JP5950403B2 - 遠心式分析チップおよびこれを用いる分析方法 - Google Patents

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本発明は、遠心式分析チップおよびこれを用いる分析方法に関する。
円盤形の分析チップを用い、遠心力によりチップ内に設けたリザーバーから溶液を供給するシステムが知られている (特許文献1〜3)
複数溶液を分析チップ上で制御する際には, マイクロバルブを用いたシステムが主に用いられてきた (特許文献4〜5)。しかし, マイクロ空間の制御に微小な電気弁, レーザーのピンポイント照射などの複雑な機構を要することが多く, コストの上昇, システム再現性の低下など様々なデメリットを有する。
従来法の多くでは, 1つのバルブにつき1つの流路の流れしか制御することができないため, 複数の溶液の制御には同数のバルブを作製してそれぞれを制御する必要性がある。
従って制御システムが複雑かつ大型になり, 再現性やコスト面において不利である。一方でスライド式バルブシステム (特許文献6) は原理上, 単一かつシンプルな物理的制御機構により複数の溶液を制御し得るが, 専有面積が大きい。
特開2011-196849 特開2011-080769 特開2011-007778 特開2003-275999 特開2005-13980 特開2007-247867
本発明は、物理的な駆動力を利用したシンプルな制御システムを提供することを目的とする。
また、本発明は、より多くの機能をチップに集積化できるようにバルブの省スペース化を行うことを目的とする。
さらに、本発明は、間隙の流路抵抗以外の異なる原理に基づく溶液の保持システム (液漏れ防止システム) を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、リザーバーへの溶液導入操作を低減し、装置の小型化や自動化を促進し、溶液導入操作の大幅な簡略化を実現することを目的とする。
本発明は、回転式のバルブシステムの導入、バルブとリザーバーの一体化、 遠心力の作用力線の向きと溶液排出孔の向きの差を利用した溶液保持システムの開発により、これらの課題が解決できることを見出した。
本発明は、以下の遠心式分析チップ、リザーバーおよびこれを用いる分析方法を提供するものである。
項1. チップ基板に少なくとも1つのリザーバーを回転可能に埋め込んだ遠心式分析チップであって、前記リザーバーは1つまたは2つ以上の液室と前記液室に対応する1つまたは2つ以上の溶液放出孔を有し、かつ、前記チップ基板には2つ以上の液室が備えられ、前記チップ基板は溶液放出孔と接続可能なマイクロ流路と反応部を有する少なくとも1つの反応ユニットを備える、遠心式分析チップ。
項2. 前記液室を密閉する蓋を有する、項1に記載の遠心式分析チップ。
項3. 前記リザーバー又は蓋に係合部を有し、前記係合部を介してリザーバーを回転することができる、項1に記載の遠心式分析チップ。
項4. 1つまたは2つ以上の液室と各液室に対応する1つまたは2つ以上の溶液放出孔を有するリザーバー。
項5. 1つまたは2つ以上の液室と各液室に対応する1つまたは2つ以上の溶液放出孔を有するリザーバーと前記液室を密閉する蓋を有する、蓋付きリザーバー。
項6. 項1〜3のいずれかに記載の分析チップを用いたサンプルの分析方法であって、2つ以上の液室のいずれかにサンプル溶液、反応試薬溶液または洗浄液を充填し、前記分析チップを回転させることにより前記液室から分析に必要な溶液を溶液放出孔と接続したマイクロ流路から反応部に送液することを特徴とする、サンプルの分析方法。
1. 回転はシンプルな物理的制御方式なので, 小型モーターなどで簡便に制御可能であり、レーザーなどの高コストな装置を必要としない。
2. リザーバーを回転することで, 1つまたは2つ以上の溶液の保持・放出を制御できるため, システム全体のバルブ数を減らすことが可能。また、リザーバー自体が回転によりバルブとして機能するため, バルブによるデッドスペースが生じず, 省スペース。
