[遊技機の構成]
まず、図1〜4を用いて、パチンコ機の概観について説明する。
図1〜3に示すように、パチンコ機10は、ガラスドア11、皿ユニット20、発射装置130、液晶表示装置32、及び遊技盤14が、ベースドア13に支持された構造を有している。ベースドア13は、裏面側に排出ユニット500および基板ユニット600を支持しており、本体12の開口に嵌め込まれている。
ガラスドア11は、ベースドア13に対して開閉自在に軸着されている。このガラスドア11は、中央に形成された開口11aを有しており、その開口11aには透過性を有する保護ガラス19が配設されている。この保護ガラス19は、ガラスドア11が閉鎖された状態で遊技盤14の前面に対面するように配設されている。
皿ユニット20は、遊技球を貯留するためのものであり、ガラスドア11の下部においてベースドア13に配設されている。この皿ユニット20は、上皿21の下方に下皿22を一体化したユニットとして構成されている。
上皿21は、後述する遊技領域15に発射させる遊技球を貯留するためのものである。上皿21には、払出口21a、演出ボタン80、及びジョグダイヤル90が設けられている。この払出口21aは、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行うためのものであり、所定の払出条件が成立した場合には、遊技球が排出される。演出ボタン80及びジョグダイヤル90は、例えば液晶表示装置32において表示されるCHANCE演出(いわゆるカットイン演出や可動体の可動の有無等)を行うか否かを選択するために、大当りの期待度を報知する演出(例えば会話演出の会話内容や文字色)において期待度を報知させるときに、あるいは大当り遊技状態中におけるラウンド間の継続演出において遊技者により操作されるものである。演出ボタン80は、遊技者による操作とは無関係に大当りの期待度を報知する演出等として、後述する各種態様の演出動作を行うことが可能な可動体としても用いられる。ジョグダイヤル90は、演出ボタン80による演出動作の態様を選択したり、そのような演出動作が大当りの期待度を報知するものとして出現させる際に遊技者により操作される。
下皿22には、払出口22aが設けられている。この払出口22aは、払出口21aと同様に、遊技球の貸し出し、遊技球の払出し(賞球)を行い、所定の払出条件が成立した場合に遊技球が排出するものである。下皿22の下部には、スピーカ46が配設されている。このスピーカ46は、例えば音声での告知や演出、エラー報知を行うためのものである。
発射装置130は、後述する遊技領域15に、上皿21に貯留された遊技球を発射するためのものである。この発射装置130は、パネル体27の表面側に発射ハンドル26を設けたものであり、ベースドア13の右下部に配設されている。
パネル体27は、皿ユニット21及び発射装置130をベースドア13に配設するとき、皿ユニット20の右下部と一体化されるものである。このパネル体27の裏側には、遊技球を発射するための駆動装置(図示略)が設けられている。駆動装置としては、例えば発射ソレノイドが使用される。
発射ハンドル26は、遊技者によって操作可能なものであり、回動自在とされている。この発射ハンドル26は、発射ボリューム(図示略)及びタッチセンサ(図示略)が設けられている。遊技者は、発射ハンドル26を操作することにより、遊技球を遊技領域15に打ち出し、パチンコ遊技を進めることができる。
発射ボリューム(図示略)は、発射ソレノイド(図示略)に供給する電力を変化させるためのものであり、発射ハンドル26の内部に設けられている。発射ボリュームは、発射ハンドル26の回動量に応じて抵抗値を変化させることにより、発射ソレノイド(図示略)に供給する電力を変化させることができる。この発射ボリュームにより、遊技者は、遊技球を遊技領域15に打ち出す際の初速、すなわち遊技球のストロークを調整することができる。タッチセンサは、発射ハンドル26が遊技者に握持されたことを検知するためのものであり、発射ハンドル26の周縁部に設けられている。
発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されると、その回動角度に応じて発射ボリュームの抵抗値が変化し、この時の抵抗値に対応する電力が発射ソレノイドに供給される。その結果、上皿21に貯留された遊技球は、遊技領域15に順次発射され、遊技が進められる。遊技球のストロークは発射ハンドルの回動角度により調整され、遊技球の発射は発射ハンドル26から手を離すことにより停止することができる。また、発射ハンドル26に設けられた発射停止ボタン(図示せず)を押下することにより、発射ハンドル26を握持しかつ回動させた状態で遊技球の発射を停止することもできる。
液晶表示装置32は、第1始動口25及び第2始動口44への遊技球の入賞に基づく大当り抽選の結果のほか、遊技に関する各種の画像、例えば演出用の識別図柄(装飾図柄)、通常状態での演出画像、大当り中の演出画像、デモ演出、及び保留球数を表示するものであり、画像表示を可能とする表示領域32aを有している。液晶表示装置32は、表示領域32aが遊技盤14(遊技領域15及び遊技領域外域16)の全部又は一部に重なるように、遊技盤14の背面にスペーサー31を介して配設されている。言い換えると、表示領域32aは、少なくとも、遊技盤14における遊技領域15の全部又は一部と重なるように遊技盤14の後方に配設されている。上述のように、遊技盤14の全体が透過性を有する部材により形成されていることから、液晶表示装置32の画像は遊技盤14を介して確認することができる。
スペーサー31は、遊技盤14を転動する遊技球の流路となる空間を規制するためのものであり、遊技盤14の後方(背面側)と液晶表示装置32の前方(前面側)との間に配置されている。このスペーサー31は、透過性を有した材料で形成されている。もちろん、スペーサー31は、一部が透過性を有する材料、あるいは透過性を有さない材料で形成してもい。スペーサー31の下部には、後述するLEDユニット53(図4参照)が設けられている。
遊技盤14は、保護ガラス19の後方に位置するように、ベースドア13の前方に配設されている。この遊技盤14は、発射された遊技球が転動流下可能な遊技領域15を有している。この遊技領域15は、ガイドレール30(具体的には後述の図4に示す外レール30a)に囲まれ、複数の遊技釘18が打ち込まれたものである。遊技盤14は、液晶表示装置32での表示画像を視認できるように、全体が透過性を有する部材(例えば透過性を有する板形状の樹脂部材)によって形成されている。透過性を有する樹脂としては、種々のものを使用することができるが、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂を用いることができる。
図4に示すように、遊技盤14には、ガイドレール30a,30b、ステージ55、第1始動口25、第2始動口44、通過ゲート54、第1及び第2保留表示部58a,58b、大入賞口39、シャッタ40、及び一般入賞口56a,56b,56c,56dが設けられている。
ガイドレール30a,30bは、外レール30a及び内レール30bを含んでいる。外レール30aは、遊技領域15を区画(画定)するために遊技領域15を囲むように配置されている。内レール30bは、外レール30aとともに遊技球を遊技盤14の上部に案内するためのものであり、外レール30aの内側に配設されている。
ステージ55は、遊技領域15における遊技球の流化領域を振り分けるものであり、遊技盤14の上部に設けられている。発射装置130によって発射された遊技球は、遊技盤14に打ち込まれた遊技釘(図示せず)、ステージ55などとの衝突により、その進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって流下する。この過程において、第1始動口25、第2始動口44、通過ゲート54、大入賞口39、あるいは一般入賞口56a,56b,56c,56dに遊技球が入賞し、入賞しなかった遊技球はアウト口57から排出される。遊技球は、発射ハンドル26の回動角度が小さい場合には遊技球に与えられる打ち出し力が小さいために主としてステージ55の左側を流下する一方で、発射ハンドル26の回転角度が大きい場合には遊技球に与えられる打ち出し力が大きいために主としてステージ55の右側を流下する。一般に、ステージ55の左側に遊技球を流下させる打ち方は左打ち、ステージ55の右側に遊技球を流下させる打ち方は右打ちと呼ばれている。
第1始動口25及び第2始動口44は、遊技球の入賞(通過)を条件に大当り抽選の契機を与えるとともに、大当り抽選の結果を後述する第1及び第2特別図柄表示装置35a,35b(図18参照)や液晶表示装置32において表示させる契機を与えるものである。第1始動口25は第1始動入賞口スイッチ116(図18参照)を備えており、第2始動口44は第2始動入賞口スイッチ117(図18参照)を備えている。第1又は第2始動入賞口スイッチ116,117によって遊技球が検出された場合、遊技機の内部(基板ユニット600)では大当り抽選が行われるとともに、予め設定されている数の遊技球が払出口22a又は払出口22bを介して上皿21又は下皿22に払い出される。
第1始動口25は、遊技盤14の中央やや下方位置に設けられている。ここで、ステージ55の右側から第1始動口25に遊技球が転動する経路に複数の遊技釘18が上下方向に並んで打ち込まれている。この遊技釘18によって、右打ち時にステージ55の右側を流下した遊技球が第1始動口25に入賞しないようになっている。言い換えれば、第1始動口25には、左打ち時のときに遊技球が入賞するようになされている。
第2始動口44は、遊技盤14の右側やや上部において、通過ゲート54の直下に設けられており、右打ち時に入賞が可能とされている。この第2始動口44は、普通電動役物48によって開閉可能とされている。普通電動役物48は、遊技盤14に対して前後方向に移動する舌状部材48aを備えている。舌状部材48aは、遊技盤14から突出して第2始動口44への遊技球の入賞を可能とする状態と、遊技盤14に収容されて第2始動口44を塞いで第2入賞口44への遊技球の入賞を不可能又は困難とする状態と、を選択可能とするものである。舌状部材48aが遊技盤14から突出している状態では、舌状部材48aに遊技球が保持可能され、舌状部材48aに保持された遊技球は舌状部材48aが第2始動口44に引き込まれたときに第2始動入賞口スイッチ117(図18参照)によって検出される。舌状部材48aは、後述する普通図柄表示装置33において所定の図柄で停止表示(点灯・消灯の組み合わせ)されたときに、所定の時間、所定の回数だけ突出状態となり、第2始動口44に遊技球が入りやすくなる。
なお、普通電動役物48は、舌状部材48aを前後に移動させるものに限らず、例えば、一対の羽根部材が開放・閉鎖する電動チューリップ、あるいは第2始動口44を開閉する開閉扉であってもよい。
通過ゲート54は、第2始動口44を開放するための普通図柄抽選を行う契機を与えるものである。通過ゲート54は、右打ち時に遊技球の通過が可能なように、第2始動口44の直上に設けられている。この普通図柄抽選の結果は、後述する普通図柄表示装置33において表示される。後述の普通図柄表示装置33において特定の図柄が停止表示された場合には、普通図柄抽選の結果が当選であることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置32の表示領域32aに表示すようにしてもよい。
パチンコ機10では、大当り遊技終了後に、通常状態、あるいは大当り確率が通常状態よりも高くなる確率変動状態に移行する。確率変動状態では、普通図柄抽選の当選確率が高確率状態となるため、普通電動役物48のサポートによって第2始動口44への入賞が容易となる。この状態は、「電サポ」と呼ばれる状態であり、後述する特別図柄ゲームの保留球が貯まりやすくなるとともに、第2始動口44への入賞により遊技球の目減りを抑制することができる。「電サポ」状態は、次に大当りに当選するまで継続するため、遊技者は短時間で、しかも遊技球の減少が抑制された状態で大当りに当選することが可能となる。ここで、「電サポ」状態においては、通過ゲート54に遊技球を通過させることが普通図柄抽選を実行させる条件となり、また遊技球を第2始動口44へ入賞させることが大当り抽選をうけるための状態となるため、遊技者は右打ちすることで遊技を進行することになる。ここで、大入賞口39は、シャッタ40が開放している限りは、ステージ55の左側及び右側のいずれかも遊技球が入賞可能である。したがって、「電サポ」状態で右打ち時に大当りが発生した場合には、そのまま右打ちを継続することにより、大入賞口39へ入賞させることが可能である。
一方、大当り遊技終了後に大当り確率が通常状態とされる場合にも、「電サポ」状態に移行する。この場合の「電サポ」状態は、所定回数分(例えば100回分)の大当り抽選の結果を、特別図柄用表示装置35において表示するまで継続する。このような有限回数の「電サポ」状態は、「時短状態」と呼ばれている。「時短状態」においても、「電サポ」により利益を受けるために右打ちにより遊技を進行することになる。
大入賞口39は、遊技者に有利な遊技状態である特別遊技状態(大当り遊技状態)のときに開放される部分であり、第1始動口25の直下に設けられている。この大入賞口39には、カウントスイッチ104(図18参照)が設けられている。このカウントスイッチ104は、大入賞口39への遊技球の入賞数をカウントするためのものであり、遊技球の入賞が確認されると、予め設定されている数の遊技球が払出口22a又は払出口22bを介して上皿21又は下皿22に払い出される。
シャッタ40は、大入賞口39の開放状態と閉鎖状態とに変化するものであり、大入賞口39を覆うように配置されている。すなわち、シャッタ40は、大入賞口39に遊技球が入賞可能な開放状態と、遊技球の入賞が不可能又は困難な閉鎖状態と、に変化するように駆動される。シャッタ40による大入賞口39の開放駆動は、後述する第1特別図柄表示装置35a又は第2特別図柄表示装置35bにおいて特別図柄が特定の停止表示態様となって、大当り遊技状態、又は小当り遊技状態に移行された場合に行われる。ここで、大当り遊技状態は、通常状態よりも遊技球を獲得できる状態(出玉あり大当り)を指すが、場合によってはシャッタ40が開閉するが実質的に遊技球を獲得できない状態(出玉なし大当り)も含まれることがある。一方、小当り遊技状態は、シャッタ40は開放するものの、シャッタ40の開閉速度が速く、実質的に遊技球を獲得できない状態である。この小当りは、後述するラウンドゲームという概念はなく、大当りとは区別されるものである。
シャッタ40による大入賞口39の開放状態は、カウントスイッチ104(図18参照)によるカウント値(遊技球の通過数)が所定個数(例えば7個)となるか、あるいは開放時間が所定時間(例えば約0.1秒あるいは約30秒)を経過するまで維持される。一方、遊技球の通過数が所定数となった場合、又はシャッタ40の開放時間が所定時間となった場合には、シャッタ40は大入賞口39を閉鎖するように駆動される。
一般入賞口56a,56b,56cは、遊技球の入賞を条件に規定個数の遊技球を払い出させる役物である。これらの一般入賞口56a,56b,56cは、装飾部材を配置することにより遊技盤14の左下部に形成されており、左打ち時に入賞可能とされている。装飾部材は、LEDユニット53が配置された部分に対応する部位が透明に形成されている。このため、図4に示すように、後述するLEDユニット53は、遊技盤14の左下部において遊技者から視認可能とされている。一方、一般入賞口56dもまた遊技球の入賞を条件に規定個数の遊技球を払い出させる役物であり、遊技盤14の右下部に形成されて、右打ち時に入賞可能とされている。一般入賞口56a〜56dに遊技球が入賞したときには、予め設定されている数の遊技球が払出口22a又は払出口22bを介して上皿21又は下皿22に払い出される。
図5に示すように、LEDユニット53は、普通図柄表示装置33、普通図柄用保留表示部50a,50b、特別図柄表示装置35、第1特別図柄用保留表示部34a,34b、及び第2特別図柄用保留表示部34c,34dを有している。
特別図柄表示装置35は、16個によって構成されている。これら16個のLEDは、8個のLEDからなる2つのグループに分かれており、詳細は後述するが、一方のグループは、第1始動口25への始動入賞を契機として変動表示を行うものであり、他方のグループは、第2始動口44への始動入賞を契機として変動表示を行うものである。なお、以下の説明の便宜上、一方のLEDのグループのを第1特別図柄表示装置35a(図18参照)、他方のLEDのグループのを第2特別図柄表示装置35b(図18参照)と称する。
第1及び第2特別図柄表示装置35a,35bのLEDは、所定の特別図柄の変動表示開始条件の成立により、グループ単位で点灯・消灯を繰り返す変動表示を行う。そして、8つのLEDの点灯・消灯によって形成される表示パターンが、特別図柄(識別図柄ともいう)として停止表示される。この停止表示された特別図柄が、特定の停止表示態様の場合には、通常遊技状態から遊技者に有利な状態である当り遊技状態(特別遊技状態)に遊技状態が移行する。この当り遊技状態となった場合には、後述するように、シャッタ40(図4参照)が開放状態に制御され、大入賞口39(図4参照)に遊技球が受け入れ可能な状態となる。言い換えれば、大入賞口39が開放される遊技が当り遊技であり、本実施形態によれば、大当り遊技と小当り遊技の2種類の当り遊技がある。また、特別図柄が大当り遊技状態に移行する停止表示態様になることが大当り、特別図柄が小当り遊技状態に移行する停止表示態様になることが小当りである。大当りと小当りの違いについては後述するが、大当りの場合には、多くの出球を獲得する可能性が高くなり、小当りの場合には、出球獲得があまり期待できない。一方、特別図柄として、ハズレ図柄が停止表示された場合は、遊技状態が維持される。以上のように、特別図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって遊技状態が移行又は維持されるゲームを「特別図柄ゲーム」という。
特別図柄表示装置35の下方には、普通図柄表示装置33が設けられている。普通図柄表示装置33は、2つの表示用ランプで構成されており、これら表示用ランプが交互に点灯・消灯を繰り返すことによって、普通図柄として変動表示される。そして、普通図柄が変動表示された後、停止表示され、その結果によって普通電動役物48(図4参照)の開放・閉鎖状態が異なってくるゲームを「普通図柄ゲーム」という。
普通図柄表示装置33の下方には、普通図柄保留表示LED50a,50bが設けられている。この普通図柄保留表示LED50a,50bは、点灯、消灯又は点滅によって保留されている普通図柄の変動表示の実行回数(いわゆる「保留個数」、「普通図柄に関する保留個数」)を表示する。具体的には、普通図柄の変動表示の実行が1回分保留されている場合には、普通図柄保留表示LED50aが点灯し、普通図柄保留表示LED50bが消灯する。普通図柄の変動表示の実行が2回分保留されている場合には、普通図柄保留表示LED50aが点灯し、普通図柄保留表示LED50bが点灯する。普通図柄の変動表示の実行が3回分保留されている場合には、普通図柄保留表示LED50aが点滅し、普通図柄保留表示LED50bが点灯する。普通図柄の変動表示の実行が4回分保留されている場合には、普通図柄保留表示LED50aが点滅し、普通図柄保留表示LED50bが点滅する。
普通図柄保留表示LED50a,50bの下方には、第1特別図柄保留表示LED34a,34b、第2特別図柄保留表示LED34c,34dが設けられている。これら第1特別図柄保留表示LED34a,34b及び第2特別図柄保留表示LED34c,34dは、点灯、消灯又は点滅によって保留されている特別図柄の変動表示の実行回数(いわゆる「保留個数」、「特別図柄に関する保留個数」)を表示する。第1特別図柄保留表示LED34a,34b及び第2特別図柄保留表示LED34c,34dによる特別図柄に関する保留個数の表示態様は、普通図柄保留表示LED50a,50bによる、普通図柄の保留個数の表示態様と同一である。
普通図柄表示装置33の側方には、大当り、小当りを問わずに点灯する当り報知LEDなどが設けられる。本実施形態によれば、ラウンド数が一定なのでラウンド数表示用のLEDはない。このため、主制御回路60によって制御される当り報知LEDの表示上では、大当り、小当りの報知上の差別はない。また、いわゆる突確大当りと小当りは、後述するようにその当りが発生したときのシャッタ40の開閉パターンも同一のものから選択され、また副制御回路200によって制御される液晶表示装置32等における演出も同一である。このため、突確大当りと小当りは、遊技者は見た目上の区別が付かない。
また、遊技盤14の後方(背面側)に配設されている液晶表示装置32の表示領域32aでは、第1特別図柄表示装置35a及び第2特別図柄表示装置35bにおいて表示される特別図柄と関連する演出画像が表示される。
例えば、第1特別図柄表示装置35a及び第2特別図柄表示装置35bで表示される特別図柄の変動表示中においては、特定の場合を除いて、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて、数字からなる識別図柄(演出用の識別情報でもある)、例えば、“1〜8”のような数字が変動表示される。また、第1特別図柄表示装置35a(図18参照)及び第2特別図柄表示装置35b(図18参照)において変動表示されていた特別図柄が停止表示されるとともに、液晶表示装置32の表示領域32aでも演出用としての識別図柄が停止表示される。
また、第1特別図柄表示装置35a及び第2特別図柄表示装置35bにおいて、変動、停止された特別図柄が特定の停止表示態様の場合には、当りであることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される。具体的には、第1特別図柄表示装置35a及び第2特別図柄表示装置35bのいずれか一方において特別図柄が、例えば、多くの出球が獲得可能な大当りに対応する特定の表示態様で停止表示された場合には、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される演出用の識別図柄の組合せが特定の表示態様(例えば、複数の図柄列のそれぞれに同一の図柄が全て揃った状態で停止表示される態様)となり、さらに、大当り用の演出画像が液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示される。なお、出球を得ることが困難な当り(小当り、15回突確大当り、16回突確大当り)の場合は、当りであることを遊技者に把握させる演出画像を、液晶表示装置32の表示領域32aにおいて表示しなくてもよい。
なお、普通図柄表示装置33において普通図柄として特定の図柄が停止表示された場合には、普通図柄抽選が当選であることを遊技者に把握させる演出画像が液晶表示装置32の表示領域において表示すようにしてもよい。
以下の説明においては、第1始動口25への遊技球の入球に基づいて第1特別図柄表示装置35aに変動表示される特別図柄を第1特別図柄と称し、第2始動口44への遊技球の入球に基づいて第2特別図柄表示装置35bに変動表示される特別図柄を第2特別図柄と称する。ここで、第1特別図柄表示装置35aと第2特別図柄表示装置35bとは同時に特別図柄が変動することはない。また、本実施形態においては、第2始動口44への始動入賞を優先に特別図柄の変動表示が行われる。このように、第1始動口25、第2始動口44は、遊技盤14の遊技領域に備えられ、遊技球が通過可能な始動領域の一例である。
また、第1及び第2保留表示部58a,58bは、第1又は第2特別図柄表示装置35a,35bが変動表示しているときに、第1又は第2始動入賞口スイッチ116,117によって遊技球が検出された場合、変動表示中の第1又は第2特別図柄が停止表示されるまで、第1又は第2始動口25,44への遊技球の入球に基づく第1又は第2特別図柄の変動表示の実行(開始)を保留表示するものである。変動表示していた第1又は第2特別図柄が停止表示された場合には、保留されていた第1又は第2特別図柄の変動表示が開始される。ここで、第1及び第2特別図柄の変動表示の優先順位は、本実施形態では、後述する第2特別図柄のほうが第1特別図柄よりも高くされている。もちろん、第1及び第2始動入賞口25,44への入賞順にしたがって、対応する第1及び第2特別図柄を順次変動表示させるようにしてもよい。
なお、第1及び第2保留表示部58a,58bに代えて、あるいは第1及び第2保留表示部58a,58bに加えて、液晶表示装置32において、第1始動口25への入賞の保留、及び第2始動口44への入賞の保留を表示するようにしてもよい。
また、特別図柄の変動表示の実行が保留される回数には上限が設定されており、本実施形態においては、第1始動口25、第2始動口44への入球による特別図柄の変動表示の保留数は、それぞれ4回を上限としている。具体的には、第1特別図柄の特別図柄ゲームが4回保留されている場合には、変動中の第1特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が、メインRAM70(図18参照)の第1特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶され、保留されている4回の特別図柄ゲームの情報は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に始動記憶として記憶される。第2特別図柄の特別図柄ゲームについても同様に、第2特別図柄の特別図柄ゲームが4回保留されている場合には、変動中の第2特別図柄に対応する特別図柄ゲームの情報が、メインRAM70(図18参照)の第2特別図柄始動記憶領域(0)に始動記憶として記憶され、保留されている4回の特別図柄ゲームの情報は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に始動記憶として記憶される。したがって、最大8回の保留が可能になる。
また、その他の(所定の特別図柄の変動表示開始)条件としては、特別図柄が停止表示されていることである。つまり、所定の特別図柄の変動表示開始条件が成立する毎に特別図柄の変動表示が開始される。
第1特別図柄表示装置35a及び第2特別図柄表示装置35bにおいて特別図柄が特定の停止表示態様となって、遊技状態が大当り遊技状態に移行された場合は、シャッタ40が、遊技球を受け入れやすい開放状態となるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れやすい開放状態(第1の状態)となる。
一方、シャッタ40の背面側(後方)に設けられた大入賞口39には、カウントスイッチ104(図18参照)を有する領域(図示せず)があり、その領域を遊技球が所定個数(例えば7個)通過するか、又は、所定時間(例えば、約0.1秒あるいは約30秒)が経過するまでシャッタ40が開放状態に駆動される。そして、開放状態において大入賞口39への所定数の遊技球の入賞又は所定時間の経過のいずれかの条件が成立すると、シャッタ40は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態になるように駆動される。その結果、大入賞口39は、遊技球を受け入れ難い閉鎖状態となる(第2の状態)。なお、一定時間において、大入賞口39が遊技球を受け入れやすい状態となっている遊技をラウンドゲームという。したがって、シャッタ40は、ラウンドゲーム時に開放し、各ラウンドゲーム間では閉鎖することになる。また、ラウンドゲームは、“1”ラウンド、“2”ラウンド等のラウンド数として計数される。例えば、ラウンドゲームの1回目を第1ラウンド、2回目を第2ラウンドと呼称する場合がある。なお、本実施形態においては、1ラウンドにおいて、複数回シャッタ40を開閉して、開放状態となる時間を一定時間とする場合がある。
続いて、開放状態から閉鎖状態(第2の状態)に駆動されたシャッタ40は、再度開放状態に駆動される。つまり、ラウンドゲームが終了した場合には、次のラウンドゲームへ継続して進むことができる。なお、第1ラウンドのラウンドゲームから、次のラウンドゲームに継続して進むことができない(最終の)ラウンドゲームが終了するまでの遊技を特別遊技あるいは大当り遊技という。なお、本実施形態においては、全ての大当りは15ラウンドである。また、本実施形態においては、第1特別図柄表示装置35a及び第2特別図柄表示装置35bにおいて特別図柄が特定の停止表示態様となって、遊技状態が小当り遊技状態に移行された場合は大入賞口39が15回又は16回遊技球を受け入れやすい開放状態となるように、シャッタ40が駆動される。なお、小当り遊技は、大入賞口39を15回又は16回開放する遊技であり、大当りのようにラウンドゲームという概念はない。
また、前述した第1始動口25、第2始動口44、一般入賞口56a〜56d、大入賞口39に遊技球が入賞したときには、それぞれの入賞口の種類に応じて予め設定されている数の遊技球が上皿21又は下皿22に払い出される。
また、本実施形態においては、大当り遊技終了後に、普通図柄抽選の当選確率が高確率状態となり、普通電動役物48によるサポートによって特別図柄ゲームの保留球が貯まりやすくなる時短状態に移行する場合がある。ここで、時短状態においては、通過ゲート54に遊技球を通過させることが、普通図柄抽選を実行させる条件となるため、右打ちをしながら遊技を進行することになる。また、右打ち状態で大当りが発生した場合には、そのまま右打ちを継続することにより、大入賞口39へ入賞させることが可能である。また、普通電動役物48によるサポートが受けられない場合には、左打ちをしながら遊技を進行することになる。
なお、本実施形態において、演出手段の一例として、液晶表示装置を記載したが、本発明はこれに限定されない。演出手段は、プラズマディスプレイや、リアプロジェクションディスプレイや、CRTディスプレイや、ランプや、スピーカや可動役物等の演出手段であってもよい。また、以下に説明するように、本実施形態においては、演出手段として演出ボタン80及びジョグダイヤル90が設けられているが、演出ボタン80は、遊技者が押下操作可能な操作手段としても用いられる。また、ジョグダイヤル90は、遊技者が回転操作可能な操作手段として用いられる。
[演出ボタン及びジョグダイヤルの構成]
以下、図6〜17を参照して、演出ボタン80及びジョグダイヤル90の構成について説明する。
図6〜8に示すように、演出ボタン80は、可動体81、カバー82、ボタンユニット本体83、円筒カム84、及び回転駆動モータ85を有している。
