以下、図面を参照して、本発明の第1及び第2の実施形態を詳細に説明する。なお、本発明は、以下の第1及び第2の実施形態に限定されるものではない。以下、参照する図面において、同一の機能を有するものには同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
以下、まず、本発明の第1の実施形態として、広帯域小型アンテナの主要部品である第1のエレメント及び第2のエレメントが磁界により結合され、それぞれ円形または多角形でヘリカル(螺旋)状に左巻きまたは右巻きに巻き回される例、同軸上に互いに異なる径の大きさ、または同一径の二条ヘリカル状に巻かれる例、第1のエレメントと第2のエレメントとを所定の間隔離隔して平行に配置する例、第1のエレメント及び第2のエレメントの電気的な長さが、それぞれ使用周波数帯にてVSWRが3以下になるように使用周波数帯における波長が約λ/4を基準に、ターン数、巻径、ヘリカル線径をそれぞれ調整する例について、図1〜9及び図17を参照して説明する。
(第1の実施形態)
(第1のエレメント及び第2のエレメントがヘリカル(螺旋)状)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る広帯域小型アンテナ装置10を示す概略正面図である。図2は、図1の広帯域小型アンテナ20を示す概略断面図である。図1及び図2に示すように、本発明の第1の実施形態に係る広帯域小型アンテナ装置10は、銅、銅合金製、鋼線またはアルミなどの導体で構成され、軸上に第1のエレメント100及び第2のエレメント200を含む広帯域小型アンテナ20と、第1のエレメント100及び第2のエレメント200のそれぞれ一端が解放され、第1のエレメント100のもう一端と第2のエレメント200のもう一端がそれぞれ共通に電気的に接続される給電部(図示せず)及び給電部を含み外部回路に電気的に接続されるホルダ300と、ホルダ300に電気的に接続される整合回路400と、整合回路400に電気的に接続された高周波回路500と、を含む。
第1のエレメント100及び第2のエレメント200としては、磁気的に結合し、ヘリカル(helical)状のものやメアンダ(meander)状に巻き回したものを用いることにより、第1のエレメント100及び第2のエレメント200の体積をできるだけ小さくしている。そのため、第1のエレメント100及び第2のエレメント200単体では無線回路との整合が図れないため、第1のエレメント100及び第2のエレメント200の給電部を含むホルダ300と高周波回路500との間に、整合回路400を設け、第1の周波数帯域(例えば700MHz帯(698MHz〜768MHz))と第2の周波数帯域(800MHz帯(824MHz〜960MHz))とに対して、それぞれ整合を図るようになっている。
図1及び図2に示した本発明の第1の実施形態に係る広帯域小型アンテナ20は、第1のエレメント100及び第2のエレメント200それぞれが同軸上に第1のエレメント100が第2のエレメント200より大きい巻径で共に右巻きで電気的な長さが共にλ/4になるように巻き回される。そして、この第1のエレメント100及び第2のエレメント200は、電波の送受信の際に生じる電磁誘導作用によって誘起される電流を利用して700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)の電波を連続して送受信できる。
第1のエレメント100及び第2のエレメント200の電気的な長さは、それぞれ使用周波数帯にてVSWRが3以下となるように使用周波数帯における波長が共にλ/4を基準にしてターン数、巻径及びヘリカル線径をそれぞれ調整している。第1のエレメント100及び第2のエレメント200の電気的な長さをλ/4に調整することによって、使用周波数帯の700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)で必要な帯域幅を確保できる。
ホルダ300には、第1のエレメント100及び第2のエレメント200が嵌めこまれている。このホルダ300は、金属または樹脂にメッキなどにより表面を導電性とし、図示しないが、第1のエレメント100及び第2のエレメント200それぞれの一端が共通に電気的に接続される給電部を含む。そして、ホルダ300は、整合回路400に接続され、整合回路400は、高周波回路500に接続される。
以上、説明したように本発明の第1の実施形態に係る広帯域小型アンテナ装置10は、第1のエレメント100及び第2のエレメント200を同軸上に共に右巻きに巻き回した場合、第1のエレメント100及び第2のエレメント200の電気的な長さが、それぞれ、使用周波数帯にてVSWRが3以下になるように使用周波数帯における波長が約λ/4を基準に、ターン数、巻径、ヘリカル線径をそれぞれ調整することによって広帯域化できる。
次に、図1及び図2に示した広帯域小型アンテナ装置10における第1のエレメント100及び第2のエレメント200と同軸上に巻き回す方向が異なる場合について、図3を参照して説明する。なお、図3に示す広帯域小型アンテナは、図1及び図2に示した広帯域小型アンテナとは同軸上で巻き回される方向が異なること以外は同様であるため、重複する説明は省略する。
図3は、本発明の第1の実施形態に係る広帯域小型アンテナの巻き方の一例を示す概略正面図である。図3に示すように、本発明の第1の実施形態に係る広帯域小型アンテナは、同軸上に第1のエレメント100が左巻きに巻き回され、第2のエレメント200が右巻きに巻き回される。この図3に示す第1のエレメント100及び第2のエレメント200それぞれの一端はホルダ300に嵌めこまれ、ホルダ300内に有する給電部(図示せず)に共通に接続され、第1のエレメント100及び第2のエレメント200それぞれのもう一端は解放される。図1、図2及び図3に示すように、本発明の第1の実施形態に係る広帯域小型アンテナ20の第1のエレメント100及び第2のエレメント200それぞれが巻き回される方向は、左巻きまたは右巻きで組みわせることができ、巻き回される方向を組合せても、第1のエレメント100及び第2のエレメント200の電気的な長さが、それぞれ使用周波数帯にてVSWRが3以下になるように使用周波数帯における波長が約λ/4を基準に、ターン数、巻径、ヘリカル線径をそれぞれ調整することによって、広帯域化できる。
図1、図2及び図3の広帯域小型アンテナ20は、携帯端末の筐体内に配置する例について説明したが、携帯端末の筐体外部に広帯域小型アンテナ20を配置する例について図4(a)及び(b)を参照して説明する。図4(a)及び(b)は、携帯端末の筐体外部に広帯域小型アンテナを配置させる例を示す概略正面図である。図4(a)及び(b)に示す広帯域小型アンテナ20は、図1に示す広帯域小型アンテナ20のホルダ300に携帯端末の筐体への取付部であるネジ600と、広帯域小型アンテナ20が外部に露出されるため、第1のエレメント100及び第2のエレメント200を実装し、ホルダ300の両側を含む第1のエレメント100及び第2のエレメント200全面を覆うように樹脂などの絶縁材質で構成されたカバー700と、を含む。ネジ600とカバー700を図1に示した広帯域小型アンテナ20に配置することで、携帯端末の筐体外部に露出した場合でも、第1のエレメント100及び第2のエレメント200の電気的な長さが、それぞれ、使用周波数帯にてVSWRが3以下になるように使用周波数帯における波長が約λ/4を基準にターン数、巻径、ヘリカル線径をそれぞれ調整することによって広帯域化できる。
次に、図1に示した広帯域小型アンテナ20の第1のエレメント100及び第2のエレメント200とは異なる巻き方をした例について図5(a)〜(c)を参照して説明する。図5(a)は、本発明の第1の実施形態に係る広帯域小型アンテナ20の巻き方の一例を示す概略断面図であり、(b)は、(a)の広帯域小型アンテナ20を覆う例を示す概略断面図であり、(c)は、(a)の広帯域小型アンテナ20をキャップ950を用いてホルダと接続し固定する例を示す概略断面図である。
