JP5865706B2 - 電力分配合成器 - Google Patents
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Description
図22に、一般的なブランチライン形ハイブリッドを示す。
子1と隣り合う端子4はアイソレーションされる。
今後、このように4本の伝送線路に4つの端子を形成して2軸対称となるように接続される回路のことを、ブランチライン形回路と呼ぶ。
Y1=1.80、Y2=YS=1.27、Ystub=2.10
この場合、理想線路を想定して等価回路シミュレータを用いてX帯において計算を行えば、比帯域28%(8.6〜11.4GHz)に渡って等分配の特性が得られる。
特許文献1に示されたブランチライン形ハイブリッドは、図23に示したように、整合回路を1/4波長変成器52と、1/4波長短絡スタブ53を用いて平面回路で構成しているため、大型化する課題がある。
2つのシャント容量を用いることなく、製造を容易にすると共に小型化を実現する電力分配合成器を得ることを目的とする。
よって、整合回路が装荷されているので、分配振幅特性および位相特性を広帯域化することができる。
その上、2つのシャント容量を用いることなく、直列容量および短絡スタブのみの簡単な回路構成により実現するので、製造を容易にすると共に小型化を実現することができる。
さらに、シャント容量にMIMキャパシタが適用される場合が多いが、MIMキャパシタを用いることなく、高域周波数でも動作する電力分配合成器が得られる効果がある。
図1は本発明の実施の形態1による電力分配合成器を示す平面図である。
図において、ブランチライン形回路1は、電気長が動作中心周波数fo近辺において1/4波長未満に形成された4本の伝送線路2a,2bが2軸対称となるように各々対向配置されると共に相互接続される。
直列容量3は、ブランチライン形回路1の各接続箇所と対応する端子1〜4との間に各々形成される。
短絡スタブ4は、各直列容量3と対応する端子1〜4との間に接続され、電気長が動作中心周波数fo近辺において1/4波長未満に形成される。
また、伝送線路2a,2bの電気長をφ1,φ2とし、短絡スタブ4の電気長をφstubとする。
動作中心周波数foにおける波長をλとする。
直列容量3の容量値をCpiとする。
電気長φ1,φ2,φstubは、1/4波長未満である。
また、シャント容量が不要なため、製造が容易であり、さらに、従来はシャント容量の寄生インダクタンスにより、X帯等の高域周波数での動作が困難であったが、本回路によれば、X帯においても実現できる特徴がある。
図2中において、分配振幅特性S21,S31を曲線A1,B1により示し、図3中において、反射特性S11を曲線C1により、アイソレーション特性S41を曲線D1により示す。また、図4中において、分配位相差誤差特性(理想的な分配位相差90度からの誤差)を曲線E1により示す。
本実施の形態1による図1の等価回路は、図23に比較して、1/4波長変成器が必要ないため、小型化できる効果がある。
また、図24に示した非特許文献1の等価回路による特性のL帯における計算結果とも同等の結果を得ている。
本実施の形態1による図1の等価回路は、図24に比較して、シャント容量成分が必要なく、前記の理由より高域周波数でも良好な特性を得ることができる効果がある。
図6に、1/4波長変成器5を、π型集中定数回路6に変換した回路を示す。
図6中において、1/4波長変成器5の規格化アドミタンスをYSとし、π型集中定数回路6を構成する容量値をCpiとする。
式(1)に示すF行列の等価性から、Cpi=YS/ω0と求まる。ここで、ω0はfoにおける角周波数である。
図8(a),(b)に、1/4波長短絡スタブ12を、動作中心周波数foにおける電気長φ0、規格化アドミタンスYaの短絡スタブ13とシャント容量14に変換した回路を示す。
図8(a),(b)の双方の共振器の等価性より、それぞれのスロープ(サセプタンス)パラメータbstub,baが等しいことと、動作中心周波数foにおけるサセプタンス値が0であることから、Yaとφ0は一意に求まる。
また、電気長をθsとし、動作中心周波数foにおいて90度である。
さらに、規格化アドミタンスをYstubとする。
また、電気長をφとし、動作中心周波数foにおいてφ0である。
さらに、規格化アドミタンスをYaとする。
このように、Yaとφ0は一意に求まる。
ここで、Cx1+Cx2=Cpiとすれば、負のシャント容量Cpiを相殺できる。
式(8)に示す中心周波数foでのF行列の等価性から、Yx1,Yx2とφ1o,φ2oは、式(9),式(10)のとおり導出される。
よって、整合回路が装荷されているので、分配振幅特性および位相特性を広帯域化することができる。
その上、2つのシャント容量を用いることなく、直列容量3および短絡スタブ4のみの簡単な回路構成により実現するので、製造を容易にすると共に小型化を実現することができる。
さらに、シャント容量にMIMキャパシタが適用される場合が多いが、MIMキャパシタを用いることなく、高域周波数でも動作する電力分配合成器が得られる。
図10は本発明の実施の形態2による電力分配合成器を示す斜視図であり、図11はその上面図である。
図10および図11は、図1に示した電力分配合成器をトリプレート線路により実現した場合の構造の一例(電磁界解析モデル)である。
図12はその層構成例を示す断面図である。
また、直列容量部25は、ブランチライン形回路23と、ブランチライン形回路23の上層に配置された浮遊導体(第2の導体)26との層間結合により平行平板容量を形成する。
