JP5973825B2 - ガラス基板の分断方法及びダイシング方法並びにレーザ加工装置 - Google Patents

ガラス基板の分断方法及びダイシング方法並びにレーザ加工装置 Download PDF

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Description

本発明は、ガラス基板の分断方法、特に、表面に圧縮応力を有するとともに内部に引張応力を有するガラス基板を複数の分断予定ラインに沿って分断するためのガラス基板の分断方法に関し、特に、マザーガラス基板を個々のチップに分断するダイシング方法に関する。また、本発明は、ガラス基板を分断するレーザ加工装置に関する。
MEMS(Micro Electro Mechanical System:微小電気機械システム)は、半導体集積技術を用いてガラスやシリコン基板上に、電子回路、機械要素部品、センサ、アクチュエータ等を作り込んだデバイスである。
このようなデバイスは、ガラス基板上に素子を形成した後に、複数の個々のチップに分断することによって得られる。このようなガラス基板を個々のチップに分断する技術として、特許文献1に示された技術がある。
この特許文献1では、まず、粘着性樹脂テープの一表面側に基板が貼り付けられる。そして、基板の分断予定ラインに沿って基板内部にレーザ光が照射され、基板内部に改質部が形成される。その後、粘着性樹脂テープを引き伸ばすことによって、基板に曲げ応力がかけられ、個々のチップに分断される。
特開2010−177340号公報
特許文献1の方法では、分断工程において、テープを引き伸ばすことによって基板に曲げ応力が加えられ、個々のチップに分断される。すなわち、分断工程では、レーザ加工機とは別の装置が用いられる。
このような方法では、レーザ加工機とは別の装置が必要になり、またテープの粘着力の選定や、貼り方、曲げ応力のかけ方等、熟練した技術者による操作が必要になる。したがって、安定して、かつ簡単に個々のチップに分断することが困難である。特に、クロスカットする場合には、交点の角部分にカケ(角カケ)が発生する場合が多い。
本発明の課題は、レーザ加工機のみを用いて、簡単にかつ安定して、しかも角カケ等を抑えて高い精度でガラス基板を分断できる方法を提供することにある。
本発明の第1側面に係るガラス基板の分断方法は、表面に圧縮応力を有するとともに内部に引張応力を有するガラス基板を複数の分断予定ラインに沿って分断するためのガラス基板の分断方法であって、以下の工程を含む。
第1方向第1工程:第1方向に沿って延びる複数の分断予定ラインに沿って、基板内部の第1深さに集光位置が設定されたレーザ光を照射し、分断予定ラインに沿って基板内部に加工痕を形成する。
第1方向第2工程:第1工程によってレーザ光が照射された隣接する分断予定ラインの間の分断予定ラインに沿って、基板内部の第1深さに集光位置が設定されたレーザ光を照射し、第1方向に延びる複数の分断予定ラインのうちの残りの分断予定ラインに沿って基板内部に加工痕を形成する。
第1方向第3工程:第1方向第1工程で加工痕が形成された分断予定ラインに沿って、基板内部の第1深さ位置よりレーザ光照射側の面に近い第2深さ位置に集光位置が設定されたレーザ光を照射し、分断予定ラインに沿ってガラス基板を分断する。
第1方向第4工程:第1方向第2工程で加工痕が形成された分断予定ラインに沿って、基板内部の第2深さ位置に集光位置が設定されたレーザ光を照射し、分断予定ラインに沿ってガラス基板を分断する。
ここでは、ガラス基板の第1方向に沿って複数の分断予定ラインが設定されている。そして、複数の分断予定ラインのうちの、例えば基板の端から奇数番目の分断予定ラインに対して、分断予定ラインに沿ってレーザ光が照射され、奇数番目の分断予定ラインに沿って基板内部に加工痕が形成される。次に、基板の端から偶数番目の分断予定ラインに対して、同様に、分断予定ラインに沿ってレーザ光が照射され、偶数番目の分断予定ラインに沿って基板内部に加工痕が形成される。
