以下、本発明実施形態に係る表示装置及びその駆動方法、端末装置及び表示パネルについて、添付の図面を参照して具体的に説明する。まず、本発明の第1実施形態に係る表示装置及びその駆動方法、端末装置及び表示パネルについて説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る表示装置を示す上面図であり、特に画素の電気的な接続と画像分離手段であるレンチキュラレンズとの関係を示す。図2は本実施形態に係る表示装置を示す断面図であり、図3は本実施形態に係る表示装置の画素を示す上面図であり、図4は本実施形態に係る端末装置を示す斜視図である。
図1及び図2に示すように、本第1実施形態に係る表示装置は、電気光学素子として液晶分子を利用した表示パネル2にレンチキュラレンズ3を具備した立体表示用の表示装置1である。レンチキュラレンズ3は、表示パネル2の表示面側、すなわち使用者側に配置されている。
表示パネル2は、各1個の左眼用画素4L及び右眼用画素4Rからなる表示単位としての画素対がマトリクス状に設けられた視点数2なる立体表示用の表示パネルである。なお、本実施形態においては、左眼用画素4L及び右眼用画素4Rを総称して画素4とも呼称する。レンチキュラレンズ3は多数のシリンドリカルレンズ3aが一次元配列したレンズアレイである。シリンドリカルレンズ3aはかまぼこ状の凸部を有する一次元レンズである。その延伸方向、すなわち長手方向は、表示面内において配列方向と直交する方向となっている。シリンドリカルレンズ3aは延伸方向にはレンズ効果を持たず、その直交方向である配列方向にのみレンズ効果を有する。これにより、レンチキュラレンズ3はシリンドリカルレンズ3aの配列方向にのみレンズ効果を有する一次元レンズアレイとなっている。そして、シリンドリカルレンズ3aの配列方向は、左眼用画素4L及び右眼用画素4Rが繰り返し配列される方向に設定されている。なおシリンドリカルレンズ3aは、前述の表示単位と対応して配置されている。
シリンドリカルレンズ3aは、前述のようにその延伸方向と直交する方向にのみレンズ効果を有する。そして、本実施形態においては、このレンズ効果を有する方向が、左眼用画素4L及び右眼用画素4Rが繰り返し配列される方向と一致している。この結果、シリンドリカルレンズ3aは、左眼用画素4Lの光と右眼用画素4Rの光を異なる方向に分離可能な光線分離手段として作用する。これにより、レンチキュラレンズ3は、各表示単位の左眼用画素4Lが表示する画像と、各表示単位の右眼用画素4Rが表示する画像を、異なる方向に分離することができる。すなわち、レンチキュラレンズ3は、画像分離手段、画像振分手段として作用する光学部材である。なお、シリンドリカルレンズ3aの焦点距離は、シリンドリカルレンズ3aの主点、すなわちレンズの頂点と、画素面、すなわち左眼用画素4L又は右眼用画素4Rが配置された面との間の距離に設定されている。
なお、本明細書においては、便宜上、以下のようにXYZ直交座標系を設定する。左眼用画素4L及び右眼用画素4Rが繰り返し配列される方向において、右眼用画素4Rから左眼用画素4Lに向かう方向を+X方向とし、その反対方向を−X方向とする。+X方向及び−X方向を総称してX軸方向という。また、シリンドリカルレンズ3aの長手方向をY軸方向とする。更に、X軸方向及びY軸方向の双方に直交する方向をZ軸方向とし、このZ軸方向のうち、左眼用画素4L又は右眼用画素4Rが配置された面からレンチキュラレンズ3に向かう方向を+Z方向とし、その反対方向を−Z方向とする。+Z方向は前方、すなわち、使用者に向かう方向であり、使用者は表示パネル2の+Z側の面を視認することになる。そして、+Y方向は、右手座標系が成立する方向とする。すなわち、人の右手の親指を+X方向、人差指を+Y方向に向けたとき、中指は+Z方向を向くようにする。
上述の如くXYZ直交座標系を設定すると、シリンドリカルレンズ3aの配列方向はX軸方向となり、左眼用の画像と右眼用の画像はX軸方向に沿って分離されることになる。また、左眼用画素4L及び右眼用画素4Rからなる表示単位がY軸方向に一列に配列される。X軸方向における画素対の配列周期はシリンドリカルレンズの配列周期と略等しくなっている。一つのシリンドリカルレンズ3aには、表示単位がY軸方向に配列した列が対応して配置されている。
表示パネル2においては、TFT基板2aと対向基板2bとが微小な間隙を設定して配置されており、この間隙に液晶層5LCが配置されている。液晶層5LCは例えば、透過型のTNモードとなるように構成されている。TFT基板2aは表示パネル2の−Z方向側に配置され、対向基板2bは+Z方向側に配置されている。すなわち、対向基板2bの更に+Z方向側にレンチキュラレンズ3が配置されている。
表示パネル2は薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)を有するアクティブマトリクス型の表示パネルである。薄膜トランジスタは各画素に表示信号を伝送するためのスイッチとして作用し、このスイッチを操作するのは、各スイッチのゲートに接続されたゲート線を流れるゲート信号である。本発明においては、TFT基板2aの内側の面、すなわち+Z方向側の面に、行方向、すなわちX軸方向に延伸するゲート線G1乃至G5が配置されている。なおゲート線G1乃至G5を総称してゲート線Gとも呼称する。更に、TFT基板2aの同じ面には、列方向、すなわちY軸方向に延伸するデータ線D1乃至D7が配置されている。データ線D1乃至D7を総称してデータ線Dとも呼称する。データ線は薄膜トランジスタに表示データ信号を供給する役割を果たす。本実施形態においては、ゲート線GはX軸方向に延伸し、Y軸方向に複数配列している。また、データ線Dは屈曲しているものの、複数回の屈曲を経て延伸する方向はY軸方向であり、X軸方向に複数配列している。そして、ゲート線とデータ線の交点近傍に、画素(左眼用画素4L又は右眼用画素4R)が配置されている。特に図1においては、画素のゲート線及びデータ線との接続関係を明確にするため、例えばゲート線G3とデータ線D2に接続された画素をP32と表記している。すなわち、Pの次の数字がゲート線のGの後の数字であり、更にその次の数字がデータ線のDの後の数字である。
図1及び図3に示すように、画素4には画素電極4PIX、画素薄膜トランジスタ4TFT、蓄積容量4CSが配置されている。画素薄膜トランジスタ4TFTはMOS型の薄膜トランジスタであり、ソース電極又はドレイン電極の一方がコンタクトホール4CONTを介してデータ線Dに接続され、他方が画素電極4PIXと蓄積容量4CSの一方の電極に接続される。本発明においては、画素電極が接続された方の電極をソース電極、信号線に接続された方の電極をドレイン電極と呼称するものと定める。そして、画素薄膜トランジスタ4TFTのゲート電極は、ゲート線Gに接続される。蓄積容量4CSの他方の電極には、蓄積容量線CSが接続されている。更に、対向基板の内側には共通電極4COMが形成され、画素電極4PIXとの間で画素容量4CLCが形成される。また、図示していないが、対向基板の内側に画素の開口部以外を覆う遮光層が形成されていてもよい。本実施形態においては「遮光部」という表現を使用するが、これは特にこの遮光層に限定するものではなく、光を通さない部分を指すものである。なお、図3においては、各構成要素の大きさや縮尺は、図の視認性を確保するため、適宜変更して記載してある。また、画素4の構造は、左眼用画素4L及び右眼用画素4Rに対して共通である。また、図1においては、各画素のゲート線及びデータ線に対する接続関係を示すため、図3における薄膜トランジスタ及び画素電極を抽出して示している。
画素薄膜トランジスタ4TFTは、半導体として多結晶シリコンを使用したポリシリコン薄膜トランジスタを使用している。多結晶シリコンは一例では、微量のホウ素を含むP型半導体である。すなわち、画素薄膜トランジスタ4TFTは、ソース電極又はドレイン電極の電位よりもゲート電極の電位の方がローレベルとなった場合に、ソース電極とドレイン電極との間が導通状態となる所謂PMOS型の薄膜トランジスタである。
ポリシリコン薄膜トランジスタは一例では、TFT基板2a上に酸化シリコン層を形成した後でアモルファスシリコン層を形成し、このアモルファスシリコン層を多結晶化してポリシリコン薄膜を形成する。多結晶化する手段としては、熱アニール法やレーザアニール法が用いられるが、特にエキシマレーザ等のレーザを使用したレーザアニール法は、ガラス基板の温度上昇を最小限に留めた上でシリコン層のみを加熱多結晶化することができるため、融点の低い無アルカリガラス等を使用することができる。これにより、低コスト化が可能となるため、低温ポリシリコンと称して良く用いられている。なお、このアニール工程を省くことにより、アモルファスシリコン薄膜トランジスタを実現することもできる。
次に、シリコン層の上にゲート絶縁層としての酸化シリコン層を形成し、適宜パターニングする。この過程で、シリコン薄膜の半導体層として使用する部分以外の領域にイオンをドーピングして、導体化することが好ましい。パターニングの手法としては、感光性レジストを使用する光パターニングの手法が適用できる。一例では、感光性レジストをスピンコートした後に、ステッパ等の露光機で光を部分照射し、現像工程を経て、パターンを残す部分にのみ感光性レジストの膜を残す。その後、ドライエッチング等により感光性レジストの膜が残存しない領域のシリコン層を除去し、最後に感光性レジストの膜を剥離する。
次に、ゲート電極となるアモルファスシリコン層とタングステンシリサイド層を成膜し、ゲート電極等を形成する。このとき、ゲート電極が接続するゲート線や、蓄積容量線も同様に形成してもよい。次に、酸化シリコン層と窒化シリコン層を形成し、適宜パターニングした後に、アルミニウム層とチタン層を成膜し、ソース電極及びドレイン電極を形成する。このとき、データ線を同時に形成してもよい。
次に窒化シリコン層を成膜し、適宜パターニングした後にITO等の透明電極を成膜、パターニングすることにより、画素電極を形成する。これにより、薄膜トランジスタを有する画素構造を形成することができる。なお、この薄膜トランジスタを用いて、ゲート線やデータ線、蓄積容量線を駆動する回路を同時に形成することもできる。
図3は、本実施形態における画素を4個分示したものである。本実施形態においては、ゲート線G及び蓄積容量線CSは薄膜トランジスタ4TFTのゲート電極と同層で形成されている。また、シリコン層4SIと蓄積容量線CSとの間で、蓄積容量4CSが形成されている。前述のように、シリコン層4SIはコンタクトホール4CONTを介してデータ線Dに接続されるが、画素4において画素薄膜トランジスタ4TFT以外に設けられたもう一つのコンタクトホール4CONTは、蓄積容量4CSにおけるシリコン層4SIと画素電極4PIXを電気的に接続するためのものである。
なお、本図においては、コンタクトホール4CONTは黒塗りで示し、画素電極4PIXは点線で、またシリコン層4SIは太線で、夫々の形状を示している。
そして、本発明においては「隣接画素対」という表現を使用するが、これは特に、ゲート線を挟み配置された二つの画素が、この画素間に配置されたゲート線に接続された状態において使用するものとする。すなわち、隣接画素対を構成する画素は、この画素間に配置されたゲート線により、制御される。図3においては、左側の二つの画素が、隣接画素対4PAIRを構成する。
