次に、代表的な実施例と添付図面とを参照して本発明について更に詳細に説明する。例示する実施例は、移動体通信ネットワーク、例えば、3GPPの技術仕様に従うHSPA或いはLTEを実施する通信ネットワークにおける輻輳処理に関する。しかしながら、ここで説明するような概念は他のタイプの通信ネットワークにも適用可能であることを理解されたい。
図1Aは、本発明の実施例に従う輻輳処理の概念が適用される、HSDPAを実施する移動体通信ネットワーク環境を概略的に例示する図である。図示された例では、3GPPの技術仕様に従うUTRANとして、移動体通信ネットワーク環境の一部が実施される。
例示するように、移動体通信ネットワーク環境は無線アクセスネットワークを含み、無線アクセスネットワークでは制御ノード140はトランスポートネットワーク160を介して無線アクセスノード180に結合され、エンドデバイス110、120から無線リンク250を介して無線アクセスノード180に結合されるUE210、220にデータパケットを伝送する。例示するUTRANの実施形によれば、無線アクセスノード180をノードB(NB)として実施し、制御ノード140を無線ネットワークコントローラ(RNC)として実施し、トランスポートネットワーク160はlubトランスポートネットワークである。この接続で、制御ノード140と無線アクセスノード180との間でデータパケットの搬送を可能にするようにインタフェースとなる1つ以上のトランスポートノード(不図示)を、トランスポートネットワーク160が含んでも良いことを理解すべきである。また、エンドデバイス110、120が実際にはサーバ、リモート端末および更なるUEを含む種々のタイプのデバイスに対応しても良いことを理解すべきである。加えて、更なる制御ノードが、制御ノード140とエンドデバイス110、120との間に結合される。例示するUTRANの実施形によれば、更なる制御ノード130はサービング汎用パケット無線サービスサポートノード(SGSN)として実施される。
さらに例示するように、種々のプロトコルまたはプロトコルレイヤを使用してエンドデバイス110、120とUE210、220との間でデータパケットを伝送できる。ここで説明するようなフロー制御と輻輳処理の概念を例示するため、図1Aはエンドデバイス110、120とUE210、220との間で実施されるエンドツーエンドプロトコルと、制御ノード140とUE210、220との間で実施される再送プロトコルと、制御ノード140と無線アクセスノード180との間で実施されるフロー制御プロトコルとを示している。エンドツーエンドプロトコルは上位レイヤプロトコルであり、図示の例では、TCP/IP(TCP:伝送制御プロトコル、IP:インターネットプロトコル)タイプのプロトコルであって良い。他のプロトコルタイプ、例えば、リアルタイムプロトコル(RTP)とその対応部であるリアルタイム制御プロトコル(RTCP)との内の少なくともいずれか共に、UDP(ユーザデータグラムプロトコル)も同様に使用してデータ速度を制御しても良い。再送プロトコルは、下位レイヤプロトコルである。図示の例では、再送プロトコルはRLCプロトコルであり、RLCプロトコルはリンクレイヤプロトコルである。
再送プロトコルによれば、受信に成功しなかったデータパケットは再送され、再送プロトコルは、例えば、受信機から送信機への確認応答パケットを送信することによって、再送プロトコル受信機から再送プロトコル送信機へのあるタイプのフィードバック機構を関与させる。フロー制御プロトコルは、そのプロトコルの受信エンティティ(180、140)における所望送信速度を判断し、前記プロトコルの送信エンティティ(140、180)へこの情報を提供する目的を有している。そのフロー制御プロトコルの送信エンティティは、要求された送信速度を実施し、制御ノード間のフロー固有の情報、例えば、データパケットシーケンス番号を通信できる。エンドツーエンドプロトコルが再送プロトコルでもあっても良いことを理解すべきである。事実、複数の可能なエンドツーエンドプロトコルの内の上記例は、再送機能をも含む。さらに、エンドツーエンドプロトコルは、フロー制御機能をも含んでも良い。特に、エンドツーエンドプロトコル送信機に、エンドツーエンドプロトコル受信機へのデータパケット送信における輻輳が通知されれば、エンドツーエンドプロトコル送信機はその送信速度を削減できる。他方、所与の時間の間、輻輳が通知されなければ、エンドツーエンドプロトコル送信機はその送信速度を増加できる。このようにして、エンドツーエンドプロトコルは可能な限り速い送信速度を設定することを試みるが、依然として過剰な輻輳量を回避する。複数のエンドツーエンドプロトコルの内の上記例は、対応するフロー制御機能を含む。
エンドツーエンドプロトコルの上記例で、データパケットは通常、対応ヘッダフィールドに、発信元アドレスと宛先アドレスと発信元ポートと宛先ポートとを含む。発信元アドレスと宛先アドレスと発信元ポートと宛先ポートとに基づき、発信元アドレスと発信元ポートとにより規定される発信元エンドポイントと、宛先アドレスと宛先ポートとにより規定される宛先エンドポイントとの間のIPパケットフローとして、IPパケットフローは定義される。通常、図1Aに例示するような移動体通信ネットワーク環境における全てのノードが、このエンドツーエンドプロトコル情報へアクセスする訳ではないであろう。例えば、図1に例示するようなトランスポートネットワーク160のノードは、下位プロトコルレイヤ情報のみで、例えば、lubトランスポートネットワークに対し3GPP技術仕様(例えば、3GPP TS 25.430)に規定されるような下位レイヤ伝送プロトコルに基づいて動作でき、それ故、エンドツーエンドプロトコルのフロー制御機構とは相互動作することができない。これに対して、図示した例ではRNCである制御ノード140は、エンドツーエンドプロトコルに基づいても動作し、個々のフローを特定するためにデータパケットのヘッダフィールドの情報を使用できる。制御ノード140はエンドツーエンドのプロトコルフローの発信元エンドポイントと宛先エンドポイントとの間に配置されるので、制御ノード140は中間ノードとも呼ばれる。
加えて、図1Aはまた、更なる制御ノード130とUE210、220との間に確立されるベアラを示している。具体的には、第1のエンドデバイス110と第1のUE210との間のデータ伝送に使用する第1のベアラは、制御ノード140とトランスポートネットワーク160と無線アクセスノード180とを介して更なる制御ノード130から第1のUE210へと伸び、第2のエンドデバイス120と第2のUE220との間のデータ伝送に使用する第2のベアラは、制御ノード140とトランスポートネットワーク160と無線アクセスノード180とを介して更なる制御ノード130から第2のUE220へと伸びる。この接続で、ベアラは、例えば、サービス品質(QoS)に関して、一定の保証された伝送属性をもつチャネルであると考えられる。例示するUTRANの実施形に従えば、そのベアラは無線アクセスベアラとも呼ばれる。
図1Aにおいて、第1のフローがエンドデバイス110からUE210に伸び、第2のフローがエンドデバイス120からUE220に伸びている代表的な状況が図示されている。第1のフローと第2のフローとは関係したベアラを介してそれぞれ送信される。特に、第1のフローは、UE210と更なる制御ノード130との間に確立される第1のベアラを介して送信され、第2のフローは、UE220と更なる制御ノード130との間に確立される第2のベアラを介して送信される。第1のフローと第2のフローとは、ダウンリンク方向、即ち、UE210、220に向かう方向にある。従って、エンドデバイス110は第1のフローの第1の発信元エンドポイントに対応し、UE210は第1のフローの第1の宛先エンドポイントに対応し、エンドデバイス120は第2のフローの第2の発信元エンドポイントに対応し、UE220は第2のフローの第2の宛先エンドポイントに対応する。追加的なフローも同様に存在でき、第1のフローと第2のフローとは複数フローの例と見なされることを理解すべきである。また、通常は、アップリンクも同時に存在することも理解すべきである。例えば、各ダウンリンクフローはペイロードデータを伴うデータパケットを伝送でき、確認応答データパケットを伝送する反対方向の対応アップリンクフローを有する。さらに、異なるフローのエンドポイントは(図1Aに例示するように)異なる物理デバイスに位置するが、同じ物理デバイスにも位置できることを理解すべきである。それにもかかわらず、これらのフローは異なるベアラで送信される。例えば、同じUEにその宛先エンドポイントを有する2つ以上のフローが存在しえよう。そのようなフローでは、宛先エンドポイントは同じ宛先アドレスによるが、異なる宛先ポートにより識別される。例えば、同じUEに位置するその宛先エンドポイントを有する、そのような異なるフローは、種々のサービス、例えば、ボイスオーバIP(VoIP)サービス、移動体TVサービス、または、ファイル共有サービスに関係できよう。このような種々のサービスはまた、異なる優先度を有しているかもしれない。例えば、VoIPサービスは、移動体TVサービスやファイル共有サービスよりも高い優先度を有するかもしれない。
図1Aの移動体通信ネットワーク環境では、異なるタイプの輻輳が発生するかもしれない。特に、輻輳はトランスポートネットワーク160で発生するかもしれないし、或いは、無線リンク250で発生するかもしれない。
例えば、制御ノード140から無線アクセスノード180へデータパケットを送信する場合、トランスポートネットワーク160に輻輳が存在するかもしれず、この輻輳は無線アクセスノード180による受信に成功しない1つ以上のフローのデータパケットに基づき無線アクセスノード180で検出されるかもしれない。この点において、受信に成功しないパケットとは、パケットを不正に受信するか、或いは、全く受信しないことを意味する。さらに、無線アクセスノード180からそれぞれUE210、220の宛先エンドポイントにデータパケットを送信する場合、無線リンク250に輻輳が存在するかもしれない。無線リンク250を介するそれぞれUE210、220への送信前にフローのデータパケットを割り当てるキュー181の少なくとも1つのキューイングパラメータ、例えば、キュー181のキューイング遅延とキュー181の最大レベルとの内の少なくともいずれかに基づき、後者のタイプの輻輳が検出される。例えば、キューイング遅延またはキュー181の最大レベルが所与の閾値を超えれば、これは無線リンク250の輻輳と解釈できる。通常、無線アクセスノード180によりサービスを受ける各UE210、220に少なくとも1つのキューが存在するであろう。幾つかの場合、無線アクセスノード180とUE210、220との間に複数の無線ベアラが確立されるかもしれない。このような場合、各無線ベアラに対応キュー181が存在するかもしれない。無線アクセスノード180では、制御ノード140によりデータパケットに含められるフロー制御情報に基づいて、データパケットを種々のキュー181に割り当てる。このフロー制御情報は、キューのデータパケットを所与の順序で配列することを許容するために、データパケットのシーケンス番号を含むと良い。その制御情報はフロー固有でもあるかもしれない。即ち、一定のフローのデータパケットを対応するキュー181に割り当てることを許可しても良い。幾つかの実施例では、フロー制御情報を使用してフローのデータパケットが送信に成功しなかったことも検出できる。例えば、データパケットはトランスポートネットワーク160で廃棄されていることがあり、それ故、無線アクセスノード180のキュー181では喪失していることがあり、これは受信データパケットのシーケンス番号を考慮する場合、無線アクセスノード180により検出できる。
