JP5982554B2 - インバータ駆動回転電機の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明はインバータ駆動回転電機の製造方法に係り、特に固定子コイルエンドにおける電界緩和に貢献するインバータ駆動回転電機の製造方法に関する。
近年、省エネルギー化の観点から、インバータを用いた回転電機の可変速運転が盛んに行われている。一般にインバータでは直流電圧をIGBTなどのスイッチング素子でオン、オフして任意の周波数の交流電圧を作成する。
このインバータのスイッチングに伴い発生する繰り返しインパルス電圧が回転電機に加わると回転電機内部の電圧分布が変化することが、非特許文献1で報告されている。とりわけ高圧回転電機では、繰り返しインパルス電圧に対し、コロナ放電防止層(あるいは低抵抗コロナシールド、スロットコロナ防止システムとも呼ぶ。コイル絶縁層表面の接地電極)の軸方向端部の電界緩和層(あるいは高抵抗コロナシールド、コイルエンドコロナ防止層システムとも呼ぶ)が有効に機能せず、コロナ放電防止層の端部に電界が集中するという問題があった。
このようなコロナ放電防止層の端部における電界集中に対する対策技術として、例えば、特許文献1が報告されている。この中でコロナ放電防止層と電界緩和層の中間に半導電層を設けることが記載されている。
特開昭58−17530号公報
電気学会技術報告第1218号、pp.67−69
しかしながら特許文献1の電界緩和方法は、50/60Hzなどの従来の交流電源電圧や、インバータ電圧でも運転周波数の電圧には有効であったが、インバータの繰り返しインパルス電圧に対しては中間層の半導電層が機能せず、電界集中を防止することができなかった。
さらに、非特許文献1に記載されたように、電界緩和層の導電率(抵抗率)を変化させることで対策することも報告されているが、繰り返しインパルス電圧の急峻パルス電圧変化部分がμs以下(MHzオーダ)になると対策効果が認められなくなるという問題があった。
本発明では、以上の問題を鑑み、インバータの運転周波数電圧および繰り返しインパルス電圧の両者に対し電界緩和することができる電界緩和層を有するインバータ駆動回転電機の製造方法を提供することを目的とする。
以上のことから本発明においては、固定子と回転子を含み、固定子のコアに挿入されたコイル導体の表面は対地絶縁部で覆われてコイル導体を絶縁し、かつコイルエンド部のコイル導体のコア側では、コイル導体表面の対地絶縁部の外側にコロナ放電防止層が設けられ、コイル導体の端部側には、コロナ放電防止層の軸方向端部における電界集中を防止するため電界緩和層が設けられ、インバータにより駆動されるインバータ駆動回転電機の製造方法であって、
前記電界緩和層はその等価回路が抵抗と静電容量の並列回路が複数直列構成された直並列回路として表現されて、その周波数−インピーダンス特性は基準周波数fo以下では前記抵抗により定まり、基準周波数fo以上では前記静電容量により定まるものであって、
基準周波数foは、前記インバータの運転周波数fs以上、繰り返しインパルス周波数fp以下としたことを特徴とする。
本発明によれば、インバータの運転周波数電圧および繰り返しインパルス電圧の両者に対し電界緩和することができる電界緩和層を有するインバータ駆動回転電機を提供することができる。
固定子コイルエンドのコイル導体、対地絶縁、コロナ放電防止層、電界緩和層の本発明に係る等価回路を示す図。 一般的なインバータ駆動回転電機システムの構成を示す図。 固定子コイルエンド断面を示す図。 固定子コイルエンド軸対称断面を示す図。 本発明に係る電界緩和層の軸方向抵抗値rs、静電容量csの直並列回路のインピーダンス|Z|の周波数特性を示す図。 インバータの運転周波数fsと繰り返しインパルス電圧周波数fpの関係を示す電圧波形図。 繰り返しインパルス電圧の周波数に対する電界緩和層表面電位の分布の計算例を示す図。 電界緩和層23の電位傾斜の観点から評価する考え方を示す図。 実施例2の固定子コイルエンド軸対称断面を示す図。 実施例3の固定子コイルエンド軸対称断面を示す図。 従来例の固定子コイルエンド軸対称断面を示す図。 従来例のコイル導体、対地絶縁、コロナ放電防止層、電界緩和層の等価回路を示す図。 従来と本発明の電界緩和手法による効果を比較した図。
