前記(1)に記載の発明によれば、遊技機用収容ケースの封止手段は、制御基板が取り付けられた第1ケース体でのその制御基板取付面側に第2ケース体を合わせた状態で第1ケース体および第2ケース体を開封不可に封止する。したがって、封止手段によって第1ケース体および第2ケース体が開封不可に封止されているので、遊技機用収容ケースが不正に開封されることを低減できる。また仮に、封止手段を破壊して第1ケース体および第2ケース体を開封したとしても、制御基板は取り外し防止部材によって第1ケース体に取り外し不可に付けられており、第1ケース体の被締結部の外周所定箇所に形成された被破壊部を破壊しなければ制御基板を第ケース体から取り外すことができないし、仮に被破壊部を破壊した場合には、被締結部が着いたままで制御基板が第1ケース体から外れるのであり、被締結部が外れた第1ケース体に不正な制御基板を取り付けることを防止できる。また、この第1ケース体は、その被破壊部の破壊によって被締結部が外れた破壊痕跡が残っており、破壊痕跡のある第1ケース体に不正な制御基板を入れた状態での不正な収容ケースを遊技機に不正に取り付けていたとしても、その破壊痕跡から不正な収容ケースであることをホール関係者等が発見でき、第1ケース体を再利用することができない。その結果、不正使用を防止できる遊技機用収容ケース(例えば基板ケース)を提供することができる。
前記(2)に記載の発明によれば、遊技機用収容ケースの係止手段は、制御基板が取り付けられた第1ケース体でのその制御基板取付面側に第2ケース体を合わせた状態で第1ケース体または第2ケース体の少なくとも一方を当該合わせ面所定方向にスライド移動させることで、第1ケース体と第2ケース体とを係止する。封止手段は、係止手段によって係止状態とされた第1ケース体および第2ケース体を開封不可に封止する。したがって、封止手段によって第1ケース体および第2ケース体が開封不可に封止されているので、遊技機用収容ケースが不正に開封されることを低減できる。また、この封止状態では、係止手段によって第1ケース体および第2ケース体がスライド係止されており、第1ケース体および第2ケース体をスライド方向に直交する対向方向に開けることができず、遊技機用収容ケースが不正に開封されることを低減できる。
前記(3)に記載の発明によれば、遊技機用収容ケースの係止手段は、第1ケース体または第2ケース体の一方のケース体でのスライド方向に平行な両辺箇所にその辺方向に複数個配設された係止爪と、第1ケース体または第2ケース体の他方のケース体でのスライド方向に平行な両辺箇所にその辺方向に複数個配設されて係止爪が係止される被係止部とを備えている。係止爪は、一方のケース体から他方のケース体の方に突出する突出部と、この突出部からスライド方向に延出した延出部とを有する鉤部を備えている。被係止部は、鉤部が挿入される開口部と、この開口部に鉤部が挿入された状態で第1ケース体または第2ケース体の少なくとも一方をスライド移動させることで延出部が係止する留め部とを備えている。したがって、一方のケース体でのスライド方向と平行な両辺箇所でその辺方向に沿って配設された複数個の係止爪が、他方のケース体でのスライド方向と平行な両辺箇所でその辺方向に沿って配設された複数個の被係止部にそれぞれ係止されるので、封止手段によって第1ケース体および第2ケース体が開封不可に封止された封止状態では、第1ケース体または第2ケース体の両辺で所定長さに亘って配置された複数個の係止爪でスライド係止されており、細状の不正具を第1ケース体と第2ケース体との間に挿し入れるなどして第1ケース体と第2ケース体との間に隙間を開けたり、第1ケース体および第2ケース体を開けたりすることを低減でき、遊技機用収容ケースが不正に隙間形成や開封されることを低減できる。
前記(4)に記載の発明によれば、封止手段は、第1ケース体および第2ケース体のスライド移動を抑止するように固定する。さらに、この封止手段の固定解除用被破壊部が破壊されると、第1ケース体または第2ケース体のスライド移動不可状態が解除される。また、この封止手段の規制手段は、固定解除用被破壊部の破壊後の第1ケース体および第2ケース体のスライド移動範囲を、延出部の留め部への係止長さよりも短い範囲に規制する。したがって、固定解除用被破壊部の破壊後の第1ケース体および第2ケース体を規制手段で規制されるまでスライド移動させたとしても、鉤部の延出部の一部が被係止部の留め部に未だ係った状態であり、第1ケース体と第2ケース体とを分離することができない。つまり、鉤部の延出部の一部が被係止部の留め部に係った状態を解除するべく当該延出部の先端側を切断することを複数個の鉤部全てについて行うことで、ようやく第1ケース体と第2ケース体とを分離することができることから、遊技機用収容ケースの不正開封に手間がかかり、不正開封の抑止効果に優れる。また、封止手段によって第1ケース体と第2ケース体とが開封不可に封止されていることから、第1ケース体および第2ケース体の封止は、封止手段による封止の一工程でよく、簡単に封止することができるが、これとは逆に開封の際には、固定解除用被破壊部の破壊と係止手段の係止解除との二工程が必要であり、開封に手間がかかり、不正開封の抑止効果に優れている。つまり、封止は簡単で作業性が良いにもかかわらず、開封は手間がかかり煩わしく不正開封を抑止できる。
前記(5)に記載の発明によれば、封止手段は、第1ケース体の封止部と第2ケース体の封止部とを固定部材で固定することで第1ケース体と第2ケース体との相対的なスライド移動を不可とするとともに、固定後の固定部材が取り外し不可となっている。固定解除用被破壊部は第1ケース体の所定箇所に形成されている。規制手段は、第1ケース体の本体部と第1ケース体の封止部とのスライド方向の間隔を延出部の留め部への係止長さよりも短くした間隙部を備え、固定解除用被破壊部が破壊されると、第1ケース体の破壊された封止部が当該第1ケース体から分離され且つこの破壊された封止部が第2ケース体に一体的に残存し、第1ケース体または第2ケース体のスライド移動の際に、破壊された封止部が第1ケース体に当たることで、第1ケース体と第2ケース体との相対的なスライド移動範囲を、延出部の留め部への係止長さよりも短い範囲に規制する。したがって、固定解除用被破壊部の破壊後の第1ケース体および第2ケース体を規制手段で規制されるまでスライド移動させたとしても、鉤部の延出部の一部が被係止部の留め部に未だ係った状態であり、第1ケース体と第2ケース体とを分離することができない構成を好適に実現できる。つまり、鉤部の延出部の一部が被係止部の留め部に係った状態を解除するべく当該延出部の先端側を切断することを複数個の鉤部全てについて行うことで、ようやく第1ケース体と第2ケース体とを分離することができることから、遊技機用収容ケースの不正開封に手間がかかり、不正開封の抑止効果に優れる。
前記(6)に記載の発明によれば、係止爪は、第2ケース体での両辺箇所にその辺方向に複数個配設され、被係止部は、第1ケース体での両辺箇所にその辺方向に複数個配設されている。係止解除用被破壊部は、第1ケース体の両辺の所定箇所であって係止爪の存する箇所に設けられ、延出部の先端側を切断するためのスペースを確保するべく破壊される。したがって、係止解除用被破壊部が破壊されることで、延出部の先端側を切断するためのスペースを確保でき、係止手段による係止(つまり、鉤部が留め部に係止された状態)を解除するためのスペースを確保することができ、延出部の先端側を好適に切断できる。また、第1ケース体の両辺の複数個の係止解除用被破壊部の全てを破壊することでかかる破壊痕跡を残すことができ、不正な再利用を抑止できるのみならず、この複数個の係止解除用被破壊部の全てを破壊して、さらに複数個の延出部の先端側の全てを切断しなければ第1ケース体と第2ケース体とを分離することができないことから、かかる開封作業に手間がかかるため不正抑止効果に優れる。さらに、複数個の延出部の先端側だけが切断されただけであり、鉤部としての係り代(延出部の留め部に対する係り代)は残存していることから、第1ケース体と第2ケース体とを仮係止することができ、ホール側の事情により、第1ケース体と第2ケース体とを仮係止した状態で一時的に使用することもできるという適応性に優れる。
前記(7)に記載の発明によれば、締結手段は開封後の第1ケース体と第2ケース体とを締結する。したがって、延出部の先端側が切断されて開封された第1ケース体と第2ケース体とを、残存する鉤部の係り代(延出部の留め部に対する係り代)を利用して、第1ケース体と第2ケース体とを仮係止した状態とし、この仮係止された第1ケース体と第2ケース体とを締結手段によって締結でき、ホール側の事情により、第1ケース体と第2ケース体とを仮係止して締結手段で締結した状態で一時的に使用することもできるという適応性に優れる。
前記(9)に記載の遊技機によれば、不正使用を防止できる遊技機用収容ケース(例えば基板ケース)を備えたパチンコ機を提供できる。なお、パチンコ機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて遊技用媒体としての球を所定の遊技領域に発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(または作動ゲートを通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報(図柄等)が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞手段(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
前記(10)に記載の遊技機によれば、不正使用を防止できる遊技機用収容ケース(例えば基板ケース)を備えたスロットマシンを提供できる。なお、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技用媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
前記(11)に記載の遊技機によれば、不正使用を防止できる遊技機用収容ケース(例えば基板ケース)を備えた、パチンコ機とスロットマシンとを融合させたものを提供できる。なお、この融合させたものの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する識別情報変動表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技用媒体として球を使用するとともに、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
実施例1のパチンコ機を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は、パチンコ機10の遊技盤30の正面図であり、図3は、パチンコ機10の裏面図である。図4は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。図5は、第3図柄表示装置42の表示内容を示す説明図である。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成し遊技場(ホール)の遊技島に固定される外枠11と、この外枠11の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12と、この内枠12の一側部(例えば正面視での左側部)を開閉軸として内枠12に対して開閉自在に取り付けられる前面枠セット14とを備えている。
外枠11は、木製の板材により全体として正面視で矩形状に構成され、小ネジ等の離脱可能な締結具により各板材が組み付けられている。本実施の形態では、例えば、外枠11の上下方向の外寸は809mm(内寸771mm)、左右方向の外寸は518mm(内寸480mm)となっている。なお、外枠11は樹脂やアルミニウム等の軽金属などにより構成されていてもよい。
図1に示すように、内枠12は、大別すると、その外形を形成する主要部材としての樹脂ベース(図示省略)と、この樹脂ベースの前面側で片開き自在な前面枠セット14と、樹脂ベース(図示省略)に取り付けられる遊技盤30(図2参照)とを備えている。
具体的には、樹脂ベース(図示省略)は、正面視で、その外形が略矩形状で、かつ、その略中央箇所を開口中心とする開口部(後述する遊技領域30a(図2参照)と同等の大きさの開口)が形成された板状部材としている。
前面枠セット14は、正面視左側で上下方向の開閉軸を軸心にして当該内枠12に対して開閉自在に取り付けられている。言い換えれば、前面枠セット14は、樹脂ベース(図示省略)に対して開閉自在となっている。
遊技盤30(図2参照)は、その遊技領域30aを樹脂ベース(図示省略)の開口部に位置させるようにして当該樹脂ベースに着脱自在に取り付けられる。
ここで、もう少し詳細に前面枠セット14について説明する。
前面枠セット14は、図1に示すように、内枠12に対して開閉可能に取り付けられており、内枠12と同様、パチンコ機10の正面からみて左側に上下に延びる開閉軸を軸心にして前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、図1に示すように、その前面視すると、最下部に位置する下皿ユニット13と、この下皿ユニット13の上側に位置する上皿ユニット21と、この上皿ユニット21の上側に位置するガラス枠部23とを備えている。
下皿ユニット13は、図1に示すように、前面枠セット14の最下部箇所に位置するように、ネジ等の締結具により固定されている。この下皿ユニット13は、その前面側に、下皿15と球抜きレバー17と遊技球発射ハンドル18とを備えている。球受皿としての下皿15は、下皿ユニット13のほぼ中央部に設けられており、排出口16より排出された遊技球が下皿15内に貯留可能になっている。球抜きレバー17は、下皿15内の遊技球を抜く(排出する)ためのものであり、この球抜きレバー17を図1で左側に移動させることにより、下皿15の底面の所定箇所が開口され、下皿15内に貯留された遊技球を下皿15の底面の開口部分を通して下方向外部に抜くことができる。遊技球発射ハンドル18は、下皿15よりも右方で手前側に突出して配設されている。遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に応じて、遊技球発射装置38によって遊技球が後述する遊技盤30の方へ打ち込まれるようになっている。遊技球発射装置38は、例えば、遊技球発射ハンドル18と発射装置229(図4参照)などで構成されている。音出力部24は、前面枠セット14の正面視で上部の左右2箇所で、その前面枠セット14の内部あるいは背面箇所に設けられたスピーカからの音を出力するための出力口である。
上皿ユニット21は、図1に示すように、前面枠セット14の下部箇所(前述の下皿15の上方位置)に位置するように、ネジ等の締結具により固定されており、遊技球の受皿としての上皿19を備えている。ここで、上皿19は、遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射装置38の方へ導出するための球受皿である。
ガラス枠部23は、図1に示すように、上皿ユニット21の上側に形成された窓部101と、この窓部101の周囲に設けられた各種の電飾部とを備えている。
つまり、前面枠セット14には、図1に示すように、前述した上皿ユニット21の上側に、遊技盤30の遊技領域30a(図2参照)のほとんどを外部から視認することができるよう略縦長楕円形状の窓部101が形成されている。詳しくは、窓部101は、略縦長楕円形状で中央が空洞となっており、その空洞部分を略縦長楕円形状等のガラス板137で覆うように、図示省略のガラスユニットが前面枠セット14の裏面側に取り付けられたものである。図示省略のガラスユニットは、二枚のガラス板137を前後方向に近設させて並べた二重ガラス構造としている。なお、窓部101の前記略中央部が直線状になるようにし、ガラス板137もその形状に合わせるようにしてもよい。また、ガラス板137は、ガラスに限定されず、所定の強度がある透明板であればその材質などは問わない。
加えて、前面枠セット14は、図1に示すように、その前面側で窓部101の周囲(例えば、上箇所、左箇所、右箇所など)に各種の電飾部を備えている。これらの電飾部は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅のように発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁でその左箇所及び右箇所には、LED等を内蔵した左側電飾部及び右側電飾部がそれぞれに設けられ、窓部101の周縁でその上箇所(パチンコ機10の最上部)には、同じくLED等を内蔵した上側電飾部が設けられている。
本パチンコ機10では、左側電飾部、右側電飾部および上側電飾部は、大当たりランプとして機能し、大当たり時に点灯や点滅を行うことにより、大当たり中であることを報知する。その他、本パチンコ機10のコーナー部には、賞球払出し中に点灯する賞球ランプ105と、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ106とが備えられている。また、窓部101の周縁で右斜め下箇所には、内枠12表面や遊技盤30表面等の一部を視認できるよう透明樹脂からなる小窓107が設けられている。この小窓107の所定箇所を平面状としているので、遊技盤30の右下隅部に貼り付けられた証紙などを、小窓107の当該平面状箇所から機械で好適に読み取ることができる。
また、窓部101の下方には貸球操作部120が配設されており、貸球操作部120には球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置された図示しないカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード(例えばプリペイドカード)等を投入した状態で貸球操作部120が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。球貸しボタン121は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿19に供給される。返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、貸球操作部120にさらに度数表示部(図示省略)を設けるようにしてもよい。この度数表示部(図示省略)は、カード等の残額情報を表示するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部120が不要となる。故に、貸球操作部120の設置部分に、飾りシール等が付されるようになっている。これにより、カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との貸球操作部の共通化が図れる。
遊技盤30は、図2に示すように、正面視で四角形状の合板よりなり、その周縁部が内枠12の樹脂ベース(図示省略)の裏側に当接した状態で取着されており、この遊技盤30の前面側の略中央部分たる遊技領域30aが樹脂ベースの略楕円形状の図1に示した窓部101(ガラス板137)を通じて内枠12の前面側から視認可能な状態となっている。
次に、図2を用いて遊技盤30の構成を説明する。遊技盤30は、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a,33b(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等を備えている。これらの一般入賞口31、可変入賞装置32、第1の始動口33a,33b(例えば作動チャッカ)、第2の始動口34(例えばスルーゲート)、可変表示装置ユニット35等は、遊技盤30における、ルータ加工によって形成された各貫通孔にそれぞれに配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取り付けられている。前述の一般入賞口31、可変入賞装置32および第1の始動口33a,33bに遊技球が入球し、当該入球が後述する検出スイッチ(入賞口スイッチ、カウントスイッチ、作動口スイッチ)で検出され、この検出スイッチの出力に基づいて、上皿19(または下皿15)へ所定数の賞品球が払い出される。なお、前述したように、上部側の第1の始動口33aには作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第1の始動口33aへの入球をその作動口スイッチにより検出されるようになっている。また、下部側の第1の始動口33bにも作動口スイッチ(通過検出スイッチ)が設けられ、この第1の始動口33bへの入球をその作動口スイッチにより検出されるようになっている。すなわち、上部側の第1の始動口33aへの遊技球の入球または下部側の第1の始動口33bへの遊技球の入球のどちらの場合にも、それが始動入賞であることに変わりは無い。なお、上部側の第1の始動口33aと下部側の第1の始動口33bとは、図2に示すように、単一の始動入賞装置33で構成されている。
その他に、図2に示すように、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、各種入賞装置等に入球しなかった遊技球はこのアウト口36を通って図示しない球排出路の方へと案内されるようになっている。遊技盤30には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車37等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示装置ユニット35は、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、識別情報としての第1図柄(例えば特別図柄)を変動表示する第1図柄表示装置40と、第2の始動口34の通過をトリガとして、第2図柄(例えば普通図柄)を変動表示する第2図柄表示装置41と、第1の始動口33a,33bへの入賞をトリガとして、第3図柄(例えば装飾図柄)を変動表示する第3図柄表示装置42とを備えている。
第1図柄表示装置40は、例えば、複数個(本実施例では2個)の2色発光タイプのLED(発光ダイオード)40a,40bと、このLED40a,40bでの変動表示の保留数を示す保留ランプ40cとを備えている。このLED40a,40bは、例えば、赤色と青色に発光可能なものである。第1図柄表示装置40は、各LED40a,40bの発光色を交互に変更させることで、第1図柄(本実施例では各LED40a,40bの発光色態様)の変動表示状態を発生させ、例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止すると外れを示す。
なお、この第1図柄表示装置40として、少なくとも3色以上の発光が可能なタイプの単一のLEDを採用してもよく、各色の発光を交互などに行うようにすることで、第1図柄の変動表示状態を発生させ、LEDが第1の色の発光状態で停止すると確変大当り(特定当り)を示し、LEDが第2の色の発光状態で停止すると通常大当り(非特定当り)を示し、LEDが第3の色の発光状態で停止すると外れを示すようにしてもよい。なお、上述した第1図柄表示装置40が本発明における識別情報変動表示手段に相当する。
第2図柄表示装置41は、第2図柄用としての例えば「○」が描かれた表示部41aと、第2図柄用としての例えば「×」が描かれた表示部41bと、保留ランプ41cとを有し、遊技球が第2の始動口34を通過する毎に例えば表示部41a,41bによる表示図柄(普通図柄)が変動し、その変動表示が所定図柄で停止した場合に下部側の第1の始動口33bが所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。遊技球が第2の始動口34を通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ41cにて点灯表示されるようになっている。なお、表示部41a,41bは、その内部にLED(発光ダイオード)を有しており、このLEDの発光(あるいはランプの点灯)を切り換えることにより変動表示される構成としている。なお、上述した第2図柄表示装置41が本発明における普通識別情報変動表示手段に相当する。
第3図柄表示装置42は、例えば液晶表示装置で構成されており、後述する表示制御装置45により表示内容が制御される。第3図柄表示装置42には、例えば後述する図5に示すように、左、中及び右の3つの装飾図柄列L,M,Rが表示される。各装飾図柄列L,M,Rは複数の装飾図柄によって構成されており、これら装飾図柄が装飾図柄列L,M,R毎にスクロールされるようにして第3図柄表示装置42に可変表示されるようになっている。なお本実施の形態では、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)は、例えば、11インチサイズの大型の液晶ディスプレイを備える。可変表示装置ユニット35には、第3図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。なお、上述した第3図柄表示装置42が本発明における装飾識別情報(図柄)変動表示手段に相当し、上述した表示制御装置45が本発明における表示制御手段に相当する。
図2に示すように、可変入賞装置32は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動されるものである。このように、大当たりの際に可変入賞装置32が開状態と通常の閉状態とに繰り返し作動される状態は、特別遊技状態(例えば、大当り状態)と呼ばれ、可変入賞装置32に多数の遊技球が入球(入賞)し、その入賞に対して大量の遊技球が賞球払い出しされることから、遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
より詳しくは、第1の始動口33a,33bに対し遊技球が入賞すると第1図柄表示装置40の2個のLED40a,40bが変動表示され、その変動停止後のLED40a,40bの表示が予め設定した発光態様の組合せとなった場合に特別遊技状態が発生する。例えば、両方のLED40a,40bが赤色発光状態で停止するという発光態様の場合には、確変大当り(特定当り)の特別遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが青色発光状態で停止するという発光態様の場合には、通常大当り(非特定当り)の特別遊技状態に当選したことを示し、両方のLED40a,40bが互いに異なる色の発光状態で停止するという発光態様の場合には外れ(特別遊技状態に落選したこと)を示す。
そして、可変入賞装置32は、その大入賞口32aが所定の開放状態となり、遊技球が入賞しやすい状態(大当たり状態)になるよう構成されている。具体的には、当該開放状態についての所定時間の経過又は所定個数の入賞を1ラウンドとして、可変入賞装置32の大入賞口32aが所定回数(ラウンド数)繰り返し開放される。遊技球が第1の始動口33a,33bを通過した回数は最大4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ40cにて点灯表示されるようになっている。なお、保留ランプ40cは、第3図柄表示装置42の表示画面の一部で保留表示等される構成等であっても良い。
また、遊技盤30には、図2に示すように、遊技球発射装置38(図3参照)から発射された遊技球を遊技盤30上部へ案内するための複数本のレール51,52が取り付けられており、遊技球発射ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球は複数本のレール51,52の後述する球案内通路49を通じて所定の遊技領域30aに案内されるようになっている。複数本のレール51,52は長尺状をなすステンレス製の金属帯状部材であり、内外二重に遊技盤30に取り付けられている。内レール51は、遊技盤30の上部から右側までを除いて略半円状に形成されている。外レール52は、一部(主に左側部)が内レール51に向かい合うようにして形成されている。かかる場合、内レール51と外レール52とにより誘導レールが構成され、これら各レール51,52が所定間隔を隔てて並行する部分(向かって左側の部分)により球案内通路49が形成されている。なお、球案内通路49は、遊技盤30との当接面を有した溝状、すなわち手前側を開放した溝状に形成されている。
内レール51の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、内レール51及び外レール52間の球案内通路49から遊技盤30の上部へと案内された遊技球が再度球案内通路49内に戻ってしまうといった事態が防止されるようになっている。また、遊技盤30が内枠12に取り付けられた状態において、外レール52における、遊技球の最大飛翔部分に対応する位置(図2の右上部:外レール52の先端部に相当する部位)には、内枠12に設けられた返しゴム(図示省略)が位置するようになっている。従って、所定以上の勢いで発射された遊技球は、返しゴム(図示省略)に当たって跳ね返されるようになっている。外レール52は、長尺状をなすステンレス製の金属帯としているので、遊技球の飛翔をより滑らかなものとする、つまり遊技球の摩擦抵抗を少なくすることができる。
なお、遊技盤30の右下隅部は、証紙(例えば製造番号が記載されている)等のシール(図2のS1)やプレートを貼着するためのスペースとなっている。遊技盤30の右下隅部に、証紙等のシール(図2のS1)を貼着することで、遊技盤30と証紙との一義性を持たせることができる。
次に、遊技盤30の遊技領域30aについて説明する。遊技領域30aは、図2に示すように、内レール51と外レール52との内周部(内外レール)により略縦長円形状に区画形成されており、特に本実施の形態では、遊技盤30の盤面上に区画される当該遊技領域30aが従来よりもはるかに大きく構成されている。本実施の形態では、外レール52の最上部地点から遊技盤30下部までの間の距離は445mm(従来品よりも58mm長い)、外レール52の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は435mm(従来品よりも50mm長い)となっている。また、内レール51の極左位置から内レール51の極右位置までの間の距離は418mmとなっている。
本実施の形態では、遊技領域30aを、パチンコ機10の正面から見て、内レール51及び外レール52によって囲まれる領域のうち、内外レール51,52の並行部分である誘導レールの領域を除いた領域としている。従って、遊技領域30aと言った場合には誘導レール部分は含まないため、遊技領域30aの向かって左側限界位置は外レール52によってではなく内レール51によって特定される。同様に、遊技領域30aの向かって右側限界位置は内レール51によって特定される。また、遊技領域30aの下側限界位置は遊技盤30の下端位置によって特定される。また、遊技領域30aの上側限界位置は外レール52によって特定される。
従って、本実施の形態では、例えば、遊技領域30aの幅(左右方向の最大幅)は、418mmであり、遊技領域30aの高さ(上下方向の最大幅)は、475mmであり、縦長楕円形状となっている。
なお、詳しい図面の開示は省略するが、遊技球発射装置38には、前面枠セット14側の球出口(上皿19の最下流部より通じる球出口)から遊技球が1つずつ供給される。
次に、パチンコ機10の背面の構成について説明する。図3に示すように、パチンコ機10は、その背面(実際には内枠12及び遊技盤30の背面)において、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして又は前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球を供給するための遊技球供給装置(払出機構部352)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。本実施の形態では、各種制御基板を2つの取付台に分けて搭載して2つの制御基板ユニットを構成し、それら制御基板ユニットを個別に内枠12又は遊技盤30の裏面に装着するようにしている。この場合、後述する図4に示した主制御装置261とサブ制御装置262とを一方の取付台(図示省略)に搭載してユニット化すると共に、図3に示した払出制御装置311、発射制御装置312及び電源装置313他方の取付台(図示省略)に搭載してユニット化している。ここでは便宜上、前者のユニットを「第1制御基板ユニット201」と称し、後者のユニットを「第2制御基板ユニット202」と称することとする。
また、払出機構部352及び保護カバーも1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。各ユニット201〜203の詳細な構成については後述する。
第1制御基板ユニット201、第2制御基板ユニット202及び裏パックユニット203は、ユニット単位で何ら工具等を用いずに着脱できるよう構成されており、さらにこれに加え、一部に支軸部を設けて内枠12又は遊技盤30の裏面に対して開閉できる構成となっている。これは、各ユニット201〜203やその他構成が前後に重ねて配置されても、隠れた構成等を容易に確認することを可能とするための工夫でもある。
また、遊技盤30の裏面には、各種入賞口などの遊技球の通過を検出するための入賞感知機構などが設けられている。具体的には、遊技盤30表側の一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチが設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチが設けられている。カウントスイッチは入賞球をカウントするスイッチである。また、第1の始動口33a,33bに対応する位置には作動口スイッチがそれぞれ設けられ、第1の始動口33a,33bへの遊技球の入球を当該作動口スイッチで検出される。第2の始動口34に対応する位置にはゲートスイッチが設けられ、第2の始動口34への遊技球の通過を当該作動口スイッチで検出される。なお、上述した作動口スイッチが本発明における入賞検出手段に相当する。
入賞口スイッチ及びゲートスイッチは、図示しない電気配線を通じて盤面接続基板(図示省略)に接続され、さらにこの盤面接続基板が後述する主制御装置261内の主制御基板261a(図4参照)に接続されている。また、カウントスイッチは大入賞口中継端子基板(図示省略)に接続され、さらにこの大入賞口中継端子基板(図示省略)がやはり主制御基板261aに接続されている。これに対し、作動口スイッチは中継基板を介さずに直接に主制御基板261aに接続されている。
その他図示は省略するが、可変入賞装置32には、大入賞口32aを開放するための大入賞口ソレノイドが設けられ、下部側の第1の始動口33bには、電動役物を開放するための作動口ソレノイドが設けられている。
上記入賞感知機構にて各々検出された検出結果は、後述する主制御装置261内の主制御基板261aに取り込まれ、該主制御基板261aよりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球の払出個数)が払出制御基板311aに送信される。そして、該払出制御基板311aの出力により所定数の遊技球の払出が実施される。
第1制御基板ユニット201は、主制御装置261とサブ制御装置262とを備えている。ここで、主制御装置261は、図4に示すように、主たる制御を司るCPU501と、遊技プログラムを記憶したROM502と、遊技の進行に応じた必要なデータを記憶するRAM503と、各種機器との連絡をとる入出力ポート505と、各種抽選の際に用いられる乱数発生器(図示省略)と、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路(図示省略)などを含む主制御基板261aを具備しており、この主制御基板261aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263(被包手段)に収容されて構成されている。なお、基板ボックス263は、略直方体形状のボックスベース265と、このボックスベース265の開口部265aを覆うボックスカバー267とを備えている。
また、サブ制御装置262は、例えば主制御装置261内の主制御基板261aからの指示に従い音声やランプ表示の制御や表示制御装置45の制御を司るCPU551や、その他ROM552、RAM553、バスライン554及び入出力ポート555等を含むサブ制御基板262aを具備しており、このサブ制御基板262aが透明樹脂材料等よりなる基板ボックス(図示省略)に収容されて構成されている。サブ制御装置262上には電源中継基板(図示省略)が搭載されており、後述する電源基板より供給される電源がこの電源中継基板(図示省略)を介してサブ制御装置262および表示制御装置45に出力されるようになっている。
第2制御基板ユニット202は横長形状をなす取付台(図示省略)を有し、この取付台に払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が搭載されている。払出制御装置311は制御の中枢をなすCPUや、その他ROM、RAM、各種ポート等を含む制御基板を具備しており、発射制御装置312は発射制御基板を具備しており、電源装置313は電源制御基板を具備している。払出制御装置311の払出制御基板311aは、賞品球や貸出球の払出を制御する。また、発射制御装置312の発射制御基板により、遊技者による遊技球発射ハンドル18の操作に従い発射装置229(図4参照)の制御が行われ、電源装置313の電源基板により、各種制御装置等で要する所定の電源電圧が生成され出力される。本実施例の発射装置229は、発射ソレノイド(図示省略)への通電/非通電に従って進退自在な発射槌部(図示省略)で遊技球を打ちつけて発射させるソレノイド式発射部品を採用しているが、それ以外の発射装置229としては、発射モータの駆動に従って動作する発射杵で遊技球を打ちつけて発射させる機械式発射部品や、電磁場を発生させることで遊技球を発射させる電磁式発射部品など種々のタイプのものが採用できる。カードユニット接続基板314は、パチンコ機前面の貸球操作部120(図1参照)及び図示しないカードユニットに電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれを払出制御装置311に出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球が直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314は不要である。
上記払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックスにそれぞれ収容されて構成されている。特に、払出制御装置311では、前述した主制御装置261と同様、基板ボックス(被包手段)を構成するボックスベース(図示省略)とボックスカバー(図示省略)とが封印ユニット(封印手段)によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス263が封印されている。
払出制御装置311には状態復帰スイッチ(図示省略)が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ(図示省略)が押下されると、払出モータ358a(図4参照)がゆっくり正回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られるようになっている。
また、電源監視基板261bにはRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、通常手順で(例えばホールの営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入することとしている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。裏パックユニット203は、図3に示すように、樹脂成形された裏パック351と遊技球の払出機構部352とを一体化したものである。
裏パックユニット203は、その最上部に上方に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技ホールの島設備(遊技島設備)から供給される遊技球が逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに下り傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。ケースレール357の最下流部には、払出装置358が設けられ、払出モータ358a等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球の払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払い出された遊技球は払出通路(図示省略)等を通じて前記上皿19に供給される。
また、タンクレール356には、当該タンクレール356に振動を付加するためのバイブレータ360が設けられている。例えば、バイブレータ360が例えば2本のネジでタンクレール356に締結されて取り付けられるようになっている。さらに、バイブレータ360は、タンクレール356に面接触するのではなく、当該2本のネジの部分で接触するようになっており、バイブレータ360による振動がより効果的にタンクレール356に伝わるようになっている。従って、仮にタンクレール356付近で球詰まりが生じた際、バイブレータ360が駆動されることで球詰まりが解消されるようになっている。
払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板(図示省略)が設置されると共に、外部より主電源を取り込むための電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFとされるようになっている。
タンク355から払出通路(図示省略)に至るまでの払出機構部352は何れも導電性を有する樹脂材料(例えば導電性ポリカーボネート樹脂)にて成形され、その一部にてアースされている。これにより、遊技球の帯電によるノイズの発生が抑制されるようになっている。
なお、図3に示すように、内枠12の右上側には、内枠12が外枠11に対して開かれたことを検出する内枠開検出スイッチ388が設けられている。内枠12が開かれると、内枠開検出スイッチ388からホール内(パチンコ店内)用コンピュータへ出力されるようになっている。
次に、本パチンコ機10の電気的構成について、図4を用いて説明する。本パチンコ機10は、主制御装置261と、払出制御装置311と、発射制御装置312と、サブ制御装置262と、表示制御装置45と、電源装置313などを備えている。以下に、これらの装置を個別に詳細に説明する。
パチンコ機10の主制御装置261には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。
RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM503には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
つまり、停電などの発生により電源が切断された場合において、主制御装置261のCPU501は、通常処理を最後までを実行するので、RAM503は、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のカウンタ用バッファや保留球格納エリアの内容を記憶保持するだけでよく、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させることができる。具体的には、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)における通常処理の途中の遊技情報についての各レジスタやI/O等の値を記憶しておくための専用のバックアップエリアをRAM503に設ける必要がない。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号S1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、発射制御装置312、サブ制御装置262、第1図柄表示装置40、第2図柄表示装置41や、その他図示しないスイッチ群などが接続されている。また、主制御装置261は、第1図柄表示装置40における第1図柄の変動表示と、第2図柄表示装置41における第2図柄の変動表示とを制御する機能を備えている。
また、払出制御装置311は、払出モータ358aにより賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、前述した主制御装置261のRAM503と同様に、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータが保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM513には、各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリやエリアを備えている。
RAM513は、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時の状態に関する情報を記憶保持する。つまり、このRAM513の記憶保持は、NMI割込み処理と払出制御処理の後半部分のステップとによって電源切断時に実行され、逆にRAM513の記憶情報の復帰は、電源入時の復電処理において実行される。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、主制御装置261、発射制御装置312、払出モータ358aなどがそれぞれ接続されている。
図4に示すように、発射制御装置312は、発射装置229による遊技球の発射を許可又は禁止するものであり、発射装置229は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、発射制御装置312は、払出制御装置311からのカードユニット接続信号S4(前述したカードユニットがパチンコ機10に接続されている場合に出力される信号である)と、遊技者が遊技球発射ハンドル18をタッチしている場合に出力されるタッチ検出信号S5と、遊技球発射ハンドル18に設けられている、発射を停止させるための発射停止スイッチ18aが操作されていない場合に出力される発射維持信号S6との全てが入力されていることを条件に、発射許可信号S7を主制御装置261に出力する。
すなわち、発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間は発射許可状態であり、発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間は発射不許可状態である。つまり、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がON(ハイレベル)である期間において、遊技球を発射する発射ソレノイド(図示省略)の制御を行う発射制御信号S8(パルス信号)と、発射レール401に遊技球を送る球送りソレノイドの制御を行う球送り制御信号S9(パルス信号)とを、発射制御装置312に所定の繰り返し周期で繰り返し出力する。発射制御装置312は、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9に基づいて発射装置229を駆動制御し、遊技球発射ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球が発射される。逆に、主制御装置261は、入力される発射許可信号S7がOFF(ローレベル)である期間においては、発射制御信号S8及び球送り制御信号S9を発射制御装置312に出力せず、発射装置229によって遊技球が発射されることはない。
表示制御装置45は、第3図柄表示装置42における第3図柄(装飾図柄)の変動表示を制御するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、ROM(プログラムROM)522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、画像コントローラ526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527の入力にはサブ制御装置262の出力が接続され、入力ポート527には、CPU521、ROM522、ワークRAM523、画像コントローラ526が接続されている。また、画像コントローラ526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529の出力には液晶表示装置である第3図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、主制御装置261からの各種コマンドがサブ制御装置262で編集等されて送信される各種コマンドに基づいて、第3図柄表示装置42での装飾図柄表示を制御する。ROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリである。
ビデオRAM524は、第3図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するためのメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、第3図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、第3図柄表示装置42に表示される装飾図柄などのキャラクタデータを記憶するためのメモリである。画像コントローラ526は、CPU521、ビデオRAM524、出力ポート529のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在すると共に、ビデオRAM524に記憶される表示データを、キャラクタROM525から所定のタイミングで読み出して第3図柄表示装置42に表示させるものである。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給するための電源部541とを備えている。電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動するための+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。
図4に示すように、主制御装置261は、透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263内に、主制御基板261aと、この主制御基板261aとは別体の電源監視基板261bとを備えている。電源監視基板261bは、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号S1を出力するための回路である。停電監視回路542は、電源部541で交流24ボルトの電圧を監視し、この電圧が24ボルト未満になった時間が例えば20ミリ秒を超えた場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号S1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号S1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電時処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、電源部541で監視している交流5ボルトが5ボルト未満となった時間が20ミリ秒を越えた後においても、かかる停電時処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電時処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアするための回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号S2を主制御基板261aに出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261においてRAM503のデータがクリアされ、払出制御装置311は主制御装置261からの初期化コマンドを受けるとRAM513のデータがクリアされる。
ところで、第3図柄表示装置42(液晶表示装置)には、図5に示すように、左・中・右の3つの装飾図柄列L,M,Rが設定されており、装飾図柄列L,M,R毎に上装飾図柄、中装飾図柄、下装飾図柄の3個ずつの装飾図柄が変動表示される。本実施の形態では、一連の図柄は、「0」〜「9」の数字を各々付した主装飾図柄SZと、菱形状の絵図柄からなる副装飾図柄FZとにより構成されており、数字の昇順又は降順に主装飾図柄SZが表示されると共に各主装飾図柄SZの間に副装飾図柄FZが配されて一連の装飾図柄列L,M,Rが構成されている。そして、周期性を持って主装飾図柄SZと副装飾図柄FZが上から下へと変動表示されるようになっている。
かかる場合、左装飾図柄列Lにおいては、上記一連の装飾図柄が降順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が減る順)に表示され、中装飾図柄列M及び右装飾図柄列Rにおいては、同じく上記一連の装飾図柄が昇順(すなわち、主装飾図柄SZの番号が増える順)に表示される。そして、左装飾図柄列L→右装飾図柄列R→中装飾図柄列Mの順に変動表示が停止し、その停止時に第3図柄表示装置42上の5つの有効ライン、すなわち上ラインL1、中ラインL2、下ラインL3、右上がりラインL4、左上がりラインL5の何れかで主装飾図柄SZが大当たり図柄の組合せ(本実施の形態では、同一の主装飾図柄SZの組合せ)で揃えば大当たりとして特別遊技動画が表示されるようになっている。
続いて、本実施例のパチンコ機10のさらなる特徴部分について図6〜図13を用いて説明する。
図6(a),(b)は、実施例1の基板ボックス263を前面右上から見た前面斜視図、裏面左上から見た裏面斜視図である。図7(a)〜(f)は順に実施例1の基板ボックス263の上面図、左側面図、前面図、右側面図、裏面図、下面図である。図8は、実施例1の基板ボックス263の分解斜視図である。図9(a),(b)は、実施例1の基板ボックス263の開封手順を示す斜視図であり、図10(a),(b)は、図9(b)に続いて基板ボックス263の開封手順を示す斜視図であり、図11は、図10(b)に続いて基板ボックス263の開封手順を示す斜視図である。図12(a)〜(e)は、実施例1の基板ボックス263の開封に際してこの基板ボックス263の前面右上部箇所を示す斜視図である。図13(a)〜(d)は、実施例1の基板ボックス263の開封に際してこの基板ボックス263の前面右上部箇所を示す平面図であり、図13(e)〜(i)は、基板ボックス263の上面右端箇所を示す上面図または断面図である。
図8に示すように、基板ボックス263は、その内部に、所定の遊技に関する制御を司る主制御基板261aを収容している。主制御基板261aは、パチンコ機10を統括制御しており、始動入賞に基づく遊技内容処理や遊技球の払出など種々の制御を行っている。
基板ボックス263は、図6〜図8に示すように、主制御基板261aが取り付けられるボックスベース265と、このボックスベース265と合わされるボックスカバー267とを備え、主制御基板261aが取り付けられたボックスベース265でのその制御基板取付面側にとボックスカバー267を合わせることで形成される内部空間内に、主制御基板261aを収容するものである。なお、主制御基板261aは、そのCPU501やROM502やRAM503などの各種電子部品が実装された実装面をボックスベース265に向け、その電子部品を取り付ける半田面をボックスカバー267に向けて、基板ボックス263内に収容されている。なお本実施例では、主制御基板261aの実装面側の全体(そのコネクタ部分を除く)がボックスベース265で覆われているが、少なくともCPU501がボックスベース265で覆われるようにしてもよいし、ROM502やRAM503が半田面に実装されていてもよい。また、主制御基板261aの半田面側をがボックスベース265で覆われるようにしてもよい。
本実施例では、図8に示すように、ボックスベース265は、例えば、その外形が前面視で略直方体形状で、主制御基板261aが挿入される開口部265aを有する有底箱形状となっている。また、ボックスカバー267は、ボックスベース265の開口部265aを覆うためのものである。ボックスベース265およびボックスカバー267は、例えば透明樹脂成型品としている。
また、図8に示すように、ボックスベース265の開口部265aの側の所定箇所には、主制御基板261aのコネクタ部に対する不正行為を抑止するためのコネクタベース268が例えばネジなどの締結部品によって取り付けられ、主制御基板261aのコネクタ部がコネクタベース268の開口268aから突出するように主制御基板261aがボックスベース265の開口部265aの側に取り付けられる。つまり、主制御基板261aのコネクタ部の周囲箇所をコネクタベース268で覆っているので、コネクタ部周囲を狙った不正行為を低減できる。
図8に示すように、ボックスベース265の開口部265aをほぼ覆うようにボックスカバー267を合わせた状態で、このボックスベース265とボックスカバー267とは相対的に後述する鉤部273の延出部271b長さ程度にスライド可能であり、かかる延出部271b長さ程度にスライド移動させると、ボックスベース265の開口部265aをボックスカバー267で閉塞した状態に合わせた位置となり、ボックスベース265とボックスカバー267とのスライドが停止する構成としている。
また、基板ボックス263は、図8に示すように、主制御基板261aが取り付けられたボックスベース265でのその主制御基板261aの取付面側にボックスカバー267を合わせた状態でボックスベース265またはボックスカバー267の少なくとも一方を当該合わせ面所定方向にスライド移動させることでボックスベース265とボックスカバー267とを係止する係止部材270を備えている。
係止部材270は、図6,図8に示すように、ボックスベース265でのスライド方向に平行な両辺(上面および下面)箇所にその辺方向に複数個(実施例では6個)配設された係止爪271と、ボックスカバー267でのスライド方向に平行な両辺箇所にその辺方向に複数個(実施例では6個)配設されて係止爪271が係止される被係止部272とを備えている。
係止爪271は、図8に示すように、ボックスカバー267からボックスベース265の方に突出する突出部271aと、この突出部271aから前記のスライド方向に延出した延出部271bとを有する鉤部273を備えている。
被係止部272は、図6,図8に示すように、鉤部273が挿入される開口部272aと、この開口部272aに鉤部273が挿入された状態でボックスベース265とボックスカバー267との少なくとも一方を前記スライド移動させることで延出部271bが係止する留め部272b(図13(g)参照)とを備えている。
また、図9(b),図12(b)に示すように、ボックスベース265の両辺(上面および下面)の所定箇所であって係止爪271の存する箇所に、延出部271bの先端側を切断するためのスペースを確保するべく破壊される係止解除用被破壊部275を複数個(実施例では6個)備えている。この係止解除用被破壊部275は、図9(b),図12(b)での二点鎖線の方向に切り欠かれた切り欠き部276から当該二点鎖線下の箇所のことである。
また、基板ボックス263は、図6〜図8に示すように、主制御基板261aが取り付けられたボックスベース265でのその主制御基板261aの取付面側にボックスカバー267を合わせた状態でボックスベース265およびボックスカバー267を開封不可に封止する封止部材280を備えている。
この封止部材280は、図6〜図8に示すように、係止部材270によって係止状態とされたボックスベース265およびボックスカバー267を開封不可に封止するものである。
具体的には、封止部材280は、図8に示すように、ボックスベース265およびボックスカバー267のスライド移動を抑止するように固定するものであり、さらに、ボックスベース265とボックスカバー267とのスライド移動不可状態を解除するべく破壊される、ボックスベース265の所定箇所に形成された固定解除用被破壊部285(図9(a),図12(a)参照)と、この固定解除用被破壊部285の破壊後のボックスベース265とボックスカバー267とのスライド移動範囲を、延出部271bの留め部272bへの係止長さよりも短い範囲に規制する規制部材290(図9(b),図12(b)参照)とを備えている。この固定解除用被破壊部285は、図9(a),図12(a)での二点鎖線の方向に切り欠かれた切り欠き部から当該二点鎖線下の箇所のことである。
さらに詳細に説明すると、封止部材280は、図8に示すように、ボックスベース265の封止部281とボックスカバー267の封止部282とを破断ネジ283で固定することでボックスベース265とボックスカバー267との相対的なスライド移動を不可とするとともに、固定後の破断ネジ283が取り外し不可となっているものである。
規制部材290は、図13(b)に示すように、ボックスベース265の本体部265bとボックスベース265の封止部281との前記スライド方向の間隔D1を延出部271bの留め部272bへの係止長さD2(図13(g)参照)よりも短くした間隙部291(図13(b),(e)参照)を備え、固定解除用被破壊部285が破壊されると、ボックスベース265の破壊された封止部281が当該ボックスベース265から分離され且つこの破壊封止部281がボックスカバー267に一体的に残存し、ボックスベース265とボックスカバー267とのスライド移動の際に破壊封止部281がボックスベース265に当たることでボックスベース265とボックスカバー267との相対的なスライド移動範囲を、延出部271bの留め部272bへの係止長さよりも短い範囲に規制するものである。
さらに、図6,図8に示すように、開封後のボックスベース265およびボックスカバー267を締結する締結部材295を備えている。具体的には、ボックスベース265の前面側右端箇所にネジが挿入可能な円筒部295aが設けられ、ボックスカバー267でのボックスベース265の円筒部295aに対応する箇所にそのネジが螺入される雌ネジ部が設けられ、ボックスベース265の円筒部295aに挿入されたネジをボックスカバー267の雌ネジ部に螺入することで、開封後のボックスベース265およびボックスカバー267が締結される。また、このネジは、締結後に緩めて外すことが可能である一般的なネジである。
なお、上述した主制御基板261aが本発明における制御基板に相当し、上述した基板ボックス263が本発明における遊技機用収容ケースに相当し、上述したボックスベース265が本発明における第1ケース体に相当し、上述したボックスカバー267が本発明における第2ケース体に相当し、上述した封止部材280が本発明における封止手段に相当し、上述した係止部材270が本発明における係止手段に相当し、上述した規制部材290が本発明における規制手段に相当し、上述した破断ネジ283が本発明における固定部材に相当し、上述した締結部材295が本発明における締結手段に相当する。
ここで、実施例1の基板ボックス263の封止手順などについて説明する。
図8に示すように、ボックスベース265の開口部265aを介してこのボックスベース265の内側所定箇所にコネクタベース268がネジ留めされ、さらに、ボックスベース265の開口部265aを介して主制御基板261aを挿入し、このボックスベース265の内側の所定箇所に主制御基板261aをネジ留めすることで取り付ける。
そして、ボックスベース265の開口部265aをほぼ覆うようにボックスカバー267を合わせた状態とし、このボックスベース265とボックスカバー267とを相対的に長手方向に鉤部273の延出部271b長さ程度にスライド移動させることで、図6に示すように、ボックスベース265の開口部265aをボックスカバー267で閉塞した状態に合わせた位置となる。
そしてこの状態で、ボックスベース265の前面右側の封止部281の挿入穴に、図8に示す破断ネジ283を挿入し、この破断ネジ283をボックスカバー267の封止部282の雌ネジ部に螺入することで、ボックスベース265とボックスカバー267とを破断ネジ283で締結する。そして、この破断ネジ283は所定以上の締め付けトルクがかかるとネジ頭が破断し、緩めることができないようになっている。なお、図6に示すように、ネジ頭が破断した破断ネジ283はボックスベース265の封止部281の挿入穴内に沈み込んだ状態となっており、破断ネジ283に不正なアクセスができないようになっている。
こうすることで、ボックスベース265とボックスカバー267とが開封不能となっている。また、ボックスベース265の長手方向の両辺それぞれに亘って設けられた複数個(6個)の係止爪271が、ボックスカバー267の長手方向の両辺それぞれに亘って設けられた複数個(6個)の被係止部272のそれぞれに係止されているので、基板ボックス263の上面および下面に細状の不正具を挿入して隙間を開けることも抑止できる。
次に、実施例1の基板ボックス263の開封手順などについて説明する。
図9(a),図12(a),図13(b)に二点鎖線で示すように、ボックスベース265の封止部281の固定解除用被破壊部285を切断工具(例えば、ニッパーや刃物など)によって切断破壊する。固定解除用被破壊部285が切断(破壊)されると、ボックスベース265の切断された封止部281が当該ボックスベース265から分離されることになり、ボックスベース265とボックスカバー267とのスライド移動不可状態が解除される。なお、ボックスベース265から分離された破壊封止部281は、破断ネジ283の締結によりボックスカバー267に一体的に残存した状態となっている。
続いて、図9(b),図12(b),図13(c)に示すように、ボックスカバー267をボックスベース265に対して開封方向にスライドさせると、ボックスベース265から分離された破壊封止部281がボックスベース265に当たることでボックスベース265とボックスカバー267との相対的なスライド移動範囲が、延出部271bの留め部272bへの係止長さよりも短い範囲に規制されている。要するに、図12(b)に示すように、ボックスカバー267に残存する破壊封止部281がボックスベース265に当っており、ボックスカバー267がそれ以上スライド移動できないようになっている。
上述の図9(b),図12(b),図13(c)に示すように、規制部材290によってスライド移動が規制されている状態では、図13(g)に示すように、ボックスベース265の上面および下面の複数個(合わせて12個)の係止爪271の延出部271bの先端部分が未だボックスカバー267の被係止部272の留め部272bに係止された状態となっており、ボックスベース265とボックスカバー267とを前後方向に開封することができない。
そこで、図9(b),図12(b),図13(c),(f)に二点鎖線で示すように、ボックスベース265の上面および下面の複数個(合わせて12個)の係止解除用被破壊部275を切断工具(例えば、ニッパーや刃物など)によって切断破壊する。図12(b),図13(c)に示すように、係止解除用被破壊部275は係止爪271に対して所定の隙間(例えば、1ミリ〔mm〕程度)が空けられているので、切断工具が入れ易くなっている。
複数個(合わせて12個)の係止解除用被破壊部275の切断によって、図10(a),図12(c),図13(d)に示すように、延出部271bの先端側を切断するためのスペースが確保される。
続いて、図10(b),図12(d),図13(g),(h)に示すように、複数個(合わせて12個)の鉤部273の延出部271bの先端側を切断工具(例えば、ニッパーや刃物など)によって切断する。
このように、延出部271bの先端側が切断されることで、延出部271bの留め部272bへの係止、つまり、係止爪271の被係止部272への係止が解除されており、図11,図12(e)、図13(i)に示すように、ボックスベース265とボックスカバー267とを前後方向に開封することができる。
上述したように、本実施例1の基板ボックス263によれば、主制御基板261aが取り付けられるボックスベース265と、このボックスベース265と合わされるボックスカバー267とを備え、主制御基板261aが取り付けられたボックスベース265でのその制御基板取付面側にとボックスカバー267を合わせることで形成される内部空間内に、主制御基板261aを収容するものであり、主制御基板261aが取り付けられたボックスベース265でのその主制御基板261aの取付面側にボックスカバー267を合わせた状態でボックスベース265およびボックスカバー267を開封不可に封止する封止部材280を備えているので、封止部材280によってボックスベース265およびボックスカバー267が開封不可に封止でき、基板ボックス263が不正に開封されることを低減できる。また仮に、封止部材280を破壊したとしても、規制部材290によってボックスベース265およびボックスカバー267のスライド移動が規制された状態であり、且つ、ボックスカバー267の係止爪271を切断しなければ、ボックスベース265およびボックスカバー267が開封できないので、ボックスベース265の封止部281の破壊痕跡と、ボックスカバー267の係止爪271の破壊痕跡とが形成されることから、ボックスベース265およびボックスカバー267を無傷で再利用することはできない。その結果、基板ボックス263の不正使用を防止することができる。
また、不正使用を防止できる基板ボックス263(例えば基板ケース)を備えたパチンコ機(遊技機)を提供できる。
また、係止部材270は、ボックスベース265でのスライド方向(長手方向)に平行な両辺(上面および下面)箇所にその辺方向に亘って複数個(各辺6個)配設された係止爪271と、ボックスカバー267でのスライド方向(長手方向)に平行な両辺(上面および下面)箇所にその辺方向に亘って複数個(各辺6個)配設されて係止爪271が係止される被係止部272と、を備え、係止爪271は、ボックスベース265からボックスカバー267の方に突出する突出部271aと、この突出部271aからスライド方向(ボックスベース265の長手方向)に延出した延出部271bとを有する鉤部273を備え、被係止部272は、鉤部273が挿入される開口部272aと、この開口部272aに鉤部273が挿入された状態でボックスベース265またはボックスカバー267の少なくとも一方を前記スライド移動させることで延出部271bが係止する留め部272bとを備えているので、ボックスベース265でのスライド方向と平行な両辺箇所でその辺方向に沿って配設された複数個(各辺6個)の係止爪271が、ボックスカバー267でのスライド方向と平行な両辺箇所でその辺方向に沿って配設された複数個(各辺6個)の被係止部272にそれぞれ係止されるので、封止部材280によってボックスベース265およびボックスカバー267が開封不可に封止された封止状態では、ボックスベース265の両辺で所定長さに亘って配置された複数個(各辺6個)の係止爪271でスライド係止されており、細状の不正具をボックスベース265とボックスカバー267との間に挿し入れるなどしてボックスベース265とボックスカバー267との間に隙間を開けたり、ボックスベース265およびボックスカバー267を開けたりすることを低減でき、基板ボックス263が不正に隙間形成や開封されることを低減できる。
また、封止部材280は、ボックスベース265およびボックスカバー267のスライド移動を抑止するように固定するものであり、この封止部材280の固定解除用被破壊部285が破壊されると、ボックスベース265またはボックスカバー267のスライド移動不可状態が解除され、この封止部材280の規制部材290は、固定解除用被破壊部285の破壊後のボックスベース265およびボックスカバー267のスライド移動範囲を、延出部271bの留め部272bへの係止長さよりも短い範囲に規制するので、固定解除用被破壊部285の破壊後のボックスベース265およびボックスカバー267を規制部材290で規制されるまでスライド移動させたとしても、鉤部273の延出部271bの一部が被係止部272の留め部272bに未だ係った状態であり、ボックスベース265とボックスカバー267とを分離することができない。つまり、鉤部273の延出部271bの一部が被係止部272の留め部272bに係った状態を解除するべく当該延出部271bの先端側を切断することを複数個の鉤部273全てについて行うことで、ようやくボックスベース265とボックスカバー267とを分離することができることから、基板ボックス263の不正開封に手間がかかり、不正開封の抑止効果に優れる。
また、図8に示すように、封止部材280によってボックスベース265とボックスカバー267とが開封不可に封止されていることから、ボックスベース265およびボックスカバー267の封止は、封止部材280による封止の一工程でよく、簡単に封止することができるが、これとは逆に開封の際には、基板ボックス263の前面視での右端側の上下2個の固定解除用被破壊部285の破壊(図12(a)に示す2箇所の切断箇所が2個の固定解除用被破壊部285にそれぞれあることから、合計4箇所の切断箇所)と、複数個(実施例では12個)の係止手段270の係止解除(12個の延出部271bの先端側の切断)との二工程が必要であり、開封に手間がかかり、不正開封の抑止効果に優れている。つまり、封止は簡単で作業性が良いにもかかわらず、開封は手間がかかり煩わしく不正開封を抑止できる。
また、封止部材280は、ボックスベース265の封止部281とボックスカバー267の封止部282とを固定部材で固定することでボックスベース265とボックスカバー267との相対的なスライド移動を不可とするとともに、固定後の固定部材が取り外し不可となっており、固定解除用被破壊部285は、ボックスベース265の所定箇所に形成され、規制部材290は、ボックスベース265の本体部265bとボックスベース265の封止部281との前記スライド方向の間隔を延出部271bの留め部272bへの係止長さよりも短くした間隙部291を備え、固定解除用被破壊部285が破壊されると、ボックスベース265の破壊された封止部281が当該ボックスベース265から分離され且つこの破壊された封止部281がボックスカバー267に一体的に残存し、ボックスベース265またはボックスカバー267のスライド移動の際に、破壊された封止部281がボックスベース265に当たることで、ボックスベース265とボックスカバー267との相対的なスライド移動範囲を、延出部271bの留め部272bへの係止長さよりも短い範囲に規制する。したがって、固定解除用被破壊部285の破壊後のボックスベース265およびボックスカバー267を規制部材290で規制されるまでスライド移動させたとしても、鉤部273の延出部271bの一部が被係止部272の留め部272bに未だ係った状態であり、ボックスベース265とボックスカバー267とを分離することができない構成を好適に実現できる。つまり、鉤部273の延出部271bの一部が被係止部272の留め部272bに係った状態を解除するべく当該延出部271bの先端側を切断することを複数個の鉤部273全てについて行うことで、ようやくボックスベース265とボックスカバー267とを分離することができることから、基板ボックス263の不正開封に手間がかかり、不正開封の抑止効果に優れる。
また、係止爪271は、ボックスカバー267での両辺(上面および下面)箇所にその辺方向に複数個(各辺6個)配設され、被係止部272は、ボックスベース265での両辺(上面および下面)箇所にその辺方向に複数個(各辺6個)配設され、係止解除用被破壊部275は、ボックスベース265の両辺の所定箇所であって係止爪271の存する箇所に設けられ、延出部271bの先端側を切断するためのスペースを確保するべく破壊されるので、係止解除用被破壊部275が破壊されることで、延出部271bの先端側を切断するためのスペースを確保でき、係止部材270による係止(つまり、鉤部273が留め部272bに係止された状態)を解除するためのスペースを確保することができ、延出部271bの先端側を好適に切断できる。また、ボックスベース265の両辺の複数個(各辺6個)の係止解除用被破壊部275の全てを破壊することでかかる破壊痕跡を残すことができ、不正な再利用を抑止できるのみならず、この複数個の係止解除用被破壊部275の全てを破壊して、さらに複数個の延出部271bの先端側の全てを切断しなければボックスベース265とボックスカバー267とを分離することができないことから、かかる開封作業に手間がかかるため不正抑止効果に優れる。さらに、複数個の延出部271bの先端側だけが切断されただけであり、鉤部273としての係り代(延出部271bの留め部272bに対する係り代)は残存していることから、ボックスベース265とボックスカバー267とを仮係止することができ、ホール側の事情により、ボックスベース265とボックスカバー267とを仮係止した状態で一時的に使用することもできるという適応性に優れる。
また、締結部材295は開封後のボックスベース265とボックスカバー267とを締結するので、延出部271bの先端側が切断されて開封されたボックスベース265とボックスカバー267とを、残存する鉤部273の係り代(延出部271bの留め部272bに対する係り代)を利用して、ボックスベース265とボックスカバー267とを仮係止した状態とし、この仮係止されたボックスベース265とボックスカバー267とを締結部材295によって締結でき、ホール側の事情により、ボックスベース265とボックスカバー267とを仮係止して締結部材295で締結した状態で一時的に使用することもできるという適応性に優れる。
なお、実施例1のボックスベース265は、後述する実施例2での図14に示すような雌ネジ部297および被破壊部300を備えているが、図6〜図13において雌ネジ部297および被破壊部300の図示省略しており、その詳細については実施例2を参照されたい。
次に、実施例2のパチンコ機10の基板ボックス263について図14〜図32を用いて説明する。