その後、同様の順序で、すなわち、基板の端から奇数番目の分断予定ラインにレーザ光が照射された後、偶数番目の分断予定ラインにレーザ光が照射される。この2回目のレーザ照射では、1回目のレーザ照射の場合に比較して、レーザ光の集光位置はレーザが照射される側に近い方に移動される。そして、この2回目のレーザ光の照射によってガラス基板が分断される。
ここで、特に表面が強化されたガラス基板では、複数の分断予定ラインのピッチが狭い場合、先にレーザ光が照射された側と、まだレーザ光が照射されていない側とでは、内部応力等、状態が異なっている。したがって、分断予定ラインに沿ってレーザ光を照射しても、亀裂が分断予定ラインに沿って進展せず、分断予定ラインから外れて分断されることがある。
そこで、本発明では、複数の分断予定ラインに対して1本飛ばしてレーザ光を照射し、その後、先に加工されたラインの間の分断予定ラインに対してレーザ光を照射するようにしている。
この方法では、複数の分断予定ラインのピッチが狭い場合であっても、先に加工されるラインはピッチが広くなるので、先に加工されたラインの影響を受けにくい。また、後に加工されるラインの両側のラインは既に加工されているので、影響を受けるとしても両側から同じような影響を受けることになり、分断予定ラインに沿って高い精度で基板を分断することができる。また、レーザ加工機のみを用いて、2回のレーザ照射によってガラス基板を高い精度で分断することができる。
本発明の第2側面に係るガラス基板の分断方法は、第1側面の方法において、以下の工程をさらに含んでいる。
第2方向第1工程:第1方向と交差する第2方向に沿って延びる複数の分断予定ラインに沿って、基板内部の第3深さ位置に集光位置が設定されたレーザ光を照射し、分断予定ラインに沿って基板内部に加工痕を形成する。
第2方向第2工程:第2方向第1工程によってレーザ光が照射された隣接する分断予定ラインの間の分断予定ラインに沿って、基板内部の第3深さ位置に集光位置が設定されたレーザ光を照射し、第2方向に延びる複数の分断予定ラインのうちの残りの分断予定ラインに沿って基板内部に加工痕を形成する。
第2方向第3工程:第2方向第1工程で加工痕が形成された分断予定ラインに沿って、第3深さ位置よりレーザ光照射側の面に近い基板内部の第4深さ位置に集光位置が設定されたレーザ光を照射し、分断予定ラインに沿ってガラス基板を分断する。
第2方向第4工程:第2方向第2工程で加工痕が形成された分断予定ラインに沿って、基板内部の第4深さ位置に集光位置が設定されたレーザ光を照射し、分断予定ラインに沿ってガラス基板を分断する。
ここでは、第1方向と交差する第2方向に延びる複数の分断予定ラインが設定されている。すなわち、ここではガラス基板はクロスカットされる。この場合でも、第1側面の方法と同様に、簡単に高い精度で分断をすることができる。
本発明の第3側面に係るガラス基板の分断方法は、第2側面の方法において、第1深さ位置と第3深さ位置とは同じ位置であり、第2深さ位置と第4深さ位置とは同じ位置である。
ここでは、第1方向及び第2方向のレーザ照射において、レーザ光の集光位置が同じであるので、第1方向の加工から第2方向の加工に移行する際に、集光位置の調整作業等が不要になり、加工が容易になる。
本発明の第4側面に係るガラス基板の分断方法は、第2又は第3側面の方法において、第2方向第1工程から第2方向第4工程までの工程は、第1方向第2工程と第1方向第3工程との間に実行される。
ここでは、以下の順序で加工される。
第1方向第1及び第2工程(第1方向のすべての分断予定ラインの1回目の加工)→第2方向第1及び第2第2工程(第2方向のすべての分断予定ラインの1回目の加工)→第2方向第3及び第4工程(第2方向のすべての分断予定ラインの2回目の加工)→第1方向第3及び第4工程(第1方向のすべての分断予定ラインの2回目の加工)
