU162に向けてHIレベルの条件成立信号の送信を継続する。
当該信号の送信が継続されている状況において、遊技用の発射を行うことが可能な状況である場合には、払出側MPU162からHIレベルの発射許可信号の送信が継続される。この場合、発射制御装置65は、球送り装置86→遊技球発射機構34の順で駆動制御を実行し、球皿部71から1個の遊技球B1を発射レール81上に供給するとともにその供給された遊技球B1を遊技領域に向けて発射させる。この際の発射強度は、発射操作装置36の可変抵抗器36dから送信されている信号に応じて決定されるが、最小の発射強度は、発射された遊技球B1が発射レール81における発射先側の端部よりも遊技領域側の位置に到達する強度に設定されている。したがって、遊技球B1の発射動作が行われたにも関わらず、その遊技球B1が発射レール81上を逆流してきてしまうことが防止される。また、HIレベルの発射許可信号の送信が継続されている場合における遊技球B1の発射周期は、所定周期となるように設定されており、具体的には0.6secに1個の遊技球B1が発射されるように設定されている。
また、発射制御装置65は、条件成立信号の送信を継続していない状況であっても払出制御装置64からHIレベルのID登録用信号を受信している場合には、球送り装置86→遊技球発射機構34の順で駆動制御を実行し、球皿部71から1個の遊技球B1を発射レール81上に供給するとともにその供給された遊技球B1を戻り球用回収部121に向けて発射させる。この際の発射強度は、操作ハンドル36bの操作量に関係なく一義的に定められており、発射レール81における発射先側の端部よりも遊技領域側の位置であって誘導レールに到達しない位置にて遊技球B1が落下を開始して、当該遊技球B1が戻り球用回収部121に回収されるように設定されている。
リーダ装置85は、発射レール81上に供給され、未だ発射されていない遊技球B1からID情報を受信するためのものであり、払出側MPU162から呼出波の出力指令を受けることに基づき呼出波を出力し、それに対する応答波を受信して読み取ったID情報を払出側MPU162に送信するものである。この詳細については、後に説明する。
操作ユニット141は、既に説明したとおり、度数表示部147、残数表示部148、及び各種操作ボタン142〜146を備えている。各種操作ボタン142〜146の操作有無を示す信号は払出側MPU162に送信される。また、払出側MPU162から送信される信号に基づき、度数表示部147及び残数表示部148の表示制御が実行される。
管理ユニット131は、投入された現金を認識するための制御、投入された記憶媒体Mを認識するための制御、及び記憶媒体Mを排出するための制御を担う管理制御基板171を備えている。
管理制御基板171には、MPU172が搭載されている。MPU172には、ROM173及びRWM174が内蔵されている。ROM173は、NOR型フラッシュメモリやNAND型フラッシュメモリなどの記憶保持に外部からの電力供給が不要なメモリ(すなわち、不揮発性記憶手段)を、読み出し専用として利用するように構成されている。当該ROM173は、MPU172により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶している。RWM174は、SRAMやDRAMなどの記憶保持に外部からの電力供給が必要なメモリ(すなわち、揮発性記憶手段)を読み書き両用として利用するように構成されており、ランダムアクセスが可能であるとともに、同一のデータ容量で比較した場合にROM173よりも読み出しに要する時間が早いものとなっている。当該RWM174は、ROM173内に記憶されている制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶する。また、MPU172又は管理制御基板171には、上記素子以外に、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが設けられている。
なお、以下の説明では、管理制御基板171のMPU172、ROM173及びRWM174を、主制御装置61及び払出制御装置64のものと明確に区別するために、管理側MPU172、管理側ROM173及び管理側RWM174と言う。
管理側MPU172には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。管理側MPU172の入力側には、紙幣用回路175が接続されている。現金投入口132に投入された現金は、紙幣用回路175により識別され、その識別結果が管理側MPU172に送信される。
管理側MPU172の出力側には、各種駆動部176a〜176cが設けられている。現金投入口132に現金が差し込まれた場合には、当該現金投入口132に対応した駆動部176aが駆動制御されることで、その現金が管理ユニット131内に取り込まれる。媒体投入口133に記憶媒体Mが差し込まれた場合には、当該媒体投入口133に対応した駆動部176bが駆動制御されることで、その記憶媒体Mが管理ユニット131内に取り込まれる。記憶媒体Mを排出する場合には、媒体排出口134に対応した駆動部176cが駆動制御されることで、その記憶媒体Mが管理ユニット131から排出される。
管理側MPU172の入力側及び出力側の両方には、払出制御装置64以外にも、媒体用回路177が接続されている。媒体投入口133に投入された記憶媒体Mは、媒体用回路177によりその記憶されている情報が読み取られ、その読み取り結果が管理側MPU172に送信される。記憶媒体Mを排出すべき旨の指示がなされた場合には、管理側MPU172から送信される信号に基づき、媒体用回路177により記憶媒体Mへの情報の書き込み処理が実行される。
<各MPU152,162,172にて実行される復電後及び停電時の処理>
次に、各MPU152,162,172にて実行される復電後及び停電時の処理について説明する。まず、図11のフローチャートを参照しながら、主側MPU152にて実行されるメイン処理について説明する。
まずステップS101では電源投入ウェイト処理を実行する。当該電源投入ウェイト処理では、例えばメイン処理が起動されてから1secが経過するまで次の処理に進行することなく待機する。続くステップS102では主側RWM154のアクセスを許可する。
その後、ステップS103では、主制御装置61に設けられた第1消去ボタン61bが手動操作されているか否かを判定し、続くステップS104では、主側RWM154の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。また、ステップS105ではチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し、続くステップS106ではそのチェックサムが電源遮断時に保存したチェックサムと一致するか否か、すなわち記憶保持されたデータが有効か否かを判定する。
本パチンコ機10では、例えば遊技ホールの営業開始時など、電源投入時に主側RWM154のデータを初期化する場合には、第1消去ボタン61bを押しながら電源が投入される。したがって、第1消去ボタン61bが押されていれば、ステップS107の処理に移行する。また、電源遮断の発生情報が設定されていない場合や、チェックサムにより記憶保持されたデータの異常が確認された場合も同様にステップS107の処理に移行する。ステップS107では、主側RWM154の初期化として当該主側RWM154をクリアする。その後、ステップS108に進む。
ステップS108では、主制御装置61に設けられた第2消去ボタン61cが手動操作されているか否かを判定する。本パチンコ機10では、電源投入時に主側RWM154だけでなく払出側RWM164及び管理側RWM174のデータも初期化する場合には、第1消去ボタン61b及び第2消去ボタン61cの両方を押しながら電源が投入される。したがって、第1消去ボタン61bだけでなく第2消去ボタン61cが押されていれば、ステップS109の処理に移行する。ステップS109では、払出側RWM164及び管理側RWM174の初期化を指示する初期化コマンドを払出側MPU162に向けて出力する。一方、第2消去ボタン61cが押されていなければ、ステップS110に進む。ステップS110では、主側MPU152において主側RWM154及びその他のRWM164,174の初期化に関する処理が完了したことを示す復帰コマンドを払出側MPU162に向けて出力する。この場合、仮に主側RWM154が初期化されていたとしても、払出側RWM164及び管理側RWM174の初期化は実行されない。
つまり、本パチンコ機10では、電源投入時において、
(1)主側RWM154、払出側RWM164及び管理側RWM174の全てについて初期化を実行しない
(2)主側RWM154については初期化を実行し、払出側RWM164及び管理側RWM174の初期化を実行しない
(3)主側RWM154、払出側RWM164及び管理側RWM174の全てについて初期化を実行する
のいずれかを遊技ホールの管理者が選択可能となっている。また、この選択に際しては、それに応じた操作を行えばよい構成となっている。
本パチンコ機10では、後述するように、主制御装置61において特図表示部47、普図表示部48、可変入賞装置42及び電動役物44bを利用した遊技の進行が制御され、払出制御装置64及び管理ユニット131において使用可能な遊技球B1の数が制御される。この場合、使用可能な遊技球B1の数の制御に関しては異常が発生していない状況で前者の遊技の進行に関して内部的な異常が発生することが想定される。その一方で、何らかの不正行為が行われ、遊技の進行及び使用可能な遊技球B1の数の制御の両方について異常が発生することが想定される。これに対して、上記のように選択的にRWM154,164,174の初期化を実行可能とすることで、それぞれの事象に対して好適に対処可能となる。
なお、払出側RWM164及び管理側RWM174については初期化を実行し、主側RWM154については初期化を実行しない操作を可能としてもよい。例えば、第1消去ボタン61bが操作されていない状況で第2消去ボタン61cが操作された場合には、このような初期化が実行される構成としてもよい。
ステップS106にて肯定判定をした場合、ステップS109の処理を実行した後、又はステップS110の処理を実行した後は、ステップS111にて、電源投入設定処理を実行する。電源投入設定処理では、停電フラグの初期化といった主側RWM154の所定のエリアを初期値に設定するとともに、現状の遊技状態を認識させるために現状の遊技状態に対応したコマンドを音声発光制御装置62に送信する。また、タイマ割込み処理の発生を許可するために割込み許可の設定を行う。
その後、ステップS112〜ステップS116の残余処理に進む。つまり、主側MPU152は後述するようにタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS112〜ステップS116の残余処理を繰り返し実行する。この点、ステップS112〜ステップS116の残余処理は、非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、まずステップS112にて主側RWM154の停電フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。停電フラグは、後述する主側MPU152のタイマ割込み処理における停電情報記憶処理(ステップS401)にて、第1停電監視基板155から停電信号を受信していることを確認した場合に「1」がセットされるフラグである。
停電フラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS113に進む。ステップS113では、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS114では、後述する乱数初期値カウンタCINIの更新を行う乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS115では、後述する変動種別カウンタCSの更新を行う変動用カウンタ更新処理を実行する。これらの更新処理では、主側RWM154の対応するカウンタから現状の数値情報を読み出し、その読み出した数値情報を1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。その後、ステップS116にて、タイマ割込み処理の発生を禁止している状態から許可する状態へ切り換える割込み許可の設定を行う。ステップS116の処理を実行した後は、ステップS112に戻り、ステップS112〜ステップS116の処理を繰り返す。
一方、ステップS112にて、停電フラグに「1」がセットされていると判定した場合には、ステップS117〜ステップS120の停電発生時処理を実行する。停電発生時処理では、まずステップS117にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS118では、主側MPU152において停電が発生したことを認識させるために払出側MPU162に向けて停電コマンドを出力する。その後、ステップS119にてチェックサムの算出及び保存を行い、ステップS120にて主側RWM154へのアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
次に、図12のフローチャートを参照しながら、払出側MPU162にて実行されるメイン処理について説明する。
まずステップS201では、主側MPU152から復帰用のコマンドを受信しているか否かを判定する。詳細には、主側MPU152から初期化コマンド及び復帰コマンドのいずれかを受信しているか否かを判定する。復帰用のコマンドを受信していない場合には、そのままステップS201にて待機し、復帰用のコマンドを受信している場合に、ステップS202以降の処理に進む。
復帰用のコマンドとして設定されている初期化コマンド及び復帰コマンドは、主側MPU152において主側RWM154及びその他のRWM164,174の初期化に関する処理が完了した場合に送信される。また、主側MPU152は、初期化コマンド又は復帰コマンドの送信を行った後に、復電完了後の処理へ移行する。この場合に、上記のように払出側MPU162において復帰用のコマンドを受信するまで待機することにより、主側MPU152においてRWM154,164,174の初期化に関する処理が完了していないにも関わらず、払出側MPU162が復電完了後の処理へ移行してしまうことが防止される。
ステップS202では払出側RWM164のアクセスを許可する。その後、ステップS203では、主側MPU152から初期化コマンドを受信しているか否かを判定する。初期化コマンドを受信している場合には、ステップS204にて払出側RWM164をクリアする。その後、ステップS205にて、管理側RWM174の初期化を指示する初期化コマンドを管理側MPU172に向けて出力する。一方、初期化コマンドを受信していない場合には、ステップS206にて、払出側MPU162において払出側RWM164の初期化に関する処理が完了したことを示す復帰コマンドを管理側MPU172に向けて出力する。
ステップS205の処理の実行後又はステップS206の処理の実行後には、ステップS207にて操作ユニット141などの初期設定を行う。その後、ステップS208〜ステップS210の残余処理に進む。つまり、払出側MPU162は後述するようにタイマ割込み処理を定期的に実行する構成であるが、1のタイマ割込み処理と次のタイマ割込み処理との間に残余時間が生じることとなる。この残余時間は各タイマ割込み処理の処理完了時間に応じて変動することとなるが、かかる不規則な時間を利用してステップS208〜ステップS210の残余処理を繰り返し実行する。この点、ステップS208〜ステップS210の残余処理は、非定期的に実行される非定期処理であると言える。
残余処理では、ステップS208にて、主側MPU152から停電コマンドを受信しているか否かを判定し、ステップS209にて、第2停電監視基板165から停電信号を受信しているか否かを判定する。ステップS208及びステップS209の両方にて否定判定をした場合には、ステップS210にて、タイマ割込み処理の発生を許可する割込み許可の設定を行う。ステップS210の処理を実行した後は、ステップS208に戻り、ステップS208〜ステップS210の処理を繰り返す。
一方、ステップS208にて、主側MPU152から停電コマンドを受信していると判定した場合にはステップS213〜ステップS215の停電発生時処理を実行する。また、ステップS208にて否定判定をしたとしても、ステップS209にて第2停電監視基板165から停電信号を受信していると判定し、さらにその後においてステップS211にて主側MPU152から停電コマンドを受信したと判定した場合、又はステップS209にて肯定判定をしてから停電時の監視時間(例えば100msec)が経過していると判定してステップS212において肯定判定をした場合には、ステップS213〜ステップS215の停電発生時処理を実行する。
停電発生時処理では、まずステップS213にて、タイマ割込み処理の発生を禁止するために割込み禁止の設定を行う。続くステップS214では、払出側MPU162において停電が発生したことを認識させるために管理側MPU172に向けて停電コマンドを出力する。その後、ステップS215にて払出側RWM164へのアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
主側MPU152には第1停電監視基板155から停電信号が出力され、払出側MPU162には第2停電監視基板165から停電信号が出力される構成においては、電源側の中継基板69に設けられた電源スイッチ69aがOFF操作された場合や、商用電源において停電が発生した場合に、主側MPU152への停電信号の出力と払出側MPU162への停電信号の出力とが個々に行われる。この場合に、主側MPU152は、タイマ割込み処理の途中で停電信号を受信したとしても、即座に停電時処理を実行するのではなく、当該処理回のタイマ割込み処理の完了後に停電時処理を実行する。当該構成において、払出側MPU162は停電信号を受信したとしても、主側MPU152からの停電コマンドの受信又は停電時の監視時間の経過を待って停電時処理を実行する。そして、当該停電時の監視時間は、電源スイッチ69aがOFF操作された場合や商用電源において停電が発生した場合において払出側MPU162が停電信号を受信してから当該払出側MPU162において停電コマンドの受信が完了するまでの想定される最長時間よりも長い時間として設定されている。これにより、主側MPU152及び払出側MPU162の両方において停電時処理が実行される条件が成立した場合に、主側MPU152から払出側MPU162に停電コマンド以外のコマンドが出力され得る状況において払出側MPU162にて停電時処理が実行されてしまうことが防止される。
また、主側MPU152には第1電源装置66から動作電力が供給され、払出側MPU162には第2電源装置67から動作電力が供給される構成においては、いずれか一方の電源装置のみ商用電源からの動作電力の供給が停止されてしまうことが想定される。この場合に、払出側MPU162は、主側MPU152から停電コマンドを受信した場合には、第2停電監視基板165から停電信号を受信しているか否かに関係なく停電時処理を実行するため、主側MPU152において制御が停止される場合には払出側MPU162においても制御が停止されるようにすることが可能となる。
また、主側MPU152から停電コマンドを受信しない場合であっても、第2停電監視基板165から停電信号を受信し、且つ停電時の監視時間が経過した場合には払出側MPU162は停電時処理を実行する。これにより、第2電源装置67のみ商用電源からの動作電力の供給が停止されたとしても、払出側RWM164のデータが破壊されてしまうことを抑制しながら払出側MPU162において制御が停止されるようにすることが可能となる。
次に、図13のフローチャートを参照しながら、管理側MPU172にて実行されるメイン処理について説明する。
まずステップS301では、払出側MPU162から復帰用のコマンドを受信しているか否かを判定する。詳細には、払出側MPU162から初期化コマンド及び復帰コマンドのいずれかを受信しているか否かを判定する。復帰用のコマンドを受信していない場合には、そのままステップS301にて待機し、復帰用のコマンドを受信している場合に、ステップS302以降の処理に進む。
復帰用のコマンドとして設定されている初期化コマンド及び復帰コマンドは、払出側MPU162において払出側RWM164の初期化に関する処理が完了した場合に送信される。また、払出側MPU162は、初期化コマンド又は復帰コマンドの送信を行った後に、復電完了後の処理へ移行する。この場合に、上記のように管理側MPU172において復帰用のコマンドを受信するまで待機することにより、払出側MPU162において払出側RWM164の初期化に関する処理が完了していないにも関わらず、管理側MPU172が復電完了後の処理へ移行してしまうことが防止される。
ステップS302では管理側RWM174のアクセスを許可する。その後、ステップS303では、払出側MPU162から初期化コマンドを受信しているか否かを判定する。初期化コマンドを受信している場合には、ステップS304にて管理側RWM174をクリアする。ステップS303にて否定判定をした場合、又はステップS304の処理の実行後は、ステップS305にて、媒体用回路177、紙幣用回路175及び各種駆動部176a〜176cなどの初期設定を行う。
その後、ステップS306〜ステップS308の通常処理を行う。通常処理では、まずステップS306にて、払出側MPU162から停電コマンドを受信しているか否かを判定する。停電コマンドを受信していない場合には、ステップS307にて球供給用の管理処理を実行し、ステップS308にて媒体供給用の管理処理を実行した後に、ステップS306に戻る。これら各管理処理については後に詳細に説明する。
ステップS306にて停電コマンドを受信している場合には、ステップS309の停電発生時処理を実行する。具体的には、ステップS309にて、管理側RWM174へのアクセスを禁止する。その後、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
以上のように主側MPU152、払出側MPU162及び管理側MPU172においてメイン処理が実行されることにより、復電に際しては、最初に主側MPU152が復電完了後の処理に進み、次に払出側MPU162が復電完了後の処理に進み、最後に管理側MPU172が復電完了後の処理に進む。また、電源スイッチ69aのOFF操作や商用電源の停電が発生した際には、最初に主側MPU152において停電発生時処理が実行され、次に払出側MPU162において停電発生時処理が実行され、最後に管理側MPU172において停電発生時処理が実行される。
<主側MPU152にて実行されるタイマ割込み処理>
次に、主側MPU152にて実行されるタイマ割込み処理について説明する。図14は主側MPU152において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。当該タイマ割込み処理は、主側の特定周期、具体的には4msec周期で起動される。
タイマ割込み処理では、まずステップS401にて停電情報記憶処理を実行する。停電情報記憶処理では、第1停電監視基板155から電源遮断の発生に対応した停電信号を受信しているか否かを監視し、停電の発生を特定した場合には主側RWM154の停電フラグに「1」をセットする。
続くステップS402では抽選用乱数更新処理を実行する。抽選用乱数更新処理では、後述する大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4から現状の数値情報を順次読み出し、それら読み出した数値情報をそれぞれ1加算する処理を実行した後に、読み出し元のカウンタに上書きする処理を実行する。この場合、カウンタ値が最大値に達した際それぞれ「0」にクリアする。
その後、ステップS403ではステップS114と同様に乱数初期値更新処理を実行するとともに、ステップS404にてステップS115と同様に変動用カウンタ更新処理を実行する。続くステップS405では遊技停止判定処理を実行する。遊技停止判定処理では、遊技の進行を停止すべき状況であるか否かを監視し、遊技の進行を停止すべき状況であれば遊技を進行させるための処理の実行を停止する。
その後、ステップS406では遊技の進行を停止している状態であるか否かを判定し、遊技の進行を停止していない状態であることを条件に、ステップS407以降の処理を実行する。
ステップS407では、ポート出力処理を実行する。ポート出力処理では、前回のタイマ割込み処理において出力情報の設定が行われている場合に、その出力情報に対応した出力を各種駆動部42d,44cに行うための処理を実行する。例えば、大入賞口42bを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には可変入賞駆動部42dへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。また、下作動口44の電動役物44bを開放状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には電動役物駆動部44cへの駆動信号の出力を開始させ、閉鎖状態に切り換えるべき情報が設定されている場合には当該駆動信号の出力を停止させる。
続くステップS408では、読み込み処理を実行する。読み込み処理では、停電信号及び入賞信号以外の信号の読み込みを実行し、その読み込んだ情報を今後の処理にて利用するために記憶する。
続くステップS409では、各入賞検知センサ41a〜45bから受信している信号を読み込むとともに、その読み込んだ情報に対応した処理を行うための入賞検知処理を実行する。当該入賞検知処理の処理内容は、後に詳細に説明する。また、ステップS410では、主側RWM154に設けられている所定のタイマカウンタの数値情報をまとめて更新するためのタイマ更新処理を実行する。
続くステップS411では、不正用の監視対象として設定されている所定の事象が発生しているか否かを監視する不正検知処理を実行するとともに、ステップS412では、賞球コマンドの出力設定処理を実行する。また、ステップS413では、入力状態監視処理として、ステップS408の読み込み処理にて読み込んだ情報に基づいて、各入賞検知センサ41a〜45bの断線確認、遊技機本体12の開放確認、及び前扉22の開放確認を行う。
続くステップS414では、遊技回の実行制御及び開閉実行モードの実行制御を行うための特図特電制御処理を実行する。当該特図特電制御処理については、後に詳細に説明する。
続くステップS415では普図普電制御処理を実行する。普図普電制御処理では、スルーゲート45への入賞が発生している場合に後述する電動役物開放カウンタC4の数値情報を取得するための処理を実行するとともに、当該数値情報が記憶されている場合にその数値情報について開放判定を行い、さらにその開放判定を契機として普図用の演出を行うための処理を実行する。また、開放判定の結果に基づいて、下作動口44の電動役物44bを開閉させる処理を実行する。
続くステップS416では、直前のステップS414及びステップS415の処理結果に基づいて、特図表示部47の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行うとともに、普図表示部48の表示内容を更新させるための出力情報の設定を行う。
続くステップS417では、遊技回及び開閉実行モードの両方が実行されていない状況において図柄表示装置46aの表示内容を待機表示用のものとするためのデモ表示用処理を実行する。
続くステップS418では、使用可能な遊技球B1の数の情報を払出側MPU162から受信したコマンドに基づいて把握する球管理状態受信処理を実行するとともに、ステップS419では、当該球管理状態受信処理に応じた処理である残存球対応処理を実行する。これらの処理の詳細については後に説明する。
続くステップS420では、今回のタイマ割込み処理にて実行された各種処理の処理結果に応じた外部信号の出力の開始及び終了を制御するように外部情報設定処理を実行する。ステップS406にて肯定判定をした場合、又はステップS407〜ステップS420の処理を実行した後は、本タイマ割込み処理を終了する。
次に、タイマ割込み処理(図14)のステップS409にて実行される入賞検知処理について説明する。
入賞検知処理では、入賞検知センサ41a〜45bにおける検知結果を確認する処理を実行するが、当該確認に際しては主側MPU152の入力ポートが確認される。ここで、入賞検知処理の説明に先立ち、図15を参照しながら、主側MPU152に設けられた入力ポート152aの構成について説明する。
入力ポート152aは、8種類の信号を同時に扱うことができるように8ビットのパラレルインターフェースとして構成されている。そして、各信号の電圧に応じて「0」又は「1」の情報が格納されるエリアが、各端子に1対1で対応させて設けられている。つまり、当該エリアとして、第0ビットD0〜第7ビットD7を備えている。
また、入力ポート152aには8種類を超える信号が入力されることとなるが、同時に入力される対象を8種類に制限するために、入力ポート152aへの入力対象となる信号群はドライバICによる切換制御を通じて切り換えられる。入賞検知処理では、入力ポート152aへの入力対象となる信号群が各入賞検知センサ41a〜45bに設定される。
かかる設定がなされた状況では、第0ビットD0は大入賞口検知センサ42aからの入賞信号に対応した情報が格納され、第1ビットD1は上作動口検知センサ43aからの入賞信号に対応した情報が格納され、第2ビットD2は下作動口検知センサ44aからの入賞信号に対応した情報が格納され、第3ビットD3は第1入賞口検知センサ41aからの入賞信号に対応した情報が格納され、第4ビットD4は第2入賞口検知センサ41bからの入賞信号に対応した情報が格納され、第5ビットD5は第3入賞口検知センサ41cからの入賞信号に対応した情報が格納され、第6ビットD6は第1ゲート検知センサ45aからの入賞信号に対応した情報が格納され、第7ビットD7は第2ゲート検知センサ45bからの入賞信号に対応した情報が格納される。
この場合に、上記各入賞検知センサ41a〜45bは、遊技球の通過を検知していない場合には入賞信号として非検知中であることを示すHIレベル信号を出力し、遊技球の通過を検知している場合には入賞信号として検知中であることを示すLOWレベル信号を出力する。但し、主制御基板151には反転回路が設けられており、入力ポート152aに上記各検知信号が入力される前に信号の状態が反転される。そして、入力ポート152aでは当該反転回路を通じてLOWレベル信号を受信している場合に該当するビットに「0」の情報(データ0又は無し情報)を格納し、反転回路を通じてHIレベル信号を受信している場合に該当するビットに「1」の情報(データ1又は有り情報)を格納する。
つまり、入賞検知センサ41a〜45bにおいて遊技球の通過が検知されていない状況では該当するビットに非検知中を示す情報に対応した「0」の情報が格納され、遊技球の通過が検知されている状況では該当するビットに検知中を示す情報に対応した「1」の情報が格納される。
なお、各入賞検知センサ41a〜45bは、遊技球の通過を検知していない間は入賞信号としてLOWレベル信号を出力するとともに遊技球の通過を検知している間は入賞信号としてHIレベル信号を出力する構成としてもよい。この場合、上記反転回路を不具備とすればよい。
さて、入賞検知処理では、図16(a)のフローチャートに示すように、まずステップS501にて、上記第0〜第7ビットD0〜D7に現状格納されている情報を、主側MPU152のレジスタにおける第1入賞判定エリアWA1に移行させる処理を実行する。当該第1入賞判定エリアWA1は、図16(b−1)に示すように8ビットから構成されており、上記第0〜第7ビットD0〜D7に格納されている情報の全てを格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、第0〜第7ビットD0〜D7における格納元のビットと、第1入賞判定エリアWA1における格納先のビットとは1対1で対応させて予め定められており、例えば第0ビットD0の情報は常に第1入賞判定エリアWA1における所定のビットに格納される。
続くステップS502では、入賞検知用のウェイト処理を実行する。当該ウェイト処理では、予め定められたウェイト時間が経過するまで主側MPU152において何ら処理を実行することなく待機する。本パチンコ機10では、当該ウェイト時間として10μsecが設定されているが、定期的なタイマ割込み処理の実行を阻害することなく、さらに当該ウェイト処理に設定したことによる後述する作用効果を十分に奏することができるのであれば、具体的なウェイト時間は任意であるが、2μsec〜500μsecの範囲であることが好ましく、より好ましくは10μsec〜100μsecの範囲である。
ちなみに、既に説明したとおり、一のステップの処理を実行するには少なくとも1.2μsecを要する。したがって、ステップS502の処理が設定されていなくても、ステップS501とステップS503との間には1.2μsecの強制的なウェイト時間が発生することとなる。この点、ステップS502では、処理を実行する上で最低限要する時間だけでなく、それに対して追加のウェイト時間をステップS501の処理とステップS503の処理との間に設定していることとなる。
続くステップS503では、上記第0〜第7ビットD0〜D7に現状格納されている情報を、主側MPU152のレジスタにおける第2入賞判定エリアWA2に移行させる処理を実行する。ちなみに、入力ポート152aにおける情報の更新はステップS501が完了してからステップS503が開始されるまでの時間よりも短い間隔で行われているため、ステップS503にて第0〜第7ビットD0〜D7から移行される情報は、ステップS501の場合と異なるものとなり得る。
第2入賞判定エリアWA2は、第1入賞判定エリアWA1と同様に、図16(b−2)に示すように8ビットから構成されており、上記第0〜第7ビットD0〜D7に格納されている情報の全てを格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、第0〜第7ビットD0〜D7における格納元のビットと、第2入賞判定エリアWA2における格納先のビットとは1対1で対応させて予め定められており、さらに格納元のビットと格納先のビットとの関係は、第1入賞判定エリアWA1の場合と同一となっている。
その後、ステップS504にて、入賞判定処理を実行した後に、本入賞検知処理を終了する。当該入賞判定処理について、図17のフローチャートを参照しながら説明する。
入賞判定処理では、先ずステップS601にて、主側RWM154に設けられた入賞判定カウンタに8をセットする。続くステップS602では、第1入賞判定エリアWA1及び第2入賞判定エリアWA2における現状の入賞判定カウンタの数値情報に対応したビットの各情報を把握する。この場合に把握される各情報は、入力ポート152aにおける同一のビットから読み出された情報である。
続くステップS603では、ステップS602にて把握した各情報のAND処理を実行し、そのAND処理結果をレジスタに記憶するとともに、ステップS604にて、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4のうち、前回のタイマ割込み処理の処理回における入賞検知処理にてAND処理の結果の情報が格納された側とは異なる側の対応するビットに上記AND処理結果を格納する。第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4は、図16(b−3)及び図16(b−4)に示すように8ビットから構成されており、第1入賞判定エリアWA1の各ビットと第2入賞判定エリアWA2の各ビットとのAND処理結果の各情報を全て格納することが可能なデータ容量となっている。この場合、AND処理の対象となった第1入賞判定エリアWA1及び第2入賞判定エリアWA2のビットの順番と、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4における各ビットの順番とは一義的に定められている。
その後、ステップS605にて、第1演算後エリアWA3及び第2演算後エリアWA4のうち、前回のタイマ割込み処理の処理回における入賞判定処理にてAND処理の結果の情報が格納された側であって、現状の入賞判定カウンタの数値情報に対応したビットの情報を読み出す。そして、ステップS606にて、その読み出した情報を「0」と「1」との間で反転させるための反転処理を実行する。
その後、ステップS607にて、ステップS603におけるAND処理結果の情報と、ステップS606における反転処理結果の情報とのAND処理を実行し、続くステップS608にて、そのAND処理の結果が入賞検知開始情報に対応した「1」であるか否かを判定する。ステップS608にてAND処理結果が「1」であると判定した場合には、ステップS609以降の処理に進む。
ステップS609では、現状の入賞判定カウンタの数値情報が上作動口43及び下作動口44のいずれかに対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。上作動口43及び下作動口44のいずれかに対応している場合には、ステップS610にて、主側RWM154に設けられた作動入賞フラグに「1」をセットし、ステップS611にて、主側RWM154に設けられた3個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
作動入賞フラグは、上作動口43又は下作動口44への入賞に対応した処理であって賞球の実行以外の処理を実行すべき状態であることを主側MPU152にて特定するためのフラグである。ちなみに、上作動口43と下作動口44とのそれぞれに入賞検知センサ43a,44aが設けられているため、上作動口43への入賞と下作動口44への入賞とがタイマ割込み処理の1処理回の範囲内で同時に把握されることがある。したがって、これに対応すべく、作動入賞フラグは、作動口43,44の数に対応させて設けられており、具体的には2個設けられている。また、3個賞球カウンタは、3個の賞球の実行を指示する3個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU152において特定するためのカウンタである。
ステップS609にて否定判定をした場合には、ステップS612にて、現状の入賞判定カウンタの数値情報が可変入賞装置42に対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。可変入賞装置42に対応している場合には、ステップS613にて、主側RWM154に設けられた大入賞フラグに「1」をセットし、ステップS614にて、主側RWM154に設けられた15個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
大入賞フラグは、可変入賞装置42への入賞に対応した処理であって賞球の実行以外の処理を実行すべき状態であることを主側MPU152にて特定するためのフラグである。また、15個賞球カウンタは、15個の賞球の実行を指示する15個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU152にて特定するためのカウンタである。
ステップS612にて否定判定をした場合には、ステップS615にて、現状の入賞判定カウンタの数値情報がスルーゲート45に対応したビットを示す情報であるか否かを判定する。スルーゲート45に対応している場合には、ステップS616にて、主側RWM154に設けられたスルーフラグに「1」をセットする。ステップS615にて否定判定をした場合には、今回の入賞が一般入賞口41に対応していることを意味するため、ステップS617にて、主側RWM154に設けられた10個賞球カウンタの数値情報を1加算する。
スルーフラグは、スルーゲート45への入賞に対応した処理を実行すべき状態であることを主側MPU152にて特定するためのフラグである。また、10個賞球カウンタは、10個の賞球の実行を指示する10個賞球コマンドを出力すべき回数を主側MPU152にて特定するためのカウンタである。
ステップS608にて否定判定をした場合、又はステップS611、ステップS614、ステップS616、ステップS617のいずれかの処理を実行した後は、ステップS618に進む。ステップS618では、入賞判定カウンタを1減算し、その後、ステップS619にて入賞判定カウンタが「0」であるか否かを判定する。
「0」でない場合には、ステップS618にて更新した入賞判定カウンタの数値情報に応じたビットについて、ステップS602〜ステップS617の処理を実行する。かかるステップS602〜ステップS617の処理を、ステップS601にてセットした数値情報分実行した場合には、ステップS619にて肯定判定をすることとなり、本入賞判定処理を終了する。
次に、上記入賞検知処理(図16)が実行されることにより、遊技領域の一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43、下作動口44及びスルーゲート45への入賞の有無が検知される様子について図18を参照しながら説明する。
まず、図18(A)を参照しながら、入賞検知センサ41a〜45bにおける検知結果(以下、入賞情報ともいう)を監視するタイミングを説明する。図18(A)は各入賞情報を監視するタイミングを説明するためのタイミングチャートである。
図18(A)に示すように、T1(具体的には4msec)周期でタイマ割込み処理(図14)が起動される構成において、入賞情報を監視する処理はタイマ割込み処理の各処理回で2回(ステップS501,ステップS503)行われる。各1組の入賞情報を監視する処理はタイミングが前後するように実行されるが、先側の入賞情報を監視する処理(ステップS501)はタイマ割込み処理が起動されたタイミングに対してT2の時間が経過したタイミングで実行される。
この場合に、タイマ割込み処理において入賞検知処理が実行されるタイミングは特図特電制御処理及び普図普電制御処理といった処理時間が変動し易い処理よりも先に実行され、さらにタイマ割込み処理において入賞検知処理よりも先に実行される処理は処理時間が比較的変動しにくい処理となっている。したがって、各処理回のタイマ割込み処理において先側の入賞情報を監視する処理が開始されるまでの期間はT2で同一、略同一又は同様となる。よって、タイマ割込み処理の各処理回に含まれる1組の入賞情報を監視する処理のうち、先側の入賞情報を監視する処理は定期的に実行されることとなる。
また、各1組の入賞情報を監視する処理のうち、先側の入賞情報を監視する処理(ステップS501)と後側の入賞情報を監視する処理(ステップS503)との間では、入賞検知用のウェイト処理(ステップS502)が実行されるが、かかるウェイト処理では何ら処理を実行することなく一定のウェイト時間T3が経過するまで待機するだけである。したがって、タイマ割込み処理の各処理回に含まれる1組の入賞情報を監視する処理のうち、後側の入賞情報を監視する処理は定期的に実行されることとなる。
次に、図18(B)を参照しながら、入賞判定が行われる場合に実行される演算の内容を説明する。図18(B)は入賞判定が行われる場合に実行される演算の内容を説明するための説明図である。なお、実際には1ビット単位で各種演算が行われるが、以下の説明では1バイト単位で演算の内容を説明する。但し、以下に説明するような1バイト単位での演算が実際に行われる構成としてもよい。
図18(B)の場合では、先ずn回目のタイマ割込み処理における先側の入賞情報を監視する処理にて、図18(B1)に示すように、第1入賞判定エリアWA1に「00100000」がセットされている。この場合、各入賞検知センサ41a〜45bのうち第3入賞口検知センサ41cの入賞情報が遊技球を検知している旨の情報(以下、入賞有り情報ともいう)となっており、他のセンサの入賞情報は遊技球を検知していない旨の情報(以下、入賞無し情報ともいう)となっている。
また、当該n回目のタイマ割込み処理における後側の入賞情報を監視する処理では、図18(B2)に示すように、第2入賞判定エリアWA2に「10100000」がセットされている。この場合、各入賞検知センサ41a〜45bのうち第2ゲート検知センサ45b及び第3入賞口検知センサ41cのそれぞれが入賞有り情報となっており、他のセンサは入賞無し情報となっている。
上記のように第1入賞判定エリアWA1及び第2入賞判定エリアWA2の情報のセットが行われた場合、そのAND処理結果は、図18(B3)に示すように「00100000」となり、当該情報がn回目の処理回のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果として第1演算後エリアWA3にセットされる。なお、n―1回目のタイマ割込み処理にて入賞情報の監視結果が第1演算後エリアWA3にセットされている場合にはn回目のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果は第2演算後エリアWA4にセットされる。また、n―1回目における入賞情報の監視結果とn回目における入賞情報の監視結果とを利用して入賞判定処理が実行されるが、この処理の演算の内容はここでは省略する。
次にn+1回目のタイマ割込み処理における先側の入賞情報を監視する処理にて、図18(B4)に示すように、第1入賞判定エリアWA1に「10100110」がセットされている。この場合、各入賞検知センサ41a〜45bのうち第2ゲート検知センサ45b、第3入賞口検知センサ41c、下作動口検知センサ44a及び上作動口検知センサ43aのそれぞれが入賞有り情報となっており他のセンサは入賞無し情報となっている。
また、当該n+1回目のタイマ割込み処理における後側の入賞情報を監視する処理にて、図18(B5)に示すように、第2入賞判定エリアWA2に「10100010」がセットされている。この場合、各入賞検知センサ41a〜45bのうち第2ゲート検知センサ45b、第3入賞口検知センサ41c及び上作動口検知センサ43aのそれぞれが入賞有り情報となっており、他のセンサは入賞無し情報となっている。
上記のように第1入賞判定エリアWA1及び第2入賞判定エリアWA2の情報のセットが行われた場合、そのAND処理結果は、図18(B6)に示すように「10100010」となり、当該情報がn+1回目の処理回のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果として第2演算後エリアWA4にセットされる。
その後、当該n+1回目のタイマ割込み処理における入賞判定処理(図17)にて、先ずn回目のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果が第1演算後エリアWA3から読み出されるとともにその読み出された監視結果の情報に対して反転処理が実行される。そうすると、図18(B7)に示すように、「11011111」となる。そして、当該反転処理の結果の情報に、n+1回目のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果をAND処理する。これにより、図18(B8)に示すように、「10000010」となる。この場合、当該入賞判定処理では、第2ゲート検知センサ45bにて遊技球の入賞が検知されたと判定するとともに、上作動口検知センサ43aにて遊技球の入賞が検知されたと判定する。
また、図18(B4)に示すように、n+1回目のタイマ割込み処理における先側の入賞情報を監視する処理にて下作動口検知センサ44aが入賞有り情報となっているが、これは電気的なノイズにより発生したものである。この場合に、入賞無し情報から入賞有り情報への切り換えを確認したとしても即座に入賞発生と特定するのではなく、入賞有り情報が複数回に亘って確認された場合に入賞発生と特定する構成である。したがって、図18(B5)に示すように、n+1回目のタイマ割込み処理における後側の入賞情報を監視する処理では下作動口検知センサ44aが入賞無し情報となっており、電気的なノイズの発生を遊技球の入賞と取り扱わないようになっている。
また、第3入賞口検知センサ41cではn回目のタイマ割込み処理における1組の入賞情報を監視する処理及びn+1回目のタイマ割込み処理における1組の入賞情報を監視する処理のそれぞれにて入賞有り情報となっているが、これは既に入賞の発生が把握された遊技球を継続して検知している状態を示している。この場合に、n回目のタイマ割込み処理における入賞情報の監視結果が「0」であることを条件に入賞の発生を特定しているため、1個の遊技球の入賞を複数個の入賞として扱ってしまわない。
上記のように入賞検知処理が実行されることにより、各入賞検知センサ41a〜45bにおける検知結果の監視が実行されることともに、遊技球B1の付与に対応した入賞が発生している場合には、その入賞箇所に応じて、3個賞球カウンタ、10個賞球カウンタ及び15個賞球カウンタへの加算処理が実行される。これらカウンタのいずれかが「1」以上となっている場合には、タイマ割込み処理(図14)における賞球コマンドの出力設定処理(ステップS412)にて賞球コマンドの設定が行われ、その設定された賞球コマンドが払出側MPU162に送信される。この場合、賞球コマンドの出力設定はタイマ割込み処理の1処理回において1回のみ行われる。したがって、例えば15個賞球カウンタが「2」以上となっていたとしても、1処理回では15個賞球コマンドが1回のみ送信される。但し、これに限定されることはなく、1処理回において所定の複数(例えば2個又は3個)の賞球コマンドが送信される構成としてもよい。
また、3個賞球カウンタ、10個賞球カウンタ及び15個賞球カウンタのそれぞれが「1」以上となっている場合も考えられるが、この場合、賞球個数の多い賞球コマンドの出力が優先される。つまり、15個賞球コマンドの出力が10個賞球コマンドの出力や3個賞球コマンドの出力よりも優先され、10個賞球コマンドの出力が3個賞球コマンドの出力よりも優先される。
15個賞球カウンタが「1」以上の場合に15個賞球コマンドが出力対象として設定された場合に、当該15個賞球カウンタは1減算される。また、10個賞球カウンタが「1」以上の場合に10個賞球コマンドが出力対象として設定された場合に、当該10個賞球カウンタは1減算される。また、3個賞球カウンタが「1」以上の場合に3個賞球コマンドが出力対象として設定された場合に、当該3個賞球カウンタは1減算される。
次に、タイマ割込み処理(図14)のステップS414にて実行される特図特電制御処理について説明する。
当該特図特電制御処理の説明に先立ち、主側MPU152にて各種抽選を行うための電気的な構成について、図19を用いて説明する。
主側MPU152は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、特図表示部47の表示の設定、図柄表示装置46aの図柄表示の設定、普図表示部48の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図19に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置46aが外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、特図表示部47及び図柄表示装置46aにおける表示継続時間を決定する変動種別カウンタCSと、を用いることとしている。さらに、下作動口44の電動役物44bを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、主側RWM154の抽選用カウンタエリア154aに設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新される。大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口43又は下作動口44への入賞が発生した場合に保留格納エリア154bに格納される。
保留格納エリア154bは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口43又は下作動口44への入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口43又は下作動口44への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口43又は下作動口44への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。
実行エリアAEは、特図表示部47の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口43又は下作動口44に入賞したタイミングで保留格納エリア154bに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、主側ROM153の当否テーブル記憶エリアに当否テーブルとして記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブルと、高確率モード用の当否テーブルとが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして低確率モードと高確率モードとが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口43又は下作動口44に入賞したタイミングで保留格納エリア154bに格納される。
本パチンコ機10では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置42の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口44の電動役物44bにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
開閉実行モードにおける可変入賞装置42の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置42への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードのいずれであっても、予め定められた回数のラウンド遊技を上限として実行される。
ここで、ラウンド遊技とは、予め定められた上限継続時間が経過すること、及び予め定められた上限個数の遊技球が大入賞口42bに入賞することのいずれか一方の条件が満たされるまで継続する遊技のことである。また、大当たり結果が契機となった開閉実行モードにおけるラウンド遊技の回数は、その移行の契機となった大当たり結果の種類がいずれであっても固定ラウンド回数で同一となっている。具体的には、いずれの大当たり結果となった場合であっても、ラウンド遊技の上限回数は15ラウンドに設定されている。
また、本パチンコ機10では、可変入賞装置42の1回の開放態様が、大入賞口42bが開放されてから閉鎖されるまでの開放継続時間を相違させて、複数種類設定されている。詳細には、開放継続時間が長時間である29secに設定された長時間態様と、開放継続時間が上記長時間よりも短い短時間である0.8secに設定された短時間態様と、が設定されている。
本パチンコ機10では、発射操作装置36が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構34が駆動制御される。また、ラウンド遊技は終了条件の上限個数が9個に設定されている。そうすると、上記開放態様のうち長時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも長い時間の開放継続時間が設定されていることとなる。一方、短時間態様では、遊技球の発射周期と1回のラウンド遊技の上限個数との積よりも短い時間、より詳細には、遊技球の発射周期と同程度又は若干長い程度の開放継続時間が設定されている。したがって、長時間態様で可変入賞装置42の1回の開放が行われた場合には、大入賞口42bに、1回のラウンド遊技における上限個数分の入賞が発生することが期待され、短時間態様で可変入賞装置42の1回の開放が行われた場合には、大入賞口42bへの入賞が発生しないこと又は入賞が発生するとしても1個程度となることが期待される。
高頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において長時間態様による大入賞口42bの開放が1回行われる。一方、低頻度入賞モードでは、各ラウンド遊技において短時間態様による大入賞口42bの開放が1回行われる。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口42bの開閉回数、ラウンド遊技の回数、1回の開放に対する開放継続時間及び1回のラウンド遊技における上限個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置42への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。
下作動口44の電動役物44bにおけるサポートモードとしては、遊技領域に同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口44の電動役物44bが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物44bが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物44bの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口44への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口44よりも上作動口43への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口43よりも下作動口44への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口44への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート45への入賞に基づき普図表示部48にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、普図表示部48における1回の変動表示時間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は主側ROM153の振分テーブル記憶エリアに振分テーブルとして記憶されている。そして、かかる振分先として、低確大当たり結果と、低入賞高確大当たり結果と、最有利大当たり結果とが設定されている。
低確大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。
低入賞高確大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり結果となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
最有利大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。これら高確率モード及び高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり結果となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、開閉実行モードではなく、さらに当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。また、遊技結果として、低入賞高確大当たり結果が設定されていない構成としてもよい。
振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が低確大当たり結果に対応しており、「10〜14」が低入賞高確大当たり結果に対応しており、「15〜29」が最有利大当たり結果に対応している。
なお、高確大当たり結果の一種として、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードがそれまでのモードに維持されることとなる非明示の低入賞高確大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)が含まれていてもよい。この場合、大当たり結果のさらなる多様化が図られる。
さらにまた、当否抽選における外れ結果の一種として、低頻度入賞モードの開閉実行モードに移行するとともに、その終了後において当否抽選モード及びサポートモードの移行が発生しない特別外れ結果が含まれていてもよい。上記のような非明示の低入賞高確大当たり結果と当該特別外れ結果との両方が設定されている構成においては、開閉実行モードが低頻度入賞モードに移行すること、及びサポートモードがそれまでのモードに維持されることで共通しているのに対して、当否抽選モードの移行態様が異なっていることにより、例えば通常遊技状態において非明示の低入賞高確大当たり結果又は特別外れ結果の一方が発生した場合に、それが実際にいずれの結果に対応しているのかを遊技者に予測させることが可能となる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口43又は下作動口44に入賞したタイミングで保留格納エリア154bに格納される。
ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置46aにおける表示演出の一種としてリーチ表示が設定されている。リーチ表示とは、図柄の変動表示を行うことが可能な図柄表示装置46aを備え、可変入賞装置42の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置46aにおける図柄の変動表示が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
リーチ表示には、図柄表示装置46aの表示面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画像において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
リーチ表示は、高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、主側ROM153のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。つまり、リーチ乱数カウンタC3の数値情報は、リーチ表示を実行するか否かを決定するために利用される。但し、リーチ表示の種類の決定に際しては、リーチ乱数カウンタC3の数値情報は利用されない。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、特図表示部47における変動表示時間と、図柄表示装置46aにおける図柄の変動表示時間とを主側MPU152において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述するメイン処理及びタイマ割込み処理のそれぞれにて更新され、特図表示部47における変動表示の開始時及び図柄表示装置46aによる図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSの値が取得される。なお、変動表示時間の決定に際しては、主側ROM153の変動表示時間テーブル記憶エリアに予め記憶されている変動表示時間テーブルが参照される。
ここで、上記リーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報に基づきリーチ表示を発生させることが決定された場合や、高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する遊技回であることに起因してリーチ表示を発生させることが決定された場合には、変動種別カウンタCSから取得した数値情報を利用してリーチ表示の種類が決定される。各リーチ表示は、リーチ表示において出現するキャラクタの種類や、リーチ表示が実行される期間などが相違している。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート45に遊技球が入賞したタイミングで主側RWM154に設けられた電役保留エリア154cに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物44bを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
図20は、特図特電制御処理を示すフローチャートである。
特図特電制御処理では、上作動口43又は下作動口44への入賞が発生している場合に保留情報を取得するための処理を実行するとともに、保留情報が記憶されている場合にその保留情報について当否判定を行い、さらにその当否判定を契機として遊技回用の演出を行うための処理を実行する。また、当否判定の結果に基づいて、遊技回用の演出後に開閉実行モードに移行させる処理を実行するとともに、開閉実行モード中及び開閉実行モード終了時の処理を実行する。
具体的には、先ずステップS701にて、保留情報の取得処理を実行する。保留情報の取得処理では、上作動口43又は下作動口44への入賞が発生しているか否かを判定し、入賞が発生している場合には保留格納エリア154bにおける保留数が上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。保留数が上限値未満である場合には、保留数を1加算するとともに、前回のステップS402にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリアに格納する。
なお、上作動口43及び下作動口44への入賞が同時に発生している場合には、保留情報の取得処理を1回実行する範囲内において、上記保留情報を取得するための処理を複数回実行する。
ステップS701にて保留情報の取得処理を実行した後は、ステップS702に進む。ステップS702では、保留予告用の確認処理を実行する。当該確認処理の詳細については後に説明する。
続くステップS703では、主側RWM154に設けられた特図特電カウンタの情報を読み出す処理を実行し、ステップS704にて主側ROM153から特図特電アドレステーブルを読み出す処理を実行する。そして、ステップS705にて、特図特電アドレステーブルから特図特電カウンタの情報に対応した開始アドレスを取得する処理を実行する。