3. 溶液を保持するモードでは流路と液室の接続を物理的に絶つことが可能。さらに遠心力の作用する向きと溶液放出孔の向きをずらすことができるため, 漏出の圧力を消失もしくは低減させることが可能であり, 溶液漏出を効率的に防止可能。
4. リザーバーとバルブが一体化した構造であり, 予め溶液を導入したカートリッジ式のリザーバーバルブをチップに埋め込むだけで, バルブの作製と溶液の導入を同時に実現。
リザーバーデザイン (円柱型, 4室モデル) 反応ユニット (チャネル) デザイン例 遠心力作用時の溶液の流れ ELISA分析チップ例。RV1、RV2、RV3、RV4は全てリザーバーバルブ3を示す。 (A) 蓋の構造。(B) リザーバーをチップ基板に埋め込んだ分析チップの断面図
1. 溶液放出孔
2. 液室
3. リザーバー
3a. リザーバー嵌め込み用の凹部
4. 係合部(溝)
5. チップ基板
6. 遠心式分析チップ
7. 感圧シール
8. 反応ユニット
9. 反応部
10. シール部材
11. 空気孔
12. 流路
13. 廃液流路
14. 廃液リザーバー (廃液リザーバーI, 廃液リザーバーII)
本明細書において、リザーバーとバルブは一体化されているので、これらをリザーバー3あるいはリザーバーバルブ (RV) と記載する。
1つの実施形態において、本発明は、1つまたは2つ以上の液室2と各液室に対応する1つまたは2つ以上の溶液放出孔1を有するリザーバー3に関する。図1では、リザーバー3は4つの液室2を有しているが、液室2は1つのリザーバー3に1つまたは2つ以上あればよく、例えば1〜12個、好ましくは2〜12個が挙げられる。各液室2は、同じ大きさ・形状であるのが好ましいが、各液室2の大きさ・形状は異なっていてもよい。リザーバー3の材質は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、アクリル、テフロンなどの樹脂、金属、セラミックなどが挙げられ、樹脂が好ましい。リザーバー3の液室2の表面は、液漏れを防止し、溶液放出孔からの溶液のスムーズな放出を実現するためにコーティングを行ってもよい。溶液漏出の防止のためには、リザーバー3およびリザーバー3に一体化される蓋の表面を疎水性/撥水性にするのがよい。リザーバー3の形状は円筒状などの筒状が挙げられるが、これらに限定されない。リザーバー3又はリザーバー3に一体化される蓋には溝或いは凸部などの係合部4を形成することができる。例えば溝4の場合には、ドライバーなどを使用してリザーバー3を回転させることができる (図5(A))。凸部4の場合にも同様に凸部と嵌合する工具を用いてリザーバー3を回転させることができる。
図3に示されるように、リザーバー3を回転させると遠心力により1つの液室の液体が溶液放出孔1を通って流路12に供給される。
本発明の遠心式分析チップ6は、リザーバー3をチップ基板5に埋め込んで作製される。チップ基板5はリザーバー3を埋め込む若しくは嵌め込むための凹部3aが1つ又は2つ以上形成される。リザーバー3は前記凹部3aに嵌め込むことにより固定される。
本発明の遠心分析チップは、2つ以上の液室を有する。1つのリザーバーに2つ以上の液室を有する場合には、遠心分析チップには1つのリザーバーを取り付けてもよく、2つ以上のリザーバーを取り付けてもよい。1つのリザーバーに1つの液室を有する場合には、遠心分析チップは2つ以上のリザーバーを取り付ける。1つのリザーバーに1つの液室を有する場合、1つのリザーバー3について液室2の溶液放出孔1と流路12を連通可能に取り付け、他のリザーバーの液室2からの溶液が放出されないようにすることができる。この場合、1つのリザーバー3からの液の放出が終了すると、遠心分析チップの回転を止め、別のリザーバー3を回転してその液室2の溶液放出孔1と流路12を合わせ、この操作を繰り返すことで、2以上のリザーバー3の液室2から、順次溶液を流路12に供給する。