トランスポートネットワーク160の輻輳は、例えば、トランスポートネットワーク160のキュー161の最大レベルに基づき、トランスポートネットワーク160でも局所的に検出される。例えば、トランスポートネットワーク160のキュー161の最大レベルが所与の閾値を超えれば、これは輻輳と解釈できる。幾つかの実施例によれば、輻輳を局所的に検出するトランスポートネットワークノードは、キューからのパケットの廃棄により反応する。これは、しばしばアクティブキュー管理(AQM)と呼ばれる。幾つかの実施例によれば、輻輳を局所的に検出するトランスポートネットワークノードは、輻輳インジケータにより、例えば、キュー161のデータパケットへ明示的輻輳通知(ECN)フラグを設定することにより、キュー161の1つ以上のデータパケットにマークを付すこともできる。そのフラグはECN輻輳経験(ECN−CE)フラグとしても既に知られている。無線アクセスノード180はそのとき、1つ以上の喪失データパケットに基づいてか、または、輻輳インジケータによりマークが付された1つ以上のデータパケットの受信に基づいて、輻輳を検出できるであろう。
上記タイプの輻輳検出のため、無線アクセスノード180には、第1の輻輳検出器186と第2の輻輳検出器187とが設けられる。以上の説明に従い、輻輳検出器186は、ダウンリンクフローに関する無線リンク250での輻輳を検出でき、これは各UE210、220の宛先エンドポイントに送信するダウンリンクフローのデータパケットを保持するため無線アクセスノード180に設けられたキュー181の最大レベルに基づいて達成できる。輻輳検出器187は、トランスポートネットワーク160の輻輳を検出でき、これは無線アクセスノード180による受信に成功しないダウンリンクフローのデータパケットの検出により達成できる。これには、制御ノード140からのフロー制御情報、例えば、データパケットに含まれるシーケンス番号を評価することが関係している。幾つかの実施例では、所与の時間の窓においてダウンリンクフローの一定数のデータパケットが無線アクセスノード180によりうまく受信されなかったことを検出することにより、輻輳検出器187はトランスポートネットワーク160での輻輳を検出できる。輻輳検出器はまた、トランスポートネットワーク160からの輻輳インジケータでマークが付された1つ以上のデータパケットを受信することに基づいて、輻輳を検出できる。
無線アクセスノード180にはさらに、第1の輻輳検出器186と第2の輻輳検出器187からの検出された輻輳の指示を受信するベアラ選択器188が設けられる。検出輻輳の指示に応じて、ベアラ選択器188は検出された輻輳を通知するために1つ以上のベアラを選択する。その選択は検出された輻輳のタイプに基づくと良い。具体的には、第1の輻輳検出器186により検出されるように、その検出された輻輳が無線リンク250においてであれば、ベアラ選択器188はその輻輳が検出されたベアラを選択するであろう。第2の輻輳検出器187により検出されるように、その検出された輻輳がトランスポートネットワーク160においてであれば、ベアラ選択器188は輻輳を通知するためにその輻輳を検出したベアラより低い優先度を有する少なくとも1つの他のベアラを選択するであろう。このため、ベアラ選択器188は、例えば、絶対優先度に基づくか、または相対ベアラビット速度に基づいて、ベアラ優先順位を判断できる。例えば、所望の相対ビット速度がベアラに割り当てておかれたかもしれず、その所望の相対ビット速度を超えるベアラは低い優先度を有すると判断できる。幾つかの状況では、例えば、ベアラが実質的に同じ優先度を有すると判断されれば、ベアラ選択器188は輻輳を通知するために複数の、或いは、全てのベアラさえも選択できる。
無線アクセスノード180にはさらに、ベアラ選択器188から選択ベアラ指示を受信する輻輳メッセージ生成器189が設けられる。輻輳メッセージ生成器は次いで、ベアラ選択器188により選択されるような1つ以上のベアラを示す輻輳メッセージCMを生成する。トランスポートネットワーク160を介して、例えば、容量割当てや他のフィードバック機構タイプのようなフロー制御プロトコルの制御メッセージにおける対応して規定されたフィールドを使用して輻輳メッセージCMは送信される。
輻輳メッセージCMを受信するためと、輻輳メッセージCMに応じて輻輳通知を達成するために、制御ノード140には輻輳通知器146が設けられる。輻輳通知器146は、輻輳メッセージCMで指示されるような選択ベアラに関係するフローにおける検出輻輳を通知するように構成される。これは、例えば、制御ノード140の対応キュー141から選択されたベアラに関係するフローの1つ以上のデータパケットを廃棄することにより、或いは、選択されたベアラに関係するフローの1つ以上のデータパケットに、例えば、ECNフラグを設定することによる輻輳指示によりマークを付すことにより達成できる。
図1Bは本発明の更なる実施例に従うHSDPAの実施形を示す。図1Bでは、図1Aの構成要素に類似するものを同一参照番号により図示している。これらの構成要素に関する詳細については、図1Aに関する対応する説明を参照されたい。以下、図1Aの実施形と比較して相違する点についてのみを説明する。
図1Bの実施例で、輻輳メッセージ生成器189は、第1の輻輳検出器186により検出されるか、または第2の輻輳検出器187により検出される輻輳を報告するように構成される。特に、輻輳メッセージ生成器189は、これ以降メッセージAとも呼ばれる第1のタイプの輻輳メッセージCMを生成することにより、第1の輻輳検出器186により検出されるような無線リンク250での輻輳を報告できる。さらに、輻輳メッセージ生成器189は、これ以降メッセージBと呼ばれる第2のタイプの輻輳メッセージCMを生成することにより、第2の輻輳検出器187により検出されるようなトランスポートネットワーク160での輻輳を報告できる。輻輳メッセージCM、即ち、メッセージA或いはメッセージBは無線アクセスノード180から制御ノード140に送信される。制御ノード140では、メッセージAまたはBは制御ノード140のベアラ選択器147により使用されて関係するフローの輻輳を通知するためにベアラの1つを選択できる。例えば、確認応答データパケットにおける対応して規定されるフィールド、或いは、他のタイプのフィードバック機構を使用して、輻輳メッセージCMはトランスポートネットワーク160を介して、送信される。幾つかの実施例によれば、既知FPで定義されるメッセージ、例えば、「速度増加」メッセージがメッセージAとして再使用され、既知FPで定義される更なるメッセージ、例えば、「速度低減」メッセージがメッセージBとして再使用される。しかしながら、既知FPの既存メッセージを再使用することは、これらのメッセージが異なる状態に応じて生成されるであろうことや、また既知FPに従うのとは異なる方法で解釈されるであろうことを意味することを理解すべきである。幾つかの実施例によれば、既知FPで定義されるメッセージは、メッセージAまたはメッセージBを示すオプションの情報要素により拡張できる。後方互換性のために、所望速度が輻輳メッセージにおいても指示されるかもしれない。即ち、このような実施例では、既知FPで定義されるメッセージは、そのプロトコルに従って情報を含み、制御ノードがオプションの要素を解釈するために適合されているか否かに応じて輻輳メッセージCMの異なる部分を評価できるようにするかもしれない。輻輳メッセージCMはまた、例えば、そのベアラで確立されたフィードバックチャネルを介して送信されることにより、輻輳が検出されたベアラを指示できる。
図1Bの制御ノード140には、図から分かるように、無線アクセスノード180の輻輳メッセージ生成器189から輻輳メッセージCMを受信するベアラ選択器147が設けられる。従って、この実施形では、検出された輻輳が通知されるべきベアラの選択が制御ノード140で達成される。受信輻輳メッセージCMにより示唆されるような検出輻輳に応じて、ベアラ選択器147は検出された輻輳を通知するために1つ以上のベアラを選択する。その選択は検出された輻輳のタイプに基づいていると良い。具体的には、第1のタイプの輻輳メッセージCM、即ち、メッセージAにより示唆されるように、検出された輻輳が無線リンク250においてであれば、ベアラ選択器147はその輻輳を検出したベアラを選択するであろう。第2のタイプの輻輳メッセージ、即ち、メッセージBにより示唆されるように、検出された輻輳がトランスポートネットワーク160においてであれば、ベアラ選択器147は輻輳を通知するためにその輻輳を検出したベアラより低い優先度を有する少なくとも1つの他のベアラを選択するであろう。このため、ベアラ選択器147は、例えば、絶対優先度に基づくか、または、ベアラの相対ビット速度に基づいて、ベアラの優先順位を判断できる。例えば、所望の相対ビット速度がベアラに割り当てられるかもしれず、その所望の相対ビット速度を超えるベアラは低優先度を有すると判断できる。幾つかの状況では、例えば、ベアラが実質的に同じ優先度を有すると判断すれば、ベアラ選択器147は、輻輳を通知するために、複数の、或いは、全てのベアラさえも選択できる。
制御ノード140のベアラ選択器147は、ベアラ選択器147により示唆されるような選択されたベアラに関係するフローにおいて検出された輻輳を通知する輻輳通知器146にその選択されたベアラを指示する。これは、例えば、制御ノード140における対応するキュー141から選択されたベアラに関係するフローの1つ以上のデータパケットを廃棄することにより、或いは、選択されたベアラに関係するフローの1つ以上のデータパケットに輻輳指示により、例えば、ECNフラグを設定することにより、マークを付すことにより達成できる。
次に、図1Aと図1Bのダウンリンク実施形におけるダウンリンクフローの輻輳処理について、第1のダウンリンクフローと第2のダウンリンクフローと呼ばれる2つのダウンリンクフローが関与する代表的なシナリオを参照することにより、更に説明する。図1A或いは図1Bの代表的な移動体通信ネットワーク環境を参照する場合、第1のダウンリンクフローはエンドデバイス110からUE210にまで伸張することができ、第2のダウンリンクフローはエンドデバイス120からUE220にまで伸張することができる。しかしながら、これは単に例示的なものであり、第1のダウンリンクフローと第2のダウンリンクフローはトランスポートネットワーク160を介して制御ノード140から無線アクセスノード180へ共に送信されるいずれのタイプのダウンリンクフローでも良いことを理解すべきである。さらに、第1のダウンリンクフローは第2のダウンリンクフローより高い優先度を有することを仮定する。例えば、上記のように、第1のダウンリンクフローと第2のダウンリンクフローとは種々のサービスに関係でき、第1のダウンリンクフローのサービスは第2のダウンリンクフローのサービスより高い優先度を有する。さらに、第1のダウンリンクフローと第2のダウンリンクフローとは異なるユーザに関係でき、第1のダウンリンクフローのユーザは、例えば、第1のダウンリンクフローのユーザがプレミアム契約を有しているために、第2のダウンリンクフローのユーザより高い優先度を有するかもしれない。その優先度情報は制御ノード140で事前に構成設定されても良いし、或いは、オペレータにより、例えば、制御ノード140の運用及び保守(O&M)インタフェースを使用することにより構成設定されても良い。第1のダウンリンクフローと第2のダウンリンクフローとが異なるベアラに割当てられ、1つのベアラは更なる制御ノード130とUE210との間で確立される一方、他方のベアラは更なる制御ノード130とUE220との間で確立される。
第1のシナリオによれば、第1のダウンリンクフローを送信するベアラの輻輳は無線リンク250で発生する。これは、例えば、無線リンク250を介して送信される前に一定の閾値を超える第1のダウンリンクフローのデータパケットが割り当てられるキュー181のキューイングパラメータに基づいて、無線アクセスノード180の輻輳検出器186により検出される。