ここで、ステップS703〜ステップS705の処理内容について説明する。
既に説明したとおり特図特電制御処理には、遊技回用の演出に係る処理と、開閉実行モードに係る処理と、が含まれている。この場合に、遊技回用の演出に係る処理として、遊技回用の演出を開始させるための処理である特図変動開始処理(ステップS707)と、遊技回用の演出を進行させるための処理である特図変動中処理(ステップS708)と、遊技回用の演出を終了させるための処理である特図確定中処理(ステップS709)と、が設定されている。
また、開閉実行モードに係る処理として、開閉実行モードのオープニングを制御するための処理である特電開始処理(ステップS710)と、大入賞口42bの開放中の状態を制御するための処理である特電開放中処理(ステップS711)と、大入賞口42bの閉鎖中の状態を制御するための処理である特電閉鎖中処理(ステップS712)と、開閉実行モードのエンディング及び開閉実行モード終了時の遊技状態の移行を制御するための処理である特電終了処理(ステップS713)と、が設定されている。
このような処理構成において、特図特電カウンタは、上記複数種類の処理のうちいずれを実行すべきであるかを主側MPU152にて把握するためのカウンタであり、特図特電アドレステーブルには、特図特電カウンタの数値情報に対応させて、上記複数種類の処理を実行するためのプログラムの開始アドレスが設定されている。
この場合、開始アドレスSA0は、特図変動開始処理(ステップS707)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA1は、特図変動中処理(ステップS708)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA2は、特図確定中処理(ステップS709)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA3は、特電開始処理(ステップS710)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA4は、特電開放中処理(ステップS711)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA5は、特電閉鎖中処理(ステップS712)を実行するためのプログラムの開始アドレスであり、開始アドレスSA6は、特電終了処理(ステップS713)を実行するためのプログラムの開始アドレスである。
特図特電カウンタは、現状格納されている数値情報に対応した処理を終了した場合に当該数値情報を更新すべき条件が成立していることを契機として、その次の処理回における特図特電制御処理にて実行される処理に対応させて、1加算、1減算又は「0」クリア(初期化)される。したがって、各処理回における特図特電制御処理では、特図特電カウンタにセットされている数値情報に応じた処理を実行すればよいこととなる。
ステップS705の処理を実行した後は、ステップS706にて、ステップS705において取得した開始アドレスの示す処理にジャンプする処理を実行する。具体的には、取得した開始アドレスがSA0である場合にはステップS707の特図変動開始処理にジャンプする。
特図変動開始処理では、保留情報が保留記憶されていることを条件に、その保留情報を保留格納エリア154bの実行エリアAEにシフトする処理を実行するとともに、各保留エリアRE1〜RE4のデータを上位側(すなわち第1保留エリアRE1側)にシフトする処理を実行する。その後、実行エリアAEにシフトされた保留情報について、大当たり当選に対応しているか否かを判定する当否判定処理、及び大当たり当選に対応している場合にはその保留情報がいずれの大当たり結果に対応しているのかを判定する振分判定処理を実行する。当否判定処理に際しては、保留情報において大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が、大当たり当選に対応した数値情報であるか否かの判定を行う。また、振分判定処理に際しては、保留情報において大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報が、いずれの大当たり結果の区分に対応しているか否かの判定を行う。
当否判定処理及び振分判定処理だけでなく、その保留情報が大当たり当選に対応していない場合には、その保留情報がリーチ発生に対応しているか否かを判定するリーチ判定処理を実行するとともに、その時点における変動種別カウンタCSの数値情報を利用して遊技回の継続時間を選択する継続時間の選択処理を実行する。なお、リーチ判定処理に際しては、保留情報においてリーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報が、リーチ発生の数値情報に対応しているか否かの判定を行う。
継続時間の情報を選択した場合には、当該継続時間の情報を含む変動用コマンドと遊技結果の情報を含む種別コマンドとを音声発光制御装置62に送信するとともに、特図表示部47における絵柄の変動表示を開始させる。これにより、1遊技回が開始された状態となり、特図表示部47及び図柄表示装置46aにて遊技回用の演出が開始される。
ちなみに、このように遊技回用の演出を開始させた場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特図変動開始処理に対応したものから特図変動中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA1である場合にはステップS708の特図変動中処理にジャンプする。特図変動中処理では、遊技回の継続時間中であって、確定表示前のタイミングであるか否かを判定する処理を実行し、確定表示前であれば特図表示部47における絵柄の表示態様を規則的に変化させるための処理を実行する。
ちなみに、確定表示させるタイミングとなるまで特図変動中処理にて待機するのではなく、確定表示させるタイミングではない場合には上記規則的に変化させるための処理を実行した後に、本特図変動中処理を終了する。したがって、遊技回用の演出が開始された後は、確定表示させるタイミングとなるまで、特図特電制御処理が起動される度に特図変動中処理が起動される。また、確定表示させるタイミングとなった場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特図変動中処理に対応したものから特図確定中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA2である場合にはステップS709の特図確定中処理にジャンプする。特図確定中処理では、図柄表示装置46aにて今回の遊技回の停止結果を最終停止表示させるために、最終停止コマンドを音声発光制御装置62に送信するとともに、特図表示部47における絵柄の表示態様を今回の遊技回の抽選結果に対応した表示態様とする。また、特図確定中処理では、確定表示中の期間が経過したか否かを判定し、当該期間が経過している場合には開閉実行モードへの移行が発生するか否かの判定を行い、開閉実行モードへの移行が発生する場合には当該モード移行用の処理を実行する。
ちなみに、確定表示中の期間が経過するまで特図確定中処理にて待機するのではなく、当該期間が経過していない場合には本特図確定中処理を終了する。したがって、確定表示が開始された後は、確定表示中の期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特図確定中処理が起動される。また、確定表示中の期間が経過した場合には、開閉実行モードへの移行が発生しない状況では特図特電カウンタの数値情報を初期化(すなわち「0」クリア)し、開閉実行モードへの移行が発生する状況では特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特図確定中処理に対応したものから特電開始処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA3である場合にはステップS710の特電開始処理にジャンプする。特電開始処理では、開閉実行モードが開始されることを示すオープニングコマンドを音声発光制御装置62に送信する。また、特電開始処理では、開閉実行モードのオープニング期間が経過したか否かを判定する。オープニング期間が経過していない場合には特電開始処理にて待機するのではなく本特電開始処理を終了する。したがって、開閉実行モードのオープニング演出が開始された後は、オープニング期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電開始処理が起動される。また、オープニング期間が経過した場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特電開始処理に対応したものから特電開放中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA4である場合にはステップS711の特電開放中処理にジャンプする。特電開放中処理では、1のラウンド遊技を開始させるとともに、当該ラウンド遊技の終了条件が成立したか否かを判定する。終了条件が成立していない場合には特電開放中処理にて待機するのではなく、上記終了条件の成立を監視するための処理を実行した後に本特電開放中処理を終了する。上記終了条件が成立している場合には、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特電開放中処理に対応したものから特電閉鎖中処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA5である場合にはステップS712の特電閉鎖中処理にジャンプする。特電閉鎖中処理では、1のラウンド遊技を終了させる処理を実行する。また、ラウンド遊技間のインターバル期間においては、インターバル期間が経過したか否かを判定する。インターバル期間が経過していない場合には特電閉鎖中処理にて待機するのではなく本特電閉鎖中処理を終了する。したがって、インターバル期間が開始された場合には当該期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電閉鎖中処理が起動される。また、インターバル期間が経過した場合には、特図特電カウンタの数値情報を1減算することで、当該カウンタの数値情報を特電閉鎖中処理に対応したものから特電開放中処理に対応したものに更新する。
一方、最後のラウンド遊技に対する特電閉鎖中処理では1のラウンド遊技を終了させる処理を実行した後に、特図特電カウンタの数値情報を1加算することで、当該カウンタの数値情報を特電閉鎖中処理に対応したものから特電終了処理に対応したものに更新する。
取得した開始アドレスがSA6である場合にはステップS713の特電終了処理にジャンプする。特電終了処理では、開閉実行モードが終了されることを示すエンディングコマンドを音声発光制御装置62に送信する。また、特電終了処理では、開閉実行モードのエンディング期間が経過したか否かを判定する。エンディング期間が経過していない場合には特電終了処理にて待機するのではなく本特電終了処理を終了する。したがって、開閉実行モードのエンディング演出が開始された後は、エンディング期間が経過するまで、特図特電制御処理が起動される度に特電終了処理が起動される。また、エンディング期間が経過した場合には、開閉実行モード後の遊技状態(当否抽選モード及びサポートモード)を設定するための処理を実行した後に、特図特電カウンタの数値情報を初期化することで、当該カウンタの数値情報を特電終了処理に対応したものから特図変動開始処理に対応したものに更新する。
<払出側MPU162及び管理側MPU172にて実行される遊技球B1を管理するための処理>
次に、払出側MPU162及び管理側MPU172にて実行される遊技球B1を管理するための処理について説明する。
図21は、払出側MPU162において実行されるタイマ割込み処理を示すフローチャートである。当該タイマ割込み処理は、払出側の特定周期、具体的には4msec周期で起動される。
タイマ割込み処理では、まずステップS801にて、遊技球B1の貸し出し及び遊技球B1の使用を管理するための遊技球管理処理を実行し、続くステップS802にて、遊技球B1の発射を管理するための発射管理処理を実行し、続くステップS803にて、遊技価値(すなわち記憶媒体M)の返却を管理するための返却管理処理を実行し、続くステップS804にて、ID情報の登録を実行するためのID登録用処理を実行し、続くステップS805にて、ID情報の監視を実行するためのID監視処理を実行する。その後、本タイマ割込み処理を終了する。以下、ステップS801〜ステップS805の各処理について、詳細に説明する。
<遊技球管理処理>
まず、ステップS801にて実行される遊技球管理処理について説明する。遊技球管理処理の説明に先立ち、管理側MPU172にて実行される球供給用の管理処理について、図22のフローチャートを参照しながら説明する。なお、球供給用の管理処理は、管理側MPU172におけるメイン処理(図13)のステップS307にて実行される。
まずステップS901では、紙幣用回路175からの信号に基づき、管理ユニット131の現金投入口132に紙幣が投入されたか否かを判定する。紙幣が投入された場合には、ステップS902にて、紙幣の判別処理を実行する。紙幣用回路175では、投入された紙幣のサイズを識別可能となっており、1万円札が投入された場合にはそれに対応した紙幣投入信号を出力し、5千円札が投入された場合にはそれに対応した紙幣投入信号を出力し、2千円札が投入された場合にはそれに対応した紙幣投入信号を出力し、1千円札が投入された場合にはそれに対応した紙幣投入信号を出力する。ステップS902の判別処理では、いずれの種類の紙幣投入信号を紙幣用回路175から受信しているのかを判別する。
続くステップS903では、ステップS902の判別結果に対応した度数情報を、管理側ROM173に予め記憶されている度数参照テーブルを参照することにより把握する。具体的には、1万円札である場合には度数情報が「100」であると把握し、5千円札である場合には度数情報が「50」であると把握し、2千円札である場合には度数情報が「20」であると把握し、1千円札である場合には度数情報が「10」であると把握する。
その後、ステップS904では、ステップS903にて把握した結果に対応した度数情報の出力設定を実行する。具体的には、ステップS903にて把握した度数情報を含む球供給コマンドを、払出側MPU162に向けて出力する。
ステップS901にて否定判定をした場合又はステップS904の処理を実行した後は、ステップS905にて、媒体用回路177からの信号に基づき、管理ユニット131の媒体投入口133に記憶媒体Mが投入されたか否かを判定する。記憶媒体Mは、度数情報と残存球情報とを個別に記憶可能であって同時に記憶可能に構成されている。残存球情報とは、遊技者が使用可能な遊技球B1の数を示す情報のことである。媒体用回路177は、当該記憶媒体Mに記憶された度数情報と残存球情報とを個別に読み出し可能であってそれぞれを認識可能に構成されている。
記憶媒体Mが投入された場合には、ステップS906にて、媒体用回路177からの信号に基づき、記憶媒体Mに度数情報が書き込まれているか否かを判定する。度数情報が書き込まれている場合には、ステップS907にて、その度数情報を読み出し、ステップS908にて、その読み出した度数情報の出力設定を実行する。具体的には、ステップS907にて読み出した度数情報を含む球供給コマンドを、払出側MPU162に向けて出力する。
ステップS906にて否定判定をした場合又はステップS908の処理を実行した後は、ステップS909にて、媒体用回路177からの信号に基づき、記憶媒体Mに残存球情報が書き込まれているか否かを判定する。残存球情報が書き込まれている場合には、ステップS910にて、その残存球情報を読み出し、ステップS911にて、その読み出した残存球情報の出力設定を実行する。具体的には、ステップS910にて読み出した残存球情報を含む球供給コマンドを、払出側MPU162に向けて出力する。ステップS909にて否定判定をした場合又はステップS911の処理を実行した後は、本球供給用の管理処理を終了する。
なお、投入された記憶媒体Mに度数情報及び残存球情報の両方が記憶されている場合であっても、度数情報に対応した球供給コマンドと、残存球情報に対応した球供給コマンドとが個別に送信される。
図23は、払出側MPU162にて実行される遊技球管理処理を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、図24を参照しながら操作ユニット141の度数表示部147及び残数表示部148の表示内容について説明する。図24(a)〜(c)は操作ユニット141の正面図である。
ステップS1001では、管理側MPU172から球供給コマンドを受信しているか否かを判定する。なお、管理側MPU172から送信された球供給コマンドは、払出側RWM164のリングバッファに順次格納され、遊技球管理処理が起動される度に当該リングバッファに格納された球供給コマンドが順次読み出される。したがって、ステップS1001ではリングバッファに未処理の球供給コマンドが格納されているか否かを判定する。
球供給コマンドを受信している場合には、ステップS1002にて、その球供給コマンドに度数情報が含まれているか否かを判定する。度数情報が含まれている場合には、ステップS1003にて、払出側RWM164に設けられた度数情報記憶エリア164aに、今回受信した球供給コマンドに含まれる度数情報が加算されるように当該記憶エリア164aを更新する。続くステップS1004では、ステップS1003の更新後における度数情報記憶エリア164aの度数情報が操作ユニット141の度数表示部147に表示されるように、当該度数表示部147の表示を更新する。例えば、図24(a)に示すように、残数表示部148に「0」が表示されている状況で、度数表示部147に「50」が表示される。
一方、ステップS1002にて否定判定をした場合、今回の球供給コマンドには度数情報ではなく、残存球情報が含まれていることを意味する。この場合、ステップS1005にて、払出側RWM164に設けられた残存球情報記憶エリア164bに、今回受信した球供給コマンドに含まれる残存球情報が加算されるように当該記憶エリア164bを更新する。続くステップS1006では、ステップS1005の更新後における残存球情報記憶エリア164bの残存球情報が操作ユニット141の残数表示部148に表示されるように、当該残数表示部148の表示を更新する。例えば、図24(b)に示すように、度数表示部147に「0」が表示されている状況で、残数表示部148に「5375」が表示される。また、例えば、度数情報及び残存球情報の両方が書き込まれた記憶媒体Mが管理ユニット131の媒体投入口133に投入された場合には、図24(c)に示すように、度数表示部147に「25」が表示されるとともに、残数表示部148に「7243」が表示される。
ステップS1001にて否定判定をした場合、ステップS1004の処理を実行した場合又はステップS1006の処理を実行した場合には、ステップS1007〜ステップS1011の球供給用処理に進む。
球供給用処理では、まずステップS1007にて、操作ユニット141の球供給ボタン142が操作されているか否かを判定する。球供給ボタン142が操作されている場合には、ステップS1008にて、度数情報の減算用の記憶更新処理を実行する。具体的には、度数情報記憶エリア164aに記憶されている度数情報から所定数分の度数情報(具体的には「5」)が減算されるように当該記憶エリア164aを更新する。続くステップS1009では、ステップS1008の更新後における度数情報記憶エリア164aの度数情報が度数表示部147に表示されるように、当該度数表示部147の表示を更新する。
続くステップS1010では、残存球情報の加算用の記憶更新処理を実行する。具体的には、残存球情報記憶エリア164bに記憶されている残存球情報に上記所定数分の度数情報に対応した対応数分の残存球情報(具体的には「125」)が加算されるように当該記憶エリア164bを更新する。続くステップS1011では、ステップS1010の更新後における残存球情報記憶エリア164bの残存球情報が残数表示部148に表示されるように、当該残数表示部148の表示を更新する。
ステップS1007にて否定判定をした場合又はステップS1011の処理を実行した場合には、ステップS1012〜ステップS1015の賞球対応処理に進む。
賞球対応処理では、まずステップS1012にて、主側MPU152から賞球コマンドを受信しているか否かを判定する。なお、主側MPU152から送信された賞球コマンドは、払出側RWM164のリングバッファに順次格納され、遊技球管理処理が起動される度に当該リングバッファに格納された賞球コマンドが順次読み出される。よって、ステップS1012では、リングバッファに未処理の賞球コマンドが格納されているか否かを判定する。
賞球コマンドを受信している場合には、ステップS1013にて賞球数の把握処理を実行する。当該把握処理では、今回受信した賞球コマンドに含まれる賞球数の情報を把握する。本パチンコ機10では、主側MPU152から送信される賞球コマンドは、3個賞球コマンド、10個賞球コマンド及び15個賞球コマンドのいずれかであるため、ステップS1013にて把握される賞球数は3個、10個及び15個のいずれかである。
続くステップS1014では、残存球情報の加算用の記憶更新処理を実行する。具体的には、残存球情報記憶エリア164bに記憶されている残存球情報に上記賞球数に対応した数分の残存球情報が加算されるように当該記憶エリア164bを更新する。続くステップS1015では、ステップS1014の更新後における残存球情報記憶エリア164bの残存球情報が残数表示部148に表示されるように、当該残数表示部148の表示を更新する。
ステップS1012にて否定判定をした場合又はステップS1015の処理を実行した場合には、ステップS1016に進み、遊技球使用の管理処理を実行し、さらにステップS1017にて、度数情報及び残存球情報の出力処理を実行した後に、本遊技球管理処理を終了する。ステップS1016における遊技球使用の管理処理については後に説明する。ステップS1017では、払出側RWM164の度数情報記憶エリア164aに記憶されている度数情報、及び払出側RWM164の残存球情報記憶エリア164bに記憶されている残存球情報を、球管理コマンドとして主側MPU152に出力する。
<発射管理処理>
次に、タイマ割込み処理(図21)のステップS802にて実行される発射管理処理について、図25のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS1101では、払出側RWM164に設けられたID登録実行フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、ID登録実行状態であるか否かを判定する。ID登録実行状態とは、パチンコ機10において循環する多数の遊技球B1のそれぞれからID情報を読み取り、それの登録を行う状態のことである。ID登録実行状態の詳細は後に説明する。ID登録実行状態である場合にはそのまま本発射管理処理を終了し、ID登録実行状態ではない場合にはステップS1102に進む。
ステップS1102では、前扉22が開放中であるか否かを判定する。既に説明したとおり前扉22が開放中であるか否かを検知する開放検知スイッチ39は主側MPU152と電気的に接続されており、主側MPU152は開放検知スイッチ39の検知結果を払出側MPU162に送信する。払出側MPU162はこの送信されてくる検知結果に基づき、前扉22が開放中であるか否かを判定する。
ステップS1103では、条件成立信号がHIレベルであるか否かを判定する。条件成立信号は、既に説明したとおり、発射制御装置65から払出側MPU162に向けて出力される信号であり、発射操作装置36の操作ハンドル36bが触れられていることがタッチセンサ36cにより検知されており、且つストップスイッチ36eがONとなっていない状況において、HIレベルの条件成立信号の送信を継続する。ステップS1104では、払出側RWM164の残存球情報記憶エリア164bに記憶されている残存球情報が1以上であるか否かを判定する。
ステップS1102にて否定判定をし、ステップS1103及びステップS1104にて肯定判定をした場合には、ステップS1105にて、発射許可信号の出力状態をHIレベルに設定する。発射許可信号は、払出側MPU162から発射制御装置65に向けて出力される信号であり、上記条件が成立している場合に払出側MPU162はHIレベルの発射許可信号の送信を継続する。発射制御装置65は、払出側MPU162からHIレベルの発射許可信号を受信している場合に、球送り装置86及び遊技球発射機構34を利用して遊技球B1の発射を実行する。ステップS1105の処理を実行した後は、本発射管理処理を終了する。
一方、ステップS1102にて肯定判定をした場合、ステップS1103にて否定判定をした場合、又はステップS1104にて否定判定をした場合には、ステップS1106にて発射許可信号の出力状態をLOWレベルに設定する。これにより、遊技球B1の発射は停止される。ステップS1106の処理を実行した後は、本発射管理処理を終了する。
ここで、上記のように前扉22が開放中である状況では発射許可信号の出力状態をLOWレベルに設定するようにしたことにより、前扉22が開放中である場合には遊技球B1の発射が禁止される。これにより、前扉22が開放中であるにも関わらず遊技球B1が発射されてしまうことが防止され、例えば遊技領域などのメンテナンスのために前扉22が開放された場合に遊技球B1がパチンコ機10から流出してしまうことが防止される。
次に、図26のフローチャートを参照しながら、発射制御装置65にて実行される発射制御処理について説明する。なお、発射制御処理は、2msec周期で定期的に起動される。
まずステップS1201では、払出側MPU162から出力されている発射許可信号がHIレベルであるか否かを判定する。発射許可信号がHIレベルである場合には、ステップS1202にて、発射制御装置65に設けられた第1発射周期カウンタの値を1加算し、発射許可信号がLOWレベルである場合には、ステップS1203にて、第1発射周期カウンタの値を「0」クリアする。第1発射周期カウンタは、発射操作装置36が操作されていることに基づき球送り装置86及び遊技球発射機構34を利用して遊技球B1を発射すべき状況において、当該遊技球B1の発射周期を所定のものとするために利用されるカウンタである。
ステップS1202の処理を実行した場合又はステップS1203の処理を実行した場合には、ステップS1204にて、第1球送り済み状態であるか否かを判定する。第1球送り済み状態とは、発射操作装置36の操作に基づき遊技球B1を発射すべき状況において、球送り装置86による発射レール81上への1個の遊技球B1の供給が既に完了している状態のことである。
第1球送り済み状態ではない場合には、ステップS1205にて、第1発射周期カウンタの値が「300」となっているか否かを判定する。第1発射周期カウンタは、既に説明したとおり、発射許可信号がHIレベルの状態において発射制御処理が起動される度に1加算される。また、当該発射制御処理は、2msec毎に起動される。したがって、第1発射周期カウンタの値が「300」となっている場合とは、発射許可信号がHIレベルとなってから当該HIレベルの出力状態が継続している状態において、又は1個の遊技球B1が発射されてからHIレベルの発射許可信号の出力状態が継続している状態において、0.6secが経過したことを意味する。
第1発射周期カウンタの値が「300」となっている場合には、ステップS1206〜ステップS1208に進む。ステップS1206では、第1発射周期カウンタの値を「0」クリアし、ステップS1207では、球送り装置86に向けて球送り用の駆動信号を出力し、ステップS1208では、第1球送り済み状態に設定する。球送り用の駆動信号が出力されることにより、球送り装置86は、1個の遊技球B1を球皿部71から発射レール81上に供給する。
一方、ステップS1204にて肯定判定をした場合には、ステップS1209にて、発射制御装置65に設けられた第1球送り後カウンタの値を1加算する。第1球送り後カウンタは、発射操作装置36の操作に基づき球送り装置86により1個の遊技球B1が発射レール81上に供給された後に、遊技球発射機構34を駆動制御して当該遊技球B1を発射するタイミングを発射制御装置65において特定するためのカウンタである。
続くステップS1210では、第1球送り後カウンタの値が「100」となっているか否かを判定する。第1球送り後カウンタは、既に説明したとおり、第1球送り済み状態において発射制御処理が起動される度に1加算される。また、当該発射制御処理は2msec毎に起動される。したがって、第1球送り後カウンタの値が「100」となっている場合とは、発射レール81上に1個の遊技球B1が供給された後に0.2secが経過したことを意味する。
第1球送り後カウンタの値が「100」となっている場合には、ステップS1211〜ステップS1213に進む。ステップS1211では、発射操作装置36の可変抵抗器36dから送信されている信号に基づき、操作ハンドル36bの操作量に応じた発射強度を把握する。ステップS1212では、ステップS1211にて把握した発射強度に応じた発射用の駆動信号を遊技球発射機構34に向けて出力する。これにより、発射レール81上に供給されている遊技球B1が操作ハンドル36bの操作量に応じた発射強度で発射される。その後、ステップS1213にて、第1球送り済み状態を解除する。
ステップS1205にて否定判定をした場合、ステップS1208の処理を実行した場合、ステップS1210にて否定判定をした場合、又はステップS1213の処理を実行した場合には、ステップS1214にて、ID登録用の発射制御処理を実行した後に、本発射制御処理を終了する。ID登録用の発射制御処理については、後に詳細に説明する。
次に、払出側MPU162において実行される遊技球使用の管理処理について、図27のフローチャートを参照しながら説明する。なお、遊技球使用の管理処理は、遊技球管理処理(図23)のステップS1016にて実行される。
ステップS1301では、発射レール81上に保持される1個の遊技球B1を検知するための発射球検知センサ84から、遊技球B1を検知していることに対応したHIレベルの発射球検知信号を受信しているか否かを判定する。発射球検知センサ84がONとなっていない場合には、ステップS1302にて、払出側RWM164に設けられた発射検知カウンタの値を「0」クリアする。発射検知カウンタは、発射球検知センサ84が継続してONとなっている期間を払出側MPU162において計測するためのカウンタである。
発射球検知センサ84がONとなっている場合には、ステップS1303にて、発射検知カウンタの値を1加算する。続くステップS1304では、発射検知カウンタの値が「2」となっているか否かを判定する。発射検知カウンタの値が「2」となっている場合には、ステップS1305にて、ID登録実行状態であるか否かを判定する。ID登録実行状態ではない場合には、ステップS1306〜ステップS1308の球使用時処理を実行する。
詳細には、ステップS1306にて、残存球情報の減算用の記憶更新処理を実行する。具体的には、残存球情報記憶エリア164bに記憶されている残存球情報から1減算されるように当該記憶エリア164bを更新する。続くステップS1307では、ステップS1306の更新後における残存球情報記憶エリア164bの残存球情報が残数表示部148に表示されるように、当該残数表示部148の表示を更新する。その後、ステップS1308にて、払出側RWM164に設けられた通常中検知フラグに「1」をセットする。通常中検知フラグは、遊技者の発射操作に基づき1個の遊技球B1が発射レール81上に供給されたことを払出側MPU162にて特定するためのフラグである。
一方、ステップS1305にてID登録実行状態であると判定した場合には、ステップS1309にて、払出側RWM164に設けられた登録中検知フラグに「1」をセットする。登録中検知フラグは、ID登録実行状態において1個の遊技球B1が発射レール81上に供給されたことを払出側MPU162にて特定するためのフラグである。
ステップS1302の処理を実行した場合、ステップS1304にて否定判定をした場合、ステップS1308の処理を実行した場合、又はステップS1309の処理を実行した場合には、ステップS1310に進む。ステップS1310では、ID登録実行状態であるか否かを判定する。ID登録実行状態ではない場合には、ステップS1311〜ステップS1316の戻り球用の処理を実行し、ID登録実行状態である場合には、戻り球を監視する必要がないため、ステップS1311〜ステップS1316の処理を実行することなく、本遊技球使用の管理処理を終了する。
戻り球用の処理では、まずステップS1311にて、戻り球用回収部121を通過する1個の遊技球B1を検知するための戻り球検知センサ124から、遊技球B1を検知していることに対応したHIレベルの戻り球検知信号を受信しているか否かを判定する。戻り球検知センサ124がONとなっていない場合には、ステップS1312にて、払出側RMW164に設けられた戻り検知カウンタの値を「0」クリアした後に、本遊技球使用の管理処理を終了する。戻り検知カウンタは、戻り球検知センサ124が継続してONとなっている期間を払出側MPU162において計測するためのカウンタである。
戻り球検知センサ124がONとなっている場合には、ステップS1313にて、戻り検知カウンタの値を1加算する。続くステップS1314では、戻り検知カウンタの値が「2」となっているか否かを判定する。戻り検知カウンタの値が「2」となっていない場合には、そのまま本遊技球使用の管理処理を終了する。
戻り検知カウンタの値が「2」となっている場合には、ステップS1315にて、残存球情報の加算用の記憶更新処理を実行する。具体的には、残存球情報記憶エリア164bに記憶されている残存球情報が1加算されるように当該記憶エリア164bを更新する。続くステップS1316では、ステップS1315の更新後における残存球情報記憶エリア164bの残存球情報が残数表示部148に表示されるように、当該残数表示部148の表示を更新する。その後、本遊技球使用の管理処理を終了する。
次に、使用可能な遊技球B1の数が増減される様子について説明する。図28は、使用可能な遊技球B1の数が増減される様子を示すタイミングチャートである。
残存球情報記憶エリア164bの残存球情報が1以上である状況においてt1のタイミングで遊技者により発射操作装置36が発射操作される。これにより、t1のタイミングから0.6secが経過したタイミングであるt2のタイミングにて、球送り装置86により発射レール81上に1個の遊技球B1が供給される。この遊技球B1は発射される前のタイミングであるt3のタイミングにて、発射球検知センサ84により検知され、残存球情報記憶エリア164bの残存球情報が1減算される。そして、t4のタイミングにて、発射レール81上の遊技球B1が遊技球発射機構34により発射される。
その後、t2のタイミングから0.6secが経過したt5のタイミング、t5のタイミングから0.6secが経過したt6のタイミング、t6のタイミングから0.6secが経過したt10のタイミング、t10のタイミングから0.6secが経過したt11のタイミング、t11のタイミングから0.6secが経過したt12のタイミング、t12のタイミングから0.6secが経過したt13のタイミングのそれぞれにて、t2のタイミングの場合と同様に、1個の遊技球B1の球送り及びその遊技球B1の発射動作が行われる。また、それぞれのタイミングにおいて、残存球情報記憶エリア164bの残存球情報が1減算される。
但し、t6のタイミングでの発射周期では、発射された遊技球B1は遊技領域に到達することなく逆流し、戻り球用回収部121にて回収される。この場合、まずt6のタイミングにて球送り装置86により発射レール81上に1個の遊技球B1が供給され、t7のタイミングにて、この遊技球B1が発射球検知センサ84により検知されて残存球情報記憶エリア164bの残存球情報が1減算され、t8のタイミングにて、発射レール81上の遊技球B1が遊技球発射機構34により発射される。その後、t9のタイミングにて、この遊技球B1が戻り球検知センサ124により検知されることにより、残存球情報記憶エリア164bの残存球情報が1加算される。
また、t13のタイミングでの発射周期では、残存球情報が「0」となる。この場合、まずt13のタイミングにて球送り装置86により発射レール81上に1個の遊技球B1が供給され、t14のタイミングにて、この遊技球B1が発射球検知センサ84により検知されて残存球情報記憶エリア164bの残存球情報が1減算される。これにより、残存球情報が「0」となり、発射許可信号の出力状態がHIレベルからLOWレベルに切り換えられる。その後、t15のタイミングにて、発射レール81上の遊技球B1が遊技球発射機構34により発射される。これ以降は、t14のタイミングにて発射許可信号の出力状態がLOWレベルとなっているため、発射レール81上に遊技球B1が新たに供給されることはなく、遊技球B1の発射が停止される。
<返却管理処理>
次に、タイマ割込み処理(図21)のステップS803にて実行される返却管理処理について、図29のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS1401では、条件成立信号がHIレベルであるか否かを判定する。条件成立信号がHIレベルではない場合、すなわち遊技者により発射操作装置36が操作されていない状況である場合には、ステップS1402以降の記憶媒体Mを提供するための処理を実行する。つまり、本パチンコ機10では、発射操作装置36が操作されていないことを条件として記憶媒体Mを提供するための処理が実行される。これにより、発射操作に伴う残存球情報の減算処理が実行されている状況で記憶媒体Mを提供するための処理が実行されることが禁止され、残存球情報を正確に扱うことが可能となる。
ステップS1402では、操作ユニット141の全返却ボタン143が操作されているか否かを判定する。全返却ボタン143が操作されている場合には、ステップS1403にて、開閉実行モード中であるか否かを判定する。払出側MPU162は、開閉実行モードの開始に際して主側MPU152からオープニングコマンドを受信し、さらに開閉実行モードの終了に際して主側MPU152からエンディングコマンドを受信するため、開閉実行モードであるか否かを把握することが可能となっている。ステップS1403にて肯定判定をした場合、すなわち開閉実行モード中である場合には、そのまま本返却管理処理を終了する。これにより、開閉実行モード中には全返却ボタン143の操作を無効化することが可能となる。
球皿部71への外部からの遊技球B1の補充が不可であって残存球情報が1以上の場合に遊技球B1の発射が許容される構成においては、全返却ボタン143が操作されると、少なくとも記憶媒体Mが排出されるまでの時間と、記憶媒体M又は紙幣が投入されて残存球情報の新たなセットが行われる時間との間、遊技球B1の発射を行うことが不可となる。このような事象が、開閉実行モード中における全返却ボタン143の誤操作によって発生してしまうと、ラウンド遊技を好適に消化することができなくなってしまう。その一方で、開閉実行モード中に全返却ボタン143が意図的に操作されることは考えづらい。これに対して、開閉実行モード中は全返却ボタン143の操作を無効化することにより、上記のような不都合の発生が防止される。
ステップS1403にて否定判定をした場合には、ステップS1404に進み、払出側RWM164に設けられた賞球待機フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。払出側MPU162は、主側RWM154に設けられた各賞球カウンタのいずれかの値が1以上となった場合にその内容を示す待機開始コマンドを受信可能となっているとともに、各賞球カウンタの全ての値が「0」となった場合にその内容を示す待機終了コマンドを受信可能となっている。賞球待機フラグは、待機開始コマンドを受信した場合に「1」がセットされ、待機終了コマンドを受信するとともに当該待機終了コマンドと同時に受信する賞球コマンドについての残存球情報への加算用の処理が完了した場合に「0」クリアされる。ステップS1404にて肯定判定をした場合、すなわち賞球の処理が完了していない場合には、そのまま本返却管理処理を終了する。これにより、賞球の処理が完了していない状況では全返却ボタン143の操作を無効化することが可能となる。よって、全返却ボタン143の操作に基づき記憶媒体Mが排出されたにも関わらず、その直後に賞球に基づき残存球情報が「1」以上となってしまうことが防止される。
ステップS1404にて否定判定をした場合には、ステップS1405に進む。ステップS1405では、払出側RWM164の度数情報記憶エリア164aから度数情報を読み出し、ステップS1406では、払出側RWM164の残存球情報記憶エリア164bから残存球情報を読み出す。
続くステップS1407では、ステップS1405にて読み出した度数情報が1以上であるか否かを判定する。度数情報が1以上である場合には、ステップS1408にて、その読み出した度数情報を含む返却コマンドを管理側MPU172への出力対象として設定する。返却コマンドは、本返却管理処理が終了した後に管理側MPU172に向けて出力される。その後、ステップS1409にて、度数情報の初期化処理を実行する。具体的には、度数情報記憶エリア164aを「0」クリアするとともに、操作ユニット141の度数表示部147の表示が「0」となるように当該度数表示部147を表示制御する。
ステップS1407にて否定判定をした場合、又はステップS1409の処理を実行した場合には、ステップS1410において、ステップS1406にて読み出した残存球情報が1以上であるか否かを判定する。残存球情報が「0」である場合には、そのまま本返却管理処理を終了する。残存球情報が1以上である場合には、ステップS1411にて、その読み出した残存球情報を含む返却コマンドを管理側MPU172への出力対象として設定する。この場合に、ステップS1408にて既に返却コマンドが出力対象として設定されている場合には、当該返却コマンドに上記読み出した残存球情報を度数情報とは区別された状態で含ませる。返却コマンドは、既に説明したとおり、本返却管理処理が終了した後に管理側MPU172に向けて出力される。その後、ステップS1412にて、残存球情報の初期化処理を実行する。具体的には、残存球情報記憶エリア164bを「0」クリアするとともに、操作ユニット141の残数表示部148の表示が「0」となるように当該残数表示部148を表示制御する。その後、本返却管理処理を終了する。
一方、ステップS1402にて否定判定をした場合には、ステップS1413にて一部返却用の管理処理を実行した後に、本返却管理処理を終了する。当該一部返却用の管理処理について、図30のフローチャートを参照しながら説明する。
まずステップS1501にて、操作ユニット141の増加指示ボタン144が操作されたか否かを判定する。増加指示ボタン144が操作されている場合には、ステップS1502にて、払出側RWM164に設けられた一部返却球情報記憶エリア164cの一部返却球情報が、払出側RWM164の残存球情報記憶エリア164bの残存球情報よりも少ないか否かを判定する。
ステップS1502にて肯定判定をした場合には、ステップS1503にて、一部返却用の加算処理を実行する。具体的には、一部返却球情報記憶エリア164cの値が1加算されるように、当該記憶エリア164cを更新する。
続くステップS1504では、一部返却用の表示更新処理を実行する。当該処理では、一部返却球情報記憶エリア164cに記憶された一部返却球情報に対応した数が残数表示部148に表示されるように、当該残数表示部148を表示制御する。つまり、残数表示部148では基本的に残存球情報記憶エリア164bに記憶されている残存球情報に対応した数が表示されることとなるが、一部返却用の操作が行われた場合には、一部返却球情報記憶エリア164cに記憶された一部返却球情報に対応した数を表示するための表示部として当該残数表示部148が兼用される。
その後、ステップS1505では、払出側RWM164に設けられた一部返却中カウンタに「5000」をセットする。一部返却中カウンタは、操作ユニット141の増加指示ボタン144又は減少指示ボタン145が操作された場合に、その操作の有効期間を計測するためのカウンタである。
なお、一部返却中カウンタの値が1以上である場合には、残数表示部148において一部返却球情報記憶エリア164cに記憶された一部返却球情報に対応した数が表示され、一部返却中カウンタの値が「0」となった場合には、残存球情報記憶エリア164bに記憶された残存球情報に対応した数が残数表示部148にて表示される。また、一部返却中カウンタの値は、条件成立信号がHIレベルとなった場合に「0」クリアされるとともに、全返却ボタン143が操作された場合にも「0」クリアされる。
ステップS1501にて否定判定をした場合には、ステップS1506にて操作ユニット141の減少指示ボタン145が操作されたか否かを判定する。減少指示ボタン145が操作されている場合には、ステップS1507にて、払出側RWM164に設けられた一部返却球情報記憶エリア164cの一部返却球情報が1以上であるか否かを判定する。
ステップS1507にて肯定判定をした場合には、ステップS1508にて、一部返却用の減算処理を実行する。具体的には、一部返却球情報記憶エリア164cの値が1減算されるように、当該記憶エリア164cを更新する。
続くステップS1509では、一部返却用の表示更新処理を実行する。当該処理では、一部返却球情報記憶エリア164cに記憶された一部返却球情報に対応した数が残数表示部148に表示されるように、当該残数表示部148を表示制御する。その後、ステップS1510では払出側RWM164の一部返却中カウンタに「5000」をセットする。
ステップS1506にて否定判定をした場合には、ステップS1511にて、操作ユニット141の決定ボタン146が操作されたか否かを判定する。決定ボタン146が操作されている場合には、ステップS1512にて、一部返却球情報記憶エリア164cに記憶された一部返却球情報を含む返却コマンドを管理側MPU172への出力対象として設定する。これにより、増加指示ボタン144及び減少指示ボタン145の操作に応じた一部返却球情報が管理側MPU172に向けて出力される。
続くステップS1513では、一部返却中カウンタを「0」クリアする。また、ステップS1514では、残存球情報記憶エリア164bに記憶された残存球情報から、一部返却球情報記憶エリア164cに記憶された一部返却球情報を減算し、その減算結果の情報を新たな残存球情報として残存球情報記憶エリア164bに上書きする。また、この際に、一部返却球情報記憶エリア164cの値を「0」クリアする。その後、ステップS1515にて、残存球情報記憶エリア164bに記憶された残存球情報に対応した数が残数表示部148に表示されるように、当該残数表示部148を表示制御する。
ステップS1502にて否定判定をした場合、ステップS1505の処理を実行した場合、ステップS1507にて否定判定をした場合、ステップS1510の処理を実行した場合、ステップS1511にて否定判定をした場合、又はステップS1515の処理を実行した場合には、ステップS1516に進む。ステップS1516では、一部返却中カウンタの値が1以上であるか否かを判定する。
一部返却中カウンタの値が「0」である場合にはそのまま本一部返却用の管理処理を終了し、「0」ではない場合にはステップS1517に進む。ステップS1517では、一部返却中カウンタの値を1減算する。続くステップS1518では、一部返却中カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。一部返却中カウンタの値が「0」ではない場合にはそのまま本一部返却用の管理処理を終了し、「0」である場合にはステップS1519にて、残存球情報記憶エリア164bに記憶された残存球情報に対応した数が残数表示部148に表示されるように、当該残数表示部148を表示制御する。また、この際に、一部返却球情報記憶エリア164cの値を「0」クリアする。その後、本一部返却用の管理処理を終了する。
ここで増加指示ボタン144又は減少指示ボタン145が操作された場合には、一部返却中カウンタに「5000」がセットされる。また、LOWレベルの条件成立信号の出力が継続されており、且つ全返却ボタン143が操作されていない場合には、返却管理処理(図29)が起動される度に一部返却中カウンタの値が1減算される。また、返却管理処理は、4msec周期で起動されるタイマ割込み処理(図21)にて実行される。そして、一部返却中カウンタの値が「0」となった場合には、それまでの一部返却用の操作が無効化される。つまり、増加指示ボタン144又は減少指示ボタン145が操作されたとしても、所定期間(具体的には20sec)が経過するまでの間に、増加指示ボタン144、減少指示ボタン145及び決定ボタン146のいずれかが操作されなかった場合には、それまでの一部返却用の操作は無効化される。
次に、管理側MPU172にて実行される媒体供給用の管理処理について、図31のフローチャートを参照しながら説明する。なお、媒体供給用の管理処理は、管理側MPU172におけるメイン処理(図13)のステップS308にて実行される。
ステップS1601では、管理側RWM174に設けられた返却中フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、返却中状態であるか否かを判定する。返却中状態ではない場合には、ステップS1602にて、払出側MPU162から返却コマンドを受信しているか否かを判定する。返却コマンドは、既に説明したとおり、操作ユニット141の全返却ボタン143が操作された場合、又は一部返却用の操作後に決定ボタン146が操作された場合に、払出側MPU162から送信される。また、決定ボタン146の操作に基づき送信された返却コマンドには、残存球情報のみが含まれているのに対して、全返却ボタン143の操作に基づき送信された返却コマンドには、度数情報及び残存球情報の一方のみが含まれている場合と、これらの両方が含まれている場合とがある。
返却コマンドを受信していない場合には、そのまま本媒体供給用の管理処理を終了する。返却コマンドを受信している場合には、ステップS1603にて今回の返却コマンドに度数情報が含まれているか否かを判定する。度数情報が含まれている場合には、ステップS1604にて、当該度数情報を記憶媒体Mに書き込むように媒体用回路177に書き込み指示信号を送信する。これにより、媒体用回路177は、記憶媒体Mに度数情報を書き込む。その後、ステップS1605にて、返却中状態に設定する。
ステップS1603にて否定判定をした場合、又はステップS1605の処理を実行した場合には、ステップS1606にて、今回の返却コマンドに残存球情報が含まれているか否かを判定する。残存球情報が含まれていない場合には、そのまま本媒体供給用の管理処理を終了する。
残存球情報が含まれている場合には、ステップS1607にて、当該残存球情報を記憶媒体Mに書き込むように媒体用回路177に書き込み指示信号を送信する。これにより、媒体用回路177は、記憶媒体Mに残存球情報を書き込む。この場合に、今回の返却コマンドに、残存球情報だけでなく度数情報が含まれており、ステップS1604の処理が実行されている場合には、残存球情報は度数情報が書き込まれた記憶媒体Mに書き込まれる。続くステップS1608では、未だ返却中状態に設定していない場合には、当該返却中状態に設定する。その後、本媒体供給用の管理処理を終了する。
一方、返却中状態である場合には、ステップS1609にて、媒体用回路177において記憶媒体Mへの書き込みが完了しているか否かを判定する。書き込みが完了していない場合には、そのまま本媒体供給用の管理処理を終了する。書き込みが完了している場合には、ステップS1610にて、管理ユニット131における媒体排出口134に対応させて設けられた駆動部176cを駆動制御することで、当該書き込みが完了した記憶媒体Mを媒体排出口134から排出する。その後、ステップS1611にて、返却中状態を解除した後に、本媒体供給用の管理処理を終了する。
次に、残存球情報の一部返却が実行される場合の残数表示部148の表示内容について説明する。図32(a)〜(d)は操作ユニット141の正面図である。
図32(a)に示すように、度数表示部147に度数情報に対応した「25」が表示され、残数表示部148に残存球情報に対応した「7243」が表示されている状況において、図32(b)に示すように、増加指示ボタン144が操作されることに基づき、残数表示部148では一部返却球情報に対応した数が表示される。この場合、残数表示部148には、一部返却球情報に対応した「52」が表示されている。
その後、図32(c)では、例えばコーヒーに対応した遊技球B1の数となるように、減少指示ボタン145が操作されて、残数表示部148に表示されている一部返却球情報が「50」に調整された状態となっている。この状態で決定ボタン146が操作されることにより、「50」の残存球情報が書き込まれた記憶媒体Mが排出される。また、図32(d)に示すように、残数表示部148では、一部返却された遊技球B1の数分だけ減算された状態で、残存球情報に対応した数(「7193」)が表示される。
本パチンコ機10では、既に説明したとおり、多数の遊技球B1が循環され、遊技者は当該遊技球B1に触れることはできず、さらに入賞が発生した場合の賞球は残存球情報として遊技者に付与される。したがって、遊技ホールにおいて実際の遊技球B1を利用して、ドリンクやタバコなどと交換することができない。これに対して、残存球情報の全返却だけでなく、残存球情報の一部返却を可能とすることで、遊技に必要な残存球情報はパチンコ機10に残しながら、上記交換に必要な分だけが書き込まれた記憶媒体Mを遊技者が得ることが可能となり、上記交換を好適に行うことが可能となる。
また、遊技者により操作ユニット141に対して一部返却用の操作が行われた場合には、その操作に対応した数の残存球情報が書き込まれた記憶媒体Mが管理ユニット131から排出される。これにより、遊技者は遊技ホール側の店員に記憶媒体Mを直接手渡すことにより商品の交換を行うことが可能となる。よって、商品の交換作業が分かり易いものとなる。
また、遊技者により発射操作装置36が操作されている状況では一部返却用の操作が無効化される。これにより、発射操作に伴う残存球情報の減算処理が実行されている状況で記憶媒体Mを提供するための処理が実行されることが禁止され、残存球情報の扱いを正確に行うことが可能となる。また、遊技球B1の発射が優先される構成であるため、例えば開閉実行モードのラウンド遊技中に一部返却用の操作が行われた場合に、それに伴って遊技球B1の発射が停止されてしまうという事態の発生が阻止される。
また、操作ユニット141には、一部返却用の操作ボタン144〜146が設けられているため、残存球情報の一部を利用して商品と交換する場合には遊技者は当該専用の操作ボタン144〜146を操作すればよいため、かかる交換に際しての遊技者にとっての操作性を向上させることが可能となる。
また、当該操作ボタン144〜146の操作によって、使用する残存球情報の数を指定する構成であるため、交換対象となる商品の種類毎に操作ボタンを設ける必要がない。したがって、操作ボタンの数を減らすことが可能となる。
<ID登録用処理>
次に、タイマ割込み処理(図21)のステップS804にて実行されるID登録用処理について説明する。
当該ID登録用処理の説明に先立ち、本パチンコ機10において使用される遊技球B1の構成を説明する。図33(a)は遊技球B1の縦断面図であり、図33(b)は遊技球B1に埋設されているICタグ181の構成を示す模式図である。
図33(a)に示すように、遊技球B1は、ABS樹脂などの非導電性の合成樹脂をベース材料として球状に形成されており、当該ベース材料に対して、ICタグ181が埋設されている。ICタグ181は、例えば3.5mm×3.5mm×0.8mmといったように、遊技球B1よりも小さいサイズで形成されており、遊技球B1の中央に埋設されている。また、ICタグ181は遊技球B1の表面に露出しておらず、ICタグ181はベース材料により周囲が囲まれている。
ICタグ181は、パッシブタグであり、図33(b)に示すように、ICチップ182と、アンテナ部材183とを備えている。ICチップ182は集積回路として形成されるものであり、制御部及びメモリ領域を有する。メモリ領域は、データ書き換え不可な不揮発性メモリ(ROM)により構成されており、その記憶容量は例えば128bitとなっている。メモリ領域には、識別情報として、遊技球B1固有のID情報が格納されている。
遊技球B1固有のID情報は、同一のID情報を有する遊技球B1が他に存在しないように設定されている。但し、これに限定されることはなく、同一のID情報を有する遊技球B1が相当低い確率(例えば10万分の1の確率)で存在するようにしてもよく、同一の遊技ホールの範囲内において同一のID情報を有する遊技球B1が存在しないようにしてもよく、同一のパチンコ機10において同一のID情報を有する遊技球B1が存在しないようにしてもよい。パチンコ機10において各遊技球B1を個別に認識可能とする上では、少なくとも同一のパチンコ機10において循環する各遊技球B1のID情報がそれぞれ異なっていればよい。
アンテナ部材183は微細な線状とされており、アルミや銅等の金属を利用して形成されている。アンテナ部材183は、その中央にICチップ182が存在するように、当該ICチップ182周りに複数周回するようにスパイラルアンテナとして形成されている。アンテナ部材183は、動作周波数が所定周波数(具体的には2.45GHz)となるように、所定の長さ寸法に設定されている。
ICチップ182のID情報は、制御部によって呼び出されてアンテナ部材183から電波として発信することができるように構成されている。アンテナ部材183は、通信可能距離が3cm程度に設定されており、遊技球B1が発射レール81上の発射待機位置に保持された場合には、当該発射待機位置の周囲に設けられたリーダ装置85が当該通信可能距離の範囲内に含まれることとなる。
リーダ装置85からは払出側MPU162からの指示に基づき呼出波が出力されるようになっており、当該呼出波が出力された場合にはICチップ182が起動されてアンテナ部材183からID情報を含む電波が応答波として出力される。これにより、発射レール81上の発射待機位置に保持された遊技球B1のID情報をリーダ装置85にて読み取ることが可能となる。
その一方で、発射待機位置に保持されていない遊技球B1、例えば球送り装置86により発射レール81への移動が阻止されている遊技球B1、発射レール81よりも遊技領域側に存在している遊技球B1及び支持ベース体31の背面側に存在している遊技球B1については、通信可能距離にリーダ装置85が含まれていない。したがって、発射待機位置に保持されていない遊技球B1からリーダ装置85が応答波を受信することはない。
ここで、遊技球B1は上記のとおりベース材料として合成樹脂が用いられているため、金属を用いて形成されていた従来の遊技球に比べて極端に軽くなってしまうことが懸念される。遊技球B1が従来よりも極端に軽くなると、遊技領域を流下する態様が大きく相違してしまい、遊技者が違和感を抱いてしまうことが懸念される。
これに対して、遊技球B1には、図33(a)に示すように、重量調整用の重量片184が複数分散させて埋設されている。当該重量片184は、単位体積当たりの重量がベース材料よりも大きくなるように鉛などの金属により形成されている。これら複数の重量片184は、遊技球B1の重心が中央にくるようにその埋設位置が設定されている。また、複数の重量片184は、遊技球B1の表面に露出しないように埋設されている。また、各重量片184は、ICタグ181の通信を邪魔しないように離間させて配置されている。これにより、リーダ装置85において遊技球B1からのID情報の読み取りを可能としながら、遊技領域を流下する遊技球B1の態様を従来の金属製の遊技球と比べて違和感が無いものとすることが可能となる。
なお、遊技球B1において合成樹脂によるベース材料を用いて形成されたベース部を、ICタグ181及び重量片184の埋設が容易となるように相対的に柔軟なベース材料により形成された中央部と、相対的に硬いベース材料により形成され遊技球B1の発射や遊技領域の流下に際して磨耗や変形が生じにくい外層とを有するように形成してもよい。
図34は、ID登録用処理を示すフローチャートである。
パチンコ機10には、予め定められた複数である特定個数(具体的には100個)の遊技球B1がセットされており、遊技に際しては当該特定個数の遊技球B1がパチンコ機10を循環することとなる。ID登録用処理では、当該特定個数の遊技球B1のそれぞれからID情報を読み取り、その読み取った各ID情報を払出側RWM164に記憶する処理を実行する。
詳細には、まずステップS1701にて、ID登録実行状態であるか否かを判定する。ID登録実行状態ではない場合には、ステップS1702にて、主側MPU152からID登録開始に対応したコマンドを受信したか否かを判定する。
ID登録開始に対応したコマンドは、主制御装置61に設けられた第2消去ボタン61cが操作された場合に主側MPU152から払出側MPU162に送信される。第2消去ボタン61cは、パチンコ機10にセットされた遊技球B1の数が特定個数未満となった場合や、特定個数以上となった場合に、新たな特定個数の遊技球B1のセットをパチンコ機10に対して行った場合に操作される。
ちなみに、パチンコ機10に既にセットされている特定個数の遊技球B1を排出して、新たな特定個数の遊技球B1をセットする場合には、まず本体ベース21に対する前扉22の施錠状態を解除して当該前扉22を開放させる。その後、球送り装置86の供給部材88に作業者が直接外力を加えることによって当該供給部材88を供給位置に配置する。これにより、球皿部71に貯留されている遊技球B1が球送り装置86を介して全て排出される。古いセットの遊技球B1を全て排出した後は、新たなセットの特定個数の遊技球B1を支持ベース体31の排出用回収部101に投入する。この場合、前扉22は開放されているためシャッタ部材106は閉鎖されており、新たにセットされた特定個数の遊技球B1は排出用回収部101内に留まることとなる。その後、前扉22が閉鎖されることにより、シャッタ部材106が開放され、新たにセットされた特定個数の遊技球B1が排出用回収部101から球皿部71に流入することとなる。
ステップS1702にて否定判定をした場合には、払出側RWM164に設けられたID登録フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。ID登録フラグは、特定個数の各遊技球B1についてID情報が登録されている場合に「1」がセットされるフラグである。また、ID登録フラグは、ID情報の登録がなされた後であっても、払出側RWM164へのバックアップ電力の供給が停止された場合や、払出側RWM164の初期化処理が実行された場合に、「0」クリアされる。
ステップS1703にて肯定判定をした場合には、そのまま本ID登録用処理を終了する。ステップS1702にて肯定判定をした場合、又はステップS1703にて否定判定をした場合には、ステップS1704に進む。ステップS1704では、ID登録実行状態に設定する。続くステップS1705では、払出側RWM164に設けられたID情報記憶エリア164dの消去処理を実行する。ID情報記憶エリア164dは、セットされた特定個数の各遊技球B1から読み取ったID情報を記憶しておくためのエリアである。
続くステップS1706では、ID登録用信号の出力状態をHIレベルに設定する。ID登録用信号は、払出側MPU162から発射制御装置65に向けて出力される信号であり、発射操作装置36が操作されていない状況であってもID情報を登録するために、遊技球B1を戻り球用回収部121に向けて発射するように球送り装置86及び遊技球発射機構34を駆動制御させる場合にHIレベルに設定される。これにより、発射制御装置65ではID登録用の発射制御を実行する。かかる発射制御の内容については、後に詳細に説明する。
なお、ID登録実行状態に設定した場合に、払出側MPU162から主側MPU152に向けて登録開始コマンドを出力し、ID登録実行状態を解除した場合に、払出側MPU162から主側MPU152に向けて登録終了コマンドを出力する構成としてもよい。この場合、主側MPU152は、登録開始コマンドを受信した場合に音声発光制御装置62に向けて登録開始報知コマンドを出力し、登録終了コマンドを受信した場合に音声発光制御装置62に向けて登録終了報知コマンドを出力するようにすることで、ID登録実行状態においてはその旨の報知がスピーカ装置37や図柄表示装置46aにて実行されるようにしてもよい。
続くステップS1707では、発射許可信号の出力状態をLOWレベルに設定する。これにより、発射操作装置36が操作されており且つ残存球情報が1以上である状況であったとしても、ID登録用の態様で発射制御が行われることとなる。その後、本ID登録用処理を終了する。
一方、ステップS1701にてID登録実行状態であると判定した場合には、ステップS1708にてID登録時の発射管理処理を実行するとともに、ステップS1709にてID取得処理を実行した後に、本ID登録用処理を終了する。
以下、これらID登録時の発射管理処理及びID取得処理について説明する。まず図35のフローチャートを参照しながら、ID登録時の発射管理処理について説明する。
ステップS1801では、払出側RWM164に設けられた中断フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、中断状態であるか否かを判定する。中断状態ではない場合には、ステップS1802にて前扉22が開放中であるか否かを判定する。前扉22が開放中ではない場合には、そのまま本ID登録時の発射管理処理を終了する。前扉22が開放中である場合には、ステップS1803にて中断状態に設定し、続くステップS1804にてID登録用信号の出力状態をLOWレベルに設定する。その後、本ID登録時の発射管理処理を終了する。つまり、ID登録用の態様で遊技球B1の発射が自動的に行われている状況であっても前扉22が開放された場合には、当該遊技球B1の発射は中断される。
ステップS1801にて中断状態であると判定した場合には、ステップS1805にて、前扉22が閉鎖されたか否かを判定する。前扉22が閉鎖されていない場合には、そのまま本ID登録時の発射管理処理を終了する。一方、前扉22が閉鎖されている場合には、ステップS1806にて中断状態を解除し、続くステップS1807にて、ID登録用信号の出力状態をHIレベルに設定する。その後、本ID登録時の発射管理処理を終了する。これにより、ID登録用の態様による遊技球B1の発射が再開される。
