JP5892833B2 - 光音響試薬、試薬群、及びその製法 - Google Patents

光音響試薬、試薬群、及びその製法 Download PDF

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Description

本発明は、光照射により光音響計測試薬から発生する音響信号を測定する光音響計測技術に関する。
物質に光エネルギーを照射した際、物質が光エネルギーを吸収することによって発熱、熱膨張を起こし、熱弾性波を生じる現象を光音響効果と呼び、分光分析や生体内断層撮影に広く応用されている。
たとえば、生体内軟部組織に可視光−赤外光の波長をもつ数ナノセカンド程度のレーザパルスを照射すると、組織内の限定された体積において光エネルギーが吸収され、熱膨張、及び緩和を起こし、熱弾性波を生じる。このようにして生じた音響信号を検出し、光照射から音響信号検出までの経過時間に応じて画像化することにより、生体内の構造を描出する手法が光音響イメージングである。
一般に生体内画像診断法では、X線CT(X−ray ComputedTomography)であればX線吸収量の差、超音波エコーであれば音響インピーダンスの差などの物理特性を検出しイメージングを行う。光音響イメージングの場合も、特定の波長の光の吸収係数の差が生成する音響信号の差に反映されるため、光吸収の差をイメージングするという点で、物理特性を検出しイメージングしている。光吸収の差を返ってきた光の量により画像化する光イメージングに比べて、受信を音響信号で行うために、光の散乱の影響を受けにくくなるという利点がある。また、送受を音響信号を用いて行う超音波断層イメージングに比較すると、光音響イメージングは、分子の光吸収特性を反映した性状をイメージングすることができる点で優れている。
光音響イメージングのアプリケーションは多彩であり、例えば非特許文献1に見られるように、ヘモグロビンの吸収を見ることで、新生血管の密集した乳がんを検出するマンモグラフィーに用いられている。非特許文献2に見られるように、プラーク内部の脂質含有量を測定することで不安定性の評価にも有用である。
一方、非特許文献3や特許文献1で示されるように、造影剤を用いるアプローチも広く取られている。これは、ある特定の波長に対して高い吸収係数を持つ金属粒子や色素などを用いて、造影剤が存在する部位の熱上昇を局所的に上昇させ、結果として周囲の組織から生じる熱弾性波を大きくする手法である。血管やリンパ管の強調イメージング等に有用なほか、造影剤に特定の分子ターゲットを認識するリガンド分子を結合して用いることにより、癌などの疾患イメージングが可能である。ところで、癌などの疾患に関与する分子ターゲットは無数に存在することから、特に複数のターゲットを同時にイメージングすることも重要である。
さらに高感度なイメージングを行う為に、非特許文献4に見られるような気泡化造影剤が報告されている。これは液状の造影剤をレーザ照射によって気相化、気泡化し、その体積膨張に伴い発生する弾性波を音響信号として検出する。前述の熱上昇を用いた手法に比べ、原理的に発生する信号強度が高く、深部の高感度な造影イメージングに好適である。さらに一定のレーザ強度以上でのみ気相化、気泡化し信号を生成することから、今までにない造影剤として診断・治療分野で様々な用途が期待される。
特開2009−137950号公報
Emirov, S., et al, Proc SPIE, 6086 (2006) 1-12 Jansen, K., et al, Optics Letters, 36, (2011), 597-599 Wang, X., et al., Optics Letters, 29 (2004) 730-732 Strohm, E., et al, Biomedical Optics Express , (2011) 1432-1442
気泡化造影剤の技術は、上述の点から期待されるが、気泡化に伴う高強度な信号が発生するのは気泡化時一回のみに限られる。そのため、例えば複数回加算平均してS/N良く画像を取得するといった手法には適さない。
また、気泡化に際して得られる音響信号は、体積変動によるブロードバンドなシグナル一種類であり、信号の性質として複数種類存在するものではない。前述のような特定の分子ターゲットを一種類のみ画像化するには有効であるが、例えば複数の分子を同時にイメージングするといった用途に供するには不適である。
