(第1の実施の形態)
以下、遊技機の一種である回胴式遊技機、具体的にはスロットマシンに適用した場合の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はスロットマシン10の正面図、図2はスロットマシン10の前面扉12を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシン10の前面扉12を開いた状態の斜視図、図4は前面扉12の背面図、図5は筐体11の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、全体として前面を開放した箱状に形成されており、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11には、その正面から見て左側部に上下一対の支軸13a,13bが設けられており、前面扉12には、各支軸13a,13bと対応する位置に軸受部14a,14bが設けられている。そして、各軸受部14a,14bに各支軸13a,13bが挿入された状態では、前面扉12が筐体11に対して両支軸13a,13bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、前面扉12の回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖したりすることができるようになっている。また、前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置20によって開放不能な施錠状態とされる。前面扉12の右端側上部には、施錠装置20と一体化されたキーシリンダ21が設けられており、キーシリンダ21に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。
前面扉12の中央部上寄りには、遊技者に遊技状態を報知する遊技パネル25が設けられている。遊技パネル25には、縦長の3つの表示窓26L,26M,26Rが横並びに形成されており、各表示窓26L,26M,26Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓26L,26M,26Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。
図3に示すように、筐体11は仕切り板30によりその内部が上下2分割されており、仕切り板30の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット31が取り付けられている。リールユニット31は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール32L,中リール32M,右リール32Rを備えている。各リール32L,32M,32Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール32L,32M,32Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール32L,32M,32Rが各表示窓26L,26M,26Rと1対1で対応している。したがって、各リール32L,32M,32Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓26L,26M,26Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール32L,32M,32Rが正回転すると、各表示窓26L,26M,26Rを通じてリール32L,32M,32Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
ここで、リールユニット31の構成を簡単に説明する。
各リール32L,32M,32Rは、それぞれがステッピングモータに連結されており、各ステッピングモータの駆動により各リール32L,32M,32Rが個別に、すなわちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。ステッピングモータは、例えば504パルスの駆動信号(以下、励磁パルスとも言う。)を与えることにより1回転されるように設定されており、この励磁パルスによってステッピングモータの回転位置、すなわちリールの回転位置が制御される。また、リールユニット31には、リールが1回転したことを検出するためのリールインデックスセンサが各リール32L,32M,32Rに設置されている。そして、リールインデックスセンサからは、リールが1回転したことを検出した場合、その検出の都度、後述する主制御装置101に検出信号が出力されるようになっている。このため主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号と、当該検出信号が入力されるまでに出力した励磁パルス数とに基づいて、各リール32L,32M,32Rの角度位置を1回転毎に確認するとともに補正することができる。
各リール32L,32M,32Rの外周面には、その長辺方向(周回方向)に、識別情報としての図柄が複数個描かれている。より具体的には、21個の図柄が等間隔に描かれている。このため、所定の位置においてある図柄を次の図柄へ切り替えるには、24パルス(=504パルス÷21図柄)の励磁パルスの出力を要する。また、主制御装置101は、リールインデックスセンサの検出信号が入力されてから出力した励磁パルス数により、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を把握したり、表示窓26L,26M,26Rから視認可能な位置に所定の図柄を停止させたりする制御を行うことができる。
次に、各リール32L,32M,32Rに描かれている図柄について説明する。
図6には、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列が示されている。同図に示すように、各リール32L,32M,32Rには、それぞれ21個の図柄が一列に配置されている。また、各リール32L,32M,32Rに対応して番号が0〜20まで付されているが、これら番号は主制御装置101が表示窓26L,26M,26Rから視認可能な状態となっている図柄を認識するための番号であり、リール32L,32M,32Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール20番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール18番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール17番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール16番目)、「バー」図柄(例えば、左リール13番目)、「チェリー」図柄(例えば、左リール11番目)、「青年」図柄(例えば、左リール10番目)、「白7」図柄(例えば、左リール2番目)の8種類がある。そして、図6に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
各表示窓26L,26M,26Rは、対応するリールに付された21個の図柄のうち図柄全体を視認可能となる図柄が3個となるように形成されている。このため、各リール32L,32M,32Rがすべて停止している状態では、3×3=9個の図柄が表示窓26L,26M,26Rを介して視認可能な状態となる。
本スロットマシン10では、これら9個の図柄が視認可能となる各位置を結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが設定されている。より詳しくは、図7に示すように、横方向の組合せラインとして、各リール32L,32M,32Rの上段図柄を結んだ上ラインL1と、各リール32L,32M,32Rの中段図柄を結んだ中ラインL2と、各リール32L,32M,32Rの下段図柄を結んだ下ラインL3と、が設定されている。また、斜め方向の組合せラインとして、左リール32Lの上段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの下段図柄を結んだ右下がりラインL4と、左リール32Lの下段図柄,中リール32Mの中段図柄,右リール32Rの上段図柄を結んだ右上がりラインL5と、が設定されている。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に図柄が所定の組合せで停止した場合には、入賞成立として、遊技媒体たるメダルが所定数払い出される特典が付与されたり、遊技状態が特別遊技状態たるビッグボーナス状態(以下、「BB状態」と言う。)に移行される特典が付与されたりするようになっている。本スロットマシン10では、上ラインL1,下ラインL3,右下がりラインL4及び右上がりラインL5がメダルの投入に基づいて有効化されるようになっており、中ラインL2はメダルの投入枚数に関わらず有効化されないようになっている。つまり、中ラインL2上に図柄が所定の組合せで停止したとしても上述した特典が付与されることはなく、中ラインL2は入賞と無関係の組合せラインとして設定されている。詳細は後述するが、このように入賞と無関係の組合せラインを設定することにより、図柄の停止態様を用いた演出を行うことが可能となる。なお以下では、有効化され得る組合せラインL1,L3,L4,L5をメインラインと称し、有効化されない中ラインL2をサブラインと称する場合がある。
図8には、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典とが示されている。
メダル払出が行われる小役入賞としては、スイカ入賞と、ベル入賞と、チェリー入賞とがある。各リール32L,32M,32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、スイカ入賞として6枚のメダル払出、各リール32L,32M,32Rの「ベル」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、ベル入賞として8枚のメダル払出が行われる。また、左リール32Lの「チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合、チェリー入賞として4枚のメダル払出が行われる。すなわち、チェリー入賞の場合には、中リール32Mと右リール32Rについて、有効ライン上に停止する図柄がどのような図柄であっても良い。換言すれば、左リール32Lのいずれかの「チェリー」図柄と、中リール32M及び右リール32Rの任意の図柄との組合せが有効ライン上に停止した場合、チェリー入賞が成立するとも言える。したがって、左リール32Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」図柄が停止した場合には、各有効ライン上にてチェリー入賞が成立し、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われる。結果として、本実施の形態では8枚のメダル払出が行われる。
遊技状態が移行する状態移行入賞としては、第1BB入賞と、第2BB入賞と、第3BB入賞との3種類のBB入賞がある。各リール32L,32M,32Rの「赤7」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、第1BB入賞成立となり、各リール32L,32M,32Rの「白7」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、第2BB入賞成立となり、各リール32L,32M,32Rの「青年」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、第3BB入賞成立となる。第1〜第3BB入賞のいずれかが成立した場合には、遊技状態が特別遊技状態たるBB状態に移行する。但し、これらBB入賞のいずれが成立した場合であっても、メダル払出は行われない。なお、本スロットマシン10では、第1〜第3BB入賞のいずれが成立した場合であっても同じBB状態に移行するため、以下では第1〜第3BBを纏めて単にBBと称する場合がある。
メダル払出や遊技状態の移行以外の特典が付与される入賞としては、再遊技入賞がある。各リール32L,32M,32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合には、再遊技入賞として、メダル払出や遊技状態の移行は行われないものの、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能となる。
その他の入賞として、遊技状態が後述するレギュラーボーナス状態(以下、「RB状態」と言う。)である場合に限って入賞となるJAC入賞がある。RB状態下で有効ライン上に左から「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「ベル」図柄と並んで停止した場合には、JAC入賞として15枚のメダル払出が行われる。
なお以下では、各入賞と対応する図柄の組合せを入賞図柄の組合せとも言う。例えば、スイカ図柄の組合せとは、スイカ入賞となる図柄の組合せ、すなわち「スイカ」図柄,「スイカ」図柄,「スイカ」図柄の組合せである。また、各入賞と対応する各リール32L,32M,32Rの図柄を入賞図柄とも言う。例えば、JAC図柄とは、左リール32L及び中リール32Mにおいては「リプレイ」図柄であり、右リール32Rにおいては「ベル」図柄である。
遊技パネル25の下方左側には、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるために操作されるスタートレバー41が設けられている。スタートレバー41はリール32L,32M,32Rを回転開始、すなわち図柄の可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。所定数のメダルが投入されている状態でスタートレバー41が操作された場合、各リール32L,32M,32Rが回転を開始するようになっている。
スタートレバー41の右側には、回転している各リール32L,32M,32Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ42〜44が設けられている。各ストップスイッチ42〜44は、停止対象となるリール32L,32M,32Rに対応する表示窓26L,26M,26Rの直下にそれぞれ配置されている。すなわち、左ストップスイッチ42が操作された場合には左リール32Lの回転が停止し、中ストップスイッチ43が操作された場合には中リール32Mの回転が停止し、右ストップスイッチ44が操作された場合には右リール32Rの回転が停止する。ストップスイッチ42〜44はリール32L,32M,32Rの回転に基づく図柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ42,43,44には図示しないランプがそれぞれ設けられており、これらランプは、左リール32Lが回転を開始してから所定時間を経過すると停止操作可能であることを報知すべく点灯され、対応するリールの回転が停止すると消灯されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方右側には、メダルを投入するためのメダル投入口45が設けられている。メダル投入口45は遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、遊技媒体を直接入力する直接入力手段を構成するものとも言える。
メダル投入口45から投入されたメダルは、前面扉12の背面に設けられた通路切替手段としてのセレクタ46によって貯留用通路47か排出用通路48のいずれかへ導かれる。より詳しくは、セレクタ46にはメダル通路切替ソレノイド46aが設けられており、そのメダル通路切替ソレノイド46aの非励磁時にはメダルが排出用通路48側に導かれ、前記メダル通路切替ソレノイド46aの励磁時にはメダルが貯留用通路47側に導かれるようになっている。貯留用通路47に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置51へと導かれる。一方、排出用通路48に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口49からメダル受け皿50へと導かれ、遊技者に返還される。
ホッパ装置51は、メダルを貯留する貯留タンク52と、メダルを遊技者に払い出す払出装置53とより構成されている。払出装置53は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路48に設けられた開口48aへメダルを排出し、排出用通路48を介してメダル受け皿50へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置51の右方には、貯留タンク52内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク54が設けられている。ホッパ装置51の貯留タンク52内部には、この貯留タンク52から予備タンク54へとメダルを排出する誘導プレート52aが設けられている。したがって、誘導プレート52aが設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク54に貯留されることとなる。
メダル投入口45の下方には、ボタン状の返却スイッチ55が設けられている。メダル投入口45に投入されたメダルがセレクタ46内に詰まった状況下で返却スイッチ55を操作された場合、セレクタ46が機械的に連動して動作され、当該セレクタ46内に詰まったメダルがメダル排出口49から返却されるようになっている。
表示窓26L,26M,26Rの下方左側には、遊技媒体としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するための第1クレジット投入スイッチ56が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ56の左方には、第2クレジット投入スイッチ57と、第3クレジット投入スイッチ58とが設けられている。第2クレジット投入スイッチ57は仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ58は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ56〜58は前記メダル投入口45とともに遊技媒体を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口45が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し、各クレジット投入スイッチ56〜58は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、遊技媒体を間接入力する間接入力手段を構成するものとも言える。
スタートレバー41の左方には、精算スイッチ59が設けられている。すなわち、本スロットマシン10では、所定の最大値(メダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の払出メダルを仮想メダルとして貯留記憶するクレジット機能を有しており、仮想メダルが貯留記憶されている状況下で精算スイッチ59を操作された場合、仮想メダルが現実のメダルとしてメダル排出口49から払い出されるようになっている。この場合、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、精算スイッチ59は貯留記憶された遊技媒体を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものとも言える。
遊技パネル25の表示窓26L,26M,26R下方には、クレジットされている仮想メダル数を表示するクレジット表示部60と、BB状態が終了するまでに払い出される残りのメダル数を表示する残払出枚数表示部61と、入賞時に払い出したメダルの枚数を表示する払出枚数表示部62とがそれぞれ設けられている。これら表示部60〜62は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
ここで、メダルのベット数と、有効化される組合せラインとの関係を、図7を用いて説明する。遊技の開始時にメダル投入口45からメダルが投入されるとベットとなる。
1枚目のメダルがメダル投入口45に投入された場合、ベット数は1となり、上ラインL1,下ラインL3及び右下がりラインL4の3本の組合せラインが有効化される。2枚目のメダルがメダル投入口45に投入された場合、ベット数は2となり、上記3本の組合せラインに加えて右上がりラインL5が有効化される。つまり、ベット数が2となった場合、4本のメインラインL1,L3,L4,L5の全てが有効化される。3枚目のメダルがメダル投入口45に投入された場合、ベット数は3となり、ベット数が2の場合と同様、4本のメインラインL1,L3,L4,L5の全てが有効化される。
なお、4枚以上のメダルがメダル投入口45に投入された場合、そのときに貯留記憶されている仮想メダルが50枚未満であれば、3枚を超える余剰メダルはスロットマシン10内部に貯留され、クレジット表示部60の仮想メダル数が加算表示される。一方、仮想メダル数が50枚のとき又は50枚に達したときには、セレクタ46により貯留用通路47から排出用通路48への切替がなされ、メダル排出口49からメダル受け皿50へと余剰メダルが返却される。
また、仮想メダルが貯留記憶されており、遊技の開始時に第1〜第3クレジット投入スイッチ56〜58のいずれかが操作された場合にも、仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ56〜58のいずれかが操作された場合については、投入された仮想メダルの枚数分だけクレジット表示部60に表示されている仮想メダル数が減算されることを除き、メダル投入口45からメダルを投入した場合と同じため、説明を省略する。
ちなみに、第1〜第3クレジット投入スイッチ56〜58のいずれかが操作された場合に投入されるべき仮想メダルが貯留記憶されていない場合、例えばクレジット表示部60の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ56が操作された場合等には、クレジット表示部60の数値が全て減算されて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ63と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ64と、遊技者に各種情報を与える補助表示部65とが設けられている。補助表示部65は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール32L,32M,32Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施の形態では補助表示部15と称している。補助表示部15の背面には、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための表示制御装置81が設けられている。
筐体11の内部においてホッパ装置51の左方には、電源ボックス70が設けられている。電源ボックス70は、その内部に電源装置91を収容するとともに、電源スイッチ71やリセットスイッチ72、設定キー挿入孔73などを備えている。電源スイッチ71は、主制御装置101を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。リセットスイッチ72は、スロットマシン10のエラー状態をリセットするためのスイッチである。また、設定キー挿入孔73は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔73へ挿入してON操作することにより、スロットマシン10の当選確率を設定できるようになっている。なお、リセットスイッチ72は、エラー状態をリセットする場合の他に、スロットマシン10の当選確率を変更する場合にも操作される。
リールユニット31の上方には、遊技を統括管理する主制御装置101が筐体11に取り付けられている。
次に、本スロットマシン10の電気的構成について、図9のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置101には、演算処理手段であるCPU102を中心とするマイクロコンピュータが搭載されている。CPU102には、電源装置91の他に、所定周波数の矩形波を出力するクロック回路103や、入出力ポート104などが内部バスを介して接続されている。かかる主制御装置101は、スロットマシン10に内蔵されるメイン基盤としての機能を果たすものである。
主制御装置101の入力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rが1回転したことを個別に検出するリールインデックスセンサ)、スタートレバー41の操作を検出するスタート検出センサ41a、各ストップスイッチ42〜44の操作を個別に検出するストップ検出センサ42a〜44a、メダル投入口45から投入されたメダルを検出する投入メダル検出センサ45a、ホッパ装置51から払い出されるメダルを検出する払出検出センサ51a、各クレジット投入スイッチ56〜58の操作を個別に検出するクレジット投入検出センサ56a〜58a、精算スイッチ59の操作を検出する精算検出センサ59a、リセットスイッチ72の操作を検出するリセット検出センサ72a、設定キー挿入孔73に設定キーが挿入されてON操作されたことを検出する設定キー検出センサ73a等の各種センサが接続されており、これら各種センサからの信号は入出力ポート104を介してCPU102へ出力されるようになっている。
また、主制御装置101の入力側には、入出力ポート104を介して電源装置91が接続されている。電源装置91には、主制御装置101を始めとしてスロットマシン10の各電子機器に駆動電力を供給する電源部91aや、停電監視回路91bなどが搭載されている。
停電監視回路91bは電源の遮断状態を監視し、停電時はもとより、電源スイッチ71による電源遮断時に停電信号を生成するためのものである。そのため停電監視回路91bは、電源部91aから出力されるこの例では直流12ボルトの安定化駆動電圧を監視し、この駆動電圧が例えば10ボルト未満まで低下したとき電源が遮断されたものと判断して停電信号が出力されるように構成されている。停電信号はCPU102と入出力ポート104のそれぞれに供給され、CPU102ではこの停電信号を認識することにより後述する停電時処理が実行される。また、この停電信号は表示制御装置81にも供給されるように構成されている。
電源部91aは、出力電圧が10ボルト未満まで低下した場合でも、主制御装置101などの制御系において駆動電圧として使用される5ボルトの安定化電圧が出力されるように構成されている。この安定化電圧が出力される時間としては、主制御装置101による停電時処理を実行するに十分な時間が確保されている。
主制御装置101の出力側には、リールユニット31(より詳しくは各リール32L,32M,32Rを回転させるためのステッピングモータ)、セレクタ46に設けられたメダル通路切替ソレノイド46a、ホッパ装置51、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61、払出枚数表示部62、表示制御装置81、図示しないホール管理装置などに情報を送信できる外部集中端子板121等が入出力ポート104を介して接続されている。
表示制御装置81は、上部ランプ63やスピーカ64、補助表示部65を駆動させるための制御装置であり、これらを駆動させるためのCPU、ROM、RAM等が一体化された基板を備えている。そして、主制御装置101からの信号を受け取った上で、表示制御装置81が独自に上部ランプ63、スピーカ64及び補助表示部65を駆動制御する。したがって、表示制御装置81は、遊技を統括管理するメイン基盤たる主制御装置101との関係では補助的な制御を実行するサブ基盤となっている。なお、各種表示部60〜62も表示制御装置81が駆動制御する構成としてもよい。
上述したCPU102には、このCPU102によって実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM105と、このROM105に記憶されている制御プログラムを実行するにあたって各種のデータを一時的に記憶する作業エリアを確保するためのRAM106の他に、図示はしないが周知のように割込み回路を始めとしてタイマ回路、データ送受信回路などスロットマシン10において必要な各種の処理回路や、クレジット枚数をカウントするクレジットカウンタなどの各種カウンタが内蔵されている。ROM105とRAM106によって記憶手段としてのメインメモリが構成され、図12以降のフローチャートに示される各種処理を実行するためのプログラムは、制御プログラムの一部として上述したROM105に記憶されている。また、ROM105は、図10に示すように、スベリテーブル記憶領域105a、引込ビットテーブル記憶領域105b、オフセット参照用テーブル記憶領域105c、払出枚数テーブル記憶領域105d、役対応テーブル記憶領域105e、蹴飛ばし対応テーブル記憶領域105f、図柄対応テーブル記憶領域105g、及びマスク情報記憶領域105hなどを有しており、これら各記憶領域105a〜105hには、前記各種処理を実行する際に用いる種々のデータが記憶されている。
RAM106の構成について図11を用いて説明する。RAM106には、各リール32L,32M,32Rを停止させる処理を行う際に使用する当選役判定用バッファ151、スベリテーブルアドレス用バッファ152、定常回転情報用バッファ153、停止リール特定用バッファ154、停止位置用バッファ155、優先ライン用バッファ156、引込ビットオフセット用バッファ157、停止完了情報用バッファ158、優先順位情報用バッファ159、対象リール情報用バッファ160、対象図柄用バッファ161、引込ビット情報検索用バッファ162、引込ビットテーブル用バッファ166、検索ライン用バッファ167、判定済み確認用バッファ168、成立判定用バッファ169、入賞役種別用バッファ170、設定スベリ数用バッファ171、書換えライン用バッファ172、第1確認情報用バッファ173、第2確認情報用バッファ174等といった各種の情報を一時的に記憶するための記憶エリアが設けられている。これら各バッファの詳細については、後に説明する。
また、RAM106には、バックアップエリア175が設けられている。バックアップエリア175は、停電などの発生により電源が遮断された場合において、電源遮断時(電源スイッチ71の操作による電源遮断をも含む。以下同様)のスタックポインタの値を記憶しておくためのエリアであり、停電解消時(電源スイッチ71の操作による電源投入をも含む。以下同様)には、バックアップエリア175の情報に基づいてスロットマシン10の状態が電源遮断前の状態に復帰できるようになっている。バックアップエリア175への書き込みは停電時処理(図14参照)によって電源遮断時に実行され、バックアップエリア175に書き込まれた各値の復帰は電源投入時のメイン処理(図15参照)において実行される。
また、CPU102のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路91bからの停電信号が入力されるように構成されている。そして、電源遮断時には、停電情報生成処理としてのNMI割込み処理が即座に実行されるようになっている。
続いて、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理を、図12〜図59のフローチャートを参照しながら説明する。かかるCPU102の処理としては、大別して、電源投入に伴い起動されるメイン処理と、定期的に(本実施の形態では1.49msec周期で)起動されるタイマ割込み処理と、NMI端子への停電信号の入力に伴い起動されるNMI割込み処理とがある。以下では、説明の便宜上、はじめにNMI割込み処理とタイマ割込み処理とを説明し、その後メイン処理を説明する。
図12はNMI割込み処理の一例を示すフローチャートである。停電の発生などによって電源が遮断されると、電源装置91の停電監視回路91bから停電信号が出力され、当該停電信号がNMI端子を介して主制御装置101に入力される。主制御装置101は、停電信号が入力された場合、即座にNMI割込み処理を実行する。
NMI割込み処理では、先ずステップS101において、CPU102に設けられた使用レジスタの情報をRAM106に設けられたバックアップエリア175に退避させる。続いて、ステップS102では、停電情報をRAM106に設けられた停電情報格納エリアに格納する。その後、ステップS103にてRAM106のバックアップエリア175に退避させた情報を再びCPU102の使用レジスタに復帰させ、本処理を終了する。なお、CPU102の使用レジスタの情報を破壊せずに停電情報の格納処理が可能な場合には、バックアップエリア175への退避および復帰処理を省くことができる。
図13は、主制御装置101で定期的に実行されるタイマ割込み処理のフローチャートであり、主制御装置101のCPU102により例えば1.49msecごとにタイマ割込みが発生する。
先ず、ステップS201に示すレジスタ退避処理では、後述する通常処理で使用しているCPU102内の全レジスタの値をRAM106のバックアップエリア175に退避させる。ステップS202では停電情報が格納されているか否かを確認し、停電情報が格納されているときにはステップS203に進み、停電時処理を実行する。
ここで、停電時処理について図14を用いて説明する。この停電時処理は、タイマ割込み処理のうち特にレジスタ退避処理の直後に行われるため、その他の割込み処理を中断することなく実行できる。したがって、例えば各種コマンドの送信処理中、スイッチの状態(オンオフ)の読み込み処理中などのように、それぞれの処理に割り込んでこの停電時処理が実行されることはなく、かかるタイミングで実行されることをも考慮した停電時処理のプログラムを作成する必要がなくなる。これにより停電時処理用の処理プログラムを簡略化してプログラム容量を削減できる。なお、このことは後述する復電時処理用の処理プログラムについても同様である。
ステップS301では、コマンド送信が終了しているか否かを判定する。送信が終了していない場合には本処理を終了してタイマ割込み処理に復帰し、コマンド送信を終了させる。ステップS301がYES、すなわちコマンドの送信が終了している場合には、ステップS302に進み、CPU102のスタックポインタの値をRAM106のバックアップエリア175に保存する。その後、ステップS303では、制御停止処理として後述するRAM判定値をクリアするとともに入出力ポート104における出力ポートの出力状態をクリアし、図示しない全てのアクチュエータをオフ状態にする。ステップS304では、RAM判定値を算出し、バックアップエリア175に保存する。RAM判定値とは、具体的にはRAM106の作業領域アドレスにおけるチェックサムの2の補数である。RAM判定値をバックアップエリア175に保存することにより、RAM106のチェックサムは0となる。RAM106のチェックサムを0とすることにより、ステップS305においてそれ以後のRAMアクセスを禁止する。以上の処理を行った後は、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるのに備え、無限ループに入る。なお、例えばノイズ等に起因して停電情報が誤ってセットされた場合を考慮し、無限ループに入るまでは停電信号が入力されているか否かを確認する。停電信号が入力されていなければ停電状態から復旧したこととなるため、RAM106への書き込みを許可するとともに停電情報をリセットし、タイマ割込み処理に復帰する。停電信号の出力が継続してなされていれば、そのまま無限ループに入る。ちなみに、無限ループ下においても停電信号が入力されているか否かを確認しており、停電信号が入力されなくなった場合にはメイン処理に移行する。
タイマ割込み処理の説明に戻り、ステップS202にて停電情報が格納されていない場合には、ステップS204以降の各種処理を行う。
すなわち、ステップS204では、誤動作の発生を監視するためのウオッチドッグタイマの値を初期化するウオッチドッグタイマのクリア処理を行う。ステップS205では、CPU102自身に対して次回のタイマ割込みを設定可能とする割込み終了宣言処理を行う。ステップS206では、各リール32L,32M,32Rを回転させるために、それぞれの回胴駆動モータであるステッピングモータを駆動させるステッピングモータ制御処理を行う。ステップS207では、入出力ポート104に接続された各種センサ(図9参照)の状態を読み込むとともに、読み込み結果が正常か否かを監視するセンサ監視処理を行う。ステップS208では、各カウンタやタイマの値を減算するタイマ演算処理を行う。ステップS209では、メダルのベット数や、払出枚数をカウントした結果を外部集中端子板121へ出力するカウンタ処理を行う。
ステップS210では、各種コマンドを表示制御装置81へ送信するコマンド送信処理を行う。ステップS211では、クレジット表示部60、残払出枚数表示部61及び払出枚数表示部62にそれぞれ表示されるセグメント情報を設定するセグメント情報設定処理を行う。ステップS212では、セグメント情報設定処理で設定されたセグメント情報を各表示部60〜62に供給して該当する数字、記号などを表示するセグメント情報表示処理を行う。ステップS213では、入出力ポート104からI/O装置に対応する情報を出力するポート出力処理を行う。ステップS214では、先のステップS201にてバックアップエリア175に退避させた各レジスタの値をそれぞれCPU102の対応するレジスタに復帰させる。その後ステップS215にて次回のタイマ割込みを許可する割込み許可処理を行い、この一連のタイマ割込み処理を終了する。
図15は電源投入後に実行される主制御装置101でのメイン処理を示すフローチャートである。メイン処理は、停電からの復旧や電源スイッチ71のオン操作によって電源が投入された際に実行される。
先ずステップS401では、初期化処理として、スタックポインタの値をCPU102に設定するとともに、割込み処理を許可する割込みモードを設定し、その後CPU102のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。
これらの初期化処理が終了すると、ステップS402では設定キーが設定キー挿入孔73に挿入されてON操作されているか否か、より詳しくは設定キー検出センサ73aからON信号を受信しているか否かを判定する。設定キーのON操作がなされている場合にはステップS403に進み、強制的RAMクリア処理としてRAM106に記憶された情報を全てクリアする。続くステップS404では当選確率設定処理を行う。
ここで、当選確率設定処理について図16を用いて説明する。スロットマシン10には、「設定1」から「設定6」まで6段階の当選確率が予め用意されており、当選確率設定処理とは、いずれの当選確率に基づいて内部処理を実行させるのかを設定するための処理である。
ステップS501では設定キーが挿入されてON操作されているか否かを判定し、ON操作されていない場合にはそのまま本処理を終了する。ON操作されている場合には、ステップS502にて次回のタイマ割込みを許可する。その後、ステップS503にて現在の設定値を読み込むとともに、ステップS504では現在の設定値をクレジット表示部60に表示する。但し、設定キーが挿入されてON操作された直後の処理では、先の強制的RAMクリア処理によりRAM106の情報がクリアされているため、クレジット表示部60に表示される設定値は「1」である。
ステップS505ではスタートレバー41が操作されたか否かを判定し、操作されていない場合にはステップS506〜ステップS507に示す設定値更新処理を行う。ステップS506では、リセットスイッチ72が操作されたか否かを判定する。リセットスイッチ72が操作されていない場合にはそのままステップS504に戻り、操作された場合にはステップS507にて設定値を1更新した後にステップS504に戻る。つまり、設定値更新処理では、リセットスイッチ72が操作される毎に設定値が1更新され、更新された設定値がクレジット表示部60に表示される。なお、設定値が「6」のときにリセットスイッチ72が操作された場合、設定値は「1」に更新される。
ステップS505にてスタートレバー41が操作された場合には、ステップS508にて設定キーのON操作が継続してなされているか否かを判定する。設定キーのON操作が継続してなされている場合にはそのまま待機し、ON操作が終了された場合にはステップS509にて次回のタイマ割込みを禁止する。その後、ステップS510にて設定値を保存し、ステップS511にてRAM106に記憶された設定値以外の情報をクリアして本処理を終了する。
メイン処理の説明に戻り、ステップS404にて当選確率設定処理を行った後には、ステップS405にて遊技に関わる主要な制御を行う通常処理を実行する。
一方、ステップS402にてON操作されていない場合には、ステップS406以降に示す復電時処理を行う。復電時処理とは、スロットマシン10の状態を電源遮断前の状態に復帰させる処理である。したがって、復電時処理では先ずRAM106の情報が正常かどうかを確認する必要がある。
そこで、ステップS406では設定値が正常か否かを判定する。具体的には、設定値が1〜6のいずれかである場合に正常であると判定し、0又は7以上である場合に異常であると判定する。設定値が正常である場合には、ステップS407にて停電情報が格納されているか否かを確認する。停電情報が格納されている場合には、さらにステップS408にてRAM判定値が正常であるか否かを確認する。具体的には、RAM106のチェックサムの値を調べ、その値が正常、つまりRAM判定値を加味したチェックサムの値が0か否かを確認する。RAM判定値を加味したチェックサムの値が0である場合、RAM106の情報は正常であると判定する。
ステップS408においてRAM判定値が正常であると判定した場合にはステップS409に進み、バックアップエリア175に保存されたスタックポインタの値をCPU102のスタックポインタに書き込み、スタックの状態を電源が遮断される前の状態に復帰させる。次に、ステップS410において、復電時処理の実行を伝える復電コマンドを表示制御装置81に送信する。その後、ステップS411にて打ち止め及び自動精算設定保存処理を行い、ステップS412にてスタート検出センサ41a等の各種センサの初期化を行う。以上の処理が終了した後、ステップS413にて停電情報をクリアし、電源遮断前の番地に戻る。具体的には、先に説明したタイマ割込み処理に復帰し、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップS204)が実行されることとなる。
一方、ステップS406〜ステップS408のいずれかがNO、すなわち、設定値が異常である、電源遮断時にセットされた筈の停電情報が格納されていない、又はRAM判定値が異常である場合には、RAM106の情報が破壊された可能性が高い。このような場合には、ステップS414〜ステップS416に示す動作禁止処理を行う。動作禁止処理として、先ずステップS414にて次回のタイマ割込み処理を禁止し、ステップS415では入出力ポート104内の全ての出力ポートをクリアすることにより、入出力ポート104に接続された全てのアクチュエータをオフ状態に制御する。その後、ステップS416にてホール管理者等にエラーの発生を報知するエラー報知処理を行う。かかる動作禁止状態は、上述した当選確率設定処理が行われるまで維持される。
次に、遊技に関わる主要な制御を行う通常処理について、図17のフローチャートに基づき説明する。
先ずステップS601では、メダルがベットされているか否かを判定する。メダルがベットされているときには、ステップS602にて有効ライン設定処理を実行する。有効ライン設定処理では、ベット数に対応した有効ラインを設定する。ベット数と、有効ラインとして設定される組合せラインと、の対応関係は上述したとおりであるため、ここでは説明を省略する。その後、ステップS603では、スタートレバー41が操作されたか否かを判定する。ステップS601,ステップS603が共にYESの場合、すなわちメダルがベットされている状況下でスタートレバー41が操作された場合には、始動指令が発生したと判定し、ステップS604のリール回転処理、ステップS605のリール停止処理、ステップS606のメダル払出処理、ステップS607のボーナスゲーム処理を順に実行し、ステップS601に戻る。一方、ステップS601にてメダルがベットされていない、又はステップS603にてスタートレバー41が操作されていないと判定した場合には、ステップS601に戻る。
ここで、ステップS604のリール回転処理について、図18のフローチャートに基づき説明する。リール回転処理とは、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させるべく実行される処理である。ステップS701では、抽選処理を実行する。
