JP5854432B2 - アレルギー反応検出法 - Google Patents

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Description

本開示は、CD200R3の発現低下を指標として、マウス好塩基球の、IgGに依存した活性化を検出することを特徴とするアレルギー反応の検出方法、及び被検物質のアレルゲン活性又は抗アレルギー活性の評価方法に関する。
アレルギー反応とは、抗原(アレルゲン)に接触することで免疫的に感作された結果、再び抗原(アレルゲン)に接触した際に、過剰な免疫反応が誘導されることである。免疫反応によって、例えば、肥満細胞や好塩基球が活性化され脱顆粒が生じ、ヒスタミンなどのケミカルメディエーターが放出され、眼や皮膚のかゆみ、鼻水などのアレルギー症状が引き起こされる。また、アレルギー症状が全身で起こり、気管支収縮などの激しい症状を呈したものを、アナフィラキシーと呼ぶ。
アレルギー反応を誘導するアレルゲンの検出や、アレルギー反応の抑制剤のスクリーニングには、例えば、げっ歯類などの実験動物を用いてin vivoにおけるアレルギー反応を指標とする方法や、感作された培養細胞における脱顆粒を指標とする方法など、様々な手法が用いられてきた。中でも、特定のアレルゲンに対する抗体を用いて、抗体との反応性を指標とする方法は、アレルゲンの検出に広く用いられてきた。
抗体との反応性を指標としてアレルゲンを検出する方法としては、例えば、特許文献1に、小麦に含まれるアレルゲンの一種であるリピドトランスファープロテインに結合する抗体やこの抗体を含有するアレルゲン検査用キットが開示されている。
特開2009−91323号公報
上記特許文献1のアレルゲン検査用キットなどのような抗原と抗体との結合性のみを指標とする方法では、実際にアレルギー反応が誘導されるかという点について評価することが困難である。一方、げっ歯類などの実験動物の個体そのものを用いる方法では、in vivoにおいてアレルギー反応を再現できるものの操作が煩雑であった。このため、アレルギー反応を容易に検出する方法が求められてきた。そこで、本開示は、簡便にアレルギー反応を検出する方法を提供することを主な目的とする。
本発明者は、鋭意検討した結果、アレルギー反応の中でもアナフィラキシーが、IgEの他、IgGによっても誘導されることから、好塩基球の細胞表面に発現するタンパク質においてIgG受容体を介した刺激によって変化する分子をスクリーニングした。その結果、CD200R3が、IgGによる好塩基球の活性化によって発現低下することを新規に見出した。
CD200R3の発現低下は、IgG受容体への刺激の程度に依存的であった。また、CD200R3の発現低下は、IgG依存的に活性化された好塩基球にのみ認められ、IgE依存的に活性化された好塩基球には認められなかった。以上の知見から、CD200R3の発現低下をIgG依存的に活性化された好塩基球の指標として利用できることが明らかとなり、本開示に係るCD200R3の発現低下を指標として、マウス好塩基球のIgGに依存した活性化を検出することを特徴とするアレルギー反応の検出方法を完成させた。
すなわち本開示は、マウス好塩基球の表面に発現するCD200R3の発現量が、活性化されていない好塩基球におけるCD200R3の発現量に対して低い場合に、CD200R3の発現は低下したと判定し、その好塩基球が活性化されていると判定することを指標として、マウス好塩基球の免疫グロブリンG(IgG)に依存した活性化を検出することを特徴とするアレルギー反応の検出方法を提供する。
さらに、マウス好塩基球の表面に発現するCD200R1の発現量が、活性化されていない好塩基球におけるCD200R1の発現量に対して多い場合に、CD200R1の発現は上昇したと判定し、その好塩基球が活性化されていると判定することを指標として、マウス好塩基球の免疫グロブリンE(IgE)に依存した活性化を併せて検出する方法が好ましい
記マウス好塩基球については、能動感作又は受動感作して得られたものを利用することができる。
また、本開示は、上述した好塩基球の活性化を検出する方法を用いる被検物質のアレルゲン活性又は抗アレルギー活性の評価方法をも提供する。
前記被検物質のアレルゲン活性の評価方法には、被検物質とマウス好塩基球とを混合する手順と、前記マウス好塩基球の表面に発現するCD200R3の発現量を測定する手順と、前記発現量が、前記被検物質と混合しないときのマウス好塩基球の表面に発現するCD200R3の発現量に比して低下している場合に、前記マウス好塩基球が活性化されたと判定し、前記被検物質がアレルゲン活性を有すると評価する手順と、を含んでいてもよい。
前記抗アレルギー活性の評価方法には、被検物質と、マウス好塩基球と、マウス好塩基球に対するアレルゲンと、を混合する手順と、前記マウス好塩基球の表面に発現するCD200R3の発現量を測定する手順と、前記発現量が、前記被検物質と混合せず前記アレルゲンと混合するときのマウス好塩基球の表面に発現するCD200R3の発現量に比して上昇している場合に、前記マウス好塩基球が活性化されていないと判定し、前記被検物質が抗アレルギー活性を有すると評価する手順と、を含んでいてもよい。
本開示により、IgGに依存した好塩基球の活性化を検出することを特徴とする、簡便なアレルギー反応の検出方法が提供される。
本開示に係るアレルゲン活性の評価方法の手順を示すフローチャートである。 アレルゲン活性の評価方法の変形例についての手順を示すフローチャートである。 本開示に係る抗アレルギー活性の評価方法の手順を示すフローチャートである。 好塩基球におけるCD200R3の発現量の変化を示す図面代用グラフである。 IgGの量とCD200R3の発現量との関係を示す図面代用グラフである。 好塩基球におけるCD200R1とCD200R3の発現量の変化を示す図面代用グラフである。 好塩基球におけるCD200R1とCD200R3の発現量の変化を示す図面代用グラフである。 能動感作されたマウスの好塩基球におけるCD200R1とCD200R3の発現量の変化を示す図面代用グラフである。
以下、本開示を実施するための好適な形態について説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本開示の代表的な実施形態を示したものであり、これにより本開示の範囲が狭く解釈されることはない。
1.CD200R3の発現低下を指標とした、マウス好塩基球のIgGに依存した活性化を検出することを特徴とするアレルギー反応の検出方法
本開示に係るCD200R3の発現低下を指標とした、マウス好塩基球のIgGに依存した活性化の検出をすることを特徴とするアレルギー反応の検出方法では、マウス好塩基球の表面に存在するCD200R3の発現低下を指標として用い、IgGに依存したマウス好塩基球の活性化の検出に基づきアレルギー反応を検出する。
