JP5851487B2 - 二重化給気システム付きヘルメット装着型レスピレータ器具 - Google Patents

Description

本開示は、動力付き空気濾過装置に関し、具体的には、ヘルメット装着型レスピレータ装置に関する。

給気レスピレータは、周囲の空気が汚染物質を含有する、又は含有する可能性のある環境において、習慣的に装着される。清浄空気は、供給タンクから、又は周囲空気をエアフィルタ通過して引き出すか又は送り込む動力付き空気源から着用者に送達される。

清浄空気を着用者に供給するために動力付き空気源を使用するシステムは、動力付き空気浄化レスピレータ又は「ＰＡＰＲ」として知られている。ＰＡＰＲは様々なタイプで供給され得るが、一般的な２つのタイプはベルトパック型ＰＡＰＲ及びヘルメット型ＰＡＰＲである。ベルトパック型ＰＡＰＲは典型的には２つの主要部分、つまり面体と濾過ユニットとを有する。面体は少なくともユーザーの鼻及び口を覆って装着され（目及び耳も覆ってよい）、濾過ユニットはユーザーの腰周りに装着される。典型的には、ホースが濾過ユニットを面体に接続する。ヘルメット型ＰＡＰＲは、典型的には、面体として旋回可能なバイザーと、ヘルメットの内部に収容された又はヘルメットに取り付けられた濾過ユニットとを含む。

双方のタイプのＰＡＰＲにおいて、濾過ユニットは、１つ以上のフィルタカートリッジと、ハウジングと、ファンと、ファンを駆動する電動モーターとを備えることが多い。ファン及びモーターはハウジングの中に収容され、フィルタカートリッジはハウジング本体に取り付けられる。周囲空気は、フィルタカートリッジの中に収容されたフィルタ要素を通過して送り出すか又は引き出されることによって、濾過される。電動ファンは、空気をフィルタカートリッジからホースを通過して面体内部に送り込むか又は引き出す。ファンはＰＡＰＲシステムを通じて空気移動に必要とされる作業を行うので、ユーザーは容易に清浄な空気の供給を快適に受けることができる。

それぞれの形式のＰＡＰＲは利点及び欠点を有する。ベルトパック型は濾過ユニットの重量を頭でなく腰周りで運搬するので、ユーザーにとってより簡便である場合がある。しかし、２部品システムを有することは取り扱いにくい場合があり、かつ接続ホースは、製造及び組み立ての必要がある更に別の構成要素であり、そのような接続部材の典型的な欠点による不利を被る場合がある。ヘルメット型ＰＡＰＲは単一の内蔵型ユニットであることによってこれらの欠点を回避するが、濾過ユニットの重量は、長時間着用されたときはとりわけ、不快である場合がある。

本明細書に開示されるのは、ヘルメットと、ヘルメット内部の濾過アセンブリと、ヘルメットの正面に配置され、濾過空気通路によって濾過アセンブリと流体連通するように構成された顔面遮蔽体アセンブリと、を一般的に備える動力付き空気レスピレータである。いくつかの実施形態では、顔面遮蔽体アセンブリは、ヘルメットの正面に旋回可能に懸架して（depending from the front of the helmet）取り付けられている。濾過アセンブリは、濾過空気出口及び入り口を含む送風機アセンブリ（この濾過空気出口は濾過空気通路と流体連通する）と、送風機アセンブリの入り口と流体連通する濾過空気プレナムチャンバと、濾過空気プレナムチャンバと隣接し、流体連通するフィルタ部材と、そのフィルタ部材と隣接するとともに流体連通し、汚染空気入り口と流体連通する汚染空気プレナムチャンバと、を一般的に備える。

添付図面と共に以下の本開示の様々な実施形態の詳細な説明を検討することで、本開示をより完全に理解することができる。
本開示のヘルメット装着型動力付き空気浄化レスピレータの側面破断図。 本開示のヘルメット装着型動力付き空気浄化レスピレータ内部の空気流れについての破断図。 以下に示す例示された実施形態の説明において、本開示を実施し得る様々な実施形態を実例として示す添付図面を参照する。本発明の範囲から逸脱することなく他の実施形態を用いてもよく、また、構造的変更を行なってもよいことを理解すべきである。図面は、必ずしも縮尺にしたがうものではない。図面で用いられる同様の番号は同様の構成要素を示すものとする。ただし、与えられた図の構成要素を示す数字の使用は、同じ数字を付された別の図の構成要素を限定することを意図するものではないことが理解されよう。

本開示は、ヘルメット装着型の動力付き空気浄化レスピレータ又はＰＡＰＲのための動力付きポータブル空気濾過装置を提供する。ヘルメット装着型ＰＡＰＲは、浄化された空気をユーザーに供給するためにユーザーによって着用されるように設計される。空気濾過装置は、周囲空気が汚染物質を含有するか、又は汚染物質を含有する可能性のある環境内で習慣的に使用される。このような汚染物質としては、例えば、単独で、又は混合されて存在し得る煙霧、気体、微粒子、蒸気などが挙げられる。