図1Aの実施形では、輻輳検出器186は無線アクセスノード180のベアラ選択器188に検出された輻輳を示す。無線リンク250に検出された輻輳があることに応じて、ベアラ選択器188は検出された輻輳を通知するためにその輻輳を検出した同じベアラ、即ち、第1のダウンリンクフローを送信するベアラを選択し、輻輳メッセージ生成器189に選択されたベアラを指示する。輻輳メッセージ生成器は次いで制御ノード140に送信される選択されたベアラを示す輻輳メッセージCMを生成する。輻輳メッセージCMは制御ノード140の輻輳通知器146により受信される。
図1Bの実施形では、輻輳検出器186は無線アクセスノード180の輻輳メッセージ生成器189に検出された輻輳を示し、輻輳メッセージ生成器は次いで第1のタイプの輻輳メッセージCM、即ち、メッセージAを生成する。その輻輳メッセージは制御ノード140に送信される。輻輳メッセージCM、即ち、メッセージAは、制御ノード140のベアラ選択器147により受信される。無線リンク250には検出された輻輳があることに応じて、ベアラ選択器147は検出された輻輳を通知するためにその輻輳を検出した同じベアラ、即ち、第1のダウンリンクフローを送信するベアラを選択し、輻輳メッセージ通知器146に選択されたベアラを指示する。
輻輳通知器146は、選択されたベアラに関係するダウンリンクフローの輻輳を第1のダウンリンクフローで通知する。エンドツーエンドプロトコルの実施形に依存して、これは、第1のダウンリンクフローの1つ以上のデータパケットを廃棄することによるか、第1のダウンリンクフローの1つ以上のデータパケットへ、例えば、ECNフラグを設定することによる輻輳指示を含めることによることとの内、少なくともいずれかを行うことにより達成される。1つ以上のデータパケットを廃棄することにより通知を達成する場合、第1のダウンリンクフローの発信元エンドポイントは廃棄データパケットの確認応答パケットの受信失敗により輻輳に気づくようになる。1つ以上のデータパケットへ輻輳指示を包めることにより通知を達成する場合、第1のダウンリンクフローの発信元エンドポイントはその輻輳指示を反映する確認応答パケットの受信により輻輳に気づくようになる。第1のダウンリンクフローの発信元エンドポイントは、第1のダウンリンクフローの送信速度を削減することにより輻輳に反応できる。
第2のシナリオによれば、第1のダウンリンクフローを送信するベアラの輻輳はトランスポートネットワーク160で発生する。これは、例えば、トランスポートネットワーク160からの受信に成功しない第1のダウンリンクフローのデータパケットに基づくか、または輻輳インジケータによりマークを付した第1のダウンリンクフローのデータパケットの受信に基づいて、無線アクセスノード180の輻輳検出器187により検出される。
図1Aの実施形では、輻輳検出器187は無線アクセスノード180のベアラ選択器188に検出された輻輳を示す。トランスポートネットワーク160に検出された輻輳があることに応じて、ベアラ選択器188は検出された輻輳を通知するために1つ以上のベアラ、例えば、第2のダウンリンクフローを送信するベアラを選択し、輻輳メッセージ生成器189に選択されたベアラを指示する。この選択はベアラの優先度、例えば、絶対ベアラ優先度またはベアラの相対ビット速度に基づく優先度に基づくものである。第2のアップリンクフローを送信するベアラが、例えば、その所望相対ビット速度を超えることにより低い優先度を有すると判断したことを仮定して、このベアラが選択される。輻輳メッセージ生成器は次いで制御ノード140に送信される選択されたベアラを示す輻輳メッセージCMを生成する。輻輳メッセージCMは制御ノード140の輻輳通知器146により受信される。
図1Bの実施形では、輻輳検出器187は無線アクセスノード180の輻輳メッセージ生成器189に検出された輻輳を示し、輻輳メッセージ生成器は次いで第2のタイプの輻輳メッセージCM、即ち、メッセージBを生成する。輻輳メッセージCMは制御ノード140に送信される。輻輳メッセージCM、即ち、メッセージBは制御ノード140のベアラ選択器147により受信される。トランスポートネットワーク160には検出された輻輳があることに応じて、ベアラ選択器147は検出された輻輳を通知するために無線アクセスノード180を通じて送信するベアラの1つ、例えば、第2のダウンリンクフローを送信するベアラを選択し、輻輳メッセージ生成器189に選択されたベアラを指示する。この選択は、ベアラの優先度、例えば、絶対ベアラ優先度またはベアラの相対ビット速度に基づく優先度に基づくものである。第2のアップリンクフローを送信するベアラが、例えば、その所望相対ビット速度を超えることにより低い優先度を有すると判断したことを仮定して、このベアラが選択される。ベアラ選択器147は次いで輻輳通知器146に選択されたベアラを示す。
輻輳通知器146は、選択されたベアラに関係するダウンリンクフローにおける輻輳を通知する。例えば、このことは、第2のアップリンクフローを送信するベアラであっても良い。エンドツーエンドプロトコルの実施形に依存して、これは、第2のダウンリンクフローの1つ以上のデータパケットを廃棄することによるか、第2のダウンリンクフローの1つ以上のデータパケットへ、例えば、ECNフラグを設定することによる輻輳指示を含ませることによるかの内、少なくともいずれかを行うことにより達成できる。1つ以上のデータパケットを廃棄することにより通知を達成する場合、第2のダウンリンクフローの発信元エンドポイントは廃棄データパケットの確認応答パケットの受信失敗により輻輳に気づくようになる。1つ以上のデータパケットへ輻輳指示を含ませることにより通知を達成する場合、第2のダウンリンクフローの発信元エンドポイントは輻輳指示を反映する確認応答パケットの受信により輻輳に気づくようになる。第2のダウンリンクフローの発信元エンドポイントは、第1のダウンリンクフローの送信速度を削減することにより輻輳に反応できる。これは同時に追加リソースを第1のダウンリンクフローのデータパケットを送信するのに利用可能にする。
図1Cは本発明の実施例に従うHSUPAの実施形を示す。図1Cでは、図1Aと図1Bの構成要素に類似するものを同一参照番号により図示した。これらの構成要素に関する詳細については、図1Aと図1Bとに関する対応する説明を参照されたい。以下、図1Aと図1Bのダウンリンクの実施形と比較して相違する点のみを説明する。
図1Cには、第1のフローがUE210からエンドデバイス110に伸張し、第2のフローがUE220からエンドデバイス120に伸張する代表的な状況が例示されている。第1のフローと第2のフローとはそれぞれ関係するベアラを介して送信される。特に、第1のフローはUE210と更なる制御ノード130との間に確立された第1のベアラを介して送信され、第2のフローはUE220と更なる制御ノード130との間に確立された第2のベアラを介して送信される。第1のフローと第2のフローとはアップリンク方向である、即ち、UE210、220からの方向である。従って、UE210は第1のフローの第1の発信元エンドポイントに対応し、エンドデバイス110は第1のフローの第1の宛先エンドポイントに対応し、UE220は第2のフローの第2の発信元エンドポイントに対応し、エンドデバイス120は第2のフローの第2の宛先エンドポイントに対応する。追加フローが同様に存在しても良く、第1のフローと第2のフローとは複数フローの例と見なすことができることを理解すべきである。また、通常は、ダウンリンクフローも同時に存在するであろうことを理解すべきである。例えば、各アップリンクフローはペイロードデータを伴うデータパケットを搬送でき、確認応答データパケットを搬送する反対方向の対応するダウンリンクフローを有するかもしれない。さらに、異なるフローのエンドポイントは(図1Cに図示するように)異なる物理デバイスに位置するが、同じ物理デバイスにも位置しても良いことを理解すべきである。にもかかわらず、これらのフローは異なるベアラで送信することができる。例えば、同じUEにその発信元エンドポイントを有する2つ以上のフローが存在できる。そのようなフローでは、発信元エンドポイントは同じ発信元アドレスによるが、異なる発信元ポートにより識別される。例えば、同じUEに位置するその発信元エンドポイントを有する、そのような異なるフローは種々のサービス、例えば、音声オーバIP(VoIP)サービスや移動体TVサービスやファイル共有サービスに関係できよう。そのような種々のサービスはまた、異なる優先度を有するかもしれない。例えば、VoIPサービスは、移動体TVサービス或いはファイル共有サービスよりも高い優先度を有するかもしれない。
図1Cの移動体通信ネットワーク環境では、無線リンク250での輻輳とトランスポートネットワーク160での輻輳が同様に存在するかもしれない。トランスポートネットワーク160を介して無線アクセスノード180から制御ノード140へデータパケットを送信する場合、トランスポートネットワーク160での輻輳は通常、制御ノード140による受信に成功しないアップリンクフローの1つ以上のデータパケットを生じる結果になるであろう。幾つかの実施例では、これは無線アクセスノード180によりデータパケットへと含められるフロー制御情報、例えば、データパケットのシーケンス番号に基づいて検出される。UE210、220から無線アクセスノード180へデータパケットを送信する場合、無線リンク250における輻輳は無線アクセスノード180による受信に成功しないデータパケットに基づくか、または無線アクセスノード180が1つ以上のデータパケットのアップリンク送信をスケジュールできないことに基づいて無線アクセスノード180により検出される。例えば、UE210、220が無線アクセスノード180への無線接続を喪失するか、或いは、無線接続が干渉により擾乱を受けたり、或いは、データパケットのフローの発信元エンドポイントにより提供されるデータ速度が無線接続のスループットを超えれば、このような状況が発生するかもしれない。
トランスポートネットワーク160における輻輳はまた、例えば、トランスポートネットワーク160のキュー161の最大レベルに基づいて、トランスポートネットワーク160でも局所的に検出される。例えば、トランスポートネットワーク160のキュー161の最大レベルが所与の閾値を超えれば、これは輻輳と解釈できる。幾つかの実施例によれば、輻輳を局所的に検出するトランスポートネットワークノードはキューからのパケットを廃棄することにより反応でき、これはしばしばアクティブキュー管理(AQM)と呼ばれる。幾つかの実施例によれば、輻輳を局所的に検出するトランスポートネットワークノードは、輻輳インジケータにより、例えば、キュー161のデータパケットへ明示的輻輳通知(ECN)フラグを設定することにより、キュー161の1つ以上のデータパケットにもマークを付すこともできる。制御ノード140はこの場合、1つ以上の喪失データパケットに基づくか、または、輻輳インジケータによりマークが付された1つ以上のデータパケットを受信することに基づいて輻輳を検出できるであろう。
無線リンク250での上記輻輳を検出するため、無線アクセスノード180には輻輳検出器186が設けられる。以上の説明に従い、輻輳検出器186はアップリンクフローに関する無線リンク250の輻輳を検出できる。このことは、無線アクセスノード180による受信に成功しないアップリンクフローのデータパケットを検出することによるか、或いは、無線リンク250を介する1つ以上のデータパケットのアップリンク送信をスケジュールすることを無線アクセスノード180が失敗したことを検出することにより達成できる。幾つかの実施例では、所与の時間の窓においてアップリンクフローの一定数のデータパケットが無線アクセスノード180による受信に成功しなかったことを検出することにより、輻輳検出器186は無線リンク250での輻輳を検出できる。幾つかの実施例では、UE210、220により報告されるキューサイズが事前に規定された閾値を超えることを検出することにより輻輳検出器186は無線リンク250での輻輳を検出できる。