図5(a)に示すように、本発明の第1の実施形態に係る広帯域小型アンテナ20は、第1のエレメント100が絶縁樹脂材質で構成されるボビン800の外周周囲に巻き回され、第2のエレメント200がボビン800の内側に巻き回され、第1のエレメント100と同軸上に互いに接触しないように同一方向(例えば右巻き)に巻き回され、第1のエレメント100及び第2のエレメント200が共通に電気的に接続される給電部を含むホルダ300に嵌め込まれる。ボビン800は、第1のエレメント100と第2のエレメント200とが互いに接触することを防止するため、樹脂などの絶縁樹脂材質で構成される。図5(b)は、図5(a)の広帯域小型アンテナ20を携帯端末の筐体外部に露出させる場合、第1のエレメント100及び第2のエレメント200を実装するためのカバー900がホルダ300の両側を含む第1のエレメント100及び第2のエレメント200全面を覆うように配置される。図5(c)に示すように、広帯域小型アンテナ20にキャップ950を配置することで、第1のエレメント100と第2のエレメント200をホルダ300とキャップ950で押さえて第1のエレメント100と第2のエレメント200とをホルダ300と接続して固定する。図5(a)〜(c)に示すように、本発明の第1の実施形態に係る広帯域小型アンテナ20は、第1のエレメント100をボビン800の外周周囲に巻き回し、第2のエレメント200をボビン800の内側に巻き回した場合、第1のエレメント100及び第2のエレメント200を実装するためのカバー900を配置した場合、第1のエレメント100と第2のエレメント200をホルダ300とキャップ950で押さえて第1のエレメント100と第2のエレメント200とをホルダ300と接続して固定した場合でも、第1のエレメント100及び第2のエレメント200の電気的な長さが、それぞれ、使用周波数帯にてVSWRが3以下になるように使用周波数帯における波長が約λ/4を基準に、ターン数、巻径、ヘリカル線径をそれぞれ調整することによって広帯域化できる。
次に、広帯域小型アンテナの第1のエレメント100及び第2のエレメント200が同軸上で巻き回される例について、図6(a)及び(b)を参照して説明する。図6(a)は、本発明の第1の実施形態に係る広帯域小型アンテナ20の巻き方の一例を示す概略正面図であり、(b)は、本発明の第1の実施形態に係る広帯域小型アンテナ20の巻き方の一例を示す概略断面図である。図6(a)に示すように、本発明の第1の実施形態に係る広帯域小型アンテナ20は、樹脂などの絶縁材質で構成されたボビン800の外側にメッキや蒸着手段でヘリカル状の第1のエレメント100を形成する。このとき、ホルダ300と接続される第1のエレメント100は、共通の給電部をボビン800の外側に形成されるメッキや蒸着手段とともに形成する。なお、ボビン800の外側に全面メッキをしてから削り取る等の方法で第1のエレメント100を形成してもよい。なお、上述した第1のエレメント100と同様に第2のエレメント200を形成してもよい。そして、図6(b)に示した広帯域小型アンテナ20を図5(a)及び(c)の広帯域小型アンテナ20と同様に第2のエレメント200を形成する。この第2のエレメント200をボビン800に挿入し、キャップ950を配置して、第2のエレメント200をホルダ300とキャップ950で押さえて第2のエレメント200とホルダ300とを接続して固定する。このように、図6(a)及び(b)に示す本発明の第1の実施形態に係る広帯域小型アンテナ20は、第1のエレメント100及び第2のエレメント200の電気的な長さが、それぞれ使用周波数帯にてVSWRが3以下になるように使用周波数帯における波長が約λ/4を基準に、ターン数、巻径、ヘリカル線径をそれぞれ調整することによって広帯域化できる。
次に、広帯域小型アンテナ20の第1のエレメント100及び第2のエレメント200が同軸上で巻き回される例について、図7を参照して説明する。図7は、本発明の第1の実施形態に係る広帯域小型アンテナ20の巻き方の一例を示す概略正面図である。図7に示した広帯域小型アンテナ20は、ボビン300を四角にして携帯端末に内蔵しやすく構成される。この広帯域小型アンテナ20のボビン300は、外側を四角形状にして、メッキや蒸着手段で第1のエレメント100を形成する。そして、ボビン300の中心に丸穴を設けて中に線材を巻いた第2のエレメント200を挿入する。この図7に示した広帯域小型アンテナ20は、前述したホルダ300及びキャップ950などを備えてもよく、ホルダ300及びキャップ950などの形成方法は前述した方法と同様の手段で形成されるため説明は省略する。
(第1のエレメント及び第2のエレメントをヘリカル状に巻き回してそれぞれを平行に配置)
次に、第1のエレメント100及び第2のエレメント200それぞれをヘリカル状に右巻きまたは左巻きに巻き回して、第1のエレメント100及び第2のエレメント200を平行に配置した例について図8(a)及び(b)を参照して説明する。図8(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に係る広帯域小型アンテナ20の例を示す概略正面図である。図8(a)及び(b)に示した広帯域小型アンテナ20は、第1のエレメント100及び第2のエレメント200を磁界により結合し、上述したとおり、第1のエレメント100及び第2のエレメント200の電気的な長さが、それぞれ使用周波数帯にてVSWRが3以下になるように使用周波数帯における波長が約λ/4を基準に、ターン数、巻径、ヘリカル線径をそれぞれ調整することによって広帯域化できる。この第1のエレメント100及び第2のエレメント200が右巻きまたは左巻きで巻き回され、第1のエレメント100の中心軸と第2のエレメント200の中心軸との間が所定の間隔隔離される。第1のエレメント100及び第2のエレメント200それぞれの中心軸から隔離される距離は使用周波数帯の波長がλ/4以下であることが好ましい。第1のエレメント100及び第2のエレメント200それぞれの中心軸から使用周波数帯の波長がλ/4以下の間隔で離隔すれば、広帯域化できる。
次に、広帯域小型アンテナ20の第1のエレメント100及び第2のエレメント200を平行に配置して、それぞれの巻き方の例について図9を参照して説明する。図9は、本発明の第1の実施形態に係る広帯域小型アンテナ20の第1のエレメント100及び第2のエレメント200が2条ヘリカル状に巻き回される例を示す概略正面図である。図9に示すように、広帯域小型アンテナ20は、第1のエレメント100及び第2のエレンメント200が2条ヘリカル状に巻き回される。第1のエレメント100及び第2のエレンメント200を2条ヘリカル状に形成する方法は、ボビン300にメッキや蒸着手段で2条ヘリカル状の第1のエレメント100及び第2のエレメント200を形成し、銅箔や導通性金属をプレスなどにより抜いて、貼りつけて第1エレメント100及び第2のエレメント200を形成する。第1エレメント100及び第2のエレメント200を2条ヘリカル状に形成しても、第1のエレメント100及び第2のエレメント200の電気的な長さが、それぞれ使用周波数帯にてVSWRが3以下になるように使用周波数帯における波長が約λ/4を基準に、ターン数、巻径、ヘリカル線径をそれぞれ調整することによって広帯域化できる。
次に、本発明の第1の実施形態に係る広帯域小型アンテナ20における第1のエレメント100及び第2のエレメント200の電気的長さが、それぞれ使用周波数帯にてVSWRが3以下になるように使用周波数帯における波長が約λ/4を基準に調整する例について図17を参照して説明する。図17(a)〜(c)は、本発明の第1の実施形態に係る広帯域小型アンテナの特性を示すVSRW図である。