従来のヘルメット装着型ＰＡＰＲは多くの望ましい特徴を有するが、ヘルメットのサイズ及び重量を増加させ、ユーザーにとって不快である及び扱いにくいという欠点もまた有する。加えて、ヘルメット内部のヘルメット装着型ＰＡＰＲの構成要素の場所によっては、従来のヘルメットがアンバランスになること、すなわち特定のポイントでより大きい重量を有することが可能であり、ヘルメットが不適正に位置決めされること、又はヘルメットがユーザーの首及び／又は背中に負担をかけることが可能である。しかし、本開示の動力付きポータブル空気濾過装置は、空気濾過装置をよりコンパクトにするために二重化給気システムを備える。本開示のよりコンパクトなシステム、又は「薄型システム」は、ユーザーの快適さを高め、取り扱いにくさがより少なく、したがって、ユーザーが作業を行う際に邪魔になりにくい。このコンパクトさは、空気送達性能を犠牲にすることなく達成される。

より薄型であることのほか、本開示の動力付きポータブル空気濾過装置は追加的な設計上の利点を有する。二重化給気システム設計は、汚染空気をフィルタ媒体に強制的に通過させる代わりに、フィルタ媒体を通過させて汚染空気を引き出すことを可能にする。これは、汚染空気が送風機器具に入る前に汚染空気を濾過することを可能にする。この設計は、送風機器具の構成要素の損傷を引き起こす又は摩損増加の可能性をもたらす汚染空気を送風機器具と接触させない。また、二重化給気設計は、汚染空気に暴露されるフィルタ媒体の表面をより大きくすることを可能にする。

本明細書では、「動力付き空気浄化レスピレータ即ちＰＡＰＲ」という用語は、電源を使用して呼吸ヘッドギアに濾過された空気を供給する、給気レスピレータを意味する。

本明細書では、「濾過空気（「filtered air」及び「filtered-air」）」という用語は、任意の好適な濾過器具によって濾過された空気（又は他の酸素含有気）を意味する。典型的には、「濾過空気（「filtered-air」）」は、例えば「濾過空気チャンバ（「filtered-air chamber」）」のようにアセンブリを記述する形容詞として使用される場合にハイフン付きで記述される。

本明細書で使用されるとき、「汚染空気（「contaminated air」及び「contaminated-air」）」という用語は、濾過されていない、１つ以上の汚染物質を含有し得る空気（又はその他の酸素含有気）を意味する。典型的には、「汚染空気（「contaminated-air」）」は、例えば「汚染空気入口」（「contaminated-air inlet」）のようにアセンブリを記述する形容詞として使用される場合にハイフン付きで記述される。

本明細書で使用されるとき、「呼吸ヘッドギア」という用語は、人が着用する、浄化された空気が供給される器具を意味し、そのような呼吸ヘッドギアとしては、例えば少なくとも人の呼吸気道（鼻及び口）の上にぴったりとフィットする面体、及び例えばヘルメットの正面に旋回可能に懸架して取り付けられている顔面遮蔽体アセンブリのようなルーズフィットの面体が挙げられる。

本明細書で使用されるとき、「濾床」という用語は、フィルタ要素を含み、濾過ユニットと接続し、又は濾過ユニット内で使用されるように構成された構造体を意味し、「湾曲した濾床」は平面的ではなく、曲率半径を有するものである。一般的に、湾曲した濾床は、湾曲部の全長にわたって連続しており、即ち、湾曲部の長さに沿って異なるフィルタモジュールに細かく分割されていない。通常、濾床は、吸着剤粒子を含んでいる。

本明細書で使用されるとき、「フィルタカートリッジ」という用語は、フィルタ要素を含み、濾過ユニットと接続し、又は濾過ユニット内で使用されるように構成された構造体を意味し、「湾曲したフィルタカートリッジ」は平面的ではなく、曲率半径を有するものである。

本明細書で使用されるとき、「濾過ユニット」という用語は、周囲空気を濾過すること及び動力による空気移動を引き起こすことに関与する、ＰＡＰＲの部分を意味する。

図１は、ヘルメット装着型ＰＡＰＲ １００の側面図を示す。ＰＡＰＲ １００は電動式システムを備え、汚染空気は汚染空気入口１０を通してＰＡＰＲに入り、濾過アセンブリ２０を通過し、送風機アセンブリ２５に入り、濾過空気出口３０を介して送風機アセンブリ２５から出る。濾過空気出口３０は顔面遮蔽体アセンブリ４０と流体連通する。

