JP5928136B2 - コンクリートにおけるエフロレッセンスの再現方法 - Google Patents

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本発明は、コンクリートにおけるエフロレッセンスの再現方法に関し、特にコンクリートにおけるエフロレッセンスを短期間で発生させ、かつ良好な再現性を呈する、コンクリートにおけるエフロレッセンスの再現方法に関する。
エフロレッセンスは、水に溶解したカルシウムイオンが水の移動によりコンクリートの表面に移動し、難溶性のカルシウム塩として析出したものであり、かかるエフロレッセンス(白華)は低温の環境下で発生しやすい現象のため、冬期に製造されたPCa製品などにも多く観られるが、エフロレッセンスの発生はPCa製品の異常や欠陥ではなく、製品自体の強度にも影響はない。
しかし近年、建設事業などにおいても景観が重視されるようになり、PCa製品においてエフロレッセンスの発生は外観上の大きな問題の一つとなっている。
エフロレッセンスの防止策の検討を行うためには、試験室内において、より実環境に近い環境下でエフロレッセンスを再現できる方法を確立する必要がある。
従来の試験方法としては、2〜5%の硫酸ナトリウム水溶液、蒸留水や純水などにコンクリート試験体をその高さの半分まで浸漬させて、エフロレッセンスの再現を試験する方法等が挙げられる。
これらの試験方法を用いて試験を行った場合、エフロレッセンスの発現までの試験期間は約3〜91日であり、試験方法によってはもっと長期的に試験を行う必要がある。
また、かかる従来の試験方法において用いられるコンクリート試験体は、通常、水セメント質量比の値が大きいコンクリート試験体が用いられており、実際に使用されている配合に近い水セメント質量比(W/C=45%前後)のコンクリート試験体では、エフロレッセンスの発現の再現ができていないという問題がある。
さらに、エフロレッセンス再現試験を適用する温度は、20〜45℃の場合が多く、エフロレッセンスが実際に発生する環境とかけ離れて再現試験を実施しているのが現状である。
セメント系材料の白華試験方法の検討−その1:モルタル試験体を用いた場合の諸条件検討−、建材試験情報No.7(pp14−19、1982)(非特許文献1)には、モルタル供試体を用いた場合の白華試験方法について開示されている。
かかる非特許文献1では、水セメント比75質量%と90質量%の配合でコンクリートを調製しており、通常のコンクリートの配合とかけ離れている。また、白華試験期間も3〜14日となっているが、実際のPCa製品における白華発生は降雨や降雪の翌日には発生しており、白華発生のタイミングが異なる。さらに、かかる白華試験においては、水中浸漬試験終了後の乾燥温度を80℃としており、実際に白華が発生し易いとされている冬期の環境とかけ離れた実施となっている。
また、即脱成型平板の白華試験方法に関する実験的検討、コンクリート工学年次論文集、Vol.28、No.1(pp263−268、2006)(非特許文献2)は、即脱成型平板の白華試験方法に関する文献であるが、蒸留水への浸漬日数(試験期間)は7日〜91日と長期間となる場合もある。
さらに、コンクリート製品のエフロレッセンスの防止方法、土木学会四国支部第5回技術研究発表会講演概要集、Vol.5(pp344−345、1999)(非特許文献3)では、コンクリート供試体に水セメント質量比が80%のモルタルを使用し、5%硫酸ナトリウム水溶液に浸漬させているが、浸漬期間(試験期間)は14日と長期である。
特開平11−335185号公報(特許文献1)には、片面に塗装膜が形成されたセメント硬化体に対して、該セメント硬化体の未塗装面を水中に浸漬させて該セメント硬化体を未塗装面から吸水させる吸水工程、該吸水されたセメント硬化体を不透湿性材料で密封する密封工程、該密封されたセメント硬化体を、40℃以上95℃未満の温度範囲で加熱する加熱工程と該加熱工程との温度差が20℃以上低く保たれ、かつ、0℃よりも高く40℃未満の温度範囲で冷却する冷却工程とからなる加熱冷却サイクル工程を少なくとも1サイクル実施する加熱冷却工程、前記不透湿性材料を除去して前記セメント硬化体の密封を解除する密封解除工程、該密封を解除されたセメント硬化体を、該セメント硬化体の塗装面に散水する散水工程と前記セメント硬化体の塗装面を表面温度が10℃以上80℃未満の温度範囲で、かつ、前記未塗装面の表面温度よりも高くなるように加熱して乾燥する乾燥工程とからなる散水乾燥サイクル工程を少なくとも1サイクル実施する散水乾燥工程、を順次実施することを特徴とするセメント硬化体の白華促進試験法が開示されている。
