以下、本実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態の移動通信システムを示す図である。第1の実施の形態に係る移動通信システムは、無線通信装置1および移動通信装置2,3を含む。
無線通信装置1は、第1の種類および第2の種類の移動局と無線通信が可能である。無線通信装置1は、例えば、基地局、または、基地局と移動局との間で無線通信をリレーする中継局である。移動通信装置2は、第2の種類の移動局であり、移動通信装置3は、第1の種類の移動局である。移動通信装置2,3は、例えば、携帯電話機や携帯情報端末装置などの無線端末装置である。
無線通信装置1は、第1の生成部1a、第2の生成部1bおよび送信部1cを有する。第1の生成部1aは、第1の種類および第2の種類の両方の移動局が参照する第1の報知情報を生成する。第2の生成部1bは、第1の種類の移動局は参照しないが、第2の種類の移動局が参照する第2の報知情報を生成する。送信部1cは、第1の生成部1aが生成した第1の報知情報を、第1の報知チャネル4aで送信(報知)する。また、送信部1cは、第2の生成部1bが生成した第2の報知情報を、第1の報知チャネル4aと異なる第2の報知チャネル4bで送信(報知)する。
移動通信装置2は、受信部2aおよび制御部2bを有する。受信部2aは、無線通信装置1から、第1の報知チャネル4aで送信された第1の報知情報を受信する。また、受信部2aは、第2の報知チャネル4bで送信された第2の報知情報を受信する。制御部2bは、受信部2aが受信した第1および第2の報知情報の両方を参照して、無線通信装置1との間の通信を制御する。一方、移動通信装置3は、第1の報知情報を受信するが、第2の報知情報を受信しない。すなわち、移動通信装置3は、第2の報知情報を参照せずに、無線通信装置1との間の通信を制御する。
ここで、無線通信装置1は、複数の周波数帯域を使用して無線通信を行ってもよい。その場合、無線通信装置1は、各周波数帯域について、当該周波数帯域を用いて無線通信装置1に接続するための情報(例えば、周波数帯域の帯域幅を示す情報)を、第1の報知情報に含めて送信してもよい。更に、複数の周波数帯域と移動局の種類との関係を示す情報を、第2の報知情報に含めて送信してもよい。
一方、移動通信装置2は、第2の報知情報に基づいて、複数の周波数帯域のうち第2の種類の移動局が使用可能な周波数帯域を判断してもよい。そして、使用可能と判断した周波数帯域についての第1の報知情報に基づいて、その周波数帯域で無線通信装置1に接続してもよい。複数の周波数帯域と移動局の種類との関係を示す情報は、例えば、以下のような意味をもつ情報として定義することができる。
1)第2の種類の移動局が使用可能な周波数帯域を指定した情報
2)第2の種類の移動局が使用できない周波数帯域を指定した情報
3)当該情報の送信に用いられた周波数帯域は、第2の種類の移動局が使用可能な周波数帯域であることを意味する情報
4)当該情報の送信に用いられた周波数帯域は、第2の種類の移動局が使用できない周波数帯域であることを意味する情報
また、無線通信装置1は、複数の周波数帯域それぞれに、識別情報を付与してもよい。識別情報は、第2の報知情報において、複数の周波数帯域と移動局の種類との関係を表すために用いることができる。識別情報としては、例えば、セルIDや、同一セル内で一意な番号などを用いることができる。識別情報としてセルIDを用いる場合、1つのセルに複数のセルIDが割り当てられることになる。また、移動局は、複数の周波数帯域それぞれを、(仮想的に)異なるセルとして認識する可能性がある。
第1の報知チャネル4aは、例えば、複数の周波数帯域それぞれに設定する。第2の報知チャネル4bは、複数の周波数帯域それぞれに設定してもよいし、一部の周波数帯域にのみ設定してもよい。後者の場合、所定の周波数帯域(例えば、周波数軸上で中央にある周波数帯域)に設定する方法や、第2の種類の移動局が使用可能な周波数帯域に設定する方法などが考えられる。また、周波数と時間によって特定される無線リソース領域の中で、第2の報知チャネル4bを、第1の報知チャネル4aと隣接するよう設定してもよい。また、第2の報知チャネル4bを、同期信号を送信するための同期チャネルと隣接するよう設定してもよい。
なお、この移動通信システムは、例えば、LTE−Aシステムとして実現できる。その場合、第1の種類の移動局をLTE対応の移動局とし、第2の種類の移動局をLTE−A対応の移動局として実現することができる。また、第1の報知チャネル4aをLTEとLTE−Aとで共通に定義されている報知チャネルとし、第2の報知チャネル4bをLTEでは定義されていない拡張報知チャネルとして実現することができる。また、LTE−Aでは上記の複数の周波数帯域それぞれを、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)またはキャリアコンポーネント(CC:Carrier Component)と呼ぶことがある。
このような第1の実施の形態に係る移動通信装置では、無線通信装置1により、第1および第2の種類の移動局による処理に用いられる第1の報知情報が生成され、第2の種類の移動局による処理に用いられる第2の報知情報が生成される。第1の報知情報が第1の報知チャネル4aで送信され、第2の報知情報が第2の報知チャネル4bで送信される。また、移動通信装置2により、第1の報知チャネル4aで送信された第1の報知情報と、第2の報知チャネル4bで送信された第2の報知情報とが受信される。受信された第1および第2の報知情報に基づいて、無線通信装置1と移動通信装置2との間の通信が制御される。
すなわち、第1の種類の移動局は参照しない(または、参照できない)が第2の種類の移動局は参照する報知情報を、第1の種類および第2の種類の移動局が共通に参照する報知情報とは別の報知チャネルで報知する。これにより、複数の種類の移動局の存在を考慮した通信制御を効率的に実現することができる。
例えば、LTE−Aシステムとして実現した場合、LTEで定義された報知情報を従来の報知チャネルで報知し、加えて、LTE−Aで追加すべき報知情報を拡張報知チャネルで報知することが考えられる。この場合、LTE対応の移動局(LTE−A非対応の移動局)が従来の報知情報を受信できるようにしつつ、LTE−A対応の移動局が追加された報知情報を受信できるようになる。すなわち、後方互換性を備えた効率的なLTE−Aシステムを実現することが可能となる。
更に、第2の報知情報に、複数の周波数帯域と移動局の種類との関係を示す情報を含めて報知することで、無線リソースの割り当て制御を容易にすることができる。すなわち、第2の種類の移動局に使用させたい(または、使用させたくない)周波数帯域を指定して報知しておくことで、第2の種類の移動局を一部の周波数帯域に容易に誘導することができる。特に、LTE−Aシステムの場合、LTE対応の移動局は1つの周波数帯域のみ使用するのに対し、LTE−A対応の移動局は複数の周波数帯域を使用し得るため、上記の誘導は、無線リソースの利用効率の向上を図れるという点でも有用である。
以下の第2の実施の形態では、第1の実施の形態に係る無線通信方法を、LTE−Aシステムに適用した場合を考える。ただし、上記の無線通信方法は、もちろん、他の種類の移動通信システムに適用することも可能である。
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態の移動通信システムを示す図である。第2の実施の形態に係る移動通信システムは、基地局100、中継局200および移動局300,400を有する。この移動通信システムは、LTE−Aの通信規格に対応している。
基地局100は、直接または中継局200を介して、移動局300,400と無線通信が可能な無線通信装置である。基地局100は、有線の上位ネットワーク(図示せず)に接続され、上位ネットワークと移動局300,400との間でデータを転送する。基地局100は、配下に3つのセル(セクタと呼ばれることもある)を管理している。基地局100は、無線通信に5つのコンポーネントキャリア(以下、CCと呼ぶ)を使用する。