図17(b)に示した本発明の第1の実施形態に係る広帯域小型アンテナ20の特性を示すVSWR図は、必要周波数帯域における中心周波数XMHzに対する第1のエレメント及び第2のエレメントの電気的な長さをλ/4とした場合のVSWRが3以下となる比帯域幅を示す。図17(a)に示したVSWR図は、必要周波数帯域における中心周波数に対する第1のエレメント及び第2のエレメントの電気的な長さをλ/4+α変動させた場合のVSWRが3以下となる比帯域幅を示す。図17(c)に示したVSWR図は、必要周波数帯域における中心周波数に対する第1のエレメント及び第2のエレメントの電気的な長さをλ/4−β変動させた場合、VSWRが3以下となる比帯域幅を示す。図17(a)〜(c)に示したVSRW図では、それぞれ横軸に周波数MHzを示し、それぞれ縦軸にVSRWを示す。
ここで、「比帯域幅」とは、VSWRが3以下の領域についての比帯域幅をいい、VSWR≦3となる周波数の最大値をfh、VSWR≦3となる周波数の最小値をflとして、中心周波数f0をf0=(fh+fl)/2から求め、この中心周波数から比帯域幅=(fh−fl)/f0として求める。
図17(a)に示したVSWR図では、必要周波数帯域における中心周波数に対する波長の第1のエレメント及び第2のエレメントの電気的な長さをλ/4+α変動させた場合、中心周波数をXとすると、中心周波数がX−mMHzとなり、VSWR3以下となる帯域が必要周波数帯域に対して周波数が下がっていることが分かる。また、図17(c)に示したVSRW図では、必要周波数帯域における中心周波数に対する波長の第1のエレメント及び第2のエレメントの電気的な長さをλ/4−β変動させた場合、中心周波数がX+nMHzとなり、VSRWが3以下となる帯域が必要周波数帯域に対して周波数が上がっていることが分かる。
このように、図17(a)及び(c)に示したVSWR図では、電気的な長さをλ/4を基準にして変動させると中心周波数が変動するため、図17(b)に示した使用したい周波数帯域がVSWR3以下になるように第1のエレメント及び第2のエレメントの電気的な長さを調整すればよいことがわかる。換言すれば、使用したい周波数帯域がVSRW3以下の範囲に含まれるようにヘリカルの巻数を調整すればよい。
上記した例は、第1のエレメント及び第2のエレメントをヘリカル状に巻き回した例について説明したが、第1のエレメント及び第2のエレメントをメアンダ状に巻いた場合でも、それぞれを磁界により結合し、電気的な長さを、それぞれ、使用したい周波数帯域におけるVSWRが3以下になるように波長λ/4を基準に調整すればよい。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態として、広帯域小型アンテナの主要部品である第1のエレメント及び第2のエレメントが磁界により結合され、それぞれメアンダ(meander)状に同一方向または互いに異なる方向に巻かれる例、同一平面上に表裏または嵌め合いで配置される例、第1のエレメントと第2のエレメントとを隣同士に配置する例について、図10〜16を参照して説明する。
(第1のエレメント及び第2のエレメントをメアンダ(ジグザグ)状に形成)
次に、本発明の第2の実施形態に係る広帯域小型アンテナ30の第1のエレメント150及び第2のエレメント170をメアンダ状に巻き回した場合について説明する。第1の実施形態では、広帯域小型アンテナ20の第1のエレメント100及び第2のエレメント200をヘリカル状に巻き回す例について説明したが、第2の実施形態では、広帯域小型アンテナ30の第1のエレメント150及び第2のエレメント170をメアンダ状に巻いた例について図10〜16を参照して説明する。
図10は、本発明の第2の実施形態に係る広帯域小型アンテナ30の第1のエレメント150及び第2のエレメント170をそれぞれメアンダ状にして平行に配置した例を示す正面図である。図10に示すように、本発明の第2の実施形態に係る広帯域小型アンテナ30は、第1のエレメント150及び第2のエレメント170を同一方向にメアンダ状にして隣同士に配置される。このように、同一方向にメアンダ状にして平行に配置した場合、電波の送受信の際に生じる電磁誘導作用によって誘起される電流を利用して700MHz帯域(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯域(824MHz〜960MHz)の電波を連続して送受信できる。第1の実施形態に係る広帯域小型アンテナ20におけるヘリカル状に巻き回された第1のエレメント100及び第2のエレメント200と同様に、広帯域小型アンテナ30におけるメアンダ状に巻かれた第1のエレメント150及び第2のエレメント170の電気的な長さが、それぞれ使用周波数帯にてVSWRが3以下になるように使用周波数帯における波長がλ/4を基準に、導体の幅、導体間のギャップ、導体の長さ(ヘリカルの巻数に相当)、導体の厚さをそれぞれ調整することによって広帯域化できる。
次に、第2の実施形態に係る広帯域小型アンテナ30の第1のエレメント150及び第2のエレメント170それぞれをメアンダ状にした場合の組み合わせ例について、図11〜14を参照して説明する。図11〜図14は、本発明の第2の実施形態に広帯域小型アンテナ30の第1のエレメント150及び第2のエレメント170をメアンダ状に巻き回した例を示す正面図及び上面図である。図11に示すように、本発明の第2の実施形態に係る広帯域小型アンテナ30の第1のエレメント150及び第2のエレメント170は、同一方向にメアンダ状に表裏に巻き回される。図12に示すように、本発明の第2の実施形態に係る広帯域小型アンテナ30の第1のエレメント150及び第2のエレメント170は、互いに異なる方向にメアンダ状に巻かれている。図13に示すように、本発明の第2の実施形態に係る広帯域小型アンテナ30の第1のエレメント150及び第2のエレメント170は、互いに異なる方向にメアンダ状に同一平面上の表裏に巻かれている。図14に示すように、本発明の第2の実施形態に係る広帯域小型アンテナ30の第1のエレメント150及び第2のエレメント170は、同一方向にメアンダ状に嵌め合いに配置される。このように、上述した図11〜14に示す本発明の第2の実施形態に係る広帯域小型アンテナ30の第1のエレメント150及び第2のエレメント170のそれぞれをメアンダ状に隣同士や表裏に配置して、電気的な長さが、それぞれ使用周波数帯にてVSWRが3以下になるように使用周波数帯における波長が約λ/4を基準に、導体の幅、導体間のギャップ、導体の長さ、導体の厚さをそれぞれ調整することによって、広帯域化できる。
次に、広帯域小型アンテナ30の第1のエレメント150及び第2のエレメント170を樹脂上に形成する場合やプリント基板に形成する場合について、図15〜16を参照して説明する。図15は、本発明の第2の実施形態に係る広帯域小型アンテナ30の例を示す正面図である。図15に示すように、本発明の第2の実施形態に係る広帯域小型アンテナ30の第1のエレメント150及び第2のエレメント170は、第1のエレメント150及び第2のエレメント170それぞれの下端を接続した形状を樹脂上にプレスで作製し、樹脂などで構成されるホルダ300上に接着や、ホルダ300上にボスを立て、第1エレメント150及び第2のエレメント170を配置するために開けた孔に通したうえでボスを溶かして固定する。
図16(a)及び(b)は、本発明の第2の実施形態に係る広帯域アンテナ30をプリント基板1000に配置した例を示す概略正面図である。図16(a)に示すように、本発明の第2の実施形態に係る広帯域小型アンテナ30は、プリント基板1000の片面に第1のエレメント150及び第2のエレメント170それぞれをメアンダ状に形成する。図16(b)に示すように、本発明の第2の実施形態に係る広帯域小型アンテナ30は、プリント基板1000の表裏にそれぞれ第1のエレメント150及び第2のエレメント170をメアンダ状に銅箔で形成し、下端のホルダ300内の給電部をスルーホール1100で接続する。
