JP5828170B2 - 熱交換器を有する径方向設計人工肺 - Google Patents

熱交換器を有する径方向設計人工肺 Download PDF

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Description

本発明は、一般に、心肺バイパス回路に関し、特に、互いの周りに配列されているのがよい熱交換器、人工肺、コア、およびオプションのポンプを含む装置に関する。たとえば、装置の一実施形態は、入口マンドレルと、入口マンドレルの周りに配列された熱交換器と、熱交換器の周りに配列された人工肺とを含み、それらに対して、血液が入口マンドレル内に送出され、また、それらを通して、血液が、装置から径方向外方に移動し、血液の径方向移動に対して全体的に横断する方向に、流体媒体が、熱交換器に別個に供給され、ガス媒体が、人工肺に別個に供給される。
心肺バイパス回路(すなわち、心臓−肺バイパス回路)は、大手術中に、患者の血液を機械的に圧送し、血液に酸素付加する。血液酸素付加器は、血液に酸素付加するために使用される心臓−肺バイパス機械の使い捨てコンポーネントである。典型的な市販の血液酸素付加器は、熱交換器を膜型人工肺と一体化している。
通常、血液酸素付加器では、患者の血液は、人工肺部分の前に、熱交換器部分を通して連続して圧送される。水などの適当な熱伝達流体は、血液から分離しているが、血液と熱伝達関係にある熱交換器を通して圧送される。水は、熱交換器の外部で加熱されるまたは冷却される。熱交換器は、一般に、金属またはプラスチックに接触するようになる血液に、熱を効率的に伝達することができる金属またはプラスチックで作られる。血液は、熱交換器に接触した後、通常、人工肺内に流れる。
人工肺は、一般に、微視的孔を有する特別なポリマー材料で通常作られた何千もの小さな中空ファイバのいわゆる「束(bundle)」を備える。熱交換器を出る血液は、その後、人工肺のファイバの外側表面の周りに流れる。同時に、麻酔薬を含むことがある酸素に富むガス混合物が、中空ファイバを通して流れる。患者から到達する血液中の二酸化炭素の濃度が比較的高いために、血液からの二酸化炭素は、ファイバ内の微視的孔を通してまたガス混合物内に拡散する。患者から到達する血液中の酸素の濃度が比較的低いために、ファイバ内のガス混合物からの酸素は、微視的孔を通してまた血液内に拡散する。血液の酸素含有量は、それにより上昇し、その二酸化炭素含有量は減少する。
人工肺は、血液の適切な温度制御および酸素付加を可能にするのに十分な容積流量を持たなければならない。こうした人工肺を組込む灌流デバイスの欠点は、血液のプライミング容積が大きいことである。患者の身体の外でこうした大きな容積の血液を一度に持つことは、患者自身の血液供給を希釈するように作用する。そのため、人工肺における血液の高いプライム容積についての必要性は、手術を受けており、また、任意の所与の時間に患者の身体において考えられる最大量の完全に酸素付加された血液が必要である患者の最大の関心事と相いれない。これは、特に、小柄な成人、小児、および幼児の患者についてあてはまる。したがって、患者の血液濃縮およびかなりの量の追加の血液または両方が、患者をサポートするために必要とされる可能性がある。したがって、体外回路内で必要な血液のプライム容積を最小にすること、好ましくは500立方センチメートル未満にすることが望ましい。プライム容積を最小にする1つの方法は、血液酸素付加器の容積を減少させることである。しかし、血液に対する適切な酸素伝達についての必要性(十分な血液/膜界面積に部分的に依存する)があるため、人工肺をどれだけ小さくできるかに対して限界が存在する。
人の血液内の細胞(たとえば、赤血球、白血球、血小板)は、もろく、せん断力を受けると、傷つけられことがある。したがって、血液酸素付加器内部の血流速度は、過度であってはならない。構成および幾何形状は、血液の必要とされる速度と共に、一部の灌流デバイスを、血液に対して外傷性にし、また、危険にする。さらに、デバイスは、凝固をもたらしうる再循環(渦)または停滞エリアを生成する可能性がある。そのため、血液流路用の入口ポート、多岐管、および出口ポートの構成および幾何形状は、血液凝固生成をもたらしうる停滞エリアを同様になくしながら、再循環(渦)を生成しないことを所望される。
全体的には、心肺バイパス回路の改良型コンポーネントについての必要性が存在する。こうした改良型コンポーネントは、好ましくは、先に問題となっている設計問題に対処すると共に、血液への酸素付加および血液の温度の制御に有効である。
一実施形態では、本発明は、体外回路内で血液に酸素付加し、血液の温度を制御する装置を提供し、装置は、装置を通る流路を画定するために、入口および入口から径方向外方に位置する出口を有し、装置は、装置内で略中心に位置し、かつ、患者からの血液が、入口を通してそこに供給されうるコアと、コアの周りに配列され、かつ、コアからの血液が、その間を径方向外方に移動できる複数の熱伝達要素を備える熱交換器と、熱交換器の周りに配列され、かつ、熱交換器からの血液が、出口を通して装置を出る前に、その間を径方向外方に移動できる複数のガス交換要素を備える人工肺とを備える。
別の実施形態では、本発明は、体外回路内で血液に酸素付加し、血液の温度を制御する装置を提供し、装置は、装置を通る流路を画定するために、入口および入口から径方向外方に位置する出口を有し、装置は、装置内で略中心に位置し、かつ、患者からの血液が、入口を通してそこに供給されうるコアと、熱交換器であって、血液が、熱交換器を通って径方向外方に移動できるように、コアの周りに配列される複数の熱伝達要素を備える熱交換器と、出口を通して装置を出る前に、血液が、構造的障害なく熱交換器から人工肺まで、そして、人工肺を通して径方向外方に移動できるように、熱交換器の周りに配列される複数のガス交換要素を備える人工肺とを備える。
別の実施形態では、本発明は、体外回路内で血液に酸素付加し、血液の温度を制御する装置を提供し、装置は、装置を通る流路を画定するために、入口および入口から径方向外方に位置する出口を有し、装置は、コアであって、患者からの血液がコアに供給されうるように入口に連通し、開口を画定するように相互嵌合する第1の要素および第2の要素を備え、要素および開口は共に、コアから径方向外方に患者からの血流を増大させる、コアと、コアの周りに配列され、かつ、コアからの血液が、そこを通って径方向外方に移動できる熱交換器と、熱交換器の周りに配列され、かつ、熱交換器からの血液が、出口を通って装置を出る前に、そこを通って径方向外方に移動できる人工肺とを備える。
さらなる実施形態では、本発明は、体外回路内で血液に酸素付加し、血液の温度を制御する装置を提供し、装置は、装置を通る流路を画定するために、入口および入口から径方向外方に位置する出口を有し、装置は、コアであって、患者からの血液がコアに供給されうるように、入口に連通するコアであって、長手方向軸を有する管腔、ならびに、長手方向軸に沿って延在する複数のティンをそれぞれが備え、かつ、開口を画定するために相互嵌合する第1の要素および第2の要素を備え、要素および開口は共に、コアから径方向外方に患者からの血流を増大させる、コアと、コアの周りに配列され、かつ、コアからの血液が、そこを通って径方向外方に移動できる熱交換器と、熱交換器の周りに配列され、かつ、熱交換器からの血液が、出口を通って装置を出る前に、そこを通って径方向外方に移動できる人工肺とを備える。
なお別の実施形態では、本発明は、装置を提供し、装置は、患者からの血液が、入口を通ってそこに供給されうる一体型ポンプを備えるコアと、ポンプの周りに配列され、かつ、ポンプからの血液が、その間を径方向外方に移動できる複数の熱伝達要素を備える熱交換器と、熱交換器の周りに配列される複数のガス交換要素を備え、かつ、熱交換器からの血液が、出口を通って装置を出る前に、そこを通って径方向外方に移動できる人工肺とを備える。
別の実施形態では、体外回路内で血液に酸素付加し、血液の温度を制御する装置であって、装置内で略中心に位置する入口マンドレルを備え、入口マンドレルは、患者から供給される血液がそこを通して全体的に入口マンドレルの長手方向軸(the axis)に沿って移動できる、入口マンドレルの長手方向軸に沿って延在する管腔と、複数の開口であって、軸を略横断する径方向方向に開口を通して入口マンドレルから径方向外方に血液が移動するように構成された、複数の開口とを備え、入口マンドレルの周りに配列された複数の熱伝達要素を備える熱交換器を備え、血液は、複数の熱伝達要素の間を径方向外方に入口マンドレル内の開口から移動でき、複数の熱伝達要素の間で血液が移動するときに血液にまたは血液から熱を伝達するために、流体媒体は、複数の熱伝達要素内の管腔に供給されることができ、流体媒体は、複数の熱伝達要素の間での血液の径方向移動に対して略横断する方向に熱伝達要素内の管腔を通して移動でき、熱交換器の周りに配列された複数のガス交換要素を備える人工肺を備え、血液は、複数のガス交換要素の間を径方向外方に熱交換器から移動でき、複数のガス交換要素の間で血液が移動するときに、血液内に酸素を伝達し、血液から二酸化炭素を取り除くために、酸素含有ガス媒体は、複数のガス交換要素内の管腔に供給されることができ、ガス媒体は、複数のガス交換要素の間での血液の径方向移動に対して略横断する方向に複数のガス交換要素内の管腔を通して移動でき、ハウジングを備え、ハウジングは、入口マンドレル、熱交換器、および人工肺を収容し、血液が患者から装置に入ることを可能にするための入口マンドレルに連通する血液入口と、血液が装置を出るための人工肺に連通する血液出口と、流体媒体が熱交換器に供給されることを可能にするための複数の熱伝達要素に連通する流体媒体入口と、流体媒体が熱交換器を出るための複数の熱伝達要素に連通する流体媒体出口と、ガス媒体が人工肺に供給されるための人工肺の複数のガス交換要素に連通するガス媒体入口と、ガス媒体が人工肺を出るための人工肺に連通するガス媒体出口とを備え、血液出口は、入口マンドレルの長手方向軸に関して入口から径方向に外側のハウジング内に位置する。
さらに、本発明のさらなる実施形態は、上述した装置の任意の1つの装置を作る方法、たとえば、体外回路内で血液に酸素付加し、血液の温度を制御する装置を作る方法を提供し、方法は、患者から装置に、血液がそこを通して供給されうるコアを設けるステップと、コアの周りに熱交換器を設けるステップであって、それにより、コアからの血液が、熱交換器を通して径方向外方に移動できる、熱交換器を設けるステップと、熱交換器の周りに人工肺を設けるステップであって、それにより、熱交換器からの血液が、人工肺を通して移動できる、人工肺を設けるステップと、ハウジング内にコア、熱交換器、および人工肺を設置するステップであって、前記ハウジングは、装置を通して血液用の流路を画定するために、コアに連通する入口および入口から径方向外方に位置する出口を含む、設置するステップとを含む。
本発明は、添付図を参照してさらに説明される。図では、同じ構造は、いくつかの図全体を通して同じ数字によって参照される。
本発明による装置を含む心肺バイパス回路の概略図である。 装置を通る血液、流体媒体、およびガス媒体の流れを示す、本発明による装置の略図である。 本発明による、装置の実施形態の側断面図である。 コア、複数のウェッジで作られた熱交換器の実施形態、および人工肺の断面図である。 本発明による、装置と共に使用されてもよいマンドレルの斜視図である。 図5Aのマンドレルの分解図である。 本発明による、入口マンドレルの実施形態の斜視図である。 本発明による、入口マンドレルの実施形態の斜視図である。 本発明による、入口マンドレルの実施形態の斜視図である。 本発明による、入口マンドレルの実施形態の斜視図である。 本発明による、ポンプを含む装置の実施形態の断面図である。 本発明による、代替のポンプを有し、装置が組込まれてもよいシステムの略図と共に示される図7の装置の断面図である。 本発明による、装置の斜視図である。 図9Aの装置の分解図である。 図9Aおよび9Bの装置の断面図である。 図9A、9B、および9Cの装置のさらなる斜視図である。 本発明による、入口マンドレルの実施形態の入口側部(side)要素の側面図である。 図10Aの入口側部要素の断面図である。 図10Aの切断部10Cで切り取られた断面図である。 本発明による、入口マンドレルの実施形態のパージポート側部要素の側面図である。 図11Aのパージポート側部要素の断面図である。 図11Aの切断部11Cで切り取られた断面図である。 本発明による、図10A〜10Cの入口側部要素および図11A〜11Cのパージポート側部要素を含む組立てられた入口マンドレルの側面図である。 図12Aの入口マンドレルの断面図である。 図12Aの切断部12Cで切り取られた断面図である。 本発明による、巻き付けプロセスの初期段階において熱交換器上に巻き付けられる人工肺ファイバを示す略図である。 本発明による、人工肺ファイバを巻き付ける方法のための巻き付け装置の略図である。 本発明による、装置の実施形態の分解図である。
