JP5921898B2 - 溶接技能教育支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、溶接技能教育支援装置に関し、特に、力覚デバイスを使用して溶接環境を模擬し、視覚、聴覚、力覚等を活用して生徒に溶接技能を教育、矯正又は指導するための溶接技能教育支援装置に関する。
従来、溶接技能は、一人の先生が複数の生徒を受け持ち、本物の溶接トーチを使用して練習用の試験体を溶接させることによって、溶接姿勢、トーチ角度、溶接速度、ワイヤ突出量等の基本技能を目視で確認しながら、口頭、実演、作業補助等により教育、矯正又は指導していた。かかる技能訓練では、実際の溶接作業を体感できるものの、大勢の生徒を同時に教育していることから、全員の溶接作業を毎回チェックして指導することは困難であり、非効率的であった。また、実際に溶接作業を行うことから、溶接トーチ、ワイヤ送給装置、溶接作業場等の施設や設備が必要であり、訓練できる場所が限定されるとともに、訓練後に廃棄物(溶接された試験体)が生じるという問題もあった。そこで、溶接環境や溶接プロセスを模擬して教育する方法が既に提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
例えば、特許文献1には、溶接プロセスをシミュレーションするための装置が開示されている。かかる装置は、入力装置と出力装置とを有するコンピュータ、溶接トーチ、少なくとも一つの送信機と複数のセンサとを有する磁気位置監視装置、シミュレートされる被加工物のための保持装置、出力装置上に二次元又は三次元の画像を生成するための視覚化装置で構成されている。溶接トーチ及び被加工物は、本物ではなく、形状等を模擬した仮想的なデバイスであり、これらのデバイスから位置情報等をコンピュータに取り込むことによって、実際に生じうる溶接状態(例えば、溶接ビード、光アーク等)を模擬した画像や映像を作成し、ユーザに表示するようにしている。
また、特許文献2には、手溶接施工に従事する溶接士を訓練する方法であって、手溶接施工の模擬溶接訓練が行われる際に溶接士の挙動及び溶接訓練環境の状態に関するデータを計測し、この計測データに基づいて溶接士の頭の位置、頭の動き、手の位置、手の動き、顔の向き、溶接部に与える入熱量や入熱方向及び模擬溶接部の溶融状態や溶着状態等の特徴量を抽出し、過去に行なわれた溶接施工時に得られた正常時及び不具合発生時のデータとこの抽出された特徴量とを参照して模擬溶接状態の良否を判定する一方、特徴量に基づいて溶接部の画像を生成し、この生成された画像及び判定結果を含む模擬溶接状態の推移に関する情報を溶接訓練中の溶接士に認知可能に提示する手溶接訓練方法が記載されている。かかる訓練方法においても、溶接トーチ及び被加工物(試験体)は、本物ではなく、形状等を模擬した仮想的なデバイスを使用している。
特表2011−526208号公報 特許第4129342号公報
上述した特許文献1や特許文献2に記載された装置では、溶接環境を模擬するために、溶接トーチや試験体(被加工物)を模擬した仮想デバイスが必要であり、実際に行う溶接の種類に応じた仮想デバイス(特に、試験体)を用意しなければならない。また、仮想溶接トーチや生徒の姿勢等の位置情報等を取得するために複数のセンサやカメラを必要とすることから、装置が複雑化・大型化してしまうという問題もあった。
本発明は、上述した問題点に鑑み創案されたものであり、溶接環境を容易に模擬することができ、生徒一人の自習であっても溶接作業を教育、矯正又は指導することができる、溶接技能教育支援装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、母材の表面に溶接トーチを接近させてワイヤを送り出しながら溶融して前記母材を溶接する溶接作業の教育を支援する溶接技能教育支援装置であって、前記溶接トーチを模擬する操作手段と、前記母材を模擬するディスプレイと、前記溶接作業を模擬した溶接音を出力するスピーカと、前記操作手段を前記ディスプレイ上で移動させたときの前記操作手段の挙動に応じたビードの画像を前記ディスプレイに表示させるとともに前記操作手段の挙動に応じた溶接音を前記スピーカから出力させる制御装置と、前記操作手段を保持するとともに前記操作手段の先端部の位置情報を入出力可能な三次元入出力装置と、前記位置情報を記憶する記憶装置と、を有し、前記制御装置は、前記操作手段を操作して前記三次元入出力装置により出力される前記位置情報に基づいて前記ビードの画像及び前記溶接音の種類を選択して出力し、前記記憶装置は、適正な溶接作業を模擬した前記操作手段の先端部の位置情報である基準データを記憶しており、前記制御装置は、前記操作手段を操作したときの前記位置情報と前記基準データとを比較して差分が許容値を超えた場合に、前記ディスプレイに表示される前記ビードの幅又は溶融池の色及び前記スピーカから出力される前記溶接音の長さ又は音程を変化させるとともに、前記制御装置は、前記操作手段を操作したときの前記位置情報と前記基準データとを比較して差分が許容値を超えた場合に前記三次元入出力装置に前記操作手段の先端部を前記基準データと一致させるように信号を出力する、ことを特徴とする溶接技能教育支援装置が提供される。
さらに、前記制御装置は、前記操作手段を操作したときの前記位置情報と前記基準データとを比較して差分が許容値を超えた回数を計測し採点するようにしてもよい。
