以下、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例に挙げて図面に基づき説明する。なお、説明の便宜上、パチンコ遊技機に対して遊技者側を「前」または「表」と称し、パチンコ遊技機を挟んで遊技者とは反対側を「後」または「裏」と称す。
パチンコ遊技機1は、図1に示すように、矩形状の機枠(外枠)2の一側(図1中、左側)に前面枠(内枠)3を開閉可能な状態で軸着し、該前面枠3のベースとなる略額縁状の前面枠本体4には、表面に遊技領域5が区画形成された矩形状の遊技盤6(図2参照)を収納可能としている。また、前面枠本体4の表面のうち機枠2への軸着側(図1中、左側)には透明部材保持枠8を開閉可能に設け、該透明部材保持枠8に透視可能な透明部材9を保持し、透明部材9を通して遊技領域5をパチンコ遊技機1の前方から透視できるように構成している。さらに、透明部材保持枠8の左右両側には、発光装飾可能な枠装飾装置10と、効果音を発する上スピーカ11と、ランプおよびモータを内蔵して光の照射方向を変更可能なムービングライト12とを備え、透明部材保持枠8の下部には上皿ユニット13を備え、透明部材保持枠8の下方には下皿ユニット14を上皿ユニット13に対して左右方向にずれた位置に配置している。また、下皿ユニット14の一側方(図1中、右側方)には、発射装置(図示せず)を操作するための発射操作ユニット(発射操作ハンドル)15を備え、他側方(図1中、左側方)には、効果音を発する下スピーカ16を備え、上皿ユニット13の前側には、遊技中に遊技者が操作するための遊技演出ボタン17を備えている。
遊技盤6は、図2および図3に示すように、当該遊技盤6の基部となる遊技ベースユニット20を備え、該遊技ベースユニット20の表面に区画形成されて遊技球が流下可能な遊技領域5には、センターケース(前面構成部材)21や入賞具(普図始動ゲート22、一般入賞口装置23、特別変動入賞装置(大入賞口装置)24)等の遊技用部材を配設し、遊技ベースユニット20の裏面側には裏面構成部材25を装着している。さらに、裏面構成部材25の裏側には、表示装置26と演出制御装置300とで構成された表示ユニット28を装着し(図15参照)、始動条件の成立に基づき複数の識別情報を変動表示させる飾り特図変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームに対応する演出表示)を表示装置26で表示可能としている。なお、本実施形態では前面構成部材をセンターケースと称しているが前面構成部材と裏面構成部材を合わせてセンターケースとしてもよい。
遊技ベースユニット20は、図4および図5に示すように、ポリカーボネイトやアクリル等の透明な樹脂で形成されて後方を透視可能な矩形状の遊技板31を備え、該遊技板31の表面には、内縁にレール部材32aが配置された枠状の区画部材32を止着して遊技領域5を区画形成し、レール部材32aを遊技領域5の外縁に位置させるとともに、該レール部材32aに沿って縦長円弧状の発射球案内路33を遊技領域5の側方(図2中、左側方)に設定し、区画部材32のうちレール部材32aよりも外方の部分を構成するケース部材32bを、遊技板31の表面のうち遊技領域5よりも外方の部分に重合している。また、遊技板31の裏面には、当該遊技板31の裏面に沿って平面状に構成された平面装飾部(または裏面装飾部)として機能する装飾シート34を備え、該装飾シート34に施した図形や絵などの装飾を遊技板31の表面側から視認可能としている。なお、本実施形態では、複数の区画部材32を連結して枠状を構成したが、単一の区画部材32で枠状を呈する構成にしてもよい。さらに、装飾シート34を粘着層が表面に形成されたシール構造とし、この装飾シート34を遊技板31の裏面に貼着してもよいし、あるいは装飾シート34を別個の部材(例えば平板状部材)として遊技板31の裏面に止着してもよい。
そして、図2に示すように、遊技領域5の中央部分にはセンターケース(前面構成部材)21を配置して遊技領域5に臨ませ、遊技領域5のうちセンターケース21の一側方(図2中、右側方)には普図始動ゲート22を配置し、遊技球の普図始動ゲート22への入賞(通過)を始動条件(普図始動条件)として普図変動表示ゲームを実行可能としている。また、センターケース21の下方には横長な入賞ユニット36を遊技領域5の一側(図2中、右側)に寄った状態で配置し、該入賞ユニット36の左右方向の中央部分には、大入賞口24aを開閉可能とする特別変動入賞装置24を配置し、入賞ユニット36のうち該特別変動入賞装置24よりもレール部材32a側に位置する側端部(図2中、左端部)には特1始動口装置(第1始動入賞口)37を配置し、特別変動入賞装置24を挟んで特1始動口装置37とは反対側に位置する側端部(図2中、右端部)には一般入賞具38を配置している。さらに、遊技領域5のうち入賞ユニット36よりも発射球案内路33側(図2中、左側)には2つの一般入賞口装置23を横に並んだ状態で配置している。また、遊技領域5の下部のうち普図始動ゲート22の下方に位置する箇所には装飾ランプ39を配置し、センターケース21の一側部(図2中、右側部)には特2始動口装置(第2始動入賞口)40を備えている。さらに、特1始動口装置37の下方に位置する遊技領域5の下端には、入賞せずに流下してきた遊技球を回収するアウト口41を遊技盤6の板厚方向(表裏方向)に貫通して開設し、遊技領域5のうち遊技用部材の取付部分を除いた箇所には複数の障害釘(図示せず)を植設している。そして、区画部材32の一側の下部(図2中、右下部)には一括表示装置42を備え、該一括表示装置42において普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム、遊技状態の表示等を行う。
また、表面に遊技領域5が区画形成される遊技板31には、遊技用部材を取り付けるための取付孔を貫通して遊技領域5に臨ませ、各取付孔を塞ぐようにして遊技用部材を装着している。具体的に説明すると、図6(a)に示すように、遊技板31の中央部分には、センターケース21を取り付けるためのケース取付孔43を開設し、該ケース取付孔43の一側方(図6(a)中、右側方)には、普図始動ゲート22を取り付けるためのゲート取付孔44を開設している。そして、ケース取付孔43の下方には、入賞ユニット36を取り付けるためのユニット取付孔45を開設し、該ユニット取付孔45よりも発射球案内路33側(図6(a)中、左側)には、一般入賞口装置23を取り付けるための取付孔である一般入賞取付孔46を開設している。さらに、遊技板31の一側部のうちユニット取付孔45よりも上方の位置には、装飾ランプ39を取り付けるためのランプ取付孔47を開設し、遊技盤6のうち区画部材32が重なる箇所には、区画部材32を位置決めするための位置決め孔48を複数開設している。
そして、遊技領域5に臨むように遊技盤6に形成された一般入賞取付孔46の内周部には、遊技板31の表側から当該一般入賞取付孔46の内部が透視されることを規制する透視規制処理Sを施している。詳しくは、図6(b)に示すように、遊技板31の表面よりも粗い凹凸となるレンズカット(具体的には、遊技板31の板厚方向(表裏方向)に沿って延在し、光を拡散させる筋状のレンズカット)を透視規制処理Sとして一般入賞取付孔46の内周面の全体に亘って施している。なお、レンズカットは筋状に限らず、点状の凸レンズや凹レンズで施されていてもよい。
装飾シート34は、図7に示すように、当該装飾シート34の中央部分に、ケース取付孔43に連通するケース貫通開口51を開設し、該ケース貫通開口51の一側方(図7中、右側方)には、ゲート取付孔44に連通するゲート貫通開口52を開設し、該ケース貫通開口51の下方には、ユニット取付孔45に連通するユニット貫通開口53を開設している。また、ユニット貫通開口53の一側方(図7中、右側方)には、ランプ取付孔47に連通するランプ貫通開口54を開設し、ユニット貫通開口53の他側方(図7中、左側方)には、一般入賞取付孔46に連通する一般入賞貫通開口55を開設している。さらに、装飾シート34のうち区画部材32の後方に位置する箇所には、位置決め孔48に連通する位置決め貫通開口56を開設している。
そして、装飾シート34には、当該装飾シート34の後方を透視不能とする不透明な不透過領域34aと、該不透過領域34aよりも光を透過し易い半透明の半透過領域(ぼかし領域)34bと、当該装飾シート34の後方を透視可能とする透明な透過領域34cとを設定している。具体的に説明すると、装飾シート34のうちケース貫通開口51の側方(図7中、左側方)に位置する箇所には、ケース貫通開口51の縁に沿って円弧状(環状)をなす透明な透過領域34cを設定し、該透過領域34cの外周縁には、透過領域34cを縁取る帯状態の半透過領域34bを設定し、透過領域34cおよび半透過領域34bから外れた装飾シート34の上部、下部、および側部には不透過領域34aを設定し、該不透過領域34aに模様等の不透明な描画装飾を施している。さらに、装飾シート34のうちケース貫通開口51を挟んで透過領域34cとは反対側(図7中、右側)には、半透明の模様を施した光透過領域34dを設定している。なお、装飾シート34と、該装飾シート34の後方に位置する構造との関係については、後で詳細に説明する。また、半透過領域24bに半透明の模様を施してもよい。
次に、センターケース(前面構成部材)21について説明する。
センターケース(前面構成部材)21は、図8および図9に示すように、当該センターケース21の基部となる枠状のケースベース部材59をケース取付孔43よりもひと回り小さい状態で備え、該ケースベース部材59の中央部分には、表示装置26の表示部27を視認可能とする窓部60を開設している。また、ケースベース部材59の周縁部にはフランジ状の取付基板61をセンターケース21の外方へ向けて延設し、該取付基板61を遊技板31の表面に止着して、遊技板31にセンターケース21をケースベース部材59の後側部分がケース取付孔43内に前方から収容される状態であり、且つ取付基板61がケース取付孔43の縁部を前方から被覆する状態で装着するように構成されている。そして、取付基板61の上部の前面には、センターケース21の前方へ向けて突出した庇状の鎧部62をセンターケース21の左右両側へ向けて下り傾斜した円弧状態で配置して、この鎧部62がセンターケース21の上部に設けられた枠状の流入阻止壁となって、遊技球(詳しくは、遊技領域5内をセンターケース21の上方から流下してくる遊技球)がセンターケース21の内部へ流入することを規制するように構成されている。さらに、鎧部62の下方には、センターケース21の上部を装飾する上部装飾パネル63を配置している。
また、鎧部62の左右両側の傾斜下端から縦向きの側辺部65をケースベース部材59よりも前方へ突出した状態で備え、取付基板61の下部の後方であってケースベース部材59の下側に位置する底部には、遊技球が横方向(前後方向および左右方向)へ転動可能なステージ部66を配置している。さらに、ステージ部66の左右方向の中央部の後方には、遊技球をステージ部66上からステージ部66の後方および下方へ案内する案内流路67を備え、該案内流路67の出口を取付基板61の下部のうち特1始動口装置(第1始動入賞口)37の直上に開設している。そして、ステージ部66の上方には、ステージ部66上の遊技球やセンターケース21の下方を流下する遊技球が上方に跳ね上がって窓部60の内部、詳しくは後述する演出空間部77の内部へ流入(進入)することを規制する跳ね上がり規制壁68を配置し、ステージ部66の一側方(図8中、左側方)に位置する側辺部65には、遊技球が流下可能な球導入路(ワープ流路)69を設け、球導入路69の入口をセンターケース21の側方(図8中、左側方)へ開放した状態で開設し、球導入路69の出口をステージ部66の側方(図8中、左側方)へ向けて開放し、遊技球が遊技領域5から球導入路69を通ってステージ部66上へ到達できるように構成されている。
さらに、ステージ部66の他側方(図8中、右側方)に位置する側辺部65の下部にはケース下部演出装置70を配置し、ケース下部演出装置70の上方に位置する箇所には、変動入賞装置の一種である特2始動口装置40を備えている。特2始動口装置40は、側辺部65を左右方向に貫通して、遊技領域5を流下する遊技球が入賞可能(通過可能)な特2始動口(入賞口)71と、該特2始動口71を開閉変換するための羽根状の普通電動役物(可動部材)72と、該普通電動役物72に変換動作を行わせる普電ソレノイド(電気的駆動源)73と、特2始動口71を通過した遊技球(入賞球)を検出可能な始動口2スイッチ74とを備えて構成されている。そして、普通電動役物72をセンターケース21の側方(図2中、右側方)に位置する遊技領域5に臨ませ、図10に示すように、特2始動口71への遊技球の入賞を阻止する閉状態においては、普通電動役物72が縦向き姿勢となって特2始動口71を閉成し(図10(a)参照)、特2始動口71への遊技球の入賞を許容する開状態において、普通電動役物72が下端部を回動中心として回動して上端部をセンターケース21の側方へ移動し、当該普通電動役物72と特2始動口71の開口上縁とを遊技球が通過可能な間隔で離間するように構成されている(図10(b)参照)。
また、普通電動役物72の下端部には、普通電動役物72と共回りする回動軸75を遊技板31の板厚方向に沿って後方へ延設し、普通電動役物72および特2始動口71の後方には配設空間部76を遊技盤6の裏側に臨むように設定し、該配設空間部76よりもセンターケース21の中央側にずれた位置(図9中、配設空間部76よりも右側にずれた位置)には、後述する裏面構成部材25の一部が配設される演出空間部77を設定している。さらに、配設空間部76には普電ソレノイド73をプランジャが下側に位置する姿勢で配設し、プランジャの下端と回動軸75の後端とをスライダー部材78およびリンク部材79を介して連結し、普電ソレノイド73が消磁してプランジャを伸長させた常態では、普通電動役物72が閉状態を維持し(図10(a)参照)、普電ソレノイド73が励磁してプランジャを収縮させると、回動軸75が回動して普通電動役物72が開状態に変換するように構成されている(図10(b)参照)。なお、普電ソレノイド73は、センターケース21の側辺部65の後側に止着される金属製のブラケット80に取り付けられており、当該普電ソレノイド73からの発熱がブラケット80を介して放熱できるように構成されている。また、ブラケット80には、ケース下部演出装置70の演出部材(図示せず)を駆動する演出ソレノイド81を普電ソレノイド73の前方に位置する状態で取り付けている。
次に、一般入賞口装置23について説明する。
一般入賞口装置23は、図11(a)および図12に示すように、前側部と後側部との間に一般入賞口スイッチ(入賞口センサ)84を挟んで構成されており、一般入賞口スイッチ84を遊技球の通過開口が上下方向に貫通する姿勢に設定している。一般入賞口装置23の前側部は、遊技板31の表面(遊技領域5)から前方に突出する入賞口形成部材85と、遊技板31の表面に止着される入賞ベース部材86とを組み合わせて構成されており、入賞口形成部材85の上部には、遊技領域5を流下する遊技球を上方から受入可能な一般入賞口87を開放し、該一般入賞口87を一般入賞口スイッチ84の通過開口へ連通している。また、入賞ベース部材86には入賞球流下樋88を遊技板31の表面側から裏面側に下り傾斜した状態で備えるとともに、該入賞球流下樋88の上流部を一般入賞口スイッチ84の通過開口へ連通し、一般入賞口87および一般入賞口スイッチ84の通過開口を通過してきた遊技球が入賞球流下樋88を通って遊技板31の表面側から裏面側に誘導されるように構成されている。さらに、入賞口形成部材85の後側部から外方に延設された複数枚のフランジ片85aと、入賞ベース部材86の前側部から外方に延設された複数枚のフランジ片86aとが交互に組み合った状態で遊技板31の表面に止着される。
一般入賞口装置23の後側部は、一般入賞取付孔46よりもひと回り小さな裏箱部材90を備え、該裏箱部材90の中央部分には入賞球流下樋88の下流部が挿通される流下樋挿通孔91を貫通している。また、裏箱部材90の表面のうち流下樋挿通孔91の左右両側方および下方の位置には、円弧状の発光基板92を止着し、該発光基板92の左右両端部および下端部には、装飾光を一般入賞口装置23の外方(言い換えると一般入賞取付孔46の内周部側)へ向けて照射可能なLED等の発光部材(光源)93を実装している。さらに、裏箱部材90の表面の左右両端部および下端部には、光を拡散させるレンズ部94を備えて発光部材93を外方から被覆し(図11(b)参照)、該レンズ部94が発光部材93からの光(装飾光)の光軸上に位置するように構成されている。
このような構成の一般入賞口装置23を一般入賞取付孔46に取り付けると、図2および図13に示すように、入賞口形成部材85と入賞ベース部材86のフランジ片86aとが遊技板31の表側に表出する装飾部として機能して遊技領域5を装飾する一方、裏箱部材90、発光基板92、入賞ベース部材86の入賞球流下樋88が一般入賞口装置23の非装飾部として一般入賞取付孔46の内部に位置する。また、一般入賞口装置23の非装飾部が一般入賞取付孔46の内周部(詳しくは、透視規制処理Sが施された内周部)によって、遊技板31の表側からの透視を規制される。したがって、非装飾部が遊技者側から見えてしまう不都合、ひいては、非装飾部の視認によって一般入賞取付孔46周辺の美観が損なわれる不都合を抑えることができ、遊技の興趣が減衰し難い。また、透視規制処理Sを遊技板31の表面よりも粗い凹凸が形成される表面処理としたので、簡単な構成で非装飾部の透視を規制することが可能となる。なお、透視規制処理Sが遊技板31の表側からの透視を規制することを目的とする場合には、一般入賞取付孔46をNCルーター等によって開設した際に白濁したように見える微細な凹凸でもよいし、塗装等による着色でもよい。
そして、遊技板31に装着された状態で一般入賞口装置23の発光部材93を発光させると、この光がレンズ部94を透過して拡散状態で一般入賞取付孔46の内周部に照射され、さらには、透視規制処理Sとして施されたレンズカットにより拡散されて遊技板31を透過し、遊技板31の表面を通って遊技者側に照射されたり、あるいは遊技板31の裏面を通って装飾シート34に照射されたりする(図13(a)参照)。したがって、レンズカットが形成された一般入賞取付孔46の内周部を介して遊技板31の内部を光らせることができ、効果的な発光演出を行うことが可能となる。また、装飾シート34に光が照射されることにより、遊技領域5の装飾の奥行き方向の立体感を向上させることができ、遊技板31における立体装飾効果を高めることができる。
なお、図13(b)に示すように、裏箱部材90のレンズ部94を外して発光部材93の被覆を避けたとしても、発光部材93からの光は、透過規制処理(レンズカット)Sが施された一般入賞取付孔46の内周部を通って遊技板31内に拡散されるが、レンズ部94を備えた方が光を良好に拡散させて演出効果を高めることができて好適である。また、装飾シート34の表面にホログラム層を形成して遊技板31の裏面に位置させれば、遊技領域5の装飾の立体感を一層向上させることができる。しかも、ホログラム層で光を反射することにより、遊技板31の内部のうち一般入賞口装置23の周辺部分を華やかに光らせることができる。
次に、裏面構成部材25について説明する。
裏面構成部材25は、図3および図14に示すように、センターケース21の後方に位置する制御ベースユニット98と、該制御ベースユニット98の下方に位置する入賞球回収ユニット(スイッチベースユニット)99とを備えて構成されている。制御ベースユニット98は、図14および図15に示すように、遊技板31の裏面側に止着される額縁状の制御ベース部材100を前側が開放した状態で備え、該制御ベース部材100の後部には矩形状の表示開口窓101を遊技板31の板厚方向に沿って貫通して開設し、制御ベース部材100の後方から表示ユニット28を装着して、該表示ユニット28の表側に位置する表示装置26の表示部27を表示開口窓101から前方へ臨ませている。さらに、制御ベース部材100の内側には、複数の可動演出装置が配設された可動演出ユニット102を装着している。可動演出ユニット102は、図14および図16に示すように、当該可動演出ユニット102の基部となる矩形状の窓枠部材103を備え、該窓枠部材103のうち表示開口窓101と重なる箇所には演出窓部104を開設し、該演出窓部104に表示装置26の表示部27を臨ませている。また、窓枠部材103の表面の外縁部には複数の可動演出装置を備え、該可動演出装置が遊技の進行に応じて可動演出部材に所定の演出動作を行わせることができるように構成されている。
詳しくは、窓枠部材103の表面の上縁部には、横長な上部駆動ユニット107aの前面に横長円弧状の上部可動演出部材107bの一側部(図14中、右側部)を軸着して構成された上部可動演出装置107を備えている。そして、上部駆動ユニット107aを駆動しない非演出動作状態では、上部可動演出部材107bが演出窓部104の縁に沿って設定された上部待機位置TWで待機し、上部駆動ユニット107aを駆動すると、上部可動演出部材107bが軸着部分を中心に下方へ回動して、演出窓部104の上部から側部(図14中、左側部)に亘る部分の前方に設定された上部動作位置TM(表示部27の前方)に向けて移動して演出動作を行うように構成されている。また、窓枠部材103の表面の下縁部には、横長な下部駆動ユニット108aの前面に横長な下部可動演出部材108bを上下動可能な状態で装着して構成された下部可動演出装置108を備えている。そして、下部駆動ユニット108aを駆動しない非演出動作状態では、下部可動演出部材108bが演出窓部104の下縁部よりも下方に設定された下部待機位置BWで待機し、下部駆動ユニット108aを駆動すると、下部可動演出部材108bが下部待機位置BWから上昇して、演出窓部104の下部の前方に設定された下部動作位置BM(表示部27の前方)に向けて移動して演出動作を行うように構成されている。
さらに、窓枠部材103の表面のうち演出窓部104を挟んで普図始動ゲート22とは反対側(図14中、左側)の側縁部には、遊技板31の板厚方向に沿って奥行きを有する縦向き円弧状の立体装飾部110を上部可動演出部材107bよりも後方に位置する状態であり、且つ表示装置26よりも前方に位置する状態で止着し、該立体装飾部110と窓枠部材103との間には、左側部駆動ユニット111aの上部に縦長な左側部可動演出部材111bの下端部を軸着して構成された左側部可動演出装置111を備えている。なお、立体装飾部110の構造については、後で詳細に説明する。そして、左側部駆動ユニット111aを駆動しない非演出動作状態(待機状態)では、左側部可動演出部材111bが立体装飾部110の後方に設定された左側部待機位置LWで待機し、左側部駆動ユニット111aを駆動すると、左側部可動演出部材111bが軸着部分を中心に演出窓部104の中央側へ回動して立体装飾部110の後方から外れ、演出窓部104および表示装置26の前方に設定された左側部動作位置LM(表示部27の前方)に向けて移動して演出動作を行うように構成されている。また、窓枠部材103の表面のうち上縁部から普図始動ゲート22側(図14中、右側)に位置する側縁部に亘る部分には、右側部駆動ユニット112aに円弧状の右側部可動演出部材(可動演出部材)112bの上端部を軸着して構成された右側部可動演出装置(可動演出装置)112を上部可動演出部材107bの後方に位置する状態で備えている。そして、右側部駆動ユニット112aを駆動しない非演出動作状態では、右側部可動演出部材112bが演出窓部104の上部から側部(図14中、右側部)に亘る部分の前方に設定された右側部待機位置(待機位置)RWで待機し、右側部駆動ユニット112aを駆動すると、右側部可動演出部材112bが軸着部分を中心に演出窓部104の中央側へ回動して、演出窓部104および表示装置26の前方に設定された右側部動作位置(動作位置)RM(表示部27の前方)に向けて移動して演出動作を行うように構成されている。
また、窓枠部材103のうちセンターケース21の配設空間部76の後方に位置する箇所には送風装置(空冷ファン)114を備え、該送風装置114により制御ベース部材100の裏側から前方の配設空間部76および普電ソレノイド73に向けて送風可能としている。さらに、送風装置114の側方(図14中、右側方)であり装飾シート34の光透過領域34dの後方の位置には、LEDが実装された演出発光基板115を配置し、送風装置114と演出発光基板115との間には仕切り板116を配置している。
遊技板31の下部の裏面側に装着される入賞球回収ユニット99は、図14に示すように、横長な回収ユニットカバー118の前面側の内部に複数の入賞球流路(左入賞球流路119、特1始動口入賞球流路120、右入賞球流路121、特2始動口入賞球流路122)を備えて構成されている。そして、左入賞球流路119を一般入賞口装置23内の球通路(入賞口流下樋88)へ連通して、一般入賞口装置23を通過した遊技球を左入賞球流路119に受け入れて流下可能とし、右入賞球流路121を特別変動入賞装置24内および一般入賞具38内の各球通路へ連通して、特別変動入賞装置24および一般入賞具38を通過した遊技球(入賞球)を右入賞球流路121に受け入れて流下可能としている。さらに、特1始動口入賞球流路120を特1始動口装置37内の球通路へ連通して、特1始動口装置37を通過した遊技球(入賞球)を特1始動口入賞球流路120に受け入れて流下可能とし、特2始動口入賞球流路122を特2始動口装置40内の球通路(始動口2スイッチ74の通過開口)へ連通して、特2始動口装置40を通過した遊技球(入賞球)を特2始動口入賞球流路122に受け入れて流下可能としている。そして、各入賞球流路119,120,121,122の下流端を合流させて入賞球回収ユニット99の下方へ開放し、該開放開口をパチンコ遊技機1の裏側に設けられた回収誘導路(図示せず)に連通し、入賞球回収ユニット99内を流下した遊技球を回収誘導路へ通してパチンコ遊技機1の外部、具体的には遊技機島設備内の球回収樋(図示せず)へ案内可能としている。
このような構成の裏面構成部材25を遊技板31の裏面に装着するとともに、遊技板31の表面にはセンターケース(前面構成部材)21や一般入賞口装置23等の遊技用部材を装着すると、遊技板31のうち特2始動口装置40が配置される側部(図2中、右側部)においては、図17および図18に示すように、センターケース21および裏面構成部材25によって形成される演出空間部77が窓部60を介して遊技盤6の表裏両側に臨む状態となって表示装置26の前方に位置し、この演出空間部77において右側部可動演出部材112bが遊技の進行に応じて前記した演出動作を行うように構成される。また、演出空間部77と配設空間部76との連通部位が右側部可動演出部材112bの右側部待機位置RWとなり(図17(a)参照)、演出空間部77のうち右側部待機位置RWから表示装置26の中央側に離れた側縁箇所(図17(b)中、左側縁)が右側部可動演出部材112bの右側部動作位置RMとなる(図17(b)および図18参照)。そして、演出空間部77と配設空間部76とが連通しているので、右側部可動演出部材112bが演出動作を行えば、この右側部可動演出部材112bの動作により演出空間部77内の空気と配設空間部76内の空気とが攪拌される。したがって、特2始動口装置40の普電ソレノイド73が駆動頻度の増加等により発熱量が大幅に増大したとしても、普電ソレノイド73を支障なく冷却することができる。これにより、普電ソレノイド73の故障や動作不良を回避することが可能となる。また、右側部可動演出部材112bは、非演出動作時には演出空間部77と配設空間部76との連通部位(右側部待機位置RW)で待機する一方、演出動作時には右側部待機位置RWから右側部動作位置RMに向けて移動するので、非演出動作時には右側部可動演出部材112bが普電ソレノイド73の視認を規制する一方、演出動作時には配設空間部76内に溜まった熱気を演出空間部77を介して遊技盤6の表面側(遊技領域5側)に放出することが可能となる。なお、右側部可動演出部材112bが非演出動作時に連通部位よりも演出空間部77側に位置して当該連通部位を塞ぐように待機するようにしてもよい。
なお、右側部可動演出部材112bにおいては、図18に示すように、右側部可動演出部材112bのうち右側部動作位置RM側に位置する側部(図18中、左側部)が右側部待機位置RW側(図18中、右側)へ向かって凹んだ形状に設定されているので、右側部可動演出部材112bが右側部待機位置RWから右側部動作位置RMへ移動(往動)するとき(図18中、右側から左側へ移動するとき)には、演出空間部77内の空気が右側部可動演出部材112bの凹み部によりセンターケース21の中央側へ掻き出されるように移動し、さらには配設空間部76内の空気が演出空間部77、ひいてはセンターケース21の中央側に引き出されるように移動し得る。一方、右側部可動演出部材112bのうち右側部待機位置RW側に位置する側部(図18中、右側部)が右側部待機位置RW側(図18中、右側)へ向かって膨出した形状に設定されているので、右側部可動演出部材112bが右側部動作位置RMから右側部待機位置RWへ移動(復動)するとき(図18中、左側から右側へ移動するとき)には、右側部待機位置RW内の空気が右側部可動演出部材112bの側面に沿って上下に逃げ易く、配設空間部76内に押し込まれ難い。したがって、演出空間部77内および配設空間部76内で右側部可動演出部材112bの往動により生じた空気の流れ(配設空間部76側から演出空間部77側へ移動する流れ)が右側部可動演出部材112bの復動により抑えられてしまう不都合を避けることができる。
そして、遊技板31のうちセンターケース21よりも発射球案内路33側に位置する側部(図2中、左側部)においては、図19および図20に示すように、遊技板31の裏面側に立体装飾部110が位置するとともに、該立体装飾部110の後方に表示装置26が位置し、この立体装飾部110と装飾シート34とにより、遊技板31のうち遊技領域5(詳しくは、窓部60の外方であり、発射球案内路33側に位置する遊技領域5)の後方に位置する箇所を遊技板31の裏面側から覆う。立体装飾部110は、前面が開口する凹室110aを備え、該凹室110aの前側部分のうちセンターケース21側(図19中、右側)の側縁部から平板状の不透明な装飾プレート部110bを延設し、該装飾プレート部110bの前方に上部可動演出部材107bの上部待機位置TWを設定するとともに、後方に左側部可動演出部材111bの左側部待機位置LWを設定している。言い換えると、待機状態の上部可動演出部材107bが装飾プレート部110bの前方に位置し、待機状態の左側部可動演出部材111bが装飾プレート部110bの後方に隠れて位置する(図14参照)。また、図20および図21に示すように、凹室110aの上側、下側、発射球案内路33側(図20中、左側)の各前側開口縁部には装飾重合部110cを備え、該装飾重合部110cを装飾シート34の半透過領域34bに重ねている。換言すると、装飾シート34の半透過領域34bは、立体装飾部110の装飾重合部110cが重なる位置に設定されている。