図２は、図１のヘルメット装着型ＰＡＰＲにおける空気の流れを更に図示する。濃い矢印は空気の流れを示す。汚染空気入口１０は、第１のプレナムチャンバ１５を介して濾過アセンブリ２０（図１に図示）と流体連通する。濾過アセンブリ２０は、第２のプレナムチャンバ２２を介して送風機アセンブリ２５と流体連通するフィルタ部材２１を備える。汚染空気はフィルタ入口２１ａを介してフィルタ部材２１に入り、濾過空気はフィルタ出口２１ｂを介してフィルタ部材２１を出る。フィルタ部材２１を出る際、濾過空気は第２のプレナムチャンバ２２を通過し、送風機アセンブリ入口（図示せず）に取り付けられたダクト２３を介して送風機アセンブリ２５に入る。濾過空気は濾過空気出口３０を介して送風機アセンブリ２５を出る。濾過空気出口３０は濾過空気通路３５と流体連通し、濾過空気通路３５は顔面遮蔽体アセンブリ４０（図示せず）と流体連通する。

汚染空気入口１０は単純な１つの開口部でも一連の開口部でもよく、又はより複雑な器具であってもよく、例えば、ＰＡＰＲ内への粒子の流入を低減するためにプレフィルタ又は濾網を含有してもよい。プレフィルタの例としては、例えば、繊維状ウェブ、メッシュ、発泡体、不織布などが挙げられる。プレフィルタは、取り外して掃除又は交換することが可能なように取り外し可能であってもよい。好適なスクリーンの例としては、例えば、入口に恒久的に装着しても取り外し可能にしてもよい金属又はプラスチックの格子が挙げられる。

第１のプレナムチャンバ１５は、汚染空気とフィルタ部材２１との接触面積を最大にするように設計される。第１のプレナムチャンバ１５は多様な異なる形を有することができるが、いくつかの実施形態では、第１のプレナムチャンバ１５は、汚染空気入口１０の近くでより幅広状にテーパー化された形態を備える。

濾過アセンブリ２０はフィルタ部材２１を備える。フィルタ部材２１はフィルタ部材のためのハウジングを含んでもよく、又は、フィルタ部材は独立した部材であってもよい。フィルタ部材２１は多様な材料から構成され得、多様な物質を標的とし得る。例えば、フィルタ部材２１は従来の濾床、ひだ付きの媒体、又は任意の他のタイプの濾過媒体、若しくは媒体の組合せを含むことができる。濾過媒体は、粒子濾過媒体、化学品濾過媒体、又はそれら２つの任意の組合せを含むことができる。化学品濾過媒体は１つ以上の吸着剤、触媒、又は化学反応性媒体を含むことができ、アンモニア、メチルアミン、ホルムアルデヒド、塩素、塩化水素、二酸化硫黄、酸性ガス、有機蒸気、又は任意の他の所望の気体又は汚染物質のような気体を標的とすることができる。汚染空気はフィルタ入口２１ａを介してフィルタ部材２１に入り、濾過空気はフィルタ出口２１ｂを介してフィルタ部材２１を出る。フィルタ入口２１ａ及びフィルタ出口２１ｂは、フィルタ部材２１の表面を単純に備えてもよく、フィルタ部材２１がハウジング内に収容される場合はフィルタ部材のためのハウジング内の開口部であってもよい。フィルタ部材２１は、典型的には、最大表面積が第１及び第２のプレナムチャンバ１５及び２２と流体連通するような幅、長さ、深さの寸法を有する。

いくつかの実施形態では、フィルタ部材２１は交換可能なフィルタカートリッジであることが望ましい場合がある。これらのフィルタカートリッジは、典型的には、ハウジングと、少なくとも１つのタイプの濾過媒体とを備えるが、多くの場合、濾過媒体は複数のタイプである。これらの実施形態では、フィルタ入口２１ａ及びフィルタ出口２１ｂはフィルタカートリッジハウジングの一部分である。いくつかの実施形態では、フィルタカートリッジは湾曲形である（図２に図示）。フィルタカートリッジの湾曲部は、ヘルメット全体が人の頭の上によりよくフィットするための助けとなり得る。加えて、現在生産されている多くの湾曲形フィルタカートリッジを修正せずにＰＡＰＲ １００に使用できる可能性がある。湾曲形のフィルタカートリッジが使用されるとき、それらは典型的には、フィルタカートリッジの凸面が第１の、すなわち汚染空気の、プレナムチャンバ１５と流体連通するように配向される。理論による束縛は望まないが、この形態は汚染空気と流体接触するフィルタ表面積を最大にすると考えられる。交換可能なフィルタカートリッジの使用は、カートリッジを新しいフィルタカートリッジと迅速且つ容易に交換することを可能にし得る。