本発明の実施形態を、以下に図面を用いて説明する。
図2に一般的なインバータ駆動回転電機システムを示す。回転電機3はインバータ1とケーブル2を介して接続されており、インバータから供給される可変周波数の電圧、電流によって、所定の回転数、トルクで回転する。回転電機3は、固定子4と回転子6がフレーム7に納められて更生されている。回転子6は、8の位置に誘導電動機あるいは誘導発電機の場合には二次巻線が、同期電動機あるいは同期発電機の場合には界磁巻線あるいは永久磁石が挿入されている。固定子4には、回転子6の回転速度に連動した回転磁界を作るための固定子コイル5が挿入されている。図2において、9が固定子コイルエンド部であり、本発明で課題とするコロナ放電防止層の端部における電界集中を考慮すべき部位である。
図3に図2の固定子コイルエンド部9の断面図を示す。固定子4のコア24に、コイル導体20が挿入されている。コイル導体20の表面は対地絶縁部21で覆われてコイル導体20を絶縁している。かつ、コイル導体20のコア24側24Aでは、コイル導体20表面の対地絶縁部21の外側にコロナ放電防止層22が設けられている。対地絶縁部21とコア24の間のコロナ放電防止層22は、対地絶縁部21の表面を接地電位にし、かつ対地絶縁層表面とコア24との間のコロナ放電を防止する機能を有する。さらにコイル導体20の端部側9Aには、コロナ放電防止層22の軸方向端部31における電界集中を防止するため電界緩和層23が設けられている。
図3の断面図では、コイル導体20の部分に示した一点鎖線部より上側と下側では軸対称であるため、この上側の部分を切り出した図を図4に示す。さらに、図4の部位31(コロナ放電防止層22の軸方向端部)におけるコイル導体20、対地絶縁部21、コロナ放電防止層22、電界緩和層23の本発明に係る等価回路を図1に示す。
図1の等価回路においてコロナ放電防止層22は、対地絶縁部21と電界緩和層23の接続点45とアースEの間に設けられたコロナ放電防止層抵抗Rcで表現される。対地絶縁部21は、対地絶縁静電容量cgの並列回路で表現される。対地絶縁静電容量Cgは、電界緩和層23の下部の軸方向単位長さ当たりの対地絶縁静電容量である。
図1の等価回路における対地絶縁部21とコロナ放電防止層22の部分は従来知られたものである。これに対し本発明では、電界緩和層23の等価回路を以下のように表現する。別の言い方をすると、本発明において電界緩和層23に使用される材料は、以下の電界緩和層23の等価回路を実現するものが選択されて使用される。本発明では電界緩和層23は、抵抗rsと静電容量csの並列回路が複数直列構成された直並列回路として表現される。但し、抵抗rsは電界緩和層23の軸方向単位長さ当たりの抵抗であり、静電容量csは電界緩和層23の軸方向単位長さ当たりの静電容量である。
なお、接続点45は、コロナ放電防止層22と対地絶縁部21と電界緩和層23の接続点であり、接続点46は、対地絶縁部21と電界緩和層23の接続点である。またこの等価回路では、対地絶縁静電容量cgの並列回路の他方側(電界緩和層23の反対側)は共通に接続され、電源40を介してアースEに接続されている。この電源40がインバータの運転周波数電圧、あるいは繰り返しインパルス電圧を表す。
以上述べたように本発明では、対地絶縁部21、コロナ放電防止層22、電界緩和層23の等価回路を図1のように表現した。特に電界緩和層23を、軸方向に抵抗rs、静電容量csの並列回路が連なっている直並列回路とした。電界緩和層23における抵抗rsと静電容量csの並列回路を複数直列にした回路のことを仮に抵抗と静電容量のハイブリッド構成と称することにする。本発明では単に等価回路をこのように定義したにとどまらず、電界緩和層23の構成材料として係る特性のものを選択して使用する。
上記特性を実現する具体的な抵抗・静電容量ハイブリッド電界緩和層の構成材料は、従来のSiC、カーボンなどの導電あるいは半導電材料に加えて、BaTi3(比誘電率:約5000)、TiO2(比誘電率:約100)、ZrO2(比誘電率:約40)などの誘電体を混合した電界緩和層によって実現できる。
