[第1実施形態]
以下に添付図面を参照して、本発明に係る備忘録装置の第1実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明において備忘録装置は、自宅内の各家電機器に対する消し忘れや閉め忘れを確認するために用いるものとする。
(備忘録装置の全体構成)
図1は、本実施形態に係る備忘録装置1を示す斜視図であり、図2は、本実施形態に係る備忘録装置1を示す上面図である。また、図3Aは、本実施形態に係るスイッチを示す斜視図であり、図4A(a)及び(b)は、第1実施形態に係るスイッチの位置決め機構、及び一括ロック機構を示す説明図である。
本実施形態の備忘録装置1は、複数のチェック項目に対する確認処理を記録して表示する装置であって、図1及び図2に示すように、内部中空の筐体10の上面10aに、日付又は時間を表示する時間情報通知部4と、確認処理をすべき各チェック項目を一覧可能に表示するチェック項目表示部3と、チェック項目に対する確認結果の入力結果を一覧に表示する確認結果通知部2と、確認結果通知部2の動作を固定する一括ロック部5とを備えている。なお、図1及び図2では、筐体10に各部が7つ設けられている場合を例に説明するが、その数は変更可能である。
時間情報通知部4は、複数のチェック項目に対する確認処理の開始を示す日付情報又は時間情報を通知する機構であり、本実施形態では、日付情報をダイヤル式の表示手段で表示する。具体的に、時間情報通知部4は、円盤状をなし暦の「月」に関する情報が側面に表記された月情報回転体43と、円盤状をなし暦の「日」に関する情報が側面に表記された日情報回転体44とを有している。月情報回転体43及び日情報回転体44は、筐体10の内部に設けられた各回転軸43a,44aによって回転可能に軸支されている。筐体10の上面10aには、月情報回転体43、及び日情報回転体44の一部を外部に突出させる表示孔41,42が形成されており、外部に突出された月情報回転体43、及び日情報回転体44の側面を利用者が操作することで、各回転体43,44を回転させて日付が調整可能となっている。
チェック項目表示部3は、確認を行うべき機器のチェック項目を表示する表示手段であり、機器の名称が表記された機器プレート32、機器プレート32を筐体10に保持する保持部31とから構成されている。機器プレート32は、板部材であり、その表面に機器の名称が表記されているとともに、その裏面には保持部31の底面に形成された球面状の凹部35に嵌合される球面状の凸部34が形成されてる。これら凸部34と凹部35が嵌合することによって、機器プレート32を保持部31に挿入したときに、機器プレート32が保持部31から脱落するのを防止している。
保持部31は、機器プレート32と合致する大きさ及び形状をなし、筐体10内部に形成された空間部分であり、筐体10の側面に形成された挿入孔(図示なし)から機器プレート32を挿入させるようになっている。なお、機器プレート32は、利用者が任意の保持部31に配置可能である。
また、本実施形態において、チェック項目表示部3には、保持部31と対応する位置において筐体10の上面10aが刳り抜かれ、保持部31の内部空間と外部とを連通させる表示窓33が形成されており、機器プレート32を挿入することで、表示窓33からプレート上に表記された機器の名称が視認できるようになっている。なお、表示窓33の大きさは、機器プレート32の大きさよりも若干小さく設定されており、表示窓33から機器プレート32が抜け落ちないようになっている。
確認結果通知部2は、チェック項目表示部3の各チェック項目に対応した位置にそれぞれ配置され、それぞれのチェック項目に対する確認結果を入力し、入力された各確認結果を通知する手段である。このような確認結果通知部2は、上面10aの略中央おいて、左右の方向に配列されている。各確認結果通知部2には、筐体10の内部に配置されたスイッチ200を備えるとともに、スイッチ200の上部には、上面10aが刳り抜かれて形成された状態表示窓21が形成されているとともに、スイッチ200の一部を外部に突出させ、スイッチ200を前後方向にスライド可能とさせるスライド孔22を備えている。スイッチ200は、図3Aに示すように、略直方体をなした基台201と、基台201の上面201aに形成され、上部に向けて突出した操作ノブ202とを備える。操作ノブ202は、基台201の略中央に設けられ、スライド孔22に挿通される。
本実施形態では、スイッチ200が前方に切り替え操作されることで、スイッチ200の上側に印刷した「OK」という文字が状態表示窓21に配置されて表示される。一方、操作ノブ20が後方側に切り替え操作されることで、スイッチ200に印刷された文字が状態表示窓21から外れて外部に表示させないようになっている。
このような確認結果通知部2には、スイッチ200が利用者の意図しない位置にスライド移動してしまうことを防止するための位置決め機構を備えている。本実施形態における位置決め機構は、すべてのスイッチ200の下方に配置されるバネ部材210と、基台201の下面に形成され、基台201の一部を切り欠いた谷部203,204と、一対の谷部203,204の間に形成される山部205とから構成される。
バネ部材210は、筐体10の長手方向(左右方向)に延設された一本のバネ部材であり、両端は筐体10に固定されている。このバネ部材210の上部には、スイッチ200が配置され、バネ部材210は、図4A(a)に示すように、基台201に形成された谷部203、谷部204のいずれかの切り欠き部分に配置される。このように、谷部203又は谷部204のいずれかにバネ部材210が配置されることで、筐体10を傾けたりしても、バネ部材210が山部205と当接して、スイッチ200が重力によって移動されることを防止できる。
一方、利用者の操作を受け付けた場合、例えば、操作ノブ202を前方に向けてスライド移動させると、バネ部材210は、その押圧によって弾性変形しつつ谷部203から山部205を超えて、谷部204に移動される。一方、操作ノブ202を利用者が操作してスイッチ200を後方に向けてスライド移動させると、バネ部材210はその押圧によって弾性変形しつつ谷部204から山部205を超えて谷部203に移動される。このように、本実施形態では、利用者の操作によってスイッチ200を前方又は後方のいずれかに移動可能となり、筐体10を傾けたときには、スイッチ200が意図しない方向に移動されないようになっている。
なお、バネ部材210は、各スイッチ200の間において筐体内部の底部に係止されている。これにより、いずれかのスイッチ200がスライド移動した場合でも、バネ部材210の変形が隣接するスイッチ200まで及ばないため、他のスイッチ200の状態表示が変更されることはない。
一括ロック部5は、確認結果通知部2のスイッチ200を固定する固定手段であり、本実施形態では、筐体10の前方に配置されている。この一括ロック部5は、利用者の操作を受け付ける操作受付部51と、取手部52と、スイッチ200を下方より係止する係止部54と、操作受付部51に対する操作を係止部54に対して動力として伝達する動力伝達機構53とを備えている。
