近年、Twitter(登録商標)、Facebook(登録商標)、Google+(登録商標)、ブログなどのソーシャルネットワークサービスや、Youtube(登録商標)、ニコニコ動画(登録商標)などの動画投稿サイト、Picasa(登録商標)、myPicturetown(登録商標)などの写真共有サービスなど、様々な情報共有サービスが生まれている。これらの情報共有サービスと、モバイルネットワークの技術を組み合わせて応用することにより、会社やサークル、メンバー会員などある一つのグループにおいて、ある特定の場所に、ある目的で集まったメンバーがその集まったメンバー同士で簡単にローカルエリアネットワーク(LAN、主に無線LAN、なお本明細書では無線LANをWLANとも記載する)を構築し、会議資料や動画など、グループ内の出席者のみが共有すべき情報を自由にやり取り、共有することができるサービスが今後普及するものと考えられる。
この共有サービスは例えば、大学の授業の履修生(グループ)のうち、その日に出席している生徒(メンバー)に対して授業に関する情報を提供したいが、履修生(グループ)のうち、その日に出席していない生徒(メンバー)に対しては情報を提供したくない、もしくは提供する必要がない場合に利用することができる。また、お店の会員登録を行った顧客(グループ)のうち、イベント日に来店している顧客(メンバー)に対してのみクーポン情報を提供したい場合も同様である。さらには、職場の会議で同一部署に所属する社員(グループ)のうち、その日の会議に出席している社員(メンバー)のみに電子資料を配布したい場合も同様である。ここで、前述のグループ(会社やサークル、メンバー会員など)には、予めグループに所属するメンバー全員に対してある情報を同報する手段を有しているものとする。同報する手段としては例えば同報メール(メーリングリスト)や同報SMS、Twitterなどが挙げられる。また、前述のグループは必ずしも会社など単一のコミュニティに属するメンバーのみで構成されているとは限らない。従って、グループ内のメンバー同士でLAN構築のための設定情報が共有されていない場合もある。
無線LANモジュールが実装された無線通信装置間で通信を行う従来技術の例として特許文献1がある。特許文献1の無線通信装置は、ユーザが手動で無線通信装置の無線接続モードをアドホックモード、インフラストラクチャモードの何れかに切替えることの煩雑さを回避することを目的としている。特許文献1では、複数の無線通信装置により構成される無線通信システムにおける1の無線通信装置が、無線LAN通信方式における複数の無線接続モードを有し、無線接続しようとする他の無線通信装置が用いる無線接続モードに応じて、当該無線通信装置の無線接続モードを切り換える無線接続モード切替部と、該無線接続モード切替部により切り換えられた無線接続モードを用いて、前記他の無線通信装置と無線接続を行う無線LAN接続部とを有することを特徴とする。
以下、無線LANモジュールを実装した携帯端末間で通信を行う場合のLANの構築手順(従来方法)について、図1を参照して詳細に説明する。図1は端末間で通信を行う従来の携帯端末900が行う動作の概略を示す図である。図1(a)は、2台の携帯端末900間で通信を行う場合に各携帯端末900が行う動作の概略を示す図である。図1(b)は、3台以上の携帯端末900間で通信を行う場合に各携帯端末が行う動作の概略を示す図である。携帯端末900同士がローカル無線通信を行うためには、まずお互いが同期を取り、次に接続のためのネゴシエーションを行う必要がある。図1(a)に示すように、携帯端末A900aを親端末、携帯端末B900bを子端末として、2台の携帯端末で端末間通信環境を構築する場合、まず携帯端末A900aは、同期に必要なビーコン信号を送信する(図中番号1を付した矢印)。ビーコン信号には携帯端末B900bが携帯端末A900aを識別するためのSSID(Service Set Identifier、サービスセット識別子)情報も含まれる。携帯端末B900bは、ビーコン信号を受信するために無線チャネルを検索する。携帯端末A900aが送信するビーコン信号を携帯端末B900bが受信できた場合、携帯端末B900bは当該受信したビーコン信号を利用して携帯端末A900aと同期をとる(図中番号2を付した破線矢印)。同期が成功した場合、携帯端末A900a、携帯端末B900bは接続のためのネゴシエーション(セキュリティ設定、IPアドレス割り当て)を行う(図中番号3を付した破線矢印)。図1(b)のように接続される携帯端末の数が増えた場合でも同様である。まず携帯端末A900aは、同期に必要なビーコン信号を送信する(図中番号1を付した矢印)。携帯端末B900b、携帯端末C900c、携帯端末D900dは、ビーコン信号を受信するために無線チャネルを検索する。携帯端末A900aが送信するビーコン信号を携帯端末B900b(携帯端末C900c、携帯端末D900d)が受信できた場合、携帯端末B900b(携帯端末C900c、携帯端末D900d)は当該受信したビーコン信号を利用して携帯端末A900aと同期をとる(図中番号2を付した破線矢印)。同期が成功した場合、携帯端末A900a〜携帯端末D900dは接続のためのネゴシエーション(セキュリティ設定、IPアドレス割り当て)を行う(図中番号3を付した破線矢印)。
