JP5852601B2 - ネットワーク設計装置およびネットワーク設計プログラム - Google Patents
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Description
図1に示すように、光IPネットワーク100では、物理レイヤ上の波長レイヤに、波長パスが設定されたWDM(Wavelength Division Multiplexing)ネットワークを構成する。物理網は、転送ノード、伝送ノードおよびそれらを結ぶ物理リンクから構成される。ここで、転送ノードは、例えばIPルータ等である。伝送ノード(波長ノード)は、例えば、OXC(Optical Cross Connect:光クロスコネクト)等である。また、物理リンクは、例えば、光ファイバ等である。そして、伝送ノード(OXC等)を始終点とした波長パスが物理網上に設定され、その波長パスがIPレイヤでは転送ノード(IPルータ)間における論理的なリンク(論理リンク)を構成する。
そして、この波長パス経路およびIPトラヒック経路等を最適化するためには、波長パス経路とIPトラヒック経路とをそれぞれ独立に設定するのではなく、両者を同時に考慮して最適化することが重要となる。
以下、まず、非特許文献1に記載の手法による、数理計画法の制約式(式1)〜(式14)について説明する。
(式5)の右辺は、光クロスコネクトi,jを端点とする物理リンクを通る交流トラヒック帯域制約量を示している。ここでは、論理リンクの最大帯域をBとし、ルータiの論理リンクの最大入力/出力ポート数Riが与えられているときに、ルータiを始点とし、ルータjを終点とする論理リンクの数をλi,jとする。なお、この論理リンクの数λi,jは、光クロスコネクトiを始点とし、光クロスコネクトjを終点とする波長パスの数(本数)と等しいものである。
よって、(式5)は、ルータi,jを端点とする論理リンクを通る交流トラヒック量(トラヒックデマンド)が、ルータiを始点とし、ルータjを終点とする論理リンクを通る交流トラヒック帯域制約量以下となることを示している。
以下の(式15)は、必要設備量を算出する目的関数を示している。ここで、(式15)の第1項は、ルータi,jを始点・終点とする論理リンクの数の総和、つまり、IPインタフェースの設備の総和を示している。(式15)の第2項は、光クロスコネクトm,nを端点とする物理リンクを通る波長パスの数の総和、つまり、波長パスのインタフェース(ポート)の設備の総和を示している。ここで、αは、ルータのインタフェース(ポート)と光クロスコネクトのインタフェース(ポート)との価格比を示している。
図2の物理網上において、波長ノードであるOXC「1」「2」間に波長パスが1本(λ1,2 1,2)設定され、また、OXC「1」「3」間に、波長パスが1本(λ3,1 3,1)と、OXC「2」経由でさらに1本(λ1,3 1,2,λ1,3 2,3)の計2本が設定され、合計で物理網上に3本の波長パスが設定されている。これに対応し、論理網において、IPルータ「1」「2」間に、論理リンクが1本(λ1,2=1)設定され、IPルータ「1」「3」間に論理リンクが2本(λ3,1=2)設定され、合計で論理網上に3本の論理リンクが設定されている。そして、この論理リンクを通るトラヒックデマンドとして、IPルータ「1」「2」間にIPトラヒック経路(r1,2 1,2)が設定され、IPルータ「3」「1」間に、IPトラヒック経路(r3,1 3,1)が設定され、IPルータ「3」「2」間に、IPトラヒック経路(r3,2 3,1,r3,2 1,2)が設定されていることを示している。
また、実際のネットワーク設計では、ある設計期間を定めて、その設計期間内の総設備コストを最小化させるように設計を行うが、前記した従来の数理計画法を用いた手法では、ある時刻のトラヒックデマンドのみを考慮した最適設定であるため、設計期間を定めての最適設定ができない。
本実施形態に係るネットワーク設計装置1等の概要について説明する。