アレルギー反応は、一つの経路として好塩基球の活性化によって誘導される。好塩基球の表面には、IgGのFc部分に対して親和性を有するIgG受容体が存在する。IgG受容体にIgGが結合し、そのIgGに抗原が結合するとIgG受容体同士が架橋され、好塩基球は活性化される。活性化された好塩基球においては、脱顆粒や血小板活性化因子(PAF)等のケミカルメディエーターの放出が生じ、アレルギー反応が引き起こされる。
本開示に係るCD200R3の発現低下を指標とした、マウス好塩基球のIgGに依存した活性化の検出に基づくアレルギー反応の検出方法において、好塩基球の活性化とは、最終的に脱顆粒やケミカルメディエーターが放出される状態となるまでの好塩基球における変化を指し、例えば、IgG受容体同士の架橋などが含まれる。また、IgG受容体を介した好塩基球の活性化が、IgGに依存した活性化である。
マウス好塩基球の表面に発現するCD200R3は、マウスのCd200r3遺伝子(Gene Bank GeneID: 74603)にコードされているタンパク質である。CD200R3については、スプライシングバリアントによるアイソフォームが複数知られているが、本開示に係るCD200R3の発現低下を指標とした、マウス好塩基球のIgGに依存した活性化の検出に基づくアレルギー反応の検出方法において、CD200R3は、細胞表面に発現するものであれば何れのアイソフォームであってもよく、特に限定されない。
本開示に係るCD200R3の発現低下を指標とした、マウス好塩基球のIgGに依存した活性化を検出することを特徴とするアレルギー反応の検出方法では、マウス好塩基球の表面に存在するCD200R3を検出し、その発現量を測定する。CD200R3の検出には、抗体、アプタマー等を用いる公知のタンパク質の検出方法が利用でき、検出方法は特に限定されない。これらの抗体やアプタマーには、検出のための蛍光物質、放射性同位体又は酵素などの標識が施されていてもよい。また、CD200R3に対する抗体やアプタマーは、常法に従い作製されたものであってもよく、市販品であってもよい。なお、標識された二次抗体を利用して、CD200R3に対する抗体やアプタマーを検出してもよい。
CD200R3の検出には、CD200R3に対する抗体を用いた免疫学的手法によって検出することが可能であり、例えば、フローサイトメトリー法や免疫蛍光顕微鏡法などの公知の方法が利用できる。例えば、マウスの血液など、試料に好塩基球以外の細胞が含まれる状態の場合、フローサイトメータを利用することが好ましい。フローサイトメータを用いる場合、好塩基球以外の細胞が試料に含まれていても、CD49bなどの一般的な好塩基球のマーカーに対する抗体を用いることで、血液から好塩基球を選別し、選別された細胞(好塩基球)におけるCD200R3を検出することができる。また、CD200R3の検出には、アプタマーを用いて検出することも可能である。
フローサイトメトリーや免疫蛍光顕微鏡法などによって、検出されたCD200R3については、検出のために用いた抗体等に結合した蛍光物質、放射性同位体又は酵素等の標識物に基づくシグナルの強度から、CD200R3の発現量を測定することができる。すなわちシグナル強度を比較することで、CD200R3発現量について上昇あるいは低下といった量的な変化を捉えることが可能となる。
本開示に係る、CD200R3の発現低下を指標とした、マウス好塩基球のIgGに依存した活性化の検出に基づくアレルギー反応の検出方法では、シグナル強度等として測定されるCD200R3の発現量が、活性化されていない好塩基球におけるCD200R3のシグナル強度(発現量)に対して低い場合に、CD200R3の発現は低下したと判定し、その好塩基球が活性化されていると判定する。
活性化されていない好塩基球とは、例えば、抗原や抗体によって感作されていない状態の好塩基球や、感作された好塩基球の抗原と接触される前の状態のものなどである。このような活性化されていない好塩基球におけるCD200R3の発現量を基準として、基準より発現量が低い好塩基球について、発現低下が見られたと判定する。
基準となる範囲や、基準と比較してCD200R3の発現低下と判定する範囲は、マウスの系統や感作方法、CD200R3の検出に用いる抗体や装置等の条件に合わせ適宜設定できる。基準となる範囲については、例えば、活性化されていない好塩基球において測定されたシグナル強度(発現量)の中央値を中心に±65%の範囲としてもよい。また、例えばフローサイトメトリーを用いてシグナル強度を測定する場合には、従来のフローサイトメータで使用される領域を区切るため領域設定の技術を用いて、基準となる範囲を設定することもできる。
基準となる範囲に対して、発現低下と判定されるCD200R3のシグナル強度についても、マウスの系統や感作方法、CD200R3の検出に用いる抗体や装置等の条件に合わせて適宜設定できる。例えば、CD200R3のシグナル強度(発現量)が、基準となる範囲の測定値未満の場合に、その好塩基球において、CD200R3の発現低下が見られたと判定してもよい。発現低下と判定される範囲は、より好ましくは、基準となる範囲の中央値の2〜35%である。なお、中央値とは、好塩基球について測定されたCD200R3のシグナル強度(測定値)の分布において、昇順又は降順に並べたときの中央に位置する値を指す。測定値の個数が奇数の場合は、中央の測定値を中央値とするが、偶数のときは中央の2つの測定値の平均を中央値とする。また、後述するCD200R1の発現量に関する中央値についても同様である。
また、フローサイトメータ等を用いて、試料中に含まれる複数の好塩基球の各々についてCD200R3のシグナル強度(発現量)を測定する場合には、例えば、好塩基球全体の11%以上に上述した発現低下が見られたとき、この試料に含まれる好塩基球においてCD200R3の発現低下が見られたと判定することが好ましい。
本開示に係る、CD200R3の発現低下を指標とした、好塩基球の活性化の検出に基づくアレルギー反応の検出方法で用いられるマウスの系統は特に限定されない。マウスとしては、例えば、A/J系統、BALB/C系統、DBA/2系統、C57BL/6系統、C3H/He系統、SJL系統、NZB系統、CBA/JNCrj系統等のマウスが挙げられる。
本開示に係る、CD200R3の発現低下を指標とした、マウス好塩基球のIgGに依存した活性化の検出に基づくアレルギー反応の検出方法では、上述したマウス好塩基球のCD200R3の発現量について発現が低下しているか判定し、発現が低下していると判定された場合には、この発現低下を指標として、その好塩基球のIgG依存性の活性化を検出する。
本開示に係る、CD200R3の発現低下を指標とした、マウス好塩基球のIgGに依存した活性化の検出に基づくアレルギー反応の検出方法では、上述したようにCD200R3の発現低下からIgGに依存的な好塩基球の活性化を検出し、アレルギー反応を検出する。このため、ELISA法などを利用した抗原と抗体の結合の反応性のみ指標とする方法と異なり、例えば、抗原によってアレルギー反応が誘導されているか調べることができる。また、抗アレルギー剤がアレルギー反応を抑制しているか、調べることができる。
