<<<<実施の形態>>>>
以下に、実施の形態について図面に基づいて説明する。なお、本実施の形態において、遊技機は、いわゆるパチンコ機100aやパチスロ機100b等のゲーム装置であり、特に、遊技機としてパチスロ機100bが好ましい。
図1に示すように、本実施の形態による遊技機は、
メダルセレクタから出力された遊技媒体使用信号を光通信可能な光信号によって受信するメダルセレクタ用光通信部(たとえば、光信号受光部310aなど)と、
前記メダルセレクタと前記メダルセレクタ用光通信部との間に設けられた中継部(たとえば、メダルセレクタ中継基板600など)と、を備え、
前記中継部は、
前記メダルセレクタから出力された遊技媒体使用信号に基づいて通信光を発光する発光部(たとえば、発光部420など)と、
前記発光部から離隔した位置に配置され、かつ、前記発光部から発せられた通信光を受光し前記メダルセレクタ用光通信部と光通信を行い、遊技媒体に関する処理を行う制御基板(たとえば、ドア中継基板300”など)に接続された第1の光通信部第1の光通信部(たとえば、第1の光通信部440など)と、
前記発光部と前記第1の光通信部と間の間隙によって形成された開口(たとえば、開口632など)を有する雌コネクタ部であって、平板状の舌片(たとえば、舌片部730など)を有し光通信をするための第2の光通信部(たとえば、第2の光通信部740など)を有する雄コネクタ部(たとえば、雄コネクタ部700など)が前記開口を介して取り付けられる雌コネクタ部(たとえば、雌コネクタ部630など)と、
前記発光部と前記第1の光通信部とを覆う第1の遮光部(たとえば、固定遮光部610や612など)と、
前記雄コネクタ部が前記雌コネクタ部に取り付けられていないときに前記開口を覆う着脱可能な第2の遮光部(たとえば、着脱遮光部620など)と、を有し、
前記雄コネクタ部が前記雌コネクタ部に取り付けられているときに、前記第2の光通信部は、前記第1の光通信部と双方向に光通信可能に向かい合う。
本実施の形態による遊技機は、メダルセレクタ用光通信部と中継部とを備える。メダルセレクタ用光通信部は、メダルセレクタから出力された遊技媒体使用信号を光通信可能な光信号によって受信する。遊技媒体使用信号は、光信号でも、光信号以外の電気信号などの信号でもよい。遊技媒体使用信号が光信号以外の信号である場合には、メダルセレクタ用光通信部は、光信号に変換された遊技媒体使用信号を受信する。メダルセレクタ用光通信部は、たとえば、いわゆるドア中継基板に設けられることが好ましい。メダルセレクタからは、遊技媒体投入信号が出力される。中継部は、メダルセレクタとメダルセレクタ用光通信部との間に設けられる。中継部とメダルセレクタとは、光ファイバーケーブルにより光通信可能に接続されることが好ましい。中継部とメダルセレクタ用光通信部とは、光ファイバーケーブルにより光通信可能に接続されることが好ましい。
中継部は、発光部と、第1の光通信部と、雌コネクタ部と、第1の遮光部と、第2の遮光部とを有する。
発光部は、メダルセレクタから出力された遊技媒体使用信号に基づいて通信光を発光する。メダルセレクタと発光部とを光ファイバーケーブルにより光通信可能に接続されることが好ましい。メダルセレクタから出力された遊技媒体使用信号は、光ファイバーケーブルを介して発光部に伝播される。発光部に伝播された光信号は、発光部から通信光として出射される。
第1の光通信部は、発光部から離隔した位置に配置される。第1の光通信部は、発光部から発せられた通信光を受光する。第1の光通信部は、メダルセレクタ用光通信部と光通信をする。第1の光通信部は、遊技媒体に関する処理を行う制御基板に接続されている。すなわち、第1の光通信部は、発光部から通信光として出射された通信光を受光し、受光した通信光を光信号としてメダルセレクタ用光通信部に出力する。
このように、メダルセレクタから出力された遊技媒体使用信号は、メダルセレクタから発光部へ、発光部から第1の光通信部へ、第1の光通信部からメダルセレクタ用光通信部へ伝播される。
発光部と第1の光通信部と間の間隙によって開口が形成される。雌コネクタ部は、開口を有する。第2の光通信部は、平板状の舌片を有する。第2の光通信部は、光通信をする。雄コネクタ部は、第2の光通信部を有する。雌コネクタ部には、雄コネクタ部が開口を介して取り付けられる。
第1の遮光部は、発光部と第1の光通信部とを覆う。第2の遮光部は、雄コネクタ部が雌コネクタ部に取り付けられていないときに開口を覆う。第2の遮光部は、開口に対して着脱可能である。
雄コネクタ部が雌コネクタ部に取り付けられているときに、第2の光通信部は、第1の光通信部と双方向に光通信可能に向かい合う。雄コネクタ部が雌コネクタ部に取り付けられたときには、第2の光通信部と第1の光通信部との間で光通信が行われる。
雄コネクタ部が雌コネクタ部から取り外されているときには、着脱遮光部は開口に取り付けられる。この場合には、着脱遮光部によって雌コネクタ部は遮光される。このようにすることで、雌コネクタ部の遮光状態を確保することができ、発光部と第1の光通信部との間の通信状態を良好にすることができる。なお、この場合には、着脱遮光部を開口に取り付け、封印シールによって着脱遮光部を開口に封止することが好ましい。封印シールが剥がされたときには、剥がされたことを明確に示すことができ、開口が不正に用いられることを防止できる。
雄コネクタ部が雌コネクタ部に取り付けられているときには、第2の光通信部は、第1の光通信部と双方向に光通信可能に向かい合う。この場合には、第1の光通信部は、発光部ではなく、第2の光通信部と通信する。また、雄コネクタ部によって遮光されたときには、第1の光通信部と第2の光通信部との間の通信状態を良好にすることができる。
本実施の形態による遊技機は、さらに、
前記雄コネクタ部は、前記雌コネクタ部に取り付けられたときに、前記発光部と前記第2の光通信部との間に位置し、発光部から発せられる通信光を遮光する第3の遮光部(たとえば、遮光部750など)を有する。
雄コネクタ部が雌コネクタ部に取り付けられたときに、第3の遮光部によって発光部から発せられる通信光を遮光する。発光部から光が発せられた場合でも、発光部からの光を第3の遮光部によって遮光でき、第1の光通信部に光が入らないようにできる。このようにすることで、発光部からの光による誤動作を防止することができ、第1の光通信部と第2の光通信部との間の通信状態をさらに良好にすることができる。
本実施の形態による遊技機は、さらに、
前記第2の光通信部は、有価価値の増減演算処理を実行する外部装置(たとえば、後述する遊技媒体管理装置30(より具体的には、いわゆるECOユニット)など)と光通信可能に接続され、
前記雄コネクタ部が前記雌コネクタ部に取り付けられたときに、
遊技者が投入する有価価値を示す使用有価価値情報を前記メダルセレクタ用光通信部を介して前記外部装置から受信して、前記使用有価価値情報から、遊技媒体が投入されたことを示す遊技媒体投入信号に変換し、
遊技に基づいて遊技者に遊技媒体を払い出す指示を示す払出指示情報を受信し、遊技者に払い出す有価価値を示す払出有価価値情報に変換し、前記メダルセレクタ用光通信部を介して前記外部装置に出力する制御部(たとえば、後述する中継基板CPUなど)をさらに備える。
制御部によって、使用有価価値情報を遊技有価価値信号に変換するので、雄コネクタ部が雌コネクタ部に取り付けられて、外部装置が接続された場合でも、外部装置からの使用有価価値情報に基づいて、遊技媒体が使用(たとえば、投入)されたと同様の状態で遊技を制御することができる。このため、物理的な遊技媒体を使用しない場合であっても、従来のパチスロ機を有効に活用できる。
制御部によって、払出指示情報を払出有価価値情報に変換するので、外部装置を接続しすることで、払出有価価値情報に基づいて遊技者に払い出す遊技媒体を管理することができる。したがって、外部装置は、遊技者が遊技をするために使用する有価価値と、遊技の結果によって遊技者に払い出す払出有価価値情報との双方によって、遊技者が所有する有価価値を管理することができる。すなわち、外部装置によって、使用及び払出の双方を管理できる。
本実施の形態による遊技機は、さらに、
遊技媒体の物理的払出を実行する遊技媒体払出装置(たとえば、メダル排出装置112など)をさらに備え、
前記制御部は、前記雄コネクタ部が前記雌コネクタ部に取り付けられたときに、前記外部装置から送信された切替識別信号を受信し、前記遊技媒体払出装置に払出指示信号を送信するための送信経路を遮断し(たとえば、オンオフスイッチ116など)、前記払出指示情報を前記払出有価価値情報に変換し前記外部装置に出力する。
雄コネクタ部が、雌コネクタ部に取り付けられているときには、遊技媒体払出装置の送信経路を遮断するので、遊技媒体を外部装置で管理することができる。
<<<遊技機100及び遊技媒体管理装置30の概略>>>
図1は、遊技機100及び遊技媒体管理装置30の概略を示す正面図である。
本実施の形態における遊技機100は、いわゆるパチンコ機100a、及び、パチスロ機100b等のゲーム装置である。遊技媒体管理装置30は、いわゆるECOユニットやCRユニットやメダルサンド(サンド)と称される装置である。遊技媒体管理装置30は、主として、有価価値が投入されることで、遊技球やメダル等の遊技媒体を遊技者に貸し出す。遊技媒体管理装置30は、遊技機100の側方に設けられる。具体的には、パチンコ機100aの場合には遊技媒体管理装置30は遊技機100の左側に設置され、パチスロ機100bの場合には遊技媒体管理装置30は遊技機100の右側に設置される。本実施の形態では、遊技媒体管理装置30は遊技機100の何れの側でも設置可能に構成されている。
遊技機100は、ベット数指定部とベット処理部と遊技処理部と払出処理部とを有する。ベット数指定部は、遊技者によるベット数の指定を受け付ける。ベット処理部は、ベット数指定部において指定されたベット数による遊技媒体データのベットの受け付けを遊技媒体管理装置30において可能にする。遊技処理部は、遊技媒体データのベットの受け付けを前提条件として各種の遊技状態の下で遊技を実行する。払出処理部は、遊技の結果に基づいて遊技媒体データの払出数を決定する。なお、ベット数指定部は、遊技者によってベット操作されるためのベットボタン(図示せず)などによって実現される。また、各種の遊技状態とは、たとえば、ボーナスゲーム状態(BB状態、RB状態など)や通常ゲーム状態などがある。
図2は、遊技媒体管理装置30の構成の概要を示すブロック図である。図2に示すように、遊技媒体管理装置30は、管理装置側接続端子板921とメダル情報処理部922と貸出処理部923と入金処理部924と中継接続端子板925を有する。
管理装置側接続端子板921は、遊技機100に接続され、遊技機100と情報や信号を送受信する。メダル情報処理部922は、遊技機100のベット数指定部において指定されたベット数が貸出数以下である場合に、遊技機100のベット処理部における遊技媒体データのベットを受け付ける。貸出処理部923は、遊技機100のベット処理における遊技媒体データのベット数と、遊技機100の払出処理における遊技媒体データの払出数とに基づいて、遊技媒体データの貸出数を管理する。入金処理部924は、遊技者の入金を遊技媒体データの貸出数に加算可能に受け付ける。中継接続端子板925は、光ファイバケーブルを介してホールコンピュータ20に接続されており、外部集中端子板120からのデータを外部のホールコンピュータ20に対して一方向に送信可能にしている。
さらに、図2に示すように、遊技媒体管理装置30は、遊技準備状態メダル情報記憶部981、持ちメダル情報記憶部982、貯メダル情報記憶部983及び残高情報記憶部984を有する。
遊技準備状態メダル情報記憶部981は、遊技媒体データのベットに用いられるクレジット数を遊技準備状態メダル情報として記憶する。持ちメダル情報記憶部982は、遊技準備状態メダル情報記憶部981に記憶されるクレジット数の上限値を超えた超過数が合算された持ちメダル数を持ちメダル情報として記憶する。貯メダル情報記憶部983は、景品交換せずにホールに預けたメダル数である貯メダル数を貯メダル情報として記憶する。残高情報記憶部984は、入金処理部924で入金された入金額の残高数を残高情報として記憶する。
さらに、遊技媒体管理装置30は、自動貸出選択部991、自動クレジット補充選択部992、自動貯メダル再プレイ選択部993などを有する。自動貸出選択部991は、残高貸出処理を自動で実行する機能である自動貸出補充機能の有効化又は無効化を切替え可能にする。自動クレジット補充選択部992は、自動クレジット補充機能の有効化又は無効化を切替え可能にする。自動貯メダル再プレイ選択部993は、自動貸出補充機能の有効化又は無効化を切替え可能にする。
本明細書において、遊技とは、遊技媒体のベットを前提条件とした全ての遊技が該当する。たとえば、パチンコ機100aにおけるパチンコゲームや、パチスロ機100bにおけるパチスロゲームである。遊技媒体は、メダルや遊技球、トークン、電子マネー、チケット等の遊技価値を有するものである。なお、遊技媒体には、物理的な遊技媒体のほかに、実体はないが遊技に必要とされる遊技媒体の数などをデータ化した遊技媒体データも含む。
遊技媒体データは、遊技媒体を電子データ化したものであり、現実世界における事象に対する客観的な事実を表現するためのデータである。たとえば、遊技媒体としてのメダルの数が1枚や2枚等であることを示すデータである。遊技媒体データは、遊技関連データに含まれる。遊技関連データは、遊技媒体データを含むほか、一般遊技状態やBB遊技状態等の遊技状態データを含む。遊技関連データは、遊技に関連する全てのデータを意味する。
また、本明細書において、封入式とは、遊技機100が、外部から閉鎖された空間内に各種の処理部を備える構成であればよい。さらに、遊技者が実際に遊技媒体に触れることなく遊技できる構成でもよい。たとえば、遊技機100の内部に遊技媒体を封入し、封入された遊技媒体を用いて遊技を行う構成がある。さらに、物理的な遊技媒体を用いずに、遊技できる構成でもよい。
<<遊技媒体管理装置30の機能の概略>>
遊技媒体管理装置30の機能の概略について説明する。遊技媒体管理装置30は、主として、貸出処理、ベット処理、払出処理、精算処理を実行する。図3〜図15を用いて、遊技媒体管理装置30における貸出処理、ベット処理、払出処理及び精算処理を説明する。上述したように、遊技媒体管理装置30は、遊技準備状態メダル情報記憶部981、持ちメダル情報記憶部982、貯メダル情報記憶部983及び残高情報記憶部984を有する。図3〜図15のクレジット、持ちメダル、貯メダル、度数(現金)に付した符号は、これらの記憶部を示す。
<貸出処理>
図3(a)及び(b)は、遊技媒体管理装置30に現金を投入して貸出操作を行った場合の貸出処理の例を示す概略図である。ここでは、クレジット上限は50枚で、貸出単位は50枚で、換算値は20円/枚である条件とする。
図3(a)は、クレジットが0枚であるときの貸出処理の例を示す概略図である。遊技者が、現金(1000円)を遊技媒体管理装置30に投入し、遊技媒体管理装置30の貸出ボタン(図示せず)を操作して、貸出操作を行った場合には、1000円分の度数(現金)が0円となり、1000円に換算値を乗算した1000円分の50枚(=1000円/20円)がクレジットに加算され、クレジットは0枚から50枚となる((1)の処理)。
図3(b)は、クレジットが20枚であるときの貸出処理の例を示す概略図である。遊技者が、現金(1000円)を遊技媒体管理装置30に投入し、遊技媒体管理装置30の貸出ボタン(図示せず)を操作して、貸出操作を行った場合に((1)の処理)、仮にクレジット上限がなければクレジットは70枚(=20枚+50枚(=1000円/20円))となる。しかしながら、実際には、クレジット上限は50枚であるので、クレジット上限を超えた超過数の20枚が持ちメダルに加算されるとともに((2)の処理)、クレジットは、クレジット上限の50枚となる。
また、遊技媒体管理装置30が自動貸出補充機能を備え、自動貸出補充機能が有効化されている場合は、貸出ボタンの操作に代えて自動的にクレジットに補充を行うことができる。
<ベット処理>
ベット処理は、以下のステップ1〜4からなる。
(ステップ1)
メダル投入要求受付状態信号が遊技媒体管理装置30から遊技機100に常時送信される。メダル投入要求受付状態信号は、投入設定数(遊技を開始するために必要なメダル数であって遊技状態に応じて定められたメダル数)及び貸出数(投入可能メダル数や現在のクレジット数)のうちのいずれか少ない方が選択された投入可能数を示す信号である。
このメダル投入要求受付状態信号は、投入可能なメダル情報に応じて変化する。具体的には、投入可能なメダル情報は、遊技状態(たとえば、RB作動時では最大2枚、未作動時では3枚となる)や、遊技者の任意設定や、ホールでの設定や、自動クレジット補充機能の有効化又は無効化や、自動貯メダル再プレイ機能の有効化又は無効化によって変化する。
上述した自動クレジット補充機能は、クレジットが0になったとき、自動的に持ちメダルをクレジットに変換するクレジット補充機能である。また、自動貯メダル再プレイ機能は、持ちメダルが0になったとき、自動的に貯メダルを手持ちコイン若しくはクレジットに変換する貯メダル再プレイ機能である。
たとえば、自動クレジット補充機能が有効化され、自動貯メダル再プレイ機能が無効化されている場合には、投入可能メダル数=クレジット数+持ちメダル数となる。また、自動クレジット補充機能が有効化され、自動貯メダル再プレイ機能が有効化されている場合には、投入可能メダル数=クレジット数+持ちメダル数+貯メダル数となる。また、自動クレジット補充機能が無効化され、自動貯メダル再プレイ機能が無効化されている場合には、投入可能メダル数=クレジット数となる。投入可能メダル数は、遊技者が遊技に使用できる最大のメダル数である。
(ステップ2)
遊技媒体管理装置30から送信されたメダル投入要求受付状態信号が示す情報に基づいて、遊技機100は、遊技者によって指定されたベット数のうち、その要求に対応できるベット数(要求可能なベット数)のみをベット数指定部から受け付ける。
(ステップ3)
遊技機100が、要求可能なベット数をベット数指定部から受け付けると、遊技機100は、メダル投入要求信号を遊技媒体管理装置30に送信する。ここで、メダル投入要求信号は、ベット数指定部で指定されたベット数が、メダル投入要求受付状態信号が示す投入可能数以下である場合に、遊技機100から遊技媒体管理装置30に送信されるものであり、指定されたベット数を示すものである。
メダル投入要求信号を受信した遊技媒体管理装置30は、メダル投入要求信号に応じたメダル投入信号を遊技機100に送信すると同時に、メダル投入要求信号に応じたメダル投入信号分のメダル枚数をクレジット数から減算する。
(ステップ4)
メダル投入信号を受信した遊技機100は、メダル枚数分の投入処理を行い、遊技可能枚数の投入が行われることで、遊技始動待機状態へと移行する。
貯メダル再プレイ処理は、遊技媒体管理装置30の貯メダル再プレイボタン(図示せず)の操作をトリガーとして、貯メダルがある場合には、貯メダルをクレジット又は持ちメダルに変換する処理である。変換される単位枚数は、遊技媒体管理装置30において設定される。遊技システムを管理するホールは、貯メダル再プレイの1日当たりの上限枚数を任意の枚数に設定できる。
このように、遊技機100における遊技者によるベット数指定部、いわゆるベット操作されたことに基づいて、メダル投入要求信号が遊技機100から遊技媒体管理装置30に送信される。遊技媒体管理装置30は、メダル投入要求信号に応じて、メダル投入信号を遊技機100に送信する。遊技機100は、メダル投入信号に応じてメダル枚数分の投入処理を行い、遊技を開始できる準備が整い待機状態となる。
図4〜図8は、MAXベット操作を行った場合のベット処理の一例を示す例を概略図である。
図4は、自動ベット数変更機能が無効化された条件下で、最大ベット数が3枚のMAXベット操作を行った場合において、遊技媒体管理装置30のクレジットが50枚であるときのベット処理の例を示す概略図である。
この場合は、クレジット数が3枚以上であり、メダル投入要求受付状態信号として3枚投入可能信号が遊技媒体管理装置30から遊技機100に一定時間間隔で常時送信される。MAXベット操作による最大ベット数の“3”が3枚投入可能信号で示される投入可能数の“3”以下であるため、3枚のメダル投入要求信号が遊技機100から遊技媒体管理装置30に送信される。この後、メダル投入信号である3枚投入信号が遊技媒体管理装置30から遊技機100に送信され、ベットが完了される。
これにより、自動クレジット補充機能及び自動貯メダル再プレイ機能の有効化又は無効化にかかわらず、クレジットが50枚から47枚に減少されると共に、減少分のクレジットの3枚が遊技機100における0ベット状態から3ベット状態への変更に使用される((1)の処理)。すなわち、この場合は、MAXベット操作が3ベット操作として受け付けられる。