さらに、凹室110aの後側には、当該凹室110aの後部を区画する後部区画壁110dを備え、該後部区画壁110dには、文字や記号等の装飾模様を立体形状で構成した装飾体110eを前方の遊技板31側に向かって延出する状態で備えている。そして、図14および図20に示すように、後部区画壁110dの上部を階段状に形成して、当該後部区画壁110dと遊技板31との離間距離(詳しくは、遊技板31における板厚方向に沿った離間距離)が凹室110aの上縁部に位置する装飾重合部110cに近づくにつれて徐々に小さくなるように構成されている。また、図14および図21(b)に示すように、後部区画壁110dの下部を階段状に形成して、当該後部区画壁110dと遊技板31との離間距離(詳しくは、遊技板31における板厚方向に沿った離間距離)が凹室110aの下縁部に位置する装飾重合部110cに近づくにつれて徐々に小さくなるように構成されている。したがって、遊技者が装飾シート34と立体装飾部110とを連続した状態で視認することができ、遊技領域5の後方の立体感を高めることが可能となる。さらに、装飾重合部110cが重なる位置に半透過領域34bを設定しているので、装飾シート34と立体装飾部110の境界を曖昧にすることができる。これにより、装飾シート34と立体装飾部110の融合感を出すことができ、効率的に立体感を高めることができる。
そして、遊技板31の下部においては、入賞球回収ユニット99が遊技板31の裏面に重合され、装飾シート34の不透過領域34aが入賞球流路119,120,121,122を前方の遊技板31側から被覆する。したがって、入賞球流路119,120,121,122を流下する入賞球がパチンコ遊技機1の前方から透けて見えることがない。これにより、遊技領域5の装飾や美観が損なわれる不都合を抑制することができる。さらに、遊技板31のうちセンターケース21よりも普図始動ゲート22側に位置する側部(図2中、右側部)においては、演出発光基板115が遊技板31の後方に配置され、該演出発光基板115から発生した光が光透過領域34dおよび遊技板31を透過して前方の遊技者側へ照射可能となる。なお、入賞球流路119,120,121,122に遊技球の通過を検出するセンサ(入賞球検出センサ)を備える場合には、入賞球流路119,120,121,122を被覆する装飾シート34に導電性シート(例えば金属シート)を重合するなどして電磁シールド機能を付加すれば、不正行為を企てる者がパチンコ遊技機1の前方から電波発信可能な不正部材をセンサに近づけて入賞信号を不正に発生させようとしたとしても、不正部材から発信される電波がセンサに到達することを装飾シート34により阻止することができ、入賞球検出センサへの所謂電波ゴトを防止することができる。
次に、パチンコ遊技機1の遊技進行等の制御を行う遊技制御装置200、および該遊技制御装置200を中心とする制御系統について説明する。
遊技制御装置200は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、図22に示すように、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)211を有するCPU部210と、入力ポートを有する入力部220と、出力ポートやドライバなどを有する出力部230、CPU部210と入力部220と出力部230との間を接続するデータバス240などからなる。
上記CPU部210は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)211と、入力部220内の近接スイッチに接続されたインタフェースチップ(I/F)221からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン211に入力させるインバータなどからなる反転回路212と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)213などを有する。遊技制御装置200および該遊技制御装置200によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置500で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置500は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するACDCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部510と、遊技用マイコン211の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部520と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置200に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部530などを備える。
この実施形態では、電源装置500は、遊技制御装置200と別個に構成されているが、バックアップ電源部520および制御信号生成部530は、別個の基板上あるいは遊技制御装置200と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤6および遊技制御装置200は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置500若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部520および制御信号生成部530を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部520は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置200の遊技用マイコン211(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部530は、例えば通常電源部510で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン211内のRAM211Cおよび払出制御装置280内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン211が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン211は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)211A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)211Bおよび随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)211C、個別ICレジスタ211Dを備える。
ROM211Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM211Cは、遊技制御時にCPU211Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM211BまたはRAM211Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM211Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU211Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置26を有し、該表示装置26が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となるパチンコ遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置26の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置26の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置26に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置26における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、スペシャル4リーチ(SP4リーチ、プレミアリーチ)等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<スペシャル4リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU211Aは、ROM211B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置280や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置26の駆動信号を生成して出力してパチンコ遊技機1の全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン211は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路213からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU211Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU211Aは、後述する特図ゲーム処理(図27参照)における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM211Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU211Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての特2始動口装置40の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。また、遊技用マイコン211は、電源投入時や、大当り時などのイベント発生時、磁石や電波等による不正の検出時に個別IDレジスタ211Dに記憶されたIDを、外部情報端子板281から出力する。
払出制御装置280は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置200からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニット(図示せず)の払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置280は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置280は、カードユニット(図示せず)と電気的に接続されていることを条件に発射装置を制御する発射制御装置282に遊技球の発射を許可する発射許可信号を出力する。
遊技用マイコン211の入力部220には、特1始動口装置37内の始動口1スイッチ37a、特2始動口装置40内の始動口2スイッチ74、普図始動ゲート22内のゲートスイッチ22a、一般入賞口スイッチ84、特別変動入賞装置24内のカウントスイッチ24bが近接I/F221を介して接続される。近接I/F221は、接続されるスイッチが近接スイッチである場合に、スイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップである。近接I/F221は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F221の出力はすべて第2入力ポート222へ供給されデータバス240を介して遊技用マイコン211に読み込まれるとともに、遊技制御装置200から中継基板283を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F221の出力のうち始動口1スイッチ37aと始動口2スイッチ74の検出信号は、第2入力ポート222の他、反転回路212を介して遊技用マイコン211へ入力されるように構成されている。反転回路212を設けているのは、遊技用マイコン211の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、始動口1スイッチ37aと始動口2スイッチ74としてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路212を設けずに直接遊技用マイコン211へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ37aと始動口2スイッチ74からの負論理の信号を直接遊技用マイコン211へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F221は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F221には、電源装置500から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部220には、パチンコ遊技機1の前面枠3等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ284および振動センサスイッチ285からの信号および上記近接I/F221により変換された特1始動口装置37内の始動口1スイッチ37a、特2始動口装置40内の始動口2スイッチ74、ゲートスイッチ22a、一般入賞口スイッチ84、カウントスイッチ24bからの信号を取り込んでデータバス240を介して遊技用マイコン211に供給する第2入力ポート222が設けられている。第2入力ポート222が保持しているデータは、遊技用マイコン211が第2入力ポート222に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部220には、透明部材保持枠8等に設けられた前枠開放検出スイッチ286および前面枠3等に設けられた遊戯枠開放検出スイッチ287からの信号および払出制御装置280からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス240を介して遊技用マイコン211に供給する第1入力ポート223が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿ユニット14に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部220には、電源装置500からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン211等に入力するためのシュミットトリガ回路224が設けられており、シュミットトリガ回路224はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置500からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート223に入力され、データバス240を介して遊技用マイコン211に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン211に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路224によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン211に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部230の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部230を介さずに直接中継基板283に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板283のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板283を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部220の各ポート222,223には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン211によって出力部230の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部220の各ポートから遊技用マイコン211が読み込んだデータは、遊技用マイコン211のリセットによって廃棄されるためである。
出力部230は、データバス240に接続され払出制御装置280へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)および演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート231と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート232とを備える。遊技制御装置200から払出制御装置280および演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部230には、演出制御装置300の側から遊技制御装置200へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート231からの上記データストローブ信号SSTBおよび第2出力ポート232からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ233が設けられている。なお、第1出力ポート231から払出制御装置280へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部230には、データバス240に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板283を介して出力するバッファ234が実装可能に構成されている。このバッファ234は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機1の遊技制御装置(主基板)200には実装されない部品である。なお、前記近接I/F221から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ234を通さずに中継基板283を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ284や振動センサスイッチ285のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン211に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス240からバッファ234、中継基板283を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板283には、上記バッファ234から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板283上のポートには、遊技用マイコン211から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部230には、データバス240に接続され、特別変動入賞装置24の大入賞口24aを開閉させるソレノイド(大入賞口ソレノイド24c)、普通電動役物72を駆動して特2始動口装置40の特2始動口71を開閉させるソレノイド(普電ソレノイド)73の開閉データと、一括表示装置42のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート235、一括表示装置42に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート236、大当り情報などパチンコ遊技機1に関する情報を外部情報端子板281へ出力するための第5出力ポート237が設けられている。外部情報端子板281から出力されたパチンコ遊技機1に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部230には、第3出力ポート235から出力される大入賞口ソレノイド24cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド73の開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)238a、第3出力ポート235から出力される一括表示装置42の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ238b、第4出力ポート236から出力される一括表示装置42の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ238c、第5出力ポート237から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子板281へ出力する第4ドライバ238dが設けられている。
上記第1ドライバ238aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置500から供給される。また、一括表示装置42のセグメント線を駆動する第3ドライバ238cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ238bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12Vまたは5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ238cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ238bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子板281へ出力する第4ドライバ238dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ234や第3出力ポート235、第1ドライバ238a等は、遊技制御装置200の出力部230、すなわち、主基板(遊技制御装置200)ではなく、中継基板283側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部230には、外部の検査装置288へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ239が設けられている。フォトカプラ239は、遊技用マイコン211が検査装置288との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン211が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート222,223のようなポートは設けられていない。
次に、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、図23に示すように、遊技用マイコン211と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置26への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ(音声出力部)11,16から再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン211からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾発光部材の点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置26へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置26の映像と前面枠3や遊技盤6に設けられている装飾発光体の点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜nおよび映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置26に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置200から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置200から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、変動停止コマンド、大当り終了コマンド、エラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置200の遊技用マイコン211はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤6に設けられている装飾ランプ39や一般入賞口装置23の発光部材93や演出発光基板115等の盤装飾装置を駆動制御する盤装飾LED制御回路332が設けられている。また、前面枠3に設けられている枠装飾装置10の発光を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤6(センターケース21を含む)に設けられている盤演出装置(可動演出ユニット102等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠3に設けられている枠演出装置(ムービングライト12を動作させるモータ等)を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータおよびソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠3に設けられた遊技演出ボタン17に内蔵されている演出ボタンスイッチ17aや盤演出装置(可動演出ユニット102等)内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠3に設けられた上スピーカ11を駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠3に設けられた下スピーカ16を駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置500の通常電源部510は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置26を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部510に設けるようにしてもよい。
電源装置500の制御信号生成部530により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a,337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施形態においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置200の遊技用マイコン211のCPU211Aでは、普図始動ゲート22に備えられたゲートスイッチ22aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数値を抽出してROM211Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。そして、一括表示装置42に備えられた普図表示器に、識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、遊技用マイコン211(遊技制御装置200)が変動入賞装置変換手段として機能して、この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド73を動作させ、特2始動口装置40の普通電動役物72を所定時間(本実施形態では、0.5秒間)に亘って前述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、特1始動口装置37に備えられた始動口1スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM211Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。また、特2始動口装置40に備えられた始動口2スイッチ74からの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM211Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置200のCPU211Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置42に備えられた特図1表示器や特図2表示器に、識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置200からの制御信号に基づき、表示装置26で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置200からの制御信号に基づき、演出状態(演出モード)の設定や、上スピーカ11、下スピーカ16からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置200のCPU211Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器や特図2表示器に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU211Aは、例えば、大入賞口ソレノイド24cにより特別変動入賞装置24の大入賞口24aを開放し、大入賞口24a内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口24aに所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口24aの開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口24aを開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回や2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器や特図2表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置200は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲームおよび第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置200は、特定遊技状態発生手段として機能して、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、特定遊技状態として時短状態(普図高確率状態)を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲームおよび特2始動口装置40を時短動作状態とする制御を行い、特2始動口装置40が通常動作状態である場合よりも、単位時間あたりの特2始動口装置40の開放時間が実質的に多くなって遊技者に有利に実行されるように制御するようになっている。