抽選処理では、図19のフローチャートに示すように、先ずステップS801において、スロットマシン10の現在の設定状態やベット数等に基づき、当否決定用の抽選テーブルを選択する。ここで、スロットマシン10の設定状態は「設定1」〜「設定6」のいずれかであり、「設定1」のときにBB当選確率の最も低い抽選テーブルが選択され、「設定6」のときにBB当選確率の最も高い抽選テーブルが選択される。なお、設定状態と選択される抽選テーブルとの関係はこれに限定されるものではなく、設定値が大きいほど出率(メダル投入数に対するメダル払出数の割合の期待値)の高い抽選テーブルが選択される構成であれば良い。また、ベット数は1〜3のいずれかであり、ベット数が多いほど役の当選確率が高くなるような抽選テーブルが選択される。例えば3ベットされたときの役の当選確率は、1ベットされたときの役の当選確率と比して3倍よりも高い確率となっている。なお、ベット数と選択される抽選テーブルとの関係はこれに限定されるものではなく、ベット数が多いほど出率の高い抽選テーブルが選択される構成であれば良い。
抽選テーブルについて、簡単に説明する。図20は、「設定1」の通常遊技状態下で3ベットされた場合に選択される抽選テーブルである。抽選テーブルには、抽選役の数と同数のインデックス値IVが設定されている。すなわち、通常遊技状態下では再遊技、チェリー、チェリーとスイカに当選となる複合役、スイカ、ベル、第1BB、第2BB、第3BBの8種類の抽選役が設定されているため、抽選テーブルには、1〜8の8つのインデックス値IVが設定されている。そして、各インデックス値IVには、抽選役がそれぞれ一義的に対応付けられるとともに、ポイント値PVが設定されている。なお、本スロットマシン10における各抽選テーブルでは、設定値が高い抽選テーブルほど各BB役と対応するポイント値PVが大きく設定されており、ベット数が多いほど各ポイント値PVが大きく設定されている。
ステップS802ではインデックス値IVを1とし、続くステップS803では役の当否を判定する際に用いる判定値DVを設定する。かかる判定値設定処理では、現在の判定値DVに、現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVを設定する。なお、初回の判定値設定処理では、スタートレバー41が操作されたときに乱数カウンタよりラッチした乱数値を現在の判定値DVとし、この乱数値に現在のインデックス値IVである「1」と対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとする。ここで乱数カウンタについて簡単に説明すると、本スロットマシン10では、8ビットのシフトレジスタを2つ用いて「0〜65535」の乱数を生成している。各シフトレジスタは定期的(例えば100ns毎)に「1」ずつ更新され、各シフトレジスタの上位ビットと下位ビットを入れ替えた値がCPU102に入力され、スタートレバー41が操作されたとき(すなわちスタート検出センサ41aのON信号を受信したとき)に入力されている値が乱数値としてラッチされる。これは初回の判定値設定処理にて用いる乱数値を不規則なものとするための工夫であり、例えば各シフトレジスタのビットをランダムに入れ替えた値が乱数値としてラッチされる構成であってもよい。
その後、ステップS804ではインデックス値IVと対応する役の当否判定を行う。役の当否判定では判定値DVが「65535」を超えたか否かを判定し、「65535」を超えた場合には、ステップS805にてそのときのインデックス値IVと対応する役の当選情報をRAM106の当選役判定用バッファ151に格納した後に本処理を終了する。ここで、当選役判定用バッファ151は1バイト単位で構成されており、初期値として「00000000」が格納されている。そして、当該ステップS805では、後述する役対応情報(図39参照)のうち、今回の抽選処理にて当選となった役の役対応情報を当選情報として当選役判定用バッファ151に格納する。なお、当選役判定用バッファ151は、複数の当選情報を同時に格納できるように、2バイト以上で構成されている。
ちなみに、当選情報が小役当選情報又は再遊技当選情報である場合、これら当選情報は、この当選情報が格納されたゲームの終了時に「0」クリアされる。一方、当選情報が第1BB当選情報〜第3BB当選情報のいずれかである場合、そのBB当選情報は対応するBB図柄の組合せが有効ライン上に停止したことを条件の1つとして「0」クリアされる。すなわち、第1〜第3BB当選情報は、複数回のゲームにわたって有効とされる場合がある。なお、第1〜第3BB当選情報を持ち越した次ゲーム以降における役の当否判定では、小役と再遊技の当否判定は行うが第1〜第3BB役に関する当否判定は行わない。
ステップS804にて判定値DVが65535を超えなかった場合には、インデックス値IVと対応する役に外れたことを意味する。かかる場合にはステップS806にてインデックス値IVを1加算し、続くステップS807ではインデックス値IVと対応する役があるか否か、すなわち当否判定すべき役があるか否かを判定する。具体的には、1加算されたインデックス値IVが抽選テーブルに設定されたインデックス値IVの最大値を超えたか否かを判定する。当否判定すべき役がない場合には、本処理を終了する。当否判定すべき役がある場合にはステップS803に戻り、役の当否判定を継続する。このとき、ステップS803では、先の役の当否判定に用いた判定値DV(すなわち現在の判定値DV)に現在のインデックス値IVと対応するポイント値PVを加算して新たな判定値DVとし、ステップS804では、当該判定値DVに基づいて役の当否判定を行う。なお、抽選処理は判定値DVを加算していく構成に限定されるものではなく、判定値DVに最大値(「65535」)をセットした後にそれを減算していく構成としても良い。
図20に示す抽選テーブルが選択された場合、各BB当選確率は約900分の1であり、それらをまとめたBB当選確率は約300分の1である。一方、再遊技及び小役当選確率はBB当選確率よりも高く設定されており、再遊技当選確率は約7.3分の1、ベル当選確率は約7.0分の1、チェリーとスイカの一方にのみ当選する確率はそれぞれ256分の1、チェリーとスイカに当選となる複合役の当選確率は256分の1である。
リール回転処理の説明に戻り、ステップS701にて抽選処理を行った後は、ステップS702にてスベリテーブル取得処理を実行する。スベリテーブルとは、ストップスイッチが押されたタイミングからリールをどれだけ滑らせた(回転させた)上で停止させるかが定められたテーブルである。すなわち、スベリテーブルとは、ストップスイッチが押された際に基点位置(本実施の形態では下段)に到達している図柄番号(以下、「到達図柄番号」と言う。)と、前記基点位置に実際に停止させる図柄番号(以下、「停止図柄番号」と言う。)との関係が定められた停止情報群である。
スベリテーブルは、ROM105のスベリテーブル記憶領域105aに記憶されており、当該スベリテーブル記憶領域105aには、第1停止時に左リール32Lを停止させる場合に用いるスベリテーブルのみが記憶されている。つまり、第2停止時や第3停止時に左リール32Lを停止させる場合に用いるスベリテーブルはROM105に記憶されておらず、さらに中リール32Mや右リール32Rを停止させる場合に用いるスベリテーブルはその停止順に関係なくROM105に記憶されていない。詳細は後述するが、これら用いるべきスベリテーブルの記憶されていないリールを停止させる場合には、第2停止以降用優先順位情報作成処理等の各優先順位情報作成処理にて作成した優先順位情報を停止情報群として用いる。
スベリテーブル記憶領域105aには、各入賞役と対応させて設定されたスベリテーブルが記憶されている。また、本スロットマシン10では、当選役判定用バッファ151に第1〜第3BB当選情報のいずれかが持ち越された状況で小役又は再遊技に当選となることがあるため、スベリテーブル記憶領域105aには、各遊技状況における各入賞役に対応させて設定されたスベリテーブルが記憶されている。遊技状況についてより詳細に説明すると、本スロットマシン10は、当選役判定用バッファ151に第1〜第3BB当選情報のいずれも格納されていないBB非当選状況と、当選役判定用バッファ151に第1BB当選情報が格納された第1BB当選状況と、当選役判定用バッファ151に第2BB当選情報が格納された第2BB当選状況と、当選役判定用バッファ151に第3BB当選情報が格納された第3BB当選状況と、を有している。なお以下では、遊技状況が第1〜第3BB当選状況のいずれかである状況をBB当選状況と言う。
ここで、スベリテーブルの構成について一例を挙げて説明する。図21は、第1BB当選状況において他の役に当選していない場合と対応させて設定されたスベリテーブルである。
図21に示すように、スベリテーブルには、21個の各図柄番号に1対1で対応させてスベリ数が設定されている。スベリ数は、左ストップスイッチ42が操作された場合に、到達図柄をそのまま停止させる場合(図21における「0」)、到達図柄をそのまま停止させる場合よりも1図柄分滑らせた後に停止させる場合(図21における「1」)、到達図柄をそのまま停止させる場合よりも2図柄分滑らせた後に停止させる場合(図21における「2」)、到達図柄をそのまま停止させる場合よりも3図柄分滑らせた後に停止させる場合(図21における「3」)、到達図柄をそのまま停止させる場合よりも4図柄分滑らせた後に停止させる場合(図21における「4」)の5パターンがリールの停止態様として用意されている。これは、遊技者が左ストップスイッチ42を操作するタイミングと、左表示窓26Lから視認可能な範囲に停止する図柄配列(以下、「停止出目」と言う)とを密接に関連付けるための工夫である。つまり、左ストップスイッチ42が操作されたタイミングから規定時間(190msec)が経過するまでに左リール32Lを停止させることにより、遊技者の操作によってあたかも停止出目が決定されたかのような印象を遊技者に抱かせることが可能となる。また、到達図柄をそのまま停止させる場合よりも4図柄分までは滑らせることが可能な構成とすることにより、当選した役と対応する図柄又は図柄の組合せが有効ライン上に停止しない所謂取りこぼしの発生頻度を低減させることが可能となるとともに、役の抽選に当選していないにも関わらず入賞図柄の組合せが有効ライン上に停止する不具合を回避することが可能となる。
スベリ数が「0」の図柄は、下段に実際に停止する図柄である。例えば、左リール32Lの18番図柄たる「赤7」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ42が押された場合、左リール32Lは滑ることなくそのまま停止する。また、スベリ数が「0」でない番号の図柄は、到達図柄をそのまま停止させる場合よりも記載された図柄数分だけリールが滑ることを意味する。例えば、左リール32Lの13番図柄たる「バー」図柄が下段に到達している際に左ストップスイッチ42が押された場合、スベリ数は「3」であるため、左リール32Lは3図柄分だけ滑り、16番図柄たる「スイカ」図柄が下段に停止し、18番図柄たる「赤7」図柄が上段に停止する。
なお、上記スベリテーブルが取得された場合であっても、左ストップスイッチ42の押されたタイミングによっては「赤7」図柄が有効ライン上に停止せず、取りこぼしが発生することもある。これは、滑らせることのできる範囲をストップスイッチの押されたタイミングから190msec以内(最大4図柄分)と予め決めており、下段に到達した「赤7」図柄から次に下段に到達する「赤7」図柄までの間隔が5図柄分以上離れている区間を設定しているためである。本スロットマシン10では、「赤7」図柄の他、「スイカ」図柄、「チェリー」図柄、「青年」図柄、及び「白7」図柄についても5図柄分以上離れた区間を設定している。つまり、スイカ役、チェリー役、第1〜第3BB役については、抽選処理にて当選となったとしても、左ストップスイッチ42の押されたタイミングによって取りこぼしが発生し得る。
また、スベリテーブルには、21個の各図柄番号に1対1で対応させて、優先ライン及び引込ビットオフセットが設定されている。詳細は後述するが、優先ライン及び引込ビットオフセットの各情報は、第1停止用スベリ数取得処理において取得され、各優先順位情報作成処理において停止情報群としての優先順位情報を作成する際などに使用される。
ステップS702のスベリテーブル取得処理では、RAM106の当選役判定用バッファ151に格納された情報を参照することにより、今回のゲームにおける遊技状況と、小役や再遊技などの当選の有無を判定し、スベリテーブル記憶領域105aに記憶されたスベリテーブルのうち上記判定結果と対応したスベリテーブルのアドレスを取得する。この取得したアドレスは、RAM106のスベリテーブルアドレス用バッファ152に格納される。その後、ステップS703では始動用割込み処理を許可する。
ここで、始動用割込み処理を図22のフローチャートに基づいて説明する。始動用割込み処理は、タイマ割込み処理(図13参照)におけるステップS206のステッピングモータ制御処理の一部を構成する処理である。そして、リール回転処理におけるステップS703の処理が実行されることにより、ステッピングモータ制御処理における一連の処理の一部として始動用割込み処理が実行される。上述したように、タイマ割込み処理は、1.49msec周期で起動されるため、始動用割込み処理が許可されている間は当該始動用割込み処理も約1.49msec周期で起動される。
始動用割込み処理では、先ずステップS901にて、RAM106の定常回転情報用バッファ153に定常回転情報が格納されているか否かを判定する。定常回転情報が格納されていない場合には、ステップS902にて加速処理中か否かを判定する。
加速処理中でない場合には、各リール32L,32M,32Rが回転を開始していないことを意味する。かかる場合には、さらにステップS903にてウエイト時間が経過したか否かを判定する。ウエイト時間とは、前回のゲームにおいてリールの回転を開始した時点から所定時間(例えば4.1秒)が経過するまで待機するために設定された時間である。ウエイト時間が経過していない場合には、そのまま始動用割込み処理を終了する。これにより、遊技者がメダルをベットしてスタートレバー41を操作したとしても、直ちに各リール32L,32M,32Rが回転を開始しない場合がある。ウエイト時間が経過している場合には、ステップS904にて加速処理を開始し、各リール32L,32M,32Rの回転を開始させる。なお、ステップS903のウエイト時間が経過するまで待機するための処理を、リール回転処理におけるステップS702とステップS703との間にて行う構成としてもよい。
ステップS902にて加速処理中であると判定した場合、又はステップS904にて加速処理を開始した場合には、ステップS905に進み、加速処理が終了し各リール32L,32M,32Rが定常回転となったか否かを判定する。定常回転となっていない場合には、そのまま始動用割込み処理を終了し、定常回転となっている場合には、ステップS906にてRAM106の定常回転情報用バッファ153に定常回転情報を格納した後に始動用割込み処理を終了する。ここで、定常回転情報とは、各リール32L,32M,32Rが定常回転していることを示す情報である。このため、ステップS901にて定常回転情報が格納されている場合には、既に加速処理が終了していることを意味するため、そのまま始動用割込み処理を終了する。
リール回転処理の説明に戻り、ステップS703にて始動用割込み処理を許可した後は、ステップS704にて変則押し用優先順位情報作成処理を実行する。変則押し用優先順位情報作成処理とは、第1停止時に中リール32M又は右リール32Rを停止させる場合(いわゆる変則押しがなされる場合)を想定し、これらリール32M,32Rに関して予め停止情報群を作成しておくための処理である。なお、変則押し用優先順位情報作成処理については、理解を容易なものとするため、第1停止として左リール32L以外のリール32M,32Rを停止させる場合のリール停止処理と合わせて説明する。
続くステップS705では、定常回転情報用バッファ153に定常回転情報が格納されているか否かを判定する。定常回転情報が格納されていない場合には、各リール32L,32M,32Rが定常回転していないことを意味するため、ステップS705の処理を繰り返し実行する。つまり、各リール32L,32M,32Rが定常回転となるまでステップS705において待機する。各リール32L,32M,32Rが定常回転となって始動用割込み処理にて定常回転情報を格納した場合には、ステップS705にて肯定判定をし、ステップS706に進む。ステップS706では、始動用割込み処理を禁止するとともに、RAM106の定常回転情報用バッファ153に格納された定常回転情報をクリアする。その後、リール回転処理を終了する。
次に、ステップS605のリール停止処理について、図23のフローチャートに基づき説明する。ステップS1001では、ストップスイッチ42〜44のいずれかが操作されてリールの停止指令が発生したか否か、より具体的には回転中のリールと対応するストップ検出センサ42a〜44aからのON信号を受信したか否かを判定し、停止指令が発生していない場合には、停止指令が発生するまで待機する。ここで、本実施の形態では、各リール32L,32M,32Rが回転を開始してから所定の速度で定常回転するまでの期間を無効期間として設定しており、この無効期間内にストップスイッチ42〜44が操作されても、ストップ検出センサ42a〜44aからのON信号を無効化する。
停止指令が発生した場合には、ステップS1002にて、今回の停止指令が第1停止指令か否か、すなわち3つのリール32L,32M,32R全てが回転しているときにストップスイッチ42〜44が押下操作されたか否かを判定する。第1停止指令である場合には、ステップS1003に進み、第1停止処理を実行する。第1停止指令でない場合には、ステップS1004にて、今回の停止指令が第2停止指令か否か、すなわち3つのリール32L,32M,32Rのうち1つが停止し2つが回転しているときに回転中のリールと対応するストップスイッチが押下操作されたか否かを判定する。第2停止指令である場合には、ステップS1005に進み、第2停止処理を実行する。第2停止指令でない場合には、ステップS1006に進み、第3停止処理を実行する。
これら第1〜第3停止処理の後には、ステップS1007にて全リール32L,32M,32Rの回転が停止したか否かを判定する。全リール32L,32M,32Rの回転が停止していない場合にはステップS1001に戻り、回転が停止している場合には続くステップS1008にて払出判定処理を行った後、リール停止処理を終了する。
払出判定処理では、抽選の対象となっている役に対応した図柄又は図柄の組合せが有効ライン上に停止しているか否かを判定し、停止していないときには、RAM106の払出予定数格納エリアを「0」にクリアする。停止しているときには、当選役判定用バッファ151を参照し、有効ライン上に停止した図柄又は図柄の組合せと対応する役が当選した役と一致しているか否かを判定する。そして、一致していないときには、上部ランプ13等によりエラー表示を行うとともに払出予定数格納エリアを「0」にクリアする。一致しているときには、抽選の対象となっている役であって当選となっている役の入賞が成立したことを意味するため、払出予定数格納エリアにその入賞役と対応する払出数を格納する。なお、払出判定処理においては、後述する図柄対応情報及び役対応情報を用いて、有効ライン上に抽選の対象となっている役に対応した図柄又は図柄の組合せが停止しているか否かを判定する。また、払出判定処理においては、後述する払出枚数テーブルを用いて入賞役と対応する払出数を特定し、その払出数を払出予定数格納エリアに格納する。
ここで、本スロットマシン10では、第1停止操作に基づいて第1停止指令が発生してから所定の第1有効待機期間(例えば、200msec)が経過するまで、第2停止操作が有効化されることはなく第2停止指令が発生しない。そして、後述する第1停止処理は、この第1有効待機期間内で終了するように処理時間が設定されている。また、同様に、第2停止操作に基づいて第2停止指令が発生してから所定の第2有効待機期間(例えば、200msec)が経過するまで、第3停止操作が有効化されることはなく第3停止指令が発生しない。そして、後述する第2停止処理は、この第2有効待機期間内で終了するように処理時間が設定されている。このように第1,第2有効待機期間を設定することで、停止指令に対応したリールの停止が完了する前に次のリールの減速処理を開始させる必要がなくなる。例えば、停止指令に対応したリールの停止が完了する前に次のリールの減速処理を開始させる必要がある場合を想定すると、2つのリールの停止処理を並行して行う必要が生じ処理の複雑化を招くこととなるが、本スロットマシン10においてはかかる処理の複雑化を抑制することができる。なお、本スロットマシン10では、第1有効待機期間と第2有効待機期間とを同一の期間として設定しているが、両者の期間を異ならせてもよい。
以下、第1〜第3停止処理の各処理について説明する。本実施の形態では、第1停止として左リール32Lを停止させる場合と、中リール32M又は右リール32Rを停止させる場合とで上記各処理の処理態様が異なっている。そこで、理解を容易なものとするため、先ず第1停止として左リール32Lを停止させる場合の各処理を説明し、その後、第1停止として中リール32M又は右リール32Rを停止させる場合の各処理を説明する。また以下では、メダルが2枚又は3枚ベットされて全てのメインラインL1,L3,L4,L5が有効ラインとなった場合について説明する。1枚ベットされた場合については、入賞を成立させるべき有効ラインが限定される点を除き2枚ベット又は3枚ベットの場合と同様のため、基本的に説明を省略する。
先ず第1停止処理について図24のフローチャートに基づき説明する。ステップS1101では、第1停止用スベリ数取得処理を実行する。
第1停止用スベリ数取得処理では、図25のフローチャートに示すように、先ずステップS1201にて、RAM106の停止リール特定用バッファ154に格納された停止リール情報が左リール32Lを示す情報か否かを判定する。この停止リール情報は、ストップ検出センサ42a〜44aから検出信号を受信した際に停止リール特定用バッファ154に格納される。また、停止リール特定用バッファ154は、第1停止リール特定用バッファ、第2停止リール特定用バッファ、及び第3停止リール特定用バッファを有しており、停止リール情報は停止指令の順番に対応したバッファに格納される。
停止リール情報が左リール32Lを示す情報である場合には、ステップS1202〜S1206のスベリテーブルに基づくスベリ数取得処理を実行する。一方、停止リール情報が左リール32Lを示す情報でない場合には、ステップS1207〜S1208の優先順位情報に基づくスベリ数取得処理を実行する。換言すれば、本スロットマシン10では、第1停止に関して、停止対象に応じてスベリテーブルに基づくスベリ数取得処理と優先順位情報に基づくスベリ数取得処理との一方を選択しているとも言える。上述したように第1停止として左リール32Lを停止させる場合を説明しているので、ステップS1201にて肯定判定をし、ステップS1202〜S1206のスベリテーブルに基づくスベリ数取得処理を実行する。
ステップS1202では、第1停止指令を受信した際に左表示窓26Lの下段に到達している到達図柄番号を取得する。続くステップS1203では、RAM106のスベリテーブルアドレス用バッファ152からスベリテーブルアドレスを取得する。このスベリテーブルアドレスは、上述したステップS702のスベリテーブル取得処理にてスベリテーブルアドレス用バッファ152に格納されている。その後、ステップS1204では、ステップS1202にて取得している到達図柄番号に対応したスベリ数を、上記アドレスのスベリテーブル(図21参照)から取得する。
続くステップS1205では、停止位置設定処理を実行する。停止位置設定処理では、上記到達図柄番号に対してステップS1204にて取得したスベリ数を加算し、実際に左表示窓26Lの下段に停止させる停止図柄番号を算出する。そして、この算出した停止図柄番号を停止位置情報としてRAM106の停止位置用バッファ155に格納する。
続くステップS1206では、上記到達図柄番号に対応した優先ラインを優先ライン情報としてRAM106の優先ライン用バッファ156に格納するとともに、上記到達図柄番号に対応した引込ビットオフセットの値を引込ビットオフセット情報としてRAM106の引込ビットオフセット用バッファ157に格納し、その後、第1停止用スベリ数取得処理を終了する。詳細には、スベリテーブルには、図柄番号と1対1で対応させて優先ライン及び引込ビットオフセットが設定されているため、上記到達図柄番号に対応した優先ライン及び引込ビットオフセットを取得し、それらの各情報を対応するバッファ156,157に格納する。
ここで、優先ラインとは、複数存在する有効ラインL1,L3,L4,L5のうち当選役に対応した図柄の組合せ等を優先して停止させるラインのことである。例えば、優先ラインが「L4」の場合には、当選役に対応した図柄の組合せ等は右下がりラインL4に優先して停止される。また、引込ビットオフセットとは、後述する優先順位情報の作成に際して参照する引込ビットテーブルを特定するための情報である。
第1停止処理の説明に戻り、ステップS1101にて第1停止用スベリ数取得処理を実行した後は、ステップS1102にて停止用割込み処理を許可する。
停止用割込み処理について図26のフローチャートに基づいて説明する。停止用割込み処理は、上述したタイマ割込み処理(図13参照)におけるステップS206のステッピングモータ制御処理の一部を構成する処理である。そして、第1停止処理におけるステップS1102の処理が実行されることにより、ステッピングモータ制御処理における一連の処理の一部として停止用割込み処理が実行される。上述したように、タイマ割込み処理は、1.49msec周期で起動されるため、停止用割込み処理が許可されている間は当該停止用割込み処理も約1.49msec周期で起動される。
停止用割込み処理では、先ずステップS1301にて、RAM106の停止完了情報用バッファ158に停止完了情報が格納されているか否かを判定する。停止完了情報が格納されていない場合には、ステップS1302にて減速処理中か否かを判定する。減速処理中でない場合には、今回停止させるべきリールが定常回転していることを意味する。かかる場合には、ステップS1303に進み、基点位置(本実施の形態では下段)に到達している図柄番号が先の停止位置設定処理にて設定した停止図柄番号と一致するか否かを判定する。一致する場合には、ステップS1304にて減速処理を開始する。これにより、RAM106の停止位置用バッファ155に格納された停止位置情報に対応した停止図柄番号の図柄が第1停止対象リールの基点位置に停止する。
ステップS1302にて減速処理中であると判定した場合、ステップS1303にて停止図柄番号が基点位置に到達していないと判定した場合、又はステップS1304にて減速処理を開始した場合には、ステップS1305に進み、減速処理が終了し第1停止対象のリールが停止したか否かを判定する。停止してない場合には、そのまま停止用割込み処理を終了し、停止している場合には、ステップS1306にてRAM106の停止完了情報用バッファ158に停止完了情報を格納した後に停止用割込み処理を終了する。ここで、停止完了情報とは、第1停止対象のリールが停止していることを示す情報である。このため、ステップS1301にて停止完了情報が格納されている場合には、既に減速処理が終了していることを意味するため、そのまま停止用割込み処理を終了する。
第1停止処理の説明に戻り、ステップS1102にて停止用割込み処理を許可した後は、ステップS1103にて、RAM106の停止リール特定用バッファ154に格納された停止リール情報が左リール32Lを示す情報か否かを判定する。停止リール情報が左リール32Lを示す情報でない場合にはステップS1104及びステップS1105の処理を実行した後にステップS1106に進み、停止リール情報が左リール32Lを示す情報である場合にはそのままステップS1106に進む。ここでは第1停止として左リール32Lを停止させる場合を説明しているので、ステップS1103にて肯定判定をし、そのままステップS1106に進む。
ステップS1106では、第2停止以降用優先順位情報作成処理を実行し、ステップS1107に進む。ステップS1107では、停止完了情報用バッファ158に停止完了情報が格納されているか否かを判定する。停止完了情報が格納されていない場合には、ステップS1107の処理を繰り返し実行する。つまり、停止用割込み処理にて停止完了情報が格納されるまで、すなわち第1停止対象リールが停止するまでステップS1107において待機する。停止完了情報が格納されている場合には、ステップS1108に進み、停止用割込み処理を禁止するとともに、RAM106の停止完了情報用バッファ158から停止完了情報をクリアする。その後、第1停止処理を終了する。
ここで、ステップS1106の第2停止以降用優先順位情報作成処理について、図27のフローチャートに基づき説明する。詳細な説明に先立って概略を説明すると、ROM105には、第1停止時に左リール32Lを停止させる場合を想定したスベリテーブルは用意されているが、第2停止時や第3停止時に中リール32Mや右リール32Rを停止させる場合等を想定したスベリテーブルは用意されていない。そこで、スベリテーブルの用意されていないリールを停止させるために、前記リールの停止操作が可能となる前までに優先順位情報を作成する。
この優先順位情報は、対応するリールに関して基点位置(本実施の形態では、表示窓の下段)に停止させる図柄番号の優先順位を決定するための停止情報群であり、ストップスイッチが押された際に基点位置に到達している到達図柄番号と、前記基点位置に実際に停止させる停止図柄番号との関係が定められたスベリテーブルとは情報の性質が異なる。また、優先順位情報は、既に停止操作が実行されたリールの停止位置、スロットマシン10の上述した遊技状況、及び抽選処理における抽選結果等に基づいて作成される。この優先順位情報の作成に際しては、RAM106における各バッファが使用されるが、それらバッファのうち優先順位情報用バッファ159が特に重要となるため、この優先順位情報用バッファ159について説明する。図28は優先順位情報用バッファ159を説明するための説明図である。
優先順位情報用バッファ159は、図28(a)に示すように、多数の判定値算出情報用バッファB(停止情報記憶手段)から構成されている。判定値算出情報用バッファBは、各リール32L,32M,32Rの各図柄番号と1対1で対応させて設けられている。また、各リール32L,32M,32Rの各図柄番号にはそれぞれ図柄が設定されているため、判定値算出情報用バッファBは各図柄と1対1で対応させて設けられているとも言える。判定値算出情報用バッファBは各リール32L,32M,32Rにそれぞれ21個ずつ割り当てられているため、優先順位情報用バッファ159は合計で63個の判定値算出情報用バッファBを有する。
各判定値算出情報用バッファBは、図28(b)に示すように、上位情報用バッファとしての第1バッファB1と下位情報用バッファとしての第2バッファB2とから構成されている。第1バッファB1及び第2バッファB2は、それぞれ1バイトで構成されている。したがって、各判定値算出情報用バッファBはそれぞれ2バイトで構成されており、優先順位情報用バッファ159は合計126バイトで構成されている。
第1バッファB1及び第2バッファB2の各ビットは、個別に又は所定の組合せで、特有の判定用情報を格納するための機能を有する。詳細には、第1バッファB1については、最上位の第7ビットは不当入賞判定用情報を格納するための不当入賞判定ビットとしての機能を有し、第6ビットは再遊技情報を格納するための再遊技ビットとしての機能を有し、第5ビットはBB役情報を格納するためのBB役ビットとしての機能を有し、第4ビットは小役情報を格納するための小役ビットとしての機能を有し、第3〜第0ビットは獲得枚数情報を格納するための獲得枚数ビットとしての機能を有する。
なお、移行契機図柄の成立に基づいて移行する特別遊技状態として、BB状態以外の遊技状態を有する構成においては、BB役ビットは当該遊技状態に対応した役情報も格納する機能を有する構成としてもよい。かかる観点から、BB役ビットは、特別遊技状態役ビットと言える。当該構成についてより具体的に説明する。例えば、特別遊技状態として第1特別遊技状態と第2特別遊技状態とが設定された構成においては、1ビットからなる特別遊技状態役ビットを判定値算出情報用バッファBに設定し、第1特別遊技状態役情報及び第2特別遊技状態役情報のいずれに関しても上記特別遊技状態役ビットに格納する構成としてもよい。また、第1特別遊技状態役と第2特別遊技状態役とに重複して当選する状況がある構成においては、特別遊技状態役ビットを第1特別遊技状態役及び第2特別遊技状態役のそれぞれに対応させて複数ビットで構成し、成立を優先させる特別遊技状態役に対応した特別遊技状態役ビットをより上位側のビットとして設定する構成としてもよい。ちなみに、BB状態以外の特別遊技状態としては、1遊技回のみ継続することとなるSB(シングルボーナス)状態が考えられる。また、これ以外にも、所謂、RB状態、CB状態、又はCT状態などが考えられる。
また、第2バッファB2については、最上位の第7ビットは蹴飛ばし判定情報を格納するための蹴飛ばし判定ビットとしての機能を有し、第6ビットは第1優先ライン情報を格納するための第1優先ラインビットとしての機能を有し、第2〜第1ビットは引込ビット情報を格納するための引込ビットとしての機能を有し、第0ビットは第2優先ライン情報を格納するための第2優先ラインビットとしての機能を有する。なお、第2バッファB2の第5〜第3ビットはブランクとなっている。
これら第1バッファB1及び第2バッファB2の各ビットに基づいて判定値算出情報用バッファBの集計値(優先順位判定値)が算出され、その集計値が上述した図柄を停止させる場合の優先順位となる。つまり、集計値が高い図柄番号ほど優先順位が高く、集計値が低い図柄番号ほど優先順位が低くなる。上記各ビットのうち、不当入賞判定ビットと蹴飛ばし判定ビットとは初期値が「1」となっており、その他のビットは初期値が「0」となっている。
第1停止として左リール32Lを停止させる場合は、第2停止として中リール32Mを停止させる場合と右リール32Rを停止させる場合との2パターンが考えられるため、今回の第2停止以降用優先順位情報作成処理では、中リール32M用の優先順位情報と右リール32R用の優先順位情報とを作成する。これら優先順位情報の作成についてフローチャートに基づき具体的に説明する。
図27に示すように、第2停止以降用優先順位情報作成処理では、先ずステップS1401にて今回の第2停止以降用優先順位情報作成処理で優先順位情報の作成を行う対象リール数(具体的には「2」)をRAM106の対象リール用カウンタに格納するとともに、RAM106の対象リール情報用バッファ160に対象リール情報として左リール32Lを示す情報を格納する。
続くステップS1402では、対象リール情報用バッファ160及び停止リール特定用バッファ154を参照することで、対象リール情報が既に停止指令の発生しているリールを示す情報か否かを判定する。既に停止指令の発生しているリールを示す情報でない場合には、ステップS1403にて判定値算出情報作成処理を実行した後にステップS1404に進む。一方、既に停止指令の発生しているリールを示す情報である場合には、判定値算出情報作成処理を実行することなくステップS1404に進む。今回は第1停止として左リール32Lを停止させる場合であるので、ステップS1402にて肯定判定をし、ステップS1404に進む。
ステップS1404では、対象リール用カウンタの値が「0」か否かを判定し、「0」である場合にはそのまま第2停止以降用優先順位情報作成処理を終了する。「0」でない場合には、ステップS1405にて、対象リール情報用バッファ160に格納する対象リール情報を更新するとともに、対象リール用カウンタの値を1減算し、ステップS1402に戻る。この対象リール情報の更新は、既に格納されている対象リール情報が左リール32Lを示す情報である場合には中リール32Mを示す対象リール情報に更新し、既に格納されている対象リール情報が中リール32Mを示す情報である場合には右リール32Rを示す対象リール情報に更新する。対象リール情報がまだ停止指令の発生していないリールを示す情報に更新されることにより、ステップS1402にて肯定判定をし、ステップS1403にて判定値算出情報作成処理を実行する。
判定値算出情報作成処理について、図29のフローチャートに基づき説明する。詳細な説明に先立って概略を説明すると、判定値算出情報作成処理では、対象リール情報の示すリール(以下、対象リールという)において各図柄番号が基点位置(本実施の形態では下段)に停止した場合を想定し、その想定した対象図柄番号に対応した判定値算出情報用バッファBの各ビットに対して、種々の状態を考慮して「0」又は「1」の情報を格納する処理を行う。例えば、左リール32Lの18番の「赤7」図柄が下段に停止している状況において対象図柄番号が中リール32Mの0番である場合には、図30(a)に示す状況を想定して判定値算出情報用バッファBの各ビットに情報を格納する。また、判定値算出情報作成処理では、対象図柄番号を1つずつ更新し、各図柄番号と対応する判定値算出情報用バッファBの各ビットに情報を格納する。したがって、中リール32Mの0番の図柄番号と対応する判定値算出情報用バッファBの各ビットに情報を格納した後は、対象図柄番号が1番となり、図30(b)に示す状況を想定して1番の図柄番号と対応する判定値算出情報用バッファBの各ビットに情報を格納する。
図29に示すように、判定値算出情報作成処理では、先ずステップS1501にて、対象リールの判定値算出情報用バッファアドレスを取得する。すなわち、RAM106の対象リール情報用バッファ160に格納された対象リール情報に基づいて、優先順位情報を今回作成するリールを特定し、そのリールに対応した図柄数分(21個)の判定値算出情報用バッファBのアドレスを取得する。
続くステップS1502では、RAM106の対象図柄用バッファ161に格納された情報を初期化する、すなわち、「0」クリアする。これにより、0番が対象図柄番号となる。その後、ステップS1503の引込ビット情報設定処理、及びステップS1504の入賞判定処理を実行することにより、対象図柄番号の判定値算出情報用バッファBの各ビットに対して「0」又は「1」の情報を格納し、判定値算出情報を作成する。
続くステップS1505では、対象図柄用バッファ161の情報の更新を実行することで、対象図柄番号を現在設定されている図柄番号よりも1つ上の図柄番号に設定する。その後、ステップS1506にて、対象リールにおける判定値算出情報を全て作成したか否かを判定する。作成していない場合には、ステップS1503に戻る。これにより、対象リールにおける0番〜20番の全ての判定値算出情報が作成されるまで、ステップS1503〜ステップS1505の処理が繰り返される。そして、全判定値算出情報が作成されることにより、ステップS1506にて肯定判定をし、判定値算出情報作成処理を終了する。
ステップS1503の引込ビット情報設定処理、及びステップS1504の入賞判定処理について詳細に説明する。
先ず、引込ビット情報設定処理について図31のフローチャートに基づき説明する。ここで、引込ビットとは、上述したように判定値算出情報用バッファBにおける第2バッファB2の一部を構成する。かかる引込ビットに引込ビット情報を格納することにより、抽選処理にて何ら当選しなかった場合において停止出目の多様化を図ることができる。また、抽選処理にて何らかの役に当選した場合において、いわゆる取りこぼしが発生する場合には、それに対応した停止出目とすることが可能となる。特に、BB当選状況においては、いわゆるリーチ目(BB当選状況を教示可能な停止出目のことをいう。但し、BB非当選状況であっても不当入賞を避ける場合には出現し得る。)を好適に出現させることができる。このリーチ目としては、例えば、組合せラインL1〜L5のいずれかに、「赤7」図柄,「白7」図柄,「青年」図柄,「バー」図柄が任意の並び順及び組合せで並ぶ停止出目や、中ラインL2(非有効ライン)上に抽選の対象となっている役に対応した図柄又は図柄の組合せが停止する停止出目などがある。引込ビット情報設定処理では、かかる引込ビットの値を入賞判定処理にて取得するための準備を行う。
引込ビット情報設定処理では、図31に示すように、ステップS1601にて引込ビット情報展開前準備処理を実行する。引込ビット情報展開前準備処理では、先ずRAM106の引込ビット情報検索用バッファ162を初期化する。ここで、引込ビット情報検索用バッファ162とは、引込ビット情報を取得するために用意されたバッファであり、図32(a)に示すように、左リール用バッファ163、中リール用バッファ164、及び右リール用バッファ165を有し、さらに各リール用バッファ163,164,165はそれぞれ上段用バッファ163a,164a,165a、中段用バッファ163b,164b,165b、及び下段用バッファ163c,164c,165cを有する。つまり、引込ビット情報検索用バッファ162は、9つのバッファ163a〜163c,164a〜164c,165a〜165cから構成されている。そして、これら9つの各バッファ163a〜163c,164a〜164c,165a〜165cは1バイト構成となっている。引込ビット情報検索用バッファ162を初期化した状態では、図32(b)に示すように、各バッファ163a〜163c,164a〜164c,165a〜165cに「FF」が格納されている。
その後、既に停止指令が発生しているリールと対応したリール用バッファについて、優先ライン上にない2つのバッファの全ビットをクリアする。今回は、左リール32Lに対して既に停止指令が発生しているので、左リール用バッファ163の各バッファ163a〜163cが対象となる。例えば、優先ラインが右上がりラインL5の場合には、図32(c)に示すように、右上がりラインL5上にない上段用バッファ163a及び中段用バッファ163bの全ビットがクリアされて「00」となり、右上がりラインL5上にある下段用バッファ163cは「FF」のままとなる。引込ビット情報設定処理において引込ビット情報展開前準備処理を実行した後は、ステップS1602にて引込ビットテーブル取得処理を実行する。
引込ビットテーブル取得処理では、既に取得している引込ビットオフセットに基づいて、ROM105の引込ビットテーブル記憶領域105bに記憶された多数の引込ビットテーブルから一の引込ビットテーブルを取得する処理を実行する。
詳細には、図33に示すように、先ずステップS1701にて、オフセット参照用テーブル取得処理を実行する。オフセット参照用テーブル取得処理では、今回のゲームにおける遊技状況、及び小役などの当選の有無に基づいて、オフセット参照用テーブルがある場合にはそのオフセット参照用テーブルを取得する。オフセット参照用テーブルは、ROM105のオフセット参照用テーブル記憶領域105cに予め記憶されており、既に取得している引込ビットオフセットに基づいて引込ビットテーブルを取得するための情報群である。但し、かかるオフセット参照用テーブルは、取りこぼしが発生しない役に当選している状況に対しては用意されていない。引込ビット情報とは上記のとおり、抽選処理にて何ら当選しなかった場合や、抽選処理にて何らかの役に当選した場合においていわゆる取りこぼしが発生する場合に、所定の停止出目とするためのものであり、取りこぼしが発生しない役に当選している状況に対しては引込ビット情報を判定値算出情報用バッファBの引込ビットに格納する必要はなく、それに伴って引込ビットテーブルを取得する必要もないからである。この場合としては、例えば再遊技役に当選している状況がある。
ここで、オフセット参照用テーブルについて具体的に説明する。オフセット参照用テーブルには、各引込ビットオフセットが記憶されているとともに、それら各引込ビットオフセットに対応させて引込ビットテーブルの番号が割り当てられている。より詳細には、各引込ビットオフセットに対しては、多数ある引込ビットテーブルの番号(例えば、100個)のうちから2つの引込ビットテーブルの番号が割り当てられている。第1停止として左リール32Lを停止させる場合においては、一方の引込ビットテーブルの番号は中リール32M用であり、他方の引込ビットテーブルの番号は右リール32R用である。このように、一の引込ビットオフセットとオフセット参照用テーブルとに基づいて引込ビットテーブルの番号の特定を行う構成とすることで、引込ビットテーブルを取得する上でRAM106に記憶しておく情報量の削減を図ることができる。例えば、引込ビットオフセットを設けずに引込ビットテーブルの番号を直接記憶する構成とすると、中リール32M用の引込ビットテーブルの番号と右リール32R用の引込ビットテーブルの番号とを個別に記憶しておく必要があるからである。
続くステップS1702では、ステップS1701において取得すべきオフセット参照用テーブルがあったか否かを判定する。オフセット参照用テーブルがない場合には、ステップS1703にて引込ビットテーブル番号の情報を格納するための引込ビットテーブル用バッファ166をクリアした後に、引込ビットテーブル取得処理を終了する。一方、オフセット参照用テーブルがある場合には、ステップS1704に進み、RAM106の引込ビットオフセット用バッファ157に格納された引込ビットオフセットが「0」でないか否かを判定する。
オフセット参照用テーブルにおいては、0番の引込ビットオフセットに対して引込ビットテーブルの番号が設定されていない。本スロットマシン10では、ベル役のように、左リール32Lを第1停止させた場合には取りこぼしが発生しないが、中リール32M又は右リール32Rを第1停止させた場合に取りこぼしが発生し得る役が存在する。すなわち、ベル入賞を形成する「ベル」図柄は、中リール32M及び右リール32Rにおいてはリールの最大スベリ数の範囲内で全図柄間隔が設定されているが、左リール32Lにおいては「(最大スベリ数)+(左リール32Lにおいて停止する図柄数)−1」以下であって最大スベリ数を超える図柄間隔が設定されている。かかる役に関しては、オフセット参照用テーブルは予め用意されているが、左リール32Lを第1停止させた場合には引込ビットオフセットを「0」に設定しておくことで、引込ビットテーブルの取得を行わないようにしている。ここでは、左リール32Lを第1停止させる場合について説明しているので、抽選処理においてベル役に当選している場合には、引込ビットオフセットが「0」となっている。