図1を参照すると、例示的な心肺バイパス回路が概略的に示され、この回路は本発明による装置10の実施形態を含む。回路は、一般に、心臓血管手術中に静脈ライン11を通して患者5の血液を引出し、血液に酸素付加し、動脈ライン15を通して酸素付加された血液を患者5に戻す。ライン11を通して患者から引出された静脈血液は、静脈リザーバ22内に放出される。心内血液および手術野デブリは、吸引デバイス16によって吸引され、ポンプ18によって心内リザーバ20内に圧送される。一旦変形されろ過されると、心内血液はまた、静脈リザーバ22内に放出される。あるいは、心内リザーバ20の機能は、静脈リザーバ22内に一体化されてもよい。静脈リザーバ22において、静脈血液内に捕捉された空気が、血液の表面まで上昇し、パージライン24を通して大気に排出される。
ポンプ26は、静脈リザーバ22から血液を引出し、本発明の装置10を通して血液を圧送する。一部の例示的なタイプのポンプ26は、たとえばローラポンプおよび遠心ポンプを含むが、それに限定されない。ポンプ26は、図示するように装置10の外部にあってもよく、または、別法として、装置10のコア12に組込まれてもよい。別の代替法では、ポンプ26は、装置10の後の回路内に位置し、装置10を通して血液を圧送するまたは押出す(すなわち、正圧を使用する)のではなく、装置10を通して血液を引出す(すなわち、負圧を使用する)ように作用してもよい。実施形態に示すように、ポンプ26は、外部にあり、装置10のコア12内に血液を圧送する。別の代替法では、2つ以上のポンプが使用されてもよい。
装置10では、コア12は、好ましくは、コア12から、コア12の周りに位置する複数の熱伝達要素(図示せず)を好ましくは備える熱交換器13まで径方向外方に血液が流れることができるように構成される。複数の熱伝達要素は、コア12の周りに同心円状に配列されてもよい。複数の熱伝達要素は、コア12の周りに直接巻き付けられてもよく、または、熱交換器13とコア12との間に空間が生じるように巻き付けられるまたは設置されてもよい。好ましくは、コア12と熱交換器13との間の血流に対する構造的障害が最小であるまたは全く存在しない。
熱伝達媒体は、概略的に示すように、流体供給部27によって複数の熱伝達要素に供給され、取り除かれる。流体媒体は、好ましくは、流体供給部27で別個に加熱されるかまたは冷却され、また、複数の熱伝達要素に提供されて、コア12から径方向外方にかつ熱伝達要素の間を流れる血液の温度を制御する。あるいは、熱伝達媒体は、流体ではなくてもよく、血液を加熱するために熱伝達要素を通して伝導される熱エネルギーでありうる。
次に、血液は、熱交換器13から、熱交換器13の周りに位置する複数のガス交換要素(図示せず)を好ましくは備える隣接する人工肺14まで径方向外方に移動する。複数のガス交換要素は、熱交換器13の周りに同心円状に配列されてもよい。複数のガス交換要素は、熱交換器13の周りに直接巻き付けられてもよく、または、熱交換器13と人工肺14との間に空間またはボイドが生じるように巻き付けられるまたは設置されてもよい。好ましくは、熱交換器13と人工肺14との間の血流に対する構造的障害が最小または全く存在しない。
人工肺14は、好ましくは膜型人工肺であり、最も好ましくは中空ファイバ人工肺である。そのため、ガス交換要素は、好ましくは、ファイバであるが、他のこうした要素も想定される。酸素含有ガス媒体は、好ましくは、概略的に示すように、ガス供給部28によってガス交換要素の管腔に供給され、取り除かれる。酸素含有ガス媒体は、人工肺14に提供されて、複数のガス交換要素間を径方向外方に流れる血液に酸素を送出すると共に、二酸化炭素を取り除く。
流体およびガス媒体ならびに装置10を通して移動する血液は、好ましくは、装置10の有効性および効率を減少させることになる混合を可能にしないように、区分されるまたは別個に維持される。装置10の熱交換器13および人工肺14を通る流体およびガス媒体の移動方向は、好ましくは、装置10を通る径方向の血流の方向を全体的に横断する。
酸素付加されかつ温度制御された血液は、装置10の人工肺14から出て移動した後に収集され、好ましくは、動脈フィルタ30まで、そして、動脈ライン15内に流れる。動脈フィルタ30は、好ましくは、約20〜40マイクロメートルより大きい血液内の気泡を捕捉し、動脈フィルタ30にて、気泡がパージライン32を通して取り除かれうる。本発明の代替法として、装置10自体がフィルタを含んでもよく、こうしたフィルタは、好ましくは、人工肺14の周りに位置するが、以下で本明細書に述べるように、他の場所も本発明によって想定される。
図1に示す回路は、例示的であり、本発明の装置10は、たとえば、任意の適当な心肺バイパス回路または他の適当な体外システム内に組込まれてもよいことが理解されるべきである。
図2は、本発明の装置10の斜視図であり、装置10を通る血流ならびに装置10へのまた装置10からの流体媒体およびガス媒体の流れが、そのように表示された矢印で示される。患者からの血液は、外部ポンプ(図示せず)によってコア12内に圧送されるかまたはコア12内に押出されることによって、血液供給部29(たとえば、静脈リザーバ)からコア12に入る。ポンプは、任意選択で、コア12内に位置してもよい。血液は、その後、コア12から、コア12の周りに位置し、かつ、好ましくはコア12の周りに同心円状に配列される熱交換器13内に径方向外方に連続的に移動する。好ましくは、血液は、コア12の周りに360°の略全てを通して径方向外方に、かつ、コア12の長さの略全てに沿って均等に連続して移動する。連続的に、血液は、熱交換器13から、熱交換器13の周りに位置し、かつ、好ましくは熱交換器13の周りに同心円状に配列される人工肺14に、また、人工肺14を通して径方向外方に移動する。好ましくは、血液は、熱交換器13および人工肺14の周りに360°の略全てを通して径方向外方に連続して移動する。酸素付加されかつ温度制御された血液は、その後、収集され、好ましくは装置10内の出口ポート9から装置10を出て、動脈ライン(図示せず)を通して患者に戻される。装置10は、ハウジング1などのハウジングを含んでもよく、ハウジング上で、たとえばハウジングの内側表面上で血液が収集され、ハウジングを通して、血液が、出口9を通して装置10を出ることを許容される。
たとえば装置10を通して循環される血液は、好ましくは、気泡を取り除くために、患者に戻される前にろ過される。あるいは、装置10は、熱交換器13および/または人工肺14の周りに同心円状に配列されることができ、また、収集され、患者に戻される前に、酸素付加された血液がそこを通して径方向外方に流れることになるフィルタを含んでもよい。フィルタはまた、部分的に完全な人工肺の周りに巻き付けられることができ、人工肺の残留ガス交換要素(たとえば、ファイバ)は、フィルタの上部に巻き付けられる。
流体媒体供給部27から熱交換器13に供給される熱伝達媒体は、装置10の外部で加熱されるかまたは冷却される。流体媒体は、熱交換器13を構成する複数の熱伝達要素17(そのいくつかだけが図2に示される)内の管腔に供給される。熱伝達要素17は、熱を伝導し、熱交換器13の熱伝達要素17を通って径方向に血液が移動するときに血液を加熱するかまたは冷却する。
人工肺14に供給されるガス媒体は、酸素を含有する。ガス媒体は、人工肺14を構成する複数のガス交換要素19(そのいくつかだけが図2に示される)内の管腔に送出される。ガス交換要素19は、好ましくは、性質が微多孔質である中空ファイバであり、中空ファイバは、ファイバ19内の酸素が微小孔を通して、ファイバ19の間を流れる血液内に拡散することを可能にし、同様に、二酸化炭素が、血液からファイバ19内のガス媒体内に拡散し、血液から取り除かれることを可能にする。
装置10の径方向設計の目的は、装置10を通した血液の略連続した径方向流を可能にすることである。径方向流設計は、その設計が、熱と酸素の交換のために表面積に対する血液の分布を最適化し、それにより、設計がより効率的になるため有益である。同様に、略連続した径方向流は、装置に関して血液の再循環および血液の停滞エリアを減少させ、血液凝固の可能性を減少させる。さらに、その設計は、血球に対する損傷をもたらしうる血液に対するせん断力を減少させる。径方向設計はまた、他のこうしたデバイスと比較して、必要な血液のプライム容積を減少させ、子供および小柄な成人を含む小柄な患者のために有益である。
装置10が効率的に働くために、ガス媒体、流体媒体、および血液は、装置10内で区分されるかまたは分離される。以下で述べる本発明の装置の後の実施形態は、ガス媒体、流体媒体、および血液が、好ましくはどのように区分されるかまたは分離されるかを立証する。
図3は、本発明による装置100の実施形態の断面図である。図3の断面図は、本発明の装置に組込まれてもよい細部を示す。さらに、図3は、血流および装置100を通る流体媒体とガス媒体の両方の流れを示す矢印を含む。
装置100は、患者からの脱酸素化された血液の流れが、実施形態において入口マンドレルを備える装置100のコア120に送出されるように構成される。血液は、血液入口ポート112を通して、入口マンドレル120またはコアに入り、入口マンドレル120の管腔121を通して移動し(たとえば、図示しないポンプによって圧送され)、入口マンドレル120内の開口125を通して径方向外方に熱交換器130まで移動する。
熱交換器130は、好ましくは、ファイバ、チューブ、キャピラリ、コンパートメントなど(個々には示さず)であってよい一束のまたは複数の中空の熱伝達要素を備える。熱伝達要素は、好ましくは、伝導性ポリマーまたは金属を含む。種々の形状の熱伝達要素が本発明によって想定される。導管用の1つの例示的な材料は、ポリエチレンテレフタレート、たとえば米国ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte, North Carolina, U.S.A)所在のMembranaから市販されているHEXPET(商標)熱交換器キャピラリである。しかし、他の材料が本発明によって想定される。熱交換器130の熱伝達要素の目的は、熱伝達要素間を流れる血液にまたは血液から、熱伝達要素を通して流れる流体媒体にまたは流体媒体から熱を伝達することである。
熱交換器130の熱伝達要素は、コア120の周りに位置し、また、好ましくは、コア120の周りに同心円状に密に巻き付けられるかまたは包まれ(wrap)てもよい。同様に、熱伝達要素は、コア120と熱交換器130との間の構造的障害が最小であるかまたは全く存在しないように位置してもよい。熱伝達要素がコア120上に実際に巻き付けられることに対する代替として、熱交換器は、コア120の周りに組立てられてもよい、織られたマット状または織物状配置構成で、また、コア120に直接接触して、または、コア120と熱交換器130との間の血流に対する構造的障害が最小であるかまたは全く存在しないように事前に配置される熱伝達要素を備えてもよい。
熱交換器130は、装置100を通って流れる血液を加熱するかまたは冷却してもよい。酸素需要を減少させるため、心臓手術(特に、幼児および小児手術)中に低体温が使用されてもよいため、また、血液の急速な再加温が気泡塞栓を生じるため、熱交換器130は、一般に、血液を徐々に再加温し、塞栓形成を防止するために使用される。