本実施形態において操作受付部51は、その上面に取手部52が形成されており、取手部52は、筐体の上面10aの開口から外部に突出されている。また、取手部52は、前後方向にスライド移動可能となっており、取手部52が前方にスライド移動されると、係止部54によってスイッチ200が係止され、取手部52が後方にスライド移動されると、係止部54による係止状態が解除される。
具体的に、係止部54は、図4A(a)及び(b)に示すように、複数のスイッチ200を一括して係止する係止手段であり、スイッチ200の下面に設けられた2つの凹部543,544と、スイッチ200の下方に配置され、上下方向にスライド移動可能な凸部541とから構成される。
凸部541は、図2に示すように、配列された複数のスイッチ200と上面視で直交するように細長な部材であり、スイッチ200の対向する上面が凸形状となっている。この凸部541には、動力伝達機構53が連結されており、動力伝達機構53によって下方から上方に向けた押圧力が伝達され、上方に向けて移動可能となっている。
凹部543及び凹部544は、基台201の下面を切り欠いて形成された孔であり、基台201の短手方向に沿って形成され、各凹部は、基台201の長手方向(前後方向)に並んで形成されている。凹部543及び凹部544は、凸部541の凸形状と合致する形状となっており、凸部541が上方に移動されると、凸部541が凹部543又は凹部544のいずれかに挿入されるようになっている。
詳述すると、図4A(a)に示すように、スイッチ200が後方に配置されている場合における凹部543と、スイッチ200が前方に配置されている場合の凹部544とは同軸L1上に配置される位置関係となっている。また、この軸L1の垂直方向下方には、凸部541が配置されている。これにより、図4A(b)のように、凸部541が上部に移動されると、凸部541は、凹部543又は凹部544のいずれかに挿入される。
また、一括ロック部5は、動力伝達機構53によって駆動される。詳述すると、駆動伝達機構53は、図4B(a)及び(b)に示すように、操作受付部51の底面に設けられたラック511と、ラック511の歯切りと噛み合う円形歯車であるピニオン532とから構成される。このピニオン532の一部側面には、板状の突出部531が形成され、突出部531の自由端の先端部分には、凸部541が形成されている。そして、凸部541の上方には、凹部543又は凹部544が配置されている。
また、動力伝達機構53には、操作受付部51と筐体10とを係止する係止手段を有している。具体的には、図4B(b)に示すように、操作受付部51の前方側に設けられた凸状係合部513と、筐体10の内面にあって、操作受付部51の進退方向の延長線上に形成された凹部係合部514とを有している。
操作受付部51が前方向に移動されると、凸状係合部513と凹部係合部514とが係合され、操作受付部51はその位置に固定される。一方、凸状係合部513と凹部係合部514との係合状態は、ユーザー操作で取り外し可能である。
また、本実施形態では、筐体10の内面と操作受付部51とが弾性部材512,512によって接続されており、凸状係合部513と凹部係合部514との係合状態が解除されると、その弾性部材512,512の付勢力によって操作受付部51は後方向に押し出されるようになっている。
このような構成により、操作受付部51が前方向にスライド移動されると、ラック511と噛み合うピニオン532が回動して、突出部531が上側に移動する。そうすると、凸部541が凹部543又は凹部544のいずれかに挿入される。この際、凸状係合部541が凹部係合部544に挿入されて各スイッチ200のロック状態を保持する。
一方、操作受付部51が後方向にスライド移動されると、凸状係合部541と凹部係合部544との係合状態が解除されて、操作受付部51が弾性部材512,512によって後方向に押し出される。そうすると、ラック511と噛み合うピニオン532が回動して、凸部541と凹部543又は凹部544のいずれかとの係止状態は解除される。このような一括ロック部5により、すべてのチェックが終わったときのスイッチ200の状態が固定される。また、各機器に対する確認処理の途中にチェック項目を変更した際、スイッチ200が意図しない方向に移動されてしまうことを防止できる。
また、備忘録装置1には、確認結果通知部2の位置をリセットするリセット部6が設けられている。リセット部6は、複数のチェック項目に対する確認処理を未実行の状態に切り替え、確認結果通知部2による通知を未実行状態にリセットする手段である。このリセット部6は、図2に示すように、筐体10の内部であって、スイッチ200の前方に配置された板状の部材であり、すべてのスイッチ200の前方に配置されるように、筐体10の長手方向に延設される。そして、リセット部6は、前後方向にスライド移動可能となっており、スイッチ200が前方に位置される状態(オフ状態)から、後方に位置される状態(オン状態)までの間Wを移動するようになっている。本実施形態では、筐体10の側面に、リセット部6と接続され、ユーザーの操作を受け付ける操作手段61を有しており、この操作手段61を押し込むことで、筐体10内部のリセット部6が移動し、確認結果通知部2を一括して未実行の状態に戻すようになっている。また、このリセット部6には、リセット部6によるリセットと時間情報通知部4とを連携させる連携制御部7が接続されている。
連携制御部7は、時間情報通知部4に対して確認処理の開始を示す時間情報が入力された場合に、リセット部6によるリセットを実行させる駆動機構である。この連携制御部7は、月情報回転体43又は日情報回転体44の回転力を、リセット部6の前後方向における推進力へ変換する。本実施形態では、月情報回転体43又は日情報回転体44が回転されると、スイッチ200が前方に位置される状態(オン状態)から、スイッチ200が後方に位置される状態(オフ状態)までリセット部6が移動される。これにより、すべてのスイッチ200が一括して前方に移動され、オフ状態となる。
詳述すると、連携制御部7は、リセット部6と連動するように接続された駆動軸71と、駆動軸71に弾性力を付加するスプリング73と、駆動軸71の前後移動を規制するストッパ72と、これらの各部品が支持される基部となる筐体部70とから概略構成される。
駆動軸71は、その一端がリセット部6に接続され、他端が筐体部70内に挿入された細長の部材であり、他端側に前記ストッパ72に当接される凸部71aが形成されている。また、駆動軸71の中間部には径方向に突出された形状のフランジ71bが一体形成されており、このフランジ71bと筐体部70の内壁70aとの間にスプリング73が配置されている。
