JP5794379B2 - 立体物検出装置及び立体物検出方法 - Google Patents

立体物検出装置及び立体物検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、立体物検出装置及び立体物検出方法に関するものである。
本出願は、2012年2月22日に出願された日本国特許出願の特願2012―036300に基づく優先権を主張するものであり、文献の参照による組み込みが認められる指定国については、上記の出願に記載された内容を参照により本出願に組み込み、本出願の記載の一部とする。
車両周囲を撮像した画像を俯瞰変換し、時間的に異なる二つの俯瞰変換画像の差分を用いて障害物を検出する障害物検出装置が知られている(特許文献1参照)。
特開2008−227646号公報
車両後方を撮像した画像を用いて自車両の走行車線の隣の隣接車線を走行する他車両を障害物として検出する際に、自車両の走行車線の路肩に設けられた植え込みやガードレール等の物体の映像を誤って隣接車線を走行する他車両の映像として誤認するという問題がある。特に、自車両の走行車線が狭い場合には、路肩に配置された物体の像が隣接車線に対応する領域に入ってしまうため、上記問題が起きやすい。
本発明が解決しようとする課題は、自車両の走行車線の路肩の物体を、自車両の走行車線の隣の隣接車線を走行する他車両として誤検出することを防止して、隣接車線を走行する他車両を高い精度で検出することができる立体物検出装置を提供することである。
本発明は、立体物の移動距離を算出する場合には第1検出領域を設定し、検出領域に存在する立体物を検出する場合には第1検出領域よりも面積が小さい第2検出領域を設定することにより、上記課題を解決する。
本発明は、立体物の移動距離を算出する場合には相対的に広い第1検出領域を設定し、立体物の存在を検出する場合には相対的に狭い第2検出領域を設定するので、自車両の走行車線の路肩の物体が検出領域に含まれることを防止するとともに、路肩に沿って所定周期で現れる物体の特徴が隣接車線の他車両の特徴として誤認される可能性を低くすることにより、自車両の走行車線の路肩の物体を自車両の走行車線の隣の隣接車線を走行する他車両として誤検出することを防止することができる。この結果、自車両の走行車線の隣の隣接車線を走行する他車両を、高い精度で検出する立体物検出装置を提供することができる。
本発明の立体物検出装置を適用した一実施の形態に係る車両の概略構成図である。 図1の車両の走行状態を示す平面図(差分波形情報による立体物検出)である。 図1の計算機の詳細を示すブロック図である。 図3の位置合わせ部の処理の概要を説明するための図であり、(a)は車両の移動状態を示す平面図、(b)は位置合わせの概要を示す画像である。 図3の立体物検出部による差分波形の生成の様子を示す概略図である。 図3の立体物検出部によって分割される小領域を示す図である。 図3の立体物検出部により得られるヒストグラムの一例を示す図である。 図3の立体物検出部による重み付けを示す図である。 図3のスミア検出部による処理及びそれによる差分波形の算出処理を示す図である。 図3の立体物検出部により得られるヒストグラムの他の例を示す図である。 図3の視点変換部、位置合わせ部、スミア検出部及び立体物検出部により実行される差分波形情報を用いた立体物検出方法を示すフローチャート(その1)である。 図3の視点変換部、位置合わせ部、スミア検出部及び立体物検出部により実行される差分波形情報を用いた立体物検出方法を示すフローチャート(その2)である。 図1の車両の走行状態を示す図(エッジ情報による立体物検出)であり、(a)は検出領域等の位置関係を示す平面図、(b)は実空間における検出領域等の位置関係を示す斜視図である。 図3の輝度差算出部の動作を説明するための図であり、(a)は鳥瞰視画像における注目線、参照線、注目点及び参照点の位置関係を示す図、(b)は実空間における注目線、参照線、注目点及び参照点の位置関係を示す図である。 図3の輝度差算出部の詳細な動作を説明するための図であり、(a)は鳥瞰視画像における検出領域を示す図、(b)は鳥瞰視画像における注目線、参照線、注目点及び参照点の位置関係を示す図である。 エッジ線とエッジ線上の輝度分布を示す図であり、(a)は検出領域に立体物(車両)が存在している場合の輝度分布を示す図、(b)は検出領域に立体物が存在しない場合の輝度分布を示す図である。 図3の視点変換部、輝度差算出部、エッジ線検出部及び立体物検出部により実行されるエッジ情報を用いた立体物検出方法を示すフローチャート(その1)である。 図3の視点変換部、輝度差算出部、エッジ線検出部及び立体物検出部により実行されるエッジ情報を用いた立体物検出方法を示すフローチャート(その2)である。 エッジ検出動作を説明するための画像例を示す図である。 2つの検出領域と路肩の物体を説明するための図である。 第1検出領域と第2検出領域の第1の例を示す図である。 第1検出領域と第2検出領域の第2の例を示す図である。 第1検出領域と第2検出領域の第3の例を示す図である。 第1検出領域と第2検出領域の第4の例を示す図である。 検出領域の設定の制御手順を示す他の例のフローチャートである。 図25の処理を説明するための第1の図である。 図25の処理を説明するための第2の図である。 検出領域の設定の制御手順を示すさらに他の例のフローチャートである。 図28の処理を説明するための図である。
図1は、本発明の立体物検出装置1を適用した一実施の形態に係る車両の概略構成図であり、本例の立体物検出装置1は、自車両Vの運転者が運転中に注意を払うべき他車両、例えば、自車両Vが車線変更する際に接触の可能性がある他車両を障害物として検出する装置である。特に、本例の立体物検出装置1は自車両が走行する車線の隣の隣接車線(以下、単に隣接車線ともいう)を走行する他車両を検出する。また、本例の立体物検出装置1は、検出した他車両の移動距離、移動速度を算出することができる。このため、以下説明する一例は、立体物検出装置1を自車両Vに搭載し、自車両周囲において検出される立体物のうち、自車両Vが走行する車線の隣の隣接車線を走行する他車両を検出する例を示すこととする。同図に示すように、本例の立体物検出装置1は、カメラ10と、車速センサ20と、計算機30とを備える。
カメラ10は、図1に示すように自車両Vの後方における高さhの箇所において、光軸が水平から下向きに角度θとなるように自車両Vに取り付けられている。カメラ10は、この位置から自車両Vの周囲環境のうちの所定領域を撮像する。本実施形態において自車両Vの後方の立体物を検出するために設けられるカメラ1は一つであるが、他の用途のため、例えば車両周囲の画像を取得するための他のカメラを設けることもできる。車速センサ20は、自車両Vの走行速度を検出するものであって、例えば車輪に回転数を検知する車輪速センサで検出した車輪速から車速度を算出する。計算機30は、車両後方の立体物を検出するとともに、本例ではその立体物について移動距離及び移動速度を算出する。
図2は、図1の自車両Vの走行状態を示す平面図である。同図に示すように、カメラ10は、所定の画角aで車両後方側を撮像する。このとき、カメラ10の画角aは、自車両Vが走行する車線に加えて、その左右の車線についても撮像可能な画角に設定されている。撮像可能な領域には、自車両Vの後方であり、自車両Vの走行車線の左右隣の隣接車線上の検出対象領域A1,A2を含む。
図3は、図1の計算機30の詳細を示すブロック図である。なお、図3においては、接続関係を明確とするためにカメラ10及び車速センサ20についても図示する。
図3に示すように、計算機30は、視点変換部31と、位置合わせ部32と、立体物検出部33と、検出領域設定部34と、スミア検出部40とを備える。本実施形態の計算部30は、差分波形情報を利用した立体物の検出ブロックに関する構成である。本実施形態の計算部30は、エッジ情報を利用した立体物の検出ブロックに関する構成とすることもできる。この場合は、図3に示す構成のうち、位置合わせ部32と、立体物検出部33から構成されるブロック構成Aを、破線で囲んだ輝度差算出部35と、エッジ線検出部36と、立体物検出部37から構成されるブロック構成Bと置き換えて構成することができる。もちろん、ブロック構成A及びブロック構成Bの両方を備え、差分波形情報を利用した立体物の検出を行うとともに、エッジ情報を利用した立体物の検出も行うことができるようにすることができる。ブロック構成A及びブロック構成Bを備える場合には、例えば明るさなどの環境要因に応じてブロック構成A又はブロック構成Bのいずれかを動作させることができる。以下、各構成について説明する。
《差分波形情報による立体物の検出》
本実施形態の立体物検出装置1は、車両後方を撮像する単眼のカメラ1により得られた画像情報に基づいて車両後方の右側隣接車線の検出領域A1又は左側隣接車線の検出領域A2に存在する立体物を検出する。検出領域設定部34は、撮像された画像情報内であって、自車両Vの後方の右側及び左側のそれぞれに検出領域A1,A2を設定する。この検出領域A2,A2の位置は特に限定されず、また、処理条件に応じて適宜に設定することができる。特に、本実施形態の検出領域設定部34は、検出領域A1,A2のそれぞれについて、相対的に面積の大きい第1検出領域及び相対的に面積の小さい第2検出領域を有し、第1検出領域又は第2検出領域のいずれかを選択して設定することができる。後に詳述するが、本実施形態の検出領域設定部34は、立体物の存在を検出する際には相対的に面積の小さい第2検出領域を選択及び設定し、立体物の速度を検出する際には相対的に面積の大きい第1検出領域を選択及び設定する。つまり、立体物の存在を検出する処理において、立体物検出部33は、検出領域設定部34により設定された相対的に面積の小さい第2検出領域の画像情報に基づいて立体物の存否を判断し、立体物の移動距離、及び移動速度を検出する処理においては、検出領域設定部34により設定された相対的に面積の大きい第1検出領域の画像情報に基づいて移動速度を算出する。検出領域設定部34は、立体物検出部33(37)の要求に応じて、第1検出領域と第2検出領域を設定することができる。
また、本実施形態の検出領域設定部34は、検出領域A1,A2のそれぞれを設定する際に、車両後方の右側に設定された検出領域A1の第2検出領域を、車両後方の右側に設定された第1検出領域のうち車両前方側の右端に位置する頂点を含む領域を欠損させた領域とし、車両後方の左側に設定された検出領域A2の第2検出領域を、車両後方の左側に設定された第1検出領域のうち車両前方側の左端に位置する頂点を含む領域を欠損させた領域とする。後に詳述するが、本実施形態の検出領域設定部34は、立体物の存在を検出する際には右端又は左端に位置する頂点を含む領域を欠損させた第2検出領域を選択及び設定し、立体物の速度を検出する際には上記頂点を含む領域が欠損されていない第1検出領域を選択及び設定する。
本実施形態の検出領域設定部34は、検出領域A1,A2のそれぞれを設定する際に、第1の検出領域と、この第1検出領域のうちカメラ10の設置位置から車両の側方方向の距離が所定距離以上の領域、つまり第1検出領域の外側(路肩側)の領域を欠損させた(車幅方向に狭めた)第2検出領域とを含む検出領域を設定する。
次に、視点変換部について説明する。視点変換部31は、カメラ10による撮像にて得られた所定領域の撮像画像データを入力し、入力した撮像画像データを鳥瞰視される状態の鳥瞰画像データに視点変換する。鳥瞰視される状態とは、上空から例えば鉛直下向きに見下ろす仮想カメラの視点から見た状態である。この視点変換は、例えば特開2008−219063号公報に記載されるようにして実行することができる。撮像画像データを鳥瞰視画像データに視点変換するのは、立体物に特有の鉛直エッジは鳥瞰視画像データへの視点変換により特定の定点を通る直線群に変換されるという原理に基づき、これを利用すれば平面物と立体物とを識別できるからである。なお、視点変換部31による画像変換処理の結果は、後述するエッジ情報による立体物の検出においても利用される。
位置合わせ部32は、視点変換部31の視点変換により得られた鳥瞰画像データを順次入力し、入力した異なる時刻の鳥瞰画像データの位置を合わせる。図4は、位置合わせ部32の処理の概要を説明するための図であり、(a)は自車両Vの移動状態を示す平面図、(b)は位置合わせの概要を示す画像である。