更に、隣接画素対4PAIRを構成する各画素は、夫々異なるデータ線に接続される。図3の左側の隣接画素対4PAIRにおいては、−Y方向側の画素4は−X方向側に配置されたデータ線Dに接続され、+Y方向側の画素4は+X方向側に配置されたデータ線に接続されている。
そして、ゲート線Gの延伸方向、すなわちX軸方向に隣り合う隣接画素対4PAIRは、共通のゲート線Gに接続されず、異なるゲート線Gに接続されている。これは、隣接画素対4PAIRが、X軸方向においては、Y軸方向に画素一つ分だけずれた状態で隣り合っているからである。このように配置することにより、必要な配線数を最小限に抑えることができるため、開口率の向上が可能となる。
なお、本実施形態においては、図3に示す4個の画素がX軸方向及びY軸方向に繰り返し配置されていることになる。
ここで再度図1を参照して、画素の配置関係を確認する。まず、画素P31と画素P32から構成される隣接画素対に着目する。説明の都合上、この隣接画素対の表記を(P31、P32)とすることにする。すると、隣接画素対(P31、P32)に対し、+X方向には、隣接画素対(P22、P23)が隣り合っている。隣接画素対(P22、P23)はゲート線G2を共通のゲート線としている。ここで、「隣接画素対がゲート線G2を共通のゲート線とする」という表現は、隣接画素対を構成する各画素は、ゲート線G2、すなわちこの画素間に配置されたゲート線に接続され、制御されることを意味する。隣接画素対(P31、P32)はゲート線G3を共通のゲート線とするので、隣接画素対(P31、P32)と隣接画素対(P22、P23)は、夫々異なるゲート線を共通のゲート線としている。ちなみに、夫々の共通ゲート線は隣接の関係にある。
なお、隣接画素対(P31、P32)に対し、+X方向には、隣接画素対(P42、P43)も隣り合って配置されている。両者の隣接画素対においても同様に、夫々異なるゲート線を共通のゲート線としている。
更に、隣接画素対(P22、P23)又は隣接画素対(P42、P43)に対し、+X方向には、隣接画素対(P33、P34)が配置されている。この隣接画素対(P33、P34)はゲート線G3を共通ゲート線としている点は、隣接画素対(P31、P32)と同様である。すなわち、画素1列毎に、同じゲート線を共通ゲート線とする隣接画素対が配置されていることになる。これは換言すれば、右眼用画素4Rを構成する隣接画素対に接続されたゲート線は、左眼用画素4Lを構成する隣接画素対には接続されないことになる。
次に、再度図3を参照して、画素の構造を説明する。本実施形態においては、隣接画素対を構成する一方の画素のデータ線と接続される部分、すなわちドレイン電極は、隣接画素対の共通ゲート線よりも他方の画素側に配置されている。例えば、隣接画素対(P31、P32)に着目すると、画素P31のドレイン電極は、ゲート線G3よりも+Y方向に配置され、画素P32側に配置されている。換言すれば、薄膜トランジスタ4TFTのドレイン電極とソース電極が、ゲート線Gを跨いで配置されている。一般的に、薄膜トランジスタのLサイズはドレイン電極とソース電極が形成された方向におけるシリコン薄膜の長さを指し、Wサイズはこの直交方向におけるシリコン薄膜の幅を指す。なお、Lサイズはチャネル長、Wサイズ幅はチャネル幅とも呼称される。そこで本発明においては、ドレイン電極とソース電極が形成された方向をL方向とし、この直交報告をW方向とすると、本実施形態においては、薄膜トランジスタのW方向がゲート線の延伸方向と一致して配置されていることになる。更に、薄膜トランジスタのシリコン薄膜部は、データ線Dと重ねて配置されている。なお、薄膜トランジスタはシングルゲート構成である。また、LサイズよりWサイズの方が大きい。
そして、隣接画素対を構成する各画素は、点対称の関係に配置されている。また、各隣接画素対は、平行移動の関係に配置されている。すなわち、各隣接画素対は、平行移動した状態で配置されている。なお、平行移動とは、点対称移動や線対称移動をせずに、単に中心位置を変更する移動を指す。
また、各画素における表示領域、すなわち表示に使用される領域は、略台形状となっている。これに伴い、画素電極4PIXの形状も、略台形状となっている。また、隣接画素対は、略台形状の表示領域を有する二つの画素が、上底側を向かい合わせて配置されたものと表現することもできる。そして薄膜トランジスタ4TFTは、略台形状を有する画素の表示領域の上底側に配置され、隣接画素対を構成する各画素の上底間に配置されている。
また、蓄積容量線CSは、ゲート線の延伸方向、すなわちX軸方向に隣接する各画素の蓄積容量を接続するように配置されている。X軸方向に隣接する各画素においては、Y軸方向における薄膜トランジスタの位置が異なるため、蓄積容量線CSはこれらを結ぶように屈曲して配置されている。なお、蓄積容量は薄膜トランジスタと同様、各画素において、略台形状を有する表示領域の上底側に配置されている。これにより、隣接画素対を構成する各画素の上底間に蓄積容量を効率的に配置することができ、開口率の更なる向上が可能となる。また、蓄積容量線CSはゲート線の延伸方向と直交して配置されていない。これは、ゲート線の延伸方向に分離効果を有する画像分離手段を設ける際に、非常に重要なポイントとなる。また、蓄積容量線CSはゲート線Gと同層に形成されている点も、後述のように、開口率を高める上で重要である。
そして、蓄積容量線CSとデータ線Dとの交差部分は、前記データ線に沿うように配置されている。
図4に示すように、本実施形態に係る端末装置は携帯電話9である。この携帯電話9には、前述の表示装置1が搭載されている。そして、表示装置1のX軸方向が携帯電話9の画面の横方向となり、表示装置1のY軸方向が携帯電話9の画面の縦方向となっている。
次に、本実施形態における画素構造とその効果について、より詳細に説明する。複数視点用表示装置において、高開口率化と高画質化を達成するためには、画素の縦開口率を横方向の位置によらず一定にしつつ、縦開口率を最大にする必要がある。なお、縦開口率とは、画像分離手段の画像分離方向(本実施形態ではX軸方向)と直交する方向(すなわちY軸方向)に延伸する線分を用いて、画素を切断した際のY軸方向の開口の高さを、Y軸方向の画素ピッチで除した値である。この縦開口率を、画像分離方向に依存せず一定にした上で、縦開口率を最大にする必要がある。
まず、ゲート線及びデータ線の配置について考察すると、各画素の周囲にゲート線及びデータ線が配置されている方が好ましい。これにより、配線間のデッドスペースを削減して開口率の向上が可能となる。換言すれば、ゲート線同士又はデータ線同士が、間に画素を配置することなく隣接するのは避けた方がよい。これは、同種の配線同士が隣接してしまうと、ショートを防止するため配線間に間隔を設ける必要が発生し、この間隔がデッドスペースとなって開口率が低下するからである。
なお、ゲート線の延伸方向と画像分離手段の画像分離方向との関係については、特に立体画像表示装置の場合には、少なくとも画像分離方向が表示装置の横方向となるように配置される。この時、ゲート線の延伸方向は従来同様、表示装置の横方向とするのが好ましい。通常、表示するデータは、ゲート線が横方向に延伸し、縦方向に配列するものとして入力される。したがって、90度回転した状態でゲート線を縦方向に延伸すると、入力データの縦横変換が必要になり、少なくとも1フレーム分の外部メモリが必要となって、表示装置の高コスト化を招いてしまうからである。すなわち、立体画像表示装置においては、画像分離手段の画像分離方向とゲート線の延伸方向を一致させるのが好ましい。
更に、蓄積容量線CSは、画像分離方向に沿って延伸するように配置されるのが好ましい。これは、画像分離方向に沿って蓄積容量線を配列すると、画像分離手段により蓄積容量線の像が拡大されてしまい、表示画質を著しく劣化させてしまうからである。すなわち、画像分離方向に沿って配列する配線は極力削減するのが好ましく、本発明においてはデータ線のみを配列している。これにより、一層の画質の向上が可能となる。
更に、データ線は、縦開口率を画像分離方向の位置によらず一定にするため、ゲート線の配列方向から屈曲させる必要がある。そして、縦開口率を限定する要因として、この屈曲した斜辺部の構造と、台形状開口における下底間の構造、及び上底間の構造が挙げられる。より具体的には、図3のA−A線に示すように、斜辺部を切断する縦線においては、斜辺部のY軸方向における高さと下底間の高さが縦開口率に影響する。また、図3のB−B線に示すように、TFT部を切断する縦線においては、上底間の高さと下底間の高さが縦開口率に影響する。
A−A線、B−B線のどちらにも共通するのは、下底間の高さである。そこでまず、この下底間の高さを最小にするための構造を検討する。前述のように、下底間には少なくともゲート線1本は配置する必要がある。そして下底間の高さを最小にするためには、構造物はこのゲート線1本に留めるのが好ましい。例えば下底間に薄膜トランジスタを配置すると、その分だけ下底間の高さが増大してしまうので好ましくない。特にA−A線においては、下底部が重複して配置されているため、下底間の高さが増大した際の影響が非常に大きい。下底間への構造物の配置は極力避けるべきである。また、蓄積容量線をゲート線と同層で形成する場合には、下底間に蓄積容量線を配置しない方が好ましい。これにより、下底間の高さを削減しつつ、かつ省プロセス化が実現できる。
次に、A−A線における斜辺部の高さについて検討する。この斜辺部においては、配線を屈曲して配置しているため、屈曲した分だけ高さが大きくなる。例えば、Y軸方向に対する屈曲角をθとし、斜辺部の幅をWOBとすると、斜辺部の高さは、WOB/sinθとなる。例えば、θが30度の場合だと、斜辺部の高さは幅の2倍となる。このように、斜辺部の高さは幅の1/sinθ倍で影響を受けるので、斜辺部の幅を小さくするのは非常に重要である。
斜辺部の幅を小さくするには、斜辺部に構造物を極力配置しないのが好ましい。例えば斜辺部に薄膜トランジスタを配置すると、その分だけ幅が増大し、1/sinθ倍で高さが増大してしまうので好ましくない。しかし前述のように、最低限1本のデータ線は配置する必要がある。また蓄積容量線をゲート線と同層で形成する場合には、特に蓄積容量線をデータ線と重ねて配置することもできる。この時には、蓄積容量線CSとデータ線Dとの交差部分は、前記データ線に沿うように配置されることになる。これにより、斜辺部の高さを削減でき、縦開口率の向上が可能となる。
最後に、B−B線における上底間の高さについて検討する。前述のように、下底間及び斜辺部には薄膜トランジスタを配置できなかったため、この上底間に配置する必要がある。そして、上底間の高さを低減するような配置が重要となる。図3を参照すると明らかであるが、上底間において最も高さを有する構造物は薄膜トランジスタである。そこで、この薄膜トランジスタの高さ、すなわちY軸方向に長さを低減するのが重要になる。
本実施形態においては、薄膜トランジスタのドレイン電極とソース電極が、ゲート線Gを跨いで配置されている。換言すれば、隣接画素対を構成する一方の画素のデータ線と接続される部分は、隣接画素対の共通ゲート線よりも他方の画素側に配置されている。これにより、特に薄膜トランジスタのWサイズがLサイズよりも大きい場合には、効率良く薄膜トランジスタを配置することができる。
一方で、薄膜トランジスタのW方向をゲート線の延伸方向と平行に配置すると、薄膜トランジスタのドレイン電極とソース電極が、ゲート線を跨いで配置するのは困難になる。その結果、薄膜トランジスタを効率良く配置するのは困難になる。特に、ゲート線と蓄積容量線を同層に形成した場合には、ゲート線と蓄積容量線の間隔を設ける必要が発生するため、更に効率は低下してしまう。