また、本発明によれば、母材の表面に溶接トーチを接近させてワイヤを送り出しながら溶融して前記母材を溶接する溶接作業の教育を支援する溶接技能教育支援装置であって、前記溶接トーチを模擬する操作手段と、前記母材を模擬するディスプレイと、前記溶接作業を模擬した溶接音を出力するスピーカと、前記操作手段を前記ディスプレイ上で移動させたときの前記操作手段の挙動に応じたビードの画像を前記ディスプレイに表示させるとともに前記操作手段の挙動に応じた溶接音を前記スピーカから出力させる制御装置と、前記操作手段を保持するとともに前記操作手段の先端部の位置情報を入出力可能な三次元入出力装置と、前記位置情報を記憶する記憶装置と、を有し、前記制御装置は、前記操作手段を操作して前記三次元入出力装置により出力される前記位置情報に基づいて前記ビードの画像及び前記溶接音の種類を選択して出力し、前記制御装置は、前記操作手段を操作した位置情報を前記記憶装置に記憶させる記録モードと、前記記憶装置に記憶された適正な溶接作業を模擬した位置情報と比較して評価する採点モードと、前記記憶装置に記憶された適正な溶接作業を模擬した位置情報と比較して前記三次元入出力装置に適正な位置情報を入力して反力を与える自習モードと、前記記憶装置に記憶された適正な溶接作業を模擬した位置情報を前記三次元入出力装置に入力して前記操作手段の適正な挙動を再現する模擬モードと、前記記憶装置に記憶された前記位置情報に基づいて前記ビードの画像及び前記溶接音の種類を選択して出力する再生モードと、を選択可能に有する、ことを特徴とする溶接技能教育支援装置が提供される。
また、前記位置情報は、前記操作手段の先端座標を含み、前記制御手段は、前記先端座標から前記ディスプレイと前記操作手段との離隔距離を算出し、該離隔距離がワイヤ突出量を模擬しているものとして前記ビードの画像及び前記溶接音の種類を選択して出力するようにしてもよい。さらに、前記制御装置は、前記先端座標を前記ディスプレイ上に投影した目標点を前記ディスプレイ上に表示するようにしてもよい。
また、前記制御装置は、時間の経過に応じて前記ビードの色を変化させるようにしてもよい。
また、少なくとも、前記操作手段、前記ディスプレイ及び前記三次元入出力装置を備えた作業テーブルと、該作業テーブルを支持する支持台と、を有し、前記作業テーブルは、前記ディスプレイの角度を変更可能に前記支持台に配置されていてもよい。
上述した本発明に係る溶接技能教育支援装置によれば、三次元入出力装置により溶接トーチを模擬する操作手段の位置情報を取得して記録するとともに、位置情報に応じた画像や音声を出力するようにしたことにより、容易に溶接環境を模擬することができる。また、ディスプレイに表示される画像やスピーカから出力される音声によって、生徒一人の自習であっても視覚及び聴覚を活用して溶接作業の教育を行うことができる。また、位置情報を記録することによって、事後的に任意の時間に生徒が行った模擬溶接作業を再現して、画像や音声を容易に再生することができ、実際の模擬作業時に先生が付き添っていなくても、事後的に各生徒に対して個別に指導することができる。
さらに、基準データとの比較を行うことによって、画像や音声により注意を促したり、採点することによって評価したり、三次元入出力装置に反力を与えることによって、視覚及び聴覚に加えて力覚を活用して溶接作業を矯正したりすることができる。
本発明の実施形態に係る溶接技能教育支援装置を示す全体構成図であり、(a)は平面図、(b)正面図、(c)は変形後の正面図、を示している。 図1に示した三次元入出力装置を示す図であり、(a)は全体構成図、(b)は操作手段の先端部拡大図、を示している。 ディスプレイに表示されるビードを示す図であり、(a)は適正値に基づくビード、(b)は過小値に基づくビード、(c)は過大値に基づくビード、(d)は一連の溶接作業を模擬したビードの一例、を示している。 記録モードのフロー図である。 採点モードのフロー図である。 自習モードのフロー図である。 模擬モードのフロー図である。
以下、本発明の実施形態について図1〜図7を用いて説明する。ここで、図1は、本発明の実施形態に係る溶接技能教育支援装置を示す全体構成図であり、(a)は平面図、(b)正面図、(c)は変形後の正面図、を示している。図2は、図1に示した三次元入出力装置を示す図であり、(a)は全体構成図、(b)は操作手段の先端部拡大図、を示している。図3は、ディスプレイに表示されるビードを示す図であり、(a)は適正値に基づくビード、(b)は過小値に基づくビード、(c)は過大値に基づくビード、(d)は一連の溶接作業を模擬したビードの一例、を示している。
本発明の実施形態に係る溶接技能教育支援装置1は、図1〜図3を示したように、母材の表面に溶接トーチを接近させてワイヤを送り出しながら溶融して前記母材を溶接する溶接作業の教育を支援する溶接技能教育支援装置であって、溶接トーチを模擬する操作手段2と、母材を模擬するディスプレイ3と、溶接作業を模擬した溶接音を出力するスピーカ4と、操作手段2をディスプレイ3上で移動させたときの操作手段2の挙動に応じたビードの画像をディスプレイ3に表示させるとともに操作手段2の挙動に応じた溶接音をスピーカ4から出力させる制御装置5と、操作手段2を保持するとともに操作手段2の先端部Tの位置情報Dを入出力可能な三次元入出力装置6と、位置情報Dを記憶する記憶装置7と、を有し、制御装置5は、操作手段2を操作して三次元入出力装置6により出力される位置情報Dに基づいてビードの画像及び溶接音の種類を選択して出力するように構成されている。