例えば、時短状態においては、前述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000ミリ秒が600ミリ秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、1604ミリ秒が704ミリ秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって特2始動口装置40が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態(普図低確率状態)の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(例えば、300ミリ秒が800ミリ秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、特2始動口装置40の開放回数(普電開放回数)を1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(普図低確率状態)よりも高い高確率(普図高確率状態)とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つまたは複数を変化させることで特2始動口装置40を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。なお、以下の説明や図中では、時短状態を特定遊技状態や普電サポート状態または電サポ状態と称することがある。
次に、パチンコ遊技機1の制御について説明する。まず、遊技制御装置200の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)211によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン211による制御処理は、主に、図24および図25に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば、4ミリ秒)で行われる図26に示すタイマ割込み処理とからなる。
まず、メイン処理について説明する。メイン処理は、パチンコ遊技機1の電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図24に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次いで、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため、例えば4ミリ秒の時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、パチンコ遊技機1の電源投入の際に仮に遊技制御装置200が先に立ち上がって払出制御装置280が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置280へ送ってしまい、払出制御装置280がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。次いで、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートに出力が無い状態に設定するOFFデータを出力する(ステップS6,S7)。次いで、シリアルポート(遊技用マイコン211に予め搭載されているポートで、本実施形態では、払出制御装置280や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
次いで、電源装置500内の初期化スイッチがONしているか否かを判定する(ステップS9)。ステップS9で、初期化スイッチがOFFと判定した場合(ステップS9;No)には、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であるかをチェックし(ステップS10)、停電検査領域1の値が正常であるか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11で、停電検査領域1の値が正常であると判定した場合(ステップS11;Yes)には、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であるかをチェックし(ステップS12)、停電検査領域2の値が正常であるか否かを判定する(ステップS13)。
ステップS13で、停電検査領域2の値が正常であると判定した場合(ステップS13;Yes)には、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS14)、算出したチェックサムと電源断時のチェックサムとを比較して(ステップS15)、チェックサムが一致するか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16で、チェックサムが一致すると判定した場合(ステップS16;Yes)には、図25のステップS17へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
また、ステップS9で初期化スイッチがONと判定した場合(ステップS9;Yes)や、ステップS11またはステップS13で停電検査領域の値が正常でないと判定した場合(ステップS11;NoまたはステップS13;No)、ステップS16でチェックサムが一致しないと判定した場合(ステップS16;No)には、図25のステップS24へ移行して、初期化の処理を行う。
図25のステップS17では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップS18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次いで、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ステップS20で、高確率状態でないと判定した場合(ステップS20;No)には、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
一方、ステップS20で、高確率状態であると判定した場合(ステップS20;Yes)には、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS21)、例えば一括表示装置42に設けられる高確率報知LED(確率状態表示部)をON(点灯)させるONデータをセグメント領域にセーブする(ステップS22)。次いで、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS23)を行ってステップS29へ進む。
一方、ステップS9、S11、S13、S16からステップS24へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS25)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。次いで、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。
ステップS29では、個別IDレジスタ211Dから個体識別情報を取得してシリアル通信回路にセットし、外部情報端子板281から出力する処理を行う。次いで、遊技用マイコン211(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号および乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う(ステップS30)。なお、CTC回路は、遊技用マイコン211内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU211Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号および乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS30のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS31)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU211Aによって行われる。次いで、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS32)、割込みを許可する(ステップS33)。本実施形態で使用するCPU211A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
次いで、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS34)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS34の初期値乱数更新処理の後、電源装置500から入力されている停電監視信号をポートおよびデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS35)、停電監視信号がONであるか否かの判定を行う(ステップS36)。ステップS36で、停電監視信号がONでないと判定した場合(ステップS36;No)には、初期値乱数更新処理(ステップS34)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS34)の前に割り込みを許可する(ステップS33)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS34での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
また、ステップS36で、停電監視信号がONであると判定した場合(ステップS36;Yes)には、ステップS35で設定したチェック回数の分だけ停電監視信号のON状態が継続しているか否かを判定する(ステップS37)。ステップS37で、継続していないと判定した場合(ステップS37;No)には、停電監視信号がONであるかの判定(ステップS36)に戻る。一方、ステップS37で、継続していると判定した場合(ステップS37;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止する処理(ステップS38)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS39)を行う。
次いで、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS40)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS41)。次いで、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS42)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS43)、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS44)を行ってから、パチンコ遊技機1の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、停電等に伴うパチンコ遊技機1の電源遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを、パチンコ遊技機1の電源再投入時に判断することができる。
次に、タイマ割込み処理について説明する。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU211Aに入力されることで開始される。CPU211Aにおいてタイマ割込みが発生すると、図26のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置200の遊技用マイコン211は、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次いで、各種センサ(始動口1スイッチ37a、始動口2スイッチ74、ゲートスイッチ22a、一般入賞口スイッチ84、カウントスイッチ24bなど)からの入力の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。次いで、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド24c、普電ソレノイド73)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次いで、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置280等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。次いで、始動口1スイッチ37a、始動口2スイッチ74、ゲートスイッチ22a、一般入賞口スイッチ84、カウントスイッチ24bから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠3や透明部材保持枠8が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。次いで、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
次いで、パチンコ遊技機1に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ284からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS61)、振動センサスイッチ285からの検出信号をチェックして異常がないか判定する振動不正監視処理(ステップS62)、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS63)を行う。次いで、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS64)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS65)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS66)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ37aおよび始動口2スイッチ74の入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図27に示すように、特図ゲーム処理において、遊技制御装置200の遊技用マイコン211は、まず、始動口1スイッチ37aおよび始動口2スイッチ74の入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。この始動口スイッチ監視処理では、特1始動口装置37、特2始動口装置40に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
次いで、カウントスイッチ監視処理1(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理1では、特別変動入賞装置24内に設けられたカウントスイッチ24bのカウント数を監視する処理を行う。
次いで、特図ゲーム処理タイマが、既にタイムアップしているか、または、当該特図ゲーム処理タイマの更新(−1)によりタイムアップしたかをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップA4)。ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップA4;Yes)には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。次いで、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、特図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口24aの開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口24a内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
次いで、特図1表示器の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。次いで、特図2表示器の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行う。一方、ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップA4;No)には、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
次に、前述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細について説明する。図28に示すように、始動口スイッチ監視処理において、遊技制御装置200の遊技用マイコン211は、まず、特1始動口装置37による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。
次いで、普通電動役物72が作動(開状態に変換)して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(ステップA113)。ステップA113で、普通電動役物72が作動中であると判定した場合(ステップA113;Yes)には、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113で、普通電動役物72が作動中でないと判定した場合(ステップA113;No)には、特2始動口装置40への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(ステップA115)。特2始動口装置40は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA115で、不正入賞数が不正判定個数以上でないと判定した場合(ステップA115;No)には、特2始動口装置40による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。一方、ステップA115で、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定した場合(ステップA115;Yes)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
次に、前述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ37aや始動口2スイッチ74の入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図29に示すように、特図始動口スイッチ共通処理において、遊技制御装置200の遊技用マイコン211は、まず、始動口1スイッチ37aおよび始動口2スイッチ74のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ37a等)に入力があるかをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力があるか否かを判定する(ステップA202)。ステップA202で、監視対象の始動口スイッチに入力がないと判定した場合(ステップA202;No)には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202で、監視対象の始動口スイッチに入力があると判定した場合(ステップA202;Yes)には、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、当該監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
次いで、始動口1スイッチ37aおよび始動口2スイッチ74のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ37a等)への入賞の回数に関する情報がパチンコ遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(ステップA205)。次いで、始動口信号出力回数を更新(+1)して出力回数がオーバーフローするかをチェックし(ステップA206)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(ステップA207)。ステップA207で、出力回数がオーバーフローしないと判定した場合(ステップA207;No)には、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA208)、処理をステップA209に移行する。一方、ステップA207で、出力回数がオーバーフローすると判定した場合(ステップA207;Yes)には、処理をステップA209に移行する。
そして、始動口1スイッチ37aおよび始動口2スイッチ74のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ37a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満かをチェックして(ステップA209)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する(ステップA210)。
ステップA210で、特図保留数が上限値未満であると判定した場合(ステップA210;Yes)には、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA215)を行う。次いで、始動口1スイッチ37aおよび始動口2スイッチ74のうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ37a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA216)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA217)、コマンド設定処理(ステップA218)を行う。次いで、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出して(ステップA219)、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA220)。
次いで、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出して準備し(ステップA221)、RWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA222)。次いで、対応する変動パターン乱数1から3を抽出してRWMの各乱数のセーブ領域にセーブし(ステップA223、A224、A225)、特図保留情報判定処理(ステップA226)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA210で、特図保留数が上限値未満でないと判定した場合(ステップA210;No)には、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ37aの入力であるかをチェックして(ステップA211)、始動口1スイッチ37aの入力であるか否かを判定する(ステップA212)。ステップA212で、始動口1スイッチ37aの入力であると判定した場合(ステップA212;Yes)には、飾り特図保留数コマンド(保留オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA213)、コマンド設定処理(ステップA214)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA212で、始動口1スイッチ37aの入力でないと判定した場合(ステップA212;No)には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
次に、前述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA226)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図18に示すように、特図保留情報判定処理において、遊技制御装置200の遊技用マイコン211は、まず、特2始動口(始動口2)71への入賞であるか否かを判定する(ステップA231)。ステップA231で、特2始動口71への入賞であると判定した場合(ステップA231;Yes)には、高確率時(高確率状態)であるか否かの判定を行う(ステップA233)。一方、ステップA231で、特2始動口71への入賞でないと判定した場合(ステップA231;No)には、電サポ(時短状態)又は大当り(特別遊技状態)中であるか否かを判定する(ステップA232)。
ステップA232で、電サポ又は大当り中であると判定した場合(ステップA232;Yes)には、特図保留情報判定処理を終了する。一方、ステップA232で、電サポ又は大当り中でないと判定した場合(ステップA232;No)には、高確率時(高確率状態)であるか否かの判定を行う(ステップA233)。
ステップA233で、高確率時であると判定した場合(ステップA233;Yes)には、高確率時の判定値を設定し(ステップA234)、対象の大当り乱数をロードする(ステップA236)。そして、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かによって大当りであるか否かを判定する(ステップA237)。一方、ステップA233で、高確率時でないと判定した場合(ステップA233;No)には、低確率時(通常確率状態)の判定値を設定し(ステップA235)、対象の大当り乱数をロードする(ステップA236)。そして、大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かによって大当りであるか否かを判定する(ステップA237)。
ステップA237で、大当りであると判定した場合(ステップA237;Yes)には、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄情報テーブル(図20参照)を設定し(ステップA238)、対象の大当り図柄乱数をロードする(ステップA239)。その後、設定した大当り図柄情報テーブルから大当り図柄乱数に対応する図柄情報を取得し(ステップA240)、取得した図柄情報に対応する図柄情報コマンドを準備して(ステップA242)、コマンド設定処理を行う(ステップA243)。一方、ステップA237で、大当りでないと判定した場合(ステップA237;No)には、はずれ図柄情報を取得し(ステップA241)、取得した図柄情報に対応する図柄情報コマンドを準備して(ステップA242)、コマンド設定処理を行う(ステップA243)。
次いで、対象の変動パターン乱数1をロードし(ステップA244)、対象の変動パターン乱数1に対応する変動パターン乱数コマンドを準備して(ステップA245)、コマンド設定処理を行い(ステップA246)、特図保留情報判定処理を終了する。この処理により、始動記憶の発生に基づき、演出制御装置300に対して飾り特図保留数コマンドが送信され、その後、事前判定情報(事前判定コマンド)として特図種別・図柄情報コマンドと変動パターン乱数コマンドとが送信される。そして、演出制御装置300では、飾り特図保留数コマンドに基づき特図始動記憶数を増加し、図柄情報コマンド及び変動パターン乱数コマンドに基づき事前演出(先読み演出)を行う。
すなわち、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができる。そして、演出制御装置300は、表示装置26に表示される飾り特図始動記憶表示m(図46参照)を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
ここで、秘匿性を高める必要がある(結果に影響を及ぼす)大当り乱数及び大当り図柄乱数については、判定後の結果情報を図柄情報コマンドとして演出制御装置300に送信している。これに対して秘匿性を高める必要のない(結果に影響を及ぼさない)変動パターン乱数については変動パターン乱数コマンドとして、乱数値のまま、若しくは、乱数値を示す情報に変換して演出制御装置300に送信するようにしている。なお、変動パターン乱数1は後半変動のリーチ系統(変動グループ)を選択するための乱数であり、変動パターン乱数2はリーチ系統の中から詳細な演出の振分を行うための乱数であり、変動パターン乱数3は前半変動を選択するための乱数である。事前判定時点ではリーチ系統さえ演出制御装置300側に伝達できれば良いので、変動パターン乱数1に関する情報を送信すれば良い。
なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。また、変動パターン乱数2及び変動パターン乱数3を変動パターン乱数コマンドに含めるようにしても良いし、変動パターン乱数コマンドに代えて変動パターン乱数1〜3により判定した変動パターンを示すコマンドを送信するようにしても良い。すなわち、変動パターン乱数1〜3を全て演出制御装置300に送信しても良いし、変動開始時のように変動パターンを決定してから変動パターン番号を演出制御装置300に送信するようにしても良い。
次に、前述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図31に示すように、特図普段処理において、遊技制御装置200の遊技用マイコン211は、まず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるかをチェックして(ステップA301)、特図2保留数が0であるか否かを判定する(ステップA302)。ステップA302で、特図2保留数が0であると判定した場合(ステップA302;Yes)には、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるかをチェックして(ステップA303)、特図1保留数が0であるか否かを判定する(ステップA304)。ステップA304で、特図1保留数が0であると判定した場合(ステップA304;Yes)には、既に客待ちデモが開始されているかをチェックして(ステップA305)、既に客待ちデモが開始されているか否か、すなわち、客待ちデモが開始済みであるか否かを判定する(ステップA306)。
