JP5849734B2 - 連続遠心分離機 - Google Patents

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Description

本発明は、試料を連続的に流して液体試料中の粒子をロータ内で遠心分離する連続遠心分離機に関し、特に、フェイスシール冷却水ラインの滅菌機能を設けた連続遠心分離機に関する。
連続遠心分離機は、通常の重力場では沈降しない又は沈降しにくい粒子を分離するために広く用いられ、例えば、薬品やワクチンなどの分離精製する設備として広く使用される。連続遠心分離機は、高速回転するロータと、高速回転するロータの回転軸に当接するシール部材を有する。この部材をフェイスシールと称し、フェイスシールはスプリングにより定圧でロータの回転軸先端に接触するように保持される。ロータの回転軸の軸方向中心には、試料をロータの内部に入れるため又は取り出すための貫通穴があって、フェイスシール側にも貫通穴に対応する位置に試料の流路たる穴が形成される。フェイスシールは、高速回転する回転軸との摩擦により発熱するので、これを冷却するために回転軸とフェイスシールの接触部分周囲を冷却水で満たすと共に冷却水を循環させる。この冷却水はロータに供給又は排出される試料ラインと近接して配置されることにより、冷却水がフェイスシールとロータの回転軸との接合部分から試料ライン内に混入しないようにすることが重要である。さらに、万一の混入の際に試料ラインに流れる液体に悪影響を与えにくいように、冷却水は滅菌された純水であることが好ましい。このため特許文献1の発明によれば、遠心分離対象となる試料が通過する試料ラインだけでなく、フェイスシール冷却水循環ラインまで無菌化するための蒸気滅菌システムが開示されている。
特開2006−21121号公報
遠心分離すべき試料が例えばインフルエンザウイルスや日本脳炎ウイルス等である場合、これが他のウイルスや菌、或は不純物等の混入によって汚染されないように、その取り扱いには細心の注意が払われなければならない。特許文献1で言及しているように、試料が通過する試料ラインとフェイスシール冷却水ラインの無菌化は重要な技術である。しかしながら特許文献1で開示される蒸気滅菌システムは、大掛かりで高価なシステムとなってしまい、連続遠心分離機の製造コストを上昇させる要因となっていた。そのため、フェイスシール冷却水ラインに特化した安価な滅菌機能の実現が要望されていた。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、フェイスシール冷却水ラインの滅菌機能を有する連続遠心分離機を提供することにある。
本発明の他の目的は、フェイスシール冷却水を加熱した温水又は熱水を用いてフェイスシール冷却水ラインを効果的に滅菌することができる連続遠心分離機を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、滅菌用に利用した温水又は熱水を取り出さずに冷却してフェイスシール冷却水として使用するようにした連続遠心分離機を提供することにある。
本願において開示される発明のうち代表的なものの特徴を説明すれば次の通りである。
本発明の一つの特徴によれば、試料を分離するための円筒状のロータと、ロータを回転させる駆動部と、ロータの軸方向上下に連結され内部に貫通穴を有する2本の回転軸と、回転軸の貫通穴と連通する貫通穴を有し回転軸に当接するようにスプリングにより付勢されるフェイスシールと、フェイスシールおよび回転軸の連通した貫通穴からロータに試料を連続的に供給および排出する試料供給手段と、フェイスシールを冷却するための冷却水を循環させる冷却水ラインを設けた連続遠心分離機において、冷却水ラインに温水を流す滅菌モードを設けた。そのため冷却水ラインの冷却水を循環させる循環ポンプを設け、滅菌モード時の冷却水ラインの流量が通常の遠心分離運転時の冷却水ラインの流量よりもくなるように設定した。
本発明の他の特徴によれば、冷却水の加熱手段を設け、冷却水を加熱することによって滅菌用の温水を作るようにした。滅菌モードの運転後の温水を冷まして遠心分離運転時の冷却水として用いる。冷却水ラインの水を冷やすための冷却手段を設けた。冷却水ラインの流量は管理者IDでログインした場合のみ変更可能として、管理者のみ調整可能とするユーザーロック機能を実現した。