本発明は、上記の課題を解決し、高感度イメージングを行うための光音響試薬、試薬群、及びその製法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明においては、光照射により気泡化し音響信号を発生する複数の試薬を含む光音響試薬群であって、複数の試薬の各々は、特定の波長の光照射によって光を吸収する光吸収剤を含む光吸収相と、吸収されたエネルギーによって液相、または固相から気相へと変化する気泡化相と、光吸収相と気泡化相とを安定化させる安定化剤とを備えた微粒子構造からなり、微粒子構造は、気泡化相が一番内側にあり、その外側を前記光吸収相が囲み、光吸収相の外側を安定化剤が囲む構造を有し、複数の試薬の微粒子構造の気泡化相と光吸収相の体積比率が異な前記試薬の前記気泡化相には、少なくとも難水性化合物が含まれ、前記難水性化合物は、パーフルオロペンタン、又はパーフルオロヘキサン、若しくはそれらの混合物である構成の光音響試薬群を提供する。
また、上記の目的を達成するため、本発明においては、光照射により気泡化し音響信号を発生する光音響試薬であって、特定の波長の光照射によって光を吸収する光吸収剤を含む光吸収相と、吸収されたエネルギーによって液相、または固相から気相へと変化する気泡化相と、光吸収相と気泡化相とを安定化させる安定化剤とを備えた微粒子を有し、微粒子は、気泡化相が一番内側にあり、その外側を光吸収相が囲み、光吸収相の外側を安定化剤が囲み、且つその平均粒子径が、0.1μm〜10μmであり、前記試薬の前記気泡化相には、少なくとも難水性化合物が含まれ、前記難水性化合物は、パーフルオロペンタン、又はパーフルオロヘキサン、若しくはそれらの混合物である光音響試薬を提供する。
更に、上記の目的を達成するため、本発明においては、光照射により気泡化し音響信号を発生する光音響試薬の製法であって、前記試薬は、特定の波長の光照射によって光を吸収する光吸収剤を含む光吸収相と、吸収されたエネルギーによって液相、または固相から気相へと変化する気泡化相と、前記光吸収相と前記気泡化相とを安定化させる安定化剤とを備えており、前記気泡化相には、少なくとも難水性化合物が含まれ、該難水性化合物は、パーフルオロペンタン、又はパーフルオロヘキサン、若しくはそれらの混合物であり、気泡化相を一番内側に配置し、気泡化相の外側を光吸収相で囲み、光吸収相の外側を安定化剤で囲むよう配置すると共に、気泡化相と光吸収相の体積比率を異ならせることにより、気泡化相の粒子径を制御する光音響試薬の製法を提供する。
本発明により、高強度の信号を生成する光音響試薬、試薬群によって、高感度な光音響計測を実現できる。
また、本発明により、複数回の光照射によって繰返し気相化し、高強度の信号を生成可能な光音響試薬、試薬群、その製法を提供できる。
第1の実施例に係る、光音響試薬、試薬群の一例を説明するための図である。 第2の実施例に係る光音響試薬、試薬群の他の例を説明するための図である。 本発明の光音響試薬、試薬群が使用される光音響計測装置の一構成例を示す図である。 各実施例に係る、光音響試薬、試薬群の試験実験系の一例を示す図である。 光音響試薬、試薬群の単発光照射試験の結果を示す図である。 実施例に係る光音響試薬、試薬群の効果を説明するため、2種の光音響試薬に複数回光照射した際、一回目の照射に対する相対光音響信号強度を示す図である。 実施例に係る光音響試薬、試薬群の効果を説明するため、2種の光音響試薬に複数回光照射した際、気泡化インデックスの推移を示す図である。 実施例に係る光音響試薬、試薬群の効果を説明するため、2種の光音響試薬のパルス照射10回目の相対光音響信号強度の粒子径依存性を示す図である。
下記に、本発明の実施例の説明に先立ち、本発明の光音響試薬、試薬群が用いられる、光音響計測装置の一構成例を示す。なお、本明細書において、光音響試薬群とは、複数種類の光音響試薬を含むものを意味する。
図2Aに示す光音響計測装置は、光音響試薬群である造影剤を投与した被検体18に光パルス19を照射し、得られた音響信号20から被検体18の断層像を得る。同図に示すように、光音響計測装置本体7に探触子8、入力部9、表示部10が接続され、更に光音響計測装置本体7の内部には、光パルススイッチ11、受信ビームフォーマ12、画像構成部13、送受信シーケンス制御部14、受波処理部15を備える。
探触子8は、被検体との間で光パルス送信及び音響信号受信を担うデバイスであり、本発明に係る光音響造影剤の気泡化に必要な条件を満たす光パルスを送信する光照射部16、および被検体18へ光が照射されたことによって発生した音響信号20を受信する帯域および感度を持つ音響信号検出部17を備える。光照射部16は光のエネルギー量(例えば、パルス長や、パルス強度)が可変できる機構を備えていれば如何なる光源でもよいが、好適には半導体レーザが用いられる。