図5は、自動ベット数変更機能が無効化された条件下で、最大ベット数が3枚のMAXベット操作を行った場合において、遊技媒体管理装置30のクレジットが2枚であるときのベット処理の例を示す概略図である。
この場合は、クレジットが3枚未満であり、自動クレジット補充機能及び自動貯メダル再プレイ機能が無効化されている場合は、遊技媒体管理装置30ではクレジットが変更されず、遊技機100では0ベット状態が維持される((1)の処理)。すなわち、この場合は、MAXベット操作は受け付けられない。
図6は、自動ベット数変更機能が有効化された条件下で、MAXベット操作を行った場合において、遊技媒体管理装置30のクレジットが2枚であるときのベット処理の例を示す概略図である。
この場合は、メダル投入要求受付状態信号としての2枚投入可能信号に合わせて、2枚のメダル投入要求信号が遊技機100から遊技媒体管理装置30に送信される。したがって、この場合は、自動クレジット補充機能及び自動貯メダル再プレイ機能が有効化されている場合でも無効化されている場合でも、遊技媒体管理装置30においてクレジットが2枚から0枚に変更されるとともに、遊技機100における0ベット状態が2ベット状態に変更される((1)の処理)。すなわち、この場合は、MAXベット操作が2ベット操作として受け付けられる。
図7は、自動ベット数変更機能が無効化され、自動クレジット補充機能が有効化され、クレジットが2枚、及び持ちメダルが100枚の場合において、最大ベット数が3枚のMAXベット操作を行ったときのベット処理の例を示す概略図である。
この場合は、クレジットが3枚未満であるため、持ちメダルからクレジットに補充された後に、遊技機100が0ベット状態から3ベット状態に変更される。すなわち、持ちメダルが100枚から99枚に減少されるとともに、クレジットが2枚から3枚に増加される((1)の処理)。そして、遊技機100が3ベット状態にされるとともに、クレジットが3枚から0枚に減少される((2)の処理)。
なお、クレジットの上限(50枚)まで補充される場合は、持ちメダルが100枚から52枚に減少されるとともに、クレジットが2枚から50枚に増加される。そして、遊技機100が3ベット状態にされるとともに、クレジットが50枚から47枚に減少される。
さらに、この場合に、クレジットの2枚を先にベットに使用し(2→0)、その後、0枚のクレジットを補充し(0→50)、補充されたクレジットから残りの1枚をベット(50→49)するようにしてもよい。
図8は、自動ベット数変更機能が無効化され、自動クレジット補充機能が有効化され、クレジットが2枚、持ちメダルが0枚、貯メダルが0枚、度数(現金)が1000円の場合において、最大ベット数が3枚のMAXベット操作を行ったときのベット処理の例を示す概略図である。
この場合は、度数が1000円から0円に減少され、クレジットが2枚から50枚に増加されるとともに((1)の処理)、50枚を超える余剰分が発生するため、持ちメダルが0枚から2枚に増加される((2)の処理)。この後、クレジットが50枚から47枚に減少されるとともに、遊技機100が0ベット状態から3ベット状態に変更される。なお、クレジットが2枚から52枚に増加された状態で、3ベット分が減少されてもよい((3)の処理)。
また、クレジットの2枚を先にベットに使用し(2→0)、その後、度数を1000円から0円に減少させ、0枚のクレジットを1000円分の50枚で補充し(0→50)、補充されたクレジットから残りの1枚をベット(50→49)するようにしてもよい。
<払出処理>
払出処理は、入賞に応じたメダル払出信号が遊技機100から遊技媒体管理装置30へ送信されたときに、メダル払出信号を受信した遊技媒体管理装置30において払出メダル分をクレジット数に加算する処理である。クレジット数の上限を超えた場合は、超えた枚数分が持ちメダル数に加算される。
払出処理を具体的に説明する。図9に示すように、10枚を払い出す場合において、クレジットが41枚未満の20枚である場合、クレジットが20枚から30枚に増加される((1)の処理)。
また、図10に示すように、10枚を払い出す場合において、クレジットが45枚で、持ちメダルが100枚である場合には、クレジットが45枚から50枚に増加されるとともに((1)の処理)、余剰分が持ちメダルに加算され、持ちメダルが100枚から105枚に増加される((2)の処理)。
<精算処理>
精算処理は、貯メダル情報(未精算メダル情報)をカードに記憶する処理であり、遊技媒体管理装置30の精算ボタン(図示せず)の操作をトリガーとして実行される。
精算処理を具体的に説明する。図11に示すように、貯メダルカードが遊技媒体管理装置30に挿入されている状態であって、クレジットが0枚、持ちメダルが500枚、貯メダルが100枚の場合において、まず、持ちメダルが500枚から0枚に減少される。そして、貯メダルが100枚から600枚に増加された後((1)の処理)、600枚がカードに書き込まれるとともに、貯メダルが600枚から0枚に減少される((2)の処理)。この後、カードに記憶された600枚が景品カウンターで処理される((3)の処理)。
また、図12に示すように、持ちメダルの500枚が直接的に貯メダルカードに書き込まれてもよい。具体的には、貯メダルカードが遊技媒体管理装置30に挿入されている状態であって、クレジットが0枚、持ちメダルが500枚、貯メダルが100枚の場合において、持ちメダルの500枚が貯メダルカードの第1記憶領域に書き込まれるとともに((1)の処理)、貯メダルの100枚が貯メダルカードの第2記憶領域に書き込まれる((2)の処理)。すなわち、持ちメダルの500枚と貯メダルの100枚とが貯メダルカードにそれぞれ個別に書き込まれる。次いで、持ちメダル及び貯メダルがそれぞれ0枚にされる((1)及び(2)の処理)。
なお、遊技媒体管理装置30上で遊技者の操作により500枚の持ちメダルを持ちメダルの情報とするか、500枚を貯メダルデータにするか選択させるようにしてもよい。
この後、カードに記憶された500枚と100枚が景品カウンターにおいて処理される((3)の処理)。この際、持ちメダルの500枚と貯メダルの100枚とが合算されて景品と交換可能にされてもよい。また、貯メダル分の一部が合算されてもよい。例えば、持ちメダルの500枚と貯メダルの20枚とが合算されて景品と交換可能にされてもよい。さらに、持ちメダルの500枚と貯メダルの100枚との何れかを遊技者が選択して景品と交換可能にされてもよい。また、遊技者又は景品カウンターの遊技場管理者の操作により持ちメダル情報を貯メダル情報に変換するようにしてもよい。
図13は、貯メダルカードが遊技媒体管理装置30に挿入されている状態であって、クレジットが50枚、持ちメダルが500枚、貯メダルが100枚の場合における精算処理を示す概略図である。
まず、クレジットの50枚が持ちメダルに加算されることによって、クレジットが0枚にされると共に、持ちメダルが550枚にされる((1)の処理)。そして、持ちメダルの550枚が貯メダルに加算されることによって、持ちメダルが0枚にされると共に、貯メダルが650枚にされる((2)の処理)。この後、貯メダルの650枚が貯メダルカードに書き込まれることによって、貯メダルが0枚にされるとともに、貯メダルカードに650枚が書き込まれる((3)の処理)。貯メダルカードに記憶された650枚が景品カウンターで処理される((4)の処理)。
なお、図14に示すように、持ちメダルの550枚が直接的に貯メダルカードに書き込まれてもよい((2)の処理)。この場合の動作は、図12と同様に、持ちメダルの550枚と貯メダルの100枚が貯メダルカードにそれぞれ個別に書き込まれる。
一般的に、持ちメダルは、無償で再プレイすることができるのに対し、貯メダルは再プレイ時に手数料が必要となったり、手数料が無い場合は、再プレイ使用上限数が設定されたりしている。したがって、持ちメダルの方が遊技者にとっては有利である。しかしながら、日を跨いで持ちメダルを記憶するためには、ホールコンピュータ20や、図示しないメダルサーバ等の管理手段の負担が大きくなるので望ましくない。このため、日付が変更されたときには、持ちメダル情報を自動的に貯メダル情報に変換することが好ましい。よって、持ちメダル情報を記憶させたまま景品交換を行わずに帰宅してしまった遊技者がいた場合でも、持ちメダル情報はクリアされて貯メダル情報に変換されるので、日付が変わった場合に管理されるメダルデータは貯メダルデータのみとなり、管理手段の負荷を軽減することができる。なお、貯メダルデータに変換するタイミングは、遊技場が閉店している時間帯であればいつでもよく、日付が変更されたタイミングに限定されない。
図15は、貯メダルカードの代わりビジターカードが遊技媒体管理装置30に挿入されている状態であって、クレジットが0枚、持ちメダルが500枚、度数が1000円の場合における精算処理を示す概略図である。この場合は、持ちメダルの500枚と度数の1000円との双方がビジターカードにそれぞれ書き込まれる((1)及び(2)の処理)。そして、ビジターカードの500枚は景品カウンターで処理可能にされ((3)の処理)、ビジターカードの1000円は精算機で処理可能にされる((4)の処理)。この際、度数は、POS(Point of sale system)上でメダルにして交換可能にしてもよい。
遊技媒体管理装置30には、表示装置(図示せず)を有する。表示装置には、クレジット、持ちメダル、貯メダル、度数などの現在の値が表示され、遊技者は、これらの値を視認することができる。
<<<従来の遊技機と封入式の遊技機との構成の相違並びに情報及び信号の変換>>>
本実施の形態は、従来の遊技機を封入式に対応させるものであるので、基本的に、メダル等の物理的な遊技媒体を取り扱う必要はない。しかしながら、封入式への完全な移行までの移行期間で用いるための遊技機であるので、物理的な遊技媒体を用いても遊技を行うことができる。したがって、本実施の形態におけるパチスロ機100bには、従来の遊技機と同様に、メダルの投入部やメダル排出装置が設けられており、同様に、遊技媒体管理装置30には、メダルを遊技者に貸し出すためのメダル排出装置が設けられている。
<<パチスロ機100bにおけるメダルの投入>>
パチスロ機100bでは、メダルセレクタ202がメダルの投入部に設けられている。投入部からメダルが投入されたときには、メダルセレクタ202は、投入されたメダルの真贋を判別し、投入されたメダルが真正である場合には、真正なメダルが投入されたことを示す真正メダル投入信号を出力する。メダルセレクタ202は、投入されたメダルごとに、1つのパルス信号を真正メダル投入信号として出力する。
たとえば、後述する図16(a)及び図18に示すように、メダルセレクタ202からは、パルス信号列が真正メダル投入信号として出力される。真正メダル投入信号は、ドア中継基板300を介して、パチスロ機100bの主制御基板110に出力される。主制御基板110は、真正メダル投入信号に基づいて、投入されたメダルを計数してクレジットを増やす。なお、クレジットが所定の枚数以上、たとえば、50枚以上になった場合には、パチスロ機100bの下皿(図示せず)にメダルが払い出される。
<<封入式のパチスロ機における投入>>
上述したように、封入式のパチスロ機の場合には、遊技機100における遊技者によるベット操作に基づいて、メダル投入要求信号が遊技機100から遊技媒体管理装置30に送信される。遊技媒体管理装置30は、メダル投入要求信号に応じて、メダル投入信号を遊技機100に送信する(図4〜図8)。遊技機100は、メダル投入信号に応じてメダル枚数分の投入処理を行い、遊技を開始できる準備が整い待機状態となる。このように、封入式のパチスロ機の場合には、物理的な遊技媒体を用いない。
<<パチスロ機100bにおけるメダルの使用(投入)の封入式への対応>>
上述したように、封入式に対応させる場合には、メダルセレクタ202から出力される真正メダル投入信号を用いない。この場合には、遊技媒体管理装置30から出力される使用有価価値情報を用いて真正メダル投入信号等の信号を生成する。このため、本実施の形態では、ドア中継基板300において、遊技媒体管理装置30から出力される使用有価価値情報を真正メダル投入信号に変換して主制御基板110に送信する。
本明細書において、有価価値情報(有価価値の情報)とは、従来の遊技媒体をデータ化したものであり、遊技における有価価値を示す情報である。有価価値情報は、たとえば、遊技媒体の数に関する情報である。有価価値情報には、金額情報等の遊技媒体の数に変換可能な情報も含めてよい。さらに、有価価値情報には、現金と換算可能な電子マネー等の価値情報を含めてよい。また、有価価値情報は、景品(一般景品、特殊景品)に交換することが可能である。
図16(b)に示すように、遊技媒体管理装置30から出力される使用有価価値情報は、ヘッダ部とデータ部とからなる。遊技媒体管理装置30からは各種の情報がパチスロ機100bに出力される。パチスロ機100bでは、これらの情報を識別して処理をする必要がある。このため、遊技媒体管理装置30から出力される各種の情報にはヘッダ部が設けられている。
使用有価価値情報のヘッダ部は、使用有価価値情報であることを識別するための情報や、遊技媒体管理装置30を識別するための情報などからなる。また、ヘッダ部に遊技機がパチンコ機であるのかパチスロ機であるのかの遊技機の識別情報や、店舗における貸出レートなどの情報も含めてもよい。これらの遊技機の識別情報や貸出レートなどの情報は、店舗が遊技媒体管理装置30に対して予め設定して記憶させておけばよい。なお、遊技機の識別情報や貸出レートなどの情報は、ヘッダ部ではなくデータ部に格納する構成としてもよい。
データ部は、使用(投入)される遊技媒体の数(使用遊技媒体数)を示すデータにすることができる。使用遊技媒体数を用いるので、パチスロ機100bでは、使用遊技媒体数をそのままクレジット数に加算することができる。なお、上述したように、有価価値の情報は、金額情報等でもよいので、使用有価価値情報のデータ部は、金額情報等のデータでもよい。
上述したように、図16(b)に示すように、遊技媒体管理装置30からドア中継基板300に使用有価価値情報が出力される。上述したように使用有価価値情報のデータ部には投入遊技媒体数を示すデータが格納されている。ドア中継基板300は、使用有価価値情報を真正メダル投入信号に変換し、パチスロ機100bの主制御基板110(図18及び図19参照)に出力する。ドア中継基板300が出力する真正メダル投入信号は、メダルセレクタ202が出力する真正メダル投入信号と擬似的な信号である。すなわち、メダルセレクタ202が出力する真正メダル投入信号と同じ周期、パルス幅、立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジなどが同じ信号を、ドア中継基板300は真正メダル投入信号として出力する。
具体的には、図16(b)に示すように、ドア中継基板300は、使用有価価値情報のデータ部に格納されている投入遊技媒体数と同じ数のパルス信号を真正メダル投入信号として主制御基板110に出力する。主制御基板110は、メダルセレクタ202が接続されている場合と同様に、真正メダル投入信号に基づいて、投入されたメダルを計数してクレジットを増やすことができる。
なお、メダルセレクタ202から出力された場合でも、ドア中継基板300から出力された場合でも、主制御基板110が真正メダル投入信号として適切に処理することができればよく、その点において、両者の信号の波形などに相違があってもかまわない。
このように、遊技媒体管理装置30から出力された使用有価価値情報を真正メダル投入信号に変換することによって、パチスロ機100bが有するクレジット機能を用いて、パチスロ機100bにおけるクレジットを増やすことができる。このようにすることで、パチスロ機100bが備えるクレジット機能を有効に活用して、封入式に対応させることができる。使用有価価値情報がドア中継基板300によって変換された真正メダル投入信号が遊技有価価値信号に対応する。
なお、パチスロ機100bが有するクレジット機能を用いなくてもよい。たとえば、パチスロ機100bによっては、クレジット機能を備えていない場合も想定される。また、パチスロ機100bがクレジット機能を備えていても、用いたくない場合も想定される。このような場合には、パチスロ機100bでは、遊技媒体管理装置30から出力された所定の情報に基づいて、クレジットすることなく、直接ベットするように処理する必要がある。この場合には、基本的には図4〜図8で説明したように処理をすればよい。
すなわち、遊技媒体管理装置30は、メダル投入要求受付状態信号をドア中継基板300を介して主制御基板110に常時出力する。ここで、メダル投入要求受付状態信号は、投入設定数(遊技を開始するために必要なメダル数であって遊技状態に応じて定められたメダル数)及び貸出数(投入可能メダル数や現在のクレジット数)のうちのいずれか少ない方が選択された投入可能数を示す信号である。なお、ここで、メダル投入要求受付状態信号のように、「投入」と表現しているが、物理的な遊技媒体の投入とは異なり、データ化された仮想的な遊技媒体の使用を意味する。上述したように、このメダル投入要求受付状態信号は、投入可能なメダル情報に応じて変化する。
次に、主制御基板110は、遊技媒体管理装置30から送信されたメダル投入要求受付状態信号が示す情報に基づいて、遊技者によって指定されたベット数のうち、その要求に対応できるベット数(要求可能なベット数)のみをベット数指定部から受け付ける。
次に、主制御基板110が、要求可能なベット数をベット数指定部から受け付けると、主制御基板110は、メダル投入要求信号を遊技媒体管理装置30にドア中継基板300を介して送信する。ここで、メダル投入要求信号は、ベット数指定部で指定されたベット数が、メダル投入要求受付状態信号が示す投入可能数以下である場合に、主制御基板110から遊技媒体管理装置30に送信される信号であり、指定されたベット数を示す信号である。
遊技媒体管理装置30は、メダル投入要求信号を受信して、メダル投入要求信号に応じたメダル投入信号をドア中継基板300を介して主制御基板110に送信する。これと同時に、遊技媒体管理装置30は、メダル投入要求信号に応じたメダル投入信号分のメダル枚数をクレジット数から減算する。
主制御基板110は、メダル投入信号を受信して、メダル枚数分の投入処理を行う。パチスロ機100bは、遊技可能枚数の投入によって遊技始動待機状態に移行する。
上述したように、主制御基板110(パチスロ機100b)と遊技媒体管理装置30との間では、メダル投入要求受付状態信号、メダル投入要求信号及びメダル投入信号などの信号をドア中継基板300を介して送受信される。この場合に、ドア中継基板300は、上述した使用有価価値情報及び真正メダル投入信号と同様に、送受信する信号に応じて適宜、所望する信号や情報に変換すればよい。遊技媒体管理装置30から主制御基板110(パチスロ機100b)に出力されるメダル投入要求受付状態信号やメダル投入信号がドア中継基板300によって変換された信号が遊技有価価値信号に対応する。
<<パチスロ機100bにおけるメダルの払い出し>>
パチスロ機100bでは、遊技に基づいて遊技者にメダルなどの遊技媒体を払い出すときに、クレジット機能を備える場合には、パチスロ機100bの主制御基板110は、まず、クレジットを増やす。クレジットがクレジット上限を超える場合には、クレジット上限を超えた枚数の遊技媒体をメダル排出装置(ホッパーなど)112から払い出す。
遊技媒体をメダル排出装置112から払い出すときには、主制御基板110は、モータ駆動信号をメダル排出装置112に出力する(図18参照)。メダル排出装置112のモータ(図示せず)は、モータ駆動信号によって駆動され、1枚のメダル(物理的な遊技媒体)を払い出す。メダル排出装置112にはフォトセンサ(図示せず)も設けられている。フォトセンサは、1枚のメダルを払い出したことを検出して、検出信号を払出遊技媒体信号として主制御基板110に出力する(図17(a)及び図18)。主制御基板110は、フォトセンサから出力された払出遊技媒体信号に基づいて、メダル排出装置112から払い出した遊技媒体を計数する。主制御基板110は、クレジット上限を超えた枚数の遊技媒体を払い出すまで、メダル排出装置112のモータを駆動し、クレジット上限を超えた枚数の遊技媒体を払い出したときにはモータを停止する。
たとえば、遊技の結果による払出し枚数が15枚であり、クレジットが40枚で、クレジット上限が50枚である場合を説明する。この場合には、まず、クレジットをクレジット上限の50枚に増やす。その後、クレジット上限を超えた5枚(=40+15−50)の遊技媒体を払い出すために、主制御基板110は、フォトセンサから出力された払出遊技媒体信号に基づく計数値が5回(5枚分)に至るまでモータを駆動し、計数値が5回に至ったときにモータを停止する。このように、パチスロ機100bでは、遊技媒体の払い出しの際に、払出遊技媒体信号などの信号が用いられる。
<<封入式のパチスロ機における払い出し>>
