以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態の遊技機1の斜視図である。
遊技機1は、島設備に固定される本体枠(外枠)2にヒンジ4を介して一側部が開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠(遊技枠、内枠)3及びガラス枠(前枠)18によって構成される。
前面枠3には、遊技領域10aを有する遊技盤10(図21参照)が、裏面に取り付けられた収納フレーム(図示省略)に収装される。また、前面枠3には、遊技盤10の前面を覆うカバーガラス(透明部材)18aを備えたガラス枠18が取り付けられる。前面枠3及びガラス枠18は、それぞれ個別に開放することが可能であり、例えば、ガラス枠18のみを開放して遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)にアクセスすることができる。また、前面枠3をガラス枠18が開放されていない状態で開放することによって、遊技盤10の裏側に配置された遊技制御装置500(図24参照)などにアクセスすることができる。
ガラス枠18のカバーガラス18aの周囲には、装飾光を発光する装飾部材9が備えられている。装飾部材9の内部にはランプやLED等によって構成された枠装飾装置181(図25参照)が備えられている。枠装飾装置181を所定の発光態様によって発光させることによって、装飾部材9が所定の発光態様によって発光する。
ガラス枠18の上方中央部には、照明ユニット11が備えられる。照明ユニット11の内部には、LEDやランプなどの発光部材が備えられる。
照明ユニット11の左側には第1可動式照明13が、右側には第2可動式照明14が備えられる。第1可動式照明13及び第2可動式照明14は、上スピーカー30aの上方に配置されている。第1可動式照明13及び第2可動式照明14には、LEDなどの照明部材の他に、照明駆動モータ(枠演出装置182)がそれぞれ備えられており、演出内容に応じて動作(例えば、回転)するように制御される。
また、遊技機1には、音響(効果音、警報音、報知音等)を発するスピーカー30が備えられる。スピーカー30には、上スピーカー30a及び下スピーカー30bが含まれる。上スピーカー30aはガラス枠18の上方に配置され、下スピーカー30bは後述する上皿21の下方に配置される。
第1可動式照明13の右側には、遊技機1において異常が発生したことなどを報知するためのエラー表示(遊技状態)LED29が備えられている。遊技機1において異常が発生した場合には、さらに、スピーカー30から異常を報知するための報知音が出力される。
遊技機1で発生する異常には、遊技機1の故障及び不正行為の実施などが含まれる。不正行為は、例えば、発射された遊技球の軌道を磁石によって不正に操作する行為や、遊技機1を振動させる行為などである。これらの不正行為は、磁気センサスイッチ(SW)39a(図24参照)によって磁気を検出したり、振動センサスイッチ(SW)39b(図24参照)によって振動を検出したりすることによって検知される。また、不正に開閉枠を開放する行為も不正行為に含まれる。このとき、枠開放センサスイッチ(前面枠開放検出スイッチ3b、ガラス枠開放検出スイッチ18b、図24参照)によって営業時間中に前面枠3やガラス枠18の開閉枠が開放されたことが検出される。以上のような不正行為が検出されると、エラー表示LED29やスピーカー30などによって異常が報知されるようになっている。
ガラス枠18のカバーガラス18aの下方には、上皿21などを含む上皿ユニットが備えられる。上皿21は、打球発射装置600(図24参照)に遊技球(遊技媒体)を供給する。上皿21には、球貯留ユニット593(図2参照)から払出球導出口21aを介して遊技球が供給される。また、上皿ユニットには、演出ボタン61を備えた上皿カバーユニット20が含まれている。
さらに、ガラス枠18の下方位置であって前面枠3に固定される固定パネル22には、下皿23及び打球発射装置600(図5参照)の操作部(操作ハンドル)24等が備えられる。遊技者が操作部(操作ハンドル)24を回動操作することによって、打球発射装置600は、上皿21から供給される遊技球を遊技盤10の遊技領域10a(図2参照)に発射する。
下皿23には、下皿23に貯まった遊技球を排出するための下皿球抜き機構16が備えられる。前面枠3の下部右側には、ガラス枠18を施錠するための施錠装置(鍵)25が備えられている。
また、上皿ユニットのうち上皿21の手前側には、遊技者からの操作入力を受け付けるための演出ボタン61(操作手段)及び選択ボタン62(操作手段)が備えられている。遊技者は、演出ボタン61や選択ボタン62を操作することによって、表示装置(変動表示装置)48(図21参照)における変動表示ゲームにおいて遊技者の操作を介入させた演出を行うことが可能となる。例えば、演出内容を選択させることができる。なお、変動表示ゲームには、特図変動表示ゲームと普図変動表示ゲームが含まれ、本明細書では、単に変動表示ゲームとした場合には、特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、変動表示ゲームが実行されていない非遊技状態(客待ち中)や、通常遊技状態で遊技者が演出ボタン61を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。なお、通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、変動表示ゲームの抽選確率が高い確率の状態(確変状態)や大当り状態(特別遊技状態)である。
また、変動表示ゲームが開始された後、演出ボタン61の操作を促進するための操作促進演出が実行され、操作促進演出が実行されている間に演出ボタン61を操作することによって、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出などを実行することができる。
上皿21の右上部には、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する球貸ボタン26、及び、図示しないカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作される排出ボタン27が設けられている。
図2は、本発明の実施の形態の遊技機1の背面図である。
前面枠3の裏面である遊技盤10の裏面には、遊技を統括的に制御する遊技制御装置500がスイッチベース547を介して配設されるとともに、遊技制御装置500から送信される演出制御指令に基づいて表示装置(変動表示装置)48(図21参照)等を制御する演出制御装置550がスイッチベース547の上方の制御ベース546を介して配設される。
演出制御装置550の後方には、演出制御装置550の裏面全体及び遊技制御装置500の裏面上部を覆う保護カバー545が設けられる。遊技盤10が前面枠3に収納された状態においては、遊技盤10の裏面に配設された保護カバー545及び遊技制御装置500は前面枠3の後方に突出する。
前面枠3の裏面上部には、島設備に設置された補給装置(図示省略)から補給される遊技球を貯留するとともに、貯留した遊技球を整列させて流下させる球貯留ユニット593が配設される。球貯留ユニット593は、両側部に形成された取付部593aを介して前面枠3に固定される。
球貯留ユニット593は、島設備の補給装置(図示省略)から補給される遊技球を貯留する貯留タンクと、貯留タンクに蓄えられた遊技球を一列に整列して流下させる整列流路593bとを左右方向に並べた状態で備える。整列流路593bは、球貯留ユニット593の下方に配設される。整列流路593bを通過した遊技球は、整列流路593bの下流端部から下方に延設される払出ユニット594内に導かれる。また、整列流路593bの後方には、遊技の進行に基づいて生成される遊技情報を外部の装置に出力するための外部情報端子508が配設される。
また、前面枠3の一方の内側部には上下方向にわたって取付壁が形成されており、この取付壁の裏面に球貯留ユニット593から流下してきた遊技球を上皿21(図1参照)に払い出す払出ユニット594が配設される。
球貯留ユニット593の整列流路593bから供給された遊技球は、払出ユニット594に誘導される。払出ユニット594は、整列流路593bに連通し、上下方向に延設された屈曲流路ユニット594bを含む。払出ユニット594に誘導された遊技球は、流下速度を抑制するために、屈曲流路ユニット594bの内部を蛇行しながら流下して、払出装置本体に到達する。さらに、払出制御装置580からの制御信号に基づいて、払出装置によって誘導された遊技球を上皿21(図1参照)に供給する。また、払出ユニット594には、球貯留ユニット593と払出ユニット594との連結箇所、及び、払出ユニット594と払出装置との連結箇所を保護するための保護部材594aが、これらの連結箇所を覆うように配置されている。
払出ユニット594側とは反対側の保護カバー545の側部は、演出制御装置550の裏面側部に形成された一対の支持部550aによって回動可能に支持されている。したがって、払出ユニット594側の保護カバー545の側部は、演出制御装置550に対して開閉回動自在となる。なお、遊技制御装置500もスイッチベース547の裏面側部に形成された一対の支持部547aによって回動自在に支持されている。
前面枠3の裏面下部には、遊技制御装置500から送信されるデータに基づいて払出ユニット594の動作を制御する払出制御装置580と、各種装置に電力を供給する電源装置400とが配設されている。払出制御装置580には、検査装置に接続される検査装置接続端子581及び払出制御装置580に発生したエラーの種類を数字で表示するエラーナンバー表示器582が配設されている。
さらに、払出制御装置580の前方(遊技盤側)には、遊技球の発射を制御する発射制御装置590が配設されている。また、電源装置400の右側には、カードユニット(図示省略)に接続するための接続端子592が配設されている。カードユニットは、接続端子592を介して遊技球の発射許可信号を遊技制御装置500に出力する。遊技制御装置500は、入力された発射許可信号を、払出制御装置580を介して発射制御装置590に出力する。発射制御装置590は、発射許可信号が入力されている場合に発射装置から遊技球を発射するように制御する。
接続端子592の上方には、各種装飾装置と演出制御装置550とを接続する配線や払出ユニット594と払出制御装置580とを接続する配線を中継するための中継基板591が配設されている。また、発射制御装置590の前方となる前面枠3の表側部分には、遊技盤の遊技領域10aに向けて遊技球を発射するための打球発射装置600(図7参照)が配置されている。打球発射装置600は、発射制御装置590によって制御され、操作部24(図1参照)の回動操作に基づいて遊技球を発射する。さらに、払出制御装置580の左側には、開閉枠を本体枠(外枠)2に固定する施錠装置25(図1参照)が配設されている。
図3は、本発明の実施の形態の遊技機1に備えられるガラス枠18の背面斜視図である。
ガラス枠18には、遊技機1の前面側から遊技者が遊技領域10aを視認できるように略円形の開口部18cが形成されている。また、ガラス枠18の開口部18cは、図1にて説明したように、前面枠3に配設された遊技盤10の前面を覆うカバーガラス18aが備えられる。
カバーガラス18aは、開口部18cの周囲に配置されたガラス枠固定部材18dによってガラス枠18に固定されており、遊技機1の前面側から遊技領域にアクセスできないように構成される。また、ガラス枠18の開口部18cの前面上方には、上スピーカー30aが左右に配置されている。
ガラス枠18は、前面枠3に開閉可能に軸着され、施錠装置25の後述するガラス枠係合フック302係合する係合受部18e及び後述するガラス枠ブロックユニット303のロック部材303aと係合する係合フック18gによって係止される。
また、ガラス枠18の背面下部には、防犯プレート220が配置される。防犯プレート220は、遊技機1の前面側(例えば、上皿21の払出球導出口21a)から棒状の器具を使用することによって、遊技機1の内部にアクセスする不正を防止する。防犯プレート220は、破壊されたり、熱などによって溶解されたりしないように金属性部材によって構成される。
ガラス枠18の開口部18cの前面下方に配置された上皿21には、球貯留ユニット593から供給された遊技球が、ガラス枠18の背面側から前面側に向かって払出球導出口21aを介して導入される。
上皿21に導入された遊技球は、ガラス枠18の背面下部に配設された通路形成部材211によって形成された球誘導路210(図4、図13参照)の開口端部210aから打球発射装置600に供給され、遊技盤10の遊技領域10aに発射される。
ここで、図3及び図4を参照しながら、上皿21に導入された遊技球が打球発射装置600に供給されるまでの経路について説明する。図4は、本発明の実施の形態の遊技機1に備えられるガラス枠18の背面下部の斜視図である。図4では、ガラス枠ベース部材18f及び防犯プレート220を非表示にした状態を示している。
上皿21に導入された遊技球は、演出ボタン61及び選択ボタン62の背面側に位置する上皿下流端部21bから球誘導路210に誘導される。球誘導路210は、開口端部210aから打球発射装置600に連通される。また、球誘導路210には、上皿21に導入された遊技球を下皿23に移動させるための球抜きスライダー230aが備えられる。
球抜きスライダー230aは、球抜き操作部28を操作することによってスライドし(図4の矢印方向)、球誘導路210が下皿23に接続される球抜き通路230に連通する。そして、球誘導路210内の遊技球が、球抜き通路形成部230bによって形成された球抜き通路230から下皿23に移動する(図4、図13参照)。
球抜き操作部28は、通常、球抜きスライダー230aが球誘導路210と球抜き通路230とを連通させないように、図示しないバネによって付勢されている。遊技者は、上皿21に遊技球が溜まると、球抜き操作部28によって球抜きスライダー230aを移動させることで、上皿21に溜まった遊技球を球抜き通路230を介して下皿23に流し込む。そして、遊技者が球抜き操作部28の操作を中止すると、図示しないバネによって球抜きスライダー230aを球誘導路210と球抜き通路230とを連通させないように移動させる。
ガラス枠18を前面枠3に対して閉じた状態では、前面枠3内に設けられた球貯留ユニット593と払出球導出口21aとを連通するとともに、打球発射装置600と球誘導路210の開口端部210aとを連通する。したがって、球貯留ユニット593から排出された遊技球は、払出球導出口21a、上皿21、球誘導路210を通り、打球発射装置600内に設定された球発射位置P1(図10参照)に案内される。
また、打球発射装置600と球誘導路210の開口端部210aとの間には、ガラス枠18の開閉動作に連動して回動する球止めシャッター240が配設される。ガラス枠18が開放されると、球止めシャッター240が球誘導路210の開口端部210aを閉成して遊技球が球誘導路210から落下することを阻止する。そして、ガラス枠18が閉じられると、球止めシャッター240が球誘導路210の開口端部210aを開放して遊技球が球誘導路210から打球発射装置600へ流入することを許容するように構成されている。
球止めシャッター240は、シャッター部240a、回動軸240b、ガイド部240c、及びシャッター開放受部240dによって構成され、通路形成部材220に形成されるバネ接続部211に一端が接続されるねじりバネ(図示省略)の他端部がシャッター開放受部240dに接続されており、常態ではシャッター開放受部240dがねじりバネの付勢力でバネ接続部211方向に引っ張られることで回動軸を中心にシャッター部240aが回動して開口端部210aを閉成している。ガラス枠18が閉じられると、前面枠3に設けられた突起(シャッター変換部601、図6参照)がシャッター開放受部240dのバネ接続部211側の側部に係合してねじりバネの付勢力に抗してシャッター開放受部240dをバネ接続部211から離間する方向に押圧する。そのため、シャッター部240aは、回動軸240bを中心にガイド部240cが通路形成部材220に形成されるガイド溝240e内を移動するように回動し、球誘導路210の開口端部210aを開放させる。
図5は、本発明の実施の形態の遊技機1に備えられる前面枠3の正面図である。図5では、遊技盤10、ガラス枠18及び下皿23を外した状態の前面枠3及び本体枠2を示している。
前面枠3は、前面枠(内枠)ヒンジ部201を介して一側部が開閉回動自在に本体枠2に軸着されている。本体枠2の最下部には、幕板(幕板飾り)202が備えられている。
また、前面枠3の上部には、遊技盤10を収納するための前面が開放する凹室状の遊技盤収納部304が設けられ、遊技盤収納部304の奥部には遊技盤10の裏面を前面枠3の後方に臨ませる開口部3cが設けられている。また、遊技盤収納部304には、遊技盤10を固定するための遊技盤固定部材305が備えられる。さらに、前面枠3の上部前面側には、前面枠3及びガラス枠18が開放されているか否かを検出する前面枠開放検出スイッチ3b及びガラス枠開放検出スイッチ18bが配置されている。
前面枠3は、ガラス枠18が取り付けられており、ガラス枠ヒンジ部301を介して一側部が開閉回動自在に軸着されている。ガラス枠ヒンジ部301は、正面左側の上部及び下部の2箇所に設けられている。また、前面枠3には、ガラス枠18を固定するために、施錠装置25の一部としてのガラス枠係合フック302及びガラス枠ブロックユニット303が備えられる。
ガラス枠係合フック302は、ガラス枠18が軸着されたガラス枠ヒンジ部301の他側、遊技盤収納部304の側方に配置され、ガラス枠18の係合受部18eと係合する。また、ガラス枠ブロックユニット303は、前面枠3の下部、施錠装置25の鍵穴カバー部材25aと打球発射装置600との間に配置され、ロック部材303aの先端がガラス枠18の係合フック18aに係合することによってガラス枠18を固定する。
前述のように、球貯留ユニット593(図2参照)から供給された遊技球は、保護部材594aを備えた払出ユニット594に誘導される。払出ユニット594に誘導された遊技球は、屈曲流路ユニット594bを経由して、前面枠3の下部(遊技盤収納部304の直下)に開口する払出球導出口21aから上皿21(図1、図3参照)に供給される。上皿21に供給された遊技球は、打球発射装置600によって遊技領域10aに発射される。払出球導出口21aには、球止めシャッター310が配置され、ガラス枠18が開放されている場合には、払出球導出口21aから遊技球が排出されることを防ぐように構成されている。
続いて、図5及び図6を参照しながら前面枠3の下部に配置された構成について説明する。図6は、本発明の実施の形態の遊技機1に備えられる前面枠3の下部拡大図である。
前面枠3の下部左側には、下スピーカー30bが配置される。また、前面枠3の下部右側には、ガラス枠18を施錠するために、鍵穴カバー部材25aを備えた施錠装置25が備えられている。
上皿21に貯留されている遊技球は、前述のように、打球発射装置600に供給され、遊技領域に向けて発射される。また、ガラス枠18が開放されている場合には、球止めシャッター240によって球導入口602への遊技球の流入が阻止されることによって、遊技球が打球発射装置600に供給されないように構成されている。また、ガラス枠18が閉じられている場合には、シャッター変換部601が背面方向に押圧され、球止めシャッター240に係合・押圧して球誘導路210の開口端部210a開状態に変換し、開口端部210aから球導入口602に遊技球が流入するように構成されている。
また、打球発射装置600から打ち出された遊技球の打ち出しが弱くて、遊技領域10aに到達せずに落下した場合に、当該遊技球はファール球としてファール球回収口からファール球回収部材330に回収される。回収された遊技球は、ファール球回収部材330の内部に形成される通路を通って後述するオーバーフロー流路340に導かれ、最終的に下皿導出口23aから下皿23に排出される。
さらに、遊技領域10aに発射された遊技球は、遊技領域内に配置された入賞口などに入賞しなかった場合には、アウト口43(図21参照)から回収される。アウト口43から回収された遊技球は、遊技盤収納部304の底部に開口してアウト口43に連通する球回収部320から回収される。回収された遊技球は、遊技機1の外部(島設備)に設けられた図示しないアウトタンク装置に送られる。
また、上皿21に所定以上の遊技球が滞留している場合に、遊技球が払い出される場合には、上皿21と下皿23とを連通させるオーバーフロー流路340に遊技球が導入される。オーバーフロー流路340に導入された遊技球は、下皿導出口23aを介して下皿23に誘導される。
続いて、本発明の実施の形態の打球発射装置600の詳細について説明する。本発明における打球発射装置600では、遊技球にテグスやワイヤなどが取り付けられた遊技球(いわゆる糸球)を発射させ、入賞口に遊技球を入賞させた後、テグスやワイヤなどを操作して球検出センサの検出部に遊技球を上下させて賞球を不正に獲得する行為を防止する。
まず、図7及び図8を参照しながら打球発射装置600の構造について説明する。次に、図9及び図10を参照しながら打球発射装置600によって遊技球を遊技領域10aに発射する動作について説明する。さらに、図11及び図12を参照しながらいわゆる糸球による不正を防止するための不正防止機構620の構成について説明する。
図7は、本発明の実施の形態の打球発射装置600の斜視図である。また、図8は、本発明の実施の形態の打球発射装置600の分解斜視図である。
打球発射装置600は、当該打球発射装置600の基部となる発射ベース610及びカバー部材606と、上皿21から供給された遊技球を発射する発射杵603を含む発射機構部615と、いわゆる糸球による不正を防止するための不正防止機構620とを備える。
発射ベース610は、前面枠3の表面に取り付けられる。発射ベース610には、発射機構部615とともに不正防止機構620が取り付けられる。カバー部材606は、発射機構部615及び不正防止機構620を、発射ベース610との間で挟み込むようにして発射ベース610の上辺部に固定される。
また、カバー部材606には、上皿21から球誘導路210を介して順次供給される遊技球を発射機構部615に導入する球導入口602が形成されている。さらに、上皿21に貯留された遊技球を球導入口602に供給可能な状態に変換するためのシャッター変換部601が形成される。シャッター変換部601は、ガラス枠18が配置される方向に突出し、その先端がシャッター開放受部240dを開放方向に押圧移動可能なように一側に向けて傾斜するように形成されている。
前述のように、ガラス枠18の内側(裏側)には、球止めシャッター240が配設されており、ガラス枠18が閉じられた状態では、シャッター変換部601の先端がシャッター開放受部240dをねじりバネの付勢力に抗して押圧する。すると、シャッター開放受部240dと連結されているシャッター部240aが回動軸240bを中心に共回りして球誘導路210の開口端部210aを開放し、当該開口端部210aと打球発射装置600の球導入口602とが連通する。
発射機構部615は、発射杵603、発射レール604、回転カム621、球送り部材624、発射駆動モータ612及び発射制御装置590を備える。
発射機構部615は、発射駆動モータ612に連結された回転カム621を回動させると、球送り部材624によって遊技球を発射位置に装填し、発射杵603によって遊技球を遊技領域10aに発射する。また、発射機構部615によって発射される遊技球は、発射レール604によって遊技領域10aに案内される。発射レール604は、遊技領域10aの側方に設けられる発射球案内路10cの下端に向かう方向に傾斜している。また、発射機構部615は、発射制御装置590から送信された制御信号に基づいて制御される。なお、発射機構部615によって遊技球を発射する構成については図9及び図10を参照しながら詳細を説明する。
図9及び図10は、本発明の実施の形態の打球発射装置600の発射機構部615によって遊技球を発射する構成を説明する図である。図9及び図10では、カバー部材606及び発射ベース610を除いた状態を示している。図9は、遊技球を発射位置に装填する直前の状態を示しており、図10は、遊技球が発射位置P1に装填された後、発射杵603によって打球される直前の状態を示している。
発射機構部615は、球送り部材633によって供給された遊技球を発射位置P1に案内し、案内された遊技球を発射杵603が打球することによって遊技領域10aに発射する。以下、遊技球を発射する手順について説明する。
まず、球送り部材によって供給された遊技球を発射位置P1に案内するための構成について説明する。発射制御装置590は、操作部24が操作されることで入力される操作信号(タッチ信号ON、発射停止信号OFF)を受信すると、発射駆動モータ612の出力軸を回転させる。発射駆動モータ612の出力軸は回転カム621に軸着しているため、発射駆動モータ612が動作すると、これにともなって回転カム621を回転させることができる。回転カム621は、ほぼ半円状に形成され、遊技球を発射する発射杵603を制御する発射カム部621aと、発射カム部621aからみて回動軸の反対側の外周面に突出するように腕状に形成され、遊技球を発射位置P1に装填する球送り部材633を制御する変位アーム部621bとを含む。
球送り部材633は、遊技球を保持可能なくぼみ(切り欠き部)が形成された球保持部633aを備える。球保持部633aは、発射ベース610を前後に貫通する球送り軸633bの前端部に連結された状態で回動可能に発射ベース610に軸着されている。供給された遊技球を球保持部633aで受け取り、球保持部633aを回動させることによって発射位置P1に遊技球を移動させる。
球送り軸633bの後端部には、球保持部633aと共回りするように球送りレバー632が連結されている。球送りレバー632は、その先端部分が変位アーム部621bの回転軌跡上に配置されており、回転カム621が時計回りの方向に回転すると、変位アーム部621bによって球送りレバー632が押圧されて球送り軸633bが反時計回り方向に回動し、これにともなって球送り部材633(球保持部633a)も回動する。
また、球送り部材633及び球送りレバー632は、スプリングレシーバー634に保持されたバネによって時計回りの方向に付勢されている。回転カム621が時計回りの方向に回動し、変位アーム部621bから球送りレバー632の先端部分がはずれると、スプリングレシーバー634に保持されたバネの付勢力によって、球送りレバー632がレバーストッパー635に当接する初期位置に復帰する。このとき、球送りレバー632とともに、球保持部633aも遊技球を受け入れ可能な状態(球導入状態)に復帰する。
続いて、球送り部材633によって供給された遊技球を発射位置P1に案内する手順について説明する。発射駆動モータ612の出力軸の回転が開始されると、回転カム621に形成された変位アーム部621bが球送りレバー632の先端部分に当接し、球送り部材633を反時計回りに回動させる。球送りレバー632は、レバーストッパー635によって規制されている状態から所定の角度分だけ回動した後、スプリングレシーバー634に保持されたバネによって、レバーストッパー635によって規制された状態に戻る。
また、球送りレバー632がレバーストッパー635によって規制されている状態では、球保持部633aのくぼみと球導入口602とが連通するため、供給された遊技球を受け入れ可能な状態となる。一方、球送り部材633が回動すると、球導入口602を球保持部633aが塞いでしまうため、遊技球を受け入れることができない状態となる。したがって、球送り部材633は、遊技球を1個ずつ受け入れるように構成されている。
球送り部材633が所定の角度まで回動すると、球保持部633aに保持された遊技球は、発射レール604上に流下し、図10に示すように、球送りガイド631及び発射レール604によって形成された発射位置P1に保持される。その後、回転カム621をさらに回動させ、発射杵603を回動させることによって発射位置P1に保持された遊技球を遊技領域10aに発射する。以下、発射位置P1に保持された遊技球を遊技領域10aに発射するための構成及び手順について説明する。
発射杵603は、発射回動軸639に軸着され、スプリングレシーバー641に保持されたバネによって時計回りの方向に付勢されている。バネが発射杵603を付勢する力はアジャスト歯車640によって調整される。アジャスト歯車640はアイドル歯車642と噛合し、アイドル歯車642は調整受部608と噛合する。調整受部608は、操作部(操作ハンドル)24の回動シャフトの後端部に接続される。したがって、遊技者は、操作部24を操作することによって、スプリングレシーバー641に保持されたバネのテンションを調節することが可能となり、遊技球の発射勢を調整することができる。
発射杵603は、回転カム621の発射カム部621aと当接するカム受アーム637と、杵ストッパー605bに当接するストップアーム638と、先端に弾発部636aを備えた打球アーム636とを含む。
カム受アーム637は、回転カム621側に発射カム部621aと当接可能、かつ、変位アーム部621bと当接不可能な長さで延設している。ストップアーム638は、カム受アーム637とほぼ直角、かつ、上方(発射回動軸639からみて発射位置P1の反対側)に延設している。打球アーム636は、ストップアーム638とほぼ直線上に発射回動軸639の反対側、さらに、発射位置P1方向にわずかに屈曲した状態で延設している。打球アーム636は、遊技球を弾発するための弾発部636aが弾球時に発射レール604とほぼ平行になる角度で突設している。弾発部636aにはバネが備えられており、発射される遊技球の発射勢のばらつきを抑制する。
発射杵603の回動範囲は、球送り部材633などと接触することを防ぐために、杵ストッパー605a及び605bによって規制される。杵ストッパー605aは、打球アーム636を規制し、杵ストッパー605bは、ストップアーム638を規制する。
遊技球が発射位置P1に保持されると、発射カム部621aがカム受アーム637を押圧して発射回動軸639を中心に反時計回りに打球アーム636を回動させる。発射カム部621aがカム受アーム637と当接しなくなるまで回動し、発射カム部621aがカム受アーム637からはずれると、発射杵603はスプリングレシーバー641に保持されたバネの作用によって時計回りに回動し、打球アーム636によって発射位置P1に保持された遊技球を遊技領域10aに発射する。
続いて、図11及び図12を参照しながら、いわゆる糸球による不正を防止するための不正防止機構620の構成について説明する。
図11は、本発明の実施の形態の不正防止機構620を示す斜視図であり、遊技機1の背面側から見た図である。図12は、本発明の実施の形態の不正防止機構620を示す斜視図であり、カバー部材606を外した状態で、遊技機1の前面側から見た図である。
不正防止機構620は、発射駆動モータ612からの動力を伝える主動歯車622と、遊技球を供給する通路と発射位置P1との間を、所定のタイミング以外で遮蔽する規制部材(規制回転体)625と、主動歯車622から伝達された動力を規制部材625に伝達する間欠歯車623とを備える。
主動歯車622は、発射駆動モータ612の回転軸に直結する全周歯車である。間欠歯車623は、カバー部材606の裏側に設けられる回転軸623aに軸着され、主動歯車622と歯合する全周歯車部623b(図11参照)と、全周歯車部623bの反対面に位置し、規制部材625と歯合する間欠歯車部623c(図12参照)によって構成される。
規制部材625は、カバー部材606の裏側に設けられる回転軸625aに軸着され、平滑部625cと歯合部625dとによって歯車の外周が形成される間欠歯車となっている。平滑部625cと歯合部625dとは、規制部材625の外周上に交互、かつ、等間隔で配置されており、本実施形態では、それぞれ4箇所ずつ同じ形状で形成されている。さらに、規制部材625は、遊技球が前後方向に通過可能であって、球導入口602と連通可能な通口部(球通過部)625bが形成されている。通口部625bは、各歯合部625dの中間位置と回動軸625aとの間に合計4箇所形成されている。
また、不正防止機構620には、規制部材625の回転位置を検出するために、フォトインタラプタ(回転検出センサ)630が設けられている。フォトインタラプタ630によって歯合部625dよりも突出している平滑部625cの移動を検出することで規制部材625が回転しているか否かを判定することができる。
本発明の実施の形態では、上皿21から誘導された遊技球が発射位置P1に流下し、遊技領域10aに発射されると、規制部材625が1/4回転(90度)するように構成されている。したがって、糸球が発射されると、遊技球が次に発射されるタイミングで、遊技球に取り付けられた糸が規制部材625によって巻き取られる。このため、いわゆる糸球の糸を操作することで遊技球を移動させることができなくなるため、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、一般入賞口44といった入賞口に入賞した遊技球を検出するための球検出センサの検出部で遊技球を上下させることで何度もセンシングさせて賞球を不正に獲得する不正を行うことが困難になる。
さらに、規制部材625に糸が巻き取られると、規制部材625の回転が阻害され、停止する。規制部材625の回転が停止すると、フォトインタラプタ630によって検出され、発射制御装置590の制御によりエラー表示LED29やスピーカー30などによって報知される。
以下、図13から図17を参照しながら不正防止機構620の動作について説明する。まず、図13を参照しながら、遊技球が上皿21から発射位置P1まで案内される過程を説明する。また、図14から図17を参照しながら、不正防止機構620の構成及び動作の詳細を説明する。
図13は、本発明の実施の形態の遊技機1の上皿21及び打球発射装置600を含む下部断面図である。
上皿21に貯留された遊技球は、前述のように、球誘導路210を通過して発射位置P1に保持される。球誘導路210は、上皿下流端部21bに連通し、ガラス枠ベース部材18f及び防犯プレート220の下方に配設されている。そして、規制部材625に設けられた通口部625bと打球発射装置600のカバー部材606に設けられた球導入口602とが連通し、かつ、球送り部材633が球導入状態の場合に球保持部633aに遊技球が保持される。そして、通口部625bと球導入口602とが連通していない場合、又は、球送り部材633が球導入状態でない場合には停止位置P2にて遊技球の移動が規制される。
また、遊技者が球抜き操作部28を操作すると、球抜きスライダー230aがスライドし、球誘導路210と球抜き通路230との間が連通し、P3の位置よりも上流に位置する遊技球が下皿23に流下する。
なお、規制部材625は、発射機構部615と球誘導路210との間に配置されており、図13に示すように球送り部材633の直前(直上流)に配置されると、停止位置が定まっている球保持部633aに保持された遊技球とその上流に位置する遊技球との間に規制部材625の通口部(球通過部)625bの周囲に設定される規制面が進入し易いため好適であるが、所定のタイミング以外で遊技球が発射されるたびに球誘導路210内で遊技球の移動を規制するように構成されていれば他の形態であってもよい。例えば、球送りのタイミングに合わせて球誘導路210の内部を遮断するシャッターのような部材を配置するようにしてもよい。
図14から図17は、本発明の実施の形態の遊技機1の上皿21及び打球発射装置600の不正防止機構620の動作を説明するための図である。図14は、遊技球を発射した直後の状態を示し、図15は、遊技球を発射位置P1に装填する途中の状態を示している。図16は、遊技球を発射位置P1に保持する直前の状態を示し、図17は、発射位置P1に保持された遊技球を発射する直前の状態を示している。
前述のように、間欠歯車623の間欠歯車部623cには、平滑部623d及び歯合部623eが含まれる。また、間欠歯車623の歯合部623eと、規制部材625の歯合部625dとが歯合している間(駆動期間)には、発射駆動モータ612の駆動力が規制部材625に伝達され、規制部材625が回転する。
一方、間欠歯車623の平滑部623dが規制部材625の平滑部625cに当接している間は、間欠歯車623の平滑部623dが規制部材625の平滑部625cと摺動し、この間、規制部材625を停止させることができる(非駆動期間)。
また、規制部材625は、間欠歯車623が1回転する間に1/4回転する。すなわち、歯合部623eの歯数と、規制部材625の1箇所分の歯合部625dの歯数が一致するように構成されている。
さらに、歯合部623eの長さが平滑部623dよりも短くなるように構成することによって、規制部材625が停止している時間を回転している時間よりも長く設定することができる。このように構成することによって、通口部625bが球導入口602と連通している期間を長く設定し、球送り部材633に遊技球を保持させる時間を担保することができる。
前述のように、本発明の実施の形態では、主動歯車622が時計回りに回転する。主動歯車622は、間欠歯車623の全周歯車部623bと歯合し、間欠歯車623を反時計回りに回転させる。間欠歯車623は、歯合部623eが規制部材625の歯合部625dと歯合し、規制部材625を時計回りに回転させる。また、間欠歯車623の平滑部623dと規制部材625の平滑部625cとが摺動している間は、通口部625bと球導入口602とが連通した状態で規制部材625が停止している。以下、図14から図17を参照しながら規制部材625の動作について説明する。
図14は、間欠歯車623の平滑部623dと規制部材625の平滑部625cとの摺動が終わり、歯合部623eと歯合部625dとの歯合が始まる直前のタイミングを示している。
図14に示す状態からさらに間欠歯車623が回転すると、図15に示すように、間欠歯車623の歯合部623eと規制部材625の歯合部625dとが歯合し、発射駆動モータ612の駆動力が規制部材625に伝達される。そして、規制部材625は、間欠歯車623の平滑部623dと規制部材625の平滑部625cとが当接するまで回転する。このとき、通口部625bと球導入口602とが連通せず、球誘導路210を流下してきた遊技球が規制部材625により球送り部材633に向けて移動することが規制される。
図15に示した状態から規制部材625が回転すると、図16に示すように、通口部625bと球導入口602とが連通する状態になると、反時計回り方向に回動した球送り部材633の球保持部633aに保持された遊技球が発射レール604上に遊技球が流下する。その後、発射レール604及び球送りガイド631によって形成された発射位置P1に遊技球が保持される。
このとき、糸が取り付けられた遊技球が発射位置P1に保持されると、通口部625bに遊技球に取り付けられた糸が通った状態になる。また、球誘導路210を流下してきた遊技球が規制部材625の通口部625bを通過可能な状態となるが、球送り部材633が球導入状態でないため、球保持部633aには遊技球が流入しない。
さらに、発射位置P1に遊技球が保持されると、回転カム621によって発射杵603が回転し、図17に示すように、打球アーム636の弾発部636aが反時計回りに回動する。その後、回転カム621の発射カム部621aがカム受アーム637からはずれると、スプリングレシーバー641に保持されたバネの作用によって時計回りに打球アーム636が回動し、発射位置P1に保持された遊技球が遊技領域10aに発射される。また、このときに球送り部材633が球導入状態となって規制部材625の通口部625bを通過した遊技球が球保持部633aに流入する。その後、図14に示した状態に遷移する。
糸が取り付けられた遊技球が発射された直後の段階では、不正行為を行う者が遊技球を操作可能な状態となっている。しかし、遊技球が次に発射されるタイミング(図14、図15に示した状態)となって規制部材625が回転すると、遊技球に取り付けられた糸が規制部材625によって巻き取られる。その後、不正行為を行う者が糸球を操作しようとしても、規制部材625によって糸を操作することができなくなるため、不正行為を防ぐことができる。
さらに、遊技球が発射されるたびに規制部材625が回転するため、遊技球に取り付けられた糸によって規制部材625の回転が阻害される。その結果、規制部材625の回転が停止すると、前述のように、エラー表示LED29やスピーカー30によって不正行為の実行を報知することが可能となる。
図18は、本発明の実施の形態の打球発射装置600の各構成の動作のタイミングチャートである。
主動歯車622は、発射駆動モータ612に軸着しており、図18に示すように、操作部(操作ハンドル)24が操作されている間は常に回転が継続される。間欠歯車623は、全周歯車部623bが主動歯車622と歯合しているため、主動歯車622と同様に回転が継続される。
規制部材625は、前述のように、間欠歯車623の間欠歯車部623cの歯合部623eと規制部材625の歯合部625dとが歯合している間(T1)には回転し、間欠歯車623の間欠歯車部623cの平滑部623dと規制部材625の平滑部625cとが摺動している間(T2)には回転が停止するように構成されている。
また、規制部材625の回転期間T1には、球誘導路210の開口端部210a(または球導入口602)と規制部材625の通口部625bとが連通していない遮行状態となっている(図15)。一方、規制部材625の停止期間T2には、球誘導路210の開口端部210a(または球導入口602)と規制部材625の通口部625bとが連通する通行状態となる(図14、16、17)。