ここで、発射制御装置65にて実行されるID登録用の発射制御処理を、図36のフローチャートを参照しながら説明する。なお、ID登録用の発射制御処理は、発射制御処理(図26)におけるステップS1214にて実行される。
ステップS1901では、払出側MPU162から出力されているID登録用信号がHIレベルであるか否かを判定する。ID登録用信号がHIレベルである場合には、ステップS1902にて、発射制御装置65に設けられた第2発射周期カウンタの値を1加算し、ID登録用信号がLOWレベルである場合には、ステップS1903にて、第2発射周期カウンタの値を「0」クリアする。第2発射周期カウンタは、ID情報の登録時に球送り装置86及び遊技球発射機構34を利用して遊技球B1を発射すべき状況において、当該遊技球B1の発射周期を所定のものとするために利用されるカウンタである。
ステップS1902の処理を実行した場合又はステップS1903の処理を実行した場合には、ステップS1904にて、第2球送り済み状態であるか否かを判定する。第2球送り済み状態とは、ID情報の登録時において、球送り装置86による発射レール81上への1個の遊技球B1の供給が既に完了している状態のことである。
第2球送り済み状態ではない場合には、ステップS1905にて、第2発射周期カウンタの値が「100」となっているか否かを判定する。第2発射周期カウンタは、ID登録用信号がHIレベルの状態において発射制御処理が起動される度に1加算される。また、当該発射制御処理は、2msec毎に起動される。したがって、第2発射周期カウンタの値が「100」となっている場合とは、ID登録用信号がHIレベルとなってから当該HIレベルの出力状態が継続している状態において、又は1個の遊技球B1がID情報の登録用に発射されてからHIレベルのID登録用信号の出力状態が継続している状態において、0.2secが経過したことを意味する。
ここで、当該発射周期は、遊技者による発射操作装置36の操作に基づき遊技球B1が発射される場合の発射周期(具体的には0.6sec)よりも短い周期となっている。これにより、遊技に際しては遊技球B1の発射周期をある程度長いものとしながら、ID情報の登録に際しては短い周期での遊技球B1の発射を可能とし、ID情報の登録に要する期間の短期間化が図られる。
第2発射周期カウンタの値が「100」となっていない場合には、そのまま本ID登録用の発射制御処理を終了する。第2発射周期カウンタの値が「100」となっている場合には、ステップS1906〜ステップS1908に進む。
ステップS1906では、第2発射周期カウンタの値を「0」クリアし、ステップS1907では、球送り装置86に向けて球送り用の駆動信号を出力し、ステップS1908では、第2球送り済み状態に設定する。その後、本ID登録用の発射制御処理を終了する。球送り用の駆動信号が出力されることにより、球送り装置86は、1個の遊技球B1を球皿部71から発射レール81上に供給する。
一方、ステップS1904にて肯定判定をした場合には、ステップS1909にて、発射制御装置65に設けられた第2球送り後カウンタの値を1加算する。第2球送り後カウンタは、ID情報の登録時において球送り装置86により1個の遊技球B1が発射レール81上に供給された後に、遊技球発射機構34を駆動制御して当該遊技球B1を発射するタイミングを発射制御装置65において特定するためのカウンタである。
続くステップS1910では、第2球送り後カウンタの値が「50」となっているか否かを判定する。第2球送り後カウンタは、ID登録実行状態である場合には、第2球送り済み状態において発射制御処理が起動される度に1加算される。また、当該発射制御処理は、2msec毎に起動される。したがって、第2球送り後カウンタの値が「50」となっている場合とは、発射レール81上に1個の遊技球B1が供給された後に0.1secが経過したことを意味する。発射レール81上に1個の遊技球B1が供給されてから当該遊技球B1がID情報の登録用に発射されるまでの当該時間は、発射球検知センサ84にて当該遊技球B1が検知され、リーダ装置85が駆動制御されて当該遊技球B1からID情報が読み取られるまでに要する最長時間よりも長い時間に設定されている。したがって、ID情報の読み取りを確実に行うことが可能である。
第2球送り後カウンタの値が「50」となっていない場合には、そのまま本ID登録用の発射制御処理を終了する。第2球送り後カウンタの値が「50」となっている場合には、ステップS1911〜ステップS1912に進む。
ステップS1911では、ID登録に応じた発射用の駆動信号を遊技球発射機構34に向けて出力する。これにより、ID情報の登録用に対応した発射強度で、発射レール81上に供給されている遊技球B1が発射される。この場合に、当該発射強度は、操作ハンドル36bの操作量に関係なく一義的に定められており、発射レール81における発射先側の端部よりも遊技領域側の位置であって誘導レールに到達しない位置にて遊技球B1が落下を開始して、当該遊技球B1が戻り球用回収部121に回収されるように設定されている。その後、ステップS1912にて、第2球送り済み状態を解除した後に、本ID登録用の発射制御処理を終了する。
次に、ID登録用処理(図34)のステップS1709にて払出側MPU162により実行されるID取得処理について、図37のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS2001では、払出側RWM164に設けられた登録中検知フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。登録中検知フラグは、既に説明したとおり、ID登録実行状態において発射レール81に遊技球B1が供給され当該遊技球B1が発射球検知センサ84により検知された場合にセットされるフラグである。
登録中検知フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS2002にて、呼出波の出力処理を実行する。具体的には、払出側MPU162からリーダ装置85に向けて呼出波の出力を指示するための出力指示信号を出力する。これにより、各遊技球B1のICタグ181において共通して設定されている所定周波数の呼出波がリーダ装置85から出力される。その後、ステップS2003にて登録中検知フラグを「0」クリアする。
ステップS2001にて否定判定をした場合、又はステップS2003の処理を実行した場合には、ステップS2004にて、リーダ装置85が遊技球B1から応答波を受信したか否かを判定する。応答波を受信していない場合には、そのまま本ID取得処理を終了する。応答波を受信している場合には、ステップS2005にて、ID情報の検索処理を実行する。ID情報の検索処理では、リーダ装置85が今回受信した応答波に含まれるID情報が、払出側RWM164のID情報記憶エリア164dに既に記憶されているか否かを把握する。
続くステップS2006では、今回受信したID情報がID情報記憶エリア164dに既に記憶されているか否かを判定する。既に記憶されている場合には、そのまま本ID取得処理を終了する。今回受信したID情報がID情報記憶エリア164dに記憶されていない場合には、ステップS2007にて、当該ID情報をID情報記憶エリア164dに書き込む。
続くステップS2008では、ID情報記憶エリア164dに記憶されたID情報が特定個数、具体的には100個となったか否かを判定する。特定個数となっていない場合には、そのまま本ID取得処理を終了する。特定個数となっている場合には、ステップS2009にてID登録実行状態を解除した後に、本ID取得処理を終了する。
次に、図38(a)〜(c)を参照しながら、ID情報が登録される様子について説明する。
図38(a)は球皿部71に特定個数の遊技球B1が貯留されている様子を示す模式図であり、図38(b)はID情報が登録される場合の遊技球B1の発射態様を説明するための説明図であり、図38(c)は払出側RWM164のID情報記憶エリア164dを説明するための説明図である。
球皿部71において窓パネル52よりも前方に膨出した貯留領域は、特定個数よりも多くの遊技球B1を貯留可能となるように形成されている。したがって、古いセットの遊技球B1を取り除き、新しいセットの特定個数の遊技球B1を投入して前扉22を閉鎖した場合には、当該特定個数の遊技球B1は、図38(a)に示すように、全て当該貯留領域内に収容される。
その後、主制御装置61の第2消去ボタン61cを操作することでID登録実行状態となる。ID登録実行状態では、0.2sec周期で1個の遊技球B1が自動で発射される。また、遊技球B1はID情報の登録用の発射強度で発射されるため、図38(b)に示すように、当該遊技球B1は遊技領域側の誘導レールに到達することなく戻り球用回収部121にて回収される。
この場合に、発射レール81上に順次供給される各遊技球B1からは、リーダ装置85によりID情報が読み取られる。これにより、図38(c)に示すように、払出側RWM164のID情報記憶エリア164dには、特定個数の各遊技球B1のID情報が記憶される。当該情報について詳細には、ID情報記憶エリア164dには、特定個数の番号の情報(「0」〜「99」)と1対1で対応させてID情報の格納エリアが設定されている。リーダ装置85により読み取られたID情報は、当該ID情報の格納エリアに順次格納されていく。そして、新たにセットされた特定個数の各遊技球B1のID情報がID情報記憶エリア164dに記憶されることとなる。また、ID情報記憶エリア164dには、各番号の情報に1対1で対応させて確認済みフラグが設定されている。確認済みフラグはID情報の読み取りを通じて遊技球B1の監視を実行する場合に利用されるフラグである。
上記のようにID情報の登録が行われる構成において、遊技球B1が所定の経路を通過している状況で当該ID情報の登録が行われる。これにより、リーダ装置85の数を少なくすることが可能となるとともにリーダ装置85の受信可能範囲を広くする必要もなくなる。よって、リーダ装置85を利用したID情報の受信を好適に行うことが可能となる。
また、ID情報の登録に際して遊技球B1が通過する所定の経路には遊技領域が含まれておらず、さらにその移動距離は遊技領域を流下する場合よりも短い距離となる。よって、ID情報の登録が行われる場合の作業の短時間化が図られる。また、当該ID情報の登録に際しては通常の発射周期よりも短い発射周期で遊技球B1が発射される。この点からも、ID情報の登録が行われる場合の作業の短時間化が図られる。
また、ID情報の登録に際しては戻り球用回収部121に向けて遊技球B1が発射される。これにより、ID情報の登録に際して作業の短時間化を図る場合において、遊技球B1の循環に関して既存の構成を利用することが可能となる。
<ID監視処理>
次に、タイマ割込み処理(図21)のステップS805にて実行されるID監視処理について説明する。
ID監視処理では、発射操作装置36の操作に基づき遊技領域に向けて遊技球B1が発射されている状況においてパチンコ機10に循環している遊技球B1の監視を実行するための処理である。また、当該監視は、発射操作装置36の操作に基づき遊技領域に向けて遊技球B1が発射されている状況において常時実行される。
図39は、ID監視処理を示すフローチャートである。
まずステップS2101では、払出側RWM164に設けられた出力後フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、呼出波の出力後状態であるか否かを判定する。出力後状態ではない場合には、ステップS2102にて、払出側RWM164に設けられた通常中検知フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。通常中検知フラグは、既に説明したとおり、発射操作装置36の操作に基づき遊技球B1が発射されている状況において発射レール81に遊技球B1が供給され当該遊技球B1が発射球検知センサ84により検知された場合にセットされるフラグである。
通常中検知フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS2103にて、呼出波の出力処理を実行する。具体的には、払出側MPU162からリーダ装置85に向けて呼出波の出力を指示するための出力指示信号を出力する。これにより、各遊技球B1のICタグ181において共通して設定されている所定周波数の呼出波がリーダ装置85から出力される。その後、ステップS2104にて通常中検知フラグを「0」クリアするとともに、ステップS2105にて呼出波の出力後状態に設定する。
一方、ステップS2101において呼出波の出力後状態であると判定した場合には、ステップS2106にて、リーダ装置85が遊技球B1から応答波を受信したか否かを判定する。応答波を受信していない場合には、ステップS2107にて、払出側RWM164に設けられた受信待ちカウンタの値を1加算する。受信待ちカウンタは、遊技球B1を監視する場合において、リーダ装置85から呼出波を出力してからの応答波の受信待ち時間を払出側MPU162にて特定するためのカウンタである。
続くステップS2108では、受信待ちカウンタの値が「75」となっているか否かを判定する。ID監視処理は、4msec周期で起動されるタイマ割込み処理(図21)にて実行される。また、呼出波の出力後状態において応答波を受信するまでは、ID監視処理が実行される度にステップS2107の処理が実行される。したがって、ステップS2108では、リーダ装置85から呼出波を出力してから応答波を受信することなく0.3secが経過したか否かを判定していることになる。
ステップS2108にて肯定判定をした場合、発射レール81上に供給されて発射球検知センサ84により検知された遊技球は、リーダ装置85の呼出波の出力に対して応答波を送信することができない非正規の遊技球であることを意味する。この場合、ステップS2109にて、主側MPU152に向けて第1ID異常コマンドを出力した後に、そのまま無限ループを継続する。
主側MPU152では、第1ID異常コマンドを受信した場合には、タイマ割込み処理(図14)のステップS406において肯定判定がなされる設定を行うことにより、その後の遊技の進行を停止させるとともに、音声発光制御装置62に向けて第1ID異常コマンドに対応したコマンドを出力することで、第1ID異常に対応した異常報知が実行されるようにする。当該異常報知の態様は任意であるが、異常報知用発光部53、スピーカ装置37及び図柄表示装置46aの少なくともいずれかにて第1ID異常が発生したことを遊技ホールの管理者が認識可能な態様で異常報知を実行する構成が考えられる。また、かかるパチンコ機10自身による異常報知に加えて又は代えて、遊技ホールの管理コンピュータに第1ID異常が発生したことに対応した異常発生信号が出力される構成としてもよい。
応答波を出力しない非正規の遊技球がパチンコ機10に存在する場合としては、例えば正規の遊技球B1よりも小さい遊技球をパチンコ機10に投入する不正行為が想定される。このような小さい遊技球が投入された場合、正規の遊技球B1よりも入賞が発生し易くなる。また、本パチンコ機10では使用された遊技球が排出されることなく循環することとなるため、小さい非正規の遊技球が当該パチンコ機10において繰り返し使用されることとなってしまう。これに対して、上記のような処理が実行されることにより、当該不正行為が行われた場合には、遊技球B1の使用や記憶媒体Mの提供を禁止することが可能となる。また、異常報知の実行を通じて、第1ID異常が発生したことを遊技ホールの管理者に知らせることが可能となる。
なお、当該異常状態は、パチンコ機10の電源をOFFした後に、第1消去ボタン61b及び第2消去ボタン61cの両方を操作しながらパチンコ機10の電源をONすることにより解除されるが、例えばパチンコ機10の電源の再投入のみにより解除される構成としてもよく、パチンコ機10の電源の再投入を要することなく第1消去ボタン61b及び第2消去ボタン61cの少なくとも一方を操作することにより解除される構成としてもよい。また、第1ID異常となった場合に、異常報知を実行する一方、遊技球B1の使用、記憶媒体Mの提供、及び遊技の進行のうち少なくとも一部を禁止しない構成としてもよく、これら全部を禁止しない構成としてもよい。
ここで、遊技者による発射操作に基づき遊技球B1が発射されている場合におけるID情報の監視処理の内容及び第1ID異常が発生した場合の内容について、図40のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図40(a)は発射周期を示し、図40(b)は球送り動作の様子を示し、図40(c)は発射動作の様子を示し、図40(d)は第1ID異常が発生しない場合における呼出波の出力の様子を示し、図40(e)第1ID異常が発生しない場合における応答波の受信の様子を示し、図40(f)は第1ID異常が発生する場合における呼出波の出力の様子を示し、図40(g)は第1ID異常が発生しない場合における応答波の受信の様子を示し、図40(h)は第1ID異常の発生の有無を示す。
まず、図40(a)〜図40(e)を参照しながら、第1ID異常が発生しない場合におけるID情報の監視処理の内容について説明する。
t21のタイミングで発射周期の計測が完了することで、球送り装置86により発射レール81上に1個の遊技球B1が供給される。この遊技球B1は発射される前のタイミングであるt22のタイミングにて発射球検知センサ84により検知され、それに基づきリーダ装置85から呼出波が出力される。その後、t23のタイミングで遊技球B1から応答波が出力され、払出側MPU162において当該遊技球B1のID情報が受信される。そして、t24のタイミングにて、発射レール81上の遊技球B1が遊技球発射機構34により発射される。また、かかる動作が、t25のタイミングにおいても繰り返される。
次に、図40(a)〜図40(c)、図40(f)〜図40(h)を参照しながら、第1ID異常が発生する場合について説明する。
第1ID異常が発生しない場合と同様に、t21のタイミングで発射周期の計測が完了することで、球送り装置86により発射レール81上に1個の遊技球が供給され、t22のタイミングにてリーダ装置85から呼出波が出力される。しかしながら、当該遊技球からは応答波が出力されずに、受信待ち時間が経過することとなる。そして、t31のタイミングで、第1ID異常の発生と特定され、既に説明した異常対応処理が実行される。
この場合に、第1ID異常の発生と特定されるタイミングは、次の発射周期の計測が完了するタイミング(t25のタイミング)よりも前のタイミングとなっている。これにより、非正規の遊技球からID情報を受信していないにも関わらず、その次に供給される正規の遊技球B1からID情報を受信することが原因で非正規の遊技球を発見することができなくなってしまうという不都合の発生を、防止することができる。
ちなみに、第1ID異常の発生と特定されるタイミングは、非正規の遊技球が発射された後のタイミングとなっているが、第1ID異常が発生した場合にはその後の遊技の進行が防止されるため、当該非正規の遊技球による不正な利益の取得は防止される。
ID監視処理(図39)の説明に戻り、ステップS2106にて肯定判定をした場合、すなわち受信待ち時間が経過するまでにリーダ装置85が遊技球B1から応答波を受信した場合には、ステップS2110に進む。ステップS2110では呼出波の出力後状態を解除し、続くステップS2111にて受信待ちカウンタの値を「0」クリアする。
その後、ステップS2112にて、ID情報の比較処理を実行する。ID情報の比較処理では、今回受信したID情報が、払出側RWM164のID情報記憶エリア164dに記憶されている特定個数のID情報のいずれかと一致しているか否かを特定する。続くステップS2113では、ステップS2112の比較処理の結果、今回受信したID情報がID情報記憶エリア164dのいずれかのID情報と一致しているか否かを判定する。
ステップS2113にて否定判定をした場合、発射レール81上に供給されて発射球検知センサ84により検知された遊技球は、パチンコ機10に登録されているID情報とは異なるID情報を有する非正規の遊技球であることを意味する。この場合、ステップS2114にて、主側MPU152に向けて第2ID異常コマンドを出力した後に、そのまま無限ループを継続する。
主側MPU152では、第2ID異常コマンドを受信した場合には、タイマ割込み処理(図14)のステップS406において肯定判定がなされる設定を行うことにより、その後の遊技の進行を停止させるとともに、音声発光制御装置62に向けて第2ID異常コマンドに対応したコマンドを出力することで、第2ID異常に対応した異常報知が実行されるようにする。当該異常報知の態様は任意であるが、異常報知用発光部53、スピーカ装置37及び図柄表示装置46aの少なくともいずれかにて第2ID異常が発生したことを遊技ホールの管理者が認識可能な態様で異常報知を実行する構成が考えられる。また、かかるパチンコ機10自身による異常報知に加えて又は代えて、遊技ホールの管理コンピュータに第2ID異常が発生したことに対応した異常発生信号が出力される構成としてもよい。
登録されていないID情報を出力する非正規の遊技球がパチンコ機10に存在する場合としては、例えば正規の遊技球B1よりも小さい遊技球をパチンコ機10に投入する不正行為が想定される。このような小さい遊技球が投入された場合、既に説明したとおり、正規の遊技球B1よりも入賞が発生し易くなる。また、本パチンコ機10では使用された遊技球が排出されることなく循環することとなるため、小さい非正規の遊技球が当該パチンコ機10において繰り返し使用されることとなってしまう。これに対して、上記のような処理が実行されることにより、当該不正行為が行われた場合には、遊技球B1の使用や記憶媒体Mの提供を禁止することが可能となる。また、異常報知の実行を通じて、第2ID異常が発生したことを遊技ホールの管理者に知らせることが可能となる。
なお、当該異常状態は、パチンコ機10の電源をOFFした後に、第1消去ボタン61b及び第2消去ボタン61cの両方を操作しながらパチンコ機10の電源をONすることにより解除されるが、例えばパチンコ機10の電源の再投入のみにより解除される構成としてもよく、パチンコ機10の電源の再投入を要することなく第1消去ボタン61b及び第2消去ボタン61cの少なくとも一方を操作することにより解除される構成としてもよい。また、第2ID異常となった場合に、異常報知を実行する一方、遊技球B1の使用、記憶媒体Mの提供、及び遊技の進行のうち少なくとも一部を禁止しない構成としてもよく、これら全部を禁止しない構成としてもよい。
ステップS2113にて肯定判定をした場合、すなわち今回受信したID情報がID情報記憶エリア164dに記憶されているいずれかのID情報と一致している場合には、ステップS2115に進む。ステップS2115では、ID情報記憶エリア164dにおいて、今回受信したID情報と同一のID情報が格納されているエリアにおける確認済みフラグに「1」をセットする。これにより、払出側MPU162では、当該ID情報を有する遊技球B1からID情報を受信済みであることを特定することが可能となる。
ステップS2102にて否定判定をした場合、ステップS2105の処理を実行した場合、ステップS2108にて否定判定をした場合、又はステップS2115の処理を実行した場合には、ステップS2116にて、払出側MPU162から発射制御装置65に向けて出力されている発射許可信号がHIレベルの状態であるか否かを判定する。発射許可信号がLOWレベルの状態である場合にはそのまま本ID監視処理を終了し、発射許可信号がHIレベルの状態である場合にはステップS2117以降の処理を実行する。つまり、残存球情報が1以上の状況において発射操作装置36が遊技者により操作され、それに基づき遊技球B1の発射が許可される場合にステップS2117以降の処理を実行する。
ステップS2117では、払出側RWM164に設けられた監視周期カウンタの値を1加算する。監視周期カウンタは、ID情報記憶エリア164dに記憶されている特定個数のID情報を予め定められた監視期間中に全て受信したか否かを払出側MPU162において特定する上で、当該監視期間を計測するために利用されるカウンタである。
続くステップS2118では、ID情報記憶エリア164dにおける全確認済みフラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、当該ID情報記憶エリア164dに記憶されている特定個数のID情報の全てを受信したか否かを判定する。ステップS2118にて肯定判定をした場合には、ステップS2119にて全確認済みフラグを「0」クリアし、ステップS2120にて、監視周期カウンタを「0」クリアした後に、本ID監視処理を終了する。
一方、ステップS2118にて否定判定をした場合には、ステップS2121にて、監視周期カウンタの値が「60000」となっているか否かを判定する。ID監視処理は、4msec周期で起動されるタイマ割込み処理(図21)にて実行される。また、残存球情報が1以上の状況において発射操作装置36が遊技者により操作され、それに基づき遊技球B1の発射が許可される場合、ID監視処理が実行される度にステップS2117の処理が実行される。したがって、ステップS2121では、遊技者による発射操作に基づき遊技球B1が発射されている状況において監視期間として240secが経過したか否かを判定していることになる。ちなみに、当該監視期間の計測は、途中で遊技者による発射操作に基づく遊技球B1の発射が中止された場合(すなわち発射許可信号がLOWレベルとなった場合)に中断され、遊技者による発射操作に基づく遊技球B1の発射が再開された場合(すなわち発射許可信号がHIレベルとなった場合)には中断前に計測していた値から計測が再開される。
ステップS2121にて否定判定をした場合には本ID監視処理を終了する。ステップS2121にて肯定判定をした場合、パチンコ機10に投入されている特定個数の遊技球B1の一部が、パチンコ機10から流出している、又は遊技領域や遊技球B1の通過経路において球詰まりしていることを意味する。この場合、ステップS2122にて、主側MPU152に向けて第3ID異常コマンドを出力した後に、本ID監視処理を終了する。
主側MPU152では、第3ID異常コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置62に向けて第3ID異常コマンドに対応したコマンドを出力することで、第3ID異常に対応した異常報知が実行されるようにする。当該異常報知の態様は任意であるが、異常報知用発光部53、スピーカ装置37及び図柄表示装置46aの少なくともいずれかにて第3ID異常が発生したことを遊技ホールの管理者が認識可能な態様で異常報知を実行する構成が考えられる。また、かかるパチンコ機10自身による異常報知に加えて又は代えて、遊技ホールの管理コンピュータに第3ID異常が発生したことに対応した異常発生信号が出力される構成としてもよい。
但し、第1ID異常及び第2ID異常の場合と異なり、第3ID異常の場合には払出側MPU162においてその後の処理が停止されることはなく、さらに主側MPU152においてもタイマ割込み処理(図14)のステップS406において肯定判定をするための設定は行なわれない。つまり、第3ID異常の場合には、主側MPU152において遊技を進行させるための処理は停止されることはなく、且つ払出側MPU162においても遊技球B1を使用するための処理及び記憶媒体Mを排出するための処理は停止されない。
第3ID異常が発生する場合とは、上記のとおり特定個数の遊技球B1の一部がパチンコ機10から流出した場合や、遊技領域や遊技球B1の通過経路において一部の遊技球B1が留まっている場合であると考えられる。このような事象は、不正行為により発生する可能性は低く、仮に不正行為により発生していたとしてもそれにより遊技ホールが被る不利益は第1ID異常や第2ID異常の場合に比べて小さいと考えられる。したがって、第3ID異常については、正規の遊技者に遊技を中断させてしまう不利益を重視して、遊技の進行、遊技球B1の使用及び記憶媒体Mの排出についての処理は中断しないようにしている。また、第3ID異常が発生した場合にも、当該異常発生に対しての報知は実行されるため、第3ID異常の解消を遊技ホールの管理者に促すことは可能である。
なお、当該異常状態は、パチンコ機10の電源の再投入を要することなく第1消去ボタン61b及び第2消去ボタン61cの少なくも一方を操作することにより解除されるが、例えば当該解除に際してパチンコ機10の電源の再投入を要するようにしてもよい。また、第3ID異常となった場合に、異常報知に加えて、遊技球B1の使用、記憶媒体Mの提供、及び遊技の進行のうち少なくとも一部を禁止する構成としてもよく、これら全部を禁止する構成としてもよい。
以上のとおり、発射球検知センサ84により遊技球B1が検知されている状況でリーダ装置85にて当該遊技球B1からID情報が受信できない場合には、異常処理が実行される。これにより、ID情報を発信できない非正規の遊技球がパチンコ機10に投入された場合に、それに対処することが可能となる。
また、パチンコ機10にて循環する遊技球B1のID情報をID情報記憶エリア164dに記憶しておき、この記憶されたID情報とは異なるID情報を受信した場合には、異常処理が実行される。これにより、正規のID情報を有していない非正規の遊技球がパチンコ機10に投入された場合に、それに対処することが可能となる。
また、パチンコ機10にて循環する遊技球B1はそれぞれ異なるID情報を有しており、これらID情報はID情報記憶エリア164dに記憶されている。そして、ID情報記憶エリア164dに記憶されている全てのID情報を予め定められた監視期間の範囲内で受信できない場合には、異常処理が実行される。これにより、ID情報の受信を利用して、遊技領域などといった遊技球B1の通過経路にて球詰まりが発生しているか否かの監視を行うことが可能となる。
また、リーダ装置85は、発射レール81上に供給された遊技球B1からID情報を受信するように設けられている。これにより、通常の遊技中において、遊技球B1の監視を行うことが可能となる。また、ID情報の受信に関する異常を、その異常対象の遊技球B1が遊技領域に向けて発射されるよりも前のタイミングで検知することが可能となる。また、上記のようにリーダ装置85が設けられた構成において、パチンコ機10にて循環する遊技球B1はそれぞれ異なるID情報を有しており、これらID情報はID情報記憶エリア164dに記憶されている。これにより、通常の遊技中において遊技球B1の数の監視を行うことが可能となる。
<主側MPU152にて実行される残存球対応処理>
次に、主側MPU152にて実行される残存球対応処理について説明する。当該残存球対応処理の説明に先立ち、まず図41(a)のフローチャートを参照しながら、保留予告用の確認処理について説明する。なお、当該保留予告用の確認処理は、主側MPU152において特図特電制御処理(図20)のステップS702にて実行される。
まずステップS2201では、直前のステップS701における保留情報の取得処理にて、保留情報の新たな取得が行われたか否かを判定する。ステップS2201にて否定判定をした場合にはそのまま本保留予告用の確認処理を終了する。ステップS2201にて肯定判定をした場合にはステップS2202にて、その新たに取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報を読み出す。
続くステップS2203では、現状の抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合には、ステップS2204にて低確率モード用の当否テーブルを参照することで、上記大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定し、高確率モードである場合には、ステップS2205にて高確率モード用の当否テーブルを参照することで、上記大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する。この場合に、低確率モード用の当否テーブルに設定されている大当たり結果に対応した数値情報の種類は、高確率モード用の当否テーブルに設定されている大当たり結果に対応した数値情報の種類よりも少ない種類であるが、前者の数値情報は、後者の数値情報に全て含まれている。したがって、低確率モードにおいて大当たり結果となる大当たり乱数カウンタC1の数値情報は、高確率モードにおいても大当たり結果となる。
ステップS2204の処理を実行した場合又はステップS2205の処理を実行した場合には、ステップS2206にて大当たり当選に対応しているか否かを判定する。ステップS2206にて否定判定をした場合にはそのまま本保留予告用の確認処理を終了する。ステップS2206にて肯定判定をした場合には、ステップS2207にて、上記新たに取得した保留情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を読み出す。
続くステップS2208では、上記大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報が高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに対応しているか否かを判定する。ここで、本パチンコ機10では、既に説明したとおり、開閉実行モードとして、当該開閉実行モード中における可変入賞装置42への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。また、大当たり結果として、図41(b)に示すように、低確大当たり結果と、低入賞高確大当たり結果と、最有利大当たり結果とが設定されており、これらのうち低確大当たり結果と最有利大当たり結果とが高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する契機となる。したがって、ステップS2208では、上記大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報が、低確大当たり結果及び最有利大当たり結果のうちいずれかであるかを判定する。
ステップS2208にて否定判定をした場合にはそのまま本保留予告用の確認処理を終了する。ステップS2208にて肯定判定をした場合にはステップS2209にて、上記新たに取得した保留情報が格納されているエリアに対応した発生フラグに「1」をセットした後に、本保留予告用の確認処理を終了する。
発生フラグについて詳細には、図41(c)に示すように、主側RWM154の保留格納エリア154bには、実行エリアAEと、第1〜第4保留エリアRE1〜RE4が設けられているが、これら各エリアには保留情報を格納するためのエリアに1対1で対応させて発生フラグが設定されている。また、新たな遊技回の開始に際しては、第1保留エリアRE1に保留されている保留情報が実行エリアAEにシフトされるとともに、第2〜第4保留エリアRE2〜RE4に保留されている保留情報がそれぞれ上位側の保留エリアにシフトされることとなるが、このシフトに際して、発生フラグにセットされているデータも対応する保留情報のシフトに合わせてシフトされる。そして、発生フラグには、既に説明したとおり、対応する保留情報が高頻度入賞モードとなる開閉実行モードへの移行契機となる大当たり結果に対応している場合に「1」がセットされる。つまり、発生フラグによって、対応する保留情報が高頻度入賞モードとなる開閉実行モードへの移行契機となる大当たり結果に対応しているか否かを把握することが可能となる。
図42は残存球対応処理を示すフローチャートである。なお、残存球対応処理は、主側MPU152においてタイマ割込み処理(図14)のステップS419にて実行される。
残存球対応処理では、ステップS2301にて度数情報が1以上であるか否かを判定するとともに、ステップS2302にて残存球情報が10以下であるか否かを判定する。これら度数情報及び残存球情報は、既に説明したとおり、払出側MPU162において遊技球管理処理(図23)のステップS1017の処理が実行されることにより、当該払出側MPU162から主側MPU152に向けて送信される。また、主側MPU152では、タイマ割込み処理(図14)におけるステップS418の球管理状態受信処理にて、これら度数情報及び残存球情報を把握する。
ステップS2301にて肯定判定をした場合又はステップS2302にて否定判定をした場合には、そのまま本残存球対応処理を終了し、ステップS2301にて否定判定をし且つステップS2302にて肯定判定をした場合にステップS2303に進む。つまり、度数情報が「0」であって残存球情報が予め定められた基準数である10以下である場合に、ステップS2303に進む。
ステップS2303では、いずれかの保留情報に対応した発生フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。全発生フラグが「0」である場合にはそのまま本残存球対応処理を終了する。いずれかの発生フラグに「1」がセットされている場合には、ステップS2304にて当たり告知コマンドを音声発光制御装置62に向けて出力した後に、本残存球対応処理を終了する。
当たり告知コマンドが出力されることにより、スピーカ装置37及び図柄表示装置46aの少なくとも一方において、現状の遊技回の終了後又は保留記憶されている保留情報に対応した遊技回の終了後に高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行することを遊技者が認識可能となる態様の報知が実行される。
例えば、現状の遊技回の終了後に高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する場合には、図柄表示装置46aにて図柄の変動表示が開始される前のタイミング、全図柄列にて図柄が変動表示されている状況、一部の図柄列のみが変動表示されている状況、又はリーチ変動表示が開始されたタイミング以降であって当該リーチ変動表示が終了される前のタイミングにて、「球を補充して下さい。」といった文字の表示や音声の出力が行われる。この場合、開閉実行モードが発生するか否かという予測を通じた遊技への注目度を維持させる上でで、リーチ変動表示が開始されたタイミング以降において、当該リーチ演出の一種として又は当該リーチ演出とは別に特別報知が実行される構成が好ましい。
本パチンコ機10では特定個数の遊技球B1が循環し、残存球情報が1以上でない場合には発射操作に基づく遊技球B1の発射が不可となる構成である。この場合に、度数情報が「0」であり且つ残存球情報が「0」又は少数である状況で突然、高頻度入賞モードの開閉実行モードが発生した場合、遊技者は新たに紙幣を投入してさらに球供給ボタン142を操作して残存球情報の補充を行うこととなるが、当該補充が完了するまでには所定の期間を要するため、この所定の期間の間は遊技球B1の発射がなされることなく開閉実行モードが進行してしまうこととなる。その一方、高頻度入賞モードのラウンド遊技では、可変入賞装置42の開放の上限時間が当該ラウンド遊技の一終了条件である上限個数の入賞を可能とするように設定されているが、上記のように所定の期間に亘って遊技球B1の発射が行われないと、1ラウンド目などのラウンド遊技において上限個数の入賞を発生させることができなくなってしまうおそれがある。これに対して、上記のように度数情報が「0」であって残存球情報が基準数以下である状況で、現状の遊技回の終了後又は保留記憶されている保留情報に対応した遊技回の終了後に高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに移行する場合には、それに対応した特別報知が遊技者に対して実行される。これにより、遊技者は高頻度入賞モードとなる開閉実行モードが発生するまでに事前に残存球情報を補充しておくことが可能となり、上記のような不都合の発生を阻止することが可能となる。
また、保留情報が遊技回の開始対象として当否判定されるよりも前のタイミング、具体的には保留情報が取得されたタイミングで、当該保留情報が高頻度入賞モードの開閉実行モードへの移行契機となるか否かが判定される。これにより、上記特別報知を早期に実行することが可能となり、遊技者にとっては、残存球情報を、当該開閉実行モードに移行するまでに余裕を持って補充しておくことが可能となる。
また、低頻度入賞モードの開閉実行モードとなる保留情報が記憶されている場合には、上記特別報知は実行されない。これにより、特別報知が実行される頻度を抑えることが可能となり、特別報知の実行が本来の遊技性を損ねてしまう可能性が低減される。
また、度数情報が記憶されている場合には残存球情報の値に関係なく特別報知が実行されない。度数情報が記憶されている場合には残存球情報への変換を早期に行うことが可能であるため、残存球情報が少ない状況で開閉実行モードに突然移行したとしても遊技者が被る不利益は低い。したがって、度数情報が記憶されている場合には特別報知を実行しないようにすることにより、特別報知の実行が本来の遊技性を損ねてしまう可能性が低減される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
使用可能な遊技球B1の数の情報が残存球情報として残存球情報記憶エリア164bに記憶される構成であるため、実際の遊技球B1を当該残存球情報で代用することが可能となり、遊技ホールにおける遊技球B1の総数を抑えることが可能となる。また、遊技球B1は遊技領域を流下したとしても当該パチンコ機10にて循環することとなるため、パチンコ機10にて使用される遊技球B1の数を定めることが可能となり、それに伴って遊技ホールにおける遊技球B1の総数を抑えることが可能となる。
かかる構成において、残存球情報の一部返却が可能な構成であるため、残存球情報を遊技ホールにおける商品の交換といったように遊技以外のために使用する場合に、その使用目的に応じた数分だけを使用することが可能となる。これにより、上記のように実際の遊技球B1を残存球情報で代用した構成において、当該残存球情報を遊技ホールにおける商品の交換のために利用することが可能となる。特に、パチンコ機10にて遊技球B1が循環する構成の場合、当該遊技球B1を遊技者が取り出すことができないため、遊技球B1をドリンクなどの商品と交換するという遊技ホールにおける従来からのやり取りをすることができなくなってしまう。これに対して、上記のとおり残存球情報の一部返却を可能とすることで、パチンコ機10にて遊技球B1を循環させるようにした構成であっても、ドリンクなどの商品との交換という遊技ホールにおける従来からのやり取りが可能となる。
遊技球B1はICタグ181を有している構成であるため、遊技球B1からID情報を読み取ることにより、当該遊技球B1が正規のものか容易に判断することが可能となる。よって、遊技球B1の管理を好適に行うことが可能となる。また、ICタグ181は遊技球B1の表面に存在しないように設けられており、さらに遊技球B1はICタグ181からの電波を外部に発信可能なように形成されているため、ICタグ181からのID情報の読み取りを可能としながら、当該ICタグ181を保護することが可能となる。
パチンコ機10において遊技球B1が通過する領域が検知範囲となるようにしてリーダ装置85が設けられているとともに、払出側MPU162において当該リーダ装置85にて受信したID情報を利用した監視処理が実行される構成である。これにより、ID情報を利用した遊技球B1の監視をパチンコ機10自身にて行うことが可能となる。
大当たり当選となる保留情報が記憶されている場合であって残存球情報が基準数(10個)以下である場合には、当該保留情報についての結果表示が特図表示部47にて実行される前に、それに対応した報知が遊技者に対して実行される。これにより、当該保留情報を契機とした開閉実行モードが発生するまでに事前に残存球情報を補充しておくことが可能となる。
所定状況である場合には操作ユニット141の全返却ボタン143が操作されたとしても、残存球情報の全てが書き込まれた記憶媒体Mの排出が行われない構成である。これにより、残存球情報の全てが出力されると遊技者に不利益を及ぼしかねない場合や、当該情報出力が複雑なものとなってしまう場合には、遊技者による全返却ボタン143の操作を無効化することが可能となる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、残存球情報の一部返却を行うための構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下に当該相違する構成について説明する。
図43(a)は一部返却を行うための操作部分の構成を説明するための模式図である。本実施形態では、上記第1の実施形態における操作ユニット141に代えて、操作パネル部191が設けられている。操作パネル部191には、度数情報を表示するための度数表示領域192と、残存球情報を表示するための残数表示領域193と、一部返却を指示するための複数の指定操作領域194a〜194dと、球供給を指示するための球供給操作領域195と、残存球情報の全返却を指示するための全返却操作領域196とが設定されている。これらのうち、指定操作領域194a〜194dと、球供給操作領域195と、全返却操作領域196とは、タッチパネル式となっており、これら操作領域194a〜196が押圧操作された場合には、各操作領域194a〜196に対応した操作発生信号が払出側MPU162に出力され、払出側MPU162では当該操作発生信号に基づきいずれの操作領域194a〜196が操作されたのかを把握することが可能である。
指定操作領域194a〜194dについて詳細には、各指定操作領域194a〜194dはそれぞれ一部返却されることとなる遊技球B1の数が予め定められており、当該遊技球B1の数は各指定操作領域194a〜194dのそれぞれにおいて表示されている。また、各指定操作領域194a〜194dには、対応する一部返却となる遊技球B1の数が、遊技ホールにおいてどのような商品との交換に対応しているかの情報も表示されている。したがって、遊技者は、遊技中において遊技ホールの所定の商品との交換を行いたい場合には、当該所定の商品に対応した指定操作領域194a〜194dを押圧操作すればよい。払出制御装置64は遊技ホールのホールコンピュータHCと電気的に接続されており、指定操作領域194a〜194dの押圧操作が有効であれば、その操作に対応した信号がホールコンピュータHCに出力される。これにより、上記所定の商品が遊技者に届けられることとなる。
かかる一部返却を行うための払出側MPU162における処理について説明する。図43(b)は本実施形態における一部返却用の管理処理を示すフローチャートである。
まずステップS2401では、いずれかの指定操作領域194a〜194dが操作されているか否かを判定する。いずれの指定操作領域194a〜194dも操作されていない場合にはそのまま本管理処理を終了する。いずれかの指定操作領域194a〜194dが操作されている場合にはステップS2402にて、当該操作に対応した残存球情報の値を把握する。続くステップS2403では、ステップS2402にて把握した残存球情報の値が、残存球情報記憶エリア164bに記憶されている残存球情報の値以下となっているか否かを判定する。
ステップS2403にて否定判定をした場合には、今回の操作は有効ではなかったものとして、そのまま本管理処理を終了し、ステップS2403にて肯定判定をした場合には、今回の操作は有効なものとして、ステップS2404に進む。ステップS2404では、ステップS2402にて把握した残存球情報の値と、本パチンコ機10を特定するための情報とを含む信号を、ホールコンピュータHCに出力する。
続くステップS2405では、残存球情報記憶エリア164bに記憶されている残存球情報の値から、ステップS2402にて把握した値を減算し、その減算結果を当該残存球情報記憶エリア164bに上書きする。その後、ステップS2406にて、残数表示領域193の表示内容を、ステップS2405の処理後における残存球情報の値に対応した内容に更新した後に、本管理処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、交換可能な商品に1対1で対応して指定操作領域194a〜194dが設けられているため、遊技者は交換したい商品に対応した指定操作領域194a〜194dを操作すればよく、操作性が向上する。また、必要な残存球数情報が指定操作領域194a〜194dに1対1で対応させて設定されているため、商品の交換に必要な残存球数情報のみを出力することが可能となる。また、商品の交換に際して、残存球情報はホールコンピュータHCに外部出力される構成であるため、記憶媒体Mが出力される頻度を抑えることが可能となる。
なお、いずれかの指定操作領域194a〜194dが操作された場合に、それに応じた残存球情報の値がホールコンピュータHCに出力される構成に代えて、操作された指定操作領域194a〜194dに対応した商品の識別情報がホールコンピュータHCに出力される構成としてもよい。
また、いずれかの指定操作領域194a〜194dが操作された場合に、それに応じた残存球情報の値がホールコンピュータHCに出力される構成に代えて、操作された指定操作領域194a〜194dに対応した残存球情報の値が書き込まれた記憶媒体Mが管理ユニット131から排出される構成としてもよい。また、これに代えて、操作された指定操作領域194a〜194dに対応した商品の識別情報が書き込まれた記憶媒体Mが管理ユニット131から排出される構成としてもよい。
また、操作パネル部191において指示可能な商品の種類、及び商品に対応した残存球情報を、遊技ホールにて設定可能な構成としてもよい。
<第3の実施形態>
本実施形態では、残存球情報の一部返却を行うための構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下に当該相違する構成について説明する。
図44(a)は一部返却を行うための構成を説明するためのブロック図である。本実施形態では、上記第1の実施形態における操作ユニット141には一部返却用の操作部分は設けられておらず、その代わりに、遊技ホールの管理者が所有する出力装置からの電波を受信する受信部201と、当該受信部201にて受信した内容を遊技者が承認するために操作される承認ボタン202とが設けられている。これら受信部201及び承認ボタン202は、払出制御装置64と電気的に接続されている。
本実施形態においては、残存球情報の一部を所定の商品に交換する場合、遊技者が遊技ホールの管理者にその旨を告げ、それに対して管理者側が当該所定の商品に対応した残存球情報を含む購入信号を出力装置からパチンコ機10に向けて出力する。当該購入信号は、受信部201にて受信され、さらに遊技者により承認ボタン202が操作されることにより、残存球情報が減算された後に、所定の商品が遊技者に届けられる。
かかる一部返却を行うための払出側MPU162における処理について説明する。図44(b)は本実施形態における一部返却用の管理処理を示すフローチャートである。
まずステップS2501では、払出側RWM164に設けられた承認待ちフラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、承認待ち状態であるか否かを判定する。承認待ち状態ではない場合には、ステップS2502にて、受信部201において、遊技ホールの管理者が所有する出力装置から購入信号を受信したか否かを判定する。購入信号を受信していない場合にはそのまま本管理処理を終了する。購入信号を受信している場合にはステップS2503にて承認待ち状態に設定した後に、本管理処理を終了する。
一方、承認待ち状態である場合にはステップS2501にて肯定判定をしてステップS2504に進む。ステップS2504では承認ボタン202が操作されているか否かを判定し、ステップS2505では発射制御装置65から受信している条件成立信号がHIレベルであるか否かを判定する。ステップS2504及びステップS2505のいずれかにて否定判定をした場合には、そのまま本管理処理を終了する。
ステップS2504及びステップS2505の両方にて肯定判定をした場合には、ステップS2506にて承認待ち状態を解除する。続くステップS2507では、購入信号に含まれる残存球情報の値を把握する。その後、ステップS2508では、ステップS2507にて把握した残存球情報の値が、残存球情報記憶エリア164bに記憶されている残存球情報の値以下となっているか否かを判定する。
ステップS2508にて否定判定をした場合には、今回の操作は有効ではなかったものとして、そのまま本管理処理を終了し、ステップS2508にて肯定判定をした場合には、今回の操作は有効なものとして、ステップS2509に進む。ステップS2509では、残存球情報記憶エリア164bに記憶されている残存球情報の値から、ステップS2507にて把握した値を減算し、その減算結果を当該残存球情報記憶エリア164bに上書きする。その後、ステップS2510にて、残数表示部148の表示内容を、ステップS2509の処理後における残存球情報の値に対応した内容に更新した後に、本管理処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、残存球情報の一部を利用した商品との交換に際しては遊技ホール側から信号出力される構成であるため、当該交換を行うために記憶媒体Mを必要としない。よって、記憶媒体Mが出力される頻度を抑えることが可能となる。また、当該商品の交換に際しての残存球情報の減算を、遊技ホール側における操作を少なくとも一の条件として行うことが可能となる。
また、受信部201にて遊技ホール側から購入信号を受信したとしても、遊技者による承認ボタン202の操作が行なわれないと残存球情報の減算は行われない。これにより、遊技者の意思に反して残存球情報が減算されてしまうことを阻止することが可能となる。また、当該承認ボタン202の操作は発射操作装置36が操作されていない状況では無効化される。これにより、承認ボタン202の不正な操作も行いづらくなる。
なお、購入信号の受信に対する承認操作として、遊技者が事前に設定した暗証番号の入力を要する構成としてもよい。この場合、不正な承認操作をより確実に阻止することが可能となる。
<第4の実施形態>
上記第1の実施形態ではベースとなる材料として合成樹脂が用いられ且つICタグ181が内蔵された遊技球B1を用いる構成としたが、本実施形態では鋼球などの金属球であってICタグ181を有していないものを遊技球B2として用いる。この構成の変更に伴って、パチンコ機10において循環する遊技球B2の個数を監視するための構成が上記第1の実施形態と異なっている。以下、当該相違する構成について説明する。
図45は本実施形態における球皿部71の導出口72及びその付近の構成を説明するための模式図である。図45に示すように、本実施形態においても球皿部71には排出用回収部101にて回収した遊技球B2が供給されるとともに、戻り球用回収部121にて回収した遊技球B2が供給される。この場合に、排出用回収部101及び戻り球用回収部121の両方が最下流部にて連通することとなる連通口104には、連通シャッタ機構211が設けられている。
連通シャッタ機構211は、連通シャッタ部材212と、当該連通シャッタ部材212を連通口104の遊技球B2の通過を許容する許容位置と連通口104の遊技球B2の通過を阻止する阻止位置との間で移動させる連通シャッタ駆動部213とを備えている。連通シャッタ駆動部213は払出制御装置64と電気的に接続されており、当該払出制御装置64から連通シャッタ駆動部213に駆動信号が出力されることにより連通シャッタ部材212は許容位置から阻止位置に移動する。
連通シャッタ部材212を阻止位置に配置した場合には、少なくとも戻り球用回収部121から球皿部71に遊技球B2が供給されることが阻止される。また、本実施形態においては戻り球用回収部121の容量が、パチンコ機10にて循環する特定個数の遊技球B2を全て収容可能な容量に設定されている。したがって、特定個数の遊技球B2を全て戻り球用回収部121内に待機させて、球皿部71内に遊技球B2が存在しないようにすることが可能となる。
図46は、払出側MPU162において遊技球B2の個数を監視するために実行される個数監視処理を示すフローチャートである。
まずステップS2601では、払出側RWM164に設けられた個数監視フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、個数監視状態であるか否かを判定する。個数監視状態とは、遊技球B2の個数を監視するための処理が実行されている状態のことである。
個数監視状態ではない場合には、ステップS2602にて開閉実行モードのエンディング期間が開始されたか否かを判定する。エンディング期間は、開閉実行モードの全ラウンド遊技が終了した後に開始される期間であり、図柄表示装置46aでは開閉実行モードが終了した旨の表示や、その後に続く遊技状態を遊技者に認識させるための表示などが実行される。また、当該エンディング期間中には、新たな遊技回の開始が禁止される。
ステップS2602にて否定判定をした場合にはそのまま本個数監視処理を終了し、ステップS2602にて肯定判定をした場合にはステップS2603に進む。ステップS2603では、発射許可信号の出力状態をLOWレベルに設定する。これにより、残存球情報が1以上である状況で発射操作装置36が遊技者により発射操作されたとしても、遊技領域に向けた遊技球B2の発射は実行されない。また、個数監視状態においては、LOWレベルの発射許可信号の出力状態が維持される。その後、ステップS2604にて個数監視状態に設定した後に、本個数監視処理を終了する。
個数監視状態に設定されてステップS2601にて肯定判定をした場合には、ステップS2605では、払出側RWM164に設けられた監視実行フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、監視実行状態であるか否かを判定する。監視実行状態とは、遊技球B2の個数を監視するための発射制御が実行されている状態のことである。
監視実行状態ではない場合には、ステップS2606にて、エンディング期間の所定タイミングであるか否かを判定する。当該所定タイミングは、個数監視状態に設定されて発射許可信号の出力状態がLOWレベルに設定される直前に仮に遊技球B2が発射されている場合に、その遊技球B2が排出用回収部101に回収されて球皿部71に戻るまでの想定される最長時間又はそれよりも長い時間が、エンディング期間の開始から経過したタイミングとして設定されている。
ステップS2606にて否定判定をした場合にはそのまま本個数監視処理を終了し、ステップS2606にて肯定判定をした場合にはステップS2607に進む。ステップS2607では、連通口104の閉鎖処理を実行する。具体的には、連通シャッタ駆動部213への駆動信号の出力を開始することにより連通シャッタ部材212を阻止位置に配置し、連通口104の遊技球B2の通過を阻止する。続くステップS2608では監視用信号の出力状態をHIレベルに設定し、その後ステップS2609にて監視実行状態に設定した後に、本個数監視処理を終了する。
監視用信号は、払出側MPU162から発射制御装置65に向けて出力される信号であり、発射操作装置36が操作されていない状況であっても遊技球B2の個数を監視するために、遊技球B2を戻り球用回収部121に向けて発射するように球送り装置86及び遊技球発射機構34を駆動制御させる場合にHIレベルに設定される。これにより、発射制御装置65では個数監視用の発射制御を実行する。
発射制御装置65における個数監視用の発射制御の内容は、上記第1の実施形態におけるID登録用の発射制御処理(図36)の内容と同様である。つまり、発射操作装置36が発射操作されることに基づき遊技球B2が発射される場合よりも短い周期で、球送り装置86による発射レール81上への遊技球B2の供給、及び当該供給された遊技球B2に対する遊技球発射機構34による発射動作が行われる。また、この際の発射強度は、操作ハンドル36bの操作量に関係なく一義的に定められており、発射レール81における発射先側の端部よりも遊技領域側の位置であって誘導レールに到達しない位置にて遊技球B2が落下を開始して、当該遊技球B2が戻り球用回収部121に回収されるように設定されている。したがって、個数の監視が行われる場合には、遊技領域に向けて遊技球B2が発射される場合よりも短い周期で、戻り球用回収部121に向けて遊技球B2が発射される。
監視実行状態に設定された場合には、ステップS2605にて肯定判定をしてステップS2610に進む。ステップS2610では、払出側RWM164に設けられた監視周期カウンタの値を1加算する。監視周期カウンタは、遊技球B2の個数を監視するための発射制御が開始されてからの経過時間を計測するためのカウンタである。続くステップS2611では、個数監視時の発射管理処理を実行する。当該処理では、上記第1の実施形態におけるID登録時の発射管理処理(図35)と同様の処理を実行する。つまり、前扉22が開放された場合には個数監視用の発射制御を中断させ、前扉22が閉鎖された場合には当該発射制御を再開させるための処理を実行する。
その後、ステップS2612では、払出側RWM164に設けられた監視中検知フラグに「1」がセットされているか否かを判定する。監視中検知フラグは、上記第1の実施形態における登録中検知フラグの代わりに設けられているフラグであり、監視実行状態において発射レール81上に新たに供給された遊技球B2が発射球検知センサ84により検知された場合に「1」がセットされるフラグである。
監視中検知フラグに「1」がセットされている場合にはステップS2613にて、払出側RWM164に設けられた監視中カウンタの値を1加算する。監視中カウンタは、監視実行状態において発射球検知センサ84により検知された遊技球B2の個数を計測するために利用されるカウンタである。
続くステップS2614では、監視中カウンタの値が特定個数よりも多い数以上となっているか否かを判定する。具体的には、監視中カウンタの値が101以上であるか否かを判定する。ステップS2614に否定判定をした場合にはそのまま本個数監視処理を終了する。
ステップS2614にて肯定判定をした場合、パチンコ機10内に正規の遊技球B2とは異なる非正規の遊技球が追加されていることを意味する。この場合、ステップS2615にて、主側MPU152に向けて多球異常コマンドを出力した後に、そのまま無限ループを継続する。
主側MPU152では、多球異常コマンドを受信した場合には、タイマ割込み処理(図14)のステップS406において肯定判定がなされる設定を行うことにより、その後の遊技の進行を停止させるとともに、音声発光制御装置62に向けて多球異常コマンドに対応したコマンドを出力することで、多球異常に対応した異常報知が実行されるようにする。当該異常報知の態様は任意であるが、異常報知用発光部53、スピーカ装置37及び図柄表示装置46aの少なくともいずれかにて多球異常が発生したことを遊技ホールの管理者が認識可能な態様で異常報知を実行する構成が考えられる。また、かかるパチンコ機10自身による異常報知に加えて又は代えて、遊技ホールの管理コンピュータに多球異常が発生したことに対応した異常発生信号が出力される構成としてもよい。
非正規の遊技球がパチンコ機10に追加される場合としては、例えば正規の遊技球B2よりも小さい遊技球をパチンコ機10に投入する不正行為が想定される。このような小さい遊技球が投入された場合、正規の遊技球B2よりも入賞が発生し易くなる。また、本パチンコ機10では使用された遊技球が排出されることなく循環することとなるため、小さい非正規の遊技球が当該パチンコ機10において繰り返し使用されることとなってしまう。これに対して、上記のような処理が実行されることにより、当該不正行為が行われた場合には、遊技球B2の使用や記憶媒体Mの提供を禁止することが可能となる。また、異常報知の実行を通じて、多球異常が発生したことを遊技ホールの管理者に知らせることが可能となる。
なお、当該異常状態は、パチンコ機10の電源をOFFした後に、第1消去ボタン61b及び第2消去ボタン61cの両方を操作しながらパチンコ機10の電源をONすることにより解除されるが、例えばパチンコ機10の電源の再投入のみにより解除される構成としてもよく、パチンコ機10の電源の再投入を要することなく第1消去ボタン61b及び第2消去ボタン61cの少なくとも一方を操作することにより解除される構成としてもよい。
一方、ステップS2612にて否定判定をした場合には、ステップS2616にて監視周期カウンタの値が6000以上となっているか否かを判定する。個数監視処理は、4msec周期で起動されるタイマ割込み処理(図21)にて実行される。また、監視実行状態においては、個数監視処理が実行される度にステップS2610の処理が実行される。したがって、ステップS2616では、監視実行状態に設定されてから個数監視期間である24secが経過したか否かを判定していることになる。
ここで、遊技球B2の個数を監視する場合には0.2sec周期で遊技球B2が発射され、さらにパチンコ機10には特定個数として100個の遊技球B2が投入されている。したがって、上記個数監視期間は、個数監視時における遊技球B2の発射周期と特定個数との積よりも長い時間として設定されていることになる。
ステップS2616にて否定判定をした場合にはそのまま本個数監視処理を終了し、ステップS2616にて肯定判定をした場合にはステップS2617に進む。ステップS2617では個数監視状態及び監視実行状態の両方を解除する。その後、ステップS2618にて、監視中カウンタの値が100未満であるか否かを判定する。
ステップS2618にて否定判定をした場合にはそのまま本個数監視処理を終了する。この場合、今回の個数監視において、遊技球B2の個数に異常がなかったことを意味する。一方、ステップS2618にて肯定判定をした場合、パチンコ機10に投入されている特定個数の遊技球B2の一部が、パチンコ機10から流出している、又は遊技領域や遊技球B2の通過経路において球詰まりしていることを意味する。この場合、ステップS2619にて、主側MPU152に向けて少球異常コマンドを出力した後に、本個数監視処理を終了する。
主側MPU152では、少球異常コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置62に向けて少球異常コマンドに対応したコマンドを出力することで、少球異常に対応した異常報知が実行されるようにする。当該異常報知の態様は任意であるが、異常報知用発光部53、スピーカ装置37及び図柄表示装置46aの少なくともいずれかにて少球異常が発生したことを遊技ホールの管理者が認識可能な態様で異常報知を実行する構成が考えられる。また、かかるパチンコ機10自身による異常報知に加えて又は代えて、遊技ホールの管理コンピュータに少球異常が発生したことに対応した異常発生信号が出力される構成としてもよい。