可動体81は、遊技者が押下可能な押しボタンとして機能するものである。本実施形態において、可動体81は、図8に示すように、キャップ状に形成されている。可動体81の内部には、図8に示すように、ボタンランプ等が実装された電飾基板810が設けられている。このようなボタンランプの光を遊技者が視認できるように、可動体81の上面は、半透明あるいは透明に形成されている。図8に示すように、可動体81の下端には、外周面811に対して径方向の外側に突出した突部812が形成されている。この突部812は、可動体81が上方へ移動した際に、後述するカバー82のストッパ821(図8参照)に当接する。このため、突部812の外径寸法は、ストッパ821の内径寸法よりも大きくなるように形成されている。
図9に示すように、可動体81の突部812には、可動体81の下面を構成する略円板形状の第1可動部813Aが固定されている。この第1可動部813Aの裏面には、第1可動部813Aから下方に突出する遮光板814が設けられている。遮光板814は、演出ボタン80が設けられた上皿21の配置面より上方に可動体81が突出していない状態(図6に示すような状態で、以下「非突出状態」という。)において、可動体81が遊技者によって操作されたことを検知するために、第1光センサ815A(図8参照)によって検知される。
また、第1可動部813Aには、電飾基板810の裏面に設けられた第2光センサ815B(図18参照)と対応する位置に、遮光板(図示せず)が設けられている。この遮光板は、可動体81が上皿21の配置面より上方に突出した状態(図7に示すような状態で、以下「突出状態」という。)であることを検知するために、第2光センサ815Bによって検知される。また、図8に示すように、第1可動部813Aには、後述する円筒カム84を挿通するための挿通孔8130と、2本の支柱816を挿通するための2つの挿通孔8131が形成されている。
第1可動部813Aの裏面には、第2可動部813Bが固定されている(図8及び図9参照)。図9に示すように、第2可動部813Bの裏面には、円筒カム84に対するガイド部材としてガイドローラ817が設けられている。このガイドローラ817は、円筒カム84の径方向を軸方向として回転自在に支持されている。このガイドローラ817は、後述する円筒カム84の第1誘導路841A,841B、第2誘導路842、第3誘導路843(図13及び図14参照)や、円筒カム84の下端側に形成された水平面844A,844Bに沿って転動するように配置される。また、ガイドローラ817は、後述する円筒カム84の可動板84Aにより形成される渡り通路845に沿って転動しながら移動することも可能である。
図9に示すように、第2可動部813Bには、挿通孔8130,8131と対応する位置に、挿通孔8130’,8131’が形成されている。挿通孔8130’は、挿通孔8130と同様に円筒カム84を挿通するためのものである。挿通孔8131’は、挿通孔8131と同様に支柱816を挿通するためのものである。第2可動部813Bには、上述した遮光板814を第2可動部813Bの下方に突出させるための切り欠き8132が形成されている。
カバー82は、可動体81を上下動可能に支持するものであり、上下に開口を有する略円筒形状に形成されている(図8参照)。このカバー82のカバー本体820は、可動体81の突部812を上下方向にスライド可能に支持するものである。このため、カバー本体820の内径寸法は、突部812の外径寸法よりも若干大きく設定されている。カバー本体820の上端には、断面が略L字型のストッパ821(図8参照)が形成されている。このストッパ821は、可動体81を上下方向にスライド可能に支持するとともに、所定の位置まで突出した可動体81のさらなる上方への移動を規制するものである。このため、ストッパ821の内径寸法は、可動体81の外径寸法よりも若干大きく、かつ突部812の外径寸法よりも小さく設定されている。
上述したように、可動体81には、第1可動部813A及び第2可動部813Bが固定されており、可動体81がカバー本体820及びストッパ821によって上下方向にスライド可能に支持されているので、可動体81、第1可動部813A、及び第2可動部813Bは、一体的に上下動可能である。また、第2可動部813Bは、支柱816を囲繞するように配置されたコイルバネ(図示せず)によって常に上方に付勢されている。これに対して、遊技者がコイルバネの弾性力に抗して可動体81を押し下げることによって可動体81、第1可動部813A、及び第2可動部813Bが一体的に下方へ移動する。そして、第2可動部813Bが所定の最下点位置まで下降すると、第2可動部813Bがボタンユニット本体83に当接して、可動体81の下方へのさらなる移動が不可となる(図10参照)。また、カバー82にストッパ821が設けられていることにより、可動体81がコイルバネの弾性力によりカバー82に対して大きく突出し、所定の最上点位置まで上昇すると、突部812がストッパ821に当接して、可動体81の上方へのさらなる移動が不可となる。
カバー本体820の下端は、例えばネジ止め等によってボタンユニット本体83に固定されている。このボタンユニット本体83には、遮光板814と対応する位置に、第1光センサ815Aが設けられている。この第1光センサ815Aは、可動体81の非突出状態において、遊技者によって可動体81が操作されたことを検知するためのものである。第1光センサ815Aとしては、例えばフォトインタラプタが適用される。第1光センサ815Aでは、受光部によって受光された輝度に応じた信号レベルのセンサ信号(電気信号)が生成され、生成されたセンサ信号が後述の副制御回路200(図18参照)へ出力される。遊技者によって可動体81が押下されていない状態では、図8に示すように、第1光センサ815Aの発光部から受光部への光路が遮光板814に遮断されない。一方、遊技者によって可動体81が押下されると、遮光板814がボタンユニット本体83に形成された挿通孔83A(図8参照)を介して第1光センサ815Aの光路間に進入する。すなわち、可動体81の非突出状態においては、遊技者による可動体81の操作の前後となる、可動体81が操作されていないときと、可動体81が操作されたときとで、第1光センサ815Aからのセンサ信号の信号レベルが相異する。これにより、副制御回路200のサブCPU206は、第1光センサ815Aから出力されるセンサ信号の信号レベルの変化に基づいて、可動体81が操作されたか否かを検知することができる。
ボタンユニット本体83には、2本の支柱816が立設されており、これら2本の支柱816の上端部には、電飾基板810を支持する支持板830が固定されている(図8参照)。この支持板830により、ボタンランプが実装された電飾基板810がカバー82のストッパ821と略同じ高さに配置されているので、可動体81がカバー82に対して上方に大きく突出した状態(図7に示す状態)においても、遊技者がボタンランプの光を十分に視認することができる。
本実施形態では、遮光板を検知する第1光センサ815A及び第2光センサ815Bと、副制御回路200のサブCPU206とが、遊技者による演出ボタン80の操作を検知する操作検知手段として機能する。
ボタンユニット本体83の中心部には、可動体81の移動方向(上下方向)を軸方向として軸周りに回転可能な円筒カム84が配置される。円筒カム84は、遊技者の操作とは無関係に演出動作として可動体81を上下方向に動作させるためのものである。
図11〜14に示すように、円筒カム84の外周面840には、この外周面840に対して円筒カム84の径方向内側に凹んだ溝(凹溝)により、第1誘導路841A,841B、第2誘導路842、及び第3誘導路843が形成されている。第1誘導路841A,841Bは、単調ならせん状に形成されている。第2誘導路842は、円筒カム84の軸方向(上下方向)に沿って垂直状に形成されている。第3誘導路843は、円筒カム84の軸方向に沿う垂直部分と軸の周方向に沿う水平部分とが交互に連続することでらせん階段状に形成されている。図12〜15に示すように、本実施形態において、第3誘導路843は、水平部分として形成された3つの段部843a〜843cを有する。第2誘導路842は、一方の第1誘導路841Aと同じ凹溝に形成されており、その第1誘導路841Aの上側に直接つながる(連接する)ように形成されている。第3誘導路843は、他方の第1誘導路841Bと同じ凹溝に形成されており、その第1誘導路841Bの上側に直接つながる(連接する)ように形成されている。
また、図15に示すように、円筒カム84の外周面840には、第2誘導路842の下端部と第3誘導路843の下端部とを両端として水平方向に延びる水平面844Aと、2つの第1誘導路841A,841Bの下端部を両端として水平方向に延びる水平面844Bとが形成されている。さらに、図11及び図14に示すように、円筒カム84の外周面840には、第1誘導路841Aの下端部から第2誘導路842の下端部へと水平に延びる孔840Aが形成されている。図8及び図10に示すように、孔840Aの内側には、この孔840Aから外方に突出し得るように可動板84Aが配置されている。可動板84Aは、円筒カム84の内部に設けられた可動板ソレノイド84Bによって駆動される。図15に示すように、可動板84Aが円筒カム84の外周面840に突出すると、第1誘導路841Aの下端部から第2誘導路842の下端部へと水平に延び、2つの水平面844A,844Bを橋渡しするように渡り通路845が形成される。
円筒カム84の下方には、駆動伝達機構86が設けられている。駆動伝達機構86は、ボタンユニット本体83の下方に設けられた回転駆動モータ85の駆動力を円筒カム84に伝達する。図11及び図12に示すように、駆動伝達機構86は、第1ギヤ861、第2ギヤ862、第3ギヤ863、及び第4ギヤ864を有して構成されている。第1ギヤ861は、回転駆動モータ85の回転軸に固定されている。第2ギヤ862は、第1ギヤ861と噛み合わされた状態で、ボタンユニット本体83に回転可能に支持されている。第3ギヤ863は、第2ギヤ862と軸方向が一致するように一体的に構成されており、円筒カム84の下端部に設けられた第4ギヤ864と噛み合わされている。
回転駆動モータ85が駆動すると、その駆動力が第1ギヤ861、第2ギヤ862、及び第3ギヤ863を介して円筒カム84の第4ギヤ864に伝達される。これにより、円筒カム84が上下方向に沿う軸の周りに回転する。なお、回転駆動モータ85の回転方向を切り換えることにより、円筒カム84の回転方向は、図13に示される第1方向D1と第2方向D2との間で切り換えることが可能である。
上述したように、可動体81に固定された第2可動部813Bには、1つのガイドローラ817が設けられている。ガイドローラ817は、第1誘導路841A,841B、第2誘導路842、及び第3誘導路843が形成された円筒カム84の凹溝に進入可能とされる。ガイドローラ817は、第2可動部813Bが受けるコイルバネの弾性力によって、常に上方に付勢されている。このようなガイドローラ817は、円筒カム84が回転することによって、円筒カム84からの摩擦力を受けて、第1誘導路841A,841B、第2誘導路842、及び第3誘導路843、並びに水平面844A,844Bに沿って転動しながら移動する。
図13は、図6に示す可動体81の非突出状態におけるガイドローラ817の位置を示している。この状態では、ガイドローラ817が水平面844Aに位置しており、上方に付勢されているガイドローラ817の上方への移動が円筒カム84の水平面844Aによって規制される。このため、遊技者が可動体81を押下した場合にガイドローラ817が下方に移動可能とされるものの、ガイドローラ817が水平面844Aよりも上側に移動することはない。この状態から図13に示すように回転駆動モータ85の駆動力によって円筒カム84が第1方向D1に回転すると、水平面844Aがガイドローラ817を第3方向D3に転動させながらガイドローラ817に対して第1方向D1に相対移動する。そして、可動板84Aが外方に突出していない状態で、第2誘導路842へと続く水平面844Aの端部がガイドローラ817よりも第1方向D1側へ移動すると、ガイドローラ817に対する規制が解除されて、ガイドローラ817が第2誘導路842に沿って転動しながらコイルバネの弾性力によって上方へと移動する(図13及び図14参照)。すなわち、図15に示すように、可動板84Aが外方に突出していない状態で渡り通路845が形成されていない状態にあるため、ガイドローラ817は、経路Aに沿って移動することとなる。その結果、可動体81は、突部812がストッパ821に当接する飛び出し位置(図7に示される位置)まで勢いよく瞬時に飛び出すことになる。
また、ガイドローラ817が水平面844Aに位置する状態において、可動板84Aが外方に突出した状態となって渡り通路845が形成されている場合には、円筒カム84が第1方向D1に回転すると、水平面844A,844B及び渡り通路845がガイドローラ817に対して第2方向D2に相対移動する。このような渡り通路845により、ガイドローラ817は、第2誘導路842への進入が阻止され、一方の水平面844Aから渡り通路845に沿って他方の水平面844Bへと速やかに移動する。このとき、図15に示すように、ガイドローラ817は、経路Bに沿って移動することとなる。その後、ガイドローラ817が水平面844Bに位置する状態において、可動板84Aが内側に収容されることで渡り通路845が形成されない状態となる。このような状態において、円筒カム84が第1方向D1とは逆の第2方向D2に回転すると、水平面844Bがガイドローラ817に対して第2方向D2に相対移動する。そして、第1誘導路841Aへと続く水平面844Bの端部がガイドローラ817よりも第2方向D2側へ移動すると、ガイドローラ817に対する規制が解除されて、ガイドローラ817が第1誘導路841Aに進入するように移動する。すなわち、図15に示すように、ガイドローラ817は、経路Cに沿って移動することとなる。このとき、ガイドローラ817は、単調ならせん状の第1誘導路841Aに沿って移動するが、この第1誘導路841Aから常に下方への抵抗を受けるので、ガイドローラ817が垂直状の第2誘導路842に沿って上昇する場合に比べて、可動体81は、より緩やかな速度で徐々に突出するような動作を行う。
一方、ガイドローラ817が水平面844Aに位置する状態において、円筒カム84が第1方向D1とは逆の第2方向D2に回転すると、水平面844Aがガイドローラ817に対して第2方向D2に相対移動する。そして、第3誘導路843へと続く水平面844Aの端部がガイドローラ817よりも第2方向D2側へ移動すると、ガイドローラ817に対する規制が解除されて、ガイドローラ817が第3誘導路843に進入するように移動する。すなわち、図15に示すように、ガイドローラ817は、経路Dに沿って移動することとなる。このとき、ガイドローラ817は、らせん階段状の第3誘導路843に沿って移動するが、この第3誘導路843の段部843a〜843cに位置するごとに上方への移動が規制されるので、可動体81は、段階的かつ間欠的に突出するような動作を行う。
またさらに、ガイドローラ817が水平面844Bに位置する状態において、円筒カム84が第1方向D1に回転すると、図15に示すように、水平面844Bがガイドローラ817に対して第1方向D1に相対移動することとなる。すなわち、ガイドローラ817は、経路Eに沿って第1誘導路841Bに進入するように移動する。このように、ガイドローラ817が第1誘導路841Bに沿って移動する際においても、この第1誘導路841Bから常に下方への抵抗を受けるので、可動体81は、より緩やかな速度で徐々に突出するような動作を行うことが可能となる。
このように、円筒カム84の回転方向(回転駆動モータ85の回転方向)と可動板84Aの突出・収容状態を制御することによって、可動体81が突出状態となる際の態様として少なくとも3種類の演出動作を速やかに出現させることができる。
なお、カバー82から突出した可動体81を回転駆動モータ85の駆動力によって押し下げることも可能である。例えば図15に示されるように、ガイドローラ817が第1誘導路841Aと第2誘導路842との間に位置する状態において、回転駆動モータ85を駆動させることで円筒カム84を第1方向D1に回転させると、ガイドローラ817は、経路C’の方向に進み、第1誘導路841Aに沿って転動しながら移動し、第1誘導路841Aから受ける下方向への押圧力によって下方に押し下げられる。そして、水平面844Bと接する第1誘導路841Aの端部がガイドローラ817よりも第1方向D1側へ移動すると、ガイドローラ817は、水平面844Bに規制されつつこの水平面844B上に位置した元の状態へと復帰する。また、ガイドローラ817が第1誘導路841Bと第3誘導路843との間に位置する状態においても、同様にしてガイドローラ817を経路E’の方向に進行させ、水平面844B上に位置した元の状態へと復帰させることができる。これにより、突出状態にある可動体81は、回転駆動モータ85の駆動力によって非突出状態に戻る。
このように、演出ボタン80の可動体81は、円筒カム84、可動板84A、可動板ソレノイド84B、回転駆動モータ85、駆動伝達機構86、及びコイルバネにより、原点位置(非突出状態である位置)と突出状態が最大となる位置との間で多様な態様で変位させられる。これにより、演出ボタン80は、演出動作をより多様化しつつも、各誘導路に対応する複数の演出動作から常に1つの演出動作を任意に選択して即時に実行することができる演出手段を実現している。
なお、図6〜14には特に示さないが、ボタンユニット本体83には、水平面844A,844Bの略中央部がガイドローラ817と接している状態を検知するための原点検知センサを設けてもよい。このような原点検知センサを設けることにより、副制御回路200のサブCPU206は、原点検知センサの検知結果に基づいて、可動体81が非突出状態で原点位置にあるか否かを判断することができる。
図16及び図17に示すように、ジョグダイヤル90は、演出ボタン80(可動体81)の外周に配置され、可動体81の軸周りに遊技者が回転操作可能な回転操作手段としてのダイヤル本体91と、このダイヤル本体91の回転方向及び回転変位を検出する回転検出手段としてのロータリエンコーダ92(図18参照)とを有している。
ダイヤル本体91は、遊技者が演出ボタン80による演出動作の態様、例えば可動体81の突出する態様を遊技者が選択する際に操作可能なものとして機能するものである。ダイヤル本体91は、上皿21の配置面上に露出しており、演出ボタン80を囲繞するように回転自在に配置されている。ロータリエンコーダ92は、上皿21の内部に配置されており、ダイヤル本体91の回転方向及び回転変位を所定のピッチで検出し、その検出ごとにエンコーダ信号を後述の副制御回路200(図18参照)に出力する。
本実施形態において、ロータリエンコーダ92は、例えばいわゆるインクリメンタルタイプのものであって、最小ピッチごとにエンコーダ信号をパルス出力する。副制御回路200のサブCPU206は、ロータリエンコーダ92からのエンコーダ信号をパルスカウントし、そのパルスカウント値が可変設定されたパルス設定値に達するごとにステップ単位で回転操作量を認識するようになっている。すなわち、副制御回路200のサブCPU206は、パルス設定値が小さいほどダイヤル本体91の回転操作量として多くのステップ数を取得しやすく、逆に、パルス設定値が大きいほどダイヤル本体91の回転操作量としてステップ数を少なく取得しやすい。本実施形態において、パルス設定値は、後述する複数の検出モードに応じて異なるようになっている。また、ハズレの場合におけるパルス設定値は、予め定められた複数の選択率ごとに異なる値が設定されるようになっている。このようなパルス設定値に基づき、副制御回路200のサブCPU206は、ジョグダイヤル90の回転操作量が所定ステップ数に達したか否かを判定し、所定ステップ数に達すると、演出ボタン80による演出動作を実行させる。
例えば、パルス設定値としては、エンコーダ信号のパルスカウント値に対応する“1”、“2”、“3”のうちのいずれかが設定可能な値として予め規定されている。例えば、パルス設定値“1”は、回転操作量を検出するモードとしてA検出モードを決定付けるものであり、大当り時において選択率1/3の確率で決定され、ハズレ時において選択率1/1000の確率で決定される。パルス設定値“2”は、回転操作量を検出するモードとしてB検出モードを決定付けるものであり、大当り時において選択率1/3の確率で決定され、ハズレ時において選択率1/100の確率で決定される。パルス設定値“3”は、回転操作量を検出するモードとしてC検出モードを決定付けるものであり、大当り時において選択率1/3の確率で決定され、ハズレ時において選択率1/50の確率で決定される。A検出モードでは、パルス設定値“1”ごとに回転操作量が1ステップとして検出されるので、回転操作時の回転速度が相対的に高速度として検出されやすい。B検出モードでは、パルス設定値“2”ごとに回転操作量が1ステップとして検出され、A検出モードよりも回転速度が低速度として検出されやすい。C検出モードでは、パルス設定値“3”ごとに回転操作量が1ステップとして検出され、B検出モードよりもさらに回転速度が低速度として検出されやすい。
一例として、大当りの確率が1/100でハズレの確率が99/100である場合、A〜C検出モード(パルス設定値“1”〜“3”)が決定される確率は、以下のようになる。大当り時にA検出モードが決定される確率は、1/100×1/3=1/300となり、ハズレ時にA検出モードが決定される確率は、99/100×1/1000≒1/1010となる。大当り時にB検出モードが決定される確率は、1/100×1/3=1/300となり、ハズレ時にB検出モードが決定される確率は、99/100×1/100≒1/101となる。大当り時にC検出モードが決定される確率は、1/100×1/3=1/300となり、ハズレ時にC検出モードが決定される確率は、99/100×1/50≒1/50.5となる。これにより、A検出モードが決定されたときの大当り期待度(確率値に基づいた大当りの可能性を示す割合)は、1010/1310≒0.77(77%)となり、B検出モードが決定されたときの大当り期待度は、101/401≒0.25(25%)となり、C検出モードが決定されたときの大当り期待度は、50.5/350.5≒0.14(14%)となる。すなわち、A検出モードにおいて演出ボタン80による演出動作が行われた場合には、大当り期待度が「高」となり、B検出モードにおいて演出ボタン80による演出動作が行われた場合には、大当り期待度が「中」となり、C検出モードにおいて演出ボタン80による演出動作が行われた場合には、大当り期待度が「低」となる。
このようなパルス設定値は、円筒カム84を回転させるための条件として、回転検出手段(ロータリエンコーダ92)により検出されるべき回転操作量のしきい値を複数規定したものといえる。これにより、副制御回路200のサブCPU206は、回転検出手段により検出されるべき回転操作量のしきい値を複数規定し、複数のしきい値からいずれか一のしきい値を決定するしきい値決定手段を実現している。このような副制御回路200のサブCPU206は、所定の遊技状態(大当り遊技状態)に移行する場合に、当該所定の遊技状態に移行しない場合(ハズレの場合)よりも複数のしきい値から相対的に小さいしきい値を決定し得るものといえる。
また、ダイヤル本体91は、遊技者が演出動作として演出ボタン80(可動体81)の演出態様を回転方向に応じて選択するために用いられる。例えば、遊技者がダイヤル本体91を左に回転操作し、その際の回転操作量として所定時間内に所定ステップ数に達した場合、図17に示すように、可動体81を勢いよく瞬時に飛び出すような態様とすることができる。一方、例えば遊技者が上記とは逆にダイヤル本体91を右に回転操作し、その際の回転操作量として所定時間内に所定ステップ数に達した場合は、可動体81を段階的に飛び出すような態様とすることができる。もちろん、ダイヤル本体91の回転方向に応じて可動体81を緩やかな速度で徐々に突出させるような態様も選択可能である。これにより、ジョグダイヤル90は、演出ボタン80による各種態様の演出動作に対して遊技者が積極的に関与し得るように能動的な操作を促すための回転操作手段を実現している。
なお、本実施形態においては、ジョグダイヤル90の回転操作量をロータリエンコーダ92により検出しているが、例えばジョグダイヤルのダイヤル本体の下部に複数の検出片を設け、これら複数の検出片が配置される上皿の内部に検出片を検出可能なフォトセンサを設けるようにしてもよい。これによれば、例えばフォトセンサが1個の検出片を検出するごとに回転操作量が1ステップとして検出されるA検出モード、3個の検出片を検出するごとに1ステップとして検出されるB検出モード、10個の検出片を検出するごとに1ステップとして検出されるC検出モードといった複数の検出モードを設けることができる。これら複数の検出モードを切り替えることにより、上述した大当り期待度を変化させることができる。
[遊技機の電気的構成]
本実施形態におけるパチンコ機10の制御回路を示すブロック図を図18に示す。
図18に示すように、パチンコ機10は、主に、遊技の制御を行う主制御回路60と、遊技の進行に応じた演出の制御を行う副制御回路200とから構成される。
主制御回路60は、メインCPU66、メインROM68(読み出し専用メモリ)、メインRAM70(読み書き可能メモリ)を備えている。
メインCPU66には、メインROM68、メインRAM70等が接続されており、このメインROM68に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。
メインROM68には、メインCPU66によりパチンコ機10の動作を制御するためのプログラム、例えば、図19〜33に示す処理をメインCPU66に実行させるためのプログラムや、各種のテーブル等が記憶されている。
メインRAM70は、メインCPU66の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する機能を有する。なお、本実施形態においては、メインCPU66の一時記憶領域としてメインRAM70を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
また、この主制御回路60は、電源投入時においてリセット信号を生成する初期リセット回路64、I/Oポート71、コマンド出力ポート72を備えている。また、初期リセット回路64は、メインCPU66に接続されている。I/Oポート71は、各種のデバイスからの入力信号をメインCPU66に、メインCPU66からの出力信号を各種のデバイスに送信するものである。コマンド出力ポート72は、メインCPU66からのコマンドを副制御回路200に送信するものである。また、主制御回路60は、バックアップコンデンサ74を備えている。このバックアップコンデンサ74は、電断時において、例えば、メインRAM70に対して速やかに電源を供給することにより、メインRAM70に記憶されている各種データを保持することに用いられる。
また、主制御回路60には、各種の装置が接続されている。
例えば、主制御回路60からの信号に応じる各種の装置としては、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示を行う第1特別図柄表示装置35a及び第2特別図柄表示装置35b、特別図柄ゲームにおける特別図柄の可変表示の保留個数を表示する第1特別図柄保留表示LED34a,34b及び第2特別図柄保留表示LED34c,34d、普通図柄ゲームにおける識別図柄としての普通図柄の可変表示を行う普通図柄表示装置33、普通図柄ゲームにおける普通図柄の可変表示の保留個数を表示する普通図柄保留表示LED50a,50b、普通電動役物48の舌状部材48aを突出状態又は引込状態とする始動口ソレノイド118、シャッタ40を駆動させ、大入賞口39を開放状態又は閉鎖状態とする大入賞口ソレノイド120等が接続されている。また、ホール係員を呼び出す機能や当り回数を表示するといった機能を有する図示しない呼出装置や、ホール全体のパチンコ機を管理するホールコンピュータにデータ送信するために用いる外部端子板310が接続されている。
また、例えば、大入賞口39における領域を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給するカウントスイッチ104、各一般入賞口56を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する一般入賞口スイッチ106,108,110,112、通過ゲート54を遊技球が通過した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する通過ゲートスイッチ114、第1始動口25を遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する第1始動入賞口スイッチ116、第2始動口44を遊技球が入賞した場合に、所定の検知信号を主制御回路60に供給する第2始動入賞口スイッチ117、電断時等におけるバックアップデータを遊技場の管理者の操作に応じてクリアするバックアップクリアスイッチ124等が接続されている。
また、主制御回路60には、払出・発射制御回路126が接続されている。この払出・発射制御回路126には、遊技球の払出を行う払出装置128、遊技球の発射を行う発射装置130、カードユニット300が接続されている。カードユニット300は、遊技者の操作によって、カードユニット300に遊技球の貸し出しを要求する信号を出力する球貸し操作パネル155との間で送受信可能である。
払出・発射制御回路126は、主制御回路60から供給される賞球制御コマンド、カードユニット300から供給される貸し球制御信号を受け取り、払出装置128に対して所定の信号を送信することにより、払出装置128に遊技球を払い出させる。また、払出・発射制御回路126は、発射ハンドル26が遊技者によって握持され、かつ、時計回り方向へ回動操作されたときには、その回動角度に応じて発射ソレノイドに電力を供給し、遊技球を発射させる制御を行う。
さらには、コマンド出力ポート72には、副制御回路200が接続されている。この副制御回路200は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに応じて、液晶表示装置32における表示制御、スピーカ46から発生させる音声に関する制御、装飾ランプ等を含むランプの制御等を行う。
なお、本実施形態においては、主制御回路60から副制御回路200に対してコマンドを供給するとともに、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を供給できないように構成したが、これに限らず、副制御回路200から主制御回路60に対して信号を送信できるように構成してもよい。