本開示に係る、CD200R3の発現低下を指標とした、マウス好塩基球のIgGに依存した活性化の検出に基づくアレルギー反応の検出方法は、例えば、食品などに含まれるアレルゲンを検出する方法に利用することができる。被検物質を感作された好塩基球と混合して、CD200R3の発現量の変化から、試料中にアレルゲンが含まれるか判定する。
なお、本開示に係るCD200R3の発現低下を指標とするIgGに依存した好塩基球の活性化の検出に基づくアレルギー反応の検出方法については、好塩基球の活性化の検出を行うための、好塩基球感作用の抗体と抗CD200R3抗体とを含む、検出キットとして構成することもできる。
また、本開示に係る、CD200R3の発現低下を指標とした、マウス好塩基球のIgGに依存した活性化の検出に基づくアレルギー反応の検出方法は、抗アレルギー剤のスクリーニングに利用することもできる。例えば、被検物資、アレルゲン及び感作された好塩基球を混合し、CD200R3の発現量の変化から、被検物質によってアレルギー反応が抑制されたか判定する。
マウスにおけるアナフィラキシーの発症と、ヒトにおけるアナフィラキシーの発症とは、共通する因子が多く存在するとされている(参考文献3:川崎医療福祉学会誌 (2007),17(1): 71-79)。このため、マウスの好塩基球を利用した抗アレルギー剤のスクリーニングは、ヒトのアレルギーに対する抑制剤のスクリーニングとしても有効である。
現在、CD200R3はマウスにのみ同定されているが、ヒトを含めた他の哺乳類でホモログが存在する場合には、上述した本開示に係るCD200R3の発現低下を指標としてマウス好塩基球のIgGに依存した活性化の検出を特徴とするアレルギーの検出方法は、他の哺乳類の好塩基球についても適用できる。
2.マウス好塩基球の感作
本開示に係る、CD200R3の発現低下を指標とした、マウス好塩基球のIgGに依存した活性化の検出に基づくアレルギー反応の検出方法で用いる好塩基球は、感作されたものが好ましく、好塩基球の感作は、能動感作であってもよく、受動感作であってもよい。
能動感作は、常法に従って行うことができる。例えば、卵白アルブミンやα−カゼインなどの抗原を、必要に応じてアジュバンドと共に適当な投与間隔で、マウスに数回投与することで能動感作を成立させることができる。なお、能動感作によって、感作されたマウスにおいて、抗原に対するIgG抗体が産生される場合もあれば、IgE抗体が産生される場合もあり、その両方が産生される場合もある。
本開示に係るCD200R3の発現低下を指標とした、マウス好塩基球のIgGに依存した活性化の検出方法において、抗原には小麦、卵、牛乳等の食物に含まれるタンパク質や、花粉、ダニなどに含まれるタンパク質、その他、核酸など、抗体によって認識されるものであれば、特に限定されない。
受動感作についても、常法に従って行うことができる。例えば、卵白アルブミンやα−カゼインなどの抗原に対するIgGを含む抗体や抗血清を作製し、これをマウスに投与して感作させる。また、抗血清をマウスの好塩基球を含む試料に添加して、好塩基球を感作させてもよい。なお、抗血清の作製方法は、通常行われている一般的な方法で行うことができる。また、IgGとIgEの温度に対する感受性の違いを利用して、抗血清を熱処理して、IgEを不活化してもよい。IgEを不活化させることで、IgG受容体を介した刺激のみを好塩基球に誘発できる。
なお、上述した感作の期間におけるマウスの飼育において、飼料は感作に使用する抗原、又は抗体に対する抗原の含有率が低い、又は含有されていないものであることが好ましい。
3.CD200R1の発現上昇を指標とした、マウス好塩基球のIgEに依存した活性化の検出に基づくアレルギー反応の検出方法
本開示に係る、CD200R3の発現低下を指標とした、マウス好塩基球のIgGに依存した活性化の検出に基づくアレルギー反応の検出方法においては、上述したIgGに依存した活性化の検出に加え、マウス好塩基球のIgEに依存した活性化の検出を行うことが好ましい。
好塩基球の表面には、IgEのFc部分に対して高い親和性を有するIgE受容体が存在する。IgE受容体にIgEが結合し、そのIgEに抗原が結合するとIgE受容体同士が架橋され、好塩基球は活性化される。このIgE受容体を介した好塩基球の活性化が、IgEに依存した活性化である。
IgE受容体を介してマウス好塩基球が活性化されると、マウス好塩基球の表面に発現するCD200R1の発現が上昇することが知られている(参考文献1:Clinical and Experimental Allergy (2009) 39:361-369.)。CD200R1は、マウスのCd200r1遺伝子(Gene Bank Gene ID: 57781)にコードされているタンパク質である。
マウス好塩基球に発現するCD200R1の発現量の測定法は、上述したCD200R3に対して用いる方法と同様である。また、マウス好塩基球の感作についても、上述した方法を用いて行うことができる。なお、IgGの精製のためのアフィニティーカラムなどを利用して、抗血清からIgGを取り除くことで、IgE受容体を介した刺激のみを好塩基球に誘発することも可能である。
CD200R1の発現量の上昇は、活性化されていない好塩基球におけるCD200R1の発現量を基準とすることで求めることができる。活性化されていない好塩基球とは、CD200R3の発現低下の判定と同様に、例えば、感作されていない好塩基球や、感作された好塩基球の抗原に接触する前の状態のものである。この活性化されていない好塩基球のCD200R1の発現量を基準として、基準より発現量の多い好塩基球について、CD200R1の発現上昇が見られたと判定し、このCD200R1の発現上昇を指標として、好塩基球のIgEに依存した活性化を検出する。
基準となるCD200R1の発現量の数値範囲は、マウスの系統、感作方法、CD200R1の発現量の測定方法などの条件に合わせて適宜設定できる。例えば、活性化されていない好塩基球において測定されたシグナル強度(発現量)の中央値を中心に±55%の範囲としてもよい。また、基準となる数値範囲に対して、例えば、155%以上、より好ましくは、160〜830%の範囲に上昇していた場合に、その好塩基球において、CD200R1の発現上昇が見られたと判定することが好ましい。また、フローサイトメータ等を用いて、試料中の複数の好塩基球の各々についてCD200R1の発現量を測定する場合には、例えば、試料に含まれる好塩基球全体の6%以上に発現上昇が見られたときに、試料中の好塩基球は活性化されたと判定することが好ましい。
本開示に係る、CD200R3の発現低下を指標とした、マウス好塩基球のIgGに依存した活性化の検出に基づくアレルギー反応の検出方法においては、上述したCD200R1も活性化のマーカーとして用いることで、好塩基球についてIgGに依存した活性化とIgEに依存した活性化の両方を検出することができる。
これまで、IgGに依存したアレルギー反応のマーカーとしては、好中球におけるFcγRIIIが知られている(参考文献2:Proc Natl Acad Sci USA (2011), 108 (30): 12413-12418.)。そのため、IgG依存性のアレルギー反応とIgE依存性のアレルギー反応の両方を検出するためには、好中球と好塩基球の2種類の細胞を用いる必要があり、作業が煩雑であった。本開示に係るマウス好塩基球の活性化の検出方法においては、好塩基球のみでIgG依存性のアレルギー反応とIgE依存性のアレルギー反応を検出することができるため、アレルギー反応の検出がより簡便となる。
