JP5774068B2 - クリーニング装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 - Google Patents

クリーニング装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、像担持体の表面から現像剤を除去するクリーニング装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置に関するものである。
ここで、画像形成装置としては、例えば電子写真複写機、レーザービームプリンタ、LEDプリンタ、ファクシミリ装置等が含まれる。また、プロセスカートリッジとしては、少なくとも像担持体とクリーニング装置とを一体的にカートリッジ化して画像形成装置に着脱可能とするものをいう。
電子写真画像形成装置において、像担持体を繰り返し使用する為に像担持体に形成された現像剤像を記録媒体に転写した後に、像担持体に残った現像剤を除去するクリーニング手段として、クリーニングブレード方式が知られている。
クリーニングブレード方式は、弾性を有するブレードを像担持体の表面に所定の圧で当接させて像担持体の表面から現像剤を除去する方法である。
特許文献1においてクリーニング部材は、支持部材である板金の先端にブレードが成型によって取り付けられた構造になっている。そして板金を枠体にビス等で取り付けることによってクリーニング部材を固定することによって、像担持体の表面に所定圧で当接させている。
特開2002−341721号公報
しかしながら、プリンタ等の画像形成装置は普及にともなって、小型化、高速化、高画質化される傾向にある。画像形成装置が小型化されれば、像担持体の大きさは小さくなる。また、高速化によって、像担持体が速く回転することになる。即ち、像担持体表面に当接しているブレードは、像担持体が高速で繰り返し像担持体の表面と摺動することになる。そして、ブレード自身の温度が上昇し、ブレードの硬度が柔らかくなる。その結果、像担持体表面とブレードの摩擦力が上昇する。それによって、像担持体を駆動させる為の駆動トルクの増加、ブレードの捲れという問題が生じる場合がある。更に、最近では高画質化の為に現像剤を球形状のものを用いることがある。この場合、像担持体表面から現像剤を除去する為には、像担持体に対するブレードの当接圧を上げる必要があり、前述の問題を助長させる要因の一つになっている。
そこで、本発明は上記従来技術の問題点を解決するためになされたものである。その目的とするところは、像担持体を駆動する際の駆動トルクの増加、ブレードの捲れを抑えることが可能なクリーニング装置、プロセスカートリッジ、及び画像形成装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための本発明の構成は、画像形成装置に用いられるクリーニング装置であって、
枠体に設けられた固定部と、前記固定部に取り付けられる、像担持体から現像剤を除去するクリーニング部材において、前記像担持体の移動方向に対してカウンター方向で前記像担持体に当接するブレード部と、前記ブレード部を支持し、金属の板ばね材で構成された可撓性を有する支持部材であって、先端側に前記ブレード部が設けられたブレード部支持部と、前記固定部に固定される被固定部と、前記ブレード部支持部と前記被固定部との間に位置し、前記ブレード部が前記像担持体に当接する当接部と前記被固定部を結んだ線分に対して、前記像担持体表面から外側に離れる側に位置する曲げ頂点と、を有し、前記当接部に対して、前記被固定部が前記像担持体の移動方向の下流に配置される支持部材と、を有するクリーニング部材と、前記枠体によって形成される、前記像担持体から除去した現像剤を収容する収容部と、を有するクリーニング装置において、
前記曲げ部から前記被固定部の領域と前記枠体との間には、前記領域が弾性変形するのを許容する隙間を有することを特徴とするクリーニング装置を特徴とする。
本構成をとることにより、像担持体が駆動している際に、当接圧を従来よりも安定させることが出来る。即ち、像担持体を駆動する際のトルクの増加、ブレードの捲れを抑えることが可能になる。
更に、クリーニング装置の着脱によりクリーニング容器内の感光体ドラムから除去した廃トナーがクリーニング容器とクリーニング部材の隙間部分に片寄った場合でも、本体装着時においては、その隙間に廃トナーが溜まることが無い。これにより、クリーニング部材の動きを阻害せず、感光体ドラムが駆動している際の当接圧を従来よりも安定させることが出来る。
