JP5912113B2 - 恒常的に開いたアクアポリンを含む膜 - Google Patents

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Description

本発明は、恒常的に開いたアクアポリンに関する。さらに、そのようなアクアポリンを含む膜、および水を精製するためのそのような膜の使用に関する。本発明はまた、アクアポリンを恒常的に開いたアクアポリンに変換する方法に関する。
天然に存在する生体膜は、限られた固有の水透過性細胞だけに、アクアポリンと呼ばれる、水特異的な膜タンパク質チャネルのファミリーを介して、細胞内および細胞外への水の流れを維持させる。
アクアポリンファミリーのメンバーは文献でよく知られており、菌類、動物および植物を含む、始原細菌、真正細菌および真核生物に見られる。それらは驚くほどバラエティ豊かな生理作用を果たし、全ての生命にわたる配列類似性によって、容易に識別される。高等真核生物では、アクアポリンの水輸送活性は、リン酸化、pHおよびモル浸透圧濃度(osmolarity)によって、頻繁に調節される。植物および動物におけるアクアポリンは、高度に保存され、高等植物において35種のメンバー、ヒトにおいて13種のメンバーを有する、大きなタンパク質ファミリーを形成する。
系統発生解析に基づき、植物アクアポリンは、4つのサブファミリーにさらに分類され、こけ植物であるヒメツリガネゴケ(Physcomitrella patens)などの、原始植物(primitive plants)におけるそれらの存在は、この特殊分化(specialization)が古代の植物の祖先において既に存在していたことを推測させる。
全て調節される、13種の非常に保存された原形質膜(plasma membrane)アクアポリン(原形質膜内在性タンパク質またはPIP)が存在し、これらはさらに2種の個別の系統発生グループ(PIP1およびPIP2)に分かれる。
その構造に組み込まれたアクアポリンを備える合成膜は、文献、例えば、米国特許第7,857,978 B2号、米国特許出願公開第2009/0007555 A1号および欧州特許第1885477 B1号において、水を精製するためのそのような膜の使用と同様に、記載されている。
しかしながら、そのようなアクアポリンを含む合成膜において、アクアポリンの自然な制限もまた存在するため、合成膜は多くの場合あまり有効ではない。
従って、水を精製するための改善された膜、装置または使用が有利であるだろう。
従って、本発明は、好ましくは、当技術分野における上記の欠陥および不利益の一以上を、単独あるいは任意の組み合わせで、軽減し、緩和し、または除去し、ならびに、添付の特許請求の範囲に従って装置、方法および使用を提供することにより、少なくとも上述の問題を解決する。
本発明による一般的な解決策は、合成膜において恒常的に開いたアクアポリンを利用することである。
本発明の第一の実施態様によれば、恒常的に開いたHisタグ付きのアクアポリンを含む膜が提供される。
恒常的に開いたHisタグ付きのアクアポリンは、配列番号:2と、少なくとも95、97または99%など、少なくとも90%配列相同性を有し得る。
膜は、配列番号:2のアミノ酸配列を有する恒常的に開いたHisタグ付きのアクアポリンを含み得る。
一実施形態では、該膜のアクアポリンは、ホウレンソウ(Spinacia oleracea)、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、トウモロコシ(Zea mays)、イネ(Oryza sativa)またはヒメツリガネゴケ(Physcomitrella patens)に由来する。
該アクアポリンは、配列番号:1、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10、配列番号:11、配列番号:12、配列番号:13、配列番号:14、配列番号:15、配列番号:16、配列番号:17、配列番号:18、配列番号:19、配列番号:20、配列番号:21、配列番号:22、配列番号:23、配列番号:24、配列番号:25、配列番号:26、配列番号:27、配列番号:28、配列番号:29、または配列番号:30のいずれかと、少なくとも95、97または99%など、少なくとも90%配列相同性を有する配列を含み得る。
該アクアポリンは、配列番号:3と、少なくとも95、97または99%など、少なくとも90%配列相同性を有するC末端Hisタグを含み得る。