スプリング73は、螺旋状のコイルバネであり、駆動軸71に巻装され内壁70aから反力を得て、弾性力によりフランジ71bを押し上げるように付勢するようになっている。すなわち、図3B(a)に示すように、駆動軸71が押し下げられて凸部71Aがストッパ72に引っ掛かって当接された状態では、スプリング73は短縮されて弾性力が蓄積された状態となり、同図(d)に示すように、凸部71aがストッパ72から離脱されると、スプリング73の弾性力が開放されて駆動軸71が前進される。
ストッパ72は、筐体部70に固定された凸部であり、駆動軸71が押し下げられた際に、その凸部71aが引っ掛かるように配置されている。すなわち、図3B(a)に示すように、スイッチ200が前進されると、リセット部6とともに駆動軸71がスプリング73の反発力に逆らって押し下げられ、凸部71aがストッパ72が引っ掛かり、スプリング73の反発力により凸部71がストッパ72に押圧されて駆動軸71が固定される。そして、時間情報通知部4が操作されたり、リセット部6の操作手段61が押し込まれたりすると、図3B(c)に示すように、操作手段61に接続された押圧部材62が駆動軸71の側部に突当てられて、駆動軸71が湾曲されて凸部71aがストッパ72から離脱され、図3B(d)に示すように、スプリング73の弾性力が開放されて駆動軸71が前進されることとなる。
ここで、操作手段61及び押圧部材62は、リセット部6を構成する部材である。操作手段61は、ボタン上の部品でありボタン頭部を筐体部70の側部から外方へ突出させているとともに、ボタン底部が、筐体部70の内部において押圧部材62に接続されている。押圧部材62は、ロッド状の部材の側部から突出部分が形成された鍵状をなす部材であり、時間情報通知部4の月情報回転体43及び日情報回転体44に向けて突出されたトリガー部62a及び62bと、操作手段61が接続された端部と反対側の端部において駆動軸71に向けて突出された突当部62cとを有している。
時間情報通知部4の月情報回転体43及び日情報回転体44は、図3B(b)に示すようにドラム状の回転体であり、その円形部分に半球状の突起63が多数設けられており、この突起63がトリガー部62a、62bに向けて突出されている。そして、この月情報回転体43及び日情報回転体44が回転されると、図3B(c)に示すように、突起63が軸43a又は44aを中心に移動し、順次トリガー部62a、62bに押しつけられることとなる。これにより、月情報回転体43及び日情報回転体44が回転される度に押圧部材62が、駆動軸71に対して前後運動することとなり、突当部62cが駆動軸71の側部に突当てられて、駆動軸71が湾曲されて凸部71aがストッパ72から離脱され、図3B(d)に示すように、スプリング73の弾性力が開放されるようになっている。
このような備忘録装置1を使用する場合について説明する。ここでは、既に、チェック項目表示部3には、機器プレート32が挿入されて保持されており、確認処理をすべき各チェック項目が一覧可能に表示されているものとする。また、各確認結果通知部2のスイッチ200は、後方側に位置されオフ状態となっているものとする。
この状態において、ユーザーは、チェック項目に該当する機器の消し忘れや閉め忘れを確認した後、各チェック項目表示部3に対応した位置にそれぞれ配置された確認結果通知部2に対して確認結果の入力を行う。具体的には、スイッチ200を操作して、操作ノブ202を前方側に切り替える。そうすると、スイッチ200の上側に印刷した「OK」が状態表示窓21に配置されて表示される。
すべての確認結果通知部2に対して確認結果の入力が終了すると、ユーザーは、一括ロック部5の取手部52を前方にスライド移動させる。そうすると、一括ロック部5の凸部541が動力伝達機構53を介して上部に移動して、スイッチ200に形成された凹部543及び凹部544のいずれかと係合し、すべてのスイッチ200が固定される。その後、ユーザーは、この備忘録装置1を所持して外出する。これにより、外出先において、機器の状態を自分の目で確認できるため、出先での不安を簡単に解消できる。
なお、次の日などに外出する場合、ユーザーは、時間情報通知部4の日情報回転体44を操作して、日にちを変更させる。このように、時間情報通知部4に対して確認処理の開始を示す時間情報が入力されると、連携制御部7により、その動力がリセット部6に伝達され、リセット部6によるリセットを実行させる。これにより、スイッチ200が後方側に移動し、状態表示窓21には、何も表示されないようになる。このように、本実施形態では、時間情報通知部4に対する操作によってリセット部6が駆動され、複数のチェック項目に対する確認処理を未実行の状態に切り替えられ、確認結果通知部2による表示が未実行状態にリセットされる。この状態の後、ユーザーは、上記同様、確認結果通知部2に対して確認結果を入力する。
(作用・効果)
このような本実施形態によれば、外出前にチェックすべき項目をチェック項目表示部3に表示させておき、操作者が自分自身で目視確認したチェック項目に対応する確認結果を確認結果通知部2に入力する。この入力された確認結果は、装置に保持されて、確認結果通知部2の状態表示窓21に「OK」と表示されるので、外出前にすべてのチェックすべき項目を目視することができ、確実に消し忘れや、閉め忘れを防止できる。また、外出後に不安になった場合、すべてチェックしたことを本装置により確認することができて安心感を得ることができる。
また、本実施形態によれば、確認結果通知部2には、スイッチ200に対する位置決め機構や、一括ロック部5を有しているため、確認処理中における誤操作などを防止でき、消し忘れや閉め忘れを確実に防止できる。
また、この確認処理は、前回途中だった確認処理があった場合などに、確認開始時刻を変更して再開する場合には、時間情報通知部4に連携されたリセット部6によって、すべてリセットされるため、前回の確認結果が残っていることによって、操作者が混乱して確認し忘れが発生するのを解消できる。
[第2実施形態]
次いで、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、スマートフォン等の電子機器を備忘録装置として使用することを要旨とする。図5は、第2実施形態に係る備忘録装置を用いたシステムを示す概略図であり、図6は、第2実施形態に係る表示画面を示す説明図である。なお、本実施形態において、上述した第1実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その機能等は特に言及しない限り同一であり、その説明は省略する。
図5に示すように、本実施形態に係るシステムは、利用者が所持するスマートフォン等の情報処理端末100と、鍵9を内部に収納する鍵収納装置90とを備え、利用者が各機器の状態を確認すると、情報処理端末100にそれらの状態を記録していき、その後、すべての機器に対する確認が完了することで、鍵収納装置90の施錠を解除させ、鍵9を取り出し可能とするものである。
