JP5822399B2 - Soap mold - Google Patents
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Description
本発明は、石鹸の製造に用いられる成形型に関する。 The present invention relates to a mold used for manufacturing soap.
石鹸の製造方法として、一組の割型が組み付けられて内部に成形用のキャビティと該キャビティの下方に位置し且つ該キャビティに通ずる溶融石鹸等の液体原料の注入空間とが形成される成形型を用い、該注入空間を介して該キャビティ内に液体原料を充填し、冷却・固化させる方法(充填成形法)が知られている。この成形型には、液体原料をキャビティ内に充填する際に該キャビティ内の空気が抜けきらないことに起因する不都合(液体原料の充填不足等)を解消する目的で、両割型のパーティング面に、キャビティ内の空気を排出するためのエアベント(通気孔)が形成されており、キャビティの下方に位置する注入空間を介してキャビティ内に充填された液体原料は、該キャビティ内の空気と置換され、該空気は、キャビティの上方に配されたエアベントを介して外部に排出される。 As a soap manufacturing method, a mold in which a set of split molds are assembled to form a molding cavity and an injection space for a liquid raw material such as molten soap positioned below the cavity and leading to the cavity There is known a method (filling molding method) in which a liquid raw material is filled into the cavity through the injection space and cooled and solidified. This mold has a split parting for the purpose of eliminating inconveniences (insufficient filling of liquid material, etc.) caused by the air in the cavity not being able to escape when the liquid material is filled into the cavity. An air vent (vent hole) for discharging the air in the cavity is formed on the surface, and the liquid raw material filled in the cavity through the injection space located below the cavity is separated from the air in the cavity. After being replaced, the air is discharged to the outside through an air vent disposed above the cavity.
特許文献1〜4には、樹脂成形用金型に関するエアベントの改良技術が記載されている。特許文献1には、二個一組の入れ子が組み付けられた状態で装着される金型に、該入れ子を包囲するようにガス排出溝を形成すると共に、該入れ子のパーティング面に複数の微小溝を形成することが記載されている。特許文献1によれば、キャビティ内のガスは、液体原料がキャビティ内に射出されると、その圧力によって前記微小溝、前記ガス排出溝を介して外部に排出されるとされている。
特許文献2には、一組の金型のパーティング面それぞれにおけるエアベントの形成領域に、該パーティング面に沿って複数の連続する山形溝部を削成し、且つ両金型のパーティング面どうしを突き合わせたときに両金型の山形溝部が、所定の隙間を形成しつつ互いに噛み合うようにすることが記載されている。特許文献2によれば、このエアベントの山形溝部は、キャビティ内に充填された浴湯を該山形溝部で凝固させて、浴湯の噴出事故を防止するために形成されている。
In
特許文献3には、一組の金型のうちの一方の金型のパーティング面におけるエアベントの形成領域を、溶融した成形材料から発生するガスを通過可能にする粗面に形成し、ガスの排気効率を向上させることが記載されている。
In
特許文献4には、射出成型用の二個一組の金型において、射出した溶融樹脂の一部が該金型内のキャビティの外部にはみ出していわゆるバリが生じることが問題となっていることに鑑み、成形品におけるバリの発生を抑制するために、キャビティの周縁領域のパーティング当接領域のみで両金型のパーティング面が当接する構成の金型を採用することが記載されており、また、斯かる構成の金型において、パーティング当接領域にエアベントしてのガス抜き溝を放射状に形成すると、繰り返しの射出成形によってそのガス抜き溝が押し潰されて変形し、ガス抜き効果が低下するおそれがあることに鑑み、キャビティの周縁近傍にはガス抜き溝を形成しないことが記載されている。 Patent Document 4 has a problem that a part of the injected molten resin protrudes outside the cavity in the mold, and so-called burrs are generated in a set of two molds for injection molding. In view of the above, in order to suppress the occurrence of burrs in the molded product, it is described that a mold having a configuration in which the parting surfaces of both molds abut only at the parting abutment area in the peripheral area of the cavity is described. Further, in the mold having such a configuration, when the gas vent groove formed by air venting is radially formed in the parting contact region, the gas vent groove is crushed and deformed by repeated injection molding, and the gas venting effect is obtained. In view of the possibility that the gas will decrease, it is described that a gas vent groove is not formed in the vicinity of the periphery of the cavity.
前述した充填成形法による石鹸の製造においては、使用する成形型のエアベントのクリアランス(通気孔の大きさ)や形状等が、製品(石鹸)の品質に大きな影響を及ぼす。例えば、エアベントのクリアランスが小さすぎると、キャビティ内の空気が充分に抜けきらず、ショートモウルドや転写不良等を引き起こし、製品の外観不良が発生する。逆に、エアベントのクリアランスが大きすぎると、液体原料の一部がキャビティの外部にはみ出して製品にバリが発生するため、後工程でバリの除去が必要となり、製造工程が複雑になる。また、これらの中間にあたるクリアランスでは、1回の製造工程後に微量な石鹸カスがエアベントに残留するため、1個の成形型を用いて連続的に石鹸を製造する場合、次回の製造(液体原料の充填)に悪影響を及ぼすおそれがある。 In the manufacture of soap by the above-described filling molding method, the air vent clearance (size of the air hole), shape, etc. of the mold used greatly affects the quality of the product (soap). For example, if the clearance of the air vent is too small, the air in the cavity cannot be sufficiently removed, causing a short mold, a transfer failure, and the like, resulting in a poor appearance of the product. On the other hand, if the clearance of the air vent is too large, part of the liquid raw material protrudes from the cavity and burrs are generated in the product. Therefore, it is necessary to remove the burrs in the subsequent process, which complicates the manufacturing process. In addition, since a small amount of soap residue remains in the air vent after one manufacturing process in the intermediate clearance between these steps, when soap is continuously manufactured using a single mold, May adversely affect (filling).
このように、エアベントのクリアランスの調整のみでは、高品質の石鹸を効率良く製造することは困難であった。また、特許文献1〜4に記載のエアベントの改良技術は、溶融樹脂を原料として用いる樹脂成形用金型に関するものであるところ、一般に、石鹸の原料となる溶融石鹸は、溶融樹脂と比べて粘度が低く材料強度が低いため、仮に、特許文献1〜4に記載のエアベントの改良技術を石鹸の成形型に適用しても、液体原料の違いに起因してエアベントの詰まり等が発生するおそれがあり、期待通りの効果は得られない。キャビティ内の空気抜きを確実に行うと共に、製品におけるバリの発生を抑制し、高い生産性が得られる石鹸の成形型は未だ提供されていない。
Thus, it is difficult to efficiently produce high-quality soap only by adjusting the clearance of the air vent. Further, the air vent improvement techniques described in
従って本発明の課題は、キャビティ内の空気抜きを確実に行うと共に、製品におけるバリの発生を抑制し、高い生産性が得られる石鹸の成形型を提供することにある。 SUMMARY OF THE INVENTION Accordingly, an object of the present invention is to provide a soap mold that reliably removes air from a cavity and suppresses the generation of burrs in a product, thereby obtaining high productivity.
本発明は、パーティング面を有する第1の型と第2の型とを具備し、該第1の型と該第2の型とをそれらのパーティング面で突き合わせることにより、内部に成形用のキャビティ並びに該キャビティに通ずる液体原料の注入空間及び該キャビティ内の空気を排出するためのエアベントが形成され、且つ該注入空間が該キャビティの下方に位置し、該エアベントが該キャビティの上方に位置する石鹸の成形型であって、前記両型のうちの一方の型のパーティング面における前記エアベントの形成領域に、前記空気の排出方向に沿って延びる複数の線条溝が、該排出方向と直交する直交方向に間隔を置かずに連続して形成され、且つ該直交方向に隣接する2本の該線条溝の間に山形突起が形成されており、該直交方向に沿う断面視において、該線条溝は、該一方の型の厚み方向の内方に切れ込んでおり、該山形突起は、該厚み方向の外方に突出しており、前記両型のうちの他方の型のパーティング面における、該両型のパーティング面どうしを突き合わせて前記キャビティを形成したときに複数の前記線条溝と対向する溝対向領域は、平坦である石鹸の成形型を提供することにより、前記課題を解決したものである。 The present invention comprises a first mold having a parting surface and a second mold, and is molded inside by abutting the first mold and the second mold at their parting surfaces. And a liquid source injection space leading to the cavity and an air vent for discharging the air in the cavity are formed, and the injection space is located below the cavity, and the air vent is located above the cavity. A plurality of linear grooves extending along the air discharge direction in a region where the air vent is formed on the parting surface of one of the two molds, In a cross-sectional view along the orthogonal direction, a chevron is formed between the two linear grooves adjacent to the orthogonal direction and formed in a direction orthogonal to the orthogonal direction. The line The groove is cut inward in the thickness direction of the one mold, and the chevron protrudes outward in the thickness direction, and the parting surface of the other mold of the two molds, The groove facing region that faces the plurality of linear grooves when the parting surfaces of both molds are abutted to each other to form the cavity solves the problem by providing a soap mold that is flat. It is.
