JP5911289B2 - 鍵管理システム - Google Patents
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Description
かかる構成により、本発明は、センター鍵およびユーザ鍵をサーバ装置に記憶させると、所定規則にしたがってセンター鍵およびユーザ鍵を変数とした共有鍵算出規則を生成する。そして、センター鍵またはユーザ鍵ごとに、センター鍵またはユーザ鍵と共有鍵算出規則との一義的な関係である補完情報を算出するとともに、かかる共有鍵算出規則にしたがって共有鍵を算出可能にしている。
これにより、ユーザ鍵、センター鍵、ユーザ鍵またはセンター鍵ごとの補完情報、および所定規則が判明すれば、共有鍵算出規則を生成でき共有鍵を得る鍵管理システムが実現できる。
かかる構成では、クライアント装置に自装置のユーザ鍵と所定規則を記憶しておく。また共有鍵が必要な際には、ユーザ鍵に対応する補完情報、およびセンター鍵と当該センター鍵に対応する補完情報をサーバ装置から取得する。そして、記憶しているユーザ鍵、所定規則、取得したユーザ鍵の補完情報、センター鍵およびセンター鍵の補完情報を用いて共有鍵算出規則を復元した上で、共有鍵を算出できる。
これにより、鍵管理システムでは、共有鍵をクライアント装置に配布する必要がないので、共有鍵の漏洩リスクが低減できる。また、サーバ装置にて、クライアント装置が増減した場合に共有鍵を変更したとしても、既存のユーザ鍵や所定規則に変更を加える必要がないので、クライアント装置では新たな共有鍵の変更を意識することなく新たな共有鍵を得ることができる。
更に、本発明の好適な態様では、線形関数は、全ての鍵値またはハッシュ値からの変位量が最小となる関数とするのが好ましい。
補完情報とは、センター鍵またはユーザ鍵と後述する共有鍵算出規則との一義的な関係を持つ情報であって、センター鍵およびユーザ鍵ごとに算出される。本実施の形態では、誤差算出手段18にて算出する誤差情報である。
所定規則とは、少なくともユーザ鍵およびセンター鍵を一つの変数に含む共有鍵算出規則を生成するための規則である。本実施の形態では、詳細は後述するが、センター鍵およびユーザ鍵の鍵値(変数)による次元と、センター鍵およびユーザ鍵の鍵値のハッシュ値(変数)による次元による二次元座標系を設定し、この座標系にて全てのセンター鍵およびユーザ鍵の鍵値とハッシュ値から最小二乗法を用いて線形関数である一次関数を求めるという規則を採用している。なお、センター鍵とユーザ鍵の鍵値に変更があれば求まる一次関数も異なるので、この規則はセンター鍵とユーザ鍵に依存している。そして、所定規則には、生成した共有鍵算出規則から共有鍵を算出する規則も含まれる。
また、本実施の形態では、線形関数として一次関数としているが、二次関数や三次関数などの多次元関数であって、単純増加または単純減少をしている領域を用いるようにしても良い。また、本実施の形態では、変数としてセンター鍵およびユーザ鍵の鍵値とそのハッシュ値を使用しているが、これに限られずハッシュ値に代えてまたはこれに加えてセンター鍵およびユーザ鍵と一対一に対応される変数を用いても良い。使用する変数が増えると、その分だけ座標系の次元数も増加する。
ここで、共有鍵算出規則について説明する。共有鍵算出規則とは、所定規則に基づき生成される規則であって、共有鍵を決定でき、ユーザ鍵及びセンター鍵及び補完情報から一義的に復元できる規則である。本実施の形態では、ユーザ鍵等を用いて特定される一次関数が該当する。
図示していないが、記憶部13には、この他に同一の共有鍵を使用するクライアント装置20の一覧であって、各クライアント装置20とそのユーザ鍵・利用者ID及びパスワードを関連付けたクライアント装置リストも記憶されている。
なお、制御部14が有するこれらの各部は、独立した集積回路、ファームウェア、マイクロプロセッサなどで構成されてもよい。
以下、制御部14の各部について詳細に説明する。
