JP5907125B2 - 画像処理装置、プログラム及び画像処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、画像処理装置、プログラム及び画像処理システムに関する。
出生前の胎児の診断を行う場合に、母胎血中に極微量に含まれる胎児由来の有核赤血球(NRBCs、以下標的細胞)を検出し、利用することが行われている。母胎血中に存在するNRBCsの数は極めて少ないため、NRBCsを目視により検出するのは負担が大きい。そこで、下記の特許文献1に記載されているように、NRBCsの色、形状、位置関係、面積比等の条件に合致する細胞を対象画像から探索することにより、NRBCsを機械的に検出する技術が提案されている。
特許第4346923号公報
本発明の目的は、核を有する標的細胞を撮像した撮像画像から画像処理によって標的細胞を探索する場合に、標的細胞の検体ごとの差異や撮像条件等の差異の影響を受け難くすることができる画像処理装置、プログラム及び画像処理システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、核を有する標的細胞を含む試料を撮像した撮像画像に判定対象領域を設定する設定手段と、第1乃至第N(Nは2以上の整数)の領域を含み、第i(iは1〜N−1の任意の整数)の領域が第i+1の領域の外部に出ないように構成したそれぞれ構成が異なる複数のフィルタを設定するフィルタ設定手段と、前記設定手段により設定した判定対象領域のそれぞれに対して、前記フィルタ設定手段により設定される複数のフィルタをそれぞれ配置した場合に、当該複数のフィルタごとの奇数番の領域に含まれる各画素の画素値の合計と、偶数番の領域に含まれる各画素の画素値の合計との差をそれぞれ要素として含む画像特徴量を生成する生成手段と、前記生成手段により生成した画像特徴量が、予め定められた画像特徴量の条件を満足するか否かに基づいて、前記判定対象領域に前記標的細胞が含まれるか否かを判定する判定手段と、を含むことを特徴とする画像処理装置である。
請求項2に記載の発明は、前記撮像画像に含まれる画素の中から、前記核の候補となる画素を、抽出する第1抽出手段と、前記第1抽出手段により抽出された画素について隣り合う画素をそれぞれ連結した連結画素群の中から、前記標的細胞の候補となる連結画素群を、抽出する第2抽出手段と、を含み、前記設定手段は、前記第2抽出手段により抽出された連結画素群に含まれる画素を中心とする判定対象領域を前記撮像画像に設定し、前記フィルタ設定手段は、第1の領域と第Nの領域の大きさを、前記第2抽出手段により抽出された連結画素群と、当該連結画素群について前記設定手段により設定した判定対象領域との大きさに基づいて設定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置である。
請求項3に記載の発明は、前記設定手段により設定した判定対象領域を予め定められた部分領域に分割し、各部分領域内の各画素において輝度勾配の方向に基づいて特徴量を算出し、算出した各部分領域の特徴量に基づいて、前記判定対象領域の第2の画像特徴量を演算する演算手段をさらに含み、前記生成手段は、前記設定手段により設定した判定対象領域に対して、前記フィルタ設定手段により設定される複数のフィルタをそれぞれ配置した場合に、当該複数のフィルタごとの奇数番の領域に含まれる各画素の画素値の合計と、偶数番の領域に含まれる各画素の画素値の合計との差をそれぞれ要素とする第1の画像特徴量を生成し、前記判定手段は、前記第1の画像特徴量と前記第2の画像特徴量が、それぞれ予め定められた画像特徴量の条件を満足するか否かに基づいて、前記判定対象領域に前記標的細胞が含まれるか否かを判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置である。
請求項4に記載の発明は、前記設定手段により設定した判定対象領域を予め定められた部分領域に分割し、各部分領域内の各画素において輝度勾配の方向に基づいて特徴量を算出し、算出した各部分領域の特徴量に基づいて、前記判定対象領域の第2の画像特徴量を演算する演算手段をさらに含み、前記生成手段は、前記設定手段により設定した判定対象領域に対して、前記フィルタ設定手段により設定される複数のフィルタをそれぞれ配置した場合に、当該複数のフィルタごとの奇数番の領域に含まれる各画素の画素値の合計と、偶数番の領域に含まれる各画素の画素値の合計との差をそれぞれ要素とする第1の画像特徴量と、前記判定対象領域に対して前記演算手段により演算された第2の画像特徴量とに基づいて、第3の画像特徴量を生成し、前記判定手段は、前記第3の画像特徴量が、予め定められた画像特徴量の条件を満足するか否かに基づいて、前記判定対象領域に前記標的細胞が含まれるか否かを判定することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置である。
請求項5に記載の発明は、前記画像特徴量の条件は、前記標的細胞の正例及び負例の標本画像に基づいて機械学習されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理装置である。
請求項6に記載の発明は、核を有する標的細胞を含む試料を撮像した撮像画像に判定対象領域を設定する設定手段と、第1乃至第N(Nは2以上の整数)の領域を含み、第i(iは1〜N−1の任意の整数)の領域が第i+1の領域の外部に出ないように構成したそれぞれ構成が異なる複数のフィルタを設定するフィルタ設定手段と、前記設定手段により設定した判定対象領域のそれぞれに対して、前記フィルタ設定手段により設定される複数のフィルタをそれぞれ配置した場合に、当該複数のフィルタごとの奇数番の領域に含まれる各画素の画素値の合計と、偶数番の領域に含まれる各画素の画素値の合計との差をそれぞれ要素として含む画像特徴量を生成する生成手段と、前記生成手段により生成した画像特徴量が、予め定められた画像特徴量の条件を満足するか否かに基づいて、前記判定対象領域に前記標的細胞が含まれるか否かを判定する判定手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