本開示に係る、CD200R3の発現低下を指標とした、マウス好塩基球のIgGに依存した活性化の検出に基づくアレルギー反応の検出方法においては、好塩基球についてIgGに依存した活性化とIgEに依存した活性化の両方を、各々の指標で検出できる。このため、例えば、能動感作によって感作されたマウスにおいて、IgGによる感作が成立しているか、IgEによる感作が成立しているか、又は両方による感作が成立しているか、調べることが可能となる。このため、後述するアレルゲン活性の評価方法や抗アレルギー活性の評価方法等において、予め感作の状態が把握された好塩基球を用いることも可能となる。
4.CD200R3の発現低下を指標とした、アレルゲン活性又は抗アレルギー活性の評価方法
本開示に係る好塩基球の活性化の検出方法を利用した具体例として、アレルゲン活性の評価方法と抗アレルギー活性の評価方法について、以下に説明する。
(1)アレルゲン活性の評価方法
図1は、本開示に係るアレルゲン活性の評価方法のフローチャートである。アレルゲン活性の評価方法には、被検物質の混合手順S1、CD200R3の測定手順S2及び被検物質の評価手順S3が含まれる。各手順について、フローチャートに則して説明する。
被検物質の混合手順S1は、予め感作された好塩基球と被検物質とを混合する手順である。このとき、被検物質がアレルゲンであれば、被検物質は、好塩基球の表面にIgG受容体を介して存在するIgGと結合する。この時、被検物質とIgGの結合を促進するために、混合物を37℃で1〜3時間温めることが好ましく、37℃で2時間温めることが特に好ましい。なお、マウス好塩基球については、能動感作されたものであっても、受動感作されたものであってもよい。また、好塩基球を含む試料の状態は特に限定されず、全血の状態で本手順S1に用いてもよい。
CD200R3の測定手順S2は、マウス好塩基球のCD200R3の発現量を測定する手順である。本手順S2では、被検物質の混合手順S1で調製された混合物内の好塩基球の表面に発現するCD200R3の発現量を測定する。CD200R3の測定方法は、上述した方法を用いることができる。
被検物質の評価手順S3は、被検物質と混合された好塩基球の表面に発現するCD200R3の発現量が、被検物質と混合しないときのマウス好塩基球の表面に発現するCD200R3の発現量に比して低下している場合に、このCD200R3の発現低下が見られたマウス好塩基球が活性化されたと判定し、被検物質がアレルゲン活性を有すると評価する手順である。
本手順S3では、CD200R3の測定手順S2によって測定されたマウス好塩基球のCD200R3の発現量について、被検物質と混合されていないマウス好塩基球におけるCD200R3の発現量と比較する。被検物質と混合されていないマウス好塩基球とは、例えば感作されたマウス好塩基球に被検物質の代わりにリン酸緩衝生理食塩水(PBS)などのアレルゲン活性を有していない代替品が加えられたものを指す。
本開示に係るアレルゲン活性の評価方法においては、被検物質と混合されていない好塩基球の細胞表面におけるCD200R3の発現量が基準となる。基準となる発現量の数値範囲は、上述した活性化されていない好塩基球における基準値の設定と同様に設定することができる。基準となる数値範囲は、例えば、中央値±65%である。
本手順S3においては、CD200R3について基準と比較した結果、CD200R3が発現低下している場合に、被検物質と混合されたマウス好塩基球がIgG依存的に活性化されたと判定する。被検物質と混合されたマウス好塩基球におけるCD200R3の発現量についての判定は、上述した発現低下の判定と同様に行うことができる。マウス好塩基球においてIgG依存的な活性化が見られた場合、マウス好塩基球と混合することでIgG依存的な活性化を誘導した被検物質について、アレルゲン活性を有すると評価する。また、複数の被検物質についてCD200R3の発現量を測定した場合には、各々の被検物質と混合されたマウス好塩基球におけるCD200R3の発現量を比較することによって、各被検物質についてアレルゲン活性の強度を評価することもできる。
被検物質が、例えば食品など複数の成分を含有する物であれば、マウス好塩基球が活性化されたと判定された場合、被検物質にアレルゲンが含まれていることを示している。このため、本開示に係るアレルゲン活性の評価方法は、被検物質に含まれるアレルゲンの検出方法としても利用できる。
図2に、本開示に係るアレルゲン活性の評価方法の変形例についてのフローチャートを示す。なお、本開示に係るアレルゲン活性の評価方法において、被検物質の混合手順S1の前にマウス好塩基球の感作手順が含まれていてもよい。感作手順では、マウス好塩基球について所望のアレルゲンによってアレルギー反応の誘導を可能とするために、上述したマウス好塩基球の感作方法によってマウス好塩基球を感作する。
図2に示すように、本開示に係るアレルゲン活性の評価方法においては、CD200R1の測定手順S2−2が含まれていることが好ましい。本手順S2−2が含まれていることにより、被検物質について、アレルギー反応におけるIgG依存的な活性とIgE依存的な活性の両方に対するアレルゲン活性を評価できる。
本手順S2−2では、混合物に含まれる好塩基球の表面に発現するCD200R1の発現量を測定する。測定方法は、上述した方法を用いることができる。なお、本手順S2−2は、CD200R3の測定手順S2−1より前に行ってもよく、例えばフローサイトメータを利用する場合などは、CD200R3の測定手順S2−1と同時に行うこともできる。
(2)抗アレルギー活性の評価方法
図3は、本開示に係る抗アレルギー活性の評価方法のフローチャートである。抗アレルギー活性の評価方法には、被検物質とアレルゲンとの混合手順S1、CD200R3の測定手順S2、被検物質の評価手順S3の各手順が含まれる。このうち、(1)において述べたCD200R3の測定手順S2以外の、被検物質とアレルゲンとの混合手順S1と被検物質の評価手順S3について説明する。
被検物質とアレルゲンとの混合手順S1は、被検物質とマウス好塩基球とマウス好塩基球に対するアレルゲンとを混合する手順である。本手順S1では、予め感作されたマウス好塩基球と、被検物質及びアレルゲンを混合する。この時、アレルゲンとIgGとの結合を促進するために、混合物を37℃で1〜3時間温めることが好ましく、37℃で2時間温めることが特に好ましい。なお、好塩基球については、能動感作されたものであっても、受動感作されたものであってもよい。また、好塩基球を含む試料の状態は特に限定されず、全血の状態で本手順S1に用いてもよい。
被検物質の評価手順S3は、被検物質とアレルゲンと混合されたマウス好塩基球の表面に発現するCD200R3の発現量が、被検物質と混合せずアレルゲンと混合するときのマウス好塩基球の表面に発現するCD200R3の発現量に比して上昇している場合に、この被検物質及びアレルゲンと混合されたマウス好塩基球が活性化されていないと判定し、被検物質が抗アレルギー活性を有すると評価する手順である。