具体的には、所定のハッシュ関数を予め定めておき、鍵生成手段17は、センター鍵又は各ユーザ鍵について、一方の次元の値をセンター鍵又は各ユーザ鍵自体の鍵値とし、他方の次元の値をそのハッシュ値とする座標点を求める。そして、鍵生成手段17は、最小二乗法を用いて、センター鍵及び各ユーザ鍵に対応する各座標点を近似的に結ぶ一次方程式、つまり直線を求め、求めた一次方程式の定数項、つまり直線の切片を共有鍵として算出する。
例えば、横軸をx、縦軸をyとすると、直線201は、以下の式で表される。
y=αx+β (1)
ここで、αは直線201の傾きを表し、βは直線201の切片を表す。ここで、点202の座標を(xi、yi)とすると、点202と直線201とのy軸方向の差203は(yi−αxi−β)となる。最小二乗法では全ての点について直線とy軸方向の差の二乗和が最小となるように直線が算出される。つまり、鍵生成手段17は、以下の式で算出されるDの値が最小になるαとβを求めることにより、直線202を求める。
y=21.125x+20.875 (3)
この場合、直線201の切片の値である20.875が共有鍵となる。
y=21.015x+20.555 (4)
この場合の共有鍵は20.555となる。このように、点202に対応するユーザ鍵が存在する場合と存在しない場合とで共有鍵は異なるものとなるので、鍵管理システム1に新たなクライアント装置が加わった場合、又は鍵管理システム1からクライアント装置20のうちの一つが離脱した場合、そのクライアント装置のユーザ鍵を追加、又は削除した新たな組合せのユーザ鍵を用いて直線を算出しなおすことにより新たな共有鍵を算出することができる。同様に、一部のユーザの鍵が漏洩した場合、その一部のユーザ鍵を変更した新たな組合せのユーザ鍵を用いて直線を算出しなおすことにより新たな共有鍵を算出することができる。
なお、制御部24が有するこれらの各部は、独立した集積回路、ファームウェア、マイクロプロセッサなどで構成されてもよい。
以下、制御部24の各部について詳細に説明する。
すなわち、点502の座標は(16、358.875)、点505の座標は(6、147.625)なので、直線507は次式となる。
y=21.125x+20.875 (5)
従って、直線507の切片の値である20.875が共有鍵と算出できる。
また、センター鍵又は各ユーザ鍵に対応する各座標点を近似的に結ぶ直線を求める二次元の座標系は、センター鍵又は各ユーザ鍵の鍵値とそのハッシュ値との組み合わせにより表される座標系に限定されない。例えば、所定規則の中で、各次元について各次元の値を算出するためのそれぞれ異なる一次関数を予め定めておき、一方の次元の値を一方の一次関数の、センター鍵又は各ユーザ鍵についての関数値とし、他方の次元の値を他方の一次関数の、センター鍵又は各ユーザ鍵についての関数値としてもよい。
その場合、各クライアント装置は、その座標系の次元数より1少ない数のユーザ鍵を予め記憶しておき、サーバ装置は、全てのクライアント装置の全てのユーザ鍵を予め記憶しておく。サーバ装置の鍵生成手段は、各クライアント装置毎にユーザ鍵を少なくとも一つずつ選択する。そして、多次元の座標系において、センター鍵についてセンター鍵の鍵値を各次元毎に定められる規則にそれぞれ適用することにより一意に定められる値を各次元の値とする座標点を求めるとともに、選択した各ユーザ鍵について各ユーザ鍵の鍵値を上記の規則にそれぞれ適用することにより一意に定められる値を各次元の値とする座標点を求める。そして、センター鍵に対応する座標点と、各ユーザ鍵に対応する座標点とを近似的に結ぶ一次方程式を共有鍵算出規則として求める。例えば、鍵生成手段は、ハッシュ関数をその次元数だけ予め定めておき、センター鍵又は各ユーザ鍵の鍵値の各ハッシュ値を算出する。そして、センター鍵又は各ユーザ鍵について、各次元の値を各ハッシュ値とする座標点を求める。そして、鍵生成手段は、センター鍵及び各ユーザ鍵に対応する各座標点を近似的に結ぶ一次方程式を最小二乗法を用いて算出する。例えば、次元数を(m+1)とし、各元を(y、x1、x2、・・・、xm)とした場合、求める一次方程式は、以下のように表される。
y=α1x1+α2x2+・・・+αmxm+β (6)