但し、多球異常の場合と異なり、少球異常の場合には払出側MPU162においてその後の処理が停止されることはなく、さらに主側MPU152においてもタイマ割込み処理(図14)のステップS406において肯定判定をするための設定は行なわれない。つまり、少球異常の場合には、主側MPU152において遊技を進行させるための処理は停止されることはなく、且つ払出側MPU162においても遊技球B2を使用するための処理及び記憶媒体Mを排出するための処理は停止されない。
少球異常が発生する場合とは、上記のとおり特定個数の遊技球B2の一部がパチンコ機10から流出した場合や、遊技領域や遊技球B2の通過経路において一部の遊技球B2が留まっている場合であると考えられる。このような事象は、不正行為により発生する可能性は低く、仮に不正行為により発生していたとしてもそれにより遊技ホールが被る不利益は多球異常の場合に比べて小さいと考えられる。したがって、少球異常については、正規の遊技者に遊技を中断させてしまう不利益を重視して、遊技の進行、遊技球B2の使用及び記憶媒体Mの排出についての処理は中断しないようにしている。また、少球異常が発生した場合にも、当該異常発生に対しての報知は実行されるため、少球異常の解消を遊技ホールの管理者に促すことは可能である。
なお、当該異常状態は、パチンコ機10の電源の再投入を要することなく第1消去ボタン61b及び第2消去ボタン61cの少なくも一方を操作することにより解除されるが、例えば当該解除に際してパチンコ機10の電源の再投入を要するようにしてもよい。
ここで、遊技球B2の個数が監視される場合のパチンコ機10の動作について、図47のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図47(a)は開閉実行モードの実行の有無を示し、図47(b)はエンディング期間の実行の有無を示し、図47(c)は発射操作装置36の操作に基づく通常時の発射動作の様子を示し、図47(d)は連通シャッタ部材212の動作の様子を示し、図47(e)は個数監視が実行される場合における発射動作の様子を示す。
開閉実行モードが実行されている状況においてt41のタイミングでエンディング期間が開始される。このタイミングで個数監視状態に設定されるため、残存球情報の有無や発射操作装置36の操作の有無に関係なく、払出側MPU162から出力される発射許可信号がLOWレベルに設定されることにより、通常時の発射動作は行われなくなる。
その後、連通口104の通過を阻止するまでの待機時間Taが経過したタイミングであるt42のタイミングで、連通シャッタ部材212が阻止位置に配置される。これにより、排出用回収部101及び戻り球用回収部121から球皿部71への遊技球B2の流入が阻止される。この場合に、待機時間Taは、個数監視状態に設定される直前までに遊技領域に向けて発射された遊技球B2が全て球皿部71に収容されるまでに要する時間として想定される最長時間以上の時間として設定されている。したがって、遊技球B2の循環や個数に関して異常がないのであれば、特定個数の遊技球B2が全て球皿部71に収容された状態で、個数の監視を開始することが可能となる。
連通シャッタ部材212が阻止位置に配置されるt42のタイミングでは、個数監視時の発射動作が開始される。これにより、通常時よりも短い周期で戻り球用回収部121に向けて遊技球B2が発射されることとなる。その後、t42のタイミングから個数監視期間Tbが経過したタイミングであるt43のタイミングで監視実行状態が解除される。これに伴って、連通シャッタ部材212は許容位置に配置されるとともに、個数監視時の発射動作が停止され、通常時の発射動作が可能となる。また、このt43のタイミングで、エンディング期間が終了するとともに開閉実行モードが終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、パチンコ機10に循環している遊技球B2の数が特定個数であるか否かの監視が行われ、当該特定個数よりも多い場合や少ない場合には異常処理が実行される。これにより、パチンコ機10に非正規の遊技球が不正に投入された場合や、正規の遊技球B2がパチンコ機10から流出してしまった場合に、それに対処することが可能となる。
遊技球B2の数の監視が行われる場合には発射操作装置36の操作に基づく遊技球B2の発射が禁止される。これにより、発射操作装置36の操作に基づく遊技球B2の発射の影響を考慮することなく、遊技球B2の数の監視を行うことが可能となる。また、当該数の監視は開閉実行モードのエンディング期間に行われるため、遊技球B2の発射が禁止されるとしても、遊技者に違和感を与えづらい。
遊技球B2の数の監視に際しては所定の経路を通過するように遊技球B2を移動させ、その移動する遊技球B2を発射球検知センサ84により順次検知する構成である。これにより、所定の位置に配置した一の発射球検知センサ84を利用して、遊技球B2の数の監視を行うことが可能となる。
遊技球B2の数の監視を行う場合には、連通シャッタ機構211により連通口104の通過を阻止する構成である。これにより、当該数の監視に際して一度カウントされた遊技球B2が再度、所定の経路を通過して発射球検知センサ84に検知されてしまうという事象の発生を阻止することが可能となり、当該数の監視を好適に行うことが可能となる。
遊技球B2の数の監視に際して当該遊技球B2が通過する所定の経路には遊技領域が含まれておらず、当該遊技領域を流下する場合よりも移動距離が短い。また、この際の遊技球B2の発射周期は通常時の発射周期よりも短い。これにより、遊技球B2の数の監視を行うのに必要な時間の短縮化が図られる。特に、当該数の監視に際しては、遊技球B2が戻り球用回収部121に向けて発射されるため、数の監視作業の短時間化を図る場合において、既存の構成を利用することが可能となる。
なお、連通シャッタ部材212は阻止位置に配置された場合に、戻り球用回収部121から球皿部71への遊技球B2の流入を阻止し、排出用回収部101から球皿部71への遊技球B2の流入を阻止しないように設けられていてもよい。この場合、上記待機時間Taを短く又は不要とすることが可能となり、エンディング期間中に個数監視が実行される場合において当該エンディング期間の短縮化が図られる。
また、個数監視がエンディング期間ではなくてオープニング期間に実行される構成としてもよく、開閉実行モード以外の期間において実行される構成としてもよい。開閉実行モード以外の期間としては、定期的(例えば30分間隔)に通常の遊技球B2の発射が禁止されて個数監視が実行される構成としてもよく、図柄表示装置46aにおいてデモ表示が開始された場合に個数監視が実行される構成としてもよい。
また、上作動口43への入賞が発生した場合に取得された保留情報が記憶される領域と、下作動口44への入賞が発生した場合に取得された保留情報が記憶される領域とが別々に設けられており、前者の保留情報が先に取得されていたとしても後者の保留情報が取得された場合には当該保留情報が優先して消化され、且つ後者の保留情報が抽選処理の対象となった場合の方が前者の保留情報が抽選処理の対象となった場合よりも遊技者にとって有利である構成においては、下作動口44への入賞頻度が向上する高頻度サポートモードでは遊技球B2の数の監視が行われない構成としてもよい。
また、遊技球B2の数の監視を行う場合、発射操作装置36の操作に基づき遊技球B2が発射される場合には通過することのない経路を通るように遊技球B2を移動させる構成としてもよい。但し、遊技球B2の数の監視を行った後には球皿部71に遊技球B2を戻す必要があり、球皿部71よりも上方に遊技球B2を移動させるため、又は球皿部71よりも下方に存在する遊技球B2を球皿部71に移動させるために、遊技球B2を上方へ搬送するための装置を設ける必要がある。具体的には、遊技球B2の数の監視を行う場合、球皿部71よりも下方に遊技球B2を移動させ、当該下方の領域に設けられた球検知センサにより遊技球B2を検知して個数をカウントする構成が考えられる。この場合、球皿部71から下方への移動は遊技球B2の自重により行われるようにする一方、下方に存在する遊技球B2を球皿部71に移動させる場合には搬送装置により上方へ移動させる構成が考えられる。
<第5の実施形態>
本パチンコ機10では、球皿部71に皿カバー75が設けられていることにより、当該球皿部71に貯留されている遊技球B2に遊技者が触れることができない点、球皿部71に許可なく遊技球B2を補充することができない点、残存球情報の範囲内で発射操作に基づく遊技球B2の発射が行われる点、残存球情報は記憶媒体Mとして遊技者に提供される点などは上記第1の実施形態と同様であるが、遊技球B2はパチンコ機10において循環することなく、遊技領域を流下した遊技球B2はパチンコ機10から遊技ホールの島設備に排出される。なお、本実施形態のパチンコ機10において利用される遊技球B2は、鋼球などの金属球であってICタグ181を有していないものである。
当該構成の変更に伴って、本実施形態では本体ベース21の後側に裏パックユニット221が設けられている。図48は、当該裏パックユニット221の構成を説明するためのパチンコ機10の背面図である。
裏パックユニット221は、裏パック222と遊技球の払出機構部223とが一体化されることにより構成されている。裏パック222は例えばABS樹脂等の合成樹脂により一体形成されている。裏パック222に、払出機構部223が設けられている。詳細には、裏パック222の最上部には上方に開口したタンク224が設けられており、タンク224には遊技ホールの島設備から供給される遊技球B2が逐次補給される。タンク224の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール225が連結され、タンクレール225の下流側には縦方向に延びるケースレール226が連結されている。ケースレール226の最下流部には払出装置227が設けられており、払出制御装置64により駆動制御されて球皿部71に対して必要個数の遊技球B2の供給が適宜行われる。
なお、図示は省略するが、発射制御装置65において支持ベース体31側を向く面には、遊技領域を流下して遊技盤33の背面側に導かれた遊技球B2を回収して、その回収した遊技球B2をパチンコ機10の外部に排出するための通路部が形成されている。
次に、球皿部71に貯留される遊技球B2を特定個数で一定とするための構成について説明する。図49(a)は本実施形態における球皿部71の導出口72及びその付近の構成を説明するための模式図である。
図49(a)に示すように、球皿部71の導出口72に通じる連通口104には、払出装置227から続く遊技球通路の最下流部が連通されているとともに、戻り球用回収部121の最下流部が連通されている。この連通口104には、当該連通口104を通過する遊技球B2を検知するための球供給検知センサ228が設けられている。球供給検知センサ228は払出制御装置64と電気的に接続されており、払出制御装置64では球供給検知センサ228の検知結果を利用しながら、払出装置227の駆動制御を実行する。
なお、球供給検知センサ228により、払出装置227から払い出されて球皿部71に供給される遊技球B2だけでなく、戻り球用回収部121にて回収された遊技球B2も検知されることとなるが、戻り球用回収部121には上記第1の実施形態と同様に戻り球検知センサ124が設けられている。球供給検知センサ228の検知結果は、球皿部71に貯留されている遊技球B2を特定個数で一定とするために利用されるのに対して、戻り球検知センサ124の検知結果は、上記第1の実施形態と同様に残存球情報を調整するために利用される。
次に、球皿部71に貯留されている遊技球B2を特定個数で一定とするために払出側MPU162にて実行される処理について説明する。図49(b)は貯留球の一定化処理を示すフローチャートである。
ステップS2701では、通常中検知フラグに「1」がセットされているか否かを判定することで、1個の遊技球B2が新たに発射の対象となったか否かを判定する。ステップS2701にて肯定判定をした場合には、ステップS2702にて、払出側RWM164に設けられた貯留球カウンタの値を1減算する。貯留球カウンタは、球皿部71に貯留されている遊技球B2の個数を計測するためのカウンタである。
続くステップS2703ではその減算後における貯留球カウンタの値が特定個数未満であるか否か、すなわち100未満であるか否かを判定する。ステップS2703にて肯定判定をした場合には、ステップS2704にて払出装置227に向けて球供給指示信号を出力する。これにより、払出装置227から特定個数に足りない分の遊技球B2が球皿部71に向けて払い出される。
ステップS2701にて否定判定をした場合、ステップS2703にて否定判定をした場合、又はステップS2704の処理を実行した場合には、ステップS2705に進む。ステップS2705では、球供給検知センサ228にて1個の遊技球B2が検知されているか否かを判定する。ステップS2705にて否定判定をした場合にはそのまま本一定化処理を終了し、ステップS2705にて肯定判定をした場合にはステップS2706にて貯留球カウンタの値を1加算した後に、本一定化処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、遊技領域を流下して当該遊技領域から排出された遊技球B2はパチンコ機10から排出されるようにしながら、球皿部71に貯留される遊技球B2の数は特定個数となるように払出装置227が駆動制御される。これにより、サイズの小さい非正規の遊技球がパチンコ機10に投入されているか否かの監視を行う必要性が低下するとともに、パチンコ機10から遊技球B2が流出したとしても不都合が生じにくくなるため、遊技球B2の数の管理を簡単に行うことが可能となる。
<第6の実施形態>
本実施形態では、パチンコ機10において循環する遊技球B3は、真鍮などといった磁石に吸引されない材料(具体的には金属)を利用して形成されている。なお、当該遊技球B3にはICタグ181は埋設されていない。
当該構成において、非正規の遊技球として従来の鋼球が投入された場合に、当該鋼球を遊技球B3の循環経路から除去する構成が設けられている。図50(a)は非正規の遊技球を除去するための構成を示す模式図である。
図50(a)に示すように、排出用回収部101には、外周部分に磁石が付された回転ドラム231が設けられており、排出用回収部101を球皿部71に向けて流下する遊技球B3は回転ドラム231の外周部分に隣接した位置を通過する。回転ドラム231の駆動モータ232は払出制御装置64と電気的に接続されており、払出側MPU162に動作電力が供給されている状況では常に当該回転ドラム231が一定速度で回転するように構成されている。
回転ドラム231の外周部分に付いた非正規の遊技球は、回転ドラム231の回転に伴って除去用通路部233に誘導され、回転ドラム231から外れて当該除去用通路部233を流下することとなる。除去用通路部233には不正球検知センサ234が設けられており、除去用通路部233を遊技球が通過したことは払出制御装置64において特定される。
なお、除去用通路部233の下流部は、パチンコ機10内に設けられた図示しない除去球停留部に通じている。
図50(b)は払出側MPU162にて実行される不正球検知処理を示すフローチャートである。
ステップS2801では不正球検知センサ234がONとなっているか否かを判定する。不正球検知センサ234がONとなっていない場合には、そのまま本不正球検知処理を終了する。不正球検知センサ234がONとなっている場合には、ステップS2802にて不正球異常コマンドを主側MPU152に向けて出力した後に本不正球検知処理を終了する。
主側MPU152では、不正球異常コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置62に向けて不正球異常コマンドに対応したコマンドを出力することで、不正球異常に対応した異常報知が実行されるようにする。当該異常報知の態様は任意であるが、異常報知用発光部53、スピーカ装置37及び図柄表示装置46aの少なくともいずれかにて不正球異常が発生したことを遊技ホールの管理者が認識可能な態様で異常報知を実行する構成が考えられる。また、かかるパチンコ機10自身による異常報知に加えて又は代えて、遊技ホールの管理コンピュータに不正球異常が発生したことに対応した異常発生信号が出力される構成としてもよい。
なお、当該異常状態は、パチンコ機10の電源の再投入を要することなく第1消去ボタン61b及び第2消去ボタン61cの少なくも一方を操作することにより解除されるが、例えば当該解除に際してパチンコ機10の電源の再投入を要するようにしてもよい。また、不正球異常が発生した場合には、遊技の進行、遊技球B3の使用及び記憶媒体Mの排出についての処理が停止される構成としてもよい。
上記のように磁石に吸引されない遊技球B3を用いることにより、磁石を利用した不正行為を阻止することが可能となる。また、磁石に吸引される不正球が投入されたとしても、回転ドラム231が設けられていることにより、それを遊技球B3の循環経路から排出することができるとともに、異常報知が実行されることにより、当該不正球が投入されていたことを遊技ホールの管理者に報知することができる。
<他の実施形態>
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
(1)図51(a),(b)に示す変形例では、皿形成部55は、球皿部71を区画形成する球皿形成体(図示略)と、球皿部71を上方から覆う皿カバー75と、球皿形成体の周囲をカバーする周辺カバー241とを備えている。また、当該周辺カバー241に操作ユニット141が設けられている。上記構成において、球皿形成体及び皿カバー75は本体ベース21に設けられているのに対して、周辺カバー241は前扉22に設けられている。当該構成によれば、機種の変更に際して前扉22を交換する場合には、それに合わせて操作ユニット141を変更することが可能となる。
(2)図52(a),(b)に示す変形例では、上記各実施形態のような窓パネル52よりも前方に膨出させて形成された球皿部71は不具備となっている。代わりに、図52(b)に示すように、パチンコ機10の内部には、横方向に延びる貯留用通路245が、パチンコ機10の横方向の端部側において複数回折り返されるようにして形成されている。これにより、球皿部71が存在していないとしても、特定個数の遊技球をパチンコ機10において循環させることが可能となる。また、操作ユニット141は、前扉22の前方を向く面において、窓パネル52よりも下方であって発射操作装置36よりも上方の位置に設けられている。なお、貯留用通路245が横方向に延びる通路領域を複数有する構成において、当該複数の通路領域が縦方向に並設されるのではなく、前後方向に並設される構成としてもよい。
(3)ICタグ181を有する遊技球B1を利用することにより遊技球B1の監視の容易化が図られることに着目した場合、当該遊技球B1を、遊技領域を流下して当該遊技領域から排出された遊技球B1がパチンコ機10から排出される構成に利用してもよい。また、スロットマシンや、スロットマシンとパチンコ機とが融合された遊技機の遊技媒体として、ICタグ181を有するものを用いてもよい。例えば、スロットマシンであれば、メダルにICタグ181を付与し、メダル投入口から続く通過経路上の所定領域にメダルが存在していることを検知した場合にリーダ装置85によりID情報を読み取るようにし、ID情報を読み取れない場合や、登録されていないID情報を読み取った場合に、異常処理を実行する構成とする。この場合、投入された遊技媒体が正規のものであるか否かの判定を容易に行うことが可能となる。
(4)上記第1の実施形態において、ICタグ181によりID情報の出力を可能とする構成に代えて、遊技球B1の表面にバーコードやQRコード(登録商標)を付与することにより、ID情報の出力を可能とする構成としてもよい。この場合、遊技ホールの管理者がバーコードやQRコードの読み取り機を利用してID情報の読み取り作業を行うことで、パチンコ機10において循環している遊技球B1が正規のものであるか否かを把握することが可能となる。
(5)遊技球B1からID情報を取得する位置は、上記第1の実施形態における位置に限定されることはなく、例えば遊技盤33の背面側に導かれた遊技球B1からID情報を受信するようにリーダ装置85を設けてもよく、具体的には排出用回収部101にリーダ装置85を設ける構成が考えられる。また、球皿部71の整列領域74にて一列に整列されている遊技球B1からID情報を受信するようにリーダ装置85を設けてもよい。これらの場合であっても、所定領域に遊技球B1が存在していることを検知するための検知センサを設け、当該検知センサにて遊技球B1を検知した場合にリーダ装置85によりID情報を受信する構成が好ましい。
(6)遊技球B1の重量を増加させるための重量片184として、金属に代えてセラミックを利用してもよい。この場合、当該セラミックとして電波を透過させる材料を選択することにより、ICタグ181との間の通信をより行い易くしながら、遊技球B1の重量を増加させることが可能となる。
また、遊技球B1のベース材料として、樹脂材料に代えて、電波を透過可能なセラミックを用いるようにしてもよい。この場合、単位体積当たりの重量がベース材料よりも大きい重量片を遊技球B1に設けるようにしてもよく、設けないようにしてもよい。
(7)上記第1の実施形態において、一のパチンコ機10にて循環する特定個数の遊技球B1のID情報は全て共通している構成としてもよい。この場合であってもID情報を受信できない遊技球B1が存在していた場合に異常処理を実行することが好ましく、またその共通したID情報とは異なるID情報を受信した場合に異常処理を実行することが好ましい。この場合、非正規の遊技球が投入された場合に、それに対処することが可能となる。
(8)特定個数の遊技球B1がそれぞれ異なるID情報を有している構成において、それらID情報がパチンコ機10に登録されない構成としてもよい。この場合であっても、ID情報を受信できない遊技球B1が存在しているか否かを監視することで、非正規の遊技球の投入を監視することが可能である。また、監視期間内に受信したID情報の種類の数を把握することにより、パチンコ機10にて循環する遊技球B1の数を監視することが可能となる。
(9)パチンコ機10内にて移動している遊技球B1からリーダ装置85によってID情報を読み取ることにより、ID情報の登録を行う構成に代えて、外部操作によってパチンコ機10にID情報を入力することにより、ID情報の登録を行う構成としてもよい。例えば、パチンコ機10にデータを入力するための端子部を設け、当該パチンコ機10に特定個数の遊技球B1をセットする場合には、当該端子部を通じて特定個数の遊技球B1に対応したID情報を書き込む構成が考えられる。
(10)第1ID異常であることが特定された場合及び第2ID異常であることが特定された場合には、その特定対象となった遊技球B1が遊技領域に向けて発射される前に、遊技球B1の発射が禁止される構成としてもよい。
(11)ID情報の登録及びID情報の監視のうち少なくとも一方を行う場合、発射操作装置36の操作に基づき遊技球B1が発射される場合には通過することのない経路を通るように遊技球B1を移動させる構成としてもよい。但し、ID情報の登録やID情報の監視を行った後には球皿部71に遊技球B1を戻す必要があり、球皿部71よりも上方に遊技球B1を移動させるため、又は球皿部71よりも下方に存在する遊技球B1を球皿部71に移動させるために、遊技球B1を上方へ搬送するための装置を設ける必要がある。具体的には、ID情報の登録及びID情報の監視のうち少なくとも一方を行う場合、球皿部71よりも下方に遊技球B1を移動させ、当該下方の領域に設けられたリーダ装置85によりID情報を読み取る構成が考えられる。この場合、球皿部71から下方への移動は遊技球B1の自重により行われるようにする一方、下方に存在する遊技球B1を球皿部71に移動させる場合には搬送装置により上方へ移動させる構成が考えられる。
(12)発射操作装置36が操作されている状況であっても残存球情報の一部返却を実行することが可能な構成としてもよい。この場合、商品の交換を行うための操作タイミングについて自由度を高められる。但し、当該構成においては、一部返却用の操作と遊技球の発射操作とが同時に行なわれ得るため、実際には残存球情報が既に「0」となっているにも関わらずいずれか一方の操作が有効であると判断されてしまうおそれがある。したがって、残存球情報が一部返却用の操作により指定された遊技球数よりも所定数以上(例えば10個以上)多い場合に、発射操作が行なわれている状況であっても一部返却用の操作が可能となる構成とすることが好ましい。
(13)上記第1の実施形態において、一部返却用の操作が行なわれた場合には、記憶媒体Mが排出されるのではなく、上記第2の実施形態と同様に、遊技者により設定された残存球情報が遊技ホールのホールコンピュータに出力される構成としてもよい。
(14)度数情報が「0」であって残存球情報が基準数以下である場合に特別報知が実行される対象として、低頻度入賞モードとなる開閉実行モードへの移行に対応した保留情報についての遊技回が実行されている場合及び当該保留情報が保留記憶されている場合が含まれる構成としてもよい。つまり、度数情報が「0」であって残存球情報が基準数以下である場合、開閉実行モードの移行契機となる保留情報の遊技回にて結果表示がなされる前に、特別報知が実行される構成としてもよい。
(15)度数情報が1以上であっても残存球情報が基準数以下である場合には、特別報知が実行され得る構成としてもよい。この場合、開閉実行モードが開始される前に度数情報を残存球情報に変換するように、遊技者に促すことが可能となる。
(16)残存球情報が基準数以下であることを遊技者に認識させる特別報知が、開閉実行モードへの移行契機となる遊技回においてのみ実行される構成としてもよい。この場合、当該特別報知が開始されるタイミングとしては、図柄表示装置46aにて図柄の変動表示が開始される前のタイミングとしてもよく、全図柄列にて図柄が変動表示されている状況としてもよく、一部の図柄列のみが変動表示されている状況としてもよい。但し、開閉実行モードが発生するか否かという予測を通じた遊技への注目度を維持させる上では、リーチ変動表示が開始されたタイミング以降であって当該リーチ変動表示が収容される前のタイミングにおいて、当該リーチ演出の一種として又は当該リーチ演出とは別に特別報知が実行される構成が好ましい。
また、図柄表示装置46aにおける演出として、開閉実行モードへの移行が発生する場合にのみ実行されるプレミアム演出が設定された構成においては、特別報知として当該プレミアム演出が実行される構成としてもよい。この場合、特別報知専用の画像データなどを用意する必要がなく、さらには遊技者に対して特別報知を演出として提供することが可能となる。
(17)度数情報の記憶及び更新が払出側RWM164及び払出側MPU162にて実行される構成に代えて、主側RWM154及び主側MPU152にて実行される構成としてもよく、管理側RWM174及び管理側MPU172にて実行される構成としてもよい。また、管理ユニット131の現金投入口132、媒体投入口133及び媒体排出口134を本体ベース21又は前扉22に設け、管理制御基板171の機能を払出制御基板161が果たす構成としてもよい。
(18)主側MPU152の電源立ち上げ時におけるメイン処理(図11)において、停電フラグに「1」がセットされていない場合、及びチェックサムに異常がある場合の少なくとも一方では、第2消去ボタン61cが操作されていなくても、払出側MPU162に向けて初期化コマンドが出力される構成としてもよい。
(19)払出側MPU162においても電源遮断時には停電フラグに「1」をセットするとともに、チェックサムの算出及び保存が実行されるようにし、電源立ち上げ時におけるメイン処理(図12)において、停電フラグに「1」がセットされているか否かの判定、及びチェックサムが正常であるか否かの判定を行うようにしてもよい。この場合、当該メイン処理において停電フラグに「1」がセットされていない場合や、チェックサムに異常がある場合には、初期化コマンドを主側MPU152から受信していなかったとしても、払出側MPU162において払出側RWM164の初期化処理が実行される。
(20)遊技領域の入口部分に到達して誘導レールを逆流しない状態となった遊技球を検知するように発射球検知センサ84を設けるようにしてもよい。この場合、発射球検知センサ84により検知された遊技球は確実に遊技領域を流下することとなるため、戻り球が発生したとしても残存球情報の加算処理を実行する必要がない。したがって、戻り球検知センサ124を不具備とすることが可能となる。
但し、この場合、遊技球が遊技領域の入口部分に到達したタイミングで残存球情報の減算処理が実行されるため、一の遊技球の減算処理が完了していないタイミングで、次の遊技球が発射されてしまうことが懸念される。したがって、このような事象が発生しないように遊技球の発射周期を調整することが好ましい。
(21)前扉22が開放されている状態で入賞が発生した場合には、異常報知などが実行される異常状態に設定される構成としてもよい。この場合、いずれかの入球部に遊技球を持って行き、直接入球させる行為に対処することが可能となる。
(22)管理ユニット131以外の装置であって遊技ホールなどに設けられた外部装置に、パチンコ機10から度数情報及び残存球情報を出力可能な構成としてもよい。この場合、当該外部装置とパチンコ機10との電気的な接続箇所として、管理ユニット131との接続箇所を利用する構成としてもよく、専用の接続箇所が設けられている構成としてもよい。かかる構成とすることにより、管理ユニット131との接続不良や管理ユニット131の故障が発生した場合であっても、度数情報及び残存球情報が書き込まれた記憶媒体Mを排出することが可能となる。
(23)前扉22において窓パネル52の下端よりも上方の領域と遊技盤33とを一体的に取り外し可能な構成としてもよい。この場合、機種交換などに際して、当該ユニットのみを交換すればよいため、当該交換作業の容易化が図られる。
(24)管理ユニット131に、汎用的な記憶媒体から現金情報を受け取ることが可能なリーダ装置を設けてもよい。
(25)第1消去ボタン61b及び第2消去ボタン61cが主制御装置61に設けられているのではなく、払出制御装置64や発射制御装置65といったように、遊技盤33ではなく支持ベース体31に搭載される装置に設けられている構成としてもよい。
(26)入賞数の監視処理を実行するようにしてもよい。具体的には、遊技領域に向けて発射された遊技球の数よりも、遊技領域に設けられた入球部に入球した遊技球の数が多い場合に、異常報知や遊技の進行の停止といった処理を実行する構成が考えられる。また、排出用回収部101に遊技球を検知するための検知センサを設け、当該検知センサにて検知された遊技球の数が、遊技領域に向けて発射された遊技球の数よりも多い場合に、異常報知や遊技の進行の停止といった処理を実行する構成が考えられる。
(27)通常遊技状態中における発射球数に対する遊技球の払出率のデータをパチンコ機10に事前に記憶させておき、通常遊技状態中に実測した当該払出率が、ベースとなる払出率よりも高い場合に、異常報知や遊技の進行の停止といった処理を実行するようにしてもよい。この場合、上記払出率は、遊技領域の釘49bの調整具合により変化するため、ベースとなる払出率を遊技ホールにおいて調整可能とすることが好ましい。
(28)電源装置が2個設けられている構成に限定されることはなく、電源装置が1個のみ設けられている構成としてもよく、管理ユニット131に対しては別の電源装置が設けられている構成としてもよい。
電源装置が1個のみ設けられている構成においては、主制御装置61、払出制御装置64及び管理ユニット131を含めた各種機器の全てに、一の電源装置から電力が供給されることになる。この場合、当該電源装置は、遊技盤33の背面に搭載されていてもよく、支持ベース体31の背面に搭載されていてもよい。
また、主制御装置61及び払出制御装置64を含めてパチンコ機10に設けられた各種機器に一の電源装置から電力が供給される一方、管理ユニット131には当該電源装置とは別の経路で電力が供給される構成においては、当該管理ユニット131に電力を供給する電源装置がパチンコ機10に設けられている構成としてもよく、管理ユニット131に設けられている構成としてもよく、遊技ホールのホールコンピュータに電力を供給するための電源装置から電力が供給される構成としてもよい。
(29)発射操作装置36が前扉22に設けられている構成としてもよい。この場合、前扉22の開放操作の容易化を鑑みて、タッチセンサ36c、可変抵抗器36d及びストップスイッチ36eは、操作基部36a及び操作ハンドル36bとともに前扉22側に設けられていることが好ましい。
(30)主制御装置61から出力されるコマンドに基づいて、音声発光制御装置62により表示制御装置63が制御される構成に代えて、主制御装置61から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置63が音声発光制御装置62を制御する構成としてもよい。また、音声発光制御装置62と表示制御装置63とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置が一の制御装置として設けられた構成としてもよく、それら両制御装置のうち一方の機能が主制御装置61に集約されていてもよく、それら両制御装置の両機能が主制御装置61に集約されていてもよい。また、主制御装置61から音声発光制御装置62に出力されるコマンドの構成や、音声発光制御装置62から表示制御装置63に出力されるコマンドの構成も任意である。
(31)主側MPU152において異常を検知している場合には、その旨のコマンドが払出側MPU162に出力されるようにして、遊技球の発射が禁止される構成としてもよい。
(32)上記第1〜第6の実施形態を相互に組み合わせてもよい。例えば、第2の実施形態に記載した構成と、第4の実施形態に記載した構成とを有する構成としてもよく、第3の実施形態に記載した構成と、第5の実施形態に記載した構成とを有する構成としてもよい。
(33)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップボタンが操作されることでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
例えば、遊技者に付与されたメダルを全て仮想メダルとして記憶保持可能な構成が考えられる。また、スタートレバーやストップボタンが設けられた操作領域の下方にパネル部が設けられた構成においては、当該パネル部に、上記第1の実施形態における操作ユニット141や上記第2の実施形態における操作パネル部191を設けるようにしてもよい。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
(34)新しいセットの特定個数の遊技球B1をパチンコ機10に投入するための構成の変形例を、図53を参照しながら説明する。図53は、当該変形例を説明するための一部を拡大して示すパチンコ機10の背面図である。
図53に示すように、排出用回収部101には、投入用ケース251が設けられている。当該投入用ケース251は、排出用回収部材102において一部除去された部分を埋めるようにして設けられており、当該排出用回収部材102に対して着脱可能となっている。なお、投入用ケース251には複数のフランジ254が一体形成されており、当該フランジ254を利用することで投入用ケース251が排出用回収部材102にネジ止めされる。
排出用回収部101に設けられた遊技球の回収通路は、投入用ケース251を利用して形成されており、排出用回収部101により回収されて循環される遊技球は、投入用ケース251内を通過することになる。この場合に、投入用ケース251において当該回収通路の通路方向の両端部には、それぞれ第1シャッタ252と第2シャッタ253とが設けられている。これら第1シャッタ252及び第2シャッタ253は、通過許可位置と、通過阻止位置との間で変位可能に設けられており、両方のシャッタ252,253が通過許可位置に配置されている場合には、投入用ケース251内への遊技球の流入及び投入用ケース251からの遊技球の流出が許容され、第1シャッタ252が通過阻止位置に配置されている場合には投入用ケース251内への遊技球の流入が阻止され、第2シャッタ253が通過阻止位置に配置されている場合には投入用ケース251からの遊技球の排出が阻止される。各シャッタ252,253の変位は、これらシャッタ252,253を直接手動操作することで行われるが、電気駆動で行われる構成としてもよい。
投入用ケース251は、特定個数(具体的な数は任意であるが例えば100個)の遊技球B1を収容可能に形成されており、さらに特定個数の遊技球B1が収容された状態で第2シャッタ253が通過阻止位置から通過許容位置に配置された場合には、それら特定個数の遊技球B1が自重によって当該投入用ケース251から排出されるように形成されている。
上記構成においては、特定個数の遊技球B1の投入を行う場合には、排出用回収部材102に形成された設置箇所に、特定個数の遊技球B1が収容された投入用ケース251を設置して固定した後に、第2シャッタ253を通過阻止位置から通過許容位置に変位させる。これにより、投入用ケース251が回収通路における当該投入用ケース251よりも下流側の領域と連通され、投入用ケース251に収容された遊技球B1が自重により下流側へと流下する。かかる操作によって、特定個数の遊技球B1を投入することが可能となる。また、第1シャッタ252を通過阻止位置から通過許容位置に変位させることで、回収通路における投入用ケース251よりも上流側の領域とも投入用ケース251が連通された状態となり、当該投入用ケース251が回収通路の一部として機能することになる。なお、遊技領域から排出された遊技球は、回収通路における投入用ケース251よりも上流側から当該回収通路内に流入することになる。
また、特定個数の遊技球B1の一部が消失してしまい、特定個数の遊技球B1を新たに投入する場合には、まず現状設置されている投入用ケース251の第2シャッタ253を通過阻止位置に配置した状態で遊技球B1を循環させ、古いセット側の遊技球B1を全て投入用ケース251内に収容する。その後、第1シャッタ252を通過阻止位置に配置した後に投入用ケース251を取り外し、新たな投入用ケース251を設置する。そして、上記のように、新たな投入用ケース251について各シャッタ252,253を通過許容位置に配置することで、新しいセット側の遊技球B1を投入する。
上記構成によれば、特定個数の遊技球B1を最初に投入する場合や、特定個数の遊技球B1を新たに投入する場合の作業性を向上させることが可能となる。また、投入用ケース251は、設置後においてそのまま回収通路として利用されるため、遊技球B1の循環経路上に投入箇所を設定することが可能となり、構成の複雑化を抑制しながら、投入後の遊技球B1の循環が円滑に行われるようにすることが可能となる。
なお、本変形例では、球磨き機構111が不具備となっているが、当該球磨き機構111が存在している構成としてもよい。例えば、当該球磨き機構111が投入用ケース251側に設けられている構成としてもよい。
(35)前扉22の開放に際して遊技球B1がパチンコ機10から流出してしまわないようにするための構成の変形例を、図54を参照しながら説明する。図54(a)は、当該変形例を説明するための一部を拡大して示すパチンコ機10の正面図である。なお、図54(a)では前扉22の一部を破断した状態で示す。
図54(a)に示すように、支持ベース体31には、開放阻止部材261が設けられている。開放阻止部材261は、同じく支持ベース体31に設けられた開放阻止駆動部262により駆動されることにより、開放許容位置と、開放阻止位置との間で変位可能となっており、開放許容位置に配置されている場合には、前扉22に干渉しない位置に退避されることで前扉22の開閉を可能とし、開放阻止位置に配置されている場合には、前扉22側に一部が突出して当該前扉22に干渉する位置に配置されることで前扉22の開閉を不可とする。開放阻止駆動部262は、主制御装置61と電気的に接続されており、主制御装置61から駆動信号が出力されることで、開放許容位置から開放阻止位置に変位し、その駆動信号の出力が停止されることで、開放阻止位置から開放許容位置に復帰する。
次に、図54(b)のフローチャートを参照しながら、主側MPU152にて定期的に(例えば2msec周期で)実行される扉開放監視処理について説明する。
まずステップS2901では、主側RWM154に設けられたフラグの状態を確認することで、扉開放不可状態であるか否かを判定する。扉開放不可状態とは、開放阻止駆動部262に駆動信号が出力されている状態であり、この場合、前扉22の開閉は阻止される。また、扉開放不可状態ではない状態とは、開放阻止駆動部262に駆動信号が出力されていない状態であり、この場合、前扉22を開放させるための解錠操作を行うことで当該前扉22を開閉させることが可能である。
扉開放不可状態ではない場合には、ステップS2902にて、遊技球発射機構34により遊技球が発射されている状況であるか否かを判定する。具体的には、発射球検知センサ84の検知結果を利用して、実際に遊技領域に向けて遊技球が発射されているか否かを判定する。但し、ステップS2902にて、遊技球が発射される状況であるか否かを判定する構成としてもよい。この場合には、発射操作装置36に対して正規の発射操作が行われているか否かを判定する構成とすればよい。なお、これは後述するステップS2904についても同様である。
ステップS2902にて否定判定をした場合には、そのまま本監視処理を終了し、肯定判定をした場合には、ステップS2903にて扉開放不可状態に設定した後に、本監視処理を終了する。扉開放不可状態に設定されることで、前扉22を開放させるための解錠操作を行ったとしても、当該前扉22を開放させることができない状態となる。なお、前扉22が開放されている状況では遊技球の発射が禁止されるため、前扉22が開放されている状況で、扉開放不可状態に設定されることはない。
扉開放不可状態である場合(ステップS2901:YES)には、ステップS2904にて、ステップS2902と同様に、遊技球が発射されている状況であるか否かを判定する。肯定判定をした場合には、ステップS2905にて、主側RWM154に設けられた監視カウンタの値を「0」クリアした後に、本監視処理を終了する。監視カウンタとは、扉開放不可状態を解除するタイミングを主側MPU152において特定するためのカウンタである。
ステップS2904にて否定判定をした場合には、ステップS2906にて、監視カウンタの値を1加算する。続くステップS2907では、その加算後の監視カウンタの値が解除値となっているか否かを判定する。この解除値は、扉開放不可状態の設定が行われた後に遊技球の発射が行われていない状況が、遊技球発射機構34において発射操作が行われたタイミングから、遊技領域からの排出が完了するまでの最長時間以上の時間に亘って継続している場合に、ステップS2907にて肯定判定されるように設定されている。ステップS2907にて否定判定をした場合には、そのまま本監視処理を終了する。一方、ステップS2907にて肯定判定をした場合には、ステップS2908にて、扉開放不可状態を解除し、さらに監視カウンタの値を「0」クリアした後に本監視処理を終了する。
上記構成によれば、遊技領域に向けて遊技球が発射されている場合、及び当該遊技領域を遊技球が流下している場合には、前扉22を開放させようとしてもそれが不可となる。これにより、前扉22を開放させた際に、遊技球B1がパチンコ機10から流出してしまう可能性が低減される。
また、遊技領域に向けて遊技球が発射されている場合、及び当該遊技領域を遊技球が流下している場合のいずれであっても、遊技機本体12の開放は可能となっている。これにより、遊技者が遊技を行っている途中で遊技機本体12の背面側の確認を行う場合に、遊技球の発射を中断させる必要が生じない。
なお、開放阻止部材261が開放阻止位置に配置されている場合に、前扉22を開放操作させるための解錠操作を可能としながら、当該前扉22の開放を阻止する構成に代えて、開放阻止位置に配置されている場合には開放阻止部材261が施錠装置と干渉する構成とすることで、前扉22を開放操作させるための解錠操作自体を不可とさせる構成としてもよい。
(36)上記(35)の構成において、上記第1の実施形態についてはID監視処理(図39)が正常である場合、上記第4の実施形態においては個数監視処理(図46)が正常である場合には、前扉22の開放が阻止され、これら監視処理が異常である場合には、前扉22の開放が許容される構成としてもよい。この場合、パチンコ機10において遊技球B1,B2が正常に循環している状況では前扉22の開放が阻止されるため、パチンコ機10から遊技球B1,B2が偶然流出してしまうことだけでなく、パチンコ機10から遊技球B1,B2を意図的に抜き取ろうとする行為も阻止することが可能となる。
(37)残存球情報が基準数以下である場合に高頻度入賞モードの開閉実行モードに移行する場合には特別報知が実行される構成の変形例を、図55〜図57を参照しながら説明する。
図55(a)は、本変形例における保留予告用の確認処理を示すフローチャートであり、図55(b)は、本変形例における保留格納エリア154bを説明するための説明図である。
まず図55(b)を参照しながら保留格納エリア154bについて説明する。保留格納エリア154bには、上記第1の実施形態と同様に、実行エリアAEと、第1〜第4保留エリアRE1〜RE4が設けられている。これら各エリアには、保留情報を格納するためのエリアに1対1で対応させて、判定済みフラグ、大当たりフラグ及び発生フラグの組み合わせが設定されている。
これら各フラグのうち、発生フラグは、上記第1の実施形態と同様に、対応する保留情報が高頻度入賞モードとなる開閉実行モードへの移行契機となる大当たり結果に対応しているか否かを主側MPU152にて特定可能とするためのフラグである。判定済みフラグは、対応する保留情報について後述するステップS3003以降の確認処理を実行済みであるか否かを主側MPU152にて特定可能とするためのフラグである。大当たりフラグは、対応する保留情報が高頻度入賞モードとなる開閉実行モード及び低頻度入賞モードとなる開閉実行モードのいずれかに対応しているか否かを主側MPU152にて特定可能とするためのフラグである。新たな遊技回の開始に際しては、第1保留エリアRE1に保留されている保留情報が実行エリアAEにシフトされるとともに、第2〜第4保留エリアRE2〜RE4に保留されている保留情報がそれぞれ上位側の保留エリアにシフトされることとなるが、このシフトに際して、判定済みフラグ、大当たりフラグ及び発生フラグにセットされているデータも対応する保留情報のシフトに合わせて上位側にシフトされる。また、このシフトが完了した場合に、第1〜第4保留エリアRE1〜RE4のうちシフト対象となったエリアであってシフト前において最下位側(第4保留エリアRE4側)となっていたエリアについて、判定済みフラグ、大当たりフラグ及び発生フラグが「0」クリアされる。
次に、図55(a)を参照しながら保留予告用の確認処理について説明する。
まずステップS3001では、保留格納エリア154bの実行エリアAE、第1〜第4保留エリアRE1〜RE4における保留情報が格納されているエリアのうち、判定済みフラグに「1」がセットされていないエリアが存在しているか否かを判定する。なお、実行エリアAEに格納されている保留情報とは、遊技回の実行対象となっている保留情報のことであり、第1〜第4保留エリアRE1〜RE4に格納されている保留情報とは、未だ遊技回の実行対象となっていない保留情報のことである。
ステップS3001にて否定判定をした場合にはそのまま本確認処理を終了し、ステップS3001にて肯定判定をした場合にはステップS3002に進む。ステップS3002では、実行エリアAE及び第1〜第4保留エリアRE1〜RE4における保留情報が格納されているエリアの中に、大当たりフラグに「1」がセットされているエリアが存在しているか否かを判定する。ステップS3002にて否定判定をした場合にはそのまま本確認処理を終了し、ステップS3002にて肯定判定をした場合にはステップS3003に進む。
つまり、実行エリアAE及び第1〜第4保留エリアRE1〜RE4における保留情報が格納されているエリアの中に、大当たり結果に対応した保留情報が既に存在している場合には、ステップS3003以降の確認処理が未実行の保留情報が存在していたとしても、その保留情報に対して当該確認処理は実行されない。本変形例では、上記第1の実施形態と同様に、当否抽選モードとして高確率モードと低確率モードとが存在しているため、所定の保留情報が遊技回の開始対象となる前に他の保留情報で大当たり結果が発生した場合には、上記所定の保留情報についての当否抽選の結果が相違することが起こり得る。これに対して、上記のように、大当たり結果に対応した保留情報が既に存在している場合には、その後に遊技回の開始対象となる保留情報についてステップS3003以降の確認処理を実行しないようにすることで、大当たり結果が発生した際に、それまでの確認処理結果の無効化や、再確認を行う必要がなくなる。
ステップS3003では、実行エリアAE、第1〜第4保留エリアRE1〜RE4のうち今回の確認処理の対象となるエリアに対応した判定済みフラグに「1」をセットする。この場合、保留情報が格納されているものの判定済みフラグに「1」がセットされていないエリアが複数存在する場合には、上位側のエリアから順に(実行エリアAE→第1保留エリアRE1→・・・)、確認処理の実行対象としていく。
続くステップS3004では、今回の確認処理の実行対象となった保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報を読み出す。続くステップS3005では、現状の抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合には、ステップS3006にて低確率モード用の当否テーブルを参照することで、上記大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定し、高確率モードである場合には、ステップS3007にて高確率モード用の当否テーブルを参照することで、上記大当たり乱数カウンタC1から取得した数値情報が大当たり当選に対応しているか否かを判定する。この場合に、低確率モード用の当否テーブルに設定されている大当たり結果に対応した数値情報の種類は、高確率モード用の当否テーブルに設定されている大当たり結果に対応した数値情報の種類よりも少ない種類であり、さらに前者の数値情報は、後者の数値情報に含まれていない。但し、これに限定されることはなく、前者の数値情報が後者の数値情報に全て含まれている構成としてもよい。
ステップS3006の処理を実行した場合又はステップS3007の処理を実行した場合には、ステップS3008にて大当たり当選に対応しているか否かを判定する。ステップS3008にて肯定判定をした場合には、ステップS3009にて、実行エリアAE、第1〜第4保留エリアRE1〜RE4のうち今回の確認処理の対象となるエリアに対応した大当たりフラグに「1」をセットする。続くステップS3010では、今回の確認処理の実行対象となった保留情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報を読み出す。
続くステップS3011では、上記大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報が高頻度入賞モードとなる開閉実行モードに対応しているか否かを判定する。なお、大当たり結果の種類は、上記第1の実施形態と同様である(図41(b)参照)。したがって、ステップS3011では、上記大当たり種別カウンタC2から取得した数値情報が、低確大当たり結果及び最有利大当たり結果のいずれかであるかを判定する。ステップS3011にて肯定判定をした場合には、ステップS3012にて、実行エリアAE、第1〜第4保留エリアRE1〜RE4のうち今回の確認処理の対象となるエリアに対応した発生フラグに「1」をセットする。
一方、ステップS3008にて否定判定をした場合には、ステップS3013にて外れリーチ用の確認処理を実行する。外れリーチ用の確認処理では、今回の確認処理の実行対象となった保留情報のうち外れリーチ判定用の情報、すなわちリーチ乱数カウンタC3から取得した数値情報が、外れリーチの発生に対応しているか否かを判定する。
ステップS3011にて否定判定をした場合、ステップS3012の処理を実行した場合、又はステップS3013の処理を実行した場合には、ステップS3014にて保留コマンドの選択処理を実行する。当該選択処理では、ステップS3008〜ステップS3013の処理結果に対応した保留コマンドを主側ROM153から読み出す。そして、ステップS3015にて、その読み出した保留コマンドを音声発光制御装置62に出力した後に、本確認処理を終了する。
但し、これらステップS3014及びステップS3015の処理では、今回の確認処理の対象となった保留情報が実行エリアAEに格納されている保留情報である場合には保留コマンドの選択及び出力を行わない。つまり、実行エリアAEに格納されている保留情報は、ステップS3003以降の処理の対象となった場合に、判定済みフラグ、大当たりフラグ及び発生フラグのデータ設定は行われ得るが、保留コマンドの出力の契機とならない。一方、第1〜第4保留エリアRE1〜RE4については、ステップS3003以降の処理の対象となった場合、判定済みフラグ、大当たりフラグ及び発生フラグのデータ設定は行われ得るとともに、保留コマンドの出力の契機となり得る。なお、大当たり結果ではなく且つ外れリーチでもない保留情報は、保留コマンドの出力の契機とならないが、当該保留情報であっても、保留コマンドの出力の契機となる構成としてもよい。また、保留コマンドには、その出力の契機となった保留情報が第1〜第4保留エリアRE1〜RE4のいずれのエリアに格納されているかの情報が含まれる。
以上のとおり、主側MPU152では、保留予告用の確認処理を定期的に実行し、判定済みフラグに「1」がセットされていない保留情報が存在している場合には、既に大当たり結果に対応した保留情報が存在していないことを条件として、当該保留情報が大当たり結果に対応しているか否かの判定を行い、大当たり結果に対応している場合にはさらに大当たり結果の種別判定を行う一方、大当たり結果に対応していない場合には外れリーチ用の確認処理を実行する。そして、それら確認処理の結果に対応した保留コマンドを音声発光制御装置62に出力する。また、上記確認処理は、タイマ割込み処理(図14)の1回の実行に対して、1個の保留情報に対して実行されるため、仮に、判定済みフラグが「0」となっている保留情報が複数存在している場合には、それら保留情報の全てについて上記確認処理が完了するのは、当該保留情報の数と同一処理回のタイマ割込み処理が完了した場合である。但し、タイマ割込み処理は、4msec周期で起動されるため、判定済みフラグが「0」となっている保留情報の数が、保留格納エリア154bに記憶可能な保留情報の最大数(具体的には5個)と同一の数であったとしても、それら保留情報の全てに対する上記確認処理に要する時間は、1遊技回の最短継続時間以下である。さらに言うと、各遊技回では、図柄表示装置46aに設定された複数(例えば3個)の図柄列にて図柄の変動表示が行われ、その後に、各図柄列にて図柄の停留表示が行われた後に図柄が停止表示されることで、図柄の変動表示が終了される構成であるが、保留情報の全てに対する上記確認処理に要する時間は、遊技回が開始されてから少なくとも一の図柄列にて図柄の停留表示が開始されるまでに要する最短時間以下となっている。
本変形例であっても上記第1の実施形態と同様に、残存球対応処理(図42)が実行される。つまり、度数情報が「0」であって残存球情報が基準数(例えば「10」)以下である状況で、実行エリアAE及び第1〜第4保留エリアRE1〜RE4のいずれかの発生フラグに「1」がセットされている場合には、上記第1の実施形態と同様に、主側MPU152から音声発光制御装置62に当たり予告コマンドが出力される。
次に、図56のフローチャートを参照しながら、音声発光制御装置62にて実行される保留予告用処理について説明する。なお、当該保留予告用処理は、音声発光制御装置62において比較的短い周期(例えば2msec周期)で定期的に実行される。
ステップS3101では、変動用コマンド及び種別コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS3101にて肯定判定をした場合には、ステップS3102にて遊技回用演出の設定処理を実行する。当該設定処理では、変動用コマンドの内容から遊技回の継続時間の情報を特定し、さらに種別コマンドの内容から遊技回の当否判定処理及び振分判定処理の結果の情報を特定する。そして、これら特定結果に1対1で対応した遊技回用の演出パターンを特定する。この場合に、当該遊技回用の演出パターンには、各種演出の実行有無の内容、及び実行することが決定された演出の種類の内容が含まれている。例えば、図柄表示装置46aにおいてリーチ表示が行われることになるリーチ演出を行うか否かの内容が含まれているとともに、リーチ演出を行う場合にその演出内容が含まれている。リーチ演出には、ノーマルリーチやスーパーリーチが含まれており、演出が発生した場合における大当たり結果の期待度を相違させて複数種類の演出が設定されており、当該リーチ演出の一種として、大当たり結果となる場合にのみ発生するプレミアム演出が含まれている。
音声発光制御装置62では、ステップS3102の設定処理にて設定された演出内容に従って、今回の遊技回における発光制御及び音出力制御を実行する。また、音声発光制御装置62は、ステップS3102の設定処理に対応した変動パターンコマンドを表示制御装置63に送信する。表示制御装置63では、その変動パターンコマンドに示されている演出内容に従って、図柄表示装置46aに対して、今回の遊技回における表示制御を実行する。
ステップS3101にて否定判定をした場合、又はステップS3102の処理を実行した後は、ステップS3103にて、保留予告コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS3103にて肯定判定をした場合には、ステップS3104にて、今回受信した保留予告コマンドが低頻度入賞モードに対応したコマンドであるか否かを判定し、ステップS3105にて、今回受信した保留予告コマンドが高頻度入賞モードに対応したコマンドであるか否かを判定する。その結果、ステップS3104にて肯定判定をした場合には、ステップS3106にて、低頻度入賞モードに対応した保留予告抽選処理を実行し、ステップS3105にて肯定判定をした場合には、ステップS3107にて、高頻度入賞モードに対応した保留予告抽選処理を実行し、ステップS3104及びステップS3105の両方にて否定判定をした場合には、ステップS3108にて、外れリーチに対応した保留予告抽選処理を実行する。
保留予告とは、保留格納エリア154bの第1〜第4保留エリアRE1〜RE4に格納されている保留情報の内容に対応した表示が、当該保留情報を契機とした遊技回が開始されるよりも前のタイミングにおいて行われる演出のことである。当該演出として、具体的には、図柄表示装置46aの表示面に、保留情報の最大保留個数(第1〜第4保留エリアRE1〜RE4の数)と1対1で対応した個別表示領域を設定し、これら個別表示領域のうち、第1〜第4保留エリアRE1〜RE4に保留記憶されている保留情報の数と対応する数の個別表示領域において個別表示を行うことで保留情報の数を明示する構成において、かかる個別表示領域における個別表示の態様を保留情報の内容に対応した態様とすることで、保留予告が行われる(例えば図57(b)及び図57(c)を参照)。この保留予告の態様としては、実行された場合にその個別表示に対応する保留情報が遊技回の開始対象となった場合に大当たり結果となることが確定する第1演出(金色の個別表示)と、大当たり結果となる期待度が次に高い(但し、大当たり結果となる確率は100%未満)第2演出(赤色の個別表示)と、大当たり結果となる確率が次に高い第3演出(緑色の個別表示)と、大当たり結果となる確率が最も低い第4演出(青色の個別表示)とが設定されている。なお、保留予告の演出の種類は4種類に限定されることはなく、2種類であってもよく、3種類であってもよく、5種類以上であってもよい。
ここで、主側MPU152は、保留情報が新たに取得された場合には保留取得コマンドを音声発光制御装置62に出力し、遊技回が新たに開始された場合には保留消化コマンドを音声発光制御装置62に出力する。音声発光制御装置62では、後述するステップS3112のその他の処理にて、保留取得コマンドを受信した場合には個別表示領域において行われる個別表示の数を増加させる。この場合、当該個別表示の態様は、基本的に上記第4演出の態様であり、保留予告の実行として上記第1演出〜第3演出のいずれかが選択された場合にその選択された態様で個別表示が行われる。また、大当たり結果に対応した保留情報が存在していない状況で保留情報が新たに取得された場合には、保留取得コマンドが出力された直後に保留コマンドが出力されるため、個別表示の数が増加する場合には、後述する保留予告抽選処理の結果に対応した態様でその個別表示が開始される。また、音声発光制御装置62では、後述するステップS3112のその他の処理にて、保留消化コマンドを受信した場合には個別表示領域において行われる個別表示の数を減少させる。この場合、上記第1演出〜第3演出のいずれかの態様である個別表示については、遊技回の開始対象となる保留情報の順番が変更されるのに合わせて(すなわち保留情報が上位側にシフトされるのに合わせて)、表示位置が変更される。つまり、第1保留エリアRE1に保留情報が格納されている場合には第1個別表示領域にて個別表示が行われ、第2保留エリアRE2に保留情報が格納されている場合には第2個別表示領域にて個別表示が行われ、第3保留エリアRE3に保留情報が格納されている場合には第3個別表示領域にて個別表示が行われ、第4保留エリアRE4に保留情報が格納されている場合には第4個別表示領域にて個別表示が行われ、さらにこれら第1〜第4個別表示領域が第1個別表示領域→第2個別表示領域→第3個別表示領域→第4個別表示領域の順に横方向に並べて設定されている構成において、第1〜第4保留エリアRE1〜RE4の中で保留情報がシフトされるのに合わせて、第1〜第4個別表示領域において表示されている第1演出〜第3演出のいずれかの態様の個別表示が上位側にシフトされる。
保留予告用処理(図56)の説明に戻り、ステップS3106〜ステップS3108の各保留予告抽選処理では、保留予告が実行される確率が相違しており、実行当選となる確率は、高頻度入賞モードに対応した保留予告抽選処理が最も高く、外れリーチに対応した保留予告抽選処理が最も低くなるように設定されている。また、各保留予告抽選処理では、保留予告の実行当選となった場合において選択され易い演出の種類が相違している。具体的には、高頻度入賞モードに対応した保留予告抽選処理では、第1演出〜第4演出の全てが選択対象となるが、第1演出が選択される確率が最も高くなるように選択確率が設定されている。また、低頻度入賞モードに対応した保留予告抽選処理では、第2演出〜第4演出の全てが選択対象となるが、第2演出が選択される確率が最も高くなるように選択確率が設定されている。また、外れリーチに対応した保留予告抽選処理では、第2演出〜第4演出が選択対象となるが、第4演出が選択される確率が最も高くなるように選択確率が設定されている。
ステップS3106〜ステップS3108のいずれかの処理を実行した後は、ステップS3109にて、保留予告演出の設定処理を実行する。当該設定処理では、ステップS3106〜ステップS3108のいずれかにて設定された演出内容に対応した保留予告用のコマンドを表示制御装置63に出力する。また、当該コマンドには、その出力の契機となった保留情報が第1〜第4保留エリアRE1〜RE4のいずれのエリアに格納されているかの情報が含まれる。これにより、保留予告用のコマンドの出力契機となった保留情報が格納されているエリアに対応した個別表示領域にて、保留予告が開始される。但し、保留予告の態様として第4演出が選択された場合には、単に保留取得コマンドの受信に対応させて個別表示を増加させる場合の態様と同一の態様で個別表示が行われることになる。
ここで、開閉実行モードに移行した場合には、それが、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードのいずれであっても、個別表示領域における個別表示は一旦消去され(つまり、個別表示領域が消去される)、開閉実行モードの終了後に、個別表示領域の表示が再開される。この場合に、主側MPU152における保留予告用の確認処理(図55)では、既に説明したとおり、既に大当たり結果に対応した保留情報が存在している場合には、その後に取得された保留情報に対してステップS3003以降の確認処理を実行することなく、その大当たり結果に対応した保留情報についての開閉実行モードが終了した後に、未確認の保留情報に対してステップS3003以降の確認処理が実行される。当該構成において、開閉実行モードの終了後において個別表示領域の表示が再開されるまでの時間は、保留格納エリア154bに記憶可能な最大数(具体的には5個)の保留情報の全てに対してステップS3003以降の確認処理を実行し、さらにそれら全てについて音声発光制御装置62及び表示制御装置63において保留予告の設定が完了するまでに要する時間以上として設定されている。したがって、個別表示領域の表示の再開に際しては、保留予告の内容を踏まえた状態で当該表示が再開される。
ステップS3103にて否定判定をした場合、又はステップS3109の処理を実行した後は、ステップS3110にて、当たり予告コマンドを受信しているか否かを判定する。当たり予告コマンドを受信していない場合には、ステップS3112にて、その他の処理を実行した後に、本保留予告用処理を終了する。当たり予告コマンドを受信している場合には、ステップS3111にて、演出内容の変更処理を実行し、さらにステップS3112にて、その他の処理を実行した後に、本保留予告用処理を終了する。
演出内容の変更処理について図57(a)のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS3201では、今回受信した当たり予告コマンドが第1〜第4保留エリアRE1〜RE4のいずれかに格納されている保留情報に対応しているか否かを判定する。ステップS3201にて肯定判定をした場合には、ステップS3202にて第1変更処理を実行した後に、本演出内容の変更処理を終了する。