本発明の他の特徴によれば、フェイスシール用の冷却水ラインを有し、冷却水ラインに流す水を加熱するヒーターを設け、ヒーターによって水を第1の温度以上に加熱し、加熱した水で冷却ラインを滅菌し、滅菌後の水を冷却水ライン内において冷まして第1の温度よりも大幅に低い第2の温度以下に低下させ、第2の温度以下の水を用いて連続遠心分離運転時の冷却水ラインによる冷却を行うようにした。加熱した水の冷却水ラインにおける循環速度は、冷ました水の循環速度よりもくする。
請求項1の発明によれば、フェイスシール冷却水ラインに温水を流す滅菌モードを備えたので、温水を用いて冷却水ラインの滅菌を行うことができる。また、連続遠心分離機に冷却水の加熱手段を設け、冷却水を加熱することによって滅菌用の温水を作るので、冷却水と別に温水を準備する必要がないので滅菌作業が容易にした連続遠心分離機を提供できる。
請求項2の発明によれば、冷却水ラインの流量を可変にし、滅菌モードのときは通常の遠心分離運転モードのときよりも循環水の流量を速くするので、通常の運転モードよりも効率良く積極的にラインの滅菌を行なうことができる。
請求項の発明によれば、滅菌モードの運転後の温水を冷まして遠心分離運転時の冷却水として用いるので、滅菌モードを実行した後に冷却水の入れ替え作業を行う必要がない。また、滅菌モード実行後に冷却水を入れ替えないため、冷却水ラインに雑菌が混入してしまう恐れも防止できる。
請求項の発明によれば、冷却水ラインの水を冷やすための冷却手段を設けたので、滅菌モード実行後に、短い時間内に通常の遠心分離運転を実行することができ、滅菌モード実行のための作業遅延を抑えることができる。
請求項の発明によれば、冷却水ラインの流量は管理者IDでログインした場合のみ変更可能としたので、管理者以外のユーザーが誤って冷却水ラインの流量を変更してしまうトラブルを防止できる。
請求項の発明によれば、冷却水ラインを滅菌した温水を冷やして冷却水に利用する連続遠心分離機としたので、冷却水ラインの滅菌作業と通常の遠心分離運転を時系列に連続して実行できるので、信頼性が高くて使い易い連続遠心分離機を実現できる。
請求項の発明によれば、加熱した水の冷却水ラインにおける循環速度は、冷ました水の循環速度よりもくするので、滅菌モードの実行完了を早めることができ、効率よく滅菌作業を行うことができる。
本発明の上記及び他の目的ならびに新規な特徴は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになるであろう。
本発明の実施例に係る連続遠心分離機1の全体構成を示す斜視図である。 図1の遠心分離部100の部分断面図である。 図2の下側回転支持部105の拡大断面図である。 連続遠心分離機1の冷却水循環ラインを説明するための図である。 本発明の実施例に係る連続遠心分離機1の滅菌運転モードの制御手順を示すフローチャートである。 図5のステップ309における冷却ラインを強制冷却する詳細制御手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。なお、以下の図において、同一の部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。
図1は、本実施例による連続遠心分離機の全体を示す斜視図である。図1において、本実施例に係る連続遠心分離機1は、遠心分離部100と制御装置部200を含んで構成され、遠心分離部100と制御装置部200の間が配線・配管群50で接続される。遠心分離部100は、遠心室となる円筒状のチャンバ101と、チャンバ101を支持するベース102と、チャンバ101の内部に出し入れ自由に収容されて高速回転するロータ103と、チャンバ101の上部に配置されてロータ103を吊り下げた状態でこれを回転駆動する駆動部104と、チャンバ101の下側に取り付けられ下側軸受部等で構成される下側回転支持部105と、駆動部104を上下および前後方向に移動させるためのリフト106を有する。ベース102は複数のボルト107によって図示せぬ床等に直接固定される。ロータ103の軸方向上下には、内部に貫通穴を有する2本の回転軸たるアッパーシャフト141とロアシャフト151が設けられる。
制御装置部200は、後述する制御部や、チャンバ101内を冷却する冷却装置、フェイスシール冷却水を冷却する冷却手段、その冷却水を循環させる冷却水循環手段等を有する。制御装置部200の上部には、作業者が作業の指示入力をしたり、作業者に様々な情報を表示するための操作パネル205が設けられる。操作パネル205は、各種ボタンや調整ダイヤルと、LED表示器の組み合わせであっても良いし、タッチパネル式の液晶ディスプレイであっても良い。
