JP5909114B2 - 破壊力学パラメータ測定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、混合モード下での破壊力学パラメータを測定する方法に関する。
複合材として、例えば炭素繊維などの繊維で強化された樹脂シートを積層させて作製される樹脂基複合材がある。樹脂基複合材は、軽量で高強度であるため、航空機、自動車、船舶等の構造部材として広く用いられている。
例えば航空機の構造部材では、複数枚の樹脂基複合材を貼り合わせ、部材の板厚を厚くしている。このように複数枚の樹脂基複合材を貼り合わせる際に異物が混入すると、強度低下を招き、損傷の起点となる。このため、航空機ではこのような損傷をある程度で許容する設計が行われている。その場合、複合材の層間破壊靭性を用いて強度設計を行い、許容可能な損傷の寸法を決めることがある。
JIS K 7086(非特許文献1)には、層間に欠陥が導入された平板の炭素繊維強化プラスチックについて、モードI(開口型)及びモードII(面内せん断型)それぞれの変形モードを付与したときの破壊靭性値を測定する方法が規定されている。
ASTM D6671(非特許文献2)に開示される測定方法では、平板の繊維強化プラスチック基材とされる試験片の一端に層間剥離欠陥を形成する。試験片の両端部を支持しながら試験片中央部に荷重を負荷するとともに、剥離欠陥部分を引き剥がす力を加える。欠陥が成長するときの引き剥がす力を計測して、モードIとモードIIの混合モードでの破壊靱性値を測定している。
特許文献1に開示される層間剥離破壊靱性試験方法では、一端に人工剥離欠陥を形成し、欠陥の下部を短くした形状の供試体を用いる。この供試体の人工剥離欠陥の上部と多端とを支持し、中央部に荷重を負荷して、人工剥離欠陥が成長する際の負荷荷重を計測して、モードI及びモードIIの混合モードでの破壊靭性値を測定している。
日本工業規格 JIS K 7086 「炭素繊維強化プラスチックの層間破壊靭性試験方法」 米国材料試験協会規格 ASTM D6671"Standard Test Method for Mixed Mode I-Mode II Interlaminar Fracture Toughness of Unidirectional Fiber Reinforced Polymer Matrix Composites"
特開平4−343042号公報(請求項1、段落[0008]〜[0012]、図1〜図4)
非特許文献2及び特許文献1の試験方法は、荷重条件設定及び冶具設定が複雑であるため、試験を簡便に実施できない。また、特許文献1の試験に使用される供試体は作製工程が煩雑である上、実際の構造体に適用される積層状況を模擬したものではない。
本発明は、複数の部材を接着した供試体を用いて、混合モードにおける破壊力学パラメータを測定する方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、第1の方向に延在する板状の第1部材と、該第1部材よりも小さく、対向する一対の辺が垂直または傾斜形状に加工された板状の第2部材とを有し、前記第1部材と前記第2部材との接触面に所定の大きさの欠陥が導入されるように、前記第1部材の一方の平面部分に前記第2部材の一方の平面部分を前記一対の辺が前記第1の方向と交差する方向に配置して接着された成形体を供試体とし、前記供試体の供試体パラメータとして、前記第1部材の厚さと、前記第2部材の厚さと、前記第1部材の弾性率と、前記第2部材の弾性率と、前記第1部材と接着される前記第2部材の前記平面部分の前記第1の方向に延在する一対の辺の長さと、前記第1の方向での前記欠陥の幅と、前記傾斜形状の前記第1の方向での幅とが任意の値に設定される供試体パラメータ設定工程と、前記設定された供試体パラメータを有する前記供試体における前記第1部材の前記第1の方向の両端部を掴み治具で挟み、該掴み治具を介し、前記供試体に対して前記第1の方向に所定の引張負荷が与えられる場合に、前記欠陥でのモードIの破壊力学パラメータG及びモードIIの破壊力学パラメータGIIが、FEM解析を用いて算出される破壊力学パラメータ算出工程と、前記破壊力学パラメータ算出工程で算出された破壊力学パラメータから、前記設定された供試体パラメータ及び前記負荷での前記モードIと前記モードIIとの破壊力学パラメータの混合比率G/GIIが算出される混合比率算出工程とを備える破壊力学パラメータ測定方法を提供する。
