JP5892592B2 - 超解像画像処理装置及び超解像画像処理用コードブック作成装置 - Google Patents
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Description
より詳細には、低解像度の原画像から高解像度の画像を出力する、超解像画像処理装置と、この超解像画像処理装置が利用するコードブックを作成する超解像画像処理用コードブック作成装置に関する。
例えば、携帯電話に付属する比較的低解像度のカメラで撮影した画像を高解像度のディスプレイで閲覧する場合や、アナログテレビ時代に作成された低解像度の動画コンテンツを高解像度のテレビで閲覧する場合、或は低解像度の動画ストリーミングデータを高解像度のディスプレイで閲覧する場合等に、この超解像技術が用いられる。
更には、監視カメラ等の撮影画像データを高解像度化することで、社会基盤の安全性向上に寄与できる可能性もある。
例えば、ある画像データのピクセルサイズを縦横1/2倍ずつ、1/4倍に縮小する場合、隣り合う二つのピクセルの平均値を算出して、一つのピクセルに変換する。この平均値演算は、積分の一種といえる。そして、ピクセルの羅列を信号として捉えた場合、平均値演算を行ってピクセルを間引くことは、信号の高周波成分を除去することと等価である。
逆に、ある画像データのピクセルサイズを縦横2倍ずつ、4倍に拡大する場合、一番簡単な方法としては、隣り合う二つのピクセルの中間値を算出して、間のピクセルを得る方法であるが、この算出方法では失われた高周波成分が再現されない。このため、中間値演算による拡大画像はあたかもピンぼけのような、境界線が曖昧な画像になる。
つまり、超解像技術は、ピクセルのパターンを解析して、適切と思われるピクセルを算出し、元画像の隣接するピクセル同士の間に埋めることで、「失われた高周波成分を類推する」技術である。
超解像画像処理装置は、入力画像データを所定の倍率で拡大する装置である。画像を拡大する際、超解像画像処理装置は入力画像データに存在しない、高周波成分を推定する。この推定は、入力画像データを矩形範囲で細分化した局所領域毎に、コードブックという辞書ファイルを検索することで実現する。
超解像画像処理装置の性能は、超解像画像処理に要する時間と、超解像画像データの再現性で評価される。
本実施形態に係る超解像画像処理装置は、超解像画像処理に要する時間を短縮させるために、インデキシングに主成分分析を用いて、演算ステップ数を低減させている。
また、本実施形態に係る超解像画像処理装置が超解像画像データの再現性を向上させるために、コードブック作成装置はコードブックを作成する過程で、良質のレコードのみ選択する処理を実行している。
図1は、本発明の実施形態の例である、超解像画像処理装置とコードブック作成装置の概略図である。
超解像画像処理装置101は、デジタルカメラ102や画像ファイル103等から、縦mピクセル×横nピクセルの入力画像データ104を受け取ると、縦k・mピクセル×横k・nピクセルの出力画像データ105を生成する。ここで、kは1より大きい整数であり、m及びnは2以上の自然数である。
超解像画像処理装置101が処理する画像は、静止画像であっても動画像であってもよい。本実施形態では説明を簡単にするため、静止画像を中心に説明する。
コードブック作成装置110は、一つ以上のサンプル画像データ111と一つ以上の評価用画像データ112を受け取ると、後述する所定の演算処理を行うことで、コードブック106と、第一主成分基底ベクトル107と、第二主成分基底ベクトル108と、第三主成分基底ベクトル109とを生成する。
ここで、コードブック106、第一主成分基底ベクトル107、第二主成分基底ベクトル108及び第三主成分基底ベクトル109は、これら四つで一つの組である。これ以降、コードブック106、第一主成分基底ベクトル107、第二主成分基底ベクトル108及び第三主成分基底ベクトル109をまとめて「コードブック106等」と呼ぶ。
例えば、超解像画像処理装置101を周知のパソコンにインストールするプログラムとして実現することができる。その際、コードブック106等はハードディスク装置等の不揮発性ストレージに格納されるであろう。
また、デジタルカメラ102のファームウェアとして、デジタルカメラ102に組み込むこともできる。
更には、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のPLD(programmable logic device)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等を用いて実現することもできる。
