JP5939522B2 - 急速コンデンサ放電による強磁性金属ガラスの形成 - Google Patents

急速コンデンサ放電による強磁性金属ガラスの形成 Download PDF

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Description

本発明は、一般的に、金属ガラスを形成する新しい方法、より具体的には、急速コンデンサ放電加熱を使用して強磁性金属ガラスを形成する処理に関する。
非晶質材料は、高い強度、弾性、耐食性、及び溶融状態からの処理可能性の独特な組合せを有する新しい部類の工業材料である。非晶質材料は、それらの原子構造が従来の結晶性合金の原子構造の典型的な長距離の秩序あるパターンを欠く点で従来の結晶性合金と異なっている。非晶質材料は、一般的に、合金結晶の核生成及び成長が回避されるように、結晶相の溶融温度(又は熱力学溶融温度)よりも上から非晶相の「ガラス転移温度」よりも下まで「十分に速い」冷却速度で溶融合金を冷却することによって処理及び形成される。従って、非晶質合金に対する処理方法は、非晶相の形成を保証するために「臨界冷却速度」とも呼ばれる「十分に速い冷却速度」を定量化することに常に関係がある。
初期の非晶質材料の「臨界冷却速度」は、極めて高く、106℃/秒程度であった。従って、従来の鋳造工程は、このような高い冷却速度には適切ではなく、溶融紡糸及び平面流延のような特別な鋳造工程が開発された。実質的に速い初期の合金の結晶化動力学のために、溶融した合金からの抜熱のための極めて短い時間(10-3秒又はそれ未満の程度)が結晶化を迂回するのに必要とされ、従って、初期の非晶質合金は、少なくとも1つの方向におけるサイズにも限界があった。例えば、超薄箔及びリボン(厚み25ミクロン程度)だけが、これらの従来の技術で生産に成功していた。これらの非晶質合金に対する臨界冷却速度要件が、非晶質合金から製造される部品のサイズを厳しく制限したので、バルク物体及び大量生産品としての初期の非晶質合金の使用には限界があった。
長年にわたって、「臨界冷却速度」は、非晶質合金の化学組成に強く依存すると判断されてきた。従って、多くの研究は、臨界冷却速度が遥かに低い新しい合金組成の開発に重点を置いていた。これらの合金の例は、米国特許第5,288,344号明細書、米国特許第5,368,659号明細書、米国特許第5,618,359号明細書、及び米国特許第5,735,975号明細書に示されており、これらの特許の各々は、引用により本明細書に組み込まれている。バルク金属ガラス又はBMGとも呼ばれるこれらの非晶質合金システムは、数℃/秒ほども低い臨界冷却速度が特徴であり、それによって以前に達成可能であったものより非常に大きいバルク非晶相物体の処理及び形成が可能である。
「臨界冷却速度」の低いBMGが利用可能であるために、非晶相を有する大量生産品を形成するために従来の鋳造工程を適用することが可能になった。過去数年にわたって、「LiquidMetal Technologies、Inc.」社を含む数社が、BMGから製造されるネット形状金属部品の生産に向けて商業製造技術を開発する努力をした。例えば、永久モールド金属ダイカスト及び加熱モールド内への射出成形のような製造方法は、現在、標準的な消費者電子デバイス(例えば、携帯電話及び手持ち式無線デバイス)のための電子ケーシング、ヒンジ、ファスナ、医療器械、及び他の高付加価値製品のような市販のハードウエア及び構成要素を製造するのに使用されている。しかし、たとえバルク固化非晶質合金が固化鋳造の根本的な欠陥に対して、特に、上述のようなダイカスト及び永久モールド鋳造工程に対して何らかの救済策をもたらすとしても、依然として対処する必要がある問題が存在する。第1にかつ最も大事なことに、これらのバルク物体をより広い範囲の合金組成から製造する必要性が存在する。例えば、大きいバルク非晶質物体を製造することができる大きい臨界鋳造寸法を有する現在利用可能なBMGは、Ti、Ni、Cu、Al、及びBeを添加したZrベースの合金、及びNi、Cu、及びPを添加したPdベースの合金を含む非常に狭い選択肢の金属に基づく合金組成の数群に限定され、これらは、工業又は費用の観点のいずれからも必ずしも最適化されていない。
更に、現在の処理技術は、適切な処理条件が生じることを保証するために多くの高価な機械を要求する。例えば、殆どの成形工程は、高真空又は制御された不活性ガス環境、るつぼ内の材料の誘導溶融、ショットスリーブへの金属の鋳込み、及びかなり精巧なモールドアセンブリのゲーティング及び型穴内へのショットスリーブを通じた空気注入を要求する。これらの修正ダイカスト機械は、機械当たり数十万ドルの費用が掛かる可能性がある。更に、BMGの加熱は、これらの従来の遅い熱過程を通じて今日まで達成されてきたので、バルク固化非晶質合金を処理及び形成する従来技術は、溶融合金を熱力学溶融温度よりも上からガラス転移温度よりも下まで冷却することに常に重点を置いてきた。この冷却は、単一ステップの単調な冷却作業又は多重ステップ工程を用いて実現されている。例えば、周囲温度での金属モールド(銅、鋼、タングステン、モリブデン、その合成物、又は他の導電率が高い材料で製造)は、溶融合金からの抜熱を容易にして迅速に処理するのに利用される。「臨界鋳造寸法」は、臨界冷却速度と相関するので、これらの従来の工程は、より広範囲のバルク固化非晶質合金のより大きいバルク物体及び大量生産品を形成するには適していない。更に、特に複雑かつ高精度の部品の製造において、十分な合金材料が合金の固化の前にダイ内に導入されることを保証するために、高速かつ高圧下でダイ内に溶融合金を注入することが必要であることが多い。高圧ダイカスト作業におけるように、金属が高圧下でかつ高速でダイ内に供給されるので、溶融金属の流れは、レイリー・テイラーの不安定が発生しやすくなる。この流れ不安定性は、高いウェーバー数により特徴付けられ、かつ鋳造部品の表面的かつ構造的微細欠陥として表出する突出したシーム及びセルの形成を引き起こす流頭の崩壊に関連付けられる。また、非ガラス化した液体がガラス化した金属の中実シェルの内側に捕捉される時に、ダイカストモールドの中心線に沿って収縮空洞又は孔隙を形成する傾向がある。
平衡融点よりも上からガラス転移よりも下まで材料を急冷することに関連付けられた問題を改善する試みは、殆どは、過冷却液体の動力学的安定性及び粘性流特性を利用することに重点を置いていた。ガラスが粘性過冷却液体に弛緩するガラス転移よりも上にガラス質の供給原料を加熱し、圧力を印加して過冷却液体を形成し、次に、結晶化前にガラス転移よりも下に冷却する段階を伴う方法が提案されている。これらの魅力的な方法は、本質的にプラスチックを処理するのに使用される方法と非常に似ている。しかし、極めて長い期間にわたって軟化転移よりも上で結晶化に対して安定したままであるプラスチックとは対照的に、金属性過冷却液体は、ガラス転移で弛緩した状態でかなり急速に結晶化する。その結果、従来の加熱速度(20℃/分)で加熱された時に金属ガラスが結晶化に対して安定である温度範囲は、かなり小さく(ガラス転移を超えて50〜100℃)、その範囲内の液体粘性は、かなり高い(109〜107Pa s)。これらの高い粘性のために、望ましい形状にこれらの液体を形成するのに必要とされる圧力は、非常に大きく、多くの金属ガラス合金に対して、従来の高強度ツールによって達成可能な圧力(<1GPa)を超える可能性がある。かなり高い温度(ガラス転移を超えて165℃)まで従来の加熱速度で加熱された時に、結晶化に対して安定である金属ガラス合金が最近開発されている。これらの合金の例は、米国特許出願第20080135138号明細書、及びG.Duan他(Advanced Materials,19(2007)4272の論文及びWiest(Acta Materialia,56(2008)2525−2630)の論文に示されており、これらの各々は、引用により本明細書に組み込まれている。結晶化に対する高い安定性のために、105Pa−sもの低い処理粘性がアクセス可能であり、これは、これらの合金が従来の金属ガラスよりも過冷却液体状態での処理に適することを示唆している。しかし、これらの粘性は、依然として、プラスチックの処理粘性よりも実質的に高く、プラスチックの処理粘性は、典型的には、10Pa−sと1000Pa−s間の範囲である。このような低い粘性をもたらすために、金属ガラス合金は、従来の加熱により加熱された時に、結晶化に対する更に高い安定性を示すべきであり、又は安定性の温度範囲を拡張し、かつ熱可塑性材料を処理する際に使用される処理粘性の特徴を示す値まで処理粘性を低下させると考えられる従来とは異なる高い加熱速度で金属ガラス合金を加熱すべきである。