音響信号検出部17は、集束型の高帯域のハイドロフォンのような機構が好適であり、機械的もしくは電気的に集束点を走査する構造をもつ。若しくは、アレイ化された複数のトランスデューサで、電気的に集束・走査可能である構造でもよい。音響信号検出部17では、生体からの信号と、造影剤からの信号を峻別することもできる。なお、生体からの信号と造影剤からの信号の峻別は、受波処理部15で行うことも可能である。入力部9は各種指示を光音響計測装置7に与えるために必要なコンソールである。送受信シーケンス制御部14は、入力部9からの入力等に従い、光照射部16から照射される光のエネルギーを制御する。
探触子8の光照射部16から、被検体18の照射部に光が照射され、照射部に存在する造影剤が音響信号を発生し、発生された音響エコー信号を、音響信号検出部17が受信する。そして、装置本体7の受信ビームフォーマ12が、受信されたエコー信号に受信指向性を与える。受波処理部15では組織由来成分と、造影剤由来成分が峻別される。送受信シーケンス制御部14では、受信ビームフォーマ12で得られた受信エコー信号の受信のタイミングと、光パルス照射のタイミングの間の経過時間に基づき、エコー信号が発生した距離が換算される。最終的に、画像構成部13において、受信エコー信号が蓄積され、一つの撮像面の電気的、もしくは機械的な走査が終わった段階で、走査線に応じて断層像データが合成され、表示部10へと送られることにより、断層像画像として提供される。
上述したように、光音響計測装置本体7での測定のため、被検体18に、光音響試薬、試薬群である造影剤が注入される。
このような、光照射により気泡化、気相化し音響信号を発生する、1種かそれ以上の試薬からなる光音響試薬群の好適な態様にあって、光音響試薬群を構成する試薬は、特定の波長の光照射によって光を吸収する光吸収剤を含む光吸収相と、吸収されたエネルギーによって液相、または固相から気相へと変化する気泡化相とを、安定化剤を用いて安定化させた微粒子構造を備え、この微粒子構造では、気泡化相が一番内側にあり、その外側を光吸収相が囲む構造を有し、は0.1μm−10μmの実質同等の平均粒子径と、一微粒子当たりの光吸収係数が実質同等であり、且つ気泡化相と光吸収相の体積比率、体積分率が異なる微粒子を含んでいる。
発明者らは、投与時には液体で光照射によって気泡化する、微粒子構造中に内包された成分のうちの一つである気泡化相の粒子径を、内包された他の成分の混合比率を変えて変化をさせることで体積比率を変化させ、光照射時の気泡化後の振る舞いを制御できることに着眼した結果、上記のような構成の光音響試薬、試薬群の構成を新たに得ることができた。
以下、本発明の光音響試薬、試薬群の種々の実施例について、図面に従い説明を行う。
図1Aを用いて、第1の実施例である光音響試薬、試薬群の一例について説明をする。本実施例の光音響試薬群は、気泡化相と光吸収相の体積比率を変えた同一粒子径の光音響試薬群であって、試薬群を構成する全ての光音響試薬は同じエネルギーの光の照射により、気泡化し音響信号を発生する、ほぼ球形状の微粒子からなる造影剤である。同図において、微粒子の1、4は気泡化相を、2、5は光吸収相を、3、6は安定化剤を示している。同図の左側と右側の微粒子構造の差異は、気泡化相1、4の体積と、光吸収相2、5の体積の差異等にあり、右側の気泡化相4の体積が左側の気泡化相1より小さく、光吸収相5の体積が左側の光吸収相2より大きくなっている。本実施例の光音響試薬群は、複数種類の光音響試薬を含むと共に、これらの体積比率の異なる光音響用試薬を混在させることができる。なお、図1Aに示した二つの微粒子が、一種類の光音響試薬の微粒子である場合、体積比率の異なる同一種類の微粒子を含む光音響試薬を示している。
本実施例の光音響試薬、試薬群は、光の照射により気泡化し、音響信号を発生する造影剤であるが、上述の通り、個々の微粒子は気泡化相1、光吸収相2、安定化剤3を備えている。気泡化相1は、固相あるいは液相に過熱状態の難水性化合物を少なくとも一種類含む相である。光吸収相2は、可視・近赤外の領域から選ばれた少なくとも一種類の波長において対照となる物質、あるいは生体組織よりも吸収係数の高い吸収剤を含む相である。また、安定化剤3、6は、少なくとも気泡化相1、4の難水化合物を微粒子状態で安定化せしめる役割を持つ。