第1変更処理では、図57(b−1)及び図57(b−2)に示すように、個別表示領域において表示されている、高頻度入賞モードの開閉実行モードとなる保留情報に対応した個別表示の態様を、大当たり結果となる期待度が最も高い第1演出に変更する。図57(b−1)及び図57(b−2)の場合について具体的には、第2個別表示領域において第2演出の態様で個別表示がなされている状況で、その個別表示の態様を第1演出の態様に変更する。なお、既に第1演出となっている場合には、その状態を維持する。これにより、遊技者は、早いタイミングで高頻度入賞モードの開閉実行モードが発生することを把握するため、当該遊技者に対して、残存球情報の補充を早期に促すことが可能となる。また、当該個別表示の態様の変更は、個別表示の増加タイミングや減少タイミングとは無関係に行われるため、遊技者にとって意外なものとなり、注目度が高められる。さらにまた、残存球情報の補充を促すための表示態様として、保留予告の演出態様が兼用されるため、データ量の削減が図られるだけでなく、演出の一環として、残存球情報の補充を遊技者に促すことが可能となる。なお、当たり予告コマンドの受信に基づく個別表示の態様の変更が、個別表示の増加タイミング又は減少タイミングで行われる構成としてもよい。
演出内容の変更処理(図57(a))の説明に戻り、ステップS3201にて否定判定をした場合、すなわち今回受信した当たり予告コマンドが実行エリアAEに格納されている保留情報に対応している場合には、ステップS3203にて第2変更処理を実行した後に、本演出内容の変更処理を終了する。
第2変更処理では、高頻度入賞モードの開閉実行モードへの移行契機となる遊技回中において、遊技者に対して、残存球情報の補充を促すことを可能とする内容の演出が実行されるように、遊技回中の演出として既に決定されている演出パターンを一部変更するための処理を実行する。具体的には、図57(c−1)に示すように、遊技回を開始する場合に決定された変動パターンにはプレミアム演出の実行が選択されていなかったにも係わらず、図57(c−2)に示すように、プレミアム演出が実行される。これにより、遊技者は、当該遊技回が終了した後に、高頻度入賞モードの開閉実行モードに移行することを把握するため、当該遊技者に対して、残存球情報の補充を促すことが可能となる。また、残存球情報の補充を促すための表示態様として、プレミアム演出が兼用されるため、データ量の削減が図られるだけでなく、演出の一環として、残存球情報の補充を遊技者に促すことが可能となる。
ここで、当たり予告コマンドの受信に基づき実行されるプレミアム演出は、その実行対象となるプレミアム演出の実行可能期間として元々、設定されている実行可能期間で実行される。例えば、リーチ表示中に実行されるプレミアム演出が利用される場合であれば、当たり予告コマンドをリーチ表示が開始される前のタイミングで受信したとしても、リーチ表示の開始後であって当該プレミアム演出として予め設定されている実行可能期間の範囲内で、当該プレミアム演出が実行される。但し、当たり予告コマンドの受信に基づき実行されるプレミアム演出は、該当する遊技回の開始時に決定された遊技回の継続時間を変更しない範囲内で実行される。したがって、プレミアム演出として、予め定められた時間に亘って実行される動画演出と、他の動画演出が実行されている最中に所定のキャラクタを出現させることによる付加演出とが存在している場合には、当たり予告コマンドの受信に基づき実行されるプレミアム演出としては、付加演出が選択される。このように付加演出を選択することで、当たり予告コマンドの受信に基づき実行されるプレミアム演出の実行タイミングについて自由度が高められる。なお、遊技回の開始時に決定された遊技回の継続時間が変更されないのであれば、当たり予告コマンドの受信に基づき実行されるプレミアム演出として動画演出が選択される構成としてもよい。
また、当たり予告コマンドの受信に基づき実行可能なプレミアム演出として、リーチ表示前、リーチ表示後、及び全図柄列での図柄の停留表示の開始後といったように、それぞれ遊技回中の実行可能期間が異なるプレミアム演出が存在している場合には、当たり予告コマンドの受信タイミングが実行可能期間に含まれる又は当該受信タイミング後に実行可能期間が存在しているプレミアム演出であって、当該当たり予告コマンドを受信したタイミングに最も近い実行可能期間が設定されているプレミアム演出が実行対象として選択される構成とすることが好ましい。これにより、残存球情報の補充を早期に促すことが可能となる。この場合に、当たり予告コマンドの受信タイミング又はそれ以降に実行可能期間が存在するプレミアム演出が複数存在している場合には、各プレミアム演出のそれぞれを実行する構成としてもよい。これにより、遊技者がプレミアム演出を確認する機会が高められ、残存球情報の補充を促す機会が高められる。
なお、開閉実行モード中にも当たり予告コマンドが主側MPU152から出力され得るが、この場合には、音声発光制御装置62及び表示制御装置63では何らそれに対応した処理は実行されない。但し、これに限定されることはなく、上記第1の実施形態と同様に、残存球情報の補充を促す報知を行うようにしてもよい。
また、実行エリアAEに格納されている保留情報は、当たり予告コマンドの出力対象とならない構成としてもよい。
また、保留予告の演出として、第1演出が設定されていない構成としてもよい。この場合、保留予告の演出態様としては、大当たり結果となることが確定する演出が存在していない構成となる。当該構成において、保留予告の演出を利用して残存球情報の補充を促すためには、当たり予告コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置62では、保留予告の演出態様のうち大当たり結果となる期待度が最も高い態様に保留予告の演出態様を変更する構成とすればよい。
また、遊技回用の演出として、プレミアム演出が設定されていない構成としてもよい。この場合、遊技回用の演出態様としては、大当たり結果となることが確定する演出が存在していない構成となる。当該構成において、遊技回用の演出を利用して残存球情報の補充を促すためには、当たり予告コマンドを受信した場合には、音声発光制御装置62では、遊技回用の演出態様であって当たり予告コマンドの受信に対して実行可能な演出態様のうち、大当たり結果となる期待度が最も高い演出態様が実行されるようにする構成としてもよい。
また、保留予告の演出や遊技回用の演出として、大当たり結果となることが確定する演出が存在しているか否かに関係なく、保留予告の演出や遊技回用の演出を利用して残存球情報の補充を促す場合には、大当たり結果となる期待度が高い側の態様が選択される構成としてもよい。
また、音声発光制御装置62において、当たり予告コマンドを受信した場合に大当たり結果となる期待度が最も高い演出を実行する構成に代えて、既に決定されている演出内容よりも大当たり結果となる期待度が高い側の演出を実行する構成としてもよい。この場合であっても、残存球情報の補充を促すことは可能となる。
また、音声発光制御装置62において、当たり予告コマンドを受信した場合に実行する演出の内容としては、抽選により既に実行することが決定されている演出種について、その演出種の態様を、大当たり結果となることが確定する態様とする又は大当たり結果となる期待度が高い側の態様とする構成としてもよい。この場合、例えば、所定のキャラクタ(魚群など)を表示させる演出種の実行が決定されている場合において、その所定のキャラクタのベースとなる色を青色とする抽選結果であったものを、大当たり結果となる期待度が高い側である赤色に変更する構成や、大当たり結果となることが確定する金色に変更する構成が挙げられる。また、当該構成に代えて、当たり予告コマンドを受信した場合に実行する演出の内容として、抽選により既に実行することが決定されている演出種とは異なる演出種を実行するとともに、その演出種の態様を、大当たり結果となることが確定する態様とする又は大当たり結果となる期待度が高い側の態様とする構成としてもよい。この場合、例えば、特定のキャラクタ(泡など)を表示させる演出種の実行が決定されている場合において、当該特定のキャラクタに代えて、所定のキャラクタ(魚群など)を表示させる演出種に変更する構成が挙げられる。
また、残存球情報の補充を促すべく保留予告の演出として第1演出を実行させる場合、高頻度入賞モードの開閉実行モードへの移行契機となる保留情報に対応した個別表示のみにて第1演出を実行する構成に代えて、当該保留情報に対応した個別表示の内容の変更に加えて、それ以外の保留情報の個別表示においても第1演出を実行する、又はそれ以外の保留情報の個別表示の態様をそれまでの態様よりも期待度が高い側の内容に変更する構成としてもよい。但し、いずれのタイミングで高頻度入賞モードの開閉実行モードに移行する可能性があるのかを遊技者が認識し易くするためには、当該開閉実行モードへの移行契機となる保留情報の個別表示及びそれよりも消化順序が後の保留情報の個別表示を変更する構成とすることが好ましい。
また、残存球情報の補充をすべきことの報知を行う場合、高頻度入賞モードの開閉実行モードへの移行契機となる保留情報についての遊技回よりも前に実行される遊技回中の演出として、開閉実行モードへの移行が確定する演出ではないものの開閉実行モードへの移行の期待度が高い演出が実行される構成としてもよい。この場合、上記移行契機となる保留情報についての遊技回よりも前の各遊技回において上記期待度が高い演出が連続して実行される構成としてもよく、これら各遊技回及び該当遊技回のそれぞれにおいて上記期待度が高い演出が連続して実行される構成としてもよい。また、その連続して実行される演出が、連続が後側の順番の遊技回ほど期待度が高くなるように調整される構成としてもよい。
(38)遊技領域を流下する遊技球の流下方向を規制する釘49b等の衝突部材が、前扉22を開いた状態で遊技球の流下方向の調整や入賞頻度の調整を行う必要がないように設けられている構成としてもよい。
例えば、遊技領域に設けられた釘49bを、合成樹脂製、セラミック製、又は硬質金属製とすることで、釘49bに外力を加えて当該釘49bの角度や形状を調整しようとしてもそれが不可となる又は行いづらい構成としてもよい。当該構成によれば、前扉22を開いたとしても、流下方向の調整や入賞頻度の調整が不可となる又は行いづらいため、当該調整行為が実質的に行われなくなり、前扉22を開いた際に遊技球が零れ落ちてしまうといった事象の発生が抑制される。
また、釘49bなどの各衝突部材のそれぞれに対して、又は所定の組み合わせ単位で、駆動手段を設け、衝突部材の角度や形状を電気駆動で調整可能な構成としてもよい。この場合、前扉22を開いた状態としなくても、流下方向の調整や入賞頻度の調整を行うことが可能となるため、当該調整に際して前扉22が開かれる可能性は低く、それに伴って前扉22を開いた際に遊技球が零れ落ちてしまうといった事象の発生が抑制される。
(39)正規の遊技球よりも小さい不正球の循環使用を防止すべく、排出用回収部101といった遊技球の循環経路に、正規の遊技球よりも小さい球が通過可能であり、正規の遊技球の通過を不可とする開口を形成してもよい。この場合、小さい不正球は、その開口を通じて循環経路から排除されるため、不正球が循環し続けてしまうことが抑制される。また、当該開口を通過した球を検知すべく不正球検知センサを設けてもよい。この場合、小さい不正球が存在していたことをパチンコ機10において特定可能となり、例えばパチンコ機10自身における報知や、遊技ホールのホールコンピュータへの外部出力などといった処理を実行することが可能となる。
(40)正規の遊技球よりも大きい不正球の循環使用を防止すべく、排出用回収部101といった遊技球の循環経路に、正規の遊技球よりも大きい球が通過不可となる開口部を形成してもよい。これにより、大きい不正球がパチンコ機10に投入された場合には、その開口部にて球詰まりが生じ、遊技を続行することが不可となることを通じて、大きい不正球の循環使用を防止することが可能となる。また、当該開口部にて滞留している球を検知すべく不正球検知センサを設けてもよい。この場合、大きい不正球が存在していたことをパチンコ機10において特定可能となり、例えばパチンコ機10自身における報知や、遊技ホールのホールコンピュータへの外部出力などといった処理を実行することが可能となる。
(41)外枠11がパチンコ機10の全メーカー間で共通である構成としてもよい。この場合、外枠11を、パチンコ機10が有するのではなく島設備に据え置きされるようにしてもよく、パチンコ機10が有していてもよい。
また、当該構成に代えて又は加えて、管理ユニット131がパチンコ機10の全メーカー間で共通である構成としてもよい。この場合、管理ユニット131を、パチンコ機10が有するのではなく島設備に据え置きされるようにしてもよく、パチンコ機10が有していてもよい。なお、管理ユニット131が島設備に据え置きされる構成であったとしても、当該管理ユニット131にはパチンコ機10から動作電力が供給される構成としてもよく、遊技ホール側から動作電力が供給される構成としてもよい。
また、当該構成に代えて又は加えて、支持ベース体31(遊技盤33は除く)がパチンコ機10の全メーカー間で共通である構成としてもよい。この場合、支持ベース体31を、パチンコ機10が有するのではなく島設備に据え置きされるようにしてもよく、パチンコ機10が有していてもよい。また、本構成においては、前扉22及び遊技盤33の組み合わせがメーカー間で異なる部品となるため、遊技盤33が前扉22に係止された状態で、これらの一体物を支持ベース体31に搭載可能な構成としてもよい。
また、上記各構成に代えて、遊技盤33以外が全メーカー間で共通である構成としてもよい。この場合、遊技盤33以外が島設備に据え置きされるようにしてもよい。
(42)発射レール81上に供給された遊技球B1を検知するための装置として、発射球検知センサ84及びリーダ装置85の両方が設けられている構成に限定されることはなく、いずれか一方のみが設けられている構成としてもよい。例えば、発射球検知センサ84が設けられておらず、リーダ装置85が設けられている構成としてもよい。この場合であっても、リーダ装置85における読取結果に基づいて、発射される又は発射された遊技球B1の個数を計測することが可能となる。また、リーダ装置85が設けられておらず、発射球検知センサ84が設けられている構成としてもよい。この場合、第14の実施形態の構成を適用することで、循環している遊技球の個数を管理することが可能となる。
(43)戻り球検知センサ124に代えて、戻り球となった遊技球B1からID情報を読取可能なリーダ装置を設けてもよい。この場合であっても、当該戻り球用のリーダ装置における読取結果に基づいて、戻り球となった遊技球B1の個数を計測することが可能となる。また、戻り球検知センサ124に加えて、戻り球用のリーダ装置を設けてもよい。
(44)パチンコ機10の動作を制御するための制御装置の構成は、各機能を担保することが可能であれば任意である。例えば、操作ユニット141の制御を払出制御基板161ではなく、管理制御基板171が行う構成としてもよい。また、管理ユニット131の一部の機能又は全部の機能を、主制御基板151が有する構成としてもよく、払出制御基板161が有する構成としてもよい。
(45)管理ユニット131に媒体投入口133と媒体排出口134との両方が設けられている構成に限定されることはなく、一の媒体用開口部において、記憶媒体Mの投入及び排出の両方が行われる構成としてもよい。
また、記憶媒体Mとしては、汎用の媒体が用いられる構成に限定されることはなく、会員カードといったように、各人専用の媒体が用いられる構成としてもよい。この場合、当該専用の媒体は、遊技ホールの客がそれぞれ有することとなり、当該媒体に未使用の遊技球数のデータや、未使用の金額のデータが書き込まれるとともに、使用された場合には管理ユニット131等においてデータが書き換えられることになる。また、このように専用の媒体が用いられる構成においては、管理ユニット131に設けられた1個の媒体用開口部を通じて、媒体の投入及び排出の両方が行われる構成としてもよい。また、当該構成においては、残存球情報を利用してドリンクやタバコとの交換を行う場合には、交換に使用する残存球情報又は交換対象となる商品情報が書き込まれた上記専用の媒体が管理ユニット131から排出される構成としてもよい。
また、上記のように専用の媒体が利用される構成において、残存球情報を利用してドリンクやタバコと交換する場合には、その残存球情報が書き込まれた、又は交換対象となる商品情報が書き込まれた汎用の媒体が排出される構成としてもよい。この場合、管理ユニット131には、媒体用開口部として、専用の媒体を利用するための開口部と、汎用の媒体を利用するための開口部とが別々に設けられている構成が好ましい。例えば、専用の媒体について投入及び排出の両方が行われる一の開口部と、汎用の媒体について投入及び排出の両方が行われる一の開口部とが設けられている構成が好ましい。
(46)払出側MPU162は、第2停電監視基板165から停電信号を受信した後であって、主側MPU152からの停電コマンドの受信を待っている状況、又は停電時の監視時間を計測している状況において、主側MPU152から受信した賞球コマンドといった他のコマンドを記憶保持可能な構成としてもよい。この場合、主側MPU152及び払出側MPU162のそれぞれに対して異なる停電監視基板155,165から停電信号が出力される構成において、賞球の管理を好適に行うことが可能となる。
<第7の実施形態>
本実施形態では、賞球が発生することの報知が行われる構成となっている。以下、当該構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
図58は、本実施形態における遊技盤33の正面図である。
本実施形態では、上記第1の実施形態と異なり、一般入賞口41が4個設けられており、スルーゲート45が1個設けられている。また、遊技盤33において内レール部33aを利用して区画された遊技領域の内側の領域であって表示ユニットの前面よりも前方を遊技球が流下しないように遊技球の流入規制がされた領域には、特図表示部47、第1保留ランプ部46c、普図表示部48及び第2保留ランプ部46dが表示ユニットとして所定の範囲に集約させて設けられている。また、当該表示ユニットには、第1〜第3賞球報知部56〜58が設けられている。
第1〜第3賞球報知部56〜58は、一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43及び下作動口44等といった遊技球の付与に対応した入球部への遊技球の入球が発生したことを報知するための表示部である。本パチンコ機10では、既に説明したとおり、賞球個数の種類として3個、10個及び15個の3種類が存在しているため、これらに1対1で対応させて賞球報知部56〜58も3個設けられている。そして、第1賞球報知部56では、上作動口43又は下作動口44への遊技球の入球が発生し3個賞球が発生することが報知され、第2賞球報知部57では、一般入賞口41への遊技球の入球が発生し10個賞球が発生することが報知され、第3賞球報知部58では、可変入賞装置42への遊技球の入球が発生し15個賞球が発生することが報知される。
なお、特図表示部47、第1保留ランプ部46c、普図表示部48、第2保留ランプ部46d及び第1〜第3賞球報知部56〜58の一部又は全部を別ユニットとして設けてもよい。例えば、各種表示部47,46c,48,46dと第1〜第3賞球報知部56〜58とをそれぞれ別ユニットとして設けてもよく、第1賞球報知部56、第2賞球報知部57及び第3賞球報知部58の一部又は全部を別ユニットとして設けてもよい。また、各種表示部47,46c,48,46d及び第1〜第3賞球報知部56〜58の少なくとも一部を、遊技領域の内側の領域であって前方を遊技球が流下し得る領域に設けてもよい。また、各種表示部47,46c,48,46d及び第1〜第3賞球報知部56〜58の少なくとも一部を、内レール部33aを利用して区画された遊技領域に対して外側に存在する領域に設けてもよい。
図59を参照しながら第1〜第3賞球報知部56〜58について詳細に説明する。図59は、第1〜第3賞球報知部56〜58及びその周辺の正面図である。なお、図59では、説明の便宜上、主制御装置61、払出制御装置64及び残数表示部148が示されている。
第1〜第3賞球報知部56〜58は、いずれも同一の構成となっており、いずれも単色発光タイプ(例えば赤色)のLEDよりなる発光部を備えている。なお、第1〜第3賞球報知部56〜58の一部は発光色が異なる構成としてもよく、第1〜第3賞球報知部56〜58の全てが異なる発光色である構成としてもよい。第1〜第3賞球報知部56〜58は一列に並べて配置されており、隣り合う賞球報知部56〜58間には所定の間隔が設定されている。
第1〜第3賞球報知部56〜58が一列に並設されている構成において、これら第1〜第3賞球報知部56〜58の配置領域に並設させて対応関係明示部59が設けられている。対応関係明示部59は、第1〜第3賞球報知部56〜58のそれぞれがいずれの賞球個数に対応しているのかを明示するための部位である。
具体的には、第1賞球報知部56は、上作動口43及び下作動口44のいずれかに遊技球が入球した場合に発生する3個賞球に対応しているため、対応関係明示部59において第1賞球報知部56に最も近い領域、すなわち第1賞球報知部56に対して所定の間隔を置いて並設された領域には、第1賞球明示部として「3個」という表示が印字されている。第2賞球報知部57は、一般入賞口41に遊技球が入球した場合に発生する10個賞球に対応しているため、対応関係明示部59において第2賞球報知部57に最も近い領域、すなわち第2賞球報知部57に対して所定の間隔を置いて並設された領域には、第2賞球明示部として「10個」という表示が印字されている。第3賞球報知部58は、可変入賞装置42に遊技球が入球した場合に発生する15個賞球に対応しているため、対応関係明示部59において第3賞球報知部58に最も近い領域、すなわち第3賞球報知部58に対して所定の間隔を置いて並設された領域には、第3賞球明示部として「15個」という表示が印字されている。
上記のように対応関係明示部59が設けられていることにより、第1〜第3賞球報知部56〜58のそれぞれに対して、対応する賞球個数の表示が付されることとなる。これにより、第1〜第3賞球報知部56〜58を通じた賞球発生の報知内容を、遊技者や遊技ホールの管理者が容易に理解することが可能となる。
ここで、対応関係明示部59の各賞球明示部は、第1〜第3賞球報知部56〜58が設置された表示ユニットのベース体に直接印字されているのではなく、当該ベース体とは別体で設けられた対応関係明示部59に印字されている。具体的には、対応関係明示部59は、シールとして設けられており、ベース体の表面であって第1〜第3賞球報知部56〜58の配置領域に対して下方に存在する領域に貼り付けられている。
本パチンコ機10では、賞球個数として3個、10個及び15個が設定されているが、かかる賞球個数はパチンコ機の機種間や型式間において任意のものであり、本パチンコ機10とは異なるパチンコ機では、賞球個数が1個、9個及び14個である構成も考えられる。この場合に、対応関係明示部59を表示ユニットのベース体とは別体で設け、当該ベース体に対して外付けする構成とすることにより、賞球個数のパターンが異なる他のパチンコ機間では賞球明示部の内容が異なる対応関係明示部59を使用することで、表示ユニットのベース体及び各賞球報知部56〜58などの部品を機種や型式が異なるパチンコ機間で共通化させることが可能となる。
なお、対応関係明示部59はシールであることに限定されることはなく、粘着層や接着層を有しないプレートであってねじやフックを利用して表示ユニットのベース体に固定されるものとしてもよい。
第1〜第3賞球報知部56〜58は、既に説明したとおり、他のMPUが介在することなく主側MPU152により直接、表示制御される。例えば、第1〜第3賞球報知部56〜58の表示制御が主側MPU152とは異なるMPUが介在して実行される場合、当該異なるMPUに対して不正を施すことで第1〜第3賞球報知部56〜58の表示制御を正常に行えないようにすることが可能となってしまう。これに対して、第1〜第3賞球報知部56〜58が主側MPU152により直接、表示制御される構成においては、第1〜第3賞球報知部56〜58の表示制御を正常に行えないようにする不正を行うためには、主側MPU152に対して不正を施す必要が生じるが、主側MPU152に対する不正行為を防止するための構成及び不正行為を発見するための構成は他のMPUよりも高度なものとなっているため、第1〜第3賞球報知部56〜58の表示制御を正常に行えないようにする不正行為が行いづらくなっている。
第1〜第3賞球報知部56〜58が主側MPU152により表示制御されるのに対して、既に説明したとおり、遊技者が使用可能な遊技球の数を報知するための残数表示部148は払出側MPU162により表示制御される。これにより、各種表示制御の処理負荷を、主側MPU152と払出側MPU162とで分散することが可能となる。
また、残数表示部148は操作ユニット141に設けられており、当該操作ユニット141は前扉22に設けられている。これに対して、第1〜第3賞球報知部56〜58は遊技盤33に設けられている。パチンコ機業界の流通の仕方として、遊技ホールに設置されているパチンコ機10の遊技盤33のみを変更することで機種変更を行うことが考えられる。この場合、本体ベース21及び前扉22をそのまま利用しながら遊技盤33のみが交換されることとなるため、操作ユニット141は遊技ホールにおいて長く使用されることとなる。そうすると、操作ユニット141に対して不正を施すことで残数表示部148において正常な表示を行えない状態とする行為が行われる可能性が高くなる。かかる不正行為が行われた場合、実際には使用可能な遊技球数のデータが存在していないにも関わらず遊技球を発射させる不正行為が行われた場合に、この遊技球の発射が不正行為によるものであるか否かを、残数表示部148を確認したとしても把握することができないことになってしまう。これに対して、第1〜第3賞球報知部56〜58は遊技盤33に設けられているため、遊技盤33が交換された場合には第1〜第3賞球報知部56〜58も交換されることとなる。したがって、第1〜第3賞球報知部56〜58を確認することで、遊技球の発射が不正行為によるものであるか否かの確認を正確に行うことが可能となる。
<賞球コマンドの出力設定処理>
次に、図60のフローチャートを参照しながら、主側MPU152にて実行される賞球コマンドの出力設定処理について説明する。当該賞球コマンドの出力設定処理は、タイマ割込み処理(図14)におけるステップS412にて実行される。
まずステップS3301にて、主側RWM154の3個賞球カウンタの値が1以上であるか否かを判定する。1以上である場合には、ステップS3302にて3個賞球カウンタの値を1減算し、ステップS3303にて3個賞球コマンドを払出側MPU162に送信し、ステップS3304にて、主側RWM154に設けられた3個賞球報知カウンタの値を1加算する。
3個賞球報知カウンタは3個賞球報知の待機実行回数を主側MPU152にて特定するためのカウンタである。3個賞球が1回行われたことの報知が行われている状況で3個賞球コマンドが新たに送信される可能性があるが、3個賞球報知カウンタを利用して報知の待機実行回数を計測することで、3個賞球が発生した場合にはそれに対応させて3個賞球の報知を1回実行することが可能となる。かかる作用効果は、後述する10個賞球報知カウンタ及び15個賞球報知カウンタについても同様である。
3個賞球カウンタの値が「0」である場合(ステップS3301:NO)には、ステップS3305にて、主側RWM154の10個賞球カウンタの値が1以上であるか否かを判定する。1以上である場合には、ステップS3306にて10個賞球カウンタの値を1減算し、ステップS3307にて10個賞球コマンドを払出側MPU162に送信し、ステップS3308にて、主側RWM154に設けられた10個賞球報知カウンタの値を1加算する。10個賞球報知カウンタは、10個賞球報知の待機実行回数を主側MPU152にて特定するためのカウンタである。
10個賞球カウンタの値が「0」である場合(ステップS3305:NO)には、ステップS3309にて、主側RWM154の15個賞球カウンタの値が1以上であるか否かを判定する。1以上である場合には、ステップS3310にて15個賞球カウンタの値を1減算し、ステップS3311にて15個賞球コマンドを払出側MPU162に送信し、ステップS3312にて、主側RWM154に設けられた15個賞球報知カウンタの値を1加算する。15個賞球報知カウンタは、15個賞球報知の待機実行回数を主側MPU152にて特定するためのカウンタである。
ステップS3304の処理を実行した場合、ステップS3308の処理を実行した場合、ステップS3309にて否定判定をした場合、又はステップS3312の処理を実行した場合には、ステップS3313にて賞球報知制御処理を実行した後に本出力設定処理を終了する。つまり、賞球報知制御処理はいずれかの賞球コマンドが出力された場合だけでなく、いずれの賞球コマンドも出力されなかった場合にも実行される。したがって、賞球報知制御処理は、賞球コマンドの出力設定処理が実行される場合には確実に実行され、さらに言うとタイマ割込み処理(図14)が実行される場合には確実に実行されるため、定期的に実行されることとなる。
図61は、賞球報知制御処理を示すフローチャートである。
まずステップS3401では、主側RWM154に設けられた検索対象カウンタに「3」をセットする。検索対象カウンタは、賞球報知制御を実行する対象が第1〜第3賞球報知部56〜58のいずれであるのかを主側MPU152にて特定するためのカウンタである。検索対象カウンタの値が「3」である場合、賞球報知制御を実行する対象は第1賞球報知部56であり、検索対象カウンタの値が「2」である場合、賞球報知制御を実行する対象は第2賞球報知部57であり、検索対象カウンタの値が「1」である場合、賞球報知制御を実行する対象は第3賞球報知部58である。
続くステップS3402では、検索対象カウンタの現状の値に対応した賞球報知部56〜58が点灯している状態であるか否かを判定する。点灯している状態である場合には、ステップS3403にて、主側RWM154に設けられた点灯継続カウンタの値を1減算する。点灯継続カウンタは、賞球報知部56〜58を点灯継続状態とした場合にその点灯継続状態を終了させるタイミングを主側MPU152にて特定するためのカウンタである。当該点灯継続カウンタは、第1〜第3賞球報知部56〜58に1対1で対応させて設けられている。また、各点灯継続カウンタには、後述するように、対応する賞球報知部56〜58を点灯継続状態とする場合に点灯継続情報がセットされる。当該点灯継続情報は、0.3secに亘って点灯継続状態が維持される情報として設定されているが、具体的な点灯継続時間は任意である。
続くステップS3404では、1減算後の点灯継続カウンタの値が「0」となっているか否かを判定する。「0」となっている場合には、ステップS3405にて、検索対象カウンタの現状の値に対応する賞球報知部56〜58を消灯させる。そして、ステップS3406にて、主側RWM154に設けられた消灯継続カウンタに消灯継続情報をセットする。消灯継続カウンタは、賞球報知部56〜58を消灯させた場合にその消灯継続状態を終了させるタイミングを主側MPU152にて特定するためのカウンタである。つまり、賞球報知部56〜58は、点灯継続状態が終了して消灯された場合、その消灯した状態が消灯継続時間に亘って強制的に維持される。当該消灯継続カウンタは、第1〜第3賞球報知部56〜58に1対1で対応させて設けられている。消灯継続情報は、点灯継続情報と同一の0.3secに亘って消灯継続状態が維持される情報として設定されているが、具体的な消灯継続時間は任意であり、点灯継続時間よりも短くてもよく長くてもよい。
一方、ステップS3402にて否定判定をした場合には、ステップS3407にて、検索対象カウンタの現状の値に対応した賞球報知部56〜58が消灯継続状態となっているか否かを判定する。つまり、検索対象カウンタの現状の値に対応した消灯継続カウンタの値が1以上となっているか否かを判定する。消灯継続状態となっている場合には、ステップS3408にて、対応する消灯継続カウンタンの値を1減算する。なお、消灯継続カウンタの値が「0」となった場合には他の処理が実行されることなく、消灯継続状態は解除される。
ステップS3404にて否定判定をした場合、ステップS3406の処理を実行した場合、ステップS3407にて否定判定をした場合、又はステップS3408の処理を実行した場合には、ステップS3409にて検索対象カウンタの値を1減算する。そして、ステップS3410にて、その1減算後の検索対象カウンタの値が「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合には、検索対象カウンタの新たな値に対応した賞球報知部56〜58についてステップS3402〜ステップS3408の処理を実行する。「0」となっている場合には、ステップS3411にて点灯設定処理を実行した後に、本賞球報知制御処理を終了する。
図62は、点灯設定処理を示すフローチャートである。
まずステップS3501では、主側RWM154の3個賞球報知カウンタの値が1以上となっているか否かを判定する。1以上となっている場合には、3個賞球の報知の実行が待機されていることを意味するため、ステップS3502に進む。ステップS3502では、第1賞球報知部56に対応した主側RWM154の点灯継続カウンタ及び消灯継続カウンタのうちいずれか一方が1以上となっているか否かを確認することで、第1賞球報知部56が点灯継続状態又は消灯継続状態であるか否かを判定する。ステップS3502にて否定判定をした場合にはステップS3503〜ステップS3505の処理を実行する。具体的には、ステップS3503では、第1賞球報知部56への信号の出力を開始することで当該第1賞球報知部56を点灯させる。続くステップS3504では、主側RWM154における第1賞球報知部56に対応した点灯継続カウンタに点灯継続情報をセットする。そして、ステップS3505にて、主側RWM154の3個賞球報知カウンタの値を1減算する。
ステップS3501にて否定判定をした場合、ステップS3502にて肯定判定をした場合、又はステップS3505の処理を実行した場合には、ステップS3506にて10個賞球用の点灯設定処理を実行する。当該10個賞球用の点灯設定処理では、第2賞球報知部57に関して、上記ステップS3501〜ステップS3505と同様の処理を実行する。
具体的には、まず主側RWM154の10個賞球報知カウンタの値が1以上となっているか否かを判定する。1以上となっている場合には、第2賞球報知部57に対応した主側RWM154の点灯継続カウンタ及び消灯継続カウンタのうちいずれか一方が1以上となっているか否かを確認することで、第2賞球報知部57が点灯継続状態又は消灯継続状態であるか否かを判定する。点灯継続状態及び消灯継続状態のいずれでもない場合には、第2賞球報知部57への信号の出力を開始することで当該第2賞球報知部57を点灯させる。また、主側RWM154における第2賞球報知部57に対応した点灯継続カウンタに点灯継続情報をセットし、さらに主側RWM154の10個賞球報知カウンタの値を1減算する。
ステップS3506にて10個賞球用の点灯設定処理を実行した後は、ステップS3507にて15個賞球用の点灯設定処理を実行した後に、本点灯設定処理を終了する。当該15個賞球用の点灯設定処理では、第3賞球報知部58に関して、上記ステップS3501〜ステップS3505と同様の処理を実行する。
具体的には、まず主側RWM154の15個賞球報知カウンタの値が1以上となっているか否かを判定する。1以上となっている場合には、第3賞球報知部58に対応した主側RWM154の点灯継続カウンタ及び消灯継続カウンタのうちいずれか一方が1以上となっているか否かを確認することで、第3賞球報知部58が点灯継続状態又は消灯継続状態であるか否かを判定する。点灯継続状態及び消灯継続状態のいずれでもない場合には、第3賞球報知部58への信号の出力を開始することで当該第3賞球報知部58を点灯させる。また、主側RWM154における第3賞球報知部58に対応した点灯継続カウンタに点灯継続情報をセットし、さらに主側RWM154の15個賞球報知カウンタの値を1減算する。
次に、図63のタイムチャートを参照しながら、第1〜第3賞球報知部56〜58の表示制御の様子について説明する。
図63(a)は3個賞球コマンドの出力状況を示し、図63(b)は第1賞球報知部56の状態を示し、図63(c)は10個賞球コマンドの出力状況を示し、図63(d)は第2賞球報知部57の状態を示し、図63(e)は15個賞球コマンドの出力状況を示し、図63(f)は第3賞球報知部58の状態を示す。
まず第1賞球報知部56、第2賞球報知部57及び第3賞球報知部58が個別に点灯される場合について説明する。
第1賞球報知部56が点灯継続状態及び消灯継続状態のいずれでもない状況であるt1のタイミングで、図63(a)に示すように3個賞球コマンドが出力されることにより、図63(b)に示すように第1賞球報知部56が点灯される。そして、点灯継続時間が経過したタイミングであるt2のタイミングで、第1賞球報知部56が消灯される。
第2賞球報知部57が点灯継続状態及び消灯継続状態のいずれでもない状況であるt3のタイミングで、図63(c)に示すように10個賞球コマンドが出力されることにより、図63(d)に示すように第2賞球報知部57が点灯される。そして、点灯継続時間が経過したタイミングであるt4のタイミングで、第2賞球報知部57が消灯される。
第3賞球報知部58が点灯継続状態及び消灯継続状態のいずれでもない状況であるt5のタイミングで、図63(e)に示すように15個賞球コマンドが出力されることにより、図63(f)に示すように第3賞球報知部58が点灯される。そして、点灯継続時間が経過したタイミングであるt6のタイミングで、第3賞球報知部58が消灯される。
次に、第1賞球報知部56及び第2賞球報知部57の点灯状態が重複する場合について説明する。
第1賞球報知部56が点灯継続状態及び消灯継続状態のいずれでもない状況であるt7のタイミングで、図63(a)に示すように3個賞球コマンドが出力されることにより、図63(b)に示すように第1賞球報知部56が点灯される。その後、第1賞球報知部56の点灯継続時間が経過するタイミングよりも前のタイミングであるt8のタイミングにて、図63(c)に示すように10個賞球コマンドが出力される。したがって、図63(d)に示すように第2賞球報知部57が点灯される。これにより、第1賞球報知部56及び第2賞球報知部57の両方が点灯された状態となっている。その後、t9のタイミングで第1賞球報知部56の点灯継続時間が経過することで、図63(b)に示すように第1賞球報知部56が消灯され、さらにt10のタイミングで第2賞球報知部57の点灯継続時間が経過することで、図63(d)に示すように第2賞球報知部57が消灯される。
次に、第1賞球報知部56が繰り返し点灯継続状態となる場合について説明する。
第1賞球報知部56が点灯継続状態及び消灯継続状態のいずれでもない状況であるt11のタイミングで、図63(a)に示すように3個賞球コマンドが出力されることにより、図63(b)に示すように第1賞球報知部56が点灯される。その後、第1賞球報知部56の点灯継続時間が経過するタイミングよりも前のタイミングであるt12のタイミングにて、図63(a)に示すように3個賞球コマンドが再度出力される。但し、第1賞球報知部56は点灯継続状態となっているため、当該3個賞球コマンドの出力に対する3個賞球の報知は待機される。
その後、t13のタイミングで第1賞球報知部56の点灯継続時間が経過することで、図63(b)に示すように第1賞球報知部56が消灯される。この場合、上記のとおり3個賞球の報知が待機された状態となっているが、第1賞球報知部56が消灯された後は消灯継続時間に亘って消灯継続状態が維持される。その後、t14のタイミングで消灯継続時間が経過することで、第1賞球報知部56が点灯され、点灯継続時間が経過したタイミングであるt15のタイミングで第1賞球報知部56が消灯される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
第1〜第3賞球報知部56〜58が設けられており、一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43及び下作動口44といった遊技球付与対応の入球部への入球が発生した場合には賞球報知が行われる構成である。これにより、賞球が発生したことを遊技者に明確に認識させることが可能となる。
特に、本パチンコ機10は球皿部71への遊技球の供給及び球皿部71からの遊技球の取り出しを遊技者が行えない構成であり、使用可能な遊技球数の情報の範囲内で遊技球の発射を可能とする構成であるため、賞球に際して実際の遊技球の払い出しは行われない。また、残数表示部148において使用可能な遊技球の数が表示されるとしても、遊技球の発射が継続されている状況では残数表示部148に表示されている数が連続して減算されることとなるため、その状況で賞球の発生として残数表示部148の数が増加したとしても、当該数が増加したことを遊技者が認識しづらい。そうすると、賞球が発生したか否かを遊技者が把握しづらくなってしまうが、本パチンコ機10のように第1〜第3賞球報知部56〜58が設けられていることにより賞球の発生を遊技者が明確に認識することが可能となる。
また、実際には一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43及び下作動口44への入球が発生していないにも関わらず、不正電波などを利用することにより入球の発生をセンサに誤検知させ、使用可能な遊技球の数の情報を不正に増加させる行為が想定される。これに対して、遊技ホールの管理者は、第1〜第3賞球報知部56〜58のうち賞球発生の報知が繰り返し行われている報知部と、それに対応する入球部とを見比べることで、上記不正行為が行われているか否かを簡単に判断することが可能となる。
また、パチンコ機10が遊技ホールに出荷される前段階においては各入球部の入賞検知センサ41a〜45aが正常に動作しているか否かの確認や、各入球部と入賞検知センサ41a〜45aとの対応関係が正常であるか否かの確認などが行われる。また、遊技ホールの新台入れ替え時における警察などの管理機関による検査時においても上記のような確認が行われる。これに対して、第1〜第3賞球報知部56〜58が設けられていることにより、入球部に遊技球を手入れした場合に当該入球部に対応する賞球報知部56〜58を目視することで上記確認を容易に行うことが可能となる。
特に、本パチンコ機10は上記のとおり賞球に際して実際の遊技球の払い出しは行われない。そうすると、遊技球の払い出しが行われたか否かを通じた上記確認を行うことができない。また、賞球が発生した場合には残数表示部148に表示されている数が増加することとなるが、当該残数表示部148には賞球の総数が表示される。例えば、各一般入賞口41→可変入賞装置42→上作動口43→下作動口44の順序で手入れによる確認を行う場合、残数表示部148の表示を途中で「0」クリアしない限り、作業者の頭の中で残数表示部148に表示されていた数字と新たに表示された数字との引き算を行いながら上記確認を行う必要が生じ、そうすると作業効率が低下してしまう可能性がある。また、それに代えて、残数表示部148の表示を途中で「0」クリアしながら上記確認を行う場合、その作業は煩雑なものとなってしまう。これに対して、賞球報知部56〜58が設けられているとともに、当該賞球報知部56〜58が賞球個数の種類に対応させて設けられていることにより、上記確認の容易化が図られる。
また、仮に残数表示部148が液晶表示装置である場合、電源立ち上げから正常表示が開始されるまで所定の待機時間が発生する。かかる待機時間は、出荷前の検査時や新台入れ替えの検査時において煩わしいものとなってしまう。これに対して、単なる発光部として賞球報知部56〜58が設けられていることにより、上記のような待機時間を発生させることなく速やかに上記確認を完了させることが可能となる。
主側RWM154には第1〜第3賞球報知部56〜58に対応させて賞球報知カウンタが設けられており、賞球報知部56〜58が点灯継続状態である状況で対応する賞球コマンドが送信された場合にはその回数が賞球報知カウンタにおいて記憶保持される。そして、賞球報知部56〜58の消灯継続時間が経過した後に賞球報知カウンタの値が1以上である場合には、当該賞球報知部56〜58が再度、点灯継続状態となる。これにより、賞球の発生回数と、賞球報知部56〜58における報知回数とを対応させることが可能となる。
また、上記のように賞球報知部56〜58が点灯継続状態である状況で対応する賞球コマンドが送信された場合にはその回数分の数が対応する賞球報知カウンタにおいて記憶保持される構成において、賞球報知部56〜58が消灯された場合には消灯継続時間に亘ってその消灯された状態が維持される。これにより、賞球報知部56〜58が点灯状態となった回数を計測することで、対応する賞球コマンドが送信された回数を把握することが可能となる。
<第8の実施形態>
本実施形態では、賞球報知部56〜58の構成、及び賞球報知制御処理の処理構成が上記第7の実施形態と異なっている。以下、当該相違する構成について説明する。なお、以下の説明では上記第7の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
上記第7の実施形態では第1〜第3賞球報知部56〜58として単色発光タイプのLEDを用いる構成としたが、本実施形態では、第1〜第3賞球報知部56〜58として複数色発光タイプのLEDが用いられている。具体的には、第1〜第3賞球報知部56〜58は、発光色として白色、赤色、緑色、青色及び黄色の表示が可能となっている。
図64は、本実施形態における賞球報知制御処理を示すフローチャートである。
当該賞球報知制御処理では、点灯継続カウンタの値が「0」であると判定した場合(ステップS3604:YES)に、消灯処理(ステップS3605)を実行するとともに、消灯継続カウンタに消灯継続情報をセットする処理(ステップS3606)を実行するだけでなく、主側RWM154に設けられた点灯順カウンタの値を「0」クリアする(ステップS3607)。それ以外は、上記第1の実施形態における賞球報知制御処理(図61)のステップS3401〜ステップS3411の処理と同一である。
点灯順カウンタは、賞球報知部56〜58を点灯状態とする場合にいずれの発光色とするのかを主側MPU152にて特定するためのカウンタである。点灯順カウンタは、第1〜第3賞球報知部56〜58に1対1で対応させて設けられている。
図65は、本実施形態における点灯設定処理を示すフローチャートである。
まずステップS3701では、主側RWM154の3個賞球報知カウンタの値が1以上となっているか否かを判定する。1以上となっている場合には、3個賞球の報知の実行が待機されていることを意味するため、ステップS3702に進む。ステップS3702では、第1賞球報知部56に対応した主側RWM154の消灯継続カウンタの値が1以上となっているか否かを確認することで、第1賞球報知部56が消灯継続状態であるか否かを判定する。
ステップS3702にて否定判定をした場合には、ステップS3703にて、主側RWM154の点灯順カウンタのうち第1賞球報知部56に対応する第1点灯順カウンタの値が最大値となっているか否かを判定する。第1点灯順カウンタは、取り得る値が「0」〜「5」となっている。「0」は対応する発光色が存在しておらず、「1」は白色の発光色に対応しており、「2」は赤色の発光色に対応しており、「3」は緑色の発光色に対応しており、「4」は青色の発光色に対応しており、「5」は黄色の発光色に対応している。ステップS3703では、第1点灯順カウンタの値が「5」となっているか否かを判定する。
ステップS3703にて否定判定をした場合、すなわち第1点灯順カウンタの値が最大値未満である場合には、ステップS3704にて第1点灯順カウンタの値を1加算する。そして、ステップS3705にて、第1点灯順カウンタの値に対応した点灯処理を、第1賞球報知部56に対して実行する。これにより、第1点灯順カウンタの値に対応した発光色で第1賞球報知部56が点灯された状態となる。
一方、ステップS3703にて肯定判定をした場合には、ステップS3704及びステップS3705の処理を実行しない。これにより、第1点灯順カウンタの値が最大値であることに対応した発光色(具体的には黄色)で第1賞球報知部56が点灯されている状況において新たに3個賞球コマンドが送信された場合には、その発光色から変更されることはなく、その発光色が維持される。
ステップS3703にて肯定判定をした場合、又はステップS3705の処理を実行した場合には、ステップS3706にて、主側RWM154における第1賞球報知部56に対応した点灯継続カウンタに点灯継続情報をセットする。なお、本実施形態においては点灯継続情報に対応した点灯継続時間は2secに設定されているが、これに限定されることはなく任意である。その後、ステップS3707にて、主側RWM154の3個賞球報知カウンタの値を1減算する。
ステップS3701にて否定判定をした場合、ステップS3702にて肯定判定をした場合、又はステップS3707の処理を実行した場合には、ステップS3708にて10個賞球用の点灯設定処理を実行する。当該10個賞球用の点灯設定処理では、第2賞球報知部57に関して、上記ステップS3701〜ステップS3707と同様の処理を実行する。
具体的には、まず主側RWM154の10個賞球報知カウンタの値が1以上となっているか否かを判定する。1以上となっている場合には、第2賞球報知部57に対応した主側RWM154の消灯継続カウンタの値が1以上となっているか否かを確認することで、第2賞球報知部57が消灯継続状態であるか否かを判定する。消灯継続状態ではない場合には、主側RWM154の第2点灯順カウンタの値が最大値となっているか否かを判定する。第2点灯順カウンタは、取り得る値が「0」〜「5」となっている。「0」は対応する発光色が存在しておらず、「1」は白色の発光色に対応しており、「2」は赤色の発光色に対応しており、「3」は緑色の発光色に対応しており、「4」は青色の発光色に対応しており、「5」は黄色の発光色に対応している。第2点灯順カウンタの値が最大値未満である場合には、第2点灯順カウンタの値を1加算し、第2点灯順カウンタの値に対応した点灯処理を、第2賞球報知部57に対して実行する。これにより、第2点灯順カウンタの値に対応した発光色で第2賞球報知部57が点灯された状態となる。一方、第2点灯順カウンタの値が最大値であることに対応した発光色(具体的には黄色)で第2賞球報知部57が点灯されている状況において新たに10個賞球コマンドが送信された場合には、その発光色から変更されることはなく、その発光色が維持される。その後、主側RWM154における第2賞球報知部57に対応した点灯継続カウンタに点灯継続情報をセットし、主側RWM154の10個賞球報知カウンタの値を1減算する。
ステップS3708にて10個賞球用の点灯設定処理を実行した後は、ステップS3709にて15個賞球用の点灯設定処理を実行した後に、本点灯設定処理を終了する。当該15個賞球用の点灯設定処理では、第3賞球報知部58に関して、上記ステップS3701〜ステップS3707と同様の処理を実行する。
具体的には、まず主側RWM154の15個賞球報知カウンタの値が1以上となっているか否かを判定する。1以上となっている場合には、第3賞球報知部58に対応した主側RWM154の消灯継続カウンタの値が1以上となっているか否かを確認することで、第3賞球報知部58が消灯継続状態であるか否かを判定する。消灯継続状態ではない場合には、主側RWM154の第3点灯順カウンタの値が最大値となっているか否かを判定する。第3点灯順カウンタは、取り得る値が「0」〜「5」となっている。「0」は対応する発光色が存在しておらず、「1」は白色の発光色に対応しており、「2」は赤色の発光色に対応しており、「3」は緑色の発光色に対応しており、「4」は青色の発光色に対応しており、「5」は黄色の発光色に対応している。第3点灯順カウンタの値が最大値未満である場合には、第3点灯順カウンタの値を1加算し、第3点灯順カウンタの値に対応した点灯処理を、第3賞球報知部58に対して実行する。これにより、第3点灯順カウンタの値に対応した発光色で第3賞球報知部58が点灯された状態となる。一方、第3点灯順カウンタの値が最大値であることに対応した発光色(具体的には黄色)で第3賞球報知部58が点灯されている状況において新たに15個賞球コマンドが送信された場合には、その発光色から変更されることはなく、その発光色が維持される。その後、主側RWM154における第3賞球報知部58に対応した点灯継続カウンタに点灯継続情報をセットし、主側RWM154の15個賞球報知カウンタの値を1減算する。
次に、図66のタイムチャートを参照しながら、第1賞球報知部56の表示制御の様子について説明する。なお、第2賞球報知部57及び第3賞球報知部58の表示制御の様子についても同様である。
図66(a)は3個賞球コマンドの出力状況を示し、図66(b)は第1賞球報知部56において白色表示がなされている期間を示し、図66(c)は第1賞球報知部56において赤色表示がなされている期間を示し、図66(d)は第1賞球報知部56において緑色表示がなされている期間を示し、図66(e)は第1賞球報知部56において青色表示がなされている期間を示し、図66(f)は第1賞球報知部56において黄色表示がなされている期間を示す。
まず第1賞球報知部56の発光色が変更されない場合について説明する。
第1賞球報知部56が点灯継続状態及び消灯継続状態のいずれでもない状況であるt1のタイミングで、図66(a)に示すように3個賞球コマンドが出力されることにより、図66(b)に示すように第1賞球報知部56が白色の発光色で点灯される。そして、点灯継続時間が経過したタイミングであるt2のタイミングで、第1賞球報知部56が消灯される。その後、消灯継続時間が経過していない状況であるt3のタイミングで、図66(a)に示すように3個賞球コマンドが再度出力される。この場合、消灯継続時間が経過していないため第1賞球報知部56が即座に点灯されるのではなく、当該消灯継続時間が経過したタイミングであるt4のタイミングで、図66(b)に示すように第1賞球報知部56が白色の発光色で点灯される。そして、点灯継続時間が経過したタイミングであるt5のタイミングで、第1賞球報知部56が消灯される。
次に、第1賞球報知部56の発光色が変更される場合について説明する。
第1賞球報知部56が点灯継続状態及び消灯継続状態のいずれでもない状況であるt6のタイミングで、図66(a)に示すように3個賞球コマンドが出力されることにより、図66(b)に示すように第1賞球報知部56が白色の発光色で点灯される。その後、点灯継続時間が経過するよりも前のタイミングであるt7のタイミングで、図66(a)に示すように3個賞球コマンドが再度出力されることにより、図66(b)に示すように第1賞球報知部56において白色の発光色による点灯が中止され、図66(c)に示すように赤色の発光色による点灯が開始される。
その後、それぞれ点灯継続時間が経過するタイミングよりも前のタイミングであるt8のタイミング、t9のタイミング及びt10のタイミングで、図66(a)に示すように3個賞球コマンドが再度出力される。これにより、t8のタイミングでは、第1賞球報知部56の発光色が図66(c)及び図66(d)に示すように赤色から緑色に変更され、t9のタイミングでは、第1賞球報知部56の発光色が図66(d)及び図66(e)に示すように緑色から青色に変更され、t10のタイミングでは、第1賞球報知部56の発光色が図66(e)及び図66(f)に示すように青色から黄色に変更される。
その後、t11のタイミング及びt12のタイミングのそれぞれで、図66(a)に示すように、点灯継続時間が経過する前に3個賞球コマンドが再度出力される。この場合、第1賞球報知部56の発光色は既に最終段階の黄色に設定されているため発光色は変更されない。但し、点灯継続時間の再セットがt11のタイミング及びt12のタイミングのそれぞれで発生する。そして、t13のタイミングで、t12のタイミングでセットされた点灯継続時間が経過することにより、図66(f)に示すように第1賞球報知部56が消灯される。
以上詳述した本実施形態によれば、所定の種類の賞球が連続して発生した場合にはその連続回数が賞球報知部56〜58の発光色により報知されるため、賞球が連続した場合であっても当該賞球の発生回数を遊技者や遊技ホールの管理者等が容易に把握することが可能となる。
賞球報知部56〜58の構成の簡素化を図るべく最大5色表示とした場合において、賞球報知部56〜58にて最大数分に対応する発光色が表示されている状況で対応する賞球コマンドが再度出力された場合、その最大数分に対応する発光色から変更するのではなく、点灯継続時間の再セットのみを行うようにした。これにより、上記のように構成の簡素化を図った場合において、最大数分に対応する発光色が表示されている状況においては点灯継続時間の長さを通じて賞球の発生を遊技者や遊技ホールの管理者等に報知することが可能となる。
<第9の実施形態>
本実施形態では、賞球報知部の構成、及び賞球報知制御処理の処理構成が上記第7の実施形態と異なっている。以下、当該相違する構成について説明する。なお、以下の説明では、上記第7の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本実施形態においても上記第7の実施形態における第1〜第3賞球報知部56〜58と同様に、3個賞球、10個賞球及び15個賞球のそれぞれに対応させて第1賞球報知部186、第2賞球報知部187及び第3賞球報知部188が設けられている。第1〜第3賞球報知部186〜188として、図67に示すように7セグ表示器が用いられている。
具体的には、第1賞球報知部186はセグメント発光部186aを7個備えており、7個のセグメント発光部186aの発光状態となる組合せを異ならせることにより、「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、「8」、「9」、「A」、「b」、「C」、「d」、「E」、「F」の16個の記号を表示することが可能となっている。また、各セグメント発光部186aとして複数色発光タイプのLEDが用いられている。具体的には、各セグメント発光部186aは、発光色として赤色、青色及び緑色の表示が可能となっている。
第2賞球報知部187及び第3賞球報知部188も第1賞球報知部186と同様に、7個のセグメント発光部187a,188aを備えており、「0」〜「F」の16個の記号を表示することが可能となっている。また、各セグメント発光部187a,188aは、赤色、青色及び緑色の発光色の表示が可能となっている。
第1〜第3賞球報知部186〜188の表示制御は主側MPU152により直接行われる。また、第1〜第3賞球報知部186〜188に隣接させて対応関係明示部59が設けられている。
図68は、本実施形態における賞球報知制御処理を示すフローチャートである。
当該賞球報知制御処理では、点灯継続カウンタの値が「0」であると判定した場合(ステップS3804:YES)に、消灯処理(ステップS3805)を実行するとともに、消灯継続カウンタに消灯継続情報をセットする処理(ステップS3806)を実行するだけでなく、主側RWM154に設けられた点灯順カウンタの値を「0」クリアする(ステップS3807)とともに、主側RWM154に設けられた点灯色カウンタの値を「0」クリアする(ステップS3808)。それ以外は、上記第7の実施形態における賞球報知制御処理(図61)のステップS3401〜ステップS3411の処理と同一である。
点灯順カウンタは、賞球報知部186〜188に記号を表示する場合に16種類の記号のうちいずれの記号とするのかを主側MPU152にて特定するためのカウンタである。点灯順カウンタは、第1〜第3賞球報知部186〜188に1対1で対応させて設けられている。また、点灯色カウンタは、賞球報知部186〜188を点灯状態とする場合にいずれの発光色とするのかを主側MPU152にて特定するためのカウンタである。点灯色カウンタは第1〜第3賞球報知部186〜188に1対1で対応させて設けられている。
図69は、本実施形態における点灯設定処理を示すフローチャートである。
まずステップS3901では、主側RWM154の3個賞球報知カウンタの値が1以上となっているか否かを判定する。1以上となっている場合には、3個賞球報知の実行が待機されていることを意味するため、ステップS3902に進む。ステップS3902では、第1賞球報知部186に対応した主側RWM154の消灯継続カウンタの値が1以上となっているか否かを確認することで、第1賞球報知部186が消灯継続状態であるか否かを判定する。
ステップS3902にて否定判定をした場合には、ステップS3903にて、第1賞球報知部186に対応した主側RWM154の点灯継続カウンタの値が1以上となっているか否かを確認することで、第1賞球報知部186が点灯継続状態であるか否かを判定する。点灯継続状態ではない場合には、主側RWM154の点灯色カウンタのうち第1賞球報知部186に対応する第1点灯色カウンタに「1」をセットする。第1点灯色カウンタは、取り得る値が「0」〜「3」となっている。「0」は対応する発光色が存在しておらず、「1」は赤色の発光色に対応しており、「2」は青色の発光色に対応しており、「3」は緑色の発光色に対応している。ステップS3904にて第1点灯色カウンタに「1」がセットされることにより、第1賞球報知部186の発光色が1段階目の色である赤色に設定される。
ステップS3903にて肯定判定をした場合、又はステップS3904の処理を実行した場合には、ステップS3905にて、主側RWM154の点灯順カウンタのうち第1賞球報知部186に対応する第1点灯順カウンタの値を1加算する。第1点灯順カウンタは、取り得る値が「0」〜「15」となっている。「0」〜「9」はそれぞれ数字の「0」〜「9」の表示に対応しており、「10」〜「15」はそれぞれアルファベットの「A」〜「F」の表示に対応している。
続くステップS3906では、第1点灯順カウンタの値が最大値である「15」を超えているか否かを判定する。最大値を超えている場合には、ステップS3907にて、第1点灯順カウンタに「1」をセットするとともに、第1点灯色カウンタの値を1加算する。続くステップS3908では、その1加算後の第1点灯色カウンタの値が最大値である「3」を超えているか否かを判定する。最大値を超えている場合には、ステップS3909にて、第1点灯色カウンタに「1」をセットする。
ステップS3906にて否定判定をした場合、ステップS3908にて否定判定をした場合、又はステップS3909の処理を実行した場合には、ステップS3910にて、第1点灯順カウンタ及び第1点灯色カウンタの各値に対応した表示が実行されるように第1賞球報知部186を表示制御する。
続くステップS3911では、主側RWM154における第1賞球報知部186に対応した点灯継続カウンタに点灯継続情報をセットする。なお、本実施形態においては点灯継続情報に対応した点灯継続時間は2secに設定されているが、これに限定されることはなく任意である。その後、ステップS3912にて、主側RWM154の3個賞球報知カウンタの値を1減算する。
ステップS3901にて否定判定をした場合、ステップS3902にて肯定判定をした場合、又はステップS3912の処理を実行した場合には、ステップS3913にて10個賞球用の点灯設定処理を実行する。当該10個賞球用の点灯設定処理では、第2賞球報知部187に関して、上記ステップS3901〜ステップS3912と同様の処理を実行する。
具体的には、まず主側RWM154の10個賞球報知カウンタの値が1以上となっているか否かを判定する。1以上となっている場合には、第2賞球報知部187に対応した主側RWM154の消灯継続カウンタの値が1以上となっているか否かを確認することで、第2賞球報知部187が消灯継続状態であるか否かを判定する。消灯継続状態ではない場合には第2賞球報知部187に対応した主側RWM154の点灯継続カウンタの値が1以上となっているか否かを確認することで、第2賞球報知部187が点灯継続状態であるか否かを判定する。点灯継続状態ではない場合には、主側RWM154の点灯色カウンタのうち第2賞球報知部187に対応する第2点灯色カウンタに「1」をセットする。第2点灯色カウンタは、取り得る値が「0」〜「3」となっている。「0」は対応する発光色が存在しておらず、「1」は赤色の発光色に対応しており、「2」は青色の発光色に対応しており、「3」は緑色の発光色に対応している。第2点灯色カウンタに「1」がセットされることにより、第2賞球報知部187の発光色が1段階目の色である赤色に設定される。
点灯継続状態である場合又は第2点灯色カウンタに「1」をセットした場合には、主側RWM154の点灯順カウンタのうち第2賞球報知部187に対応する第2点灯順カウンタの値を1加算する。第2点灯順カウンタは、取り得る値が「0」〜「15」となっている。「0」〜「9」はそれぞれ数字の「0」〜「9」の表示に対応しており、「10」〜「15」はそれぞれアルファベットの「A」〜「F」の表示に対応している。その後、第2点灯順カウンタの値が最大値である「15」を超えているか否かを判定する。最大値を超えている場合には、第2点灯順カウンタに「1」をセットするとともに、第2点灯色カウンタの値を1加算する。その後、その1加算後の第2点灯色カウンタの値が最大値である「3」を超えているか否かを判定する。最大値を超えている場合には、第2点灯色カウンタに「1」をセットする。
その後、第2点灯順カウンタ及び第2点灯色カウンタの各値に対応した表示が実行されるように第2賞球報知部187を表示制御する。また、主側RWM154における第2賞球報知部187に対応した点灯継続カウンタに点灯継続情報をセットする。なお、本実施形態においては点灯継続情報に対応した点灯継続時間は2secに設定されているが、これに限定されることはなく任意である。その後、主側RWM154の10個賞球報知カウンタの値を1減算する。
ステップS3913にて10個賞球用の点灯設定処理を実行した後は、ステップS3914にて15個賞球用の点灯設定処理を実行した後に、本点灯設定処理を終了する。当該15個賞球用の点灯設定処理では、第3賞球報知部188に関して、上記ステップS3901〜ステップS3912と同様の処理を実行する。
具体的には、まず主側RWM154の15個賞球報知カウンタの値が1以上となっているか否かを判定する。1以上となっている場合には、第3賞球報知部188に対応した主側RWM154の消灯継続カウンタの値が1以上となっているか否かを確認することで、第3賞球報知部188が消灯継続状態であるか否かを判定する。消灯継続状態ではない場合には、第3賞球報知部188に対応した主側RWM154の点灯継続カウンタの値が1以上となっているか否かを確認することで、第3賞球報知部188が点灯継続状態であるか否かを判定する。点灯継続状態ではない場合には、主側RWM154の点灯色カウンタのうち第3賞球報知部188に対応する第3点灯色カウンタに「1」をセットする。第3点灯色カウンタは、取り得る値が「0」〜「3」となっている。「0」は対応する発光色が存在しておらず、「1」は赤色の発光色に対応しており、「2」は青色の発光色に対応しており、「3」は緑色の発光色に対応している。第3点灯色カウンタに「1」がセットされることにより、第3賞球報知部188の発光色が1段階目の色である赤色に設定される。