通信ネットワーク8は、無線通信網を含み、通信プロトコルTCP/IPを用いて種々の通信回線(電話回線やISDN回線、ADSL回線、光回線などの公衆回線、専用回線、無線通信網)を相互に接続して構築される分散型の通信ネットワークであり、この通信ネットワーク8には、10BASE−Tや100BASE−TX等によるイントラネット(企業内ネットワーク)や家庭内ネットワークなどのLANなども含まれる。また、通信ネットワーク8には、例えば、Bluetooth等のデータ通信用のプロトコルによる近距離無線通信も含まれる。
鍵収納装置90は、内部に鍵9を収納する収納用筐体であり、内部空間を開閉させる蓋体91と、蓋体91を施錠又は解錠させる施錠機構である鍵部92とを備える。鍵収納装置90は、情報処理端末100と通信ネットワーク8を介して接続されており、情報処理端末100からの制御信号に応じて鍵部92が施錠又は解錠される。
情報処理端末100は、利用者が所有し、無線通信を利用したスマートフォンや携帯電話などの移動端末であり、一般的な基地局等の中継点と無線で通信し、通話やデータ通信等の通信サービスを移動しつつ受けることができる。この情報処理端末100の通信方式としては、例えば、FDMA方式、TDMA方式、CDMA方式、W-CDMAの他、PHS(Personal Handyphone System)方式等が挙げられる。また、上述した通信方式とは別の無線通信インターフェースとして、無線LANの規格等に準じたIPパケットの送受による通信方式に対応した機能も備えている。さらに、この情報処理端末100は、デジタルカメラ機能、アプリケーションソフトの実行機能、或いはGPS機能等の機能が搭載され、携帯情報端末(PDA)としての機能も果たす。
情報処理端末100の表示部101aには、図6に示すように、第1実施形態の筐体10の表面に表された各項目のアイコンが表示される。具体的には、時間情報画面104と、チェック項目アイコン103と、確認結果アイコン102と、一括ロックアイコン105と、解錠アイコン107と、リセットアイコン106と、確認完了画面109と、警報画面108とが表示される。
時間情報画面104は、日付情報又は時間情報を示すアイコンであり、本実施形態においては、日付情報の他、複数のチェック項目に対する確認処理の開始を示す時間情報、確認処理の開始からの経過時間も表示可能となっている。
チェック項目アイコン103は、確認処理をすべき各チェック項目を表示するアイコンであり、確認を行うべき機器の名称が表示される。このチェック項目アイコン103内に表示される機器の名称は、別画面に表示される機器一覧画面から利用者の操作に応じて選択可能、又はユーザーが直接入力可能である。
確認結果アイコン102は、チェック項目アイコン103の各チェック項目に対応した位置にそれぞれ配置され、それぞれのチェック項目に対する確認結果の入力を受け付け、入力された各確認結果を表示させるアイコンである。本実施形態では、各機器の電源やスイッチ等がオフとなった否かの確認状態を示す状態表示アイコン121と、利用者の操作を受け付けるスイッチアイコン122とを備えている。スイッチアイコン122の内部には、操作ノブアイコン123が表示される。操作ノブアイコン123は、初期時にはスイッチアイコン122内の上方に配置され、利用者が画面上を下方にフリック、スワイプ等することで、操作ノブアイコン123がスイッチアイコン122内において下方側に移動する。
状態表示アイコン121は、機器に対する確認の有無状態を表示するアイコンであり、利用者の操作がないときには、アイコン中には何も表示されず、利用者が操作ノブアイコン123を下方に移動させると、確認をしたことを示す情報である「OK」という文字がアイコン中に表示される。なお、チェック項目アイコン103に機器の名称が表示されていない確認結果アイコン102については、利用者からの操作は、受け付けないようになっており、操作ノブアイコン123をフリック等しても下方に移動されず、また、状態表示アイコン121内には何も表示されないようになっている。
また、確認結果アイコン102には、確認操作が完了した旨を通知する手段として、ランプ点灯アイコン124が表示されており、確認操作があった場合には、そのアイコン124が点灯される。なお、ランプ点灯アイコン124は、操作ノブアイコン123に内蔵させて、操作ノブアイコン123が下方に移動すると点灯するようにしてもよい。
確認完了画面109は、複数のチェック項目に対する確認処理がすべて所定の結果となった場合に、その旨を表示するアイコンである。本実施形態において、確認処理のすべてが確認されていない場合には、未実行状態であって画面上には何も表示されず、確認処理のすべてが確認された場合には、画面上に「完了」の文字が表示されるようになっている。なお、この際、ランプ点灯アイコン124の点灯状態は維持される。
リセットアイコン106は、複数のチェック項目に対する確認処理を未実行の状態に切り替え、確認結果アイコン102及び確認完了画面109による通知を未実行状態にリセットするアイコンである。このリセットアイコン106が選択されると、状態表示アイコン121には何も表示されないようになるとともに、操作ノブアイコン123は上方に配置されて、ランプ点灯アイコン124が消灯する。また、確認完了画面109内にも何も表示されなくなる。
一括ロックアイコン105は、確認結果アイコン102に対する無効操作を受け付けるアイコンであり、この一括ロックアイコン105をタップすることで、図6に示すチェックボックス125にチェックが入り、各スイッチアイコンに対する操作が反映されなくなる。なお、本実施形態では、各確認結果アイコン102の下部に位置するチェックボックス125をタップすることで、個別に操作を無効とすることもできる。
解錠アイコン107は、鍵収納装置90における蓋体91を施錠又は解錠させるアイコンであり、すべての確認結果アイコン102に対する確認操作が終了されて、有効化された後に選択可能となっている。この解錠アイコン107が選択されることで、鍵部92を解錠させる制御信号が送信される。
警報画面108には、表示画面や表示音などの警告情報を表示するアイコンである。本実施形態において、警報情報とは、確認処理の開始から所定時間経過している場合や、確認処理中に自機の位置が自宅の範囲外となった場合などに警報情報を表示させる。
(各装置の内部構成)
次いで、上述の備忘録システムを構成する各装置の内部構造について説明する。図7は、第2実施形態に係る情報処理端末100及び鍵収納装置の機能モジュールを示すブロック図である。なお、説明中で用いられる「モジュール」とは、装置や機器等のハードウェア、或いはその機能を持ったソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成され、所定の動作を達成するための機能単位を示す。
情報処理端末100は、図7に示すように、入出力インターフェース101と、通信インターフェース160と、備忘録制御部110と、GUI制御部130と、位置情報取得部140と、計時部150と、記憶部170を備えている。