そして、光吸収相2、5と安定化剤3、6の親和性は、気泡化相1、4と安定化剤3、6の親和性よりも高い事を特徴とする。即ち、本実施例の光音響試薬の微粒子構造上、気泡化相1、4が一番内側にあり、その外側を光吸収相2、5が囲み、その外側を安定化剤3、6が囲む形を持つ。これら微粒子の構成要素の、例えば気泡化相などの、少なくとも一つの組成を異ならせることにより、種類の異なる光音響試薬を得ることができる。
光音響試薬、試薬群に含まれる複数の微粒子構造の平均粒子径は、薬物動態の観点から等しいことが望ましい。ただ、粒子径については、生体適合性がある範囲内であれば特に規定されるものではない。本実施例の好適な態様においては、静脈注射による血管、筋肉注射によるリンパ管検査などの脈管造影においては、1〜10μmまで、血管外の腫瘍イメージング等においては100〜1000nm(0.1〜1μm)の粒度分布で有効である。
なお、本実施例における光音響試薬、試薬群の粒度分布は、偏光散乱強度差法を併用したレーザ回折・散乱法粒度分布測定法によって求められる値を示す。また、1μm以上の平均粒子径を有する場合は顕微鏡を用いた画像イメージング法、1μm以下の場合は動的光散乱粒度分布測定手法によって求められる値を示す。本実施例の光音響試薬、試薬群を生体外で使用する場合は特に粒子径は等しくある必要はない。その場合、平均粒子径に上限は存在しないが、安定性の観点から概ね500μm程度までが好適である。
本実施例の光音響試薬、試薬群においては、気泡化相の粒子径を制御することで、複数回のパルス照射においても、可逆的な気泡化を生成することが可能である。好適には、試験例を用いて後述される通り、気泡化相に含まれる難水性化合物の沸点が概ね37℃以下であるとき、気泡化相の粒子径である平均直径が概ね200nm以下であり、37℃以上の化合物を含む場合であっても400nm以下である。
続いて、本実施例において、同等の粒子直径を有する微粒子において、気泡化相の大きさを制御する為に、体積比率を調製する手法を次に説明する。次に、本実施例における光音響試薬、試薬群のほぼ球状の微粒子に含まれる光吸収相2、5と気泡化相1、4の体積比率について説明する。Vabが光吸収相2、5の体積、Vpsが気泡化相1、4の体積、Rが微粒子の半径、rが気泡化相の半径であるとき、体積比率、体積分率は以下の式1で表される。
Figure 0005892833
即ち、光吸収相2、5と気泡化相1、4の体積を変化させることで、気泡化相1、4の粒子径を制御することが可能である。
<試薬構成の具体例>
本実施例による微粒子構造の第一の構成要素である気泡化相1、4は、1種類か、2種類以上の相溶性を持つ難水性化合物の混合体である。光照射による光吸収エネルギーによって安定化を解かれると、瞬時に気相化する特性を持つ。少なくとも1種類は沸点が37℃以下の難水性化合物であり、その種類は、生体適合性があれば特に制限はないが、好適には直鎖炭化水素、分岐炭化水素、直鎖フッ化炭化水素、分岐フッ化炭化水素などがあげられる。また、2種類以上の化合物の混合体である場合には、少なくとも1種類の沸点が37℃以下の難水性化合物と他の化合物が、分子間相互作用が強く、前者の気化に伴い後者も気化する共沸現象を生じる物質であることが望ましい。さらに、他の実施例で説明するように、気泡化相1、4は、含まれる難水性化合物に親和性の高い高分子などの安定化剤で安定化されていてもよい。
本実施例による微粒子構造の第二の構成要素である光吸収相2、5である化合物は、前述の気泡化相の化合物と相溶性がない構造を持つ化合物であって、生体適合性があれば特に制限がない。また、含まれる光吸収剤の吸収波長は、可視・近赤外の領域の少なくとも一種類の波において対照となる物質あるいは生体組織よりも吸収係数の高い吸収剤であることを特徴とする。この波長は、光照射の際に、照射される波長である。光吸収材は、具体的には、分子吸光係数(ε)が大きく、励起状態から励起エネルギーを他分子に伝えやすい構造を持つ光吸収剤が望ましく、さらに生体適合性があることが望ましい。具体的には金属錯体、金属微粒子、有機色素、合成粒子、などが好適である。
更に、本実施例による微粒子構造の第三の構成要素である安定化剤3、6は、難水性化合物を含む気泡化相1、4、更には光吸収相2、5を微粒子として存在させるため、界面活性剤、高分子化合物(ポリマー)、タンパク質、リン脂質など両親媒性を持つ物質で、かつ生体適合性があればよい。例えば、安定化剤3、6の疎水基に、新油性の光吸収相2、5を結合し、最終的に安定化剤3、6の内側に光吸収相2、5を層状に組み込むなどして、本実施例の微粒子構造を形成することができる。