本実施形態に係るネットワーク設計装置1は、サービス毎に波長パスレベルで分離されたネットワークの最適設計を実現するため、前記した数理計画法を用いた非特許文献1に記載の手法を改良し、サービス毎のIPトラヒック経路、サービス毎の波長パス経路およびサービス毎の波長パスの本数、並びに設計期間内の全サービスについての総必要設備量を計算する。
このようにすることで、ネットワーク設計装置1(1a)は、サービス毎に波長パスを分離した上で、各時刻で共通の、IPトラヒック経路、波長パス経路および波長パスの本数を計算するため、IPトラヒック経路、波長パス経路および波長パスの本数を、各時刻において、変更する必要がなくなりネットワークの運用コストを低減することができる。
このようにすることで、ネットワーク設計装置1(1b)は、サービス毎に波長パスを分離した上で、IPトラヒック経路については、設計期間の各時刻において共通にするのではなく、サービス毎に各時刻においてより最適な設計を行う。また、ネットワーク設計装置1(1b)は、波長パス経路および波長パスの本数については、サービス毎に各時刻において共通の情報として設計することができる。
このようにすることで、ネットワーク設計装置1(1c)は、サービス毎に波長パスを分離した上で、各サービスについて各時刻においてより最適な、IPトラヒック経路、波長パス経路、および、波長パスの本数、並びに、時刻毎に最適な必要設備量を計算することができる。ネットワーク設計装置1(1c)は、目的関数を解くことにより、サービス毎時刻毎に、IPトラヒック経路、波長パス経路、および、波長パスの本数を個々最適に算出するとともに、必要設備量を時刻毎に最も少なくするものであるため、ネットワーク設計装置1(1a,1b)に比べ、総必要設備量をより適切なものとして低減させることができる。
このようにすることで、ネットワーク設計装置1(1d)は、サービス毎に波長パスを分離した上で、各サービスについて各時刻においてより最適な、IPトラヒック経路、波長パス経路、および、波長パスの本数、並びに、全時刻において最適な総必要設備量を計算することができる。よって、ネットワーク設計装置1(1d)は、ネットワーク設計装置1(1a,1b)に比べ、総必要設備量をより適切なものとして低減させることができる。また、このネットワーク設計装置1(1d)は、初期時刻において、サービス毎の対地間のトラヒックデマンド情報が全て得られている場合に有効なものである。
まず、本発明の第1の実施形態に係るネットワーク設計装置1(1a)について説明する。
ネットワーク設計装置1は、図1に示す光IPネットワーク100におけるネットワーク設計、具体的には、IPトラヒック経路、波長パス経路および波長パスの本数、並びに、必要設備量を計算する装置である。このネットワーク設計装置1は、このネットワーク設計に必要な初期情報(物理リンクのトポロジ情報411や、サービス毎の対地間のトラヒックデマンド情報412等)を、各ノードや、光IPネットワーク100を管理するネットワーク管理装置(不図示)等から取得する。そして、ネットワーク設計装置1は、数理計画法を用いて、サービス毎に波長パスが分離されるようして、IPトラヒック経路、波長パス経路および波長パスの本数、並びに、必要設備量を計算する。
その際、第1の実施形態に係るネットワーク設計装置1(1a)は、サービス毎に、数理計画法を用いて、サービス毎に設計期間の各時刻で共通のIPトラヒック経路、サービス毎に設計期間の各時刻で共通の波長パス経路、サービス毎に設計期間の各時刻で共通の波長パスの本数、および、サービス毎の必要設備量を計算する。
また、入出力情報処理部11は、経路設備量計算部13が計算した結果である、IPトラヒック経路、波長パス経路および波長パスの本数、並びに、必要設備量を、入出力部20を介して外部へ出力する。
サービス毎経路設備量計算部131は、サービス毎に数理計画法を用いて、各時刻で共通のIPトラヒック経路、各時刻で共通の波長パス経路、各時刻で共通の波長パスの本数、および、サービス毎の必要設備量を計算する。なお、このサービス毎経路設備量計算部131が実行する計算処理を、「サービス毎の経路設備量計算処理」と称する。