ステップA306で、客待ちデモが開始済みでないと判定した場合(ステップA306;No)には、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする(ステップA307)。そして、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA308)、コマンド設定処理(ステップA309)、特図普段処理移行設定処理1(ステップA310)を行って、特図普段処理を終了する。一方、ステップA306で、客待ちデモが開始済みであると判定した場合(ステップA306;Yes)には、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグがセーブ(ステップA307)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA308)され、コマンド設定処理(ステップA309)も実行されているため、これらの処理を行わずに特図普段処理移行設定処理1(ステップA310)を行い、特図普段処理を終了する。この特図普段処理移行設定処理1では、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。
また、ステップA302で特図2保留数が0でないと判定した場合(ステップA302;No)や、ステップA304で特図1保留数が0でないと判定した場合(ステップA304;No)には、特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグにはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ設定処理(ステップA311)を行う。
次いで、特図停止図柄(図柄情報)の設定に係る処理、具体的には、大当りフラグの有無及び図柄乱数に基づいて特図停止図柄を決定する処理である特図停止図柄設定処理(ステップA312)を行った後、設定された特図停止図柄の特図停止図柄番号に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA313)、図柄情報を特図(特図1又は特図2)に対応する図柄情報(作業用)領域にセーブする(ステップA314)。
次いで、特図(特図1又は特図2)に対応する特図変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブし(ステップA315)、変動パターンに関する情報を設定するテーブルを準備する(ステップA316)。次いで、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA317)、変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA318)を行う。この変動開始情報設定処理では、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む変動パターンコマンド、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン(停止結果態様)情報に対応する飾り特図コマンド、表示装置26に表示される飾り特図始動記憶表示mに係る飾り特図保留数コマンド(飾り特図保留数コマンド)を準備する。これらのコマンドは後に演出制御装置300に送信される。
次いで、特図変動中処理移行設定処理(ステップA319)を行って、特図普段処理を終了する。この特図変動中処理移行設定処理では、特図変動中処理に係る処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号又は第2特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器における第1特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器の変動中に係るフラグ、特図1表示器の点滅の周期のタイマの初期値など)又は特図2表示器における第2特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器の変動中に係るフラグ、特図2表示器の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を行う。
このように、ステップA301とステップA302における特図2保留数のチェックを、ステップA303とステップA304における特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には、第2始動記憶に基づく大当りフラグ設定処理(ステップA311)から特図変動中処理移行設定処理(ステップA319)が実行され、特図2保留数が0であり特図1保留数が0でない場合には、第1始動記憶に基づく大当りフラグ設定処理(ステップA311)から特図変動中処理移行設定処理(ステップA319)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
図32には、結果が特別結果(大当り)である場合に特別結果の種類を決定するための大当り図柄情報テーブルを示した。図32(a)は第1特図変動表示ゲームに対応する大当り図柄情報テーブルであり、図32(b)は第2特図変動表示ゲームに対応する大当り図柄情報テーブルである。
特別結果には、特別遊技状態の実行態様や特別遊技状態の終了後に遊技者に付与される付加遊技価値等の遊技価値が異なる複数種類が設定されており、遊技制御装置200では始動口への遊技球の入賞に基づき抽出された大当り図柄乱数に基づき特別結果を選択する。すなわち、大当り図柄乱数に基づき特別遊技状態の実行態様や付加遊技価値の量が決定されるといえる。本実施形態のパチンコ遊技機1における特別遊技状態の実行態様とは、実行可能なラウンド数や大入賞口24aの開放可能時間(すなわち、特別遊技状態で獲得可能な遊技球(賞球)の数)である。また、付加遊技価値とは、特別遊技状態の終了後に次回の特別結果態様の導出まで遊技状態を高確率状態とすることや、特別遊技状態の終了後に所定回数の特図変動表示ゲームを実行するまで時短状態とすることである。また、大当り図柄乱数に基づいて、特別遊技状態の終了後に確率状態を報知する(確率明瞭)か報知しない(確率曖昧)かも決定される。
大当り図柄乱数が1から20である場合、特別変動入賞装置24においては、一のラウンド(R)において所定の閉鎖時間を挟んで3回の開放が行われるようになっており、例えば3ラウンドを実行する場合は9回の開放が行われる。後述するように、特別変動入賞装置24が開放される特別結果となる特図変動表示ゲームでは、この開放回数を示唆する補助ゲームが行われる。ただし、補助ゲームにおいては実際の開放回数よりも少ない開放回数が示唆される場合もある。
これらの大当りのうち、確変3R大当りと確変12R大当り、確変6R大当りと確変9R大当りは、飾り特図変動表示ゲームの結果態様のうち、表示装置26での結果態様は同一であるが、特図1表示器、特図2表示器の表示態様でのみ判別可能であり、何れの大当りであるかが識別し難くされている。これにより、特別遊技状態中において、補助ゲームで示唆された開放回数よりも多い開放回数となることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めるようにしている。
また、大当り図柄乱数が31から35である場合(確変2R大当り)と、大当り図柄乱数が46から50である場合(通常2R大当り)は、特別遊技状態の終了後に確率状態を明確に報知しない確率曖昧状態となる。これらの大当りでは、飾り特図変動表示ゲームの結果態様のうち、表示装置26での結果態様は同一であり、特別遊技状態の実行態様も同一である。これらは、特図1表示器、特図2表示器の表示態様でのみ判別可能であり、何れの大当りであるかが識別し難くされている。これにより、確率曖昧状態において高確率状態であることを遊技者に期待させ、遊技の興趣を高めるようにしている。また、特別結果の振り分けは、第1特図変動表示ゲームよりも第2特図変動表示ゲームの方が遊技者にとって有利な特別結果が選択される確率が高くなるようにされている。
次に、前述の特図普段処理における変動パターン設定処理(ステップA317)の詳細について説明する。図33に示すように、変動パターン設定処理において、遊技制御装置200の遊技用マイコン211は、まず、図柄情報(作業用)がはずれ図柄情報であるかをチェックして(ステップA321)、はずれ図柄情報であるか否かを判定する(ステップA322)。
ステップA322で、はずれ図柄情報であると判定した場合(ステップA322;Yes)には、現在の遊技状態に対応する変動グループ選択テーブル(図35、図36参照)を準備して(ステップA323)、対象の領域から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップA325)。一方、ステップA322で、はずれ図柄情報でないと判定した場合(ステップA322;No)には、特図(特図1又は特図2)に対応する大当り時の変動グループ選択テーブル(図34参照)を準備して(ステップA324)、対象の領域から変動パターン乱数1をロードして準備する(ステップA325)。
次いで、2バイト振り分け処理(ステップA326)を行い、振り分けた結果得られたリーチ系統のアドレスを取得して準備する(ステップA327)。次いで、対象の領域から変動パターン乱数2をロードして準備し(ステップA328)、振り分け処理(ステップA329)を行って、振り分けた結果得られた後半変動番号を取得する(ステップA330)。次いで、後半変動番号を対象の後半変動番号領域にセーブし(ステップA331)、後半変動番号がリーチなし変動の番号かをチェックして(ステップA332)、リーチなし変動の番号であるか否かを判定する(ステップA333)。
ステップA333で、リーチなし変動の番号であると判定した場合(ステップA333;Yes)には、前半変動選択テーブル1(リーチなし用)を準備し(ステップA334)、対象の領域から変動パターン乱数3をロードして準備する(ステップA336)。一方、ステップA333で、リーチなし変動の番号でないと判定した場合(ステップA333;No)には、前半変動選択テーブル2(リーチ用)を準備し(ステップA335)、対象の領域から変動パターン乱数3をロードして準備する(ステップA336)。
次いで、振り分け処理を行い(ステップA337)、振り分けた結果得られた前半変動番号を取得して準備し(ステップA338)、変動パターン設定処理を終了する。以上の処理により、変動パターン乱数1に基づき変動グループ(リーチなし、ノーマルリーチ、SP1〜4リーチの何れか)が選択され、変動パターン乱数2に基づき変動グループの中から詳細な演出の振り分け(変動パターンの選択)が行われるとともに、変動パターン乱数3に基づきリーチ状態となるまでの前半変動の変動態様が選択される。
図34に示す大当り時の変動グループ選択テーブルでは、リーチ状態となる変動グループのみが選択可能である。また、第2特図変動表示ゲームの場合のみSP4リーチが選択可能である。図35、図36に示す第1特図変動表示ゲームのはずれ時の変動グループ選択テーブル及び第2特図変動表示ゲームのはずれ時の変動グループ選択テーブルでは、時短状態(普電サポート状態)であるか否かにより使用するテーブルが異なり、時短状態(普電サポート状態、低サポ)でない場合(普図低確率状態である場合)は図35のテーブルを用い、時短状態である場合(普図高確率状態である場合、高サポ)は図36のテーブルを用いる。
図35(a)、(b)に示す時短状態でない場合における第1特図変動表示ゲームのはずれ時の変動グループ選択テーブルでは、第1始動記憶数によって使用するテーブルが異なっている。時短状態でない場合は、第1始動記憶数が1である時、すなわち、第1特図変動表示ゲームの開始により第1始動記憶数が1から0になる時に、当該特図変動表示ゲームについて図35(a)のテーブルを用い、第1始動記憶数が2、3又は4である時に図35(b)のテーブルを用いる。第1始動記憶数が多いほどリーチなし及びノーマルリーチの変動時間が短くされており、迅速に第1始動記憶を消化できるようにされている。
また、図35(c)、(d)に示す時短状態でない場合における第2特図変動表示ゲームのはずれ時の変動グループ選択テーブルでも同様に、第2始動記憶数によって使用するテーブルが異なっている。時短状態でない場合は、第2始動記憶数が1である時、すなわち、第2特図変動表示ゲームの開始により第2始動記憶数が1から0になる時に、当該特図変動表示ゲームについて図35(c)のテーブルを用い、第2始動記憶数が2、3又は4である時に図35(d)のテーブルを用いる。第2始動記憶数が多いほどリーチなし及びノーマルリーチの変動時間が短くされており、迅速に第2始動記憶を消化できるようにされている。
また、図36(a)、(b)に示す時短状態である場合における第1特図変動表示ゲームのはずれ時の変動グループ選択テーブルでは、第1始動記憶数が1である時、すなわち、第1特図変動表示ゲームの開始により第1始動記憶数が1から0になる時に、当該特図変動表示ゲームについて図36(a)のテーブルを用い、第1始動記憶数が2、3又は4である時に図36(b)のテーブルを用いる。この場合も、第1始動記憶数が多い場合の方がリーチなし及びノーマルリーチの変動時間が短くされており、迅速に第1始動記憶を消化できるようにされている。また、第1始動記憶数が1である場合におけるリーチなしの変動時間は、時短状態でない場合におけるリーチなしの変動時間よりも長く、遊技者にとって通常遊技状態よりも有利な時短状態において特図変動表示ゲームが途切れてしまうことを防止するようにしている。
また、図36(c)、(d)に示す時短状態である場合における第2特図変動表示ゲームのはずれ時の変動グループ選択テーブルでは、第2始動記憶数が1である時、すなわち、第2特図変動表示ゲームの開始により第2始動記憶数が1から0になる時に、当該特図変動表示ゲームについて図36(c)のテーブルを用い、第2始動記憶数が2、3又は4である時に図36(d)のテーブルを用いる。この場合も、第2始動記憶数が多い場合の方がリーチなし及びノーマルリーチの変動時間が短くされており、迅速に第2始動記憶を消化できるようにされている。
次に、前述の特図普段処理における変動開始情報設定処理(ステップA318)の詳細について説明する。図37に示すように、変動開始情報設定処理において、遊技制御装置200の遊技用マイコン211は、まず、対象の変動パターン乱数1〜3の乱数セーブ領域を0クリアする(ステップA401)。次いで、前半変動時間値テーブルを設定し(ステップA402)、前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(ステップA403)。次いで、後半変動時間値テーブルを設定し(ステップA404)、後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(ステップA405)。
次いで、前半変動時間値と後半変動時間値を加算し(ステップA406)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA407)。次いで、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を算出して準備し(ステップA408)、後半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として準備して(ステップA409)、コマンド設定処理を行う(ステップA410)。
次いで、飾り特図コマンド領域から図柄情報コマンドをロードして準備し(ステップA411)、コマンド設定処理を行う(ステップA412)。次いで、変動図柄判別フラグに対応する飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(ステップA413)、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域のアドレスを設定して(ステップA414)、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数を−1更新する(ステップA415)。次いで、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備し(ステップA416)、コマンド設定処理を行う(ステップA417)。次いで、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域をシフトし(ステップA418)、シフト後の空き領域を0クリアして(ステップA419)、変動開始情報設定処理を終了する。
以上の処理により、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含む特図変動表示ゲームの開始に関する情報が設定され、この情報基づき特図変動表示ゲームが実行される。すなわち、遊技制御装置200が、複数の変動パターンの何れかによって変動表示ゲームを実行することが可能な変動表示ゲーム実行手段をなす。また、この情報は後に演出制御装置300に送信されることとなる。事前判定時は変動パターン乱数1の値をそのまま演出制御装置300に送信したが、変動開始時は遊技制御装置200で変動パターン乱数に基づく詳細な変動パターンを決定し、判定後の変動パターン情報(番号)を演出制御装置300に送信するようにしている。
次に、演出制御装置300での制御について説明する。前述したように演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311と、当該主制御用マイコン311の制御下で映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312とを備えている。そして、主制御用マイコン(1stCPU)311による制御処理は、主に、図38に示す1stメイン処理と、所定時間周期(例えば、2ミリ秒)に行われる図39に示す割込み処理とからなる。
まず、1stメイン処理について説明する。この1stメイン処理においては、図38に示すように、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理では、まず、割込みを禁止し(ステップB1)、CPUの初期化やRAMの初期値設定、乱数の初期化等を行う各種初期化処理を行う(ステップB2)。そして、各種割込みのタイマを起動して(ステップB3)、割込みを許可する(ステップB4)。
この1stメイン処理においては、次にメインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(watch dog timer)をクリアし(ステップB5)、遊技演出ボタン17の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB6)を行う。次いで、遊技制御コマンド解析処理(ステップB7)を行う。この遊技制御コマンド解析処理では、遊技制御装置200から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したか否かを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次いで、表示装置26や装飾装置(枠装飾装置,盤装飾装置)、演出装置(枠演出装置,盤演出装置)等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB8)を行う。このテストモード処理によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置26での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理(後述のステップB11〜B13)において制御を行う。なお、テストモードはパチンコ遊技機1の電源遮断で終了するようになっている。
次いで、遊技の演出の制御に関する1stシーン制御処理(ステップB9)を行い、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB10)を行う。次いで、スピーカ(上スピーカ11、下スピーカ16)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB11)、発光部材93や演出発光基板115等の盤装飾装置、枠装飾装置10のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB12)、盤演出装置(可動演出ユニット102等)、枠演出装置(ムービングライト12等)のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB13)を行う。次いで、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB14)を行い、WDTをクリアする処理(ステップB5)に戻る。
次に、割込み処理について説明する。この割込み処理においては、図39に示すように、まず、プログラムで管理するソフトタイマを更新するタイマ更新処理(ステップB21)を行う。次いで、演出制御装置300に入力される信号を処理する入力処理(ステップB22)、演出制御装置300から出力する信号を処理する出力処理(ステップB23)を行う。次いで、遊技制御装置200から演出制御装置300へ送信される遊技に関するコマンドを受信するメインコマンド受信処理(ステップB24)を行って、割込み処理を終了する。
演出制御装置300の映像制御用マイコン(2ndCPU)312は、図40に示す2ndメイン処理を行う。この2ndメイン処理においては、図40に示すように、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップC1)を行い、RAMを0クリアして(ステップC2)、RAMの初期値を設定する(ステップC3)。次いで、VDP313を初期化するVDP初期化処理(ステップC4)を行い、各種割込みを許可する(ステップC5)。次いで、各種制御処理の初期化処理(ステップC6)を行い、画面描画を許可する(ステップC7)。
この2ndメイン処理においては、次にメインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、システム周期待ちフラグをクリアし(ステップC8)、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定を行う(ステップC9)。システム周期とは、画像データを一時的に格納する二つのバッファを切り替える周期であって、切り替えが可能な状態となるとシステム周期フラグが「1」となる。このシステム周期待ちフラグが1となるまでは、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定(ステップC9)を繰り返し、システム周期待ちフラグが1となると(ステップC9;Yes)、WDT(watch dog timer)をクリアする(ステップC10)。
次いで、受信コマンドチェック処理(ステップC11)を行う。この受信コマンドチェック処理では、主制御用マイコン(1stCPU)311から送信されるコマンドを正しく受信したか否かを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、2ndシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。次いで、受信したコマンドに基づき、表示内容を決定する2ndシーン制御処理(ステップC12)を行う。この2ndシーン制御処理では、予告キャラクタ等の設定や表示優先順位の設定を行い、特図変動表示ゲームの進行に対応する演出画像を表示装置26に表示する処理を行う。
次いで、背景の設定を行う背景処理(ステップC13)を行う。この背景処理では、遊技状態(確率状態や客待ち状態の有無)や、遊技モード、演出モード、リーチシーン等に応じた背景を表示する処理を行う。次いで、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動に関する表示制御処理である変動表示処理(ステップC14)を行う。その後、特図1保留表示器及び特図2保留表示器の表示に連動して表示装置26に表示される飾り特図始動記憶表示mの設定を行う保留表示処理(ステップC16)を行う。この保留表示処理では、始動記憶領域に記憶された事前演出情報に基づき、飾り特図始動記憶表示mの表示態様を変化させる事前演出(先読み演出)の表示に関する処理も行う。
次いで、客待ちデモの表示に関する客待ちデモ処理(ステップC17)を行う。この客待ちデモ処理では、キャラクタや映像等を表示する客待ち画面の設定に関する処理や、客待ち画面に表示する告知表示の設定に関する処理等を行う。次いで、ROMのデータをRAMに設定されたバッファに転送し、実際に表示をさせる処理を行う表示システム処理(ステップC18)を行って、システム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
次に、前述の1stメイン処理における1stシーン制御処理(ステップB9)の詳細について説明する。図41に示すように、1stシーン制御処理において、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311は、まず、テストモード中であるか否かを判定する(ステップB31)。ステップB31で、テストモード中であると判定した場合(ステップB31;Yes)には、1stシーン制御処理を終了する。一方、ステップB31で、テストモード中でないと判定した場合(ステップB31;No)には、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB32)。このシーン変更コマンドは、遊技制御装置200から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンド(電源投入コマンド、停電復旧コマンド、客待ちデモコマンド、変動パターンコマンド、図柄停止コマンド、大当りファンファーレコマンド、大入賞口開放n回目コマンド、インターバルコマンド等)である。
ステップB32で、シーン変更コマンドを受信したと判定した場合(ステップB32;Yes)には、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB33)、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるか否か、すなわち、有効なコマンドであるか否かを判定する(ステップB34)。ステップB34で、有効なコマンドであると判定した場合(ステップB34;Yes)には、受信コマンドをセーブし(ステップB35)、演出リクエストフラグをセットして(ステップB36)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB37)を行う。
一方、ステップB32でシーン変更コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB32;No)や、ステップB34で有効なコマンドでないと判定した場合(ステップB34;No)には、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB37)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB37)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合には、電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB38)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合には、停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB39)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合には、客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB40)を行う。
また、変動パターンコマンドを受信した場合には、飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB41)を行う。この変動中処理では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置200から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。
また、図柄停止コマンドを受信した場合には、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動表示を停止して結果態様を表示する処理である図柄停止処理(ステップB42)を行う。この図柄停止処理では、飾り特図変動表示ゲームにおける結果の停止表示時間などの設定を行う。また、ファンファーレコマンドを受信した場合には、特別遊技状態の開始に関する処理である大当りファンファーレ処理(ステップB43)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合には、ラウンド遊技に関する処理である大当りラウンド中処理(ステップB44)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合には、ラウンド間のインターバルに関する処理である大当りインターバル処理(ステップB45)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合には、特別遊技状態の終了に関する処理である大当りエンディング処理(ステップB46)を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB37)により選択された前述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB47)を行い、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う飾り特図コマンド受信処理(ステップB48)を行う。
次いで、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む事前判定コマンド(図柄情報コマンド、変動パターン乱数コマンド)に基づく処理を行う事前判定コマンド受信処理(ステップB49)を行う。次いで、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンドに基づき、対応する値を内部設定するとともに背景コマンドを映像制御用マイコン(2ndCPU)312に送信する処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB50)を行って、1stシーン制御処理を終了する。