更に、本実施形態においては、隣接画素対を構成する二つの画素の薄膜トランジスタが、X軸方向において異なる位置に配置されている。これにより、ドレイン電極とソース電極がゲート線を跨いで配置するレイアウトを容易に実現できる。そして、隣接画素対を構成する各画素は、点対称の関係に配置されている。この点対称配置により、各画素のレイアウトを容易にすることができ、設計工数の削減が可能となる。
なお、本実施形態に示すように、蓄積容量線は薄膜トランジスタの近傍に配置するのが、蓄積容量を形成する上で最も効率が高い。これは、蓄積容量が、薄膜トランジスタのドレイン電極に接続された電極と、蓄積容量線に接続された電極との間で形成されることから明らかである。
更に、薄膜トランジスタのシリコン薄膜部をデータ線Dと積層して配置することにより、無駄なスペースを削減した上で、蓄積容量などのスペースとして活用することができる。
次に、上述の如く構成された本実施形態に係る表示装置の駆動方法、すなわち表示動作について説明する。図5は、本実施形態に係る表示装置において、各画素の極性を示す上面図である。本実施形態においては、表示装置1はドット反転駆動を用いて駆動される。ドット反転駆動は、データ線1本毎に各々伝送される表示データの極性が基準電位に対して反転され、かつゲート線1本毎に各々データ線を伝送される表示データの極性が反転され、かつフレーム毎に極性が反転される駆動方法である。ドット反転駆動は1H1V反転駆動とも称される。これは、水平方向(H方向)に配列するデータ線1本毎、また垂直方向(V方向)に配列するゲート線1本毎に極性が反転しているからである。
図5を参照して具体的に説明するが、これはあるフレームにおいて、ドット反転駆動の結果実現される各画素の極性を示したものである。まず、ゲート線G1が選択されると、データ線D1には正極性の表示データが伝送され、画素P11には正極性の電圧が書き込まれる。またデータ線D2には負極性の表示データが伝送される。同様に、データ線D3、D5、D7には正極性の表示データが伝送され、データ線D4、D6には負極性の表示データが伝送される。次にゲート線G2が選択された場合には、データ線の極性が全て反転される。すなわち、データ線D1、D3、D5、D7には負極性の表示データが伝送され、データ線D2、D4、D6には正極性の表示データが伝送される。以降、ゲート線G3、G5の選択時は、ゲート線G1の選択時と同様であり、ゲート線G4の選択時は、ゲート線G2の選択時と同様である。そして、このフレームが終了すると、次のフレームにおいては、更に極性反転が実行される。すなわち、ゲート線G1、G3、G5選択時においては、データ線D1、D3、D5、D7に負極性の表示データが伝送され、データ線D2、D4、D6に正極性の表示データが伝送される。また、ゲート線G2、G4選択時においては、データ線D1、D3、D5、D7に正極性の表示データが伝送され、データ線D2、D4、D6に負極性の表示データが伝送される。
なお、ドット反転駆動における基準電位としては、画素電極に対向する共通電極の電位を挙げることができる。しかし厳密には、共通電極電位は薄膜トランジスタのフィードスルーの影響を低減するために、DCオフセットを印加することが多く、基準電位とは異なるものである。
ここで、右眼用画素4Rから構成される画素群に着目すると、Y軸方向には異極性の画素が配列するものの、X軸方向には同極性の画素が配列している。左眼用画素4Lから構成される画素群においても同様である。すなわち、各視点においてはライン反転効果が実現されていることになり、他のフレーム反転効果等と比較して高画質化が可能となる。
本実施形態においては、奇数番目のゲート線が右眼用画素に接続され、偶数番目のゲート線が左眼用画素に接続されている。このように、ゲート線によって左眼用画素又は右眼用画素が選択できる効果は非常に大きい。例えば、左右画像が水平方向に並べて配置されたサイドバイサイド形式の表示データが入力される場合には、表示データ1行分に対してゲート線2本分を順次走査して対応することができる。これにより、入力データの一時的な保存に必要なメモリを削減することが可能となり、低コスト化が実現できる。すなわち、本実施形態においては、サイドバイサイド形式の入力に対しては、ゲート線を順次走査する駆動方法を好適に組み合わせることができる。
ここで、本実施形態における立体画像表示装置の構成の一例と、レンチキュラレンズが画像振分手段として作用するための条件について詳述する。本実施形態においては、画像振分手段は、左眼用画素と右眼用画素が配列する第1の方向、すなわちX軸方向に沿って、各画素から出射した光を相互に異なる方向に振り分けなければならない。そこでまず、画像振分効果を最大限に発揮する場合について、図6を使用して説明する。
レンチキュラレンズ3の主点、すなわち頂点と画素との間の距離をHとし、レンチキュラレンズ3の屈折率をnとし、レンズピッチをLとする。また、左眼用画素4L又は右眼用画素4Rの各1個のピッチをPとする。このとき、各1個の左眼用画素4L及び右眼用画素4Rからなる表示画素の配列ピッチは2Pとなる。
また、レンチキュラレンズ3と観察者との間の距離を最適観察距離ODとし、この距離ODにおける画素の拡大投影像の周期、すなわち、レンズから距離ODだけ離れレンズと平行な仮想平面上における左眼用画素4L及び右眼用画素4Rの投影像の幅の周期を夫々eとする。更に、レンチキュラレンズ3の中央に位置するシリンドリカルレンズ3aの中心から、X軸方向におけるレンチキュラレンズ3の端に位置するシリンドリカルレンズ3aの中心までの距離をWLとし、反射型液晶表示パネル2の中心に位置する左眼用画素4Lと右眼用画素4Rからなる表示画素の中心と、X軸方向における表示パネル2の端に位置する表示画素の中心との間の距離をWPとする。更にまた、レンチキュラレンズ3の中央に位置するシリンドリカルレンズ3aにおける光の入射角及び出射角を夫々α及びβとし、X軸方向におけるレンチキュラレンズ3の端に位置するシリンドリカルレンズ3aにおける光の入射角及び出射角を夫々γ及びδとする。更にまた、距離WLと距離WPとの差をCとし、距離WPの領域に含まれる画素数を2m個とする。
シリンドリカルレンズ3aの配列ピッチLと画素の配列ピッチPとは相互に関係しているため、一方に合わせて他方を決めることになるが、通常、表示パネルに合わせてレンチキュラレンズを設計することが多いため、画素の配列ピッチPを定数として扱う。また、レンチキュラレンズ3aの材料を選択することにより、屈折率nが決定される。これに対して、レンズと観察者との間の観察距離OD、及び観察距離ODにおける画素拡大投影像の周期eは所望の値を設定する。これらの値を使用して、レンズの頂点と画素との間の距離H及びレンズピッチLを決定する。スネルの法則と幾何学的関係より、下記数式1乃至6が成立する。また、下記数式7乃至9が成立する。
[数1]
n×sinα=sinβ
[数2]
OD×tanβ=e
[数3]
H×tanα=P
[数4]
n×sinγ=sinδ
[数5]
H×tanγ=C
[数6]
OD×tanδ=WL
[数7]
WP−WL=C
[数8]
WP=2×m×P
[数9]
WL=m×L
前述のようにまず画像振分効果を最大限に発揮する場合について考えるが、これはレンチキュラレンズの頂点と画素との間の距離Hを、レンチキュラレンズの焦点距離fと等しく設定した場合である。これにより、下記数式10が成立する。そして、レンズの曲率半径をrとすると、曲率半径rは下記数式11により求まる。
[数10]
f=H
[数11]
r=H×(n−1)/n
上記のパラメータについてまとめると、画素の配列ピッチPは表示パネルにより決定される値であり、観察距離OD及び画素拡大投影像の周期eは表示装置の設定により決定される値である。屈折率nはレンズ等の材質により決定される。そして、これらから導出されるレンズの配列ピッチL、レンズと画素との距離Hは、各画素からの光が観察面に投影される位置を決定するためのパラメータとなる。画像振分効果を変更するパラメータは、レンズの曲率半径rである。すなわち、レンズと画素との距離Hが固定の場合には、レンズの曲率半径を理想状態から変更すると、左右の画素の像がぼやけて、明確に分離しなくなる。すなわち、分離が有効となる曲率半径の範囲を求めれば良い。
まず、レンズの分離作用が存在するための、曲率半径範囲の最小値を算出する。図7に示すように、分離作用が存在するためには、レンズピッチLを底辺とし焦点距離fを高さとする三角形と、画素ピッチPを底辺としH−fを高さとする三角形とにおいて、相似の関係が成立すればよい。これより、下記数式12が成立し、焦点距離の最小値fminを求めることができる。
[数12]
fmin=H×L/(L+P)
次に焦点距離から曲率半径を算出する。数式11を使用して、曲率半径の最小値rminは、下記数式13のように求めることができる。
[数13]
rmin=H×L×(n−1)/(L+P)/n
次に、最大値を算出する。図8に示すように、分離作用が存在するためには、レンズピッチLを底辺とし焦点距離fを高さとする三角形と、画素ピッチPを底辺としf−Hを高さとする三角形とにおいて、相似の関係が成立すればよい。
これより、下記数式14が成立し、焦点距離の最大値fmaxを求めることができる。
[数14]
fmax=H×L/(L−P)
次に焦点距離から曲率半径を算出する。数式11を使用して、曲率半径の最小値rmaxは、下記数式15のように求めることができる。
[数15]
rmax=H×L×(n−1)/(L−P)/n
以上まとめると、レンズが画像振分効果を発揮するためには、レンズの曲率半径が数式13及び数式15により示される下記数式16の範囲に存在する必要がある。
[数16]
H×L×(n−1)/(L+P)/n≦r≦H×L×(n−1)/(L−P)/n
なお上記においては、左眼用画素と右眼用画素とを有する2視点の立体画像表示装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、N視点方式の表示装置に対して同様に適用することができる。この場合には、前述の距離WPの定義において、距離WPの領域に含まれる画素数を、2m個からN×m個に変更すればよい。
本実施形態の構成において、更なる高画質化を実現するためには、縦開口率を横方向の位置によらず、完全に一定とするのが好ましい。しかしながら、特に台形開口の斜辺部における頂点近傍では、遮光部の加工精度などにより、完全に縦開口率を一定にするのが難しい。そこで、本実施形態においては、図9及び図10に示すように、レンズの焦点を画素面からずらして配置することにより、この遮光部の加工精度に起因する影響を低減して、高画質化が可能となる。ここで、斜辺領域のX軸方向における幅をTWとすると、レンズの焦点を画素面からずらして配置した時の画素面におけるスポット径は、TW以上、2×TW以下の範囲にあることが好ましい。スポット径がTWの場合は、台形開口の斜辺と上底の交点、及び斜辺と下底の交点の影響を複合してぼかせる限界であり、これより大きく設定することが好ましい。そして、スポット径が2×TWの場合は、台形開口の斜辺と上底の交点のぼかし量を、斜辺と下底の交点の位置まで広げることができる。ただし、これよりぼかし量が大きくなると、レンズの分離性能が低下していくので好ましくない。したがって、下記の数式17又は数式18が成立する範囲にレンズ曲率を設定することが好ましい。
