JP5945054B2 - 通信制御方法、ユーザ端末、及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、MBMSデータのPTM配信をサポートする一般セルと、MBMSデータのPTM配信をサポートしない特定セルと、を含む移動通信システムにおける通信制御方法、基地局、及びユーザ端末に関する。
移動通信システムの標準化プロジェクトである3GPP(3rd Generation Partnership Project)では、MBMS(Multimedia Broadcast Multicast Service)を高度化したeMBMS(evolved MBMS)の標準化が進められている(例えば、非特許文献1参照)。
このような移動通信システムにおいて、一般セル(例えば、マクロセル)は、MBMSをサポートしており、MBMSデータをマルチキャスト(Point−To−Multipoint:PTM)で配信できる。
これに対し、MBMSをサポートしていない特定セル(例えば、CSGセル)は、MBMSデータをPTMで配信できない。よって、特定セルとの接続を確立したユーザ端末に対しては、MBMSデータをユニキャスト(Point−To−Point:PTP)で配信することが検討されている。
なお、「セル」は、無線通信エリアの最小単位を示す用語として使用される他に、ユーザ端末と無線通信を行う機能を示す用語としても使用される。
3GPP寄書 RP−111374, 2011年9月
一般セル内に、当該一般セルとは異なる周波数で運用される特定セルが設けられる通信環境において、当該一般セルと当該特定セルとの重複部分に位置するユーザ端末が、当該一般セルからPTMで配信されるMBMSデータをアイドル状態で受信している状況を想定する。
このような特殊な状況下においては、ユーザ端末が待ち受けセルを一般セルから特定セルへ再選択するか否かを判断することが困難である。
そこで、本発明は、セル再選択を適切に行うことができる通信制御方法、基地局、及びユーザ端末を提供することを目的とする。
本発明に係る通信制御方法は、MBMSデータのPTM配信をサポートする第1の無線通信装置と、第2の無線通信装置と、を含む通信システムにおける通信制御方法であって、前記第1の無線通信装置が、該第2の無線通信装置の負荷に関する情報を送信するステップと、アイドル状態で前記第1の無線通信装置を通信対象として選択しつつ前記第1の無線通信装置から前記MBMSデータを受信しているユーザ端末が、前記第1の無線通信装置からSIBを用いてブロードキャストで送信された、前記第2の無線通信装置の負荷に関する情報を受信するステップと、前記ユーザ端末が、前記第1の無線通信装置から受信した前記第2の無線通信装置の負荷に関する情報に基づいて、前記第1の無線通信装置から前記第2の無線通信装置への前記通信対象の再選択を制御するステップと、を有する。実施形態に係る通信制御方法は、MBMSデータのPTM配信をサポートする一般セル(例えば、マクロセル)と、前記MBMSデータのPTM配信をサポートしない特定セル(例えば、CSGセル)と、を含む移動通信システムにおける通信制御方法であって、前記一般セルが、一般セル負荷情報をブロードキャストで送信するステップAと、アイドル状態で前記一般セルを待ち受けセルとして選択しつつ前記一般セルから前記MBMSデータを受信しているユーザ端末が、前記ステップAで送信された前記一般セル負荷情報を受信するステップBと、前記ユーザ端末が、前記ステップBで受信した前記一般セル負荷情報に基づいて、前記一般セルから前記特定セルへのセル再選択を制御するステップCと、を有することを特徴とする。
前記ステップCにおいて、前記ユーザ端末は、送信すべき上りリンクデータが発生した場合で、前記一般セル負荷情報が所定閾値よりも高い場合に、前記一般セルから前記特定セルへのセル再選択を行い、前記通信制御方法は、前記ユーザ端末が、前記ステップCで前記一般セルから前記特定セルへのセル再選択を行った後、前記特定セルとの接続を確立するステップDをさらに有してもよい。
前記通信制御方法は、前記ユーザ端末が、前記ステップDで前記特定セルとの接続を確立した後、前記MBMSデータを前記特定セルからPTPで受信するステップEをさらに有してもよい。
前記ステップAにおいて、前記一般セルは、前記MBMSデータを前記一般セルからPTMで配信する場合に、前記一般セル負荷情報をブロードキャストで送信してもよい。
前記ステップAにおいて、前記一般セルは、前記一般セルの負荷レベルが所定レベルを超えた場合に、前記一般セル負荷情報をブロードキャストで送信してもよい。
前記ステップCにおいて、前記ユーザ端末は、前記一般セルからブロードキャストされる前記一般セル負荷情報が存在しない場合に、前記セル再選択を行うことなく、前記一般セルを待ち受けセルとして選択してもよい。
前記通信制御方法は、前記一般セルを管理する一般基地局が、ネットワークインターフェイスを介して特定セル負荷情報を取得するステップFをさらに有し、前記ステップAにおいて、前記一般セルは、前記ステップFで取得された前記特定セル負荷情報を、前記一般セル負荷情報と共にブロードキャストで送信し、前記ステップBにおいて、前記ユーザ端末は、前記ステップAで送信された前記一般セル負荷情報及び前記特定セル負荷情報を受信し、前記ステップCにおいて、前記ユーザ端末は、前記ステップBで受信した前記一般セル負荷情報及び前記特定セル負荷情報に基づいて、前記一般セルから前記特定セルへのセル再選択を制御してもよい。
前記通信制御方法は、前記特定セルを管理する特定基地局が、特定セル負荷情報をブロードキャストで送信するステップHと、前記ユーザ端末が、前記ステップHで送信された前記特定セル負荷情報を受信するステップIと、をさらに有し、前記ステップCにおいて、前記ユーザ端末は、前記ステップBで受信した前記一般セル負荷情報と、前記ステップIで受信した前記特定セル負荷情報と、に基づいて、前記一般セルから前記特定セルへのセル再選択を制御してもよい。
前記ステップCにおいて、前記ユーザ端末は、前記特定セル負荷情報及び前記一般セル負荷情報のそれぞれが所定閾値よりも低い場合に、前記セル再選択を行うことなく、前記一般セルを待ち受けセルとして選択してもよい。
