JP5764190B2 - エネルギー吸収装置、水平ライフラインシステム、エネルギー吸収装置を用いて荷重の漸増をもたらす方法 - Google Patents

エネルギー吸収装置、水平ライフラインシステム、エネルギー吸収装置を用いて荷重の漸増をもたらす方法 Download PDF

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、エネルギー吸収装置又は緩衝器(ショックアブソーバ)及びエネルギー移送コネクタに関し、特に、安全システム、例えば水平ライフライン又は命綱システムと関連して用いられるエネルギー吸収装置及びコネクタに関する。
〔関連出願の説明〕
本願は、2008年2月6日に出願された米国特許仮出願第61/026,530号、2008年2月6日に出願された米国特許仮出願第61/026,653号、2008年2月6日に出願された米国特許仮出願第61/026,573号及び2008年2月6日に出願された米国特許仮出願第61/026,609号の権益主張出願であり、これら米国特許仮出願を参照により引用し、これらの開示内容を本明細書の一部とする。
以下の情報は、読者が以下に開示する発明及びこの発明が代表的に用いられる環境を理解するのを助けるよう提供されている。本明細書において引用される先行技術文献は、本発明の理解又は本発明の背景技術の理解を容易にする場合がある。本明細書において参照により引用する先行技術文献の全ての開示内容を本明細書の一部とする。
エネルギー吸収装置又は緩衝器は、例えば機器に対する損傷が生じないようこれを保護すると共に/或いは人に対する外傷が生じないようこれを保護するようエネルギーを吸収する。エネルギー吸収装置は、例えば、落下捕捉安全システム、例えば水平ライフラインシステムの一部として落下保護に用いられている。水平ライフラインシステムは、個々の作業者の安全ラインを連結することができる支持体、例えば支柱相互間に連結された全体として水平のラインを有する。これについては、例えば、米国特許第6,722,470号明細書を参照されたい。
米国労働安全衛生局(OSHA)及び米国規格協会(ANSI)により定められた要件の一部として、水平ライフラインシステムは、少なくとも2の安全率を維持するよう設計されなければならない。他の規則により、落下保護コンポーネント(例えば、コネクタ等)は、典型的には、5,000ポンド(2,267.95kg)の定格(例えば、極限引張荷重)を有するよう製造される。したがって、落下保護コンポーネント製造業者が他の落下保護システム(このコンポーネントは、典型的には、上述したように5,000ポンドの定格を有する)に一般的に用いられているコンポーネントを用いるためには、水平ライフラインシステムの荷重が2,500ポンド(1,133.98kg)(即ち、2:1の安全率における5,000ポンド)を超えるのを阻止することが有利である。最小限のケーブルの延び及び水平ライフラインを用いた作業者の下の適当な全体的落下クリアランス距離を維持するため、荷重をできるだけ2,500ポンドに近く維持することが好ましい。それにもかかわらず、或る特定のシステムでは、水平ライフライン支柱は、相当大きな力を受ける場合がある。
水平ライフラインシステムにおけるエネルギー吸収装置又は緩衝器の目的は、落下に起因したエネルギーを吸収し、それにより力を或る特定の力(例えば、2:1安全率における5,000ポンドの力)未満に制限することにある。この機能を実行する多くの形式のエネルギー吸収装置が存在するが、かかるエネルギー吸収装置の全てに共通する設計上の課題は、初期配備又は作動時に力の要件にどのように対応するかということにある。エネルギー吸収装置が初期配備に続く連続段階中に終始一貫し且つ設計及び規制上の要件の範囲内で働くかどうかとは関係なく、エネルギー吸収装置の設計の際、かかる要件をエネルギー吸収装置の動的初期作動中に満足させるようにするよう注意を払わなければならない。
エネルギー吸収装置の一形式では、金属のストリップが2つの要素相互間に連結され、或る特定のしきい力を超えた力を受けたときに金属が2つの要素を横切って裂けるようにする。米国特許第6,279,680号明細書は、水平ライフラインシステムにおけるかかるエネルギー吸収装置の使用を開示している。この種のエネルギー吸収装置又は緩衝器における金属の裂けは、エネルギーを吸収する。かかるエネルギー吸収装置は初期作動中、設計及び規制上の要件を満足させるようにするためには、製造業者は、エネルギー吸収装置が僅かな裂け度を開始させるのに十分な力を受ける初期「予備引き裂き」プロセスをエネルギー吸収装置に受けさせることが必要な場合がある。
米国特許第6,722,470号明細書 米国特許第6,279,680号明細書
幾つかの他の問題は、引き裂かれる材料のストリップ又はストラップを含むエネルギー吸収装置と関連している。例えば、かかるエネルギー吸収装置は、典型的には、そのストラップの一区分が引っ張られて第1の方向に動き、他方、ストラップの第2の区分が引っ張られて第1の方向とは全体として逆の第2の方向に動くように裂ける。ストラップは、例えば、製造業者によってコイル状に巻かれていてエネルギー吸収装置は元々僅かなスペースしか取らないようになっているが、エネルギー吸収装置の作動及び完全(又は場合によっては部分的な)配備(ほどけることと裂けることの両方を含む)の結果として、使用済みストラップは、全長/面積が比較的大きくなる。かかるエネルギー吸収装置は、使用済みエネルギー吸収装置のためのスペースが制限されている使用又は全変位を制限することが望ましい使用にとって適してはいない場合がある。
多くのエネルギー吸収装置は落下保護及び他のシステムと関連して用いられるよう利用できるが、改良型エネルギー吸収装置、システム及び方法を開発することが望ましい状況が続いている。
多くの実施形態では、本発明は、エネルギーを吸収するための裂け又は他の変形が使用中、動的に開始される1つ又は2つ以上の移行領域を含むエネルギー吸収装置又はエネルギー吸収装置システムを提供する。本発明の移行領域は、結果的に移行領域の長さにわたって荷重の変化を予測できる規定された設計を有する。水平ライフラインシステム用のエネルギー吸収装置の場合、例えば、所定値(例えば上述したように2,500ポンド)を超える荷重のスパイクは、好ましくは、エネルギー吸収の動的開始中、回避され、所定値の又はこれ未満のほぼ一定の荷重がその後維持される。ほぼ一定の荷重は、好ましくは、できるだけ所定値に近い。本発明の幾つかの実施形態では、荷重がほぼ一定である強度が減少した経路に達するまで荷重の漸増が移行領域にわたって生じる。
一観点では、本発明は、エネルギー吸収装置であって、ストラップを有し、ストラップは、その長さの少なくとも一部分にわたって延びる強度が比較的低い第1の経路を有するエネルギー吸収装置を提供する。エネルギー吸収装置は、少なくとも第1の移行領域を更に有し、この移行領域は、しきい値を超える力が(エネルギー吸収装置/ストラップに)加えられると第1の移行領域に沿って裂けが始まる第1の始点及び第1の終点を有する。第1の終点は、第1の移行領域に沿う裂け後に裂けが第1の経路に沿って続くよう第1の経路上の第1の点と作動的連結関係にある。裂けが移行領域に沿って生じるにつれて荷重の漸増が生じる。移行領域中の且つ第1の経路に沿う荷重は、好ましくは、所定荷重値(例えば2,500ポンド)を超えることがない。
幾つかの実施形態では、第1の移行領域のストラップの厚さは、第1の始点のところの第1の初期厚さ(ストラップの厚さよりも小さい)から第1の初期厚さよりも大きい第1の終点のところの第1の終期厚さまで第1の移行領域の長さにわたって増大している。
多くの実施形態では、第1の経路は、第1の溝であり、第1の移行領域の第1の終点のところの終期厚さは、第1の溝上の第1の点のところのストラップの厚さに等しい。第1の終点及び第1の溝上の第1の点は、例えば、同一の点であるのが良い。
第1の初期厚さは、例えばほぼゼロであるのが良い。変形例として、第1の初期厚さは、ゼロよりも大きくても良い。
幾つかの実施形態では、金属ストラップである。このストラップは、例えば、第1の端部、第2の端部、及び第1の端部と第2の端部との間に位置する中間区分を有するのが良い。ストラップは、ストラップの第1の端部を貫通して延び、第1の端部を第1のコネクタ区分と第2のコネクタ区分に分離する全体としてU字形のスロットを有するのが良い。第1のコネクタ区分と第2のコネクタ区分は、例えば、互いに遠ざかる別々の方向に延びるよう変形するのが良い。第1のコネクタ通路が第1のコネクタ区分に形成され、第2のコネクタ通路が第2の区分に形成されるのが良い。幾つかの実施形態では、第1の移行領域は、スロットの第1の端部の付近から第1の経路上の第1の点の付近まで延びる。
第2の移行領域がスロットの第2の端部の付近から強度が比較的減少した第2の経路上の第1の点の付近まで延びるのが良く、第2の移行領域に沿う裂け後に裂けが第2の経路に沿って引き続き生じるようになっている。ストラップの厚さは、第2の移行領域の第2の始点のところの第2の初期厚さから第2の移行領域の第2の初期厚さよりも大きい第2の移行領域の第2の終点のところの第2の終期厚さまで第2の移行領域の長さにわたって増大する。しきい力を超える力が加えられたときに裂けが移行領域に沿って生じるにつれて荷重の漸増が生じる。
第1の経路及び第2の経路は、例えば、ストラップに形成された厚さの減少したラインであるのが良い。幾つかの実施形態では、第1の経路は、その長さにわたってほぼ一定の厚さを有し、第2の経路は、その長さにわたって全体として一定の厚さを有する。
多くの実施形態では、第1の経路は、第1の移行領域の終点からストラップの第2の端部の近くの位置まで延び、第2の経路は、第2の移行領域の終点からストラップの第2の端部の近くの位置まで延びる。ストラップの第2の端部及びストラップの中間部分のうちの一部分は、ストラップの中間部分の残部内で螺旋コイル状に巻かれ、第1のコネクタ区分と第2のコネクタ区分が十分な力で互いに逆方向に引っ張られると、コネクタは、裂けると共にほどけてエネルギーを吸収する。幾つかの実施形態では、第1の経路及び第2の経路は、ストラップに形成された厚さの減少したラインである。上述したように、第1の経路は、その長さにわたって全体として一定の厚さを有するのが良く、第2の経路は、その長さにわたって全体として一定の厚さを有するのが良い。
多くの実施形態では、第1の移行領域は、ゼロから第1の移行領域の第1の始点のところの第1の初期厚さまで厚さの段階的変化部を有し、第1の移行領域におけるストラップの厚さは、第1の初期厚さから第1の経路上の第1の点におけるストラップの厚さに等しい第1の終期厚さまで増大する。第2の移行領域は、ゼロから第2の移行領域の第2の始点のところの第2の初期厚さまで厚さの段階的変化部を更に有するのが良く、第2の移行領域におけるストラップの厚さは、第2の初期厚さから第2の経路上の第1の点のところのストラップの厚さに等しい第2の終期厚さまで増大する。