引込ビットオフセットが「0」の場合には、ステップS1704にて否定判定をし、ステップS1703にて引込ビットテーブル用バッファ166をクリアした後に引込ビットテーブル取得処理を終了する。引込ビットオフセットが「0」でない場合には、ステップS1705に進む。ステップS1705では、今回取得したオフセット参照用テーブルに対して既に取得している引込ビットオフセットを参照し、引込ビットテーブルの番号を取得する。そして、その取得した引込ビットテーブル番号を示す情報を引込ビットテーブル用バッファ166に格納する。その後、引込ビットテーブル取得処理を終了する。
引込ビット情報設定処理の説明に戻り、引込ビットテーブル取得処理を実行した後は、ステップS1603に進む。ステップS1603では、引込ビットテーブル用バッファ166に引込ビットテーブル番号を示す情報が格納されているか否かを判定する。引込ビットテーブル番号を示す情報が格納されていない場合、すなわち、「0」が格納されている場合には、ステップS1604にて引込ビット情報検索用バッファ162における今回の対象リールと対応するリール用バッファにそれぞれ「00」を格納した後に、引込ビット情報設定処理を終了する。引込ビットテーブル番号の情報が格納されている場合には、ステップS1605に進む。
ステップS1605では、引込ビット情報取得処理を実行する。引込ビット情報取得処理では、引込ビットテーブル用バッファ166に格納された情報に基づいて引込ビットテーブルを特定し、当該引込ビットテーブルから対象図柄番号の引込ビット情報(以下、下段用引込ビット情報)、対象図柄番号に対して図柄番号が1つ上の図柄番号の引込ビット情報(以下、中段用引込ビット情報)、及び対象図柄番号に対して図柄番号が2つ上の図柄番号の引込ビット情報(以下、上段用引込ビット情報)を取得する。
ここで、引込ビットテーブルについて説明する。引込ビットテーブルは、BB当選状況、所定の小役(取りこぼしが発生し得る小役)の当選状況、抽選処理にて何れの役にも当選していない抽選外れ状況に対応させて用意されている。
また、引込ビットテーブルは、各リール32L,32M,32Rに対応させて用意されている。つまり、引込ビットテーブルは、各リール32L,32M,32Rごとに、上記各状況に対応させて用意されている。この場合、左リール32Lに関しては、当該左リール32Lを第2停止以降に停止させる状況に対応させて用意されている。また、中リール32M及び右リール32Rに関しては、左リール32Lを第1停止させる場合と、左リール32Lを第1停止させない場合(いわゆる変則押しがなされる場合)とに対応させて用意されている。このうち、左リール32Lを第1停止させる場合であってBB当選状況及び抽選外れ状況に関しては、左リール32Lの停止図柄番号に対応させて引込ビットテーブルが用意されている(この停止図柄番号との対応は、1対1とは限らない)。
上記のように多数の引込ビットテーブルが用意された構成において、引込ビットテーブルは組合せラインL1〜L5に関しては対応させて用意されていない。これは、判定値算出情報用バッファBにおいて引込ビット以外の各種ビットが割り当てられており、引込ビットテーブルにおいてラインを考慮しなくても、所定の組合せライン上に所望の図柄の組合せを停止させることができるからである。これに対して、従来のスロットマシンのようにスベリテーブルのみによってリール制御を行う構成においては、各組合せラインにそれぞれ対応させてスベリテーブルを用意しておく必要があった。かかる観点から、ROM105における引込ビットテーブル用の情報量は、従来のスロットマシンにおけるスベリテーブル用の情報量よりも少なくなっている。
さらにまた、従来のスロットマシンのようにスベリテーブルのみによってリール制御を行う構成においては、全ての小役の当選状況にそれぞれ対応させてスベリテーブルを用意しておく必要があった。これに対して、引込ビットテーブルは、入賞が成立しない場合の停止出目を決定するためのものであるため、全ての小役の当選状況にそれぞれ対応させて用意しておく必要がない。かかる観点からも、ROM105における引込ビットテーブル用の情報量は、従来のスロットマシンにおけるスベリテーブル用の情報量よりも少なくなっている。
図34には、引込ビットテーブルの一例を示す。引込ビットテーブルは、6バイトで構成されており、1バイト目に0番〜3番の図柄番号の引込ビット情報が格納されており、2バイト目に4番〜7番の図柄番号の引込ビット情報が格納されており、3バイト目に8番〜11番の図柄番号の引込ビット情報が格納されており、4バイト目に12番〜15番の図柄番号の引込ビット情報が格納されており、5バイト目に16番〜19番の図柄番号の引込ビット情報が格納されており、6バイト目に20番の図柄番号の引込ビット情報が格納されている。これら引込ビットテーブルに格納される引込ビット情報は、「00」,「01」,「10」,「11」のいずれかであり(つまり、引込ビット情報は複数種用意されており)、「00」→「01」→「10」→「11」の順で値が大きい引込ビット情報ということになる(各種の引込ビット情報は大小の識別が可能となっている)。この場合、引込ビットテーブルにおいては、該当する状況において優先度の高い図柄番号ほど大きい値の引込ビット情報が格納されている。
例えば、リーチ目を出現させる場合の状況に関しては、優先度の低いリーチ目を出現させる図柄番号に対して優先度の高いリーチ目を出現させる図柄番号の引込ビット情報が大きな値となっている。そして、この優先度は、上記のように引込ビット情報が複数種用意されているため、複数段階設定することができる。
ステップS1605の引込ビット情報取得処理では、例えば、対象図柄番号が0番である場合に、下段用引込ビット情報として1バイト目の第0,第1ビットの値を取得し、中段用引込ビット情報として1バイト目の第2,第3ビットの値を取得し、上段用引込ビット情報として1バイト目の第4,第5ビットの値を取得する。
続くステップS1606では、引込ビット情報取得処理にて取得した各引込ビット情報を、引込ビット情報検索用バッファ162の該当するリール用バッファに格納する。中リール32Mに対する引込ビット情報設定処理においては、中リール用バッファ164の下段用バッファ164cに下段用引込ビット情報を格納し、中段用バッファ164bに中段用引込ビット情報を格納し、上段用バッファ164aに上段用引込ビット情報を格納する。例えば、下段用引込ビット情報が「11」であり、中段用引込ビット情報が「00」であり、上段用引込ビット情報が「01」である場合には、引込ビット情報検索用バッファ162は図32(d)に示す状態となる。その後、引込ビット情報設定処理を終了する。
次に、ステップS1504の入賞判定処理について、図35及び図36のフローチャートに基づき説明する。詳細な説明に先立って概略を説明すると、入賞判定処理では、設定されている対象図柄番号に対して各有効ラインにおける役の入賞判定及び引込ビット情報検索用バッファ162に格納した引込ビット情報の合成値判定を実行し、その判定結果に基づいて判定値算出情報用バッファBの各ビットに情報を格納する処理を順次実行する。
先ずステップS1801では、初期化処理を実行する。初期化処理では、RAM106における該当する判定値算出情報用バッファBの初期化を実行する。また、合わせてRAM106の検索ライン用バッファ167及び判定済み確認用バッファ168の初期化を実行する。検索ライン用バッファ167を初期化することにより、最初の検索対象が上ラインL1となる。
続くステップS1802では、ライン判定処理を実行する。ライン判定処理について図37のフローチャートを用いて説明する。
ライン判定処理では、先ずステップS1901にて、既に停止指令が発生しているリールについて検索ライン上の図柄番号を特定し、その図柄番号の図柄対応情報を把握する。ここで、図柄対応情報について図38を用いて詳細に説明する。
ROM105の図柄対応テーブル記憶領域105gには、各リール32L,32M,32R毎に用意された図柄対応テーブルが記憶されている。各図柄対応テーブルは、対応するリールに付された図柄種と1対1で対応付けられた図柄対応情報により構成されている。
各図柄対応情報は、第1図柄対応情報と第2図柄対応情報とから構成されており、第1図柄対応情報及び第2図柄対応情報はそれぞれ1バイトで構成されている。つまり、各図柄対応情報は2バイトで構成されている。
第1図柄対応情報は、入賞に関する判定を行う上で使用される情報であり、役用図柄対応情報としての機能を有する。詳細には、ROM105の役対応テーブル記憶領域105eには、役と1対1で対応する役対応情報により構成された役対応テーブルが記憶されている(図39参照)。各役対応情報は、1バイトで構成されており、「1」が格納されるビットの位置がそれぞれ異なっている。すなわち、本スロットマシン10では、全ての遊技状態を総合すると8種類の役が設定されており、8個のビットにおいて「1」が格納される位置をそれぞれ異ならせることで、役対応情報が役と1対1で対応付けられている。そして、第1図柄対応情報は、役の図柄の組合せを構成する各図柄の第1図柄対応情報をAND処理した場合に、各役の役対応情報と一致するように設定されている。
例えば、第1BB役の役対応情報は、図39に示すように「00000010」となっている。これに対して、左リール32Lの「赤7」図柄の第1図柄対応情報は「00000010」となっており、中リール32M及び右リール32Rの「赤7」図柄の第1図柄対応情報は「01000010」となっている。そして、各リール32L,32M,32Rの「赤7」図柄の第1図柄対応情報をAND処理すると、「00000010」となり、第1BB役の役対応情報と一致する。ここで、図38に示すように、中リール32M及び右リール32Rの役対応テーブルには、全ての図柄の第1図柄対応情報において同一のビットに「1」が格納されている。そして、このビットの位置は、左リール32Lの「チェリー」図柄の第1図柄対応情報において「1」が格納されたビットの位置と対応しており、さらにチェリー役の役対応情報において「1」が格納されたビットの位置と対応している。これは、チェリー役については、当選となっている場合に有効ライン上に左リール32Lの「チェリー」図柄が停止すれば入賞成立となり、中リール32M及び右リール32Rの停止図柄は任意だからである。
なお、本スロットマシン10と異なり全ての遊技状態を総合した役の種類が9種類以上設定されたスロットマシンにおいては、役対応情報の情報量は1バイトでは足りず2バイト以上とする必要が生じ、それに伴って第1図柄対応情報の情報量も2バイト以上とする必要がある。
第2図柄対応情報は、停止出目の蹴飛ばしに関する判定を行う上で使用される情報であり、蹴飛ばし用図柄対応情報としての機能を有する。詳細には、図40に示すように、ROM105の蹴飛ばし対応テーブル記憶領域105fには、蹴飛ばし対応テーブルが記憶されており、当該蹴飛ばし対応テーブルは、後述する蹴飛ばし目となり得る図柄の組合せに対応させて設定された蹴飛ばし対応情報により構成されている。各蹴飛ばし対応情報は、1バイトで構成されており、「1」が格納されるビットの位置がそれぞれ異なっている。そして、第2図柄対応情報は、上記蹴飛ばし目となり得る図柄の組合せを構成する各図柄の第2図柄対応情報をAND処理した場合に、各蹴飛ばし対応情報と一致するように設定されている。
但し、蹴飛ばし対応情報は役対応情報と異なり、各図柄の組合せに1対1で対応付けられておらず、所定の蹴飛ばし対応情報については複数パターンの図柄の組合せに対応している。例えば、「赤7」図柄,「白7」図柄,「青年」図柄,「バー」図柄については、いずれのパターンの組合せであっても蹴飛ばし対応情報は「00000001」となっている。このように、一の蹴飛ばし対応情報に対して複数パターンの図柄の組合せを設定することにより、図柄の組合せに1対1で対応付けて蹴飛ばし対応情報を設定する構成に比べ、蹴飛ばし対応情報に関する記憶容量の削減が図られ、結果的にROM105の記憶容量の削減が図られる。
なお、蹴飛ばし目となり得る図柄の組合せのパターンが本スロットマシン10よりも多く設定された構成においては、蹴飛ばし対応情報の情報量は1バイトでは足りず2バイト以上とする必要が生じることがあり、それに伴って第2図柄対応情報の情報量も2バイト以上とする必要が生じることがある。
ライン判定処理の説明に戻り、ステップS1901にて把握した図柄対応情報はCPU102に設けられた図柄対応情報用レジスタに記憶される。この場合に、既に停止指令が発生しているリールが複数(2つ)ある場合には、各図柄対応情報が記憶される。なお、RAM106に図柄対応情報用バッファを設け、そこに上記把握した図柄対応情報を格納する構成としてもよい。
続くステップS1902では、今回の対象リールについて検索ライン上の図柄番号を特定し、その図柄番号の図柄対応情報を把握する。この把握された図柄対応情報もCPU102に設けられた図柄対応情報用レジスタに記憶される。
続くステップS1903では、上記把握した各図柄対応情報をAND処理する。具体的には、上記把握した各図柄対応情報の各第1図柄対応情報をAND処理するとともに、上記把握した各図柄対応情報の各第2図柄対応情報をAND処理する。そして、そのAND処理の結果を成立判定情報として、ステップS1904にてRAM106の成立判定用バッファ169に格納する。この成立判定用バッファ169は、第1図柄対応情報及び第2図柄対応情報のそれぞれに対応させて設定されており、第1図柄対応情報のAND処理の結果と第2図柄対応情報のAND処理の結果とがそれぞれ格納される(以下、成立判定情報のうち、第1図柄対応情報に対応する情報を第1成立判定情報といい、第2図柄対応情報に対応する情報を第2成立判定情報という)。本スロットマシン10では第1図柄対応情報及び第2図柄対応情報のそれぞれが1バイトで構成されているため、成立判定用バッファ169は2バイトで構成されている。ステップS1904の処理を行った後に本ライン判定処理を終了する。
入賞判定処理の説明に戻り、ステップS1803では、RAM106の対象リール情報用バッファ160を確認することにより、今回の対象リールが左リール32Lか否かを判定する。今回の対象リールが左リール32Lである場合には、そのままステップS1805に進む。今回の対象リールが左リール32Lでない場合には、ステップS1804にて第1成立判定情報の修正処理を実行した後にステップS1805に進む。なお、修正処理の詳細については後述することとする。
ステップS1805では、RAM106の停止リール特定用バッファ154を参照することにより、停止指令の発生しているリールが2つか否かを判定する。2つの場合には、ステップS1807〜S1810の不当入賞用処理を実行し、入賞判定処理を終了する。2つでない場合には、ステップS1806に進む。今回は、第1停止処理における入賞判定処理であるので、停止指令が発生しているリールは1つであり、ステップS1805にて否定判定をし、ステップS1806に進む。
ステップS1806では、対象リール情報用バッファ160に格納された対象リール情報を確認することにより、今回の対象リールが左リール32Lか否かを判定するとともに、RAM106の成立判定用バッファ169に格納された第1成立判定情報に基づいて今回の検索ライン上に左リール32Lの「チェリー」図柄があるか否かを判定する。今回の対象リールが左リール32Lであり、検索ライン上に左リール32Lの「チェリー」図柄がある場合には、ステップS1807〜ステップS1810の不当入賞用処理を実行し、入賞判定処理を終了する。今回の対象リールが左リール32Lでない、又は今回の対象リールが左リール32Lであって検索ライン上に「チェリー」図柄がない場合には、そのままステップS1811に進む。今回は、左リール32Lを第1停止させる場合の入賞判定処理であり、今回の対象リール情報として左リール32Lを示す情報が格納されていることはないため、ステップS1806にて否定判定をし、ステップS1811に進む。
ステップS1811では、RAM106の当選役判定用バッファ151を参照することにより、何らかの役に当選しているか否かを判定する。いずれの役にも当選していない場合には、ステップS1812〜ステップS1824の処理を行うことなくステップS1825に進む。いずれかの役に当選している場合には、ステップS1812に進む。
ステップS1812では、当選図柄成立判定処理を実行する。当選図柄成立判定処理では、RAM106の成立判定用バッファ169に格納された成立判定情報のうちの第1成立判定情報(役に関する情報)と、RAM106の当選役判定用バッファ151に格納された当選情報(役対応情報)とをAND処理し、その結果をCPU102に設けられた当否判定用レジスタに当否判定用情報として格納する。この当否判定用レジスタは1バイトで構成されている。なお、RAM106に当否判定用バッファを設け、当該バッファに当否判定用情報を格納する構成としてもよい。当否判定用情報は、第1成立判定情報と当選情報とが一致する場合には成立判定用バッファ169に格納された第1成立判定情報と一致し、第1成立判定情報と当選情報とが一致しない場合には「0」クリアされる(「00000000」が格納される)。
続くステップS1813では、CPU102の当否判定用レジスタを参照することにより、今回の検索ライン上にある各図柄が当選役に対応した図柄の組合せを構成しているか否かを判定する。構成していない場合には、ステップS1814〜ステップS1824の処理を行うことなくステップS1825に進む。構成している場合には、ステップS1814に進む。なお、検索ラインが有効ラインでない場合(少なくとも、検索ラインがサブラインたる中ラインL2の場合にはこれに該当する。)には、上記図柄の組合せを構成している場合であっても、ステップS1813にて否定判定をする。有効ラインではないラインは入賞と関係ないからである。
ステップS1814では、RAM106の当選役判定用バッファ151を参照することにより、再遊技に当選しているか否かを判定する。再遊技に当選している場合にはステップS1815に進み、再遊技に当選していない場合にはステップS1815の処理を実行することなくステップS1816に進む。
ステップS1815では、CPU102の当否判定用レジスタに再遊技以外の当否判定用情報が格納されているか否かを判定する。すなわち、本スロットマシン10では、BB当選状況で再遊技当選となることがあるため、再遊技当選において検索ライン上にBB入賞を構成する図柄の組合せが並び、当否判定用レジスタにBB役に対応した当否判定用情報が格納されることがある。したがって、ステップS1805では、当否判定用レジスタに、BB役に対応した当否判定用情報が格納されているか否かを判定する。
再遊技以外の当否判定用情報が格納されていない場合には、ステップS1816に進む。再遊技以外の当否判定用情報が格納されている場合には、ステップS1816〜ステップS1824の処理を行うことなくステップS1825に進む。具体的には、BB当選状況で再遊技当選となり、当否判定用レジスタにBB役に対応した当否判定用情報が格納されている場合には、後述する払出枚数取得処理や判定値算出情報用バッファBのBB役ビットに「1」を格納する処理を実行しない。これは、ストップスイッチ42〜44の停止順序や停止操作タイミングがいかなる場合であったとしても、再遊技当選となっている状況下では当該再遊技入賞を最優先させるためである。
ステップS1816では、払出枚数取得処理を実行する。ここで、払出枚数取得処理について図41を用いて説明する。
払出枚数取得処理では、ステップS2001にてCPU102の当否判定用レジスタから当否判定用情報を取得する。続くステップS2002では、当否判定用情報の種別を判定し、RAM106の入賞役種別用バッファ170の対応するビットに「1」を格納する。入賞役種別用バッファ170は、1バイトで構成されており、再遊技及びBB役のそれぞれに対して1ビットずつ割り当てられている。
続くステップS2003では、RAM106の停止リール特定用バッファ154を参照することにより、停止指令の発生しているリールが1つでもあるか否かを判定する。1つもない場合には、ステップS2004に進み、1つでもある場合には、そのままステップS2005に進む。今回は、第1停止処理における入賞判定処理であるので、停止指令が発生しているリールは1つあり、ステップS2003にて肯定判定をし、ステップS2005に進む。
ステップS2005では、払出枚数テーブルを取得する。払出枚数テーブルは、ROM105の払出枚数テーブル記憶領域105dに記憶されており、入賞役とメダルの払出枚数との対応関係(図8参照)が設定されている。ステップS2006では、当否判定用情報に対応した払出枚数を払出枚数テーブルから取得し、その取得した払出枚数を獲得枚数情報として判定値算出情報用バッファBの獲得枚数ビットに加算する。その後、払出枚数取得処理を終了する。
入賞判定処理の説明に戻り、払出枚数取得処理を実行した後は、ステップS1817に進み、CPU102の当否判定用レジスタに格納された当否判定用情報をRAM106の判定済み確認用バッファ168に判定済み確認用情報として格納する。判定済み確認用バッファ168は、1バイトで構成されている。
続くステップS1818では、入賞役種別用バッファ170を参照し、入賞の種別が再遊技情報か否かを判定する。再遊技情報である場合には、ステップS1819にて判定値算出情報用バッファBの再遊技ビットに「1」を格納した後に、ステップS1823に進む。再遊技情報でない場合には、ステップS1820に進む。
ステップS1820では、入賞役種別用バッファ170を参照し、入賞の種別がBB役情報か否かを判定する。BB役情報である場合には、ステップS1821にて判定値算出情報用バッファBのBB役ビットに「1」を格納した後に、ステップS1823に進む。BB役情報でない場合には、ステップS1822にて判定値算出情報用バッファBの小役ビットに「1」を格納した後に、ステップS1823に進む。
ステップS1823では、今回の検索ラインがRAM106の優先ライン用バッファ156に格納された情報の示す優先ラインと一致するか否かを判定する。一致する場合には、ステップS1824にて判定値算出情報用バッファBの第1優先ラインビットに「1」を格納した後に、ステップS1825に進む。一致しない場合には、そのままステップS1825に進む。
ステップS1825では、RAM106の停止リール特定用バッファ154を参照することにより、停止指令が発生しているリールが2つか否かを判定する。2つの場合には、ステップS1827〜ステップS1830の蹴飛ばし用処理を実行する。2つでない場合には、ステップS1826に進む。今回は、第1停止処理における入賞判定処理であるので、停止指令が発生しているリールは1つであり、ステップS1825にて否定判定をし、ステップS1826に進む。
ステップS1826では、対象リール情報用バッファ160に格納された対象リール情報を確認することにより、今回の対象リールが左リール32Lか否かを判定するとともに、RAM106の成立判定用バッファ169に格納された第1成立判定情報に基づいて今回の検索ライン上に左リール32Lの「チェリー」図柄があるか否かを判定する。その結果、今回の対象リールが左リール32Lであり、今回の検索ライン上に「チェリー」図柄がある場合には、ステップS1827〜ステップS1830の蹴飛ばし用処理を実行する。今回の対象リールが左リール32Lでない、又は今回の対象リールが左リール32Lであって検索ライン上に「チェリー」図柄がない場合には、そのままステップS1831に進む。今回は、左リール32Lを第1停止させる場合の入賞判定処理であり、今回の対象リール情報として左リール32Lの情報が格納されていることはないため、ステップS1826にて否定判定をし、ステップS1831に進む。ステップS1831では、引込ビット情報検索処理を実行する。ここで、引込ビット情報検索処理について説明する。
引込ビット情報検索処理では、図42に示すように、ステップS2101にて、引込ビット情報検索用バッファ162の合成処理を実行する。かかる合成処理では、上述した引込ビット情報設定処理にて引込ビット情報が設定されているリール用バッファに関して今回の検索ライン上にある各バッファの引込ビット情報をAND処理する。
図32(e)を用いて具体的に説明すると、検索ラインが右下がりラインL4である場合には、左から「00」,「00」,「FF」となる。したがって、これらをAND処理すると、引込ビット情報合成値は「00」となる。一方、検索ラインが下ラインL3である場合には、左から「FF」,「11」,「FF」となる。したがって、これらをAND処理すると、引込ビット情報合成値は「11」となる。
続くステップS2102では、ステップS2101にて取得した引込ビット情報合成値が「00」か否かを判定する。引込ビット情報合成値が「00」の場合には、そのまま引込ビット情報検索処理を終了する。引込ビット情報合成値が「00」でない場合には、ステップS2103に進む。
ステップS2103では、今回の引込ビット情報合成値が前回までの結果と同じか否かを判定する。前回までの結果と同じ場合には、ステップS2104及びステップS2105の処理を実行することなくステップS2106に進む。一方、前回までの結果と同じでない場合にはステップS2104に進む。
ステップS2104では、今回の引込ビット情報合成値が前回までの結果よりも大きいか否かを判定する。前回までの結果よりも小さい場合には、そのまま引込ビット情報検索処理を終了する。前回までの結果よりも大きい場合には、ステップS2105にて、判定値算出情報用バッファBの引込ビットに引込ビット情報合成値を格納する。ここで、引込ビット情報合成値が大きい場合というのは、今回の検索ラインにおいて、例えば、取りこぼし時に対応した停止出目であって、より優先度の高い停止出目を構成している場合が考えられる。また、BB当選状況においては、今回の検索ラインにおいてより優先度の高いリーチ目を構成している場合が考えられる。その後、ステップS2106に進む。
ステップS2106では、今回の検索ラインがRAM106の優先ライン用バッファ156に格納された情報の示す優先ラインと一致するか否かを判定する。一致する場合には、ステップS2107にて判定値算出情報用バッファBの第2優先ラインビットに「1」を格納した後に、引込ビット情報検索処理を終了する。一致しない場合には、そのまま引込ビット情報検索処理を終了する。
入賞判定処理の説明に戻り、引込ビット情報検索処理を実行した後は、ステップS1832に進む。ステップS1832では、検索ライン用バッファ167を参照することにより、全ての検索ラインに対してステップS1802〜S1831の処理を実行したか否かを判定する。詳細には、ステップS1802〜S1831の処理は、組合せラインL1〜L5の全てに対して実行され、さらにその順番は上ラインL1→中ラインL2→下ラインL3→右下がりラインL4→右上がりラインL5となっている。したがって、ステップS1832では、検索ラインが右上がりラインL5か否かを判定する。なお、検索の順番は、上記のものに限定されることはなく、右上がりラインL5から先に検索する構成としてもよい。
検索ラインが右上がりラインL5である場合には、入賞判定処理を終了する。検索ラインが右上がりラインL5でない場合には、ステップS1833に進む。ステップS1833では、検索ライン用バッファ167の情報を更新することで、検索ラインの更新を実行する。その後、その検索ラインに対してステップS1802〜S1831の処理を実行する。
上記入賞判定処理が実行されることにより、今回の対象図柄番号に対応した判定値算出情報が作成される。かかる構成において本スロットマシン10では、BB当選状況において再遊技や小役に当選することがある。したがって、対象図柄番号によっては判定値算出情報用バッファBのBB役ビットに「1」が格納されている状況において再遊技ビットや小役ビットに「1」が格納されることがある。BB役ビット及び小役ビットのそれぞれに「1」が格納される場合としては、例えば、図43(a)に示すように、下段に左リール32Lの18番の「赤7」図柄が停止している状況において対象図柄番号の図柄が中リール32Mの18番の「赤7」図柄である場合には、検索ラインが右下がりラインL4である場合に小役ビットに「1」を格納し、検索ラインが下ラインL3である場合にBB役ビットに「1」を格納する。
また、ステップS1816における払出枚数取得処理では、各検索ラインにおいて判定した入賞役に対応した払出枚数の情報を獲得枚数ビットに加算する。例えば、スイカ役に当選しているゲームにおいて、図43(b)に示すように、下段に左リール32Lの14番の「スイカ」図柄が停止している状況で対象図柄番号の図柄が中リール32Mの3番の「リプレイ」図柄である場合には、検索ラインが右下がりラインL4である場合に獲得枚数ビットに払出枚数が「6」枚である旨の情報を加算し、検索ラインが右上がりラインL5である場合に獲得枚数ビットに払出枚数が「6」枚である旨の情報を加算する。したがって、当該対象図柄番号における獲得枚数ビットには、獲得枚数情報として「12」枚である旨の情報が格納される。
上述したように、判定値算出情報作成処理(図29参照)では、対象図柄番号の更新を実行することにより、対象リールにおける全判定値算出情報を作成する。また、第2停止以降用優先順位情報作成処理(図27参照)では、未だ停止指令が発生していない各リールに対して判定値算出情報作成処理が実行される。つまり、第1停止処理における第2停止以降用優先順位情報作成処理では、未だ停止指令が発生していない各リールにおける全判定値算出情報が作成される。かかる構成において、上述したように第2停止以降用優先順位情報作成処理は停止用割込み処理が許可されている状況において実行される。つまり、停止対象のリールの減速処理と、未だ停止指令が発生していないリールの優先順位情報作成処理とが並行して行われる。また、第2停止以降用優先順位情報作成処理は、停止指令が発生してからリールを最大図柄数(4図柄)分滑らせた上で停止させるまでの規定期間内で終わるように処理時間が設定されている。これにより、リールの減速処理を実行している期間を有効利用して優先順位情報を作成することができる。
また、リールの減速処理が開始されてから停止が完了するまでの期間は、その停止させるリールをどれだけ滑らせて停止させるかによって異なる。例えば、1図柄分も滑らせることなくリールを停止させる場合に比べ、4図柄分滑らせた上でリールを停止させる場合の方が上記期間は長くなる。したがって、1図柄分も滑らせることなくリールを停止させる場合などには優先順位情報の作成が完了するまでに停止対象となっているリールの停止が完了することがあり、4図柄分滑らせた上でリールを停止させる場合などには停止対象となっているリールの停止が完了するまでに優先順位情報の作成が完了する。
ちなみに、優先順位情報の作成が完了するまでに停止対象となっているリールの停止が完了する場合であっても、上記のとおり第1停止指令が発生してから所定の第1有効待機期間が経過するまで第2停止操作が有効化されることはなく第2停止指令が発生しないため、優先順位情報の作成が完了していないにも関わらず、次のリールの停止制御が開始されてしまうことが防止されている。これは、第2停止処理の場合においても同様である。
また、通常処理において、停止用割込み処理と並行して行われるのは、第2停止以降用の優先順位情報の作成に関する処理のみであるため、上記のように各処理を併行させるようにした構成において、処理負荷が極端に増大化してしまうことが防止されている。
次に、第2停止処理について図44のフローチャートに基づき説明する。第2停止処理では、先ずステップS2201にて第2停止以降用スベリ数取得処理を実行する。
第2停止以降用スベリ数取得処理では、図45に示すように、先ずステップS2301にて停止リール特定用バッファ154を参照することにより、第2停止指令に対応したリールを特定する。続くステップS2302では、第2停止指令を受信した際における停止対象のリールの到達図柄番号を取得する。その後、ステップS2303にて、RAM106のスベリ数カウンタに「0」を格納した後にステップS2304に進む。
ステップS2304では、到達図柄番号にスベリ数カウンタの値を加算することにより、判定用図柄番号を取得する。なお、スベリ数カウンタの値が「0」の場合には、判定用図柄番号=到達図柄番号となる。続くステップS2305では、判定用図柄番号に対応した判定値算出情報用バッファBを取得する。そして、ステップS2306では、取得した判定値算出情報用バッファBの優先順位判定値を算出する。
ここで、優先順位判定値とは、判定値算出情報用バッファBの各ビットを上位側から並べて16桁の2進数として仮定した数値を16進数に変換することにより算出される判定値であり、「0〜9」及び「A〜F」の16進数(0が一番小さく、Fが一番大きい)によって4桁で表される。したがって、第2バッファB2よりも第1バッファB1に「1」が多く格納されているほど優先順位判定値は大きくなり、さらに各第1,第2バッファB1,B2において上位ビットに「1」が格納されているほど優先順位判定値は大きくなる。
続くステップS2307では、ステップS2306にて算出した優先順位判定値が前回算出した優先順位判定値よりも大きいか否かを判定する。今回の方が大きい場合には、ステップS2308にてRAM106の設定スベリ数用バッファ171に現在のスベリ数カウンタの値を格納した後に、ステップS2309に進む。一方、前回の方が大きい場合又は同一の場合には、そのままステップS2309に進む。
ステップS2309では、スベリ数カウンタを1加算した後にステップS2310に進む。ステップS2310では、スベリ数カウンタが「5」か否かを判定する。スベリ数カウンタが「5」でない場合には、ステップS2304に戻る。一方、スベリ数カウンタが「5」である場合には、第2停止以降用スベリ数取得処理を終了する。
つまり、スベリ数取得処理では、到達図柄番号から当該到達図柄番号よりも図柄番号が4つ上の図柄番号までの5つの優先順位判定値を算出するとともに比較し、それらのうち最も優先順位判定値が大きい図柄番号の図柄が基点位置の停止図柄となるようにスベリ数を特定する。ここで、到達図柄番号から当該到達図柄番号よりも図柄番号が4つ上の図柄までの優先順位判定値を算出するのは、既に説明したように、4図柄分までは滑らせることが可能な構成とするためであり、これにより当選した役と対応する図柄又は図柄の組合せが有効ライン上に停止しない所謂取りこぼしの発生頻度を低減させることが可能となるとともに、役の抽選に当選していないにも関わらず入賞図柄の組合せが有効ライン上に停止する不具合を回避することが可能となる。
到達図柄番号が中リール32Mにおける0番であり、各優先順位判定値が到達図柄番号側から順に「8008」,「800E」,「8008」,「800F」,「A008」である図46(a)の場合について説明すると、優先順位判定値は4番の「スイカ」図柄である「A008」が最大となるため、スベリ数は「4」であると特定する。これにより、中リール32Mの停止に際しては到達図柄に対して4図柄分滑らせて停止され、図46(b)に示すように、中リール32Mにおいて下段には4番の「スイカ」図柄が停止する。
第2停止処理の説明に戻り、第2停止以降用スベリ数取得処理を実行した後は、ステップS2202にて停止位置設定処理を実行する。停止位置設定処理では、設定スベリ数用バッファ171を参照することでスベリ数を取得する。そして、そのスベリ数を上記到達図柄番号に加算することで停止図柄番号を算出し、この算出した停止図柄番号を示す情報を停止位置情報としてRAM106の停止位置用バッファ155に格納する。
続くステップS2203では、停止用割込み処理を許可する。停止用割込み処理は上述したとおりであり、かかる処理により第2停止対象となっているリールの停止図柄番号の図柄が基点位置に停止するように当該リールの減速処理が実行される。続くステップS2204では、優先ライン変更処理を実行する。
優先ライン変更処理では、図47に示すように、先ずステップS2401にてRAM106の当選役判定用バッファ151を参照することにより、何らかの役に当選しているか否かを判定する。いずれの役にも当選していない場合には、そのまま優先ライン変更処理を終了する。つまり、役に当選していない場合には、優先ラインは変更されない。一方、いずれかの役に当選している場合には、ステップS2402に進む。
ステップS2402では、引込ビット情報設定処理を実行する。引込ビット情報設定処理では、判定値算出情報作成処理において既に説明したように、図31におけるステップS1601〜ステップS1606の処理を実行する。但し、優先ライン変更処理における引込ビット情報設定処理では、今回の停止対象となっているリールを対象リールとして扱う。
ステップS1601の引込ビット情報展開前準備処理では、RAM106の引込ビット情報検索用バッファ162における各バッファ163a〜163c,164a〜164c,165a〜165cの全ビットに「FF」を格納した後に、既に停止処理が完了したリールと対応したリール用バッファのうち、優先ライン上にない2つのバッファの全ビットをクリアする。具体的には、今回は第2停止処理における優先ライン変更処理であるため、第1停止処理において停止されたリールと対応したリール用バッファのうち、優先ライン上にない2つのバッファの全ビットをクリアする。
また、ステップS1602の引込ビットテーブル取得処理では、今回の停止対象となっているリールについて引込ビットテーブルを取得する。そして、引込ビットテーブルがある場合には、ステップS1603にて肯定判定をし、ステップS1605にて引込ビット情報取得処理を実行する。
また、引込ビット情報取得処理では、ステップS1602にて取得した引込ビットテーブルから、対象図柄番号、対象図柄番号に対して1つ上の図柄番号、及び対象図柄番号に対して2つ上の図柄番号について引込ビット情報を取得するのではなく、停止位置用バッファ155に格納された停止図柄番号、停止図柄番号に対して1つ上の図柄番号、及び停止図柄番号に対して2つ上の図柄番号について引込ビット情報を取得する。
そして、ステップS1606では、引込ビット情報取得処理にて取得した引込ビット情報を、今回の停止対象となっているリールに対応したリール用バッファにそれぞれ格納する。
優先ライン変更処理の説明に戻り、引込ビット情報設定処理を実行した後は、ステップS2403にて検索ライン用バッファ167の初期化を実行する。検索ライン用バッファ167を初期化することにより、最初の検索対象が上ラインL1となる。
続くステップS2404では、ライン判定処理を実行する。ライン判定処理では、入賞判定処理において既に説明したように、成立判定情報を作成する処理を実行する(図37参照)。但し、優先ライン変更処理におけるライン判定処理では、既に停止指令が発生しているリールのみが判定の対象となるため、ステップS1902の処理を実行しない。つまり、第1停止対象として停止処理が完了しているリール及び第2停止対象となっているリールについて、検索ライン上に停止している図柄番号を特定し、それら各図柄番号に対応した図柄対応情報をAND処理する。そして、その結果をRAM106の成立判定用バッファ169に格納する。
その後、ステップS2405では、当選図柄成立判定処理を実行する。当選図柄成立判定処理では、既に説明したようにRAM106の成立判定用バッファ169に格納された成立判定情報のうち第1成立判定情報と、RAM106の当選役判定用バッファ151に格納された当選情報とをAND処理し、その結果をCPU102の当否判定用レジスタに格納する。
続くステップS2406では、CPU102の当否判定用レジスタに格納された当否判定用情報を参照することにより、当選役に対応した図柄の組合せを構成しているか否かを判定する。構成していない場合には、ステップS2407及びステップS2408の処理を実行することなくステップS2409に進む。構成している場合には、ステップS2407に進む。なお、検索ラインが有効ラインでない場合(少なくとも、検索ラインが中ラインL2の場合にはこれに該当する。)には、当選役に対応した図柄の組合せを構成している場合であっても、ステップS2406にて否定判定をする。有効ラインではないラインは、入賞と関係ないからである。
ステップS2407では、今回の検索ラインがRAM106の優先ライン用バッファ156に格納された情報の示す優先ラインと一致するか否かを判定する。一致する場合には、ステップS2408〜S2419の処理を実行することなくステップS2420に進み、一致しない場合には、ステップS2408に進む。
ステップS2408では、RAM106の書換えライン用バッファ172に今回の検索ラインを示す情報を格納するとともに、RAM106の第1確認情報用バッファ173に第1確認情報を格納する。第1確認情報とは、書換えライン用バッファ172に入賞に関して書き換えるべきラインの情報が格納されているか否かを判定するための情報であり、具体的には、1ビットのフラグを格納する。
続くステップS2409では、第1確認情報用バッファ173に第1確認情報が格納されているか否かを判定する。第1確認情報が格納されている場合には、ステップS2410〜S2415の処理を実行することなくステップS2416に進み、第1確認情報が格納されていない場合には、ステップS2410に進む。すなわち、検索ライン上で当選役に対応した図柄の組合せを構成していない場合(但し、検索ラインが有効ラインでない場合を除く。)には、ステップS2410に進む。
ステップS2410では、RAM106の第2確認情報用バッファ174に第2確認情報が格納されているか否かを判定する。第2確認情報とは、書換えライン用バッファ172に引込ビット情報に関して書き換えるべきラインの情報が格納されているか否かを判定するための情報であり、具体的には、1ビットのフラグを格納する。第2確認情報が格納されている場合には、ステップS2411〜ステップS2415の処理を実行することなくステップS2416に進み、第2確認情報が格納されていない場合には、ステップS2411に進む。
ステップS2411では、引込ビット情報検索用バッファ162の合成処理を実行する。かかる合成処理では、ステップS2402の引込ビット情報設定処理にて引込ビット情報が格納されているリール用バッファに関して今回の検索ライン上にある各バッファの情報をAND処理する。このAND処理については上述したとおりであるので、詳細な説明は省略する。
続くステップS2412では、ステップS2411にて取得した引込ビット情報合成値が「00」か否かを判定する。引込ビット情報合成値が「00」の場合には、ステップS2413〜ステップS2415の処理を実行することなくステップS2416に進み、引込ビット情報合成値が「00」でない場合には、ステップS2413に進む。
ステップS2413では、RAM106の書換えライン用バッファ172に今回の検索ラインを示す情報を格納する。続くステップS2414では、今回の検索ラインがRAM106の優先ライン用バッファ156に格納された優先ラインの情報と一致するか否かを判定する。一致しない場合には、ステップS2415の処理を実行することなくステップS2416に進み、一致する場合には、ステップS2415にてRAM106の第2確認情報用バッファ174に第2確認情報を格納した後にステップS2416に進む。
ステップS2416では、検索ライン用バッファ167を参照することにより、全ての検索ラインに対してステップS2404〜ステップS2415の処理を実行したか否かを判定する。詳細には、ステップS2404〜S2415の処理は、組合せラインL1〜L5の全てに対して実行され、さらにその順番は上ラインL1→中ラインL2→下ラインL3→右下がりラインL4→右上がりラインL5となっている。したがって、ステップS2316では、検索ラインが右上がりラインL5か否かを判定する。なお、検索ラインに中ラインL2を含めない構成としてもよい。中ラインL2は有効ラインとして設定されることがないからである。また、検索ラインに有効ラインでない組合せライン(以下、「非有効ライン」とも言う。)を含めない構成としてもよい。
検索が完了していない場合には、ステップS2417にて検索ラインの更新を実行した後に、ステップS2404に戻る。これにより、更新された検索ラインに対してステップS2404〜S2415の処理を実行する。一方、検索が完了している場合には、ステップS2418に進む。
ステップS2418では、RAM106の書換えライン用バッファ172を参照することにより、書換えラインの情報が有るか否かを判定する。書換えラインの情報がない場合には、ステップS2419の処理を実行することなくステップS2420に進む。書換えラインの情報が有る場合には、ステップS2419にて書換えライン用バッファ172の情報を優先ライン用バッファ156に格納する。つまり、優先ラインの変更を実行する。その後、ステップS2420に進む。
ステップS2420では、RAM106の書換えライン用バッファ172、及び第1,第2確認情報用バッファ173,174を初期化する。その後、優先ライン変更処理を終了する。なお、ステップS2420における処理を、ステップS2403にて合わせて実行する構成としてもよい。また、本スロットマシン10では、優先ライン変更処理を実行するために、RAM106に書換えライン用バッファ172を設け、当該バッファ202に格納された情報に基づいて優先ラインの変更を実行する構成としたが、これに代えて、CPU102に書換えライン用レジスタを設け、当該レジスタに格納された情報に基づいて優先ラインの変更を実行する構成としてもよい。
上記優先ライン変更処理が実行されることにより、停止指令が発生しているリールの停止出目又は停止予定の出目に対応させて優先ラインが変更される。かかる優先ラインの変更に際しては上記各処理で説明したように、いずれの役にも当選していない場合には優先ラインの変更が行われない。また、既に設定されている優先ライン上に当選役と対応した図柄の組合せが停止する可能性がある場合には、優先ラインの変更が行われない。
一方、既に設定されている優先ラインではない有効ライン上に当選役と対応した図柄の組合せが停止する可能性がある場合には、優先ラインがその有効ラインに変更される。具体的には、図48(a)に示すように、既に設定されている有効ラインが右上がりラインL5でありスイカ役が当選している状況において、下段に「スイカ」図柄が並んだ場合には、優先ラインが右上がりラインL5から下ラインL3に変更される。