この場合、鍵生成手段は、α1〜αm及びβを求め、α1〜αm及びβのうちの何れかの値又はα1〜αm及びβのうちの何れか値の和、差、積、商、余り等を所定規則にしたがって共有鍵とする。
そこで、例えば、各クライアント装置に対してその方程式の項の数のユーザ鍵を予め定めておく。サーバ装置の誤差算出手段は、鍵生成手段が求めた方程式に対して、各クライアント装置の各ユーザ鍵について補完情報を算出し、管理手段は、復元要求を送信したクライアント装置の全てのユーザ鍵の補完情報を復元情報として通信部にそのクライアント装置へ送信させる。これにより、クライアント装置の鍵復元手段は、自装置の全てのユーザ鍵と、復元情報、つまり全てのユーザ鍵の補完情報とからその方程式の項の数の、その方程式を満たす座標点を算出できるので、方程式を復元することができる。また、この場合、センター鍵自体はネットワークに送信されないため、セキュリティ性を高めることができる。
鍵管理サーバ装置30は、通信部31と、操作部32と、記憶部33と、制御部34とを有する。通信部31、操作部32、記憶部33及び制御部34の構成は、図1に示すサーバ装置10の通信部11、操作部12、記憶部13及び制御部14の構成と同様であるため、詳細な説明を省略する。
また、鍵生成サーバ装置40は、通信部41と、操作部42と、記憶部43と、制御部44とを有する。通信部41、操作部42、記憶部43及び制御部44の構成も、図1に示すサーバ装置10の通信部11、操作部12、記憶部13及び制御部14の構成と同様であるため、詳細な説明を省略する。
鍵管理サーバ装置30の通信部31と鍵生成サーバ装置40の通信部41は、ネットワークを介して相互に接続される。ただし、鍵管理サーバ装置30の通信部31は、鍵生成サーバ装置40以外の装置とも通信するが、鍵生成サーバ装置40の通信部41は、鍵管理サーバ装置30以外の装置とは通信しない。また、鍵管理サーバ装置30の制御部34は管理手段35を有し、鍵生成サーバ装置40の制御部44は生成手段45を有する。この管理手段35及び生成手段45は、それぞれ図1に示す管理手段16及び生成手段15と同様の機能を有する。
復号鍵配信サーバ50は、通信部51と、操作部52と、記憶部53と、制御部54を有する。通信部51、操作部52、記憶部53及び制御部54の構成は、図1に示すサーバ装置10の通信部11、操作部12、記憶部13及び制御部14の構成と同様であるため、詳細な説明を省略する。復号鍵配信サーバ50の通信部51は、ネットワークを介して、クライアント装置20、鍵管理サーバ装置30及び鍵生成サーバ装置40と接続される。また、制御部54は復号鍵配信手段55を有する。復号鍵配信手段55は、通信部51にクライアント装置20、鍵管理サーバ装置30及び鍵生成サーバ装置40へ復号鍵を配信させる。
例えば、上述した直線の式(3)と式(4)を順にサーバ装置の記憶部にテーブルに記憶し、所定規則は、テーブルを参照して上から順に記載された式を共有鍵算出規則として選択するという規則と、共有鍵算出規則となった式の切片を共有鍵として算出するという規則とする。このとき、初回に所定規則にしたがって算出される共有鍵算出規則は、式(3)となり、式(3)の切片20.875が共有鍵として算出される。また、次に所定規則にしたがって算出される共有鍵算出規則は、式(4)となり、同様に式(4)の切片20.555が共有鍵として算出される。このように、複数の共有鍵算出規則をテーブルに予め記憶しておき、共有鍵を生成する際、所定規則にしたがって共有鍵算出規則を選択して用いてもよい。