球送り部材633は、規制部材625が回転している間に受け入れ状態から送出状態に移行する。そして、規制部材625が停止している間に再び受け入れ状態に移行する。また、規制部材625の回転が終了した時点(T1の終了時点)で、球送り部材633によって発射位置P1に遊技球が装填される。そして、規制部材625の回転が停止している間に発射杵603によって発射位置P1に装填された遊技球が遊技領域10aに発射される。
球誘導路210の通路状態と、球送り部材633の状態とを比較すると、球送り部材633が受入状態となるよりも先に通路状態が通行状態となっている。このように制御することによって、球送り部材633が遊技球を保持するための期間を担保することが可能となる。
本発明の実施の形態では、規制部材の回転期間T1が停止期間T2よりも小さくなるように設定することで、通口部625bが球導入口602及び球誘導路210の開口端部210aと連通する期間を長くすることが可能となり、球送り部材633に向けて球を確実に誘導できるとともに、球送り部材が球を保持するための時間を担保することができる。
なお、本発明の実施の形態の打球発射装置600では、遊技球を発射するための駆動源(発射駆動モータ612)と同じ駆動源で規制部材625を回転させていたが、規制部材625を別の駆動源で回転させ、発射制御装置590等によって上記タイミングとなるように制御してもよい。
また、本発明の実施の形態では、規制部材625を球送り部材633の直上流に設けたが、通行と遮行との切り替えが可能であれば球誘導路210のいずれの箇所に設けてもよい。
図19は、本発明の実施の形態の打球発射装置600を制御する発射制御装置590に入力又は出力される信号を説明する図である。
発射制御装置590は、CPU590a、ROM590b、RAM590c及びインターフェース(I/F)590dを含む。CPU590aは、発射制御装置590における各種処理を実行する。ROM590bは、CPU590aによって実行する処理が定義されたプログラムやデータなどを格納する。RAM590cは、CPU590aによって処理を実行する場合に一時的にデータを格納する。インターフェース(I/F)590dは、発射制御装置590に入力される信号を受け付けたり、他の機器に信号を出力したりする。
発射制御装置590は、払出制御装置580から発射許可信号の入力を受け付ける。払出制御装置580は、図示しないカードユニットから遊技機1とカードユニットとが接続されていることを示す接続確認(VL)信号が入力されると、発射制御装置590に発射許可信号を出力する。発射制御装置590は、発射許可信号が入力された状態でなければ遊技球を発射しない。
発射制御装置590は、打球発射装置600の操作部(操作ハンドル)24に備えられている発射停止スイッチ596から出力される発射停止信号の入力を受け付ける。発射制御装置590は、発射停止信号が入力されると、遊技球の発射を停止する。
発射制御装置590は、打球発射装置600の操作部24に備えられているタッチスイッチ597から出力されるタッチ信号の入力を受け付ける。タッチ信号は、遊技者の指が操作部24のタッチスイッチ597に接触している場合に出力される。発射制御装置590は、タッチ信号が入力されている場合に遊技球の発射を許可する。
発射制御装置590は、規制部材625の回転を検出するフォトインタラプタ630から出力される検出信号の入力を受け付ける。検出信号は、規制部材625の回転が検出されている場合に出力される。発射制御装置590は、所定の時間、検出信号が入力されない場合、すなわち、規制部材625が所定時間以上停止している場合に遊技球の発射を中止する。
発射制御装置590は、遊技機1に設けられたリセットスイッチ598から出力されるリセット信号の入力を受け付ける。発射制御装置590は、リセット信号が入力されると、遊技球の発射を停止する。
発射制御装置590は、打球発射装置600に異常が発生した場合には、エラー報知信号を演出制御装置550に出力する。演出制御装置550は、エラー報知信号が入力されると、エラーが発生した旨の表示を表示装置に出力する。同様に、エラー表示LED29に対して点灯信号を出力し、エラー表示LED29を点灯させる。さらに、外部情報端子508に発射エラー信号を出力する。
一方、発射制御装置590は、遊技球を発射する場合には、発射駆動モータ612に駆動信号を出力する。
図20は、本発明の実施の形態の発射制御装置590における発射制御処理の手順を示すフローチャートである。
発射制御装置590のCPU590aは、電源が投入されると、まず、初期化処理を実行する(S2001)。例えば、RAM590cの内容をクリアしたり、ROM590bに記憶されたプログラムをロードしたりする。
発射制御装置590のCPU590aは、発射許可信号が“ON”であるか否かを判定する(S2002)。発射許可信号が“ON”でない場合、すなわち、“OFF”の場合には(S2002の結果が「N」)、遊技球を発射しないため、監視タイマをリセットし(S2011)、発射許可信号が“ON”になるまで待機する。
発射制御装置590のCPU590aは、発射許可信号が“ON”の場合には(S2002の結果が「Y」)、タッチ信号が“ON”であるか否かを判定する(S2003)。タッチ信号が“ON”でない場合、すなわち、“OFF”の場合には(S2003の結果が「N」)、遊技球を発射しないため、監視タイマをリセットし(S2011)、S2002の処理を実行する。
発射制御装置590のCPU590aは、タッチ信号が“ON”の場合には(S2004の結果が「Y」)、発射停止信号が“ON”であるか否かを判定する(S2003)。発射停止信号が“ON”の場合には(S2004の結果が「Y」)、遊技球の発射を停止するため、監視タイマをリセットし(S2011)、S2002の処理を実行する。
発射制御装置590のCPU590aは、発射停止信号が“ON”でない場合、すなわち、“OFF”の場合には(S2004の結果が「N」)、遊技球を発射するために、発射駆動モータ612、すなわち、打球発射装置600に駆動信号を出力する(S2005)。打球発射装置600は、駆動信号の入力を受け付けると、発射駆動モータ612の駆動軸を回転させて遊技球を発射する。
続いて、発射制御装置590のCPU590aは、規制部材625の回転が検出されていない状態であるか否かを判定する(S2006)。規制部材625の回転は、前述のように、フォトインタラプタ630によって検出する。発射制御装置590のCPU590aは、規制部材625の回転が検出されている状態の場合には(S2006の結果が「N」)、監視タイマをリセットし(S2011)、S2002の処理を実行する。
続いて、発射制御装置590のCPU590aは、規制部材625の回転が検出されていない状態の場合には(S2006の結果が「Y」)。停止監視タイマを1加算して更新する(S2007)。停止監視タイマは、規制部材625の停止時間を計測するためのタイマである。
さらに、発射制御装置590のCPU590aは、停止監視タイマの値が上限値に到達したか否かを判定する(S2008)。S2008の処理における上限値は、規制部材625が通行状態に維持される時間よりも長い時間が設定される。
発射制御装置590のCPU590aは、停止監視タイマの値が上限値に到達していない場合には(S2008の結果が「N」)、S2002の処理を実行する。
発射制御装置590のCPU590aは、停止監視タイマの値が上限値に到達した場合には(S2008の結果が「Y」)、規制部材625の回転が停止したと判定する。そして、エラー報知信号を演出制御装置550に、点灯信号をエラー表示LED29に、発射エラー信号を外部情報端子508に出力することによって、エラーが発生したことを報知する。規制部材625の回転が停止する場合には、打球発射装置600が故障した場合以外、前述のように、遊技球に取り付けられた糸が規制部材625に巻き取られた場合などが考えられる。その後、発射制御装置590のCPU590aは、遊技機1に備えられたリセットスイッチ598を操作するなどしてリセット信号が入力されるまで待機する(S2010)。
以上のように、本発明の実施の形態の打球発射装置600によれば、規制部材625が一方向に回転することで通口部(球通過部)625bを通過した糸球の糸を巻き取ることができ、いわゆる糸球ゴトを防止することが可能となる。
本発明の実施の形態の打球発射装置600によれば、許容状態において規制部材625を停止させるので、通口部625bを通過する遊技球の流下を阻害する力が加えられることなく遊技球が確実に通口部625bを通過させることが可能となる。
本発明の実施の形態の打球発射装置600によれば、球導入口602が複数設けられていることで規制部材625を許容状態と規制状態とに変換するために必要な回転量を少なくすることが可能となり、状態変換を迅速に行うことが可能となる。また、通口部625bが貫通孔によって構成されるので、通口部625bを通過した遊技球に取り付けられている糸を確実に絡め取ることができる。
本発明の実施の形態の打球発射装置600によれば、球送り部材633が供給状態から保持状態に変換される前に規制部材625が規制状態から許容状態に変換されるので、球送り部材633が遊技球を保持するために必要な期間を担保することができる。
本発明の実施の形態の打球発射装置600によれば、球誘導路(案内経路)210上で位置が特定されている球送り部材633に保持された遊技球とその上流に位置する遊技球の間に規制部材625が進入するので、規制部材625の回転が阻害されることなく回転することが可能となる。
なお、本発明の実施の形態では、規制部材625を回転させる駆動力を発射駆動モータ612によって提供していたが、規制部材625を回転させるために別途モータを備えるようにしてもよい。規制部材625を直接駆動させるモータを設けることによって、主動歯車622及び間欠歯車623を不要とすることが可能となり、構造を単純化させることができる。
一方、本発明の実施の形態のように、規制部材625を回転させる駆動力を発射駆動モータ612が提供することによって、比較的少ない部品点数の追加のみで既存の打球発射装置600にいわゆる糸球ゴトを防止する機構を追加することが可能となる。
続いて、本発明の実施の形態における演出制御について説明する。まず、遊技盤10について、センターケース(包囲枠体)46及びセンターケース46内に設けられた演出装置の構造とともに説明する。
図21は、本発明の実施の形態の遊技機1に備えられる遊技盤10の正面図である。
遊技盤10は、各種部材の取り付けベースとなる平板状の遊技盤本体10b(木製又は合成樹脂製)を備え、該遊技盤本体10bの前面にガイドレール32で囲まれた遊技領域10aを有している。また、遊技盤本体10bの前面であってガイドレール32の外側には、前面構成部材(サイドケース)33が取り付けられている。さらに、遊技領域10aの右下側の前面構成部材33は、前面の中央部が黒色透明の証紙プレート36で覆われている。そして、このガイドレール32で囲まれた遊技領域10a内に打球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うようになっている。遊技領域10aには、打球方向変換部材としての風車や多数の障害釘(図示略)などが配設されており、発射された遊技球はこれらの打球方向変換部材により転動方向を変えながら遊技領域10aを流下する。
遊技領域10aの略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部47を形成し、上部前縁部に装飾枠部46cが止着されているセンターケース46が取り付けられている。センターケース46に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する変動表示ゲームの演出を実行可能な演出表示装置としての表示装置48が配置されている。表示装置48は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース46の窓部47を介して遊技盤10の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置48は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、EL、CRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクターが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(例えば、大当り表示、ファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース46には、遊技球が横方向(前後方向及び左右方向)に転動可能な2段のステージ(上段ステージ50及び下段ステージ51)が配置されている。さらに、センターケース46は、遊技領域10aに向けて開口し、遊技領域10aを流下する遊技球を受け入れる流入口35aと、流入口35aから流入した遊技球がセンターケース46の内部左側方に配置されたワープ通路を通過して、上段ステージ50上に排出される排出口35bとからなる第1ワープ装置35(ワープ流路)を備える。
上段ステージ50の中央には、ステージ上を転動する遊技球が流入可能な流入口52が形成されている。また、下段ステージ51の中央には、遊技機1の前面側に向かって開口する流出口53が形成されている。流入口52は、センターケース46の内部に形成された案内路54(図22参照)によって流出口53と連通しており、流入口52に流入した遊技球は、流出口53から遊技領域10aに流下する。また、流出口53は、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38の上方に配置され、ステージ上で転動した遊技球が第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38上に流下しやすいように構成されている。
さらに、センターケース46には、遊技領域10aを流下する遊技球が流入する第2ワープ装置40(ワープ装置)が設けられている。第2ワープ装置40に遊技球が流入する球入口40aは、センターケース46の上部中央に向かって幅が大きくなるように開口するように形成され、流入口35aの開口幅よりも大きな開口幅となっている。
球入口40aから第2ワープ装置40に流入した遊技球は、センターケース46の右下方に延設された流路から、センターケース46の右側面に形成された流路をクルーン40c上に流下する。流下した遊技球は、クルーン40cを経由して下方に開口した球出口40bから遊技領域10aに排出される。第2ワープ装置40の球出口40bは、後述する第2変動入賞装置45の大入賞口に向けて開口している。
なお、第2変動入賞装置45を設けずに、第2ワープ装置40の球出口40bを後述する第1変動入賞装置42の大入賞口に向けて開口するようにしてもよい。
なお、第1ワープ装置35及び第2ワープ装置40を流下する遊技球の動きについては、図22及び図23にて後述する。
遊技領域10aのセンターケース46の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図24参照)が設けられている。そして、遊技領域10a内に打ち出された遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、一括表示装置31にて普図変動表示ゲームが実行される。
また、センターケース46の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える第1始動入賞口(第1始動入賞領域)37が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の開閉部材38aを備えるとともに内部に第2始動入賞口(第2始動入賞領域)38が配設されている。そして、遊技球が第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
第2始動入賞口38の一対の開閉部材38aは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、第2始動入賞口38の上方には、第1始動入賞口37が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないように構成されている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド38b(図24参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて第2始動入賞口38に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるように構成されている。
本発明の実施の形態には、2種類の第2始動入賞口38の開閉部材38aの動作態様(普電サポート)が含まれる。具体的には、非入賞容易状態(普電サポートなし)と入賞容易状態(普電サポートあり、時短状態)とが含まれる。
非入賞容易状態は、第2始動入賞口38の開閉部材38aが開放状態になりにくく、第2始動入賞口38に遊技球が入賞しにくい状態である。一方、入賞容易状態は、非入賞容易状態と比較して第2始動入賞口38の開閉部材38aが開放状態になりやすい状態である。例えば、非入賞容易状態では、普図変動表示ゲームの当選確率が1/251、開放時間が0.1秒であり、入賞容易状態では、普図変動表示ゲームの当選確率が250/251、開放時間が1.7秒、さらに開放回数が3回となる。
さらに、遊技領域10aの第2始動入賞口38の下方には、第1大入賞口ソレノイド42b(図24参照)によって上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉42aを有する大入賞口を備えた第1変動入賞装置42が設けられている。
また、センターケース46の右下方には、第1変動入賞装置42と同様に、第2大入賞口ソレノイド45b(図24参照)によってアタッカ形式の開閉扉45aを有する大入賞口を備えた第2変動入賞装置45が設けられている。
第1変動入賞装置42及び第2変動入賞装置45は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態、特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、第1変動入賞装置42に遊技球を入賞させる特別遊技状態発生時の遊技を第1特別遊技とし、第2変動入賞装置45に遊技球を入賞させる特別遊技状態発生時の遊技を第2特別遊技とする。
大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としての第1カウントスイッチ42d及び第2カウントスイッチ45d(図24参照)が配設されている。
第1変動入賞装置42の大入賞口は、第2変動入賞装置45の大入賞口よりも幅が広く、また、遊技者が直接狙いやすい位置に配置されている。一方、第2変動入賞装置45の大入賞口は、第1変動入賞装置42の大入賞口よりも幅が狭く、また、第2ワープ装置40の球出口40bから遊技球を流下させる場合を除き、入賞させることが困難な位置に配置されている。すなわち、第1変動入賞装置42は第2変動入賞装置45よりも遊技者にとって有利となるように構成されている。
さらに、センターケース46の左下側には、三つの一般入賞口44が配置され、第2変動入賞装置45の右上側には、一つの一般入賞口44が配置されている。また、一般入賞口44への遊技球の入賞は、一般入賞口44に備えられた入賞口スイッチ(SW)44a〜44m(図24参照)によって検出される。
一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、及び第1変動入賞装置42の大入賞口、第2変動入賞装置45の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置580(図24参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から前面枠3の上皿21又は下皿23に排出するように制御する。例えば、一般入賞口44に遊技球が入賞すると、10個の賞球が排出される。同様に、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38では3個、第1変動入賞装置42又は第2変動入賞装置45では15個の賞球が排出される。また、第1変動入賞装置42の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口43が設けられている。
また、遊技領域10aの外側(例えば、遊技盤10の右下部)には、表示装置48における飾り特図変動表示ゲームと同期する特図変動表示ゲーム、及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置31が設けられている。さらに、一括表示装置31には、現在の遊技状態などの情報を表示する表示部が設けられている。
なお、特図変動表示ゲームには、第1始動入賞口37に遊技球が入賞した場合に実行される特図1変動表示ゲーム(第1変動表示ゲーム)と、第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に実行される特図2変動表示ゲーム(第2変動表示ゲーム)とが含まれる。
ここで、一括表示装置31について説明する。一括表示装置31は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)及び第2特図変動表示部(特図2表示器)と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器、特図2保留表示器、普図保留表示器)を備える。
また、一括表示装置31には、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示部(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部(第2遊技状態表示器)、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する確率表示器、大当り時のラウンド数(第1変動入賞装置42の開閉扉42a又は第2変動入賞装置45の開閉扉45aの開閉回数)を表示するラウンド表示部が設けられている。
特図1表示器又は特図2表示器における特図変動表示ゲームは、変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置48において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、7セグメント型の表示器のセグメントを点滅させることによって、特別識別情報(特図、特別図柄)を所定時間ごとに切り替える変動表示を行う。
そして、特別識別情報の変動表示の開始時点で決定されている変動時間が経過すると、変動表示ゲームの結果に対応する特別識別情報で変動表示を停止して、特図1表示器又は特図2表示器における特図変動表示ゲームを終了する。
普図表示器は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器は、特図1表示器の変動開始条件となる第1始動入賞口37への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器は、特図2表示器の変動開始条件となる第2始動入賞口38の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器と同様にして表示する。
普図保留表示器は、普図表示器の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
第1遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生している場合にはランプを点灯状態にする。第2遊技状態表示器は、例えば通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、時短状態が発生している場合にはランプを点灯状態にする。
確率表示器は、例えば遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機1の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2ラウンドor15ラウンド)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
ここで、本発明の実施の形態の遊技機1における遊技の流れ、及び変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム)の詳細について説明する。
前述のように、本発明の実施の形態の遊技機1では、打球発射装置600から遊技領域10aに向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域10a内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域10aを流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1変動入賞装置42又は第2変動入賞装置45に入賞するか、遊技領域10aの最下部に設けられたアウト口43へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口44、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38、第1変動入賞装置42又は第2変動入賞装置45に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置580によって制御される払出ユニットから、前面枠3の上皿21又は下皿23に排出される。
前述のように、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図24参照)が設けられている。普図始動ゲート34は、例えば、非接触型のスイッチである。遊技領域10a内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、普図変動表示ゲームが実行される。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって第2始動入賞口38が開放状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置31の始動入賞数報知用の普図保留表示器に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置31に設けられた変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクター図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成してもよい。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、第2始動入賞口38の一対の開閉部材38aが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開放状態となる。これにより、第2始動入賞口38に遊技球が入賞し易くなり、特図2変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、第2始動入賞口38は、内蔵されている普電ソレノイド38b(図24参照)が駆動されることにより、開閉部材38aが所定の時間だけ開放する状態に変換され、第2始動入賞口38への遊技球の入賞が許容される。
第1始動入賞口37への入賞球及び第2始動入賞口38への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ37d(図24参照)と始動口2スイッチ38d(図24参照)によって検出される。第1始動入賞口37に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、第2始動入賞口38に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数(第1乱数)や大当り図柄乱数、並びに各変動パターン乱数が抽出され、抽出された乱数は、遊技制御装置500(図24参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。大当り乱数は、大当りか否かを判定するための乱数である。大当り図柄乱数は、大当り図柄を決定するための乱数である。変動パターン乱数は、変動表示ゲーム実行時における変動パターンを決定するための乱数である。
そして、この特図始動入賞記憶の記憶数は、一括表示装置31の始動入賞数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器、特図2保留表示器)に表示されるとともに、センターケース46の表示装置48においても表示される。
遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞、若しくはそれらの始動記憶(第1始動記憶、第2始動記憶)に基づいて、特図表示器(変動表示装置、特図1表示器又は特図2表示器)で特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームを行う。
特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置48にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
表示装置48における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置48では、特図入賞記憶の記憶数に対応する飾り特別図柄による飾り特図変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクターの出現など多様な演出表示が行われる。
さらに、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38への入賞が所定のタイミングでなされたとき(具体的には、入賞検出時の当り乱数値が当り値であるとき)には特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出されて、大当り状態(特別遊技状態)となる。また、これに対応して表示装置48の表示態様も特別結果態様(例えば、「7,7,7」等のゾロ目数字のいずれかや「3,5,7」等の予め定められた出目)となる。
そして、特図変動表示ゲームの結果が所定の特別結果態様(例えば、15R確変)となるとき、第1変動入賞装置42は、第1大入賞口ソレノイド42b(図24参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば、30秒)だけ、遊技球を受け入れない閉状態(遊技者に不利な状態)から遊技球を受け入れやすい開状態(遊技者に有利な状態)に変換される。すなわち、第1変動入賞装置42に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開くので、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
また、本発明の実施の形態では、特図変動表示ゲームの結果が第1変動入賞装置42の大入賞口が開放される場合とは異なる特別結果態様(例えば、小当り、2R確変)となるとき、第2変動入賞装置45は、第2大入賞口ソレノイド45b(図24参照)への通電によって、大入賞口を所定の時間(例えば、15秒)だけ閉状態から開状態に変換する。このとき、遊技者はセンターケース46の上部に備えられた第2ワープ装置40の球入口40aに入るように遊技球を発射すると、第2ワープ装置40を通過した遊技球が第2変動入賞装置45の大入賞口上に流下し、入賞しやすくなる。
本発明の実施の形態では、特図変動表示ゲームの結果が10R確変又は15R確変の場合には、第1変動入賞装置42の大入賞口が開放される。また、特図変動表示ゲームの結果が2R確変又は小当りの場合には、第2変動入賞装置45の大入賞口が開放されるように構成されている。
なお、第1変動入賞装置42の大入賞口と第2変動入賞装置45の大入賞口は、いずれか一方のみが開放されるように構成してもよいし、両方の大入賞口が開放されるようにしてもよい。例えば、15R(確変、通常)大当りの場合に限り、両方の大入賞口が開放されるように構成してもよい。
なお、特図1表示器、特図2表示器は、別々の表示器でもよいし同一の表示器でもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。また、表示装置48における飾り特図変動表示ゲームについても、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。
また、本発明の実施の形態では、特図2変動表示ゲームが特図1変動表示ゲームよりも優先して実行されずに、対応する始動口に入賞した順序で変動表示ゲームが実行される。
また、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、かつ、始動記憶数が0の状態で、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶される。このとき、始動記憶数が1加算されるとともに、直ちに始動記憶に基づいて、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、第1始動入賞口37(第2始動入賞口38)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶される。始動記憶数の上限値は、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームについて、それぞれ4個ずつとなっている。
そして、始動記憶数が1以上となった状態で、特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲーム(特図2変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、前述した第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、第1カウントスイッチ42d、第2カウントスイッチ45dには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。前面枠3に前面枠開放検出スイッチ3bやガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bには、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
続いて、図22及び図23を参照しながらセンターケース46の構造及びセンターケース46内部に形成されたワープ通路を流下する遊技球の移動経路について説明する。図22は、本発明の実施の形態のセンターケース46の斜視図である。図23は、本発明の実施の形態の第2ワープ装置40の球出口40b付近の遊技領域10aの拡大図である。
センターケース46は、センターケース46のベースとなる枠体基部46aを備え、該枠体基部46aの内部には凹室46bをセンターケース46の前方へ開放した状態で形成する。さらに、凹室46bの後部には窓部47を開設し、該窓部47から表示装置48の表示画面を臨ませている。
センターケース46の前縁部には、フランジ部46eが形成され、遊技盤10に止着される。さらに、センターケース46の前縁部には、フランジ部46eよりも前方へ突出した庇状の鎧部46dを左右両側方へ向けて下り傾斜した状態で備えられている。また、鎧部46dのさらに前方に、遊技盤10の表面側でセンターケース46の前縁部に止着される装飾枠部46cが備えられている。
枠体基部46aの内底部には、遊技球が横方向(前後方向及び左右方向)に転動可能な2段のステージ(上段ステージ50及び下段ステージ51)が配置されている。上段ステージ50の中央には、ステージ上を転動する遊技球が流入可能な流入口52が形成されている。また、下段ステージ51の中央には、遊技機1の前面側に向かって開口し、流入口52に流入した遊技球を流出させる流出口53が形成されている。流入口52は、センターケース46の内部に形成された案内路54によって流出口53と連通している。流出口53から流下した遊技球は、第1始動入賞口37及び第2始動入賞口38に向かって流下し、これらの始動口に入賞しやすいように構成されている。
センターケース46の左側辺部には、遊技領域10aを流下している遊技球が流入する第1ワープ装置35が設けられている。第1ワープ装置35の出口側は、上段ステージ50の側方に向けて開口し、遊技球が遊技領域10aから上段ステージ50上に到達できるように構成されている。
センターケース46には、遊技領域10aを流下している遊技球が流入する第2ワープ装置40が設けられている。第2ワープ装置40に遊技球が流入する球入口40aは、センターケース46の上部中央、左右両側方に向けて形成されている庇状の鎧部46dの間に形成されている。
球入口40aから第2ワープ装置40に流入した遊技球は、センターケース46の凹室46bの右上部に形成された上部流路から、凹室46bの右側面に形成された流路をクルーン40c上に流下する。流下した遊技球は、クルーン40cの内部を回転した後、孔部40dから下部流路に流入する。クルーン40cよりも下流の下部流路は、上段ステージ50に到達する前にセンターケース46の前方に向かって形成され、ステージ前方で遊技領域の下方に向かうように形成される。これにより、第2ワープ装置40の球出口40bは、図23に示すように、第2変動入賞装置45の大入賞口に向けて開口することになり、第2ワープ装置40を流下してきた遊技球がカバーガラス(透明部材)18aに勢いよく当たることがなくなる。
また、第2変動入賞装置45の下方には、第1変動入賞装置42の大入賞口に向かって傾斜する流下方向変化部材55が形成されている。流下方向変化部材55は、第2ワープ装置40の球出口40bから流下した遊技球が第2変動入賞装置45の大入賞口に入賞しなかった場合に、第1変動入賞装置42に向けて流下案内する。
例えば、第1変動入賞装置42の大入賞口と、第2変動入賞装置45の大入賞口とがともに開放される場合に、センターケース46上部に形成された第2ワープ装置40の球入口40aに遊技球を流入させることによって、第1変動入賞装置42の大入賞口及び第2変動入賞装置45の大入賞口の両方に遊技球を入賞させることが可能となる。また、第1変動入賞装置42の大入賞口のみが開放される場合であっても第2ワープ装置40の球入口40aを狙うように遊技球を発射することが可能となる。
以上のように第2ワープ装置40を構成することによって、流入した遊技球をクルーン40cに一時的に滞留させることが可能となり、遊技球を連続して球出口40bから流出させることが可能となる。したがって、第2変動入賞装置45の大入賞口に所定のタイミングで遊技球を入賞させ易くすることできる。
図24は、本発明の実施の形態の遊技制御装置500の構成を示すブロック図である。
遊技機1は遊技制御装置500を備え、遊技制御装置500は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)511を有するCPU部510と、入力ポートを有する入力部520と、出力ポートやドライバなどを有する出力部530、CPU部510と入力部520と出力部530との間を接続するデータバス540などからなる。
CPU部510は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン511と、入力部520内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)521からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン511に入力させるインバータなどからなる反転回路512と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)513などを有する。遊技制御装置500及び該遊技制御装置500によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能に構成される。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン511の内部のRAM511cに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し、遊技制御装置500に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
本発明の実施の形態では、電源装置400は、遊技制御装置500と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置500と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤10及び遊技制御装置500は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置500の遊技用マイコン511(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAM511cに記憶されたデータが保持されるようになっている。