また、優先ラインを含めた有効ライン上において当選役に対応した図柄の組合せが停止する可能性がない場合には、引込ビット情報合成値が「00」とならないラインに優先ラインが変更される。具体的には、上述したようにBB当選状況においてはいわゆるリーチ目が出現するようになっている。例えば、リーチ目としては、「白7」図柄、「赤7」図柄、「青年」図柄が左から一列に並ぶ態様がある。この場合に、図48(b)に示すように、既に設定されている有効ラインが右下がりラインL4である状況において、上段に「白7」図柄及び「赤7」図柄が並んだ場合には、中リール32Mに関して中段の引込ビット情報が「00」であるのに対して上段の引込ビット情報が「00」ではない。したがって、右下がりラインL4については引込ビット情報合成値が「00」となるのに対して上ラインL1について引込ビット情報合成値が「00」とならないため、優先ラインが右下がりラインL4から上ラインL1に変更される。
第2停止処理の説明に戻り、優先ライン変更処理を実行した後は、ステップS2205にて第2停止以降用優先順位情報作成処理を実行する。
第2停止以降用優先順位情報作成処理では、第1停止処理において既に説明したように、図27におけるステップS1401〜S1405の処理を実行する。但し、第1停止処理における第2停止以降用優先順位情報作成処理では、2つのリール(中リール32M及び右リール32R)に関して優先順位情報の作成を実行したが、第2停止処理における第2停止以降用優先順位情報作成処理では、未だに停止指令が発生していないリールは1つだけであるので、そのリールに関してのみ優先順位情報の作成を実行する。また、ステップS1403の判定値算出情報作成処理においては、既に停止指令が発生している2つのリールの停止出目又は停止予定の出目に対して、残り1つのリールについて各図柄番号が基点位置に停止した場合を想定し、その想定した対象図柄番号について判定値算出情報を作成する。ここで、判定値算出情報作成処理におけるステップS1504の入賞判定処理では、第2停止処理において特有の処理を実行する。かかる特有の処理を、図35のフローチャートに基づいて以下に説明する。
第1停止処理における入賞判定処理では、停止指令の発生しているリールが1つであるため、ステップS1805にて否定判定をする。これに対して第2停止処理における入賞判定処理では、停止指令の発生しているリールが2つであるため、ステップS1805にて肯定判定をし、ステップS1807〜S1810の不当入賞用処理を実行する。
不当入賞とは、抽選の対象となっている役を構成する図柄の組合せが、その役に当選していないにも関わらず有効ライン上に停止してしまうことをいう。そして、不当入賞用処理では、不当入賞が発生してしまう図柄番号について、不当入賞が発生しない図柄番号よりも確実に優先順位判定値が小さくなるように判定値算出情報を作成する。
当該不当入賞用処理では、先ずステップS1807にて、今回の不当入賞用処理において不当入賞か否かの判定対象となる役の情報を設定すべく、不当入賞用のマスク情報の設定処理を実行する。
ここで、不当入賞用のマスク情報の設定処理について詳細に説明する。上述したとおり本スロットマシン10では遊技状態として通常遊技状態とBB状態とがある。この場合に、再遊技、BB役及び小役は、通常遊技状態においては抽選の対象となっている役であるが、BB状態中においては抽選の対象となっていない役である。よって、これら再遊技、BB役及び小役に関しては、通常遊技状態の場合に不当入賞か否かの判定対象となる役の情報として設定する必要があり、BB状態中の場合に不当入賞か否かの判定対象となる役の情報として設定しないようにする必要がある。また、JAC役は、通常遊技状態において抽選の対象となっていない役であるが、BB状態中において抽選の対象となっている役である。よって、JAC役に関しては、通常遊技状態の場合に不当入賞か否かの判定対象となる役の情報として設定しないようにする必要があり、BB状態中の場合に不当入賞か否かの判定対象となる役の情報として設定する必要がある。
そこで、ステップS1807では、不当入賞か否かの判定対象となる役が遊技状態などに応じたものとなるように不当入賞用のマスク情報を選択し、それを設定する。マスク情報は、ROM105のマスク情報記憶領域105hに記憶されており、当該マスク情報記憶領域105hには、遊技状態などに応じたマスク情報が複数記憶されている。なお、マスク情報の設定は、今回のマスク情報をCPU102に設けられたマスク情報用レジスタに記憶させることにより行われるが、RAM106にマスク情報用バッファを設けてそこに記憶させる構成としてもよい。
不当入賞用のマスク情報は、成立判定情報に対応させて2バイトで構成されている。すなわち、マスク情報は、成立判定情報のうち第1成立判定情報に対応した第1マスク情報と、第2成立判定情報に対応した第2マスク情報とから構成されている。このうち第1マスク情報には、不当入賞か否かの判定対象となる役の役対応情報(図39参照)において「1」が格納されたビットと対応するビットに「1」が格納されている。具体的には、通常遊技状態の場合に設定されるマスク情報の第1マスク情報は、再遊技、第1〜第3BB役、スイカ役、ベル役、チェリー役のそれぞれの役対応情報と対応させて各ビットに「1」が格納されており、「01111111」となっている。すなわち、不当入賞用の第1マスク情報は、不当入賞か否かの判定対象となる全ての役の役対応情報をOR処理した情報と言える。なお、第2マスク情報は、後述する蹴飛ばし用処理において使用される情報であるため、ここでは説明を省略する。
不当入賞用処理において続くステップS1808では、不当入賞判定処理を実行する。不当入賞判定処理では、図49に示すように、先ずステップS2501にて、CPU102のマスク情報用レジスタに記憶されたマスク情報を算出用情報に変更する処理を行う。具体的には、RAM106の当選役判定用バッファ151に格納された当選情報の各ビットを反転させて、それをマスク情報用レジスタに記憶されたマスク情報の第1マスク情報とAND処理し、算出用情報に変更する。この算出用情報は、マスク情報と同様に2バイトで構成されており、元のマスク情報のうち第1マスク情報は変更されているが、第2マスク情報はそのままとなっている。
続くステップS2502では、回避用情報を作成する処理を行う。具体的には、RAM106の成立判定用バッファ169に格納された成立判定情報を取得し、その取得した成立判定情報に対して上記算出用情報をAND処理し、回避用情報を作成する。詳細には、回避用情報は、それぞれ2バイトで構成された成立判定情報と算出用情報との対応する各ビットをAND処理することにより作成される。したがって、回避用情報は2バイトで構成されており、第1回避用情報と第2回避用情報とを有する。
不当入賞が発生する場合には、上記のように作成した回避用情報のうち第1回避用情報のいずれかのビットに「1」が格納されている。これについて、通常遊技状態における第1BB役に関して、不当入賞が発生しない場合と不当入賞が発生する場合とを例示してそれぞれ説明する。
先ず不当入賞が発生しない場合について説明する。通常遊技状態において設定されるマスク情報の第1マスク情報は、上記のとおり「01111111」となっている。また、通常遊技状態において第1BB役に当選している場合には、当選情報は「00000010」となる。この場合の第1算出用情報は、第1マスク情報の「01111111」と当選情報の反転である「11111101」とをAND処理することにより、「01111101」となる。また、検索ライン上に第1BB役の入賞図柄の組合せが停止している場合には、成立判定情報の第1成立判定情報は、「00000010」となる。したがって、この場合における回避用情報の第1回避用情報は、「01111101」と「00000010」とをAND処理することにより「00000000」となる。
次に不当入賞が発生する場合について説明する。通常遊技状態において設定されるマスク情報の第1マスク情報は、上記のとおり「01111111」となっている。また、通常遊技状態において何れの役にも当選していない場合には、当選情報は「00000000」となる。この場合の第1算出用情報は、第1マスク情報の「01111111」と当選情報の反転である「11111111」とをAND処理することにより、「011111111」となる。また、検索ライン上に第1BB役の入賞図柄の組合せが停止している場合、成立判定情報の第1成立判定情報は、上記のとおり「00000010」となる。したがって、この場合の回避用情報の第1回避用情報は、「01111111」と「00000010」とをAND処理することにより「00000010」となる。
図35の説明に戻り、ステップS1809では、上記不当入賞判定処理において作成した第1回避用情報のいずれかのビットに「1」が格納されているか否かを判定することにより、不当入賞が発生するか否かを判定する。但し、検索ラインが非有効ラインの場合には、第1回避用情報のいずれかのビットに「1」が格納されていたとしても、不当入賞が発生しないと判定する。非有効ラインは入賞とは無関係なラインだからである。
不当入賞が発生しない場合には、そのままステップS1811に進み、当該ステップS1811以降の処理を実行する。一方、不当入賞が発生してしまう場合には、ステップS1810にて今回の対象図柄番号における判定値算出情報用バッファBの全ビットを「0」クリアした後に、入賞判定処理を終了する。
ここで、上述したように、判定値算出情報用バッファBにおける不当入賞判定ビットは初期値で「1」が格納されている。これに対して、不当入賞が発生すると判定した場合、不当入賞判定ビットを含めた全ビットを「0」クリアする。したがって、不当入賞が発生しない対象図柄番号の優先順位判定値に対して不当入賞が発生してしまう対象図柄番号の優先順位判定値を小さくすることができ、そのリールにおける不当入賞の発生してしまう図柄番号が基点位置に停止することが防止され、不当入賞の発生を防止することができる。
また、第1停止処理における入賞判定処理では、停止指令の発生しているリールが1つであるため、ステップS1825にて否定判定をする。これに対して第2停止処理における入賞判定処理では、停止指令の発生しているリールが2つであるため、ステップS1825にて肯定判定をし、ステップS1827〜S1830の蹴飛ばし用処理を実行する。
蹴飛ばし用処理とは、蹴飛ばし目の出現を回避するための処理である。蹴飛ばし目とは、不当入賞を構成しない停止出目(図柄の組合せ又は図柄の停止態様)ではあるが、役の当選状況や遊技状態に関連して出現させると遊技者を混乱させるおそれのある停止出目のことをいう。本スロットマシン10において具体的には、BB非当選状況におけるリーチ目、及びスイカ役(すなわち、取りこぼし可能性役)の取りこぼし時に出現させる代替目であって取りこぼし可能性役非当選時の代替目が蹴飛ばし目として設定されている。
ここで、上記リーチ目について具体的には、「赤7」図柄,「白7」図柄,「青年」図柄,「バー」図柄が任意の組合せで、いずれかのライン上(有効ライン及び非有効ラインの両方)に停止する場合が該当する(以下、当該リーチ目を汎用リーチ目ともいう)。また、抽選の対象となっている役に対応した図柄の組合せが、非有効ライン(少なくとも中ラインL2を含む)上に停止する場合が該当する。また、上記代替目について具体的には、図40に示すように、「バー」図柄及び「スイカ」図柄の所定のパターンの組合せがいずれかのライン上に停止する場合と、「スイカ」図柄,「青年」図柄,「青年」図柄がこの順でいずれかのライン上に停止する場合とが該当する。
また、蹴飛ばし目としては、上記以外にも、再遊技などといった取りこぼしの可能性がない役の入賞成立時に合わせて出現するリーチ目や代替目が設定されている。さらに、抽選の対象となっていない役に対応した図柄の組合せが有効ライン上に停止する場合が、蹴飛ばし目として設定されている。なお、抽選の対象となっていない役に対応した図柄の組合せが有効ライン上に停止する場合を、蹴飛ばし目として設定するのではなく、不当入賞として設定する構成としてもよい。
蹴飛ばし用処理では、先ずステップS1827にて、今回の蹴飛ばし用処理において蹴飛ばし目か否かの判定対象となる停止出目の情報を設定すべく、蹴飛ばし用のマスク情報の設定処理を実行する。
ここで、蹴飛ばし用のマスク情報の設定処理について詳細に説明する。蹴飛ばし用のマスク情報は、ROM105のマスク情報記憶領域105hに記憶されており、不当入賞用のマスク情報と同様に、第1マスク情報と第2マスク情報とからなる2バイトで構成されている。
このうち、第1マスク情報により、抽選の対象となっている役に対応した図柄の組合せが非有効ライン上に停止する場合と、抽選の対象となっていない役に対応した図柄の組合せが有効ライン上に停止する場合とが、蹴飛ばし目か否かの判定対象となる停止出目の情報として設定される。上記のとおり、第1マスク情報は成立判定情報のうち入賞に関する第1成立判定情報と対応しているからである。
この第1マスク情報について、通常遊技状態の場合を例にとって具体的に説明する。BB非当選状況においては、今回の検索ラインが非有効ラインの場合、抽選の対象となっている役に対応した図柄の組合せの情報が第1マスク情報に設定されている。すなわち、第1マスク情報は、再遊技、第1〜第3BB役、スイカ役、ベル役、チェリー役のそれぞれの役対応情報と対応させて各ビットに「1」が格納されており、「01111111」となっている。また、今回の検索ラインが有効ラインの場合、抽選の対象となっていない役に対応した図柄の組合せの情報が第1マスク情報に設定されている。すなわち、JAC役については通常遊技状態において抽選の対象となっていない役であるため、JAC役の役対応情報において「1」が格納されたビットと対応するビットに「1」が格納されており、「10000000」となっている。
ちなみに、第1マスク情報が「01111111」となったマスク情報や、「10000000」となったマスク情報は、上記のとおり不当入賞用のマスク情報としても設定される。つまり、不当入賞用のマスク情報が蹴飛ばし用のマスク情報として兼用されており、ROM105におけるマスク情報用の記憶容量の削減が図られている。なお、これら不当入賞用のマスク情報が蹴飛ばし用のマスク情報として兼用されていることは必須ではなく、それぞれのマスク情報を別々に設けてもよい。
一方、BB当選状況においては、今回の検索ラインが非有効ラインの場合、BB非当選状況の場合と異なり、第1マスク情報は「00000000」となっている。これに対して、今回の検索ラインが有効ラインの場合、BB非当選状況の場合と同様に、第1マスク情報は「10000000」となっている。抽選の対象となっていない役に対応した図柄の組合せは、上記のとおり、リーチ目ではない蹴飛ばし目だからである。
また、第2マスク情報により、汎用リーチ目又は代替目がいずれかのライン上に成立する場合が、蹴飛ばし目か否かの判定対象となる停止出目の情報として設定される。上記のとおり、第2マスク情報は成立判定情報のうち蹴飛ばしに関する第2成立判定情報に対応しているからである。
この第2マスク情報について、通常遊技状態の場合を例にとって具体的に説明する。BB当選状況でもスイカ当選状況でもない場合には、汎用リーチ目及び代替目の両方の情報が第2マスク情報にて設定されている。すなわち、第2マスク情報は、図40に示した全ての蹴飛ばし対応情報と対応させて各ビットに「1」が格納されており、「00001111」となっている。また、BB当選状況でなくスイカ当選状況である場合には、図40にて示した蹴飛ばし対応情報のうち汎用リーチ目の蹴飛ばし対応情報と対応させて各ビットに「1」が格納されており、「00000001」となっている。また、BB当選状況であってスイカ当選状況でない場合には、図40に示した蹴飛ばし対応情報のうち代替目の蹴飛ばし対応情報と対応させて各ビットに「1」が格納されており、「00001110」となっている。さらには、BB当選状況であってスイカ当選状況である場合には「00000000」となっている。
ステップS1827では、遊技状態、役の当選状況、及び今回の検索ラインの各情報に基づいて、ROM105のマスク情報記憶領域105hから今回の蹴飛ばし用のマスク情報を選択しそれを設定する。なお、この設定は、不当入賞用処理の場合と同様に、今回のマスク情報をCPU102に設けられたマスク情報用レジスタに記憶させることにより行われるが、RAM106にマスク情報用バッファを設けそこに記憶させる構成としてもよい。
蹴飛ばし用処理において続くステップS1828では、蹴飛ばし目出現判定処理を実行する。蹴飛ばし目出現判定処理では、RAM106の成立判定用バッファ169に格納された成立判定情報を取得し、その取得した成立判定情報に対してマスク情報用レジスタに記憶されたマスク情報をAND処理し、回避用情報を作成する。すなわち、上述した不当入賞判定処理(図49参照)におけるステップS2502の処理のみを行い、回避用情報を作成する。
蹴飛ばし目が出現する場合には、上記のように作成した回避用情報のうち第1回避用情報と第2回避用情報とのいずれかのビットに「1」が格納されている。具体例として、通常遊技状態において検索ラインが有効ラインである場合であっていずれの役にも当選していない場合について、蹴飛ばし目が出現しない場合と蹴飛ばし目が出現する場合とを説明する。なお、かかる場合、第1マスク情報は、上記のとおり「10000000」となっており、第2マスク情報は、上記のとおり「00001111」となっている。
先ず蹴飛ばし目が出現しない場合について説明する。例えば、検索ライン上に「リプレイ」図柄,「スイカ」図柄,「赤7」図柄がこの順で並んでいる場合には、成立判定情報は第1成立判定情報及び第2成立判定情報のいずれもが「00000000」となっている。したがって、この場合の回避用情報は、第1回避用情報及び第2回避用情報のいずれも「00000000」となる。
次に蹴飛ばし目が出現する場合について説明する。例えば、検索ライン上に「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「ベル」図柄がこの順で並んでいる場合には、成立判定情報は第1成立判定情報が「10000000」となり第2成立判定情報が「00000000」となる。したがって、この場合の回避用情報は、第1回避用情報が「10000000」となり、第2回避用情報が「00000000」となる。また、例えば検索ライン上に「赤7」図柄,「白7」図柄,「青年」図柄がこの順で並んでいる場合、成立判定情報は、第1成立判定情報が「000000000」となり、第2成立判定情報が「00000001」となる。したがって、この場合の回避用情報は、第1回避用情報が「00000000」となり、第2回避用情報が「00000001」となる。
蹴飛ばし用処理において続くステップS1829では、上記蹴飛ばし目出現判定処理において作成した回避用情報のいずれかのビットに「1」が格納されているか否かを判定することにより、蹴飛ばし目が出現するか否かを判定する。蹴飛ばし目が出現しない場合には、ステップS1831にて引込ビット情報検索処理を実行し、ステップS1832に進む。一方、蹴飛ばし目が出現する場合には、ステップS1830にて当該対象図柄番号における判定値算出情報用バッファBの蹴飛ばし判定ビットを「0」クリアした後に、ステップS1831の引込ビット情報検索処理を実行することなくステップS1832に進む。つまり、蹴飛ばし目が出現してしまう対象図柄番号に関しては、蹴飛ばし判定ビットが「0」となり、さらに引込ビット及び第2優先ラインビットも「0」となる。
ここで、上述したように、判定値算出情報用バッファBの蹴飛ばし判定ビットには、初期値で「1」が格納されている。これに対して、ステップS1829にて蹴飛ばし目が出現してしまうと判定した場合には、蹴飛ばし判定ビットを「0」クリアする。したがって、判定値算出情報用バッファBの第1バッファB1の態様が同一の対象図柄番号については、蹴飛ばし目が出現しない対象図柄番号の優先順位判定値に対して、蹴飛ばし目が出現してしまう対象図柄番号の優先順位判定値を小さくすることができ、そのリールにおける蹴飛ばし目の出現してしまう図柄番号が基点位置に停止することが極力回避され、蹴飛ばし目の出現を極力回避することができる。
第2停止処理の説明に戻り、ステップS2205にて第2停止以降用優先順位情報作成処理を実行した後は、ステップS2206に進み、RAM106の停止完了情報用バッファ158に停止完了情報が格納されているか否かを判定する。停止完了情報が格納されている場合には、第2停止対象となっているリールの停止が完了しているため、ステップS2207に進む。停止完了情報が格納されていない場合には、ステップS2206の処理を繰り返し実行する。かかる場合、その後、停止用割込み処理にて停止完了情報が格納されることにより、ステップS2206にて肯定判定をし、ステップS2207に進む。ステップS2207では、停止用割込み処理を禁止し、停止完了情報用バッファ158から停止完了情報をクリアする。その後、第2停止処理を終了する。
次に、第3停止処理について図50のフローチャートに基づき説明する。
第3停止処理では、先ずステップS2601にて第2停止以降用スベリ数取得処理を実行する。第2停止以降用スベリ数取得処理の詳細については上述したとおりであるため省略する。かかる第2停止以降用スベリ数取得処理により、第3停止指令に対応したリールのスベリ数が取得される。
続くステップS2602では、停止位置設定処理を実行する。停止位置設定処理では、ステップS2601にて取得したスベリ数に基づいて停止図柄番号を算出し、その算出した停止図柄番号をRAM106の停止位置用バッファ155に格納する。
続くステップS2603では、停止用割込み処理を許可する。停止用割込み処理は上述したとおりであり、かかる処理により第3停止対象となっているリールにおける停止図柄番号の図柄が基点位置に停止するように当該リールの減速処理が実行される。
その後、ステップS2604では、RAM106の停止完了情報用バッファ158に停止完了情報が格納されているか否かを判定する。停止完了情報が格納されている場合には、第3停止対象となっているリールの停止が完了しているため、ステップS2605に進む。停止完了情報が格納されていない場合には、ステップS2604の処理を繰り返し実行する。かかる場合、その後、停止用割込み処理にて停止完了情報が格納されることにより、ステップS2604にて肯定判定をし、ステップS2605に進む。ステップS2605では、停止用割込み処理を禁止し、停止完了情報用バッファ158から停止完了情報をクリアする。その後、第3停止処理を終了する。
次に、第1停止として左リール32L以外のリールを停止させる場合における第1〜第3停止処理について説明する。但し、以下の説明では、第1停止として左リール32Lを停止させる場合に対する相違点について説明する。
上記各停止処理の説明に先立ち、先ずリール回転処理における相違点について説明する。上述したようにリール回転処理(図18参照)では、ステップS704にて変則押し用優先順位情報作成処理を実行する。変則押し用優先順位情報作成処理は、第1停止時において中リール32M又は右リール32Rを停止させる場合を想定して予め各リール32M,32Rに関して停止情報群を作成しておくための処理である。
変則押し用優先順位情報作成処理について図51のフローチャートに基づき説明する。変則押し用優先順位情報作成処理では、先ずステップS2701にてRAM106の対象リール情報用バッファ160に対象リール情報として中リール32Mを示す情報を格納する。続くステップS2702では、予め設定された引込ビットオフセットの情報をRAM106の引込ビットオフセット用バッファ157に格納するとともに、予め設定された優先ラインの情報をRAM106の優先ライン用バッファ156に格納する。
変則押し時の引込ビットオフセット及び優先ラインは、中リール32M及び右リール32Rのそれぞれに対して設定されている。また、変則押し時の引込ビットオフセット及び優先ラインは、スロットマシン10の遊技状況に対応させて設定されており、さらに各遊技状況における各役に対応させて設定されている。但し、再遊技に関しては、遊技状況がBB当選状況であるかBB非当選状況であるかに関係なく、上ラインL1が変則押し時の優先ラインとして設定されている。ステップS2702では、今回の対象リール、遊技状況、及び当選役に対応した引込ビットオフセット及び優先ラインの各情報を、対応するバッファ156,157に格納する。
なお、変則押し時の引込ビットオフセットに関して、中リール32Mを第1停止させる場合に設定される引込ビットオフセットに対しては、多数ある引込ビットテーブルの番号(例えば、100個)のうちから左リール32L用の引込ビットテーブルの番号及び右リール32R用の引込ビットテーブルの番号が割り当てられている。また、右リール32Rを第1停止させる場合に設定される引込ビットオフセットに対しては、多数ある引込ビットテーブルの番号のうちから左リール32L用の引込ビットテーブルの番号及び中リール32M用の引込ビットテーブルの番号が割り当てられている。
続くステップS2703では、判定値算出情報作成処理を実行する。その後、ステップS2704にて、対象リール情報用バッファ160を参照することにより、対象リールが右リール32Rか否かを判定する。対象リールが右リール32Rでない場合には、ステップS2704にて否定判定をし、ステップS2705にて対象リール情報用バッファ160に対象リール情報として右リール32Rの情報を格納した後に、ステップS2702に戻る。そして、右リール32RについてステップS2702及びステップS2703の処理を実行した後に、ステップS2704にて肯定判定することで、変則押し用優先順位情報作成処理を終了する。
変則押し用優先順位情報作成処理における判定値算出情報作成処理について説明する。当該判定値算出情報作成処理においては、第2停止以降用優先順位情報作成処理における判定値算出情報作成処理と同様に図29におけるステップS1501〜S1506の処理を実行する。但し、停止指令が既に発生しているリールが存在しないので、対象リールのみについて各図柄番号が基点位置に停止した場合を想定し、その想定した対象図柄番号について判定値算出情報を作成する。
判定値算出情報作成処理におけるステップS1503の引込ビット情報設定処理(図31参照)に関して、ステップS1601の引込ビット情報展開前準備処理では引込ビット情報検索用バッファ162の初期化のみを実行する。そして、ステップS1602〜S1605の処理により、対象リールの引込ビット情報検索用バッファ162について引込ビット情報を格納する。
今回の判定値算出情報作成処理におけるステップS1504の入賞判定処理(図35参照)では、対象リールが左リール32Lでない場合、ステップS1803にて否定判定をし、ステップS1804にて修正処理を実行する。
修正処理では、図52のフローチャートに示すように、ステップS2801にて左リール32Lが既に停止しているか否かを判定する。左リール32Lが停止している場合には、修正処理を実行することなくそのまま本処理を終了する。左リール32Lが停止していない場合には、ステップS2802に進み、ラインマスク情報の指定があるか否かを判定する。ラインマスク情報は、上述したマスク情報と同様にROM105のマスク情報記憶領域105hに記憶されており、当該マスク情報記憶領域105hには、スロットマシン10の機種毎に対応させたラインマスク情報が記憶されている。本実施の形態では、ラインマスク情報の指定がなされていないため、ステップS2802にて否定判定をし、ステップS2803に進む。ステップS2803では、汎用ラインマスク情報を取得し、当該汎用ラインマスク情報をCPU102に設けられたラインマスク情報用レジスタに記憶させる。なお、RAM106にラインマスク情報用バッファを設けてそこにラインマスク情報を記憶させる構成としてもよい。
汎用ラインマスク情報は、成立判定情報のうち第1成立判定情報と対応させて1バイトで構成されるとともに、チェリー役の役対応情報において「1」が格納されているビットに「0」、他のビットに「1」が格納されている。つまり、汎用ラインマスク情報は、「10111111」となっている。
ステップS2804では、第1成立判定情報の修正を実行する。具体的には、上記汎用ラインマスク情報と第1成立判定情報とをAND処理し、当該結果を新たな第1成立判定情報としてRAM106の成立判定用バッファ169に格納する。かかる処理を実行することにより、第1成立判定情報の各ビットのうち、チェリー役の役対応情報において「1」が格納されているビットの値が「0」に変更される。かかる処理を実行するのは、以下の理由による。
すなわち、上記のとおりチェリー役は、当選となっている場合に有効ライン上に左リール32Lの「チェリー」図柄が停止すれば入賞成立となり中リール32M及び右リール32Rの停止図柄は任意であるため、中リール32M及び右リール32Rについては全ての図柄の第1図柄対応情報においてチェリー役と対応したビットに「1」が格納されている(図38参照)。かかる構成においては、左リール32Lに停止指令が発生しておらず、且つ左リール32Lが対象リールでない場合、第1成立判定情報は常にチェリー役に対応した図柄の組合せを構成している旨の情報を含むこととなる。そうすると、ステップS1813において常にチェリー役に入賞する可能性があると判定し、判定値算出情報の作成を正確に行えなくなってしまう。これに対して、上記のとおり第1成立判定情報の修正処理を実行することにより、かかる不都合の発生を防止することができる。
また、今回の入賞判定処理におけるステップS1816の払出枚数取得処理(図41参照)では、以下の特有の処理を実行する。つまり、変則押し用優先順位情報作成処理が実行されている状況ではいずれのリールに対しても停止指令が発生していないため、ステップS2003にて否定判定をし、ステップS2004に進む。ステップS2004では、ステップS2001にて取得した当否判定用情報に対して、RAM106の判定済み確認用バッファ168の各ビットを反転させた情報をAND処理する。かかる処理を実行することにより、当否判定用情報と入賞済み判定情報とが一致する場合には、その当否判定用情報に関しては全ビットが「0」クリアされる。よって、変則押し用優先順位情報作成処理における払出枚数取得処理では、判定済み確認用情報と同じ当否判定用情報については払出枚数の加算を実行しない。
これは以下の理由による。つまり、ベル役に当選している状況において対象リールが中リール32Mであって対象図柄番号の図柄が1番の「白7」図柄である場合には、図53に示すように、中リール32Mにおける中段に「ベル」図柄が停止することとなる。この場合、上記ステップS2004の処理を実行しない場合を想定すると、検索ラインが右下がりラインL4である場合に、ベル役と対応した払出枚数の情報が判定値算出情報用バッファBの獲得枚数ビットに加算され、さらに検索ラインが右上がりラインL5である場合に、ベル役と対応した払出枚数の情報が獲得枚数ビットに再度加算されてしまう。つまり、獲得枚数ビットに対して実際の払出枚数の情報を2倍した獲得枚数情報が格納されてしまう。
そうすると、判定値算出情報用バッファBにおいて獲得枚数ビットが第1優先ラインビットよりも上位に設定されていることにより、優先ラインを上ラインL1に設定していたとしても、「ベル」図柄が中段に停止する場合の優先順位判定値の方が「ベル」図柄が上段に停止する場合の優先順位判定値よりも大きくなり、実質的に優先ラインが右下がりラインL4又は右上がりラインL5に限定されることとなってしまう。
これに対して、上記ステップS2004の処理を実行することにより、獲得枚数ビットに対して実際の払出枚数の情報を2倍した獲得枚数情報が格納されてしまうことが防止され、停止出目の単調化を防止することができる。
変則押し用優先順位情報作成処理が実行されることにより、第1停止時において中リール32M又は右リール32Rを停止させる場合に用いる各リール32M,32Rの停止情報群が予め作成される。かかる構成において、上述したように変則押し用優先順位情報作成処理は始動用割込み処理が許可されている状況において実行される。つまり、リールの加速処理と、変則押し用の優先順位情報作成処理とが並行して行われる。また、変則押し用優先順位情報作成処理は、リール32L,32M,32Rの加速処理が開始されてから定常回転となるまでの加速期間内で終わるように処理時間が設定されている。これにより、リールの加速処理を実行している期間を有効利用して変則押し用の優先順位情報を作成することができる。また、上記加速期間が経過するまでは、各ストップスイッチ42〜44の停止操作が無効化されているため、変則押し用の優先順位情報の作成が完了していないにも関わらず、リールの停止制御が開始されてしまうことが防止されている。さらには、通常処理において、始動用割込み処理と並行して行われるのは、変則押し用の優先順位情報の作成に関する処理のみであるため、上記のように各処理を併行させるようにした構成において、処理負荷が極端に増大化してしまうことが防止されている。
次にリール停止処理における相違点について説明する。
第1停止処理(図24参照)におけるステップS1101の第1停止用スベリ数取得処理では、RAM106の停止リール特定用バッファ154に格納された停止リール情報が左リール32Lを示す情報でないので、ステップS1201にて否定判定をし、ステップS1207〜S1208の処理を実行する(図25参照)。
ステップS1207では、第2停止以降用スベリ数取得処理を実行する。かかる処理については既に説明したとおりであるので、ここでは説明を省略する。ステップS1208では、停止位置設定処理を実行する。この停止位置設定処理では、ステップS1207の第2停止以降用スベリ数取得処理にて取得したスベリ数に基づいて停止図柄番号を算出し、この算出した停止図柄番号を停止位置情報としてRAM106の停止位置用バッファ155に格納する。
第1停止処理におけるステップS1103では、RAM106の停止リール特定用バッファ154に格納された停止リール情報が左リール32Lを示す情報でないので、否定判定をする。これにより、ステップS1104及びステップS1105の処理を実行する。
このうちステップS1104では、優先ライン変更処理を実行し、優先ラインの変更を行う。第1停止対象が左リール32Lの場合には第1停止処理にて優先ライン変更処理を実行しないのに対して、第1停止対象が左リール32L以外の場合には第1停止処理にて優先ライン変更処理を実行するのは、前者の場合はステップS1101の第1停止用スベリ数取得処理にて第1停止対象のリールの停止図柄番号に対応させて優先ラインを取得しているのに対して、後者の場合はリール回転処理における変則押し用優先順位情報作成処理にて優先ラインを取得しており当該優先ラインが第1停止対象のリールの停止図柄番号と対応していないからである。
ステップS1105では、今後実行する第2停止以降用優先順位情報作成処理にて使用する引込ビットオフセットの情報をRAM106の引込ビットオフセット用バッファ157に格納する。かかる引込ビットオフセットは、変則押し時の第1停止対象となったリールに対応させて設定されている。また、当該引込ビットオフセットは、スロットマシン10の遊技状況に対応させて設定されており、さらに各遊技状況における各役に対応させて設定されている。
ステップS1106では、第2停止以降用優先順位情報作成処理を実行する。ここで、変則押し時における第2停止以降用優先順位情報作成処理では、未だに停止指令が発生していないリールとして左リール32Lが存在するため、左リール32Lが対象リールとなることがある。そして、左リール32Lが対象リールとなる場合には、判定値算出情報作成処理におけるステップS1504の入賞判定処理(図35参照)において、ステップS1807〜ステップS1810の不当入賞用処理及びステップS1827〜ステップS1830の蹴飛ばし用処理に関して特有の処理を実行する。そこで、これら各特有の処理について説明する。
先ず、不当入賞用処理に関して説明する。対象リールが左リール32Lの場合、今回の検索ライン上に左リール32Lの「チェリー」図柄がある場合がある。かかる場合、ステップS1806において肯定判定をし、ステップS1807〜ステップS1810の不当入賞用処理を実行する。この不当入賞用処理については上述したとおりであり、かかる状況において不当入賞用処理を実行することによりチェリー役の不当入賞の発生が防止される。
上記のように、停止指令が発生しているリールが2つに達していなくても、対象リールが左リール32Lであり、検索ライン上に左リール32Lの「チェリー」図柄がある場合に不当入賞用処理を実行するのは、チェリー入賞は有効ライン上に左リール32Lの「チェリー」図柄が停止するだけで成立し、他のリール32M,32Rの停止出目とは無関係だからである。
次に、蹴飛ばし用処理に関して説明する。対象リールが左リール32Lの場合、今回の検索ライン上に左リール32Lの「チェリー」図柄がある場合がある。かかる場合、ステップS1826において肯定判定をし、ステップS1827〜ステップS1830の蹴飛ばし用処理を実行する。この蹴飛ばし用処理については上述したとおりである。
停止指令が発生しているリールが2つに達していなくても、対象リールが左リール32Lであり、検索ライン上に左リール32Lの「チェリー」図柄がある場合に蹴飛ばし用処理を実行するのは、以下の理由による。すなわち、チェリー役が抽選役に設定されている場合に、チェリー入賞は有効ライン上に左リール32Lの「チェリー」図柄が停止するだけで成立する。この場合に、例えばBB状態中のようにチェリー役が当選役に設定されていない状況で、有効ライン上に左リール32Lの「チェリー」図柄が極力停止しないようにするためである。有効ライン上に左リール32Lの「チェリー」図柄が停止したにも関わらずチェリー入賞が成立しないと、遊技者の混乱を招くこととなってしまうからである。また、非有効ライン(少なくとも、中ラインL2を含む)上に、抽選の対象となっている役に対応した図柄の組合せが停止することは、リーチ目の出現として設定されている。この場合に、BB非当選状況で非有効ライン上に左リール32Lの「チェリー」図柄が停止すると、それはリーチ目の出現を意味してしまうからである。
第1停止処理では、上記相違点を除き、第1停止として左リール32Lを停止させる場合と同様の処理が実行される。また、第2停止処理及び第3停止処理においても、第1停止として左リール32Lを停止させる場合と同様の処理が実行される。つまり、第2停止処理では、第1停止処理にて作成した優先順位情報に基づいてスベリ数を取得し、第2停止対象のリールの停止位置を設定するとともに、未だに停止指令が発生していないリールに対して優先順位情報を作成する。第3停止処理では、第2停止処理にて作成した優先順位情報に基づいてスベリ数を取得し、第3停止対象のリールの停止位置を設定する。したがって、第1停止として左リール32L以外のリールを停止させる場合は、全てのリール32L,32M,32Rを優先順位情報によってスベリ数を取得し停止位置を設定することとなる。
以上説明したように、本スロットマシン10では、第1停止として左リール32Lを停止させる場合の当該左リール32Lを除き、基本的にリール32L,32M,32Rの回転開始後に作成された優先順位情報に基づいて各リールの停止位置が設定される。かかる構成において、優先順位情報を構成する各判定値算出情報用バッファBには、上述したとおり複数種のビットが設定されている(図28(b)参照)。そして、これら複数種のビットはそれぞれ特徴的な機能を有し、さらに複数種のビットの2バイト内における割り当て順も特徴的なものとなっている。そこで、判定値算出情報用バッファBに割り当てられた各ビットについて以下に説明する。
判定値算出情報用バッファBは、上位情報用バッファとして第1バッファB1を有し、下位情報用バッファとして第2バッファB2を有する。そして、第2バッファB2よりも第1バッファB1に「1」が格納されているほど優先順位判定値は大きくなる。また、第1,第2バッファB1,B2を個別に見た場合には、各バッファB1,B2内における上位のビットに「1」が格納されているほど優先順位判定値は大きくなる。
かかる構成において、第1バッファB1には、上位側から見て、不当入賞判定ビット、再遊技ビット、BB役ビット、小役ビット、及び獲得枚数ビットが割り当てられている。また、第2バッファB2には、上位側から見て、蹴飛ばし判定ビット、第1優先ラインビット、引込ビット、及び第2優先ラインビットが割り当てられている。
不当入賞判定ビットを最上位に割り当てることにより、不当入賞が発生する図柄の優先順位判定値を他の図柄に対して最小の値とすることができる。つまり、上述したように不当入賞判定ビットには初期値として「1」が格納されており、不当入賞が発生する対象図柄番号については少なくとも不当入賞判定ビットがクリアされる。よって、不当入賞の発生する図柄番号の判定値算出情報用バッファBでは、少なくとも最上位の値が「0」となり、優先順位判定値が不当入賞の発生しない図柄番号に対して最小となる。これにより、スベリ数の取得に際して、不当入賞の発生する図柄番号が停止してしまうことを回避し、不当入賞を確実に防止することができる。
入賞役に対応した、再遊技ビット、BB役ビット、小役ビット(以下、「入賞役ビット」とも言う。)が不当入賞判定ビットの次に割り当てられている、すなわち入賞役ビットが不当入賞判定ビットを除いて最上位に割り当てられていることにより、入賞が発生する図柄番号及び入賞を構成する図柄番号の優先順位判定値を他の図柄番号に対して大きくすることができる。これにより、本スロットマシン10におけるリールの停止制御において、入賞の発生が確実に優先され、遊技者の利益が担保される。
また、入賞役ビットにおいては、再遊技、BB役、及び小役のそれぞれに対して個別にビットが割り当てられている。これにより、再遊技入賞が発生する図柄番号、BB入賞が発生する図柄番号、及び小役入賞が発生する図柄番号の優先順位判定値がそれぞれ異なるものとなり、複数の役に同時に当選している状況において各当選役に対応させて図柄を停止させることができる。
なお、入賞役ビットにおいては上位側から見て、再遊技ビット、BB役ビット、小役ビットの順で割り当てられている。よって、例えば、再遊技とBB役に同時に当選している場合には再遊技入賞が優先され、BB役と小役に同時に当選している場合にはBB入賞が優先される。具体的には、BB当選状況においてスイカ役に当選している場合には、BB入賞を成立させることができるのであればスイカ入賞の成立が可能な場合であってもBB入賞の成立が優先される。一方、BB入賞を成立させることができない場合にスイカ入賞の成立が可能な場合には、スイカ入賞が成立することとなる。
獲得枚数ビットが割り当てられていることにより、複数の小役に同時に当選した場合には、払出枚数の多い小役入賞が発生する図柄番号の優先順位判定値が、払出枚数の少ない小役入賞が発生する図柄番号の優先順位判定値よりも大きくなる。よって、払出枚数の多い小役入賞が優先され、遊技者の利益が担保される。
また、獲得枚数ビットには、入賞判定処理にて各有効ラインの検索を実行していく中で役の入賞が発生する図柄番号を検出するごとにその入賞役に対応した払出枚数の情報が加算される。したがって、遊技者にとって有利な停止出目が優先される。
具体的には、例えば、スイカ役に当選している状況において、図54(a)に示すように、下段に左リール32Lの14番の「スイカ」図柄が停止した場合には、左リール32Lにおいて上段と下段に「スイカ」図柄が停止することとなる。かかる状況において、図54(b)に示す中段に中リール32Mの「スイカ」図柄が停止することとなる12番の図柄の獲得枚数情報が、図54(c)に示す下段に「スイカ」図柄が停止することとなる13番の図柄の獲得枚数情報よりも大きくなる。つまり、前者の方が後者よりも優先順位判定値が大きくなる。よって、図54(b)に示す停止出目が図54(c)に示す停止出目よりも優先されることとなる。この場合、右リール32Rの停止時において上段又は下段のいずれに「スイカ」図柄が停止したとしてもスイカ入賞が発生することとなるため、スイカ役の取りこぼしが発生しづらくなる。つまり、遊技者にとって有利な停止出目が優先されることとなる。
不当入賞判定ビットと蹴飛ばし判定ビットとがそれぞれ割り当てられていることにより、不当入賞が発生してしまう場合の図柄番号よりも、蹴飛ばし目が出現してしまう場合の図柄番号の優先順位判定値を大きくすることができる。これにより、不当入賞の発生又は蹴飛ばし目の出現のいずれかが避けられない場合に、蹴飛ばし目の出現を優先させることができる。
具体的には、いずれの役にも当選していない状況において、中リール32Mと右リール32Rとが停止し、図55(a)に示すように、右下がりラインL4上に「青年」図柄が2個並ぶ場合が想定される。この場合に、第3停止において下段に左リール32Lの8番の「ベル」図柄が到達しているタイミングで左ストップスイッチ42を停止操作された場合には、図55(b)〜(f)の停止態様が想定される。
かかる状況において、図55(b)では、右下がりラインL4上に「青年」図柄が3個揃ってしまうため、不当入賞の発生となる。図55(c)では、上ラインL1上及び右下がりラインL4上に左リール32Lの「チェリー」図柄が停止してしまうため、不当入賞の発生となる。図55(d)では、中ラインL2上に左リール32Lの「チェリー」図柄が停止してしまうため、本スロットマシン10における蹴飛ばし目の出現となる。図55(e)では、下ラインL3上及び右上がりラインL5上に左リール32Lの「チェリー」図柄が停止してしまうため、不当入賞の発生となる。図55(f)では、右下がりラインL4上に「スイカ」図柄、「青年」図柄、「青年」図柄が並んでしまうため、本スロットマシン10における蹴飛ばし目の出現となる。
この場合に、不当入賞が発生してしまう場合の図柄番号の優先順位判定値と蹴飛ばし目が出現してしまう場合の図柄番号の優先順位判定値とが同一であると、図55(b)〜(f)のいずれも優先順位判定値が同一となる。そして、本スロットマシン10では、優先順位判定値が同一である場合、スベリ数の小さい図柄が優先して停止されるため、図55(b)の停止出目となり、第3BB役の不当入賞となってしまう。