以下、図2、図3を参照して、前述のように従来の携帯端末900が端末間通信を行う際の接続動作について、各構成部の動作を明らかにした説明を行う。図2は、端末間で通信を行う従来の携帯端末900の構成を示すブロック図である。図3は、端末間で通信を行う従来の携帯端末900の動作を示すフローチャートである。図2、図3の説明においては、便宜上携帯端末900が2台(携帯端末A900a、携帯端末B900b)の場合に限り説明するが、上述のとおり、携帯端末900が3台以上となった場合でも、同じ構成部により、端末間通信が実現可能である。従来の携帯端末A900a、携帯端末B900bはビーコン信号を送受信し、予め設定されたWLAN接続設定に従って同期処理、接続ネゴシエーション処理を実行するWLAN部910と、制御部970とを備えている。携帯端末900は制御部970の制御に基づいて各処理を実行するものとする。WLAN部910は、ビーコン発生手段911、WLAN送信手段912と、WLAN受信手段913と、同期処理手段914と、ネゴシエーション手段915とを備える。携帯端末A900aのビーコン発生手段911は同期に必要なビーコン信号を発生する。携帯端末A900aのWLAN送信手段912は当該発生させたビーコン信号を携帯端末B900bに送信する(SS912)。携帯端末B900bは、ビーコン信号を受信するために無線チャネルを検索する。携帯端末B900bのWLAN受信手段913は、携帯端末A900aが送信したビーコン信号を受信する(SS913)。携帯端末B900bの同期処理手段914は、当該受信したビーコン信号を利用して携帯端末A900aと同期をとる(SS914)。同期が成功した場合、携帯端末A900a、携帯端末B900bのネゴシエーション手段915は接続のためのネゴシエーションを行う(SS915a、SS915b)。接続ネゴシエーションの際には、携帯端末A900aと、携帯端末B900bとの間でセキュリティ設定を合わせておく必要があり、この設定が共有できていないと端末間での接続が不可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
<グループ>
本明細書において用語「グループ」とは端末間通信により、情報を共有することを許可する携帯端末の集合を意味する。グループの情報はメーリングリスト、もしくはサーバ上で管理することができる。
<親端末>
本明細書において用語「親端末」とはグループに属する携帯端末のうち、ビーコン信号の送信を行い端末間通信開始のトリガとなる携帯端末を指す。
<子端末>
本明細書において用語「子端末」とはグループに属する携帯端末のうち親端末以外の携帯端末を指す。子端末は親端末からのビーコン信号を受信して端末間通信を開始する。
以下、図5、図6を参照して本発明の最も基本的な構成例である実施例1の携帯端末の動作の概略を説明する。図5は本実施例の携帯端末100(2台)が行う動作の概略を示す図である。図6は本実施例の携帯端末100(3台以上)が行う動作の概略を示す図である。まず、図5に示すように、本実施例の携帯端末100が2台(携帯端末A100a、携帯端末B100b)の場合であって、親端末が携帯端末A100aである場合について説明する。この場合、携帯端末A100aは、子端末である携帯端末B100bに対して同報メール(MLなど)を利用してセキュリティなどのWLAN接続設定情報、ビーコン信号送信位置情報を指示する(図中番号1を付した矢印)。携帯端末A100aはメール送信と同時、もしくはメール送信から所定時間経過後にビーコン信号を送信する(図中番号2を付した矢印)。携帯端末B100bは、携帯端末A100aからのメールの受信をトリガとして、自端末の現在位置を取得し、当該現在位置と携帯端末A100aからのメールに記載されたパラメータに示された携帯端末A100aのビーコン信号送信位置とが無線LAN接続が可能である程度に十分に近接しているか否かを判定する。携帯端末B100bは、自端末の現在位置と、携帯端末A100aのビーコン信号送信位置とが無線LAN接続が可能である程度に十分に近接していると判定した場合、無線LAN機能をONにし、メールに記載されたパラメータに示されたWLAN接続設定情報に従って、WLAN接続設定を変更する。具体的には、携帯端末B100bはパラメータに示されたWLAN接続設定情報に基づいて携帯端末A100aと同期をとる(図中番号3を付した破線矢印)。同期処理後、携帯端末A100aと、携帯端末B100bは、パラメータに示されたWLAN接続設定情報に基づいて接続ネゴシエーションを行う(図中番号4を付した破線矢印)。