本手順S3では、CD200R3の測定手順S2において測定されたマウス好塩基球のCD200R3の発現量について、被検物質を除いてアレルゲンと混合されたマウス好塩基球におけるCD200R3の発現量と比較する。被検物質を除いてアレルゲンと混合されたマウス好塩基球とは、例えば、被検物質の代わりにPBSなどの抗アレルギー活性を有していない代替物とアレルゲンと混合されたものを指す。
本開示に係る抗アレルギー活性の評価方法においては、被検物質を除いてアレルゲンと混合された好塩基球の細胞表面におけるCD200R3の発現量が基準となる。基準となる発現量の数値範囲は、上述した活性化されていない好塩基球における基準値の設定と同様に設定することができる。基準となる数値範囲は、例えば、中央値±65%である。
本手順S3においては、CD200R3について基準と比較した結果、CD200R3の発現が上昇している場合に、被検物質と混合されたマウス好塩基球についてIgG依存的に活性化されていないと判定する。被検物質と混合されたマウス好塩基球におけるCD200R3の発現量についての判定は、上述した発現低下の判定と同様に行うことができる。例えば、CD200R3の発現量が基準となる範囲を超えたときに、そのCD200R3は、発現が上昇していると判定することができる。より好ましくは、基準となる範囲の中央値の3〜50倍となったときにCD200R3の発現上昇と判定する。
マウス好塩基球においてIgG依存的な活性化が見られなかった場合、マウス好塩基球と混合することでIgG依存的な活性化を阻害した被検物質について、抗アレルギー活性を有すると評価する。また、複数の被検物質についてCD200R3の発現量を測定した場合には、各々の被検物質と混合されたマウス好塩基球におけるCD200R3の発現量を比較することによって、各被検物質について抗アレルギー活性の強度を評価することができる。
被検物質が、例えば食品など複数の成分を含有する物であれば、マウス好塩基球の活性化が抑制されたと判定された場合、被検物質に抗アレルギー活性を有する成分が含まれていることを示している。このため、本開示に係る抗アレルギー活性の評価方法は、被検物質に含まれる抗アレルギー活性物質の検出方法としても利用できる。
なお、本開示に係る抗アレルギー活性の評価方法においては、図2に示すアレルゲン活性の評価方法の変形例と同様に、アレルギー反応におけるIgG依存性の活性化とIgE依存性の活性化の両方に対する被検物質の抗アレルギー活性を評価するために、CD200R1の測定手順S2−2が含まれていることが好ましい。なお、被検物質とアレルゲンとの混合手順S1の前にマウス好塩基球の感作手順が含まれていてもよい。
なお、本開示に係る技術は、以下の構成を採用することもできる。
(1)CD200R3の発現低下を指標として、マウス好塩基球のIgGに依存した活性化を検出することを特徴とするアレルギー反応の検出方法。
前記発現低下とは、活性化されていないマウス好塩基球におけるCD200R3の発現量を基準とし、該基準未満のこととした場合、
前記基準は、前記活性化されていないマウス好塩基球におけるCD200R3の発現量の中央値±65%が好適であることが好ましい。
前記発現低下は、前記中央値の45%未満が好適であり、2〜35%がより好適である。
前記発現低下は、前記マウス好塩基球の11%以上で発現低下が見られることとすることが好ましい。
(2)さらに、CD200R1の発現上昇を指標として、マウス好塩基球のIgEに依存した活性化を検出する、上記(1)記載の方法。
前記発現上昇とは、活性化されていないマウス好塩基球におけるCD200R1の発現量を基準とし、該基準を超えることとした場合、
前記基準は、前記活性化されていないマウス好塩基球におけるCD200R1の発現量の中央値±55%が好適である。
前記発現上昇は、前記基準の155%以上の範囲とすることが好適であり、160〜830%の範囲とすることがより好適である。
前記発現上昇は、前記マウス好塩基球の6%以上で発現上昇が見られることとすることが好ましい。
(3)前記マウス好塩基球が能動感作又は受動感作して得られたものである、上記(1)又は(2)記載の方法。
(4)上記(1)から(3)の何れかに記載の方法を用いる被検物質のアレルゲン活性又は抗アレルギー活性の評価方法。
(5)被検物質とマウス好塩基球とを混合する手順と、前記マウス好塩基球の表面に発現するCD200R3の発現量を測定する手順と、前記発現量が、前記被検物質と混合しないときのマウス好塩基球の表面に発現するCD200R3の発現量に比して低下している場合に、前記マウス好塩基球が活性化されたと判定し、前記被検物質がアレルゲン活性を有すると評価する手順と、を含む、上記(4)記載のアレルゲン活性の評価方法。
前記低下とは、前記被検物質と混合しないときのマウス好塩基球の表面に発現するCD200R3の発現量を基準とし、該基準未満のこととした場合、
前記基準は、前記CD200R3の発現量の中央値±65%が好適である。
前記低下は、前記中央値の35%未満が好適であり、2〜35%がより好適である。
前記低下は、前記マウス好塩基球の11%以上で前記発現量の低下が見られることとすることが好ましい。
(6)被検物質と、マウス好塩基球と、マウス好塩基球に対するアレルゲンと、を混合する手順と、前記マウス好塩基球の表面に発現するCD200R3の発現量を測定する手順と、前記発現量が、前記被検物質と混合せず前記アレルゲンと混合するときのマウス好塩基球の表面に発現するCD200R3の発現量に比して上昇している場合に、前記マウス好塩基球が活性化されていないと判定し、前記被検物質が抗アレルギー活性を有すると評価する手順と、を含む、(4)記載の抗アレルギー活性の評価方法。
前記上昇とは、前記被検物質と混合せず前記アレルゲンと混合するときのマウス好塩基球の表面に発現するCD200R3の発現量を基準とし、該基準を超えることとした場合、
前記基準は、前記CD200R3の発現量の中央値±65%が好適である。
前記上昇は、前記中央値の1.65倍を超えることが好適であり、3〜50倍がより好適である。
前記上昇は、前記マウス好塩基球の11%以上で前記発現量の上昇が見られることとすることが好ましい。
<試験例1>
1.マウス好塩基球のIgG依存的活性化におけるCD200R3の発現量の変化
マウス好塩基球の表面に発現するCD200R3について、IgG受容体を介したマウス好塩基球への刺激により、発現量に変化が生じるか検証した。
[材料と方法]
本試験例に使用するマウスの血液は、BALB/cマウス(メス)から得た。市販の6週齢のマウス(日本クレア社)を用意し、乳原料を含まない飼料(MRストック、日本農業工業社)を用いて飼育した。14週齢のマウスおいて、全身麻酔下で後大静脈より血液を採取した。採取した血液に、抗マウスFcγRIII/II抗体(BD Biosciences社製)を1μg/mlになるように添加して好塩基球を刺激し、試験群1とした。また、対照群1には、抗マウスFcγRIII/II抗体溶液の代わりにPBSを添加した。試験群1及び対照群1を37℃で1時間保温し、その後、2mM EDTAを添加して、氷上で10分間静置した。