図9及び図10を用いて説明したように、封入式のパチスロ機の場合には、メダルなどの物理的な遊技媒体を用いない。このため、封入式のパチスロ機では、入賞に応じたメダル払出信号が遊技機100から遊技媒体管理装置30に出力される。遊技媒体管理装置30では、メダル払出信号に基づいてクレジットを増やす。クレジットのクレジット上限を超えた場合は、超えた枚数分を持ちメダル数に加算する(図9及び図10)。
<<パチスロ機100bにおけるメダルの払い出しの封入式への対応>>
上述したように、パチスロ機100bを封入式に対応させる場合には、メダルなどの物理的な遊技媒体が払い出されることはない。したがって、パチスロ機100bを封入式に対応させる場合には、上述したメダル排出装置112から出力される払出遊技媒体信号などの信号を用いて、遊技者に払い出す有価価値を示す払出有価価値情報に生成する必要がある。すなわち、本実施の形態では、ドア中継基板300は、払出遊技媒体信号などの信号を払出有価価値情報に変換し遊技媒体管理装置30に送信する。
図17(b)に示すように、メダル排出装置112からドア中継基板300に払出遊技媒体信号が出力される。ドア中継基板300は、払出遊技媒体信号を払出有価価値情報に変換し、遊技媒体管理装置30に出力する。すなわち、払出遊技媒体信号を遊技媒体管理装置30で処理可能な情報に変換するとともに、払出遊技媒体信号であることを示すヘッダ部を加えて払出有価価値情報を生成する。遊技媒体管理装置30は、払出有価価値情報に基づいて遊技者が所有する有価価値を管理することができる。
なお、上述したように、払出遊技媒体信号は、パチスロ機100bにおけるクレジットのクレジット上限を超えた場合のみにメダル排出装置112から出力される。クレジットの上限に至るまでは、パチスロ機100bのクレジット機能が用いられる。したがって、払出遊技媒体信号を用いた場合には、パチスロ機100bにおいてクレジットを精算したときに、精算したクレジットを示すデータを遊技媒体管理装置30に出力する必要がある。
これに対して、パチスロ機100bの主制御基板110から入賞に応じたメダル払出信号が出力できる場合には、メダル払出信号をドア中継基板300を介して遊技媒体管理装置30に出力すればよい。この場合には、遊技媒体管理装置30で処理できるように、メダル払出信号を適宜変換すればよい。メダル払出信号は、入賞に応じて払い出す遊技媒体の数の情報を含む。このようにすることで、パチスロ機100bのクレジット機能によることなく、遊技者に払い出す遊技媒体の全てを遊技媒体管理装置30で管理することができる。
また、メダル排出装置112から出力される払出遊技媒体信号を用いる場合には、払出遊技媒体信号が出力される信号線をドア中継基板300に接続すればよい。なお、この信号線は、光ファイバーケーブルにして光通信をすることが好ましい。光ファイバーケーブルを用いることによって、不正行為のための装置などを介在させにくくできる。
さらに、払出遊技媒体信号を用いる場合には、メダル排出装置112のモータを駆動できるようにするとともに、フォトセンサがメダルを検出できるようにしておけばよい。
なお、実際にモータを駆動するのではなく、擬似的にモータを駆動したとして、それに応じて、払出遊技媒体信号を擬似的に出力できるようにしてもよい。たとえば、主制御基板110から出力されるモータ駆動信号をドア中継基板300に出力し、ドア中継基板300は、モータ駆動信号に応じて払出遊技媒体信号を生成して、主制御基板110に出力する。このようにすることで、実際のモータを駆動する必要がなくなるので可動物を廃し、耐久性を向上させることができるとともに、騒音を低下させることができる。
以上のように、パチスロ機100bを封入式に対応させる場合には、遊技媒体管理装置30から出力された使用有価価値情報によって、従来の真正メダル投入信号の代替にすることができる。また、遊技者に払い出す有価価値を示す払出指示情報を遊技媒体管理装置30に入力することで、遊技媒体管理装置30で遊技者に払い出した遊技媒体の数を管理することができる。さらに、メダル投入要求受付状態信号、メダル投入要求信号及びメダル投入信号などの信号によって遊技媒体管理装置30でベットしたメダルの数を管理することができる。このように、封入式に対応させた場合には、遊技媒体管理装置30において、パチスロ機100bにおけるメダルの増減を管理することができる。
さらに、封入式に対応させた場合には、遊技機100に応じた遊技媒体の違いを考慮する必要がないので、遊技媒体管理装置30をパチンコ機100a及びパチスロ機100bのいずれにも適用することができる。
<<<遊技システム>>>
図18は、本実施の形態における遊技システムの構成の概略を示すブロック図である。本実施の形態における遊技システムは、遊技機100と、ホールコンピュータ20と、遊技媒体管理装置30とからなる。遊技媒体管理装置30は、遊技機100に対して各種の情報及び信号を送受信可能に接続されている。
本実施形態におけるパチスロ機100bは、主制御基板110、副制御基板210、サブ中継基板220、ドア中継基板300、外部集中端子板120、及びその他の周辺装置を備える。
<<主制御基板110>>
主制御基板110は、マイクロコンピュータを主たる構成要素としている。マイクロコンピュータは、CPU(以下、メインCPU)、ROM(以下、メインROM)、RAM(以下、メインRAM)、I/O、通信回路等により構成される。
メインROMには、メインCPUにより実行される制御プログラム、内部抽選テーブル等の各種のデータテーブル、副制御基板210に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAMには、制御プログラムの実行により決定された内部当選役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
主制御基板110のメインCPUには、クロックパルス発生回路、分周器、乱数発生器及びサンプリング回路等が接続されており、メインCPUは、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生し、サンプリング回路は、発生された乱数の中から1つの値を抽出して、遊技に関する抽選処理を行う。
主制御基板110は、リール(図示せず)の回転及び停止制御を行うリールモータ駆動回路114や、メダルの払い出し制御を行うメダル排出装置(ホッパー)112、ドア中継基板300等の各中継基板と、信号ケーブルによって接続されている。また、主制御基板110は、外部集中端子板120を介して遊技場のホールコンピュータ20等にも接続されている。
さらに、主制御基板110は、ドア中継基板300とサブ中継基板220とを介して、副制御基板210に各種の情報を送信する。副制御基板210は、各種の演出用の装置を制御する基板であり、表示装置222や、ランプ基板226や、サウンド基板224等を制御する。副制御基板210に送信される各種の情報には、メダルの投入、スタートレバーの操作、ストップボタンの操作、内部当選役、表示役、遊技状態等の情報がある。
主制御基板110は、ドア中継基板300に接続されている各種の装置から出力された信号を受信する。さらに、主制御基板110は、リールモータ駆動回路114、メダル排出装置112等の周辺装置を制御し、貯留枚数表示器、役物回数表示器、払出枚数表示器、当たり表示器、その他の出力手段に対して表示情報を出力して遊技を進行する。
リールモータ駆動回路114は、パチスロ機100bのリール毎に配されたステッピングモータの駆動を制御する。各リールにはリール位置検出回路が接続されている。リール位置検出回路は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リールが一回転したことを示すリールインデックスを検出する。
各リールを回転させるステッピングモータの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリールに伝達される。ステッピングモータに対して1回のパルスが出力されるごとに、リールは一定の角度で回転する。
主制御基板110のメインCPUは、リールインデックスを検出したことを契機に、ステッピングモータに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リールの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リールの表面に配された各図柄の位置を管理する。
メダル排出装置112には、メダル検出部が配されている。メダル検出部は、払い出しを行うメダルの数量を検出する。メダル排出装置112から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックすることができる。
<<外部集中端子板120>>
パチスロ機100bの筐体の内部には、主制御基板110から出力される各種信号を中継するための外部集中端子板120が設けられている。外部集中端子板120は、主制御基板110から出力されたメダルの投入/払い出し枚数、遊技回数、ボーナスの入賞情報等の各種の信号を中継して、遊技場のホールコンピュータ20に出力する。
<<副制御基板210>>
パチスロ機100bのフロントドアの背面には、サブ中継基板220が設けられている。サブ中継基板220は、上述した副制御基板210と周辺基板等の配線を中継するための基板である。
副制御基板210は、サブ中継基板220およびドア中継基板300を介して主制御基板110と通信ができるように主制御基板110に接続されている。副制御基板210は、主制御基板110から出力された各種の制御信号に基づき種々の演出処理などを制御する。副制御基板210は、基本的に、CPU(以下、サブCPU)、ROM(以下、サブROM)、RAM(以下、サブRAM)、レンダリングプロセッサ、描画用RAM、ドライバ、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)、オーディオRAM及びA/D変換器を含む。
副制御基板210のサブCPUは、主制御基板110から送信されたコマンドに応じて、サブROMに記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力を制御する。サブRAMは、決定された演出内容や演出データが記憶される格納領域や、主制御基板110から送信される内部当選役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。
サブROMは、プログラム記憶領域とデータ記憶領域とによって構成される。プログラム記憶領域には、サブCPUが実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御基板110との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出して演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスクや、決定した演出内容に基づいて表示装置222による映像の表示を制御する描画制御タスクや、ランプ(図示せず)による光の出力を制御するランプ制御タスクや、スピーカ(図示せず)による音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
副制御基板210には、サブ中継基板220が接続されている。サブ中継基板220には、副制御基板210によって制御される周辺装置として、表示装置222、サウンド基板224及びランプ基板226等が接続されている。
副制御基板210のサブCPU、レンダリングプロセッサ、描画用RAM(フレームバッファを含む)及びドライバは、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像データを作成する。副制御基板210のサブCPUは、作成した映像データを映像信号としてサブ中継基板220を介して表示装置222に送信する。表示装置222は、送信された映像信号に基づいて映像を表示する。
副制御基板210のサブCPU、DSP、オーディオRAM及びA/D変換器は、演出内容により指定されたサウンドデータを、サブ中継基板220を介してサウンド基板224に送信する。サウンド基板224には、スピーカ(図示せず)が接続されている。サウンド基板224は、サウンドデータに従ってスピーカを駆動するための駆動信号を生成してスピーカに送信する。この駆動信号によってBGM等の各種の音声がスピーカから出力される。
副制御基板210のサブCPUは、演出内容により指定されたランプデータをサブ中継基板220を介してランプ基板226に送信する。ランプ基板226には、ランプ(図示せず)が接続されている。ランプ基板226は、送信されたランプデータに従って、ランプの点灯及び消灯をするための駆動信号を生成してランプに送信する。
また、リールのバックライト(図示せず)も、サブ中継基板220を介して、副制御基板210に接続されており、副制御基板210により発光態様が制御される。
<光ファイバーケーブル40>
上述したように、パチスロ機100bを構成する主制御基板110、副制御基板210、ドア中継基板300、サブ中継基板220、外部集中端子板120、ホールコンピュータ20及びその他の周辺装置は、必要な情報を通信するために互いに通信ケーブルで接続されている。パチスロ機100bでは、通信ケーブルとして電気ケーブルが用いられている。本実施の形態では、通信ケーブルとして光ファイバーケーブル40を用いることが好ましい。
光ファイバーケーブル40は、セキュリティ性が高く、外部からの不正な電磁気的又は機械的手段に対し安全性が高い。すなわち、従来の電気ケーブルでは、電気ケーブルの途中に不正をするための装置を介在させることが容易であった。しかし、光ファイバーケーブル40は、光の伝播によって通信するものであり、光ファイバーケーブル40の途中に不正をするための装置を介在させて光を伝播させることは困難である。このため、光ファイバーケーブル40を用いることによって、各種の不正行為を未然に抑止することができる。
<<<サブ中継基板220>>>
サブ中継基板220は、ドア中継基板300と副制御基板210とを互いに接続する。サブ中継基板220とドア中継基板300とは、光ファイバーケーブル40によって接続されることが好ましい。同様に、サブ中継基板220と副制御基板210とは、光ファイバーケーブル40によって接続されることが好ましい。このようにすることで、これらの基板の間で、不正行為をするための装置を介在させることを困難にできる。
主制御基板110は、ドア中継基板300とサブ中継基板220とを介して副制御基板210に各種の制御信号を出力する。上述したように、副制御基板210は、主制御基板110から出力された各種の制御信号に基づいて、映像信号やサウンドデータやランプデータを生成してサブ中継基板220に出力する。サブ中継基板220は、副制御基板210から出力された映像信号やサウンドデータやランプデータを、表示装置222やサウンド基板224やランプ基板226に出力する。このようにして、表示装置222やスピーカ(図示せず)やランプ(図示せず)が制御される。
<<<ドア中継基板300>>>
図18に示すように、ドア中継基板300は、主制御基板110とサブ中継基板220とを互いに接続して中継する。ドア中継基板300と主制御基板110とは、光ファイバーケーブル40によって接続されることが好ましい。同様に、ドア中継基板300とサブ中継基板220とは、光ファイバーケーブル40によって接続されることが好ましい。このようにすることで、これらの基板の間で、不正行為をするための装置を介在させることを困難にできる
主制御基板110は、各種の制御信号をドア中継基板300に出力する。ドア中継基板300は、主制御基板110から出力された各種の制御信号を中継して、サブ中継基板220を介して副制御基板210に出力する。
ドア中継基板300には、メダルセレクタ(コインセレクタ)202や、ベットスイッチや、ストップスイッチ206や、スタートスイッチ208などが接続されている。これらの接続は、電気信号ケーブルによるものでも、光ファイバーケーブル40によるものでもよい。不正行為を防止する観点からは、光ファイバーケーブル40で接続することが好ましい。
遊技者がスタートレバーを操作すると、スタートレバーが操作されたことを示すスタートレバー操作信号がスタートスイッチ208から出力される。遊技者がベットボタンを操作すると、ベットボタンが操作されたことを示すベットボタン操作信号がベットスイッチ204から出力される。遊技者がストップボタンを操作すると、ストップボタンが操作されたことを示すストップボタン操作信号がストップスイッチ206から出力される。遊技者がメダル投入口からメダルを投入すると、メダルセレクタ202は、投入されたメダルの真贋を判別し、メダルセレクタ202は、投入されたメダルが真正である場合には、真正なメダルが投入されたことを示す真正メダル投入信号を出力する。メダルセレクタ202は、投入されたメダルごとに、1つのパルス信号を真正メダル投入信号として出力する。
これらのスタートレバー操作信号、ベットボタン操作信号、ストップボタン操作信号及び真正メダル投入信号は、ドア中継基板300を介して、主制御基板110に出力される。なお、封入式のパチスロ機にした場合には、メダル投入口やメダルセレクタ202は必要なく設けられていない。この場合には、遊技媒体管理装置30から使用有価価値情報を出力し、ドア中継基板300で真正メダル投入信号に変換して主制御基板110に出力される。
主制御基板110は、これらの各種の信号に基づいて遊技を進行させ、リールモータ駆動回路114、メダル排出装置112等の周辺装置の動作を制御する。
このように、ドア中継基板300は、主制御基板110から出力された各種の信号を副制御基板210に出力するとともに、メダルセレクタ(コインセレクタ)202などの周辺装置から出力された信号を主制御基板110に出力する。すなわち、ドア中継基板300は、主制御基板110から出力された信号と、主制御基板110に送信する信号との双方向の通信を中継するための基板である。
さらに、ドア中継基板300は、遊技媒体管理装置30に接続されている。遊技媒体管理装置30は、パチスロ機100bの外部に設置されるので、ドア中継基板300と遊技媒体管理装置30とは、光ファイバーケーブル40によって接続されることが望ましい。上述したように、ドア中継基板300と遊技媒体管理装置30との間では、使用有価価値情報や払出有価価値情報などの信号が通信される。
また、ドア中継基板300には、ドア監視スイッチ(図示せず)も設けられている。ドア監視スイッチは、パチスロ機100bの前面ドア(図示せず)が開放されたことを検出するスイッチである。ドア監視スイッチは、検出信号を主制御基板110に出力する。主制御基板110は、検出信号によって、前面ドアが開放されたことを判断することができる。
図19は、本実施の形態におけるドア中継基板300の構成を示す機能ブロック図である。具体的には、ドア中継基板300は、CPU(以下、中継基板CPU)、ROM(以下、中継基板ROM)、RAM(以下、中継基板RAM)、I/O及び通信回路のほから各種の電子部品や光学素子等により構成される。図19に示したブロックの各々は、これらによって構成される。
なお、図19に示した構成では、遊技媒体管理装置30及びメダルセレクタ202が、光ファイバーケーブル40によってドア中継基板300に接続される場合を示したが、従前の電気信号ケーブルによって接続される構成でもよい。また、遊技媒体管理装置30及びメダルセレクタ202とのうちのいずれか一方が、電気信号ケーブルによってドア中継基板300に接続される構成でもよい。
ドア中継基板300には、主に、主制御基板110、副制御基板210、遊技媒体管理装置30が接続されている。なお、上述したように、副制御基板210は、サブ中継基板220を介して接続されている。図19では、ドア中継基板300に実質的に接続されている副制御基板210を示した。
封入式に対応させるパチスロ機100bの場合には、ドア中継基板300には、メダルセレクタ(コインセレクタ)202が接続されている。ドア中継基板300には、メダルセレクタ202から真正メダル投入信号が出力される。一方、封入式のパチスロ機の場合には、メダルセレクタ(コインセレクタ)202は接続されていない。なお、封入式のパチスロ機でメダルセレクタ202がある場合には、メダルセレクタ202を接続してもよいが無効化されている。
ドア中継基板300は、主として、光信号受光部310、電気信号変調部320、受信信号解析部(接続判定部、出力先決定部)330、送信信号生成部340、出力先制御部350、光信号変調部360、光信号発光部370、有効化スイッチ380を有する。
光信号受光部310は、ドア中継基板300に設けられたメス型コネクタ390(図22及び図23参照)に光ファイバーケーブル40が接続されたときに、光ファイバーケーブル40から発せられた光信号を受光する。光信号受光部310は、たとえば、レンズなどの各種の光学素子などからなる。