本発明によれば、第1部材と第2部材とを接着して板厚を厚くした供試体について、第1部材の厚さ、第2部材の厚さ、第1部材の弾性率、第2部材の弾性率、第2部材の長さ、第2部材の傾斜部分の幅、及び、欠陥の長さを変えることにより、種々の混合モードでの破壊力学パラメータの混合比率を得ることができる。この混合比率は、例えば樹脂基複合材や金属板などの部材を積層させた構造部材の設計に利用することができる。
上記発明において、前記設定された供試体パラメータを有する前記供試体における前記第1部材の前記第1の方向の両端部を掴み治具で挟み、該掴み治具を介し、前記供試体に対して前記第1の方向に引張負荷が与えられた場合に、前記欠陥から破壊が開始した時の前記引張負荷の値が取得される層間剥離強度測定工程とを更に備え、前記破壊力学パラメータ算出工程において、前記強度測定工程で取得された前記引張負荷の値を用いて、前記欠陥から破壊が開始した時の前記モードIの破壊力学パラメータGId及び前記モードIIの破壊力学パラメータGIIdが算出され、前記混合比率算出工程において、前記算出された破壊力学パラメータから、前記欠陥から破壊が開始した時の前記混合比率GId/GIIdが算出されても良い。
こうすることにより、種々の混合モードにおいて欠陥から破壊が開始した時の混合比率を取得できる。この結果、各混合モードでの供試体に導入された欠陥部分の相関剥離強度を求めることができる。
上記発明において、前記供試体の前記第2部材が設けられる側の面上に、前記第2部材の形状に倣った形状を有する第1押え治具が設置され、前記供試体の前記第1押え治具が設置された面と反対側の面上に、前記第1部材の形状に倣った第2の押え治具が設置されても良い。
上記発明において、前記第1部材の他方の平面部分同士を接触させた同一の形状を有する2つの前記成形体を前記供試体としても良い。
上記発明において、前記成形体の前記第1部材の他方の平面部分に、前記第2部材と同一形状の別の第2部材を接着させた成形体を前記供試体としても良い。
上記各構成の供試体を用いると、引張負荷を与えている間に供試体が変形しないため、より正確に破壊力学パラメータを取得することができる。従って、得られる混合比率の精度を向上させることができる。
本発明によれば、複合材や金属板を接着した部材について、種々の混合比率での破壊力学パラメータを測定することができる。本発明を用いれば、各混合比率において欠陥から破壊が開始するときの負荷を取得することができる。この混合比率を用いれば、混合モードで破壊が発生する部材の強度を取得することや、破壊を開始させないための部材設計をすることが可能となる。
第1実施形態の供試体の概略図である。 欠陥の導入例を説明する概略図である。 第1実施形態の供試体の別の例を示す概略図である。 第1実施形態に係る測定方法を説明する概略図である。 テーパー比及び欠陥比を変えたときの混合比率を示すグラフである。 テーパー比及び弾性率比を変えたときの混合比率を示すグラフである。 第2実施形態に係る測定方法を説明する概略図である。 押え治具有無による混合比率の変化を表すグラフである。 第3実施形態の供試体の概略図である。 第4実施形態の供試体の概略図である。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る破壊力学パラメータ測定方法に使用する供試体の概略図である。図1(a)は側面図であり、図1(b)は平面図である。
図1の供試体1は、第1部材2と第2部材3とが接着された形状となっている。第1部材2及び第2部材3は、例えば炭素繊維やガラス繊維などの繊維をエポキシ樹脂などで固定した繊維強化樹脂シート(プリプレグ)を複数積層させて構成される樹脂基複合材や、金属板とされる。第1部材2と第2部材3とは、接着剤等により接着されていても良いし、第1部材2及び第2部材3を積層させたのち同時に硬化されて接着されていても良い。
第1の部材2は、板状とされる。図1(b)において、第1の部材2は短冊形状とされ、第1の方向に延在する長辺と短辺とを有する。なお、第1の部材2は短冊の角部が直線状または曲線状に加工された形状や、短冊の長辺側の端部が曲線状に加工されていても良い。
第2の部材3は、板状とされる。図1に示すように、第2部材3は矩形であることが好ましい。あるいは、第2部材3は正方形であっても良い。図1(a)に示すように、第2部材3は第1部材2よりも小さい。第2部材3の長辺の長さは、第1部材2の長辺の長さよりも短くなっている。
