JP5799148B2 - 新規ベンジリデンアゾリジン誘導体またはその塩を含む皮膚外用組成物 - Google Patents
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Description
(構造式(I)中、nは1〜5の整数であり、A1は、O、S、またはN−A4であり、A2、A3および、A4は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、下記構造式(1)で表わされる官能基(1)、下記構造式(2)で表わされる官能基(2)、または下記構造式(3)で表わされる官能基(3)である(ただし、少なくともA2、A3および、A4のいずれかに1つ以上のヒドロキシル基を含むものとする)。また、nが2〜5の整数である場合、複数存在するA3−O−は、同一でも異なっていてもよい。)
(構造式(1)中、X1は、炭素数2〜4のアルキレン基であり、R1は、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であり、mは、1〜4の整数である。mが2〜4の整数である場合、複数存在するX1は、同一でも異なっていてもよい。)
(構造式(2)中、X2は、炭素数2〜4のアルキレン基であり、R2は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であり、pは1または2であり、qは、0〜4の整数であり、qが2〜4の整数である場合、複数存在するX2は、同一でも異なっていてもよい。)
(構造式(3)中、X3aおよび、X3bは、それぞれ独立に、炭素数2〜4のアルキレン基であり、R3aおよび、R3bは、それぞれ独立に炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であり、rは1または2であり、sおよび、tは、それぞれ独立に0〜4の整数である。sが2〜4の整数である場合、複数存在するX3aは、同一でも異なっていてもよいし、tが2〜4の整数である場合、複数存在するX3bは、同一でも異なっていてもよい。)
ならびに、
紫外線吸収剤、抗酸化剤、美白有効成分、抗炎症成分、および、増粘成分からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とすることを特徴とする。
(構造式(II)中、n´は、0〜4の整数であり、n´が1〜4の整数である場合、複数存在するA3−O−は、同一でも異なっていてもよい。)
nは、1〜5の整数であり、高い比吸光度(質量あたりの紫外線の吸光度)を発揮して、高いUV吸収性を示すという観点からは、好ましくは、1〜3の整数であり、より好ましくは1である。
A1は、O、S、またはN−A4であり、UVAおよび、UVAに近接した波長領域の光を有効に吸収できるという観点からは、好ましくは、N−A4である。
A2、A3および、A4は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、下記構造式(1)で表わされる官能基(官能基(1))、下記構造式(2)で表わされる官能基(官能基(2))、または下記構造式(3)で表わされる官能基(官能基(3))である。ただし、少なくともA2、A3および、A4のいずれかに1つ以上のヒドロキシル基を含むものとする。
(構造式(1)中、X1は、炭素数2〜4のアルキレン基であり、R1は、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であり、mは、1〜4の整数である。mが2〜4の整数である場合、複数存在するX1は、同一でも異なっていてもよい。)
(構造式(2)中、X2は、炭素数2〜4のアルキレン基であり、R2は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であり、pは1または2であり、qは、0〜4の整数であり、qが2〜4の整数である場合、複数存在するX2は、同一でも異なっていてもよい。)
(構造式(3)中、X3aおよび、X3bは、それぞれ独立に、炭素数2〜4のアルキレン基であり、R3aおよび、R3bは、それぞれ独立に炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であり、rは1または2であり、sおよび、tは、それぞれ独立に0〜4の整数である。sが2〜4の整数である場合、複数存在するX3aは、同一でも異なっていてもよいし、tが2〜4の整数である場合、複数存在するX3bは、同一でも異なっていてもよい。)
「ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基」は、炭素数1〜8のアルキル基である限り、直鎖状であっても分岐状であってもよく、ヒドロキシル基で置換されているもの(ヒドロキシアルキル基)であっても、ヒドロキシル基で置換されていないアルキル基であってもよい。そのなかでも、UV吸収性および、水溶親水性が向上するという観点からは、直鎖状または分岐状の、炭素数1〜8のヒドロキシアルキル基であることが好ましい。
官能基(1)は、上記構造式(1)で表わされる官能基である。ここで、X1は、炭素数2〜4のアルキレン基であり、上記アルキレン基は、直鎖であっても、分岐していてもよい。X1は、高い比吸光度(質量あたりの紫外線の吸光度)を発揮できるという観点からは、アルキレン基の炭素数は、1〜2であること(たとえば、アルキレン基がメチレン基(―CH2―)またはエチレン基(―CH2CH2―))が好ましい。
官能基(2)は、上記構造式(2)で表わされる官能基である。ここで、X2は、炭素数2〜4のアルキレン基であり、上記アルキレン基は、直鎖であっても、分岐していてもよい。X2は、高い比吸光度(質量あたりの紫外線の吸光度)を発揮できかつ汎用な試薬原料より製造しうるという観点からは、アルキレン基の炭素数は、1〜2であること(たとえば、アルキレン基がメチレン基(―CH2―)またはエチレン基(―CH2CH2―))であることが好ましい。
官能基(3)は、上記構造式(3)で表わされる官能基である。ここで、X3aおよび、X3bは、それぞれ独立に、2〜4のアルキレン基であり、上記アルキレン基は、直鎖であっても、分岐していてもよい。高い比吸光度(質量あたりの紫外線の吸光度)を発揮できるという観点からは、X3aおよび、X3bは、それぞれ独立に、炭素数2〜4のアルキレン基(たとえば、アルキレン基がメチレン基(―CH2―)またはエチレン基(―CH2CH2―)であることが好ましい。
親水性をより向上できるという観点からは、A2は、水素原子、ヒドロキシル基で置換された炭素数1〜8のヒドロキシルアルキル基、官能基(1)、官能基(2)または官能基(3)であることが好ましく、ヒドロキシル基で置換された炭素数1〜8のヒドロキシルアルキル基、官能基(1)、官能基(2)または官能基(3)であることがより好ましく、官能基(1)または官能基(3)であることがさらに好ましい。
上述のように、A3は、水素原子、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、官能基(1)〜(3)のいずれかであるために、ベンゼン環部分(i)に結合している「A3−O−」は、電子供与性の基である。そのために、上記構造式(I)で表わされる本発明におけるベンジリデンアゾリジン誘導体またはその塩に、UVが照射された場合、共鳴効果によって「A3−O―」からベンゼン環に電子が供与され、ベンゼン環の共役系が有効に拡張する。そのため、本発明におけるベンジリデンアゾリジン誘導体またはその塩は、長波長の紫外線(たとえば、UVA)のUV吸収性が良好である。
(上記構造式(II)中、n´は、0〜4の整数であり、n´が1〜4の整数である場合、複数存在するA3−O−は、同一でも異なっていてもよい。A3は、水素原子、炭素数1〜8の、ヒドロキシル基で置換されているアルキル基、官能基(1)、官能基(2)、または官能基(3)である。)
A4は、よりUV吸収性と親水性を向上できるという観点からは、水素原子または官能基(3)であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。
高い吸光度と高い安全性とをバランスよく発揮できるという観点からは、本発明におけるベンジリデンヒダントイン誘導体の分子量は、通常250〜1000であり、好ましくは300〜500である。なお、上記分子量は、皮膚を透過して体内に吸収されて刺激性や毒性を示すといった悪影響を及ぼすリスクを低減するためには、300以上であることが好ましい。
たとえば、まず、化学反応式(1)に示されるように、下記式(a)で表される化合物(a)と、下記式(b)で表される化合物(b)を、塩基の存在下で反応させて、下記式(c)で表される化合物(c)を合成する。次いで、化学反応式(2)に示されるように、下記式(c)で表される化合物を、下記式(d)で表される化合物(d)と塩基の存在下に反応させることにより、本発明におけるベンジリデンアゾリジン誘導体を合成することができる。
(式(g)のA1は、式(I)のA1と同一である。
Zは、ヒドロキシル基またはアルコキシル基である。)
(式(h)のA2は、式(I)のA2と同一である。)
(式(i)のYは、式(d)のYと同一であり、uは、1または2であり、Zは、ヒドロキシル基またはアルコキシル基である。)
(式(j)のuは、1または2であり、Zは、ヒドロキシル基またはアルコキシル基である。)