[数17]
H×L×(n−1)/(L+2×TW)/n≦r≦H×L×(n−1)/(L+TW)/n
[数18]
H×L×(n−1)/(L−TW)/n≦r≦H×L×(n−1)/(L−2×TW)/n
更に、図3のA−A線における斜辺及び下底部と、B−B線における上底部及び下底部を比較すると、B−B線が開口と遮光部との境界を横切るのは、1画素あたり上底と下底の2回であるのに対し、A−A線が横切るのは、1画素あたり上底と下底、及び斜辺部2回の合計4回となる。すなわち、遮光部を開口領域以外に形成した場合、この遮光部が設計値に対してより大きく形成されると、B−B線よりもA−A線における縦開口率が低下してしまうことになる。例えば、設計値に対して遮光部が片側ΔWOBだけ大きく形成される場合を考えると、B−B線における縦開口の高さは、2×ΔWOBだけ小さくなる。一方で、A−A線における縦開口の高さは、2×ΔWOB(1+1/sinθ)だけ小さくなる。ここで、角度θは前述のように、斜辺部のY軸方向に対する傾斜角である。
そこで、特に遮光部が片側ΔWOBだけ大きく形成されることが予め判明している場合には、斜辺部における遮光部のY軸方向の長さを、2×ΔWOB/sinθだけ小さくしておくのも有効である。
なお上述の説明は、観察面に複数個の視点を設定し、その設定した各視点に向かって表示面の全ての表示単位から各視点用の画素の光が出射する方式のものである。この方式は、ある定めた視点に向かって、該当する視点の光を集めるため、集光方式とも呼称される。集光方式には、上述の2視点方式の立体表示装置や、更に視点数を増やした多視点方式の立体表示装置が分類される。図11に集光方式の概念図を示す。集光方式では観察者の眼に入射する光線を再現して表示する点が特徴的である。本発明は、このような集光方式に対して効果的に適用することができる。
更に、図12に示すように、空間像方式や空間像再生方式、空間像再現方式、空間像形成方式などと呼称される方式が提案されている。空間像方式は集光方式と異なり、特定の視点を設置しない。そして、空間の物体が発する光を再現するように表示する点が異なる。このような空間像方式には、インテグラルフォトグラフィ方式やインテグラルビデオグラフィ方式、インテグラルイメージング方式の立体表示装置が分類される。空間像方式においては、任意の場所に位置する観察者は、表示面全体で同一視点用の画素のみを視認することはない。しかしながら、同一視点用の画素が形成する所定の幅の領域が、複数種類存在することになる。この各領域においては、本発明は前述の集光方式と同様の効果を発揮できるため、空間像方式においても本発明を有効に適用することができる。
なお、本発明においては、「視点」を「使用者が注視する表示領域上のある点(viewing point)」という意味ではなく、「表示装置を視認する位置(observation position)」や、「使用者の眼が位置すべき点又は領域」という意味で使用している。
本実施形態においては、説明を簡略化するため、ゲート線の本数、データ線の本数は、説明に必要な数に限定した。本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の本質には影響を与えない。
また、本実施形態においては、薄膜トランジスタは、ソース電極又はドレイン電極の電位よりもゲート電極の電位の方がローレベルとなった場合に、ソース電極とドレイン電極との間が導通状態となるものとして説明した。逆に、ソース電極又はドレイン電極の電位よりもゲート電極の電位の方がハイレベルとなった場合に導通状態となる所謂NMOS型の薄膜トランジスタを使用することもできる。
更にまた、本実施形態においては、画素のコンタクトホールが、X軸方向における画素中央から外れて配置されている。この画素中央近傍は、レンズ等の画像分離手段で観察面に拡大投影されると、視点が配置される可能性が非常に高い。この画素中央近傍にコンタクトホールを配置した場合、液晶分子の配向に乱れが発生し、表示に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、画素中央付近にコンタクトホールを配置すると、最も良く視認される位置において、表示画質が低下してしまう危険性が高まる。そこで、本実施形態のように、画素中央近傍からコンタクトホールをずらして配置することにより、表示画質の向上が可能となる。更には、隣接画素対を構成する各画素を点対称の関係に配置した場合でも、各コンタクトホールのX軸座標が一致するのを防ぐことができる。これにより、観察面の同じ位置に複数のコンタクトホールの影響が重複してしまうのを抑制できるため、高画質化が可能となる。
更にまた、本実施形態においては、隣接画素対を構成する各画素は、点対称の関係に配置されているものとして説明した。これはすなわち、隣接画素対のX軸方向における中心線に対して、この隣接画素対を構成する各画素の薄膜トランジスタのX軸方向における位置が、対称であることを意味する。そして、本実施形態はこれに限定されるものではなく、隣接画素対を構成する各画素の薄膜トランジスタのX軸方向における位置が、非対称となるように配置されていてもよい。これにより、各画素で薄膜トランジスタの位置に変化を持たせることができ、観察面の同位置に複数の薄膜トランジスタの影響が重複して発生するのを抑制できるため、高画質化が可能となる。
更にまた、本実施形態においては、対向基板の内側に画素の開口部以外を覆う遮光層が形成されていてもよいものとして説明した。この遮光層は画素の開口部を一部覆っていてもよく、遮光層が形成する開口部と、画素の開口部とが相似の形状であってもよい。また、遮光層が形成する開口部の方が小さくてもよい。これにより、TFT基板と対向基板との位置がずれた場合でも、開口形状の変化を抑制でき、高画質化が可能となる。
更にまた、本実施形態におけるゲート線、データ線と画素との接続関係は、次のように表記することもできる。すなわち、複数のデータ線のいずれか二本に挟まれた画素列は、一方のデータ線に画素スイッチを介して接続する画素と他方のデータ線に画素スイッチを介して接続する画素とが交互に配置され、また前記複数のゲート線のいずれか二本に挟まれた画素行は、一方のゲート線に画素スイッチを介して接続する画素と他方のゲート線に画素スイッチを介して接続する画素とが交互に配置されている。なお、このように配置するためには、データ線の本数は、画素列の数よりも1だけ多く配置されている方が好ましい。同様に、ゲート線の本数も、画素行の数よりも1だけ多く配置されている方が好ましい。
本実施形態におけるレンチキュラレンズは、レンズ面が使用者側の方向である+Z方向の面に配置された場合の構造について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、レンズ面が表示パネル側の方向である−Z方向の面に配置されていてもよい。この場合、レンズ−画素間距離を小さくすることができるため、高精細化への対応で有利である。
更にまた、前記表示単位は正方形の中に形成されていてもよい。なお、正方形の中に形成するとは、前記表示単位におけるX軸方向のピッチがY軸方向のピッチと同じであることを意味する。換言すれば、前記表示単位が繰り返し配列される方向において、そのピッチが、全て同じである。
更に、本実施形態における表示パネルは、電気光学素子として液晶分子を利用した液晶表示パネルであるものとして説明した。液晶表示パネルとしては、透過型液晶表示パネルだけでなく、反射型液晶表示パネル、半透過型液晶表示パネル、反射領域よりも透過領域の比率が大きい微反射型液晶表示パネル、透過領域よりも反射領域の比率が大きい微透過型液晶表示パネル等にも適用することができる。また、表示パネルの駆動方法は、TFT方式に好適に適用できる。TFT方式における薄膜トランジスタは、アモルファスシリコンや低温ポリシリコン、高温ポリシリコン、単結晶シリコンを使用したものだけでなく、ペンタセンなどの有機物や酸化亜鉛などの酸化金属、カーボンナノチューブを使用したものにも好適に適用できる。また、本発明は薄膜トランジスタの構造には依存しない。ボトムゲート型やトップゲート型、スタガ型、逆スタガ型等を好適に使用することができる。更には、液晶方式以外の表示パネル、例えば有機エレクトロルミネッセンス表示パネル、又はPALC(Plasma Address Liquid Crystal:プラズマ・アドレス液晶)に適用することもできる。
更にまた、本実施形態においては、端末装置として携帯電話を例示したが、本発明はこれに限定されず、PDA、パーソナルTV、ゲーム機、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ及びノート型パーソナルコンピュータ等の各種の携帯端末装置に適用することができる。また、携帯端末装置のみならず、キャッシュディスペンサ、自動販売機、モニタ及びテレビジョン受像機等の各種の固定型の端末装置に適用することもできる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図13は本発明の第2実施形態に係る表示装置を示す断面図である。前述の本発明の第1実施形態と比較して、本第2実施形態においては、画像振分手段として、レンチキュラレンズの代わりにパララックスバリアを使用している点が異なる。図12に示すように、本実施形態の表示装置11においては、スリット7aがX軸方向に多数配置したスリットアレイであるパララックスバリア7が配置されている。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1実施形態と同様である。
本実施形態においては、パララックスバリアはフォトリソグラフィ技術を用いて容易に作製可能であるため、低コスト化が可能となる。これは、レンチキュラレンズが高さ方向の構造を有する三次元形状であるのに対して、パララックスバリアは平面的な二次元形状であることにも起因する。ただし、上述のように、レンチキュラレンズを使用した場合には、画像分離手段による光の損失が発生しない。したがって、明るい反射表示を実現する点ではレンチキュラレンズ方式の方が有利である。
ここで、パララックスバリアが画像振分手段としての作用するための条件について詳述する。まず、図14を使用して、パララックスバリア方式について説明する。
パララックスバリア7は、細い縦縞状の多数の開口、すなわち、スリット7aが形成されたバリア(遮光板)である。換言すれば、パララックスバリアは、振分方向となる第1の方向と直交する第2の方向に延びるスリットが、前記第1の方向に沿って複数本配列するように形成された光学部材である。左眼用画素4Lからパララックスバリア7に向けて出射した光は、スリット7aを透過すると、領域ELに向けて進行する光束となる。同様に、右眼用画素4Rからパララックスバリア7に向けて出射した光は、スリット7aを透過すると、領域ERに向けて進行する光束となる。このとき、観察者が左眼55Lを領域ELに位置させ、右眼55Rを領域ERに位置させた場合に、観察者は立体画像を認識することができる。