図2は遠心分離部100の構成の詳細を示す断面図であり、連続遠心分離機1は、液体試料が貯蔵された試料タンク110と、試料タンク110に保有された液体試料を遠心機本体へ注入するための試料供給ポンプ111と、遠心分離後に駆動部104を経由して排出された上澄み液を回収するための試料回収タンク112を有する試料供給手段を有する。さらに、連続遠心分離機1は、チャンバ101と、チャンバ101を保持するベース102と、駆動部104と、下側回転支持部105を有する。ベース102の上部中心付近には、回転支持穴が形成され、下側回転支持部105がベース102に取り付けられるようになっている。
試料タンク110に入れられた液体試料は、試料供給ポンプ111によって下側試料ライン160から下側回転支持部105に供給され、ロアシャフト151に形成された貫通穴を経由してロータ103の内部に導入され、高速回転するロータ103によって遠心分離され、遠心分離によって半径方向の内側に貯まった上澄み液がアッパーシャフト141に形成された貫通穴を経由して駆動部104内を通過し、上側試料ライン140を通って試料回収タンク112へと回収される。試料供給ポンプ111は、図示しない信号線により制御装置部200に接続され、制御装置部200内の制御部(後述)によりその供給が制御される。このように遠心分離される試料を流す試料ラインは、試料タンク110、下側試料ライン160、下側回転支持部105、ロータ103、上側試料ライン140、試料回収タンク112などによって構成される。
ロータ103は、円筒形のロータボディ131と、ロータボディ131の上下にねじ込み式で取り付けられる上下のロータカバー132a、132bを有する。ここで、上下のロータカバー132a、132bの軸中心には、軸方向に延びる試料通過用の貫通穴がそれぞれ形成される。ロータカバー132aは駆動部104のアッパーシャフト141が取り付けられる構造であり、ロータカバー132bは下側回転支持部105のロアシャフト151が取り付けられる構造である。駆動部104に含まれる図示しないモータの回転によってアッパーシャフト141が高速にて回転駆動され、アッパーシャフト141に取り付けられるロータ103が、ロータ103に取り付けられるロアシャフト151と共に高速回転する。
アッパーシャフト141とロアシャフト151の試料通過用の貫通穴は、ロータカバー132a、132bに形成された試料通過穴に連通する。アッパーシャフト141とロアシャフト151のロータとは反対の端部は、それぞれ上側フェイスシール142と下側フェイスシール152と接触する。
次に、図3を用いて下側回転支持部105の冷却構造を説明する。尚、上側フェイスシール142の冷却構造については、下側フェイスシール152の冷却構造と上下が逆になるだけで、基本的に同じ構造なので説明を省略する。
下側試料ライン160においては、試料供給ポンプ111により下側から上側に、即ち点線矢印160aから、点線矢印160bで示す方向に試料が供給される。冷却水ライン170は、左下から実線矢印170a、170bの方向に流入し、下側試料ライン160と略平行して上側に流れ、冷却水室155に流入する。冷却水室155の中央、下側には、下側フェイスシール152が設けられる。下側フェイスシール152は、スプリング154のバネ圧によって常に一定の圧力で上方向に付勢されるシールホルダ153によって保持される。この構造により下側フェイスシール152はロアシャフト151の先端に常に一定の圧力で当接される。ロアシャフト151の下側先端の下側フェイスシール152との当接面は球面状であって、下側フェイスシール152はロアシャフト151の先端形状に対応する凹状の球面状である。図3から理解できるように、下側フェイスシール152の上部と、ロアシャフト151の先端部は冷却水室155の内部に位置するように配置され、発熱の起こる下側フェイスシール152とロアシャフト151の先端部の接触面が冷却水室155の内部に位置する。
連続遠心分離機1の運転中は、ロータ103が高速で回転し、ロータ103に取り付けられたロアシャフト151も同様に高速回転する。一方ロアシャフト151に当接する下側フェイスシール152は回転しないので、ロアシャフト151と下側フェイスシール152の当接面は摩擦によって高温になる。本実施例では、下側フェイスシール152とロアシャフト151の接触面からの摩擦熱が、周囲に存在するフェイスシール用の冷却水によって効果的に奪われることにより、ロアシャフト151と下側フェイスシール152の温度上昇が抑制される。