図6に示すように本実施例の携帯端末100が3台以上(携帯端末A100a〜携帯端末G100g)の場合であって、親端末が携帯端末A100aである場合も前述と同様である。携帯端末A100aは、子端末である携帯端末B100b〜携帯端末G100gに対して同報メール(MLなど)を利用してセキュリティなどのWLAN接続設定情報、ビーコン信号送信位置情報を指示する(図中番号1を付した矢印)。携帯端末A100aはメール送信と同時、もしくはメール送信から所定時間経過後にビーコン信号を送信する(図中番号2を付した矢印)。携帯端末B100b〜携帯端末G100gは、携帯端末A100aからのメールの受信をトリガとして、自端末の現在位置を取得し、当該現在位置と携帯端末A100aからのメールに記載されたパラメータに示された携帯端末A100aのビーコン信号送信位置とが無線LAN接続が可能である程度に十分に近接しているか否かを判定する。図6では、無線LAN接続が可能な領域を円内部の領域として表現した。無線LAN接続が可能な領域内に存在する携帯端末B100b、携帯端末C100c、携帯端末D100d、携帯端末E100eは、自端末の現在位置と、携帯端末A100aのビーコン信号送信位置とが無線LAN接続が可能である程度に十分に近接していると判定して、無線LAN機能をONにし、メールに記載されたパラメータに示されたWLAN接続設定情報に従って、WLAN接続設定を変更する。具体的には、携帯端末B100b、携帯端末C100c、携帯端末D100d、携帯端末E100eはパラメータに示されたWLAN接続設定情報に基づいて携帯端末A100aと同期をとる(図中番号3を付した破線矢印)。同期処理後、携帯端末A100a〜携帯端末E100eは、パラメータに示されたWLAN接続設定情報に基づいて接続ネゴシエーションを行う(図中番号4を付した破線矢印)。
一方、無線LAN接続が可能な領域外に存在する携帯端末F100f、携帯端末G100gは、自端末の現在位置と、携帯端末A100aのビーコン信号送信位置とが無線LAN接続が可能である程度に十分に近接していないと判定して、無線LAN機能をONにする制御、同期処理、接続ネゴシエーションを行わない。従って、無線LAN接続が可能な領域外に存在する携帯端末F100f、携帯端末G100gの無線LAN機能はOFFのままとなる。
以下、図8、図9を参照して本実施例の携帯端末100の構成、および動作について詳細に説明する。図8は本実施例の携帯端末100の構成を示すブロック図である。図9は本実施例の携帯端末100の動作を示すフローチャートである。
図8に示す通り、本実施例の携帯端末100は、WLAN部910と、パラメータ生成部110と、メール生成部120と、メール送信部130と、メール受信部140と、メール解析部150と、位置取得部160と、制御部170と、判定部180と、WLAN管理部190とを備える。WLAN部910は、図2で説明した従来の携帯端末と同様にビーコン発生手段911、WLAN送信手段912と、WLAN受信手段913と、同期処理手段914と、ネゴシエーション手段915とを備える。図8は便宜上2台の携帯端末(携帯端末A100a、携帯端末B100b)のみを記載して説明するが、携帯端末100が3台以上となった場合でも、同じ構成部により同じ効果を得ることができる(図6の説明参照)。なお、携帯端末100は制御部170の制御に基づいて各処理を実行するものとする。
まず、携帯端末A100aのパラメータ生成部110は、WLAN接続設定情報と、ビーコン信号送信位置情報とを示すパラメータを生成してWLAN設定信号を出力する(S110)。WLAN設定信号については後述する。ここでパラメータ生成部110が生成するパラメータについて図7を参照して説明を加える。図7は本実施例の携帯端末100のパラメータ生成部110が生成するパラメータ110−1を例示する図である。パラメータ110−1として例えば図7のように、SSID(サービスセット識別子)、無線チャネル、セキュリティ方式、セキュリティキー、ビーコン信号送信予定時刻、ビーコン信号送信位置情報を指定することができる。