請求項7に記載の発明は、画像処理装置と、当該画像処理装置と接続される光学顕微鏡と、当該画像処理装置と接続される表示装置とを含み、前記画像処理装置は、核を有する標的細胞を含む試料を撮像した撮像画像に判定対象領域を設定する設定手段と、第1乃至第N(Nは2以上の整数)の領域を含み、第i(iは1〜N−1の任意の整数)の領域が第i+1の領域の外部に出ないように構成したそれぞれ構成が異なる複数のフィルタを設定するフィルタ設定手段と、前記設定手段により設定した判定対象領域のそれぞれに対して、前記フィルタ設定手段により設定される複数のフィルタをそれぞれ配置した場合に、当該複数のフィルタごとの奇数番の領域に含まれる各画素の画素値の合計と、偶数番の領域に含まれる各画素の画素値の合計との差をそれぞれ要素として含む画像特徴量を生成する生成手段と、前記生成手段により生成した画像特徴量が、予め定められた画像特徴量の条件を満足するか否かに基づいて、前記判定対象領域に前記標的細胞が含まれるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により標的細胞が含まれると判定された判定対象領域を前記表示装置に表示させる手段と、を含むことを特徴とする画像処理システムである。
請求項1に記載の発明によれば、核を有する標的細胞を撮像した撮像画像から画像処理によって標的細胞を探索する場合に、標的細胞の検体ごとの差異や撮像条件等の差異の影響を受け難くすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、標的細胞の候補となる連結画素群の大きさに応じて設定したフィルタを利用して連結画素群の画像特徴を得ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、第1の画像特徴量と第2の画像特徴量との両方を利用しない場合と比較して、標的細胞を精度良く検出することができる。
請求項4に記載の発明によれば、第1の画像特徴量と第2の画像特徴量とに基づく画像特徴量を利用しない場合と比較して、標的細胞を精度良く検出することができる。
請求項5に記載の発明によれば、標的細胞の正例と負例に基づく機械学習をしない場合と比較して、標的細胞を精度良く検出することができる。
本実施形態に係る画像処理システムのシステム構成図である。 画像処理装置の機能ブロック図である。 試料(母胎血)を光学顕微鏡で撮像した撮像画像の一例を示す図である。 核候補の画素の一例を示す図である。 標的細胞の候補として抽出された画素群の一例を示す図である。 撮像画像に設定された判定対象領域の一例を示す図である。 正規化部による処理の流れを説明した図である。 画像補間部による処理の流れを説明した図である。 フィルタの基本パターンの一例を示す図である。 フィルタの内部パターンの大きさを変化させた場合の一例を示す図である。 フィルタの内部パターンの位置座標を変化させた場合の一例を示す図である。 HOG特徴量を説明する図である。 標的細胞の正例及び負例に基づいて行われる画像特徴量の学習処理のフローチャートである。 光学顕微鏡による試料(母胎血)の撮像画像から標的細胞を探索する処理のフローチャートである。 光学顕微鏡による試料(母胎血)の撮像画像から標的細胞を探索する処理のフローチャートである。 光学顕微鏡による試料(母胎血)の撮像画像から標的細胞を探索する処理のフローチャートである。 光学顕微鏡による試料(母胎血)の撮像画像から標的細胞を探索する処理のフローチャートである。 画像補間処理のフローチャートである。
以下、本発明を実施するための実施の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
図1には、本実施形態に係る画像処理システム1のシステム構成図を示す。図1に示されるように、画像処理システム1は、光学顕微鏡2、画像処理装置10、表示装置6を含み、画像処理装置10は光学顕微鏡2と表示装置6の各々とデータ通信可能に接続されている。
光学顕微鏡2は、試料台に配置されたスライドグラス3上の試料を、対物レンズ4等の光学系を介してCCDカメラ5で撮像する。本実施形態では、試料には、母体血をスライドグラス3に塗布し、メイ・ギムザ染色を施したものを用いる。これにより、母体血中の胎児由来有核赤血球(NRBCs)が青紫色に染色される。以下、NRBCsを標的細胞と称する。
画像処理装置10は、光学顕微鏡2で撮像された撮像画像を取得するとともに、当該取得した撮像画像の中から標的細胞を探索する。画像処理装置10において行われる標的細胞の探索処理の詳細については後述する。
表示装置6は、画像処理装置10による処理の結果に基づいて画面を表示する。例えば、表示装置6には、光学顕微鏡2で撮像された撮像画像や、画像処理装置10による標的細胞の探索結果等が表示される。
図2には、画像処理装置10の機能ブロック図を示した。図2に示されるように、画像処理装置10は、撮像画像取得部12、前処理部14、核候補領域抽出部16、標的細胞候補領域抽出部18、判定対象領域設定部20、正規化部22、画像補間部24、特徴量選択部26、第1特徴量演算部28A、第2特徴量演算部28B、第3特徴量演算部28C、学習データ取得部30、学習部32、判定部34、標的細胞領域記憶部36、及び結果出力部38を備える。
画像処理装置10に備えられた上記の各部の機能は、CPU等の制御手段、メモリ等の記憶手段、外部デバイスとデータを送受信する入出力手段等を備えたコンピュータが、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されたプログラムを読み込み実行することで実現されるものとしてよい。なお、プログラムは光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体によってコンピュータたる画像処理装置10に供給されることとしてもよいし、インターネット等のデータ通信網を介して画像処理装置10に供給されることとしてもよい。
撮像画像取得部12は、光学顕微鏡2に備えられたCCDカメラ5より試料を撮像した撮像画像を光学顕微鏡2から取得する。