ロアシャフト151と下側フェイスシール152の当接面を通して通過する遠心分離用のサンプル(試料)は、例えば4℃程度に冷却されている場合が殆どであり、必要以上に分離サンプルが高温になることを避けなければならない。さらに、ロアシャフト151と下側フェイスシール152の寿命を長く持たせることも重要な課題である。これらの課題をクリアするために連続遠心分離機1は2つのフェイスシール(下側フェイスシール152と、図示しない上側フェイスシール142)を冷却水によって冷却する冷却水ライン170を持ち、下側回転支持部105においてはロアシャフト151と下側フェイスシール152の当接部分を冷却水で満たした冷却水室155内に配置することにより強力に冷却するようにしている。矢印170cの方向に流れて冷却水室155を出た冷却水は、冷却水ライン170から矢印170d、170eの方向に流出する。
図3に示すように、ロアシャフト151と下側フェイスシール152はスプリング154のバネ圧によって当接されてシールされる構造であり、遠心分離対象のサンプルが流れる試料ライン(下側試料ライン160等)と冷却水ライン170は極めて近い位置にあるが、これらの液体が混入しないように構成することが重要である。また、万一微量でも混入した場合にお互い影響を及ぼさないようにすることが重要である。本実施例では冷却水ライン170を積極的に滅菌する機能を備えた信頼性の高い連続遠心分離機1を提供するようにした。
図4は連続遠心分離機1の冷却水の循環ラインを説明するための図である。図4に示すように、フェイスシール部を冷却するための冷却水は冷却水容器171に貯蔵される。冷却水容器171には図示しない蓋が設けられ、作業者は蓋を開けてから冷却水容器171内に水を入れて再び蓋を閉じて密封する。ここで用いられるのは純水とするのが好ましい。冷却水容器171には図示していないヒーターが取り付けられており、冷却水容器171の下側にはヒーターの温度コントロールを行なう冷却水温調機172が設置され、冷却水を所定の温度(第1の温度)にまで加熱して温水を作り出すことができる。尚、本明細書で「温水」とは第1の温度以上の高温の水を指し、60〜80℃程度の温水だけでなく、それ以上の水、例えば95℃程度のお湯や沸騰水等も温水の定義に含むものとして説明する。第1の温度は滅菌効果を有する温度であれば良く、例えば連続遠心分離機の動作温度上限の1.5倍以上又は60℃以上である。
制御装置部200に設置された冷却水循環ポンプ173は、冷却水容器171に貯蔵された冷却水を冷却水ライン170の遠心分離部100側へと循環させる。冷却水ライン170はその流れる方向を図中の矢印にて示すように、冷却水循環ポンプ173から駆動部104に流して上側フェイスシール142を冷却し、上側フェイスシール142部から排出された冷却水が下側フェイスシール152を冷却するように配管される。さらに、下側フェイスシール152部から排出された冷却水は、冷却水容器171へと戻るように配管される。
冷却水循環ポンプ173は、冷却水循環ポンプコントローラ174によって制御される。冷却水循環ポンプコントローラ174は制御部201と制御ケーブル203で接続され、制御部201からの指示によって冷却水循環ポンプ173の起動・停止の制御を行う。また、冷却水ライン170の遠心分離部100から冷却水容器171に戻る直前には温度センサ175を設置し、冷却水ライン170の温度を測定できるようにしてあり、測定された温度は操作パネル205に表示される。尚、通常の遠心分離運転の際には、冷却水ラインの水は所定の温度(第2の温度、但し第2の温度<第1の温度)以下に冷却する必要があり、制御装置部200の内部には図示しない冷却装置が設けられる。
通常の遠心分離運転モードのときは、ロータ103の回転中はアッパーシャフト141およびロアシャフト151は僅かに「振れ」が発生するため、冷却水ライン170の流量を上げること即ち冷却水ライン170の圧力を高くすると試料ラインに冷却水が漏れやすくなるという現象が起こりうるため、冷却水ライン170の流量を適正水量、例えば数百ml/分となるように設定する。