次に、表示パネルの前面にスリット状の開口部を有するパララックスバリアが配置された立体画像表示装置について、その各部のサイズを詳細に説明する。図14に示すように、パララックスバリア7のスリット7aの配列ピッチをLとし、パララックスバリア7と画素との距離をHとする。また、パララックスバリア7と観察者との間の距離を最適観察距離ODとする。更に、パララックスバリア7の中央に位置するスリット7aの中心から、X軸方向におけるパララックスバリア7の端に位置するスリット7aの中心までの距離をWLとする。パララックスバリア7自体は遮光板であるためスリット7a以外に入射した光は透過しないが、バリア層を支持する基板を設けることとし、この基板の屈折率をnと定義する。仮に支持基板が存在しない場合には、屈折率nを空気の屈折率である1にすればよい。このように定義すると、スリット7aから出射する光は、バリア層を支持する基板から出射する際に、スネルの法則に従って屈折する。そこで、パララックスバリア7の中央に位置するスリット7aにおける光の入射角及び出射角を夫々α及びβとし、X軸方向におけるパララックスバリア7の端に位置するスリット7aにおける光の入射角及び出射角を夫々γ及びδとする。更に、スリット7aの開口幅をS1とする。スリット7aの配列ピッチLと画素の配列ピッチPとは相互に関係しているため、一方に合わせて他方を決めることになるが、通常、表示パネルに合わせてパララックスバリアを設計することが多いため、画素の配列ピッチPを定数として扱う。また、バリア層の支持基板の材料を選択することにより、屈折率nが決定される。これに対して、パララックスバリアと観察者との間の観察距離OD、及び観察距離ODにおける画素拡大投影像の周期eは所望の値を設定する。これらの値を使用して、バリアと画素との間の距離H及びバリアピッチLを決定する。スネルの法則と幾何学的関係より、下記数式19乃至24が成立する。また、下記数式25乃至27が成立する。
[数19]
n×sinα=sinβ
[数20]
OD×tanβ=e
[数21]
H×tanα=P
[数22]
n×sinγ=sinδ
[数23]
H×tanγ=C
[数24]
OD×tanδ=WL
[数25]
WP−WL=C
[数26]
WP=2×m×P
[数27]
WL=m×L
なお上記においては、左眼用画素と右眼用画素とを有する2視点の立体画像表示装置について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、N視点方式の表示装置に対して同様に適用することができる。この場合には、前述の距離WPの定義において、距離WPの領域に含まれる画素数を、2m個からN×m個に変更すればよい。
上記のパラメータについてまとめると、画素の配列ピッチPは表示パネルにより決定される値であり、観察距離OD及び画素拡大投影像の周期eは表示装置の設定により決定される値である。屈折率nは支持基板等の材質により決定される。そして、これらから導出されるスリットの配列ピッチL、パララックスバリアと画素との距離Hは、各画素からの光が観察面に投影される位置を決定するためのパラメータとなる。画像振分効果を変更するパラメータは、スリットの開口幅S1である。すなわち、バリアと画素との距離Hが固定の場合、スリットの開口幅S1が小さい程、左右の画素の像は明確に分離される。ピンホールカメラと同様の原理である。そして、開口幅S1が大きくなると、左右の画素の像がぼやけて、明確に分離しなくなる。
パララックスバリアにおいて分離が有効になるスリット幅の範囲は、レンズ方式よりも直感的に算出することができる。図15に示すように、左眼用画素4Lと右眼用画素4Rの境界から出射した光は、スリット7aを通過する際にその開口幅である幅S1に狭められる。そして、距離OD進行して観察面に到達するが、分離作用が存在するためには、この観察面における幅がe以下でなければならない。この幅より広がった場合には、左右画素の投影周期よりも大きくなるため、分離されないことになる。このときのスリット7aの開口幅S1は、スリットピッチLの半分である。すなわち、パララックスバリアにおいて分離が有効になるスリット幅の範囲は、スリットピッチの1/2以下である。
本実施形態における上記以外の効果は、前述の第1実施形態と同様である。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図16は本発明の第3実施形態に係る表示装置において、各画素の極性を示す上面図である。前述の本発明の第1実施形態と比較して、本第3実施形態においては、2ラインドット反転駆動を適用したことを特徴とする。2ラインドット反転駆動方法は、ドット反転駆動方法に対して、2ゲートライン毎に極性反転を実行する駆動方法である。2ラインドット反転駆動は1H2Vドット反転駆動とも称される。これは、水平方向(H方向)に配列するデータ線1本毎、また垂直方向(V方向)に配列するゲート線2本毎に極性が反転しているからである。
すなわち、図16に示すように、ゲート線G1及びG2が選択された場合、データ線D1、D3、D5、D7には正極性の表示データが伝送され、データ線D2、D4、D6には負極性の表示データが伝送される。そして、ゲート線G3及びG4が選択された場合、データ線D1、D3、D5、D7には負極性の表示データが伝送され、データ線D2、D4、D6には正極性の表示データが伝送される。これにより、図16に示すような極性分布が実現される。ここで、右眼用画素4Rから構成される画素群に着目すると、2ライン反転効果が実現されていることが分かる。すなわち、Y軸方向には2個毎に異極性の画素が配置され、X軸方向には同極性の画素が配列している。左眼用画素4Lから構成される画素群も同様である。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1実施形態と同様である。
本実施形態においては、各視点において2ライン反転効果を実現することができるだけでなく、画素の台形開口における底辺同士を同極性に配置することができる。これにより、底辺近傍における液晶分子の異常配向を抑制でき、高画質化が可能となる。また、下底間の遮光部の高さを低減することもでき、開口率を向上して明るい表示も実現できる。本第3実施形態における上記以外の効果は、前述の第1実施形態と同様である。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図17は本発明の第4実施形態に係る表示装置において、各画素の極性を示す上面図である。前述の本発明の第3実施形態と比較して、本第4実施形態においては、ライン反転駆動を適用したことを特徴とする。ライン反転駆動方法は、1ライン毎に極性反転を実行する駆動方法であるが、データ線は同極性のみで構成される。そして、1ライン毎に対向電極の電位を変化させることで、データ線に伝送される表示データの極性を反転することなく、画素に書き込まれる表示データの極性を反転することができる。これにより、データ線駆動回路の耐圧を低減できるため、低コスト化が可能となる。
図17に示すように、ゲート線G1、G3、G5の選択時には、データ線D1乃至D7に接続された画素には、正極性の表示データが書き込まれる。そして、ゲート線G2、G4の選択時には、データ線D1乃至D7に接続された画素には、負極性の表示データが書き込まれる。これにより、図17に示すような極性分布が実現される。ここで、右眼用画素4Rから構成される画素群に着目すると、全て正極性の画素から構成されていることがわかる。また、左眼用画素4Lから構成される画素群に着目すると、全て負極性の画素から構成されている。なお、次フレームにおいては極性反転が実行され、右眼用画素4Rから構成される画素群は全て負極性の画素から構成され、左眼用画素4Lから構成される画素群は全て正極性の画素から構成されることになる。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第3実施形態と同様である。
本実施形態においては、各視点においてフレーム反転効果を実現することができる。また、画素の台形開口における底辺同士を同極性に配置することもでき、高画質化が可能となる。本第4実施形態における上記以外の効果は、前述の第3実施形態と同様である。
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図18は本発明の第5実施形態に係る表示装置において、各画素の極性を示す上面図である。前述の本発明の第4実施形態と比較して、本第5実施形態においては、2ライン反転駆動を適用したことを特徴とする。
すなわち、図18に示すように、ゲート線G1、G2、G5の選択時には、データ線D1乃至D7に接続された画素には正極性の表示データが書き込まれ、ゲート線G2、G4の選択時には、データ線D1乃至D7に接続された画素には負極性の表示データが書き込まれる。なお、次フレームにおいては、正負の極性は反転される。ここで、右眼用画素4Rから構成される画素群に着目すると、図示したフレームにおいては、正負両極性の画素が2ライン反転の状態で配置されることになる左眼用画素4Lから構成される画素群も同様である。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第4実施形態と同様である。
本実施形態においては、2ライン反転駆動を適用することにより、ライン反転駆動を基本としても、2ライン反転ではあるが、ライン反転効果を発揮することが可能となる。これにより、各視点の極性分布をライン状に微細化でき、フレーム反転効果のみの場合よりも高画質化が可能となる。本第5実施形態における上記以外の効果は、前述の第4実施形態と同様である。
次に、本発明の第6実施形態について説明する。図19は本発明の第6実施形態に係る表示装置において、各画素の極性を示す上面図である。前述の本発明の第4実施形態と比較して、本第6実施形態においては、フレーム反転駆動を適用したことを特徴とする。フレーム反転駆動は、フレーム間はデータ線の極性を反転させない方法である。すなわち、走査線が一巡する間は、全面で一定の極性を与え、次の走査線の周期で極性を反転する方法である。
すなわち、図19に示すように、ゲート線G1乃至G5の選択時には、データ線D1乃至D7に接続された画素には正極性の表示データが書き込まれる。そして次のフレームにおいては、負極性の表示データが書き込まれる。この結果、各フレームにおいて、右眼用画素4Rから構成される画素群も、左眼用画素4Lから構成される画素群も、全て同極性となる。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第4実施形態と同様である。
本実施形態においては、フレーム反転駆動を適用することにより、各視点の極性を同様に揃えることができる。更には、画素の台形開口における底辺同士を同極性に配置できるだけでなく、斜辺同士も同極性にできるため、液晶分子の異常配向を抑制でき、高画質化が可能となる。
なお、本実施形態においては、ライン反転効果やドット反転効果など空間的に極性を分布させることで均一化する効果は望めない。そこで、特に倍速化などフレーム周波数を大きくすることにより、時間軸上で均一化して、表示品質を向上することができる。このために有効なフレーム周波数は、70Hz以上である。本第6実施形態における上記以外の効果は、前述の第4実施形態と同様である。
次に、本発明の第7実施形態について説明する。図20は本発明の第7実施形態に係る表示装置において、各画素の極性を示す上面図である。前述の本発明の第1実施形態と比較して、本第7実施形態においては、2H1V反転駆動を適用したことを特徴とする。2H1V反転法とは、データ線は2本単位で極性が反転され、ゲート線は1本毎に極性が反転される駆動方法である。