(式(k)のuは、1または2であり、Zは、ヒドロキシル基またはアルコキシル基である。)
本発明における紫外線吸収剤(紫外線吸収成分)は、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の紫外線吸収剤を使用できる。なお、本発明において、紫外線吸収剤(紫外線吸収成分)とは、紫外線を吸収する性質を有する化合物(成分)をいう。
(a)パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル、メトキシ桂皮酸イソプロピル、α−シアノ−β−フェニル桂皮酸2−エチルヘキシル(オクトクリレン)、メチルケイ皮酸ジイソプロピル、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、2,5−ジイソプロピルケイ皮酸メチル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、シノキサート、DEAメトキシシンナマート、フェルラ酸、および、メトキシ桂皮酸イソアミルなどの桂皮酸誘導体;
(b)パラ−アミノ安息香酸(以下、「PABA」と略記する)、エチルPABA、エチル−ジヒドロキシプロピルPABA、エチルヘキシル−ジメチルPABA、グリセリルPABA、PEG−25PABA、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、および、2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステルなどの安息香酸誘導体;
(c)ホモサラート、エチルヘキシルサリチラート、TEAサリチラート、サリチル酸エチレングリコール、および、ジプロピレングリコールサリチラートなどのサリチル酸誘導体;
(d)ジヒドロキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン−1)、テトラヒドロキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン−2)、2―ヒドロキシ―4―メトキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン−3)、ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸(ベンゾフェノン−4)、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン−5)、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン−6)、2,2‘−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(ベンゾフェノン−8)、および、3,3’−カルボニルビス[4−ヒドロキシ−6−メトキシベンゼンスルホン酸]ジナトリウム(ベンゾフェノン−9)などのベンゾフェノン誘導体;
(e)3−ベンジリデンショウノウ、4−メチルベンジリデンショウノウ、ベンジリデンショウノウスルホン酸、テレフタリリデンジショウノウスルホン酸、メト硫酸ショウノウベンザルコニウム、および、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンショウノウなどのベンジリデンショウノウ誘導体;
(f)アニソトリアジン、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、2,4,6−トリス(ジイソブチル−4’−アミノベンザルマロナート)−s−トリアジン、2,4−ビス−〔{4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ}−フェニル〕−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、および、2,4,6−トリス〔4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ〕−1,3,5−トリアジンなどのトリアジン誘導体;
(g)フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、および、フェニルジベンゾイミダゾールテトラスルホン酸二ナトリウムなどのフェニルベンゾイミダゾール誘導体;
(h)ドロメトリゾールトリシロキサン、および、2,2’―メチレンビス[6―(2H―ベンゾトリアゾール―2―イル)―4―(1,1,3,3―テトラメチルブチル)フェノール]などのフェニルベンゾトリアゾール誘導体;
(i)アントラニル酸メンチルなどのアントラニル誘導体;
(j)ジメトキシベンジリデンオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシルなどのイミダゾリジン誘導体;
(k)ジメチコジエチルベンザルマロナートなどのベンザルマロナート誘導体;
(l)1,1−ジカルボキシ(2,2’−ジメチルプロピル)−4,4−ジフェニルブタジエンなどの4,4−ジアリールブタジエン誘導体;ならびに
(m)4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンのようなジベンゾイルメタン誘導体;
などをあげることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
本発明における抗酸化剤(抗酸化成分)は、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の抗酸化剤を使用できる。なお、本発明において、抗酸化剤(抗酸化成分、酸化防止成分)とは、活性酸素種等による酸化を阻害、低減、抑制する性質を有する薬剤(成分)をいう。
(a)トコフェロール類およびその誘導体またはそれらの塩(たとえば、α−トコフェロール、δ−トコフェロール、酢酸−α−トコフェロール、トコトリエノール)、ピロロキノリンキノンおよびその誘導体またはそれらの塩、ユビキノン類およびその誘導体またはそれらの塩、レチノール類およびその誘導体またはそれらの塩、パントテン酸およびその誘導体またはその塩、エリソルビン酸またはそれらの塩、などのビタミン系抗酸化剤;
(b)チオタウリン、システイン、ホモシステイン、アセチルシステイン、メチオニン、チオグリセロール、亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムピロ亜硫酸ナトリウム、チオレドキシン、ジチオスレイトール、αリポ酸、エルゴチオネイン、グルタチオン、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ、などの含硫系抗酸化剤;
(c)ジブチルヒドロキシトルエン、ジブチルヒドロキシアニソール、マロン酸ビスエチルヘキシルヒドロキシジメトキシベンジル、マロン酸ジエチルヘキシルシリンギリデン、没食子酸およびその誘導体もしくはそれらの塩、クロロゲン酸およびその誘導体またはそれらの塩、などのフェノール系抗酸化剤;
(d)植物(たとえば、ブドウ、オタネニンジン、コンフリーなど)に由来する成分(たとえば、ブドウ種子エキス、ブドウ葉エキス、オタネニンジンエキス、コンフリー葉エキスなど);プロアントシアニジン、へスペリジン、グルコシルヘスペリジン、フラボノイド、
などのポリフェノール系抗酸化剤などをあげることができる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
本発明における美白有効成分(美白剤)は、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の美白有効成分を使用できる。なお、本発明において、美白有効成分(美白剤)とは、肌のくすみやしみ、肝斑等に特に関係しているメラニン色素等による肌の色素沈着を改善、抑制・低減・防止、予防、または遅延させる性質を有する薬剤(成分)をいう。
(a)ハイドロキノンおよびその誘導体またはそれらの塩(たとえばα−アルブチン、β−アルブチン);コウジ酸;エラグ酸;フィチン酸;ルシノール;アスコルビン酸およびその誘導体またはそれらの塩(たとえば、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、テトライソパルミチン酸アスコルビル(テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル)、2−O−エチルアスコルビン酸、3−O−エチルアスコルビン酸、アスコルビン酸グルコシドなど)、4−メトキシサリチル酸カリウム塩、トラネキサム酸およびその誘導体またはそれらの塩などのようなチロシナーゼ阻害剤;
(b)カモミラETのようなエンドセリン−1受容体阻害剤;
(c)遊離リノール酸のようなチロシナーゼタンパク質分解促進剤;
(d)アデノシン1リン酸2ナトリウム塩のようなメラニン排出促進剤;
(e)ナイアシンアミドのようなメラニン輸送阻害剤;
(f)その他、美白作用を有する植物成分(たとえば、植物エキスや精油);
をあげることができる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
本発明における抗炎症成分(抗炎症剤)は、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の抗炎症成分を使用できる。なお、本発明において、抗炎症成分(抗炎症剤)とは、表皮等の細胞の炎症を阻害、低減、抑制する性質を有する薬剤(成分)をいう。