幾つかの実施形態では、エネルギー吸収装置は、当接要素を更に有し、当接要素は、しきい力を超えるストラップに加えられた力がストラップを当接要素に押し付け、それにより全体として第1の移行領域に沿い、次に第1の経路に沿うストラップの裂けを生じさせると共に当接要素に対するストラップの運動を生じさせるよう移行領域に対して位置決めされている。
別の観点では、本発明は、水平ライフラインシステムであって、水平ライフラインと、水平ライフラインと作動的連結状態にあるエネルギー吸収装置とを有する水平ライフラインシステムを提供する。上述したように、エネルギー吸収装置は、ストラップを有し、ストラップは、ストラップの長さの少なくとも一部分にわたって延びる強度が比較的減少した少なくとも第1の経路を有し、エネルギー吸収装置は、少なくとも第1の移行領域を更に有し、第1の移行領域は、しきい力を超える力が加えられると裂けが第1の移行領域に沿って始まる第1の始点及び第1の終点を有する。第1の終点は、第1の移行領域に沿う裂け後に裂けが第1の経路に沿って引き続き生じるよう第1の経路上の第1の点と作動的連結状態にある。裂けが移行領域に沿って生じるにつれて荷重の漸増が生じる。
これ又上述したように、第1の移行領域のストラップの厚さは、ストラップの厚さよりも小さい第1の始点のところの第1の初期厚さから第1の初期厚さよりも大きい第1の終点のところの第1の終期厚さまで第1の移行領域の長さにわたって増大するのが良い。
幾つかの実施形態では、水平ライフラインシステムは、少なくとも1つの支柱システムを更に有する。支柱システムは、支柱ポストと、支柱ポストに可動的に連結されたコネクタとを有する。コネクタは、水平ライフラインに作動的に連結されるべき第1のコネクタ要素と、アンカーに連結される第2のコネクタ要素とを有する。
コネクタは、少なくとも第1の長いスロットを有するのが良い。支柱システムは、第1の取り付け部材を更に有するのが良く、第1の取り付け部材は、コネクタが第1のスロットの長さに沿って第1の取り付け部材に対して摺動することができるよう第1のスロットを通過してコネクタを支柱ポストに連結する。
コネクタ及びエネルギー吸収装置は、例えば、水平ライフラインと直列して作動的連結状態にあるのが良い。コネクタとエネルギー吸収装置は、隣り合った連結状態にあるのが良い。
別の観点では、本発明は、エネルギー吸収装置を用いて荷重の漸増をもたらす方法を提供する。エネルギー吸収装置は、ストラップを有し、ストラップは、ストラップの長さの少なくとも一部分にわたって延びる強度が比較的減少した少なくとも第1の経路を有し、その結果、エネルギー吸収中の使用時に全体として第1の経路に沿ってストラップの裂けが生じるようになっている。この方法は、裂けが第1の経路に沿って始まる第1の経路上の第1の点(即ち、裂けが第1の経路に沿って始まる場所)と作動的連結状態にある第1の移行領域を用意するステップを有する。しきい力を超える力が加えられると裂けが移行領域に沿って生じるにつれて荷重の漸増が生じる。幾つかの実施形態では、第1の移行領域のストラップの厚さは、ストラップの厚さよりも小さい第1の始点のところの第1の初期厚さから第1の初期厚さよりも大きい第1の終点のところの第1の終期厚さまで第1の移行領域の長さにわたって増大する。
別の観点では、本発明は、エネルギー吸収装置組立体であって、ストラップを有し、ストラップは、その長さの少なくとも一部分にわたって強度が比較的減少した少なくとも1つの経路を有し、当接要素を更に有し、当接要素は、所定のしきい値を超えるストラップに加えられた力がストラップを当接要素に押し付け、それにより全体として第1の経路に沿うストラップの変形を生じさせると共に当接要素に対するストラップの運動を生じさせるよう第1の経路に対して位置決めされている、エネルギー吸収装置組立体を提供する。
多くの実施形態では、ストラップは、強度が減少した2つの経路を有する。強度が減少した2つの経路の各々は、2つの経路相互間にストラップの内側区分を構成すると共に2つの経路の各々の側方外部にストラップの外側区分を構成するようストラップの少なくとも一部分にわたり全体として長手方向に延びるのが良い。内側区分は、第1の方向にその一部分にわたって変形するのが良い。内側区分の変形部分に隣接して位置する外側区分は、全体として第1の方向とは逆の第2の方向に変形するのが良く、その結果、内側区分と外側区分との間で全体として側方に通路が形成される。当接要素を所定のしきい値を超えるストラップに加えられる力により内側区分が全体として第1の方向に当接要素回りに変形し、外側区分が全体として第2の方向に当接要素回りに変形し、他方、ストラップが当接要素に対して動くように通路内に位置決めされるのが良い。
2つの経路のうちの少なくとも一方の少なくとも一部分は、ストラップの変形がストラップの引き裂きを必要とするよう形成されるのが良い。2つの経路の各々の少なくとも一部分は、ストラップの変形が2つの経路の各々に沿うストラップの引き裂きを必要とするよう形成されるのが良い。
2つの経路の各々は、例えば、ストラップに形成された連続溝を有するのが良い。溝は、ストラップの長手方向端から間隔を置いた点まで互いに全体として平行に延びるのが良い。
幾つかの実施形態では、ストラップは、ストラップが当接要素に対して動くにつれてほどけて変形するようコイル状に巻かれている。エネルギー吸収装置組立体は、当接要素が取り付けられた支持部材を更に有するのが良い。支持部材は、例えば、第1の側部材及び第2の側部材を有するのが良い。コイル状ストラップを第1の側部材と第2の側部材との間に位置決めするのが良い。当接要素は、例えば、当接要素の第1の端部のところで第1の側部材に連結されると共に当接要素の第2の端部のところで第2の側部材に連結されるのが良い。当接要素は、例えば、全体として円筒形の部材であるのが良い。第1の側部材は、当接要素の第1の端部を挿通させる第1の通路を有するのが良く、第2の側部材は、当接要素の第2の端部を挿通させる第2の通路を有するのが良い。
ストラップは、ストラップを第1の部材に取り付ける取り付け部材を有するのが良い。支持部材は、支持体を第2の部材に取り付ける取り付け部材を更に有するのが良い。
別の観点では、本発明は、上述したエネルギー吸収装置又はエネルギー吸収装置組立体を含む落下保護安全システムを提供する。
落下保護安全システムは、エネルギー吸収装置と作動的に連結状態にある水平ライフラインを更に有するのが良い。
本発明は又、本発明のエネルギー吸収装置、エネルギー吸収装置組立体又はエネルギー吸収装置システムを用いて落下保護を行う方法を提供する。
別の観点では、本発明は、支柱ポスト及び支柱ポストに可動的に連結されるコネクタを含むライフラインと関連して用いられる支柱又は支柱システムを提供する。コネクタは、ライフラインに連結される第1のコネクタ要素(例えば通路)及びアンカーに連結される第2のコネクタ要素(例えば第2の通路)を有する。コネクタは、例えば、少なくとも第1の長いスロットを更に有するのが良い。支柱システムは、第1の取り付け部材を更に有するのが良く、第1の取り付け部材は、コネクタが第1のスロットの長さに沿って第1の取り付け部材に対して摺動することができるよう第1のスロットを通過してコネクタを支柱ポストに連結する。
幾つかの実施形態では、コネクタは、少なくとも第2の長いスロットを有し、支柱システムは、第2の取り付け部材を更に有し、第2の取り付け部材は、コネクタが第2のスロットの長さに沿って第2の取り付け部材に対して摺動することができるよう第2のスロットを通過してコネクタを支柱ポストに連結している。第1のスロット及び第2のスロットは、例えば、全体として長手方向に延びるのが良い。
第1の取り付け要素は、コネクタの第1の端部の近くに位置決めされ、第2の取り付け要素は、コネクタの第2の端部の近くに位置決めされるのが良い。
第1のスロット、第2のスロット(設けられている場合)及び第1の取り付け要素は、例えば、コネクタの第1の全体的に平べったい区分に形成されるのが良い。幾つかの実施形態では、第2のコネクタ要素は、例えば、コネクタの第2の区分に形成されるのが良い。幾つかの実施形態では、コネクタの第2の区分は、コネクタの第1の区分と角度をなして形成される。
多くの実施形態では、第1のスロットと第2のスロットは、全体的に互いに平行である。第1のスロット及び第2のスロットは、全体として曲線状であっても良い。
支柱ポストは、例えば、コネクタの第1の区分が摺動可能に連結された全体として平らな上面を有する。
別の観点では、本発明は、水平ライフライン及び水平ライフラインに連結されている上述した少なくとも1つの支柱又は支柱システムを含む水平ライフラインシステムを提供する。
別の観点では、本発明は、支柱システムであって、支柱ポストと、第1の縁部及び第2の縁部を備えたフランジに取り付け可能な取り付けシステムとを有する支柱システムを提供する。取り付けシステムは、延在区分及びその第1の端部に設けられていて、フランジの第1の縁部に当接する当接部材を備えたクロスバーと、クロスバーの延在区分が挿通状態で動くことができる通路及び支柱ポストのための着座部を備えたベースと、第1の区分及び第2の区分を備えたコネクタとを有する。第2の区分は、複数の小刻みな位置のうちの1つの位置でクロスバーの延在区分に取り付け可能である。第1の区分は、クロスバーの当接部材に対する第1の区分の位置を調節するよう第2の区分に対して動くことができる。幾つかの実施形態では、第1の区分は、当接部材に対する第1の区分の位置を調節するためにフランジが位置決めされている側とは反対側のベースの側でベースに当接するよう第2の区分に対して動くことができる。
多くの実施形態では、コネクタは、コネクタが複数の小刻みな位置のうちの1つの位置まで延在区分上でこれに沿って摺動することができるよう延在区分を挿通させる内部通路を有する。
第1の区分又は第2の区分のうちのいずれか一方の少なくとも一部分は、例えば、第1の区分又は第2の区分のうちの他方の少なくとも一部分内に位置決めされるのが良い。
コネクタの第1の区分は、例えば、ねじ山を有するのが良く、第2の区分は、第2の区分に対する第1の区分の運動を可能にするよう協働するねじ山を有するのが良い。幾つかの実施形態では、第1の区分は、第2の区分の少なくとも一部分を収納した通路を有する。第2の区分は、例えば、クロスバーの延在区分を挿通させる内部通路を有するのが良い。
第1の区分のねじ山は、第1の区分の通路の少なくとも一部分の内面に形成されるのが良い。これと協働する第2の区分のねじ山は、第2の区分の全体として円筒形の区分の外面の少なくとも一部分に形成されるのが良い。
コネクタの第2の区分は、例えば、複数の位置のうちの1つの位置でクロスバーの延在区分との連結部を形成するインターロック及び/又は当接連結機構体又は取り付け部を有するのが良い。幾つかの実施形態では、第2の区分は、少なくとも1つの穴が設けられている端部材を有する。例えば、クロスバーの延在区分を貫通してその長さに沿って複数の互いに(小刻みに)間隔を置いた穴又は通路が設けられている。取り付けシステムは、端部材の少なくとも1つの穴及び第1の区分を複数の小刻みな位置のうちの1つの位置でクロスバーの延在区分に取り付けるよう端部材の少なくとも1つの穴と整列した延在区分の複数の互いに間隔を置いた穴のうちの1つの穴に通されるべき当接又はロック要素、例えばピンを更に有するのが良い。