成形に十分な温度までBMGを瞬時に加熱し、従って、上述の問題の多くを回避し、かつ成形することができる非晶質材料のタイプを同時に拡張する方法をもたらすいくつかの試みが行われてきた。例えば、開示内容全体が引用により本明細書に組み込まれている米国特許第4,115,682号明細書及び米国特許第5,005,456号明細書、及びA.R.Yavari著の論文(Materials Research Society Symposium Proceedings,644(2001)L12−20−1,Materials Science & Engineering A,375−377(2004)227−234、及びApplied Physics Letters,81(9)(2002)1606−1608)では、全て、ジュール加熱を使用して成形温度に材料を瞬時に加熱するために非晶質材料の固有の導電特性を利用している。しかし、ここまで、これらの技術は、そのような部分の接合(すなわち、スポット溶接)又は表面特徴部の形成のような局所化された形成のみを可能にするためにBMGサンプルの局所加熱に重点を置いていた。これらの従来技術方法のいずれも、全体的な形成を行うことができるための均一にBMG供試体容積全体を加熱する方法を教示していない。代わりに、全てのこれらの従来技術方法は、加熱中の温度勾配を予想して、これらの勾配がどのように局所形成に影響を与えることができるかを説明している。例えば、Yavari他(Materials Research Society Symposium Proceedings、644(2001)L12−20−1)は、「成形中のBMG供試体の外面は、電極と接触しているか、成形チャンバ内の周囲(不活性)ガスと接触しているかに関わらず、電流によって生成された熱が伝導、対流、又は放熱によりサンプルから消散するので内側よりも僅かに温度が低くなる。それに反して、伝導、対流、又は放熱により加熱されたサンプルの外面は、内側よりも僅かに温度が高い。これは、金属ガラスの結晶化及び/又は酸化が外面及び界面上で最初に始まることが多いのでこの方法の重要な長所であり、バルクの温度よりも僅かに低い場合の方が、このような望ましくない表面の結晶形成を簡単に回避することができる」と書いている。
ガラス転移よりも上での結晶化に対するBMGの安定性の限界の別の欠点は、準安定過冷却液体の温度の範囲にわたって熱容量及び粘性のような熱力学的特性及び輸送量を測定することができない点である。示差走査熱量計、熱機械解析器、及びクエット粘度計のような一般的な測定計器は、電気加熱器及び誘導加熱器のような従来の加熱計装に依存し、従って、従来的(典型的に<100℃/分)と見なされるサンプル加熱速度を得ることができる。上述したように、過冷却金属性液体は、従来の加熱速度で加熱された時に、限られた温度範囲にわたって結晶化に対して安定とすることができ、従って、測定可能な熱力学及び転送特性は、アクセス可能な温度範囲に限定される。その結果、結晶化に対して非常に安定で熱力学的特性及び輸送量が準安定の範囲全体を通して測定可能であるポリマー及び有機液体と異なり、過冷却金属性液体の特性は、ガラス転移のすぐ上及び融点のすぐ下の狭い温度範囲まで測定可能であるに過ぎない。
米国特許第5,288,344号明細書 米国特許第5,368,659号明細書 米国特許第5,618,359号明細書 米国特許第5,735,975号明細書 米国特許出願第20080135138号明細書 米国特許第4,115,682号明細書 米国特許第5,005,456号明細書
G.Duan他、Advanced Materials,19(2007)4272 Wiest、Acta Materialia,56(2008)2525−2630 A.R.Yavari、Materials Research Society Symposium Proceedings,644(2001)L12−20−1 A.R.Yavari、Materials Science & Engineering A,375−377(2004)227−234 A.R.Yavari、Applied Physics Letters,81(9)(2002)1606−1608
従って、全てのBMG供試体容積を瞬時かつ均一に加熱し、従って、非晶質金属の全体的な成形を可能にする新しい手法を見つける必要性が存在する。更に、科学的な観点から、過冷却金属性液体のこれらの熱力学的特性及び輸送量にアクセス及び測定する新しい手法を見つける必要性も存在する。
従って、本発明により、急速コンデンサ放電加熱(RCDF)を使用して非晶質材料を成形する方法及び装置を提供する。
一実施形態では、本発明は、急速コンデンサ放電を使用して非晶質材料を急速に加熱及び成形し、電気エネルギの量子が、実質的に均一な断面を有する実質的に欠陥のないサンプルを通じて均一に放出され、非晶相のガラス転移温度と合金の平衡溶融温度の間の処理温度までサンプルの全体が急速かつ均一に加熱され、かつ同時にサンプルを非晶質物品に成形して次に冷却する方法に関する。1つのそのような実施形態において、少なくとも500K/秒の速度でサンプルを処理温度まで加熱することが好ましい。別のそのような実施形態において、成形する段階は、例えば、射出成形、動的鍛造、スタンプ鍛造、及びブロー成形のような従来の形成技術を使用する。
別の実施形態において、約1x10-4-1の温度変化(S)の単位当たりの抵抗率の相対的な変化を有する非晶質材料が選択される。1つのそのような実施形態において、非晶質材料は、Zr、Pd、Pt、Au、Fe、Co、Ti、Al、Mg、Ni、及びCuから構成された群から選択される元素金属に基づく合金である。
更に別の実施形態において、電気エネルギがサンプル内に均一に導入されるようにサンプルの両端に接続された少なくとも2つの電極を通じて電気エネルギの量子をサンプルに放出する。1つのそのような実施形態において、本方法は、少なくとも100ジュールの電気エネルギの量子を使用する。
更に別の実施形態において、処理温度は、非晶質材料のガラス転移温度と合金の平衡融点の間のほぼ中間に存在する。1つのそのような実施形態において、処理温度は、非晶質材料のガラス転移温度よりも少なくとも200K超える。1つのそのような実施形態において、処理温度は、加熱された非晶質金属の粘性が約1Pa−sと104Pa−sの間に存在するようなものである。
更に別の実施形態において、サンプルを成形するのに使用される形成圧力は、高いウェーバー数による流れを回避するほど十分に遅い速度でサンプルが変形されるように制御される。
更に別の実施形態において、サンプルを成形するのに使用される変形速度は、高いウェーバー数による流れを回避するほど十分に遅い速度でサンプルが変形されるように制御される。
更に別の実施形態において、初期非晶質金属サンプル(供給原料)は、例えば、円筒体、シート、方形、及び矩形中実のような均一な断面を有するあらゆる形状とすることができる。
更に別の実施形態において、非晶質金属サンプルの接触面は、電極接触面との良好な接触を保証するために平行に切断されかつ平坦に研磨される。
更に別の実施形態において、本発明は、非晶質材料を成形する急速コンデンサ放電装置に関する。1つのそのような実施形態において、非晶質材料のサンプルは、実質的に均一な断面を有する。別のそのような実施形態において、少なくとも2つの電極は、非晶質材料のサンプルに電気エネルギ供給源を接続する。そのような実施形態において、電極は、実質的に均一な接続が電極とサンプルの間に形成されるようにサンプルに取り付けられる。更に別のそのような実施形態において、動的電界の電磁表皮深さは、装填物の半径、幅、厚み、及び長さと比較して大きい。
更に別の実施形態において、電極材料は、例えば、銅、銀、又はニッケルのような低い降伏強度及び高い電気及び熱伝導度を有する金属、又は少なくとも銅、銀、又はニッケルの95at%で形成された合金であるように選択される。
更に別の実施形態において、「着座」圧力が、サンプルの接触面の微細な特徴に適合させるために電極/サンプル界面で電極の接触面を塑性変形するために電極と初期非晶質サンプルの間に印加される。
更に別の実施形態において、低電流「着座」電気パルスが、電極の接触面で非晶質サンプルのあらゆる非接触領域を局所的に軟化し、従って、電極の接触面の微細な特徴に適合させるために、電極と初期非晶質サンプルの間に印加される。
装置の更に別の実施形態において、電気エネルギ供給源は、500K/秒の速度で非晶質相のガラス転移温度と少なくとも合金の平衡溶融温度の間の処理温度までサンプルの全体を均一に加熱するのに十分な電気エネルギの量子を生成することができる。装置のそのような実施形態において、電気エネルギ供給源は、熱輸送及び熱勾配の発生を回避し、従って、サンプルの均一な加熱を容易にするために、サンプルが断熱的に加熱されるような速度で又は換言すると非晶質金属サンプルの熱緩和速度よりも遥かに高い速度で放電される。
装置の更に別の実施形態において、装置に使用される成形ツールは、射出成形モールド、動的鍛造、スタンプ鍛造、及びブロー成形モールドから構成された群から選択され、かつ加熱されたサンプルを形成するのに十分な変形歪みを課すことができる。1つのそのような実施形態において、成形ツールは、電極の少なくとも1つから少なくとも部分的に形成される。代替的なそのような実施形態において、成形ツールは、電極とは独立している。
装置の更に別の実施形態において、サンプルに変形力を印加する空圧又は磁気駆動システムを提供する。このようなシステムは、高いウェーバー数による流れを回避するほど十分に遅い速度で加熱された非晶質材料が変形されるように変形力又は変形速度を制御することができる。
装置の更に別の実施形態において、成形ツールは、非晶質材料の好ましくはガラス転移温度付近の温度までツールを加熱する加熱要素を更に含む。そのような実施形態において、形成された液体の表面は、よりゆっくり冷却され、従って、形成中の物品の表面仕上げが改善する。
更に別の実施形態において、引張変形力が、均一な断面のワイヤ又はファイバを引き抜き処理するためにエネルギ放電中に適切に把持されたサンプルに対して印加される。
更に別の実施形態において、引張変形力は、材料の流れがニュートン流れであり、かつネッキングによる不良が回避されるように制御される。
更に別の実施形態において、引張変形速度は、材料の流れがニュートン流れであり、かつネッキングによる不良が回避されるように制御される。
更に別の実施形態において、低温ヘリウムの流れが、ガラス転移よりも低い冷却を容易にするために引き上げられたワイヤ又はファイバの上へ吹き込まれる。
更に別の実施形態において、本発明は、準安定の範囲にわたって過冷却液体の熱力学的特性及び輸送量を測定する急速コンデンサ放電装置に関する。1つのそのような実施形態において、高解像度及び高速熱探知カメラが、非晶質金属のサンプルの均一な加熱及び均一な変形を同時に記録するのに使用される。時間的、熱的、及び変形的データは、時間、温度、及び歪みデータに変換することができ、一方、入力電力及び課せられた圧力は、内部エネルギ及び印加された応力に変換することができ、従って、サンプルの温度、温度依存粘性、熱容量、及びエンタルピーに関する情報が得られる。