図3には、撮像画像取得部12により取得された、試料(母胎血)を光学顕微鏡2で撮像した撮像画像の一例を示した。図3に示される撮像画像において、濃く着色された核を有する細胞が標的細胞である。なお、標的細胞(NRBCs)は、以下の4つの特徴を有している(多量な顕微鏡画像からの有核赤血球の自動抽出、画像電子学会誌、Vol.37 No.5 2008年9月を参照)。NRBCsの第1の特徴は、NRBCsには1個の核が存在し、核の形状は真円に近く、密度が高いという点である。第2の特徴は、NRBCsの核はメイ・ギムザ染色により他の細胞の核よりもわずかに濃く染色される点である。第3の特徴は、NRBCsの面積とその核の面積、及びその比率は特定の範囲内に収まるという点である。そして、第4の特徴は、NRBCsは核と細胞質の濃度差が他の細胞に比べてわずかに大きいという点である。
前処理部14は、撮像画像取得部12により取得された撮像画像にヒストグラム正規化、主成分分析による色合わせ、平均値フィルタ、メディアンフィルター等の画像処理を施して、撮像画像の色の正規化やノイズ除去を行う。
核候補領域抽出部16は、前処理部14によりノイズが除去された撮像画像に対して、色又は濃度が予め定められた範囲内にある画素を、核の候補領域として抽出する。例えば、核候補領域抽出部16は、撮像画像内の画素を、予め定められた色(又は濃度)の閾値により二値化することとしてよく、具体的には、色(又は濃度)が閾値よりも(又は閾値以上)濃い画素を黒画素として抽出することとしてよい。
図4には、図3に示された撮像画像に対して、核候補領域抽出部16により抽出された核候補の画素の一例を示した。図4に示されるように、核候補領域抽出部16による処理により、撮像画像の中から核の候補となる領域(画素)が抽出される。
標的細胞候補領域抽出部18は、核候補領域抽出部16により抽出された核の候補となる画素のうち隣り合う画素をそれぞれ連結した連結画素群の中から、大きさ及び形状が予め定められた条件を満足する連結画素群を標的細胞の候補となる画素群(標的細胞候補領域)として抽出する。例えば、標的細胞候補領域抽出部18は、核候補領域抽出部16により抽出された核候補の画素(黒画素)を連結した連結画素群をラベリングし(連結画素群1〜n)、連結画素群i(i=1〜n)のそれぞれについて外接矩形を設定する。そして、標的細胞候補領域抽出部18は、設定した外接矩形の縦と横の長さ、縦と横の長さの比、外接矩形内の黒画素密度が、それぞれの値について予め定められた範囲にある連結画素群を標的細胞の候補として抽出する。
図5には、図4に示された核候補の画素から標的細胞の候補として抽出された画素群の一例を示した。図5に示されるように、標的細胞候補領域抽出部18による処理により、核候補の中からさらに標的細胞における核の可能性がある画像領域が抽出される。
判定対象領域設定部20は、標的細胞候補領域抽出部18により抽出された連結画素群に設定された矩形領域(候補矩形領域)の画素を中心とした所与のサイズ(例えばN×M画素)の矩形領域(判定対象矩形領域)を撮像画像に設定する。例えば、判定対象領域設定部20は、候補矩形領域の中から1画素を選択し、当該選択した1画素の位置座標に基づいて撮像画像における対応画素を特定し、当該特定した対応画素を中心とした所与のサイズの判定対象矩形領域を設定する。なお、判定対象領域設定部20は、候補矩形領域の中から1画素を順次選択し、選択した画素ごとに判定対象領域を設定することとしてよい。
図6には、判定対象領域設定部20により撮像画像に設定された判定対象領域の一例を示した。図6に示されるように、候補矩形領域の1画素を中心として判定対象領域が設定される。
正規化部22は、判定対象領域設定部20により設定された判定対象領域内の画像の向きが予め定められた向きとなるように回転させる処理を行う。例えば、正規化部22は、判定対象領域内の二値化画像の重心位置を求め、判定対象領域の中心位置と上記求めた重心位置とを結ぶ方位ベクトルが、予め定められた方位(例えば上向き)を向くのに要する回転角度を演算する。そして、正規化部22は、上記演算された回転角度で、判定対象領域内の画像(撮像画像の部分画像)を回転させる。なお、正規化部22による処理は、必ずしも実行しなくともよい。
図7には、正規化部22による処理の流れを説明した図を示した。図7(A)は撮像画像に設定された判定対象領域であり、図7(B)は判定対象領域内の二値化画像である。そして、図7(B)の方位ベクトルが上に向くのに必要な回転角度θで、図7(A)に示される撮像画像を回転させて判定対象領域で切り取った画像が図7(C)である。
画像補間部24は、判定対象領域設定部20により設定された判定対象領域内に、撮像画像の端が含まれている場合に、判定対象領域内の画像を補間する。例えば、画像補間部24は、判定対象領域を予め定められたサイズ(2M×2M)となるように拡張した後に、当該拡張した判定対象領域に含まれる二値化画像のうち撮像画像の端と平行な線分のうち最長の部分を中心線に設定する。そして、画像補間部24は、設定した中心線から撮像画像の端までの距離Lを求め、拡張した領域において中心線に対して撮像画像の端と対向する端から、中心線と垂直に(M−L)画素、中心線と平行の2M画素からなる部分領域を中心線に対して線対称の位置に移動して、判定対象領域内の画像を補間する。
図8には、画像補間部24による処理の流れを説明した図を示した。図8(A)は判定対象領域設定部20により設定された判定対象領域の例であり、図8(A)に示されるように判定対象領域には撮像画像の端が含まれている。このとき、画像補間部24は、図8(B)に示されるように、判定対象領域が2M×2Mとなるように拡張した後に、判定対象領域内の二値化画像のうち撮像画像の端と平行であって最も長い線分の位置を中心線として設定する。次に、画像補間部24は、中心線と撮像画像の端との長さLを求め(図8(C)参照)、拡張した判定対象領域において中心線に対して撮像画像の端と対向する端から、中心線と垂直に(M−L)画素、中心線と平行の2M画素からなる部分領域を中心線に対して線対称の位置に移動し結合した図が図8(D)である。なお、結合する部分領域は中心線に対して反転させることとしてよい。
特徴量選択部26は、学習処理及び識別処理に用いる画像特徴量を選択する。例えば、特徴量選択部26は、後述する第1〜第3の画像特徴量のうち少なくとも1つを選択することとしてよく、画像特徴量の選択は利用者の指定に基づいて行うこととしてもよいし、利用する画像特徴量を予め定めておいてもよい。以下、第1〜第3の画像特徴量のそれぞれの詳細について説明する。