取り付けシステムは、フランジの下面に接触してこれに当接する少なくとも第1のクランプ面と、第1のクランプ面によりフランジの下面に加えられる力を調節する調節機構体とを更に有するのが良い。調節機構体は、好ましくは、これがフランジの上面の上方に位置するよう位置決めされる。
ベースは、例えば、第1のクランプ面を有するのが良く、調節機構体は、ベースと作動的ねじ連結状態にある少なくとも第1のねじ山付き部材を有するのが良い。第1のねじ山付き部材は、フランジの上面に接触するようユーザによって作動されるようになっているのが良い。幾つかの実施形態では、調節機構体は、ベースと作動的ねじ連結状態にある少なくとも第2のねじ山付き部材を有する。第2のねじ山付き部材も又、フランジの上面に接触するようユーザにより作動されるようになっているのが良い。第1のねじ山付き部材は、例えば、クロスバーの一方の横側に位置決めされるのが良く、第2のねじ山付き部材は、クロスバーの他方の横側に位置決めされるのが良い。
クロスバーは、例えば、様々な厚さのフランジへの取り付けを可能にするよう少なくとも1つのフランジの上面に全体として垂直な方向に例えば動くことができる。
幾つかの実施形態では、ベースは、第1の側部材、第2の側部材、及び第1の側部材と第2の側部材との間に連結された横方向部材を有する。第1の側部材及び第2の側部材の各々は、例えば、フランジの第2の縁部に当接する着座部を有するのが良い。第1の側部材の着座部の表面は、フランジの下面に接触する第1のクランプ面を形成し、第2の側部材の着座部の表面は、フランジの下面に接触する第2のクランプ面を形成するのが良い。第1の側部材、第2の側部材及び横方向部材は又、支柱ポストを第1の側部材と第2の側部材との間に位置決めすると共にこれらに連結することができるよう支柱ポストのための着座部を形成するのが良い。クロスバーの延在区分が挿通状態で動くことができる通路は、ベースの横方向部材に形成されるのが良い。
別の観点では、本発明は、水平ライフライン及び上述した少なくとも1つの支柱システムを含む水平ライフラインシステムを提供する。
別の観点では、本発明は、第1の縁部及び第2の縁部を備えたフランジに取り付け可能な取り付けシステムを提供する。取り付けシステムは、延在区分及びその第1の端部に設けられていて、フランジの第1の縁部に当接する当接部材を備えたクロスバーと、第1の区分及び第2の区分を備えたコネクタとを有する。第2の区分は、複数の小刻みな位置のうちの1つの位置でクロスバーの延在区分に取り付け可能である。第1の区分は、クロスバーの当接部材に対する第1の区分の位置を調節するよう第2の区分に対して動くことができる。取り付けシステムは、例えば、クロスバーの延在区分が挿通状態で動くことができる通路を含むベースを更に有するのが良い。幾つかの実施形態では、第1の区分は、当接部材に対する第1の区分の位置(及びそれ故にベースに対する当接部材の位置)を調節するようフランジが設けられている側と反対側のベースの側でベースに当接するよう動くことができる。
コネクタの第1の区分は、例えば、ねじ山を有するのが良く、第2の区分は、第2の区分に対する第1の区分の運動を可能にするよう協働するねじ山を有するのが良い。第1の区分は、例えば、第2の区分の少なくとも一部分を収納した通路を有するのが良い。第2の区分は、例えば、クロスバーの延在区分を挿通させる内部通路を有するのが良い。
第2の区分は、少なくとも1つの穴が貫通して設けられた端部材を有するのが良い。クロスバーの延在区分は、その長さに沿って複数の小刻みに間隔を置いて設けられた穴又は通路を有するのが良い。取り付けシステムは、端部材の少なくとも1つの穴及び第1の区分を複数の小刻みな位置のうちの1つの位置でクロスバーの延在区分に取り付けるよう端部材の少なくとも1つの穴と整列した延在区分の複数の互いに間隔を置いた穴のうちの1つの穴に通されるべき当接又はロック要素、例えばピンを更に有するのが良い。
幾つかの実施形態では、ベースは、フランジと作動的連結状態に配置される要素を受け入れ又は着座させる着座部(例えば、支柱ポストのための着座部)を更に有する。
別の観点では、本発明は、水平ライフラインと、上述した支柱ポスト及び取り付けシステムを備えた少なくとも1つの支柱システムとを含む水平ライフラインシステムを提供する。
さらに別の観点では、本発明は、延在部材に取り付け可能なコネクタを提供し、コネクタは、第1の区分、第2の区分及び延在区分を挿通させる内部通路を有し、コネクタは、複数の小刻みな位置のうちの1つの位置まで延在区分上でこれに沿って摺動することができるようになっている。第2の区分は、複数の小刻みな位置のうちの1つの位置のところで延在区分に取り付け可能である。第1の区分は、第2の区分に対する第1の区分の当接面の位置を調節するよう第2の区分に対して動くことができる。
本発明の内容は、その属性及び付随する利点と共に、添付の図面と関連して行われる以下の詳細な説明を考慮すると最も良く理解されて明らかになろう。
裂けが開始される箇所又は点のところに急な移行部を含むエネルギー吸収装置の実施形態の斜視図であり、エネルギー吸収装置のストラップが伸長状態にある状態を示す図である。 図1Aのエネルギー吸収装置の急な移行部の拡大切除斜視図である。 図1Aのエネルギー吸収装置の側面図であり、ストラップがコイル状状態にある図1Aのエネルギー吸収装置を示す図である。 図1Aのエネルギー吸収装置の平面図であり、ストラップがコイル状状態にある図1Aのエネルギー吸収装置を示す図である。 使用済み(巻き出し裂け)状態にある図1Aのエネルギー吸収装置の側面図である。 図1Aのエネルギー吸収装置の変位の関数としての荷重のプロット図であり、裂けの開始時であって全体として一定の荷重レベルが達成される前の荷重の大きなスパイクを示す図である。 裂けが開始される箇所のところの漸変又は勾配付き移行部を含む本発明のエネルギー吸収装置の別の実施形態の斜視図である。 図3Aのエネルギー吸収装置の漸変又は勾配付き移行部の切除斜視図である。 ストラップがコイル状状態にある図3Aのエネルギー吸収装置の側面図である。 図3Aのエネルギー吸収装置に関する変位の関数としての荷重のプロット図であり、裂けの開始後であって全体として一定の荷重レベルが達成される前における荷重の漸増状態を示す図である。 比較的僅かな急な移行部に続き裂けが開始される箇所のところに漸変又は勾配付き移行部を含む本発明のエネルギー吸収装置の別の実施形態の平面図である。 図5Aの領域Bの拡大平面図である。 図5Aのエネルギー吸収装置の移行領域のA‐A線矢視拡大断面図である。 図5Aのエネルギー吸収装置のC‐C線矢視断面図である。 図5Dの領域Dの拡大断面図である。 コイル状状態にある図5Aのエネルギー吸収装置の側面図である。 図5Aのエネルギー吸収装置に関する変位の関数としての荷重のプロット図であり、荷重の初期の比較的急増に続き裂けの開始後であって全体として一定の荷重レベルが達成される前における荷重の漸増状態を示す図である。 移行領域が比較的強度の低い経路から間隔を置いて位置する本発明のエネルギー吸収装置の別の実施形態の移行領域の拡大断面図である。 移行領域の幅がその長さにわたって変化している本発明のエネルギー吸収装置の別の実施形態の一部分の平面図である。 本発明のエネルギー吸収装置の別の実施形態の一部分の平面図であり、強度が比較的低い経路が全体として等間隔を置いて位置する通路又は穴を有し、移行領域が通路又は穴を有し、移行領域の通路相互間の間隔が移行領域の長さにわたって変化している状態を示す図である。 本発明のエネルギー吸収装置の別の実施形態の一部分の平面図であり、強度が比較的低い経路が全体として等間隔を置いて位置した通路又は穴を有し、移行領域が移行領域の長さにわたってサイズ又は直径が変化している通路又は穴を有する状態を示す図である。 本発明のエネルギー吸収装置組立体の斜視図である。 図7のエネルギー吸収装置組立体のコンポーネントの組立て分解斜視図である。 図7のコイル状ストラップと関連して用いられるコネクタ又は支持構造体の変形実施形態を示す図である。 巻き出し状態(コイル巻き前の状態)にある図7のエネルギー吸収装置のコイル状ストラップコンポーネントの平面図である。 巻き出し状態(コイル巻きに先立つ状態)にある図7のエネルギー吸収装置のストラップコンポーネントの側面図である。 巻き出し状態(コイル巻き前の状態)にある図7のエネルギー吸収装置のコイル状ストラップコンポーネントの底面図である。 図9Cに記載されている断面A‐Aに沿って取ったストラップコンポーネントの断面図である。 巻き出し状態にある図7のエネルギー吸収装置組立体のストラップの平面側斜視図である。 巻き出し状態にあるストラップの斜視図である。 先ず最初に張力が加えられた場合の図1のエネルギー吸収装置組立体の側面図である。 張力を加え、コイル状ストラップを伸長させた後における図7のエネルギー吸収装置組立体の側面図である。 張力を加え、コイル状ストラップを伸長させた後における図7のエネルギー吸収装置組立体の斜視図である。 本発明のエネルギー吸収装置の別の実施形態を示す図である。 本発明のエネルギー吸収装置を有する水平ライフラインシステムを示す図である。 図16Aのシステムの支柱ポスト及び水平ライフラインと関連して用いられるコネクタの実施形態の斜視図である。 図16Aのシステムの支柱ポスト及び水平ライフラインと関連して用いられるコネクタの実施形態の斜視図である。 図16Bのコネクタの斜視図である。 図16Bのコネクタの別の斜視図である。 図17Aのコネクタを有する本発明の支柱の底面側斜視図であり、コネクタがピンとコッターピンの組立体により支柱ポストに取り付けられている状態を示す図である。 図17Aの支柱の平面側斜視図である。 図17Aのピン・コッターピン組立体の拡大図である。 Iビームに取り付けられた本発明の水平ライフラインシステムの別の実施形態の斜視図である。 コネクタ、支柱ポスト及び図19Aに示されているIビームに取り付け可能なベースを有する本発明の支柱の拡大斜視図である。 図19Aの支柱の別の斜視図である。 完全短縮状態にある図19Aの支柱システムのクロスバーコネクタの背面側拡大斜視図である。 完全拡張状態にあるクロスバーコネクタの背面側拡大斜視図である。 完全短縮状態にあるクロスバーコネクタの側面側拡大斜視図である。 完全拡張状態にあるクロスバーコネクタの側面側拡大斜視図である。 完全短縮状態にあるクロスバーコネクタの正面側拡大斜視図である。 完全拡張状態にあるクロスバーコネクタの正面側拡大斜視図である。 クロスバーコネクタの正面側拡大斜視図であり、コネクタの第1の区分がコネクタの第2の区分から切り離されている状態を示す図である。
本発明の幾つかの実施形態を本明細書において、落下保護システム、例えば水平ライフラインシステムへの本発明のエネルギー吸収装置の使用と関連して説明する。しかしながら、当業者であれば理解されるように、本発明のエネルギー吸収装置は、例えば機器の損傷を防ぐようこれを保護すると共に/或いは個人個人の外傷を防ぐよう個人個人を保護するのにエネルギー吸収が必要である多種多様なシステムに利用できる。