制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。遊技制御装置500は、停電復旧後、RAM511cに保持された遊技データに基づいて、停電前の遊技状態に復旧させる。なお、バックアップ電源部420は、遊技データを2〜3日以上保持させることが可能となっている。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン511内のRAM511c及び払出制御装置580内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン511が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン511は、CPU(中央処理ユニット、マイクロプロセッサ)511a、データを書き換え不能に記憶する(読出し専用の)ROM(リードオンリメモリ、不揮発性記憶手段)511b及びデータを書き換え可能に記憶する(随時読出し書込み可能な)RAM(ランダムアクセスメモリ、揮発性記憶手段)511cを備える。
ROM511bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に(書き換え不能に)記憶する。また、RAM511cは、遊技制御時にCPU511aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM511b又はRAM511cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM511bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターン振り分け情報を記憶している。
変動パターン振り分け情報とは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU511aが参照して変動パターンを決定するための振り分け情報である。また、変動パターン振り分け情報には、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターン振り分け情報、結果が15R当りや2R当りとなる場合に選択される大当り変動パターン振り分け情報等が含まれる。例えば、特図変動表示ゲームがリーチなしの変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてノーマル(N)リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)1リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、特図変動表示ゲームにてスペシャル(SP)2リーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報、大当りとなる特図変動表示ゲームにてプレミアムリーチを実行する変動パターンに係る変動パターン振り分け情報等がある。
さらに、これらのパターン振り分け情報には、後半変動パターン振り分け情報、前半変動パターン振り分け情報が含まれている。
ここで、ROM511bは、特図変動表示ゲームにおける実行時間の設定に係る変動振り分け情報を複数記憶した変動振り分け情報記憶手段を構成している。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機1において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態(例えば、最後に停止する識別情報を除く複数の識別情報が特別遊技状態となる特別結果を発生可能な識別情報で停止し、最後に停止する識別情報が変動表示している状態)をいう。
また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置48における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
また、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、プレミアムリーチ等が設定されている。なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<プレミアムリーチの順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定される場合(はずれとなる場合)における変動表示態様が含まれることもある。
CPU511aは、ROM511b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置580や演出制御装置550に対する制御信号(コマンド)を生成したり、ソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力したりして遊技機1全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン511は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路を備えている。さらに、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU511aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU511aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(S2801)や特図普段処理(S2810)にて、ROM511bに記憶されている複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を取得する。具体的には、CPU511aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り又ははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態又は高確率状態)、現在の遊技状態としての第2始動入賞口38の動作状態(通常動作状態又は時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターン振り分け情報の中から、何れか一の変動パターン振り分け情報を選択して取得する。
払出制御装置580は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インターフェース、出力インターフェース等を備え、遊技制御装置500からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置580は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン511の入力部520には、第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、第1カウントスイッチ42d、第2カウントスイッチ45dに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)521が設けられている。近接I/F521は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常が検知された場合には異常検知信号を出力するように構成されている。このとき、異常検知信号は、入力ポート523に入力される。
近接I/F521に入力された信号の出力はすべて入力ポート522に供給され、データバス540を介して遊技用マイコン511に読み込まれるとともに、遊技制御装置(主基板)500から中継基板591を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F521の出力のうち始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dの検出信号は、入力ポート522の他、反転回路512を介して遊技用マイコン511へ入力されるように構成されている。反転回路512を設けているのは、遊技用マイコン511の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
したがって、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路512を設けずに遊技用マイコン511に検出信号を直接入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ37dと始動口2スイッチ38dからの負論理の信号を遊技用マイコン511に直接入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。前述のように近接I/F521は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F521には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部520には、遊技機1の前面枠3等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ39a及び振動センサスイッチ39bからの信号及び近接I/F521により変換された第1始動入賞口37内の始動口1スイッチ37d、第2始動入賞口38内の始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、第1カウントスイッチ42d、第2カウントスイッチ45dからの信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート522が設けられている。入力ポート522が保持しているデータは、遊技用マイコン511が入力ポート522に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部520には、遊技機1の前面枠3に設けられた前面枠開放検出スイッチ3b及びガラス枠18に設けられたガラス枠開放検出スイッチ18bからの信号、及び払出制御装置580からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス540を介して遊技用マイコン511に供給する入力ポート523が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部520には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン511等に入力するためのシュミットトリガ回路541が設けられており、シュミットトリガ回路541はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦、入力ポート523に入力され、データバス540を介して遊技用マイコン511に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン511に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路541によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン511に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部530の各出力ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部530を介さずに中継基板591に直接出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板591のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、中継基板591を介してリセット信号RSTを試射試験装置に出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部520の各入力ポート(522,523)には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン511によって出力部530の各出力ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部520の各入力ポート(522,523)から遊技用マイコン511が読み込んだデータは、遊技用マイコン511のリセットによって廃棄されるためである。
出力部530は、データバス540に接続され払出制御装置580に出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置550に出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート531aと、演出制御装置550に出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート531bとを備える。
遊技制御装置500から払出制御装置580及び演出制御装置550には、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部530には、演出制御装置550の側から遊技制御装置500へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート531aからのデータストローブ信号SSTB及び第2出力ポート531bからの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ532aが設けられている。なお、第1出力ポート531aから払出制御装置580に出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
また、払出制御装置580は、発射制御装置590に発射許可信号を出力する。発射制御装置590は、発射許可信号が入力されている場合にのみ遊技球を遊技領域10aに発射することが可能となっている。
さらに、出力部530には、データバス540に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを、中継基板591を介して出力するバッファ532bが実装可能に構成されている。このバッファ532bは遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、近接I/F521から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ532bを通さずに中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bのようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦、遊技用マイコン511に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工される。例えば、遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス540からバッファ532b、中継基板591を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板591には、バッファ532bから出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板591上のポートには、遊技用マイコン511から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部530には、データバス540に接続され第1変動入賞装置42を開成させるソレノイド(第1大入賞口ソレノイド42b)、第2変動入賞装置45を開成させるソレノイド(第2大入賞口ソレノイド45b)や第2始動入賞口38の開閉部材38aを開成させるソレノイド(普電ソレノイド38c)の開閉データと、一括表示装置31のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート531c、一括表示装置31に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート531d、大当り情報など遊技機1に関する情報を外部情報端子508に出力するための第5出力ポート531eが設けられている。外部情報端子508から出力された遊技機1に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部530には、第1ドライバ(駆動回路)533a、第2ドライバ533b、第3ドライバ533c、及び第4ドライバ533dが設けられている。
第1ドライバ533aは、第3出力ポート531cから出力される第1大入賞口ソレノイド42b又は第2大入賞口ソレノイド45bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する。
第2ドライバ533bは、第3出力ポート531cから出力される一括表示装置31の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する。第3ドライバ533cは、第4出力ポート531dから出力される一括表示装置31の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する。第4ドライバ533dは、第5出力ポート531eから管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子508に出力する。
第1ドライバ533aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置31のセグメント線を駆動する第3ドライバ533cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ533bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ533cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ533bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子508に出力する第4ドライバ533dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ532bや第3出力ポート531c、第1ドライバ533a等は、遊技制御装置500の出力部530、すなわち、主基板ではなく、中継基板591側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部530には、外部の検査装置へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ535が設けられている。フォトカプラ535は、遊技用マイコン511が検査装置との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン511が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート522のようなポートは設けられていない。
次に、図25を用いて、演出制御装置550の構成について説明する。図25は、本発明の実施の形態の演出制御装置550の構成を示すブロック図である。
演出制御装置550は、遊技用マイコン511と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)551と、該主制御用マイコン551の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)554と、該映像制御用マイコン554からのコマンドやデータに従って表示装置48への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)558と、各種のメロディや効果音などをスピーカー30(30a,30b)から再生させるため音の出力を制御する音源LSI560を備えている。
主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM553、555がそれぞれ接続され、VDP558にはキャラクター画像や映像データが記憶された画像ROM556が接続され、音源LSI560には音声データが記憶された音声ROM561が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)551は、遊技用マイコン511からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン554へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI560への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行したりする。主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)551と映像制御用マイコン(2ndCPU)554との間、主制御用マイコン(1stCPU)551と音源LSI560との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。また、映像制御用マイコン(2ndCPU)554との間、主制御用マイコン(1stCPU)551とVDP558との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアル方式の場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP558には、画像ROM556から読み出されたキャラクターなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)558aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ558b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置48へ送信する映像信号を生成する信号変換回路558cなどが設けられている。
VDP558から主制御用マイコン551へは表示装置48の映像と前面枠3や遊技盤10に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP558から映像制御用マイコン554へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン554からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン554から主制御用マイコン551へは、映像制御用マイコン554が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン551と音源LSI560との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)554には、主制御用マイコン(1stCPU)551よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)551とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)554を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)551のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置48に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)554と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置550には、遊技制御装置500から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)552が設けられている。このコマンドI/F552を介して、遊技制御装置500から演出制御装置550へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置500の遊技用マイコン511はDC5Vで動作し、演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F552には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置550には、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置101を制御する盤装飾LED制御回路565、前面枠3に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置181を制御する枠装飾LED制御回路566、遊技盤10(センターケース46を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置48における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)102を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路567、前面枠3に設けられている枠演出装置(例えば前記前述した第1可動式照明13、第2可動式照明14を動作させるモータ等)182を駆動制御する枠演出モータ制御回路568が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路(10c、18c、10e、18e)は、アドレス/データバス559を介して主制御用マイコン(1stCPU)551と接続されている。
さらに、演出制御装置550には、遊技機1の前面に設けられた演出ボタン61及び選択ボタン62に内蔵されている演出ボタンスイッチ61a及び選択ボタンスイッチ62aや盤演出装置102内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)551へ検出信号を入力するスイッチ入力回路570、前面枠3に設けられた上スピーカー30aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路562a、前面枠3に設けられた下スピーカー30bを駆動するアンプ回路562bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、前述のような構成を有する演出制御装置550やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、複数種類の電圧を生成可能に構成されている。具体的には、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置48を駆動するためのDC12V、コマンドI/F552の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカーを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり、電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成したりすることが可能となっている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)551や映像制御用マイコン(2ndCPU)554として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置550に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン551、映像制御用マイコン554、VDP558、音源LSI560、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路(10c〜18e)、スピーカーを駆動するアンプ回路562a、562bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン554の有する汎用のポートを利用して、VDP558に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン554とVDP558の動作の連携性を向上させることができる。
以上が、本発明の実施の形態における遊技機1の構成である。次に、これらの制御回路によって行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置500のCPU511aは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aを通過した遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド38bを動作させ、第2始動入賞口38の開閉部材38aを所定時間開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、CPU511aは、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第1始動入賞口37に備えられた始動口1スイッチ37dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、遊技制御装置500のCPU511aは、第2始動入賞口38に備えられた始動口2スイッチ38dからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶する。そして、この始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM511bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、上記の特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置550に出力する。そして、特図1表示器や特図2表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、表示装置48で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置550は、遊技制御装置500からの制御信号に基づき、スピーカー30(30a,30b)からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置500のCPU511aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器や特図2表示器に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、遊技制御装置500のCPU511aは、例えば、第1大入賞口ソレノイド42bにより第1変動入賞装置42の開閉扉42aを開放させ、又は、第2大入賞口ソレノイド45bにより第2変動入賞装置45の開閉扉45aを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器や特図2表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
続いて、遊技制御装置500による制御について具体的な処理を説明する。
まず、メイン処理について説明する。図26Aは、本発明の実施の形態のメイン処理の前半部のフローチャートである。図26Bは、本発明の実施の形態のメイン処理の後半部のフローチャートである。
メイン処理は、遊技機1の電源投入時に実行される。例えば、遊技場で営業を開始するために遊技機の電源を投入する場合や停電から復帰した場合に実行される。
遊技制御装置500は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(S2601)。次いで、割込みが発生した場合に実行されるジャンプ先を示すベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理を実行する(S2602)。さらに、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定する(S2603)。さらに、割込み処理のモードを設定する(S2604)。
次に、遊技制御装置500は、払出制御装置(払出基板)580のプログラムが正常に起動するまで待機する(S2605)。例えば、4ミリ秒間待機する。このように制御することによって、電源投入の際に、遊技制御装置500が先に起動してしまい、払出制御装置580の起動が完了する前に、コマンドを当該払出制御装置580に送信してしまい、払出制御装置580が送信されたコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
その後、遊技制御装置500は、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)に対するアクセスを許可する(S2606)。さらに、全出力ポートをオフ(出力が無い状態)に設定する(S2607)。また、遊技用マイコン511に予め搭載されているシリアルポートを使用しない状態に設定する(S2608)。本実施形態では、払出制御装置580や演出制御装置550とパラレル通信を行っているため、シリアルポートを使用しないためである。
続いて、遊技制御装置500は、電源装置400内の初期化スイッチ信号がオンに設定されているか否か判定する(S2609)。初期化スイッチ信号は、遊技機1に電源が投入された場合に、初期化された状態で遊技を開始するか否かを設定するための信号である。
例えば、閉店時などに確変状態のまま電源が切断され、翌日の開店時に電源が投入された場合には、初期化された状態で遊技が開始されるように、初期化スイッチ信号がオンに設定される。一方、停電発生後に再度電源が投入された場合には、遊技を可能な限り停電前の遊技状態に近い状態で再開するために、遊技機が初期化されないように、初期化スイッチ信号がオフに設定される。
遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオフに設定されている場合には(S2609の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域のデータが正常であるか否かをチェックする(S2610〜S2613)。さらに詳しく説明すると、停電検査領域には、停電検査領域1及び停電検査領域2が含まれている。そして、停電検査領域1には停電検査領域チェックデータ1、停電検査領域2には停電検査領域チェックデータ2が記憶される。S2610及びS2611の処理では停電検査領域1に記憶された停電検査領域チェックデータ1が正常であるか否かをチェックする。同様に、S2612及びS2613の処理では停電検査領域2に記憶された停電検査領域チェックデータ2が正常であるか否かをチェックする。
遊技制御装置500は、RWM内の停電検査領域の停電検査領域チェックデータが正常であると判定された場合には(S2613の結果が「Y」)、チェックサムと呼ばれる検証用データを算出するチェックサム算出処理を実行する(S2614)。
そして、遊技制御装置500は、チェックサム算出処理で算出されたチェックサムの値と、電源切断時に算出されたチェックサムの値とを比較し(S2615)、これらの値が一致するか否かを判定する(S2616)。
一方、遊技制御装置500は、初期化スイッチ信号がオンに設定されている場合(S2609の結果が「Y」)、停電検査領域の値が正常でない場合(S2611又はS2613の結果が「N」)、電源切断時のチェックサムの値とS2614の処理で算出されたチェックサムの値とが一致しない場合には(S2616の結果が「N」)、図26BのS2631〜S2635の初期化処理を実行する。初期化処理の詳細については後述する。
遊技制御装置500は、算出されたチェックサムの値と電源切断時のチェックサムの値とが一致する場合には(S2616の結果が「Y」)、停電処理が正常に実行されたため、停電前の状態に復旧させるための処理を実行する(図26BのS2617〜S2623)。まず、停電時の情報が正常に記憶されていたか否かを判定するための情報が記憶されていた、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の領域をクリア(初期化)する。具体的には、すべての停電検査領域をクリアし(S2617)、チェックサムが記憶されていた領域をクリアする(S2618)。さらに、エラー関連の情報、及び不正行為を監視するための情報を記憶する領域をリセットする(S2619)。
次に、遊技制御装置500は、RWM内の遊技状態を記憶する領域から停電発生時の遊技状態が高確率状態であったか否かを判定する(S2620)。高確率でないと判定された場合には(S2620の結果が「N」)、S2623以降の処理を実行する。
また、遊技制御装置500は、停電発生時の遊技状態が高確率状態であったと判定された場合には(S2620の結果が「Y」)、高確率報知フラグをオンに設定して高確率報知フラグ領域にセーブ(保存)する(S2621)。続いて、一括表示装置31に設けられる高確率報知LED(第3遊技状態表示器58)をオン(点灯)に設定する(S2622)。
さらに、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信する(S2623)。特図ゲーム処理番号は、特図ゲームの状態を示す番号であり、停電発生時にRWMの所定の領域に記憶されている。このように、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置550に送信することによって、可能な限り停電発生前に近い状態で遊技を再開することができるのである。
ここで、初期化処理を実行する場合について説明する。前述のように、初期化処理は、正常に電源が切断された遊技機を起動する場合や停電発生前の状態に復帰できない場合に実行される。
遊技制御装置500は、初期化処理において、まず、アクセス禁止領域よりも前の全作業領域をクリアする(S2639)。さらに、アクセス禁止領域よりも後の全スタック領域をクリアする(S2640)。そして、初期化された領域に電源投入時用の初期値をセーブ(保存)する(S2641)。
続いて、遊技制御装置500は、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間に対応する時間値を設定する(S2642)。そして、初期化処理の最後に電源投入時のコマンドを演出制御装置550に送信し(S2643)、S2624以降の処理を実行する。
遊技制御装置500は、S2607又はS2635の処理が終了すると、遊技用マイコン511(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動させる(S2624)。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン511内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器513からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、前述したCTC回路とを備えている。タイマ割込み信号は、分周された信号に基づいてCPU511aに所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込みを発生させるための信号である。乱数更新トリガ信号(CTC)は、分周された信号に基づいて乱数生成回路に供給され、乱数生成回路が乱数を更新するトリガとなる。
遊技制御装置500は、CTC回路を起動すると、乱数生成回路の起動設定を行う(S2625)。具体的には、CPU511aが乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)を設定するなどの処理を実行する。さらに、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブする(S2626)。その後、遊技制御装置500は、割込みを許可する(S2627)。
なお、本実施形態のCPU511a内の乱数生成回路では、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変更されるように構成されており、ソフト乱数レジスタの初期値に基づいて各種初期値乱数の初期値(スタート値)を設定することによって、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことが可能となり、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。各種初期値乱数には、例えば、大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図変動表示ゲームの当りを決定する乱数(当り乱数)が含まれる。
続いて、遊技制御装置500は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(S2628)。また、本実施形態では、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。すなわち、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。なお、各種乱数の発生源は前述の態様に限定されるわけではなく、大当り乱数がソフトウェア乱数であってもよいし、大当り図柄乱数、当り乱数、変動パターン乱数がハードウェア乱数であってもよい。