第1特徴量演算部28Aは、判定対象領域設定部20により設定された判定対象領域内の画像(正規化処理部による正規化後の画像であることが好ましいが正規化処理をしていない画像でもよい)についての第1の画像特徴量(Haar-Like特徴量)を演算する。例えば、第1特徴量演算部28Aは、判定対象領域にZ(Zは自然数)個のフィルタを配置して、各々のフィルタを配置した場合に得られるZ個の特徴量を要素とするZ次元の特徴ベクトルを第1の特徴量として生成することとしてよい。以下、第1特徴量演算部28Aにより用いられるZ個のフィルタの構成例について説明する。
本実施形態では、第1特徴量演算部28Aは、Z個のフィルタを、(1)フィルタの基本パターン、(2)フィルタの内部パターンの大きさ、(3)フィルタの内部パターンの位置座標、の設定を変更することで構成することとしてよい。
まず、(1)フィルタの基本パターンについて説明する。図9にはフィルタの基本パターンの一例を示した。本実施形態では、図9に示されるように、フィルタの基本パターンには、図9(A)に示した第1の基本パターンと、図9(B)に示した第2の基本パターンとが含まれる。第1の基本パターンは、矩形フィルタの内部に黒領域を配置し、その外側にロの字型の白領域を配置して構成され、第2の基本パターンは、矩形フィルタの内部に矩形の黒領域を配置し、その外側にロの字型の白領域、黒領域、白領域を交互に配置して構成される。なお、フィルタの基本パターンの形状は、図3に示した標的細胞の画像特徴に応じて決定したものであり、図9(A)の黒領域は核領域に対応し、図9(B)の黒領域は核領域及び細胞膜に対応している。基本パターンにおいて、黒領域と隣接する白領域とは、黒領域の外側の縁と白領域の外側の縁とがその一部において接触していても構わない。
ここで、図9に示したフィルタにおける黒領域と白領域とはそれぞれ反転させて構成しても構わない。なお、本実施形態では、フィルタの基本パターンは、フィルタを矩形フィルタとして構成した例を示したが、フィルタ、フィルタ内部の白領域、黒領域はそれぞれ矩形を含む多角形、楕円形等の他の形状としてもよい。
次に、(2)フィルタの内部パターンの大きさの設定例について説明する。第1特徴量演算部28Aは、核候補領域抽出部16により抽出された核候補領域と、核候補領域について判定対象領域設定部20により設定された判定対象領域との大きさの比(α)を算出し、算出した比(α)に基づいて矩形フィルタ内部の黒領域の大きさと、矩形フィルタの大きさの比の範囲(β〜γ)を設定する。例えば、aを1以下の係数、bを1より大きい係数として、β=a・α、γ=b・αとして算出することとしてよく、一例としては、a/b=1/10等としてよい。なお、大きさの比は面積比としてもよいし、矩形の一辺の長さの比としてもよい。
図10には、矩形フィルタの内部パターンの大きさを変化させた場合の一例を示した。図10に示されるように、矩形フィルタの一辺を1とした場合に、黒領域の一辺を1/γ〜1/βの範囲で変化させることとしてよい。中心部の黒領域の外側に配置された黒領域の外周及び内周の大きさは、1/β〜1の範囲で設定することとしてよい。
次に、(3)フィルタの内部パターンの位置座標の設定例について説明する。第1特徴量演算部28Aは、矩形フィルタの内部に配置する黒領域が、矩形フィルタ外に出ない範囲で黒領域の位置座標を変化させて、矩形フィルタを構成することとしてよい。ここで、図11には、フィルタの内部パターンの位置座標を変化させた場合の一例を示した。なお、フィルタ内部の黒領域は、黒領域の配置可能な領域の端から予め定められた間隔ごとに位置を変えて配置することとしてもよいし、黒領域の配置可能な領域における予め定められた位置(例えば中央、左寄せ、右寄せ等)に配置することとしてもよい。
第1特徴量演算部28Aは、以上説明した(1)〜(3)の少なくともいずれかの点で構成を変えた異なるZ個のフィルタ(Fi(i=1〜Z))を生成するとともに、当該生成したフィルタ(Fi)を判定対象領域に配置した場合に、フィルタの黒領域に含まれる判定対象領域の各画素の画素値の合計(Si)と、フィルタの白領域に含まれる判定対象領域の各画素の画素値の合計(Ti)とを算出するとともに、算出したSiとTiとの差分を要素特徴量Ci(Ci=Si−Ti)として算出する。そして、第1特徴量演算部28Aは、各フィルタFiについて算出したCiに基づいて、C=(C1,C2,・・・,Cz)を判定対象領域の第1の特徴量(Haar-Like特徴量)として得る。
第2特徴量演算部28Bは、判定対象領域設定部20により設定された判定対象領域内の画像(正規化処理部による正規化後の画像であることが好ましいが正規化処理をしていない画像でもよい)についての第2の画像特徴量を演算する。例えば、第2の画像特徴量には、HOG特徴量を用いることとしてもよいし、その他の特徴量を用いてもよい。
図12には、特徴量演算部26により演算されるHOG特徴量を説明する図を示した。図12(A)に示されるように、判定対象領域を予め定められた数(例えば4×4)の部分領域に分割し、各部分領域内の各画素において輝度勾配の方向を算出し、算出した輝度勾配方向のヒストグラムを各部分領域に対して計算し、各部分領域のヒストグラムを連結することによりHOG特徴量を算出する。図12(B)に示されるように、輝度勾配方向は例えば8方向(上、右上、右下、右、下、左下、左、左上)としてよい。なお、各部分領域についてヒストグラムを算出せずに、各部分領域について算出された輝度勾配方向を連結して、第2の画像特徴量を生成することとしても構わない。ここで、各部分領域についての輝度勾配方向の算出には、Gaborフィルタ等のフィルタを用いることとしてもよい。
第3特徴量演算部28Cは、判定対象領域設定部20により設定された判定対象領域内の画像(正規化処理部による正規化後の画像であることが好ましいが正規化処理をしていない画像でもよい)についての第3の画像特徴量を演算する。例えば、第3の画像特徴量は、第1の画像特徴量(Haar-like特徴量)と第2の画像特徴量(HOG特徴量)とを組み合わせて生成することとしてよい。具体的には、第1の画像特徴量の要素(Z1個の要素)と、第2の画像特徴量の要素(Z2個の要素)とを含むベクトル(Z1+Z2の要素からなるベクトル)を第3の画像特徴量として生成することとしてよい。