副制御回路200は、サブCPU206、プログラムROM208、ワークRAM210、液晶表示装置32における表示制御を行うための表示制御回路250、スピーカ46から発生させる音声に関する制御を行う音声制御回路230、装飾ランプ等を含むランプ132の制御を行うランプ制御回路240から構成されている。副制御回路200は、主制御回路60からの指令に応じて遊技の進行に応じた演出を実行する。また、副制御回路200には、演出ボタン80の第1光センサ815A、第2光センサ815B、回転駆動モータ85、可動板ソレノイド84B、及びジョグダイヤル90のロータリエンコーダ92が接続されている。
サブCPU206は、このプログラムROM208に記憶されたプログラムに従って、各種の処理を実行する機能を有する。特に、サブCPU206は、主制御回路60から供給される各種のコマンドに従って、副制御回路200の制御を行う。
プログラムROM208には、サブCPU206によりパチンコ機10の遊技演出を制御するためのプログラムや各種のテーブルが記憶されている。
なお、本実施形態においては、プログラム、テーブル等を記憶する記憶手段として、メインROM68、プログラムROM208を用いるように構成したが、これに限らず、制御手段を備えたコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体であれば別態様であってもよく、例えば、ハードディスク装置、CD−ROM及びDVD−ROM、ROMカートリッジ等の記憶媒体に記録されていてもよい。また、これらのプログラムは、予め記録されているものでなくとも、電源投入後にこれらのプログラムをダウンロードし、ワークRAM210等に記録されるものでもよい。さらにまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
ワークRAM210は、サブCPU206の一時記憶領域として種々のフラグや変数の値を記憶する。なお、本実施形態においては、サブCPU206の一時記憶領域としてワークRAM210を用いているが、これに限らず、読み書き可能な記憶媒体であればよい。
表示制御回路250は、液晶表示装置32の表示制御を行う回路であり、画像データプロセッサ(以下、VDPと称する。)、各種の画像データを生成するためのデータが記憶されている画像データROM、画像データをバッファするフレームバッファ、画像データを画像信号として変換するD/Aコンバータ等から構成されている。
表示制御回路250は、サブCPU206から供給されるデータに応じて、液晶表示装置32に画像を表示させるための種々の処理を行うことができる装置である。表示制御回路250は、サブCPU206から供給される画像表示命令に応じて、識別図柄を示す識別図柄画像データ、背景画像データ、演出用画像データ等、各種の画像データ等、液晶表示装置32に表示させるための画像データを一時的にフレームバッファに格納する。
そして、表示制御回路250は、所定のタイミングで、フレームバッファに格納された画像データをD/Aコンバータに供給する。このD/Aコンバータは、画像データを画像信号として変換し、所定のタイミングでこの画像信号を液晶表示装置32に供給することにより、液晶表示装置32に画像が表示される。つまり、表示制御回路250は、液晶表示装置32に遊技に関する画像を表示させる制御を行うこととなる。
また、音声制御回路230は、音声に関する制御を行う音源IC、各種の音声データを記憶する音声データROM、音声信号を増幅するための増幅器(以下、AMPと称する。)等から構成されている。
この音源ICは、スピーカ46から発生させる音声の制御を行う。音源ICは、サブCPU206から供給される音声発生命令に応じて、音声データROMに記憶されている複数の音声データから一つの音声データを選択する。また、音源ICは、選択された音声データを音声データROMから読み出し、音声データを所定の音声信号に変換し、その音声信号をAMPに供給する。AMPは、音声信号を増幅させ、スピーカ46から音声を発生させる。
ランプ制御回路240は、ランプ制御信号を供給するためのドライブ回路、複数種類のランプ装飾パターンが記憶されている装飾データROM等から構成されている。
[メイン処理]
図19及び図20を用いて、メイン処理について以下に説明をする。
ステップS10において、ウォッチドッグタイマのディセーブル設定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ウォッチドッグタイマをディセーブルに設定する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS11に処理を移す。
ステップS11において、入出力ポートの設定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、入出力ポートの設定処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS12に処理を移す。
ステップS12において、電断検知状態であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、電断検知信号がHI(高レベル)であるか否かを判定する。電断検知信号がHIである場合には電断検知状態であると判定してステップS12に処理を移し、電断検知信号がHIでない場合には電断検知状態でないと判定してステップS13に処理を移す。
ステップS13において、サブ制御受信受付ウェイト処理を行う。この処理において、メインCPU66は、副制御回路200が信号を受け付けるようになるまで待機する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS14に処理を移す。
ステップS14において、RAMの書き込み許可処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70への書き込みを許可する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS15に処理を移す。
ステップS15において、バックアップクリアスイッチ124(図18参照)がオンであるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、バックアップクリアスイッチ124がオンであると判定した場合には、ステップS30(図20参照)に処理を移し、バックアップクリアスイッチ124がオンでないと判定した場合には、ステップS16に処理を移す。
ステップS16において、電断検知フラグがあるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、電断検知フラグがあると判定した場合には、ステップS17に処理を移し、電断検知フラグがあると判定しない場合には、ステップS30(図20参照)に処理を移す。
ステップS17において、作業損傷チェック値を算出する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、作業領域の損傷チェックを行い、作業損傷チェック値を算出する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS18に処理を移す。
ステップS18において、作業損傷チェック値が正常値か否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、作業損傷チェック値が正常値であると判定した場合には、ステップS20に処理を移し、作業損傷チェック値が正常値であると判定しない場合には、ステップS30(図20参照)に処理を移す。
ステップS20においては、スタックポインタに7FFEHを設定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、スタックポインタに7FFEHを設定する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS21に処理を移す。
ステップS21においては、復電時の作業領域の初期設定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、復電時の作業領域の初期設定処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS22に処理を移す。
ステップS22においては、復電時の高確率遊技状態表示報知設定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、復電時の高確率遊技状態表示報知設定処理を行う。具体的には、特別図柄ゲームの大当り確率が高確率の遊技状態(いわゆる、確率変動状態)の場合には、次回の大当りが発生するまで、高確率状態であることを報知する表示が行われるようになる。この処理が終了した場合、ステップS23に処理を移す。なお、報知する表示は、電源投入後の最初の変動開始又は変動終了時に終了する構成としてもよい。
ステップS23においては、復電時のコマンドを送信する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、副制御回路200に、電断時の遊技状態に復帰させるためのコマンドを送信する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS24に処理を移す。
ステップS24においては、CPU周辺デバイスの初期設定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインCPU66周辺のデバイスの初期設定を行う。この処理が終了した場合には、電断前のアドレス、すなわちスタックエリアより復帰されたプログラムカウンタの示すプログラムアドレスへ復帰する。
図20に示すように、ステップS30においては、スタックポインタに8000Hを設定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、スタックポインタに8000Hを設定する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS31に処理を移す。
ステップS31においては、大当り判定関連の乱数の初期値を取得する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大当り判定関連の乱数の初期値を取得する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS32に処理を移す。
ステップS32においては、全作業領域クリア処理を行う。この処理において、メインCPU66は、全作業領域をクリアする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS33に処理を移す。
ステップS33においては、大当り判定関連の乱数の初期値を設定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大当り判定関連の乱数の初期値を設定する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS34に処理を移す。
ステップS34においては、RAMの初期化時の作業領域の初期設定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の初期化時における作業領域の初期設定を行う。この処理が終了した場合、ステップS35に処理を移す。
ステップS35においては、RAMの初期化時のコマンドを送信する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の初期化時のコマンドを副制御回路200に送信する処理を行う。また、副制御回路200においては、受信したコマンドに基づいて初期化が実行される。この処理が終了した場合、ステップS36に処理を移す。
ステップS36においては、CPU周辺デバイスの初期設定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインCPU66周辺のデバイスの初期設定を行う。この処理が終了した場合、ステップS40に処理を移す。
ステップS40においては、割込禁止処理を行う。この処理において、メインCPU66は、割込処理を禁止する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS41に処理を移す。
ステップS41においては、初期値乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU66は、初期乱数カウンタ値を更新する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS42に処理を移す。
ステップS42においては、割込許可処理を行う。この処理において、メインCPU66は、割込処理を許可する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS43に処理を移す。
ステップS43において、演出用乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU66は、演出用乱数カウンタ値を更新する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS44に処理を移す。
ステップS44において、メインCPU66は、システムタイマ監視タイマ値が3以上であるか否かを判定する。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されるシステムタイマ監視タイマ値を参照し、システムタイマ監視タイマ値が3以上である場合には、ステップS45に処理を移し、システムタイマ監視タイマ値が3以上でない場合には、ステップS40に処理を移す。
ステップS45においては、システムタイマ監視タイマの値を3減算する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されるシステムタイマ監視タイマの値を3減算する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS46に処理を移す。
ステップS46においては、タイマ更新処理を行う。この処理において、メインCPU66は、主制御回路60と副制御回路200との同期をとるための待ち時間タイマ、大当りが発生した際に開放する大入賞口39の開放時間を計測するための大入賞口開放時間タイマなど、各種のタイマを更新する処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS47に処理を移す。
ステップS47においては、特別図柄制御処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、メインCPU66は、特別図柄制御処理を行う。メインCPU66は、第1始動入賞口スイッチ116、第2始動入賞口スイッチ117からの検知信号に応じて、当り判定用乱数値と当り図柄決定用乱数値を抽出し、メインROM68に記憶される当り判定テーブルを参照し、特別図柄抽選(大当り又は小当り)に当選したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM70に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS48に処理を移す。
ステップS48においては、普通図柄制御処理を行う。詳しくは後述するが、この処理において、メインCPU66は、普通図柄制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、通過ゲートスイッチ114からの検知信号に応じて、乱数値を抽出し、メインROM68に記憶される普通図柄当選テーブルを参照し、普通図柄抽選に当選したか否かを判定し、判定の結果をメインRAM70に記憶する処理を行う。なお、普通図柄抽選に当選した場合、普通電動役物48が突出状態となって、第2始動口44に遊技球が入球しやすくなる。この処理が終了した場合、ステップS49に処理を移す。このように、メインCPU66は、遊技球が通過領域(通過ゲート54)を通過したことを条件に、可変部材(普通電動役物48)を第1の状態から第2の状態とするか否かの抽選を行う第2の当り抽選手段の一例である。
ステップS49においては、図柄表示装置制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS47、ステップS48でメインRAM70に記憶された特別図柄制御処理の結果と、普通図柄制御処理の結果に応じて、第1特別図柄表示装置35a又は第2特別図柄表示装置35bと、普通図柄表示装置33とを駆動するための制御信号をメインRAM70に記憶する処理を行う。メインCPU66は、制御信号を特別図柄表示装置35に制御信号を送信する。第1特別図柄表示装置35a又は第2特別図柄表示装置35bは受信した制御信号に基づき特別図柄を変動表示及び停止表示する。普通図柄表示装置33は受信した制御信号に基づき普通図柄を変動表示及び停止表示する。この処理が終了した場合、ステップS50に処理を移す。
ステップS50においては、遊技情報データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU66は、台コンピュータ又はホールコンピュータに送信するための遊技情報信号に関するデータを生成し、メインRAM70に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS51に処理を移す。
ステップS51においては図柄保留個数データ生成処理を行う。この処理において、メインCPU66は、後述するタイマ割込処理におけるスイッチ入力処理(図31、ステップS840)にて検出される第1始動入賞口スイッチ116、第2始動入賞口スイッチ117及び通過ゲートスイッチ114からの検知信号や、特別図柄及び普通図柄の変動表示の実行に応じて更新されるメインRAM70に記憶された保留個数データの更新結果に基づいて、第1特別図柄保留表示LED34a,34b、第2特別図柄保留表示LED34c,34d及び普通図柄保留表示LED50a,50bを駆動するための制御信号をメインRAM70に記憶する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS52に処理を移す。
ステップS52においては、ポート出力処理を行う。この処理において、メインCPU66は、上記のステップなどでメインRAM70に記憶される制御信号を各ポートより出力する処理を行う。具体的には、LED点灯のためのLED電源(コモン信号)や大入賞口39の開閉や普通電動役物48の舌状部材48aの開閉を行うソレノイド駆動のためのソレノイド電源を供給する。この処理が終了した場合、ステップS53に処理を移す。
ステップS53においては、入賞口関連コマンド制御処理を行う。この処理において、メインCPU66は、入賞口関連コマンドを制御する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS54に処理を移す。
ステップS54においては、払出処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大入賞口39、第1始動口25、第2始動口44、一般入賞口56a〜56dに遊技球が入賞したか否かのチェックを行い、入賞があった場合、それぞれに対応する払出要求コマンドを払出・発射制御回路126に送信する。この処理が終了した場合には、ステップS40に処理を移す。
[特別図柄制御処理]
図20のステップS47において実行されるサブルーチン(特別図柄制御処理)について図21を用いて説明する。なお、図21において、ステップS101からステップS108の側方に描いた数値は、それらのステップに対応する制御状態フラグを示し、メインRAM70における制御状態フラグとして機能する記憶領域に記憶されている。メインCPU66は、メインRAM70に記憶されている制御状態フラグの数値に応じて、その数値に対応する1つのステップが実行され、特別図柄ゲームが進行することになる。
最初に、ステップS100において、制御状態フラグをロードする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグを読み出す。この処理が終了した場合には、ステップS101に処理を移す。
なお、後述するステップS101からステップS108において、メインCPU66は、後述するように、制御状態フラグの値に基づいて、各ステップにおける各種の処理を実行するか否かを判定する。この制御状態フラグは、特別図柄ゲームの遊技の状態を示すものであり、ステップS101からステップS108における処理のいずれかを実行可能にするものである。また、それに加えて、メインCPU66は、各ステップに対して設定された待ち時間タイマなどに応じて決定される所定のタイミングで各ステップにおける処理を実行する。なお、この所定のタイミングに至る前においては、各ステップにおける処理を実行することなく終了することになり、他のサブルーチンを実行することになる。もちろん、所定の周期でシステムタイマ割込処理も実行する。
ステップS101においては、特別図柄記憶チェック処理を実行する。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS102に処理を移す。
ステップS102においては、特別図柄変動時間管理処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であり、変動時間が経過した場合に、特別図柄表示時間管理を示す値(02H)を制御状態フラグにセットし、確定後待ち時間(例えば600ms)を待ち時間タイマにセットする。つまり、確定後待ち時間が経過した後、ステップS103の処理を実行するように設定する。この処理が終了した場合には、ステップS103に処理を移す。
ステップS103においては、特別図柄表示時間管理処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理においては、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理を示す値(02H)であり、確定後待ち時間が経過した場合に、当り(大当り又は小当り)か否かを判定する。メインCPU66は、当りである場合に、当り開始インターバル管理を示す値(03H)を制御状態フラグにセットし、当り開始インターバルに対応する時間を待ち時間タイマにセットする。つまり、当り開始インターバルに対応する時間が経過した後、ステップS104の処理を実行するように設定するのである。一方、メインCPU66は、当りではない場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)をセットする。つまり、ステップS108の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS104に処理を移す。
ステップS104においては、当り開始インターバル管理処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理を示す値(03H)であり、その当り開始インターバルに対応する時間が経過した場合に、メインROM68から読み出された大入賞口39を開放させるためのデータをメインRAM70に記憶する。そして、メインCPU66は、図20のステップS52の処理において、メインRAM70に記憶された大入賞口39を開放させるためのデータを読み出し、大入賞口39を開放させる旨の信号を、大入賞口ソレノイド120に供給する。このように、メインCPU66などは、大入賞口39の開閉制御を行う。つまり、所定の有利な遊技状態(大入賞口39が遊技球を受け入れやすい開放状態から大入賞口39が遊技球を受け入れ難い閉鎖状態までの遊技状態)が提供される一のラウンドゲームを15ラウンド繰り返し行う大当り遊技、又は大入賞口39を15回あるいは16回開放させる小当り遊技が実行されることになる。
さらに、メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04H)を制御状態フラグにセットするとともに、開放上限時間(例えば、約0.1秒あるいは約30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS106の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS105に処理を移す。
ステップS105においては、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(05H)であり、ラウンド間インターバルに対応する時間が経過した場合に、大入賞口開放回数カウンタを“1”増加するように記憶更新する。メインCPU66は、大入賞口開放中を示す値(04H)を制御状態フラグにセットする。メインCPU66は、開放上限時間(例えば、約0.1秒あるいは約30秒)を大入賞口開放時間タイマにセットする。つまり、ステップS106の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS106に処理を移す。
ステップS106においては、大入賞口開放処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口開放中を示す値(04H)である場合に、大入賞口入賞カウンタが“7”以上であるという条件、開放上限時間を経過した(大入賞口開放時間タイマが“0”である)という条件のいずれかを満たすか否かを判定する。メインCPU66は、いずれかの条件を満たした場合に、大入賞口39を閉鎖させるために、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。そして、大入賞口開放回数カウンタが大入賞口開放回数最大値以上である(最終ラウンドである)という条件を満たすか否かを判定する。メインCPU66は、最終ラウンドである場合に、当り終了インターバルを示す値(06H)を制御状態フラグにセットする一方、最終ラウンドでない場合に、大入賞口再開放前待ち時間管理を示す値(05H)を制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合には、ステップS107に処理を移す。
ステップS107においては、当り終了インターバル処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが当り終了インターバルを示す値(06H)であり、当り終了インターバルに対応する時間が経過した場合に、特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)を制御状態フラグにセットする。つまり、ステップS108の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、ステップS108に処理を移す。
ステップS108においては、特別図柄ゲーム終了処理を実行する。この処理の詳細については後述するが、この処理において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)である場合に、特別図柄記憶チェックを示す値(00H)をセットする。つまり、ステップS101の処理を実行するように設定するのである。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
前述したように、制御状態フラグをセットすることにより、特別図柄ゲームが実行されることとなる。具体的には、メインCPU66は、大当り又は小当り遊技状態ではない場合において、当り判定の結果がハズレであるときには、制御状態フラグを“00H”、“01H”、“02H”、“07H”と順にセットすることにより、図21に示すステップS101、ステップS102、ステップS103、ステップS108の処理を所定のタイミングで実行することとなる。また、メインCPU66は、大当り又は小当り遊技状態ではない場合において、当り判定の結果が大当り又は小当りであるときには、制御状態フラグを“00H”、“01H”、“02H”、“03H”と順にセットすることにより、図21に示すステップS101、ステップS102、ステップS103、ステップS104の処理を所定のタイミングで実行し、大当り又は小当り遊技状態への制御を実行することになる。さらには、メインCPU66は、大当り又は小当り遊技状態への制御が実行された場合には、制御状態フラグを“04H”、“05H”と順にセットすることにより、図21に示すステップS106、ステップS105の処理を所定のタイミングで実行し、大当り又は小当り遊技を実行することとなる。なお、大当り又は小当り遊技の終了条件が成立した場合には、“04H”、“06H”、“07H”と順にセットすることにより、図21に示すステップS105、ステップS107からステップS108の処理を所定のタイミングで実行し、大当り又は小当り遊技を終了することになる。
ところで、特別図柄制御処理は、上述したように、ステータスに応じて処理を分岐させている。また、詳述しないが、普通図柄制御処理も同様にステータスに応じて処理を分岐させている。本実施形態においては、ステータスに応じて処理を分岐させて行う場合のコール命令で、小モジュールから親モジュールへの純粋な戻り処理が可能なように、プログラミングされている。このプログラムの一例については、図50を用いて後述する。このようにプログラミングすることで、ジャンプテーブルを配置する場合と比較して、プログラムの容量を削減することができる。
[特別図柄記憶チェック処理]
図21のステップS101において実行されるサブルーチン(特別図柄記憶チェック処理)について図22を用いて説明する。
最初に、図22に示すように、ステップS110において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値(00H)であるか否かの判定を行う。メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であると判別した場合には、ステップS111に処理を移す。一方、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄記憶チェックを示す値であるとは判定しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS111において、始動記憶の有無を判定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、特別図柄ゲームの始動記憶がないと判定した場合、すなわち第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)又は第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていない場合には、ステップS112に処理を移す。一方、メインCPU66は、始動記憶があると判定した場合には、ステップS112に処理を移す。