一実施形態では、該アクアポリンは、配列番号:1、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10、配列番号:11、配列番号:12、配列番号:13、配列番号:14、配列番号:15、配列番号:16、配列番号:17、配列番号:18、配列番号:19、配列番号:20、配列番号:21、配列番号:22、配列番号:23、配列番号:24、配列番号:25、配列番号:26、配列番号:27、配列番号:28、配列番号:29、または配列番号:30の配列、および配列番号:3の配列を有するC末端Hisタグを含む。
本発明の第二の実施態様によれば、水を精製するための装置が提供される。該装置は、汚れた水を受け取るための第一のチェンバーに接続された入口、およびきれいな水を分配するための第二のチェンバーに接続された出口、ならびに第一と第二のチェンバーの間に配置された、第一の実施態様による膜を含む水を精製する膜を含む。
本発明の第三の実施態様によれば、水を精製するための、第一の実施態様による膜または第二の実施態様による装置の使用が提供される。
本発明の第四の実施態様によれば、第一の実施態様による膜を製造するための方法が提供され、前記方法は、恒常的に開いたHisタグ付きのアクアポリンを製造する段階;および膜内に該アクアポリンを組み込む段階を含む。
本発明は、水の精製に悪影響を与えずに増大した水透過性を提示する、先行技術に対する利点を有する。
本発明の特徴ならびに利点が可能な、これらの、および他の実施態様は、添付図面を参照して、本発明の実施形態の以下の説明から明白であり、かつ解明されるであろう。
図1は本発明の実施形態によるグラフである。
本発明のいくつかの実施形態は、当業者が本発明を実施するために、添付図面を参照して、以下により詳細に説明されるであろう。本発明は、しかしながら、多数の異なる形態に具体化され、本明細書に説明される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、本開示が十分かつ完全であり、当業者に本発明の範囲が十分に伝わるように、これらの実施形態が提供される。実施形態は本発明を限定するものではないが、本発明は添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。更に、添付図面で説明された特定の実施形態の詳細な記載において用いられる用語は、本発明の限定を意図するものではない。
以下の記載は、恒常的に開いたHisタグ付きのアクアポリンを含む膜、特にホウレンソウ(Spinacia oleracea)由来の恒常的に開いたHisタグ付きのアクアポリン、SoPIP2;1(配列番号:1)、を含む膜に適用できる本発明のある実施形態に焦点を合わせている。しかしながら、本発明はこの適用に限定されるものではなく、例えば、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、トウモロコシ(Zea mays)、イネ(Oryza sativa)またはヒメツリガネゴケ(Physcomitrella patens)に由来する(derived from)または、それらが起源である(originaing from)アクアポリンを含む、他の多くのHisタグ付きのアクアポリンにも適用され得る。
以前はPM28Aと呼ばれていた、ホウレンソウ(Spinacia oleracea)の植物アクアポリンSoPIP2;1(配列番号:1)の閉鎖は、2つのセリン残基:細胞質性ループBにおけるSer115(13種のシロイヌナズナPIPのうち、12種でSerとして、1種でThrとして保存される)ならびにC末端領域におけるSer274(8種のシロイヌナズナPIPのうち、7種でSerとして、1種でThrとして保存される)、の脱リン酸化によって引き起こされることが報告されている。両残基はコンセンサスなリン酸化部位に位置している。
これまでのところ、過剰発現され精製された植物およびヒト起源のアクアポリンは、人工膜内に再構成された場合に機能的であることが示され、かつ数ヶ月間安定であり、また、この期間中、全くタンパク質分解は生じていない。プロテオリポソームの形態で人工膜内に再構成されたアクアポリン(例えばSoPIP2;1(配列番号:1))は、一ヶ月間安定である。
大量の純粋かつ機能的なアクアポリンへの持続的な手段を有することは、水透過性の生体模倣膜の開発にとって重大である。自然源からの精製は、低発現量およびアクアポリンの近縁のアイソフォームを分離することの困難さによって制限される。