学習データ取得部30は、標的細胞の正例と負例の標本画像を取得し、当該取得した正例と負例の標本画像のそれぞれについての第1〜第3の画像特徴量を取得する。例えば、学習データ取得部30は、標本画像について第1特徴量演算部、第2特徴量演算部、第3特徴量演算部のそれぞれにより画像特徴量を演算し、その結果を得ることとしてもよいし、予め演算された第1〜第3の画像特徴量を得ることとしてもよい。
学習部32は、学習データ取得部30により得た正例と負例のそれぞれの第1〜第3の画像特徴量に基づいて、標的細胞とそれ以外とを識別する第1〜第3の画像特徴量の条件(基準)を学習する。なお、学習は、サポートベクターマシン(Support Vector Machine)、アダブースト(AdaBoost)等の学習アルゴリズムを用いて行うこととしてよい。例えば、学習にサポートベクターマシンを用いた場合には、学習される画像特徴量の条件は、標的細胞に合致する画像特徴量と、合致しない画像特徴量とを分離する超平面により表される。なお、学習部32は、正例及び負例のそれぞれの第1の画像特徴量に基づいて第1の識別器を学習し、正例及び負例のそれぞれの第2の画像特徴量に基づいて第2の識別器を学習し、正例及び負例のそれぞれの第3の画像特徴量に基づいて第3の識別器を学習することとする。
判定部34は、判定対象領域設定部20により設定された判定対象領域内の画像について第1特徴量演算部28A、第2特徴量演算部28B、第3特徴量演算部28Cにより演算された第1〜第3の画像特徴量が、学習部32により学習された標的細胞とそれ以外とを識別する第1〜第3の画像特徴量の条件を満たすか否かに基づいて、上記判定対象領域内の画像が標的細胞を表すか否かを判定する。以下、判定部34による処理の具体例について説明する。下記のいずれの判定基準を採用するかは、予め定められていてもよいし、利用者からの選択を受け付けて決定してもよい。
第1の例では、判定部34は、判定対象領域について演算された第1の画像特徴量が、学習部32により学習された標的細胞とそれ以外とを識別する第1の画像特徴量の条件を満たすか否かに基づいて、上記判定対象領域内の画像が標的細胞を表すか否かを判定することとしてよい。
第2の例では、判定部34は、判定対象領域について演算された第2の画像特徴量が、学習部32により学習された標的細胞とそれ以外とを識別する第2の画像特徴量の条件を満たすか否かに基づいて、上記判定対象領域内の画像が標的細胞を表すか否かを判定することとしてよい。
第3の例では、判定部34は、判定対象領域について演算された第3の画像特徴量が、学習部32により学習された標的細胞とそれ以外とを識別する第3の画像特徴量の条件を満たすか否かに基づいて、上記判定対象領域内の画像が標的細胞を表すか否かを判定することとしてよい。
第4の例として、判定部34は、判定対象領域について演算された第1及び第2の画像特徴量が、学習部32により学習された標的細胞とそれ以外とを識別する第1及び第2の画像特徴量の条件を共に満たすか否かに基づいて、上記判定対象領域内の画像が標的細胞を表すか否かを判定することとしてよい。
第5の例として、判定部34は、判定対象領域について演算された第1又は第2の画像特徴量が、学習部32により学習された標的細胞とそれ以外とを識別する第1又は第2の画像特徴量の条件のいずれか一方を満たすか否かに基づいて、上記判定対象領域内の画像が標的細胞を表すか否かを判定することとしてよい。
標的細胞領域記憶部36は、判定部34により標的細胞を含むと判定された判定対象領域に対応する撮像画像中の座標範囲を記憶する。なお、標的細胞領域記憶部36には、標的細胞を含むと判定された複数の判定対象領域が重なった部分を標的細胞の存在領域として記憶するようにしてもよい。
結果出力部38は、標的細胞領域記憶部36に記憶された撮像画像の座標範囲に基づく結果を出力する。例えば、結果出力部38は、標的細胞領域記憶部36に記憶された撮像画像の座標範囲を表示する画像を表示装置6に表示させたり、当該座標範囲に光学顕微鏡2の撮像位置を移動させたりする処理を行うこととしてよい。
次に、画像処理装置10において行われる処理の流れの一例を、図13、図14、図15A〜図15C、及び図16に示したフローチャートを参照しながら順に説明する。
図13には、標的細胞の正例及び負例に基づいて行われる画像特徴量の学習処理のフローチャートを示した。
画像処理装置10は、標的細胞の正例画像を取得し(S101)、取得した正例画像から第1〜第3の画像特徴量をそれぞれ算出して正例の学習データを生成する(S102)。
次に、画像処理装置10は、標的細胞の負例画像を取得し(S103)、取得した負例画像から第1〜第3の画像特徴量をそれぞれ算出して負例の学習データを生成する(S104)。
画像処理装置10は、正例の学習データ(第1〜第3の画像特徴量)と、負例の学習データ(第1〜第3の画像特徴量)とに基づいて、標的細胞の第1〜第3画像特徴量をそれぞれ識別する第1〜第3の識別器の状態(モデルパラメータ)をそれぞれ学習し(S105)、学習したモデルパラメータを記憶して(S106)、学習処理を終了する。
次に、光学顕微鏡2による試料(母胎血)の撮像画像から標的細胞を探索する処理について、図14及び図15A〜図15Cに示されたフローチャートを参照しながら説明する。
図14に示されるように、画像処理装置10は、光学顕微鏡2により母体血を撮像した撮像画像を取得し(S201)、取得した撮像画像にメディアンフィルター等の前処理を施す(S202)。そして、画像処理装置10は、前処理を施した撮像画像について色(例えばRGB値)が予め定められた範囲にある画素を1(黒画素)、それ以外を0(白画素)とした二値化画像を生成する(S203)。ここで、二値化画像における黒画素は核の候補領域を示している。
画像処理装置10は、二値化画像における黒画素のうち隣り合う画素同士を連結して連結画素群を生成し、連結画素群のラベリングを行う(S204)。