なお、本実施例による光音響試薬、試薬群は、図中では示していないが、疾患特異的分子を認識する分子(マーカー)を結合させることにより、対象疾患部位特異的造影剤としても有用である。たとえば腫瘍周辺の新生血管や、動脈硬化による不安定プラークなども、疾患によって特異的に発現するタンパク質や糖鎖を認識するマーカーを用いることでイメージングしうる。マーカーの例としては抗体やペプチド鎖などがあげられる。これらのマーカーは、安定化剤に直接結合するか、もしくは高分子やアビジン-ビオチン結合などの分子間の親和力を介して、光音響試薬に付加される。
<試薬の調製例>
以下に本実施例の光音響試薬の具体的な調製例を述べる。本調整例における造影剤は以下の組成を含む。
リン脂質溶液(Dipalmotoyl Phosphatydilcoine, Dipalmotoyl Phosphatidic Acid, Distearoylphosphatidylethanolamine − 5000 PEG) [4.2 mM]
メラニン (大豆油中濃度) [1mM]
大豆油 [9%(v/v)]
パーフルオロペンタン(PFP) [4 %(v/v)]
ここでリン脂質溶液は安定化剤として、メラニンを含む大豆油は光吸収相として、PFPは気泡化相として用いた。
予め、エバポレーション法等によりリポソーム状態に調製したリン脂質溶液にメラニンを含む大豆油を加え、常圧ホモジナイザを用いて撹拌した。そこにさらにPFPを混合し撹拌した。本溶液を、ポアサイズが0.4μmのポリカーボネイトメンブレインを有するリポソーム調製器に注入し、混合することで粒度のそろった微粒子を調製した。得られた微粒子の粒度分布をレーザ回折光散乱粒度分布測定装置(LS13−320,ベックマンコールター社)を用いて行い,約600nmの平均粒子直径を持ち単分散の分布を持つことを確認した。また本気泡化相エマルション溶液のPFP濃度をガスクロマトグラフ法を用いて測定した。また分光高度計を用いて、色素がついていることを確認した。
なお、上述試験は、パーフルオロペンタンの代わりに、ペンタン,2H,3H−パーフルオロペンタン、パーフルオロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、パーフルオロヘプタンを使用しても、ほぼ同等の結果を得ることができた。さらに、光吸収体として、メラニンの代わりにFITC、金粒子や量子ドット等微粒子、ポルフェリン、フトロシアニン類縁体等金属錯体、チオニンやローズベンガル等色素を付加した光音響試薬においても、本試験検討とほぼ同等の結果を得ることができた。
次に、図1Bを用いて、光音響試薬の第2の実施例として、気泡化相を安定化する第2の安定化剤3−2が、気泡化相1と光吸収相2との間に存在する4相構造の実施例について説明する。気泡化相1を安定化する第2の安定化剤3−2は、気泡化相1の難水性化合物、安定化相に含まれる難水性化合物、両方と親和性が高いことが望ましい。このような第2の安定化剤3−2として、好適にはフッ素系高分子などがあげられる。
図1Bに示すように、第2の安定化剤3−2に包まれた気泡化相1を、第1の安定化剤3−1に包まれた光吸収相2が包む4層構造である本構造は、気泡化相1の粒度分布をより制御しやすくなるという点で優れている。なお、本実施例2の光音響試薬の複数の種類を用いて、光音響試薬群を構成することが可能であり、実施例1の光音響試薬と共に用いることにより、光音響試薬群を構成しても良い。
<試薬の調製例>
以下に、実施例2の光音響試薬の具体的な調製例を述べる。本試験例における造影剤は以下の組成を含む。
フッ化ポリマー(Zonyl) [0.1 % (v/v)]
リン脂質溶液(Dipalmotoyl Phosphatydilcoine, Dipalmotoyl Phosphatidic Acid, Distearoylphosphatidylethanolamine − 5000 PEG) [4.2 mM]
メラニン (大豆油中濃度) [1mM]
大豆油 [9%(v/v)]
パーフルオロペンタン(PFP) [4 % (v/v)]
ここでリン脂質溶液は第一の安定化剤3−1として、フッ化ポリマーは第2の安定化剤3−2として、メラニンを含む大豆油は光吸収相2として、PFPは気泡化相1として用いた。