すなわち、図20に示すように、ゲート線G1の選択時には、データ線D1、D2、D5、D6に接続された画素には正極性の表示データが書き込まれ、データ線D3、D4、D7に接続された画素には負極性の表示データが書き込まれる。次に、ゲート線G2の選択時には、データ線D1、D2、D5、D6に接続された画素には負極性の表示データが書き込まれ、データ線D3、D4、D7に接続された画素には正極性の表示データが書き込まれる。なお、次フレームにおいては、上記の極性を反転した表示データが書き込まれる。この結果、右眼用画素4Rから構成される画素群においては、同極性の画素が縦方向に配列し、異極性の画素が横方向に配列したカラム反転効果が得られる。一方で、左眼用画素4Lから構成される画素群においては、ドット反転効果が得られる。
ここで、蓄積容量線について着目する。特に、ゲート線G1とG2の間に配置された蓄積容量線は、画素P11、P23、P13、P25、P27、P17に接続されることになる。そして、ゲート線G1が選択された時には、画素P11、P13、P17に表示データの書込動作が実行されるが、2H1V反転駆動を適用した場合には、P11には正極性、P13には負極性、P17には正極性の表示データが書き込まれることになる。このように、各蓄積容量線に接続されゲート線選択時に書き込みされる複数の画素は、正極性の表示データが書き込まれる画素と負極性のデータが書き込まれる画素とから構成されている。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1実施形態と同様である。
本実施形態においては、左右の画素群で反転効果が異なるものの、少なくとも一方の視点においてはドット反転効果を実現することができる。これにより、少なくとも一視点においては、高画質化が可能となる。一般的に人間は、左右両眼の視認状態が異なる場合、より視認状態に優れた方の情報を活用することができる。例えば、両眼の視力が異なる場合には、より視力の優れた方の眼の映像が認識され、特に細部が補足されている。本実施形態においては、左眼の視認するドット反転効果の表示が、右眼の視認するカラム反転効果の表示よりも優れていると、左眼の優れた表示を利用して、視認する表示品質を向上することができる。このように、両眼用の表示品質が共に低いよりは、片方のみでも表示品質を向上することにより、全体の品質向上が可能となる。
更に、本実施形態においては、各画素への表示データの書き込み時に、蓄積容量線の電位変動を抑制することができる。これは、各蓄積容量線には、正極性の表示データが書き込みされる画素だけでなく、負極性の表示データが書き込まれる画素が接続されているからである。これにより、蓄積容量線の電位が片側の極性に向かって変動するのを抑制することができ、横方向のクロストークなどを低減して、高品質な表示を実現することができる。本第7実施形態における上記以外の効果は、前述の第1実施形態と同様である。
次に、本発明の第8実施形態について説明する。図21は本発明の第8実施形態に係る表示装置において、各画素の極性を示す上面図である。前述の本発明の第7実施形態と比較して、本第8実施形態においては、2H2V反転駆動を適用したことを特徴とする。2H2V反転法とは、データ線は2本単位で極性が反転され、ゲート線も2本単位で極性が反転される駆動方法である。
すなわち、図21に示すように、ゲート線G1の選択時には、データ線D1、D2、D5、D6に接続された画素には正極性の表示データが書き込まれ、データ線D3、D4、D7に接続された画素には負極性の表示データが書き込まれる。次に、ゲート線G2の選択時にも同様である。そして、ゲート線G3の選択時には、データ線D1、D2、D5、D6に接続された画素には負極性の表示データが書き込まれ、データ線D3、D4、D7に接続された画素には正極性の表示データが書き込まれる。次のゲート線G4の選択時も同様である。なお、次フレームにおいては、上記の極性を反転した表示データが書き込まれる。この結果、右眼用画素4Rから構成される画素群は、2ラインドット反転(1H2Vドット反転)効果が得られる極性分布となっている。そして、左眼用画素4Lから構成される画素群も同様である。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1実施形態と同様である。
本実施形態においては、各視点用画素の画素群が同様に2ラインドット反転効果を得ることができるため、表示品質の向上が可能となる。また、前述の第7実施形態と同様に、各蓄積容量線の変動も抑制することができる。
前述の第3実施形態や第5実施形態にも記載のように、本発明の画素構造においては、ゲート線2本毎に極性反転する2V反転駆動を好適に組み合わせることができる。本第8実施形態における上記以外の効果は、前述の第1実施形態と同様である。
次に、本発明の第9実施形態について説明する。図22は本発明の第9実施形態に係る表示装置において、各画素の極性を示す上面図であり、図23は本実施形態に係る表示装置において各ゲート線選択時のデータ線極性を示す表である。前述の本発明の第1実施形態と比較して、本第9実施形態においては、2H1V反転駆動を基本とし、更に同極性のブロックをずらしていく駆動方法を適用したことを特徴とする。
すなわち、図22及び図23に示すように、ゲート線G1の選択時には、データ線D1乃至D4に接続された画素には夫々正、負、負、正極性の表示データが書き込まれる。なお、データ線方向に対しては、このセットが繰り返される。すなわち、データ線D5乃至D7に接続された画素には、夫々正、負、負極性の表示データが書き込まれる。以降、データ線D1乃至D4に着目すると、ゲート線G2の選択時には正、正、負、負であり、ゲート線G3の選択時には負、正、正、負であり、ゲート線G4の選択時には負、負、正、正となる。ゲート線G5以降に関しては、ゲート線G1乃至G4が繰り返される。すなわち、図23の太枠で示した極性分布を基本とし、X軸方向Y軸方向に繰り返し配置したものとなる。このように、本実施形態においては、データ線は2本単位で極性が反転され、ゲート線は1本毎に極性が反転される2H1V反転駆動を基本としているが、ゲート線毎にデータ線1本分だけ極性分布がずれていく点が2H1V反転駆動とは異なる。換言すれば、奇数番目の前記ゲート線選択時と偶数番目の前記ゲート線選択時とで、前記データ線に伝送される表示データの極性が前記データ線1本分だけ異なっている。
この結果、右眼用画素4Rから構成される画素群は、2ラインドット反転(1H2Vドット反転)効果が得られる極性分布となっている。そして、左眼用画素4Lから構成される画素群も同様である。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1実施形態と同様である。
本実施形態においては、各視点の極性分布を同様に2ラインドット反転とすることができる。更に、各蓄積容量線の電位変動も抑制でき、台形開口の底辺部が隣接する画素の極性を同じにできる。これにより、表示品質の向上が可能となる。
なお、本実施形態においては、特にゲート線を1本おきに走査する駆動方法を好適に適用することができる。すなわち、奇数番目のゲート線を順次選択した際には、単なる2H1V反転駆動を適用すればよい。そして、偶数番目のゲート線を順次選択した際には、同極性のブロックを1列分だけずらした状態で、2H1V反転駆動を適用すればよい。通常の2H1V反転駆動が可能なドライバICでは、このように同極性のブロックを制御できるオプションが準備されているため、通常の2H1V反転駆動を容易に流用することができる。なお、奇数番目のゲート線走査と偶数番目のゲート線走査は、フレーム期間内で終了することが好ましい。すなわち、単なるインタレース駆動ではなく、倍速インタレース駆動が好ましい。
また、ゲート線を駆動するゲート線駆動回路に関しては、奇数番目のゲート線と偶数番目のゲート線とが異なるゲート線駆動回路に接続されていてもよい。これにより、ゲート線を1本おきに走査するのが容易になる。
更にまた、本実施形態における表示画像の入力フォーマットは、左右画像を上下方向に配置した形式や、左右画像を時系列で配置した形式を好適に適用することができる。前述のように、奇数番目のゲート線のみを順次選択すると、右眼用の画像を表示する画素にのみ書込を実行することができる。次に偶数番目のゲート線のみを順次選択すると、左眼用の画像を表示する画素にのみ書込を実行することができる。このように、同一視点の画像情報が連続して入力されるフォーマットに対して、同一視点用の画素にのみ書込を実行することのできる駆動方法を好適に適用でき、駆動回路を簡素化することができる。本第9実施形態における上記以外の効果は、前述の第1実施形態と同様である。
次に、本発明の第10実施形態について説明する。図24は本発明の第10実施形態に係る表示装置において、各画素の極性を示す上面図である。前述の本発明の第1実施形態と比較して、本第10実施形態においては、線対称の関係に配置した隣接画素対を有することを特徴とする。
すなわち、図24に示すように、画素P22及び画素23から構成される隣接画素対においては、共通のゲート線G2より−Y方向に位置する画素P22は−X方向に位置するデータ線D2に接続され、ゲート線G2より+Y方向に位置する画素P23は+X方向に位置するデータ線D3に接続される。すなわち、この隣接画素対は、各画素が共通のゲート線を挟み上下に配置されるとき、上側の画素が右側のデータ線に接続されていることになる。
一方で、画素P31及び画素P32から構成される隣接画素対においては、共通のゲート線G3より−Y方向に位置する画素P32は+X方向に位置するデータ線D2に接続され、ゲート線G3より+Y方向に位置する画素P31は−X方向に位置するデータ線D1に接続される。すなわち、この隣接画素対は、各画素が共通のゲート線を挟み上下に配置されるとき、上側の画素が左側のデータ線に接続されていることになる。図24においては、このように、上側の画素が左側のデータ線に接続される隣接画素対を、点線で示す丸で囲って示している。そして、上側の画素が左側のデータ線に接続される隣接画素対は、+X方向に隣接する画素列においては、−Y方向に隣接するゲート線に対して配置されている。この結果、同種の隣接画素対は斜め方向に配置されていることになる。また、見方を変えれば、本実施形態においては、上側の画素が左側のデータ線に接続された隣接画素対と、上側の画素が右側のデータ線に接続された隣接画素対とが配置されていると表現することもできる。更にまた、この2種類の隣接画素対は、Y軸方向に延伸する線分に対して線対称の関係でもあるし、X軸方向に延伸する線分に関しても線対称の関係となっている。すなわち、ゲート線の延伸方向又はその直交方向に対して、線対称の配置関係にあると言える。
そして、駆動方法に関しては、前述の第1実施形態と同様にドット反転駆動が実行されている。この結果、右眼用画素4Rから構成される画素群は、2ラインドット反転(1H2Vドット反転)効果が得られる極性分布となっている。そして、左眼用画素4Lから構成される画素群も同様である。なお、本実施形態における極性分布の基本セットは、X軸方向4画素、Y軸方向4画素の合計16画素であり、図24においては破線で囲って示している。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1実施形態と同様である。
本実施形態においては、一般的なドット反転駆動を使用した上で、前述の第9実施形態と同様に、2ラインドット反転効果、各蓄積容量線の電位変動抑制効果を実現でき、かつ台形開口の底辺部が隣接する画素の極性を同じにできる。これにより、低コストに高画質表示を実現することができる。