明細書及び特許請求の範囲に用いられている“a”、“an”及び“the”という単数形は、別段の明示の指定がなければ複数を含む。かくして、例えば、「(或る1つの)経路」という表現は(別段の明示の指定がなければ)複数の経路及び当業者に知られているこれらの均等物等を含み、「(既に述べた)経路」という表現は、1つ又は2つ以上のかかる経路及び当業者に知られているこれらの均等物等を意味している。
例えば「左」、「右」、「後方」、「前方」、「上方」、「下方」等のような用語は、本明細書においては、添付の図面に記載されたシステムの向きに対する本発明の装置及びシステムの要素の相対位置を説明するために用いられている。
本発明のエネルギー吸収装置は、例えば、水平ライフラインシステムにおけるケーブル(索)張力リミッタとして使用できる。使用にあたり、落下保護システム、例えば水平ライフラインシステムでは、本発明のエネルギー吸収装置の主要な機能は、エネルギーを散逸させると共に落下物捕捉中における物体に加えられる減速力を制限することにある。
幾つかの実施形態では、本発明のエネルギー吸収装置は、ストラップ(コイル状に巻かれているのが良い)を有し、このストラップは、ストラップの一区分が第1の方向に動くよう引っ張られると共にストラップの第2の区分が第2の方向に動くよう引っ張られている間に変形して引き裂かれ又はちぎれる。しかしながら、ストラップがエネルギーを吸収するために引き裂かれる現在利用可能なエネルギー吸収装置とは異なり、本発明のストラップは、引き裂けが開始される(使用中及びしきい力が加えられた後)領域に1つ又は2つ以上の移行領域を有し、かかる移行領域は、裂けの動的開始中(例えば、水平ライフラインシステムに取り付けられた個人の落下の際)に受ける荷重又は外力の制御を可能にする。
図1A〜図1Eは、ストラップ20(例えば、金属製のストラップ)を有するエネルギー吸収装置10を示している。一実施形態では、ストラップは、ステンレス鋼で作られ、長さが約30インチ(76.2cm)、幅が3インチ(7.62cm)、厚さが1インチの1/8(0.3175cm)である。ストラップ20は、第1の端20aと第2の端20bとの間に長さ方向に延びている。図示の実施形態では、ストラップ20は、長手方向且つ全体として互いに平行に延びる区分24a(以下、「延在区分」という場合がある)を含む全体としてU字形のスロット24を有している。スロット24は、ストラップ20を完全に貫通している。長手方向且つ全体として互いに平行に延びる延在区分24aの第1の端部のところでは、スロット24は、これら延在区分24a相互間の弧状経路を形成している。ストラップ20は、2つの溝又は切欠き26の形態をした強度が減少した2本の全体として互いに平行であり且つ長手方向に延びる経路又はラインを更に有し(なお、強度が減少したという表現は、即ち、経路又はライン上には位置していないストラップ20の部分と比較して強度が減少したということを意味する)、これら溝又は切欠きは、図示の実施形態では、ストラップ20の中間区分20cに沿ってストラップ20の上側に形成されている。溝26は、スロット24の延在区分24aと全体として一線をなす。図示の実施形態では、溝26並びに中間区分20cは、延在区分24aのラインの端部に対応した移行点28のところで始まり、ストラップ20の第2の端20bから間隔を置いた箇所又は点30まで延びる。図1Aの実施形態では、溝26は、一様な深さのものであり、例えば図1Bで理解されるようにストラップ20に材料の薄い区分32を後に残している。スロット24及び溝26は、ストラップ20を第1の区分34と第2の区分36に分割している。第1の区分34は、外側区分36を中間区分20cの長さにわたり外側ストリップ36aに区分している。例えばコネクタを受け入れる通路40が第1の区分34を貫通して延びている。同様に、スロット24の弧状区分内の全体として中央に位置決めされていて、第2のコネクタを受け入れる通路42が第2の区分36を貫通して延びている。
当該技術分野において知られているように、ストラップ20は、例えば、図1Cに示されている形態に変形可能である。図1Cのコイル状(コイル巻き)形態では、ストラップ20の第2の端部20b及びその中間部分20cの一部分は、中間部分の残部内で全体として螺旋状に巻かれ又はコイル状に巻かれている。第1の区分34及び第2の区分36の第1の端部は、これらが例えば全体として中間部分20cに垂直に且つ全体として互いに平行に延びるような仕方で中間部分20cから遠ざかって互いに逆方向に曲げられるのが良く、それによりそれぞれ、コネクタ区分34′,36′(スロット24によって構成される)が形成されている(これについては、例えば、図1C及び図1Dを参照されたい)。この場合、エネルギー吸収装置10を通路又は穴40,42を介して他の2つの部材相互間に直列に連結するのが良い。エネルギー吸収装置10をコイル状に巻いた結果として、嵩がコンパクトになると共にエネルギー吸収度が促進される。この点に関し、エネルギーは、溝26により構成された経路に沿うストラップ20の裂けとストラップ20の巻き出しの両方によって吸収される。使用済みの(巻き出されると共に引き裂かれた)ストラップ20が図1Eに示されている。
例えば図1Bに示されているように、図1A〜図1Eの実施形態では、スロット24の延在区分24aと溝26との間の移行点28のところには急な移行又は段階的変化が生じている。この点に関し、図1Bに示されているように、移行点28のところでは、ストラップ20の厚さは、0(スロット24がストラップ20を貫通している)から厚さT(溝26内のストラップ20の厚さ)まで段階的に変化している(段階的変化又は階段状変化)。ストラップ20がその作動/配備時に裂け始めるのは、移行点28のところである。図2に示されているように、移行点28のところでの急な移行又は段階的変化の結果として、裂け開始時に荷重の比較的大きなスパイクが生じる場合がある。図2を参照して検討中の実施形態では、裂けの動的開始中におけるピーク荷重又は約4,800ポンド(約2,177kg(なお、1ポンド=0.45359kg))が、OSHA及びANSI規格(2:1の安全率で5,000ポンド(約2,268kg)の力)を上回る。
例えば図2に示されている試験は、ティノス‐オルセン(Tinus-Olsen)30,000ポンド(13,607.7kg)能力の引張試験機を用いて実施された。この種の機器は、当業界で一般的に用いられており、かかる機器は、力と変位の関係、力と時間の関係及び他の種類の引張測定値を測定することができる。図2に記載されている形式の静的試験は、緩衝器(ショックアブソーバ)の動的性能を予測するのを助ける。上述したように、試験装置の標的力は、2:1の安全率がOSHA及びANSIの規定(即ち、2:1の安全率で5,000ポンドの力)によって定められるようにするためには2,500ポンドを下回るものであり、それにより、標準の5,000ポンド落下保護ハードウェアの使用が可能である。この力は又、好ましくは、落下中における水平ライフラインの撓みを制限するようできるだけ高く(即ち、2,500ポンドの限度の近く)保たれ、それにより、システムに必要な落下クリアランスが減少する。上述の2つの基準は、水平ライフラインシステム機器の性能に厳格な制限を与えている。
図3A〜図3Cは、本発明の別の実施形態としてのエネルギー吸収装置110を示している。多くの点において、エネルギー吸収装置110は、エネルギー吸収装置10と同一であり、同一のコンポーネントは、エネルギー吸収装置10の対応のコンポーネントの符号に100を加えて同様に示されている。ストラップ120の全体的寸法は、ストラップ20と同一であった。しかしながら、エネルギー吸収装置10とは異なり、移行点128のところに0から厚さT′まで厚さの急変は存在していない(中間区分120cの長さにわたり溝126内の厚さは全体として一定である)。これとは対照的に、0〜T′の厚さの変化は、移行始点128(先ず最初に、ゼロではない厚さが生じる)と移行終点128′(厚さが値T′に達する)との間で規定された(ゼロではない)距離又は移行領域にわたって生じる。図3A〜図3Cの実施形態では、例えば、箇所128,128a相互間の移行領域の厚さの移行は、全体として直線状の漸変的移行又は勾配である。図4の検討にあたり、荷重は、図3A〜図3Cの実施形態では、裂けの動的開始中、次第に増大することが分かる。図2で観察されたピーク荷重のスパイクは、なくなっている。
ストラップの厚さを移行領域にわたって増大させる仕方は、例えば工学原理及び標準材料試験技術を利用して容易に調節でき、それにより、例えばストラップの材質、スロットの寸法形状、溝の寸法形状等の要因に応じて裂けの動的開始中に所望の荷重挙動を生じさせることができる。例えば、移行領域の勾配角度を変化させることができる。一般に、急な勾配角度の結果として、裂け段階の動的開始中、変位に対する荷重のプロットにおいて傾斜又は勾配がきつくなる。移行領域における厚さの変化は、直線状である必要はない。かかる変化は、例えば、曲線状であっても良い。さらに、移行領域における厚さの変化は、滑らかな移行である必要はない。この点に関し、1つ又は2つ以上の段階的移行部(厚さが移行領域に沿う1つ又は2つ以上の箇所で全体として垂直な又は段階的な仕方で変化する)を利用することができる。
例えば、図5A〜図5Fは、本発明の別の実施形態としてのエネルギー吸収装置210を示している。多くの点において、エネルギー吸収装置210は、エネルギー吸収装置10と同一であり、同一のコンポーネントは、エネルギー吸収装置10の対応のコンポーネントの符号に200を加えて同様に示されている。しかしながら、エネルギー吸収装置110と同様(エネルギー吸収装置10とは異なり)、移行点228のところに0から厚さT′まで厚さの急変は存在していない(中間区分220cの長さにわたり溝226内の厚さは全体として一定である)。エネルギー吸収装置110のストラップ120とは異なり、ストラップ220は、移行点228のところに厚さの段階的変化を有する。この点に関し、移行始点228のところでは、厚さは、T″(図5Cを参照されたい)よりも少ない量Ttだけ段階的に変化している。移行領域では(即ち、始点228と終点228aとの間では)、図5A〜図5Fの実施形態において、厚さの変化は、TtからT″まで全体として直線状の勾配付き変化である。結果として得られた荷重と変位の関係を表わすグラフ図が、図5Gに記載されている。図5Gに示されているように、裂けの開始に対応した動的領域には、移行点228のところでの厚さの段階的移行に対応した結果として得られた曲線の初期の比較的急峻な傾斜又は勾配が存在する。移行点228(裂けが始まる)のところでの初期段階的変化又は急勾配変化は、例えば、裂けが小さすぎる力で始まるのを阻止するよう利用できる(即ち、裂けが始まる所定のしきい力を調節するために)。