本実施形態におけるクリーニング装置の構成概略図 本実施形態におけるクリーニング部材の構成概略図 本実施形態における支持部材が変形する様子を示す概念図 感光ドラムが静止した状態から移動する際の、支持部材が変形する様子を示す概念図 本実施形態におけるプロセスカートリッジの構成概略図 本実施例におけるクリーニング部材の構成詳細図 動摩擦係数と当接圧の関係をシミュレーション計算した結果 動摩擦係数と当接圧の関係をシミュレーション計算した結果 片寄したクリーニング装置を示す構成概略図 動摩擦係数と当接圧の関係をシミュレーション計算した結果 本実施例2におけるクリーニング装置の構成概略図 本実施例3におけるクリーニング装置の構成概略図 本実施例4におけるクリーニング装置の構成概略図 本実施形態における画像形成装置の一例 本実施形態におけるカラータンデム方式の画像形成装置の一例 本実施形態における記録材搬送部材を有する画像形成装置の一例 比較例におけるクリーニング部材の構成詳細図 比較例におけるクリーニング部材の構成詳細図 比較例2におけるクリーニング装置11の構成概略図
(実施例1)
以下、本実施例としての画像形成装置の一例を示す。なお、図14に示す画像形成装置は、電子写真方式のモノクロレーザービームプリンタの画像形成装置であり、同図はその概略構成図である。
画像形成装置本体Mのほぼ中央付近には、像担持体(被帯電体)としてのドラム型の感光ドラム1が配設されている。感光ドラム1は、アルミニウム等の導電性ドラム基体の外周面にOPC(有機光半導体)感光層を形成したものである。矢印R方向に所定のプロセススピード:200mm/sで回転駆動される。
感光ドラム1の表面(周面)は、帯電手段としての帯電ローラ2により所定の極性及び電位に均一(一様)に帯電処理される。帯電後の感光ドラム1表面は露光手段としてのレーザビームスキャナ3から出力されたレーザビームであって、目的の画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザビームの走査露光を受ける。そして、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成されていく。この静電潜像に現像装置5の現像スリーブ6によって搬送されたトナー(現像剤)4が付着されてトナー像として現像される。
記録媒体7は給紙ローラ8によって給紙され、感光ドラム1上に書き込まれたトナー像と同期をとるように感光ドラム1と転写ローラ9との間の転写ニップ部に送られて記録媒体7の表面にトナー像が転写される。転写ローラ9には転写時に転写バイアス印加電源(図示せず)から転写用の転写バイアスが印加される。トナー像の転写を受けた記録媒体7は、感光ドラム1表面から分離されて定着手段としての定着器10に搬送され、ここで加熱及び加圧されて表面にトナー像が定着される。
一方、トナー像転写後の感光ドラム1は、記録媒体7に転写されないで表面に残った残留トナーがクリーニング手段としてのクリーニング装置11によって除去され、次の画像形成に供される。
また、本実施例では、カラーの画像形成装置のクリーニングにも適用可能である。図15は、カラータンデム方式の画像形成装置の一例を示す。転写方式電子写真プロセス利用、接触帯電方式、反転現像方式、最大通紙サイズがA3サイズのカラーレーザープリンタである。複数個のプロセスカートリッジ17を有し、一旦第2の画像担持体である中間転写ベルト18に連続的に多重転写し、フルカラープリント画像を得る4連ドラム方式(インライン)プリンタである。
図15において、無端状の中間転写ベルト18が、駆動ローラ18a、テンションローラ18b及び2次転写対向ローラ18cに懸架され、図中矢印の方向に所定のプロセスピード:300mm/sで回転駆動される。プロセスカートリッジ17は、中間転写ベルト18に直列にイエロー17Y、マゼンタ17M、シアン17C、ブラック17Kの順に4本配置されている。
カラータンデム方式の画像形成装置においては、クリーニング装置(11Y、11M、11C、11K)が4つあるので、像担持体(1Y、1M、1C、1K)を駆動する際に発生する駆動トルクが大きく、本発明を適用すれば、駆動トルクの低減効果が大きくなる。
また、図15に示すとおり、中間転写ベルト18の2次転写ローラ20後に残留するトナー4をクリ―ニングする中間転写ベルトクリーナー19にも適用可能である。本実施例では、中間転写ベルトクリーナー19に回収したトナー4をスクリューによって、廃トナー回収容器(図示せず)に搬送する構成を採用している。