リザーバー3は、液室2に溶液を入れた状態で分析チップ6を回転されるので、回転時の液漏れを防ぐためにシール、プレート、蓋などのシール部材10により液室2を密閉するのが好ましい。これらのシール部材10には空気孔11を開けて、液室2から溶液放出孔1を通って溶液が流路12に流れ込むことを促進してもよい。空気孔11がなくてもシール部材と液室の間にわずかな隙間があれば。溶液の放出は行われ得る。
溶液放出孔1は1つの液室2に1個でも2個以上でもよい。また、溶液放出孔1の位置は中心付近がよいが、隣接する液室の仕切り付近であってもよく、孔の高さも特に限定されない。溶液放出孔1と流路12の間の液漏れを防止するように溶液放出孔1の形状、大きさ、位置などが決められる。
本発明の分析チップ6は、少なくとも1つのマイクロ流路12と少なくとも1つの反応部9を有する反応ユニット8を有する。反応ユニット8は1又は2以上のリザーバー3と流路12を介して接続されている。流路12及び反応ユニット8は、感圧性粘着シール7を用いて溶液の蒸発を防いでもよい。反応ユニット8に接続されるリザーバー3の数は、特に限定されないが、例えば1〜4個、好ましくは1個、2個又は3個である。各反応ユニット8において、リザーバー3からの溶液は、流路12を介して反応部9に送られる。反応部9にはサンプル液、試薬溶液などが送液され、反応部で反応が行われ、サンプル中の物質の分析が行われる。反応としては、化学合成反応、PCR反応、ELISAなどの抗原抗体反応、酵素反応などが挙げられる。反応ユニットにおいて分析される物質としては、アルブミン、ALP (アルカリホスファターゼ)、ALT (アラニンアミノトランスフェラーゼ)、アンモニア、アミラーゼ、アスパラギン酸塩、アミノトランスフェラーゼ、重炭酸塩、ビリルビン、カルシウム、心臓マーカー、コレステロール、クレアチニンキナーゼ、Dダイマー、エタノール、γ-グルタミン酸転移酵素、グルコース、HBA1c (ヘモグロビンA1c)、HDLコレステロール、鉄、乳酸塩、乳酸脱水素酵素、LDLコレステロール、リパーゼ、マグネシウム、無機リン、カリウム、ナトリウム、総タンパク、トリグリセリド、尿素および尿酸などが挙げられる。反応後の反応液は、遠心力により廃液流路13を介して廃液リザーバー14に送られる。
分析対象のサンプルとは、1以上の目的物質が見出され得る液体サンプルである。サンプルは化学物質であってもよく、この場合、分析は、たとえば、薬物相互作用スクリーニング、環境分析、有機物質の同定などが挙げられる。
サンプルは、血液、血清、尿、乳、唾液、脳脊髄液などの生体由来のサンプルであってもよい。
本発明で使用する反応のための試薬としては、特に限定されないが、例えば溶媒 (水又は有機溶媒) または化学物質を溶かした溶液などが挙げられ、洗浄液であってもよい。試薬は、サンプルと相互作用し得るものであってもよく、水などの希釈液でもよい。試薬は、洗浄剤であってもよく、緩衝液であってもよい。試薬は、化合物または薬剤である反応物質を含有する溶液であってもよい。反応物質として、酵素、酵素基質、共役色素、タンパク結合分子、核酸結合分子、抗体、キレート剤、プロモータ、阻害剤、エピトープ、抗原、触媒、酸化剤、還元剤、標識を目的物質に結合するための試薬、合成試薬などが挙げられる。
なお、本明細書において、「溶液」は、懸濁液、乳濁液などでもよい。
以下、本発明を実施例に基づき、より詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されないことは言うまでもない。
実施例1
1-1. RVの作製
厚み5 mmのアクリル/テフロン板を用意し, 切削加工機 (Micro MC-3, 株式会社ピーエムティー) を用い, 0.5 mm径ドリル (日進工具株式会社, NSME 230 f = 0.03,) を40,000 rpmにて作動させ, 毎秒100 mm/minの送り込み速度, 200 mm/minの操作速度において, 図1に示すデザインのRVを作製した。作製したRV容器に, 図1に示す位置に内径1 mmのドリルで孔を開けた。また, 彫刻刀を用いて底面に幅・高さ1 mm程度の凹溝を作製し, ドライバーによる回転を可能にした。