中継局200は、配下のセルに移動局300,400が存在する場合に、基地局100と移動局300,400との間で無線通信を中継する無線通信装置である。中継局200は、リレー局と呼ばれることもある。中継局200は、無線通信に基地局100と同じ周波数帯域の5つのCCを使用する。
移動局300,400は、基地局100または中継局200に接続して無線通信を行う無線端末装置であり、例えば、携帯電話機や携帯情報端末装置などである。移動局300は、下りリンク(基地局100または中継局200から移動局300への無線リンク)では、最大で5つのCCを同時に用いてデータを受信でき、上りリンク(移動局300から基地局100または中継局200への無線リンク)では、最大で2つのCCを同時に用いてデータを送信できる。一方、移動局400は、下りリンクおよび上りリンク共に、何れか1つのCCのみを用いてデータを送受信する。
ここで、本実施の形態では、複数のCCを集約して用いることがない移動局を、LTE移動局、複数のCCを集約して用いることが可能な移動局を、LTE−A移動局と呼ぶ。移動局300はLTE−A移動局であり、移動局400はLTE移動局である。基地局100および中継局200には、LTE−A移動局とLTE移動局の両方が接続できる。
なお、3GPPにおいて、LTEの通信規格はリリース8の仕様書で定義され、LTE−Aの通信規格はリリース10の仕様書で定義される。ただし、リリース10対応の移動局の全てが、複数のCCを集約して用いることが可能な移動局(LTE−A移動局)とは限らない。すなわち、リリース10に対応したLTE移動局が存在する可能性もある。また、本実施の形態では、リリース9対応の移動局を、リリース8対応の移動局と同様に、LTE移動局として扱うこととする。
図3は、コンポーネントキャリアの設定例を示す図である。基地局100および中継局200は、図3に示すように、5つのCCを使用する。双方向通信のために周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)を用いる場合、下りリンク(DL:DownLink)および上りリンク(UL:UpLink)それぞれについて、CC#1〜#5の周波数帯域が確保される。以下では、単にCC#1〜#5と呼ぶ場合、DLの周波数帯域とULの周波数帯域の組を指すことがある。DLおよびUL共に、CCそれぞれの帯域幅は20MHzであり、全体の帯域幅は100MHzとなる。基地局100および中継局200は、CC#1〜#5それぞれについて、無線リソースの割り当て(スケジューリング)を行う。
なお、図3の例では、FDDにより双方向通信を実現しているが、時分割複信(TDD:Time Division Duplex)により双方向通信を実現することも可能である。その場合、周波数軸上では、DLとULとを区別せずに、5つのCCが設けられる。また、図3の例では、全てのCCの帯域幅を20MHzに設定したが、他の帯域幅(例えば、5MHz、10MHz、15MHzなど)に設定してもよい。また、全てのCCの帯域幅を同一に設定しなくてもよい。
また、図3の例では、UL無線リソースを低周波数側に設け、DL無線リソースを高周波数側に設けている。周波数が低い方が信号の伝搬損失が小さくなるため、UL無線リソースを低周波数側に設けることで、移動局300,400の送信電力を低く抑えることができる。ただし、UL無線リソースとDL無線リソースの配置を逆にしてもよい。
このように、移動局300は、CC#1〜#5のうちの複数のCCを集約することで、1つのCCの帯域幅(例えば、20MHz)よりも広い帯域幅(例えば、40MHz、60MHz、80MHz、100MHzなど)を用いたデータ送受信が可能となる。
ここで、CC#1〜#5は、800MHz帯、2.5GHz帯、3.5GHz帯などの周波数バンドの何れか1つに全て設けてもよいし、異なる複数の周波数バンドに分散して設けてもよい。同一の周波数バンドに属する複数の連続または不連続のCCを集約することを、キャリアアグリゲーション(Carrier Aggregation)と呼ぶことがある。一方、異なる周波数バンドに属するCCを集約することを、スペクトルアグリゲーション(Spectrum Aggregation)と呼ぶことがある。
図4は、キャリアアグリゲーションの第1の例を示す図である。図4の例では、3.5GHz帯に、無線通信に使用可能な帯域として、4つの不連続な5MHz幅の帯域と、3つの不連続な20MHz幅の帯域とが用意されている。そして、4つの5MHzの帯域を集約することで、20MHz幅のCC#2が形成されている。また、1つの20MHz幅の帯域が、CC#3として定義されている。
移動局300は、例えば、CC#2,#3を、キャリアアグリゲーションにより、40MHzの周波数帯域(論理的に1つの周波数帯域)として使用することができる。この場合、実際には、移動局300は、3.5GHz帯に属する4つの5MHz幅の帯域と1つの20MHz幅の帯域とを使用していることになる。なお、図4では3.5GHz帯に属する周波数帯域の例を挙げたが、800MHz帯など他の周波数バンドでも、20MHzより小さい周波数幅の帯域を集約して利用することが可能である。
図5は、キャリアアグリゲーションの第2の例を示す図である。図5の例では、3.5GHz帯に、無線通信に使用可能な帯域として、連続した80MHz幅の帯域が用意されている。そして、この80MHz幅の帯域が4つに分割されて、それぞれが20MHz幅のCC#2〜#5として定義されている。
移動局300は、例えば、CC#2,#3を、キャリアアグリゲーションにより、40MHzの周波数帯域(論理的に1つの周波数帯域)として使用することができる。この場合、実際には、移動局300は、3.5GHz帯に属する連続する80MHz幅の帯域のうちの一部分を使用していることになる。
図6は、スペクトルアグリゲーションの例を示す図である。図6の例では、2GHz帯に、無線通信に使用可能な帯域として、連続した20MHz幅の帯域が用意されている。また、3.5GHz帯に、無線通信に使用可能な帯域として、連続した80MHz幅の帯域が用意されている。そして、2GHz帯の20MHz幅の帯域がCC#1として定義されると共に、3.5GHz帯の80MHz幅の帯域が4つに分割されて、それぞれが20MHz幅のCC#2〜#5として定義されている。
移動局300は、例えば、CC#1〜#5を、スペクトルアグリゲーションにより、100MHzの周波数帯域(論理的に1つの周波数帯域)として使用することができる。この場合、実際には、移動局300は、2GHz帯に属する20MHz幅の帯域と、3.5GHz帯に属する連続する80MHz幅の帯域とを使用していることになる。なお、図4のように、2GHz帯に属する20MHzより小さい周波数幅の複数の帯域を集約して、CC#1を形成するようにしてもよい。
図7は、移動局とコンポーネントキャリアとの関係を示す図である。移動局400は、前述の通り、LTE移動局である。よって、移動局400は、キャリアアグリゲーションやスペクトルアグリゲーションを適用することがなく、CC#1〜#5の何れかを用いてデータ送受信を行う。すなわち、最大で20MHz幅の周波数帯域を使用する。
一方、移動局300は、LTE−A移動局である。よって、移動局300は、キャリアアグリゲーションやスペクトルアグリゲーションを適用することで、CC#1〜#5のうちの複数のCCを用いてデータ送受信を行うことが可能である。すなわち、20MHz幅または40MHz幅の周波数帯域を用いたデータの送信(上りリンク通信)を行うことができる。また、20MHz幅、40MHz幅、60MHz幅、80MHz幅または100MHz幅の周波数帯域を用いたデータの受信(下りリンク通信)を行うことができる。
ところで、基地局100および中継局200は、配下のセルにおいてCC#1〜#5を識別するために、各CCに対してIDを割り当てている。IDの割り当て方法としては、例えば、以下のような方法が考えられる。
1)各CCに対してセルIDを割り当てる方法