水にフッ化ポリマーとPFPを加え、常圧ホモジナイザでエマルション化し、かつ高圧ホモジナイザによる150kpsiの圧力での高圧乳化処理を行った。得られた気泡化相1のエマルションの粒度分布をレーザ回折光散乱粒度分布測定装置(LS13−320,ベックマンコールター社)を用いて行い,約400 nm の平均粒子直径を持ち単分散の分布を持つことを確認した。また本気泡化相エマルション溶液のPFP濃度を、ガスクロマトグラフ法を用いて測定した。
ポアサイズが0.4μmのポリカーカーボネイトメンブレインを有するリポソーム調製器に、PFP測定量の約2.4倍量(v/v)のメラニンを含む大豆油、前述の気泡化相エマルション、予めエバポレーション法等によりリポソーム状態に調製したリン脂質溶液を注入し、混合することで2種の成分が含まれた微粒子を調製した。粒子直径は約600nmであった。また分光高度計を用いて、色素がついていることを確認した。
フッ化ポリマーとPFPの比を変えることで、気泡化相粒子の平均粒子径は100nm−10μmの範囲で可変であることを確認した。また、気泡化相1の粒子直径とリン脂質溶液の濃度を変えることで微粒子直径が100nm−10μmの範囲で可変であることを確認した。
<試験例>
次に、実施例1に説明した光音響試薬の構造で、気泡化相1と光吸収相2の体積比率を変えた光音響試薬の光照射時の振る舞いについての試験結果の一例を、図を用いて説明する。先に説明したように、本実施例の光音響試薬では、体積比率を変化させ、気泡化相の粒子径を制御することで、複数回のパルス照射においても、可逆的な気泡化を生成することが可能となる。なお、実施例2で説明した光音響試薬の構造であっても同様の効果を得ることができる。
図2Bは、本試験を行うための実験系装置の一構成例を示す図である。この実験系装置は、パルスレーザー21、レーザードライバ22、37℃に設定された脱気水で満たされた光透過性の水槽23、造影剤封入ファントムホルダー24、ハイドロフォン25、オシロスコープ26、診断用プローブ27、超音波診断装置28から構成される。
調製した光音響試薬を含むアクリルアミドゲルファントムを造影剤封入ファントムホルダー24で水槽23中に静置し、パルスレーザー21(Nd:YAG SHG、λ=532nm、時間平均パワー0〜2W)を照射した。レーザードライバ22とオシロスコープ26を同期し、収束ハイドロフォン25からの音響信号を獲得した。また同時に超音波診断装置28を用いて、音響信号に基づく、気泡化の超音波観察画像を取得した。ファントムホルダー24には、上述の方法で調製された実施例の光音響試薬、光吸収相のみの微粒子、気泡化相のみの微粒子をそれぞれ封入した。
図3に、上述した図2Bの実験系装置で、レーザパルスを1回照射したときに、ハイドロフォン25で得られた音響応答の一例を示す。同図の左側が、実施例1に係る光音響試薬の結果、中央に吸収相ののみの結果、右側が気泡化相のみの結果を示す。同図において、縦軸は信号強度[V]を示している。
実施例1の光音響試薬においてのみ、超音波診断装置28上で気泡化が観察された。また、光音響試薬、光吸収相の場合には音響応答が得られ、気泡化相のみでは音響応答が得られなかった。また、実施例1の光音響試薬において音響応答が優位に高く、光吸収剤のみの微粒子から得られる音響応答の約3倍であった。このことから気泡化時に発生する音響信号は、その音響応答において、優位に高いことが確認された。
次に、図4に、本実施例の気泡化相1にパーフルオロペンタンを含み、気泡化相1の直径が400nmの光音響試薬(薬剤1)、150nmの光音響試薬(薬剤2)それぞれに複数回パルスを照射したとき、一回目の光音響信号に対する相対音響強度の推移を示す。光音響試薬(薬剤1)では、1回目のレーザ照射時の信号強度のみが高く、2回目以降は低減した。それに対して光音響試薬(薬剤2)では、1回目の信号強度が10回目も維持されている。また、超音波診断機画面上では、光音響試薬(薬剤1)ではレーザ照射一回目に気泡化による白変が起こった後には変化が見られなかったのに対し、光音響試薬(薬剤2)ではレーザ照射のたびに白変が起こり、消えた。
図5に、同じく薬剤1、薬剤2それぞれに対する、超音波診断機画面上で観察される気泡化の状態の経時的変化を定量的に示したグラフを示す。同図上段に照射レーザパルスの強度を、時間を横軸に示した。同図下段のグラフの縦軸の気泡化インデックスとは、レーザ焦点で起こる肉眼で観察できる白変(輝度変化)である。
このことから、薬剤2に代表される、複数回パルスを照射した時に繰り返し可逆的な気泡化を起こす、本実施例による光音響試薬は、気泡化による優位に高い信号強度をパルス照射毎に生成することが確認された。また、繰り返し可逆的な気泡化に関しては粒子径依存性があることが確認された。
