JP5959344B2 - 情報処理装置 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は、操作の習熟度に応じたタイミングで操作を支援するための処理を行う場合に、操作が受け付けられる前の指示体の動きに基づいて習熟度を判定することを目的とする。
また、本発明は、操作を受け付けるための操作面を有し、ユーザが指示体を用いて当該操作面上の位置を指示した場合に、当該位置に応じた操作を受け付ける受付手段と、前記受付手段により前記操作が受け付けられる前の前記指示体の動きに関連する物理量を測定する測定手段と、前記測定手段により測定された物理量に応じて前記ユーザの前記操作の習熟度を判定する判定手段と、前記判定手段により判定された習熟度を蓄積する蓄積手段と、前記蓄積手段に蓄積された習熟度と、前記操作を支援するための処理を行うタイミングとを対応付けた情報を記憶する記憶手段と、前記指示体が前記操作面に接近してきた場合に、記憶された前記情報に基づいて、前記蓄積手段に蓄積された習熟度に応じたタイミングで前記操作を支援するための処理を行う処理手段とを備えることを特徴とする情報処理装置を提供する。
さらに、前記指示体の種類を判別する判別手段を備え、前記測定手段は、前記判別手段によりユーザの親指が判別された場合、当該判別手段によりユーザの親指以外の種類が判別された場合に比べて、前記所定の距離を短くして前記物理量を測定してもよい。
さらに、前記測定手段は、前記操作が受け付けられる前の前記指示体の速度を前記物理量として測定し、前記判定手段は、前記測定手段により前記速度が測定された場合、当該速度よりも遅い速度が前記測定手段により測定された場合に比べて前記習熟度が高いと判定してもよい。
さらに、前記測定手段は、前記操作が受け付けられる前に前記操作面から前記指示体までの距離を表す指示体距離が所定の距離を跨いで増減した回数を表す増減回数を前記物理量として測定し、前記判定手段は、前記測定手段により前記増減回数が測定された場合、当該増減回数よりも多い増減回数が前記測定手段により測定された場合に比べて前記習熟度が高いと判定してもよい。
また、前記測定手段は、前記操作が受け付けられる前の前記指示体の速度が所定の速度よりも低くなった回数を表す低速回数を前記物理量として測定し、前記判定手段は、前記測定手段により前記低速回数が測定された場合、当該低速回数よりも多い低速回数が前記測定手段により測定された場合に比べて前記習熟度が高いと判定してもよい。
以下、本発明の第1実施形態における情報処理装置について説明する。
[構成]
図1は、第1実施形態の情報処理装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置10は、ユーザによる操作を受け付ける操作面を有し、その操作面が指示された場合に操作を受け付けるコンピュータである。情報処理装置10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末などである。情報処理装置10は、制御装置110と、記憶装置120と、音声入出力装置130と、通信装置140と、タッチスクリーン20とを備える。制御装置110は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びリアルタイムクロックを備えている。CPUは、RAMをワークエリアとして用いてROMや記憶装置120に記憶されたプログラムを実行することによって、情報処理装置10の各装置の動作を制御する。リアルタイムクロックは、現在の日時を算出する機能を有している。
タッチスクリーン20は、表示装置210とタッチセンサ220とを備える。表示装置210は、例えば液晶ディスプレイであり、表示面を有し、その表示面に画像を表示する。タッチセンサ220は、ユーザによる操作を受け付けるための操作面を有する薄型透明のセンサであり、表示装置210の表示面を覆うようにして設けられている。タッチスクリーン20の詳細について、図2を参照して説明する。
図3は、情報処理装置10の機能構成を示すブロック図である。情報処理装置10は、受付部101と、測定部102と、判定部103と、蓄積部104と、処理部105とを備える。