一般にLTEシステムでは、各セルに対して1つのセルIDが割り当てられる。これに対し、各セルに対して5つのセルIDを割り当てるようにする。そして、5つのセルIDをCC#1〜#5に対応付けることで、各CCを識別できるようにする。
2)各CCに対して拡張セルIDを割り当てる方法
一般にLTEシステムでは、504個のセルIDが用意されており、移動局はセルIDを用いて周辺セルそれぞれを識別する。もし、各セルに5つのセルIDを割り当てると、移動通信システムの設計上、セルIDの枯渇が問題となる場合も考えられる。その場合、LTEで定義されたセルIDよりも総数の多い拡張セルIDを定義し、各セルに対して5つの拡張セルIDを割り当てるようにする。そして、5つの拡張セルIDをCC#1〜#5に対応付けることで、各CCを識別できるようにする。
3)各CCに対してセル内で一意な番号を割り当てる方法
少なくともセル内で一意な番号を、CC番号としてCC#1〜#5に割り当てるようにする。例えば、セル毎に、CC#1に「1」、CC#2に「2」、CC#3に「3」、CC#4に「4」、CC#5に「5」という番号を付与する。なお、セル番号は、少なくともセル内で一意であればよく、複数のセルのCCに対して通し番号を付与することも可能である。例えば、同一の基地局または中継局が管理する複数のセルのCCに対して、通し番号を付与することも可能である。
図8は、コンポーネントキャリア識別情報の第1の割り当て例を示す図である。図8の例は、上記の第1または第2の方法を採用したものである。基地局100が管理する第1のセルのCC#1〜#5に対し、セルID(または拡張セルID)「1」〜「5」を割り当てる。第2のセルのCC#1〜#5に対し、セルID(または拡張セルID)「6」〜「10」を割り当てる。第3のセルのCC#1〜#5に対し、セルID(または拡張セルID)「11」〜「15」を割り当てる。また、中継局200が管理するセルのCC#1〜#5に対し、セルID(または拡張セルID)「16」〜「20」を割り当てる。
図9は、コンポーネントキャリア識別情報の第2の割り当て例を示す図である。図9の例は、上記の第3の方法を採用したものである。基地局100が管理する第1のセルのCC#1〜#5に対し、セル番号「1」〜「5」を割り当て、第2のセルのCC#1〜#5に対し、セル番号「6」〜「10」を割り当て、第3のセルのCC#1〜#5に対し、セル番号「11」〜「15」を割り当てる。また、中継局200が管理するセルのCC#1〜#5に対し、セル番号「1」〜「5」を割り当てる。
図10は、無線フレームの構造例を示す図である。CC#1〜#5それぞれにおいて、図10に示すような無線フレームが、基地局100と移動局300,400との間、および、中継局200と移動局300,400との間で送受信される。ただし、図10に示した構造は一例であり、無線フレームの構造はこれに限定されない。
この例では、10ms周期の無線フレームには、1ms幅の10個のサブフレーム(サブフレーム#0〜#9)が含まれている。各サブフレームには、0.5ms幅の2個のスロットが含まれている。すなわち、10ms周期の無線フレームには、20個のスロット(スロット#0〜#19)が含まれることになる。
DL無線フレームでは、スロット#0,#10に、同期信号を送信するためのプライマリ同期チャネル(P−SCH:Primary Synchronization CHannel)およびセカンダリ同期チャネル(S−SCH:Secondary Synchronization CHannel)が割り当てられる。また、スロット#1に、報知情報を送信(報知)するための物理報知チャネル(PBCH:Physical Broadcast CHannel)および拡張物理報知チャネル(E−PBCH:Extended Physical Broadcast CHannel)が割り当てられる。
無線フレーム内の無線リソースは、時間方向および周波数方向に細分化されて管理される。DLフレームにはOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が、ULフレームにはSC−FDMA(Single-Carrier Frequency Division Multiple Access)が用いられる。時間×周波数の領域の無線リソースが、各種チャネルに割り当てられる。
時間方向について、スロットは、7個または6個のシンボルを含む。シンボルには、CP(Cyclic Prefix)と呼ばれるインターバル信号が挿入されている。CPには、通常CPと拡張CPという、長さの異なる2種類のCPが存在する。通常CPの場合、1スロットに7シンボルが含まれ、拡張CPの場合、1スロットに6シンボルが含まれる。周波数方向について、CCは複数のサブキャリアを含む。
図11は、拡張物理報知チャネルの第1の割り当て例を示す図である。図11において縦方向が時間軸であり、横方向が周波数軸である。また、図11の例は、CPとして通常CPを用いた場合、すなわち、1スロットに7シンボルが含まれる場合を示している。
DLフレームにおいて、スロット#0の第1シンボルには、PCFICH(Physical Control Format Indicator CHannel)およびPHICH(Physical Hybrid automatic repeat request Indicator CHannel)が割り当てられる。PCIFHは、下りリンク物理制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control CHannel)が割り当てられているシンボルの数を通知するためのチャネルである。PHICHは、データ受信に対するACK(ACKnowledgement)応答またはNACK(Negative ACKnowledgement)応答を返すためのチャネルである。PHICHは、第3シンボルに割り当てられることもある。
また、スロット#0の第1シンボルには、上記のPDCCHが割り当てられる。PDCCHは、L1/L2(Layer 1/Layer 2)の制御情報を送信するためのチャネルである。PDCCHは、第2シンボルおよび第3シンボルにも割り当てられることがある。PDCCHのシンボル数は、1個〜3個の間で可変である。
また、スロット#0の第6シンボルには、前述のS−SCHが割り当てられ、第7シンボルには、前述のP−SCHが割り当てられる。P−SCHは、所定数(例えば、3個)のプライマリ同期信号系列のうちの何れか1つが送信されるチャネルである。S−SCHは、所定数(例えば、168個)のセカンダリ同期信号系列のうちの何れか1つが送信されるチャネルである。P−SCH系列とS−SCH系列の組み合わせ(例えば、3個×168個=504通りの組み合わせ)が、セルIDと対応している。
CCに対するIDの割り当て方法として前述の第1の方法を採用した場合、すなわち、CC#1〜#5に互いに異なるセルIDを割り当てた場合、CCによってP−SCH系列およびS−SCH系列が異なることになる。なお、前述の通り、スロット#10にもP−SCHおよびS−SCHが割り当てられる。ただし、スロット#10で送信されるP−SCH系列はスロット#0のものと同じであるが、スロット#10で送信されるS−SCH系列は、スロット#0のものと異なる。
また、スロット#1の第1〜第4シンボルには、前述のPBCHが割り当てられ、第5〜第7シンボルには、前述のE−PBCHが割り当てられる。無線リソース領域上で、E−PBCHは、PBCHと時間方向に隣接している。PBCHは、LTEおよびLTE−Aで共通に定義された報知チャネルである。E−PBCHは、LTE−Aで追加された報知チャネルである。すなわち、LTE−A移動局である移動局300は、PBCHとE−PBCHの両方を検出することができる。一方、LTE移動局である移動局400は、PBCHを検出できるがE−PBCHを検出できない。
PBCHで送信される報知情報には、移動局300,400が、そのPBCHが設けられているCCに接続するための情報が含まれる。例えば、PBCHの報知情報には、周波数帯域幅(例えば、5MHz,10MHz,15MHz,20MHzなど)を示す情報が含まれる。これは、LTEおよびLTE−Aでは、周波数帯域幅が可変なためである。