本発明における増粘成分(増粘剤)は、本発明の効果を損なわない範囲で、公知の増粘成分を使用できる。なお、本発明において、増粘成分(増粘剤)とは、粘度を増加させる性質を有する薬剤(成分)をいう。
(a)アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル・アクリロイルジメチルタウリン塩共重合体(特に、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム)コポリマー)、アクリル酸ナトリウム・アクリロイルジメチルタウリン共重合体、ポリビニルアルコール、(PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI)コポリマー、(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリン/ジメチルアクリルアミド)クロスポリマー、ポリアクリル酸またはそれらの塩等のアクリル酸系高分子;
(b)ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、カルビキシビニルポリマー等のビニル系増粘剤;
(c)メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース系増粘剤;
(d)ヒアルロン酸・ヒアルロン酸誘導体・およびこれらの塩、コンドロイチン硫酸ナトリウム等のムコ多糖系増粘剤;
(e)コラーゲン等のアミノ酸系増粘剤;
(f)カラギーナン、アルギン酸塩、アルギン酸プロピレングリコールエステル、寒天のような海草類系増粘剤;
(g)キサンタンガム、ヒドロキシプロピルキサンタンガム、デキストラン、スクレロチウムガム、ジェランガム等の微生物系増粘剤;
(h)ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、(PEG−240/デシルテトレデセス−20/HDI)コポリマー、ベヘン酸グリセリル・オクタステアリン酸ポリグリセリル−6等のポリエチレングリコール系増粘剤;
(i)ヒドロキシプロピルデンプンリン酸、コーンスターチ等のデンプン系増粘剤;
(j)グアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム、ローカストビーンガム、ウェランガム、カラヤガム、ガティガム、タマリンドガム、ペクチン等の植物系増粘剤;
(k)デキストリン脂肪酸エステル、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー、トリイソステアリン酸エチレングリコール、トリイソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)メチルグルコシド、ベントナイト、マクロゴール、ジブチルエチルヘキサノイルグルタミド、ジブチルラウロイルグルタミド、ガゼインナトリウムなどのその他の水溶性高分子;
などをあげることができる。これらは単独で使用してもよく、また2種以上を混合して使用してもよい。
本発明の皮膚外用組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧品や医薬部外品に使用される公知の基剤または担体を含むことができる。基剤または担体は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明の皮膚外用組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、化粧品や医薬部外品に添加される公知の添加剤、たとえば、界面活性剤、保存剤、pH調整剤、キレート剤、安定化剤、刺激軽減剤、防腐剤、着色剤、分散剤、香料、パール光沢付与剤などを添加することができる。添加剤は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
本発明において、皮膚外用組成物には、本発明の効果を妨げない範囲で、老化防止成分、角質柔軟成分、細胞賦活化成分、ビタミン類、血行促進成分、保湿成分、DNAの損傷の予防および、/または修復作用を有する成分、紫外線散乱成分、洗浄成分、抗菌成分、収斂成分などの、化粧品や医薬部外品に添加しうる他の活性成分を配合することができる。他の活性成分は、1種を単独で、または2種以上を組み合わせて使用できる。
また、本発明における皮膚外用組成物は、各成分を常法に従って、たとえば、混合撹拌することにより調製できる。