図7の例では、SSID=musenlan−a、無線チャネル=802.11g、6CH、セキュリティ方式=WEP、セキュリティキー=123456、ビーコン信号送信予定時刻=2011年9月15日15時00分、ビーコン信号送信位置情報(緯度、経度)=(35.668954、139.691318)が指定されている。本実施例では、ビーコン信号送信予定時刻は必須のパラメータではないが、それ以外のパラメータは必須である。図7の例ではビーコン信号送信位置情報を(緯度、経度)によって指定したが、これに限られず基地局IDを使ってビーコン信号送信位置情報を指定する方法でもよい。パラメータ生成部110が生成するパラメータの一部または全部は親端末である携帯端末A100aのユーザ自らが手動にて決定することとしてもよい。ユーザが手動でビーコン信号送信位置情報を設定する場合には、携帯端末100内の何れかの記憶領域に住所情報を緯度経度情報に変換するデータベースを記憶しておき、ユーザが指定した住所情報を自動的に緯度、経度情報に変換し、これをパラメータ生成部110がビーコン信号送信位置情報としてパラメータに含めることとしてもよい。また、本実施例においては、前述のWLAN接続設定情報とは、具体的にはSSID、無線チャネル、セキュリティ方式、セキュリティキーを総称するものとする。
次に、携帯端末A100aのメール生成部120は、生成されたパラメータを通知するメールを生成する(S120)。携帯端末A100aのメール送信部130は、生成されたメールを予め定めたグループに属する携帯端末(図8の例の場合携帯端末B100b)に送信する(S130)。
携帯端末B100bのメール受信部140は、携帯端末A100aから送信されたメールを受信する(S140)。携帯端末B100bのメール解析部150は、受信したメールを解析してパラメータを取得する(S150)。携帯端末B100bの位置取得部160は、メールを受信した場合に自身の位置を取得する(S160)。携帯端末B100bの判定部180は、パラメータに示されたビーコン信号送信位置情報と、取得された自身の位置との距離が予め定めた値以下となる場合に(S180Y)WLAN設定信号を出力する。ここで、「予め定めた値」は、例えば数十メートルのオーダーで設定することができる。パラメータに示されたビーコン信号送信位置情報と、取得された自身の位置との距離が予め定めた値以下とならない場合には(S180N)、ステップS190は行われない(エンド)。携帯端末B100bのWLAN管理部190は、判定部180からWLAN設定信号を取得した場合に、WLAN部910の機能をON状態にして、取得されたパラメータに示されたWLAN接続設定情報(SSID、無線チャネル、セキュリティ方式、セキュリティキー)に基づいて、WLAN部910のWLAN接続設定を変更する(S190)。
一方、親端末である携帯端末A100aのWLAN管理部190は、パラメータ生成部110からWLAN設定信号を取得した場合に、WLAN部910の機能をON状態にして、パラメータ生成部110が生成したパラメータに示されたWLAN接続設定情報(SSID、無線チャネル、セキュリティ方式、セキュリティキー)に基づいて、WLAN部910のWLAN接続設定を変更する(S190)。
携帯端末A100a、携帯端末B100bのWLAN部910は、ビーコン信号を送受信し、ステップS190により変更されたWLAN接続設定に従って同期処理、接続ネゴシエーション処理を実行する(SS912、SS913、SS914、SS915)。
このように本実施例の携帯端末100によれば、親端末のパラメータ生成部110が生成したパラメータを通知する同報メールを、親端末のメール送信部130が予め定めたグループに属する全ての携帯端末(子端末)に配信することにより、親端末−子端末間で、親端末のビーコン信号送信位置、WLAN接続設定情報を共有することができ、グループに属する子端末のうち、親端末と無線LAN接続が可能である程度に十分に近接している子端末のWLAN管理部190のみが、無線LAN機能をONにして、WLAN接続設定を変更するため、省電力を実現し、親端末−子端末間でWLAN接続設定情報を共有することができる。