・v:サービス
・τ:ネットワーク設計期間内の(設計)時刻
・vC:サービスvの必要設備量
・M:サービス数
・N:地点数(ノードの設置場所、例えば、東京や大阪)
・B:論理リンクの最大帯域
・Gj (j = 1,…,N) :ルータjのルーチング容量
・Ri (i = 1,…,N) :ルータiの論理リンクの最大入力/出力ポート数
・Pm,n (m,n = 1,…,N) :光クロスコネクトm,nを端点とする物理リンクの最大波長多重数
・On (n = 1,…,N) :光クロスコネクトnの最大波長スイッチ数
・α:光クロスコネクトのポート単価のルータのポート単価に対する比率
・vrs,d i,j (s,d,i,j = 1,…,N) :サービスvのルータs,dを始点・終点とする交流トラヒックにおいて、ルータi,j間の論理リンクを通る交流トラヒック量の割合(=IPトラヒック経路)
・vλi,j (i,j = 1,…,N) :サービスvのルータi,j間の論理リンクの数(=光クロスコネクトi,j間の物理リンクを通る波長パスの数)
・vλi,j m,n (i,j,m,n = 1,…,N) :サービスvの光クロスコネクトi,jを始点・終点とする波長パスの中で、光クロスコネクトm,n間の物理リンクを通る波長パスの数(=波長パス経路)
・vts,d(τ) (s,d = 1,…,N):サービスvのルータs,d間の交流トラヒックにおける、時刻τでのトラヒック量(トラヒックデマンド)
(式A1−1)は、左辺に示すサービスvについての必要設備量が、サービスvについてのルータi,jを始点・終点とする論理リンクの数の総和、つまり、サービスvについてのIPインタフェースの設備の総和と、α(光クロスコネクトのポート単価のルータのポート単価に対する比率)に、サービスvについての光クロスコネクトm,nを端点とする物理リンクを通る波長パスの数の総和、つまり、サービスvについての波長パスのインタフェース(ポート)の設備の総和を乗算した値との和の最小値であることを示している。
なお、(式B1−7)は、従来技術の数理計画法の制約式(式5)に対応している。
なお、(式B1−8)は、従来技術の数理計画法の制約式(式6)に対応している。
なお、(式B1−14)は、従来技術の数理計画法の制約式(式13)に対応している。
なお、(式B1−15)は、従来技術の数理計画法の制約式(式14)に対応している。
そして、サービス毎経路設備量計算部131は、計算した処理結果である、サービス毎の、各時刻で共通のIPトラヒック経路、各時刻で共通の波長パス経路、各時刻で共通の波長パスの本数、および、サービス毎の必要設備量を記憶部40に記憶する。
次に、総設備量計算部133(図4参照)が実行する、総設備量計算処理について説明する。
次に、ネットワーク設計装置1(1a)が実行するネットワーク設計処理の全体の流れを説明する。図5は、第1の実施形態に係るネットワーク設計装置1(1a)が実行するネットワーク設計処理の流れを示すフローチャートである。
次に、本発明の第2の実施形態に係るネットワーク設計装置1(1b)について説明する。
第1の実施形態に係るネットワーク設計装置1(1a)とネットワーク設計装置1(1b)とが異なる点は、ネットワーク設計装置1(1b)において、IPトラヒック経路を、設計期間の各時刻において共通とするのではなく、サービス毎に各時刻において算出することである。
サービス毎経路設備量計算部131bは、サービス毎に数理計画法を用いて、設計期間の各時刻でのサービス毎のIPトラヒック経路、サービス毎に設計期間の各時刻で共通の波長パス経路、サービス毎に設計期間の各時刻で共通の波長パスの本数、および、サービス毎の必要設備量を計算する。
具体的には、サービス毎経路設備量計算部131bは、数理計画法(第2の数理計画法)を用いて、後記する目的関数(A2)を、設備量を最小化させるようにして、サービス毎の経路設備量計算処理を実行する。その際の各変数の制約式(B2)は、後記するものである。
・v:サービス
・τ:ネットワーク設計期間内の(設計)時刻
