JP5840961B2 - High pressure fluid tank and manufacturing method thereof - Google Patents
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Description
この発明は、フィラメント・ワインディング法によって製造される高圧流体タンクに関する。 The present invention relates to a high-pressure fluid tank manufactured by a filament winding method.
高圧流体タンクの製造方法としては、フィラメント・ワインディング法(以下、「FW法」とも呼ぶ)が知られている。FW法では、ライナーとも呼ばれるタンク容器の外周に、予め熱硬化性樹脂を含浸させた強化繊維を幾重にも巻き付け、熱硬化性樹脂を熱硬化させることにより、高強度の繊維強化樹脂層を、ライナーの表層に形成する(下記特許文献1等)。FW法によって製造された高圧流体タンクでは、この繊維強化樹脂層によって、高圧流体に対する耐久性が確保される。しかし、この高圧流体タンクの耐久性については、より一層の向上が要求されている。 As a method for producing a high-pressure fluid tank, a filament winding method (hereinafter also referred to as “FW method”) is known. In the FW method, a high-strength fiber-reinforced resin layer is formed by winding a plurality of reinforcing fibers impregnated with a thermosetting resin in advance around the outer periphery of a tank container, also called a liner, and thermosetting the thermosetting resin. It forms in the surface layer of a liner (the following patent documents 1 grade). In the high-pressure fluid tank manufactured by the FW method, durability against the high-pressure fluid is ensured by this fiber reinforced resin layer. However, the durability of the high-pressure fluid tank is required to be further improved.
本発明は、高圧流体タンクの耐久性を向上させる技術を提供することを目的とする。 An object of this invention is to provide the technique which improves the durability of a high pressure fluid tank.
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。本発明の一形態は、強化繊維と、熱硬化して前記強化繊維同士を結着する熱硬化性樹脂とを有する繊維強化樹脂層によって、ライナーの外表面が被覆された高圧流体タンクであって、前記繊維強化樹脂層における前記ライナーの外表面から前記繊維強化樹脂層の厚みの30%以下の領域に存在する前記強化繊維の巻方向に沿った空隙の最大幅は、前記強化繊維における繊維の平均直径の100倍以下である、高圧流体タンクとして提供される。 SUMMARY An advantage of some aspects of the invention is to solve at least a part of the problems described above, and the invention can be implemented as the following forms or application examples. One aspect of the present invention is a high-pressure fluid tank in which an outer surface of a liner is covered with a fiber reinforced resin layer having a reinforced fiber and a thermosetting resin that thermosets and binds the reinforced fibers. The maximum width of the void along the winding direction of the reinforcing fiber present in the region of 30% or less of the thickness of the fiber reinforced resin layer from the outer surface of the liner in the fiber reinforced resin layer is the fiber width in the reinforcing fiber. It is provided as a high-pressure fluid tank having a mean diameter of 100 times or less.
[適用例1]
強化繊維と、熱硬化して前記強化繊維同士を結着する熱硬化性樹脂とを有する繊維強化樹脂層によって、ライナーの外表面が被覆された高圧流体タンクであって、
前記繊維強化樹脂層は、前記ライナーの外表面から前記繊維強化樹脂層の厚みの30%以下の領域に、最大幅が前記強化繊維における繊維の平均直径の100倍以下である、前記強化繊維の巻方向に沿った空隙を有する、高圧流体タンク。
この高圧流体タンクによれば、繊維強化樹脂層に、高圧ガスタンクの耐久性を低下させるような空隙が存在しないため、高圧流体タンクの耐久性が向上する。
[Application Example 1]
A high-pressure fluid tank in which the outer surface of the liner is coated with a fiber reinforced resin layer having a reinforced fiber and a thermosetting resin that thermosets and binds the reinforced fibers;
The fiber reinforced resin layer has a maximum width in an area of 30% or less of the thickness of the fiber reinforced resin layer from the outer surface of the liner, the maximum width of which is 100 times or less the average diameter of the fibers in the reinforced fiber. A high-pressure fluid tank having a gap along the winding direction.