以下、図10、図11を参照して実施例1の携帯端末にビーコン信号送信予定時刻も含めて同報する機能を付加した実施例2の携帯端末の動作の概略を説明する。図10は本実施例の携帯端末200(2台)が行う動作の概略を示す図である。図11は本実施例の携帯端末200(3台以上)が行う動作の概略を示す図である。図10、図11に示すように、本実施例の携帯端末200と実施例1の携帯端末100の違いは、図中番号1の矢印に示す同報メールに示すパラメータに、新たにビーコン信号送信予定時刻を加えた点である。携帯端末B200bは、携帯端末A200aからのメールを受信した場合、当該メールに記載されたビーコン信号送信予定時刻(または、ビーコン信号予定時刻より所定時間前の時刻)の到来をトリガとして自端末の位置を取得し、当該位置とパラメータに示された携帯端末A200aのビーコン信号送信位置とが無線LAN接続が可能である程度に十分に近接しているか否かを判定する。携帯端末B200bは、自端末の位置と、携帯端末A200aのビーコン信号送信位置とが無線LAN接続が可能である程度に十分に近接していると判定した場合、無線LAN機能をONにし、メールに記載されたパラメータに示されたWLAN接続設定情報に従って、WLAN接続設定を変更する。図11の場合も同様であるため、重複説明を省略する。
以下、図12、図13を参照して本実施例の携帯端末200の構成、および動作について詳細に説明する。図12は本実施例の携帯端末200の構成を示すブロック図である。図13は本実施例の携帯端末200の動作を示すフローチャートである。
図12に示す通り、本実施例の携帯端末200は、WLAN部910と、パラメータ生成部210と、メール生成部120と、メール送信部130と、メール受信部140と、メール解析部150と、位置取得部260と、制御部170と、判定部180と、WLAN管理部190とを備える。本実施例の携帯端末200のパラメータ生成部210、位置取得部260以外の各構成部は実施例1の携帯端末100において同一の番号を付した各構成部と同じ動作をするので説明を割愛する。図12は便宜上2台の携帯端末(携帯端末A200a、携帯端末B200b)のみを記載して説明するが、携帯端末200が3台以上となった場合でも、同じ構成部により同じ効果を得ることができる(図11の説明参照)。なお、携帯端末200は制御部170の制御に基づいて各処理を実行するものとする。
以下、実施例1との相違点であるパラメータ生成部210、位置取得部260の動作について説明する。親端末である携帯端末A200aのパラメータ生成部210は、前述のWLAN接続設定情報、ビーコン信号送信位置情報に加えて、ビーコン信号送信予定時刻を示すパラメータを生成する(S210)。従ってここで生成されるパラメータは図7において例示したパラメータ110−1のように、WLAN接続設定情報、ビーコン信号送信位置情報、ビーコン信号送信予定時刻の全てを含む。その後、実施例1と同様にステップS120、S130、S140、S150が実行される。次に子端末である携帯端末B200bの位置取得部260は、現在時刻とパラメータが示すビーコン信号送信予定時刻との差分が所定の値以下となった場合に自身の位置を取得する(S260)。従って携帯端末200の位置取得部260は、図12に図示しない時刻表示用の内蔵水晶振動子、時刻サーバなどから現在時刻を取得する機能を兼ね備えているものとする。以下、ステップS180が実施例1と同様に実行される。
なお、本実施例では、親端末である携帯端末A200aがビーコン信号送信予定時刻を決めているため、親端末である携帯端末A200aのWLAN接続設定の変更(S190)、ビーコン信号送信(SS912)は、ビーコン信号送信予定時刻経過、もしくはビーコン信号送信予定時刻より所定時間前の時刻経過(S170Y)をトリガとして実行される。子端末である携帯端末B200bについては実施例1と同様に、WLAN管理部190が判定部180からWLAN設定信号を取得した場合に、WLAN部910の機能をON状態にして、取得されたパラメータに示されたWLAN接続設定情報に基づいて、WLAN部910のWLAN接続設定を変更する(S190)。以下、携帯端末A200a、携帯端末B200bのWLAN部910は、ビーコン信号の受信、ステップS190により変更されたWLAN接続設定に従って同期処理、接続ネゴシエーション処理を実行する(SS913、SS914、SS915)。
このように本実施例の携帯端末200によれば、親端末のパラメータ生成部210が親端末のユーザが予告するビーコン信号送信予定時刻を含むパラメータを生成し、当該パラメータを通知する同報メールを、親端末のメール送信部130が予め定めたグループに属する全ての携帯端末(子端末)に配信することにより、親端末−子端末間で、親端末のビーコン信号送信予定時刻、ビーコン信号送信位置、WLAN接続設定情報を共有することができ、グループに属する子端末のうち、予定時刻に親端末と無線LAN接続が可能である程度に十分に近接している子端末のWLAN管理部190のみが、無線LAN機能をONにして、WLAN接続設定を変更するため、実施例1の効果に加えて、親端末のユーザが所望する時刻に、近くに存在する子端末と端末間通信を開始することができるため、ユーザの利便性を高めることができる。