・T:ネットワーク設計期間において、ネットワーク設計処理を実行する最終時刻
・vC:サービスvの必要設備量
・M:サービス数
・N:地点数(ノードの設置場所、例えば、東京や大阪)
・B:論理リンクの最大帯域
・Gj (j = 1,…,N) :ルータjのルーチング容量
・Ri (i = 1,…,N) :ルータiの論理リンクの最大入力/出力ポート数
・Pm,n (m,n = 1,…,N) :光クロスコネクトm,nを端点とする物理リンクの最大波長多重数
・On (n = 1,…,N) :光クロスコネクトnの最大波長スイッチ数
・α:光クロスコネクトのポート単価のルータのポート単価に対する比率
・vrs,d i,j(τ)(s,d,i,j = 1,…,N,τ=1,…,T) :サービスvのルータs,dを始点・終点とする交流トラヒックにおいて、時刻τでの、ルータi,j間の論理リンクを通る交流トラヒック量の割合(=IPトラヒック経路)
・vλi,j (i,j = 1,…,N) :サービスvのルータi,j間の論理リンクの数(=光クロスコネクトi,j間の物理リンクを通る波長パスの数)
・vλi,j m,n (i,j,m,n = 1,…,N) :サービスvの光クロスコネクトi,jを始点・終点とする波長パスの中で、光クロスコネクトm,n間の物理リンクを通る波長パスの数(=波長パス経路)
・vts,d(τ) (s,d = 1,…,N):サービスvのルータs,d間の交流トラヒックにおける、時刻τでのトラヒック量(トラヒックデマンド)
制約式(B2)は、前記した第1の実施形態における制約式(B1)において、IPトラヒック経路(vrs,d i,j)に関係する制約式である(式B1−1),(式B1−4)〜(式B1−8)に、時刻τを変数として加え、(式B2−1),(式B2−4)〜(式B2−8)としたものである。また、時刻τの変数の条件として、τ=1,…,T(下線)を加えている。この制約式(式B2−1),(式B2−4)〜(式B2−8)がIPトラヒック経路(vrs,d i,j)に関して、時刻τを変数として持つことで、サービス毎経路設備量計算部131bが、各時刻でのIPトラヒック経路を計算することができる。
そして、サービス毎経路設備量計算部131bは、計算した処理結果である、各時刻でのサービス毎のIPトラヒック経路、サービス毎に各時刻で共通の波長パス経路、サービス毎に各時刻で共通の波長パスの本数、および、サービス毎の必要設備量を記憶部40に記憶する。
次に、本発明の第3の実施形態に係るネットワーク設計装置1(1c)について説明する。
第1の実施形態に係るネットワーク設計装置1(1a)とネットワーク設計装置1(1c)が異なる点は、ネットワーク設計装置1(1c)において、IPトラヒック経路、波長パス経路および波長パスの本数を、設計期間の各時刻において共通とするのではなく、サービス毎に各時刻において計算することである。また、その計算処理の際に、ネットワーク設計装置1(1a,1b)のように、サービス毎に必要設備量を算出するのではなく、時刻毎に必要設備量を算出することである。
図6に示したネットワーク設計装置1(1c)の構成と、図4に示した第1の実施形態に係るネットワーク設計装置1(1a)の構成との異なる点は、ネットワーク設計装置1(1c)においては、サービス毎経路設備量計算部131の代わりに、サービス毎時刻毎経路設備量計算部132を備えていることである。また、総設備量計算部133の代わりに、総設備量計算部133cを備えていることである。その他の構成については、図4に示したネットワーク設計装置1(1a)と同様であるので、同一の符号と名称を付し、説明を省略する。
サービス毎時刻毎経路設備量計算部132は、数理計画法を用いて、サービス毎時刻毎のIPトラヒック経路、サービス毎時刻毎の波長パス経路、サービス毎時刻毎の波長パスの本数、および、時刻毎の必要設備量を計算する。なお、このサービス毎時刻毎経路設備量計算部132が実行する計算処理を、「サービス毎時刻毎の経路設備量計算処理」と称する。