無線アクセスノード180はさらに、輻輳検出器186により検出されるような無線リンクでの輻輳を報告するように構成された輻輳メッセージ生成器189を含む。特に、輻輳メッセージ生成器189は、輻輳メッセージCMの生成により無線リンク250での輻輳を報告できる。その輻輳メッセージは、輻輳タイプ、例えば、無線リンク250のアップリンク輻輳、またこの輻輳が検出されたベアラを、例えば、このベアラにおいて確立されたフィードバックチャネルを介して送信されることにより示される。輻輳メッセージCMは無線アクセスノード180から制御ノード140へ送信される。ここで、その輻輳メッセージは制御ノード140のベアラ選択器147により使用されて検出された輻輳を通知するためにベアラを選択すると良い。輻輳メッセージCMは、トランスポートネットワーク160を介して、例えば、確認応答データパケットやFPの制御パケットにおいてこれに対応して規定されたフィールド、或いは、他のタイプのフィードバック機構を使用して送信される。
さらに例示するように、制御ノード140には輻輳検出器148が設けられる。以上の説明に従えば、輻輳検出器148は、アップフローに関するトランスポートネットワーク160の輻輳を検出でき、これは制御ノード140による受信に成功しないアップリンクフローのデータパケットを検出することにより達成できる。これは、無線アクセスノード180からのフロー制御情報、例えば、データパケットに含められるシーケンス番号を評価することと関係している。輻輳検出器148は、制御ノード140のベアラ選択器147に検出された輻輳を示す。その輻輳検出器はまた、トランスポートネットワーク160から輻輳インジケータによりマークが付された1つ以上のデータパケットを受信することに基づいて輻輳を検出できる。
図1Cのアップリンクの実施形では、制御ノード140のベアラ選択器147は、検出輻輳タイプ、即ち、無線アクセスノード180の輻輳メッセージ生成器189から受信される輻輳メッセージCMにより示されるような無線リンク250の輻輳、または、制御ノード140の輻輳検出器148により示されるようなトランスポートネットワーク160の輻輳に基づいてベアラ選択を達成する。検出された輻輳に応じて、ベアラ選択器147は検出された輻輳を通知するために1つ以上のベアラを選択する。その選択は、検出された輻輳タイプに基づいていると良い。具体的には、検出された輻輳が無線アクセスノード180の輻輳検出器186により検出されるように無線リンク250にあれば、ベアラ選択器147は輻輳が検出されたベアラを選択するであろう。検出された輻輳が制御ノード140の輻輳検出器148により検出されるようにトランスポートネットワーク160にあれば、ベアラ選択器147はその輻輳を検出したベアラより低い優先度を有する少なくとも1つの他のベアラをその輻輳を通知するために選択できる。このため、例えば、絶対優先度或いは相対ベアラビット速度に基づいて、ベアラ選択器147は、ベアラの優先順位を判断できる。例えば、所望の相対ビット速度がベアラに割り当てられていたかもしれないし、その所望の相対ビット速度を超えるベアラが低い優先度を有すると判断できるかもしれない。幾つかの状況では、ベアラ選択器147はまた、例えば、そのベアラが実質的に同じ優先度を有すると判断されれば、その輻輳を通知するために、複数のまたは全てのベアラさえも選択できる。
図1Aと図1Bのダウンリンクの実施形の場合と同様に、輻輳通知器146は、ベアラ選択器147により示されるような選択ベアラに関係するフローにおける検出された輻輳を通知する。これは、例えば、制御ノード140の対応キュー141から選択されたベアラに関係するフローの1つ以上のデータパケットを廃棄することにより、または、選択されたベアラに関係するフローの1つ以上のデータパケットに、例えば、ECNフラグを設定することにより輻輳指示でマークを付すことにより達成できる。
次に、アップリンクフローの処理について、第1のアップリンクフローと第2のアップリンクフローと呼ばれる2つのアップリンクフローを含む代表的なシナリオを参照することによりさらに説明する。図1Cのアップリンクの実施形に言及する場合、第1のアップリンクフローはUE210からエンドデバイス110に伸張し、第2のアップリンクフローはUE220からエンドデバイス120に伸張することができる。しかしながら、これは単なる例示であり、第1のアップリンクフローと第2のアップリンクフローはトランスポートネットワーク160を介して無線アクセスノード180から制御ノード140へ共に送信されるいずれのタイプのアップリンクフローであっても良いことを理解すべきである。第1のアップリンクフローは第2のアップリンクフローより高い優先度を有することをさらに仮定する。例えば、上記の如く、第1のアップリンクフローと第2のアップリンクフローは種々のサービスに関係でき、第1のアップリンクフローサービスは第2のアップリンクフローサービスより高い優先度を有しているかもしれない。さらに、第1のアップリンクフローと第2のアップリンクフローとは異なるユーザに関係でき、第1のアップリンクフローのユーザは、例えば、第1のアップリンクフローのユーザがプレミアム契約を有しているために第2のアップリンクフローのユーザより高い優先度を有しているかもしれない。この優先度情報は制御ノード140において事前に構成設定されても良いし、或いは、例えば、制御ノード140の運用並びに保守(O&M)インタフェースを使用してオペレータにより構成設定されても良い。第1のアップリンクフローと第2のアップリンクフローとは異なるベアラに割り当てられ、一方は更なる制御ノード130とUE210との間に確立される一方、他方は更なる制御ノード130とUE220との間に確立される。
第1のシナリオによれば、第1のアップリンクフローを送信するベアラの輻輳は無線リンク250で発生する。これは、例えば、無線アクセスノード180で受信に成功しない第1のアップリンクフローのデータパケットに基づくか、または第1のアップリンクフローの1つ以上のデータパケットのアップリンク送信をスケジュールすることを無線アクセスノード180が失敗することに基づいて、無線アクセスノード180の輻輳検出器186により検出される。輻輳検出器186は無線アクセスノード180の輻輳メッセージ生成器189に検出された輻輳を示し、輻輳メッセージ生成器は次いで無線リンク250での輻輳を示す輻輳メッセージCMを生成する。その輻輳メッセージは制御ノード140に送信され、その輻輳メッセージはベアラ選択器147が受信する。検出された輻輳が無線リンク250にあることに応じて、ベアラ選択器147は検出された輻輳を通知するためにその輻輳が検出されたのと同じベアラ、即ち、第1のアップリンクフローを送信するベアラを選択し、その選択されたベアラを輻輳通知器146に示す。
輻輳通知器146は、選択されたベアラに関係するアップリンクフロー、即ち、第1のアップリンクフローの輻輳を通知する。エンドツーエンドプロトコルの実施形に依存して、このことは、第1のアップリンクフローの1つ以上のデータパケットを廃棄することによるか、或いは、第1のアップリンクフローの1つ以上のデータパケットへの輻輳指示、例えば、ECNを含ませることによるかの内、少なくともいずれかを行うことにより達成される。1つ以上のデータパケットを廃棄することにより通知を達成する場合、第1のアップリンクフローの発信元エンドポイントは、廃棄されたデータパケットの確認応答パケットの受信失敗のために、その輻輳を気づくようになる。1つ以上のデータパケットへ輻輳指示を含ませることにより通知を達成する場合、第1のアップリンクフローの発信元エンドポイントは、その輻輳指示を反映する確認応答パケットの受信のために、その輻輳に気づくようになる。第1のアップリンクフローの発信元エンドポイントは、第1のダウンリンクフローの送信速度を削減することにより輻輳に反応できる。
第2のシナリオによれば、第1のアップリンクフローを送信するベアラの輻輳はトランスポートネットワーク160で発生する。このことは、例えば、第1のアップリンクフローのデータパケットがトランスポートネットワーク160を介して受信されることに成功しないことか、または、輻輳インジケータによりマークを付されることかに基づいて、制御ノード140の輻輳検出器148により検出される。輻輳検出器148は、ベアラ選択器147に検出された輻輳を示す。検出された輻輳がトランスポートネットワーク160にあることに応じて、ベアラ選択器147は検出された輻輳を通知するために第1のアップリンクフローと第2のアップリンクフローを送信するベアラの内の少なくとも1つ、例えば、第2のアップリンクフローを送信するベアラを選択し、輻輳通知器146に1つ以上の選択されたベアラを示す。この選択は、ベアラの優先度に基づくものである。第2のアップリンクフローを送信するベアラが、例えば、その所望相対ビット速度を超えるために低い優先度を有すると判断されたことを仮定して、このベアラは選択される。
輻輳通知器146は、選択されたベアラに関係するアップリンクフローの輻輳を通知する。上記のように、これは、第2のアップリンクフローを送信するベアラであるかもしれない。エンドツーエンドプロトコルの実施形に依存して、このことは、第2のアップリンクフローの1つ以上のデータパケットを廃棄することによるか、或いは、第2のアップリンクフローの1つ以上のデータパケットへ、輻輳指示、例えば、ECNを含ませることによるかの内、少なくともいずれかを行うことにより達成できる。1つ以上のデータパケットを廃棄することにより通知を達成する場合、第2のアップリンクフローの発信元エンドポイントは、廃棄されたデータパケットに対する確認応答パケットの受信失敗のために輻輳に気づくようになる。1つ以上のデータパケットへ輻輳指示を含ませることにより通知を達成する場合、第2のアップリンクフローの発信元エンドポイントは、輻輳指示を反映する確認応答パケットを受信するためにその輻輳に気づくようになる。第2のアップリンクフローの発信元エンドポイントは、第2のフローの送信速度を削減することにより輻輳に反応できる。トランスポートネットワーク160では、このことは、同時に、追加リソースを第1のアップリンクフローのデータパケットを送信するために利用可能にする。
上記のような概念によれば、制御ノード140と無線アクセスノード180との内の少なくともいずれかは、固定送信速度、例えば、最大可能送信速度により動作できる。従って、これらのノードにおいて送信速度を調整するための複雑なフロー制御処理は回避される。むしろ、フロー制御の反応はエンドツーエンドプロトコルの発信元エンドポイントで開始されると良い。
図2はさらに制御ノード140の代表的な実施形を図示している。以上説明したように、制御ノード140は、3GPP技術仕様に従うUTRANで使用されるRNCとして実現される。