前記ステップCにおいて、前記ユーザ端末は、前記特定セル負荷情報及び前記一般セル負荷情報のそれぞれが所定閾値よりも高い場合で、前記MBMSデータの受信を望む場合に、前記一般セルから前記特定セルへのセル再選択を行い、前記通信制御方法は、前記ユーザ端末が、前記ステップCで待ち受けセルを前記一般セルから前記特定セルに切り替えた後、前記特定セルとの接続を確立するステップJと、前記ユーザ端末が、前記ステップJで前記特定セルとの接続を確立した後、前記MBMSデータを前記特定セルからPTPで受信するステップKと、をさらに有してもよい。
前記特定セルは、前記一般セルの周波数と異なる周波数で運用されるCSGセルであってもよい。
実施形態に係る基地局は、MBMSデータのPTM配信をサポートする一般セルと、前記MBMSデータのPTM配信をサポートしない特定セルと、を含む移動通信システムにおいて、前記一般セルを管理する基地局(例えば、eNB)であって、一般セル負荷情報をブロードキャストで送信する送信部(例えば、無線送受信部110及び制御部140)を有することを特徴とする。
実施形態に係る基地局は、MBMSデータのPTM配信をサポートする一般セルと、前記MBMSデータのPTM配信をサポートしない特定セルと、を含む移動通信システムにおいて、前記特定セルを管理する基地局(例えば、HeNB)であって、特定セル負荷情報をブロードキャストで送信する送信部(例えば、無線送受信部110及び制御部140)を有することを特徴とする。
実施形態に係るユーザ端末は、MBMSデータのPTM配信をサポートする一般セルと、前記MBMSデータのPTM配信をサポートしない特定セルと、を含む移動通信システムにおけるユーザ端末であって、アイドル状態で前記一般セルを待ち受けセルとして選択しつつ前記一般セルから前記MBMSデータを受信している際に、前記一般セルから送信された一般セル負荷情報を受信する受信部(例えば、無線送受信部210及び制御部240)と、前記受信部で受信した前記一般セル負荷情報に基づいて、前記一般セルから前記特定セルへのセル再選択を制御する制御部(例えば、制御部240)と、を有することを特徴とする。
第1実施形態及び第2実施形態に係るLTEシステムの構成を示す。 第1実施形態及び第2実施形態に係るLTEシステムの無線インターフェイスのプロトコルスタックを示す。 第1実施形態及び第2実施形態に係るLTEシステムで使用される無線フレームの構成を示す。 第1実施形態及び第2実施形態に係るeMBMS基盤の論理構成を示す。 第1実施形態及び第2実施形態に係る論理チャネルとトランスポートチャネルと物理チャネルとのマッピングを示す。 第1実施形態及び第2実施形態に係るHeNBのブロック図である。 第1実施形態及び第2実施形態に係るeNBのブロック図である。 第1実施形態及び第2実施形態に係るUEのブロック図である。 第1実施形態及び第2実施形態に係るeNB及びUEの動作環境を示す。 第1実施形態及び第2実施形態に係るセル再選択制御を示す。 第1実施形態に係る動作シーケンス図である。 第2実施形態に係る動作シーケンス図である。
[実施形態の概要]
MBMSデータのPTM配信をサポートする一般セル(例えば、マクロセル)と、MBMSデータのPTM配信をサポートしない特定セル(例えば、CSGセル)と、を含む移動通信システムにおける通信制御方法は、一般セルが、一般セル負荷情報をブロードキャストで送信するステップAと、アイドル状態で一般セルを待ち受けセルとして選択しつつ一般セルからMBMSデータを受信しているユーザ端末が、ステップAで送信された一般セル負荷情報を受信するステップBと、ユーザ端末が、ステップBで受信した一般セル負荷情報に基づいて、一般セルから特定セルへのセル再選択を制御するステップCと、を有する。
このように、アイドル状態で一般セルを待ち受けセルとして選択しつつ一般セルからMBMSデータを受信しているユーザ端末は、一般セル負荷情報に基づいて、一般セルから特定セルへのセル再選択を制御する。
例えば、ユーザ端末は、一般セルが高負荷状態にある場合には、特定セルに対するセル選択の優先度を上げることで、一般セルから特定セルへのセル再選択を行う。これにより、高負荷状態にある一般セルとの接続を確立することを防止できるため、ユーザ端末におけるサービス品質の低下を抑制できる。
通信制御方法は、一般セルを管理する一般基地局が、ネットワークインターフェイスを介して特定セル負荷情報を取得するステップFをさらに有し、ステップAにおいて、一般セルは、ステップFで取得された特定セル負荷情報を、一般セル負荷情報と共にブロードキャストで送信し、ステップBにおいて、ユーザ端末は、ステップAで送信された一般セル負荷情報及び特定セル負荷情報を受信し、ステップCにおいて、ユーザ端末は、ステップBで受信した一般セル負荷情報及び特定セル負荷情報に基づいて、一般セルから特定セルへのセル再選択を制御してもよい。
或いは、通信制御方法は、特定セルを管理する特定基地局が、特定セル負荷情報をブロードキャストで送信するステップHと、ユーザ端末が、ステップHで送信された特定セル負荷情報を受信するステップIと、をさらに有し、ステップCにおいて、ユーザ端末は、ステップBで受信した一般セル負荷情報と、ステップIで受信した特定セル負荷情報と、に基づいて、一般セルから特定セルへのセル再選択を制御してもよい。
このように、アイドル状態で一般セルを待ち受けセルとして選択しつつ一般セルからMBMSデータを受信しているユーザ端末は、一般セル負荷情報だけでなく、特定セル負荷情報に基づいて、一般セルから特定セルへのセル再選択を制御する。これにより、ユーザ端末は、一般セル及び特定セルそれぞれの負荷状態を考慮して、一般セルから特定セルへのセル再選択を制御できる。
例えば、ユーザ端末は、一般セル及び特定セルのうち、一方のセルが高負荷状態にあり、他方のセルが低負荷状態にある場合には、当該一方のセルに対するセル選択の優先度を下げる、及び/又は当該他方のセルに対するセル選択の優先度を上げる。これにより、高負荷状態にあるセルとの接続を確立することを防止できるため、ユーザ端末におけるサービス品質の低下を抑制できる。
また、ステップCにおいて、ユーザ端末は、送信すべき上りリンクデータが発生したか否か(すなわち、ユニキャストデータを送受信する必要が生じたか否か)も考慮して、一般セルから特定セルへのセル再選択を制御することが好ましい。
さらに、ステップCにおいて、ユーザ端末は、MBMSデータの受信継続を望むか否か(すなわち、MBMSに依然として興味があるか否か)も考慮して、一般セルから特定セルへのセル再選択を制御することが好ましい。