According to this high-pressure fluid tank, since there is no void in the fiber reinforced resin layer that reduces the durability of the high-pressure gas tank, the durability of the high-pressure fluid tank is improved.
[適用例2]
適用例1記載の高圧流体タンクを製造する方法であって、前記熱硬化性樹脂が含浸された強化繊維が外表面に巻き付けられた前記ライナーを、誘導加熱によって、加熱温度を周期的に増減させつつ加熱することにより、前記熱硬化性樹脂を熱硬化させて前記繊維強化樹脂層を形成する、製造方法。
この製造方法であれば、高圧ガスタンクの耐久性を低下させるような空隙が繊維強化樹脂層中に生じてしまわないように、強化繊維で形成された繊維層の内部における局所的な過昇温の発生を抑制しつつ、誘導加熱による熱硬化処理を実行することができる。
[Application Example 2]
A method for producing a high-pressure fluid tank according to Application Example 1, wherein the liner in which the reinforcing fiber impregnated with the thermosetting resin is wound around an outer surface is periodically increased or decreased by induction heating. The manufacturing method of forming the fiber reinforced resin layer by thermosetting the thermosetting resin by heating while heating.
With this manufacturing method, local overheating in the fiber layer formed of the reinforcing fibers is prevented so that voids that reduce the durability of the high-pressure gas tank are not generated in the fiber-reinforced resin layer. While suppressing the generation, a thermosetting process by induction heating can be performed.
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、高圧流体タンクの製造方法および製造装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。また、本発明は、前記の製造方法および製造装置によって製造された高圧流体タンク、その高圧流体タンクを備えた燃料電池システム、その高圧流体タンクを搭載した車両等の形態で実現することができる。 The present invention can be realized in various forms. For example, a high-pressure fluid tank manufacturing method and manufacturing apparatus, a computer program for realizing the function of the method or apparatus, and the computer program are recorded. It can be realized in the form of a recording medium or the like. The present invention can be realized in the form of a high-pressure fluid tank manufactured by the above-described manufacturing method and manufacturing apparatus, a fuel cell system including the high-pressure fluid tank, a vehicle equipped with the high-pressure fluid tank, and the like.
A.実施例:
図1(A),(B)は本発明の一実施例としての高圧ガスタンクの構成を示す概略図である。図1(A)は、高圧ガスタンク10を、中心軸CXを通る切断面で切断したときの概略断面図であり、図1(B)は、図1(A)に示すB−B切断における高圧ガスタンク10の概略断面である。この高圧ガスタンク10は、水素などの高圧ガスを貯蔵し、燃料電池車両などに搭載される。
A. Example:
1A and 1B are schematic views showing the configuration of a high-pressure gas tank as an embodiment of the present invention. FIG. 1A is a schematic cross-sectional view of the high-