ここでシーンとは、画像の特色をいう。例えば風景の撮影画像であったり、医療用レントゲン画像であったり、或はアニメーション等である。風景の撮影画像の場合、そのピクセルパターンには中間色や中間輝度が多く現れる。一方、アニメーションの画像の場合、輪郭が明確であり、色彩や輝度がある境界で急激に変化する(エッジの効いた)ピクセルパターンが多く見受けられる。このように、画像にはそのシーンに応じた特色がある。
そこで、サンプル画像データ111はシーンに応じた画像が集められ、コードブック106等の基となる。どのようなシーンに対しても最適な超解像処理ができる万能なコードブック106等を作成することは困難であるが、シーンに最適化したコードブック106等を作成することで、超解像画像処理装置101が適用されるシーンに適したコードブック106等を与えることができる。勿論、複数のコードブック106等を用意して、超解像画像処理装置101がシーンに応じてコードブック106等を切り替えることで、シーンに最適な超解像画像処理を実現することができる。また、シーンを細分化すればするほど、そのシーンにより適合したコードブック106等を作成することができ、より再現度の高い超解像画像処理を実現することができる。
図2は、コードブック作成装置110の機能ブロック図である。
コードブックレコード作成部201は、一以上のサンプル画像データ111を読み込み、原コードブック202を作成する。これが、超解像画像処理に用いるコードブック106の基となる。
次に、レコード選定処理部203は評価用画像データ112を読み込み、原コードブック202から所定の条件を満たすレコードのみを選定して、コードブック106へ複写する。
次に、主成分分析処理部204は、コードブック106の全レコードの正規化低周波成分フィールドのデータを読み込み、周知の主成分分析を行い、第一主成分基底ベクトル107と、第二主成分基底ベクトル108と、第三主成分基底ベクトル109とを算出する。
また、主成分分析処理部204は、コードブック106の各レコードを、第一主成分値、第二主成分値及び第三主成分値でグルーピングする。
この主成分分析処理部204によって、コードブック106のレコードに、検索処理のための索引情報となるグループ番号が付与される。
なお、コードブック106のフィールド構成については図11にて後述する。
図3は、コードブック作成装置110によるコードブック作成処理のフローチャートである。
処理を開始すると(S301)、コードブックレコード作成部201はサンプル画像データ111を読み込み、原コードブック202を作成する(S302)。
次に、レコード選定処理部203は評価用画像データ112を読み込み、原コードブック202から所定の条件を満たすレコードのみを選定して、コードブック106へ複写する(S303)。
次に、主成分分析処理部204は、コードブック106の全レコードの正規化低周波成分フィールドのデータを読み込み、周知の主成分分析を行い、第一主成分基底ベクトル107と、第二主成分基底ベクトル108と、第三主成分基底ベクトル109とを算出した後、コードブック106の各レコードを、第一主成分値、第二主成分値及び第三主成分値でグルーピングして(S304)、一連の処理を終了する(S305)。
図4は、コードブックレコード作成部201の機能ブロック図である。
図5は、コードブックレコード作成部201による、コードブックレコード作成処理の流れを示すフローチャートである。
以下、図5のフローチャートを説明しつつ、図4のブロック図を説明する。
処理を開始すると(S501)、縮小処理部401はサンプル画像データ111を読み込み、サンプル画像データ111を1/(k×k)倍に縮小して、縮小画像データ402を得る(S502)。
画像を拡大するアルゴリズムはBicubic法以外にも種々存在するが、本実施形態では、現在広く普及しているアルゴリズムの中で最もシャープな画像を得られる、という理由でBicubic法を採用している。
コードブックレコード作成処理において、コードブックレコード作成部201は、局所領域を縦及び横に1ピクセルずつ移動して生成する。
次に、ノルムデータ演算部406はサンプルBicubic画像データ405を読み込み、局所領域毎にノルム(norm)を算出する。ノルムは周知の以下の式によって算出する。