図6は、習熟度の判定に用いられるテーブルの一例を示す表である。このテーブルでは、「0.2秒未満」、「0.2秒以上1.0秒未満」及び「1.0秒以上」という各「受付前時間の範囲」に対して、「高」、「中」及び「低」という各「習熟度」が対応付けられている。制御装置110は、測定部102により測定された受付前時間が含まれる受付前時間の範囲に対応付けられている習熟度を、ユーザの操作の習熟度として判定する。例えば、測定部102により0.5秒という受付前時間が測定された場合は、制御装置110は、記憶装置120に記憶されているテーブルを参照して、「0.2秒以上1.0秒未満」という受付前時間の範囲に対応付けられた「中」という習熟度を判定する。同様に、制御装置110は、例えば1.5秒という受付時間が測定された場合は、「低」という習熟度を判定する。このようにして、判定部103は、測定部102により受付前時間(例えば0.5秒)が測定された場合、その受付前時間よりも長い受付前時間(例えば1.5秒)が測定部102により測定された場合に比べて習熟度が高いと判定する。判定部103は、判定した習熟度を蓄積部104に通知する。
情報処理装置10は、以上の構成に基づき、習熟度を蓄積する習熟度蓄積処理と、上述した操作支援処理とを行う。情報処理装置10は、図3の説明で述べた操作支援処理プログラムを実行している間、習熟度蓄積処理及び操作支援処理を繰り返し実行する。
図9は、習熟度蓄積処理において情報処理装置10が行う動作の一例を示すフローチャートである。まず、情報処理装置10は、指示体距離が測定開始距離以下になったか否かを判断する(ステップS11)。例えば、測定開始距離が図2に示すL0である場合、情報処理装置10は、複数の計測位置のいずれにおいても計測位置高さが計測されない状態から、それらのうちの1つでも計測位置高さが計測される状態となったときに、指示体距離が測定開始距離以下になったと判断する。情報処理装置10は、指示体距離が測定開始距離以下になっていないと判断した場合には(ステップS11:NO)、ステップS11の動作を繰り返し行い、指示体距離が測定開始距離以下になったと判断した場合には(ステップS11:YES)、指示体の動きに関連する物理量の測定を開始する(ステップS12)。本実施形態においては、情報処理装置10は、図4及び図5で説明した受付前時間の測定を開始する。
図10は、操作支援処理において情報処理装置10が行う動作の一例を示すフローチャートである。まず、情報処理装置10は、指示体を検知したか否かを判断する(ステップS21)。詳細には、情報処理装置10は、計測位置高さを計測しない状態のときに指示体を検知していないと判断し、その状態から計測位置高さを計測する状態になったときに、指示体を検知したと判断する。情報処理装置10は、指示体を検知していないと判断した場合には(ステップS21:NO)、ステップS21の動作を繰り返し行い、指示体を検知したと判断した場合には(ステップS21:YES)、蓄積している習熟度に基づいて上述したユーザ習熟度を特定する(ステップS22)。次に、情報処理装置10は、特定したユーザ習熟度に基づいて、図8で述べたように、処理開始距離を決定する(ステップS23)。
本発明の第2実施形態では、上述した物理量、すなわち、操作が受け付けられる前の指示体の動きに関連する物理量として、指示体が移動した距離が測定される。本実施形態の情報処理装置10のハードウェア構成及び機能構成は、図1及び図3にそれぞれ示されるものと共通しており、各機能を実現する方法の詳細が第1実施形態と異なっている。以下では、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。測定部102は、指示体による操作が受付部101により受け付けられる前に指示体が移動した距離(以下「移動距離」という。)を測定する。より詳細には、測定部102は、第1実施形態と同様に、指示体と操作面221との距離である指示体距離が測定開始距離(例えば図2に示す距離L0)となってから操作が受け付けられるまでにおける移動距離を測定する。
