実施例1のパチンコ機を、図面に基づいて詳細に説明する。図1〜図7は、それぞれパチンコ機10の正面図、前方斜視図、背面図、右側面図、左側面図、平面図及び底面図である。図8は、遊技盤30の正面図である。図9は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図10は、第3図柄表示装置42の表示内容を示す説明図である。
図1,図2に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠11と、この外枠11の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸J1として外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12と、この内枠12の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸J2として内枠12に対して開閉自在に取り付けられる前面枠セット14とを備えている。
外枠11は、木製の板材により全体として正面視で矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、例えば、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属などにより構成されていてもよい。
内枠12は、大別すると、その外形を形成する主要部材としての樹脂ベース12a(図2参照)と、この樹脂ベース12aに取り付けられる遊技盤30(図8参照)とを備えている。また、内枠12は、図1,図2に示すように、樹脂ベース12aの前面側で片開き自在な前面枠セット14を備えている。
具体的には、樹脂ベース12aは、正面視で、その外形が略矩形状で、かつ、その略中央箇所を開口中心とする開口部(後述する遊技領域30a(図8参照)と同等の大きさの開口)が形成された板状部材としている。
前面枠セット14は、図1に示すように、正面視左側で上下方向の開閉軸J2を軸心にして当該内枠12に対して開閉可能に取り付けられている。詳細には、前面枠セット14は、正面視で左側を開閉基端側とし右側を開閉先端側として前方へ回動可能とされている。
遊技盤30(図8参照)は、その遊技領域30aを樹脂ベース12aの開口部に位置させるようにして当該樹脂ベース12aの背面側より着脱自在に取り付けられる。
ここで、もう少し詳細に前面枠セット14について説明する。
前面枠セット14は、図1に示すように、それを正面視すると、最下部に位置する下皿部13と、この下皿部13の上側に位置する上皿部21と、この上皿部21の上側に位置するガラス枠部23と、下皿部13及び上皿部21の右側に位置する大型立体キャラクタ部25とに大別される。
これらの下皿部13、上皿部21、ガラス枠部23及び大型立体キャラクタ部25を、前面枠セット14の樹脂成形部品であるベース板体(図示省略)の前面側各箇所にそれぞれ取り付けることで、前面枠セット14が構成されている。
下皿部13は、図1に示すように、下皿15を形成する部品とその部品を囲う部品等とが一体化された部品であり、前面枠セット14の最下部箇所に位置するように、ネジ等の締結具によりベース板体(図示省略)の正面視で最下部箇所に固定されている。この下皿部13は、その前面側に、下皿15と球抜きレバー17とを備えている。
球受皿としての下皿15は、図1,図2に示すように、前面枠セット14の横幅を略三等分した場合の左端から「2/3」にわたる箇所まで設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能である。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜く(排出する)ためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所(例えば略中央箇所)が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。
大型立体キャラクタ部25は、図1に示すように遊技球発射ハンドル18を備えている。遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、発射装置229(図3、図9参照)によって遊技球が遊技盤30(図8参照)の方へ打ち込まれる。
上皿部21は、図1に示すように、上皿19を形成する部品とその部品を囲う部品等とが一体化された部品であり、前面枠セット14の下部箇所(前述の下皿15の上方位置)に位置するように、ネジ等の締結具によりベース板体(図示省略)の正面視で下部箇所に固定されており、遊技球の受皿としての上皿19を備えている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら発射装置229の方へ導出するための球受皿である。
ガラス枠部23は、図1に示すように、上皿部21の上側に形成された窓部101と、この窓部101の周囲に設けられた各種の電飾部と音出力部24とを備えている。
音出力部24は、図1に示すように、前面枠セット14の正面視で上部の左右2箇所に設けられ、その前面枠セット14の内部あるいは背面箇所に設けられたスピーカからの音を出力するための複数個の出力口で形成されている。この出力口は、図1では一部のみ図示し、全体図示を省略している。
詳述すれば、前面枠セット14には、図1に示すように、上皿部21の上側に位置するガラス枠部23の中央箇所に、遊技盤30の遊技領域30a(図8参照)のほとんどを外部から視認することができるよう略縦長楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、略縦長楕円形状で中央が空洞(開口部101a)となっており、その開口部101aを略縦長楕円形状等のガラス板137で覆うように、図示省略のガラスユニットが前面枠セット14の背面側に取り付けられたものである。図示省略のガラスユニットは、二枚のガラス板137を前後方向に近設させて並べた二重ガラス構造としている。なお、窓部101の前記略中央部が直線状になるようにし、ガラス板137もその形状に合わせるようにしてもよい。また、ガラス板137は、ガラスに限定されず、所定の強度がある透明板であればその材質などは問わない。
さらに、ガラス枠部23は、図1に示すように、窓部101の周囲に各種の電飾部(第1電飾部300、第2電飾部302及び第3電飾部304)を備えている。詳述すれば、前面枠セット14は、図1に示すように、その正面視した状態で窓部101の周囲で左箇所に、LED等を内蔵した第1電飾部300(左側電飾部)を、窓部101の周囲で右箇所に、LED等を内蔵した第2電飾部302(右側電飾部)を、窓部101の周囲で上箇所に、LED等を内蔵した第3電飾部304(上側電飾部)を備えている。これらの電飾部は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。
本パチンコ機10では、第1電飾部300、第2電飾部302及び第3電飾部304は、大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。その他、本パチンコ機10の第1電飾部300及び第2電飾部302には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが備えられている。また、窓部101の周縁で右斜め下箇所には、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の右下方の大型立体キャラクタ部25には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード(例えばプリペイドカード)等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、貸球操作部120にさらに度数表示部(図示省略)を設けるようにしてもよい。この度数表示部(図示省略)は、カード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
また、大型立体キャラクタ部25は、図1,図2に示すように、遊技領域30aの方を向くように前面枠セット14に設けられているので、遊技者を自然に遊技領域30aに注視させることができる。
また、大型立体キャラクタ部25は、図1,図2に示すように、遊技球発射ハンドル18の少なくとも一部を含む大きさのキャラクタとし、遊技球発射ハンドル18は大型立体キャラクタ部25と関連する装飾(例えば、色や模様や形状などの少なくとも一つが同じ装飾)が施されているので、大型立体キャラクタ部25と一体感を持たせた遊技球発射ハンドル18とすることができる。さらに、本実施例1の大型立体キャラクタ部25を有するパチンコ機(遊技機)は、このような大型立体キャラクタ部25を有しない他のパチンコ機(遊技機)と明確に区別でき、他の遊技機よりも際立たせることができる。
また、前面枠セット14は、図1に示すように、パチンコ機10の正面視で、右上隅部に「ホタテ貝」を象ったキャラクタ部26aが設けられている。このキャラクタ部26aは、例えば払出異常を発光表示する発光部でもある。また、図1に示すように、前面枠セット14の左上隅部には、女性の顔(例えば、マリンちゃん)を象ったキャラクタ部26bが設けられている。また、図1に示すように、前面枠セット14の右側の音出力口24及び左側箇所には、「カニ」を象ったキャラクタ部26cが設けられ、前面枠セット14の左側の音出力口24及び右側箇所には、「タコ」を象ったキャラクタ部26dが設けられている。また、球抜きレバー17は、図1に示すように「魚」を象った形状を採用している。
次に、図8を用いて遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30は、図8に示すように、正面視で四角形状の木製(例えば、合板)でその左側の両角部が取れたような形状の遊技板30bを備えており、その周縁部(後述するレール51,52の外側部分)が内枠12の樹脂ベース12a(図2参照)の裏側に当接した状態で取り付けられている。この遊技盤30の前面側の略中央部分たる遊技領域30aは、前面枠セット14のベース板体(図示省略)の略楕円形状の図1に示した窓部101(ガラス板137)を通じて、当該前面枠セット14の前方外側から視認可能である。
また、遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞装置33(例えば作動チャッカ)、第3の始動口34(例えばスルーゲート)及び可変表示装置ユニット35を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、始動入賞装置33、第3の始動口34及び可変表示装置ユニット35は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通穴にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。
始動入賞装置33は、図2に示すように、上から順に、第1の始動口33a(例えば作動チャッカ)と第2の始動口33b(例えば作動チャッカ)とが上下に配設された単一の入賞装置で構成されている。そして、上部側の第1の始動口33aには第1の始動口33a用の図示省略の作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第1の始動口33aへの入球は、その第1の始動口33a用の作動口スイッチ(図示省略)により検出される。また、下部側の第2の始動口33bには第2の始動口33b用の図示省略の作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第2の始動口33bへの入球は、その第2の始動口33b用の作動口スイッチ224(図示省略)により検出される。上述した上部側の第1の始動口33aへの遊技球の入球または下部側の第2の始動口33bへの遊技球の入球のどちらの場合にも、それが始動入賞であることに変わりは無く、それらの入球を個別に検出できる。
また、一般入賞口31への入球が検出スイッチ(図示省略の入賞口スイッチ)で検出され、可変入賞装置32への入球が検出スイッチ(図示省略のカウントスイッチ)でそれぞれに検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。
例えば、第1の始動口33a、第2の始動口33bへの入球の場合には、3個の賞球払い出しがされる。また、一般入賞口31及び可変入賞装置32への入球の場合には、10個の賞球払い出しがされる。なお、これらの賞球の個数は任意であり、種々の個数としてもよい。
なお、第3の始動口34に遊技球が入球し、当該入球が検出スイッチ(図示省略の通過検出スイッチ)で検出されるが、当該第3の始動口34へ入球しても、遊技球の払い出しは実行されない。
その他に、図8に示すように、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内される。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘39が植設されているとともに、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35は、図8に示すように、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの入賞をトリガとして、識別情報としての第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置40と、第3の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41と、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの入賞をトリガとして、第3図柄(例えば装飾図柄)を変動表示する第3図柄表示装置42とを備えている。
第1図柄表示装置40は、図8に示すように、例えば、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器である第1セグメント表示部40a及び第2セグメント表示部40dを備えている。この第1セグメント表示部40aは、第1の始動口33aへの入球に基づいて変動発光等する。第2セグメント表示部40dは、第2の始動口33bへの入球に基づいて変動発光等する。また、第1図柄表示装置40は、図8に示すように、第1セグメント表示部40aでの変動表示の保留数を示す保留ランプ40cと、第2セグメント表示部40dでの変動表示の保留数を示す保留ランプ40fとを備えている。
第1セグメント表示部40aは、第1の始動口33aへの入球に基づいて、各セグメント発光部をランダムあるいは順番に発光変更することで、第1図柄の変動表示状態(本実施例では各セグメント発光部の発光変動態様)を発生させ、その発光変動の停止時に、例えば、確変大当りを示す記号(例えば数字や文字など)を発光表示すると確変大当り(特定当り)を示し、通常大当りを示す記号(例えば数字や文字など)を発光表示すると通常大当り(非特定当り)を示し、外れを示す記号(例えば数字や文字など)を発光表示すると外れを示す。