第２のプレナムチャンバ２２はフィルタ部材２１と流体連通し、且つ送風機アセンブリ２５とも流体連通する。第２のプレナムチャンバ２２は、濾過空気とフィルタ部材２１との接触面積を最大にするように設計される。第２のプレナムチャンバ２２は、多様な異なる形を有することができるが、いくつかの実施形態では、第２のプレナムチャンバ２２は、入口送風機アセンブリ２５と流体連通するダクト２３の近くでより幅広状にテーパー化された形態を備える。

送風機アセンブリ２５はダクト２３を介してプレナムチャンバ２２と流体連通する。濾過空気は入口（図示せず）を介して送風機アセンブリに入り、濾過空気出口３０を介して送風機アセンブリ２５を出る。送風機アセンブリは、典型的には、送風機ファン及びモーターをも備える。送風機モーターは、ＰＡＰＲを通して空気を流す送風機ファンを駆動する。通常、送風機モーターは、直流モーターである。典型的には、送風機モーターの電源は、充電式又は非充電式の電池を備える。本開示のいくつかの実施形態での使用に好適なラジアルブロワの一例は、例えば、同時係属出願の特許である代理人整理番号第６６１７２ＵＳ００２号に記述されており、同出願は参照により本明細書に組み込まれる。

濾過空気は濾過空気出口３０を介して送風機アセンブリ２５を出る。濾過空気出口３０は濾過空気通路３５を介して顔面遮蔽体アセンブリ４０と流体連通する。濾過空気通路３５は、１つ又は複数のチャネル、ダクト又は、ヘルメットの内部に通じる単純な開口部であってもよい。

ＰＡＰＲの作製方法もまた開示される。いくつかの実施形態では、この方法は、ヘルメットを提供することと、ヘルメットの内部に濾過アセンブリを取り付けてＰＡＰＲを形成することと、を含む。濾過アセンブリは、ＰＡＰＲを形成するためにヘルメットに取り付けることが可能な内蔵型ユニットであってもよく、又は、ヘルメットが濾過アセンブリの一部である構造物を含有して、ヘルメットと濾過アセンブリとを複合レスピレータアセンブリにしてもよい。例えば、上述のように、濾過空気通路３５は内蔵型濾過アセンブリに取り付けられたダクトであってもよく、ヘルメット内に組み込まれたチャネル又は複数のチャネルであってもよい。濾過空気通路３５はまた単純に、ヘルメットの内面とユーザーの頭との間のヘルメット内の空間であってもよい。同様に、２つのプレナムチャンバ１５及び２２を内蔵型濾過アセンブリに含めてもよく、プレナムチャンバの１つ又は両方をヘルメット構造体内に組み込んでもよい。

Claims (5)

1. 動力付き空気レスピレータであって、
   ヘルメット及び、前記ヘルメット内の濾過アセンブリと、前記ヘルメットの正面に配置され、濾過空気通路によって前記濾過アセンブリと流体連通するように構成された顔面遮蔽体アセンブリと、を備え、前記濾過アセンブリは、
   濾過空気出口及び入口を含む送風機アセンブリにおいて、
   前記濾過空気出口が前記濾過空気通路と流体連通する、送風機アセンブリと、
   前記送風機アセンブリの入口と流体連通する、濾過空気プレナムチャンバと、
   前記濾過空気プレナムチャンバと隣接し流体連通する、フィルタ部材と、
   前記フィルタ部材と隣接するとともに流体連通し、汚染空気入口と流体連通する、汚染空気プレナムチャンバと、を備え、
   前記フィルタ部材が、取り外し可能なフィルタカートリッジを含み、
   前記取り外し可能なフィルタカートリッジが湾曲形であり、
   前記湾曲形のフィルタカートリッジが、凹面及び凸面を有し、前記凹面が、前記濾過空気プレナムチャンバと流体連通し、前記凸面が、前記汚染空気プレナムチャンバと流体連通する、動力付き空気レスピレータ。
2. 前記濾過空気プレナムチャンバが、前記送風機アセンブリの空気取り込みポートの近くでより幅広状にテーパー化された形態を備える、請求項１に記載の動力付き空気レスピレータ。
3. 前記汚染空気プレナムチャンバが、前記汚染空気入口の近くでより幅広状にテーパー化された形態を備える、請求項１に記載の動力付き空気レスピレータ。
4. 前記濾過空気プレナムチャンバが、前記送風機アセンブリの空気取り込みポートの近くでより幅広状にテーパー化された形態を備え、前記汚染空気プレナムチャンバが前記汚染空気入口の近くでより幅広状にテーパー化された形態を備える、請求項１に記載の動力付き空気レスピレータ。
5. 前記ヘルメットが内面を含み、前記ヘルメットの前記内面の部分が、前記濾過空気プレナムチャンバ及び汚染空気プレナムチャンバの一部を形成する、請求項１に記載の動力付き空気レスピレータ。

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