本発明の石鹸の成形型によれば、キャビティ内の空気抜きを確実に行うと共に、製品におけるバリの発生を抑制し、高い生産性が得られる。 According to the soap mold of the present invention, the air in the cavity is surely vented, and the occurrence of burrs in the product is suppressed, so that high productivity can be obtained.
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照して説明する。図1には、本発明の成形型を備えた石鹸の製造装置の一実施形態の要部が示されている。図1に示す製造装置5は、溶融石鹸(液体原料)の成形に用いられる成形型1と、該成形型1を開閉させる型開閉手段2と、該成形型1の内部(キャビティ)に溶融石鹸を注入する注入手段3とを備えている。溶融石鹸は冷却により固化する液体原料であり、製造装置5を作動させることによって、溶融石鹸は冷却・固化され、所定形状の固形石鹸(成形体)とされる。
Hereinafter, the present invention will be described based on preferred embodiments with reference to the drawings. The principal part of one Embodiment of the soap manufacturing apparatus provided with the shaping | molding die of this invention is shown by FIG. A
成形型1は、図2に示すように、溶融石鹸が充填される成形用のキャビティ10を複数有しているもので、図3に示すように、パーティング面PLを有する二個一組の第1の型1Aと第2の型1Bとを具備する。両型1A,1Bは金属等の剛体からなる矩形ブロック状の形態をしており、それぞれのパーティング面PLに凹状のキャビティの形成面11A及び11Bがそれぞれ複数形成されている。各キャビティの形成面(以下、キャビティ形成面ともいう)11A,11Bは、両型1A,1Bをそれらのパーティング面PLで突き合わせたとき、図2に示すように、製造すべき石鹸の形状に合致した形状のキャビティ10が複数(本実施形態では12個)形成されるように設けられている。
As shown in FIG. 2, the
複数のキャビティ形成面11Aは、成形型1の上下方向Z及び該上下方向Zと直交する左右方向Yそれぞれに所定間隔を置いて列をなすように配されている。本実施形態では、上下方向Zに沿って2個のキャビティ形成面11Aを配してなる列が、左右方向Yに所定間隔を置いて6列並列に配されている。複数のキャビティ形成面11Bもこれと同様に配されている。従って、図2に示す如く第1の型1Aと第2の型1Bとをそれらのパーティング面PLで突き合わせた状態においては、複数(12個)のキャビティが上下方向Z及び左右方向Yそれぞれに所定間隔を置いて列をなすように配されている。
The plurality of cavity forming surfaces 11 </ b> A are arranged in rows in the vertical direction Z of the
また、図2に示す如く第1の型1Aと第2の型1Bとをそれらのパーティング面PLで突き合わせた状態においては、成形型1の内部に、キャビティ10に加えて、キャビティ10に通ずる溶融石鹸の注入空間12、及びキャビティ10内の空気を排出するためのエアベント(通気孔)15が形成される。注入空間12は、複数のキャビティ10それぞれの下方に位置し、エアベント15は、複数のキャビティ10それぞれの上方に位置している。また、図示していないが、両型1A,1Bを構成するブロックには冷却水の循環路が設けられている。
Further, as shown in FIG. 2, in a state where the
注入空間12は、キャビティ10の下部から下方に延びるランナー12Aと、該ランナー12Aと直交し且つ両型1A,1Bを突き合わせるときの突き合わせ方向Xに延びるスプール12Bとを有しており、成形型1の断面視(パーティング面PLと直交する方向の断面視)において略L字状をしている。ランナー12Aは、キャビティ10の下部から成形型1の下面1bの近傍まで略垂直に延びている。スプール12Bは、ランナー12Aの下端から成形型1の外面(第2の型1Bのパーティング面PLとは反対側の背面)まで略水平に延びている。後述するように溶融石鹸は、ランナー12A及びスプール12Bからなる注入空間12を通じて、キャビティ10の下部から上方へ向かって充填される。
The
図3に示すようにランナー12Aは、第1の型1Aのパーティング面PLの一部を切り欠いて形成されている。ランナー12Aは、円の一部が該パーティング面PLに沿って切り欠かれた断面形状をしており、その径は、ランナー12Aの全長に亘って略一定となっている。ランナー12Aは一端(上端)がキャビティ形成面11Aで開口してゲートを形成し、他端(下端)が閉じている。スプール12Bは、第2の型1Bの所定部位に該型1Bをその厚さ方向に貫通する貫通孔を穿設し、該貫通孔に、図2に示すように、スプール12Bを有するスプールブッシュ14を嵌着して形成されており、スプールブッシュ14における第2の型1Bの背面側の端部が、溶融石鹸の注入口16となっている。スプール12Bの径は、第2の型1Bの背面側(注入口16)に向かうに連れ漸次縮径している。
As shown in FIG. 3, the
ランナー12Aが形成されている第1の型1Aをそのパーティング面PLと反対側に位置する背面から見たときに、該ランナー12Aに対応する部位(ランナー形成面)に、該背面から該ランナー12Aに達する微細幅のスリット13が形成されている(図2参照)。本実施形態においては、図2に示すように、スリット13は、ランナー12Aに対応する部位のみならず、キャビティ10に対応する部位(キャビティ形成面11A及び11B)にも形成されている。第1の型1Aにおける複数のスリット13は、それぞれ、キャビティ形成面11A又はランナー形成面から該型1Aの背面まで略水平に延びている。第2の型1Bにおける複数のスリット13は、それぞれ、キャビティ形成面11Bから該型1Bの背面まで略水平に延びている。スリット13は、後述するように、成形型1内で溶融石鹸を固化させて固形石鹸とした後に該成形型1を型開する際に利用されるもので、固形石鹸の一方の割型への吸引や空気の吹き出しに用いられる。スリット13の幅は、好ましくは10μm以上100μm以下である。
When the
図3に示すように、第1の型1A及び第2の型1Bそれぞれのパーティング面PLにおける上下方向Zの略中央には、該パーティング面PLを左右方向Yに横断する溝17A,17Bが、左右方向Yに真直ぐに連続して形成されており、図2に示す如く両型1A,1Bをそれらのパーティング面PLで突き合わせると、成形型1の上下方向Zの略中央に、両溝17A,17Bからなるエア排出溝17が形成される。エア排出溝17の長さ方向の両端は開口しており、成形型1の外部と通じている。
As shown in FIG. 3,
エアベント15は、図2に示す如く第1の型1Aと第2の型1Bとをそれらのパーティング面PLで突き合わせた状態においては、各キャビティ10の上部から略垂直に延びている。エア排出溝17よりも上下方向Zの上方に位置するキャビティ10(上段のキャビティ10)に通ずるエアベント15は、該キャビティ10の上部と成形型1の上面1aとの間に亘って連続しており、また、エア排出溝17よりも上下方向Zの下方に位置するキャビティ10(下段のキャビティ10)に通ずるエアベント15は、該キャビティ10の上部とエア排出溝17との間に亘って連続しており、上段及び下段の何れのキャビティ10も、エアベント15を介して成形型1の外部と通じている。尚、上段のキャビティ10に通ずるエアベント15と下段のキャビティ10に通ずるエアベント15とは、その一端側の接続先が異なるだけで(成形型1の上面1a又はエア排出溝17)、寸法、形状等は同じである。
As shown in FIG. 2, the
図3〜図5に示すようにエアベント15は、第1の型1Aのパーティング面PLの一部を切り欠いて形成されている。本実施形態においては、エアベント15は、両型1A,1Bのうちの一方の型1Aのパーティング面PLのみに形成されており、他方の型1Bには形成されていない。エアベント15は、第1の型1Aのパーティング面PLにおける、キャビティ形成面11Aを挟んでランナー12A(前記ゲート)とは反対側の領域に形成されており、キャビティ10内の空気の排出方向と直交する方向の断面視において、所定のクリアランスT(図4参照)を有する矩形形状を有している。
As shown in FIGS. 3 to 5, the
また、本実施形態においては、第1の型1A(一方の型)は、パーティング面PLにおけるエアベント15の形成領域を含む、該型1Aの一部1A1(図4及び図5中斜線を付した部分)が、該型1Aのその他の部分1A2に対して着脱自在に取り付けられて構成されている。第1の型1Aには、その一部1A1を突き合わせ方向Xに貫通し、更にその他の部分1A2の一部1A1寄りの部分にまで達する、ねじ等の固定手段(図示せず)の挿入孔26が穿設されており、一部1A1は、挿入孔26に挿入された固定手段(図示せず)を介して、その他の部分1A2に着脱自在に固定される。エアベント15のクリアランスTの調整(微調整)は、例えば、あらかじめマイナス公差で製作した第1の型1Aの一部1A1(エアベント15の形成領域を含む部分)のパーティング面PLとは反対側の面に、所望の厚みに加工された薄板を単数又は複数枚装着することで調整可能である。または、第2の型1Bの後述する溝対向領域1B1を含む部分(両型1A,1Bのパーティング面PLどうしを突き合わせてキャビティ10を形成したときに、型1Aの一部1A1と対向する部分)を、一部1A1と同様の薄板を装着した構成にしても良い。このように、エアベント15の形成領域を含む型1Aの一部1A1が、該型1Aのその他の部分1A2に対して着脱自在に取り付けられていると、型1Aのパーティング面PL側からエアベント15(一部1A1)の交換やクリアランスWの調整等のメンテナンス作業を行うことが可能となり、成形型1のメンテナンス性が一層向上する。