点灯継続状態である場合又は第3点灯色カウンタに「1」をセットした場合には、主側RWM154の点灯順カウンタのうち第3賞球報知部188に対応する第3点灯順カウンタの値を1加算する。第3点灯順カウンタは、取り得る値が「0」〜「15」となっている。「0」〜「9」はそれぞれ数字の「0」〜「9」の表示に対応しており、「10」〜「15」はそれぞれアルファベットの「A」〜「F」の表示に対応している。その後、第3点灯順カウンタの値が最大値である「15」を超えているか否かを判定する。最大値を超えている場合には、第3点灯順カウンタに「1」をセットするとともに、第3点灯色カウンタの値を1加算する。その後、その1加算後の第3点灯色カウンタの値が最大値である「3」を超えているか否かを判定する。最大値を超えている場合には、第3点灯色カウンタに「1」をセットする。
その後、第3点灯順カウンタ及び第3点灯色カウンタの各値に対応した表示が実行されるように第3賞球報知部188を表示制御する。また、主側RWM154における第3賞球報知部188に対応した点灯継続カウンタに点灯継続情報をセットする。なお、本実施形態においては点灯継続情報に対応した点灯継続時間は2secに設定されているが、これに限定されることはなく任意である。その後、主側RWM154の15個賞球報知カウンタの値を1減算する。
次に、図70のタイムチャートを参照しながら、第1賞球報知部186の表示制御の様子について説明する。なお、第2賞球報知部187及び第3賞球報知部188の表示制御の様子についても同様である。
図70(a)は3個賞球コマンドの出力状況を示し、図70(b)は第1点灯順カウンタの状態を示し、図70(c)は第1賞球報知部186において赤色表示がなされている期間を示し、図70(d)は第1賞球報知部186において青色表示がなされている期間を示し、図70(e)は第1賞球報知部186において緑色表示がなされている期間を示す。なお、以下の説明では、説明の便宜上、第1賞球報知部186において表示可能な記号の種類を3種類とする。
第1賞球報知部186が点灯継続状態及び消灯継続状態のいずれでもない状況であるt1のタイミングで、図70(a)に示すように3個賞球コマンドが出力されることにより、図70(b)に示すように第1点灯順カウンタの値が「1」となる。したがって、第1賞球報知部186では「1」が表示される。また、図70(c)に示すようにその「1」の表示は赤色にて行われる。
その後、点灯継続時間が経過していない状況であるt2のタイミング、及びt3のタイミングで、図70(a)に示すように3個賞球コマンドが出力されることにより、図70(c)に示すように発光色が変更されない状況下において図70(b)に示すように第1点灯順カウンタの値が1ずつ加算される。これにより、第1賞球報知部186では赤色の発光色が継続されながら表示記号が「1」→「2」→「3」の順で変更される。
その後、点灯継続時間が経過していない状況であるt4のタイミングで、図70(a)に示すように3個賞球コマンドが出力されることにより、図70(b)に示すように第1点灯順カウンタの値が「1」となる。したがって、第1賞球報知部186の記号の表示は「1」に戻る。また、図70(c)及び図70(d)に示すように第1賞球報知部186の発光色が赤色から青色に変更される。この場合、第1賞球報知部186の記号の内容と発光色の種類との組み合わせから、3個賞球の連続発生回数を遊技者や遊技ホールの管理者等が把握することが可能である。
その後、t5のタイミング、t6のタイミング、t7のタイミング、t8のタイミング及びt9のタイミングのそれぞれで図70(a)に示すように3個賞球コマンドが出力されることにより、第1点灯順カウンタの更新が行われ、第1点灯順カウンタの値が最大値を超える場合には当該第1点灯順カウンタに「1」がセットされるとともに発光色が赤色→青色→緑色の順で変更される。
その後、点灯継続時間が経過していない状況であるt10のタイミングで、図70(a)に示すように3個賞球コマンドが出力されることにより、図70(b)に示すように第1点灯順カウンタの値が「1」となる。したがって、第1賞球報知部186の記号の表示は「1」に戻る。また、図70(c)及び図70(e)に示すように第1賞球報知部186の発光色が緑色から赤色に戻る。つまり、最後の順番の発光色において第1点灯順カウンタの値が最大値を超える場合には、最初の順番の発光色に戻ることとなる。その後、t11のタイミングで、図70(a)に示すように3個賞球コマンドが出力されることにより、図70(c)に示すように発光色が赤色に維持された状態で、図70(b)に示すように第1点灯順カウンタの値が1加算される。
以上詳述した本実施形態によれば、第1〜第3賞球報知部186〜188として7セグ表示器が用いられており、表示される記号と発光色との組み合わせにより賞球の連続個数が報知されることにより、報知可能な連続個数の種類を多くすることが可能となる。
<第10の実施形態>
上記第7の実施形態では、賞球の発生を報知するための報知部が賞球個数の種類に1対1で対応させて設けられている構成としたが、本実施形態ではこれに代えて、いずれの賞球個数であっても賞球発生の報知が同一の報知部にて行われる。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第7の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
共通報知部として、セグメント発光部を7個有する7セグ表示器が設けられている。当該共通報知部は主側MPU152により表示制御が直接行われる。上作動口43又は下作動口44に遊技球が入球して3個賞球が発生する場合には共通報知部にて「3」が点灯継続時間(例えば0.3sec)に亘って表示され、一般入賞口41に遊技球が入球して10個賞球が発生する場合には共通報知部にて「A」が点灯継続時間(例えば0.3sec)に亘って表示され、可変入賞装置42に遊技球が入球して15個賞球が発生する場合には共通報知部にて「F」が点灯継続時間(例えば0,3sec)に亘って表示される。
また、1回の賞球発生に対する点灯が行われた場合には、上記第7の実施形態と同様に、消灯継続時間が経過するまでは新たな点灯の開始が阻止される構成とすることにより、1回の賞球の発生に対して点灯を1回発生させることが可能となる。但し、これに限定されることはなく、異なる種類の賞球が同時期に発生し、異なる種類の賞球報知を連続して行う場合には、一の賞球報知と次の賞球報知との間で消灯継続時間を生じさせない構成としてもよい。例えば、3個賞球が連続して発生する場合には、1回目の「3」の表示と2回目の「3」の表示との間では消灯継続時間が発生する一方、3個賞球と10個賞球とが連続して発生した場合には、「3」の表示から「10」の表示へ連続的に変化する構成としてもよい。
上記構成によれば、賞球個数の内容及び賞球個数の種類数の少なくとも一方が相違する機種間や型式間においては、共通報知部の表示制御用のプログラム及びデータを変更するだけでよく、共通報知部は機種間や型式間において共通して使用することが可能となる。特に、賞球個数の種類数が機種間や型式間で相違する場合であっても、それに応じて賞球報知部の数を増減させる必要がなくなり、部品の共通化という点において有利である。
本実施形態の構成についてより詳細に説明する。図71は共通報知部271を説明するための説明図である。
共通報知部271は、既に説明したとおりセグメント発光部271aを7個有する7セグ表示器である。各セグメント発光部271aとしては青色などの単色発光タイプのLEDが用いられているが、これに限定されることはなく複数色発光タイプのLEDを用いてもよい。共通報知部271では、7個のセグメント発光部271aの発光状態となる組合せを異ならせることにより、3個賞球表示に対応した「3」の記号と、10個賞球表示に対応した「A」の記号と、15個賞球表示に対応した「F」の記号とを表示することが可能となっている。共通報知部271の表示制御は主側MPU152により直接行われる。
図72は、本実施形態における賞球報知制御処理を示すフローチャートである。
当該賞球報知制御処理では、まずステップS4001にて、共通報知部271が点灯している状態であるか否かを判定する。点灯している状態である場合には、ステップS4002にて、主側RWM154に設けられた点灯継続カウンタの値を1減算する。点灯継続カウンタは、共通報知部271を点灯継続状態とした場合にその点灯継続状態を終了させるタイミングを主側MPU152にて特定するためのカウンタである。点灯継続カウンタには、後述するように、共通報知部271を点灯継続状態とする場合に点灯継続情報がセットされる。当該点灯継続情報は、0.3secに亘って点灯継続状態が維持される情報として設定されているが、具体的な点灯継続時間は任意である。
続くステップS4003では、1減算後の点灯継続カウンタの値が「0」となっているか否かを判定する。「0」となっている場合には、ステップS4004にて共通報知部271を消灯させる。そして、ステップS4005にて、主側RWM154に設けられた消灯継続カウンタに消灯継続情報をセットする。消灯継続カウンタは、共通報知部271を消灯させた場合にその消灯継続状態を終了させるタイミングを主側MPU152にて特定するためのカウンタである。つまり、共通報知部271は、点灯継続状態が終了して消灯された場合、その消灯した状態が消灯継続時間に亘って強制的に維持される。消灯継続情報は、点灯継続情報と同一の0.3secに亘って消灯継続状態が維持される情報として設定されているが、具体的な消灯継続時間は任意であり、点灯継続時間よりも短くてもよく長くてもよい。
一方、ステップS4001にて否定判定をした場合には、ステップS4006にて共通報知部271が消灯継続状態となっているか否かを判定する。つまり、消灯継続カウンタの値が1以上となっているか否かを判定する。消灯継続状態となっている場合には、ステップS4007にて消灯継続カウンタンの値を1減算する。なお、消灯継続カウンタの値が「0」となった場合には他の処理が実行されることなく、消灯継続状態は解除される。
ステップS4003にて否定判定をした場合、ステップS4005の処理を実行した場合、ステップS4006にて否定判定をした場合、又はステップS4007の処理を実行した場合には、ステップS4008にて点灯設定処理を実行した後に本賞球報知制御処理を終了する。
図73は点灯設定処理を示すフローチャートである。
点灯設定処理では、ステップS4101にて主側RWM154の15個賞球報知カウンタの値が1以上となっているか否かを判定し、ステップS4102にて主側RWM154の10個賞球報知カウンタの値が1以上となっているか否かを判定し、ステップS4103にて主側RWM154の3個賞球報知カウンタの値が1以上となっているか否かを判定する。ステップS4101〜ステップS4103の全てにおいて否定判定をした場合にはそのまま本点灯設定処理を終了し、ステップS4101〜ステップS4103のいずれかにて肯定判定をした場合にはステップS4104に進む。
ステップS4104では、主側RWM154の点灯継続カウンタ及び消灯継続カウンタのうちいずれか一方が1以上となっているか否かを確認することで、共通報知部271が点灯継続状態又は消灯継続状態であるか否かを判定する。ステップS4104にて肯定判定をした場合にはそのまま本点灯設定処理を終了し、ステップS4104にて否定判定をした場合にはステップS4105に進む。
ステップS4105では、ステップS4101〜ステップS4103のうち今回肯定判定をした処理に対応した賞球報知カウンタを特定し、その賞球報知カウンタに対応した発光データを主側ROM153から読み出し主側RWM154に書き込む。例えばステップS4101にて肯定判定をした場合には15個賞球報知カウンタに対応した発光データ(具体的には「F」を表示するためのデータ)を読み出し、ステップS4102にて肯定判定をした場合には10個賞球報知カウンタに対応した発光データ(具体的には「A」を表示するためのデータ)を読み出し、ステップS4103にて肯定判定をした場合には3個賞球報知カウンタに対応した発光データ(具体的には「3」を表示するためのデータ)を読み出す。続くステップS4106では、ステップS4105にて読み出した発光データに対応した信号出力を共通報知部271に対して行うことで、3個賞球表示、10個賞球表示及び15個賞球表示のいずれかを共通報知部271にて開始させる。
その後、ステップS4107にて、主側RWM154の点灯継続カウンタに点灯継続情報をセットする。そして、ステップS4108にて、主側RWM154の各賞球報知カウンタのうち今回開始対象となった賞球表示に対応した賞球報知カウンタの値を1減算した後に、本点灯設定処理を終了する。
次に、図74のタイムチャートを参照しながら、共通報知部271の表示制御の様子について説明する。
図74(a)は3個賞球コマンドの出力状況を示し、図74(b)は10個賞球コマンドの出力状況を示し、図74(c)は15個賞球コマンドの出力状況を示し、図74(d)は3個賞球表示の実行期間を示し、図74(e)は10個賞球表示の実行期間を示し、図74(f)は15個賞球表示の実行期間を示す。
t1のタイミングで、図74(a)に示すように10個賞球コマンドが出力されることにより、図74(e)に示すように共通報知部271にて10個賞球表示が開始される。当該10個賞球表示の実行期間中であるt2のタイミングで図74(a)に示すように3個賞球コマンドが出力されるとともにt3のタイミングで図74(c)に示すように15個賞球コマンドが出力される。また、10個賞球表示が終了した後の消灯継続状態中であるt4のタイミングで図74(c)に示すように15個賞球コマンドが出力される。
その後、t5のタイミングで消灯継続状態が終了する。この場合、t1のタイミング〜t5のタイミングまでに3個賞球コマンドの出力が1回行われているとともに、15個賞球コマンドの出力が2回行われている。このような状況において点灯設定処理(図73)では、ステップS4101〜ステップS4103の各判定処理においてまず15個賞球報知カウンタの値が1以上であるか否かを判定し、15個賞球報知カウンタの値が「0」である場合に10個賞球報知カウンタの値が1以上であるか否かを判定し、10個賞球報知カウンタの値が「0」である場合に3個賞球報知カウンタの値が1以上であるか否かを判定する。つまり、3個賞球表示、10個賞球表示及び15個賞球表示のうち、表示対象として選択される優先度は15個賞球表示が最も高く、次に10個賞球表示が高く、3個賞球表示が最も低い。これにより、賞球個数が多い側の報知を優先して行うことが可能となる。
上記構成であることにより、t5のタイミングでは図74(f)に示すように15個賞球表示が開始される。当該15個賞球表示の実行期間中であるt6のタイミングで図74(b)に示すように10個賞球コマンドが出力されるとともに、当該15個賞球表示が終了した後の消灯継続状態中であるt7のタイミングで図74(c)に示すように15個賞球コマンドが出力される。
その後、t8のタイミングで消灯継続状態が終了する。この場合、既に説明した優先度に従って賞球表示が行われるため、t8のタイミング及びt9のタイミングのそれぞれでは図74(f)に示すように15個賞球表示が開始さる。また、その後のt10のタイミングで図74(e)に示すように10個賞球表示が開始され、その後のt11のタイミングで図74(d)に示すように3個賞球表示が開始される。
上記構成によれば、既に説明したとおり、賞球個数の内容及び賞球個数の種類数の少なくとも一方が相違する機種間や型式間においては、共通報知部271の表示制御用のプログラム及びデータを変更するだけでよく、共通報知部271は機種間や型式間において共通して使用することが可能となる。特に、賞球個数の種類数が機種間や型式間で相違する場合であっても、それに応じて賞球報知部の数を増減させる必要がなくなり、部品の共通化という点において有利である。
また、共通報知部271では各賞球表示に対応した態様で発光制御が行われる。これにより、一の共通報知部271において賞球表示を行うようにした構成において、いずれの種類の賞球が発生したのかを明示することが可能となる。
また、一の賞球表示が開始されてから次の賞球表示が開始されるまでの最短期間中であっても新たな賞球コマンドの出力が行われ得る構成において、当該新たな賞球コマンドの出力に対応した賞球表示の実行は無効化されることなく待機され、実行中の賞球表示が終了して消灯継続時間が経過した後にその待機中の賞球表示が開始される。これにより、賞球が発生したことの報知を、それぞれの賞球に対して個別に実行することが可能となる。
<別形態>
次に、共通報知部271を利用した賞球表示の実行制御に関する別形態を説明する。
図75は当該別形態における点灯設定処理を示すフローチャートである。
点灯設定処理では、ステップS4201にて主側RWM154の15個賞球報知カウンタの値が1以上となっているか否かを判定し、ステップS4202にて主側RWM154の10個賞球報知カウンタの値が1以上となっているか否かを判定し、ステップS4203にて主側RWM154の3個賞球報知カウンタの値が1以上となっているか否かを判定する。ステップS4201〜ステップS4203の全てにおいて否定判定をした場合にはそのまま本点灯設定処理を終了し、ステップS4201〜ステップS4203のいずれかにて肯定判定をした場合にはステップS4204に進む。
ステップS4204では、主側RWM154の点灯継続カウンタが1以上となっているか否かを確認することで、共通報知部271が点灯継続状態であるか否かを判定する。点灯継続状態である場合にはそのまま本点灯設定処理を終了し、点灯継続状態ではない場合にはステップS4205に進む。
ステップS4205では、主側RWM154の消灯継続カウンタが1以上となっているか否かを確認することで、共通報知部271が消灯継続状態であるか否かを判定する。消灯継続状態ではない場合には、ステップS4206〜ステップS4209に示す点灯実行用の処理を実行した後に本点灯設定処理を終了する。これらステップS4206〜ステップS4209の処理内容は、上記点灯設定処理(図73)におけるステップS4105〜ステップS4108の処理内容と同一である。
一方、消灯継続状態である場合(ステップS4205:YES)にはステップS4210に進み、今回の賞球表示対象が前回と異なるか否かを判定する。本別形態において主側MPU152は共通報知部271を点灯状態とする場合にその点灯状態の実行契機となった賞球報知カウンタの種類のデータを主側RWM154に書き込む。ステップS4210では、その主側RWM154に書き込まれたデータに基づいて前回の賞球表示の種類を特定する。また、今回の点灯設定処理においてステップS4201〜ステップS4203のいずれにて肯定判定をしたかを特定することで新たに実行すべき賞球表示の種類を特定する。そして、前回の賞球表示の種類と、新たに実行すべき賞球表示の種類とが一致するか否かをステップS4210にて判定する。前回の賞球表示の種類と新たに実行すべき賞球表示の種類とが一致する場合にはそのまま本点灯設定処理を終了し、前回の賞球表示の種類と新たに実行すべき賞球表示の種類とが一致しない場合にはステップS4206〜ステップS4209の処理を実行した後に本点灯設定処理を終了する。
次に、図76のタイムチャートを参照しながら、本別形態における共通報知部271の表示制御の様子について説明する。
図76(a)は3個賞球コマンドの出力状況を示し、図76(b)は10個賞球コマンドの出力状況を示し、図76(c)は15個賞球コマンドの出力状況を示し、図76(d)は3個賞球表示の実行期間を示し、図76(e)は10個賞球表示の実行期間を示し、図76(f)は15個賞球表示の実行期間を示す。
t1のタイミングで、図76(a)に示すように10個賞球コマンドが出力されることにより、図76(e)に示すように共通報知部271にて10個賞球表示が開始される。当該10個賞球表示の実行期間中であるt2のタイミングで図76(a)に示すように3個賞球コマンドが出力されるとともに、t3のタイミングで図76(c)に示すように15個賞球コマンドが出力される。
その後、t4のタイミングで図76(e)に示すように10個賞球表示が終了する。この場合、15個賞球表示の実行が待機されているため、次の実行対象は15個賞球表示となるが、直前に実行された賞球表示は10個賞球表示であり賞球表示の種類が異なる。したがって、図76(f)に示すように、消灯継続時間が発生することなく、10個賞球表示が終了したタイミングであるt4のタイミングで15個賞球表示が開始される。当該15個賞球表示の実行期間中であるt5のタイミングで図76(c)に示すように15個賞球コマンドが出力される。
その後、t4のタイミングで開始された15個賞球表示が終了する。この場合、15個賞球表示の実行が待機されているため、次の実行対象は15個賞球表示となるが、直前に実行された賞球表示は15個賞球表示であり賞球表示の種類が同一である。したがって、図76(f)に示すように、消灯継続時間が経過した後のタイミングであるt7のタイミングで、15個賞球表示が新たに開始される。なお、消灯継続時間中であるt6のタイミングで図76(b)に示すように10個賞球コマンドが出力されている。また、t7のタイミングで新たに開始された15個賞球表示の実行期間中であるt8のタイミングで、図76(c)に示すように15個賞球コマンドが出力される。
その後、t7のタイミングで開始された15個賞球表示が終了するが、次の実行対象も15個賞球表示であるため、図76(f)に示すように、消灯継続時間が経過した後のタイミングであるt9のタイミングで、15個賞球表示が新たに開始される。
その後、t10のタイミングで図76(f)に示すように15個賞球表示が終了する。この場合、10個賞球表示の実行が待機されているため、次の実行対象は10個賞球表示となるが、直前に実行された賞球表示は15個賞球表示であり賞球表示の種類が異なる。したがって、図76(e)に示すように、消灯継続時間が発生することなく、15個賞球表示が終了したタイミングであるt10のタイミングで10個賞球表示が開始される。
その後、t11のタイミングで図76(e)に示すように10個賞球表示が終了する。この場合、3個賞球表示の実行が待機されているため、次の実行対象は3個賞球表示となるが、直前に実行された賞球表示は10個賞球表示であり賞球表示の種類が異なる。したがって、図76(d)に示すように、消灯継続時間が発生することなく、10個賞球表示が終了したタイミングであるt11のタイミングで3個賞球表示が開始される。
上記構成によれば、一の賞球表示とその次の賞球表示との種類が異なる場合、一の賞球表示が終了した場合には消灯継続時間を発生させることなく次の賞球表示が開始される。これにより、賞球表示が繰り返し発生する場合におけるその実行期間を短くすることが可能となる。また、このように消灯継続時間を発生させないとしても、各賞球表示の種類に応じて共通報知部271では異なる内容の表示が行われるため、遊技ホールの管理者や遊技者等に各賞球の発生を個別に認識させることが可能となる。
本実施形態の他の別形態について以下に説明する。
・共通報知部271が7セグメント表示器として設けられている構成に代えて、単一の発光部として設けられている構成としてもよい。この場合、当該単一の発光部を複数色発光タイプの発光体を利用して設け、当該単一の発光部の発光色を異ならせることにより報知すべき賞球表示の種類を異ならせる構成としてもよい。例えば、3個賞球表示を行う場合には赤色を表示し、10個賞球表示を行う場合には青色を表示し、15個賞球表示を行う場合には緑色を表示する構成が考えられる。当該構成において、表示色の種類と賞球表示の種類との対応関係を示す対応関係明示部を共通報知部271に隣接させて配置することで、遊技者や遊技ホールの管理者が共通報知部271の内容を理解し易くなる。
・共通報知部271が単一の発光部として設けられている構成において、当該単一の発光部を単色発光タイプの発光体を利用して設け、当該単一の発光部の発光パターンを異ならせることにより報知すべき賞球表示の種類を異ならせる構成としてもよい。例えば、3個賞球表示を行う場合と、10個賞球表示を行う場合と、15個賞球表示を行う場合とで、当該単一の発光部を発光状態で継続させる期間を相違させる構成や、当該単一の発光部を点滅させる周期を相違させる構成が考えられる。
・共通報知部271では賞球表示の種類に応じて異なる表示態様による報知が行われる構成としたが、これに代えて、3個賞球、10個賞球及び15個賞球のいずれであっても、同一の表示態様による報知が行われる構成としてもよい。この場合、いずれの種類の賞球が発生するのかを特定することはできないが、賞球が発生すること自体は特定することが可能となる。
<第11の実施形態>
本実施形態では、共通報知部の構成が上記第10の実施形態と異なっている。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第7の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
共通報知部として、セグメント発光部を7個有する7セグ表示器が2個設けられている。2個の共通報知部は、所定の範囲に集約させて設けられており、詳細には左右に並設されている。左側に設けられた第1共通報知部、及び右側に設けられた第2共通報知部のいずれも、主側MPU152により表示制御が直接行われる。
第1共通報知部では、賞球報知を実行する場合にいずれの賞球個数が発生したのかを示す表示が行われる。具体的には、上作動口43又は下作動口44に遊技球が入球して3個賞球が発生する場合には第1共通報知部にて「3」が計測継続時間(例えば5sec)に亘って表示され、一般入賞口41に遊技球が入球して10個賞球が発生する場合には第1共通報知部にて「A」が計測継続時間(例えば5sec)に亘って表示され、可変入賞装置42に遊技球が入球して15個賞球が発生する場合には第1共通報知部にて「F」が計測継続時間(例えば5sec)に亘って表示される。
第2共通報知部では、第1共通報知部にて表示されている賞球が、計測継続時間が経過するまでに何回発生したのかを示す表示が行われる。具体的には、第1共通報知部に「3」が表示されるとともに第2共通報知部に「1」が表示されている状況で、上作動口43又は下作動口44に遊技球が入球した場合には、第1共通報知部に「3」が表示された状態が維持されながら第2共通報知部の表示は「1」から「2」に変更される。
また、異なる種類の賞球が同時期に発生した場合には、所定の順序に従って賞球報知の対象が切換表示される。具体的には15個賞球→10個賞球→3個賞球となるように順序が設定されており、最後の順番となった場合には最初の順番に戻る。また、当該順序が設定されている構成であっても、賞球が発生しない場合には表示が省略される。つまり、3個賞球及び15個賞球が発生している一方、10個賞球が発生していない場合には、15個賞球→3個賞球→15個賞球→3個賞球→・・・といったように10個賞球の報知は省略される。なお、賞球報知の対象を異なる賞球個数の表示に切り換えるまでの切換契機時間は計測継続時間よりも短い時間であれば任意であり例えば1secに設定されている。
上記構成によれば、異なる賞球個数間で同一の報知部にて賞球発生の報知を行うようにした構成において、いずれの種類の賞球が発生しているのかを示す表示と、その種類の賞球の連続発生回数を示す表示とが同時に表示されるため、賞球の発生回数の把握を容易に行うことが可能となる。
本実施形態の構成についてより詳細に説明する。図77は共通報知部272,273を説明するための説明図である。
本実施形態では、既に説明したとおり、2個の共通報知部272,273を備えている。これら共通報知部272,273は共にセグメント発光部272a,273aを7個有する7セグメント表示器であり、左右に並設されている。左側に設けられた第1共通報知部272及び右側に設けられた第2共通報知部273はいずれも主側MPU152により表示制御が直接行われる。
第1共通報知部272では、賞球報知を実行する場合にいずれの賞球個数が発生したのかを示す表示が行われる。具体的には、第1共通報知部272では、7個のセグメント発光部272aの発光状態となる組合せを異ならせることにより、3個賞球表示に対応した「3」の記号と、10個賞球表示に対応した「A」の記号と、15個賞球表示に対応した「F」の記号とを表示することが可能となっている。
第2共通報知部273では、第1共通報知部272にて表示されている賞球が、計測継続時間が経過するまでに何回発生したのかを示す表示が行われる。具体的には、第2共通報知部273では、7個のセグメント発光部273aの発光状態となる組合せを異ならせることにより、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、「8」、「9」、「A」、「b」、「C」、「d」、「E」、「F」の15個の記号を表示することが可能となっている。計測継続期間内において所定種類の賞球の発生回数が増加するほど、「1」→「2」→・・・・「d」→「E」→「F」の順序で表示内容が切り換わる。したがって、計測継続期間内において所定種類の賞球の発生回数を、15回を上限として報知することが可能となる。なお、15回を超えた場合には最初の表示(「1」の表示)に復帰する。
第1共通報知部272及び第2共通報知部273が一列に並設されている構成において、これら第1共通報知部272及び第2共通報知部273の配置領域に並設させて対応関係明示部274が設けられている。対応関係明示部274は、第1共通報知部272及び第2共通報知部273のそれぞれが報知している対象を明示するための部位である。
具体的には、第1共通報知部272は賞球報知の実行対象となる賞球の種類を報知するための報知部であるため、対応関係明示部274において第1共通報知部272に最も近い領域、すなわち第1共通報知部272に対して所定の間隔を置いて並設された領域には、種類明示部として「種類」という表示が印字されている。第2共通報知部273は第1共通報知部272にて表示されている賞球が計測継続時間が経過するまでに何回発生したのかを示すための報知部であるため、対応関係明示部274において第2共通報知部273に最も近い領域、すなわち第2共通報知部273に対して所定の間隔を置いて並設された領域には、回数明示部として「回数」という表示が印字されている。
上記のように対応関係明示部274が設けられていることにより、第1共通報知部272及び第2共通報知部273のそれぞれに対して、報知内容の表示が付されることとなる。これにより、第1共通報知部272及び第2共通報知部273を通じた報知内容を、遊技者や遊技ホールの管理者が容易に理解することが可能となる。なお、対応関係明示部274をパチンコ機10に設けるための構成は上記第1の実施形態における対応関係明示部59と同様である。
図78は、本実施形態における賞球コマンドの出力設定処理を示すフローチャートである。
本実施形態における賞球コマンドの出力設定処理では、3個賞球コマンドの出力を行うことで3個賞球報知カウンタの値を1加算した場合に、ステップS4305にて、主側RWM154に設けられた3個賞球用の継続計測カウンタに継続計測情報をセットする。3個賞球用の継続計測カウンタは、3個賞球表示についての計測継続時間を計測するためのカウンタであり、継続計測情報は計測継続時間が2secとなるように設定されている。また、ステップS4305では、3個賞球用の継続計測カウンタにセットされている現状の値に関係なく当該カウンタに継続計測情報をセットする。したがって、3個賞球コマンドの出力が行われる度に3個賞球表示用の計測継続時間が再セットされることとなる。
本実施形態における賞球コマンドの出力設定処理では、10個賞球コマンドの出力を行うことで10個賞球報知カウンタの値を1加算した場合に、ステップS4310にて、主側RWM154に設けられた10個賞球用の継続計測カウンタに継続計測情報をセットする。10個賞球用の継続計測カウンタは、10個賞球表示についての計測継続時間を計測するためのカウンタであり、継続計測情報は計測継続時間が2secとなるように設定されている。また、ステップS4310では、10個賞球用の継続計測カウンタにセットされている現状の値に関係なく当該カウンタに継続計測情報をセットする。したがって、10個賞球コマンドの出力が行われる度に10個賞球表示用の計測継続時間が再セットされることとなる。
本実施形態における賞球コマンドの出力設定処理では、15個賞球コマンドの出力を行うことで15個賞球報知カウンタの値を1加算した場合に、ステップS4315にて、主側RWM154に設けられた15個賞球用の継続計測カウンタに継続計測情報をセットする。15個賞球用の継続計測カウンタは、15個賞球表示についての計測継続時間を計測するためのカウンタであり、継続計測情報は計測継続時間が2secとなるように設定されている。また、ステップS4315では、15個賞球用の継続計測カウンタにセットされている現状の値に関係なく当該カウンタに継続計測情報をセットする。したがって、15個賞球コマンドの出力が行われる度に15個賞球表示用の計測継続時間が再セットされることとなる。
なお、ステップS4301〜ステップS4304、ステップS4306〜ステップS4309、ステップS4311〜ステップS4314の処理内容は、上記第7の実施形態における賞球コマンドの出力設定処理(図60)のステップS3301〜ステップS3304、ステップS3305〜ステップS3308、ステップS3309〜ステップS3312の処理内容と同一である。
図79は、本実施形態における賞球報知制御処理を示すフローチャートである。
まずステップS4401では、主側RWM154に設けられた3個賞球用の継続計測カウンタ、10個賞球用の継続計測カウンタ及び15個賞球用の継続計測カウンタのうち、1以上の値となっているカウンタの値をそれぞれ1減算する。続くステップS4402では、ステップS4401にて減算対象となったカウンタのうち値が「0」となった継続計測カウンタが存在しているか否かを判定し、該当する継続計測カウンタが存在している場合にはステップS4403にてその継続計測カウンタに対応した賞球報知カウンタの値を「0」クリアする。
ステップS4402にて否定判定をした場合又はステップS4403の処理を実行した場合には、ステップS4404にて、第1共通報知部272及び第2共通報知部273にていずれかの賞球報知が行われているか否かを判定する。いずれの賞球報知も行っていないのであればステップS4405にて、主側RWM154のいずれかの賞球報知カウンタの値が1以上であるか否かを判定する。全ての賞球報知カウンタの値が「0」である場合にはそのまま本賞球報知制御処理を終了し、いずれかの賞球報知カウンタの値が1以上である場合にはステップS4406に進む。
ステップS4406では、点灯対象カウンタの設定処理を実行する。当該設定処理では、ステップS4405にて1以上となっている賞球報知カウンタに対応した賞球表示が開始されるようにするために、主側RWM154に設けられた点灯対象カウンタの設定を行う。点灯対象カウンタは、賞球表示の実行対象を主側MPU152にて特定するためのカウンタであり、「1」が15個賞球表示に対応しており、「2」が10個賞球表示に対応しており、「3」が3個賞球表示に対応している。
設定処理の内容について具体的には、3個賞球報知カウンタの値が1以上となっている場合には3個賞球表示が開始されるようにし、10個賞球報知カウンタの値が1以上となっている場合には10個賞球表示が開始されるようにし、15個賞球報知カウンタの値が1以上となっている場合には15個賞球表示が開始されるようにする。この場合に、複数の賞球報知カウンタが同時に1以上となっている場合には、所定の優先度に従って賞球表示が開始される。具体的には、上記所定の優先度は15個賞球表示が最も高く設定されており、10個賞球表示が次に高く設定されており、3個賞球表示が最も低く設定されている。したがって、ステップS4406では、15個賞球報知カウンタの値が1以上であれば点灯対象カウンタの値を15個賞球表示に対応した「1」に設定し、15個賞球報知カウンタの値が「0」であって10個賞球報知カウンタの値が1以上であれば点灯対象カウンタの値を10個賞球表示に対応した「2」に設定し、15個賞球報知カウンタ及び10個賞球報知カウンタの値が共に「0」であって3個賞球報知カウンタの値が1以上であれば点灯対象カウンタの値を3個賞球表示に対応した「3」に設定する。
その後、ステップS4407にて、主側RWM154の点灯対象カウンタにセットされている現状の値に対応した種類表示データを主側ROM153から読み出して主側RWM154に書き込む。具体的には、点灯対象カウンタの値が「1」の場合には15個賞球表示に対応した「F」を第1共通報知部272にて表示させるためのデータを読み出し、点灯対象カウンタの値が「2」の場合には10個賞球表示に対応した「A」を第1共通報知部272にて表示させるためのデータを読み出し、点灯対象カウンタの値が「3」の場合には3個賞球表示に対応した「3」を第1共通報知部272にて表示させるためのデータを読み出す。
続くステップS4408では、主側RWM154の点灯対象カウンタの値に対応した賞球報知カウンタの種類を特定し、さらにその特定した賞球報知カウンタにセットされている現状の値に対応した回数表示データを主側ROM153から読み出して主側RWM154に書き込む。例えば、当該賞球報知カウンタの値が「1」の場合には「1」を第2共通報知部273にて表示させるためのデータを読み出し、当該賞球報知カウンタの値が「14」の場合には「E」を第2共通報知部273にて表示させるためのデータを読み出し、当該賞球報知カウンタの値が「18」の場合には「3」を第2共通報知部273にて表示させるためのデータを読み出す。
その後、ステップS4409にて更新処理を実行する。更新処理では、ステップS4407にて読み出した種類表示データに対応した信号出力を第1共通報知部272に対して行うことで、3個賞球表示、10個賞球表示及び15個賞球表示のいずれかを第1共通報知部272にて開始させる。また、更新処理では、ステップS4408にて読み出した回数表示データに対応した信号出力を第2共通報知部273に対して行うことで、現状実行されている賞球表示に対応した回数表示を第2共通報知部273にて行わせる。
その後、ステップS4410にて、主側RWM154に設けられた切換契機カウンタに切換契機情報をセットした後に本賞球報知制御処理を終了する。切換契機カウンタは、複数の賞球報知カウンタの値が1以上となっている場合において所定の優先度に従って賞球表示の内容を切り換える場合に、その切り換えタイミングを主側MPU152にて特定するためのカウンタである。切換契機情報により定められる切換契機時間は、計測継続時間よりも短い時間として設定されており、具体的には1secに設定されている。
いずれかの賞球表示が開始された場合には、ステップS4404にて肯定判定をすることでステップS4411に進む。ステップS4411では、主側RWM154の切換契機カウンタの値を1減算する。そして、ステップS4412にて、その1減算後の切換契機カウンタの値が「0」となっているか否かを判定する。
切換契機カウンタの値が「0」となっていない場合にはステップS4413にて回数表示データを読み出す。かかる処理内容は、ステップS4408の処理内容と同一である。その後、ステップS4414にて回数表示の更新処理を実行した後に本賞球報知制御処理を終了する。回数表示の更新処理では、ステップS4413にて読み出した回数表示データに対応した信号出力を第2共通報知部273に対して行うことで、現状実行されている賞球表示に対応した回数表示を第2共通報知部273にて行わせる。
主側RWM154の切換契機カウンタの値が「0」である場合には、ステップS4415に進む。ステップS4415では、賞球表示を実行する対象を所定の優先度に従った次の順番の賞球表示とするために主側RWM154の点灯対象カウンタの値を1加算する。続くステップS4416では1加算後の点灯対象カウンタの値が「4」となったか否かを判定し、「4」となった場合には当該点灯対象カウンタの値を「1」に変更する。
ステップS4416にて否定判定をした場合又はステップS4417の処理を実行した場合には、ステップS4418にて、点灯対象カウンタに現状セットされている値に対応した賞球報知カウンタの値が1以上となっているか否かを判定する。1以上となっている場合には、ステップS4407〜ステップS4410の処理を実行することで、点灯対象カウンタに現状セットされている値に対応した賞球表示を開始する。
一方、対応する賞球報知カウンタの値が「0」である場合にはステップS4419に進む。ステップS4419では、主側RWM154に設けられた検索実行カウンタの値を1加算する。検索実行カウンタは、賞球表示を切り換える場合において切換候補となる賞球表示の検索回数を主側MPU152にて特定するためのカウンタである。当該検索実行カウンタの値は、ステップS4412にて肯定判定をした場合に「0」クリアされる。
ステップS4419にて検索実行カウンタの値を1加算した後は、ステップS4420にて検索実行カウンタの値が検索上限回数に対応した「3」となっているか否かを判定する。「3」となっていない場合にはステップS4415に戻り、ステップS4415以降の処理を再度実行する。「3」となっている場合には、賞球表示を行う対象が存在していないことを意味するため、ステップS4421にて消灯処理を実行した後に本賞球報知制御処理を終了する。消灯処理では、第1共通報知部272及び第2共通報知部273への駆動信号の出力を停止することで、実行中の賞球表示を終了させる。
次に、図80のタイムチャートを参照しながら計測継続時間がセットされる様子について説明する。なお、3個賞球表示を例に挙げて説明するが、10個賞球表示及び15個賞球表示の場合も同様である。図80(a)は3個賞球コマンドの出力状況を示し、図80(b)は3個賞球報知カウンタの状態を示し、図80(c)は3個賞球用の継続計測カウンタの状態を示す。
t1のタイミングで図80(a)に示すように3個賞球コマンドが出力されることにより、図80(b)に示すように3個賞球報知カウンタの値が1加算されるとともに、図80(c)に示すように継続計測カウンタに継続計測情報がセットされ、計測継続時間の計測が開始される。
その後、t2のタイミング及びt3のタイミングのそれぞれで図80(a)に示すように3個賞球コマンドが再度出力されることにより、図80(b)に示すようにそれぞれのタイミングで3個賞球報知カウンタの値が1加算され、図80(c)に示すようにそれぞれのタイミングで3個賞球用の継続計測カウンタに継続計測情報が再セットされる。
その後、t4のタイミングで図80(c)に示すように計測継続時間が経過することで、図80(b)に示すように3個賞球報知カウンタの値が「0」クリアされる。これにより、3個賞球表示が終了される。
次に、図81のタイムチャートを参照しながら賞球表示が実行される様子について説明する。図81(a)は15個賞球表示の実行期間を示し、図81(b)は10個賞球表示の実行期間を示し、図81(c)は3個賞球表示の実行期間を示す。
t1のタイミングで図81(a)に示すように15個賞球表示が開始され、t2のタイミングで切換契機時間が経過することで当該15個賞球表示が終了される。この場合、3個賞球報知カウンタ、10個賞球報知カウンタ及び15個賞球報知カウンタのそれぞれが1以上となっているが、賞球表示は所定の優先度に従って切り換えられるため、t2のタイミングでは図81(b)に示すように10個賞球表示が開始される。
その後、t3のタイミング、t4のタイミング、t5のタイミング、t6のタイミング及びt7のタイミングのそれぞれで切換契機時間が経過することで、図81(a)〜図81(c)に示すように、賞球表示の実行対象が3個賞球表示→15個賞球表示→10個賞球表示→3個賞球表示→15個賞球表示の順序で変更される。
その後、t8のタイミングで図81(a)に示すように15個賞球表示を実行している状況において切換契機時間が経過する。この場合、3個賞球報知カウンタ及び15個賞球報知カウンタの値は依然として1以上となっているが、10個賞球表示に関しては計測継続時間が経過していることで10個賞球報知カウンタの値は「0」となっている。したがって、t8のタイミングでは図81(c)に示すように3個賞球表示が開始され、t9のタイミングでは図81(a)に示すように15個賞球表示が開始され、t10のタイミングでは図81(c)に示すように3個賞球表示が開始される。
その後、t11のタイミングで図81(c)に示すように3個賞球表示を実行している状況において切換契機時間が経過する。この場合、3個賞球報知カウンタのみが1以上となっているため、賞球表示の実行対象は切り換えられることなく3個賞球表示が継続される。
その後、t12のタイミングで図81(c)に示すように切換契機時間が経過するとともに、3個賞球表示についての計測継続時間が経過するため、3個賞球表示が終了されるとともに全ての賞球個数表示が終了される。
上記構成によれば、既に説明したとおり、異なる賞球個数間で同一の共通報知部272,273にて賞球発生の報知を行うようにした構成において、いずれの種類の賞球が発生しているのかを示す表示と、その種類の賞球の連続発生回数を示す表示とが同時に表示されるため、賞球の発生回数の把握を容易に行うことが可能となる。
本実施形態の別形態について以下に説明する。
・第2共通報知部273のセグメント発光部273aを複数色発光タイプの発光体を利用して設け、その発光色を異ならせることにより、計測継続期間内における所定種類の賞球の発生回数の上限回数を16回以上とする構成としてもよい。
・第1共通報知部272が2個並設されており、賞球表示の種類が10進数で表示される構成としてもよい。
<第12の実施形態>
本実施形態では、賞球の発生回数が報知される構成に代えて賞球個数が報知される。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第7の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
賞球個数報知部として、セグメント発光部を7個有する7セグ表示器が2個設けられている。2個の賞球個数報知部は、所定の範囲に集約させて設けられており、詳細には左右に並設されている。右側に設けられた第1賞球個数報知部、及び左側に設けられた第2賞球個数報知部のいずれも、主側MPU152により表示制御が直接行われる。
第1賞球個数報知部は所定期間における賞球個数についての1の位の数を表示し、第2賞球個数報知部は当該賞球個数についての10の位の数を表示する。例えば3個賞球が発生した場合には「0」「3」と表示され、所定期間内にさらに10個賞球が発生した場合には「1」「3」が表示され、所定期間内にさらに15個賞球が発生した場合には「2」「8」が表示される。この場合、所定期間内における賞球の発生頻度によっては、賞球個数の合計が99個を超える場合が想定される。99個を超えて3ケタ以上となった場合であっても、第1賞球個数報知部ではその3ケタの数字についての1の位の数が表示され、第2賞球個数報知部ではその3ケタの数字についての10の位の数が表示される。
所定期間は任意であるが具体的には5secに設定されている。但し、このように時間で区切る構成は必須ではなく、開始事象が発生してから終了事象が発生するまでの賞球個数の合計が表示される構成としてもよい。例えば、パチンコ機10の電源が投入されて主側MPU152への動作電力の供給が開始されてから、パチンコ機10の電源が遮断されて主側MPU152への動作電力の供給が停止されるまでの賞球個数の合計が表示される構成としてもよい。また、一の開閉実行モードが終了してから次の開閉実行モードが開始されるまでの賞球個数の合計が表示される構成としてもよい。
上記構成であっても、賞球個数報知部を確認することで賞球が発生したか否かを確認することが可能となる。また、賞球個数の内容及び賞球個数の種類数の少なくとも一方が相違する機種間や型式間においては、賞球個数報知部の表示制御用のプログラム及びデータを変更するだけでよく、賞球個数報知部は機種間や型式間において共通して使用することが可能となる。
本実施形態の構成についてより詳細に説明する。図82は賞球個数報知部275,276を説明するための説明図である。
本実施形態では、既に説明したとおり、2個の賞球個数報知部275,276を備えている。これら賞球個数報知部275,276は共にセグメント発光部275a,276aを7個有する7セグメント表示器であり、左右に並設されている。右側に設けられた第1賞球個数報知部275及び左側に設けられた第2賞球個数報知部276はいずれも主側MPU152により表示制御が直接行われる。
第1賞球個数報知部275及び第2賞球個数報知部276を利用して所定期間における賞球個数の合計数が報知される。具体的には、第1賞球個数報知部275及び第2賞球個数報知部276のそれぞれでは、7個のセグメント発光部275a,276aの発光状態となる組合せを異ならせることにより、「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、「8」、「9」の記号を表示することが可能となっている。そして、第1賞球個数報知部275では所定期間における賞球個数の合計数のうち1の位の数が表示され、第2賞球個数報知部276では所定期間における賞球個数の合計数のうち10の位の数が表示される。また、賞球個数報知部275,276は2個のみ設けられているため、表示可能な賞球個数の上限数は「99」となる。したがって、所定期間における賞球個数の合計数が「99」を超えて3ケタ以上となった場合であっても、第1賞球個数報知部275ではその3ケタの数字についての1の位の数が表示され、第2賞球個数報知部276ではその3ケタの数字についての10の位の数が表示される。
第1賞球個数報知部275及び第2賞球個数報知部276が一列に並設されている構成において、これら第1賞球個数報知部275及び第2賞球個数報知部276の配置領域に並設させて対応関係明示部277が設けられている。対応関係明示部277は、第1賞球個数報知部275及び第2賞球個数報知部276のそれぞれが報知している対象を明示するための部位である。
具体的には、第1賞球個数報知部275は所定期間における賞球個数の合計数のうち1の位を表示するための報知部であるため、対応関係明示部277において第1賞球個数報知部275に最も近い領域、すなわち第1賞球個数報知部275に対して所定の間隔を置いて並設された領域には、第1位明示部として「1の位」という表示が印字されている。第2賞球個数報知部276は所定期間における賞球個数の合計数のうち10の位を表示するための報知部であるため、対応関係明示部277において第2賞球個数報知部276に最も近い領域、すなわち第2賞球個数報知部276に対して所定の間隔を置いて並設された領域には、第2位明示部として「10の位」という表示が印字されている。
上記のように対応関係明示部277が設けられていることにより、第1賞球個数報知部275及び第2賞球個数報知部276のそれぞれに対して、報知内容の表示が付されることとなる。これにより、第1賞球個数報知部275及び第2賞球個数報知部276を通じた報知内容を、遊技者や遊技ホールの管理者が容易に理解することが可能となる。なお、対応関係明示部277をパチンコ機10に設けるための構成は上記第1の実施形態における対応関係明示部59と同様である。
図83は、本実施形態における賞球コマンドの出力設定処理を示すフローチャートである。
本実施形態における賞球コマンドの出力設定処理では、3個賞球コマンドの出力を行うことで3個賞球報知カウンタの値を1加算した場合に、ステップS4505にて、主側RWM154に設けられた継続計測カウンタに継続計測情報をセットする。継続計測カウンタは、賞球個数の合計数表示についての計測継続時間を計測するためのカウンタであり、継続計測情報は計測継続時間が5secとなるように設定されている。また、ステップS4505では、継続計測カウンタにセットされている現状の値に関係なく当該カウンタに継続計測情報をセットする。したがって、3個賞球コマンドの出力が行われる度に計測継続時間が再セットされることとなる。
本実施形態における賞球コマンドの出力設定処理では、10個賞球コマンドの出力を行うことで10個賞球報知カウンタの値を1加算した場合に、ステップS4510にて主側RWM154の上記継続計測カウンタに継続計測情報をセットする。また、ステップS4510では、3個賞球コマンドの出力が行われた場合と同様に、継続計測カウンタにセットされている現状の値に関係なく当該カウンタに継続計測情報をセットする。したがって、10個賞球コマンドの出力が行われる度に計測継続時間が再セットされることとなる。
本実施形態における賞球コマンドの出力設定処理では、15個賞球コマンドの出力を行うことで15個賞球報知カウンタの値を1加算した場合に、ステップS4515にて、主側RWM154の上記継続計測カウンタに継続計測情報をセットする。また、ステップS4515では、3個賞球コマンドの出力が行われた場合や10個賞球コマンドの出力が行われた場合と同様に、継続計測カウンタにセットされている現状の値に関係なく当該カウンタに継続計測情報をセットする。したがって、15個賞球コマンドの出力が行われる度に計測継続時間が再セットされることとなる。
なお、ステップS4501〜ステップS4504、ステップS4506〜ステップS4509、ステップS4511〜ステップS4514の処理内容は、上記第1の実施形態における賞球コマンドの出力設定処理(図60)のステップS3301〜ステップS3304、ステップS3305〜ステップS3308、ステップS3309〜ステップS3312の処理内容と同一である。
図84は、本実施形態における賞球報知制御処理を示すフローチャートである。
まずステップS4601では主側RWM154の継続計測カウンタの値を1減算する。続くステップS4602ではその1減算後の継続計測カウンタの値が「0」となっているか否かを判定する。「0」となっている場合には計測継続時間が経過したことを意味するため、ステップS4603にて、主側RWM154の3個賞球報知カウンタ、10個賞球報知カウンタ及び15個賞球報知カウンタのそれぞれを「0」クリアする。
ステップS4602にて否定判定をした場合又はステップS4603の処理を実行した場合には、ステップS4604にて、主側RWM154の3個賞球報知カウンタ、10個賞球報知カウンタ及び15個賞球報知カウンタのいずれかの値が1以上となっているか否かを判定する。全ての賞球報知カウンタの値が「0」となっている場合にはそのまま本賞球報知制御処理を終了し、いずれかの賞球報知カウンタの値が1以上となっている場合にはステップS4605に進む。
ステップS4605では合計数の演算処理を実行する。合計数の演算処理では、計測継続時間中における賞球個数の合計数を演算する。具体的には、「3個賞球報知カウンタの値」×3+「10個賞球報知カウンタの値」×10+「15個賞球報知カウンタの値」×15により導出される値を計測継続時間中における賞球個数の合計数とする。
続くステップS4606では上記ステップS4605にて導出した合計数のうち1の位の値を把握し、ステップS4607にてその把握した値に対応した表示データを主側ROM153から読み出して主側RWM154に書き込む。また、ステップS4608では上記ステップS4605にて導出した合計数のうち10の位の値を把握し、ステップS4609にてその把握した値に対応した表示データを主側ROM153から読み出して主側RWM154に書き込む。その後、ステップS4610にて更新処理を実行した後に、本賞球報知制御処理を終了する。更新処理では、ステップS4607にて読み出した表示データに対応した信号出力を第1賞球個数報知部275に対して行うことで、賞球個数の合計数のうち1の位の数の表示を第1賞球個数報知部275にて開始させる。また、更新処理では、ステップS4609にて読み出した表示データに対応した信号出力を第2賞球個数報知部276に対して行うことで、賞球個数の合計数のうち10の位の数の表示を第2賞球個数報知部276にて開始させる。
上記構成によれば、既に説明したとおり、賞球個数報知部275,276を確認することで賞球が発生したか否かを確認することが可能となる。また、賞球個数の内容及び賞球個数の種類数の少なくとも一方が相違する機種間や型式間においては、賞球個数報知部275,276の表示制御用のプログラム及びデータを変更するだけでよく、賞球個数報知部275,276は機種間や型式間において共通して使用することが可能となる。
本実施形態の別形態について以下に説明する。
・賞球個数報知部275,276として賞球個数の合計数における1の位の数と10の位の数とを表示する報知部をそれぞれ備える構成としたが、これに代えて、1の位の数を表示する報知部のみを備え、10の位の数を表示する報知部を備えない構成としてもよい。この場合、賞球個数の合計数が10以上となった場合には、その1の位の数のみが報知されることとなる。なお、当該構成においては10個賞球表示が発生した場合における報知部の表示内容は「0」となるため、当該「0」の表示を10個賞球表示であることを特定可能とすべく、賞球個数の合計数が0個の場合には報知部が消灯していて、10個賞球が発生した場合に「0」が表示される構成とすることが好ましい。
・賞球個数の合計数として想定される一部の位の数のみが報知される構成に代えて、賞球個数の合計数として想定される全ての位の数に対応させて報知部が設けられている構成としてもよい。また、各位に1対1で対応させて報知部を設ける構成に代えて、一の液晶表示装置といったように表示画面を有する表示装置を設け、当該表示画面において賞球個数の合計数が表示される構成としてもよい。
・賞球個数報知部275,276では各種類の賞球の合計数が表示される構成としたが、これに代えて賞球の種類のそれぞれに対応させて賞球個数報知部を設け、各賞球個数報知部では対応する賞球の種類について賞球個数の合計数が表示される構成としてもよい。
・各種類の賞球の合計数が表示される賞球個数報知部275,276を設ける構成に代えて、各種類の賞球の合計発生回数が表示される合計回数報知部を設ける構成としてもよい。
<第13の実施形態>
上記第7の実施形態では、賞球コマンドを出力した場合にそれに対応した賞球報知を行う構成であることにより、賞球の発生に対する賞球報知と残数表示部148の更新とが同時又は賞球報知の方が後になり得る構成としたが、本実施形態ではこれに代えて、賞球報知が行われた後に当該賞球報知に対応した賞球分の数が残数表示部148に加算される。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本実施形態では、賞球の発生に対応した入球部に遊技球が入球した場合、賞球コマンドが出力される前に対応する賞球報知部にて賞球報知が行われる。そして、賞球報知が終了した後に、その賞球報知の対象となった賞球についての賞球コマンドが主側MPU152から払出側MPU162に送信され、その賞球コマンドに対応した数が残数表示部148の表示数に対して加算される。
上記構成によれば、賞球報知部にて賞球が発生したことを確認した後に、残数表示部148の数値が増加することを確認することが可能となり、入賞の検知及び入賞判定処理が正常に行われているか否かの確認と、入賞に対する賞球の実行が正常に行われているか否かの確認とを段階的に行うことが可能となる。
本実施形態の構成についてより詳細に説明する。なお、賞球表示は上記第1の実施形態と同様に第1賞球報知部56、第2賞球報知部57及び第3賞球報知部58のそれぞれで実行される。
図85は、本実施形態における入賞判定処理を示すフローチャートである。
本実施形態における入賞判定処理では、上作動口43又は下作動口44への入賞が発生した場合に、主側RWM154の3個賞球カウンタの値が1加算されるのではなく、ステップS4711にて、主側RWM154に設けられた3個賞球フラグに「1」がセットされる。この場合に、1回の入賞判定処理にて上作動口43への入賞と下作動口44への入賞との両方の発生を特定する場合があり得るため、主側RWM154には3個賞球フラグは2個以上設けられている。また、第1賞球報知部56における点灯継続時間及び消灯継続時間は共に0.3secであるのに対して、遊技球の発射周期は0.6secとなっているため、これら各時間との関係で3個賞球表示の実行漏れが生じないように3個賞球フラグの数は設定されている。
本実施形態における入賞判定処理では、可変入賞装置42への入賞が発生した場合に、主側RWM154の15個賞球カウンタの値が1加算されるのではなく、ステップS4714にて、主側RWM154に設けられた15個賞球フラグに「1」がセットされる。この場合に、第3賞球報知部58における点灯継続時間及び消灯継続時間は共に0.3secであるのに対して、遊技球の発射周期は0.6secとなっているため、これら各時間との関係で15個賞球表示の実行漏れが生じないように15個賞球フラグは複数設けられている。
本実施形態における入賞判定処理では、一般入賞口41への入賞が発生した場合に、主側RWM154の10個賞球カウンタの値が1加算されるのではなく、ステップS4717にて、主側RWM154に設けられた10個賞球フラグに「1」がセットされる。この場合に、一般入賞口41は4個設けられているため、1回の入賞判定処理にて複数の一般入賞口41における入賞の発生を特定する場合があり得る。したがって、主側RWM154には10個賞球フラグは4個以上設けられている。なお、第2賞球報知部57における点灯継続時間及び消灯継続時間は共に0.3secであるのに対して、遊技球の発射周期は0.6secとなっているため、これら各時間との関係で10個賞球表示の実行漏れが生じないように10個賞球フラグの数は設定されている。
本実施形態における入賞判定処理では、ステップS4719にて肯定判定をした場合、ステップS4720にて賞球報知制御処理を実行した後に本入賞判定処理を終了する。つまり、本実施形態では賞球報知制御処理が賞球コマンドの出力設定処理(図60)にて実行されるのではなく、入賞判定処理にて実行される。
なお、ステップS4701〜ステップS4710、ステップS4712〜ステップS4713、ステップS4715〜ステップS4716、ステップS4718〜ステップS4719の処理内容は、上記第1の実施形態における入賞判定処理(図17)のステップS601〜ステップS610、ステップS612〜ステップS613、ステップS615〜ステップS616、ステップS618〜ステップS619の処理内容と同一である。
図86は、本実施形態における賞球報知制御処理を示すフローチャートである。
本実施形態における賞球報知制御処理では、主側RWM154の点灯継続カウンタの値が「0」となり当該点灯継続カウンタに対応した賞球報知部56〜58を消灯させる場合に、ステップS4807にて、消灯対象の賞球報知部56〜58に対応した賞球カウンタの値を1加算する。具体的には、第1賞球報知部56を消灯させる場合には3個賞球カウンタの値を1加算し、第2賞球報知部57を消灯させる場合には10個賞球カウンタの値を1加算し、第3賞球報知部58を消灯させる場合には15個賞球カウンタの値を1加算する。そして、賞球カウンタの値が1加算されることにより、賞球コマンドの出力設定処理(図60)にて当該賞球カウンタに対応した賞球コマンドが出力される。このように賞球報知部56〜58の消灯処理を実行した後に賞球コマンドが出力されるようにすることにより、賞球が発生する場合にはそれに対応した賞球報知部56〜58において賞球報知が行われた後に、払出側MPU162にて残存球情報の加算が行われ残数表示部148の値が更新されることとなる。
なお、ステップS4801〜ステップS4806、ステップS4808〜ステップS4812の処理内容は、上記第7の実施形態における賞球報知制御処理(図61)のステップS3401〜ステップS3406、ステップS3407〜ステップS3411の処理内容と同一である。
次に、図87のタイムチャートを参照しながら、賞球報知が行われた後に残数表示部148の値が更新される様子について説明する。なお、上作動口43への入賞が発生し3個賞球が発生する場合を例に挙げて説明するが、10個賞球及び15個賞球が発生する場合も同様である。図87(a)は上作動口43への入賞の発生状況を示し、図87(b)は第1賞球報知部56の状態を示し、図87(c)は3個賞球コマンドの出力状況を示し、図87(d)は残数表示部148に賞球分の値が加算されるタイミングを示す。
t1のタイミングで図87(a)に示すように上作動口43への入賞が発生することにより、図87(b)に示すように第1賞球報知部56が点灯される。その後、この第1賞球報知部56の点灯が継続している期間中であるt2のタイミングで図87(a)に示すように上作動口43への入賞が再度発生する。但し、第1賞球報知部56は点灯継続状態であるため、3個賞球の報知は待機される。
その後、t3のタイミングで点灯継続時間が経過することで図87(b)に示すように第1賞球報知部56が消灯され、さらに図87(c)に示すように3個賞球コマンドが出力される。3個賞球コマンドが出力されることにより、t4のタイミングで図87(d)に示すように残数表示部148の値に対して3個賞球に対応した分である「3」の値が加算される。
その後、t5のタイミングで第1賞球報知部56についての消灯継続時間が経過することで、図87(b)に示すように第1賞球報知部56が点灯される。この賞球報知は、t2のタイミングで発生した入賞に対する賞球に対応している。その後、t6のタイミングで点灯継続時間が経過することで図87(b)に示すように第1賞球報知部56が消灯され、さらに図87(c)に示すように3個賞球コマンドが出力される。3個賞球コマンドが出力されることにより、t7のタイミングで図87(d)に示すように残数表示部148の値に対して3個賞球に対応した分である「3」の値が加算される。
上記構成であることにより、既に説明したとおり、賞球報知部56〜58にて賞球が発生したことを確認した後に、残数表示部148の数値が増加することを確認することが可能となり、入賞の検知及び入賞判定処理が正常に行われているか否かの確認と、入賞に対する賞球の実行が正常に行われているか否かの確認とを段階的に行うことが可能となる。
本実施形態の別形態について以下に説明する。
・賞球報知部56〜58にて賞球が発生したことの報知が終了した後にその報知の実行契機となった賞球コマンドが出力される構成に代えて、賞球報知部56〜58にて賞球が発生したことの報知が開始された後にその報知の実行契機となった賞球コマンドが出力される構成としてもよい。
<第14の実施形態>
本実施形態では、遊技領域のアウト口49aから排出される遊技球を検知するための検知センサを設けて、当該アウト球検知センサを利用して、パチンコ機10にて循環している遊技球の個数を監視する構成となっている。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施形態と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