E−PBCHで送信される報知情報(拡張報知情報)には、複数のCCが設けられたことに関する情報が含まれ得る。例えば、スケジューリングを容易にするため、基地局100または中継局200が、LTE移動局の接続できるCCおよびLTE−A移動局の接続できるCCを制限することも考えられる。その場合、CC#1〜#5と移動局の種類との対応関係を示す情報を、拡張報知情報に含めて送信することが考えられる。これにより、LTE−A移動局である移動局300は、接続の許可されているCCを、基地局100または中継局200へのアクセス前に知ることができ、接続処理を効率化できる。
CC#1〜#5と移動局の種類の対応関係を表す方法としては、LTE−A移動局の接続できるCCを指定する方法、LTE−A移動局の接続できないCCを指定する方法、LTE移動局の接続できるCCを指定する方法、LTE移動局の接続できないCCを指定する方法などが考えられる。拡張報知情報において、CCを表すために、各CCに付与されたIDを用いることができる。ただし、拡張報知情報は、CC#1〜#5と移動局の種類との対応関係を示す情報に限定されず、他にも種々の情報を含めることが可能である。
S−SCH、P−SCH、PBCHおよびE−PBCHは、図11に示すように、1つのCCの周波数(サブキャリア)全体に割り当てられるのではなく、一部の周波数(サブキャリア)のみに割り当てることができる。例えば、CCの中央付近の周波数に割り当てる。CCの境界付近ではなく中央付近の周波数に割り当てるのは、移動局300,400によるチャネル検出を容易にするためである。E−PBCHに割り当てる周波数は、PBCHに割り当てる周波数と同一でもよいし、異なってもよい。
また、DLフレームでは、上記のチャネルに使用される無線リソース以外のリソースの一部を用いて、既知のパイロット信号である参照信号(RS:Reference Signal)が送信される。移動局300,400は、参照信号を用いて、受信電力や受信品質を測定することができる。
図12は、拡張物理報知チャネルの第2の割り当て例を示す図である。図12の割り当て例は、E−PBCHの設定位置以外は、図11に示した例と同じである。図12の例では、スロット#0の第4〜第5シンボルに、E−PBCHが割り当てられる。無線リソース領域上で、E−PBCHは、S−SCHと時間方向に隣接している。E−PBCHに割り当てる周波数は、S−SCHに割り当てる周波数と同一でもよいし、異なってもよい。
図13は、拡張物理報知チャネルの第3の割り当て例を示す図である。図13の割り当て例は、E−PBCHの設定位置以外は、図11,12に示した例と同じである。図13の例では、スロット#0の第4〜第5シンボルとスロット#1の第5〜第7シンボルの両方に、E−PBCHが割り当てられる。無線リソース領域上で、E−PBCHは、S−SCHおよびPBCHと時間方向に隣接している。E−PBCHに割り当てる周波数は、S−SCHおよびPBCHに割り当てる周波数と同一でもよいし、異なっていてもよい。
このように、E−PBCHに割り当てる無線リソースの量を増やすことで、より多くの拡張報知情報を送信することができる。E−PBCHに割り当てる無線リソースを、送信すべき拡張報知情報の量に応じて可変としてもよい。また、図11〜13に示すように、E−PBCHを、同期チャネルおよびPBCHの少なくとも一方と時間方向に隣接させることで、移動局300によるE−PBCHの検出が容易になる。ただし、時間方向ではなく、周波数方向に隣接するように設定してもよい。また、E−PBCHを、同期チャネルおよびPBCHの何れとも隣接しないように設定することも可能である。
図14は、拡張物理報知チャネルの第4の割り当て例を示す図である。図14の割り当て例は、E−PBCHの設定位置以外は、図11〜13に示した例と同じである。図14の例では、スロット#1の第7シンボルに、E−PBCHが割り当てられる。無線リソース領域上で、E−PBCHは、PBCHと隣接しない。E−PBCHに割り当てる周波数は、PBCHに割り当てる周波数と同一でもよいし、異なっていてもよい。
図15は、拡張物理報知チャネルの第5の割り当て例を示す図である。図15の割り当て例は、E−PBCHの設定位置以外は、図11〜14に示した例と同じである。図15の例では、スロット#0の第4シンボルに、E−PBCHが割り当てられる。無線リソース領域上で、E−PBCHは、S−SCHと隣接しない。E−PBCHに割り当てる周波数は、S−SCHに割り当てる周波数と同一でもよいし、異なっていてもよい。
図16は、拡張物理報知チャネルの第6の割り当て例を示す図である。図16の割り当て例は、E−PBCHの設定位置以外は、図11〜15に示した例と同じである。図16の例では、スロット#1の第6シンボルに、E−PBCHが割り当てられる。無線リソース領域上で、E−PBCHは、PBCHと隣接しない。E−PBCHに割り当てる周波数は、PBCHに割り当てる周波数と同一でもよいし、異なっていてもよい。
以上、図11〜16では、CPとして通常CPを用いる場合(1スロットに7シンボルが含まれる場合)を例に挙げたが、CPとして拡張CPを用いる場合(1スロットに6シンボルが含まれる場合)も、同様の考え方でE−PBCHを設定することができる。その場合、例えば、図11の方法ではスロット#1の第5〜第6シンボルに、図12の方法ではスロット#0の第4シンボルに、図13の方法ではスロット#0の第4シンボルおよびスロット#1の第5〜第6シンボルに、図14の方法ではスロット#1の第6シンボルにE−PBCHを割り当てることになる。
図17は、基地局を示すブロック図である。基地局100は、送受信アンテナ111、無線受信部112、復調復号部113、品質情報抽出部114、スケジューラ115、RA制御信号抽出部116、RA制御部117、RA制御信号生成部118、報知情報生成部119、拡張報知情報生成部120、制御情報生成部121、同期信号生成部122、RS生成部123、マッピング部124、符号化変調部125および無線送信部126を有する。
送受信アンテナ111は、中継局200および移動局300,400が送信した無線信号を受信し、無線受信部112に出力する。また、送受信アンテナ111は、無線送信部126から取得した送信信号を無線出力する。なお、送受信兼用のアンテナではなく、送信用アンテナと受信用アンテナとを、基地局100に別個に設けてもよい。また、複数の送受信アンテナを用いて、ダイバーシティ送信を行うようにしてもよい。
無線受信部112は、送受信アンテナ111から取得した信号を無線信号処理し、高周波数の無線信号から低周波数のベースバンド信号への変換(ダウンコンバート)を行う。無線受信部112は、無線信号処理のために、例えば、低雑音増幅器(LNA:Low Noise Amplifier)、周波数変換器、帯域通過フィルタ(BPF:Band Pass Filter)、A/D(Analog to Digital)変換器などを備える。受信対象の周波数帯域は、スケジューラ115から指示される。
復調復号部113は、無線受信部112から取得したベースバンド信号を、復調および誤り訂正復号し、得られたデータ(ユーザデータと制御情報とを含む)を出力する。復調および復号は、所定の変調符号化方式(MCS:Modulation and Coding Scheme)またはスケジューラ115から指示された変調符号化方式に対応する方法で行う。変調方式の候補には、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)や16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)などのデジタル変調方式が含まれる。符号化方式の候補には、ターボ符号や低密度パリティ検査(LDPC:Low Density Parity Check)符号が含まれる。抽出されたユーザデータは、パケット形式に変換されて、上位ネットワークに転送される。