試験群1及び対照群1に含まれる細胞に対し、10%ウマ血清でブロッキングした後、APC標識‐抗マウスCD49b抗体、PE標識‐抗マウスFcεRIα抗体、FITC標識‐抗マウスCD200R3抗体の各抗体を用いて、各々のタンパク質を標識した。なお、CD49bとFcεRIαとは、共に好塩基球のマーカーとして一般的なタンパク質である。試験群1及び対照群1の血液について溶血処理を行い、血液から赤血球を除去した後、フローサイトメータ(FACS Canto(BD Biosciences社製))を用いて測定した。
[結果]
本試験例の結果を図4A〜Cに示す。図4A〜Cは、フローサイトメータによる測定結果を示すサイトグラムであり、右側のパネルは試験群を、左側のパネルは試験群は対照群を示す。図4Aの横軸は、細胞の前方散乱光(FSC)の強度であり、縦軸は、側方散乱光(SSC)の強度である。FSCの強度は細胞の大きさに関連し、SSCの強度は細胞内部の構造に関連する。FSCとSSCの測定結果に基づいて、図4A中P1で示される領域を、好塩基球が含まれる領域とした。
次に、好塩基球のマーカーに基づいて、FSCとSSCに基づいて選別された細胞から好塩基球を選別した。図4Bの横軸は、抗FcεRIα抗体に由来する蛍光強度であり、縦軸は、抗CD49b抗体に由来する蛍光強度である。FcεRIαとCD49bの染色について陽性と判断された細胞(図4B、P2参照。)を好塩基球と判定した。
図4Cは、上記の手順によって好塩基球と判別された細胞におけるCD200R3の発現量を示す。図4Cの横軸は、抗FcεRIα抗体に由来する蛍光強度であり、縦軸は、抗CD200R3抗体に由来する蛍光強度である。図4Cに示すように、試験群では、CD200R3の発現量の低下が見られた。本試験例においては、図4C中P3で示す領域に含まれる好塩基球を、CD200R3の発現低下したものとする。P3の範囲は、対照群におけるCD200R3由来の蛍光強度の中央値に対して、2〜35%にあたる。一方、対照群1においては、CD200R3の発現量の低下が見られた細胞数(P3に含まれる細胞数)は、試験群1に比べ少なかった。表1に、領域P3内の好塩基球の割合を示す。
Figure 0005854432
表1に示すように、試験群1の好塩基球の98%でCD200R3の発現低下が見られるのに対し、対照群1では、好塩基球の10%にしかCD200R3の発現低下は見られなかった。本試験例の結果から、IgG受容体を介したマウス好塩基球への刺激によって、CD200R3の発現が低下することが示された。
<試験例2>
2.マウス好塩基球における IgGによるCD200R3の発現量低下の誘導
好塩基球におけるCD200R3の発現低下が、IgGにより誘導されるか検証した。
[材料と方法]
本試験例で用いるα−カゼイン抗血清の作製方法について、簡単に説明する。牛乳成分除去食で飼育したBALB/c(メス、6週齢)に、α−カゼイン(SIGMA社)をフロイント系アジュバント(初回はフロイント完全アジュバント、2度目以降はフロイント不完全アジュバントを使用)と共に2週間間隔で腹腔内投与した。3度目の投与から1週間後に、全身麻酔下で心臓より血液を採取した。血液から血清を調製し、α−カゼイン抗血清とした。
調製したα−カゼイン抗血清をPBSで10倍希釈し、同体積のProtein G Sepharose 4FF(GE Healthcare社)、あるいはSepharose 4B(SIGMA社)と共に室温で3時間穏やかに転倒混合した。混合後の抗血清から遠心分離により上清を回収した。得られた抗血清のうち、IgGへの結合能を有するProtein G Sepharose 4FFで処理した抗血清をIgG除去抗血清とし、IgGへの結合能を有していないSepharose 4Bで処理した抗血清をコントロール抗血清とした。
本試験例に使用するマウスの血液は、試験例1と同様に、BALB/cマウス(メス)から得た。試験例1と同様に、市販の6週齢のマウスを用意し、乳原料を含まない飼料を用いて飼育した。7週齢のマウスについて、全身麻酔下で後大静脈より血液を採取した。血液に対し1/30、1/100、1/300、1/1000、又は1/3000量のIgG除去抗血清を添加して好塩基球を感作し、これらを試験群2とした。また、コントロール抗血清についても、前述の試験群と等量を血液に添加して好塩基球を感作し、これらを対照群2とした。
α−カゼイン抗血清と混合された後の試験群2及び対照群2を、37℃で90分間保温した。その後、α−カゼインを1μg/mlになるように添加し、さらに2時間、37℃で保温した。2mMEDTAを添加して、氷上で10分間放置した後、試験群2及び対照群2に含まれる細胞に対し、10%ウマ血清でブロッキングを行った。その後、APC標識‐抗マウスIgE抗体、PerCP標識‐抗マウスCD49b抗体、FITC標識‐抗マウスCD200R3抗体により、試験群2及び対照群2に含まれる各々のタンパク質を標識した。溶血処理により赤血球を除去した試験群2及び対照群2について、フローサイトメトリーを行った。試験例1と同様に好塩基球の選別を行い、好塩基球について、試験例1と同様にCD200R3の発現量が低下していると判定された細胞の割合を算出した。
[結果]
本試験例の結果を図5に示す。図5の横軸は、α−カゼイン抗血清の濃度であり、縦軸は、CD200R3の発現量の減少が見られた細胞の割合である。図5に示すように、試験群2では、CD200R3の発現低下が見られた細胞は、抗血清の濃度にかかわらず少なかった。一方、対照群2では、抗血清の濃度が高い場合には、ほぼ全ての好塩基球についてCD200R3の発現低下が見られ、発現低下が見られた好塩基球の割合は、抗血清の濃度に依存的であった。表2に、抗血清の各濃度におけるCD200R3の発現低下が見られた好塩基球の割合を示す。
Figure 0005854432
表2に示すように、IgG除去抗血清で処理された試験群2の好塩基球においては、CD200R3の発現低下がみられた細胞の割合は10%未満であった。一方、IgGが除去されていない抗血清で処理された対照群2において、CD200R3の発現低下が見られた好塩基球は、抗血清の希釈倍数が30倍と100倍では99%、300倍では49%、1000倍と3000倍では、それぞれ5%及び9%であった。
本試験例に示すように、抗血清中のIgGを除去することによりCD200R3の発現低下が見られる好塩基球の割合が低下したことから、好塩基球におけるCD200R3の発現低下は、IgGに依存することが示された。また、対照群2において、CD200R3の発現低下が見られる好塩基球の割合が抗血清の濃度に依存して低下したことからも、好塩基球におけるCD200R3の発現低下は、IgGに依存することが示された。
本試験例の結果から、CD200R3の発現低下の検出が、IgGに依存した好塩基球の活性化の指標として有効であることが示された。