In the present embodiment, the
本実施形態の主たる特長の1つとして、図4及び図6に示すように、両型1A,1Bのうちの一方の型(第1の型)1Aのパーティング面PLにおけるエアベント15の形成領域に、キャビティ10内の空気の排出方向(成形型1の上下方向Z)に沿って延びる複数の線条溝18が、該排出方向と直交する直交方向(成形型1の左右方向Y、パーティング面PLの面方向)に間隔を置かずに連続して形成され、且つ該直交方向に隣接する2本の線条溝18,18の間に山形突起19が形成されており、図6に示す如き該直交方向に沿う断面視において、線条溝18は、一方の型1Aの厚み方向(突き合わせ方向X)の内方に切れ込んでおり、山形突起19は、該厚み方向の外方に突出していると共に、他方の型(第2の型)1Bのパーティング面PLにおける、両型1A,1Bのパーティング面PLどうしを突き合わせてキャビティ10を形成したときに複数の線条溝18と対向する溝対向領域1B1は、平坦となっている点が挙げられる。線条溝18は3本以上形成されており、従って、山形突起19も複数形成されている。
As one of the main features of this embodiment, as shown in FIG. 4 and FIG. 6, the formation region of the
複数の線条溝18は、それぞれ、図5に示す如き平面視において上下方向Zに平行に真直ぐに連続しており、エアベント15の空気の排出方向の全長(成形型1の上段のキャビティ10に通ずるエアベント15においては、該キャビティ10の上部と成形型1の上面1aとの間、成形型1の下段のキャビティ10に通ずるエアベント15においては、該キャビティ10の上部とエア排出溝17との間)に亘って連続している。複数の山形突起19も、それぞれ、線条溝18と同様に、平面視において上下方向Zに平行に真直ぐに連続しており且つエアベント15の空気の排出方向の全長に亘って連続している。複数の線条溝18は互いに同一形状同一寸法であり、従って、線条溝18と山形突起19とは、上下が逆になっているだけで、寸法は互いに同一である。図6に示す如き直交方向(成形型1の左右方向Y)に沿う断面視において、一方の型1Aの厚み方向(突き合わせ方向X)の内方に切れ込んでいる線条溝18は、V字状をなしており、該厚み方向の外方に突出している山形突起19は、三角形状をなしている。
Each of the plurality of
図4に示すように、第2の型1B(他方の型)のパーティング面PLにおける溝対向領域1B1と該パーティング面PLの他の領域との間には段差は無く、型1Bのパーティング面PL全体が、段差の無い連続した平坦面となっている。また、本実施形態においては、図6に示すように、複数の山形突起19の頂部は、それぞれ、第1の型1A(一方の型)のパーティング面PLよりも距離Tだけ低い位置に存しており、そのため、図4に示すように、両型1A,1Bをそれらのパーティング面PLで突き合わせた状態において、第1の型1Aの山形突起19の頂部とこれに対向する第2の型1Bの溝対向領域1B1とは互いに接しておらず、該頂部と該溝対向領域1B1との間には、距離Tに略一致するクリアランスTが形成されている。
As shown in FIG. 4, there is no step between the groove facing region 1B1 on the parting surface PL of the
このように、両型1A,1Bのうちの一方の型1Aのパーティング面PLにおけるエアベント15の形成領域に、複数の線条溝18と山形突起19とがキャビティ10内の空気の排出方向(成形型1の上下方向Z)と直交する方向(成形型1の左右方向Y)に交互に形成されてなる、凹凸部が形成されていると、図8に示す型1A’のように、パーティング面PLにおけるエアベント15の形成領域に溝や突起が形成されておらず、該形成領域が凹凸の無い平坦部19’となっている場合に比して、キャビティ10とエアベント15との境界部Q(図2参照)における溶融石鹸の冷却が一層促進されるため、溶融石鹸の一部がキャビティ10の外部にはみ出して製品にバリが発生するという不都合が効果的に防止される。また、成形型1を用いて石鹸を製造した後にはエアベント15に微量な石鹸カスが残留し、これを放置したまま次の石鹸の製造にとりかかると、残留石鹸カスに起因するエアベント15の機能低下(空気の排出不良等)によって溶融石鹸の充填が充分になされず、ショートモウルド等の外観不良が発生するおそれがあるため、1回の製造が終了する度に、洗浄ブラシ等を用いてエアベント15を洗浄し、付着した石鹸カスを除去する必要があるところ、エアベント15における石鹸カスが残留し易い部位が、本実施形態のように線条溝18と山形突起19とからなる凹凸部となっていると、該部位が凹凸の無い平坦部19’(図8参照)となっている場合に比して、洗浄ブラシ等による残留石鹸カスの除去が一層容易であるため、洗浄作業の負担が軽減されると共に石鹸カスの残留量が抑制され、残留石鹸カスに起因するエアベント15の機能低下が効果的に防止される。従って、本実施形態の成形型1によれば、エアベント15による機能(キャビティ10内の空気抜き)が確実になされ、製品におけるバリの発生を抑制すると共に、高い生産性が得られる。
As described above, in the formation region of the
特に、本実施形態においては、前述したように、第1の型1A(一方の型)において、複数の山形突起19の頂部が、それぞれ、該型1Aのパーティング面PLよりも距離Tだけ低い位置に存しているため(図6参照)、図7に示すように、複数の山形突起19の頂部が、それぞれ、パーティング面PLと同位置に存している場合(距離T=0の場合)に比して、i)排出される空気の単位面積当たりの流量が大きく、キャビティ10内の空気抜きがより確実に行われる、ii)圧力損失が小さくなり、低い圧力で充填できる等の効果が奏され、結果として、外観不良の無い高品質の石鹸を効率良く製造することができる。尚、図7に示す例は、図6に示す例と同様に本発明の範囲内であり、図6に示す例との比較において性能的に劣る点があるが、それでも実用上十分な性能を有している。
In particular, in the present embodiment, as described above, in the
成形型1の製造方法としては、A)パーティング面PLにおけるエアベント15の形成領域に線条溝18及び山形突起19が形成されていない型前駆体〔第1の型1A(一方の型)の前駆体〕を製造する工程(型前駆体製造工程)と、B)前記型前駆体(図示せず)のパーティング面におけるエアベントの形成領域に、切削加工を施して、該形成領域に線条溝18及び山形突起19を形成する工程(切削工程)とを有するものが挙げられる。前記型前駆体製造工程は、この種の型の製造に用いられる公知の型の製造方法を特に制限無く用いることができる。
The manufacturing method of the
また、前記切削工程において、前記型前駆体(第1の型1Aの前駆体)のパーティング面(エアベントの形成領域)に線条溝18及び山形突起19を形成する方法としては、カッター等の切削工具を用いて該型前駆体に直接切削加工を施す方法がある。具体的には例えば、a)前記切削工程において、前記型前駆体を、そのパーティング面が水平となるようにセットし、Vカッターを用いてその水平状態のパーティング面に線条溝18及び山形突起19をそれぞれ所定数形成する方法、並びにb)前記切削工程において、前記型前駆体を、そのパーティング面が水平面に対して45°傾いた傾斜状態となるようにセットし、汎用エンドミルを用いてその傾斜状態のパーティング面に線条溝18及び山形突起19をそれぞれ所定数形成する方法(階段加工)が挙げられる。また、線条溝18及び山形突起19の別の形成方法として、c)前記切削工程において、前記型前駆体に切削加工を施すことにより、パーティング面におけるエアベントの形成領域に線条溝18及び山形突起19が形成された型を得、放電加工、転造加工等を実施することにより、パーティング面におけるエアベントの形成領域に線条溝18及び山形突起19が形成された、成形型1を構成する一方の型(第1の型)1Aを製造する方法が挙げられる。
In the cutting step, as a method of forming the
尚、線条溝18及び山形突起19がこのような切削加工によって形成される関係上、線条溝18の底部及び山形突起19の頂部、特に山形突起19の頂部は、図6及び図7に示すような尖鋭形状とはならずに、やや丸みを帯びた湾曲形状となる場合があるが、本発明においては、線条溝18の底部や山形突起19の頂部はそのような湾曲形状であっても良い。
Since the
前述したエアベント15による作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、各部の寸法等は次のように設定することが好ましい。
線条溝18の深さ(即ち山形突起19の高さ)D1(図6及び図7参照)は、好ましくは10μm以上、更に好ましくは30μm以上、そして、好ましくは60μm以下、更に好ましくは50μm以下、より具体的には、好ましくは10μm以上60μm以下、更に好ましくは30μm以上50μm以下である。
線条溝18のピッチD2(図6及び図7参照)は、好ましくは80μm以上、更に好ましくは100μm以上、そして、好ましくは200μm以下、更に好ましくは150μm以下、より具体的には、好ましくは80μm以上200μm以下、更に好ましくは100μm以上150μm以下である。
From the viewpoint of ensuring the above-described effects of the
The depth of the linear groove 18 (that is, the height of the chevron 19) D1 (see FIGS. 6 and 7) is preferably 10 μm or more, more preferably 30 μm or more, and preferably 60 μm or less, more preferably 50 μm or less. More specifically, it is preferably 10 μm or more and 60 μm or less, and more preferably 30 μm or more and 50 μm or less.
