以下、本実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態の無線通信システムを示す図である。第1の実施の形態に係る無線通信システムは、無線通信装置10,20を含む。例えば、無線通信装置10を基地局または中継局、無線通信装置20を移動局として実現することが考えられる。無線通信装置10,20は、複数の周波数帯域を用いて無線通信を行う。無線通信装置10は、複数の周波数帯域の少なくとも1つで無線通信装置20に対して制御信号を送信する。
無線通信装置10は、制御部11と送信部12を有する。制御部11は、複数の周波数帯域の使用についての情報に基づいて、無線通信装置20が制御信号をサーチする無線リソースの領域(サーチ領域)を設定する。送信部12は、制御部11が設定したサーチ領域内で、無線通信装置20宛ての制御信号を送信する。
複数の周波数帯域の使用についての情報には、無線通信装置20がデータ通信に使用する周波数帯域の数を示す情報が含まれてもよい。制御部11は、例えば、周波数帯域の数に基づいて、サーチ領域の大きさまたは位置を変化させる。また、複数の周波数帯域の使用についての情報に、サーチ領域が設定された周波数帯域を示す情報が含まれてもよい。制御部11は、例えば、何れの周波数帯域に設定されたサーチ領域であるかによって、サーチ領域の大きさまたは位置を変化させる。サーチ領域の位置や大きさは、例えば、所定の関数に周波数帯域の数や番号などの数値を入力することで決定することが考えられる。
また、制御部11は、複数の周波数帯域の使用についての情報に加え、制御信号を送信するタイミングの情報(例えば、サブフレーム番号)や無線通信装置20の識別情報を更に参照して、サーチ領域を設定してもよい。その場合、例えば、所定のハッシュ関数に、周波数帯域の数や番号、サブフレーム番号、無線通信装置20の識別番号などの数値を入力することで、サーチ領域の位置や大きさを決定することが考えられる。
無線通信装置20は、算出部21と検出部22を有する。算出部21は、複数の周波数帯域の使用についての情報に基づいて、自装置宛ての制御信号の送信に用いられるサーチ領域を算出する。算出部21におけるサーチ領域の算出方法は、制御部11におけるサーチ領域の設定方法に対応している。検出部22は、無線通信装置10から受信した信号のうち、算出部21が算出したサーチ領域内の信号を処理(例えば、ブラインド復号)することで、自装置宛ての制御信号を検出する。
なお、サーチ領域の大きさや位置を決定するアルゴリズムは、予め固定的に決めておいてもよい。その場合、制御部11および算出部21は、それぞれ独立に、所定のアルゴリズムに従ってサーチ領域を算出することができる。また、無線通信装置10と無線通信装置20とが、シグナリングにより、サーチ領域の大きさや位置を決定するアルゴリズムを選択するようにしてもよい。その場合、通信環境に応じて適切なアルゴリズムを選択することが可能となる。
このような第1の実施の形態の無線通信システムでは、無線通信装置10は、複数の周波数帯域の使用についての情報に基づいて、無線通信装置20が制御信号をサーチするサーチ領域を設定する。そして、設定したサーチ領域内で無線通信装置20宛ての制御信号を送信する。無線通信装置20は、複数の周波数帯域の使用についての情報に基づいて、設定されているサーチ領域を算出する。そして、無線通信装置10から受信した信号のうち、算出したサーチ領域内の信号を処理して、自装置宛ての制御信号を検出する。
これにより、効率的に、無線通信装置20のサーチ領域と他のサーチ領域(例えば、複数の無線通信装置に共通のサーチ領域や、他の無線通信装置のサーチ領域)の間で重複する無線リソースの量を低減することが可能となる。よって、複数の周波数帯域を用いて通信を行うことにより送信すべき制御信号の量が大きくなった場合でも、制御信号の送信に用いる無線リソースを容易に確保することができる。
例えば、データ通信に使用する周波数帯域の数が大きいほど、サーチ領域を大きくすることが考えられる。また、データ通信に使用する周波数帯域と制御信号の送信に用いる周波数帯域の数の差が大きいほど、サーチ領域を大きくすることも考えられる。この方法によれば、サーチ領域を大きくすることによる無線通信装置20のサーチ負担の増大と、無線リソースの確保の容易性とのバランスを図ることができる。また、複数の周波数帯域を用いて制御信号を送信するとき、周波数帯域によってサーチ領域の位置を変えることも考えられる。この方法によれば、1つの周波数帯域で十分な無線リソースを確保できなくても、他の周波数帯域で十分な無線リソースを確保できる可能性が高くなる。
以下に説明する第2〜第5の実施の形態では、第1の実施の形態の無線通信システムをLTE−Aの移動通信システムとして実現する場合を考える。ただし、第1の実施の形態の無線通信システムは、もちろん、固定無線通信システムや他の種類の移動通信システムとして実現することも可能である。
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態の移動通信システムを示す図である。第2の実施の形態に係る移動通信システムは、基地局100と移動局200,200aを含む。
基地局100は、移動局200,200aと無線通信を行う無線通信装置である。基地局100は、有線の上位ネットワーク(図示せず)に接続され、上位ネットワークと移動局200,200aとの間でデータを転送する。基地局100は、後述するように、無線通信に、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)と呼ばれる周波数帯域を複数(例えば、5つ)使用することができる。