また、本実施例は、記録媒体7を搬送し、感光ドラム1上のトナー像を転写する転写・搬送ベルト21のクリーニング装置としても適用可能である。図16は、転写・搬送ベルト21を有するカラータンデム方式の画像形成装置の一例を示す。図16において、無端状の転写・搬送ベルト21が、駆動ローラ21a、テンションローラ21b及び従動ローラ21Cによって懸架され、図中矢印の方向に所定のプロセスピード:300mm/sで回転駆動される。プロセスカートリッジ17は、転写・搬送ベルト21に直列にイエロー17Y、マゼンタ17M、シアン17C、ブラック17Kの順に4本配置されている。記録媒体7は、転写・搬送ベルト21によって、搬送され、感光ドラム(1Y、1M、1C、1K)上に形成されたトナー像を転写ローラ(9Y、9M、9C、9K)で順次転写される。感光ドラム(1Y、1M、1C、1K)上には、カブリトナーが存在し、記録媒体7間において、転写・搬送ベルト21の表面がそのカブリトナーによって汚される。このカブリトナーを転写・搬送ベルトクリーナー21によって、回収している。
本実施例に係るリーニング部材12について説明する。
図2は、本実施形態におけるクリーニング部材12の構成概略図である。クリーニング部材12は、固定部に取り付けられる、被清掃体である感光ドラム1から転写後に残留するトナー4を除去するものである。クリーニング部材12は、感光ドラム1の移動方向(図2の矢印)に対してカウンター方向で感光ドラム1に当接するブレード14と、ブレード14を支持し、可撓性を有する支持部材13から構成される。支持部材13は、ブレード14が設けられた一端部131と、固定部に固定される被固定部134を有する他端部132と、一端部131と他端部132との間に位置する曲げ部133から構成される。曲げ部133は、ブレード14が感光体ドラム1と当接する当接部138と被固定部134を結んだ線分Lに対して、感光体ドラム1の表面から外側に離れた側(感光体ドラム1の表面から遠ざかる側)に位置する。また、支持部材13は、当接部138に対して、被固定部134が感光ドラム1の移動方向の下流側に配置され、ブレード14を一端部131のみで支持される。
クリーニング部材12を上記の様な構成をとることで、感光ドラム1とブレード14の摩擦力が増加しても、ブレードの当接圧の急激な上昇は抑えられる。以下にその作用について説明する。
まず、比較例のクリーニング部材212について説明する。図17、図18は、従来知られているリーニング部材の構成概略図である。剛性を有する支持部材213に弾性体であるウレタンゴムのブレード214が支持され、感光ドラム201に当接されている。そして、弾性を有するブレード214を感光ドラム201の表面に押し当て(変形させて)、感光ドラム201の表面から残留トナー204を除去するための当接圧を得ている。
感光ドラム201が回転する際に、ブレード214は、ブレード214の当接圧による抗力F1と感光ドラム201の表面とブレード214の摩擦力F2の合力である合力F3の力を受けている。摩擦力F2が上昇すると、合力F3が大きくなる。ブレード214は、合力F3の方向には、比較的に自由度が少ない。よって、ブレード214は、図17の矢印F方向に変形することとなる。この変形は、ブレード214が感光ドラム201に食い込む方向であるので、抗力F1が大きくなる。抗力F1が大きくなると、更に、摩擦力F2が上昇する。その結果、抗力F1が急激に大きくなってしまうのである。このため、感光ドラム201を駆動させる為の駆動トルクの増加、ブレードの捲れという問題が生じる場合があった。
次に、本実施例のクリーニング部材12について説明する。図3は、感光ドラム1の表面とブレード14の摩擦力が上昇する際に、可撓性を有する支持部材13が変形する様子を示す概念図である。
本発明の実施形態でのクリーニング部材12においては、可撓性を有する支持部材13を感光ドラム1の表面に押し当て(変形させて)、感光ドラム1の表面から残留トナー4を除去するための当接圧を得ている。
感光ドラム1が回転する際に、ブレード14は、支持部材13の当接圧による抗力F1と感光ドラム1の表面とブレード14の摩擦力F2の合力である合力F3の力を受ける。この合力F3に対して、一端部131は、合力F3とのなす角度が小さいので変形自由度が非常に少なく変形し難い(突っ張っている)。一方で、合力F3の方向に対して、他端部132は合力F3とのなす角度が大きいので、変形自由度が高い。よって、図3に示す破線のような変形が可能である。そして、図3の矢印A方向に、他端部132が変形できることで、支持部材13に支持されるブレード14が感光ドラム1に食い込まずに済む。その結果、抗力F1の上昇は抑えられるのである。このため、感光ドラム1を駆動させる為の駆動トルクの増加、ブレードの捲れを抑制できるのである。