通信インターフェース160は、通話やデータ通信が可能な無線通信インターフェースであり、無線データ通信によるパケットデータの送受信を行うことができる。また、通信インターフェース160には、ブルートゥース方式(Bluetooth:登録商標)やUWB(Ultra Wide Band)方式、赤外線などによる近距離無線通信を行うためのデバイスである近距離無線通信部161も備えている。本実施形態の情報処理端末100は、当該近距離無線通信部161を用いて、鍵収納装置90と通信可能となっており、鍵部92を解錠する制御信号を送信するようになっている。
入出力インターフェース101は、操作ボタンやタッチパネルなどユーザー操作を入力するデバイスであるとともに、ディスプレイやスピーカーなど、映像や音響を出力するデバイスである。この入出力インターフェース101には、図6に示すように、液晶ディスプレイなどの表示部101aが含まれている。
計時部150は、情報端末内部の時刻情報を計時したり、確認処理に係る経過時間を計測するモジュールである。計時部150によって取得された現在時刻は、備忘録制御部110に入力され、時間情報画面104に表示される。また、計時部150は、備忘録制御部110から確認処理開始の信号を取得すると、その時点からの経過時間を計測する。
位置情報取得部140は、自機の現在位置を示す位置情報を取得し、記録するモジュールであり、例えば、GPS(Global Positioning System)のように、衛星からの信号によって自機の位置を検出して、携帯電話の無線基地局からの備忘録制御部110に送信される。
記憶部170は、ROMやRAM等からなる記憶装置であり、本実施形態では、OS(Operating System)や、複数のチェック項目に対する確認処理を記録して表示する備忘録プログラムを含む各種プログラムが含まれ、さらに、自宅の位置情報、警報する経過時間を設定した設定経過時間、施錠又は解錠の制御データ、確認結果の履歴等が蓄積される。
備忘録制御部110及びGUI制御部130は、CPUやDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ、メモリ、及びその他の電子回路等のハードウェア、或いはその機能を持ったプログラム等のソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成された演算モジュールであり、複数のチェック項目に対する確認処理を記録して表示する備忘録プログラムが起動されることで、各部の機能モジュールを仮想的に構築し、構築された各機能モジュールによって備忘録処理を行う。
GUI制御部130は、表示部101aの画面内に配置される各アイコンの表示、及び利用者からの操作を受け付けるためのグラフィックユーザーインターフェース(GUI)を制御するモジュールである。本実施形態では、表示部101a内に各種の情報を表示するとともに、表示部101a内に表示されるアイコンに対する操作を、GUIを通じて操作信号として取得する。具体的にGUI制御部130には、時間情報通知部131と、リセット表示部133と、チェック項目表示部132と、確認結果通知部134と、確認完了通知部135と、警報通知部136とを備えている。
チェック項目表示部132は、確認処理をすべき各チェック項目を画面上に一覧可能に表示させるモジュールであり、ユーザーによって選択された機器の名称を表示させる。確認結果通知部134は、チェック項目表示部132の各チェック項目に対応した位置にそれぞれ配置され、それぞれのチェック項目に対する確認結果の入力を受け付け、入力された各確認結果を表示するモジュールである。
この確認結果通知部134は、スイッチアイコン122の位置において、ユーザーからのスワイプ操作を受け付けると、その操作に応じて、操作ノブアイコン123を上下に移動させる。また、確認結果通知部134は、操作ノブアイコン123を下部にスワイプさせた操作を受け付けた場合には、状態表示アイコン121に「OK」の文字を表示させるとともに、ランプ点灯アイコン124を点灯させる。
確認完了通知部135は、複数のチェック項目に対する確認処理がすべて所定の結果となった場合に、その旨を通知するモジュールであり、本実施形態では、すべての操作ノブアイコン123が下方に位置すると、確認完了画面109内に「完了」などの文字を表示させる。
時間情報通知部131は、複数のチェック項目に対する確認処理の開始を示す時間情報や日付情報を画面上に表示させるモジュールである。また、時間情報通知部131は、計時部150から入力された確認処理の開始からの経過時間についても表示させることができる。
リセット表示部133は、リセットアイコン106に関する表示、及びユーザー操作の受付を制御するモジュールであり、ユーザー操作によってリセットアイコン106が選択された場合には、その情報をリセット部112に送信する。
警報通知部136は、警報制御部116からの判断結果に応じて、警報画面108の警報情報を変化させるモジュールであり、警報制御部116から要警報との信号を取得すると、画面に警報情報を表示させたり、警告音を出力させたりする。なお、GUI制御部130には、一括ロックアイコン105の表示を制御する機能も備えており、ユーザー操作によって一括ロックアイコン105が選択された場合には、他の各部に操作無効の信号を出力し、ユーザー操作を受け付けないようにする。
一方、備忘録制御部110には、連携制御部111と、リセット部112と、通報部113と、判定部114と、施錠制御部115と、警報制御部116とを備えている。判定部114は、複数のチェック項目に対する確認処理がすべて所定の結果となったか否かを判断する。具体的には、判定部114は、解錠アイコン107の選択信号を取得すると、確認結果通知部134等のユーザー操作を取得して、すべての操作ノブアイコン123が前方に位置し、状態表示アイコン121に「OK」の文字が表示されている状態であるときには、確認完了と判断し、少なくとも1つの操作アイコンに対して操作がされていない場合には確認未完了と判断する。判定部114により解除可能と判断された場合には、施錠制御部115に確認完了信号が送信される。
施錠制御部115は、判定部114により、複数のチェック項目に対する確認処理がすべて確認され、確認完了信号を取得した場合に、鍵部92を解錠させるモジュールである。具体的に、施錠制御部115は、鍵部92を解錠させる解錠信号を生成して、近距離無線通信部161を通じて鍵収納装置90に解錠信号を送信する。なお、施錠制御部115は、警報制御部116からの位置情報による解錠許可信号を含めて解錠信号を生成するか否かを判断する。
リセット部112は、チェックしたすべての項目に対する確認処理を未実行の状態に切り替え、確認結果通知部134及び確認完了通知部135による通知を未実行状態にリセットするモジュールであり、リセット表示部133に対するユーザー操作に応じて実行する場合の他、連携制御部111によって、確認処理の開始を示す時間情報が入力されたときにリセットする場合がある。