制御ノード140は、3GPP技術仕様に従うluインタフェースとして実装されるコアネットワーク(CN)インタフェース142と、トランスポートネットワーク160を介して制御ノード140を無線アクセスノード180、即ち、ノードBに結合する目的を有する無線アクセスノードインタフェース142とを含む。コアネットワークインタフェース142は制御ノードのO&Mインタフェースを実装するためにも使用できる。さらに、制御ノード140は、インタフェース142、144に結合されるプロセッサ145とプロセッサ145に結合されるメモリ150とを含む。メモリ150は、例えば、フラッシュROMのような読み出し専用メモリ(ROM)と、例えば、ダイナミックRAM(DRAM)やスタティックRAM(SRAM)のようなランダムアクセスメモリ(RAM)と、例えば、ハードディスクや半導体ディスクなどのような大容量記憶装置とを含むことができる。メモリ150は、図1A、図1B、或いは、図1Cに関連して説明したような制御ノード140の機能を実装するために、プロセッサ145により実行されるように適切に構成されたプログラムコードを含む。具体的には、メモリ150は、例えば、RLCプロトコルのような再送プロトコル機能を実装するための再送プロトコル(RP)モジュール151、フロー制御プロトコル機能のためのフロー制御(FC)モジュール152、トランスポートネットワーク160を介する通信に使用される伝送プロトコル機能を実装するための伝送プロトコル(TP)モジュール153、輻輳検出器148の機能を達成するための検出モジュール154、ベアラ選択器147の機能を実装するための選択モジュール155、及び、輻輳通知器146の機能を実装するための通知モジュール156を含むと良い。なお、これに関して、図1Aと図1Bのダウンリンクの実施形では、検出モジュール154は省略できる。さらに、選択モジュール155は図1Aのダウンリンクの実施形では省略できる。メモリ150の一部はキュー141を実装するためにも使用できる。
図2に例示するような構造は単に模式的なものに過ぎず、制御ノード140は実際には、説明を明瞭にするために、図示していない更なる構成要素、例えば、物理リンクレイヤインタフェース構造を含みうることを理解すべきである。また、メモリ150は、図示していない更なるタイプのプログラムコードモジュール、例えば、3GPP技術仕様に従うUTRANのRNCの既知の機能を実装するプログラムコードモジュールを含みうることを理解すべきである。
図3はさらに無線アクセスノード180の代表的な実施形を図示している。以上説明したように、無線アクセスノード180は、3GPP技術仕様に従うUTRANで使用されるノードBとして実施される。
無線アクセスノード180はトランスポートネットワーク160を介して無線アクセスノード180を制御ノード140、即ち、RNCに結合する目的を有し、3GPP技術仕様によるlubとして実装される制御ノードインタフェース182と、無線リンク250を介して1つ以上のUEに結合する無線インタフェース184とを含む。3GPP技術仕様に従うUTRANのノードBの図示例において、無線インタフェースはUuインタフェースであっても良い。さらに、無線アクセスノード180は、インタフェース182、184に結合されるプロセッサ185と、プロセッサ185に結合されるメモリ190とを含む。メモリ190は、例えば、フラッシュROMのような読み出し専用メモリ(ROM)と、例えば、ダイナミックRAM(DRAM)やスタティックRAM(SRAM)のようなランダムアクセスメモリ(RAM)と、例えば、ハードディスクや半導体ディスクなどのような大容量記憶装置とを含むことができる。メモリ190は、図1A、図1B、或いは、図1Cに関連して説明したような無線アクセスノード180の機能を実装するためにプロセッサ145により実行されるように適切に構成されたプログラムコードを含む。具体的には、メモリ190は、フロー制御プロトコル機能を実装するためのフロー制御(FC)モジュール191と、トランスポートネットワーク160を介する通信に使用する伝送プロトコル機能を実装するための伝送プロトコル(TP)モジュール192と、輻輳検出器186と輻輳検出器187との内の少なくともいずれかの機能を達成するための検出モジュール193と、無線アクセスノード180によりサービスが提供されるUEのダウンリンクとアップリンク送信のスケジューリングを達成するためのスケジューリングモジュール194と、ベアラ選択器188の機能を実装するための選択モジュール195と、輻輳メッセージ生成器189の機能を実装するためのメッセージモジュールとを含むことができる。なお、これに関して、図1Bのダウンリンクの実施形と図1Cのアップリンクの実施形では、選択モジュール195を省略しても良い。メモリ190の一部はキュー181の実装するためにも使用できる。
図3に例示するような構造は単に模式的なものに過ぎず、無線アクセスノード180は実際には、説明を明瞭にするために、例示していない更なる構成要素、例えば、物理リンクレイヤインタフェース構造を含みうることを理解すべきである。また、メモリ190は例示していない更なるタイプのプログラムコードモジュール、例えば、3GPP技術仕様に従うUTRANのノードBの既知機能を実装するプログラムコードモジュールを含みうることを理解すべきである。
図4は本発明の実施例に従う輻輳処理の概念が適用される、LTEを実施する移動体通信ネットワーク環境を概略的に例示している。図示の例では、移動体通信ネットワーク環境セクションは3GPP技術仕様に従ってE−UTRANとして実施される。
例示するように、移動体通信ネットワーク環境は無線アクセスネットワークを含み、その無線アクセスネットワークでは、制御ノード340はトランスポートネットワーク360を介して無線アクセスノード380に結合され、エンドデバイス110、120と無線リンク260とを介して無線アクセスノード380に結合されるUE210、220との間のデータパケットを伝送する。例示されたE−UTRANの実施形に従えば、無線アクセスノード380はeノードB(eNB)として実施され、制御ノード340はサービングゲートウェイ(S−GW)として実施され、トランスポートネットワーク360はS1インタフェースのトランスポートネットワークである。この接続で、トランスポートネットワーク360は制御ノード340と無線アクセスノード380との間のデータパケットの伝送を可能にするようにインタフェースとなる1つ以上の伝送ノード(不図示)を含みうることを理解すべきである。これはまた、例えば、LTEとHSPAネットワークに共通に使用される共通トランスポートネットワークであっても良い。また、エンドデバイス110、120は実際には、サーバ、リモート端末、そして更なるUEを含む種々のデバイスタイプに対応していることを理解すべきである。加えて、更なる制御ノードは、制御ノード340とエンドデバイス110、120との間に結合される。
さらに図示されるように、種々のプロトコルやプロトコルレイヤを使用してエンドデバイス110、120とUE210、220との間でデータパケットを伝送できる。ここで説明するようなフロー制御と輻輳処理の概念の図示するため、図4はエンドデバイス110、120とUE210、220との間に実装されるエンドツーエンドプロトコルを示している。エンドツーエンドプロトコルは、上位レイヤプロトコルであり、図示の例ではTCP/IP(TCP:伝送制御プロトコル、IP:インターネットプロトコル)タイプのもので良い。他のプロトコルタイプも同様に用いることができ、例えば、UDP(ユーザデータグラムプロトコル)と共に、リアルタイムプロトコル(RTP)とその対応部分であるリアルタイム制御プロトコル(RTCP)との内の少なくともいずれかを同様に使用できる。エンドツーエンドプロトコルはフロー制御機能を含むかもしれない。特に、エンドツーエンドプロトコル送信機が、エンドツーエンドプロトコル受信機へのデータパケットの送信における輻輳が通知されれば、エンドツーエンドプロトコル送信機はその送信速度を低減することができる。他方、所与の時間の間、輻輳が通知されなければ、エンドツーエンドプロトコル送信機はその送信速度を増加させることができる。このようにして、エンドツーエンドプロトコルは、可能な限り速い送信速度を設定することを試みるが、依然として過度の量の輻輳を回避するのである。エンドツーエンドプロトコルの上記例は対応するフロー制御機能を含むものである。
エンドツーエンドプロトコルの上記例では、データパケットは通常、対応ヘッダフィールドに、発信元アドレスと、宛先アドレスと、発信元ポートと、宛先ポートとを含む。発信元アドレスと、宛先アドレスと、発信元ポートと、宛先ポートとに基づいて、発信元アドレスと発信元ポートとにより定義される発信元エンドポイントと、宛先アドレスと宛先ポートとにより定義される宛先エンドポイントとの間のIPパケットのフローとして、IPパケットフローは定義される。通常、図4に例示するような移動体通信ネットワーク環境における全てのノードはこのエンドツーエンドプロトコル情報へアクセスしないであろう。例えば、図4に例示するようなトランスポートネットワーク360のノードは、下位プロトコルレイヤ情報のみで、例えば、S1ネットワークに対する3GPP技術仕様(例えば、3GPP TS 36.410を参照)に規定されるような下位レイヤの伝送プロトコルに基づいて動作でき、それ故、エンドツーエンドプロトコルのフロー制御機構と相互動作することはできないであろう。制御ノード340は、エンドツーエンドプロトコルフローの発信元エンドポイントと宛先エンドポイントとの間に配置されるので、制御ノードは中間ノードとも呼ばれる。
加えて、図4はまた、制御ノード340とUE210、220との間に確立されるベアラを示している。具体的には、第1のエンドデバイス110と第1のUE210との間のデータ伝送に使用される第1のベアラは、制御ノード340から更に、トランスポートネットワーク360、無線アクセスノード380、第1のUE210へと伸張し、第2のエンドデバイス120と第2のUE220との間のデータ伝送に使用される第2のベアラは、制御ノード340から、トランスポートネットワーク360と無線アクセスノード380とを介して第2のUE220に伸張する。この接続では、ベアラは、例えば、サービス品質(QoS)に関して一定の保証された伝送属性を有するチャネルであると考えられる。例示されたUTRANの実施形に従えば、ベアラは発展型パケットシステム(EPS)ベアラとも呼ばれる。
図4には、第1のフローがエンドデバイス110からUE210に伸び、第2のフローがエンドデバイス120からUE220に伸びる代表的な状況が図示されている。第1のフローと第2のフローとはそれぞれ、関係するベアラを介して送信される。特に、第1のフローはUE210と制御ノード340との間に確立される第1のベアラを介して送信され、第2のフローはUE220と制御ノード340との間に確立される第2のベアラを介して送信される。第1のフローと第2のフローとはダウンリンク方向、即ち、UE210、220への方向にあるかもしれない。この場合、エンドデバイス110は、第1のフローの第1の発信元エンドポイントに対応し、UE210は第1のフローの第1の宛先エンドポイントに対応し、エンドデバイス120は第2のフローの第2の発信元エンドポイントに対応し、UE220は第2のフローの第2の宛先エンドポイントに対応する。第1のフローと第2のフローとはまた、アップリンク方向、即ち、UE210、220からの方向にあるかもしれない。この場合、UE110は第1のフローの第1の発信元エンドポイントに対応し、エンドデバイス110は第1のフローの第1の宛先エンドポイントに対応し、UE220は第2のフローの第2の発信元エンドポイントに対応し、エンドデバイス120は第2のフローの第2の宛先エンドポイントに対応する。追加フローも同様に存在でき、第1のフローと第2のフローとは複数フローの例とみなされることを理解すべきである。また、通常は、ダウンリンクフローとアップリンクフローとは同時に存在するであろうことも理解すべきである。例えば、ダウンリンクフローはペイロードデータを伴うデータパケットを伝送でき、確認応答データパケットを伝送する反対方向の対応するアップリンクフローを有するかもしれない。同様に、アップリンクフローはペイロードデータを伴うデータパケットを伝送でき、確認応答データパケットを伝送する反対方向の対応するダウンリンクフローを有するかもしれない。さらに、異なるフローのエンドポイントは、(図4に例示するように)異なる物理デバイスに位置しても良いが、同じ物理デバイスに位置しても良いことを理解すべきである。それにもかかわらず、これらのフローは異なるベアラで送信されるかもしれない。例えば、同じUEにその発信元/宛先エンドポイントを有する2つ以上のフローが存在することもありえる。そのようなフローでは、発信元/宛先エンドポイントは同じ発信元/宛先アドレスであるが、異なる発信元/宛先ポートにより識別される。例えば、同じUEに位置するフローの発信元/宛先エンドポイントを有するような異なるフローは、種々のサービス、例えば、ボイスオーバIP(VoIP)サービスや移動体TVサービスやファイル共有サービスに関係できる。このような種々のサービスはまた、異なる優先度を有するかもしれない。例えば、VoIPサービスは、移動体TVサービスやファイル共有サービスより高い優先度を有するかもしれない。