上記と同様に、第2セグメント表示部40dは、第1の始動口33bへの入球に基づいて、各セグメント発光部をランダムあるいは順番に発光変更することで、第1図柄の変動表示状態(本実施例では各セグメント発光部の発光変動態様)を発生させ、その発光変動の停止時に、例えば、確変大当りを示す記号(例えば数字や文字など)を発光表示すると確変大当り(特定当り)を示し、通常大当りを示す記号(例えば数字や文字など)を発光表示すると通常大当り(非特定当り)を示し、外れを示す記号(例えば数字や文字など)を発光表示すると外れを示す。
このように確変大当り(特定当り)や通常大当り(非特定当り)となると、可変入賞装置32が後述する特定遊技状態(例えば、大当り状態)となる。
なお、この第1図柄表示装置40として、少なくとも2色以上の発光が可能なタイプの単一又は複数個のLEDを採用してもよい。具体的には、第1図柄表示装置40として、例えば赤色と青色に発光可能な2個のLEDを採用した場合を例に挙げると、各LEDの発光色を交互に変更させることで、第1図柄(各LEDの発光色態様)の変動表示状態を発生させ、例えば、両方のLEDが赤色発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、両方のLEDが青色発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、両方のLEDが互いに異なる色の発光状態で停止すると外れを示すことが挙げられる。また、第1図柄表示装置40として、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、第1図柄表示装置40にて表示される絵柄としては、複数種の文字が表示される構成、複数種の記号が表示される構成、複数種のキャラクタが表示される構成又は複数種の色が表示される構成などが考えられる。
第2図柄表示装置41は、第2図柄用としての例えば「○」が描かれた表示部41aと、第2図柄用としての例えば「×」が描かれた表示部41bと、保留ランプ41cとを有し、遊技球が第3の始動口34を通過する毎に例えば表示部41a,41bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に下部側の第2の始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第3の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ41cにて点灯表示される。なお、表示部41a,41bは、その内部にLED(発光ダイオード)を有しており、このLEDの発光(あるいはランプの点灯)を切り換えることにより変動表示される構成としている。なお、上述した第2図柄表示装置41が普通識別情報変動表示手段に相当する。
第3図柄表示装置42では、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの入賞に基づき第1図柄表示装置40にて第1図柄の変動表示と所定の表示(停止表示)が行われる場合にそれに合わせて第3図柄の変動表示と所定の表示(停止表示)が行われる。なお、第3図柄表示装置42では、第1の始動口33a又は第2の始動口33bへの入賞をトリガとした表示演出だけでなく、大当たり当選となった後に移行する特定遊技状態中の表示演出などが行われる。
第3図柄表示装置42は、例えば液晶表示装置で構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第3図柄表示装置42には、例えば後述する図10に示すように、左、中及び右の3つの装飾図柄列L,M,Rが表示される。各装飾図柄列L,M,Rは複数の装飾図柄によって構成されており、これら装飾図柄が装飾図柄列L,M,R毎にスクロールされるようにして第3図柄表示装置42に可変表示される。なお本実施の形態では、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)は、例えば、11インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、正面視した状態で第3図柄表示装置42の表示画面をほぼ囲むようにしてこの第3図柄表示装置42の前方側にセンターフレーム47が配設されている。本実施形態では第3図柄表示装置42として液晶表示装置を採用するが他の種類の画像表示装置(例えば、PDP:プラズマ・ディスプレイ・パネルや、EL:エレクトロ・ルミネッセンス・ディスプレイや、有機ELなど)でもよい。なお、上述した第3図柄表示装置42が装飾識別情報(図柄)変動表示手段に相当し、上述した表示制御装置45が表示制御手段に相当する。
図8に示すように、可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当りの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるものである。このように、大当りの際に可変入賞装置32が開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動される状態は、特定遊技状態(例えば、大当り状態)と呼ばれ、可変入賞装置32に多数の遊技球が入球(入賞)し、その入賞に対して大量の遊技球が賞球払い出しされることから、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。つまり、本実施例のパチンコ機10は、遊技球の投入数(発射装置229による遊技球の遊技領域30aへの発射数)の方が、遊技球の賞球払出数(一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a、第2の始動口33bなどへの遊技球の入球に基づく賞球払出数)よりも多い通常遊技状態(遊技球消費状態)と、遊技球の賞球払出数の方が遊技球の投入数よりも多い特定遊技状態(例えば、大当り状態)とに状態変移可能なものである。
より詳しくは、第1の始動口33aに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の第1セグメント表示部40aが変動表示され、その変動停止後の第1セグメント表示部40aの表示が予め設定した記号で停止した場合に特定遊技状態が発生する。例えば、確変大当りを示す記号を停止表示する場合には、確変大当り(特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、通常大当りを示す記号を停止表示する場合には、通常大当り(非特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、外れを示す記号を停止表示する場合には外れ(特定遊技状態に落選したこと)を示す。
上記と同様に、第2の始動口33bに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の第2セグメント表示部40dが変動表示され、その変動停止後の第2セグメント表示部40dの表示が予め設定した記号で停止した場合に特定遊技状態が発生する。例えば、確変大当りを示す記号を停止表示する場合には、確変大当り(特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、通常大当りを示す記号を停止表示する場合には、通常大当り(非特定当り)の特定遊技状態に当選したことを示し、外れを示す記号を停止表示する場合には外れ(特定遊技状態に落選したこと)を示す。
そして、特定遊技状態の発生の場合には、可変入賞装置32は、その大入賞口32aが所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、当該開放状態についての所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口32aが所定回数(ラウンド数)繰り返し開放される。また、遊技球が第1の始動口33aを通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ40cにて表示される。また、遊技球が第2の始動口33bを通過した回数も最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ40fにて表示される。なお、保留ランプ40c,40fは、第3図柄表示装置42の表示画面の一部で保留表示等される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、図8に示すように、発射装置229(図3参照)から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するための複数本のレール51,52が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は複数本のレール51,52の後述する球案内通路49を通じて所定の遊技領域30aに案内されるようになっている。複数本のレール51,52は長尺状をなすステンレス製の金属帯状部材であり、内外二重に遊技盤30に取り付けられている。内レール51は、遊技盤30の正面視で、略縦楕円のうちでその左斜め上から時計回りで右斜め下までの箇所を除いた形状に形成されている。外レール52は、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路49が形成されている。なお、球案内通路49は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図8の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路49から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路49内に戻ってしまうといった事態が防止される。また、遊技盤30が内枠12に取り付けられた状態において、外レール52における、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図8の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)には、返しゴム54が位置している。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム54に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52は、長尺状をなすステンレス製の金属帯としているので、遊技球の飛翔をより滑らかなものとする、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくすることができる。なお、図8に示すように、外レール52の先端部(図8の右上部)から内レール51の右側先端部(図8の右下部)までは、第1図柄表示装置40での遊技領域30a側の壁部40bと、内枠12に形成された壁部55(図8に破線で示す)とが位置することにより、遊技領域30aが仕切られている。
なお、図8に示すように、遊技盤30の右下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシールSL(プレートとしてもよい)を貼着するためのスペースである。遊技盤30の右下隅部に、証紙等のシールSLを貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技盤30の遊技領域30aについて説明する。遊技領域30aは、図8に示すように、内レール51と外レール52との内周部(内外レール)により略縦長円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される当該遊技領域30aが大きく構成されている。
本実施の形態では、遊技領域30aを、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域30aと言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域30aの向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域30aの向かって右側限界位置は壁部55(内枠12の一部)によって特定される。また、遊技領域30aの下側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域30aの上側限界位置は外レール52によって特定される。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、発射装置229には、前面枠セット14の図示省略の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。図3に示すように、パチンコ機10は、その背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるとともに所定の制御基板が前後に重ねられる(例えば、後述する図9の払出制御基板311aが背面視で手前側で、電源装置313の電源制御基板及び発射制御装置312の発射制御基板が払出制御基板311aよりも奥側に位置する)ようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構部352)や樹脂製の保護カバー353等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を図3に示す複数の取付台230〜232に分けて搭載してそれらを各制御基板ユニットとし、各制御基板ユニットが個別に内枠12又は遊技盤30の背面に装着するようにしている。具体的には、図3に示すように、主制御装置261を取付台230に搭載し、サブ制御装置262を取付台232に搭載してそれぞれユニット化すると共に、払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313を取付台231に搭載してユニット化している。
また、払出機構部352は、図3に示すように、各種部品(後述するタンク355、タンクレール356、ケースレール357、払出装置358及び電源スイッチ基板382)がパチンコ機10の背面視で逆Lの字状に配設されて構成されており、払出機構部352及び保護カバー353も1ユニットとして一体化されており、当該ユニットを裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の背面に対して開閉できる構成としている。これは、裏パックユニット203とその他構成とが前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
また、遊技盤30の背面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ(図示省略)が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ(図示省略)が設けられている。カウントスイッチ(図示省略)は入賞球をカウントするスイッチである。また、第1の始動口33a,第2の始動口33bに対応する位置には第1の始動口33a用の作動口スイッチ(図示省略)と第2の始動口33b用の作動口スイッチ(図示省略)(図示省略)とがそれぞれ設けられ、第1の始動口33a,第2の始動口33bへの遊技球の入球をそれぞれの作動口スイッチ(図示省略)で検出される。第3の始動口34に対応する位置にはゲートスイッチが設けられ、第3の始動口34への遊技球の通過を当該ゲートスイッチで検出される。