連携制御部111は、リセット部112によるリセットと時間情報通知部131とを連携させるモジュールである。本実施形態において、連携制御部111は、リセットされた日時を確認処理の開始を示す時間情報として時間情報通知部131により通知させる。また、連携制御部111は、時間情報通知部131に対して確認処理の開始を示す時間情報が入力された場合に、リセット部112によるリセットを実行させる。
警報制御部116は、警報情報を表示させるか否かを判断するモジュールである。この警報制御部116は、確認処理の開始からの経過時間に基づいて警報する機能と、自機の位置情報に基づいて警報する機能とを有している。
経過時間に基づく警報では、確認処理が行われると、計時部150により計測される。そして、警報制御部116では、記憶部170に記録された設定経過時間内に、すべてのチェック項目に対する確認が終了したか否かを判断し、設定期間内に確認が終了していない場合に警告を通知するように、警報通知部136を制御する。
一方、自機の位置情報に基づく警報では、確認完了通知部135からすべての確認処理が完了した旨の信号を取得すると、警報制御部116は、位置情報取得部140によって取得された位置情報を取得する。そして、記憶部170に記憶された自宅の位置情報と比較し、自宅以外の場所に位置しているか否かを判断し、自宅の場所にいない場合には、不適切な操作や誤操作がなされたとして警告情報を通知するように、警報通知部136を制御する。また、この場合、警報制御部116では、施錠制御部115に対して、解錠禁止信号を送信する。一方、自宅内にいると判断した場合には、解錠許可信号を送信する。
通報部113は、確認結果通知部134による確認結果の履歴を記憶部170に蓄積するとともに、蓄積された履歴を解析して、解析された確認結果の頻度や分布に基づいた報告処理を実行するモジュールである。この報告処理によって生成された報告データは、電子メールなど、通信インターフェース160を介して通信ネットワーク8上の関係者などに送信される。
(鍵収納装置90の内部構成)
鍵収納装置90には、通信インターフェース93と、鍵部92とを備えている。通信インターフェース93は、データ通信が可能な無線通信インターフェースであり、無線データ通信によるパケットデータの送受信を行うことができる。また、通信インターフェース93には、ブルートゥース方式(Bluetooth:登録商標)やUWB(Ultra Wide Band)方式、赤外線などによる近距離無線通信を行うためのデバイスである近距離無線通信部93aも備えている。すなわち、本実施形態の鍵収納装置90は、当該近距離無線通信部93aを用いて、情報処理端末100と通信可能となっており、鍵部92を解錠する制御信号を受信するようになっている。
鍵制御部94は、CPUやDSP(Digital Signal Processor)等のプロセッサ、メモリ、及びその他の電子回路等のハードウェア、或いはその機能を持ったプログラム等のソフトウェア、又はこれらの組み合わせなどによって構成された演算モジュールであり、鍵部92を制御して鍵部92の施錠又は解錠を実行する。本実施形態において、鍵制御部94は、解錠信号を情報処理端末100から取得すると、鍵部92を制御して解錠させ、蓋体91を開放可能とさせる。
(備忘録方法)
このような備忘録システムを動作させることで、備忘録方法を実施することができる。なお、ここでは、既に、チェック項目アイコン103には、機器名称が表示されており、確認処理をすべき各チェック項目が一覧可能に表示されているものとする。
ユーザーは、先ず、時間情報画面104を操作して、確認処理の開始を示す時間情報を入力する。そうすると、時間情報画面104上には確認処理の開始を示す時間情報が表示される。時間情報画面104に確認処理の開始を示す時間情報が入力されると、連携制御部111の制御により、リセット部112によるリセットが実行される。
これにより、操作ノブアイコン123が上方側に移動し、状態表示アイコン121には、何も表示されないようになる。本実施形態では、時間情報画面104に対する操作によってリセット部112が駆動され、複数のチェック項目に対する確認処理を未実行の状態に切り替えられ、確認結果アイコン102による表示が未実行状態にリセットされる。
なお、ここでは、時間情報画面104を操作して、リセットを実行させたが、例えば、リセットアイコン106をタップすることでリセット部112によるリセットを実行させてもよい。この場合には、連携制御部111は、リセットされた日時を確認処理の開始を示す時間情報として時間情報通知部131に送信し、時間情報通知部131は、その時間情報を時間情報画面104に表示させる。
また、確認処理の開始を示す操作を受け付けると、その操作信号が計時部150に入力され、計時部150では経過時間の計測を開始する。その後、ユーザーは、チェック項目に該当する機器の消し忘れや閉め忘れを確認した後、各チェック項目アイコン103に対応した位置にそれぞれ配置された確認結果アイコン102に対して確認結果の入力を行う。具体的には、スイッチアイコン122を下方に動かして、操作ノブアイコン123を下方に切り替える。そうすると、スイッチアイコン122の上側に印刷した「OK」が状態表示アイコン121に配置されて表示される。この際、ユーザーは、一括ロックアイコン105、又はチェックボックス125をタップすることもできる。そうすると、確認結果アイコン102に対する操作が無効となり、誤動作を防止できる。
さらに、確認処理が開始されると、警報制御部116では、確認処理開始からの経過情報に基づく警報有無の判定を実行する。具体的に、警報制御部116は、計時部150により計測された確認処理の開始からの経過時間が、記憶部170内に含まれた設定経過時間を超過した時点で、すべての確認処理に対する入力がされているか否かを判断する。そして、すべての確認処理に対する入力がされていない場合には、警報通知部136を制御して、警報画面108上に警告情報を表示させる。
経過時間内に、ユーザーがすべての確認結果アイコン102に対して確認結果の入力が終了すると、確認完了画面109には完了という文字情報が表示されるとともに、解錠アイコン107が選択可能となる。ユーザーが解錠アイコン107をタップすると、その信号が判定部114に入力される。
判定部114では、確認結果通知部134から各入力状態の情報を取得して、複数のチェック項目に対する確認処理がすべて有効的となったか否かを判断する。ここで、すべての確認処理が有効的となっていない場合には、確認完了信号を生成させず、例えば、確認完了画面109にエラー情報などを表示させる。一方、確認処理がすべて有効的となった場合には、判定部114は、施錠制御部115に対して確認完了信号を送信する。
なお、この際、警報制御部116は、位置情報に基づく警報有無の判定を行う。具体的に、警報制御部116は、確認完了通知部135から確認完了信号を取得すると、位置情報取得部140によって現在の位置情報を取得する。そして、この取得された位置情報と、記憶部170に記憶された自宅の位置情報とが一致するか否かを判断する。ここで、位置情報が一致しない場合、警報制御部116は、警報通知部136を制御して、警報画面108にエラー情報を表示させたり、施錠制御部115に解錠禁止信号などを送信する。一方、位置情報が一致する場合には、解錠許可信号を施錠制御部115に送信する。