なお、浮遊導体26は、ブランチライン形回路23の上層に配置したが、下層に配置しても良い。
図13において、ブランチライン形回路23の各接続箇所に、円盤形状の導体パターン(第1の導体)27が設けられ、その上層に配置される浮遊導体26と直径を異ならせて形成する。
また、浮遊導体26と導体パターン27との直径を異ならせて形成したので、多少の層ずれがあっても形成される容量に変化がなく、特性の劣化を防ぐことができる。
なお、導体パターン27を円盤形状としたが、円形でなくても良い。
短絡スタブ28は、トリプレート線路29、垂直ビア30a〜30cおよび導体パターン31a,31bを用いて所望の電気長が得られるように構成する。
なお、垂直ビア30cは、末端においてGNDに短絡される。
なお、垂直ビア33は、末端においてGNDに短絡される。
なお、電磁波漏洩防止壁32は、短絡スタブ28の周囲の外、ブランチライン形回路23および直列容量部25の周囲に配置しても良い。
図16中において、分配振幅特性を曲線A2,B2により示し、図17中において、反射特性を曲線C2により、アイソレーション特性を曲線D2により示す。また、図18中において、分配位相差特性を曲線E2により示す。
図19は本発明の実施の形態3による電力分配合成器の層構成例を示す断面図である。
図19において、電力分配合成器の多層基板は、マイクロストリップ線路層(MSL層)38、および第1トリプレート線路層(第1TPL層)39からなる。マイクロストリップ線路層38の層数は2層とし、第1トリプレート線路層39の層数は4層とする(合計6層)。
このように、短絡スタブ40を構成するトリプレート線路41を、ブランチライン形回路42と同じ第1トリプレート線路層39に形成したので、層数を合計6層にする等、薄形化することができる。
また、短絡スタブ40を構成するトリプレート線路41を、アメンダ状に形成すると共に、ブランチライン形回路42の内側に形成したので、小型化することができる。
図20中において、分配振幅特性を曲線A3,B3により示し、図21中において、反射特性を曲線C3により、アイソレーション特性を曲線D3により示す。
Claims (9)
- 電気長が動作中心周波数近辺において1/4波長未満に形成された4本の伝送線路が2軸対称となるように対向配置されると共に相互接続され、それら接続箇所に各々端子が形成されたブランチライン形回路と、
前記ブランチライン形回路の各接続箇所と対応する端子との間に各々形成された直列容量と、
前記各直列容量と対応する端子との間に接続され、電気長が動作中心周波数近辺において1/4波長未満に形成された短絡スタブとを備え、
前記ブランチライン形回路および前記短絡スタブは、
トリプレート線路により形成され、
前記直列容量は、
多層基板のうち、前記ブランチライン形回路が形成された層における前記接続箇所に配置された第1の導体と、
前記ブランチライン形回路が形成された層とは異なる層に配置され、前記第1の導体の上下いずれかに位置する第2の導体とにより形成される
ことを特徴とする電力分配合成器。 - 電気長が動作中心周波数近辺において1/4波長未満に形成された4本の伝送線路が2軸対称となるように対向配置されると共に相互接続され、それら接続箇所に各々端子が形成されたブランチライン形回路と、
前記ブランチライン形回路の各接続箇所と対応する端子との間に各々形成された直列容量と、
前記各直列容量と対応する端子との間に接続され、電気長が動作中心周波数近辺において1/4波長未満に形成された短絡スタブとを備え、
前記ブランチライン形回路は、
マイクロストリップ線路により形成され、
前記直列容量は、
多層基板のうち、前記ブランチライン形回路が形成された層における前記接続箇所に配置された第1の導体と、
前記ブランチライン形回路が形成された層とは異なる層に配置され、前記第1の導体の上下いずれかに位置する第2の導体とにより形成される
ことを特徴とする電力分配合成器。 - 前記ブランチライン形回路および前記短絡スタブは、
互いに異なる層に形成され、各層は上下に重ね合わされたことを特徴とする請求項1記載の電力分配合成器。 - 前記直列容量および前記短絡スタブは、
垂直ビアを用いて接続されたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の電力分配合成器。 - 前記直列容量および前記短絡スタブは、
導体パターンを用いて接続されたことを特徴とする請求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の電力分配合成器。 - 前記短絡スタブは、
導体パターンおよび垂直ビアを用いて構成されたことを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の電力分配合成器。 - 前記第1の導体および前記第2の導体は、
どちらかが大きく形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の電力分配合成器。 - 前記短絡スタブは、
層内に折り畳まれていることを特徴とする請求項1から請求項7のうちのいずれか1項記載の電力分配合成器。 - 前記ブランチライン形回路、前記直列容量、および前記短絡スタブのうちの少なくともいずれか1つの周囲に、垂直ビアにより形成される電磁波漏洩防止壁が配置されることを特徴とする請求項1から請求項8のうちのいずれか1項記載の電力分配合成器。
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