溶接技能教育支援装置1は、図1(a)〜(c)に示したように、少なくとも、操作手段2、ディスプレイ3及び三次元入出力装置6を備えた作業テーブル11と、作業テーブル11を支持する支持台12と、を有し、作業テーブル11は、ディスプレイ3の角度を変更可能に支持台12に配置されている。ディスプレイ3には、例えば、液晶ディスプレイ、ブラウン管、有機ELディスプレイ等、種々のものを使用することができる。また、スピーカ4には、市販されているものを適宜使用することができ、図の配置位置に限定されるものではなく、ディスプレイ3と一体化されていてもよいし、支持台12の内部に配置されていてもよい。
作業テーブル11は、図1(a)に示したように、支持台12の上部に配置された略平板状の部品であって、ディスプレイ3の画面が表面に露出するように嵌め込まれている。ディスプレイ3の近傍には、スピーカ4や把手13が配置されている。また、作業テーブル11には、ディスプレイ3の上部に三次元入出力装置6が配置されている。かかる配置により、操作手段2をディスプレイ3の左右方向に移動させることができる。
作業テーブル11は、例えば、図示しないヒンジにより支持台12に接続されており、図1(b)に示したように、水平状態に保持することもでき、図1(c)に示したように、ディスプレイ3の左右方向が略鉛直方向となるように起立させることもできる。また、作業テーブル11は、図示しないが、ディスプレイ3の上下方向が略鉛直方向となるように回動可能に支持台12に接続されていてもよい。図1(b)に示した水平状態では、下向きの溶接作業を模擬することができ、図1(c)に示した鉛直状態では、立向き又は横向きの溶接作業を模擬することができる。
支持台12は、図1(b)に示したように、略箱形状の部品であって、内部に制御装置5や記憶装置7が配置可能に構成されている。また、支持台12の下面には車輪14が配置されており、床面上を移動可能に構成されている。なお、制御装置5や記憶装置7を支持台12から離れた別の場所に配置し、有線又は無線の通信機器を利用して、ディスプレイ3や三次元入出力装置6の信号を送受信可能となるように構成してもよい。
操作手段2は、図2(a)に示したように、三次元入出力装置6の先端に接続されており、いわゆるスタイラスやアタッチメントとしての機能を有する。操作手段2は、例えば、溶接トーチを模擬した形状を有しており、ハンドル部21及びトーチヘッド22を有している。トーチヘッド22は、ハンドル部21に対して相対的に回転可能に構成されており、トーチヘッド22が三次元入出力装置6に接続された状態で、ハンドル部21を相対移動できるように構成されている。
三次元入出力装置6は、例えば、触感デバイスや力覚デバイスであり、人間が物体に触れた際の触覚や力覚等の触感情報をデータに置換して人工的に表現可能なツールである。三次元入出力装置6は、例えば、図2(a)に示したように、X軸、Y軸、Z軸、X軸回りの回転角θx、Y軸回りの回転角θy、Z軸回りの回転角θzのパラメータにより表現可能な6自由度を有する。
三次元入出力装置6は、例えば、図示したように、台座を構成するベース61と、ベース61上で回転可能に接続された球体62と、球体62に対して上下方向に回動可能に接続された第一アーム63と、第一アーム63に対して相対的に回動可能に接続された第二アーム64と、第二アーム64に対して周方向に回転可能に接続された先端アーム65と、を有する。先端アーム65には、操作手段2のトーチヘッド22が回動可能に接続される。かかる三次元入出力装置6では、ベース61と球体62の関節J1、球体62と第一アーム63の関節J2、第一アーム63と第二アーム64の関節J3、第二アーム64と先端アーム65の関節J4、先端アーム65とトーチヘッド22の関節J5、トーチヘッド22とハンドル部21の関節J6により、6自由度を確保している。
トーチヘッド22の先端部Tは、操作手段2の先端部を構成し、先端部Tの座標(X,Y,Z,θx,θy,θz)が位置情報Dを構成している。先端部Tの座標は、球体62の中心点を原点Oとして、原点Oに対する関節J3の中心点P1の座標及びベクトルV1、中心点P1に対する関節J4の中心点P2の座標及びベクトルV2、中心点P2に対する関節J5の中心点P3の座標及びベクトルV3、中心点P3に対する先端部Tの座標及びベクトルV4を、順に算出することにより求めることができる。また、先端部TのベクトルV4を算出することにより、トーチヘッド22の角度(トーチ角度)を算出することもできる。このベクトルV4のデータも位置情報Dを構成する。
三次元入出力装置6は、先端部Tの座標及びベクトルV4(位置情報D)のデータを制御装置5に出力することができるだけでなく、逆に、制御装置5から先端部Tの座標又はトーチ角度のデータが入力されると、その位置情報Dに適合した位置に先端部Tを強制的に移動させることができる。なお、三次元入出力装置6の種類によっては、トーチ角度についてデータを入力できないものもあるが、本実施形態においては、少なくとも、先端部Tの座標を外部から入力できるものであればよい。
溶接トーチは、ワイヤを送り出しながら溶融して母材を溶接するものであるため、ワイヤ突出量は溶接作業において重要なパラメータである。そこで、図2(b)に示したように、本実施形態では、トーチヘッド22の先端部Tとディスプレイ3との離隔距離gがワイヤ突出量を模擬しているものとして処理している。すなわち、位置情報Dは、操作手段2の先端部Tの座標(先端座標)を含み、制御装置5は、先端座標からディスプレイ3と操作手段2との離隔距離gを算出し、離隔距離gがワイヤ突出量を模擬しているものとして所定の処理(ビード画像及び溶接音の出力)を行う。
例えば、図2(b)に示したように、離隔距離gが、15mm≦g<20mmの条件を満たす場合を適正範囲とすれば、10mm≦g<15mmの範囲を過小範囲、0mm≦g<10mmの範囲を接触範囲、20mm≦g<25mmの範囲を過大範囲、25mm≦gの範囲をエラー範囲、として認識することができる。なお、離隔距離gの数値は、溶接手法(隅肉溶接、突合せ溶接等)、母材やワイヤの素材の種類等の条件によって、適宜設定されるものである。