以下、図14を参照して実施例1の携帯端末100と同等のシステムを携帯端末とサーバとで実現した実施例3に係る無線LAN接続システムの動作の概略を説明する。図14は本実施例の無線LAN接続システム1が行う動作の概略を示す図である。本実施例においては、親端末である携帯端末A300aはメーリングリストを用いて同報メールを全ての子端末に送信するのではなく、パラメータを通知するメールをサーバ10に送信する(図中番号1を付した矢印)。サーバ10ではグループに属する全ての携帯端末のエリア情報を管理しているものとする。親端末である携帯端末A300aからメールを受信したサーバ10は、自身が管理するエリア情報から、親端末である携帯端末A300aの周辺に存在する子端末を割り出し、例えば、図14に円内部の領域として例示したエリアであって親端末である携帯端末A300aと同一エリア内に存在している携帯端末B300b、携帯端末H300hのみに前述のメールを送信する(図中番号2を付した矢印)。その後は、実施例1、2と同様に、メールを受信した子端末(携帯端末B300b、携帯端末H300h)と親端末(携帯端末A300a)との間で同期処理、接続ネゴシエーション処理が行われる。ここで、図14に例示したエリアの設定方法、および親端末と子端末の属するエリアが同一であるか否かの判定方法であるが、例えば子端末が親端末と同一の基地局周辺に属するか否かを基準にして決めることもできる。また、例えば緯度経度を基準にし、数十メートルオーダーでメッシュ状に分割したエリアのうち親端末が存在するエリアに子端末が属するか否かで判定してもよい。また、例えば、親端末から送信されたメールを解析して、当該メールに記載されたビーコン信号送信位置情報が示す地点から予め定めた距離の範囲内に子端末が存在するか否かで判定してもよい。
以下、図15、図16を参照して実施例3の無線LAN接続システムの構成、および動作について詳細に説明する。図15は本実施例の無線LAN接続システム1の構成を示すブロック図である。図16は本実施例の無線LAN接続システム1の動作を示すフローチャートである。
図15に示す通り、本実施例の無線LAN接続システム1は携帯端末300と、サーバ10とを備える。携帯端末300は、WLAN部910と、パラメータ生成部110と、メール生成部120と、メール送信部130と、メール受信部140と、メール解析部150と、制御部170と、WLAN管理部190とを備える。WLAN部910は、図2で説明した従来の携帯端末と同様にビーコン発生手段911、WLAN送信手段912と、WLAN受信手段913と、同期処理手段914と、ネゴシエーション手段915とを備える(図示省略)。サーバ10は、メール送信部13と、メール受信部14と、メール解析部15と、端末位置取得部16と、制御部17とを備える。図15は便宜上2台の携帯端末(携帯端末A300a、携帯端末B300b)のみを記載して説明するが、携帯端末300が3台以上となった場合でも、同じ構成部により同じ効果を得ることができる(図14の説明参照)。なお、携帯端末300は制御部170の制御に基づいて各処理を実行するものとし、サーバ10は制御部17の制御に基づいて各処理を実行するものとする。
まず、親端末である携帯端末A300aのパラメータ生成部110は、WLAN接続設定情報を示すパラメータを生成する(S110)。本実施例においてはパラメータとして必須な情報はWLAN接続設定情報のみである。ただし、前述したようにサーバ10が親端末と子端末の属するエリアが同一であるか否かの判定をビーコン信号送信位置情報が示す地点から予め定めた距離の範囲内に子端末が存在するか否かで判定する方式の場合には、ビーコン信号送信位置情報もパラメータとして加える必要がある。次に、親端末である携帯端末A300aのメール生成部120は、生成されたパラメータを通知するメールを生成する(S120)。親端末である携帯端末A300aのメール送信部130は、生成されたメールをサーバ10に送信する(S130)。