光信号受光部310は、主制御基板110からの光信号を受光するための光信号受光部310dと、副制御基板210からの光信号を受光するための光信号受光部310cと、遊技媒体管理装置30からの光信号を受光するための光信号受光部310bと、メダルセレクタ202からの光信号を受光するための光信号受光部310aとからなる。本明細書において、これらの光信号受光部310a〜310dを特に区別する必要がない場合には、単に光信号受光部310と称する。
有効化スイッチ380は、光信号受光部310a又は光信号受光部310bのいずれか一方を有効にするためのスイッチである。図19に示したドア中継基板300は、遊技媒体管理装置30とメダルセレクタ202との双方を同時に接続できる。メダルセレクタ202のみがドア中継基板300に接続されているときには、メダルセレクタ202を有効にする。一方、遊技媒体管理装置30とメダルセレクタ202との双方がドア中継基板300に接続されているとき、又は遊技媒体管理装置30のみがドア中継基板300に接続されているときには、遊技媒体管理装置30を有効にする。
有効化スイッチ380は、機械的なスイッチでもよく電子的なスイッチでもよい。機械的なスイッチの場合には、手動で操作するもの、たとえば、ディップスイッチなどのスイッチにすることができる。メダルセレクタ202のみがドア中継基板300に接続されているときには、機械的なスイッチを第1の方向にスライドさせて、メダルセレクタ202を有効にする。一方、遊技媒体管理装置30とメダルセレクタ202との双方がドア中継基板300に接続されているとき、又は遊技媒体管理装置30のみがドア中継基板300に接続されているときには、機械的なスイッチを第2の方向にスライドさせて、遊技媒体管理装置30を有効にする。
また、有効化スイッチ380は、電子的なスイッチ、たとえば、マルチプレクサなどのスイッチング素子にすることができる。この場合には、後述する図24の処理を実行することによって、遊技媒体管理装置30がドア中継基板300に接続されているときには、遊技媒体管理装置30が有効化され、メダルセレクタ202は無効化される。有効化スイッチ380は、図24の処理の結果に応じて、スイッチング動作をして、遊技媒体管理装置30とメダルセレクタ202とのうちのいずれか一方を有効にする。
さらに、有効化スイッチ380は、所定の光を発する発光部と、発光部から発せられた光を受光できる受光部とを有するフォトセンサでもよい。有効化スイッチ380は、遊技媒体管理装置30がドア中継基板300に接続されていることを検出したときに、検出信号を出力する。検出信号が出力されたときに、遊技媒体管理装置30を有効化することができる。
遊技媒体管理装置30とメダルセレクタ202とのうち、有効化スイッチ380によって有効にされた方から出力された光信号に基づいて、後述する受信信号解析部330の処理が行われる。
電気信号変調部320は、光信号受光部310が受けた光信号を電気に変換する。電気信号変調部320は、たとえば、受光素子やアナログ/ディジタル変換器などからなる。電気信号変調部320によって、ディジタル信号に変換することができる。
電気信号変調部320は、主制御基板110からの光信号を変換するための電気信号変調部320dと、副制御基板210からの光信号を変換するための電気信号変調部320cと、遊技媒体管理装置30からの光信号を変換するための電気信号変調部320bと、メダルセレクタ202からの光信号を変換するための電気信号変調部320aとからなる。本明細書において、これらを特に区別する必要がない場合には、単に電気信号変調部320と称する。
受信信号解析部330は、電気信号変調部320によって変換されたディジタル信号に基づいて各種の処理を実行する。受信信号解析部330は、主に、中継基板CPU、中継基板ROM、中継基板RAM及びI/Oによって構成される。
中継基板ROMには、中継基板CPUにより実行される制御プログラムや各種のデータテーブルなどが記憶されている。中継基板RAMには、制御プログラムの実行に用いるための各種データを格納する格納領域が設けられている。
受信信号解析部330は、主として、主制御基板110から出力された各種の信号や、副制御基板210から出力された各種の信号や、遊技媒体管理装置30から出力された各種の信号を解析する。
受信信号解析部330は、電気信号変調部320から出力された信号の種類及び内容と信号が出力された装置を解析して送信先を決定し(後述する図25のステップS911)、後述する出力先制御部350に指示をする。さらに、後述する送信信号生成部340は、送信用の送信用データを生成する(後述する図25のステップS915)。
たとえば、遊技媒体管理装置30から出力される使用有価価値情報などの情報は、データ部とヘッダ部とを有する(図16(b)参照)。受信信号解析部330は、ヘッダ部を解析することで送信用データの送信先を決定することができる。
具体的には、受信信号解析部330は、遊技媒体管理装置30から使用有価価値情報が出力された場合には、送信用データの送信先を主制御基板110にする(図16(b)参照)。また、受信信号解析部330は、メダルセレクタ202から真正メダル投入信号が出力された場合には、送信用データの送信先を主制御基板110にする(図16(a)参照)。さらに、受信信号解析部330は、メダル排出装置112から払出遊技媒体信号が出力されたときには、送信用データの送信先を遊技媒体管理装置30にする(図17(b)参照)。
また、受信信号解析部330は、遊技媒体管理装置30だけでなく、主制御基板110から出力された信号や、副制御基板210から出力された信号によっても送信用データの送信先を決定することができる。
さらに、受信信号解析部330は、図24に示す接続チェックの処理を実行する。遊技媒体管理装置30がドア中継基板300接続されているか否かを判断し、遊技媒体管理装置30がドア中継基板300接続されている場合には、遊技媒体管理装置30を有効化する。
また、遊技媒体管理装置30から出力された情報が暗号化されている場合には、受信信号解析部330は、データ部とヘッダ部とを復号化して元の情報に変換する。暗号化することによって、遊技媒体管理装置30のようにパチスロ機100bの外部から信号を受信するような構成でも不正を未然に防止することができる。
送信信号生成部340は、受信信号解析部330による解析に基づいて送信する信号を生成する。送信信号生成部340も、主に、上述した中継基板CPU、中継基板ROM、中継基板RAM及びI/Oによって構成される。
上述したように、送信信号生成部340は、受信信号解析部330の解析結果に応じてデータを生成する。たとえば、遊技媒体管理装置30から使用有価価値情報が出力された場合には、真正メダル投入信号のための送信用データを生成する(図16(b)参照)。この場合、送信先は主制御基板110である。
さらに、送信信号生成部340は、遊技媒体管理装置30に出力する情報については、遊技媒体管理装置30で処理できるようにヘッダ部を加える必要もある。送信信号生成部340は、遊技媒体管理装置30に出力するために生成したデータをデータ部としてヘッダ部を付加し、送信用データを生成する。たとえば、送信信号生成部340は、データ部とヘッダ部とを有する払出遊技価値情報を生成する(図17(b)参照)。
遊技媒体管理装置30に情報を出力する場合には、送信信号生成部340は、出力する情報を暗号化する。暗号化することによって、遊技媒体管理装置30のようにパチスロ機100bの外部に信号を出力するような構成でも不正を未然に防止することができる。
上述した受信信号解析部330による解析と、送信信号生成部340によるデータの生成により、信号や情報を変換することができる。また、受信信号解析部330による解析によって、送信信号生成部340によるデータの生成が必要がないと判断したときには、受信信号解析部330は出力先を決定するとともに、送信信号生成部340は、電気信号変調部320から出力された信号や情報を、そのまま、出力先制御部350に出力する。たとえば、メダルセレクタ202を有効にしている場合に、メダルセレクタ202から真正メダル投入信号が出力されたときには、信号を変換する必要がないので、受信信号解析部330は、主制御基板110を出力先として決定し、送信信号生成部340は、真正メダル投入信号をそのまま出力先制御部350に出力する。
このように、受信信号解析部330は、信号や情報の変換が必要である場合には、送信信号生成部340に変換すべきことを指示し、送信信号生成部340は、送信用データを生成する。このようにして、信号や情報の変換が行われる。一方、信号や情報の変換が必要ない場合には、送信信号生成部340に変換が必要ないことを指示し、送信信号生成部340は、信号や情報をそのまま出力する。
上述した受信信号解析部330及び送信信号生成部340の処理、すなわち、信号や情報等の変換の処理は、ソフトウェアで実行してもハードウェアで実行してもよい。
出力先制御部350は、受信信号解析部330からの指示に応じて出力先を制御する。具体的には、送信信号を送信する送信先を、主制御基板110、副制御基板210、遊技媒体管理装置30のいずれにするのかを決定する。出力先制御部350は、たとえば、マルチプレクサなどのスイッチング素子からなる。出力先制御部350は、受信信号解析部330からの指示に応じてスイッチング素子を制御する。
光信号変調部360は、送信信号生成部340によって生成された送信信号であるディジタル信号を光信号に変換する。光信号変調部360は、ディジタル/アナログ変換器や発光素子などからなる。
光信号変調部360は、主制御基板110への光信号に変換するための光信号変調部360cと、副制御基板210への光信号に変換するための光信号変調部360bと、遊技媒体管理装置30への光信号に変換するための光信号変調部360aとからなる。本明細書において、これらを特に区別する必要がない場合には、単に光信号変調部360と称する。
光信号発光部370は、光信号変調部360によって変換された光信号を発光する。ドア中継基板300に設けられたメス型コネクタ390(図22及び図23参照)に光ファイバーケーブル40が接続されたときには、光信号発光部370は光ファイバーケーブル40に光を発する。光信号発光部370は、たとえば、レンズなどの各種の光学素子などからなる。
光信号発光部370は、主制御基板110に光信号を発光するための光信号発光部370cと、副制御基板210に光信号を発光するための光信号発光部370bと、遊技媒体管理装置30に光信号を発光するための光信号発光部370aとからなる。本明細書において、これらを特に区別する必要がない場合には、単に光信号発光部370と称する。
図19に示したドア中継基板300では、メダルセレクタ202も遊技媒体管理装置30も光ファイバーケーブル40によって接続され光信号による通信をする例を示したが、電気信号を用いて通信するように構成してもよい。メダルセレクタ202と遊技媒体管理装置30との双方が、電気信号による通信をしても、いずれか一方のみが電気信号による通信をしてもよい。電気信号を用いて通信する場合には、図19に示した光信号受光部310や電気信号変調部320や光信号変調部360や光信号発光部370を用いる必要はない。なお、光ファイバーケーブル40を使用した接続方法によれば、電気的接続とはならないので、ドア中継基板300などの未使用のコネクタが存在した場合でも不正行為を行うことは困難であるので、未使用のコネクタを備えた場合のリスクを軽減することができる。
図20は、本実施の形態におけるドア中継基板300’の構成を示す機能ブロック図である。図19に示したドア中継基板300は、メダルセレクタ202と遊技媒体管理装置30との双方を同時にドア中継基板300に接続できる構成である(後述する図21(b)参照)。一方、図20に示すドア中継基板300’は、メダルセレクタ202と遊技媒体管理装置30とのうちのいずれか一方を同時にドア中継基板300’に接続できる構成である(後述する図21(a)参照)。
ドア中継基板300’は、図19に示したドア中継基板300と同様に、CPU(以下、中継基板CPU)、ROM(以下、中継基板ROM)、RAM(以下、中継基板RAM)、I/O及び通信回路のほから各種の電子部品や光学素子等により構成される。図20に示したブロックの各々は、これらによって構成される。
ドア中継基板300’は、光信号受光部310a及び電気信号変調部320aを有するが、光信号受光部310b及び電気信号変調部320bを有しない。したがって、たとえば、メダルセレクタ202がドア中継基板300’に接続されているときには、光信号受光部310a及び電気信号変調部320aによって、メダルセレクタ202から出力された真正メダル投入信号を処理する。遊技媒体管理装置30がドア中継基板300’に接続されているときには、光信号受光部310a及び電気信号変調部320aによって、遊技媒体管理装置30から出力された使用有価価値情報を処理する。
ドア中継基板300’は、選択スイッチ385を有する。選択スイッチ385は、遊技媒体管理装置30とメダルセレクタ202とのうちのいずれがドア中継基板300’に接続されているかを受信信号解析部330に指示するためのスイッチである。選択スイッチ385は、ディップスイッチなどの手動で操作できるスイッチが好ましい。
受信信号解析部330は、選択スイッチ385の指示に従った処理を実行する。たとえば、受信信号解析部330は、選択スイッチ385の指示によって、メダルセレクタ202がドア中継基板300’に接続されていると判断した場合には、受信信号解析部330は、主制御基板110を出力先として決定し、送信信号生成部340は、真正メダル投入信号をそのまま出力先制御部350に出力する。また、受信信号解析部330は、選択スイッチ385の指示によって、遊技媒体管理装置30がドア中継基板300’に接続されていると判断した場合には、受信信号解析部330は、主制御基板110を出力先として決定し、送信信号生成部340は、使用有価価値情報を真正メダル投入信号に変換し出力する。
ドア中継基板300’のほかの構成は、ドア中継基板300と同様であり、受信信号解析部330、送信信号生成部340、出力先制御部350、光信号変調部360、光信号発光部370は、同様の構成であり、同様の機能を有する。
<<<第1の実施の形態>>>
<<第1の実施の形態の概要>>
第1の実施の形態による遊技機は、
遊技者が遊技に使用する遊技媒体の通過を示す遊技媒体使用信号を出力するメダルセレクタ(たとえば、後述するメダルセレクタ202など)と、有価価値の増減演算処理を実行する外部装置(たとえば、後述する遊技媒体管理装置30(より具体的には、いわゆるECOユニット)など)と、の少なくとも一方を接続できる接続部(たとえば、後述するコネクタ390や392など)と、
前記メダルセレクタと前記外部装置とのうちのいずれか一方を有効にする選択部(たとえば、後述する有効化スイッチ380や選択スイッチ385など)と、
前記選択部によって前記外部装置が有効化されているときに、遊技者が遊技に使用する有価価値を示す使用有価価値情報を前記接続部を介して前記外部装置から受信して、前記使用有価価値情報を、遊技の制御に使用する遊技有価価値信号に変換する制御部(たとえば、後述する中継基板CPUなど)と、を備える。
第1の実施の形態による遊技機は、接続部と選択部と制御部とを備える。
接続部には、メダルセレクタと外部装置との少なくとも一方を接続できる。メダルセレクタは、遊技者が遊技に使用する遊技媒体の通過を示す遊技媒体使用信号を出力する。外部装置は、有価価値の増減演算処理を実行する。
遊技媒体は、物理的な遊技媒体のほかに、実体はないが遊技に必要とされる遊技媒体の数などをデータ化した遊技媒体データも含む。
遊技者の有価価値は、外部装置において、記録媒体(たとえば、情報カード)に記憶されることが好ましい。物理的な遊技媒体を廃止した場合には、いわゆるドル箱も不要になる。遊技店において円滑に遊技を行うために遊技者の有価価値を少なくとも一時的に記憶させる手段が必要になる。したがって、記録媒体のための読み書き装置を外部装置に設け、遊技者の有価価値を記録媒体に記憶できるようにすることが好ましい。
さらに、記録媒体を用いることによって、遊技店において貯玉遊技や持ち玉移動遊技をすることが可能になる。ここで、貯玉遊技は、前日以前に貯玉した遊技媒体で行う遊技である。持ち玉移動遊技は、一の遊技機で獲得した遊技媒体を用いて他の遊技機で行う遊技である。
選択部は、メダルセレクタと外部装置とのうちのいずれか一方を有効にする。いずれか一方を有効にすればよく、接続部に接続されているものをセンサなどの検出装置によって検出して有効にしても、手動操作で設定して有効にしてもよい。検出装置は、機械的、電子的、光学的に検出するものがある。
制御部は、選択部によって外部装置が有効化されているときに、使用有価価値情報を遊技有価価値信号に変換する。使用有価価値情報は、遊技者が遊技に使用する有価価値を示す情報である。制御部は、接続部を介して外部装置から使用有価価値情報を受信する。遊技有価価値信号は、遊技の制御に使用する信号である。たとえば、遊技有価価値信号は、メダルセレクタから出力される遊技媒体使用信号と同様の信号にすることができる。
制御部によって、使用有価価値情報を遊技有価価値信号に変換するので、コインセレクタの替わりに外部装置を接続部に接続した場合でも、外部装置からの使用有価価値情報に基づいて、遊技媒体が使用(たとえば、投入)されたと同様の状態で遊技を制御することができる。
このため、コインセレクタを接続部に接続しても遊技を実行することができるとともに、コインセレクタの替わりに外部装置を接続部に接続しても、遊技を実行することができる。したがって、物理的な遊技媒体を使用する場合であっても使用しない場合であっても対応でき、従来のパチスロ機を有効に活用できる。
第1の実施の形態による遊技機は、さらに、
前記接続部が、前記メダルセレクタが接続される第1の接続部(たとえば、後述するコネクタ392など)と、前記外部装置が接続される第2の接続部と(たとえば、後述するコネクタ390など)、を有し、
前記第1の接続部に前記メダルセレクタが接続され、かつ、前記第2の接続部に前記外部装置が接続されているときに、前記選択部は前記外部装置を有効にする。
接続部は、第1の接続部と第2の接続部とを有する。第1の接続部には、メダルセレクタが接続される。第2の接続部には、外部装置が接続される。
第1の接続部にメダルセレクタが接続され、かつ、第2の接続部に外部装置が接続されているときには、選択部は外部装置を有効にする。したがって、第1の接続部にメダルセレクタが接続され、第2の接続部に外部装置が接続されていない状態では、メダルセレクタを有効にできる。さらに、第1の接続部にメダルセレクタを接続した状態のまま、第2の接続部に外部装置を接続すると、選択部によって外部装置が優先して有効にされる。したがって、メダルセレクタを外すことなく、外部装置を接続するだけで作業を完了することができる。このため、従来の遊技機を封入式に対応させる作業を容易かつ簡便することができる。
たとえば、これまでの一般的な遊技機には、投入口、メダルセレクタ、内部のホッパ及び下皿などが設けられている。遊技者は、遊技を進めるために投入口からメダルなどの遊技媒体を投入する。投入部から遊技媒体が投入されたときには、メダルセレクタによって、投入された遊技媒体の真贋が判断され、投入された遊技媒体が真正である場合には、真正な遊技媒体が投入されたことを示す信号(たとえば、後述する真正メダル投入信号など)が出力される。
メダルセレクタは、ロックアウトソレノイドの駆動によって有効化又は無効化される。ロックアウトソレノイドの作動時には、メダルセレクタは有効化される。メダルセレクタが有効化されているときには、真正であると判断された遊技媒体は、メダルセレクタを通過してホッパに導かれる。ホッパは、真正であると判断された遊技媒体を遊技機の内部に一時的に蓄えるための器である。
一方、ロックアウトソレノイドの非作動時には、メダルセレクタは無効化される。たとえば、封入式に対応させた場合や、遊技媒体の上限まで既に投入されている場合(クレジットが50枚で3枚投入済みの場合)には、ロックアウトソレノイドは非作動状態となり、メダルセレクタは無効化される。メダルセレクタが無効化されているときには、投入口から投入された遊技媒体は、キャンセルシュート(ホッパを経由することなく遊技媒体を排出するための通路)を通過して下皿に返却される。この場合には、電気的な制御は行われない。下皿は、排出された遊技媒体を遊技機の外部で溜めるための器である。
第1の実施の形態による遊技機は、
前記制御部が、遊技に基づいて遊技媒体を払い出す指示を示す払出指示情報を受信し、払い出す有価価値を示す払出有価価値情報に変換し、前記外部装置に出力する。