具体的には、サービス毎時刻毎経路設備量計算部132は、数理計画法(第3の数理計画法)を用いて、後記する目的関数(A3)を、設備量を最小化させるようにして、サービス毎時刻毎の経路設備量計算処理を実行する。その際の各変数の制約式(B3)は、後記するものである。
・v:サービス
・τ:ネットワーク設計期間内の(設計)時刻
・T:ネットワーク設計期間において、ネットワーク設計処理を実行する最終時刻
・C(τ):時刻τにおける必要設備量
・M:サービス数
・N:地点数(ノードの設置場所、例えば、東京や大阪)
・B:論理リンクの最大帯域
・Gj (j = 1,…,N) :ルータjのルーチング容量
・Ri (i = 1,…,N) :ルータiの論理リンクの最大入力/出力ポート数
・Pm,n (m,n = 1,…,N) :光クロスコネクトm,nを端点とする物理リンクの最大波長多重数
・On (n = 1,…,N) :光クロスコネクトnの最大波長スイッチ数
・α:光クロスコネクトのポート単価のルータのポート単価に対する比率
・vrs,d i,j(τ) (s,d,i,j = 1,…,N,v =1,…,M) :サービスvのルータs,dを始点・終点とする交流トラヒックにおいて、時刻τでの、ルータi,j間の論理リンクを通る交流トラヒック量の割合(=IPトラヒック経路)
・vλi,j(τ) (i,j = 1,…,N,v =1,…,M) :サービスvの時刻τにおける、ルータi,j間の論理リンクの数(=光クロスコネクトi,j間の物理リンクを通る波長パスの数)
・vλi,j m,n(τ) (i,j,m,n = 1,…,N,v =1,…,M) :サービスvの時刻τにおける、光クロスコネクトi,jを始点・終点とする波長パスの中で、光クロスコネクトm,n間の物理リンクを通る波長パスの数(=波長パス経路)
・vts,d(τ) (s,d = 1,…,N):サービスvのルータs,d間の交流トラヒックにおける、時刻τでのトラヒック量(トラヒックデマンド)
(式A3−1)は、左辺に示す時刻τにおける必要設備量が、時刻τにおけるサービスvについてのルータi,jを始点・終点とする論理リンクの数の総和、つまり、時刻τにおけるサービスvについてのIPインタフェースの設備の総和と、α(光クロスコネクトのポート単価のルータのポート単価に対する比率)に、時刻τにおけるサービスvについての光クロスコネクトm,nを端点とする物理リンクを通る波長パスの数の総和、つまり、時刻τにおけるサービスvについての波長パスのインタフェース(ポート)の設備の総和を乗算した値との和をとり、その値を全サービスについて総和したものの最小値であることを示している。
制約式(B3)は、前記した第2の実施形態における制約式(B2)において、波長パス経路(vλi,j m,n)および波長パスの本数(vλi,j)に関係する制約式である(式B2−2),(式B2−3),(式B2−7)〜(式B2−15)に、時刻τを変数として加え、(式B3−2),(式B3−3),(式B3−7)〜(式B3−15)としたものである。また、サービスvの変数の条件として、制約式(B3)の各式にv=1,…,M(下線)を加えている。このように、制約式(B3)の各式が、IPトラヒック経路(vrs,d i,j)、波長パス経路(vλi,j m,n)および波長パスの本数(vλi,j)に関して、時刻τを変数として持つことで、サービス毎時刻毎経路設備量計算部132が、サービス毎時刻毎の、IPトラヒック経路、波長パス経路および波長パスの本数を計算することができる。
そして、サービス毎時刻毎経路設備量計算部132は、計算した処理結果である、サービス毎時刻毎のIPトラヒック経路、サービス毎時刻毎の波長パス経路、サービス毎時刻毎の波長パスの本数、および、時刻毎の必要設備量を記憶部40に記憶する。
次に、総設備量計算部133c(図6参照)が実行する、総設備量計算処理について説明する。
次に、ネットワーク設計装置1(1c)が実行するネットワーク設計処理の全体の流れを説明する。図7は、第3の実施形態に係るネットワーク設計装置1(1c)が実行するネットワーク設計処理の流れを示すフローチャートである。
次に、本発明の第4の実施形態に係るネットワーク設計装置1(1d)について説明する。