更に別の実施形態において、本発明は、
・実質的に均一な断面を有する強磁性非晶質金属のサンプルを準備する段階と、
・電気エネルギの量子を生成及び放出することができる電気エネルギ供給源とサンプルを電気的に接触させる段階と、
・サンプルを通じて均一に電気エネルギの量子を放出し、ガラス転移温度と非晶質金属の平衡融点の間の処理温度までサンプルの全体を急速かつ均一に加熱し、電気エネルギの量子の放出が、サンプルにおいて電界を生成し、動的電界の電磁表皮深さが、サンプルの半径、幅、厚み、及び長さと比較して大きいが、電流パルスの立上り時間が、冷却不足液体領域において最適形成温度で非晶質金属を結晶化させることに関連付けられた時間を超えない段階と、
・加熱されたサンプルが依然としてガラス転移温度と平衡融点の間の温度にある間に加熱されたサンプルを成形するために変形力を印加する段階と、
・非晶質材料のガラス転移温度未満の温度に物品を冷却する段階と、
を含む急速コンデンサ放電を使用して磁気非晶質金属を急速かつ均一に加熱する方法に関する。
1つのそのような実施形態において、放出の時定数は、電気回路のインダクタンスを増加させることによって制御される。そのような実施形態において、サンプルと直列に付加的なインダクタンス源を追加することによってインダクタンスを増加させることができる。
別のそのような実施形態において、放出の時定数は、電気回路のキャパシタンスを増加させることによって制御される。
更に別のそのような実施形態において、本方法は、電気エネルギの量子を放出する前にキュリー温度よりも高い予熱温度にサンプルを予熱する段階も含む。そのような実施形態において、予熱温度は、キュリー温度よりも高く、かつガラス転移温度よりも低いことが好ましい。別のそのような実施形態において、予熱温度は、容量放電パルスを使用して得られる。
更に別の実施形態において、本発明は、
・実質的に均一な断面を有する強磁性非晶質金属のサンプルと、
・電気エネルギ供給源と、
・非晶質材料のサンプルに電気エネルギ供給源を接続し、実質的に密接な接続が電極とサンプルの間に形成されるようにサンプルに取り付けられた少なくとも2つの電極と、
・サンプルとの形成関係に配置された成形ツールと、
を含み、
・電気エネルギ供給源が、ガラス転移温度と非晶質金属の平衡融点の間の処理温度までサンプルの全体を均一に加熱するのに十分な電気エネルギの量子を生成及び放出することができ、電気エネルギの量子の放出が、サンプルにおいて電界を生成し、動的電界の電磁表皮深さが、サンプルの半径、幅、厚み、及び長さと比較して大きいが、電流パルスの立上り時間が、冷却不足液体領域において最適形成温度で非晶質金属を結晶化させることに関連付けられた時間を超えず、
・成形ツールが、加熱されたサンプルをネット形状物品に形成するのに十分な変形力を印加することができる、
強磁性非晶質金属を急速に加熱する急速コンデンサ放電装置に関する。
1つのそのような実施形態において、電気回路に付加的なインダクタンスを追加することによって放出の時定数を変更することができる。そのような実施形態において、電気エネルギ供給源と直列に少なくとも1つの付加的なインダクタを追加することによって放出の時定数を変更することができる。そのような実施形態において、電気回路に付加的なキャパシタンスを追加することによって放出の時定数を変更することができる。
別のそのような実施形態において、電気エネルギ供給源は、電気エネルギの量子を放出する前にキュリー温度よりも高い予熱温度にサンプルを予熱するように構成された予熱のための放電を供給するように更に構成される。そのような実施形態において、予熱温度は、キュリー温度よりも高く、かつガラス転移温度よりも低いことが好ましい。
この説明は、本発明の例示的な実施形態として示されて本発明の範囲の完全な説明と解釈すべきではない以下の図及びデータグラフを参照してより完全に理解されるであろう。
本発明による例示的な急速コンデンサ放電形成方法の流れ図である。 本発明による急速コンデンサ放電形成方法の例示的な実施形態の概略図である。 本発明による急速コンデンサ放電形成方法の別の例示的な実施形態の概略図である。 本発明による急速コンデンサ放電形成方法の更に別の例示的な実施形態の概略図である。 本発明による急速コンデンサ放電形成方法の更に別の例示的な実施形態の概略図である。 本発明による急速コンデンサ放電形成方法の更に別の例示的な実施形態の概略図である。 本発明による熱探知カメラと組み合わせた急速コンデンサ放電形成方法の例示的な実施形態の概略図である。 本発明による例示的な急速コンデンサ放電形成方法を使用して取得した実験結果の一連の写真画像である。 本発明による例示的な急速コンデンサ放電形成方法を使用して取得した実験結果の一連の写真画像である。 本発明による例示的な急速コンデンサ放電形成方法を使用して取得した実験結果の一連の写真画像である。 本発明による例示的な急速コンデンサ放電形成方法を使用して取得した実験結果の一連の写真画像である。 本発明による例示的な急速コンデンサ放電形成方法を使用して取得した実験結果の写真画像である。 例示的な急速コンデンサ放電形成方法を使用して取得した実験結果を要約するデータプロットである。 本発明による例示的な急速コンデンサ放電装置の概略図である。 本発明による例示的な急速コンデンサ放電装置の概略図である。 本発明による例示的な急速コンデンサ放電装置の概略図である。 本発明による例示的な急速コンデンサ放電装置の概略図である。 本発明による例示的な急速コンデンサ放電装置の概略図である。 図11a〜図11eに示す装置を使用して製造した成形物品の写真画像である。 図11a〜図11eに示す装置を使用して製造した成形物品の写真画像である。 高周波急速容量放電(サンプルA)及び低周波急速容量放電(サンプルB)に関連付けられた電流対時間プロットである。 強磁性非晶質装填物を示す写真画像である。 高周波急速容量放電(サンプルA)により生産された成形部品を示す写真画像である。 低周波急速容量放電(サンプルB)により生産された成形ディスクを示す写真画像である。 低周波急速容量放電(サンプルB)によって成形された完全非晶質強磁性装填物及び完全非晶質ディスクに対する熱解析走査(示差走査熱量測定)を提供する図である。
本発明は、ジュール加熱により押し出し又は成形ツールを使用して金属ガラスを均一に加熱し、流動学的に軟化し、急速に(典型的には1秒未満の処理時間に)ネット形状物品に熱塑性的に形成する方法に関する。より具体的には、本方法は、コンデンサ内に貯蔵された電気エネルギ(典型的には100ジュール〜100ジュール)の放出を利用して、数ミリ秒又はそれ未満の時間尺度で、非晶質材料のガラス転移温度と合金の平衡融点の間のほぼ中間の所定の「処理温度」まで金属ガラス合金のサンプル又は装填物を均一かつ急速に加熱するものであり、以下、急速コンデンサ放電成形(RCDF)と呼ぶ。本発明のRCDF処理は、金属ガラスが凍結された液体であるという長所により比較的低い電気抵抗を有し、それによってサンプルが放電の適切な印加で断熱的に加熱されるような速度で高いエネルギ消散及び材料の効率的かつ均一な加熱を得ることができるという知見から出発した。
急速かつ均一にBMGを加熱することにより、RCDF処理は、ガラス転移温度よりも実質的に高い温度までの結晶化に対する過冷却液体の安定性を拡張し、従って、サンプル容積全体が、形成に最適である処理粘性に関連付けられた状態になる。RCDF処理では、準安定過冷却液体によって得られる粘性の範囲全体を取得することができ、その理由は、この範囲は、もはや安定した結晶相の形成により限定されないからである。要約して言えば、この工程は、形成される部品の品質の改善、使用可能な部品の収率の増加、材料及び処理費用低減、使用可能なBMG材料の範囲の拡幅、エネルギ効率の改善、及び製造機械の資本費用低減を可能にする。更に、RCDF処理において達成することができる瞬間的で均一な加熱のために、液体準安定の範囲全体を通した熱力学的特性及び輸送量が、測定に向けてアクセス可能になる。従って、温度及び歪み測定計装のような付加的な標準的計装を急速コンデンサ放電設定に組み込むことにより、粘性、熱容量、及びエンタルピーのような特性をガラス転移と融点の間の全ての温度範囲において測定することができる。
本発明のRCDF技術の簡単な流れ図が図1に示されている。図示のように、この工程は、金属ガラス合金のサンプルブロック又は装填物へのコンデンサ内に貯蔵された電気エネルギ(典型的には100ジュール〜100Kジュール)の放出で始まる。本発明により、電気エネルギの印加を使用して、非晶質材料が安易な成形が可能にするのに十分な処理粘性(〜1〜104Pas−s又はそれ未満)を有するように数マイクロ秒〜数ミリ秒又はそれ未満の時間尺度で、合金のガラス転移温度よりも高い所定の「処理温度」まで、より具体的には非晶質材料のガラス転移温度と合金の平衡融点の間のほぼ中間の処理温度(Tgを〜200〜300K超える)までサンプルを急速かつ均一に加熱することができる。