かかる特開11−335185号公報に記載の白華試験方法は、塗膜が施されたセメント硬化体に対して、白華の発生可能性の程度を評価する白華促進試験法であり、工程が多く、複雑である。
特開平11−335185号公報
真野孝次:飛坂基夫・熊原進:セメント系材料の白華試験方法の検討−その1:モルタル試験体を用いた場合の諸条件検討−、建材試験情報、No.7、pp14−19、1982 長尾敏之、橋本親典、平塚和男、橋本紳一郎:即脱成型平板の白華試験方法に関する実験的検討、コンクリート工学年次論文集、Vol.28、No.1、pp263−268、2006 瀬川一宏、水口裕之、井上賢太郎、益田茂明:コンクリート製品のエフロレッセンスの防止方法、土木学会四国支部第5回技術研究発表会講演概要集、Vol.5、pp344−345、1999
本発明の目的は、上記課題を解決し、コンクリートにおいて、エフロレッセンス(白華)の発生可能性の程度を短期間で迅速に評価することができる、コンクリートのおけるエフロレッセンスの再現方法を提供することである。
本明細書においては、「モルタル」との記載もあるが、本発明における「コンクリート」には、コンクリートだけでなくモルタルやセメントの硬化体等をも含む概念とする。
本発明者らは、従来の方法である水や5%硫酸ナトリウム水溶液にコンクリート供試体を半浸漬させる方法では、コンクリート試験体底面から水や硫酸イオンが供給されるのに時間を要し、エフロレッセンス再現期間が長期的となるが、本発明においては、コンクリート試験体表面に氷を特定の量で積載することにより、短期間でエフロレッセンスの再現ができることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明のコンクリートにおけるエフロレッセンス再現方法は、1〜15℃の低温環境下においてコンクリートを浸漬することなく、コンクリート表面上に一様に氷を0.25〜0.40g/cmで積載するとともに、次いで該氷が溶解した水分が該コンクリート表面上からなくなることにより、該コンクリート表面にエフロレッセンスを発生させることを特徴とする、コンクリートにおけるエフロレッセンス再現方法である。
好適には、上記本発明のコンクリートにおけるエフロレッセンス再現方法において、前記低温環境下の温度が5±2℃である。
更に好適には、上記本発明のコンクリートにおけるエフロレッセンス再現方法において、前記氷は砕氷である。
本発明のコンクリートのおけるエフロレッセンスの再現方法により、コンクリートにおいて、エフロレッセンス(白華)の発生可能性の程度を短期間で迅速に評価することができ、コンクリートのエフロレッセンスの再現を試験する方法として、簡便に利用することが可能となる。
また、従来の方法では、実際のコンクリート製品を製造している配合からかけ離れている配合を用いているが、本発明のコンクリートのおけるエフロレッセンスの再現方法は、実際のコンクリート製品に用いられている配合を用いて、実際のエフロレッセンス発生の環境下に近い条件で、エフロレッセンスの再現をすることが可能となる。
本発明のコンクリートにおけるエフロレッセンス再現試験方法を実施するための状態の一例を模式的に表した図である。 本発明のコンクリートにおけるエフロレッセンス再現試験方法を適用した、コンクリート試験体の上表面の再現試験開始日の砕氷を積載する前の状態(a)、試験材齢1日目の状態(b)、試験材齢14日目の状態(c)を表した写真図である。 従来のコンクリートにおけるエフロレッセンス再現試験方法を実施するための状態の一例を模式的に表した図である。 従来のコンクリートにおけるエフロレッセンス再現試験方法の一例を適用した、コンクリート試験体の上表面の再現試験開始日の状態(a)、試験材齢14日目の状態(b)を表した写真図である。 従来のコンクリートにおけるエフロレッセンス再現試験方法の他の一例を適用した、コンクリート試験体の上表面の再現試験開始日の状態(a)、試験材齢14日目の状態(b)を表した写真図である。 比較としてのコンクリートにおけるエフロレッセンス再現試験方法の一例を適用した、モルタル試験体の上表面に砕氷を積載した状態を表した写真図である。