移動局200,200aは、基地局100に接続して無線通信を行う無線端末装置であり、例えば、携帯電話機や携帯情報端末装置である。移動局200,200aは、基地局100からデータを受信すると共に、基地局100へデータを送信する。基地局100から移動局200,200aの方向のリンクを下りリンク(DL:DownLink)、移動局200,200aから基地局100の方向のリンクを上りリンク(UL:UpLink)と呼ぶことがある。移動局200,200aは、複数のCCの一部または全部を使用する。2つ以上のCCを並列に用いて通信を行うことを、キャリアアグリゲーションと呼ぶことがある。
なお、基地局100は第1の実施の形態の無線通信装置10の一例、移動局200,200aは第1の実施の形態の無線通信装置20の一例と考えることができる。また、第2の実施の形態では、移動局200,200aが基地局に接続する場合を考えるが、移動局200,200aは中継局に接続してもよい。その場合、中継局と移動局200,200aとの間で、後述する制御信号の送受信が行われる。
図3は、コンポーネントキャリアの設定例を示す図である。基地局100は、移動局200,200aとの通信に、最大で5つのCC(CC#1〜CC#5)を使用できる。
双方向通信に周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)を用いる場合、DLとULそれぞれについて、CC#1〜#5の周波数帯域が確保される。単にCCと呼ぶ場合、DL用の周波数帯域とUL用の周波数帯域の組を指すことがある。双方向通信に時分割複信(TDD:Time Division Duplex)を用いる場合、DLとULを区別せずに、5つの周波数帯域が確保される。図3は、FDDを用いる場合を示している。
基地局100は、収容予定の移動局数や要求される通信速度などを考慮して、CC#1〜#5それぞれの帯域幅を設定する。例えば、1.4MHz,3MHz,5MHz,10MHz,15MHz,20MHzの中から、CC#1〜#5の帯域幅を選択する。全てのCCを同一の帯域幅にしてもよいし、CCによって異なる帯域幅にしてもよい。基地局100は、CC#1〜#5それぞれについて無線リソースの割り当て管理を行う。
図4は、無線フレームの構造例を示す図である。CC#1〜#5それぞれにおいて、図4に示すような無線フレームが、基地局100と移動局200,200aの間で送受信される。無線フレームは、10個のサブフレーム(サブフレーム#0〜#9)を含む。
無線フレームのリソースは、周波数方向および時間方向に細分化されて管理される。時間方向について、サブフレームは2個のスロットを含む。スロットは、7個(または6個)のシンボルを含む。シンボルは、例えば、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiple)シンボルである。各シンボルの先頭には、CP(Cyclic Prefix)と呼ばれるインターバル信号が挿入される。周波数方向について、無線フレームは複数のサブキャリアを含む。周波数×時間の領域上の無線リソースが、各種チャネルに割り当てられる。無線リソースの割り当て制御は、サブフレーム単位で行われる。
DLサブフレームでは、基地局100がL1(Layer 1)制御信号を送信するための下りリンク物理制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control CHannel)が送信される。PDCCHには、各サブフレームの先頭から所定シンボル数(例えば、3シンボル)の範囲内の無線リソースが用いられる。また、DLサブフレームには、基地局100がデータ信号やL2/L3(Layer 2 / Layer 3)制御信号を送信するための下りリンク物理共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared CHannel)が設定される。ULサブフレームには、移動局200,200aがデータ信号を送信するための上りリンク物理共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared CHannel)が設定される。
なお、多重アクセス方式として、例えば、DL無線フレームには、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が用いられる。UL無線フレームには、SC−FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access)やNxSC−FDMA(N Times Single-Carrier Frequency Division Multiple Access)などが用いられる。
図5は、PDCCHの送信例を示す図である。ここでは、移動局200宛ての制御信号が送信される場合を考える。
この例では、移動局200は、CC#1,#2で基地局100からデータを受信すると共に、CC#1で基地局100にデータを送信する。すなわち、移動局200のPDSCHがDLのCC#1,#2に設定され、移動局200のPUSCHがULのCC#1に設定される。また、移動局200は、CC#1で基地局100から制御信号を受信する。すなわち、移動局200のPDCCHがDLのCC#1に設定される。移動局200は、CC#1の受信信号を監視することで、自局が参照すべき制御信号を検出する。