次に、前述の1stシーン制御処理における客待ち処理(ステップB40)の詳細について説明する。図42に示すように、客待ち処理において、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311は、まず、客待ち状態となり客待ち画面を表示するまでの間に設定される客待ち開始フラグがあるか否かを判定する(ステップB101)。ステップB101で、客待ち開始フラグがあると判定した場合(ステップB101;Yes)には、遊技演出ボタン17等の操作に基づく演出モード(遊技モード)選択中であるか否か、具体的には、例えば、表示装置26等に演出モード選択画面を表示しているか否かを判定する(ステップB105)。一方、ステップB101で、客待ち開始フラグがないと判定した場合(ステップB101;No)には、客待ち状態となった場合に遊技制御装置200から送信される客待ちデモコマンドを受信したか否かを判定する(ステップB102)。
ステップB102で、客待ちデモコマンドを受信していないと判定した場合(ステップB102;No)には、客待ち処理を終了する。一方、ステップB102で、客待ちデモコマンドを受信したと判定した場合(ステップB102;Yes)には、客待ち開始タイマをセットし(ステップB103)、客待ち開始フラグをセットして(ステップB104)、遊技演出ボタン17等の操作に基づく演出モード(遊技モード)選択中であるか否か、具体的には、例えば、表示装置26等に演出モード選択画面を表示しているか否かを判定する(ステップB105)。
ステップB105で、演出モード(遊技モード)選択中であると判定した場合(ステップB105;Yes)には、遊技者による選択ボタン(図示省略)等の操作によって演出モード(遊技モード)を選択するためのモード選択操作があったか否かを判定する(ステップB107)。一方、ステップB105で、演出モード(遊技モード)選択中でないと判定した場合(ステップB105;No)には、遊技者による遊技演出ボタン17等の操作によって演出モード(遊技モード)を切り替えるよう指示するためのモード切替操作(所定時間以上(例えば5秒)の長押し操作)があったか否か、具体的には、例えば、表示装置26等に演出モード選択画面を表示するよう指示する操作があったか否かを判定する(ステップB106)。
ステップB106で、モード切替操作があったと判定した場合(ステップB106;Yes)には、例えば、表示装置26等に演出モード選択画面を表示し、その後、遊技者による選択ボタン等の操作によって演出モード(遊技モード)を選択するためのモード選択操作があったか否かを判定する(ステップB107)。ステップB107で、モード選択操作がなかったと判定した場合(ステップB107;No)には、遊技者による遊技演出ボタン17等の操作によって演出モード(遊技モード)を確定するためのモード確定操作があったか否かを判定する(ステップB109)。一方、ステップB107で、モード選択操作があったと判定した場合(ステップB107;Yes)には、当該モード選択操作に対応する演出モード(遊技モード)を表示装置26等に表示して(ステップB108)、遊技者による遊技演出ボタン17等の操作によって演出モード(遊技モード)を確定するためのモード確定操作があったか否かを判定する(ステップB109)。
ステップB109で、モード確定操作があったと判定した場合(ステップB109;Yes)には、当該モード確定操作に対応する演出モード(遊技モード)を設定して(ステップB110)、客待ち開始タイマがタイムアップしたかをチェックする(ステップB111)。また、ステップB106でモード切替操作がなかったと判定した場合(ステップB106;No)や、ステップB109でモード確定操作がなかったと判定した場合(ステップB109;No)には、客待ち開始タイマがタイムアップしたかをチェックする(ステップB111)。
そして、客待ち開始タイマがタイムアップしたか否かを判定し(ステップB112)、客待ち開始タイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップB112;No)には、客待ち処理を終了する。一方、客待ち開始タイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップB112;Yes)には、客待ち画面で表示する告知表示情報の種類やレイアウト等を設定する客待ちデモ設定処理を行い(ステップB113)、客待ち開始フラグをリセットして(ステップB114)、客待ち処理を終了する。
なお、設定されている演出モード(遊技モード)が第2演出モード(第2遊技モード)から第1演出モード(第1遊技モード)に切り替わった場合には、可動演出ユニット102を予め設定された第1状態(例えば、各可動演出部材の何れか、または全てを待機位置に待機させる状態)にするとともに、表示装置26に第1演出モード(第1遊技モード)を識別するための表示(本実施形態の場合、「帝国」という文字の表示)を実行させる(図46参照)。また、表示装置26に表示されている背景画像を第1モード用背景画像(帝国モード用背景画像)に切り替え、表示装置26に表示されている図柄を第1モード図柄(帝国図柄)に切り替える。
また、設定されている演出モード(遊技モード)が第1演出モード(第1遊技モード)から第2演出モード(第2遊技モード)に切り替わった場合には、可動演出ユニット102を前記第1状態とは異なる第2状態(例えば、各可動演出部材の何れか、または全てを動作位置に移動させた状態)にするとともに、表示装置26に第2演出モード(第2遊技モード)を識別するための表示(本実施形態の場合、「同盟」という文字の表示)を実行させる(図49参照)。また、表示装置26に表示されている背景画像を第2モード用背景画像(同盟モード用背景画像)に切り替え、表示装置26に表示されている図柄を第2モード図柄(同盟図柄)に切り替える。
すなわち、演出制御装置300が、所定条件の成立(本実施形態の場合、モード選択操作及びモード確定操作)に基づいて遊技モード(演出モード)を第1遊技モード(第1演出モード)又は第2遊技モード(第2演出モード)に設定することが可能な遊技モード設定手段と、遊技モード設定手段により設定された遊技モード(演出モード)に対応する遊技演出を行うことが可能な遊技演出手段と、遊技モード設定手段により設定された遊技モード(演出モード)に基づき可動演出ユニット102の変換制御を行うことが可能な変換制御手段と、をなす。また、遊技演出ボタン17や選択ボタン(図示省略)が、遊技モード(演出モード)を選択するための操作を受付可能なモード選択操作部をなし、遊技モード設定手段(演出制御装置300)は、モード選択操作部(遊技演出ボタン17、選択ボタン)の操作入力に基づいて遊技モード(演出モード)を第1遊技モード(第1演出モード)又は第2遊技モード(第2演出モード)に設定するよう構成されている。そして、変換制御手段(演出制御装置300)は、第1遊技モード(第1演出モード)が設定された場合には、可動演出ユニット102を第1状態に変換する一方、第2遊技モード(第2演出モード)が設定された場合には、可動演出ユニット102を第2状態に変換するよう構成されている。
なお、演出モード(遊技モード)を確定するためのモード確定操作が実行される前に始動入賞球が検出された場合には、その時点で選択されている演出モード(遊技モード)を設定することも可能であるし、前回の設定(モード切替操作がある前の設定)をそのまま引き継いでもよい。
また、本実施形態では、客待ち状態である間に可動演出ユニット102を動作させるよう構成したが、これに限ることはなく、例えば、客待ち状態である間に遊技者による遊技演出ボタン17等の操作(モード確定操作)に応じて演出モード(遊技モード)を設定し、その後、変動開始を契機に当該設定されている演出モード(遊技モード)に対応させて可動演出ユニット102を動作させるよう構成することも可能である。
また、本実施形態では、客待ち処理において演出モード(遊技モード)切替処理(ステップB105〜B110)を行う、すなわち、客待ち状態である間に演出モード(遊技モード)を切り替えるよう構成したが、これに限ることはなく、例えば、変動表示ゲームの実行中に演出モードを切り替えるよう構成することも可能である。その場合、可動演出ユニット102は、演出モードの切替時に実行していた変動表示ゲームの最中に動作させてもよいし、演出モードの切替時に実行していた変動表示ゲームの次に実行される変動表示ゲームの開始時に動作させてもよい。また、その場合、変動演出パターン(後述)は、演出モードの切替時に実行していた変動表示ゲームの最中に切り替えてもよいし、演出モードの切替時に実行していた変動表示ゲームの次に実行される変動表示ゲームの開始時に切り替えてもよい。ただし、後述するリーチ中における変動演出パターンの切り替えの際には演出モードの切り替えは行わない。
また、本実施形態では、遊技者による遊技演出ボタン17等の操作(モード確定操作)に応じて演出モード(遊技モード)を切り替えるよう構成したが、これに限ることはなく、例えば、確率状態に応じて演出モード(遊技モード)を切り替えるよう構成することも可能である。すなわち、例えば、特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態又は高確率状態)に応じて演出モード(遊技モード)を切り替えるよう構成することも可能であるし、普図変動表示ゲームの確率状態(普図低確率状態又は普図高確率状態)に応じて演出モード(遊技モード)を切り替えるよう構成することも可能である。
次に、前述の1stシーン制御処理における変動中処理(ステップB41)の詳細について説明する。図43に示すように、変動中処理において、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311は、まず、演出リクエストフラグがあるか否かを判定する(ステップB201)。演出リクエストフラグは、有効なコマンドを受信した場合に設定されるフラグであって、このフラグがある場合は受信したコマンドに基づく処理を行う。
ステップB201で、演出リクエストフラグがあると判定した場合(ステップB201;Yes)には、遊技演出ボタン17の入力に関する情報であるPB情報をクリアし(ステップB202)、可動体リクエストセット処理(ステップB203)を行う。次いで、第2演出モード用選択テーブル(図44参照)をセットして(ステップB204)、第1演出モード(第1遊技モード)が設定されているか否かを判定する(ステップB205)。
ステップB205で、第1演出モード(第1遊技モード)が設定されていないと判定した場合(ステップB205;No)、すなわち、第2演出モード(第2遊技モード)が設定されている場合には、セットされている第2演出モード用選択テーブルを参照し、遊技制御装置200からの変動開始コマンド(図柄情報コマンド及び変動パターンコマンド)に基づいて、変動演出パターンの詳細を設定する変動演出パターン設定処理(ステップB207)を行う。
一方、ステップB205で、第1演出モード(第1遊技モード)が設定されていると判定した場合(ステップB205;Yes)には、ステップB204でセットした第2演出モード用選択テーブルに替えて、第1演出モード用選択テーブル(図44参照)をセットする(ステップB206)。そして、セットされている第1演出モード用選択テーブルを参照し、遊技制御装置200からの変動開始コマンド(図柄情報コマンド及び変動パターンコマンド)に基づいて、変動演出パターンの詳細を設定する変動演出パターン設定処理(ステップB207)を行う。
次いで、役物動作パターン設定処理(ステップB208)、乱数シード初期化処理(ステップB209)を行って、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(ステップB210)。シーンシーケンステーブルは、飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示の開始や停止、演出用キャラクタの表示等の各種表示の実行タイミングや時間を管理するテーブルである。シーンシーケンステーブルには、実行内容と時間とが定義された複数のシーンの実行順序が設定されており、このシーンシーケンステーブルに従い順次シーンを実行することで飾り特図変動表示ゲームが実行される。
次いで、飾り特図変動表示ゲームの変動時間を設定する変動時間設定処理(ステップB211)を行い、最初のシーン及びシーン更新タイマをセットする(ステップB212)。そして、演出リクエストフラグをクリアして(ステップB213)、変動中処理を終了する。
また、ステップB201で、演出リクエストフラグがないと判定した場合(ステップB201;No)には、リーチ中の演出の切り替えに関する変動演出切替処理を行い(ステップB214)、特別変動入賞装置24の開放回数の示唆を行う補助ゲーム制御処理(ステップB215)を行って、シーン更新タイマの値が0であるか否かを判定する(ステップB216)。シーン更新タイマは、シーンシーケンステーブルに従い管理されるシーンの実行時間を計時しており、このシーン更新タイマの値が0であるとは、実行されていたシーンが終了したことを示す。
ステップB216で、シーン更新タイマの値が0でないと判定した場合(ステップB216;No)は、可動演出ユニット102等の役物の動作を制御する役物動作制御処理(ステップB218)を行って、変動中処理を終了する。一方、ステップB216で、シーン更新タイマの値が0であると判定した場合(ステップB216;Yes)には、次の通常シーンデータを設定する(ステップB217)。これにより、新たなシーンが開始されるとともにシーン更新タイマにシーンに応じた所定の値が設定される。そして、役物の動作を制御する役物動作制御処理(ステップB218)を行って、変動中処理を終了する。
図44には、第1演出モード(第1遊技モード)に対応する変動演出パターンと第2演出モード(第2遊技モード)に対応する変動演出パターンを示した。演出制御装置300では、遊技制御装置200で決定された変動パターンと、現在の演出モードとに基づき、変動演出パターンを選択して実行する。すなわち、演出制御装置300が、変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置200)が実行する変動パターンに対応する複数の演出態様の何れかにより演出表示を実行することが可能な演出表示手段をなす。
図44(a)に示すように、結果がはずれの場合、リーチなし、ノーマルリーチ及びSP1リーチの各変動演出パターンにおいては、第1演出モードと第2演出モードとで背景のみが異なる演出態様となっている。これらの変動演出パターンは、第1演出モードと第2演出モードとで同一の内容(演出態様)となっていて、各変動演出パターンは遊技制御装置200で選択された変動パターンと一対一で対応している。
また、SP2リーチとSP3リーチでは、遊技制御装置200で選択された変動パターンに対して第1演出モードと第2演出モードとで異なる内容の変動演出パターンが選択される。すなわち、一の変動パターンに対して第1演出モード用の変動演出パターンと第2演出モード用の変動演出パターンとの二つの変動演出パターンが対応しており、現在選択されている演出モードによって何れかが選択される。
また、後述するように第1演出モードと第2演出モードとで選択される変動演出パターンが異なるSP2リーチとSP3リーチの場合は、当該リーチ演出中における遊技者の演出切替操作に基づき、実行中の変動パターンに対応する他の演出態様(変動演出パターン)に切り替えることができるようになっている。すなわち、第1演出モード用の変動演出パターンと第2演出モード用の変動演出パターンとを切り替えることができるようになっており、例えば、SP2変動演出パターンA1とSP2変動演出パターンB1の何れかを選択する変動パターンの場合は、表示する変動演出パターンを演出切り替え操作の度に切り替えることができる。
また、図44(b)に示すように、結果が大当りの場合、ノーマルリーチ及びSP1リーチ、SP4リーチの各変動演出パターンにおいては、第1演出モードと第2演出モードとで背景のみが異なる演出態様となっている。これらの変動演出パターンは、第1演出モードと第2演出モードとで同一の内容(演出態様)となっていて、各変動演出パターンは遊技制御装置200で選択された変動パターンと一対一で対応している。なお、SP4リーチは第2特図変動表示ゲームで結果が大当りである場合にのみ選択可能な変動パターンである。このSP4リーチが選択された場合に、特別結果が特別変動入賞装置24を動作させる特別結果となる場合には、当該特別結果に基づく特別遊技状態での特別変動入賞装置24の開放回数を示唆する補助ゲームを行うSP4変動演出パターン1が選択され、これ以外の場合はSP4変動演出パターン2が選択される。
また、SP2リーチ及びSP3リーチでは、技制御装置100で選択された変動パターンに対して第1演出モードと第2演出モードとで異なる内容の変動演出パターンが選択される。すなわち、一の変動パターンに対して第1演出モード用の変動演出パターンと第2演出モード用の変動演出パターンとの二つの変動演出パターンが対応しており、現在選択されている演出モードによって何れかが選択される。
また、後述するように第1演出モードと第2演出モードとで選択される変動演出パターンが異なるSP2リーチとSP3リーチの場合は、当該リーチ演出中における遊技者の演出切替操作に基づき、実行中の変動パターンに対応する他の演出態様(変動演出パターン)に切り替えることができるようになっている。すなわち、第1演出モード用の変動演出パターンと第2演出モード用の変動演出パターンとを切り替えることができるようになっており、例えば、SP2変動演出パターンC1とSP2変動演出パターンD1の何れかを選択する変動パターンの場合は、表示する変動演出パターンを演出切り替え操作の度に切り替えることができる。さらに、遊技者の演出切替操作があった場合に所定の確率で、SP2変動演出パターンE又はSP3変動演出パターンEに切り替わるようになっている。この変動演出パターンEは、結果が大当りである場合のみ出現可能な演出変動パターンであり、大当りであることを確定的に報知する演出となっている。
すなわち、第1演出モードと第2演出モードとで共通の変動演出パターンが対応付けられた変動パターン(ここではリーチなし、ノーマルリーチ、SP1リーチ及びSP4リーチの変動パターン)が第1変動パターンをなし、第1演出モードと第2演出モードとで異なる変動演出パターンが対応付けられた変動パターン(ここではSP2リーチ及びSP3リーチ)が第2変動パターンをなす。ここでは、特別結果となる期待感を持てるリーチ状態(SP2リーチ及びSP3リーチ)において演出態様を切替可能としており、これにより遊技者に対して切替操作を促すことができる。
次に、前述の変動中処理における変動演出切替処理(ステップB214)の詳細について説明する。図45に示すように、変動演出切替処理において、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311は、まず、演出切替用演出パターンであるかを判定する(ステップB211)。演出切替用演出パターンとは、第1演出モードと第2演出モードで変動パターンに応じて異なる変動演出パターンが選択される変動演出パターンであり、図44に示したようにSP2リーチ及びSP3リーチに対応する変動演出パターンである。
この演出切替用演出パターンでない場合(ステップB221;No)は、変動演出切替処理を終了する。また、演出切替用演出パターンである場合(ステップB221;Yes)は、演出切替可能タイミングであるかを判定する(ステップB222)。演出切替可能タイミングはリーチ状態中の所定期間であって、例えばリーチ状態となってから結果態様が導出されるまでの期間とされている。この演出切替可能タイミングでない場合(ステップB222;No)は、変動演出切替処理を終了する。また、演出切替可能タイミングである場合(ステップB222;Yes)は、演出切替操作があるかを判定する(ステップB223)。
演出切替操作は遊技者による遊技演出ボタン17の操作であり、この演出切替操作がない場合(ステップB223;No)は、変動演出切替処理を終了する。また、演出切替操作がある場合(ステップB223;Yes)は、実行中の変動演出パターンに対応する変動演出パターンを選択する(ステップB224)。実行中の変動演出パターンに対応する変動演出パターンとは、一の変動パターンに対して選択可能な変動演出パターンのうち、実行中でない変動演出パターンであって、例えば、SP2変動演出パターンA1を実行中である場合は、SP2変動演出パターンB1を選択する。
その後、大当りとなる特図変動表示ゲームでの変動演出である当り変動演出中であるかを判定し(ステップB225)、当り変動演出中でない場合(ステップB225;No)は、選択した変動演出パターンによる変動演出の実行を設定し(ステップB228)、変動演出切替処理を終了する。
また、当り変動演出中である場合(ステップB225;Yes)は、プレミア抽選を行って当選したかを判定し(ステップB226)、当選していない場合(ステップB226;No)は、選択した変動演出パターンによる変動演出の実行を設定し(ステップB228)、変動演出切替処理を終了する。また、当選した場合(ステップB226;Yes)は、実行中の変動演出パターンに対応するプレミア変動演出パターン(SP2変動演出パターンE又はSP3変動演出パターンE)を選択し(ステップB227)、選択した変動演出パターンによる変動演出の実行を設定し(ステップB228)、変動演出切替処理を終了する。すなわち、演出制御装置300が、変動表示ゲーム中の切替操作に基づき、演出表示手段が(演出制御装置300)実行中の演出表示の演出態様を切り替えることが可能な演出態様切替手段をなす。
図46から図49には、変動演出パターンの切り替えの一例を示した。図46(a)に示すように、リーチ演出が表示されていない状態では、表示装置26の表示部27には、中央の変動表示領域27aで識別情報が変動表示される。また、下部の左側の第1始動記憶表示領域27bには、記憶されている第1始動記憶(ここでは2つ)に対応する飾り特図始動記憶表示mが表示され、下部の右側の第2始動記憶表示領域27cには、記憶されている第2始動記憶(ここでは0)に対応する飾り特図始動記憶表示が表示される。さらに、上部の演出モード表示部27dには現在の演出モードが表示されるようになっており、ここでは第1演出モード(帝国モード)となっている。
そして、図46(b)に示すように切替可能なSPリーチ演出が開始されると、中央の変動表示領域27aであった場所が主となるリーチ演出であるメイン演出表示を表示する演出表示領域27eとされ、変動表示領域27aは上部の右側に移動する。ここでのリーチ演出は、帝国軍と同盟軍とが戦い、帝国軍が勝てば大当りであることが示され、帝国軍が負ければはずれとなることが示される演出となっている。遊技者が第1演出モードである帝国モードを選択している場合には、帝国軍側の視点での演出が行われ、帝国軍が勝てば大当りとなり、負ければはずれとなる。なお、第2演出モードである同盟モードを選択している場合には、同盟軍側の視点での演出が行われ、同盟軍が負ければ大当りとなり、勝てばはずれとなる。
図46(b)に示すように第1演出モードである帝国モードを選択している場合には、まず、リーチ演出として現在の演出モードである帝国モードに対応した変動演出パターンである帝国軍側の演出が表示される。そして、演出表示領域27eの一部に、切り替え先の演出表示(実行中の変動演出パターンに対応する変動演出パターン)であるサブ演出表示を表示するザッピングウインドウ27fが表示され、このザッピングウインドウ27fに同盟軍側の演出が表示される。このようにザッピングウインドウ27fに切り替え先の演出表示を表示することにより、遊技者が切替後の演出態様を即座に把握することができ、切替操作により任意の演出態様を選択することが可能となる。
遊技者が遊技演出ボタン17を操作すると、図46(e)に示すように演出表示領域27eに表示されるメイン演出表示が同盟軍側の演出に切り替わり、ザッピングウインドウ27fに表示されるサブ演出表示が帝国軍側の演出となる。ただし、リーチ演出の切り替えを行った場合でも演出モード自体は切り替わらずに第1演出モードである帝国モードのままとされる。このように遊技者が遊技演出ボタン17を操作する毎に帝国軍側の演出と同盟軍側の演出、すなわち第1演出モード用の変動演出パターンと第2演出モード用の変動演出パターンとを切り替えることが可能である。なお、帝国軍側の演出と同盟軍側の演出の進行は並行して行われ、切替後の演出態様は切替前の演出態様と同じ進行状態から開始される。これにより、演出表示の演出態様を切り替えたとしても変動パターンに変更を加えるといったような煩雑な処理をしなくて済むようになり、制御の負担を軽減することができる。
図46(d)に示すようにメイン演出表示として帝国軍側の演出が進行し、結果がはずれである場合は、図47(a)、(b)に示すように、帝国軍が負ける演出がなされ、図47(c)に示すように、はずれの結果態様が表示されて特図変動表示ゲームが終了する。その後、図47(d)に示すように次の特図変動表示ゲームが開始される。また、結果が大当りである場合は、図47(e)、(f)に示すように帝国軍が勝つ演出がなされ、図47(g)に示すように特別結果が表示されて、図47(h)に示すように特別遊技状態が開始される。
また、図46(g)に示すようにメイン演出表示として同盟軍側の演出が進行し、結果がはずれである場合は、図48(a)、(b)に示すように、同盟軍が勝つ(帝国軍が負ける)演出がなされ、図48(c)に示すように、はずれの結果態様が表示されて特図変動表示ゲームが終了する。その後、図48(d)に示すように次の特図変動表示ゲームが開始される。また、結果が大当りである場合は、図48(e)、(f)に示すように同盟軍が負ける(帝国軍が勝つ)演出がなされ、図48(g)に示すように特別結果が表示されて、図48(h)に示すように特別遊技状態が開始される。
また、図49(a)に示すように結果が大当りとなるリーチ状態となり、図49(b)、(c)に示すように切替可能なリーチ演出が行われている場合において遊技者が遊技演出ボタン17を操作すると、所定の確率で図49(d)に示すように切替時限定プレミア演出(特別演出態様、SP2変動演出パターンE又はSP3変動演出パターンE)に切り替わるようになっている。この切替時限定プレミア演出は上述した帝国軍側の演出や同盟軍側の演出とは異なる演出であって、大当りとなる場合のみ出現する演出である。また、切替時限定プレミア演出が選択された場合には、切り替えと同時に大当り確定報知音が出力される。このような切替時限定プレミア演出(特別演出態様)を設定することで、遊技者に驚きと喜びを与えることができる。また、切替時限定プレミア演出の出現を期待させることで、演出態様の切り替え操作を行うことを促すことができる。
なお、大当りの可能性の高さをザッピングウインドウ27fの枠の色により示唆するようにしても良い。また、切替時限定プレミア演出が選択された場合は、以降の切替操作を無効とするようにしても良い。また、切替時限定プレミア演出は、リーチ演出と同じ実行時間を有する演出でも良いし、切替操作時に所定時間表示されるもの(いわゆるカットイン)でも良いし、リーチ演出に特定の画像(背景やキャラクタ)を表示するものでも良い。
このように、遊技者の切替操作により演出表示態様が切り替わるので、遊技者を飽きさせることなく変動表示ゲームを繰り返し実行することが可能となり、遊技の興趣が向上する。また、切替操作毎に演出態様を切替可能なので、同一の変動表示ゲームで複数の演出態様を遊技者に見せることが可能となり、効果的に遊技の興趣を向上することができる。さらに、変動パターンの種類によって演出態様の切替制御の可否を設定しておくことで、演出態様の切替制御の制御負荷を軽減することができる。
以上のことから、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームの始動権利を発生させる始動入賞領域(特1始動口装置37、特2始動口装置40)と、変動表示ゲームの演出表示を行うための表示装置26とを備え、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームの結果が予め定めた特別結果となったことに基づき遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる遊技機において、遊技者が所定の切替操作を行うことが可能な操作部(遊技演出ボタン17)と、識別情報を変動表示するための複数の変動パターンの何れかによって変動表示ゲームを実行することが可能な変動表示ゲーム実行手段(遊技制御装置200)と、変動表示ゲーム実行手段が実行する変動パターンに対応する複数の演出態様の何れかにより演出表示を実行することが可能な演出表示手段(演出制御装置300)と、変動表示ゲーム中の切替操作に基づき、演出表示手段が実行中の演出表示の演出態様を切り替えることが可能な演出態様切替手段(演出制御装置300)と、を備え、変動パターンには、演出表示に単一の演出態様が対応付けられた第1変動パターンと、演出表示に複数の演出態様が対応付けられた第2変動パターンとを含み、演出態様切替手段は、第2変動パターンによる演出表示が実行されている場合に、当該演出表示の演出態様を実行中の変動パターンに対応する他の演出態様に切り替えるようにしたこととなる。
また、演出態様切替手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲーム中に設定される切替可能期間中の切替操作毎に、演出表示の演出態様を実行中の変動パターンに対応する他の演出態様に切り替えるようにしたこととなる。
また、切替可能期間は、変動表示ゲームが特別結果となる可能性があるリーチ状態となってから当該変動表示ゲームが結果を導出するまでの間に設定されるようにしたこととなる。
また、演出態様切替手段(演出制御装置300)は、演出表示の演出態様を他の演出態様に切り替える場合には、切替後の演出態様を切替前の演出態様と同じ進行状態から開始させるようにしたこととなる。
また、演出表示は、表示装置26の表示部27に主として表示されるメイン演出表示と、該表示部27の一部に縮小表示されるサブ演出表示とを含み、演出表示手段(演出制御装置300)は、実行中の演出表示をメイン演出表示として表示する一方、切替候補となる他の演出態様をサブ演出表示として表示し、演出態様切替手段(演出制御装置300)は、演出表示手段が表示部27に表示しているメイン演出表示とサブ演出表示とを入れ替えさせることで演出態様を切り替えるようにしたこととなる。
また、演出表示の演出態様には、変動パターンに対応せずに変動表示ゲームが特別結果となることを示唆する特別演出態様が含まれ、演出態様切替手段(演出制御装置300)は、特別結果となる変動表示ゲーム中に切替操作が行われた場合には、演出表示の演出態様を所定の確率で特別演出態様に切り替えるようにしたこととなる。
次に、特別変動入賞装置24を開放する特別結果となる特図変動表示ゲームにおいて、当該特別結果に基づく特別遊技状態における特別変動入賞装置24の開放回数を示唆する補助ゲームについて説明する。この補助ゲームに関する処理として、図43に示した変動中処理における補助ゲーム制御処理(ステップB215)において、図50に示す処理を行う。
補助ゲーム制御処理においては、まず、補助ゲーム中であるかを判定し(ステップB231)、補助ゲーム中でない場合(ステップB231;No)は、補助ゲーム用演出パターンであるかを判定する(ステップB232)。ここでの補助ゲーム用演出パターンとは、図44(b)に示すSP4変動演出パターン1(補助ゲーム用)である。この補助ゲーム用演出パターンでない場合(ステップB232;No)は、補助ゲーム制御処理を終了する。また、補助ゲーム用演出パターンである場合(ステップB232;Yes)は、進行情報設定済みであるかを判定する(ステップB233)。