画像処理装置10は、ラベリングした連結画素群のうち1つを選択し(S205、ここで選択した連結画素群をLi、iの初期値=1とする)、Liについて設定した外接矩形のサイズ及び形状が、標的細胞の候補として満たすべき条件を満足するか否かを判定する(S206)。S206で条件を満足すると判定された場合には(S206:Y)、Liを標的細胞の探索対象領域として設定し(S207)、S206で条件を満足しないと判定された場合には(S206:N)、Liを標的細胞の探索対象領域に設定しない(S208)。画像処理装置10は、未選択の連結画素群が残っている場合には(S209:Y)、iをインクリメントして(S210)、S206に戻る。また、画像処理装置10は、未選択の連結画素群が残っていない場合には(S209:N)、判定部34において第1〜第3の例に係る判定基準を採用したときには(S211:A)、A(図15Aのフロー)に進み、判定部34において第4の例に係る判定基準を採用したときには(S211:B)、B(図15Bのフロー)に進み、判定部34において第5の例に係る判定基準を採用したときには(S211:C)、C(図15Cのフロー)に進む。以下、図15A、図15B、図15Cのフローについて順に説明する。
まず、図15Aのフローについて説明する。
図15Aに示されるように、画像処理装置10は、上記設定された探索対象領域(A1〜Am)のうち1つを選択し(S301、ここで選択した探索対象領域Aj、jの初期値=1とする)、さらにAjの外接矩形内の画素のうち未選択の1画素を選択する(S302)。そして、画像処理装置10は、上記選択した画素を中心とした所与のサイズの矩形領域(判定対象領域:サイズS、Sの初期値=Smin)を撮像画像に設定し(S303)、当該設定した判定対象領域の画像の向きを正規化する(S304)とともに、当該判定対象領域の中心から撮像画像の端までの距離が閾値未満である場合(すなわち、判定対象領域が撮像画像の端で切れている場合)には画像補間処理を行う(S305)。この画像補間処理のフローの詳細については後述する。
画像処理装置10は、上記処理の後に、判定に用いる第1〜第3の画像特徴量のうちいずれかを選択する(S306)。ここで、選択した画像特徴量を、第k(k=1〜3のいずれか)の画像特徴量として説明を続ける。
画像処理装置10は、上記処理の後に、上記設定した判定対象領域に含まれる画像の第kの画像特徴量を算出し(S307)、算出した第kの画像特徴量と、予め学習された標的細胞の第kの画像特徴量を識別する第kの識別器のモデルパラメータに基づいて、判定対象領域に標的細胞が含まれるか否かを判定し(S308)、標的細胞が含まれていると判定される場合には(S308:Y)、判定対象領域に対応する撮像画像の座標範囲を記憶する(S309)。S309の後、及びS308で標的細胞が含まれていないと判定された場合(S308:N)において、Ajの外接矩形内の画素に未処理の画素が残っているときには(S310:Y)、S302に戻り、未処理の画素が残っていないときには(S310:N)、判定対象領域のサイズSがSmax(>Smin)に達しているか否かを判定する(S311)。ここで、判定対象領域のサイズSがSmaxに達していない場合には(S311:N)、SをΔSだけ大きくして(S312)、S303に戻り、判定対象領域のサイズSがSmaxに達している場合には(S311:Y)、S313に進む。
画像処理装置10は、全ての探索対象領域を処理していない場合には(S313:N)、Ajのjをインクリメントして(S314)、S302に戻り、全ての探索対象領域を処理した場合には(S313:Y)、標的細胞が含まれると判定された撮像画像の座標範囲を表示して(S315)、処理を終了する。
次に、図15Bのフローについて説明する。
図15Bに示されるように、画像処理装置10は、上記設定された探索対象領域(A1〜Am)のうち1つを選択し(S401、ここで選択した探索対象領域Aj、jの初期値=1とする)、さらにAjの外接矩形内の画素のうち未選択の1画素を選択する(S402)。そして、画像処理装置10は、上記選択した画素を中心とした所与のサイズの矩形領域(判定対象領域:サイズS、Sの初期値=Smin)を撮像画像に設定し(S403)、当該設定した判定対象領域の画像の向きを正規化する(S404)とともに、当該判定対象領域の中心から撮像画像の端までの距離が閾値未満である場合(すなわち、判定対象領域が撮像画像の端で切れている場合)には画像補間処理を行う(S405)。この画像補間処理のフローの詳細については後述する。
画像処理装置10は、上記処理の後に、上記設定した判定対象領域に含まれる画像の第1及び第2の画像特徴量を算出する(S406)。そして、画像処理装置10は、算出した第1の画像特徴量と、予め学習された標的細胞の第1の画像特徴量を識別する第1の識別器のモデルパラメータに基づいて、判定対象領域に標的細胞が含まれるか否かを判定する(S407)。ここで、標的細胞が含まれていると判定される場合には(S407:Y)、さらに上記算出した第2の画像特徴量と、予め学習された標的細胞の第2の画像特徴量を識別する第2の識別器のモデルパラメータに基づいて、判定対象領域に標的細胞が含まれるか否かを判定する(S408)。
画像処理装置10は、S408において標的細胞が含まれると判定された場合に(S408:Y)、判定対象領域に対応する撮像画像の座標範囲を記憶する(S409)。そして、S409及び、S407又はS408のいずれか一方で標的細胞が含まれていないと判定された場合(S407:N又はS408:N)において、Ajの外接矩形内の画素に未処理の画素が残っているときには(S410:Y)、S402に戻り、未処理の画素が残っていないときには(S410:N)、判定対象領域のサイズSがSmax(>Smin)に達しているか否かを判定する(S411)。ここで、判定対象領域のサイズSがSmaxに達していない場合には(S411:N)、SをΔSだけ大きくして(S412)、S403に戻り、判定対象領域のサイズSがSmaxに達している場合には(S411:Y)、S413に進む。
画像処理装置10は、全ての探索対象領域を処理していない場合には(S413:N)、Ajのjをインクリメントして(S414)、S402に戻り、全ての探索対象領域を処理した場合には(S413:Y)、標的細胞が含まれると判定された撮像画像の座標範囲を表示して(S415)、処理を終了する。
最後に、図15Cのフローについて説明する。