この例では、CC#1のあるサブフレームで、同じサブフレーム内に設けられたPDSCHに関する制御信号と、同じタイミングのCC#2のサブフレーム内に設けられたPDSCHに関する制御信号とが送信されている。更に、所定時間後(例えば、4サブフレーム後)のCC#1のサブフレーム内に設けられたPUSCHに関する制御信号が送信されている。移動局200は、CC#1の当該サブフレームから、自局宛てのこれら3つの制御信号を検出し、2つのPDSCHの受信処理と1つのPUSCHの送信処理とを行う。
このように、あるCCにおいて、他のCCの物理チャネルに関する制御信号を送信することができる。すなわち、第2の実施の形態の移動通信システムでは、クロスキャリアスケジューリングが可能である。なお、移動局200aについても、移動局200と同様にPDSCH,PUSCH,PDCCHが設定され得る。その場合、PDCCHを設ける1またはそれ以上のCCの集合(モニタリングセット)は、移動局200と移動局200aとで独立に設定することができる。同一のCCに、移動局200,200aのPDCCHが混在してもよい。
図6は、PDCCHの送信領域の例を示す図である。PDCCHが設定され得る無線リソースの領域内には、移動局200,200aがPDCCHをサーチすべき領域であるサーチスペース(第1の実施の形態で述べたサーチ領域に相当)が定義される。
サーチスペースには、共通サーチスペースとUE個別サーチスペースの2種類が存在する。共通サーチスペースは、基地局100に接続する全ての移動局が共通に参照する制御信号と、複数の移動局が参照する制御信号の送信に用いられる。UE個別サーチスペースは、特定の1つの移動局が参照する制御信号の送信に用いられる。UE個別サーチスペースは、移動局毎に設定される。よって、移動局200,200aは、共通サーチスペースと自局に対応するUE個別サーチスペースの無線リソース領域を監視すればよい。
共通サーチスペースの位置やサイズは固定である。一方、UE個別サーチスペースの位置やサイズは、移動局200,200aが基地局100から付与された識別子、サーチスペースが属するサブフレームの番号、および、移動局200,200aのCC#1〜#5の使用状況に応じて変わる。基地局100と移動局200,200aは、共通の算出式を用いて、移動局200,200aのUE個別サーチスペースの位置やサイズを算出する。
ここで、図6に示すように、共通サーチスペースと複数のUE個別サーチスペースは、周波数×時間の無線リソース領域上で、互いに重複が生じるように設定され得る。これは、サーチスペース内の無線リソースの全てが常に使用されるわけではないため、重複が無いようにサーチスペースを設定すると無線リソースの利用効率が低下するからである。
共通サーチスペースとUE個別サーチスペースの重複部分の無線リソースは、共通サーチスペースのために優先的に使用される。一方、UE個別サーチスペース同士で重複した部分の無線リソースについては、何れのUE個別サーチスペースを優先するかは予め決められていない。基地局100は、移動局200,200aそれぞれに送信する制御信号の量に応じて、重複部分の無線リソースの割り当てを制御する。基地局100は、送信する制御信号の量が大きい場合、符号化率を高くすることで、サーチスペース内に存在する限られた大きさの空き領域に制御信号を詰め込むこともある。
図7は、基地局の構造を示すブロック図である。基地局100は、キャリアアグリゲーション制御部110、PDCCH生成部120、PDSCH生成部130、多重化部140、無線送信部150、無線受信部160およびPUSCH処理部170を有する。
キャリアアグリゲーション制御部110は、キャリアアグリゲーションを制御する。すなわち、上位ネットワークから到着したユーザデータを、移動局200,200aが使用する複数のCCに振り分ける。そして、各CCで送信するユーザデータを、PDSCH生成部130に出力する。また、キャリアアグリゲーション制御部110は、制御信号を、モニタリングセットに含まれる1またはそれ以上のCCに振り分ける。そして、各CCで送信する制御信号を、PDCCH生成部120に出力する。
また、キャリアアグリゲーション制御部110は、移動局毎に、サブフレーム番号、当該移動局に付与した識別子(RNTI(Radio Network Temporary Identifier)と呼ぶことがある)およびCC#1〜#5の使用状況から、UE個別サーチスペースの位置およびサイズを決定する。そして、UE個別サーチスペースの先頭位置を多重化部140に通知すると共に、サイズをPDCCH生成部120に通知する。
PDCCH生成部120は、CC毎に、キャリアアグリゲーション制御部110から取得した制御信号を符号化・変調し、PDCCHで送信する信号を生成する。PDCCHで送信する信号には、前述の通り、PDSCHに関する信号やPUSCHに関する信号が含まれる。ここで、PDCCH生成部120は、キャリアアグリゲーション制御部110から通知されたサイズに応じて、UE個別サーチスペースで送信するPDCCHの信号の長さを調整する。そして、生成したPDCCHの信号を、多重化部140に出力する。
PDSCH生成部130は、CC毎にキャリアアグリゲーション制御部110から取得したユーザデータを符号化・変調し、PDSCHで送信する信号を生成する。そして、生成したPDSCHの信号を、多重化部140に出力する。