ここでは、第2方向の第1及び第2工程の加工と、第2方向の第3及び第4工程の加工とが連続して実行される。したがって、ガラス基板の方向を変える工程が減り、位置の誤差が生じにくく、より高い精度で加工することができる。
本発明の第5側面に係るガラス基板の分断方法は、第1から第4側面のいずれかの方法において、ガラス基板の厚みは1.1mm以下であり、複数の分断予定ラインのピッチは1mm以上1.5mm未満である。
本発明の第6側面に係るダイシング方法は、第1から第5側面のいずれかの方法をもちいて、マザー基板であるガラス基板を個々のチップに分断する。
本発明の第7側面に係るガラス基板のレーザ加工装置は、表面に圧縮応力を有するとともに内部に引張応力を有するガラス基板にレーザ光を照射して複数の分断予定ラインに沿って分断する装置であって、レーザ光線発振ユニットと、伝送光学系と、集光レンズと、テーブルと、移動制御部と、加工制御部と、を備えている。レーザ光線発振ユニットは、レーザ光線発振器と、レーザ光線のビーム強度を調整するレーザ制御部と、を含み、レーザ光を出射する。伝送光学系はレーザ光線発振ユニットから出射されるレーザ光を所定の方向に導く。集光レンズは伝送光学系からのレーザ光を集光させる。テーブルは、集光レンズからのレーザ光線に対して垂直な面内で相対移動が可能であり、集光レンズからのレーザ光が照射されるガラス基板を載置する。移動制御部は集光レンズからのレーザ光線とテーブルとを相対移動させる。加工制御部は、レーザ制御部及び移動制御部を制御して、テーブルに載置されたガラス基板の厚み方向に伸びる複数の線状のレーザ加工痕を分断予定ラインに沿って周期的に形成する。
そして、加工制御部は、以下の機能を含んでいる。
第1方向第1機能:第1方向に沿って延びる複数の分断予定ラインに沿って、基板内部の第1深さに集光位置が設定されたレーザ光を照射し、分断予定ラインに沿って基板内部に加工痕を形成する。
第1方向第2機能:第1機能によってレーザ光が照射された隣接する分断予定ラインの間の分断予定ラインに沿って、基板内部の第1深さに集光位置が設定されたレーザ光を照射し、第1方向に延びる複数の分断予定ラインのうちの残りの分断予定ラインに沿って基板内部に加工痕を形成する。
第1方向第3機能:第1方向第1機能で加工痕が形成された分断予定ラインに沿って、第1深さ位置よりレーザ光照射側の面に近い基板内部の第2深さ位置に集光位置が設定されたレーザ光を照射し、分断予定ラインに沿ってガラス基板を分断する。
第1方向第4機能:第1方向第2機能で加工痕が形成された分断予定ラインに沿って、基板内部の第2深さ位置に集光位置が設定されたレーザ光を照射し、分断予定ラインに沿ってガラス基板を分断する。
本発明第8側面に係るガラス基板のレーザ加工装置は、第7側面の装置において、加工制御部は、さらに以下の機能を含んでいる。
第2方向第1機能:第1方向と交差する第2方向に沿って延びる複数の分断予定ラインに沿って、基板内部の第3深さ位置に集光位置が設置されたレーザ光を照射し、分断予定ラインに沿って基板内部に加工痕を形成する。
第2方向第2機能:第2方向第1機能によってレーザ光が照射された隣接する分断予定ラインの間の分断予定ラインに沿って、基板内部の第3深さ位置に集光位置が設定されたレーザ光を照射し、第2方向に延びる複数の分断予定ラインのうちの残りの分断予定ラインに沿って基板内部に加工痕を形成する。
第2方向第3機能:第2方向第1機能で加工痕が形成された分断予定ラインに沿って、第3深さ位置よりレーザ光照射側の面に近い基板内部の第4深さ位置に集光位置が設定されたレーザ光を照射し、分断予定ラインに沿ってガラス基板を分断する。
第2方向第4機能:第2方向第2機能で加工痕が形成された分断予定ラインに沿って、基板内部の第4深さ位置に集光位置が設定されたレーザ光を照射し、分断予定ラインに沿ってガラス基板を分断する。