The pitch D2 (see FIGS. 6 and 7) of the
線条溝18の底部の角度α及び山形突起19の頂部の角度β(図6及び図7参照)は、それぞれ、好ましくは67°以上、更に好ましくは80°以上、そして、好ましくは169°以下、更に好ましくは100°以下、より具体的には、好ましくは67°以上169°以下、更に好ましくは80°以上100°以下である。尚、本実施形態においては、前述したように、複数の線条溝18は互いに同一形状同一寸法であり、従って、線条溝18の底部の角度αと山形突起19の頂部の角度βとは同一である。
The angle α at the bottom of the
山形突起19の頂部のパーティング面PLからの距離T(図6参照)、即ち、エアベント15のクリアランスT(図4参照)は、好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上、そして、好ましくは25μm以下、更に好ましくは20μm以下、より具体的には、好ましくは5μm以上25μm以下、更に好ましくは10μm以上20μm以下である。
パーティング面PLのエアベント15の形成領域における、線条溝18の本数は、1cm四方の正方形形状の単位面積当たり、好ましくは50本以上、更に好ましくは66本以上、そして、好ましくは125本以下、更に好ましくは100本以下、より具体的には、好ましくは50本以上125本以下、更に好ましくは66本以上100本以下である。
The distance T (see FIG. 6) of the top of the
The number of the
石鹸の製造装置5について更に説明すると、成形型1は、図1に示すように、型開閉手段2に取り付けられる。具体的には、成形型1における第2の型1Bはその下部が、ベースプレート20から立設された支持板21に取り付けられており、固定型となっている。一方、第1の型1Aはその背面が、サーボモーター22に送りねじ23を介して接続された可動板24に取り付けられている。サーボモーター22は、送りねじ23が可動板24と直交する方向に摺動するように、ベースプレート20から立設された支持板25に取り付けられている。従って、第1の型1Aは水平方向に移動可能な移動型となっている。成形型1は、各注入空間12が各キャビティ10の下側に位置するように(各エアベント15が各キャビティ10の上側に位置するように)固定されている。これによって、溶融石鹸はキャビティ10の下部から上方へ向かって充填され、キャビティ10内の空気は、エアベント15を介してキャビティ10の上部から排出される。
The
成形型1の型締めやキャビティ10の圧力制御を行うサーボモーター22は、図示しない制御装置と電気的に接続されている。該制御装置は、サーボモーター22をはじめとする製造装置5全体を実質的に制御するマイクロコンピュータ等のCPUと、該CPUにより実行される制御プログラムや各種データ等の必要な固定情報を格納したROMと、該CPUによる処理の実行時におけるワークエリアとして使用されるRAMと、該制御装置のオペレーター用入力装置などを備えている。
A
注入手段3は、図1に示すように、1個の成形型1における複数のキャビティ10(図3参照)のそれぞれに1対1で対応する複数のノズル32と、ノズル32が設けられる本体としての注入部39とを具備している。ノズル32の先端は、注入手段3と成形型1とを接続するときに成形型1と接触する部位であり、該先端には、溶融石鹸(液体原料)の供給口が形成されている。注入部39(注入手段3の本体)の内部には、溶融石鹸をノズル32へ供給する供給路が形成されている。
As shown in FIG. 1, the injection means 3 includes a plurality of
更に説明すると、注入手段3は、複数のキャビティ10(複数の注入空間12)のそれぞれに1対1で対応する複数(本実施形態では12個)の溶融石鹸の注入部39を備えている。複数の注入部39は、成形型1の上下方向Z及び左右方向Yそれぞれに所定間隔を置いて列をなすように配されており、成形型1を構成する第2の型1Bにおける複数(12個)のスプール12Bの開孔部に1対1で対応している。複数の注入部39は、それぞれ、一端が循環管路42に接続されている供給管30を備えている。循環管路42及び注入部39には、温水及びヒーター等の保温装置が取り付けられており、所定温度に保たれている。供給管30の他端は、溶融石鹸の供給路として機能する液溜まり部31となっており、その液溜まり部31にノズル32が突設されている。本実施形態に係る注入手段3は、12個の注入部39を具備しているので、ノズル32を12個具備していることになる。
More specifically, the injection means 3 includes a plurality (12 in the present embodiment) of molten
ノズル32内には、該ノズル32の内形状と同形状の外形を有する押し込みバルブ33が配されている。バルブ33は、その後端に取り付けられているエアーシリンダ38によってノズル32内を進退する。バルブ33が後退することでノズル32とバルブ33との間に空隙が生じ、この空隙を通じて溶融石鹸が成形型1へ供給される。一方、バルブ33が前進するとノズル32とバルブ33とが嵌り合って、両者間には空隙が無くなり溶融石鹸の供給が停止される。つまり、バルブ33の進退によって、溶融石鹸が供給され、またその供給が遮断されるようになっている。
In the
供給管30における、溶融石鹸の流動方向(図1中矢印Aで示す方向)に関してノズル32よりも上流側の位置には、定容量供給装置の一例であるシリンダ34及びピストン36が取り付けられている。シリンダ34は、供給管30と交差するように設けられている。シリンダ34内には、該シリンダ34を境として供給管30の上流側又は下流側とシリンダ34とを択一的に連通させる切り替え用のロータリーバルブ35が配されている。これと共にシリンダ34内には、該シリンダ内を進退可能になっているピストン36が配されている。そして、シリンダ34とピストン36とによって、溶融石鹸の定容量供給装置が構成されている。ピストン36の進退は、その後端に取り付けられているサーボモーター37によって精密に制御されている。ピストン36が後退することで、シリンダ34内には、溶融石鹸を収容するための空間が形成される。この空間に溶融石鹸が充填された後、ピストン36を押し込むことで、成形型1内のキャビティ10へ溶融石鹸が加圧下に充填される。キャビティ10への溶融石鹸の供給体積は、ピストン36の後退距離又は押し込み距離(ストローク量)によって決定される。具体的には、1)後退前のピストン36の位置を原点としてピストン36の後退距離で供給体積を決定する方法、又は2)後退後のピストン36の位置を原点としてピストン36の押し込み距離で供給体積を決定する方法があり、何れの方法でも良い。
A
複数の注入部39は、ベースプレート60から立設された枠体61に取り付けられている。ベースプレート60は、台座62上に摺動自在に配されたスライダー63の上に載置固定されている。スライダー63は、台座62上に載置されたサーボモーター64に送りねじ65を介して接続されており、サーボモーター64の動作によって台座62上を摺動する。これによって、複数の注入部39が、型開閉手段2に取り付けられた成形型1に対して接離可能になっている。
The plurality of
以上の構成を有する石鹸の製造装置5を用いた固形石鹸の製造方法の一実施形態について説明すると、先ず、図1に示す如き成形型1の型開状態において、成形開始前に、型開閉手段2のサーボモーター22を動作させて送りねじ23を押し出し、可動板24に固定された第1の型1Aを第2の型1Bに向かって移動させ、両型1A,1Bのパーティング面PLどうしを当接させて、図9に示すように型1Aと型1Bとを型閉する。また、前述した冷却水の循環路に水を循環させておく。また、第2の型1Bの背面側に注入手段3を配置し、該注入手段3のサーボモーター64を動作させてスライダー63を成形型1に向けて摺動させ、図9に示すように複数の注入部39それぞれにおけるノズル32の先端と、第2の型1Bにおける複数のスプール12Bそれぞれの開孔部とを1対1で接続する。
An embodiment of a solid soap manufacturing method using the
図9に示す状態においては、各注入部39におけるシリンダ34と循環管路42との連通が、ロータリーバルブ35によって遮断されている。シリンダ34内に配されているピストン36は所定の位置に留まっている。また、この状態においては、図10に示すように、各注入部39における押し込みバルブ33はノズル32内に完全に挿入されており、溶融石鹸が供給されないようになっている。
In the state shown in FIG. 9, the communication between the