ステップS112において、デモ表示処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70にデモ表示許可値をセットする処理を行う。さらに特別図柄ゲームの始動記憶(当り判定用乱数値が記憶されている第1特別図柄始動記憶領域又は第2特別図柄始動記憶領域)が0になった状態が所定時間(例えば、30秒)維持された場合、デモ表示許可値として、デモ表示の実行を許可する値をセットする。そして、メインCPU66は、デモ表示許可値が所定値であった場合に、デモ表示コマンドデータをセットする処理を行う。このように記憶されたデモ表示コマンドデータは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206にデモ表示コマンドとして供給される。これによって、副制御回路200において、デモ表示が液晶表示装置32おいて実行されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS113において、第2特別図柄に対応する始動記憶が0であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータの有無を判別し、第2特別図柄に対応する始動記憶が0である、すなわち、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されていないと判定した場合には、ステップS115に処理を移す。第2特別図柄に対応する始動記憶が0でない、すなわち、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)にデータが記憶されている判定した場合には、ステップS114に処理を移す。
ステップS114において、メインCPU66は、変動状態番号として第2特別図柄の変動であることを示す値(02H)をメインRAM70の所定領域にセットする処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS116に処理を移す。
ステップS114において、メインCPU66は、変動状態番号として第1特別図柄の変動であることを示す値(01H)をメインRAM70の所定領域にセットする処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS116に処理を移す。
ステップS116において、メインCPU66は、制御状態フラグとして特別図柄変動時間管理を示す値(01H)をセットする処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS117に処理を移す。
ステップS117において、特別図柄記憶転送処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、変動表示させる特別図柄が第1特別図柄の場合には、第1特別図柄始動記憶領域(1)から第1特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第1特別図柄始動記憶領域(0)から第1特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を実行し、変動表示させる特別図柄が第2特別図柄の場合には、第2特別図柄始動記憶領域(1)から第2特別図柄始動記憶領域(4)のデータのそれぞれを、第2特別図柄始動記憶領域(0)から第2特別図柄始動記憶領域(3)にシフト(記憶)する処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS118に処理を移す。
ステップS118において、大当り判定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、高確率フラグを読み出し、読み出した高確率フラグに基づいて、大当りとなる判定値(大当り判定値)の数が異なる複数の当り判定テーブルから1つの当り判定テーブルを選択する。すなわち、高確率フラグが所定の値である場合には、大当り判定値の数が多い高確率用の当り判定テーブルが参照され、高確率フラグが所定の値でない場合には、大当り判定値が少ない通常用の当り判定テーブルが参照される。このように、遊技状態フラグが所定の値である場合、つまり遊技状態が高確率状態(確変状態)である場合には、大当り遊技状態に移行する確率は、通常時よりも向上することとなる。
そして、メインCPU66は、始動入賞時に抽出され、第1特別図柄始動記憶領域(0)と第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた特別図柄始動記憶領域の当り判定用乱数値と、選択された当り判定テーブルとを参照する。そして、メインCPU66は、当り判定用乱数値と大当り判定値が一致している場合には、大当りであると判定する。つまり、メインCPU66は、遊技者に有利な大当り遊技状態とするか否かの判定を行うこととなる。この処理が終了した場合には、ステップS119に処理を移す。
ステップS119において、小当り判定処理を実行する。この小当り判定処理は、ステップS118における大当り判定処理において、大当り判定ではなかった場合に実行される。この処理において、メインCPU66は、第1特別図柄始動記憶領域(0)と第2特別図柄始動記憶領域(0)において先にセットされた特別図柄始動記憶領域の当り判定用乱数値と、予め設定されている小当りの判定値が一致しているか否かを判定し、当り判定用乱数値と小当り判定値が一致している場合には、小当りであると判定する。一致していない場合にはハズレであると判定する。
本実施形態においては、第1特別図柄始動記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値と参照する当り判定テーブルとして、通常用と高確率用(確変用)の2種類が用意されており、第2特別図柄始動記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値と参照する当り判定テーブルとして、通常用と高確率用(確変用)の2種類が用意されており、合計4種類の当り判定テーブルが用意されている。なお、通常用の2種類の当り判定テーブルはそれぞれ大当り確率が同じであり、また高確率用の2種類の当り判定テーブルはそれぞれ大当り確率が同じである。その一方で、第1特別図柄始動記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値と参照する、通常用の当り判定テーブルと高確率用(確変用)の当り判定テーブルにおける小当り判定値の数は同じである。また、第2特別図柄始動記憶領域に記憶されている当り判定用乱数値と参照する、通常用の当り判定テーブルと高確率用(確変用)の当り判定テーブルにおける小当り判定値の数は同じである。
なお、通常遊技の第1始動口25への入賞による小当り確率は、第2始動口44への入賞による小当り確率より、大きくしてもあるいは小さくしてもよい。通常遊技の第1始動口25への入賞による大当り確率は、第2始動口44への入賞による大当り確率より、大きくしてもあるいは小さくしてもよい。
このように、ステップS118、S119の処理によって、特別図柄ゲームの結果として大当り、小当り、ハズレのいずれかが決定される。この処理が終了した場合には、ステップS120に処理を移す。このように、メインCPU66は、遊技球が始動領域を通過したことを条件に、通常遊技状態よりも遊技者が多量の遊技球を獲得可能な第1の当り遊技状態、第1の当り遊技状態に比較して少量の遊技球を獲得可能な第2の当り遊技状態、第2の当り遊技状態と同等の遊技球を獲得可能な第3の当り遊技状態、に移行させるか否かの抽選を行う第1の当り抽選手段の一例である。
ステップS120において、メインCPU66は、特別図柄決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、当り判定の結果が大当りの場合には、大当り図柄を決定し、当り判定の結果が小当りの場合には、小当り図柄を決定し、大当りでも小当りでもない場合、すなわちハズレの場合には、ハズレ図柄を決定する処理を行う。なお、特別図柄決定処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS121に処理を移す。
ステップS121において、メインCPU66は、特別図柄変動パターン決定処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、ステップS120の処理において決定された特別図柄と、ステップS118の処理において決定された当り判定の結果に基づいて、特別図柄変動パターンを決定するための変動パターン決定テーブル(図46参照)を選択する。そして、メインCPU66は、演出条件判定用乱数カウンタから抽出した演出条件判定用乱数値と選択した変動パターン決定テーブルとに基づいて、変動パターンを決定し、メインRAM70の所定領域に記憶する。メインCPU66は、このような変動パターンを示すデータに基づいて、第1特別図柄表示装置35a又は第2特別図柄表示装置35bにおける特別図柄の変動表示態様を決定する。
このように記憶された変動パターンを示すデータは、第1特別図柄表示装置35a又は第2特別図柄表示装置35bに供給される。これによって、第1特別図柄表示装置35a又は第2特別図柄表示装置35bに、特別図柄が決定した変動パターンで変動表示することとなる。また、このように記憶された変動パターンを示すデータは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に特図変動パターン指定コマンドとして供給される。副制御回路200のサブCPU206は、受信した特図変動パターン指定コマンドに応じた演出表示を実行することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS122に処理を移す。
ステップS122において、特別図柄変動時間設定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、決定した特別図柄変動パターンに対応する変動時間を待ち時間タイマにセットし、今回の変動表示に用いられた記憶領域をクリアする処理を実行する。この処理が終了した場合には、ステップS123に処理を移す。
ステップS123において、特別図柄演出開始コマンドをメインRAM70にセットする処理を行う。特別図柄演出開始コマンドは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に供給される。副制御回路200のサブCPU206は、受信した特別図柄演出開始コマンドに基づいて演出を開始することとなる。この処理が終了した場合には、ステップS124に処理を移す。
そして、ステップS124において、メインCPU66は、今回の変動表示に用いられた記憶領域(0)の値をクリアする処理を実行する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄決定処理]
図22のステップS120において実行されるサブルーチン(特別図柄決定処理)について図23を用いて説明する。
最初に、ステップS150において、メインCPU66は、大当り判定(ステップS118)の結果、大当りか否かを判定する処理を行う。大当りであると判定した場合には、ステップS151に処理を移す。大当りであると判定しない場合には、ステップS156に処理を移す。
ステップS151において、メインCPU66は、変動状態番号が(01H)であるか否かを判定する処理を行う。変動状態番号が(01H)であると判定した場合には、ステップS152に処理を移す。変動状態番号が(01H)であると判定しない場合には、ステップS154に処理を移す。
ステップS152において、第1特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大当り図柄決定用カウンタから抽出した大当り図柄決定用乱数値と当り判定テーブルに基づいて、第1特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS153に処理を移す。
ステップS153において、第1特別図柄の大当り図柄のデータセット及び大当り図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU66は、第1特別図柄の大当り図柄のデータを、メインRAM70の所定領域にセットし、第1特別図柄表示装置35aに供給する。第1特別図柄表示装置35aは第1特別図柄を変動表示させて、第1特別図柄の大当り図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU66は、第1特別図柄の大当り図柄のコマンドを、メインRAM70の所定領域にセットし、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に特別図柄指定コマンドとして供給する。これによって、副制御回路200の制御によって、識別図柄が大当り停止表示態様で液晶表示装置32に導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS162に処理を移す。
ステップS154において、第2特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大当り図柄決定用カウンタから抽出した大当り図柄決定用乱数値と当り判定テーブルに基づいて、第2特別図柄の大当り図柄を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS155に処理を移す。
ステップS155において、第2特別図柄の大当り図柄のデータセット及び大当り図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU66は、第2特別図柄の大当り図柄のデータを、メインRAM70の所定領域にセットし、第2特別図柄表示装置35bに供給する。第2特別図柄表示装置35bは第2特別図柄を変動表示させて、第2特別図柄の大当り図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU66は、第2特別図柄の大当り図柄のコマンドを、メインRAM70の所定領域にセットし、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に特別図柄指定コマンドとして供給する。副制御回路200の制御によって、識別図柄が大当り停止表示態様で液晶表示装置32に導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS162に処理を移す。
ステップS156において、メインCPU66は、小当り判定(ステップS119)の結果、小当りか否かを判定する処理を行う。小当りであると判定した場合には、ステップS157に処理を移す。小当りであると判定しない場合には、ステップS164に処理を移す。
ステップS157において、メインCPU66は、変動状態番号が(01H)であるか否かを判定する処理を行う。変動状態番号が(01H)であると判定した場合には、ステップS158に処理を移す。変動状態番号が(01H)であると判定しない場合には、ステップS160に処理を移す。
ステップS158において、第1特別図柄の小当り図柄を決定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大当り図柄決定用カウンタから抽出した乱数値に応じて、第1特別図柄の小当り図柄を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS159に処理を移す。
ステップS159において、第1特別図柄の小当り図柄のデータセット及び小当り図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU66は、第1特別図柄の小当り図柄のデータを、メインRAM70の所定領域にセットし、第1特別図柄表示装置35aに供給する。また、メインCPU66は、第1特別図柄の小当り図柄のコマンドを、メインRAM70の所定領域にセットし、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に特別図柄指定コマンドとして供給する。これによって、副制御回路200の制御によって、識別図柄が小当り停止表示態様で識別図柄が液晶表示装置32に導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS162に処理を移す。
ステップS160において、第2特別図柄の小当り図柄を決定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大当り図柄決定用カウンタから抽出した乱数値に基づいて、第2特別図柄の小当り図柄を決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS161に処理を移す。
ステップS161において、第2特別図柄の小当り図柄のデータセット及び小当り図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU66は、第2特別図柄の小当り図柄のデータを、メインRAM70の所定領域にセットし、第2特別図柄表示装置35bに供給する。また、メインCPU66は、第2特別図柄の小当り図柄のコマンドを、メインRAM70の所定領域にセットし、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に特別図柄指定コマンドとして供給する。これによって、副制御回路200の制御によって、識別図柄が小当り停止表示態様で液晶表示装置32に導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS162に処理を移す。
ステップS162において、当り図柄(大当り図柄、小当り図柄)に対応する当り開始インターバル表示時間データセットを行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に当り図柄(大当り図柄、小当り図柄)に対応する当り開始インターバル表示時間データをメインRAM70にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS163に処理を移す。
ステップS163において、大入賞口開放回数関連データセットを行う。この処理において、メインCPU66は、大入賞口開放回数関連データをメインRAM70にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS164に処理を移す。
ステップS164において、ハズレ図柄のデータセット及びハズレ図柄のコマンドセットを行う。この処理において、メインCPU66は、ハズレ図柄のデータを、メインRAM70の所定領域にセットし、変動している特別図柄が第1特別図柄か第2特別図柄かに応じて、第1特別図柄表示装置35a又は第2特別図柄表示装置35bに供給する。第2特別図柄表示装置35bは第2特別図柄を変動表示させて、第2特別図柄のハズレ図柄のデータに基づく態様で停止表示させる。また、メインCPU66は、ハズレ図柄のコマンドを、メインRAM70の所定領域にセットし、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に特別図柄指定コマンドとして供給する。これによって、副制御回路200の制御によって、識別図柄がハズレ停止表示態様で液晶表示装置32に導出表示されることとなる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄変動時間管理処理]
図21のステップS102において実行されるサブルーチン(特別図柄変動時間管理処理)について図24を用いて説明する。
最初に、ステップS200において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であるか否かの判定を行い、特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であると判定した場合には、ステップS201に処理を移し、特別図柄変動時間管理を示す値(01H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS201において、メインCPU66は、待ち時間タイマが“0”であるか否かの判定を行い、待ち時間タイマが“0”であると判定した場合には、ステップS202に処理を移す。待ち時間タイマが“0”であるとは判別しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS202においては、制御状態フラグとして特別図柄表示時間管理を示す値(02H)をセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、特別図柄表示時間管理を示す値(02H)を制御状態フラグにセット(記憶)する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS203に処理を移す。
ステップS203においては、図柄停止コマンドのセットを行う。この処理において、CPU66は、メインRAM70の所定領域に、図柄停止コマンドデータをセット(記憶)する処理を行う。そして、図柄停止コマンドデータは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に図柄停止コマンドとして供給されることにより、副制御回路200が図柄停止を認識するようになる。この処理が終了した場合には、ステップS204に処理を移す。
ステップS204において、確定後、待ち時間としての待ち時間タイマをセットする処理を実行する。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70における待ち時間タイマとして機能する領域に、確定後待ち時間を記憶する処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄表示時間管理処理]
図21のステップS103において実行されるサブルーチン(特別図柄表示時間管理処理)について図25を用いて説明する。
最初に、ステップS300において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)であると判定した場合には、ステップS301に処理を移行する。制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS301において、メインCPU66は、制御状態フラグが特別図柄表示時間管理処理を示す値(02H)である場合に、特別図柄表示管理処理に対応する待ち時間タイマ(t)の値が“0”であるか否か判定する。メインCPU66は、待ち時間タイマの値が“0”である場合には、ステップS302に処理を移す。待ち時間タイマの値が“0”でない場合には、ステップS304の処理を移す。
ステップS302において、メインCPU66は、大当りであるか否かを判定する処理を行う。大当りである場合には、ステップS303に処理を移す。大当りでない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS303において、メインCPU66は、メインRAM70の遊技状態フラグをクリアにする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS304において、メインCPU66は、大当りであるか否かを判定する処理を行う。大当りである場合には、ステップS311に処理を移す。大当りでない場合には、ステップS305に処理を移す。
ステップS305において、メインCPU66は、メインRAM70の時短回数カウンタの値が“0”であるか否か判定する。時短回数カウンタの値が“0”である場合には、ステップS310に処理を移す。時短回数カウンタの値が“0”でない場合には、ステップS306に処理を移す。
ステップS306において、メインCPU66は、メインRAM70の時短回数カウンタの値を1減算する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS307に処理を移す。
ステップS307において、メインCPU66は、メインRAM70の時短回数カウンタの値が“0”であるか否か判定する。時短回数カウンタの値が“0”である場合には、ステップS308に処理を移す。時短回数カウンタの値が“0”でない場合には、ステップS310に処理を移す。
ステップS308において、メインCPU66は、メインRAM70の時短回数フラグをクリアにする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS309に処理を移す。
ステップS309において、メインCPU66は、時短終了コマンドデータをメインRAM70にセットする処理を行う。この時短終了コマンドデータは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に時短終了コマンドとして供給されることにより、副制御回路200が時短終了を認識するようになる。この処理が終了した場合には、ステップS310に処理を移す。
ステップS310において、メインCPU66は、小当りであるか否かを判定する処理を行う。小当りである場合には、ステップS311に処理を移す。小当りでない場合には、ステップS316に処理を移す。
ステップS311において、メインCPU66は、当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)をメインRAM70の制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS312に処理を移す。このように、メインCPU66は、第1の当り抽選手段が当り遊技状態とすると判定した場合に、対応する当り遊技状態に移行制御する当り遊技状態移行制御手段との一例である。
ステップS312において、メインCPU66は、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)に対応する当り開始インターバル時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM70にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS313に処理を移す。
ステップS313において、メインCPU66は、大入賞口開放回数カウンタの値として、「FFH」をメインRAM70にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS314処理を移す。ここで、大入賞口開放回数カウンタの値として「FFH」をセットすると言うことは、「−1」をセットしたことに相当する。
ステップS314において、メインCPU66は、特別図柄演出停止コマンドをメインRAM70にセットする処理を行う。この特別図柄演出停止コマンドは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に供給されることにより、副制御回路200が特別図柄演出停止を認識するようになる。この処理が終了した場合には、ステップS315処理を移す。
ステップS315において、メインCPU66は、特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)に対応する大当り開始コマンド又は小当り開始コマンドをメインRAM70にセットする処理を行う。この処理において、大当り開始コマンド又は小当り開始コマンドは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に供給されることにより、副制御回路200が大当り又は小当り開始を認識するようになる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS316において、メインCPU66は、メインRAM70における制御状態フラグとなる所定領域に、特別図柄ゲーム終了処理を示す値(07H)をセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS317に処理を移す。
ステップS317において、メインCPU66は、特別図柄演出停止コマンドをメインRAM70にセットする処理を行う。この特別図柄演出停止コマンドは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に供給されることにより、副制御回路200が特別図柄演出停止を認識するようになる。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[当り開始インターバル管理処理]
図21のステップS104において実行されるサブルーチン(当り開始インターバル管理処理)について図26を用いて説明する。
当り開始インターバル管理処理は、図26に示すように、ステップS401において、メインCPU66は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)であると判定した場合には、ステップS402に処理を移行する。制御状態フラグが当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS402において、メインCPU66は、制御状態フラグが当り開始インターバル管理処理を示す値(03H)である場合に、特別図柄表示管理処理に対応する待ち時間タイマ(t)の値が“0”であるか否か判定する。また、メインCPU66は、待ち時間タイマの値が“0”である場合には、ステップS403の処理に移り、待ち時間タイマの値が“0”でない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS403において、メインCPU66は、メインRAM70の大入賞口開放回数カウンタ上限値をセットする処理を行う。具体的には、本実施形態によれば、全ての当りが15ラウンドなので「15」をセットする。なお、開放回数カウンタのカウント値はラウンド数と同義である。この処理が終了した場合には、ステップS404に処理を移す。なお、本実施形態によれば、図柄停止表示後(ステップS203)に初期値が設定される(ステップS403)処理順になっているが、抽選手段による抽選の結果が第1の当り及び第2の当りの場合に(例えば、図22のステップS120の次に)、大当りラウンド数の初期値として大入賞口開放回数カウンタ上限値を設定してもよい。
ステップS404において、メインCPU66は、メインRAM70の大入賞口開放回数カウンタの値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS405に処理を移す。