ノルムでサンプルBicubic画像データ405の局所領域を割ると、得られる値は0から1の間の値に収められる。つまり、絶対値の変化が相対値の変化に換算される。絶対値の変化を相対値の変化に換算することで、絶対値の異なる輝度の変化も輝度の相対的な変化に変換され、データの汎用性が向上する。これ以降、画像データをノルムで除算して得たデータを正規化画像データと呼ぶ。
除算器408はサンプルBicubic画像データ405とノルムデータ407を読み込み、局所領域毎に対応するノルムで除算して、正規化低周波成分409を得る(S506)。
図7は、画像の低周波成分と高周波成分の関係を説明する概略図である。
画像701を縮小すると、画像701に含まれている高周波成分が失われる。そして、縮小画像702を再び元の大きさに拡大すると、高周波成分が失われているために輪郭がぼやけた画像が生成される。これが、元の画像の低周波成分703である。この低周波成分703を元の画像701から減算すると、元の画像の高周波成分704が得られる。
図7で説明したように、加算器410によってサンプル画像データ111からサンプルBicubic画像データ405を減算すると、サンプル画像データ111の高周波成分411が得られる(S507)。なお、この減算処理において、エッジ領域判定部404で除外された領域は演算の対象外である。
さて、先にステップS506において、低周波成分をノルムで正規化した。これと同じ処理を高周波成分にも施す必要がある。そこで、除算器412は高周波成分411とノルムデータ407を読み込み、局所領域毎に対応するノルムで除算して、正規化高周波成分413を得る(S508)。
最後に、ラスタスキャン処理部414は、ステップS506で得られた正規化低周波成分409と、ステップS508で得られた正規化高周波成分413を、共通する局所領域毎にレコードとして組み合わせることで原コードブック202を作成して(S509)、一連の処理を終了する(S510)。
コードブックレコード作成部201によって作成された原コードブック202は膨大なレコード数を有する。しかし、このレコード数のうち、実際に実用的な結果を得るレコードは極めて少数である。発明者が試算したところ、原コードブックで実用に耐えうるレコードはおよそ3%程度であった。そこで、評価用の画像データを用いて、超解像画像処理を試してみて、使えるレコードだけを抽出する処理を行う。これがレコード選定処理部203の役割である。
図8は、レコード選定処理部203の機能ブロック図である。
図9及び図10は、レコード選定処理部203による、レコード選定処理の流れを示すフローチャートである。
以下、図9及び図10のフローチャートを説明しつつ、図8のブロック図を説明する。
処理を開始すると(S901)、縮小処理部401はサンプル画像データ111とは異なる評価用画像データ112を読み込み、評価用画像データ112を1/(k×k)倍に縮小して、評価用縮小画像データ801を得る(S902)。
先ず、図示しない制御部は、カウンタ変数iを1に設定する(S905)。このカウンタ変数iは、評価用Bicubic画像データ802が有する局所領域の数を最大数とする。
次に、局所領域抽出部803は評価用Bicubic画像データ802からi番目の局所領域のデータを抜き出して、評価用局所領域低周波成分804を得る(S906)。この局所領域は、先にコードブックレコード作成処理にて説明した局所領域と同一の形態(縦pピクセル×横qピクセル)である。本実施形態の場合は、5×5ピクセルである。
次に、除算器807は評価用局所領域低周波成分804を評価用局所領域ノルム806で除算して、評価用局所領域正規化低周波成分808を得る(S908)。
SSD探索処理部809は、周知のSSD(Sum of Squared Difference)にて、画像の類似度を算出する。具体的には以下の式(2)である。
次に、乗算器810はステップS909で特定された原コードブック202のレコードにおける正規化高周波成分フィールドの値と、ステップS907にて算出した評価用局所領域ノルム806を乗算して、局所領域高周波成分を得る(S1010)。
次に、加算器811はステップS1010にて乗算器810が算出した局所領域高周波成分と、ステップS906にて得た評価用局所領域低周波成分804とを加算して、評価用局所領域超解像データ812を得る(S1011)。