第2部材3は、第1部材2の長辺の中央部に配置される。第2部材3は、第1の方向に垂直な方向の第1部材2の中心軸で対称となるように配置されることが好ましい。
本実施形態では、第2部材3は、短辺が第1の方向と交差する方向になるように配置される。第2部材3の短辺は、図1(b)のように第1の方向と略垂直であることが好ましい。但し、本実施形態はこれに限定されず、平面で見たときに第2部材3が図1(b)の配置に対して回転しているように配置されていても良い。
このように、第2部材3が中心軸で対称になるように配置され、第2部材3の短辺が第1の方向と略垂直であるように配置されると、後述する破壊力学パラメータの算出が容易となる。
図1の第2部材3は、第1の方向に交差する1対の辺(図1(b)では短辺)が傾斜形状に加工されている。この傾斜形状は、図1(a)に示すように直線状の切欠き形状でも良いし、曲線状であっても良い。
図1では、第1部材2の短辺と第2部材3との短辺とは同じ長さにしたが、第2部材3の短辺は第1部材2の短辺よりも小さくしても良い。
第2部材3の上下の平面部分のうち大きい方が、前記第1部材2の平面部分の一方と接触する。第1部材2と第2の部材3との接触面は接着されている。
図1の供試体1には、第1部材2と第2部材3との接触面に所定の大きさの欠陥4が導入されている。この欠陥4は、第1部材2と第2部材3とが接着していない剥離欠陥である。図1(b)では、欠陥4は平面で見たときに長方形となっている。
図1(b)では、欠陥4は第2部材3の傾斜形状に加工された辺のうち一方の辺、つまり、第1部材2と第2部材3との接触面の第2部材3の短辺側の一方に設けられている。欠陥4は、図1(b)のように第2部材3の短辺方向全体に導入されていることが好ましいが、第2部材の長辺側端部で欠陥4が導入されずに第1部材2と第2部材3とが接着されていても良い。
欠陥4は、第1部材2と第2部材3との接触面の中央部分に導入されていても良い。図2は欠陥の別の導入例を説明する概略図である。図2は図1(b)と同じ方向から見た図である。
図2(a)の欠陥4は、欠陥4の周囲の第1部材2と第2部材3とが接着されるように設けられている。欠陥4の形状は特に限定されず、正方形、長方形などであっても良い。
図2(b)の欠陥4は、接触面の中央部分で第1の方向に略垂直な方向に延在し、第1部材2の長辺側に位置する端部側で第1部材2と第2部材3との接触面を貫通するように設けられている。
図2(c)の欠陥4は、接触面の中央部分で第1部材2の長辺方向(第1の方向に略平行な方向)に延在し、第1部材2の両端部(第2部材3の加工された辺)で第1部材2と第2部材3との接触面を貫通するように設けられている。
図3は第1実施形態に係る測定方法に使用する供試体の別の例を示す概略図である。図3(a)は側面図であり、図3(b)は平面図である。
図3の供試体1では、第2部材3に切欠き加工が施されていない。このため、第1の方向と交わる第2部材3の一対の辺(短辺)は、第1部材2に対して垂直になるように加工されている。
第1実施形態の破壊力学パラメータ測定方法を以下に説明する。
(1)供試体パラメータの設定
図1または図3の供試体1のパラメータを設定する。ここで設定されるパラメータは、第1部材2の厚さt、第2部材3の厚さt、第1部材2の弾性率E、第2部材3の弾性率E、第2部材3の長さW、第2部材3の傾斜部分の幅L、及び、欠陥4の長さaである。第2部材3の長さWは、第1部材と接触する平面部分において、第1の方向に略平行な辺の長さである。欠陥4の長さaは、第1の方向に略平行な方向の長さである。傾斜部分の幅Lは、第1の方向に略平行な方向の幅である。
各パラメータは、例えば航空機の構造部材の材質及び形状を模擬して任意の数値に設定される。欠陥4の長さaは、第2部材3の長さWよりも小さい値に設定される。図3の供試体1の場合、第2部材3の傾斜部分の幅Lは0と設定される。
(2)破壊力学パラメータの算出
任意の数値とされる供試体パラメータが与えられた図1または図3の供試体1の破壊力学パラメータが、FEM解析により算出される。
計算では以下のように仮定する。
図4は、図1の供試体に負荷が付与される状況を説明する概略図である。供試体1の第1部材2の第1の方向の両端が、掴み治具5によって挟まれる。このとき、第2部材3は掴み治具5に接触させない。