第3の実施形態に係るネットワーク設計装置1(1c)とネットワーク設計装置1(1d)が異なる点は、ネットワーク設計装置1(1d)において、サービス毎時刻毎のIPトラヒック経路、サービス毎時刻毎の波長パス経路、サービス毎時刻毎の波長パスの本数を、時刻毎に計算するのではなく、全時刻を一度に計算する。また、ネットワーク設計装置1(1d)は、設計期間の全時刻において必要となる総必要設備量を、サービス毎時刻毎の、IPトラヒック経路、波長パス経路および波長パスの本数の計算と同時に算出する。
図8に示したネットワーク設計装置1(1d)の構成と、第1〜第3の実施形態に係るネットワーク設計装置1(1a〜1c)の構成との異なる点は、ネットワーク設計装置1(1d)においては、総設備量計算部133(図4参照),133c(図6参照)を備えておらず、経路設備量計算部13に、サービス毎全時刻経路設備量計算部134を備えていることである。その他の構成については、図4に示したネットワーク設計装置(1a)と同様であるので、同一の符号と名称を付し、説明を省略する。
サービス毎全時刻経路設備量計算部134は、数理計画法を用いて、サービス毎時刻毎のIPトラヒック経路、サービス毎時刻毎の波長パス経路、サービス毎時刻毎の波長パスの本数、および、全時刻において最適な総必要設備量をまとめて計算する。なお、このサービス毎全時刻経路設備量計算部134が実行する計算処理を、「サービス毎全時刻の経路設備量計算処理」と称する。
具体的には、サービス毎全時刻経路設備量計算部134は、数理計画法(第4の数理計画法)を用いて、後記する目的関数(A4)を、全時刻における総必要設備量を最小化させるようにして、サービス毎時刻毎の経路設備量計算処理を実行する。その際の各変数の制約式(B4)は、後記するものである。
・v:サービス
・τ:ネットワーク設計期間内の(設計)時刻
・T:ネットワーク設計期間において、ネットワーク設計処理を実行する最終時刻
・C(τ):時刻τにおける必要設備量
・Call:全時刻における総必要設備量
・M:サービス数
・N:地点数(ノードの設置場所、例えば、東京や大阪)
・B:論理リンクの最大帯域
・Gj (j = 1,…,N) :ルータjのルーチング容量
・Ri (i = 1,…,N) :ルータiの論理リンクの最大入力/出力ポート数
・Pm,n (m,n = 1,…,N) :光クロスコネクトm,nを端点とする物理リンクの最大波長多重数
・On (n = 1,…,N) :光クロスコネクトnの最大波長スイッチ数
・α:光クロスコネクトのポート単価のルータのポート単価に対する比率
・vrs,d i,j(τ) (s,d,i,j = 1,…,N,v =1,…,M) :サービスvのルータs,dを始点・終点とする交流トラヒックにおいて、時刻τでの、ルータi,j間の論理リンクを通る交流トラヒック量の割合(=IPトラヒック経路)
・vλi,j(τ) (i,j = 1,…,N,v =1,…,M) :サービスvの時刻τにおける、ルータi,j間の論理リンクの数(=光クロスコネクトi,j間の物理リンクを通る波長パスの数)
・vλi,j m,n(τ) (i,j,m,n = 1,…,N,v =1,…,M) :サービスvの時刻τにおける、光クロスコネクトi,jを始点・終点とする波長パスの中で、光クロスコネクトm,n間の物理リンクを通る波長パスの数(=波長パス経路)
・vts,d(τ) (s,d = 1,…,N):サービスvのルータs,d間の交流トラヒックにおける、時刻τでのトラヒック量(トラヒックデマンド)