離隔距離gが適正範囲にある場合、制御装置5は、例えば、図3(a)に示したようなビード画像Bをディスプレイ3に表示させる。ビード幅Brは適正な溶接がなされた場合を模擬した数値(例えば、7mm程度)に設定され、溶融池Cは適正な色(色彩又は色調)、例えば、白色で表示される。溶融池Cの略中央部には、先端部Tを投影した目標点Aが表示される。すなわち、制御装置5は、先端座標をディスプレイ3上に投影した目標点Aをディスプレイ3上に表示するように構成されている。この目標点Aをディスプレイ3上に表示することにより、操作手段2から実際にワイヤが突出していなくても、ワイヤの先端がどの辺に位置しているかを容易に把握することができ、実際の溶接に近い状態を模擬することができる。
離隔距離gが過小範囲にある場合、制御装置5は、例えば、図3(b)に示したようなビード画像Bをディスプレイ3に表示させる。ビード幅Bnは、適正なビード幅Brよりも狭く表示され、離隔距離gの数値が小さくなるに連れてビード幅Bnが狭く表示されるようにしてもよい。また、溶融池Cは、離隔距離gが適正範囲内にないことを示すために、赤色等の目立つ色によって表示される。
離隔距離gが過大範囲にある場合、制御装置5は、例えば、図3(c)に示したようなビード画像Bをディスプレイ3に表示させる。ビード幅Bwは、適正なビード幅Brよりも広く表示され、離隔距離gの数値が大きくなるに連れてビード幅Bwが広く表示されるようにしてもよい。また、溶融池Cは、離隔距離gが適正範囲内にないことを示すために、赤色等の目立つ色によって表示される。
例えば、操作手段2の操作中に離隔距離gが、適正範囲→過小範囲→過大範囲と変化した場合には、図3(d)に示したように、ビード画像Bは、適正範囲では適正なビード幅Brを有し、過小範囲では適正なビード幅Brよりも狭いビード幅Bnを有し、過大範囲では適正なビード幅Brよりも広いビード幅Bwを有するように、ディスプレイ3上に連続的に表示される。また、制御装置5は、時間の経過に応じてビード画像Bの色を変化させるようにしてもよい。例えば、ビードが溶融池Cから遠ざかるにしたがって、淡灰色から濃灰色に変化するように設定される。かかる処理により、実際の溶接に近い状態を模擬することができる。
制御装置5は、例えば、CPU(中央演算処理装置)、RAMやROM等のメモリ、ハードディスク等を備えたコンピュータ(パーソナルコンピュータ)である。記憶装置7は、制御装置5に内蔵されたHDD(ハードディスクドライブ)であってもよいし、外付されたHDDであってもよい。
制御装置5は、操作手段2を操作した位置情報Dを記憶装置7に記憶させる記録モードと、記憶装置7に記憶された適正な溶接作業を模擬した位置情報Dbと比較して評価する採点モードと、記憶装置7に記憶された適正な溶接作業を模擬した位置情報Dbと比較して三次元入出力装置6に適正な位置情報Dbを入力して反力を与える自習モードと、記憶装置7に記憶された適正な溶接作業を模擬した位置情報Dbを三次元入出力装置6に入力して操作手段2の適正な挙動を再現する模擬モードと、記憶装置7に記憶された位置情報Dに基づいてビード画像B及び溶接音の種類を選択して出力する再生モードと、を選択可能にするプログラムを有している。
ここで、図4は、記録モードのフロー図であり、図5は、採点モードのフロー図であり、図6は、自習モードのフロー図であり、図7は、模擬モードのフロー図である。以下、各フロー図について説明する。
図4に示した記録モードは、記録モードを選択するモード選択工程(Step1)と、操作手段2の先端部Tの位置情報Dの記憶を開始する記録開始工程(Step2)と、記録する位置情報Dを構成する記録データ(先端座標、トーチ角度、ワイヤ突出量)を算出するデータ算出工程(Step3)と、ワイヤ突出量がどの程度あるか否かを判定するワイヤ突出量判定工程(Step4)と、ワイヤ突出量に基づいて溶接状態を模擬描写する描写工程(Step5)と、時間経過に応じてビード画像Bの色を変化させる経時描写工程(Step6)と、設定した記録時間を経過したか否かを判定する時間判定工程(Step7)と、所定の条件を満たした場合にエラー表示する又はビード画像Bの描写を停止するエラー表示工程(Step8)と、記録データの算出を終了する計算終了工程(Step9)と、記録データを記憶装置7に保存する記録工程(Step10)と、記録モードを終了するモード終了工程(Step11)と、を有する。
モード選択工程(Step1)は、ディスプレイ3の画面に表示されたプログラム操作画面から記録モードを選択する工程である。モードの選択は、指等で画面に直接触れるタッチセンサ式であってもよいし、マウスやポインティングデバイス等の入力手段を利用した入力方式であってもよい。なお、モード選択前に、下向きの溶接を模擬する場合には、作業テーブル11を水平状態のままとし、立向き又は横向きの溶接を模擬する場合には、作業テーブル11を鉛直状態に変更するようにしてもよい。
記録開始工程(Step2)は、記録データの算出の開始を合図する工程である。記録開始に際し、自分でスタートボタンを押すようにしてもよいし、モード選択から一定の時間を経過した後、自動的に記録を開始するようにしてもよい。記録開始工程(Step2)において、生徒は三次元入出力装置6の操作手段2を手に取り、溶接の模擬開始位置にトーチヘッド22を持って行く。