掴み治具5を介して、第1部材2に対して長辺方向(第1の方向)に所定の引張負荷が付与される。計算において、引張負荷は、荷重または第1の方向への変位とされる。この時、供試体の中心軸と引張方向の軸Cとがずれているため、第1部材2に引張力と、第2部材が設けられていない側への湾曲する曲げ力とが付与される。第2部材3は第1部材2と接着されているため、引張力と曲げ力とが付与される。この結果、欠陥4の先端において、亀裂(剥離)が図4の板厚方向に開口するモードIの変形と、亀裂が図4の第1部材長辺方向にずれるモードIIの変形とが開始する。
上述のt、t、E、E、W、L、a、及び、引張負荷の大きさをパラメータとして、FEM解析により、所定の大きさの引張負荷が付与された場合のモードIの破壊力学パラメータG、及び、モードIIの破壊力学パラメータGIIが算出される。
(3)混合比率の算出
FEM解析で得られた破壊力学パラメータG、GIIから、各引張負荷でのモードI及びモードIIの混合比率が算出される。本実施形態では、混合比率はG/GIIと定義される。算出される混合比率の値は、0から∞の間の値になる。
本実施形態では、切欠き部分のテーパー比(t/L)、欠陥比(a/W)、弾性率比(E/E)、第1部材と第2部材の板厚比(t/t)を変えることにより、モードIの破壊力学パラメータGとモードIIの破壊力学パラメータGIIの比率を変えることができる。
図5は、テーパー比及び欠陥比を変えたときの混合比率を示すグラフである。同図において、横軸はテーパー比(t/L)、縦軸は混合比率(G/GII)である。同じテーパー比である場合、欠陥比a/Wが大きくなると、混合比率が低下する。つまり、欠陥の長さが大きくなると、モードIIの変形が支配的となる。
図6は、テーパー比及び弾性率比を変えたときの混合比率を示すグラフである。同図において、横軸はテーパー比(t/L)、縦軸は混合比率(G/GII)である。同じテーパー比である場合、弾性率比(E/E)が大きくなると混合比率が上昇する。
図5及び図6を参照すると、同じ欠陥比あるいは弾性率比である場合、テーパー比t/Lが大きくなるほど混合比率が低下する傾向がある。つまり、第2部材を所定の板厚とすると、傾斜部分が垂直に近づく(垂直の場合t/Lは無限大になる)ほど、モードIIの変形が支配的となる。
上記の測定方法を用いて、欠陥から破壊が開始するときの破壊力学パラメータの混合比率を取得することができる。
(1’)強度測定
図1または図3に示される供試体1が作製される。供試体1の作製では、第1部材2と第2部材3の間に層間剥離を挿入した後に第1部材2と第2部材3とを接着する。接着する方法は、第1部材と第2部材とをエポキシ系接着材などで接着する。あるいは、第1部材及び第2部材を樹脂基複合材とした場合にはプリプレグを同時に硬化成形する。但し、欠陥4が導入される部分では、第1部材2と第2部材3とを接着させない。なお、層間剥離は、JIS K 7086に倣い、テフロンフィルム等で模擬する。
供試体1は、図4のように第1部材2の第1の方向の両端が掴み治具5によって挟まれる。掴み治具5が引張試験装置(不図示)に固定される。試験装置により供試体1に第1の方向への引張荷重を負荷する。欠陥4の先端から、第1部材2と第2部材3とが剥離する破壊が開始した時の引張荷重の大きさを測定する。この引張荷重の大きさは、層間剥離強度に相当する。
次いで、上記(2)の工程において、(1’)の測定に用いた供試体のt、t、E、E、W、L、a、及び、取得した引張荷重の値を用いて、破壊力学パラメータが計算される。計算された破壊力学パラメータは、欠陥から破壊が開始した時のモードI及びモードIIの破壊力学パラメータGId、GIIdとなる。
上記(3)の工程において、取得したGId及びGIIdから、欠陥から破壊が開始した時の混合比率GId/GIIdが算出される。
上記の工程により、供試体1の層間剥離強度と混合比率とが相関づけられる。従って、任意の供試体パラメータを有する供試体の混合比率が得られれば、その供試体に導入された欠陥部分の層間剥離強度を取得することができる。
本実施形態の破壊力学パラメータ測定方法により求められた混合比率は、複数の部材を積層させた構造部材の設計に利用することができる。
例えば図5及び図6に例示されるような、テーパー比t/L、弾性率比E/E、欠陥比a/Wと、混合比率G/GIIとの関係図を予め取得しておく。また、各混合比率における層間剥離強度を予め取得しておく。構造部材に付与される引張荷重の大きさから、要求される層間剥離強度が決定される。層間剥離強度は混合比率と関連付けられているので、荷重が付与された時のGとGIIとが決定できる。すなわち、ある混合比率における破壊靭性値が取得できる。