図11は、習熟度の判定に用いられるテーブルの一例を示す表である。このテーブルでは、「4cm未満」、「4cm以上8cm未満」及び「8cm以上」という各「移動距離の範囲」に対して、「高」、「中」及び「低」という各「習熟度」が対応付けられている。このテーブルは、図2に示す距離L0が4cm未満(例えば3cm)である場合に用いられる。制御装置110は、測定部102により測定された移動距離が含まれる「移動距離の範囲」に対応付けられている習熟度を、ユーザの操作の習熟度として判定する。
図12は、指示体により描かれる軌跡の例を示す図である。図12(a)及び(b)では、操作面221の上側に表示された操作画像A11、A12及びA13が示されている。図12(a)では、ユーザAの指30Aの最小高さ部分が軌跡C1を描いて操作画像A11を指示する様子が示され、軌跡C1が開始される開始点D11及び終了する終了点D12が示されている。また、図12(b)では、ユーザBの指30Bの最小高さ部分が軌跡C2を描いて操作画像A11を操作する様子が示され、軌跡C2が開始される開始点D21及び終了する終了点D22が示されている。軌跡C1は、操作面221の上下方向の中央付近に位置する開始点D11から始まって、操作画像A13及びA12の近くを通って終了点D12で操作画像A11に到達している。一方、軌跡C2は、開始点D11よりも操作画像A11に近い開始点D21から始まって、真っ直ぐに終了点D22まで移動して操作画像A11に到達している。
本発明の第3実施形態では、上述した物理量、すなわち、操作が受け付けられる前の指示体の動きに関連する物理量として、指示体の速度が測定される。本実施形態の情報処理装置10のハードウェア構成及び機能構成は、図1及び図3にそれぞれ示されるものと共通しており、各機能を実現する方法の詳細が第1及び第2実施形態と異なっている。以下では、これらの実施形態と異なる点を中心に説明する。測定部102は、操作が受け付けられる前の指示体の速度(以下「指示体速度」という。)を測定する。測定部102は、上記の各実施形態と同様に制御装置110、記憶装置120及びタッチセンサ220が協働して実現する機能であり、具体的には次の方法で指示体速度を測定する。
図13は、習熟度の判定に用いられるテーブルの一例を示す表である。このテーブルでは、「20cm/秒以上」、「20cm/秒以上10cm/秒未満」及び「10cm/秒未満」という各「指示体速度の範囲」に対して、「高」、「中」及び「低」という各「習熟度」が対応付けられている。
本発明の第4実施形態では、上述した物理量、すなわち、操作が受け付けられる前の指示体の動きに関連する物理量として、移動した指示体により描かれる軌跡の変曲点の数が測定される。本実施形態の情報処理装置10のハードウェア構成及び機能構成は、図1及び図3にそれぞれ示されるものと共通しており、各機能を実現する方法の詳細が上記の各実施形態と異なっている。以下では、それらの実施形態と異なる点を中心に説明する。測定部102は、操作が受け付けられる前に移動した指示体により描かれる変曲点の数(以下「変曲点数」という。)を測定する。測定部102は、上記の各実施形態と同様に制御装置110、記憶装置120及びタッチセンサ220が協働して実現する機能であり、具体的には次の方法で変曲点数を測定する。
図15は、習熟度の判定に用いられるテーブルの一例を示す表である。このテーブルでは、「0個」、「1個または2個」及び「3個以上」という各「変曲点数」に対して、「高」、「中」及び「低」という各「習熟度」が対応付けられている。制御装置110は、測定部102により測定された変曲点数に対応付けられている習熟度を、ユーザの操作の習熟度として判定する。判定部103による習熟度の判定の具体例について図16を参照して説明する。
本発明の第5実施形態では、上述した物理量、すなわち、操作が受け付けられる前の指示体の動きに関連する物理量として、指示体距離が所定の距離を跨いで増減した回数が測定される。本実施形態の情報処理装置10のハードウェア構成及び機能構成は、図1及び図3にそれぞれ示されるものと共通しており、各機能を実現する方法の詳細が上記の各実施形態と異なっている。以下では、それらの実施形態と異なる点を中心に説明する。測定部102は、操作が受け付けられる前に指示体距離が所定の距離を跨いで増減した回数(以下「増減回数」という。)を測定する。以下では、所定の距離として、図2に示す距離L0が定められている場合を例にとって説明する。この距離は、計測位置高さが計測可能な距離の上限を表している。測定部102は、上記の各実施形態と同様に制御装置110、記憶装置120及びタッチセンサ220が協働して実現する機能であり、具体的には次の方法で増減回数を測定する。