さらに、初期値乱数更新処理が実行された後、遊技制御装置500は、電源装置400から入力され、ポート及びデータバスを介して読み込まれる停電監視信号をチェックする回数を設定する(S2629)。チェック回数には、通常、2以上の値が設定される。停電監視信号をチェックすることによって停電が発生したか否かを判定することができる。遊技制御装置500は、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S2630)。停電監視信号がオンでない場合、すなわち、停電していない場合には(S2630の結果が「N」)、S2612の初期値乱数更新処理を再び実行し、S2628からS2630までの処理を繰り返し実行する(ループ処理)。
また、初期値乱数更新処理(S2628)の前に割り込みを許可(S2627)することによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生した場合に、割込み処理を優先して実行することが可能となる。したがって、初期値乱数更新処理の実行が完了するまでタイマ割込み処理を実行できないために、割込み処理に含まれる各種処理を実行する時間が不足してしまうことを回避できる。
なお、初期値乱数更新処理(S2628)は、メイン処理の他に、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行してもよい。ただし、タイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行する場合には、両方の処理で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理における初期値乱数更新処理の実行時に割込みを禁止し、初期値乱数を更新後に割込みを解除する必要がある。しかし、本実施形態のようにタイマ割込み処理で初期値乱数更新処理を実行せず、メイン処理でのみ初期値乱数更新処理を実行すれば、初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても問題が生じることはなく、さらに、メイン処理が簡素化されるという利点がある。
一方、遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されている場合には(S2630の結果が「Y」)、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がS2629の処理で設定したチェック回数に到達したか否かを判定する(S2631)。停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達していない場合には(S2631の結果が「N」)、再度、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(S2630)。すなわち、停電監視信号がオンである場合にはチェック回数分だけ停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
遊技制御装置500は、停電監視信号がオンに設定されていることを連続して検出した回数がチェック回数に到達した場合には(S2631の結果が「Y」)、停電が発生したものと見なして停電発生時の処理を実行する(S2632〜S2638)。
遊技制御装置500は、割込みを禁止し(S2632)、全出力ポートをオフに設定する(S2633)。その後、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブし(S2634)、さらに、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする(S2635)。
さらに、遊技制御装置500は、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(S2636)、算出されたチェックサムの値をRWMのチェックサム領域にセーブ(保存)する(S2637)。最後に、RWMの内容が変更されないように、RWMへのアクセスを禁止し(S2638)、遊技機1の電源が遮断されるまで待機する。このように、停電復旧検査領域にチェック用のデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出して記憶させることで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判定することが可能となる。
次に、タイマ割込み処理について説明する。図27は、本発明の実施の形態のタイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路によって生成される周期的(例えば、1ミリ秒周期)なタイマ割込み信号がCPU511aに入力されることによって開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すことによってレジスタを退避させる(S2701)。なお、本実施形態では遊技用マイコンとしてZ80系のマイコンを使用している。Z80系のマイコンには、表レジスタと裏レジスタが備えられており、表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避させることでS2701の処理を実装することが可能である。
次に、遊技制御装置500は、入力部520を介して入力される各種センサやスイッチなどからの入力信号を取り込み、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(S2702)。各種センサには、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、普図のゲートスイッチ34a、第1カウントスイッチ42d、第2カウントスイッチ45dなどが含まれる。また、入力処理では、入力信号にチャタリング除去等を行って入力情報を確定させる。
さらに、遊技制御装置500は、各種処理でセットされた遊技制御に関する出力データを、演出制御装置550及び払出制御装置580に送信するための出力処理を実行する(S2703)。出力データは、ソレノイド等のアクチュエータの駆動制御などを行うための情報であり、制御対象となるソレノイドには、例えば、第1大入賞口ソレノイド(SOL)42b、第2大入賞口ソレノイド45b、普電ソレノイド38bが含まれる。また、出力処理では、遊技機における遊技データを収集する情報収集端末装置(図示せず)に遊技データを出力するも含まれる。
次に、遊技制御装置500は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置550や払出制御装置580等に送信(出力)するコマンド送信処理を実行する(S2704)。具体的には、特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド、及び停電から復旧した場合に演出制御装置550に停電復旧処理を実行させる停電復旧コマンドを演出制御装置550に送信したり、払出装置から払い出す賞球数を指定する賞球コマンドを払出制御装置580に送信したりする。
さらに、遊技制御装置500は、大当り図柄乱数1及び大当り図柄乱数2を更新する乱数更新処理1を実行し(S2705)、続いて特図変動表示ゲームにおける変動パターンを決定するための変動パターン乱数を更新する乱数更新処理2を実行する(S2706)。乱数更新処理1及び乱数更新処理2では、各種乱数にランダム性を付与するために、各種乱数に対応するカウンタ(大当り乱数カウンタ、当り乱数カウンタ、演出決定用乱数カウンタなど)の値を1ずつ加算する。
その後、遊技制御装置500は、各種入賞口スイッチなどを監視したり、枠の不正な開放などのエラーを監視したりする入賞口スイッチ/エラー監視処理が実行される(S2707)。各種入賞口スイッチには、例えば、始動口1スイッチ37d、始動口2スイッチ38d、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ44a〜44n、第1カウントスイッチ42d、及び第2カウントスイッチ45dが含まれる。入賞口スイッチ/エラー監視処理では、これらのスイッチから正常な信号が入力されているか否かを監視したりする。エラーの監視としては、前面枠3やガラス枠18が不正に開放されていないかなどを対象としている。
さらに、遊技制御装置500は、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行する(S2708)。なお、特図ゲーム処理の詳細については、図10にて後述する。続いて、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(S2709)。
次に、遊技制御装置500は、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDの表示内容を制御するセグメントLED編集処理を実行する(S2710)。具体的には、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの結果をセグメントLED(例えば、一括表示装置31)に出力するためのパラメータを編集する。
遊技制御装置500は、磁気センサスイッチ39aや振動センサスイッチ39bからの検出信号をチェックし、異常があるか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(S2711)。異常の発生を検出した場合には、スピーカー30から報知音を出力したり、エラー表示LED29を点灯させたりするなどして外部に報知する。
次に、遊技制御装置500は、外部情報端子508から出力する各種信号を編集する外部情報編集処理を実行する(S2712)。
そして、遊技制御装置500は、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する(S2713)。その後、S2701の処理で一時退避されていたレジスタを復帰させ(S2714)、禁止設定されていた外部機器による割込み及びタイマ割込みを許可し(S2715)、タイマ割込み処理を終了し、メイン処理に復帰する。
次に、前述したタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(S2708)の詳細について説明する。図28は、本発明の実施の形態の特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dによる入力信号の監視、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図(識別図柄、識別情報)の表示の設定を行う。
特図ゲーム処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dの入賞を監視する始動スイッチ監視処理を実行する(S2801)。
始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口37、第2始動入賞口38に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については、図29にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、カウントスイッチ監視処理を実行する(S2802)。カウントスイッチ監視処理では、第1変動入賞装置42内に設けられた第1カウントスイッチ42dによって当該第1変動入賞装置42に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。さらに、第2変動入賞装置45内に設けられた第2カウントスイッチ45dによって当該第2変動入賞装置45に入賞した遊技球を検出し、入賞した遊技球の数を監視する。第1変動入賞装置42及び第2変動入賞装置45の大入賞口が同時に開放される場合には、第1変動入賞装置42に入賞した遊技球の数と第2変動入賞装置45に入賞した遊技球の数とを合算してもよいし、それぞれ個別に計数してもよい。
次に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしているか、又は、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した結果、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックする(S2803)。なお、特図ゲーム処理タイマは、初期値として、実行される特図変動表示ゲームの変動時間がセットされ、S2803の処理で当該特図ゲーム処理タイマの値を1減じる。特図ゲーム処理タイマの値が0になると、タイムアップしたと判断される。
遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない場合には(S2804の結果が「N」)、S2816以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした場合には(S2804の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(S2805)。さらに、当該テーブルに基づいて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(S2806)。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させ(S2807)、ゲーム処理番号に応じて処理を分岐させる(S2808)。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「0」の場合には(S2808の結果が「0」)、特図普段処理を実行する(S2810)。特図普段処理は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定、特図変動中処理を実行するために必要な情報の設定等を行う。特図普段処理の詳細については、図37にて後述する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「1」の場合には(S2808の結果が「1」)、特図変動中処理を実行する(S2811)。特図変動中処理は、特図変動表示ゲームにおける識別情報の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。特図変動中処理の詳細については、図56にて後述する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「2」の場合には(S2808の結果が「2」)、特図表示中処理を実行する(S2812)。特図表示中処理は、特図変動表示ゲームの結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間を設定したり、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。特図表示中処理の詳細については、図57A及び図57Bにて後述する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「3」の場合には(S2808の結果が「3」)、ファンファーレ/インターバル中処理を実行する(S2813)。ファンファーレ/インターバル中処理は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「4」の場合には(S2808の結果が「4」)、大入賞口開放中処理を実行する(S2814)。大入賞口開放中処理は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定したり、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「5」の場合には(S2808の結果が「5」)、大入賞口残存球処理を実行する(S2815)。大入賞口残存球処理は、大当りラウンドが最終ラウンドの場合に大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。
大入賞口残存球処理では、特別図柄の処理タイマの更新とファンファーレ/インターバル中処理、又は大当り終了処理を行うために必要な情報を設定する。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉42a又は開閉扉45aを閉鎖する。これが所定ラウンド数繰り返し実行された後、特図ゲーム処理番号を6に設定する。
本発明の実施の形態では、10R確変及び15R確変の場合には、第1変動入賞装置42の開閉扉42aが開放され、2R確変の場合には、第2変動入賞装置45の開閉扉45aが開放される。なお、小当りの場合には、後述する処理番号9に対応する小当り残存球処理で第2変動入賞装置45の開閉扉45aが閉鎖される。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「6」の場合には(S2808の結果が「6」)、大当り終了処理を実行する(S2816)。大当り終了処理は、S2810の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。大当り終了処理の詳細については、図59にて後述する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「7」の場合には(S2808の結果が「7」)、小当りファンファーレ中処理を実行する(S2817)。小当りファンファーレ中処理は、第2変動入賞装置45の大入賞口の開放時間の設定等を行う。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「8」の場合には(S2808の結果が「8」)、小当り中処理を実行する(S2818)。小当り中処理は、小当り終了画面のコマンドを設定したり、小当り残存球処理を行うために必要な情報を設定したりする。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「9」の場合には(S2808の結果が「8」)、小当り残存球処理を実行する(S2818)。小当り残存球処理は、第2変動入賞装置45の大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定したり、小当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行ったりする。また、大入賞口の最大開放時間が経過したか、又は大入賞口に遊技球が規定数(所定数)だけ入賞したかを判定し、いずれかの条件が成立した場合に開閉扉45aを閉鎖する。その後、特図ゲーム処理番号を10に設定する。
遊技制御装置500は、ゲーム処理番号が「10」の場合には(S2808の結果が「6」)、小当り終了処理を実行する(S2815)。小当り終了処理は、S2809の特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う。
その後、遊技制御装置500は、特図1表示器における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S2821)。続いて、特図1表示器に係る図柄変動制御処理を実行する(S2822)。
さらに、遊技制御装置500は、特図2表示器における図柄の変動を制御するためのテーブルを準備する(S2823)。続いて、特図2表示器に係る図柄変動制御処理を実行する(S2824)。S2824の処理が終了すると、タイマ割込処理に復帰する。
次に、前述した特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図29は、本発明の実施の形態の始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
始動口スイッチ監視処理が開始されると、遊技制御装置500は、まず、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる保留の情報を設定するテーブルを準備する(S2901)。このとき、第1始動入賞口37(始動口1)に遊技球が入賞したことによって送信される始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する。
続いて、遊技制御装置500は、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合に共通して実行される特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S2902)。なお、特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、図30にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、普通電動役物(普通変動入賞装置、第2始動入賞口38の開閉部材38a)が作動中である、すなわち、第2始動入賞口38の開閉部材38aが遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(S2903)。普通電動役物が作動中である場合には(S2903の結果が「Y」)、S2906以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置500は、普通電動役物が作動中でない場合には(S2906の結果が「N」)、第2始動入賞口38への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックし(S2904)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する(S2905)。
不正入賞について具体的に説明すると、第2始動入賞口38は、開閉部材が閉状態の場合には遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合には何らかの異常や不正が発生した可能性が高く、閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数している。そして、S2904及びS2905の処理において、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかを判定する。
遊技制御装置500は、不正入賞数が不正判定個数以上の場合には(S2905の結果が「Y」)、第2始動入賞口38への遊技球の入賞と無効として特図変動表示ゲームに関する処理を実行せずに、始動口スイッチ監視処理を終了する。このとき、演出制御装置550にコマンドを送信し、エラー表示LED29を点灯させたり、スピーカー30から警報音を出力したりする。
一方、遊技制御装置500は、不正入賞数が不正判定個数未満の場合には(S2905の結果が「N」)、第2始動入賞口38による保留の情報を設定するテーブルを準備する(S2906)。このとき、第2始動入賞口38による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する。さらに、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(S2907)。その後、始動口スイッチ監視処理を終了する。
次に、前述した始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(S2902、S2907)の詳細について説明する。図30は、本発明の実施の形態の特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。
特図始動口スイッチ共通処理は、第1始動入賞口37や第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによって始動口1スイッチ37dや始動口2スイッチ38dから信号入力があった場合に共通して実行される処理である。
遊技制御装置500は、まず、始動口1スイッチ37d及び始動口2スイッチ38dのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ37d)から信号が入力されたか否かをチェックする(S3001、S3002)。監視対象の始動口スイッチから信号が入力されていない場合には(S3002の結果が「N」)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチから信号が入力された場合には(S3002の結果が「Y」)、当該監視対象の始動口スイッチに対応する始動口入賞フラグをRWMの所定の領域にセーブする(S3003)。さらに、監視対象始動口スイッチに対応するハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(S3004)。
続いて、遊技制御装置500は、監視対象の始動口スイッチに対応する始動入賞口への入賞の回数に関する情報が、遊技機1の外部の管理装置に対して出力された回数である始動口信号出力回数をロードし、ロードした始動口信号出力回数に1加算して更新し、オーバーフローするか否かをチェックする(S3005、S3006)。
そして、遊技制御装置500は、始動口信号出力回数がオーバーフローしない場合には(S3006の結果が「N」)、更新後の始動口信号出力回数の値を、RWMの始動口信号出力回数領域にセーブする(S3007)。
遊技制御装置500は、S3007の処理が終了した後、又は、始動口信号出力回数がオーバーフローする場合には(S3006の結果が「Y」)、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックする(S3008、S3009)。
遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満の場合には(S3009の結果が「Y」)、始動口スイッチによって検出された入賞に対応する情報を設定する。具体的には、まず、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数)に1加算して更新する(S3010)。
続いて、遊技制御装置500は、飾り特図保留数コマンドを準備する。飾り特図保留数コマンドは、MODE部とACTION部によって構成される。具体的に説明すると、遊技制御装置500は、まず、監視対象の始動口スイッチの飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備し(S3011)、さらに、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備する(S3012)。そして、準備された飾り特図保留数コマンドの送信を設定するためのコマンド設定処理を実行する(S3013)。
次に、遊技制御装置500は、更新対象の始動口及び更新された特図保留数に対応する保留記憶領域に含まれる乱数セーブ領域のアドレスを算出する(S3014)。なお、保留記憶領域の構成については、図31にて後述する。
遊技制御装置500は、算出されたアドレスに基づいて、大当り乱数を乱数セーブ領域にセーブする(S3015)。さらに、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、乱数セーブ領域にセーブする(S3016)。
続いて、遊技制御装置500は、対応する変動パターン乱数1を抽出し、乱数セーブ領域にセーブする(S3017)。変動パターン乱数1は、後半の変動パターンの系統を決定するための乱数である。
同様に、遊技制御装置500は、対応する変動パターン乱数2を抽出し、乱数セーブ領域にセーブする(S3018)。変動パターン乱数2は、変動パターン乱数1によって特定される後半変動の系統から詳細な変動パターンを決定するための乱数である。
さらに、遊技制御装置500は、対応する変動パターン乱数3を抽出し、乱数セーブ領域にセーブする(S3019)。変動パターン乱数3は、前半の変動パターンを決定するための乱数である。
遊技制御装置500は、変動パターンを決定するための乱数を抽出した後、転落抽選を行うための転落抽選乱数(第2乱数)を抽出し、乱数セーブ領域にセーブする(S3020)。高確率状態において転落抽選に当選した場合には、確率状態を高確率状態から低確率状態(通常状態)に遷移させる。さらに、本発明の実施の形態では、低確率状態(通常状態)であっても転落抽選を行い、当選した場合には所定の演出を行う。例えば、確率状態の報知が明確に行われていない場合に、確率状態を示唆する若しくは報知する演出(例えば、高確率状態から低確率状態に遷移したことを示す演出)を実行してもよい。
ここで、特図変動表示ゲーム(特図1又は特図2)における変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動パターン1〜3)、転落抽選乱数は、大当り図柄乱数のように乱数生成回路のソフトウェアによって更新されるものとは異なり、遊技制御用プログラムによって更新されるものである。なお、変動パターン乱数の更新は遊技制御用プログラムによって更新することに限らず、乱数生成回路のハードウェア又はソフトウェアで更新するようにしてもよい。
そして、遊技制御装置500は、乱数セーブ領域にセーブされた乱数に基づいて事前(先読み)判定を行う特図保留情報判定処理を実行する(S3021)。なお、特図保留情報判定処理の詳細については、図33にて後述する。
本発明の実施の形態では、前述のように、第1始動入賞口37に遊技球が入賞した場合と、第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合とを同等に扱う。すなわち、入賞した始動口にかかわらず、入賞した順序で始動記憶を消化して特図変動表示ゲームを実行する。また、始動口ごとに最大4個の始動記憶を保持することができる。
遊技制御装置500は、始動口1と始動口2の保留数の合計を算出する(S3022)。さらに、保留数の合計に対応する変動順序フラグセーブ領域のアドレスを算出する(S3023)。変動順序フラグセーブ領域は、いずれの始動口に遊技球が入賞したかを示すフラグを格納する記憶領域である。変動順序フラグセーブ領域の詳細については、図32にて後述する。
その後、遊技制御装置500は、対象の始動口に対応する始動口入賞フラグ(始動口1フラグ、始動口2フラグ)をS3023の処理で算出されたアドレスにセーブする(S3024)。最後に、始動記憶の事前(先読み)判定用に遊技状態が電サポ状態であるか否かを更新管理する事前遊技状態更新処理を実行する(S3025)。なお、事前遊技状態更新処理の詳細については、図3*にて後述する。
一方、遊技制御装置500は、特図保留数が上限値未満でない場合には(S3009の結果が「N」)、監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ37dであるか否かをチェックする(S3030、S3031)。監視対象が始動口1スイッチ37dでない場合には(S3031の結果が「N」)、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(S3032)、コマンド設定処理を実行する(S3033)。
一方、遊技制御装置500は、監視対象が始動口1スイッチ37dの場合(S3031の結果が「N」)、又は、S3033のコマンド設定処理が終了した場合には、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
図31は、本発明の実施の形態の保留記憶領域の一例を示す図であり、(A)は特図1保留記憶領域、(B)は特図2保留記憶領域である。
特図1保留記憶領域と特図2保留記憶領域であるとは同じ構成であるため、特図1保留記憶領域についてのみ説明する。
特図1保留記憶領域には、保留記憶数セーブ領域と、乱数セーブ領域とが含まれる。保留記憶数セーブ領域は、第1始動入賞口37に遊技球が入賞し、特図変動表示ゲームの保留数を格納する。本発明の実施の形態では、最大保留数が4であるため、0から4の値が設定される。
乱数セーブ領域は、保留記憶ごとに領域が確保され、本発明の実施の形態では、保留記憶1〜4用乱数セーブ領域の4つを含んでいる。乱数セーブ領域には、大当り乱数領域、大当り図柄乱数領域、変動パターン乱数1領域、変動パターン乱数2領域、変動パターン乱数3領域及び転落抽選乱数領域の各領域が含まれる。各領域には、図30にて説明した特図始動口スイッチ共通処理で抽出された各種乱数がセーブされる。
図32は、本発明の実施の形態の変動順序フラグセーブ領域の一例を示す図である。
変動順序フラグセーブ領域は、前述のように、いずれの始動口に遊技球が入賞したかを示すフラグ(始動口1フラグ、始動口2フラグ)を、変動表示ゲームを実行する順序、すなわち、入賞順に格納する記憶領域である。各始動口で最大4個の始動記憶を保持することが可能であるため、合計8個のフラグを格納できるように、8バイトの領域が確保されている。
次に、前述した特図始動口スイッチ共通処理(図30)における特図保留情報判定処理(S3021)の詳細について説明する。図33は、本発明の実施の形態の特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。
特図保留情報判定処理は、各始動記憶(保留記憶)に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前(詳しくは、始動口への遊技球の入賞に基づく始動記憶の記憶時)に当該始動記憶に対応した結果関連情報(遊技結果情報)を判定するための先読み処理である。本発明の実施の形態では、転落又は大当りとなる始動記憶が存在する場合に先読み判定用の事前判定確率フラグ(高確、低確)を設定し、以降は事前判定確率フラグに応じた判定値で先読みを行う。
遊技制御装置500は、まず、判定対象の保留記憶に対応する転落抽選乱数に基づいて対応する変動表示ゲームで転落抽選に当選するか否かを判定する転落判定処理を実行する(S3301)。転落判定処理の詳細については、図34にて後述する。
このように、特図保留情報判定処理では、大当り乱数を判定するよりも先に転落抽選乱数を判定する。そのため、大当り終了後1回転目で転落してしまう(1度も高確率での大当り判定を受けることができない)場合がある。
また、本発明の実施の形態では、転落判定処理を実行する前に確率状態が高確率であるか否かを判定せずに、始動口に遊技球が入賞すると、必ず特図保留情報判定処理で転落抽選が実行されるように構成されている。
続いて、遊技制御装置500は、事前判定確率フラグ領域から事前判定確率フラグを取得する(S3302)。事前判定確率フラグには、直前の保留記憶の先読み結果及び処理中の保留記憶の転落判定結果に基づく確率状態を示すフラグが設定されている。
遊技制御装置500は、事前判定確率フラグに高確率フラグが設定されているか否かを判定する(S3303)。高確率フラグが設定されている場合には(S3303の結果が「Y」)、高確率時の大当り判定値を設定する(S3304)。一方、高確率フラグが設定されていない場合には(S3303の結果が「N」)、低確率時の大当り判定値を設定する(S3305)。
次に、遊技制御装置500は、対象となる乱数セーブ領域から大当り乱数をロードする(S3306)。そして、ロードした大当り判定値とS3303又はS3304の処理で取得した大当り判定値とが一致するか否かを判定する(S3307)。
遊技制御装置500は、大当り判定値と大当り乱数の値が一致する場合には(S3307の結果が「Y」)、事前確率移行フラグ領域から事前確率移行フラグを取得する(S3308)。さらに、取得されたフラグに昇格フラグを合成することによって、大当り後の確率状態を示すフラグを生成し、事前確率移行フラグ領域にセーブする(S3309)。なお、事前確率移行フラグには、転落判定処理において転落フラグが設定されている場合があり、昇格フラグを合成することで転落と昇格を示す事前確率移行フラグとなる。
続いて、遊技制御装置500は、対象の保留記憶で入賞した始動口スイッチに対応する大当り図柄情報テーブルを設定する(S3310)。そして、対象となる乱数セーブ領域から大当り図柄乱数をロードし(S3311)、設定したテーブルから大当り図柄乱数に対応する図柄情報を取得する(S3312)。
一方、遊技制御装置500は、大当り判定値と大当り乱数の値が一致しない場合には(S3307の結果が「N」)、事前確率移行フラグ領域から取得したフラグに確率状態が変化しないことを示す確率維持フラグを合成して事前確率移行フラグ領域にセーブする(S3313)。
続いて、遊技制御装置500は、はずれ時の図柄情報を取得する(S3314)。さらに、変動表示ゲームの結果が小当りになるか否かを判定し(S3315)、結果が小当りになる場合には(S3315の結果が「Y」)、小当り時の図柄情報を設定する(S3316)。
図柄情報が取得されると、遊技制御装置500は、取得した図柄情報を作業用の図柄情報領域にセーブする(S3317)。
遊技制御装置500は、事前遊技状態フラグ領域から事前遊技状態フラグを取得する(S3318)。事前遊技状態フラグは、対象の保留記憶による変動表示ゲーム実行時の電サポ状態を示すフラグである。さらに、事前確率移行フラグ領域から事前確率移行フラグを取得する(S3319)。
遊技制御装置500は、S3318の処理で取得された事前遊技状態フラグと、S3319の処理で取得された事前確率移行フラグに基づいて、状態判別情報を生成する(S3320)。状態判別情報は、事前演出図柄コマンドのMODE部に対応する情報である。
遊技制御装置500は、S3317の処理で図柄情報領域にセーブされた図柄情報を取得する(S3321)。図柄情報は、事前演出図柄コマンドのACTION部に対応する情報である。
遊技制御装置500は、S3320の処理で取得された状態判別情報と、S3321の処理で取得された図柄情報を合成することによって、事前演出図柄コマンドを生成し(S3322)、当該コマンドの送信を設定するコマンド設定処理を実行する(S3323)。なお、事前演出図柄コマンドの詳細については、図35にて後述する。
このように、確率が昇格したのか、転落したのか、転落後に昇格したのか、変化なしなのかを示す事前確率移行フラグと事前遊技状態フラグからなる状態判別情報(MODE)を図柄情報(ACTION)とともにコマンドセットすることで、そのコマンドを受けたサブでは当該コマンドを起点とした連続予告演出の実行が可能となる。
さらに、遊技制御装置500は、対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備する(S3324)。さらに、対象の始動口入賞演出コマンド設定テーブルを準備する(S3325)。
続いて、遊技制御装置500は、監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定するための特図情報設定処理を実行する(S3326)。続いて、特図変動表示ゲームにおける変動態様を設定する変動パターン設定処理を実行する(S3327)。変動パターン設定処理は、識別情報の変動態様を示す複数の変動パターンから一つの変動パターンを選択する処理であり、特図変動表示ゲームはこれらの処理によって選択された変動パターンに基づいて実行される。
さらに、遊技制御装置500は、前半変動番号及び後半変動番号に対応する事前演出変動コマンドを生成する(S3328)。具体的には、前半変動番号に対応する変動(始動口入賞演出)コマンド(MODE)を算出し、さらに、後半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として、事前演出変動コマンドを生成する。その後、遊技制御装置500は、当該コマンドの送信を設定するコマンド設定処理を実行する(S3329)。
最後に、遊技制御装置500は、転落判定処理でセットされた転落変動フラグをクリアし(S3330)、特図保留情報判定処理を終了する。
以上のように、始動記憶に対応する判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置550に対して通知することが可能に構成されている。演出制御装置550は、通知された情報に基づき表示装置48に表示されている保留表示の表示態様を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に特図変動表示ゲームの結果を報知する。
次に、前述した特図保留情報判定処理(図33)における転落判定処理(S3301)の詳細について説明する。図34は、本発明の実施の形態の転落判定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、事前判定確率フラグ領域から事前判定確率フラグを取得する(S3401)。そして、事前判定確率フラグに高確率フラグが設定されているか否かを判定する(S3402)。事前判定確率フラグに高確率フラグが設定されていない場合は(S3402の結果が「N」)、既に低確率状態であるため、転落判定処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、事前判定確率フラグに高確率フラグが設定されている場合には(S3402の結果が「Y」)、判定対象となる始動記憶で転落するか否かを判定する。具体的には、判定対象となる始動記憶に対応する乱数セーブ領域にセーブされた転落抽選乱数をロードし(S3403)、ロードされた転落抽選乱数の値が転落判定値と一致するか否かを判定する(S3404)。本発明の実施の形態では、転落当選判定値として連続する複数の値が設定されており、設定されたいずれかの転落当選判定値が転落抽選乱数値と一致するか否かを判定する。