酵母、Pichia pastorisでの異種過剰発現は、これらの問題を回避するための効率的な方法であるということがわかり、かつ、ほうれん草アクアポリンSoPIP2;1(配列番号:1)の発現が、膜タンパク質に対するこのシステムの可能性の最初の実証であった(Karlsson et al. FEBS Lett 537, 68−72, 2003)。アクアポリンが、タンパク質のC末端でのヒスチジンの伸張の付加を可能とし、Ni−アフィニティーカラムを用いる過剰表現されたアクアポリンの精製を促進する発現ベクターへクローニングされた。これは、異種過剰発現され、精製され、結晶化され、かつ構造上特徴付けられた真核生物の膜タンパク質の、最初に公開された報告をもたらすものであった(Kukulski et al. J Mol Biol 350. 611−616, 2005)。高収量の、高い浸透性であると特徴づけられた植物起源のアクアポリンは、生体模倣膜の開発に対する最良の候補としてこのタンパク質を選出した。
SoPIP2;1(配列番号:1)は、アクアポリンの最も特徴付けられた種類の一つ、PIPに属する。浸透性の調節がまだ調査されていないほとんどのアクアポリンとは対照的に、PIPはチャネルを開かせるセリンアミノ酸のリン酸化によって、および、チャネルを閉じさせるヒスチジンアミノ酸のプロトン付加あるいはCa2+の結合によって、ゲート開閉(gate)されると知られている(Tornroth−Horsefield et al. Nature 439, 688−694, 2006)。
バイオインフォマティクス検索により、天然に存在するアイソフォーム、AtTIP2;1が、SoPIP2;1に代わる可能性があるものとして、シロイヌナズナから同定された。AtTIP2;1をコードするcDNAのクローニングに成功し、該タンパク質が、N末端Hisタグ、続いて、必要な場合に該アフィニティタグを取り去るためのTEVプロテアーゼサイトと共に、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)で過剰発現された。可溶化および精製の最適化の後、AtTIP2;1の収量はSoPIP2;1(配列番号:1)の約3分の1に相当した。
プロテオリポソームにおいて再構成される場合、精製されたAtTIP2;1は水透過性であるが、水輸送(water transport)の定量的比較では、AtTIP2;1の水透過性はSoPIP2;1(配列番号:1)の水透過性のおよそ3分の2であることを示すということが確認された。対照的に、AtTIP2;1の熱安定性は、So−PIP2;1についての57℃に比べ、86℃の融点を有し、より高い。
PM28Aとも呼ばれるSoPIP2;1(配列番号:1)は、リン酸化によりゲート開閉されると示された最初のアクアポリンであった(Johansson et al. Plant Cell 10, 451−459, 1998)。その後、PIPはpHおよびCa2+によってもゲート開閉されることが示され(Tournaire−Roux et al. Nature. 425, 393−397, 2003; Alleva et al. J Exp Bot, 57, 609−621, 2006)、近年、プロテオリポソームにおいて再構成された、精製されたAtPIP2;1でもこれが実証された(Verdoucq et al. Biochem J, 415, 409−416, 2008)。PIPのpHおよびCa2+ゲート開閉にとって重要であるアミノ酸残基の全てがSoPIP2;1においても保存されており、同様の調節を予測することは妥当である。驚くべきことにこれは見出されず、代わりに、プロテオリポソームにおけるHisタグ付きのSoPIP2;1(配列番号:1)は、pHおよびCa2+における変化の両方によって影響を受けなかった。図1に見られるように、1mM Ca2+、pH7.5、pH5.86、pH7.01およびpH6.07でのサンプルは、実質的に同じ曲線をもたらし、0を除く全ての時点において、コントロールの曲線よりも高い。ゲート開閉されるAtPIP2;1と、SoPIP2;1の閉じた構造を生成するために用いられるタンパク質はHisタグを欠いている一方で、SoPIP2;1の開いた構造はC末端Hisタグを有するSoPIP2;1から生成されたので、おそらく、C末端Hisタグは、SoPIP2;1を安定した開いたコンフォメーション、すなわち恒常的に開いたもの、に変換すると思われる。
アクアポリンの過剰発現および精製
SoPIP2;1アクアポリンは、Karlsson et al. FEBS Lett 537, 68−72, 2003により説明されるように、過剰発現および精製された。