多重化部140は、PDCCH生成部120から取得したPDCCHの信号とPDSCH生成部130から取得したPDSCHの信号を、DLサブフレーム内の無線リソースにマッピングする。特に、多重化部140は、PDCCHの信号を、共通サーチスペースおよびUE個別サーチスペース内の無線リソースにマッピングする。UE個別サーチスペースへのマッピングの際には、キャリアアグリゲーション制御部110から通知された各UE個別サーチスペースの先頭位置を参照する。多重化部140は、生成した送信信号を無線送信部150に出力する。
無線送信部150は、多重化部140から取得した送信信号を、無線信号に変換(アップコンバート)してアンテナから出力する。無線信号への変換のために、無線送信部150は、例えば、D/A(Digital to Analog)変換器、周波数変換器、帯域通過フィルタ(BPF:Band Pass Filter)などの回路を備える。
無線受信部160は、移動局200,200aから受信した無線信号をベースバンド信号に変換(ダウンコンバート)し、ベースバンド信号をPUSCH処理部170に出力する。ベースバンド信号への変換のために、無線受信部160は、例えば、低雑音増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)、周波数変換器、BPF、A/D(Analog to Digital)変換器などの回路を備える。
PUSCH処理部170は、無線受信部160から取得したベースバンド信号を復調・復号する。これにより、移動局200,200aがPUSCHで送信したユーザデータや上位レイヤの制御情報が抽出される。抽出されたユーザデータは、上位ネットワークに転送される。抽出された制御情報の一部は、スケジューリングに用いられる。
なお、PDCCH生成部120、PDSCH生成部130およびPUSCH処理部170は、CC#1〜#5についての信号処理を行うためにCC毎に個別に設けてもよい。
図8は、移動局の構造を示すブロック図である。移動局200は、無線受信部210、分離部220、スペース算出部230、PDCCH検出部240、PDCCH処理部250、PDSCH処理部260、PUSCH生成部270および無線送信部280を有する。移動局200aも、移動局200と同様のブロック構造によって実現できる。
無線受信部210は、基地局100から受信した無線信号をベースバンド信号にダウンコンバートし、ベースバンド信号を分離部220に出力する。ベースバンド信号への変換のために、無線受信部210は、例えば、LNA、周波数変換器、BPF、A/D変換器などの回路を備える。
分離部220は、無線受信部210から取得したベースバンド信号から、PDCCHが設定され得る領域の信号とPDSCHが設定され得る領域の信号を、CC毎に抽出する。そして、抽出したPDCCHの領域の信号を、PDCCH検出部240に出力し、抽出したPDSCHの領域の信号を、PDSCH処理部260に出力する。
スペース算出部230は、サブフレーム番号、自局に付与された識別子およびCC#1〜#5の使用状況から、自局に対応するUE個別サーチスペースの位置およびサイズを算出する。算出方法は、基地局100のキャリアアグリゲーション制御部110が位置およびサイズを決定する方法に対応している。そして、UE個別サーチスペースの先頭位置およびサイズを、PDCCH検出部240に通知する。
PDCCH検出部240は、モニタリングセットに含まれるCC毎に、分離部220から取得した信号から、共通サーチスペースの信号を抽出する。また、取得した信号から、スペース算出部230から通知された先頭位置およびサイズによって特定される領域(自局のUE個別サーチスペース)の信号を抽出する。そして、抽出した共通サーチスペースおよびUE個別サーチスペースの信号を、PDCCH処理部250に出力する。
PDCCH処理部250は、モニタリングセットに含まれるCC毎に、PDCCH検出部240から取得した信号をサーチし、自局が参照すべき制御信号を抽出する。例えば、PDCCH処理部250は、取得した信号をブラインド復号する。そして、PDSCHに関する制御信号を、PDSCH処理部260に出力し、PUSCHに関する制御信号を、PUSCH生成部270に出力する。
PDSCH処理部260は、PDCCH処理部250から、PDSCHに関する制御信号を取得する。制御信号が示す情報には、例えば、PDSCHが設定された無線リソースやデータフォーマットの情報が含まれる。PDSCH処理部260は、制御信号を参照して、データ通信に使用するCC毎に、分離部220から取得した信号からPDSCHの信号を抽出して復調・復号する。これにより、自局宛てのユーザデータが取得される。
PUSCH生成部270は、PDCCH処理部250から、PUSCHに関する制御信号を取得する。制御信号が示す情報には、例えば、PUSCHが設定された無線リソースや使用するデータフォーマットを指定した情報が含まれる。PUSCH生成部270は、制御信号を参照して、データ通信に使用するCC毎に、基地局100に送信するユーザデータや上位レイヤの制御情報を符号化・変調する。そして、生成した送信信号を無線送信部280に出力する。なお、PUSCHが設定されるサブフレームは、PUSCHに関する制御信号を受信したサブフレームから所定数後(例えば、4サブフレーム後)である。
無線送信部280は、PUSCH生成部270から取得した送信信号を、無線信号にアップコンバートしてアンテナから出力する。無線信号への変換のために、無線送信部280は、例えば、D/A変換器、周波数変換器、BPFなどの回路を備える。