熱交換器130で使用される熱伝達媒体は、水または他の適当な流体を含んでもよい。熱交換器130は、複数の熱伝達要素を通って流れる熱い水道水および冷たい水道水を含んでもよい。好ましくは、しかし、温度調節コントロールを有する別個の加熱器/冷却器ユニットが、熱伝達要素間に流れる血液の温度を調節するために必要に応じて、装置100の外で流体媒体を加熱するかまたは冷却するために使用される。別の代替法として、流体以外の熱伝達手段が可能である。たとえば、熱エネルギーが、流体ではなく熱伝達要素に供給されてもよい。
図3は、流体入口ポート106で入り、流体出口ポート108で出る、熱交換器130を通る流体熱伝達媒体の流れを示す(「FLUID」と表示された)矢印を示す。流体媒体は、好ましくは、複数の熱伝達要素内の管腔を通って流れる。
熱交換器130の熱伝達要素のための代替の構成が可能である。熱伝達要素が、たとえばコア120上に巻き付けられる場合、熱交換器130の要素は、好ましくは、要素を一緒にまた所定場所に保持するために、弾性バンドまたはある他の薄く可撓性がある水平に延在する織られた相互接続(図示せず)によって囲まれてもよい。巻き付けた後、コア120および熱交換器130の組合せ体の端部の近くに位置する熱伝達要素の端部は、切断されて、ガス媒体が熱伝達要素内の管腔に入ることを可能にする。
あるいは、熱交換器130は、他の材料および他の構成を備えてもよい。たとえば、金属またはポリマーチューブが使用されてもよい。別の代替法が図4に示される。図4は、本発明の装置の実施形態のコンポーネントである、コア420、熱交換器430、および人工肺440の断面図を示す。その実施形態では、熱交換器430の複数の熱伝達要素は、複数のウェッジ431を備え、複数のウェッジ431は、コア420から流れる血液がウェッジ431間を径方向外方に流れるように構成され、位置決めされる。流体媒体は、血液にまたは血液から熱を伝達するために、ウェッジ431内の管腔を通って流れる。熱交換器430のウェッジ431は、好ましくは、金属または伝導性ポリマーを含む。好ましくは、ウェッジ431は、押出しプロセスを使用して作られてもよい。
別の代替法として、ウェッジは、血液に接触する表面上にリブまたはリッジ432あるいは他の突出部を含んでもよい。リブまたはリッジ432の目的は、熱伝達用の表面積を増加させると共に、血液へのまたは血液からの対流的熱伝達を増加させるように混合を促進させることである。ウェッジ431を作るために押出しプロセスが使用される場合、リブまたはリッジ432は、押出しプロセス中に形成されてもよい。しかし、ウェッジ431上に位置する、リブまたはリッジ432あるいは任意の他の突出部は、あるいは、ウェッジ431が既に形成された後に他の手段によってウェッジ431の表面上に設置されてもよい。
やはり図3を参照して、熱交換器130が温度を調節することを好ましくは可能にする熱交換器130用の他の適当な材料および構成は、360°の略全ての周りの径方向流を有し、人工肺140によって囲まれ、本発明によって想定される。
熱交換器130を通して流れた後、血液は、熱交換器130の周りに配列される人工肺140までかつ人工肺140を通って連続的にかつ径方向外方に移動する。人工肺140は、熱交換器130を同心円状に囲んでもよい。同様に、人工肺140は、熱交換器130上に巻き付けられてもよい。好ましくは、熱交換器130と人工肺140との間の血流に対する構造的障害が最小であるまたは全く存在しない。
血流の方向は、好ましくは、径方向として維持され、熱交換器130および人工肺140を通して略変化しない。血流の方向は、(「BLOOD」として表示される)矢印によって示される。
図3はまた、ガス入口ポート105で入り、ガス出口ポート107で出る、(「GAS」として表示される)人工肺140を通る酸素含有ガス媒体の流れを示す矢印を示す。好ましくは、人工肺140は、複数のガス交換要素(たとえば、中空ファイバ)を備える膜型人工肺である。熱交換器130から径方向外方に流れる血液は、人工肺140を構成するガス交換要素間を径方向に移動する。好ましくは、一束のまたは複数の中空ファイバは、ガス交換のために使用され、微小孔を含む半浸透性膜で作られる。好ましくは、ファイバは、ポリプロピレンを含むが、他の材料も本発明によって想定される。任意の適当な微多孔質ファイバが、本発明の人工肺140のガス交換要素として使用されてもよい。
酸素含有ガス媒体は、人工肺140を構成する複数のファイバまたはガス交換要素を通して提供される。ガス入口105を介して供給される酸素に富むガス混合物または酸素含有ガス混合物は、ガス交換要素またはフィルタの内部または管腔を通って下に移動する。あるガスはファイバに浸透することができる。ファイバを囲む血液からの二酸化炭素は、ファイバの壁を通し、そして、ガス混合物内に拡散する。同様に、ファイバ内部のガス混合物からの酸素は、微小孔を通して血液内に拡散する。ガス混合物は、その後、高い二酸化炭素含有量を有し、好ましくは、ガス混合物が入るファイバの対向端を出て、ガス出口107を通って装置100から出る。酸素および二酸化炭素は、上述したように、好ましくは交換されるが、本発明はまた、他のガスが伝達されることを所望されてもよいことを想定する。
任意の適当なガス供給システムが、本発明の人工肺140と共に使用されてもよい。たとえば、こうしたガス供給システムは、流量調節器、流量計、ガス混合器、酸素分析器、ガスフィルタ、および水分トラップを含んでもよい。しかし、ガス供給システム内の他の代替のまたは付加的なコンポーネントもまた想定される。
人工肺140のガス交換要素またはフィルタは、熱交換器130の周りに、また、好ましくは全体が円柱の形状で配列される。人工肺140のファイバは、熱交換器130上に直接巻き付けられうる。好ましくは、人工肺140を形成するために、1つの長い微多孔質ファイバが、熱交換器130上で前後に巻き付けられてもよい。巻き付けた後、ファイバは、コア120、熱交換器130、および人工肺140の組合せ体の端部の近くに位置する複数の場所で切断され、それにより、ガス媒体が、ファイバの複数の部分に入ることが可能になる。
あるいは、人工肺140は、任意選択で、熱交換器130上に直接巻き付けるのではなく、何かの中間コンポーネント上に、連続する半浸透性の中空ファイバを螺旋状に巻き付ける方法に従うことによって形成されてもよいことが想定される。図5Aおよび5Bは、熱交換器130の周りに人工肺140を巻き付ける前に、図3の実施形態の場合と同様に、熱交換器130の周りに(たとえば、熱交換器130の周りに同心円状に)設置されてもよい例示的なマンドレル500を示す。マンドレル500は、その上に人工肺140を巻き付ける平滑な表面を提供する。マンドレル500はまた、好ましくは、装置100を通る血液の径方向流に干渉せず、また、同様に好ましくは、低いプライム容積を有することになる。
マンドレル500は、好ましくは、血液がそこを通って流れることを可能にする開口535を有する中心開放メッシュ部531を備える。マンドレル500はまた、好ましくは、2つの端部分532を備える。端部分532は、開口535を含まない。端部分532の目的は、装置100が組立てられるときに、熱交換器130の熱伝達要素の開放端を人工肺140のガス交換要素の開放端から分離することである。熱伝達要素およびガス交換要素の端部は、装置100内でガス媒体と流体媒体を分離したままにするため分離されることが所望される。
端部分532は、好ましくは、図示するように、目違い継ぎ(tongue groove joint)を使用して中心開放メッシュ部531に取付けられる。しかし、他の取付け手段が使用されてもよいことが想定される。あるいは、マンドレル500は、一体部品であってよい。
マンドレル500は、完全に組立てられたものとして装置100内に残ってもよい。あるいは、マンドレル500は、人工肺140が巻き付けられた後に装置100から取外されてもよい。マンドレル500は、取外されることを所望される場合、取外しの容易さを可能にするために、柔軟材料(たとえば、シリコ−ン)から作られてもよい。マンドレル500が、たとえば化学によってまたは熱によって手作業で取外されてもよいことが可能である。しかし、マンドレル500を取外す他の方法もまた、本発明によって想定される。
図3を参照して、血液が、装置100を通して径方向外方に移動した後、所望の温度を有する酸素付加された血液は、好ましくは、人工肺140を囲むハウジング101の内側表面に沿って収集される。好ましくは、収集エリア113または収集用の空間は、人工肺140から径方向に外側でかつハウジング101内部に設けられる。好ましくは、人工肺140を囲む収集エリア113内の血液は、ハウジング101の内側表面に沿って移動し、その後、収集エリア113に流体連通する血液出口ポート109を通って装置100から流出する。好ましくは、図示するように、1つの出口ポート109が存在する。しかし、2つ以上の出口ポート109が存在してもよいことも想定される。
装置100のコア120を構成する構成およびコンポーネントは、装置100内の熱交換器130および人工肺140を通した血液の径方向外側への移動または流れを開始する。コア120の目的は、装置100に入る血液が、コア120の周りに360°の略全てを通して、かつ、コア120の長さの略全てに沿って、熱交換器130内に略連続して径方向に分配されることを可能にすることである。
上述したように、装置100のコア120は入口マンドレルを備える。血液は、血液入口ポート112を通して入口マンドレル120に入り、管腔121を通して移動し(たとえば、圧送され)、開口125を通して熱交換器130まで径方向外方に移動する。好ましくは、入口マンドレル120は、血液が、入口マンドレル120を囲む360°の略全てを通して径方向外方に、また同様に、入口マンドレル120の長さに沿う開口125の略全てを通して移動することを可能にするように構成される。入口マンドレル120から出て血流を伝導させるために、入口マンドレル120は、好ましくは、外部フィーチャ、溝、突出部などのパターンを使用して形作られて、熱交換器130内への略連続した径方向の血流を達成する。入口マンドレル120は、入口ポート112の対向端部で閉鎖されてもよいが、好ましくは、パージポートを含んでもよい。
入口マンドレル120は、好ましくは、ポンプ(図示せず)または患者から装置100内に血液を移動させる他の手段に接続される。一般に当技術分野で使用され知られているポンプは、本発明と共に使用されることを想定される。しかし、現在のところ知られているか、または、将来開発される可能性がある血液を移動させる他の手段も想定される。
図3に示すように、入口マンドレル120は、好ましくは形状が全体的に円柱または管状であり、また、管腔121を含む。入口マンドレル120はまた、入口マンドレル120の周りの熱交換器130の配置構成に関して、血液が、そこを通してコア120から径方向外方に流れることができる複数の開口125を含む。設けられる開口125の数および入口マンドレル120内の開口125のパターンまたは間隔は、好ましくは、血液が、熱交換器130の周りに略360°を通して入口マンドレル120から径方向外方に送出されるように構成される。好ましくは、血液は、入口マンドレル120の長手方向軸124に略垂直である径方向に移動することができる。
図3に示す入口マンドレル120は、使用されてもよい1つの例示的な入口マンドレルである。入口マンドレル120は、略円である複数の開口125を含む。代替の開口を有する代替の入口マンドレルも本発明によって想定される。他の例示的な入口マンドレルは、図6A〜6Dに(620A〜620Dとして)示される。