図18は、習熟度の判定に用いられるテーブルの一例を示す表である。このテーブルでは、「1回」、「2回以上3回以下」及び「4回以上」という各「増減回数」に対して、「高」、「中」及び「低」という各「習熟度」が対応付けられている。制御装置110は、測定部102により測定された増減回数に対応付けられている習熟度を、ユーザの操作の習熟度として判定する。判定部103は、図17(a)の場合、このテーブルで3回という増減回数に対応付けられている「中」という習熟度を判定し、図17(b)の場合、このテーブルで1回という増減回数に対応付けられている「高」という習熟度を判定する。このようにして、判定部103は、測定部102により増減回数(例えば1回)が測定された場合、その増減回数よりも多い増減回数(例えば3回)が測定部102により測定された場合に比べて習熟度が高いと判定する。言い換えると、判定部103は、測定部102により増減回数が測定された場合、その増減回数よりも少ない増減回数が測定部102により測定された場合に比べて習熟度が低いと判定する。
本発明の第6実施形態では、上述した物理量、すなわち、操作が受け付けられる前の指示体の動きに関連する物理量として、指示体の速度が所定の速度よりも低くなった回数が測定される。本実施形態の情報処理装置10のハードウェア構成及び機能構成は、図1及び図3にそれぞれ示されるものと共通しており、各機能を実現する方法の詳細が上記の各実施形態と異なっている。以下では、それらの実施形態と異なる点を中心に説明する。測定部102は、操作が受け付けられる前の指示体の速度が所定の速度(例えば1cm/秒)よりも低くなった回数(以下「低速回数」という。)を測定する。測定部102は、上記の各実施形態と同様に制御装置110、記憶装置120及びタッチセンサ220が協働して実現する機能であり、具体的には次の方法で低速回数を測定する。
図19は、習熟度の判定に用いられるテーブルの一例を示す表である。このテーブルでは、「1回」、「2回以上3回以下」及び「4回以上」という各「低速回数」に対して、「高」、「中」及び「低」という各「習熟度」が対応付けられている。制御装置110は、測定部102により測定された低速回数に対応付けられている習熟度を、ユーザの操作の習熟度として判定する。これにより、判定部103は、測定部102により低速回数(例えば1回)が測定された場合、その低速回数よりも多い低速回数(例えば3回)が測定部102により測定された場合に比べて習熟度が高いと判定する。言い換えると、判定部103は、測定部102により低速回数が測定された場合、その低速回数よりも少ない低速回数が測定部102により測定された場合に比べて習熟度が低いと判定する。
上述した各実施形態は、本発明の実施の一例に過ぎず、以下のように変形させてもよい。また、上述した各実施形態及び以下に示す各変形例は、必要に応じて組み合わせて実施してもよい。
判定部103は、上述した各実施形態では、図6、図11、図13、図15、図18及び図19に示すテーブルのいずれかを用いて習熟度を判定したが、習熟度の判定の方法はこれには限らない。これらのテーブルではいずれも3つの習熟度が対応付けられていたが、判定部103は、例えば2つの習熟度が対応付けられたテーブルを用いたり、4つ以上の習熟度が対応付けられたテーブルを用いたりしてもよい。また、判定部103は、測定結果を習熟度に変換する予め決められた式を用いて、その式に従って習熟度を判定してもよい。その場合、習熟度は数値で表されることになる。例えば、判定部103は、第1実施形態であれば、100−(受付前時間)×50=習熟度という式を用いて習熟度を判定する。これにより、受付前時間が2.0秒のときに0となり、受付前時間が小さくなるほど100に近づく値で表される習熟度が判定される。この場合、処理部105は、図8に示す「高」、「中」及び「低」に代えて、例えば「90以上」、「90未満50以上」及び「50未満」という「ユーザ習熟度」を「処理開始距離」に対応付けたテーブルを用いて処理開始距離を決定する。