制御部は、払出指示情報を払出有価価値情報に変換し外部装置に出力する。払出指示情報は、遊技に基づいて遊技者に遊技媒体を払い出す指示を示す情報である。この情報には、遊技者に払い出す遊技媒体の数の情報が含まれる。払出有価価値情報は、遊技者に払い出す有価価値を示す情報である。
制御部によって、払出指示情報を払出有価価値情報に変換するので、外部装置を接続しすることで、払出有価価値情報に基づいて遊技者に払い出す遊技媒体を管理することができる。したがって、外部装置は、遊技者が遊技をするために使用する有価価値と、遊技の結果によって遊技者に払い出す払出有価価値情報との双方によって、遊技者が所有する有価価値を管理することができる。すなわち、外部装置によって、使用及び払出の双方を管理できる。なお、本明細書において、払出とは、遊技機において役の入賞等によって発生する処理であり、遊技の結果に基づいて遊技者に利益を付与するための処理である。払出には、物理的な遊技媒体を遊技者に対して払い出す場合でなく、実体のない遊技媒体データによって遊技媒体を仮想的に付与する場合、たとえばクレジットとして加算する場合なども含む。
第1の実施の形態による遊技機は、
前記制御部が、前記外部装置が前記接続部を介して接続され通信可能になったか否かを判断する。
外部装置が接続されたことを判別して信号変換を行うので、機械的に判別するよりも部品の数を減らして、構成を簡素化できる。
また、外部装置は、遊技機の外部に設けられて遊技機と通信をする。このため、遊技機と外部装置との通信路が、不正行為をするための装置を設ける対象にされやすい。したがって、遊技機と外部装置との通信を光通信にすることが好ましい。
すなわち、第1の実施の形態による遊技機は、さらに、
前記外部装置と前記接続部とが、光ファイバーケーブルによって光通信可能に接続される。
光ファイバーケーブルは、光の伝播によって通信を行う。光ファイバーケーブルの途中を切断して光通信を行うためには、融着させたりコネクタを設けたりする必要があるので、困難が伴う。すなわち、光信号の伝送であるので、光ファイバの接合面同士を正確に位置決めする必要があり、所定の冶具で固定して接合しない場合には光強度の減衰量が過大となり適切に伝送することができない。また、分岐カプラーなどを用いれば光ファイバーケーブルを途中で分岐させることは可能である。この場合も、光ファイバーケーブルの端部を研磨するなどの各種の処理を要するとともに、分岐カプラーなどの部品を用いる必要もある。したがって、光ファイバーケーブルを切断して、光ファイバーケーブルの途中に不正をするための装置を、目立たないようかつ迅速に設けることはきわめて困難である。このため、遊技機の外部に設けられる外部装置を封入式に対応させる場合には、光ファイバーケーブルを用いることによって、各種の不正行為を未然に抑止することができる。
上述したように、光ファイバーケーブルの途中に不正行為のための装置を設けることは困難である。さらに、光ファイバーケーブルを接続するための両端部のセキュリティを高めれば、不正行為をより防止することができる。たとえば、光ファイバーケーブルが接続される装置(基板など)を封印可能なケース内に設けて封止することによって、光ファイバーケーブルを取り外しにくくできる。このようにすることで、光ファイバーケーブルの接続状態を確保することができ、不正行為をするための装置を介在させることをさらに困難にできるとともに、不正行為を発見する負担を軽くできる。
<<<第1の実施の形態の具体的な説明>>>
図21は、第1の実施の形態によるドア中継基板300、主制御基板110、副制御基板210の接続の状態の概略を示す図である。図21は、パチスロ機100bのドア中継基板300の概略を示す図である。
図21(a)は、ドア中継基板300に接続されていたメダルセレクタ202をコネクタからはずし、そのコネクタに遊技媒体管理装置30を接続した状態を示す図である。たとえば、メダルセレクタ202と遊技媒体管理装置30との双方を接続できず、いずれか一方のみを接続できるドア中継基板300の場合には、このような態様が想定される。すなわち、図19のドア中継基板300の光信号受光部310a及び310bのうち、いずれか一方のみがドア中継基板300に設けれられている構成である。
図21(a)に示す選択スイッチ385は、遊技媒体管理装置30とメダルセレクタ202とのうちのいずれがドア中継基板300に接続されているかを示すためのスイッチである。選択スイッチ385は、図19に示す有効化スイッチ380に対応するスイッチである。選択スイッチ385は、手動で操作する機械的なスイッチ、たとえば、ディップスイッチなどのスイッチが好ましい。メダルセレクタ202がドア中継基板300に接続されているときには、機械的なスイッチを第1の方向にスライドさせて、メダルセレクタ202を有効にする。一方、遊技媒体管理装置30がドア中継基板300に接続されているときには、機械的なスイッチを第2の方向にスライドさせて、遊技媒体管理装置30を有効にする。
メダルセレクタ202及び遊技媒体管理装置30は、電気信号を発するものでも、光信号を発するものでもよい。
メダルセレクタ202が電気信号を発する場合には、電気ケーブルによって、メダルセレクタ202とドア中継基板300とが接続される。この場合に、メダルセレクタ202の替わりに遊技媒体管理装置30をドア中継基板300に接続するときには、遊技媒体管理装置30は、電気ケーブルによってドア中継基板300に接続される。
また、メダルセレクタ202が光信号を発する場合には、光ファイバーケーブル40によって、メダルセレクタ202とドア中継基板300とが接続される。この場合に、メダルセレクタ202の替わりに遊技媒体管理装置30をドア中継基板300に接続するときには、遊技媒体管理装置30は、光ファイバーケーブル40によってドア中継基板300に接続される。この場合には、図22及び図23に示すメス型コネクタ390を用いることができる。
メダルセレクタ202がドア中継基板300に接続されている場合には、選択スイッチ385によってメダルセレクタ202が接続されていることを判別する。この場合には、メダルセレクタ202から出力された真正メダル投入信号は、そのまま主制御基板110に送信される。
また、メダルセレクタ202の替わりに遊技媒体管理装置30がドア中継基板300に接続されている場合には、選択スイッチ385によって遊技媒体管理装置30が接続されていることを判別する。この場合には、ドア中継基板300は、遊技媒体管理装置30から出力された使用有価価値情報を真正メダル投入信号に変換し、主制御基板110に送信する。
このように、ドア中継基板300で変換された真正メダル投入信号は、メダルセレクタ202がドア中継基板300に接続されているときと同様に、ドア中継基板300から主制御基板110に送信される。したがって、メダルセレクタ202の替わりに遊技媒体管理装置30をドア中継基板300に接続した場合であっても、主制御基板110は、遊技媒体管理装置30がドア中継基板300に接続されているか否かによることなく、従前と同様に、メダルセレクタ202がドア中継基板300に接続されている場合と同様の処理を実行してパチスロ機100bにおける遊技を進めることができる。
図21(b)は、ドア中継基板300に遊技媒体管理装置30用のメス型コネクタ390を予め設けておき、そのメス型コネクタ390に遊技媒体管理装置30を接続した状態を示す。なお、メダルセレクタ202は、コネクタ392に接続される。このコネクタ392は、メダルセレクタ202を接続することができればよく、電気通信用でも光通信用でもよい。真正メダル投入信号は、メダルセレクタ202からコネクタ392を介してドア中継基板300に出力される。
図21(b)に示すドア中継基板300は、図19に示したドア中継基板300である。図21(b)の場合には、メダルセレクタ202と遊技媒体管理装置30との双方が遊技媒体管理装置30に接続される。
したがって、ドア中継基板300は、遊技媒体管理装置30が接続されているか否かを判断し、遊技媒体管理装置30が接続されている場合には、遊技媒体管理装置30を有効化し遊技媒体管理装置30を優先して処理を実行する。なお、この処理については、図24のフローチャートで説明する。このようにすることで、メダルセレクタ202と遊技媒体管理装置30との双方が遊技媒体管理装置30に接続されている場合には、遊技媒体管理装置30を有効にし、かつ、メダルセレクタ202を無効にすることで、遊技媒体管理装置30を優先させることができる。
さらに、図21(b)に示したように、メダルセレクタ202と遊技媒体管理装置30との双方を遊技媒体管理装置30に接続できる場合に、パチスロ機100bのメダルの投入口の内側に、投入口を開放したり閉塞したりできるシャッターを設けるのが好ましい。シャッターは、ソレノイド50によって駆動される。上述したように、遊技媒体管理装置30を有効化し遊技媒体管理装置30を優先することが決定された場合には、主制御基板110は、ソレノイド50に駆動電流を供給して投入口を閉塞する。このようにすることで、遊技媒体管理装置30が優先されているときに、遊技者が誤ってメダルを投入口に投入することを防止することができる。
<接続チェック処理>
図24は、ドア中継基板300において実行される接続チェック処理のフローチャートである。この図24の接続チェック処理は、所定のタイミングごとに割り込み処理などで呼び出されて実行することが好ましい。具体的には、ドア中継基板300に水晶発信子を用いた発振回路などの回路を用いて、ドア中継基板300は、中継基板ROMに記憶されたデータを遊技媒体管理装置30などの装置に一定間隔で送信する。遊技媒体管理装置30などの装置は、ドア中継基板300に取り付けられたり外されたりできるので、接続の状態が変化する可能性がある。このため、所定のタイミングで接続の状態を確認する必要がある。接続チェック処理を所定のタイミング毎に実行することによって、接続の状態を常に最新の状態に更新することができる。
最初に、中継基板CPUは、送信確認用の一定のデータを送信する(ステップS811)。この送信は、メダルセレクタ202や遊技媒体管理装置30の接続に用いるコネクタに対して実行される。なお、ドア中継基板300に設けられているコネクタの全てに対して実行してもよい。
次に、中継基板CPUは、識別情報を受信したか否かを判断する(ステップS813)。識別情報は、遊技媒体管理装置30であることを示す情報である。中継基板CPUは、識別情報を受信していないと判別したときには(NO)、遊技媒体管理装置30は接続されていないと判別し(ステップS815)、本サブルーチンを終了する。
一方、中継基板CPUは、識別情報を受信したと判別したときには(YES)、受信確認用の一定のデータを受信したか否かを判断する(ステップS817)。受信確認用の一定のデータは、遊技媒体管理装置30が真正な装置であるか否かや、通信が安定してるか否かなどを確かめるためのデータである。
中継基板CPUは、受信確認用の一定のデータを受信していないと判別したときには(NO)、遊技媒体管理装置30が適切に接続されていないと判別し(ステップS815)、本サブルーチンを終了する。この場合には、メダルセレクタ202から出力される真正メダル投入信号が、そのまま主制御基板110に送信される。
中継基板CPUは、受信確認用の一定のデータを受信したと判別したときには(YES)、遊技媒体管理装置30が適切に接続されたと判別し(ステップS819)、遊技媒体管理装置30を有効にし(ステップS821)、メダルセレクタ202を無効にする(ステップS823)。
遊技媒体管理装置30を有効にし、かつメダルセレクタ202を無効にすることによって、遊技媒体管理装置30を優先させることができる。遊技媒体管理装置30とメダルセレクタ202との双方を遊技媒体管理装置30に接続している場合であっても、メダルセレクタ202ではなく、遊技媒体管理装置30から出力された信号を優先して処理することができる。このようにすることで、遊技媒体管理装置30から出力される使用有価価値情報を真正メダル投入信号に変換して主制御基板110に送信することができる。また、規則の改正等により、従来の遊技機が使用できなくなった場合に、封入式の遊技機に切り替える煩雑な操作が不要となる。
なお、メダルセレクタ202の替わりに遊技媒体管理装置30をドア中継基板300に接続するときには、有効及び無効を決める必要はないので、ステップS821及びS823の処理を省くことができる。
<信号制御処理>
図25は、ドア中継基板300において実行される信号制御処理のフローチャートである。
最初に、中継基板CPUは、遊技媒体管理装置30から出力された情報のヘッダ部に基づいて、ドア中継基板300から出力する情報の出力先を決定する(ステップS911)。上述したように、たとえば、遊技媒体管理装置30から出力された情報が使用有価価値情報である場合には、ヘッダ部には、使用有価価値情報であることを識別するための情報が含まれている。使用有価価値情報である場合には、ステップS911の処理によって、出力先を主制御基板110に決定する。この処理は、上述した受信信号解析部330及び出力先制御部350における処理である。
次に、中継基板CPUは、遊技媒体管理装置30が接続されているか否か判断する(ステップS913)。中継基板CPUは、遊技媒体管理装置30が接続されていないと判別したときには(NO)、本サブルーチンを終了する。接続されている装置が遊技媒体管理装置30でない場合には、次のステップS915の処理で信号や情報を変換する必要がないので、直ちに、本サブルーチンを終了する。
中継基板CPUは、遊技媒体管理装置30が接続されていると判別したときには(YES)、情報や信号の変換をし(ステップS915)、本サブルーチンを終了する。たとえば、遊技媒体管理装置30から出力された情報が使用有価価値情報である場合には、真正メダル投入信号に変換する。この処理は、上述した送信信号生成部340における処理である。
<<メス型コネクタ390>>
図22は、ドア中継基板300に設けられているメス型コネクタ390と、メス型コネクタ390に接続される光ファイバーケーブル40のオス型コネクタ394との概要を示す斜視図である。図22に示すメス型コネクタ390は、図19及び図21(b)に示したように、遊技媒体管理装置30を接続するためのコネクタである。
なお、図21(b)に示したように、メダルセレクタ202は、コネクタ392に接続される。
本実施の形態によるメス型コネクタ390は、ドア中継基板300の端部に設けられている。このメス型コネクタ390は、光ファイバーケーブル40を接続するためのものである。メス型コネクタ390には、光通信用の光信号受光部310と光信号発光部370(図19参照)とが設けられている。図19に示すように、光信号受光部310と光信号発光部370とは、ドア中継基板300の受信信号解析部330や送信信号生成部340などに接続されている。
光ファイバーケーブル40の先端には、オス型コネクタ394が設けられている。オス型コネクタ394がメス型コネクタ390に差し込まれたときには、オス型コネクタ394は、メス型コネクタ390に掛止される。このようにすることで抜けを防止できる。また、掛止を解除することによって、メス型コネクタ390からオス型コネクタ394を外すことができる。このように、オス型コネクタ394は、メス型コネクタ390に着脱可能に構成される。
光ファイバーケーブル40の先端は、光信号受光部310と光信号発光部370とを通信可能に位置づけられる。光ファイバーケーブル40から出射された光信号は、光信号受光部310に入射される。また、光信号発光部370から出射された光信号は、光ファイバーケーブル40に入射される。このようにすることで、メス型コネクタ390とオス型コネクタ394との接合により、ドア中継基板300と遊技媒体管理装置30との間で光通信を行うことができる。
メス型コネクタ390には、有効化スイッチ380が設けられている。有効化スイッチ380は、付勢力で可動できる機械式に検出するセンサである。図23(a)に示すように、オス型コネクタ394が取り付けられていない場合には、有効化スイッチ380は突出した状態となり、オス型コネクタ394が取り付けられていないことを示す信号を発する。また、図23(b)に示すように、オス型コネクタ394が取り付けられている場合には、有効化スイッチ380は押圧されて収容された状態となり、オス型コネクタ394が取り付けられていることを示す信号を発する。
ドア中継基板300は、有効化スイッチ380から発せられる信号を検出することによって、遊技媒体管理装置30がドア中継基板300に接続されているか否かを判断できる。遊技媒体管理装置30がドア中継基板300に接続されている場合には、遊技媒体管理装置30を有効化する。
なお、有効化スイッチ380は、光ファイバーケーブル40が接続されたことを検出できればよく、光学的に検出するものでもよい。
<<<第2の実施の形態>>>
図26は、第2の実施の形態による遊技機100”の構成を示すブロック図である。遊技機100”として、パチスロ機が好ましい。第2の実施の形態による遊技機100”は、メダルセレクタ中継基板400を有する。図26に示すように、メダルセレクタ中継基板400は、ドア中継基板300”に接続される。メダルセレクタ中継基板400には、メダルセレクタ202と遊技媒体管理装置30とが接続される。より具体的には、メダルセレクタ中継基板400は、メダルセレクタ202とドア中継基板300’との間に設けられる。
第1の実施の形態のドア中継基板300には、メダルセレクタ202と遊技媒体管理装置30とを同時に接続することができる。また、第1の実施の形態のドア中継基板300’には、メダルセレクタ202と遊技媒体管理装置30とのうちのいずれか一方を接続することができる。
これに対して、第2の実施の形態では、ドア中継基板300”にメダルセレクタ中継基板400を取り付け、その状態を維持することができる。メダルセレクタ中継基板400はドア中継基板300”に着脱可能に取り付けられるが、メダルセレクタ202や遊技媒体管理装置30の通信のためにドア中継基板300”からメダルセレクタ中継基板400を取り外す必要はない。
第2の実施の形態では、メダルセレクタ中継基板400を用いることによって、メダルセレクタ202がメダルセレクタ中継基板400に接続された状態を維持しつつ、遊技媒体管理装置30をメダルセレクタ中継基板400に接続することができる。メダルセレクタ202のみがメダルセレクタ中継基板400に接続されているときには、メダルセレクタ202は、メダルセレクタ中継基板400を介してドア中継基板300”と通信する。一方、遊技媒体管理装置30がメダルセレクタ中継基板400に接続されたときには、遊技媒体管理装置30は、メダルセレクタ中継基板400を介してドア中継基板300”と通信することができる。遊技媒体管理装置30がメダルセレクタ中継基板400に接続されているときには、メダルセレクタ202は、ドア中継基板300”と通信することはない。
メダルセレクタ202とメダルセレクタ中継基板400とは、光ファイバーケーブル40によって接続される。ドア中継基板300”とメダルセレクタ中継基板400とは、光ファイバーケーブル40によって接続される。
第2の実施の形態による遊技機100”は、このメダルセレクタ中継基板400の構成のほかは、第1の実施の形態による遊技機100と同様の構成であり、同様の機能を有する。すなわち、主制御基板110、副制御基板210、サブ中継基板220、メダルセレクタ202などは、第1の実施の形態と同じ構成を有し同様に機能する。
また、ドア中継基板300”も、メダルセレクタ中継基板400が接続される点を除いて、ドア中継基板300又は300’と同様の構成であり、同様の機能を有する。すなわち、ドア中継基板300”は、主として、光信号受光部310、電気信号変調部320、受信信号解析部(接続判定部、出力先決定部)330、送信信号生成部340、出力先制御部350、光信号変調部360、光信号発光部370を有し、これらは、同様の機能を有する。
なお、第2の実施の形態による遊技機100”のドア中継基板300”には、有効化スイッチ380や選択スイッチ385は設けられていない。
<<第2の実施の形態の概要>>
第2の実施の形態による遊技機は、
メダルセレクタから出力された遊技媒体使用信号を光通信可能な光信号によって受信するメダルセレクタ用光通信部(たとえば、光信号受光部310aなど)と、
前記メダルセレクタと前記メダルセレクタ用光通信部との間に設けられた中継部(たとえば、メダルセレクタ中継基板400など)と、を備え、
前記中継部は、
前記メダルセレクタから出力された遊技媒体使用信号に基づいて通信光を発光する発光部(たとえば、発光部420など)と、
前記発光部から離隔した位置に配置され、かつ、前記発光部から発せられた通信光を受光し前記メダルセレクタ用光通信部と光通信を行い、遊技媒体に関する処理を行う制御基板(たとえば、ドア中継基板300”など)に接続された第1の光通信部(たとえば、第1の光通信部440など)と、
有価価値の増減演算処理を実行する外部装置と光通信をするための第2の光通信部(たとえば、第2の光通信部460など)を、前記発光部と前記第1の光通信部との間に配置するための分岐部(たとえば、分岐部480など)と、を有し、