高圧ガスタンク10は、本体胴部を構成する略円筒状のシリンダー部11と、シリンダー部11の両端の鏡部を構成する略半球状のドーム部12と、を有する(図1(A))。高圧ガスタンク10は、いわゆるFW法によって製造され、樹脂製のタンク容器であるライナー20の外表面に、繊維強化樹脂層21が形成された構成を有する。また、2つのドーム部12の頂部には、高圧ガスを流通させるための配管やバルブなどの部品が取り付けられる口金部13が設けられている。
The high-
図2は、高圧ガスタンク10の製造工程の手順を示すフローチャートである。ステップS10では、ライナー20を準備する。ステップS20では、ライナー20の外表面に、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を予め含浸させた、リボン状(帯状)のカーボン繊維(以下、「強化繊維」と呼ぶ)を準備する。そして、その強化繊維を、いわゆるフープ巻きやヘリカル巻などによって、ライナー20の外表面に幾重にも巻き付け、ライナー20の外表面に繊維層を形成する。
FIG. 2 is a flowchart showing a procedure for manufacturing the high-
なお、繊維層を形成する際には、強化繊維の巻張力は大きいほど好ましく、具体的には、単位面積あたりの巻張力は10MPa以上であることが望ましい。強化繊維の巻張力を大きくすることにより、熱硬化処理中の強化繊維の緩みを抑制でき、後述する空隙の発生を抑制することができる。ステップS30では、繊維層中の熱硬化性樹脂を熱硬化させる熱硬化処理を実行し、繊維強化樹脂層21を形成する。
In addition, when forming a fiber layer, it is so preferable that the winding tension of a reinforced fiber is large, and specifically, it is desirable that the winding tension per unit area is 10 Mpa or more. By increasing the winding tension of the reinforcing fiber, loosening of the reinforcing fiber during the thermosetting treatment can be suppressed, and the generation of voids described later can be suppressed. In step S <b> 30, a thermosetting process for thermosetting the thermosetting resin in the fiber layer is performed to form the fiber reinforced
図3は、ステップS30で用いられる熱硬化処理装置100の構成を示す概略図である。図3には、熱硬化処理装置100に、繊維層21aが形成されたライナー20が取り付けられた状態を図示してある。熱硬化処理装置100は、制御部101と、ライナー取付部110と、誘導加熱部120と、を備える。
FIG. 3 is a schematic diagram showing the configuration of the
制御部101は、主記憶装置と中央処理装置とを備えるマイクロコンピュータによって構成することができ、熱硬化処理装置100の各構成部を制御する。なお、制御部101は、誘導加熱部120を制御して、断続的加熱処理を実行するが、その詳細については後述する。
The
ライナー取付部110は、ライナー20を、その中心軸CXを中心として所定の回転速度で回転可能なように保持する。ライナー取付部110は、第1と第2のシャフト111a,111bと、第1と第2の支持柱112a,112bと、回転駆動部113と、基台部115とを備えている。
The
第1と第2のシャフト111a,111bはそれぞれ、中心軸CXに沿って、各ドーム部12の口金部13に挿入されて、ライナー20と勘合接続される。第2のシャフト111bは、回転駆動部113に接続されている。回転駆動部113は、例えばモータによって構成することができ、制御部101の指令に応じた回転駆動力を発生し、第2のシャフト111bは、その回転駆動力をライナー20に伝達する。
The first and
第1と第2の支持柱112a,112bは、基台部115に固定されている。第1の支持柱112aには、第1のシャフト111aを回転可能に保持する軸受け部が設けられている。第2の支持柱112bは、ライナー20の中心軸CXがほぼ水平となるように、第1と第2のシャフト111a,111bの高さが揃う位置に、回転駆動部113を保持する。
The first and
誘導加熱部120は、コイル導線121と、高周波電源122と、整合盤123とを備える。コイル導線121は、ライナー取付部110に保持されたライナー20の全体を囲むように、中心軸CXが通る仮想平面に平行に巻回されている。また、コイル導線121は、整合盤123に接続されている。高周波電源122は、整合盤123を介して、コイル導線121に高周波電流を供給する。
The