図4の移動体通信ネットワーク環境では、種々の輻輳タイプが発生するかもしれない。特に、輻輳は、トランスポートネットワーク360で発生するかもしれず、或いは、無線リンク260で発生するかもしれない。
例えば、制御ノード340から無線アクセスノード380へデータパケットを送信する場合、トランスポートネットワーク360に輻輳があるかもしれず、この輻輳は無線アクセスノード380により受信に成功しないフローの1つ以上のデータパケットに基づいて無線アクセスノード380において検出される。さらに、無線アクセスノード380からUE210、220それぞれの宛先エンドポイントにデータパケットを送信する場合、無線リンク260に輻輳があるかもしれない。後者のタイプの輻輳は、フローのデータパケットが無線リンク260を介してUE210、220それぞれの送信される前に割り当てられるキュー381の少なくとも1つのキューイングパラメータ、例えば、キュー381のキューイング遅延とキュー381の最大レベルとの内の少なくともいずれかに基づいて検出される。例えば、キューイング遅延またはキュー381の最大レベルが所与の閾値を超えれば、これは無線リンク260の輻輳として解釈される。通常、無線アクセスノード380によりサービスを受ける各UE210、220に対して少なくとも1つのキューが存在するであろう。幾つかの場合では、無線アクセスノード380とUE210、220との間に複数の無線ベアラが確立されるかもしれない。このような場合、各無線ベアラに対応するキュー381が存在するかもしれない。
トランスポートネットワーク360での輻輳は、例えば、トランスポートネットワーク360のキュー361の少なくとも1つのキューイングパラメータに基づき、トランスポートネットワーク360でも局所的に検出される。そのキューイングパラメータは、キュー361のキューイング遅延とキュー361の最大レベルとの内の少なくともいずれかであるかもしれない。例えば、トランスポートネットワーク360のキュー361のキューイングパラメータが所与の閾値を超えれば、これは輻輳として解釈される。幾つかの実施例によれば、輻輳を局所的に検出するトランスポートネットワークノードは、キューからパケットを廃棄することにより反応でき、これはしばしば、アクティブキュー管理(AQM)と呼ばれる。幾つかの実施例によれば、輻輳を局所的に検出するトランスポートネットワークノードはまた、輻輳インジケータにより、例えば、キュー361のデータパケットへ明示的輻輳通知(ECN)フラグを設定することにより、キュー361の1つ以上のデータパケットにマークを付すことができる。無線アクセスノード380はこの場合、輻輳インジケータによりマークが付された1つ以上のデータパケットを受信することに基づいて、その輻輳を検出できるであろう。
トランスポートネットワーク360を介して無線アクセスノード380から制御ノード340へデータパケットを送信する場合、トランスポートネットワーク360での輻輳は通常、制御ノード340による受信に成功しないアップリンクフローの1つ以上のデータパケットが生じるという結果になるであろう。UE210、220から無線アクセスノード380へデータパケットを送信する場合、無線リンク260での輻輳は、無線アクセスノード380による受信に成功しないデータパケットに基づくか、または無線アクセスノード380が1つ以上のデータパケットのアップリンク送信をスケジュールできないことに基づいて、無線アクセスノード380により検出される。例えば、UE210、220が無線アクセスノード380への無線接続を喪失するか、或いは、その無線接続が干渉により擾乱を受けるか、またはデータパケットフローの発信元エンドポイントにより提供されるデータ速度が無線接続のスループットを超えれば、このような状況が発生するかもしれない。
上記タイプの輻輳の幾つかを検出するため、無線アクセスノード380には第1の輻輳検出器386と第2の輻輳検出器387とが設けられる。以上の説明に従えば、輻輳検出器386はダウンリンクフローに関する無線リンク260の輻輳を検出でき、これは各UE210、220の宛先エンドポイントに送信するダウンリンクフローのデータパケットを保持するために無線アクセスノード380に設けられるキュー381のキューイングパラメータに基づいて達成される。幾つかの実施例では、所与の時間の窓においてアップリンクフローの一定数のデータパケットが無線アクセスノード380による受信に成功しなかったことを検出することにより、輻輳検出器386は無線リンク260での輻輳を検出できる。以上の説明に従えば、第1の輻輳検出器386はアップリンクフローに関する無線リンク260の輻輳も検出でき、これは、無線アクセスノード380による受信に成功しないアップリンクフローのデータパケットを検出することによるか、或いは、無線アクセスノード380が無線リンク260を介する1つ以上のデータパケットのアップリンク送信をスケジュールするのを失敗することを検出することによるか、或いは、UEにより無線アクセスノードに提供されるバッファ状態報告に基づいてUEのデータパケットキューが事前に定義された閾値を超えることを検出することにより達成される。幾つかの実施例では、第1の輻輳検出器386は、所与の時間の窓においてアップリンクフローの一定数のデータパケットが無線アクセスノード380による受信に成功しなかったことを検出することにより、無線リンク260での輻輳を検出できる。
以上の説明に従えば、輻輳検出器387はトランスポートネットワーク360の輻輳を検出でき、これは、無線アクセスノード380による受信に成功しないダウンリンクフローのデータパケットを検出することにより達成できる。これには、制御情報を評価することが関係する。幾つかの実施例では、輻輳検出器387は、所与の時間の窓において、ダウンリンクフローの一定数のデータパケットが無線アクセスノード380による受信に成功しなかったことを検出することにより、トランスポートネットワーク360での輻輳を検出できる。輻輳検出器387はまた、輻輳指示、例えば、ECNフラグによりマークを付されたダウンリンクフローの1つ以上のデータパケットをトランスポートネットワーク360において受信することにより、トランスポートネットワーク360での輻輳を検出できる。
無線アクセスノード380にはさらに、第1の輻輳検出器386と第2の輻輳検出器387とから検出輻輳の指示を受信するベアラ選択器388が設けられる。検出された輻輳の指示に応じて、ベアラ選択器388はその検出された輻輳を通知するために1つ以上のベアラを選択する。その選択は検出された輻輳のタイプに基づくものであると良い。具体的には、第1の輻輳検出器386により検出されるように、検出された輻輳が無線リンク260にあれば、ベアラ選択器388はその輻輳が検出されたたベアラを選択すると良い。第2の輻輳検出器387により検出されるように、検出された輻輳がトランスポートネットワーク360にあれば、ベアラ選択器388はその輻輳を通知するために、その輻輳が検出されたベアラより低い優先度を有する少なくとも1つの他のベアラを選択すると良い。このため、ベアラ選択器388は、例えば、絶対優先度に基づくか、または、相対ベアラビット速度に基づいてベアラの優先度を判断できる。例えば、所望相対ビット速度はベアラに割り当てられ、その所望相対ビット速度を超えるベアラが低い優先度を有すると判断されても良い。幾つかの状況では、例えば、ベアラが実質的に同じ優先度を有すると判断されれば、ベアラ選択器388はまた、輻輳を通知するために複数の、或いは、全てのベアラさえも選択できる。
無線アクセスノード380にはさらに、ベアラ選択器388から選択されたベアラの指示を受信する輻輳通知器389が設けられる。輻輳通知器389は、ベアラ選択器388により示されるような選択されたベアラに関係するフローにおいて検出された輻輳を通知するように構成される。このことは、例えば、無線アクセスノード380の対応キュー381から、選択されたベアラに関係するフローの1つ以上のデータパケットを廃棄することによるか、または、選択されたベアラに関係するフローの1つ以上のデータパケットに、例えば、ECNフラグを設定することによる輻輳指示によりマークを付すことにより達成される。
アップリンクフローにおいて発生するトランスポートネットワーク360における輻輳を検出するために、制御ノード340には輻輳検出器348が設けられる。以上の説明に従えば、輻輳検出器348は、制御ノード340による受信に成功しないアップリンクフローのデータパケットを検出することにより、トランスポートネットワークの輻輳を検出できる。輻輳検出器348は、制御ノード340のベアラ選択器347に検出された輻輳を示す。輻輳検出器348はまた、例えば、ECNフラグのような輻輳指示でマークが付されたアップリンクフローの1つ以上のデータパケットをトランスポートネットワーク360において受信することにより、トランスポートネットワーク360における輻輳を検出できる。輻輳検出器348は制御ノード340のベアラ選択器347に検出された輻輳を示す。
制御ノード340にはさらに、輻輳検出器348から検出された輻輳の指示を受信するベアラ選択器347が設けられる。検出された輻輳の指示に応じて、ベアラ選択器347は検出された輻輳を通知するために1つ以上のベアラを選択する。その選択は、ベアラの優先度に基づいて達成される。このために、ベアラ選択器347は、例えば、絶対優先度に基づくか、または相対ベアラビット速度に基づいて、ベアラの優先度を判断できる。例えば、所望相対ビット速度がベアラに割り当てられて、その所望相対ビット速度を超えるベアラが低い優先度を有すると判断されても良い。幾つかの状況では、例えば、ベアラが実質的に同じ優先度を有すると判断されれば、ベアラ選択器347はまた、輻輳を通知するために複数の、或いは、全てのベアラさえも選択できる。
制御ノード340にはさらに、ベアラ選択器347からの選択されたベアラの通知を受信する輻輳通知器346が設けられる。輻輳通知器346は、ベアラ選択器347により指示されるような選択されたベアラに関係するフローにおいて検出された輻輳を通知するよう構成される。このことは、例えば、制御ノード340の対応キュー341から、選択されたベアラに関係するフローの1つ以上のデータパケットを廃棄することによるか、または、選択されたベアラに関係するフローの1つ以上のデータパケットに、例えば、ECNフラグを設定することによる輻輳指示によりマークを付すことにより達成される。