以上のように本発明では、特に表面が強化されたガラス基板を狭いピッチで分断する際に、レーザ加工機のみを用いて、簡単にかつ安定して、しかも高い精度で分断することができる。
分断対象としての強化ガラスの構成を模式的に示す図。 本発明の加工方法を実施するためのレーザ加工装置の概略構成図。 X方向の加工痕形成工程及び分断工程を示す図。 Y方向の加工痕形成工程及び分断工程を示す図。 本発明の方法を用いて製作したガラスチップを示す図。 本発明の方法を用いて製作したガラスチップの分断面の拡大図。 本発明の方法を用いて製作したガラスチップの表面の拡大図。
小型パッケージのレーザダイオードモジュールや、マイクロプロジェクタには、1mm角の小型・高精度レンズが用いられている。また、MEMSデバイスについても同様である。このようなデバイスは、ガラス基板を、互いに直交するX,Y方向にクロスカットして形成される。以下、この実施形態では、強化ガラスをX,Y方向にクロスカットする場合を例にとって説明する。
[分断対象]
分断対象としての強化ガラスを図1に示す。このガラス基板は、表面に圧縮応力を有するとともに内部に引張応力を有する強化ガラスである。具体的には、表面及び裏面の近傍において、表面及び裏面に近づくほど大きな圧縮応力(CS)を有している。そして、表面及び裏面から所定の深さに達する基板内部では、逆に引張応力(CT)を有している。図1において、「DOL」は基板表面の圧縮応力を有する強化層深さを示している。
[レーザ加工装置]
図2は、本発明の一実施形態による加工方法を実施するためのレーザ加工装置5の概略構成を示したものである。レーザ加工装置5は、レーザ光線発振器6aやレーザ制御部6bを含むレーザ光線発振ユニット6と、レーザ光を所定の方向に導くための複数のミラーを含む伝送光学系7と、伝送光学系7からのレーザ光を集光させるための集光レンズ8と、を有している。レーザ光線発振ユニット6からは、ビーム強度等の照射条件が制御されたパルスレーザ光(以下、単にレーザ光と記す)が出射される。なお、ガラス基板Gはテーブル9に載置されている。テーブル9は、駆動制御部20によって駆動制御され、水平面内で移動が可能である。すなわち、テーブル9に載置されたガラス基板Gと集光レンズ8から照射されるレーザ光線とは水平面内で相対移動が可能である。また、レーザ光とガラス基板Gが載置されるテーブル9とは、相対的に上下方向に移動が可能である。レーザ制御部6b及び駆動制御部20は、加工制御部21によって制御されるようになっている。
加工制御部21は、マイクロコンピュータで構成されており、レーザ制御部6b及び駆動制御部20を制御して、以下のような分断加工を実行する。
[分断方法]
まず、準備工程として、ガラス基板の裏面に粘着性樹脂テープや保持用のフィルム等を貼り、ガラス基板が複数のチップに分断されてもそれぞれが分離されないような処理をしておく。
<X方向:加工痕形成>
X方向においては、図2(a)及び(b)に示すように、11本の分断予定ラインLx1〜Lx11が設定されている。
まず、図2(a)に示すように、X方向に沿って延びる11本の分断予定ラインLx1〜11のうちの、基板Gの端から奇数番目の分断予定ラインLx1,Lx3,Lx5,Lx7,Lx9,Lx11(実線で表示)に沿って、順に基板の第1表面側からレーザ光を照射し、各分断予定ラインLx1,Lx3,Lx5,Lx7,Lx9,Lx11に沿って基板内部に加工痕を形成する。ここで、レーザ光の集光位置はガラス基板Gの第1表面から第1深さの位置に設定する。
次に、図2(b)に示すように、先に加工痕が形成された分断予定ラインLx1,Lx3,Lx5,Lx7,Lx9のそれぞれの間の偶数番目の分断予定ラインLx2,Lx4,Lx6,Lx8,Lx10(破線で表示)に沿って、順に基板の第1表面側からレーザ光を照射し、各分断予定ラインLx2,Lx4,Lx6,Lx8,Lx10に沿って基板内部に加工痕を形成する。ここで、前記同様に、レーザ光の集光位置はガラス基板Gの第1表面側から第1深さの位置に設定する。