この状態下に、循環管路42を循環する溶融石鹸は、その一部が、各注入部39へ送り込まれる。溶融石鹸を各注入部39へ送り込むには、ロータリーバルブ35を所定角度回転させてシリンダ34と循環管路42とを連通させる。これと共にサーボモーター37を作動させてピストン36を後退させる。これによってシリンダ34内に空間が形成され、その空間内に溶融石鹸が流入する。ピストン36の後退は、所定量の溶融石鹸がシリンダ34内に充填されるまで続けられる。
Under this state, a part of the molten soap circulating through the
所定量の溶融石鹸がシリンダ34内に充填されたら、サーボモーター37の作動を停止し、ピストン36の後退を停止する。次に、ロータリーバルブ35を所定角度反転させてシリンダ34と循環管路42との連通を遮断し且つシリンダ34とノズル32とを連通させる。引き続き、エアーシリンダ38を作動させてノズル32内からバルブ33を引き抜き、両者間に空隙を形成する。この状態を図11に示す。これによって、シリンダ34、供給管30、液溜まり部31及びノズル32並びにスプール12B、ランナー12A及びキャビティ10からなる溶融石鹸の供給路が形成される。この状態下にサーボモーター37を作動させてシリンダ34内のピストン36を押し込む。これによって、シリンダ34内に充填されていた溶融石鹸が前記供給路を通じて成形型1のキャビティ10に加圧注入される。溶融石鹸の供給量がピストン34のストローク量で決定されることは前述の通りであるが、そのストローク量はサーボモーター37によって精密に制御される。このような溶融石鹸の供給操作は、複数のキャビティ10それぞれにおいて略同時になされる。各キャビティ10に溶融石鹸が満たされるにつれて、キャビティ10の空気はエアベント15から外部に排出され、溶融石鹸に置換されていく。成形型1において、溶融石鹸は注入空間12(ランナー12A及びスプール12B)を通じてキャビティ10の下部から上方へ向かって充填されるため、溶融石鹸の脱泡がより確実に行われる。
When a predetermined amount of molten soap is filled in the
本実施形態においては、図12に示すように、溶融石鹸はキャビティ10のみならずこれに通ずる注入空間12(ランナー12A及びスプール12B)にも充填される。最終的に製品とされるのはキャビティ10に充填された溶融石鹸のみであるが、このように溶融石鹸の注入量をキャビティ10の容積よりも多くして注入空間12内にも溶融石鹸を充填することにより、その固化に際しての収縮やひけの発生が防止されると共に、従来のいわゆるゲートピン方式の石鹸の製造方法において問題になっていた、石鹸の歪みや汚れの発生が防止され、高品質の石鹸が得られるようになる。
In this embodiment, as shown in FIG. 12, the molten soap is filled not only into the
各キャビティ10及び各注入空間12への所定量の溶融石鹸の供給が完了したら、再び各注入部39における押し込みバルブ33をノズル32内に完全に挿入する(図10参照)。そして、この状態下に成形型1内の溶融石鹸を冷却固化させる。前述した通り、第1の型1A及び第2の型1Bは冷却水の循環によって所定温度に冷却されており、これによって各キャビティ10及び各注入空間12内の溶融石鹸の冷却固化が促進される。
When supply of a predetermined amount of molten soap to each
溶融石鹸が固化したら、図13に示すように、注入手段3を後退させて、注入手段3を第2の型1Bから取り外すと共に、サーボモーター22を動作させて送りねじ23を引き込み、両型1A,1Bを型開する。このとき、第1の型1Aのキャビティ形成面11A及び前記ランナー形成面に形成されているスリット13(図2参照)を通じて吸引を行う。これと共に第2の型1Bのキャビティ形成面11Bに形成されているスリット13を通じて該キャビティ形成面11Bから固形石鹸Sに向けて空気を吹き付け、該キャビティ形成面11Bからの固形石鹸Sの離型を促進させる。これらの操作によって、各固形石鹸Sを第1の型1Aのキャビティ形成面11A及び前記ランナー形成面に保持させる。尚、溶融石鹸の冷却固化後に成形型1を型開する時期に特に制限はないが、石鹸の内部までが固化してから型開するよりも、もっと早い段階、例えば石鹸の表層部は固化しているが内部は未固化の状態で型開する方が、石鹸は確実に割型1A側に保持される。
When the molten soap is solidified, as shown in FIG. 13, the injection means 3 is retracted to remove the injection means 3 from the
引き続き、第1の型1Aに保持されている各固形石鹸Sを所定の把持手段(図示せず)によって取り出す。このとき、第1の型1Aに形成されているスリット13を通じてキャビティ形成面11A及び前記ランナー形成面から固形石鹸Sに向けて空気を吹き付け、該型1Aからの固形石鹸Sの離型を促進させる。こうして、固形石鹸Sが複数(本実施形態では12個)同時に得られる。
Subsequently, each solid soap S held in the
その後、両型1A,1Bを型閉して図9に示す状態に復帰させ、これまでに述べた操作を繰り返すが、成形型1の内部に付着した石鹸カス等の不要物を除去するために、両型1A,1Bを型閉する前に、両型1A,1Bのパーティング面PL(両型1A,1Bのキャビティ形成面11A,11B及び型1Aのエアベント15)を温水や洗浄ブラシ等を用いて洗浄する。本実施形態においては、前述したように、エアベント15の形成領域は真直ぐに連続する線条溝18と山形突起19とからなる凹凸部となっているため、該形成領域の洗浄作業においては、線条溝18に沿って温水を噴射又は洗浄ブラシを操作することで、石鹸カス等の不要物を効率良く確実に除去することが可能である。このように、使用後の成形型1の洗浄方法としては、両型1A,1Bをそれらのパーティング面PLで突き合わせずに、該両型1A,1Bのうちの一方の型1Aのパーティング面PLにおけるエアベント15の形成領域を露出させ、その露出状態のエアベントの形成領域に、線条溝18に沿って温水を噴射又は洗浄ブラシを操作する方法が有効である。
Thereafter, both
このようにして成形型1から取り出された固形石鹸Sは、図14に示すように、キャビティ10内で溶融石鹸が固化された部分S1と、注入空間12(ランナー12A及びスプール12B)内で溶融石鹸が固化された部分S2とを含んでいる。これに対し、いわゆるゲートピン方式の製造方法においては、溶融石鹸の冷却固化を開始する時点で既に注入空間(前記ゲート)内の溶融石鹸はゲートピンによってキャビティ内に押し出されているため、成形型から取り出される固形石鹸は部分S1のみからなり、部分S2を含んでいない。このようなゲートピン方式で得られる石鹸は、ゲートピンによる残存溶融石鹸の押し出し操作に起因して、前記ゲートの周辺に位置していた部位に、歪みやゲート内面の磨耗等による汚れが発生しやすいという問題がある。本実施形態においては、成形型1から取り出される固形石鹸Sに部分S2を具備させることで、ゲートピン方式におけるこのような問題を解消している。
As shown in FIG. 14, the solid soap S taken out from the
成形型1から固形石鹸Sを取り出した後、その部分S1と部分S2との境界部を所定の切断手段(図示せず)によって切断し、部分S1を最終製品とする。部分S2は回収して新たな固形石鹸の製造に利用することができる。
After the solid soap S is taken out from the
石鹸(溶融石鹸、固形石鹸)を構成する配合成分としては、例えば、脂肪酸石鹸、非イオン系界面活性剤、無機塩、ポリオール類、非石鹸系のアニオン界面活性剤、遊離脂肪酸、香料、水等が挙げられる。更に、抗菌剤、顔料、染料、油剤、植物エキス等の添加物を必要に応じて適宜配合しても良い。 Examples of the ingredients constituting soap (molten soap, solid soap) include fatty acid soaps, nonionic surfactants, inorganic salts, polyols, nonsoap anionic surfactants, free fatty acids, fragrances, water, etc. Is mentioned. Furthermore, additives such as antibacterial agents, pigments, dyes, oil agents, plant extracts and the like may be appropriately blended as necessary.