一方、遊技制御装置500は、転落抽選乱数の値が転落当選判定値と一致する場合には(S3404の結果が「N」)、転落抽選に当選したため、事前判定確率フラグ領域に低確率フラグをセーブする(S3405)。さらに、事前確率移行フラグ領域に転落フラグをセーブする(S3406)。最後に、転落変動フラグをセットし(S3407)、転落判定処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、転落抽選乱数の値が転落当選判定値と一致しない場合には(S3404の結果が「N」)、転落抽選に当選していないため、確率状態は維持され、転落判定処理を終了する。
続いて、特図保留情報判定処理のS3322の処理で演出制御装置550に送信される事前演出図柄コマンドについて説明する。図35は、本発明の実施の形態の事前演出図柄コマンドの構成の一例を示す図である。事前演出図柄コマンドは、MODE部とACTION部によって構成され、(A)はMODE部、(B)はACTION部を示す。
事前演出図柄コマンドは、演出制御装置550に遊技状態や確率状態の遷移情報、図柄情報を含む。MODE部は、事前遊技状態情報と事前確率移行情報とが含まれる。事前遊技状態情報は、普電サポートの状態が格納される。具体的には、普電サポートの有無を示す情報が格納される。
また、事前確率移行情報は、対応する始動記憶によって確率状態の移行を示す情報が格納される。具体的には、「転落」「昇格」「転落・昇格」「維持」が含まれる。「転落・昇格」は、転落抽選に当選した後、大当りが発生して再び高確率状態に移行する場合に設定される。
ACTION部は、図柄情報が含まれる。図柄情報は、「大当り1」、「大当り2」、「小当り」、「はずれ」のいずれかを示す情報が格納される。例えば、「大当り1」は15R大当り、「大当り2」は2R大当りである。
次に、前述した特図始動口SW共通処理における事前遊技状態更新処理(S3025)の詳細について説明する。図36は、本発明の実施の形態の事前遊技状態更新処理の手順を示すフローチャートである。
事前遊技状態更新処理は、対象の始動記憶に基づく変動表示ゲームの結果によって変化する遊技状態を所定の領域に設定する処理である。
遊技制御装置500は、まず、事前確率移行フラグ領域から事前確率移行フラグを取得する(S3601)。そして、事前確率移行フラグに確率維持フラグが設定されているか否か、すなわち、確率状態が変化するか否かを判定する(S3602)。
遊技制御装置500は、事前確率移行フラグに確率維持フラグが設定されている場合、すなわち、確率状態が変化しない場合には(S3602の結果が「Y」)、事前遊技状態フラグ領域をチェックする(S3603)。そして、事前遊技状態フラグ領域に事前時短継続フラグが設定されているか否か、すなわち、普電サポートが継続されるか否かを判定する(S3604)。
遊技制御装置500は、事前遊技状態フラグ領域に事前時短継続フラグが設定されていない場合には(S3604の結果が「N」)、事前遊技状態フラグ領域に時短中フラグが設定されているか否か、すなわち、普電サポート中であるか否かを判定する(S3605)。時短中フラグが設定されている場合には(S3605の結果が「Y」)、事前時短回数記憶領域の時短変動回数を1減算して更新する(S3606)。
そして、遊技制御装置500は、時短変動回数が0か否かを判定する(S3607)。時短変動回数が0の場合には(S3607の結果が「Y」)、事前判定確率フラグ領域から事前判定確率フラグを取得する(S3608)。
続いて、遊技制御装置500は、事前判定確率フラグとして高確率フラグが設定されているか否かを判定する(S3609)。事前判定確率フラグとして高確率フラグが設定されている場合には(S3609の結果が「Y」)、事前遊技状態フラグ領域に事前時短継続フラグをセットする(S3610)。その後、事前確率移行フラグ領域を0クリアし(S3611)、事前遊技状態更新処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、事前確率移行フラグに確率維持フラグが設定されていない場合、すなわち、確率状態が変化する場合には(S3602の結果が「Y」)、転落フラグが設定されているか否かを判定する(S3612)。転落フラグが設定されている場合には(S3612の結果が「Y」)、事前遊技状態フラグ領域をチェックする(S3613)。そして、事前遊技状態フラグ領域に事前時短継続フラグが設定されているか否か、すなわち、普電サポートが継続されるか否かを判定する(S3614)。
また、遊技制御装置500は、事前時短継続フラグが設定されている場合には(S3614の結果が「Y」)、事前時短継続フラグをクリアする(S3615)。そして、普電サポート(電サポ状態)が終了するため、事前遊技状態フラグ領域を0クリアする(S3616)。その後、事前確率移行フラグ領域を0クリアし(S3611)、事前遊技状態更新処理を終了する。
遊技制御装置500は、事前時短継続フラグが設定されていない場合には(S3614の結果が「Y」)、事前確率移行フラグ領域を0クリアし(S3611)、事前遊技状態更新処理を終了する。
また、遊技制御装置500は、転落フラグが設定されていない場合には(S3612の結果が「N」)、大当りが発生して低確率状態から高確率状態に移行するため、事前判定確率フラグ領域に高確率フラグをセーブする(S3617)。さらに、図柄情報に応じた時短回数を事前時短回数記憶領域にセーブし(S3618)、事前遊技状態フラグ領域に時短(電サポ)中フラグをセットする(S3619)。最後に、事前確率移行フラグ領域を0クリアし(S3611)、事前遊技状態更新処理を終了する。
以上のように、事前遊技状態更新処理を実行することによって、遊技球が始動口に入賞した場合に、記憶済の始動記憶で転落及び大当りが発生することによって確率状態が変わっても変化した確率状態を考慮して事前判定を行うことが可能となる。
次に、前述した特図ゲーム処理における特図普段処理(S2810)の詳細について説明する。図37は、本発明の実施の形態の特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
本発明の実施の形態では、前述したように、第2始動入賞口38に遊技球が入賞した場合における変動表示ゲームを優先して実行せずに、入賞した始動口にかかわらず、入賞した順に変動表示ゲームが実行される。
遊技制御装置500は、まず、第1始動入賞口37又は第2始動入賞口38に入賞し、変動表示ゲームが実行されていない保留球の数(保留数)の合計を算出する(S3701)。さらに、算出された合計保留数が0であるか否かを判定する(S3702)。
さらに、遊技制御装置500は、合計保留数が0の場合には(S3702の結果が「Y」)、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックする(S3703、S3704)。客待ちデモを開始していない、すなわち、開始済みでない場合には(S3704の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグを設定する(S3705)。続いて、客待ちデモコマンドを準備し(S3706)、コマンド送信処理を実行する(S3707)。
一方、遊技制御装置500は、既に客待ちデモが開始されている場合には(S3704の結果が「Y」)、既に客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグが設定済みであり、客待ちデモコマンドが演出制御装置550に送信済みであるため、S3708以降の処理を実行する。
次に、遊技制御装置500は、特図ゲーム処理番号領域に処理番号「0」をセーブする(S3708)。さらに、変動図柄判別フラグ領域をリセットする(S3709)。最後に、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグ(大入賞口不正監視情報)を設定する(S3710)。その後、特図普段処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、合計保留数が0でない場合には(S3702の結果が「N」)、変動順序フラグセーブ領域の先頭アドレスの始動口入賞フラグを取得する(S3711)。始動口入賞フラグを参照することによって、次の特図変動表示ゲームがいずれの始動入賞口に遊技球が入賞したことによって実行されるかを判定することができる。
遊技制御装置500は、始動口入賞フラグとして始動口1フラグが設定されているか否かを判定する(S3712)。そして、始動口1フラグが設定されている場合(S3712の結果が「Y」)、すなわち、第1始動入賞口37に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図1変動開始処理1を実行する(S3713)。なお、特図1変動開始処理1の詳細については、図38にて後述する。
さらに、遊技制御装置500は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第1特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図1)を実行する(S3714)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第1特図の変動中に係る試験信号、特図1表示器における特図1変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図1表示器の変動中に係るフラグ、特図1表示器の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する。その後、特図普段処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、始動口1フラグが設定されていない場合(S3712の結果が「Y」)、すなわち、第2始動入賞口38に遊技球が入賞したことによる特図変動表示ゲームが実行される場合には、特図2変動開始処理1を実行する(S3715)。なお、特図2変動開始処理1の詳細については、図39にて後述する。
そして、遊技制御装置500は、特図変動中処理に移行するためのテーブル(第2特図用)を準備する特図変動中処理移行設定処理(特図2)を実行する(S3716)。具体的には、当該テーブルに、特図変動中処理に係る特図ゲーム処理番号「1」、客待ちデモの終了に係る情報、第2特図の変動中に係る試験信号、特図2表示器における特図2変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図2表示器の変動中に係るフラグ、特図2表示器の点滅の周期のタイマの初期値など)等を設定する処理を実行する。その後、特図普段処理を終了する。
次に、前述した特図普段処理における特図1変動開始処理1(S3713)の詳細について説明する。図38は、本発明の実施の形態の特図1変動開始処理1の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理1は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置500は、まず、実行される特図1変動表示ゲームに対応する転落時情報設定処理を実行する(S3801)。転落抽選に当選した場合に、確率状態が高確率状態から通常確率状態に遷移(転落)させるために必要なフラグなどを設定する。
次に、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1に、はずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(S3802)。
次に、遊技制御装置500は、特図1変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ1に、はずれ情報又は大当り情報を設定する小当りフラグ1設定処理を実行する(S3803)。
次に、遊技制御装置500は、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(S3804)。
その後、遊技制御装置500は、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄)に対応する試験信号をセーブする(S3805)。続いて、特図1停止図柄設定処理によって設定された図柄情報を図柄情報領域からロードした後(S3806)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S3807)。
次に、遊技制御装置500は、特図1変動フラグ(変動中フラグ)をロードして準備し(S3808)、特図1変動フラグを特図変動フラグ領域にセーブする(S3809)。
続いて、遊技制御装置500は、変動パターンに関する情報を設定する対象のテーブルを準備し(S3810)、特図1変動表示ゲームにおける変動態様を設定する変動パターン設定処理を実行する(S3811)。さらに、特図1変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行する(S3812)。
その後、遊技制御装置500は、特図1保留記憶領域の乱数セーブ領域(図31(A))をシフトし(S3814)、シフト後の空き領域を0クリアする(S3815)。同様に、変動順序フラグ領域(図32)をシフトし(S3816)、シフト後の空き領域を0クリアする(S3817)。
また、図39は、本発明の実施の形態の特図2変動開始処理1の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理1は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置500は、まず、実行される特図2変動表示ゲームに対応する転落時情報設定処理を実行する(S3901)。転落抽選に当選した場合に、確率状態が高確率状態から通常確率状態に遷移(転落)させるために必要なフラグなどを設定する。
次に、遊技制御装置500は、特図2変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2に、はずれ情報又は大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理を実行する(S3902)。
次に、遊技制御装置500は、特図2変動表示ゲームが小当りであるか否かを判定するための小当りフラグ2に、はずれ情報又は大当り情報を設定する小当りフラグ2設定処理を実行する(S3903)。
次に、遊技制御装置500は、第2特図停止図柄(特図2停止図柄)の設定に係る特図2停止図柄設定処理を実行する(S3904)。
その後、遊技制御装置500は、第2特図停止図柄番号(特図2停止図柄)に対応する試験信号をセーブする(S3905)。続いて、特図2停止図柄設定処理によって設定された図柄情報を図柄情報領域からロードした後(S3906)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(S3907)。
次に、遊技制御装置500は、特図2変動フラグ(変動中フラグ)をロードして準備し(S3908)、特図2変動フラグを特図変動フラグ領域にセーブする(S3909)。
続いて、遊技制御装置500は、変動パターンに関する情報を設定する対象のテーブルを準備し(S3910)、特図2変動表示ゲームにおける変動態様を設定する変動パターン設定処理を実行する(S3911)。さらに、特図2変動表示ゲームを開始するための情報を設定する変動開始情報設定処理を実行する(S3912)。
その後、遊技制御装置500は、特図2保留記憶領域の乱数セーブ領域(図31(B))をシフトし(S3914)、シフト後の空き領域を0クリアする(S3915)。同様に、変動順序フラグ領域(図32)をシフトし(S3916)、シフト後の空き領域を0クリアする(S3917)。
次に、前述した特図変動開始処理(図38、図39)における転落時情報設定処理(S3801、S3802)の詳細について説明する。図40は、本発明の実施の形態の転落抽選処理の手順を示すフローチャートである。本発明の実施の形態では、確率状態にかかわらず転落判定を行うように構成されている。
遊技制御装置500は、乱数セーブ領域にセーブされた転落抽選乱数をロードし、以降の処理で使用するための準備を行う(S4001)。
遊技制御装置500は、S4001の処理でロードされた転落抽選乱数が転落判定値と一致するか否か、すなわち、転落抽選に当選したか否かを判定する(S4002)。転落抽選乱数が転落判定値と一致しない場合には(S4002の結果が「N」)、転落抽選乱数を格納するための乱数セーブ領域を0クリアし(S4017)、転落時情報設定処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、転落抽選乱数が転落判定値と一致した場合(S4002の結果が「Y」)、すなわち、転落抽選に当選した場合には、転落変動フラグをセットする(S4003)。転落変動フラグは、他の条件とともに変動パターン選択時に使用される。
さらに、遊技制御装置500は、確率状態が高確率状態であるか否かを判定する(S4004)。確率状態が高確率状態でない場合は(S4004の結果が「N」)、転落抽選乱数を格納するための乱数セーブ領域を0クリアし(S4017)、転落時情報設定処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、高確率状態である場合は(S4004の結果が「Y」)、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブする(S4005)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率をセーブする(S4006)。
続いて、遊技制御装置500は、時短継続フラグが設定されているか否かをチェックし(S4007)、時短継続フラグが設定されているか否かを判定する(S4008)。
遊技制御装置500は、時短継続フラグが設定されている場合には(S4008の結果が「Y」)、時短の終了に関する信号を、図示しない遊技場内部管理装置に送信するために外部情報出力データ領域にセーブする(S4009)。さらに、時短の終了に関する信号を、図示しない試射試験装置に中継基板591を介して送信するために試験信号出力データ領域にセーブする(S4010)。
遊技制御装置500は、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率/電サポなしフラグをセーブする(S4011)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に低確率/通常フラグをセーブする(S4012)。
その後、遊技制御装置500は、時短継続フラグをクリアし(S4013)、変動図柄判別フラグ領域をリセットする(S4014)。さらに、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報(低確率/普電サポート無し)コマンドをセーブする(S4015)。そして、当該コマンドの送信を設定するコマンド設定処理を実行し(S4016)、転落抽選乱数用の乱数セーブ領域を0クリアして(S4017)、転落時情報設定処理を終了する。なお、コマンド設定処理は、セーブされた確率情報コマンドを演出制御装置550に送信するために送信バッファに設定する処理である。
遊技制御装置500は、時短継続フラグが設定されていない場合には(S4008の結果が「N」)、時短の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(S4018)。さらに、時短の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(S4019)。
遊技制御装置500は、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率/時短なしフラグをセーブする(S4020)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に低確率/時短フラグをセーブする(S4021)。
その後、遊技制御装置500は、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブし(S4022)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報(低確率/時短)をセーブする(S4023)。そして、コマンド設定処理を実行し(S4016)、転落抽選乱数用の乱数セーブ領域を0クリアして(S4017)、転落時情報設定処理を終了する。
次に、前述した特図1変動開始処理(図38)における特図1停止図柄設定処理(S3804)の詳細について説明する。図41は、本発明の実施の形態の特図1停止図柄設定処理の手順を示すフローチャートである。なお、図示を省略するが、特図2停止図柄設定処理も同様の手順である。
遊技制御装置500は、まず、大当りフラグ1が設定されているか否かを判定する(S4101)。大当りフラグ1が設定されている場合には(S4101の結果が「Y」)、停止図柄を決定するためのテーブルとして、特図1用の大当り図柄テーブルを設定する(S4102)。
次に、遊技制御装置500は、特図1用の大当り図柄乱数セーブ領域から大当り図柄乱数をロードする(S4103)。そして、S4103の処理で取得した大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号をS4102の処理で設定された特図1用の大当り図柄テーブルから取得する(S4104)。さらに、取得した停止図柄番号を特図1停止図柄領域にセーブする(S4105)。
続いて、遊技制御装置500は、現在の遊技状態が普電サポート中であるか否かを判定する(S4106)。現在の遊技状態が普電サポート中の場合には(S4106の結果が「Y」)、高確率/時短時の特図1大当り停止図柄情報テーブルを準備する(S4107)。一方、現在の遊技状態が普電サポート中でない場合には(S4106の結果が「N」)、低確率時の特図1大当り停止図柄情報テーブルを準備する(S4108)。なお、大当り停止図柄情報テーブルの詳細については、図42にて後述する。
遊技制御装置500は、停止図柄番号に応じた図柄情報を特図1大当り停止図柄情報テーブルから取得し、図柄情報領域にセーブする(S4109)。さらに、停止図柄番号に応じたラウンド数情報を特図1大当り停止図柄情報テーブルから取得し、ラウンド数情報領域にセーブする(S4110)。
続いて、遊技制御装置500は、飾り特図コマンドテーブルを設定する(S4111)。そして、図柄情報に対応する飾り特図1コマンド(ACTION)を取得する(S4112)。さらに、飾り特図1コマンド(MODE)を設定し(S4113)、飾り特図コマンド領域に、S4111及びS4112で取得及び設定された飾り特図コマンド(MODE、ACTION)をセーブする(S4114)。最後に、特図1用の大当り図柄乱数セーブ領域を0クリアし(S4115)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、大当りフラグ1が設定されていない場合には(S4101の結果が「N」)、さらに、小当りフラグ1が設定されているか否かを判定する(S4116)。
遊技制御装置500は、小当りフラグ1が設定されている場合には(S4116の結果が「Y」)、特図1小当り開放情報を特図1小当り大入賞口情報領域にセーブする(S4117)。さらに、小当り時の停止図柄番号を特図1停止図柄領域にセーブし(S4118)、特図1小当り時の図柄情報を図柄情報領域にセーブする(S4119)。その後、S4111以降の処理を実行し、特図1停止図柄設定処理を終了する。
遊技制御装置500は、小当りフラグ1が設定されていない場合には(S4116の結果が「Y」)、特図変動表示ゲームの結果がはずれであるため、はずれ時の停止図柄番号を特図1停止図柄領域にセーブする(S4120)。さらに、はずれ時の図柄情報を図柄情報領域にセーブし(S4121)、S4111以降の処理を実行した後、特図1停止図柄設定処理を終了する。
図42は、本発明の実施の形態の停止図柄情報テーブルの一例を示す図である。(A)は特図1用、(B)は特図2用の停止図柄情報テーブルである。本発明の実施の形態では、停止図柄情報テーブルの一部が大当り停止図柄情報テーブルを構成している。停止図柄情報テーブルには、はずれ及び小当りに対応する情報も格納されている。
大当り停止図柄情報テーブルは、「大当り図柄乱数」、「図柄番号」、「図柄情報」、「ラウンド数」、「終了後の確率報知」、「時短回数」、「開放時間」、「開放AT」、「割合」を含む。
「大当り図柄乱数」は、乱数セーブ領域に格納された大当り図柄乱数と比較することによって、図柄番号などを特定する。「図柄番号」は、変動表示ゲームの結果を示す番号である。「図柄情報」は、大当り時の特別遊技状態や大当り後の特定遊技状態に対応する。
「ラウンド数」は、特別遊技状態における第1変動入賞装置42又は第2変動入賞装置45の開閉回数である。本発明の実施の形態では、2R、10R及び15Rが設定されている。
「終了後の確率報知」は、特別遊技状態終了後、特図変動表示ゲームの当選確率を遊技者に報知する態様を示している。例えば、高確率状態であるか否かを明瞭に報知する「確率明瞭」や明瞭に報知しない「確率曖昧」などが設定される。
「時短回数」は、特定遊技状態における普電サポートが行われる回数を示している。すなわち、特別遊技状態が終了した後、特定遊技状態において、特図変動表示ゲームが「時短回数」分実行されるまでの間、普電サポートが行われる。本発明の実施の形態の時短回数には、50〜100回が設定されている。
「開放時間」は、特別遊技状態における1ラウンドの間で大入賞口が開放される時間である。大当りが発生し、ラウンド数が10R又は15Rの場合には、1ラウンド当り24秒間開放される。2Rの場合には、1ラウンド当り6秒間開放される。また、小当りの場合には、1秒間の開放が2回行われる。
「開放AT」は、開放される大入賞口を示している。本発明の実施の形態における遊技機1では、それぞれ大入賞口を備えた第1変動入賞装置42及び第2変動入賞装置45を配設されており、10R大当り又は15R大当りの場合には、第1変動入賞装置42の大入賞口が開放される。一方、2R大当り又は小当りの場合には、第2変動入賞装置45の大入賞口が開放される。
「割合」は、大当りが発生した場合に、各図柄番号が選択される割合である。
(A)に示した特図1の停止図柄情報テーブルと(B)に示した特図2の停止図柄情報テーブルとを比較すると、ラウンド振り分けの面で特図2の場合が優遇(遊技者に有利に設定)されているとともに、大当り終了後の確率報知についても特図2が優遇されている。
なお、本発明の実施の形態では、高確率状態であるか否か、又は、普電サポートの有無などによって、大当り図柄乱数の範囲が相違し、状態ごとに大当り停止図柄情報テーブルが用意されている。
次に、前述した特図1(2)変動開始処理(図38、図39)における変動パターン設定処理(S3812、S3912)の詳細について説明する。図43は、本発明の実施の形態の変動パターン設定処理の手順を示すフローチャートである。変動パターン設定処理では、遊技状態に基づいて詳細な変動パターンを決定する。
遊技制御装置500は、まず、遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(S4301)。遊技状態が高確率状態である場合には(S4301の結果が「Y」)、明瞭移行フラグが設定されているか否かを判定する(S4302)。明瞭移行フラグは、大当り終了後に、確率状態を明瞭に報知する場合に設定される。
次に、遊技制御装置500は、高確率時の選択テーブル振り分けテーブル1を設定する(S4303)。選択テーブル振り分けテーブルは、変動パターンを決定する乱数に基づいてリーチ系統などが定義されたパターン選択テーブルを選択するためのテーブルである。
遊技制御装置500は、明瞭移行フラグが設定されているか否かを判定する(S4304)。明瞭移行フラグが設定されている場合には(S4304の結果が「Y」)、高確率時の選択テーブル振り分けテーブル2を再設定する(S4305)。したがって、大当り終了後に確率状態を明瞭に報知する場合には高確率時の選択テーブル振り分けテーブル2が設定され、確率状態を明瞭に報知しない場合には高確率時の選択テーブル振り分けテーブル1が設定される。なお、高確率時の選択テーブル振り分けテーブルの詳細については、図45にて後述する。
一方、遊技制御装置500は、遊技状態が高確率状態でない場合には(S4301の結果が「N」)、低確率時の選択テーブル振り分けテーブルを設定する(S4306)。なお、低確率時の選択テーブル振り分けテーブルの詳細については、図44にて後述する。
遊技制御装置500は、選択テーブル振り分けテーブルの設定が完了すると、パターン選択テーブルを選択するために必要な各種情報を取得する(S4307)。パターン選択テーブルを選択するために必要な各種情報には、図柄情報、転落変動フラグ、確率報知モード情報、電サポ状態、合計保留数、前回大当りからの回転数が含まれる。
遊技制御装置500は、S4307の処理で取得された各種情報に基づいて、選択テーブル振り分けテーブルから選択テーブルを取得し、設定する(S4308)。なお、選択テーブルの具体例については、図46から図50に示す。さらに、変動パターン乱数1及び変動パターン乱数2に基づいて、パターン選択ポインタを算出する(S4309)。パターン選択ポインタは、選択テーブルから取得するレコードを特定するポインタである。
遊技制御装置500は、S4308の処理で設定された選択テーブルと、S4309の処理で算出されたパターン選択ポインタに対応する後半変動番号を取得する(S4310)。
そして、遊技制御装置500は、取得された後半変動番号で確率報知モード変更条件が成立するか否かをチェックし(S4311)、確率報知モード変更条件が成立するか否かを判定する(S4312)。
遊技制御装置500は、確率報知モード変更条件が成立する場合には(S4312の結果が「Y」)、報知モード領域に図柄情報に対応する確率報知モード情報をセーブする(S4313)。確率報知モード変更条件が成立しない場合には(S4312の結果が「N」)、報知モード領域に図柄情報に対応する確率報知モード情報をセーブせずにS4314以降の処理を実行する。
さらに、遊技制御装置500は、取得された後半変動番号で確率明瞭条件が成立するか否かをチェックし(S4314)、確率明瞭条件が成立するか否かを判定する(S4315)。
遊技制御装置500は、確率明瞭条件が成立する場合には(S4315の結果が「Y」)、明瞭移行フラグをセットする(S4316)。確率明瞭条件が成立しない場合には(S4315の結果が「N」)、明瞭移行フラグをセットせずに、S4317以降の処理を実行する。
続いて、遊技制御装置500は、前半変動パターン選択テーブルを設定する(S4317)。そして、変動パターン乱数3をパターン選択ポインタに設定し(S4318)、設定された前半変動パターン選択テーブルから前半変動番号を取得する(S4319)。
その後、遊技制御装置500は、取得した前半変動番号及び後半変動番号をセーブする(S4320)。さらに、変動パターン乱数1〜3を格納している乱数セーブ領域を0クリアする(S4321)。最後に、転落変動フラグをクリアして(S4322)、変動パターン設定処理を終了する。
図44は、本発明の実施の形態の確率状態が低確率状態の場合の選択テーブル振り分けテーブルの一例を示す図である。
選択テーブル振り分けテーブルには、図柄情報、転落当選、確率報知、電サポ(普電サポート)、保留数、回転数、及び選択テーブルの項目が含まれる。選択テーブル振り分けテーブルは、図柄情報、転落当選、確率報知、電サポ(普電サポート)、保留数、回転数に基づいて、選択テーブルを特定するためのテーブルである。
図柄情報には、「はずれ」「2R大当り」「10R大当り」「15R大当り」「小当り」が設定される。転落当選及び電サポには「あり」「なし」が設定される。なお、図柄情報には番号が対応付けられており、停止図柄情報テーブルのように、図柄情報を番号で設定するようにしてもよい。また、図柄情報と図柄情報に対応する番号とは必ずしも1対1に対応せず、「15R大当り」に複数の番号が対応してもよい。例えば、確率報知が「明瞭」か「曖昧」かによって別の番号が割り当てられる。
確率報知には、「明瞭」又は「曖昧」が設定される。保留数は、保留記憶の数である。回転数は、前回大当りが発生してから実行された特図変動表示ゲームの回数である。
例えば、図柄情報が「はずれ」、転落当選が「なし」、確率報知が「明瞭」、普電サポート「なし」、保留数が「1〜2」の場合には、はずれテーブル1(図46(A))が選択される。また、図柄情報が「2R大当り」の場合には、無条件で2R大当りテーブル(図49)が選択される。
図柄情報が「はずれ」、転落当選が「あり」、確率報知が「曖昧」、普電サポート「あり」の場合には、大当り発生からの特図変動表示ゲームの実行回数に応じて選択テーブルが決定される。具体的には、回転数が「0〜10」の場合、すなわち、大当りが発生してからすぐに転落抽選に当選した場合には、転落演出テーブル1(図48(A))が選択される。この場合には、大当りが発生してからすぐに転落抽選に当選して低確率状態に移行してしまうため、変動時間の長い疑似連続リーチ(擬似連変動パターン)が発生する割合が高くなるように設定された転落演出テーブル1が選択される。
したがって、本発明の実施の形態では、転落抽選に当選し、大当り抽選の当選確率が高確率に設定されている可能性のある期間に実行された変動表示ゲームの実行回数が少ない場合には、疑似連続リーチを発生させる確率を高くすることによって、見た目上の変動表示の回数を増やして転落抽選にともなう遊技者の喪失感を軽減させている。
一方、大当りが発生してから50回以上特図変動表示ゲームが実行された場合には、疑似連続リーチが発生する割合が低く設定された転落演出テーブル3(図48(C))が選択される。転落したことが報知されていない状態での遊技を少なくとも所定回数(50回)以上実行しているため、転落抽選にともなう遊技者の喪失感が少ないと考えられるためである。
図45は、本発明の実施の形態の確率状態が高確率状態の場合の選択テーブル振り分けテーブルの一例を示す図である。(A)は明瞭移行フラグが設定されていない場合であり、(B)は明瞭移行フラグが設定されている場合である。選択テーブル振り分けテーブルの構成は、確率状態が低確率状態の場合と同じである。
明瞭移行フラグが設定されると確率報知が遊技者に明確に報知されるため、高確率時選択テーブル振り分けテーブルでは、確率報知には「明瞭」のみが設定されている。
図柄情報が「はずれ」、転落抽選が「あり」、確率報知が「曖昧」、普電サポート「あり」の場合には、確率状態が低確率状態の場合と同様に、大当り発生からの特図変動表示ゲームの実行回数に応じて選択テーブルが決定される。
このように、転落抽選に当選し、大当り抽選の当選確率が高確率に設定されている期間に実行された変動表示ゲームの実行回数が少ない場合には、疑似連続リーチを発生させる確率を高くすることによって、見た目上の変動表示の回数を増やして転落抽選にともなう遊技者の喪失感を軽減することができる。
また、図柄情報が「はずれ」、転落抽選が「あり」、確率報知が「明瞭」、普電サポート「あり」、保留数「1〜2」の場合には、転落曖昧演出テーブル(図53)が選択される。転落曖昧演出テーブルでは、転落抽選に当選しているため低確率状態に移行するが、明確に転落したことを報知する演出、又は、転落したか否かを曖昧に報知する演出が実行されるように設定されている。
なお、図44に示すように、確率状態が低確率状態の場合であっても転落演出テーブルが選択され、転落演出が実行されることがあるが、確率報知が「曖昧」の場合に選択され、遊技者には(もともと低確率状態であったが)転落演出実行時に低確率状態に移行したと認識される。
続いて、図46から図53を参照しながら、図44又は図45の選択テーブル振り分けテーブルに基づいて選択された変動パターン(演出内容)を決定するためのテーブルについて説明する。
図46から図53は、本発明の実施の形態の変動パターン(演出内容)選択テーブルの一例を示す図である。
図46は、図柄情報が「はずれ」、かつ、確率報知が「明瞭」の場合に変動パターン(演出内容)を選択するためのテーブル(はずれテーブル)である。(A)は「はずれテーブル1」、(B)は「はずれテーブル2」、(C)は「はずれテーブル3」、(D)は「はずれテーブル4」である。また、はずれテーブル1〜4は、低確率状態及び高確率状態共通で使用される。
はずれテーブル1〜4では、選択されるリーチ系統の種類及び各リーチ系統の選択確率が同じになるように設定されている一方、変動時間が相違するように構成されている。
はずれテーブルには、リーチ系統として、「リーチなし」「ノーマルリーチ」「SP1リーチ」「疑似2連リーチ」「疑似3連リーチ」「SP2リーチ」「SP3リーチ」が設定されている。はずれテーブルは、変動表示ゲームの結果が「はずれ」の場合に選択されるため、「リーチなし」が選択される可能性が高くなるように設定されている。
「SP1リーチ」「SP2リーチ」「SP3リーチ」はノーマルリーチよりも大当りとなる確率(信頼度)が高く設定されているリーチである。また、「SP2リーチ」の変動時間は「SP1リーチ」の2倍の時間が設定されており、「SP3リーチ」の変動時間は「SP1リーチ」の3倍の時間が設定されている。
「疑似2連リーチ」「疑似3連リーチ」は、保留記憶を1個消費して擬似的に変動表示を2回又は3回行うリーチである。具体的には、変動表示が開始された後、(仮)停止及び再変動を繰り返す。「疑似2連リーチ」「疑似3連リーチ」については、ノーマルリーチよりも信頼度が高くなるようにしてもよいし、最後の変動表示の演出内容に基づいて設定されるようにしてもよい。
はずれテーブル1は、保留数が少なく(1〜2)、かつ、普電サポートのない場合に選択されるテーブルである。保留数が少ないため、他のはずれテーブルよりも変動時間が長くなるように設定されている。
はずれテーブル3は、保留数が少なく(1〜2)、かつ、普電サポートがある場合に選択されるテーブルである。保留数が少ないが普電サポートがあるため、普電サポートのない場合よりも始動記憶が増加しやすい。そのため、はずれテーブル1よりも変動時間が短くなるように設定されている。
はずれテーブル2は、保留数が比較的多く(3〜8)、かつ、普電サポートのない場合に選択されるテーブルである。保留数が多いため、はずれテーブル1及び3よりも変動時間が短くなるように設定されている。
はずれテーブル4は、保留数が比較的多く(3〜8)、かつ、普電サポートがある場合に選択されるテーブルである。他のはずれテーブルよりも変動時間が短くなるように設定されている。
図47は、図柄情報が「はずれ」、確率状態が低確率、確率報知が「曖昧」、かつ、普電サポートが「あり」の場合に変動パターン(演出内容)を選択するためのテーブル(低確曖昧テーブル)である。(A)は「低確曖昧テーブル1」、(B)は「低確曖昧テーブル2」である。
低確曖昧テーブルでは、はずれテーブルと同様に、選択されるリーチ系統の種類及び各リーチ系統の選択確率が同じになるように設定されている一方、変動時間が相違するように構成されている。低確曖昧テーブル1は保留数が少ない(1〜2)場合、低確曖昧テーブル2は保留数が多い(3〜8)場合であり、はずれテーブルの場合と同様に、保留数が少ない場合に変動時間が長くなるように設定されている。
また、低確曖昧テーブルには、リーチ系統として、「リーチなし」「ノーマルリーチ」「転落演出リーチ」が設定されている。低確曖昧テーブルは、変動表示ゲームの結果が「はずれ」の場合に選択されるため、「リーチなし」が選択される可能性が高くなるように設定されている。
「転落演出リーチ」は、高確率状態から低確率状態に移行(転落)することを報知する(低確率状態であることを明らかにする)リーチである。低確曖昧テーブルが選択される場合には、もともと低確率状態であるため、実際には転落しないが、確率報知が曖昧な状態であるため、遊技者は転落演出リーチが発生したことで現在の確率状態が低確率になったことを認識することができる。「転落演出リーチ」は、10%の確率で発生する。
図48は、図柄情報が「はずれ」、転落当選が「あり」、確率報知が「曖昧」、かつ、普電サポートが「あり」の場合に変動パターン(演出内容)を選択するためのテーブル(転落演出テーブル)である。(A)は「転落演出テーブル1」、(B)は「転落演出テーブル2」、(C)は「転落演出テーブル3」である。
転落演出テーブルでは、選択されるリーチ系統の種類及び各リーチ系統の変動時間が同じになるように設定されている一方、各リーチ系統の選択確率が相違するように構成されている。リーチ系統の選択確率は、大当りが発生してからの変動表示ゲームの実行回数(回転数)に基づいており、回転数が多いほど変動時間が短いリーチ系統が選択されやすくなるように設定されている。
また、転落演出テーブルには、リーチ系統として、「転落演出リーチ」「転落疑似2連リーチ」「転落疑似3連リーチ」が設定され、いずれのリーチが選択された場合であっても転落が報知される。「転落疑似2連リーチ」「転落疑似3連リーチ」は転落を報知する疑似連続リーチである。
図49は、図柄情報が「2R大当り」の場合に変動パターン(演出内容)を選択するためのテーブル(2R大当りテーブル)である。
2R大当りテーブルには、リーチ系統として、「チャンスゲーム変動1」「チャンスゲーム変動2」が設定される。チャンスゲーム変動は、通常の変動表示ゲームにおける識別図柄の他に、入賞タイミングを報知する識別図柄が追加される。詳細については、図90にて具体的に説明する。