RMSE演算部813は、周知のRMSE演算値(Root Mean Square Error)を算出する。RMSEとは以下の式(3)に示すように、先に説明したSSDの平方根である。RMSEの意味は、統計学の標準偏差と同じ指標であり、原画像とのピクセル単位での誤差を表す。
もし、RMSE閾値815の比較結果が、RMSE閾値815よりRMSE演算値が小さいと判定した場合(S1014のYES)、レコード複写処理部816はRMSE閾値815の比較結果である論理の「真」を受けて、ステップS909で特定した原コードブック202のレコードを、コードブック106へ複写する(S1015)。
逆に、RMSE閾値815の比較結果が、RMSE演算値がRMSE閾値815以上であると判定した場合(S1014のNO)、レコード複写処理部816はRMSE閾値815の比較結果である論理の「偽」を受けて、動作しない。したがって、ステップS909で特定した原コードブック202のレコードは、コードブック106へ複写されない。
カウンタ変数が最大値、つまり局所領域の最大数に達していれば(S1017のYES)、図示しない制御部は一連の処理を終了する(S1018)。
超解像画像処理装置101は、入力画像データ104から局所領域を抜き出して、コードブック106を検索する。検索の際、最終的にはベクトルの類似度を計算して、最も類似するレコードを選択する。本実施形態の場合、5×5=25ピクセルであり、変数の数が多い。変数が多い、ということは演算ステップ数が多いことを意味し、検索速度の低下に繋がる。
そこで、変数の数を低減させて、演算ステップ数を削減するために、主成分分析を用いる。主成分分析を用いれば、ベクトルをスカラ値に変換できるので、インデキシングが容易になり、コードブック106の検索速度を向上できる。
コードブック106は、原コードブック202から複写した正規化低周波成分フィールドと、正規化高周波成分フィールドの他、第一主成分値フィールドと、第一主成分グループ番号フィールドと、第二主成分値フィールドと、第二主成分グループ番号フィールドと、第三主成分値フィールドと、第三主成分グループ番号フィールドとよりなる。主成分分析処理部204は、コードブック106の全レコードの正規化低周波成分409から、図12に示す演算処理を行って、第一主成分値フィールドと、第一主成分グループ番号フィールドと、第二主成分値フィールドと、第二主成分グループ番号フィールドと、第三主成分値フィールドと、第三主成分グループ番号フィールドに値を記入すると共に、第一主成分基底ベクトル107と、第二主成分基底ベクトル108と、第三主成分基底ベクトル109とを算出する。
処理を開始すると(S1201)、先ず主成分分析処理部204は、コードブック106の全レコードの正規化低周波成分フィールドの値に、周知の主成分分析を行い、第一主成分基底ベクトル107を算出する(S1202)。周知のように、第一主成分基底ベクトル107は第一主成分軸を表し、その起点が主成分分析の対象となるデータの特徴を最も表す基底ベクトルである。
次に主成分分析処理部204は、コードブック106の全レコードの第一主成分値について所定のレコード数でグルーピングし、第一主成分グループ番号をレコード毎に記録する(S1204)。
次に主成分分析処理部204は、コードブック106の第一主成分グループ番号が同じレコードの第二主成分値について所定のレコード数でグルーピングし、第二主成分グループ番号をレコード毎に記録する(S1207)。つまり、第一主成分グループ番号が同じレコードを、第二主成分グループ番号で更に細分化する。
次に主成分分析処理部204は、コードブック106の第一主成分グループ番号及び第二主成分グループ番号が同じレコードの第三主成分値について所定のレコード数でグルーピングし、第三主成分グループ番号をレコード毎に記録する(S1210)。つまり、第一主成分グループ番号及び第二主成分グループ番号が同じレコードを、第三主成分グループ番号で更に細分化する。そして、一連の処理を終了する(S1211)。
図13(a)は主成分分析の対象となる正規化低周波成分409の概念図である。本来なら正規化低周波成分409は5×5ピクセルの25個のスカラ値の集合体、つまり25次元ベクトルであるが、仮に二次元であるものとして図示する。ある座標系内に、正規化低周波成分409は各々が任意の位置に存在している。
主成分分析とは、これらのデータに対し、最も分散が大きい軸を見つける。この軸が第一主成分軸である。図12のステップS1202の処理に該当する。