図5に図1で表した電界緩和層23の軸方向抵抗値rs、静電容量csの直並列回路のインピーダンス|Z|の周波数特性を示している。図5の周波数f―インピーダンスZ特性によれば、周波数foを境にしてインピーダンスZが抵抗性から容量性に変化する。周波数fo以下では、軸方向抵抗値rsが支配的であり、周波数の変化にかかわらず一定値を示す。周波数fo以上では、静電容量csが支配的であり、周波数が高くなるほど低い値を示す。
本発明の電界緩和層23では、インピーダンスが抵抗性から容量性に変化する周波数foを、運転周波数fsと繰り返しインパルス電圧周波数fpの間に設定する。前記の抵抗・静電容量ハイブリッド電界緩和層の材料を選択する時に、この関係を満足する材料とする。
すなわち、コロナ放電防止層の端部に設ける電界緩和層の抵抗率ρと比誘電率εの積あるいは単位長さあたりの抵抗rと静電容量cの積で決定される時定数をτとしたときに周波数foは、次の式で定めることができる。
fo=1/(2π・ρ・ε)=1/(2π・r・c)=1/(2π・τ)
ここでは、周波数foを、インバータの運転周波数fs(あるいは基本周波数)以上、繰り返しインパルス周波数fp(あるいはキャリア周波数)以下とするように、電界緩和層の抵抗率ρと比誘電率εの積、あるいは単位長さあたりの抵抗rと静電容量cの積を決定する。これにより、運転周波数では抵抗率(あるいは抵抗)で電界緩和させ、繰り返しインパルスの周波数では誘電率(あるいは静電容量)で電界緩和したことを特徴とするインバータ駆動回転電機によって提供できる。
ここで、インバータの運転周波数fsと繰り返しインパルス電圧周波数のfpの定義を図6に示し、説明する。図6において点線で示す正弦波は、交流電源(図1の40)の対地電圧波形であり、その一周期分1/fsを示している。fsがインバータの運転周波数であり、商用電源の場合50Hzまたは60Hzに相当する。図6でひげ状に記載した電圧波形がインパルス電圧波形である。その周波数がfpであり、インバータのキャリヤ周波数である。
図5において、インピーダンスが抵抗性から容量性に変化する周波数foを、運転周波数fsと繰り返しインパルス電圧周波数fpの間に設定することにより、運転周波数fsでは抵抗rsで電界緩和層23のインピーダンスが決定され、抵抗rsで運転周波数fsの電圧を電界緩和する。一方、繰り返しインパルス電圧周波数fpでは静電容量csで電界緩和層23のインピーダンスが決定され、静電容量csによって繰り返しインパルス電圧が電界緩和される。
以上のようにすることで、従来、抵抗値を変化させるだけでは複数の周波数成分を含むインバータ電圧の電界緩和は困難であったが、機能を分離することでいずれの周波数に対しても適切に電界緩和させることができる。
図7に、繰り返しインパルス電圧の周波数に対する電界緩和層表面電位の分布の計算例を示す。ここでは、繰り返しインパルス電圧のピーク値を100%とし、この電圧に対する表面電位を縦軸に示す。一方、横軸にはコロナ放電防止層22と電界緩和層23の軸方向の境界部から軸方向への距離を、電界緩和層23の軸方向長さLsを100%にして示す。先の図4には、この電界緩和層23の軸方向長さLsを記載している。
インバータの繰り返しインパルス電圧の周波数に対する電界緩和特性(図7)を鋭意検討した結果、表面電位は指数αによって整理できることが明らかになった。ここで、指数αは電界緩和層下部の対地静電容量cgの合成静電容量Cを、電界緩和層とコイル中心電極の間、すなわち電界緩和層下部の対地絶縁静電容量cの合成静電容量をCで割った値の平方根(α=√(C/C))である。
図7における縦横の関係(距離と電圧の関係)を、指数αごとにプロットしてみると、指数αが小さいと直線的になり、指数αが大きくなるほど立ち上がりが急峻な特性を示す。
ここで図7の特性において立ち上がりが急峻であるということは、コロナ放電防止層22の軸方向端部31における電界集中が発生しているという状態(電界緩和層23が機能していない)である。逆に直線であるということは電界が軸方向に均等に分布した状態を意味する。
このことから、電界緩和層23の軸方向の有効利用長さの観点から評価する考え方がある。例えば本発明で、電界緩和層23の軸方向長さ(図7横軸)の1/2以上を有効に使用するためには、図7特性から指数αの値を10以上にし、この指数αを基に本発明の電界緩和層23の軸方向静電容量cgあるいはこれを決定する比誘電率εを決定するのがよい。