データ算出工程(Step3)は、操作手段2の位置情報Dとして、先端部Tの座標(先端座標)、トーチヘッド22の角度(トーチ角度)、離隔距離g(ワイヤ突出量)を算出する。上述したように、先端座標及びトーチ角度は、三次元入出力装置6の挙動から求めることができ、ワイヤ突出量は離隔距離gによって求めることができる。
ワイヤ突出量判定工程(Step4)は、ワイヤ突出量(離隔距離g)が適正範囲内であるか(Step41)、過大範囲内であるか(Step42)、過小範囲内であるか(Step43)、接触範囲内であるか(Step44)を判定する工程を有する。そして、ワイヤ突出量が、適正範囲内である場合にはビードの正常描写(Step51)に移行し、過大範囲内である場合にはビードの過大描写(Step52)に移行し、過小範囲内である場合にはビードの過小描写(Step53)に移行し、接触範囲内である場合にはビードの接触描写(Step54)に移行する。ワイヤ突出量が、いずれの範囲にも属さない場合には、エラー表示工程(Step8)に移行する。
描写工程(Step5)は、上述したビードの正常描写(Step51)、ビードの過大描写(Step52)、ビードの過小描写(Step53)及びビードの接触描写(Step54)を含む工程である。正常描写(Step51)では、例えば、ビード幅は適正値(ビード幅Br)に表示され、溶融池Cは白色に表示され、溶接音は正常音が出力される。過大描写(Step52)では、例えば、ビード幅は過大値(ビード幅Bw)に表示され、溶融池Cは赤色に表示され、溶接音は異常音(正常音よりも長い音や正常音よりも高い音等)が出力される。過小描写(Step53)では、例えば、ビード幅は過小値(ビード幅Bn)に表示され、溶融池Cは赤色に表示され、溶接音は異常音(正常音よりも短い音や正常音よりも低い音等)が出力される。接触描写(Step54)では、例えば、ビード幅は最小値(ビード幅Bnの最小値)に表示され、溶融池は黄色に表示され、溶接音は異常音(接触音)が出力される。なお、正常音、異常音及び接触音については、実際の溶接音を録音したものを使用してもよいし、実際の溶接音を模擬した音を使用してもよい。
経時描写工程(Step6)は、実際の溶接と同様に、時間経過に応じてビードの色を変化させる工程である。例えば、ビード画像Bは、時間の経過に伴って、溶融池Cの色(白、赤又は黄)から淡灰色に変化し、徐々に濃灰色に変化するように表示される。淡灰色から濃灰色の変化は、グラデーション表示されるように連続的な変化となるようにしてもよいし、数段階の変化に留めるようにしてもよい。
時間判定工程(Step7)は、予め設定された記録時間に到達したか否かを判定する工程である。記録時間は、一律同じ時間(例えば、2〜3分程度)であってもよいし、予め設定した記録時間(例えば、1分、2分、3分、5分等)から選択するようにしてもよいし、任意の時間を自分で入力できるようにしてもよい。
エラー表示工程(Step8)は、ワイヤ突出量判定工程(Step4)でいずれの区分にも属さない場合、すなわち、溶接作業を模擬する準備が整っていない場合や機器が故障している場合を示す工程である。エラー表示工程(Step8)に該当した場合には、記録モードを終了するために、例えば、計算終了工程(Step9)に移行する。
計算終了工程(Step9)は、所定の記録時間が経過した後、記録データの算出処理を終了する工程である。かかる工程によって、操作手段2の先端座標の出力が終了することから、その後、操作手段2を格納位置に戻したりしても、その操作に伴う先端座標が制御装置5に入力されることがない。所定の記録時間が経過していない場合には、データ算出工程(Step3)に戻って、Step3〜6の処理を繰り返す。
記録工程(Step10)は、データ算出工程(Step3)で算出された記録データ(先端座標、トーチ角度、ワイヤ突出量)を記憶装置7に保存する工程である。データの記録は、例えば、0.05秒ごとに行う。したがって、データ算出工程(Step3)においても、少なくとも0.05秒ごとに記録データ(先端座標、トーチ角度、ワイヤ突出量)を算出する。
モード終了工程(Step11)は、記録データの保存が終了した後、初期状態に戻る工程である。上述した記録モードでは、記憶装置7は、適正な溶接作業を模擬した操作手段2の先端部Tの位置情報Dbである基準データ(例えば、ワイヤ突出量(離隔距離g)の適正範囲等)を記憶しており、制御装置5は、操作手段2を操作したときの位置情報Dと基準データとを比較して差分が許容値を超えた場合(例えば、ワイヤ突出量(離隔距離g)の過大範囲、過小範囲、接触範囲等)に、ディスプレイ3に表示されるビード画像Bの幅又は溶融池Cの色及びスピーカ4から出力される溶接音の長さ又は音程を変化させるように構成されている。
基準データの登録は、制御装置5のデータベースに数値を直接的に入力するようにしてもよいし、記録モードを利用してベテランの作業者や先生の模擬溶接作業から基準データを取得するようにしてもよい。また、上述した説明では、基準データとしてワイヤ突出量(離隔距離g)のみを使用しているが、トーチ角度についても基準データを入力し、模擬した操作手段2の位置情報Dと比較して差分が許容値を超えた場合に、警告音を発したり、ビード画像Bの色を変更(例えば、青色、緑色等)したりするようにしてもよい。
上述した本実施形態に係る溶接技能教育支援装置1によれば、三次元入出力装置6により溶接トーチを模擬する操作手段2の位置情報Dを取得して記録するとともに、位置情報Dに応じた画像や音声を出力するようにしたことにより、容易に溶接環境を模擬することができる。また、ディスプレイ3に表示される画像やスピーカ4から出力される音声によって、生徒一人の自習であっても視覚及び聴覚を活用して溶接作業の教育を行うことができる。