判定部103は、操作が受け付けられたときに操作面221に表示されている画像に応じて、習熟度を判定する基準(以下「判定基準」という。)を変更してもよい。より詳細には、判定部103は、表示されている画像によって表される情報量に応じて判定基準を変更してもよい。本変形例の情報処理装置は、ハードウェア構成が図1に示されるものと共通し、機能構成が図3に示すものと異なっている。
図20は、本変形例の情報処理装置10aの機能構成を示すブロック図である。情報処理装置10aは、図3に示す各機能の他に、検出部106を備える。検出部106は、操作面221に画像が表示される場合に、表示されているその画像によって表される情報量を検出する検出手段である。検出部106は、制御装置110及び表示装置210が協働して実現する機能である。検出部106による情報量の検出の方法を、図21を参照しながら説明する。
図22は、本変形例の習熟度の判定に用いられるテーブルの一例を示す表である。このテーブルでは、「情報量」及び「受付前時間の範囲」の組み合わせに「習熟度」が対応付けられている。例えば、情報量が「20未満」で受付前時間の範囲が「0.2秒未満」という組み合わせには、「高」という習熟度が対応付けられている。同様に、情報量が「20未満」で受付前時間の範囲が「0.2秒以上1.0秒未満」及び「1.0秒以上」という各組み合わせには、「中」及び「低」という習熟度がそれぞれ対応付けられている。情報量が「20以上50未満」の場合には、「0.5秒未満」、「0.5秒以上1.5秒未満」及び「1.5秒以上」という各受付前時間の範囲に「高」、「中」及び「低」という習熟度がそれぞれ対応付けられている。また、情報量が「50以上」の場合には、「1.0秒未満」、「1.0秒以上2.0秒未満」及び「2.0秒以上」という各受付前時間の範囲に「高」、「中」及び「低」という習熟度がそれぞれ対応付けられている。
測定部102は、上述した各実施形態及び変形例では、図2に示すL0を測定開始距離として定め、指示体距離の計測が開始されたことを契機に上述した物理量の測定を開始したが、これに限らず、L0よりも短い距離(つまり計測位置高さが測定可能な距離)であれば、どのような距離を測定開始距離として定めてもよい。
測定部102は、測定開始距離を、何らかの条件に応じて変化させてもよい。例えば、測定部102は、所定の種類の指示体が用いられる場合には、それ以外の種類の指示体が用いられる場合に比べて、測定開始距離を短くして物理量を測定してもよい。以下では、この所定の種類の指示体としてユーザの親指が定められる場合について説明する。本変形例の情報処理装置は、ハードウェア構成が図1に示されるものと共通し、機能構成が図3に示すものと異なっている。
図23は、本変形例の情報処理装置10bの機能構成を示すブロック図である。情報処理装置10bは、図3に示す各機能の他に、判別部107を備える。判別部107は、指示体の種類が所定の種類であるか否かを判別する判別手段である。判別部107は、制御装置110及びタッチセンサ220が協働して実現する機能である。以下では、判別部107が指示体の種類がユーザの親指であるか否かを判別する方法について、図24を参照しながら説明する。
測定部102は、上述した各実施形態では、計測される指示体距離が測定開始距離となった時刻から受付部101により操作が受け付けられた時刻(操作受付時刻)までの期間における物理量を測定した。以下では、測定部102が物理量を測定する期間のことを「測定期間」という。測定部102は、この測定期間を、上述した各実施形態では測定開始距離に基づいて定めたが、操作が受け付けられた時刻(操作受付時刻)に基づいて定めてもよい。例えば、測定部102は、受付部101が操作を受け付けた場合に、操作受付時刻よりも所定の時間(例えば3.0秒)だけ前の時刻から操作受付時刻までの期間を測定期間として物理量を測定する。
また、測定部102は、測定期間を定める方法として、測定開始距離に基づく方法と操作受付時刻に基づく方法の両方を場合に応じて使い分けてもよい。例えば、測定部102は、連続する操作受付時刻同士の間隔が第1の時間(例えば5秒)以上である場合には、測定開始距離に基づく方法を用いて測定期間を定め、この間隔が第1の時間未満である場合には、この第1の時間を所定の時間として、操作受付時刻に基づく方法で測定期間を定める。