本実施形態では、上記第1の実施形態と同様に発射球検知センサ84及び戻り球検知センサ124を利用して、遊技領域に供給された遊技球の数を計測する。一方、遊技領域から排出された遊技球の数は、一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43、下作動口44及びスルーゲート45に設けられた各入賞検知センサと、上記アウト球検知センサとを利用して計測する。そして、遊技球が発射されてからその遊技球が遊技領域から排出されて対応するセンサの検知結果に基づき排出が特定されるまでに要する時間として想定される最長時間以上の時間(例えば30sec)が、遊技球の発射が停止された状態となってから経過した場合に、遊技領域に供給された遊技球の数と遊技領域から排出された遊技球の数とが一致しない場合には、それに対する特別処理を実行する。当該特別処理としては、パチンコ機10自身で報知を行うための処理、パチンコ機10の外部に外部出力する処理、及びパチンコ機10において遊技を進行させるための処理の少なくとも一部の実行を阻止する処理が挙げられる。
上記構成によれば、遊技領域に向けて遊技球を発射させるという通常の遊技の流れにおいて、パチンコ機10にて循環している遊技球の個数の監視を行うことが可能となる。よって、構成の簡素化を図ることが可能となる。
また、パチンコ機10にて循環している遊技球の個数が減少したことを把握することが可能であるため、例えば遊技領域において遊技球が詰まって停留している事象が発生した場合には、その事象の発生を特定し、それに対処することが可能となる。
また、入賞検知センサに電波などを出力し、遊技球を誤検知させる不正行為が行われた場合には、監視している遊技球の個数が一致しなくなるため、当該事象の発生を特定し、それに対処することが可能となる。
本実施形態の構成についてより詳細に説明する。図88は、本実施形態における遊技盤33の下側領域を模式的に示す図である。
本実施形態では、遊技盤33の背面側に、アウト口49aを通過した遊技球を1個ずつ検知するためのアウト球検知センサ281が設けられている。なお、アウト球検知センサ281は、アウト口49aを通過した遊技球のみを検知するものであり、一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43及び下作動口44に入球した遊技球は検知しない。
アウト球検知センサ281は、磁気検知タイプの近接センサであり、検知範囲内を遊技球が通過する際の磁界の変化が検知されて電気信号として出力される。なお、アウト球検知センサ281は磁気検知タイプの近接センサに限定されることはなく、遊技球を検知することができるのであれば任意であり、例えば、フォトセンサやリミットセンサなどを用いてもよい。アウト球検知センサ281は払出制御装置64に電気信号を出力する。具体的には、遊技球を検知していない状態ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではHIレベル信号を出力する。なお、当該出力レベルの関係が逆であってもよい。
遊技盤33の背面側には、上記第1の実施形態と同様に、一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43及び下作動口44のそれぞれに1対1で対応させて入賞検知センサ282〜287が設けられている。これら入賞検知センサ282〜287は、磁気検知タイプの近接センサであり、検知範囲内を遊技球が通過する際の磁界の変化が検知されて電気信号として出力される。なお、入賞検知センサ282〜287は磁気検知タイプの近接センサに限定されることはなく、遊技球を検知することができるのであれば任意であり、例えば、フォトセンサやリミットセンサなどを用いてもよい。入賞検知センサ282〜287は主制御装置61及び払出制御装置64の両方に電気信号を出力する。具体的には、遊技球を検知していない状態ではLOWレベル信号を出力し、遊技球を検知している状態ではHIレベル信号を出力する。なお、当該出力レベルの関係が逆であってもよい。主側MPU152は、上記第1の実施形態と同様に、入賞検知センサ282〜287の検知結果を利用して、一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43及び下作動口44に対する入賞の有無を特定し、入賞の発生を特定した場合には賞球を発生させるための処理や各種内部抽選を実行する。また、払出側MPU162は、入賞検知センサ282〜287の検知結果を利用して、後述する個数管理処理を実行する。
図89は、払出側MPU162にて実行される個数管理処理を示すフローチャートである。なお、個数管理処理はタイマ割込み処理(図21)においてステップS804のID登録用処理及びステップS805のID監視処理の代わりに実行される。
まずステップS4901では、発射球検知センサ84にて1個の遊技球の発射が検知されたか否かを判定する。1個の遊技球の発射が検知された場合には、ステップS4902にて、払出側RWM164に設けられた供給カウンタの値を1加算する。供給カウンタは、遊技領域に向けて発射された遊技球の個数と遊技領域から排出された遊技球の個数との差を払出側MPU162にて特定するためのカウンタである。
ステップS4901にて否定判定をした場合又はステップS4902の処理を実行した場合には、ステップS4903にて戻り球検知センサ124にて1個の戻り球が検知されたか否かを判定する。1個の戻り球が検知された場合には、ステップS4904にて、払出側RWM164の供給カウンタの値を1減算する。
ステップS4903にて否定判定をした場合又はステップS4904の処理を実行した場合には、ステップS4905にて、入賞検知センサ282〜287のいずれかにて遊技球の入賞が検知されたか否かを判定する。遊技球の入賞が検知されている場合には、ステップS4906にて、入賞数に対応した値を払出側RWM164の供給カウンタの値から減算する。
ステップS4905にて否定判定をした場合又はステップS4906の処理を実行した場合には、ステップS4907にて、アウト球検知センサ281にて1個の遊技球の排出が検知されたか否かを判定する。1個の遊技球の排出が検知されている場合には、ステップS4908にて、払出側RWM164の供給カウンタの値を1減算する。
ステップS4907にて否定判定をした場合又はステップS4908の処理を実行した場合には、ステップS4909にて、遊技球の発射が停止されたタイミングであるか否かを判定する。具体的には、発射操作装置36のタッチセンサ36cから操作ハンドル36bが触れられていることに対応したON信号を受信している状態から当該ON信号を受信していない状態となった場合、発射制御装置65は払出側MPU162に発射停止信号を出力する。なお、ストップスイッチ36eがOFF状態からON状態となった場合に発射制御装置65から払出側MPU162に発射停止信号が出力される構成としてもよい。
ステップS4909にて肯定判定をした場合にはステップS4910にて、払出側RWM164に設けられた監視待機カウンタに監視待機情報をセットした後に、本個数管理処理を終了する。監視待機カウンタは、遊技球が発射されてからその遊技球が遊技領域から排出されて対応するセンサの検知結果に基づき排出が特定されるまでに要する時間として想定される最長時間以上である監視待機時間を計測するためのカウンタである。監視待機情報は監視待機時間が30secとなるように設定されているが、具体的な時間は任意である。
ステップS4909にて否定判定をした場合には、遊技球の発射停止中であるか否かを判定する。具体的には、発射制御装置65は、発射操作装置36のタッチセンサ36cから操作ハンドル36bが触れられていることに対応したON信号を受信していない場合、それに対応した非操作信号を払出側MPU162に出力する。払出側MPU162は当該非操作信号を受信している場合、発射停止中であると判定する。
なお、発射制御装置65は、発射操作装置36のタッチセンサ36cからON信号を受信している場合、それに対応した操作信号を払出側MPU162に出力し、払出側MPU162は当該操作信号を受信していない場合に発射停止中であると判定する構成としてもよい。また、発射制御装置65はストップスイッチ36eがON状態の場合に払出側MPU162に非操作信号を出力し、払出側MPU162は当該非操作信号を受信している場合に発射停止中であると判定する構成としてもよく、発射制御装置65はストップスイッチ36eがOFF状態の場合に払出側MPU162に操作信号を出力し、払出側MPU162は当該操作信号を受信していない場合に発射停止中であると判定する構成としてもよい。
ステップS4911にて否定判定をした場合にはそのまま本個数管理処理を終了する。ステップS4911にて肯定判定をした場合には、ステップS4912にて払出側RWM164の監視待機カウンタの値が1以上となっているか否かを判定する。監視待機カウンタの値が「0」である場合にはそのまま本個数管理処理を終了し、監視待機カウンタの値が1以上である場合にはステップS4913に進む。
ステップS4913では払出側RWM164の監視待機カウンタの値を1減算する。その後、ステップS4914にて、その1減算後の監視待機カウンタの値が「0」となっているか否かを判定する。「0」となっていない場合にはそのまま本個数管理処理を終了し、「0」となっている場合にはステップS4915にて払出側RWM164の供給カウンタの値が「0」となっているか否かを判定する。供給カウンタの値が「0」である場合にはそのまま本個数管理処理を終了し、供給カウンタの値が「0」ではない場合、すなわち供給カウンタの値が1以上である場合又は供給カウンタの値が負の値である場合には、ステップS4916にてエラーコマンドを主側MPU152に送信した後に、本個数管理処理を終了する。
エラーコマンドは、遊技領域に供給された遊技球の個数と遊技領域から排出された遊技球の個数とが一致しないことを主側MPU152に認識させるために出力されるコマンドであり、主側MPU152は当該エラーコマンドを受信した場合、それに対応したコマンドを音声発光制御装置62に送信する。音声発光制御装置62は当該コマンドを受信することにより、異常報知用発光部53を所定の態様で点灯させるとともに、スピーカ装置37から報知音を出力させる。また、音声発光制御装置62は、上記コマンドを受信した場合、それに対応したコマンドを表示制御装置63に送信する。表示制御装置63は、そのコマンドを受信することにより、図柄表示装置46aにおいて報知用画像を表示させる。
なお、個数エラー状態となった場合における報知態様は、上記のものに限定されることはなく、上記報知態様の全部が行われるのに代えて一部のみが行われる構成としてもよく、遊技ホールに向けて報知用の信号が外部出力される構成としてもよい。
上記エラー状態は、電源を再投入することにより解除される。このエラー状態の解除に際して主側RWM154及び払出側RWM164のクリアは行われない。但し、これに限定されることはなく電源を再投入しなくても所定のボタンを操作することでエラー状態が解除される構成としてもよい。この場合、当該エラー状態は遊技機本体12又は前扉22の開放操作を要する構成とすることが好ましい。また、シリンダ錠23へのキー操作によって上記エラー状態が解除される構成としてもよい。
上記構成によれば、既に説明したとおり、遊技領域に向けて遊技球を発射させるという通常の遊技の流れにおいて、パチンコ機10にて循環している遊技球の個数の監視を行うことが可能となる。よって、構成の簡素化を図ることが可能となる。
また、パチンコ機10にて循環している遊技球の個数が減少したことを把握することが可能であるため、例えば遊技領域において遊技球が詰まって停留している事象が発生した場合には、その事象の発生を特定し、それに対処することが可能となる。
また、入賞検知センサ282〜287に電波などを出力し、遊技球を誤検知させる不正行為が行われた場合には、監視している遊技球の個数が一致しなくなるため、当該事象の発生を特定し、それに対処することが可能となる。
<別形態1>
次に、本実施形態の別形態1について説明する。
図90(a)はアウト球検知センサ281及びその周辺の構成を説明するための縦断面図であり、図90(b)は遊技盤33の下側領域を模式的に示す図である。
アウト球検知センサ281は、図90(a)に示すように、排出通路部291に設けられている。具体的には、アウト球検知センサ281は、遊技球B1が1個ずつ通過することを可能とする貫通孔281aを備えており、当該貫通孔281aが排出通路部291と同軸上となるようにしてアウト球検知センサ281が設置されている。アウト球検知センサ281は、貫通孔281aを遊技球が通過する際の磁界の変化を検知し、その検知結果を電気信号として払出側MPU162に出力する。なお、貫通孔281aの開口面積は、排出通路部291の通路断面よりも狭くなっており、貫通孔281aと排出通路部291の通路壁との間には段差部281bが生じている。
ここで、上記構成においては、排出通路部291の通路幅よりも小さい直径であって、貫通孔281aの直径よりも大きい直径の不正球B4が遊技領域に発射された場合、当該不正球B4がアウト球検知センサ281の段差部281b上に引っ掛かることにより排出通路部291の遊技球B1の通過が阻害される。そうすると、その後に遊技領域に向けて発射された遊技球B1は、排出通路部291において上記不正球B4を先頭として停留することとなる。そして、その状態で遊技球B1の発射が継続されると、図90(b)に示すように、遊技盤33のアウト口49aから遊技領域側に遊技球B1が溢れた状態となってしまう。この場合、一般入賞口41の周囲や、上作動口43の周囲にまで遊技球B1が溢れた状態となると、その後に発射された遊技球B1が一般入賞口41や上作動口43に入賞し易くなってしまい、不正行為者が不正な利益を得ることが可能となってしまう。
これに対して、本実施形態では、払出側MPU162にてアウト球監視処理が実行されることにより、上記不正行為を阻止することが可能となっている。当該アウト球監視処理について、図91のフローチャートを参照しながら説明する。なお、アウト球監視処理は、払出側MPU162におけるタイマ割込み処理(図21)にて実行される。
図91は、アウト球監視処理を示すフローチャートである。
アウト球監視処理では、まずステップS5001にて、アウト球検知センサ281がONとなっているか否かを判定する。ONとなっている場合には、ステップS5002にて、払出側RWM164に設けられたアウト検知カウンタの値を1加算する。アウト検知カウンタは、アウト球検知センサ281から遊技球を検知している旨の信号を受信していることを払出側MPU162にて確認した回数を特定するためのカウンタである。
続くステップS5003では、払出側RWM164に設けられたアウト検知済みフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。アウト検知済みフラグは、アウト球検知センサ281において1個の遊技球を継続して検知している場合に、その検知状態を払出側MPU162において複数個の遊技球の通過と特定しないようにするためのフラグである。
アウト検知済みフラグに「1」がセットされていない場合には、ステップS5004にて、払出側RWM164のアウト検知カウンタの値が2以上となっているか否かを判定する。ステップS5004にて否定判定をした場合にはそのまま本アウト球監視処理を終了する。ステップS5004にて肯定判定をした場合には、ステップS5005にて、払出側RWM164のアウト検知フラグに「1」をセットする。アウト検知フラグは、個数管理処理(図89)においてアウト口49aから遊技球が排出されたことを特定するためのフラグである。その後、ステップS5006にて払出側RWM164のアウト検知済みフラグに「1」をセットした後に、本アウト球監視処理を終了する。
アウト球検知センサ281のON状態が継続している状況で払出側RWM164のアウト検知済みフラグに「1」がセットされることにより、ステップS5003にて肯定判定をしてステップS5007に進む。ステップS5007では、払出側RWM164のアウト検知カウンタの値が停留判定基準値である「300」以上となっているか否かを判定する。アウト球監視処理は、払出側MPU162において4msec周期で起動されるため、ステップS5007では、アウト球検知センサ281がON状態となっている状況が、停留判定基準期間である1.2sec以上に亘って継続したか否かを判定していることとなる。
ちなみに、当該停留判定基準期間は、アウト球検知センサ281の位置にて不正球が引っ掛かった状態となってから、アウト球検知センサ281の検知範囲を先頭として遊技盤33のアウト口49aの位置まで遊技球が充填されるのに要する時間として想定される最小期間よりも短い期間として設定されている。これにより、アウト球検知センサ281の位置にて不正球が引っ掛かったとしても、アウト口49aから遊技領域側に遊技球が溢れ出す前にアウトエラー状態であることを示す報知を開始させることが可能となる。
ステップS5007にて否定判定をした場合にはそのまま本アウト球監視処理を終了する。ステップS5007にて肯定判定をした場合には、ステップS5008にて、払出側RWM164に設けられたアウトエラーフラグに「1」をセットするとともに、ステップS5009にて、エラーコマンドを主側MPU152に出力する。その後、本アウト球監視処理を終了する。
アウトエラーフラグは、アウトエラー状態であることを払出側MPU162にて特定するためのフラグである。払出側MPU162は、アウトエラーフラグによりアウトエラー状態であるか否かを特定可能であるものの、アウトエラー状態であったとしても遊技の進行を停止させない。すなわち、アウトエラー状態であったとしても、当該アウトエラー状態ではない状況と同様の処理を実行する。
エラーコマンドは、アウトエラー状態となったことを主側MPU152に認識させるために出力されるコマンドであり、主側MPU152はエラーコマンドを受信することによりそれに対応したコマンドを音声発光制御装置62に送信する。音声発光制御装置62は当該コマンドを受信することにより、異常報知用発光部53を所定の態様で点灯させるとともに、スピーカ装置37から報知音を出力させる。また、音声発光制御装置62は、上記コマンドを受信した場合、それに対応したコマンドを表示制御装置63に送信する。表示制御装置63は、そのコマンドを受信することにより、図柄表示装置46aにおいて報知用画像を表示させる。なお、アウトエラー状態となった場合における報知態様は、上記のものに限定されることはなく、上記報知態様の全部が行われるのに代えて一部のみが行われる構成としてもよく、遊技ホールに向けて報知用の信号が外部出力される構成としてもよい。
一方、アウト球検知センサ281がOFFとなっている場合には、ステップS5001にて否定判定をすることによりステップS5010に進む。ステップS5010では、払出側RWM164のアウト検知カウンタの値を「0」クリアする。また、ステップS5011では、払出側RWM164のアウト検知済みフラグを「0」クリアする。その後、ステップS5012にて、払出側RWM164のアウトエラーフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。
アウトエラーフラグに「1」がセットされていない場合にはそのまま本アウト球監視処理を終了する。アウトエラーフラグに「1」がセットされている場合には、ステップS5013にてアウトエラーフラグを「0」クリアするとともに、ステップS5014にてエラー解除コマンドを主側MPU152に送信した後に、本アウト球監視処理を終了する。
主側MPU152はエラー解除コマンドを受信することによりそれに対応したコマンドを音声発光制御装置62に送信する。音声発光制御装置62は当該コマンドを受信することにより、異常報知用発光部53及びスピーカ装置37におけるアウトエラー状態の報知を終了させる。また、音声発光制御装置62は、上記コマンドを受信した場合、それに対応したコマンドを表示制御装置63に送信する。表示制御装置63は、そのコマンドを受信することにより、図柄表示装置46aにおけるアウトエラー状態の報知を終了させる。
以上詳述した別形態によれば、アウト球検知センサ281にて遊技球を継続して検知している期間が停留判定基準期間となった場合には、それに対してエラー報知が行われる。これにより、遊技球よりも大きい不正球をアウト球検知センサ281の位置に停留させ遊技領域側に遊技球を溢れさせる不正行為を行おうとしても、その停留が発生していることが遊技ホールの管理者に対して報知されるため、遊技ホールの管理者はそれに対処することが可能となる。
また、上記のような不正行為が発生しているか否かを、アウト球検知センサ281を利用して特定することが可能であるため、構成の簡素化を図りながら上記不正行為に対処することが可能となる。
<別形態2>
本別形態では、アウト球監視処理の処理構成が上記別形態1と相違している。以下、当該相違する構成について説明する。なお、上記別形態1と同一の構成については基本的にその説明を省略する。
アウト球監視処理の説明に先立ち、まず本別形態において対処可能な不正行為の内容について図92を参照しながら説明する。図92は、アウト球検知センサ281及びその周辺の構成を説明するための説明図である。
図92に示すように、排出通路部291は、傾斜部292に対して下流側にて連続するように形成されており、当該排出通路部291にアウト球検知センサ281が設けられている。この場合、排出通路部291内への流入が可能であって排出通路部291の通路幅よりも大きい直径の不正球B5が遊技領域に発射された場合、当該不正球B5が排出通路部291の入口部分において引っ掛かることにより排出通路部291への遊技球B1の流入が阻害される。そうすると、その後に遊技領域に向けて発射された遊技球B1は、排出通路部291において上記不正球B5を先頭として停留することとなる。そして、その状態で遊技球B1の発射が継続されると、上記別形態1にて説明した場合と同様に遊技盤33のアウト口49aから遊技領域側に遊技球B1が溢れた状態となってしまう。また、上記不正球B5は排出通路部291の入口部分において引っ掛かっているため、不正球B5がアウト球検知センサ281により検知されない。
これに対して、本別形態では、払出側MPU162にてアウト球監視処理が実行されることにより、上記不正行為を阻止することが可能となっている。当該アウト球監視処理について、図93のフローチャートを参照しながら説明する。
アウト球監視処理では、まずステップS5101にて、アウト球検知センサ281がONとなっているか否かを判定する。OFFとなっている場合には、ステップS5102にて、アウト球非検知時の処理を実行する。当該アウト球非検知時の処理では、上記別形態1におけるアウト球監視処理(図91)のステップS5010〜ステップS5014と同一の処理を実行する。
続くステップS5103では、払出側RWM164に設けられた非検知カウンタの値を1加算する。非検知カウンタは、アウト球検知センサ281から遊技球を検知していない旨の信号を受信していることを払出側MPU162にて確認した回数を特定するためのカウンタである。
その後、ステップS5104にて主側MPU152から受信しているコマンドに基づき開閉実行モード中であるか否かを判定し、ステップS5105にて一般入賞口41、上作動口43、下作動口44及びスルーゲート45のいずれかへの入賞が発生したか否かを判定し、ステップS5106にて、払出側RWM164の非検知カウンタの値が非検知判定基準値である「1000」以上となっているか否かを判定する。ちなみに、アウト球監視処理は、払出側MPU162において4msec周期で起動されるため、ステップS5106ではアウト球検知センサ281がOFF状態となっている状況が非検知判定基準期間である4sec以上に亘って継続したか否かを判定していることとなる。また、本実施形態では、スルーゲート45の検知センサの検知結果が主側MPU152だけでなく払出側MPU162にも出力される。
開閉実行モードである場合(ステップS5104:YES)、入賞が発生していない場合(ステップS5105:NO)、又は非検知カウンタの値が1000以上となっていない場合(ステップS5106:NO)には、そのまま本アウト球監視処理を終了する。一方、開閉実行モードではなく(ステップS5104:NO)、入賞が発生しており(ステップS5105:YES)、且つ非検知カウンタの値が1000以上である場合(ステップS5106:YES)には、ステップS5107にて、払出側RWM164に設けられた非検知時の排出エラーフラグに「1」をセットするとともに、ステップS5108にて、非検知時の排出エラーコマンドを主側MPU152に出力した後に、本排出監視処理を終了する。
非検知時の排出エラーフラグは、アウト球検知センサ281にて遊技球B1を継続して検知していないことにより非検知時の排出エラー状態となっていることを払出側MPU162にて特定するためのフラグである。払出側MPU162は、非検知時の排出エラーフラグにより非検知時の排出エラー状態であるか否かを特定可能であるものの、非検知時の排出エラー状態であったとしても遊技の進行を停止させない。すなわち、非検知時の排出エラー状態であったとしても、当該非検知時の排出エラー状態ではない状況と同様の処理を実行する。
非検知時の排出エラーコマンドは、非検知時の排出エラー状態となったことを主側MPU152に認識させるために出力されるコマンドであり、主側MPU152は排出エラーコマンドを受信することによりそれに対応したコマンドを音声発光制御装置62に送信する。音声発光制御装置62は当該コマンドを受信することにより、異常報知用発光部53を所定の態様で点灯させるとともに、スピーカ装置37から報知音を出力させる。また、音声発光制御装置62は、上記コマンドを受信した場合、それに対応したコマンドを表示制御装置63に送信する。表示制御装置63は、そのコマンドを受信することにより、図柄表示装置46aにおいて報知用画像を表示させる。なお、非検知時の排出エラー状態となった場合における報知態様は、上記のものに限定されることはなく、上記報知態様の全部が行われるのに代えて一部のみが行われる構成としてもよく、遊技ホールに向けて報知用の信号が外部出力される構成としてもよい。
一方、アウト球検知センサ281がONとなっている場合には、ステップS5101にて肯定判定をすることによりステップS5109に進む。ステップS5109では排出検知時の処理を実行する。当該排出検知時の処理では、上記別形態1におけるアウト球監視処理(図91)のステップS5002〜ステップS5009と同一の処理を実行する。その後、ステップS5110にて、払出側RWM164の非検知カウンタの値を「0」クリアする。
続くステップS5111では、払出側RWM164の非検知時の排出エラーフラグに「1」がセットされているか否かを判定する。非検知時の排出エラーフラグに「1」がセットされていない場合にはそのまま本アウト球監視処理を終了する。非検知時の排出エラーフラグに「1」がセットされている場合には、ステップS5112にて非検知時の排出エラーフラグを「0」クリアするとともに、ステップS5113にて非検知時のエラー解除コマンドを主側MPU152に出力した後に本アウト球監視処理を終了する。
主側MPU152は非検知時のエラー解除コマンドを受信することによりそれに対応したコマンドを音声発光制御装置62に送信する。音声発光制御装置62は、当該コマンドを受信することにより、異常報知用発光部53及びスピーカ装置37における非検知時の排出エラー状態の報知を終了させる。また、音声発光制御装置62は、上記コマンドを受信した場合、それに対応したコマンドを表示制御装置63に送信する。表示制御装置63は、そのコマンドを受信することにより、図柄表示装置46aにおける非検知時の排出エラー状態の報知を終了させる。
以上詳述した本実施形態によれば、上記別形態1にて説明した作用効果に加え、以下の優れた作用効果を奏することが可能である。
アウト球検知センサ281にて遊技球B1を継続して検知していない期間が非検知判定基準期間以上となっている状況で一般入賞口41、上作動口43、下作動口44及びスルーゲート45のいずれかへの入賞が発生した場合には、それに対してエラー報知が行われる。これにより、遊技球B1よりも大きい不正球B5を排出通路部291の入口部分に停留させ遊技領域側に遊技球B1を溢れさせる不正行為を行おうとしても、その停留が発生していることが遊技ホールの管理者に対して報知されるため、遊技ホールの管理者はそれに対処することが可能となる。
また、開閉実行モードでは、アウト口49aの直上方に存在している可変入賞装置42が開放状態となるため、正規に遊技を行っている状況であっても、アウト球検知センサ281にて遊技球B1を継続して検知していない期間が非検知判定基準期間以上となる状況が発生し得る。これに対して、開閉実行モード中においてはアウト球検知センサ281にて遊技球B1を継続して検知していない期間が非検知判定基準期間以上となっている状況で入賞が発生したとしても、非検知時の排出エラー状態の設定は行われないため、正規の遊技が行われているにも関わらず非検知時の排出エラー状態に設定されてしまう可能性が低減される。
本実施形態のその他の別形態について以下に説明する。
・遊技領域に供給された遊技球の個数と遊技領域から排出された遊技球の個数とが一致しない場合には、報知処理が実行されるのに加えて又は代えて、遊技を進行させるための処理の実行が制限される構成としてもよい。例えば、遊技球の発射が停止される構成としてもよく、遊技回や開閉実行モードの進行が停止される構成としてもよい。
・遊技領域に供給された遊技球の個数が遊技領域から排出された遊技球の個数よりも多い場合と少ない場合とでエラー報知の態様が異なっている構成としてもよい。この場合、いずれの事象が発生しているのかを遊技ホールの管理者に認識させることが可能となる。
・遊技領域に供給された遊技球の個数が遊技領域から排出された遊技球の個数よりも多い場合と少ない場合とで、異常処理の実行態様が異なる構成としてもよい。例えば、遊技領域に供給された遊技球の個数が遊技領域から排出された遊技球の個数よりも多い場合には遊技領域において球詰まりが発生している可能性があるため、この場合には報知処理のみを行うようにし、遊技領域から排出された遊技球の個数が遊技領域に供給された遊技球の個数よりも多い場合には入賞検知センサ282〜287にて不正な電波を誤検知している可能性があるため、報知処理に加えて遊技を進行させるための処理の実行が制限される構成としてもよい。
<上記第7〜第14の実施形態についての他の実施形態>
なお、上述した第7〜第14の実施形態の記載内容に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能である。例えば以下のように変更してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記第7〜第14の実施形態の構成に対して、個別に適用してもよく、組み合わせて適用してもよい。
(1)上記第7〜第9の実施形態において賞球個数の種類に応じて賞球報知部56〜58,186〜188が設けられている構成に代えて、賞球の発生に対応した入球部に応じて賞球報知部が設けられている構成としてもよい。例えば、一般入賞口41が4個設けられた構成においては、それら一般入賞口41に1対1で対応させて報知部が設けられている構成としてもよい。この場合、当該報知部を確認することで、各一般入賞口41への入賞が無効化されていないか否かの確認を個別に行うことが可能となる。また、例えば上作動口43と下作動口44とのそれぞれに対応させて報知部が設けられている構成としてもよい。これにより、入球部単位で賞球が発生したか否かを確認することが可能となる。
(2)上記各実施形態における賞球個数は任意であり、例えば上作動口43と下作動口44とで賞球個数が相違する構成としてもよい。この場合、上作動口43の賞球個数よりも下作動口44の賞球個数の方が多い数としてもよく、少ない数としてもよい。例えば、上作動口43の賞球個数が3個であり、下作動口44の賞球個数が1個でもよい。また、賞球個数の種類は3種類に限定されることはなく、1種類であってもよく、2種類であってもよく、4種類であってもよく、5種類以上であってもよい。
(3)同一の入球部への入球であってもその入球が発生した状況に応じて賞球個数が異なる構成としてもよい。この場合、賞球報知部56〜58,186〜188が入球部に対応させて設けられている構成としてもよく、賞球の種類に対応させて設けられている構成としてもよい。
(4)複数種類存在している賞球のうち一部の賞球の組合せについては賞球が発生したことの報知が共通報知部にて行われ、当該組合せに含まれない他の賞球については賞球が発生したことの報知が個別の報知部にて行われる構成としてもよい。例えば、3個賞球表示と10個賞球表示とは共通の報知部にて行われ、15個賞球表示は個別の報知部にて行われるようにする構成が考えられる。この場合、報知部の数を抑えながら、各賞球が発生したことの報知を行うことが可能となる。
(5)発射球検知センサ84が発射レール81上において保持部材83により保持されている遊技球を検知するように設けられている構成に代えて、発射レール81の最下流部を通過する遊技球を検知するように設けられている構成としてもよい。
また、発射球検知センサ84が遊技盤33の誘導レールの出口部分を通過する遊技球を検知するように設けられている構成としてもよい。この場合、発射球検知センサ84により検知された遊技球は遊技領域に供給された遊技球となるため、戻り球検知センサ124を利用した使用可能な遊技球数の調整を行う必要がない。また、上記第14の実施形態においては、遊技領域に供給された遊技球の個数の把握に際して、発射球検知センサ84の検知結果を利用するだけでよく、戻り球検知センサ124の検知結果を利用する必要がない。
(6)遊技盤33にアウト口49aが複数設けられている構成としてもよい。例えば、遊技領域が左右に分かれるように遊技盤33に装飾部材が設けられている構成においては、左側の領域用のアウト口49aと、右側の領域用のアウト口49aとを個別に設ける構成としてもよい。この場合、左側の領域及び右側の領域のいずれか一方の領域に形成されたアウト口49aが、他方の領域に設けられた入球部(例えば、一般入賞口41、上作動口43、下作動口44)よりも遊技領域の上側(すなわち遊技領域の上流側)に設けられている構成としてもよい。
上記のようにアウト口49aが複数設けられた構成であっても、それら複数のアウト口49aに対して共通のアウト球検知センサ281が設けられた構成においては、いずれのアウト口49aに入球した遊技球であっても当該アウト球検知センサ281にて検知することが可能となる。また、上記第13の実施形態の構成を適用することで、いずれのアウト口49aに不正球が入球したとしてもそれを特定することが可能となるとともに、いずれのアウト口49aが不正に塞がれたとしても当該不正行為が行われていることを特定することが可能となる。
また、上記のようにアウト口49aが複数設けられた構成において、各アウト口49aに対して個別にアウト球検知センサ281を設けるようにしてもよい。この場合、各アウト口49aに入球した遊技球を個別に検知することが可能となるとともに、遊技球よりも大きい不正球を利用した不正行為や、アウト口49aを不正に塞ぐ行為が行われた場合に、いずれのアウト口49aが不正対象となっているのかを特定することが可能となる。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.遊技媒体を利用して遊技が行われる遊技機において、
前記遊技媒体(遊技球B1)は、識別情報を出力可能な識別手段(ICタグ181)を有していることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、遊技機にて使用される遊技媒体から識別情報を読み取ることにより、当該遊技媒体が正規のものか容易に判断することが可能となる。よって、遊技媒体の管理を好適に行うことが可能となる。
特徴A2.前記識別手段は、前記識別情報を受信手段(リーダ装置85)に対して送信可能とするアンテナ部材(アンテナ部材183)を有していることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、識別情報の読み取りを容易に行うことが可能となる。
特徴A3.前記識別手段は、前記遊技媒体の周面に存在しないように設けられており、
前記遊技媒体は、前記識別手段の識別情報を当該遊技媒体の外部に送信可能とするように形成されていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、遊技媒体の使用に際して識別手段に直接的な外力が付与されてしまうことを防止しつつ、識別情報の読み取りの容易化を図ることが可能となる。
特徴A4.前記識別手段はその全体が前記遊技媒体に埋設されており、
前記遊技媒体は、当該遊技媒体の表面と前記識別手段との間の領域の少なくとも一部が非金属製の材料により形成されていることを特徴とする特徴A3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、識別情報の外部への送信を可能としながら、識別手段を保護することが可能となる。
特徴A5.前記遊技媒体は、前記非金属製の材料により形成されたベース部分に対して、当該ベース部分よりも単位体積当たりの重量が大きい重量片(重量片184)が分散配置されていることを特徴とする特徴A4に記載の遊技機。
非金属製の材料を利用して遊技媒体が形成された場合、当該遊技媒体が従来の金属製の遊技媒体に比べて極端に軽くなってしまうことが懸念されるが、特徴A5によれば、遊技媒体は重量片を有するため、ある程度の重量とすることが可能となる。また、当該重量片は分散配置されているため、遊技媒体の外部への識別情報の送信を可能としながら、上記のような優れた効果を奏することが可能となる。
特徴A6.前記遊技媒体から前記識別情報を受信する受信手段(リーダ装置85)と、
当該受信手段において受信した前記識別情報を利用して、前記遊技媒体について監視処理を実行する監視処理実行手段(払出側MPU162におけるID監視処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A6によれば、遊技機自身において識別情報を利用した遊技媒体の監視を行うことが可能となる。
特徴A7.前記遊技媒体が所定領域に存在していることを検知する存在検知手段(発射球検知センサ84)を備え、
前記受信手段は、前記存在検知手段により前記所定領域に存在していると検知された前記遊技媒体から前記識別情報を受信するものであり、
前記監視処理実行手段は、前記監視処理として、前記存在検知手段により前記所定領域に前記遊技媒体が存在していると検知された場合に、前記受信手段において前記識別情報を受信したか否かを判定し、当該識別情報を受信しなかった場合に特別処理(ステップS2109)を実行するものであることを特徴とする特徴A6に記載の遊技機。
特徴A7によれば、識別情報を有していない非正規の遊技媒体が遊技機に投入された場合に、それに対処することが可能となる。
特徴A8.前記遊技媒体を貯留する貯留部(球皿部71)と、
当該貯留部に貯留された前記遊技媒体を前記遊技領域に向けて発射する発射手段(遊技球発射機構34)と、
を備え、
前記所定領域は、前記貯留部から前記遊技領域に向けた前記遊技媒体の流れを基準として前記遊技領域よりも上流側に存在していることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、非正規の遊技媒体が存在していることを当該遊技媒体が遊技領域を流下するよりも前のタイミングで把握することが可能となる。よって、当該非正規の遊技媒体を利用した不正行為が行われたとしても、それに対して不正行為者に利益が付与されてしまうことを阻止することが可能となる。
特徴A9.前記遊技媒体を貯留する貯留部(球皿部71)と、
当該貯留部に貯留された前記遊技媒体を遊技領域に向けて発射する発射手段(遊技球発射機構34)と、
前記遊技領域から排出された前記遊技媒体を当該遊技機の外部に排出することなく前記貯留部に供給する循環手段(排出用回収部101)と、
を備えていることを特徴とする特徴A6乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、遊技媒体は使用後も遊技機から排出されることなく当該遊技機にて循環することとなるため、遊技ホールにおいて必要な遊技媒体の総数を抑えることが可能となる。但し、このような構成の場合、非正規の遊技媒体が遊技機に投入されると、その遊技媒体は当該遊技機にて循環することとなるため、当該遊技機にて高頻度で使用されることとなってしまう。これに対して、識別情報を利用して遊技媒体の監視を行うため、識別情報の受信の有無を通じて遊技媒体が正規のものであるか否かを容易に把握することが可能となる。
特徴A10.前記監視処理実行手段は、前記監視処理として、前記受信手段における前記識別情報の受信結果を利用して当該遊技機において循環している前記遊技媒体の数を監視するものであることを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、識別情報を利用して、非正規の遊技媒体が投入されたか否かの監視だけでなく、遊技媒体の数の監視も行うことが可能となる。
特徴A11.前記受信手段は、前記貯留部から前記遊技領域に発射され当該遊技領域から排出されて前記循環手段により前記貯留部に戻されるまでの通過領域に含まれる所定領域に存在する前記遊技媒体から、前記識別情報を受信するものであることを特徴とする特徴A9又はA10に記載の遊技機。
特徴A11によれば、遊技領域に向けて遊技媒体が発射されることとなる通常の遊技中において識別情報を利用した遊技媒体の監視を行うことが可能となる。
特徴A12.前記循環手段を利用して循環される前記遊技媒体は、それぞれ異なる前記識別情報を有していることを特徴とする特徴A9乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A12によれば、遊技媒体毎に異なる識別情報が設定されていることにより、各遊技媒体を個別に監視することが可能となる。特に、上記特徴A10の構成を備え、遊技媒体の数の監視を行う場合には、各遊技媒体が不規則な順序で循環している状況であっても各遊技媒体を個別に認識することが可能であるため、当該数の監視を行うタイミングや、監視を行うための構成の設計の自由度が高まる。例えば、通常の遊技中であれば遊技媒体は遊技領域を流下することとなるため、各遊技媒体は不規則な順序で循環することとなるが、個別の識別情報を利用して監視を行う構成であるため、監視に際してこの不規則性の影響を受けにくい。よって、通常の遊技中であっても遊技媒体の数の監視を行うことが可能となる。
特徴A13.前記循環手段を利用して循環される前記遊技媒体の各識別情報を記憶する識別情報記憶手段(ID情報記憶エリア164d)を備えていることを特徴とする特徴A12に記載の遊技機。
特徴A13によれば、受信手段にて識別情報を受信した場合、当該識別情報が識別情報記憶手段に記憶されているか否かを判定することで、その受信した識別情報が正規のものか否かを把握することが可能となる。これにより、識別情報を送信可能な非正規の遊技媒体が投入された場合にも、それに対処することが可能となる。
特徴A14.前記受信手段にて受信した前記識別情報を前記識別情報記憶手段に記憶させる記憶実行手段(払出側MPU162におけるID取得処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
特徴A14によれば、遊技機に設けられている受信手段にて受信した識別情報が識別情報記憶手段に記憶される構成であるため、識別情報記憶手段に識別情報を記憶させる場合に、遊技機の外部から識別情報の打ち込み操作や、識別情報の出力操作を行う必要が生じない。これにより、識別情報を記憶させる場合の作業性が向上する。
特徴A15.前記記憶実行手段により前記識別情報記憶手段に前記識別情報を記憶させる処理が実行される場合に、前記遊技領域を流下しない経路で前記遊技媒体が移動されるようにする記憶時制御手段(発射制御装置65におけるID登録用の発射制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A14に記載の遊技機。
特徴A15によれば、識別情報を記憶させる場合に遊技媒体が遊技領域を流下する必要がないため、識別情報を記憶させる場合の作業の短時間化が図られる。
特徴A16.前記発射手段から発射された前記遊技媒体を前記遊技領域の上部に誘導する誘導部(内レール部33a、外レール部33b)を備え、
前記発射手段は、
前記貯留部側から提供された前記遊技媒体を前記誘導部に向けてガイドする発射レール(発射レール81)と、
当該発射レール上に保持されている前記遊技媒体に所定部位を衝突させることにより、当該遊技媒体を発射させる発射動作手段(ソレノイド82)と、
を備え、
当該遊技機は、前記誘導部に到達したものの前記遊技領域の上部に到達することなく当該誘導部を逆流した前記遊技媒体を回収し、その遊技媒体を前記貯留部に向けて戻す回収手段(戻り球用回収部121)を備え、
前記記憶時制御手段は、前記回収手段にて前記遊技媒体が回収される発射強度で当該遊技媒体の発射が行われるように前記発射動作手段を制御するものであることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
特徴A16によれば、識別情報を記憶させる場合の作業の短時間化を図る場合において、遊技媒体の循環に関して既存の構成を利用することが可能となる。
特徴A17.前記監視処理実行手段は、前記監視処理として、予め定められた監視期間の範囲内で前記識別情報記憶手段に記憶されている全識別情報を前記受信手段において受信したか否かを判定し、全識別情報を受信していなかった場合に特別処理(ステップS2122)を実行するものであることを特徴とする特徴A13乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A17によれば、識別情報を利用して、遊技領域などといった遊技媒体の通過経路にて当該遊技媒体が詰まっていないか否かの監視を行うことが可能となる。
なお、上記特徴A群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、所定の遊技媒体を利用して遊技が行われる。
例えば、パチンコ機であれば、遊技媒体として遊技球が用いられる。当該遊技球は、遊技者の発射操作に基づき、遊技球発射機構により遊技領域に向けて発射される。そして、遊技領域に設けられた入球部に、その発射された遊技球が入球することにより、有利な特典が遊技者に付与される。
また、例えば、スロットマシンであれば、遊技媒体としてメダルが用いられる。遊技者によりメダルの投入操作が行われた後にスタートレバーが操作されることで、リールの回転が開始され、遊技者によるストップボタンの操作に基づき、リールの回転が停止される。そして、リールが停止された場合において、スロットマシン前方から視認可能な所定の有効位置に、特典の付与に対応した図柄や図柄の組合せが成立している場合に、有利な特典が遊技者に付与される。
また、パチンコ機やスロットマシン以外にも、遊技媒体としてメダルの代わりに遊技球を用いながら、スロットマシンと同様の遊技が行われる遊技機(以下、融合型遊技機ともいう)も知られている。
ここで、上記のような遊技機においては、使用される遊技媒体の管理が適切に行われることが好ましい。
例えば、スロットマシン及び上記融合型遊技機であれば、一般的に遊技ホールにおいて貸し出された遊技媒体を用いて遊技が行われることとなるが、当該遊技ホールにおいて貸し出されていない遊技媒体を用いて遊技を行う不正行為が想定される。
また、例えば、パチンコ機であれば、遊技ホールにおいて用いられている遊技球よりも小さい遊技球を用いて遊技を行う不正行為が想定される。この場合、当該非正規の遊技球は、正規の遊技球よりも小さいことに起因して入球口への入球が発生し易くなってしまい、遊技ホールに不利益を与えてしまうことになってしまう。
また、一のパチンコ機において遊技球が循環して使用される所謂封入式のパチンコ機では、上記のような非正規の遊技球は当該パチンコ機において循環し続けることとなるため、遊技領域に向けて発射される頻度も高くなると想定される。そうすると、遊技ホールが被る不利益は多大なものとなってしまう。さらに、当該封入式のパチンコ機の場合、パチンコ機内において循環している遊技球数が極端に減ってしまうと、正常な遊技の続行が不可能となってしまう。
<特徴B群>
特徴B1.遊技媒体を使用して遊技が行われる遊技機において、
可能数記憶手段(残存球情報記憶エリア164b)に記憶された遊技媒体数の情報分の遊技媒体を遊技にて使用可能な構成であって、当該可能数記憶手段に記憶されている遊技媒体数の情報は更新手段(払出側MPU162における返却管理処理を実行する機能、第1の実施形態においては操作ユニット141、第2の実施形態においては操作パネル部191)により更新される構成であり、
前記更新手段は、
前記遊技とは異なる目的で減算させるべき遊技媒体数を特定する減算数特定手段(第1の実施形態においては払出側MPU162におけるステップS1503の処理及びステップS1508の処理を実行する機能、並びに一部返却球情報記憶エリア164c、第2の実施形態においては払出側MPU162におけるステップS2402の処理を実行する機能、第3の実施形態においては払出側MPU162におけるステップS2507の処理を実行する機能)と、
当該減算数特定手段により特定された遊技媒体数分、使用可能な遊技媒体数から減算されるように前記可能数記憶手段の情報を更新し、且つ当該更新に際して前記可能数記憶手段に記憶されている使用可能数よりも少ない数分の減算を可能とする減算実行手段(第1の実施形態においては払出側MPU162におけるステップS1514の処理を実行する機能、第2の実施形態においては払出側MPU162におけるステップS2405の処理を実行する機能、第3の実施形態においては払出側MPU162におけるステップS2509の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、使用可能な遊技媒体数の情報が可能数記憶手段に記憶される構成であるため、実際の遊技媒体を当該遊技媒体数の情報で代用することが可能となり、遊技ホールにおける遊技媒体の総数を抑えることが可能となる。
また、可能数記憶手段に記憶されている使用可能な遊技媒体数の情報を、遊技ホールにおける商品の交換といったように遊技以外のために使用する場合において、その使用目的に応じた数分だけを使用することが可能となる。これにより、上記のように実際の遊技媒体を遊技媒体数の情報として代用した場合において、当該遊技媒体数の情報を遊技ホールにおける商品の交換のために利用することが可能となる。
以上より、遊技ホールにおける遊技媒体の総数を好適に抑えることが可能となる。
特徴B2.遊技媒体を貯留する貯留部(球皿部71)と、
当該貯留部に貯留された遊技媒体を遊技領域に向けて発射する発射手段(遊技球発射機構34)と、
前記遊技領域から排出された遊技媒体を当該遊技機の外部に排出することなく前記貯留部に供給する循環手段(排出用回収部101)と、
を備え、
前記貯留部に貯留された遊技媒体を含めて当該遊技機において循環する遊技媒体に遊技者が触れることが抑制された構成であることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、遊技媒体は遊技領域を流下したとしても当該遊技機にて循環することとなるため、遊技機にて使用される遊技媒体数を定めることが可能となり、それに伴って遊技ホールにおける遊技媒体の総数を抑えることが可能となる。
但し、当該構成においては、遊技機にて循環する遊技媒体を遊技者が取り出すことができないため、遊技媒体をドリンクなどの商品と交換するという遊技ホールにおける従来からのやり取りをすることができなくなってしまう。これに対して、上記特徴B1の構成を備え、遊技媒体数の情報を遊技ホールにおける商品の交換のために利用することが可能であるため、遊技機にて遊技媒体を循環させるようにした構成であっても、上記遊技ホールにおける従来からのやり取りが可能となる。
特徴B3.前記更新手段は、前記可能数記憶手段に記憶された遊技媒体数の情報が遊技の実行により減算される状況では、前記減算実行手段による減算を抑制する抑制手段(払出側MPU162におけるステップS1401の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、可能数記憶手段に記憶された遊技媒体数の情報が、遊技の実行のために減算される状況と、商品の交換などのために減算される状況とが重複してしまうことが防止される。これにより、可能数記憶手段の情報の更新処理が複雑化してしまうことが抑制される。また、かかる複雑化の抑制に際して、遊技媒体数の情報の遊技における使用が優先されるため、遊技の進行を優先させることが可能となる。
なお、当該特徴B3の構成をパチンコ機に適用した場合の具体的な構成として以下の構成が考えられる。
遊技者により操作される発射操作手段(発射操作装置36)と、
当該発射操作手段が操作されたことに基づいて、遊技媒体を遊技領域に向けて発射する発射手段(遊技球発射機構34)と、
を備え、
前記抑制手段は、前記発射操作手段が操作されていることを少なくとも一の条件として、前記減算実行手段による減算を抑制するものである構成。
特徴B4.前記更新手段は、前記減算数特定手段により特定された遊技媒体数の情報を出力する情報出力手段(第1の実施形態においては払出側MPU162におけるステップS1512の処理を実行する機能、及び管理ユニット131、第2の実施形態においては払出側MPU162におけるステップS2404の処理を実行する機能、及び管理ユニット131)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、減算対象となる遊技媒体数の情報が出力されるため、当該遊技媒体数の情報を遊技ホールにおける商品の交換のために利用することが可能となる。
なお、当該特徴B4の具体的な構成として以下の構成が考えられる。
前記更新手段は、前記減算数特定手段により特定された遊技媒体数の情報が書き込まれた記憶媒体を排出する媒体排出手段(払出側MPU162におけるステップS1512の処理を実行する機能、管理ユニット131)を備えている構成。
特徴B5.前記更新手段は、前記可能数記憶手段に記憶されている遊技媒体数の情報の全てを排出すべきことを特定した場合に、当該可能数記憶手段に記憶されている遊技媒体数の情報を消去する消去手段(払出側MPU162におけるステップS1412の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B5によれば、遊技者は遊技を終了する場合には可能数記憶手段に記憶されている遊技媒体数の情報を全て排出させ、遊技ホールにおいて商品を交換する場合には可能数記憶手段に記憶されている遊技媒体数の情報の一部を排出させることができる。
特徴B6.前記更新手段は、遊技者により操作可能に設けられ、前記可能数記憶手段に記憶されている遊技媒体数よりも少ない数分の減算の指示を可能とする減算操作手段(第1の実施形態における増加指示ボタン144、減少指示ボタン145及び決定ボタン146、第2の実施形態における指定操作領域194a〜194d)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、可能数記憶手段に記憶されている遊技媒体数の情報を利用して商品と交換する場合には遊技者は減算操作手段を操作すればよいため、かかる交換に際しての遊技者にとっての操作性を向上させることが可能となる。
特徴B7.前記減算操作手段は、指示する減算数を設定可能な設定操作手段(増加指示ボタン144、減少指示ボタン145)を備えていることを特徴とする特徴B6に記載の遊技機。
特徴B7によれば、設定操作手段を操作することで商品と交換するために使用する遊技媒体数を決定することが可能なため、交換対象となる商品の種類毎に操作手段を設ける必要がない。したがって、操作手段の数を減らすことが可能となる。
特徴B8.前記減算操作手段は、指示する減算数が予め定められ且つその減算数が相互に相違する複数の数対応操作手段(指定操作領域194a〜194d)を備えていることを特徴とする特徴B6又はB7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、遊技者は交換したい商品に対応した操作手段を操作すればよいため、遊技者にとっての操作性を向上させることが可能となる。
特徴B9.前記更新手段は、遊技者により操作可能に設けられ、前記可能数記憶手段に記憶されている全遊技媒体数分の減算の指示を可能とする全減算操作手段(第1の実施形態における全返却ボタン143、第2の実施形態における全返却操作領域196)を備えていることを特徴とする特徴B6乃至B8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B9によれば、遊技を終了する場合と、商品との交換をする場合とで、遊技者はそれぞれに対応した操作手段を操作すればよいため、遊技者にとっての操作性を向上させることが可能となる。
特徴B10.前記更新手段は、遊技ホール側から減算すべき遊技媒体数の情報を受信する受信手段(受信部201)を備え、
前記減算数特定手段は、前記受信手段にて受信した情報により、減算させるべき遊技媒体数を特定するものであることを特徴とする特徴B1乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B10によれば、商品との交換に際しての遊技媒体数の減算を、遊技ホール側における操作を少なくとも一の条件として行うことが可能となる。
特徴B11.前記減算実行手段は、前記受信手段にて前記減算すべき遊技媒体数の情報を受信した場合においてその受信した情報に対応した遊技媒体数の減算を、遊技者が行うことが可能な操作が行われていることを条件として行うものであることを特徴とする特徴B10に記載の遊技機。
特徴B11によれば、遊技者の意思に反して遊技媒体数の情報が減算されてしまうことを阻止することが可能となる。
なお、当該特徴B11の具体的な構成として以下の構成が考えられる。
前記更新手段は、前記受信手段にて前記減算すべき遊技媒体数の情報を受信した場合において前記減算実行手段により減算が実行されることを許可すべく操作される許可操作手段を備え、
前記遊技者が行うことが可能な操作に、前記許可操作手段の操作が含まれている構成。
なお、上記特徴B群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種として、パチンコ機やスロットマシン等が知られている。これらの遊技機は、所定の遊技媒体を利用して遊技が行われる。
例えば、パチンコ機であれば、遊技媒体として遊技球が用いられる。当該遊技球は、遊技者の発射操作に基づき、遊技球発射機構により遊技領域に向けて発射される。そして、遊技領域に設けられた入球部に、その発射された遊技球が入球することにより、有利な特典が遊技者に付与される。
また、例えば、スロットマシンであれば、遊技媒体としてメダルが用いられる。遊技者によりメダルの投入操作が行われた後にスタートレバーが操作されることで、リールの回転が開始され、遊技者によるストップボタンの操作に基づき、リールの回転が停止される。そして、リールが停止された場合において、スロットマシン前方から視認可能な所定の有効位置に、特典の付与に対応した図柄や図柄の組合せが成立している場合に、有利な特典が遊技者に付与される。
また、パチンコ機やスロットマシン以外にも、遊技媒体としてメダルの代わりに遊技球を用いながら、スロットマシンと同様の遊技が行われる遊技機(以下、融合型遊技機ともいう)も知られている。
ここで、上記のような遊技機においては、使用される遊技媒体の管理が適切に行われることが好ましい。
<特徴C群>
特徴C1.遊技球を貯留する貯留部(球皿部71)と、
当該貯留部に貯留された遊技球を遊技領域に向けて発射する発射手段(遊技球発射機構34)と、
可能数記憶手段(残存球情報記憶エリア164b)に記憶された遊技球数の情報の範囲内で、前記発射手段による遊技球の発射を可能とする発射制御手段(払出側MPU162における遊技球使用の管理処理を実行する機能、発射制御装置65)と、
前記遊技領域から排出された遊技球を当該遊技機の外部に排出することなく前記貯留部に供給する循環手段(排出用回収部101)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な特定入球手段(上作動口43、下作動口44)と、
前記遊技領域に設けられ、開状態に遷移可能であって閉状態に遷移可能な可変入球手段(可変入賞装置42)と、
前記特定入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主側MPU152におけるステップS701の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段により取得された特別情報が当選対応情報であるか否かを判定する判定手段(主側MPU152におけるステップS707の処理を実行する機能)と、
絵柄の変動表示が行われる表示部を有する表示手段(特図表示部47)と、
前記情報取得手段により前記特別情報が取得されたことに基づいて前記絵柄の変動表示を開始させ、当該絵柄の変動表示を終了させる場合に、当該特別情報に対する前記判定手段の判定結果に対応した結果表示が行われるようにする表示制御手段(主側MPU152におけるステップS707〜ステップS709の処理を実行する機能)と、
前記判定手段にて前記当選対応情報であると判定され当該判定に対応した前記結果表示が行われた場合に、前記可変入球手段の開閉制御が実行される特定遊技状態に遊技状態を移行させる状態移行手段(主側MPU152におけるステップS710〜ステップS713の処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主側MPU152におけるステップS412の処理を実行する機能、払出側MPU162におけるステップS1013及びステップS1014の処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技者が前記貯留部に遊技球を直接投入することが抑制された構成であり、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報が前記当選対応情報である場合であって前記可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報が基準数以下の遊技球数に対応している場合に、当該特別情報についての前記結果表示が行われるタイミングよりも前のタイミングにて、特別報知が実行されるようにする特別報知制御手段(主側MPU152におけるステップS2304の処理を実行する機能、音声発光制御装置62、表示制御装置63)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、遊技球は遊技領域を流下したとしても当該遊技機にて循環することとなるため、遊技機にて使用される遊技球数を定めることが可能となり、それに伴って遊技ホールにおける遊技球の総数を抑えることが可能となる。
但し、当該構成においては、遊技者が貯留部に遊技球を直接投入することができないため、可能数記憶手段に記憶されている遊技球数が少ない状況で特定遊技状態への移行が突然発生した場合、使用可能な遊技球が足りなくて遊技者に不利益を及ぼしてしまうことが懸念される。これに対して、使用可能な遊技球数が基準数以下である状況で特定遊技状態に移行する可能性がある場合には、当該特定遊技状態への移行契機となる結果表示がなされる前に特別報知が実行される。これにより、遊技者は、使用可能な遊技球数の情報を、特定遊技状態に移行するまでに事前に補充しておくことが可能となる。よって、上記のような不利益の発生を抑制することが可能となる。
特徴C2.前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(保留格納エリア154b)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報が前記判定手段による判定の対象となった場合における判定結果を反映する情報を、当該所定の特別情報が当該判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主側MPU152における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
を備え、
前記特別報知制御手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報が前記当選対応情報である場合であって前記可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報が基準数以下の遊技球数に対応している場合に、当該特別情報についての前記絵柄の変動表示回が開始されるよりも前のタイミングにて、前記特別報知が実行されるようにし得るものであることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、特別報知を早期に実行することが可能となり、遊技者にとっては、使用可能な遊技球数の情報を、特定遊技状態に移行するまでに余裕を持って補充しておくことが可能となる。
特徴C3.前記判定手段の判定結果として、前記当選対応情報であった場合よりも前記可変入球手段への遊技球の入球期待度が低い態様で当該可変入球手段の開閉制御が実行される所定遊技状態に遊技状態を移行させる所定対応結果(低入賞高確大当たり結果)が含まれており、
前記特別報知制御手段は、前記情報取得手段により取得された前記特別情報が前記所定対応結果に対応した情報である場合、前記可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報に関係なく、前記特別報知が実行されないようにするものであることを特徴とする特徴C1又はC2に記載の遊技機。
特徴C3によれば、特別報知が実行される頻度を抑えることが可能となり、特別報知の実行が本来の遊技性を損ねてしまう可能性が低減される。
特徴C4.現金が投入された場合に現金対応情報が記憶されることとなる投入情報記憶手段(度数情報記憶エリア164a)に当該現金対応情報が記憶されている状況で所定の条件が成立した場合に、当該現金対応情報が前記遊技球数の情報に変換されて前記可能数記憶手段に記憶される構成であり、