進行情報とは、補助ゲームにおける獲得可能なポイントの上限値やポイントの獲得パターンを導出される特別結果に応じて設定した情報であり、この進行情報が設定済みである場合(ステップB233)は、補助ゲームの実行タイミングであるかを判定する(ステップB236)。また、進行情報が設定済みでない場合(ステップB233;No)は、大当りの種類に応じて獲得ポイント上限値を設定し(ステップB234)、大当りの種類に応じた獲得ポイント選択テーブルをセットして(ステップB235)、補助ゲームの実行タイミングであるかを判定する(ステップB236)。
大当りの種類に応じて獲得ポイント上限値を設定する処理(ステップB234)では、図51(a)に示す獲得ポイント上限値設定テーブルに従い、導出される特別結果に応じて上限値が設定される。ここで設定される上限値は、特別変動入賞装置24の開放回数に対応した上限値となっている。また、大当りの種類に応じた獲得ポイント選択テーブルをセットする処理(ステップB235)では、導出される特別結果の種類に応じて図51(b)から(e)の獲得ポイント選択テーブルをセットする。補助ゲームにおいてはこのテーブルに基づき、累積ポイントが上限値を超えないように獲得ポイントが決定される。すなわち、演出制御装置300が、変動表示ゲームの結果に基づき発生する特別遊技状態の種類に応じて補助ゲームで獲得可能なポイントの上限値を設定する上限値設定手段をなす。また、演出制御装置300が、補助ゲームにおいて獲得するポイントの累積値が上限値を超えないように当該補助ゲームの進行を規制する進行規制手段をなす。
図50に戻り、補助ゲームの実行タイミングである場合(ステップB236;Yes)は、補助ゲームの開始を設定し(ステップB237)、ポイント獲得演出期間中であるかを判定する(ステップB238)。また、補助ゲームの実行タイミングでない場合(ステップB236;No)は、ポイント獲得演出期間中であるかを判定する(ステップB238)。そして、ポイント獲得演出期間中でない場合(ステップB238;No)は、補助ゲーム期間が終了するかを判定する(ステップB239)。また、ポイント獲得演出期間中である場合(ステップB238;Yes)は、遊技演出ボタン17の操作があるかを判定する(ステップB239)。
遊技演出ボタン17の操作がない場合(ステップB239;No)は、累積ポイントが、図51(a)に示した獲得ポイント上限値設定テーブルに基づき設定された上限値であるかを判定する(ステップB245)。また、遊技演出ボタン17の操作がある場合(ステップB239;Yes)は、獲得ポイントに0をセットし(ステップB240)、演出ボタンの操作がポイントの獲得条件成立操作であるかを判定する(ステップB241)。
獲得条件成立操作でない場合(ステップB241;No)は、セットされた獲得ポイントに対応するポイント獲得演出を設定する(ステップB244)。この場合は、ポイントが獲得できなかった旨の演出が設定される。また、獲得条件成立操作である場合(ステップB241;Yes)は、獲得ポイント選択テーブルから獲得ポイントを選択しセットして(ステップB242)、累積ポイントに選択された獲得ポイントを加算する(ステップB243)。
その後、セットされた獲得ポイントに対応するポイント獲得演出を設定する(ステップB244)。この場合は、獲得ポイント選択テーブルから選択された獲得ポイントを獲得した旨の演出が設定されるとともに、累積ポイントを表示する累積ポイント表示領域27g(図52参照)に獲得したポイントを加算する演出が設定される。この累積ポイントは後の特別遊技状態での特別変動入賞装置24の開放回数を示唆するものである。すなわち、演出制御装置300が、補助ゲームにおいて操作部(遊技演出ボタン17)の操作により獲得したポイントの累積値を報知することが可能な累積ポイント報知手段をなす。また、演出制御装置300が、累積ポイント報知手段により報知された累積ポイントに対応する回数の特別変動入賞装置24の開状態への変換を示唆する開放示唆手段をなす。
そして、累積ポイントが、図51(a)に示した獲得ポイント上限値設定テーブルに基づき設定された上限値であるかを判定し(ステップB245)、上限値である場合は、ポイント獲得期間終了演出を設定する(ステップB248)。また、上限値でない場合(ステップB245;No)は、ポイント獲得演出期間が終了したかを判定する(ステップB246)。ポイント獲得演出期間が終了していない場合(ステップB246;No)は、補助ゲーム制御処理を終了する。また、ポイント獲得演出期間が終了した場合(ステップB246;Yes)は、上限値から累積ポイントを減算した分のポイント加算演出を設定し(ステップB247)、ポイント獲得期間終了演出を設定する(ステップB248)。すなわち、演出制御装置300が、累積ポイントが上限値に到達せずに補助ゲームのポイント獲得期間が終了した場合に、その差分となるポイントの獲得を演出する追加演出(加算演出)を行う追加演出手段をなす。ここで設定された加算演出は、特別遊技状態の開始前や特別遊技状態中に行われる。この実行タイミングは特別結果の種類や累積ポイント値等により選択される。
その後、補助ゲーム期間が終了するかを判定し(ステップB239)、終了する場合(ステップB249;Yes)は、補助ゲームの終了を設定して(ステップB250)、補助ゲーム制御処理を終了する。また、終了しない場合(ステップB249;No)は、補助ゲーム制御処理を終了する。この場合、次回の補助ゲーム制御処理において補助ゲーム中である(ステップB231;Yes)と判定され、ステップB238以降の処理が行われる。すなわち、演出制御装置300が、特別結果となる変動表示ゲームの実行中に操作部(遊技演出ボタン17)の操作に応じてポイントを獲得可能な補助ゲームを実行することが可能な補助ゲーム実行手段をなす。
図52から図55には、補助ゲームの一例を示した。ここでは特別変動入賞装置24が27回開放される特別結果(確変9R大当り)となる特図変動表示ゲームにおける補助ゲームを示した。演出変動パターンとしてSP4変動演出パターン1(補助ゲーム用)が選択された特図変動表示ゲームにおいて、図52(a)に示すように変動表示が行われている状態から、所定の補助ゲーム実行タイミングとなると図52(b)に示すように表示が切り替わり、図52(c)に示すように補助ゲームが開始される。
図52(c)に示すように補助ゲームが開始された時点で変動表示領域27aは縮小表示される。すなわち、演出制御装置300が、補助ゲームの実行中において識別情報の変動表示を縮小表示することが可能な縮小表示手段をなす。また、識別情報が特別結果(ここでは「135」と「246」)となった状態で変動表示が行われる特殊態様(ここではいわゆる全回転リーチ)となり、大当りとなることが示唆される。なお、特殊態様は、ここで示したように、複数の識別情報が複数種類の特別結果を構成した状態で変動表示を行う態様(いわゆる全回転リーチ)の他、特定の種類の特別結果を表示した状態で揺れるように変動表示する態様など、特別結果となることを示唆するものであれば何でも良い。このように特殊態様を表示することで、補助ゲームの発生と特別遊技状態の発生とが関連したものであることを遊技者に把握させることができる。
ここでの補助ゲームは、敵機27hを撃墜することでポイントが獲得できるゲームであって、図52(d)に示すように演出表示領域27e内を移動する敵機27hが、図52(e)に示すように中央の照準に合致した際に遊技者が遊技演出ボタン17を操作(獲得条件成立操作)することで、図52(f)に示すように敵機27hが撃墜され、図52(g)に示すようにポイントが付与される。このようにして獲得されたポイントの累積値である累積ポイントは、累積ポイント表示領域27gに表示される。
図52(h)、図53(a)から(c)に示すようにゲームが継続し、図53(c)に示すように、特別結果に応じた上限値(ここでは27ポイント)に到達すると、図53(d)に示すように補助ゲームが終了し、図53(e)に示すように累積ポイントが表示される。この累積ポイントは後の特別遊技状態での特別変動入賞装置24の開放回数を示唆するものであり、少なくとも27回の開放が行われることを示唆している。
その後、図53(f)に示すように識別情報の変動表示速度が徐々に遅くなり、図53(g)に示すように結果態様が表示されて特図変動表示ゲームが終了し、図53(h)に示すように特別遊技状態が開始される。ここでの特別遊技状態では、ラウンド遊技を9ラウンド行い、特別変動入賞装置24が27回開放される。
図54には、所定の補助ゲーム期間においてポイントを上限値まで獲得できなかった例を示した。図54(a)から(c)に示すように補助ゲームを行ったが、獲得ポイントが上限値(ここでは27ポイント)に到達せず、図54(d)に示すように補助ゲーム期間が終了した場合は、図54(e)に示すように、現時点での獲得ポイントで補助ゲームが終了する。その後、図54(f)に示すように識別情報の変動表示速度が徐々に遅くなり、図54(g)に示すように結果態様が表示される際に、上限値までの不足分のポイントを加算する加算演出(追加演出)が行われる。すなわち、特別遊技状態の開始前に加算演出が行われる。そして、図54(h)に示すように特別遊技状態が開始される。なお、特別遊技状態の開始前に不足分のポイントを加算するとしたが、特別遊技状態中に加算するようにしても良い。
図55にも所定の補助ゲーム期間においてポイントを上限値まで獲得できなかった例を示した。図55(a)に示すように、この場合も獲得ポイントが上限値(ここでは27ポイント)に到達せず、現時点での獲得ポイントで補助ゲームが終了している。ただし、この場合の獲得ポイントは、今回の特別結果に対応するラウンド数である9ラウンドよりも下のランクとなる特別結果でのラウンド数である6ラウンドを示唆する18ポイントとなっている。
この場合は、図55(b)、(c)に示すように特別結果も6ラウンドの大当りに対応する結果態様とし、図55(d)、(e)に示すように、特別遊技状態での演出態様も6ラウンドの大当りに対応するものとする。すなわち、特別遊技状態の開始前に加算演出(追加演出)が行なわれない。そして、図55(f)に示すように、補助ゲームで示唆された開放回数となる18回目の開放が終了した際に、図55(g)に示すように不足分のポイントが加算され、図55(h)に示すように特別遊技状態が継続される。すなわち、特別遊技状態中に加算演出(追加演出)が行われる。このように、特別遊技状態の終了を匂わせるタイミングで加算演出を行うことで、加算演出の演出効果が向上する。
なお、図55の例においては加算演出(追加演出)を特別遊技状態中に実行するとしたが、この例においても特別遊技状態の開始前に加算演出行うことも可能とし、この例のように累積ポイントが導出される特別結果に対応するラウンド数よりも下のランクとなる特別結果でのラウンド数を示唆する値である場合には、特別遊技状態の開始前よりも特別遊技状態中に高い確率で実行するようにしても良い。また、特別遊技状態中に加算演出を実行する場合に、累積ポイントに対応する開放(ここでは18回目の開放)の終了時に加算演出を実行するとしたが、累積ポイントに対応する開放の終了時以前に加算演出を実行するようにしても良い。また、一度の加算演出で不足分を全て加算するのではなく、数回に分けて加算するようにし、ランクが徐々に上がるように演出しても良い。このように、ポイントの獲得状態と異なる種類の特別遊技状態のポイント上限値とを関連付けて加算演出の発生タイミングに偏りを持たせることで、特別遊技状態の成り上がり感を持たせ、効果的に興趣を向上させることができる。
上述のような補助ゲームを行うことで、補助ゲームにおいて獲得したポイントにより特別遊技状態の種類(特別変動入賞装置24の開放回数)が示唆されるので、補助ゲームの発生に対する遊技者の期待感を向上させることができる。また、補助ゲームへの遊技者の参加意欲を高めることも可能となる。また、報知された累積ポイントに対応する回数の特別変動入賞装置24の開状態への変換が示唆されるので、遊技者が遊技演出ボタン17を積極的に操作するようになる。また、加算演出を行うことで遊技者が得をした感じになるし、加算演出のタイミングを変化させることで遊技者を一喜一憂させることができる。
なお、補助ゲームは、結果により開放回数を示唆するものであればどのような内容でも良い。さらに、特別結果とならない場合にも補助ゲームを実行するようにしても良く、この場合は、例えば累積ポイントが0ポイントとなるような演出を行うようにする。また、操作部は、遊技者の操作を受け付けることができるものであれば何でも良く、遊技演出ボタン17のようなボタンの他、タッチセンサや所定空間内での遊技者の手の動きを検出可能なセンサなどを用いても良い。
以上のことから、始動入賞領域(特1始動口装置37、特2始動口装置40)への遊技球の入賞に基づき表示装置(特図1表示器、特図2表示器、表示装置26)で複数の識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行し、該変動表示ゲームが特別結果となった場合に、遊技者に付与される遊技価値が異なる複数種の特別遊技状態の何れかを発生する遊技機において、遊技者が操作することが可能な操作部(遊技演出ボタン17)と、特別結果となる変動表示ゲームの実行中に操作部の操作に応じてポイントを獲得可能な補助ゲームを実行することが可能な補助ゲーム実行手段(演出制御装置300)と、変動表示ゲームの結果に基づき発生する特別遊技状態の種類に応じて補助ゲームで獲得可能なポイントの上限値を設定する上限値設定手段(演出制御装置300)と、補助ゲームにおいて獲得するポイントの累積値が上限値を超えないように当該補助ゲームの進行を規制する進行規制手段(演出制御装置300)と、補助ゲームにおいて操作部の操作により獲得したポイントの累積値を報知することが可能な累積ポイント報知手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
ここで、遊技価値とは、特別遊技状態で獲得可能な遊技球(賞球)の数や、特別遊技状態の終了後に始動入賞領域への入賞の容易さ(いわゆる時短状態の発生の有無)、特別遊技状態の終了後に変動表示ゲームで特別結果が導出される確率の高さ(いわゆる確変状態の発生の有無)などである。また、操作部は、遊技者の操作を受け付けることができるものであれば何でも良く、ボタンやタッチセンサ、所定空間内での遊技者の手の動きを検出可能なセンサなどが挙げられる。
したがって、補助ゲームにおいて獲得したポイントにより特別遊技状態の種類が示唆されるので、補助ゲームの発生に対する遊技者の期待感を向上させることができる。また、補助ゲームへの遊技者の参加意欲を高めることも可能となる。
また、複数種の特別遊技状態は、変動入賞装置(特別変動入賞装置24)を閉状態から開状態に変換する開放回数がそれぞれ異なり、上限値設定手段は、特別遊技状態における変動入賞装置の開放回数に対応するポイント数を上限値に設定するようにしたこととなる。
したがって、補助ゲームによってこれから発生する特別遊技状態における変動入賞装置の開放回数を予め示唆することが可能となり、遊技の興趣が向上する。
また、累積ポイント報知手段(演出制御装置300)により報知された累積ポイントに対応する回数の特別変動入賞装置24の開状態への変換を示唆する開放示唆手段(演出制御装置300)と、累積ポイントが上限値に到達せずに補助ゲームのポイント獲得期間が終了した場合に、その差分となるポイントの獲得を演出する追加演出を行う追加演出手段(演出制御装置300)と、を備え、追加演出手段は、特別遊技状態の開始前又は特別遊技状態中に追加演出を行うようにしたこととなる。
したがって、報知された累積ポイントに対応する回数の特別変動入賞装置24の開状態への変換が示唆されるので、遊技者が操作部を積極的に操作するようになる。また、追加演出を行うことで遊技者が得をした感じになるし、追加演出のタイミングを変化させることで遊技者を一喜一憂させることができる。
また、追加演出手段(演出制御装置300)は、補助ゲームの終了時点で報知されている累積ポイントが、これから発生する特別遊技状態よりも特別変動入賞装置24の開放回数が少ない特別遊技状態に対応する累積ポイントの上限値と一致する場合には、追加演出を特別遊技状態中に実行又は特別遊技状態の開始前よりも特別遊技状態中に高い確率で実行するようにしたこととなる。
したがって、ポイントの獲得状態と異なる種類の特別遊技状態のポイント上限値とを関連付けて追加演出の発生タイミングに偏りを持たせることで、特別遊技状態の成り上がり感を持たせ、効果的に興趣を向上させることができる。
また、追加演出手段(演出制御装置300)は、特別遊技状態中の追加演出を補助ゲームの終了時点で報知されている累積ポイントに対応する回数の特別変動入賞装置24の開状態の変換が終了したタイミングで実行するようにしたこととなる。
したがって、特別遊技状態の終了を匂わせるタイミングで追加演出を行うことで、追加演出の演出効果が向上する。
また、補助ゲームの実行中において識別情報の変動表示を縮小表示することが可能な縮小表示手段(演出制御装置300)を備え、縮小表示手段は、変動表示ゲームが特別結果となることを示唆する特殊態様で縮小表示させた識別情報を変動表示させるようにしたこととなる。
ここで、特別結果となることを示唆する特殊態様とは、複数の識別情報が、複数種類の特別結果を構成した状態で変動表示を行う態様(いわゆる全回転リーチ)や、特定の種類の特別結果を表示した状態で揺れるように変動表示する態様などである。
したがって、補助ゲームの発生と特別遊技状態の発生とが関連したものであることを遊技者に把握させることができる。
次に、前述の1stメイン処理におけるモータ/SOL制御処理(ステップB13)の詳細について説明する。図56に示すように、モータ/SOL制御処理においては、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技の進行状態に応じて各可動演出装置による演出動作を制御することが可能な演出装置制御手段として機能して、上部可動演出装置107の演出動作の設定を行う上部可動演出処理(ステップD1)、下部可動演出装置108の演出動作の設定を行う下部可動演出処理(ステップD2)、左側部可動演出装置111の演出動作の設定を行う左側部可動演出処理(ステップD3)、右側部可動演出装置112の演出動作の設定を行う右側部可動演出処理(ステップD4)を行う。さらに、送風装置114の動作を設定する送風動作処理(ステップD5)を行い、次いで、上記各ステップで設定された内容に基づいて各可動演出装置の駆動源(モータやソレノイド)を動作させるモータ/SOL動作処理(ステップD6)を実行し、モータ/SOL制御処理を終了する。
ここで、各可動演出装置は、図57に示すように、3段階(「高」・「中」・「低」)に分けて演出動作の実行割合(確率)が設定される。具体的に説明すると、下部可動演出装置108においては、通常遊技状態および電サポ状態(特定遊技状態)の場合には「高」に設定され、はずれ、ノーマルリーチ、SP1〜3リーチの各変動パターンに対応して動作する。また、左側部可動演出装置111においては、通常遊技状態および電サポ状態の場合には「中」に設定されて、ノーマルリーチ、SP1〜3リーチの各変動パターンに対応して動作する。さらに、右側部可動演出装置112においては、通常遊技状態の場合には「低」に設定されて、SP2リーチ以上の各変動パターンに対応して動作する一方、電サポ状態の場合には「高」に設定されて、変動パターンとは無関係に定期的(周期的)に動作する。そして、上部可動演出装置107においては、通常遊技状態および電サポ状態の場合には「低」に設定されて、SP2リーチ以上の各変動パターンに対応して動作する。なお、右側部可動演出装置112については、電サポ状態での実行割合の設定を「低」にして、SP3リーチ以上に限定して設定されるレアタイミング時にだけ動作する等のように変動パターンに応じて動作させてもよい。
次に、モータ/SOL制御処理のうち、右側部可動演出処理(ステップD4)および送風動作処理(ステップD5)について説明する。
右側部可動演出処理(ステップD4)における演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311は、図58に示すように、まず、遊技状態が電サポ状態であるかを判定する(ステップD11)。ステップD11で、電サポ状態であると判定した場合(ステップD11;Yes)には、客待ち状態であるかを判定し(ステップD12)、客待ち状態でないと判定した場合(ステップD12;No)には、右側部可動演出部材112bの往動(右側部待機位置RWから右側部動作位置RMへの移動)を実行する条件が成立しているか(具体的には、右側部可動演出部材112bが右側部待機位置RWに位置していたり、あるいは、右側部待機位置RWに位置した状態で右側部可動演出部材112bの往動タイミングが到来したりしたか等)を判定し(ステップD13)、往動条件が成立していると判定した場合(ステップD13;Yes)には、右側部可動演出部材112bの往動時の動作スピード(言い換えると、演出動作の開始時に右側部待機位置RWから右側部動作位置RMへ移動する往動速度)を設定して、右側部可動演出部材112bを往動させる準備を行う(ステップD14)。
ステップD14で右側部可動演出部材112bの往動速度を設定した後、または、ステップD12で客待ち状態であると判定した場合(ステップD12;Yes)、または、ステップD13で往動条件が成立していないと判定した場合(ステップD13;No)には、右側部可動演出部材112bの復動(右側部動作位置RMから右側部待機位置RWへの移動)を実行する条件が成立しているか(具体的には、右側部可動演出部材112bが右側部動作位置RMに位置していたり、あるいは、右側部動作位置RMに位置した状態で右側部可動演出部材112bの復動タイミングが到来したりしたか等)を判定し(ステップD15)、復動条件が成立していると判定した場合(ステップD15;Yes)には、右側部可動演出部材112bの復動時の動作スピード(言い換えると、演出動作の終了時に右側部動作位置RMから右側部待機位置RWへ復帰する復動速度)を設定して、右側部可動演出部材112bを復動させる準備を行う(ステップD16)。そして、ステップD16で右側部可動演出部材112bの復動速度を設定した後、または、ステップD15で復動条件が成立していないと判定した場合(ステップD15;No)には、右側部可動演出処理を終了する。
また、ステップD11で電サポ状態ではないと判定した場合(ステップD11;No)には、右側部可動演出部材112bの動作を予定している変動演出パターンに対応する演出(変動表示ゲームやリーチ演出等)が開始しているかを判定し(ステップD17)、前記演出が開始していると判定した場合(ステップD17;Yes)には、右側部可動演出部材112bの動作を開始するまでの時間および動作態様を設定する(ステップD18)。さらに、ステップD18で右側部可動演出部材112bの動作に関する設定を終了した後、または、ステップD17で前記演出が開始していないと判定した場合(ステップD17;No)には、右側部可動演出処理を終了する。
そして、右側部可動演出処理における演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311は、ステップD14で設定される右側部可動演出部材112bの往動速度と、ステップD16で設定される右側部可動演出部材112bの復動速度とを異ならせて設定し、例えば、往動速度を復動速度よりも速く設定する。具体的には、往動速度を往動が3秒で完了するスピードに設定する一方、復動速度を復動が4秒で完了するスピードに設定する。また、復動が完了した右側部可動演出部材112bが右側部待機位置RWで待機して次回の往動を開始するまでの時間(例えば、3秒)を設定する。このようにして右側部可動演出部材112bが往動速度と復動速度とが異なる設定で演出動作を行えば、右側部可動演出部材112bの一方の動作(往動動作)で発生した空気の流れが、右側部可動演出部材112bが他方の動作(復動動作)を行ったとしても静まり難い。したがって、往動速度と復動速度とを同じ速度とする場合に比べて、右側部可動演出部材112bが配設空間部76内の空気を一方向に流し易い動作を実行することができ、配設空間部76に溜まった熱の放出効率を高めることができる。この結果、特2始動口装置40の普電ソレノイド73の故障や動作不良を回避することが可能となる。しかも、往動速度を復動速度よりも速く設定しているので、配設空間部76に溜まった熱を一層効率よく放出することができる。
送風動作処理(ステップD5)における演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311は、送風装置114を制御することが可能な送風制御手段として機能し、図59に示すように、まず、遊技状態が電サポ状態であるかを判定する(ステップD21)。ステップD21で、電サポ状態であると判定した場合(ステップD21;Yes)には、右側部可動演出部材112b(右側部可動演出装置112)が動作中であるかを判定し(ステップD22,D23)、動作中(詳しくは、往動中)であると判定した場合(ステップD23;Yes)には、送風装置114の送風動作を設定し(ステップD24)、動作中ではないと判定した場合(ステップD23;No)には、送風装置114の停止を設定する(ステップD25)。そして、ステップD24で送風装置114の送風動作を設定した後、または、ステップD25で送風装置114の停止を設定した後、または、ステップD21で電サポ状態ではないと判定した場合(ステップD21;No)には、送風動作処理を終了する。このようにして右側部可動演出部材112bの右側部待機位置RWから右側部動作位置RMへの移動に合わせて送風装置114を駆動するように設定したことにより、配設空間部76から演出空間部77に向けて一方向の空気の流れを十分に発生させることができ、配設空間部76からの放熱効率を一層高めることができる。また、右側部可動演出装置112の動作と送風装置114の動作とが互いに阻害し合うことがなく、両装置の故障等も防止できる。なお、ステップD23においては、右側部可動演出部材112bが往動中であるか否かを判定することに限らず、復動中であるかを判定したり、あるいは、往動中または復動中であるかを判定したりして、その判定結果に基づいて送風装置114の動作設定を行ってもよい。
また、本実施形態では、特1始動口への入賞に対し、遊技者には3個の賞球が払いだされ、特2始動口71への入賞に対し、1個または2個の賞球が払い出される設定になっている。さらに、通常遊技状態においては、図60(a)および図61(a)に示すように、普図変動表示ゲームの変動時間は30秒に設定され、普図変動表示ゲームの当りの確率は10/128に設定されている。また、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって実行される普通電動役物72の動作態様は、0.5秒間の開放を1回実行する設定になっている。そして、普図変動表示ゲームの変動時間中には、右側部可動演出装置112が所定の確率、具体的には、図57に示す「低」の実行割合に基づいて演出動作(本実施形態では、右側部可動演出部材112bの往復を2回実行する動作)を行い、送風装置114を駆動しない。一方、電サポ状態においては、図60(a)および図61(b)に示すように、普図変動表示ゲームの変動時間は、通常遊技状態時よりも短い0.5秒に設定され、普図変動表示ゲームの当りの確率は、通常遊技状態時よりも高い127/128に設定されている。また、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって実行される普通電動役物72の動作態様は、5.5秒間の開放を1回実行する設定になっている。そして、普図変動表示ゲームの変動時間中には、右側部可動演出装置112が通常遊技状態時よりも高い頻度で演出動作(本実施形態では、右側部可動演出部材112bの往復を3回以上実行する動作)を所定の周期(本実施形態では、10秒に1回の往復動作が実施される程度の周期)で行う。なお、電サポ状態において普通電動役物72の開放回数を複数回に設定してもよく、それぞれの開放時間を異ならせてもよい。また、普図変動表示ゲームの変動時間を複数パターン設定してもよい。
このように、特2始動口装置40の普電ソレノイド73が駆動して発熱し易い電サポ状態(特定遊技状態)において、右側部可動演出装置112の演出動作が高頻度となることで、演出空間部77内の空気と配設空間部76内の空気とを十分に攪拌することができ、普電ソレノイド73の大幅な温度上昇による故障を防止することができる。また、電サポ状態であることを右側部可動演出装置112の演出動作により盛り上げて遊技の興趣を向上させることができる。さらに、右側部可動演出装置112においては、通常遊技状態中には所定確率で演出動作を行う一方、電サポ状態中には所定周期で演出動作を行うので、特2始動口装置40の普電ソレノイド73の故障や動作不良を回避しながらも、遊技者が電サポ状態中であることを把握し易い遊技進行を実現することができる。
なお、普図変動表示ゲームの変動時間、普図変動表示ゲームの当り確率、普通電動役物72の動作態様は、特1始動口および特2始動口71への入賞に対する賞球の設定などとともに、上記設定とは異なる設定にしてもよい。図60(b)に示す例示では、特1始動口および特2始動口71への入賞に対する賞球をそれぞれ3個に設定しており、通常遊技状態においては、普図変動表示ゲームの変動時間が30秒に設定され、普図変動表示ゲームの当りの確率が10/128に設定されている。また、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって実行される普通電動役物72の動作態様は、0.5秒間の開放を1回実行する設定になっている。一方、電サポ状態においては、普図変動表示ゲームの変動時間は、通常遊技状態時よりも短い1秒に設定され、普図変動表示ゲームの当りの確率は、通常遊技状態時よりも高い127/128に設定されている。また、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって実行される普通電動役物72の動作態様は、1.8秒間の開放を3回実行する設定になっている。なお、トータルの開放時間を変えずに普通電動役物72の3回の開放時間をそれぞれ異ならせるようにしてもよく、開放回数を1回としてもよい。また、普図変動表示ゲームの変動時間を複数パターン設定してもよい。
さらに、図60(c)に示す例示では、通常遊技状態において普図変動表示ゲームでの当りを発生させない(例えば、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数の当り判定は実行するが、この当り判定用乱数が乱数範囲から外れた値に設定する)状態に設定しており、特図変動表示ゲームの結果として発生する大当たり状態の終了後、直ちに電サポ状態における普図変動表示ゲームの実行および普通電動役物72の動作が行われるようになっている。そして、通常遊技状態においては、普図変動表示ゲームの変動時間が1秒に設定され、普図変動表示ゲームの当りの確率が0/128に設定されている。一方、電サポ状態においては、普図変動表示ゲームの変動時間は、通常遊技状態時と同じ1秒に設定され、普図変動表示ゲームの当りの確率は、通常遊技状態時よりも高い127/128に設定されている。また、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって実行される普通電動役物72の動作態様は、1.8秒間の開放を3回実行する設定になっている。なお、トータルの開放時間を変えずに普通電動役物72の3回の開放時間をそれぞれ異ならせるようにしてもよく、開放回数を1回としてもよい。また、普図変動表示ゲームの変動時間を複数パターン設定してもよい。