品質情報抽出部114は、移動局300,400が送信した制御情報である、無線品質の測定報告(Measurement Report)を抽出する。そして、品質情報抽出部114は、抽出した測定報告をスケジューラ115に出力する。
スケジューラ115は、品質情報抽出部114から取得した測定報告に基づいて、移動局300,400への無線リソースの割り当てを行う。そして、無線リソースの割り当て状況を、無線受信部112、復調復号部113、RA制御信号生成部118、符号化変調部125および無線送信部126に通知する。また、スケジューラ115は、測定報告に基づいて、変調符号化方式を適応的に選択する。そして、選択した変調符号化方式を、復調復号部113および符号化変調部125に通知する。
RA制御信号抽出部116は、移動局300,400がランダムアクセス(RA)の際に基地局100に送信する制御信号を抽出する。ランダムアクセスは、移動局300,400が基地局100に接続する際に、両者の間で行われる手続きである。RA制御信号抽出部116が抽出する制御信号には、UL無線フレームに設けられた物理ランダムアクセスチャネル(PRACH:Physical Random Access CHannel)で送信されるランダムアクセスプリアンブル信号や、上りリンク物理共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared CHannel)で送信されるスケジュールドトランスミッション信号が含まれる。
RA制御部117は、RA制御信号抽出部116で抽出された制御信号に基づいて、ランダムアクセスを制御する。具体的には、RA制御部117は、ランダムアクセスプリアンブル信号が検出されると、その信号の送信に用いられたCCが、送信元の移動局の種類(LTE移動局またはLTE−A移動局)に対応しているか判断し、受け入れの可否を決定する。そして、決定結果をRA制御信号生成部118に通知する。また、RA制御部117は、スケジュールドトランスミッション信号が正しく検出されると、その旨をRA制御信号生成部118に通知する。
RA制御信号生成部118は、スケジューラ115およびRA制御部117からの通知に基づいて、ランダムアクセスの際に移動局300,400に送信される制御信号を生成する。具体的には、RA制御信号生成部118は、ランダムアクセスプリアンブル信号に対する応答として、受け入れの可否を示すランダムアクセスレスポンス信号を生成する。また、スケジュールドトランスミッション信号に対する応答として、コンテンションレゾリューション信号を生成する。
報知情報生成部119は、PBCHで送信(報知)する報知情報をCC毎に生成する。この報知情報には、当該CCの周波数帯域幅を示す情報などが含まれる。拡張報知情報生成部120は、E−PBCHで送信(報知)する拡張報知情報を生成する。拡張報知情報には、CC#1〜#5と移動局の種類との対応を示す情報が含まれる。制御情報生成部121は、PDCCHで送信するL1/L2の制御情報を生成する。この制御情報には、UL無線リソースの割り当て結果や適用される変調符号化方式を示す情報などが含まれる。同期信号生成部122は、P−SCH系列およびS−SCH系列をCC毎に生成する。RS生成部123は、既知信号である参照信号を生成する。
マッピング部124は、上位ネットワークから受信したユーザデータと、RA制御信号生成部118、報知情報生成部119、拡張報知情報生成部120、制御情報生成部121、同期信号生成部122およびRS生成部123が生成した制御情報/制御信号とを、DL無線フレームにマッピングする。そして、マッピング後のデータを符号化変調部125に順次出力する。
符号化変調部125は、マッピング部124から取得したデータを誤り訂正符号化および変調し、送信信号としてのベースバンド信号を生成して無線送信部126に出力する。符号化および変調は、所定の変調符号化方式またはスケジューラ115から指示された変調符号化方式を用いる。変調方式の候補には、QPSKや16QAMなどのデジタル変調方式が含まれる。符号化方式の候補には、ターボ符号やLDPC符号が含まれる。
無線送信部126は、符号化変調部125から取得した送信信号を無線信号処理し、低周波数のベースバンド信号から高周波数の無線信号へ変換(アップコンバート)を行う。無線送信部126は、無線信号処理のために、例えば、D/A(Digital to Analog)変換器、周波数変換器、帯域通過フィルタ、電力増幅器などを備える。送信対象の周波数帯域は、スケジューラ115から指示される。
図18は、中継局を示すブロック図である。中継局200は、送受信アンテナ211,228、無線受信部212、復調復号部213、品質情報抽出部214、スケジューラ215、RA制御信号抽出部216、RA制御部217、RA制御信号生成部218、報知情報生成部219、拡張報知情報生成部220、制御情報生成部221、同期信号生成部222、RS生成部223、マッピング部224、符号化変調部225、無線送信部226および基地局側通信部227を有する。
送受信アンテナ211から無線送信部226までのモジュールは、図18に示した基地局100における同名のモジュールと同様の処理を実行する。これらモジュールは、中継局200と移動局300,400との間の無線通信処理を行う。
基地局側通信部227は、中継局200と基地局100との間の無線通信処理を行う。基地局側通信部227は、復調復号部213から取得したユーザデータ(移動局300,400の送信データ)を、誤り訂正符号化、変調およびアップコンバートし、得られた送信信号を送受信アンテナ228に出力する。また、基地局側通信部227は、送受信アンテナ228から取得した無線信号を、ダウンコンバート、復調および誤り訂正復号し、抽出されたユーザデータ(基地局100の送信データ)をマッピング部224に出力する。
送受信アンテナ228は、基地局100が送信した無線信号を受信し、基地局側通信部227に出力する。また、送受信アンテナ228は、基地局側通信部227から取得した送信信号を無線出力する。なお、送受信アンテナ211と送受信アンテナ228とを別個に設けず、基地局100と移動局300,400の両方と並列に無線通信を行える送受信アンテナを設けてもよい。
図19は、移動局を示すブロック図である。移動局300は、送受信アンテナ311、無線受信部312、復調復号部313、制御情報抽出部314、報知情報抽出部315、拡張報知情報抽出部316、同期信号抽出部317、同期制御部318、端末制御部319、RS抽出部320、品質測定部321、品質情報生成部322、受信電力測定部323、セル選択部324、RA制御信号抽出部325、RA制御部326、RA制御信号生成部327、符号化変調部328および無線送信部329を有する。
送受信アンテナ311は、基地局100および中継局200が送信した無線信号を受信し、無線受信部312に出力する。また、送受信アンテナ311は、無線送信部329から取得した送信信号を無線出力する。なお、送受信兼用のアンテナではなく、送信用アンテナと受信用アンテナとを、移動局300に別個に設けてもよい。また、複数の送受信アンテナを用いて、ダイバーシティ送信を行うようにしてもよい。
無線受信部312は、送受信アンテナ311から取得した信号を無線信号処理し、高周波数の無線信号から低周波数のベースバンド信号への変換(ダウンコンバート)を行う。無線受信部312は、無線信号処理のために、例えば、低雑音増幅器、周波数変換器、帯域通過フィルタ、A/D変換器などを備える。受信対象の周波数帯域は、端末制御部319から指示される。
復調復号部313は、無線受信部312から取得したベースバンド信号を、復調および誤り訂正復号し、得られたデータ(ユーザデータと制御情報とを含む)を出力する。復調および復号は、所定の変調符号化方式または端末制御部319から指示された変調符号化方式に対応する方法で行う。
制御情報抽出部314は、基地局100または中継局200がPDCCHで送信したL1/L2の制御情報を抽出する。この制御情報には、UL無線リソースの割り当てや適用される変調符号化方式を示す情報などが含まれる。そして、制御情報抽出部314は、抽出した制御情報を端末制御部319に出力する。