(式A4−1)の第1式は、左辺に示す全時刻における総必要設備量が、時刻τにおける必要設備量の共通和(和集合)を最小とするものであることを示している。具体的には、第2式の第1項に示すように、サービスvについてのルータi,jを始点・終点とする論理リンクの数の総和、つまり、サービスvについてのIPインタフェースの設備の総和を、さらに全てのサービスについて合計し、各時刻のうち最大の値を抽出した上で、全ての地点において総計した値(IPインタフェースの設備の総合計)を算出する。また、第2式の第2項に示すように、サービスvについての光クロスコネクトm,nを端点とする物理リンクを通る波長パスの数の総和、つまり、サービスvについての波長パスのインタフェース(ポート)の設備の総和を、さらにすべてのサービスについて合計し、各時刻のうち最大の値を抽出した上で、全ての地点において総計した値(光クロスコネクトの設備の総合計)を算出する。そして、IPインタフェースの設備の総合計と、α(光クロスコネクトのポート単価のルータのポート単価に対する比率)に光クロスコネクトの設備の総合計を乗算した値との和が最小値となるように最適解を計算する。
制約式(B4)は、前記した第3の実施形態における制約式(B3)の各式に、時刻τを変数としてτ=1,…,T(下線)を加え、(式B4−1)〜(式B4−15)としたものである。これにより、サービス毎全時刻経路設備量計算部134は、IPトラヒック経路、波長パス経路、波長パスの本数、および、総必要設備量について、時刻τを全時刻を対象した変数として扱い、計算処理をすることができる。
そして、サービス毎全時刻経路設備量計算部134は、計算した処理結果である、サービス毎時刻毎のIPトラヒック経路、サービス毎時刻毎の波長パス経路、サービス毎時刻毎の波長パスの本数、および、全時刻における総必要設備量を記憶部40に記憶する。
次に、ネットワーク設計装置1(1d)が実行するネットワーク設計処理の全体の流れを説明する。図9は、第4の実施形態に係るネットワーク設計装置1(1d)が実行するネットワーク設計処理の流れを示すフローチャートである。
10 制御部
11 入出力情報処理部
12 初期情報取得部(初期情報取得手段)
13 経路設備量計算部(経路設備量計算手段)
20 入出力部(入出力手段)
30 メモリ部(記憶手段)
40 記憶部(記憶手段)
41 初期情報DB
100 光IPネットワーク
131,131b サービス毎経路設備量計算部
132 サービス毎時刻毎経路設備量計算部
133,133c 総設備量計算部
134 サービス毎全時刻経路設備量計算部
411 物理リンクのトポロジ情報
412 対地間のトラヒックデマンド情報
Claims (6)
- 波長ノード間の波長パスが物理リンクにより構成される物理網上に設定され、前記設定された波長パスが論理網においてIPルータ間の論理リンクを構成し、前記論理網にサービス毎のIPトラヒック経路が設定されるIPネットワークのネットワーク設計を行うネットワーク設計装置であって、
前記物理リンクのトポロジ情報、サービス毎の各時刻における前記IPルータ間のトラヒックデマンド情報、前記物理リンクおよび前記波長ノードの設備に関する定数情報、前記IPルータおよび前記論理リンクの設備に関する定数情報、並びに、前記ネットワーク設計を実行する前記各時刻の時刻情報を含む初期情報が記憶される記憶部と、
前記初期情報を入出力部を介して外部から取得し、前記記憶部に記憶する初期情報取得部と、
前記初期情報を参照し、数理計画法を用いて、前記数理計画法の目的関数および制約式において、少なくとも前記IPトラヒック経路、前記波長パスの経路および前記波長パスの本数を変数とし、前記IPネットワークの設備量を最小化させるようにして、サービス毎の前記IPトラヒック経路、サービス毎の前記波長パスの経路およびサービス毎の前記波長パスの本数、並びに、前記ネットワーク設計の設計期間内において必要となる必要設備量を計算する経路設備量計算部と、
を備えることを特徴とするネットワーク設計装置。 - 前記経路設備量計算部は、
前記目的関数および前記制約式において、サービス毎に前記設計期間の各時刻で共通の、前記IPトラヒック経路、前記波長パスの経路および前記波長パスの本数となるように前記変数を設定した第1の前記数理計画法を用いて、サービス毎に前記設計期間の各時刻で共通の前記IPトラヒック経路、サービス毎に前記設計期間の各時刻で共通の前記波長パス経路、および、サービス毎に前記設計期間の各時刻で共通の前記波長パスの本数、並びに、サービス毎の前記必要設備量を計算するサービス毎経路設備量計算部と、