[第1実施形態]
本実施形態においては、リリース10以降の3GPP規格(すなわち、LTE Advanced)に基づいて構成される移動通信システム(以下、「LTEシステム」と称する)を例に説明する。
以下において、(1)LTEシステムの概要、(2)MBMSの概要、(3)HeNB、eNB、及びUEの構成、(4)HeNB、eNB、及びUEの動作の順に説明する。
(1)LTEシステムの概要
図1は、LTEシステムの構成を示す。図1に示すように、LTEシステムは、E−UTRAN(Evolved−UMTS Terrestrial Radio Access Network)と、UE(User Equipment)と、EPC(Evolved Packet Core)と、を有する。
E−UTRANは、eNB(evolved Node−B)と、HeNB(Home evolved Node−B)と、HeNB GW(Home evolved Node−B Gateway)と、を含む。
eNBは、マクロセルを管理しており、マクロセルとの接続を確立したUEとの無線通信を行う。
マクロセルは、MBMSをサポートする。詳細には、マクロセルは、MBMSデータをPTM(マルチキャスト)で配信することができる。本実施形態では、マクロセルは一般セルに相当し、eNBは一般基地局に相当する。
HeNBは、マクロセルよりもカバー範囲が狭いセルであって、アクセス権を有するUEのみがアクセス可能なCSG(Closed Subscriber Group)セルを管理する。HeNBは、CSGセルとの接続を確立したUEとの無線通信を行う。
CSGセルは、MBMSをサポートしない。詳細には、CSGセルは、MBMSデータをPTMで配信することができない。ただし、CSGセルは、MBMSデータをPTP(ユニキャスト)で配信することはできる。本実施形態では、CSGセルは特定セルに相当し、HeNBは特定基地局に相当する。
また、eNB及びHeNBは、例えば、無線リソース管理(RRM)機能と、ユーザデータのルーティング機能と、モビリティ制御及びスケジューリングのための測定制御機能と、を有する。
HeNB GWは、複数のHeNBが接続されており、複数のHeNBを管理する。
EPCは、MME(Mobility Management Entity)と、S−GW(Serving−Gateway)と、を含む。MMEは、UEに対する各種モビリティ制御等を行うネットワークエンティティであり、制御局に相当する。S−GWは、ユーザデータの転送制御を行うネットワークエンティティであり、交換局に相当する。
eNB(及びHeNB)は、X2インターフェイスを介して相互に連結される。また、eNB(及びHeNB)は、S1インターフェイスを介してMME及びS−GW(及びHeNB GW)と連結される。X2インターフェイス及びS1インターフェイスは、ネットワークインターフェイスを構成する。
UEは、移動型の無線通信装置であり、接続を確立したセル(サービングセルと称される)との無線通信を行う。本実施形態では、UEはユーザ端末に相当する。
UEは、待ち受け中の状態に相当するアイドル状態(RRCアイドル状態)において、待ち受けセルを選択し、選択したセルに対する待ち受けを行う。RRCアイドル状態において待ち受けセルを変更する処理は、セル再選択と称される。
また、UEは、通信中の状態に相当するコネクティッド状態(RRCコネクティッド状態)において、サービングセルとの無線通信を行う。RRCコネクティッド状態においてサービングセルを変更する処理は、ハンドオーバと称される。
UEは、MBMSをサポートする。詳細には、UEは、RRCアイドル状態又はRRCコネクティッド状態において、eNBからPTMで配信されるMBMSデータを受信することができる。
図2は、LTEシステムの無線インターフェイスのプロトコルスタックを示す。
図2に示すように、無線インターフェイスプロトコルは、OSI参照モデルのレイヤ1〜レイヤ3に区分されており、レイヤ1は物理(PHY)レイヤである。レイヤ2は、MAC(Media Access Control)レイヤと、RLC(Radio Link Control)レイヤと、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)レイヤと、を含む。レイヤ3は、RRC(Radio Resource Control)レイヤを含む。
物理レイヤは、データ符号化・復号、変調・復調、アンテナマッピング・デマッピング、及びリソースマッピング・デマッピングを行う。物理レイヤは、物理チャネルを用いて上位レイヤに伝送サービスを提供する。UEの物理レイヤとeNBの物理レイヤとの間では、物理チャネルを介してデータが伝送される。物理レイヤは、トランスポートチャネルを介してMACレイヤと連結される。
MACレイヤは、データの優先制御、及びハイブリッドARQ(HARQ)による再送処理などを行う。UEのMACレイヤとeNBのMACレイヤとの間では、トランスポートチャネルを介してデータが伝送される。eNBのMACレイヤは、上下リンクのトランスポートフォーマット及びリソースブロックを決定するMACスケジューラを含む。トランスポートフォーマットは、トランスポートブロックサイズ、変調・符号化方式(MCS)、及びアンテナマッピングを含む。
RLCレイヤは、MACレイヤ及び物理レイヤの機能を利用してデータを受信側のRLCレイヤに伝送する。UEのRLCレイヤとeNBのRLCレイヤとの間では、論理チャネルを介してデータが伝送される。
PDCPレイヤは、ヘッダ圧縮・伸張、及び暗号化・復号化を行う。
RRCレイヤは、制御プレーンでのみ定義される。UEのRRCレイヤとeNBのRRCレイヤとの間では、無線ベアラを介してデータが伝送される。RRCレイヤは、無線ベアラの確立、再確立及び解放に応じて、論理チャネル、トランスポートチャネル、及び物理チャネルを制御する。UEのRRCとeNBのRRCとの間にRRCコネクションがある場合、UEはRRCコネクティッド状態であり、そうでない場合、UEはRRCアイドル状態である。
RRCレイヤの上位に位置するNAS(Non−Access Stratum)レイヤは、セッション管理及びモビリティ管理などを行う。