1H−NMRスペクトルの測定は、核磁気共鳴装置(日本電子社製、JNM−ECP500)を用いて行った。より詳細には、1H−NMRスペクトルの測定は、溶媒としてDMSO−d6を用い、内部標準としてテトラメチルシランを用いて行った。
UVスペクトルの測定は、分光光度計(島津製作所社製、UV−4250)を用いて行った。より詳細には、UVスペクトルの測定は、溶媒としてエタノールを用い、試料溶液の濃度5ppmで、光路長1cmの石英セルを用いて行った。なお、吸光度は、Lambert−beerの法則に従って、Ioを空のセルの透過光強度、Iが試料セルの透過光強度とした場合、吸光度=−log10(I/I0)で算出した。また、得られたUVスペクトルにおける吸光度が最大となる波長をλmax(nm)とした。
得られた化合物(1)を、以下に示す試験溶媒に溶解させ、性状確認を行うとともに、試験溶媒100g対する25℃における溶解度(g/100g試験溶媒)を測定した。
・試験溶媒:ジプロピレングリコール、エタノール、および、精製水を、それぞれ10質量%、10質量%および、80質量%の量で含む混合溶媒(ただし、ジプロピレングリコール、エタノール、および、精製水の合計量を100質量%とする。)
・1.0以上(g/100g試験溶媒)の場合:親水性が特に高い
・0.2以上〜1.0未満(g/100g試験溶媒)の場合:親水性が高い
・0.1以上〜0.2未満(g/100g試験溶媒)の場合:親水性が乏しい
・0.1未満(g/100g試験溶媒)の場合、固体浮遊物のある場合:親水性がない
(化合物(1)の合成)
300mLナス型フラスコ中で、4−ヒドロキシベンズアルデヒド14.7g(120mmol)に、2−(2−クロロエトキシ)エタノール16.4g(132mmol)、炭酸カリウム33.2g(240mmol)、アセトニトリル150mLを加えて、105℃で14時間撹拌しながら加熱した。さらに、2−(2−クロロエトキシ)エタノール1.49g(12.0mmol)を加えて、105℃で30時間撹拌しながら加熱した。反応混合液が室温まで冷えた後、セライト濾過によって固形物を除去した。溶剤を減圧下にて留去し、白い固形物の混ざった黄色粘性物質を34.6g得た。
5−[4−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ]ベンジリデン]−3−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]ヒダントイン(化合物(1))
UVスペクトル:λmax;335nm、吸光度;0.43(エタノール)。
1H−NMRスペクトル:δ〔ppm、DMSO−d6〕=3.41−3.46(m,4H),3.48−3.53(m,4H),3.60(m,2H),3.64(m,2H),3.75(t,2H),4.15(t,2H),4.61(t,1H),4.67(t,1H),6.52(s,1H),6.99(d,2H),7.62(d,2H),10.71(s,1H)。
溶解度:2.0(g/100g試験溶媒)、親水性が特に高い。
(試験例1:抗酸化剤による光安定化効果)
下記表1の配合に基づき試験液を調製し、ポリメタクリル酸メチルプレート上に2mL/cm2をそれぞれ塗布した。そのうち、光を照射するプレート(照射試料)を、光照射装置であるサンテスター(SUNTEST XLS+;東洋精機製作所社製)を用いて、放射照度500W/m2で10分間光照射した。その間、光を照射しないプレート(未照射試料)は同温度(35±2℃)で同時間、暗所で保管した。その後、未照射試料および、照射試料を50mLのエタノールに浸し、それらを15分間超音波で処理することによって、化合物(1)を抽出した。
[式1]
[(照射試料のAUC)/(未照射試料のAUC)]×100 (%)
[式2]
[(各実施例の化合物(1)残存率)/(比較例の化合物(1)残存率)]×100)−100 (%)
(試験例2:紫外線吸収剤による光安定化効果)
下記表2の配合に基づき試験液を調製し、試験例1と同様の方法で化合物(1)の残存率を求めた。また、また、紫外線吸収剤はそれ自身が320−400nmにおいてUV吸収があるため、化合物(1)未配合の試料を別に調製し、同様にAUCを求めて、それらを差し引くことで、紫外線吸収剤自身のAUCの増加分が直接結果に影響しないように、式3に従い補正した。
[式3]
[(照射試料のAUC−化合物(1)未配合の照射試料のAUC)/(未照射試料のAUC−化合物(1)未配合の未照射試料のAUC)]×100(%)
上記表2からわかるように、上記紫外線吸収剤を併用することにより、化合物(1)の光安定性が向上することが確認された。
(用いた試薬)
・3,3’−カルボニルビス[4−ヒドロキシ−6−メトキシベンゼンスルホン酸]ジナトリウム(ユビナールDS49)
・ヒドロキシメトキシベンゾフェノンスルホン酸(ユビナールMS40)