次に、本実施例の光音響試薬の、繰り返し可逆的な気泡化を起こすために必要な、気泡化相の大きさについての試験を行った。本試験は気泡化相に常気圧での沸点が37℃以下である、気泡化造影剤における活性成分として用いられる化合物と、常気圧での沸点が37℃以上である、気泡化造影剤における安定成分として用いられる化合物それぞれに対して行った。実用化に当たっては、その時々の用途に対して両者を混合して用いることが推定されるため、両者の混合物に対しても同等に試験を行った。より具体的には前者としては沸点が29℃のパーフルオロペンタン(PFP)を、後者には沸点が59℃のパーフルオロヘキサン(PFH)を用い、混合物として両者を1:1の割合で混合したサンプルを用いた。気泡化相の大きさは、200、400、600、800、1000 nmとした。
図6に、それぞれのサンプルに対しレーザパルスを10回照射し、一回目に生成される光音響信号に対する10回目の相対光音響強度を、それぞれの光音響試薬について測定して結果を示す。同図の横軸は、気泡化相直径(nm)、縦軸は、相対光音響信号強度を示す。本測定結果の強度は、同様の試験を5回測定した平均値である。
同図から明らかな様に、PFPを有す光音響試薬の場合、気泡相の直径が200nmの時のみ一回目とほぼ同等の信号強度が得られていることから、200nmの時のみ可逆的に気泡化が起こっていることが示唆される。対して、PFHを有する光音響試薬は400nmにおいても一回目とほぼ同等の信号強度が得られており、400nmであっても可逆的に気泡化が起こっていると示唆される。またPFHの600nm群において信号が弱まっているのは、不完全に可逆的な変化が起こっていると推察される。
PFP・PFH混合物(1:1 Mix)は、400nm 群において10回目の信号の低減が見られ、600 nm群においては、PFP群と同じく1回目に比較し1/3以下に信号が低減している。400nm群においては不完全に可逆的な相変化が起こっているが、600nmでは非可逆的な相変化が起こっていると推測される。これらのことから、両者の混合物である場合、二つの成分のちょうど中間にあたる振る舞いを示すことがわかった。
このことから気泡化相に占める主成分が沸点37℃以下の気泡化造影剤の活性成分であるであるときは気泡化相の粒子径である平均直径が概ね200nm以下、沸点が37℃以上の安定性分あるときは、気泡化相の粒子径である平均直径が概ね400nm以下であれば可逆的な気泡化を生成することがわかった。よって、複数の光音響試薬で構成する光音響試薬群においては、光音響試薬個々に対応して、気泡化相と光吸収相の体積比率を異ならせることにより、気泡化相の粒子径を制御することが有効である。
なお本試験結果は、パーフルオロペンタンの代わりに、ペンタン,2H,3H−パーフルオロペンタン、パーフルオロヘキサンの代わりにヘキサン、ヘプタン、パーフルオロヘプタンを使用しても、ほぼ同等の結果を得ることができた。
以上詳述した、光音響試薬、試薬群を用いることにより、被検体等の情報を描出する光音響計測方法および装置において、被検体の情報を詳細に描出することが可能となる。
そして、複数回の光照射によってくりかえし気泡化し、複数回のレーザ照射によって繰り返し信号を生成することで、信号の積算平均によるS/Nの高いイメージングを実現する。また、従来の気泡化を用いた光音響試薬、試薬群と比較して気泡の持続時間、及び繰り返しのシグナル応答の観点から信号が容易に分離可能であり、従来の造影剤と組み合わせて使用することで複数種のシグナルを得ることが可能である。本現象を利用することで、複数の分子を同時にイメージングできる造影手法を実現できる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、一つの実施例の構成要素の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能である。
1、4 気泡化相
2、5 光吸収相
3、6 安定化相
7 光音響計測装置
8 光照射部
9 入力部
10 表示部
11 光パルススイッチ
12 受信ビームフォーマ
13 受信処理部
14 送受信シーケンス制御部
15 受波処理部
16 光照射部
17 音響信号検出部
21 パルスレーザー
22 レーザードライバ
23 水槽
24 ファントムホルダー
25 ハイドロフォン
26 オシロスコープ
27 診断用プローブ
28 超音波診断装置

Claims (11)