一般入賞口31の入賞口スイッチ(図示省略)及び第3の始動口34のゲートスイッチは、図示しない電気配線を通じて盤面接続基板(図示省略)に接続され、さらにこの盤面接続基板が後述する主制御装置261内の主制御基板261a(図9参照)に接続されている。また、可変入賞装置32のカウントスイッチ(図示省略)は後述する大入賞口中継端子基板(図示省略)に接続され、さらにこの大入賞口中継端子基板(図示省略)がやはり主制御基板261aに接続されている。これに対し、第1の始動口33a及び第2の始動口33bの各作動口スイッチ(図示省略)は中継基板を介さずに直接に主制御基板261aに接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口32aを開放するための大入賞口ソレノイドが設けられ、下部側の第2の始動口33bには、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主制御装置261内の主制御基板261aに取り込まれ、該主制御基板261aよりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板311aに送信される。そして、該払出制御基板311aの出力により所定数の遊技球の払出が実施される。
主制御装置261は、パチンコ機10の背面視での下側の取付台230(図3参照)に搭載され、サブ制御装置262は、パチンコ機10の背面視での上側の取付台232(図3参照)に搭載されている。ここで、主制御装置261は、図9に示すように、主たる制御を司るCPU501と、遊技プログラムを記憶したROM502と、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM503と、各種機器との連絡をとる入出力ポート505と、各種抽選の際に用いられる乱数発生器(図示省略)と、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路(図示省略)などを含む主制御基板261aを具備しており、この主制御基板261aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは、封印ユニット261cによって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
また、サブ制御装置262は、例えば主制御装置261内の主制御基板261aからの指示に従い音声やランプ表示の制御や表示制御装置45の制御を司るCPU551や、その他ROM552、RAM553、バスライン554及び入出力ポート555等を含むサブ制御基板262aを具備しており、このサブ制御基板262aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。後述する電源基板より供給される電源はサブ制御装置262を介して表示制御装置45に出力される。
図3に示すように、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が取付台231に搭載されている。払出制御装置311は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、発射制御装置312は発射制御基板を具備しており、電源装置313は電源制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板311aは、賞品球や貸出球の払出を制御する。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射装置229(図9参照)の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。本実施例の発射装置229は、発射ソレノイド(図示省略)への通電/非通電に従って進退自在な発射槌部(図示省略)で遊技球を打ちつけて発射させるソレノイド式発射部品を採用しているが、それ以外の発射装置229としては、発射モータの駆動に従って動作する発射杵で遊技球を打ちつけて発射させる機械式発射部品や、電磁場を発生させることで遊技球を発射させる電磁式発射部品など種々のタイプのものが採用できる。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックスにそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス311b(被包手段)を構成するボックスベースとボックスカバーとが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス311bが封印されている。
払出制御装置311には、図3に示すように、状態復帰スイッチ311cが設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ311cが押下されると、払出モータ358a(図9参照)がゆっくり正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源監視基板261bにはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できる。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、図3に示すように、樹脂成形された保護カバー353と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パックユニット203は、その最上部に上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備(遊技島設備)から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに下り傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。ケースレール357の最下流部には、払出装置358が設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は払出通路(図示省略)等を通じて上皿19に供給される。
また、タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が設けられている。例えば、バイブレータ360が例えば2本のネジでタンクレール356に締結されて取り付けられる。さらに、バイブレータ360は、タンクレール356に面接触するのではなく、当該2本のネジの部分で接触しており、バイブレータ360による振動がより効果的にタンクレール356に伝わる。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消される。
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板(図示省略)が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされる。
タンク355から払出通路(図示省略)に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にて接地(アース)されている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制される。
なお、図3に示すように、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられている。内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力される。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図9を用いて説明する。本パチンコ機10は、主制御装置261と、払出制御装置311と、発射制御装置312と、サブ制御装置262と、表示制御装置45と、電源装置313などを備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。
パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成としており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
つまり、停電などの発生により電源が切断された場合において、主制御装置261のCPU501は、通常処理を最後までを実行するので、RAM503は、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のカウンタ用バッファや保留球格納エリアの内容を記憶保持するだけでよく、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させることができる。具体的には、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)における通常処理の途中の遊技情報についての各レジスタやI/O等の値を記憶しておくための専用のバックアップエリアをRAM503に設ける必要がない。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、第1図柄表示装置40、第2図柄表示装置41や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。また、主制御装置261は、第1図柄表示装置40における第1図柄の変動表示と、第2図柄表示装置41における第2図柄の変動表示とを制御する機能を備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成としており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
RAM513は、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時の状態に関する情報を記憶保持する。つまり、このRAM513の記憶保持は、NMI割込み処理と払出制御処理の後半部分のステップとによって電源切断時に実行され、逆にRAM513の記憶情報の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
図9に示すように、発射制御装置312は、発射装置229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、発射制御装置312は、払出制御装置311からのカードユニット接続信号S4(前述したカードユニットがパチンコ機10に接続されている場合に出力される信号である)と、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしている場合に出力されるタッチ検出信号S5と、遊技球発射ハンドル18に設けられている、発射を停止させるための発射停止スイッチ18aが操作されていない場合に出力される発射維持信号S6との全てが入力されていることを条件に、発射許可信号S7を主制御装置261に出力する。また、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じたボリューム信号S10が当該遊技球発射ハンドル18から発射制御装置312に入力されており、発射制御装置312はこのボリューム信号S10を主制御装置261に出力する。
すなわち、発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間は発射許可状態であり、発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間は発射不許可状態である。つまり、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間において、遊技球を発射する発射ソレノイド(図示省略)の制御を行う発射制御信号S8(パルス信号)と、発射レールに遊技球を送る球送りソレノイドの制御を行う球送り制御信号S9(パルス信号)とを、発射制御装置312に所定の繰り返し周期で繰り返し出力する。なお、発射制御信号S8(パルス信号)の振幅値は、主制御装置261においてボリューム信号S10に基づいて決定されており、例えば遊技球発射ハンドル18の操作量が大きいほど発射制御信号S8(パルス信号)の振幅値が大きくなる。発射制御装置312は、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9に基づいて発射装置229を駆動制御し、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。逆に、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間においては、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9を発射制御装置312に出力せず、発射装置229によって遊技球が発射されることはない。
表示制御装置45は、第3図柄表示装置42における第3図柄(装飾図柄)の変動表示を制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力にはサブ制御装置262の出力が接続され、入力ポート527には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置である第3図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261からの各種コマンドがサブ制御装置262で編集等されて送信される各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図柄表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第3図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第3図柄表示装置42に表示される装飾図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置42に表示させるものである。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
図9に示すように、主制御装置261は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263内に、主制御基板261aと、この主制御基板261aとは別体の電源監視基板261bとを備えている。電源監視基板261bは、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541で交流24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった時間が例えば20ミリ秒を超えた場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、電源部541で監視している交流24ボルトが22ボルト未満となった時間が20ミリ秒を越えた後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御基板261aに出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261においてRAM503のデータがクリアされ、払出制御装置311は主制御装置261からの初期化コマンドを受けるとRAM513のデータがクリアされる。