なお、モードIのみのG、及び、モードIIのみのGIIは、JIS K7086で取得する。
上記以外の使用方法として、例えば、板厚tを有する基材(第1部材)に別の部材(第2部材)を接着する場合を想定する。第2部材の板厚t、長さW、テーパー比t/Lの値は固定されている。この場合、図5に示すような、欠陥比を変えたときのテーパー比と混合比率との関係図を参照し、所定のテーパー比t/L及び第2部材の長さWを有する場合に許容される欠陥の長さaを取得することもできる。
あるいは、板厚t、弾性率Eを有する基材(第1部材)に、板厚t、弾性率Eを有する部材(第2部材)を接着する場合を想定する。第2部材の長さW、導入される欠陥の幅aは固定されている。この場合、図6に示すような、弾性率比を変えたときのテーパー比と混合比率との関係図を参照し、この構造部材の混合比率で破壊が発生しないテーパー比を決定することができる。
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態に係る破壊力学パラメータ測定方法を説明する概略図である。図7(a)は側面図であり、図7(b)は平面図である。図7の供試体1は、図1と同一形状であるが、図3と同じ供試体としても良い。
本実施形態では、供試体1の第2部材3が設置される部分は、第1押え治具6及び第2押え治具7で挟まれている。供試体1の第2部材3が設けられる面側に、第1押え治具6が設置される。第1押え治具6の第2部材3に接触する面は、第2部材3の形状に倣った形状に加工されている。供試体1の第1押え治具6が設けられる面と反対側の面に、第2押え治具7が設置される。第2押え治具7の第1部材2に接触する面は、第1部材2の形状に倣っている。
第1押え治具6及び第2押え治具7は、ボルト8で固定される。ボルト8は図7(b)に示すように供試体1の外側に設置される。
掴み治具5は、第1部材2の両端を挟んで固定するが、第1押え治具6及び第2押え治具7は挟まないように設置される。
第2実施形態の破壊力学パラメータの測定方法は、第1実施形態と同様である。本実施形態においても、供試体1の中心軸と引張方向の軸Cとがずれている。このため、供試体1には曲げ力と引張力とが付与され、欠陥4部分に混合モードの変形が付与される。第1実施形態では曲げ力により供試体が変形する。一方、第2実施形態では第2部材3が設置される部分が第1押え治具6及び第2押え治具7で固定されているため、負荷を与えている間に供試体1の変形が発生しない。このため、供試体の中心軸と引張方向の軸Cとの相対位置が固定される。また、本実施形態であれば、供試体に圧縮荷重を与えることもできる。
図8は、押え治具が無い場合(第1実施形態)及び押え治具がある場合(第2実施形態)でのテーパー比と混合比率との関係図である。同図において、横軸はテーパー比、縦軸は混合比率である。
第2実施形態の測定方法では、引張負荷を加えている間に供試体が変形しないため、より正確に破壊力学パラメータを取得することができる。従って、得られる混合比率の精度が向上する。
<第3実施形態>
図9は、第3実施形態に係る破壊力学パラメータ測定方法を説明する概略図である。図9は供試体10の側面図である。第3実施形態の供試体10は、図1と同一形状の2つの成形体の第1部材12a,12b同士を接触させた形状である。本実施形態では、第1部材12a,12b同士は、接着されていても良いし、接着されていなくても良い。第1部材12a,12bと第2部材13a,13bとの間には、それぞれ欠陥14a,14bが導入されている。欠陥14a,14bは同じ側に導入されている。
第3実施形態では、図3と同一形状の成形体を適用することもできる。
第1部材12a,12b同士を接触させた状態で、供試体10の両端が掴み治具15に挟まれて固定される。供試体10は、掴み治具15を介して第1部材12a,12bの長さ方向に引張荷重が負荷される。
本実施形態では、接触面を軸にして対称となるように2つの成形体を組み合わせている。また、同じ側に欠陥が導入されている。このため、成形体の接触面が、供試体10の中心軸及び引張方向の軸となる。中心軸と引張方向の軸とが一致しているため、押え治具を使用しなくても引張負荷を付与している間の供試体10の変形が抑制される。引張負荷を加えている間の供試体の中心軸が変動しないので、より正確に破壊力学パラメータを取得することができ、得られる混合比率の精度が向上する。
<第4実施形態>