図3は、LTEシステムで使用される無線フレームの構成を示す。LTEシステムは、下りリンクにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)、上りリンクにはSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)を採用する。
図3に示すように、無線フレームは、時間方向に並ぶ10個のサブフレームで構成され、各サブフレームは、時間方向に並ぶ2個のスロットで構成される。各サブフレームの長さは1msであり、各スロットの長さは0.5msである。各サブフレームは、周波数方向に複数個のリソースブロック(RB)を含み、時間方向に複数個のシンボルを含む。各シンボルの先頭には、サイクリックプレフィックス(CP)と呼ばれるガード区間が設けられる。
下りリンクにおいて、各サブフレームの先頭数シンボルの区間は、主に物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)として使用される制御領域である。また、各サブフレームの残りの区間は、主に物理下りリンク共有チャネル(PDSCH)として使用されるデータ領域である。
上りリンクにおいて、各サブフレームにおける周波数方向の両端部は、主に物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)として使用される制御領域である。また、各サブフレームにおける周波数方向の中央部は、主に物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)として使用されるデータ領域である。
(2)MBMSの概要
MBMSは、同報型配信を実現するベアラサービスであり、MBMSデータの受信を望む複数のUEに対して、共通のベアラで一斉にMBMSデータを配信する方式である。
LTEシステムでは、複数のeNBがMBSFN(MBMS Single Frequency Network)を構成し、MBSFN送信方式によりMBMSデータを配信することができる。MBSFNを構成するeNBは、同一信号を一斉同期送信する。これにより、UEは、各eNBから送信された信号をRF(Radio Frequency)合成できる。
図4は、eMBMS基盤の論理構成を示す。図4に示すように、LTEシステムは、図1に示したネットワークエンティティに加えて、BMSC(Broadcast Multicast Service Center)と、MBMS GW(MBMS Gateway)と、MCE(Multi−Cell Multicast Coordination Entity)と、を有する。
BMSCは、配信すべきMBMSデータを保持する。MBMS GWは、BMSCが保持するMBMSデータをIP(Internet Protocol)マルチキャストで各eNBに伝送する。MCEは、MBSFNを構成する各eNBに対して、MBMSデータを同期させたり、MBMSデータのための無線リソースを指定したりする。
図5は、下りリンクにおける、論理チャネルとトランスポートチャネルと物理チャネルとのマッピングを示す。図5に示すように、LTEシステムには、MBMS用の論理チャネルとして、MTCH(Multicast Traffic Channel)と、MCCH(Multicast Control Channel)と、が規定される。また、MBMS用のトランスポートチャネルとして、MCH(Multicast Channel)が規定される。
マクロセル(詳細には、マクロセルを管理するeNB)は、マルチキャストチャネル(MTCH及びMCCH)を介して、MBMSデータと、MBMSデータ配信を制御するためのMBMSサービス情報と、をマルチキャスト配信する。
これに対して、CSGセル(詳細には、CSGセルを管理するHeNB)は、MTCH及びMCCHを使用することができない。ただし、CSGセルは、自セルとのRRCコネクションを確立したUEに対して、例えばDTCH(Dedicated Traffic Channel)及びDCCH(Dedicated Control Channel)等のチャネルを介して、MBMSデータをユニキャスト配信することは可能である。
なお、マクロセル及びCSGセルは、報知チャネル(BCCH;Broadcast Control Channel)を介して報知情報をブロードキャストで送信する。報知情報は、例えば、MIB(Master Information Block)やSIB(System Information Block)などの情報である。
(3)HeNB、eNB、及びUEの構成
(3.1)HeNBの構成
図6は、HeNBのブロック図である。図6に示すように、HeNBは、アンテナ101Aと、無線送受信部110Aと、ネットワーク通信部120Aと、記憶部130Aと、制御部140Aと、を有する。
アンテナ101A及び無線送受信部110Aは、無線信号の送受信に用いられる。ネットワーク通信部120Aは、ネットワークインターフェイス上で通信を行う。記憶部130Aは、例えばメモリであり、制御部140Aによる制御に使用される情報を記憶する。制御部140Aは、例えばプロセッサ(CPU)であり、上述した各レイヤでの処理を行うと共に、後述する各種の制御を行う。
また、制御部140Aは、CSGセル(HeNB)の負荷レベルを示すCSGセル負荷情報を生成する。CSGセル(HeNB)の負荷レベルとは、例えば以下の何れかを意味する。
・CSGセル(HeNB)におけるリソースブロック(RB)の使用数又は使用率
・CSGセル(HeNB)におけるメモリ及びCPUの使用率
・CSGセル(HeNB)においてバッファリングされている下りリンクデータ量
・CSGセル(HeNB)とのRRCコネクションを確立しているUEの数
・CSGセル(HeNB)における単位時間あたりのランダムアクセス・プリアンブルの受信数(Received Random Access Preambles)
・CSGセル(HeNB)におけるパケット遅延(Packet Delay)
・CSGセル(HeNB)におけるデータロス率(Data Loss)
・CSGセル(HeNB)におけるIPスループット(Scheduled IP Throughput)
本実施形態では、制御部140Aは、CSGセル負荷情報をネットワークインターフェイス上でマクロセル(eNB)に送信するようネットワーク通信部120Aを制御する。