なお、PDCCH検出部240、PDCCH処理部250、PDSCH処理部260およびPUSCH生成部270は、CC#1〜#5についての信号処理を行うためにCC毎に個別に設けてもよい。
図9は、第2の実施の形態のPDCCHの送受信を示すフローチャートである。ここでは、基地局100と移動局200の間の通信を考える。基地局100と移動局200aの間の通信も同様に実行できる。図9に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップS11)基地局100は、移動局200が通信に用いる可能性があるCC(PDSCHまたはPUSCHが設定されるCC)を設定する。各DLサブフレームにおいては、その設定された全部または一部のCCが使用される。また、移動局200のモニタリングセットを設定する。何れのCCをモニタリングセットに含めるかは、例えば、通信データ量や各CCの通信品質に応じて選択する。基地局100は、使用するCCおよびモニタリングセットを、PDSCHで移動局200に通知する。
(ステップS12)基地局100は、移動局200が通信に使用するCCの数に基づいて、移動局200のUE個別サーチスペースのサイズを決定する。使用するCCが多いほど、UE個別サーチスペースのサイズが大きくなるようにする。使用するCCの数としては、DLのCC数を用いることが考えられる。ただし、ULのCC数を用いることや、DLのCC数とULのCC数の合計を用いることも可能である。
(ステップS13)移動局200は、基地局100と同様に、使用するCCの数に基づいて、自局のUE個別サーチスペースのサイズを算出する。サイズの算出式は、予め基地局100と移動局200に共通に設定されている。
(ステップS14)基地局100は、移動局200の識別子とPDCCHの信号を送信するサブフレームの番号に基づいて、UE個別サーチスペースの先頭位置を決定する。例えば、識別子およびサブフレーム番号にハッシュ関数を適用することで算出する。
(ステップS15)基地局100は、ステップS11で設定したモニタリングセットに属する各CCについて、ステップS12で決定したサイズおよびステップS14で決定した先頭位置によって特定される無線リソース領域を、移動局200のUE個別サーチスペースに設定する。基地局100は、設定したUE個別サーチスペースに、移動局200宛てのPDCCHの信号をマッピングして送信する。
(ステップS16)移動局200は、自局の識別子と現在受信しているサブフレームの番号に基づいて、自局のUE個別サーチスペースの先頭位置を算出する。先頭位置の算出式は、予め基地局100と移動局200に共通に設定されている。
(ステップS17)移動局200は、モニタリングセットに属する各CCについて、ステップS13で算出したサイズおよびステップS16で算出した先頭位置によって特定される無線リソースの領域の信号を抽出する。そして、抽出した領域の信号からPDCCHをサーチ(例えば、ブラインド復号)し、自局宛ての制御信号を抽出する。
(ステップS18)移動局200は、ステップS17で抽出された制御信号を用いて、PDSCHの受信処理またはPUSCHの送信処理を行う。
なお、上記ステップS11〜S13は、1度実行すれば、移動局200が使用する可能性のあるCCやモニタリングセットが変わらない限り再実行しなくてもよい。ただし、各サブフレームで実際に使用されるCCの数は、ステップS11で設定された値を上限に変動する。ステップS14〜S18は、基地局100と移動局200が通信を行っている間、繰り返し実行される。
図10は、第2の実施の形態のサーチスペースの設定例を示す図である。図10の上段の例では、CC#1が移動局200宛ての制御信号の送信に用いられ、CC#1,#2が移動局200宛てのデータ送信に用いられる。この場合、移動局200のUE個別サーチスペースのサイズは、使用されるCCの数である「2」に対応するサイズとなる。
一方、下段の例では、移動局200宛てのデータ送信に用いられるCCが、CC#1〜#3に変化している。この場合、移動局200のUE個別サーチスペースのサイズは、使用されるCCの数である「3」に対応するサイズとなる。すなわち、使用されるCCの数が「2」の場合よりも、UE個別サーチスペースのサイズが大きくなる。これにより、共通サーチスペースや他のUE個別サーチスペースと重複しない可能性がある領域が増加し、実質的に使用可能な無線リソースの量が増えることが期待できる。
このような第2の実施の形態の移動通信システムによれば、データ通信に用いるCCの数に応じたサイズのUE個別サーチスペースを設定することができる。すなわち、1つのUE個別サーチスペースで送信する制御信号の量が大きくなる可能性があるときに、UE個別サーチスペースを拡張することができる。よって、UE個別サーチスペースを大きくすることによる移動局200,200aのサーチ負担の増大と、無線リソースの確保の容易性とのバランスを図り、効率的に制御信号を送信できるようになる。
なお、上記のUE個別サーチスペースのサイズを可変にする方法は、一部の移動局のみに適用するようにしてもよい。その場合、他の移動局についてはUE個別サーチスペースのサイズを固定にしてもよい。
[第3の実施の形態]
次に、第3の実施の形態を説明する。第2の実施の形態との違いを中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。第3の実施の形態に係る移動通信システムは、UE個別サーチスペースのサイズの決定方法が、第2の実施の形態と異なる。