図4(a)に示すように、現時刻の自車両VがV1に位置し、一時刻前の自車両VがV2に位置していたとする。また、自車両Vの後側方向に他車両VXが位置して自車両Vと並走状態にあり、現時刻の他車両VXがV3に位置し、一時刻前の他車両VXがV4に位置していたとする。さらに、自車両Vは、一時刻で距離d移動したものとする。なお、一時刻前とは、現時刻から予め定められた時間(例えば1制御周期)だけ過去の時刻であってもよいし、任意の時間だけ過去の時刻であってもよい。
このような状態において、現時刻における鳥瞰画像PBは図4(b)に示すようになる。この鳥瞰画像PBでは、路面上に描かれる白線については矩形状となり、比較的正確に平面視された状態となるが、位置V3にある他車両VXの位置については倒れ込みが発生する。また、一時刻前における鳥瞰画像PBt−1についても同様に、路面上に描かれる白線については矩形状となり、比較的正確に平面視された状態となるが、位置V4にある他車両VXについては倒れ込みが発生する。既述したとおり、立体物の鉛直エッジ(厳密な意味の鉛直エッジ以外にも路面から三次元空間に立ち上がったエッジを含む)は、鳥瞰視画像データへの視点変換処理によって倒れ込み方向に沿った直線群として現れるのに対し、路面上の平面画像は鉛直エッジを含まないので、視点変換してもそのような倒れ込みが生じないからである。
位置合わせ部32は、上記のような鳥瞰画像PB,PBt−1の位置合わせをデータ上で実行する。この際、位置合わせ部32は、一時刻前における鳥瞰画像PBt−1をオフセットさせ、現時刻における鳥瞰画像PBと位置を一致させる。図4(b)の左側の画像と中央の画像は、移動距離d’だけオフセットした状態を示す。このオフセット量d’は、図4(a)に示した自車両Vの実際の移動距離dに対応する鳥瞰視画像データ上の移動量であり、車速センサ20からの信号と一時刻前から現時刻までの時間に基づいて決定される。
また、位置合わせ後において位置合わせ部32は、鳥瞰画像PB,PBt−1の差分をとり、差分画像PDのデータを生成する。ここで、差分画像PDの画素値は、鳥瞰画像PB,PBt−1の画素値の差を絶対値化したものでもよいし、照度環境の変化に対応するために当該絶対値が所定の閾値pを超えたときに「1」とし、超えないときに「0」としてもよい。図4(b)の右側の画像が、差分画像PDである。
図3に戻り、立体物検出部33は、図4(b)に示す差分画像PDのデータに基づいて立体物を検出する。この際、本例の立体物検出部33は、実空間上における立体物の移動距離についても算出する。立体物の検出及び移動距離の算出にあたり、立体物検出部33は、まず差分波形を生成する。なお、立体物の時間あたりの移動距離は、立体物の移動速度の算出に用いられる。そして、立体物の移動速度は、立体物が車両であるか否かの判断に用いることができる。
差分波形の生成にあたって本実施形態の立体物検出部33は、差分画像PDにおいて検出領域を設定する。本例の立体物検出装置1は、自車両Vの運転手が注意を払う他車両であり、特に、自車両Vが車線変更する際に接触の可能性がある自車両Vが走行する車線の隣の車線を走行する他車両を検出対象物として検出する。このため、画像情報に基づいて立体物を検出する本例では、カメラ1により得られた画像のうち、自車両Vの右側及び左側に二つの検出領域を設定する。具体的に、本実施形態では、図2に示すように自車両Vの後方の左側及び右側に矩形状の検出領域A1,A2を設定する。この検出領域A1,A2において検出された他車両は、自車両Vが走行する車線の隣の隣接車線を走行する障害物として検出される。なお、このような検出領域A1,A2は、自車両Vに対する相対位置から設定してもよいし、白線の位置を基準に設定してもよい。白線の位置を基準に設定する場合に、移動距離検出装置1は、例えば既存の白線認識技術等を利用するとよい。
また、立体物検出部33は、設定した検出領域A1,A2の自車両V側における辺(走行方向に沿う辺)を接地線L1,L2(図2)として認識する。一般に接地線は立体物が地面に接触する線を意味するが、本実施形態では地面に接触する線でなく上記の如くに設定される。なおこの場合であっても、経験上、本実施形態に係る接地線と、本来の他車両VXの位置から求められる接地線との差は大きくなり過ぎず、実用上は問題が無い。
図5は、図3に示す立体物検出部33による差分波形の生成の様子を示す概略図である。図5に示すように、立体物検出部33は、位置合わせ部32で算出した差分画像PD(図4(b)の右図)のうち検出領域A1,A2に相当する部分から、差分波形DWを生成する。この際、立体物検出部33は、視点変換により立体物が倒れ込む方向に沿って、差分波形DWを生成する。なお、図5に示す例では、便宜上検出領域A1のみを用いて説明するが、検出領域A2についても同様の手順で差分波形DWを生成する。
具体的に説明すると、立体物検出部33は、差分画像DWのデータ上において立体物が倒れ込む方向上の線Laを定義する。そして、立体物検出部33は、線La上において所定の差分を示す差分画素DPの数をカウントする。ここで、所定の差分を示す差分画素DPは、差分画像DWの画素値が鳥瞰画像PB,PBt−1の画素値の差を絶対値化したものである場合は、所定の閾値を超える画素であり、差分画像DWの画素値が「0」「1」で表現されている場合は、「1」を示す画素である。
立体物検出部33は、差分画素DPの数をカウントした後、線Laと接地線L1との交点CPを求める。そして、立体物検出部33は、交点CPとカウント数とを対応付け、交点CPの位置に基づいて横軸位置、すなわち図5右図の上下方向軸における位置を決定するとともに、カウント数から縦軸位置、すなわち図5右図の左右方向軸における位置を決定し、交点CPにおけるカウント数としてプロットする。
以下同様に、立体物検出部33は、立体物が倒れ込む方向上の線Lb,Lc…を定義して、差分画素DPの数をカウントし、各交点CPの位置に基づいて横軸位置を決定し、カウント数(差分画素DPの数)から縦軸位置を決定しプロットする。立体物検出部33は、上記を順次繰り返して度数分布化することで、図5右図に示すように差分波形DWを生成する。
なお、図5左図に示すように、立体物が倒れ込む方向上の線Laと線Lbとは検出領域A1と重複する距離が異なっている。このため、検出領域A1が差分画素DPで満たされているとすると、線Lb上よりも線La上の方が差分画素DPの数が多くなる。このため、立体物検出部33は、差分画素DPのカウント数から縦軸位置を決定する場合に、立体物が倒れ込む方向上の線La,Lbと検出領域A1とが重複する距離に基づいて正規化する。具体例を挙げると、図5左図において線La上の差分画素DPは6つあり、線Lb上の差分画素DPは5つである。このため、図5においてカウント数から縦軸位置を決定するにあたり、立体物検出部33は、カウント数を重複距離で除算するなどして正規化する。これにより、差分波形DWに示すように、立体物が倒れ込む方向上の線La,Lbに対応する差分波形DWの値はほぼ同じとなっている。
差分波形DWの生成後、立体物検出部33は一時刻前の差分波形DWt−1との対比により移動距離を算出する。すなわち、立体物検出部33は、差分波形DW,DWt−1の時間変化から移動距離を算出する。
詳細に説明すると、立体物検出部33は、図6に示すように差分波形DWを複数の小領域DWt1〜DWtn(nは2以上の任意の整数)に分割する。図6は、立体物検出部33によって分割される小領域DWt1〜DWtnを示す図である。小領域DWt1〜DWtnは、例えば図6に示すように、互いに重複するようにして分割される。例えば小領域DWt1と小領域DWt2とは重複し、小領域DWt2と小領域DWt3とは重複する。
次いで、立体物検出部33は、小領域DWt1〜DWtn毎にオフセット量(差分波形の横軸方向(図6の上下方向)の移動量)を求める。ここで、オフセット量は、一時刻前における差分波形DWt−1と現時刻における差分波形DWとの差(横軸方向の距離)から求められる。この際、立体物検出部33は、小領域DWt1〜DWtn毎に、一時刻前における差分波形DWt−1を横軸方向に移動させた際に、現時刻における差分波形DWとの誤差が最小となる位置(横軸方向の位置)を判定し、差分波形DWt−1の元の位置と誤差が最小となる位置との横軸方向の移動量をオフセット量として求める。そして、立体物検出部33は、小領域DWt1〜DWtn毎に求めたオフセット量をカウントしてヒストグラム化する。
図7は、立体物検出部33により得られるヒストグラムの一例を示す図である。図7に示すように、各小領域DWt1〜DWtnと一時刻前における差分波形DWt−1との誤差が最小となる移動量であるオフセット量には、多少のバラつきが生じる。このため、立体物検出部33は、バラつきを含んだオフセット量をヒストグラム化し、ヒストグラムから移動距離を算出する。この際、立体物検出部33は、ヒストグラムの極大値から立体物の移動距離を算出する。すなわち、図7に示す例において立体物検出部33は、ヒストグラムの極大値を示すオフセット量を移動距離τと算出する。なおこの移動距離τは、自車両Vに対する他車両VXの相対移動距離である。このため、立体物検出部33は、絶対移動距離を算出する場合には、得られた移動距離τと車速センサ20からの信号とに基づいて、絶対移動距離を算出することとなる。
なお、ヒストグラム化にあたり立体物検出部33は、複数の小領域DWt1〜DWtn毎に重み付けをし、小領域DWt1〜DWtn毎に求めたオフセット量を重みに応じてカウントしてヒストグラム化してもよい。図8は、立体物検出部33による重み付けを示す図である。
図8に示すように、小領域DW(mは1以上n−1以下の整数)は平坦となっている。すなわち、小領域DWは所定の差分を示す画素数のカウントの最大値と最小値との差が小さくなっている。立体物検出部33は、このような小領域DWについて重みを小さくする。平坦な小領域DWについては、特徴がなくオフセット量の算出にあたり誤差が大きくなる可能性が高いからである。
一方、小領域DWm+k(kはn−m以下の整数)は起伏に富んでいる。すなわち、小領域DWは所定の差分を示す画素数のカウントの最大値と最小値との差が大きくなっている。立体物検出部33は、このような小領域DWについて重みを大きくする。起伏に富む小領域DWm+kについては、特徴的でありオフセット量の算出を正確に行える可能性が高いからである。このように重み付けすることにより、移動距離の算出精度を向上することができる。
なお、移動距離の算出精度を向上するために上記実施形態では差分波形DWを複数の小領域DWt1〜DWtnに分割したが、移動距離の算出精度がさほど要求されない場合は小領域DWt1〜DWtnに分割しなくてもよい。この場合に、立体物検出部33は、差分波形DWと差分波形DWt−1との誤差が最小となるときの差分波形DWのオフセット量から移動距離を算出することとなる。すなわち、一時刻前における差分波形DWt−1と現時刻における差分波形DWとのオフセット量を求める方法は上記内容に限定されない。
図3に戻り、計算機30はスミア検出部40を備える。スミア検出部40は、カメラ10による撮像によって得られた撮像画像のデータからスミアの発生領域を検出する。なお、スミアはCCDイメージセンサ等に生じる白飛び現象であることから、こうしたスミアが生じないCMOSイメージセンサ等を用いたカメラ10を採用する場合にはスミア検出部40を省略してもよい。
図9は、スミア検出部40による処理及びそれによる差分波形DWの算出処理を説明するための画像図である。まずスミア検出部40にスミアSが存在する撮像画像Pのデータが入力されたとする。このとき、スミア検出部40は、撮像画像PからスミアSを検出する。スミアSの検出方法は様々であるが、例えば一般的なCCD(Charge-Coupled Device)カメラの場合、光源から画像下方向にだけスミアSが発生する。このため、本実施形態では画像下側から画像上方に向かって所定値以上の輝度値を持ち、且つ、縦方向に連続した領域を検索し、これをスミアSの発生領域と特定する。
また、スミア検出部40は、スミアSの発生箇所について画素値を「1」とし、それ以外の箇所を「0」とするスミア画像SPのデータを生成する。生成後、スミア検出部40はスミア画像SPのデータを視点変換部31に送信する。また、スミア画像SPのデータを入力した視点変換部31は、このデータを鳥瞰視される状態に視点変換する。これにより、視点変換部31はスミア鳥瞰画像SBのデータを生成する。生成後、視点変換部31はスミア鳥瞰画像SBのデータを位置合わせ部33に送信する。また、視点変換部31は一時刻前のスミア鳥瞰画像SBt−1のデータを位置合わせ部33に送信する。