以上、説明したように、本発明の第2の実施形態に係る広帯域小型アンテナ30の第1のエレメント150及び第2のエレメント170それぞれをメアンダ状に隣同士や表裏に巻いて、電気的な長さが、それぞれ使用周波数帯にてVSWRが3以下になるように使用周波数帯における波長が約λ/4を基準に、導体の幅、導体間のギャップ、導体の長さ、導体の厚さ、基板の厚さをそれぞれ調整することによって、広帯域化できる。
[第1の実施例]
次に、本発明の第1の実施例1〜19及び比較例1〜4について説明する。以下、図18(a)〜(h)を参照して広帯域小型アンテナの第1のエレメント及び第2のエレメントをヘリカル(螺旋)状に巻き回した例、モノポールアンテナ及び第1のエレメントをヘリカル状に巻き回した例について説明する。
なお、以下で説明する第1の実施例及び第2の実施例では、図19に示す300mm×300mmのGND板31上に広帯域小型アンテナをそれぞれ設置し、広帯域小型アンテナの給電部185、186に給電した。そして、そのシミュレーション結果をそれぞれスミスチャート及びVSWR図として示した。
[比較例1]
図18(a)に示すように、比較例1ではモノポールアンテナを用いた。モノポールアンテナは、直径1mmであり、長さが93mm(800MHzの約λ/4)であるモノポールアンテナのシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図20(a)及び(b)に示す。
図20(a)はスミスチャートと呼ばれ、スミスチャートとは、インピーダンスZ=R+jXにおいて、R=0〜+∞、X=−∞〜+∞の範囲を単位円内に写像したもので、インピーダンスの軌跡が円の中心付近に近づくほど所望のインピーダンスに近づいていることを示すものである。
図20(a)は、図18(a)に示す比較例1に係るモノポールアンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)の周波数を給電部185に給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を800MHzとする周波数帯域で、図20(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに近づいてことがわかる。
そして、図20(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図20(b)のVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は、29.4%となった。しかし、このモノポールアンテナは、後述するヘリカルアンテナの比較例2及び3と比較して比帯域幅は大きくはなってはいるものの、アンテナを小型化できない。
[比較例2]
図18(b)に示すように、比較例2は、第1のエレメント181を有するヘリカルアンテナを用いた。このヘリカルアンテナは、第1のエレメント181がヘリカル状に巻き回され、ターン数が22tであり、巻径2.5mmであり、ヘリカル線径が0.4mmであり、長さが65mm(718.9MHzの約λ/4)であるヘリカルアンテナのシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図21(a)及び(b)に示す。
図21(a)において、図18(b)に示す比較例2に係る第1のエレメント181に700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部185から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を718.9MHzとする周波数帯域で図21(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωから遠ざかっていることがわかる。
そして、図21(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図21(b)のVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は5.3%となった。
[比較例3]
図18(c)に示すように、比較例3は、第2のエレメント182を有するヘリカルアンテナを用いた。このヘリカルアンテナは、第2のエレメント182がヘリカル状に巻き回され、ターン数が9tであり、巻径4mmであり、ヘリカル線径が0.4mmであり、長さが65mm(755.4MHzの約λ/4)であるヘリカルアンテナのシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図22(a)及び(b)に示す。
図22(a)において、図18(c)に示す比較例3に係る第2のエレメント182に700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部185から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を718.9MHzとする周波数帯域で図22(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωから遠ざかっていることがわかる。
そして、図22(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図22(b)のVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は10.9%となった。
次に、本発明の実施例1〜5について図18(d)〜図18(h)を参照して説明する。
[実施例1]
図18(d)に示すように、実施例1では、比較例2及び比較例3で用いたヘリカルアンテナをそれぞれ第1のエレメント181及び第2のエレメント182として同心軸上に配置したものを用いてシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図23(a)及び(b)に示す。
図23(a)において、図18(d)に示す実施例1に係る広帯域小型アンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部185から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を800MHzとする周波数帯域で、図23(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに近づいてことがわかる。
そして、図23(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図23(b)のVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は、16.9%となった。
[実施例2]
図18(e)に示すように、実施例2では、比較例3で用いたヘリカルアンテナをそれぞれ第1のエレメント181及び第2のエレメント182として同心軸上に2重に巻き回したものを用いてシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図24(a)及び(b)に示す。
図24(a)において、図18(e)に示す実施例2に係る広帯域小型アンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部185から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を800MHzとする周波数帯域で、図24(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに近づいてことがわかる。
そして、図24(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図24(b)に示すVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は20.9%となった。
[実施例3]