制御部140Aは、マクロセル(eNB)からの要求に応じてCSGセル負荷情報をマクロセル(eNB)に送信してもよい。詳細には、1回の要求につき1回の返信(CSGセル負荷情報の送信)を行なってもよく、1回の要求があれば停止要求があるまで定期的にCSGセル負荷情報を送信し続けてもよい。
あるいは、制御部140Aは、マクロセル(eNB)からの要求がなくても、CSGセル負荷情報をマクロセル(eNB)に定期的に送信してもよい。
或いは、マクロセル(eNB)からの要求がなくても、負荷が基準値を超えた時点で、CSGセル負荷情報をマクロセル(eNB)に送信してもよい。詳細には負荷が基準値を超えた時点で1回の送信(CSGセル負荷情報の送信)を行なってもよく、負荷が基準値を超えれば基準値を下回る、或いはマクロセル(eNB)からの停止要求があるまで定期的にCSGセル負荷情報を送信し続けてもよい。
(3.2)eNBの構成
図7は、eNBのブロック図である。図7に示すように、eNBは、アンテナ101Bと、無線送受信部110Bと、ネットワーク通信部120Bと、記憶部130Bと、制御部140Bと、を有する。
アンテナ101B及び無線送受信部110Bは、無線信号の送受信に用いられる。ネットワーク通信部120Bは、ネットワークインターフェイス上で通信を行う。記憶部130Bは、例えばメモリであり、制御部140Bによる制御に使用される情報を記憶する。制御部140Bは、例えばプロセッサ(CPU)であり、上述した各レイヤでの処理を行うと共に、後述する各種の制御を行う。
また、制御部140Bは、マクロセル(eNB)の負荷レベルを示すマクロセル負荷情報を生成する。マクロセル(eNB)の負荷レベルとは、例えば以下の何れかを意味する。
・マクロセル(eNB)におけるリソースブロック(RB)の使用数又は使用率
・マクロセル(eNB)におけるメモリ及びCPUの使用率
・マクロセル(eNB)においてバッファリングされている下りリンクデータ量
・マクロセル(eNB)とのRRCコネクションを確立しているUEの数
・マクロセル(eNB)における単位時間あたりのランダムアクセス・プリアンブルの受信数(Received Random Access Preambles)
・マクロセル(eNB)におけるパケット遅延(Packet Delay)
・マクロセル(eNB)におけるデータロス率(Data Loss)
・マクロセル(eNB)におけるIPスループット(Scheduled IP Throughput)
本実施形態では、制御部140Bは、マクロセル内にあるCSGセル(HeNB)毎にCSGセル負荷情報を受信するようネットワーク通信部120Bを制御する。そして、制御部140Bは、マクロセル負荷情報をCSGセル負荷情報と共にブロードキャストで送信するよう無線送受信部110Bを制御する。制御部140Bは、マクロセル負荷情報及びCSGセル負荷情報をSIBに含めて送信してもよい。
なお、制御部140Bは、マクロセル(eNB)の負荷レベルが所定レベルを超えている期間においてマクロセル負荷情報を送信し、当該負荷レベルが当該所定レベルを超えていない期間においてマクロセル負荷情報を送信しないよう制御してもよい。
また、制御部140Bは、CSGセル(HeNB)の負荷レベルが所定レベルを超えている期間においてCSGセル負荷情報を送信し、当該負荷レベルが当該所定レベルを超えていない期間においてCSGセル負荷情報を送信しないよう制御してもよい。
(3.3)UEの構成
図8は、UEのブロック図である。図8に示すように、UEは、アンテナ201と、無線送受信部210と、GPS(Global Positioning System)受信部220と、記憶部230と、制御部240と、を有する。
アンテナ201及び無線送受信部210は、無線信号の送受信に用いられる。GPS受信部220は、UEの位置を示すUE位置情報を得るために、GPS信号を受信する。記憶部230は、制御部240による制御に使用される情報を記憶する。制御部240は、上述した各レイヤでの処理を行うと共に、後述する各種の制御を行う。また、制御部240は、GPS受信部220の出力に基づいてUE位置情報を取得する。ただし、UEがGPS受信部220を有しない場合、無線送受信部210が受信する無線信号に基づいてUE位置情報を取得してもよい。
また、記憶部230は、UEがアクセス権を有するGSGセルのリスト(詳細には、CSG IDのリスト)であるホワイトリストを記憶する。また、記憶部230は、UEがアクセス権を有するGSGセルの位置を示すGSGセル位置情報を記憶する。GSGセル位置情報は、UE位置情報と共に、UEの近傍に当該UEがアクセス権を有するGSGセルが存在するかを判断する処理であるautonomous search procedureに使用される。
本実施形態では、制御部240は、RRCアイドル状態において、UEの待ち受けセルの選択(Cell Reselection)を制御する。
一般的には、制御部240は、現在のセルの品質(Qmeas,s)と隣接セルの品質(Qmeas,n)との比較結果に応じて、各セルのランキングを行う。制御部240は、最も高いランキングを有するセルを待ち受けセルとして選択する。なお、隣接セルは、現在のセルに隣接するセルであることは勿論である。詳細には、制御部240は、現在のセルの品質(Qmeas,s)にヒステリシス(QHyst)を加算して、現在のセルのランキング(Rs)を算出する。また、制御部240は、隣接セルの品質(Qmeas,s)からオフセット(Qoffset)を減算して、現在のセルのランキング(Rn)を算出する。
或いは、制御部240は、セルの周波数の優先度(cellReselectionPriority)に基づいて、最も高い優先度を有するセルを待ち受けセルとして選択する。或いは、制御部240は、ランキング結果及び優先度(cellReselectionPriority)に基づいて、最も優先度が高いセルを待ち受けセルとして選択する。なお、ランキングは、待ち受けセルとして選択される優先度を示しているため、優先度の一種と解釈してもよいことに留意すべきである。
なお、ヒステリシス(QHyst)、オフセット(Qoffset)及び優先度(cellReselectionPriority)は、マクロセル(eNB)からブロードキャストされる情報である。