ベクターおよび宿主細胞を含むP.pastoris発現キットをインビトロジェンから購入した。pm28a cDNA(GenBank登録番号L77969)を、フォワードプライマーEcoRI−YPM28AおよびリバースプライマーXbaI−PM28Aを用いて増幅した。PCR産物をP.pastorisベクターpPICZBにクローニングし、得られたプラスミドpHT−PM28A−PICZを配列解析した。HT−PM28AのC末端に付加された22アミノ酸はLEQKLISEEDLNSAVDHHHHHHであり、6×Hisタグのそばにmyc抗体エピトープを含有する。第二の構築体を、フォワードプライマーEcoRI−YPM28AおよびリバースプライマーPM28A−REVを用いて作製した。該リバースプライマーは、PM28Aの後の本来の終始コドンおよびBglII制限部位を有する。PCR産物をpPICZBにクローニングし、得られたプラスミドpPM28A−PICZを配列解析した。
PM28A構築体を、野生型P.pastoris X−33株に形質転換し、免疫染色(TetraHis抗体、Qiagen)に従って、最も高い発現を有する形質転換体を選択し、大規模で培養した。簡単に言えば、200mlの緩衝化グリセロール複合培地(buffered glycerol complex medium)に接種し、培養液を一晩、225rpmで振盪させながら、30℃でインキュベートした。細胞を遠心分離によってペレット化し、1200mlの緩衝化メタノール複合培地に再懸濁して、OD600=1.0を得た。225rpmで振盪しながら、30℃で、細胞をバッフルフラスコ(baffled flask)内で成長させた。さらなる(0.5% v/v)メタノールを24時間毎に培養液へ添加して、誘導を維持した。72−120時間後、該細胞を遠心分離によって回収し、−80℃で保存した。
細胞ペレットを解凍し、破砕バッファー(50mMリン酸ナトリウムバッファー、pH 7.5、5%グリセロール)に再懸濁した。16000psiでフレンチプレス細胞破砕機(French pressure cell)に3回通過させることにより、細胞を破砕し、溶解物を30分間3000rpmでの遠心分離により清澄化させた。膜を4℃で120分間、200000xgでの遠心分離により回収し、破砕バッファーに再懸濁し、−80℃で保存した。1Lの細胞培養液あたり400〜500mgの間の粗膜タンパク質、または約13mg/1gの細胞が、通常獲得された。表在性膜タンパク質および膜に接着しているタンパク質が、尿素/アルカリ処理により除去された(Fotiadis, D., Jeno, P., Mini, T., Wirtz, S., Muller, S.A., Fraysse, L., Kjellbom, P. and Engel, A. (2001) J. Biol. Chem. 276, 1707− 1714などに記載される)。剥離された膜は、20mM HEPES−NaOH、pH7.8、50mM塩化ナトリウム、10%グリセロール、2mM L−メルカプトエタノール(バッファーA)に、約10mg/mlの濃度で再懸濁され、さらなる使用まで−80℃で凍結された。
20mgのタンパク質を含有する剥離された膜は、2mg/mLのタンパク質濃度へと希釈され、バッファーAでの10%OTGのストック溶液からの滴加により、3%オクチル−β−D−チオグルコピラノシド(OTG)に溶解された。室温で30分後、不溶化した物質を30分間160000×gでペレット化した。可溶化したタンパク質を、10mMイミダゾールを含有する、20mM HEPES−NaOH、pH7.8、300mM塩化ナトリウム、10%グリセロール、2mM β−メルカプトエタノール、0.4%OTG(バッファーB)で事前に平衡化した、2mLのNi−NTAアガロース懸濁液(slurry)(Qiagen)と、4℃で2時間混合した。非結合タンパク質画分を遠心分離により除去し、Ni−NTAアガロースをバッファーB+30mMイミダゾールで洗浄した。タンパク質を、バッファーB+30mMイミダゾールと、4℃で1時間混合することにより溶出した。さらなる溶出段階が4回実行された。
当業者には理解されるように、上記の方法を用いて本明細書に開示される任意のアクアポリンを精製し得る。