<基板の姿勢変更>
X方向のすべての分断予定ラインについて基板内部に加工痕が形成された後は、ガラス基板Gが載置されたテーブルを回転し、ガラス基板Gの姿勢を90°回転させる。
<Y方向:加工痕形成>
Y方向においては、図3(a)及び(b)に示すように、9本の分断予定ラインLy1〜Ly9が設定されている。
まず、図3(a)に示すように、Y方向に沿って延びる9本の分断予定ラインLy1〜9のうちの、基板Gの端から奇数番目の分断予定ラインLy1,Ly3,Ly5,Ly7,Ly9(実線で表示)に沿って、順に基板の第1表面側からレーザ光を照射し、各分断予定ラインLx1,Lx3,Lx5,Lx7,Lx9,Lx11に沿って基板内部に加工痕を形成する。ここで、X方向の場合と同様に、レーザ光の集光位置はガラス基板Gの第1表面側から第1深さの位置に設定する。
次に、図3(b)に示すように、先に加工痕が形成された分断予定ラインLy1,Ly3,Ly5,Ly7,Ly9のそれぞれの間の偶数番目の分断予定ラインLy2,Ly4,Ly6,Ly8(破線で表示)に沿って、順に基板の第1表面側からレーザ光を照射し、各分断予定ラインLy2,Ly4,Ly6,Ly8に沿って基板内部に加工痕を形成する。ここで、前記同様に、レーザ光の集光位置はガラス基板Gの第1表面側から第1深さの位置に設定する。
<Y方向:分断>
次に、先のY方向の加工痕形成工程において加工痕の形成された分断予定ラインに対して、分断処理を実行する。具体的には、レーザ光の集光位置を第1深さ位置より浅い第2深さ位置、すなわち、ガラス基板Gの第1表面側(レーザ光の照射側)に移動させ、Y方向加工痕形成工程とまったく同様の順序によってレーザ光を照射する。
これにより、各分断予定ラインに沿って亀裂が進展し、各分断予定ラインに沿って基板が分断される。
<基板の姿勢変更>
Y方向のすべての分断予定ラインについて分断処理が終了すると、ガラス基板Gが載置されたテーブルを回転し、ガラス基板Gの姿勢を90°回転させる。
<X方向:分断>
次に、先のX方向の加工痕形成工程において加工痕の形成された分断予定ラインに対して、分断処理を実行する。ここでは、レーザ光の集光位置はY方向分断工程と同様に第2深さ位置に設定する。そして、X方向加工痕形成工程とまったく同様の順序によってレーザ光を照射する。
これにより、各分断予定ラインに沿って亀裂が進展し、各分断予定ラインに沿って基板が分断される。
[実験例]
厚さ1.1mmでDOLが40μmの強化ガラスについて、従来の順送り(隣接する分断予定ラインに対して順に加工を行う方法)と、本発明による方法(奇数番目ライン→偶数番目ライン(中飛ばし))を、分断予定ラインのX,Y方向のピッチを変えて分断を行った。その結果は以下の通りである。

なお、評価項目において、「NG」とは分断予定ラインに沿って分断されず、亀裂が分断予定ラインからずれて進展したことを示している。また、「OK」とは、亀裂進展のずれが分断予定ラインから50μm以下であったことを示している。
また、レーザ照射条件は、X,Y両方向ともに同じであり、以下の通りである。
加工痕形成工程:
波長:3MHz
出力:7.5W
走査速度:600mm/s
加工位置:570μm
分断工程:
波長:1064nm
発振周波数:3MHz
出力:7.5W
走査速度:600mm/s
加工位置:287μm
以上の実験結果から、ガラス基板の厚みが1.1mm以下の場合、分断予定ラインのピッチは1mm以上1.5mm未満であれば、良好に分断されることがわかる。
図4は、本発明の方法を用いてガラス基板を1.0mm角に分断して製作したガラスチップの写真である。また、図5はガラスチップの分断面の拡大写真であり、図6はガラスチップの表面の拡大写真である。図5及び図6から明らかなように、本発明の方法で制作されたガラスチップには分断ラインのうねりや角部の欠けは無く、高い精度でガラス基板が分断されている。