また、位置情報Dを記録することによって、事後的に任意の時間に生徒が行った模擬溶接作業を再現して、画像や音声を容易に再生することができ、実際の模擬作業時に先生が付き添っていなくても、事後的に各生徒に対して個別に指導することができる。さらに、基準データとの比較を行うことによって、画像や音声により生徒に注意を促したり、自分の溶接作業を自分で確認したりすることができる。
また、本実施形態に係る溶接技能教育支援装置1によれば、初心者だけでなく、中堅やベテランの作業者であっても本装置を利用することによって、自分の癖を容易に把握することができ、その癖を矯正することもできる。
図5に示した採点モードは、採点モードを選択するモード選択工程(Step1)と、溶接条件の設定を行う条件設定工程(Step12)と、操作手段2の先端部Tの位置情報Dの記憶を開始する記録開始工程(Step2)と、記録する位置情報Dを構成する記録データ(先端座標、トーチ角度、ワイヤ突出量、溶接速度)を算出するデータ算出工程(Step3)と、溶接軌道が適正か否か判定する軌道判定工程(Step13)と、トーチ角度が適正か否か判定する角度判定工程(Step14)と、ワイヤ突出量がどの程度あるか否かを判定するワイヤ突出量判定工程(Step4)と、ワイヤ突出量に基づいて溶接状態を模擬描写する描写工程(Step5)と、時間経過に応じてビード画像Bの色を変化させる経時描写工程(Step6)と、溶接速度が適正か否か判定する速度判定工程(Step15)と、設定した記録時間を経過したか否かを判定する時間判定工程(Step7)と、所定の条件を満たした場合にエラー表示する又はビード画像Bの描写を停止するエラー表示工程(Step8)と、記録データの算出を終了する計算終了工程(Step9)と、記録データを記憶装置7に保存する記録工程(Step10)と、記録モードを終了するモード終了工程(Step11)と、を有する。ここで、Step1〜Step11の工程については、上述した記録モードと実質的に同じ工程であるため詳細な説明を省略する。
条件設定工程(Step12)は、溶接姿勢、溶接手法、進行方向等の溶接条件を設定して記憶装置7に記憶させる工程である。溶接姿勢は、例えば、下向き、立向き、横向き等のいずれかに設定される。溶接手法は、例えば、隅肉溶接、突合せ溶接等のいずれかに設定され、さらに、ストレート法かウィービング法かを選択できるようにしてもよい。進行方向は、前進(溶接トーチを右に傾斜させた場合に左方向に溶接を行う場合)、後進(溶接トーチを右に傾斜させた場合に右方向に溶接を行う場合)、上進(溶接トーチを下に傾斜させた場合に上方向に溶接を行う場合)、下進(溶接トーチを下に傾斜させた場合に下方向に溶接を行う場合)等のいずれかに設定される。
軌道判定工程(Step13)は、操作手段2の先端部Tの座標(先端座標)から溶接軌道がまっすぐであるか否かを判定する工程である。例えば、ある先端座標が、最初の先端座標又は一つ前の先端座標から進行方向に対して何%ずれているか否かを計算し、例えば、10%以上ずれている場合に適正に溶接作業が行われていないものとして、減点対象にカウントする。このとき、ずれ量(%)やずれている時間の長さ等に応じて減点の配分を変更するようにしてもよい。
角度判定工程(Step14)は、操作手段2の先端部TにおけるベクトルV4からトーチ角度が適正か否かを判定する工程である。トーチ角度には、例えば、前進角、後進角、上進角、下進角等のほかに、手前側又は奥側に傾いている傾斜角を判定材料として利用することができる。トーチ角度が適正なトーチ角度に対して、例えば、10%以上ずれている場合に、適正に溶接作業が行われていないものとして、減点対象にカウントする。このとき、ずれ量(%)やずれている時間の長さ等に応じて減点の配分を変更するようにしてもよい。
速度判定工程(Step15)は、操作手段2の先端部Tの座標(先端座標)から溶接速度が適正であるか否かを判定する工程である。操作手段2の先端座標は、例えば、0.05秒間隔で取得されることから、先端座標の移動量を計算すれば、容易に溶接速度を算出することができる。溶接速度が、例えば、適正値から10%以上ずれている場合に、適正に溶接作業が行われていないものとして、減点対象にカウントする。このとき、ずれ量(%)やずれている時間の長さ等に応じて減点の配分を変更するようにしてもよい。
上述した採点モードでは、制御装置5は、操作手段2を操作したときの位置情報Dと基準データとを比較して差分が許容値を超えた回数を計測し採点するように構成されている。基準データの登録には、制御装置5のデータベースに数値入力するようにしてもよいし、基準データの登録されていない状態でベテランの作業者や先生が所定の記録モードで模擬することによって、基準データを取得するようにしてもよい。また、モード終了工程(Step11)において、上述した減点を加算して最終的な評価点数をディスプレイ3上に表示するようにしてもよい。
したがって、上述した採点モードを有する溶接技能教育支援装置1によれば、基準データとの比較を行うことによって、生徒の模擬溶接作業を容易に採点することができ、採点することによって客観的に評価することができ、生徒に対して目標設定を促したり、やる気を起こさせたりすることもできる。
図6に示した自習モードは、上述した軌道判定工程(Step13)、角度判定工程(Step14)及び速度判定工程(Step15)における処理が異なっているものであり、自習モードにおけるこれらの工程を軌道判定工程(Step13′)、角度判定工程(Step14′)及び速度判定工程(Step15′)と表示するものとする。