図15Cに示されるように、画像処理装置10は、上記設定された探索対象領域(A1〜Am)のうち1つを選択し(S501、ここで選択した探索対象領域Aj、jの初期値=1とする)、さらにAjの外接矩形内の画素のうち未選択の1画素を選択する(S502)。そして、画像処理装置10は、上記選択した画素を中心とした所与のサイズの矩形領域(判定対象領域:サイズS、Sの初期値=Smin)を撮像画像に設定し(S503)、当該設定した判定対象領域の画像の向きを正規化する(S504)とともに、当該判定対象領域の中心から撮像画像の端までの距離が閾値未満である場合(すなわち、判定対象領域が撮像画像の端で切れている場合)には画像補間処理を行う(S505)。この画像補間処理のフローの詳細については後述する。
画像処理装置10は、上記処理の後に、上記設定した判定対象領域に含まれる画像の第1及び第2の画像特徴量を算出する(S506)。そして、画像処理装置10は、算出した第1の画像特徴量と、予め学習された標的細胞の第1の画像特徴量を識別する第1の識別器のモデルパラメータに基づいて、判定対象領域に標的細胞が含まれるか否かを判定する(S507)。ここで、標的細胞が含まれていると判定されない場合には(S507:N)、さらに上記算出した第2の画像特徴量と、予め学習された標的細胞の第2の画像特徴量を識別する第2の識別器のモデルパラメータに基づいて、判定対象領域に標的細胞が含まれるか否かを判定する(S508)。
画像処理装置10は、S507とS508のいずれかにおいて標的細胞が含まれると判定された場合に(S507:Y、又はS508:Y)、判定対象領域に対応する撮像画像の座標範囲を記憶する(S509)。そして、S509及び、S508で標的細胞が含まれていないと判定された場合(S508:N)において、Ajの外接矩形内の画素に未処理の画素が残っているときには(S510:Y)、S402に戻り、未処理の画素が残っていないときには(S510:N)、判定対象領域のサイズSがSmax(>Smin)に達しているか否かを判定する(S511)。ここで、判定対象領域のサイズSがSmaxに達していない場合には(S511:N)、SをΔSだけ大きくして(S512)、S503に戻り、判定対象領域のサイズSがSmaxに達している場合には(S511:Y)、S513に進む。
画像処理装置10は、全ての探索対象領域を処理していない場合には(S513:N)、Ajのjをインクリメントして(S514)、S502に戻り、全ての探索対象領域を処理した場合には(S513:Y)、標的細胞が含まれると判定された撮像画像の座標範囲を表示して(S515)、処理を終了する。
次に、S305、S405、S505に示した画像補間処理の流れについて、図16に示されたフローチャートを参照しながら説明する。
画像処理装置10は、判定対象領域の中心から撮像画像の端までの距離(d)が閾値(M)以上でない場合には(S601:N)、撮像画像の端に合わせて一辺の長さがM×M画素となるように領域を拡張し(S602)、拡張した領域に含まれる二値化画像のうち撮像画像の端と平行な線分のうち最長の部分を中心線に設定する(S603)。
画像処理装置10は、設定した中心線から撮像画像の端までの距離Lを求め(S604)、拡張した領域において中心線に対して撮像画像の端と対向する端から、中心線と垂直の(M−L)画素×中心線と平行の2M画素からなる部分領域を中心線から線対称の位置に移動して、判定対象領域内の画像を補間する(S605)。S605の後、及び判定対象領域の中心から撮像画像の端までの距離(d)が閾値(M)以上でない場合には(S601:Y)、リターンする。
以上説明した、本実施形態に係る画像処理システム1によれば、母体血中に含まれるNRBCs(標的細胞)の候補を色又は濃度で第1の絞り込みを行い、さらに第1の絞り込みで得られた候補をNRBCsのサイズ、形状で第2の絞り込みを行った結果に基づいて判定対象領域を設定し、その判定対象領域から得た第1〜第3の画像特徴量をNRBCsの正例及び負例に基づいて学習した基準と比較して判定対象領域内にNRBCsが含まれているかを判定するようにしたことで、細胞の候補1つ1つにパターンマッチングを行う場合に比べて、母体血中に含まれるNRBCsを検出する処理の負荷を軽減しつつも、母体血の検体ごとの差異や撮像条件等の差異の影響を受け難くなる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態では、光学顕微鏡2から試料の撮像画像を順次入力される画像処理システム1の例を示したが、画像処理装置10が通信網を介して情報処理装置から撮像画像内の標的細胞の探索要求を受け付けて、その探索結果を情報処理装置に返すようにしてもよい。
1 画像処理システム、2 光学顕微鏡、3 スライドグラス、4 対物レンズ、5 CCDカメラ、6 表示装置、10 画像処理装置、12 撮像画像取得部、14 前処理部、16 核候補領域抽出部、18 標的細胞候補領域抽出部、20 判定対象領域設定部、22 正規化部、24 画像補間部、26 特徴量選択部、28A 第1特徴量演算部、28B 第2特徴量演算部、28C 第3特徴量演算部、30 学習データ取得部、32 学習部、34 判定部、36 標的細胞領域記憶部、38 結果出力部。

Claims (13)

  1. 核を有する標的細胞を含む試料を撮像した撮像画像に判定対象領域を設定する設定手段と、
    第1乃至第N(Nは2以上の整数)の領域を含み、第i(iは1〜N−1の任意の整数)の領域が第i+1の領域の外部に出ないように構成したそれぞれ構成が異なる複数のフィルタを設定するフィルタ設定手段と、
    前記設定手段により設定した判定対象領域のそれぞれに対して、前記フィルタ設定手段により設定される複数のフィルタをそれぞれ配置した場合に、当該複数のフィルタごとの奇数番の領域に含まれる各画素の画素値の合計と、偶数番の領域に含まれる各画素の画素値の合計との差をそれぞれ要素として含む画像特徴量を生成する生成手段と、
    前記生成手段により生成した画像特徴量が、予め定められた画像特徴量の条件を満足するか否かに基づいて、前記判定対象領域に前記標的細胞が含まれるか否かを判定する判定手段と、
    を含むことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記撮像画像に含まれる画素の中から、前記核の候補となる画素を、抽出する第1抽出手段と、