本発明を次の好適例により説明するが、これらに限定されるものはない。
本発明のコンクリートにおけるエフロレッセンス再現方法は、1〜15℃の低温環境下で、コンクリート表面上に一様に氷を0.25〜0.40g/cmで積載し、次いで該氷が溶解した水分が該コンクリート表面上からなくなることにより、該コンクリート表面にエフロレッセンスを発生させることを特徴とする、コンクリートにおけるエフロレッセンス再現方法である。
本発明においては、コンクリート試験体表面に氷、好ましくは砕氷を積載することで、積載した氷が溶解し、溶解した水分が蒸発することにより、エフロレッセンスが効果的に促進されて発生する。
また、本発明においては、コンクリートにおけるエフロレッセンスの発生は、氷が溶解した水分の蒸発時間のみでほぼ足りるため、短時間でのエフロレッセンス再現試験が可能となる。
本発明においては、コンクリートの水溶性のアルカリ成分がコンクリートから水分(氷が溶解した水分)に溶出され、この溶出アルカリ成分中のカルシウムイオンが、発生するエフロレッセンスの割合と比例することになり、エフロレッセンスの発生の程度を迅速に短期に評価することができる。
本発明のコンクリートにおけるエフロレッセンス再現方法を適用できるコンクリートには、セメント硬化体、モルタル硬化体及びコンクリート硬化体等が含まれ、セメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、高炉セメント、アルミナセメント等の任意の公知のセメントが挙げられる。
また、当該コンクリートは、通常のコンクリート製品等に用いられている材料の配合割合が適用されたコンクリート、特に水/セメント配合質量比(例えば45%付近)が通常のコンクリート製品を製造する際の配合比が適用されたコンクリートとすることができ、これによりコンクリート二次製品工場で使用されている配合割合のコンクリートに本発明を適用することができる。
本発明のエフロレッセンス再現方法は、1〜15℃の比較的低温の環境下で実施され、好ましくは、5±2℃の環境下で実施する。これにより、エフロレッセンスが発生しやすい低温下での環境とほぼ同等の状態での実施となる。
コンクリート表面に一様に氷を積載するが、その割合は0.25〜0.40g/cm(コンクリート表面)、好ましくは0.30〜0.35g/cm(コンクリート表面)とする。これにより、短期間で十分なエフロレッセンスの発生が可能となる。
かかる割合が上記範囲よりも多いと、コンクリート表面に発生するエフロレッセンスの発現期間が遅くなり、一方、上記範囲よりも少ないと、コンクリート表面に一様にエフロレッセンスが発生するために十分な量ではない。
コンクリート表面に積載する氷としては、好ましくは砕氷を用いる。
砕氷は、例えば市販の砕氷機を用いて粉砕して雪状として用いるのが、短期間でエフロレッセンスを再現するのに好適である。
積載した氷が溶解して得られた水分が蒸発等によりなくなることで、氷を積載したコンクリート試験体表面近傍のエフロレッセンス成分が、該コンクリート表面の氷が溶解した水分に溶出し、その後該水分が蒸発等してなくなることで、コンクリート試験体表面にエフロレッセンスが発生する。
本発明によりコンクリート表面上にエフロレッセンスを発生させることができる期間は、試験開始後から1〜2日後であり、これは実際のコンクリート製品にエフロレッセンスが発生する期間と同様の期間であり、極めて短期に迅速にエフロレッセンスの発生を確認評価することができる。
本発明を次の実施例及び比較例により説明するが、これに限定されるものではない。
(実施例)
(材料)
・セメント(C):普通ポルトランドセメント、住友大阪セメント株式会社製
(密度3.15g/cm
・炭酸カルシウム(LP):製品名 ネオフロー、清水工業(株)製(密度2.71g/cm
・粗骨材1(G1):砕石(密度2.66g/cm
・粗骨材2(G2):砕石(密度2.63g/cm
・細骨材1(S1):陸砂(密度2.58g/cm
・細骨材2(S2):陸砂(密度2.60g/cm