入口マンドレル120および620A〜620Dの構成は、好ましくは入口マンドレルのかなりの長さに沿って入口マンドレル120、620A〜620Dから径方向外方に連続する血流を伝導させるように設計される。好ましくは、入口マンドレルからの血液は、入口マンドレル120、620A〜620Dを通してそれぞれ延在する長手方向軸124、624A〜624Dに略垂直に、また好ましくは、長手方向軸124、624A〜624Dの周りに360°の略全てを通して移動する。こうした所望の血流を収容するために、125、625A〜625Dの多くの異なるサイズおよび形状ならびに他の外部フィーチャ、溝、突出部などが使用されてもよいことが想定される。
入口マンドレルの構成の別の目的は、入口マンドレルを使用することによって、必要なプライム容積の量を減少させることである。同様に、入口マンドレルの構成は、好ましくは、熱交換器材料がその上に巻き付けられてもよい構造を提供する。
先に述べたように、本発明の装置のコアは、あるいは、入口マンドレルではなく、ポンプを含んでもよい、または、ポンプに置換されてもよい。ポンプ727を備えるコアを有する本発明の実施形態は、図7の断面に示す装置700である。装置700は、ポンプ727、熱交換器730、人工肺740、および本発明のオプションのコンポーネントであるフィルタ750を備える。ポンプ727は、好ましくは、装置700の中心にまたは中心の近くに位置する。熱交換器730は、ポンプ727の周りにあり、人工肺740は、熱交換器730の周りにある。
あるいは、フィルタ750は、人工肺740の周りに配列されてもよい。別の代替法として、フィルタ媒体を含むフィルタは、フィルタ媒体(別個に示さない)が、熱交換器730と人工肺740との間に位置するように配置(locate)されてもよい。別の代替法として、フィルタ媒体の一部分は、人工肺740のガス交換要素が巻き付けられるときに、ガス交換要素の間に配置されてもよく、フィルタ媒体の別の部分は、人工肺740の周りに配置されてもよい。
装置700内の熱交換器730および人工肺740に関して、図3の装置100に関する対応するコンポーネントの説明もまた、装置700のコンポーネントに適用される。装置100に含まれなかった装置700のコンポーネントの説明は、以下で述べられる。
示すポンプ727は遠心血液ポンプである。ポンプ727は、一般に、装置700を通して血液を圧送するために、固定子792に対して回転する回転子791を備える。回転は、回転子791内に位置する磁石793が装置700のハウジング701内の磁石794と相互作用することによって生じる。
本発明で使用されてもよい特定の遠心血液ポンプは、米国ミネソタ州ミネアポリス(Minneapolis, Minnesota, U.S.A.)所在のMedtronic(商標),Inc.から入手可能なBio−Pump(商標)血液ポンプである。しかし、その他のポンプが本発明によって想定される。
図7に示す特定のポンプは例示である。多くの異なるポンプが本発明によって想定される。たとえば、使用されてもよいいくつかのタイプのポンプは、歯車ポンプ、ピストンポンプ、蠕動ポンプ、プログレッシブ空洞ポンプ、ロータリベーンポンプ、摂動ポンプ、撓みライナーポンプ、薄膜ポンプ、遠心ポンプ、撓みインペラーポンプ、ベロウポンプ、ドラムポンプ、およびロータリローブポンプを含むが、それに限定されない。あるいは、2つ以上のポンプが、使用されて、装置を通る所望の血流が達成されてもよい。
連続した流れを提供することができるポンプが、好ましくは選択される。好ましくは、ポンプは、径方向流もまた、もたらすことができる。しかし、代替のタイプのポンプおよびポンプの組合せが使用され、設計調整が、装置または装置が組込まれるシステムにおいて行われることが想定される。
装置700のコアまたは中心にポンプ727が位置するという目的は、入口ポート712を通って流れる血液を、装置700の残りを通して径方向外方に押出すことである。ポンプ727、熱交換器730、および人工肺740の配置構成は、好ましくは、患者からの血液が、血液入口ポート712で装置700に入り、装置700を通って径方向外方に移動することを可能にする。ポンプ727は、好ましくは、ポンプ727を通して長手方向に延在する中心軸724を取り巻く360°の略全てを通して径方向外方に血液を推進させる。血液は、その後、連続的にかつ径方向に、ポンプ727から熱交換器730内に、次に人工肺740内に流れる。任意選択で、血液はまた、出口ポート709で装置700を出る前に、フィルタ750を通して流れる。
好ましくは装置700に含まれてもよい2つの空気パージポートが存在する。ポートの一方は、パージポート713であり、ポンプ727のエリア内に位置する。第2のポート751は、気泡をパージするためにフィルタ750内に位置し、気泡は、患者に戻される前に血液からろ過される。
装置700の設計および構成は、1つの例示であり、こうした装置はコア内にポンプを含む。しかし、多くの他の構成および設計が、可能であり、本発明に従うことが想定される。
図8は、図7からの装置700を含むが、薄膜ポンプ729である代替のタイプのポンプを含む。図はまた、装置700が組込まれてもよいシステムの略図を含む。
上記の装置700の説明はまた、ポンプ729を除いて、図8に関して当てはまる。示すポンプ729は、図7の実施形態のポンプ727で使用される遠心力と異なる、上下に移動する薄膜728を使用することによって血液を圧送する。
図8の装置700は、システムに組込まれて示される。示すシステムは、好ましくは、除去されることが所望されるシステム内の空気を検出する。空気が、一体型能動的空気除去(integrated active air removal)(AAR)デバイス739によって検出されると、ポンプ729への回路ラインを使用して接続されるポンプ制御デバイス726は、空気が除去されるまで、ポンプ729を遅くする。システムの目的は、血液が患者に戻される前に、血液内に存在する気泡を除去することである。好ましくは、能動的空気除去システム739は、ポンプ729の上部分内に組込まれる、あるいは、適切な設計調整によって遠心ポンプ(たとえば、図7のポンプ727)内に組込まれてもよい。
図8の装置700はまた、ダックビル弁として示される一方向流量弁761、762を含む。弁761は血液入口ポート712に位置し、弁762は血液出口ポート709に位置する。これらの一方向流量弁761、762は、ポンプ729などのポンプを使用するときに必要である。こうした一方向流量弁の目的は、血液が、血液入口712で装置700のポンプ729に流入し、血液出口709で流出することを保証することである。
システムはまた、好ましくは、一体型安全フィーチャを含む。たとえば、システムは、熱交換器730および人工肺740のそれぞれにおけるガス側圧と流体側圧の両方が血液側圧より小さく維持されることを保証する手段を含んでもよい。示すシステムでは、熱交換器730上の出口ポート708は負圧下にある。人工肺740の出口ポート707は、負圧下で人工肺740を通してガス媒体を同様に引出すために、真空に接続される。これらの安全フィーチャは、薄膜ポンプの作用によってデバイスの内圧が変動するときに、患者の血液供給内に気泡および流体が注入されることを防止するために含まれる。
やはり図3を参照して、本発明のコア120、熱交換器130、および人工肺140を収容または閉囲する例示的なハウジング101が示される。ハウジング101の設計または構成の目的は、好ましくは、ガス媒体、流体媒体、および血液が、装置100の異なる機能セクションに供給されることである。図3に示す設計は、流体媒体、ガス媒体、および血液の望ましくない混合を防止する。示す構成は、例示であり、他の構成も本発明によって想定される。
図3の例示的なハウジング101は、3つの主要なコンポーネントからなり、それらは、それぞれ円柱周囲壁102ならびに第1および第2の端部キャップ103、104である。周囲壁102は、好ましくは端部キャップ103、104の組立て前に、両端が開放しており、端部キャップ103、104は、組立てられると、装置100のコンポーネント用の格納部を提供する。ハウジング101はまた、血液、熱交換器130で使用される流体媒体、および人工肺140で使用されるガス媒体用の入口および出口を提供する。ハウジング101の周囲壁102は、好ましくは、装置100用の血液出口109を含む。図示するように、血液出口109は、好ましくは装置100から遠くに導くチューブまたはパイプを備え、チューブまたはパイプは、最終的には、血液が患者(図示せず)に戻ることを可能にする。他のデバイスは、患者に血液を戻すために必要であってよいが、図示されない。図示する単一血液出口109の利点は、出口109が、装置100内の径方向血流の流体流ダイナミクスに略干渉しないことである。血液入口または出口についての他の適当な場所および構成もまた想定される。
ハウジング101の端部キャップ103、104は、好ましくは、ハウジング101の周囲壁102の端部上の開口の上に嵌合し開口に取付けられる。端部キャップ103、104はまた、血液、流体媒体、およびガス媒体が、ハウジング101の内部に流入しまた流出するための開口または他の入口および出口を含む。図示するように、第1の端部キャップ103は、酸素を含有するガス混合物がそこを通して人工肺140に導入されるパイプまたはチューブを備えるガス入口105を含む。第1の端部キャップ103はまた、流体媒体がそこを通して熱交換器130に導入されるチューブまたはパイプを備える流体媒体入口106を含む。第2の端部キャップ104は、たとえばチューブまたはパイプを同様に備えるガス出口107および流体媒体出口108を含む。しかし、示す端部キャップ103、104は、例示であり、ハウジングを完成させ、1つまたは複数の流体またはガスが、装置100に流入しまた流出することを可能にする可能性があるこうした端部キャップの他の構成が、本発明によって想定される。
第1と第2の端部キャップ103、104は共に、好ましくは、コアまたは入口マンドレル120を収容する。図示するように、入口マンドレル120は、第2の端部キャップ104内のアパーチャ110を通り、また、第1の端部キャップ103内の凹所111内に延在する。ハウジング101内の入口マンドレル620の他の構成もまた、本発明によって想定され、本明細書で述べ示す構成に限定されない。
好ましくは、端部キャップ103、104は共に、熱交換器130および人工肺140への流体流とガス流を分離する手段を提供するように構成される。特に、熱交換器130および人工肺140でそれぞれ使用される熱伝達要素およびガス交換要素の端部が分離される。端部キャップ103、104の目的は、流体媒体、ガス媒体、および血液の望ましくない混合を防止するために、流体媒体、ガス媒体、および血液が装置の異なる機能セクションに供給されることを可能にし、相応して、異なる流体流またはガス流に分割することである。
熱交換器130および人工肺140の熱伝達要素およびガス交換要素の端部をそれぞれ分離する例示的な方法は、図3に示され、端部キャップ103、104内に位置する壁114、115をそれぞれ使用する。端部キャップ103、104から延在する円状壁114、115は、熱交換器130および人工肺140が互いに隣接する場合に壁114、115が一列に並ぶように配置される。特に、壁114、115は、好ましくは、流体媒体がガス媒体と混合することを防止するために、熱交換器130の熱伝達要素の端部を人工肺140のガス交換要素の端部から分離する。やはり、これらの壁114、115は例示であり、他の構成も本発明によって想定される。たとえば、人工肺140および熱交換器130は、2つのコンポーネントに供給されるガス媒体および流体媒体が有効に分離される方法で交互に配置されたその端部分を有してもよい。
ハウジング101の第1および第2の端部キャップ103、104ならびに周囲壁102は、好ましくは図示(図3)するように接続される。接続は、ねじ、接着剤、ラッチなどのような取付け手段によって提供されてもよい。
ハウジング101用の他の適当な全体設計もまた想定される。代替のハウジング設計は、好ましくは、装置100が心肺バイパス回路内に嵌合することを依然として可能にしながら、装置100内での血液の径方向流ならびに装置100の人工肺140および熱交換器130の配置構成に対処する。