1-2. 回転チップの作製
厚み5 mmのアクリル板を用意し, 切削加工機を用い, ドリル (MSES 230P f = 0.2, MSES 230P f = 4.0, MHR 230 f = 0.5) を6,000〜50,000 rpmにて作動させ, 毎秒50〜100 mm/minの送り込み速度, 50〜500 mm/minの操作速度において, 図2に示すデザインのマイクロチップを作製した。RV同様, 0.1 mm残した周辺部はカッターナイフを用いて切断して用いた。流路上にELISA用プレートシール7を貼付し, 簡易チップとして作製した。
1-3. RVの材質および埋込孔の孔径
直径6.00 mmRVをアクリル, テフロンの2種類の基板から作製し, 5.9〜6.1 mmの孔径 (0.01 mm刻み) の埋込孔に挿入して回転性能を確認した。その結果, アクリル製RVでは6.04 mm以上の孔径において, テフロン製RVでは6.01 mm以上の孔径においてそれぞれ回転可能であることが確認された。アクリル製RVの方が強度的に優れており壁厚を0.25 mm程度まで縮小できるが, 摩擦係数が高いこともあり操作性は悪かった。一方テフロン製RVは強度上壁厚が0.5 mm以上であることが望ましいが, 摩擦係数が低く操作性に優れ, より狭い孔に挿入可能なことから液漏れ防止の観点からも優れていた。
1-4. 蓋の貼り付け, RVの埋込, 溶液の充填
RV容器の各液室に容量の1/2を超えないように5 μLの5% acid redおよび5% bromophenol blue容液を充填した (回転時, 空気孔からの溶液の漏出を防ぐため)。ELISA用のシールを6 mm径に切断し, 作製したRVの開口部に貼付した (図1)。RVを回転チップ底面側から挿入し, 底面がほぼ一体化する程度まで挿入した (図2, 溶液放出孔とチャネル受け口の高さが合うように目視で調整)。
1-5. チップの回転, RVの回転
底面の溝にマイナスドライバーを挿入し, 手動でRVを回転させた。目視によりRV孔と流路を合わせ, その後回転装置を用いてチップを1,500 rpmで回転させて遠心力を作用させ, RV内溶液をチャネルに導入したところ, ほぼ全ての溶液を回収することに成功した。また, 流路に接していない液室の溶液を漏出させることなく保持することに成功した。2,900 rpmの回転速度においても溶液の漏出は確認されなかった。
1-6. 分析例 (図4)
多種類の溶液を導入しなければならないELISA分析などへの応用が期待される。
・ELISA分析チップの好ましい実施形態
図4に示すように, 10室から成るRV1, 4室から成るRV2, 1室から成るRV3,4を有するチップを作製する。
1. RV4を操作し, 1500 rpmで試料をリアクターへ導入し, 静置 (10分)
2. RV1を操作し, PBS → PBS-T → PBS-2の順に1500 rpmで溶液導入
3. 2900 rpmでリアクター内溶液を廃液リザーバーIIへ排出
4. RV2を操作し, 1500 rpmでビオチン化2次抗体溶液をリアクターへ導入し, 静置 (5分)
5. RV1/PBS → RV2/PBS-T → RV1/PBS-T → RV1/PBS-2の順に1500 rpmで溶液導入
6. 2900 rpmでリアクター内溶液を廃液リザーバーIIへ排出
7. RV2を操作し, 1500 rpmでアビジン-HRP溶液をリアクターへ導入し, 静置 (5分)
8. RV1を操作し, PBS → PBS-T → PBS-2の順に1500 rpmで溶液導入
9. 2900 rpmでリアクター内溶液を廃液リザーバーIIへ排出
10. RV3を操作し, 1500 rpmで蛍光基質溶液をリアクターへ導入し, 蛍光画像解析
実施例2
2-1.RVの蓋作製 (図5)