図18(f)に示すように、実施例3では、比較例2及び比較例3で用いたヘリカルアンテナをそれぞれ第1のエレメント181及び第2のエレメント182として同心軸上に実施例1とは比較例2のヘリカルアンテナを逆向きに巻き回したものである。すなわち、実施例1の第1のエレメント181を逆向きに巻き回した広帯域小型アンテナを用いてシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図25(a)及び(b)に示す。
図25(a)において、図18(f)に示す実施例3に係る広帯域小型アンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部185から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を800MHzとする周波数帯域で、図25(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに近づいてことがわかる。
そして、図25(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図25(b)に示すVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は20.1%となった。
[実施例4]
図18(g)に示すように、実施例4では、比較例2及び比較例3で用いたヘリカルアンテナをそれぞれ第1のエレメント181及び第2のエレメント182として並列に配置して、そのときの第1のエレメント181の中心軸から第2のエレメント182の中心軸までの間隔を4.25mm(λ/88)としたものを用いてシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図26(a)及び(b)に示す。
図26(a)において、図18(g)に示す実施例4に係る広帯域小型アンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部185から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を800MHzとする周波数帯域で、図26(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに近づいてことがわかる。
そして、図26(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図26(b)に示すVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は23.4%となった。
[実施例5]
図18(h)に示すように、実施例5では、比較例2及び比較例3で用いたヘリカルアンテナをそれぞれ第1のエレメント181及び第2のエレメント182として並列に実施例4とは比較例2のヘリカルアンテナを逆向きに巻き回して配置して、そのときの第1のエレメント181の中心軸から第2のエレメント182の中心軸までの間隔を4.25mm(λ/88)としたものを用いてシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図27(a)及び(b)に示す。
図27(a)において、図18(h)に示す実施例5に係る広帯域小型アンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電点から供給したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を800MHzとする周波数帯域で、図26(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに近づいてことがわかる。
そして、図27(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図27(b)に示すVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は19.5%となった。
上述した比較例1〜3のヘリカル状のアンテナ及び本発明の実施例1〜5に係る広帯域小型アンテナの比帯域幅について図36を参照して説明する。図36は、上述した実施例1〜5及び比較例1〜3の比帯域幅を示す図である。図36に示すように、比較例1のモノポールアンテナを用いた場合では、比帯域幅が大きくなっていることがわかる。しかし、アンテナを小型化するためには比較例1のモノポールアンテナは用いることができない。そこで、アンテナを小型化するために、比較例2及び3のようにヘリカル状のアンテナをそれぞれ用いた。この比較例2及び3のヘリカル状のアンテナでは、比較例1と比べて比帯域幅が小さくなっていることがわかる。一方、実施例1〜5では、比較例1に比べて、アンテナを小型化でき、比較例2及び3と比べてそれぞれの比帯域幅が大きくなっていることがわかる。
次に、実施例6〜11では、比較例3の第2のエレメント182を有するヘリカルアンテナを2つ用いた。このヘリカルアンテナは、ヘリカル状に巻き回され、ターン数が9tであり、巻径4mmであり、ヘリカル線径が0.4mmであり、長さが65mm(755.4MHzの約λ/4)である。第2のエレメントも第1のエレメントと同様の特性を有するものを用いた。図28に示すように、第1のエレメント及び第2のエレメントを平行に配置した場合、第1のエレメント及び第2のエレメントの中心軸からの間隔を同心軸から少しずつそれぞれ可変したとき、VSWR(電圧定在波比)3.0以下の比帯域幅を有する最適な間隔を求めた。
[実施例6]
実施例6では、第1のエレメント及び第2のエレメントに間隔を設けずに同心軸に右巻きに巻き回したヘリカルアンテナを用いてシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図29(a)及び(b)に示す。
図29(a)において、実施例6に係る広帯域小型アンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部185から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を800MHzとする周波数帯域で、図29(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに近づいてことがわかる。
そして、図29(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図29(b)に示すVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は28.7%となった。
[実施例7]
実施例7では、第1のエレメント及び第2のエレメントそれぞれの中心軸からの間隔をλ/64とした場合のシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図30(a)及び(b)に示す。
図30(a)において、実施例7に係る広帯域小型アンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部185から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を800MHzとする周波数帯域で、図30(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに近づいてことがわかる。
そして、図30(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図30(b)に示すVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は30.2%となった。
[実施例8]
実施例8では、第1のエレメント及び第2のエレメントの中心軸からの間隔をλ/32とした場合のシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図31(a)及び(b)に示す。