かくして、幾つかの実施形態では、本発明は、移行領域を強度が比較的減少した経路と作動的連結関係をなして提供することにより従来のエネルギー吸収装置によって提供される場合よりも荷重の漸次増加をもたらすことができる。移行領域と強度が比較的減少した経路は、ストラップの裂けが移行領域で始まり、強度が比較的減少した経路に差し向けられると共に/或いはこれに沿って続くように移行領域が位置決めされると共に差し向けられているという点において互いに作動的に結合されている。一般に、移行領域は、強度の比較的減少した経路に向かって延び、移行領域の終わりは、強度が比較的減少した経路の付近で又はその始まりのところに位置決めされる。本発明の移行領域の設定された又は所定の設計により、予備引き裂きステップなしで、裂けの動的開始中に予測可能な且つ再現可能な荷重挙動をもたらす。次に、強度が比較的減少した経路の長さにわたり全体として一定の荷重を提供することができる。図3A〜図5Gの実施形態では、移行領域の厚さは、移行領域の長さにわたって増大する。上述したように、移行領域における厚さの変化は、直線状である必要はなく、或いは、連続した又は滑らかな移行によって行われる必要はない。
同様に、移行領域から第1の経路への移行は、直線状である必要はなく且つ/或いは連続である必要はない。例えば、図6Aは、図5A〜図5Fの実施形態に類似した実施形態を示している。図6Aの実施形態では、ストラップ220′は、移行始点227′のところに厚さの段階的変化を有する。この点に関し、移行始点227′のところでは、厚さは、移行領域の終わりのところの終点227a′の厚さTt″よりも少ない量Tt′だけ段階的に(図示の実施形態では0から段階的に)変化している。移行領域では、箇所227′,227a′相互間において、厚さは、TtからTt′まで直線状の勾配付きの仕方で変化している。図6Aの実施形態では、符号227b′で表わされていて、厚さT′を有するストラップ220′の短い長さ分又は中間部分だけ経路又は溝226′(ストラップ220の厚さT′よりも小さい厚さT″を有している)から間隔を置いて位置している。中間ストラップ部分227b′は、好ましくは、裂けが移行領域から溝226′までかかる中間ストラップ部分にわたって続き、ストラップ220′がかかるストラップの上述の長さにわたって(即ち、移行領域と溝226′との間で)裂けているときに過剰の荷重を受けないほどの小さな長さを有する。
ストラップ厚さ以外のストラップ変数又はこれに加えたストラップ変数を移行領域にわたって変化させることができる。例えば、図6Bは、移行領域227cを含むストラップ220cの一部分を示しており、かかる移行領域227cでは、移行領域227cは強度が比較的減少した経路226c(例えば、上述した溝)に繋がるまで溝又は通路の幅が全体的として直線的に(比例的に)減少している。
図6Cに示されている実施形態では、強度が比較的減少した経路は、ストラップ220dを貫通して延びる互いに間隔を置いた通路又は穴226dによって形成され、これら通路又は穴は、全体として同一サイズ又は直径のものであり、且つ全体として等間隔を置いて設けられている。移行領域227dでは、通路228d(これらは、通路226dと全体として同一サイズ又は直径のものである)は、移行領域227dの長さを通るにつれて増大する距離だけ間隔を置いて配置され、その結果、ストラップ220dが移行領域227dに沿って裂けているときに荷重の全体として漸増が得られる。
図6Eの実施形態と同様、図6Dに示されている実施形態において、強度が比較的減少した経路がストラップ220eを貫通して延びる互いに間隔を置いた通路又は穴226eによって形成され、これら通路又は穴は、全体として同一サイズ又は直径のものであり且つ全体として等間隔を置いて配置されている。移行領域227eでは、通路228eは、通路226eと整列状態で全体として直線に沿って位置決めされている。通路228eは、移行領域227eの長さにわたりサイズが次第に減少しており、これら通路は、移行領域227dの長さにわたり増大する距離だけ互いに間隔を置いて位置しており、その結果、ストラップ220eが移行領域227eに沿って裂けているときに荷重が全体として漸増する。
他の幾つかの実施形態では、本発明のエネルギー吸収装置は、引張力の結果として静止要素(例えば、静止支持構造体に連結されている要素)、例えばロッドを横切って引っ張られている間に変形し又は引き裂かれるストラップ(これは、コイル状であるのが良い)を有する。材料のストリップ又はストラップが引き裂かれ又は分割される現在入手できるエネルギー吸収装置と比較して、本発明のかかるエネルギー吸収装置の利点としては、配備又は伸長後におけるコンパクトさ、単純さ及び引張荷重の安定性が挙げられるが、これらには限定されない。
例えば、本発明のエネルギー吸収装置組立体又はシステムの別の実施形態が図7〜図14に示されている。図7に示されているエネルギー吸収装置組立体310は、例えば、水平ライフラインケーブル(図16A参照)と直列に取り付けられるのが良い。ケーブルの張力は、図7に矢印及び単語「力」によって示された場所及び方向においてエネルギー吸収装置組立体310に加えられる。落下に起因して生じたエネルギーは、エネルギー吸収装置組立体310のコンポーネントであるストラップの伸長、変形及び裂けによって吸収される。ストラップ320の全体的寸法は、例えば、ストラップ20,120,220の全体的寸法と同一又はほぼ同一であるのが良い。
エネルギー吸収装置組立体310の図8Aに示されているコンポーネントの全ては、例えば、金属、例えばステンレス鋼で作られるのが良い。図示の実施形態では、エネルギー吸収装置組立体310は、フレームの形態をしたコネクタ又は支持部材340を有し、この支持部材は、側部材342に形成されていて、当接要素350を受け入れてこれを保持する嵌合穴又は通路344を有し、当接要素350は、例えば、組み立て中、これら穴又は通路を通って摺動可能である。当接要素350を支持部材340と関連して保持するための保持要素352,354が当接要素350の各端部のところで半径方向外方に延びている。コイル状ストラップ320は、支持体340の側部342相互間に設けられ、このコイル状ストラップは、当接要素350とコイル状ストラップ320の協働によって支持部材340内に保持されている。この点に関し、組み立ての際、当接要素350は、コイル状ストラップ320に設けられている予備成形隙間323を貫通して上述したように保持要素352,354によってこの中に固定されている。
コネクタ又は支持部材340は、延在フランジ348に形成されている通路又は穴348の形態をしたコネクタ要素を有する。図示の実施形態では、フランジ358は、側部材342相互間に延びる横部材(クロスメンバ)345から延びている。さらに、ストラップ320は、その第1の端部に形成された通路又は穴322の形態をしているコネクタを有する。コネクタ又は取り付け穴322,346により、例えば、水平ライフラインシステムのライフラインケーブルをエネルギー吸収装置組立体310に直列に取り付けることができる。
図8Bは、取り付け要素350a(例えば、第1の端部にヘッド部材352aを有すると共に第2の端部にねじ山356aを有するボルト)を取り外し可能に取り付けることができる(例えばナット354aを介して)U字形部材の形態をしたコネクタ又は支持部材340aの変形実施形態を示している。ボルト又は当接部材350aを当接要素350について説明したように隙間323中に挿入することができる。
図9A〜図10は、エネルギー吸収装置組立体310内への組み込みのためにコイル状に巻かれる前におけるストラップ320を伸長状態で示している。図示の実施形態では、ストラップは、長手方向に且つ互いに全体として平行に延びる2つのスロット324を有している。スロット324は、コイル状ストラップ320を完全に貫通して延びている。
ストラップ320は、2つの溝326の形態をした2つの全体として互いに平行であり長手方向に延びる強度が減少した(即ち、経路又はライン上におけるストラップ320の部分と比較して強度が減少した)経路又はラインを更に有し、溝326は、図示の実施形態では、スロット324と一線をなしてストラップ320の上側に形成されている。溝326は、スロット324の端部に対応した箇所328で始まり、コイル状ストラップ320の第2の端部から間隔を置いて位置した箇所330まで延びている。1つ又は2つ以上の移行領域を図3A〜図6Dの実施形態と関連して説明したように設けるのが良い。図7〜図14の実施形態では、溝326は、一様深さのものであり、それにより、後には、例えば図9Dの断面図で理解されるようにストラップ320に材料の薄い区分又はウェブ332が残されている。スロット324及び溝326は、ストラップ320を内側区分334と外側区分336に分割している。
図11は、コイル状に巻かれた後のストラップ320を示している。コイル状の構造により、エネルギー吸収装置組立体310全体の占有する空間を比較的少なくすることができる一方で、実質的なエネルギー吸収能力が提供される。内側区分320aと外側区分320bは、スロット324の付近で、隙間323を形成するようストラップ320の平面から互いに逆方向に曲げられている。この点に関し、図10及び図11の向きでは、スロット324相互間のコイル状ストラップ320の中央区分334の一部分は、上方に変形され、スロット324から側方外方に延びるコイル状ストラップ320の側区分336は、上述したように当接要素350の挿入を可能にするようこれら区分相互間に隙間又は通路323を形成するのに十分な距離にわたり下方に変形される。スロット324は、例えば、隙間323を形成する作業によっては薄いウェブ332が裂けることがなく又は剪断することがないのに十分な距離のものである。
図12は、十分な張力が加えられて変形/裂けを生じさせる前のエネルギー吸収装置組立体310を隠れ線で表わしたその側面図である。例えば、エネルギー吸収装置組立体310を組み込んだ水平ライフラインシステムに繋がれている作業者が万一落下した場合、力がエネルギー吸収装置組立体310に伝達され(取り付け穴322,346を介して)、それにより張力が増大する。加えられた張力が所定のしきい値に等しく又はこれよりも大きい場合、薄いウェブ332(溝326で構成されている)が裂け、スロット324がストラップ320の第2の端部に向かって長手方向に拡張して内側区分334と外側区分336との間に割れ目又は隙間338を形成する。コイル状ストラップ320は、それと同時に、伸長し又は巻き出始める。というのは、その第1の端部が当接要素350に対して動き、当接要素350が固定状態の支持部材340によって固定されると共に支持されているからである。ストラップ320の巻き出し、ウェブ332の裂け並びに内側区分334及び外側区分336の関連の変形は、落下と関連したエネルギーを吸収する。落下保護技術において知られているように、落下と関連したエネルギーの吸収により、作業者に対する人身傷害の恐れが減少すると共にライフラインシステムの他のコンポーネントの損傷の恐れが減少する。