前記第2の光通信部が前記分岐部に配置されたときには、前記第2の光通信部と前記第1の光通信部との間で光通信をし、
前記第2の光通信部が前記分岐部に配置されていないときには、前記発光部と前記第1の光通信部との間で光通信をする。
第2の実施の形態による遊技機は、メダルセレクタ用光通信部と中継部とを備える。メダルセレクタ用光通信部は、メダルセレクタから出力された遊技媒体使用信号を光通信可能な光信号によって受信する。遊技媒体使用信号は、光信号でも、光信号以外の電気信号などの信号でもよい。遊技媒体使用信号が光信号以外の信号である場合には、メダルセレクタ用光通信部は、光信号に変換された遊技媒体使用信号を受信する。メダルセレクタ用光通信部は、たとえば、いわゆるドア中継基板に設けられることが好ましい。メダルセレクタからは、遊技媒体投入信号が出力される。中継部は、メダルセレクタとメダルセレクタ用光通信部との間に設けられる。中継部とメダルセレクタとは、光ファイバーケーブルにより光通信可能に接続されることが好ましい。中継部とメダルセレクタ用光通信部とは、光ファイバーケーブルにより光通信可能に接続されることが好ましい。
中継部は、発光部と第1の光通信部と分岐部とを有する。発光部は、メダルセレクタから出力された遊技媒体使用信号に基づいて通信光を発光する。メダルセレクタと発光部とを光ファイバーケーブルにより光通信可能に接続されることが好ましい。メダルセレクタから発せられた光信号は、光ファイバーケーブルを介して発光部に伝播される。発光部に伝播された光信号は、発光部から通信光として出射される。
第1の光通信部は、発光部から離隔した位置に配置される。第1の光通信部は、発光部から発せられた通信光を受光する。第1の光通信部は、メダルセレクタ用光通信部と光通信をする。すなわち、第1の光通信部は、発光部から通信光として出射された通信光を受光し、受光した通信光を光信号としてメダルセレクタ用光通信部に出力する。
このように、メダルセレクタから出力された遊技媒体使用信号は、メダルセレクタから発光部へ、発光部から第1の光通信部へ、第1の光通信部からメダルセレクタ用光通信部へ伝播される。
分岐部には、第2の光通信部が配置される。分岐部は発光部と第1の光通信部との間の領域である。第2の光通信部は、外部装置と光通信をする。外部装置は、有価価値の増減演算処理を実行する。有価価値は、遊技機において遊技に用いる価値を示す情報であり、従来の遊技媒体をデータ化したものである。遊技者が遊技機で行う遊技の結果に基づいて、遊技者が所有する有価価値は変化する。外部装置は、有価価値に関する演算処理を実行する。なお、第2の光通信部は、分岐部に着脱可能に配置されることが好ましい。
第2の光通信部が分岐部に配置されたときには、第2の光通信部と第1の光通信部との間で光通信が行われる。すなわち、この状態では、外部装置から発せられた光信号は、外部装置から第2の光通信部へ、第2の光通信部から第1の光通信部へ、第1の光通信部からメダルセレクタ用光通信部へ伝播される。
第2の光通信部が分岐部に配置されていないときには、発光部と第1の光通信部との間で光通信が行われる。上述したように、メダルセレクタから発せられた光信号は、メダルセレクタから発光部へ、発光部から第1の光通信部へ、第1の光通信部からメダルセレクタ用光通信部へ伝播される。
このように、第2の光通信部が分岐部に配置されたときには、外部装置とメダルセレクタ用光通信部(たとえば、ドア中継基板など)との間で光通信を行うことができる。一方、第2の光通信部が分岐部に配置されたときには、メダルセレクタとメダルセレクタ用光通信部(たとえば、ドア中継基板など)との間で光通信を行うことができる。
上述した構成により、第2の光通信部を分岐部に配置せず外部装置を接続しないときには、メダルセレクタ用光通信部(たとえば、ドア中継基板など)は、メダルセレクタからの遊技媒体投入信号を受信する。一方、第2の光通信部を分岐部に配置して外部装置を接続したときには、メダルセレクタ用光通信部(たとえば、ドア中継基板など)は、外部装置と通信することができる。このため、従来の遊技機として用いる場合には、第2の光通信部を分岐部に配置しなければよく、封入式に対応させて用いる場合には、第2の光通信部を分岐部に配置すればよい。したがって、構成に変更を加えることなく通信をすることができるとともに、外部装置の取り付け作業を簡便にすることができる。また、光通信であるので、分岐部以外の箇所では、信号を分岐させることができず、不正を未然に防止することができる。
第2の実施の形態による遊技機は、さらに、
前記発光部の発光面(たとえば、発光面422など)と、前記第1の光通信部の光通信面(たとえば、光通信面442など)とは、互いに向かい合って設けられ、
前記発光部と前記第1の光通信部との各々は、固定手段(たとえば、固定手段490など)によって前記中継部に固設されることが好ましい。
発光部の発光面と、第1の光通信部の光通信面とは、互いに向かい合って配置されている。発光部と第1の光通信部との各々は、固定手段によって中継部に固設されている。
発光部と第1の光通信部との各々が固設されているので、発光部や第1の光通信部を中継部から取り外しにくくでき、不正行為をするための装置を中継部に設けることを困難にできる。また、発光部と第1の光通信部との各々が固設されているので、振動などが生じても光強度を変化させることなく常に適切な状態を保って光通信を行うことができる。
第2の実施の形態による遊技機は、さらに、
前記中継部は、
前記発光部が摺動可能な第1の摺動部(たとえば、第1の摺動部520など)と、
前記第1の光通信部が摺動可能な第2の摺動部(たとえば、第2の摺動部540など)と、を有し、
前記第1の摺動部は、前記発光部を係止する第1の終端部(たとえば、第1の終端部528など)を有し、
前記第2の摺動部は、前記第1の光通信部を係止する第2の終端部(たとえば、第2の終端部548など)を有し、
前記発光部が、第1の摺動部によって案内されて前記第1の終端部に係止され、かつ、前記第1の光通信部が、第2の摺動部によって案内されて前記第2の終端部に係止されたときに、前記発光部の発光面と前記第1の光通信部の光通信面とが互いに向かい合うことが好ましい。
中継部は、第1の摺動部と第2の摺動部とを有する。第1の摺動部では、発光部を摺動させることができる。第2の摺動部では、第1の光通信部を摺動させることができる。
第1の摺動部は、発光部を係止するための第1の終端部を有する。第2の摺動部は、第1の光通信部を係止するための第2の終端部を有する。
発光部は、第1の摺動部によって案内されて第1の終端部に係止される。第1の光通信部は、第2の摺動部によって案内されて第2の終端部に係止される。発光部が第1の終端部に係止され、第1の光通信部が第2の終端部に係止された状態になったときには、発光部の発光面と第1の光通信部の光通信面とが互いに向かい合う。
発光部及び第1の光通信部は、摺動部によって案内され、係止部によって係止されるので、発光部と第1の光通信部とを所望する位置に位置づけることができ、所望する光強度で安定した光通信を行うことができる。
第2の実施の形態による遊技機は、
前記第2の光通信部が前記分岐部に配置されたときに、
前記第1の光通信部は、前記第2の光通信部から発せられた通信光を受信し、
前記第2の光通信部は、前記第1の光通信部から発せられた通信光を受信することが好ましい。
第2の光通信部が分岐部に配置されたときには、第1の光通信部は、第2の光通信部から発せられた通信光を受信するとともに、第2の光通信部は、第1の光通信部から発せられた通信光を受信する。
外部装置は、双方向通信が可能であるので、有価価値に関する情報を送信したり受信したりすることができ、外部装置において、有価価値の増減を管理することができる。また、光通信であるので、双方向通信可能にしても、分岐部以外の箇所では、信号を分岐させることができず、不正を未然に防止することができる。
<<<第2の実施の形態の具体的な説明>>>
<<メダルセレクタ中継基板400(中継部)>>
図27は、メダルセレクタ中継基板400を示す斜視図である。図28は、メダルセレクタ中継基板400を示す平面図である。
メダルセレクタ中継基板400は、平板状で長方形の形状を有する基部402を有する。上述したように、メダルセレクタ中継基板400は、メダルセレクタ202とドア中継基板300”との間に設けられている。メダルセレクタ中継基板400は、メダルセレクタ202とドア中継基板300”とを中継するものであるので、パチスロ機100bの前面扉に設けられることが好ましい。さらに、メダルセレクタ中継基板400は、メダルセレクタ202と遊技媒体管理装置30とのうちのいずれか一方をドア中継基板300”に光通信可能に接続するための基板である。
メダルセレクタ中継基板400は、発光部420と第1の光通信部440とを有する。図27及び図28に示すように、発光部420と第1の光通信部440とは、所定の間隔を有し、互いに離隔した位置に基部402に設けられる。発光部420と第1の光通信部440との間の間隙によって画定される領域が、後述する分岐部480である。
<発光部420>
発光部420はコネクタ424を有する。コネクタ424には、光ファイバーケーブル40が接続される。メダルセレクタ中継基板400は、光ファイバーケーブル40によってメダルセレクタ202に接続される。
発光部420は、レンズなどの光学素子(図示せず)と発光面422とを有する。メダルセレクタ202から出力された真正メダル投入信号は、光信号として光ファイバーケーブル40の端部から出射されて光学素子に入射する。光学素子は、入射された光信号の光路などを調整し、通信光として発光面422から出射する。
なお、メダルセレクタ202から出力された真正メダル投入信号が、光信号ではなく、電気信号である場合も想定される。この場合には、発光部420は、電気信号を光信号に変換する素子、たとえば、発光ダイオード(LED)やレーザーダイオード(LD)などを備える。このようにすることで、発光部420は、メダルセレクタ202から出力された真正メダル投入信号を通信光として発光面422から出射することができる。さらにまた、電気信号を光信号に変換する素子を発光部420に含めずに、メダルセレクタ202と発光部420との間に設けてもよい。
<第1の光通信部440>
第1の光通信部440はコネクタ444を有する。コネクタ444には、光ファイバーケーブル40が接続される。メダルセレクタ中継基板400は、光ファイバーケーブル40によってドア中継基板300”に接続される。
第1の光通信部440は、レンズなどの光学素子(図示せず)と光通信面442とを有する。発光部420の発光面422から出射された通信光は、光通信面442に入射する。光学素子は、光通信面442に入射した光信号の光路などを調整して、第1の光通信部440に接続されている光ファイバーケーブル40の端部に入射させる。光ファイバーケーブル40に入射した光信号は、真正メダル投入信号としてドア中継基板300”の光信号受光部310aに出力される。
<分岐部480>
分岐部480は、メダルセレクタ202及びドア中継基板300”の接続と、遊技媒体管理装置30及びドア中継基板300”の接続を切り替えるための部位や領域である。後述する第2の光通信部460が分岐部480に設けられているときには、メダルセレクタ中継基板400を介して遊技媒体管理装置30がドア中継基板300”に接続される。一方、第2の光通信部460が分岐部480に設けられていないときには、メダルセレクタ中継基板400を介してメダルセレクタ202がドア中継基板300”に接続される。
<第2の光通信部460>
第2の光通信部460は、分岐部480に着脱可能に設けられて、遊技媒体管理装置30を第1の光通信部440と通信可能にするための接続用装置である。第2の光通信部460には、光ファイバーケーブル40が接続されている。光ファイバーケーブル40には、遊技媒体管理装置30が接続されている。
第2の光通信部460は、レンズやプリズムなどの光学素子(図示せず)と光通信面462とを有する。第2の光通信部460が分岐部480に設けられたときには、第2の光通信部460の光通信面462は、第1の光通信部440の光通信面442と光通信可能に向かい合うように位置づけられる。第2の光通信部460の光通信面462から出射された光は、第1の光通信部440の光通信面442に入射する。第1の光通信部440の光通信面442から出射された光は、第2の光通信部460の光通信面462に入射する。
本実施の形態では、ドア中継基板300”と遊技媒体管理装置30との間では、双方向の光通信をする。したがって、ドア中継基板300”から遊技媒体管理装置30に各種の情報が出力されるとともに、遊技媒体管理装置30からもドア中継基板300”に各種の情報が出力される。
第1の実施の形態と同様に、遊技媒体管理装置30から出力された使用有価価値情報は、メダルセレクタ中継基板400を介してドア中継基板300”に出力される。また、ドア中継基板300”から出力された払出遊技価値情報は、メダルセレクタ中継基板400を介して遊技媒体管理装置30に出力される。
このように、ドア中継基板300”と遊技媒体管理装置30との間では、双方向の光通信を行うことができる。遊技媒体管理装置30は、パチスロ機100bの外部に設けられる。したがって、パチスロ機100bに各種のデータを出力する遊技媒体管理装置30や、パチスロ機100bと遊技媒体管理装置30との間の通信線は、不正行為をするために狙われやすい。特に、封入式に対応させた場合には、従来よりも多くの種類の情報やデータが、遊技媒体管理装置30からパチスロ機100bに出力される。したがって、封入式への移行に際して、不正防止を強化する必要がある。
上述したように、光ファイバーケーブル40では、光の伝播によって通信が行われる。このため、光ファイバーケーブル40の途中を切断して、的確に光を伝播させることは困難である。また、分岐カプラーなどを用いれば光ファイバーケーブル40を途中で分岐させることは可能である。しかしながら、光ファイバーケーブル40の端部を研磨するなどの各種の処理をする必要があるとともに、分岐カプラーなどの部品を用いる必要もある。このため、作業に時間を要したり作業が煩雑になったりするうえ、必要な部品も多くなる。したがって、光ファイバーケーブル40を切断するなどして、光ファイバーケーブル40の途中に不正をするための装置を、目立たないようかつ迅速に設けることはきわめて困難である。このため、パチスロ機100bの外部に設けられる遊技媒体管理装置30を封入式に対応させた場合であっても、光ファイバーケーブル40を用いることによって、各種の不正行為を未然に抑止することができる。
さらに、メダルセレクタ中継基板400は、封印可能なケース(図示せず)に封入されている。封印されたケースにメダルセレクタ中継基板400を設けることによって、メダルセレクタ中継基板400から光ファイバーケーブル40を取り外しにくくでき、光ファイバーケーブル40の接続状態を維持することができる。メダルセレクタ中継基板400から光ファイバーケーブル40を外し、メダルセレクタ中継基板400と光ファイバーケーブル40との間に不正行為をするための装置を介在させることも困難にすることができる。封印ケースは、外部からの光を遮り、不正を防止する遮光剤を塗布したケースや、光を遮るメッキ加工が施されたものが望ましい。また、封印は、カシメ等により行われ、開封した痕跡が残るものがよい。
なお、ドア中継基板300”とメダルセレクタ202との間では、メダルセレクタ202からドア中継基板300”への一方向のみの光通信が行われる。このため、発光部420は、メダルセレクタ202から出力された真正メダル投入信号などの光信号を通信光として出射するだけで、発光部420に通信光が入射されることはない。したがって、第1の光通信部440の光通信面442から通信光が出射されたとしても、メダルセレクタ202に光信号が伝わることはない。
メダルセレクタ202におけるメダルの通過を許容するソレノイド(ロックアウトソレノイド)(図示せず)が動作状態であるときに、メダルセレクタ202は有効化される。一方、ソレノイドが非動作状態(ロックアウトソレノイド解除)であるときには、メダルセレクタ202は無効化される。ソレノイドは、主制御基板110に独立して接続され、主制御基板110の制御によって駆動される。
たとえば、これまでのパチスロ機100bには、投入口、メダルセレクタ、内部のホッパ及び下皿など(図示せず)が設けられている。遊技者は、遊技を進めるために投入口からメダルを投入する。投入部からメダルが投入されたときには、メダルセレクタによって、投入されたメダルの真贋が判断され、投入されたメダルが真正である場合には、真正なメダルが投入されたことを示す信号(たとえば、後述する真正メダル投入信号など)が出力される。
メダルセレクタは、ロックアウトソレノイドの駆動によって有効化又は無効化される。ロックアウトソレノイドの作動時には、メダルセレクタは有効化される。メダルセレクタが有効化されているときには、真正であると判断されたメダルは、メダルセレクタを通過してホッパに導かれる。ホッパは、真正であると判断されたメダルをパチスロ機100bの内部に一時的に蓄えるための器である。
一方、ロックアウトソレノイドの非作動時には、メダルセレクタは無効化される。たとえば、封入式に対応させた場合や、メダルの上限まで既に投入されている場合(クレジットが50枚で3枚投入済みの場合)には、ロックアウトソレノイドは非作動状態となり、メダルセレクタは無効化される。メダルセレクタが無効化されているときには、投入口から投入されたメダルは、キャンセルシュート(ホッパを経由することなくメダルを排出するための通路)を通過して下皿に返却される。この場合には、電気的な制御は行われない。下皿は、排出されたメダルをパチスロ機100bの外部で溜めるための器である。
第2の光通信部460には、発光部420の発光面422と通信をする光通信面は設けられていない。すなわち、第2の光通信部460が分岐部480に設けられても、発光部420の発光面422と通信できる光通信面は、第2の光通信部460に設けられていない。したがって、第2の光通信部460は、第1の光通信部440とのみ光通信をし、発光部420とは光通信をしない。
さらに、第2の光通信部460には、光通信面462の反対側に遮光部466が設けられている。第2の光通信部460が分岐部480に設けられたときには、遮光部466は、発光部420の発光面422と向かい合う。したがって、発光部420の発光面422から真正メダル投入信号などの光信号が通信光として出射されても、遮光部466によって遮られるので、通信光が第1の光通信部440の光通信面442に入射することはない。このように、第2の光通信部460が分岐部480に設けられたときには、メダルセレクタ202からの光信号は、メダルセレクタ中継基板400を介してドア中継基板300”に出力されることはない。
また、上述した構成に変えて、発光部420に通信状態検出用の受光部(図示せず)を設け、第1の光通信部440において、一定の時間毎に受光部に対する発光を行うようにしてもよい。受光部が受光しなかった場合には、分岐部480において第2の光通信部460によって遮られたと判断し、メダルセレクタ202のソレノイドの作動を解除し、メダルセレクタ202を使用不能にしてもよい。このようにすることで、不正遊技者によって分岐部480に第2の光通信部460以外の部材や装置が不正に介在された場合でも、自動的に遊技ができないようにできるので不正を防止することができる。
上述した構成にしたことにより、第2の光通信部460が分岐部480に設けられたときには、メダルセレクタ中継基板400を介して、ドア中継基板300”と遊技媒体管理装置30との間で、双方向の光通信が行われる。また、第2の光通信部460が分岐部480に設けられていないときには、メダルセレクタ中継基板400を介して、メダルセレクタ202からドア中継基板300”への一方向の光通信が行われる。
<固定手段490>
固定手段490は、発光部420と第1の光通信部440との双方を基部402に固定する。固定部は、発光部420と第1の光通信部440とを基部402に固定して、発光部420と第1の光通信部440との間の位置関係を保持できるものであればよい。
固定手段490は、たとえば、樹脂を固形化して、発光部420と第1の光通信部440とを基部402に固定するものがある。
図29は、透明樹脂による被覆体492a及び492bを形成し、発光部420と第1の光通信部440との各々を全体的に固定した例を示す平面図(a)と側面図(b)である。透明樹脂による被覆体492a及び492bは、発光部420と第1の光通信部440との各々を基部402に封止することができる。このようにすることで、発光部420や第1の光通信部440を基部402から取り外しにくくして、不正をするための装置をメダルセレクタ中継基板400に設けることを困難にできる。