<試験例3>
3.マウス好塩基球のIgE依存的活性化におけるCD200R3の発現量の変化
マウス好塩基球の表面に発現するCD200R3について、IgE受容体を介したマウス好塩基球への刺激によっても、発現量に変化が生じるか検証した。
[材料と方法]
本試験例では、上述した試験例2において作製したα‐カゼイン抗血清を用いた。また、IgE不活性化抗血清として、α−カゼイン抗血清を56℃で6時間保温したものを用意した。
本試験例に使用するマウスの血液は、試験例1、2と同様に、BALB/cマウス(メス)から得た。市販の6週齢のマウスを用意し、乳原料を含まない飼料を用いて飼育した。17週齢のマウスについて、全身麻酔下で後大静脈より血液を採取した。得られた血液に対し、1/10量のα−カゼイン抗血清、あるいはIgE不活性化抗血清を添加して好塩基球を感作した。本試験例においては、IgE不活性化処理が施されていない抗血清が加えられた血液を試験群3とし、IgE不活性化抗血清が加えられた血液を対照群3とした。
試験群3及び対照群3を37℃で90分間保温し、その後、α−カゼインを10μg/mlになるように添加し、さらに2時間保温した。試験群3及び対照群3に2mMEDTAを添加して、氷上で10分間放置した後、10%ウマ血清でブロッキング処理を行った。その後、APC標識−抗マウスIgE抗体、PerCP標識−抗マウスCD49b抗体、FITC標識−抗マウスCD200R3抗体、PE標識−抗マウスCD200R1抗体により、試験群3及び対照群3に含まれる各々のタンパク質を標識した。溶血処理により赤血球を除去した試験群3及び対照群3について、フローサイトメトリーを行った。試験例1と同様に、FSCとSSCの強度、並びに抗CD49b抗体と抗IgE抗体に由来する蛍光強度により好塩基球を選別した。好塩基球と判定された細胞について、CD200R1とCD200R3の発現強度を測定し、試験例1や後述する試験例5と同様に各々の発現量が変化した細胞の割合を算出した。
[結果]
本試験例の結果を図6に示す。図6Aは、試験群3及び対照群3においてCD200R3の発現低下が見られた好塩基球の割合を示す。一方、図6Bは、試験群3及び対照群3においてCD200R1の発現上昇が見られた好塩基球の割合を示す。また、図6A及び図6Bの各々のグラフに示す好塩基球の割合(%)を、表3にまとめた。
Figure 0005854432
図6A及び表3に示すように、血液をα−カゼイン抗血清で受動感作させた後に、α−カゼインを添加した場合、ほぼ全ての好塩基球について、好塩基球表面のCD200R3の発現低下が見られた。また、この好塩基球におけるCD200R3の発現低下は、抗血清に対してIgE不活性化処理を行った場合(対照群3)であっても、生じることが確認された。また、図6B及び表3に示すように、好塩基球におけるCD200R1についても、血液を抗α−カゼイン抗血清で受動感作させた後に、α−カゼインを添加した場合、IgE不活化処理を施した場合(対照群3)に比べ、発現が上昇することが確認された。これらの結果から、好塩基球におけるCD200R3の発現低下は、IgEに依存した好塩基球の活性化では誘導されないことが示された。
<試験例4>
4.好塩基球におけるCD200R3の発現低下とCD200R1の発現上昇との関連
IgG受容体を介した刺激によってCD200R3の発現低下が見られる好塩基球において、CD200R1の発現上昇についても見られるか検証した。
[材料と方法]
本試験例に使用するマウスの血液は、試験例1、2、3と同様に、BALB/cマウス(メス)から得た。市販の6週齢のマウスを用意し、乳原料を含まない飼料を用いて飼育した。16週齢のマウスについて、全身麻酔下で後大静脈より血液を採取した。得られた血液に抗マウスFcγRIII/II抗体(濃度1μg/ml)、もしくはヤギ抗マウスIgE抗体(Bethyl社、濃度0.5μg/ml)を添加し、前者を試験群4、後者を試験群5とした。また、対照群4として、血液にPBSを加えたものを用意した。
試験群4、試験群5及び対照群4を37℃で2時間保温し、2mM EDTAを添加して、氷上で10分間放置した後、10%ウマ血清でブロッキング処理を行った。その後、APC標識−抗マウスIgE抗体、PerCP標識−抗マウスCD49b抗体、FITC標識−抗マウスCD200R3抗体、PE標識−抗マウスCD200R1抗体により、試験群4、試験群5及び対照群4に含まれる各々のタンパク質を標識した。溶血処理により赤血球を除去した後の試験群4、試験群5及び対照群4について、フローサイトメトリーを行った。
[結果]
本試験例の結果を図7に示す。図7A〜Cは、フローサイトメータによる測定結果を示すサイトグラムであり、右側のパネルから順に試験群4、試験群5、対照群4を示す。図7Aの横軸は、FSCの強度であり、縦軸は、SSCの強度ある。FSCの強度とSSCの強度に基づいて、図7A中P1で示される領域を好塩基球が含まれる領域と判定した。図7Bの横軸は、抗マウスIgE抗体に由来する蛍光強度であり、縦軸は、抗CD49b抗体に由来する蛍光強度である。図7A中P1領域内の細胞から、CD49bとIgEの染色について陽性と判断された細胞(図7B、P2参照。)を選別し、好塩基球と判定した。
図7Cの横軸は、抗CD200R3抗体に由来する蛍光強度であり、縦軸は、抗CD200R1抗体に由来する蛍光強度である。好塩基球の表面に発現するCD200R3とCD200R1について、好塩基球が活性化されていない対照群4における発現量を基準として、試験群4及び試験群5と比較した。対照群における蛍光強度の分布から、領域Q4にプロットされるものをCD200R3とCD200R1の何れについても発現量が変化していない好塩基球と判定し、領域Q1と領域Q3にプロットされるものをCD200R3の発現低下が見られた好塩基球、領域Q1と領域Q2にプロットされるものをCD200R1の発現上昇が見られた好塩基球と判定した。なお、領域Q1にプロットされるものは、CD200R3とCD200R1の両方のタンパク質の発現変化が見られた好塩基球と判定される。領域Q1及び領域Q2と領域Q3及び領域Q4の境界は、対照群4におけるCD200R1の蛍光強度の中央値の155%に相当し、領域Q1及び領域Q3と領域Q2及び領域Q4の境界は、対照群4におけるCD200R3の蛍光強度の中央値の23%に相当する。また、図7Cに示すCD200R1又はCD200R3の発現量に変化が見られた好塩基球の割合(%)を、表4にまとめた。
Figure 0005854432
図7C及び表4に示すように、試験群4の、IgG受容体への刺激によって活性化された好塩基球において、CD200R3の発現低下が見られた(試験群4、領域Q3参照。)。一方、試験群4の好塩基球において、CD200R1の発現上昇は見られなかった。試験群5のIgE受容体への刺激によって活性化された好塩基球においては、CD200R1の発現上昇は見られたが(試験群5、領域Q2参照。)、CD200R3の発現低下は見られなかった。