前記特別報知制御手段は、前記情報取得手段により取得された前記特別情報が前記当選対応情報である場合であって前記可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報が基準数以下の遊技球数に対応している場合であっても、前記投入情報記憶手段に前記現金対応情報が記憶されている場合には、前記特別報知が実行されないようにするものであることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
現金対応情報が記憶されている場合には使用可能な遊技球数の情報への変換を早期に行うことが可能であるため、現金対応情報が記憶されている状況では遊技球数の情報が少なかったとしても、特定遊技状態に突然移行した場合に遊技者が被る不利益は低い。このような事情において、特徴C4によれば、現金対応情報が記憶されている状況では遊技球数の情報に関係なく特別報知の実行が制限される。これにより、特別報知が実行される頻度を抑えることが可能となり、特別報知の実行が本来の遊技性を損ねてしまう可能性が低減される。
特徴C5.遊技球を貯留する貯留部(球皿部71)と、
当該貯留部に貯留された遊技球を遊技領域に向けて発射する発射手段(遊技球発射機構34)と、
可能数記憶手段(残存球情報記憶エリア164b)に記憶された遊技球数の情報の範囲内で、前記発射手段による遊技球の発射を可能とする発射制御手段(払出側MPU162における遊技球使用の管理処理を実行する機能、発射制御装置65)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な特定入球手段(上作動口43、下作動口44)と、
前記遊技領域に設けられ、開状態に遷移可能であって閉状態に遷移可能な可変入球手段(可変入賞装置42)と、
前記特定入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主側MPU152におけるステップS701の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段により取得された特別情報が当選対応情報であるか否かを判定する判定手段(主側MPU152におけるステップS707の処理を実行する機能)と、
絵柄の変動表示が行われる表示部を有する表示手段(特図表示部47)と、
前記情報取得手段により前記特別情報が取得されたことに基づいて前記絵柄の変動表示を開始させ、当該絵柄の変動表示を終了させる場合に、当該特別情報に対する前記判定手段の判定結果に対応した結果表示が行われるようにする表示制御手段(主側MPU152におけるステップS707〜ステップS709の処理を実行する機能)と、
前記判定手段にて前記当選対応情報であると判定され当該判定に対応した前記結果表示が行われた場合に、前記可変入球手段の開閉制御が実行される特定遊技状態に遊技状態を移行させる状態移行手段(主側MPU152におけるステップS710〜ステップS713の処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主側MPU152におけるステップS412の処理を実行する機能、払出側MPU162におけるステップS1013及びステップS1014の処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技者が前記貯留部に遊技球を直接投入することが抑制された構成であり、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報が前記当選対応情報である場合であって前記可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報が基準数以下の遊技球数に対応している場合に、当該特別情報についての前記結果表示が行われるタイミングよりも前のタイミングにて、特別報知が実行されるようにする特別報知制御手段(主側MPU152におけるステップS2304の処理を実行する機能、音声発光制御装置62、表示制御装置63)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C5によれば、遊技者が貯留部に遊技球を直接投入することができないため、非正規の遊技球が使用される可能性が低減され、使用される遊技球の管理を適切に行うことが可能となる。
但し、当該構成においては、遊技者が貯留部に遊技球を直接投入することができないため、可能数記憶手段に記憶されている遊技球数が少ない状況で特定遊技状態への移行が突然発生した場合、使用可能な遊技球が足りなくて遊技者に不利益を及ぼしてしまうことが懸念される。これに対して、使用可能な遊技球数が基準数以下である状況で特定遊技状態に移行する可能性がある場合には、当該特定遊技状態への移行契機となる結果表示がなされる前に特別報知が実行される。これにより、遊技者は、使用可能な遊技球数の情報を、特定遊技状態に移行するまでに事前に補充しておくことが可能となる。よって、上記のような不利益の発生を抑制することが可能となる。
<特徴D群>
特徴D1.遊技球を貯留する貯留部(球皿部71)と、
当該貯留部に貯留された遊技球を遊技領域に向けて発射する発射手段(遊技球発射機構34)と、
前記遊技領域から排出された遊技球を当該遊技機の外部に排出することなく前記貯留部に供給する循環手段(排出用回収部101)と、
当該遊技機において循環している遊技球の数を監視する監視処理を実行する監視処理実行手段(第1の実施形態においては払出側MPU162におけるステップS2115〜ステップS2122の処理を実行する機能、第4の実施形態においては払出側MPU162における個数監視処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1によれば、遊技球は遊技領域を流下したとしても当該遊技機にて循環することとなるため、遊技機にて使用される遊技球数を定めることが可能となり、それに伴って遊技ホールにおける遊技球の総数を抑えることが可能となる。
但し、当該構成においては、遊技機に非正規の遊技球が不正に投入されると、当該非正規の遊技球が当該遊技機にて循環し続けることとなってしまう。また、遊技機から多数の遊技球が流出してしまうと正常に遊技を続行することができなくなってしまう。これに対して、遊技球数の監視が実行されるため、このような事態に対処することが可能となる。
特徴D2.前記監視処理が実行される監視期間において、発射操作手段が遊技者に操作されたとしても、当該操作に対応した態様で前記発射手段から遊技球が発射されることを禁止する禁止手段(払出側MPU162におけるステップS2603の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1に記載の遊技機。
特徴D2によれば、発射操作手段の操作に基づく遊技球の発射の影響を考慮することなく、遊技球数の監視を行うことが可能となる。
特徴D3.前記監視処理が実行される場合、所定の経路を通過するように遊技球が移動されるようにする監視時制御手段(払出側MPU162におけるステップS2608の処理を実行する機能、発射制御装置65)と、
前記所定の経路上における所定領域に遊技球が存在していることを検知する存在検知手段(発射球検知センサ84)と、
を備え、
前記監視処理実行手段は、前記存在検知手段の検知結果を利用して前記監視処理を実行するものであることを特徴とする特徴D1又はD2に記載の遊技機。
特徴D3によれば、移動している遊技球を順次検知することを通じて遊技球数の監視が実行されるため、遊技球の検知手段の位置を固定しながら遊技球数の監視を行うことが可能となる。
特徴D4.前記監視処理が実行される監視期間において、前記所定の経路を通る遊技球が前記貯留部に戻ることを阻止する通過阻止手段(連通シャッタ機構211)を備えていることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
特徴D4によれば、遊技球数の監視に際して一旦カウントされた遊技球が再度、所定の経路を通ることが阻止されるため、遊技球数の監視を好適に行うことが可能となる。
特徴D5.前記所定の経路は、前記遊技領域を流下しない経路であることを特徴とする特徴D3又はD4に記載の遊技機。
特徴D5によれば、遊技球数の監視が実行される場合に遊技球が遊技領域を流下する必要がないため、当該監視を実行する場合の作業の短時間化が図られる。
特徴D6.前記発射手段から発射された遊技球を前記遊技領域の上部に誘導する誘導部(内レール部33a、外レール部33b)を備え、
前記発射手段は、
前記貯留部側から提供された遊技球を前記誘導部に向けてガイドする発射レール(発射レール81)と、
当該発射レール上に保持されている遊技球に所定部位を衝突させることにより、当該遊技球を発射させる発射動作手段(ソレノイド82)と、
を備え、
当該遊技機は、前記誘導部に到達したものの前記遊技領域の上部に到達することなく当該誘導部を逆流した遊技球を回収し、その遊技球を前記貯留部に向けて戻す回収手段(戻り球用回収部121)を備え、
前記監視時制御手段は、前記回収手段にて遊技球が回収される発射強度で当該遊技球の発射が行われるように前記発射動作手段を制御するものであることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
特徴D6によれば、遊技球数の監視作業の短時間化を図る場合において、遊技球の循環に関して既存の構成を利用することが可能となる。
特徴D7.前記監視処理実行手段は、遊技球の数を監視した結果、当該遊技機にて循環している遊技球の数が特定個数よりも多い場合と少ない場合とでそれぞれ異なる特別処理(ステップS2615、ステップS2619)を実行するものであることを特徴とする特徴D1乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D7によれば、遊技球の数の異常に対して適切に対処することが可能となる。
<特徴E群>
特徴E1.遊技球を貯留する貯留部(球皿部71)と、
当該貯留部に貯留された遊技球を遊技領域に向けて発射する発射手段(遊技球発射機構34)と、
前記遊技領域から排出された遊技球を当該遊技機の外部に排出することなく前記貯留部に供給する循環手段(排出用回収部101)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球手段(一般入賞口41)と、
を備え、
遊技者が前記貯留部に遊技球を直接投入すること及び当該貯留部から遊技球を取り出すことが抑制された構成であり、
さらに、可能数記憶手段(残存球情報記憶エリア164b)に記憶された遊技球数の情報分の遊技球を前記発射手段により発射可能な構成であって、
当該可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報は、更新手段(払出側MPU162における遊技球管理処理及び返却管理処理を実行する機能、操作ユニット141)により、前記発射手段により発射された場合に遊技球数が減算されるように更新され且つ前記入球手段に遊技球が入球した場合にそれに応じた数分、遊技球数が加算されるように更新される構成であり、
前記更新手段は、
遊技者により情報出力操作が行われた場合に、前記可能数記憶手段に記憶されている全遊技球数の情報を出力する情報出力手段(払出側MPU162におけるステップS1411の処理を実行する機能)と、
当該情報出力手段による情報出力が行われた場合に、前記可能数記憶手段に記憶されている遊技媒体数の情報を消去する消去手段(払出側MPU162におけるステップS1412の処理を実行する機能)と、
予め定められた所定状況である場合、前記情報出力操作が行われたとしても、前記情報出力手段による情報出力を禁止する出力禁止手段(払出側MPU162におけるステップS1401、ステップS1403、ステップS1404の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴E1によれば、使用可能な遊技球数の情報が可能数記憶手段に記憶される構成であるため、実際の遊技球を当該遊技球数の情報で代用することが可能となり、遊技ホールにおける遊技球の総数を抑えることが可能となる。また、遊技球は遊技領域を流下したとしても当該遊技機にて循環することとなるため、遊技機にて使用される遊技球数を定めることが可能となり、それに伴って遊技ホールにおける遊技球の総数を抑えることが可能となる。
当該構成において、所定条件が成立している場合には、情報出力操作が行われたとしても、情報出力手段による情報出力が禁止される。これにより、全遊技球数の情報が出力されると遊技者に不利益を及ぼしかねない場合や、当該情報出力が複雑なものとなってしまう場合には、遊技者による情報出力操作を無効化することが可能となる。
特徴E2.前記所定状況は、遊技者により発射操作が行われている状況を含むことを特徴とする特徴E1に記載の遊技機。
特徴E2によれば、遊技球が発射されている状況において全遊技球数の情報が出力されることが防止される。これにより、遊技球の発射に伴う遊技球数の情報の更新と、全遊技球数の情報の出力とが重複して発生してしまうことが確実に防止され、遊技球数の情報を好適に管理することが可能となる。
特徴E3.前記所定状況は、前記入球手段に遊技球が入球した後であって当該入球に対応した遊技球数の情報が前記可能数記憶手段の情報に反映されていない状況を含むことを特徴とする特徴E1又はE2に記載の遊技機。
全遊技球数の情報が出力された直後に、新たに遊技球数の情報が加算されてしまうと、遊技者は情報出力操作を再度実行する必要が生じ、煩雑なものとなってしまう。特に、記憶媒体が排出される構成においては、記憶媒体の排出を繰り返し行う必要が生じてしまう。これに対して、特徴E3によれば、当該事象の発生を抑制することが可能となる。
特徴E4.前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な特定入球手段(上作動口43、下作動口44)と、
前記遊技領域に設けられ、開状態に遷移可能であって閉状態に遷移可能な可変入球手段(可変入賞装置42)と、
前記特定入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主側MPU152におけるステップS701の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段により取得された特別情報が当選対応情報であるか否かを判定する判定手段(主側MPU152におけるステップS707の処理を実行する機能)と、
当該判定手段にて前記当選対応情報であると判定された場合に、前記可変入球手段の開閉制御が実行される特定遊技状態に遊技状態を移行させる状態移行手段(主側MPU152におけるステップS710〜ステップS713の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記更新手段は、前記可変入球手段に遊技球が入球した場合にそれに応じた数分、遊技球数が加算されるように前記可能数記憶手段の情報を更新する構成であり、
前記所定状況は、遊技状態が前記特定遊技状態である状況を含むことを特徴とする特徴E1乃至E3のいずれか1に記載の遊技機。
特定遊技状態において全遊技球数の情報が出力されてしまうと、特定遊技状態中であるにも関わらず遊技球を発射することができないという事態が生じ得る。これに対して、特徴E4によれば、当該事象の発生を抑制することが可能となる。
<特徴F群>
特徴F1.遊技球を貯留する貯留部(球皿部71)と、
当該貯留部に貯留された遊技球を遊技領域に向けて発射する発射手段(遊技球発射機構34)と、
可能数記憶手段(残存球情報記憶エリア164b)に記憶された遊技球数の情報の範囲内で、前記発射手段による遊技球の発射を可能とする発射制御手段(払出側MPU162における遊技球使用の管理処理を実行する機能、発射制御装置65)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球手段(一般入賞口41)と、
当該入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主側MPU152におけるステップS412の処理を実行する機能、払出側MPU162におけるステップS1013及びステップS1014の処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技者が前記貯留部に遊技球を直接投入すること及び当該貯留部から遊技球を取り出すことが抑制された構成であり、
前記遊技領域から排出された遊技球は当該遊技機から排出される構成であり、
前記貯留部に貯留されている遊技球が特定個数となるように、払出手段を駆動制御して前記貯留部に向けて遊技球を払い出させる駆動制御手段(払出側MPU162における貯留球の一定化処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴F1によれば、使用可能な遊技球数の情報が可能数記憶手段に記憶される構成であるため、実際の遊技球を当該遊技球数の情報で代用することが可能となり、遊技ホールにおける遊技球の総数を抑えることが可能となる。
この場合に、遊技領域を流下して当該遊技領域から排出された遊技球は遊技機から排出されるようにしながら、貯留部に貯留される遊技球数は特定個数となるように払出手段が駆動制御される。これにより、遊技機にて遊技球が循環する構成に比べて、遊技球数の管理を簡単に行うことが可能となる。
<特徴G群>
特徴G1.遊技球を貯留する貯留部(球皿部71)と、
当該貯留部に貯留された遊技球を遊技領域に向けて発射する発射手段(遊技球発射機構34)と、
可能数記憶手段(残存球情報記憶エリア164b)に記憶された遊技球数の情報の範囲内で、前記発射手段による遊技球の発射を可能とする発射制御手段(払出側MPU162における遊技球使用の管理処理を実行する機能、発射制御装置65)と、
前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能な特定入球手段(上作動口43、下作動口44)と、
前記遊技領域に設けられ、開状態に遷移可能であって閉状態に遷移可能な可変入球手段(可変入賞装置42)と、
前記特定入球手段に遊技球が入球したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主側MPU152におけるステップS701の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段により取得された特別情報に対して判定処理を実行する判定手段(主側MPU152におけるステップS707の処理を実行する機能)と、
演出が実行されるように演出実行手段(図柄表示装置46a)を制御する演出制御手段(音声発光制御装置62、表示制御装置63)と、
前記判定手段の判定結果が特定判定結果(低確大当たり結果又は最有利大当たり結果)となった後に、前記可変入球手段の開閉制御が実行される特定遊技状態(高頻度入賞モードの開閉実行モード)に遊技状態を移行させる状態移行手段(主側MPU152におけるステップS710〜ステップS713の処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主側MPU152におけるステップS412の処理を実行する機能、払出側MPU162におけるステップS1013及びステップS1014の処理を実行する機能)と、
を備え、
遊技者が前記貯留部に遊技球を直接投入することが抑制された構成であり、
前記演出制御手段は、
前記特別情報の内容を踏まえて行われる演出抽選により実行が決定された演出が、前記演出実行手段にて実行されるようにする実行制御手段(音声発光制御装置62におけるステップS3101〜ステップS3109の処理を実行する機能、表示制御装置63)と、
前記情報取得手段により取得された前記特別情報が前記特定判定結果に対応している場合であって前記可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報が基準数以下の遊技球数に対応している場合に、当該特別情報を契機とした前記特定遊技状態への移行が行われるよりも前のタイミングにて、前記演出抽選の抽選対象に含まれる演出が当該演出抽選の結果と関係なく実行されるようにする、又は前記演出抽選の結果に対応した演出とは異なる演出であって当該演出抽選の抽選対象に含まれる演出が実行されるようにする特定制御手段(音声発光制御装置62における演出内容の変更処理を実行する機能、表示制御装置63)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴G1によれば、遊技者が貯留部に遊技球を直接投入することができないため、非正規の遊技球が使用される可能性が低減され、使用される遊技球の管理を適切に行うことが可能となる。
但し、当該構成においては、遊技者が貯留部に遊技球を直接投入することができないため、可能数記憶手段に記憶されている遊技球数が少ない状況で特定遊技状態への移行が突然発生した場合、使用可能な遊技球が足りなくて遊技者に不利益を及ぼしてしまうことが懸念される。これに対して、使用可能な遊技球数が基準数以下である状況で特定遊技状態に移行する可能性がある場合には、特定遊技状態への移行が行われる前に、所定の演出が強制的に実行される。これにより、遊技者に対して、使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことを促すことが可能となり、上記のような不利益の発生を抑制することが可能となる。
さらにまた、上記のように使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことを促す方法として、演出抽選の抽選対象に含まれる演出が利用される。これにより、遊技機において必要なデータ量の削減が図られるだけでなく、演出の一環として、使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことを促すことが可能となり、遊技者に違和感を与えてしまう可能性を低減しながら、上記のような効果を奏することが可能となる。
特徴G2.前記実行制御手段は、前記特別情報が前記特定判定結果に対応している場合、当該特別情報を契機とした前記特定遊技状態への移行が行われるよりも前のタイミングで、特定態様の演出(第1演出又はプレミアム演出)が所定の確率で前記演出実行手段にて実行されるようにするものであり、
前記特定制御手段は、前記情報取得手段により取得された前記特別情報が前記特定判定結果に対応している場合であって前記可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報が基準数以下の遊技球数に対応している場合に、当該特別情報を契機とした前記特定遊技状態への移行が行われるよりも前のタイミングにて、前記特定態様の演出が前記演出実行手段にて実行されるようにするものであることを特徴とする特徴G1に記載の遊技機。
特徴G2によれば、使用可能な遊技球数が基準数以下である状況で特定遊技状態に移行する可能性がある場合には、特定遊技状態への移行が行われる前に特定態様の演出が実行される。そして、当該特定態様の演出は、特定遊技状態への移行が行われることとなる場合において所定の確率で実行される演出である。これにより、遊技者に対して、使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことを促すことが可能となる。よって、上記のような不利益の発生を抑制することが可能となる。さらにまた、上記のように使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことを促す方法として、特定態様の演出が利用される。これにより、遊技機において必要なデータ量の削減が図られるだけでなく、演出の一環として、使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことを促すことが可能となり、遊技者に違和感を与えてしまう可能性を低減しながら、上記のような効果を奏することが可能となる。
なお、「所定の確率」は、0%よりも大きい確率であって、100%よりも小さい確率である。
特徴G3.前記特定態様の演出は、その後に前記特定遊技状態への移行が行われることを示す演出である、又はその後に前記特定遊技状態への移行が行われる期待度が高いことを示す演出であることを特徴とする特徴G2に記載の遊技機。
特徴G3によれば、特定態様の演出として、その後に特定遊技状態への移行が行われることを示す演出、又はその後に特定遊技状態への移行が行われる期待度が高いことを示す演出が実行されるため、使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことの報知を通常の演出を利用して行う構成において、当該補充の必要性を遊技者に認識させ易くなる。
特徴G4.前記情報取得手段が取得した特別情報を記憶する取得情報記憶手段(保留格納エリア154b)と、
前記情報取得手段により取得された所定の特別情報が前記判定手段による判定の対象となった場合の判定結果に対応した情報を、当該所定の特別情報が当該判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主側MPU152における保留予告用の確認処理を実行する機能)と、
を備え、
前記実行制御手段は、前記先特定手段の特定結果の内容を踏まえた前記演出抽選により実行が決定された特別報知演出が、前記所定の特別情報が前記判定手段による判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて前記演出実行手段にて実行されるようにするものであり、
前記特定制御手段は、前記情報取得手段により取得された前記特別情報が前記特定判定結果に対応している場合であって前記可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報が基準数以下の遊技球数に対応している場合に、当該特別情報が前記判定手段による判定の対象となるよりも前のタイミングにて、前記特別報知演出が前記演出抽選の結果と関係のない態様で実行されるようにするものであることを特徴とする特徴G1乃至G3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G4によれば、取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報に対応した特別報知演出が、当該特別情報が判定手段による判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて実行されることがある。これにより、遊技者にとっては、取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には判定手段による判定の対象となる順番が後の特別情報について、当該判定の対象となった場合の結果を特別報知演出の内容に応じて確認する又は推測するという遊技が追加され、遊技の多様化が図られる。
この場合に、特別報知演出を利用して、使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことの報知が行われる。これにより、使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことの報知を早期に実行することが可能となり、遊技者にとっては、使用可能な遊技球数の情報を、特定遊技状態に移行するまでに余裕を持って補充しておくことが可能となる。
特徴G5.前記演出実行手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報であって前記判定手段による判定対象となっていない特別情報の数と対応する数の個別表示を行うことで当該特別情報の数を報知可能であり、
前記実行制御手段は、前記個別表示のうち、前記特別報知演出の実行の契機として設定されている特別情報に対応した個別表示の態様を前記演出抽選の結果を踏まえて調整することで、前記特別報知演出を実行させるものであり、
前記特定制御手段は、前記情報取得手段により取得された前記特別情報が前記特定判定結果に対応している場合であって前記可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報が基準数以下の遊技球数に対応している場合に、当該特別情報が前記判定手段による判定の対象となるよりも前のタイミングにて、当該特別情報に対応した個別表示の態様を前記演出抽選の結果と関係のない態様とするものであることを特徴とする特徴G4に記載の遊技機。
特徴G5によれば、個別表示を利用して特別報知演出が実行される構成において、特定判定結果に対応した特別情報についての個別表示の態様を調整することで、使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことの報知が行われる。これにより、使用可能な遊技球数の情報の補充をいつまでに行えばよいかが遊技者にとって明確となり、当該補充作業を良好に行うことが可能となる。
特徴G6.前記演出制御手段は、前記特別情報が前記情報取得手段により新たに取得された場合に前記個別表示の数を増加させ、前記特別情報が前記判定手段による判定の対象となった場合に前記個別表示の数を減少させる調整手段(音声発光制御装置62におけるステップS3112の処理を実行する機能、表示制御装置63)を備え、
前記特定制御手段は、前記情報取得手段により取得された前記特別情報が前記特定判定結果に対応している場合であって前記可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報が基準数以下の遊技球数に対応している場合、前記個別表示の数を変更させるタイミングでなくても、当該特別情報に対応した個別表示の態様を変更するものであることを特徴とする特徴G5に記載の遊技機。
特徴G6によれば、使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことの報知を行う必要がある場合には、個別表示の数を変更させるタイミングと無関係に、個別表示の態様が変更される。この場合、その態様の変化に遊技者が意外性を感じることが期待され、当該特定態様への注目度を高めることが可能となる。
特徴G7.前記実行制御手段は、前記演出実行手段にて遊技回演出を開始させた後に、前記判定手段の判定結果に対応した態様で当該遊技回演出を終了させるものであって、当該遊技回演出の態様を当該判定手段の判定結果の内容を踏まえた前記演出抽選により決定するものであり、
前記特定制御手段は、前記情報取得手段により取得された前記特別情報が前記特定判定結果に対応している場合であって前記可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報が基準数以下の遊技球数に対応している場合、当該特別情報を契機とした前記遊技回演出中に、前記演出抽選の抽選対象に含まれる演出を、当該演出抽選の結果と関係なく実行されるようにするものであることを特徴とする特徴G1乃至G6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G7によれば、遊技回演出を利用して、使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことの報知を行うことが可能となる。また、特定判定結果に対応した特別情報についての遊技回においてのみ、使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことの報知を行うようにすることで、当該報知を行うことによる演出上の制約を低減することが可能となる。
特徴G8.前記判定手段の判定結果として、前記特定判定結果である場合よりも前記可変入球手段への遊技球の入球期待度が低い態様で当該可変入球手段の開閉制御が実行される所定遊技状態(低頻度入賞モードの開閉実行モード)に遊技状態が移行することとなる所定判定結果(低入賞高確大当たり結果)が含まれており、
前記特定制御手段による演出の実行制御は、前記情報取得手段により取得された前記特別情報が前記所定判定結果に対応していたとしても実行されないことを特徴とする特徴G1乃至G7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G8によれば、使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことの報知が実行される頻度を抑えることが可能となり、当該報知の実行が本来の遊技性を損ねてしまう可能性が低減される。
特徴G9.現金が投入された場合に現金対応情報が記憶されることとなる投入情報記憶手段(度数情報記憶エリア164a)に当該現金対応情報が記憶されている状況で所定の条件が成立した場合に、当該現金対応情報が前記遊技球数の情報に変換されて前記可能数記憶手段に記憶される構成であり、
前記特定制御手段による演出の実行制御は、前記情報取得手段により取得された前記特別情報が前記特定判定結果に対応している場合であって前記可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報が基準数以下の遊技球数に対応している場合であっても、前記投入情報記憶手段に前記現金対応情報が記憶されている場合には実行されないことを特徴とする特徴G1乃至G8のいずれか1に記載の遊技機。
現金対応情報が記憶されている場合には使用可能な遊技球数の情報への変換を早期に行うことが可能であるため、現金対応情報が記憶されている状況では遊技球数の情報が少なかったとしても、特定遊技状態に突然移行した場合に遊技者が被る不利益は低い。このような事情において、特徴G9によれば、現金対応情報が記憶されている状況では遊技球数の情報に関係なく、使用可能な遊技球数の情報を補充すべきことの報知の実行が制限される。これにより、当該報知が実行される頻度を抑えることが可能となり、当該報知の実行が本来の遊技性を損ねてしまう可能性が低減される。
特徴G10.前記遊技領域から排出された遊技球を当該遊技機の外部に排出することなく前記貯留部に供給する循環手段(排出用回収部101)を備えていることを特徴とする特徴G1乃至G9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴G10によれば、遊技球が遊技機内にて循環する構成いおいて、既に説明したような優れた効果を奏することが可能となる。
なお、上記特徴C群、上記特徴D群、上記特徴E群、上記特徴F群及び上記特徴G群の発明は、以下の課題に対して効果的である。
遊技機の一種として、パチンコ機が知られている。当該パチンコ機では、遊技媒体として遊技球が用いられる。当該遊技球は、遊技者の発射操作に基づき、遊技球発射機構により遊技領域に向けて発射される。そして、遊技領域に設けられた入球部に、その発射された遊技球が入球することにより、有利な特典が遊技者に付与される。
ここで、上記のような遊技機においては、使用される遊技媒体の管理が適切に行われることが好ましい。
<特徴H群>
特徴H1.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43、下作動口44)と、
当該入球部に遊技球が入球した場合に遊技者が使用可能な遊技球数を増加させる増加手段(払出側MPU162)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記使用可能な遊技球数が増加することを報知する報知手段(賞球報知部56〜58,186〜188)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴H1によれば、報知手段が設けられていることにより、入球部に遊技球が入球し使用可能な遊技球数が増加する場合にはそれが報知される。これにより、遊技者にとっては報知手段を確認することにより当該事象の発生を明確に把握することが可能となる。また、遊技ホールの管理者にとっては報知手段を確認することにより入球部の入球監視が正常に行われているか否かの確認及び不正行為の有無の確認を容易に行うことが可能となる。
特徴H2.遊技球を遊技領域に向けて発射する発射手段(遊技球発射機構34)と、
当該発射手段から発射可能な遊技球数の情報を記憶する可能数記憶手段(残存球情報記憶エリア164b)と、
遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43、下作動口44)と、
当該入球部に遊技球が入球した場合に、前記可能数記憶手段に記憶された遊技球数の情報を増加させる増加手段(払出側MPU162)と、
前記可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報を報知する可能数報知手段(残数表示部148)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記可能数記憶手段の遊技球数の情報が増加することを報知する賞球報知手段(賞球報知部56〜58,186〜188)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴H2によれば、使用可能な遊技球数の情報が可能数記憶手段に記憶される構成であるため、実際の遊技球を当該遊技球数の情報で代用することが可能となり、遊技ホールにおける遊技球の総数を抑えることが可能となる。また、使用可能な遊技球数の情報が可能数報知手段にて報知されるため、使用可能な遊技球数を遊技者が明確に把握することが可能となる。
この場合に、賞球報知手段が設けられていることにより、入球部に遊技球が入球したことに基づいて使用可能な遊技球数の情報が増加する場合にはそれが報知される。これにより、遊技者にとっては賞球報知手段を確認することにより当該賞球の発生を明確に把握することが可能となる。例えば、可能数報知手段を確認しただけでは賞球の発生を把握しづらい状況であっても、賞球報知手段を確認することでどのような状況であっても賞球の発生を明確に把握することが可能となる。また、遊技ホールの管理者にとっては賞球報知手段を確認することにより入球部の入球監視が正常に行われているか否かの確認及び不正行為の有無の確認を容易に行うことが可能となる。
特徴H3.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43、下作動口44)と、
当該入球部に遊技球が入球した場合に遊技者が使用可能な遊技球数を増加させる増加手段(払出側MPU162)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記使用可能な遊技球数が増加する場合にその増加する遊技球数を報知する又はその遊技球数を把握できるように報知する報知手段(賞球報知部56〜58,186〜188)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴H3によれば、報知手段が設けられていることにより、入球部に遊技球が入球し使用可能な遊技球数が増加する場合にはそれに対応した報知が実行される。これにより、遊技者にとっては報知手段を確認することにより当該事象の発生を明確に把握することが可能となる。また、遊技ホールの管理者にとっては報知手段を確認することにより入球部の入球監視が正常に行われているか否かの確認及び不正行為の有無の確認を容易に行うことが可能となる。
特徴H4.遊技球を遊技領域に向けて発射する発射手段(遊技球発射機構34)と、
当該発射手段から発射可能な遊技球数の情報を記憶する可能数記憶手段(残存球情報記憶エリア164b)と、
遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43、下作動口44)と、
当該入球部に遊技球が入球した場合に、前記可能数記憶手段に記憶された遊技球数の情報を増加させる増加手段(払出側MPU162)と、
前記可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報を報知する可能数報知手段(残数表示部148)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記可能数記憶手段の遊技球数の情報が増加する場合にその増加する遊技球数を報知する又はその遊技球数を把握できるように報知する賞球報知手段(賞球報知部56〜58,186〜188)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴H4によれば、使用可能な遊技球数の情報が可能数記憶手段に記憶される構成であるため、実際の遊技球を当該遊技球数の情報で代用することが可能となり、遊技ホールにおける遊技球の総数を抑えることが可能となる。また、使用可能な遊技球数の情報が可能数報知手段にて報知されるため、使用可能な遊技球数を遊技者が明確に把握することが可能となる。
この場合に、賞球報知手段が設けられていることにより、入球部に遊技球が入球したことに基づいて使用可能な遊技球数の情報が増加する場合にはそれに対応した報知が実行される。これにより、遊技者にとっては賞球報知手段を確認することにより当該賞球の発生を明確に把握することが可能となる。例えば、可能数報知手段を確認しただけでは賞球の発生を把握しづらい状況であっても、賞球報知手段を確認することでどのような状況であっても賞球の発生を明確に把握することが可能となる。また、遊技ホールの管理者にとっては賞球報知手段を確認することにより入球部の入球監視が正常に行われているか否かの確認及び不正行為の有無の確認を容易に行うことが可能となる。
特徴H5.遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部(一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43、下作動口44)と、
当該入球部に遊技球が入球した場合に遊技者が使用可能な遊技球数を増加させる増加手段(払出側MPU162)と、
前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて特別報知を実行することにより、前記使用可能な遊技球数が増加する場合にその増加する遊技球数を報知する又はその遊技球数を把握できるように報知する報知手段(賞球報知部56〜58,186〜188、共通報知部271、第1共通報知部272、第2共通報知部273、第1賞球個数報知部275、第2賞球個数報知部276)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴H5によれば、報知手段が設けられていることにより、入球部に遊技球が入球し使用可能な遊技球数が増加する場合にはそれに対応した報知が実行される。これにより、遊技者にとっては報知手段を確認することにより当該事象の発生を明確に把握することが可能となる。また、遊技ホールの管理者にとっては報知手段を確認することにより入球部の入球監視が正常に行われているか否かの確認及び不正行為の有無の確認を容易に行うことが可能となる。
特徴H6.前記報知手段において前記特別報知が行われている期間中に前記入球部に遊技球が入球した場合に、当該入球を契機とした前記特別報知の実行を待機させ、実行中の前記特別報知が終了した場合にその待機させていた特別報知を開始させる構成であることを特徴とする特徴H5に記載の遊技機。
特徴H6によれば、入球部への遊技球の入球が連続して発生した場合であっても、各入球に対応させて特別報知を行うことが可能となり、使用可能な遊技球数の増加が複数回発生することを遊技者や遊技ホールの管理者に認識させることが可能となる。
特徴H7.遊技球を遊技領域に向けて発射する発射手段(遊技球発射機構34)と、
当該発射手段から発射可能な遊技球数の情報を記憶する可能数記憶手段(残存球情報記憶エリア164b)と、
当該可能数記憶手段に記憶されている遊技球数の情報を報知する可能数報知手段(残数表示部148)と、
を備え、
前記増加手段は、前記入球部に遊技球が入球した場合、前記可能数記憶手段に記憶された遊技球数の情報を増加させるものであり、
前記報知手段は、前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記特別報知を実行することにより、前記可能数記憶手段の遊技球数の情報が増加する場合にその増加する遊技球数を報知する又はその遊技球数を把握できるように報知するものであり、
前記入球部に遊技球が入球した場合、その入球を契機とした前記特別報知が開始された後に前記可能数報知手段において報知されている遊技球数の情報が増加する(第13の実施形態の構成)ことを特徴とする特徴H5又はH6に記載の遊技機。
特徴H7によれば、入球部への遊技球の入球が発生した場合、特別報知が開始された後に可能数報知手段において報知されている遊技球数の情報が増加するため、各報知を段階的に行うことが可能となる。これにより、特別報知の実行を通じて入球部への遊技球の入球が正常に監視されているか否かの確認を行うことが可能となり、可能数報知手段の報知内容を通じて可能数記憶手段の情報の更新が正常に行われているか否かの確認を行うことが可能となる。
特徴H8.前記報知手段において前記特別報知が開始された場合、非報知継続期間が経過するまで次の特別報知が開始されないようにする開始規制手段(第7の実施形態では主側MPU152におけるステップS3502の処理を実行する機能、第8の実施形態では主側MPU152におけるステップS3702の処理を実行する機能、第9の実施形態では主側MPU152におけるステップS3902の処理を実行する機能、第10の実施形態では主側MPU152におけるステップS4104又はステップS4205の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴H5乃至H7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H8によれば、特別報知が連続して実行される場合、それら特別報知の間には非報知継続期間が発生することとなるため、各特別報知を個別に認識させることが可能となる。
特徴H9.前記報知手段は、対応する前記入球部に対して所定期間内に発生した入球回数に対応した情報を報知することを特徴とする特徴H5乃至H8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H9によれば、報知手段において入球回数自体が報知されるため、入球部に遊技球が入球したことに対応させて報知態様を即座に変更させることが可能となる。
特徴H10.前記入球部が複数設けられており、又は前記入球部に遊技球が入球した場合に増加する遊技球数の種類が複数存在しており、
前記報知手段は、前記入球部に対応させて又は前記増加する遊技球数の種類に対応させて複数の報知部(第7の実施形態では賞球報知部56〜58、第9の実施形態では賞球報知部186〜188)を備えていることを特徴とする特徴H5乃至H9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H10によれば、入球部又は増加する遊技球数の種類に対応させて報知部が設けられているため、それぞれの報知対象の発生の有無を個別に把握することが可能となる。また、複数種類の入球が同時に発生した場合であっても、それらの特別報知を同時に行うことが可能となる。
特徴H11.前記複数の報知部と前記入球部との対応関係又は前記複数の報知部と前記増加する遊技球数の種類との対応関係を示す対応関係表示手段(対応関係明示部59)が、前記複数の報知部の配置領域に対して隣接させて設けられていることを特徴とする特徴H10に記載の遊技機。
特徴H11によれば、報知部と報知対象との関係を容易に把握することが可能となる。
特徴H12.前記入球部が複数設けられており、又は前記入球部に遊技球が入球した場合に増加する遊技球数の種類が複数存在しており、
複数の前記入球部についての前記特別報知又は複数種類の前記遊技球数の種類についての前記特別報知が共通の前記報知手段(第10の実施形態における共通報知部271、第11の実施形態における共通報知部272,273、第12の実施形態における賞球個数報知部275,276)にて行われることを特徴とする特徴H5乃至H8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H12によれば、報知対象が複数存在している構成において、それら複数の報知対象についての特別報知が共通の報知手段にて行われる。これにより、機種間や型式間において入球部の種類や遊技球数の種類が異なる場合には共通の報知手段を制御するための構成を変更するだけでよく、これら機種間や型式間において共通の報知手段を共通利用することが可能となる。
特徴H13.前記共通の報知手段は、前記入球部の種類又は前記増加する遊技球数の種類に対応した態様で前記特別報知を行うことを特徴とする特徴H12に記載の遊技機。
特徴H13によれば、共通の報知手段を利用する構成において、特別報知が行われた場合にそれがいずれの報知対象に対応しているのかを遊技者や遊技ホールの管理者に認識させることが可能となる。
特徴H14.前記共通の報知手段は、同一の種類の報知対象についての前記特別報知が連続して発生する場合、先の特別報知が終了してから非報知継続期間が経過するまで新たな特別報知の開始が規制され、異なる種類の報知対象についての前記特別報知が連続して発生する場合、先の特別報知が終了してから前記非報知継続期間の経過を待つことなく新たな特別報知が開始される構成であることを特徴とする特徴H12又はH13に記載の遊技機。
特徴H14によれば、同一の種類の報知対象についての特別報知が連続する場合にはそれら特別報知の間に非報知継続期間が設定されることにより、それら特別報知を個別に認識することが可能となる。その一方、異なる種類の報知対象についての特別報知が連続する場合にはそれら特別報知の間に非報知継続期間を発生させないようにすることにより、報知対象の事象の発生タイミングに対して特別報知の実行タイミングが遅れてしまうことを防止することが可能となる。
特徴H15.前記共通の報知手段は、
前記特別報知を行っている場合にその報知対象の種類の情報を表示する第1報知部(第1共通報知部272)と、
当該報知対象の種類について所定期間内に発生した入球回数の情報を表示する第2報知部(第2共通報知部273)と、
を備えていることを特徴とする特徴H12乃至H14のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H15によれば、共通の報知手段が利用される場合であっても報知対象の種類の情報だけでなく、その報知対象の種類について所定期間内に発生した入球回数の情報も明確に報知することが可能となる。
特徴H16.前記報知手段は、所定期間内において所定の前記入球部又は複数の前記入球部に遊技球が入球したことに基づき前記使用可能な遊技球数が増加する場合の合計数に対応した情報を報知する(賞球個数報知部275,276)ことを特徴とする特徴H5乃至H15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴H16によれば、使用可能な遊技球数が増加する場合の合計数が報知される構成であるため、機種間や型式間において入球部の種類や遊技球数の種類が異なる場合には報知手段を制御するための構成を変更するだけでよく、これら機種間や型式間において報知手段を共通利用することが可能となる。
特徴H17.前記報知手段は、前記合計数のうち少なくとも1の位を含む所定の位までの数の情報を報知するものであって、前記合計数が当該所定の位よりも上の位の数となったとしても当該合計数のうち前記所定の位までの数の情報を報知するものであることを特徴とする特徴H16に記載の遊技機。
特徴H17によれば、報知手段において報知を行う報知部の数又は報知部の面積を抑えることが可能となる。また、このように報知部の数又は報知部の面積を抑えた構成であっても合計数の1の位は報知されるため、使用可能な遊技球数が増加する場合には報知手段における報知内容が変更され、当該使用可能な遊技球数が増加することを遊技者や遊技ホールの管理者に認識させることが可能となる。
なお、上記特徴H群の発明は、以下の課題を解決可能である。
遊技機の一種として、パチンコ機が知られている。当該パチンコ機では、遊技媒体として遊技球が用いられる。当該遊技球は、遊技者の発射操作に基づき、遊技球発射機構により遊技領域に向けて発射される。そして、遊技領域に設けられた入球部に、その発射された遊技球が入球することにより、有利な特典が遊技者に付与される。
当該パチンコ機においては、前面部に設けられた球受け皿への遊技球の供給及び球受け皿からの遊技球の取り出しを遊技者が行うことが可能な構成が知られている。この場合、例えば入球部に遊技球が入球したことに基づいて球受け皿に遊技球が払い出される。そして、その払い出された遊技球は、遊技者の発射操作に基づき遊技領域に向けて発射され、遊技領域を流下し終えた遊技球はパチンコ機の外部に排出される。
また、上記構成以外にも遊技領域から排出された遊技球がパチンコ機外部に排出されることなく球受け皿に返還される循環式のパチンコ機も知られている。この場合、例えば球受け皿への遊技球の供給及び球受け皿からの遊技球の取り出しを遊技者が行うことが不可となっており、遊技者が使用可能な遊技球の数はデータとして記憶保持される。したがって、例えば入球部に遊技球が入球した場合には、遊技者が使用可能な遊技球の数が増加するようにデータの更新が行われる。
ここで、上記例示等のような遊技機においては、入球部に遊技球が入球したことに基づき使用可能な遊技球数の増加条件を満たしたことの把握を容易に行うことが可能な構成が求められており、この点について未だ改良の余地がある。
<特徴I群>
特徴I1.遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段(遊技球発射機構34)と、
前記遊技領域に遊技球が供給されたことを特定する供給側特定手段(払出側MPU162におけるステップS4901〜ステップS4904の処理を実行する機能)と、
前記遊技領域から遊技球が排出されたことを特定する排出側特定手段(払出側MPU162におけるステップS4905〜ステップS4908の処理を実行する機能)と、
前記供給側特定手段の特定結果及び前記排出側特定手段の特定結果を利用することにより、前記遊技領域に供給された遊技球の個数と前記遊技領域から排出された遊技球の個数とが一致しているか否かを判定する判定手段(払出側MPU162におけるステップS4915の処理を実行する機能)と、
当該判定手段によりこれら個数が一致していないと判定された場合、特別処理を実行する特別処理実行手段(払出側MPU162におけるステップS4916の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴I1によれば、遊技領域に供給された遊技球の個数と遊技領域から排出された遊技球の個数とが一致しない場合には特別処理が実行されるため、遊技領域における遊技球の円滑な流れが阻害されてしまった場合又は入球部への入球を不正に発生させる行為が行われた場合には、遊技ホールの管理者にそれに対処するよう促すことが可能となる。よって、遊技領域における異常又は遊技領域に対する不正に好適に対処することが可能となる。
なお、特別処理実行手段は、特別処理として報知処理を実行する構成としてもよく、特別処理として遊技を進行させるための一部の処理の実行を阻止するための処理を実行する構成としてもよく、特別処理として遊技を進行させるための全ての処理の実行を阻止するための処理を実行する構成としてもよい。
特徴I2.前記特別処理実行手段は、前記遊技領域に供給された遊技球の個数が前記遊技領域から排出された遊技球の個数よりも多い場合、前記特別処理を実行することを特徴とする特徴I1に記載の遊技機。
特徴I2によれば、遊技領域において球詰まりなどが発生して遊技領域における遊技球の円滑な流れが阻害された場合には特別処理が実行されるため、当該状況の発生に対して対処するように遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。
特徴I3.前記特別処理実行手段は、前記遊技領域から排出された遊技球の個数が前記遊技領域に供給された遊技球の個数よりも多い場合、前記特別処理を実行することを特徴とする特徴I1又はI2に記載の遊技機。
特徴I3によれば、入球部に入球した遊技球を検知する検知手段に当該入球の発生を誤検知させる不正行為が行われた場合には特別処理が実行されるため、当該状況の発生に対して対処するように遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。
特徴I4.前記遊技領域を流下する遊技球が入球可能であり、入球した遊技球が遊技領域から排出されることとなる特典対応入球部(一般入賞口41、可変入賞装置42、上作動口43、下作動口44)と、
当該特典対応入球部に入球した遊技球を検知する特典対応検知手段(入賞検知センサ282〜287)と、
当該特典対応検知手段により遊技球が検知されたことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主側MPU152における特図特電制御処理を実行する機能、払出側MPU162におけるステップS1014の処理を実行する機能)と、
前記遊技領域を流下した遊技球を当該遊技領域から排出する排出部(アウト口49a)と、
当該排出部から排出された遊技球を検知する排出検知手段(アウト球検知センサ281)と、
を備え、
前記排出側特定手段は、前記特典対応検知手段及び前記排出検知手段の検知結果を利用して前記遊技領域から遊技球が排出されたことを特定することを特徴とする特徴I1乃至I3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴I4によれば、特典対応入球部に入球した遊技球の検知と排出部から排出された遊技球の検知とがそれぞれ異なる検知手段により行われるため、遊技領域から排出された遊技球の排出通路についての設計の自由度を高めながら、遊技領域から排出された遊技球数の特定を行うことが可能となる。また、特典を付与するか否かを決定するための特典対応検知手段を利用する構成であるため、構成の簡素化が図られる。
特徴I5.前記排出検知手段が検知状態となっている状況が継続したこと又は当該排出検知手段が非検知状態となっている状況が継続したことに基づいて、所定処理を実行する所定処理実行手段(払出側MPU162におけるステップS5009の処理を実行する機能、払出側MPU162におけるステップS5108の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴I4に記載の遊技機。
特徴I5によれば、排出検知手段が検知状態となっている状況が継続したこと又は排出検知手段が非検知状態となっている状況が継続したことに基づいて所定処理が実行されるため、不正行為に起因して遊技球が遊技領域にて停留した場合や、正規の遊技の過程で遊技球が遊技領域にて停留した場合に、それに対処するように遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。
なお、所定処理実行手段は、所定処理として報知処理を実行する構成としてもよく、所定処理として遊技を進行させるための一部の処理の実行を阻止するための処理を実行する構成としてもよく、所定処理として遊技を進行させるための全ての処理の実行を阻止するための処理を実行する構成としてもよい。
特徴I6.前記所定処理実行手段は、前記排出検知手段が前記検知状態となっている状況が所定期間以上継続したことに基づいて前記所定処理を実行することを特徴とする特徴I5に記載の遊技機。
特徴I6によれば、排出検知手段の検知範囲に遊技球が停留している場合に所定処理を実行することが可能となり、その停留している状態を解除するように遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。また、排出検知手段にて遊技球を検知している状況が所定期間以上継続した場合に所定処理が実行されるため、当該所定期間を調整することで遊技が正常に行われている状況で所定処理が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
特徴I7.前記排出検知手段の検知範囲は、前記排出部よりも下流側に設定されており、
前記所定期間は、前記排出検知手段の検知範囲から前記排出部の位置まで遊技球が連なり当該排出部から前記遊技領域側に遊技球が溢れるのに要する期間として想定される最短期間よりも短い期間であることを特徴とする特徴I6に記載の遊技機。
特徴I7によれば、排出検知手段の検知範囲に遊技球が停留したとしても、排出部から遊技領域側に遊技球が溢れるまでに所定処理が実行され、それに対処させることが可能となる。
特徴I8.前記所定処理実行手段は、前記排出検知手段が非検知状態となっている状況が所定期間以上継続したことに基づいて前記所定処理を実行することを特徴とする特徴I5乃至I7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴I8によれば、排出検知手段の検知範囲よりも上流側にて遊技球が停留していることでそれよりも下流側への遊技球の流下が阻止されている場合に所定処理を実行することが可能となり、その停留している状態を解除するように遊技ホールの管理者に促すことが可能となる。また、排出検知手段にて遊技球を検知していない状況が所定期間以上継続した場合に所定処理が実行されるため、当該所定期間を調整することで遊技が正常に行われている状況で所定処理が実行されてしまわないようにすることが可能となる。
特徴I9.前記特典入球部に遊技球が入球したことを特定する入球特定手段(払出側MPU162におけるステップS5105の処理を実行する機能)を備え、
前記所定処理実行手段は、前記排出検知手段が非検知状態となっている状況が所定期間以上継続している場合において前記入球特定手段により前記特典入球部への遊技球の入球が特定されたことに基づいて前記所定処理を実行することを特徴とする特徴I8に記載の遊技機。
特徴I9によれば、排出検知手段にて遊技球を検知していないにも関わらず特典入球部に遊技球が入球したことに基づいて所定処理が実行されるため、遊技が正常に行われている状況で所定処理が実行されてしまう可能性が低減される。
特徴I10.前記特典入球部として、開放状態と閉鎖状態とのそれぞれに切り替わり可能な可変入球手段(可変入賞装置42)と、
特別遊技状態を発生させるか否かの抽選処理を実行する抽選手段(主側MPU152におけるステップS707の処理を実行する機能)と、
前記抽選処理にて前記特別遊技状態の発生当選となった場合に、前記可変入球手段が開閉制御される前記特別遊技状態に遊技状態を移行させる移行手段(主側MPU152におけるステップS710の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記所定処理実行手段は、前記特別遊技状態においては前記排出検知手段の検知結果に関係なく前記所定処理を実行しないことを特徴とする特徴I8又はI9に記載の遊技機。
可変入球手段が開閉されている状況では、遊技球が停留していない状況であっても排出検知手段にて遊技球が継続して検知されない状況が発生し得る。これに対して、特徴I10によれば、特別遊技状態においては排出検知手段の検知結果に関係なく特別処理が実行されないため、遊技が正常に行われている状況で特別処理が実行されてしまう可能性が低減される。
なお、前記排出検知手段の検知範囲が、前記可変入球手段よりも下流側の領域、又は前記可変入球手段に向けて流下する遊技球が通過しない領域に設定されている構成において、上記特徴I10の構成を適用することが好ましい。
特徴I11.前記判定手段は、前記発射手段からの遊技球の発射が停止されている状況において前記判定を行うことを特徴とする特徴I1乃至I10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴I11によれば、遊技領域に供給された遊技球の個数と遊技領域から排出された遊技球の個数とが一致するか否かの判定を正確に行うことが可能となる。
特徴I12.前記発射手段による遊技球の発射を行わせるべく操作される発射操作手段(発射操作装置36)と、
当該発射操作手段が操作されているか否かを特定する操作特定手段(払出側MPU162におけるステップS4911〜ステップS4914の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記判定手段は、前記発射手段により遊技球が発射されたタイミングから当該遊技球が遊技領域から排出されたことが前記排出側特定手段により特定されるタイミングまでの時間として想定される最長時間よりも長い時間が、前記発射操作手段が操作されていないことが前記操作特定手段により特定されてから経過した場合に、前記判定を行うことを特徴とする特徴I1乃至I11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴I12によれば、遊技領域に向けて遊技球が発射されていた状況が終了したことを契機に上記各個数が一致しているか否かの判定が行われるため、遊技領域における遊技球の円滑な流れが阻害された場合にはそれに対して早期に対処することが可能となる。
特徴I13.前記遊技領域から排出された遊技球を当該遊技機の外部に排出することなく前記発射手段側に向けて供給する循環手段(排出用回収部101)を備えていることを特徴とする特徴I1乃至I12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴I13によれば、遊技球は遊技領域を流下したとしても当該遊技機にて循環することとなるため、遊技機にて使用される遊技球数を定めることが可能となり、それに伴って遊技ホールにおける遊技球の総数を抑えることが可能となる。この場合に、上記特徴I1などの構成を備えていることにより、循環している遊技球の個数の管理を適切に行うことが可能となる。
上記特徴I群の発明によれば以下の課題を解決することが可能である。
遊技機の一種としてパチンコ機が知られている。パチンコ機について具体的には、遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤を備えており、当該遊技盤には遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球部が複数設けられている。当該入球部に遊技球が入球した場合には、遊技球の払い出しや内部抽選の実行等といった特典が遊技者に付与される。また、当該入球部に入球した遊技球は、遊技盤の背面側に排出される。また、遊技盤には、いずれの入球部にも入球しなかった遊技球を遊技領域外に排出するための排出部が設けられている。
ここで、上記例示等のようなパチンコ機においては遊技領域における遊技球の円滑な流れが阻害されてしまうこと又は入球部への入球を誤検知させる行為が想定され、この点について未だ改良の余地がある。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。