第一主成分値は、各々のデータと第一主成分基底ベクトル107とを内積演算して得る(図12のステップS1203)。そして、第一主成分値の出現頻度を縦軸に取ると、図13(c)のように出現頻度の偏りが観察できる。そこで、この出現頻度のグラフを図13(d)のように等面積に分割して、番号を付与する。これが、図12のステップS1204の処理である。
図14(e)は、第一主成分軸、第二主成分軸及び第三主成分軸にて形成される固有空間の概念図である。図12のステップS1210迄処理を進めると、データの集合は第一主成分軸、第二主成分軸及び第三主成分軸で区切られ、等しい要素数の集合が形成される。
コードブック106のレコードが属するグループは、第一主成分値の範囲と、第二主成分値の範囲と、第三主成分値の範囲とを有する。図14(f)に示すように、この主成分値の範囲が、ツリー検索にてレコードを絞り込むために用いられる。
図15は、超解像画像処理装置101の機能ブロック図である。
図16及び図17は、超解像画像処理装置101による、超解像画像処理の流れを示すフローチャートである。
以下、図16及び図17のフローチャートを説明しつつ、図15のブロック図を説明する。
処理を開始すると(S1601)、Bicubic拡大処理部1501は入力画像データ104を読み込み、周知のBicubicアルゴリズムにて拡大処理を行い、入力Bicubic画像データ1502を生成する(S1602)。
先ず、図示しない制御部は、カウンタ変数iを1に設定する(S1603)。このカウンタ変数iは、入力Bicubic画像データ1502が有する局所領域の数を最大数とする。なお、超解像画像処理装置101における局所領域の採り方は、図6で説明した重複を有する方法とは異なり、重複を有さないタイル状の採り方である。重複を排除することで、超解像画像処理装置101の処理ステップ数を低減させることができる。
次に、除算器1507は入力局所領域低周波成分1504を入力局所領域ノルム1506で除算して、入力局所領域正規化低周波成分1508を得る(S1606)。
先に図11及び図12にて説明したように、コードブック106には主成分分析を用いたインデキシングが施されている。そこで、入力局所領域正規化低周波成分1508から第一主成分値、第二主成分値及び第三主成分値を算出する。
第一内積演算器1509は、入力局所領域正規化低周波成分1508と第一主成分基底ベクトル107と内積演算して、第一主成分値を得る(S1607)。
第二内積演算器1510は、入力局所領域正規化低周波成分1508と第二主成分基底ベクトル108と内積演算して、第二主成分値を得る(S1608)。
第三内積演算器1511は、入力局所領域正規化低周波成分1508と第三主成分基底ベクトル109と内積演算して、第三主成分値を得る(S1609)。
ツリー探索部1512は、第一内積演算器1509が算出した第一主成分値と、第二内積演算器1510が算出した第二主成分値と、第三内積演算器1511が算出した第三主成分値とを用いて、コードブック106をツリー検索して、入力局所領域正規化低周波成分1508に最も近い値を有するレコードのグループ(レコード群)を特定し、ベクトル類似度演算部1513に当該レコード群を指すアドレス情報を引き渡す(S1710)。
ステップS1711にて、ベクトル類似度演算部1513がレコードを特定することで、超解像画像処理に必要な当該レコードの正規化高周波成分1514を得ることができる。乗算器1515は、ベクトル類似度演算部1513が特定したレコードの正規化高周波成分1514と、ステップS1605にてノルム演算部1505が算出した入力局所領域ノルム1506を乗算して、局所領域高周波成分1516を算出する(S1712)。
カウンタ変数iが局所領域の最大値を超えていれば(S1716のYES)、一連の処理を終了する(S1717)。
ステップS1717の時点で、図示しないRAM上には超解像画像データである出力画像データ105が形成される。
(1)上述の実施形態では、白黒の静止画を対象とする装置を説明したが、超解像画像処理装置101の入力画像データ104(ソース)は動画像であってもよい。この場合、評価の対象となる局所領域は時間軸を考慮したものとなる。例えば、時間軸上で隣り合う2枚の画像を対象にして、縦pピクセル×横qピクセル×rサンプル数を局所領域の単位とする。
勿論、扱う画像はカラーの動画像であってもよい。
汎用性の高い超解像画像処理を短時間に実行するため、本実施形態の超解像画像処理装置101は、先ず、処理対象とする画像から原コードブック202を作成し、原コードブック202から超解像処理に適したレコードのみを選定したコードブック106を作成した。