  1. 光照射により気泡化し音響信号を発生する複数の試薬を含む光音響試薬群であって、
    前記複数の試薬の各々は、
    特定の波長の光照射によって光を吸収する光吸収剤を含む光吸収相と、吸収されたエネルギーによって液相、または固相から気相へと変化する気泡化相と、前記光吸収相と前記気泡化相とを安定化させる安定化剤とを備えた微粒子構造からなり、
    前記微粒子構造は、前記気泡化相が一番内側にあり、その外側を前記光吸収相が囲み、前記光吸収相の外側を前記安定化剤が囲む構造を有し、
    前記複数の試薬の前記微粒子構造の前記気泡化相と前記光吸収相の体積比率が異なり、
    前記試薬の前記気泡化相には、少なくとも難水性化合物が含まれ、
    前記難水性化合物は、パーフルオロペンタン、又はパーフルオロヘキサン、若しくはそれらの混合物である、
    ことを特徴とする光音響試薬群。
  2. 請求項1に記載の光音響試薬群であって、
    前記難水性化合物の沸点が、37℃以下であるとき、前記気泡化相の平均直径が200nm以下である、
    ことを特徴とする光音響試薬群。
  3. 請求項に記載の光音響試薬群であって、
    前記難水性化合物の沸点が、37℃以上であるとき、前記気泡化相の平均直径が400nm以下である、
    ことを特徴とする光音響試薬群。
  4. 請求項に記載の光音響試薬群であって、
    前記微粒子構造は、
    第二の安定化剤を更に含み、
    当該第二の安定化剤は、前記気泡化相と前記光吸収相との間に位置する、
    ことを特徴とする光音響試薬群。
  5. 請求項に記載の光音響試薬群であって、
    前記複数の試薬は、複数回光照射したときに繰り返し気泡化を起こすことが可能である、
    ことを特徴とする光音響試薬群。
  6. 光照射により気泡化し音響信号を発生する光音響試薬であって、
    特定の波長の光照射によって光を吸収する光吸収剤を含む光吸収相と、
    吸収されたエネルギーによって液相、または固相から気相へと変化する気泡化相と、
    前記光吸収相と前記気泡化相とを安定化させる安定化剤とを備えた微粒子構造を有し、
    前記微粒子構造は、前記気泡化相が一番内側にあり、その外側を前記光吸収相が囲み、前記光吸収相の外側を前記安定化剤が囲み、且つその平均粒子径が、0.1μm〜10μmであり、
    前記試薬の前記気泡化相には、少なくとも難水性化合物が含まれ、
    前記難水性化合物は、パーフルオロペンタン、又はパーフルオロヘキサン、若しくはそれらの混合物である、
    ことを特徴とする光音響試
  7. 請求項に記載の光音響試であって、
    前記難水性化合物の沸点が、37℃以下であるとき、前記気泡化相の平均直径が200nm以下である、
    ことを特徴とする光音響試
  8. 請求項に記載の光音響試であって、
    前記難水性化合物の沸点が、37℃以上であるとき、前記気泡化相の平均直径が400nm以下である、
    ことを特徴とする光音響試
  9. 請求項に記載の光音響試であって、
    前記試薬は、
    第二の安定化剤を更に含み、
    当該第二の安定化剤は、前記気泡化相と前記光吸収相との間に位置する、
    ことを特徴とする光音響試
  10. 光照射により気泡化し音響信号を発生する光音響試薬の製法であって、
    前記試薬は、特定の波長の光照射によって光を吸収する光吸収剤を含む光吸収相と、吸収されたエネルギーによって液相、または固相から気相へと変化する気泡化相と、前記光吸収相と前記気泡化相とを安定化させる安定化剤とを備えており、
    前記気泡化相には、少なくとも難水性化合物が含まれ、該難水性化合物は、パーフルオロペンタン、又はパーフルオロヘキサン、若しくはそれらの混合物であり、
    前記気泡化相を一番内側に配置し、前記気泡化相の外側を前記光吸収相で囲み、前記光吸収相の外側を前記安定化剤で囲むと共に、
    前記気泡化相と前記光吸収相の体積比率を異ならせることにより、前記気泡化相の粒子径を制御する、
    ことを特徴とする光音響試薬の製法
  11. 請求項10に記載の光音響試薬の製法であって、
    前記難水性化合物の沸点が、37℃以下であるとき、前記気泡化相の粒子径を200nm以下に、前記難水性化合物の沸点が、37℃以上であるとき、前記気泡化相の粒子径を400nm以下に制御する、
    ことを特徴とする光音響試薬の製法
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