軌道判定工程(Step13′)は、操作手段2の先端部Tの座標(先端座標)から溶接軌道がまっすぐであるか否かを判定する工程である。例えば、ある先端座標が、最初の先端座標又は一つ前の先端座標から進行方向に対して何%ずれているか否かを計算し、例えば、10%以上ずれている場合に適正に溶接作業が行われていないものとして、軌道修正を行う。具体的には、適正な溶接軌道に合致する先端座標を制御装置5が計算し、その数値を三次元入出力装置6に入力することによって、操作手段2の先端部Tの位置を強制的に移動させる。したがって、模擬溶接作業をしている生徒に対しては、三次元入出力装置6を介して反力を与えることとなり、溶接作業が直接的に矯正される。
角度判定工程(Step14′)は、操作手段2の先端部TにおけるベクトルV4からトーチ角度が適正か否かを判定する工程である。トーチ角度が適正なトーチ角度に対して、例えば、10%以上ずれている場合に、適正に溶接作業が行われていないものとして、角度修正を行う。具体的には、適正なトーチ角度に合致するトーチ角度を制御装置5が計算し、その数値を三次元入出力装置6に入力することによって、操作手段2の先端部Tの角度を強制的に変更させる。したがって、模擬溶接作業をしている生徒に対しては、三次元入出力装置6を介して反力を与えることとなり、溶接作業が直接的に矯正される。
なお、このトーチ角度に対して、制御装置5から数値を入力できない場合には、角度修正から注意勧告に変更するようにしてもよい。トーチ角度の注意勧告に関しては、例えば、ディスプレイ3上にトーチ角度が適正値でないことを色や文字で表示するようにしてもよいし、スピーカ4からトーチ角度が適正値でないことをアナウンスする音声を出力するようにしてもよいし、他の関節等に数値を入力することによって三次元入出力装置6に大きな反力や振動を与えるようにしてもよい。
速度判定工程(Step15′)は、操作手段2の先端部Tの座標(先端座標)から溶接速度が適正であるか否かを判定する工程である。溶接速度が、例えば、適正値から10%以上ずれている場合に、適正に溶接作業が行われていないものとして、速度修正を行う。具体的には、適正な溶接速度に合致する先端座標を制御装置5が計算し、その数値を三次元入出力装置6に入力することによって、操作手段2の先端部Tの位置を強制的に移動させる。したがって、模擬溶接作業をしている生徒に対しては、三次元入出力装置6を介して反力を与えることとなり、溶接作業が直接的に矯正される。
上述した自習モードでは、制御装置5は、操作手段2を操作したときの位置情報Dと基準データとを比較して差分が許容値を超えた場合に三次元入出力装置6に操作手段2の先端部Tを基準データと一致させるように信号を出力するように構成されている。
したがって、上述した自習モードを有する溶接技能教育支援装置1によれば、基準データとの比較を行うことによって、容易に適正値からのずれを把握することができ、三次元入出力装置6に反力を与えることによって力覚を活用して溶接作業を矯正することができる。すなわち、適正な基準データを用意しておけば、先生がいなくても生徒一人で自習し、溶接作業の教育を任意の時間に受けることができ、利便性や効率性に優れる。
図7に示した模擬モードは、模擬モードを選択するモード選択工程(Step1)と、溶接条件の設定を行う条件設定工程(Step12)と、溶接作業の模擬(デモンストレーション)を開始する模擬開始工程(Step16)と、記録データ(先端座標、トーチ角度、ワイヤ突出量、溶接速度)を再生するデータ再生工程(Step17)と、トーチ角度が適正か否か判定する角度判定工程(Step14′)と、時間経過に応じてビード画像Bの色を変化させる経時描写工程(Step6)と、設定した模擬時間を経過したか否かを判定する時間判定工程(Step7′)と、模擬モードを終了するモード終了工程(Step11)と、を有する。
模擬開始工程(Step16)は、記録データの再生の開始を合図する工程である。模擬再生の開始に際し、自分でスタートボタンを押すようにしてもよいし、モード選択から一定の時間を経過した後、自動的に模擬再生を開始するようにしてもよい。模擬開始工程(Step16)において、三次元入出力装置6の操作手段2は、制御装置5からのデータ入力によって所定の位置に自動的に移動する。なお、模擬開始位置への操作手段の移動は生徒が行うようにしてもよい。
データ再生工程(Step17)は、予め記憶装置7に記録された基準データに基づいて操作手段2を自動再生する工程である。基準データの登録は、制御装置5のデータベースに数値を直接的に入力するようにしてもよいし、記録モードを利用してベテランの作業者や先生の模擬溶接作業から基準データを取得するようにしてもよい。
ここで、三次元入出力装置6がトーチ角度を再生することができる場合には、角度判定工程(Step14′)を省略するようにしてもよい。三次元入出力装置6がトーチ角度を再生できない場合には、トーチ角度のみを計算するデータ算出工程を挿入し、自習モードと同様に、その計算結果に応じて基準データと比較して角度修正や注意勧告するようにしてもよい。
上述した模擬モードによれば、適正な溶接作業を模擬した基準データを予め用意しておけば、三次元入出力装置6によって、溶接軌道、トーチ角度、溶接速度等を容易に再現することができ、生徒は操作手段2を把持しているだけで適正な溶接作業を体験することができる。