なお、他端部132は、合力F3による曲げモーメントを強く受ける構成であることが望ましい。それゆえ、一端部131はブレード14から力を受けて、他端部132を弾性変形させるように構成されているのが望ましい。
また、他端部132は、合力F3によって、図3の矢印A方向に弾性変形できることが重要である。よって、ブレード14は、一端部131のみで支持し、曲げ部133にかからないように設けて、他端部132の弾性変形(曲げ)を阻害しないようにするのが望ましい。
図4は、感光ドラム1が静止した状態から移動する際の、支持部材13が変形する様子を示す概念図である。支持部材13に支持されるブレード14が感光ドラム1に、より食い込まないで済むことが望ましい。それゆえ、感光ドラム1が静止した状態から移動する際に、曲げ部133が感光ドラム1の表面から離れる方向に移動可能に構成されているのが望ましい。
支持部材13の材質としては、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネイト(PC)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等に代表されるエンジンニアリングプラスティックを使用することができる。その板厚と一端部131及び他端部132の長さとクリーニング部材12の感光ドラム1への侵入量を調整することによって、所望のクリーニング当接圧を得れば良い。
また、支持部材13の材質として、例えば、SUS、リン青銅板等のバネ特性を有する金属のばね部材も使用できる。上記のエンジンニアリングプラスティックよりも金属材質の方が、生産性、コスト、精度等の面で有利である。また、弾性を有する制振部材等も用いることができる。
次に、クリーニング装置11について説明する。クリーニング装置11は、感光体ドラム1から除去したトナー4を収容する、枠体で構成される収容部としてのクリーニング容器15と、クリーニング容器15に設けられた固定部153と、クリ―ニング部材12を有する。
図1は、本実施形態におけるクリーニング装置11の構成概略図である。
クリーニング装置11は、クリーニング部材12と、スクイシート16と、クリーニング容器15で構成されている。クリーニング部材12は、感光体ドラム1の表面に当接し、転写後に残留する残トナー4をかき落とすためのものである。スクイシート16は、かき落としたトナー4をすくい取るためにクリーニング部材12の感光体ドラム1の回転方向に対して上流側に配置し、且つ感光体ドラム1の表面に接触するものである。クリーニング容器15は、すくい取った残トナー4を溜めるものである。クリーニング部材12は、支持部材13の被固定部134において、クリーニング容器15に設けられた固定部153に固定される。クリーニング部材12のクリーニング容器15への固定方法の一例としては、図1に示すように、保持部材151を介して、長手方向に数ヵ所に配置した取り付けネジ152によって固定してある。
支持部材13の曲げ部133から被固定部134の領域は、クリーニング容器15の内壁と対向して配置される。可撓性を有する支持部材13は、感光ドラム1を取り付ける際、及び感光ドラム1が回転する際に、曲げ部133から被固定部134の領域が図1のB方向に弾性変形をする。特に、曲げ部133付近で大きく変形をする。この時、曲げ部133から被固定部134の領域がクリーニング容器15の内壁と干渉してしまうと、本発明の効果が得られなくなってしまう。そこで、曲げ部133から被固定部134の領域とクリーニング容器15の内壁との間に、図1に示すように、隙間Zを有する構成をとっている。隙間Zは、曲げ部133から被固定部134の領域が弾性変形をするのを許容するため、変形量以上の距離に設定されている。本実施形態では、3mmとしてある。
次に、画像形成装置本体Mに着脱可能であって、感光ドラム1と、クリーニング容器15に設けられた固定部153と、本発明に係るクリーニング部材12を有するプロセスカートリッジ17について説明する。
図5は、本実施形態におけるプロセスカートリッジ17の構成概略図である。
プロセスカートリッジ17は、感光ドラム1、帯電ローラ2、現像装置5、クリーニング装置11の4つのプロセス機器がカートリッジ容器に一体的に組み込まれている。そしてプロセスカートリッジ17は、画像形成装置本体Mに対して着脱可能に構成されている。
次にクリ―ニング部材12のさらに詳しく説明する。