SoPIP2;1(配列番号:1)の可溶化のために用いられる界面活性剤は、低温での界面活性剤の沈殿に関連する潜在的な問題を回避するために、OTGからOGへ変更されてもよい。さらに重要なことに、イミダゾールを有するHepesバッファーは、CD測定およびタンパク質のビオチン化を可能とするためにpH7.5でのPBSに交換でき、また、凍結させる予定の全サンプルにおいて、10%グリセロールが添加され、かつ推奨された。精製計画に追加された抽出段階におけるSoPIP2;1(配列番号:1)の全体のロスは、およそ25%と見積もられた。大量の開始物質が入手可能であるため、これは主要な問題を構成するものではないが、抽出段階およびロスが、同量のタンパク質を供給するために必要とされる作業の増加を明らかに引き起こした。
膜へのアクアポリンの組み込み
水ろ過のための異なる種類の工業膜において、組み換えアクアポリン分子を組み込む可能性が調査されている。ここでは、新規なナノバイオ技術的な水膜技術(water membrane technology)の開発のためのモデルとして、その性質が用いられ得る。試験的な膜システムが、3つの適用:水精製適用、海洋エネルギー適用(塩分勾配エネルギー)および工業廃水の再生(reclamation)および再利用のための適用、のために開発され得る。
当業者には理解されるように、米国特許第7,857,978 B2号、米国特許出願公開第2009/0007555 A1号、欧州特許第1885477 B1号またはHelix Nielsen, Anal Bioanal Chem (2009) 395:697−718に開示されるものなど、組み込まれたアクアポリンを備える、生体膜、脂質膜等を含むなど、水を精製するために適したあらゆる膜を用いて、本発明の実施形態による恒常的に開いたHisタグ付きのアクアポリンを組み込み得る。
それゆえ、実施形態により、本発明の実施形態による膜を製造する方法が提供され、前記方法は、恒常的に開いたHisタグ付きのアクアポリンを製造する段階;および該アクアポリンを膜内に組み込む段階を含む。
タンパク質の変性は膜の浸透性を落とすであろうことから、生体模倣膜において高安定性のアクアポリンが望ましい。SoPIP2;1の熱安定性を、変性および凝集に続く、円偏光二色性分光法およびSDS−PAGEを用いて調査した。上述のように、可溶化したSoPIP2;1の融解温度は、極めて安定なAtTIP2;1よりも低かった。しかしながら、プロテオリポソームにおいて、SoPIP2;1の安定性は70℃超まで増加した。予備データはまた、熱的安定性が低pHに比べて高pHでより高いことを示す。
アクアポリンタンパク質は、細胞膜(cell membrane)において水特異的チャネルとして機能している。アクアポリンタンパク質をコードする遺伝子を特定の酵母株へ挿入し、アクアポリンタンパク質がその機能的形態で生成および精製され、水特異的膜を構築するために用いられた。ホウレンソウ原形質膜アクアポリンSoPIP2;1(配列番号:1)をコードする遺伝子が、酵母、Pichia pastoris内にクローン化され、過剰発現され、かつ精製された。バッファー交換無しで、収量は1調製あたり約20−30mgの純粋なSoPIP2;1である。
C末端Hisタグを備えるSoPIP2;1(配列番号:2)は、恒常的に開いていると最近示された。
それゆえ、実施形態によると、配列番号:2と、少なくとも95、97または99%など、少なくとも90%配列相同性を有する、恒常的に開いたHisタグ付きのアクアポリンが提供される。
別の実施形態は、配列番号:2のアミノ酸配列を有する恒常的に開いたアクアポリンに関する。
上述のように、植物アクアポリンAtTIP2;1は過剰発現され、高収量で精製された。AtTIP2;1は、プロテオリポソームにおいて再構成された場合、活性のある水チャネルであることが示された。プロテオリポソームにおける測定によると、AtTIP2;1はおそらく、恒常的に開いたアイソフォームであるだろう。
トウモロコシ(Zea mays)、イネ(Oryza sativa)またはヒメツリガネゴケ(Physcomitrella patens)由来のアクアポリンもまた、本発明の目的のために有用であり得る。
上述のように、全て調節される、13種の著しく保存された原形質膜アクアポリン(原形質膜内在性タンパク質またはPIP)が存在する。これらはさらに2種の個別の系統発生グループ(PIP1およびPIP2)に分かれ得る。
本発明の非限定的な理論によると、恒常的に開いたコンフォメーションのアクアポリンは、C末端Hisタグが、アクアポリンの正確な種類に応じて、アクアポリンのSer274と、閉じたコンフォメーションに見られ得る次の単量体との間の相互作用を阻害する際に達成される。しかしながらSer274は、高等植物およびより原始の植物(more primitive plants)の両方において、PIP2グループに属する全てのアクアポリンで保存されている。