位置合わせ部32は、スミア鳥瞰画像SB,SBt−1の位置合わせをデータ上で実行する。具体的な位置合わせについては、鳥瞰画像PB,PBt−1の位置合わせをデータ上で実行する場合と同様である。また、位置合わせ後、位置合わせ部32は、各スミア鳥瞰画像SB,SBt−1のスミアSの発生領域について論理和をとる。これにより、位置合わせ部32は、マスク画像MPのデータを生成する。生成後、位置合わせ部32は、マスク画像MPのデータを立体物検出部33に送信する。
立体物検出部33は、マスク画像MPのうちスミアSの発生領域に該当する箇所について、度数分布のカウント数をゼロとする。すなわち、図9に示すような差分波形DWが生成されていた場合に、立体物検出部33は、スミアSによるカウント数SCをゼロとし、補正された差分波形DW’を生成することとなる。
なお、本実施形態において立体物検出部33は、車両V(カメラ10)の移動速度を求め、求めた移動速度から静止物についてのオフセット量を求める。静止物のオフセット量を求めた後、立体物検出部33は、ヒストグラムの極大値のうち静止物に該当するオフセット量を無視したうえで、立体物の移動距離を算出する。
図10は、立体物検出部33により得られるヒストグラムの他例を示す図である。カメラ10の画角内に他車両VXの他に静止物が存在する場合に、得られるヒストグラムには2つの極大値τ1,τ2が現れる。この場合、2つの極大値τ1,τ2のうち、いずれか一方は静止物のオフセット量である。このため、立体物検出部33は、移動速度から静止物についてのオフセット量を求め、そのオフセット量に該当する極大値について無視し、残り一方の極大値を採用して立体物の移動距離を算出する。
なお、静止物に該当するオフセット量を無視したとしても、極大値が複数存在する場合、カメラ10の画角内に他車両VXが複数台存在すると想定される。しかし、検出領域A1,A2内に複数の他車両VXが存在することは極めて稀である。このため、立体物検出部33は、移動距離の算出を中止する。
次に差分波形情報による立体物検出手順を説明する。図11及び図12は、本実施形態の立体物検出手順を示すフローチャートである。図11に示すように、先ずステップS0において、計算機30は所定のルールに基づいて検出領域を設定する。この検出領域の設定手法については後に詳述する。そして、計算機30は、カメラ10による撮像画像Pのデータを入力し、スミア検出部40によりスミア画像SPを生成する(S1)。次いで、視点変換部31は、カメラ10からの撮像画像Pのデータから鳥瞰画像PBのデータを生成すると共に、スミア画像SPのデータからスミア鳥瞰画像SBのデータを生成する(S2)。
そして、位置合わせ部33は、鳥瞰画像PBのデータと、一時刻前の鳥瞰画像PBt−1のデータとを位置合わせすると共に、スミア鳥瞰画像SBのデータと、一時刻前のスミア鳥瞰画像SBt−1のデータとを位置合わせする(S3)。この位置合わせ後、位置合わせ部33は、差分画像PDのデータを生成すると共に、マスク画像MPのデータを生成する(S4)。その後、立体物検出部33は、差分画像PDのデータと、一時刻前の差分画像PDt−1のデータとから、差分波形DWを生成する(S5)。差分波形DWを生成後、立体物検出部33は、差分波形DWのうち、スミアSの発生領域に該当するカウント数をゼロとし、スミアSによる影響を抑制する(S6)。
その後、立体物検出部33は、差分波形DWのピークが第1閾値α以上であるか否かを判断する(S7)。ここで、差分波形DWのピークが第1閾値α以上でない場合、すなわち差分が殆どない場合には、撮像画像P内には立体物が存在しないと考えられる。このため、差分波形DWのピークが第1閾値α以上でないと判断した場合には(S7:NO)、立体物検出部33は、立体物が存在せず、障害物としての他車両が存在しないと判断する(図12:S16)。そして、図11及び図12に示す処理を終了する。
一方、差分波形DWのピークが第1閾値α以上であると判断した場合には(S7:YES)、立体物検出部33は、立体物が存在すると判断し、差分波形DWを複数の小領域DWt1〜DWtnに分割する(S8)。次いで、立体物検出部33は、小領域DWt1〜DWtn毎に重み付けを行う(S9)。その後、立体物検出部33は、小領域DWt1〜DWtn毎のオフセット量を算出し(S10)、重みを加味してヒストグラムを生成する(S11)。
そして、立体物検出部33は、ヒストグラムに基づいて自車両Vに対する立体物の移動距離である相対移動距離を算出する(S12)。次に、立体物検出部33は、相対移動距離から立体物の絶対移動速度を算出する(S13)。このとき、立体物検出部33は、相対移動距離を時間微分して相対移動速度を算出すると共に、車速センサ20で検出された自車速を加算して、絶対移動速度を算出する。
その後、立体物検出部33は、立体物の絶対移動速度が10km/h以上、且つ、立体物の自車両Vに対する相対移動速度が+60km/h以下であるか否かを判断する(S14)。双方を満たす場合には(S14:YES)、立体物検出部33は、立体物が他車両VXであると判断する(S15)。そして、図11及び図12に示す処理を終了する。一方、いずれか一方でも満たさない場合には(S14:NO)、立体物検出部33は、他車両が存在しないと判断する(S16)。そして、図11及び図12に示す処理を終了する。
本実施形態では、立体物が検出領域内に存在するか否かを判断する処理の後に立体物の移動速度(移動距離)を算出する処理を行う例を示すが、この順序は特に限定されない。つまり、立体物の移動速度が所定値域内である場合に、差分波形情報に基づいて立体物の検出処理を行ってもよい。また、立体物の検出(存否)処理と立体物の移動速度の算出処理を同時に並行して行ってもよい。
なお、本実施形態では自車両Vの後側方を検出領域A1,A2とし、自車両Vが走行中に注意を払うべきである自車両の走行車線の隣を走行する隣接車線を走行する他車両VXを検出すること、特に、自車両Vが車線変更した場合に接触する可能性がある否かに重点を置いている。自車両Vが車線変更した場合に、自車両の走行車線の隣の隣接車線を走行する他車両VXと接触する可能性がある否かを判断するためである。このため、ステップS14の処理が実行されている。すなわち、本実施形態にけるシステムを高速道路で作動させることを前提とすると、立体物の速度が10km/h未満である場合、たとえ他車両VXが存在したとしても、車線変更する際には自車両Vの遠く後方に位置するため問題となることが少ない。同様に、立体物の自車両Vに対する相対移動速度が+60km/hを超える場合(すなわち、立体物が自車両Vの速度よりも60km/hより大きな速度で移動している場合)、車線変更する際には自車両Vの前方に移動しているため問題となることが少ない。このため、ステップS14では車線変更の際に問題となる他車両VXを判断しているともいえる。
また、ステップS14において立体物の絶対移動速度が10km/h以上、且つ、立体物の自車両Vに対する相対移動速度が+60km/h以下であるかを判断することにより、以下の効果がある。例えば、カメラ10の取り付け誤差によっては、静止物の絶対移動速度を数km/hであると検出してしまう場合があり得る。よって、10km/h以上であるかを判断することにより、静止物を他車両VXであると判断してしまう可能性を低減することができる。また、ノイズによっては立体物の自車両Vに対する相対速度を+60km/hを超える速度に検出してしまうことがあり得る。よって、相対速度が+60km/h以下であるかを判断することにより、ノイズによる誤検出の可能性を低減できる。
さらに、ステップS14の処理に代えて、絶対移動速度がマイナスでないことや、0km/hでないことを判断してもよい。また、本実施形態では自車両Vが車線変更した場合に接触する可能性がある否かに重点を置いているため、ステップS15において他車両VXが検出された場合に、自車両の運転者に警告音を発したり、所定の表示装置により警告相当の表示を行ったりしてもよい。
このように、本例の差分波形情報による立体物の検出手順によれば、視点変換により立体物が倒れ込む方向に沿って、差分画像PDのデータ上において所定の差分を示す画素数をカウントして度数分布化することで差分波形DWを生成する。ここで、差分画像PDのデータ上において所定の差分を示す画素とは、異なる時刻の画像において変化があった画素であり、言い換えれば立体物が存在した箇所であるといえる。このため、立体物が存在した箇所において、立体物が倒れ込む方向に沿って画素数をカウントして度数分布化することで差分波形DWを生成することとなる。特に、立体物が倒れ込む方向に沿って画素数をカウントすることから、立体物に対して高さ方向の情報から差分波形DWを生成することとなる。そして、高さ方向の情報を含む差分波形DWの時間変化から立体物の移動距離を算出する。このため、単に1点の移動のみに着目するような場合と比較して、時間変化前の検出箇所と時間変化後の検出箇所とは高さ方向の情報を含んで特定されるため立体物において同じ箇所となり易く、同じ箇所の時間変化から移動距離を算出することとなり、移動距離の算出精度を向上させることができる。
また、差分波形DWのうちスミアSの発生領域に該当する箇所について、度数分布のカウント数をゼロとする。これにより、差分波形DWのうちスミアSによって生じる波形部位を除去することとなり、スミアSを立体物と誤認してしまう事態を防止することができる。
また、異なる時刻に生成された差分波形DWの誤差が最小となるときの差分波形DWのオフセット量から立体物の移動距離を算出する。このため、波形という1次元の情報のオフセット量から移動距離を算出することとなり、移動距離の算出にあたり計算コストを抑制することができる。
また、異なる時刻に生成された差分波形DWを複数の小領域DWt1〜DWtnに分割する。このように複数の小領域DWt1〜DWtnに分割することによって、立体物のそれぞれの箇所を表わした波形を複数得ることとなる。また、小領域DWt1〜DWtn毎にそれぞれの波形の誤差が最小となるときのオフセット量を求め、小領域DWt1〜DWtn毎に求めたオフセット量をカウントしてヒストグラム化することにより、立体物の移動距離を算出する。このため、立体物のそれぞれの箇所毎にオフセット量を求めることとなり、複数のオフセット量から移動距離を求めることとなり、移動距離の算出精度を向上させることができる。
また、複数の小領域DWt1〜DWtn毎に重み付けをし、小領域DWt1〜DWtn毎に求めたオフセット量を重みに応じてカウントしてヒストグラム化する。このため、特徴的な領域については重みを大きくし、特徴的でない領域については重みを小さくすることにより、一層適切に移動距離を算出することができる。従って、移動距離の算出精度を一層向上させることができる。
また、差分波形DWの各小領域DWt1〜DWtnについて、所定の差分を示す画素数のカウントの最大値と最小値との差が大きいほど、重みを大きくする。このため、最大値と最小値との差が大きい特徴的な起伏の領域ほど重みが大きくなり、起伏が小さい平坦な領域については重みが小さくなる。ここで、平坦な領域よりも起伏の大きい領域の方が形状的にオフセット量を正確に求めやすいため、最大値と最小値との差が大きい領域ほど重みを大きくすることにより、移動距離の算出精度を一層向上させることができる。
また、小領域DWt1〜DWtn毎に求めたオフセット量をカウントして得られたヒストグラムの極大値から、立体物の移動距離を算出する。このため、オフセット量にバラつきがあったとしても、その極大値から、より正確性の高い移動距離を算出することができる。
また、静止物についてのオフセット量を求め、このオフセット量を無視するため、静止物により立体物の移動距離の算出精度が低下してしまう事態を防止することができる。また、静止物に該当するオフセット量を無視したうえで、極大値が複数ある場合、立体物の移動距離の算出を中止する。このため、極大値が複数あるような誤った移動距離を算出してしまう事態を防止することができる。
なお上記実施形態において、自車両Vの車速を車速センサ20からの信号に基づいて判断しているが、これに限らず、異なる時刻の複数の画像から速度を推定するようにしてもよい。この場合、車速センサが不要となり、構成の簡素化を図ることができる。
また、上記実施形態においては撮像した現時刻の画像と一時刻前の画像とを鳥瞰図に変換し、変換した鳥瞰図の位置合わせを行ったうえで差分画像PDを生成し、生成した差分画像PDを倒れ込み方向(撮像した画像を鳥瞰図に変換した際の立体物の倒れ込み方向)に沿って評価して差分波形DWを生成しているが、これに限定されない。例えば、一時刻前の画像のみを鳥瞰図に変換し、変換した鳥瞰図を位置合わせした後に再び撮像した画像相当に変換し、この画像と現時刻の画像とで差分画像を生成し、生成した差分画像を倒れ込み方向に相当する方向(すなわち、倒れ込み方向を撮像画像上の方向に変換した方向)に沿って評価することによって差分波形DWを生成してもよい。すなわち、現時刻の画像と一時刻前の画像との位置合わせを行い、位置合わせを行った両画像の差分から差分画像PDを生成し、差分画像PDを鳥瞰図に変換した際の立体物の倒れ込み方向に沿って評価できれば、必ずしも明確に鳥瞰図を生成しなくともよい。