サンプルブロック全体が十分に低い処理粘性を有するようにサンプルが均一に加熱された状態で、それは、例えば、射出成形、動的鍛造、スタンプ鍛造、ブロー成形などを含むあらゆる数の技術を通じて高品質非晶質バルク物品に成形することができる。しかし、金属ガラスの装填物を成形することができるか否かは、装填物の加熱が急速であり、かつ全てのサンプルブロックにわたって均一であることを保証することに完全に依存する。均一な加熱がもたらされなかった場合に、サンプルは、代わりに局所加熱が発生することになり、このような局所加熱は、例えば、互いに部分を接合又はスポット溶接するなどの一部の技術又はサンプルの独特の領域の成形に有用であることはあるが、このような局所加熱は、サンプルのバルク成形を行うために使用されておらず、かつ使用することができない。同様に、サンプル加熱が十分に急速(典型的には約500〜105K/s)でなかった場合に、形成中の材料は、非晶質性を失うことになり、又はこの成形技術は、優れた処理性特性(すなわち、結晶化に対する過冷却液体の高い安定性)を有する非晶質材料に限定されることになり、ここでもまた、この工程の有用性が低減される。
本発明のRCDF方法は、サンプルの急速かつ均一な加熱を保証する。しかし、RCDFを使用する金属ガラスサンプルの急速かつ均一な加熱を取得するための必要な判断基準を理解するために、最初に、金属材料のジュール加熱がどのように行われるかを理解することが必要である。金属の電気抵抗の温度依存性は、温度変化係数Sの単位当たりの抵抗率の相対的な変化の観点から定量化することができ、ここで、Sは、以下として定義される。
S=(1/ρ0)[dρ(T)/dT]T0 (式1)
ここで、Sは、(1/℃)の単位であり、ρ0は、室温T0での金属の抵抗率(Ohm−cm単位)であり、[dρ/dT]T0は、線形であると考えられる室温での抵抗率(Ohm−cm/C単位)の温度導関数である。一般的な非晶質材料は、大きいρ0(80μΩ−cm<ρ0<300μΩ−cm)であるが、S(−1x10-4<S<+1x10-4)の非常に小さい(かつ多くの場合負の)値を有する。
非晶質合金に見られる小さいS値に対して、均一な電流密度を受ける均一な断面のサンプルは、空間において均一にオーム加熱されることになり、すなわち、サンプルは、周囲温度T0から最終温度TFまで急速に加熱されることになり、最終温度TFは、次式:
E=1/2CV2 (式2)
により与えられるコンデンサの総エネルギ、及びサンプル装填物の全熱容量CS(ジュール/C単位)に依存する。TFは、次式:
F=T0+E/CS (式3)
により与えられる。加熱時間は、容量放電の時定数τRC=RCにより決まる。ここでは、Rは、サンプルの全抵抗+容量放電回路の出力抵抗である。従って、理論上では、金属ガラスの一般的な加熱速度は、次式:
dT/dt=(TF−T0)/τRC (式4)
により与えることができる。
これとは対照的に、一般的な結晶質の金属の方がρ0は遥かに低く(1〜30μΩ−cm)、Sの値は約0.01〜0.1で遥かに大きい。それによって挙動の有意差が発生する。例えば、銅合金、アルミニウム、又は合金鋼のような一般的な結晶質の金属に対して、ρ0は、遥かに小さく(1〜20μΩ−cm)、一方、Sは、遥かに大きく、典型的にはS約0.01〜0.1である。結晶質金属内のρ0値は、小さいほどサンプル内のエネルギ消散が小さくなり(電極と比較して)、かつサンプルとのコンデンサのエネルギの結合は効率が劣る。更に、結晶質金属が溶融する時に、ρ(T)は、固体金属から溶融金属になる時に2倍又はそれよりも多く増加する。一般的な結晶質金属の溶融時の抵抗率の増加と共に、大きいS値により、均一な電流密度での極端な不均一なオーム加熱が発生する。結晶質サンプルは、常に、典型的にはサンプル内の高電圧電極又は他の界面の近くにおいて局所的に溶融する。結晶質のロッドを通るエネルギのコンデンサ放電により、初期抵抗が最大であった場合は(典型的には界面で)、常に加熱空間的局所化及び局所的溶融が発生する。実際には、これが、結晶質金属の容量放電溶接(スポット溶接、プロジェクション溶接、「突合せ溶接」など)の基盤であり、その場合に、局所的溶融プールが、溶接される部品内の電極/サンプル界面又は他の内部界面の近くで作成される。
「背景技術」で上述したように、従来技術のシステムは、非晶質材料の固有の導電特性も認識していたが、今日まで認められなかったことは、サンプル全体の均一な加熱を保証するためには、加熱サンプル内のエネルギ散逸の空間的不均質性の動的発生を回避することも必要であることである。本発明のRCDF方法では、2つの基準を定めており、これらの基準は、このような不均質性の発生を防止し、かつ装填物の均一な加熱を保証するために満たすべきである。
・サンプル内の電流の均一性、及び
・動的加熱中の電力損失における不均質性の発生に対するサンプルの安定性。
これらの基準は、比較的簡単なように見えるが、加熱中に使用される電荷、サンプルに使用される材料、サンプルの形状、及び装填物及びサンプル自体を導入するのに使用される電極間の界面にいくつかの物理的及び技術的な制約が課せられる。例えば、長さL及び面積A=πR2(R=サンプル半径)の円筒形装填物に対して以下の要件が存在する。
容量放電中に円筒体内の電流が均一であるには、動的電界の電磁表皮深さΛがサンプルに関連付けられた寸法(半径、長さ、幅、又は厚み)の特性と比較して大きいことが必要である。円筒体の例では、関連の特徴的な寸法は、明らかに装填物の半径及び深さR及びLであると考えられる。この条件は、Λ=[ρ0τ/μ01/2≧R(L)の時に満たされる。ここで、τはコンデンサの「RC」時定数であり、サンプルシステムμ0=4π×10-7(ヘンリー/m)は空き領域の誘電率である。R及びL〜1cmに対して、これは、τ>10〜100μsを意味する。このような一般的な寸法及び非晶質合金の抵抗率の値を使用して、これには、適切にサイズ設定をされた典型的に約10,000μFのキャパシタンス又はそれよりも大きいコンデンサが必要である。
動的加熱中の電力損失における不均質性の発生に対するサンプルの安定性は、フーリエの式により支配される電流及び熱流によるオーム「ジュール」加熱を含む安定性解析を実行することによって理解することができる。温度(すなわち、正のS)と共に増加する抵抗率によるサンプルに対して、サンプル円筒体の軸線に沿った局所的温度変化により、局所加熱が増大し、それによって更に局所抵抗及び放熱が増大する。十分に高い電力入力に対して、それによって円筒体に沿った加熱の「局所化」が発生する。結晶性材料に対して、結果的に局所的溶融が発生する。この挙動は、構成要素間の界面に沿って局所的溶融の生成を望む溶接において有用であるが、この挙動は、均一に非晶質材料を加熱することが望ましい場合は極めて望ましくない。本発明は、均一な加熱を保証する臨界基準を提供する。先に定義したようにSを使用して、以下である時に加熱が均一であるべきであると考えている。
Figure 0005939522
=Scrit (式5)
ここで、Dは非晶質材料の温度伝導率(m2/s)であり、CSはサンプルの全熱容量であり、R0はサンプルの全抵抗である。Dの値及び金属ガラスの特徴を示すCSを使用し、かつ典型的に本発明に必要とされる長さ(L約1cm)及び入力電力I20約106ワットと仮定すると、Scrit約10-4〜10-5を取得することができる。均一な加熱のこの基準は、多くの金属ガラスに対して満たすべきである(上述のS値を参照されたい)。特に、多くの金属ガラスは、S<0を有する。このような材料(すなわち、S<0)は、加熱均一性に向けてこの要件を常に満たすことになる。この基準を満たす例示的な材料は、米国特許第5,288,344号明細書、米国特許第5,368,659号明細書、米国特許第5,618,359号明細書、及び米国特許第5,735,975号に定められており、これらの特許の開示内容は、引用により本明細書に組み込まれている。
適用される装填物及び使用される非晶質材料の根本的な物理的基準を超えて更に、装填物がサンプルにできるだけ均一に適用されることを保証するための技術的要件もある。例えば、サンプルが実質的に欠陥がなく、かつ均一な断面で形成されることが重要である。これらの条件が満たされなかった場合に、熱は、サンプルにわたって均一に消散しないことになり、局所加熱が発生することになる。具体的には、サンプルブロックに不連続部又は欠陥があった場合に、上述の物理定数(すなわち、D及びCS)は、異なる加熱速度になる点で異なることになる。更に、品目の断面が変わる場合はサンプルの熱特性も品目の寸法(すなわち、L)に依存するので、サンプルブロックに沿って局所化された温点があることになる。更に、サンプル接触面が適切に平坦かつ平行ではなかった場合に、界面接触抵抗が電極/サンプル界面で存在する。従って、一実施形態において、サンプルブロックは、実質的に欠陥がなく、かつ実質的に均一な断面を有するように構成される。サンプルブロックの断面は均一であるべきであるが、この要件が満たされる限り、ブロックの形状に課せられる固有の制約はないことを理解すべきである。例えば、ブロックはシート、ブロック、円筒体のようなあらゆる適切な幾何学的に均一な形状を取ることができる。別の実施形態において、サンプル接触面は、電極との良好な接触を保証するために平行に切断されかつ平坦に研磨される。
更に、界面接触抵抗が電極とサンプルの間に発生しないことが重要である。これをもたらすために、電極/サンプル界面は、「温点」が界面で発生しないように、電荷が均一に、すなわち、均一な密度で印加されることを保証するように設計すべきである。例えば、電極の異なる部分でサンプルとの異なる導電接触ができた場合に、初期抵抗が最大である場合は常に加熱の空間的局所化及び局所化された溶融が発生する。それによって局所的溶融プールがサンプル内の電極/サンプル界面又は他の内部界面の近くで作成される放電溶接が行われることになる。均一な電流密度というこの要件を考慮して、本発明の一実施形態において、電極は、サンプルとの良好な接触を保証するために平坦に研磨されかつ平行である。本発明の別の実施形態において、電極は、軟金属で製造され、界面で電極材料降伏強度よりも大きいが電極座屈強度を超えない均一な「着座」圧力が、電極が依然として座屈していない界面全体に確実に圧接されて界面での全ての非接触領域が塑性変形されるように印加される。本発明の更に別の実施形態において、非晶質材料のガラス転移温度よりも僅かに上まで電極の接触面での非晶質サンプルのあらゆる非接触領域の温度を上げるのにかろうじて十分である均一な低エネルギ「着座」パルスが印加され、従って、非晶質サンプルは、電極の接触面の微細な特徴に適合することができる。更に、更に別の実施形態において、電極は、正及び負の電極によりサンプルを通る対称的電流路ができるように位置決めされる。電極材料の一部の適切な金属は、Cu、Ag、及びNi、及びCu、Ag、及びNiで実質的に製造された(すなわち、少なくとも95at%のこれらの材料を含有する)合金である。