すなわち、図25のステップS313の処理によって、大入賞口開放回数カウンタの値に大当りの最初として「FFH(すなわち−1)」が設定されているため、ステップS404の処理によって大入賞口開放回数カウンタの値は「0」になる。
ここで、大当りの最初のラウンド(1ラウンド目)には、大入賞口開放回数カウンタの値として「0」を対応させることによって、ラウンド数の管理を行っている。
仮に、最初から大入賞口開放回数カウンタの値に「0」がセットされている場合には、1ラウンド目の開放処理を行い、その後に、ラウンド数が最終ラウンド(N−1)か否かを判定する。そして、最終ラウンド数がN−1で無い場合に、ラウンド間インターバル処理を行い、大入賞口開放回数カウンタに+1して、2ラウンド目以降の開放処理を行う。このような処理を、最終ラウンド数がN−1になるまで繰り返される。すなわち、1ラウンド目の開放処理だけ別に行う必要がある。
これに対し、大入賞口開放回数カウンタの値に「FFH(すなわち−1)」が設定されている場合には、当り開始インターバル管理処理までの間まで大入賞口開放回数カウンタの値に「FFH(すなわち−1)」が設定されており、実際のラウンド数の管理には初期値(FFH)が関与しないようになる。その結果、大当り、小当りに関わらず1ラウンドからNラウンドまでの開放処理を1つの処理に集約させることが可能となり、メインROM68の使用領域を削減することが可能になる。
ステップS405において、メインCPU66は、大当り図柄の種類に応じたラウンド毎又は小当りの開閉パターンをセットする処理を行う。具体的には、後述する図45(d)に示す内容のパターンをセットする。この処理が終了した場合には、ステップS406に処理を移す。
ステップS406において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に、大入賞口開放中表示コマンドデータをセット(記憶)する処理を行う。この場合の大入賞口開放中表示コマンドデータは1ラウンド目を示すデータとなる。大入賞口開放中表示コマンドデータは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に大入賞口開放中表示コマンドとして供給される。この処理が終了した場合には、ステップS407に処理を移す。
ステップS407において、メインCPU66は、メインRAM70おける制御状態フラグとして機能する所定領域に、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(04H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS408に処理を移す。
ステップS408において、メインCPU66は、メインRAM70の大入賞口入賞カウンタをクリアにする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS409に処理を移す。
ステップS409において、メインCPU66は、大入賞口開放時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM70にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS410に処理を移す。
ステップS410において、メインRAM70の所定領域に大入賞口開放中データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大入賞口を開放させるために、メインROM68から読み出されたデータに基づいて、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。このように記憶された変数は、図20のステップS52の処理により、大入賞口ソレノイド120を駆動して大入賞口39を開放状態とすることとなる。この処理を終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[大入賞口再開放前待ち時間管理処理]
図21のステップS105において実行されるサブルーチンについて図27を用いて説明する。
大入賞口再開放前待ち時間管理処理は、図27に示すように、ステップS500において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(05H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(05H)であると判定した場合には、ステップS501に処理を移行する。制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(05H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS501において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(05H)である場合に、特別図柄表示管理処理に対応する待ち時間タイマ(t)の値が“0”であるか否か判定する。また、メインCPU66は、待ち時間タイマの値が“0”である場合には、ステップS502の処理に移り、待ち時間タイマの値が“0”でない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS502において、メインCPU66は、メインRAM70の大入賞口開放回数カウンタの値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS503に処理を移行する。
ステップS503において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に、大入賞口開放中表示コマンドデータをセット(記憶)する処理を行う。この場合の大入賞口開放中表示コマンドデータは2ラウンド目以降を示すデータとなる。大入賞口開放中表示コマンドデータは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に大入賞口開放中表示コマンドとして供給される。この大入賞口開放中表示コマンドには、サブCPU206に対してラウンドカウンタ+1を行う旨の指示が含まれている。この処理が終了した場合には、ステップS504に処理を移行する。
ステップS504において、メインCPU66は、メインRAM70おける制御状態フラグとして機能する所定領域に、大入賞口開放処理を示す値(04H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS505に処理を移行する。
ステップS505において、メインCPU66は、大当り判定(ステップS118)の結果、大当りか否かを判定する処理を行う。大当りであると判定した場合には、ステップS506に処理を移す。大当りであると判定しない場合には、ステップS507に処理を移す。
ステップS506において、メインCPU66は、メインRAM70の大入賞口入賞カウンタをクリアにする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS507に処理を移す。
ステップS507において、メインCPU66は、大入賞口開放時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM70にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS508に処理を移す。
ステップS508において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に大入賞口開放中データをセットする処理を行う。この処理を終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[大入賞口開放処理]
図21のステップS106において実行されるサブルーチン(大入賞口開放処理)について図28を用いて説明する。
大入賞口開放処理は、図28に示すように、ステップS600において、メインCPU66は、制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(04H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(04H)であると判定した場合には、ステップS601に処理を移行する。制御状態フラグが大入賞口開放処理を示す値(04H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS601においては、大入賞口入賞カウンタが“7”以上であるか否かの判定を行う。この処理において、メインCPU66は、大入賞口入賞カウンタが“7”以上であると判定した場合には、ステップS604に処理を移し、大入賞口入賞カウンタが“7”以上とは判定しなかった場合には、ステップS602に処理を移す。
ステップS602においては、セットしたラウンド毎又は小当りの開閉パターンに応じた大入賞口開閉処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ステップS405でセットしたラウンド毎又は小当りの開閉パターンに応じて大入賞口39を開閉させる処理を行う。具体的には、ラウンド毎又は小当りの開閉パターンに応じて、時間を待って大入賞口39を閉じて開けるという処理を繰り返すことによって、所定ラウンド中に大入賞口39を複数回開閉させる処理を行う。例えば、ステップS405でセットした開閉パターンが、図33(d)の特殊確変であれば、1ラウンド目に、大入賞口39を0.102秒間ずつ15回開閉し、さらに、大入賞口39を26.466秒開放するという、大入賞口39を1ラウンドに合計16回開閉させる処理が行われる。この処理が終了した場合には、ステップS603に処理を移す。
ステップS603においては、大入賞口開放時間タイマとしての待ち時間タイマが“0”であるか否かの判定を行う。メインCPU66は、メインRAM70における大入賞口開放時間タイマとして機能する所定領域の待ち時間タイマが“0”であると判定した場合には、ステップS604に処理を移し、待ち時間タイマが“0”であるとは判定しなかった場合には、本サブルーチンを終了する。つまり、大入賞口入賞カウンタが“7”以上であると判定した場合、又は、大入賞口開放時間タイマが“0”であると判定した場合に、ステップS604に処理を移し、大入賞口入賞カウンタが“7”以上であるとは判定しなかった場合、かつ、大入賞口開放時間タイマが“0”であるとは判定しなかった場合に、本サブルーチンを終了する。
ステップS604においては、大入賞口閉鎖データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大入賞口を閉鎖させるために、メインROM68から読み出されたデータに基づいて、メインRAM70に位置付けられた変数を更新する。このように記憶された変数は、図20のステップS52の処理により、大入賞口ソレノイド120を閉鎖状態とすることとなる。この処理が終了した場合には、ステップS605に処理を移す。
ステップS605において、メインCPU66は、小当り判定(ステップS119)の結果、小当りか否かを判定する処理を行う。小当りであると判定した場合には、ステップS610に処理を移す。小当りであると判定しない場合には、ステップS606に処理を移す。
ステップS606においては、大入賞口開放回数カウント値が大入賞口開放回数上限値以上であるか否かの判定を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されている大入賞口開放回数カウント値と大入賞口開放回数上限値以上とを比較して、大入賞口開放回数カウント値が大入賞口開放回数上限値以上であるか否かを判定する。入賞口開放回数上限値以上であると判定した場合には、ステップS610に処理を移し、入賞口開放回数上限値以上であると判定しなかった場合には、ステップS607に処理を移す。
ステップS607において、メインCPU66は、開放時間インターバル表示時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM70にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS608に処理を移す。
ステップS608において、メインCPU66は、メインRAM70おける制御状態フラグとして機能する所定領域に、大入賞口再開放前待ち時間管理処理を示す値(05H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS609に処理を移行する。
ステップS609において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に、ラウンド間表示コマンドデータをセットする処理を行う。ラウンド間表示コマンドデータは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206にラウンド間表示コマンドとして供給される。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS610において、メインCPU66は、当り終了インターバル表示時間としての待ち時間タイマの値をメインRAM70にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS611に処理を移す。
ステップS611において、メインCPU66は、メインRAM70おける制御状態フラグとして機能する所定領域に、当り終了インターバル処理を示す値(06H)を制御状態フラグにセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS612に処理を移す。
ステップS612において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に、特別図柄当り終了表示コマンドデータをセットする処理を行う。具体的には、大当りの場合には大当り終了表示コマンドデータ、小当りの場合には小当り終了表示コマンドデータがセットされる。大当り終了表示コマンドデータ、小当り終了表示コマンドデータは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に大当り終了表示コマンド、小当り終了表示コマンドとして供給される。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[当り終了インターバル処理]
図21のステップS107において実行されるサブルーチン(当り終了インターバル処理)について図29を用いて説明する。
最初に、ステップS700において、メインCPU66は、メインRAM70の制御状態フラグが当り終了インターバル処理を示す値(06H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが当り終了インターバル処理を示す値(06H)であると判定した場合には、ステップS701に処理を移行する。制御状態フラグが当り終了インターバル処理を示す値(06H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS701において、メインCPU66は、メインRAM70の制御状態フラグが当り終了インターバル処理を示す値(06H)である場合に、当り終了インターバルに対応する待ち時間タイマ(t)の値が“0”であるか否か判定する。また、メインCPU66は、待ち時間タイマの値が“0”である場合には、ステップS702に処理を移し、待ち時間タイマの値が“0”でない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS702において、メインCPU66は、メインRAM70の特別図柄ゲーム終了を示す値(07H)を制御状態フラグにセットする。この処理が終了した場合には、ステップS703に処理を移す。
ステップS703において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に、大当り図柄又は小当り図柄に応じた制御データをセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。具体的には、制御データとして、通常、確変、通常時短、確変時短のいずれかがセットされる。例えば、図45に示す仕様において、大当りが、特図(1)−1〜14、特図(2)−1〜10の場合には確変がセットされ、特図(1)−15〜17、特図(2)−11〜13の場合には通常当り1〜9の場合には通常がセットされる。小当りの場合には、小当り当選前の制御データがそのまま引き継がれる。
[特別図柄ゲーム終了処理]
図21のステップS108において実行されるサブルーチン(特別図柄ゲーム終了処理)について図30を用いて説明する。
最初に、ステップS710において、メインCPU66は、メインRAM70の制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(07H)であるか否かを判定する処理を行う。制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(07H)であると判定した場合には、ステップS711に処理を移す。制御状態フラグが特別図柄ゲーム終了処理を示す値(07H)であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS711において、メインCPU66は、制御状態フラグとして特別図柄記憶チェックを示す値(00H)をメインRAM70にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[システムタイマ割込処理]
メインCPU66は、メイン処理を実行している状態であっても、メイン処理を中断させ、システムタイマ割込処理を実行する場合がある。図31を用いて、システムタイマ割込処理について以下に説明する。
ステップS800においては、レジスタ退避処理を行う。この処理において、メインCPU66は、レジスタを退避させる処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS810に処理を移す。
ステップS810においては、システムタイマ監視タイマの値を+1する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されるシステムタイマ監視タイマの値を+1する処理を行う。なお、システムタイマ監視タイマは、所定の処理(特別図柄制御処理等)をタイマ割込処理の所定回数(3回)の起動を条件として実行させるための監視タイマである。この処理が終了した場合、ステップS820に処理を移す。
ステップS820においては、ウォッチドッグ出力データにクリアデータをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU66は、ウォッチドッグ出力データにクリアデータをセットする。さらに、メインCPU66は、ウォッチドッグ出力データに基づく制御信号を初期リセット回路64に送信する。初期リセット回路64は、受信した制御信号に基づいてコンデンサの電圧を解放する。なお、初期リセット回路64に設けられるウォッチドッグタイマがクリアされてから初期リセット回路64に接続されたコンデンサの容量で決定される所定時間(例えば、3100msec)が経過すると、初期リセット回路64からメインCPU66へシステムリセット信号が出力される。メインCPU66はこの初期リセット回路64からシステムリセット信号が入力されるとシステムリセット状態となる。この処理が終了した場合、ステップS830に処理を移す。
ステップS830においては、乱数更新処理を行う。この処理において、メインCPU66は、乱数を更新する処理を行う。例えば、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタ、普通図柄判定用乱数カウンタ、演出条件判定用乱数カウンタなどの乱数を更新する。なお、大当り判定用乱数カウンタ、大当り図柄決定用乱数カウンタは、カウンタ値の更新タイミングが不定であると、公正さに欠けるものとなってしまうため、これを担保するために2msec毎の決まったタイミングで更新を行うようにしている。この処理が終了した場合、ステップS840に処理を移す。
ステップS840においては、スイッチ入力処理を行う。この処理において、メインCPU66は、スイッチに入力があったか否か判定する処理を行う。例えば、メインCPU66は、大入賞口39(図4参照)に設けられたカウントスイッチ104(図18参照)や、一般入賞口56a,56b,56c,56d(図4参照)に設けられた一般入賞口スイッチ106,108,110,112(図18参照)や、通過ゲート54(図4参照)に設けられた通過ゲートスイッチ114(図18参照)や、第1始動口25、第2始動口44(図4参照)に設けられた第1始動入賞口スイッチ116、第2始動入賞口スイッチ117(図18参照)からの検知信号を受信することによって、各スイッチが遊技球を検知したか判定する。メインCPU66は、検知したと判定した場合、検知に応じて、大入賞口賞球カウンタや、一般入賞口賞球カウンタや、始動口賞球カウンタなどを更新する。スイッチ入力処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合、ステップS850に処理を移す。
ステップS850においては、レジスタ復帰処理を行う。この処理において、メインCPU66は、割込処理前のアドレスにレジスタを復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[スイッチ入力処理]
図31に示すステップS840のスイッチ入力処理について、図32を用いて説明する。
ステップS900において、賞球関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU66は、カウントスイッチ104、一般入賞口スイッチ106,108,110,112及び第1始動入賞口スイッチ116、第2始動入賞口スイッチ117の入力があったか否か、言い換えれば遊技球を検知したか否かを判定する。そして、メインCPU66は、カウントスイッチ104の入力があったと判定した場合には、大入賞口賞球カウンタの値に1加算する処理を行い、一般入賞口スイッチ106,108,110,112の入力があったと判定した場合には、一般入賞口賞球カウンタの値に1加算する処理を行い、第1始動入賞口スイッチ116、第2始動入賞口スイッチ117の入力があったと判定した場合には、始動口賞球カウンタの値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS910に処理を移す。
ステップS910において、特別図柄関連スイッチチェック処理を行う。特別図柄関連スイッチチェック処理については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS920に処理を移す。
ステップS920において、普通図柄関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU66は、通過ゲートスイッチ114の入力があったか否か、言い換えれば遊技球を検知したか否かを判定し、入力があったと判定した場合には、保留個数が上限(例えば、4個)である否かを判定し、上限であると判定した場合には本サブルーチンを終了する。上限であると判定しない場合には、普通図柄ゲームの当り判定用乱数カウンタから当り判定用乱数値を抽出し、さらに当り図柄決定用乱数カウンタから当り図柄決定用乱数値を抽出し、メインRAM70の普通図柄記憶領域に格納する処理を行う。この処理が終了した場合には、この処理が終了した場合には、ステップS930に処理を移す。
ステップS930において、異常関連スイッチチェック処理を行う。この処理において、メインCPU66は、異常関連スイッチに異常があったか否か、例えばガラスドア11の開閉スイッチが開放してガラスドア11が開放されていることが検知されたか否かを判定する。異常が検知された場合には、異常を報知するための処理を行い、異常が検知されない場合には、そのまま本サブルーチンを終了する。
[特別図柄関連スイッチチェック処理]
図32に示すステップS910の特別図柄関連スイッチチェック処理について、図33を用いて説明する。
ステップS1000において、第1始動口25への始動入賞が検出されたか否かを判断する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、第1始動入賞口スイッチ116の入力があった否かを判定する。第1始動入賞口スイッチ116の入力があったと判定した場合には、ステップS1010に処理を移し、第1始動入賞口スイッチ116の入力があったと判定しない場合には、ステップS1070に処理を移す。
ステップS1010において、第1特別図柄の始動記憶が4以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、第1特別図柄の始動記憶、すなわち保留個数が4以上であるか否かを判定する。保留個数が4以上であると判定した場合には、本サブルーチンを終了し、保留個数が4以上でないと判定した場合には、ステップS1020に処理を移す。
ステップS1020において、第1特別図柄の始動記憶に1加算する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されている第1特別図柄の保留個数の値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS1030に処理を移す。
ステップS1030において、各種乱数値取得処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの大当り判定用乱数値を抽出(いわゆる、特別図柄抽選)し、さらに、大当り図柄決定用乱数カウンタから大当り図柄決定用乱数値を抽出し、演出条件判定用乱数カウンタから演出条件判定用乱数値を抽出して、メインRAM70の第1特別図柄始動記憶領域に格納する処理を行う。本実施形態においては、第1特別図柄始動記憶領域は、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)まであって、第1特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された当り判定用乱数に基づく判定結果が、特別図柄によって導出表示され、特別図柄の変動中に始動入賞したことによって取得した各種の乱数値は、第1特別図柄始動記憶領域(1)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)に順に記憶される。この処理が終了した場合、ステップS1040に処理を移す。このように、メインCPU66は、遊技球が始動領域を通過したことを条件に、通常遊技状態よりも遊技者が多量の遊技球を獲得可能な第1の当り遊技状態、第1の当り遊技状態に比較して少量の遊技球を獲得可能な第2の当り遊技状態、第2の当り遊技状態と同等の遊技球を獲得可能な第3の当り遊技状態、に移行させるか否かの抽選を行う第1の当り抽選手段の一例である。
ステップS1040において、第1特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に第1特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS1050に処理を移す。
ステップS1050において、入賞演出判定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、乱数抽選に基づいて入賞演出を行うか否かを判定する。この処理が終了した場合、ステップS1060に処理を移す。
ステップS1060において、メインCPU66は、始動口入賞コマンドをメインRAM70の所定領域にセットする。始動口入賞コマンドは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に供給されることにより、副制御回路200が、始動口入賞があったことや当り抽選結果の当否を認識するようになる。始動口入賞コマンドのデータには、ステップS1050の処理において入賞演出すると判定した場合に、入賞演出、例えば演出表示される保留球の表示態様を変更するといった演出を実行させるデータが含まれている。これにより、変動実行前の始動記憶情報に基づいて演出を実行するといった、いわゆる「先読演出」が可能となる。この処理が終了した場合、ステップS1070に処理を移す。
ステップS1070において、第2始動口44への始動入賞が検出されたか否かを判断する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、第2始動入賞口スイッチ117の入力があった否かを判定する。第2始動入賞口スイッチ117の入力があったと判定した場合には、ステップS1080に処理を移し、第2始動入賞口スイッチ117の入力があったと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS1080において、第2特別図柄の始動記憶が4以上であるか否かを判定する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、第2特別図柄の始動記憶、すなわち保留個数が4以上であるか否かを判定する。保留個数が4以上であると判定した場合には、本サブルーチンを終了し、保留個数が4以上でないと判定した場合には、ステップS1090に処理を移す。
ステップS1090において、第2特別図柄の始動記憶に1加算する処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70に記憶されている第2特別図柄の保留個数の値に1加算する処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS1100に処理を移す。