なお、2種類の隣接画素対の配置は、本実施形態の説明に限定されるものではない。異種の隣接画素対を複数行毎、複数列毎に配置することもできる。特に、異なる隣接画素対を配置することによって、液晶分子の異常配向などが発生した場合でも、その影響を低減することができる。これは、画素構造が異なると異常配向などが発生する位置も異なるため、全画素で同様の位置に異常が発生するのを防止できるからである。特に本発明の複数視点表示装置においては、レンズなどの画像分離手段を用いて画素を拡大するので、本効果は非常に大きい。本第10実施形態における上記以外の効果は、前述の第1実施形態と同様である。
次に、本発明の第11実施形態について説明する。図25は本発明の第11実施形態に係る表示装置において、各画素の極性を示す上面図である。前述の本発明の第10実施形態と比較して、本第11実施形態においては、カラム反転駆動を適用したことを特徴とする。カラム反転駆動は、データ線毎に異なる極性の表示データが伝送され、ゲート線毎には反転動作が実行されない駆動方法である。
図25に示すように、ゲート線G1選択時においては、データ線D1、D3、D5、D7に接続された画素には正極性の表示データが書き込まれ、データ線D2、D4、D6に接続された画素には負極性の表示データが書き込まれる。ゲート線G2乃至G5の選択時においても同様である。なお、次フレームにおいては、上記の極性を反転した表示データが書き込まれる。この結果、右眼用画素4Rから構成される画素群は、2ラインドット反転(1H2Vドット反転)効果が得られる極性分布となっている。そして、左眼用画素4Lから構成される画素群も同様である。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第10実施形態と同様である。
本実施形態においては、カラム反転駆動を適用した上で、前述の第10実施形態と同様の効果を発揮することができる。なお、カラム反転駆動は、ドット反転駆動において、ゲート線を順次操作走査する差異の極性反転をしない駆動方法である。すなわち、ドット反転駆動が可能なドライバICは、必ずカラム反転駆動も可能である。そして、ゲート線を順次走査する差異の極性反転がないので、カラム反転駆動はドット反転駆動よりも低電力化が可能になる。一般的な画素構造では、カラム反転駆動を採用すると、極性分布が一次元状となってしまい、表示画質がドット反転駆動より低下してしまう。しかし、本実施形態の画素構造によれば、カラム反転駆動を適用しても2ラインドット反転効果を発揮することができるため、低電力化と高画質化を両立することができる。本第11実施形態における上記以外の効果は、前述の第10実施形態と同様である。
次に、本発明の第12実施形態について説明する。図26は本発明の第12実施形態に係る表示装置において、画素を示す上面図である。前述の本発明の第1実施形態と比較して、本第12実施形態においては、積層配置されたデータ線又は蓄積容量線の一部に、容量カップリングを低減するための構造を設けたことを特徴とする。
図26に示すように、データ線Dと積層配置された蓄積容量線CSの一部には、配線が形成されていない刳り貫き状の穴が形成されている。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1実施形態と同様である。
本実施形態においては、データ線と蓄積容量線の電気的なカップリングを低減することができ、高画質化が可能となる。特に、開口率に与える影響が大きな斜行配線部分に対して、本実施形態を適用することにより、開口率を高めることもできる。
なお、容量カップリングの低減構造は、前述の形状に限定されるものではない。例えば、一方の配線に多数の穴が形成されていてもよいし、配線の一部が抉れたような形状になっていてもよい。更には、蓄積容量線ではなくデータ線に対して、上述の構造が適用されていてもよい。なお、本構造を適用するにあたっては、データ線と蓄積容量線との間に隙間が発生しないように構成するのが望ましい。隙間が発生すると光漏れの原因となり、TFT基板と対向基板との位置合わせがずれた場合などに、表示画質の低下を招くからである。本第12実施形態における上記以外の効果は、前述の第1実施形態と同様である。
次に、本発明の第13実施形態について説明する。図27は本発明の第13実施形態に係る表示装置において、画素を示す上面図である。前述の本発明の第1実施形態と比較して、本第13実施形態においては、薄膜トランジスタがダブルゲート構造である点を特徴とする。
図27に示すように、薄膜トランジスタ4TFTのソース電極とドレイン電極は、ゲート線Gを跨いで配置されている。これは、ダブルゲート構造の各薄膜トランジスタに共通している。そして、一方の薄膜トランジスタのソース電極と、もう一方の薄膜トランジスタのドレイン電極が接続されている。この結果、ダブルゲート構造はW方向をゲート線延伸方向と一致させたU字型となっている。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1実施形態と同様である。
本実施形態においては、特に薄膜トランジスタの半導体層に対して、移動度が大きな低温ポリシリコンや単結晶シリコンを適用した場合に、トランジスタオフ時のリーク電力を低減することができる。これにより、高画質な表示が可能となる。また、ダブルゲート構造においても、トランジスタのW方向をゲート線の延伸方向と一致させ、かつソース電極とドレイン電極をゲート線を跨いで配置することにより、開口率の低下を抑制することができ、高画質表示が可能となる。なお、トリプルゲート構造などの他の複数ゲート構造においても、本実施形態を同様に適用することができる。本第13実施形態における上記以外の効果は、前述の第1実施形態と同様である。
次に、本発明の第14実施形態について説明する。図28は本発明の第14実施形態に係る表示装置において、画素を示す上面図である。前述の本発明の第1実施形態と比較して、本第14実施形態においては、薄膜トランジスタのサイズと配置が異なる。
すなわち、図28に示すように、本実施形態においては、薄膜トランジスタ41TFTのシリコン薄膜部は、W方向のサイズよりL方向のサイズの方が大きい。すなわち、X軸方向のチャネル長の方がY軸方向のチャネル幅よりも大きい。また、薄膜トランジスタ41TFTは、所属する隣接画素対の共通ゲート線Gよりも、所属する画素43側に配置されている。すなわち、前述の第1実施形態のように、薄膜トランジスタのドレイン電極とソース電極は、共通のゲート線を跨いで配置されていない。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1実施形態と同様である。
本実施形態においては、特にW方向のサイズよりL方向のサイズが大きな薄膜トランジスタを使用した場合に、共通ゲート線の片側に薄膜トランジスタを配置することで、縦開口率を向上できる。これにより明るく高画質な表示が実現できる。本第14実施形態における上記以外の効果は、前述の第1実施形態と同様である。
次に、本発明の第15実施形態について説明する。図29は本発明の第15実施形態に係る表示装置において、画素を示す上面図である。前述の本発明の第1実施形態と比較して、本第15実施形態においては、蓄積容量線の配置が異なる。
すなわち、図29に示すように、本実施形態においては、蓄積容量線CSが台形開口の底辺部にも配置されている。また、斜辺部の蓄積容量線CSとも電気的に接続されている。これにより、画素電極4PIXが、蓄積容量線CSに囲まれた形状となっている。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1実施形態と同様である。
本実施形態においては、一定の電位を有する蓄積容量線を用いて画素電極を囲むことにより、周囲の変動する電界の影響を遮断して、高画質な表示が可能となる。また、蓄積容量線を多数張り巡らすことができるため、抵抗値を下げることができ、電位の変化にも強くなる。本第15実施形態における上記以外の効果は、前述の第1実施形態と同様である。
次に、本発明の第16実施形態について説明する。図30は本発明の第16実施形態に係る表示装置において、画素を示す上面図である。前述の本発明の第1実施形態と比較して、本第16実施形態においては、カラー表示に対応している点を特徴とする。
すなわち、図30に示すように、本実施形態においては、表示パネルにストライプ状のカラーフィルタが形成されている。カラーフィルタは、赤色カラーフィルタRED、緑色カラーフィルタGREEN、青色カラーフィルタBLUEの3種類である。すなわち、色の3原色である。そして、各色のカラーフィルタが延伸する方向は、レンズの画像分離方向となるX軸方向である。そして、Y軸方向に対して、異なる色のカラーフィルタが配置されている。
具体的には、ゲート線G1とゲート線G2との間に赤色カラーフィルタREDが配置され、この2本のゲート線間に配置された画素P11、P23、P13、P25、P16、P27は、赤色を表示する画素として作用する。他の各色においても同様であり、各色のカラーフィルタが配置された画素が、その色を表示する画素として作用する。
そして、ゲート線G1乃至G7間、データ線D1乃至D3間に配置された12個の画素が、X軸方向及びY軸方向に対して、繰り返し配置されている。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1実施形態と同様である。
本実施形態においては、ストライプ状カラーフィルタにおいて、同色が連続する方向がゲート線の延伸方向と一致している。これにより、斜行配線部で同色のカラーフィルタを連続配置することができる。すなわち、台形状などの複雑な形状をカラーレジストなどを用いて製造する必要がなくなるため、カラーフィルタの製造が容易になり、低コスト化が可能となる。更には、斜行配線部に異なる色層の継ぎ目が発生しないため、液晶分子の異常配向を抑制して高画質化が可能となる。また、レンチキュラレンズの画像分離方向とカラーフィルタの同色連続方向とを一致して配置しているので、レンチキュラレンズなどの画像分離手段により色が分離されるのを防ぐことができ、高画質化が可能となる。
なお、本実施形態においては、各色の画素群が、隣接画素対を構成する一方の画素に偏ることなく、両方の画素に分散されて構成されている。例えば、赤色の画素群を構成する画素として、画素P11と画素P52が挙げられる。このうち、画素P11はこの画素が接続されるゲート線G1よりも−Y方向側に配置されており、画素P52はこの画素が接続されるゲート線G5より+Y方向側に配置されている。このように、隣接画素対を構成する各画素を使用して各色の画素群を構成することにより、色ばらつきの発生を抑制することができ、高画質化が可能となる。本第16実施形態における上記以外の効果は、前述の第1実施形態と同様である。
次に、本発明の第17実施形態について説明する。図31は本発明の第17実施形態に係る表示装置において、画素を示す上面図である。前述の本発明の第1実施形態と比較して、本第17実施形態においては、視点数が4である多視点型の立体画像表示装置である点が異なる。