ところで、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)には、図10に示すように、左・中・右の3つの装飾図柄列L,M,Rが設定されており、装飾図柄列L,M,R毎に上装飾図柄、中装飾図柄、下装飾図柄の3個ずつの装飾図柄が変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄SZと、菱形状の絵図柄からなる副装飾図柄FZとにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄SZが表示されると共に各主装飾図柄SZの間に副装飾図柄FZが配されて一連の装飾図柄列L,M,Rが構成されている。そして、周期性を持って主装飾図柄SZと副装飾図柄FZが上から下へと変動表示されるようになっている。
かかる場合、左装飾図柄列Lにおいては、上記一連の装飾図柄が降順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が減る順)に表示され、中装飾図柄列M及び右装飾図柄列Rにおいては、同じく上記一連の装飾図柄が昇順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が増える順)に表示される。そして、左装飾図柄列L→右装飾図柄列R→中装飾図柄列Mの順に変動表示が停止し、その停止時に第3図柄表示装置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主装飾図柄SZが大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主装飾図柄SZの組合せ)で揃えば大当たりとして特別遊技動画が表示される。
続いて、本実施例のパチンコ機10のさらなる特徴部分について図11〜図18を用いて説明する。
図11は、液晶取付セット46の正面図である。図12は、第1〜第3可動役物71〜73の各駆動機構を破線で示した液晶取付セット46の正面図である。図13は、第1,第2可動役物71,72の分解前方斜視図である。図14は、第1,第2可動役物71,72の分解後方斜視図である。図15(a)は、第1可動役物71が初期姿勢状態にあるときの第1,第2可動役物71,72の正面図、図15(b)は、(a)の状態から第1可動役物71の第1ギア143を反時計回りに回動させた状態の第1,第2可動役物71,72の正面図、図15(c)は、(a)の状態から第1可動役物71の第1ギア143を時計回りに回動させた状態の第1,第2可動役物71,72の正面図である。図16は、第2可動役物72の第2ギア163を初期位置にセットするための初期位置検出センサ170及び初期位置戻し用センサを示した第1,第2可動役物71,72の正面図である。図17は、第1,第2可動役物71,72の各揺動幅を示す図である。図18は、第2可動役物72の第2ギア163の初期位置から時計回りへの最大回動角度を示す図である。
遊技盤30は、図8に示すように、その正面視で略中央箇所に、第3図柄表示装置42の表示画面が視認可能なように開口された開口部30cが形成されている。図11に示す液晶取付セット46が遊技盤30の背面側からその開口部30c(図8参照)の箇所に取り付けられ、当該液晶取付セット46の背面側に第3図柄表示装置42が取り付けられる。第3図柄表示装置42は、遊技者にとって有利な遊技状態(確変大当りや通常大当り)の発生の有無を知らせる識別情報(図10に示す第3図柄)を変動表示する。
具体的には、液晶取付セット46は、図11に示すように、遊技盤30の背面側に取り付けられる枠本体部60と、この枠本体部60の正面視で上部箇所に配設された上部装飾部70と、この枠本体部60の正面視で左部箇所及び右部箇所に配設された、ワープ通路(図示省略)の背後装飾を担う左側背後装飾部80及び右側背後装飾部85と、この枠本体部60の正面視で下部箇所に配設された、ステージ48eの背後装飾を担う下部背後装飾部90と、を備えている。
枠本体部60は、図11に示すように、その正面視で上下左右の周縁箇所に、遊技盤30の背面側に当接する周縁当接部61が形成されている。遊技盤30の背面側から当該遊技盤30の開口部30c(図8参照)の周縁箇所に周縁当接部61を当接させた状態にして、その周縁当接部61の複数箇所(本実施例では10箇所)に形成されたネジ孔62にネジを挿入して遊技盤30にネジ止めすることで、液晶取付セット46が図8に示す遊技盤30の背面側に固定される。
また、図8に示すセンターフレーム47は、その前面側の所定部品を構成する環状の前面側装飾部品48を、前述した上部装飾部70、左側背後装飾部80、右側背後装飾部85及び下部背後装飾部90の手前側に位置させるようにして、遊技盤30の正面側からその開口部30cの周縁箇所に取り付けることで完成する構造としている。
この環状の前面側装飾部品48は、図8に示すように、正面視で上部装飾部70の上側と重なる位置で且つ遊技盤30の遊技領域30aよりも前方に突出した、遊技球が入球可能な入口を有する天井部48aと、天井部48aの入口に入球した遊技球を案内するワープ通路(図示省略)を有する左側部48b及び右側部48cと、ワープ通路(図示省略)からの遊技球が転動して遊技領域30aに排出するステージ48eを有するステージ部48dとを備えている。
上部装飾部70は、図11に示すように、液晶取付セット46の正面視上部箇所において、図11の紙面手前側に向けて例えば遊技盤30の厚み程度分だけ突出した形状としている。この上部装飾部70は、図11に示すように、その外形を形成する部材であって背面側が開口した容器形状の装飾枠本体部70aと、この装飾枠本体部70aの開口を塞ぐように当該装飾枠本体部70aの背面側に取り付けられる背面部材(図示省略)と、装飾枠本体部70aの前面側に左向きで横並びに配設された、カメを象った第1可動役物71、第2可動役物72及び第3可動役物73とを備えている。
第1可動役物71〜第3可動役物73は、図11に示すように、左側に頭部を向けた状態を横側から見たカメを象ったものである。第1可動役物71〜第3可動役物73はその順に段々と大きくしたカメとしている。つまり、第1可動役物71は最も小さいカメ(小カメ)であり、第2可動役物72は第1可動役物71よりも大きいカメ(中カメ)であり、第3可動役物73は第2可動役物72よりも大きいカメ(大カメ)である。
装飾枠本体部70aは、例えば青色の透明樹脂成形材料で形成されており、青色とすることで海または水中を連想させるような配色としており、その前面側表面を例えば第3可動役物73(大カメ)を中心に渦巻くような凹凸形状としており、渦潮を連想させるような構成としている。そして、この装飾枠本体部70aの前面側に三匹のカメ(第1可動役物71〜第3可動役物73)を横並びに配設している。このようにすることで、センターフレーム47は、渦を巻いている海水中を三匹のカメが並んで泳いでいるような印象を与えることができる。
図12に示すように、三匹のカメ(第1可動役物71〜第3可動役物73)は、後述する甲羅部に位置する回動軸71a,72a,73aを中心にその頭部を上下動させるように揺動可能に構成されている。
ここで、第1可動役物71(小カメ)と第2可動役物72(中カメ)との構造について説明する。
パチンコ機10は、図12に示すように、駆動される第1可動役物71(小カメ)と、第1可動役物71(小カメ)を駆動する駆動機構140と、この駆動機構140を制御する駆動制御部(図示参照)とを備えている。
駆動機構140は、図12〜図14に示すように、第1可動役物71(小カメ)を揺動させるものであり、正転(時計回り)及び反転(反時計回り)可能な回動軸141aを有するモータ141(例えばステップモータ)と、この回動軸141aを正転(時計回り)または反転(反時計回り)のいずれに駆動しても、第1可動役物71(小カメ)が初期姿勢から同一方向(例えば、首下げ方向)に動き始めるようにモータ141からの力を第1可動役物71(小カメ)に伝達する第1伝達機構部142と、を備えている。
第1伝達機構部142は、モータ141の回動力を第1可動役物71(小カメ)の回動軸71aを中心に揺動する揺動力に変換して当該第1可動役物71(小カメ)に伝達する機構である。
なお、本実施例のモータ141は、図13及び図16に示すように、回動軸141aの存する取付側円面を見た状態で、当該モータ141の取付側円面の中心から偏心した箇所に位置する回動軸141aが回動するものとしている。つまり、このモータ141の内部で、モータ部品本来の回動軸に複数個のギアを組み合わせることで、上記偏心箇所に回動軸141aを有するモータを構成している。
第1伝達機構部142は、図12〜図14に示すように、モータ141の回動軸141aに取り付けられて当該回動軸141aを中心として回動する第1ギア143と、先端側(一端側)に形成された第1長穴部144aに第1ギア143の偏心箇所の第1偏心ピン部143aが挿入されて係合し、且つ、基端側(他端側)が第1可動役物71(小カメ)の回動軸71aを中心に回動するように軸支された第1アーム144と、この第1アーム144の先端側と基端側との間の所定部位(本実施例では、例えば基端側に近い箇所)に形成された第1長孔部144bに、第1可動役物71(小カメ)の偏心箇所の第1偏心突起部71bが挿入されて係合する第1係合部145と、を備えている。
第1アーム144の先端側に形成された第1長穴部144aは、図14、図15及び図16に示すように、当該第1アーム144の長手方向に沿った直線状の長穴形状としており、その長さは、第1ギア143の回動中心から第1偏心ピン部143aまでの長さの2倍、つまり、第1偏心ピン部143aの偏心幅程度の長さとしている。こうすることで、第1ギア143の回動に伴って第1偏心ピン部143aの位置が変化しても第1長穴部144aの内部に第1偏心ピン部143aを維持することができ、第1ギア143の回動を第1アーム144の先端側の揺動に変換することができる。
また、第1アーム144の基端側近くに形成された第1長孔部144bは、図13に示すように、第1可動役物71(小カメ)の第1偏心突起部71bが遊嵌される程度の長孔形状としている。こうすることで、第1可動役物71(小カメ)での第1偏心突起部71bが第1アーム144の長手方向に僅かにずれたり傾いたりして形成されていても第1アーム144の第1長孔部144bに挿入できる。また、第1長孔部144bの横幅が第1偏心突起部71bよりも十分に大きい場合(第1長孔部144bに挿入された第1偏心突起部71bが横方向に移動可能な場合)には、第1可動役物71(小カメ)の揺動停止時に当該第1可動役物71(小カメ)を小刻みに揺らすことができる。なお、第1長孔部144bは、第1偏心突起部71bが遊び無く嵌入される形状としてもよい。また、第1偏心突起部71bは第1アーム144に一体成形されたものとしてもよい。
次に、サブ制御装置262は、駆動機構140を制御する駆動制御部(図示省略)を備えている。この駆動制御部(図示省略)は、主制御装置261からのコマンドに基づいてCPU551が可動役物(第1可動役物71(小カメ)〜第3可動役物73(大カメ))を駆動制御するための駆動制御プログラムを実行することで行われる可動役物の駆動制御機能により構成されている。具体的には、サブ制御装置262のROM552には、前述の駆動制御プログラムが記憶されており、RAM553には、CPU551での駆動制御プログラムの実行に際して駆動制御に関するプログラムやデータ等を一時的に記憶する記憶エリアが用意されている。
サブ制御装置262は駆動制御部(図示省略)を備えているので、第1可動役物71(小カメ)等の駆動制御を主制御装置261に負担させることがなく、主制御装置261の処理負担を低減できる。
駆動制御部(図示省略)は、第1アーム144の基端側(他端側)を回動中心としてその先端側(一端側)が揺動する範囲のうちで一方の揺動限界位置に当該第1アーム144の先端側を位置させた状態(図15(a)に示す第1アーム144の状態)を、第1可動役物71(小カメ)の初期姿勢とし、且つ、第1可動役物71(小カメ)が初期姿勢であるときを基準として第1ギア143の正転(時計回り)及び反転(反時計回り)を開始するようにモータ141を駆動制御する。
第1可動役物71(小カメ)は、図13及び図14に示すように、その外側部分に頭部、甲羅部及び前脚部が象られて背面側が開口とした容器形状の本体部71cと、この本体部71cの背面側に取り付けられる背面体部71dと、この背面体部71dの前側に配設されるLED実装基板71eとを備えている。
本体部71cの頭部(目の部分を除く)及び前脚部は、例えば黄色(黄色以外の他の色としてもよい)が施されており、光を透過させないが、頭部の目の部分は、色が付されておらず光透過性がある。本体部71cの甲羅部は、薄紫色で光透過性がある樹脂成型品としている(他の色で光透過性があるものとしてもよいし、透明や半透明としてもよい。)。LED実装基板71eのLED71fからの光で甲羅部および目の部分が発光する。また、LED実装基板71eは、例えばサブ制御装置262により発光制御されている。
図13に示すように、背面体部71dは、その下部側箇所に、第1アーム144の基端側を軸支する回動軸71aの先端側が嵌入されている。この回動軸71aの基端側は、図11に示す上部装飾部70の背面に位置する背面部材(図示省略)に回動可能に軸支されている。また、図13に示すように、背面体部71dは、その偏心箇所(本実施例では、回動軸71aの先端側が嵌入された下部側箇所から上部にずれた箇所)に第1偏心突起部71bが設けられている。
図13に示すモータ141は、図11に示す上部装飾部70の背面部材(図示省略)の背面側に取り付けられている。具体的には、図11に示す上部装飾部70の背面に位置する背面部材(図示省略)には、第1ギア143よりも少し大きい径の挿入孔(図示省略)が形成されており、この挿入孔(図示省略)に図13に示すモータ141の第1ギア143を挿入して当該第1ギア143を上部装飾部70の内部に位置させた状態で、モータ141が背面部材の背面側に取り付けられている。つまり、図13に示すように、モータ141の一対の取付部141bにそれぞれ貫通形成された貫通孔141cにネジを挿入し、このネジを背面部材(図示省略)にネジ止めすることで、モータ141が背面部材(図示省略)の背面側に取り付けられている。図13に示すように、第1ギア143の第1偏心ピン部143aが第1アーム144の第1長穴部144aに挿入されている。
第2可動役物72(中カメ)は、図13及び図14に示すように、その外側部分に頭部、甲羅部及び前脚部が象られて背面側が開口とした容器形状の本体部72cと、この本体部72cの背面側に取り付けられる背面体部72dと、この背面体部72dの前側に配設されるLED実装基板72eとを備えている。頭部及び前脚部は所定の色(例えば黄色)が施されて光透過性がないが、甲羅部は透明であり、LED実装基板72eのLED72fからの光で甲羅部が発光する。また、LED実装基板72eは、例えばサブ制御装置262により発光制御されている。