これに対して、不当入賞判定ビットと蹴飛ばし判定ビットを別個に割り当てた本構成においては、不当入賞が発生してしまう場合の図柄番号よりも、蹴飛ばし目が出現してしまう場合の図柄番号の優先順位判定値が大きくなる。したがって、図55(b),(c),(e)の場合よりも図55(d),(f)の場合の停止出目が優先され、不当入賞の発生を防止することができる。
蹴飛ばし判定ビットについては既に説明したとおりである。蹴飛ばし判定ビットは獲得枚数ビットよりも下位となるように割り当てられている。これにより、複数の小役に同時に当選している場合に、蹴飛ばし目の出現を避けるために払出枚数の少ない小役の入賞が発生してしまうことを防止することができる。
具体的には、チェリー役とスイカ役の複合役に当選した状況において、変則押しで中リール32Mと右リール32Rとが停止し、図56(a)に示すように、下段で「スイカ」図柄が2個並ぶとともに、中段で「赤7」図柄と「青年」図柄とが並ぶ場合が想定される。この場合に、第3停止において下段に左リール32Lの0番の「スイカ」図柄が到達しているタイミングで左ストップスイッチ42が停止操作された場合には、図56(b)に示すようにスイカ入賞が可能であり、さらに図56(c)に示すようにチェリー入賞が可能となる。スイカ入賞が成立すると、払出枚数は6枚である。一方、チェリー入賞が成立すると、上ラインL1及び右下がりラインL4のそれぞれで入賞が成立することとなるため、払出枚数は8枚である。
かかる状況において、図56(c)に示すようにチェリー入賞が成立すると、中ラインL2上に「白7」図柄、「赤7」図柄、「青年」図柄が並び、蹴飛ばし目が出現してしまう。この場合に、蹴飛ばし判定ビットが獲得枚数ビットよりも上位となるように割り当てられている場合を想定すると、左リール32Lの0番の「スイカ」図柄の方が1番の「リプレイ」図柄よりも優先順位判定値が大きくなってしまうため、スイカ入賞が優先されてしまう。この場合、8枚のメダル払出よりも6枚のメダル払出の方が優先されることとなるため、遊技者にとっては本来得られるはずであった利益を消失してしまったこととなる。これに対して、蹴飛ばし判定ビットが獲得枚数ビットよりも下位となるように割り当てた本構成においては、左リール32Lの1番の「リプレイ」図柄の方が0番の「スイカ」図柄よりも優先順位判定値が大きくなり、チェリー入賞が優先される。よって、遊技者の利益が担保される。
第1優先ラインビットが割り当てられていることにより、いずれかの役に当選している場合に、優先ライン上への当選役に対応した図柄の停止が優先されることとなる。また、第1優先ラインビットが獲得枚数ビットよりも下位となるように割り当てられていることにより、獲得枚数ビットを割り当てたことによる効果を確実に奏することができる。つまり、第1優先ラインビットが獲得枚数ビットよりも上位となるように割り当てられている場合を想定すると、図54に示す状況で優先ラインが下ラインL3である場合には、図54(c)に示す停止出目が図54(b)に示す停止出目よりも優先されることとなる。そうすると、「スイカ」図柄のダブルテンパイが発生しなくなり上述した効果を奏することができないからである。
第1優先ラインビットが蹴飛ばし判定ビットよりも下位となるように割り当てられていることにより、BB非当選状況においてチェリー入賞が成立する場合に、蹴飛ばし目が出現してしまうことを防止することができる。
具体的には、BB非当選状況においてチェリー役に当選している場合に、図57(a)に示すように、中リール32Mと右リール32Rが停止し、非有効ラインたる中ラインL2上に「ベル」図柄が並ぶことがある。この場合に、第3停止において下段に左リール32Lの1番の「リプレイ」図柄が到達しているタイミングで左ストップスイッチ42が停止操作された場合には、図57(b)に示すように左リール32Lの「チェリー」図柄が上段に停止してチェリー入賞が成立する場合と、図57(c)に示すように左リール32Lの「チェリー」図柄が下段に停止してチェリー入賞が成立する場合とが考えられる。
かかる状況において、優先ラインが右上がりラインL5である場合には、「チェリー」図柄が下段に停止する3番の図柄の第1優先ラインビットに「1」が格納され、「チェリー」図柄が上段に停止する1番の図柄の第1優先ラインビットに「1」は格納されない。但し、3番の図柄が下段に停止すると、図57(c)に示すように、中ラインL2上に「ベル」図柄が揃い、本スロットマシン10においては蹴飛ばし目が出現したこととなる。したがって、3番の図柄の蹴飛ばし判定ビットはクリアされる。
この場合に、第1優先ラインビットが蹴飛ばし判定ビットよりも上位となるように割り当てられている場合を想定すると、3番の図柄の優先順位判定値が1番の図柄の優先順位判定値よりも大きくなり、図57(c)に示す停止出目が優先されることとなる。そうすると、蹴飛ばし目が出現してしまう。これに対して、第1優先ラインビットが蹴飛ばし判定ビットよりも下位となるように割り当てられている本構成においては、1番の図柄の優先順位判定値が3番の図柄の優先順位判定値よりも大きくなり、図57(b)に示す停止出目が優先されることとなる。これにより、蹴飛ばし目の出現を防止することができる。
引込ビットについては既に説明したとおりである。また、引込ビットを第1優先ラインビットよりも下位に割り当てたため、当選役の入賞に関わる図柄の優先順位判定値を当選役の入賞に関わらない図柄の優先順位判定値よりも大きくすることができ、当選役の入賞を優先させることができる。加えて、第2優先ラインビットを割り当てたため、リーチ目などといった所定の図柄の組合せを停止させる場合に、かかる図柄の組合せの優先ライン上への停止を優先させることができる。
ここで、本スロットマシン10では、リーチ目のうち、抽選の対象となっている役に対応した図柄又は図柄の組合せが非有効ラインたる中ラインL2上に停止する停止出目を、積極的に出現させることができる。そこで、かかる構成について、ベル役に対応した図柄の組合せを中ラインL2上に積極的に停止させる場合を例にとって具体的に説明する。
既に説明したとおり、左リール32Lを第1停止させる場合、基点位置に停止させる停止図柄番号はスベリテーブルに基づいて決定され、さらに優先ラインもスベリテーブルに基づいて決定される。この場合に、例えば第2BB当選状況であって他の役に当選していない状況では、第2BB役と対応した「白7」図柄を有効ライン上に停止させることができない停止タイミングに対して、「ベル」図柄が中ラインL2上に停止するように設定されており、さらに優先ラインが下ラインL3上に設定されている。
上記のようにスベリテーブルが設定された構成において、中リール32M及び右リール32Rの引込ビットテーブルは、第2BB当選状況であって他の役に当選していない場合に、「ベル」図柄の付された図柄番号に対して番号が「1」小さい図柄番号の引込ビット情報がリーチ目の形成に寄与しない図柄番号に対して大きく設定されている。これにより、引込ビット情報検索処理(図42参照)では、中リール32M及び右リール32Rに関して、「ベル」図柄の付された図柄番号に対して番号が「1」小さい図柄番号が優先ライン上に停止する場合の引込ビット情報合成値が、リーチ目の形成に寄与しない図柄番号が優先ライン上に停止する場合の引込ビット情報合成値よりも大きくなる。そして、スベリテーブルにおいて優先ラインが下ラインL3に設定されているため、「ベル」図柄の付された図柄番号に対して番号が「1」小さい図柄番号が下ラインL3上に停止する場合に第2優先ラインビットに「1」が格納される。
以上の構成であることにより、第2BB当選状況においては、第2BB入賞を構成する図柄番号及び他のリーチ目を形成する図柄番号を除いて、「ベル」図柄が中ラインL2上に停止する図柄番号の優先順位判定値を大きくすることができる。よって、非有効ラインたる中ラインL2上に抽選の対象となっている役に対応した図柄又は図柄の組合せが停止する停止出目を、リーチ目として積極的に出現させることができる。
なお、上記構成は例示に過ぎず、例えば、第1BB当選状況や第3BB当選状況においても同様のことを行うことができる。また、中ラインL2上にてリーチ目を構成する役がベル役以外の場合(すなわち、再遊技やチェリー役やスイカ役)であっても同様に行うことができる。
また、引込ビットテーブルにおいて引込ビット情報がリーチ目の形成に寄与しない図柄番号に対して大きく設定される図柄番号は、中ラインL2上に積極的に停止させたい図柄番号に対して番号が「1」小さい図柄番号に限定されることはなく、中ラインL2上に積極的に停止させたい図柄番号に対して番号が「1」大きい図柄番号としてもよい。但し、この場合、優先ラインを上ラインL1に設定する必要がある。
さらには、中ラインL2も優先ラインとして設定され得る構成とするとともに、引込ビットテーブルにおいて中ラインL2上に積極的に停止させたい図柄番号の引込ビット情報をリーチ目の形成に寄与しない図柄番号の引込ビット情報よりも大きくしてもよい。
次に、通常処理(図17参照)におけるステップS606のメダル払出処理について、図58のフローチャートに基づき説明する。
メダル払出処理では、先ずステップS2901にて払出数カウンタがカウントした払出数と、払出予定数格納エリアに格納された払出予定数とが一致しているか否かを判定する。払出数と払出予定数とが一致していないときには、ステップS2902にてクレジットカウンタのカウント値が上限(貯留されているメダル数が50枚)に達しているか否かを判定する。上限に達していないときには、ステップS2903,S2905にてクレジットカウンタのカウント値及び払出数をそれぞれ1加算する。その後、ステップS2906では、クレジット表示部60及び払出枚数表示部62の枚数をそれぞれ1加算する表示部変更処理を行う。
一方、ステップS2902にてクレジットカウンタのカウント値が上限に達しているときには、ステップS2904にてメダル払出用回転板を駆動してメダルをホッパ装置51からメダル排出口49を介してメダル受け皿50へ払い出す。続くステップS2905ではホッパ装置51に取り付けられた払出検出センサ51aのメダル検出信号に応じて払出数を1加算する。その後、ステップS2906にて払出枚数表示部62の枚数を1加算する表示部変更処理を行う。ステップS2906にて表示部変更処理を行った後、再びステップS2901に戻る。ステップS2901で払出数と払出予定数とが一致したときには、ステップS2907にて現在がボーナスゲーム中(BB状態)か否かを判定する。ボーナスゲームでない場合にはステップS2909に進み、払出終了処理を行った後に本処理を終了する。払出終了処理では、払出予定数格納エリアや払出数カウンタの値を「0」にクリアする。なお、払出枚数表示部62の値は、次ゲームを開始すべくメダルがベットされたときにクリアされる。また、現在がボーナスゲーム中である場合には、ステップS2908にて後述する残獲得数カウンタのカウント値から払出数を減算すると共に、残払出枚数表示部61の枚数を減算する処理を行う。その後、ステップS2909にて払出終了処理を行い、本処理を終了する。なお、残払出枚数表示部61の枚数を減算する処理は、ステップS2906の表示部変更処理にて行ってもよい。
次に、通常処理(図17参照)におけるステップS607のボーナスゲーム処理について、図59のフローチャートに基づき説明する。
ボーナスゲーム処理の説明に先立ち、ボーナスゲームについて説明する。BB状態は、複数回のRB状態で構成されている。RB状態は、12回のJACゲームで構成されている。JACゲームとは、JAC図柄の組合せが有効ライン上に揃う確率つまりJAC入賞成立の確率が非常に高いゲームである。RB状態でJAC入賞が成立すると最大枚数(ここでは15枚)のメダルが払い出される。そして、JAC入賞が8回成立すると、JACゲームが12回行われる前であってもRB状態が終了する。また、BB状態は、メダル払出数が所定数(具体的には400枚)に達したことを以って終了する。そして、RB状態の途中でメダル払出数が所定数に達した場合、BB状態のみならずRB状態も終了する。これは、BB状態中のメダル払出数に上限をもたせることにより遊技者の射幸心を抑え、遊技の健全性を担保するための工夫である。さらに、本実施の形態では、RB状態に移行する図柄の組合せを設定しておらず、BB状態に移行した直後及びRB状態が終了した直後にRB状態に移行する構成としている。故に、BB状態とは、所定数のメダル払出が行われるまでRB状態に連続して移行するゲームであるとも言える。
さて、ボーナスゲーム処理では、先ずステップS3001にてボーナスゲーム中か否かを判定する。ボーナスゲーム中でないときにはステップS3002〜ステップS3005に示すボーナス図柄判定処理を行う。
このボーナス図柄判定処理では、先ずステップS3002にて当選役判定用バッファ151を参照することにより、いずれかのBB当選情報が有るか否かを判定し、無いときにはそのまま本処理を終了する。BB当選情報が有るときにはステップS3003に進み、今回有効ライン上にBB当選情報に対応したBB図柄の組合せが停止したか否かを判定し、BB図柄の組合せが停止していないときにはそのまま本処理を終了する。一方、今回有効ライン上にBB図柄の組合せが停止したときには、ステップS3004においてBB開始処理を行う。BB開始処理では、BB当選情報をクリアすると共にBB設定情報を格納し、遊技状態をボーナスゲームの1種であるBB状態とする。また、BB状態下で払出可能な残りのメダル数をカウントするための残獲得数カウンタに400を格納すると共に、残払出枚数表示部61に400を表示させる処理を行う。ちなみに、ステップS3001等におけるボーナスゲーム中か否かの判定は、BB設定情報の有無により判定している。続くステップS3005ではRB開始処理を行い、その後本処理を終了する。RB開始処理では、成立可能なJAC入賞回数をカウントするための残JAC入賞カウンタに8を格納すると共に、JACゲームの残りゲーム数をカウントするための残JACゲームカウンタに12を格納する。
ステップS3001でボーナスゲーム中であると判定したときには、ステップS3006に進み、JAC図柄の組合せが有効ライン上に停止したか否かを判定する。JAC図柄の組合せが有効ライン上に停止したときには、ステップS3007にて残JAC入賞カウンタの値を1減算する。その後、或いはステップS3006にてJAC図柄の組合せが有効ライン上に停止しなかったときには、JACゲームを1つ消化したことになるため、ステップS3008にて残JACゲームカウンタの値を1減算する。続いて、ステップS3009では残JAC入賞カウンタ又は残JACゲームカウンタのいずれかが0になったか否かを判定する。いずれかが0になっていたとき、つまりJAC入賞が8回成立したかJACゲームが12回消化されたときには、RB状態の終了条件が成立したことを意味するため、ステップS3010にて残JAC入賞カウンタ及び残JACゲームカウンタの値をクリアするRB終了処理を行う。続くステップS3011では、残獲得数カウンタのカウント値が0か否かを確認する。0でない場合には、BB状態中に払い出されたメダル数が所定数に達しておらず、BB状態の終了条件が成立していないことを意味するため、ステップS3012に進み、先述したRB開始処理を行った後、本処理を終了する。
また、ステップS3009において残JAC入賞カウンタ及び残JACゲームカウンタのいずれの値も0になっていないとき、つまりJAC入賞がまだ8回成立しておらずJACゲームも12回消化されていないときには、ステップS3013に進み、残獲得数カウンタのカウント値が0か否かを確認する。0でない場合には、BB状態中に払い出されたメダル数が所定数に達しておらず、BB状態の終了条件が成立していないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、残獲得数カウンタのカウント値が0である場合には、BB状態の終了条件が成立したことを意味するため、ステップS3014〜ステップS3015に示す特別遊技状態終了処理を行う。特別遊技状態終了処理では、先ずステップS3014において、先述したRB終了処理を行う。その後、ステップS3015にてBB設定情報や各種カウンタなどを適宜クリアしたりエンディング処理を行ったりするBB終了処理を行い、本処理を終了する。また、前記ステップS3011にて残獲得数カウンタのカウント値が0である場合にも、BB状態の終了条件が成立したことを意味するため、ステップS3015にてBB終了処理を行い、本処理を終了する。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
主制御装置101のRAM106に優先順位情報用バッファ159を設け、少なくとも第1停止処理及び第2停止処理においては、未だ停止指令が発生していないリールに関して当該リールに付された全図柄(全図柄番号)の判定値算出情報を作成するようにした。そして、少なくとも第2停止処理及び第3停止処理においては、それら停止処理よりも前の停止処理において作成された判定値算出情報に基づいて図柄のスベリ数(すなわち、停止図柄番号)を決定するようにした。これにより、少なくとも第2停止指令及び第3停止指令の対象となるリールに関してはスベリテーブルが不要となり、各リール32L,32M,32Rの停止制御に関してROM105に予め記憶させておくデータ量の削減を図ることが可能となる。
また、判定値算出情報を、既に停止指令が発生しているリールの停止図柄番号に基づいて作成するようにした。これにより、先に停止したリールの停止出目によってその後に停止させるリールの停止出目を変化させることが可能となり、第2停止指令及び第3停止指令の対象となるリールに関してスベリテーブルを不要とした構成において、停止出目を多様化させることが可能となる。
また、判定値算出情報を、未だ停止指令が発生していないリールに関して当該リールに付された全図柄に対して作成するようにした。これにより、到達図柄番号がいずれの図柄番号であったとしても、判定値算出情報を用いて停止図柄番号を決定することができる。つまり、ストップスイッチの操作タイミングに関わらず判定値算出情報に基づいて停止図柄番号を決定することができる。
また、本スロットマシン10のようにリール32L,32M,32Rを3つ備える構成においては、一のリールに対して停止指令が発生したとしても未だ複数のリールに対して停止指令が発生していない状況が生じるが、それら未だ停止指令が発生していないリールのいずれに対して停止指令が発生した場合であっても、判定値算出情報を用いて停止図柄番号を決定することができる。つまり、ストップスイッチ42〜44の操作順序に関わらず判定値算出情報に基づいて停止図柄番号を決定することができる。
第2停止指令又は第3停止指令の対象となるリールの各判定値算出情報を作成する第2停止以降用優先順位情報作成処理(図27参照)を、当該優先順位情報作成処理が実行される停止処理において停止対象となっているリールの停止用割込み処理(図26参照)が許可されている状況において実行するようにした。つまり、各判定値算出情報の作成と停止対象となっているリールの減速処理とが並行して行われるようにした。これにより、停止対象となっているリールが停止するまでに要する時間を有効利用して各判定算出情報を作成することができ、一のリールが停止してから次の停止指令が有効とされるまでのタイムラグを低減させることが可能となる。
また、第2停止以降用優先順位情報作成処理の処理時間を、停止指令が発生してからリールを最大図柄数分滑らせた上で停止させるまでの規定期間内で終わるように設定した。例えば、上記処理時間が規定期間を超える場合を想定すると、それに合わせて一の停止指令が発生してから次の停止指令が有効となるまでの期間を長く確保する必要が生じる。かかる場合、遊技者にとっては一の停止操作をしてから次の停止操作が有効化されるまでの期間が長くなってしまうため、遊技が間延びしてしまうおそれがある。これに対して、本実施の形態における構成によれば、かかる不都合を生じさせることはない。
また、電源投入に伴って起動すると共に所定の一連の処理が繰り返し実行されることとなる通常処理(図17参照)において第2停止以降用優先順位情報作成処理を実行し、定期的に通常処理に割り込んで所定の一連の処理が実行されることとなるタイマ割込み処理(図13参照)においてリール32L,32M,32Rを減速させる処理を実行するようにした。各リール32L,32M,32Rはステッピングモータに連結されており、ステッピングモータに対して予め定められた数のパルス(504パルス)の駆動信号を与えることにより各リール32L,32M,32Rが1回転するようになっている。そして、リール32L,32M,32Rの回転中の挙動を安定させるために、これら各駆動信号が与えられるタイミングは予め定められている。かかる構成において、例えば、通常処理においてリール32L,32M,32Rを減速させる処理を実行し、タイマ割込み処理において第2停止以降用優先順位情報作成処理を実行する構成を想定すると、一の駆動信号を与えてから次の駆動信号を与えるタイミングまでに第2停止以降用優先順位情報作成処理を終了させる必要が生じ、当該優先順位情報作成処理に割り当てられる処理時間が短くなってしまう。また、かかる場合、第2停止以降用優先順位情報作成処理に長い時間を要すると、先のタイマ割込み処理が終了していない状況で次のタイマ割込み処理の開始タイミングとなることが想定され、この場合、タイマ割込み処理が複数回連続して行われてしまう。そうすると、駆動信号を与えるタイミングが遅れてしまい、リール32L,32M,32Rの挙動が不安定となってしまう。これに対して、本実施の形態における構成によれば、これら不都合を生じさせることはない。
全リール32L,32M,32Rが回転を開始してからストップスイッチ42〜44の操作が有効化されるまでの間に、中リール32M及び右リール32Rについて第1停止時用(変則押し時用)の各判定値算出情報を作成するようにした。また、第2停止指令及び第3停止指令の対象となり得るリールについては各判定値算出情報が作成される。つまり、中リール32M及び右リール32Rについてはスベリテーブルが不要となり、各リール32L,32M,32Rの停止制御に関してROM105に予め記憶させておくデータ量の削減を図ることが可能となる。
第1停止時用の中,右リール32M,32Rの各判定値算出情報を作成する変則押し用優先順位情報作成処理(図51参照)を、リール回転処理(図18参照)において始動用割込み処理(図22参照)が許可されている状況において実行するようにした。つまり、第1停止時用の各リール32M,32Rの各判定値算出情報の作成とリール32L,32M,32Rの加速処理とが並行して行われるようにした。これにより、リール32L,32M,32Rの加速が完了するまでに要する時間を有効利用して、第1停止時用の各リール32L,32M,32Rの各判定値算出情報を作成することができ、リール32L,32M,32Rの加速が完了してから第1停止指令が有効とされるまでのタイムラグを低減させることが可能となる。
また、電源投入に伴って起動すると共に所定の一連の処理が繰り返し実行されることとなる通常処理(図17参照)において変則押し用優先順位情報作成処理を実行し、定期的に通常処理に割り込んで所定の一連の処理が実行されることとなるタイマ割込み処理(図13参照)においてリール32L,32M,32Rを加速させる処理を実行するようにした。例えば、通常処理においてリール32L,32M,32Rを加速させる処理を実行し、タイマ割込み処理において変則押し用優先順位情報作成処理を実行する構成を想定すると、一の駆動信号を与えてから次の駆動信号を与えるタイミングまでに変則押し用優先順位情報作成処理を終了させる必要が生じ、当該優先順位情報作成処理に割り当てられる処理時間が短くなってしまう。また、かかる場合、変則押し用優先順位情報作成処理に長い時間を要すると、先のタイマ割込み処理が終了していない状況で次のタイマ割込み処理の開始タイミングとなることが想定され、この場合、タイマ割込み処理が複数回連続して行われてしまう。そうすると、駆動信号を与えるタイミングが遅れてしまい、リール32L,32M,32Rの挙動が不安定となってしまう。これに対して、本実施の形態における構成によれば、これら不都合を生じさせることはない。
また、変則押し用優先順位情報作成処理の処理時間を、リール32L,32M,32Rの加速処理が開始されてから定常回転となるまでの加速期間内で終わるように設定した。例えば、上記処理時間が加速期間を超える場合を想定すると、それに合わせて加速処理が開始されてから停止指令が有効となるまでの期間を長く確保する必要が生じる。かかる場合、遊技者にとってはスタートレバー41を操作してから停止操作が有効化されるまでの期間が長くなってしまうため、遊技が間延びしてしまうおそれがある。これに対して、本実施の形態における構成によれば、かかる不都合を生じさせることはない。
各優先順位情報作成処理においては、各判定値算出情報用バッファBの各ビットに「0」又は「1」を格納して各判定値算出情報を作成するのみであり、各優先順位判定値の算出及び各図柄番号に対しての各スベリ数の算出は対応するリールの停止指令が発生してから行うようにした。例えば、優先順位情報作成処理において、各判定値算出情報を作成するだけでなく、各優先順位判定値の算出を行うとともに各図柄番号に対しての各スベリ数の算出を行うようにすることも想定できるが、この場合、優先順位情報作成処理に要する処理時間が極端に長くなり、それに伴って一の停止指令が発生してから次の停止指令が有効とされるまでの時間が極端に長くなるおそれがある。これに対して、本構成によれば、優先順位情報作成処理に要する処理時間を極力短縮させることが可能となり、各判定値算出情報を対応するリールの停止指令が発生する前に作成するようにした構成において、一のリールが停止してから次の停止指令が有効とされるまでのタイムラグを低減させることが可能となる。
特に、優先順位判定値の算出を対応するリールの停止指令が発生してから行うようにしたため、到達図柄番号及び当該到達図柄番号から最大スベリ数分(4図柄分)までの範囲内にある図柄番号について各優先順位判定値の算出を行うだけでよく、全ての図柄番号に対して優先順位判定値の算出を行わなくてよい。これにより、優先順位判定値の算出に関して処理時間の短縮化を図ることができる。
主制御装置101のRAM106に、各リール32L,32M,32Rの各図柄番号と1対1で対応させた判定値算出情報用バッファBを設け、判定値算出情報作成処理(図29参照)にて各判定値算出情報用バッファBの各ビットに「0」又は「1」を格納するようにした。そして、各ビットに「0」又は「1」が格納された判定値算出情報用バッファBに基づいて優先順位判定値を算出するようにした。つまり、判定値算出情報作成処理において判定値算出情報用バッファBに「0」又は「1」を格納することにより、判定値算出情報が作成され、それに基づいて優先順位判定値が算出される。これにより、種々の状況を踏まえた判定値算出情報の作成及び優先順位判定値の算出を良好に行うことができる。
各判定値算出情報用バッファBをそれぞれ2バイト単位で構成した。これにより、予め定められた特定の処理により各優先順位判定値の算出を行うことができ、処理構成を簡略化することができる。また、ビット単位で優先順位の判定を行う構成に比して処理負荷を低減させることが可能となる。
各判定値算出情報用バッファBに不当入賞判定ビットを割り当て、実際に規定位置に停止させた場合に不当入賞が発生することとなる図柄番号に対応した判定値算出情報用バッファBの不当入賞判定ビットに「0」を格納し、不当入賞が発生しない図柄番号に対応した判定値算出情報用バッファBの不当入賞判定ビットに「1」を格納するようにした。これにより、不当入賞の発生する図柄番号の優先順位判定値が不当入賞の発生しない図柄番号の優先順位判定値よりも小さくなり、不当入賞の発生を回避することができる。
特に、不当入賞判定ビットを各判定値算出情報用バッファBにおいて最上位のビットに割り当て、さらに各判定値算出情報用バッファBにおいて上位側のビットに「1」が格納されているほど優先順位判定値が大きくなるようにした。これにより、不当入賞が発生する図柄番号の優先順位判定値を最も小さくすることができ、不当入賞の発生を確実に回避することができる。
不当入賞判定ビットには、初期状態で「1」を格納しておくようにした。これにより、判定値算出情報作成処理では、不当入賞判定ビットに関して、不当入賞の発生する図柄番号の不当入賞判定ビットをクリアすればよい。不当入賞が発生しないと判定される場合よりも不当入賞が発生すると判定される場合の方が少ないため、初期状態で「1」を格納しておくことで、判定値算出情報作成処理において不当入賞判定ビットに関する処理時間の短縮化を図ることができる。
判定値算出情報作成処理の入賞判定処理(図35参照)において不当入賞判定ビットに関する処理を早い段階で実行するようにしつつ、不当入賞が発生すると判定した図柄番号についてはその後の入賞判定処理を実行しないようにした。これにより、判定値算出情報作成処理において不当入賞判定ビットに関する処理時間の短縮化を図ることができる。
各判定値算出情報用バッファBに蹴飛ばし判定ビットを割り当て、実際に規定位置に停止させた場合に蹴飛ばし目(例えば、BB非当選状況におけるリーチ目)が出現してしまうこととなる図柄番号と対応した判定値算出情報用バッファBの蹴飛ばし判定ビットに「0」を格納し、蹴飛ばし目が出現しない図柄番号と対応した判定値算出情報用バッファBの蹴飛ばし判定ビットに「1」を格納するようにした。これにより、蹴飛ばし目の出現する図柄番号の優先順位判定値が蹴飛ばし目の出現しない図柄番号の優先順位判定値よりも小さくなり、蹴飛ばし目の出現を回避することができる。
特に、本スロットマシン10では、中ラインL2を入賞と関係のないサブラインとして設定しており、上記リーチ目として、中ラインL2上に入賞役に対応した図柄又は図柄の組合せを停止させる。この場合に、BB非当選状況において中ラインL2上に役に対応した図柄又は図柄の組合せが停止すると、BB当選状況でもなく、且つ表示窓26L,26M,26Rから視認可能な組合せライン上に役に対応した図柄又は図柄の組合せが停止しているにも関わらずメダルの払出などといった特典が付与されないと遊技者が誤解するおそれがある。これに対して、判定値算出情報用バッファBに蹴飛ばし判定ビットを割り当て、BB非当選状況においては上記停止出目を回避する構成としたため、上記誤解の発生を抑制することが可能となる。
蹴飛ばし判定ビットには、初期状態で「1」を格納しておくようにした。これにより、判定値算出情報作成処理では、蹴飛ばし判定ビットに関して、蹴飛ばし目の出現する図柄番号の蹴飛ばし判定ビットをクリアすればよい。蹴飛ばし目が出現しないと判定される場合よりも蹴飛ばし目が出現すると判定される場合の方が少ないため、初期状態で「1」を格納しておくことにより、判定値算出情報作成処理において蹴飛ばし判定ビットに関する処理時間の短縮化を図ることができる。
各判定値算出情報用バッファBに不当入賞判定ビットを割り当てると共に蹴飛ばし判定ビットを割り当てた。これにより、不当入賞が発生してしまう図柄番号の優先順位判定値と蹴飛ばし目が出現してしまう図柄番号の優先順位判定値とに差異を設けることができる。
特に、蹴飛ばし判定ビットに対して不当入賞判定ビットを上位に割り当てるとともにこれら判定ビットに初期状態で「1」を格納し、不当入賞が発生してしまう場合又は蹴飛ばし目が出現してしまう場合に対応する判定ビットをクリアする構成としたため、不当入賞が発生してしまう図柄番号の優先順位判定値よりも、蹴飛ばし目が出現してしまう図柄番号の優先順位判定値を大きくすることができる。これにより、不当入賞の発生又は蹴飛ばし目の出現のいずれかが避けられない場合に、蹴飛ばし目の出現を優先させることができる。よって、不当入賞の発生を確実に防止することができる。
判定値算出情報作成処理の入賞判定処理において不当入賞判定ビット及び蹴飛ばし判定ビットに関する処理を、チェリー役の不当入賞やチェリー役に関する蹴飛ばし目を回避する場合を除き、停止指令の発生していないリールが1つの場合に実行するようにした。これにより、各判定値算出情報作成処理において不当入賞判定ビット及び蹴飛ばし判定ビットに関する処理時間の短縮化を図ることができるとともに、停止出目の単調化を抑制することが可能となる。すなわち、停止指令が発生していないリールが複数ある状況下においては、これらリールの全図柄番号について判定値算出情報を作成するため、不当入賞判定ビット及び蹴飛ばし判定ビットに関する処理を実行すると、処理時間の長大化に繋がるからである。また、前記状況下で不当入賞判定ビット及び蹴飛ばし判定ビットに関する処理を実行すると、有効ラインに当選していない役と対応した図柄が2つ並ぶことが回避されてしまい、停止出目が著しく限定されてしまうからである。
また、上記不当入賞判定ビット及び蹴飛ばし判定ビットに関する処理を、チェリー役の不当入賞やチェリー役に関する蹴飛ばし目を回避する場合には、そのチェリー役入賞を形成することとなる「チェリー」図柄が付されたリールについてのみ実行するようにした。これにより、各判定値算出情報作成処理において不当入賞判定ビット及び蹴飛ばし判定ビットに関する処理時間の短縮化を図ることができる。
不当入賞判定ビット及び蹴飛ばし判定ビットに関する処理においては、不当入賞に該当するか否かの判定や蹴飛ばし目に該当するか否かの判定を行う上で、図柄対応情報とマスク情報とを用いるようにした。このうち、図柄対応情報は、入賞役ビットに関する処理において用いられるとともに、リール停止処理(図23参照)の払出判定処理においても用いられる。このように、他の処理においても用いられる汎用的な情報を用いて、不当入賞判定ビット及び蹴飛ばし判定ビットに関する処理を行うことにより、これら各処理を行うようにした構成において、各リール32L,32M,32Rの停止制御に関して予め記憶させておくデータ量の削減を図ることが可能となる。また、マスク情報は、遊技状態や遊技状況などに対応させて設けられている。これにより、データ量の削減を図るようにした構成において、遊技状態や遊技状況に対応させて、不当入賞判定ビット及び蹴飛ばし判定ビットに関する処理を行うことが可能となる。
各判定値算出情報用バッファBに入賞役ビットを割り当て、実際に規定位置に停止させた場合に入賞が発生する又は入賞の可能性を生じさせる図柄番号に対応した判定値算出情報用バッファBの入賞役ビットに「1」を格納するようにした。これにより、優先順位判定値において入賞発生の有無の情報が反映され、停止指令の発生後において当選役を把握するための処理や、その当選役に対応した図柄を有効ライン上に停止させて入賞を成立させるための処理等を別途行う必要がない。つまり、停止指令に対応したリールを停止させる処理では、抽選処理の結果に関係なく優先順位判定値の比較を行うだけでよく、当選役に対応した図柄を有効ライン上に停止させて入賞を成立させる必要がある場合であっても比較的短時間で停止図柄番号を算出することができる。
また、各判定値算出情報用バッファBにおいて入賞役ビットを不当入賞判定ビットを除いて最上位に割り当て、さらに各判定値算出情報用バッファBにおいて上位側のビットに「1」が格納されているほど優先順位判定値が大きくなるようにした。これにより、入賞が発生する又は入賞の可能性を生じさせる図柄番号に対応した優先順位判定値を他の図柄番号に対して大きくすることができる。よって、本スロットマシン10におけるリール32L,32M,32Rの停止制御において、入賞の成立が確実に優先され、遊技者の利益が担保される。
また、入賞役ビットにおいては、再遊技、BB役、及び小役のそれぞれに対して個別にビットが割り当てられている。これにより、再遊技入賞が成立する又は入賞の可能性を生じさせる図柄番号の優先順位判定値、BB入賞が成立する又は入賞の可能性を生じさせる図柄番号の優先順位判定値、及び小役入賞が成立する又は入賞の可能性を生じさせる図柄番号の優先順位判定値がそれぞれ異なるものとなり、複数の役に同時に当選している状況において各当選役に対応したリール32L,32M,32Rの停止制御を行うことができる。
各判定値算出情報用バッファBに獲得枚数ビットを割り当て、実際に規定位置に停止させた場合にメダルの払出が発生する又はメダルの払出の可能性を生じさせる図柄番号について、その払出枚数に対応した情報を獲得枚数ビットに格納するようにした。これにより、複数の小役に同時に当選した場合に、払出枚数の多い小役の入賞が成立する又はその入賞の可能性を生じさせる図柄番号の優先順位判定値を大きくすることができる。よって、払出枚数の多い小役の入賞が優先され、遊技者の利益が担保される。ちなみに、払出枚数に対応した情報はメダルの払出を実行する上でスロットマシン10において必須の情報であり、この払出枚数に対応した情報を獲得枚数ビットに格納するようにすることで、主制御装置101のROM105に予め記憶させるデータ量の削減を図ることが可能となる。
また、獲得枚数ビットには、入賞判定処理(図35参照)にて各有効ラインの検索を実行していく中でメダルの払出の発生又はメダルの払出の可能性を検出するごとに、それに対応した払出枚数の情報を加算するようにした。これにより、例えば一の役に当選した場合等において、複数の有効ラインにて入賞成立の可能性が残るよう停止図柄番号を算出することが可能となる。よって、役の抽選に当選したにも関わらず入賞が成立しない取りこぼしの発生機会を低減させることが可能となり、遊技者の優位性を確保することが可能となる。
その一方、変則押し用優先順位情報作成処理(図51参照)における入賞判定処理では、各有効ラインの検索を実行していく中で同一の当選役について入賞の可能性を検出したとしても払出枚数の情報を加算しないようにした。かかる場合であっても払出枚数の情報が加算される場合を想定すると、各判定値算出情報用バッファBにおいて獲得枚数ビットが優先ラインビットよりも上位に割り当てられていることに起因して、例えば、有効ラインが重複する位置に当選役に対応した図柄が停止することとなる図柄番号の優先順位判定値が大きくなり、実質的に優先ラインがその有効ラインが重複する位置を通る有効ラインに限定されることとなってしまう。これに対して、本実施の形態における構成によれば、かかる不都合の発生を抑制することができる。
各判定値算出情報用バッファBに第1優先ラインビットを割り当て、実際に規定位置に停止させた場合に優先ライン上に当選役に対応した図柄などが停止することとなる図柄番号については、対応する判定算出情報用バッファBの第1優先ラインビットに「1」を格納するようにした。これにより、優先ライン上に当選役と対応した図柄などが停止するか否かの情報を優先順位判定値に反映することができ、設定されている優先ラインを把握するための処理や、その優先ライン上に当選役と対応した図柄などを停止させるための処理等を停止指令の発生後に別途行う必要がない。つまり、停止指令に対応したリールを停止させる処理では、優先ラインに関係なく優先順位判定値の比較を行うだけでよく、優先ラインの設定状況に関係なく比較的短時間で停止図柄番号を算出することができる。
各判定値算出情報用バッファBに引込ビットを割り当て、BB当選状況におけるリーチ目などの出現を可能とした。つまり、優先順位判定値は入賞を成立させる図柄番号や不当入賞を発生させる図柄番号に対してのみ算出されるのではなく、それらのいずれも発生させない図柄番号においても優先順位判定値が算出され、これらの各図柄番号において優先順位判定値に差異が設けられる。よって、停止出目を多様化させることが可能となる。また、各判定値算出情報に対して引込ビットの情報を反映させることにより、停止指令の発生後にリーチ目などを出現させるための処理を別途行う必要はなく、比較的短時間で停止図柄番号を算出することができる。
また、抽選処理にていずれの役にも当選しなかった場合においても、各判定値算出情報用バッファBの引込ビットに引込ビット情報合成値を格納するようにした。これにより、かかる状況下における停止出目を多様化させることが可能となり、遊技の単調化を抑制することが可能となる。なお、引込ビット情報合成値は、主制御装置101のROM105に予め記憶された引込ビットテーブルに基づいて算出される。かかる構成とすることにより、スロットマシン10を設計する設計者の所望する停止出目を出現させることが可能となる。
各判定値算出情報用バッファBに引込ビットを割り当てた構成において、さらに各判定値算出情報用バッファBに第2優先ラインビットを割り当てた。これにより、各有効ラインL1,L3,L4,L5と対応させた引込ビットテーブルを用意しておく必要がなくなり、優先ラインに対応させた停止出目を出現させることを可能としつつ、ROM105における引込ビットテーブルに関するデータ量の削減を図ることが可能となる。
取りこぼしが発生しない役に当選した状況に対しては、引込ビットテーブルを用意しないようにした。これにより、ROM105における引込ビットテーブルに関するデータ量の削減を図ることが可能となる。
(第2の実施の形態)
次に、各リール32L,32M,32Rに付される図柄配列と、入賞成立となる図柄の組合せが異なる他、組合せラインL1〜L5の全てが有効ラインとして設定される他の実施の形態について説明する。なお、上記第1の実施の形態と同一の構成については、基本的に説明を省略する。
図60は、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列を示す図であり、図61は、入賞となる図柄の組合せと、入賞となった場合に付与される特典との対応関係を示す図である。
メダル払出が行われる小役入賞としては、上述したスイカ入賞,ベル入賞,チェリー入賞の他に、第1小役入賞と、第2小役入賞と、第3小役入賞とがある。有効ライン上に左から「ベル」図柄,「ベル」図柄,「赤7」図柄と並んで停止した場合、第1小役入賞として10枚のメダル払出、有効ライン上に左から「ベル」図柄,「ベル」図柄,「白7」図柄と並んで停止した場合、第2小役入賞として10枚のメダル払出、有効ライン上に左から「ベル」図柄,「ベル」図柄,「バー」図柄と並んで停止した場合、第3小役入賞として10枚のメダル払出が行われる。
遊技状態が移行する状態移行入賞としては、第1BB入賞と、第2BB入賞と、第3BB入賞との3種類のBB入賞がある。有効ライン上に左から「赤7」図柄,「赤7」図柄,「赤7」図柄と並んで停止した場合、第1BB入賞成立となり、有効ライン上に左から「赤7」図柄,「赤7」図柄,「白7」図柄と並んで停止した場合、第2BB入賞成立となり、有効ライン上に左から「赤7」図柄,「赤7」図柄,「青年」図柄と並んで停止した場合、第3BB入賞成立となる。第1〜第3BB入賞のいずれかが成立した場合には、遊技状態が特別遊技状態たるBB状態に移行する。但し、これらBB入賞のいずれが成立した場合であっても、メダル払出は行われない。
メダル払出や遊技状態の移行以外の特典が付与される入賞としては、再遊技入賞がある。各リール32L,32M,32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合には、再遊技入賞として、メダル払出や遊技状態の移行は行われないものの、遊技者は所有するメダルを減らすことなく且つメダルを投入することなく次ゲームの遊技を行うことが可能となる。
その他の入賞として、遊技状態が後述するレギュラーボーナス状態(以下、「RB状態」と言う。)である場合に限って入賞となるJAC入賞がある。RB状態下で有効ライン上に左から「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「ベル」図柄と並んで停止した場合には、JAC入賞として15枚のメダル払出が行われる。
このように、本実施の形態では、全ての遊技状態を総合すると11種類の役が設定されている。このため、本実施の形態では、役対応情報や入賞に関する判定を行う場合に使用される第1図柄対応情報等が2バイトで構成されている。
次に、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理のうち、上記第1の実施の形態との相違点について説明する。本実施の形態では、修正処理において特有の処理を実行する。
入賞判定処理(図35参照)では、対象リールが左リール32Lでない場合、ステップS1803にて否定判定をし、ステップS1804にて修正処理を実行する。
修正処理では、図52のフローチャートに示すように、ステップS2801にて左リール32Lが既に停止しているか否かを判定する。左リール32Lが停止している場合には、修正処理を実行することなくそのまま本処理を終了する。左リール32Lが停止していない場合、すなわちいずれのリール32L,32M,32Rも停止していない場合又は左リール32Lより先に他のリール32M,32Rを停止させた場合には、ステップS2802に進み、ラインマスク情報の指定があるか否かを判定する。本実施の形態におけるROM105には、変則押し時用に設定されたラインマスク指定情報が記憶されており、当該ラインマスク指定情報は、スロットマシン10の遊技状況に対応させて設定されており、さらに各遊技状況における各役に対応させて設定されている。より詳細には、遊技状況がBB当選状況(第1〜第3BB役のいずれかに当選している状況)である場合のベル役と対応するラインマスク指定情報には、ラインマスク情報の指定がある旨を示す情報が設定されており、BB当選状況である場合の他の役、及び他の遊技状況である場合の各役と対応するラインマスク指定情報には、ラインマスク情報の指定がない旨を示す情報が設定されている。
また、ROM105のマスク情報記憶領域105hには、ラインマスク情報として、汎用ラインマスク情報と、上ラインマスク情報と、中ラインマスク情報と、下ラインマスク情報と、右下がりラインマスク情報と、右上がりラインマスク情報と、が記憶されている。つまり、ROM105のマスク情報記憶領域105hには、組合せラインと対応していないラインマスク情報と、各組合せラインL1〜L5と対応させたラインマスク情報と、が記憶されている。これらラインマスク情報は、図62に示すように、成立判定情報のうち第1成立判定情報と対応させてそれぞれ2バイトで構成されている。そして、上ラインマスク情報及び右下がりラインマスク情報には、チェリー役の役対応情報において「1」が格納されているビット及びベル役の役対応情報において「1」が格納されているビットに「0」、他のビットに「1」が格納されている。つまり、上記ラインマスク情報は、それぞれ「1111111110011111」となっている。汎用ラインマスク情報を含む他のラインマスク情報は、チェリー役の役対応情報において「1」が格納されているビットに「0」、他のビットに「1」が格納されている。つまり、上記ラインマスク情報は、それぞれ「1111111110111111」となっている。