次に、図4の実施形におけるダウンリンクフローの輻輳処理について、第1のダウンリンクフローと第2のダウンリンクフローと呼ばれる2つのダウンリンクフローを含む代表的なシナリオを参照することによりさらに説明する。図4の代表的な移動体通信ネットワーク環境を参照すると、第1のダウンリンクフローはエンドデバイス110からUE210に伸張し、第2のダウンリンクフローはエンドデバイス120からUE220に伸張している。しかしながら、これは単に例示に過ぎず、第1のダウンリンクフローと第2のダウンリンクフローとは、トランスポートネットワーク360を介して制御ノード340から無線アクセスノード380へ共に送信されるいずれのタイプのダウンリンクフローであっても良いことを理解すべきである。さらに、第1のダウンリンクフローは第2のダウンリンクフローより高い優先度を有することを仮定する。例えば、上記のように、第1のダウンリンクフローと第2のダウンリンクフローとは種々のサービスに関係でき、第1のダウンリンクフローサービスは第2のダウンリンクフローサービスより高い優先度を有しているかもしれない。さらに、第1のダウンリンクフローと第2のダウンリンクフローとは異なるユーザに関係でき、第1のダウンリンクフローのユーザは、例えば、第1のダウンリンクフローのユーザがプレミアム契約を有しているために、第2のダウンリンクフローのユーザより高い優先度を有するかもしれない。優先度情報は無線アクセスノード380で事前に構成設定されても良いし、或いは、例えば、制御ノード380の運用並びに保守(O&M)インタフェースを使用して、オペレータにより構成設定されても良い。第1のダウンリンクフローと第2のダウンリンクフローとが異なるベアラに割り当てられ、1つは制御ノード340とUE210との間に確立される一方、他方は制御ノード340とUE220との間に確立される。
第1のシナリオによれば、第1のダウンリンクフローを送信するベアラの輻輳は無線リンク260で発生する。これは、第1のダウンリンクフローのデータパケットが無線リンク260を介して送信される前に割り当てられる、例えば、一定の閾値を超えるキュー381のキューイングパラメータに基づいて、無線アクセスノード380の輻輳検出器386により検出される。
輻輳検出器386は、無線アクセスノード380のベアラ選択器388に検出された輻輳を示す。検出された輻輳が無線リンク260にあることに応じて、ベアラ選択器388は、その検出された輻輳を通知するためにその輻輳が検出されたのと同じベアラ、即ち、第1のダウンリンクフローを送信するベアラを選択し、輻輳通知器389に選択されたベアラを指示する。
輻輳通知器389は、選択されたベアラに関係するダウンリンクフローの輻輳を第1のダウンリンクフローで通知する。エンドツーエンドプロトコルの実施形に依存して、このことは、第1のダウンリンクフローの1つ以上のデータパケットを廃棄することによるか、或いは、第1のダウンリンクフローの1つ以上のデータパケットへ、例えば、ECNフラグを設定することにより、輻輳指示を含めることによるかの内、少なくともいずれかを行うことにより達成される。1つ以上のデータパケットを廃棄することにより通知を達成する場合、第1のダウンリンクフローの発信元エンドポイントは廃棄されたデータパケットの確認応答パケットの受信を失敗するために輻輳に気づくようになる。1つ以上のデータパケットへ輻輳指示を含めることにより通知を達成する場合、第1のダウンリンクフローの発信元エンドポイントは輻輳指示を反映する確認応答パケットを受信するために輻輳に気づくようになる。第1のダウンリンクフローの発信元エンドポイントは、第1のダウンリンクフローの送信速度を低減することにより輻輳に反応できる。
第2のシナリオによれば、第1のダウンリンクフローを送信するベアラの輻輳はトランスポートネットワーク360で発生する。これは、例えば、輻輳インジケータ、例えば、ECNフラグによりマークを付される第1のダウンリンクフローのデータパケットに基づいて、無線アクセスノード380の輻輳検出器387により検出される。
輻輳検出器387は、無線アクセスノード380のベアラ選択器388に検出された輻輳を示す。検出された輻輳がトランスポートネットワーク360にあることに応じて、ベアラ選択器388は1つ以上のベアラ、例えば、第2のダウンリンクフローを送信するベアラを検出された輻輳を通知するために選択し、輻輳通知器389にその選択されたベアラを示す。この選択は、ベアラの優先度、例えば、絶対ベアラ優先度またはベアラの相対ビット速度に基づく優先度に基づいている。第2のアップリンクフローを送信するベアラが、例えば、その所望相対ビット速度を超えるために低い優先度を有すると判断されたことを仮定して、このベアラが選択される。
輻輳通知器389は、選択されたベアラに関係するダウンリンクフローにおける輻輳を通知する。上記のように、これは、第2のダウンリンクフローを送信するベアラであるかもしれない。エンドツーエンドプロトコルの実施形に依存して、このことは、第2のダウンリンクフローの1つ以上のデータパケットを廃棄することによるか、或いは、第2のダウンリンクフローの1つ以上のデータパケットへ、例えば、ECNフラグを設定することにより輻輳指示を含めることによるかの内、少なくともいずれかを行うことにより達成される。1つ以上のデータパケットを廃棄することにより通知を達成する場合、第2のダウンリンクフローの発信元エンドポイントは、廃棄されたデータパケットの確認応答パケットの受信を失敗するために輻輳に気づくようになる。1つ以上のデータパケットへ輻輳指示を含めることにより通知を達成する場合、第2のダウンリンクフローの発信元エンドポイントは、輻輳指示を反映する確認応答パケットを受信するために輻輳に気づくようになる。第2のダウンリンクフローの発信元エンドポイントは、第1のダウンリンクフローの送信速度を低減することにより輻輳に反応できる。これは同時に、追加リソースを第1のダウンリンクフローのデータパケットを送信するために利用可能にする。
次に、図4の実施形におけるアップリンクフローの処理について、第1のアップリンクフローと第2のアップリンクフローと呼ばれる2つのアップリンクフローを含む代表的なシナリオを参照することにより更に説明する。図4の実施形を参照するなら、第1のアップリンクフローはUE210からエンドデバイス110に伸張し、第2のアップリンクフローはUE220からエンドデバイス120に伸張することができる。しかしながら、これは単に例示に過ぎず、第1のアップリンクフローと第2のアップリンクフローとは、トランスポートネットワーク360を介して無線アクセスノード380から制御ノード340へ共に送信されるいずれのタイプのアップリンクフローでも良いことを理解すべきである。第1のアップリンクフローが第2のアップリンクフローより高い優先度を有することをさらに仮定する。例えば、上記のように、第1のアップリンクフローと第2のアップリンクフローとは種々のサービスに関係でき、第1のアップリンクフローサービスは第2のアップリンクフローサービスより高い優先度を有するかもしれない。さらに、第1のアップリンクフローと第2のアップリンクフローとは異なるユーザに関係でき、第1のアップリンクフローのユーザは、例えば、第1のアップリンクフローのユーザがプレミアム契約を有しているために第2のアップリンクフローのユーザより高い優先度を有するかもしれない。優先度情報はトランスポートネットワーク360において事前に構成設定されても良いし、或いは、例えば、制御ノード340の運用並びに保守(O&M)インタフェースを使用してオペレータにより構成設定されても良い。第1のアップリンクフローと第2のアップリンクフローとが異なるベアラに割り当てられ、1つが制御ノード340とUE210との間に確立され、他方は制御ノード340とUE220との間に確立される。
第1のシナリオによれば、第1のアップリンクフローを送信するベアラの輻輳は無線リンク260で発生する。これは、例えば、無線アクセスノード380で受信に成功しない第1のアップリンクフローのデータパケットに基づくか、または、無線アクセスノード380が第1のアップリンクフローの1つ以上のデータパケットのアップリンク送信をスケジュールするのに失敗することに基づいて、無線アクセスノード380の輻輳検出器386により検出される。輻輳検出器386はベアラ選択器388に検出された輻輳を示す。検出された輻輳が無線リンク250にあることに応じて、ベアラ選択器388は検出された輻輳を通知するためにその輻輳が検出されたのと同じベアラ、即ち、第1のアップリンクフローを送信するベアラを選択し、その選択されたベアラを輻輳通知器389に指示する。
輻輳通知器389は、選択されたベアラに関係するアップリンクフローで、即ち、第1のアップリンクフローで輻輳を通知する。エンドツーエンドプロトコルの実施形に依存して、このことは、第1のアップリンクフローの1つ以上のデータパケットを廃棄することによるか、或いは、第1のアップリンクフローの1つ以上のデータパケットへ、例えば、ECNのような輻輳指示を含めることによるかの内、少なくともいずれかを行うことにより達成される。1つ以上のデータパケットを廃棄することにより通知を達成する場合、第1のアップリンクフローの発信元エンドポイントは、廃棄されるデータパケットの確認応答パケットの受信を失敗するために、輻輳に気づくようになる。1つ以上のデータパケットへ輻輳指示を含ませることにより通知を達成する場合、第1のアップリンクフローの発信元エンドポイントは、輻輳指示を反映する確認応答パケットを受信するために、輻輳に気づくようになる。第1のアップリンクフローの発信元エンドポイントは、第1のアップリンクフローの送信速度を低減することにより輻輳に反応できる。
第2のシナリオによれば、第1のアップリンクフローを送信するベアラの輻輳はトランスポートネットワーク360で発生する。これは、例えば、ECNフラグのような輻輳インジケータでマークが付されるトランスポートネットワーク360から受信されるような第1のアップリンクフローのデータパケットに基づいて、制御ノード340の輻輳検出器348により検出される。輻輳検出器348はベアラ選択器347に検出された輻輳を示す。検出された輻輳がトランスポートネットワーク360にあることに応じて、ベアラ選択器347は、検出された輻輳を通知するために、第1のアップリンクフローと第2のアップリンクフローとを送信するベアラの少なくとも1つ、例えば、第2のアップリンクフローを送信するベアラを選択し、輻輳通知器346に1つ以上の選択されたベアラを指示する。この選択は、ベアラの優先度に基づいている。第2のアップリンクフローを送信するベアラが、例えば、その所望相対ビット速度を超えるために、低い優先度を有すると判断されたことを仮定して、このベアラが選択される。
輻輳通知器346は選択されたベアラに関係するアップリンクフローにおける輻輳を通知する。上記のように、これは、第2のアップリンクフローを送信するベアラであるかもしれない。エンドツーエンドプロトコルの実施形に依存して、これは、第2のアップリンクフローの1つ以上のデータパケットを廃棄することによるか、或いは、第2のアップリンクフローの1つ以上のデータパケットへ、例えば、ECNのような輻輳指示を含めることによるかの内、少なくともいずれかを行うことにより達成される。1つ以上のデータパケットを廃棄することにより通知を達成する場合、第2のアップリンクフローの発信元エンドポイントは、廃棄されたデータパケットの確認応答パケットの受信を失敗するために輻輳に気づくようになる。1つ以上のデータパケットへ輻輳指示を含めることにより通知を達成する場合、第2のアップリンクフローの発信元エンドポイントは輻輳指示を反映する確認応答パケットを受信するために輻輳に気づくようになる。第2のアップリンクフローの発信元エンドポイントは、第2のフローの送信速度を低減することにより輻輳に反応できる。トランスポートネットワークでは、これは同時に追加リソースを第1のダウンリンクフローのデータパケットを送信するために利用可能にする。
上記のような概念によれば、制御ノード340と無線アクセスノード380との内の少なくともいずれかは、固定送信速度、例えば、最大可能送信速度により動作できる。従って、これらのノードにおける送信速度を調整するための複雑なフロー制御処理は回避される。むしろ、全てのフローにおいて所望のスループットまたは相対ビット速度を達成するために、エンドツーエンドプロトコルの発信元エンドポイントにおいて、フロー制御の反応処理が開始される。