・ポリカルボン酸系高性能減水剤(SP):製品名 レオビルド8000SBASF ポゾリス製
・水:水道水
上記各材料を用いて、以下の表1に示す配合割合で、各材料を混練して、コンクリート組成物を調製した。配合は、設計基準強度30N/mmとして決定し、コンクリート組成物は20±2℃の恒温室にて混練して調製し、該コンクリート組成物を用いて100×100×50mmの角柱のコンクリート供試体を製造した。
該コンクリート供試体の養生方法は、蒸気養生とし、土木学会コンクリート標準示方書(施工編、P430、2007)に準じて行い、養生条件は前養生時間2時間、昇温速度20℃/時、最高温度60℃、最高温度保持時間3時間、降温速度10℃/時とした。
得られた前記コンクリート組成物のフレッシュ性状(スランプ値及び空気量)及び材齢14日目の圧縮強度も表1に示す。
但し、スランプ値はJIS A 1101により測定した値、空気量はJIS A 1128により測定した値、材齢14日の圧縮強度はJIS A 1108により測定した値である。
Figure 0005928136
上記コンクリート供試体の作製を行った翌日からエフロレッセンス再現試験を実施した。
エフロレッセンス再現試験は、5±2℃の恒温室において、図1に示すように、前記100×100×50mmのコンクリート供試体1の上面に、0.25g/cmの砕氷2を積載することで実施した。
該エフロレッセンス再現試験に用いた砕氷は、水道水を−18℃の冷凍庫で凍らせて作製した氷を、市販の砕氷機(商品名 アイススライサー:RT1−SL2P、東芝製)にて粉砕したものである。
コンクリート供試体に砕氷を積載することで、PCa製品に雪が降り積もった状態を模擬することとなり、該供試体の上表面が冷却され、該コンクリート供試体表面近傍のエフロレッセンス成分の溶解度が上昇し、該供試体表面にエフロレッセンス成分が溶出し、その後砕氷の溶けた水分が蒸発すること等によりなくなることで、エフロレッセンスが発生する状況を再現することとなる。
再現試験開始日、試験材齢1日、試験材齢14日の、該エフロレッセンス試験によるコンクリート供試体の上面の状態を図2(a)〜(c)示す。
該エフロレッセンス再現試験は、コンクリート供試体作製の翌日(再現試験開始日)から試験材齢14日まで行った。これはPCa製品工場から該製品が出荷される材齢が凡そ14日であることを参考に実施したものである。
かかるエフロレッセンス再現試験の結果を図2の写真図に示す。
図2(a)は再現試験開始日の砕氷を積載する前のコンクリート供試体の上表面の状態を示し、図2(b)は試験材齢1日目の状態、図2(c)は試験材齢14日目の状態を示す。
図2(b)及び(c)に示すように、コンクリート供試体の上表面にエフロレッセンスが発生した。
エフロレッセンスは、コンクリート供試体の上表面に砕氷を再現試験開始日に積載した後、該砕氷が溶解し、該コンクリート供試体の上表面の水分が蒸発した段階(図2(b))で、発生した。
エフロレッセンスの発生時期は、試験材齢1日〜2日であった。
これにより、本発明のコンクリートにおけるエフロレッセンス再現試験方法によると、短期間でエフロレッセンスの発生再現をすることができることとなる。
(比較例1)
実施例と同様に、エフロレッセンス再現試験は、5±2℃の恒温室において、100×100×50mmのコンクリート供試体を用いたが、コンクリート供試体1の側面は、ゲージマイクロスタイリングワックス(株式会社東京測器研究所:W−1コーティング剤)4を塗布することで、水分がコンクリート供試体側面に侵入しないように保護した。
次いで、図3に示すように該コンクリート供試体の高さ3の半分(25mm)まで水5(1)に浸漬させ(再現試験開始日)、該コンクリート供試体がかる水と接している底面からの水分の移動によってのみ溶解しているエフロレッセンス成分をコンクリート供試体の上表面に濃縮させることで、エフロレッセンスの発生促進を実施した。
かかるエフロレッセンス再現試験の結果を図4(a)〜(b)の写真図に示す。
図4(a)は再現試験開始日のコンクリート供試体の上表面の状態を示し、図4(b)は試験材齢14日目の状態を示す。
試験材齢14日目であっても、コンクリート供試体の上表面にエフロレッセンスは発生していなかった。
(比較例2)