熱硬化処理装置100は、繊維層21aが形成されたライナー20を所定の回転速度で回転させつつ、誘導加熱により、繊維層21aの熱硬化性樹脂を、所定の時間加熱して、熱硬化させる。この誘導加熱による熱硬化処理であれば、繊維層21aの内部を急速に加熱することができ、熱硬化処理の処理時間を短縮することが可能であり、効率的に繊維強化樹脂層21を形成することができる。
The
ここで、本発明の発明者は、誘導加熱により形成された繊維強化樹脂層21の断面を顕微鏡によって観察することにより、繊維強化樹脂層21の強化繊維同士の境界領域には空隙が生じてしまう場合があることを見出した。そして、この空隙が、繊維強化樹脂層21における応力集中が発生する起点となり、高圧ガスタンク10の耐久性の低下の原因となっていることを見出した。具体的には、以下の通りである。
Here, the inventor of the present invention observes a cross section of the fiber reinforced
図4は、繊維強化樹脂層21に形成される空隙24を説明するための模式図である。図4の上段には、図1(A)と同様な高圧ガスタンク10の概略断面図が図示してあり、空隙24の発生位置の一例を破線によって模式的に図示してある。図4の下段には、空隙24が形成された部位を、中心軸CXに沿った方向に見たときの、繊維強化樹脂層21の一部概略断面を図示してある。
FIG. 4 is a schematic diagram for explaining the
ここで、高圧ガスタンク10のシリンダー部11には、巻き付け方向を中心軸CXに対してほぼ垂直な角度とするフープ巻きによって強化繊維22が重畳的に巻き付けられたフープ層が形成される。フープ層では、強化繊維22が、中心軸CXに沿った方向に互いに隣接して配置されるとともに、シリンダー部11の径方向に積層配置される。そして、緊密に隣接し合う強化繊維22の境界領域には、熱硬化した熱硬化性樹脂23が存在する。
Here, in the
しかし、誘導加熱による熱硬化処理では、繊維層中の強化繊維22の発熱を誘発して、熱硬化性樹脂23を熱硬化させるため、繊維層内部に熱がこもりやすく、繊維層内部の温度が目標温度よりも高くなる過昇温が局所的に生じやすい。こうした局所的な過昇温は、強化繊維の表面に塗布されたサイジング剤の分解や、強化繊維22同士の境界からの熱硬化性樹脂23の流出を引き起こす場合がある。この場合には、繊維強化樹脂層21中のフープ層には、強化繊維22の巻方向(シリンダー部11の周方向)に沿った管状の空隙24が発生してしまう。
However, in the thermosetting treatment by induction heating, heat generation of the reinforcing
図5は、高圧ガスタンク10の使用時に、シリンダー部11の繊維強化樹脂層21に生じる応力を説明するための説明図である。図5には、図1(B)と同様な、高圧ガスタンク10のシリンダー部11の概略断面を図示してある。
FIG. 5 is an explanatory diagram for explaining the stress generated in the fiber reinforced
ここで、繊維強化樹脂層21の内径(中心軸CXからライナー20と繊維強化樹脂層21との境界までの距離)をaとし、繊維強化樹脂層21の外径(中心軸CXから繊維強化樹脂層21の外表面までの距離)をbとする。また、高圧ガスタンク10には、高圧ガスが封入されており、その内圧がpであるものとする。
Here, the inner diameter of the fiber reinforced resin layer 21 (the distance from the central axis CX to the boundary between the
このとき、中心軸CXから距離r(a≦r≦b)だけ離れた、繊維強化樹脂層21中の任意の位置Pにおける応力σは下記の式(1)によって表される。ただし、式(1)では、k=b/a,R=r/aである。
σ=p・((k2/R2)+1)/(k2−1) …(1)
At this time, the stress σ at an arbitrary position P in the fiber reinforced
σ = p · ((k 2 / R 2 ) +1) / (k 2 −1) (1)
図6(A)は、シリンダー部11の径方向における繊維強化樹脂層21の応力分布を示すグラフであり、縦軸を応力σとし、横軸をr軸として、上記の式(1)を表したグラフである。図6(B)は、高圧ガスタンク10の一部概略断面を、図6(A)のr軸と対応させて示した説明図である。なお、図6(B)には、図4で説明した溝状の空隙24を破線で模式的に図示してある。
FIG. 6A is a graph showing the stress distribution of the fiber reinforced
高圧ガスタンク10の使用時にシリンダー部11の繊維強化樹脂層21に生じる応力σは、シリンダー部11の径方向において、繊維強化樹脂層21の外表面側(外層側)からライナー20側(内層側)にかけて次第に増大する(図6(A)の実線グラフS)。具体的には、応力σは、外層側から内層側にわたって、下に凸の曲線を描いて増加する。より具体的には、応力σは、ライナー20の外表面(aで示す位置)から繊維強化樹脂層21の厚みの30%の位置(BDで示す位置)の間の内層側の領域(以下、「内層側領域21i」とも呼ぶ)において著しく増加する。