図15及び図16には、本発明に係る成形型の他の実施形態である成形型4の一部が示されている。尚、後述する実施形態については、前記実施形態と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、前記実施形態についての説明が適宜適用される。尚、図15に示しているのは成形型4の一部であり、成形型4は、前述した成形型1と同様に、溶融石鹸(液体原料)が充填される成形用のキャビティ10を複数(12個)有しているもので、その基本構成は成形型1と同様である(図2及び図3参照)。
15 and 16 show a part of a molding die 4 which is another embodiment of the molding die according to the present invention. In addition, about embodiment mentioned later, the component different from the said embodiment is mainly demonstrated, the same code | symbol is attached | subjected to the same component, and description is abbreviate | omitted. The description of the above embodiment is applied as appropriate to components that are not particularly described. FIG. 15 shows a part of the molding die 4, and the molding die 4 has a plurality of
成形型4においては、第1の型1A(一方の型)の一部1A1(型1Aにおけるエアベント15の形成領域を含む部分)が、両型1A,1Bのパーティング面PLどうしを突き合わせてキャビティ10を形成するときの第2の型1B(他方の型)の突き合わせ方向Xの移動に追従して可動するように、該型1Aのその他の部分1A2に取り付けられている。より具体的には、第1の型1Aの一部1A1は、突き合わせ方向Xに伸縮する伸縮部材41(本実施形態ではコイルスプリング)を介して、該型1Aのその他の部分1A2に取り付けられており、伸縮部材41の伸縮に伴って突き合わせ方向Xに移動可能になされている。
In the molding die 4, a part 1A1 of the
成形型4について更に説明すると、第1の型1Aの一部1A1における、その他の部分1A2との対向面(パーティング面PLとは反対側の面)には、伸縮部材41を収容する収容凹部42が穿設されており、該収容凹部42の底部に該伸縮部材41の一端が固定され、その他の部分1A2における該収容凹部42の底部と対向する部分に該伸縮部材41の他端が固定されている。第1の型1Aの一部1A1がその他の部分1A2側に押圧されていない状態(第1の型1Aと第2の型1Bとが突き合わされていない状態)では、伸縮部材41は自然状態であり、斯かる伸縮部材41の自然状態においては、一部1A1におけるその他の部分1A2との対向面と、該その他の部分1A2とが、図16に示すように距離T1だけ離間し、これに伴い、一部1A1のパーティング面PL(エアベント15の形成領域)が、その他の部分1A2のパーティング面PLより距離T1だけその他の部分1A2とは反対側(第2の型1B側)に突出するようになされている。また、本実施形態では、伸縮部材41の自然状態において第1の型1Aの一部1A1とその他の部分1A2とが距離T1を超えて離間しないようにするため、一部1A1を、その他の部分1A2の該一部1A1との対向面から立設する、棒状の係合部材43に係合させている。一部1A1は、その内部に、係合部材43の一端部が収容される係合部44を有しており、該係合部材43の一端部は、係合部44から離脱せず且つ係合部44内を突き合せ方向Xに摺動可能に収容されている。
The molding die 4 will be further described. A housing recess for housing the
伸縮部材41が自然状態にあり、図16に示す如く一部1A1がその他の部分1A2とは反対側に突出している状態の第1の型1Aのパーティング面PLに対し、図15に示す如くキャビティ10を形成すべく、第2の型1Bのパーティング面PLを突き合わせると、当初突出していた型1Aの一部1A1は、型1Bの押圧による伸縮部材41の収縮により、型1Aのその他の部分1A2側に移動し、キャビティ10の形成時には、その他の部分1A2に密着する(前記距離T1が0になる)。また、図15に示すように両型1A,1Bが突き合わされた状態(キャビティ10が形成されている状態)から、これらを型開すると、伸縮部材41の収縮状態が解除され、図16に示すように、型1Aの一部1A1が突出する。
As shown in FIG. 15 with respect to the parting surface PL of the
成形型4によっても成形型1と同様の効果が奏される。特に、成形型4は、エアベント15が形成されている第1の型1Aの一部1A1が、両型1A,1Bの突き合わせ方向Xの移動に追従して可動するようなされており、両型1A,1Bをそれらのパーティング面PLで突き合わせるだけで、成形型4に形成されている複数(本実施形態では12個)のキャビティ10に通ずる複数のエアベント15のクリアランスを適切に調整でき、クリアランスのばらつきを抑制することができるため、生産性に一層優れている。
The same effect as the
以上、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本発明は前記実施形態に制限されない。例えば、成形型1,4におけるキャビティ10の数及び配列は前記実施形態に制限されず、適宜設定することができる。また、成形型1,4は、複数のキャビティを有していたが、本発明の成形型は、キャビティを1個だけ有するものであっても良い。また、前記実施形態では、エアベント15は、移動型(第1の型1A)に形成されていたが、固定型(第2の型1B)に形成されていても良い。前述した一の実施形態のみが有する部分は、すべて適宜相互に利用できる。
As mentioned above, although this invention was demonstrated based on the preferable embodiment, this invention is not restrict | limited to the said embodiment. For example, the number and arrangement of the
前述した本発明の実施形態に関し、更に以下の付記(成形型)を開示する。 The following additional notes (molding die) are further disclosed with respect to the embodiment of the present invention described above.
<1>パーティング面を有する第1の型と第2の型とを具備し、該第1の型と該第2の型とをそれらのパーティング面で突き合わせることにより、内部に成形用のキャビティ並びに該キャビティに通ずる液体原料の注入空間及び該キャビティ内の空気を排出するためのエアベントが形成され、且つ該注入空間が該キャビティの下方に位置し、該エアベントが該キャビティの上方に位置する石鹸の成形型であって、前記両型のうちの一方の型のパーティング面における前記エアベントの形成領域に、前記空気の排出方向に沿って延びる複数の線条溝が、該排出方向と直交する直交方向に間隔を置かずに連続して形成され、且つ該直交方向に隣接する2本の該線条溝の間に山形突起が形成されており、該直交方向に沿う断面視において、該線条溝は、該一方の型の厚み方向の内方に切れ込んでおり、該山形突起は、該厚み方向の外方に突出しており、前記両型のうちの他方の型のパーティング面における、該両型のパーティング面どうしを突き合わせて前記キャビティを形成したときに複数の前記線条溝と対向する溝対向領域は、平坦である石鹸の成形型。 <1> A first mold having a parting surface and a second mold are provided, and the first mold and the second mold are brought into contact with each other by their parting surfaces to be molded inside. And an air vent for discharging the air in the cavity are formed, and the injection space is located below the cavity, and the air vent is located above the cavity. A plurality of linear grooves extending along the air discharge direction in the air vent formation region on the parting surface of one of the two molds; and In a cross-sectional view along the orthogonal direction, a chevron is formed between the two linear grooves that are formed continuously without being spaced in the orthogonal direction orthogonal to each other and that are adjacent to the orthogonal direction. The line groove The one mold is cut inward in the thickness direction, and the chevron protrudes outward in the thickness direction, and the both molds on the parting surface of the other mold of the two molds. When the cavity is formed by abutting the parting surfaces of each other, the groove facing region that faces the plurality of linear grooves is flat.