本発明による装置の別の実施形態は、図9A〜9Cに示される。装置900は、たとえば図3の装置100および図7の装置700より詳細である。装置100、700内の対応する片方を有するコンポーネントに関して、装置100、700に関する先の議論もまた、装置900のコンポーネントに適用される。装置100および700に含まれなかったかまたは異なる装置900のコンポーネントの説明は以下で述べられる。
図9Aおよび9Dは、本発明による、装置900の実施形態の斜視図を示し、図9Bは分解図を示し、図9Cは断面図を示す。示す実施形態は、先の実施形態より詳細を含む。
装置900は、流体媒体、ガス媒体、および血液が、装置900の異なる機能セクションに供給されることを可能にするように構成される。たとえば、ガス媒体は、人工肺940に供給され、流体媒体は、熱交換器930に別個に供給される。同様に、コア920に送出される血液は別個に供給される。その構成は、流体媒体、ガス媒体、および血液の望ましくない混合を防止する。装置900はまた、脱酸素化された血液が、コア920から径方向外方にまた他のコンポーネントを通って移動し、血液の径方向移動に全体的に横断する方向に、流体媒体が熱交換器に供給され、ガス媒体が人工肺に供給されるように構成される。やはり、示す構成は、例示であり、他の構成も本発明によって想定される。
装置900は、以下でより詳細に論じられる入口マンドレル920を備えるコアを含む。入口マンドレル920の周りには、熱交換器930が配列される。熱交換器930は、好ましくは、コア920の周りに位置する一束のまたは複数の熱伝達要素(たとえば、中空の熱交換器導管)(個々には示さず)を備える。好ましくは、熱伝達要素は、コア920に隣接して共に密に巻き付けられるかまたは包まれ、コア920を閉囲するかまたは囲むために全体的に同心円状に配列される。熱伝達要素は、入口マンドレル上に巻き付けられてもよく、または、織られたマット状または織物状配置構成で、予備成形または配列されてもよい。
装置900で使用される1つの好ましい予め作られた熱交換器マットは、米国ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte, North Carolina, U.S.A.)所在のMembranaから入手可能なHEX PET(商標)として知られており、ポリエチレンテレフタレート(PET)で作られる中空ファイバまたは導管の、互いに傾斜した2層を備える。好ましくは、一層内のファイバは、垂直から約15°の角度またはバイアスにある。そのため、材料の2層が、反対のバイアスを有するように層状化される場合、2つの層間のファイバについての正味の得られるバイアスの程度は30°である。反対のバイアスを持つ目的は、血流に対する抵抗の増加およびファイバを通して(すなわち、ファイバ間を)流れる血液に対する望ましくなくかつ予測できないせん断をもたらしうる2つの層間のファイバのネスティングを防止することである。好ましくは、熱交換器930は、HEX PET(商標)の層を備え、その層は、HEX PET(商標)のロールから一定の長さに切断され、マンドレルを使用することによってそれ自身に巻き付けられ、その後、マンドレルから取外され、装置900の入口マンドレル920の周りに同心円状に設置される。あるいは、HEX PET(商標)は、入口マンドレル920上に直接巻き付けられうる。
図示するように、熱交換器930を囲んでいるのは人工肺940である。人工肺940は、好ましくは、形状が全体的に円柱であり、一束のまたは複数の熱交換要素(たとえば、膜中空ファイバ)(個々には示さず)を備える。人工肺940のガス交換要素は、熱交換器930の周りに位置し、好ましくは、熱交換器930上に直接巻き付けられる。好ましくは、1つまたは複数の長い微多孔質ファイバが、所望のパターンで複数回、熱交換器930上に前後に巻き付けられて、人工肺940が形成される。巻き付ける好ましい方法は、本発明の装置を作る方法に関して以下で詳細に述べられる。
人工肺940ファイバは、熱交換器930上に直接巻き付けられなくてもよいが、小さなギャップあるいは別の材料またはコンポーネントが、熱交換器930と人工肺940との間に位置してもよいことも想定される。こうしたコンポーネントの例は、図5Aおよび5Bに示され、先に述べたマンドレル500である。しかし、500のようなマンドレルまたはセパレータが使用される場合、マンドレル500は低いプライム容積を有することが好ましい。
好ましくは、熱交換器930を構成する熱伝達要素の端部および人工肺940を構成するガス交換要素の端部は、本発明の方法に関して以下で詳細に述べるようにポッティングされる。熱伝達要素およびガス交換要素の端部は、ポッティングされ、その後、ポッティングの部分的深さが、外側端部から除去されて、熱伝達要素およびガス交換要素に対するガス媒体および流体媒体の連通が可能になる。図9Bおよび9Cは、得られるポッティング941(好ましくはポリウレタンで作られる)を示すが、他の材料が想定される。
装置900は、本発明の他のコンポーネントを閉囲するハウジング901を備える。ハウジング901ならびに入口マンドレル920は、好ましくは、硬質プラスチックで作られる。その目的は、これらのコンポーネントが頑丈であるが軽量であるためである。1つの例示的なタイプのこうした硬質プラスチックは、ポリカーボネートABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)合金である。しかし、ハウジング901および入口マンドレル920用の他の適当な材料も本発明によって想定される。
装置100と同様に、装置900のハウジング901は、周囲壁902ならびに第1および第2の端部キャップ903、904を含む。ハウジング101に対するハウジング901の対応するコンポーネントについての議論は、共通のコンポーネントを述べるために適用される。装置900のハウジング901のさらなるまたはいろいろなコンポーネントは、以下で述べられる。
ハウジング901の周囲壁902および端部キャップ903、904を接続するための目違い継ぎ942を含む装置900が特に示される。接続手段として目違い継ぎ942(図9)を使用する目的は、漏洩のリスクを最小にすることである。しかし、他の適当な接続手段または取付け手段も本発明によって想定される。
熱交換器930内の流体媒体を、人工肺940内のガス媒体から分離したままにするために、溝917(図9C)が、好ましくはポッティング941内に形成される。溝917は、ハウジング901の端部キャップ903、904の内側表面上に好ましくは形成される円形壁914、915がポッティング941に嵌合することを可能にする。壁914、915は、ポッティング941内で熱交換器930の熱伝達要素の端部を、人工肺940のガス交換要素の端部から分離し、ガス媒体および流体媒体を装置900内で混合させないように機能する。
装置901は、好ましくは再循環ラインポート961を含む。再循環ラインは、再循環ラインポート961に接続されてもよい。ポート961は、ハウジング901内部で生成される可能性がある気泡がその場所の近くで収集されるように配置される。再循環ラインは、その後、たとえば、静脈リザーバに戻るように気泡を運ぶ可能性があり、静脈リザーバは、好ましくは心肺バイパス回路内のコンポーネントであり、装置900も心肺バイパス回路のコンポーネントであってよい。
装置900はまた、好ましくは血液サンプリングポート962を含む。血液サンプリングポート962の場所は、血液サンプルが、血液が患者に戻される前に血液から取得されることを可能にする。血液サンプルは、酸素含有量などについて評価されてもよい。
図9A〜9Dはまた、患者に戻される血液の温度が監視されるように配置された温度プローブポート963を好ましくは含む装置901を示す。図はまた、温度プローブポート963に嵌合し、サーミスタなどの温度検知または監視デバイスを好ましくは含むスリーブ964を示す。
装置900の入口および出口ポート(たとえば、ポート906、908)は、番号を付けられていないフィーチャを含む図に示される。たとえば、熱交換器のポート906、908は、こうしたポートの従来のフィーチャであるポート上のチュービングを保持するために使用されるHANSEN(商標)取付け具(ニュージランド所在のHansen Products,Limitedから入手可能)を含む。血液入口および出口ポート912、909は、図に示すバーブを含む。他のポート(たとえば、ポート962)は、たとえば嵌合ネジ山を有するさらなるコンポーネントが取付けられてもよいネジ山を含んでもよい。やはり、これらは、こうしたポートの従来のフィーチャであり、全てが番号付けされておらず、本明細書で具体的に述べられる。
装置は、ガス出口ポート907(図9D)を含む。チュービングは、好ましくは、特にガス媒体内に麻酔薬が含まれるときにポート907に接続される。しかし、麻酔薬が使用されない場合、ガスは、一般に、空気に対して開放され、端部キャップ904内に位置し、人工肺940に連通するさらなる穴(図では示さず)から流出することを許容される。
ハウジング901または装置900は、好ましくは、端部キャップ903内にパージポート911を含む。970(図9Bおよび9C)として示されるパージラインは、好ましくはパージポート911に接続されて、空気が、装置900からパージされることを可能にする。
図9Bおよび9Cは、図示する装置900に接続されるグラウンドワイヤ971である装置900の好ましいコンポーネントを示す。グラウンドライン971の目的は、静電気が装置900の流体媒体と血液表面との間に蓄積することを防止することである。
装置900内のハウジング901の別の好ましいフィーチャは、血液出口909の周りでかつハウジング901の周囲壁902の内側表面上に位置する。窪んだ部分980(図9C)は、人工肺940を出た後に周囲壁902の内側表面の周りに流れる血液が血液出口909により容易に流入することを可能にする。窪んだ部分980の窪んだ形状は、血液が出口ポート909に近づくときにある程度の逃げ(relief)を提供する。その形状の利点は、血流が出口ポート909により容易に収束する可能性があることである。出口ポート909の内部の近位部分の半径はまた、好ましくは、収束する血流を収容するように最適化される。
装置900の別のオプションのフィーチャが、ハウジング901上に含まれてもよい。図9B、9C、および9Dは、端部キャップ904上のドリップリング981を示す。ドリップリング981は、好ましくは円状で、好ましくは血液入口ポート912からある距離のところにある血液入口ポート912を囲む突出部を備える。ドリップリング981は、好ましくは、突出部が血液入口912の同じ全体の方向に延在するように形作られる。これは、ハウジング901の外側を流れ落ちるいずれの水または他の流体も、血液入口912に接触しない間に、ドリップリング981に接触し、ドリップリング981をしたたり落ち続けるかまたは流れ落ち続けて、ハウジング901から離れることを可能にする。ドリップリング981の他の構成もまた想定される。ドリップリング981は、流体媒体が、血液入口ポート912の端部上に集まることを防止する。
ドリップリング981は、好ましくは、ハウジング901用に使用される同じ材料を含む。しかし、ドリップリング981は、任意の適当な材料を含んでもよいことが想定される。ドリップリング981は、ハウジング901の製造時にハウジング901上に形成されてもよい。たとえば、ドリップリング981を含むハウジング901は、射出成形されてもよい。あるいは、ドリップリング981は、ハウジング901の残りの形成後にハイジング901に付加されうる。