次に、サーバ10のメール受信部14は、親端末である携帯端末A300aから送信されたメールを受信する(S14)。サーバ10のメール解析部15は、親端末である携帯端末A300aから受信したメールを解析してパラメータを取得する(S15)。ここで、前述したように、サーバ10が親端末と子端末の属するエリアが同一であるか否かの判定を、子端末が親端末と同一の基地局周辺に属するか否かで判定する場合や、緯度経度を基準にし、数十メートルオーダーでメッシュ状に分割したエリアのうち親端末が存在するエリアに子端末が属するか否かで判定する場合など、親端末が送信したメールに記載されたビーコン信号送信位置情報に依存せずに、同一エリアを判定することができる場合には、メール解析部15及びステップS15は不要である。この場合サーバ10は、親端末である携帯端末A300aから受信したメールを解析すること無く、そのまま同一エリアに属する全ての子端末に送信すればよい。次に、サーバ10の端末位置取得部16は、メールを送信した親端末である携帯端末A300aと、親端末である携帯端末A300aが属するグループに属する全ての子端末の位置を取得する(S16)。ここで、サーバ10の端末位置取得部16は、子端末の位置を前述で定義されるエリアのうちの何れかのエリアの名称として取得してもよい。サーバ10の端末位置取得部16は、例えば基地局を基準にエリアを定める場合には基地局IDを端末位置として取得することができる。また、緯度経度を基準にした数十メートルオーダーのメッシュ状に分割した領域をエリアと定義する場合には、当該エリアの番号を端末位置として取得することができる。また、親端末から送信されたメールに記載されたビーコン信号送信位置情報が示す地点から予め定めた距離の範囲内を同一エリアとして定義する場合には、まず、サーバ10の端末位置取得部16は、親端末と同一のグループに属する子端末の位置を全て取得し、取得された子端末の位置が、親端末と同一エリアに属する旨の情報を1、同一エリアに属しない旨の情報を0とした1ビットの情報を端末位置として取得してもよい。次に、サーバ10のメール送信部13は、メールを送信した親端末である携帯端末A300aが属するグループに属する子端末であって、メールを送信した親端末である携帯端末A300aとが属するエリアと同一のエリアに属する全ての子端末(図15の場合は携帯端末B300bのみ)に受信したメールを送信する(S13)。
次に、子端末である携帯端末B300bのメール受信部140は、サーバ10から送信されたメールを受信する(S140)。携帯端末B300bのメール解析部150は、受信したメールを解析してパラメータを取得する(S150)。携帯端末B300bのWLAN管理部190は、サーバ10からメールを受信した場合に、WLAN部910の機能をON状態にして、取得されたパラメータに示されたWLAN接続設定情報に基づいて、WLAN部910のWLAN接続設定を変更する(S190)。
一方、親端末である携帯端末A300aのWLAN管理部190は、WLAN部910の機能をON状態にして、パラメータ生成部110が生成したパラメータに示されたWLAN接続設定情報に基づいて、WLAN部910のWLAN接続設定を変更する(S190)。
携帯端末A300a、携帯端末B300bのWLAN部910は、ビーコン信号を送受信し、ステップS190により変更されたWLAN接続設定に従って同期処理、接続ネゴシエーション処理を実行する(SS911、SS912、SS913、SS914、SS915)。
このように本実施例の無線LAN接続システム1によれば、サーバ10の端末位置取得部16が親端末と同一エリアに属する子端末にのみメールを送信するため、実施例1の効果に加えて、実施例1の携帯端末100が備える判定部180を備える必要がなくなるため、携帯端末への本発明の機能の実装が容易になり、ハードウェア資源を節減することができる。
以下、図17を参照して実施例3の無線LAN接続システム1にビーコン信号送信予定時刻に合わせてサーバからメールを送信する機能を付加した実施例4の無線LAN接続システム2の動作の概略を説明する。図17は本実施例の無線LAN接続システム2が行う動作の概略を示す図である。図17に示すように、本実施例の無線LAN接続システム2と実施例3の無線LAN接続システム1の違いは、サーバ20が図中番号2の矢印に示すメールをビーコン信号送信予定時刻に合わせて送信する点である。サーバ20は、携帯端末A400aからのメールを受信した場合(図中番号1を付した矢印)、当該メールに記載されたビーコン信号送信予定時刻(または、ビーコン信号予定時刻より所定時間前の時刻)の到来をトリガとして親端末と子端末が同一エリアに属するか否かを判定し、親端末と同一エリアに属する全ての子端末にメールを送信する(図中番号2を付した矢印)。
以下、図18、図19を参照して実施例4の無線LAN接続システム2の構成、および動作について詳細に説明する。図18は本実施例の無線LAN接続システム2の構成を示すブロック図である。図19は本実施例の無線LAN接続システム2の動作を示すフローチャートである。