最後に、電気エネルギが均一にサンプルに問題なく放出されることを条件として、冷却器周辺及び電極に向けた熱輸送が実質的に避けられた場合に、すなわち、断熱昇温がもたらされた場合に、サンプルは、均一に加熱することになる。断熱昇温条件を生成するためには、熱輸送による熱勾配がサンプルにおいて発生しないことを保証するために、dT/dtが十分に大きくなければならず、又はτRCが十分に小さくなければならない。この基準を定量化するために、τRCの大きさは、以下の式により与えられる非晶質金属サンプルの熱緩和時間τthよりもかなり小さいとすべきである。
τth=cs2/ks (式5)
ここで、ks及びcsは、非晶質金属の熱伝導率及び比熱容量であり、Rは、非晶質金属サンプルの特徴的な長さ尺度(例えば、円筒形サンプルの半径)である。Zrベースのガラスの大体の値を表すks約10W/(mK)及びcs約5x106J/(m3K)及びR約1x10-3mを考慮して、τth約0.5sを取得する。従って、τRCが0.5sよりもかなり小さいコンデンサを使用して均一な加熱を保証すべきである。
成形方法それ自体に移ると、本発明のRCDF方法による例示的な成形ツールの概略図が図2に示されている。図示のように、基本的なRCDF成形ツールは、電気エネルギ供給源(10)及び2つの電極(12)を含む。電極は、均一な加熱を保証するために十分に低いScrit値を有して十分に高い大きいρ0値を有する非晶質材料で製造された均一な断面のサンプルブロック(14)に均一な電気エネルギを印加するのに使用される。均一な電気エネルギが、数ミリ秒又はそれ未満の時間尺度において合金のガラス転移温度よりも高い所定の「処理温度」までサンプルを均一に加熱するのに使用される。このようにして形成された粘性液体は、1秒未満の時間尺度で物品を形成するために同時に例えば射出成形、動的鍛造、スタンプ鍛造、ブロー成形などを含む好ましい成形方法によって成形される。
例えば、10μs〜10ミリ秒の放電時定数を有するコンデンサのような所定の処理温度までサンプルブロックを急速かつ均一に加熱するために均一な密度の十分なエネルギを供給することに適するあらゆる電気エネルギ供給源を使用することができることを理解すべきである。更に、サンプルブロックにわたって均一な接触をもたらすことに適するあらゆる電極を使用して、電気エネルギを伝達することができる。上述したように、1つの好ましい実施形態において、電極は、例えば、Ni、Ag、Cu、又は少なくとも95at%のNi、Ag、及びCuを使用して製造される合金のような軟金属で形成され、かつサンプルブロックの接触面の微細な特徴に適合させるために電極/サンプル界面で電極の接触面を塑性変形するのに十分な圧力でサンプルブロックに当接して保持される。
上述の内容では全体的にRCDF方法に重点を置いていたが、本発明は、非晶質材料のサンプルブロックを成形する装置も対象とする。図2に概略的に示す1つの好ましい実施形態において、射出成形装置は、RCDF方法と共に組み込むことができる。そのような実施形態において、加熱された非晶質材料の粘性液体は、金属ガラスのネット形状構成要素を形成するために、機械的に負荷が掛けられたプランジャを使用して周囲温度に保持された型穴(18)に注入される。図2に示す本方法の例では、装填物は、電気絶縁「バレル」又は「ショットスリーブ」に位置して、高い導電率及び熱伝導率を有する伝導材料(銅又は銀のような)で製造された円筒形プランジャにより射出圧力(典型的には1〜100MPa)に予め負荷が加えられる。プランジャは、システムの1つの電極として作用する。サンプル装填物は、電気的に接地されたベース電極に置かれる。コンデンサの貯蔵されたエネルギは、上述の特定の基準が満たされることを条件として均一に円筒形金属ガラスサンプル装填物に放出される。負荷が掛けられたプランジャは、次に、ネット形状型穴に加熱された粘性の溶融生成物を押し込む。
射出成形技術を先に説明したが、あらゆる適切な成形技術を使用することができる。RCDF技術に従って使用することができる他の成形方法の一部の例示的な代替的実施形態が図3〜5に示されており、以下に説明する。図3に示すように、例えば、一実施形態において、動的鍛造による成形方法を使用することができる。そのような実施形態において、電極(22)のサンプル接触部分(20)は、それ自体ダイツールを形成すると考えられる。この実施形態において、低温サンプルブロック(24)は、電極の間に圧縮応力で保持され、電気エネルギが放出された時に、サンプルブロックは、電極が所定の応力で共に付勢することを可能にするのに十分に粘性になり、従って、サンプルブロックの非晶質材料が、ダイ(20)の形状に適合する。
図4に概略的に示す別の実施形態において、スタンプフォーム成形方法が提案される。この実施形態において、電極(30)は、両側で電極の間にサンプルブロック(32)を締着するか又は他の方法で保持される。図示の概略図では、非晶質材料のシートが使用されているが、この技術は、あらゆる適切なサンプル形状で作動するように変更することができることを理解すべきである。サンプルブロックを通る電気エネルギが放出された状態で、図示のように、対向するモールド又はスタンプ面(36)を含む形成ツール又はスタンプ(34)は、間に保持されたサンプルの部分と当接するように所定の圧縮力で合わせられ、従って、サンプルブロックは、最終の望ましい形状に型押される。
図5に概略的に示す更に別の例示的な実施形態において、ブロー成形モールドによる成形技術を使用することができる。ここでもまた、この実施形態において、電極(40)は、両側で電極の間にサンプルブロック(42)を締着するか又は他の方法で保持される。好ましい実施形態において、サンプルブロックは、材料のシートを含むが、適切なあらゆる形状を使用することができる。初期形状と無関係に、例示的な技術では、サンプルブロックは、ブロックの対向する側(46及び48)(すなわち、モールドに対向する側及びモールドから離れる方向に対向する側)をガスの差圧、すなわち、ガスの正圧又は負の真空状態に露出することができるように実質的に気密シールを形成するためにモールド(45)の上にフレーム(44)に位置決めされる。サンプルブロックを通って電気エネルギが放出された状態で、サンプルは粘性になり、モールドの輪郭に適合するように差圧の応力で変形し、従って、サンプルブロックは、最終の望ましい形状に形成される。
図6に概略的に示す更に別の例示的な実施形態において、ファイバ引き上げ技術を使用することができる。ここでもまた、この実施形態において、電極(49)は、サンプルの両端の近くでサンプルブロック(50)と良好に接触し、一方、引張力が、サンプルの両端で印加される。低温ヘリウム(51)の流れが、ガラス転移よりも低い冷却を容易にするために引き上げられたワイヤ又はファイバの上へ吹き込まれる。好ましい実施形態では、サンプルブロックは、円筒ロッドを含むが、適切なあらゆる形状を使用することができる。サンプルブロックを通って電気エネルギが放出された状態で、サンプルは粘性になり、引張力の応力で均一に伸び、従って、サンプルブロックが、均一な断面のワイヤ又はファイバに引き上げられる。
図7に概略的に示す更に別の例示的な実施形態において、本発明は、過冷却液体の熱力学的特性及び輸送量を測定する急速コンデンサ放電装置に関する。1つのそのような実施形態において、サンプル(52)は、2つのラケット形の電極(53)間に圧縮応力で保持され、一方、熱探知カメラ(54)は、サンプルにピントが合っている。電気エネルギが放出された時に、カメラが作動し、サンプルブロックが同時に帯電される。サンプルが十分に粘性になった後に、電極は、サンプルを変形させるために所定の圧力で共に付勢される。カメラが必要とされた解像度及び速度を有することを条件として、同時の加熱及び変形工程を一連の熱映像により捕捉することができる。このデータを使用して、時間的、熱的、及び変形的データは、時間、温度、及び歪みデータに変換することができ、一方、入力電力及び課せられた圧力を内部エネルギ及び印加された応力に変換することができ、従って、サンプルの温度、温度依存粘性、熱容量、及びエンタルピーに関する情報が得られる。
上述の内容ではいくつかの例示的な成形技術の本質的な特徴に重点を置いていたが、他の成形技術を押し出し又はダイ鋳造のような本発明のRCDF方法と共に使用することができることを理解すべきである。更に、付加的な要素をこれらの技術に追加して最終物品の品質を改善することができる。例えば、上述の成形方法のいずれかに従って形成される物品の表面仕上げを改善するために、モールド又はスタンプを非晶質材料のガラス転移温度付近又はそのすぐ下まで加熱することができ、従って、表面欠陥が補正される。更に、より良好な表面仕上げを有する物品又はネット形状部品をもたらすために、上述の成形技術のあらゆる圧縮力、及び射出成形技術の場合は圧縮の速度は、高い「ウェーバー数」流れから生じるメルトフロント不安定性を回避するように、すなわち、微粒化、噴霧、流線などを防止するように制御することができる。