<2>複数の前記山形突起の頂部は、それぞれ、前記一方の型のパーティング面よりも低い位置に存している前記<1>記載の石鹸の成形型。
<2−1>前記山形突起の頂部の前記パーティング面からの距離(クリアランス)は、好ましくは5μm以上、更に好ましくは10μm以上、そして、好ましくは25μm以下、更に好ましくは20μm以下、より具体的には、好ましくは5μm以上25μm以下、更に好ましくは10μm以上20μm以下である前記<2>記載の石鹸の成形型。
<2> The soap mold according to <1>, wherein the tops of the plurality of chevron protrusions are located at positions lower than the parting surface of the one mold.
<2-1> The distance (clearance) from the parting surface of the top of the chevron is preferably 5 μm or more, more preferably 10 μm or more, and preferably 25 μm or less, more preferably 20 μm or less, more specifically. The soap mold according to the above <2>, which is preferably 5 μm or more and 25 μm or less, more preferably 10 μm or more and 20 μm or less.
<3>前記線条溝の深さが10μm以上60μm以下、前記線条溝のピッチが80μm以上200μm以下である前記<1>又は<2>記載の石鹸の成形型。
<3−1>前記線条溝の深さが好ましくは10μm以上、更に好ましくは30μm以上、そして、好ましくは60μm以下、更に好ましくは50μm以下、より具体的には、好ましくは10μm以上60μm以下、更に好ましくは30μm以上50μm以下であり、前記線条溝のピッチが、好ましくは80μm以上、更に好ましくは100μm以上、そして、好ましくは200μm以下、更に好ましくは150μm以下、より具体的には、好ましくは80μm以上200μm以下、更に好ましくは100μm以上150μm以下である前記<3>記載の石鹸の成形型。
<3−2>前記パーティング面の前記エアベントの形成領域における、前記線条溝の本数は、1cm四方の正方形形状の単位面積当たり、好ましくは50本以上、更に好ましくは66本以上、そして、好ましくは125本以下、更に好ましくは100本以下、より具体的には、好ましくは50本以上125本以下、更に好ましくは66本以上100本以下である前記<1>〜<3>の何れか1に記載の石鹸の成形型。
<3> The soap mold according to <1> or <2>, wherein the depth of the linear groove is 10 μm or more and 60 μm or less, and the pitch of the linear groove is 80 μm or more and 200 μm or less.
<3-1> The depth of the linear groove is preferably 10 μm or more, more preferably 30 μm or more, and preferably 60 μm or less, more preferably 50 μm or less, more specifically, preferably 10 μm or more and 60 μm or less, More preferably, it is 30 μm or more and 50 μm or less, and the pitch of the linear groove is preferably 80 μm or more, more preferably 100 μm or more, and preferably 200 μm or less, more preferably 150 μm or less, more specifically, preferably The soap mold according to <3>, which is 80 μm or more and 200 μm or less, more preferably 100 μm or more and 150 μm or less.
<3-2> The number of the linear grooves in the air vent formation region of the parting surface is preferably 50 or more, more preferably 66 or more, per unit area of a square shape of 1 cm square, and Any one of the above items <1> to <3>, preferably 125 or less, more preferably 100 or less, more specifically, preferably 50 or more and 125 or less, and more preferably 66 or more and 100 or less. 1. A soap mold according to 1.
<4>前記線条溝の底部の角度及び前記山形突起の頂部の角度が、それぞれ、67°以上169°以下である前記<1>〜<3>の何れか1に記載の石鹸の成形型。
<4−1>前記線条溝の底部の角度及び前記山形突起の頂部の角度が、それぞれ、好ましくは67°以上、更に好ましくは80°以上、そして、好ましくは169°以下、更に好ましくは100°以下、より具体的には、好ましくは67°以上169°以下、更に好ましくは80°以上100°以下である前記<4>記載の石鹸の成形型。
<4> The soap mold according to any one of <1> to <3>, wherein an angle of a bottom portion of the linear groove and an angle of a top portion of the chevron are 67 ° or more and 169 ° or less, respectively. .
<4-1> The angle of the bottom of the linear groove and the angle of the top of the chevron are preferably 67 ° or more, more preferably 80 ° or more, and preferably 169 ° or less, more preferably 100. The soap mold according to the above <4>, which is not more than °, more specifically preferably not less than 67 ° and not more than 169 °, more preferably not less than 80 ° and not more than 100 °.
<5>前記一方の型は、パーティング面における前記エアベントの形成領域を含む、該一方の型の一部が、該一方の型のその他の部分に対して着脱自在に取り付けられて構成されている前記<1>〜<4>の何れか1に記載の石鹸の成形型。
<5−1>前記エアベントのクリアランス調整(微調整)は、前記一方の型の一部(該エアベントの形成領域を含む部分)のパーティング面とは反対側の面に、所望の厚みに加工された薄板を単数又は複数枚装着することで調整可能になされている前記<1>〜<5>の何れか1に記載の石鹸の成形型。
<5> The one mold includes the air vent formation region on the parting surface, and a part of the one mold is detachably attached to the other part of the one mold. The soap mold according to any one of <1> to <4>.
<5-1> The clearance adjustment (fine adjustment) of the air vent is processed to a desired thickness on the surface opposite to the parting surface of a part of the one mold (including the air vent formation region). The soap mold according to any one of <1> to <5>, wherein the mold is adjustable by mounting a single thin plate or a plurality of thin plates.
<6>前記一方の型の一部は、前記両型のパーティング面どうしを突き合わせて前記キャビティを形成するときの前記他方の型の突き合わせ方向の移動に追従して可動するように、該一方の型のその他の部分に取り付けられている前記<5>記載の石鹸の成形型。
<6−1>前記一方の型の一部は、前記突き合わせ方向に伸縮する伸縮部材を介して、該一方の型のその他の部分に取り付けられており、該伸縮部材の伸縮に伴って該突き合わせ方向に移動可能になされている前記<6>記載の石鹸の成形型。
<6> A portion of the one mold is movable so as to move following the movement of the other mold in the butting direction when the parting surfaces of both molds are butted to form the cavity. The soap mold according to <5>, which is attached to the other part of the mold.
<6-1> A part of the one mold is attached to the other part of the one mold via an elastic member that expands and contracts in the abutting direction. The soap mold according to <6>, wherein the mold is movable in a direction.
<7>前記<1>〜<6>の何れか1に記載の成形型の製造方法であって、パーティング面における前記エアベントの形成領域に前記線条溝及び前記山形突起が形成されていない、型前駆体を製造する工程と、前記型前駆体のパーティング面におけるエアベントの形成領域に、切削加工を施して、該形成領域に前記線条溝及び前記山形突起を形成する工程とを有する成形型の製造方法。 <7> The method for manufacturing a mold according to any one of <1> to <6>, wherein the linear groove and the chevron are not formed in a region where the air vent is formed on a parting surface. And a step of manufacturing a mold precursor, and a step of cutting an air vent forming region on the parting surface of the mold precursor to form the linear groove and the chevron in the forming region. A method for manufacturing a mold.
<7−1>前記切削工程において、前記型前駆体を、そのパーティング面が水平となるようにセットし、Vカッターを用いてその水平状態のパーティング面に前記線条溝及び前記山形突起をそれぞれ所定数形成する前記<7>記載の成形型の製造方法。
<7−2>前記切削工程において、前記型前駆体を、そのパーティング面が水平面に対して45°傾いた傾斜状態となるようにセットし、汎用エンドミルを用いてその傾斜状態のパーティング面に前記線条溝及び前記山形突起をそれぞれ所定数形成する前記<7>記載の成形型の製造方法。
<7-1> In the cutting step, the mold precursor is set so that the parting surface thereof is horizontal, and the linear grooves and the chevron projections are formed on the horizontal parting surface using a V cutter. The method for producing a mold according to <7>, wherein a predetermined number of each is formed.
<7-2> In the cutting step, the mold precursor is set so that the parting surface is inclined by 45 ° with respect to a horizontal plane, and the inclined parting surface is obtained using a general-purpose end mill. The method for producing a forming die according to <7>, wherein a predetermined number of the linear grooves and the chevron protrusions are respectively formed on the die.