Figure 0005982554
一方、電界緩和層3の軸方向の有効利用長さではなく、電界緩和層23の電位傾斜の観点から評価する考え方がある。ここでは電界緩和層23の電位傾斜の最大値Emaxを、例えば沿面放電の限界電界にして設計する。この場合には、図8のような関係となる。すなわち、縦横軸が図7と同じ距離と電界の関係で示す図8において、インバータの繰り返しインパルス電圧の最大値をVp、電界緩和層の軸方向の長さをLsとした場合に、点線部の電位傾斜は(1)式で表すことができる。このことから、(2)式を満足する指数αを求めることで実現できる。
Figure 0005982554
Figure 0005982554
図9に実施例2の固定子コイルエンド軸対称断面図を示す。実施例1では、電界緩和層23は導電材料あるいは半導電材料と誘電材料を混合して形成し、運転周波数を抵抗で、繰り返しインパルス電圧周波数を静電容量で電界緩和した。
これに対し、実施例2では、端部部位51に示すように、コロナ放電防止層22の軸方向端部と絶縁層21の間に前述の高誘電率の誘電体を含有させた電界緩和層90を設け、その上部に抵抗性の電界緩和層91を設けている。このようにすることで、電界緩和層23に2種類の材料を混合する際の粘度上昇や材料の凝集、特性のばらつきを防止することができる。
図10に実施例3の固定子コイルエンド軸対称断面図を示す。実施例1、2では、軸方向に特性が一様な電界緩和層23を設け、これにより電界緩和をした。しかし、図6に示すように時間領域では、運転周波数fsの波形に、繰り返しインパルス電圧波形が重畳し、位相関係によっては異常電圧が発生する場合もある。
このため、実施例3では、100〜102のように電界緩和層23の特性を軸方向に変化させている。具体的には、コロナ放電防止層22端部には抵抗率ρが低く、比誘電率εが高い第1の電界緩和層100を設置し、順次第2の電界緩和層100、第3の電界緩和層102と軸方向に向かって抵抗率ρを高く、比誘電率εを低くしている。
このように実施例3では、コイルエンドに向かう軸方向に、抵抗率ρあるいは抵抗rを高く、比誘電率εあるいは静電容量cを低くした電界緩和層にすることによって、繰り返しインパルス電圧の電界緩和部と運転周波数電圧の電界緩和部を軸方向に分離し、2つの異なる電圧波形の重畳に伴う異常電圧の発生や、発熱の重畳に伴う電位分布変化、電界緩和層および絶縁層の熱破壊を抑制することができる。
以上詳細に本発明について説明を行ったが、本発明による電界緩和の効果を具体的に従来構成に比較して説明する。従来構成での固定子コイルエンド軸対称断面図を図11に示しているように、電界緩和層110は抵抗性の電界緩和層である。さらに図12には、この部位111のコイル導体、対地絶縁、コロナ放電防止層、電界緩和層の等価回路を示している。
図13は、従来と本発明の電界緩和手法による効果を比較した図である。ここでは、抵抗で電界緩和層を構成させる従来の構成を2例(従来例1:高抵抗材料として1MΩ/2.5mm、従来例2:中抵抗材料として10kΩ/2.5mm)示している。また、抵抗と静電容量で電界緩和層を構成させる本発明の構成を2例(実施例1と実施例3)示している。ここで取り上げた実施例1の場合には、抵抗材料が1MΩ/2.5mmで静電容量が3500pF/2.5mmとしている。実施例3の場合には、第1の電界緩和層は抵抗材料が10kΩ/2.5mmで静電容量が3500pF/2.5mm、第2の電界緩和層は抵抗材料が35kΩ/2.5mmで静電容量が1000pF/2.5mm、第3の電界緩和層は抵抗材料が1MΩ/2.5mmで静電容量が35pF/2.5mmとしている。
図13には、上記4ケースにおける表面電位分布を縦横に距離と電界を採用した図で比較表現している。また図6の2つの周波数(運転周波数fsと繰り返しインパルス電圧周波数fp)のときの電位傾斜を示している。この特性を評価すると、次のようなことがいえる。
まず従来例1の高抵抗の電界緩和層では、運転周波数fs=50Hzでは従来から実績が得られている電位傾斜で電界緩和できるが、繰り返しインパルス電圧周波数fp=1MHzに対しては電位傾斜が高くなり電界緩和しない。また、従来例2の高抵抗の電界緩和層では、抵抗値を低減することで幾分繰り返しインパルス電圧周波数fp=1MHzの電位傾斜は低下するが、運転周波数fs=50Hzに対する電位傾斜が低くなりすぎて、所定の電界緩和層の軸長で100%の電圧を電界緩和できない問題が生じた。