・オクトクリレン(ユビナール539N)
(試験例3:増粘剤による光安定化効果)
下記表3の配合に基づき配合した試料を、約pH6〜7となるように調製し、ガラスバイアル(スクリューキャップ)に充填し、25℃で恒温化後、UV照射前の測定用サンプルとした。上記サンプルをサンテスター(SUNTEST XLS+;東洋精機製作所社製)を用いて、放射照度350W/m2で1時間光照射した。上記サンプルを25℃で恒温化後、ポリメタクリル酸メチルプレート上に2mL/cm2をそれぞれ塗布した。次いで、スペクトルメーター(ISV722 付属 JASCO社製 V−650 SPECTROPHOTOMETER)を用いて、UV照射サンプルの吸光度を測定し、化合物(1)の吸収極大である340nmにおける吸光度の変化率を式4により求めた。
[式4]
化合物(1)残存率(%)=[(照射後サンプルの吸光度)/(照射前サンプルの吸光度)]×100
(試験例4:美白剤、抗炎症剤による光安定化効果)
下記表4の配合に基づき配合した試料を調製し、ガラスバイアル(スクリューキャップ)に充填し、25℃で恒温化後、UV照射前の測定用サンプルとした。上記サンプルをサンテスター(SUNTEST XLS+;東洋精機製作所社製)を用いて、放射照度500W/m2で20分間光照射した。その後、エタノールにて100倍に希釈したサンプルを、1mLずつ24well plateに移し、マイクロプレートリーダーにて化合物(1)の吸収極大である340nmにおける吸光度を測定し、化合物(1)の変化率および、安定性向上率を試験例3と同様にして求めた。
上記表4からわかるように、上記美白剤、抗炎症剤を併用することにより、化合物(1)の光安定性が向上することが確認された。
(試験例5:紫外線吸収剤による紫外線吸収能増強効果)
下記表5の配合に基づき配合した試料を、約pH6〜7となるように調製し、ガラスバイアル(スクリューキャップ)に充填し、25℃で恒温化後、測定用サンプルとした。上記各サンプルをポリメタクリル酸メチルプレート上に2mL/cm2をそれぞれ塗布した。次いで、スペクトルメーター(ISV722 付属 JASCO社製 V−650 SPECTROPHOTOMETER)を用いて、上記各サンプルの吸光度を測定した。
(用いた試薬)
・パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル:ユビナールMC80
・2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル:ユビナールAプラス
図1〜3からわかるように、上記紫外線吸収剤を併用することにより、主に吸収極大における紫外線吸収能が向上していることが確認された。
(試験例6:紫外線吸収剤による紫外線吸収能評価)
下記表6〜10の配合に基づき配合した試料を、約pH6〜7となるように調製し、10mLガラスバイアル(スクリューキャップ)に10gずつ充填し、25℃で恒温化後、UV照射前の測定用サンプルとした。各サンプルを、ポリメタクリル酸メチルプレート上に2mL/cm2をそれぞれ塗布した。次いで、スペクトルメーター(ISV722 付属 JASCO社製 V−650 SPECTROPHOTOMETER)を用いて、各処方におけるスペクトルの変化(図4〜8)をみた。
上記表6〜10および図4〜8からわかるように、本願実施例である上記紫外線吸収剤(UV−B派吸収剤)と併用した場合であってもUV吸収能に悪影響を及ぼさないことも確認された。また、ガラスセル、石英セルいずれであっても特に値に影響がなかった。
(試験例7:美白剤、抗炎症剤による光安定化効果)
下記表11の配合に基づき配合した試料を、約pH6〜7となるように調製し、10mLガラスバイアル(スクリューキャップ)に10gずつ充填し、25℃で恒温化後、UV照射前の測定用サンプルとした。上記サンプルをサンテスター(SUNTEST XLS+;東洋精機製作所社製)を用いて、放射照度350W/m2で1時間光照射した。上記サンプルを25℃で恒温化後、ポリメタクリル酸メチルプレート上に2mL/cm2をそれぞれ塗布した。次いで、スペクトルメーター(ISV722 付属 JASCO社製 V−650 SPECTROPHOTOMETER)を用いて、UV照射サンプルの吸光度を測定し、紫外線照射前後における化合物(I)のスペクトルの変化をみた。
上記表11からわかるように、上記美白剤、抗炎症剤を併用することにより、化合物(1)の光安定性が向上することが確認された。
Claims (10)
- 一般式(I)で表されるベンジリデンアゾリジン誘導体またはその塩、