《エッジ情報による立体物の検出》
次に、図3に示すブロックAに代えて動作させることが可能である、輝度差算出部35、エッジ線検出部36及び立体物検出部37で構成されるエッジ情報を利用した立体物の検出ブロックBについて説明する。図13は、図3のカメラ10の撮像範囲等を示す図であり、図13(a)は平面図、図13(b)は、自車両Vから後側方における実空間上の斜視図を示す。図13(a)に示すように、カメラ10は所定の画角aとされ、この所定の画角aに含まれる自車両Vから後側方を撮像する。カメラ10の画角aは、図2に示す場合と同様に、カメラ10の撮像範囲に自車両Vが走行する車線に加えて、隣接する車線も含まれるように設定されている。
本例の検出領域A1,A2は、平面視(鳥瞰視された状態)において台形状とされ、これら検出領域A1,A2の位置、大きさ及び形状は、距離d〜dに基づいて決定される。なお、同図に示す例の検出領域A1,A2は台形状に限らず、図2に示すように鳥瞰視された状態で矩形など他の形状であってもよい。なお、本実施形態における検出領域設定部34も、先述した手法により検出領域A1,A2を設定することができる。
ここで、距離d1は、自車両Vから接地線L1,L2までの距離である。接地線L1,L2は、自車両Vが走行する車線に隣接する車線に存在する立体物が地面に接触する線を意味する。本実施形態においては、自車両Vの後側方において自車両Vの車線に隣接する左右の車線を走行する他車両VX等(2輪車等を含む)を検出することが目的である。このため、自車両Vから白線Wまでの距離d11及び白線Wから他車両VXが走行すると予測される位置までの距離d12から、他車両VXの接地線L1,L2となる位置である距離d1を略固定的に決定しておくことができる。
また、距離d1については、固定的に決定されている場合に限らず、可変としてもよい。この場合に、計算機30は、白線認識等の技術により自車両Vに対する白線Wの位置を認識し、認識した白線Wの位置に基づいて距離d11を決定する。これにより、距離d1は、決定された距離d11を用いて可変的に設定される。以下の本実施形態においては、他車両VXが走行する位置(白線Wからの距離d12)及び自車両Vが走行する位置(白線Wからの距離d11)は大凡決まっていることから、距離d1は固定的に決定されているものとする。
距離d2は、自車両Vの後端部から車両進行方向に伸びる距離である。この距離d2は、検出領域A1,A2が少なくともカメラ10の画角a内に収まるように決定されている。特に本実施形態において、距離d2は、画角aに区分される範囲に接するよう設定されている。距離d3は、検出領域A1,A2の車両進行方向における長さを示す距離である。この距離d3は、検出対象となる立体物の大きさに基づいて決定される。本実施形態においては、検出対象が他車両VX等であるため、距離d3は、他車両VXを含む長さに設定される。
距離d4は、図13(b)に示すように、実空間において他車両VX等のタイヤを含むように設定された高さを示す距離である。距離d4は、鳥瞰視画像においては図13(a)に示す長さとされる。なお、距離d4は、鳥瞰視画像において左右の隣接車線よりも更に隣接する車線(すなわち2車線隣りの車線)を含まない長さとすることもできる。自車両Vの車線から2車線隣の車線を含んでしまうと、自車両Vが走行している車線である自車線の左右の隣接車線に他車両VXが存在するのか、2車線隣りの車線に他車両VXが存在するのかについて、区別が付かなくなってしまうためである。
以上のように、距離d1〜距離d4が決定され、これにより検出領域A1,A2の位置、大きさ及び形状が決定される。具体的に説明すると、距離d1により、台形をなす検出領域A1,A2の上辺b1の位置が決定される。距離d2により、上辺b1の始点位置C1が決定される。距離d3により、上辺b1の終点位置C2が決定される。カメラ10から始点位置C1に向かって伸びる直線L3により、台形をなす検出領域A1,A2の側辺b2が決定される。同様に、カメラ10から終点位置C2に向かって伸びる直線L4により、台形をなす検出領域A1,A2の側辺b3が決定される。距離d4により、台形をなす検出領域A1,A2の下辺b4の位置が決定される。このように、各辺b1〜b4により囲まれる領域が検出領域A1,A2とされる。この検出領域A1,A2は、図13(b)に示すように、自車両Vから後側方における実空間上では真四角(長方形)となる。
図3に戻り、視点変換部31は、カメラ10による撮像にて得られた所定領域の撮像画像データを入力する。視点変換部31は、入力した撮像画像データに対して、鳥瞰視される状態の鳥瞰画像データに視点変換処理を行う。鳥瞰視される状態とは、上空から例えば鉛直下向き(又は、やや斜め下向き)に見下ろす仮想カメラの視点から見た状態である。この視点変換処理は、例えば特開2008−219063号公報に記載された技術によって実現することができる。
輝度差算出部35は、鳥瞰視画像に含まれる立体物のエッジを検出するために、視点変換部31により視点変換された鳥瞰視画像データに対して、輝度差の算出を行う。輝度差算出部35は、実空間における鉛直方向に伸びる鉛直仮想線に沿った複数の位置ごとに、当該各位置の近傍の2つの画素間の輝度差を算出する。輝度差算出部35は、実空間における鉛直方向に伸びる鉛直仮想線を1本だけ設定する手法と、鉛直仮想線を2本設定する手法との何れかによって輝度差を算出することができる。
鉛直仮想線を2本設定する具体的な手法について説明する。輝度差算出部35は、視点変換された鳥瞰視画像に対して、実空間で鉛直方向に伸びる線分に該当する第1鉛直仮想線と、第1鉛直仮想線と異なり実空間で鉛直方向に伸びる線分に該当する第2鉛直仮想線とを設定する。輝度差算出部35は、第1鉛直仮想線上の点と第2鉛直仮想線上の点との輝度差を、第1鉛直仮想線及び第2鉛直仮想線に沿って連続的に求める。以下、この輝度差算出部35の動作について詳細に説明する。
輝度差算出部35は、図14(a)に示すように、実空間で鉛直方向に伸びる線分に該当し、且つ、検出領域A1を通過する第1鉛直仮想線La(以下、注目線Laという)を設定する。また輝度差算出部35は、注目線Laと異なり、実空間で鉛直方向に伸びる線分に該当し、且つ、検出領域A1を通過する第2鉛直仮想線Lr(以下、参照線Lrという)を設定する。ここで参照線Lrは、実空間における所定距離だけ注目線Laから離間する位置に設定される。なお、実空間で鉛直方向に伸びる線分に該当する線とは、鳥瞰視画像においてはカメラ10の位置Psから放射状に広がる線となる。この放射状に広がる線は、鳥瞰視に変換した際に立体物が倒れ込む方向に沿う線である。
輝度差算出部35は、注目線La上に注目点Pa(第1鉛直仮想線上の点)を設定する。また輝度差算出部35は、参照線Lr上に参照点Pr(第2鉛直板想線上の点)を設定する。これら注目線La、注目点Pa、参照線Lr、参照点Prは、実空間上において図14(b)に示す関係となる。図14(b)から明らかなように、注目線La及び参照線Lrは、実空間上において鉛直方向に伸びた線であり、注目点Paと参照点Prとは、実空間上において略同じ高さに設定される点である。なお、注目点Paと参照点Prとは必ずしも厳密に同じ高さである必要はなく、注目点Paと参照点Prとが同じ高さとみなせる程度の誤差は許容される。
輝度差算出部35は、注目点Paと参照点Prとの輝度差を求める。仮に、注目点Paと参照点Prとの輝度差が大きいと、注目点Paと参照点Prとの間にエッジが存在すると考えられる。このため、図3に示したエッジ線検出部36は、注目点Paと参照点Prとの輝度差に基づいてエッジ線を検出する。
この点をより詳細に説明する。図15は、輝度差算出部35の詳細動作を示す図であり、図15(a)は鳥瞰視された状態の鳥瞰視画像を示し、図15(b)は、図15(a)に示した鳥瞰視画像の一部B1を拡大した図である。なお図15についても検出領域A1のみを図示して説明するが、検出領域A2についても同様の手順で輝度差を算出する。
カメラ10が撮像した撮像画像内に他車両VXが映っていた場合に、図15(a)に示すように、鳥瞰視画像内の検出領域A1に他車両VXが現れる。図15(b)に図15(a)中の領域B1の拡大図を示すように、鳥瞰視画像上において、他車両VXのタイヤのゴム部分上に注目線Laが設定されていたとする。この状態において、輝度差算出部35は、先ず参照線Lrを設定する。参照線Lrは、注目線Laから実空間上において所定の距離だけ離れた位置に、鉛直方向に沿って設定される。具体的には、本実施形態に係る立体物検出装置1において、参照線Lrは、注目線Laから実空間上において10cmだけ離れた位置に設定される。これにより、参照線Lrは、鳥瞰視画像上において、例えば他車両VXのタイヤのゴムから10cm相当だけ離れた他車両VXのタイヤのホイール上に設定される。
次に、輝度差算出部35は、注目線La上に複数の注目点Pa1〜PaNを設定する。図15(b)においては、説明の便宜上、6つの注目点Pa1〜Pa6(以下、任意の点を示す場合には単に注目点Paiという)を設定している。なお、注目線La上に設定する注目点Paの数は任意でよい。以下の説明では、N個の注目点Paが注目線La上に設定されたものとして説明する。
次に、輝度差算出部35は、実空間上において各注目点Pa1〜PaNと同じ高さとなるように各参照点Pr1〜PrNを設定する。そして、輝度差算出部35は、同じ高さ同士の注目点Paと参照点Prとの輝度差を算出する。これにより、輝度差算出部35は、実空間における鉛直方向に伸びる鉛直仮想線に沿った複数の位置(1〜N)ごとに、2つの画素の輝度差を算出する。輝度差算出部35は、例えば第1注目点Pa1とは、第1参照点Pr1との間で輝度差を算出し、第2注目点Pa2とは、第2参照点Pr2との間で輝度差を算出することとなる。これにより、輝度差算出部35は、注目線La及び参照線Lrに沿って、連続的に輝度差を求める。すなわち、輝度差算出部35は、第3〜第N注目点Pa3〜PaNと第3〜第N参照点Pr3〜PrNとの輝度差を順次求めていくこととなる。
輝度差算出部35は、検出領域A1内において注目線Laをずらしながら、上記の参照線Lrの設定、注目点Pa及び参照点Prの設定、輝度差の算出といった処理を繰り返し実行する。すなわち、輝度差算出部35は、注目線La及び参照線Lrのそれぞれを、実空間上において接地線L1の延在方向に同一距離だけ位置を変えながら上記の処理を繰り返し実行する。輝度差算出部35は、例えば、前回処理において参照線Lrとなっていた線を注目線Laに設定し、この注目線Laに対して参照線Lrを設定して、順次輝度差を求めていくことになる。
図3に戻り、エッジ線検出部36は、輝度差算出部35により算出された連続的な輝度差から、エッジ線を検出する。例えば、図15(b)に示す場合、第1注目点Pa1と第1参照点Pr1とは、同じタイヤ部分に位置するために、輝度差は、小さい。一方、第2〜第6注目点Pa2〜Pa6はタイヤのゴム部分に位置し、第2〜第6参照点Pr2〜Pr6はタイヤのホイール部分に位置する。したがって、第2〜第6注目点Pa2〜Pa6と第2〜第6参照点Pr2〜Pr6との輝度差は大きくなる。このため、エッジ線検出部36は、輝度差が大きい第2〜第6注目点Pa2〜Pa6と第2〜第6参照点Pr2〜Pr6との間にエッジ線が存在することを検出することができる。
具体的には、エッジ線検出部36は、エッジ線を検出するにあたり、先ず下記の数式1に従って、i番目の注目点Pai(座標(xi,yi))とi番目の参照点Pri(座標(xi’,yi’))との輝度差から、i番目の注目点Paiに属性付けを行う。
[数1]
I(xi,yi)>I(xi’,yi’)+tのとき
s(xi,yi)=1
I(xi,yi)<I(xi’,yi’)−tのとき
s(xi,yi)=−1
上記以外のとき
s(xi,yi)=0
上記数式1において、tは閾値を示し、I(xi,yi)はi番目の注目点Paiの輝度値を示し、I(xi’,yi’)はi番目の参照点Priの輝度値を示す。上記数式1によれば、注目点Paiの輝度値が、参照点Priに閾値tを加えた輝度値よりも高い場合には、当該注目点Paiの属性s(xi,yi)は‘1’となる。一方、注目点Paiの輝度値が、参照点Priから閾値tを減じた輝度値よりも低い場合には、当該注目点Paiの属性s(xi,yi)は‘−1’となる。注目点Paiの輝度値と参照点Priの輝度値とがそれ以外の関係である場合には、注目点Paiの属性s(xi,yi)は‘0’となる。