一方、冷却水ライン170を滅菌する滅菌運転モードのときは、ロータ103を回転させる必要がないのでロータ103は停止したままであり、ロアシャフト151と下側フェイスシール152との密着状態は良好であり、冷却水が冷却水室155から試料ライン側に漏れる心配は無い。この漏れる心配がないことは、アッパーシャフト141(図2参照)と上側フェイスシール142(図2参照)との接続部分においても同様である。よって運転中に比べて冷却水ライン170の流量(圧力)を上げたとしてもまず支障はでないため、本実施例では効率的に滅菌を行なうために、滅菌モードのときは遠心分離運転モードのときに比べて冷却水の流量を上げるように制御するようにした。
一般的に冷却水ライン170の滅菌を行なう場合は、冷却水容器171に滅菌液を入れておき冷却水循環ポンプ173によって循環を行なう方法が考えられる。この場合も、冷却水ライン170の流量を速くすることでより効率的に滅菌を行なうことができる。ただし、このやり方は確実に滅菌ができるという長所を有する半面、滅菌モードのときは冷却水ライン170に滅菌液を流して、遠心分離運転モードのときは冷却水を使用する必要がある。そのため、滅菌液と冷却水をその都度入れ替える必要があり効率的であるとは言い難い。また、滅菌液を冷却水ライン170から完全に取り除く必要があり、その作業が煩わしい上、洗浄水を多く必要とする。
そこで本実施例では冷却水ライン170に連続的に温水を流して滅菌する方法を採用した。本実施例では冷却水容器171にヒーターを備え、遠心分離運転モードのときに使用する冷却水自体を加熱することにより滅菌のための温水を作るようにした。この方法によれば、滅菌運転モード後に通常の遠心分離運転モードを実行する際、冷却水ライン170に貯蔵された水を入れ替える必要が無いため効率的である。
冷却水ライン170の滅菌を行なう場合は、冷却水容器171に貯蔵された冷却水をヒーターによって加熱する。加熱された冷却水は、冷却水ライン170を循環する間に徐々に熱を奪われ、冷却水容器171に戻ってくる。そのため、冷却水ライン170の流量をできるだけ速くしたほうが温度の低下を避けることができる。また、流量を速くすることでヒーターの熱容量を小さくすることができるという利点もある。
冷却水ライン170において、最も温度が低くなるのは冷却水容器171に戻る直前であるので、本実施例ではその箇所の温度を温度センサ175で監視するように構成した。もちろんその他の箇所に温度センサを設けて細かく温度状況を監視するようにしても良く、循環させる水の温度監視の方法は任意である。冷却水ラインの滅菌の成否は、温度センサ175で測定された温度と時間によって決まり、例えば温度センサ175の温度が70℃以上の状態を1時間以上保持すれば冷却水ライン170全体が滅菌されたと判断できる。尚、滅菌の条件である温度と時間は任意であって良く、遠心分離部100の特性や、試料ラインに流す試料に応じて最適に設定すればよい。
次に図5のフローチャートを用いて連続遠心分離機1の滅菌運転モードの制御手順を説明する。フローチャートに示す手順は制御部201に含まれるマイコンにおいてコンピュータプログラムを実行することによりソフトウェアを用いて制御できる。連続遠心分離機1を運転する前の準備として、通常作業の場合は試料タンク110に試料をいれ、冷却水容器171に冷却水(例えば純水)を入れ、チャンバ101内に洗浄済みのロータ103をセットする。その後遠心分離機の運転をスタートするが、制御部201は、最初に管理者によるLoginが成されたか否かを判断する(ステップ301)。本実施例では滅菌運転モードは管理者だけが実行できるように構成したので、管理者によるLoginでない場合は、冷却水循環ポンプ173のスピードをLow(低)に設定して(ステップ312)、通常の遠心分離運転の制御に移行し、ロータ103に試料を連続的に供給および排出しながら遠心分離運転を行う(ステップ313)。尚、ここでいう「連続的に」とは、試料を絶え間なく供給するという意味でなく、ロータ103の回転中に試料の出し入れができる状態であれば、断続的な供給及び排出であっても良い。ここで管理者だけが本実施例の滅菌運転モードを実行できるようにしたのは、運転管理上の要請からであるので、ステップ301を省いて管理者ログインの有無に関わりなく滅菌運転モードを実行できるように構成しても良い。ステップ313の遠心分離運転が終了すると本フローチャートに示す処理が終了する。尚、ステップ313の遠心分離運転の手順は、公知の連続遠心分離機と同様であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