図には示さないが、ハウジング901の周囲壁902の所定部分に対するオプションの付加物が含まれてもよい。リブが、2つの開放端部の近くの周囲壁902の内側表面内に形成されてもよい。熱交換器930の熱伝達要素および人工肺940のガス交換要素の端部をポッティングした後、得られる部分は、ハウジング901内に閉囲され、入口マンドレル920がそこを通して延在する。ポッティング941は、一般的にまた好ましくは、周囲壁902の内側表面と、内側表面内に好ましくは形成されるリブのエリアにおいて一列に並ぶ。ポリウレタンなどの使用されるポッティング組成物は、時間と共に収縮する可能性がある。ポッティング941は、オプションのリブ内に延在するように作られてもよく、それにより、収縮によってポッティング941がハウジング901から剥離する可能性が減少する。したがって、リブはオプションであるが、熱交換器930および人工肺940を装置900内の所定の場所に保つために好ましい。
装置900を通した血液の径方向移動を開始するために、血液は、入口マンドレル920を通して装置900に入る。入口マンドレル920は、入口マンドレル920の長さの略全てに沿って、入口マンドレル920(図9C)を通って延在する長手方向軸924の全体的に垂直な方向に、軸924に関して略360°の周りに、隣接する熱交換器930内に血液を有効に分配するために構成される。
好ましくは、入口マンドレルは、開口を画定するために相互嵌合する第1の要素および第2の要素を備える。要素および開口は共に、入口マンドレルから径方向に外側への血液の流れを増大させる。
入口マンドレル920は、好ましくは、形状が全体的に円柱または管状であり、送出通路または管腔921を含む。入口マンドレル920は、血液が、そこを通して入口マンドレル920から径方向外方に流れることができる開口またはスロット925を含む。開口またはスロット925の数、パターン、および形状は、血液に対する外傷を最小にした状態で装置900を通して所望の径方向血流を提供するために設けられる。入口マンドレル920に対する代替入口マンドレルが、装置900に含まれてもよいことが想定される。
図11A〜12Cは、入口マンドレル920および入口マンドレル920を構成するコンポーネントの図を示す。入口マンドレル920は、共に嵌合するかまたは係合し(mate)、好ましくは共に固定される2つの要素、部品、または部分からなり、それらは、血液入口側コンポーネントまたは要素1000(図10A〜10Cに示す)およびパージポート側コンポーネントまたは要素1100(図11A〜11Cに示す)である。図12A〜12Cは、入口マンドレル920を形成する組立てられた入口側要素1000およびパージポート側要素1100を示す。
入口側要素1000は、一般に、複数のティン1004に取付けられる本体セグメント1002からなる。本体セグメント1002は、装置900用の血液入口ポート912を含む。本体セグメント1002は、好ましくは、入口マンドレル920に対してチュービング(図示せず)を保持するために設けられるバーブ1006を含み、本体セグメント1002を通して、血液が、患者から入口マンドレル920に供給される。本体セグメント1002はまた、好ましくは、他のコンポーネントが入口マンドレル920に組立てられるように設けられるルアーネジ山1008を含む。たとえば、ルアーネジ山1008は、入口マンドレル920に取付けられてもよい異なるサイズのチュービングを収容できるアダプタ(図示せず)を入口側要素1000に取付けるために使用されてもよい。本体セグメント1002はまた、入口側要素1000を製造するために必要である可能性がある他の詳細を含んでもよい。本体セグメント1002はまた、パージポート側要素1100上のティンが嵌合する凹所1014を含む。凹所1014(図10Cに示す)は、パージポート側要素1100上のティンに収容するために形作られる。
入口側要素1000は、図10Cに示すように好ましくは円状パターンで本体セグメント1002に取付けられる複数のティン1004を備える。ティン1004は、好ましくは、本体セグメント1002の円形端部の周りに等間隔で配置され、好ましくは、凹所1014と交互になる。ティン1004および凹所1014の好ましい数は、それぞれ5であるが、ティンおよび凹所の他の数も想定される。ティン1004の数ならびにティン1004の形状および構成は、連続して、また、同様に血液に対する外傷の量を減少させながら、血液が、入口マンドレル920から径方向外方に流れることを可能にするために設けられる。
好ましくは、ティン1004は、管腔1010に向かうほど幅広であり、管腔1010から離れるほど狭くなるインゲンマメ形状を有する。この好ましい形状は、ティン1004間ならびにパージポート側要素1100のティン1104(図11A〜11C)間の所望の径方向流に寄与する。ティン1004、1104の断面は、好ましくは、入口マンドレル920の周りに巻き付けられる熱交換器材料によって接触される表面積が小さくなるように、両方の要素1000、1100内の管腔1010および1110から離れるにつれテーパが付く。これは、血液が、ティン1004、1104の周りで、かつ、熱交換器930内により容易に移動することを可能にする。
ティン1004、1104はまた、好ましくは、入口マンドレル920の対向する要素(1000および1100)上の凹所(1014および1114)に嵌合するために、その長さに沿って、また、その端部に向かってテーパが付けられる。図10Cおよび11Cの断面図は、テーパライン1020、1120を含むことによってテーパ付けを示す。
入口側要素1000と同様であるパージポート側要素1100(図11A〜11C)もまた本体セグメント1102を含む。本体セグメント1102はまた、対向する要素、入口側要素1000上のティン1004がその中に固定される凹所1114を含む。しかし、本体セグメント1102は、入口側要素1000のフィーチャと異なるフィーチャ、たとえばパージポート911にて所望される可能性がある、入口マンドレル920から空気がパージされることを可能にするフィーチャを含む。たとえばプラグ(図9Cの970)を収容するために、ノッチ1118が本体セグメント1102内に含まれてもよい。
パージポート側要素1100はまた、好ましくは、本体セグメント1102に取付けられる5つのティン1104を含む。しかし、示すこれらのティンに対する代替の数、形状、および構成も想定される。パージポート側要素1100のティン1104は入口側要素1000内の凹所1014に嵌合し、入口側要素1000のティン1004はパージポート側要素1100内の凹所1114に嵌合し、ティン1104、1004は、好ましくは、たとえば接着剤を使用して固定される。図12A〜12Cは、入口マンドレルを形成するために組立てられた、入口側要素1000およびパージポート側要素1100を示す。
それぞれ要素1000、1100の本体セグメント1002、1102の管腔1010、1110内で、一般的に任意の遷移部(図12Bの遷移部1112)は、好ましくは下り方向に階段状にされた階段状遷移部である。したがって、管腔1010、1110を通る血流の方向に、特定の管腔1010または1100の直径は、遷移部での直径が増加してもよい。要素1000、1100を通る血流は、要素1000内の血液入口ポート912から要素1100内のパージポート911に向かう(図12Aおよび12Bにおいて右から左)。遷移部を下り方向に階段状にする目的は、流れる血球に対する外傷を遷移部によって防止することである。
特に、装置900は、小児使用のために設計されている。しかし、装置900をたとえば成人患者に関して使用するために、本明細書で述べる装置900に関して変更が行われてもよいことが本発明によって想定される。たとえば、装置900は、異なるサイズの患者、たとえば成人患者に対処するために、異なるサイズで利用可能であってよい。さらに、成人患者に対処するために、他のコンポーネントが必要である可能性がある。
本発明による装置900は、血液が、酸素付加されかつ温度制御されることを所望される任意の適切なシステムまたはデバイスにおいて使用されてもよく、または、それに組込まれてもよい。1つの特定のシステムは、Performer−CPBシステムと呼ばれる、Medtronic,Inc.(米国ミネソタ州ミネアポリス所在)によって商業的に販売されている心肺バイパス(cardiopulmonary bypass)(CPB)システムとして知られている電気機械式体外循環維持システムである。しかし、他のシステムが本発明によって想定される。
以下の説明は、上述した本発明の装置の実施形態などの装置を作る方法を述べる。特に、方法の説明は、装置900を作ることを述べる。しかし、方法は、他のこうした装置にも適用されてもよく、さらなるステップ、少数のステップ、または代替のステップを必要とする可能性があることが想定される。
装置900を作るために、まず、入口マンドレル920が、受取られるまたは設けられる。あるいは、コアが、装置700の場合と同様にポンプを含んでもよい。入口マンドレル920は、上述したように組立てられる。装置900の他のコンポーネントは、入口マンドレル920の周りに配列されることになる。
いくつかの入口マンドレルに関して、組立ての目的で、入口マンドレルの管腔を通して支持マンドレルを延在させることが必要である可能性がある。入口マンドレルは、支持マンドレル上で組立てられてもよい2つ以上の部品または要素を備えてもよい。入口マンドレルの部品または要素を、支持マンドレルに対してまた一緒に保持するために、収縮ラップまたは熱収縮チュービングが、入口マンドレル920の端部に適用されてもよい。
次に、熱交換器930が、入口マンドレル920の周りに同心円状に配列される。熱伝達材料は、入口マンドレル920上に巻き付けられてもよい。あるいは、熱交換器930は、別個に、巻き付けられ、マット状材料に形成され、次に、入口マンドレル920の周りに巻き付けられてもよい。好ましくは、装置900で使用される予め作られた熱交換器マットは、先に論じたHEX PET(商標)として知られている。テープは、好ましくは、入口マンドレル920上でのHEX PET(商標)の巻き付けを開始し終了させるために使用される。熱交換器930は、熱交換器930を構成する複数の熱伝達要素の端部が流体媒体に流体連通状態になるように配列されるまたは巻き付けられることになる。流体媒体は、熱伝達要素の(2つの端部うちの)一方の端部に提供され、熱伝達要素の他方の端部から取り除かれることになる。
次に、人工肺940が、熱交換器930の周りに同心円状に配列される。人工肺940を構成するファイバまたは複数のガス交換要素は、熱交換器930の周りに位置してもよいまたは熱交換器930上に直接巻き付けられてもよい。あるいは、図5Aおよび5Bのマンドレル500などのマンドレルは、人工肺940が熱交換器930上に巻き付けられる前に、熱交換器930上に設置されてもよい。こうしたマンドレルは、所定の場所に残ったままであってよく、または、その後、装置900が使用される前に取り除かれてもよい。
人工肺940は、連続した半浸透性中空ファイバを螺旋状に巻き付ける、知られている方法を使用することによって形成されてもよい。その方法は、参照によりその全体が本明細書に組込まれる米国特許第5,346,612号に記載される。知られている方法は、装置900で使用するための人工肺940を生成するために、たとえば熱交換器930上に中空ファイバを巻き付けるために使用されてもよい。
一般に、図13に示す巻き付け装置が設けられ、巻き付け装置は、長手方向軸1302を有する回転可能搭載部材1300および前記搭載部材1300に隣接するファイバガイド1304を有する。ファイバガイド1304は、前記搭載部材1300が回転するときに、搭載部材1300の長手方向軸1302に平行なライン1306に沿って往復運動するようになっている。熱交換器930と入口マンドレル920の組合せ体は、回転可能搭載部材1300上で回転するために搭載される。少なくとも1つの連続した長さの半浸透性中空ファイバ1308(2つ以上が示されている)が設けられ、中空ファイバは前記ファイバガイド1304によって位置決めされ、前記熱交換器930に固定される。搭載部材1300は、回転し、ファイバガイド1304は、搭載部材1300の長手方向軸1302に関して往復式に移動する。1つまたは複数のファイバ1308は、前記熱交換器930上に巻き付けられて、人工肺940が形成され、人工肺940は、搭載部材1300の軸に対して径方向外方に延在し、また、好ましくは、前記人工肺940の主要な部分を通して径方向外方に増加する充填率を好ましくは有し、それにより、好ましくは充填率勾配を提供する。