施錠制御部115は、判定部114から確認完了信号を取得し、警報制御部116から解錠許可信号を取得すると、鍵収納装置90の鍵部92を解錠させる制御データを生成して、通信インターフェース160を介して鍵収納装置90に送信する。
鍵制御部94は、この制御データに基づいて、鍵部92を解除し、蓋体91を開放させて鍵9を取り出し可能とさせる。その後、ユーザーは、鍵9を用いて玄関を施錠するとともに、情報処理端末100を所持して外出する。これにより、外出先において、機器の状態を自分の目で確認できるため、出先での不安を簡単に解消できる。なお、通報部113では、一定のタイミングで、判定部114による確認結果の履歴を蓄積し、蓄積された履歴を解析して、解析された確認結果の頻度や分布に基づいた報告処理を実行する。
(作用・効果)
このような本実施形態によれば、外出前にチェックすべき項目をチェック項目アイコン103に表示させておき、操作者が自分自身で目視確認したチェック項目に対応する確認結果を確認結果アイコン102に入力する。この入力された確認結果は、装置に保持されて、確認結果アイコン102の状態表示アイコン121に「OK」と表示されるので、外出前にすべてのチェックすべき項目を目視することができ、確実に消し忘れや、閉め忘れを防止できる。
特に、本実施形態では、家の鍵9などを収納する蓋体91を有する鍵収納装置90を設け、施錠制御部115は、複数のチェック項目に対する確認処理がすべて有効的になった場合に、鍵部92を解錠させているので、すべてのチェック項目を完了しない限り利用者が次の行動に移れないように制限でき、消し忘れや閉め忘れを確実に防止できる。
また、本実施形態において、連携制御部111は、リセット部112によるリセットと時間情報通知部131とを連携させている。そして、連携制御部111は、時間情報通知部131に対して確認処理の開始を示す時間情報が入力された場合に、リセット部112によるリセットを実行させる機能を有するので、前回途中だった確認処理があった場合などに、確認開始時刻を変更して再開する場合には、すべてリセットされるため、前回の確認結果が残っていることによって、操作者が混乱して確認し忘れが発生するのを解消できる。
また、連携制御部111は、リセットされた日時を確認処理の開始を示す時間情報として時間情報通知部131により通知させることもできる。この場合には、すべての項目の確認結果をリセットした時点から開始することとなるため、前回途中だった確認処理があった場合でも、すべてリセットしなければ再開できないため、より確実に消し忘れ等を防止できる。
また、警報制御部116は、確認処理の開始からの経過時間とに基づいて、警告情報を通知しているため、例えば、確認処理を開始して、一定時間内にすべてのチェック項目に対する確認が終了しない場合に警告を通知できるため、確認処理に時間がかかっているだけなのか、確認し忘れているのかが不明であるようなときに、操作者に対して注意を促すことができる。
また、警報制御部116は、自機の位置情報とに基づいて警告情報を通知しているため、例えば、確認処理の最中に外出してしまったり、家の外にいるはずなのに屋内の確認処理を実行していたりなど、不適切な操作や誤操作がなされるのを防止でき、より適切な確認処理を実現できる。
また、本実施形態において、通報部113は、確認結果通知部134による確認結果の履歴を蓄積し、蓄積された履歴を解析して、解析された確認結果の頻度や分布に基づいた報告処理を実行するので、不適切な操作が繰り返されたり、暫くの期間、無操作だったりなど、操作者が特徴的な行動を取った場合に、電子メール等により関係者にその旨を通報することができ、高齢者の安否確認などに応用することができる。
[第3実施形態]
次いで、本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、スマートフォン等の汎用的な電子機器ではなく、図8に示すような、備忘録装置の機能に特化した専用機であって、情報処理端末と鍵収納装置とが一体化された鍵ケース100aを用いて、機器の消し忘れ、付け忘れを防止することを要旨とする。図8は、第3実施形態に係る鍵ケース100aを示す斜視図である。なお、本実施形態において、上述した各実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その機能等は特に言及しない限り同一であり、その説明は省略する。
本実施形態における鍵ケース100aは、鍵9を収納する内部空間12を備える筐体から形成され、筐体の表面には、タッチパネル式の表示部101bが設けられている。筐体の側面には、開閉可能な蓋体11が形成され、この蓋体11が開放されると内部空間12と外部とが連通される。また、鍵ケース100aには、筐体内部に施錠機構である鍵部13が設けられており、この鍵部13によって蓋体11が開閉可能となっている。なお、施錠機構である鍵部13や蓋体11には、緊急開放機構が設けることが好ましい。例えば、一定の力を加えると外れたりするようにしておくことにより、緊急事態に鍵が取り出せないということを回避することができる。
本実施形態における表示部101bは、タッチパネル式の表示手段であり、第2実施形態と同様な複数のチェック項目に対する確認処理を記録して表示するための各種アイコンを表示部101b上に表示させ、ユーザーの操作を受け付け可能となっている。また、鍵ケース100aには、第2実施形態と同様な備忘録制御部110、GUI制御部130、計時部150、位置情報取得部140、記憶部170等を有している。
すなわち、鍵ケース100aは、表示部101bに、時間情報画面104と、チェック項目アイコン103と、確認結果アイコン102と、一括ロックアイコン105と、解錠アイコン107と、リセットアイコン106と、確認完了画面109と、警報画面108とを表示するとともに、各アイコンに対する操作信号をGUI制御部130が取得する。
そして、ユーザーが確認処理に対する入力を確認結果アイコン102に対して行った後、解錠アイコン107を選択すると、判定部114において複数のチェック項目に対する確認処理がすべて所定の結果となったか否かが判断され、その判断によって解錠の可否が判定される。判定部114において、確認結果がすべて有効的であり、確認完了と判定されると、確認完了信号が施錠制御部115に入力される。施錠制御部115は、この確認完了信号に応じて、鍵部13を解錠させ、蓋体11を開放可能とさせる。これにより、内部に収納された鍵9を取り出すことができる。なお、本実施形態においても、上述した第2実施形態と同様なリセット部112、連携制御部111、警報制御部116、通報部113などの各種機能を備えているものとする。
[第4実施形態]