そして、図60に示す3つの設定では、図60(c)の設定において普電ソレノイド73の発熱が最も少なく、次いで図60(b)の設定、図60(a)の設定の順で発熱が多くなる。したがって、図60(a)で示した設定において、普電ソレノイド73の熱による異常動作や故障を回避する策が講じられていることは好適である。なお、電サポ状態時に普図変動表示ゲームの結果が当りとなって実行される普通電動役物72の動作態様は、開放時間と実行回数との組み合わせを予め複数組準備しておき、遊技進行などの状況に応じて任意の組み合わせ設定を採用するようにしてもよい。
次に、パチンコ遊技機の第2実施形態を図面に基づき説明する。
第2実施形態のパチンコ遊技機1は、基本的には第1実施形態と同じであるが、遊技者とパチンコ遊技機1との距離を測定可能な測距モジュール701(測距手段)を備えている点、遊技制御装置200の基板に工夫を施した点などで異なる。具体的に説明すると、パチンコ遊技機1は、図62から図64に示すように、矩形状の機枠(外枠)2の一側(図62中、左側)に前面枠(内枠)3を開閉可能な状態で軸着し、該前面枠3のベースとなる略額縁状の前面枠本体4には、表面に遊技領域5が区画形成された矩形状の遊技盤6(図64参照)を収納可能としている。また、前面枠本体4の表面のうち機枠2への軸着側(図62中、左側)には透明部材保持枠8を開閉可能に設け、該透明部材保持枠8に透視可能な透明部材9を保持し、透明部材9を通して遊技領域5をパチンコ遊技機1の前方から透視できるように構成している。さらに、透明部材保持枠8の上部には、発光装飾可能な枠装飾装置10と、効果音を発する上スピーカ11とを備え、透明部材保持枠8の下部には上皿ユニット13を備え、透明部材保持枠8の下方には下皿ユニット14を上皿ユニット13に対して左右方向にずれた位置に配置している。また、下皿ユニット14の一側方(図62中、右側方)には、発射装置(図示せず)を操作するための発射操作ユニット(発射操作ハンドル)15を備え、両側方には、効果音を発する下スピーカ16を備えている。そして、上皿ユニット13の前側上面には、遊技中に遊技者が操作するための遊技演出ボタン17を備え、上皿ユニット13の前縁部には、測距モジュール701をモジュール保護カバー702で被覆した状態で備えている。さらに、透明部材保持枠8のうち透明部材9を挟んで軸着側とは反対側の側縁部(図62中、右側縁部)には縦長な側縁突出部703を突設している。なお、測距モジュール701については、後で詳細に説明する。
また、図63に示すように、前面枠本体4の裏面側には機構取付部706を形成し、該機構取付部706に略矩形状の開口窓部707を開設し、前面枠本体4に遊技盤6を前方から交換可能な状態で取り付けるとともに、遊技盤6の後部(裏面側部)を開口窓部707から後方へ臨ませている。さらに、機構取付部706には一連の裏機構部品を設けている。具体的に説明すると、機構取付部706の上部には球払出機構708、外部情報端子板281を取り付け、下部にはサブ制御装置の一種である払出制御装置280、電源装置500、中継基板283、ユニット接続端子板710等をそれぞれ取り付けている。球払出機構708は、上流側から順に、球導出シュートを下部に備えた球タンク711、球タンク711の球導出シュートから遊技球を案内する案内流路712、案内流路712の下端に接続された球払出装置713、球払出装置713から流下した遊技球を上皿ユニット13へ送る球流下路714等を並べて構成されており、払出制御装置280からの制御信号に基づいて遊技球の排出を実行するように構成されている。
そして、遊技盤6の裏面のうち、機構取付部706の開口窓部707から臨む部分に、裏面構成部材25を配置し、裏面構成部材25の上側に位置する制御ベースユニット98には、略矩形状の大きなユニットカバー716を演出制御装置300(表示ユニット28)の後方から装着し、裏面構成部材25の下側に位置する入賞球回収ユニット99の裏面側には、メイン制御装置である遊技制御装置200を着脱可能な状態で装着している。
なお、第2実施形態においては、パチンコ遊技機1と、該パチンコ遊技機1の一側方(図62中、左側方)に配置された縦長な貸出ユニット720とにより遊技装置721を構成している。貸出ユニット720は、前面の上部に紙幣受入部723を設け、前面の下部にはビジターカードや会員カード等の記憶媒体を挿入可能なカードリーダライタ724を設け、前面の上下方向の中央にはタッチパネル式の貸出表示装置725を備え、該貸出表示装置725の前面側の下部には複数の操作スイッチ(画面切替スイッチ、遊技中断スイッチ、持球払出スイッチ、貯球払出スイッチ)726を備えている。また、貸出ユニット720の内部には、当該貸出ユニット720を制御する球貸制御部(図示せず)を内蔵し、該球貸制御部にカードリーダライタ724、紙幣受入部723、貸出表示装置725、操作スイッチ726、さらには、パチンコ遊技機1内の払出制御装置280や、透明部材保持枠8の下部に設けられた球貸スイッチ728、カード返却スイッチ729、残額表示器(図示せず)等を接続している。そして、球貸制御部と払出制御装置280との間で指令信号の送受信を行って球払出機構708から貸球としての遊技球を払い出したり、あるいは上皿ユニット13へ延設された誘導流路部材731を通して貸出ユニット720から上皿ユニット13へ持球または貯球としての遊技球を払い出したりするように構成されている。
また、遊技機設置島設備のうちパチンコ遊技機1の上方には呼出ランプユニット734を配置し、パチンコ遊技機1の下方には、貸出ユニット720に接続される球計数ユニット735を配置し、遊技機設置島設備の内部にはアウトタンク装置736を配置している。呼出ランプユニット734は、台番号表記プレート734a、呼出表示器734b、呼出ボタン734c、画面切替ボタン734dを備え、遊技者による呼出ボタン734cや画面切替ボタン734dの操作に基づいて呼出表示器734bが発光したり、あるいはパチンコ遊技機1に関する遊技情報(変動表示ゲームのゲーム回数や大当たり回数等)を表示したりするように構成されている。球計数ユニット735は、下皿ユニット14の下方に受入口が開放された球導入部738と、該球導入部738に導入された遊技球を貸出ユニット720側(図62中、左側)に向かって流下させる球整列部739と、該球整列部739内を流下してきた遊技球を計数する計数器740とを備えている。そして、遊技者が下皿ユニット14の球抜操作部741を操作して下皿ユニット14内の遊技球が下方へ排出されると、この排出された遊技球が球導入部738内に落下し、球整列部739を通って整列し、この整列状態で計数器740に到達して計数されるように構成されている。
そして、パチンコ遊技機1からは、賞球(セーフ数)信号、特賞信号、確変・時短信号、スタート信号、始動入賞信号、図柄確定信号、扉開放信号、固体識別情報信号等が出力情報として外部(例えば、遊技店内に設置された管理装置)へ出力可能である。また、貸出ユニット720においては、カード情報、入金額情報、貸出情報、貯球払出情報、持球払出情報等がユニット出力情報として外部(管理装置やパチンコ遊技機1等)へ出力可能であり、計数信号、貸出信号、返却(終了)信号等がユニット入力情報として外部から入力可能である。また、アウトタンク装置736からは、回収(アウト数)信号が出力情報として外部(管理装置)へ出力可能である。
遊技盤6の表面には、図64に示すように、枠状の区画部材32を止着して遊技領域5を区画形成し、遊技領域5の中央部分には、表示装置26を前方に臨ませたセンターケース(前面構成部材)21を配置し、遊技領域5のうちセンターケース21の一側方(図64中、左側方)には普図始動ゲート22を配置し、遊技球の普図始動ゲート22への入賞(通過)を始動条件(普図始動条件)として普図変動表示ゲームを実行可能としている。また、センターケース21の下方には上側の特1始動口装置(第1始動入賞口)37と下側の特2始動口装置(第2始動入賞口)40とを縦方向に並べて備え、遊技球の特1始動口装置37または特2始動口装置40への入賞を始動条件(特図始動条件)として特図変動表示ゲームを実行可能としている。さらに、特2始動口装置40の下方には、特図変動表示ゲームが特別結果となった場合に閉状態から開状態に変換する特別変動入賞装置24を配置している。また、特別変動入賞装置24の左右両側方には、一般入賞具38を備えた装飾ランプ39を配置し、特別変動入賞装置24の下方に位置する遊技領域5の下端には、入賞せずに流下してきた遊技球を回収するアウト口41を開設している。そして、区画部材32の一側の下部(図64中、右下部)には一括表示装置42を備え、該一括表示装置42において普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム、遊技状態の表示等を行う。また、センターケース21の上部には、特図変動表示ゲームが特別結果となった場合に閉状態から開状態に変換する上側特別変動入賞装置745を備えている。
次に、遊技制御装置200の本体である遊技制御基板(制御基板)750について説明する。なお、遊技制御装置200は、図65に示すように、透光性を有して内部を透視可能な樹脂製(例えば無色透明な樹脂製)の基板ケース751(第1ケース部材751aおよび第2ケース部材751b)と、該基板ケース751内に収容された矩形状の遊技制御基板750と、第1ケース部材751aと第2ケース部材751bとに跨って貼着されることで基板ケース751を封止する封印シール752と、該封印シール752を被覆するシール保護カバー753とを備えて構成されている。また、封印シール752には、遊技制御装置200が正規品であることを示すホログラムや、遊技制御装置200の識別番号が記載されているが、識別情報を発信可能なICタグを設けてもよい。
遊技制御基板750は、図66から図70に示すように、プリント基板755に複数の電子部品(アミューズチップ757、コンデンサ758、フィルタ759、抵抗アレイ760、コネクタ761、トランジスタアレイ762等)を実装して構成されている。プリント基板755は、樹脂被膜765で被覆された所定の配線パターン766を表裏両面に形成し、電子部品を実装する実装領域767には複数のスルーホール768を開設し、該スルーホール768に電子部品のリードピン769を挿入した状態で半田付けして電子部品を実装するように構成されている(図69および図70参照)。また、スルーホール768の内周面および周辺を銅箔で覆って配線パターン766に導通させ、スルーホール768の開口縁(詳しくはプリント基板755の表裏両面側に形成される各開口縁)に位置する銅箔を樹脂被膜765で被覆せずに露出させて円環状や矩形状のランド770を形成し、リードピン769とスルーホール768内の銅箔およびランド770とを半田付けすることにより、配線パターン766と電子部品とを導通可能としている。なお、説明の便宜上、プリント基板755の表裏両面のうち電子部品が位置する側を電子部品実装面(表面)755aと称し、リードピン769の先端が突出する側をピン突出面(裏面)755bと称す。
プリント基板755に実装される電子部品のうち、SIP(Single Inline Package)部品で構成されたトランジスタアレイ762は、図67(a)および(b)に示すように、内部に複数の素子が封入された短冊状の部品本体762aを備え、該部品本体762aの側面(実装状態においてプリント基板755に対して起立姿勢となる側面)には所定の識別子(本実施形態では型番やロット番号)762bをシルク印刷等で記載している。また、部品本体762aの下部(実装状態においてプリント基板755側に位置する部分)から複数、詳しくは3本以上(本実施形態では10本)のリードピン769をプリント基板755側に向かって延設し、該リードピン769を部品本体762aの長手方向に沿って1列に並べて備えている。さらに、列方向の両端に位置するリードピン769(1ピンおよび10ピン)をグランドピン769aとし、該グランドピン769aを介してトランジスタアレイ762のグランドを配線パターン766内のグランドパターン(各電子部品のグランドが導通するパターン)766aへ導通可能としている(図67(d)参照)。
また、電子部品のうち、ZIP(Zigzag Inline Package)部品で構成されたアミューズチップ757(特定電子部品)は、図68に示すように、複数の素子が封入された短冊状の部品本体757aを備え、該部品本体757aの側面(実装状態においてプリント基板755に対して起立姿勢となる側面)には、型番やロット番号などの部品情報757bをシルク印刷等で記載している。さらに、部品本体757aの下部(実装状態においてプリント基板755側に位置する部分)から複数(本実施形態では64本)のリードピン769をプリント基板755側に向かって延設し、該リードピン769を交互に屈曲することにより部品本体757aの長手方向に沿って2列(奇数番号のリードピン769の列および偶数番号のリードピン769の列)に並べて備えている。そして、部品本体757aの両端に位置するリードピン(1ピンおよび64ピン)769を当接リードピン769bとし、当接リードピン769bには、プリント基板755に当接する基板当接部769cをリードピン769の配列方向(詳しくは、奇数番号のリードピン769の列方向または、偶数番号のリードピン769の列方向)に沿って迫り出して突設している。また、当接リードピン769b以外のリードピン(2〜63ピン)769を非当接リードピン769dとして基板当接部769cの形成を避けている。なお、本実施形態では、当接リードピン769b(1ピンおよび64ピン)および非当接リードピン769dの一部(26ピン,27ピン,63ピン)がグランドピンとして機能し、該グランドピンを介してアミューズチップ757のグランドをグランドパターン766aへ導通可能としている(図72(a)参照)。
なお、フィルタ759やコンデンサ758などの他の電子部品(通常電子部品)においては、リードピン769に基板当接部769cを設けていない。言い換えると、通常電子部品には、基板当接部769cが形成されないリードピン(通常リードピン)を備えている(図示せず)。また、プリント基板755のうち通常電子部品が実装される実装領域767(通常実装領域767a(図66参照))には、通常リードピンを挿通するための円形状に形成された通常スルーホール(図示せず)が開設されている。
そして、本実施形態の遊技制御基板750では、SIP部品であるトランジスタアレイ762(抵抗アレイ760を含む)を識別子762bの目視確認が容易となる姿勢で実装したり、基板当接部769cを備えたZIP部品であるアミューズチップ757を良好に実装したりできるように、プリント基板755の構成に工夫を施している。先ず、トランジスタアレイ762の実装に関する構成について具体的に説明すると、図67(c)に示すように、プリント基板755のうちトランジスタアレイ762が実装される実装領域767(SIP実装領域767b)には、トランジスタアレイ762のリードピン769が挿通される複数のスルーホール768を列設し、円形状の各スルーホール768の中心がリードピン769の並び方向に延在するホール整列軸HL上に位置している。さらに、SIP実装領域767bにおいては、複数のスルーホール768のうちの多数(本実施形態ではリードピン769の1ピン(グランドピン769a),3〜8ピン,10ピン(グランドピン769a)が挿通されるスルーホール768)を通常スルーホール768aとする一方、通常スルーホール768aとは異なる他のスルーホール768(本実施形態ではリードピン769の2ピン,9ピンが挿通されるスルーホール768)を特定スルーホール768bとしている。言い換えると、トランジスタアレイ762のリードピン769のうちグランドパターン766aに接続されないリードピン769に対応するスルーホール768を特定スルーホール768bとしている。
また、図69および図70に示すように、通常スルーホール768aの穴径DH1(または開口面積)をトランジスタアレイ762のリードピン769が遊嵌される大きさに設定し、特定スルーホール768bの穴径DH2(または開口面積)を通常スルーホール768aの穴径DH1(または開口面積)よりも小さい穴径(または開口面積)、詳しくはトランジスタアレイ762のリードピン769ががたつき不能な状態で内周面に係合する大きさの穴径(または開口面積)に設定している。なお、SIP実装領域767bにおける通常スルーホール768aは、通常実装領域767aにおいて通常電子部品が実装される通常スルーホールと同じ大きさ(略同じ大きさ)に設定されている。さらに、図69(b)に示すように、通常スルーホール768aの円環状のランド770の外径DL1と特定スルーホール768bの円環状のランド770の外径DL2とを同径(略同径)に設定している。なお、グランドパターンに導通するランド770の外形を配線パターンに導通するランド770の外形よりも大きくしてもよく、その場合には特定スルーホール768bのランド770の外形をどちらに合わせてもよい。
このような構成を備えたSIP実装領域767bにトランジスタアレイ762を実装すると、図70に示すように、特定スルーホール768bの内周面にリードピン769が係合して、トランジスタアレイ762が傾いて実装されること(詳しくは識別子762bをプリント基板755に伏せるように傾いて実装されること)を規制する。したがって、トランジスタアレイ762を識別子762bが目視で確認し易い状態であり、且つ見栄えがよい状態で実装することが可能となる。しかも、特定スルーホール768bの穴径DH2を通常スルーホール768aの穴径DH1よりも小さくするだけで、トランジスタアレイ762の傾きを規制可能な特定スルーホール768bを構成することができる。また、特定スルーホール768bは、トランジスタアレイ762のグランドピン769a以外のリードピン769(グランドパターン766aに接続されないリードピン769)に対応して設けられているので、特定スルーホール768bへのリードピン769の半田付け時に熱がグランドパターン766a(詳しくは、面積が広く熱容量が大きいグランドパターン766a)へ逃げることがない。したがって、半田の熱が逃げ難くなり、特定スルーホール768bの内部に半田が入り込み易くなって良好な半田付け、ひいてはトランジスタアレイ762の傾きの規制を十分に行うことができる。さらに、通常スルーホール768aのランド770の外径DL1と特定スルーホール768bのランド770の外径DL2とを同径に設定しているので、特定スルーホール768bにおける半田付けを通常スルーホール768aにおける半田付けに劣らず良好に行うことができ、特定スルーホール768bとリードピン769との導通が不良になる不都合を抑制することができる。
なお、特定スルーホール768bは、SIP実装領域767bのどの位置に設定されていてもよいが、トランジスタアレイ762の端部寄りに設定すれば、トランジスタアレイ762を安定させ易いので好適である。また、図71に示すように、特定スルーホール768bのうちプリント基板755の電子部品実装面755a側の開口縁に面取り部772を形成すれば、特定スルーホール768bを通常スルーホール768aよりも縮径した(小径であった)としても、特定スルーホール768bにリードピン769を挿通し易くなり、遊技制御基板750を滞りなく組み立てることができる。
次に、アミューズチップ757の実装に関する構成について具体的に説明すると、図72に示すように、プリント基板755のうちアミューズチップ757が実装される実装領域767(ZIP実装領域767c)には、アミューズチップ757のリードピン769が挿通される複数のスルーホール768を列設し、各スルーホール768がリードピン769の並び方向に延在するホール整列軸HL上に位置している(図72(a)および(c)参照)。そして、ZIP実装領域767cにおいては、複数のスルーホール768のうち非当接リードピン769dが挿通されるスルーホール768を非当接スルーホール768cとして円形状に形成し、該非当接スルーホール768cのランド770を円環状に設定している(図72(b)および(d)参照)。また、当接リードピン769bが挿通されるスルーホール768を当接スルーホール768dとして長穴形状に形成し、該当接スルーホール768dのランド770を電子部品実装面755a側では長円環状に設定し(図72(b)参照)、ピン突出面755b側では略矩形状に設定している(図72(d)参照)。
そして、当接スルーホール768dにおいては、図72(b)に示すように、ホール整列軸HLとは直交する方向に延在するとともに、当該当接スルーホール768dの中心を2つのホール整列軸HLの間から外方(図72(b)中、下方向)へ外して配置している。また、ホール整列軸HLの延在方向(言い換えると、基板当接部769cの迫り出し方向)に沿う第1の穴幅W1を、ホール整列軸HLとは直交する方向(言い換えると、基板当接部769cの迫り出し方向とは直交する方向)に沿う第2の穴幅W2よりも狭く設定している。さらに、当接スルーホール768dと非当接スルーホール768cとを比較すると、第1の穴幅W1を非当接スルーホール768cの穴径dよりも狭く設定し、第2の穴幅W2を非当接スルーホール768cの穴径dよりも広く設定している。また、当接スルーホール768dとSIP実装領域767bや通常実装領域767aの通常スルーホール768aとを比較すると、第1の穴幅W1を通常スルーホール768aの穴径DH1よりも狭く設定し、第2の穴幅W2を通常スルーホール768aの穴径DH1よりも広く設定している。
このような構成のZIP実装領域767cにアミューズチップ757を実装すると、図73に示すように、当接リードピン769bの基板当接部769cがプリント基板755の電子部品実装面755aに当接し、アミューズチップ757の部品本体757aがプリント基板755から離間した状態に設定される。このとき、当接スルーホール768dが第1の穴幅を第2の穴幅よりも狭く設定されているので、基板当接部769cが当接スルーホール768dの内部に沈み込むことを防止することができ、アミューズチップ757を適切な姿勢で実装することが可能となる。また、第1の穴幅W1を非当接スルーホール768cの穴径dや通常スルーホール768aの穴径DH1よりも狭くし、第2の穴幅W2を非当接スルーホール768cの穴径dや通常スルーホール768aの穴径DH1よりも広くしているので、当接スルーホール768dの開口面積が狭くなり過ぎる不都合を避けて半田を当接スルーホール768dに十分に入り込ませることができる。したがって、アミューズチップ757の実装強度や電気的特性(配線パターン766との導通)が低下し難い。
また、当接スルーホール768dの中心がホール整列軸HLからずれているため、当接スルーホール768dに挿通された当接リードピン769bは、図72(b)に示すように、当接スルーホール768dの第2の穴幅W2の延在方向の一端部寄り、詳しくは、偶数番号のリードピン769の列側(当接スルーホール768dに隣り合う偶数番号のリードピン769の列側)に位置する端部(図72(b)中、上端部)に寄って位置する。したがって、当接スルーホール768dの他端部側(図72(b)中、下側)の内面と当接リードピン769bとの間隔を広く確保することができ、当接スルーホール768d内に半田を導入し易い。しかも、当接スルーホール768dのうち半田が導入され易い箇所を当接リードピン769bで隠さずにアミューズチップ757の外方へ露出させることができ、当接スルーホール768dに半田が入り込んでいること、すなわち半田付けが良好に行われているか否かを当接スルーホール768dの第2の穴幅W2の延在方向の他端部側から目視確認し易い。
次に、上皿ユニット13に設けられた測距モジュール701について説明する。
測距モジュール701は、パチンコ遊技機1の前方の測定範囲内に位置する遊技者までの距離を測定可能な測距手段であり、図74に示すように、赤外線LED781と位置検出素子(ポジションセンシティブディテクター:PSD)と測距IC783とを備え、赤外線LED781から赤外線を遊技者へ照射し、反射した赤外線を位置検出素子782により検出すると測距IC783から検出信号を出力できるように構成されている。さらに、図75に示すように、演出制御装置300(演出実行手段)のスイッチ入力回路336に接続されており、演出制御装置300が測距モジュール701から受信した検出信号の電圧の強弱に応じて遊技者とパチンコ遊技機1(測距モジュール701)との距離を検知し、遊技者の状態を判定するとともに、この判定内容を示す距離フラグを設定するように構成されている。ここで、遊技者とは、遊技店内にいる客のことを意味し、遊技をこれから行おうとして遊技店内の通路にいる客、着席して遊技を実行中の客、遊技を終了して通路に移動した客を含むものとする。
測距モジュール701からの出力電圧に応じた各設定について説明すると、図74(c)および図76に示すように、出力電圧が0.8〜2.5Vの場合には、遊技者までの距離が予め設定された遊技実行距離(10〜50cm)であることを検知し、遊技者がパチンコ遊技機1の前方の座席ST(図77参照)に着座した状態であると判定して距離フラグを「2」に設定する。また、出力電圧が0.6〜0.8Vの場合には、遊技者までの距離が予め設定された遊技非実行距離(50〜100cm)であることを検知し、遊技者が座席STの後ろの通路にいる(通路を歩行している)と判定して距離フラグを「1」に設定する。さらに、出力電圧が0.6V未満の場合には、遊技者までの距離が遊技非実行距離よりも遠い遊技者不在距離(100cm超過)であることを検知し、遊技者がパチンコ遊技機1の前方にいない状態であると判定して距離フラグを「0」に設定する。
このような構成のパチンコ遊技機1においては、遊技者との距離を測距モジュール701により測定し、この測定結果に基づいて演出制御装置300が所定の演出を実行するように構成されている。具体的に説明すると、客待ち状態のパチンコ遊技機1においては、図77(a)に示すように、座席STの後方の通路を通る遊技者を測距モジュール701によって検出した場合(言い換えると、遊技者までの距離が遊技非実行距離である場合)には、演出制御装置300が促進演出手段として機能して、遊技者に当該パチンコ遊技機1での遊技を促す促進演出、例えば、「こんにちは〜」等の音声を女性の声で出力する呼び込み(促進)演出を実行する。このような促進演出を実行すれば、遊技者の遊技への訴求力を向上させることができる。
また、図77(b)に示すように、遊技者が通路から座席STへ移動してきたことを測距モジュール701によって検出した場合(言い換えると、測距モジュール701により測定された遊技者までの距離が遊技非実行距離から遊技実行距離に変化した場合)には、演出制御装置300が歓迎演出手段として機能して、遊技者を歓迎する歓迎演出、例えば、「ようこそ」等の音声を女性の声で出力する歓迎演出(通常歓迎演出)を実行する。このような歓迎演出を実行すれば、これから遊技を行おうとする遊技者を心地よい気分にさせることができる。
さらに、図78(a)に示すように、遊技者が座席STに座って遊技を継続していることを測距モジュール701によって検出した場合(言い換えると、測距モジュール701により測定された遊技者までの距離が遊技非実行距離よりも短い遊技実行距離である場合)には、演出制御装置300が遊技演出手段として機能して、補助遊技(特図変動表示ゲーム)に関連した演出、例えば、「がんばれ!その調子!」等の音声を出力する遊技演出を実行する。このような遊技演出を実行すれば、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
また、図78(b)に示すように、遊技者が座席STから通路へ移動したことを測距モジュール701によって検出した場合(言い換えると、測距モジュール701により測定された遊技者までの距離が遊技実行距離から遊技非実行距離に変化した場合)には、演出制御装置300が感謝演出手段として機能して、遊技者に感謝する感謝演出、例えば、「ありがとうございました」等の音声を女性の声で出力する感謝(歓送)演出を実行する。このような感謝演出を実行すれば、遊技者が次回もまた遊技を行ってくれるように仕向けることができる。
さらに、図79(a)および(b)に示すように、遊技者が着席中の座席STから隣の座席STに移動した場合には、移動前の座席STのパチンコ遊技機1においては、測距モジュール701により測定された遊技者までの距離が遊技実行距離であった状態から、測距モジュール701が測定範囲内における遊技者を検出できず、遊技者まで距離が測定不能な状態に変化する。この変化に基づいて演出制御装置300が感謝演出手段として機能して、遊技者に感謝する感謝演出、例えば、「ありがとうございました」等の音声を女性の声で出力する感謝(歓送)演出を実行する。
一方、移動後の座席STのパチンコ遊技機1においては、測距モジュール701が測定範囲内における遊技者を検出できず遊技者までの距離が測定不能な状態から、測定範囲内における遊技者を検出して遊技者までの距離が測定可能な状態に変化し、且つ測定された遊技者までの距離が遊技実行距離となる(すなわち、測距モジュール701により遊技者までの距離が測定不能な状態から最初に測定された遊技者までの距離が遊技実行距離となる)。この変化および測定結果に基づいて演出制御装置300が歓迎演出手段として機能して、遊技者を歓迎する特別歓迎演出、例えば、「私を選んでくれてありがと〜」等の音声を女性の声で出力する歓迎演出であって、図77(b)に示す通常歓迎演出とは異なる特別歓迎演出を実行する。このようにして、通常歓迎演出だけではなく、通常歓迎演出とは異なる特別歓迎演出をも実行可能とすれば、遊技者の着席態様(通常着席、隣台(隣のパチンコ遊技機1)からの移動着席など)に応じて、態様にふさわしい歓迎演出を選択して実行することができる。
次に、測距モジュール701の測定結果に基づいて演出制御装置300により実行される測距演出処理について説明する。演出制御装置300による測距演出処理では、図80に示すように、0.5秒毎に測距タイミングであるか否かを判定し(ステップE1)、測距タイミングではない場合には測距演出処理を直ちに終了し、測距タイミングである場合には、測距モジュール701から出力された出力電圧に対応して遊技者までの距離を算出し、検知された距離が遊技実行距離、遊技非実行距離、遊技者不在距離のいずれの範囲に含まれるかを判定する(ステップE2)。さらに、記憶済みの前回の判定距離範囲を取得した後、今回の判定距離範囲を前回値として記憶し(ステップE3)、前回の判定距離範囲と今回の判定距離範囲とを比較する(ステップE4,E5)。比較の結果、前回の判定距離範囲と今回の判定距離範囲とが一致していない場合には測距演出処理を直ちに終了し、一致している場合には、今回の判定距離範囲に対する距離フラグを図76に基づいて「2」,「1」,「0」のいずれかにセットし(ステップE6)、記憶済みの前回の判定距離範囲を取得した後、今回の判定距離範囲を前回値として記憶する(ステップE7)。また、前回の判定距離範囲に対する距離フラグと今回の判定距離範囲に対する距離フラグとからフラグ遷移情報を生成し(ステップE8)、測距演出実行処理を実行して(ステップE9)、測距演出処理を終了する。