これに対し本発明の実施例1によれば、繰り返しインパルス電圧周波数fp=1MHzでも、運転周波数fs=50Hzでも従来から実績が得られている電位傾斜で電界緩和できる。また実施例3の場合には、電界緩和の機能を発揮する長さ方向位置が相違することにはなるが、繰り返しインパルス電圧周波数fp=1MHzでも、運転周波数fs=50Hzでも従来から実績が得られている電位傾斜で電界緩和できていることが分かる。
なお、本発明の他の効果としては、インバータの出力端に設置する繰り返しインパルス電圧の電圧立ち上がり時間を抑制するフィルタを除去することが可能になり、インバータと回転電機をケーブルを介して直接接続することができる。
1:インバータ,2:ケーブル,3:回転電機,4:固定子,6:回転子,7:フレーム,9:固定子コイルエンド部,20:コイル導体,21:対地絶縁部,22:コロナ放電防止層,23:電界緩和層,24:固定子4のコア,31:軸方向端部,Rc:コロナ放電防止層抵抗,Cg:対地絶縁静電容量,rs:抵抗,cs:静電容量

Claims (6)

  1. 固定子と回転子を含み、固定子のコアに挿入されたコイル導体の表面は対地絶縁部で覆われてコイル導体を絶縁し、かつコイルエンド部のコイル導体のコア側では、コイル導体表面の対地絶縁部の外側にコロナ放電防止層が設けられ、コイル導体の端部側には、コロナ放電防止層の軸方向端部における電界集中を防止するため電界緩和層が設けられ、インバータにより駆動されるインバータ駆動回転電機の製造方法であって、
    前記電界緩和層はその等価回路が抵抗と静電容量の並列回路が複数直列構成された直並列回路として表現されて、その周波数−インピーダンス特性は基準周波数fo以下では前記抵抗により定まり、基準周波数fo以上では前記静電容量により定まるものであって、
    基準周波数foは、前記インバータの運転周波数fs以上、繰り返しインパルス周波数fp以下としたことを特徴とするインバータ駆動回転電機の製造方法
  2. 請求項1記載のインバータ駆動回転電機の製造方法において、
    前記基準周波数foを、インバータの運転周波数fs以上、繰り返しインパルス周波数fp以下とするように、前記電界緩和層の抵抗率ρと比誘電率εの積、あるいは単位長さあたりの抵抗rと静電容量cの積を決定することを特徴とするインバータ駆動回転電機の製造方法
  3. 請求項1または請求項2記載のインバータ駆動回転電機の製造方法において、
    インバータの繰り返しインパルス電圧のピーク電圧をV、電界緩和層の軸方向の長さをL、電界緩和層の電界傾斜の最大値をEmax、電界緩和層の静電電容量cの合成静電容量をC、電界緩和層とコイル中心電極の間、すなわち電界緩和層下部の対地絶縁静電容量cの合成静電容量をC
    α=√(C/C)としたときに、
    Figure 0005982554

    となるCあるいはcあるいはεの値の電界緩和層により電界緩和させたことを特徴とするインバータ駆動回転電機の製造方法。
  4. 請求項1または請求項2記載のインバータ駆動回転電機の製造方法において、
    前記電界緩和相は、コロナ放電防止層の軸方向端部と絶縁層の間に高誘電率の誘電体を含有させた第1の電界緩和層を設け、その上部に抵抗性の第2の電界緩和層を設けることを特徴とするインバータ駆動回転電機の製造方法
  5. 請求項1または請求項2記載のインバータ駆動回転電機の製造方法において、
    前記電界緩和相は、コイルエンドに向かう軸方向に抵抗率ρあるいは抵抗rを高く、比誘電率εあるいは静電容量cを低くした電界緩和層によって構成し、繰り返しインパルス電圧の電界緩和部と運転周波数電圧の電界緩和部を軸方向に分離したことを特徴とするインバータ駆動回転電機の製造方法
  6. 請求項5記載のインバータ駆動回転電機の製造方法において、
    コイルエンドに向かう軸方向の抵抗率ρと比誘電率εあるいは抵抗rと静電容量cの積を一定にしたことを特徴とするインバータ駆動回転電機の製造方法
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