また、コードブック106に用いるレコード数を効果的に低減させるために、ノルムを用いた。
これらの技術の採用により、比較的少ない計算量で高い高周波成分の再現率を達成する超解像画像処理装置101を実現できる。
Claims (4)
- 入力画像データを拡大する拡大処理部と、
前記拡大処理部で拡大された前記入力画像データから所定の矩形範囲で抜き出して入力局所領域低周波成分を出力する局所領域抽出部と、
前記入力局所領域低周波成分のノルムを演算して入力局所領域ノルムを出力するノルム演算部と、
前記入力局所領域低周波成分を前記入力局所領域ノルムで除算して入力局所領域正規化低周波成分を出力する除算器と、
画像データを所定の矩形範囲で抜き出した局所領域の低周波成分を正規化した正規化低周波成分が格納される正規化低周波成分フィールドと、前記局所領域の高周波成分を正規化した正規化高周波成分が格納される正規化高周波成分フィールドとを有すると共に、前記正規化低周波成分に基づく主成分値でレコードがグルーピングされているコードブックと、
前記入力局所領域正規化低周波成分に基づいて前記コードブックをツリー検索して所定のレコード群を特定するツリー探索部と、
前記入力局所領域正規化低周波成分と前記所定のレコード群の前記正規化低周波成分との類似度を演算して最も類似するレコードを特定するベクトル類似度演算部と、
前記ベクトル類似度演算部によって特定された前記レコードの前記正規化高周波成分と、前記入力局所領域ノルムとを乗算して局所領域高周波成分を出力する乗算器と、
前記局所領域高周波成分と前記入力局所領域低周波成分とを加算する加算器と、
前記入力局所領域正規化低周波成分と前記コードブックの第一主成分基底ベクトルとの内積を演算して第一主成分値を出力する第一内積演算器と、
前記入力局所領域正規化低周波成分と前記コードブックの第二主成分基底ベクトルとの内積を演算して第二主成分値を出力する第二内積演算器と
を具備し、
前記コードブックは、前記正規化低周波成分フィールドと、前記正規化高周波成分フィールドと、前記正規化低周波成分の第一主成分値が格納される第一主成分値フィールドと、前記第一主成分値の近似するレコードについてグルーピングした第一主成分グループ番号が格納される第一主成分グループ番号フィールドと、前記正規化低周波成分の第二主成分値が格納される第二主成分値フィールドと、前記第一主成分グループ番号が等しいレコードのうち前記第二主成分値の近似するレコードについてグルーピングした第二主成分グループ番号が格納される第二主成分グループ番号フィールドとを有し、
前記ツリー探索部は、前記第一主成分値と前記第二主成分値で前記コードブックをツリー検索して所定のレコード群を特定する、
超解像画像処理装置。 - 前記拡大処理部はBicubic拡大処理を実行する、請求項1記載の超解像画像処理装置。
- サンプル画像データを所定の矩形範囲で抜き出した局所領域毎に、正規化した低周波成分と正規化した高周波成分とを作成し、前記正規化した低周波成分が格納される正規化低周波成分フィールドと前記正規化した高周波成分が格納される正規化高周波成分フィールドよりなる原コードブックを作成するコードブックレコード作成部と、
評価用画像データを所定の矩形範囲で抜き出した局所領域毎に前記原コードブックに最も類似するレコードを特定して超解像画像処理を施した後、類似度を算出して前記原コードブックのレコードを選定してコードブックを作成するレコード選定処理部と、
前記コードブックに、前記コードブックの前記正規化低周波成分を主成分分析した第一主成分値が格納される第一主成分値フィールドと、前記第一主成分値の近似するレコードについてグルーピングした第一主成分グループ番号が格納される第一主成分グループ番号フィールドと、前記正規化低周波成分の第二主成分値が格納される第二主成分値フィールドと、前記第一主成分グループ番号が等しいレコードのうち前記第二主成分値の近似するレコードについてグルーピングした第二主成分グループ番号が格納される第二主成分グループ番号フィールドを設けると共に、第一主成分基底ベクトルと、第二主成分基底ベクトルとを演算して出力する主成分分析処理部と
を具備する、超解像画像処理用コードブック作成装置。 - 前記コードブックレコード作成部はBicubic拡大処理を実行する、請求項3記載の超解像画像処理用コードブック作成装置。
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