次にエッジ線検出部36は、下記数式2に基づいて、注目線Laに沿った属性sの連続性c(xi,yi)から、注目線Laがエッジ線であるか否かを判定する。
[数2]
s(xi,yi)=s(xi+1,yi+1)のとき(且つ0=0を除く)、
c(xi,yi)=1
上記以外のとき、
c(xi,yi)=0
注目点Paiの属性s(xi,yi)と隣接する注目点Pai+1の属性s(xi+1,yi+1)とが同じである場合には、連続性c(xi,yi)は‘1’となる。注目点Paiの属性s(xi,yi)と隣接する注目点Pai+1の属性s(xi+1,yi+1)とが同じではない場合には、連続性c(xi,yi)は‘0’となる。
次にエッジ線検出部36は、注目線La上の全ての注目点Paの連続性cについて総和を求める。エッジ線検出部36は、求めた連続性cの総和を注目点Paの数Nで割ることにより、連続性cを正規化する。エッジ線検出部36は、正規化した値が閾値θを超えた場合に、注目線Laをエッジ線と判断する。なお、閾値θは、予め実験等によって設定された値である。
すなわち、エッジ線検出部36は、下記数式3に基づいて注目線Laがエッジ線であるか否かを判断する。そして、エッジ線検出部36は、検出領域A1上に描かれた注目線Laの全てについてエッジ線であるか否かを判断する。
[数3]
Σc(xi,yi)/N>θ
図3に戻り、立体物検出部37は、エッジ線検出部36により検出されたエッジ線の量に基づいて立体物を検出する。上述したように、本実施形態に係る立体物検出装置1は、実空間上において鉛直方向に伸びるエッジ線を検出する。鉛直方向に伸びるエッジ線が多く検出されるということは、検出領域A1,A2に立体物が存在する可能性が高いということである。このため、立体物検出部37は、エッジ線検出部36により検出されたエッジ線の量に基づいて立体物を検出する。さらに、立体物検出部37は、立体物を検出するに先立って、エッジ線検出部36により検出されたエッジ線が正しいものであるか否かを判定する。立体物検出部37は、エッジ線上の鳥瞰視画像のエッジ線に沿った輝度変化が所定の閾値よりも大きいか否かを判定する。エッジ線上の鳥瞰視画像の輝度変化が閾値よりも大きい場合には、当該エッジ線が誤判定により検出されたものと判断する。一方、エッジ線上の鳥瞰視画像の輝度変化が閾値よりも大きくない場合には、当該エッジ線が正しいものと判定する。なお、この閾値は、実験等により予め設定された値である。
図16は、エッジ線の輝度分布を示す図であり、図16(a)は検出領域A1に立体物としての他車両VXが存在した場合のエッジ線及び輝度分布を示し、図16(b)は検出領域A1に立体物が存在しない場合のエッジ線及び輝度分布を示す。
図16(a)に示すように、鳥瞰視画像において他車両VXのタイヤゴム部分に設定された注目線Laがエッジ線であると判断されていたとする。この場合、注目線La上の鳥瞰視画像の輝度変化はなだらかなものとなる。これは、カメラ10により撮像された画像が鳥瞰視画像に視点変換されたことにより、他車両VXのタイヤが鳥瞰視画像内で引き延ばされたことによる。一方、図16(b)に示すように、鳥瞰視画像において路面に描かれた「50」という白色文字部分に設定された注目線Laがエッジ線であると誤判定されていたとする。この場合、注目線La上の鳥瞰視画像の輝度変化は起伏の大きいものとなる。これは、エッジ線上に、白色文字における輝度が高い部分と、路面等の輝度が低い部分とが混在しているからである。
以上のような注目線La上の輝度分布の相違に基づいて、立体物検出部37は、エッジ線が誤判定により検出されたものか否かを判定する。立体物検出部37は、エッジ線に沿った輝度変化が所定の閾値よりも大きい場合には、当該エッジ線が誤判定により検出されたものであると判定する。そして、当該エッジ線は、立体物の検出には使用しない。これにより、路面上の「50」といった白色文字や路肩の雑草等がエッジ線として判定されてしまい、立体物の検出精度が低下することを抑制する。
具体的には、立体物検出部37は、下記数式4,5の何れかにより、エッジ線の輝度変化を算出する。このエッジ線の輝度変化は、実空間上における鉛直方向の評価値に相当する。下記数式4は、注目線La上のi番目の輝度値I(xi,yi)と、隣接するi+1番目の輝度値I(xi+1,yi+1)との差分の二乗の合計値によって輝度分布を評価する。下記数式5は、注目線La上のi番目の輝度値I(xi,yi)と、隣接するi+1番目の輝度値I(xi+1,yi+1)との差分の絶対値の合計値よって輝度分布を評価する。
[数4]
鉛直相当方向の評価値=Σ[{I(xi,yi)−I(xi+1,yi+1)}
[数5]
鉛直相当方向の評価値=Σ|I(xi,yi)−I(xi+1,yi+1)|
なお、数式5に限らず、下記数式6のように、閾値t2を用いて隣接する輝度値の属性bを二値化して、当該二値化した属性bを全ての注目点Paについて総和してもよい。
[数6]
鉛直相当方向の評価値=Σb(xi,yi)
但し、|I(xi,yi)−I(xi+1,yi+1)|>t2のとき、
b(xi,yi)=1
上記以外のとき、
b(xi,yi)=0
注目点Paiの輝度値と参照点Priの輝度値との輝度差の絶対値が閾値t2よりも大きい場合、当該注目点Pa(xi,yi)の属性b(xi,yi)は‘1’となる。それ以外の関係である場合には、注目点Paiの属性b(xi,yi)は‘0’となる。この閾値t2は、注目線Laが同じ立体物上にないことを判定するために実験等によって予め設定されている。そして、立体物検出部37は、注目線La上の全注目点Paについての属性bを総和して、鉛直相当方向の評価値を求めて、エッジ線が正しいものかを判定する。
次に、本実施形態に係るエッジ情報を利用した立体物検出方法について説明する。図17及び図18は、本実施形態に係る立体物検出方法の詳細を示すフローチャートである。なお、図17及び図18においては、便宜上、検出領域A1を対象とする処理について説明するが、検出領域A2についても同様の処理が実行される。
図17に示すように、まず、先ずステップS20において、計算機30は所定のルールに基づいて検出領域を設定する。この検出領域の設定手法については後に詳述する。そして、ステップS21において、カメラ10は、画角a及び取付位置によって特定された所定領域を撮像する。次に視点変換部31は、ステップS22において、ステップS21にてカメラ10により撮像された撮像画像データを入力し、視点変換を行って鳥瞰視画像データを生成する。
次に輝度差算出部35は、ステップS23において、検出領域A1上に注目線Laを設定する。このとき、輝度差算出部35は、実空間上において鉛直方向に伸びる線に相当する線を注目線Laとして設定する。次に輝度差算出部35は、ステップS24において、検出領域A1上に参照線Lrを設定する。このとき、輝度差算出部35は、実空間上において鉛直方向に伸びる線分に該当し、且つ、注目線Laと実空間上において所定距離離れた線を参照線Lrとして設定する。
次に輝度差算出部35は、ステップS25において、注目線La上に複数の注目点Paを設定する。この際に、輝度差算出部35は、エッジ線検出部36によるエッジ検出時に問題とならない程度の数の注目点Paを設定する。また、輝度差算出部35は、ステップS26において、実空間上において注目点Paと参照点Prとが略同じ高さとなるように、参照点Prを設定する。これにより、注目点Paと参照点Prとが略水平方向に並ぶこととなり、実空間上において鉛直方向に伸びるエッジ線を検出しやすくなる。
次に輝度差算出部35は、ステップS27において、実空間上において同じ高さとなる注目点Paと参照点Prとの輝度差を算出する。次にエッジ線検出部36は、上記の数式1に従って、各注目点Paの属性sを算出する。次にエッジ線検出部36は、ステップS28において、上記の数式2に従って、各注目点Paの属性sの連続性cを算出する。次にエッジ線検出部36は、ステップS29において、上記数式3に従って、連続性cの総和を正規化した値が閾値θより大きいか否かを判定する。正規化した値が閾値θよりも大きいと判断した場合(S29:YES)、エッジ線検出部36は、ステップS30において、当該注目線Laをエッジ線として検出する。そして、処理はステップS31に移行する。正規化した値が閾値θより大きくないと判断した場合(S29:NO)、エッジ線検出部36は、当該注目線Laをエッジ線として検出せず、処理はステップS31に移行する。
ステップS31において、計算機30は、検出領域A1上に設定可能な注目線Laの全てについて上記のステップS23〜ステップS30の処理を実行したか否かを判断する。全ての注目線Laについて上記処理をしていないと判断した場合(S31:NO)、ステップS23に処理を戻して、新たに注目線Laを設定して、ステップS31までの処理を繰り返す。一方、全ての注目線Laについて上記処理をしたと判断した場合(S31:YES)、処理は図18のステップS32に移行する。
図18のステップS32において、立体物検出部37は、図17のステップS30において検出された各エッジ線について、当該エッジ線に沿った輝度変化を算出する。立体物検出部37は、上記数式4,5,6の何れかの式に従って、エッジ線の輝度変化を算出する。次に立体物検出部37は、ステップS33において、エッジ線のうち、輝度変化が所定の閾値よりも大きいエッジ線を除外する。すなわち、輝度変化の大きいエッジ線は正しいエッジ線ではないと判定し、エッジ線を立体物の検出には使用しない。これは、上述したように、検出領域A1に含まれる路面上の文字や路肩の雑草等がエッジ線として検出されてしまうことを抑制するためである。したがって、所定の閾値とは、予め実験等によって求められた、路面上の文字や路肩の雑草等によって発生する輝度変化に基づいて設定された値となる。
次に立体物検出部37は、ステップS34において、エッジ線の量が第2閾値β以上であるか否かを判断する。例えば、検出対象の立体物として四輪車を設定した場合、当該第2閾値βは、予め実験等によって検出領域A1内において出現した四輪車のエッジ線の数に基づいて設定される。エッジ線の量が第2閾値β以上であると判定した場合(S34:YES)、立体物検出部37は、ステップS35において、検出領域A1内に立体物が存在すると検出する。一方、エッジ線の量が第2閾値β以上ではないと判定した場合(S34:NO)、立体物検出部37は、検出領域A1内に立体物が存在しないと判断する(S38)。検出された立体物は、自車両Vが走行する車線の隣の隣接車線を走行する他車両VXであると判断してもよいし、検出した立体物の自車両Vに対する相対速度を考慮して隣接車線を走行する他車両VXであるか否かを判断してもよい。具体的に、ステップS35において立体物が検出された場合には、ステップS36へ進み、その立体物の移動速度が所定値範囲内であるか否かを判断する。ステップS35で検出された立体物が隣接車線を走行する他車両であるか否かを判断するためである。特に手法は限定されないが、立体物の移動速度は画像上のエッジの移動速度に基づいて求めることができる。ステップS36において、ステップS35で検出された立体物の移動速度が所定値以内であれば、ステップS37へ進み、立体物を他車両と判断する。他方、ステップS36で、立体物の移動速度が所定値域を超える(範囲外である)場合には、ステップS39へ進み、立体物は他車両ではないと判断する。立体物が他車両であるか否かを判断する際の移動速度の所定値域は、先に図12の処理において説明したように、絶対移動速度が10km/h以上、且つ、立体物の自車両Vに対する相対移動速度が+60km/h以下とすることができる。移動速度の所定値域としては、絶対移動速度がプラスの値であること(マイナスの値でないこと)や、0km/hでないことを定義してもよい。その後、図17及び図18に示す処理は終了する。
本実施形態では、立体物が検出領域内に存在するか否かを判断する処理の後に立体物の移動速度(移動距離)を算出する処理を行う例を示すが、この順序は特に限定されない。つまり、立体物の移動速度が所定値域内である場合に、エッジ情報に基づいて立体物の検出処理を行ってもよい。また、立体物の検出(存否)処理と立体物の移動速度の算出処理を同時に並行して行ってもよい。