なお、フラグ遷移情報は、図81に示すように、「前回の距離フラグ→今回の距離フラグ」で表される情報であり、「0→0」(遊技者不在)、「0→1」(台選び中)、「1→1」(台注視中)、「1→2」(通常着席)、「0→2」(台移動着席)、「2→2」(遊技中)、「2→1」(通常退席/離席)、「2→0」(台移動退席)のいずれかで表される。
次に、ステップE8における測距演出実行処理について説明する。測距演出実行処理では、図82に示すように、まず現在の遊技状態を取得し(ステップE11)、さらにはフラグ遷移情報と遊技状態に対応する演出パターンを取得する(ステップE12)。そして、取得した演出パターンの内容を判定し(ステップE13)、演出パターンの内容が「演出なし」(図81参照)であった場合には、直ちに測距演出実行処理を終了する。また、演出パターンの内容が「演出なし」以外であった場合には、取得した演出パターンに対応する測距演出の実行をセットして(ステップE14)、測距演出実行処理を終了する。
ステップE14にてセットされる測距演出と演出パターンとの組み合わせは、図81に示すように、フラグ遷移および遊技状態の組み合わせに応じて複数種類設定されている。具体的には、フラグ遷移が「0→0」であった場合には、どの遊技状態であっても演出パターンを「演出なし」とし、演出を実行しない。また、フラグ遷移が「0→1」(台選び中)であるときに、遊技状態が「非客待ち状態(遊技進行状態)」であった場合には、演出パターンを「演出なし」として演出を実行しないが、遊技状態が「客待ち状態」であった場合には、演出パターンを「呼び込み演出1」に設定して「こんにちは〜」などの音声を出力する演出(所定の訴求力を有する第1促進演出)を行う(図77(a)参照)。
フラグ遷移が「1→1」(台注視中)であるときに、遊技状態が「非客待ち状態(遊技進行状態)」であった場合には、演出パターンを「演出なし」として演出を実行しないが、遊技状態が「客待ち状態」であった場合には、演出パターンを「呼び込み演出2」に設定して「やらないの〜?」などの音声を出力する演出(第2促進演出)を行う。ここで、第2促進演出は、第1促進演出とは異なる訴求力を有するので、パチンコ遊技機1の前方での遊技者の滞在状態に応じて促進演出の種類を変化させることができ、効率よく遊技の実行を遊技者に促すことができる。しかも、第2促進演出は、第1促進演出よりも訴求力が高く設定されているので、パチンコ遊技機1の前方での滞在時間が長い遊技者、言い換えるとパチンコ遊技機1に興味を持った遊技者に遊技の実行を促すことができる。
また、フラグ遷移が「1→2」(通常着席)であるときには遊技状態が「客待ち状態」となり、この場合には演出パターンを「歓迎演出1」に設定して「ようこそ!」などの音声を出力する演出を行う(図77(b)参照)。さらに、フラグ遷移が「0→2」(台移動中)であった場合には、どの遊技状態であっても演出パターンを「歓迎演出2」に設定して「私の方を選んでくれてありがとう」などの音声を出力する演出を行う(図79(b)参照)。そして、フラグ遷移が「2→2」(遊技中)であるときに、遊技状態が「通常遊技状態」であった場合には、演出パターンを「遊技関連演出1」に設定して「がんばれ!」などの音声を出力する演出を行い、遊技状態が「確変遊技状態」であった場合には、演出パターンを「遊技関連演出2」に設定して「その調子!」などの音声を出力する演出を行う(図78(a)参照)。また、フラグ遷移が「2→1」(通常退席/離席)、あるいは「2→0」(台移動退席)である場合には遊技状態が「客待ち待機状態」となり、この場合には演出パターンを「歓送演出」に設定して「ありがとうございました」などの音声を出力する演出を行う(図78(b)および図79(a)参照)。
なお、上記した測距演出処理(測距演出実行処理)に基づいて演出(測距演出)が実行されている最中に、新たなフラグ遷移が発生した場合、すなわち遊技者が移動する等の変化があった場合には、新たなフラグ遷移の判定に基づく測距演出(新たな測距演出)を実行しないように設定してもよい。また、前回の測距演出の実行から所定時間が経過するまでは新たな測距演出を実行せず、所定時間の経過後に新たな測距演出の実行を許容するように設定してもよい。さらに、測距演出実行処理のステップE11にて取得される遊技状態の内容に応じて、新たな測距演出の実行を規制したり許容したりしてもよい。
また、図81では、各演出パターンに対応する測距演出の内容は1種類に設定したが、本発明はこれに限定されない。例えば、各演出パターンに対応する測距演出の内容を複数種類設定し、どの測距演出が実行されるかをランダムに決定するようにしてもよい。さらに、フラグ遷移が「2→2」(遊技中)である場合には、測距モジュール701により測定される遊技者までの距離に基づいて、「少し離れてください」や「少し近づいてください」などのような音声を出力する演出を実行し、遊技者の目が疲れないように仕向けたり、あるいは遊技領域5を目視し易い姿勢となるように仕向けたりしてもよい。
さらに、第2実施形態のパチンコ遊技機1においては、遊技者が遊技中である場合(フラグ遷移が「2→2」の場合)であって、特図変動表示ゲーム(補助遊技)の実行中には、演出制御装置300が予告演出手段として機能して、特図変動表示ゲームの結果を示唆する予告演出を実行し得る。そして、測距モジュール701により測定された遊技者との距離に基づいて予告演出を実行可能とするように構成されている。具体的に説明すると、図83(a)に示すように、第2実施形態における表示装置26の表示部27には、下部の第1始動記憶表示領域27bと第2始動記憶表示領域27cとの間に、先読み予告用動作示唆アイコン表示領域27iを設定し、上部の演出モード表示部27dの隣には変動予告用動作示唆アイコン表示領域27jを設定している。
また、各動作示唆アイコン表示領域27i,27jにおいては、予告演出が実行可能な期間であるか否かを告知する予告期間告知アイコン、または、パチンコ遊技機1との距離を変化させることを遊技者に促す動作示唆アイコンを表示するように構成されている。ここで、予告期間告知アイコンについては、図83(b)に示すように、封筒の図が静止状態で表示される非予告期間アイコンicn1と、封筒の図が揺動状態で表示される予告期間アイコンicn2とが用意されており、予告演出が実行されない期間に非予告期間アイコンicn1が表示され、予告演出が実行可能な期間に予告期間アイコンicn2が表示されるように設定されている。
さらに、動作示唆アイコンについては、図83(c)に示すように、遊技演出ボタン17の模式図と「PUSH!」の文字とを表示したボタン操作アイコンicn3、表示部27に遊技者の頭が近づく様子の模式図と「近づけ!」の文字とを表示した近接示唆アイコンicn4、表示部27から遊技者の頭が離れる様子の模式図と「遠のけ!」の文字とを表示した離間示唆アイコンicn5が用意されている。そして、予告演出が実行される期間の開始時に測距モジュール701により測定された遊技者までの距離に応じて何れかのアイコンを表示するように設定されている。具体的には、遊技者までの距離が15〜55cmである場合(距離を問わず着席検出状態の遊技者を検出する場合)にはボタン操作アイコンicn3を表示可能であり、遊技者までの距離が35〜55cmである場合(パチンコ遊技機1から離れて着席した状態の遊技者を検出する場合)には近接示唆アイコンicn4を表示可能であり、遊技者までの距離が15〜35cmである場合(パチンコ遊技機1に近づいて着席した状態の遊技者を検出する場合)には離間示唆アイコンicn5を表示可能であるように設定されている。
このような各アイコンを表示部に表示可能としたパチンコ遊技機1においては、特図変動表示ゲームの実行中(識別情報の変動中)に当該特図変動表示ゲームの結果を示唆する変動中予告演出、または、始動記憶に対応する特図変動表示ゲームの結果を実行前に示唆する先読み予告演出を実行する。変動中予告演出について説明すると、図84(a)および(b)に示すように、特図変動表示ゲームの開始前から開始直後においては、演出制御装置300が変動予告用動作示唆アイコン表示領域27jに非予告期間アイコンicn1を表示する。そして、変動中予告演出の実行可能期間が到来すると、変動予告用動作示唆アイコン表示領域27jに予告期間アイコンicn2を表示し(図84(c)参照)、さらには動作示唆アイコン(図84(d)においては近接示唆アイコンicn4)を表示する。言い換えると、演出制御装置300が動作示唆演出手段として機能して、予告演出(変動中予告演出)の実行可能期間中にパチンコ遊技機1との距離を変化させることを遊技者に促す動作示唆演出を実行する。
動作示唆アイコンが表示されると、ショート動作予告またはロング動作予告のいずれかが実行される。ショート動作予告においては、図85(d)に示すように、表示部27の中央の変動表示領域27aに書類フォルダーを模した図と「期待度50%」等の文字を表示して、実行中の特図変動表示ゲームが当たりとなる期待度を予告する。そして、変動予告用動作示唆アイコン表示領域27jには非予告期間アイコンicn1を表示し、変動中予告演出の実行期間が終了したことを報知する。
一方、ロング動作予告においては、変動予告用動作示唆アイコン表示領域27j内の動作示唆アイコンの表示により遊技者に動作(パチンコ遊技機1に対する進退動作または遊技演出ボタン17の操作)を示唆し、この示唆のとおりに遊技者が動いたことを測距モジュール701または遊技演出ボタン17により検知すると、変動表示領域27aにおける変動中予告演出の表示内容が変化する。例えば、図84(d)に示すように、変動予告用動作示唆アイコン表示領域27jに近接示唆アイコンicn4が表示された状態でロング動作予告が開始した場合には、遊技者が近接示唆アイコンicn4の示唆どおりにパチンコ遊技機1に近づく(例えば、離間距離が45cmから25cmになるまで近づく)と、測距モジュール701が遊技者との距離が短くなったことを検知する。すると、予告演出手段として機能する演出制御装置300は、ロング動作予告の実行中に遊技者が近接示唆アイコンicn4の示唆どおりに動いたこと(言い換えると、遊技者までの距離が所定の距離範囲であること)に基づき、変動表示領域27aにおいて、すました表情の顔が描かれた書類フォルダーの模式図と「期待度10%」等の文字とを表示して、実行中の特図変動表示ゲームが当たりとなる期待度を予告する。
引き続き近接示唆アイコンicn4が表示され、且つ遊技者がパチンコ遊技機1に対する近接状態を維持すると、図84(b)に示すように、書類フォルダーの模式図に描かれた顔を微笑んだ表情に変化させ、文字表示を「期待度30%」に変化させる演出を行う。さらに近接示唆アイコンicn4が表示され続け、且つ遊技者がパチンコ遊技機1に対する近接状態を維持し続けると、図84(c)に示すように、書類フォルダーの模式図に描かれた顔を笑った表情に変化させ、文字表示を「期待度50%」に変化させる演出を行う。一方、遊技者が近接示唆アイコンicn4の示唆に反してパチンコ遊技機1から遠ざかる(例えば、離間距離が25cmから45cmになるまで遠ざかる)と、測距モジュール701が遊技者との距離が遠くなったことを検知する。すると、演出制御装置300が変動中予告演出の実行を終了(中止)する。なお、変動中予告演出の実行を中止せずに信頼度の変化だけを中止させるようにしてもよい。
このようにして、予告演出手段として機能する演出制御装置300は、近接示唆アイコンicn4または離間示唆アイコンicn5を表示した場合に、予告演出(詳しくは変動中予告演出)の実行可能期間中に測距モジュール701により測定された遊技者までの距離が変化したことに基づき、予告演出(変動中予告演出)を実行するので、遊技者のパチンコ遊技機1に対する進退動作によって予告演出を実行することができる。したがって、遊技者が体を動かして遊技に積極的に参加することが可能となり、遊技の興趣が高まる。また、予告演出の実行中に測距モジュール701により測定された遊技者までの距離が所定の距離範囲であることに基づき、当該予告演出の演出態様を変化(具体的には、徐々に又は段階的に変化)させるので、予告演出の興趣、ひいては補助遊技の興趣を効率的に高めることができる。さらに、演出制御装置300が動作示唆演出手段として機能して、予告演出の実行可能期間中に動作示唆演出を実行するので、遊技者が動作示唆演出を観て予告演出の実行可能期間の発生を把握することが可能となるとともに、体を動かして遊技に積極的に参加することが可能となる。また、体を動かすことで血行を良くしてコリをほぐすこともできる。
次に、先読み予告演出について説明すると、図86(a)に示すように、特図変動表示ゲームの開始前においては、演出制御装置300が先読み予告用動作示唆アイコン表示領域27iに非予告期間アイコンicn1を表示する。そして、先読み予告演出の実行可能期間が到来すると、演出制御装置300が予告演出手段として機能して、先読み予告用動作示唆アイコン表示領域27iに予告期間アイコンicn2を表示するとともに、始動記憶表示領域27b,27cのうち先読み予告の対象となる飾り特図始動記憶表示mを「?」が描かれた表示態様(変化示唆表示)に変化させる(図86(b)参照)。
さらに、演出制御装置300は、先読み予告用動作示唆アイコン表示領域27iに動作示唆アイコン(例えば、近接示唆アイコンicn4)を表示し(図86(c)参照)、遊技者に動作(パチンコ遊技機1に対する進退動作や遊技演出ボタン17の操作)を示唆する。そして、この示唆のとおりに遊技者が動いたことを測距モジュール701または遊技演出ボタン17により検知すると、先読み予告の対象である飾り特図始動記憶表示mを「?」から「熱」のように表示態様(演出態様)を変化させて、先読み予告の結果を表示(言い換えると、先読み予告演出を実行)する。さらに、先読み予告用動作示唆アイコン表示領域27iに非予告期間アイコンicn1を表示し、変動中予告演出の実行期間が終了したことを報知する。
これらのようにして、変動中予告演出または先読み予告演出のいずれにおいても、近接示唆アイコンicn4または離間示唆アイコンicn5を表示した場合に、予告演出の実行可能期間中に測距モジュール701により測定された遊技者までの距離が変化したことに基づき、予告演出を実行するので、遊技者のパチンコ遊技機1に対する進退動作によって予告演出を実行することができる。したがって、遊技者が体を動かして遊技に積極的に参加することが可能となり、遊技の興趣が高まる。また、予告演出の実行中に測距モジュール701により測定された遊技者までの距離が所定の距離範囲であることに基づき、当該予告演出の演出態様を変化(具体的には、徐々に又は段階的に変化)させるので、予告演出の興趣、ひいては補助遊技の興趣を効率的に高めることができる。さらに、演出制御装置300が動作示唆演出手段として機能して、予告演出の実行可能期間中に動作示唆演出を実行するので、遊技者が動作示唆演出を観て予告演出の実行可能期間の発生を把握することが可能となるとともに、体を動かして遊技に積極的に参加することが可能となる。
次に、上記した予告演出を実行する動作予告処理のフローチャートについて説明すると、図87に示すように、まず、特図変動表示ゲームの開始(識別情報の変動の開始)を指令する変動開始コマンドを受信しているか否かを判定し(ステップF1)、受信していれば、先読み予告演出の実行可能期間中であるか否かを判定する(ステップF2)。そして、先読み予告演出の実行可能期間中ではない場合には、変動中予告実行決定処理を実行して(ステップF3)、変動中予告演出を実行するか否かを決定する(ステップF4)。変動中予告演出の実行を決定した場合には、特図変動表示ゲームの結果態様(当りか否か)および変動パターンに基づいて変動中予告演出の演出内容をセットし(ステップF5)、さらに、実行予定の変動中予告演出の種類(ショート動作予告またはロング動作予告)をセットする(ステップF6)。
また、ステップF1において変動開始コマンドを受信していないと判定した場合には、先読みコマンドを受信しているか否かを判定し(ステップF7)、先読みコマンドを受信していれば、変動中予告演出の実行可能期間中であるか否かを判定する(ステップF8)。そして、変動中予告演出の実行可能期間中ではない場合には、先読み予告実行決定処理を実行して(ステップF9)、先読み予告演出を実行するか否かを決定する(ステップF10)。先読み予告演出の実行を決定した場合には、特図変動表示ゲームの結果態様(当りか否か)および変動パターンに基づいて先読み予告演出の演出内容をセットする(ステップF11)。
ステップF6またはF11を処理したならば、動作示唆アイコンの種類をボタン操作アイコンicn3にするか、あるいは近接示唆アイコンicn4または離間示唆アイコンicn5のいずれかにするかを決定し(ステップF12)、近接示唆アイコンicn4または離間示唆アイコンicn5のいずれかにする場合(ステップF13:Yes)には、現在の遊技者までの距離に応じて近接示唆アイコンicn4または離間示唆アイコンicn5のいずれかを表示予定の動作示唆アイコンとしてセットし(ステップF14)、ボタン操作アイコンicn3にする場合(ステップF13:No)には、ボタン操作アイコンicn3の表示をセットする(ステップF15)。そして、ステップF14,F15にていずれかの動作示唆アイコンの表示をセットしたならば、動作予告実行処理を実行して(ステップF16)、動作予告処理を終了する。なお、ステップF2において先読み予告演出の実行可能期間中であると判定した場合、ステップF4において変動中予告演出の実行を決定しなかった場合、ステップF7において先読みコマンドを実行していないと判定した場合、ステップF8において変動中予告演出の実行可能期間中であると判定した場合、ステップF10において先読み予告演出の実行を決定しなかった場合においても、ステップF16の動作予告実行処理を実行して、動作予告処理を終了する。なお、ステップF2やステップF8を実行することで、変動中予告演出と先読み予告演出とが同時期に実行されることを規制し、どちらの予告演出が実行されているかが把握できないといった事態を回避するようにしている。
なお、遊技者までの距離を測定可能な測距モジュール701は、上皿ユニット13に備えられることに限定されない。要は、遊技者までの距離を測定可能であり、測定結果を演出制御装置300へ送信可能であれば、パチンコ遊技機1のどの場所に備えてもよい。あるいは、パチンコ遊技機1に備えられることに限らず、貸出ユニット720や呼出ランプユニット734(遊技機設置島設備)に備えられてもよい。
ところで、上記第2実施形態のSIP実装領域767bでは、通常スルーホール768aよりも縮径された(小径の)特定スルーホール768bを備えて、トランジスタアレイ762の傾き実装を避けるように構成されたが、本発明はこれに限定されない。要は、特定スルーホール768bの内周面にリードピン769を係合してトランジスタアレイ762の傾き実装を規制できれば、特定スルーホール768bはどのような構成であってもよい。例えば、図88に示すSIP実装領域767bの変形例では、円形状の特定スルーホール768bの開口径を通常スルーホール768aの開口径と同径に設定し、特定スルーホール768bをその中心がホール整列軸HLから外れて位置する状態にずらしている。このような構成の特定スルーホール768bを備えたSIP実装領域767bにトランジスタアレイ762を実装すれば、特定スルーホール768b内においては、リードピン769が特定スルーホール768bの内周面へトランジスタアレイ762の一側から係合し、通常スルーホール768aにおいては、リードピン769が通常スルーホール768aの内周面にトランジスタアレイ762の他側から係合する。この結果、特定スルーホール768bをホール整列軸HL上から外すだけで、トランジスタアレイ762が傾いて実装されることを簡単に規制することができる。また、特定スルーホール768bの開口径を通常スルーホール768aの開口径と同径にしているので、複数のスルーホール768の穴あけ加工を途中で工具を交換せずに行うことができ、遊技制御基板750の製造効率の低下を抑制することができる。なお、通常スルーホール768aと特定スルーホール768bの開口径を異ならせてもよい。
なお、この変形例においては、特定スルーホール768bの電子部品実装面755a側の開口縁にのみ面取り部を形成してもよいが、通常スルーホール768aの電子部品実装面755a側の開口縁にも面取り部を形成すれば、特定スルーホール768bと通常スルーホール768aの並びがずれていたとしてもトランジスタアレイ762の各リードピン769を各スルーホール768に挿通し易くなるので好適である。また、特定スルーホール768bは、リードピン769が挿通可能となる範囲でホール整列軸HL上からずらして配置すれば、リードピン769をトランジスタアレイ762の実装前に曲げなくて済む。言い換えると、特定スルーホール768bは、リードピン769を実装前に曲げなくて済む分だけホール整列軸HL上から外れた位置に設けられれば、リードピン769を曲げる等の調整を行わずに特定スルーホール768bへ挿通することができ、遊技制御基板750の製造効率の向上を図ることができる。そして、上記実施形態および変形例では、特定スルーホールにより傾き実装が規制されるSIP部品としてトランジスタアレイを例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、トランジスタアレイとは異なるSIP部品(例えば、抵抗アレイ760)の傾き実装を特定スルーホールにより規制してもよい。
また、図88に示す変形例では、全ての特定スルーホール768bを同じ方向(図88(a)中、下方向)へずらしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、一の特定スルーホール768bをホール整列軸HLから一側方へずらし、他の特定スルーホール768bをホール整列軸HLから他側方へずらしてもよい。さらに、特定スルーホール768bをホール整列軸HLに沿ってずらすことによりリードピン769のピッチとスルーホール768のピッチとを異ならせ、これにより特定スルーホール768bの内周面にリードピン769を係合してトランジスタアレイ762の傾き実装を規制してもよい。
ところで、基板当接部769cを備えた電子部品として、上記実施形態ではZIP部品であるアミューズチップ757を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、アミューズチップ757とは異なる他のZIP部品でもよい。あるいは、ZIP部品であることに限らず、複数のリードピン769が2列に並んで設けられるDIP(Dual Inline Package)部品であってもよいし、1列に並んで設けられるSIP部品(Single Inline Package)であってもよい。また、DIP部品やZIP部品における基板当接部769cは、リードピン769の列方向に沿って迫り出されることに限定されない。例えば、図89(a)に示すように、リードピン769の列方向(横列方向)とは直交する方向に沿って迫り出してもよい。要は、リードピン769の縦列方向に沿って迫り出していてもよい。そして、リードピン769の縦列方向に沿って基板当接部769cを迫り出した場合には、当接スルーホール768dの位置を調整して、当接リードピン769bが当接スルーホール768dのうち隣り合うスルーホール768の縦列側(図89(a)中、右側)に位置するように設定すれば、当接スルーホール768dのうち半田が導入され易い箇所を外方へ露出させることができ、半田付けが良好に行われているか否かを目視確認し易くなって好適である。
また、基板当接部769cは、当接リードピン769bの一側から迫り出すことに限定されない。要は、プリント基板755の電子部品実装面755aに当接して、ZIP部品等の電子部品の部品本体をプリント基板755から離間させることができれば、どのような構成の基板当接部769cを当接リードピン769bに形成してもよい。例えば、図89(b)に示すように、当接リードピン769bの両側からそれぞれ迫り出してもよいし、あるいは、図89(c)に示すように、当接リードピン769bの基端部を両側方へ迫り出す(拡幅する)ことにより基板当接部769cを形成してもよい。さらに、基板当接部769cを備える電子部品(特定電子部品)においては、一部のリードピン769に基板当接部769cを形成してもよいし、全てのリードピン769に基板当接部769cを形成してもよい(図89(c)参照)。また、基板当接部769cを備える電子部品がSIP部品である場合には、SIP実装領域に特定スルーホール768bを通常スルーホールよりも小さい開口径で開設したり、あるいは、ホール整列軸HLからずらして配置したり(図89(b)および(c)参照)して、SIP部品が傾いて実装されることを規制してもよい。
そして、上記第2実施形態のZIP実装領域767cにおいては、当接スルーホール768dを長穴形状に設定したが、本発明はこれに限定されない。例えば、楕円形状にして第1の穴幅を第2の穴幅よりも狭くしてもよい。また、電子部品のリードピン769は、断面が矩形状であることに限定されず、どのような断面形状であってもよい。例えば、断面が丸形状であってもよい。
ところで、上記第2実施形態においては、パチンコ遊技機1に測距モジュール701を備えて遊技者までの距離を測定可能としたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図90に示す第3実施形態のパチンコ遊技機1においては、基本的には第2実施形態と同じであるが、遊技者までの距離を測定する測距モジュール701を備えず、その代わりに、検出範囲内に遊技者が居るか否かを検出する赤外線センサ等の人感検出部を備え、該人感検出部の検出結果に基づいて所定の演出(遊技関連演出や歓迎演出など)を実行可能としている。
具体的に説明すると、第3実施形態のパチンコ遊技機1は、図90に示すように、上皿ユニット13の前縁部に第1人感検出部786を配置し、透明部材保持枠8の上縁部には第2人感検出部787を配置している。そして、第1人感検出部786においては、遊技者を検出可能な範囲を50cm以下に設定し、当該第1人感検出部786の向きをわずかに上方であり、且つ座席STの正面の方向へ向け、座席STに着席中の遊技者を検出できるように構成されている。また、第2人感検出部787においては、遊技者を検出可能な範囲を1m以下に設定し、当該第2人感検出部787の向きをわずかに下方であり、且つ座席STの正面から側縁突出部703とは反対側(図90(c)中、左側)へずれた方向へ向け、座席STに着席中の遊技者の検出を避け、座席STの後方にいる遊技者(遊技店内の通路にいる歩行者)を検出できるように構成されている。
このような構成を備えた第3実施形態のパチンコ遊技機1は、図91に示すように、各人感検出部786,787の検出結果、当該パチンコ遊技機1における遊技状態の組み合わせに応じて、実行される演出パターンを複数種類設定しており、第1人感検出部786における検出結果を第2人感検出部787における検出結果よりも重視して演出を実行するように構成されている。言い換えると、座席STにおける遊技者の動向を通路上の遊技者(歩行者)の動向よりも重視して演出を実行するように構成されている。まず、図91において「遊技者なし」と示された状態、詳しくは、第1人感検出部786にて遊技者を検出しない状態(言い換えると、遊技者の着席を検出しない着席非検出状態)における演出パターンについて説明する。「遊技者なし」状態において、第2人感検出部787が通路上の遊技者(歩行者)を検出しないとき(「歩行者なし」)には、どの遊技状態であっても各人感検出部786,787の検出結果に基づく演出を実行しない。
また、第2人感検出部787が歩行者を検出していない状態(歩行非検出状態)から歩行者を検出した状態(歩行検出状態)に変換したとき、すなわち歩行者が「台選び中」であると判定されるときに、遊技状態が「非客待ち状態(遊技進行状態)」であった場合には、各人感検出部786,787の検出結果に基づく演出を実行しないが、遊技状態が「客待ち状態」である場合には、演出パターンを「呼び込み演出1」に設定して「こんにちは〜」などの音声を出力する演出を行う。さらに、第2人感検出部787が所定の期間に亘って歩行検出状態を維持したとき、すなわち歩行者が「台注視中」であると判定されるときに、遊技状態が「非客待ち状態(遊技進行状態)」であった場合には、各人感検出部786,787の検出結果に基づく演出を実行しないが、遊技状態が「客待ち状態」である場合には、演出パターンを「呼び込み演出2」に設定して「やらないの〜?」などの音声を出力する演出を行う。そして、第1人感検出部786が遊技者を検出していた状態(着席検出状態)から検出しない状態(着席非検出状態)に変換し、且つ第2人感検出部787が歩行非検出状態から歩行検出状態へ変換したとき、すなわち遊技者が「通常退席/離席」したと判定されるときには、遊技状態が「客待ち待機状態」となり、この場合には演出パターンを「歓送演出」に設定して「ありがとうございました」などの音声を出力する演出を行う。
次に、図91において「遊技者あり」と示された状態、詳しくは、第1人感検出部786にて遊技者を検出する状態(言い換えると、遊技者の着席を検出する着席検出状態)における演出パターンについて説明する。「遊技者あり」状態において、第1人感検出部786が着席非検出状態から着席検出状態に変換し、且つ第2人感検出部787が歩行非検出状態から歩行検出状態へ変換したとき、すなわち遊技者が「通常着席」したと判定されるときには、遊技状態が「客待ち状態」となり、この場合には演出パターンを「歓迎演出1」に設定して「ようこそ!」などの音声を出力する演出を行う。また、第1人感検出部786が着席非検出状態から着席検出状態に変換し、且つ第2人感検出部787が歩行非検出状態を維持したとき、すなわち遊技者が「台移動着席」したと判定されるときには、どの遊技状態であっても演出パターンを「歓迎演出2」に設定して「私の方を選んでくれてありがとう」などの音声を出力する演出を行うそして、第1人感検出部786の検出結果を問わず、第2人感検出部787が所定の期間に亘って着席検出状態を維持したとき、すなわち遊技者が「遊技中」であると判定されるときに、遊技状態が「通常遊技状態」であった場合には、演出パターンを「遊技関連演出1」に設定して「がんばれ!」などの音声を出力する演出を行い、遊技状態が「確変遊技状態」であった場合には、演出パターンを「遊技関連演出2」に設定して「その調子!」などの音声を出力する演出を行う。
このようにして、遊技者が設定範囲内にいるか否かを検出する人感検出部を備えた場合であっても、遊技者の動きに応じて様々な演出を実行することができる。したがって、遊技への訴求力と遊技の興趣を向上させることが可能となる。なお、上記第3実施形態ではいずれの人感検出部もパチンコ遊技機1に備えたが、本発明はこれに限定されない。例えば、第1人感検出部786をパチンコ遊技機1に備え、第2人感検出部787を貸出ユニット720に備えてもよいし、その逆であってもよい。また、人感検出部は、遊技者との距離を測定可能な構成であってもよい。
そして、上記実施形態では、代表的な遊技機であるパチンコ遊技機を例にして説明したが、本発明はこれに限らず、所定の配線パターンが形成されたプリント基板のスルーホールに電子部品のリードピンを挿通した状態で半田付けしてなる制御基板を備えた遊技機であればどのような遊技機でもよい。例えば、封入球式パチンコ機、アレンジボール式遊技機、雀球式遊技機等の遊技機であってもよい。
なお、前記した実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は、上記した説明に限らず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれるものである。