以下、本発明の炭化水素合成用反応器を詳しく説明する。
まず、本発明の炭化水素合成用反応器の一実施形態を含む液体燃料合成システムを、図1を参照して説明する。
図1に示す液体燃料合成システム1は、天然ガス等の炭化水素原料を液体燃料に転換するGTLプロセスを実行するプラント設備である。
この液体燃料合成システム1は、合成ガス製造ユニット3と、FT合成ユニット5と、アップグレーディングユニット7とから構成されている。合成ガス製造ユニット3は、炭化水素原料である天然ガスを改質して一酸化炭素ガスと水素ガスを含む合成ガスを製造する。FT合成ユニット5は、合成ガス製造ユニット3において製造された合成ガスからFT合成反応により液体炭化水素を合成する。アップグレーディングユニット7は、FT合成反応により合成された液体炭化水素を水素化・精製して液体燃料(主として灯油、軽油)の基材を製造する。
以下、これら各ユニットの構成要素について説明する。
合成ガス製造ユニット3は、例えば、脱硫反応器10と、改質器12と、排熱ボイラー14と、気液分離器16,18と、脱炭酸装置20と、水素分離装置26とを主に備える。脱硫反応器10は、水素化脱硫装置等で構成され、原料である天然ガスから硫黄化合物を除去する。改質器12は、脱硫反応器10から供給された天然ガスを改質して、一酸化炭素ガス(CO)と水素ガス(H2)とを主成分として含む合成ガスを生成する。排熱ボイラー14は、改質器12にて生成した合成ガスの排熱を回収して高圧スチームを発生する。
気液分離器16は、排熱ボイラー14において合成ガスとの熱交換により加熱された水を気体(高圧スチーム)と液体とに分離する。気液分離器18は、排熱ボイラー14にて冷却された合成ガスから凝縮分を除去し気体分を脱炭酸装置20に供給する。脱炭酸装置20は、気液分離器18から供給された合成ガスから吸収液を用いて炭酸ガスを除去する吸収塔22と、該炭酸ガスを含む吸収液から炭酸ガスを放散させて再生する再生塔24とを有する。水素分離装置26は、脱炭酸装置20により炭酸ガスが分離された合成ガスから、該合成ガスに含まれる水素ガスの一部を分離する。ただし、前記脱炭酸装置20は場合によっては設ける必要がないこともある。
このうち改質器12は、例えば、下記の化学反応式(1)、(2)で表される水蒸気・炭酸ガス改質法により、炭酸ガスと水蒸気とを用いて天然ガスを改質して、一酸化炭素ガスと水素ガスとを主成分とする高温の合成ガスを生成する。なお、この改質器12における改質法は、前記水蒸気・炭酸ガス改質法の例に限定されず、例えば、水蒸気改質法、酸素を用いた部分酸化改質法(POX)、部分酸化改質法と水蒸気改質法の組合せである自己熱改質法(ATR)、炭酸ガス改質法などを利用することもできる。
CH4+H2O→CO+3H2 ・・・(1)
CH4+CO2→2CO+2H2 ・・・(2)
また、水素分離装置26は、脱炭酸装置20又は気液分離器18と炭化水素合成用反応器30とを接続する主配管から分岐した分岐ラインに設けられる。ここで、炭化水素合成用反応器30は本発明の一実施形態となるもので、気泡塔型スラリー床反応器である。なお、その詳細については後述する。
水素分離装置26は、例えば、圧力差を利用して水素の吸着と脱着を行う水素PSA(Pressure Swing Adsorption:圧力変動吸着)装置などで構成できる。この水素PSA装置は、並列配置された複数の吸着塔(図示せず)内に吸着剤(ゼオライト系吸着剤、活性炭、アルミナ、シリカゲル等)を有しており、各吸着塔で水素の加圧、吸着、脱着(減圧)、パージの各工程を順番に繰り返すことで、合成ガスから分離した純度の高い水素ガス(例えば99.999%程度)を、水素を利用して所定反応を行う各種の水素利用反応装置(例えば、脱硫反応器10、ワックス留分水素化分解反応器50、中間留分水素化精製反応器52、ナフサ留分水素化精製反応器54など)へ連続して供給することができる。
水素分離装置26における水素ガス分離方法としては、前記水素PSA装置のような圧力変動吸着法の例に限定されず、例えば、水素吸蔵合金吸着法、膜分離法、あるいはこれらの組合せなどであってもよい。
次に、FT合成ユニット5について説明する。図1に示すようにFT合成ユニット5は、前記炭化水素合成用反応器30と、気液分離器34と、触媒分離器36と、気液分離器38と、第1精留塔40とを主に備える。
炭化水素合成用反応器30(以下、「反応器30」ということもある。)は、合成ガスから液体炭化水素を合成する気泡塔型スラリー床反応器であり、FT合成反応によって合成ガスから液体炭化水素を合成するFT合成用反応器として機能する。
この反応器30は、図2に示すように反応器本体80と、冷却管81と、ガス加速器90とを主に備えており、内部が例えば190〜270℃程度に保持され、かつ、大気圧より加圧された条件下で運転される。反応器本体80は、略円筒型の金属製の容器である。反応器本体80の内部には、液体炭化水素(FT合成反応の生成物)中に固体の触媒粒子を懸濁させたスラリーが収容されており、該スラリーによってスラリー床が形成されている。
この反応器本体80の下部においては、スパージャー82より水素ガス及び一酸化炭素ガスを主成分とする合成ガスがスラリー中に噴射されるようになっている。そして、スラリー中に吹き込まれた合成ガスは、気泡となってスラリー中を反応器本体80の高さ方向(鉛直方向)下方から上方へ向かって上昇する。その過程で、合成ガスは液体炭化水素中に溶解し、触媒粒子と接触することにより、液体炭化水素の合成反応(FT合成反応)が進行する。具体的には、下記化学反応式(3)に示すように水素ガスと一酸化炭素ガスとが反応して、炭化水素を生成する。
2nH2+nCO→(−CH2−)n+nH2O ・・・(3)
また、合成ガスが気泡として反応器本体80内を上昇することで、反応器本体80の内部においてはスラリーの上昇流(エアリフト)が生じる。すなわち、スラリーは、反応器30の中心部(中心付近)では反応器30の下部から上部へ流動し、反応器30の外側部(外側付近)では反応器30の上部から下部へ流動することを繰り返す。これにより、反応器本体80内部にスラリーの循環流が生じる。
なお、反応器本体80内に収容されるスラリーの上部には気相部が設けられており、該気相部とスラリーとの界面において、気液分離がなされる。すなわち、スラリー中で反応することなくスラリーと気相部との界面を通過した合成ガス、およびFT合成反応により生成した、反応器本体80内の条件において気体状である比較的軽質の炭化水素は、気体成分として前記気相部に移る。この際に、この気体成分に同伴する液滴、及びこの液滴に同伴する触媒粒子は重力によりスラリーに戻される。そして、反応器本体80の気相部まで上昇した気体成分(未反応の合成ガス及び前記軽質の炭化水素)は、反応器本体80の気相部(上部)に接続された導管を介して抜き出され、気体排出分となる。気体排出分は、後述するように冷却された上で気液分離器38に供給される。
冷却管81は、反応器本体80の内部に設けられ、FT合成反応の反応熱を除去することにより、系内の温度を所定の温度に保つ。この冷却管81は、本実施形態では図2に示すように複数本のチューブがバンドル(冷却管バンドル)を形成し、このバンドルによって冷却部81Aを形成している。このバンドルは、例えば1本の管が屈曲し、鉛直方向に沿って上下に複数回往復するように形成された構造となっている。本実施形態では、このようなバンドル(冷却管81)からなる冷却部81Aが、反応器本体80(反応器30)内にてその鉛直方向(高さ方向)に所定間隔をあけて3つ(複数)配置されている。すなわち、これら3つの冷却部81Aは、反応器本体80内のスラリーを効率的に冷却するべく、反応器本体80内にてその鉛直方向に略均等に配置されている。
これら3つの冷却部81Aは、それぞれを構成する冷却管81(バンドル)が、それぞれ独立して図1に示す気液分離器34に接続し、該気液分離器34から供給される冷却水(例えば、反応器本体80内の温度との差が−50〜0℃程度の水)が流通するようになっている。なお、冷却部81Aについては、3つの冷却部81Aをそれぞれ独立して形成することなく、これらを構成する冷却管81を3つの冷却部81Aの冷却水入口側および出口側を共通化させ、したがって見掛け上は3つに分離しているものの、実際には互いに並列させた構成を採用することもできる。
これら冷却部81Aの冷却管81内を冷却水が流通する過程で、冷却管81の管壁を介して冷却水とスラリーとが熱交換することにより、反応器本体80内部のスラリーが冷却される。冷却水の一部は、水蒸気となって気液分離器34に排出され、中圧スチームとして回収されるようになっている。
反応器本体80内のスラリーを冷却するための媒体としては、前記のような冷却水に限定されず、例えば、C4〜C10の直鎖、分岐鎖及び環状のアルカン、オレフィン、低分子量シラン、シリルエーテル、シリコンオイルなどを使用することができる。
気液分離器34は、前記したように反応器30内に配設された冷却部81Aの冷却管81を流通して加熱された水を、水蒸気(中圧スチーム)と液体とに分離する。この気液分離器34で分離された液体は、前述したように冷却水として再び冷却管81に供給される。
反応器本体80内に収容されるスラリーを構成する触媒は、特に限定されないが、シリカ、アルミナ等の無機酸化物からなる担体に、コバルト、ルテニウム、鉄等から選択される少なくとも1種の活性金属が担持された、固体粒子状の触媒が好ましく使用される。この触媒は、活性金属の他に、ジルコニウム、チタン、ハフニウム、レニウム等の触媒の活性を高めるため等を目的として添加される金属成分を有していてもよい。この触媒の形状は特に限定されないが、スラリーの流動性の観点、および、流動に際して触媒粒子同士、および触媒粒子と反応器本体80の内壁、冷却管81等との衝突、摩擦により触媒粒子が崩壊あるいは磨耗して、微粉化された触媒粒子が発生することを抑制するとの観点から、略球状であることが好ましい。
また、触媒粒子の平均粒径は特に限定されないが、スラリーの流動性の観点から、40〜150μm程度であることが好ましい。
このようなスラリーは、図3の作用説明図に示すように、反応器30の中心部(中心付近)では反応器30の下部から上部へ流動する流れUFを生じ、反応器30の外側部(外側付近)では反応器30の上部から下部へ流動する流れDFを生じる。このような流れUFと流れDFとを繰り返すことにより、前記したように反応器本体80内部に循環流を生じる。
ところが、このスラリーの循環流は、前記バンドル(冷却管81)からなる冷却部81Aが設置されていることで、特に反応器30の中心部(中心付近)を下部から上部に向かう流れUFの流動性が損なわれている。すなわち、スラリーの流れUFは、冷却部81Aの無い位置(冷却部81Aの下方位置)から冷却部81Aに向けて上昇した際、該冷却部81Aの最下端部に衝突することで、流れが一部妨げられてしまう。つまり、冷却部81Aは流れUFに対して抵抗として機能し、その流動性を低下させてしまう。
なお、FT合成反応はガスの体積が減少する反応であるため、反応器30の下部側に比べて反応が進行した反応器30の上部側では、図3中に矢印の数で示すように、流動するガスの量に対応して流動するスラリーの量も減少する。
そこで、本実施形態では、スラリーの流れUFの流動性低下を抑制するため、図2に示すように、冷却部81Aの下方にガス加速器90を設置している。
本実施形態では、3つの冷却部81Aのうち、下から2段目、3段目に配置された冷却部81A2、81A3の下方に、それぞれガス加速器90が設置されている。また、一番下(1段目)の冷却部81A1の下方には、前記スパージャー82と冷却部81A1との間に、インナーチューブ83が設置されている。
インナーチューブ83は、金属やセラミックス等からなる円筒状のもので、その中心軸が反応器本体80(反応器30)の中心軸に一致するように、上下の各開口部を鉛直方向(上下方向)に向けて該反応器本体80(反応器30)の中心部に設置されている。これにより、このインナーチューブ83の内側には、スパージャー82から前記合成ガスが供給されることで形成されたスラリー及びガスの上昇流が主に流通し、外側には、スラリーの下降流が主に流通するようになっている。なお、このインナーチューブ83は、スラリーの流れによってその位置が変わらないよう、図示しない固定部材によってその位置が固定されている。
ガス加速器90は、本実施形態では図4(a)に示すように金属やセラミックス等からなる略円筒状のもので、円筒状の下部円筒部91と、円筒状の上部円筒部92と、これらの間に設けられた円錐台の筒形状の連結筒部93とを有して一体に形成されている。下部円筒部91には下部開口部91Aが形成されており、上部円筒部92には上部開口部92Aが形成されている。そして、図2に示すように上部開口部92Aが鉛直方向の上側を向き、下部開口部91Aが鉛直方向の下側を向くように反応器本体80内に配置されている。
上部円筒部92は、下部円筒部91に比べてその内径(なお、以下、内径とは、肉厚の中心部の直径としてもよい。)が小さく形成されており、これによって上部開口部92Aは下部開口部91Aに比べてその径が小さく、したがって開口面積も小さくなっている。また、連結筒部93は、下部円筒部91に連結する下部側から上部円筒部92に連結する上部側にかけて、その内部孔の内径が漸次小さくなるように形成されている。そして、このガス加速器90も、その中心軸が反応器本体80(反応器30)の中心軸に一致するように、上下の各開口部91A、92Aを鉛直方向(上下方向)に向けて該反応器本体80(反応器30)の中心部に設置されている。これにより、ガス加速器90の内側(内部孔内)にはスラリーの上昇流が流通し、外側にはスラリーの下降流が流通するようになっている。なお、ガス加速器90も、スラリーの流れによってその位置が変わらないよう、図示しない固定部材によってその位置が固定されている。
ここで、ガス加速器90は、下部開口部91Aに比べて上部開口部92Aの方が開口面積が小さくなっており、これらの間は連結筒部93によって開口面積が漸次縮小されている。そのため、その内側を上昇するスラリーの流れ(UF)は、特に連結筒部93内を上昇することで流れが絞り込まれる。したがって、このガス加速器90内を上昇するスラリーは、その流速及びガス(気泡)の流速が加速され、下部開口部91Aに流入したときに比べ、上部開口部92Aから流出したときには流速が充分に高められている。
なお、下部円筒部91(ガス加速器90)の外側には、反応器本体80(反応器30)内を下降するスラリーが流れる必要がある。したがって、下部円筒部91の内径(下部開口部91Aの直径)の、反応器本体80(反応器30)の内径(直径)に対する比が、0.7に近い範囲、具体的には0.6以上0.8以下であることが好ましく、0.65以上0.75以下であることがさらに好ましい。このような範囲にすることで、ガス加速器90の下部開口部91Aの開口面積と、ガス加速器90の外側の面積、すなわち反応器本体80の内壁面とガス加速器90の下部円筒部91の外側面との間の面積とがほぼ等しくなる。
これにより、ガス加速器90内を上昇するスラリーの流れ(UF)と、ガス加速器90の外側を下降するスラリーの流れ(DF)とがほぼ均等になり、反応容器本体80(反応器30)内に形成される循環流に大きな乱れ(偏り)が生じることなく、循環流が安定するようになる。また、ガス加速器90内を上昇するスラリーに対しては、その流速及びガス(気泡)の流速を加速する効果が充分に発揮されるようになり、したがって冷却部81Aによるスラリーの流動性の低下を抑えることができる。
なお、前記比が0.6より小さくなると、反応器本体80内を上昇するスラリー中のガスをガス加速器90の下部開口部91Aに十分取り込む(流入させる)ことができず、スラリーの上昇流について、その流速及びガス(気泡)の流速を加速する効果が、充分に得られなくなる。また、前記比が0.8より大きくなると、ガス加速器90の外側を下降するスラリーの流路が十分確保されないため、その流動性が損なわれることにより、前記循環流に大きな乱れ(偏り)が生じるおそれが生じる。
また、本実施形態では、ガス加速器90を略円筒状に形成し、その横断面形状を円形にしているので、略円筒状の反応器本体80の内壁面とガス加速器90の外側面との間の間隔が、ガス加速器90の周方向においてほぼ均一になっている。これにより、循環流が偏って生じることなく、ガス加速器90の周方向においてほぼ均一に生じるようになっている。
また、本実施形態では、前記したように3つの冷却部81Aのうち、下から2段目に配置された冷却部81A2の下方と、3段目に配置された冷却部81A3の下方とに、それぞれガス加速器90が設置されている。2段目の冷却部81A2に流入するスラリーの流れと、3段目の冷却部81A3に流入するスラリーの流れとでは、図3中に矢印で示したように、その量が異なる。すなわち、反応器30の下部側に比べて反応が進行した反応器30の上部側では、流動するガスの量に対応して流動するスラリーの量も減少するため、3段目の冷却部81A3に流入するスラリーの量は、2段目の冷却部81A2に流入するスラリーの量より少なくなる。
そこで、本実施形態では、2段目の冷却部81A2の直下に設置するガス加速器90A(90)と、3段目の冷却部81A3の直下に設置するガス加速器90B(90)との間で、特に上部円筒部92の径(内径)を変えている。すなわち、2段目側に対してスラリーの量が少なくなる3段目側では、その減少量に対応して、2段目側のガス加速器90A(90)に比べ、3段目側のガス加速器90B(90)の上部円筒部92の径(内径)を小さくしている。なお、これに対応して連結筒部93の上部円筒部92側の径も小さくしている。また、下部円筒部91については、2段目のガス加速器90Aと3段目のガス加速器90Bとを同じ径にしている。
このように構成することで、2段目側から3段目側に上昇するに連れて減少するスラリーの量に対応して、3段目側のガス加速器90Bではより上部円筒部92による流れの絞り込み効果を高めることができ、これによってスラリーの流速及びガス(気泡)の流速をより加速させることができる。したがって、2段目の冷却部81A2に流入する際のスラリーの量に比べ、3段目の冷却部81A3に向かうスラリーの量が減少していても、ガス加速器90Bでよりスラリーの流速及びガス(気泡)の流速をより加速させることができるため、冷却部81A3によるスラリーの流動性の低下を抑えることができる。
なお、前記の説明では、本発明に係るガス加速器として、図4(a)に示した形状のガス加速器90を挙げて説明したが、他に例えば、図4(b)に示す形状のガス加速器90Aを用いることができる。このガス加速器90Aは、図4(a)に示した連結筒部93と同様に、外形が円錐台で内部に円錐台状の孔を有する、円錐台の筒形状のものである。このガス加速器90Aにおいても、上部開口部92Aは下部開口部91Aに比べてその内径が小さく形成され、したがって開口面積も小さくなっている。
また、前記の説明では、1段目の冷却部81A1の下方にインナーチューブ83を設置しているが、これに代えて、図4(a)に示したガス加速器90や図4(b)に示したガス加速器90Aを設置するようにしてもよい。その場合に、1段目の冷却部81A1に流入するスラリーの量は、2段目の冷却部81A2に流入するスラリーの量より多くなるため、上部開口部の径(開口径)については、2段目側のガス加速器90A(90)の上部開口部92Aの径に比べて大きくするのが好ましい。
図1に示すように触媒分離器36は、スラリーを触媒粒子等の固形分と液体炭化水素を含んだ液体分とに分離する。分離された触媒粒子等の固形分は、その一部が炭化水素合成用反応器30に戻され、液体分は第1精留塔40に供給される。また、炭化水素合成用反応器30の塔頂からは、未反応の合成ガス(原料ガス)及び合成された炭化水素のガス分を含むFTガス成分が放出され、気液分離器38に供給される。
気液分離器38は、FTガス成分を冷却して、一部の凝縮分の液体炭化水素(軽質FT炭化水素)を分離して第1精留塔40に導入する。一方、気液分離器38で分離されたガス分は、未反応の合成ガス(COとH2)、炭素数2以下の炭化水素を主成分としており、一部は炭化水素合成用反応器30の底部に再投入されてFT合成反応に再利用される。また、FT合成反応に再利用されなかったガス分は、オフガス側へ排出され、燃料ガスとして使用されたり、LPG(液化石油ガス)相当の燃料が回収されたり、合成ガス生成ユニットの改質器12の原料に再利用されたりする。
第1精留塔40は、炭化水素合成用反応器30から触媒分離器36、気液分離器38を介して供給された液体炭化水素を分留し、ナフサ留分(沸点が約150℃より低い。)と、灯油・軽油に相当する中間留分(沸点が約150〜360℃。)と、ワックス分(沸点が約360℃を超える。)とに分留する。
この第1精留塔40の底部から取り出されるワックス分の液体炭化水素(主としてC21以上)は、図1に示すアップグレーディングユニット7のワックス留分水素化分解反応器50に移送され、第1精留塔40の中央部から取り出される中間留分の液体炭化水素(主としてC11〜C20)は、アップグレーディングユニット7の中間留分水素化精製反応器52に移送され、第1精留塔40の上部から取り出されるナフサ留分の液体炭化水素(主としてC5〜C10)は、アップグレーディングユニット7のナフサ留分水素化精製反応器54に移送される。
図1に示すようにアップグレーディングユニット7は、前記ワックス留分水素化分解反応器50と、前記中間留分水素化精製反応器52と、前記ナフサ留分水素化精製反応器54と、気液分離器56,58,60と、第2精留塔70と、ナフサ・スタビライザー72とを備える。ワックス留分水素化分解反応器50は、第1精留塔40の塔底に接続されている。中間留分水素化精製反応器52は、第1精留塔40の中央部に接続されている。ナフサ留分水素化精製反応器54は、第1精留塔40の上部に接続されている。気液分離器56,58,60は、これら水素化反応器50,52,54のそれぞれに対応して設けられている。第2精留塔70は、気液分離器56,58から供給された液体炭化水素を沸点に応じて分留する。ナフサ・スタビライザー72は、気液分離器60及び第2精留塔70から供給されたナフサ留分の液体炭化水素を精留し、C4以下の気体成分は燃料ガスとして回収、あるいはフレアガスとして排出し、炭素数が5以上の成分は製品のナフサとして回収する。
次に、以上のような構成の合成反応システム1により、天然ガスから液体燃料を合成する工程(GTLプロセス)について説明する。
合成反応システム1には、天然ガス田または天然ガスプラントなどの外部の天然ガス供給源(図示せず)から、炭化水素原料としての天然ガス(主成分がCH4)が供給される。前記合成ガス合成ユニット3は、この天然ガスを改質して合成ガス(一酸化炭素ガスと水素ガスを主成分とする混合ガス)を製造する。
まず、前記天然ガスは、水素分離装置26によって分離された水素ガスとともに脱硫反応器10に供給される。脱硫反応器10は、前記水素ガスを用いて天然ガスに含まれる硫黄化合物を公知の水素化脱硫触媒で水素化して硫化水素に転換し、さらにこの硫化水素を酸化亜鉛のような吸着材により吸着・除去することにより、天然ガスの脱硫を行う。このようにして天然ガスを予め脱硫しておくことにより、改質器12及び炭化水素合成用反応器30、アップグレーディングユニット7等で用いられる触媒の活性が硫黄化合物により低下することを防止できる。
このようにして脱硫された天然ガス(炭酸ガスを含んでもよい。)は、炭酸ガス供給源(図示せず。)から供給される炭酸ガス(CO2)と、排熱ボイラー14で発生した水蒸気とが混合された後に、改質器12に供給される。改質器12は、例えば、水蒸気・炭酸ガス改質法により、炭酸ガスと水蒸気とを用いて天然ガスを改質して、一酸化炭素ガスと水素ガスとを主成分とする高温の合成ガスを生成する。このとき、改質器12には、例えば、改質器12が備えるバーナー用の燃料ガスと空気とが供給されており、該バーナーにおける燃料ガスの燃焼熱及び改質器12の炉内の輻射熱により、吸熱反応である前記水蒸気・炭酸ガス改質反応に必要な反応熱がまかなわれている。
このようにして改質器12で製造された高温の合成ガス(例えば、900℃、2.0MPaG)は、排熱ボイラー14に供給され、排熱ボイラー14内を流通する水との熱交換により冷却(例えば400℃)されて、排熱回収される。このとき、排熱ボイラー14において合成ガスにより加熱された水は気液分離器16に供給され、この気液分離器16から気体分が高圧スチーム(例えば3.4〜10.0MPaG)として改質器12または他の外部装置に供給され、液体分の水が排熱ボイラー14に戻される。
一方、排熱ボイラー14において冷却された合成ガスは、凝縮液分が気液分離器18において分離・除去された後、脱炭酸装置20の吸収塔22、又は炭化水素合成用反応器30に供給される。吸収塔22は、貯留している吸収液中に、合成ガスに含まれる炭酸ガスを吸収することで、該合成ガスから炭酸ガスを分離する。この吸収塔22内の炭酸ガスを含む吸収液は、再生塔24に導入され、該炭酸ガスを含む吸収液は例えばスチームで加熱されてストリッピング処理され、放散された炭酸ガスは、再生塔24から改質器12に送られて、前記改質反応に再利用される。
このようにして、合成ガス製造ユニット3で生成された合成ガスは、前記FT合成ユニット5の炭化水素合成用反応器30に供給される。このとき、炭化水素合成用反応器30に供給される合成ガスの組成比は、FT合成反応に適した組成比(例えば、H2:CO=2:1(モル比))に調整されている。
また、前記脱炭酸装置20により炭酸ガスが分離された合成ガスの一部は、水素分離装置26にも供給される。水素分離装置26は、圧力差を利用した吸着、脱着(水素PSA)により、合成ガスに含まれる水素ガスを分離する。分離された水素ガスは、ガスホルダー(図示せず。)等から圧縮機(図示せず。)を介して、液体燃料合成システム1内において水素を利用して所定反応を行う各種の水素利用反応装置(例えば、脱硫反応器10、ワックス留分水素化分解反応器50、中間留分水素化精製反応器52、ナフサ留分水素化精製反応器54など)に、連続して供給される。
次いで、前記FT合成ユニット5は、前記合成ガス製造ユニット3によって製造された合成ガスから、FT合成反応によって炭化水素を合成する。
前記合成ガス製造ユニット3によって生成された合成ガスは、本発明に係る炭化水素合成用反応器30の底部からスパージャー82を介して流入し、炭化水素合成用反応器30内に収容されたスラリー内を気泡となって上昇する。また、この気泡の上昇に伴われてスラリーも上昇する。すなわち、スラリーは図3に示したように、反応器30の中心部(中心付近)では反応器30の下部から上部へ流動する流れUFを生じ、反応器30の外側部(外側付近)では反応器30の上部から下部へ流動する流れDFを生じる。
その際、本実施形態では図2に示したように2段目の冷却部81A2の直下(1段目の冷却部81A1と2段目の冷却部81A2との間)にガス加速器90Aを設置し、3段目の冷却部81A3の直下(2段目の冷却部81A2と3段目の冷却部81A3との間)にガス加速器90Bを設置しているので、それぞれのガス加速器90A、90Bによってスラリーの流れを絞り込み、スラリーの流速及びガス(気泡)の流速を加速することができる。すなわち、各ガス加速器90A、90Bの下部開口部91Aに流入したときに比べ、上部開口部92Aから流出したときのスラリーの流速及びガス(気泡)の流速を充分に高めることができる。
このように、冷却部81A2、81A3に向かうスラリー及びガス(気泡)の流速を充分に高めておくので、冷却部81A2、81A3に流入した際にスラリーの流動性が低下しても、予めガス加速器90A、90Bで加速された分が低下するだけであり、結果的に冷却部81A2、81A3により流動性が低下しても事前にガス加速器90A、90Bで加速された分が相殺されるだけであるので、従来のような冷却部81A2、81A3によるスラリーの流動性の低下を抑え、反応器30全体での流動悪化を防止することができる。