図13及び図14は、加えられた張力が溝326のほぼ全長にわたって当接要素350を越えてストラップ320を引っ張った後のエネルギー吸収装置組立体310を示している。しきい値を上回る力が加えられている間、割れ目338は引き続き開き、ついには、これが溝326の端に達する。拡張により、中央区分334と側区分336は、互いに分離して溝326の長さ全体にわたって変形する。支持体340に対するコイル状ストラップ320の伸長、それと同時に生じるウェブ332の裂け並びに中央区分334及び外側区分336の変形は、溝326によって構成された強度が比較的減少した経路又はラインの端に達すると終わる。いったん完全に伸長すると、コイル状ストラップ320は、使用済みとなり、これを再使用することができない。或る特定の状況では、保持要素352,354を除去し、当接要素350を除去し、そして新たなコイル状ストラップ320を挿入することによりエネルギー吸収装置組立体310の残部を再使用することが可能な場合がある。
図15は、本発明の別の実施形態としてのエネルギー吸収装置410を示している。エネルギー吸収装置310と同様、エネルギー吸収装置410は、例えば溝426の形態をした強度が比較的小さい少なくとも1本のライン又は経路を備えたストラップ410を有している。エネルギー吸収装置410は、例えばロッド450の形態をした当接部材を更に有し、ロッド450は、支持体/固定具に固定され、連結され又は固着できる(直接的に又は間接的に)。しきい値を上回る力がストラップ20に加えられたとき、当接部材450が経路426と協働して経路426に沿ってストラップを引き裂くと共に/或いは変形させる。この点に関し、ストラップ320と同様、コネクタの取り付けを可能にするためにストラップ420には通路又は穴422が貫通して設けられている。2本以上の経路426及び2つ以上のこれと協働する当接部材450を設けるのが良い。図示の実施形態では、当接部材450は、経路426に隣接すると共にこれと一線をなすスロット424と作動的連結関係をなした通路又は穴423を貫通して延びている。当接部材450は、ストラップ420が当接部材450と作動的連結状態のままであるようにするために幅又は直径が穴423よりも大きい端部材452を有している。
当業者であれば、例えば材料、材料寸法及び強度が比較的減少した1本又は2本以上の経路又はラインの特性の選択によって本発明のストラップの裂け及び/又は変形(裂けの初期段階とその後の両方)を生じさせるのに必要な力の大きさを容易に調節することができる。強度が比較的減少した経路又はラインは、幾通りかの形態を取ることができる。例えば、溝を上述したように形成しても良い。溝の深さは、しきい力を調節するのに利用できる。同様に、スロットから溝までの移行のプロフィールは、動的裂け初期段階中、所望の荷重挙動を提供するよう上述したように調節できる。図7〜図15の実施形態では、強度が比較的減少した経路又はラインは、ストラップの長さの任意の部分又はその全長にわたりストラップを完全に貫通して延びるスロットとして形成できる。
さらに、強度が比較的減少した経路若しくはライン又はその任意の部分を連続した経路、溝又はスロットによって構成する必要はなく、不連続部、例えば互いに間隔を置いた溝、スロット、穴等で構成しても良い。さらに、本発明の強度が減少した1本又は2本以上の経路又はラインは、曲線状であっても良い。強度が減少した2本以上の経路又はラインが設けられる場合、これらラインは、互いに平行である必要はなく、ストラップの長さの任意の部分又はその全長にわたり直線状又は曲線状に先細になると共に/或いは末広がりになっていても良い。本発明の観点において当業者には明らかなように、ストラップの長さにわたり制御された仕方で力のしきい値を調節すると共に/或いは荷重値を調節する方法は多数存在する。ストラップの第2の端部は、ストラップの端部に達する前に裂け及び/又は変形が終わるようにするのを助けるために補強されるのが良い(例えば、ストラップの材料の厚さを厚くすることにより又は材料の別の部品をストラップに取り付けることにより)。
上述したように、本発明のエネルギー吸収装置を水平ライフラインシステムと関連して用いることができる。図16Aは、エネルギー吸収装置10を有する本発明の一実施形態としての水平ライフラインシステム500を示している。水平ライフラインシステムは、全体として垂直に延びる鉄筋部材610を含むコンクリート製ビーム(梁)600と作動的連結状態で示されている。図示の実施形態では、水平ライフラインシステム500は、支柱ベース530を介して鉄筋部材610に作動的に連結された3つの支柱又は支柱システム510を有している。この点に関し、各ベース530は、例えばボルト(図示せず)により鉄筋部材610に取り付けられたコネクタ532を有する。各ベースは、支柱ポスト540を取り外し可能に嵌め込むことができる(例えば、図16Aには示されていないボルトとこれらと協働するナットにより)支柱ポスト着座部536を更に有している。
例えば図16Bに示されているように、支柱ポスト540は、コネクタ550が取り付け可能な(支柱ポスト540の一端部のところで)上側部材又はプレート542を有している。コネクタ550の一区分554には長手方向に延びるスロット552が形成されている。コネクタ550は、コネクタ550を上側部材542に摺動可能に取り付けるよう部材540に設けられた穴又は通路544と協働する取り付け部材556(例えば、ボルト又はピン)及びこれらと協働する取り付け部材558(例えば、ナット又はコッターピン)を更に有している。ボルト556とナット558は、コネクタ550が図16Cに示された矢印の方向に動き、摺動し又は浮動することができるよう互いに連結されている。この点に関し、図示の実施形態では、コネクタ550の比較的平らな又は全体として平らな第1の区分554が、上側部材542の上方の比較的平らな表面上でこれに沿って摺動する。ボルト556がコネクタ550を上側部材542と作動的連結状態に保持している間、長いスロット552によりコネクタ550がボルト556及び上側部材540に対して摺動することができる。
図16Bは、図16Aから取った右側の端支柱ポスト540の上端部を拡大斜視図で示している。コネクタ550は、第1の端部がコネクタ570を介して水平ライフライン520に取り付けられており、かかるコネクタとしては、例えば、コネクタ550の第1の区分554に形成された例えば穴又は通路560の形態をした第1の取り付け要素を貫通して延びるボルト572が挙げられる。コネクタ550は、第2の端部がアンカー部材590を介して端アンカー580(これは、例えば支柱ベース630に関して説明したように鉄筋部材610に固定されている)に連結されている。図示の実施形態では、アンカー部材590は、その第1の端部に設けられていて、アンカーベース部材580をアンカー部材に形成された穴又は通路582に固定するコネクタ592を有している。アンカー部材590の第2の端部には、全体としてJ字形のコネクタ594(例えば、全体として円筒形の鋼棒を曲げることによって形成されている)が取り付けられている。コネクタ592は、例えば、中間鋼ケーブル又はリンクチェーンによりコネクタ594に取り付けられるのが良い。アンカー部材590のコネクタ594は、コネクタ550の第2の区分564に形成された通路又は着座部562(例えば図17A及び図17Bを参照されたい)の形態をした第2の取り付け要素に嵌め込まれる。第2の区分564が第1の区分552に対して角度をなして形成されており、この角度は、例えば、アンカー部材590がコネクタ550からアンカーベース部材580まで延びる角度にほぼ等しいのが良い。着座部562は、コネクタ594の連結を容易にするよう第2の区分564に形成された比較的大径の通路566を有する。通路566は、コネクタ594が固定的に嵌め込まれたスロット568と作動的連結状態にある。
コネクタ550がポスト540に対して動き、浮動し又は摺動することができるので、水平ライフライン520に加えられた力は、固定ライン590を介してアンカーベース部材580に容易に伝達される一方で、端支柱540に伝達される力が制限される。支柱540に伝達される力がコネクタ550によって制限されること及びエネルギーがエネルギー吸収装置10によって吸収されることは、比較的大きな力が水平ライフライン520に伝達される場合のある取り付け状態のユーザによる落下中、支柱540の損傷又は破損を阻止するのを助ける。
図16Aの左側端支柱ポスト540の場合、コネクタ570a(例えばコネクタ570と同一である)をコネクタ550の第1の取り付け要素560と協働して用いて第2のコネクタ550がエネルギー吸収装置10に取り付けられている(例えば、第1の区分34に設けられた通路40を経て)。コネクタ550は、その反対側の端部が上述したように端アンカー580に連結されている。水平ライフライン520は、コネクタ570bによりエネルギー吸収装置10に取り付けられている(例えば、エネルギー吸収装置10の第2の区分36の通路42を経て)。上述したように、エネルギー吸収装置又は緩衝器10は、水平ライフライン520に作動的に繋がれた(例えば、ユーザの着用しているセーフティーハーネスに連結されたライフラインを介して)ユーザの落下の場合に水平ライフライン520に伝達されたエネルギーを吸収する。
当業者には明らかなように、種々の連結又は取り付け機構体及びアンカー機構体をコネクタ550と併用できる。この点に関し、図18A〜図18Cは、本発明の支柱又は支柱システム510′を含む本発明の別の実施形態としての水平ライフラインシステム500′の一部を示している。支柱システム510′では、コネクタ550は、ピン556′により上側部材542又は支柱ポスト540に取り付けられ、ピン556′は、コネクタ550のスロット552及び上側部材542の穴544(図18A及び図18Bには示されていない)を貫通して延びている。ピン556′は、ピン556′をコネクタ550及び上側部材542と連結状態に保持するためにリテーナ、例えばコッターピン558′と協働する通路557′を有している。上述したようにコネクタ550と上側部材542との間の確実な摺動結合関係を形成するのを助けるようワッシャ559′も又設けるのが良い。
図18A〜図18Cの実施形態では、水平ライフライン520は、カラビナ570′を介してコネクタ550の通路560に連結されている。さらに、アンカー部材590′は、連結又はリンクつきチェーンである。チェーン590′は、第2の区分564の着座部562内に嵌め込まれている。第2の区分564に形成された比較的大径の通路566により、チェーン590′の連結が容易になる。図18A及び図18Bに示されているように、通路又はスロット566は、チェーン590′のリンクを確実に着座させるよう寸法決めされている(例えば、チェーン590′のチェーンリンクの直径よりも僅かに大きい)。