先の方法は、ファイバガイド1304によって位置決めされた2つ以上のファイバ1308を含んでもよい。2つ以上のファイバ1308は、熱交換器930または中間コンポーネント上に巻き付けられて、ファイバが前記熱交換器930上に巻き付けられる点に接しかつ前記ファイバ1308を含む、熱交換器930の軸に平行な平面に対する巻き付き角度が形成される。
図14は、単一ファイバについての巻き付き角度を示すが、2つ以上のファイバのそれぞれについても適用される。ファイバ92は、平面93に含まれる。平面93は、コア90の軸Aに平行である。平面93は、ファイバ92がコア90上に巻き付けられる点94に接する。線95は、軸Aに垂直であり、また、点94および軸Aを通過する。線96は、法線95の平面93内への突出部である。巻き付け角度97は、平面93内で突出線96とファイバ92との間で測定される。あるいは、接平面93内の線92は、ファイバ(図示せず)から平面93内への突出部であり、平面93の外にある。
巻き付け角度は、搭載の1回転中にファイバガイドが移動する距離を増加させることによって増加され、それにより、前記充填率の増加を提供してもよい。巻き付け角度は、減少されるか、増加されるか、またはそうでなければ束の主要部分以外で変更されてもよい。巻き付け角度は、たとえ減少を含んで変動しても、平均して巻き付け角度が増加する場合、束の主要部分において増加したと考えられることになる。
巻き付け方法は、さらに、前記ファイバの張力を、前記ファイバが巻き付けられるときに調節するテンショナ手段を含んでもよい。前記ファイバの張力は、こうした巻き付けの主要な部分を通して段階的にまた連続的に増加され、それにより、前記充填率の増加を提供してもよい。ファイバガイドは、同時に巻き付けられる2つ以上のファイバ間の間隔を調節するようになっていてもよく、その間隔は、こうした巻き付けの主要な部分を通して減少され、それにより、前記充填率の増加を提供してもよい。
本発明による血液酸素付加器で使用するための、熱交換器930などの、支持コア上に半浸透性中空ファイバを螺旋状に巻き付ける先に概説したプロシージャは、米国特許第4,975,247号(「’247号特許」)で図12〜図16Aを含む欄9、ライン36〜欄11、ライン63において述べられ、その全てが、以下の巻き付けプロシージャを示すために参照により本明細書に組込まれる。’247号特許の図16は、2層ファイバマット75がコア上に巻かれるファイバ束を作る代替の方法を示す。
ガイド1304は、熱交換器930の第1の端部(図13の左手側)から第2の端部(図13の右手側)に移動し、そこで減速する。減速した後、ガイド1304は、方向を反転し、その開始位置に戻るように移動する。再び減速し、方向を反転した後、ガイドは、その移動サイクルを改めて始める。ガイド1304についてのこの往復移動および熱交換器930がその上に搭載された搭載部材1300の同時回転は、述べられる以下の変更を受けて継続し、ついには、所望の直径の人工肺940が熱交換器930上に巻き付けられる。
’247号特許の欄10〜11でより完全に述べるように、左から右へのガイドの移動において、ファイバリボンが、伸張した支持コア(本発明では熱交換器930)の周りに螺旋状に巻き付けられ、リボン内の個々のファイバは、支持コアリブの外側表面に接触して載置される。知られている巻き付けプロシージャでは、コア(本発明では熱交換器930)は、ファイバガイドが十分な数の横断線を移動したときに、隣接するファイバ間の間隔および1つのリボンの6番目のファイバと次の隣接するリボンの第1のファイバとの間の距離を除いて被覆される。
人工肺140のファイバを巻き付ける例示的なパターンは、Affinity(商標)人工肺(米国ミネソタ州ミネアポリス所在のMedtronic,Inc.から入手可能)に見出される。しかし、あるいは、人工肺140ファイバを巻き付ける他の方法およびパターンも本発明によって想定される。
装置900に組込まれてもよいオプションのさらなるコンポーネントはフィルタである。図示しないが、こうしたフィルタは、装置900内の種々の場所に配置されてもよいことが想定される。たとえば、フィルタは、人工肺940の周りに配置されてもよい。フィルタ用の別の考えられる場所は、熱交換器930と人工肺940との間である。なお別の可能性は、フィルタのファイバ媒体が、人工肺の巻き付けられたファイバまたはガス交換要素の間に位置することである。たとえば、人工肺940を構成するガス交換要素またはファイバの巻き付け中に、巻き付けが中断され、フィルタ媒体が、ファイバまたはガス交換要素の周りに設置され、その後、巻き付けが継続されて、人工肺940が完成する。フィルタ媒体を人工肺940内に配置する利点は、人工肺のガス交換要素間を流れる血液が、酸素付加され、次にろ過され、次にろ過後に再び酸素付加され、それにより、血液中の酸素レベルを、ろ過後に所望レベルまでもたらすことである。フィルタ(図示せず)を含む装置900の他の構成または設計は、本発明によって想定され、本明細書で述べるものに限定されない。
装置900を作るときに、一旦人工肺940が熱交換器930上に(両者間に他のコンポーネントまたは空間がある状態でまたはない状態で)巻き付けられると、熱交換器930の熱伝達要素および人工肺940のガス交換要素の端部は、好ましくはポッティング組成物内に埋め込まれて、それらが、装置900内で一緒にまた所定の場所に保持される。好ましいポッティング材料は、遠心分離することによって導入され、その場で反応させられたポリウレタンである。他の適当なポッティング材料または装置900の熱交換器930および人工肺940部分をポッティングする方法も本発明によって想定される。
好ましくは、ポッティング組成物は、人工肺940および熱交換器930を構成するセットのまたは複数のガス交換要素および熱伝達要素の両方の端部に塗布され、ポッティングされた材料の2つの領域がもたらされる。しかし、ポッティング材料は、こうした方法で塗布されると、要素の端部を被覆する。したがって、装置900に導入されるガス媒体および流体媒体との連通を可能にするために、熱伝達要素およびガス交換要素の端部を開放することが通常必要である。そのため、一旦硬化すると、ポッティング941の外側端部の部分的な深さは、好ましくはスライスされるかまたは切断され(すなわち、「切り落とされ(guillotined)」)て、ガス媒体および流体媒体が管腔に供給されることを可能にするために、熱伝達要素およびガス交換要素の管腔を露出させるまたは開放させる。好ましくは、ポッティングされた端部は、部分的に切断されて、熱伝達要素およびガス交換要素の管腔を開放させる。熱伝達要素およびガス交換要素の、ポッティングされ切断された端部は、その後、熱伝達要素の管腔が熱伝達媒体と連通状態になり、ガス交換要素の管腔が酸素含有ガス媒体と連通状態になるようにハウジング901内に設置される。図に示すように、ポッティングは、好ましくは、第1の端部キャップ903および第2の端部キャップ904内に、また、装置900に供給されるガス媒体および流体媒体と連通状態で配置される。こうした方法でポッティングされる熱交換器930および人工肺940の部分は、「ポッティング(potting)」と呼ばれ、941として示される。
流体媒体入口908は、水または別の流体媒体を、熱交換器930、特に複数の熱伝達要素(図示せず)の一端に提供する。流体媒体は、好ましくは、熱交換器930を通して流れる血液の温度を調節するために必要に応じて、装置900の外で加熱されるかまたは冷却される。対向流熱交換器930の使用は、最適な熱交換効率を提供する。血液の温度は、装置700の内部に搭載されたサーミスタまたは他の温度検知デバイス(図示せず)を含む回路(図示せず)によって監視されうる。熱交換器930を通して流れた後、流体媒体は、流体媒体出口908を通して熱交換器930および装置900から流出する。
ポッティング941をスライスし、その後、装置900を組立てた後、人工肺940の複数のガス交換要素の管腔はまた、ガス入口905およびガス出口907と連通状態になることができる。人工肺940は、好ましくは、加圧された供給源(図示せず)から酸素に富むガス混合物を供給され、ガス混合物は、ガス入口多岐管905を通して人工肺940に搬送される。
同様に上述したように、ポッティング941内で、熱伝達要素の端部をガス交換要素の端部から分離することが好ましい場合がある。特に、端部を分離する1つの方法は、熱伝達要素とガス交換要素との間にチャネルを作成することである。チャネルは、取外し可能なハブ、バンド、またはリングを使用して作成されてもよい。
図15は、本発明の装置1500の別の実施形態の分解図である。特に、装置1500は、ポッティング1541のそれぞれにおいてチャネルを形成するために2つのハブ1590を含む。装置1500のコンポーネントの残りは、先の実施形態で述べたコンポーネントと同様である。
ハブ1590または外周要素は、取外し可能であり、円形構造を形成することができる任意の材料からなってもよい。好ましくは、材料は、ウレタンに固着しない。ハブ1590は、たとえば成形されるかまたは押出されることによって形成されてもよい。
2つの取外し可能なハブ1590は、組立て中に、熱交換器1530と人工肺1540との間、特に、熱交換器1530と人工肺1540の組立て体の2つの端部の近くに設置される(各端部上に1つのハブ)。ハブ1590は、人工肺1540を巻き付ける前に、端部の近くで熱交換器1530を囲むように設置され、また、熱交換器1530の端部上に設置される。ハブ1590は、熱伝達要素およびガス交換要素の端部がポッティングされ、スライスされて、ポッティング1541が形成されるまで、所定の場所にあるままにされる。ハブ1590は、その後、たとえば手作業で、熱によって、化学物質によってなどで取り除かれる。ポッティング1541内に残される空間または溝(図15では見えないが、装置900の917のようである)は、その後、好ましくは装置のハウジングの一部分(端部キャップ1503、1504上の壁1514、1515)によって少なくとも部分的に満たされて、熱交換器1530の熱伝達要素の端部を、人工肺1540のガス交換要素の端部から分離し、それにより、漏洩用の考えられる経路をなくす。
やはり装置900を参照して、次に、ポッティング941は、ハウジング901内に閉囲される。たとえば図9Aに示すハウジング901に関して、端部キャップ903および904は、周囲ハウジング部分902に接合されるまたは取付けられて、熱交換器および人工肺が閉囲される。ハウジング901のさらなるコンポーネントはまた、好ましくは共に固着されて、装置900が形成される。接着剤またはコンポーネントを共に接合する手段が想定される。
本発明は好ましい実施形態を用いて述べられたが、当業者に明らかであるように、変形および修正に頼ってもよいことが理解される。こうした変形および修正は、本発明の範囲内で考えられる。
本明細書で述べた全ての特許、特許出願、および出版物は、参照によりその全体が組込まれる。

Claims (31)

  1. 体外回路内で血液に酸素付加し血液の温度を制御する装置において、装置を通る流路を画定するために、入口および前記入口から径方向外方に位置する出口を有する装置であって、
    装置内で中心に位置し患者からの血液が前記入口を通して供給されるコアと、
    前記コアの周りに配列され該コアに直接巻き付けられ前記コアからの血液がその間を径方向外方に移動できる複数の熱伝達要素を備える熱交換器と、
    前記熱交換器の周りに配列され前記熱交換器からの血液が前記出口を通して装置を出る前に、その間を径方向外方に移動できる複数のガス交換要素を備える人工肺と、を備え
    前記ガス交換要素の少なくとも1つは、前記熱伝達要素の少なくとも1つに直接接触している、
    ことを特徴とする装置。
  2. 体外回路内で血液に酸素付加し、血液の温度を制御する装置において、装置を通る流路を画定するために、入口および前記入口から径方向外方に位置する出口を有する装置であって、