    前記第1抽出手段により抽出された画素について隣り合う画素をそれぞれ連結した連結画素群の中から、前記標的細胞の候補となる連結画素群を、抽出する第2抽出手段と、を含み、
    前記設定手段は、前記第2抽出手段により抽出された連結画素群に含まれる画素を中心とする判定対象領域を前記撮像画像に設定し、
    前記フィルタ設定手段は、第1の領域と第Nの領域の大きさを、前記第2抽出手段により抽出された連結画素群と、当該連結画素群について前記設定手段により設定した判定対象領域との大きさに基づいて設定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記設定手段により設定した判定対象領域を予め定められた部分領域に分割し、各部分領域内の各画素において輝度勾配の方向に基づいて特徴量を算出し、算出した各部分領域の特徴量に基づいて、前記判定対象領域の第2の画像特徴量を演算する演算手段をさらに含み、
    前記生成手段は、前記設定手段により設定した判定対象領域に対して、前記フィルタ設定手段により設定される複数のフィルタをそれぞれ配置した場合に、当該複数のフィルタごとの奇数番の領域に含まれる各画素の画素値の合計と、偶数番の領域に含まれる各画素の画素値の合計との差をそれぞれ要素とする第1の画像特徴量を生成し、
    前記判定手段は、前記第1の画像特徴量と前記第2の画像特徴量が、それぞれ予め定められた画像特徴量の条件を満足するか否かに基づいて、前記判定対象領域に前記標的細胞が含まれるか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. 前記設定手段により設定した判定対象領域を予め定められた部分領域に分割し、各部分領域内の各画素において輝度勾配の方向に基づいて特徴量を算出し、算出した各部分領域の特徴量に基づいて、前記判定対象領域の第2の画像特徴量を演算する演算手段をさらに含み、
    前記生成手段は、前記設定手段により設定した判定対象領域に対して、前記フィルタ設定手段により設定される複数のフィルタをそれぞれ配置した場合に、当該複数のフィルタごとの奇数番の領域に含まれる各画素の画素値の合計と、偶数番の領域に含まれる各画素の画素値の合計との差をそれぞれ要素とする第1の画像特徴量と、前記判定対象領域に対して前記演算手段により演算された第2の画像特徴量とに基づいて、第3の画像特徴量を生成し、
    前記判定手段は、前記第3の画像特徴量が、予め定められた画像特徴量の条件を満足するか否かに基づいて、前記判定対象領域に前記標的細胞が含まれるか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  5. 前記画像特徴量の条件は、前記標的細胞の正例及び負例の標本画像に基づいて機械学習された
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像処理装置。
  6. 核を有する標的細胞を含む試料を撮像した撮像画像に判定対象領域を設定する設定手段と、
    第1乃至第N(Nは2以上の整数)の領域を含み、第i(iは1〜N−1の任意の整数)の領域が第i+1の領域の外部に出ないように構成したそれぞれ構成が異なる複数のフィルタを設定するフィルタ設定手段と、
    前記設定手段により設定した判定対象領域のそれぞれに対して、前記フィルタ設定手段により設定される複数のフィルタをそれぞれ配置した場合に、当該複数のフィルタごとの奇数番の領域に含まれる各画素の画素値の合計と、偶数番の領域に含まれる各画素の画素値の合計との差をそれぞれ要素として含む画像特徴量を生成する生成手段と、
    前記生成手段により生成した画像特徴量が、予め定められた画像特徴量の条件を満足するか否かに基づいて、前記判定対象領域に前記標的細胞が含まれるか否かを判定する判定手段
    としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
  7. 画像処理装置と、当該画像処理装置と接続される光学顕微鏡と、当該画像処理装置と接続される表示装置とを含み、
    前記画像処理装置は、
    核を有する標的細胞を含む試料を撮像した撮像画像に判定対象領域を設定する設定手段と、
    第1乃至第N(Nは2以上の整数)の領域を含み、第i(iは1〜N−1の任意の整数)の領域が第i+1の領域の外部に出ないように構成したそれぞれ構成が異なる複数のフィルタを設定するフィルタ設定手段と、
    前記設定手段により設定した判定対象領域のそれぞれに対して、前記フィルタ設定手段により設定される複数のフィルタをそれぞれ配置した場合に、当該複数のフィルタごとの奇数番の領域に含まれる各画素の画素値の合計と、偶数番の領域に含まれる各画素の画素値の合計との差をそれぞれ要素として含む画像特徴量を生成する生成手段と、
    前記生成手段により生成した画像特徴量が、予め定められた画像特徴量の条件を満足するか否かに基づいて、前記判定対象領域に前記標的細胞が含まれるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により標的細胞が含まれると判定された判定対象領域を前記表示装置に表示させる手段と、
    を含むことを特徴とする画像処理システム。
  8. 前記第Nの領域は、第2の領域であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像処理装置。
  9. 前記第Nの領域は、第4の領域であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像処理装置。
  10. 前記第Nの領域は、第2の領域であることを特徴とする請求項6に記載のプログラム。
  11. 前記第Nの領域は、第4の領域であることを特徴とする請求項6に記載のプログラム。
  12. 前記第Nの領域は、第2の領域であることを特徴とする請求項7に記載の画像処理システム。
  13. 前記第Nの領域は、第4の領域であることを特徴とする請求項7に記載の画像処理システム。
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