前記計算されたサービス毎の必要設備量を用いて、全てのサービスについて総計である総必要設備量を計算する総設備量計算部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のネットワーク設計装置。 - 前記経路設備量計算部は、
前記目的関数および前記制約式を、前記設計期間の各時刻でのサービス毎の前記IPトラヒック経路、サービス毎に前記設計期間の各時刻で共通の、前記波長パスの経路および前記波長パスの本数となるように前記変数を設定した第2の前記数理計画法を用いて、前記設計期間の各時刻でのサービス毎の前記IPトラヒック経路、サービス毎に前記設計期間の各時刻で共通の前記波長パス経路、および、サービス毎に前記設計期間の各時刻で共通の前記波長パスの本数、並びに、サービス毎の前記必要設備量を計算するサービス毎経路設備量計算部と、
前記計算されたサービス毎の必要設備量を用いて、全てのサービスについて総計である総必要設備量を計算する総設備量計算部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のネットワーク設計装置。 - 前記経路設備量計算部は、
前記目的関数および前記制約式を、サービス毎時刻毎の前記IPトラヒック経路、サービス毎時刻毎の前記波長パス経路、および、サービス毎時刻毎の前記波長パスの本数となるように前記変数を設定した第3の前記数理計画法を用いて、サービス毎時刻毎の前記IPトラヒック経路、サービス毎時刻毎の前記波長パス経路、サービス毎時刻毎の前記波長パスの本数、並びに、前記設計期間の時刻毎の前記必要設備量を計算するサービス毎時刻毎経路設備量計算部と、
前記計算された時刻毎の必要設備量を用いて、前記設計期間の全時刻についての総計である総必要設備量を計算する総設備量計算部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のネットワーク設計装置。 - 前記経路設備量計算部は、
前記目的関数および前記制約式を、サービス毎時刻毎の前記IPトラヒック経路、サービス毎時刻毎の前記波長パス経路、および、サービス毎時刻毎の前記波長パスの本数となるように前記変数を設定し、さらに、前記設計期間の全時刻において必要となる総必要設備量を前記目的関数として設定した第4の前記数理計画法を用いて、サービス毎時刻毎の前記IPトラヒック経路、サービス毎時刻毎の前記波長パス経路、および、サービス毎時刻毎の前記波長パスの本数、並びに、前記総必要設備量を計算するサービス毎全時刻経路設備量計算部を備えること
を特徴とする請求項1に記載のネットワーク設計装置。 - 波長ノード間の波長パスが物理リンクにより構成される物理網上に設定され、前記設定された波長パスが論理網においてIPルータ間の論理リンクを構成し、前記論理網にサービス毎のIPトラヒック経路が設定されるIPネットワークのネットワーク設計を行うためのコンピュータを、
前記物理リンクのトポロジ情報、サービス毎の各時刻における前記IPルータ間のトラヒックデマンド情報、前記物理リンクおよび前記波長ノードの設備に関する定数情報、前記IPルータおよび前記論理リンクの設備に関する定数情報、並びに、前記ネットワーク設計を実行する前記各時刻の時刻情報を含む初期情報が記憶される記憶手段、
前記初期情報を入出力手段を介して外部から取得し、前記記憶手段に記憶する初期情報取得手段、
前記初期情報を参照し、数理計画法を用いて、前記数理計画法の目的関数および制約式において、少なくとも前記IPトラヒック経路、前記波長パスの経路および前記波長パスの本数を変数とし、前記IPネットワークの設備量を最小化させるようにして、サービス毎の前記IPトラヒック経路、サービス毎の前記波長パスの経路およびサービス毎の前記波長パスの本数、並びに、前記ネットワーク設計の設計期間内において必要となる必要設備量を計算する経路設備量計算手段、
として機能させるためのネットワーク設計プログラム。
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