RCDF成形技術及び上述の代替的な実施形態は、電子機器のためのケーシング、ブラケット、ハウジング、ファスナ、ヒンジ、ハードウエア、腕時計構成要素、医療のための部品、カメラ及び光学要素、宝石などである小さく複雑でネット形状である高性能金属部品の生産に適用することができる。RCDF方法を使用して、RCDF加熱及び射出方式に合わせて使用される様々なタイプの押出ダイを通じて動的に押し出することができる小さいシート、チューブ、パネルなどを生産することができる。
要約すると、本発明のRCDF技術は、広範囲にわたる非晶質材料の急速かつ均一な加熱を可能にし、かつ比較的安くてエネルギ効率が高い非晶質合金を成形する方法を提供する。RCDFシステムの長所を以下でより詳細に説明する。
急速で均一な加熱は、熱可塑性処理性を強化する
BMGの熱塑性的成形及び形成は、ガラス転移温度Tgを超えて加熱された時に結晶化するBMGの傾向により大きく制限される。Tgよりも高い冷却不足液体内の結晶形成及び成長の速度は、急速に温度と共に増加し、一方、液体の粘性は落ちる。約20C/分の従来の加熱速度では、結晶化は、BMGがTgをΔT=30〜150℃超える温度に加熱された時に発生する。このΔTにより、液体を熱可塑処理することができる最高温度及び最低粘性が決まる。実際には、粘性は、約104Pa−s、より一般的には105〜107Pa−sよりも大きいように抑制され、それによってネット形状形成が厳しく制限される。RCDFを使用して、非晶質材料サンプルは、均一に加熱し、同時に104〜107C/sの範囲の加熱速度で形成することができる(ミリ秒単位の総所要処理時間に)。サンプルは、熱可塑性成形して遥かに大きいΔTでネット形状処理することができ、その結果、1〜104Pa−sの範囲の遥かに低い粘性が得られ、この粘性は、プラスチックの処理に使用される粘性の範囲であり、これには遥かに低い印加負荷、より短いサイクルタイムが必要であり、従って、遥かに良好なツール寿命が得られる。
RCDFは、遥かに広範囲のBMG材料の処理を可能にする
ΔTの大きな拡大及びミリ秒への処理時間の大きな短縮により、遥かに多種類のガラス形成合金を処理することができる。具体的には、小さいΔTを有する合金又は遥かに速い結晶化速度及び遥かに劣等のガラス形成機能を有する合金をRCDFを使用して処理することができる。例えば、Zr、Pd、Pt、Au、Fe、Co、Ti、Al、Mg、Ni、及びCu、及び他の廉価な金属ベースのより廉価及びそうでなければより望ましい合金は、小さいΔT及び結晶化する強い傾向を有するかなり劣等なガラス形成合金である。これらの「限界ガラス形成」合金は、現在実施される方法のいずれを使用しても熱可塑処理することができないが、本発明のRCDF方法と共に簡単に使用することができる。
RCDFは、極めて材料効率が高い
ダイカストのようなバルク非晶質物品を形成するために現在使用される従来の工程では、鋳造される部分の容積を遥かに超える供給原材料容積の使用が必要である。これは、鋳造物に加えてダイの放出された内容物全体が、全てがダイ穴の方向に溶融金属通過に必要であるゲート、湯道、湯口(又はビスケット)、及び鋳バリを含むからである。これとは対照的に、RCDF方法で放出される内容物は、殆どの場合に、部品のみを含み、射出成形装置の場合に、ダイカストと比較すると湯道はより短く、ビスケットは遥かに薄くされる。RCDF方法は、従って、特に、非晶質金属の宝石貴金属宝石類の処理のような高コストの非晶質材料の処理を伴う用途に魅力的なものになる。
RCDFは、極めてエネルギ効率が高い
ダイカスト、永久モールド鋳造、焼流し精密鋳造、及び金属粉末射出成形(PIM)のような競合する製造技術は、本質的に遥かにエネルギ効率が低い。RCDFでは、消費エネルギは、望ましい処理温度までサンプルを加熱するのに必要とされるエネルギを僅かに超えるだけである。高温るつぼ、RF誘導溶融システムなどは不要である。更に、1つの容器から別の容器に溶融合金を鋳込む必要性がなく、従って、必要とされる処理段階及び材料汚損及び材料損失の可能性が低減される。
RCDFは、比較的小さく、コンパクト、かつ容易に自動化される技術を提供する
他の製造技術と比較して、RCDF製造機器は、小さく、コンパクト、清潔、最小限の可動部品、かつ本質的に全ての「電子」工程での自動化に容易に供される。
環境大気管理が不要である
RCDFによりサンプルを処理するのに必要とされるミリ秒時間尺度のために、周囲空気への加熱されたサンプルの露出が最小になることになる。従って、この工程は、空気露出が延長される時に溶融金属及び最終部分の厳しい酸化が発生する現在の処理方法とは対照的に、周囲環境内で実施することができる。
例示的な実施形態
当業者は、本発明による付加的な実施形態が上述の一般的な本発明の開示の範囲であると考えられ、かつ上述の非限定的な例によりいずれの免責事項も決して意図していないことを認識するであろう。
実施例1:オーム加熱の研究
BMGに対して、円筒形サンプル内のオーム放熱による容量放電により均一かつ急速なサンプル加熱が得られるという基本原則を明らかにするために、単一の実験室用スポット溶接機を実証のための成形ツールとして使用した。「Unitek 1048 B」スポット溶接機であるこの機械は、100ジュールまでのエネルギを約10μFのコンデンサ内に貯蔵する。貯蔵されたエネルギは、正確に制御することができる。RC時定数は、約100μsである。サンプル円筒体を閉じ込めるために、2つのラケット形電極には平坦な平行面が設けられていた。スポット溶接機は、上部電極への約80ニュートンまでの力の軸線方向の負荷の印加を可能にするバネ付勢型上部電極を有する。それによって約20MPaの範囲の一定の圧縮応力をサンプル円筒体に印加することができる。
いくつかのBMG材料の小さい直円筒を1〜2mmの直径及び2〜3mmの高さで製造した。サンプル質量は、約40mgから約170mgの範囲であり、かつ特定のBMGのガラス転移温度をかなり超えるTFを取得するように選択した。BMG材料は、それぞれ340C、300C、及び約430Cのガラス転移(Tg)を有するZr−TiベースのBMG(Vitreloy 1、Zr−Ti−Ni−Cu−Be BMG)、PdベースのBMG(Pd−Ni−Cu−P合金)、及びFeベースのBMG(Fe−Cr−Mo−P−C)であった。これらの金属ガラスの全ては、S約−1x10-4<<Scritを有する。
図8a〜図8dは、半径2mm及び高さ2mm(8a)のPd合金円筒体に対する一連の試験の結果を示している。合金の抵抗率は、ρ0=190μΩ−cmであり、一方、S約−1x10-4(C-1)。E=50(8b)、75(8c)、及び100(8d)ジュールのエネルギがコンデンサバンク内に貯蔵され、約20MPaの圧縮応力下で保持されたサンプルに放出される。処理されたサンプルの初期高さ及び最終高さを測定することによってBMG内の塑性流れの程度を定量化した。サンプルが処理中に銅製電極に接合するのが観測されないことに注意することが特に重要である。これは、BMGと比較すると銅の高い導電率及び熱伝導率のためであると考えることができる。すなわち、銅は、処理時間尺度(約ミリ秒)中に「溶融」BMGによる湿潤化を可能にするほど十分に高い温度に決して到達しない。更に、電極表面に殆ど損傷がないことに注意すべきである。最終処理サンプルを処理後に銅製電極から自由に取り除いたが、長さスケール基準で図9に示している。
初期高さ及び最終円筒体高さを用いて、負荷を受けて変形した時に全圧縮歪みがサンプルにおいて発生したと判断した。工業設計「歪み」は、H0/Hにより与えられ、ここで、H0及びHは、それぞれサンプル円筒体の初期高さ及び最終高さである。真歪みは、ln(H0/H)により与えられる。結果は、図10の放電エネルギに対してプロットされている。これらの結果により、真の歪みがコンデンサにより放出されたエネルギのほぼ線形の増加関数であるように見えることが分かる。
これらの試験結果により、BMGサンプルブランクの塑性変形は、コンデンサにより放出されたエネルギの明確な関数であることを見ることができる。このタイプの何十もの試験の後に、図10に明確に示すように、サンプルの塑性流れ(所定のサンプル形状に対する)がエネルギ入力の非常に明確な関数であると判断することができる。すなわち、RCDF技術を使用して、プラスチック処理を入力エネルギにより正確に制御することができる。更に、流れの特性は、エネルギの増加と共に定性的かつ定量的に変化する。約80ニュートンの印加された圧縮荷重を用いて、Eの増大に伴う流れ挙動の明瞭な進行を観測することができる。具体的には、Pd合金に対して、E=50ジュールの流れは、ln(H0/HF)約1の歪みに限定される。流れは、比較的安定であるが、何らかのずり減粘(例えば、非ニュートン流れ挙動)の証拠もある。E=75ジュールに対して、より広範囲な流れがln(H0/HF)約2で得られる。この領域では、流れは、ニュートン流れであり、かつ均質であり、滑らかで安定したメルトフロントが「モールド」を通過する。E=100ジュールに対して、非常に大きい変形が、0.12cmの最終サンプル厚み及び約3の真の歪みで得られる。高い「ウェーバー数」流れ独特の流れ崩壊、流線、及び液体「跳ね返り」の明瞭な証拠がある。すなわち、「モールド」内で移動する安定したメルトフロントから不安定なメルトフロントへの明瞭な遷移を観測することができる。従って、RCDFを使用して、印加される負荷及びサンプルに放出されるエネルギの簡単な調節により、塑性流れの定性的性質及び程度を系統的かつ制御可能に変えることができる。
実施例2:射出成形装置
別の実施例では、RCDF射出成形装置の作業プロトタイプを構成した。デバイスの概略図を図11a〜11eに示している。成形装置で行われた実験により、この装置を使用して、1秒未満でネット形状物品に数グラムの装填物を射出成形することができることが分かる。図示のようなシステムは、約6Kジュールの電気エネルギを貯蔵し、小さいネット形状BMG部品を生産するのに使用すべき約100MPaまでの制御処理圧力を印加することができる。