コンクリート供試体1の高さ3の半分(25mm)までを、5%硫酸ナトリウム水溶液5(2)で浸漬させる以外は、比較例1と同様にして実施した。これにより、コンクリート供試体底面からエフロレッセンスの要因となる硫酸イオンを、該コンクリート供試体上表面に供給することでエフロレッセンスの発生促進を実施した。
かかるエフロレッセンス再現試験の結果を図5(a)〜(b)の写真図に示す。
図5(a)は再現試験開始日のコンクリート供試体の上表面の状態を示し、図5(b)は試験材齢14日目の状態を示す。
試験材齢14日目であっても、コンクリート供試体の上表面上にエフロレッセンスは発生していなかった。
(比較例3)
実施例と同様の材料を用いて、以下の表2に示す配合割合でモルタル組成物を20℃±2℃の恒温室にて調製し、該モルタル組成物を用いて40×80×40mmの寸法の角柱のモルタル供試体を製造し、25℃の環境下にてエフロレッセンス再現試験方法を実施した以外は、上記実施例と同様にして実施した。
図6に、該モルタル供試体8個の上表面に砕氷を積載した状態を示す。
Figure 0005928136
実施例では上記したように、エフロレッセンス試験材齢1日目でエフロレッセンスの発生を確認できたが(図2(b))、比較例3においては、25℃の環境下では試験材齢14日経過してもエフロレッセンスは発生しなかった。これはモルタル供試体表面の砕氷が溶解し、水分の蒸発等によるモルタル供試体表面の乾燥に対して、該供試体内部からの水分供給が追いつかず、エフロレッセンスの原因成分の供給を妨げたと考えられる。
(比較例4)
比較例3のモルタル供試体を用い、0℃の環境下にてエフロレッセンス再現試験を実施した以外は、実施例と同様にして実施した。
0℃の環境化においては、モルタル供試体上面に積載した砕氷が完全に溶解せず、部分的にしたエフロレッセンスの発生を確認することができなかった。
(比較例5)
比較例3のモルタル供試体を用い、5℃の環境下でモルタル供試体上面に砕氷を0.50g/cmの量で積載してエフロレッセンス再現試験を実施した以外は、実施例と同様にして実施した。
モルタル供試体上面にエフロレッセンスの発生は確認できたが、積載した砕氷の量が多いため溶解した水分の蒸発等に時間がかかり、エフロレッセンスの発生までに3〜4日程度を要した。
(比較例6)
比較例3のモルタル供試体を用い、5℃の環境下でモルタル供試体上面に砕氷を0.20g/cmの量で積載してエフロレッセンス再現試験を実施した以外は、実施例と同様にして実施した。
モルタル供試体上面にエフロレッセンスの発生は確認できたが、積載した砕氷の量が少ないため、モルタル供試体上面に一様に砕氷を積載することができず、従って、部分的にしかエフロレッセンスは発生しなかった。
上記実施例及び比較例1〜6の結果を下記表3に示す。
但し、表3中、○は供試体の上表面上に一様にエフロレッセンスが発生した状態、△は供試体の上表面に部分的にエフロレッセンスが発生した状態、×は供試体の上表面にエフロレッセンスが発生しない状態を示す。
Figure 0005928136
本発明のコンクリートにおけるエフロレッセンス再現試験方法は、実際のコンクリート製品にエフロレッセンスが発生する環境に近い環境でのコンクリートのエフロレッセンス発生の短期的な再現試験として適用することができる。
1・・・コンクリート供試体
2・・・砕氷
3・・・コンクリート供試体の高さ
4・・・コーティング膜
5・・・浸漬液

Claims (3)

  1. 1〜15℃の低温環境下においてコンクリートを浸漬することなく、コンクリート表面上に一様に氷を0.25〜0.40g/cmで積載するとともに、次いで該氷が溶解した水分が該コンクリート表面上からなくなることにより、該コンクリート表面にエフロレッセンスを発生させることを特徴とする、コンクリートにおけるエフロレッセンス再現方法。
  2. 請求項1記載のコンクリートにおけるエフロレッセンス再現方法において、前記低温環境下の温度が5±2℃であることを特徴とする、コンクリートにおけるエフロレッセンス再現方法。
  3. 請求項1または2記載のコンクリートにおけるエフロレッセンス再現方法において、前記氷は砕氷であることを特徴とする、コンクリートにおけるエフロレッセンス再現方法。
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