次いで、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態では、上述した第1実施形態〜第3実施形態で説明した備忘録装置や備忘録アプリケーションを、服薬管理に適用したことを要旨とする。すなわち、上述した実施形態では、本発明を機器の消し忘れ防止のために用いた場合を例示したが、図9に示すような、薬の飲み忘れ防止のために用いてもよい。図9は、第4実施形態に係る服薬チェック装置の画面構成を示す説明図である。なお、本実施形態において、上述した各実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その機能等は特に言及しない限り同一であり、その説明は省略する。
ここで、本実施形態では、第2実施形態のように、スマートフォン等の電子機器でアプリケーションを実行させ、スマートフォンを服薬チェック装置として使用する場合を例に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1実施形態のような機械式の機構で動作する装置でもよく、第3実施形態のような電子的な機構で動作する専用装置であってもよい。
図9に示すように、本実施形態では、上記チェック項目表示部132には服薬すべき薬の名称を表示し、時間情報通知部131には、その日の日付を表示する。また、表示部101aには、スイッチアイコン122や、操作ノブアイコン123、ランプ点灯アイコン124、チェックボックス125などが、チェック項目表示部132に対応付けられて配置されているとともに、本実施形態では、これらアイコン122〜125が、「朝」、「昼」、「晩」及び「就寝前」といったように、その薬を飲むべき時間帯毎にグループ分けされて、グループ毎に確認結果アイコン群である確認結果ラベル102a〜dが構成されている。
これら時間帯毎の確認結果ラベル102a〜dには、その時間帯に飲むべきかどうかを表示するチェックボックス126が対応付けられており、飲む必要があれば「要」の文字が表示され、不要であれば「不」の文字が表示されるようになっており、不要と表示された薬については、その時間帯ではチェックが不要であるため自動的にロックされるようになっている。
このような本実施形態によれば、服薬すべき薬の名称を、チェック項目アイコン103に表示させておくとともに、各薬について時間帯毎に服薬の要否をチェックボックス126に表示させておく。そして、操作者が自分自身で服薬を確認したチェック項目に対応する確認結果をアイコン122に入力する。この入力された確認結果は、装置に保持されて、状態表示アイコン121に「OK」と表示されるので、各時間帯における服薬すべき薬を目視することができ、確実に飲み忘れを防止できる。また、服薬の履歴を記録し、その履歴を分析することにより、ユーザーの健康状態を管理することもできる。
本実施形態においても、連携制御部111は、リセット部112によるリセットと時間情報通知部131とを連携させてもよい。そして、連携制御部111は、時間情報通知部131に対して確認処理の開始を示す時間情報が入力された場合に、リセット部112によるリセットを実行させる機能を有するので、前回途中だった確認処理があった場合などに、確認開始時刻を変更して再開する場合には、すべてリセットされるため、前回の確認結果が残っていることによって、操作者が混乱して確認し忘れが発生するのを解消できる。
また、連携制御部111は、リセットされた日時を確認処理の開始を示す時間情報として時間情報通知部131により通知させることもできる。この場合には、すべての項目の確認結果をリセットした時点から開始することとなるため、前回途中だった確認処理があった場合でも、すべてリセットしなければ再開できないことから、より確実に飲み忘れ等を防止できる。
また、警報制御部116は、確認処理の開始からの経過時間とに基づいて、警告情報を通知しているため、例えば、確認処理を開始して、一定時間内にすべてのチェック項目に対する確認が終了しない場合に警告を通知できるため、確認処理に時間がかかっているだけなのか、確認し忘れているのかが不明であるようなときに、操作者に対して注意を促すことができる。
また、本実施形態においても、通報部を設けることができ、確認結果通知部134による確認結果の履歴を蓄積し、蓄積された履歴を解析して、解析された確認結果の頻度や分布に基づいた報告処理を実行するので、服薬が途絶えていたり、不適切な操作が繰り返されたり、暫くの期間、無操作だったりなど、操作者が特徴的な行動を取った場合に、電子メール等により関係者にその旨を通報することができ、高齢者の安否確認などに応用することができる。
[変更例]
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。上述した第2実施形態及び第3実施形態では、鍵9を収納し、収納用筐体の蓋体を解錠させる構成としたが、例えば、玄関の扉などの施錠機構に備忘録装置を組み合わせ、複数のチェック項目に対する確認処理がすべて有効的であるときに、施錠機構を施錠させ、扉を閉める構成であってもよい。
この場合には、家の玄関の扉などに電子ロック機構を設けて、その電子ロック機構に備忘録装置とを連結される。そして、すべてのチェック項目が「OK」など有効的になったときに、電子ロック機構を施錠若しくは解錠できるようになる。これによって、すべてのチェック項目を完了しない限り、玄関の扉が施錠できず、利用者が次の行動に移れないように制限できるので、消し忘れや閉め忘れを確実に防止できる。
また、上述した第1実施形態の備忘録装置1の内部に鍵を収納可能とするとともに、蓋体及び蓋体を施錠する鍵部を設け、すべての確認結果通知部2に対する確認操作が行われた際、機械的に鍵部を解錠して鍵9を取り出し可能としてもよい。
さらに、上述した第1〜4実施形態において、チェック完了の手順を2段階に分けて行うようにしてもよい。例えば、上述した第1〜3実施形態において施錠、解錠の装置を設けず、筐体10の機器プレート32として「玄関の鍵」を設け、これについてのチェックを第2段階(最終段階)とし、この「玄関の鍵」以外のチェックを第1段階のチェックとする。すなわち、第1段階のチェックとして「玄関の鍵」以外のチェックが完了した後に、操作する当人がその玄関の鍵を用いて施錠して、その「玄関の鍵」を含むすべてのチェックの完了を第2段階(最終段階)のチェックが完了したときに、状態表示窓21又は121に「OK」を表示させた、一括ロック部5の操作を行うようにしてもよい。
また、リセットのタイミングを、鍵を収納したときとしてもよい。すなわち、外出時に玄関のドアに施錠し、その鍵はそのまま携帯し、帰宅の際にその鍵を用いて、玄関のドアを解錠し、その鍵を収納したときにリセットする。この場合には、帰宅後に鍵を収納してリセットすることにより、次回の外出時にリセット操作をする必要がなく、速やかにチェック作業を開始できる。
さらに、第2〜4実施形態では、タッチパネル式の表示部101aに各アイコンを表示させたが、例えば、第1実施形態で示した機械式の各部を設けるとともに、内部に電子的な制御部110を設け、機械式の各部に対する制御を制御部110で制御する構成であってもよい。