図13に示すように、背面体部72dは、その下部側箇所に、第2アーム164の基端側を軸支する回動軸72aの先端側が嵌入されている。この回動軸72aの基端側は、図11に示す上部装飾部70の背面に位置する背面部材(図示省略)に回動可能に軸支されている。また、図13に示すように、背面体部72dは、その偏心箇所(本実施例では、回動軸72aの先端側が嵌入された下部側箇所から上部にずれた箇所)に第2偏心突起部72bが設けられている。
さらに、駆動機構140は、図12〜図14に示すように、第1伝達機構部142と係合する第2伝達機構部160を備えている。
第2伝達機構部160は、図12〜図14に示すように、第1可動役物71(小カメ)の初期姿勢(図15(a)に示す第1可動役物71(小カメ)の姿勢状態)において第1ギア143が正転(時計回り)した場合に第2可動役物72(中カメ)を駆動させるように第1伝達機構部142からの力を第2可動役物72(中カメ)に伝達する伝達部161と、第1可動役物71(小カメ)の初期姿勢(図15(a)に示す第1可動役物71(小カメ)の姿勢状態)において第1ギア143が反転(反時計回り)した場合に第1伝達機構部142からの力を第2可動役物72(中カメ)に伝達しない非伝達部162と、を備えている。
具体的には、第2伝達機構部160は、図12〜図14に示すように、第1ギア143と係合する第2ギア163と、第1アーム144とは別のアームであって、先端側(一端側)に形成された第2長穴部164aに第2ギア163の偏心箇所の第2偏心ピン部163aが挿入されて係合し、且つ、基端側(他端側)が第2可動役物72(中カメ)の回動軸72aを中心に回動するように軸支された第2アーム164と、この第2アーム164の先端側と基端側との間の所定部位(本実施例では、例えば基端側に近い箇所)に形成された第2長孔部164bに、第2可動役物72(中カメ)の偏心箇所の第2偏心突起部72bが挿入されて係合する第2係合部165と、を備えている。
第2アーム164の先端側に形成された第2長穴部164aは、図14、図15及び図16に示すように、当該第1アーム144の長手方向に沿った直線状長穴(伝達部161)と円弧状長穴(非伝達部162)とが連通した形状(略「し」の字形状)としている。第2長穴部164aでの直線状長穴は、第2ギア163の半径程度の長さとしている。また、第2長穴部164aでの円弧状長穴は、第2ギア163の回動中心から第2偏心ピン部163aまでの長さを半径とし中心角が約95度(図18参照)とした弧の長さとしている。こうすることで、第2ギア163の回動で第2偏心ピン部163aの位置が変化しても第2長穴部164aの内部に第2偏心ピン部163aを維持でき、直線状長穴の内部を第2偏心ピン部163aが行き来する場合には第2ギア163の回動を第2アーム164の先端側の揺動に変換することができ、円弧状長穴の内部を第2偏心ピン部163aが行き来する場合には第2アーム164を揺動させないようにできる。
また、第2アーム164の基端側に近い箇所に形成された第2長孔部164bは、図13に示すように、第2可動役物72(中カメ)の第2偏心突起部72bが遊嵌される程度の長さの長孔形状としている。こうすることで、第2可動役物72(中カメ)での第2偏心突起部72bが第2アーム164の長手方向に僅かにずれたり傾いたりして形成されていても第2アーム164の第2長孔部164bに挿入できる。また、第2長孔部164bの横幅が第2偏心突起部72bよりも十分に大きい場合(第2長孔部164bに挿入された第2偏心突起部72bが横方向に移動可能な場合)には、第2可動役物72(中カメ)の揺動停止時に当該第2可動役物72(中カメ)を小刻みに揺らすことができる。なお、第2長孔部164bは、第2偏心突起部72bが遊び無く嵌入される形状としてもよい。また、第2偏心突起部72bは第2アーム164に一体成形されたものとしてもよい。
伝達部161は、第1可動役物71(小カメ)が初期姿勢(図15(a)に示す第1可動役物71(小カメ)の姿勢状態)であるときを基準として第1ギア143が正転(時計回り)した場合に、第1ギア143の正転(時計回り)に連動して第2ギア163が反転(反時計回り)することによって第2アーム164の基端側を回動中心としてその先端側が振られ(図15(c)に示す第2アーム164の右倒れ姿勢状態)、第1ギア143からの力が第2可動役物72(中カメ)の頭部を持ち上げる動きとして伝達する。
非伝達部162は、第1可動役物71(小カメ)の初期姿勢(図15(a)に示す第1可動役物71(小カメ)の姿勢状態)において第1ギア143が反転(反時計回り)した場合に、第1ギア143の反転(反時計回り)に連動して第2ギア163が正転(時計回り)し、図15(b)に示すように第2ギア163の第2偏心ピン部163aが第2アーム164の第2長穴部164aの円弧状長穴の範囲で移動するだけであり、第2ギア163の第2偏心ピン部163aの移動を許容する移動許容部である。よって、第2ギア163の回動力が第2アーム164に伝達されず、第2アーム164の先端側が振られることがなく図15(a)に示す第2アーム164の姿勢状態のままである。
なお、第1ギア143の歯数は24であり、第2ギア163の歯数は48である。よって、第1ギア143と第2ギア163との歯車比は、24:48(1:2)としている。
サブ制御装置262は、第1可動役物71(小カメ)の初期姿勢(図15(a)に示す第1可動役物71(小カメ)の姿勢状態)において第1ギア143を約180度反転(反時計回り)することで第1アーム144の先端側が一方の揺動限界位置(図15(a)に示す第1アーム144の位置)から他方の揺動限界位置(図15(b)に示す第1アーム144の位置)に達するまでの態様(例えば、速度、時間、加速度、移動変化内容など)と、第1可動役物71(小カメ)の初期姿勢(図15(a)に示す第1可動役物71(小カメ)の姿勢状態)において第1ギア143をそれとは逆に約150度正転(時計回り)することで一方の揺動限界位置(図15(a)に示す第1アーム144の位置)から他方の揺動限界位置(図15(c)に示す第1アーム144の位置)に達するまでの態様(例えば、速度、時間、加速度、移動変化内容など)とが同一となるように、モータ141の正転及び反転を調整制御する調整制御部(図示省略)を備えている。
この調整制御部(図示省略)は、主制御装置261からのコマンドに基づいてCPU551が第1可動役物71(小カメ)の初期姿勢において第1ギア143を約180度反転(反時計回り)させる場合の第1可動役物71(小カメ)の態様と、それとは逆に約150度正転(時計回り)させる場合の第1可動役物71(小カメ)の態様とが同一となるように駆動調整するための駆動調整制御プログラムを実行することで行われる可動役物の駆動調整制御機能により構成されている。具体的には、サブ制御装置262のROM552には、前述の駆動調整制御プログラムが記憶されており、RAM553には、CPU551での駆動調整制御プログラムの実行に際して駆動調整制御に関するプログラムやデータ等を一時的に記憶する記憶エリアが用意されている。
また、第3可動役物73(大カメ)は、図12に示すように、第1可動役物71(小カメ)の駆動機構140と同様の駆動機構を独立して備えたものであり、第1可動役物71(小カメ)と同様のメカニズムで揺動されるものであり、第1ギア143の歯の部分が無い点が異なる程度である。よって、第3可動役物73(大カメ)の駆動機構の詳細な説明を省略する。
また、駆動制御部(図示省略)は、図15(a)に示すように、第1可動役物71(小カメ)の初期姿勢において、モータ141の回動開始時(正転(時計回り)開始時または反転(反時計回り)開始時)に第1ギア143に生じる回動開始力方向(第1ギア143の第1偏心ピン部143aとの接線方向)と第1可動役物71(小カメ)の揺動方向(第1アーム144の揺動方向)とが異なる方向となる位置で第1可動役物71(小カメ)を停止させている。
また、図15(a)に示すように、第1可動役物71(小カメ)の初期姿勢では、モータ141の回動開始時(正転(時計回り)開始時または反転(反時計回り)開始時)に第1ギア143を介して第2ギア163に生じる回動開始力方向(第2ギア163の第2偏心ピン部163aとの接線方向)と第2可動役物72(中カメ)の揺動方向(第2アーム164の揺動方向)とが異なる方向となる位置で第2可動役物72(中カメ)を停止させている。
また、上述した第1可動役物71(小カメ)が後述する可動物、第1可動物に相当し、上述した駆動機構140が駆動手段に相当し、上述したモータ141が回動力発生源に相当し、上述した第1伝達機構部142が伝達手段、第1伝達手段に相当し、上述した第1ギア143がギアに相当し、上述した第1偏心ピン部143aが偏心部に相当し、上述した第1アーム144がアームに相当し、上述した駆動制御部(図示省略)が駆動制御手段に相当し、上述した第2可動役物72(中カメ)が第2可動物に相当し、上述した第2伝達機構部160が第2伝達手段に相当し、上述した調整制御部(図示省略)が調整制御手段に相当する。
ここで、第1可動役物71(小カメ)、第2可動役物72(中カメ)及び第3可動役物73(大カメ)の揺動動作について説明する。
まず最初に、第1可動役物71(小カメ)、第2可動役物72(中カメ)及び第3可動役物73(大カメ)が揺動しない場合について説明する。
図9に示すサブ制御装置262は、主制御装置261からのコマンドが例えば遊技者にとって大当り状態となる期待値が低いノーマルリーチや単なる外れの場合には、第1可動役物71(小カメ)、第2可動役物72(中カメ)及び第3可動役物73(大カメ)を揺動させない。
次に、第1可動役物71(小カメ)のみが揺動する場合について説明する。
図9に示すサブ制御装置262は、主制御装置261からのコマンドが例えば遊技者にとって大当り状態となる期待値がノーマルリーチよりも高いスーパーリーチを示すコマンドである場合には、CPU551が可動役物の駆動制御プログラムを実行することで第1可動役物71(小カメ)のみの揺動制御を行う。つまり、サブ制御装置262の駆動制御部(図示省略)は第1可動役物71(小カメ)のみを揺動させる。
具体的には、サブ制御装置262の駆動制御部(図示省略)は、図15(a)に示す第1可動役物71(小カメ)の初期姿勢状態において、第1ギア143を反時計回りに約180度回動させるようにモータ141を回動制御し、図15(b)に示すように第1可動役物71(小カメ)が頭部を下げた状態に変更する。そして、図15(b)に示す状態となると、今度は逆に第1ギア143を時計回りに約180度戻し回動させるようにモータ141を回動制御し、図15(a)に示す第1可動役物71(小カメ)の初期姿勢状態に戻し、第1可動役物71(小カメ)が頭部を上げた状態に戻す。この揺動動作を変動表示演出に合わせて複数回数繰り返し行うように駆動制御部(図示省略)はモータ141を回動制御する。
なおこのときは、第1ギア143の反時計回りの180度回動によって第2ギア163が時計回りに90度回動し(第2ギア163が図15(a)に示す状態から図15(b)に示す状態に変化し)、図15(b)の状態において第1ギア143の時計回りの180度戻す回動によって第2ギア163が反時計回りに90度戻す回動(第2ギア163が図15(b)に示す状態から図15(a)に示す状態に戻る)をすることになるが、図15(a),図15(b)に示すように第2可動役物72(中カメ)の第2アーム164の第2長穴部164aの円弧状長穴の範囲内で第2ギア163の第2偏心ピン部163aが行き来しているだけであるので、第2ギア163の回動力が第2アーム164に伝達されず、第2可動役物72(中カメ)は揺動しない。つまり、第1可動役物71(小カメ)のみが揺動している。
次に、第1可動役物71(小カメ)及び第2可動役物72(中カメ)が揺動する場合について説明する。
図9に示すサブ制御装置262は、主制御装置261からのコマンドが例えば遊技者にとって大当り状態となる期待値がスーパーリーチよりも高いスペシャルリーチを示すコマンドである場合には、CPU551が可動役物の駆動制御プログラムを実行することで第1可動役物71(小カメ)及び第2可動役物72(中カメ)の揺動制御を行う。つまり、サブ制御装置262の駆動制御部(図示省略)は第1可動役物71(小カメ)及び第2可動役物72(中カメ)を揺動させる。図17に示すように、第1可動役物71(小カメ)は23度程度、第2可動役物72(中カメ)は25度程度揺動する。
具体的には、サブ制御装置262の駆動制御部(図示省略)は、図15(a)に示す第1可動役物71(小カメ)の初期姿勢状態において、第1ギア143を時計回りに約150度回動させるようにモータ141を回動制御し、図15(c)に示すように第1可動役物71(小カメ)が頭部を下げた状態に変更する。そして、図15(c)に示す状態となると、今度は逆に第1ギア143を反時計回りに約150度戻し回動させるようにモータ141を回動制御し、図15(a)に示す第1可動役物71(小カメ)の初期姿勢状態に戻し、第1可動役物71(小カメ)が頭部を上げた状態に戻す。この揺動動作を変動表示演出に合わせて複数回数繰り返し行うように駆動制御部(図示省略)はモータ141を回動制御する。
なおこのときは、第1ギア143の時計回りの150度回動によって第2ギア163が反時計回りに75度回動し(第2ギア163が図15(a)に示す状態から図15(c)に示す状態に変化し)、図15(c)の状態において第1ギア143の反時計回りの150度戻す回動によって第2ギア163が時計回りに75度戻す回動(第2ギア163が図15(c)に示す状態から図15(a)に示す状態に戻る)をすることになる。つまり、図15(a),図15(c)に示すように、第2可動役物72(中カメ)の第2アーム164の第2長穴部164aの直線状長穴の範囲内で第2ギア163の第2偏心ピン部163aが行き来することになり、第2アーム164の先端側が振られたり(図15(c)に示す第2アーム164の右倒れ姿勢状態)、第2アーム164の先端側が戻されたり(図15(a)に示す第2アーム164の直立姿勢状態)し、第1ギア143からの力が第2可動役物72(中カメ)の頭部を上げたり下げたりする動きとして伝達され、第2可動役物72(中カメ)も揺動する。つまり、第1可動役物71(小カメ)及び第2可動役物72(中カメ)が揺動している。
次に、第1可動役物71(小カメ)、第2可動役物72(中カメ)及び第3可動役物73(大カメ)の全てが揺動する場合について説明する。
図9に示すサブ制御装置262は、主制御装置261からのコマンドが例えば遊技者にとって必ず大当り状態となるプレミアムリーチを示すコマンドである場合には、CPU551が可動役物の駆動制御プログラムを実行することで第1可動役物71(小カメ)、第2可動役物72(中カメ)及び第3可動役物73(大カメ)の揺動制御を行う。つまり、サブ制御装置262の駆動制御部(図示省略)は第1可動役物71(小カメ)、第2可動役物72(中カメ)及び第3可動役物73(大カメ)を揺動させる。
具体的には、サブ制御装置262の駆動制御部(図示省略)は、第1可動役物71(小カメ)及び第2可動役物72(中カメ)については、前述のスペシャルリーチの場合と同様に制御するとともに、第3可動役物73(大カメ)も揺動させる。つまり、第1可動役物71(小カメ)、第2可動役物72(中カメ)及び第3可動役物73(大カメ)が揺動する。