図50は、図柄情報が「10R大当り」又は「15R大当り」の場合に変動パターン(演出内容)を選択するためのテーブル(大当りテーブル)である。(A)は「通常大当りテーブル」、(B)は「特殊大当りテーブル」である。
通常大当りテーブルは、転落当選が「なし」の場合に選択される。一方、特殊大当りテーブルは、転落当選が「あり」の場合に選択され、転落抽選に当選して低確率状態になってから大当りが発生することによって再び高確率状態に移行する場合に選択される。
通常大当りテーブルは、はずれテーブルのリーチ系統から「リーチなし」の代わりに「疑似4連リーチ」が設定された構成となっている。通常大当りテーブルは、変動表示ゲームの結果が「10R大当り」又は「15R大当り」の場合に選択されるため、スペシャル(SP)リーチや疑似連続リーチが選択される可能性が高くなるように設定されている。
特殊大当りテーブルは、「転落復活リーチ1」及び「転落復活リーチ2」が設定されている。転落復活リーチは、一旦、転落演出を実行してから大当りを発生(復活)させる演出が実行される。したがって、遊技者を一旦落胆させてから大当りを発生させるため、遊技者に驚きを与え、興趣を高めることができる。
図51は、図柄情報が「小当り」の場合に変動パターン(演出内容)を選択するためのテーブル(小当りテーブル)である。(A)は「チャンス小当りテーブル」、(B)は「高確小当りテーブル」、(C)は「曖昧小当りテーブル」、(D)は「転落小当りテーブル」である。
チャンス小当りテーブルは、確率状態が低確率、確率報知が「明瞭」の場合、及び、確率状態が高確率、転落当選が「なし」、確率報知が「明瞭」の場合に選択される。チャンス小当りテーブルには、図49に示した2R大当りテーブルと同じ構成となっている。
高確小当りテーブルは、確率状態が高確率、転落当選が「なし」、確率報知が「曖昧」の場合に選択される。高確小当りテーブルは、「高確小当りリーチ」、「高確疑似2連リーチ」及び「高確疑似3連リーチ」が設定されている。高確小当りテーブルが選択された場合には、いずれのリーチが選択された場合であっても高確率であることが報知される。
曖昧小当りテーブルは、確率状態が高確率、転落当選が「あり」、確率報知が「明瞭」の場合に選択される。曖昧小当りテーブルは、「曖昧移行リーチ」、「曖昧疑似2連リーチ」及び「曖昧疑似3連リーチ」が設定されている。曖昧小当りテーブルが選択された場合には、いずれのリーチが選択された場合であっても確率状態の報知が曖昧な状態に移行される。
転落小当りテーブルは、確率報知が「曖昧」、かつ、転落当選が「あり」の場合、又は、確率状態が高確率、確率報知が「明瞭」、転落当選が「あり」、かつ、明瞭移行フラグが設定されている場合に選択される。転落小当りテーブルは、「転落演出リーチ」、「転落疑似2連リーチ」及び「転落疑似3連リーチ」が設定されている。曖昧小当りテーブルが選択された場合には、いずれのリーチが選択された場合であっても確率状態が転落したことが報知される。
図52は、確率状態が高確率、図柄情報が「はずれ」、転落当選が「なし」、確率報知が「明瞭」、かつ、明瞭移行フラグが設定されていない場合に変動パターン(演出内容)を選択するためのテーブル(高確明瞭テーブル)である。(A)は「高確明瞭テーブル1」、(B)は「高確明瞭テーブル2」である。
各高確明瞭テーブルは、選択されるリーチ系統の種類及び各リーチ系統の選択確率が同じになるように設定されている一方、変動時間が相違するように構成されている。高確明瞭テーブル1は保留数が少ない(1〜2)場合、高確明瞭テーブル2は保留数が多い(3〜8)場合であり、保留数が少ない場合に変動時間が長くなるように設定されている。
高確明瞭テーブルには、リーチ系統として、「リーチなし」「ノーマルリーチ」「SP1リーチ」「曖昧疑似2連リーチ」「曖昧疑似3連リーチ」が設定されている。高確明瞭テーブルは、変動表示ゲームの結果が「はずれ」の場合に選択されるため、「リーチなし」が選択される可能性が高くなるように設定されている。また、「曖昧疑似2連リーチ」又は「曖昧疑似3連リーチ」が選択される場合には確率報知が「明瞭」から「曖昧」に移行する。図52を参照すると、5%の確率で確率報知が「明瞭」から「曖昧」に移行することがわかる。
図53は、確率状態が高確率、図柄情報が「はずれ」、転落当選が「なし」、確率報知が「曖昧」、かつ、明瞭移行フラグが設定されていない場合に変動パターン(演出内容)を選択するためのテーブル(高確曖昧テーブル)である。(A)は「高確曖昧テーブル1」、(B)は「高確曖昧テーブル2」である。
各高確曖昧テーブルは、選択されるリーチ系統の種類及び各リーチ系統の選択確率が同じになるように設定されている一方、変動時間が相違するように構成されている。高確曖昧テーブル1は保留数が少ない(1〜2)場合、高確曖昧テーブル2は保留数が多い(3〜8)場合であり、保留数が少ない場合に変動時間が長くなるように設定されている。
高確曖昧テーブルには、リーチ系統として、「リーチなし」「ノーマルリーチ」「SP1リーチ」「高確疑似2連リーチ」「高確疑似3連リーチ」が設定されている。高確曖昧テーブルは、変動表示ゲームの結果が「はずれ」の場合に選択されるため、「リーチなし」が選択される可能性が高くなるように設定されている。また、「曖昧疑似2連リーチ」又は「曖昧疑似3連リーチ」が選択される場合には確率報知が「曖昧」から「明確」に移行する。図53を参照すると、5%の確率で確率報知が「曖昧」から「明確」に移行することがわかる。
図54は、確率状態が高確率、図柄情報が「はずれ」、転落当選が「あり」、確率報知が「明瞭」、かつ、明瞭移行フラグが設定されていない場合に変動パターン(演出内容)を選択するためのテーブル(転落曖昧テーブル)である。
高確曖昧テーブルには、リーチ系統として、「転落演出リーチ」「曖昧移行リーチ」が設定されている。「転落演出リーチ」が実行されると低確率に転落したことが報知される。一方、「曖昧移行リーチ」は、確率状態が低確率になったことを明確に報知せずに曖昧な状態にする。「転落演出リーチ」及び「曖昧移行リーチ」はそれぞれほぼ50%の確率で選択される。
以上のように、本発明の実施の形態では、遊技状態などに応じて変動パターンを選択するためバリエーションに富んだ演出を実行することができる。また、これまでに説明した選択テーブル振り分けテーブル及び選択テーブルは一例であり、選択テーブルを選択する組合せを他のものにしてもよい。曖昧小当りテーブルを選択する代わりに転落曖昧演出テーブルを選択するようにしてもよい。
次に、前述した特図1(2)変動開始処理(図38、39)における変動開始情報設定処理(S3813、S3913)の詳細について説明する。図55は、本発明の実施の形態の変動開始情報設定処理の手順を示すフローチャートである。変動開始情報設定処理では、決定された変動パターンに基づいて、時間値の設定などの処理を実行する。
遊技制御装置500は、まず、飾り特図コマンド領域から飾り特図コマンドをロードし(S5501)、飾り特図コマンドを送信バッファに設定するためにコマンド設定処理を実行する(S5502)。
続いて、遊技制御装置500は、前半変動時間値テーブルを設定し(S5503)、変動パターン設定処理(図43)のS4319の処理で取得された前半変動番号に対応する前半変動時間値を取得する(S5504)。
同様に、遊技制御装置500は、後半変動時間値テーブルを設定し(S5505)、変動パターン設定処理(図43)のS4310の処理で取得された後半変動番号に対応する後半変動時間値を取得する(S5506)。
そして、遊技制御装置500は、S5504の処理で取得された前半変動時間値と、S5506の処理で取得された後半変動時間値とを加算し(S5507)、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S5508)。
さらに、遊技制御装置500は、演出制御装置550に変動パターンコマンドを送信する処理を実行する。具体的には、まず、前半変動番号に対応する変動パターンコマンドのMODE部をセットする(S5509)。さらに、後半変動番号に対応する変動パターンコマンドのACTION部をセットし(S5510)、変動パターンコマンドを送信バッファに設定するためにコマンド設定処理を実行する(S5511)。
続いて、遊技制御装置500は、演出制御装置550に特図保留数コマンドを送信する処理を実行する。具体的には、まず、変動図柄判別フラグに対応する特図保留数コマンドのMODE部をセットする(S5512)。変動図柄判別フラグに対応する特図保留数から1減算して更新する(S5513)。さらに、特図保留数に対応する特図保留数コマンドのACTION部をセットし(S5514)、特図保留数コマンドを送信バッファに設定するためにコマンド設定処理を実行する(S5515)。
最後に、遊技制御装置500は、変動図柄判別フラグに対応する乱数セーブ領域をシフトし(S5516)、シフト後の空き領域をクリアする(S5517)。その後、変動開始情報設定処理を終了する。
次に、前述した特図ゲーム処理における特図変動中処理(S2811)の詳細について説明する。図56は、本発明の実施の形態の特図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、図柄情報がはずれ図柄情報であるか否かをチェックする(S5601、S5602)。図柄情報がはずれ図柄情報の場合には(S5602の結果が「Y」)、後半変動番号がリーチなしの番号であるか否かをチェックする(S5603、S5604)。
遊技制御装置500は、後半変動番号がリーチなしの番号であった場合には(S5604の結果が「Y」)、はずれ時の特図表示時間ポインタを設定する(S5605)。一方、後半変動番号がリーチなしの番号でなかった場合には(S5604の結果が「N」)、はずれリーチ時の特図表示時間ポインタを設定する(S5606)。また、図柄情報がはずれ図柄情報でなかった場合には(S5602の結果が「N」)、大当り時/小当り時の特図表示時間ポインタを設定する(S5607)。
特図表示時間ポインタが設定されると、遊技制御装置500は、特図表示時間テーブルを設定する(S5608)。そして、設定された特図表示時間ポインタに対応する停止時間を特図表示時間として特図表示時間テーブルから取得する(S5609)。さらに、特図表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(S5610)。最後に、特図表示中処理移行設定処理を実行し(S5611)、特図変動中処理を終了する。
次に、前述した特図ゲーム処理における特図表示中処理(S2812)の詳細について説明する。図57Aは、本発明の実施の形態の特図表示中処理の前半部の手順を示すフローチャートである。図57Bは、本発明の実施の形態の特図表示中処理の後半部の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置500は、まず、小当りが発生する場合に、小当りフラグ1領域に設定される小当りフラグ1(特図1)、及び、小当りフラグ2領域に設定されている小当りフラグ2(特図2)をロードする(S5701)。その後、小当りフラグ1領域及び小当りフラグ2領域をクリアする(S5702)。
次に、遊技制御装置500は、大当りが発生する場合に、大当りフラグ1領域に設定される大当りフラグ1(特図1)、及び、大当りフラグ2領域に設定されている大当りフラグ2(特図2)をロードする(S5703)。その後、大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする(S5704)。
次に、遊技制御装置500は、ロードされた大当りフラグ2をチェックし(S5705)、大当りであるか否かを判定する(S5706)。そして、大当りと判定された場合には(S5706の結果が「Y」)、特図2変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)に関する試験信号を試験信号出力データ領域にセーブする(S5710)。
一方、遊技制御装置500は、大当りフラグ2をチェックして大当りでないと判定された場合には(S5706の結果が「N」)、大当りフラグ1をチェックし(S5707)、大当りであるか否かを判定する(S5708)。そして、大当りと判定された場合には(S5708の結果が「Y」)、特図1変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)に関する試験信号を試験信号出力データ領域にセーブする(S5709)。
そして、遊技制御装置500は、特図1大当りに関する試験信号をセーブする処理(S5709)、又は、特図2大当りに関する試験信号をセーブする処理(S5710)が完了すると、ラウンド数上限値テーブルを設定する(S5711)。
次に、遊技制御装置500は、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンド数上限値を取得し、当該ラウンド数上限値をラウンド数上限値領域にセーブする(S5712)。続いて、ラウンド数上限値判定フラグに対応するラウンドLEDポインタを取得し、当該ラウンドLEDポイントをラウンドLEDポインタ領域にセーブする(S5713)。
次に、遊技制御装置500は、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの当選確率を通常状態(低確率状態)とする情報に対応する確率情報コマンドを準備し(S5714)、コマンド設定処理を実行する(S5715)。
続いて、遊技制御装置500は、実行中の特図変動表示ゲームの停止図柄を示す図柄情報に対応するファンファーレコマンドを準備し(S5716)、コマンド設定処理を実行する(S5717)。出力されるファンファーレは、大当りの種類(例えば、15R確変大当りと2R確変大当り)によって異なるため、対応するファンファーレコマンドを演出制御装置550に送信するように設定する。
その後、遊技制御装置500は、表示装置48で表示される飾り特図変動表示ゲームの停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域からロードして準備し(S5718)、当該飾り特図コマンドに対するコマンド設定処理を実行する(S5719)。
次に、遊技制御装置500は、大入賞口開放情報をロードし、当該大入賞口開放情報に対応する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(S5720)。
続いて、遊技制御装置500は、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率の状態に対応する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(S5721)。さらに、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定し(S5722)、当該大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマにセーブする(S5723)。
その後、遊技制御装置500は、大入賞口への不正入賞数をリセットし(S5724)、大入賞口不正監視期間フラグに不正監視期間外フラグをセーブする(S5725)。
そして、遊技制御装置500は、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理を実行し(S5726)、特図表示中処理を終了する。ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理では、ファンファーレ/インターバル中処理に対応する処理番号「3」を設定したり、各種状態を示す情報を設定したりする。
ここで、各種状態を示す情報としては、例えば、外部情報端子に出力用の遊技状態が特別遊技状態(大当り状態)であることを示す信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常状態(低確率状態)であることを示す試験信号、大入賞口不正監視期間における大入賞口への入賞数のクリアに係る情報、特別遊技状態のラウンド数のクリアに係る情報、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LEDを消灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常状態とする情報、停電復旧時に点灯した高確率状態の表示に係る遊技状態表示LEDを消灯させる情報、特図変動表示ゲームの制御用の情報(例えば、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常状態とする情報や、停電復旧時に演出制御装置550に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常状態であることを示す情報や、大当り後の残り時間短縮変動回数のクリアに係る情報など)等が挙げられる。
一方、遊技制御装置500は、大当りフラグ1をチェックして大当りでないと判定された場合には(S5708の結果が「N」)、変動回数更新処理を実行する(図57BのS5727)。変動回数更新処理は、変動回数を更新したり、普電サポートの終了などをチェックし、必要な情報を設定したりする処理である。なお、変動回数更新処理の詳細については図58にて後述する。
次に、遊技制御装置500は、ロードされた小当りフラグ1をチェックし(S5728)、小当りであるか否かを判定する(S5729)。そして、小当りでないと判定された場合には(S5729の結果が「N」)、小当りフラグ2をチェックし(S5730)、小当りであるか否かを判定する(S5731)。そして、小当りと判定されなかった場合には(S5731の結果が「Y」)、特図変動表示ゲームの結果がはずれなので、特図表示中処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、小当りフラグ1又は小当りフラグ2に小当りが設定されている場合には(S5729の結果が「Y」又はS5731の結果が「Y」)小当り用のファンファーレコマンドを準備し(S5732)、コマンド設定処理を実行する(S5733)。
さらに、遊技制御装置500は、表示装置48で表示される飾り特図変動表示ゲームの停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドを飾り特図コマンド領域からロードして準備し(S5734)、当該飾り特図コマンドに対するコマンド設定処理を実行する(S5735)。
次に、遊技制御装置500は、小当り大入賞口開放情報をロードし、当該小当り大入賞口開放情報が特図1小当り開放情報であるか否かをチェックし(S5736)、小当り大入賞口開放情報が特図1小当り開放情報であるか否かを判定する(S5737)。小当り大入賞口開放情報が特図1小当り開放情報である場合には(S5737の結果が「Y」)、小当りファンファーレ中処理移行設定処理1を実行する(S5738)。小当り大入賞口開放情報が特図1小当り開放情報でない場合には(S5737の結果が「Y」)、特図2小当り開放情報であるので、小当りファンファーレ中処理移行設定処理2を実行する(S5739)。
次に、遊技制御装置500は、小当りファンファーレ中処理移行設定処理の実行が完了すると、特図表示中処理を終了する。小当りファンファーレ中処理移行設定処理は、小当りファンファーレ中処理に対応する処理番号「7」を設定したり、S5726のファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理と同様に各種状態を示す情報を設定したりする。
次に、前述した特図表示中処理における変動回数更新処理(S5727)の詳細について説明する。図58は、本発明の実施の形態の変動回数更新処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、大当りが発生しない場合に実行される処理であり、最後に大当りが発生してから変動表示ゲームが実行された回数を計数し、時短状態の終了などを判定する。
遊技制御装置500は、まず、前回大当りからの既変動回数を1加算して更新する(S5801)。続いて、普図ゲームモードフラグ領域に格納されたフラグをチェックし(S5802)、現在の遊技状態が時短状態(普電サポート中)であるか否かを判定する(S5803)。
遊技制御装置500は、時短状態である場合には(S5803の結果が「Y」)、時短回数を1減算し、更新する(S5804)。さらに、時短回数が0か否かを判定する(S5805)。
遊技制御装置500は、時短回数が0の場合、すなわち、時短状態が終了する場合には(S5805の結果が「Y」)、確率報知を「明瞭」に設定する確率報知コマンドを報知モード領域にセーブする(S5806)。そして、確率報知コマンドを送信バッファに設定するためにコマンド設定処理を実行する(S5807)。したがって、時短状態が終了すると、必ず確率明瞭状態に移行する。
続いて、遊技制御装置500は、現在の確率情報を取得する(S5808)。そして、現在の確率状態が低確率(通常状態)であるか否かを判定する(S5809)。
遊技制御装置500は、現在の確率状態が低確率(通常状態)である場合、すなわち、既に転落している状態で時短状態が終了する場合には(S5809の結果が「Y」)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号「0」を設定する(S5810)。
さらに、遊技制御装置500は、時短の終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(S5811)。さらに、時短の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(S5812)。
続いて、遊技制御装置500は、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確/サポ無しフラグをセーブする(S5813)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に低確/通常フラグをセーブする(S5814)。
遊技制御装置500は、停電復旧時送信コマンド領域に低確率、かつ、「普電サポートなし」を設定する確率情報コマンドをセーブする(S5815)。そして、確率情報コマンドを送信バッファに設定するためにコマンド設定処理を実行する(S5816)。最後に、変動図柄判別フラグ領域をリセットし(S5817)、変動回数更新処理を終了する。
また、遊技制御装置500は、現在の確率状態が低確率(通常状態)でない場合、すなわち、時短回数を超えても転落抽選に当選しない場合には(S5809の結果が「N」)、時短継続フラグを設定する(S5822)。さらに、特図ゲーム処理番号領域に処理番号「0」を設定し(S5823)、変動図柄判別フラグ領域をリセットする(S5824)。最後に、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグ(大入賞口不正監視情報)を設定する(S5825)。その後、変動回数更新処理を終了する。
一方、遊技制御装置500は、時短状態でない場合(S5803の結果が「Y」)、又は、時短回数が0でない場合、すなわち、時短状態が継続する場合には(S5805の結果が「N」)、実行した変動パターンが確率報知モードを変更する変更変動パターンであるか否かをチェックし(S5818)、変更変動パターンであるか否かを判定する(S5819)。
遊技制御装置500は、実行した変動パターンが変更変動パターンである場合には(S5819の結果が「Y」)、変動パターンに対応する確率報知コマンドを報知モード領域にセーブする(S5820)。そして、確率報知コマンドを送信バッファに設定するためにコマンド設定処理を実行する(S5821)。
一方、遊技制御装置500は、実行した変動パターンが変更変動パターンでない場合には(S5819の結果が「N」)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号「0」を設定する(S5823)。さらに、変動図柄判別フラグ領域をリセットし(S5824)、最後に、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグ(大入賞口不正監視情報)を設定する(S5825)。その後、変動回数更新処理を終了する。
次に、前述した特図ゲーム処理における大当り終了処理(S2816)の詳細について説明する。図59は、本発明の実施の形態の大当り終了処理の手順を示すフローチャートである。大当り終了処理は、大当り状態終了後の遊技状態の設定などを行う。
遊技制御装置500は、まず、高確率状態の開始に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(S5901)。さらに、高確率状態の開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(S5902)。また、遊技状態表示番号表示領域に確変サポ有り状態2の番号を表示させるために、遊技状態表示番号領域に高確率時の番号をセーブする(S5903)。
遊技制御装置500は、普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグをセーブする(S5904)。さらに、特図ゲームモードフラグ領域に高確率/時短フラグをセーブし(S5905)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率/時短)をセーブする(S5906)。さらに、確率情報コマンドを送信バッファに設定するためにコマンド設定処理を実行する(S5907)。
遊技制御装置500は、大当り時に図柄情報をロードする(S5908)。そして、ロードされた図柄情報に対応する時短回数の初期値を時短回数領域にセーブする(S5909)。さらに、図柄情報に応じた確率報知コマンドを報知モード領域にセーブし(S5910)、確率報知コマンドを送信バッファに設定するためにコマンド設定処理を実行する(S5911)。
遊技制御装置500は、既変動回数情報を0クリアし(S5912)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号「0」を設定する(S5913)。さらに、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(S5914)、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(S5915)。また、ラウンドLEDポインタ領域をリセットし(S5916)、最後に、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブする(S5917)。その後、大当り終了処理を終了する。
ここで、以上説明した処理によって、転落及び大当りが発生するパターンについて、図60及び図61を参照しながら説明する。
図60は、本発明の実施の形態の遊技機1における変動表示ゲームにおいて、大当りが終了してから転落抽選に当選する前に大当りが発生するパターンを説明する図である。
パターン(1)は、大当り終了後、高確率状態、時短状態(普電サポート有り)、かつ、確率報知が「明瞭」の状態で、(時短期間満了前に)大当りが発生する場合である。
パターン(2)は、大当り終了後、高確率状態、時短状態(普電サポート有り)、かつ、確率報知が「明瞭」の状態で時短期間が満了し、転落抽選に当選していないために、同じ状態が継続して大当りが発生する場合である。
パターン(3)は、大当り終了後、高確率状態、時短状態(普電サポート有り)、かつ、確率報知が「曖昧」の状態で時短期間が満了し、確率報知が「明瞭」に切り替えられ、転落抽選に当選する前に大当りが発生する場合である。
パターン(4)は、大当り終了後、高確率状態、時短状態(普電サポート有り)、かつ、確率報知が「明瞭」の状態で時短期間中に確率報知が「曖昧」に切り替えられ、さらに、時短期間満了時に確率報知が再度「明瞭」に切り替えられて、転落抽選に当選する前に大当りが発生する場合である。
パターン(5)は、大当り終了後、高確率状態、時短状態(普電サポート有り)、かつ、確率報知が「明瞭」の状態で時短期間中に確率報知が「曖昧」に切り替えられ、さらに、時短期間満了前に確率報知が再度「明瞭」に切り替えられ、時短期間満了後も同じ状態が継続して大当りが発生する場合である。
パターン(6)は、大当り終了後、高確率状態、時短状態(普電サポート有り)、かつ、確率報知が「曖昧」の状態で時短期間が満了する前に確率報知が「明瞭」に切り替えられ、時短期間満了後も同じ状態が継続して大当りが発生する場合である。
図61は、本発明の実施の形態の遊技機1における変動表示ゲームにおいて、大当りが終了してから再び大当りが発生する前に、転落抽選に当選するパターンを説明する図である。なお、前述のように、転落抽選に当選した場合であっても時短期間が満了するまでは普電サポートが継続する。
パターン(1)は、大当り終了後、高確率状態、時短状態(普電サポート有り)、かつ、確率報知が「明瞭」の状態で、転落抽選に当選して低確率状態に移行し、時短期間が満了するまで時短状態(普電サポート有り)が継続する場合である。
パターン(2)は、大当り終了後、高確率状態、時短状態(普電サポート有り)、かつ、確率報知が「明瞭」の状態で、転落抽選に当選して低確率状態、かつ、確率報知が「曖昧」の状態に移行し、時短期間が満了するまで時短状態(普電サポート有り)が継続する場合である。
パターン(3)は、大当り終了後、高確率状態、時短状態(普電サポート有り)、かつ、確率報知が「明瞭」の状態で、転落抽選に当選して低確率状態、かつ、確率報知が「曖昧」の状態に移行し、時短期間の満了前に確率報知が「明瞭」に切り替えられ、時短期間が満了するまで時短状態(普電サポート有り)が継続する場合である。
パターン(4)は、大当り終了後、高確率状態、時短状態(普電サポート有り)、かつ、確率報知が「曖昧」の状態で、転落抽選に当選して低確率状態、かつ、確率報知が「明瞭」の状態に移行し、時短期間が満了するまで時短状態(普電サポート有り)が継続する場合である。
パターン(5)は、大当り終了後、高確率状態、時短状態(普電サポート有り)、かつ、確率報知が「曖昧」の状態で、転落抽選に当選して低確率状態、かつ、確率報知が「曖昧」の状態に移行し、時短期間の満了前に確率報知が「明瞭」に切り替えられ、時短期間が満了するまで時短状態(普電サポート有り)が継続する場合である。
パターン(6)は、大当り終了後、高確率状態、時短状態(普電サポート有り)、かつ、確率報知が「明瞭」の状態で、確率報知が「曖昧」に切り替えられ、さらに、転落抽選に当選して低確率状態に移行し、時短期間が満了するまで時短状態(普電サポート有り)が継続する場合である。
パターン(7)は、大当り終了後、高確率状態、時短状態(普電サポート有り)、かつ、確率報知が「曖昧」の状態で、確率報知が「明瞭」に切り替えられ、さらに、転落抽選に当選して低確率状態に移行し、時短期間が満了するまで時短状態(普電サポート有り)が継続する場合である。
パターン(8)は、大当り終了後、高確率状態、時短状態(普電サポート有り)、かつ、確率報知が「明瞭」の状態で時短期間が満了し、同じ状態が継続している間に転落抽選に当選し、低確率状態、普電サポートなしの状態に移行する場合である。
パターン(9)は、大当り終了後、高確率状態、時短状態(普電サポート有り)、かつ、確率報知が「曖昧」の状態で時短期間が満了し、確率報知が「明瞭」になった後、転落抽選に当選し、低確率状態、普電サポートなしの状態に移行する場合である。
パターン(10)は、大当り終了後、高確率状態、時短状態(普電サポート有り)、かつ、確率報知が「明瞭」の状態で、確率報知が「曖昧」に切り替えられ、その後、時短期間が満了し、確率報知が「明瞭」になった後、転落抽選に当選し、低確率状態、普電サポートなしの状態に移行する場合である。
パターン(11)は、大当り終了後、高確率状態、時短状態(普電サポート有り)、かつ、確率報知が「明瞭」の状態で時短期間中に確率報知が「曖昧」に切り替えられ、さらに、時短期間満了前に確率報知が再度「明瞭」に切り替えられ、時短期間満了後も同じ状態が継続している間に転落抽選に当選し、低確率状態、普電サポートなしの状態に移行する場合である。
パターン(12)は、大当り終了後、高確率状態、時短状態(普電サポート有り)、かつ、確率報知が「曖昧」の状態で時短期間が満了する前に確率報知が「明瞭」に切り替えられ、時短期間満了後も同じ状態が継続している間に転落抽選に当選し、低確率状態、普電サポートなしの状態に移行する場合である。
以上が遊技制御装置500による処理の説明である。続いて、演出制御装置550による制御について具体的な処理を説明する。
次に、演出制御装置550によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図62は、本発明の実施の形態の演出制御装置550の主制御用マイコン(1stCPU)551によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
主制御用マイコン(1stCPU)551は、1stメイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(S6201)。次に作業領域であるRAM551aを0クリアする(S6202)。そしてCPU初期化処理を実行する(S6203)。その後、各種処理の実行に必要な初期値をRAM551aに設定し(S6204)、乱数初期化処理を実行する(S6205)。続いて所定のタイミング(例えば、1ミリ秒)で割込みを発生させるための各種割込みタイマを起動させる(S6206)。そして割込みを許可する(S6207)。割込みの発生タイミングで遊技制御装置500から送信されたコマンドを受信する。
主制御用マイコン551は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S6208)。WDTは、上述したCPU初期化処理(S6203)で起動され、CPUが正常に動作しているか否かを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPUがリセットされる。
そして、主制御用マイコン551は、遊技者による演出ボタン61の操作信号を検出し、検出した信号(入力情報)を生成する(S6209)。また遊技制御装置500から受信した遊技制御コマンドを解析して特定する遊技制御コマンド解析処理を実行する(S6210)。具体的には、割り込みで受信バッファにコマンドを正確に受信できたか否かを判定し、受信できた場合には、受信したコマンドをシーン制御処理などで利用するために区分けをする。
次に、主制御用マイコン551は、テストモード処理を実行する(S6211)。テストモード処理は、工場出荷時の検査の際に検査用のコマンドを受信してLEDの点灯等を検査する。したがって、テストモード処理は、工場出荷時にCPUを検査するときに実行される。なお、実際に表示や音声の出力、発光等の処理が必要な場合には、後述するサウンド制御処理(S6216)、装飾制御処理(S6217)、モータ/ソレノイド(SOL)制御処理(S6218)で処理される。
続いて、主制御用マイコン551は、遊技制御コマンド解析処理(S6210)において解析された制御コマンドに基づき、表示装置48に表示させるシーン(表示内容)を制御する1stシーン制御処理を実行する(S6212)。1stシーン制御処理では、遊技の進行にかかわるシーンを制御する。
さらに、主制御用マイコン551は、発生したリーチの実行回数(出現数)を遊技履歴情報として記憶する遊技履歴情報記憶処理を実行する(S6213)。遊技履歴情報記憶処理は、遊技中に実行された変動表示ゲームで発生したリーチの出現数や大当りの発生回数などを記憶する処理である。本発明の実施の形態では、記憶された遊技履歴情報に基づいて、既存のリーチを組み合わせた新たなリーチを遊技者が作成する。
さらに、主制御用マイコン551は、遊技機1における異常の発生を監視する遊技機エラー監視処理を実行する(S6214)。演出制御装置550に関わる異常の他に、遊技制御装置500からエラー報知を指示するコマンドを受信した場合などに、報知LEDの発光、画面表示や警報音の出力など所定の処理を実行する。なお、実際の報知は、後述するサウンド制御処理(S6216)、装飾制御処理(S6217)、モータ/ソレノイド(SOL)制御処理(S6218)で実行される。
そして、主制御用マイコン551は、映像制御用マイコン(2ndCPU)554に送信するコマンドを編集し、所定のレジスタに書き込む演出コマンド編集処理を実行する(S6215)。
また、主制御用マイコン551は、スピーカー30から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(S6216)。また、LED等の装飾装置(盤装飾装置101、枠装飾装置181)を制御する装飾制御処理を実行し(S6217)、さらにモータ及びソレノイドで駆動される電動役物や可動式照明などの演出装置(盤演出装置102、枠演出装置182)を制御するモータ/SOL制御処理を実行する(S6218)。
最後に、主制御用マイコン551は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行して(S6219)、S6208の処理に戻る。以降、S6208からS6219までの処理を繰り返す。
続いて、演出制御装置550によって実行されるもう一方のメイン処理の詳細を説明する。図63は、本発明の実施の形態の演出制御装置550の映像制御用マイコン(2ndCPU)554によって実行されるメイン処理の手順を示すフローチャートである。2ndCPUメイン処理は、遊技機1に電源が投入されると実行される。
映像制御用マイコン(2ndCPU)554は、メイン処理の実行が開始されると、まず、CPU初期化処理を実行する(S6301)。そして、作業領域であるRAM554aを0クリアして(S6302)、各種処理の実行に必要な初期値をRAM554aに設定する(S6303)。そして、画像処理を行うグラフィックプロセッサを初期化するVDP初期化処理を実行する(S6304)。次に、Vブランク割込みなどの各種割込みを許可する(S6305)。
さらに、映像制御用マイコン554は、各種制御処理の初期化処理を実行する(S6306)。各種制御処理の初期化処理では、後述する通常ゲーム処理(S6311)で実行される各制御処理で使用される変数の初期化などが行われる。例えば、表示装置48に表示される映像の背景を初期化したり、図柄の配列を初期化したりする。そして、表示装置48の画面描画を許可する(S6307)。
その後、映像制御用マイコン554は、システム周期待ちフラグをクリア(初期化)して(S6308)、システム周期待ちフラグが1に設定されるまで待機する(S6309)。
映像制御用マイコン554は、システム周期待ちフラグが1に設定された場合には(S6309の結果が「Y」)、映像制御用マイコン554が正常に動作しているかを判定するためのWDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(S6310)。なお、WDTがクリアされずに所定の時間経過すると、映像制御用マイコン554がリセットされる。
そして、映像制御用マイコン554は、表示装置48で飾り特図変動表示ゲームを実行したり、様々な画像を表示したりするゲーム演出処理を実行し(S6311)、S6308の処理に戻る。以降、S6308からS6311までの処理を繰り返す。
次に、前述した1stメイン処理における1stシーン制御処理(S6212)の詳細について説明する。図64は、本発明の実施の形態の1stシーン制御処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン551は、まず、遊技機1がテスト中モードであるか否かを判定する(S6401)。テスト中モードの場合には(S6401の結果が「Y」)、1stシーン制御処理を終了する。
主制御用マイコン551は、遊技機1がテスト中モードでない場合には(S6401の結果が「N」)、遊技制御装置500から送信されたシーン変更コマンドを受信しているか否かを判定する(S6402)。シーン変更コマンドを受信していない場合には(S6402の結果が「N」)、S6407以降の処理を実行する。
主制御用マイコン551は、シーン変更コマンドを受信している場合には(S6402の結果が「Y」)、更新する(現在の)遊技状態を取得する(S6403)。さらに、有効なコマンドを受信しているか否かを判定する(S6404)。具体的には、変更先のシーンが現在の遊技状態と整合するか否かなどを判定する。主制御用マイコン551は、有効なコマンドを受信していない場合には(S6404の結果が「N」)、S6407以降の処理を実行する。
主制御用マイコン551は、有効なコマンドを受信した場合には(S6404の結果が「Y」)、受信したコマンドをメモリにセーブする(S6405)。さらに、演出リクエストフラグをセットする(S6406)。演出リクエストフラグは、シーンを変更するタイミングであることを示すフラグであり、後述する通常ゲーム処理(S6411)で、演出リクエストフラグが設定されているか否かに応じた処理が実行される。
続いて、主制御用マイコン551は、受信したコマンドの識別子に応じた処理を実行する(S6407)。
主制御用マイコン551は、受信したコマンドが「電源投入コマンド」の場合には、電源投入処理を実行する(S6408)。電源投入処理では、遊技機1の電源が投入された際に表示される画面の制御を行う。
主制御用マイコン551は、受信したコマンドが「停電復旧コマンド」の場合には、停電復旧処理を実行する(S6409)。停電復旧処理では、遊技機1が停電から復旧した際に表示される画面の制御を行う。
主制御用マイコン551は、受信したコマンドが「客待ちデモコマンド」の場合には、客待ち処理を実行する(S6410)。客待ち処理では、変動表示ゲームが最後に実行されてから所定時間経過した場合に表示される画面の制御を行う。