また、2段目側のガス加速器90Aに比べ、3段目側のガス加速器90Bの上部開口部92A(上部円筒部92)の径を小さくしているので、2段目側から3段目側に上昇するに連れて減少するスラリーの量に対応して、3段目側のガス加速器90Bではより上部開口部92A(上部円筒部92)による流れの絞り込み効果を高めることができ、これによってスラリーの流速及びガス(気泡)の流速をより加速させることができる。したがって、2段目の冷却部81A2に流入する際のスラリーの量に比べ、3段目の冷却部81A3に向かうスラリーの量が減少していても、ガス加速器90Bでよりスラリーの流速及びガス(気泡)の流速をより加速させることができるため、従来のような冷却部81A3によるスラリーの流動性の低下を抑え、反応器30全体での流動悪化を防止することができる。
このようにして合成ガスが気泡となって炭化水素合成用反応器30内を上昇し、これに伴われてスラリーも上昇し循環流を形成することにより、前述したFT合成反応によって合成ガスに含まれる一酸化炭素と水素ガスとが反応し、炭化水素が生成される。
炭化水素合成用反応器30で合成された液体炭化水素は、スラリーとして触媒粒子とともに触媒分離器36に導入される。
触媒分離器36は、スラリーを触媒粒子等の固形分と液体炭化水素を含んだ液体分とに分離する。分離された触媒粒子等の固形分は、その一部が炭化水素合成用反応器30に戻され、液体分は第1精留塔40に供給される。
また、炭化水素合成用反応器30の塔頂からは、未反応の合成ガス(原料ガス)及び合成された炭化水素のガス分を含むFTガス成分が放出され、気液分離器38に供給される。
気液分離器38は、FTガス成分を冷却して、一部の凝縮分の液体炭化水素(軽質FT炭化水素)を分離して第1精留塔40に導入する。一方、気液分離器38で分離されたガス分は、未反応の合成ガス(COとH2)、炭素数2以下の炭化水素を主成分としており、一部は炭化水素合成用反応器30の底部に再投入されてFT合成反応に再利用される。また、FT合成反応に再利用されなかったガス分は、オフガス側へ排出され、燃料ガスとして使用されたり、LPG(液化石油ガス)相当の燃料が回収されたり、合成ガス生成ユニットの改質器12の原料に再利用されたりする。
次に、第1精留塔40は、前記のようにして気泡塔型反応器30から触媒分離器36、気液分離器38を介して供給された液体炭化水素を分留し、ナフサ留分(沸点が約150℃より低い。)と、中間留分(沸点が約150〜360℃。)と、ワックス留分(沸点が約360℃を超える。)とに分離する。
この第1精留塔40の底部から取り出されるワックス留分の液体炭化水素(主としてC21以上)は、ワックス留分水素化分解反応器50に移送され、第1精留塔40の中央部から取り出される中間留分の液体炭化水素(主としてC11〜C20)は、中間留分水素化精製反応器52に移送され、第1精留塔40の上部から取り出されるナフサ留分の液体炭化水素(主としてC5〜C10)は、ナフサ留分水素化精製反応器54に移送される。
ワックス留分水素化分解反応器50は、第1精留塔40の塔底から供給された炭素数の多いワックス留分の液体炭化水素(概ねC21以上)を、前記水素分離装置26から供給される水素ガスを利用して水素化分解して、その炭素数をC20以下に低減する。この水素化分解反応では、触媒と熱を利用して、炭素数の多い炭化水素のC−C結合を切断して、炭素数の少ない低分子量の炭化水素を生成する。このワックス留分水素化分解反応器50により、水素化分解された液体炭化水素を含む生成物は、気液分離器56において気体と液体とに分離され、そのうち液体炭化水素は、第2精留塔70に移送され、気体分(水素ガスを含む。)は、中間留分水素化精製反応器52及びナフサ留分水素化精製反応器54に移送される。
中間留分水素化精製反応器52は、第1精留塔40の中央部から供給された炭素数が中程度である中間留分の液体炭化水素(概ねC11〜C20)を、水素分離装置26からワックス留分水素化分解反応器50を介して供給される水素ガスを用いて、水素化精製する。この水素化精製反応では、主に、燃料油基材としての低温流動性を向上する目的で、分枝鎖状飽和炭化水素を得るために、前記液体炭化水素を水素化異性化し、また、前記液体炭化水素中に含まれる不飽和炭化水素に水素を付加して飽和させる。更に、前記炭化水素中に含まれるアルコール類等の含酸素化合物を水素化して飽和炭化水素に変換する。このようにして水素化精製された液体炭化水素を含む生成物は、気液分離器58で気体と液体とに分離され、そのうち液体炭化水素は、第2精留塔70に移送され、気体分(水素ガスを含む。)は、前記水素化反応に再利用される。
ナフサ留分水素化精製反応器54は、第1精留塔40の上部から供給された炭素数が少ないナフサ留分の液体炭化水素(概ねC10以下)を、水素分離装置26からワックス留分水素化分解反応器50を介して供給される水素ガスを用いて、水素化精製する。これにより、供給されるナフサ留分に含まれる不飽和炭化水素及びアルコール類等の含酸素化合物は飽和炭化水素に変換される。このようにして水素化精製された液体炭化水素を含む生成物は、気液分離器60で気体と液体に分離され、そのうち液体炭化水素は、ナフサ・スタビライザー72に移送され、気体分(水素ガスを含む。)は、前記水素化反応に再利用される。