前述したスペシャルリーチの場合(第1可動役物71(小カメ)及び第2可動役物72(中カメ)の揺動)には、第1可動役物71(小カメ)及び第2可動役物72(中カメ)を同時に揺動開始しているが、まず第1可動役物71(小カメ)のみを揺動開始させてから、第1可動役物71(小カメ)及び第2可動役物72(中カメ)を同時に揺動させるようにしてもよい。プレミアムリーチの場合(第1可動役物71(小カメ)、第2可動役物72(中カメ)及び第3可動役物73(大カメ)の揺動)もこれと同様に揺動させるようにしてもよい。つまり、まず第1可動役物71(小カメ)のみを揺動開始させてから、第1可動役物71(小カメ)及び第2可動役物72(中カメ)を同時に揺動させるようにし、その後に第1可動役物71(小カメ)、第2可動役物72(中カメ)及び第3可動役物73(大カメ)の全てを揺動させるようにしてもよい。
次に、パチンコ機10は、電源投入されると、第1可動役物71(小カメ)を初期姿勢状態(図15(a)参照)に戻す制御を行う。電源投入された時点では、第1可動役物71(小カメ)がどのような姿勢状態であるかわからないため、第1可動役物71(小カメ)を初期姿勢状態(図15(a)参照)に戻すこととしている。以下に、本制御について説明する。
サブ制御装置262の駆動制御部(図示省略)は、パチンコ機10の電源投入によってサブ制御装置262が起動されると以下の制御を行う。
図13、図14、図16及び図18に示すように、第1可動役物71(小カメ)を初期姿勢状態(図15(a)参照)にあるときの第2ギア163の回動初期位置を検出する初期位置検出センサ170と、第2ギア163が正転(時計回り)に90度回動した位置を検出する正転90度検出センサ171(初期位置戻し用センサ)とを備えている。これらのセンサは、例えば光センサ(例えば、透過型フォトインタラプタ)であり、透過型フォトインタラプタの発光部と受光部との間に、第2ギア163の円盤面に形成された検出片163bが位置すると遮光され、位置検出することができる。
パチンコ機10の電源投入がされると、サブ制御装置262の駆動制御部(図示省略)は、第2ギア163を正転(時計回り)に93度回動させるようにモータ141を回動制御する。モータ141(ステップモータ)は、1ステップで第2ギア163が0.75度回動するものであるため、駆動制御部(図示省略)は、120ステップ(90度)+4ステップ(3度)=合計124ステップ(93度)で第2ギア163を正転(時計回り)させるようにモータ141を駆動制御する。この駆動制御によって第2ギア163が93度回動していくことになる。
パチンコ機10の電源投入時において、例えば、初期位置検出センサ170と正転90度検出センサ171との間の位置に第2ギア163の検出片163bが位置していた場合(つまり、第2ギア163が回動初期位置よりも時計回りした状態の場合)は、第2ギア163が93度回動していく途中で、検出片163bが正転90度検出センサ171で検出され、この検出と同時に第2ギア163を停止し、正転90度検出センサ171での検出位置から90度の反転(時計回り)させると、検出片163bが初期位置検出センサ170に位置し、第2ギア163を回動初期位置に戻すことができる。つまり、第1可動役物71(小カメ)を初期姿勢状態(図15(a)参照)とすることができる。
パチンコ機10の電源投入時において、例えば、初期位置検出センサ170よりも左側位置に第2ギア163の検出片163bが位置していた場合(つまり、第2ギア163が回動初期位置よりも反時計回りした状態の場合)は、第2ギア163が93度回動していく途中で、検出片163bが初期位置検出センサ170で検出され、この検出と同時に第2ギア163を停止する。この位置では検出片163bが初期位置検出センサ170に位置していることから、第2ギア163を回動初期位置に戻すことができる。つまり、第1可動役物71(小カメ)を初期姿勢状態(図15(a)参照)とすることができる。
また、上述した初期位置検出センサ170、正転90度検出センサ171が検出手段に相当し、初期位置検出センサ170での検出時にモータ141を停止し、正転90度検出センサ171での検出に基づいて第2ギア163を90度の反転(時計回り)させるようにモータ141を駆動し、初期位置検出センサ170での検出時にモータ141を停止する、駆動制御部(図示省略)の初期姿勢設定機能が初期姿勢設定手段に相当する。
また、第2ギア163は、その回動初期位置から正転(時計回り)に95度、その回動初期位置から反転(反時計回り)に78度の範囲を超えて回動できないように、その円盤面に規制突起部を備えいている。
具体的には、第2ギア163がその回動初期位置から95度正転(時計回り)すると、規制突起部が図11に示す上部装飾部70の背面部材(図示省略)の第1規制壁部(図示省略)に当たりこれ以上正転(時計回り)できないように規制している。なお、第2ギア163の規制突起部が第1規制壁部(図示省略)に当たると、第2ギア163が95度反転(反時計回り)され、第2ギア163が回動初期位置に戻される。
また、第2ギア163がその回動初期位置から80度反転(反時計回り)すると、規制突起部が図11に示す上部装飾部70の背面部材(図示省略)の第2規制壁部(図示省略)に当たりこれ以上反転(反時計回り)できないように規制している。なお、第2ギア163の規制突起部が第2規制壁部(図示省略)に当たると、第2ギア163が約80度(100ステップ(75度)+7ステップ(5.25度)=合計107ステップ)反転反時計回り)され、第2ギア163が回動初期位置に戻される。
なお、サブ制御装置262の駆動制御部(図示省略)は、パチンコ機10の電源投入を契機として主制御装置261から所定のコマンド(例えば、第1可動役物71(小カメ)を初期姿勢状態とすることを示すコマンド)に基づいて、第1可動役物71(小カメ)を初期姿勢状態(図15(a)参照)に戻す制御を行うようにしてもよい。
上述したように、本実施例1のパチンコ機10によれば、駆動される第1可動役物71(小カメ)と、この第1可動役物71(小カメ)を駆動する駆動機構140と、を備え、この駆動機構140は、正転及び反転可能な回動軸141aを有するモータ141と、回動軸141aを正転または反転のいずれに駆動しても、第1可動役物71(小カメ)が初期姿勢から同一方向(例えば、首下げ方向)に動き始めるようにモータ141からの力を第1可動役物71(小カメ)に伝達する第1伝達機構部142とを備えている。
したがって、モータ141の回動軸141aを正転または反転のいずれに駆動しても、第1可動役物71(小カメ)がその初期姿勢から同一方向(例えば、首下げ方向)に動き始めるので、第1可動役物71(小カメ)を駆動させる場合に正転駆動信号又は反転駆動信号のどちらか一方を出力するだけで良く、第1可動役物71(小カメ)の駆動制御を簡素化できる。また、変動表示演出における第1可動役物71(小カメ)の駆動期間中においても、正転駆動信号又は反転駆動信号のどちらか一方を出力するだけで良いので、正転駆動信号と反転駆動信号とを交互に出力する制御を不要にでき、変動表示演出との連動制御負担を低減できる。よって、第1可動役物71(小カメ)の駆動制御を簡素化でき、変動表示演出との連動制御負担を低減できるパチンコ機を提供することができる。
また、駆動機構140を制御する駆動制御部(図示省略)を備え、第1伝達機構部142は、モータ141の回動軸141aに取り付けられて当該回動軸141aを中心として回動する第1ギア143と、一端側に形成された第1長穴部144aに第1ギア143の偏心箇所の第1偏心ピン部143aが挿入されて係合し、且つ、他端側が第1可動役物71(小カメ)の回動軸71aを中心に回動するように軸支された第1アーム144と、この第1アーム144の一端側と他端側との間の所定部位(本実施例では、例えば基端側に近い箇所)に形成された第1長孔部144bに、第1可動役物71(小カメ)の偏心箇所の第1偏心突起部71bが挿入されて係合する第1係合部145と、を備え、駆動制御部(図示省略)は、第1アーム144の他端側を回動中心としてその一端側が揺動する範囲のうちで一方の揺動限界位置に当該第1アーム144の一端側を位置させた状態(図15(a)に示す第1アーム144の状態)を、第1可動役物71(小カメ)の初期姿勢とし、且つ、第1可動役物71(小カメ)が初期姿勢であるときを基準として第1ギア143の正転(時計回り)及び反転(反時計回り)を開始するようにモータ141を駆動制御する。
したがって、モータ141による第1ギア143の回動を第1アーム144を通じて第1可動役物71(小カメ)の揺動に変換でき、第1可動役物71(小カメ)を揺動させることができる。また、第1可動役物71(小カメ)を揺動させる場合に正転駆動信号又は反転駆動信号のどちらか一方を出力するだけで良く、第1可動役物71(小カメ)の揺動制御を簡素化できる。また、変動表示演出における第1可動役物71(小カメ)の揺動期間中においても、正転駆動信号又は反転駆動信号のどちらか一方を出力するだけで良いので、正転駆動信号と反転駆動信号とを交互に出力する制御を不要にでき、変動表示演出との連動制御負担を低減できる。
さらに、第1可動役物71(小カメ)の初期姿勢では、第1アーム144の一端側が一方の揺動限界位置に位置し、この初期姿勢を基準として第1ギア143の正転及び反転を開始するので、モータ141の回動軸141aを正転または反転のいずれに駆動しても、第1可動役物71(小カメ)をその初期姿勢から同一方向(例えば、首下げ方向)に揺れ始めるようにすることができ、変動表示演出と同期して可動物が揺動する構成の場合に、第1可動役物71(小カメ)の揺れ始めで変動表示演出の種類が遊技者に察知されることを低減できる。例えば、複数方向に動き始める可動物の場合にはその動き出しに基づいて遊技者に変動表示演出の種類が察知されることがあるが、本実施例では、最初の動き出しだけで変動表示演出の種類を察知されることを低減できる。
また、第1可動役物71(小カメ)とは別の第2可動役物72(中カメ)と、第1伝達機構部142と係合する第2伝達機構部160を備え、この第2伝達機構部160は、第1可動役物71(小カメ)の初期姿勢においてモータ141が反転した場合に第2可動役物72(中カメ)を駆動させるように第1伝達機構部142からの力を第2可動役物72(中カメ)に伝達する伝達部161と、第1可動役物71(小カメ)の初期姿勢においてモータ141が正転した場合に第1伝達機構部142からの力を第2可動役物72(中カメ)に伝達しない非伝達部162と、を備えている。
したがって、第1可動役物71(小カメ)の初期姿勢においてモータ141が反転した場合には、第1可動役物71(小カメ)及び第2可動役物72(中カメ)の両方とも駆動される。これに対して、第1可動役物71(小カメ)の初期姿勢においてモータ141が正転した場合には、第1伝達機構部142からの力が第2可動役物72(中カメ)に伝達されず、第2可動役物72(中カメ)は停止したままで第1可動役物71(小カメ)のみが駆動される。したがって、第1可動役物71(小カメ)及び第2可動役物72(中カメ)を駆動する態様と、第2可動役物72(中カメ)は停止したままで第1可動役物71(小カメ)のみを駆動する態様とを、単一のモータのみで実現でき、可動物ごとに通常必要なモータ(2個の駆動源)を1個のモータで済ませることができ、その分部品点数を低減でき、省スペース化を図ることができる。
また、調整制御部(図示省略)は、第1ギア143の正転により第1アーム144の一端側が一方の揺動限界位置から他方の揺動限界位置に達するまでの態様(例えば、速度、時間、加速度、移動変化内容など)と、それとは逆に第1ギア143の反転により一方の揺動限界位置から他方の揺動限界位置に達するまでの態様(例えば、速度、時間、加速度、移動変化内容など)とが同一となるように、モータ141の正転及び反転を調整制御するので、モータ141の回動軸141aを正転または反転のいずれに駆動しても、第1可動役物71(小カメ)がその初期姿勢から同一方向(例えば、首下げ方向)に揺動し始めるだけでなく、第1可動役物71(小カメ)の初期姿勢から第1ギア143を正転させることによる第1可動役物71(小カメ)の揺動と、第1可動役物71(小カメ)の初期姿勢から第1ギア143を反転させることによる第1可動役物71(小カメ)の揺動とを同一とすることができる。
また、第2伝達機構部160は、第1ギア143と係合する第2ギア163と、一端側に形成された第2長穴部164aに第2ギア163の偏心箇所の第2偏心ピン部163aが挿入されて係合し、且つ、他端側が第2可動役物72(中カメ)の回動軸72aを中心に回動するように軸支された第2アーム164と、この第2アーム164の一端側と他端側との間の所定部位(本実施例では、例えば基端側に近い箇所)に形成された第2長孔部164bに、第2可動役物72(中カメ)の偏心箇所の第2偏心突起部72bが挿入されて係合する第2係合部165と、を備え、伝達部161は、第1可動役物71(小カメ)が初期姿勢であるときを基準として第1ギア143が正転した場合に、第1ギア143の正転に連動して第2ギア163が反転することによって第2アーム164の基端側を回動中心としてその先端側が振られ、第1ギア143からの力が第2可動役物72(中カメ)の頭部を持ち上げる動きとして伝達し、非伝達部162は、第1可動役物71(小カメ)の初期姿勢において第1ギア143が反転した場合に、第1ギア143の反転に連動して第2ギア163が正転し、第2ギア163の第2偏心ピン部163aが第2アーム164の第2長穴部164aの円弧状長穴の範囲で移動するだけであり、第2ギア163の第2偏心ピン部163aの移動を許容する移動許容部としている。
したがって、第1可動役物71(小カメ)の初期姿勢において第1ギア143が正転した場合には、第1可動役物71(小カメ)及び第2可動役物72(中カメ)の両方とも揺動される。これに対して、第1可動役物71(小カメ)の初期姿勢において第1ギア143が反転した場合には、第2アーム164の一端側が振られることがないように第2ギア163の第2偏心ピン部163aの移動が許容され、第1伝達機構部142からの力が第2可動役物72(中カメ)に伝達されず、第2可動役物72(中カメ)は振られることなく停止したままで第1可動役物71(小カメ)のみが揺動される。よって、第1可動役物71(小カメ)及び第2可動役物72(中カメ)を揺動する態様と、第2可動役物72(中カメ)は停止したままで第1可動役物71(小カメ)のみを揺動する態様とを、単一のモータのみで実現でき、可動物ごとに通常必要なモータ(2個のモータ)を1個のモータで済ませることができ、その分部品点数を低減でき、省スペース化を図ることができる。
また、駆動制御部(図示省略)により、第1可動役物71(小カメ)の初期姿勢において、モータ141の回動開始時(正転(時計回り)開始時または反転(反時計回り)開始時)に第1ギア143に生じる回動開始力方向(第1ギア143の第1偏心ピン部143aとの接線方向)と第1可動役物71(小カメ)の揺動方向(第1アーム144の揺動方向)とが異なる方向となる位置で第1可動役物71(小カメ)を停止させているので、例えば遊技球が第1可動役物71(小カメ)に衝突したり遊技機自体が揺らされたりすることに起因して第1可動役物71(小カメ)の揺動方向への外力が発生したとしても、その外力方向が第1伝達機構部142に生じる回動開始力方向と異なる方向であり、第1ギア143に回動開始力方向(第1ギア143の第1偏心ピン部143aとの接線方向)の力が生じることを低減できる。よって、第1可動役物71(小カメ)が外部からの力によって動くことを低減できる。したがって、第1可動役物71(小カメ)がモータ141以外の力で揺動することを低減でき、有利な変動表示演出の誤認を低減できる。