主制御用マイコン551は、受信したコマンドが「変動パターンコマンド」の場合には、通常ゲーム処理を実行する(S6411)。通常ゲーム処理では、設定された変動パターンに応じたシーンを表示するために必要な情報を取得し、設定された変動パターンに対応した演出制御を行う。通常ゲーム処理の詳細については、図65にて後述する。
主制御用マイコン551は、受信したコマンドが「ファンファーレコマンド」の場合には、ファンファーレ処理を実行する(S6412)。ファンファーレ処理では、発生した大当りに対応するファンファーレを出力する。
主制御用マイコン551は、受信したコマンドが「大入開放n回目コマンド」の場合には、ラウンド中処理を実行する(S6413)。ラウンド中処理では、特別遊技状態における各ラウンド中の演出制御を行う。
主制御用マイコン551は、受信したコマンドが「インターバルコマンド」の場合には、インターバル処理を実行する(S6414)。インターバル処理では、特別遊技状態における各ラウンド間の演出制御を行う。
主制御用マイコン551は、受信したコマンドが「エンディングコマンド」の場合には、エンディング処理を実行する(S6415)。エンディング処理では、特別遊技状態が終了した際の演出制御を行う。エンディング処理の詳細については、図70にて後述する。
主制御用マイコン551は、各コマンドに基づく処理の実行が完了すると、保留数コマンド受信処理を実行する(S6416)。保留数コマンドは更新された保留数が通知されるコマンドであり、保留数コマンド受信処理は、受信した保留数に基づいて、保留表示などを更新する。
続いて、主制御用マイコン551は、飾り特図コマンド受信処理を実行する(S6417)。飾り特図コマンド受信処理は、変動開始時に変動パターンコマンドに先立って送信される飾り特図コマンドを受信する処理である。
次に、主制御用マイコン551は、先読みコマンド受信処理を実行する(S6417)。先読みコマンド受信処理は、転落・昇格・転落昇格を含む事前演出図柄コマンド、事前演出変動コマンドに基づいて、保留表示演出等を設定する処理である。
次に、主制御用マイコン551は、確率情報コマンド受信処理を実行する(S6417)。確率情報コマンド受信処理は、受信した確率情報コマンドに基づいて、内部確率等の遊技状態を設定する処理である。確率情報コマンドには、例えば、高確/時短コマンド、低確/時短コマンド、低確/サポなしコマンドなどが含まれる。
次に、主制御用マイコン551は、確率報知コマンド受信処理を実行する(S6417)。確率報知コマンド受信処理は、はずれ変動終了時、時短期間終了時、大当り終了時に遊技制御装置500から送信される確率報知コマンドを受信する処理である。確率報知コマンドには、例えば、確率報知を「明瞭」又は「曖昧」にすることが設定されている。確率報知コマンド受信処理が終了すると、1stシーン制御処理を終了し、1stメイン処理に復帰する。
続いて、前述した1stシーン制御処理における通常ゲーム処理(S6411)の詳細について説明する。図65は、本発明の実施の形態の通常ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン551は、まず、演出リクエストフラグが設定されているか否かを判定する(S6501)。演出リクエストフラグが設定されている場合には(S6501の結果が「Y」)、各種情報を設定する。
具体的には、主制御用マイコン551は、まず、PB(プッシュボタン)情報をクリアする(S6502)。PB(プッシュボタン)情報とは、演出ボタン61及び選択ボタン62による入力情報である。
続いて、主制御用マイコン551は、可動体リクエストをセットする(S6503)。すなわち、演出内容にあわせて可動式照明や電動役物の動作態様を設定する。
さらに、主制御用マイコン551は、変動演出情報設定処理を実行する(S6504)。変動演出情報設定処理では、特図変動表示ゲームの停止図柄を設定したり、変動パターンコマンドに基づいて変動時間や予告演出を設定したりする。変動演出情報設定処理の詳細については、図66にて後述する。
次に、主制御用マイコン551は、乱数シード初期化処理を実行する(S6505)。乱数シード初期化処理は、演出内容を決定するためなどに使用する乱数のシードを初期化する処理である。
さらに、主制御用マイコン551は、設定された変動パターンに対応するシーンシーケンステーブルを設定する(S6506)。
続いて、主制御用マイコン551は、時短フラグが設定されているか否かをチェックし(S6507)、時短フラグが設定されているか否かを判定する(S6508)。時短フラグが設定されている場合には(S6508の結果が「Y」)、時短回数を1減算し、更新する(S6509)。時短フラグが設定されていない場合には(S6508の結果が「N」)、S6512の処理を実行する。
さらに、主制御用マイコン551は、時短回数が0か否かを判定する(S6510)。時短回数が0の場合には(S6510の結果が「Y」)、時短状態が終了したので、時短フラグをクリアする(S6511)。時短回数が0でない場合、すなわち、0よりも大きい場合には(S6510の結果が「N」)、S6512の処理を実行する。
最後に、主制御用マイコン551は、演出リクエストフラグをクリアし(S6512)、通常ゲーム処理を終了する。
一方、主制御用マイコン551は、演出リクエストフラグが設定されていない場合には(S6501の結果が「N」)、更新タイマによって表示演出状態を変更するか否かを判定する。具体的には、まず、更新タイマが0、すなわち、タイムアップしたか否かを判定する(S6513)。更新タイマがタイムアップしていない場合には(S6513の結果が「N」)、通常ゲーム処理を終了する。
主制御用マイコン551は、更新タイマがタイムアップした場合には(S6513の結果が「Y」)、シーンシーケンステーブルに設定された次のシーンデータを設定する(S6514)。そして、設定されたシーンが最終シーンか否かを判定する(S6515)。最終シーンの場合には(S6515の結果が「Y」)、変動表示ゲームの終了を設定する(S6516)。その後、通常ゲーム処理を終了する。
続いて、前述した通常ゲーム処理における変動演出情報設定処理(S6504)の詳細について説明する。図66は、本発明の実施の形態の変動演出情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン551は、まず、飾り特図コマンドの図柄情報に基づいて停止図柄を設定する(S6601)。続いて、遊技制御装置500から受信した変動パターンコマンドがSP2リーチ又はSP3リーチであるかをチェックする(S6602、S6603)。
主制御用マイコン551は、変動パターンコマンドがSP2リーチ又はSP3リーチでない場合には(S6603の結果が「N」)、変動情報設定テーブルに基づいて、変動パターンコマンドに対応する変動パターン選択テーブルを設定する(S6607)。なお、変動情報設定テーブルの詳細については、図67にて後述する。
一方、主制御用マイコン551は、変動パターンコマンドがSP2リーチ又はSP3リーチである場合には(S6603の結果が「Y」)、変動パターンコマンドがSP2リーチであるか否かを判定する(S6604)。変動パターンコマンドがSP2リーチである場合には(S6604の結果が「Y」)、作成リーチ情報に基づいてSP2リーチ選択テーブルを設定する(S6606)。作成リーチ情報の一例については、図81にて後述する。また、変動パターンコマンドがSP2リーチでない場合、すなわち、SP3リーチの場合には(S6604の結果が「N」)、作成リーチ情報に基づいてSP3リーチ選択テーブルを設定する(S6606)。
主制御用マイコン551は、リーチ選択テーブルの設定が完了すると、変動パターン用乱数を取得する(S6608)。さらに、リーチ選択テーブルから変動パターン用乱数に対応する変動パターンを設定する(S6609)。
主制御用マイコン551は、変動パターンコマンドがコマンド2であるか否かをチェックする(S6610、S6611)。変動パターンコマンドには、1種類のリーチについて、コマンド1及びコマンド2が含まれる。コマンド1では予告演出が実行されず、コマンド2では予告演出が実行される。
したがって、主制御用マイコン551は、変動パターンコマンドがコマンド2である場合には(S6611の結果が「Y」)、停止図柄に対応する予告演出を設定する(S6612)。さらに、変動パターンに対応する変動時間を設定する(S6613)。最後に、先読み記憶領域の記憶内容をシフトし(S6614)、変動演出情報設定処理を終了する。
図67は、本発明の実施の形態の変動パターンコマンドに対応する変動パターン選択テーブルを設定するための変動情報設定テーブルの一例を示す図である。
変動情報設定テーブルは、SP2リーチ及びSP3リーチ以外の変動パターン選択テーブルを選択するためのテーブルである。前述のように、1つの変動パターン選択テーブルにはコマンド1及びコマンド2の2つの変動パターンコマンドが対応付けられている。コマンド1とコマンド2との相違は予告演出を実行するか否かである。
変動情報設定テーブルは、変動パターンコマンド、変動パターン選択テーブル及び変動時間を含む。変動パターンコマンドは、遊技制御装置500から送信された変動パターンコマンドである。
変動パターン選択テーブルには、変動パターンに対応するリーチや演出内容などが定義されている。変動パターン選択テーブルに複数のパターンが定義されている場合には、変動パターン乱数に基づいて具体的な変動パターンを選択する。
図68は、本発明の実施の形態のSP2リーチ選択テーブルの一例を示す図である。
SP2リーチ選択テーブルは、作成されたオリジナルリーチの種類に対応するSP2リーチ選択テーブルが選択される。作成リーチ情報は、遊技者が作成したオリジナルリーチに関する情報である。
本発明の実施の形態におけるSP2リーチには、遊技者によって作成されるオリジナルリーチの他に、アニメ系リーチ及びシリアス系リーチが含まれている。アニメ系リーチ及びシリアス系リーチが実行される変動パターンは、SP2リーチ選択テーブルに設定されたオリジナルリーチと同じ変動時間が設定された特定演出パターンである。特定演出パターンを実行する変動パターンを特定変動パターンとする。リーチの種類を選択する場合には、アニメ系リーチ、シリアス系リーチ、オリジナルリーチから実行するリーチを選択する。
したがって、オリジナルリーチを作成した場合にであっても、常にオリジナルリーチが実行されるのではなく、所定割合で、アニメ系リーチ又はシリアス系リーチなどの特定演出パターンが実行されるため、作成したオリジナルリーチばかりが実行されることで遊技者の興趣が減退することを防ぐことができる。
本発明の実施の形態におけるオリジナルリーチは、SP1リーチである3種類のバトル系リーチを2種類以上組み合わせることによって作成される。
SP2リーチの場合には、3種類のバトル系リーチ(A〜C)のうち、2種類のリーチを組み合わせたオリジナルリーチが作成される。したがって、作成バトルリーチAB、作成バトルリーチAC、作成バトルリーチBCの3種類のリーチが作成可能となっている。
また、前述のように、オリジナルリーチ以外のアニメ系リーチやシリアス系リーチの変動時間はSP1リーチの変動時間の約2倍であり、2種類のSP1リーチを組みあわせたオリジナルリーチの変動時間と同じになるように設定されている。
なお、オリジナルリーチを作成する具体的な手順については、図79から図88を参照して後述する。また、バトル系リーチについては、図82に例示する。
SP2リーチ選択テーブル(A)〜(H)は、作成されたオリジナルリーチの組合せに対応する。(A)は、オリジナルリーチが作成されていない場合である。(B)は、作成バトルリーチABのみが作成されている場合である。同様に、(C)は作成バトルリーチACのみ、(D)は作成バトルリーチBCのみが作成されている場合である。また、(E)は作成バトルリーチAB及び作成バトルリーチAC、(F)は作成バトルリーチAB及び作成バトルリーチBC、(E)は作成バトルリーチAC及び作成バトルリーチBCが作成されている場合である。(H)はすべてのSP2用のオリジナルリーチが作成されている場合である。
図69は、本発明の実施の形態のSP3リーチ選択テーブルの一例を示す図である。SP3リーチにおけるオリジナルリーチは、3種類すべてのバトル系リーチを組み合わせる1種類のみであるため、(A)はオリジナルリーチなし、(B)はオリジナルリーチありとなっている。
また、SP3リーチについても、オリジナルリーチ以外のストーリー系リーチやムービー系リーチの変動時間はSP1リーチの変動時間の約3倍であり、3種類のSP1リーチを組みあわせたオリジナルリーチの変動時間と同じになるように設定されている。
また、組合せ対象リーチとなるSP1リーチが実行される変動パターンを単体演出パターンとし、作成バトルリーチのように、複数の単体演出パターンが組み合わされた変動パターンを複合演出パターンとする。また、SP2リーチであっても、アニメ系リーチやシリアス系リーチについては、単一の演出パターンであるため、単体演出パターンとなる。
このように、本発明の実施の形態では、変動表示ゲームを演出する演出パターンのバリエーションを遊技者の操作入力により広げることが可能となり、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、SP3リーチはSP2リーチよりも大当りの信頼度が大きくなるように設定されているため、遊技者が信頼度に対応するオリジナルリーチを作成することが可能となり、遊技性を向上させることができる。
なお、オリジナルリーチが作成されていない場合には、あらかじめ設定済みの特定演出パターンに対応するリーチのみが実行されるため、演出パターンのバリエーションが少ないと感じる可能性があるが、その場合には、バリエーションを増やすためにオリジナルリーチを遊技者が作成することができる。
なお、図67に示した変動パターン選択テーブルは図示していないが、図68及び図69に示したリーチ選択テーブルと同じ構成となっており、乱数値、リーチの種類、変動時間を含むように構成されている。
続いて、前述した1stシーン制御処理におけるエンディング処理(S6415)の詳細について説明する。図70は、本発明の実施の形態のエンディング処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン551は、まず、演出リクエストフラグが設定されているか否かを判定する(S7001)。演出リクエストフラグが設定されている場合には(S7001の結果が「Y」)、小当りエンディングのシーンシーケンステーブルを設定する(S7002)。
さらに、主制御用マイコン551は、大当り終了であるか否かを判定する(S7003)。大当りの終了である場合には(S7003の結果が「Y」)、小当りエンディングのシーンシーケンステーブルの代わりに、大当りエンディングのシーンシーケンステーブルを再設定する(S7004)。続いて、時短フラグを設定し(S7005)、さらに、大当り図柄情報に対応する時短回数を設定する(S7006)。
主制御用マイコン551は、S7006の処理が終了した場合、又は、小当りの終了であって、大当りの終了でない場合には(S7005の結果が「N」)、エンディング時間設定処理を実行する(S7007)。最後に、演出リクエストフラグをクリアし(S7008)、エンディング処理を終了する。
一方、主制御用マイコン551は、演出リクエストフラグが設定されていない場合には(S7001の結果が「N」)、更新タイマが0、すなわち、タイムアップしたか否かを判定する(S7009)。更新タイマがタイムアップしていない場合には(S7009の結果が「N」)、エンディング処理を終了する。
主制御用マイコン551は、更新タイマがタイムアップした場合には(S7009の結果が「Y」)、次のシーンデータを設定する(S7010)。そして、設定されたシーンが最終シーンか否かを判定する(S7011)。最終シーンの場合には(S7011の結果が「Y」)、エンディング終了を設定する(S7012)。その後、エンディング処理を終了する。
次に、前述した1stシーン制御処理における先読みコマンド受信処理(S6418)の詳細について説明する。図71は、本発明の実施の形態の先読みコマンド受信処理の手順を示すフローチャートである。本処理は、遊技制御装置500から先読みコマンドを受信した場合に実行される処理である。
主制御用マイコン551は、まず、先読みコマンドを受信したか否かを判定する(S7101)。先読みコマンドには、事前演出図柄コマンド及び事前演出変動コマンドが含まれる。主制御用マイコン551は、先読みコマンドを受信していない場合には(S7101の結果が「N」)、先読みコマンド受信処理を終了する。
一方、主制御用マイコン551は、先読みコマンドを受信した場合には(S7101の結果が「Y」)、保留記憶数に対応する先読み記憶領域(1〜8)を設定する(S7102)。先読み記憶領域の詳細については、図72を参照しながら説明する。
図72は、本発明の実施の形態の先読み記憶領域の一例を示す図である。先読み記憶領域には、保留1から保留8までの領域が確保されており各領域には、特図種別情報領域と、保留表示演出領域とが含まれる。
特図種別情報領域には、特図変動表示ゲームの結果を示す情報が格納される。具体的には、「転落(はずれ)」、「昇格(大当り)」「転落&昇格(大当り)」「維持(はずれ)」のいずれかが設定される事前確率移行情報に対応する他に特図の種別を示す情報が設定される。保留表示演出領域には、保留表示の色が設定される。
ここで、先読みコマンド受信処理の説明に戻る。
主制御用マイコン551は、現在の確率報知が「曖昧」であるか否かを判定する(S7103)。現在の確率報知状態が「曖昧」である場合には(S7103の結果が「Y」)、保留パターンテーブル1を設定する(S7104)。一方、現在の確率報知状態が「曖昧」でない場合、すなわち、「明瞭」の場合には(S7103の結果が「N」)、保留パターンテーブル2を設定する(S7105)。保留パターンテーブルは、先読み実行時に保留記憶の色(又は形状など)の定義情報を格納する。保留パターンテーブルの詳細については、図73を参照しながら説明する。
図73は、本発明の実施の形態の保留パターン設定テーブルの一例を示す図である。(A)は、確率報知状態が「曖昧」である場合に設定される保留パターン設定テーブル1である。(B)は、確率報知状態が「明瞭」である場合に設定される保留パターン設定テーブル2である。
保留パターン設定テーブルには、事前確率移行情報、乱数値、保留演出情報(保留表示の色)、選択確率が含まれている。保留表示の色は、通常、白となっており、青、黄、赤、虹の順で大当りの期待が高くなるように定義されている。
保留パターン設定テーブル1と保留パターン設定テーブル2とを比較すると、確率報知が「曖昧」の場合に設定される保留パターン設定テーブル1の方が、確率報知が「明瞭」の場合に設定される保留パターン設定テーブル2よりも正確に先読み演出が実行されることがわかる。例えば、昇格時に、確率報知が「曖昧」の場合には75%の割合で保留表示の色が変化することに対し、確率報知が「明瞭」の場合に50%の割合で保留表示の色が変化する。これは、確率報知が「曖昧」の場合には、遊技者にとって昇格する期待が高まるように感じさせるためである。
ここで、先読みコマンド受信処理の説明に戻る。
主制御用マイコン551は、保留パターンテーブルの設定が完了すると、事前演出乱数を取得する(S7106)。そして、特図種別情報に対応する事前確率移行情報と、事前演出乱数に基づいて、設定された保留パターンテーブルから保留演出情報を取得する(S7107)。
最後に、主制御用マイコン551は、S7102の処理で設定された先読み記憶領域に、S7107の処理で取得された保留演出情報をセーブし(S7108)、先読みコマンド受信処理を終了する。これにより、後述する保留表示処理で設定された保留演出情報に基づいて保留表示による先読み演出が行われる。
次に、前述した1stメイン処理における遊技履歴情報記憶処理(S6213)の詳細について説明する。図74は、本発明の実施の形態の遊技履歴情報記憶処理の手順を示すフローチャートである。
主制御用マイコン551は、まず、変動表示ゲームが終了したか否かを判定する(S7401)。変動表示ゲームが終了していない場合には(S7401の結果が「N」)、遊技履歴情報記憶処理を終了する。
主制御用マイコン551は、変動表示ゲームが終了した場合には(S7401の結果が「Y」)、変動表示ゲームの総スタート回数に1加算し更新する(S7402)。さらに、大当り間スタート回数を1加算し更新する(S7403)。大当り間スタート回数は、最後に大当りが発生してから変動表示ゲームが実行された回数である。
次に、主制御用マイコン551は、直前に終了した変動表示ゲームの変動パターンがノーマルリーチ以上の変動パターンであったか否か、すなわち、リーチが発生したか否かをチェックする(S7404、S7405)。
主制御用マイコン551は、リーチが発生した場合には(S7405の結果が「Y」)、遊技(リーチ)履歴情報の対応するリーチの出現数を1加算して更新する(S7406)。遊技(リーチ)履歴情報の詳細については、図75を参照しながら説明する。
図75は、本発明の実施の形態の遊技(リーチ)履歴情報の一例を示す図である。遊技(リーチ)履歴情報は、リーチの発生履歴が大当り回数とともに記録される。
遊技(リーチ)履歴情報は、リーチの種類ごとに分類され、さらに、詳細なリーチの種類ごとに出現数及び大当り数が記録される。例えば、ノーマルリーチ、SP1リーチ、SP2リーチなどの単位で分類される。また、SP2リーチの詳細を例にすると、アニメ系リーチ、シリアス系リーチ、作成バトルリーチAB、作成バトルリーチAC、作成バトルリーチBCが記録され、それぞれについて出現数及び大当り数が記録される。
ここで、遊技履歴情報記憶処理の説明に戻る。
主制御用マイコン551は、変動表示ゲームの図柄情報が大当り図柄か否かをチェックする(S7406、S7407)。大当り図柄でない場合には(S7407の結果が「N」)、遊技履歴情報記憶処理を終了する。
一方、主制御用マイコン551は、変動表示ゲームの図柄情報が大当り図柄の場合には(S7407の結果が「Y」)、遊技(リーチ)履歴情報の対応するリーチの大当り情報に1加算し、更新する(S7409)。
また、主制御用マイコン551は、大当りの発生を記憶する大当り情報にレコードを追加する(S7410)。さらに、追加された大当り情報レコードに発生したリーチの種類と、大当り間スタート回数を大当り間回転数として登録する(S7411)。最後に、大当り間スタート回数を0クリアし(S7412)、遊技履歴情報記憶処理を終了する。
次に、前述した2ndメイン処理におけるゲーム演出処理(S6311)の詳細について説明する。図76は、本発明の実施の形態のゲーム演出処理の手順を示すフローチャートである。
映像制御用マイコン554は、まず、受信コマンドチェック処理を実行する(S7601)。受信コマンドチェック処理では、遊技制御装置500から送信され、主制御用マイコン551を介して受信したコマンドを特定し、以降実行される処理に応じて区分けする。
次に、映像制御用マイコン554は、表示装置48に表示する内容を決定する2ndシーン制御処理を実行する(S7602)。具体的には、2ndシーン制御処理では、予告キャラクター等を設定したり、表示されるキャラクターの優先順位を決定したりする。
次に、映像制御用マイコン554は、確率報知モードに応じた表示情報を設定する確率報知モード設定処理を実行する(S7603)。なお、確率報知モード設定処理の詳細については、図77にて後述する。
次に、映像制御用マイコン554は、確率報知モード等の遊技状態、リーチシーンに応じた背景表示を行う背景処理を実行する(S7604)。続いて、変動表示に関する表示制御を行うリール制御/表示処理を実行する(S7605)。さらに、前述した先読みコマンド受信処理(図71)で先読み記憶領域(図72)に記憶された保留演出情報に基づいて保留表示を行う保留表示処理を実行する(S7606)。
次に、映像制御用マイコン554は、客待ちデモコマンドを受けてから所定時間(例えば20秒)経過後に、客待ちデモ背景を設定する客待ちデモ中処理を実行する(S7607)。なお、客待ちデモ中処理の詳細については、図78にて後述する。
次に、映像制御用マイコン554は、客待ちデモを実行中にオリジナルリーチを作成するためのリーチ演出作成処理1を実行する(S7608)。続いて、客待ちデモを実行中に遊技者が遊技履歴を閲覧するための遊技履歴情報閲覧処理を実行する(S7609)。さらに、大当り発生後の特別遊技状態においてオリジナルリーチを作成するためのリーチ演出作成処理2を実行する(S7610)。
最後に、映像制御用マイコン554は、画像ROM557に格納されたデータをRAMに転送し、表示装置48に実際に表示させる表示システム処理を実行し(S7611)、ゲーム演出処理を終了する。
次に、前述したゲーム演出処理における確率報知モード設定処理(S7603)の詳細について説明する。図77は、本発明の実施の形態の確率報知モード設定処理の手順を示すフローチャートである。
映像制御用マイコン554は、まず、受信コマンドチェック処理(S7601)で、確率報知コマンドを受信しているか否かを判定する(S7701)。確率報知コマンドを受信していない場合には(S7701の結果が「N」)、確率報知モードを設定する必要がないため、確率報知モード設定処理を終了する。なお、確率報知コマンドには、確率報知モードを「明瞭」に設定する確率明瞭コマンドと、確率報知モードを「曖昧」に設定する確率曖昧コマンドとが含まれる。
次に、映像制御用マイコン554は、受信した確率報知コマンドが確率明瞭コマンドであるか否かを判定する(S7702)。受信した確率報知コマンドが確率明瞭コマンドでない場合には(S7702の結果が「N」)、受信した確率報知コマンドが確率曖昧コマンドであるため、確率報知モードの表示に曖昧報知モード情報の表示を設定する(S7704)。
一方、映像制御用マイコン554は、受信した確率報知コマンドが確率明瞭コマンドの場合には(S7702の結果が「Y」)、さらに、現在の確率状態が高確率であるか否かを判定する(S7703)。
映像制御用マイコン554は、現在の確率状態が高確率の場合には(S7703の結果が「Y」)、高確率に対応する報知モード情報の表示を設定する(S7705)。また、現在の確率状態が高確率でない、すなわち、低確率の場合には(S7703の結果が「N」)、低確率に対応する報知モード情報の表示を設定する(S7706)。
次に、前述したゲーム演出処理における客待ちデモ中処理(S7607)の詳細について説明する。図78は、本発明の実施の形態の客待ちデモ中処理の手順を示すフローチャートである。
映像制御用マイコン554は、まず、客待ちデモが実行中であるか否かを判定する(S7801)。客待ちデモが実行中でない場合には(S7801の結果が「N」)、客待ちデモ中処理を終了する。
一方、映像制御用マイコン554は、客待ちデモが実行中である場合には(S7801の結果が「Y」)、分岐処理が実行中であるか否かを判定する(S7802)。分岐処理とは、S7812の処理によって分岐されるS7813〜S7816までのいずれかの処理である。
映像制御用マイコン554は、分岐処理が実行中である場合には(S7802の結果が「Y」)、実行中の分岐処理を継続するために、S7812以降の処理を実行する。一方、分岐処理が実行中でない場合には(S7802の結果が「N」)、遊技者が分岐処理を選択中であるか否かを判定する(S7803)。
映像制御用マイコン554は、遊技者が分岐処理を選択中である場合には(S7803の結果が「Y」)、S7807以降の処理を実行する。一方、遊技者が分岐処理を選択中でない場合には(S7803の結果が「N」)、演出ボタン61の操作入力を受け付けたか否かを判定する(S7804)。演出ボタン61の操作入力を受け付けていない場合には(S7804の結果が「N」)、客待ちデモ中処理を終了する。
一方、映像制御用マイコン554は、演出ボタン61の操作入力を受け付けた場合には(S7804の結果が「Y」)、処理選択画面を表示装置48に表示するように設定する(S7805)。なお、処理選択画面の詳細については、図83(B)にて後述する。
映像制御用マイコン554は、処理選択画面が表示装置48に表示されると、選択カウンタを0クリアする(S7806)。選択カウンタは、遊技者が選択する機能(処理)に対応する。具体的には、S7813からS7816までの処理に対応する。
次に、映像制御用マイコン554は、選択入力があるか否か、すなわち、選択ボタン62が操作されたか否かを判定する(S7807)。選択入力があった場合には(S7807の結果が「Y」)、選択カウンタを1加算して更新する(S7808)。さらに、選択カウンタの値が上限値(3)に達したか否かを判定する(S7809)。上限値に達した場合には(S7809の結果が「Y」)、選択カウンタを0クリアする(S7806)。
続いて、映像制御用マイコン554は、選択カウンタの値に基づいて、処理選択画面上の選択ポインタの位置更新を設定する(S7810)。さらに、決定入力があるか否かを判定する(S7811)。決定入力は、処理選択画面上の選択ポインタによって処理が選択されている状態で、演出ボタン61が操作された場合になされる。映像制御用マイコン554は、決定入力がない場合には(S7811の結果が「N」)、客待ちデモ中処理を終了する。
一方、映像制御用マイコン554は、決定入力がなされた場合には(S7811の結果が「Y」)、選択カウンタの値に応じた処理を実行する(S7812)。
映像制御用マイコン554は、選択カウンタの値が「0」の場合には、遊技履歴表示処理を実行する(S7813)。遊技履歴表示処理は、図75に示した遊技履歴情報の内容を表示装置48に出力する。具体的には、図83(C)に例示する。
映像制御用マイコン554は、選択カウンタの値が「1」の場合には、リーチ演出作成処理1を実行する(S7814)。リーチ演出作成処理1は、客待ちデモの実行中にオリジナルリーチを作成するための処理である。なお、S7814のリーチ演出作成処理1は、ゲーム演出処理におけるリーチ演出作成処理1(S7608)と同じである。リーチ演出作成処理1の詳細については、図79にて後述する。また、リーチ演出作成処理1を実行する際に表示される画面を図83(D)に例示する。
映像制御用マイコン554は、選択カウンタの値が「2」の場合には、作成リーチ演出削除処理を実行する(S7815)。作成リーチ演出削除処理は、作成されたオリジナルリーチを削除するための処理である。作成リーチ演出削除処理の詳細については、図80にて後述する。また、作成リーチ演出削除処理を実行する際に表示される画面を図83(E)に例示する。
映像制御用マイコン554は、選択カウンタの値が「3」の場合には、処理選択画面を閉じるEXIT処理を実行する(S7816)。EXIT処理実行時に表示される画面を図83(F)に例示する。
次に、前述したゲーム演出処理におけるリーチ演出作成処理1(S7608)及び客待ちデモ中処理におけるリーチ演出作成処理1(S7814)の詳細について説明する。図79は、本発明の実施の形態の客待ちデモ中にオリジナルリーチを作成するためのリーチ演出作成処理1の手順を示すフローチャートである。
映像制御用マイコン554は、まず、リーチ演出作成中であるか否かを判定する(S7901)。リーチ演出を作成中でない場合には(S7901の結果「N」)、遊技履歴情報(図75)から実行済みの組合せ対象リーチを抽出する(S7902)。前述のように、本発明の実施の形態で組合せ対象となるリーチは、SP1リーチであるバトルリーチA〜Cとなっている。また、組合せ対象となるリーチは、実行されたリーチのみとしているが、未実行のリーチを対象としてもよいし、実行された結果として大当りとなったリーチのみとしてもよい。
組合せ対象リーチを実行済みのリーチとすることによって、作成可能なオリジナルリーチのバリエーションを増やすことに対して遊技者に遊技継続の意思を強くさせることが可能となり、遊技機の稼働を向上させることができる。
映像制御用マイコン554は、さらに、抽出された組合せ対象リーチで新たなリーチ演出の作成が可能か否かをチェックする(S7903、S7904)。作成可能でない場合、例えば、2種類以上のバトルリーチが実行されていない場合には(S7904の結果が「N」)、対応する終了表示を設定し(S7919)、リーチ演出作成処理1を終了する。
一方、映像制御用マイコン554は、抽出された組合せ対象リーチで新たなリーチ演出の作成が可能な場合には(S7904の結果が「Y」)、抽出された組合せ対象リーチに基づいて、作成案内画面の表示を設定する(S7905)。作成案内画面については、図83(D)及び図84(D1)に例示している。また、作成案内画面は、作成するリーチ演出の種別の選択入力を受付可能に構成されている。
映像制御用マイコン554は、S7905の処理が終了した後、又は、リーチ演出作成中の場合には(S7901の結果が「Y」)、作成確認画面が表示されているか否かを判定する(S7906)。作成確認画面が表示されている場合には(S7906の結果が「Y」)、S7916以降の処理を実行する。作成確認画面については、図84(D3)に例示している。
映像制御用マイコン554は、作成確認が表示されていない場合には(S7906の結果が「N」)、組合せ対象のリーチを選択する画面が表示されているか否かを判定する(S7907)。リーチ選択画面が表示されていない場合には(S7907の結果が「Y」)、リーチ種別の選択入力があるか否かを判定する(S7908)。リーチ種別は、作成するリーチの種類であり、本発明の実施の形態では、SP2リーチ又はSP3リーチとなる。SP3リーチは、SP2リーチよりも信頼度が高くなるように設定されており、遊技者は信頼度を選択してオリジナルリーチを作成することができる。前述のように、リーチ種別の選択入力は作成案内画面によって受け付けられる。映像制御用マイコン554は、リーチ種別の選択入力がなかった場合には(S7908の結果が「N」)、リーチ演出作成処理1を終了する。
映像制御用マイコン554は、リーチ種別の選択入力がある場合には(S7908の結果が「Y」)、選択されたリーチ種別に応じた組合せ可能数を設定する(S7909)。具体的には、SP2リーチの場合には「2」、SP3リーチの場合には「3」が設定される。つまり、作成するリーチの大当り(特別結果)への信頼度を設定していることになる。さらに、映像制御用マイコン554は、選択入力に対応する組合せ対象リーチの選択画面の表示を設定する(S7910)。組合せ対象リーチの選択画面は、図84(D2)に例示している。
映像制御用マイコン554は、選択入力に対応する組合せ対象リーチの選択画面が表示されている場合には(S7907の結果が「Y」、又は、S7910の処理終了後)、対象リーチの組合せが入力されたか否かを判定する(S7911)。対象リーチの組合せが入力されていない場合には(S7911の結果が「N」)、リーチ演出作成処理1を終了する。
映像制御用マイコン554は、対象リーチの組合せが入力された場合には(S7911の結果が「Y」)、選択されたリーチ演出を組合せ対象データ(リーチ)にセットする(S7912)。さらに、セットされた対象データ(リーチ)数が組合せ可能数に達したか否かをチェックする(S7913、S7914)。セットされた対象データ(リーチ)数が組合せ可能数に達していない場合には(S7914の結果が「N」)、リーチ演出作成処理1を終了する。
映像制御用マイコン554は、セットされた対象データ(リーチ)数が組合せ可能数に達している場合には(S7914の結果が「Y」)、セットされた対象データを組み合わせて新たなリーチ演出を作成するか否かを確認する表示画面を設定する(S7915)。
映像制御用マイコン554は、作成確認画面を表示している間に、EXIT入力があるか否かを判定する(S7916)。EXIT入力がある場合には(S7916の結果が「Y」)、表示中の作成確認画面を閉じてリーチ演出の作成をキャンセルし、対応する終了表示を設定して(S7919)、リーチ演出作成処理1を終了する。
映像制御用マイコン554は、EXIT入力がない場合には(S7916の結果が「N」)、作成したリーチ演出の決定入力があるか否かを判定する(S7917)。決定入力がない場合には(S7917の結果が「N」)、リーチ演出作成処理1を終了する。
一方、映像制御用マイコン554は、作成したリーチ演出の決定入力がある場合には(S7917の結果が「Y」)、新たに作成されたリーチ演出を作成リーチ情報に追加するように更新する(S7918)。そして、対応する終了表示を設定する(S7919)。このとき、対応する終了表示は、図84(D4)に例示している。その後、リーチ演出作成処理1を終了する。
次に、前述した客待ちデモ中処理における作成リーチ演出削除処理(S7815)の詳細について説明する。図80は、本発明の実施の形態の作成されたオリジナルリーチを削除するための作成リーチ演出削除処理の手順を示すフローチャートである。
映像制御用マイコン554は、まず、削除案内画面(図83(E))が表示されているか否かを判定する(S8001)。削除案内画面が表示されていない場合には(S8001の結果が「N」)、S8004以降の処理を実行する。
一方、映像制御用マイコン554は、削除案内画面が表示されていない場合には(S8001の結果が「N」)、作成されたリーチ演出が存在するか否かを判定する(S8002)。作成されたリーチ演出が存在しない場合には(S8002の結果が「Y」)、削除対象のリーチ演出が存在しないため、対応する終了表示を設定し(S8010)、作成リーチ演出削除処理を終了する。
映像制御用マイコン554は、作成されたリーチ演出が存在する場合には(S8002の結果が「Y」)、作成リーチ情報に基づいて削除案内表示画面を設定する(S8003)。例えば、作成リーチ情報に含まれる作成済みのリーチ演出の一覧が表示されるように画面を構成する。作成リーチ情報については図81を参照しながら説明する。
図81は、本発明の実施の形態の作成リーチ情報の一例を示す図である。作成リーチ情報には、作成されるリーチの種別(SP2リーチ、SP3リーチなど)と作成可能なリーチ情報とが含まれる。
図81では、あらかじめすべての作成可能なリーチ情報を用意し、リーチが作成されたか否かを示す情報を格納するフィールドを用意するように構成されている。レコードの追加削除を必要としないため、処理効率が向上し、特に、作成可能なリーチの数が少ない場合に有効である。
一方、作成可能なリーチの数が多い場合には、作成されたリーチ情報のみを格納するようにしてもよい。このように実装することによって、使用される記憶領域を少なくすることができる。
ここで、作成リーチ演出削除処理の説明に戻る。
映像制御用マイコン554は、削除確認画面が表示中であるか否かを判定する(S8004)。削除確認画面が表示中でない場合には(S8004の結果が「Y」)、削除対象のリーチ演出の選択入力があるか否かを判定する(S8005)。削除対象のリーチ演出の選択入力がある場合には(S8005の結果が「Y」)、削除確認画面の表示を設定する(S8006)。
さらに、映像制御用マイコン554は、削除対象のリーチ演出が選択された状態で決定入力がなされたか否かを判定する(S8007)。決定入力がなされていない場合には(S8007の結果が「N」)、作成リーチ演出削除処理を終了する。
映像制御用マイコン554は、決定入力がなされた場合には(S8007の結果が「Y」)、さらに、決定入力時に「EXIT」が選択されていたか否かを判定する(S8008)。「EXIT」が選択されていた場合には(S8008の結果が「Y」)、対応する終了表示を設定し(S8010)、作成リーチ演出削除処理を終了する。
映像制御用マイコン554は、「EXIT」が選択されていなかった場合には(S8008の結果が「Y」)、作成リーチ情報から選択されたリーチ演出に対応するリーチ情報を削除する(S8009)。その後、対応する終了表示を設定し(S8010)、作成リーチ演出削除処理を終了する。
なお、作成リーチ演出削除処理によって作成されたリーチ演出を削除するだけでなく、作成されたリーチ演出で大当りが発生した場合に削除するようにしてもよい。
ここで、SP1リーチに含まれるバトルリーチを例として、組合せ対象リーチについて説明する。図82は、本発明の実施の形態の新たに作成されるリーチ演出の構成要素となるバトルリーチの例を説明するための図である。
画面左上には第4図柄が配置されており、第1〜第3図柄が停止しても第4図柄が変動表示していれば、変動表示ゲームが実行中であることを示している。また、小当りと2R大当りにおいて第1〜第3図柄が同じ、かつ、第4図柄のみが異なるように設定することで遊技者に区別がつきにくくすることによって興趣を高めるようにしてもよい。
(A)は、バトルリーチAを示す図である。左図柄と右図柄が同じ図柄で停止し(A−1)、味方キャラクターAと敵キャラクターとがバトルを開始する(A−2)。そして、変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、継続の可能性を示唆するようにバトルの結果が引き分けとなる(A−3)。一方、変動表示ゲームの結果が大当りの場合には、味方キャラクターAがバトルに勝利する(A−4)。
(B)は、バトルリーチBを示す図である。バトルリーチAの場合と同様に、左図柄と右図柄が同じ図柄で停止し(B−1)、味方キャラクターBと敵キャラクターとがバトルを開始する(B−2)。このとき、バトルリーチAの場合とは異なるキャラクターが登場してもよく、異なる演出が実行されればよい。例えば、バトルリーチAでは格闘系のバトルとしたとき、バトルリーチBではビームなどの必殺技を使用するようにしてもよい。
そして、バトルリーチAの場合と同様に、変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、継続の可能性を示唆するようにバトルの結果が引き分けとなる(B−3)。このとき、必殺技を敵キャラクターにかわされた演出を実行するようにしてもよい。一方、変動表示ゲームの結果が大当りの場合には、必殺技が敵キャラクターに命中し、味方キャラクターBがバトルに勝利する(B−4)。