本発明の支柱システム及び関連のコネクタ並びにエネルギー吸収体を種々の作業環境で使用することができる。図19A〜図19Cは、例えば、Iビーム700の上側フランジ710と作動的連結状態にある本発明の別の実施形態としての水平ライフラインシステム500aを示している。水平ライフラインシステム500aは、水平ライフライン520aを支持した支柱システム510aを有している。図19Aの左側端支柱システム510aは、コネクタ550及び上述したようにその上側部材542と作動的連結状態にある協働する端アンカー部材590を有するよう示されている。エネルギー吸収装置10、コネクタ550及び水平ライフライン520は、図16Aと関連して上述したように左側端支柱システム510aと直立に連結されている。しかしながら、水平ライフラインシステム500aの実施形態では、コネクタ550及びアンカー部材590は、端支柱システム510aから省かれても良い。例えば、図19Aの右側端支柱システム510aの場合に示されているように、水平ライフライン520a(又はエネルギー吸収装置10)をこれに形成されている通路又は穴544のうちの1つを介して上側部材542に直接連結されても良い。
各支柱システム510aは、Iビーム700のフランジ710に取り付けられるよう作動可能なベース810aを有している。ベース810aの種々の要素の作用は、例えば、本願と同日に出願された係属中の米国特許出願第12/366,649号明細書に記載されており、この米国特許出願を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。
図19A〜図19Cに示された実施形態では、支柱システム510aは、支柱システム510aを支持体、例えばフランジつき支持体(例えば、フランジつきビーム、例えばIビーム700)に取り付ける取り付けシステム810及び取り付けシステム810に取り外し可能に取り付け可能な上述した延在支柱ポスト540を有している。取り付けシステム810は、少なくとも1つのクランプ機構体又はクランプ部材820、ベース又は本体840、横棒又はクロスバー890及び横棒コネクタ900を有している。取り付けシステム810は、支柱ポスト540及び/又は別の要素を取り付けシステム810に連結する(例えば、取り外し可能に連結する)ポスト取り付け具又は着座部を更に有する。
取り付けシステム810は、支持体の上方で作業しているユーザが取り付けシステム810を支持体(例えばIビーム700)に確実に連結又は取り付けることができるようにする機構体を有する。かくして、ユーザは、取り付けシステム810の下に又は取り付けシステム810がかかる連結を確実にするよう連結される支持体の任意の部分に到達する必要はない。図19A〜図19Cに示された実施形態では、クランプ部材は、取り付けシステム810が連結されたIビーム700の上側フランジ710に対して昇降させることができるねじ山付きボルト820を含む。図19Aに示されているように、ねじ山付きボルト820は、フランジ710の上面に当接してこれに力を加えるようフランジ710の上面に締め付けられる。図示の実施形態では、クランプ部材820は、ベース840に取り付けられ(例えばこれに溶接され)又はこれと一体に形成されている支持体又はクランプ部材若しくはバー830に形成されているねじ山付き穴を通っている。クランプバー830は、ベース840の側部材844の位置を側方に越えて延びている。ベース840の側部材844(これらは、横方向後部材846によって連結されている)は、フランジ710の後方端部又は縁部が嵌め込まれている全体としてC字形の着座部845(側部材844の着座部845の後面又は後方面847に当てて)を有する。ねじ山付きボルト820は、力をフランジ710の上面に加えるようクランプバー830に対して調節され、それにより、フランジ710は、側部材844の各々の上方に向いたクランプ面849に押し付けられ又はクランプされる。一実施形態では、側部材844及び横方向部材846並びにこれらのコンポーネントを含むベース840は、単一金属片(例えば、ステンレス鋼)から形成されている(一体に形成されている)。
クロスバー890は、横方向部材846に形成された通路848を通って摺動可能に動くことができる。図19Aに示されているように、クロスバー890は、例えばクロスバー890の延在区分894の第1の端部又は前方端部に設けられている全体としてフック状の当接又はクランプ部材892を介してIビーム700の上側フランジ710の第1の縁部又は前方縁部に当接する。当接部材892は、フランジ710の第1の縁部に当接してこれに力を加えることができ、それによりフランジ710の第2の縁部又は後方縁部をベース840の側部材844の表面847に固定して支柱システム510aをIビーム700に確実に取り付けるのを助ける。
かくして、クロスバー890は、上側フランジ710の上面に全体として平行な方向に通路848bを通って動くことができ又は摺動することができ、従って、例えば、当接部材892の位置を容易に調節してフランジ710の第1の縁部又は前方縁部にこれを当接させることができるようになっている。通路848は又、全体として垂直な方向に延びても良く、その結果、クロスバー890も又、例えば様々な厚さのフランジへの取り付けを確実にするようフランジ710の上面に全体として垂直な方向で通路848中を動くことができるようになっている。
延在区分894は、フランジ710の上面を通り過ぎて通路848を通り、それにより、コネクタ900及びベース840に対する当接部材892の位置を調節することができるコネクタ900との連結部を形成する。例えば図20A〜図23に示されているように、コネクタ900は、第1の部材又は第1の区分910及び第2の部材又は第2の区分930を有している。例えば図23に示されているように、第1の区分910と第2の区分930は、第1の区分910の全体として円筒形の区分912の全体として円筒形の通路916(例えば図23を参照されたい)の少なくとも一部分の周りに形成されたねじ山914及びこれと協働するよう第2の区分930の全体として円筒形上に延びる区分938に形成されているねじ山934を介して互いに連結される。延在区分894を挿通させることができる全体として同心の筒体として第1の区分910の少なくとも一部分及び第2の区分930の一部分を形成することにより、コンパクトさ、延在区分894上へのコネクタ900の位置決めの際の効率及び以下に説明するように確実な連結部を形成するよう第2の区分930の端部材946と第1の区分910の前方面又は当接面920との相対運動を提供する際の効率が得られる。第2の区分930が図示の実施形態では第1の区分910の一部分内に螺合するよう図示されているが、当業者であれば理解されるように、第1及び第2の区分は、第1/前方区分が第2/後方区分の一部分内に螺合するよう寸法決めされると共に設計されても良い。
支柱システム510aの据え付けの際、コネクタ900をクロスバー890の延在区分894上でこれに沿って摺動させて延在区分894が第1の区分910の通路916及び第2の区分930(少なくとも部分的に通路916内に位置決めされている)の区分938を貫通して形成された通路942(例えば図22Aを参照されたい)を貫通するようになっている。第1の区分930は、延在区分894上の所望の小刻みな位置でコネクタに取り付けられる連結又は取り付け機構体を有する。図示の実施形態では、延在区分894は、通路942の一部であり又はこれと連通結合状態にあり、第2の区分930の端部材946に形成されている通路950(例えば図20A及び図20Bを参照されたい)を経て第2の区分930から出ている。端部材946は、通路950の各側に形成された穴又は通路954a,954bを有している。ロック部材、例えばリングピン970を穴954a,954bのうちの一方を通って摺動させて、これが延在部材894の長さに沿って形成された穴又は通路893のうちの一方を通過し、次に穴954a,954bのうちの他方を通過し、それによりコネクタ800を延在区分994に連結することができる。穴898のうちの一方の選択は、当接部材892の位置の小刻みな調節を可能にする。ピン970は、例えば、ピン970が端部材946及び延在バー894との連結状態から偶発的に外れないようにするよう当該技術分野において知られているばね押し当接要素974を含むのが良い。端部材946は、例えば取り付け要素、例えば穴又は通路958を有するのが良く、ピン970は、この穴又は通路958を通り、テザー960(図19Aを参照されたい)を介して端部材946に取り付け可能であり、その結果、ピン970は、上述したように穴954a,954b内に容易に挿入できるようになっている。
コネクタ技術において知られているように第2の区分930と延在区分894との間の例えば当接又はインターロック連結部の他形式が第2の区分930を延在区分894上の複数の位置のうちの1つのところに位置決めするよう構成可能である。端部材946を延在区分894に対して複数の位置のうちの1つにいったん固定すると、第1の区分910は、第2の区分930に対して動くことができ(ねじ山914及びこれと協働するねじ山934を介して)第1の区分910の前方面又は当接面920の位置を調節し、その結果、第1の区分がベース840の横方向部材846にしっかりと当接するようになる。第1の区分910は、支柱システム510aの据え付け業者によってその回転を容易にするよう延在フランジ924を有するのが良い。第1の区分910の位置を第2の区分930に対して(及び当接部材892に対して)調節できるようにすることにより、クロスバー890の当接部材892の位置及びこれによりフランジ710の第1の縁部に加わる力の微調整又は調節が可能になる。
コネクタ900の第1の区分910により提供される微調整により、多くの現在入手できる支柱システムにより可能な確実な連結具合よりもフランジつき支持体又はアンカーに対する取り付けシステム810及び支柱システム510aのより確実な連結が可能である。第2の区分930に対する第1の区分910の動きにより、ピン970、第2の区分930及び延在区分894の穴898の協働により可能な小刻みに間隔を置いた位置決め相互間の位置に対する、例えば当接面847に対する当接部材892の位置の調整が可能である。図示の実施形態では、ねじ山914,934の協働により、穴893により提供される小刻みな位置相互間の任意の位置への連続位置調整が可能である。
多くの現在入手できる支柱システムは、クロスバー部材を有し、このクロスバー部材は、ねじ山付きコネクタをその後部に螺着させて前進させ、それによりクロスバーを定位置にロックすることができるようねじ山が設けられている。本発明のコネクタ900により、ねじ山付きコネクタの連続調節が可能であるが、従来のねじ山付きコネクタとは異なり、非常に厄介であり且つ時間のかかる場合のある据え付けの開始時においてコネクタ900をクロスバー部材に螺着させる必要はない。さらに、コネクタ900を支柱システムの固定のために前進可能にクロスバーの全長にわたって回転/螺進させる必要はない。クロスバーは、例えば、長さが最大36インチ(91.44cm)であるのが良く、かかるクロスバーは、現在入手できるねじ山付きコネクタを所望の位置に螺進させるのに或る程度の時間を要する場合がある。