ステップS2802にてラインマスク情報の指定がないと判定した場合には、ステップS2803にて汎用ラインマスク情報を取得し、当該汎用ラインマスク情報をCPU102に設けられたラインマスク情報用レジスタに記憶させる。一方、ラインマスク情報の指定があると判定した場合には、ステップS2805にて現在の検索ラインと対応するラインマスク情報を取得し、当該汎用ラインマスク情報をCPU102に設けられたラインマスク情報用レジスタに記憶させる。
ステップS2803又はステップS2805にてラインマスク情報を取得した後、ステップS2804では、第1成立判定情報の修正を実行する。具体的には、取得したラインマスク情報と第1成立判定情報とをAND処理し、当該結果を新たな第1成立判定情報としてRAM106の成立判定用バッファ169に格納する。
かかる処理を実行することにより、第1成立判定情報の各ビットのうち、チェリー役の役対応情報において「1」が格納されているビットの値が「0」に変更される。当該変更を行う理由は、上記第1の実施の形態において記載したとおりである。また、BB当選状況でベル役に当選し、今回の検索ラインが上ラインL1又は右下がりラインL4である場合には、チェリー役の役対応情報において「1」が格納されているビットに加えて、ベル役の役対応情報において「1」が格納されているビットの値も「0」に変更される。
左リール32Lが停止していない状況下で修正処理を実行した場合には、BB当選状況でベル役に当選するとともに今回の検索ラインが上ラインL1又は右下がりラインL4である場合に、検索ライン上に「ベル」図柄が停止している又は「ベル」図柄が2つ並んで停止しているとしても、入賞判定処理のステップS1813にて否定判定をする。つまり、かかる場合には、当選役と対応する入賞の成立する可能性がある場合であっても、入賞の成立する可能性がないと判定する。そして、ステップS1814〜ステップS1824の処理を行うことなく、すなわち入賞役ビットや獲得枚数ビットに情報を格納する処理を行うことなくステップS1825に進む。これは、第1成立判定情報の各ビットのうちベル役の役対応情報において「1」が格納されているビットの値が上記修正処理により「0」に変更されるため、ステップS1812の当選図柄成立判定処理において当否判定用情報として「0000000000000000」が格納されるからである。
BB当選状況でベル役に当選し、今回の検索ラインが上ラインL1又は右下がりラインL4である場合に、第1成立判定情報の各ビットのうちベル役の役対応情報において「1」が格納されているビットの値を「0」に変更するのは、以下の理由による。
左リール32Lには、「チェリー」図柄が4番と16番の位置に配置されており、当該「チェリー」図柄から上流側に1図柄分離れた6番及び18番の位置に「ベル」図柄が配置されている。このため、ベル役に当選している状況において、例えば第1停止時に「ベル」図柄が上段に停止するよう中リール32Mを停止させたり、左リール32Lを停止させる前段階で「ベル」図柄が上ラインL1又は右下がりラインL4に並ぶように中リール32Mと右リール32Rを停止させたりした場合には、遊技者がベル入賞を成立させることが可能なタイミングで左ストップスイッチ42を操作したにも関わらずベル入賞の成立しない機会が発生し得る。具体例として、上ラインL1に中リール32Mと右リール32Rの「ベル」図柄が並んで停止し、左リール32Lの2番の「リプレイ」図柄が下段に到達しているタイミングで左ストップスイッチ42が操作された状況を説明する。かかる状況では、左リール32Lを2図柄分滑らせた後に停止させれば、左リール32Lの6番の「ベル」図柄が上ラインL1に停止してベル入賞成立となるが、このとき左リール32Lの4番の「チェリー」図柄が下段に停止するため、役の抽選に当選していないチェリー入賞も同時に成立してしまうこととなる。不当入賞は回避する必要があるため、左リール32Lを2図柄分以外のスベリ数で停止させた場合には、上ラインL1に左リール32Lの「ベル」図柄を停止させることができず、ベル入賞を取りこぼすこととなる。これは、遊技者の不利益に繋がるため、回避する必要がある。これに対して、上記修正処理を行った場合には、上ラインL1又は右下がりラインL4に「ベル」図柄が停止することとなる図柄番号に対応した判定値算出情報用バッファBの入賞役ビットや獲得枚数ビットに情報が格納されないため、前記図柄番号の優先順位判定値を、上記組合せライン以外の位置に「ベル」図柄が停止することとなる図柄番号の優先順位判定値より小さくすることができる。この結果、上ラインL1及び右下がりラインL4以外の組合せラインL2,L3,L5に「ベル」図柄を停止させることができ、遊技者が不利益を被ることを防止することができる。
本実施の形態のように、ROM105のマスク情報記憶領域105hに各組合せラインL1〜L5と対応させたラインマスク情報を記憶させ、所定の役に当選している状況下では当該ラインマスク情報を用いて修正処理を実行する構成とすることにより、スロットマシン10を設計する際の設計負荷を低減させることが可能となるとともに、デバック工数の増大化を抑制することが可能となる。
ここで、上記修正処理を行わなかった場合について、第3BB当選状況下でベル役に当選した場合を例に考える。
右リール32Rには、14番の位置に第3BB図柄たる「バー」図柄が配置されており、当該「バー」図柄から上流側及び下流側に1図柄分離れた12番及び16番の位置に「ベル」図柄が配置されている。かかる場合、8番〜12番のいずれかに付された図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が第1停止操作されると、「バー」図柄が上段に停止するとともに「ベル」図柄が下段に停止することとなる12番の優先順位判定値が最も大きくなるため、当該12番の「ベル」図柄が下段に停止することとなる。また、13番〜14番のいずれかに付された図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が第1停止操作されると、「ベル」図柄が上段に停止するとともに「バー」図柄が下段に停止することとなる14番の優先順位判定値が最も大きくなるため、当該14番の「バー」図柄が下段に停止することとなる。つまり、第3BB当選状況下でベル役に当選し、「バー」図柄を有効ライン上に停止させることが可能なタイミングで右ストップスイッチ44が第1停止操作された場合、「ベル」図柄は下段に停止する場合と上段に停止する場合とがある。
先ず、12番の「ベル」図柄が下段に停止し、14番の「バー」図柄が上段に停止した場合を考える。
かかる場合、優先ライン変更処理(図47参照)にて優先ラインを右下がりラインL4以外の有効ラインに変更する必要がある。優先ラインを右下がりラインL4とした場合、中リール32Mにおいて「ベル」図柄が中段に停止することとなる図柄番号の優先順位判定値が、「ベル」図柄が下段に停止することとなる図柄番号の優先順位判定値と比して優先ラインビットに「1」が格納されることに伴って大きくなるからである。
優先ライン変更処理では、変則押し用優先順位情報作成処理にて優先ライン用バッファ156に格納した情報の示す優先ライン上に「バー」図柄又は「ベル」図柄が停止している場合、優先ラインを変更せず、前記各図柄が優先ライン上に停止していない場合、「バー」図柄又は「ベル」図柄が停止している有効ラインに優先ラインを変更する。そこで、ROM105には、12番の「ベル」図柄が下段に停止し、14番の「バー」図柄が上段に停止する状況を想定し、変則押し用優先順位情報作成処理にて優先ライン用バッファ156に格納する情報として中ラインL2又は下ラインL3を示す情報を記憶させておく必要がある。上ラインL1を示す情報を記憶させた場合には、上段に「バー」図柄が停止しているために優先ラインの変更がなされない。これは、中リール32Mにおいて「ベル」図柄が中段に停止することとなる図柄番号の優先順位判定値と、「ベル」図柄が下段に停止することとなる図柄番号の優先順位判定値と、が等しくなり、優先順位判定値が等しい場合に最小のスベリ数を取得する本構成においては、中ストップスイッチ42が第2停止操作された場合、中リール32Mの「ベル」図柄が中段に停止し、右下がりラインL4上に「ベル」図柄が並んで停止してしまうからである。また、右下がりラインL4又は右上がりラインL5を示す情報を記憶させた場合についても、優先ライン上に「バー」図柄又は「ベル」図柄が停止しているために優先ラインの変更がなされない。かかる場合、中リール32Mにおいて「ベル」図柄が中段に停止することとなる図柄番号の優先順位判定値が、「ベル」図柄が下段に停止することとなる図柄番号の優先順位判定値と比して優先ラインビットに「1」が格納されることに伴って大きくなる。故に、中ストップスイッチ42が第2停止操作された場合、右下がりラインL4上に「ベル」図柄が並んで停止してしまうからである。
下ラインL3を示す情報を記憶させておいた場合、下段に「ベル」図柄が停止しているために優先ラインの変更がなされず、中リール32Mにおいて「ベル」図柄が下段に停止することとなる図柄番号の優先順位判定値が、「ベル」図柄が中段に停止することとなる図柄番号の優先順位判定値と比して優先ラインビットに「1」が格納されることに伴って大きくなる。故に、中ストップスイッチ42が第2停止操作された場合、下ラインL3上に「ベル」図柄が並んで停止し、不当入賞回避に基づく取りこぼしの発生を防止することができる。
中ラインL2を示す情報を記憶させておいた場合、優先ライン変更処理にて優先ラインの変更がなされる。ここで、上ラインL1→中ラインL2→下ラインL3→右下がりラインL4→右上がりラインL5の順に検索するとともに、優先ライン以外の有効ラインで入賞有りと判定した場合(ステップS2406がYES且つステップS2407がNOの場合)に書換えラインを更新する本構成においては、上段に「バー」図柄が停止しているため、優先ラインを最終検索ラインたる右上がりラインL5に変更してしまう。これは、上述したROM105に右上がりラインL5を示す情報を記憶させた場合と同様に、中ストップスイッチ42が第2停止操作された場合、右下がりラインL4上に「ベル」図柄が並んで停止してしまう。このため、中ラインL2を示す情報を記憶させておいた場合には、有効ラインの検索順序を上記順序から変更する必要があり、最終検索ラインが下ラインL3となるように検索順序を設定しなければならない。
次に、14番の「バー」図柄が下段に停止し、16番の「ベル」図柄が上段に停止した場合を考える。
かかる場合、優先ライン変更処理(図47参照)にて優先ラインを上ラインL1以外の有効ラインに変更する必要がある。優先ラインを上ラインL1とした場合、中リール32Mにおいて「ベル」図柄が上段に停止することとなる図柄番号の優先順位判定値が、「ベル」図柄が中段に停止することとなる図柄番号の優先順位判定値と比して優先ラインビットに「1」が格納されることに伴って大きくなるからである。
ROM105には、14番の「バー」図柄が下段に停止し、16番の「ベル」図柄が上段に停止する状況を想定し、変則押し用優先順位情報作成処理にて優先ライン用バッファ156に格納する情報として上ラインL1と下ラインL3以外の有効ラインを示す情報を記憶させておく必要がある。下ラインL3を示す情報を記憶させておいた場合、下段に「バー」図柄が停止しているために優先ラインの変更がなされない。これは、中リール32Mにおいて「ベル」図柄が上段に停止することとなる図柄番号の優先順位判定値と、「ベル」図柄が中段に停止することとなる図柄番号の優先順位判定値と、が等しくなり、優先順位判定値が等しい場合に最小のスベリ数を取得する本構成においては、中ストップスイッチ42が第2停止操作された場合、中リール32Mの「ベル」図柄が上段に停止し、上ラインL1上に「ベル」図柄が並んで停止してしまうからである。
中ラインL2を示す情報を記憶させておいた場合、優先ライン変更処理にて優先ラインの変更がなされる。ここで、上ラインL1→中ラインL2→下ラインL3→右下がりラインL4→右上がりラインL5の順に検索するとともに、優先ライン以外の有効ラインで入賞有りと判定した場合(ステップS2406がYES且つステップS2407がNOの場合)に書換えラインを更新する本構成においては、上段に「ベル」図柄が停止しているため、優先ラインを最終検索ラインたる右上がりラインL5に変更する。したがって、不当入賞回避に基づく取りこぼしを防止することができる。
右下がりラインL4又は右上がりラインL5を示す情報を記憶させておいた場合、優先ライン上に「バー」図柄又は「ベル」図柄が停止しているために優先ラインの変更がなされない。かかる場合、中リール32Mにおいて「ベル」図柄が中段に停止することとなる図柄番号の優先順位判定値が、「ベル」図柄が上段に停止することとなる図柄番号の優先順位判定値と比して優先ラインビットに「1」が格納されることに伴って大きくなる。故に、中ストップスイッチ42が第2停止操作された場合、右上がりラインL5上に「ベル」図柄が並んで停止することとなり、不当入賞回避に基づく取りこぼしを防止することができる。
ここで、右リール32Rの14番の「バー」図柄が上段と下段のいずれに停止するかは右ストップスイッチ42の操作タイミングに依存するため、不当入賞回避に基づく取りこぼしを回避するためには、「バー」図柄が上段に停止する場合と下段に停止する場合を共に想定し、ROM105に中ラインL2を示す情報を予め記憶させておく必要がある。これに加えて、最終検索ラインが下ラインL3となるように有効ラインの検索順序を設定する、又は少なくとも第3BB当選状況下でベル役に当選した場合に前記検索順序となるように検索順序を定めた検索ラインテーブルをROM105に別途記憶させておく必要がある。
このように、修正処理を行わない構成においては、上述したように予めROM105に記憶させておく優先ラインと優先ライン変更処理を実行した結果として設定される優先ラインとの関係を想定し、不当入賞回避に基づく取りこぼしの発生を防止すべく有効ラインの検索順序を設定したり、予めROM105に記憶させておく優先ラインを決定したりする必要が生じ、設計負荷が多大なものとなるとともにデバック工数も増大化することとなる。これは、不当入賞回避に基づく取りこぼしの発生し得る役の当選状況が複数存在する構成においてより顕著なものとなる。
一方、本実施の形態のような修正処理を行う構成においては、不当入賞回避に基づく取りこぼしが発生し得る有効ラインと対応するラインマスク情報をROM105に記憶させることにより、不当入賞回避に基づく取りこぼしが発生し得る図柄番号の優先順情報と、不当入賞回避に基づく取りこぼしが発生しない図柄番号の優先順情報と、に差異を設けることができる。また、ROM105に記憶させるべきラインマスク情報は、左リール32Lの図柄配列、より詳しくは「チェリー」図柄から上流側及び下流側に2図柄以内の位置に配置された図柄を確認することで容易に把握することができる。故に、スロットマシン10を設計する際の設計負荷を低減させることが可能となるとともに、デバック工数の増大化を抑制することが可能となる。
入賞判定処理において修正処理を実行することにより、BB当選状況でベル役に当選するとともに今回の検索ラインが上ラインL1又は右下がりラインL4である場合に、検索ライン上に「ベル」図柄が停止している又は「ベル」図柄が2つ並んで停止しているとしても入賞の成立する可能性がないと判定することができる。この結果、不当入賞回避に基づく取りこぼしの発生し得る図柄番号に関して、入賞役ビットや獲得枚数ビットに情報を格納する処理を省略することができ、判定値算出情報の作成に要する処理時間の短縮化を図ることが可能となる。
各リール32L,32M,32Rにおける図柄配列の自由度や有効ラインの設定に関する自由度が低下することを抑制することが可能となる。確かに、上記第1の実施の形態のように、中ラインL2を有効ラインとして設定されることのない非有効ラインとし、左リール32Lにおいて「チェリー」図柄と上流側又は下流側に隣接した位置に「ベル」図柄を配置する構成とすれば、本実施の形態のような修正処理を実行せずとも、不当入賞回避に基づく取りこぼしの発生を防止することができる。しかしながら、例えば上記第1の実施の形態の図柄配列を適用し、中ラインL2を有効ラインとして設定する構成とした場合には、不当入賞回避に基づく取りこぼしが発生し得ることとなり、左リール32Lの図柄配列の変更等の必要性が生じ得るからである。
(第3の実施の形態)
本実施の形態では、判定値算出情報用バッファBの構成が上記第1の実施の形態におけるもの(図28b)参照)と異なっており、さらに判定値算出情報用バッファBの構成に合わせて入賞判定処理の処理構成が異なっている。そこで、以下にこれらの相違する構成について説明する。なお、上記第1の実施の形態と同一の構成については、基本的に説明を省略する。
先ず、判定値算出情報用バッファBの構成について図63を用いて説明する。
本実施の形態の判定値算出情報用バッファBは、上記第1の実施の形態と同様に第1バッファB1と第2バッファB2とを有しており、各1バイトの合計2バイトで構成されている。但し、第1バッファB1の各ビットに割り当てられた機能の一部が上記第1の実施の形態と異なっている。
詳細には、第1バッファB1における、最上位の第7ビットは不当入賞判定用情報を格納するための不当入賞判定ビットとしての機能を有し、第6ビットは再遊技情報を格納するための再遊技ビットとしての機能を有し、第5ビットは再遊技用優先ライン情報を格納するための再遊技用優先ラインビットとしての機能を有し、第4ビットはBB役情報を格納するためのBB役ビットとしての機能を有し、第3〜第0ビットは獲得枚数情報を格納するための獲得枚数ビットとしての機能を有する。
つまり、本構成の判定値算出情報用バッファBでは、入賞役ビットとして再遊技ビットとBB役ビットのみが設定されており、小役ビットは設定されていない。そして、当該小役ビットの代わりに、再遊技用優先ラインビットが割り当てられている。但し、上記第1の実施の形態において小役ビットはBB役ビットよりも下位のビットに割り当てられていたが、再遊技用優先ラインビットはBB役ビットよりも上位のビットに割り当てられている。
ちなみに、上記のように小役ビットを設定しない構成であっても、獲得枚数ビットが設定されていることにより、小役の入賞を構成する図柄番号の優先順位判定値を、何ら役の入賞を構成しない図柄番号の優先順位判定値よりも大きくすることができる。すなわち、小役の入賞を構成する図柄番号には、判定値算出情報用バッファBの獲得枚数ビットに獲得枚数情報が格納(獲得枚数ビットを構成するいずれかのビットに「1」が格納)され、何ら役の入賞を構成しない図柄番号よりも優先順位判定値を大きくすることができるからである。
次に、本実施の形態の入賞判定処理について図64及び図65のフローチャートを用いて説明する。
ステップS3101〜ステップS3104では、上記第1の実施の形態におけるステップS1801〜ステップS1804と同一の処理を行う。その後、ステップS3105では、今回の検索ラインが有効ラインか否かを判定する。有効ラインである場合にはステップS3106に進み、有効ラインでない場合にはステップS3107〜ステップS3123の処理を行うことなくステップS3124に進む。非有効ラインは、入賞とは関係のないラインでありステップS3107〜ステップS3123の入賞に関する処理を行う必要がないからである。
ステップS3106〜ステップS3111では、上記第1の実施の形態におけるステップS1805〜ステップS1810と同一の処理を行う。また、ステップS3112〜ステップS3113では、上記第1の実施の形態におけるステップS1812〜ステップS1813と同一の処理を行う。なお、本実施の形態の入賞判定処理では、上記第1の実施の形態におけるステップS1811の処理、及びステップS1814〜ステップS1815の処理を行わない。また、ステップS3114〜ステップS3115では、上記第1の実施の形態におけるステップS1816〜ステップS1817と同一の処理を行う。
その後、ステップS3116では、RAM106の入賞役種別用バッファ170を参照し、入賞の種別が再遊技情報か否かを判定する。再遊技情報である場合には、ステップS3117にて判定値算出情報用バッファBの再遊技ビットに「1」を格納した後に、ステップS3120に進む。再遊技情報でない場合には、ステップS3118に進む。
ステップS3118では、入賞役種別用バッファ170を参照し、入賞の種別がBB役情報か否かを判定する。BB役情報である場合には、ステップS3119にて判定値算出情報用バッファBのBB役ビットに「1」を格納した後に、ステップS3120に進む。BB役情報でない場合には、そのままステップS3120に進む。
ステップS3120では、今回の検索ラインがRAM106の優先ライン用バッファ156に格納された優先ラインの情報と一致するか否かを判定する。一致しない場合にはそのままステップS3124に進み、一致する場合にはステップS3121に進む。
ステップS3121では、入賞役種別用バッファ170を参照し、入賞の種別が再遊技情報か否かを判定する。再遊技情報である場合には、ステップS3122にて判定値算出情報用バッファBの再遊技用優先ラインビットに「1」を格納した後に、ステップS3124に進む。再遊技情報でない場合には、ステップS3123にて判定値算出情報用バッファBの第1優先ラインビットに「1」を格納した後に、ステップS3124に進む。
ステップS3124〜ステップS3132では、上記第1の実施の形態におけるステップS1825〜ステップS1833と同一の処理を行う。
以上のように、判定値算出情報用バッファBの第1バッファB1において再遊技ビットとBB役ビットとの間に再遊技用優先ラインビットを設定し、さらに入賞判定処理においてステップS3121〜ステップS3123の処理を実行することにより、ストップスイッチ42〜44の停止順序や停止操作タイミングがいかなる場合であったとしても、再遊技当選となっている状況下では当該再遊技入賞を最優先させることができる。
すなわち、上記のように再遊技用優先ラインビットが設定されていない場合を想定すると、BB当選状況で再遊技に当選した際には、判定値算出情報用バッファBの再遊技ビットとBB役ビットとの両方に「1」が格納される16番の優先順位判定値が他の図柄番号に比して大きくなる。したがって、中リール32Mを第1停止させると、その停止図柄番号は16番に設定され易くなり、図66(a)に示す停止出目になり易くなる。
かかる停止出目において、到達図柄番号が20番(これ以外にも、18番又は19番)のタイミングで左ストップスイッチ42が停止操作された場合には、図66(b)〜(f)の停止出目が想定される。そして、これら停止出目のうち、再遊技入賞が成立し得る停止出目は、図66(d)のみであるが、かかる停止出目では上ラインL1及び右下がりラインL4上に3番の「チェリー」図柄が停止し不当入賞となってしまう。つまり、図66(d)の停止出目は回避される。よって、この場合、再遊技の取りこぼしが生じてしまう。
これに対して、本実施の形態のように再遊技優先ラインビットを設定し、さらに上記第1の実施の形態と同様、再遊技当選における変則押し時の優先ラインを上ラインL1に設定しておくことで、再遊技ビットとBB役ビットとの両方に「1」が格納される16番の図柄番号よりも、「リプレイ」図柄が上ラインL1上に停止することとなる例えば20番の図柄番号の優先順位判定値を大きくすることができる。したがって、図66(a)に示す停止出目が回避され、再遊技の取りこぼしの発生を防止することができる。再遊技の成立は他の役に比べて高確率となるように設定されており、その設定された確率で再遊技が成立することを前提として、スロットマシン10におけるメダルの投入枚数に対するメダルの払出枚数の割合が設定されている。かかる状況において、再遊技の取りこぼしが発生してしまうと、予定した割合に対して実際の割合が異なるものとなってしまうため、上記のとおり再遊技の取りこぼしの発生を防止することが好ましい。
(第4の実施の形態)
次に、各リール32L,32M,32Rに付される図柄配列と、入賞成立となる図柄の組合せが異なる他、組合せラインL1〜L5の全てが有効ラインとして設定される他の実施の形態について説明する。なお、基本構成は上記第3の実施の形態と同じであるため、以下では相違点についてのみ説明する。
図69は、左リール32L,中リール32M,右リール32Rの図柄配列を示す図であり、図70は、入賞成立となる図柄の組合せを示す図である。
図柄としては、「ベル」図柄(例えば、左リール20番目)、「青年」図柄(例えば、左リール19番目)、「青チェリー」図柄(例えば、左リール18番目)、「リプレイ」図柄(例えば、左リール16番目)、「青7」図柄(例えば、左リール14番目)、「スイカ」図柄(例えば、左リール11番目)、「バー」図柄(例えば、左リール8番目)、「白チェリー」図柄(例えば、左リール7番目)、「赤7」図柄(例えば、左リール2番目)、「赤チェリー」図柄(例えば、中リール19番目)の10種類がある。そして、図69に示すように、各リール32L,32M,32Rにおいて各種図柄の数や配置順序は全く異なっている。
小役入賞としては、第1小役入賞〜第5小役入賞がある。各リール32L,32M,32Rの「ベル」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、第1小役入賞成立となり、左リール32Lの「赤7」図柄と中リール32M,右リール32Rの「ベル」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、第2小役入賞成立となり、各リール32L,32M,32Rの「スイカ」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、第3小役入賞成立となる。また、左リール32Lの「青チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合、第4小役入賞成立となり、左リール32Lの「白チェリー」図柄が有効ライン上に停止した場合、第5小役入賞成立となる。
再遊技入賞としては、第1再遊技入賞と第2再遊技入賞がある。各リール32L,32M,32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、第1再遊技入賞成立となり、左リール32Lの「ベル」図柄と中リール32M,右リール32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、第2再遊技入賞成立となる。
状態移行入賞としては、第1BB入賞〜第6BB入賞がある。各リール32L,32M,32Rの「赤7」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、第1BB入賞成立となり、各リール32L,32M,32Rの「青7」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、第2BB入賞成立となり、左リール32L,中リール32Mの「赤7」図柄と右リール32Rの「青7」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、第3BB入賞成立となり、左リール32L,中リール32Mの「青7」図柄と右リール32Rの「赤7」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、第4BB入賞成立となる。また、左リール32L,右リール32Rの「赤7」図柄と中リール32Mの「青チェリー」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、第5BB入賞成立となり、左リール32L,右リール32Rの「青7」図柄と中リール32Mの「バー」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合、第6BB入賞成立となる。
このように、本実施の形態では、13種類の役が設定されている。このため、本実施の形態では、役対応情報や入賞に関する判定を行う場合に使用される第1図柄対応情報等が2バイトで構成されている。
次に、主制御装置101のCPU102により実行される各制御処理のうち、上記第3の実施の形態との相違点について説明する。本実施の形態では、判定値算出情報作成処理において特有の処理を実行する。
判定値算出情報作成処理では、図71のフローチャートに示すように、ステップS3201において対象リールの判定値算出情報用バッファアドレスを取得する。ステップS3202では、RAM106の対象図柄用バッファ161に格納された情報を初期化する、すなわち「0」クリアする。これにより、0番が対象図柄番号となる。その後、ステップS3203の引込ビット情報設定処理、及びステップS3204の入賞判定処理を実行することにより、対象図柄番号の判定値算出情報用バッファBの各ビットに対して「0」又は「1」の情報を格納し、判定値算出情報を作成する。続くステップS3205では、停止エラー回避処理を実行し、作成した判定値算出情報の修正を行う。ステップ3206では、対象図柄用バッファ161の情報の更新を実行することで、対象図柄番号を現在設定されている図柄番号よりも1つ上の図柄番号に設定する。その後、ステップS3207にて、対象リールにおける判定値算出情報を全て作成したか否かを判定する。作成していない場合には、ステップS3203に戻る。これにより、対象リールにおける0番〜20番の全ての判定値算出情報が作成されるまで、ステップS3203〜ステップS3206の処理が繰り返される。そして、全判定値算出情報が作成されることにより、ステップS3207にて肯定判定をし、判定値算出情報作成処理を終了する。
S3203の引込ビット情報設定処理及びステップS3204の入賞判定処理については上記第3の実施の形態と同一のため説明を省略し、ステップS3205の停止エラー回避処理について詳細に説明する。
停止エラー回避処理では、図72のフローチャートに示すように、ステップS3301にてRAM106の停止リール特定用バッファ154を参照し、停止指令の発生しているリールが1つか否かを判定する。停止指令の発生しているリールが1つでない場合には、そのまま本処理を終了する。停止指令の発生しているリールが1つである場合には、第2停止指令が発生した場合に用いる判定値算出情報を作成すべく、判定値算出情報作成処理を実行していることを意味する。かかる場合には、ステップS3302にてRAM106の停止リール特定用バッファ154を参照し、左リール32Lが回転中であるか否かを判定する。左リール32Lが回転中である場合には、さらにステップS3303にて対象リール情報用バッファ160を参照し、対象リールが左リール32Lか否かを判定する。左リール32Lが回転中でない場合、又は今回の対象リールが左リール32Lである場合には、そのまま本処理を終了する。一方、左リール32Lが回転中であって、今回の対象リールが中リール32M又は右リール32Rである場合には、ステップS3304にて回避データ参照処理を実行し、本処理を終了する。
回避データ参照処理の説明に先立ち、当該回避データ参照処理を実行する際に関わるROM105及びRAM106の構成を説明する。
ROM105は、回避データテーブル記憶領域を有しており、当該回避データテーブル記憶領域には、回避データテーブルが記憶されている。回避データテーブルには、対象リールと、下段に停止させることを回避すべき図柄番号と、を示す回避データが複数設定されている。回避データは、図73(a)に示すように、1バイトで構成されている。詳細には、第7ビットと第5ビットはブランクとなっている。第6ビットは、中リール判定ビットとしての機能を有し、対象リールが中リール32Mである場合には「1」が格納され、対象リールが右リール32Rである場合には「0」が格納される。第4ビット〜第0ビットは、図柄番号ビットとしての機能を有し、下段に停止させることを回避すべき図柄番号が格納される。なお、本実施の形態では、左リール32L用の回避データを設定していないが、左リール32Lにおいて下段に停止させることを回避すべき図柄番号が存在する場合には、第5ビット又は第7ビットに左リール判定ビットとしての機能を付与すれば良い。図73(b)は、本実施の形態における回避データテーブルの構成を示す図である。第1アドレスには、中リール32Mの2番を示す回避データが設定されており、第2アドレスには、右リール32Rの1番を示す回避データが設定されている。第3アドレスには、中リール32Mの3番を示す回避データが設定されており、第4アドレスには、右リール32Rの1番を示す回避データが設定されている。第5アドレスには、中リール32Mの5番を示す回避データが設定されており、第6アドレスには、右リール32Rの1番を示す回避データが設定されている。第7アドレスには、中リール32Mの6番を示す回避データが設定されており、第8アドレスには、右リール32Rの1番を示す回避データが設定されており、第9アドレスには、右リール32Rの2番を示す回避データが設定されている。第10アドレスには、中リール32Mの9番を示す回避データが設定されており、第11アドレスには、右リール32Rの1番を示す回避データが設定されている。第12アドレスには、中リール32Mの10番を示す回避データが設定されており、第13アドレスには、右リール32Rの2番を示す回避データが設定されている。第14アドレスには、回避データ参照処理を終了させるための終了コードが設定されている。
RAM106には、回避データ参照用バッファが設けられている。回避データ参照用バッファは、中リール32Mの情報を一時記憶するための中リール確認用バッファと、右リール32Rの情報を一時記憶するための右リール確認用バッファと、回避データを一時記憶するための回避確認用バッファと、により構成されている。上記各確認用バッファは、それぞれ1バイトで構成されており、回避データ参照用バッファは、3バイトで構成されている。また、上記各確認用バッファの各ビットは、ROM105の回避データと同一の機能を有している。すなわち、第7ビットと第5ビットはブランクとなっている。第6ビットは、中リール判定ビットとしての機能を有し、第4ビット〜第0ビットは、図柄番号ビットとしての機能を有している。上記各確認用バッファの各ビットには、初期値として「0」が格納されている。
さて、回避データ参照処理では、図74のフローチャートに示すように、ステップS3401にて確認データ準備処理を行う。
確認データ準備処理では、図75のフローチャートに示すように、ステップS3501にて中リール32Mが停止しているか否かを判定する。中リール32Mが停止している場合、今回の判定値算出情報作成処理では右リール32Rの判定値算出情報を作成していることを意味する。かかる場合には、ステップS3502にて中リール32Mの下段に停止している停止図柄番号を中リール確認用バッファに格納するとともに、ステップS3503にて右リール32Rの対象図柄番号を右リール確認用バッファに格納する。また、中リール32Mが停止していない場合には、右リール32Rが停止していることを意味するため、ステップS3504にて右リール32Rの下段に停止している停止図柄番号を右リール確認用バッファに格納するとともに、ステップS3505にて中リール32Mの対象図柄番号を中リール確認用バッファに格納する。その後、ステップS3506にて中リール確認用バッファの第6ビットに1を格納し、本処理を終了する。
確認データ準備処理が終了した場合には、ステップS3402に進み、回避データを取得する際に用いる検索アドレスの値を0とする。ステップS3403では、検索アドレスの値に1を加算し、ステップS3404では、回避データテーブルから検索アドレスの値と対応する回避データを読み込み、回避確認用バッファに格納する。ステップS3405では、回避確認用バッファに格納した回避データが終了コードか否かを判定し、終了コードである場合には、そのまま本処理を終了する。終了コードでない場合には、ステップS3406に進み、中リール確認用バッファに格納されている情報と、回避確認用バッファに格納されている情報と、が一致するか否かを判定する。中リール確認用バッファに格納されている情報と、回避確認用バッファに格納されている情報と、が一致しない場合には、ステップS3403に戻る。一方、中リール確認用バッファに格納されている情報と、回避確認用バッファに格納されている情報と、が一致する場合には、ステップS3407に進み、検索アドレスの値を1加算する。その後、ステップS3408では、回避データテーブルから検索アドレスの値と対応する回避データを読み込み、回避確認用バッファに格納する。ステップS3409では、回避確認用バッファに格納した回避データが中リール32Mの図柄番号を示す回避データであるか否かを判定する。具体的には、回避確認用バッファの第6ビットに1が格納されているか否かを判定する。回避データが中リール32M用の回避データである場合には、ステップS3405に戻り、中リール32M用の回避データでない場合には、ステップS3410に進む。ステップS3410では、右リール確認用バッファに格納されている情報と、回避確認用バッファに格納されている情報と、が一致するか否かを判定する。右リール確認用バッファに格納されている情報と、回避確認用バッファに格納されている情報と、が一致しない場合には、ステップS3407に戻り、一致する場合には、ステップS3411にて蹴飛ばし判定ビットを0にクリアした後、本処理を終了する。
ここで、停止エラー回避処理の理解を容易なものとするため、第4小役と第1BBに当選し、右リール32Rの2番の「赤7」図柄が下段に停止している場合を例として説明する。
入賞判定処理(S3204、図71参照)において中リール32Mの5番用の判定値算出情報を作成した場合、ステップS3401の確認データ準備処理では、中リール用バッファに対象図柄番号としての「5」を格納するとともに、右リール用バッファに停止図柄番号としての「2」を格納する。また、中リール確認用バッファの第6ビットには、ステップS3506において「1」を格納する。この結果、中リール確認用バッファには、「01000101」という情報が格納され、右リール確認用バッファには、「00000010」という情報が格納されることとなる。
その後、ステップS3403〜ステップS3406では、回避データテーブルの第1アドレスから順に対応する回避データを回避確認用バッファに格納し、中リール確認用バッファに格納されている情報「01000101」と一致するか否かを判定する。ここで、回避データテーブルの第5アドレスには、回避データとして「01000101」が記憶されている。このため、検索アドレスが5となった場合には、ステップS3406において肯定判定をし、ステップS3407及びステップS3408において第6アドレスの回避データを回避確認用バッファに格納する。第6アドレスの回避データは「00000001」であるため、右リール32R用の回避データである。そこで、ステップS3409において否定判定をし、ステップS3410にて右リール確認用バッファに格納されている情報「00000010」と一致するか否かを判定する。右リール確認用バッファに格納されている情報と回避確認用バッファに格納されている情報とは一致しないため、ステップS3407に戻り、ステップS3408において第7アドレスの回避データを回避確認用バッファに格納する。第7アドレスの回避データは「01000110」であるため、中リール32M用の回避データである。そこで、ステップS3409において肯定判定するとともにステップS3405において否定判定をし、ステップS3406において中リール確認用バッファに格納されている情報「01000101」と一致するか否かを判定する。中リール確認用バッファに格納されている情報と回避確認用バッファに格納されている情報とは一致しないため、ステップS3403に戻り、ステップS3404において第8アドレスの回避データを回避確認用バッファに格納する。その後は、第8アドレス〜第13アドレスの回避データと、中リール確認用バッファに格納されている情報「01000101」と、が一致するか否かをステップS3406において順に判定するとともに否定判定をする。そして、ステップS3404において第14アドレスの回避データ「11111111」すなわち終了コードを回避確認用バッファに格納し、ステップS3405にて肯定判定をして回避データ参照処理を終了する。
以上の結果、入賞判定処理において中リール32Mの5番用の判定値算出情報を作成した場合には、回避データ参照処理において判定値算出情報が変更されない。
入賞判定処理(S3204、図71参照)において中リール32Mの6番用の判定値算出情報を作成した場合、ステップS3401の確認データ準備処理では、中リール用バッファに対象図柄番号としての「6」を格納するとともに、右リール用バッファに停止図柄番号としての「2」を格納する。また、中リール確認用バッファの第6ビットには、ステップS3506において「1」を格納する。この結果、中リール確認用バッファには、「01000110」という情報が格納され、右リール確認用バッファには、「00000010」という情報が格納されることとなる。
その後、ステップS3403〜ステップS3406では、回避データテーブルの第1アドレスから順に対応する回避データを回避確認用バッファに格納し、中リール確認用バッファに格納されている情報「01000110」と一致するか否かを判定する。ここで、回避データテーブルの第7アドレスには、回避データとして「01000110」が記憶されている。このため、検索アドレスが7となった場合には、ステップS3406において肯定判定をし、ステップS3407及びステップS3408において第8アドレスの回避データを回避確認用バッファに格納する。第8アドレスの回避データは「00000001」であるため、右リール32R用の回避データである。そこで、ステップS3409において否定判定をし、ステップS3410にて右リール確認用バッファに格納されている情報「00000010」と一致するか否かを判定する。右リール確認用バッファに格納されている情報と回避確認用バッファに格納されている情報とは一致しないため、ステップS3407に戻り、ステップS3408において第9アドレスの回避データを回避確認用バッファに格納する。第9アドレスの回避データは「00000010」であるため、右リール32R用の回避データである。そこで、ステップS3409において否定判定をし、ステップS3410にて右リール確認用バッファに格納されている情報「00000010」と一致するか否かを判定する。右リール確認用バッファに格納されている情報と回避確認用バッファに格納されている情報とが一致するため、ステップS3411にて蹴飛ばし判定ビットを0にクリアし、回避データ参照処理を終了する。
以上の結果、入賞判定処理において中リール32Mの6番用の判定値算出情報を作成した場合には、回避データ参照処理において判定値算出情報が修正される。具体的には、判定値算出用バッファBの第2バッファB2における第7ビットの値が1から0に変更される。
入賞判定処理(S3204、図71参照)において中リール32Mの7番用の判定値算出情報を作成した場合、ステップS3401の確認データ準備処理では、中リール用バッファに対象図柄番号としての「7」を格納するとともに、右リール用バッファに停止図柄番号としての「2」を格納する。また、中リール確認用バッファの第6ビットには、ステップS3506において「1」を格納する。この結果、中リール確認用バッファには、「01000111」という情報が格納され、右リール確認用バッファには、「00000010」という情報が格納されることとなる。
その後、ステップS3403〜ステップS3406では、回避データテーブルの第1アドレスから順に対応する回避データを回避確認用バッファに格納し、中リール確認用バッファに格納されている情報「01000111」と一致するか否かを判定する。ここで、回避データテーブルには、「01000111」という回避データが記憶されていない。このため、ステップS3406において、中リール確認用バッファに格納されている情報「01000111」と、第1アドレス〜第13アドレスの回避データと、が一致するか否かを順に判定するとともに全て否定判定をする。そして、ステップS3404において第14アドレスの回避データ「11111111」すなわち終了コードを回避確認用バッファに格納し、ステップS3405にて肯定判定をして回避データ参照処理を終了する。
以上の結果、入賞判定処理において中リール32Mの7番用の判定値算出情報を作成した場合には、回避データ参照処理において判定値算出情報が変更されない。
このように、第4小役と第1BBに当選している状況で右リール32Rの2番の「赤7」図柄が下段に停止している場合には、中リール32Mの6番の判定値算出情報が修正される。一方、中リール32Mの5番や7番の判定値算出情報は修正されない。したがって、6番の優先順位判定値は、第2バッファB2における第7ビットの値が0に修正されたことに伴い、5番や7番の優先順位判定値と比較して小さくなる。この結果、中リール32Mの6番の図柄を下段に到達させることが可能なタイミング(すなわち2番〜6番の図柄が下段に到達しているタイミング)で中ストップスイッチ43が操作されて第2停止指令が発生した場合には、上記6番の図柄が下段に停止するのではなく5番や7番等の他の図柄番号の図柄が下段に停止することとなる。
なお、第4小役と第1BBに当選し、中リール32Mの6番の「スイカ」図柄が下段に停止している場合には、右リール32Rの2番の判定値算出情報が修正されることとなる。
次に、回避データ参照処理を実行することによって回避される停止出目を、図76及び図77に基づいて説明する。