図5は、制御ノード340の代表的な実施形をさらに図示している。以上説明したように、制御ノード340は、3GPP技術仕様に従いUTRANで使用されるS−GWとして実施される。
制御ノード340は3GPP技術仕様に従うS5/S8インタフェースとして実装できるコアネットワーク(CN)インタフェース342と、トランスポートネットワーク360を介して制御ノード340を無線アクセスノード380、即ち、eノードBに結合する目的を有する無線アクセスノードインタフェース342とを含む。コアネットワークインタフェース342は制御ノード340のO&Mインタフェースを実装するために使用できる。さらに、制御ノード340はインタフェース342、344に結合されるプロセッサ345とプロセッサ345に結合されるメモリ350とを含む。メモリ350は、例えば、フラッシュROMのような読み出し専用メモリ(ROM)と、例えば、ダイナミックRAM(DRAM)やスタティックRAM(SRAM)のようなランダムアクセスメモリ(RAM)と、例えば、ハードディスクや半導体ディスクなどのような大容量記憶装置とを含むことができる。メモリ350は、図4に関連して説明したような制御ノード340の機能を実施するためにプロセッサ345により実行されるように適切に構成されたプログラムコードを含む。具体的には、メモリ350は、例えば、ベアラを確立、修正、或いは廃棄するといったベアラ制御機能を実装するためのベアラ制御(BC)モジュール351と、トランスポートネットワーク360を介する通信に使用する伝送プロトコル機能を実装するための伝送プロトコル(TP)モジュール352と、輻輳検出器348の機能を達成するための検出モジュール353と、ベアラ選択器347の機能を実装するための選択モジュール354と、輻輳通知器346の機能を実装するための通知モジュール355とを含むことができる。メモリ350は、図4に例示されるようにキュー341を実装するためにも使用される。
図5に例示するような構造は単に模式的なものに過ぎず、制御ノード340は実際には、説明を明瞭にするために、例示していない更なる構成要素、例えば、物理リンクレイヤインタフェース構造を含みうることを理解すべきである。また、メモリ350は、例示していないタイプのプログラムコードモジュール、例えば、3GPP技術仕様に従うE−UTRANのS−GWの既知機能を実装するためのプログラムコードモジュールを含みうることを理解すべきである。
図6はさらに、無線アクセスノード380の代表的な実施形を図示している。以上説明したように、無線アクセスノード380は、3GPP技術仕様に従うE−UTRANで使用されるeノードBとして実施される。
無線アクセスノード380は、トランスポートネットワーク360を介して無線アクセスノード380を制御ノード340、即ち、3GPP技術仕様に従うS1インタフェースとして実装されるS−GWに結合する目的をもつ制御ノードインタフェース382と、無線リンク260を介して1つ以上のUEに結合するための無線インタフェース384とを含む。3GPP技術仕様に従うE−UTRANのeノードBの図示された例では、無線インタフェースはUuインタエースであっても良い。さらに、無線アクセスノード380は、インタフェース382、384に結合するプロセッサ385と、プロセッサ385に結合されるメモリ390とを含む。メモリ390は、例えば、フラッシュROMのような読み出し専用メモリ(ROM)と、例えば、ダイナミックRAM(DRAM)やスタティックRAM(SRAM)のようなランダムアクセスメモリ(RAM)と、例えば、ハードディスクや半導体ディスクなどのような大容量記憶装置を含むことができる。メモリ390は、図4に関連して説明したように無線アクセスノード380の機能を実装するプロセッサ385により実行されるように適切に構成されたプログラムコードを含む。具体的には、メモリ390は、例えば、ベアラを確立、修正、または廃棄するといったベアラ制御機能を実装するためのベアラ制御(BC)モジュール391と、トランスポートネットワーク360を介する通信に使用する伝送プロトコル機能を実装するための伝送プロトコル(TP)モジュール392と、輻輳検出器386と輻輳検出器387の機能を達成するための検出モジュール393と、無線アクセスノード380によりサービスが提供されるUEのダウンリンクとアップリンク送信のスケジューリングを達成するためのスケジューリングモジュール394と、ベアラ選択器388の機能を実装するための選択モジュール395と、輻輳通知器389の機能を実装するための通知モジュール396とを含むことができる。メモリ390の一部は、図4に例示されるようにキュー381を実装するためにも使用できる。
図6に例示するような構造は単に模式的なものに過ぎず、制御ノード380は実際には、説明を明瞭にするために、例示していない更なる構成要素、例えば、物理リンクレイヤインタフェース構造を含みうることを理解すべきである。また、メモリ390は、例示していない更なるタイプのプログラムコードモジュール、例えば、3GPP技術仕様に従うE−UTRANのeノードBの既知機能を実装するプログラムコードモジュールを含みうることを理解すべきである。
図7は本発明の実施例に従う方法を図示するフローチャートを示している。この方法は上記制御ノード140、340、または、無線アクセスノード180、380における輻輳処理に使用できる。
ステップ710では、第1のベアラに関係するフローのデータパケットと第2のベアラに関係するフローのデータパケットとを、中間ノード、例えば、制御ノード140、無線アクセスノード180、制御ノード340、または無線アクセスノード180において受信する。このために、制御ノードの対応インタフェース、例えば、図2、図3、図5、或いは、図6に関連して説明したようにインタフェース142、144、182、184、342、344、382、384の1つを使用できる。
ステップ720では、第1のフローと第2のフローのデータパケットを中間ノードから送信する。このために、制御ノードの対応インタフェース、例えば、図2、図3、図5、或いは、図6に関連して説明したようにインタフェース142、144、182、184、342、344、382、384の1つを使用できる。
ステップ730では、輻輳が第1のベアラにおいて検出されたことに応じて、関係するフローにおける検出された輻輳を通知するために、第1のベアラと第2のベアラとの内の少なくとも1つを選択する。これは、ベアラ選択器188、147、388、または347により達成される。例えば、関係するフローの少なくとも1つのデータパケットを廃棄するか、或いは、少なくとも1つの関係するフローのデータパケットへ輻輳指示を含ませることの内、少なくともいずれかを行うことにより、検出された輻輳は、次いで少なくとも1つの選択されたベアラの関係するフローで通知される。
幾つかの実施例では、第1のベアラと第2のベアラとは伝送リンクと無線リンクとの内の少なくともいずれかを介して伸張する。このような実施例では、ベアラの選択は、検出される輻輳のタイプ、例えば、検出された輻輳が無線リンクにあるか、または、トランスポートネットワークにあるかに依存する。さらに幾つかの実施例では、ベアラの優先度が判断され、その選択は判断されたベアラ優先度に依存する。
図8は、本発明の実施例に従う更なる方法を図示するフローチャートを示している。この方法は、図1Bのダウンリンクの実施形において、無線アクセスノード180により輻輳を検出し報告するために使用される。
ステップ810では、データパケットをトランスポートネットワーク、例えば、図1Bに関連して説明したようにトランスポートネットワーク160から受信する。特に、データパケットを無線アクセスノード、例えば、図1Bと図3に関連して説明したように無線アクセスノード180で受信できる。このために、無線アクセスノードの対応インタフェース、例えば、図3に関連して説明したようなインタフェース182を使用できる。
ステップ820では、第1のフローのデータパケットと第2のフローのデータパケットとを無線リンク、例えば、図1Bに関連して説明したような無線リンク250で送信する。
ステップ830では、無線リンクまたはトランスポートネットワークでの輻輳を検出する。これは、図1Bに関連して説明したように輻輳検出器186と187により達成できる。無線リンクで輻輳があることを検出することは、キューイングパラメータ、例えば、データパケットが無線リンクで送信される前に無線アクセスノードにおいて割り当てられるキューの最大レベルとキューイング遅延との内の少なくともいずれかに基づいて輻輳を検出することが関係している。トランスポートネットワークで輻輳を検出することは、トランスポートネットワークからの受信に成功しなかった少なくとも1つのデータパケットを検出すること、或いは、トランスポートネットワークで輻輳インジケータによりマークが付されたパケットを検出することが関係している。
ステップ840では、第1のタイプの輻輳メッセージ、例えば、図1Bに関連して説明したようなメッセージAが、検出された輻輳が無線リンクにあることに応じて生成される。
ステップ850では、第2のタイプの輻輳メッセージ、例えば、図1Bに関連して説明したようなメッセージBが、トランスポートネットワークの輻輳に応じて生成される。
第1のタイプの輻輳メッセージと第2のタイプの輻輳メッセージを次いで別のノード、例えば、図7の方法での中間ノードに送信し、種々のタイプの検出輻輳に応じてベアラの選択を達成する。
従って幾つかの実施例では、ここで説明したような概念は、輻輳があるノード、即ち、無線アクセスノード180で検出されるが、その輻輳への応答は別のノード、例えば、制御ノード140で誘起されることが関係している。輻輳を実際に検出するノードとは別のノードが別のプロトコルレベルにアクセスするので、このことは利点があるかもしれない。例えば、エンドツーエンドプロトコルの種々のフロー識別が可能になる。さらに幾つかの実施例では、あるフローまたはベアラに関して検出される輻輳は、別のフロー或いはベアラに関するフロー制御反応、例えば、輻輳通知やパケットの廃棄を生みだすものとなる。例えば、あるフロー或いはベアラが他より高い優先度を有するサービス或いはユーザに関係するなら、これは有益であるかもしれない。さらに幾つかの実施例では、異なるタイプの輻輳メッセージを使用して無線リンクの輻輳とトランスポートネットワークの輻輳とを報告する。従って、リモートフロー制御の反応は検出された輻輳のタイプに適合する。
以上で説明したような例や実施例は単に例示的なものに過ぎず、種々の修正が可能であることを理解すべきである。例えば、本発明の概念は、有線通信ネットワークを含んだり、または、異なるタイプのプロトコルを使用する他のタイプのネットワーク環境で使用できよう。その上、ダウンリンクフローとアップリンクフローとに関してここで説明した概念は、単独ネットワークにおいて共に使用されても良いし、或いは、個別的に使用されても良いことを理解すべきである。その上、図1A、図1B、図1C、図2、及び、図3のHSPAの実施形は、同じ移動体通信ネットワークで、図4のLTEの実施形と組み合わせられても良い。そのような実施例では、同じトランスポートネットワークはRNCとノードBとの間の接続を提供するために、そして、S−GWとeノードBとの間の接続を提供するために共用できる。さらに、図1A、図1B、図1C、及び図4のキューの表現は単に模式的なものであるに過ぎないことを理解すべきである。例えば、説明したノードのそれぞれのアップリンクとダウンリンク方向に個別キューが存在しても良い。処理される輻輳が発生するフローの方向に依存して、ここで説明した本発明の概念が、このようなキューの1つ、アップリンクキューまたはダウンリンクキューの何れかに適用できる。