第3の実施の形態の移動通信システムは、図2に示した第2の実施の形態と同様のシステム構成によって実現できる。また、第3の実施の形態の基地局および移動局は、図7,8に示した第2の実施の形態と同様のブロック構造によって実現できる。ただし、キャリアアグリゲーション制御部110によるサイズの設定方法およびスペース算出部230によるサイズの算出方法が、第2の実施の形態と異なる。以下、図7,8と同様の符号を用いて、第3の実施の形態を説明する。
図11は、第3の実施の形態のPDCCHの送受信を示すフローチャートである。図11に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップS21)基地局100は、移動局200が通信に用いる可能性があるCCを設定する。また、移動局200のモニタリングセットを設定する。基地局100は、使用するCCおよびモニタリングセットを、PDSCHで移動局200に通知する。
(ステップS22)基地局100は、移動局200が通信に使用するCCの数と移動局200のモニタリングセットに含まれるCCの数の差に基づいて、移動局200のUE個別サーチスペースのサイズを決定する。差が大きいほど、UE個別サーチスペースのサイズが大きくなるようにする。
(ステップS23)移動局200は、基地局100と同様に、使用するCCの数とモニタリングセットに含まれるCCの数の差に基づいて、自局のUE個別サーチスペースのサイズを算出する。
(ステップS24)基地局100は、移動局200の識別子とPDCCHの信号を送信するサブフレームの番号に基づいて、UE個別サーチスペースの先頭位置を決定する。
(ステップS25)基地局100は、ステップS21で設定したモニタリングセットに属する各CCについて、ステップS22で決定したサイズおよびステップS24で決定した先頭位置によって特定される無線リソース領域を、移動局200のUE個別サーチスペースに設定する。基地局100は、設定したUE個別サーチスペースに、移動局200宛てのPDCCHの信号をマッピングして送信する。
(ステップS26)移動局200は、自局の識別子と現在受信しているサブフレームの番号に基づいて、自局のUE個別サーチスペースの先頭位置を算出する。
(ステップS27)移動局200は、モニタリングセットに属する各CCについて、ステップS23で算出したサイズおよびステップS26で算出した先頭位置によって特定される無線リソースの領域の信号を抽出する。そして、抽出した領域の信号からPDCCHをサーチし、自局宛ての制御信号を抽出する。
(ステップS28)移動局200は、ステップS27で抽出された制御信号を用いて、PDSCHの受信処理またはPUSCHの送信処理を行う。
図12は、第3の実施の形態のサーチスペースの設定例を示す図である。図12の上段の例では、CC#1,#2が移動局200宛ての制御信号の送信に用いられ、CC#1〜#3が移動局200宛てのデータ送信に用いられる。この場合、移動局200のUE個別サーチスペースのサイズは、使用されるCCとモニタリングセットに含まれるCCの数の差である「1」に対応するサイズとなる。
一方、下段の例では、移動局200宛ての制御信号の送信に用いられるCCが、CC#1に変化している。この場合、移動局200のUE個別サーチスペースのサイズは、使用されるCCとモニタリングセットに含まれるCCの数の差である「2」に対応するサイズとなる。すなわち、差が「1」の場合よりも、UE個別サーチスペースのサイズが大きくなる。これにより、共通サーチスペースや他のUE個別サーチスペースと重複しない可能性がある領域が増加し、実質的に使用可能な無線リソースの量が増えることが期待できる。
このような第3の実施の形態の移動通信システムによれば、データ通信に用いるCCと制御信号の送信に用いるCCの数の差に応じたサイズのUE個別サーチスペースを設定することができる。すなわち、モニタリングセットが可変であっても、CC1つ当たりのUE個別サーチスペースで送信する制御信号の量が大きくなる可能性があるときに、UE個別サーチスペースを拡張することができる。よって、UE個別サーチスペースを大きくすることによる移動局200,200aのサーチ負担の増大と、無線リソースの確保の容易性とのバランスを図り、効率的に制御信号を送信できるようになる。
なお、上記のUE個別サーチスペースのサイズを可変にする方法は、一部の移動局にのみ適用し、他の移動局についてはサイズを固定にしてもよい。また、第2の実施の形態の方法と第3の実施の形態の方法を組み合わせて使用してもよい。例えば、一部のCCまたは一部の移動局にのみ第3の実施の形態の方法を適用し、他のCCまたは移動局には第2の実施の形態の方法を適用することも可能である。
[第4の実施の形態]
次に、第4の実施の形態を説明する。第2・第3の実施の形態との違いを中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。第4の実施の形態に係る移動通信システムは、UE個別サーチスペースの先頭位置を、CC#1〜#5の使用状況に応じて可変とする。
第4の実施の形態の移動通信システムは、図2に示した第2の実施の形態と同様のシステム構成によって実現できる。また、第4の実施の形態の基地局および移動局は、図7,8に示した第2の実施の形態と同様のブロック構造によって実現できる。ただし、キャリアアグリゲーション制御部110による先頭位置の設定方法およびスペース算出部230による先頭位置の算出方法が、第2の実施の形態と異なる。以下、図7,8と同様の符号を用いて、第4の実施の形態を説明する。