ステップS1100において、各種乱数値の取得処理を行う。この処理において、メインCPU66は、大当り判定用乱数カウンタから特別図柄ゲームの大当り判定用乱数を抽出(いわゆる、特別図柄抽選)し、さらに、大当り図柄決定用乱数カウンタから大当り図柄決定用乱数値とを抽出し、演出条件判定用乱数カウンタから演出条件判定用乱数値を抽出して、メインRAM70の第2特別図柄始動記憶領域に格納する処理を行う。本実施形態においては、第2特別図柄始動記憶領域は、第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)まであって、第2特別図柄始動記憶領域(0)に記憶された大当り判定用乱数に基づく判定結果が、特別図柄によって導出表示され、特別図柄の変動中に始動入賞したことによって取得した各種乱数値は、第2特別図柄始動記憶領域(1)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に順に記憶される。この処理が終了した場合、ステップS1110に処理を移す。このように、メインCPU66は、遊技球が始動領域を通過したことを条件に、通常遊技状態よりも遊技者が多量の遊技球を獲得可能な第1の当り遊技状態、第1の当り遊技状態に比較して少量の遊技球を獲得可能な第2の当り遊技状態、第2の当り遊技状態と同等の遊技球を獲得可能な第3の当り遊技状態、に移行させるか否かの抽選を行う第1の当り抽選手段の一例である。
ステップS1110において、第2特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理において、メインCPU66は、メインRAM70の所定領域に第2特別図柄変動状態データをセットする処理を行う。この処理が終了した場合、ステップS1120に処理を移す。
ここで、第1特別図柄変動状態データ、第2特別図柄変動状態データは、第1特別図柄始動記憶領域(0)〜第1特別図柄始動記憶領域(4)及び第2特別図柄始動記憶領域(0)〜第2特別図柄始動記憶領域(4)に記憶された始動記憶において、変動表示させる順番を決定するためのデータである。
ステップS1120において、入賞演出判定処理を行う。この処理において、メインCPU66は、入賞演出を行うか否かを判定する。入賞演出すると判定した場合に、入賞演出、例えば演出表示される保留球の表示態様を変更するといった演出を実行させる入賞演出コマンドデータをメインRAM70の所定領域に記憶する。入賞演出コマンドデータは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に入賞演出コマンドとして供給されることにより、副制御回路200が入賞演出の内容を認識するようになる。これにより、変動実行前の始動記憶情報に基づいて演出を実行するといった、いわゆる「先読演出」が可能となる。この処理が終了した場合、ステップS1130に処理を移す。
ステップS1030において、メインCPU66は、始動口入賞コマンドをメインRAM70の所定領域にセットする。始動口入賞コマンドは、主制御回路60のメインCPU66から副制御回路200のサブCPU206に供給されることにより、副制御回路200が、始動口入賞があったことや当り抽選結果の当否を認識するようになる。始動口入賞コマンドのデータには、ステップS1120の処理において入賞演出すると判定した場合に、入賞演出、例えば演出表示される保留球の表示態様を変更するといった演出を実行させるデータが含まれている。これにより、変動実行前の始動記憶情報に基づいて演出を実行するといった、いわゆる「先読演出」が可能となる。この処理が終了した場合、本サブルーチンを終了する。
なお、本実施形態において、図示はしていないが、主制御回路60のメインRAM70にセットされた各種コマンドは、主制御回路60の各処理において副制御回路200に供給されている。
[サブ制御メイン処理]
図34を用いて、サブ制御メイン処理を説明する。副制御回路200は、主制御回路60からの各種コマンドを受信して、表示処理などの様々な処理を行う。これらの処理の中で本発明に係る制御処理を以下に説明する。
ステップS1510においては、初期化処理を行う。この処理において、サブCPU206は、電源投入に応じて、初期化設定する処理を行う。具体的には、図47に示す演出モード1又は演出モード2の時、ワークRAM210記憶無し時の電段復帰時には、演出モード1を設定する。演出モード3〜5の電段復帰時は、電断前のモードを設定する。すなわち、電断前が演出モード3であれば、電段復帰時に演出モード3で開始される。この処理が終了した場合には、ステップS1520に処理を移す。
ステップS1520においては、乱数更新処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210に記憶される乱数を更新する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1530に処理を移す。
ステップS1530においては、コマンド解析処理を行う。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60から受信し、ワークRAM210の受信バッファに格納されるコマンドを解析する処理を行う。この処理については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS1540に処理を移す。
ステップS1540においては、演出制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、演出ボタン80を用いたミニゲームの演出制御を行う。この処理については後述する。この処理が終了した場合には、ステップS1550に処理を移す。
ステップS1550においては、表示制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、液晶表示装置32において表示を行うためのデータを表示制御回路250に送信する。表示制御回路250において、VDP(図示せず)は、サブCPU206からの演出画像を表示するためのデータに基づいて、識別図柄のデータ、背景画像データ、演出用画像データなど、各種の画像データを画像データROMから読み出し、重ね合わせて、液晶表示装置32の表示領域32a上に表示させる。この処理が終了した場合には、ステップS1560に処理を移す。このように、サブCPU206は、表示手段(液晶表示装置32)を制御する表示制御手段の一例である。
ステップS1560においては、音・ランプ等制御処理を行う。この処理において、サブCPU206は、スピーカ46から発生させる音の制御を行う音声制御処理、各種のランプ(図示せず)の発光制御を行うランプ制御処理を実行する。この処理が終了した場合には、再度、乱数更新処理(ステップS1520)に処理を移す。
[タイマ割り込み処理]
図34に示すサブメイン処理を実行している状態であっても、サブメイン処理を中断させ、タイマ割込処理を実行する場合がある。図35を用いて、タイマ割り込み処理について以下に説明する。
ステップS1610においては、レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、サブCPU206は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1620に処理を移す。
ステップS1620においては、タイマ更新処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ワークRAM210に記憶されるタイマを更新する処理を行う。具体的には、ラウンド演出等のタイマを更新する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1630に処理を移す。
ステップS1630においては、演出ボタンスイッチ入力検出処理を行う。この処理において、サブCPU206は、演出ボタン80の操作を検出する演出ボタンスイッチとしての第1光センサ815A、第2光センサ815Bの入力の有無を検出する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1640に処理を移す。なお、この演出ボタンスイッチ入力検出処理をタイマ割り込み処理において実行しているが、他の割り込みでもよい。
ステップS1640においては、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ステップS1610で退避した値を各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[コマンド割り込み処理]
図34に示すサブメイン処理を実行している状態であっても、サブメイン処理を中断させ、コマンド割り込み処理を実行する場合がある。図36を用いて、コマンド割り込み処理について以下に説明する。
ステップS1710においては、レジスタを退避させる処理を行う。この処理において、サブCPU206は、各レジスタ(記憶領域)に記憶される実行中のプログラムにおいて使用されていた値を退避させる処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1720に処理を移す。
ステップS1720において、サブCPU206は、受信コマンドをバッファに格納する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS1730に処理を移す。
ステップS1730においては、レジスタを復帰させる処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ステップS1710で退避した値を各レジスタに復帰させる処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[コマンド解析処理]
図34のステップS1530において実行されるサブルーチン(コマンド解析処理)について図37を用いて説明する。
ステップS2000において、コマンドを受信したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206が、受信したコマンドが所定のバッファに記憶されているか否かを判定し、受信コマンドありと判定した場合には、ステップS2010に処理を移し、サブCPU206が受信コマンドありと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2010において、受信したコマンドが特別図柄演出開始コマンドか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、特別図柄演出開始コマンドであると判定した場合には、ステップS2020に処理を移し、特別図柄演出開始コマンドであると判定しない場合には、ステップS2030に処理を移す。
ステップS2020において、サブCPU206は、特別図柄演出開始コマンド受信時処理を行う。特別図柄演出開始コマンドには、遊技状態、変動パターン、特別図柄、残り時短回数のデータが含まれる。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2030において、サブCPU206は、受信したコマンドが特別図柄演出停止コマンドであるか否かを判定する。特別図柄演出停止コマンドであると判定した場合には、ステップS2040に処理を移し、特別図柄演出停止コマンドであると判定しない場合には、ステップS2050に処理を移す。
ステップS2040において、サブCPU206は、特別図柄演出停止コマンド受信時処理を行う。特別図柄演出停止コマンドには、遊技状態、特別図柄、1減算された残り時短回数のデータが含まれる。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2050において、サブCPU206は、受信したコマンドが特別図柄当り終了インターバル表示コマンドか否かを判定する処理を行う。特別図柄当り終了インターバル表示コマンドであると判定した場合には、ステップS2060に処理を移し、特別図柄当り終了インターバル表示コマンドであると判定しない場合には、ステップS2070に処理を移す。
ステップS2060において、サブCPU206は、特別図柄当り終了インターバル表示コマンド受信時処理を行う。特別図柄当り終了インターバル表示コマンドには、遊技状態、当りの種類のデータが含まれる。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2070において、サブCPU206は、受信したコマンドが始動口入賞コマンドか否かを判定する処理を行う。始動口入賞コマンドであると判定した場合には、ステップS2080に処理を移し、始動口入賞コマンドであると判定しない場合には、ステップS2090に処理を移す。
ステップS2080において、サブCPU206は、始動口入賞コマンド受信時処理を行う。始動口入賞コマンドには、遊技状態、当りの内容(変動パターンは含まない)、保留球数のデータが含まれる。この処理の詳細については後述する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2090において、サブCPU206は、その他受信したコマンドに対応する受信時処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄演出開始コマンド受信時処理]
図37のステップS2020において実行されるサブルーチン(特別図柄演出開始コマンド受信時処理)について図38及び図39を用いて説明する。
ステップS2100において、演出モード移行フラグはオンか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、演出モード移行フラグはオンか否かを判定し、演出モード移行フラグはオンであると判定した場合には、ステップS2110に処理を移す。演出モード移行フラグがオンであると判定しない場合には、ステップS2120に処理を移す。なお、演出モード移行フラグは、大当り遊技終了時(ステップS2500)、ミニゲーム成功時(ステップS2750)、時短回数が0になった場合(ステップS2430)にオンになる。
ステップS2110において、サブCPU206は、演出モード移行フラグに対応する移行先へ演出モード移行する処理を行う。なお、本実施形態においては、図47を用いて詳述するが、演出モード1〜5の5つの演出モードを備えており、その中のいずれかのモードに移行する。この処理が終了した場合には、ステップS2120に処理を移す。なお、演出モード移行はゲーム開始時としたが、ゲーム終了時(例えば、図41のステップS2430の次)としてもよい。
ステップS2120において、演出モード2か否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、演出モード2か否かを判定し、演出モード2であると判定した場合には、ステップS2130に処理を移す。演出モード2であると判定しない場合には、図39に示す、ステップS2200に処理を移す。
ステップS2130において、遊技状態・実行抽選状態に基づいてミニゲーム実行抽選処理を行う。この処理において、サブCPU206は、遊技状態、ミニゲームの実行抽選状態に基づいてミニゲーム実行するか否かを乱数抽選によって決定する。ミニゲームの実行抽選状態は、当選しやすい高確率状態と、当選しにくい低確率状態がある。通常は、高確率状態に設定されており、ミニゲームに参加しなかった場合に低確率状態に移行する。この処理が終了した場合には、ステップS2140に処理を移す。
ステップS2140において、当選か否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ミニゲーム実行抽選に当選したか否かを判定し、当選であると判定した場合には、ステップS2150に処理を移す。当選であると判定しない場合には、ステップS2160に処理を移す。
ステップS2150において、ミニゲーム実行時演出パターンをセットする処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ミニゲーム実行時演出パターンをセットするワークRAM210の所定領域にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2160において、遊技状態に基づいて演出モード降格抽選を行う。この処理において、サブCPU206は、遊技状態に基づいて演出モードを降格させるか否かを乱数抽選によって決定する。この処理が終了した場合には、ステップS2170に処理を移す。
ステップS2170において、当選か否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、演出モード降格抽選に当選したか否かを判定し、当選であると判定した場合には、ステップS2180に処理を移す。当選であると判定しない場合には、図39に示す、ステップS2240に処理を移す。
ステップS2180において、演出モード移行フラグをセットする処理を行う。この処理において、サブCPU206は、演出モード移行フラグをセットする処理を行う。本実施形態においては、演出モード2から演出モード1に移行することになる。この処理が終了した場合には、図39に示す、ステップS2240に処理を移す。
ステップS2200において、演出モード4か否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、演出モード4か否かを判定し、演出モード4であると判定した場合には、ステップS2210に処理を移す。演出モード4であると判定しない場合には、図39に示す、ステップS2240に処理を移す。
ステップS2210において、遊技状態に基づいて演出モード昇格抽選を行う。この処理において、サブCPU206は、遊技状態に基づいて演出モードを、演出モード4から演出モード5に昇格させるか否かを乱数抽選によって決定する。この処理が終了した場合には、ステップS2220に処理を移す。
ステップS2220において、当選か否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、演出モード昇格抽選に当選したか否かを判定し、当選であると判定した場合には、ステップS2230に処理を移す。当選であると判定しない場合には、ステップS2240に処理を移す。
ステップS2230において、演出モード移行フラグをセットする処理を行う。この処理において、サブCPU206は、演出モード移行フラグをセットする処理を行う。本実施形態においては、演出モード4から演出モード5に移行することになる。この処理が終了した場合には、ステップS2240に処理を移す。
ステップS2240において、サブCPU206は、遊技状態・演出モード・変動パターン・保留内当選状態に基づいて演出パターンを決定し、ワークRAM210の所定領域にセットする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄演出停止コマンド受信時処理]
図37のステップS2040において実行されるサブルーチン(特別図柄演出開始コマンド受信時処理)について図40及び図41を用いて説明する。
ステップS2300において、遊技回数カウントフラグがオンか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、遊技数カウントフラグがオンか否かを判別する処理を行い、遊技回数カウントフラグがオンであると判定した場合には、ステップS2310に処理を移す。遊技回数カウントフラグがオンであると判定しない場合には、図41に示す、ステップS2400に処理を移す。なお、遊技回数カウントフラグは、非時短中の小当り後、時短なし突確後(ステップS2520)、100回時短が終了した場合(ステップS2420)にオンになる。
ステップS2310において、遊技回数を1加算する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、遊技回数カウンタがカウントしている遊技回数を1加算する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2320に処理を移す。このように、サブCPU206は、第1乃至第3のいずれかの当り遊技状態終了後又は第2抽選有利状態終了後に、第2抽選通常状態が開始してから第1の当り抽選手段による1回の抽選を1遊技として遊技回数を計数する遊技回数計数手段の一例である。
ステップS2320において、規定カウントに到達したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、遊技回数カウンタのカウント値が規定カウントに到達したか否かを判定し、規定カウントに到達したと判別した場合には、ステップS2330に処理を移す。規定カウントとしては、例えば、30回、50回、100回、200回、300回が該当する。規定カウントに到達したと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2330において、石版表示色変更処理を行う。この処理において、サブCPU206は、液晶表示装置32に演出表示されている石版95(図51参照)の表示色を変更する処理を行う。すなわち、石版95の表示色は、遊技回数が規定カウント数に到達する毎に、規定カウント数に応じて予め決められている表示色に変更される。遊技者は、石版(図51参照)の表示色をみて、非時短中の小当り後、時短なし突確後、100回時短終了後からの遊技回数を類推することができる。なお、パチンコ機10の上部に、前回大当りからの遊技回数を表示する表示器が付いている場合には、その表示器の表示内容と石版の表示色により、より正確に類推することが可能になる。なお、石版の表示色を変える以外にも、例えば、非時短中の小当り後、時短なし突確後、100回時短終了後からの遊技回数そのものの数字を表示してもよい。この処理が終了した場合には、ステップS2340に処理を移す。このように、液晶表示装置32は、遊技回数計数手段による計数結果及び遊技に関する演出表示を行う表示手段の一例である。
ステップS2340において、遊技状態に基づいて石版回転方向変更抽選を行う。この処理において、サブCPU206は、遊技状態に基づいて石版95(図51参照)の回転方向を変更するか否かを乱数抽選によって決定する処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2350に処理を移す。
ステップS2350において、石版回転方向変更抽選に当選したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、石版回転方向変更抽選に当選したか否かを判定し、当選したと判定した場合には、ステップS2360に処理を移す。当選したと判定しない場合には、ステップS2380に処理を移す。
ステップS2360において、石版回転方向変更、確変報知を実行する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、石版回転方向変更して、遊技状態報知を実行する処理を行う。すなわち、確変状態であれば確変状態であることを報知する方向に石版の回転方向が変わる。具体的には、初期状態あるいは大当り遊技後において石版95(図51参照)は右回転している。ここで、特別図柄抽選が高確率状態(確変状態)の場合に、石版回転方向変更抽選に当選すると、石版95(図51参照)は左回転に変更される。なお、本実施形態においては、特別図柄抽選が低確率状態(通常状態)の場合には、石版回転方向変更抽選に当選することが無い。この処理が終了した場合には、ステップS2370に処理を移す。
ステップS2370において、遊技回数カウントフラグをオフにする処理を行う。この処理において、サブCPU206は、遊技回数カウントフラグをオフにする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2380において、遊技回数カウンタのカウント値が300か否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、遊技回数カウンタのカウント値が、300か否かを判定し、300であると判定した場合には、ステップS2390に処理を移す。300であると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2390において、遊技数カウントフラグをオフにする処理を行う。この処理において、サブCPU206は、遊技数カウントフラグをオフにする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2400において、残り時短回数が0になった遊技か否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、主制御回路60から送信される時短回数カウンタのデータに基づいて、残り時短回数が0になった遊技か否かを判定し、残り時短回数が0になったと判定した場合には、ステップS2410に処理を移す。残り時短回数が0になったと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2410において、100回の時短遊技であったか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、100回の時短遊技であったか否かを判定し、100回の時短遊技であったと判定した場合には、ステップS2430に処理を移す。100回の時短遊技であったと判定しない場合には、ステップS2420に処理を移す。
ステップS2420において、遊技回数カウントフラグをオンにする処理を行う。この処理において、サブCPU206は、遊技回数カウントフラグをオンにする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2430に処理を移す。
ステップS2430において、演出モード移行フラグをオンにする処理を行う。この処理において、サブCPU206は、演出モード移行フラグをオンにする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[特別図柄当り終了インターバル表示コマンド受信時処理]
図37のステップS2060において実行されるサブルーチン(特別図柄当り終了インターバル表示コマンド受信時処理)について図42を用いて説明する。
ステップS2500において、サブCPU206は、当りの種類・当り図柄に基づいて移行先を決定し、演出モード移行フラグをオンにする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2510に処理を移す。
ステップS2510において、時短の付かない大当り又は非時短中の小当りであるか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、当りが、時短の付かない大当り又は非時短中の小当りであるか否かを判定する処理を行う。時短の付かない大当り又は非時短中の小当りであると判定した場合には、ステップS2520に処理を移す。時短の付かない大当り又は非時短中の小当りであると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2520において、サブCPU206は、遊技回数カウントフラグをオンにする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[始動口入賞コマンド受信時処理]
図37のステップS2080において実行されるサブルーチン(始動口入賞コマンド受信時処理)について図43を用いて説明する。
ステップS2600において、入賞した遊技球による当否に基づいて現在実行中の演出内容を変更する演出変更抽選を行う。この処理において、サブCPU206は、液晶表示装置32に現在表示されている演出を変更するか否かを乱数抽選によって決定する処理を行う。すなわち、保留球の大当り判定用乱数値を先読みして当りがあったら、高確率で現在実行中の演出を変更し、ハズレの場合には低確率で演出を変更するように抽選する。この処理が終了した場合には、ステップS2610に処理を移す。
ステップS2610において、演出変更抽選に当選したか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、演出変更抽選に当選したか否かを判定し、当選したと判定した場合には、ステップS2620に処理を移す。当選したと判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2620において、演出内容変更処理を行う。この処理において、サブCPU206は、液晶表示装置32に現在表示されている演出内容を変更する処理を行う。具体例については、図52を用いて後述するが、演出モード3においては、液晶全体に表示される敵と戦って倒す演出が実行される。ここで、保留球を先読みして大当りがあったときには、ハズレの変動中は弱い攻撃であったのが、突然強い攻撃を行うといった内容に変更する。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[演出制御処理]
図34のステップS1540において実行されるサブルーチン(演出制御)について図44を用いて説明する。
ステップS2700において、ミニゲーム実行時演出パターンであるか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、現在実行されている演出が、ミニゲーム実行時演出パターンによる演出か否かを判定し、ミニゲーム実行時演出パターンであると判定した場合には、ステップS2710に処理を移す。ミニゲーム実行時演出パターンであると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。ここで、ミニゲームの開始時に、スイッチ検出有効期間フラグの所定時間(例えば、識別図柄の変動時間の80%等)オンにする。
ステップS2710において、演出ボタンスイッチ134、136、138の入力が検出されたか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、演出ボタンスイッチ134、136、138の入力が検出されたか否かを判定し、入力が検出されたと判定した場合には、ステップS2720に処理を移す。入力が検出されたと判定しない場合には、ステップS2770に処理を移す。
ステップS2720において、スイッチ検出有効期間フラグはオンか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、スイッチ検出有効期間フラグがオンか否かを判定し、スイッチ検出有効期間フラグがオンであると判定した場合には、ステップS2730に処理を移す。スイッチ検出有効期間フラグがオンであると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2730において、演出ボタン押下時演出実行処理を行う。この処理において、サブCPU206は、ミニゲーム中に、演出ボタン80の押下に基づいて液晶表示装置32における演出表示内容を変えると言った、演出ボタン押下時演出を実行する処理を行う。ミニゲームとしては、目押しゲーム、カードめくり、すごろく等が適している。この処理が終了した場合には、ステップS2740に処理を移す。