図18に示す通り、本実施例の無線LAN接続システム2は携帯端末400と、サーバ20とを備える。携帯端末400は、WLAN部910と、パラメータ生成部210と、メール生成部120と、メール送信部130と、メール受信部140と、メール解析部150と、制御部170と、WLAN管理部190とを備える。WLAN部910は、図2で説明した従来の携帯端末と同様にビーコン発生手段911、WLAN送信手段912と、WLAN受信手段913と、同期処理手段914と、ネゴシエーション手段915とを備える(図示省略)。本実施例の携帯端末400のパラメータ生成部210は、実施例2の携帯端末200が備えるパラメータ生成部210と同じ動作をする。また、本実施例の携帯端末400のパラメータ生成部210以外の各構成部については実施例3の携帯端末300において同じ番号を付した各構成部と同じ動作をするため説明を割愛する。サーバ20は、メール送信部13と、メール受信部14と、メール解析部15と、端末位置取得部26と、制御部17と、タイマ部29とを備える。サーバ20の端末位置取得部26、タイマ部29以外の各構成部は実施例3のサーバ10において同一の番号を付した各構成部と同じ動作をするので説明を割愛する。図18は便宜上2台の携帯端末(携帯端末A400a、携帯端末B400b)のみを記載して説明するが、携帯端末400が3台以上となった場合でも、同じ構成部により同じ効果を得ることができる(図17の説明参照)。
以下、実施例3との相違点である携帯端末400のパラメータ生成部210、サーバ20の端末位置取得部26、タイマ部29の動作について説明する。
親端末である携帯端末A400aのパラメータ生成部210はWLAN接続設定情報、ビーコン信号送信位置情報に加えて、ビーコン信号送信予定時刻を示すパラメータを生成する(S210)。サーバ20の端末位置取得部26は、タイマ29が示す現在時刻とパラメータが示すビーコン信号送信予定時刻との差分が所定の値以下となった場合に(S29Y)、メールを送信した親端末である携帯端末A400aの位置と、携帯端末A400aが属するグループに属する全ての子端末の位置を取得する(S26)。実施例3同様、サーバ20の端末位置取得部26は、子端末の位置を前述で定義されるエリアのうちの何れかのエリアの名称として取得してもよい。サーバ20の端末位置取得部26は、例えば基地局を基準にエリアを定める場合には基地局IDを端末位置として取得することができる。また、緯度経度を基準にした数十メートルオーダーのメッシュ状に分割した領域をエリアと定義する場合には、当該エリアの番号を端末位置として取得することができる。また、親端末から送信されたメールに記載されたビーコン信号送信位置情報が示す地点から予め定めた距離の範囲内を同一エリアとして定義する場合には、まず、サーバ20の端末位置取得部26は、親端末と同一のグループに属する子端末の位置を全て取得し、取得された子端末の位置が、親端末と同一エリアに属する旨の情報を1、同一エリアに属しない旨の情報を0とした1ビットの情報を端末位置として取得してもよい。以下、ステップS13、S140、S150は実施例3と同様である。
なお、本実施例では、親端末である携帯端末A400aがビーコン信号送信予定時刻を決めているため、親端末である携帯端末A400aのWLAN接続設定の変更(S190)、ビーコン信号送信(SS912)は、ビーコン信号送信予定時刻経過、もしくはビーコン信号送信予定時刻より所定時間前の時刻経過(S170Y)をトリガとして実行される。子端末である携帯端末B400bについても同様に、WLAN管理部190がサーバ20からメールを受信した場合に、WLAN部910の機能をON状態にして、取得されたパラメータに示されたWLAN接続設定情報に基づいて、WLAN部910のWLAN接続設定を変更する(S190)。以下、携帯端末A400a、携帯端末B400bのWLAN部910は、ビーコン信号の受信、ステップS190により変更されたWLAN接続設定に従って同期処理、接続ネゴシエーション処理を実行する(SS913、SS914、SS915)。
このように本実施例の無線LAN接続システム2によれば、親端末のパラメータ生成部210が親端末のユーザが予告するビーコン信号送信予定時刻を含むパラメータを生成し、当該パラメータを通知するメールを、親端末のメール送信部130がサーバ20に送信し、サーバ20の端末位置取得部26がビーコン信号送信予定時刻(または、ビーコン信号予定時刻より所定時間前の時刻)の到来をトリガとして親端末と子端末が同一エリアに属するか否かを判定し、親端末と同一エリアに属する子端末にのみメールを送信するため、実施例2の効果に加えて、実施例2の携帯端末200が備える判定部180を備える必要がなくなるため、携帯端末への本発明の機能の実装が容易になり、ハードウェア資源を節減することができる。