測定部102は、操作画像と指示体との位置関係が所定の条件を満たしたときから操作受付時刻までを測定期間として定めてもよい。例えば、測定部102は、操作画像と指示体との距離が所定の距離となった時刻から物理量の測定を開始する。この場合、操作画像と指示体との距離が前述した位置関係を表し、この距離が所定の距離となることが所定の条件を表す。
図25は、本変形例の情報処理装置10cの機能構成を示すブロック図である。情報処理装置10cは、図3に示す各機能の他に、特定部108を備える。特定部108は、操作を受け付けるための操作画像(例えば図2に示す操作画像A1)が操作面221に表示される場合に、その操作画像が操作面221上で表示されている領域を特定する特定手段である。特定部108は、制御装置110、記憶装置120及び表示装置210が協働して実現する機能である。制御装置110は、記憶装置120に記憶されている操作画像を、表示装置210を制御して操作面221の予め決められた位置に表示させる。記憶装置120は、操作画像のサイズ(例えば上下方向及び左右方向のピクセル数)を表すサイズ情報を記憶している。制御装置110は、操作画像を表示させる位置と、操作画像のサイズ情報とから、操作画像が操作面221上で表示されている領域を特定する。このようにして、特定部108は、特定した結果を測定部102に供給する。
判定部103は、上述した各実施形態では、測定部102による1つの測定結果に応じて習熟度を判定したが、複数の測定結果に応じて習熟度を判定してもよい。複数の測定結果とは、第1から第6実施形態においてそれぞれ説明した受付前時間、移動距離、指示体速度、変曲点数、増減回数及び低速回数のうちから2つ以上の測定結果を組み合わせたものである。以下、その一例として、受付前時間及び変曲点数の2つの測定結果に応じて習熟度を判定する場合について説明する。この場合、判定部103は、まず、受付前時間に基づいて、変形例1で述べた式を用いて受付前時間が2.0秒のときに0となり、受付前時間が小さくなるほど100に近づく値で習熟度を判定する。そして、判定部103は、判定した習熟度を表す値に、変曲点数に基づいて決められる補正係数を乗じて補正した値を習熟度として判定する。判定部103は、例えば、図26に示すテーブルを用いて習熟度を補正する。
以上のとおり、判定部103は、様々な方法でユーザの操作の習熟度を判定してもよく、要するに、測定部102により測定された物理量に応じて習熟度を判定するものであればよい。
タッチセンサは、上述した各実施形態では、静電容量方式のセンサであったが、これ以外のセンサであってもよい。タッチセンサは、例えば、赤外線反射方式、電磁誘導方式または画像認識方式等のセンサであってもよい。これらのセンサは、操作面に接触しなくても指示体を検知することができるため、静電容量方式のセンサと同様に、指示体距離を計測することが可能である。なお、これらのセンサと合わせて、指示体距離を計測することができないセンサ(例えば抵抗膜方式、表面弾性波方式及び赤外線遮光方式のセンサ)を併用してもよい。要するに、指示体距離を計測できるようになっていれば、どのようなタッチセンサが用いられてもよい。
処理部105は、上述した各実施形態では、補助画像を表示することで操作支援処理を行ったが、他の方法で操作支援処理を行ってもよい。処理部105は、例えば、操作画像の大きく表示したり、操作画像の輪郭を強調したり、操作画像を点滅させたりして、操作支援処理を行ってもよい。また、処理部105は、図7に示したような処理の内容の説明を音声で読み上げてもよい。その場合、処理部105は、図1に示す制御装置110、記憶装置120及び音声入出力装置130が協働して実現する機能となる。詳細には、記憶装置120が読み上げる音声を示す音声データを記憶しておき、制御装置110が、その音声データを読み出し、音声入出力装置130に供給してその音声データが示す音声を出力させることで操作支援処理が行われる。処理部105は、要するに、ユーザの操作を支援するものであれば、どのような方法で操作支援処理を行ってもよい。処理部105は、いずれの方法を用いる場合であっても、蓄積部104に蓄積された習熟度に応じたタイミングで操作支援処理を行う。