本試験例の結果から、CD200R3の発現低下とCD200R1の発現上昇は、それぞれIgG受容体とIgE受容体を介した刺激により誘導され、互いに干渉せず、独立して起きることが示された。従って、マウス好塩基球の活性化について、IgG依存的である場合と、IgE依存的である場合の両方について、CD200R3の発現低下とCD200R1の発現上昇を指標とすることによって、各々を区別して検出することが可能となる。
<試験例5>
5.能動感作されたマウスにおける好塩基球の活性化の検出
能動感作マウスの血液を用い、好塩基球表面のCD200R1とCD200R3の発現変化から感作の状態を評価した。
[材料と方法]
本試験例では、マウス好塩基球について、能動感作した後に回収した。能動感作の手順を具体的に説明する。市販の3週齢のBALB/cマウス(メス)を用意し、乳原料を含まない飼料を用いて飼育した。4週齢時から2週間毎に、水酸化アルミニウムゲルと共にカゼインをマウスの腹腔内へ投与した(n=10)。4回目の投与から1週間後にマウスから採血した。得られた血液にカゼインを1μg/mlとなるように添加し、これを本試験例の試験群(試験群6〜15)とした。また、カゼインを加えない血液を対照群(対照群6〜15)とした。試験群及び対照群については、37℃で2時間保温した後、血液に2mMEDTAを添加して、氷上で10分間放置した。試験群及び対照群については、10%ウマ血清でブロッキングした後、APC標識−抗マウスCD49b抗体、FITC標識‐抗マウスCD200R3抗体、PE標識−抗マウスCD200R1抗体の各抗体を用いて標識した。溶血処理により試験群及び対照群から赤血球を除去した後、フローサイトメトリーを行った。
[結果]
本試験例の結果を図8に示す。図8A〜Cは、フローサイトメータによる測定結果を示すサイトグラムである。左側のパネルは個体1についての試験群(試験群6)と対照群(対照群6)の結果を示し、右側のパネルは個体2についての試験群(試験群7)と対照群(対照群7)の結果を示す。図8Aの横軸はFSCの強度であり、縦軸はSSCの強度である。FSCの強度とSSCの強度に基づいて、図8A中P1で示される領域を好塩基球が含まれる領域と判定した。図8Bの横軸は、抗CD200R3抗体に由来する蛍光強度であり、縦軸は、抗CD49b抗体に由来する蛍光強度である。図8A中P1領域内の細胞から、CD49bとCD200R3の染色について陽性と判断された細胞(図8B、P2参照。)を選別し、好塩基球と判定した。
図8Cの横軸は、抗CD200R3抗体に由来する蛍光強度であり、縦軸は、抗CD200R1抗体に由来する蛍光強度である。各々の個体について、対照群におけるCD200R3とCD200R1の発現量を基準として、各タンパク質の発現量を比較した。対照群6及び対照群7における蛍光強度の分布から、領域P4にプロットされるものをCD200R3の発現低下が見られた好塩基球、領域P3にプロットされるものをCD200R1の発現上昇が見られた好塩基球と判定した。P4の範囲は、対照群におけるCD200R3由来の蛍光強度の中央値に対して、7〜35%に相当し、P3の範囲は、照群におけるCD200R1由来の蛍光強度の中央値に対して、160〜830%に相当する。また、図8Cに示すCD200R1又はCD200R3の発現量に変化が見られた好塩基球の割合(%)を、表5にまとめた。
Figure 0005854432
個体1においては、図8A及び表5に示すように、カゼインが添加された試験群6の好塩基球において、好塩基球全体の70%以上でCD200R3の発現低下と、CD200R1の発現上昇が見られた。一方、個体2においては、カゼインが添加された試験群7の好塩基球において、好塩基球全体の98%にCD200R3の発現低下が見られたのに対し、CD200R1の発現上昇は好塩基球全体の8%にしか見られなかった。
本試験例の結果から、個体1では、IgE感作とIgG感作が成立していたことが示された。一方、個体2では、IgG感作は成立していたが、IgE感作は成立していなかったことが示された。従って、CD200R3の発現低下とCD200R1の発現上昇を指標とすることにより、免疫原に対するマウスの感作状態を個体ごとに評価できることが確認された。また、CD200R3の発現低下とCD200R1の発現上昇を指標して、個体に発症したアナフィラキシー等のアレルギー反応が、IgGに依存したものであるか、又はIgEに依存したものであるか、の判定が可能となる。
本開示に係る好塩基球の活性化の検出に基づくアレルギー反応の検出方法は、好塩基球の表面に発現するCD200R3の発現量を測定することによって、好塩基球のIgGに依存した活性化を検出することに基づくため、アレルギー反応を簡便に検出することができる。本開示に係る好塩基球の活性化の検出方法は、被検物質のアレルゲン活性や抗アレルギー活性の評価等に利用され得る。

Claims (6)

  1. マウス好塩基球の表面に発現するCD200R3の発現量が、活性化されていない好塩基球におけるCD200R3の発現量に対して低い場合に、CD200R3の発現は低下したと判定し、その好塩基球が活性化されていると判定することを指標として、マウス好塩基球のIgGに依存した活性化を検出することを特徴とするアレルギー反応の検出方法。
  2. さらに、マウス好塩基球の表面に発現するCD200R1の発現量が、活性化されていない好塩基球におけるCD200R1の発現量に対して多い場合に、CD200R1の発現は上昇したと判定し、その好塩基球が活性化されていると判定することを指標として、マウス好塩基球のIgEに依存した活性化を検出する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記マウス好塩基球が能動感作又は受動感作して得られたものである、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 請求項1からの何れか一項に記載の方法を用いる被検物質のアレルゲン活性又は抗アレルギー活性の評価方法。
  5. 被検物質とマウス好塩基球とを混合する手順と、
    前記マウス好塩基球の表面に発現するCD200R3の発現量を測定する手順と、
    前記発現量が、前記被検物質と混合しないときのマウス好塩基球の表面に発現するCD200R3の発現量に比して低下している場合に、前記マウス好塩基球が活性化されたと判定し、前記被検物質がアレルゲン活性を有すると評価する手順と、を含む、
    請求項に記載のアレルゲン活性の評価方法。
  6. 被検物質と、マウス好塩基球と、マウス好塩基球に対するアレルゲンと、を混合する手順と、
    前記マウス好塩基球の表面に発現するCD200R3の発現量を測定する手順と、
    前記発現量が、前記被検物質と混合せず前記アレルゲンと混合するときのマウス好塩基球の表面に発現するCD200R3の発現量に比して上昇している場合に、前記マウス好塩基球が活性化されていないと判定し、前記被検物質が抗アレルギー活性を有すると評価する手順と、を含む、
    請求項に記載の抗アレルギー活性の評価方法。
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