ステップ301で管理者によるLoginの場合は、次に冷却水ライン170を温水で滅菌するかどうか、即ち、滅菌運転モードを実施するかどうかを判定する(ステップ302)。遠心分離運転モードなのか冷却水ライン170の滅菌モードなのかは、操作パネル205からの操作によって管理者によって指示される。温水滅菌モードが選択されない場合はステップ312に移行して通常の遠心分離運転の制御が行われる。ステップ302にて温水滅菌の実施が選択された場合は、制御部201は冷却水循環ポンプ173の設定スピードをHigh(高)に設定して、冷却水温調機172に含まれるヒーターをONにして冷却水の加熱を開始し、冷却水循環ポンプ173をONにする。この結果、冷却水ライン170に水が循環し始めるが、この際の温度センサ175の出力により冷却水の温度が設定温度以上か否かを検出する(ステップ305)。本実施例の設定温度は70〜95℃以上の範囲であって管理者によって設定される温度、又は、あらかじめ制御部201に設定されている温度値である。制御部201は、ステップ305に設定温度に到達していない場合は、到達するまで待機し、設定温度に到達した場合は、冷却水ライン170の滅菌のための設定時間(設定温度到達後の指定時間)が経過したかどうかを判定する(ステップ306)。ステップ306で設定時間が経過していないときはステップ305に戻り、設定時間分の滅菌を完了させる。尚、ステップ306の設定時間は、例えば10分から1時間程度であるが、この時間だけに限られずに管理者が任意に設定温度と設定時間を設定できる。
ステップ306で設定時間分の滅菌が完了したら、冷却水温調機172に含まれるヒーターをOFFにする(ステップ307)。次に、制御部201は滅菌モード完了後の強制冷却モードがONになっているか否かを判断する。強制冷却モードがONの場合は、制御装置部200に含まれる図示しない冷却装置によってステップ309の強制冷却が行われる。強制冷却の具体的な手順は後述する。ステップ309の強制冷却が完了した場合、又はステップ308で強制冷却が選択されていない場合は、制御部201は温度センサ175を用いて冷却水の温度が冷えたかどうかを検出し所定の温度(第2の温度)、例えば20℃以下になるまで待機する(ステップ310)。ステップ310で所定の温度以下に冷えた場合は、冷却水循環ポンプ173の電源をオフにして(ステップ311)、ステップ312に進む。
次に図6を用いてステップ309における冷却水の強制冷却運転の詳細手順を説明する。まず、強制冷却をする場合は冷却水循環ポンプ173を停止する(ステップ401)。次に、制御装置部200に内蔵された図示していない冷却水容器171冷却用冷凍機をONする(ステップ402)。次に冷却水容器171内の冷却水タンクの水が冷えるまで待機する(ステップ403)。水が十分冷えたら、例えば20℃以下になったら再び冷却水循環ポンプ173をオンにする(ステップ404)。この状態で制御部201は温度センサ175の出力から冷却水ライン170の戻りラインの温度が十分冷えて、例えば20℃以下になるまで待機する(ステップ405)。ステップ405にて戻りラインの温度が20℃以下まで冷えたら、冷凍機をOFFにして(ステップ406)、冷却水循環ポンプ173を停止し(ステップ403)、図5のステップ309に戻る。このように図6の手順では冷却水が所定の温度まで冷えるまで、一端冷却水循環ポンプ173をOFFにして、冷却水が冷えてから再度冷却水循環ポンプ173をONするように制御した
以上説明したように、本実施例では通常の遠心分離運転モードと、冷却ラインの滅菌モードの2つを設け、特にこれらのモードにおいて冷却水ライン170の流量を異なるように設定したので、冷却水の循環目的にあわせて最適な流量の設定を自動的に行うことが可能となる。また、冷却水循環ポンプコントローラ174は上位からの指示によって運転モードなのか滅菌モードなのかを判断して自動的に流量を制御するので、動作モードに応じて最適な温度、最適な流量を設定することができる。
以上、本発明を実施例に基づいて説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、冷却水ライン170の流量を操作パネル205から事前に入力できるようにしておき、この流量は管理者のみが設定変更できるようにパスワード機能を設けても良い。この設定変更された流量を用いて、図5のステップ303とステップ312の流量が設定される。また、冷却水循環ポンプの速度の切り替えは、自動ではなく、手動で切り替えるように構成しても良い。この場合は図5のステップ302で「YES」が選択された場合、操作パネルに冷却水循環ポンプ173の速度を切り替えを行うか選択する画面を表示させるようにすると良い。さらに、冷却水循環ポンプ173の速度を操作パネル205から入力することができるようにしても良い。この入力の仕方は任意であるが、例えば、操作パネルに「低速」、「中速」、「高速」と表示して選択させるように構成しても良いし、流量の数値を入力手段から直接入力するように構成しても良い。