図31(a)において、実施例8に係る広帯域小型アンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部185から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を800MHzとする周波数帯域で、図31(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに近づいてことがわかる。
そして、図31(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図31(b)に示すVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は32.8%となった。
[実施例9]
実施例9では、第1のエレメント及び第2のエレメントの中心軸からの間隔をλ/16とした場合のシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図32(a)及び(b)に示す。
図32(a)において、実施例9に係る広帯域小型アンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部185から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を800MHzとする周波数帯域で、図32(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに近づいてことがわかる。
そして、図32(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図32(b)に示すVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は36.2%となった。
[実施例10]
実施例10では、第1のエレメント及び第2のエレメントの中心軸からの間隔をλ/8とした場合のシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図33(a)及び(b)に示す。
図33(a)において、実施例10に係る広帯域小型アンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部185から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を800MHzとする周波数帯域で、図33(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに近づいてことがわかる。
そして、図33(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図33(b)に示すVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は37.2%となった。
[実施例11]
実施例11では、第1のエレメント及び第2のエレメントの中心軸からの間隔をλ/4とした場合のシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図34(a)及び(b)に示す。
図34(a)において、実施例11に係る広帯域小型アンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部185から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を800MHzとする周波数帯域で、図34(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに近づいてことがわかる。
そして、図34(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図34(b)に示すVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は20.4%となった。
[比較例4]
比較例4では、第1のエレメント及び第2のエレメントの中心軸からの間隔を3λ/8とした場合のシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図35(a)及び(b)に示す。
図35(a)において、比較例4に係るヘリカルアンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部185から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を800MHzとする周波数帯域で、図35(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに遠ざかっていることがわかる。
そして、図35(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図34(b)に示すVSWR特性図からVSWRの値が3.0以下にならなかった。
上述した実施例6〜11に係る広帯域小型アンテナ及び比較例4のヘリカルアンテナの比帯域幅を示す図36を参照すると、実施例6〜11に係る広帯域小型アンテナの第1のエレメント及び第2のエレメントを平行に配置した場合、第1のエレメント及び第2のエレメントそれぞれの中心軸から離隔される間隔をλ/4以下に少しずつ可変することによって広帯域化が図れていることがわかる。したがって、第1のエレメント及び第2のエレメントそれぞれの中心軸から離隔される間隔をλ/4以下に調整すればよい。一方、図36に示す比較例4に係るヘリカルアンテナでは、第1のエレメント及び第2のエレメントをそれぞれの中心軸から離隔される間隔をλ3/8にすることで、使用周波数帯におけるVSWRが3以下になっておらず、帯域を有さないことがわかる。
次に、実施例12〜20では、比較例3の第2のエレメント182を有するヘリカルアンテナを2つ用いた。このヘリカルアンテナは、巻径が4mmであり、ヘリカル線径が0.4mmであり、長さが65mm(755.4MHzの約λ/4)である。実施例12〜20では、ターン数を減少させて、中心周波数を可変した。第2のエレメントも第1のエレメント同様のものを用いた。第1のエレメント及び第2のエレメントを同心軸上に右巻きに巻き回して、ターン数を可変したときのVSWR(電圧定在波比)3.0以下の比帯域幅及び中心周波数を求めた。
[実施例12]
実施例12では、ターン数を14tとして、中心周波数を697.7MHzとした場合のシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図37(a)及び(b)に示す。
図37(a)において、実施例12に係る広帯域小型アンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を697.7MHzとする周波数帯域で、図37(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに近づいてことがわかる。
そして、図37(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図37(b)に示すVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は3.2%となった。
[実施例13]
実施例13では、ターン数を12tとして、中心周波数を753.7MHzとした場合のシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図38(a)及び(b)に示す。