一方で、制御部240は、UEがアクセス権を有するCSGセルのリスト(すなわち、ホワイトリスト)に含まれるCSGセルが隣接セルに含まれる場合には、当該CSGセルの優先度を最も高く設定する。すなわち、制御部240は、ホワイトリストに含まれるCSGセルが隣接セルに含まれる場合には、当該CSGセルを待ち受けセルとして選択する。例えば、CSGセルの周波数がマクロセルの周波数と異なる場合に、CSGセルの優先度が最も高く設定されてもよい。なお、CSGセルの周波数がマクロセルの周波数と同じである場合に、CSGセルの優先度が最も高く設定されてもよい。
以上のように、一般的なセル選択について説明したが、本実施形態において、制御部240は、特定の条件下において、以下のようにセル再選択を制御する。
制御部240は、マクロセルからPTMで配信されるMBMSデータをRRCアイドル状態で受信する場合で、かつ、マクロセルの周波数がCSGセルの周波数と異なっている場合において、セル選択の優先度として、CSGセルよりもマクロセルの優先度を高く設定する。これに対し、マクロセルからPTMで配信されるMBMSデータをRRCアイドル状態で受信する場合で、かつ、マクロセルの周波数がCSGセルの周波数と同じである場合において、セル選択の優先度として、マクロセルよりもCSGセルの優先度を高く設定する。
さらに、制御部240は、マクロセルからPTMで配信されるMBMSデータをRRCアイドル状態で受信している場合で、かつ、マクロセルの周波数がCSGセルの周波数と異なっている場合において、送信すべき上りリンクデータが発生したとき、すなわち、ユニキャストデータを送受信する必要が生じたときは、RRCコネクションを確立すべきセルを適切に選択にするために、マクロセル負荷情報及びCSGセル負荷情報に基づいてセル再選択を制御する。ここで、制御部240は、マクロセル負荷情報及びCSGセル負荷情報に加えて、MBMSデータの受信継続を望むか否か(すなわち、MBMSに依然として興味があるか否か)も考慮して、セル再選択を制御することが好ましい。そして、UEは、選択したセルとのRRCコネクションを確立して、RRCコネクティッド状態に遷移する。マクロセル負荷情報及びCSGセル負荷情報に基づくセル再選択制御の詳細については後述する。
(4)HeNB、eNB、及びUEの動作
図9は、本実施形態に係るeNB及びUEの動作環境を示す。
図9に示すように、マクロセル内に、当該マクロセルとは異なる周波数で運用されるCSGセルが設けられており、当該マクロセルと当該CSGセルとの重複部分にRRCアイドル状態のUEが位置している。ここで、UEは、当該CSGセルのメンバーUEであり、当該CSGセルに対するアクセス権を有する。
このような場合、UEは、通常であれば、例えばautonomous search procedureによってCSGセルの近傍であることを検知し、CSGセルの優先度を最も高く設定することで、CSGセルを待ち受けセルとして選択することになる。
しかし、UEは、MBMSデータの受信を望んでおり、マクロセルからPTMで配信されるMBMSデータを受信するために、マクロセルの優先度を最も高く設定することで、マクロセルを待ち受けセルとして選択している。
マクロセルからPTMで配信されるMBMSデータをRRCアイドル状態で受信しているUEは、当該マクロセルとは周波数が異なり、かつアクセス権を有するCSGセルが近傍にあることを検知している場合において、以下の3つの判断基準に基づいて、マクロセルからCSGセルへのセル再選択を行うか否かを判断(セル再選択制御)する。
・マクロセルからブロードキャストで送信されるマクロセル負荷情報及び/又はCSGセル負荷情報
・送信すべき上りリンクデータが発生したか否か(すなわち、ユニキャストデータを送受信する必要が生じたか否か)
・MBMSデータの受信継続を望むか否か(すなわち、MBMSに依然として興味があるか否か)
(4.1)セル再選択制御
図10は、本実施形態に係るセル選択制御を示す。
図10に示すように、マクロセルからPTMで配信されるMBMSデータをRRCアイドル状態で受信しているUEは、当該マクロセルとは周波数が異なり、かつアクセス権を有するCSGセルが近傍にあることを検知している場合であっても、送信すべき上りリンクデータが発生していない(以下、「ユニキャスト不要」と称する)のであれば、マクロセルからCSGセルへのセル再選択を行わずに、RRCアイドル状態でマクロセルを選択した状態を維持する。これにより、不要なセル再選択を抑制できる。これに対し、送信すべき上りリンクデータが発生した場合(以下、「ユニキャスト要」と称する)において、UEは、マクロセルからブロードキャストで送信されるマクロセル負荷情報及び/又はCSGセル負荷情報に基づいてセル再選択制御(及び接続処理)を行う。
具体的には、UEは、マクロセル及びCSGセルのうち、一方のセルが高負荷状態にあり、他方のセルが低負荷状態にある場合には、当該一方のセルに対するセル選択の優先度を下げる、及び/又は当該他方のセルに対するセル選択の優先度を上げる。なお、高負荷状態のセルとは、当該セルについての負荷情報が閾値よりも高い場合を意味する。低負荷状態のセルとは、当該セルについての負荷情報が閾値よりもよりも低い場合、又は当該セルについての負荷情報が存在しない(すなわち、送信されない)場合を意味する。
例えば、マクロセルが高負荷状態にあり、CSGセルが低負荷状態にある場合には、UEは、CSGセルの優先度を最も高くするよう設定することで、マクロセルからCSGセルへのセル再選択を行った上で、CSGセルとのRRCコネクションを確立する。この場合、RRCコネクティッド状態に遷移したUEは、MBMSデータの受信継続を望むのであれば、CSGセルからPTP(ユニキャスト)で配信されるMBMSデータを受信することができる。
これに対し、CSGセルが高負荷状態にあり、マクロセルが低負荷状態にある場合には、UEは、マクロセルの優先度を最も高くするよう設定することで、マクロセルからCSGセルへのセル再選択を行うことなく、マクロセルとのRRCコネクションを確立する。この場合、RRCコネクティッド状態に遷移したUEは、MBMSデータの受信継続を望むのであれば、マクロセルからPTM(マルチキャスト)で配信されるMBMSデータを受信することができる。
このように、マクロセルからPTMで配信されるMBMSデータをRRCアイドル状態で受信しているUEは、当該マクロセルとは周波数が異なり、かつアクセス権を有するCSGセルが近傍にあることを検知している場合において、ユニキャスト要になった場合ときは、マクロセル及びCSGセルのうち低負荷状態のセルを優先的に選択して、当該選択したセルとのRRCコネクションを確立する。これにより、高負荷状態にあるセルとのRRCコネクションを確立することを防止できるため、UEにおけるサービス品質の低下を抑制できる。