処理部105は、上述した各実施形態では、蓄積部104に蓄積されている習熟度のうち最も多いものをユーザ習熟度として特定したが、これ以外の方法でユーザ習熟度を特定してもよい。処理部105は、例えば、蓄積部104に数値で表された習熟度が蓄積されている場合には、それらの習熟度の平均値をユーザ習熟度として特定する。また、処理部105は、蓄積部104に「高」、「中」及び「低」といった複数の段階で表された習熟度が蓄積されている場合には、それらの段階を数値に変換(例えば「高」を「80」、「中」を「50」、「低」を「20」に変換するといった具合)し、変換したそれらの値の平均値を、再び習熟度を表す段階に変換(例えば80以下65以上を「高」、65未満35以上を「中」、35未満を「低」に変換するといった具合)したものをユーザ習熟度として特定してもよい。また、処理部105は、習熟度が蓄積された時期に応じてそれらの習熟度を重み付けてしてもよい。例えば、処理部105は、蓄積された時期が現在に近い習熟度ほど値が大きくなるように重み付けをすることで、操作が上達して習熟度が高められてきた場合に、重み付けをしない場合に比べてその上達した習熟度を早く反映させて操作支援処理を行うことができる。
情報処理装置は、上述した各実施形態では、スマートフォンやタブレット端末などの、表示手段を備える装置であったが、表示手段を備えていない装置であってもよい。情報処理装置は、例えば、パーソナルコンピュータの(ディスプレイを除く)本外とペンタッチ式のキーボードとで構成されていてもよい。要するに、情報処理装置は、図3に示す受付部101、測定部102、判定部103、蓄積部104及び処理部105として少なくとも機能するものであればよい。
本発明は、上述した情報処理装置の他にも、その情報処理装置が実施する処理を実現するための情報処理方法としても捉えられるものである。ここでいう処理とは、例えば、図9に示す習熟度蓄積処理や図10に示す操作支援処理である。また、本発明は、情報処理装置のようなコンピュータを、図3、図20、図23及び図25に示す各手段として機能させるためのプログラムとしても捉えられるものである。かかるプログラムは、これを記憶させた光ディスク等の記録媒体の形態で提供されたり、インターネット等のネットワークを介して、コンピュータにダウンロードさせ、これをインストールして利用可能にするなどの形態でも提供されたりするものであってもよい。
Claims (10)
- 操作を受け付けるための操作面を有し、ユーザが指示体を用いて当該操作面上の位置を指示した場合に、当該位置に応じた操作を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により前記操作が受け付けられる前の前記指示体の動きに関連する物理量を測定する測定手段と、
前記操作面に画像が表示される場合に、表示されている当該画像によって表される情報量を検出する検出手段と、
前記測定手段により測定された物理量に応じて前記ユーザの前記操作の習熟度を判定する判定手段であって、前記検出手段により前記情報量が検出された場合、当該情報量よりも少ない情報量が前記検出手段により検出された場合に比べて前記習熟度が高くなりやすいように当該習熟度を判定する判定基準を変更し、変更した当該判定基準に基づいて前記習熟度を判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された習熟度を蓄積する蓄積手段と、
前記指示体が前記操作面に接近してきた場合に、前記蓄積手段に蓄積された習熟度に応じたタイミングで前記操作を支援するための処理を行う処理手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。 - 操作を受け付けるための操作面を有し、ユーザが指示体を用いて当該操作面上の位置を指示した場合に、当該位置に応じた操作を受け付ける受付手段と、
前記受付手段により前記操作が受け付けられる前の前記指示体の動きに関連する物理量を測定する測定手段と、
前記測定手段により測定された物理量に応じて前記ユーザの前記操作の習熟度を判定する判定手段と、