(C)は、バトルリーチCを示す図である。他のバトルリーチの場合と同様に、左図柄と右図柄が同じ図柄で停止し(C−1)、味方キャラクターCと敵キャラクターとがバトルを開始する(C−2)。このとき、他のバトルリーチの場合とは異なる演出が実行されればよく、例えば、バトルリーチBの場合と異なる必殺技を使用するようにしてもよい。
そして、他のバトルリーチの場合と同様に、変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、バトルの結果が引き分けとなる(C−3)。一方、変動表示ゲームの結果が大当りの場合には、必殺技が敵キャラクターに命中し、味方キャラクターCがバトルに勝利する(C−4)。
なお、変動表示ゲームの結果がはずれの場合には、バトルの結果が引き分けではなく、敗北としてもよい。再抽選を行う場合などには、一度敗れた味方キャラクターが復活するようにしてもよいし、他の味方キャラクターが登場するようにしてもよい。
続いて、客待ちデモ実行中に処理選択画面を表示し、各種機能を実行するための画面について説明する。図83は、本発明の実施の形態の客待ちデモ画面表示中に各種機能を実行するための画面及びこれらの画面の遷移の一例を示す図である。
(A)は、客待ちデモ実行中を示す客待ちデモ画面である。客待ちデモ画面が表示された状態で、演出ボタン61を操作すると、(B)に示す処理選択画面が表示される。
処理選択画面には、「遊技履歴情報閲覧」、「リーチ演出作成」、「作成リーチ演出削除」の各機能を選択することができる。処理選択画面では、選択ボタン62を操作するたびに、選択ポインタが移動するように構成されており、実行する機能を指し示す位置に選択ポインタを移動させて演出ボタン61を操作することによって指定した機能を選択することができる。
「遊技履歴情報閲覧」機能は、遊技履歴表示処理(図78のS7813)に対応し、図75に示した遊技履歴情報の内容を表示する。(C)は、「遊技履歴情報閲覧」機能を実行することによって表示される遊技履歴閲覧画面である。遊技者は、発生したリーチの数や特定のリーチが発生した場合に大当りになった回数などの情報を遊技履歴閲覧画面から閲覧することができる。
「リーチ演出作成」機能は、リーチ演出作成処理1(図78のS7814、図79)に対応し、遊技者がオリジナルリーチを作成するための機能である。(D)は、リーチ演出作成処理1を実行すると最初に表示される作成案内表示画面である。作成案内表示画面を表示中に演出ボタン61及び選択ボタン62を操作して必要な情報を設定し、オリジナルリーチを作成する。オリジナルリーチの作成手順については、図84を参照しながら説明する。
図84は、本発明の実施の形態の「リーチ演出作成」機能の画面遷移の一例を示す図である。
「リーチ演出作成」機能では、作成案内表示画面(D1)において、作成するリーチの種別を指定する。本発明の実施の形態では、前述のように、SP2系リーチ及びSP3系リーチに作成されたリーチ演出を追加することができる。
作成したリーチの種別を選択するように選択ボタン62を操作し、演出ボタン61を操作すると、組合せリーチ選択表示画面(D2)が表示される。ここで、作成するリーチの種別としてSP2系リーチが選択されたとすると、2種類のリーチ(SP1系リーチ)を選択することになる。本発明の実施の形態では、作成されたリーチにおいて組み合わせたリーチの実行順序は予め定められている。具体的には、バトルリーチA、バトルリーチB、バトルリーチCの順序で実行される。
組合せリーチ選択表示画面において2種類のリーチが選択されると、作成確認表示画面(D3)が表示される。作成確認表示画面は、作成されたリーチを作成リーチ情報に登録するか否か確認する。「OK」を選択すると、作成されたリーチを作成リーチ情報に登録し、「EXIT」を選択すると作成されたリーチを作成リーチ情報に登録せずに「リーチ演出作成」機能を終了する。
新たにリーチを作成後、作成確認表示画面で「OK」を選択して演出ボタン61を操作すると、新たなリーチ演出が登録された旨の表示する終了表示画面(D4)を表示し、「リーチ演出作成」機能を終了する。
ここで、客待ちデモ画面の説明にもどる。
「作成リーチ演出削除」機能は、作成リーチ演出削除処理(図78のS7814、図80)に対応し、遊技者が作成したオリジナルリーチを削除するための機能である。(E)は、作成リーチ演出削除処理を実行すると最初に表示される削除案内表示画面である。削除案内表示画面には、作成されたオリジナルリーチの一覧が表示され、選択ボタン62を操作して削除するリーチ演出を選択する。リーチ演出が選択された状態で演出ボタン61を操作すると、リーチ演出の削除処理が実行される。
最後に、処理選択画面で「EXIT」を選択すると、処理選択画面を閉じ、EXIT画面(F)を表示し、客待ちデモ画面が再び表示される。
ここで、リーチ演出作成処理によって作成されたリーチ演出の例について説明する。図85は、本発明の実施の形態における2種類のリーチを組み合わせることによって作成されたリーチ演出の一例を説明する図である。
図85に示したリーチ演出は、SP2リーチとして登録される作成バトルリーチABであり、バトルリーチA及びバトルリーチBを組み合わせたリーチ演出である。まず、画面(A)に示すように、通常モードで変動表示が実行され、リーチが発生する(画面(B))。
その後、画面(C)に示すように、バトルリーチAが開始される。なお、画面(C)は、図82の画面A−2に対応する。そして、バトルリーチAにおけるバトルの結果は「引き分け」となる。ここで、再戦を示すシーンが表示される(E)。画面(E)は、オリジナルリーチ作成時に挿入されるシーンである。
再戦が開始されると、バトルリーチBの内容で演出が実行される。画面(F)は、図82の画面B−2に対応する。その後、変動表示ゲームの結果がはずれの場合には図82の画面B−3に対応する画面(F1)が表示される。一方、変動表示ゲームの結果が大当りの場合には図82の画面B−4に対応する画面(F2)が表示される。
以上、2種類のリーチを組み合わせることによって作成されたオリジナルリーチについて説明した。さらに、3種類のリーチを組み合わせることによって作成されたオリジナルリーチについて説明する。図86は、本発明の実施の形態における3種類のリーチを組み合わせることによって作成されたリーチ演出の一例を説明する図である。
図86に示したリーチ演出は、SP3リーチとして登録される作成バトルリーチABCであり、バトルリーチA、バトルリーチB及びバトルリーチCを組み合わせたリーチ演出である。
まず、図85に示した作成バトルリーチABと同様に、画面(A)から画面(G)までのシーンが表示される。作成バトルリーチABCの場合には、さらに、画面(H)に示すシーンが挿入された後、バトルリーチCに対応するリーチ演出(画面(I)、(J1)、(J2))が追加される。
以上のように、「SP2リーチ」は2種類の「SP1リーチ」が組み合わされているため、「SP2リーチ」の変動時間は「SP1リーチ」の2倍の時間が設定されている。同様に、「SP3リーチ」の変動時間は「SP1リーチ」の3倍の時間が設定されている。したがって、複合演出パターンであるSP2リーチ及びSP3リーチの変動時間内に、無理なく単体演出パターンであるSP1リーチを複数回実行できるように構成されている。
リーチ演出作成処理1は、客待ちデモ画面から処理選択画面から実行されていた。そのため、遊技継続中では客待ちデモ画面が表示されるまで新たにリーチを作成することができなかった。そこで、大当り発生中にリーチ演出作成処理を実行し、特別遊技状態における所定のラウンドで新たにリーチ演出を作成することを可能にする。
図87は、本発明の実施の形態の大当り遊技中(特別遊技状態)にオリジナルリーチを作成するためのリーチ演出作成処理2の手順を示すフローチャートである。また、図88は、本発明の実施の形態のリーチ演出作成処理2によってオリジナルリーチを作成する際の画面遷移を説明する図である。図87に示したリーチ演出作成処理2の手順を図88の画面遷移に対応させながら説明する。
映像制御用マイコン554は、まず、大当り遊技中(特別遊技状態)であるか否かを判定する(S8701)。大当り遊技中でない場合には(S8701の結果が「N」)、リーチ演出作成処理2を終了する。
映像制御用マイコン554は、大当り遊技中の場合には(S8701の結果が「Y」)、リーチを作成するための説明を表示するタイミングであるか否かを判定する(S8702)。本発明の実施の形態では、最大ラウンド数の4ラウンド前がリーチを作成するための説明を表示するタイミングとなっている。最大ラウンド数の4ラウンド前までは通常の演出が実行される。
映像制御用マイコン554は、リーチを作成するための説明を表示するタイミングである場合には(S8702の結果が「Y」)、遊技履歴情報から実行済みの組合せ対象リーチを抽出する(S8703)。さらに、抽出された組合せ対象リーチで新たにリーチ演出の作成が可能であるか否かをチェックする(S8704、S8705)。抽出された組合せ対象リーチで新たにリーチ演出の作成が可能でない場合には(S8705の結果が「N」)、リーチ演出作成処理2を終了する。
一方、映像制御用マイコン554は、抽出された組合せ対象リーチで新たにリーチ演出の作成が可能である場合には(S8705の結果が「Y」)、表示装置48にリーチ演出を作成するための説明を表示するように設定する(S8706)。リーチ演出を作成するための説明表示画面の一例を図88(A)に示す。
映像制御用マイコン554は、リーチを作成するための説明を表示するタイミングでない場合には(S8702の結果が「N」)、リーチ演出を作成中であるか否かを判定する(S8707)。リーチ演出を作成中でない場合には(S8707の結果「N」)、リーチ演出作成処理2を終了する。
映像制御用マイコン554は、リーチ演出を作成中の場合には(S8707の結果「Y」)、作成案内表示タイミングであるか否かを判定する(S8708)。本発明の実施の形態では、最大ラウンド数の3ラウンド前がリーチ作成案内を表示するタイミングとなっている。
映像制御用マイコン554は、作成案内表示タイミングである場合には(S8708の結果「Y」)、抽出された対象リーチに基づいて、リーチの作成案内を表示するように設定する(S8709)。リーチの作成案内表示画面の一例を図88(B)に示す。
また、図88(B)に示すように、作成案内表示画面には、リーチ種別の選択を受け付け可能に構成されている。そこで、映像制御用マイコン554は、リーチ種別の入力を受け付けたか否かを判定する(S8710)。リーチ種別の入力を受け付けた場合には(S8710の結果が「Y」)、選択入力に応じた組合せ可能数(2又は3)をセットする(S8711)。S8711の処理の終了後、又は、リーチ種別の入力を受け付けなかった場合には(S8710の結果が「N」)、リーチ演出作成処理2を終了する。
一方、映像制御用マイコン554は、作成案内表示タイミングでない場合には(S8708の結果「N」)、リーチ選択画面の表示タイミングであるか否かを判定する(S872)。リーチ選択画面の一例を図88(C)及び(D)に示す。
映像制御用マイコン554は、リーチ選択画面の表示タイミングの場合には(S8712の結果が「Y」)、選択表示されたリーチ種別に対応する組合せリーチ選択表示を設定する(S8713)。さらに、組合せ対象のリーチ演出の選択入力が受け付けられたか否かを判定する(S8714)。
映像制御用マイコン554は、組合せ対象のリーチ演出の選択入力が受け付けられた場合には(S8714の結果が「Y」)、選択されたリーチ演出を組合せ対象データにセットする(S8715)。一方、組合せ対象のリーチ演出の選択入力が受け付けられなかった場合には(S8714の結果が「N」)、リーチ演出作成処理2を終了する。
映像制御用マイコン554は、リーチ選択画面の表示タイミングでない場合には(S8712の結果が「Y」)、作成確認画面の表示タイミングであるか否かを判定する(S8716)。作成確認画面の一例を図88(E)に示す。映像制御用マイコン554は、作成確認画面の表示タイミングでない場合には(S8716の結果が「N」)、リーチ演出作成処理2を終了する。
映像制御用マイコン554は、作成確認画面の表示タイミングである場合には(S8716の結果が「Y」)、セットされた対象データ数が組合せ可能数に到達したか否かをチェックする(S8717、S8718)。
映像制御用マイコン554は、セットされた対象データ数が組合せ可能数に到達した場合には(S8718の結果が「Y」)、遊技者に作成確認をするための画面の表示を設定する(S8719)。作成確認画面の一例を図88(E)に示す。
次に、映像制御用マイコン554は、作成確認画面において決定入力がなされたか否かを判定する(S8720)。作成確認画面における決定入力とは、図88(E)における「OK」を選択した状態で演出ボタン61を操作した場合に対応する。作成確認画面において決定入力がなされた場合には(S8720の結果が「Y」)、作成リーチ情報に新たに作成されたリーチを追加更新する(S8721)。
映像制御用マイコン554は、S8721の処理が終了した場合、又は、セットされた対象データ数が組合せ可能数に到達していない場合には(S8718の結果が「N」)、対応する終了表示を設定し(S8722)、リーチ演出作成処理2を終了する。なお、S8721の処理が終了した場合に表示される終了表示の一例を図88(F)に示す。その後、通常遊技に復帰する。
以上のように、大当り発生中(特別遊技状態中)においてリーチ演出の作成機能を実行することによって、演出パターンのバリエーションを増やしたい遊技者にオリジナルリーチを作成することに興味を持たせることができる。なお、本実施形態では大当りの終了後に必ず高確率状態となることから、作成したオリジナルリーチが実行される機会が増えるため、その効果が顕著となる。また、大当り終了後に大当りした図柄に基づいて高確率とする場合には、高確率となる図柄での大当り発生中にのみリーチ演出の作成機能を実行しても良い。
続いて、小当り又は2R大当り発生時に第2変動入賞装置45の大入賞口を開放し、遊技球を入賞させるチャンスゲーム変動について説明する。チャンスゲーム変動では、変動表示中に第2変動入賞装置45の大入賞口に遊技球を入賞させるための第2ワープ装置40の球入口40aを狙うようにメッセージが表示される。前述のように、第2ワープ装置40に設けられたクルーン40cに一時的に通過する遊技球を滞留させるなどして第2ワープ装置40から遊技球が排出されるまで所定の時間を要するように構成されており、第2ワープ装置40への流入タイミングと第2変動入賞装置45の大入賞口への遊技球の入賞タイミングとが一致するように構成されている。なお、本発明の実施の形態では、遊技球が発射されてから第2ワープ装置40から遊技球が排出されるまでの時間は9秒程度となっている。
まず、小当り又は2R大当り(チャンスゲーム)発生時の変動表示ゲームのシーンデータについて説明する。図89は、本発明の実施の形態のチャンスゲーム実行時におけるシーンデータの構成を示す図である。(A)は小当り発生時のシーンデータであり、(B)は2R大当り発生時のシーンデータである。
図89(A)及び(B)を参照すると、シーンデータの構成は、変動開始シーンデータから中図柄変動停止シーンデータまでの構成は同じである。しかし、小当り発生時及び2R大当り発生時における変動時間が相違するため、一部のシーンの所要時間が相違するように構成されている。
なお、第2ワープ装置40を狙うように促すメッセージを表示するタイミングが同じになるように、後半のシーンデータ(中図柄チャンス報知シーンデータ、中図柄変動停止シーンデータ)には同じ時間が設定されている。
続いて、図90を参照しながら、各シーンについて説明する。図90は、本発明の実施の形態の小当り発生時における各シーンを説明する図である。
(A)は、変動開始直前の状態を示している。この状態で変動表示ゲームが開始されると、(B)に示すように、最初に変動開始シーンデータが設定される。このとき、各図柄の回転速度が徐々に高速化するように変動表示される。
続いて、各図柄の回転速度が所定の速度に到達すると、(C)に示すように、各図柄の回転速度が一定となって変動表示が継続される。このとき、チャンス図柄「ワープチャンス」の出現時に第2ワープ装置40の球入口40aを狙って遊技球を発射するように、遊技者に対してメッセージを表示する(事前報知手段)。
その後、第1(左)図柄、第3(右)図柄、第2(中)図柄の順で各図柄の変動が停止する。具体的には、等速変動シーンが終了すると、左図柄変動停止シーンデータが設定される。このとき、(D)に示すように、左図柄の回転速度が徐々に減速し、停止状態になる。なお、図柄が完全に停止する必要はなく、停止位置で揺れ変動するいわゆる仮停止であってもよい。続いて、右図柄変動停止シーンデータが設定され、(E)に示すように、右図柄の変動も停止する。
ここで、左図柄と右図柄とが一致するため、リーチ変動シーンデータが設定され、(F)に示すように、リーチが発生する。さらに、チャンスモードに発展するため、(G)に示すように、リーチ発展変動シーンデータが設定される。
その後、中図柄チャンス報知シーンデータが設定され、(H)に示すように、中図柄に「ワープチャンス」図柄が登場する。中図柄チャンス報知シーンが開始されたタイミングでは、第2変動入賞装置45の大入賞口が最初に開放される9秒前のタイミングとなるため、このタイミングで遊技球を第2ワープ装置40の球入口40aを狙って発射すると、第2変動入賞装置45の大入賞口が開放されるタイミングで第2ワープ装置40の球出口40bから遊技球が排出される。さらに、(I)に示すように、中図柄チャンス報知シーンが継続され、「ワープチャンス」図柄が変動する。この「ワープチャンス」図柄の登場が、第2変動入賞装置45の大入賞口が開放されるタイミングを報知する報知演出となっている。
続いて、中図柄変動停止シーンデータが設定され、(J)に示すように、「ワープチャンス」図柄で中図柄が停止し、小当りが発生する。このとき、第2変動入賞装置45の大入賞口が閉塞する5秒前となっている。その後、(K)に示すように、ファンファーレ音が出力され、第2変動入賞装置45の大入賞口が開放されるチャンスゲームが開始されると、チャンス図柄の出現タイミングで発射されてワープ装置40内に流入した遊技球が球出口40bから排出されて第2変動入賞装置45に入賞する。
次に、図柄の変動表示中に表示されるメッセージの表示タイミングと、遊技球の発射タイミングとの関係を説明する。図91は、本発明の実施の形態のメッセージの表示タイミング、第2変動入賞装置45の大入賞口(AT)の開放タイミング及び遊技球の発射タイミングの関係を説明する図である。縦軸は時間軸であり、図の下方向に時間が経過する。また、チャートの各行は遊技球が発射されてから第2ワープ装置40から排出されるまでの期間を示している。アルファベットは、遊技球に対応し、図92から図94にて対応する遊技球の位置を特定する。
本発明の実施の形態では、前述のように、変動表示ゲームの開始後、等速変動シーンにおいて、チャンス図柄が出現したら第2ワープ装置40の球入口40a(上ワープ)を狙うように指示するメッセージが表示される。
そして、メッセージが表示されてから、リーチ変動シーンを経て中図柄チャンス報知シーンに遷移する。このとき、チャンス図柄が中図柄に出現し、このタイミングがチャンス図柄出現タイミングとなる。
本発明の実施の形態では、チャンス図柄を大当り発生時には含まれない図柄とすることによって、遊技者が見逃すことなくチャンスゲームを実行することができるように構成されている。
小当り又は2R大当りが発生する場合には、チャンス図柄出現タイミングから9秒後に第2変動入賞装置45の大入賞口の開放が開始される(AT初回開放タイミング)。そこで、遊技者は、チャンス図柄出現タイミングから、チャンス図柄停止タイミングまで、第2ワープ装置40の球入口40aを狙って遊技球を発射する(B〜H)。チャンス図柄出現タイミングからチャンス図柄停止タイミングまでの間に発射された遊技球は第2変動入賞装置45に入賞する可能性があるため、この期間を入賞可能発射期間とする。また、入賞可能発射期間以外の期間を入賞困難発射期間とする。図91では、遊技球C〜Gが入賞可能発射期間に発射された遊技球となっている。
チャンス図柄停止タイミング(入賞可能発射期間終了後)から所定の時間が経過すると、小当り又は2R大当りが発生したことによるファンファーレ音が出力される。その後(1秒後)、第2変動入賞装置45の大入賞口が最初に開放されるAT初回開放タイミングとなる。
AT初回開放タイミングになると、第2変動入賞装置45の大入賞口が所定時間、所定回数、所定間隔で開放される。具体的には、小当りの場合は1秒間の開放が2回、2R大当りの場合は6秒間の開放が1回となっている。そして、第2変動入賞装置45の大入賞口の最後の開放が終了したタイミングがAT最終閉塞タイミングとなる。AT初回開放タイミングからAT最終閉塞タイミングまでの間を入賞可能期間とする。
小当り又は2R大当り発生時において、通常、大入賞口の開閉態様が遊技球を入賞させることが困難であるが、本発明の実施の形態では、第2変動入賞装置45の大入賞口に遊技球を導く第2ワープ装置40を備えるとともに、入賞可能な期間を報知することによって、第2変動入賞装置45の大入賞口に遊技球を効率的に入賞させることが可能となる。
また、第2ワープ装置40が第2変動入賞装置45の大入賞口に遊技球を案内するため、報知演出の実行時に積極的にワープ装置を狙って遊技球を発射するようになり、遊技性を向上させることが可能となる。
さらに、遊技者に不利な開閉態様となる小当り又は2R大当り発生時において、変動入賞装置に効率的に遊技球を入賞させることができる。さらに、報知演出により小当り又は2R大当り発生時の入賞率や遊技性が向上することによって、遊技者に小当り又は2R大当りが発生したことに対する遊技者の不満感を軽減することが可能となる。
また、通常の遊技においては、第1ワープ装置35の流入口35aを狙って発射し、チャンス図柄が出現すると第2ワープ装置40を狙って遊技球を発射することで遊技者に有利な度合いが変化するので、遊技者が積極的に遊技球の打ち分けを行うことになり、遊技性を向上させることができるまた、第2ワープ装置40の球入口40aが大きく開口しているため、第2ワープ装置40に遊技球が流入し易くなるように構成されている。
図91に示すように、遊技球C〜Gについては、入賞可能期間内に第2ワープ装置40から排出されるため、第2変動入賞装置45の大入賞口に入賞する可能性がある。
続いて、図92から図94を参照しながら第2ワープ装置40を通過する遊技球の位置と第2変動入賞装置45の大入賞口の開閉タイミングとの関係を説明する。図92から図94は、本発明の実施の形態の第2ワープ装置40を通過する遊技球の位置と第2変動入賞装置45の大入賞口の開閉タイミングとの関係を説明する図である。
図92は、第2変動入賞装置45の大入賞口が開放される前の状態である。図92に示すタイミングは、球技球Jが第2ワープ装置40に流入するタイミングであり、図91のファンファーレタイミングに対応する。
図92に示すタイミングでは、第2変動入賞装置45の大入賞口が閉状態であるため、第2ワープ装置40を通過した遊技球Aが第2変動入賞装置45の大入賞口上に流下しても、そのまま落下してしまう。このとき、遊技球Aは、第2変動入賞装置45の下方に配置された流下方向変化部材55によって第1変動入賞装置42に向けて流下方向が変換される。
また、遊技球Bについても同様にAT初回開放タイミングの前に第2ワープ装置40から排出されるため、そのまま落下してしまう。
図93は、第2変動入賞装置45の大入賞口が開放されるタイミングである。図93に示すタイミングは、球技球Dが第2ワープ装置40から排出される直前のタイミングであり、図91のAT初回開放タイミングの後のタイミングに対応する。
図93に示すタイミングでは、第2変動入賞装置45の大入賞口が開状態に変換された後であるため、第2ワープ装置40を通過した遊技球Cが第2変動入賞装置45の大入賞口上に流下すると、第2変動入賞装置45に入賞する可能性がある。なお、小当りの場合に第2変動入賞装置45の大入賞口が開放されるラウンド間のインターバルのタイミングでは、入賞可能期間であっても入賞しない場合がある。
同様に、遊技球D〜Gについても、入賞可能発射期間に発射され、入賞可能期間に第2ワープ装置40から排出されるため、第2変動入賞装置45に入賞する可能性がある。
図94は、第2変動入賞装置45の大入賞口が閉塞されるタイミングである。図94に示すタイミングは、球技球Hが第2ワープ装置40から排出される直前のタイミングであり、図91のAT最終閉塞タイミングに対応する。
AT最終閉塞タイミングになると、第2変動入賞装置45の大入賞口が閉状態に変換されるため、第2ワープ装置40から排出された遊技球は第2変動入賞装置45に入賞できなくなる。図94では、遊技球Gが入賞した直後に、第2変動入賞装置45の大入賞口が閉状態に変換され、第2ワープ装置40から以降排出される遊技球H〜Jは第2変動入賞装置45に入賞できなくなっている。
以上、変動表示ゲームの結果が小当り又は2R大当りの場合に第2変動入賞装置45の大入賞口が開放される場合について説明したが、変動表示ゲームの結果が10R大当りや15R大当りの場合に第2変動入賞装置45に遊技球を入賞させるメッセージを表示するようにしてもよい。
また、チャンス図柄が表示された場合に、第2変動入賞装置45に入賞させるために第2ワープ装置40に遊技球が流入するように発射した場合であっても、第2変動入賞装置45の下方に流下方向変化部材55が配置されているため、第1変動入賞装置42に入賞させることが可能となっている。また、この場合には、第1変動入賞装置42とともに第2変動入賞装置45の大入賞口を開放させるように制御してもよい。
さらに、10R大当り又は15R大当りが発生する変動パターン(例えば、ノーマルリーチ)の場合に、チャンス図柄の出現を予告し、チャンス図柄が出現した場合には第2ワープ装置40の球入口40a(上ワープ)を狙うように指示するメッセージ(予告)を表示しても良い。この場合には、第2ワープ装置40を狙って遊技球を発射したとしても、遊技球が流下方向変化部材55により第1変動入賞装置42に向けて案内されるため、遊技者に損をさせることなく価値の高い大当りとなったことに驚きや高揚感を与えることができる。
図95は、本発明の実施の形態のノーマルリーチB1のシーンデータの構成を示す図である。(A)は通常のシーンデータであり、(B)はチャンス図柄の予告を含むシーンデータである。
図95(A)及び(B)を参照すると、シーンデータの構成は、変動開始シーンデータからリーチ変動シーンデータまでの構成及び変動時間は同じになっている。予告報知のない場合にはリーチ発展変動シーンデータの変動時間が6秒間となっているのに対し、予告報知がある場合には2秒間となり、続いて、変動時間が4秒間である中図柄チャンス報知シーンデータが追加されている。
また、予告報知のない場合のリーチ発展変動シーンデータの変動時間が6秒間となっているのに対し、予告報知がある場合のリーチ発展変動シーンデータと中図柄チャンス報知シーンデータの変動時間の合計が6秒間と同じになっているため、変動時間全体としては同じ時間となっている。
続いて、図96を参照しながら、予告報知がある場合の各シーンについて説明する。図96は、本発明の実施の形態のチャンス図柄出現予告を含むノーマルリーチB1の各シーンを説明する図である。
(A)から(I)までのシーンは図90にて説明した小当り発生時の場合と同じである。なお、(H)のタイミングでは、第2変動入賞装置45の大入賞口ではなく、第1変動入賞装置42の大入賞口が最初に開放される9秒前となっている。
(J)のシーンにおいて、中図柄が停止せずに再変動し、(K)に示すように、大当り図柄で停止する。その後、(L)において大当りを報知するシーンが表示され、大当り発生時のファンファーレ音が出力される。
その後、第1変動入賞装置42の大入賞口が所定のラウンド数に対応する回数だけ開放される。前述のように、チャンス図柄の出現予告によって第2ワープ装置40に遊技球が流入するように発射していた場合であっても、流下方向変化部材によって第2ワープ装置40から流出した遊技球は第1変動入賞装置42に入賞可能であるため、遊技者にとって大きな不利益は生じないように構成されている。
最後に、図97から図99を参照しながら、本発明の実施の形態における変動パターンのリーチ態様の例について説明する。なお、図97から図99にて説明する画面では、第4図柄の表示は省略している。
また、画面上に表示された「ドキドキモード」は確率報知が「曖昧」の場合に対応し、「熱々モード」は確率状態が高確率であって、かつ、確率報知が「明瞭」の場合に対応する。なお、確率状態が低確率であって、かつ、確率報知が「明瞭」の場合には、「通常モード」と表示される。
図97は、本発明の実施の形態の転落演出リーチ及び転落復活リーチの一例を説明する図である。
(A)に示す状態では、「ドキドキモード」と表示されているため、確率報知モードが「曖昧」となっている。したがって、遊技者は現在の確率状態を把握できない状態となっている。
そして、(B)において変動表示ゲームが開始され、(C)でバトルの発生が報知され、(D)でバトル演出が実行される。(E)及び(F)では、バトルで敗北したことが報知される。転落演出リーチでは、そのまま変動表示ゲームが終了し、以降、「通常モード」に移行する。
一方、転落復活リーチでは、(G)においてバトルが再開される演出が実行され、変動が継続される。その後、(H)で大当りが発生する。
本発明の実施の形態では、転落演出リーチの変動時間は30秒間に設定されており、(B)から(F)までの演出は、転落復活リーチと同じになっている。再変動後の(G)及び(H)の変動時間は10秒又は15秒となっている。
なお、転落復活リーチが発生した場合であっても最終的に変動表示ゲームの結果がはずれとなってもよい。
以上のように、本発明の実施の形態では、確率報知モードが「曖昧」になっている場合に、転落抽選が当選した場合に転落したことを示す演出を実行することによって、確率報知(示唆)のための抽選プログラムを新たに設けることなく、確率状態を報知することが可能となる。また、遊技者にとって転落抽選機能が高確率状態から低確率状態に転落させるだけの機能でなく、確率報知モードが「曖昧」となっている場合に「明瞭」に設定するといった遊技者に有利な機能を併せ持つようにすることによって、極端なマイナスイメージとなることを回避することが可能となる。
したがって、本発明の実施の形態によれば、確率状態(大当り抽選の当選確率)が低確率(通常確率)であっても転落抽選の機能を生かした演出を行うことが可能となり、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
図98は、本発明の実施の形態の疑似2連リーチの一例を説明する図である。
(A)に示す状態では、「熱々モード」と表示されているため、遊技者は現在の確率状態が高確率状態であることを把握している。
(B)において変動表示ゲームが開始されると、(C)において一旦仮停止する。そして、(D)に示すように、再変動を開始し、(E)において再度仮停止する。このとき、さらに何らかの演出が発生することを示唆する演出を実行してもよい。(E)では、例えば、「ざわざわ」とどよめく演出が実行されており、何らかの演出が実行されることが示唆されている。
その後、(F)において再変動が開始され、(G)でリーチが発生するとともに、バトルの発生が報知される。(H)においてバトル演出が実行され、(I)で決着がついたことが報知される。
(J1)では、バトルの結果が引き分けとなり、確率報知モードが「曖昧」に変更される。(B)から(J1)までの変動は「曖昧疑似2連リーチ」であり、高確率時にのみ実行される。また、「曖昧疑似2連リーチ」の変動時間は50秒である。
(J2)では、大当りが発生し、ファンファーレ音が出力されて特別遊技状態に遷移する。(B)から(J2)までの変動は「疑似2連リーチ」である。なお、変動表示ゲームの結果は大当りに限らず、はずれであってもよい。また、確率報知モードが明確であればよいため、「熱々モード」ではなく、「通常モード」であっても、「疑似2連リーチ」は発生する。なお、「疑似2連リーチ」の変動時間は、「曖昧疑似2連リーチ」と同様に、50秒である。
図99は、本発明の実施の形態の疑似2連リーチの別の例を説明する図である。画面(A)から(F)までの変動は、図98に示した例と同じである。ただし、確率報知モードは「曖昧」に設定されており、画面上には「ドキドキモード」と表示されている。
(A)から(F)までの画面が表示された後、(G)でリーチが発生するとともに、バトルの発生が報知される。(H)においてバトル演出が実行され、(I)で決着がついたことが報知される。
(J1)では、バトルに敗北したことが報知され、さらに、実行された変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選していたため、確率状態が高確率から低確率になる。なお、本発明の実施の形態では、低確率状態においても転落抽選が実行されるため、もともと低確率であっても同様の演出が実行される。いずれの場合であっても確率報知モードが「曖昧」から「明瞭」に変更され、画面上は「ドキドキモード」から「通常モード」に表示が変更される。(B)から(J1)までのリーチは「転落疑似2連リーチ」である。
(J2)では、チャンス図柄が表示され、小当りが発生した場合を示している。小当り発生後には、確率報知モードを「曖昧」から「明瞭」に切り替えて、確率状態が高確率であることを報知する。したがって、画面には「熱々モード」と表示される。(B)から(J1)までのリーチは「高確疑似2連リーチ」である。
なお、「高確疑似2連リーチ」が発生した場合には、(I)と(J2)との間、又は(I)よりも前のタイミングで第2ワープ装置40に遊技球を流入させるように指示するメッセージを表示するようにしてもよい。
このように、確率報知モードが「曖昧」の状態で、小当り抽選に当選した場合に擬似連変動態様と確率報知が実行されるので、遊技者に大当り抽選や転落抽選に当選したかも知れないという期待感を与えることができる。また、小当り当選したことが擬似連変動態様の最後の変動表示まで明らかにならないので、小当り当選が早期に遊技者に認識されることを回避して最後の変動表示まで特別遊技状態への期待感を維持させることが可能となる。
(J3)では、変動表示ゲームの結果、大当りが発生した場合を示している。大当り発生後には、確率報知モードを「曖昧」から「明瞭」に切り替えて、確率状態が高確率であることを報知する。したがって、画面には「熱々モード」と表示される。(B)から(J3)までのリーチは「疑似2連リーチ」である。図98に示した「疑似2連リーチ」とは変動表示ゲーム開始時の確率報知モードが「明瞭」であるか、「曖昧」であるかの点で相違している。
本発明の実施の形態では、大当り抽選に当選した場合及び転落抽選に当選した場合に擬似連変動態様が実行可能となっているので、擬似連変動態様の実行によって遊技者に特別遊技状態が発生するかもしれないという期待感を与えつつ、転落当選に当選したかも知れないという不安感を与えることが可能となり、特別遊技状態が発生した際の遊技者の歓喜を大きなものにすることができる。
また、転落当選したことが擬似連変動態様の最後の変動表示まで明らかにならないので、転落抽選に当選したことが早期に遊技者に把握されることを回避して最後の変動表示まで特別遊技状態への期待感を維持させることが可能となる。
なお、本願においては、前述の特許文献1(特開2010−136731号公報)における別の課題を解決することも意図している。
特許文献1に記載の遊技機では、遊技状態が特定遊技状態(確率変動状態)となっている場合において変動表示ゲームの実行毎に通常確率に転落させるか否かを抽選し、当該転落抽選に当選することで特定遊技状態を終了させて通常遊技状態に転落(移行)させる。
このような転落抽選機能を備えた遊技機では、転落抽選を行うタイミングが特定遊技状態(確率変動状態)のみに限定されており、通常遊技状態においては転落抽選用のプログラムが機能することがないため、当該抽選プログラムの機能が十分に活用されているとはいえなかった。
そこで、本発明は上記の問題を鑑み、転落抽選プログラムの機能を十分に生かすことで興趣を向上させることが可能な遊技機を提供することを目的とする発明を開示する。その代表的なものとして、次のものを列記する。
(1)遊技領域に設けられた始動口への遊技球の入賞に基づき複数の識別情報を変動表示してから停止する変動表示ゲームを実行することが可能な表示装置を備え、前記変動表示ゲームの停止表示結果が予め定められた特別態様となったことに基づいて、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技状態を発生させることが可能な遊技機において、前記始動口への遊技球の入賞に基づいて、第1乱数及び第2乱数を抽出して前記変動表示ゲームの始動記憶として記憶することが可能な始動記憶手段と、前記始動記憶手段に記憶された始動記憶の第1乱数に基づいて、前記変動表示ゲームの結果態様を前記特別態様とするか否かの大当り抽選を行う大当り抽選手段と、少なくとも前記大当り抽選の抽選結果に基づいて、前記変動表示ゲームの実行制御を行うことが可能な変動表示ゲーム制御手段と、前記特別遊技状態が終了したことに基づいて、前記大当り抽選の当選確率を通常確率から高確率に設定する確率変動手段と、前記始動記憶手段に記憶された始動記憶の第2乱数に基づいて、前記大当り抽選の当選確率を高確率から通常確率に転落させるか否かの転落抽選を行う転落抽選手段と、前記大当り抽選の当選確率が高確率中に前記転落抽選に当選したことに基づいて、前記大当り抽選の当選確率を前記通常確率に設定する確率転落手段と、前記大当り抽選の当選確率が通常確率中に前記転落抽選に当選したことに基づいて、前記変動表示ゲームの実行中に所定の演出を行うことが可能な転落時演出実行手段と、を備えることを特徴とする。
(2)(1)の発明において、現在の前記大当り抽選の当選確率を明確に報知する明確報知状態又は現在の前記大当り抽選の当選確率を明確に報知しない曖昧報知状態を発生することが可能な報知状態発生手段を備え、前記転落時演出実行手段は、前記大当り抽選の当選確率が通常確率である前記曖昧報知状態において前記転落抽選に当選したことに基づいて、現在の前記大当り抽選の当選確率が通常確率であることを示唆又は報知する通常確率演出を行うことを特徴とする。
(3)(2)の発明において、前記変動表示ゲーム制御手段は、前記変動表示ゲームを前記識別情報の変動表示を1回行う通常変動態様又は前記識別情報の変動表示を繰り返し行う擬似連変動態様により実行するかを決定する変動態様決定手段と、前記変動態様決定手段により決定された変動態様で前記変動表示ゲームを実行することが可能な変動表示ゲーム実行手段と、を備え、前記変動態様決定手段は、前記大当り抽選に当選した場合及び前記転落抽選に当選した場合に前記擬似連変動態様の実行を決定可能であり、前記転落時演出実行手段は、前記通常確率演出を実行する前記変動表示ゲームが前記擬似連変動態様により実行された場合には、当該擬似連変動態様の最後の変動表示において前記通常確率演出を実行することを特徴とする。
(4)(3)の発明において、前記特別遊技状態が終了した後に実行された前記変動表示ゲームの実行回数を計数することが可能な回数計数手段を備え、前記変動態様決定手段は、前記大当り抽選の当選確率が高確率である前記曖昧報知状態において前記転落抽選に当選した場合に、前記回数計数手段により計数された前記実行回数が少ないほど高い確率で前記擬似連変動態様の実行を決定することを特徴とする。
(5)(4)の発明において、前記変動態様決定手段は、前記大当り抽選の当選確率が通常確率である前記曖昧報知状態において前記転落抽選に当選した場合に、前記回数計数手段により計数された前記実行回数が少ないほど高い確率で前記擬似連変動態様の実行を決定することを特徴とする。
(6)(5)の発明において、前記遊技機は、前記変動表示ゲームの停止表示結果が予め定められた小当り態様となったことに基づいて、遊技者に前記特別遊技状態よりも低価値な遊技価値を付与する小当り遊技状態を発生することが可能であり、前記始動口への遊技球の入賞時に抽出した前記第1乱数に基づいて、前記変動表示ゲームの結果態様を前記小当り態様とするか否かの小当り抽選を行う小当り抽選手段と、前記曖昧報知状態において前記小当り抽選に当選したことに基づいて、前記変動表示ゲームの実行中に現在の前記大当り抽選の当選確率を報知する確率報知演出を行う小当り時演出実行手段と、を備え、前記変動態様決定手段は、前記曖昧報知状態において前記小当り抽選に当選した場合に前記擬似連変動態様の実行を決定可能であり、前記小当り時演出実行手段は、前記変動表示ゲームが前記擬似連変動態様により実行された場合には、当該擬似連変動態様の最後の変動表示において前記大当り抽選の当選確率を報知することを特徴とする。
(7)(1)〜(6)の発明において、前記始動記憶手段に記憶される始動記憶の前記第1乱数を当該始動記憶による変動表示ゲームの実行時の前記大当り抽選の当選確率に応じて事前に判定することが可能な事前判定手段と、前記事前判定手段の判定結果に基づいて、前記始動記憶手段に記憶された始動記憶の遊技結果を当該始動記憶に基づく前記変動表示ゲームの実行前に予告することが可能な事前予告手段と、を備えたことを特徴とする。
(1)〜(7)の発明によれば、大当り抽選の当選確率が通常確率であっても転落抽選の機能を生かした演出を行うことが可能となり、遊技の興趣を向上させることが可能となる。
なお、今回開示した実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではない。また、本発明の範囲は前述した発明の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。