図10は、第4実施形態に係る破壊力学パラメータ測定方法を説明する概略図である。図10は供試体20の側面図である。第4実施形態の供試体20は、第1部材22の両面に、同一形状の2つの第2部材23a,23bが接着される。第1部材22と第2部材23aとの間に導入される欠陥24aと、第1部材22と第2部材23bとの間に導入される欠陥24bとは、同じ側に形成されている。
図10では第2部材の一対の辺は傾斜形状に加工されているが、図3のように垂直になるように加工されていても良い。
供試体20の第1部材22の両端が掴み治具25に挟まれて固定される。供試体20は、掴み治具25を介して第1部材22の長さ方向に引張荷重が負荷される。
本実施形態では、第1部材22を軸にして対称となるように第2部材23a,23b及び欠陥24a,24bが配置されている。このため、供試体20の中心軸と引張方向の軸とが一致するので、押え治具を使用しなくても引張負荷を付与している間の供試体20の変形が抑制される。この結果、より正確に破壊力学パラメータを取得することができ、得られる混合比率の精度が向上する。
1,10,20 供試体
2,12a,12b,22 第1部材
3,13a,13b,23a,23b 第2部材
4,14a,14b,24a,24b 欠陥
5,15,25 掴み治具
6 第1押え治具
7 第2押え治具
8 ボルト

Claims (5)

  1. 第1の方向に延在する板状の第1部材と、該第1部材よりも小さく、対向する一対の辺が垂直または傾斜形状に加工された板状の第2部材とを有し、前記第1部材と前記第2部材との接触面に所定の大きさの欠陥が導入されるように、前記第1部材の一方の平面部分に前記第2部材の一方の平面部分を前記一対の辺が前記第1の方向と交差する方向に配置して接着された成形体を供試体とし、
    前記供試体の供試体パラメータとして、前記第1部材の厚さと、前記第2部材の厚さと、前記第1部材の弾性率と、前記第2部材の弾性率と、前記第1部材と接着される前記第2部材の前記平面部分の前記第1の方向に延在する一対の辺の長さと、前記第1の方向での前記欠陥の幅と、前記傾斜形状の前記第1の方向での幅とが任意の値に設定される供試体パラメータ設定工程と、
    前記設定された供試体パラメータを有する前記供試体における前記第1部材の前記第1の方向の両端部を掴み治具で挟み、該掴み治具を介し、前記供試体に対して前記第1の方向に所定の引張負荷が与えられる場合に、前記欠陥でのモードIの破壊力学パラメータG及びモードIIの破壊力学パラメータGIIが、FEM解析を用いて算出される破壊力学パラメータ算出工程と、
    前記破壊力学パラメータ算出工程で算出された破壊力学パラメータから、前記設定された供試体パラメータ及び前記負荷での前記モードIと前記モードIIとの破壊力学パラメータの混合比率G/GIIが算出される混合比率算出工程とを備える破壊力学パラメータ測定方法。
  2. 前記設定された供試体パラメータを有する前記供試体における前記第1部材の前記第1の方向の両端部を掴み治具で挟み、該掴み治具を介し、前記供試体に対して前記第1の方向に引張負荷が与えられた場合に、前記欠陥から破壊が開始した時の前記引張負荷の値が取得される層間剥離強度測定工程とを更に備え、
    前記破壊力学パラメータ算出工程において、前記強度測定工程で取得された前記引張負荷の値を用いて、前記欠陥から破壊が開始した時の前記モードIの破壊力学パラメータGId及び前記モードIIの破壊力学パラメータGIIdが算出され、
    前記混合比率算出工程において、前記算出された破壊力学パラメータから、前記欠陥から破壊が開始した時の前記混合比率GId/GIIdが算出される請求項1に記載の破壊力学パラメータ測定方法。
  3. 前記供試体の前記第2部材が設けられる側の面上に、前記第2部材の形状に倣った形状を有する第1押え治具が設置され、
    前記供試体の前記第1押え治具が設置された面と反対側の面上に、前記第1部材の形状に倣った第2の押え治具が設置される請求項1または請求項2に記載の破壊力学パラメータ測定方法。
  4. 前記第1部材の他方の平面部分同士を接触させた同一の形状を有する2つの前記成形体を前記供試体とした請求項1または請求項2に記載の破壊力学パラメータ測定方法。
  5. 前記成形体の前記第1部材の他方の平面部分に、前記第2部材と同一形状の別の第2部材を接着させた成形体を前記供試体とした請求項1または請求項2に記載の破壊力学パラメータ測定方法。
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