1 連続遠心分離機 50 配管群、
100 遠心分離部 101 チャンバ
102 ベース 103 ロータ
104 駆動部 105 下側回転支持部
106 リフト 107 ボルト
110 試料タンク 111 試料供給ポンプ
112 試料回収タンク 131 ロータボディ
132a、132b ロータカバー 140 上側試料ライン
141 アッパーシャフト 142 上側フェイスシール
151 ロアシャフト 152 下側フェイスシール
153 シールホルダ 154 スプリング
155 冷却水室 160 下側試料ライン
170 冷却水ライン 171 冷却水容器
172 冷却水温調機 173 冷却水循環ポンプ
174 冷却水循環ポンプコントローラ 175 温度センサ
200 制御装置部 201 制御部
202 通信ケーブル 203 制御ケーブル
205 操作パネル

Claims (7)

  1. 試料を分離するための円筒状のロータと、
    前記ロータを回転させる駆動部と、
    前記ロータの軸方向上下に連結され内部に貫通穴を有する2本の回転軸と、
    前記回転軸の貫通穴と連通する貫通穴を有し回転軸に当接するようにスプリングにより付勢されるフェイスシールと、
    前記フェイスシールおよび前記回転軸の連通した貫通穴から前記ロータに試料を連続的に供給および排出する試料供給手段と、
    前記フェイスシールを冷却するための冷却水を循環させる冷却水ラインを設けた連続遠心分離機において、
    前記冷却水の加熱手段を設け、
    前記加熱手段によって加熱された温水を前記冷却水ラインに流す滅菌モードを設けたことを特徴とする連続遠心分離機。
  2. 前記冷却水ラインの冷却水を循環させる循環ポンプを設け、
    前記滅菌モード時の前記冷却水ラインの流量、通常の遠心分離運転時の前記冷却水ラインの流量よりもくしたことを特徴とする請求項1に記載の連続遠心分離機。
  3. 前記滅菌モードの運転後の温水を冷まして遠心分離運転時の前記冷却水として用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の連続遠心分離機。
  4. 前記冷却水ラインの水を冷やすための冷却手段を設けたことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の連続遠心分離機。
  5. 前記連続遠心分離機は前記冷却水ラインの流量を制御するための制御部を有し、
    前記制御部は、管理者IDでログインした場合のみ前記流量の変更を許可することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の連続遠心分離機。
  6. 試料を分離するための円筒状のロータと、
    前記ロータを回転させる駆動部と、
    前記ロータの軸方向上下に連結され内部に貫通穴を有する2本の回転軸と、
    前記回転軸の貫通穴と連通する貫通穴を有し回転軸に当接するようにスプリングにより付勢されるフェイスシールと、
    前記フェイスシールおよび前記回転軸の連通した貫通穴から前記ロータに試料を連続的に供給および排出する試料供給手段と、
    前記フェイスシールを冷却するための冷却水を循環させる冷却水ラインを設けた連続遠心分離機において、
    前記冷却水ラインに流す水を加熱するヒーターを設け、
    前記ヒーターによって前記水を第1の温度以上に加熱し、
    加熱した前記水で前記冷却ラインを滅菌し、
    滅菌後の前記水を前記冷却水ライン内において冷まして、第1の温度よりも低い第2の温度以下に低下させ、
    第2の温度以下の前記水を用いて連続遠心分離運転時の前記冷却水ラインによる冷却を行うことを特徴とする連続遠心分離機。
  7. 前記加熱した水の前記冷却水ラインにおける循環速度は、前記冷ました水の循環速度よりもくすることを特徴とする請求項に記載の連続遠心分離機。
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