報知情報抽出部315は、基地局100または中継局200がPBCHで報知した報知情報をCC毎に抽出する。この報知情報には、その報知情報が送信されたCCの周波数帯域幅を示す情報などが含まれる。報知情報抽出部315は、抽出した報知情報を端末制御部319に出力する。
拡張報知情報抽出部316は、基地局100または中継局200がE−PBCHで報知した拡張報知情報を抽出する。E−PBCHは少なくとも1つのCCに設けられている。この拡張報知情報には、CC#1〜#5と移動局の種類との対応を示す情報が含まれる。拡張報知情報抽出部316は、抽出した拡張報知情報を、同期制御部318、端末制御部319、品質測定部321、受信電力測定部323およびセル選択部324に出力する。
同期信号抽出部317は、基地局100または中継局200がP−SCHおよびS−SCHで送信した同期信号(プライマリ同期信号およびセカンダリ同期信号)をCC毎に抽出する。そして、同期信号抽出部317は、同期信号を同期制御部318に出力する。
同期制御部318は、同期信号抽出部317で抽出された同期信号に基づいて、10ms周期の無線フレームのタイミングを検出する。また、0.5ms周期のスロットのタイミングを検出する。そして、検出した無線フレームやスロットのタイミングを、無線受信部312、復調復号部313、RS抽出部320、符号化変調部328および無線送信部329に通知し、同期信号抽出部317にフィードバックする。また、同期制御部318は、基地局100または中継局200が使用したP−SCH系列およびS−SCH系列を特定し、両者の組み合わせからセルIDを特定する。そして、特定したセルIDをセル選択部324に通知する。
端末制御部319は、拡張報知情報抽出部316で抽出された拡張報知情報を参照し、LTE−A移動局が使用できるCCを判断する。また、報知情報抽出部315で抽出された報知情報を参照し、基地局100または中継局200へのアクセスを制御する。また、制御情報抽出部314で抽出された制御情報を参照し、移動局300に割り当てられた無線リソースを判断すると共に、適用されている変調符号化方式を判断する。そして、端末制御部319は、無線受信部312、復調復号部313、符号化変調部328および無線送信部329の動作を制御する。
RS抽出部320は、同期制御部318で検出された無線フレームやスロットのタイミングに基づいて、基地局100または中継局200が送信した参照信号を抽出する。そして、抽出した参照信号を、品質測定部321および受信電力測定部323に出力する。
品質測定部321は、拡張報知情報によって示される、LTE−A移動局が使用できるCCの受信品質を、RS抽出部320で抽出された参照信号を用いて測定する。LTE−A移動局が使用できないCCの受信品質は、測定しなくてもよい。そして、品質測定部321は、測定結果を品質情報生成部322に通知する。また、品質測定部321は、測定結果をRS抽出部320にフィードバックする。受信品質を示す指標としては、例えば、SINR(Signal to Interference and Noise Ratio)を用いることができる。
品質情報生成部322は、品質測定部321で測定された受信品質を示す制御情報(測定報告)を生成する。測定報告としては、例えば、受信品質を離散値で表したCQI(Channel Quality Indication)を用いることができる。
受信電力測定部323は、CC#1〜#5それぞれの受信電力(受信電界強度)を、RS抽出部320で抽出された参照信号を用いて測定する。測定の時点で既に、拡張報知情報抽出部316で抽出された拡張報知情報によって、LTE−A移動局の使用できるCCが特定されている場合、LTE−A移動局の使用できないCCの受信電力は測定しなくてもよい。そして、受信電力測定部323は、測定結果をセル選択部324に通知する。
セル選択部324は、同期制御部318で特定された周辺セルのセルID、および、受信電力測定部323で測定された受信電力に基づいて、移動局300が接続するセルを選択する。好ましくは、最も受信電力の大きいセルを選択する。また、拡張報知情報抽出部316で抽出された拡張報知情報、および、各CCの受信電力に基づいて、ランダムアクセスに用いるCCを選択する。好ましくは、接続可能なCCのうち受信電力の最も大きいものを選択する。そして、セル選択部324は、接続先のセルと使用するCCを、RA制御部326に通知する。
RA制御信号抽出部325は、ランダムアクセスの際に基地局100または中継局200がPDSCHで送信した制御信号を抽出する。この制御信号には、ランダムアクセスレスポンス信号やコンテンションレゾリューション信号が含まれる。そして、RA制御信号抽出部325は、抽出した制御信号をRA制御部326に出力する。
RA制御部326は、セル選択部324から接続先のセルと使用するCCが通知されると、通知されたCCを用いてランダムアクセスプリアンブル信号を送信するようRA制御信号生成部327に指示すると共に、応答の制御信号を抽出するようRA制御信号抽出部325に指示する。RA制御部326は、RA制御信号抽出部325でランダムアクセスレスポンス信号が抽出されると、スケジュールドトランスミッション信号を送信するようRA制御信号生成部327に指示する。
RA制御信号生成部327は、RA制御部326からの指示に応じて、PRACHで送信するランダムアクセスプリアンブル信号を生成する。また、RA制御信号生成部327は、RA制御部326からの指示に応じて、PUSCHで送信するスケジュールドトランスミッション信号を生成する。
符号化変調部328は、基地局100または中継局200に送信するユーザデータ、品質情報生成部322で生成された測定報告、および、RA制御信号生成部327で生成された制御信号を、誤り訂正符号化および変調すると共に、移動局300に割り当てられたUL無線リソースにマッピングする。符号化および変調は、所定の変調符号化方式または端末制御部319から指示された変調符号化方式を用いる。そして、送信信号としてベースバンド信号を、無線送信部329に出力する。
無線送信部329は、符号化変調部328から取得した送信信号を無線信号処理し、低周波数のベースバンド信号から高周波数の無線信号へ変換(アップコンバート)を行う。無線送信部329は、無線信号処理のために、例えば、D/A変換器、周波数変換器、帯域通過フィルタ、電力増幅器などを備える。送信対象の周波数帯域は、端末制御部319から指示される。
図20は、移動局から基地局への第1の接続例を示すシーケンス図である。このシーケンスは、LTE−A移動局である移動局300が基地局100に接続する場合を示している。移動局300が中継局200に接続する場合も、同様のシーケンスとなる。
(ステップS11) 基地局100は、CC#1〜#5それぞれのP−SCHおよびS−SCHで同期信号を送信する。CC#1〜#5のIDとしてセルIDを用いている場合は、CC毎に異なる同期信号を送信する。また、基地局100が複数のセルを管理している場合、セル毎に同期信号を送信する。同様に、中継局200も同期信号を送信する。
(ステップS12) 移動局300は、基地局100が送信している同期信号に基づいて、セル毎に無線フレームのタイミングを検出し、基地局100と同期をとる。CC#1〜#5の無線フレームのタイミングが揃っている場合、全てのCCについてタイミング検出を行わなくてもよい。同様に、移動局300は、中継局200との同期をとる。
(ステップS13) 基地局100は、CC#1〜#5それぞれで、パイロット信号である参照信号を送信する。CC#1〜#5で送信する参照信号は全て同一信号でもよい。同様に、中継局200も参照信号を送信する。
(ステップS14) 移動局300は、基地局100が送信している参照信号に基づいて、セル毎に基地局100からの受信電力を測定する。受信電力は、何れか1つのCCについて測定してもよいし、複数のCCについて測定してもよい。前者の場合、測定対象の周波数帯域を予め決めておいてもよい。後者の場合、複数のCCの受信電力の最大値や平均値を、基地局100からの受信電力と定義してもよい。同様に、移動局300は、中継局200からの受信電力を測定する。