図6は、本実施例1におけるクリーニング部材12の構成詳細図である。
上述した通り、クリーニング部材12は、可撓性を有する支持部材13とブレード14から構成される。支持部材13は、ブレード14が設けられた一端部131と、クリーニング容器15の固定部153に固定される被固定部134を有する他端部132と、一端部131と他端部132との間に位置する曲げ部133から構成される。そして、曲げ部133は、ブレード14が感光体ドラム1に当接する当接部138と被固定部134を結んだ線分に対して、感光体ドラム1表面から外側に離れる側に位置する。
上述したとおり、クリーニング部材12は、可撓性を有する支持部材13とブレード14から構成される。支持部材13は、ブレード14が設けられた一端部131と、クリーニング容器15の固定部153に固定される被固定部134を有する他端部132と、一端部131と他端部132との間に位置する曲げ部133から構成される。そして、曲げ部133はブレード14が感光ドラム1に当接する当接部138と被固定部134を結んだ線分に対して、感光ドラム1表面から外側に離れる側に位置する。
本実施例1では、支持部材13の材質としてSUS材を用いた。その板厚tは、0.2mmのものを使用した。図6に示す、曲げ部133の角度θsは、感光ドラム1の回転軸方向に一様に90°とした。このとき、支持部材13の一端部131の長さをL1、他端部132の長さをL2とすると、L1=12mm、L2=12mmとした。また、従来と同様、感光ドラム1とクリーニング部材12の設定角を30度、侵入量を1.05mmとした。
このときのクリーニング部材12の感光ドラム1への当接圧は感光ドラム1の回転軸方向1cmあたり約35gfであった。比較のため、設定角20度で確認を行ったところ、当接圧は、感光ドラム1の回転軸方向1cmあたり約30gfであった。
なお、曲げ部133の角度θは、特に90°である必要はない。支持部材13の一端部131の長さL1、他端部132の長さL2、設定角、侵入量を調整して、所定の当接圧が得られれば良い。
ブレード部材14の材質は、ウレタンゴムを用いた。その硬度は、JISA硬度70度のものを用いた。ブレード部材14自体の変形は小さくして、一端部131が他端部132を弾性変形させる力を大きくすることが望ましい。そこで、その形状は、図6に示すとおり、ブレード部材14の変形による影響を極力小さくする方が良く、本実施例1では、k=3.0mm、l=2.0mm、m=0.5mm、n=0.5mmとした。
比較例1として、従来知られているクリーニング部材212に対しても確認した。図17は、従来知られているクリーニング部材212の構成詳細図である。剛性を有する支持部材213の先端にブレード214が支持されている。弾性体であるブレード214が変形することによって、クリーニング当接圧を得ている。ブレード214の材質は、ウレタンゴムで、その硬度は、JISA硬度70度のものを用いた。図17に示す、ブレード214の自由端の長さをLとし、L=5.2mmとした。支持部材213の材質は、SUS材であって、その板厚tは、1.8mmとした。感光ドラム201とクリーニング部材212の設定角を30度、侵入量を1.05mmとした。このときのクリーニング部材212の感光ドラム201への当接圧は感光ドラム1の回転軸方向1cmあたり約35gfであった。
これらのクリーニング装置に対して変形計算を行い、動的な当接圧を計算により算出した。計算方法として、かかる摩擦を想定しクリーニング部材の先端が感光ドラム1回転下流方向に押し込まれたときの変形形状とかかる力との関係を計算した。そして、得られた力から感光ドラム1面に垂直な成分を当接圧、平行な成分を摩擦力とし、更にその比を摩擦係数として求めた。
このときの変形計算としてはブレード支持体、ブレードの中立軸を考慮することにより、単純な2次元の片持ちの梁(Bernoulli−Euler の仮定)でモデル化し計算を行った。なお、計算に用いたパラメータとして、SUS板の曲げ縦弾性率E=167,000MPa、ウレタンゴムの縦弾性率E=6MPaを用いた。
図7にその結果を示す。横軸が動摩擦係数、縦軸が当接圧を示す。図7(a)が本実施例1、図7(b)が比較例1の結果を示している。本実施例1の方が比較例1に対して、動摩擦係数に対する当接圧の変化が非常に少ないことが見てとれる。