図38(a)において、実施例13に係る広帯域小型アンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を753.7MHzとする周波数帯域で、図38(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに近づいてことがわかる。
そして、図38(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図38(b)に示すVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は11.4%となった。
[実施例14]
実施例14では、ターン数を11tとして、中心周波数を779.7MHzとした場合のシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図39(a)及び(b)に示す。
図39(a)において、実施例14に係る広帯域小型アンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を779.7MHzとする周波数帯域で、図39(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに近づいてことがわかる。
そして、図39(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図39(b)に示すVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は14.3%となった。
[実施例15]
実施例15では、ターン数を10tとして、中心周波数を809.6MHzとした場合のシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図40(a)及び(b)に示す。
図40(a)において、実施例15に係る広帯域小型アンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を809.6MHzとする周波数帯域で、図40(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに近づいてことがわかる。
そして、図40(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図40(b)に示すVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は18.3%となった。
[実施例16]
実施例16では、ターン数を9tとして、中心周波数を832.4MHzとした場合のシミュレーションを行った。シミュレーション結果は図41(a)及び(b)に示す実施例6と同様である。
図41(a)において、実施例16に係る広帯域小型アンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を832.4MHzとする周波数帯域で、図41(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに近づいてことがわかる。
そして、図41(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図41(b)に示すVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は28.7%となった。
[実施例17]
実施例17では、ターン数を8tとして、中心周波数を857.6MHzとした場合のシミュレーションを行った。シミュレーション結果は図42(a)及び(b)に示す。
図42(a)において、実施例17に係る広帯域小型アンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を857.6MHzとする周波数帯域で、図42(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに近づいてことがわかる。
そして、図42(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図42(b)に示すVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は22.9%となった。
[実施例18]
実施例18では、ターン数を7tとして、中心周波数を885.4MHzとした場合のシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図43(a)及び(b)に示す。
図43(a)において、実施例18に係る広帯域小型アンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を885.4MHzとする周波数帯域で、図43(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに近づいてことがわかる。
そして、図43(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図43(b)に示すVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は24.6%となった。
[実施例19]
実施例19では、ターン数を6tとして、中心周波数を904.6MHzとした場合のシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図44(a)及び(b)に示す。
図44(a)において、実施例19に係る広帯域小型アンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を904.6MHzとする周波数帯域で、図44(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに近づいてことがわかる。
そして、図44(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図44(b)に示すVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は25.6%となった。
[実施例20]
実施例20では、ターン数を5tとして、中心周波数を930.1MHzとした場合のシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図45(a)及び(b)に示す。
図45(a)において、実施例20に係る広帯域小型アンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を930.1MHzとする周波数帯域で、図45(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに近づいてことがわかる。
そして、図45(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図45(b)に示すVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は26.5%となった。
上述した実施例12〜20に係る広帯域小型アンテナは、第1のエレメント及び第2のエレメントのターン数を減少させることによって、中心周波数が上昇していることがわかる。したがって、使用周波数帯におけるVSWRが3.0以下になるようにターン数を調整すればよい。
[第2の実施例]
次に、本発明の第2の実施例21〜25及び比較例5について説明する。以下、図46(a)〜(f)を参照して広帯域小型アンテナの第1のエレメント及び第2のエレメントをメアンダ(ジグザグ)状に巻いた例について説明する。
[比較例5]