クライアント装置60は、通信部61と、入力部62と、記憶部63と、制御部64を有する。通信部61、入力部62、記憶部63及び制御部64の構成は、図1に示すクライアント装置20の通信部21、入力部22、記憶部23及び制御部24の構成と同様であるため、詳細な説明を省略する。制御部64は、鍵送信手段65及び鍵復元手段65に加えて認証手段66を有する。認証手段66は、通信部61を介して他のクライアント装置60から認証要求を受け付ける。認証を受ける側のクライアント装置60は、認証する側のクライアント装置60に、認証要求とともに自身のユーザ鍵k’を送信する。認証する側のクライアント装置60は、サーバ装置10からセンター鍵と、センター鍵の補完情報と、自身のユーザ鍵kの補完情報と、認証を受ける側のクライアント装置60のユーザ鍵k’の補完情報を取得する。そして、センター鍵と、センター鍵の補完情報と、自身のユーザ鍵kと、その補完情報とから共有鍵を復元するとともに、センター鍵と、センター鍵の補完情報と、認証を受ける側のクライアント装置60のユーザ鍵k’と、その補完情報とからも共有鍵を復元する。そして、復元した二つの共有鍵が一致すれば、認証を受ける側のクライアント装置の認証に成功したと判定し、二つの共有鍵が一致しなければ、認証を受ける側のクライアント装置の認証に失敗したと判定する。
10 サーバ装置
11、31、41、51 通信部
12、32、42、52 操作部
13、33、43、53 記憶部
14、34、44、54 制御部
15、45 生成手段
16、35 管理手段
17、46 鍵生成手段
18、47 誤差算出手段
19、48 更新手段
20、60 クライアント装置
21、61 クライアント通信部
22、62 入力部
23、63 クライアント記憶部
24、64 制御部
25、65 鍵復元手段
30 鍵管理サーバ装置
40 鍵生成サーバ装置
50 復号鍵配信サーバ装置
55 復号鍵配信手段
66 認証手段
Claims (6)
- 複数のクライアント装置とサーバ装置から構成され、前記複数のクライアント装置が共通して用いる共有鍵を生成する鍵管理システムであって、
前記サーバ装置は、
自装置に付与されたセンター鍵と、前記クライアント装置ごとに付与されたユーザ鍵と、少なくとも前記ユーザ鍵および前記センター鍵を一つの変数に含む共有鍵算出規則を生成するための所定規則を記憶している記憶部と、
前記所定規則にしたがって前記共有鍵算出規則を生成し、当該共有鍵算出規則から前記共有鍵を算出する鍵生成手段と、
前記センター鍵及び前記クライアント装置ごとのユーザ鍵のそれぞれについて、前記共有鍵算出規則との一義的な関係を含む補完情報を、前記センター鍵及び前記ユーザ鍵のそれぞれの値に応じて算出する補完情報算出手段と、
を備え、
前記クライアント装置からの要求を受けて、当該クライアント装置のユーザ鍵の値に応じて算出された前記補完情報を当該クライアント装置へ少なくとも送信することを特徴とする鍵管理システム。 - 前記クライアント装置は、
自装置のユーザ鍵と、当該ユーザ鍵、前記センター鍵及び前記補完情報から前記共有鍵算出規則を生成する復元規則とを記憶したクライアント記憶部と、
当該ユーザ鍵に対応する前記補完情報と、前記センター鍵と、当該センター鍵に対応する補完情報とを前記サーバ装置から取得する取得部と、
前記クライアント記憶部に記憶しているユーザ鍵と取得したユーザ鍵の補完情報を用いて前記復元規則にしたがって前記共有鍵算出規則に合致した第一要素を求め、前記センター鍵および当該センター鍵に対応する補完情報を用いて前記復元規則にしたがって前記共有鍵算出規則に合致した第二要素を求め、前記第一要素および前記第二要素を用いて共有鍵算出規則を復元して当該共有鍵算出規則から前記共有鍵を復元する鍵復元手段と、
を具備する請求項1に記載の鍵管理システム。 - 前記所定規則は、前記記憶部に記憶している全ての前記センター鍵および前記ユーザ鍵に依存した関係を持つ規則である請求項1または請求項2に記載の鍵管理システム。
- 前記所定規則は、前記センター鍵および前記ユーザ鍵の鍵値と、当該鍵値のハッシュ値を変数とする線形関数にもとづいて前記共有鍵算出規則を生成する規則である請求項1〜請求項3の何れか一項に記載の鍵管理システム。
- 前記補完情報は、前記鍵値と前記線形関数との変位量、または前記ハッシュ値と前記線形関数との変位量である請求項4に記載の鍵管理システム。
- 前記線形関数は、全ての前記鍵値または前記ハッシュ値からの変位量が最小となる関数である請求項5に記載の鍵管理システム。
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