図8に動摩擦係数と摩擦力の関係を示す。横軸が動摩擦係数、縦軸が摩擦力を示す。図8(a)が本実施例1、図8(b)が比較例1の結果を示している。本実施例1の方が比較例1に対して、動摩擦係数に対する摩擦力の変化が少ないことが見てとれる。比較例1では、動摩擦係数の増加に対して、加速度的に摩擦力が増加する。一方で、本実施例1では、動摩擦係数の増加に対して、ほぼ直線的な増加にとどまっている。上記のモデル化計算においても、本実施例に示すクリーニング部材12の構成をとることで、従来よりも当接圧の安定化が図れることを確認できた。
(実施例2)
次に、ユーザーが紙詰まりなどの処置としてクリーニング装置11を画像形成装置本体Mから着脱し、クリーニング容器15に収容してあるトナー4が片寄せられた場合を想定して、次のようなクリーニング装置11の着脱動作を行った。ある程度のトナー4をクリーニング容器15に収容させた後、クリーニング装置11を画像形成装置本体Mから着脱し、図9に示すように矢印C方向を下向きにしてクリーニング容器15内のトナー4を下側に片寄せた。その後、再び画像形成装置本体Mに装着した。
〔比較例2の場合〕
比較例2について、図19に基づいて説明する。
比較例2として用いたクリーニング装置11の構成概略図を図19に示す。画像形成装置本体Mにクリーニング装置11を装着する際に、支持部材313の曲げ部333よりも被固定部334が低い位置となるようクリーニング装置311が配置される。ブレード当接圧等のクリーニング部材312に関する条件は、本実施例1と同様である。
図19で示すように、トナー304を片寄せした後、クリーニング装置311を画像形成装置本体Mへ装着する。その際に、支持部材313の曲げ部133から被固定部334の領域とクリーニング容器315の内壁との隙間Z3にトナー304が堆積したままとなり、隙間Z3内のトナー304がパッキング状態となってしまうことがある。
これにより、感光ドラム301の表面とブレード部314との摩擦力が上昇した際に、支持部材313が矢印方向Gに弾性変形することを阻害してしまう。
比較例2において、トナー304による支持部材313への圧力を考慮して感光ドラム301との摩擦係数を増加させた時の当接圧を見積もった。
比較例2における結果を図10(b)に示す。横軸が動摩擦係数、縦軸が当接圧を示す。動摩擦係数に対する当接圧の変化が大きいことが見てとれる。
比較例2の構成では、クリーニング容器315にトナー304がある程度溜まっている状態で着脱すると、感光ドラム301の表面とブレード部314との摩擦力が上昇した際に、当接圧が急激に増加してしまう。
〔実施例2の場合〕
実施例2について、図11に基づいて説明する。
本実施例2として用いたクリーニング装置11の構成概略図を図11に示す。
本実施例2は、図11に示すように、画像形成装置本体Mにクリーニング装置11を装着する際に、支持部材13の曲げ部133よりも被固定部134が高い位置、即ち上方となるようクリーニング装置11を配置したことが特徴である。
図9で示すように、トナー4を片寄せした後でクリーニング装置11を装置本体Mへ装着する。その際、支持部材13の曲げ部133から被固定部134の領域とクリーニング容器15の内壁との隙間Zからほとんどのトナー4が自重により落下する。したがって、隙間Z内のトナー4がパッキング状態とはならない。故に、支持部材13が矢印方向Dへ弾性変形するのを阻害するような力が支持部材13にほとんど加わることはない。よって、支持部材13が矢印方向Dに弾性変形して、ブレード部14が感光ドラム1から離れるように動くことができる。これにより図10(a)に示すように、クリーニング容器15にトナー4を収容した時でも、トナー4を収容していない時と同じように、感光ドラム1の表面とブレード部14との摩擦力が上昇した際でも、当接圧の増加を抑えることが可能となる。
以上、本実施例においては、クリーニング装置11を装置本体Mから取り外した際に、廃トナーがクリーニング容器15と支持部材13の他端部132との間の隙間部分Zに入ることがある。しかし、前述した構成のクリーニング装置11を装置本体Mに装着することで、隙間部分Zから廃トナーが落下する。したがって、他端部132が弾性変形するのを阻害されることはなく、感光ドラム1の表面にブレード部14が当接する当接圧を安定させることが出来る。
(実施例3)
実施例3について、図12に基づいて説明する。
本実施例3として用いたクリーニング装置11の構成概略図を図12に示す。
画像形成装置本体Mにクリーニング装置11を装着する。その際に、支持部材13の曲げ部133を通る水平線と、他端部132とのなす角θが、クリーニング容器15に収容されるトナー4の安息角と同じ、またはそれ以上になるようにクリーニング装置11を配置したことが特徴である。