透明樹脂による被覆体492a及び492bは、発光部420や第1の光通信部440を基部402から取り外しにくくできればよく、接着剤などによって形成してもよい。
また、透明樹脂による被覆体492aは、発光部420の発光面422に形成されていない。透明樹脂による被覆体492bは、第1の光通信部440の光通信面442に形成されていない。透明樹脂による被覆体492a及び492bは、透明であるので透光性を有する。しかしながら、被覆体492a及び492bが、発光面422や光通信面442に形成されることによって、通信光が散乱したり屈折したりすることで通信光の光路が変更される可能性も生ずる。このため、発光面422や光通信面442には被覆体492a及び492bが形成されないようにすることで、光通信面442と発光面422との間で通信光を的確に授受することができる。
上述した例では、樹脂を用いて固定する場合を示したが、ネジなどの係合部材によって固定してもよい。さらに、バネなどの付勢力によって掛止させて着脱可能に固定してもよい。
<<第1の摺動部520、第2の摺動部540及び第3の摺動部560>>
図30、図31及び図32は、第1の摺動部520、第2の摺動部540及び第3の摺動部560を示す斜視図である。
<第1の摺動部520>
第1の摺動部520は、発光部420を摺動させて、後述する第1の終端部528に至るまで案内するための部位である。第1の摺動部520は、長尺な凹部状の形状を有する。第1の摺動部520は、底部526に向かって徐々に幅が広がる。なお、幅は、第1の摺動部520の長手方向に対して垂直な短手方向の長さである。第1の摺動部520の幅が徐々に広がる形状にしたことにより、第1の摺動部520は、長手方向に沿って形成された2つの傾斜部522及び524を有する。2つの傾斜部522及び524は、底部526を挟んで形成されている。
発光部420は、裾が徐々に広がる脚部428を有する。脚部428は、2つの傾斜部430及び432と、この2つの傾斜部430及び432に挟まれた底部434とを有する。脚部428の傾斜部430は、第1の摺動部520の傾斜部522と摺動可能に係合する。脚部428の傾斜部432は、第1の摺動部520の傾斜部524と摺動可能に係合する。脚部428の底部434は、第1の摺動部520の底部526と摺動可能に係合する。これらの係合によって、発光部420は、第1の摺動部520の長手方向に沿って第1の摺動部520と摺動しつつ移動することができる。このようにすることで、発光部420は、第1の摺動部520によって案内される。
<第1の終端部528>
第1の終端部528は、発光部420を係止して一定の位置に保持するための部位である。第1の終端部528は、第1の摺動部520に対して垂直な壁部530を有する。発光部420を壁部530に当接させることで、一定の位置に保持することができる。一定の位置は、発光部420から出射された通信光が第1の光通信部440に効率よく入射できる位置である。
<第2の摺動部540>
第2の摺動部540は、第1の光通信部440を摺動させて、後述する第2の終端部548に至るまで案内するための部位である。第2の摺動部540は、第1の摺動部520と同様に、長尺な凹部状の形状を有する。第2の摺動部540は、底部546に向かって徐々に幅が広がる。なお、幅は、第2の摺動部540の長手方向に対して垂直な短手方向の長さである。第2の摺動部540の幅が徐々に広がる形状にしたことにより、第2の摺動部540は、長手方向に沿って形成された2つの傾斜部542及び544を有する。2つの傾斜部542及び544は、底部546を挟んで形成されている。
第1の光通信部440は、発光部420と同様に、裾が徐々に広がる脚部448を有する。脚部448は、2つの傾斜部450及び452と、この2つの傾斜部450及び452に挟まれた底部454とを有する。脚部448の傾斜部450は、第2の摺動部540の傾斜部542と摺動可能に係合する。脚部448の傾斜部452は、第2の摺動部540の傾斜部544と摺動可能に係合する。脚部448の底部454は、第2の摺動部540の底部546と摺動可能に係合する。これらの係合によって、第1の光通信部440は、第2の摺動部540の長手方向に沿って第2の摺動部540と摺動しつつ移動することができる。このようにすることで、第1の光通信部440は、第2の摺動部540によって案内される。
<第2の終端部548>
第2の終端部548は、第1の光通信部440を係止して一定の位置に保持するための部位である。第2の終端部548は、第2の摺動部540に対して垂直な壁部550を有する。第1の光通信部440を壁部550に当接させることで、一定の位置に保持することができる。一定の位置は、発光部420から出射された通信光が第1の光通信部440に効率よく入射できる位置である。
<第3の摺動部560及び第3の終端部568>
上述した例では、発光部420と第1の光通信部440と案内して、基部402に係止して、互いに一定の位置に保持する場合を示した。
また、第2の光通信部460に対しても第3の摺動部560及び第3の終端部568を設けてもよい。第3の摺動部560は、分岐部480に案内するための部位である。第3の終端部568は、分岐部480に案内した第2の光通信部460を係止するための部位である。
第2の光通信部460は、発光部420や第1の光通信部440とは異なり、基部402に対して着脱可能に取り付けられる。すなわち、物理的な遊技媒体を用いて遊技を制御する場合には、第2の光通信部460を基部402から取り外した状態にする。一方、物理的な遊技媒体を用いずに、封入式に対応させて遊技を制御する場合には、第2の光通信部460を基部402に取り付けた状態にする。
<第3の摺動部560>
第3の摺動部560は、第2の光通信部460を摺動させて、後述する第3の終端部568に至るまで案内するための部位である。第3の摺動部560は、第1の摺動部520及び第2の摺動部540と同様に、長尺な凹部状の形状を有する。第3の摺動部560は、底部566に向かって徐々に幅が広がる。なお、幅は、第3の摺動部560の長手方向に対して垂直な短手方向の長さである。第3の摺動部560の幅が徐々に広がる形状にしたことにより、第3の摺動部560は、長手方向に沿って形成された2つの傾斜部562及び564を有する。2つの傾斜部562及び564は、底部566を挟んで形成されている。
第2の光通信部460は、発光部420や第1の光通信部440と同様に、裾が徐々に広がる脚部(図示せず)を有する。第2の光通信部460の脚部は、第1の傾斜部及び第2の傾斜部(図示せず)と、第1の傾斜部及び第2の傾斜部に挟まれた底部とを有する。第2の光通信部460の脚部の第1の傾斜部は、第3の摺動部560の傾斜部562と摺動可能に係合する。第2の光通信部460の脚部の第2の傾斜部は、第3の摺動部560の傾斜部564と摺動可能に係合する。第2の光通信部460の脚部の底部は、第3の摺動部560の底部566と摺動可能に係合する。これらの係合によって、第2の光通信部460は、第3の摺動部560の長手方向に沿って第3の摺動部560と摺動しつつ移動することができる。このようにすることで、第2の光通信部460は、第3の摺動部560によって案内される。
<第3の終端部568>
第3の終端部568は、第2の光通信部460を係止して一定の位置に保持するための部位である。第3の終端部568は、第3の摺動部560に対して垂直な壁部570を有する。第2の光通信部460を壁部570に当接させることで、一定の位置に保持することができる。一定の位置は、第1の光通信部440と第2の光通信部460とが互いに通信光を効率よく授受できる位置である。
<掛止部>
さらに、レバーなどの掛止部(図示せず)が壁部570に設けられている。第2の光通信部460を第3の終端部568に係止させた状態で、掛止部によって、第2の光通信部460を第3の終端部568に掛止する。このように、第2の光通信部460を分岐部480の一定の位置に保持することができる。第2の光通信部460は、基部402に対して着脱可能に構成されているが、掛止部によって第2の光通信部460を掛止することによって第2の光通信部460を分岐部480の一定の位置に保持できる。このようにすることで、第1の光通信部440と第2の光通信部460との間で安定した光通信を行うことができる。また、掛止部による掛止を解除することによって、第2の光通信部460を第3の終端部568から離脱させることができる。このようにすることで、第2の光通信部460を基部402に容易に着脱可能に設けるようにできる。
<第1の摺動部520、第2の摺動部540及び第3の摺動部560の変形例>
図30〜図32に示した第1の摺動部520、第2の摺動部540及び第3の摺動部560は、長尺な凹部を有する。第1の摺動部520は発光部420を案内できればよく、第2の摺動部540は第1の光通信部440を案内できればよく、第3の摺動部560は第2の光通信部460を案内できればよい。したがって、たとえば、図33に示すように、第1の摺動部520’、第2の摺動部540’及び第3の摺動部560’を、基部402の表面から突出する長尺な凸状の形状にしてもよい。
この場合には、発光部420、第1の光通信部440及び第2の光通信部460の脚部は、第1の摺動部520’、第2の摺動部540’及び第3の摺動部560’の長尺な凸状の形状に適合させた形状にすればよい。発光部420、第1の光通信部440及び第2の光通信部460を摺動させて一定の位置に配置できればよい。
この場合には、第1の終端部528’、第2の終端部548’、第3の終端部568’も、基部402の表面から突出する壁部にすることができる。このようにしても、発光部420、第1の光通信部440及び第2の光通信部460を一定の位置に保持することができる。
上述した第1の摺動部520(520’)、第2の摺動部540(540’)及び第3の摺動部560(560’)は、発光部420と第1の光通信部440との間の通信光の向きに対して垂直な方向に沿って形成した。この方向に限られず、発光部420、第1の光通信部440及び第2の光通信部460を案内して一定の位置に保持できればよく、第1の光通信部440との間の通信光の向きに対して平行な方向に沿って形成しても、他の方向に沿って形成してもよい。
また、図30〜図33に示した例では、固定手段490を省いて示したが、図29に示した固定手段490を設けるのが好ましい。固定手段490によって、発光部420や第1の光通信部440を基部402から取り外しにくくして、不正をするための装置をメダルセレクタ中継基板400に設けることを困難にできる。
第2の実施の形態では、メダルセレクタ中継基板400の構造を主に説明したが、第1の実施の形態で説明した使用有価価値情報から遊技有価価値信号への変換や、払出指示情報から払出有価価値情報への変換などの各種の信号や情報の処理などは、第2の実施の形態にも同様に適用することができる。また、第1の実施の形態における選択部などの各種の構成も第2の実施の形態にも同様に適用することができる。
<<<第3の実施の形態>>>
図34は、第3の実施の形態によるメダルセレクタ中継基板600を示す斜視図である。図35は、メダルセレクタ中継基板600に取り付けられる雄コネクタ部700を示す斜視図である。図36は、メダルセレクタ中継基板600と雄コネクタ部700と示す断面図である。図37は、雄コネクタ部700がメダルセレクタ中継基板600に取り付けられた状態を示す断面図である。
第3の実施の形態によるメダルセレクタ中継基板600は、第2の実施の形態によるメダルセレクタ中継基板400と同様に、ドア中継基板300”に接続される。したがって、図34に示したメダルセレクタ中継基板400の替わりにメダルセレクタ中継基板600を置き換えることができる。図34に示した遊技機100”の構成は、メダルセレクタ中継基板600を除いて、同様の構成であり同様の機能を有する。したがって、第3の実施の形態において、第1の実施の形態や第2の実施の形態と同様の構成要素については、同じ符号を付して示した。
メダルセレクタ中継基板600には、メダルセレクタ202と遊技媒体管理装置30とが接続される。より具体的には、メダルセレクタ中継基板600は、メダルセレクタ202とドア中継基板300”との間に設けられる。
第3の実施の形態でも、第2の実施の形態と同様に、ドア中継基板300”にメダルセレクタ中継基板600と遊技媒体管理装置30とを同時に取り付け、その状態を維持することができる。メダルセレクタ中継基板600はドア中継基板300”に着脱可能に取り付けられるが、メダルセレクタ202や遊技媒体管理装置30の通信のためにドア中継基板300”からメダルセレクタ中継基板600を取り外す必要はない。
また、第3の実施の形態でも、第2の実施の形態と同様に、メダルセレクタ中継基板600を用いることによって、メダルセレクタ202がメダルセレクタ中継基板600に接続された状態を維持しつつ、遊技媒体管理装置30をメダルセレクタ中継基板600に接続することができる。メダルセレクタ202のみがメダルセレクタ中継基板600に接続されているときには、メダルセレクタ202は、メダルセレクタ中継基板600を介してドア中継基板300”と通信する。一方、遊技媒体管理装置30がメダルセレクタ中継基板600に接続されたときには、遊技媒体管理装置30は、メダルセレクタ中継基板600を介してドア中継基板300”と通信することができる。遊技媒体管理装置30がメダルセレクタ中継基板600に接続されているときには、メダルセレクタ202は、ドア中継基板300”と通信することはない。
メダルセレクタ202とメダルセレクタ中継基板600とは、光ファイバーケーブル40によって接続される。ドア中継基板300”とメダルセレクタ中継基板600とは、光ファイバーケーブル40によって接続される。
第3の実施の形態による遊技機100”は、このメダルセレクタ中継基板600の構成のほかは、第1の実施の形態による遊技機100や第2の実施の形態による遊技機100’と同様の構成であり、同様の機能を有する。すなわち、主制御基板110、副制御基板210、サブ中継基板220、メダルセレクタ202などは、第1の実施の形態や第2の実施の形態と同じ構成を有し同様に機能する。
また、ドア中継基板300”も、メダルセレクタ中継基板600が接続される点を除いて、ドア中継基板300又は300’と同様の構成であり、同様の機能を有する。すなわち、ドア中継基板300”は、主として、光信号受光部310、電気信号変調部320、受信信号解析部(接続判定部、出力先決定部)330、送信信号生成部340、出力先制御部350、光信号変調部360、光信号発光部370を有し、これらは、同様の機能を有する。
なお、第3の実施の形態による遊技機100”のドア中継基板300”には、有効化スイッチ380や選択スイッチ385は設けられていない。
上述したように、メダルセレクタ中継基板400の替わりにメダルセレクタ中継基板600を置き換えることができる。すなわち、メダルセレクタ中継基板600は、メダルセレクタ中継基板400と同じ光信号を授受することができる。たとえば、メダルセレクタ202から真正メダル投入信号が出力される。遊技媒体管理装置30から使用有価価値情報が出力される。払出遊技価値情報が遊技媒体管理装置30に出力される。このように、メダルセレクタ202から出力される信号や、遊技媒体管理装置30に送受信される情報は、第2の実施の形態によるメダルセレクタ中継基板400と同様である。
<<第3の実施の形態の概要>>
第3の実施の形態による遊技機は、
メダルセレクタから出力された遊技媒体使用信号を光通信可能な光信号によって受信するメダルセレクタ用光通信部(たとえば、光信号受光部310aなど)と、
前記メダルセレクタと前記メダルセレクタ用光通信部との間に設けられた中継部(たとえば、メダルセレクタ中継基板600など)と、を備え、
前記中継部は、
前記メダルセレクタから出力された遊技媒体使用信号に基づいて通信光を発光する発光部(たとえば、発光部420など)と、
前記発光部から離隔した位置に配置され、かつ、前記発光部から発せられた通信光を受光し前記メダルセレクタ用光通信部と光通信を行い、遊技媒体に関する処理を行う制御基板(たとえば、ドア中継基板300”など)に接続された第1の光通信部第1の光通信部(たとえば、第1の光通信部440など)と、
前記発光部と前記第1の光通信部と間の間隙によって形成された開口(たとえば、開口632など)を有する雌コネクタ部であって、平板状の舌片(たとえば、舌片部730など)を有し光通信をするための第2の光通信部(たとえば、第2の光通信部740など)を有する雄コネクタ部(たとえば、雄コネクタ部700など)が前記開口を介して取り付けられる雌コネクタ部(たとえば、雌コネクタ部630など)と、
前記発光部と前記第1の光通信部とを覆う第1の遮光部(たとえば、固定遮光部610や612など)と、
前記雄コネクタ部が前記雌コネクタ部に取り付けられていないときに前記開口を覆う着脱可能な第2の遮光部(たとえば、着脱遮光部620など)と、を有し、
前記雄コネクタ部が前記雌コネクタ部に取り付けられているときに、前記第2の光通信部は、前記第1の光通信部と双方向に光通信可能に向かい合う。
第3の実施の形態による遊技機は、メダルセレクタ用光通信部と中継部とを備える。メダルセレクタ用光通信部は、メダルセレクタから出力された遊技媒体使用信号を光通信可能な光信号によって受信する。遊技媒体使用信号は、光信号でも、光信号以外の電気信号などの信号でもよい。遊技媒体使用信号が光信号以外の信号である場合には、メダルセレクタ用光通信部は、光信号に変換された遊技媒体使用信号を受信する。メダルセレクタ用光通信部は、たとえば、いわゆるドア中継基板に設けられることが好ましい。メダルセレクタからは、遊技媒体投入信号が出力される。中継部は、メダルセレクタとメダルセレクタ用光通信部との間に設けられる。中継部とメダルセレクタとは、光ファイバーケーブルにより光通信可能に接続されることが好ましい。中継部とメダルセレクタ用光通信部とは、光ファイバーケーブルにより光通信可能に接続されることが好ましい。
中継部は、発光部と、第1の光通信部と、雌コネクタ部と、第1の遮光部と、第2の遮光部とを有する。
発光部は、メダルセレクタから出力された遊技媒体使用信号に基づいて通信光を発光する。メダルセレクタと発光部とを光ファイバーケーブルにより光通信可能に接続されることが好ましい。メダルセレクタから出力された遊技媒体使用信号は、光ファイバーケーブルを介して発光部に伝播される。発光部に伝播された光信号は、発光部から通信光として出射される。
第1の光通信部は、発光部から離隔した位置に配置される。第1の光通信部は、発光部から発せられた通信光を受光する。第1の光通信部は、メダルセレクタ用光通信部と光通信をする。第1の光通信部は、遊技媒体に関する処理を行う制御基板に接続されている。すなわち、第1の光通信部は、発光部から通信光として出射された通信光を受光し、受光した通信光を光信号としてメダルセレクタ用光通信部に出力する。
このように、メダルセレクタから出力された遊技媒体使用信号は、メダルセレクタから発光部へ、発光部から第1の光通信部へ、第1の光通信部からメダルセレクタ用光通信部へ伝播される。
発光部と第1の光通信部と間の間隙によって開口が形成される。雌コネクタ部は、開口を有する。第2の光通信部は、平板状の舌片を有する。第2の光通信部は、光通信をする。雄コネクタ部は、第2の光通信部を有する。雌コネクタ部には、雄コネクタ部が開口を介して取り付けられる。
第1の遮光部は、発光部と第1の光通信部とを覆う。第2の遮光部は、雄コネクタ部が雌コネクタ部に取り付けられていないときに開口を覆う。第2の遮光部は、開口に対して着脱可能である。
雄コネクタ部が雌コネクタ部に取り付けられているときに、第2の光通信部は、第1の光通信部と双方向に光通信可能に向かい合う。雄コネクタ部が雌コネクタ部に取り付けられたときには、第2の光通信部と第1の光通信部との間で光通信が行われる。
雄コネクタ部が雌コネクタ部から取り外されているときには、着脱遮光部は開口に取り付けられる。この場合には、着脱遮光部によって雌コネクタ部は遮光される。このようにすることで、雌コネクタ部の遮光状態を確保することができ、発光部と第1の光通信部との間の通信状態を良好にすることができる。なお、この場合には、着脱遮光部を開口に取り付け、封印シールによって着脱遮光部を開口に封止することが好ましい。封印シールが剥がされたときには、剥がされたことを明確に示すことができ、開口が不正に用いられることを防止できる。
雄コネクタ部が雌コネクタ部に取り付けられているときには、第2の光通信部は、第1の光通信部と双方向に光通信可能に向かい合う。この場合には、第1の光通信部は、発光部ではなく、第2の光通信部と通信する。また、雄コネクタ部によって遮光されたときには、第1の光通信部と第2の光通信部との間の通信状態を良好にすることができる。
第3の実施の形態による遊技機は、さらに、
前記雄コネクタ部は、前記雌コネクタ部に取り付けられたときに、前記発光部と前記第2の光通信部との間に位置し、発光部から発せられる通信光を遮光する第3の遮光部(たとえば、遮光部750など)を有する。