また、第2可動役物72(中カメ)は、第1可動役物71(小カメ)が初期姿勢で停止されている状態において、モータ141の回動開始時(正転(時計回り)開始時または反転(反時計回り)開始時)に第1ギア143を介して第2ギア163に生じる回動開始力方向(第2ギア163の第2偏心ピン部163aとの接線方向)と第2可動役物72(中カメ)の揺動方向(第2アーム164の揺動方向)とが異なる方向となる位置で第2可動役物72(中カメ)が停止しているので、例えば遊技球が第2可動役物72(中カメ)に衝突したり遊技機自体が揺らされたりすることに起因して第2可動役物72(中カメ)の揺動方向への外力が発生したとしても、その外力方向が第2伝達機構部160に生じる回動開始力方向(第2ギア163の第2偏心ピン部163aとの接線方向)と異なる方向であり、第2伝達機構部160に回動開始力方向(第2ギア163の第2偏心ピン部163aとの接線方向)の力が生じることを低減できる。よって、第2可動役物72(中カメ)が外部からの力によって動くことを低減できる。したがって、第2可動役物72(中カメ)がモータ141以外の力で揺動することを低減でき、有利な変動表示演出の誤認を低減できる。また、第2可動役物72(中カメ)が外部からの力によって動くことを低減できるので、第2可動役物72(中カメ)に係合する第1可動役物71(小カメ)も外部からの力によって動くことが低減できる。
また、スーパーリーチ(第1の変動表示演出)の場合には第1可動役物71(小カメ)のみが揺動され、スーパーリーチよりも遊技者にとって期待値が高いスペシャルリーチ(第2の変動表示演出)の場合には、第1可動役物71(小カメ)及び第2可動役物72(中カメ)が揺動されるので、変動表示演出の期待値が高くなるに連れて、揺動する可動物を増加させることができ、変動表示演出の期待値が高いことを可動物を用いて段階的に遊技者に知らせることができる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、同様の効果を奏する別の構成としてもよく、例えば下記のように変形実施することができる。
<1>上述した実施例では、可動物として、例えばカメを象った第1可動役物71(小カメ)、第2可動役物72(中カメ)及び第3可動役物73(大カメ)を採用しているが、カメ以外の動物や植物や人工物など種々のキャラクタを採用してもよい。
<2>上述した実施例では、第1可動役物71(小カメ)、第2可動役物72(中カメ)及び第3可動役物73(大カメ)をセンターフレーム47に設けた場合について説明しているが、遊技盤30や内枠12や前面枠セット14などに設けるようにしてもよい。
<3>上述した実施例では、サブ制御装置262は駆動制御部(図示省略)を備えているが、表示制御装置45が駆動制御部(図示省略)を備えるようにしてもよい。このようにする場合であっても、第1可動役物71(小カメ)等の駆動制御を主制御装置261に負担させることがなく、主制御装置261への処理負担を低減できる。なお、主制御装置261での制御処理に余裕がある場合には、主制御装置261が駆動制御部(図示省略)を備えてもよい。
<4>上述した実施例では、第1ギア143と第2ギア163との歯車比は、24:48(1:2)としているが、その他の歯車比としてもよい。
<5>上述した実施例では、モータ141は、図13及び図16に示すように、回動軸141aの存する取付側円面を見た状態で、当該モータ141の取付側円面の中心から偏心した箇所に位置する回動軸141aが回動するものとしているが、回動軸の存する取付側円面を見た状態で、モータ141の取付側円面の中心箇所に位置する回動軸が回動するモータを採用してもよい。
<6>上述した実施例では、第1ギア143と第2ギア163とを直接噛み合わせて連動させているが、第1ギア143と第2ギア163とをベルト(例えば、タイミングベルト)を介して連動させるようにしてもよい。また、第1ギア143と第2ギア163とを、平板状の棒に歯切りをした(歯がつけられた)ラックを介して連動させるようにしてもよい。
また、モータ141の回動軸141aの回動力を、ベルト(例えば、タイミングベルト)やラック(平板状の棒に歯切りをした(歯がつけられた))を介して第1ギア143に伝達して、当該第1ギア143を回動するようにしてもよい。
また、上述した実施例では、第1アーム144や第2アーム164を備えているが、第1可動役物71(小カメ)を第1アーム144よりも大きいものとした場合は、背面体部71dに第1長穴部144aを形成し、第1アーム144自体を不要としてもよい。これと同様に、第2可動役物72(中カメ)を第2アーム164よりも大きいものとした場合においては、背面体部72dに第2長穴部164aを形成し、第2アーム164自体を不要としてもよい。
<7>上述した実施例では、図13〜図15に示すように、第1アーム144に第1長穴部144aを設け、第2アーム164に第2長穴部164aを設けているが、このような長穴部に替えて案内溝や案内壁を採用してもよい。
<8>上述した実施例では、図13〜図15に示すように、第1ギア143に第1偏心ピン部143aを設け、第1アーム144に第1長穴部144aをその長穴方向に移動可能な第1偏心ピン部143a設けているが、第1アーム144の第1長穴部144a内をその長穴方向に移動可能なピンを設け、第1ギア143に前記ピンが挿入される挿入部を設けるようにしてもよい。また、第2ギア163及び第2アーム164についてもこれと同様としてもよい。
<9>上述した実施例では、駆動制御部(図示省略)は、第1可動役物71(小カメ)の初期姿勢において、第1ギア143の反時計回り(回動軸141aから遠い側を第1偏心ピン部143aが円弧状に移動する)を約180度とし、第1ギア143の時計回り(回動軸141aから近い側を第1偏心ピン部143aが円弧状に移動する)を約150度とし、両者の回動範囲を異ならせているので、両者を同一の角速度で回動した場合には、第1ギア143の反時計回りでは第1可動役物71(小カメ)をゆっくり揺動させ、第1ギア143の時計回りとする場合は反時計回りに比べて速く揺動させることができる。
<10>上述した実施例では、図13、図14及び図16に示すように、第2ギア163の回動を初期位置検出センサ170や正転90度検出センサ171で検出するようにしているが、ロータリーエンコーダのようなセンサで回動検出してもよいし、他の回動検出センサや位置検出センサを用いてもよい。また、第2ギア163の回動に替えて(または、第2ギア163の回動の検出とともに)第1ギア143の回動を上述したセンサ等で検出するようにしてもよいし、モータ141の回動軸141aの回動を検出するようにしてもよい。
<11>上述した実施例では、本発明を各種(例えば第一種、第三種など)の遊技機に実施してもよいし、上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特定遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特定遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の遊技球の投入後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。
なお、本明細書は、次のような遊技機に係る発明も開示している。
<第1課題>
従来、遊技機の代表例として例えばパチンコ機がある。このパチンコ機は、例えば、島設備に設置される外枠と、この外枠に対して開閉可能に取り付けられた内枠と、この内枠に取り付けられた、遊技球が打ち込まれる遊技領域を前面側に有する遊技盤と、遊技領域が視認可能な視認窓を備えた、内枠の前面側で且つ下部箇所よりも上側である上中部箇所に開閉可能に設けられたガラス枠とを備えている。
この遊技盤は、正面視で略中央箇所に、遊技者にとって有利な遊技状態の発生の有無を知らせる識別情報を変動表示する表示画面を備えるとともに、この表示画面の周囲を覆うセンターフレームを備えている。また、センターフレームは、例えばその正面左側箇所に、識別情報の変動表示演出に合わせて振り下ろし動作するハンマ(可動役物)を備えたものがある(例えば、特許文献:特開2006−42926号公報(第14−15頁,第3−4図)参照)。
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来のパチンコ機では、例えば、センターフレームのハンマ(可動役物)は、柄と、この柄の一端側に設けられた頭部とからなり、この柄の他端側が、モータの回転軸に咬合するギアの回転軸と嵌合しており、モータを反時計回りに約90度回転させることでその回転力がギアに伝えられて振り下ろされ、その後にモータを時計回りに約90度回転させることでその回転力がギアに伝えられて振り上げ状態に戻される構成としている。そして、ハンマ(可動役物)を制御する制御部は、識別情報の変動表示演出に合わせてハンマが振り下ろされるように、モータに対して正転駆動信号や反転駆動信号を所定のタイミングで出力して、モータを正転・反転駆動制御しなければならないので、駆動制御が複雑であるという問題がある。
以下の発明は、このような事情等に鑑みてなされたものであって、可動役物の駆動制御を簡素化でき、変動表示演出との連動制御負担を低減できる遊技機を提供することを目的とする。
(A1) 駆動される可動物と、
前記可動物を駆動する駆動手段と、
を備える遊技機において、
前記駆動手段は、
正転及び反転可能な回動軸を有する回動力発生源と、
前記回動軸を正転または反転のいずれに駆動しても、前記可動物が初期姿勢から同一方向に動き始めるように前記回動力発生源からの力を前記可動物に伝達する伝達手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(A1)に記載の発明によれば、回動力発生源の回動軸を正転または反転のいずれに駆動しても、可動物がその初期姿勢から同一方向に動き始めるので、可動物を駆動させる場合に正転駆動信号又は反転駆動信号のどちらか一方を出力するだけで良く、可動物(可動役物)の駆動制御を簡素化できる。また、変動表示演出における可動物の駆動期間中においても、正転駆動信号又は反転駆動信号のどちらか一方を出力するだけで良いので、正転駆動信号と反転駆動信号とを交互に出力する制御を不要にでき、変動表示演出との連動制御負担を低減できる。よって、可動役物の駆動制御を簡素化でき、変動表示演出との連動制御負担を低減できる遊技機を提供することができる。
また、前記駆動手段を駆動制御する駆動制御手段とを備え、前記駆動制御手段は、前記可動物を初期姿勢に設定し、前記可動物を初期姿勢に設定した状態において前記回動軸を正転させて当該可動物を初期姿勢から第1方向に動かし、前記可動物を初期姿勢に設定した状態において前記回動軸を反転させて当該可動物を初期姿勢から第1方向に動かす構成としてもよい。また、前記可動物を初期姿勢に設定する構成(初期姿勢設定手段)としては、前記回転軸または前記伝達手段の状態を検出する検出手段を備え、この検出手段での検出に基づいて前記可動物を初期姿勢に設定する構成が挙げられる。
(A2) 前記(A1)に記載の遊技機において、
前記駆動手段を制御する駆動制御手段を備え、
前記伝達手段は、
前記回動力発生源の回動軸に取り付けられて当該回動軸を中心として回動するギア(回動部材)と、
一端側が前記ギアの偏心箇所の偏心部に係合し、且つ、他端側が前記可動物の回動軸を中心に回動するように軸支されたアーム(揺動部材)と、
前記アームの一端側と他端側との間の所定部位と前記可動物の偏心箇所の偏心部とを係合する第1係合部と、を備え、
前記駆動制御手段は、
前記可動物の初期姿勢として、前記アームの他端側を回動中心としてその一端側が揺動する範囲のうちで一方の揺動限界位置に当該アームの一端側を位置させた状態とし、前記可動物が初期姿勢であるときを基準として前記ギアの正転及び反転を開始するように前記回動力発生源を駆動制御する
ことを特徴とする遊技機。
前記(A2)に記載の発明によれば、回動力発生源によるギアの回動をアームを通じて可動物の揺動に変換でき、可動物を揺動させることができる。また、可動物を揺動させる場合に正転駆動信号又は反転駆動信号のどちらか一方を出力するだけで良く、可動物(可動役物)の揺動制御を簡素化できる。また、変動表示演出における可動物の揺動期間中においても、正転駆動信号又は反転駆動信号のどちらか一方を出力するだけで良いので、正転駆動信号と反転駆動信号とを交互に出力する制御を不要にでき、変動表示演出との連動制御負担を低減できる。
さらに、可動物の初期姿勢では、アームの一端側が一方の揺動限界位置に位置し、この初期姿勢を基準としてギアの正転及び反転を開始するので、回動力発生源の回動軸を正転または反転のいずれに駆動しても、可動物をその初期姿勢から同一方向に揺れ始めるようにすることができ、変動表示演出と同期して可動物が揺動する構成の場合に、可動物の揺れ始めで変動表示演出の種類が遊技者に察知されることを低減できる。例えば、複数方向に動き始める可動物の場合にはその動き出しに基づいて遊技者に変動表示演出の種類が察知されることがあるが、本発明では最初の動き出しだけで変動表示演出の種類を察知されることを低減できる。
(A3) 前記(A1)または(A2)に記載の遊技機において、
前記可動物である第1可動物とは別の第2可動物と、
前記伝達手段である第1伝達手段と係合する第2伝達手段を備え、
前記第2伝達手段は、
前記第1可動物の初期姿勢において前記回動力発生源が正転又は反転の一方に回動した場合に前記第2可動物を駆動させるように前記第1伝達手段からの力を前記第2可動物に伝達する伝達部と、
前記第1可動物の初期姿勢において前記一方とは反対方向に回動した場合に前記第1伝達手段からの力を前記第2可動物に伝達しない非伝達部と、
を備えている
ことを特徴とする遊技機。
前記(A3)に記載の発明によれば、第1可動物の初期姿勢において回動力発生源が正転又は反転の一方に回動した場合には、第1可動物及び第2可動物の両方とも駆動される。これに対して、第1可動物の初期姿勢において前記一方とは反対方向に回動した場合には、第1伝達手段からの力が第2可動物に伝達されず、第2可動物は停止したままで第1可動物のみが駆動される。したがって、第1可動物及び第2可動物を駆動する態様と、第2可動物は停止したままで第1可動物のみを駆動する態様とを、単一の回動力発生源のみで実現でき、可動物ごとに通常必要な回動力発生源(2個の駆動源)を1個の回動力発生源で済ませることができ、その分部品点数を低減でき、省スペース化を図ることができる。
(A4) 前記(A3)に記載の遊技機において、
前記ギアの正転又は反転の一方の回動により前記アームの一端側が一方の揺動限界位置から他方の揺動限界位置に達するまでの態様と、それとは逆に前記ギアの他方の回動により一方の揺動限界位置から他方の揺動限界位置に達するまでの態様とが同一となるように、前記回動力発生源の正転及び反転を調整制御する調整制御手段