The stress σ generated in the fiber reinforced
しかし、図6(B)に示すように、繊維強化樹脂層21の内層側の領域において空隙24が生じた場合には、空隙24を起点とする応力集中が発生する。特に、高圧ガスタンク10の破損につながるような応力集中は、前記した応力が著しく高くなる内層側領域21iに空隙24が存在する場合に引き起こされやすい。そうした応力集中が発生した場合には、空隙24の位置vより外層側では、応力σは、空隙24が存在しない場合より低下するが、空隙24の位置vより内層側では、著しく増大する(図6(A)の破線グラフSa)。
However, as shown in FIG. 6B, when the
図7は、内層側領域21iに存在する空隙24の幅の最大値と、高圧ガスタンク10の破壊圧力との関係を示すグラフである。本発明の発明者は、内層側領域21iに存在する空隙24の幅を計測するとともに、高圧ガスタンク10に冷媒を封入して、高圧ガスタンク10に亀裂が生じる内圧(破壊圧力)を計測した。その結果、空隙24の最大幅が、ある値より小さいときに、高圧ガスタンクの破壊圧力はP1からP2に上昇した。なお、破壊圧力P2は、破壊圧力P1を10%以上増大させた値であった(P2≧P1×1.1)。
FIG. 7 is a graph showing the relationship between the maximum value of the width of the
ここで、高圧ガスタンク10の耐久性は、繊維強化樹脂層21を構成する強化繊維に含まれる繊維の平均直径と相関関係を有する。このことから、本発明の発明者は、破壊圧力が上昇する空隙24の最大幅の境界値VWは、強化繊維における繊維の平均直径dによって規定できるとの知見を得て、その境界値VWは、強化繊維における繊維の平均直径dを100倍した値に近い値であることを見出した(VW≦100d)。
Here, the durability of the high-
そこで、本実施例の高圧ガスタンク10では、シリンダー部11の内層側領域21iの強化繊維22同士の境界領域に空隙24が存在する場合であっても、その空隙24の最大幅が、強化繊維における繊維の平均直径dの100倍の値以下となるように構成されている。具体的には、例えば、強化繊維における繊維の平均直径dが7μm程度である場合には、空隙24の最大幅を700μm以下とする。これによって、誘導加熱により生じた空隙24によって、シリンダー部11の繊維強化樹脂層21に応力集中が発生することが抑制され、高圧ガスタンク10の耐久性が向上される。
Therefore, in the high-
なお、高圧ガスタンク10では、シリンダー部11の繊維強化樹脂層21に空隙24が生じている場合には、ドーム部12の繊維強化樹脂層21においても、同様な空隙が生じる可能性がある。このドーム部12の空隙のサイズは、シリンダー部11の空隙24の幅と相関関係を有する。従って、シリンダー部11の空隙24が上記の高圧ガスタンク10の耐久性の低下が抑制される幅で形成されていれば、ドーム部12の空隙は、高圧ガスタンク10の耐久性の低下原因とはならないサイズで形成される。
In the high-
ここで、繊維強化樹脂層21の空隙24の幅は、熱硬化処理の際に生じる局所的な過昇温の度合いが大きいほど大きくなる傾向にある。そこで、空隙24の幅を、強化繊維における繊維の平均直径の100倍以下の値とするために、本実施例の熱硬化処理装置100(図3)では、以下に説明する断続的加熱処理を実行し、局所的な過昇温の発生を抑制する。
Here, the width of the
図8(A),(B)は、熱硬化処理装置100が実行する断続的加熱処理を説明するための説明図である。図8(A)には、断続的加熱処理の実行中における加熱温度の時間変化の一例を示すグラフを図示してある。また、図8(B)には、断続的加熱処理の実行中に、コイル導線121に対して電流が供給されるタイミングを示すタイミングチャートを、図8(A)のグラフの時間軸に対応させて図示してある。
FIGS. 8A and 8B are explanatory diagrams for explaining the intermittent heating process performed by the
制御部101は、繊維層21aが形成されたライナー20の加熱を開始した後、繊維層21aの温度が第1の温度Taに到達したときに、コイル導線121に対する高周波電流の供給を停止(OFF)して、加熱を一時停止する(時刻t1,t3,t5,t7,…)。そして、繊維層21aの温度が、第2の温度Tbまで低下したときに、コイル導線121に対する高周波電流の供給を再開(ON)して、加熱を再開する(時刻t2,t4,t6,…)。制御部101は、この加熱の停止と再開を所定の時間(例えば30分程度)だけ繰り返す。
After the heating of the
ここで、この断続的加熱処理は、加熱による繊維層内の最大温度が、繊維層に含まれる熱硬化性樹脂23やサイジング剤などの材料の不具合を生じないように加熱と冷却とを繰り返す処理である。そのため、第1の温度Taは、そうした繊維層内の不具合が発生する温度以下の値に設定されることが好ましい。例えば、一般的に、熱硬化性樹脂23やサイジング剤には、200℃以上の温度で不具合が発生する。そこで、繊維層内の最大温度を200℃未満とするためには、第1の温度Taは、140〜150℃程度に設定することが好ましい。