図13は、第4の実施の形態のPDCCHの送受信を示すフローチャートである。図13に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップS31)基地局100は、移動局200が通信に用いる可能性があるCCを設定する。各DLサブフレームにおいては、その設定された全部または一部のCCが使用される。また、移動局200のモニタリングセットを設定する。基地局100は、使用するCCおよびモニタリングセットを、PDSCHで移動局200に通知する。
(ステップS32)基地局100は、ステップS31で設定したモニタリングセットに属するCC毎に、移動局200の識別子、PDCCHの信号を送信するサブフレームの番号、および、CCの識別子であるキャリアインディケータ(CI)に基づいて、移動局200のUE個別サーチスペースの先頭位置を決定する。
すなわち、同一タイミング且つ同一移動局のUE個別サーチスペースであっても、CCによって位置が異なるようにする。例えば、移動局200の識別子とサブフレーム番号に基づいて算出される位置に対し、CIに応じたオフセットを設定することで、先頭位置を決定する方法が考えられる。なお、UE個別サーチスペースのサイズは固定とする。
(ステップS33)基地局100は、ステップS31で設定したモニタリングセットに属するCC毎に、所定のサイズおよびステップS32で決定した先頭位置によって特定される無線リソース領域を、移動局200のUE個別サーチスペースに設定する。基地局100は、設定したUE個別サーチスペースに、移動局200宛てのPDCCHの信号をマッピングして送信する。
(ステップS34)移動局200は、モニタリングセットに属するCC毎に、自局の識別子、現在受信しているサブフレームの番号および当該CCのCIに基づいて、自局のUE個別サーチスペースの先頭位置を算出する。先頭位置の算出式は、予め基地局100と移動局200に共通に設定されている。
(ステップS35)移動局200は、モニタリングセットに属する各CCについて、所定のサイズおよびステップS34で算出した先頭位置によって特定される無線リソースの領域の信号を抽出する。そして、抽出した領域の信号からPDCCHをサーチし、自局宛ての制御信号を抽出する。
(ステップS36)移動局200は、ステップS35で抽出された制御信号を用いて、PDSCHの受信処理またはPUSCHの送信処理を行う。
なお、上記ステップS31は、1度実行すれば、移動局200が使用する可能性のあるCCやモニタリングセットが変わらない限り再実行しなくてもよい。ただし、各サブフレームで実際に使用されるCCの数は、ステップS31で設定された値を上限に変動する。ステップS32〜S36は、基地局100と移動局200が通信を行っている間、繰り返し実行される。
図14は、第4の実施の形態のサーチスペースの設定例を示す図である。この例ではCC#1,#2が移動局200宛ての制御信号の送信に用いられている。CC#1,#2それぞれのUE個別サーチスペースの先頭位置は、移動局200の識別子、サブフレーム番号およびCC#1,#2それぞれのCIの組み合わせに応じた位置となる。
すなわち、CC#1とCC#2で、UE個別サーチスペースの先頭位置が異なる。例えば、CC#2における先頭位置が、CC#1における先頭位置よりも後ろ側にずれる。これにより、一方のCCでは共通サーチスペースや他のUE個別サーチスペースと重複する領域が大きい場合でも、他方のCCでは重複する可能性がある領域が小さくなることが期待できる。よって、共通サーチスペースや他のUE個別サーチスペースと重複しない可能性がある領域が増加し、実質的に使用可能な無線リソースの量が増えることが期待できる。
このような第4の実施の形態の移動通信システムによれば、制御信号の送信に用いるCCに応じて、UE個別サーチスペースの位置を変えることができる。すなわち、少なくとも1つのCCで、制御信号の送信に用いる十分な無線リソースを確保できる可能性が高くなる。よって、効率的に制御信号を送信できるようになる。
なお、第4の実施の形態では、UE個別サーチスペースの先頭位置をCCによって変更したが、先頭位置に代えてサイズをCCによって変更してもよい。また、先頭位置とサイズの両方を、CCによって変更してもよい。また、上記の先頭位置を可変にする方法は、一部の移動局にのみ適用してもよい。また、第2・第3の実施の形態の方法と第4の実施の形態の方法を組み合わせて使用してもよい。
[第5の実施の形態]
次に、第5の実施の形態を説明する。第2〜第4の実施の形態との違いを中心に説明し、同様の事項については説明を省略する。第5の実施の形態に係る移動通信システムは、UE個別サーチスペースの先頭位置の決定方法が、第4の実施の形態と異なる。
第5の実施の形態の移動通信システムは、図2に示した第2の実施の形態と同様のシステム構成によって実現できる。また、第5の実施の形態の基地局および移動局は、図7,8に示した第2の実施の形態と同様のブロック構造によって実現できる。ただし、キャリアアグリゲーション制御部110による先頭位置の設定方法およびスペース算出部230による先頭位置の算出方法が、第2の実施の形態と異なる。以下、図7,8と同様の符号を用いて、第5の実施の形態を説明する。