図76(a)に示す停止出目は、第1アドレスの回避データ及び第2アドレスの回避データによって回避される停止出目である。かかる停止出目では、中リール32Mの4番の「リプレイ」図柄と、右リール32Rの3番の「リプレイ」図柄と、が上ラインL1上に並んで停止している。例えば第5小役に当選している状況でかかる停止出目を停止させた場合には、以下の不具合が発生する。左リール32Lの7番の「白チェリー」図柄が下段に到達しているタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合、第5小役入賞を成立させるためには、左リール32Lを滑らせることなくそのまま停止させ、前記7番の「白チェリー」図柄を下段に停止させる必要が生じる。しかしながら、左リール32Lの9番には「ベル」図柄が配置されているため、7番の「白チェリー」図柄を下段に停止させた場合には、下ラインL3及び右上がりラインL5上で第5小役入賞が成立する一方、上ラインL1上で当選していない第2再遊技入賞が成立してしまう。つまり、不当入賞が発生する。不当入賞の発生を回避させるべく左リール32Lを滑らせた後に停止させた場合には、「白チェリー」図柄が7番以外の位置に配置されていないため、第5小役入賞が成立しなくなる。
図76(b)に示す停止出目は、第3アドレスの回避データ及び第4アドレスの回避データによって回避される停止出目である。かかる停止出目では、中リール32Mの4番の「リプレイ」図柄と、右リール32Rの3番の「リプレイ」図柄と、が右上がりラインL5上に並んで停止している。例えば第5小役に当選している状況でかかる停止出目を停止させた場合には、以下の不具合が発生する。左リール32Lの1番の「スイカ」図柄が下段に到達しているタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合、第5小役入賞を成立させるためには、左リール32Lを4図柄分滑らせた後に停止させ、7番の「白チェリー」図柄を上段に停止させる必要が生じる。しかしながら、左リール32Lの5番には「リプレイ」図柄が配置されているため、7番の「白チェリー」図柄を上段に停止させた場合には、上ラインL1及び右下がりラインL4上で第5小役入賞が成立する一方、右上がりラインL5上で当選していない第1再遊技入賞が成立してしまう。つまり、不当入賞が発生する。不当入賞の発生を回避させるべく左リール32Lを4図柄分滑らせることなく停止させた場合には、「白チェリー」図柄が7番以外の位置に配置されていないため、第5小役入賞が成立しなくなる。
図76(c)に示す停止出目は、第5アドレスの回避データ及び第6アドレスの回避データによって回避される停止出目である。かかる停止出目では、中リール32Mの7番の「リプレイ」図柄と、右リール32Rの3番の「リプレイ」図柄と、が上ラインL1上に並んで停止し、中リール32Mの6番の「スイカ」図柄と、右リール32Rの1番の「スイカ」図柄と、が右下がりラインL4上に並んで停止している。例えば第4小役に当選している状況又は外れの状況でかかる停止出目を停止させた場合には、以下の不具合が発生する。左リール32Lの5番の「リプレイ」図柄が下段に到達しているタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合には、左リール32Lを滑らせることなく停止させると7番の「白チェリー」図柄が上段に停止し、上ラインL1及び右下がりラインL4上で不当入賞(第5小役入賞)が発生する。左リール32Lを1図柄分滑らせた後に停止させた場合には、7番の「白チェリー」図柄が中段に停止し、中ラインL2上で不当入賞(第5小役入賞)が発生する。左リール32Lを2図柄分滑らせた後に停止させた場合には、7番の「白チェリー」図柄が下段に停止し、下ラインL3及び右上がりラインL5上で不当入賞(第5小役入賞)が発生する。左リール32Lを3図柄分滑らせた後に停止させた場合には、10番の「リプレイ」図柄が上段に停止し、上ラインL1上で不当入賞(第1再遊技入賞)が発生する。左リール32Lを4図柄分滑らせた後に停止させた場合には、11番の「スイカ」図柄が上段に停止し、右下がりラインL4上で不当入賞(第3小役入賞)が発生する。このように、第4小役に当選している状況又は外れの状況で図76(c)に示す停止出目を停止させた場合、左ストップスイッチ42の操作タイミングによっては、左リール32Lを如何なる停止態様で停止させた場合であっても不当入賞が発生してしまう。
図76(d)に示す停止出目は、第7アドレスの回避データ及び第8アドレスの回避データによって回避される停止出目である。かかる停止出目では、中リール32Mの6番の「スイカ」図柄と、右リール32Rの1番の「スイカ」図柄と、が下ラインL3上に並んで停止し、中リール32Mの7番の「リプレイ」図柄と、右リール32Rの3番の「リプレイ」図柄と、が右上がりラインL5上に並んで停止している。例えば第4小役に当選している状況又は外れの状況でかかる停止出目を停止させた場合には、以下の不具合が発生する。左リール32Lの3番の「スイカ」図柄が下段に到達しているタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合には、左リール32Lを滑らせることなく停止させると前記3番の「スイカ」図柄が下段に停止し、下ラインL3上で不当入賞(第3小役入賞)が発生する。左リール32Lを1図柄分滑らせた後に停止させた場合には、4番の「ベル」図柄が下段に停止し、右上がりラインL5上で不当入賞(第2再遊技入賞)が発生する。左リール32Lを2図柄分滑らせた後に停止させた場合には、5番の「リプレイ」図柄が下段に停止するとともに7番の「白チェリー」図柄が上段に停止し、上ラインL1,右下がりラインL4及び右上がりラインL5上で不当入賞(第5小役入賞、第1再遊技入賞)が発生する。左リール32Lを3図柄分滑らせた後に停止させた場合には、7番の「白チェリー」図柄が中段に停止し、中ラインL2上で不当入賞(第5小役入賞)が発生する。左リール32Lを4図柄分滑らせた後に停止させた場合には、7番の「白チェリー」図柄が下段に停止し、下ラインL3及び右上がりラインL5上で不当入賞(第5小役入賞)が発生する。このように、第4小役に当選している状況又は外れの状況で図76(d)に示す停止出目を停止させた場合、左ストップスイッチ42の操作タイミングによっては、左リール32Lを如何なる停止態様で停止させた場合であっても不当入賞が発生してしまう。
図77(a)に示す停止出目は、第7アドレスの回避データ及び第9アドレスの回避データによって回避される停止出目である。かかる停止出目では、中リール32Mの7番の「リプレイ」図柄と、右リール32Rの3番の「リプレイ」図柄と、が中ラインL2上に並んで停止している。例えば第5小役に当選していない状況でかかる停止出目を停止させた場合には、以下の不具合が発生する。左リール32Lの4番の「ベル」図柄が下段に到達しているタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合には、左リール32Lを滑らせることなく停止させると5番の「リプレイ」図柄が中段に停止し、中ラインL2上で不当入賞(第1再遊技入賞)が発生する。左リール32Lを1図柄分〜3図柄分滑らせた後に停止させた場合には、7番の「白チェリー」図柄が上段,中段,下段のいずれかに停止し、不当入賞(第5小役入賞)が発生する。左リール32Lを4図柄分滑らせた後に停止させた場合には、9番の「ベル」図柄が中段に停止し、中ラインL2上で不当入賞(第2再遊技入賞)が発生する。このように、第5小役に当選していない状況で図77(a)に示す停止出目を停止させた場合、左ストップスイッチ42の操作タイミングによっては、左リール32Lを如何なる停止態様で停止させた場合であっても不当入賞が発生してしまう。同様に、第4小役に当選していない状況でかかる停止出目を停止させた場合には、以下の不具合が発生する。左リール32Lの15番の「ベル」図柄が下段に到達しているタイミングで左ストップスイッチ42が操作された場合には、左リール32Lを滑らせることなく停止させると16番の「リプレイ」図柄が中段に停止し、中ラインL2上で不当入賞(第1再遊技入賞)が発生する。左リール32Lを1図柄分〜3図柄分滑らせた後に停止させた場合には、18番の「青チェリー」図柄が上段,中段,下段のいずれかに停止し、不当入賞(第4小役入賞)が発生する。左リール32Lを4図柄分滑らせた後に停止させた場合には、20番の「ベル」図柄が中段に停止し、中ラインL2上で不当入賞(第2再遊技入賞)が発生する。このように、第4小役に当選していない状況で図77(a)に示す停止出目を停止させた場合、左ストップスイッチ42の操作タイミングによっては、左リール32Lを如何なる停止態様で停止させた場合であっても不当入賞が発生してしまう。
図77(b)に示す停止出目は、第10アドレスの回避データ及び第11アドレスの回避データによって回避される停止出目である。かかる停止出目では、中リール32Mの11番の「リプレイ」図柄と、右リール32Rの3番の「リプレイ」図柄と、が上ラインL1上に並んで停止し、中リール32Mの10番の「スイカ」図柄と、右リール32Rの1番の「スイカ」図柄と、が右下がりラインL4上に並んで停止している。これは、中リール32Mの図柄番号が異なる点を除き、図76(c)に示す停止出目と同じである。このため、第4小役に当選している状況又は外れの状況で不具合が発生する。
図77(c)に示す停止出目は、第12アドレスの回避データ及び第13アドレスの回避データによって回避される停止出目である。かかる停止出目では、中リール32Mの11番の「リプレイ」図柄と、右リール32Rの3番の「リプレイ」図柄と、が中ラインL2上に並んで停止している。これは、第1再遊技入賞又は第2再遊技入賞が中ラインL2上で成立し得ると言う点で図77(a)に示す停止出目と同じである。このため、第4小役に当選していない状況又は第5小役に当選していない状況で不具合が発生する。
ちなみに、中リール32Mと右リール32Rの「リプレイ」図柄が中ラインL2上に並んで停止する停止出目としては、上述した図77(a)及び図77(c)に示す停止出目の他に、例えば中リール32Mと右リール32Rの16番の「リプレイ」図柄が中ラインL2上に並んで停止する停止出目や、中リール32Mの16番の「リプレイ」図柄と右リール32Rの3番の「リプレイ」図柄が中ラインL2上に並んで停止する停止出目等がある。これら停止出目については、回避データ参照処理を実行することによって回避されるのではなく、入賞判定処理の引込ビット情報検索処理(S3130、図65参照)及び優先ライン変更処理(S1104、図24参照)を実行することによって回避される。中リール32Mと右リール32Rの「リプレイ」図柄が上ラインL1上に並んで停止する図76(a)以外の停止出目等についても同様である。換言すれば、回避データ参照処理とは、引込ビット情報検索処理及び優先ライン変更処理を実行した結果として、不当入賞の発生や当選役と対応する入賞の蹴飛ばしの発生を回避できない停止出目が停止し得る場合に、前記停止出目を回避すべく判定値算出情報を修正する処理である、と言える。
また、上述した7通りの停止出目は、停止エラー回避処理が実行されることによって必ず回避される訳ではない。例えば図76(a)に示す停止出目は、第1再遊技に当選している場合等において出現し得る。これは、回避データ参照処理を実行することによって蹴飛ばし判定ビットの値が0に変更されたとしても、入賞判定処理のステップS3116〜ステップS3123(図65参照)において第1バッファB1側の再遊技ビットや再遊技用優先ラインビットに1が格納されるため、優先順位判定値が他の図柄番号と比較して高くなり得るからである。より具体的に言うと、上述した7通りの停止出目は、第1BB〜第6BBのいずれかに当選している状況で第4小役に当選した場合と、第1BB〜第6BBのいずれかに当選している状況で第5小役に当選した場合と、において回避される。
以上のように、回避データ参照処理を行って所定の停止出目が出現することを回避可能な構成とすることにより、不当入賞や蹴飛ばし制御の発生を回避しつつ停止出目の単調化を抑制することが可能となり、さらに、データ容量の増大化をも抑制することが可能となる。
確かに、回避データ参照処理を行うのではなく、図76及び図77に示した停止出目(以下、「回避停止出目」と言う。)が出現しないように引込ビット情報検索処理を実行する構成とすることも可能である。しかしながら、かかる構成とする場合には、回避停止出目と対応する図柄番号の判定値算出情報用バッファBの引込ビットに格納される引込ビット情報合成値が、少なくとも1つ上の図柄番号の判定値算出情報用バッファBの引込ビットに格納される引込ビット情報合成値及び1つ下の図柄番号の判定値算出情報用バッファBの引込ビットに格納される引込ビット情報合成値よりも小さくなるよう、引込ビットテーブルにおける各図柄番号の引込ビット情報を設定する必要がある。これは、予め用意すべき引込ビットテーブル数の増加に伴うデータ容量の増大化が懸念されるのみならず、スロットマシン10を設計する際の設計負荷やデバック工数の増大化が懸念されることとなる。
ここで、第1BB〜第6BBのいずれかに当選している状況、第4小役等の取りこぼしが発生し得る小役に当選している状況、外れの状況において、図76及び図77に示す停止出目以外に、回避させる必要がある停止出目を具体的に説明する。
第3停止時に右リール32Rを停止させる場合には、図78(a)に示すように、左リール32Lと中リール32Mの「ベル」図柄が上ラインL1上に並んで停止するとともに、左リール32Lと中リール32Mの「リプレイ」図柄が右上がりラインL5上に並んで停止する停止出目を回避させる必要がある。かかる停止出目とした場合には、右リール32Rの6番、7番、14番、15番が下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、不当入賞の発生を回避することができないからである。例えば、右リール32Rの6番が下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合、右リール32Rを滑らせることなく停止させると8番の「リプレイ」図柄が上段に停止し、右上がりラインL5上で不当入賞(第1再遊技入賞)が発生する。右リール32Rを1図柄分滑らせた後に停止させると9番の「ベル」図柄が上段に停止し、上ラインL1上で不当入賞(第1小役入賞)が発生する。右リール32Rを2図柄分滑らせた後に停止させると8番の「リプレイ」図柄が下段に停止し、右下がりラインL4上で不当入賞(第2再遊技入賞)が発生する。右リール32Rを3図柄分滑らせた後に停止させると11番の「リプレイ」図柄が上段に停止し、右上がりラインL5上で不当入賞(第1再遊技入賞)が発生する。右リール32Rを4図柄分滑らせた後に停止させると12番の「ベル」図柄が上段に停止し、上ラインL1上で不当入賞(第1小役入賞)が発生する。このように、上述した状況で図78(a)に示す停止出目を停止させた場合、右ストップスイッチ44の操作タイミングによっては、右リール32Rを如何なる停止態様で停止させた場合であっても不当入賞が発生してしまう。
第3停止時に中リール32Mを停止させる場合には、図78(b)に示すように、左リール32Lと右リール32Rの「ベル」図柄が右下がりラインL4上に並んで停止するとともに、左リール32Lと右リール32Rの「リプレイ」図柄が右上がりラインL5上に並んで停止する停止出目を回避させる必要がある。かかる停止出目とした場合には、中リール32Mの2番が下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合、不当入賞の発生を回避することができないからである。
同様に、第3停止時に左リール32Lを停止させる場合には、6通りの停止出目を回避させる必要がある。具体的には、図78(c)に示すように、中リール32Mと右リール32Rの「ベル」図柄が上ラインL1上に並んで停止するとともに「リプレイ」図柄が中ラインL2上に並んで停止する停止出目と、図78(d)に示すように、中リール32Mと右リール32Rの「ベル」図柄が中ラインL2上に並んで停止するとともに「リプレイ」図柄が下ラインL3上に並んで停止する停止出目と、図79(a)に示すように、中リール32Mと右リール32Rの「ベル」図柄が下ラインL3上に並んで停止するとともに「スイカ」図柄が右上がりラインL5上に並んで停止する停止出目と、図79(b)に示すように、中リール32Mと右リール32Rの「リプレイ」図柄が上ラインL1上に並んで停止するとともに「ベル」図柄が下ラインL3上に並んで停止する停止出目と、図79(c)に示すように、中リール32Mの「バー」図柄と右リール32Rの「青7」図柄が上ラインL1上に並んで停止するとともに中リール32Mと右リール32Rの「リプレイ」図柄が右下がりラインL4上に並んで停止する停止出目と、図79(d)に示すように、中リール32Mと右リール32Rの「リプレイ」図柄が下ラインL3上に並んで停止するとともに中リール32Mの「バー」図柄と右リール32Rの「青7」図柄が右上がりラインL5上に並んで停止する停止出目と、を回避させる必要がある。
このように、入賞成立となる図柄の組合せを多数有する構成においては、回避停止出目が多数発生しやすい。このため、回避停止出目の全てを引込ビット情報検索処理において回避できるよう引込ビットテーブルを設定する構成とした場合には、予め用意すべき引込ビットテーブル数の増加に伴うデータ容量の増大化が懸念されるのみならず、スロットマシン10を設計する際の設計負荷やデバック工数の増大化が懸念されることとなる。
換言すれば、引込ビット情報検索処理を実行した場合には、第1BB〜第6BBのいずれかに当選している状況、第4小役等の取りこぼしが発生し得る小役に当選している状況、外れの状況において、停止出目の多様化を図ることができるという利点がある一方、入賞成立となる図柄の組合せ数が増加した場合に、不当入賞や蹴飛ばし制御の発生を回避することが困難となる。
また、本実施の形態では、引込ビット情報検索処理に加えて優先ライン変更処理を実行するため、ストップスイッチ42〜44の操作タイミングによって優先ラインが変化する。このため、不当入賞や蹴飛ばし制御の発生を回避できるように引込ビットテーブルを用意したとしても、優先ラインが変化することによって回避停止出目が出現する事象が生じ得る。
第1BBと第5小役に当選している場合を例として説明する。変則押しがなされた場合の優先ラインは上ラインL1であり、引込ビットテーブルには中リール32Mの「スイカ」図柄に最も大きい値の引込ビット情報が設定されているものとする。
第1停止指令として例えば右リール32Rの0番が下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、当選図柄たる2番の「赤7」図柄が上段に停止し、優先ラインは上ラインL1のままとなる。かかる状況において、第2停止指令として例えば中リール32Mの3番の「チェリー」図柄が下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合には、当選図柄たる「赤7」図柄を上段、中段、下段のいずれにも停止させることができない。このため、中リール32Mは1図柄分だけ滑った後に停止し、最も大きい値の引込ビット情報が設定された6番の「スイカ」図柄が上段に停止することとなる。かかる場合には、回避停止出目が出現しない。
一方、第1停止指令として例えば右リール32Rの2番の「赤7」図柄が下段に到達しているタイミングで右ストップスイッチ44が操作された場合には、当該2番の「赤7」図柄が下段に停止する。かかる場合には、上ラインL1上に「赤7」図柄が停止していないため、優先ラインが上ラインL1から下ラインL3に変更されることとなる。かかる状況において、第2停止指令として例えば中リール32Mの3番の「チェリー」図柄が下段に到達しているタイミングで中ストップスイッチ43が操作された場合には、中リール32Mが3図柄分だけ滑った後に停止し、最も大きい値の引込ビット情報が設定された6番の「スイカ」図柄が下段に停止することとなる。これは、図77(a)に示す回避停止出目に他ならない。
ここで、回避停止出目の出現を回避すべく優先ライン変更処理も考慮しつつ引込ビットテーブルを設定することは当然可能である。しかしながら、1つのリールに21個の図柄を配置するとともにリールの最大滑り数を4図柄と設定したスロットマシン10では、下段に停止する図柄番号を1つのリールにつき最低5つ設定する必要がある。このため、優先ラインが変更されなかった場合と変更された場合とに生じる25通り以上の図柄の組合せについて、回避停止出目でないか否かを確認する必要が生じる。そして、仮に回避停止出目が含まれていた場合には、少なくとも1つのリールの下段に停止する図柄番号を変更し、再び25通り以上の図柄の組合せを回避停止出目でないか否か確認する必要が生じる。また、もし仮に引込ビットテーブルでは回避停止出目の出現を回避できないという結論に到達し、各リール32L,32M,32Rの図柄配列や入賞成立となる図柄の組合せ自体を変更した場合には、上記作業を1からやり直す必要が生じる。これは非常に煩雑な作業である。
一方、回避データ参照処理を行う構成においては、例えば上記作業の途中で回避停止出目の出現を回避できないとなった場合、当該回避停止出目を回避データテーブルに記憶し、回避データ参照処理において回避停止出目の出現を回避すれば良い。故に、引込ビット検索処理及び優先ライン変更処理によって停止出目の多様化を図りつつ、回避データ参照処理によって回避停止出目の出現を回避するとともにスロットマシン10を設計する際の設計負荷やデバック工数の増大化を抑制することが可能となる。
さらにいうと、引込ビット情報検索処理や優先ライン変更処理を行わない構成とすることも当然可能である。しかしながら、かかる構成とした場合には、第1BB〜第6BBのいずれかに当選している状況、第4小役等の取りこぼしが発生し得る小役に当選している状況、外れの状況において、停止出目が単調化することとなる。
回避データ参照処理を、停止指令の発生しているリールが1つであることに基づいて実行する構成とした。かかる構成とすることにより、最初に停止させるリールの停止出目に関して自由度を確保しつつ、第2停止指令の発生に基づいて停止させるリールの停止出目によって不当入賞や蹴飛ばし制御の発生を回避することが可能となる。例えば停止指令が発生していない状況で回避停止出目の出現を回避するよう判定値算出情報を作成することも可能である。しかしながら、かかる構成とした場合には、例えば第1小役に当選していない状況では中リール32Mと右リール32Rの「ベル」図柄が有効ライン上に停止しないという事象が生じ得る。これは、停止出目に著しい制約が生じるのみならず、1つのリールが停止した時点で役の抽選結果が遊技者に把握されてしまう事態に陥りかねず、遊技が単調化する可能性が懸念されることとなる。
回避データ参照処理を、左リール32Lが回転中であって対象リールが中リール32M又は右リール32Rであることに基づいて実行する構成、すなわち中リール32Mと右リール32Rの停止出目を判定する構成とした。上述したとおり、回避停止出目は、第3停止時に左リール32Lを停止させる場合の停止出目すなわち中リール32Mと右リール32Rによる停止出目が最も多い。これは、左リール32Lの「青チェリー」図柄と「白チェリー」図柄が他のリール32M,32Rの停止出目に関わらず入賞成立となる図柄であることに起因する。また、中リール32Mと右リール32Rの「リプレイ」図柄が有効ライン上に並んで停止した場合には、左リール32Lの「リプレイ」図柄が前記有効ライン上に停止すると第1再遊技入賞成立となり、左リール32Lの「ベル」図柄が前記有効ライン上に停止すると第2再遊技入賞成立となることにも起因する。さらにいうと、左リール32Lに「リプレイ」図柄と「ベル」図柄を同種図柄同士の間隔が4図柄以下となるようにして配置したことも、回避停止出目の出現を回避することを一層困難なものとしている。そこで、回避データ参照処理を、左リール32Lが回転中であって対象リールが中リール32M又は右リール32Rであることに基づいて実行する構成とすることにより、回避停止出目の出現を好適な形で回避することができる。
回避データテーブルには、図柄番号を示す回避データを記憶し、回避データ参照処理では、中リール32Mの図柄番号と、右リール32Rの図柄番号と、の組合せにより、蹴飛ばし判定ビットをクリアするか否かを判断する構成とした。かかる構成とすることにより、回避データ参照処理に要する処理時間の短縮化を図ることが可能となる。例えば、図柄番号の組合せではなく図柄の組合せによって判断する構成とした場合には、図柄番号と対応する図柄を把握する処理が別途必要となり、処理時間が長大化してしまうこととなるからである。さらにいうと、表示窓から1つのリールに対して3個の図柄が視認可能であって、上段,中段,下段の各位置に有効ラインが設定される構成においては、図柄ではなく図柄番号によって上記判断を実行する構成とすることにより、全ての有効ラインにおける図柄の組合せを考慮した判断を実行することができる。故に、回避データ参照処理に関わる処理構成の簡素化を図ることが可能となる。
回避データを、図柄番号を示す情報とリールを示す情報とよりなる構成とした。かかる構成とすることにより、回避データテーブルに、中リール32Mの回避データと右リール32Rの回避データを混在した状態で記憶させることが可能となる。また、回避データテーブルには、中リール32Mの図柄番号を示す回避データが記憶されたアドレスの次のアドレスに、右リール32Rの図柄番号を示す回避データを記憶した。このように、中リール32Mの図柄番号を示す回避データが記憶されるアドレスと、右リール32Rの図柄番号を示す回避データが記憶されるアドレスと、に規則性を持たせることにより、中リール32Mの回避データと右リール32Rの回避データを混在した状態で記憶させた場合であっても、回避データ参照処理に関わる処理構成を簡略化することが可能となる。例えば、回避データを図柄番号のみを示す構成とした場合には、中リール32M用の回避データテーブルと右リール32R用の回避データテーブルを別個に用意する必要が生じ、本実施の形態における回避データ参照処理のように検索アドレスを1ずつ順に加算していくことで処理を実行するということが困難なものとなるからである。
回避データ参照処理のステップS3409では、回避データが中リール32M用の回避データである場合、ステップS3405に戻る構成とした。かかる構成とすることにより、回避データテーブルに記憶させる中リール32M用の回避データを削減することが可能となる。具体的に説明すると、1通りの回避停止出目の出現を回避するためには、中リール32M用の回避データと、右リール32R用の回避データと、が必要なため、2バイトのデータ量が必要となる。ここで、回避データテーブルには、第7アドレスに中リール32Mの6番を示す回避データが記憶されており、第8アドレスに右リール32Rの1番を示す回避データが記憶されており、第9アドレスに右リール32Rの2番を示す回避データが記憶されている。これら3バイトの回避データにより、中リール32Mの6番と右リール32Rの1番が下段に停止する回避停止出目と、中リール32Mの6番と右リール32Rの2番が下段に停止する回避停止出目と、の2通りの回避停止出目の出現を回避している。
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(1)上記第1〜第3の実施の形態における各判定値算出情報用バッファBを、不当入賞判定ビットと入賞役判定ビットのみにより構成してもよい。そして、各図柄番号の優先順位判定値が、入賞が発生する図柄番号>入賞も不当入賞も発生しない図柄番号>不当入賞が発生してしまう図柄番号となるようにする。かかる構成においても、停止指令の発生後における停止図柄番号の算出に際しては、入賞が発生する図柄番号が優先されるとともに、不当入賞が発生してしまう図柄番号が回避される。
(2)各リール32L,32M,32Rの停止制御に関する態様として、上記第1〜第3の実施の形態における態様と、上記(1)において示した態様とを併せ持つ構成としてもよい。例えば、第1停止として左リール32Lが停止操作される場合には、第1停止〜第3停止の全てに関して上記第1の実施の形態における態様で行い、第1停止として左リール32L以外が停止操作される場合には、第1停止〜第3停止の全てに関して上記(1)において示した態様で行うようにしてもよい。
(3)上記各実施の形態では、各判定値算出情報(優先順位情報)に基づいてリールの停止制御を行う場合において、当該リールの停止操作が有効化される前は各判定値算出情報用バッファBの各ビットに「0」又は「1」を格納しておくだけとし、優先順位判定値の算出、スベリ数の算出、及び停止図柄番号の算出は停止指令の発生後に行うようにしたが、これを変更してもよい。
例えば、全図柄番号の優先順位判定値を、対応するリールの停止操作が有効化される前に算出しておく構成としてもよい。かかる構成においては、停止指令の発生後に優先順位判定値の算出を行う必要がなくなるため、停止指令が発生してからそれに対応した停止図柄番号を決定するまでのタイムラグを低減させることが可能となる。
また、全図柄番号のそれぞれに対応したスベリ数を、対応するリールの停止操作が有効化される前に算出しておく構成としてもよい。かかる構成においては、停止指令の発生後にスベリ数の算出を行う必要がなくなるため、停止指令が発生してからそれに対応した停止図柄番号を決定するまでのタイムラグを低減させることが可能となる。
また、全図柄番号のそれぞれに対応した停止図柄番号を、対応するリールの停止操作が有効化される前に算出しておく構成としてもよい。かかる構成においては、停止指令の発生後に停止図柄番号の算出を行う必要がなくなるため、停止指令が発生してからそれに対応した停止図柄番号を決定するまでのタイムラグを低減させることが可能となる。
そして、上記のようにタイムラグを低減させることで、ストップスイッチが操作されたタイミングにおいて基点位置に到達している到達図柄番号の図柄をそのまま停止させる際に、ストップスイッチの操作タイミングに対する実際にリールの停止するタイミングを極力近づけることが可能となり、リール停止までのレスポンス性を高めることができる。
(4)上記各実施の形態では、第1停止指令の対象が左リール32Lである場合には、当該左リール32Lの停止図柄番号の決定を、予め主制御装置101のROM105に記憶されたスベリテーブルに基づいて行うようにしたが、かかる場合であっても優先順位情報に基づいて停止図柄番号の決定を行うようにしてもよい。当該構成とすることにより、スベリテーブルが一切不要となり、各リール32L,32M,32Rの停止制御に関してROM105のデータ量のさらなる削減を図ることが可能となる。
また、左リール32Lなどといった特定のリールに関しては、停止操作された順番に関係なく、停止図柄番号の決定をスベリテーブルに基づいて行うようにしてもよい。また、第1停止指令などといった特定の順番の停止対象となったリールに関しては、いずれのリールであるかに関係なく、停止図柄番号の決定をスベリテーブルに基づいて行うようにしてもよい。これらの構成であったとしても、全てのリール及び全ての停止操作順に対してスベリテーブルが予め記憶されている構成に比べ、各リール32L,32M,32Rの停止制御に関してROM105のデータ量の削減を図ることが可能となる。
(5)上記各実施の形態では、各判定値算出情報に基づいてリールの停止制御を行う場合は、停止指令の発生後に、優先順位判定値を算出し、その後、優先順位判定値に基づいてスベリ数を算出し、最後に停止図柄番号を算出するようにしたが、これを変更してもよい。例えば、優先順位判定値を比較することで、スベリ数を算出するのではなく、停止図柄番号を算出するようにしてもよい。この場合、停止指令が発生してから停止図柄番号を算出するまでの処理時間を上記各実施の形態よりも短縮させることができる。
(6)上記各実施の形態では、優先順位が高い図柄番号ほど優先順位判定値が大きくなるようにしたが、これに代えて、優先順位が高い図柄番号ほど優先順位判定値が小さくなるようにしてもよい。かかる構成においては、第2停止以降用スベリ数取得処理(図45参照)にて、到達図柄番号から最大スベリ数分の図柄番号のうち、優先順位判定値が最も小さい図柄番号を停止図柄番号として設定する。ちなみに当該構成においては、不当入賞が発生する図柄番号については判定値算出情報用バッファBの各ビットに「1」を格納することで、不当入賞が発生する図柄番号の優先順位判定値を最も大きくすることができ、優先順位を最も低くすることができる。また、判定値算出情報用バッファBにおける獲得枚数ビットには格納可能な最大値を格納しておき(具体的には、第1バッファB1の第3〜第0ビットに全て「1」を格納しておく)、獲得枚数を算出する毎にそこから順次減算していく構成としてもよい。
(7)上記各実施の形態では、各判定値算出情報用バッファBをそれぞれ2バイトで構成したが、3バイト以上で構成してもよい。但し、優先順位判定値の算出を画一的に行うべく、各判定値算出情報用バッファBのバイト数は統一するのが好ましい。
また、各判定値算出情報用バッファBを1バイトで構成してもよい。但し、当該構成においては、上記各実施の形態よりもビット数が少なくなるため、判定値算出情報に含まれる情報の種類を上記各実施の形態よりも減らす必要がある。
(8)上記各実施の形態では、第1停止処理(図24参照)及び第2停止処理(図44参照)において、停止用割込み処理が許可されている状況で第2停止以降用優先順位情報作成処理を実行することで、リールの減速処理と各判定値算出情報の作成とを並行して行うようにしたが、これを変更してもよい。例えば、停止用割込み処理が許可されている状況では第2停止以降用優先順位情報作成処理を行わないようにすることで、リールの減速処理が終了してから各判定値算出情報の作成を行うようにしてもよい。但し、かかる構成においては、一の停止指令が発生してから次の停止操作が有効化されるまでの時間を上記各実施の形態よりも長くする必要がある。
(9)上記各実施の形態では、第2停止以降用優先順位情報作成処理の処理時間を、停止指令が発生してからリールを最大図柄数(4図柄)分滑らせた上で停止させるまでに要する規定期間内で終わるように設定したが、これに代えて、第2停止以降用優先順位情報作成処理の処理時間が、上記規定期間を超える構成であってもよい。但し、かかる構成においては、一の停止指令が発生してから次の停止操作が有効化されるまでの時間を上記各実施の形態よりも長くする必要がある。
(10)上記各実施の形態では、リール回転処理(図18参照)において、始動用割込み処理が許可されている状況で変則押し用優先順位情報作成処理を実行することで、リールの加速処理と変則押し用の各判定値算出情報の作成とを並行して行うようにしたが、これを変更してもよい。例えば、始動用割込み処理が許可されている状況では変則押し用優先順位情報作成処理を行わないようにすることで、リールの加速処理が終了してから変則押し用の各判定値算出情報の作成を行うようにしてもよい。但し、かかる構成においては、始動指令が発生してから最初の停止操作が有効化されるまでの時間を上記各実施の形態よりも長くする必要がある。
(11)上記各実施の形態では、変則押し用優先順位情報作成処理の処理時間を、各リール32L,32M,32Rの加速処理が開始されてから定常回転となるまでの加速期間内で終わるように設定したが、これに代えて、変則押し用優先順位情報作成処理の処理時間が、上記加速期間を超える構成であってもよい。但し、かかる構成においては、始動指令が発生してから最初の停止操作が有効化されるまでの時間を上記各実施の形態よりも長くする必要がある。
(12)上記第1及び第2の実施の形態では、各判定値算出情報用バッファBにおいて、スイカ役やベル役などといった小役の入賞に関しては小役ビットとしてまとめたが、各小役の種類に応じてビットを割り当てる構成としてもよい。例えば上記第1の実施の形態において、各判定値算出情報用バッファBに、スイカ役ビット、ベル役ビット、及びチェリー役ビットをそれぞれ割り当てる。この場合、優先順位判定値において、スイカ役の入賞が発生する又はその入賞の可能性を生じさせる図柄番号、ベル役の入賞が発生する又はその入賞の可能性を生じさせる図柄番号、及びチェリー役の入賞が発生する図柄番号のそれぞれに差異を設けることができる。かかる構成においては、各小役ビットの並び順を払出枚数が多い小役ほど上位とすることで、各判定値算出情報用バッファBにおいて獲得枚数ビットを割り当てなくても、複数の小役に同時に当選した際に払出枚数の多い小役の入賞を優先させることができる。
(13)上記各実施の形態では、不当入賞が発生する図柄番号については判定値算出情報用バッファBの全ビットを「0」にクリアしたが、不当入賞判定ビットのみを「0」にクリアする構成としてもよい。かかる構成であっても、各判定値算出情報用バッファBにおいて不当入賞判定ビットが最上位に割り当てられているため、不当入賞が発生する図柄番号の優先順位判定値を最も小さくすることができる。
(14)上記各実施の形態では、各判定値算出情報用バッファBにおいて不当入賞判定ビットと蹴飛ばし判定ビットとをそれぞれ割り当てたが、これら両ビットの機能を一のビットに集約させてもよい。かかる構成においては、不当入賞が発生してしまう図柄番号の優先順位判定値と蹴飛ばし目が出現してしまう図柄番号の優先順位判定値が同一となる。
(15)上記各実施の形態では、取りこぼしが発生しない役については引込ビットテーブルを設けない構成としたが、取りこぼしが発生しない役についても引込ビットテーブルを設ける構成としてもよい。当該構成においては、再遊技などといった取りこぼしが発生しない役に当選した場合であっても、各図柄番号の各判定値算出情報用バッファBの引込ビットに引込ビット情報合成値が格納されることとなる。この場合に、少なくとも所定のリールについて、再遊技の入賞が発生する又はその入賞の可能性を生じさせる所定の図柄番号(第1図柄番号)における引込ビット情報合成値が、次に再遊技の入賞が発生する又はその入賞の可能性を生じさせる図柄番号(第2図柄番号)における引込ビット情報合成値よりも小さくなるよう、引込ビットテーブルを設定してもよい。これにより、再遊技に当選している状況において前記第1図柄番号が到達図柄番号となっているタイミングでストップスイッチが停止操作された場合には、第2図柄番号が停止図柄番号として算出され、当該リールはある程度滑った上で停止することとなる。例えば、かかる停止の態様をBB当選状況においてのみ行うようにすることで、リールが停止する場合のスベリの態様によってBB当選状況を報知することが可能となる。
(16)上記各実施の形態では、引込ビットテーブルから引込ビット情報合成値を算出し、これを各判定値算出情報用バッファBの引込ビットに格納するようにしたが、これに代えて、引込ビットテーブルに設定された引込ビット情報をそのまま引込ビットに格納するようにしてもよい。また、上記各実施の形態では、引込ビットオフセットの情報に基づいて引込ビットテーブルの情報を取得する構成としたが、引込ビットオフセットを介することなく、引込ビットテーブルの情報を取得する構成としてもよい。
(17)変則押しが行われる場合の優先ラインを、当選役などに関係なく右下がりラインL4又は右上がりラインL5としてもよい。ここで、変則押し用優先順位情報作成処理(図51参照)における入賞判定処理(図35参照)では、各有効ラインの検索を実行していく中で同一の当選役について入賞の可能性を検出したとしても払出枚数の情報を加算しないようにしたが、上記のとおり変則押しが行われる場合の優先ラインを当選役などに関係なく右下がりラインL4又は右上がりラインL5とした構成においては上記処理を行う必要がなくなる。上記処理は、優先ラインを右下がりラインL4又は右上がりラインL5以外に設定しようとした場合において、実質的に優先ラインが右下がりラインL4又は右上がりラインL5に限定されないようにするためのものだからである。
(18)各判定値算出情報用バッファBにおける各ビットの並び順は、上記各実施の形態に限定されることはなく、他の並び順としてもよい。
(19)各判定値算出情報用バッファBにおける獲得枚数ビットに格納する情報は、払出枚数の情報に限定されることはなく、払出枚数に対応した情報を格納する構成としてもよい。
(20)上記各実施の形態では、主制御装置101のROM105に引込ビットテーブルを予め記憶させ、当該引込ビットテーブルに基づいて引込ビット情報合成値を算出し、その算出した引込ビット情報合成値を判定値算出情報用バッファBの引込ビットに格納するようにしたが、これを変更してもよい。例えば、引込ビットテーブルを設けない構成としてもよい。かかる構成であっても、判定値算出情報用バッファBに、取りこぼしが発生する場合の代替目や、BB当選状況におけるリーチ目などといった特定目ビットを割り当てることで、それら特定目を出現させることとなる図柄番号の優先順位判定値を、それら特定目を出現させない(入賞も発生させない)図柄番号の優先順位判定値よりも大きくすることができる。つまり、引込ビットテーブルを設けない構成においても、停止出目の多様化などを図ることができる。
当該構成についてより具体的には、判定値算出情報用バッファBにおいて、引込ビットに代えて特定目ビットを割り当てる。そして、入賞判定処理(図35,図36等参照)では、引込ビット情報検索処理を行うことなく、代わりに、特定目ビットに特定目情報を格納するための処理(特定目情報格納処理)を行うようにする。当該特定目情報格納処理では、今回の検索ライン上において特定目に対応した図柄の組合せが構成されているか否かを判定し、構成されている場合に特定目ビットに特定目情報を格納するようにする。
この特定目に対応した図柄の組合せが構成されているか否かの判定は、例えば以下のように行うことができる。つまり、検索ライン上にある各リールの図柄番号について、各第2図柄対応情報(図38参照)をAND処理し、さらにそのAND処理した結果に対して蹴飛ばし対応情報(図40参照)をAND処理し、その結果の情報におけるいずれかのビットに「1」が格納されている場合には特定目に対応した図柄の組合せが構成されていると判定する。そして、この場合、特定目ビットに「1」を格納する。これにより、特定目を出現させる図柄番号の優先順位判定値を、特定目を出現させない図柄番号の優先順位判定値よりも大きくすることができる。また、特定目情報格納処理において用いられる図柄対応情報や蹴飛ばし対応情報は、入賞役ビット(再遊技ビットやBB役ビットなど)への入賞役情報を格納するための処理や、蹴飛ばし用処理において用いられる。つまり、入賞役情報を格納するための情報や蹴飛ばし用処理を行うための情報などが、特定目を出現させるための情報として兼用され、判定値算出情報を作成する上で用いる情報の統一化が図られる。
(21)各リール32L,32M,32Rの図柄配列は、上記各実施の形態におけるものに限定されることはない。
(21−1)例えば、図67に示すような停止出目が出現し得る図柄配列としてもよい。詳細には、左リール32L及び中リール32Mに関しては、図67(a)に示すように、上ラインL1上に「リプレイ」図柄が並ぶとともに、下ラインL3上に「赤7」図柄と「白7」図柄とが並ぶことがある図柄配列となっている。また、右リール32Rに関しては、図柄番号が「7」〜「12」の図柄が、「赤7」図柄,「チェリー」図柄,「リプレイ」図柄,「ベル」図柄,「スイカ」図柄,「リプレイ」図柄となっている。
この場合に、再遊技に当選している状況において到達図柄番号が7番の図柄番号となった際には(到達図柄番号が6番の図柄番号であってもよい)、再遊技の入賞が発生する停止出目として、図67(b)に示すように停止図柄番号を7番の図柄番号とする停止出目と、図67(c)に示すように停止図柄番号を12番の図柄番号とする停止出目とが考えられる。
以上説明した状況において、図67(b)に示す停止出目が出現すると、下ラインL3上に「赤7」図柄,「白7」図柄,「赤7」図柄が並ぶ。この図柄の並びは一般的にリーチ目を構成する並びであるため、遊技者に対してリーチ目の出現と誤解させてしまうおそれがある。これに対して、上記各実施の形態におけるリール32L,32M,32Rの停止制御においては、各判定値算出情報用バッファBに蹴飛ばし判定ビットが設けられているため、7番の図柄番号の判定値算出情報用バッファBにおける蹴飛ばし判定ビットに「0」を格納し、10番の図柄番号の判定値算出情報用バッファBにおける蹴飛ばし判定ビットに「1」を格納することで、7番の図柄番号よりも10番の図柄番号の優先順位判定値を大きくすることができ、図67(c)に示す停止出目が優先されることとなる。
また、上記構成であっても、例えば、到達図柄番号が5番の図柄番号である場合に右リール32Rの停止指令が発生した場合には、10番の図柄番号を停止図柄番号にしようとするとリールの最大スベリ数を越えてしまう。かかる状況においては、7番の図柄番号の判定値算出情報用バッファBにおける再遊技ビットに「1」が格納されているため、停止図柄番号が7番の図柄番号となり、再遊技の入賞が発生しない停止出目よりは再遊技の入賞が発生する停止出目が優先される。
ちなみに、以上のような停止出目の出現のさせ方は、判定値算出情報用バッファBにおいて不当入賞判定ビットと蹴飛ばし判定ビットとがそれぞれ割り当てられていることにより、実現可能である。これら両ビットが一のビットとしてまとめられた場合を想定すると、7番の図柄番号は不当入賞が発生する図柄番号となってしまい、到達図柄番号が5番である場合には、再遊技の入賞が発生する停止出目よりも再遊技の入賞が発生しない停止出目が優先されてしまうからである。
(21―2)例えば、図68に示すような停止出目が出現し得る図柄配列としてもよい。詳細には、左リール32Lに関しては、図68(a)に示すように、上から「スイカ」図柄,「赤7」図柄,「ベル」図柄が停止することがある図柄配列となっている。また、中リール32Mに関しては、図柄番号が「3」〜「6」の図柄が、「白7」図柄,「ベル」図柄,「チェリー」図柄,「スイカ」図柄となっている。
この場合に、当選役としてスイカ及びベルの複合役を有する構成であって当該複合役に当選している状況において、到達図柄番号が3番となった際には、ベル役の入賞のみが発生し得る図68(b)の停止出目とするよりは、スイカ役及びベル役のいずれの入賞も発生し得る図68(c)の停止出目とした方が好ましい。これに対して、上記各実施の形態では、各判定値算出情報用バッファBにおいて獲得枚数ビットが第1優先ラインビットよりも上位に割り当てられているため、優先ラインが右上がりラインL5に設定されている状況であったとしても、図68(c)に示す停止出目が図68(b)に示す停止出目よりも優先されることとなる。