ステップS2740において、押下可能スイッチが操作されたか否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、演出ボタン80の操作によって、押下可能スイッチとして第1光センサ815A又は第2光センサ815Bからの入力を検出したか否かを判定する処理を行う。押下可能スイッチが操作されたと判定した場合には、ステップS2750に処理を移す。スイッチ検出有効期間フラグがオンであると判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2750において、ミニゲームの結果に応じて演出モード移行フラグをオンにする処理を行う。この処理において、サブCPU206は、演出ボタン80の操作結果に基づいて、ミニゲームの結果を求め、このミニゲームの結果が所定のクリア条件を満たしている場合に、演出モード移行フラグをオンにする処理を行う。具体的には、演出モード2−1でミニゲームに成功した場合に演出モード2−2にランクアップする。この処理が終了した場合には、ステップS2760に処理を移す。
ステップS2760において、スイッチ検出有効期間フラグをオフにする処理を行う。この処理において、サブCPU206は、スイッチ検出有効期間フラグをオフにする処理を行う。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2770において、スイッチ検出有効期間終了か否かを判定する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、スイッチ検出有効期間終了か否かを判定し、スイッチ検出有効期間終了と判定した場合には、ステップS2780に処理を移す。スイッチ検出有効期間終了と判定しない場合には、本サブルーチンを終了する。
ステップS2780において、スイッチ検出有効期間フラグをオフにする処理を行う。この処理において、サブCPU206は、スイッチ検出有効期間フラグをオフにする処理を行う。この処理が終了した場合には、ステップS2790に処理を移す。
ステップS2790において、実行抽選状態を低確率状態へ移行する処理を行う。この処理において、サブCPU206は、実行抽選状態を低確率状態へ移行する処理を行う。本実施形態によれば、スイッチ検出有効期間としては、ミニゲームを実行するために十分な時間が設定している。このため、スイッチ検出有効期間が終了したことは、遊技者がミニゲームを無視して、演出ボタン80を操作しなかったとみなすことができる。そこで、スイッチ検出有効期間が終了して、スイッチ検出有効期間フラグがオフになった場合には、実行抽選状態を低確率状態に移行して、ミニゲームをあまり発生させないようにある。なお、低確率状態の終了条件としては、遊技回数、大当りまで、デモ画面まで等、適宜設定することが可能である。この処理が終了した場合には、本サブルーチンを終了する。
[基本仕様]
図45は、本実施形態の遊技機の基本仕様を示す表であり、図45(a)は特別図柄ゲームの仕様、図45(b)は普通図柄ゲームの仕様、図45(c)は大当りの振り分け、図45(d)は大当りの種類を示すものである。図45(a)〜図45(d)に示す表のデータは、メインROM68にテーブルとして記憶されている。
図45(a)に示すように、特別図柄ゲームにおいて、低確率状態(通常状態)における大当り確率は、第1始動口25、第2始動口44のいずれの始動入賞の場合であっても共通に1/399、高確率状態(確変状態)における大当り確率は、第1始動口25、第2始動口44のいずれの始動入賞の場合であっても共通に1/48、第1始動口25の始動入賞による小当り確率は1/266、第2始動口44の始動入賞による小当り確率は1/1597である。第1始動口25、第2始動口44への入賞に対する賞球数は3球、一般入賞口56a〜56dへの入賞に対する賞球数は10球、大入賞口39への入賞に対する賞球数は14球である。大当り遊技における1回の開放あたりの最大入賞カウント数は7カウントである。
図45(b)に示すように、普通図柄ゲームにおいて、低確率状態(通常状態)における当り確率は、1/256であり、当選した場合に、普通電動役物48の舌状部材48aが0.3秒間、1回突出する。高確率状態(時短状態)における当り確率は、255/256であり、当選した場合に、普通電動役物48の舌状部材48aが1.3秒間、3回突出する。また、普通図柄ゲームの当り遊技における最大入賞カウント数は8カウントである。
図45(c)に示すように、第1始動口25の始動入賞による大当りには17種類あり、第2始動口44の始動入賞による大当りには13種類ある。また、小当りには、第1始動口25、第2始動口44の始動入賞による小当りを問わず、2種類の小当りがある。図45(c)において、例えば、特図(1)−1という表記は、第1始動口25の始動入賞による大当りの1種類目、特図(2)−13という表記は、第2始動口44の始動入賞による大当りの13種類目というように分類したことを示している。同様に、小当り(1)−1という表記は、第1始動口25の始動入賞による小当りの1種類目、小当り(2)−2という表記は、第2始動口44の始動入賞による小当りの2種類目というように分類したことを示している。
また、図45(c)において、期待値とは、第1始動口25、第2始動口44の始動入賞による大当りがどのような大当りとなるかを示す割合であり、例えば、特図(1)−1である期待値が3%ということは、第1始動口25の始動入賞による大当り時の3%が特図(1)−1であるということを示す。
また、図45(c)において、当り内容は、出球有り確変、特殊確変、15回突確、16回突確、通常の5種類あり、特図(1)−1〜17、特図(2)−1〜13の大当りは、出球有り確変、特殊確変、15回突確、16回突確、通常のいずれかに対応している。例えば、大当りが特図(1)−1であれば、当り内容は出球有り確変となる。なお、出球有り確変、特殊確変、15回突確、16回突確、通常の具体的な内容については、図45(d)を用いて後述する。
また、図45(c)において、特図(1)−1〜17、特図(2)−1〜13の大当りには、大当り遊技終了後に付与される時短回数が設定されており、付与される時短回数は、大当り当選時の特別図柄ゲーム及び普通図柄ゲームの状態(高確率状態か低確率状態か)によって異なる場合がある。ここで、図45(c)において、HHという表記は、特別図柄ゲーム及び普通図柄ゲームともに高確率状態、HLという表記は、特別図柄ゲームが高確率状態かつ普通図柄ゲームが低確率状態、LHという表記は、特別図柄ゲームが低確率状態かつ普通図柄ゲームが高確率状態、LLという表記は、特別図柄ゲーム及び普通図柄ゲームがともに低確率状態であることを示す。例えば、図45(c)によれば、時短状態において確変大当りとなれば、次回大当りまで時短が付与されることになる。また、時短状態において通常大当りとなれば、100回の時短回数が付与される。また、例えば、特別図柄ゲームが高確率状態かつ普通図柄ゲームが低確率状態において、特図(1)−11の大当りの場合には、次回大当りまで時短が付与されることになる。しかし、特別図柄ゲーム及び普通図柄ゲームがともに低確率状態において、特図(1)−11の大当りの場合には、時短が付与されないことになる。
また、小当りは、大入賞口39の15回開放と16回開放の2種類ある。小当り(1)−1及び小当り(2)−1の場合には、期待値が83%であり、当りの内容は、大入賞口39の15回開放である。小当り(1)−2及び小当り(2)−2の場合には、期待値が17%であり、当りの内容は、大入賞口39の16回開放である。なお、小当りの場合には、小当り遊技終了後の遊技状態は、小当り当選前の遊技状態と同一である。例えば、確変状態で小当りになっても確変状態は継続する。また、時短最終ゲームで小当りの場合には、そのゲームで時短状態が終了する。
図45(d)において、出球有り確変は、全15ラウンドにおいて、1ラウンドあたりの大入賞口39の開放秒数が27.996秒の大当り遊技である。特殊確変は、全15ラウンドにおける1ラウンド目に、0.102秒だけ15回開放させ、16回目に26.466秒開放させる。そして、2〜15ラウンドにおいて27.996秒間大入賞口39を開放させる大当り遊技である。15回突確は、全15ラウンドにおいて、1ラウンドあたりの大入賞口39を1回、0.102秒間開放させるという、合計15回、0.102秒ずつ開放させる大当り遊技である。16回突確は、全15ラウンドにおいて、1〜14ラウンド目まで、大入賞口39を1ラウンドあたり0.102秒開放させ、最終15ラウンド目に、0.102秒ずつ2回開放させるという、合計16回、0.102秒ずつ開放させる大当り遊技である。通常大当りは、全15ラウンドにおいて、1ラウンドあたりの大入賞口39の開放秒数が27.996秒の大当り遊技である。小当り(1)−1及び小当り(2)−1は、大入賞口39を0.102秒ずつ15回開放させる遊技である。小当り(1)−2及び小当り(2)−2は、大入賞口39を0.102秒ずつ16回開放させる遊技である。
すなわち、時短無しの15回突確の大当りと、小当り(1)−1の小当り、及び16回突確の大当りと、小当り(1)−2の小当りは、大入賞口39の開放パターンが同一であるため、一見して突確か小当りかを判別することは困難である。また、大入賞口39の開放終了後、時短状態に移行しないため、時短状態に移行するか否かによって突確か小当りかを判別することも困難である。しかも、副制御回路200によって決定される演出パターンも、詳細は省略するが、同じパターン群(例えば突確大当り(15回、16回含む)と小当りのときには専用の演出である演出A又は演出Bが選択される)から決定されるため、通常の演出内容から突確か小当りかを判別することも困難である。
ここで、低確率状態における時短無しの15回突確は、図45(c)において、特図(1)−10、11が該当し、期待値は合計31%であり、時短無しの16回突確は、図33(c)において、特図(1)−12、14が該当し、期待値は合計31%である。すなわち、第1始動口25への始動入賞によって、時短無しの15回突確に当選する確率、及び時短無しの16回突確に当選する確率は、ともに0.078%(≒1/399×0.31×100)である。一方、第1始動口25への始動入賞によって、15回開放する小当り(1)−1に当選する確率は、約0.312%(≒1/266×0.83×100)であり、第1始動口25への始動入賞によって、16回開放する小当り(1)−2に当選する確率は、約0.064%(≒1/266×0.17×100)である。すなわち、0.102秒ずつ15回開放する開閉パターンの場合には、約1/5(≒0.078/(0.078+0.312))の確率で高確率状態となる。また、0.102秒ずつ16回開放する開閉パターンの場合には、約1/2強(≒0.078/(0.078+0.064))の確率で高確率状態となる。したがって、突確であるか小当りであるかを判別する場合に、大入賞口39の開放回数をカウントし、16回開放の場合には、時短無しの突確大当りである可能性が高いと判別することが可能になる。このように、メインCPU66は、第1の当り遊技状態又は第2の当り遊技状態終了後の遊技状態として第1の当り抽選手段の抽選結果に基づいて、第1の当り抽選手段の抽選確率を通常の抽選確率である第1抽選通常状態又は該通常の抽選確率より高くする第1抽選高確率遊技状態のいずれか、及び第2の当り抽選手段に関する状態として通常の状態である第2抽選通常状態又は所定の終了条件を満たすまで第2抽選通常状態に比較して遊技者に有利とする第2抽選有利状態のいずれか、との組み合わせからなる遊技状態を制御し、第3の当り遊技状態終了後の遊技状態として第3の当り遊技状態発生前の遊技状態を維持して制御する遊技状態制御手段の一例である。
特に、本実施形態においては、前述したように、当り報知LEDが大当り、小当り共通であり、ラウンド数を報知するLEDがないため、LEDユニット53の表示から突確か小当りかを判別することが困難である。したがって、遊技者が大入賞口39の開放回数をカウントすることによって、突確か小当りかを予想できる情報を得ることできる。また、副制御回路200においては、例えば、突確大当り(15回、16回含む)と小当りのときには専用の演出である演出A又は演出Bが選択される。この場合、小当りのときには演出Aが選択されやすく、突確大当りのときには演出Bが選択されやすいようにしてもよい。これにより、そのときには共通の演出であるが、その演出内容によって突確大当りである期待度を高めることができ、シャッタ40の開放回数の確認と合わせることによって遊技の興趣をさらに向上させることが可能となる。
なお、本実施形態においては、第1始動口25への始動入賞によって突確大当りに当選した場合には、高確率状態及び低確率状態のいずれにおいても、時短有りの場合と時短無し場合があるが、それに限らず、高確率状態及び低確率状態の少なくともいずれにおいて、突確の場合には全て時短無しとしてもよい。
[特別図柄変動パターン決定テーブル]
図46は、特別図柄変動パターン決定テーブルを示す図である。この特別図柄変動パターン決定テーブルは、図柄変動パターン決定処理において、図柄の変動時間値を求めるためのデータであり、変動パターンn(nは1〜149の整数)のデータからなる。変動パターンnは、基本となる変動時間データの領域と減算タイプデータの領域とを合成したデータ構造であり、変動時間データの領域として13bit、減算タイプデータの領域として3bitが割り当てられている。このため、変動パターンnは、2byteのデータ構造となる。
ところで、従来、基本となる変動時間データの値を登録しているテーブルと、保留球数に応じて変動時間を減算するための減算タイプデータの値を登録しているテーブルとがあり、変動時間データの値の登録には2byte使用され、減算タイプデータの値の登録には1byte使用され、合計3byte使用されていた。これに対して本実施形態によれば、変動パターンnは、2byteのデータ構造となるため、メインROM68におけるデータ領域の削減を図ることが可能になる。
図47は、本実施形態の遊技の流れを示す遷移図である。遊技開始時においては、多くの場合、演出モード1の演出が実行される。演出モード1は、本実施形態においては、通常モードと称され、特別図柄抽選が、低確率又は高確率状態において実行される。なお、演出モード1においては、普通電動役物48によるサポート(以下、電サポと称する)はない。演出モード1において、15R突確(時短なし)あるいは小当りを引いた場合には、演出モード2に移行する。また、演出モード1において、液晶表示装置32に導出表示される識別図柄が奇数揃いになった場合、又は、特殊確変に当選した場合には、「GOD BONUS」と称する15ラウンド出球あり大当りに移行する。また、突確(次回)に当選した場合には、「GOD BONUS」を経由せず、演出モード5に移行する。液晶表示装置32に導出表示される識別図柄が偶数揃いになった場合、「CHANCE BONUS」と称する15ラウンド出球あり大当りに移行する。
演出モード2は、本実施形態においては、降臨モードと称され、特別図柄抽選が、低確率又は高確率状態において実行される。なお、演出モード2においては、電サポはない。また、演出モード2は、5つのステージによって構成されており、高確率状態である場合には、上位ステージにランクアップしやすくなっている。なお、以下の説明において、第1ステージの場合には演出モード2−1、第2ステージの場合には演出モード2−2、以下同様に、第3、4、5ステージの場合には演出モード2−3、2−4、2−5と称する。このように、サブCPU206は、第2抽選通常状態が開始したときには第1の当り抽選手段の抽選状態の種別にかかわらず共通の遊技に関する演出表示(降臨モード)を実行する表示制御手段の一例である。
上位ステージへのランクアップは、ミニゲームに参加することによって行われる場合がある。そして、演出モード2において、液晶表示装置32に導出表示される識別図柄が奇数揃いになった場合、又は、特殊確変に当選した場合には、「GOD BONUS」と称する15ラウンド出球あり大当りに移行する。また、突確(次回)に当選した場合には、大当り経由せず、演出モード5に移行する。液晶表示装置32に導出表示される識別図柄が偶数揃いになった場合、「CHANCE BONUS」と称する15ラウンド出球あり大当りに移行する。また、演出モード2においては、演出モード降格抽選が行われる場合があり(図26のステップS2160)、この演出モード降格抽選に当選した場合には、演出モード1に移行する。
「CHANCE BONUS」の終了後、「CHANCE BONUS」が第1特別図柄抽選による初当りであった場合には、演出モード3に移行する。また、「CHANCE BONUS」の終了後、「CHANCE BONUS」が第2特別図柄抽選による連続大当り(いわゆる、連チャン)であった場合には、演出モード4に移行する。
演出モード3は、本実施形態においては、G−ZONEモードと称され、特別図柄抽選が、低確率又は高確率状態において実行される。なお、演出モード3においては、電サポがある。この時の電サポは、20回、30回、50回、次回大当りまで、のいずれかである。
演出モード4は、本実施形態においては、CHALLENGE−ZONEモードと称され、特別図柄抽選が、低確率又は高確率状態において実行される。なお、演出モード4においては、電サポがある。この時の電サポは、100回、次回大当りまで、のいずれかである。
演出モード3又は演出モード4において、液晶表示装置32に導出表示される識別図柄が奇数揃いになった場合には、「GOD BONUS」に移行する。また、演出モード3又は演出モード4において、液晶表示装置32に導出表示される識別図柄が偶数揃いになった場合には、「CHANCE BONUS」に移行する。
演出モード3において、時短が終了した後には演出モード2に移行する。ここで、時短終了後でも確変が残っている場合があるため、演出モード2に移行しても確変状態である可能性がある。また、演出モード4において、時短が終了した場合には、演出モード1に移行する。なお、図33(a)によれば、時短回数が100回である場合は、通常大当りに限られるため、演出モード4から演出モード1への移行は、低確率状態であることを遊技者に報知することと同じである。
また、演出モード4において、電サポが次回大当りまで実行される場合に限り、ミニゲームによって演出モード5に移行する場合がある。また、「GOD BONUS」の終了後、演出モード5に移行する。
演出モード5は、本実施形態においては、GODGAMEモードと称され、特別図柄抽選が、高確率状態で実行される。なお、演出モード5においては、電サポが次回大当りまで継続される。そして、演出モード5において、液晶表示装置32に導出表示される識別図柄が奇数揃いになった場合には、「GOD BONUS」に移行する。また、演出モード5において、液晶表示装置32に導出表示される識別図柄が偶数揃いになった場合には、「CHANCE BONUS」に移行する。
なお、演出モード3〜5の実行を開始する際には、演出モード3〜5が電サポ有りの場合に実行されるものであるため、液晶表示装置30に、右打ちを行うように促す演出画像を表示させる。また、演出モード3から演出モード2に移行した場合、演出モード4から演出モード1に移行した場合には、モードを移行した直後に、左打ちを行うように促す演出画像を表示させる。
また、上述した実施形態においては、演出モード4から演出モード1への移行は低確率状態が確定していることと同じであるが、それに限らず、時短回数100回が終了しても高確率状態(確変状態)が継続する種類の大当りを設定し、高確率状態(確変状態)であっても演出モード4から演出モード1に移行するようにしてもよい。この場合、図29のステップS2410の処理は不要となる。
図48は演出を決定するための各種のテーブルを示すものであり、図48(a)は、演出モード2中ミニゲーム実行抽選テーブル、図48(b)は、演出モード2中転落抽選テーブル、図48(c)は、演出モード4中昇格抽選テーブル、図48(d)は、規定回数時石版回転方向変更抽選テーブル、図48(e)は、変動中保留先読み演出変更抽選テーブルを示す。
[演出モード2中ミニゲーム実行抽選テーブル]
演出モード2中ミニゲーム実行抽選テーブルは、図38のステップS2130の処理(ミニゲーム実行抽選)において用いられるものであり、図48(a)に示すように、演出モード2における5段階のステージ(演出モード2−1〜2−5)毎にテーブルが用意されている。さらに、演出モード2中ミニゲーム実行抽選テーブルは、確変中のグループと非確変中のグループに大別されており、また、確変中のグループ及び非確変中のグループは、ミニゲームが実行される確率を高くした高確率グループと、ミニゲームが実行される確率を低くした低確率グループに分けられている。
具体的には、確変中かつミニゲーム当選確率が高確率で、演出モード2−1の場合、32768個の乱数値において、成功には3276個の乱数値が割り当てられ、失敗には3276個の乱数値が割り当てられ、非実行には26216個の乱数値が割り当てられている。抽選の結果が「成功」である確率は約1/10(≒3276/32768)であり、「成功」に当選した場合には、液晶表示装置32の演出画面がミニゲームの画面に移行する。抽選の結果が「失敗」である確率は約1/10(≒3276/32768)であり、「失敗」に当選した場合には、液晶表示装置32に、ミニゲームの画面に移行しようとするが失敗するという演出画面が表示される。抽選の結果が「非実行」である確率は約8/10(≒26216/32768)であり、「非実行」に当選した場合には、液晶表示装置32に、ミニゲームに関する演出画像は表示されない。
そして、演出モード2−1において、ミニゲームを実行し、所定の実行結果が得られた場合に、演出モード2−2に移行する。なお、演出モード2中ミニゲーム実行抽選テーブルは、非確変中よりも確変中の方がミニゲーム実行抽選に当選しやすくなるように設定されている。また、演出モード2のステージがランクアップしていく毎に、液晶表示装置32の演出画面がミニゲームの画面に移行する確率が低くなるように設定されている。したがって、演出モード2においてステージがランクアップして行くほど、高確率状態(確変状態)である可能性が高くなる。
[演出モード2中転落抽選テーブル]
演出モード2中転落抽選テーブルは、図38のステップS2160の処理(演出モード降格抽選)において用いられるものであり、図48(b)に示すように、演出モード2における5段階のステージ(演出モード2−1〜2−5)毎にテーブルが用意されている。さらに、演出モード2中転落抽選テーブルは、確変中のグループと非確変中のグループに大別されている。例えば、32768個の乱数値において、確変中で演出モード2−1に演出の場合には327個の乱数値が割り当てられており、非確変中で演出モード2−1に演出の場合には3276個の乱数値が割り当てられている。すなわち、確変中で演出モード2−1に演出の場合には約1/100(≒327/32768)の確率で演出モード降格抽選に当選し、演出モード1に降格する。非確変中で演出モード2−1に演出の場合には約1/10(≒3276/32768)の確率で演出モード降格抽選に当選し、演出モード1に降格する。
また、演出モード2中転落抽選テーブルは、確変中よりも非確変中の方が演出モード降格抽選に当選しやすくなるように設定されている。さらに、演出モード2中転落抽選テーブルは演出モードのステージがランクアップしていく毎に、演出モード降格抽選に当選しにくくなるように設定されている。したがって、演出モード2の状態が長くなればなるほど、高確率状態(確変状態)である可能性が高くなる。
[演出モード4中昇格抽選テーブル]
演出モード4中昇格抽選テーブルは、図39のステップS2210の処理(演出モード昇格抽選)において用いられるものであり、図48(c)に示すように、演出モード4における5段階のステージ(演出モード4−1〜4−5)毎にテーブルが用意されている。さらに、演出モード4中昇格抽選テーブルは、確変中にのみ、当選となる乱数値が設定されている。例えば、32768個の乱数値において、演出モード4−1に演出の場合には327個の乱数値が割り当てられている。すなわち、確変中で演出モード4−1に演出の場合には約1/100(≒327/32768)の確率で演出モード昇格抽選に当選し、演出モード5に昇格する。なお、非確変中においては演出モード昇格抽選に当選することはない。
また、演出モード4中昇格抽選テーブルは演出モードのステージの種類に応じて、演出モード昇格抽選の当選確率が異なるように設定されている。本実施形態においては、演出モード4−1である場合が、最も、演出モード5に昇格しやすくなる。また、本実施形態においては、演出モード4における5段階のステージ(演出モード4−1〜4−5)間の移行は、乱数抽選や遊技回数などに基づいて行われる。例えば、遊技回数20回毎にステージをランクアップさせて行くことにより、残り時短回数をステージの演出表示によって判別することができるとともに、残り時短回数が近い場合に、演出モード1に移行するという遊技者の不安感を増幅させることが可能になる。なお、遊技回数が100回を越えても演出モード4が継続されていれば、高確率状態確定であり、次回大当りまで電サポが継続される。
[規定回数時石版回転方向変更抽選テーブル]
規定回数時石版回転方向変更抽選テーブルは、図40のステップS2340の処理(石版回転方向変更抽選)において用いられるものであり、図48(d)に示すように、規定回数時石版回転方向変更抽選テーブルは、確変中にのみ、当選となる乱数値が設定されている。例えば、32768個の乱数値において、確変中の場合には327個の乱数値が割り当てられている。すなわち、確変中において約1/100(≒327/32768)の確率で石版回転方向変更抽選に当選し、液晶表示装置32における、石版95(図51参照)の演出表示において石版の回転方向が変更される。ここで、非確変中においては演出モード昇格抽選に当選することはないため、液晶表示装置32における石版の演出表示において、石版の回転方向が変更された場合には、演出モードにかかわらず、高確率状態(確変状態)であることを遊技者に報知したことになる。
なお、本実施形態によれば、30回目、50回目、100回目、200回目、300回目の特図変動において石版回転方向変更抽選が実行されるが、その時の当選確率は、図48(d)に示すように一定である必要はなく、区切り回数が増える毎、言い換えれば、30回目よりも50回目における石版回転方向変更抽選の当選確率を上げるようにしてもよい。
[変動中保留先読み演出変更抽選テーブル]
変動中保留先読み演出変更抽選テーブルは、図43のステップS2600の処理(演出変更抽選)において用いられるものであり、図48(e)に示すように、変動中保留先読み演出変更抽選テーブルは、32768個の乱数値において、保留が大当りの場合には、32個の乱数値が割り当てられている。保留が小当りの場合には、2個の乱数値が割り当てられている。保留がハズレの場合に1個の乱数値(いわゆる、ガセ)が割り当てられている。すなわち、約1/1000(≒35/32768)の確率で演出変更抽選に当選し、液晶表示装置32等における、保留球の演出表示を変更する。
[当り終了時演出モード移行先テーブル]
図49は当り終了時演出モード移行先テーブルを示す図であり、当り終了時演出モード移行先テーブルは、図42のステップS2500の処理において用いられるものである。図49に示すように、当りの種類及び特別図柄抽選の当選時の状態、すなわち、特別図柄ゲームが高確率状態か否か、普通図柄ゲームが高確率状態か否かがによって移行先演出モードが決定する。例えば、特別図柄抽選及び普通図柄抽選がともに高確率状態で、特図(1)−1の大当りになった場合には、大当り遊技終了後に、演出モード4に移行する。特別図柄抽選が高確率状態で普通図柄抽選が低確率状態で、特図(1)−1の大当りになった場合には、大当り遊技終了後に、演出モード3に移行する。特別図柄抽選が低確率状態で普通図柄抽選が高確率状態で、特図(1)−1の大当りになった場合には、大当り遊技終了後に、演出モード4に移行する。特別図柄抽選及び普通図柄抽選がともに低確率状態で、特図(1)−1の大当りになった場合には、大当り遊技終了後に、演出モード3に移行する。
また、小当りの場合には、演出モード1において小当りになった場合にのみ演出モード2−1に移行し、その他の演出モードにおいて小当りになった場合には、小当り当選前の状態をそのまま継続する。また、図49と図45(c)とを比較すると分かるように、時短が付与されない突確大当りの場合に、演出モード2−1に移行する。また、図47によれば、液晶表示装置3において、識別図柄が奇数揃いで大当りした場合には、演出モード5に移行し、識別図柄が偶数揃いで大当りした場合には、演出モード3又は演出モード4に移行する。このため、図49において、特図(1)−1、15〜17、特図(2)−1、11〜13の大当りに当選した場合には、液晶表示装置32に表示される当り図柄は偶数揃いとなる。また、特図(1)−2〜8、特図(2)−2〜10の大当りに当選した場合には、液晶表示装置32に表示される当り図柄は奇数揃いとなる。また、特図(1)−9の大当りに当選した場合には、液晶表示装置32に特殊確変として設定された表示態様を表示する。また、特図(1)−10〜14の大当りに当選した場合には、液晶表示装置32に突確として設定された表示態様を表示する。
[特別図柄制御処理のプログラム]
図50は、特別図柄制御処理を実行するプログラムの一例を示す図である。図50に示すプログラムによれば、まず、(0000)において、HLレジスタにリターンアドレスをロードする。次に(0001)において、以下の(0003)で行われるケースジャンプ処理において、指定された番号のジャンプ先での処理完了時の戻り先をセットする。次に(0002)において、特別図柄制御状態フラグ領域の内容をロードする。次に(0003)において、ケースジャンプ処理を行う。次に、(0004)において、ループ回数を3回にセットする。次に(0005)から(0007)のそれぞれの処理において、アドレスを一つ登録する。次に(0008)において、イリーガル時の処理を行う。
イリーガル時の処理において、具体的には、ケースジャンプ処理において定義した最大番号異常が入力されたときに、異常処理として定義した最大番号が示すジャンプ先の処理を行う。
[演出表示例]
図51は液晶表示装置における演出表示の一例を示す説明図である。液晶表示装置32の表示領域32aには、3つの識別図柄94が並列表示されており、3つの識別図柄94がそれぞれ変動、停止表示することにより、大当り、小当り、ハズレが遊技者に報知される。識別図柄94の左側には、石版95が表示されており、この石版95は、特別図柄抽選が低確率状態の場合には右側に回転しており、低確率状態(通常状態)の場合には、右側に回転しており、高確率状態(確変状態)の場合には、左側に回転している。
また、突確時短無し、小当り終了後、時短終了後からの遊技回数が規定カウント数に到達する毎に、石版95の表示色が変化する。例えば、遊技回数が、30回、50回、100回、200回、300回に到達する毎に、青、黄、緑、赤、灰色に変化する。