さらに、UEは、ユニキャスト要、かつ、マクロセル及びCSGセルの何れも低負荷状態である場合において、MBMSデータの受信継続を望む(以下、「MBMS要」と称する)のであれば、マクロセルの優先度を最も高くするよう設定することで、マクロセルからCSGセルへのセル再選択を行うことなく、マクロセルとのRRCコネクションを確立する。この場合、RRCコネクティッド状態に遷移したUEは、マクロセルからPTM(マルチキャスト)で配信されるMBMSデータを受信することができる。また、UEは、マクロセルとのRRCコネクションを確立した後、RRCコネクティッド状態からRRCアイドル状態に遷移しても、マクロセルからPTMで配信されるMBMSデータ(及びMBMSサービス情報)を受信できる。
これに対し、ユニキャスト要、かつ、マクロセル及びCSGセルの何れも低負荷状態である場合において、MBMSデータの受信継続を望まない(以下、「MBMS不要」と称する)のであれば、一般的な手法と同様にCSGセルの優先度を最も高くするよう設定することで、マクロセルからCSGセルへのセル再選択を行った上で、CSGセルとのRRCコネクションを確立する。
なお、ユニキャスト要であっても、マクロセル及びCSGセルの何れも高負荷状態である場合には、UEは、マクロセル及びCSGセルの何れに接続しても、十分なサービス品質を得られない可能性がある。このため、UEは、ユニキャスト要であって、かつ、マクロセル及びCSGセルの何れも高負荷状態である場合において、MBMS要であるときは、マクロセルとのRRCコネクションを確立する。これにより、MBMSデータをPTMで受信できる分、使用するリソースを削減できる。
これに対し、ユニキャスト要であっても、マクロセル及びCSGセルの何れも高負荷状態である場合において、MBMS不要であるときは、マクロセルとのRRCコネクションを確立してもよく、マクロセルからCSGセルへのセル再選択を行った上でCSGセルとのRRCコネクションを確立してもよい。ただし、UEは、他のUEがマクロセルのリソースを利用しやすくするために、マクロセルからCSGセルへのセル再選択を行った上でCSGセルとのRRCコネクションを確立することが好ましい。
(4.2)動作シーケンス
図11は、本実施形態に係るHeNB、eNB、及びUEの動作を示すシーケンス図である。ここでは、図9に示す動作環境における動作を説明する。すなわち、マクロセルからPTMで配信されるMBMSデータをRRCアイドル状態で受信しているUEは、当該マクロセルとは周波数が異なり、かつアクセス権を有するCSGセルが近傍にあることを検知している。
図11に示すように、ステップS11において、UEは、マクロセルからPTMで配信されるMBMSデータをRRCアイドル状態で受信する。
ステップS12において、CSGセル(HeNB)は、CSGセル負荷情報をネットワークインターフェイス上でマクロセル(eNB)に送信する。なお、CSGセル(HeNB)は、CSGセル負荷情報をS1インターフェイス上で(MME経由で)マクロセル(eNB)に送信してもよい。
ステップS13において、マクロセル(eNB)は、CSGセル負荷情報及びマクロセル負荷情報をブロードキャストで送信する。UEは、CSGセル負荷情報及びマクロセル負荷情報を受信する。
ステップS14において、UEは、上述したセル再選択制御を行う。具体的には、UEは、以下の3つの判断基準に基づいて、マクロセルからCSGセルへのセル再選択を行うか否かを判断(セル再選択制御)する。
・マクロセルからブロードキャストで送信されるマクロセル負荷情報及び/又はCSGセル負荷情報
・送信すべき上りリンクデータが発生したか否か(すなわち、ユニキャストデータを送受信する必要が生じたか否か)
・MBMSデータの受信継続を望むか否か(すなわち、MBMSに依然として興味があるか否か)
ステップS15において、UEは、送信すべき上りリンクデータが発生した場合において、ステップS14におけるセル再選択制御によって待ち受けセルとして選択したセルとのRRCコネクションを確立する。なお、RRCコネクションを確立するための手順は、ランダムアクセス手順を含む。
[第2実施形態]
上述した第1実施形態では、CSGセル(HeNB)は、CSGセル負荷情報をネットワークインターフェイス上でマクロセル(eNB)に送信していた。
これに対し、第2実施形態では、CSGセル(HeNB)は、無線インターフェイス上でCSGセル負荷情報をブロードキャストで送信する。ただし、CSGセル(HeNB)は、CSGセル(HeNB)の負荷レベルが所定レベルを超えている期間においてCSGセル負荷情報を送信し、当該負荷レベルが当該所定レベルを超えていない期間においてCSGセル負荷情報を送信しないよう制御してもよい。
図12は、本実施形態に係るHeNB、eNB、及びUEの動作を示すシーケンス図である。ここでは、図9に示す動作環境における動作を説明する。すなわち、マクロセルからPTMで配信されるMBMSデータをRRCアイドル状態で受信しているUEは、当該マクロセルとは周波数が異なり、かつアクセス権を有するCSGセルが近傍にあることを検知している。
図12に示すように、ステップS21において、UEは、マクロセルからPTMで配信されるMBMSデータをRRCアイドル状態で受信する。
ステップS22において、マクロセル(eNB)は、マクロセル負荷情報をブロードキャストで送信する。UEは、マクロセル負荷情報を受信する。
ステップS23において、CSGセル(HeNB)は、CSGセル負荷情報をブロードキャストで送信する。例えば、CSGセル(HeNB)は、CSGセル負荷情報をSIBに含めて送信する。UEは、隣接セル・モニタリング手順を用いて、CSGセル(HeNB)からブロードキャストで送信されたCSGセル負荷情報を受信する。
ステップS24において、UEは、上述したセル再選択制御を行う。具体的には、UEは、以下の3つの判断基準に基づいて、マクロセルからCSGセルへのセル再選択を行うか否かを判断(セル再選択制御)する。
・マクロセルからブロードキャストで送信されるマクロセル負荷情報、及び/又はCSGセル(HeNB)からブロードキャストで送信されるCSGセル負荷情報