Here, this intermittent heat treatment is a treatment in which heating and cooling are repeated so that the maximum temperature in the fiber layer due to heating does not cause problems of materials such as the
これに対して、第2の温度Tbは、熱硬化の途中に、熱硬化性樹脂23の温度が低下しすぎてしまわない程度の周期(例えば、2〜3分程度)で、加熱が再開されるような温度で設定されることが好ましい。具体的には、第1の温度Taを上記の140〜150℃の範囲内で設定した場合には、第2の温度Tbは、110〜120℃の範囲内の温度で設定されることが好ましい。
In contrast, the second temperature Tb is restarted at a period (for example, about 2 to 3 minutes) in which the temperature of the
このように、熱硬化処理装置100では、熱硬化のための加熱を断続的に行うことにより、定期的に繊維層21aの温度を低下させ、繊維層21aにおける局所的な過昇温の発生を抑制する。これによって、高圧ガスタンク10の耐久性の低下原因となる幅を有する空隙24の発生を抑制することができる。なお、制御部101は、繊維層21aの温度に基づいて、加熱の停止と再開を実行しなくとも良い。制御部101は、所定の時間間隔(例えば数分ごとの間隔)で、周期的に加熱の停止と再開を実行するものとしても良い。
Thus, in the
以上のように、本実施例の高圧ガスタンク10であれば、繊維強化樹脂層21の内層側領域21iに、高圧ガスタンク10の耐久性の低下原因となる幅を有する空隙24が存在することが抑制されている。従って、高圧ガスタンク10の耐久性が向上する。
As described above, with the high-
10…高圧ガスタンク
11…シリンダー部
12…ドーム部
13…口金部
20…ライナー
21…繊維強化樹脂層
21a…繊維層
21i…内層側領域
22…強化繊維
23…熱硬化性樹脂
24…空隙
100…熱硬化処理装置
101…制御部
110…ライナー取付部
111a…第1のシャフト
111b…第2のシャフト
112a…第1の支持柱
112b…第2の支持柱
113…回転駆動部
115…基台部
120…誘導加熱部
121…コイル導線
122…高周波電源
123…整合盤
CX…中心軸
DESCRIPTION OF
Claims (2)
前記繊維強化樹脂層における前記ライナーの外表面から前記繊維強化樹脂層の厚みの30%以下の領域に存在する前記強化繊維の巻方向に沿った空隙の最大幅は、前記強化繊維における繊維の平均直径の100倍以下である、高圧流体タンク。 A high-pressure fluid tank in which the outer surface of the liner is coated with a fiber reinforced resin layer having a reinforced fiber and a thermosetting resin that thermosets and binds the reinforced fibers;
The maximum width of the gap along the winding direction of the reinforcing fibers from the outer surface is present at 30% or less of the area of the thickness of the fiber-reinforced resin layer of the liner in the fiber reinforced resin layer has an average of fibers in the reinforcing fiber der Ru, high pressure fluid reservoir 100 times the diameter.
前記熱硬化性樹脂が含浸された強化繊維が外表面に巻き付けられた前記ライナーを、誘導加熱によって、加熱温度を周期的に増減させつつ加熱することにより、前記熱硬化性樹脂を熱硬化させて前記繊維強化樹脂層を形成する、製造方法。 A method for producing a high-pressure fluid tank according to claim 1,
The liner, in which the reinforcing fiber impregnated with the thermosetting resin is wound around the outer surface, is heated by induction heating while periodically increasing or decreasing the heating temperature, thereby thermosetting the thermosetting resin. The manufacturing method which forms the said fiber reinforced resin layer.
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