以上のように、本実施形態のエッジ情報を利用した立体物の検出方法によれば、検出領域A1,A2に存在する立体物を検出するために、鳥瞰視画像に対して実空間において鉛直方向に伸びる線分としての鉛直仮想線を設定する。そして、鉛直仮想線に沿った複数の位置ごとに、当該各位置の近傍の2つの画素の輝度差を算出し、当該輝度差の連続性に基づいて立体物の有無を判定することができる。
具体的には、鳥瞰視画像における検出領域A1,A2に対して、実空間において鉛直方向に伸びる線分に該当する注目線Laと、注目線Laとは異なる参照線Lrとを設定する。そして、注目線La上の注目点Paと参照線Lr上の参照点Prとの輝度差を注目線La及び参照線Laに沿って連続的に求める。このように、点同士の輝度差を連続的に求めることにより、注目線Laと参照線Lrとの輝度差を求める。注目線Laと参照線Lrとの輝度差が高い場合には、注目線Laの設定箇所に立体物のエッジがある可能性が高い。これによって、連続的な輝度差に基づいて立体物を検出することができる。特に、実空間において鉛直方向に伸びる鉛直仮想線同士との輝度比較を行うために、鳥瞰視画像に変換することによって立体物が路面からの高さに応じて引き伸ばされてしまっても、立体物の検出処理が影響されることはない。したがって、本例の方法によれば、立体物の検出精度を向上させることができる。
また、本例では、鉛直仮想線付近の略同じ高さの2つの点の輝度差を求める。具体的には、実空間上で略同じ高さとなる注目線La上の注目点Paと参照線Lr上の参照点Prとから輝度差を求めるので、鉛直方向に伸びるエッジが存在する場合における輝度差を明確に検出することができる。
更に、本例では、注目線La上の注目点Paと参照線Lr上の参照点Prとの輝度差に基づいて注目点Paに属性付けを行い、注目線Laに沿った属性の連続性cに基づいて当該注目線Laがエッジ線であるかを判断するので、輝度の高い領域と輝度の低い領域との境界をエッジ線として検出し、人間の自然な感覚に沿ったエッジ検出を行うことができる。この効果について詳細に説明する。図19は、エッジ線検出部36の処理を説明する画像例を示す図である。この画像例は、輝度の高い領域と輝度の低い領域とが繰り返される縞模様を示す第1縞模様101と、輝度の低い領域と輝度の高い領域とが繰り返される縞模様を示す第2縞模様102とが隣接した画像である。また、この画像例は、第1縞模様101の輝度が高い領域と第2縞模様102の輝度の低い領域とが隣接すると共に、第1縞模様101の輝度が低い領域と第2縞模様102の輝度が高い領域とが隣接している。この第1縞模様101と第2縞模様102との境界に位置する部位103は、人間の感覚によってはエッジとは知覚されない傾向にある。
これに対し、輝度の低い領域と輝度が高い領域とが隣接しているために、輝度差のみでエッジを検出すると、当該部位103はエッジとして認識されてしまう。しかし、エッジ線検出部36は、部位103における輝度差に加えて、当該輝度差の属性に連続性がある場合にのみ部位103をエッジ線として判定するので、エッジ線検出部36は、人間の感覚としてエッジ線として認識しない部位103をエッジ線として認識してしまう誤判定を抑制でき、人間の感覚に沿ったエッジ検出を行うことができる。
さらに、本例では、エッジ線検出部36により検出されたエッジ線の輝度変化が所定の閾値よりも大きい場合には、当該エッジ線が誤判定により検出されたものと判断する。カメラ10により取得された撮像画像を鳥瞰視画像に変換した場合、当該撮像画像に含まれる立体物は、引き伸ばされた状態で鳥瞰視画像に現れる傾向がある。例えば、上述したように他車両VXのタイヤが引き伸ばされた場合に、タイヤという1つの部位が引き伸ばされるため、引き伸ばされた方向における鳥瞰視画像の輝度変化は小さい傾向となる。これに対し、路面に描かれた文字等をエッジ線として誤判定した場合に、鳥瞰視画像には、文字部分といった輝度が高い領域と路面部分といった輝度が低い領域とが混合されて含まれる。この場合に、鳥瞰視画像において、引き伸ばされた方向の輝度変化は大きくなる傾向がある。したがって、本例のようにエッジ線に沿った鳥瞰視画像の輝度変化を判定することによって、誤判定により検出されたエッジ線を認識することができ、立体物の検出精度を高めることができる。
立体物検出部33,37は、さらに乗員への報知や車両制御のため、検出結果を外部の車両コントローラへ送出する。なお、本例の立体物検出装置1は、上述した2つの立体物検出部33(又は立体物検出部37)により検出された立体物について、さらに検証して立体物を検出対象物である他車両VXであるか否かを最終的に判断する判断部を備えることもできる。
ここで、本実施形態の検出領域設定部34の処理を具体的に説明する。先述したように、検出領域設定部34は、検出領域A1,A2のそれぞれについて面積の異なる第1検出領域と第2検出領域とを有する。具体的に、検出領域設定部34は、立体物検出部33,37が検出領域A1,A2に存在する立体物の移動距離を算出する場合には第1検出領域A11,A21を設定し、立体物検出部33,37が検出領域A1,A2に存在する立体物を検出する場合には第1検出領域A11,A21よりも面積が小さい第2検出領域A12,A22を設定する。
本実施形態において、検出領域設定部34は、検出領域A1,A2のそれぞれについて、所定の第1検出領域と、この第1検出領域のうちカメラ10の設置位置から車両の側方方向の距離が所定距離以上の領域、つまり第1検出領域の外側(路肩側)の帯状の領域を欠損させた第2検出領域とを有する。第2検出領域は、第1検出領域の路肩側の辺を車両側に移動させ、検出領域の幅を車幅方向に狭めた領域である。本実施形態の第1検出領域は、デフォルトの検出領域と共通する領域として定義してもよい。この検出領域の態様については、図22に基づいて後述する。
本実施形態に係る立体物検出装置1は、車載カメラ10により取得した車両後方の撮像画像の画像情報に基づいて立体物の存在の検出及び移動速度の検出をする。自車両Vの走行車線の隣の隣接車線を走行する他車両VXを障害物として検出する際に、自車両の走行車線の路肩に設けられた植え込みやガードレール等の物体の映像を誤って隣接車線を走行する他車両の映像として誤認するという問題がある。図20に示すように、隣接車線の路肩に一定間隔で植えつけられた植栽Q1やグリーンベルトの一面に生えている草Q1などが存在する場合や、路肩に同じ形状のガードレールQ2や縁石Q2が存在する場合においては、これらの植栽・草Q1やガードレール・縁石Q2の映像が検出領域内に映り込んでしまう場合がある。植栽・草Q1は自然物であるため形状が一定ではないが、カメラ10で周期的に撮像すると別の物体であるにもかかわらず、同一の物体のような特徴点が画像情報に含まれてしまう場合がある。また、植栽・草Q1の形状が一定でないがゆえに、画像情報に含まれる特徴点が偶然にも他車両VXの特徴点と似てしまう場合がある。さらに、ガードレール・縁石Q2は、同じ形状のものが繰り返し配置されるため、カメラ10の撮像周期、自車両Vの車速、ガードレール・縁石Q2の繰り返しパターンの単位長さの組み合わせによって、異なるガードレール・縁石Q2の画像情報が同一物体のような特徴点を示してしまう場合や、ガードレール・縁石Q2の画像情報に含まれる特徴点が偶然にも他車両VXの特徴点と似てしまう場合がある。このように、画像情報の特徴が他車両VXの特徴と似てしまうと、自車両Vの走行車線の路肩に設けられた植栽・草Q1やガードレール・縁石Q2などの検出対象以外の物体の映像を誤って隣接車線を走行する他車両VXの映像として誤認してしまう場合がある。特に、自車両の走行車線が狭い場合には、路肩の物体の映像が隣接車線に対応する領域に入ってしまうため、上記問題が起きやすい。加えて、画像を視点変換して鳥瞰視画像とすると、画像が横に広がって路肩の物体の映像が検出領域A1,A2内に入り込み、上記問題が起きやすい。
このため、本実施形態の立体物検出装置1は、各検出領域A1,A2のそれぞれについて面積の異なる二つの検出領域A11,A12,A21,A22を準備し、処理の特性に応じて上記検出領域を切り替える。この場合において、検出領域設定部34は、立体物検出部33,37が立体物の移動距離を算出する場合には相対的に広い第1検出領域A11,A21を設定し、立体物検出部33,37が検出領域A1,A2に存在する立体物を検出する場合には第1検出領域A11,A21よりも面積が小さい第2検出領域A12,A22を設定する。自車両Vは移動しており、立体物(他車両VXを含む)も移動する場合があるので、立体物の速度(時間あたりの移動距離)の算出は広い範囲で行わないと期待する精度の検出結果を得ることができない。このため、立体物の移動速度を検出するためには、検出領域A1,A2を所定値以上の面積で設定する必要がある。特に、立体物の移動速度を検出する場合の検出領域A1,A2は自車両Vの進行方向に沿って所定値以上の距離を設定する必要がある。他方、道路の路肩の植栽、草、ガードレール、縁石などの像が画像情報に含まれている場合の影響を排除するためには、検出領域A1,A2を狭く設定する必要がある。特に、立体物の移動速度を検出する場合の検出領域A1,A2は自車両Vの進行方向に沿って所定値未満の距離とする、又は検出領域A1,A2は自車両Vの車幅方向に沿って所定値未満の距離とすることが好ましい。この二つの第1検出領域A11,A21及び第2検出領域A12,A22を処理場面に応じて設定することにより、立体物の移動速度を正確に把握しつつ、道路の路肩の植栽、草、ガードレール、縁石などを他車両VXとして誤検出することなく、他車両VXを高い精度で検出することができる。なお、第1検出領域A11と第2検出領域A12、又は第1検出領域A21と第2検出領域A22とは、同じ面積、同じ形態であってもよいし、異なる面積、異なる形態であってもよい。
以下、図21〜図24に基づいて、検出領域A11,A12,A21,A22の具体的な態様を説明する。
図21〜24に示すように、本実施形態の検出領域A1は、第1検出領域A11と第2検出領域A12を有する。なお、以下の説明では検出領域A1を例にして説明するが、検出領域A2の第1検出領域A21と第2検出領域A22についても同様である。また、図21〜図24において、カメラ10からの後方距離とは車長方向の図中+y方向に沿う距離であり、カメラ10からの側方距離とは、車幅方向の図中+xに沿う距離である。検出領域A11,A12,A21,A22は、検出領域設定部34により設定される検出領域の一態様であり、車両後方の右側、左側に設定されるものであれば特に限定されない。立体物検出装置の検出領域設定部34は、例えばデフォルトで設定する所定の検出領域と同じ第1検出領域A11,A21、第2検出領域A21,A22を設定してもよいし、例えばデフォルトで設定する所定の検出領域に内包される第1検出領域A11,A21、第2検出領域A21,A22を設定してもよい。
図21に示すように、本例の第2検出領域A12は、第1検出領域11のうちカメラ10の位置からの後方距離(+y方向の距離)が所定距離以上の領域A13を欠損させた(除去した)領域である。同図に示すように、自車両Vの進行方向に沿う第2検出領域A12の長さD2は、第1検出領域A11の長さD1よりも短い。長さD2とD1との関係は、検知領域A1,A2の大きさ等に応じて適宜に設定することができる。このように、第2検出領域A12を、第1検出領域A11のうちカメラ10からの後方距離が所定距離以上の領域A13を欠損させた領域とすることにより、路肩の植栽、草、ガードレール、縁石などの映像から周期的な特徴を抽出しにくくして、同一の物体のような特徴点が画像情報に含まれてしまう確率、及び画像情報に含まれる特徴点が他車両VXの特徴点と似てしまう確率を低下させることができる。
次に、図22に示すように、本例の第2検出領域A12は、第1検出領域A11のうちカメラ10の位置からの側方距離(−x方向の距離)が所定距離以上の領域A13を欠損させた領域である。つまり、第2検出領域A12,A21は、第1検出領域A11,A21の外側(車両から離隔する側)の領域が除かれた領域である。同図に示すように、自車両Vの車幅方向に沿う第2検出領域A12の長さW2は、第1検出領域A11の長さW1よりも短い。長さW2とW1との関係は、検知領域A1,A2の大きさ等に応じて適宜に設定することができる。この態様において、図23に示すように、カメラ10の位置からの側方距離の所定距離は、カメラ10から離隔するに従いW3からW2、さらにW1と次第に大きくすることができる。このように、第2検出領域A12を第1検出領域11のうちカメラ10からの側方距離が所定距離以上の領域A13を欠損させた領域とすることにより、路肩の植栽、草、ガードレール、縁石などの映像をマスクして、これらが検出処理に用いられる画像情報に含まれないようにすることができるので、そもそも、路肩の植栽、草、ガードレール、縁石などについて立体物であるか否かの判断をしないようにすることができる。