ここで、安息角とはトナーを水平板上に山盛りした場合に、自然に崩れ出す時の斜面の水平板に対する角度をいう。
本実施例3で用いたクリーニング容器15に収容されるトナー4の安息角は、60°である。本実施例3では、クリーニング装置11を画像形成装置本体Mに装着する際に、支持部材13の曲げ部133を通る水平線と他端部132とのなす角θを65°とした。
本実施例2と同様に、クリーニング容器15内にある程度のトナー4をクリーニング容器15に収容させた後、画像形成装置本体Mからクリーニング装置11を着脱し、図9に示すように片寄せした。
トナー4を片寄せした後でも、クリーニング装置11を画像形成装置本体Mへ装着する際に、水平方向に対して、他端部132がクリーニング容器15に収容されるトナー4の安息角以上であるので、隙間Zの部分から完全にトナー4が落下する。故に、支持部材13が矢印方向Gへ弾性変形するのを阻害するような力が支持部材13に加わることは無い。よって、支持部材13が矢印方向Gに弾性変形をして、ブレード14が感光ドラム1から離れるように動くことができる。これにより、トナー4を収容した時でもトナー4を収容していない時と同じように、感光ドラム1の表面とブレード部14との摩擦力が上昇した際でも、当接圧の増加を抑えることが可能となる。
以上、本実施例においては、クリーニング装置11を装置本体Mから取り外した際に、廃トナーがクリーニング容器15と支持部材13の他端部132との間の隙間部分Zに入ることがある。しかし、前述した構成のクリーニング装置11を装置本体Mに装着することで、隙間部分Zから廃トナーが落下する。したがって、他端部132が弾性変形するのを阻害されることはなく、感光ドラム1の表面にブレード部14が当接する当接圧を安定させることが出来る。
(実施例4)
本発明に係るクリ―ニング装置11の実施例4について説明する。
図13は、本実施例4に係るクリーニング装置11の構成概略図を示す。
クリーニング装置11は、クリーニング部材12と、スクイシート16と、クリーニング容器15とで構成されている。クリーニング部材12は、感光ドラム1の表面に当接し、転写後に残留するトナー4をかき落とすためのものである。クイシート16は、かき落としたトナー4をすくい取るためにクリーニング部材12の感光ドラム1の回転方向に対して上流側に配置し、且つ感光ドラム1の表面に接触するものである。そして、クリーニング容器15は、すくい取ったトナー4を溜めるものである。
支持部材13は、ブレード14を支持し、可撓性を有する湾曲形状の支持部材13であることが特徴である。先端側にブレード14が設けられたブレード部支持部135と、固定部153に固定される被固定部134と、ブレード部支持部135と被固定部134との間に位置する曲げ頂点137から構成される。そして、曲げ頂点137は、ブレード部14が感光ドラム1に当接する当接部138と被固定部134を結んだ線分に対して、感光ドラム1表面から外側に離れる側に位置する。
また、支持部材13は、当接部138に対して、被固定部134が感光ドラム1の移動方向の下流側に配置される。
可撓性を有する湾曲形状の支持部材13の曲げ頂点137から被固定部134の領域は、クリーニング容器15の内壁と対向して配置される。上述したとおり、感光ドラム1を取り付ける際、及び感光ドラム1が回転する際に、支持部材13は大きく変形する。この際に、曲げ頂点137から被固定部134の領域がクリーニング容器15の内壁と干渉してしまうと、本発明の効果を得ることが出来なくなる。そこで、図13に示すように、曲げ頂点137から被固定部134の領域とクリーニング容器15の内壁との間に隙間Zを有する構成をとっている。隙間Zは、曲げ頂点137から被固定部134の領域が弾性変形をするのを許容するため、変形量以上の距離が設定されている。本実施例4では、最も距離が短くなる箇所で3mmの距離を有する構成としてある。
本実施例4の構成をとることで、クリーニング装置11の小型化、特に薄型化を図ることができる。また、残トナー4を収納する収納容積を大きくすることが可能である。
更に、図13に示すように、画像形成装置本体Mにクリーニング装置11を装着する際に、支持部材13の曲げ頂点137よりも被固定部134が高い位置となるようクリーニング装置11を配置する。トナー4を片寄せした後でも、クリーニング装置11を装置本体Mへ装着する際には、支持部材13の曲げ頂点137から被固定部134の領域とクリーニング容器15の内壁との隙間Zからほとんどのトナー4が自重により落下する。したがって、隙間Z内のトナー4がパッキング状態とはならない。よって、クリーニング容器15にトナー4を収容した時でも、トナー4を収容していない時とほとんど同じように、感光ドラム1の表面とブレード部14との摩擦力が上昇した際でも、当接圧の増加を抑えることが可能となる。