機械全体は、電気エネルギ電荷生成システム、制御式処理圧力システム、及びモールドアセンブリを含むいくつかの独立したシステムで構成される。電気エネルギ電荷生成システムは、放電を電極を通じてサンプルブランクに印加することができるように1組の電気リード(62)及び電極(64)を通じてモールドアセンブリ(60)に全て相互接続されたコンデンサバンク、電圧制御パネル、及び電圧コントローラを含む。制御式処理圧力システム(66)は、約100MPaまでの制御処理圧力を成形中にサンプルに印加することができるように、制御回路を通じて全てが相互接続した空気源、ピストンレギュレータ、及び空圧ピストンを含む。最後に、成形装置も、モールドアセンブリ(60)を含み、モールドアセンブリ(60)は、以下でより詳細に説明するが、この図に示されており、電極プランジャ(68)は、完全に収縮調節された位置にある。
全体モールドアセンブリが、図11bのより大きい装置から取り外された状態で示されている。図示のように、全体モールドアセンブリは、上部及び底部モールドブロック(70a及び70b)、分割モールド(72a及び72b)の上部及び底部部品、モールドカートリッジ加熱器(76)に電流を伝える電気リード(74)、絶縁スペーサ(78)、及びこの図では「完全に押し下げられた」位置にあるように示された電極プランジャアセンブリ(68)を含む。
図11c及び図11dに示すように、作業中に、非晶質材料(80)のサンプルブロックは、分割モールド(82)においてゲートの頂上に絶縁スリーブ(78)の内側に位置決めされる。このアセンブリ自体は、モールドアセンブリ(60)の上部ブロック(72a)に位置決めされる。電極プランジャ(図示せず)は、次に、サンプルブロック(80)に接触して位置決めされ、制御圧力が、空圧ピストンアセンブリを通じて印加される。
サンプルブロックが所定の位置となって電極と確実に接触すると、サンプルブロックは、RCDF方法を通じて加熱される。加熱されたサンプルは、粘性になって、プランジャの圧力で、制御可能に押圧されてゲート(84)を通ってモールド(72)に入る。図10eに示すように、この例示的な実施形態において、分割モールド(60)は、リング(86)の形態を取る。本発明の例示的なRCDF装置を使用して形成されたPd43Ni10Cu2720非晶質材料で製造されたサンプルリングが、図12a及び図12bに示されている。
この実験は、複雑なネット形状部品を本発明のRCDF技術を使用して形成することができることを証明している。モールドは、この実施形態ではリングの形状に形成されているが、当業者は、この技術が、電子機器のケーシング、ブラケット、ハウジング、ファスナ、ヒンジ、ハードウエア、腕時計構成要素、医療のための部品、カメラ及び光学要素、宝石類のような小さく複雑でネット形状の高性能金属部品を含め広範な物品に等しく適用可能であることを認識するであろう。
実施例3:強磁性金属ガラスの形成
先に簡潔に説明したように、本発明のRCDF方法を使用して、結晶化に関連付けられた一般的な時間よりも遥かに短い時間尺度で均一に金属ガラス装填物を加熱するために電流のエネルギ消散を利用して広範な金属ガラスを加熱及び成形することができる。
上述したように、加熱を通して均一な温度を維持するために、電流のエネルギ消散は、金属ガラス装填物を通して均一でなければならず、従って、印加された電界は、断面にわたって金属ガラス装填物に通過すべきである。電界の通過の尺度は、表皮深さΛであり、表皮深さΛは、部的に印加された電界が材料内で1/eまで低下する距離として定義され、良導体に対して次式;
Λ=[ρ0τ/μrμ01/2 (式6)
のように与えられ、ここで、τは、電流パルスの増加に関連付けられた時定数であり、ρ0は金属ガラスの抵抗率であり、μ0は空き領域の透磁率であり、μrは金属ガラスの比透磁率である。上述したように、均一な加熱をもたらすために、金属ガラス装填物の寸法は、Λより遥かに小さいものであるべきである。RCDFに利用される一般的な放電時間τRCは、約1msである。非磁性金属ガラスに約200μΩ−cmの一般的な抵抗率及びμr≒1の比透磁率を使用すると、表皮深さは、約40mmである。このような表皮深さ入手可能な金属ガラスの実用的な寸法よりも遥かに大きいので、均一な加熱が保証されることになる。しかし、強磁性金属ガラスは、典型的には遥かに高い比透磁率(102〜104のμr)を有し、0.5〜5mmの範囲の表皮深さΛが発生する。これらの表皮深さは、従って、金属ガラス装填物の実用的なサイズに相当する。その結果、約1msの従来の時間尺度で機能するRCDFを使用して強磁性ガラスを処理した時に不均一な加熱が発生することになる。
従って、一実施形態において、本発明は、パルスの時間を長くし、従って、電流パルスτの増加に関連付けられた時定数を増加させ、その結果、表皮深さ(Λ)を増加させることにより、非磁性金属ガラスの処理において達成される電磁表皮深さに同等の比較的大きい電磁表皮深さをもたらすことに関する。それによって高い比透磁率を有する金属ガラス合金を容量放電で均一に加熱することができる。しかし、パルス立上り時間は、冷却不足液体領域での最適形成温度で金属ガラスを結晶化させるのに要する時間(典型的に強磁性ガラスに対して0.1〜1s間)に接近したり上回ったりすべきではない。好ましくは、電流パルスの立上り時間は、1msと100msの間である。
このような磁気金属ガラスをオーム加熱する方法の一実施形態において、容量放電τのパルスの立上り時間は長くされ、従って、金属ガラス装填物に印加された周波数を低減し、表皮深さΛを増加させる。R、L、及びCが、それぞれ回路の抵抗、インダクタンス、及びキャパシタンスである直列RLC回路の減衰係数は、ζ=(R/2)√(C/L)により与えられる。以下のようにパルス立上り時間を伸張することによって表皮深さを増加させることができる。
・システム応答がネーパー周波数により支配された場合に、パルス立上り時間は、τ=2L/Rで判断される。従って、回路に付加的なインダクタンスを導入することによって表皮深さを増加させることができる。例えば、放電回路と直列にワイヤのループ又はコイルの形態でインダクタを追加することによってこれをもたらすことができる。
・システム応答が角度周波数により支配された場合に、パルス立上り時間は、τ=√(LC)により決まる。従って、回路に付加的なインダクタンス及び/又は付加的なキャパシタンスを導入することによって表皮深さを増加させることができる。例えば、放電回路と直列にワイヤのループ又はコイルの形態でインダクタを追加することにより、及び/又は放電回路と直列に付加的なコンデンサを追加することによってこれをもたらすことができる。
急速放電が行われる前に金属ガラス装填物の温度を上げることによって表皮深さを増加させることができる。強磁性金属ガラスの場合に、比透磁率は、温度の増加と共に下がり、キュリー温度よりも高い温度でほぼ1の値に到達する。強磁性ガラスのキュリー温度は、典型的には、あらゆる塑性成形又は結晶化が行われることなく低い透磁率値までの予熱を可能にするようにガラス転移よりも低い。従って、一実施形態において、強磁性金属ガラス装填物は、キュリー温度よりも高いがガラス転移温度よりも低い温度まで比較的遅い容量放電パルスにより加熱され、その後の加熱及び形成に向けて急速容量放電を受ける。
本発明の実施形態により磁気金属ガラスを成形することで得られた一例示的結果が図13及び図14に示されている。ディスクを形成するためにロッド状の装填物の成形を研究することにより、強磁性ガラスの形成に及ぼすパルス周波数(又はパルス立上り時間)の効果を調査した。強磁性ガラス組成Fe68Cr2Mo5Ni512.552.5を有する直径が4mm及び長さが約6mmの2つの非晶質ロッドを装填物として利用した。このような装填物の例が図13aに示されている。約3850J/ccの電気エネルギ密度が、両方のサンプルにわたって放出され、一方、約300Nの圧縮力が、放電と同時に印加されている。サンプルAにわたる放電に関連付けられた抵抗、インダクタンス、及びキャパシタンスは、それぞれ、R=3.6mΩ、L=2.4μH、及びC=0.264Fであり、一方、放電電圧Vo=105vであった。サンプルBにわたる放電に関連付けられた抵抗、キャパシタンス、及びインダクタンスは、それぞれR=8.1mΩ、L=7.0μH、及びC=0.792Fであり、一方、放電電圧V0=50vであった。RLC回路にわたる電流I及び電荷qの時間依存放電を支配する微分方程式を以下に示している。
dI/dt=−(IR+q/C)/L (式7)
dq/dt=I (式8)
初期条件は、I(t=0)=0及びq(t=0)=CV0である。上述の1組の微分方程式をサンプルA及びB(上述)にわたる放電に関連付けられたR、L、C、及びV0値に関して数値的に解いた。各サンプルに関連付けられた過渡電流応答のプロットが図13に示されている。プロットで分るように、サンプルAにわたる放電に関連付けられた電流パルスは、僅かに不足減衰であるように見え、かなり短い立上り時間τにより(すなわち、かなり高い周波数により)特徴付けられる。これとは対照的に、サンプルBにわたる放電に関連付けられた電流パルスは、僅かに過減衰であるように見え、かなり長い立上り時間τにより(すなわち、かなり低周波により)特徴付けられる。