さらに、図24に示すように、本例の第2検出領域A12は、第1検出領域11のうちカメラ10からの後方距離が所定距離以内かつカメラ10からの側方距離が所定距離以上である領域A13を欠損させた領域である。同図に示すように、自車両Vの進行方向に沿う第2検出領域A12の長さD2は、第1検出領域A11の長さD1よりも短く、かつ自車両Vの車幅方向に沿う第2検出領域A12の長さW2は、第1検出領域A11の長さW1よりも短い。D1.D2,W1,W2の関係は特に限定されず、検出領域A1,A2の大きさに応じて適宜に設定することができる。また、この態様において、欠損させる領域A13の面積は第1検出領域A11の外側前方の頂点E1が含まれていれば特に限定されず、W2、D2の距離は任意に設定することができる。
異なる観点によれば、図24に示す車両後方の右側の検出領域A2に設定された第2検出領域A22は、同じ検出領域A2に設定された第1検出領域A21のうち車両前方側の右端に位置する頂点E2を含む領域A23を欠損させた領域であり、車両後方の左側の検出領域A1に設定された第2検出領域A12は、同じ検出領域A1に設定された第1検出領域A11のうち車両前方側の左端に位置する頂点E1を含む領域A13を欠損させた領域である。第1検出領域A11のうち欠損させる領域A13は、少なくとも頂点E1を含み,第1検出領域A21のうち欠損させるA23は少なくとも頂点E2を含むものであればよい。
これにより、立体物の移動速度を正確に把握しつつも、道路の路肩の植栽、草、ガードレール、縁石などを他車両VXとして誤検出することなく、他車両VXを高い精度で検出することができる。
さらに、検出領域設定部34は、自車両Vに接近する立体物を検出した場合には、第2検出領域A12,A22の面積を大きく拡張することができる。この図24に示す態様において、検出領域設定部34は、頂点E1を含む領域A13,頂点E2を含む領域A23を欠損させるものであれば、第2検出領域A12,A22の面積を第1検出領域A11,A21と同じ面積にすることができる。
図25は、本処理を行う場合の制御手順である。図25に示す処理は、前回の立体物検出処理の後に、前回処理の結果を利用して行われる今回の立体検出処理である。つまり、先述したように、本実施形態の検出領域設定部34は、立体物の移動速度を検出する際には第1検出領域A11,A21の画像情報を利用し、立体物の存在を検出する際には第2検出領域A12,A22の画像情報を利用するように、各検出領域を設定する。図26に通常状態の第2検出領域A12,A22を示す。
ステップS41において立体物が接近していることが検出された場合には、ステップS46に進む。そして、ステップS46において、相対的に面積の小さい第2検出領域A12,A22を拡張する。図27に拡張された第2検出領域A12´,A22´を示す。図26及び図27に示すように、第2検出領域A12,A22のカメラ10からの後方距離はD21からD21´に拡張されている。本例では、車両の進行方向(カメラ10の後方距離)に沿って第2検出領域A12,A22を拡張する例を示すが、図22に示す例のように車幅方向に小さい第2検出領域A12,A22が設定されている場合には、車幅方向の距離Wを伸ばして、第2検出領域A12,A22を拡張してもよい。もちろん、拡張した結果第1検出領域A11,A21と同じ面積及び形状としてもよい。
つぎに、ステップ42において、検出領域設定部34は、第1検出領域A11,A21と拡張された第2検出領域A12,A22を設定する。立体物(他車両VX)が自車両に接近している場合には、検出範囲を最大にして検出処理を行うことが好ましい。他車両が接近していない通常状態であれば、植栽やガードレールを他車両として誤検出することを防止することが優先されるが、他車両が接近している監視強化状態においては、誤検出防止よりも他車両を継続的に検出することが優先される。本実施形態では、立体物が接近している場合には、拡張された第2検出領域A12,A22を設定するので、立体物の検出を慎重に行うことができ、他車両VXの検出の精度を高めることができる。
検出領域A1,A2が設定されたら、ステップS43に進み、立体物の検出処理を行う。この立体物の検出処理は上述した立体物検出部33による図11、図12の差分波形情報を用いた処理、又は立体物検出部37による図17、図18のエッジ情報を用いた処理に従って行われる。そして、ステップ43において、この立体物検出部33,37により検出領域A1,A2に立体物が検出された場合にはステップS45に進み、検出された立体物が他車両VXであると判断する。他方、立体物検出部33,37により検出領域A1,A2に立体物が検出されない場合にはステップS47に進み、検出領域A1,A2に他車両VXは存在しないと判断する。
図28は、他の制御手順を示すフローチャートである。図28に示す処理は、立体物の移動速度の算出結果を用いて検出領域を設定する処理である。立体物の移動速度は、前回の立体物検出処理における結果を利用して行ってもよいし、立体物検出処理と並行して行われる移動速度の算出処理の結果を利用して行ってもよい。本実施形態の検出領域設定部34は、立体物の移動速度を検出する際には第1検出領域A11,A21の画像情報を利用し、立体物の存在を検出する際には第2検出領域A12,A22の画像情報を利用する。先述した図22に通常状態の第2検出領域A12,A22、第1検出領域A11,A21を示す。
ステップS51において、移動距離に基づいて算出された立体物の移動速度が所定閾値以内であり、立体物が他車両である可能性が高いと判断された場合には、ステップS46に進む。そして、ステップS46において、幅が狭められていた第2検出領域A12,A22を拡張する。
具体的に、立体物の移動速度が所定値以外である場合には、その立体物は他車両ではないと判断できる。このため、本実施形態では、立体物の検出の精度を向上させることを優先するために、第2検出領域A12,A22を、図22に示すように、第1検出領域A11,A21のうちカメラ10の設置位置から車両の側方方向の距離Wが所定距離W2以上の領域、つまり第1検出領域の外側(路肩側)の帯状の領域A13,A23を欠損させた(車幅方向に狭めた)領域とする。
他方、立体物の移動速度が所定値以内である場合には、その立体物が他車両である可能性が高いと考えられる。このため、第2検出領域A12,A22を、図29に示すように、第1検出領域A11,A21のうちカメラ10の設置位置から車両の側方方向の距離Wが所定距離W2+q(>W2)以上の領域を欠損させた領域とする。つまり欠損させる領域を小さくして、第2検出領域A12,A22を拡張する。もちろん、この場合の第2検出領域を、第1検出領域A11,A21と同じ面積及び形状としてもよい。
つぎに、ステップ42において、検出領域設定部34は、第1検出領域A11,A21と拡張された第2検出領域A12,A22とを設定する。立体物の移動速度が所定値域外である場合には、立体物が他車両である可能性が低いと考えられるので、植栽やガードレールを他車両として誤検出することを防止することを優先する。他方、立体物の移動速度が所定値域内である場合には、立体物が他車両である可能性が高いと考えられるので、検出範囲を最大として検出処理を行うことが好ましい。よって、本実施形態では、立体物が他車両である可能性が高い状態下においては、誤検出防止よりもすでに検出された他車両(立体物)の正確な検出結果を継続的に取得することを優先する。このように、本実施形態では、移動速度の観点から立体物が他車両である可能性が高い場合には、当初、路肩側の帯状の領域を欠損させた第2検出領域A12,A22を拡張するので、路肩建造物の影響により立体物が誤検出されることを防止しつつ、一度検出された他車両(立体物)を高い精度で監視することができる。
検出領域A1,A2が設定されたら、ステップS43に進み、立体物の検出処理を行う。この立体物の検出処理は上述した立体物検出部33による図11、図12の差分波形情報を用いた処理、又は立体物検出部37による図17、図18のエッジ情報を用いた処理に従って行われる。そして、ステップ43において、この立体物検出部33,37により検出領域A1,A2に立体物が検出された場合にはステップS45に進み、検出された立体物が他車両VXであると判断する。他方、立体物検出部33,37により検出領域A1,A2に立体物が検出されない場合にはステップS47に進み、検出領域A1,A2に他車両VXは存在しないと判断する。
(1)以上のとおり、本実施形態の立体物検出装置1によれば、立体物の移動距離を算出する場合には相対的に広い第1検出領域A11,A21を設定し、立体物の存在を検出する場合には相対的に狭い第2検出領域A12,A22を設定するので、自車両の走行車線の路肩の物体が検出領域に含まれることを防止するとともに、路肩に沿って所定周期で現れる物体の特徴が隣接車線の他車両VXの特徴として誤認される可能性を低くすることができる。この二つの第1検出領域A11,A21及び第2検出領域A12,A22を処理場面に応じて設定することにより、立体物の移動速度を正確に把握しつつ、道路の路肩の植栽、草、ガードレール、縁石などを他車両VXとして誤検出することなく、他車両VXを高い精度で検出することができる。
(2)本実施形態の立体物検出装置1によれば、第2検出領域A12を、第1検出領域11のうちカメラ10からの後方距離が所定距離以上の領域A13を欠損させた領域とすることにより、路肩の植栽、草、ガードレール、縁石などの映像から周期的な特徴を抽出しにくくして、同一の物体のような特徴点が画像情報に含まれてしまう確率、及び画像情報に含まれる特徴点が他車両VXの特徴点と似てしまう確率を低下させることができる。これにより、自車両の走行車線の路肩の物体を自車両の走行車線の隣の隣接車線を走行する他車両として誤検出することを防止することができるので、自車両の走行車線の隣の隣接車線を走行する他車両を、高い精度で検出することができる。
(3)本実施形態の立体物検出装置1によれば、第2検出領域A12を、第1検出領域11のうちカメラ10からの側方距離が所定距離以上の領域A13を欠損させた領域とすることにより、路肩の植栽、草、ガードレール、縁石などの映像が検出処理に用いられる画像情報に含まれないようにすることができるので、そもそも、路肩の植栽、草、ガードレール、縁石などについて立体物であるか否かの判断をしないようにすることができる。これにより、自車両の走行車線の路肩の物体を自車両の走行車線の隣の隣接車線を走行する他車両として誤検出することを防止することができるので、自車両の走行車線の隣の隣接車線を走行する他車両を、高い精度で検出することができる。
(4)本実施形態の立体物検出装置1によれば、第2検出領域A12,A22は、第1検出領域A11,A21のうち車両前方側の右端に位置する頂点を含む領域E1を欠損させた領域であり、第2検出領域A12,A22は、第1検出領域A11.A21のうち車両前方側の左端に位置する頂点E2を含む領域を欠損させた領域であるので、上述の(2)(3)と同様の作用を奏し、立体物の移動速度を正確に把握しつつも、道路の路肩の植栽、草、ガードレール、縁石などを他車両VXとして誤検出することなく、他車両VXを高い精度で検出することができる。
(5)なお、立体物の移動距離を算出する場合に検出領域設定部34により設定される第1検出領域は、同じく検出領域設定部34により車両後方の右側及び左側のそれぞれに設定される、例えばデフォルトに定義された検出領域と、同じ大きさとすることにより、演算負荷を低減させて、安定した検出結果を導出させることができる。
(6)本実施形態の立体物検出装置1によれば、立体物が接近している場合には、拡張された第2検出領域A12,A22を設定するので、立体物の検出を慎重に行うことができ、他車両VXの検出の精度を高めることができる。
(7)なお、本実施形態の立体物の検出方法においても同様の作用及び同様の効果を得ることができる。
(8)本実施形態の立体物検出装置1によれば、立体物の検出処理は路肩側の領域を欠損させた第2検出領域の画像情報に基づいて行い、立体物の移動距離(移動速度)の算出処理は欠損の無い第1検出領域の画像情報に基づいて行うことを前提とし、立体物の移動速度に基づき、その立体物が他車両である可能性が高いと判断した場合には、第2検出領域の欠損部分を減らす、つまり第2検出領域を路肩側へ拡張する。このため、通常は、検出領域の路肩側を欠損させて路肩側の構造物の影響による誤検出を抑制しつつ、他車両が存在する可能性が高い場合には、広い検出領域で立体物(他車両)を検出することができる。しかも、立体物の移動速度は広い検出領域の画像情報に基づいて行うので、移動速度の算出結果の精度を担保することができる。