    装置内で中心に位置し患者からの血液が前記入口を通して供給されるコアと、
    熱交換器であって、血液が熱交換器を通って径方向外方に移動できるように、前記コアの周りに配列される複数の熱伝達要素を備える熱交換器と、
    前記出口を通して装置を出る前に、血液が、構造的障害なく前記熱交換器から人工肺まで、そして、前記人工肺を通して径方向外方に移動できるように、前記熱交換器の周りに配列される複数のガス交換要素を備える人工肺と、を備え
    前記ガス交換要素の少なくとも1つは、前記熱伝達要素の少なくとも1つに直接接触している、
    ことを特徴とする装置。
  3. 体外回路内で血液に酸素付加し、血液の温度を制御する装置において、装置を通る流路を画定するために、入口および前記入口から径方向外方に位置する出口を有する装置であって、
    コアであって、患者からの血液がコアに供給されうるように前記入口に連通し、開口を画定するように相互嵌合する第1の要素および第2の要素を備え、前記要素および前記開口は共に、コアから径方向外方に患者からの血流を増大させるコアと、
    前記コアの周りに配列され前記コアからの血液がそこを通って径方向外方に移動できる熱交換器と、
    前記熱交換器の周りに配列され前記熱交換器からの血液が前記出口を通って装置を出る前に、そこを通って径方向外方に移動できる人工肺と、を備え
    前記人工肺のガス交換要素の少なくとも1つは、前記熱交換器の熱伝達要素の少なくとも1つに直接接触している、
    ことを特徴とする装置。
  4. 前記コアは、長手方向軸線を有する第1および第2の要素を通る管腔を備え、血液は、開口に達するまで前記コアの管腔に沿って軸線方向に移動でき、その後、前記長手方向軸線に対して横断する方向に前記開口を通って径方向外方に移動できる、
    請求項3に記載の装置。
  5. 前記コアの前記第1および第2の要素はそれぞれ、全体が円柱の本体であって、全体が円柱の本体を通して延びる管腔を有する、全体が円柱の本体を備え、複数のティン(tin)が、前記本体の管腔に全体が平行な方向に前記本体の一端から延びる、
    請求項3に記載の装置。
  6. 体外回路内で血液に酸素付加し、血液の温度を制御する装置において、装置を通る流路を画定するために、入口および前記入口から径方向外方に位置する出口を有する装置であって、
    コアであって、患者からの血液がコアに供給されうるように、前記入口に連通するコアであって、長手方向軸線を有する管腔、ならびに、それぞれが本体及び前記長手方向軸線に沿って対応する前記本体の一端部から延びる複数のティンを備える第1の要素および第2の要素であって、開口を画定するために相互嵌合する第1の要素および第2の要素を備え、前記要素および前記開口は共にコアから径方向外方に患者からの血流を増大させるコアと、
    前記コアの周りに配列され、前記コアからの血液がそこを通って径方向外方に移動できる熱交換器と、
    前記熱交換器の周りに配列され、前記熱交換器からの血液が前記出口を通って装置を出る前に、そこを通って径方向外方に移動できる人工肺と、を備え
    前記人工肺のガス交換要素の少なくとも1つは、前記熱交換器の熱伝達要素の少なくとも1つに直接接触している、
    ことを特徴とする装置。
  7. 前記第1の要素は、前記第2の要素上のティンが嵌合する前記本体内の凹所を備え、前記第2の要素は、前記第1の要素上のティンが嵌合する前記本体内の凹所を備える、
    請求項6に記載の装置。
  8. 前記第1および第2の要素上の前記ティンは、前記第2および第1の要素上の前記凹所にそれぞれ固着される、
    請求項7に記載の装置。
  9. 前記ティンおよび凹所は、前記ティンがそこから延びる前記本体の一端の周りに交互にあり等間隔に配置される、
    請求項7又は8に記載の装置。
  10. 前記第1および第2の要素はそれぞれ5つのティンを備える、
    請求項6〜9のいずれか1項に記載の装置。
  11. 前記ティンは、インゲンマメ状断面を有する、
    請求項6〜10のいずれか1項に記載の装置。
  12. 前記ティンは、前記要素の管腔から離れる方向に幅がテーパする断面を有する、
    請求項6〜11のいずれか1項に記載の装置。
  13. 前記熱交換器は、前記コアの前記第1および第2の要素に接触する複数の熱伝達要素を備える、
    請求項3〜12のいずれか1項に記載の装置。
  14. 装置であって、
    患者からの血液が、入口を通ってそこに供給される一体型ポンプを備えるコアと、
    前記ポンプの周りに配列され、前記ポンプからの血液がその間を径方向外方に移動できる複数の熱伝達要素を備える熱交換器と、
    前記熱交換器の周りに配列され、かつ、前記熱交換器からの血液が、出口を通って装置を出る前に、そこを通って径方向外方に移動できる、複数のガス交換要素を備える人工肺と、を備え、
    前記複数の熱伝達要素が前記ポンプに巻かれており、
    前記ガス交換要素の少なくとも1つは、前記熱伝達要素の少なくとも1つに直接接触している、
    ことを特徴とする装置。
  15. 前記複数の熱伝達要素は、前記ポンプの周りに同心円状に配列される、
    請求項14に記載の装置。
  16. 前記ポンプは、360°全周にわたって流出流を送出することが可能である、
    請求項14または15に記載の装置。
  17. 前記ポンプは、遠心ポンプまたは薄膜ポンプである、
    請求項14〜16のいずれか1項に記載の装置。
  18. 前記ポンプは、中心軸線を備え、前記中心軸線から360°の全てを通して径方向外側方向に流れを送出することが可能である、
    請求項14〜17のいずれか1項に記載の装置。
  19. 前記ポンプは、中心軸線を備え、前記中心軸線に対して横断方向に前記熱交換器まで径方向外方に血液を圧送できる、
    請求項14〜18のいずれか1項に記載の装置。
  20. 血液は、前記中心軸線の周りに360°の全てを通して前記ポンプから径方向外方に移動できる、
    請求項19に記載の装置。
  21. 前記ポンプは、中心軸線を備え、血液は、前記中心軸線の周りに360°の全てを通して前記人工肺から径方向外方に移動できる、
    請求項14〜20のいずれか1項に記載の装置。
  22. 前記熱交換器は、血液が、構造的障害なく前記ポンプから前記熱交換器まで移動できるように、前記ポンプの周りに配列される、
    請求項14〜21のいずれか1項に記載の装置。
  23. フィルタをさらに備え、血液は、前記中心軸線の周りに360°の全てを通して前記フィルタから径方向外方に移動できる、
    請求項18〜22のいずれか1項に記載の装置。
  24. 血液は、前記中心軸線の周りに360°の全てを通して前記熱交換器から径方向外方に移動できる、
    請求項18〜23のいずれか1項に記載の装置。
  25. 血液は、構造的障害なく前記コアから前記熱交換器まで移動できる、
    請求項1〜24のいずれか1項に記載の装置。
  26. 前記コアは、長手方向軸線を備え、血液は、前記長手方向軸線の周りに360°の全てを通して前記人工肺から径方向外方に移動できる、
    請求項1〜24のいずれか1項に記載の装置。
  27. 前記コアは、血液が、そこを通して前記熱交換器まで径方向外方に移動できる複数の開口を備える、
    請求項1〜26のいずれか1項に記載の装置。
  28. 血液は、前記長手方向軸線の周りに360°の全てを通して前記コアから前記熱交換器まで径方向外方に移動できる、
    請求項1〜27のいずれか1項に記載の装置。
  29. 体外回路内で血液に酸素付加し、血液の温度を制御する装置であって、
    装置内で中心に位置する入口マンドレルを備え、前記入口マンドレルは、患者から供給される血液がそこを通して全体的に前記入口マンドレルの長手方向軸線に沿って移動できる、前記入口マンドレルの前記長手方向軸線に沿って延びる管腔と、複数の開口であって、前記軸線を横断する径方向に開口を通して前記入口マンドレルから径方向外方に血液が移動するように構成された、複数の開口とを備え、
    前記入口マンドレルの周りに配列された複数の熱伝達要素を備える熱交換器を備え、血液は、前記複数の熱伝達要素の間を径方向外方に前記入口マンドレル内の前記開口から移動でき、前記複数の熱伝達要素の間で血液が移動するときに血液にまたは血液から熱を伝達するために、流体媒体は、前記複数の熱伝達要素内の管腔に供給されることができ、前記流体媒体は、前記複数の熱伝達要素の間での血液の径方向移動に対して横断する方向に前記熱伝達要素内の前記管腔を通して移動でき、
    前記熱交換器の周りに配列された複数のガス交換要素を備える人工肺を備え、血液は、前記複数のガス交換要素の間を径方向外方に前記熱交換器から移動でき、前記複数のガス交換要素の間で血液が移動するときに、血液内に酸素を伝達し、血液から二酸化炭素を取り除くために、酸素含有ガス媒体は、前記複数のガス交換要素内の管腔に供給されることができ、前記ガス媒体は、前記複数のガス交換要素の間での血液の径方向移動に対して横断する方向に前記複数のガス交換要素内の前記管腔を通して移動でき、
    前記ガス交換要素の少なくとも1つは、前記熱伝達要素の少なくとも1つに直接接触しており、
    ハウジングを備え、前記ハウジングは、前記入口マンドレル、前記熱交換器、および前記人工肺を収容し、血液が患者から装置に入ることを可能にするための前記入口マンドレルに連通する血液入口と、血液が装置を出るための前記人工肺に連通する血液出口と、流体媒体が前記熱交換器に供給されることを可能にするための前記複数の熱伝達要素に連通する流体媒体入口と、前記流体媒体が前記熱交換器を出るための前記複数の熱伝達要素に連通する流体媒体出口と、ガス媒体が前記人工肺に供給されるための前記人工肺の前記複数のガス交換要素に連通するガス媒体入口と、ガス媒体が前記人工肺を出るための前記人工肺に連通するガス媒体出口とを備え、前記血液出口は、前記入口マンドレルの前記長手方向軸線に関して前記血液入口から径方向に外側の前記ハウジング内に位置し、
    前記熱交換器の前記複数の熱伝達要素は、前記入口マンドレルに巻き付けられ、
    前記ハウジングは、周囲壁と、前記周囲壁の開放側の一つを閉じる第1端部キャップと、前記周囲壁のもう一つの開放側を閉じる第2端部キャップを有し、前記周囲壁は、前記人工肺に対して径方向に位置決めされ、前記血液入口は前記第1の端部キャップを通して提供され、コアから前記血液出口への流路を制御するために前記血液出口は前記コアに対して径方向に位置決めされるように前記周囲壁を通して提供される、
    ことを特徴とする装置。
  30. 前記人工肺は、血液が、構造的障害なく前記熱交換器から前記人工肺まで移動できるように、前記熱交換器の周りに配列されている、
    請求項1〜29のいずれか1項に記載の装置。
  31. 体外回路内で血液に酸素付加し、血液の温度を制御する装置を作る方法であって、
    患者から前記装置に、血液がそこを通して供給されうるコアを設けるステップと、
    前記コアの周りに熱交換器を設けるステップであって、それにより、前記コアからの血液が、前記熱交換器を通して径方向外方に移動できる、熱交換器を設けるステップと、
    前記熱交換器の周りに人工肺を設けるステップであって、それにより、前記熱交換器からの血液が、前記人工肺を通して移動できる、人工肺であって、前記熱交換器の熱伝達要素の少なくとも1つに直接接触している前記人工肺のガス交換要素を少なくとも1つ有している人工肺を設けるステップと、
    ハウジング内に前記コア、前記熱交換器、および前記人工肺を設置するステップであって、前記ハウジングは、前記装置を通して血液用の流路を画定するために、前記コアに連通する入口および前記入口から径方向外方に位置する出口を含む、設置するステップとを含む、
    ことを特徴とする方法。
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