サンプルA及びBの最終形状が、図14b及び14cに示されている。図14bで分るように、小さいインダクタンス及びキャパシタンスに関連付けられた高周波数(短い立上り時間τ)により、結果的に非常に不均一な形状(サンプルA)の一部が発生し、非常に不均一な加熱という結果は、装填物サイズと比較すると小さい表皮深さに帰するものであった。これとは対照的に、図14cで分るように、大きいインダクタンス及びキャパシタンスに関連付けられた低周波数(長い立上り時間τ)により、かなり均一なディスク状の部分(サンプルB)が得られ、かなり均一な加熱という結果は、より大きい表皮深さに関連するものであった。非晶質装填物に対する示差熱測定走査及び低周波急速容量放電(サンプルB)により製造された成形ディスクが図15に示されている。結晶化(曲線の下の区域)のエンタルピーの大きさから、サンプルBの成形ディスクは、本質的に完全に非晶質であると結論付けることができる。
均等論
当業者は、本発明の様々な好ましい実施形態の上述の実施例及び説明が、全体として本発明を単に例示するものであり、しかも、本発明の段階及び様々な構成要素の変更を本発明の精神及び範囲で行うことができることを認めるであろう。例えば、付加的な処理段階又は代替構成は、本発明の急速コンデンサ放電形成方法/装置の改良された特性に影響を与えず、同じく本方法/装置を使用目的に対して不適切にしないことは当業者には明らかであろう。従って、本発明は、本明細書に説明する特定の実施形態に限定されるのではなく、添付の特許請求の範囲によって定められる。
S 温度変化係数
g ガラス転移温度

Claims (33)

  1. 急速コンデンサ放電を使用して磁気金属ガラスを急速かつ均一に加熱する方法であって、
    均一な断面を有する金属ガラス形成合金で形成された強磁性金属ガラスのサンプルを準備する段階と、
    電気エネルギを生成及び放出することができる電気エネルギ供給源に前記サンプルを電気的に接触させる段階と、
    前記サンプルを通して均一に電気エネルギを放出し、前記金属ガラスのガラス転移温度と前記金属ガラス形成合金の平衡融点との間の処理温度まで該サンプルを均一に加熱し、該電気エネルギの放出が、該サンプルに電界を生成し、生成された該動的電界の電磁表皮深さが、該サンプルの半径、幅、厚み、及び長さと比較して大きいが、電気エネルギの放出による電流パルスの立上り時間が、冷却不足液体領域における最適形成温度での該サンプルの結晶化に要する時間を超えない段階と、
    前記加熱されたサンプルが依然として前記金属ガラスの前記ガラス転移温度と前記金属ガラス形成合金の前記平衡融点の間の温度にある間に、該加熱されたサンプルを成形するために変形力を印加する段階と、
    前記金属ガラスの前記ガラス転移温度よりも低い温度まで前記サンプルを冷却する段階と、
    を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記金属ガラスは、温度と共に増加しない抵抗率を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記サンプルの前記温度は、少なくとも500K/秒の速度で上昇することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 前記金属ガラスは、1x10-4-1よりも大きくない温度変化(S)の単位当たりの抵抗率の相対変化と80と300μΩ−cmの間の室温での抵抗率(ρ0)とを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 前記電気エネルギは、少なくとも100Jであり、前記電流パルスの前記立上り時間は、1msと100msの間であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  6. 前記処理温度は、前記金属ガラスの前記ガラス転移温度と前記金属ガラス形成合金の前記平衡融点との間の中間であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 前記処理温度は、前記加熱されたサンプルの粘性が1から104Pa−sになる温度であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  8. 前記サンプルは、欠陥がないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 前記電流パルスの前記立上り時間は、電気回路のインダクタンスを増加させることによって制御されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  10. 前記インダクタンスは、インダクタを前記サンプルと直列に追加することによって増加されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
  11. 前記放電の時定数が、電気回路のキャパシタンスを増加させることによって制御されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  12. 前記電気エネルギを放出する前に前記サンプルをキュリー温度よりも高い予熱温度まで予熱する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  13. 前記予熱温度は、前記キュリー温度よりも高く、かつ前記ガラス転移温度よりも低いことを特徴とする請求項12に記載の方法。
  14. 前記予熱処理は、容量放電パルスを使用して行われることを特徴とする請求項12に記載の方法。
  15. 前記電気エネルギを放出する前記段階は、前記サンプルの両端に接続された少なくとも2つの電極を通じて行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  16. 前記加熱されたサンプルに対する前記変形力は、前記電気エネルギの放出が完了された後に印加されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  17. 強磁性金属ガラスを急速に加熱するための急速コンデンサ放電装置であって、
    金属ガラス形成合金で形成された金属ガラスの均一な断面を有するサンプルと、
    電気エネルギ供給源と、
    前記金属ガラスのサンプルに前記電気エネルギ供給源を相互接続し、電極と該サンプルの間に接続が形成されるように該サンプルに取り付けられた少なくとも2つの電極と、
    前記サンプルとの形成関係に配置された成形ツールと、
    を含み、
    前記電気エネルギ供給源は、前記金属ガラスのガラス転移温度と前記金属ガラス形成合金の平衡融点との間の処理温度まで前記サンプルを均一に加熱するのに十分な電気エネルギを生成及び放出することができ、該電気エネルギの放出が、該サンプルに電界を生成し、生成された該動的電界の電磁表皮深さが、該サンプルの半径、幅、厚み、及び長さと比較して大きいが、電気エネルギの放出による電流パルスの立上り時間が、冷却不足液体領域における最適形成温度での金属ガラスの結晶化に要する時間を超えず、
    前記成形ツールは、前記加熱されたサンプルをネット形状物品に形成するのに十分な変形力を印加することができる、
    ことを特徴とする装置。
  18. 前記成形ツールは、射出成形モールド、動的鍛造、スタンプ鍛造、及びブロー成形モールドから構成された群から選択されることを特徴とする請求項17に記載の装置
  19. 前記成形ツールは、前記電極の少なくとも1つから少なくとも部分的に形成されることを特徴とする請求項17に記載の装置。
  20. 前記成形ツールは、該ツールをキュリー温度よりも高く、かつ前記金属ガラスの前記ガラス転移温度よりも低い温度まで加熱するための温度制御式加熱要素を更に含むことを特徴とする請求項17に記載の装置。
  21. 前記金属ガラスは、温度と共に増加しない抵抗率を有することを特徴とする請求項17に記載の装置。
  22. 前記サンプルの温度が、少なくとも500K/秒の速度で増大することを特徴とする請求項17に記載の装置。
  23. 前記金属ガラスは、1x10-4-1よりも大きくない温度変化(S)の単位当たりの抵抗率の相対変化と80と300μΩ−cmの間の室温での抵抗率(ρ0)とを有することを特徴とする請求項17に記載の装置。
  24. 前記電気エネルギは、少なくとも100Jであり、前記電流パルスの立上り時間は、1msと100msの間であることを特徴とする請求項17に記載の装置。
  25. 前記処理温度は、前記金属ガラスの前記ガラス転移温度と前記金属ガラス形成合金の前記平衡融点との間の中間であることを特徴とする請求項17に記載の装置。
  26. 前記処理温度は、前記加熱されたサンプルの粘性が1から104Pas−secになる温度であることを特徴とする請求項17に記載の装置。
  27. 前記サンプルは、欠陥がないことを特徴とする請求項17に記載の装置。
  28. 電極材料が、Cu、Ag、又はNi、又は少なくとも95at%のCu、Ag、又はNiのうちの1つを含有する合金から構成された群から選択されることを特徴とする請求項17に記載の装置。
  29. 前記電流パルスの前記立上り時間は、回路のインダクタンスを増加させることによって修正されることを特徴とする請求項28に記載の装置。
  30. 前記放電の時定数が、少なくとも1つの付加的なインダクタを前記サンプルと直列に追加することによって修正されることを特徴とする請求項29に記載の装置。
  31. 前記放電の時定数が、回路のキャパシタンスを増加させることによって修正されることを特徴とする請求項28に記載の装置。
  32. 前記供給源は、前記電気エネルギを放出する前にキュリー温度よりも高い予熱温度まで前記サンプルを予熱するように構成された予熱放電を供給するように更に構成されることを特徴とする請求項17に記載の装置。
  33. 前記予熱温度は、前記キュリー温度よりも高く、かつ前記ガラス転移温度よりも低いことを特徴とする請求項32に記載の装置。
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