一実施形態では、ホウレンソウ(Spinacia oleracea)、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)、トウモロコシ(Zea mays)、イネ(Oryza sativa)またはヒメツリガネゴケ(Physcomitrella patens)由来の多数のPIP2配列が、配列番号:4から配列番号:30として提供される。
別の実施形態は、恒常的に開いたアクアポリンを獲得するための方法に関する。前記方法は、配列番号:3と、少なくとも95、97または99%など、少なくとも90%配列相同性を有する配列を、原形質膜アクアポリンのC末端に付加する段階を含む。好ましくは、前記原形質膜アクアポリンは系統発生グループPIP2に属する。
別の実施形態は、配列番号:3と、少なくとも95、97または99%など、少なくとも90%配列相同性を有する、C末端Hisタグを含む恒常的に開いたアクアポリンに関する。
別の実施形態は、本明細書に開示される恒常的に開いたアクアポリンを含む膜に関する。
一実施形態によれば、配列相同性、すなわち配列同一性、は、初期設定を用いるBLAST−アルゴリズムの使用により獲得される、アラインメント配列相同性を意味することを目的としている。
本発明は特定の実施形態を参照して上述したが、本明細書において説明される特定の形態に限定されることを意図するものではない。むしろ、本発明は添付の請求項によってのみ限定され、上述の特定の実施形態以外の実施形態も、添付の特許請求の範囲内で同等に可能である。
一実施形態では、本発明の実施形態による膜は、水を精製するための装置内に組み込まれる。前記装置は、汚れた水を受け取るための第一のチェンバーに接続された入口、およびきれいな水を分配するための第二のチェンバーに接続された出口を含む。本発明の実施形態による膜を含む水精製膜(water purifying membrane)は、第一から第二のチェンバーへ水が通過し得るように、第一と第二のチェンバーの間に配置される。水精製膜の性質および該膜は、米国特許第7,857,978 B2号、米国特許出願公開第2009/0007555 A1号、欧州特許第1885477 B1号またはHelix Nielsen, Anal Bioanal Chem (2009) 395:697−718などを考慮して、当業者に容易に理解されるだろう。
一実施形態では、水を精製するための、実施形態による膜または装置の使用が提供される。
精製は、実施形態による膜を提供する段階;および、精製された水を提供するために、精製される予定の水を、前記膜を通過させる段階、を含む方法による。
請求項において、用語「含む(comprise)/含んでいる(comprising)」は、他の要素または段階の存在を排除するものではない。さらに、個々に記載されているが、複数の手段、要素または方法段階、例えば単一ユニット、が実施され得る。さらに、個々の特徴が異なる請求項に含まれうるが、これらは場合によって有利に組み合わせられ得る、また、異なる請求項への包含は、特徴の組み合わせが実現可能でなく、かつ/または有利ではないことを示唆するものではない。さらに、単数形は複数形を排除するものではない。用語「一つの(a)」、「一つの(an)」、「第一の」、「第二の」等は複数形を排除するものではない。請求項における参照符号は、単に実施例を明確にするものとして提供され、決して請求項の範囲を限定するものとして解釈されないものとする。

Claims (5)

  1. 配列番号:2に記載のアミノ酸配列を有する、恒常的に開いたC末端Hisタグ付きのアクアポリンを含む、水精製のための膜。
  2. 汚れた水を受け取るための第一のチェンバーに接続された入口、およびきれいな水を分配するための第二のチェンバーに接続された出口、ならびに第一と第二のチェンバーの間に配置された、請求項1に記載の膜を含む水を精製する膜を含む、水を精製するための装置。
  3. 水を精製するための、請求項1に記載の膜、または請求項に記載の装置の使用。
  4. 請求項1に記載の膜を製造する方法であって:
    恒常的に開いた、配列番号:2に記載のアミノ酸配列を有する、Hisタグ付きのアクアポリンを製造する段階;および
    アクアポリンを膜に組み込む段階
    を含む、方法。
  5. 水を精製する方法であって:
    請求項1に記載の膜を提供する段階;および
    精製された水を提供するために、精製される予定の水を、該膜に通過させる段階
    を含む、方法。
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