上記カメラ10は本発明に係る撮像手段に相当し、上記視点変換部31は本発明に係る画像変換手段に相当し、上記位置合わせ部32及び立体物検出部33は本発明に係る立体物検出手段に相当し、上記輝度差算出部35,エッジ線検出部36及び立体物検出部37は本発明に係る立体物検出手段に相当し、上記検出領域設定部34は検出領域設定手段に相当し、上記車速センサ20は車速センサに相当する。
1…立体物検出装置
10…カメラ
20…車速センサ
30…計算機
31…視点変換部
32…位置合わせ部
33,37…立体物検出部
34…検出領域設定部
35…輝度差算出部
36…エッジ検出部
50…操舵角センサ
40…スミア検出部
a…画角
A1,A2…検出領域
CP…交点
DP…差分画素
DW,DW’…差分波形
DWt1〜DW,DWm+k〜DWtn…小領域
L1,L2…接地線
La,Lb…立体物が倒れ込む方向上の線
P…撮像画像
PB…鳥瞰視画像
PD…差分画像
MP…マスク画像
S…スミア
SP…スミア画像
SB…スミア鳥瞰視画像
V…自車両
VX…他車両

Claims (15)

  1. 車両に搭載され、車両後方を撮像する撮像手段と、
    前記車両後方の右側及び左側のそれぞれに検出領域を設定する検出領域設定手段と、
    前記撮像手段により得られた画像を鳥瞰視画像に視点変換する画像変換手段と、
    前記画像変換手段により得られた異なる時刻の鳥瞰視画像の位置を鳥瞰視上で位置合わせし、当該位置合わせされた鳥瞰視画像の差分画像上において、前記鳥瞰視画像を視点変換した際に立体物が倒れ込む方向に沿って、前記差分画像上において所定の差分を示す画素数をカウントして度数分布化することで差分波形情報を生成し、当該差分波形情報に基づいて、前記検出領域に存在する立体物を検出するとともに、前記差分波形情報の波形の時間変化から立体物の移動距離を算出する立体物検出手段と、を備え、
    前記検出領域設定手段は、前記立体物検出手段が立体物の移動距離を算出する場合には第1検出領域を設定し、前記立体物検出手段が前記検出領域に存在する立体物を検出する場合には前記第1検出領域よりも面積が小さい第2検出領域を設定することを特徴とする立体物検出装置。
  2. 車両に搭載され、車両後方を撮像する撮像手段と、
    前記車両後方の右側及び左側のそれぞれに検出領域を設定する検出領域設定手段と、
    前記撮像手段により得られた画像を鳥瞰視画像に視点変換する画像変換手段と、
    前記画像変換手段により得られた鳥瞰視画像において、鳥瞰視画像に視点変換した際に立体物が倒れ込む方向に沿って、互いに隣接する画像領域の輝度差が所定閾値以上であるエッジ情報を検出し、当該エッジ情報に基づいて立体物を検出するとともに、前記エッジ情報の時間変化から立体物の移動距離を算出する立体物検出手段と、を備え、
    前記検出領域設定手段は、前記立体物検出手段が立体物の移動距離を算出する場合には第1検出領域を設定し、前記立体物検出手段が前記検出領域に存在する立体物を検出する場合には前記第1検出領域よりも面積が小さい第2検出領域を設定することを特徴とする立体物検出装置。
  3. 前記第2検出領域は、前記第1検出領域のうち前記撮像手段の設置位置を基準とした後方距離が所定距離以上の領域を欠損させた領域であることを特徴とする請求項1又は2に記載の立体物検出装置。
  4. 前記第2検出領域は、前記第1検出領域のうち前記撮像手段の設置位置を基準とした側方距離が所定距離以上の領域を欠損させた領域であることを特徴とする請求項1又は2に記載の立体物検出装置。
  5. 前記撮像手段の設置位置を基準とした側方距離の所定距離は、前記撮像手段から離隔するに従い大きくなることを特徴とする請求項4に記載の立体物検出装置。
  6. 前記第2検出領域は、前記第1検出領域のうち前記撮像手段の設置位置を基準とした後方距離が所定距離以内かつ前記撮像手段の設置位置を基準とした側方距離が所定距離以上である領域を欠損させた領域であることを特徴とする請求項1又は2に記載の立体物検出装置。
  7. 前記車両後方の右側に設定された前記第2検出領域は、前記車両後方の右側に設定された前記第1検出領域のうち車両前方側の右端に位置する頂点を含む領域を欠損させた領域であり、前記車両後方の左側に設定された前記第2検出領域は、前記車両後方の左側に設定された前記第1検出領域のうち車両前方側の左端に位置する頂点を含む領域を欠損させた領域であることを特徴とする請求項1又は2に記載の立体物検出装置。
  8. 車両に搭載され、車両後方を撮像する撮像手段と、
    前記車両後方の右側及び左側のそれぞれに検出領域を設定する検出領域設定手段と、
    前記撮像手段により得られた画像を鳥瞰視画像に視点変換する画像変換手段と、
    前記画像変換手段により得られた異なる時刻の鳥瞰視画像の位置を鳥瞰視上で位置合わせし、当該位置合わせされた鳥瞰視画像の差分画像上において、前記鳥瞰視画像を視点変換した際に立体物が倒れ込む方向に沿って、前記差分画像上において所定の差分を示す画素数をカウントして度数分布化することで差分波形情報を生成し、当該差分波形情報に基づいて、前記検出領域に存在する立体物を検出するとともに、前記差分波形情報の波形の時間変化から立体物の移動距離を算出する立体物検出手段と、を備え、
    前記検出領域設定手段は、前記立体物検出手段が立体物の移動距離を算出する場合には第1検出領域を設定し、前記立体物検出手段が前記検出領域に存在する立体物を検出する場合には前記第1検出領域とは異なる第2検出領域を設定し、
    前記車両後方の右側に設定された前記第2検出領域は、前記車両後方の右側に設定された前記第1検出領域のうち車両前方側の右端に位置する頂点を含む領域を欠損させた領域であり、前記車両後方の左側に設定された前記第2検出領域は、前記車両後方の左側に設定された前記第1検出領域のうち車両前方側の左端に位置する頂点を含む領域を欠損させた領域であることを特徴とする立体物検出装置。
  9. 車両に搭載され、車両後方を撮像する撮像手段と、
    前記車両後方の右側及び左側のそれぞれに検出領域を設定する検出領域設定手段と、
    前記撮像手段により得られた画像を鳥瞰視画像に視点変換する画像変換手段と、
    前記画像変換手段により得られた鳥瞰視画像において、鳥瞰視画像に視点変換した際に立体物が倒れ込む方向に沿って、互いに隣接する画像領域の輝度差が所定閾値以上であるエッジ情報を検出し、当該エッジ情報に基づいて立体物を検出するとともに、前記エッジ情報の時間変化から立体物の移動距離を算出する立体物検出手段と、を備え、
    前記検出領域設定手段は、前記立体物検出手段が立体物の移動距離を算出する場合には第1検出領域を設定し、前記立体物検出手段が前記検出領域に存在する立体物を検出する場合には前記第1検出領域とは異なる第2検出領域を設定し、
    前記車両後方の右側に設定された前記第2検出領域は、前記車両後方の右側に設定された前記第1検出領域のうち車両前方側の右端に位置する頂点を含む領域を欠損させた領域であり、前記車両後方の左側に設定された前記第2検出領域は、前記車両後方の左側に設定された前記第1検出領域のうち車両前方側の左端に位置する頂点を含む領域を欠損させた領域であることを特徴とする立体物検出装置。
  10. 前記検出領域設定手段は、前記立体物検出手段が前記自車両に接近する立体物を検出した場合には、前記第2検出領域を拡張することを特徴とする請求項1〜9の何れか一項に記載の立体物検出装置。
  11. 前記立体物検出手段が立体物の移動距離を算出する場合に前記検出領域設定手段により設定される第1検出領域は、前記検出領域設定手段により前記車両後方の右側及び左側のそれぞれに設定される検出領域と、同じ大きさであることを特徴とする請求項1〜10の何れか一項に記載の立体物検出装置。
  12. 車両に搭載されたカメラにより撮像された車両後方の画像情報を取得するステップと、
    前記車両後方の右側及び左側のそれぞれに検出領域を設定するステップと、
    前記画像情報に基づいて前記検出領域に存在する立体物を検出するとともに、前記立体物の移動距離を算出するステップと、
    前記検出領域を設定するステップにおいて、前記立体物の移動距離を算出する場合には第1検出領域を設定し、前記検出領域に存在する立体物を検出する場合には第1検出領域よりも面積が小さい第2検出領域を設定することを特徴とする立体物検出方法。
  13. 車両に搭載されたカメラにより撮像された車両後方の画像情報を取得するステップと、
    前記車両後方の右側及び左側のそれぞれに検出領域を設定するステップと、
    前記画像情報に基づいて前記検出領域に存在する立体物を検出するとともに、前記立体物の移動距離を算出するステップと、
    前記検出領域を設定するステップにおいて、前記立体物の移動距離を算出する場合には第1検出領域を設定し、前記検出領域に存在する立体物を検出する場合には第1検出領域とは異なる第2検出領域を設定する立体物検出方法であって、
    前記車両後方の右側に設定される前記第2検出領域は、前記車両後方の右側に設定された前記第1検出領域のうち車両前方側の右端に位置する頂点を含む領域を欠損させた領域であり、前記車両後方の左側に設定される前記第2検出領域は、前記車両後方の左側に設定された前記第1検出領域のうち車両前方側の左端に位置する頂点を含む領域を欠損させた領域であることを特徴とする立体物検出方法。
  14. 車両に搭載され、車両後方を撮像する撮像手段と、
    前記車両後方の右側及び左側のそれぞれに、第1の検出領域と当該第1検出領域のうち前記撮像手段の設置位置から前記車両の側方方向の距離が所定距離以上の領域を欠損させた第2検出領域とを含む検出領域を設定する検出領域設定手段と、
    前記撮像手段により得られた画像を鳥瞰視画像に視点変換する画像変換手段と、
    前記画像変換手段により得られた異なる時刻の鳥瞰視画像の位置を鳥瞰視上で位置合わせし、当該位置合わせされた鳥瞰視画像の差分画像上において、前記鳥瞰視画像を視点変換した際に立体物が倒れ込む方向に沿って、前記差分画像上において所定の差分を示す画素数をカウントして度数分布化することで差分波形情報を生成し、当該差分波形情報に基づいて、前記検出領域に存在する立体物を検出するとともに、前記差分波形情報の波形の時間変化から立体物の移動距離を算出する立体物検出手段と、を備え、
    前記立体物検出手段は、前記検出領域設定手段により設定された第1検出領域の画像情報に基づいて前記立体物の移動距離を算出するとともに、前記検出領域設定手段により設定された前記第2検出領域の画像情報に基づいて前記立体物を検出し、
    前記検出領域設定手段は、前記移動距離に基づく前記立体物の移動速度が所定値域内である場合には、前記第2検出領域を前記撮像手段の設置位置から前記車両の側方方向へ拡張することを特徴とする立体物検出装置。
  15. 車両に搭載され、車両後方を撮像する撮像手段と、
    前記車両後方の右側及び左側のそれぞれに、第1の検出領域と当該第1検出領域のうち前記撮像手段の設置位置から前記車両の側方方向の距離が所定距離以上の領域を欠損させた第2検出領域とを含む検出領域を設定する検出領域設定手段と、
    前記撮像手段により得られた画像を鳥瞰視画像に視点変換する画像変換手段と、
    前記画像変換手段により得られた鳥瞰視画像において、鳥瞰視画像に視点変換した際に立体物が倒れ込む方向に沿って、互いに隣接する画像領域の輝度差が所定閾値以上であるエッジ情報を検出し、当該エッジ情報に基づいて立体物を検出するとともに、前記エッジ情報の時間変化から立体物の移動距離を算出する立体物検出手段と、を備え、
    前記立体物検出手段は、前記検出領域設定手段により設定された第1検出領域の画像情報に基づいて前記立体物の移動距離を算出するとともに、前記検出領域設定手段により設定された前記第2検出領域の画像情報に基づいて前記立体物を検出し、
    前記検出領域設定手段は、前記移動距離に基づく前記立体物の移動速度が所定値域内である場合には、前記第2検出領域を前記撮像手段の設置位置から前記車両の側方方向へ拡張することを特徴とする立体物検出装置。
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