・送信すべき上りリンクデータが発生したか否か(すなわち、ユニキャストデータを送受信する必要が生じたか否か)
・MBMSデータの受信継続を望むか否か(すなわち、MBMSに依然として興味があるか否か)
ステップS25において、UEは、送信すべき上りリンクデータが発生した場合において、ステップS24におけるセル再選択制御によって待ち受けセルとして選択したセルとのRRCコネクションを確立する。
[その他の実施形態]
この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
上述した各実施形態では、MBMSをサポートするマクロセル(eNB)の動作について説明したが、MBMSをサポートしないマクロセル(eNB)は、上述した各実施形態に係る動作(具体的には、負荷情報に関する動作)を行わなくてもよい。
また、MBMSをサポートするマクロセル(eNB)は、MBMSサービスを提供している場合(MBMSデータを配信している場合)にのみ、上述した各実施形態に係る動作(具体的には、負荷情報に関する動作)を行ってもよい。すなわち、MBMSをサポートするマクロセルは、MBMSデータを配信する期間において当該動作を行い、MBMSデータを配信しない期間において当該動作を行わない、としてもよい。
また、上述した各実施形態では、UEは、マクロセル負荷情報及びCSGセル負荷情報の両方に基づいてセル再選択を制御していたが、CSGセル負荷情報に基づくことなく、マクロセル負荷情報に基づいてセル再選択を制御してもよい。例えば、UEは、送信すべき上りリンクデータが発生した場合で、マクロセル負荷情報が所定閾値よりも高い場合(すなわち、マクロセルが高負荷状態にある場合)、マクロセルからCSGセルへのセル再選択を行った上でCSGセルとのRRCコネクションを確立する。さらに、UEは、CSGセルとのRRCコネクションを確立した後、MBMSデータをCSGセルからPTPで受信してもよい。
上述した各実施形態では、一般セルがマクロセルであり、特定セルがCSGセルである一例を説明したが、一般セルはマクロセルよりも小型のピコセルなどであってもよい。また、特定セルはハイブリッドセルであってもよい。ハイブリッドセルは、CSGに属するUEからはCSGセルとみなされ、CSGに属さないUEからはオープンなセルとみなされる。よって、ハイブリッドセルは、CSGセルの一種とみなすことができる。
さらに、上述した各実施形態では、LTEシステムを例に説明したが、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)などの他の通信規格に対して本発明を適用してもよい。
なお、米国仮出願第61/591462号(2012年1月27日出願)の全内容が、参照により、本願明細書に組み込まれている。
以上のように、本発明は、移動通信などの無線通信分野において有用である。

Claims (4)

  1. MBMSデータのPTM配信をサポートする第1の無線通信装置と、第2の無線通信装置と、を含む通信システムにおける通信制御方法であって、
    前記第1の無線通信装置が、前記第2の無線通信装置の負荷に関する情報を送信するステップと、
    ユーザ端末が、アイドル状態で前記第1の無線通信装置を通信対象として選択しつつ、前記第1の無線通信装置から前記MBMSデータを受信するステップと、
    前記ユーザ端末が、前記第1の無線通信装置からSIBを用いてブロードキャストで送信された、前記第2の無線通信装置の負荷に関する情報を受信するステップと、
    前記ユーザ端末が、前記第1の無線通信装置から受信した前記第2の無線通信装置の負荷に関する情報に基づいて、前記第1の無線通信装置から前記第2の無線通信装置への前記通信対象の再選択を制御するステップと、
    前記ユーザ端末が、前記MBMSデータの受信継続を望む場合には、前記負荷に関する情報と無関係に、前記第1の無線通信装置に対応する優先度を最も高く設定することにより、前記MBMSデータの受信を継続するステップと、
    を有することを特徴とする通信制御方法。
  2. 前記第2の無線通信装置が、前記負荷に関する情報をネットワークインターフェイス上で前記第1の無線通信装置に送信するステップをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の通信制御方法。
  3. MBMSデータのPTM配信をサポートする第1の無線通信装置と、第2の無線通信装置と、を含む通信システムにおけるユーザ端末であって、
    アイドル状態で前記第1の無線通信装置を通信対象として選択しつつ前記第1の無線通信装置から前記MBMSデータを受信する受信部であって、前記第1の無線通信装置からSIBを用いてブロードキャストで送信された、前記第2の無線通信装置の負荷に関する情報を受信する受信部と、
    前記受信部で受信した前記第2の無線通信装置の負荷に関する情報に基づいて、前記第1の無線通信装置から前記第2の無線通信装置への前記通信対象の再選択を制御する制御部と、を有し、
    前記ユーザ端末が前記MBMSデータの受信継続を望む場合には、前記制御部は、前記負荷に関する情報と無関係に、前記第1の無線通信装置に対応する優先度を最も高く設定することにより、前記MBMSデータの受信を継続することを特徴とするユーザ端末。
  4. MBMSデータのPTM配信をサポートする第1の無線通信装置と、第2の無線通信装置と、を含む通信システムにおけるユーザ端末に備えられる装置であって、
    アイドル状態で前記第1の無線通信装置を通信対象として選択しつつ前記第1の無線通信装置から前記MBMSデータを受信する処理と、
    前記第1の無線通信装置からSIBを用いてブロードキャストで送信された、前記第2の無線通信装置の負荷に関する情報を受信する処理と、
    前記受信した第2の無線通信装置の負荷に関する情報に基づいて、前記第1の無線通信装置から前記第2の無線通信装置への前記通信対象の再選択を制御する処理と、
    前記ユーザ端末が前記MBMSデータの受信継続を望む場合には、前記負荷に関する情報と無関係に、前記第1の無線通信装置に対応する優先度を最も高く設定することにより、前記MBMSデータの受信を継続する処理と、
    を実行することを特徴とする装置。
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