(構造式(I)中、nは1〜5の整数であり、A1は、O、S、またはN−A4であり、A2、A3および、A4は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシル基で置換されていてもよい炭素数1〜8のアルキル基、下記構造式(1)で表わされる官能基(1)、下記構造式(2)で表わされる官能基(2)、または下記構造式(3)で表わされる官能基(3)である(ただし、少なくともA2、A3および、A4のいずれかに1つ以上のヒドロキシル基を含むものとする)。また、nが2〜5の整数である場合、複数存在するA3−O−は、同一でも異なっていてもよい。)
(構造式(1)中、X1は、炭素数2〜4のアルキレン基であり、R1は、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であり、mは、1〜4の整数である。mが2〜4の整数である場合、複数存在するX1は、同一でも異なっていてもよい。)
(構造式(2)中、X2は、炭素数2〜4のアルキレン基であり、R2は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であり、pは1または2であり、qは、0〜4の整数であり、qが2〜4の整数である場合、複数存在するX2は、同一でも異なっていてもよい。)
(構造式(3)中、X3aおよび、X3bは、それぞれ独立に、炭素数2〜4のアルキレン基であり、R3aおよび、R3bは、それぞれ独立に炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基であり、rは1または2であり、sおよび、tは、それぞれ独立に0〜4の整数である。sが2〜4の整数である場合、複数存在するX3aは、同一でも異なっていてもよいし、tが2〜4の整数である場合、複数存在するX3bは、同一でも異なっていてもよい。)
ならびに、
紫外線吸収剤、抗酸化剤、美白有効成分、抗炎症成分、および、増粘成分からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする、皮膚外用組成物。 - 前記構造式(I)中、A2、A3および、A4のうち、少なくとも1つは、前記官能基(1)、前記官能基(2)、または前記官能基(3)であることを特徴とする、請求項1に記載の皮膚外用組成物。
- 前記構造式(I)中、A2および、/またはA3が、水素原子、ヒドロキシル基で置換された炭素数1〜8のアルキル基、前記官能基(1)、前記官能基(2)、または前記官能基(3)であることを特徴とする、請求項1または2に記載の皮膚外用組成物。
- 前記紫外線吸収剤が、桂皮酸誘導体、安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ベンジリデンショウノウ誘導体、トリアジン誘導体、フェニルベンゾイミダゾール誘導体、フェニルベンゾトリアゾール誘導体、アントラニル誘導体、イミダゾリジン誘導体、ベンザルマロナート誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、および、4,4−ジアリールブタジエン誘導体からなる群より選択される1種以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
- 前記抗酸化剤が、ビタミン系抗酸化剤、含硫抗酸化剤、フェノール系抗酸化剤、および、ポリフェノール系抗酸化剤からなる群より選択される1種以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
- 前記美白有効成分が、チロシナーゼ阻害剤、エンドセリン−1受容体阻害剤、チロシナーゼタンパク質分解促進剤、メラニン排出促進剤、および、メラニン輸送阻害剤からなる群より選択される1種以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
- 前記抗炎症成分が、アラントイン、カラミン、グリチルリチン酸およびその誘導体もしくはそれらの塩、グリチルレチン酸およびその誘導体もしくはそれらの塩、酸化亜鉛、グアイアズレン、塩酸ピリドキシン、メントール、カンフル、テレピン油、インドメタシン、ならびに、サリチル酸からなる群より選択される1種以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
- 前記増粘成分が、アクリル酸系増粘剤、ビニル系増粘剤、セルロース系増粘剤、ムコ多糖系増粘剤、アミノ酸系増粘剤、海藻類系増粘剤、微生物系増粘剤、ポリエチレングリコール系増粘剤、デンプン系増粘剤、および、植物系増粘剤からなる群より選択される1種以上である、請求項1〜5のいずれかに記載の皮膚外用組成物。
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