(22)小役の種類は、スイカ役、ベル役、及びチェリー役の3種類に限定されることはなく、上記第2の実施の形態のように小役の種類が4種類以上である構成としてもよい。このように小役の種類が多数設定された構成において、各判定値算出情報用バッファBにてこれら小役の種類に1対1で対応させて入賞ビットを割り当てようとすると、各判定値算出情報用バッファBのデータ量が2バイトよりも増大してしまうおそれがある。これに対して、各判定値算出情報用バッファBにおいては、全ての小役の入賞が小役ビットとしてまとめられているため、小役の種類が多数設定された構成においても各判定値算出情報用バッファBのデータ量が増大してしまうことはない。また、このように全ての小役の入賞が小役ビットとしてまとめられた構成であっても、各判定値算出情報用バッファBに獲得枚数ビットが割り当てられていることにより、各小役の入賞に関して各図柄番号の優先順位判定値に差異を設けることは可能である。
(23)上記各実施の形態では、不当入賞判定処理及び蹴飛ばし目出現処理において、算出用情報と成立判定情報とをAND処理して回避用情報(回避を判断する上での結果情報)を作成し、その回避用情報におけるいずれかのビットに「1」が格納されている場合に、不当入賞の発生又は蹴飛ばし目の出現と判定する構成としたが、これを変更してもよい。例えば、作成した回避用情報においていずれかのビットに「1」が格納されている場合に、不当入賞の発生又は蹴飛ばし目の出現と判定する構成としてもよい。但し、当該構成においては、回避用情報の作成に際して、AND処理ではなくOR処理をする必要がある。
(24)引込ビットテーブルにおいて、同一の図柄種の全部又は一部について同一値の引込ビット情報を設定する構成としてもよい。例えば、「赤7」図柄が付された図柄番号については同一値の引込ビット情報を設定するとともに、「ベル」図柄が付された図柄番号については「赤7」図柄よりも小さい値において同一値の引込ビット情報を設定する。この場合、スロットマシン10の設計段階で引込ビットテーブルの設定を行い易くなる。
(25)上記第2の実施の形態では、ROM105のマスク情報記憶領域105hに、各組合せラインL1〜L5と対応させたラインマスク情報を記憶させる構成としたが、上ラインマスク情報と右下がりラインマスク情報とが少なくとも記憶されていれば良い。他の組合せラインL2,L3,L5と対応させた組合せラインについては汎用ラインマスク情報にて代替ができるからである。但し、かかる構成とした場合には、修正処理(図52参照)のステップS2802にて肯定判定をした場合に、現在の検索ラインが上ラインL1又は右下がりラインL4であるか否かの判定をさらに行い、肯定判定をした場合には検索ラインと対応するラインマスク情報を取得し、否定判定をした場合には汎用ラインマスク情報を取得する構成とする必要がある。つまり、かかる構成とした場合には、修正処理の処理構成をスロットマシンの機種毎に見直す必要がある。
(26)上記第2の実施の形態では、BB当選状況でベル役に当選している場合、すなわちBB役とベル役に当選している場合に、検索ラインと対応するラインマスク情報を取得し、第1成立判定情報の修正を実行する構成としたが、これに加えて、ベル役にのみ当選している場合にも、検索ラインと対応するラインマスク情報を取得し、第1成立判定情報の修正を実行しても良い。かかる構成とした場合には、ROM105にあらかじめ記憶させておく変則押し時用の優先ラインに関して、ベル役に当選している場合とBB役及びベル役に当選している場合との共通化を図ることが可能となり、あらかじめ記憶させておくデータ量の削減を図ることが可能となる。
(27)上記第2の実施の形態では、BB役とベル役に当選している場合に、検索ラインと対応するラインマスク情報を取得し、第1成立判定情報の修正を実行する構成としたが、実行する際の当選役が任意であることは言うまでもない。すなわち、上記第2の実施の形態において、各リール32L,32M,32Rの「ベル」図柄の配置されている位置に「スイカ」図柄を配置した場合であれば、BB役とスイカ役に当選している場合に実行する必要が生じることとなる。また、複数のゲームにわたって有効とされる役と小役に当選している場合に限定されるものではなく、複数の小役に当選している場合に実行する構成としても良い。さらにいうと、ベル役のみに当選となる単独当選役と、ベル役及びチェリー役に当選となる重複当選役とを備える構成においては、単独当選役に当選している場合に上記修正処理を実行し、重複当選役に当選している場合には上記修正処理を実行しない構成としても良い。
(28)上記各実施の形態では、変則押し時の優先ラインを、スロットマシン10の遊技状況に対応させて設定するとともに、各遊技状況における各役に対応させて設定する構成としたが、かかる構成を変更する。すなわち、BB非当選状況における各役と対応させて設定するとともに、いずれのBB役に当選している状況における各役と対応させて設定する。つまり、いずれのBB役に当選しているのかを問わないことにより、BB当選状況における各役の優先ラインを共通化する。かかる構成とした場合には、上記第2の実施の形態において記載した効果がより顕著なものとなる。すなわち、右リール32Rには、第2BB図柄たる「白7」図柄が4番と9番の位置に配置されており、4番の「白7」図柄の上流側には、当該「白7」図柄と隣接する5番の位置に「ベル」図柄が配置されており、9番の「白7」図柄の下流側には、当該「白7」図柄と隣接する8番の位置に「ベル」図柄が配置されている。このため、優先ラインの共通化を図った場合、右リール32Rの「ベル」図柄は、上段,中段,下段のいずれの位置にも停止する可能性が生じるからである。
(29)上記第2の実施の形態では、第1成立判定情報の修正を実行する場合に、取得したラインマスク情報と第1成立判定情報とをAND処理し、当該結果を新たな第1成立判定情報としてRAM106の成立判定用バッファ169に格納する構成としたが、RAM106に成立判定用バッファ169と別個に修正情報格納用バッファを設け、成立判定用バッファ169の情報を変更するのではなく、AND処理した結果を前記修正情報格納用バッファに格納する構成としても良い。かかる構成とした場合であっても、当選図柄成立判定処理において、修正情報格納用バッファに格納された情報と、RAM106の当選役判定用バッファ151に格納された当選情報(役対応情報)とをAND処理し、その結果をCPU102に設けられた当否判定用レジスタに当否判定用情報として格納すれば、上記第2の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
または、AND処理した結果を格納するのではなく、AND処理した結果、ベル役の役対応情報において「1」が格納されているビットの値が「0」となっている場合に、修正情報格納用バッファに当該結果を示す入賞非成立フラグを格納し、前記ビットの値が「0」となっていない場合に、前記入賞非成立フラグを格納しない構成とする。そして、当選図柄成立判定処理では、RAM106の成立判定用バッファ169に格納された成立判定情報のうちの第1成立判定情報(役に関する情報)と、RAM106の当選役判定用バッファ151に格納された当選情報(役対応情報)とをAND処理し、その結果をCPU102に設けられた当否判定用レジスタに当否判定用情報として格納する。その後、ステップS1813では、当否判定情報と、入賞非成立フラグの有無とを確認し、入賞非成立フラグが格納されている場合には、当否判定情報の参照結果に関わらず入賞成立しないと判定する(否定判定する)構成とする。かかる構成とした場合であっても、入賞役ビットや獲得枚数ビットに情報を格納する処理を省略することができ、判定値算出情報の作成に要する処理時間の短縮化を図ることが可能となる。
(30)上記第2の実施の形態では、入賞判定処理において修正処理を実行する構成としたが、これに加えて、優先ライン変更処理においても修正処理を実行する構成としても良い。
(31)上記第2の実施の形態では、修正処理を実行することにより、不当入賞回避に基づく取りこぼしの発生を回避する構成としたが、これに代えて、優先ライン変更処理において当選役に応じてROM105に予め記憶させておく優先ラインを設定したり検索ラインの順序を変更したりすることにより、不当入賞回避に基づく取りこぼしの発生を回避する構成としても良い。
(32)上記第4の実施の形態において、引込ビット情報検索処理と優先ライン変更処理との少なくとも一方を行わない構成としても良い。但し、かかる構成とした場合には、停止出目の単調化が懸念されることとなる。
(33)上記第4の実施の形態では、回避データ参照処理において回避停止出目であると判定した場合、蹴飛ばし判定ビットを0にクリアする構成すなわち優先順位判定値が小さくなるよう判定値算出情報を修正する構成としたが、優先順位判定値が大きくなるよう判定値算出情報を修正する構成としても良い。かかる場合には、不当入賞判定ビット及び蹴飛ばし判定ビットの初期値を「0」とし、回避データ参照処理において回避停止出目であると判定した場合、蹴飛ばし判定ビットを1に変更する。そして、第2停止以降用スベリ数取得処理(図45参照)では、到達図柄番号から最大スベリ数分の図柄番号のうち、優先順位判定値が最も小さい図柄番号を停止図柄番号として設定する。
(34)上記第4の実施の形態では、左リール32Lが回転中であることに基づいて回避データ参照処理を実行する構成としたが、例えば第4小役入賞成立となる「青チェリー」図柄や第5小役入賞成立となる「白チェリー」図柄が右リール32Rに配置されている構成においては、右リール32Rが回転中であることに基づいて回避データ参照処理を実行する構成とすれば良い。
(35)上記第4の実施の形態では、左リール32Lが回転中であることに基づいて回避データ参照処理を実行する構成としたが、有効ライン上に左から順に「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄と並んで停止した場合に第1再遊技入賞成立となり、有効ライン上に左から順に「リプレイ」図柄,「リプレイ」図柄,「ベル」図柄と並んで停止した場合に第2再遊技入賞成立となる構成においては、右リール32Rが回転中であることに基づいて回避データ参照処理を実行する構成とすれば良い。
(36)上記第4の実施の形態では、回避データテーブルにおいて、連続するアドレスに回避データを記憶する構成としたが、例えば奇数アドレスにのみ回避データを記憶する構成としても良い。かかる構成とした場合であっても、回避データ参照処理のステップS3403及びステップS3407において検索アドレスに2を加算する構成とすれば、上記第4の実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
(37)上記第4の実施の形態では、回避データテーブルにおいて、中リール32Mの図柄番号を示す回避データが記憶されたアドレスの次のアドレスには、右リール32Rの図柄番号を示す回避データが記憶される構成としたが、かかる構成を変更する。
例えば、中リール32Mの図柄番号を示す回避データと右リール32Rの図柄番号を示す回避データが交互に記憶される構成とする。具体的には、図73に示す回避データテーブルにおいて、第8アドレスの回避データと第9アドレスの回避データとの間に中リール32Mの6番を示す回避データを追加する。かかる構成とした場合であっても、上記第4の実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。
例えば、右リール32Rの図柄番号を示す回避データが記憶されたアドレスの次のアドレスには、中リール32Mの図柄番号を示す回避データが記憶される構成とする。そして、回避データ参照処理では、ステップS3406にて右リール確認用バッファを参照し、ステップS3409にて回避データが右リール32R用の回避データであるか否かを判定し、ステップS3410にて中リール確認用バッファを参照する構成とする。かかる構成とした場合には、回避データテーブルのデータ量を低減することが可能となる。具体的に説明すると、第1アドレスには、右リール32Rの1番を示す回避データを設定し、第2アドレスには、中リール32Mの2番を示す回避データを設定し、第3アドレスには、中リール32Mの3番を示す回避データを設定し、第4アドレスには、中リール32Mの5番を示す回避データを設定し、第5アドレスには、中リール32Mの6番を示す回避データを設定し、第6アドレスには、中リール32Mの9番を示す回避データを設定する。第7アドレスには、右リール32Rの2番を示す回避データを設定し、第8アドレスには、中リール32Mの6番を示す回避データを設定し、第9アドレスには、中リール32Mの10番を示す回避データを設定する。第10アドレスには、終了コードを設定する。かかる構成とした場合には、図76及び図77に示す回避停止出目の出現を回避しつつ、回避データテーブルのデータ量を4バイト低減することができる。
(38)上記第4の実施の形態における回避データテーブル及び回避データ参照処理の構成を変更する。具体的には、回避データテーブルにおいて、第0アドレスに終了コードを記憶する。そして、回避データ参照処理では、ステップS3405において最終アドレスの終了コードか否かを判定する構成とし、最終アドレスの終了コードである場合には、ステップS3403〜ステップS3411の処理を再度実行する構成とする。このとき、ステップS3403及びステップS3407では、検索アドレスの値から1を減算し、ステップS3406では、右リール確認用バッファに格納されている情報と回避確認用バッファに格納されている情報とが一致するか否かを判定し、ステップS3410では、中リール確認用バッファに格納されている情報と回避確認用バッファに格納されている情報とが一致するか否かを判定し、ステップS3405では、第0アドレスの終了コードか否かを判定する構成とする。かかる構成とした場合には、上記第4の実施の形態の回避データテーブルにおける第9アドレスと第13アドレスのような同一の回避データを重複して記憶させる必要がなくなるため、回避データテーブルのデータ量を低減することが可能となる。
(39)上記各実施の形態では、有効ラインが複数設定されるスロットマシン10について説明したが、有効ラインが一のラインに限定されたスロットマシン10に対して上記各実施の形態におけるリール32L,32M,32Rの停止制御に関する構成を適用してもよい。また、有効ラインが5ライン以上設定されたスロットマシン10に対して上記各実施の形態におけるリール32L,32M,32Rの停止制御に関する構成を適用してもよい。
(40)上記各実施の形態では、リールを3つ並列して備えるスロットマシンについて説明したが、かかる構成に限定されるものではなく、例えばリールを5つ並列して備えたスロットマシンであってもよい。
(41)上記各実施の形態では、いわゆるAタイプのスロットマシンについて説明したが、Bタイプ、Cタイプ、AタイプとCタイプの複合タイプ、BタイプとCタイプの複合タイプ、さらにはCTゲームを備えたタイプなど、どのようなスロットマシンにこの発明を適用してもよく、何れの場合であっても上述した実施の形態と同様の作用効果を奏することは明らかである。なお、これらの各タイプにおけるボーナス当選としては、BB当選、RB当選、SB当選などが挙げられる。
(42)各リール32L,32M,32Rの図柄としては、絵、数字、文字等に限らず、幾何学的な線や図形等であってもよい。また、光や色等によって図柄を構成することも可能であるし、立体的形状等によっても図柄を構成し得るし、これらを複合したものであっても図柄を構成し得る。即ち、図柄は識別性を有した情報(識別情報)としての機能を有するものであればよい。
(43)リールユニット31の各リール32L,32M,32Rは識別情報を可変表示する手段の一例であり、当該手段は図柄を周方向に可変表示する構成であれば、これ以外の構成であってもよい。例えば、ベルトを自転させるのではなく周回させるタイプ等の他の機械的なリール構成としてもよく、また、機械的なリール構成に代えて、液晶表示器、ドットマトリックス表示器等の電気的表示により識別情報を可変表示させるものを設けてもよい。
(44)上記各実施の形態では、スロットマシン10について具体化した例を示したが、スロットマシンとパチンコ機とを融合した形式の遊技機に適用してもよい。即ち、スロットマシンのうち、メダル投入及びメダル払出機能に代えて、パチンコ機のような球投入及び球払出機能をもたせた遊技機としてもよい。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下、本発明の遊技機を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
遊技機1.周方向に周回すると共に、該周方向に複数種の絵柄(図柄)が付された複数の周回体(リール32L,32M,32R)と、
前記各周回体について各絵柄のうち一部の絵柄を視認可能とする表示窓(表示窓26L,26M,26R)と、
前記各周回体の周回を開始させるべく操作される始動操作手段(スタートレバー41)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて役の抽選を行う抽選手段(主制御装置101の抽選処理機能)と、
前記周回体毎に設けられ、該各周回体を周回させる駆動手段(リールユニット31に設けられたステッピングモータ)と、
前記始動操作手段の操作に基づいて前記各周回体の周回を開始させるよう前記各駆動手段を開始駆動制御する開始駆動制御手段(主制御装置101の始動用割込み処理機能)と、
前記各周回体の周回を個別に停止させるべく操作される複数の停止操作手段(ストップスイッチ42〜44)と、
前記各停止操作手段の操作に基づいて対応する周回体の周回を停止させるように、且つ、前記役の抽選に当選すると共に前記停止操作手段が所定のタイミングで操作された場合には、当選している役と対応する当選絵柄が前記表示窓から視認できる有効位置(有効ライン)に停止するように前記各駆動手段を停止駆動制御する停止駆動制御手段(主制御装置101のリール停止処理機能)と、
前記有効位置に前記当選絵柄が所定の組合せを形成して停止した場合、入賞成立として特典を付与する特典付与手段(主制御装置101のメダル払出処理等)と、
前記各周回体を周方向にそれぞれ区画した複数の区画領域(図柄番号)と、各区画領域に付された絵柄との対応関係を記憶する対応関係記憶手段(ROM105の図柄対応テーブル記憶領域105g)と、
前記停止操作手段が操作されて停止指令が発生した場合に、対応する周回体の各区画領域のうち、予め定めた規定位置(下段)に到達している到達区画領域(到達図柄番号)を把握する到達区画領域把握手段(主制御装置101の到達図柄番号取得機能S1202,S2302)と、
前記停止指令が発生した場合、前記到達区画領域把握手段の把握結果に基づいて、対応する周回体の各区画領域のうち、前記規定位置に停止させる停止区画領域(停止図柄番号)を決定する停止区画領域決定手段(主制御装置101の停止位置設定処理機能S1205,S1208,S2202,S2602)と、
前記停止区画領域が決定されていない周回体を停止させる場合に用いる停止情報(優先順位情報)を、前記停止区画領域決定手段の決定結果に基づいて導出する停止情報導出手段(主制御装置101の第2停止以降用優先順位情報作成処理機能)と、
前記停止情報を記憶する停止情報記憶手段(判定値算出情報用バッファB)と
を備え、
前記停止駆動制御手段は、前記停止区画領域決定手段の決定した停止区画領域が前記規定位置に停止するよう対応する駆動手段を停止駆動制御し、
前記停止情報導出手段は、前記停止区画領域決定手段の決定結果に基づいて、前記停止指令が発生してから次の停止指令が発生するまでに、前記停止区画領域が決定されていない少なくとも一の周回体について全区画領域の停止情報を区画領域毎に導出し、
前記停止区画領域決定手段は、
前記停止情報導出手段が前記停止情報を導出した後に停止指令が発生した場合、前記到達区画領域把握手段の把握結果に基づいて、予め定めた規定期間に前記規定位置に到達させることが可能な到達可能区画領域を把握する到達可能区画領域把握手段(主制御装置101における判定用図柄番号の取得処理機能S2304)と、
前記停止情報記憶手段に記憶された前記到達区画領域及び前記到達可能区画領域の全停止情報を比較判定する比較判定手段(主制御装置101の比較判定処理機能S2306,S2307)と、
前記比較判定手段の判定結果に基づいて、前記停止区画領域を導出する停止区画領域導出手段(主制御装置101の停止区画領域導出機能S2308)と
を備え、
さらに、
前記停止情報導出手段は、前記停止区画領域決定手段の決定結果と、前記停止情報を導出している区画領域と、の組合せに基づいて、前記区画領域が前記規定位置に停止することを回避させるか否かの回避判断を実行する回避判断手段(主制御装置101の回避データ参照処理機能S3304)を備え、前記停止情報記憶手段には、前記回避判断手段の判断結果を示す回避判断情報を記憶する回避判断記憶領域(判定算出情報用バッファBにおける蹴飛ばし判定ビット)を設けたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、停止区画領域決定手段の決定結果と、停止情報を導出している区画領域と、の組合せに基づいて、区画領域が規定位置に停止することを回避させるか否かの回避判断が実行される。そして、その判断結果を示す回避判断情報が、停止情報記憶手段に設けられた回避判断記憶領域に記憶される。かかる構成とすることにより、回避判断情報に基づいて不当入賞や蹴飛ばし制御が発生する停止出目を回避することが可能となる。また、停止区画領域決定手段の決定結果と、停止情報を導出している区画領域と、の組合せに基づいて回避判断を実行する構成とすることにより、少なくとも最初に停止させる周回体の停止出目に関して自由度を確保することが可能となる。この結果、停止出目の単調化を抑制することが可能となる。
遊技機2.上記遊技機1において、前記回避判断手段は、第1停止指令が発生するとともに前記停止区画領域決定手段が前記停止区画領域を決定したことに基づいて、前記回避判断を実行することを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、第1停止指令が発生するとともに停止区画領域決定手段が停止区画領域を決定したことに基づいて、区画領域が規定位置に停止することを回避させるか否かの回避判断が実行される。かかる構成とすることにより、最初に停止させる周回体の停止出目に関して自由度を確保しつつ、その後に停止させる周回体の停止出目によって不当入賞や蹴飛ばし制御の発生を回避することが可能となる。
遊技機3.上記遊技機1又は遊技機2において、前記回避判断手段は、前記各周回体のうち少なくとも2つの周回体に対して前記停止区画領域が決定されておらず、前記各周回体のうち少なくとも1つの周回体に対して前記停止区画領域が決定されていることに基づいて、前記回避判断を実行することを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、各周回体のうち少なくとも2つの周回体に対して停止区画領域が決定されておらず、各周回体のうち少なくとも1つの周回体に対して停止区画領域が決定されていることに基づいて、区画領域が規定位置に停止することを回避させるか否かの回避判断が実行される。かかる構成とすることにより、少なくとも1つの周回体の停止出目に関して自由度を確保しつつ、その後に停止させる周回体の停止出目によって不当入賞や蹴飛ばし制御の発生を回避することが可能となる。
遊技機4.上記遊技機1乃至遊技機3のいずれかにおいて、前記各周回体のうち規定周回体(左リール32L)には、前記有効位置に停止すれば他の周回体の停止結果に関わらず全周回体の停止後に入賞成立となる単独入賞絵柄(「青チェリー」図柄、「白チェリー」図柄)を配置し、前記回避判断手段は、前記規定周回体を含む複数の周回体が周回していることに基づいて、前記回避判断を実行することを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、規定周回体には、有効位置に停止すれば他の周回体の停止結果に関わらず全周回体の停止後に入賞成立となる単独入賞絵柄が配置されている。かかる構成においては、例えば規定周回体を停止させる前段階において他の周回体の停止出目を前記単独入賞以外の入賞が成立し得る停止出目とした場合、役の抽選結果によっては不当入賞や蹴飛ばし制御の発生を回避できなくなる事象が生じ得る。一方、本遊技機に上記遊技機1乃至遊技機3のいずれかの構成を適用した場合には、前記不具合を回避することができる。
遊技機5.上記遊技機1乃至遊技機4のいずれかにおいて、前記特典付与手段は、前記各周回体のうち規定周回体(左リール32L)の第1規定絵柄(「リプレイ」図柄)と、前記規定周回体以外の周回体の所定絵柄(「リプレイ」図柄)と、が前記有効位置に停止した場合に第1特典(第1再遊技入賞成立に伴う再遊技の特典)を付与するとともに、前記規定周回体の第2規定絵柄(「ベル」図柄)と、前記規定周回体以外の周回体の前記所定絵柄と、が前記有効位置に停止した場合に第2特典(第2再遊技入賞成立に伴う再遊技の特典)を付与し、前記規定周回体には、前記第1規定絵柄と前記第2規定絵柄とのうち少なくとも一方を、前記停止操作手段の操作タイミングに関わらず前記有効位置に到達させることができるように配置し、前記回避判断手段は、前記規定周回体を含む複数の周回体が周回していることに基づいて、前記回避判断を実行することを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、規定周回体には、第1規定絵柄と第2規定絵柄とのうち少なくとも一方が、停止操作手段の操作タイミングに関わらず有効位置に到達させることができるように配置されている。かかる構成においては、例えば規定周回体を停止させる前段階において他の周回体の所定絵柄が有効位置に停止する停止出目とした場合、役の抽選結果によっては不当入賞や蹴飛ばし制御の発生を回避できなくなる事象が生じ得る。一方、本遊技機に上記遊技機1乃至遊技機4のいずれかの構成を適用した場合には、前記不具合を回避することができる。
遊技機6.上記遊技機1乃至遊技機5のいずれかにおいて、前記回避判断手段が前記規定位置に停止することを回避させると判断する区画領域に関わる回避区画領域情報(回避データ)を予め記憶する回避区画領域情報記憶手段(主制御装置101のROM105、回避データテーブル)を備えたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、回避判断手段によって規定位置に停止することを回避させると判断される区画領域に関わる回避区画領域情報が予め記憶されている。かかる構成とすることにより、停止情報を導出するために必要な処理時間の短縮化を図ることが可能となる。例えば、回避判断手段が規定位置に停止することを回避させると判断する絵柄の組合せに関わる情報を予め記憶し、停止区画領域決定手段の決定結果と対応する絵柄と、停止情報を導出している区画領域の絵柄と、の組合せが前記情報と一致するか否かを判断する構成とすることも可能である。しかしながら、かかる構成とした場合には、区画領域と対応する絵柄を把握する処理が必要となり、停止情報を導出するために必要な処理時間が長大化してしまうこととなるからである。
遊技機7.上記遊技機6において、前記回避区画領域情報を、周回体を特定するための周回体情報(第6ビットの情報)と、区画領域を示す区画領域情報(第4ビット〜第0ビットの情報)と、を有する構成とし、前記回避区画領域情報記憶手段には、第1所定周回体(中リール32M)を特定する第1周回体情報(第6ビットの「1」)を有する第1回避区画領域情報(中リール32M用の回避データ)を所定アドレスに記憶させ、前記所定アドレスに特定値(1)を加算した加算アドレスに、第2所定周回体(右リール32R)を特定する第2周回体情報(第6ビットの「0」)を有する第2回避区画領域情報(右リール32R用の回避データ)を記憶したことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、回避区画領域情報は、周回体を特定するための周回体情報と、区画領域を示す区画領域情報と、を有している。かかる構成とすることにより、回避区画領域情報記憶手段に、異なる周回体の回避区画領域情報を混在した状態で記憶させることが可能となる。また、回避区画領域情報記憶手段には、第1所定周回体を特定する第1周回体情報を有する第1回避区画領域情報が所定アドレスに記憶され、前記所定アドレスに特定値を加算した加算アドレスに、第2所定周回体を特定する第2周回体情報を有する第2回避区画領域情報が記憶されている。このように、第1回避区画領域情報が記憶されるアドレスと、第2回避区画領域情報が記憶されるアドレスと、に規則性を持たせることにより、異なる周回体の回避区画領域情報を混在した状態で記憶させた場合であっても、回避判断の実行に関わる処理構成を簡略化することが可能となる。
遊技機8.上記遊技機7において、前記回避判断手段は、前記第1所定周回体の区画領域と、前記回避区画領域情報と、が一致するか否かを判断する第1判断手段(回避データ参照処理におけるステップS3406)と、当該第1判断手段が一致すると判断した場合に、一致した回避区画領域情報の記憶されたアドレスに前記特定値を加算したアドレスに記憶された回避区画領域情報と、前記第2所定周回体の区画領域と、が一致するか否かを判断する第2判断手段(回避データ参照処理におけるステップS3410)と、を備え、前記第1判断手段と前記第2判断手段が共に一致すると判断した場合、前記停止情報を導出している区画領域と対応する回避判断記憶領域に、前記区画領域が前記規定位置に停止することを回避させることを示す第1回避判断情報(0)を記憶させ、前記第1判断手段と前記第2判断手段とのうち少なくとも一方の判断手段が一致しないと判断した場合、前記停止情報を導出している区画領域と対応する回避判断記憶領域に、前記第1回避判断情報を記憶させないことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、第1判断手段と第2判断手段が共に一致すると判断した場合、停止情報を導出している区画領域と対応する回避判断記憶領域に、前記区画領域が規定位置に停止することを回避させることを示す第1回避判断情報が記憶され、第1判断手段と第2判断手段とのうち少なくとも一方の判断手段が一致しないと判断した場合、停止情報を導出している区画領域と対応する回避判断記憶領域に、第1回避判断情報が記憶されない。かかる構成とすることにより、回避判断情報に基づいて不当入賞や蹴飛ばし制御が発生する停止出目を回避することが可能となる。
遊技機9.上記遊技機8において、前記回避判断手段は、前記第1判断手段が一致しないと判断した場合、当該判断を実行した回避区画領域情報の記憶されたアドレスに第2特定値(1)を加算する加算手段(回避データ参照処理におけるステップS3403)と、前記加算手段の加算結果と対応するアドレスに記憶された回避区画領域情報が終了情報(終了コード)である場合、前記回避判断を終了させると判断する終了判断手段(回避データ参照処理のステップS3405において肯定判定をして終了する機能)と、を備え、前記第1判断手段を、前記終了判断手段が前記回避判断を終了しないと判断した場合、前記加算手段の加算結果と対応するアドレスに記憶された回避区画領域情報と、前記第1所定周回体の区画領域と、が一致するか否かを判断する構成とし、さらに、前記第2判断手段が一致しないと判断した場合、当該判断を実行した回避区画領域情報の記憶されたアドレスに第3特定値(1)を加算する第2加算手段(回避データ参照処理におけるステップS3407)と、前記第2加算手段の加算結果と対応するアドレスに記憶された回避区画領域情報が前記第1回避区画領域情報である場合、前記終了判断手段に前記回避判断を終了させるか否かを判断させる判断移行手段(回避データ参照処理のステップS3409において肯定判定をしてステップS3405に戻る機能)と、を備え、前記第2判断手段を、前記第2加算手段の加算結果と対応するアドレスに記憶された前記第1回避区画領域情報でない場合、前記第2加算手段の加算結果と対応するアドレスに記憶された回避区画領域情報と、前記第2所定周回体の区画領域と、が一致するか否かを判断する構成としたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、第1判断手段が一致しないと判断した場合、第2特定値を加算したアドレスに記憶された回避区画領域情報と、第1所定周回体の区画領域と、が一致するか否かが第1判断手段によって順次判断される。そして、第1判断手段が一致すると判断した場合には、一致した回避区画領域情報の記憶されたアドレスに特定値を加算したアドレスに記憶された回避区画領域情報と、第2所定周回体の区画領域と、が一致するか否かが第2判断手段によって判断される。第2判断手段が一致しないと判断した場合には、第3特定値を加算したアドレスに記憶された回避区画領域情報と、第2所定周回体の区画領域と、が一致するか否かが、前記回避区画領域情報が第1回避区画領域情報となるまで、第2判断手段によって順次判断される。そして、第2判断手段が一致すると判断した場合には、回避判断記憶領域に第1回避判断情報が記憶され、第1判断手段が判断を行っている最中に回避区画領域情報が終了情報となった場合には、回避判断が終了される。かかる構成とすることにより、回避区画領域記憶手段に記憶させる第1回避区画領域情報の数を低減させることが可能となり、記憶容量の増大化を抑制することが可能となる。
遊技機10.上記遊技機1乃至遊技機9のいずれかにおいて、前記停止情報導出手段は、前記区画領域が前記規定位置に到達した場合に前記有効位置に到達する到達絵柄を区画領域毎に把握する到達絵柄把握手段(主制御装置101のライン判定処理機能)と、該到達絵柄把握手段の把握した到達絵柄と前記役の抽選結果に基づいて入賞成立の可能性を区画領域毎に判断する入賞可能性判断手段(主制御装置101の当選図柄成立判定処理機能)とを備え、前記停止情報記憶手段には、前記入賞可能性判断手段の判断結果と対応する入賞可能性情報を記憶する入賞可能性記憶領域(判定値算出情報用バッファBにおける再遊技ビット,BB役ビット,小役ビット,獲得枚数ビット,BB役及び獲得枚数ビット)を設けたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、区画領域が規定位置に到達した場合に有効位置に到達する到達絵柄が区画領域毎に把握され、当該到達絵柄と役の抽選結果に基づいて入賞成立の可能性が判断される。そして、その判断結果と対応する入賞可能性情報が、停止情報記憶手段に設けられた入賞可能性記憶領域に記憶される。入賞成立の可能性の判断結果を含む停止情報を導出することにより、前記判断を停止指令の発生後に行う必要が無くなるため、当選した役と対応する絵柄を有効位置に停止させる必要がある場合であっても比較的短時間で停止区画領域を導出することが可能となる。
遊技機11.上記遊技機10において、前記停止区画領域導出手段を、前記比較判定手段が最も大きいと判定した停止情報と対応する区画領域を前記停止区画領域として導出する構成とし、前記入賞可能性記憶領域を、前記回避判断記憶領域より上位側に設けたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、入賞可能性記憶領域を回避判断記憶領域より上位側に設けたため、何らかの役に当選し、規定位置に停止させることで当選役と対応する入賞成立の可能性が生じる区画領域を、回避判断手段の判断結果に関わらず規定位置に停止させることが可能となる。この結果、停止出目が単調化することを抑制することが可能となる。
遊技機12.上記遊技機11において、前記回避判断記憶領域を、初期値として第1値(1)が予め記憶される構成とするとともに、前記回避判断手段を、前記区画領域が前記規定位置に停止することを回避させると判断した場合、前記回避判断記憶領域に記憶される値を前記第1値より低い第2値(0)に変更し、前記区画領域が前記規定位置に停止することを回避させないと判断した場合、前記回避判断記憶領域に記憶される値を前記第1値から変更しない構成としたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、区画領域が規定位置に停止することを回避させると判断した場合、回避判断記憶領域に記憶される値が第1値より低い第2値に変更される。かかる構成とすることにより、上記判断がなされた区画領域の停止情報を上記判断がなされなかった区画領域の停止情報と比して小さくすることができる。故に、上記判断がなされた区画領域が規定位置に停止することを回避させることが可能となる。
遊技機13.上記遊技機1乃至遊技機12のいずれかにおいて、前記停止情報導出手段は、前記区画領域毎に優先度を導出する優先度導出手段(主制御装置101の引込ビット情報検索処理機能)を備え、前記停止情報記憶手段には、前記優先度導出手段の導出結果を示す優先度情報を記憶する優先度記憶領域(判定値算出情報用バッファBにおける引込ビット,第2優先ラインビット)を設けたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、区画領域毎に優先度が導出され、その導出結果を示す優先度情報が、停止情報記憶手段に設けられた優先度記憶領域に記憶される。かかる構成とすることにより、停止指令が発生した場合には到達区画領域及び到達可能区画領域について導出された優先度情報を含む停止情報を比較判定すればよく、比較的短時間で停止区画領域を導出することが可能となる。また、区画領域毎に優先度を導出することにより、停止出目を多様化させることが可能となる。
遊技機14.上記遊技機13において、前記優先度導出手段は、前記停止指令が所定のタイミングで発生した場合に限って入賞が成立する所定役に当選した場合に、前記優先度を導出することを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、停止指令が所定のタイミングで発生した場合に限って入賞が成立する所定役に当選した場合に優先度が導出されるため、例えば停止指令が前記所定のタイミングで発生せずに入賞が成立しない遊技回等において停止出目を多様化させることが可能となる。
遊技機15.上記遊技機13又は遊技機14において、前記優先度導出手段は、前記役の抽選結果が外れである場合に、前記優先度を導出することを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、外れの場合に優先度が導出されるため、かかる状況下における停止出目を多様化させることが可能となり、遊技の単調化を抑制することが可能となる。
遊技機16.上記遊技機13乃至遊技機15のいずれかにおいて、前記優先度を導出するための優先度準備情報を区画領域毎に定めた優先度準備情報群(主制御装置101のROM105の引込ビットテーブル記憶領域105b)を設けたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、優先度準備情報を区画領域毎に定めた優先度準備情報群を設けることにより、遊技機を設計する設計者の所望する停止出目となるように優先度を導出させることが可能となる。また、このように優先度を導出するための優先度情報を区画領域毎に定められた構成においては、各区画領域に定められた絵柄の種類のうち少なくとも一部についてその種類毎に優先度情報を定めることで、遊技機の設計段階で優先度準備情報群の設定を行い易くなる。
遊技機17.上記遊技機16において、前記優先度準備情報群を役と対応させて設けると共に、前記優先度準備情報群には、入賞を形成する絵柄の位置する第1区画領域の優先度準備情報を最も大きく、前記入賞を形成する絵柄が前記表示窓から視認できない位置に停止する第2区画領域のうち、所定第2区画領域の優先度準備情報を前記第1区画領域の優先度準備情報より小さく、前記第1区画領域及び前記所定第2区画領域以外の区画領域の優先度情報を前記所定第2区画領域の優先度準備情報より小さく定めたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、優先度準備情報群を役と対応させて設けたため、役の抽選結果と対応した停止出目とすることが可能となり、停止出目の多様化を図ることが可能となる。また、優先度準備情報群には、入賞を形成する絵柄の位置する第1区画領域の優先度準備情報を最も大きく、入賞を形成する絵柄が表示窓から視認できない位置に停止する第2区画領域のうち、所定第2区画領域の優先度準備情報を第1区画領域の優先度準備情報より小さく、第1区画領域及び所定第2区画領域以外の区画領域の優先度情報を所定第2区画領域の優先度準備情報より小さく定めた。これにより、入賞を形成する絵柄を有効位置に停止させることが可能なタイミングで停止指令が発生した場合を想定して、前記絵柄が優先的に有効位置に停止するよう優先度を導出し、前記絵柄を有効位置に停止させることが不可能なタイミングで停止指令が発生した場合を想定して、所定第2区画領域に位置する絵柄が優先的に有効位置に停止するよう優先度を導出することができる。
遊技機18.上記遊技機17において、前記有効位置を複数設定することが可能な有効位置設定手段(主制御装置101の有効ライン設定処理機能S602)と、前記第1区画領域又は前記所定第2区画領域に位置する絵柄を優先的に停止させる優先有効位置を定めた優先有効位置情報を記憶する優先有効位置情報記憶手段(主制御装置101のRAM106の優先ライン用バッファ156)と、を備え、前記優先度導出手段は、前記優先度準備情報群と前記優先有効位置情報を用いて各有効位置の優先度を順次導出し、前記停止情報記憶手段には、前記優先度記憶領域として、前記優先度導出手段の導出した最も大きな優先度を示す優先度情報が記憶される第1優先度記憶領域(判定値算出情報用バッファBにおける引込ビット)と、前記優先有効位置に前記第1区画領域又は前記所定第2区画領域に位置する絵柄が停止することを示す優先有効位置情報が記憶される第2優先度記憶領域(判定値算出情報用バッファBにおける第2優先ラインビット)とを設けたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、優先度準備情報群と優先有効位置情報を用いて各有効位置の優先度を順次導出し、停止情報記憶手段には、優先度記憶領域として、優先度導出手段の導出した最も大きな優先度を示す優先度情報が記憶される第1優先度記憶領域と、優先有効位置に第1区画領域又は所定第2区画領域に位置する絵柄が停止することを示す優先有効位置情報が記憶される第2優先度記憶領域とを設けたため、予め用意する優先度準備情報群の数を削減することが可能となる。
遊技機19.上記遊技機13乃至遊技機18のいずれかにおいて、前記停止区画領域導出手段を、前記比較判定手段が最も大きいと判定した停止情報と対応する区画領域を前記停止区画領域として導出する構成とし、前記優先度記憶領域を、前記回避判断記憶領域より下位側に設けたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、優先度記憶領域を回避判断記憶領域より下位側に設けたため、停止出目の多様化を図りつつ、不当入賞や蹴飛ばし制御の発生を回避することが可能となる。
遊技機20.上記遊技機19において、前記回避判断記憶領域を、初期値として第1値(1)が予め記憶される構成とするとともに、前記回避判断手段を、前記区画領域が前記規定位置に停止することを回避させると判断した場合、前記回避判断記憶領域に記憶される値を前記第1値より低い第2値(0)に変更し、前記区画領域が前記規定位置に停止することを回避させないと判断した場合、前記回避判断記憶領域に記憶される値を前記第1値から変更しない構成としたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、区画領域が規定位置に停止することを回避させると判断した場合、回避判断記憶領域に記憶される値が第1値より低い第2値に変更される。かかる構成とすることにより、上記判断がなされた区画領域の停止情報を上記判断がなされなかった区画領域の停止情報と比して小さくすることができる。故に、上記判断がなされた区画領域が規定位置に停止することを回避させることが可能となる。
遊技機21.上記遊技機1乃至遊技機20のいずれかにおいて、前記表示窓を前記各周回体について複数の絵柄を視認可能な構成とするとともに、前記各周回体が停止した場合に前記表示窓から前記絵柄が視認可能となる各位置を用いて複数の有効位置を設定可能な有効位置設定手段(主制御装置101の有効ライン設定処理機能S602)を備えたことを特徴とする遊技機。
本遊技機によれば、各周回体が停止した場合に表示窓から絵柄が視認可能となる各位置を用いて複数の有効位置が設定されることがある。かかる構成において、停止区画領域決定手段の決定結果と、停止情報を導出している区画領域と、の組合せに基づいて回避判断を実行する構成とすることにより、絵柄の組合せを有効位置毎に判断せずとも、絵柄の組合せを有効位置毎に判断した場合と同一の判断結果を得ることができる。故に、回避判断に関わる処理構成の簡素化を図ることが可能となる。
なお、以上の各手段を適用し得る遊技機として、「複数の絵柄からなる絵柄列(具体的には図柄が付されたリール)を変動表示(具体的にはリールの回動)した後に絵柄列を最終停止表示する可変表示手段(具体的にはリールユニット)を備え、始動用操作手段(具体的にはスタートレバー)の操作に起因して絵柄の変動が開始され、停止用操作手段(具体的にはストップボタン)の操作に起因して絵柄の変動が停止され、その停止時の最終停止絵柄が特定絵柄である場合に遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)の発生等の特典を付与するようにし、さらに、球受皿(上皿等)を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。」といったスロットマシンとパチンコ機とが融合したタイプの遊技機なども挙げられる。