(ステップS15) 移動局300は、ステップS14で測定された受信電力に基づいて、移動局300が接続するセルを選択する。好ましくは、移動局300は、最も受信電力の大きいセルを選択する。ここでは、基地局100の配下のセルを選択したとする。
(ステップS16) 基地局100は、CC#1〜#5それぞれのPBCHで報知情報を送信(報知)する。また、CC#1〜#5の少なくとも1つに設けられたE−PBCHで拡張報知情報を送信(報知)する。
(ステップS17) 移動局300は、基地局100が送信(報知)している拡張報知情報に基づいて、CC#1〜#5のうちLTE−A移動局が接続可能なCCを確認する。
(ステップS18) 移動局300は、ステップS17で確認したLTE−A移動局が使用可能なCCから、ランダムアクセスに用いるCCを選択する。CCの候補が複数ある場合、任意の1つを選択してもよいし、受信電力が最も大きいものを選択してもよい。
なお、図20のシーケンス例では、接続するセルを選択した後に使用するCCを選択したが、セルとCCとを同時に選択するようにしてもよい。例えば、セルを絞り込まずに、検出された周辺セルのCC全てについて受信電力を測定し、それらCCの中から、LTE−A移動局が接続可能で且つ受信電力の大きなCCを選択してもよい。また、セルを選択する前に、周辺セルそれぞれについてLTE−A移動局が接続可能なCCを確認し、それらCCについて受信電力を測定して、受信電力の大きなCCを選択してもよい。
(ステップS19) 移動局300は、ステップS18で選択したCCに対応する報知情報に含まれる、そのCCに接続するための情報(例えば、周波数帯域幅を示す情報)を確認する。そして、選択したCCのUL無線フレームに設けられたPRACHで、基地局100に対しランダムアクセスプリアンブルを送信する。
(ステップS20) 基地局100は、ランダムアクセスプリアンブルを受信したCCがLTE−A移動局の接続可能なCCであり、且つ、移動局300を収容するだけの無線リソースの空きがある場合、移動局300の接続を許可する。接続を許可した場合、基地局100は、ランダムアクセスプリアンブルを受信したCCのDL無線フレームに設けられたPDSCHで、接続許可を示すランダムアクセスレスポンスを送信する。その際、基地局100は移動局300に、ステップS21のためのUL無線リソースを割り当てる。
(ステップS21) 移動局300は、通信を正常に行えるか確認するため、ステップS20で割り当てられたUL無線リソース(PUSCH)で、所定のメッセージであるスケジュールドトランスミッションを基地局100に送信する。
(ステップS22) 基地局100は、スケジュールドトランスミッションを正常に受信できたか否か確認する。そして、応答メッセージとして、受信可否を示すコンテンションレゾリューションを、PDSCHで移動局300に送信する。
このように、LTE−A移動局である移動局300は、拡張報知情報を受信して参照することで、ランダムアクセス前に、LTE−A移動局の使用できるCCを確認できる。よって、LTE−A移動局の使用できないCCに接続を試みることがなく、無駄なランダムアクセスの手続きを抑制できる。また、予めLTE−A移動局の使用できるCCを確認することで、受信電力を測定すべきCCを絞り込むこともできる。よって、移動局300の処理の負荷が軽減される。
一方、LTE移動局である移動局400は、拡張報知情報を参照することができない。よって、基地局100または中継局200がLTE移動局の使用できるCCを制限している場合でも、何れのCCがLTE移動局の使用できるCCかをランダムアクセス前に確認できない。そのため、ランダムアクセスの失敗が発生し得る。
図21は、移動局から基地局への第2の接続例を示すシーケンス図である。このシーケンスは、LTE移動局である移動局400が基地局100に接続する場合を示している。移動局400が中継局200に接続する場合も、同様のシーケンスとなる。
(ステップS31) 基地局100は、CC#1〜#5それぞれのP−SCHおよびS−SCHで同期信号を送信する。基地局100が複数のセルを管理している場合、セル毎に同期信号を送信する。同様に、中継局200も同期信号を送信する。
(ステップS32) 移動局400は、基地局100が送信している同期信号に基づいて、セル毎に無線フレームのタイミングを検出し、基地局100と同期をとる。CCのIDとしてセルIDが用いられている場合、移動局400は、CC#1〜#5を(仮想的に)互いに異なるセルと認識する場合もある。同様に、移動局400は、中継局200との同期をとる。
(ステップS33) 基地局100は、CC#1〜#5それぞれで、パイロット信号である参照信号を送信する。同様に、中継局200も参照信号を送信する。
(ステップS34) 移動局400は、基地局100が送信している参照信号に基づいて、セル毎およびCC毎に、基地局100からの受信電力を測定する。同様に、移動局300は、中継局200からの受信電力を測定する。
(ステップS35) 移動局400は、ステップS34で測定された受信電力に基づいて、移動局400が接続するセルを選択する。好ましくは、移動局400は、最も受信電力の大きいセルを選択する。ここでは、基地局100の配下のセルを選択したとする。
(ステップS36) 基地局100は、CC#1〜#5それぞれのPBCHで報知情報を送信(報知)する。
(ステップS37) 移動局400は、ステップS35で選択したセルのCC#1〜#5から、ランダムアクセスに用いるCCを選択する。CC#1〜#5のうち、任意の1つを選択してもよいし、受信電力が最も大きいものを選択してもよい。なお、移動局400は、CC#1〜#5を(仮想的に)互いに異なるセルと認識する場合、各CCの受信電力に基づいてセルの選択とCCの選択とを同時に行うことも考えられる。
(ステップS38) 移動局400は、ステップS37で選択したCCに対応する報知情報に含まれる、そのCCに接続するための情報(例えば、周波数帯域幅を示す情報)を確認する。そして、選択したCCのUL無線フレームに設けられたPRACHで、基地局100に対しランダムアクセスプリアンブルを送信する。ただし、ここでは、選択されたCCがLTE移動局の接続できないCCであるとする。
(ステップS39) 基地局100は、ランダムアクセスプリアンブルを受信したCCがLTE移動局の接続可能なCCでない場合、移動局400の接続を拒否する。接続を拒否した場合、基地局100は、ランダムアクセスプリアンブルを受信したCCのDL無線フレームに設けられたPDSCHで、接続拒否を示すランダムアクセスレスポンスを送信する。または、基地局100は、ランダムアクセスプリアンブルに対して応答しない。
(ステップS40) 移動局400は、接続拒否を示すランダムアクセスレスポンスを受信するか、または、ランダムアクセスプリアンブルを送信してから所定時間以内に応答がないと、ランダムアクセスに失敗したと判断する。そして、移動局400は、ステップS35で選択したセルの他のCCを選択する。
(ステップS41) 移動局400は、ステップS40で選択したCCに対応する報知情報に含まれる、そのCCに接続するための情報を確認する。そして、選択したCCのUL無線フレームに設けられたPRACHで、基地局100に対しランダムアクセスプリアンブルを送信する。ここでは、選択されたCCがLTE移動局の接続できるCCであるとする。
(ステップS42) 基地局100は、ランダムアクセスプリアンブルを受信したCCがLTE移動局の接続可能なCCであり、且つ、移動局400を収容するだけの無線リソースの空きがある場合、移動局400の接続を許可する。接続を許可した場合、基地局100は、ランダムアクセスプリアンブルを受信したCCのDL無線フレームに設けられたPDSCHで、接続許可を示すランダムアクセスレスポンスを送信する。その際、基地局100は移動局400に、ステップS43のためのUL無線リソースを割り当てる。