厚み3.5 mmのアクリル板を用意し, 切削加工機 (Micro MC-3, 株式会社ピーエムティー) を用い, 0.5 mm径ドリル (日進工具株式会社, NSME 230 f = 0.03) を40,000 rpmにて作動させ, 毎秒100 mm/min の送り込み速度, 200 mm/min の走査速度において両面を加工し, 図5 (A) に示すデザインのRV 蓋10を作製した。両面を加工することにより, 蓋上面の溝も切削加工機により加工した。RV 容器は実施例1のデザインのテフロン製のものを使用し (底面厚のみ0.5mm に変更), 底面から1.5 mm 程度の位置にf 1 mm のドリルで孔を開けた。
図5 (A) に示すRV 蓋10をチップ基板5の凹部3aに嵌め込んだときの断面図を図5 (B) に示す。
2-2. チップの回転, RVの回転
蓋と一体化したRVをチップ基板に挿入し, に上面に作製した溝にマイナスドライバーを挿入し, 手動でRVを回転させた。目視によりRV孔と流路を合わせたが, 蓋の羽構造により高さ方向の位置調整は不要であった。その後回転装置を用いてチップを回転させて溶液導入を試みたところ, 900 rpm以上の回転数になると内溶液を導入できることがわかった。1,500 rpmで10 s回転させて遠心力を作用させ, RV内溶液をチャネルに導入したところ, 4室RVにおいて88%の溶液を回収することに成功した (n= 5) (相対標準偏差6.1%)。8室RVを用いた際の回収率は92%, 相対標準偏差は3.3%であった (n= 5)。また, 流路に接していない液室の溶液を漏出させることなく保持することにも成功した。2,900 rpmの回転速度においても流路に接続していない液室の溶液漏出は確認されなかった。4室RVにそれぞれ異なる組成の色素溶液を5 μLずつ充填し, 溶液の順次導入を試みた。マイナスドライバーによりRVを回転させ, 対象とする液室の孔と流路を接続し, チップを1500 rpmで10 s回転させた結果, 対象の溶液のみを廃液リザーバーに回収した。チップ回転終了後, チップを回転装置に設置したままマイナスドライバーでRVを約90 °回転させ, 再びチップを1,500 rpmで10 s回転させたところ, 対象溶液を廃液リザーバーに回収できた。RVを回転させるために必要な時間は10 s程度であった。同様に残り2つの溶液についても回収に成功し, 4室RVの各溶液の制御に成功した。
臨床検査, 環境分析, 食品分析などで実施されている各種分析 (免疫アッセイ, 酵素アッセイ, 遺伝子・タンパク質アッセイ等) への利用可能。迅速分析や分析装置の小型化が見込まれ, 在宅医療, 環境オンサイト計測, 生産プロセスモニタリングなどに利用可能。

Claims (4)

  1. チップ基板に少なくとも1つのリザーバーを回転可能に埋め込んだ遠心式分析チップであって、前記リザーバーは2つ以上の液室と前記液室に対応する2つ以上の溶液放出孔を有し、かつ、前記チップ基板には埋め込まれたリザーバーに由来する2つ以上の液室が備えられ、前記チップ基板は溶液放出孔と接続可能なマイクロ流路と反応部を有する少なくとも1つの反応ユニットを備える、遠心式分析チップ。
  2. 前記液室を密閉する蓋を有する、請求項1に記載の遠心式分析チップ。
  3. 前記リザーバー又は蓋に係合部を有し、前記係合部を介してリザーバーを回転することができる、請求項1に記載の遠心式分析チップ。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の分析チップを用いたサンプルの分析方法であって、2つ以上の液室のいずれかにサンプル溶液、反応試薬溶液または洗浄液を充填し、前記分析チップを回転させることにより前記液室から分析に必要な溶液を溶液放出孔と接続したマイクロ流路から反応部に送液することを特徴とする、サンプルの分析方法。
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