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(A4)に記載の発明によれば、ギアの正転又は反転の一方の回動によりアームの一端側が一方の揺動限界位置から他方の揺動限界位置に達するまでの態様(例えば、速度、時間、加速度、移動変化内容など)と、それとは逆にギアの他方の回動により一方の揺動限界位置から他方の揺動限界位置に達するまでの態様(例えば、速度、時間、加速度、移動変化内容など)とが同一となるように、回動力発生源の正転及び反転を調整制御するので、回動力発生源の回動軸を正転または反転のいずれに駆動しても、可動物がその初期姿勢から同一方向に揺動し始めるだけでなく、可動物の初期姿勢からギアを正転させることによる可動物の揺動と、可動物の初期姿勢からギアを反転させることによる可動物の揺動とを同一とすることができる。
(A5) 前記(A3)または(A4)に記載の遊技機において、
前記第2伝達手段は、
前記ギアである第1ギアと係合する第2ギア(連動部材)と、
前記アームである第1アームとは別のアームであって、一端側が前記第2ギアの偏心箇所の偏心部に係合し、且つ、他端側が前記第2可動物の回動軸を中心に回動するように軸支された第2アーム(揺動部材)と、
前記第2アームの一端側と他端側との間の所定部位と前記第2可動物の偏心箇所の偏心部とを係合する第2係合部と、
を備え、
前記伝達部は、前記第1可動物が初期姿勢であるときを基準として前記回動力発生源が正転又は反転の一方に回動した場合に、前記第1ギアの回動に連動して前記第2ギアが回動することによって前記第2アームの他端側を回動中心としてその一端側が振られるように前記第1ギアからの力を第2可動物に伝達し、
前記非伝達部は、前記第1可動物の初期姿勢において前記回動力発生源が前記一方とは反対方向に回動した場合に、前記第2アームの一端側が振られることがないように前記第2ギアの前記偏心部の移動を許容する移動許容部である
ことを特徴とする遊技機。
前記(A5)に記載の発明によれば、第1可動物の初期姿勢において回動力発生源が正転又は反転の一方に回動した場合には、第1可動物及び第2可動物の両方とも揺動される。これに対して、第1可動物の初期姿勢において前記一方とは反対方向に回動した場合には、第2アームの一端側が振られることがないように第2ギアの偏心部の移動が許容され、第1伝達手段からの力が第2可動物に伝達されず、第2可動物は振られることなく停止したままで第1可動物のみが揺動される。したがって、第1可動物及び第2可動物を揺動する態様と、第2可動物は停止したままで第1可動物のみを揺動する態様とを、単一の回動力発生源のみで実現でき、可動物ごとに通常必要な回動力発生源(2個の駆動源)を1個の回動力発生源で済ませることができ、その分部品点数を低減でき、省スペース化を図ることができる。
(A6) 前記(A1)から(A5)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
前記(A6)に記載の遊技機によれば、可動役物の駆動制御を簡素化でき、変動表示演出との連動制御負担を低減できるパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特定遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
(A7) 前記(A1)から(A5)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
前記(A7)に記載の遊技機によれば、可動役物の駆動制御を簡素化でき、変動表示演出との連動制御負担を低減できるできるスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
<第2課題>
従来、遊技機の代表例として例えばパチンコ機がある。このパチンコ機は、例えば、島設備に設置される外枠と、この外枠に対して開閉可能に取り付けられた内枠と、この内枠に取り付けられた、遊技球が打ち込まれる遊技領域を前面側に有する遊技盤と、遊技領域が視認可能な視認窓を備えた、内枠の前面側で且つ下部箇所を除く上中部箇所に開閉可能に設けられたガラス枠とを備えている。
この遊技盤は、正面視で略中央箇所に、遊技者にとって有利な遊技状態の発生の有無を知らせる識別情報を変動表示する表示画面を備えるとともに、この表示画面の周囲を覆うセンターフレームを備えている。また、センターフレームは、例えばその正面左側箇所に、遊技者にとって有利な変動表示演出に合わせて振り下ろし動作するハンマ(可動役物)を備えたものがある(例えば、特許文献:特開2006−42926号公報(第14−15頁,第3−4図)参照)。
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、従来のパチンコ機では、例えば、遊技盤を流下する遊技球が釘等に衝突した反動で稀にハンマに当たり、ハンマが動いてしまうことがある。遊技者はハンマが動いたことから有利な変動表示演出であると誤認するおそれがある。
以下の発明は、このような事情等に鑑みてなされたものであって、可動役物が外部からの力によって動くことを低減でき、有利な変動表示演出の誤認を低減できる遊技機を提供することを目的とする。
(B1) 駆動される可動物と、
前記可動物を駆動する駆動手段と、
を備える遊技機において、
前記駆動手段は、
回動力を発生させる回動力発生源と、
前記回動力発生源の回動力を前記可動物の回動軸を中心に揺動する揺動力に変換して当該可動物に伝達する伝達手段と、
前記回動力発生源の回動開始時に前記伝達手段に生じる回動開始力方向と前記可動物の揺動方向とが異なる方向となる位置で前記可動物を停止させるように前記回動力発生源を制御する駆動制御手段と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(B1)に記載の発明によれば、駆動制御手段により、回動力発生源の回動開始時に伝達手段に生じる回動開始力方向と可動物の揺動方向とが異なる方向となる位置で可動物が停止されているので、例えば遊技球が可動物に衝突したり遊技機自体が揺らされたりすることに起因して可動物の揺動方向への外力が発生したとしても、その外力方向が伝達手段に生じる回動開始力方向と異なる方向であり、伝達手段に回動開始力方向の力が生じることを低減できる。よって、可動物が外部からの力によって動くことを低減できる。したがって、可動物が回動力発生源以外の力で揺動することを低減でき、有利な変動表示演出の誤認を低減できる。
(B2) 前記(B1)に記載の遊技機において、
前記伝達手段は、
前記回動力発生源の回動軸に取り付けられて当該回動軸を中心として回動するギア(回動部材)と、
一端側が前記ギアの偏心箇所の偏心部に係合し、且つ、他端側が前記可動物の回動軸を中心に回動するように軸支されたアーム(揺動部材)と、
前記アームの一端側と他端側との間の所定部位と前記可動物の偏心箇所の偏心部とを係合する第1係合部と、を備え、
前記駆動制御手段は、前記アームの他端側を回動中心としてその一端側が揺動する範囲のうちで一方の揺動限界位置に当該アームの一端側を位置させた状態を、前記可動物の初期姿勢として停止させるとともに、前記可動物が初期姿勢であるときを基準として前記ギアの正転及び反転を開始するように前記回動力発生源を駆動制御する
ことを特徴とする遊技機。
前記(B2)に記載の発明によれば、可動物の停止状態では、アームの一端側が一方の揺動限界位置に位置している。つまり、可動物の回動中心から回動力発生源の回動軸心までの長さを半径としてギア面上に形成される、偏心部についての円弧状の移動軌跡の端部に当該偏心部が位置している。よって、回動力発生源の回動開始時にギアの偏心部に生じる回動開始力方向と可動物の揺動方向とが異なる方向となるので、例えば遊技球が可動物に衝突したり遊技機自体が揺らされたりすることに起因して可動物の揺動方向への外力が発生したとしても、その外力方向がギアの偏心部に生じる回動開始力方向と異なる方向であり、ギアの偏心部に回動開始力方向の力が生じることを低減できる。したがって、可動物が外部からの力によって動くことを低減できる。
また、回動力発生源によるギアの回動をアームを通じて可動物の揺動に変換でき、可動物を揺動させることができる。また、可動物を揺動させる場合に正転駆動信号又は反転駆動信号のどちらか一方を出力するだけで良く、可動物(可動役物)の揺動制御を簡素化できる。また、変動表示演出における可動物の揺動期間中においても、正転駆動信号又は反転駆動信号のどちらか一方を出力するだけで良いので、正転駆動信号と反転駆動信号とを交互に出力する制御を不要にでき、変動表示演出との連動制御負担を低減できる。
さらに、可動物の初期姿勢では、アームの一端側が一方の揺動限界位置に位置し、この初期姿勢を基準としてギアの正転及び反転を開始するので、回動力発生源の回動軸を正転または反転のいずれに駆動しても、可動物をその初期姿勢から同一方向に揺れ始めるようにすることができ、変動表示演出と同期して可動物が揺動する構成の場合に、可動物の揺れ始めで変動表示演出の種類が遊技者に察知されることを低減できる。例えば、複数方向に動き始める可動物の場合にはその動き出しに基づいて遊技者に変動表示演出の種類が察知されることがあるが、本発明では最初の動き出しだけで変動表示演出の種類を察知されることを低減できる。
(B3) 前記(B2)に記載の遊技機において、
前記可動物である第1可動物とは別の第2可動物と、
前記伝達手段である第1伝達手段と係合し、前記第1伝達手段を介して伝達された前記回動力発生源の回動力を前記第2可動物の回動軸を中心に揺動する揺動力に変換して当該第2可動物に伝達する第2伝達手段を備え、
前記第2可動物は、前記第1可動物が初期姿勢で停止されている状態において、前記回動力発生源の回動開始時に前記第1伝達手段を介して当該第2伝達手段に生じる回動開始力方向と前記第2可動物の揺動方向とが異なる方向となる位置で停止している
ことを特徴とする遊技機。
前記(B3)に記載の発明によれば、第2可動物は、第1可動物が初期姿勢で停止されている状態において、回動力発生源の回動開始時に第1伝達手段を介して第2伝達手段に生じる回動開始力方向と第2可動物の揺動方向とが異なる方向となる位置で停止しているので、例えば遊技球が第2可動物に衝突したり遊技機自体が揺らされたりすることに起因して第2可動物の揺動方向への外力が発生したとしても、その外力方向が第2伝達手段に生じる回動開始力方向と異なる方向であり、第2伝達手段に回動開始力方向の力が生じることを低減できる。よって、第2可動物が外部からの力によって動くことを低減できる。したがって、第2可動物が回動力発生源以外の力で揺動することを低減でき、有利な変動表示演出の誤認を低減できる。また、第2可動物が外部からの力によって動くことを低減できるので、第2可動物に係合する第1可動物も外部からの力によって動くことが低減できる。
(B4) 前記(B3)に記載の遊技機において、
前記第2伝達手段は、
前記ギアである第1ギアと係合する第2ギア(連動部材)と、
前記アームである第1アームとは別のアームであって、一端側が前記第2ギアの偏心箇所の偏心部に係合し、且つ、他端側が前記第2可動物の回動軸を中心に回動するように軸支された第2アーム(揺動部材)と、
前記第2アームの一端側と他端側との間の所定部位と前記第2可動物の偏心箇所の偏心部とを係合する第2係合部と、
前記第1可動物が初期姿勢であるときを基準として前記回動力発生源が正転又は反転の一方に回動した場合に、前記第1ギアの回動に連動して前記第2ギアが回動することによって前記第2アームの他端側を回動中心としてその一端側が振られるように前記第1ギアからの力を第2可動物に伝達する伝達部と、
前記第1可動物の初期姿勢において前記回動力発生源が前記一方とは反対方向に回動した場合に、前記第2アームの一端側が振られることがないように前記第2ギアの前記偏心部の移動を許容する非伝達部と
を備えていることを特徴とする遊技機。
前記(B4)に記載の発明によれば、第1可動物の初期姿勢において回動力発生源が正転又は反転の一方に回動した場合には、第1可動物及び第2可動物の両方とも揺動される。これに対して、第1可動物の初期姿勢において前記一方とは反対方向に回動した場合には、第2アームの一端側が振られることがないように第2ギアの偏心部の移動が許容され、第1伝達手段からの力が第2可動物に伝達されず、第2可動物は振られることなく停止したままで第1可動物のみが揺動される。したがって、第1可動物及び第2可動物を揺動する態様と、第2可動物は停止したままで第1可動物のみを揺動する態様とを、単一の回動力発生源のみで実現でき、可動物ごとに通常必要な回動力発生源(2個の駆動源)を1個の回動力発生源で済ませることができ、その分部品点数を低減でき、省スペース化を図ることができる。さらに、第1可動物の初期姿勢では、第1可動部や第2可動部が回動力発生源以外の力で揺動することを低減でき、有利な変動表示演出の誤認を低減できる。
(B5) 前記(B3)または(B4)に記載の遊技機において、
遊技者にとって有利な遊技状態の発生の有無を知らせる識別情報を変動表示する識別情報変動表示手段と、
前記駆動制御手段は、第1の変動表示演出の場合に前記第1可動物を揺動させ、この第1の変動表示演出よりも遊技者にとって期待値が高い第2の変動表示演出の場合に前記第1可動物及び前記第2可動物を揺動させるように前記回動力発生源を制御する
ことを特徴とする遊技機。
前記(B5)に記載の発明によれば、第1の変動表示演出の場合には第1可動物のみが揺動され、第1の変動表示演出よりも遊技者にとって期待値が高い第2の変動表示演出の場合には、第1可動物及び第2可動物が揺動されるので、変動表示演出の期待値が高くなるに連れて、揺動する可動物を増加させることができ、変動表示演出の期待値が高いことを可動物を用いて段階的に遊技者に知らせることができる。
また、期待値の低い第1の変動表示演出は、期待値の高い第2の変動表示演出よりも発生回数が多いことから、第1可動物が揺動する場合の方が第2可動物が揺動する場合に比べて多い。このため、遊技者は、第2可動物が揺動することを期待して遊技しており、第2可動物の揺動開始を敏感に察知する。この構成の場合には、第2の変動表示演出でもないのに第2可動物が外部からの力(駆動手段以外の力)によって動くことを低減できるので、第2の変動表示演出の発生誤認を低減できる。
(B6) 前記(B1)から(B5)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はパチンコ機であることを特徴とする遊技機。
前記(B6)に記載の遊技機によれば、可動役物が外部からの力によって動くことを低減でき、有利な変動表示演出の誤認を低減できるパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特定遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
(B7) 前記(B1)から(B5)のいずれか一つに記載の遊技機において、
前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機。
前記(B7)に記載の遊技機によれば、可動役物が外部からの力によって動くことを低減でき、有利な変動表示演出の誤認を低減できるスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
なお、本明細書に開示する種々の発明に関して、全ての構成要素について種々の組み合わせが可能であり、他の構成要件がなくても単独で発明として成立する点に留意されたい。