また、三次元入出力装置6によって個体差があることから、上述した各モードを実施する前又は溶接技能教育支援装置1の導入時に原点調整をしておく必要がある。原点調整は、例えば、ディスプレイ3上に所定の原点調整用ポイントを表示し、その原点調整用ポイントを操作手段2の先端部Tを合わせる又は当接させることによって行う。また、複数の原点調整用ポイントを利用して原点調整を行うようにしてもよい。
本発明は上述した実施形態に限定されず、三次元入出力装置6は図示した構成のものに限定されない、平面溶接に限定されず配管溶接も模擬可能である等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
1 溶接技能教育支援装置
2 操作手段
3 ディスプレイ
4 スピーカ
5 制御装置
6 三次元入出力装置
7 記憶装置

Claims (7)

  1. 母材の表面に溶接トーチを接近させてワイヤを送り出しながら溶融して前記母材を溶接する溶接作業の教育を支援する溶接技能教育支援装置であって、
    前記溶接トーチを模擬する操作手段と、
    前記母材を模擬するディスプレイと、
    前記溶接作業を模擬した溶接音を出力するスピーカと、
    前記操作手段を前記ディスプレイ上で移動させたときの前記操作手段の挙動に応じたビードの画像を前記ディスプレイに表示させるとともに前記操作手段の挙動に応じた溶接音を前記スピーカから出力させる制御装置と、
    前記操作手段を保持するとともに前記操作手段の先端部の位置情報を入出力可能な三次元入出力装置と、
    前記位置情報を記憶する記憶装置と、を有し、
    前記制御装置は、前記操作手段を操作して前記三次元入出力装置により出力される前記位置情報に基づいて前記ビードの画像及び前記溶接音の種類を選択して出力し、
    前記記憶装置は、適正な溶接作業を模擬した前記操作手段の先端部の位置情報である基準データを記憶しており、前記制御装置は、前記操作手段を操作したときの前記位置情報と前記基準データとを比較して差分が許容値を超えた場合に、前記ディスプレイに表示される前記ビードの幅又は溶融池の色及び前記スピーカから出力される前記溶接音の長さ又は音程を変化させるとともに、
    前記制御装置は、前記操作手段を操作したときの前記位置情報と前記基準データとを比較して差分が許容値を超えた場合に前記三次元入出力装置に前記操作手段の先端部を前記基準データと一致させるように信号を出力する、
    ことを特徴とする溶接技能教育支援装置。
  2. 前記制御装置は、前記操作手段を操作したときの前記位置情報と前記基準データとを比較して差分が許容値を超えた回数を計測し採点する、ことを特徴とする請求項1に記載の溶接技能教育支援装置。
  3. 母材の表面に溶接トーチを接近させてワイヤを送り出しながら溶融して前記母材を溶接する溶接作業の教育を支援する溶接技能教育支援装置であって、
    前記溶接トーチを模擬する操作手段と、
    前記母材を模擬するディスプレイと、
    前記溶接作業を模擬した溶接音を出力するスピーカと、
    前記操作手段を前記ディスプレイ上で移動させたときの前記操作手段の挙動に応じたビードの画像を前記ディスプレイに表示させるとともに前記操作手段の挙動に応じた溶接音を前記スピーカから出力させる制御装置と、
    前記操作手段を保持するとともに前記操作手段の先端部の位置情報を入出力可能な三次元入出力装置と、
    前記位置情報を記憶する記憶装置と、を有し、
    前記制御装置は、前記操作手段を操作して前記三次元入出力装置により出力される前記位置情報に基づいて前記ビードの画像及び前記溶接音の種類を選択して出力するとともに、
    前記制御装置は、前記操作手段を操作した位置情報を前記記憶装置に記憶させる記録モードと、前記記憶装置に記憶された適正な溶接作業を模擬した位置情報と比較して評価する採点モードと、前記記憶装置に記憶された適正な溶接作業を模擬した位置情報と比較して前記三次元入出力装置に適正な位置情報を入力して反力を与える自習モードと、前記記憶装置に記憶された適正な溶接作業を模擬した位置情報を前記三次元入出力装置に入力して前記操作手段の適正な挙動を再現する模擬モードと、前記記憶装置に記憶された前記位置情報に基づいて前記ビードの画像及び前記溶接音の種類を選択して出力する再生モードと、を選択可能に有する、
    ことを特徴とする溶接技能教育支援装置。
  4. 前記位置情報は、前記操作手段の先端座標を含み、前記制御装置は、前記先端座標から前記ディスプレイと前記操作手段との離隔距離を算出し、該離隔距離がワイヤ突出量を模擬しているものとして前記ビードの画像及び前記溶接音の種類を選択して出力する、ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の溶接技能教育支援装置。
  5. 前記制御装置は、前記先端座標を前記ディスプレイ上に投影した目標点を前記ディスプレイ上に表示する、ことを特徴とする請求項4に記載の溶接技能教育支援装置。
  6. 前記制御装置は、時間の経過に応じて前記ビードの色を変化させる、ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の溶接技能教育支援装置。
  7. 少なくとも、前記操作手段、前記ディスプレイ及び前記三次元入出力装置を備えた作業テーブルと、該作業テーブルを支持する支持台と、を有し、前記作業テーブルは、前記ディスプレイの角度を変更可能に前記支持台に配置されている、ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の溶接技能教育支援装置。
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