雄コネクタ部が雌コネクタ部に取り付けられたときに、第3の遮光部によって発光部から発せられる通信光を遮光する。発光部から光が発せられた場合でも、発光部からの光を第3の遮光部によって遮光でき、第1の光通信部に光が入らないようにできる。このようにすることで、発光部からの光による誤動作を防止することができ、第1の光通信部と第2の光通信部との間の通信状態をさらに良好にすることができる。
第3の実施の形態による遊技機は、さらに、
前記第2の光通信部は、有価価値の増減演算処理を実行する外部装置(たとえば、後述する遊技媒体管理装置30(より具体的には、いわゆるECOユニット)など)と光通信可能に接続され、
前記雄コネクタ部が前記雌コネクタ部に取り付けられたときに、
遊技者が投入する有価価値を示す使用有価価値情報を前記メダルセレクタ用光通信部を介して前記外部装置から受信して、前記使用有価価値情報から、遊技媒体が投入されたことを示す遊技媒体投入信号に変換し、
遊技に基づいて遊技者に遊技媒体を払い出す指示を示す払出指示情報を受信し、遊技者に払い出す有価価値を示す払出有価価値情報に変換し、前記メダルセレクタ用光通信部を介して前記外部装置に出力する制御部(たとえば、後述する中継基板CPUなど)をさらに備える。
制御部によって、使用有価価値情報を遊技有価価値信号に変換するので、雄コネクタ部が雌コネクタ部に取り付けられて、外部装置が接続された場合でも、外部装置からの使用有価価値情報に基づいて、遊技媒体が使用(たとえば、投入)されたと同様の状態で遊技を制御することができる。このため、物理的な遊技媒体を使用しない場合であっても、従来のパチスロ機を有効に活用できる。
制御部によって、払出指示情報を払出有価価値情報に変換するので、外部装置を接続しすることで、払出有価価値情報に基づいて遊技者に払い出す遊技媒体を管理することができる。したがって、外部装置は、遊技者が遊技をするために使用する有価価値と、遊技の結果によって遊技者に払い出す払出有価価値情報との双方によって、遊技者が所有する有価価値を管理することができる。すなわち、外部装置によって、使用及び払出の双方を管理できる。
第3の実施の形態による遊技機は、さらに、
遊技媒体の物理的払出を実行する遊技媒体払出装置(たとえば、メダル排出装置112など)をさらに備え、
前記制御部は、前記雄コネクタ部が前記雌コネクタ部に取り付けられたときに、前記外部装置から送信された切替識別信号を受信し、前記遊技媒体払出装置に払出指示信号を送信するための送信経路を遮断し(たとえば、オンオフスイッチ116など)、前記払出指示情報を前記払出有価価値情報に変換し前記外部装置に出力する。
雄コネクタ部が、雌コネクタ部に取り付けられているときには、遊技媒体払出装置の送信経路を遮断するので、遊技媒体を外部装置で管理することができる。
<<メダルセレクタ中継基板600>>
メダルセレクタ中継基板600は、メダルセレクタ中継基板400と同様に、平板状で長方形の形状を有する基部402を有する。上述したように、メダルセレクタ中継基板600は、メダルセレクタ202とドア中継基板300”との間に設けられている。メダルセレクタ中継基板600は、メダルセレクタ202とドア中継基板300”とを中継するものであるので、パチスロ機100bの前面扉に設けられることが好ましい。さらに、メダルセレクタ中継基板600は、メダルセレクタ202と遊技媒体管理装置30とのうちのいずれか一方をドア中継基板300”に光通信可能に接続するための基板である。
メダルセレクタ中継基板600は、発光部420と第1の光通信部440とを有する。図35及び図36に示すように、発光部420と第1の光通信部440とは、所定の間隔を有し、互いに離隔した位置に基部402に設けられる。発光部420と第1の光通信部440との間の間隙によって形成される領域が、後述する分岐部480である。
これらの基部402、発光部420、第1の光通信部440、及び分岐部480は、第2の実施の形態のメダルセレクタ中継基板400と同様の構成であり同様に機能する。
この第3の実施の形態でも、ドア中継基板300”と遊技媒体管理装置30との間では、双方向の光通信をする。したがって、ドア中継基板300”から遊技媒体管理装置30に各種の情報が出力されるとともに、遊技媒体管理装置30からもドア中継基板300”に各種の情報が出力される。
第2の実施の形態と同様に、遊技媒体管理装置30から出力された使用有価価値情報は、メダルセレクタ中継基板600を介してドア中継基板300”に出力される。また、ドア中継基板300”から出力された払出遊技価値情報は、メダルセレクタ中継基板600を介して遊技媒体管理装置30に出力される。
<固定遮光部610及び612、着脱遮光部620>
メダルセレクタ中継基板600は、メダルセレクタ中継基板400と異なり、固定遮光部610及び612と、着脱遮光部620とを有する。固定遮光部610及び612は、メダルセレクタ中継基板600に固設されている。着脱遮光部620は、メダルセレクタ中継基板600に対して着脱可能に設けられる。固定遮光部610及び612、並びに着脱遮光部620は光を遮蔽する。
固定遮光部610及び612と着脱遮光部620とは、メダルセレクタ中継基板600の外部からの光が第1の光通信部440に入射することを防止する。なお、後述する第2の光通信部740が分岐部480に取り付けられているときには、第1の光通信部440だけでなく、第2の光通信部740に外部からの光が入射することも防止する。
固定遮光部610及び612と着脱遮光部620とは、第1の光通信部440や第2の光通信部740に入射する可能性がある光の強度を所定の強度以下に減衰できるものであればよい。
第1の光通信部440に外部からの光が入射した場合に、入射する光によっては、ドア中継基板300”を誤動作させたり、ドア中継基板300”を介して主制御基板110や副制御基板210を誤動作させたりする可能性がある。
同様に、第2の光通信部740に外部からの光が入射した場合に、入射する光によっては、遊技媒体管理装置30が誤動作し、誤動作によって遊技媒体管理装置30から通信光が発せられ、ドア中継基板300”を誤動作させたり、ドア中継基板300”を介して主制御基板110や副制御基板210を誤動作させたりする可能性がある。
また、外部からの光が、第1の光通信部440や第2の光通信部740の通信状態が低下する可能性もある。このように光を遮蔽することによって、誤動作を未然に防止するとともに、通信状態を良好にすることができる。
特に、第1の光通信部440や第2の光通信部740に対して、メダルセレクタ中継基板600の外部から不正目的で光を発した場合であっても、固定遮光部610及び612と着脱遮光部620とによって光強度を十分に減衰できる。固定遮光部610及び612と着脱遮光部620を設けることにより、メダルセレクタ中継基板600の外部からの光によって、ドア中継基板300”や主制御基板110や副制御基板210を不正目的で制御することを未然に防止できる。
<固定遮光部610>
図34に示すように、固定遮光部610は、薄板状で長方形の形状を有する。固定遮光部610は、基部402に設けられた発光部420と第1の光通信部440との双方の全体を覆うように設けられる。言い換えれば、発光部420と第1の光通信部440とは、基部402と固定遮光部610とによって挟まれる。
<固定遮光部612>
図34及び図36に示すように、固定遮光部612は、薄板状で長方形の形状を有する。固定遮光部612は、基部402に設けられた発光部420と第1の光通信部440との間の側部を覆うように設けられる。固定遮光部612は、発光部420と第1の光通信部440との間に形成される間隙の全体を隙間なく覆うものであればよい。
<雌コネクタ部630>
図34に示すように、分岐部480は、発光部420と第1の光通信部440と基部402と固定遮光部610とによって囲まれる。発光部420と第1の光通信部440と基部402と固定遮光部610とによって画定される領域によって、雌コネクタ部630が構成される。雌コネクタ部630には、後述する雄コネクタ部700(第2の光通信部740)が、着脱可能に取り付けられる。
<開口632>
雌コネクタ部630の端部には、開口632が形成される。開口632を介して雄コネクタ部700が雌コネクタ部630に取り付けられる。開口632は、長方形状を有する。雄コネクタ部700が雌コネクタ部630に取り付けられたときには、開口632は、雌コネクタ部630によって封止され、雌コネクタ部630は遮光される。
<着脱遮光部620>
着脱遮光部620は、開口632に着脱可能に設けられる。着脱遮光部620は、薄板状で長方形の形状を有する。上述したように、着脱遮光部620は、メダルセレクタ中継基板600の外部からの光が第1の光通信部440に入射することを防止する。
雄コネクタ部700(第2の光通信部740)が雌コネクタ部630に取り付けられるときには、着脱遮光部620は、開口632から外される。この場合には、雄コネクタ部700によって雌コネクタ部630は遮光される。一方、雄コネクタ部700(第2の光通信部740)が雌コネクタ部630から取り外されているときには、着脱遮光部620は開口632に取り付けられる。この場合には、着脱遮光部620によって雌コネクタ部630は遮光される。このようにすることで、雌コネクタ部630の遮光状態を確保することができる。
なお、基部402も遮光性を有するものが好ましい。このようにすることで、メダルセレクタ中継基板600に入射し得る全ての方向からの光を減衰させて遮光することができる。
<雄コネクタ部700>
図35は、雄コネクタ部700を示す斜視図である。雄コネクタ部700は、雌コネクタ部630に着脱可能に取り付けられる。雄コネクタ部700は、第2の光通信部740を有する。雄コネクタ部700が雌コネクタ部630に取り付けられたときに、第2の光通信部740は、第1の光通信部440と光通信をすることができる。
雄コネクタ部700は、階段状の形状を有する。図35に示すように、雄コネクタ部700は、本体部710と舌片部730と突出部720とを有する。突出部720は、雄コネクタ部700の本体部710から突出する。突出部720の幅及び高さは、雌コネクタ部630の開口632の幅及び高さよりもやや大きい。雄コネクタ部700が雌コネクタ部630に取り付けられたときには、突出部720は、雌コネクタ部630の開口632と嵌合する。
雄コネクタ部700の本体部710には、延材部712を有する。雄コネクタ部700が雌コネクタ部630に取り付けられたときには、延材部712は、雌コネクタ部630の側部640と密着する。延材部712が側部640と密着することにより、光を遮蔽することができる。
舌片部730は、突出部720から突出する。舌片部730は、薄い板状の形状を有し、第1の面732と第2の面734とを有する。
<第2の光通信部740>
舌片部730の第1の面732には、第2の光通信部740が設けられている。雄コネクタ部700が雌コネクタ部630に取り付けられたときには、第2の光通信部740は、第1の光通信部440と互いに向かい合い、第1の光通信部440から離隔した位置に配置される。このようにすることで、雄コネクタ部700を雌コネクタ部630に取り付け、第1の光通信部440と第2の光通信部740との間で光通信をすることができる。
<遮光部750>
舌片部730の第2の面734には、遮光部750を有する。雄コネクタ部700が雌コネクタ部630に取り付けられたときには、遮光部750は、発光部420の発光面422に密着するように位置する。発光部420の発光面422から光が発せられた場合でも、発光部420の発光面422からの光が広がらないように、遮光部750によって遮光できる。遮光部750によって第1の光通信部440に光が入らないようにできる。このようにすることで、発光部420からの光による誤動作を防止することができる。
<雄コネクタ部700の取り付け>
図36は、雄コネクタ部700を雌コネクタ部630に取り付ける前の状態を示す断面図である。また、図37は、雄コネクタ部700を雌コネクタ部630に取り付けた状態を示す断面図である。
図36に示すように、雄コネクタ部700を雌コネクタ部630に取り付けていないときには、着脱遮光部620を雌コネクタ部630の開口632に取り付けることができる。着脱遮光部620を開口632に取り付けることで、メダルセレクタ中継基板600の外部からの光が第1の光通信部440に入射することを防止する。具体的には、雌コネクタ部630は、固定遮光部610と着脱遮光部620とによって遮光される。発光部420から発せられた通信光は、メダルセレクタ中継基板600の外部からの光によって妨げられることなく、第1の光通信部440に入射する。
雄コネクタ部700を雌コネクタ部630に取り付けるときには、着脱遮光部620を雌コネクタ部630の開口632から取り外して、開口632を開放する。開口632をを介して、雄コネクタ部700を雌コネクタ部630に取り付ける。雄コネクタ部700を雌コネクタ部630に取り付けたときには、雌コネクタ部630の突出部720は、雌コネクタ部630の開口632と嵌合する。また、雄コネクタ部700の延材部712は、雌コネクタ部630の側部640と密着する。このように、雌コネクタ部630の突出部720によって、開口632を封止することができ、メダルセレクタ中継基板600の外部からの光が第1の光通信部440と第2の光通信部740とに入射することを防止する。
<雄コネクタ部700の取り付けによるメダル排出装置112の制御>
雄コネクタ部700が雌コネクタ部630に取り付けられていないときには、メダル排出装置112を有効にして、従来と同様に、メダル排出装置112から物理的な遊技媒体を払い出す必要がある。一方、雄コネクタ部700が雌コネクタ部630に取り付けられているときには、メダル排出装置112を無効にし、遊技媒体管理装置30を有効にする。遊技媒体管理装置30を有効にすることで、遊技媒体を遊技媒体管理装置30で管理することができる。
図38は、雄コネクタ部700の取り付けによるメダル排出装置112を制御するためのフローチャートを示す。この処理は、ドア中継基板300”の中継基板CPUによって実行される。この処理を実行するためのプログラムは、中継基板ROMに記憶されている。
ドア中継基板300”の中継基板CPUは、最初に、雄コネクタ部700が雌コネクタ部630に取り付けられているか否かを判断する(ステップS3811)。たとえば、ドア中継基板300”から接続確認用の光信号を、光ファイバーケーブル40を介して第1の光通信部440から出力する。雄コネクタ部700が雌コネクタ部630に取り付けられている場合には、第2の光通信部740が第1の光通信部440と向かい合って配置されている。したがって、雄コネクタ部700が雌コネクタ部630に取り付けられている場合には、第2の光通信部740は、第1の光通信部440から出力された接続確認用の光信号を受信する。
遊技媒体管理装置30は、接続確認用の光信号を受信したときには、接続応答用の信号(切替識別信号)を光ファイバーケーブル40を介して第2の光通信部740から出力する。第1の光通信部440は、第2の光通信部740から出力された接続応答用の光信号を受信する。ドア中継基板300”の中継基板CPUは、接続応答用の光信号を受信したことにより、雄コネクタ部700が雌コネクタ部630に取り付けられていると判断することができる。
接続確認用の光信号は、遊技媒体管理装置30のみが処理できる信号にすることが好ましい。また、接続応答用の光信号は、ドア中継基板300”の中継基板CPUのみが処理できる信号にすることが好ましい。たとえば、遊技媒体管理装置30やドア中継基板300”を識別する識別情報を含めることが好ましい。このようにすることで、不正行為を防止することができる。さらに、接続確認用の光信号も接続応答用の光信号も暗号化することによって、不正行為をより防止することができる。
ドア中継基板300”の中継基板CPUは、雄コネクタ部700が雌コネクタ部630に取り付けられていないと判別したときには(NO)、直ちに本サブルーチンを終了する。
ドア中継基板300”の中継基板CPUは、雄コネクタ部700が雌コネクタ部630に取り付けられていると判別したときには(YES)、メダル排出装置112の接続を解除する(ステップS3813)。メダル排出装置112の接続を解除することによって、メダル排出装置112から物理的な遊技媒体は、払い出されない。
図39は、遊技機100”の一例を示すブロック図である。基本的に、図5に示した遊技機100と同様の構成を有する。上述したように、遊技機100では、主制御基板110からメダル排出装置112にモータ駆動信号が出力され、メダル排出装置112のモータは、モータ駆動信号に応じて駆動される。メダル排出装置112は、1枚のメダルを払い出したことを検出して、払出遊技媒体信号を主制御基板110に出力する。
図39に示す遊技機100”は、遊技機100とは異なり、主制御基板110は、モータ駆動信号をドア中継基板300”に出力する。モータ駆動信号は、ドア中継基板300”を介してメダル排出装置112に出力される。ドア中継基板300”にはリレースイッチなどのスイッチング素子(図示せず)が設けられている。スイッチング素子を通電状態にすることで、主制御基板110から出力されたモータ駆動信号は、メダル排出装置112に供給される。このようにすることで、メダル排出装置112のモータを駆動することができる。一方、上述したステップS3813の処理によって、スイッチング素子を遮断状態にすることで、主制御基板110から出力されたモータ駆動信号は、メダル排出装置112に供給されず、メダル排出装置112のモータは駆動されない。
なお、図39に示した遊技機100”は、上述したメダル排出装置112に関する制御のみ異なり、他は、図5に示した遊技機100と同様の構成を有し機能する。図39は、図5に示した遊技機100と同様の構成要素については、同じ符号を付して示した。
図40は、遊技機100”の一例を示すブロック図である。基本的に、図39の遊技機100”と同様の構成を有する。
図40に示す遊技機100”は、遊技機100とは異なり、主制御基板110とメダル排出装置112と間に、オンオフスイッチ116が設けられている。オンオフスイッチ116もリレースイッチなどのスイッチング素子(図示せず)からなる。オンオフスイッチ116は、ドア中継基板300”から制御信号によってオン状態又はオフ状態のいずれかの状態になる。主制御基板110は、モータ駆動信号をオンオフスイッチ116を介してメダル排出装置112に出力する。
オンオフスイッチ116をオン状態にすることで、主制御基板110から出力されたモータ駆動信号は、メダル排出装置112に送信される。このようにすることで、メダル排出装置112のモータを駆動することができる。一方、上述したステップS3813の処理によって、オンオフスイッチ116をオフ状態にすることで、主制御基板110から出力されたモータ駆動信号は、メダル排出装置112に供給されず、メダル排出装置112のモータは駆動されない。
なお、図40に示した遊技機100”も、上述したメダル排出装置112に関する制御のみ異なり、他は、図5に示した遊技機100と同様の構成を有し機能する。図40は、図5に示した遊技機100と同様の構成要素については、同じ符号を付して示した。
上述した第1の実施の形態、第2の実施の形態及び第3の実施の形態の各々で説明した技術的思想を互いに組み合わせることが可能である。
たとえば、第3の実施の形態では、メダルセレクタ中継基板600の構造を主に説明したが、第1の実施の形態で説明した使用有価価値情報から遊技有価価値信号への変換や、払出指示情報から払出有価価値情報への変換などの各種の信号や情報の処理などは、第3の実施の形態にも同様に適用することができる。また、第1の実施の形態における選択部などの各種の構成も第3の実施の形態にも同様に適用することができる。
また、第2の実施の形態で説明した固定手段490を用いることが好ましい。固定手段490によって、発光部420や第1の光通信部440をメダルセレクタ中継基板600から取り外しにくくして、不正をするための装置をメダルセレクタ中継基板600に設けることを困難にできる。
さらに、第2の実施の形態で説明した第1の摺動部520(520’)、第2の摺動部540(540’)及び第3の摺動部560(560’)をメダルセレクタ中継基板600に適用することによって、発光部420、第1の光通信部440及び第2の光通信部740をメダルセレクタ中継基板600に位置づけて設けるすることができる。このようにすることで、発光部420、第1の光通信部440及び第2の光通信部740を最適な位置に配置して良好な通信状態を維持することができる。さらにまた、第2の実施の形態で説明したレバーなどの掛止部を壁部570に設けてもよい。
上述した技術的思想には限られず、第1の実施の形態〜第3の実施の形態におけるその他の技術的思想を互いに組み合わせることも可能である。