図15は、第5の実施の形態のPDCCHの送受信を示すフローチャートである。図15に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
(ステップS41)基地局100は、移動局200が通信に用いる可能性があるCCを設定する。各DLサブフレームにおいては、その設定された全部または一部のCCが使用される。また、移動局200のモニタリングセットを設定する。基地局100は、使用するCCおよびモニタリングセットを、PDSCHで移動局200に通知する。
(ステップS42)基地局100は、移動局200の識別子とPDCCHの信号を送信するサブフレームの番号に基づいて、移動局200のUE個別サーチスペースの先頭位置を算出する。なお、UE個別サーチスペースのサイズは固定とする。
(ステップS43)基地局100は、使用するCCの数が大きく、且つ、ステップS42で算出した先頭位置を採用した場合のUE個別サーチスペースと共通サーチスペースとの重複が大きいか判断する。この条件を満たす場合、処理をステップS44に進める。条件を満たさない場合、処理をステップS45に進める。
使用するCCの数が大きいか否かの判断方法としては、使用するCCの数が所定の閾値(例えば、「3」)以上であるか判断することが考えられる。また、使用するCCの数とモニタリングセットに含まれるCCの数の差が所定の閾値(例えば、「2」)以上であるか判断することが考えられる。また、UE個別サーチスペースと共通サーチスペースとの重複が大きいか否かの判断方法としては、UE個別サーチスペースの先頭位置と共通サーチスペースの先頭位置の間の距離が所定の閾値以上であるか判断することが考えられる。
(ステップS44)基地局100は、ステップS42で算出した先頭位置にオフセットを設定して、先頭位置を補正する。例えば、オフセット量を、共通サーチスペースの長さなどの固定量とすることが考えられる。また、オフセット量を、移動局200が使用するCCの数や、使用するCCの数とモニタリングセットに含まれるCCの数の差などに応じた可変量とすることも考えられる。
(ステップS45)基地局100は、モニタリングセットに属する各CCについて、所定のサイズおよび決定した先頭位置によって特定される無線リソース領域を、移動局200のUE個別サーチスペースに設定する。基地局100は、設定したUE個別サーチスペースに、移動局200宛てのPDCCHの信号をマッピングして送信する。
(ステップS46)移動局200は、自局の識別子と現在受信しているサブフレームの番号に基づいて、自局のUE個別サーチスペースの先頭位置を算出する。
(ステップS47)移動局200は、使用するCCの数やステップS46で算出した先頭位置に基づいて、上記ステップS43と同様の条件を満たすか否か判断する。そして、条件を満たす場合、算出した先頭位置にオフセットを設定して、先頭位置を補正する。
(ステップS48)移動局200は、モニタリングセットに属する各CCについて、所定のサイズおよびステップS47で算出した先頭位置によって特定される無線リソースの領域の信号を抽出する。そして、抽出した領域の信号からPDCCHをサーチし、自局宛ての制御信号を抽出する。
(ステップS49)移動局200は、ステップS48で抽出された制御信号を用いて、PDSCHの受信処理またはPUSCHの送信処理を行う。
図16は、第5の実施の形態のサーチスペースの設定例を示す図である。図16の上段の例では、CC#1が移動局200宛ての制御信号の送信に用いられ、CC#1,#2が移動局200宛てのデータ送信に用いられる。この場合、移動局200の識別子とサブフレーム番号から決定されるUE個別サーチスペースが共通サーチスペースと重複していても、オフセットは設定されない。
一方、下段の例では、移動局200宛てのデータ送信に用いられるCCが、CC#1〜#3に拡大している。この場合、移動局200の識別子とサブフレーム番号から決定されるUE個別サーチスペースが共通サーチスペースと重複していると、UE個別サーチスペースの位置が共通サーチスペースから遠ざかる方向にずれる。すなわち、共通サーチスペースと移動局200のUE個別サーチスペースとで重複する領域が減少し、実質的に使用可能な無線リソースの量が増えることが期待できる。
このような第5の実施の形態の移動通信システムによれば、データ通信に用いるCCの数および共通サーチスペースとの重複の程度に応じて、UE個別サーチスペースの位置を補正することができる。すなわち、UE個別サーチスペースで送信する制御信号の量が大きくなる可能性があり、且つ、共通サーチスペースとの重複によって実質的に使用できる無線リソースの量が小さくなる可能性がある場合に、共通サーチスペースとの重複量を減少させることができる。よって、制御信号の送信に用いる無線リソースの確保が容易になり、効率的に制御信号を送信できるようになる。
なお、第5の実施の形態の方法に加えて、更にUE個別サーチスペースのサイズをCC#1〜#5の使用状況に応じて変更してもよい。また、上記の先頭位置を可変にする方法は、一部の移動局にのみ適用してもよい。また、第2〜第4の実施の形態の方法と第5の実施の形態の方法を組み合わせて使用してもよい。
上記については単に本発明の原理を示すものである。更に、多数の変形や変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応する全ての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。