ここで、本実施形態においては、識別図柄94の停止表示態様に特徴を備えている。例えば、661、771のように1番目の数字と2番目の数字が揃っている表示態様(頭テンパイ)の場合には、疑似連演出(図柄の変動、仮停止を繰り返し、繰り返し回数が多いほど大当り期待度が高くなる予告)が行われる。疑似連演出は、偶数テンパイよりも奇数テンバイの方が当り当選時に選択されやすく設定されている。このような疑似連演出においては、後述するように演出ボタン80を用いた演出動作が実行される。なお、頭テンパイの場合に、通常の疑似連演出とは異なるチャンスアップパターン(光るランプが多い等)を設けてもよい。
また、459のように「地獄」を連想される語呂合わせの表示態様には、リーチ発展が確定する。例えば、「459」が割れて、リーチに発展するというパターンが表示される。
また、664のように、予め定めたリーチの場合には、疑似連演出から大当りが確定する。なお、非確変中は大当り確定、確変中は確変大当り確定としてもよい。リーチとしては、例えば、223(富士山)、184(イワシ)、123(連続)などがある。
また、455のように2番目の数字と3番目の数字が揃っている表示態様(ケツテンパイ)は、演出モード1〜4においては、非確変中よりも確変中の方が、ケツテンパイの選択率が高くなるように設定されている。すなわち、ケツテンパイが出ると確変期待度が高まることになる。なお、ケツテンパイは、保留球内に大当りがあるときに出やすくなってもよい。
7−変動中−7(7テンパイ)となった場合には、大当り確定である。なお、保留球内に大当りがあるときには、ハズレで7テンパイを出現させてもよい。この場合、100%のプレミア演出でハズレとなり、他の保留で大当りになる、ということが確定している。
また、演出モード3は、20回、30回、50回、次回大当りまで継続する演出モードだが、通常の識別図柄94による演出は実行せず、演出モード3の期間においては、液晶全体に表示される敵と戦って倒すという演出が実行される。そして、戦いにおける攻撃の種類によって確変期待度、保留内大当り期待度を示唆する。敵を倒した場合は確変大当りが確定し、敵が逃げた場合は通常又は確変大当りが確定する。なお、保留球を先読みして大当りがあったときには、ハズレの変動時に強い攻撃を行うといったパターンをセットしてもよい。
[演出表示例]
図52は液晶表示装置における演出モード3(G−ZONEモード)の演出表示の一例を示す説明図である。演出モード3において、液晶表示装置32の表示領域32aには、敵キャラクタ92と味方キャラクタ93とによる戦闘画面が演出表示される。演出モード3の期間に特別図柄抽選が大当りとなった場合に、味方キャラクタ93が勝利する演出表示(敵を倒す、敵が逃げる)が実行される。また、演出モード3が終了する時の特別図柄抽選がハズレとなった場合には、味方キャラクタ93が撤退して、演出モード2に移行する演出表示が実行される。
また、演出モード3においては、大当り期待度に応じて味方キャラクタ93が繰り出す攻撃の種類が異なるように設定されている。例えば、最も期待度が低い技が、石を投げるであり、火炎放射、吹雪、目から光線の順で期待度が高くなる。
また、演出モード3において、演出表示の実行中に、保留球が増えてその中に当りが含んでいる場合には、現在表示されている演出内容が変更される。例えば、図52(a)に示すように、味方キャラクタ93が目から光線を発射している演出表示中に、保留球に当りが出た場合には、図52(b)に示すように、光線を太くしたり、衣装の模様を変化させる、というように演出内容が変えられる。
[演出動作例1]
図53は、疑似連演出時における演出ボタン80による演出動作の一例を示す説明図である。同図(a)に示すように、疑似連変動1回目で識別図柄94が仮停止した状態において、演出ボタン80(可動体81)は、非突出状態にある。このとき、図17に示すように、ガイドローラ817は、円筒カム84の水平面844Aに位置した状態にあり、円筒カム84は、回転停止した状態にある。
次に、疑似連変動2回目で識別図柄94の変動が開始すると、演出ボタン80(可動体81)は、わずかに突出した状態となる。このとき、図17に示すように、ガイドローラ817は、円筒カム84が第2方向D2に回転するのに伴い経路Dに沿って移動し、第3誘導路843に進入する。その後、円筒カム84が所定角度回転してから回転停止する。これにより、ガイドローラ817は、第3誘導路843の段部843aに位置した状態となる。その結果、図53(b)に示すように、疑似連変動2回目として識別図柄94の変動開始時には、演出ボタン80の可動体81が第1段階の高さだけ突出する。
次に、疑似連変動3回目で識別図柄94の変動が開始すると、演出ボタン80(可動体81)は、さらに少しだけ突出した状態となる。このとき、図17に示すように、ガイドローラ817は、円筒カム84がさらに所定角度より大きい角度だけ第2方向D2に回転してから回転停止することにより、第3誘導路843の段部843aから段部843bへと順次位置した状態となる。その結果、図53(c)に示すように、疑似連変動3回目として識別図柄94の変動開始時には、演出ボタン80の可動体81が第1段階よりも高い第2段階の高さまで突出する。さらに同様に動作が進行し、図17に示すように、ガイドローラ817は、第3誘導路843の段部843bから段部843cへと順次位置した状態となる。その結果、図53(d)に示すように、疑似連変動4回目として識別図柄94の変動開始時には、演出ボタン80の可動体81が第2段階よりも高い第3段階の高さまで突出する。
そして、疑似連変動4回目において識別図柄94の変動中に、演出ボタン80(可動体81)は、大当り抽選結果に基づいて突出状態又は非突出状態のいずれかの状態となる。例えば、図53(e)に示すように、大当りの抽選結果が当りの場合であって、所定の確率で当該大当りに対応する演出動作を実行することが決定されると、識別図柄94の変動が停止される前に、演出ボタン80の可動体81は、最も大きく突出した状態となる。このとき、図17に示すように、ガイドローラ817は、円筒カム84が第2方向D2に所定角度回転してから回転停止することにより、第3誘導路843と第1誘導路841Bとの間の上方に位置した状態となる。一方、図53(f)に示すように、大当りの抽選結果がハズレの場合であって、所定の確率で当該ハズレに対応する演出動作を実行することが決定されると、識別図柄94の変動が停止される前に、演出ボタン80の可動体81は、元の非突出状態となる。このとき、図17に示すように、ガイドローラ817は、円筒カム84が第2方向D2に大きく回転してから回転停止することにより、第3誘導路843から経路E’に沿って移動し、第1誘導路841Bに沿ってさらに移動した後、水平面844Bに位置した状態となる。このとき、ガイドローラ817は、第3誘導路843から第1誘導路841Bとの間の上方の位置を一旦経由することで第1誘導路841Bへと移動可能であるが、後述する他の実施形態において説明するように、ガイドローラ817は、第3誘導路843の各段部843a〜843cのいずれの位置からも速やかに第1誘導路841Bへと直接移動することができるようにしてもよい。
このように、疑似連演出時においては、識別図柄94の変動が繰り返し行われるのに伴い、演出ボタン80の可動体81が徐々に飛び出すような態様によって演出動作が実行され、最終的には、大当りの抽選の結果に応じて可動体81が大きく突出した状態か、あるいは非突出状態となる。これにより、遊技者は、疑似連変動回数と対応するような挙動として演出ボタン80による段階的な演出動作を観ることができ、単純に飛び出すだけの挙動よりもインパクトのある演出動作として感じることができる。
また、疑似連演出時においては、疑似連変動回数に応じて演出ボタン80による段階的な演出動作が実行されるので、そのような演出動作を観る遊技者に対して大当りに対する期待度を徐々に高めさせることができる。なお、このような演出ボタン80による演出動作は、いわゆる先読み演出において実行されるようにしてもよい。
[演出動作例2]
図54は、リーチ出現時における演出ボタン80及びジョグダイヤル90を用いた演出動作の一例を示す説明図である。同図(a)に示すように、例えば識別図柄94がリーチとなった場合、液晶表示装置32の表示領域32aには、「左に回すとチャンス告知」、「右に回すと一発告知」といった、遊技者に対して告知演出の種類をジョグダイヤル90を用いて選択させるための画像が表示される。このような告知演出を選択するための画像を表示させるか否かについては、所定の確率で抽選により決定される。
そして、例えばジョグダイヤル90が左回りに所定の回転操作量以上で回転操作されると、大当りの期待度を報知する演出として、演出ボタン80の可動体81が徐々に飛び出すような態様によってチャンス告知に係る演出動作が実行される。一方、ジョグダイヤル90が右回りに所定の回転操作量以上で回転操作されると、大当りの期待度を報知する演出として、演出ボタン80の可動体81が急激に飛び出すような態様によって一発告知に係る演出動作が実行される。なお、演出ボタン80の可動体81は、円筒カム84と同様に遊技者がジョグダイヤル90を回転操作する際の回転方向と同一方向に回転するようにしてもよい。例えば、可動体81の適部に文字やキャラクタ等を描いておき、ジョグダイヤル90の回転操作に連動して可動体81を同一方向に回転させると、遊技者が実際に回転操作によって回転させようとする方向に文字やキャラクタ等が回転し、それと同時に可動体81の突出による演出が実行されることとなる。これにより、遊技者に対しては、遊技に参加していることをより感じさせることができる。
チャンス告知に係る演出動作では、図17に示すように、ガイドローラ817は、最初に水平面844Aに位置した状態にあり、その後、可動板84Aにより渡り通路845が形成されてから円筒カム84が第1方向D1に回転するのに伴い、この水平面844Aから経路Bに沿って渡り通路845を通って水平面844Bに移動し、さらに円筒カム84が第1方向D1に回転するのに伴い、経路Eに沿って進行することで第1誘導路841Bに沿って移動する。これにより、演出ボタン80の可動体81は、ゆっくりと連続的に飛び出すような態様によってチャンス告知に係る演出動作が実行される。一方、一発告知に係る演出動作では、ガイドローラ817は、最初に水平面844Aに位置した状態で渡り通路845が形成されない状態とされることにより、そのまま円筒カム84が第1方向D1に回転するのに伴い、この水平面844Aから経路Aに沿って第2誘導路842に進入することとなる。これにより、演出ボタン80の可動体81は、急激に飛び出すような態様によって一発告知に係る演出動作が実行される。
このような図54(a)に示す演出画像は、先述したC検出モードで大当り期待度が「低」の場合に出現し得るものとされ、大当りの抽選結果がハズレの場合に例えば選択率1/50の確率で出現することが決定される。なお、大当りの抽選結果が当りの場合には、例えば選択率1/3の確率で出現する。このとき、パルス設定値としては、比較的大きい値として“3”が設定される。これにより、図54(a)に示す演出が出現しても、ジョグダイヤル90を所定の回転操作量(パルス設定値に基づく所定のステップ数)に達するまで相当速く回さなければ、演出ボタン80による演出動作を観ることができない。
また、図54(b)に示すように、例えば識別図柄94がリーチとなった場合、液晶表示装置32の表示領域32aには、左側に「一発告知」、右側に「段階告知」といった、遊技者に対して告知演出の種類をジョグダイヤル90を用いて選択させるための画像が表示されることもある。このような告知演出を選択するための画像を表示させるか否かについても、所定の確率で抽選により決定される。
図54(b)に示す状態において、例えばジョグダイヤル90が左回りに所定の回転操作量以上で回転操作されると、大当りの期待度を報知する演出として、演出ボタン80の可動体81が急激に飛び出すような態様によってチャンス告知に係る演出動作が実行される。一方、ジョグダイヤル90が右回りに所定の回転操作量以上で回転操作されると、大当りの期待度を報知する演出として、演出ボタン80の可動体81が段階的に飛び出すような態様によって段階告知に係る演出動作が実行される。
一発告知に係る演出動作では、図17を参照して先述したように、ガイドローラ817は、最初に水平面844Aに位置した状態で渡り通路845が形成されない状態とされることにより、そのまま円筒カム84が第1方向D1に回転するのに伴い、この水平面844Aから経路Aに沿って第2誘導路842に進入する。これにより、演出ボタン80の可動体81は、急激に飛び出すような態様によって一発告知に係る演出動作が実行される。一方、段階告知に係る演出動作では、ガイドローラ817は、最初に水平面844Aに位置した状態にあるが、円筒カム84が第2方向D2に回転させられることにより、水平面844Aから経路Dに沿って第3誘導路843に進入することとなる。これにより、演出ボタン80の可動体81は、段階的に飛び出すような態様によって段階告知に係る演出動作が実行される。
このような図54(b)に示す演出画像は、先述したB検出モードで大当り期待度が「中」の場合に出現し得るものとされ、大当りの抽選結果がハズレの場合に例えば選択率1/100の確率で出現することが決定される。なお、大当りの抽選結果が当りの場合には、例えば選択率1/3の確率で出現する。このとき、パルス設定値としては、中間値として“2”が設定される。これにより、図54(b)に示す演出が出現した場合には、ジョグダイヤル90を所定の回転操作量(パルス設定値に基づく所定のステップ数)に達するまである程度速く回さなければ、演出ボタン80による演出動作を観ることができない。
さらに、図54(c)に示すように、例えば識別図柄94がリーチとなった場合、液晶表示装置32の表示領域32aには、「どっちに回しても激アツ!!」といった、遊技者に対してジョグダイヤル90を用いた告知演出を促す画像が表示されることもある。このような告知演出を選択するための画像を表示させるか否かについても、所定の確率で抽選により決定される。
図54(c)に示す状態において、例えばジョグダイヤル90が左回りに所定の回転操作量以上で回転操作されると、大当りの期待度を報知する演出として、演出ボタン80の可動体81が急激に飛び出すような態様によってチャンス告知に係る演出動作が実行される。一方、ジョグダイヤル90が右回りに所定の回転操作量以上で回転操作されると、大当りの期待度を報知する演出として、演出ボタン80の可動体81が段階的に飛び出すような態様によって段階告知に係る演出動作が実行される。一発告知や段階告知に係る演出動作そのものは、先述したものと同様である。
このような図54(c)に示す演出画像は、先述したA検出モードで大当り期待度が「高」の場合に出現し得るものとされ、大当りの抽選結果がハズレの場合に例えば選択率1/1000の確率で出現することが決定される。なお、大当りの抽選結果が当りの場合には、例えば選択率1/3の確率で出現する。このとき、パルス設定値としては、比較的小さい値として“1”が設定される。これにより、図54(c)に示す演出が出現した場合には、ジョグダイヤル90を所定の回転操作量(パルス設定値に基づく所定のステップ数)になるまでそれほど速く回さなくても、演出ボタン80による演出動作が実行されることとなる。
このように、リーチ出現時においては、ジョグダイヤル90を用いた告知演出を促す画像が表示されることがある。このような画像の表示に応じて遊技者は、ジョグダイヤル90を所望とする方向に所定の回転操作量以上となるように回転操作を行うことにより、演出ボタン80において可動体81が徐々に飛び出すようなチャンス告知に係る演出動作、可動体81が急激に飛び出すような一発告知に係る演出動作、さらには可動体81が段階的に飛び出すような段階告知に係る演出動作を選択した上で実行させることができる。これにより、遊技者は、積極的に演出動作に関与し得るように能動的な操作が促され、演出に対する興趣を高めることができる。なお、このようなジョグダイヤル90を用いた演出動作も、例えば先読み演出において実行するようにしてもよい。
また、ジョグダイヤル90を用いた告知演出が実際に実行されるには、円筒カム84を回転させるのに必要なジョグダイヤル90の回転操作量がパルス設定値に応じて大きくなる場合もあれば小さくなる場合もあるので、そのような回転操作量の変化に応じて大当たりの期待度を向上させたり低減させたりすることができる。
さらに、大当り抽選結果が大当りの場合は、大当り遊技状態に移行しないハズレの場合よりも告知演出が出現しやすく、遊技者は、一発告知や段階告知といった比較的インパクトが大きい演出動作を選択し得る状態ほど大当りに対する期待度を高めることができる。すなわち、遊技者は、そのような一発告知や段階告知に係る演出動作の出現を期待しつつ、告知演出に対する興趣をより一層高めることができる。
なお、本実施形態において、図54(a)〜(c)に示す演出動作実行時には、大当り抽選結果が大当りの場合で、かつ、ジョグダイヤル90の回転操作量が所定量以上となった場合に、演出ボタン80が最も大きく突出するようになっている。このような回転操作量のしきい値となる所定量は、予め定められた固定値であってもよいし、あるいは抽選により決定される可変値でもよい。すなわち、ハズレの場合には、例えば一発告知に対応する方向にジョグダイヤル90が回転させられても、ガイドローラ817が第2誘導路842に進入させられることがなく、演出ボタン80が実際に突出することはない。また、ハズレの場合において、例えばチャンス告知に対応する方向にジョグダイヤル90が回転させられた場合には、ジョグダイヤル90の回転操作量に応じて演出ボタン80が途中まで突出させられるが、最も突出する位置まで演出ボタン80が達しないようになされる。例えばこのとき、液晶表示装置32における演出の終了(ハズレ図柄の停止表示)に合わせてガイドローラ817が第1誘導路841Bの途中で一旦停止させられ、円筒カム84が逆回転させられることにより、ガイドローラ817が第1誘導路841Bに沿って水平面844Bへと戻される。これにより、演出ボタン80は、途中まで上昇移動するもその後に下降移動させられ、元の非突出状態となるように戻される。さらに、ハズレの場合において、例えば段階告知に対応する方向にジョグダイヤル90を回転させられた場合には、ジョグダイヤル90の回転操作量に応じて第3誘導路843の段部843a〜843cに対応する位置まで演出ボタン80が順次突出させられるが、この場合においても最も突出する位置まで演出ボタン80が達しないようにすることが好ましい。このような動作は、後述する図57に示すような形態を採用することで実現することができる。
上述したように、本実施形態によれば、3種類の演出動作に対応すべく第1誘導路841A,841B、第2誘導路842、及び第3誘導路843を円筒カム84に設けているが、出没自在の渡り通路845を介して水平面844A,844Bから任意の誘導路841A,841B,842,843にガイドローラ817を移行させることができるので、演出動作をより多様化しつつも、各誘導路841A,841B,842,843に対応する複数の演出動作から常に1つの演出動作を任意に選択して即時に実行することができる。
また、円筒カム84を第2方向D2に回転させつつ第3誘導路843にガイドローラ817を進入させることにより、当該ガイドローラ817が第3誘導路843の各段部843a〜843cに沿って追従するように変動し、それに伴い可動体81が上下方向に段階的に変位するので、可動体81が少しずつ間欠的に変位するような動きによってより興趣の高い演出動作を実現することができる。
また、ガイドローラ817を第3誘導路843に進入させた後、さらに円筒カム84を第2方向D2に回転させることにより、この第3誘導路843から第1誘導路841Bへとガイドローラ817を速やかに移行させることができ、当該ガイドローラ817をらせん状の第1誘導路841Bに沿って案内させることで、原点位置となる一つの水平面844B上までガイドローラ817をゆっくりと移動させ、ひいては可動体81を元の非突出状態となる定位置へと滑らかに変位させることができる。
また、ジョグダイヤル90の回転方向に応じてガイドローラ817を第1誘導路841A,841B、第2誘導路842、又は第3誘導路843に進入させることができ、遊技者が所望とする演出動作をジョグダイヤル90を用いて選択し得るので、可動体81によるインパクトのある演出動作を遊技者に対して訴求しつつ、そのような演出動作に対して遊技者が積極的に関与し得るように能動的な操作を促すことができ、演出に対する興趣を高めることができる。
また、円筒カム84を回転させるのに必要なジョグダイヤル90の回転操作量が複数のパルス設定値に応じて例えば大きい場合もあれば小さい場合もあるので、演出動作が行われるために必要な回転操作量を多様化することができる。
また、大当り抽選結果としてハズレの場合は、当りの場合よりも相対的に大きいパルス設定値が設定されやすく、これを換言すると、大当りの場合はハズレの場合よりもジョグダイヤル90の必要な回転操作量が相対的に小さくて済む。さらに、大当りの場合は、可動体81が急激に突出したり段階的に突出するといったインパクトのある演出動作が実行されやすくなる。これにより、遊技者は、そのようなインパクトのある演出動作を観ることによって大当り遊技状態に対する期待度を高めることができ、ひいてはそのような演出動作の出現を期待しつつジョグダイヤル90を積極的に回転操作することができ、演出に対する興趣をより一層高めることができる。
また、3種類の演出動作に対応すべく第1誘導路841A,841B、第2誘導路842、及び第3誘導路843を円筒カム84に設けることによっても、可動板84Aによる出没自在の渡り通路845を介して任意の誘導路841A,841B,842,843にガイドローラ817を移行させることができるので、演出動作をより多様化しつつも、各誘導路841A,841B,842,843に対応する複数の演出動作から常に1つの演出動作を任意に選択して即時に実行することができ、遊技者は、ジョグダイヤル90の回転方向及び回転操作量に応じて所望とする演出動作を自由に選択することができる。
[他の実施形態]
なお、上述の実施形態においては、2つの第1誘導路841A,841B及び第2誘導路842並びにらせん階段状の第3誘導路843を設けた場合について述べたが、これに限られるものではなく、次に説明するような他の実施形態によるものでもよい。なお、以下に説明する他の実施形態では、先述した実施形態によるものと同一又は類似の構成要素については、同一符号を付してその説明を省略する。
図55は、本発明の他の実施形態による円筒カムの外周面を示す展開図である。図56は、図55に示す円筒カムによる演出動作例を示す説明図である。
図55に示すように、円筒カムの外周面840には、先述した実施形態によるものと同様の形態からなる第1誘導路841A,841B及び第2誘導路842が形成されているとともに、円筒カム84の軸方向に沿う部分として鋸歯状の部分843a’を有する第3誘導路843’が形成されている。第3誘導路843’は、水平面844Aから鋸歯状の部分843a’の一端へと続く部分がらせん状に形成され、さらに鋸歯状の部分843a’の他端から上方へと延びる部分がらせん状に形成されている。鋸歯状の部分843a’は、ガイドローラ817の直径よりも小さいピッチで凹凸をなすように形成されている。
ガイドローラ817は、円筒カム84が回転することによって、円筒カム84からの摩擦力を受けて、第1誘導路841A,841B、第2誘導路842、及び第3誘導路843’、並びに水平面844A,844Bに沿って転動しながら移動する。ガイドローラ817は、第3誘導路843’に進入するように移動し、第3誘導路843’の鋸歯状の部分843a’に沿って移動するが、このとき、ガイドローラ817は、鋸歯状の部分843a’の凹凸に追従することで細かく上下動することとなる。すなわち、図56(a)〜(c)に示すように、可動体81は、非突出状態(同図(a)の状態)から突出状態(同図(c)の状態)となるまでの中間位置において、上下に細かく振動するような動作を行う(同図(b)参照)。このような鋸歯状の部分843a’を有する第3誘導路843’によっても、斬新で興趣の高い演出ボタン80による演出動作を実現することができる。なお、第3誘導路としては、鋸歯状の部分に代えて凹凸状の部分を有するものとしてもよい。そのような凹凸状の部分においては、凹部の幅がガイドローラの直径よりも小さいことが望ましい。このような凹凸状の部分によっても、可動体を上下に細かく振動させるように動作させることができる。
図57は、本発明の他の実施形態による円筒カムの外周面を示す展開図である。なお、図57では、図15に示す誘導路等を反転させたような形態を示しているが、同一又は類似のものについては、同一符号で示している。
図57に示すように、円筒カムの外周面840には、図15に示したものと同様の形態からなる第1誘導路841A,841B及び第2誘導路842並びに第3誘導路843に加え、さらに1組の第1誘導路841B’及び第2誘導路842’が形成されている。また、第1誘導路841Bと第2誘導路842’との間には、水平面844Cが形成されている。さらに、水平面844Cから水平面844Aにかけては、可動板84Aによって渡り通路845が形成可能であり、第3誘導路843の各段部843a〜843cから第1誘導路841Bとの間にも、可動板84A’によって渡り通路が形成可能となっている。このような円筒カムの外周面840とすれば、次のような動作を実現することができる。
すなわち、図54(a)に示す演出開始時においては、ガイドローラ817を水平面844Cに位置させた状態とする。そして、一発告知が選択された場合は、円筒カムを第2方向D2に回転させることでガイドローラ817を経路Gに沿って移動させ、第2誘導路842’に進入させる。一方、チャンス告知が選択された場合は、円筒カムを第1方向D1に回転させることでガイドローラ817を経路Fに沿って移動させ、第1誘導路841Bに進入させる。
また、図54(b)に示す演出開始時においては、ガイドローラ817を水平面844Aに位置させた状態とする。このとき、例えばガイドローラ817が水平面844Cに位置しているならば、水平面844Cと水平面844Aとの間に可動板84Aにより渡り通路845を形成し、この渡り通路845を介して水平面844Cから水平面844Aへとガイドローラ817を経路Hに沿って水平移動させることができる。すなわち、演出ボタン80(可動体81)を上下動させずに予定される演出動作の準備を速やかに行うことができる。その後、段階告知が選択された場合は、円筒カムを第2方向D2に回転させることでガイドローラ817を経路Dに沿って移動させ、第3誘導路843に進入させる。一方、一発告知が選択された場合は、円筒カムを第1方向D1に回転させることでガイドローラ817を経路Aに沿って移動させ、第2誘導路842に進入させる。
さらに、図54(c)に示す演出開始時においては、ガイドローラ817を水平面844Bに位置させた状態とする。このときにおいても、例えばガイドローラ817が水平面844Aに位置しているならば、水平面844Aと水平面844Bとの間に可動板84Aにより渡り通路845を形成し、この渡り通路845を介して水平面844Aから水平面844Bへとガイドローラ817を経路Bに沿って水平移動させることができる。すなわち、演出ボタン80(可動体81)を上下動させずに予定される演出動作の準備を速やかに行うことができる。その後、ジョグダイヤルを何れの方向に回転操作することによっても例えばチャンス告知が選択されることとなり、そうしてチャンス告知が選択された場合は、ジョグダイヤルの回転方向に合わせて同一方向に円筒カムを回転させることができる。その結果、ガイドローラ817は、経路C又は経路Eに沿って移動させられ、第1誘導路841A又は第1誘導路841B’に進入させられる。このような外周面840を有する円筒カムによれば、演出ボタン80(可動体81)による各種の演出動作をより速やかに切り替えることができる。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではない。
上述した各実施形態においては、図15及び図55に示すように、円筒カム84の外周面840に、2つの第1誘導路841A,841B、第2誘導路842、及び第3誘導路843,843’、並びに2つの水平面844A,844Bを形成しているが、これより多くの誘導路や水平面を有するものとしてもよい。例えば、円筒カムの外周面には、複数の段部を有する誘導路と鋸歯状あるいは凹凸状の部分を有する誘導路とを設け、これに伴いらせん状の1つの誘導路と1つの水平面とをさらに追加してもよい。
また、円筒カムの外周面には、回転対称をなすように第1誘導路、第2誘導路、第3誘導路、及び水平面を一対に設け、これらに対応するガイドローラも一対として可動体の直径方向に並ぶように設けてもよい。これによれば、円筒カムの両側において一対のガイドローラが案内されるので、可動体をより安定して動作させることができる。
さらに、疑似連演出は、必ずしも4回実行されるものではなく、例えば2回あるいは3回、さらには5回以上としてもよい。このような場合、図15に示す外周面840を用いて図53に示すような段階的な演出動作を行う際には、ガイドローラ817が段部843cよりも上方の位置を通って第1誘導路841Bに移行しなければ水平面844Bさらには水平面844Aに戻れないという問題が生じる。すなわち、演出ボタン80が最も突出した状態を一旦経て元の非突出状態に戻ることになるが、一般的に、演出ボタン80が最も突出した状態になると、遊技者は、大当り期待度が高いと認識するので、ガイドローラ817が段部843cよりも上方の位置を経由しないことが望ましい。このような観点から図57に示すような外周面840によれば、第3誘導路843の各段部843a〜843cから第1誘導路841Bとの間に可動板84A’によって渡り通路が形成可能とされるので、段部843cよりも上方の位置を経由させずにガイドローラ817を水平面844Cへと速やかに移動させることができる。すなわち、演出ボタン80(可動体81)による段階的な動作を実行中でも途中で中断し、可動体81を速やかに非突出状態とすることができる。なお、水平面間に設けられる可動板や各段部と第1誘導路との間に設けられる可動板は、それらのうちの一つを作動させるべきタイミングで全てが突出状態となっても演出動作上何ら支障がないため、また、コスト削減の観点からも、全ての可動板を1つの可動板駆動用のソレノイドで同時に制御されるようにしてもよい。このように段部ごとに可動板を設けた構成とすれば、全ての段部を通過させずに途中の段部から第1誘導路へとガイドローラを移行させることができ、段部843cよりも上方の位置を経由させずにガイドローラを所定の水平面へと速やかに移動させることができるので、演出ボタンを上下動させずに非突出状態に戻すことができ、ひいては遊技者に対して大当り期待度を正確に示すことができる。
上述した各実施形態は、パチンコ機に適用した例であるが、例えばパチスロ機に同様の構成を設けるようにしてもよい。