(ステップS43) 移動局400は、通信を正常に行えるか確認するため、ステップS42で割り当てられたUL無線リソース(PUSCH)で、スケジュールドトランスミッションを基地局100に送信する。
(ステップS44) 基地局100は、スケジュールドトランスミッションを正常に受信できたか否か確認する。そして、応答メッセージとして、受信可否を示すコンテンションレゾリューションを、PDSCHで移動局400に送信する。
このように、LTE移動局である移動局400は、拡張報知情報を参照できないため、ランダムアクセス前に、LTE移動局の使用できるCCを確認できない。よって、ランダムアクセスに失敗する可能性がある。また、LTE移動局の使用できるCCを確認できないため、予め受信電力を測定すべきCCを絞り込むことができない。
次に、CC#1〜#5とE−PBCHとの関係について説明する。
図22は、拡張報知情報の第1の送受信例を示す図である。図22の例では、基地局100または中継局200が、CC#1〜#3をLTE移動局に使用させ、CC#4,#5をLTE−A移動局に使用させるよう制御している。
また、基地局100または中継局200は、CC#1〜#5の全てに、PBCHとE−PBCHとを設けている。各CCのPBCHでは、当該CCに接続するために用いられる情報を含む報知情報が送信される。PBCHで送信される報知情報は、CCによって異なる場合がある。各E−PBCHでは、CC#1〜#5と移動局の種類との関係を示す情報を含む拡張報知情報が送信される。E−PBCHで送信される拡張報知情報は、全てのCCで同一であってもよい。
この場合に、LTE−A移動局である移動局300は、CC#1〜#5の何れかのE−PBCHで送信された拡張報知情報を受信する。受信した拡張報知情報から、CC#4,#5がLTE−A移動局の使用できるCCであることを知る。そして、CC#4,#5の一方を、ランダムアクセスに使用するCCとして選択する。CC#4,#5の何れを選択するかは、受信電力の測定結果に基づいて判断してもよい。図22の例では、移動局300は、CC#4で報知された拡張報知情報を参照し、CC#4を選択している。
ランダムアクセスに使用するCCとしてCC#4を選択すると、移動局300は、CC#4のPBCHで送信された報知情報を参照して、CC#4のUL無線フレームに設けられたPRACHで、ランダムアクセスプリアンブルを送信する。これにより、基地局100または中継局200と移動局300との間のランダムアクセスの手続きが開始される。このように、図22の例では、全てのCCにE−PBCHが設けられているため、任意の1つのCCを参照すれば、LTE−A移動局の使用できるCCを知ることができる。
なお、移動局300はLTE−A移動局であるため、CC#4,#5を集約してデータ送受信に使用することも可能である。その場合でも、ランダムアクセス時には、まず1つのCC(CC#4)を用いて手続きを行う。その後、基地局100または中継局200と移動局300との間で接続が確立すると、基地局100または中継局200による制御のもと、LTE−A移動局が使用できる他のCC(CC#5)も使用できるようになる。
また、基地局100または中継局200は、CC#1〜#5のうちLTE−A移動局の使用できるCCを、通信状況に応じて動的に変更してもよい。その場合、基地局100または中継局200は、E−PBCHで送信する拡張報知情報の内容を動的に変更する。
図23は、拡張報知情報の第2の送受信例を示す図である。図23の例では、基地局100または中継局200は、CC#1〜#5の全てにPBCHを設け、LTE−A移動局の使用できるCC#4,#5にのみE−PBCHを設けている。各CCのPBCHでは、当該CCに接続するために用いられる情報を含む報知情報が送信される。CC#4,#5のE−PBCHでは、CC#1〜#5と移動局の種類との関係を示す情報を含む拡張報知情報が送信される。
この場合に、LTE−A移動局である移動局300は、CC#4,#5の一方のE−PBCHで送信された拡張報知情報を受信する。受信した拡張報知情報から、CC#4,#5がLTE−A移動局の使用できるCCであることを知る。そして、CC#4,#5の一方を、ランダムアクセスに使用するCCとして選択する。このように、図23の例では、LTE−A移動局が使用できるCCにのみE−PBCHを設ければよいため、無線リソースを節約することができる。
なお、LTE−A移動局が使用できるCCにのみE−PBCHを設けると予め決めておけば、移動局300は、E−PBCHを検出できたCCをLTE−A移動局の使用できるCCであると判断できる。その場合、CC#4,#5のE−PBCHで送信される拡張報知情報には、他のCCに関する情報を含めなくてもよい。
また、基地局100または中継局200は、CC#4,#5の一方のみにE−PBCHを設けてもよい。すなわち、LTE−A移動局の使用できるCCのうちの少なくとも1つに、E−PBCHを設ければよい。また、E−PBCHが設けられたCCをプライマリCCまたはプライマリ帯域、その他のCCを拡張CCまたは拡張帯域と呼んでもよい。
図24は、拡張報知情報の第3の送受信例を示す図である。図24の例では、基地局100または中継局200は、CC#1〜#5の全てにPBCHを設け、周波数軸上でCC#1〜#5の中心に位置するCC#3のみにE−PBCHを設けている。各CCのPBCHでは、当該CCに接続するために用いられる情報を含む報知情報が送信される。CC#3のE−PBCHでは、CC#1〜#5と移動局の種類との関係を示す情報を含む拡張報知情報が送信される。
この場合に、LTE−A移動局である移動局300は、CC#3のE−PBCHで送信された拡張報知情報を受信する。受信した拡張報知情報から、CC#4,#5がLTE−A移動局の使用できるCCであることを知る。そして、CC#4,#5の一方を、ランダムアクセスに使用するCCとして選択する。このように、図24の例では、所定のCCにのみE−PBCHを設ければよいため、無線リソースを節約することができる。また、移動局300は所定のCC(例えば、周波数軸上でCC#1〜#5の中心に位置するCC)のみ参照すればよいため、移動局300の処理を簡略化でき、処理負荷を低減できる。
このような第2の実施の形態に係る移動通信システムによれば、基地局100および中継局200は、移動局の種類によって接続できるCCを制限することができる。よって、LTE−A移動局とLTE移動局とが混在する環境でのスケジューリングが容易になる。加えて、LTE−A移動局に広帯域の無線リソースを割り当てやすくなる。
また、LTE−A移動局は、拡張報知情報を参照することで、基地局100または中継局200に接続する前に、使用可能なCCを知ることができる。よって、移動局の種類によって接続できるCCが制限されている場合でも、接続処理を円滑に行うことができる。また、LTE−A移動局は、セル選択やCC選択の際に受信電力を測定するCCを絞り込むことができ、処理負荷が軽減される。加えて、セル選択時(ハンドオーバ時を含む)の処理時間を短縮できる。
例えば、LTE−A移動局が3つの周辺セルを検出しており、各セルでは5つのCCのうち2つがLTE−A移動局に割り当てられているとする。この場合に、拡張報知情報を参照せずに、できる限り受信電力の大きなCCを選択しようとすると、5×3=15個のCCについて受信電力を測定することになる。一方、拡張報知情報を参照してLTE−A移動局の使用できないCCを除外すれば、2×3=6個のCCについて受信電力を測定すればよい。すなわち、LTE−A移動局の処理が5分の2程度に軽減される。
もちろん、拡張報知チャネルは、複数のCCと移動局の種類との対応関係を示す情報だけでなく、LTE−A移動局に対して報知すべき種々の情報を送信するために用いることができる。また、LTEでは定義されていない新たな報知チャネルを、「拡張報知チャネル」以外の名称で呼んでもよい。例えば、従来の報知チャネルおよび拡張報知チャネルの一方を第1の報知チャネルと呼び、他方を第2の報知チャネルと呼んでもよい。