[他の実施形態]
本発明は以上のような実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱することなく種々の変形又は修正が可能である。
前記実施形態では、ガラス基板をクロスカットする場合について説明したが、X方向又はY方向の一方向のみの分断を行う場合についても、本発明を同様に適用することができる。
G ガラス基板
Lx1〜11 X方向分断予定ライン
Ly1〜9 Y方向分断予定ライン

Claims (6)

  1. 表面に圧縮応力を有するとともに内部に引張応力を有するガラス基板を複数の所定ピッチの分断予定ラインに沿って分断するためのガラス基板の分断方法であって、
    第1方向に沿って延びる複数の分断予定ラインに対して1本飛ばして前記分断予定ラインに沿って、基板内部の第1深さに集光位置が設定されたレーザ光を照射し、前記分断予定ラインに沿って基板内部に加工痕を形成する第1方向第1工程と、
    前記第1工程によってレーザ光が照射された隣接する分断予定ラインの間の残りの分断予定ラインに沿って、基板内部の前記第1深さに集光位置が設定されたレーザ光を照射し、前記残りの分断予定ラインに沿って基板内部に加工痕を形成する第1方向第2工程と、
    前記第1方向第1工程で加工痕が形成された分断予定ラインに沿って、前記第1深さ位置よりレーザ光照射側の面に近い基板内部の第2深さ位置に集光位置が設定されたレーザ光を照射し、前記分断予定ラインに沿ってガラス基板を分断する第1方向第3工程と、
    前記第1方向第2工程で加工痕が形成された分断予定ラインに沿って、基板内部の前記第2深さ位置に集光位置が設定されたレーザ光を照射し、前記分断予定ラインに沿ってガラス基板を分断する第1方向第4工程と、
    を含む、ガラス基板の分断方法。
  2. 前記第1方向と交差する第2方向に沿って延びる複数の分断予定ラインに対して1本飛ばして前記分断予定ラインに沿って、基板内部の第3深さ位置に集光位置が設置されたレーザ光を照射し、前記分断予定ラインに沿って基板内部に加工痕を形成する第2方向第1工程と、
    前記第2方向第1工程によってレーザ光が照射された隣接する分断予定ラインの間の残りの分断予定ラインに沿って、基板内部の前記第3深さ位置に集光位置が設定されたレーザ光を照射し、前記残りの分断予定ラインに沿って基板内部に加工痕を形成する第2方向第2工程と、
    前記第2方向第1工程で加工痕が形成された分断予定ラインに沿って、前記第3深さ位置よりレーザ光照射側の面に近い基板内部の第4深さ位置に集光位置が設定されたレーザ光を照射し、前記分断予定ラインに沿ってガラス基板を分断する第2方向第3工程と、
    前記第2方向第2工程で加工痕が形成された分断予定ラインに沿って、基板内部の前記第4深さ位置に集光位置が設定されたレーザ光を照射し、前記分断予定ラインに沿ってガラス基板を分断する第2方向第4工程と、
    をさらに含む、請求項1に記載のガラス基板の分断方法。
  3. 前記第1深さ位置と前記第3深さ位置とは同じ位置であり、前記第2深さ位置と前記第4深さ位置とは同じ位置である、請求項2に記載のガラス基板の分断方法。
  4. 前記第2方向第1工程から前記第2方向第4工程までの工程は、前記第1方向第2工程と前記第1方向第3工程との間に実行される、請求項2又は3に記載のガラス基板の分断方法。
  5. 前記ガラス基板の厚みは1.1mm以下であり、複数の分断予定ラインのピッチは1mm以上1.5mm未満である、請求項1から4のいずれかに記載のガラス基板の分断方法。
  6. 前記ガラス基板はマザー基板であり、請求項1から5のいずれかに記載の分断方法を用いて前記ガラス基板を個々のチップに分断する、ガラス基板のダイシング方法。
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