次いで、第2精留塔70は、前記のようにしてワックス留分水素化分解反応器50及び中間留分水素化精製反応器52においてそれぞれ水素化分解及び水素化精製された液体炭化水素を、炭素数がC10以下の炭化水素(沸点が約150℃より低い。)と、灯油留分(沸点が約150〜250℃)と、軽油留分(沸点が約250〜360℃)及びワックス留分水素化分解反応器50からの未分解ワックス留分(沸点が約360℃を超える。)とに分留する。第2精留塔70の下部からは軽油留分が取り出され、中央部からは灯油留分が取り出される。一方、第2精留塔70の塔頂からは、炭素数がC10以下の炭化水素が取り出されて、ナフサ・スタビライザー72に供給される。
さらに、ナフサ・スタビライザー72では、前記ナフサ留分水素化精製反応器54及び第2精留塔70から供給された炭素数がC10以下の炭化水素を蒸留して、製品としてのナフサ(C5〜C10)を分離・精製する。これにより、ナフサ・スタビライザー72の塔底からは、高純度のナフサが取り出される。一方、ナフサ・スタビライザー72の塔頂からは、製品対象外である炭素数が所定数以下(C4以下)の炭化水素を主成分とするガスが、燃料ガスとして回収、あるいはフレアガスとして排出される。
本実施形態の炭化水素合成用反応器によれば、冷却部81Aの下方にガス加速器90を設置したので、このガス加速器90によって上昇するスラリーの流速及びガス(気泡)の流速を加速することにより、前記冷却部81Aによる反応器30(反応器本体80)内でのスラリーの流動性の低下を抑え、反応器30全体での流動悪化を防止することができる。すなわち、冷却部81Aに向かうスラリー及びガス(気泡)の流速をガス加速器90によって充分に高めておくので、冷却部81Aに流入した際にスラリーの流動性が低下しても、予めガス加速器90で加速された分が低下するだけであり、結果的に冷却部81Aにより流動性が低下しても事前にガス加速器90で加速された分が相殺されるだけであるので、従来のような冷却部81A2、81A3によるスラリーの流動性の低下を抑え、反応器30全体での流動悪化を防止することができる。
したがって、反応器入口の空塔速度を過剰に大きくすることなく、かつ、未反応ガスのリサイクル率を高くすることなく、反応器30全体でスラリーの流動状態を良好にし、FT合成反応を安定して継続運転することができる。
また、前記したように1段目の冷却部81A1の下方に設置したインナーチューブ83に代えてガス加速器90Aを設置し、これによって反応器30内の冷却部81Aの全ての下方にガス加速器90を設置すれば、従来のような冷却部81Aによるスラリーの流動性の低下をより良好に抑え、反応器30全体での流動悪化を確実に防止することができる。
また、ガス加速器90の上部開口部92A及び下部開口部91Aの開口形状をいずれも円形にし、その横断面形状(外形)も円形にしたので、循環流を偏って生じさせることなく、ガス加速器90の周方向においてほぼ均一に生じさせることができる。したがって、反応器30全体でスラリーの流動状態を良好にし、FT合成反応を安定して継続運転することができる。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、ガス加速器の形状を、略円筒状でなく、略角筒状に形成してもよい。その場合に角筒としては、四角筒や六角筒など任意の角筒形状を用いることができる。
図2に示す炭化水素合成用反応器30において、通常運転を行い、炭化水素を製造した。また、比較のため、図3に示すような、ガス加速器90を設置しない従来の反応器により、同じ条件での通常運転を行い、炭化水素を製造した。
原料として合成ガス製造ユニットから供給される合成ガス(CO:H2モル比=1:2)を炭化水素合成用反応器30および比較例の炭化水素合成用反応器に供給し、反応温度を210℃〜220℃として運転を行った。
その結果、本発明の反応器30では、反応器30全体でスラリーの流動状態が良好であり、FT合成反応を安定して継続運転できたため、一酸化炭素の反応転化率で高い効率の炭化水素合成を行うことができた。これに対し、比較例の反応器では、スラリーの流れ(上昇)が冷却部81Aによって妨げられるため、スラリーの流動状態が安定せず、したがって本発明の反応器30に対し、一酸化炭素の反応転化率が約90%であった。
よって、本発明の反応器30は、従来の反応器に比べ、スラリーの流動状態を良好にしてFT合成反応の安定した継続運転を可能にするため、炭化水素合成の高効率化が可能になった。