更に、装置本体Mにクリーニング装置11を装着する際に、支持部材13の曲げ頂点137を通る水平線に対して、曲げ頂点137から被固定部134の領域とのなす角が、トナー4の安息角と同じか、それ以上になっている。本実施例4では、曲げ頂点137を通る水平線に対して、曲げ頂点137から被固定部134の領域とのなす角度が最少で60°としてある。トナー4を片寄せした後でもクリーニング装置11を装置本体Mへ装着した際は、曲げ頂点137を通る水平線に対して、曲げ頂点137から被固定部134の領域がクリーニング容器15に収容されるトナー4の安息角以上である。したがって、隙間Zの部分から完全にトナー4が落下する。よって、クリーニング容器15にトナー4を収容した時でも、トナー4を収容していない時と同じように、感光ドラム1の表面とブレード部14との摩擦力が上昇した際でも、当接圧の増加を抑えることが可能となる。
以上、本実施例においては、クリーニング装置11を装置本体Mから取り外した際に、廃トナーがクリーニング容器15と支持部材13の曲げ頂点137から被固定部134の領域との間の隙間部分Zに入ることがある。しかし、前述した構成のクリーニング装置11を装置本体Mに装着することで、隙間部分Zから廃トナーが落下する。したがって、他端部132が弾性変形するのを阻害されることはなく、感光ドラム1の表面にブレード部14が当接する当接圧を安定させることが出来る。
M 装置本体
1 感光ドラム
2 帯電ローラ
3 レーザビームスキャナ
4 トナー
5 現像装置
6 記録媒体
7 現像スリーブ
8 給紙ローラ
9 転写ローラ
10 定着器
11 クリーニング装置
12 クリーニング部材
13 支持部材
14 ブレード
15 クリーニング容器
16 スクイシート
17 プロセスカートリッジ
18 中間転写ベルト
19 中間転写ベルトクリーナー
20 2次転写ローラ
21 転写・搬送ベルト
22 転写・搬送ベルトクリーナー

Claims (5)

  1. 画像形成装置に用いられるクリーニング装置であって、
    枠体に設けられた固定部と、前記固定部に取り付けられる、像担持体から現像剤を除去するクリーニング部材において、
    前記像担持体の移動方向に対してカウンター方向で前記像担持体に当接するブレード部と、
    前記ブレード部を支持し、金属の板ばね材で構成された可撓性を有する湾曲形状の支持部材であって、先端側に前記ブレード部が設けられたブレード部支持部と、前記固定部に固定される被固定部と、前記ブレード部支持部と前記被固定部との間に位置し、前記ブレード部が前記像担持体に当接する当接部と前記被固定部を結んだ線分に対して、前記像担持体の表面から外側に離れる側に位置する曲げ頂点と、を有し、前記当接部に対して、前記被固定部が前記像担持体の移動方向の下流に配置される支持部材と、
    を有するクリーニング部材と、
    前記枠体によって形成される、前記像担持体から除去した現像剤を収容する収容部と、を有するクリーニング装置において、
    前記曲げ頂点から前記被固定部の領域と前記枠体との間には、前記領域が弾性変形するのを許容する隙間を有することを特徴とするクリーニング装置。
  2. クリーニング装置を画像形成装置本体に装着した状態において、前記被固定部の位置が前記曲げ頂点の位置よりも上方であること、を特徴とする請求項1に記載のクリーニング装置。
  3. クリーニング装置を画像形成装置本体に装着した状態において、前記曲げ頂点の位置が前記当接部の位置より上方あるいは同じ高さにあり、前記曲げ頂点を通る水平線と、前記曲げ頂点と前記被固定部とを結ぶ線分とのなす角(θ)が前記現像剤の安息角以上であること、を特徴とする請求項1又は2に記載のクリーニング装置。
  4. 記録媒体に画像を形成する画像形成装置において、少なくとも像担持体と、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のクリーニング装置と、を有する画像形成装置。
  5. 画像形成装置に着脱可能なプロセスカートリッジであって、少なくとも像担持体と、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のクリーニング装置と、を有するプロセスカートリッジ。
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