まず、比較例5として、図46(a)に示すように、第1のエレメント183をメアンダ状に巻いた場合について説明する。メアンダ状のアンテナは、幅が5mmであり、板金幅が1mmであり、厚さが0.1mmであり、スリット間隔が1mmであり、長さが64mm(920MHzの約λ/4)であるメアンダ状のアンテナのシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図47(a)及び(b)に示す。
図47(a)において、比較例5に係るメアンダ状に巻いたアンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部186から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を800MHzとする周波数帯域で、図47(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに遠ざかっていることがわかる。
そして、図47(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図47(b)に示すVSWR特性図からVSWRの値として周波数が3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は25.0%となった。
次に、本発明の実施例21〜25について図46(b)〜(f)を参照して説明する。なお、第1のエレメント及び第2のエレメントを用いたこと以外のシミュレーションの方法は比較例5と同様である。
[実施例21]
実施例21では、比較例5で用いたメアンダ状に巻いたアンテナを第1のエレメント183及び第2のエレメント184として用いて、嵌め合い配置したものである。嵌め合い配置したアンテナは、幅が7mmとなること以外比較例5と同様である。このアンテナを用いてシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図48(a)及び(b)に示す。
図48(a)において、実施例21に係る広帯域小型アンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部186から供給したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を800MHzとする周波数帯域で、図48(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに近づいてことがわかる。
そして、図48(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図48(b)に示すVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は35.6%となった。
[実施例22]
実施例22では、比較例5で用いたメアンダ状に巻いたアンテナを第1のエレメント及び第2のエレメントとして用いて、並列に表裏配置したものである。このとき、第1のエレメント及び第2のエレメントの間隔は1mmとなる。このアンテナを用いてシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図49(a)及び(b)に示す。
図49(a)において、実施例22に係る広帯域小型アンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部186から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を800MHzとする周波数帯域で、図49(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに近づいてことがわかる。
そして、図49(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図49(b)に示すVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は28.1%となった。
[実施例23]
実施例23では、比較例5で用いたメアンダ状に巻いたアンテナを第1のエレメント及び第2のエレメントとして用いて、並列に隣同士に配置したものである。このとき、第1のエレメント及び第2のエレメントの中心軸の間隔は6mmとなる。このアンテナを用いてシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図50(a)及び(b)に示す。
図50(a)において、実施例23に係る広帯域小型アンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部186から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を800MHzとする周波数帯域で、図50(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに近づいてことがわかる。
そして、図50(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図50(b)に示すVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は34.8%となった。
[実施例24]
実施例24では、比較例5で用いたメアンダ状に巻いたアンテナを第1のエレメント及び第2のエレメントとして用いて、並列に方向違いに隣同士に配置したものである。このとき、第1のエレメント及び第2のエレメントの中心軸の間隔は6mmとなる。このアンテナを用いてシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図51(a)及び(b)に示す。
図51(a)において、実施例24に係る広帯域小型アンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部186から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を800MHzとする周波数帯域で、図51(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに近づいてことがわかる。
そして、図51(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図51(b)に示すVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は35.5%となった。
[実施例25]
実施例25では、比較例5で用いたメアンダ状に巻いたアンテナを第1のエレメント及び第2のエレメントとして用いて、並列に方向違いに表裏に配置したものである。このとき、第1のエレメント及び第2のエレメントの間隔は1mmとなる。このアンテナを用いてシミュレーションを行った。シミュレーション結果を図52(a)及び(b)に示す。
図52(a)において、実施例25に係る広帯域小型アンテナに700MHz帯(698MHz〜768MHz)〜800MHz帯(824MHz〜960MHz)を給電部186から給電したときの周波数を1が704MHzを示し、2が824MHzを示し、3に960MHzを示す。このときの中心周波数を800MHzとする周波数帯域で、図52(a)に示す円の中心付近の所望のインピーダンスである50Ωに近づいてことがわかる。
そして、図52(b)は、横軸に送受信周波数(MHz)、縦軸にVSWR(電圧定在波比)をとったVSWR特性図である。図52(b)に示すVSWR特性図からVSWRの値として3.0以下になったときの比帯域幅を求めた。このときの比帯域幅は31.9%となった。
上述した実施例21〜25のメアンダ状の広帯域小型アンテナ及び比較例5のメアンダ状のアンテナの比帯域幅について図53を参照して説明する。図53は、実施例21〜25及び比較例5の比帯域幅を示す図である。図53に示すように、実施例21〜25のメアンダ状の広帯域小型アンテナは、比較例5のメアンダ状のアンテナと比較して、比帯域幅が大きくなっていることがわかる。