コネクタ900は、クロスバー890への容易且つ迅速な初期据え付けを可能にする。コネクタ900をクロスバー890の延在区分894の端部上にいったん滑らせて嵌めると、コネクタ900を延在区分894上の所望の小刻みな位置まで迅速に摺動させることができ(回転/螺進なしに)、ついには、比較的ぴったりとした嵌まり具合が得られるようになる。次に、ユーザは、ピン970をそれぞれ整列又は位置合わせ状態にある穴898内に迅速に落とし込み、第1の区分910のみを例えば数回転回して横方向部材846との確実な当接を行うようにすることができる。さらに、コネクタ900の第1の区分910が万一偶発的に回転して横方向部材846との当接状態から外れた場合であっても、第2の区分930のロック位置は、例えばピン970と穴954a,954b,898との協働により得られる当接又はインターロック連結状態によりコネクタ900を横方向部材846との比較的密接した連結状態に保つ。
支柱ポスト540は、例えば、支柱システム810を上述したようにいったんビーム700に固定すると、互いに間隔を置いた側部材844及び横方向部材846により形成される全体としてU字形の支柱ポスト着座部に取り付け可能である。例えば図19A〜図19Cに示されているように、ボルト539を側部材844に設けられている通路841に通し、そして支柱540に設けられている整列状態の通路541に通してこれらボルトがナット539aと協働して支柱540をベース810に取り外し可能に連結することができるようになっている。
上述の説明及び添付の図面は、現時点における本発明の好ましい実施形態を記載している。当然のことながら、本発明の範囲から逸脱することなく、上述の教示に照らして種々の改造例、追加例及び変形設計例が当業者には明らかであろう。本発明の範囲は、上述の説明ではなく特許請求の範囲の記載に基づいて定められる。特許請求の範囲の文言上の意味及びその均等範囲に含まれるあらゆる変更及び変形は、本発明の範囲に含まれるものである。

Claims (15)

  1. エネルギー吸収装置(110,210,310,410)であって、
    ストラップを有し、前記ストラップ(120,220,220’)は、前記ストラップの長さの限られた部分にわたって延びる強度が、ストラップの他の部分より減少した少なくとも第1の経路(126,226,226’,326,426)を有し、
    裂けることができる少なくとも第1の移行領域を有し、前記第1の移行領域は、しきい力を超える力が加えられると裂けが前記第1の移行領域に沿って始まる第1の始点(128,228,228’,328)及び第1の終点(128a)を有し、前記第1の終点は、前記第1の移行領域に沿う裂け後に裂けが前記第1の経路に沿って引き続き生じるよう前記第1の経路上の第1の点(128a,228a,228’a,328)と作動的連結状態にあり、裂けが前記移行領域に沿って生じるにつれて荷重の漸増が生じ、
    前記第1の移行領域の前記ストラップの厚さは、前記第1の始点のところの第1の初期厚さ及び前記第1の終点のところの第1の終期厚さを有し、前記第1の初期厚さはゼロであり、
    前記第1の移行領域における前記ストラップの厚さは、前記第1の初期厚さから前記第1の経路上の前記第1の点における前記ストラップの厚さに等しい前記第1の終期厚さまで増大し、前記第1の経路は第1の溝(126,226,226’,326,426)であり、前記第1の移行領域の前記第1の終期厚さは前記第1の溝での前記第1の点における前記ストラップの溝の厚さに等し
    前記第1の移行領域は、ゼロから第1の端部での厚さまで、厚さの段階的変化部を有する、
    エネルギー吸収装置。
  2. 前記ストラップは、第1の端部(120a,220a)、第2の端部(120b,220b)、及び前記第1の端部と前記第2の端部との間に位置する中間区分(120c,220c)を有する金属ストラップであり、前記ストラップは、前記ストラップの前記第1の端部を貫通して延び、前記第1の端部を第1のコネクタ区分と第2のコネクタ区分に分離する全体としてU字形のスロット(124,224)を有し、前記第1のコネクタ区分(134,234)と前記第2のコネクタ区分(136,236)は、互いに遠ざかる別々の方向に延びるよう変形し、第1のコネクタ通路(142,242)が前記第1のコネクタ区分に形成され、第2のコネクタ通路(140,240)が前記第2の区分に形成され、前記第1の移行領域は、前記スロットの第1の端部の付近から前記第1の経路上の前記第1の点の付近まで延び、第2の移行領域が前記スロットの第2の端部(124a,224a)の付近から強度が比較的減少した第2の経路(126,226)上の第1の点の付近まで延び、前記第2の移行領域に沿う裂け後に裂けが前記第2の経路に沿って引き続き生じ、前記ストラップの厚さは、前記第2の移行領域の第2の始点(128,228)のところの第2の初期厚さから前記第2の移行領域の前記第2の初期厚さよりも大きい前記第2の移行領域の第2の終点(128a,228a)のところの第2の終期厚さまで前記第2の移行領域の長さにわたって増大し、しきい力を超える力が加えられたときに裂けが前記第2の移行領域に沿って生じるにつれて荷重の漸増が生じる、請求項1記載のエネルギー吸収装置。
  3. 前記第1の経路及び前記第2の経路は、前記ストラップに形成された厚さの減少したラインである、請求項記載のエネルギー吸収装置。
  4. 前記第1の経路は、その長さにわたってほぼ一定の厚さを有し、前記第2の経路は、その長さにわたってほぼ一定の厚さを有する、請求項記載のエネルギー吸収装置。
  5. 前記第1の経路は、前記第1の移行領域の前記終点から前記ストラップの前記第2の端部の近くの位置(130,230)まで延び、前記第2の経路は、前記第2の移行領域の前記終点から前記ストラップの前記第2の端部の近くの位置(130,230)まで延び、前記ストラップの前記第2の端部及び前記ストラップの前記中間部分のうちの一部分は、前記ストラップの前記中間部分の残部内で螺旋コイル状に巻かれ、前記第1のコネクタ区分と前記第2のコネクタ区分が十分な力で互いに逆方向に引っ張られると、前記コネクタは、裂けると共にほどけてエネルギーを吸収する、請求項記載のエネルギー吸収装置。
  6. 前記第1の経路及び前記第2の経路は、前記ストラップに形成された厚さの減少したラインである、請求項記載のエネルギー吸収装置。
  7. 前記第1の経路は、その長さにわたってほぼ一定の厚さを有し、前記第2の経路は、その長さにわたってほぼ一定の厚さを有する、請求項記載のエネルギー吸収装置。
  8. 前記第2の移行領域は、ゼロから前記第2の移行領域の前記第2の始点のところの前記第2の初期厚さまで厚さの段階的変化部を有し、前記第2の移行領域における前記ストラップの厚さは、前記第2の初期厚さから前記第2の経路上の前記第1の点のところの前記ストラップの厚さに等しい前記第2の終期厚さまで増大している、請求項記載のエネルギー吸収装置。
  9. 請求項1に記載のエネルギー吸収装置が、
    当接要素(350,450)を更に有し、前記当接要素は、しきい力を超える前記ストラップに加えられた力が前記ストラップを前記当接要素に押し付け、それにより全体として前記第1の移行領域に沿い、次に前記第1の経路に沿う前記ストラップの裂けを生じさせると共に前記当接要素に対する前記ストラップの運動を生じさせるよう前記移行領域に対して位置決めされている、エネルギー吸収装置。
  10. 水平ライフラインシステム(500)であって、
    水平ライフライン(520)と、
    水平ライフラインと作動的連結状態にあるエネルギー吸収装置とを有し、前記エネルギー吸収装置は、
    ストラップを有し、前記ストラップは、前記ストラップの長さの限られた部分にわたって延びる強度が比較的減少した少なくとも第1の経路を有し、
    裂けることができる少なくとも第1の移行領域を有し、前記第1の移行領域は、しきい力を超える力が加えられると裂けが前記第1の移行領域に沿って始まる第1の始点及び第1の終点を有し、前記第1の終点は、前記第1の移行領域に沿う裂け後に裂けが前記第1の経路に沿って引き続き生じるよう前記第1の経路上の第1の点と作動的連結状態にあり、裂けが前記移行領域に沿って生じるにつれて荷重の漸増が生じ、
    前記第1の移行領域での前記ストラップの厚さは、前記ストラップの厚さよりも小さな第1の始点での第1の初期厚さから、前記第1の初期厚さより大きな第1の終点での第1の終期厚さまで、前記第1の移行領域の長さに亘って増加し、前記第1の経路は第1の溝であり、前記第1の移行領域の第1の終点での厚さは前記第1の溝の前記第1の点での前記ストラップの溝の厚さに等し
    前記第1の初期厚さはゼロであり、前記第1の移行領域は、ゼロから第1の端部での厚さまで、厚さの段階的変化部を有する、
    水平ライフラインシステム。
  11. 少なくとも1つの支柱システム(510)を更に有し、前記支柱システムは、支柱ポスト(540)と、前記支柱ポストに可動的に連結されたコネクタ(550)とを有し、前記コネクタは、前記水平ライフラインに作動的に連結されるべき第1のコネクタ要素(570,570’)と、アンカーに連結される第2のコネクタ要素(590,590’)とを有する、請求項10記載の水平ライフラインシステム。
  12. 前記コネクタは、少なくとも第1の長いスロット(552)を有し、前記支柱システムは、第1の取り付け部材(556,556’)を更に有し、前記第1の取り付け部材は、前記コネクタが前記第1のスロットの長さに沿って前記第1の取り付け部材に対して摺動することができるよう前記第1のスロットを通過して前記コネクタを前記支柱ポストに連結している、請求項11記載の水平ライフラインシステム。
  13. 前記コネクタ及び前記エネルギー吸収装置は、前記水平ライフラインと直列して作動的連結状態にある、請求項11記載の水平ライフラインシステム。
  14. 前記コネクタと前記エネルギー吸収装置は、隣り合った連結状態にある、請求項11記載の水平ライフラインシステム。
  15. エネルギー吸収装置を用いて荷重の漸増をもたらす方法であって、前記エネルギー吸収装置は、ストラップを有し、前記ストラップは、前記ストラップの長さの限られた部分にわたって延びる強度が比較的減少した少なくとも第1の経路を有し、その結果、エネルギー吸収中の使用時に全体として前記第1の経路に沿って前記ストラップの裂けが生じるようになっている、方法において、裂けが前記第1の経路に沿って始まる前記第1の経路上の第1の点と作動的連結状態にある裂けることができる第1の移行領域を用意するステップを有し、しきい力を超える力が加えられると裂けが前記移行領域に沿って生じるにつれて荷重の漸増が生じ、
    前記第1の移行領域での前記ストラップの厚さは、前記ストラップの厚さよりも小さな第1の始点での第1の初期厚さから、前記第1の初期厚さより大きな第1の終点での第1の終期厚さまで、前記第1の移行領域の長さに亘って増加し、前記第1の経路は第1の溝であり、前記第1の移行領域の第1の終点での厚さは前記第1の溝の前記第1の点での前記ストラップの溝の厚さに等し
    前記第1の初期厚さはゼロであり、前記第1の移行領域は、ゼロから第1の端部での厚さまで、厚さの段階的変化部を有する、
    方法。
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