すなわち、図31に示すように、レンチキュラレンズ31を構成するシリンドリカルレンズ31aは、4列分の画素と対応して配置されている。そして、シリンドリカルレンズ31aと各画素列との位置関係に応じて、例えば第1視点用画素4Fには画素P11、P32、P31、P52が割り当てられる。同様に、第2視点用画素4Sには画素P23、P22、P43、P42が割り当てられ、第3視点用画素4Tには画素P13、P34、P33、P54が割り当てられ、第4視点用画素4Oには画素P25、P24、P45、P54が割り当てられる。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1実施形態と同様である。
本実施形態においては、視点数を増やした多視点型の立体画像表示装置に対しても本発明を同様に適用でき、高画質化が可能となる。また、視点数を増やすことにより、立体視可能な確率を向上させることができる。なお、視点数は本実施形態の記載に限定されず、3視点や、更に多くの視点数に対しても同様に適用することができる。更に、視点数は整数である必要は必ずしもない。フラクショナルビュー方式など、視点数が端数となる立体画像表示装置においても、本発明を同様に適用することができる。本第17実施形態における上記以外の効果は、前述の第1実施形態と同様である。
次に、本発明の第18実施形態について説明する。図32は本実施形態に係る端末装置を示す斜視図であり、図33は本実施形態に係る表示装置を示す上面図である。
図32及び図33に示すように、本実施形態における表示装置103は、端末装置としての携帯電話91に組み込まれている。そして、本実施形態は、前述の第1実施形態と比較して、レンチキュラレンズ3を構成するシリンドリカルレンズ3aの長手方向、すなわちY軸方向が画像表示装置の横方向、すなわち、画像の水平方向であり、シリンドリカルレンズ3aの配列方向、すなわちX軸方向が縦方向、すなわち、画像の垂直方向である点が異なっている。
また、図33に示すように、表示装置103には、各1つの第1視点用画素4F及び第2視点用画素4Sからなる画素対が複数個、マトリクス状に配列されている。そして、1つの画素対における第1視点用画素4F及び第2視点用画素4Sの配列方向は、シリンドリカルレンズ3aの配列方向となるX軸方向であり、画面の縦方向(垂直方向)である。また、各画素4F及び4Sの構造は、前述の第1実施形態と同様である。本実施形態における上記以外の構成は、前述の第1実施形態と同様である。
次に、本実施形態に係る表示装置の動作について説明するが、基本的な動作は前述の第1実施形態と同様であり、表示する画像が異なる。表示装置103の第1視点用画素4Fが第1視点用の画像を表示し、第2視点用画素4Sが第2視点用の画像を表示する。第1視点用の画像及び第2視点用の画像は、相互に視差がある立体画像ではなく、平面画像である。また、両画像は相互に独立した画像であってもよいが、相互に関連する情報を示す画像であってもよい。
本実施形態においては、観察者が携帯電話91の角度を変えるだけで、第1視点用の画像又は第2視点用の画像を選択して観察できるという利点がある。特に、第1視点用の画像と第2視点用の画像との間に関連性がある場合には、観察角度を変えるという簡単な手法で夫々の画像を切り換えて交互に観察できるため、利便性が大幅に向上する。なお、第1視点用の画像と第2視点用の画像とを横方向に配列した場合には、観察位置によっては、右眼と左眼とで異なる画像を観察する場合がある。この場合、観察者は混乱し、各視点の画像を認識できなくなる。これに対して、本実施形態に示すように、複数視点用の画像を縦方向に配列した場合には、観察者は各視点用の画像を必ず両眼で観察できるため、これらの画像を容易に認識できる。本実施形態における上記以外の効果は、前述の第1実施形態と同様である。なお、本実施形態は、前述の第2乃至第17実施形態のいずれか実施形態と組み合わせることもできる。
なお、前述の第1乃至第18実施形態においては、携帯電話等に搭載され、1人の観察者の左右の眼に相互に視差がある画像を供給して立体画像を表示するか、1人の観察者に複数種類の画像を同時に供給する表示装置の例を示したが、本発明に係る表示装置はこれに限定されず、大型の表示パネルを備え、複数の観察者に相互に異なる複数の画像を供給するものであってもよい。更に、上述の各実施形態は各々単独で実施してもよいが、適宜組み合わせて実施することも可能である。
以上、上記各実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細については、当業者が理解し得るさまざまな変更を加えることができる。また、本発明には、上記各実施形態の構成の一部又は全部を相互に適宜組み合わせたものも含まれる。
[付記1]第1視点用の画像を表示する画素及び第2視点用の画像を表示する画素を少なくとも含む表示単位が複数配列され、前記各画素に表示データを供給するためのデータ線と、前記画素に前記データ線からの表示データ信号を伝達する画素スイッチング手段と、この画素スイッチング手段を制御するためのゲート線と、前記表示単位を構成する各画素から出射した光を相互に異なる方向に振り分ける光学手段と、を有し、前記ゲート線を挟み配置された隣接画素対はこの画素間に配置されたゲート線により制御され、かつ前記隣接画素対を構成する画素は夫々異なるデータ線に接続され、かつゲート線の延伸方向に隣接する前記隣接画素対は夫々異なるゲート線に接続され、
前記隣接画素対を構成する各画素が共通のゲート線を挟み上下に配置されるとき、上側の画素が左側のデータ線に接続された隣接画素対と、上側の画素が右側のデータ線に接続された隣接画素対とが配置されることを特徴とする表示装置。
[付記2]第1視点用の画像を表示する画素及び第2視点用の画像を表示する画素を少なくとも含む表示単位が複数配列され、前記各画素に表示データを供給するためのデータ線と、前記画素に前記データ線からの表示データ信号を伝達する画素スイッチング手段と、この画素スイッチング手段を制御するためのゲート線と、前記表示単位を構成する各画素から出射した光を相互に異なる方向に振り分ける光学手段と、を有し、前記ゲート線を挟み配置された隣接画素対はこの画素間に配置されたゲート線により制御され、かつ前記隣接画素対を構成する画素は夫々異なるデータ線に接続され、かつゲート線の延伸方向に隣接する前記隣接画素対は夫々異なるゲート線に接続され、
前記隣接画素対を構成する各画素が共通のゲート線を挟み上下に配置されるとき、上側の画素が左側のデータ線に接続された隣接画素対、又は、上側の画素が右側のデータ線に接続された隣接画素対が配置されることを特徴とする付記1に記載の表示装置。
[付記3]2種類の前記隣接画素対はゲート線の延伸方向又はその直交方向に対し、線対称の配置関係にあることを特徴とする付記1又は2に記載の表示装置。
[付記4]前記隣接画素対を構成する画素が点対称の配置関係にあることを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の表示装置。
[付記5]前記隣接画素対を構成する一方の画素の前記データ線と接続される部分は、前記ゲート線よりも他方の画素側に配置されることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の表示装置。
[付記6]前記画素の表示領域が略台形状であることを特徴とする付記1乃至5のいずれか1項に記載の表示装置。
[付記7]前記画素スイッチング手段は前記画素の略台形状を有する表示領域の上底側に配置されることを特徴とする付記6に記載の表示装置。
[付記8]前記画素には表示データを蓄積する蓄積容量が配置され、各画素の蓄積容量を接続する蓄積容量線が、前記ゲート線の延伸方向に隣接する画素の蓄積容量を接続することを特徴とする付記1乃至7のいずれか1項に記載の表示装置。
[付記9]前記蓄積容量線と前記データ線とが交差する部分は、前記データ線に沿って配置されていることを特徴とする付記8に記載の表示装置。
[付記10]前記ゲート線は、1本おきに画面両脇に配置されたゲート線駆動回路に接続されることを特徴とする付記1乃至9のいずれか1項に記載の表示装置。
[付記11]前記ゲート線の延伸方向に沿って、前記光学手段が各画素から出射した光を振り分けることを特徴とする付記1乃至10のいずれか1項に記載の表示装置。
[付記12]付記1乃至11のいずれか1項に記載の表示装置の駆動方法であって、前記ゲート線2本毎に前記各画素の電圧極性が反転されることを特徴とする表示装置の駆動方法。
[付記13]付記1乃至11のいずれか1項に記載の表示装置の駆動方法であって、前記ゲート線は1本おきに走査されることを特徴とする表示装置の駆動方法。
[付記14]奇数番目の前記ゲート線1本毎かつ前記データ線2本毎に、各々伝送される表示データの極性が反転され、偶数番目の前記ゲート線1本毎かつ前記データ線2本毎に、各々伝送される表示データの極性が反転され、奇数番目の前記ゲート線選択時と偶数番目の前記ゲート線選択時とで、前記データ線に伝送される表示データの極性が前記データ線1本分だけ異なることを特徴とする付記13に記載の表示装置の駆動方法。
[付記15]付記2又は3に記載の表示装置の駆動方法であって、前記ゲート線1本毎に各画素の電圧極性が反転され、かつ前記データ線1本毎に、各々伝送される表示データの極性が反転していることを特徴とする表示装置の駆動方法。
[付記16]付記2又は3に記載の表示装置の駆動方法であって、前記ゲート線毎に各画素の電圧極性は反転されず、かつ前記データ線1本毎に、各々伝送される表示データの極性が反転していることを特徴とする表示装置の駆動方法。
[付記17]付記1乃至11のいずれか1項に記載の表示装置を有することを特徴とする端末装置。
[付記18]携帯電話、個人用情報端末、パーソナルテレビジョン、ゲーム機、デジタルカメラ、ビデオカメラ、ビデオプレーヤ、ノート型パーソナルコンピュータ、キャッシュディスペンサ又は自動販売機であることを特徴とする付記17に記載の端末装置。
[付記19]各画素に表示データを供給するためのデータ線と、前記画素に前記データ線からの表示データ信号を伝達する画素スイッチング手段と、この画素スイッチング手段を制御するためのゲート線と、を有し、前記ゲート線を挟み配置された隣接画素対はこの画素間に配置されたゲート線により制御され、かつ前記隣接画素対を構成する画素は夫々異なるデータ線に接続され、かつゲート線の延伸方向に隣接する前記隣接画素対は夫々異なるゲート線に接続され、
前記隣接画素対を構成する各画素が共通のゲート線を挟み上下に配置されるとき、上側の画素が左側のデータ線に接続された隣接画素対と、上側の画素が右側のデータ線に接続された隣接画素対とが配置されることを特徴とする表示パネル。
[付記20]各画素に表示データを供給するためのデータ線と、前記画素に前記データ線からの表示データ信号を伝達する画素スイッチング手段と、この画素スイッチング手段を制御するためのゲート線と、を有し、前記ゲート線を挟み配置された隣接画素対はこの画素間に配置されたゲート線により制御され、かつ前記隣接画素対を構成する画素は夫々異なるデータ線に接続され、かつゲート線の延伸方向に隣接する前記隣接画素対は夫々異なるゲート線に接続され、
前記隣接画素対を構成する各画素が共通のゲート線を挟み上下に配置されるとき、上側の画素が左側のデータ線に接続された隣接画素対、又は、上側の画素が右側のデータ線に接続された隣接画素対が配置されることを特徴とする表示パネル。
[付記21]前記ゲート線の延伸方向に隣接する前記隣接画素対の間には前記データ線が一本のみ配置されることを特徴とする付記2記載の表示装置。
[付記22]前記ゲート線の延伸方向に隣接する前記隣接画素対の間には前記データ線が一本のみ配置されることを特徴とする付記20記載の表示パネル。