前記判定手段により判定された習熟度を蓄積する蓄積手段と、
前記蓄積手段に蓄積された習熟度と、前記操作を支援するための処理を行うタイミングとを対応付けた情報を記憶する記憶手段と、
前記指示体が前記操作面に接近してきた場合に、記憶された前記情報に基づいて、前記蓄積手段に蓄積された習熟度に応じたタイミングで前記操作を支援するための処理を行う処理手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。 - 前記測定手段は、前記指示体と前記操作面との距離が所定の距離となってから前記操作が受け付けられるまでに要した時間を前記物理量として測定し、
前記判定手段は、前記測定手段により前記時間が測定された場合、当該時間よりも長い時間が前記測定手段により測定された場合に比べて前記習熟度が高いと判定する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。 - 前記指示体の種類を判別する判別手段を備え、
前記測定手段は、前記判別手段によりユーザの親指が判別された場合、当該判別手段によりユーザの親指以外の種類が判別された場合に比べて、前記所定の距離を短くして前記物理量を測定する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。 - 前記測定手段は、前記操作が受け付けられる前に前記指示体が移動した移動距離を前記物理量として測定し、
前記判定手段は、前記測定手段により前記移動距離が測定された場合、当該移動距離よりも長い移動距離が前記測定手段により測定された場合に比べて前記習熟度が高いと判定する
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 前記測定手段は、前記操作が受け付けられる前の前記指示体の速度を前記物理量として測定し、
前記判定手段は、前記測定手段により前記速度が測定された場合、当該速度よりも遅い速度が前記測定手段により測定された場合に比べて前記習熟度が高いと判定する
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 前記測定手段は、前記操作が受け付けられる前に移動した前記指示体により描かれる軌跡の変曲点数を前記物理量として測定し、
前記判定手段は、前記測定手段により前記変曲点数が測定された場合、当該変曲点数よりも多い変曲点数が前記測定手段により測定された場合に比べて前記習熟度が高いと判定する
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 前記測定手段は、前記操作が受け付けられる前に前記操作面から前記指示体までの距離を表す指示体距離が所定の距離を跨いで増減した回数を表す増減回数を前記物理量として測定し、
前記判定手段は、前記測定手段により前記増減回数が測定された場合、当該増減回数よりも多い増減回数が前記測定手段により測定された場合に比べて前記習熟度が高いと判定する
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 前記測定手段は、前記操作が受け付けられる前の前記指示体の速度が所定の速度よりも低くなった回数を表す低速回数を前記物理量として測定し、
前記判定手段は、前記測定手段により前記低速回数が測定された場合、当該低速回数よりも多い低速回数が前記測定手段により測定された場合に比べて前記習熟度が高いと判定する
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の情報処理装置。 - 操作を受け付けるための操作画像が前記操作面に表示される場合に、表示されている当該操作画像が前記操作面上で表示されている領域を特定する特定手段を備え、
前記測定手段は、前記特定手段により特定された領域と前記指示体との位置関係が所定の条件を満たしたときから、前記物理量の測定を開始する
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の情報処理装置。
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