<8>前記切削工程において、前記型前駆体に切削加工を施すことにより、パーティング面におけるエアベントの形成領域に前記線条溝及び前記山形突起が形成された型を得、放電加工、転造加工等を実施することにより、パーティング面におけるエアベントの形成領域に前記線条溝及び前記山形突起が形成された、前記成形型を構成する一方の型を製造する前記<7>記載の成形型の製造方法。 <8> In the cutting step, the die precursor is cut to obtain a die in which the linear groove and the chevron are formed in the air vent formation region on the parting surface. <7> The mold according to <7>, wherein one mold constituting the mold is manufactured by performing processing or the like, wherein the linear groove and the chevron are formed in an air vent formation region on the parting surface Manufacturing method.
<9>前記<1>〜<6>の何れか1に記載の成形型の洗浄方法であって、前記両型をそれらのパーティング面で突き合わせずに、該両型のうちの前記一方の型のパーティング面におけるエアベントの形成領域を露出させ、その露出状態のエアベントの形成領域に、前記線条溝に沿って温水を噴射又は洗浄ブラシを操作する成形型の洗浄方法。 <9> The method for cleaning a molding die according to any one of <1> to <6>, wherein the one of the two types is not abutted on the parting surfaces thereof. A molding die cleaning method in which an air vent formation region on the parting surface of the die is exposed, and hot water is sprayed or the cleaning brush is operated along the linear groove in the exposed air vent formation region.
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は斯かる実施例に限定されるものではない。 EXAMPLES Hereinafter, the present invention will be described more specifically with reference to examples, but the present invention is not limited to such examples.
〔実施製造例1〕
図1に示す石鹸の製造装置5と基本構成が同様の製造装置(成形型)を用い、前述した固形石鹸の製造方法に従い一連の操作を多数回繰り返すことにより、多数個の固形石鹸を連続的に製造した。液体原料(溶融石鹸)として、石鹸分38質量%、保湿剤等の助剤成分31質量%、水分29質量%、香料その他2質量%組成比を用いた。製造装置の各部の寸法、製造条件等は下記の通り。
・線条溝の深さ(山形突起の高さ)D1(図6及び図7参照):40μm
・線条溝のピッチD2(図6及び図7参照):125μm
・線条溝の底部の角度α及び山形突起の頂部の角度β(図6及び図7参照):90°
・山形突起の頂部のパーティング面からの距離T(図6参照)〔エアベントのクリアランスT(図4参照)〕:15μm
・第1の型(一方の型)のパーティング面のエアベントの形成領域における、線条溝の本数:1cm四方の正方形形状の単位面積当たり80本
[Example Production Example 1]
By using a manufacturing apparatus (molding die) having the same basic configuration as the
-Depth of linear groove (height of chevron) D1 (see FIGS. 6 and 7): 40 μm
-Line groove pitch D2 (see FIGS. 6 and 7): 125 μm
The angle α at the bottom of the line groove and the angle β at the top of the chevron (see FIGS. 6 and 7): 90 °
-Distance T from the parting surface of the top of the chevron protrusion (see FIG. 6) [Air vent clearance T (see FIG. 4)]: 15 μm
-Number of linear grooves in the air vent formation area of the first mold (one mold) parting surface: 80 per square unit of 1 cm square
〔比較製造例1〕
第1の型(一方の型)として、図8に示す型1A’のように、パーティング面PLにおけるエアベント15の形成領域に溝や突起が形成されておらず、該形成領域が凹凸の無い平坦部となっているものを用いた以外は、実施例1と同様にして多数個の固形石鹸を連続的に製造した。
[Comparative Production Example 1]
As the first mold (one mold), as in the
〔評価〕
製造装置の連続運転中において製品(固形石鹸)にバリが発生すると、成形型のキャビティ内の充填圧力が上昇し、製品質量のばらつきが大きくなる傾向があり、バリの発生と製品質量のばらつきとは相関する。そこで、実施製造例及び比較製造例で得られた製品におけるバリの発生程度を評価すべく、各例で得られた多数個の製品の質量を測定し、製品標準質量90gにおける標準偏差(製品質量のばらつき)を求めたところ、実施製造例の標準偏差は0.71(標本に用いたサンプル数2560個)、比較製造例の標準偏差は0.94(標本に用いたサンプル数2200個)となり、実施製造例の方が標準偏差が小さく、バリの発生が抑制されている結果となった。尚、充填圧力は、製造装置の充填ピストン(製造装置5のバルブ33に相当)の先端に圧力センサーを設置して測定し、その圧力センサーで測定されたピーク圧を該充填圧力とした。実施製造例の充填圧力は82kPa、比較製造例の充填圧力は74kPaという結果となり、両例で充填圧力(ピーク圧)に大きな差は見られなかったことから、実施製造例のように、一方の型のパーティング面におけるエアベントの形成領域に線条溝及び山形突起を形成しても、充填圧力の上昇量(比較製造例の充填圧力との差)は僅かであって充填圧力には実質的に影響を及ぼさず、充填圧力に関する不都合は生じ難いことがわかる。実施製造例と比較製造例とでエアベントの断面積は同一であるが、実施製造例では、比較製造例に比してエアベントと液体原料との接触面積が増加したことにより、液体原料の冷却効率が向上して、バリの成長が抑制されたと推察される。実施製造例の充填圧力が比較製造例に比して上昇しているのは、エアベントにおける線条溝及び山形突起の形成に起因して、エア抜けの抵抗が増えたことで生じた現象である。しかし、充填性能から問題になる範囲の上昇量ではない。
[Evaluation]
If burrs are generated in the product (solid soap) during continuous operation of the manufacturing equipment, the filling pressure in the mold cavity will increase, and the product mass will tend to vary widely. Are correlated. Therefore, in order to evaluate the degree of occurrence of burrs in the products obtained in the practical production examples and the comparative production examples, the mass of a large number of products obtained in each example was measured, and the standard deviation (product mass in the product standard mass of 90 g) was measured. The standard deviation of the practical manufacturing example is 0.71 (2560 samples used for the specimen), and the standard deviation of the comparative manufacturing example is 0.94 (2200 samples used for the specimen). In the production example, the standard deviation was smaller and the generation of burrs was suppressed. The filling pressure was measured by installing a pressure sensor at the tip of the filling piston of the production apparatus (corresponding to the
1,4 成形型
1A,1A’ 第1の型
1A1 第1の型の一部(パーティング面におけるエアベントの形成領域を含む部分)
1A2 第1の型のその他の部分
1B 第2の型
1B1 溝対向領域
2 型開閉手段
3 注入手段
5 石鹸の製造装置
10 キャビティ
11A,11B キャビティ形成面
12 注入空間
12A ランナー
12B スプール
15 エアベント
18 線条溝
19 山形突起
41 伸縮部材
1,4
1A2 Other part of the
Claims (6)
前記両型のうちの一方の型のパーティング面における前記エアベントの形成領域に、前記空気の排出方向に沿って延びる複数の線条溝が、該排出方向と直交する直交方向に間隔を置かずに連続して形成され、且つ該直交方向に隣接する2本の該線条溝の間に山形突起が形成されており、該直交方向に沿う断面視において、該線条溝は、該一方の型の厚み方向の内方に切れ込んでおり、該山形突起は、該厚み方向の外方に突出しており、
前記両型のうちの他方の型のパーティング面における、該両型のパーティング面どうしを突き合わせて前記キャビティを形成したときに複数の前記線条溝と対向する溝対向領域は、平坦である石鹸の成形型。 A first mold having a parting surface and a second mold, and the first mold and the second mold are brought into contact with each other by their parting surfaces; An injection space of liquid raw material leading to the cavity and an air vent for discharging air in the cavity are formed, and the injection space is located below the cavity, and the air vent is located above the cavity. A mold,
A plurality of linear grooves extending along the air discharge direction in the air vent formation region on the parting surface of one of the two molds are not spaced apart from each other in a direction orthogonal to the discharge direction. Are formed between the two linear grooves adjacent to each other in the orthogonal direction, and in the cross-sectional view along the orthogonal direction, the linear groove is the one of the linear grooves. Cut inward in the thickness direction of the mold, the chevron protruding outward in the thickness direction,
In the parting surface of the other of the two molds, the groove facing region facing the plurality of linear grooves when the parting surfaces of the two molds are brought into contact with each other to form the cavity is flat. Soap mold.
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