図14(a),(b)は、実施例2の基板ボックス263を前面右上から見た前面斜視図、裏面左上から見た裏面斜視図である。図15(a)〜(f)は順に実施例2の基板ボックス263の上面図、左側面図、前面図、右側面図、裏面図、下面図である。図16は、実施例2の基板ボックス263の分解斜視図である。図17〜図20は、実施例2の基板ボックス263の開封手順を示す裏面斜視図である。図21〜図25は、実施例2の基板ボックス263の開封手順を示す前面斜視図である。図26〜図28は、実施例2の基板ボックス263の開封手順を示す断面図および前面斜視図である。図29は、実施例2の基板ボックス263の開封手順を示す上面図である。図30(a)〜(c)は、実施例2の基板ボックス263の開封に際してこの基板ボックス263の前面右上部箇所を示す横断面図であり、図30(d)〜(f)は、その(a)〜(c)に対応する基板ボックス263の前面右上部箇所を示す破断前面斜視図である。図31(a)は、図30(f)後に主制御基板261aの被破壊部300の破壊箇所を示す前面右上部箇所の前面斜視図であり、図31(b)は、主制御基板261aを取り外したときの基板ボックス263の前面右上部箇所を示す前面斜視図である。図32(a)は、図31(b)での基板ボックス263の前面右上部箇所を示す上面図であり、図32(b)は、(a)での基板ボックス263の前面右上部箇所を示す裏面斜視図である。
実施例2のボックスベース265は、その外面所定箇所であって、主制御基板261aを固定する破断ネジ296が螺入される雌ネジ部297の外周箇所に形成された被破壊部300を備えている点が、前述の実施例1の基板ボックス263と異なっている。また、実施例2の封止部材280が前述の実施例1の封止部材280と異なっているし、この実施例2の基板ボックス263は、前述の実施例1の規制部材290と係止解除用被破壊部275とを備えていない点も異なっている。この実施例2では、前述の実施例1と異なる点を中心に以下に説明する。
図16に示すように、主制御基板261aは、当該主制御基板261aをボックスベース265に固定するためのネジであって締結後は取り外せない破断ネジ296が挿入される貫通孔261cが、所定箇所(この実施例2では5箇所)に形成されている。
ボックスベース265は、図20,図29(e)に示すように、主制御基板261aの取付面側の所定箇所(前記5箇所の貫通孔261cに対応する箇所)に、主制御基板261aの貫通孔261cに挿入された破断ネジ296が螺入される雌ネジ部297をそれぞれ備えている。
雌ネジ部297は、図20,図29(e)に示すように、ボックスベース265の開口部265a側の所定5箇所に一体的に樹脂成型されることで設けられており、ボックスカバー267に向けて突出した円筒形状の本体筒部297aと、この本体筒部297aの先端側が開口された開口部(図示省略)とを備えている。本体筒部297aに破断ネジ296を螺入することで、その本体筒部297aの円筒内部に雌ネジのネジ山が形成される。なお、本体筒部297aの円筒内部に予め雌ネジのネジ山が形成されたものを採用してもよい。
さらに、このボックスベース265は、図16,図21に示すように、当該ボックスベース265での外面箇所であって雌ネジ部297の基端側でその外周所定箇所に形成された被破壊部300を備えている。つまり、この被破壊部300は雌ネジ部297に対応して備えられていることから、ボックスベース265に5個備えられている。
この被破壊部300は、破壊されることで雌ネジ部297がボックスベース265から外れるようにするためのものであり、図24,図31での一点鎖線下の箇所のことである。具体的には、実施例2の被破壊部300は、例えば8個の小孔が環状に形成され、その隣接する小孔間の部分の8箇所分のことである。
実施例2の封止部材280は、図16に示すように、ボックスベース265の封止部281とボックスカバー267の封止部282とを破断ネジ283で固定することでボックスベース265とボックスカバー267との相対的なスライド移動を不可とするとともに、固定後の破断ネジ283が取り外し不可となっているものである。
実施例2の封止部材280は、図17,図27(a),図30(a)に示すように、ボックスカバー267の封止部281に固定解除用被破壊部285が形成されている点が、前述の実施例1の封止部材280と異なる。つまり、実施例2のボックスカバー267の封止部282での固定解除用被破壊部285を切断破壊することで、ボックスベース265とボックスカバー267とのスライド移動不可状態が解除され、ボックスベース265とボックスカバー267とをスライド移動させた後に、ボックスベース265とボックスカバー267とを前後方向(対向方向)に開封できる。
なお、上述した破断ネジ296が本発明における取り外し防止部材に相当し、上述した貫通孔261cが本発明における取付部に相当し、上述した雌ネジ部297が本発明における被締結部に相当する。
ここで、実施例2の基板ボックス263の封止手順などについて説明する。
図16に示すように、ボックスベース265の開口部265aを介してこのボックスベース265の内側所定箇所にコネクタベース268がネジ留めされ、さらに、ボックスベース265の開口部265aを介して主制御基板261aを挿入し、このボックスベース265の内側の所定箇所に主制御基板261aを破断ネジ296でネジ留めすることで取り付ける。
つまり、ボックスベース265の開口部265aを介して主制御基板261aを挿入した状態で、主制御基板261aの貫通孔261cに挿入された破断ネジ296をボックスベース265の雌ネジ部297に螺入することで、主制御基板261aがボックスベース265に取り外し不可に取り付けられる。そして、この破断ネジ296は所定以上の締め付けトルクがかかるとネジ頭が破断し、緩めることができないようになっている。
そして、ボックスベース265の開口部265aをほぼ覆うようにボックスカバー267を合わせた状態とし、このボックスベース265とボックスカバー267とを相対的に長手方向に鉤部273の延出部271b長さ程度にスライド移動させることで、図14に示すように、ボックスベース265の開口部265aをボックスカバー267で閉塞した状態に合わせた位置となる。
そしてこの状態で、ボックスベース265の前面右側の封止部281の挿入穴に、図16に示す破断ネジ283を挿入し、この破断ネジ283をボックスカバー267の封止部282の雌ネジ部に螺入することで、ボックスベース265とボックスカバー267とを破断ネジ283で締結する。そして、この破断ネジ283は所定以上の締め付けトルクがかかるとネジ頭が破断し、緩めることができないようになっている。なお、図14に示すように、ネジ頭が破断した破断ネジ283はボックスベース265の封止部281の挿入穴内に沈み込んだ状態となっており、破断ネジ283に不正なアクセスができないようになっている。
こうすることで、ボックスベース265とボックスカバー267とが開封不能となっている。また、ボックスベース265の長手方向の両辺それぞれに亘って設けられた複数個(6個)の係止爪271が、ボックスカバー267の長手方向の両辺それぞれに亘って設けられた複数個(6個)の被係止部272のそれぞれに係止されているので、基板ボックス263の上面および下面に細状の不正具を挿入して隙間を開けることも抑止できる。
次に、実施例2の基板ボックス263の開封手順などについて説明する。
図17,図29(b)に一点鎖線で示すように、ボックスカバー267の封止部282の固定解除用被破壊部285を切断工具(例えば、ニッパーや刃物など)によって切断破壊する。固定解除用被破壊部285が切断(破壊)されると、ボックスカバー267の切断された封止部282が当該ボックスカバー267から分離されることになり、ボックスベース265とボックスカバー267とのスライド移動不可状態が解除される。なお、ボックスカバー267から分離された破壊封止部282は、図18,図29(c)に示すように、破断ネジ283の締結によりボックスベース265に一体的に残存した状態となっている。
続いて、図18,図22,図29(c)に示すように、ボックスカバー267をボックスベース265に対して開封方向にスライドさせると、図27,図30(b),(e)に示すように、ボックスカバー267の係止爪271がボックスベース265の留め部272bから係止解除された状態となり、図19,図23,図28,図29(d),図30(c),(f)に示すように、ボックスベース265とボックスカバー267とを前後方向(対向方向)に開封できる。
なお、ボックスベース265の開口部265aの側には、主制御基板261aが破断ネジ296によって取り外し不可に取り付けられたままとなっている。
次に、図24,図31(a)に一点鎖線で示すように、ボックスベース265の外面5箇所の被破壊部300を切断工具(例えば、ニッパーや刃物など)によって切断破壊する。
この5箇所の被破壊部300を切断することによって、図20,図25,図29(e),図31(b),図32に示すように、主制御基板261aがボックスベース265の雌ネジ部297ごとこのボックスベース265から取り外される。
また、図32(b)に示すように、ボックスベース265の雌ネジ部297の箇所と、コネクタベース268の取り付け用ネジ穴箇所とは、異なっているので、図32(b)に示すように、雌ネジ部297が主制御基板261aに着いたままでも、コネクタベース268で妨げられずにこの主制御基板261aがボックスベース265から取り外れるようになっている。また、図25に示すように、ボックスベース265の上側2個の雌ネジ部297よりも、ボックスベース265の下側3個の雌ネジ部297の方が長くなっていることから、図32(a)では、主制御基板261aに着いたままの破壊された2個の雌ネジ部297が図示されている。
なお、図20,図25,図31(b)に示すように、ボックスベース265の外面5箇所の被破壊部300が切断破壊されており、かかる切断痕跡がボックスベース265に残っている。
なお、上述した本実施例での基板ボックス263の開封手順では、基板ボックス263をパチンコ機10から取り外した状態で作業しているが、図3に示すように、基板ボックス263の取付状態では、当該基板ボックス263の正面側(被破壊部300の存する側)が露出しているので、図3に示すように基板ボックス263の取付状態のままでボックスベース265の外面5箇所の被破壊部300を切断破壊するようにしてもよいし、かかる切断作業を安定して行うことができ、作業性に優れる。
上述したように、本実施例2の基板ボックス263によれば、主制御基板261aが取り付けられるボックスベース265と、このボックスベース265と合わされるボックスカバー267とを備え、主制御基板261aが取り付けられたボックスベース265でのその制御基板取付面側にとボックスカバー267を合わせることで形成される内部空間内に、主制御基板261aを収容するものであり、主制御基板261aは、当該主制御基板261aをボックスベース265に固定するためのネジであって締結後は取り外せない破断ネジ296が挿入される貫通孔261cを備え、ボックスベース265は、主制御基板261aの取付面側の所定箇所に、主制御基板261aの貫通孔261cに挿入された破断ネジ296が螺入される雌ネジ部297を備えるとともに、当該ボックスベース265での雌ネジ部297の外周所定箇所に形成された被破壊部300を備え、この被破壊部300は、破壊されることで雌ネジ部297がボックスベース265から外れるようにするためのものである。したがって、ボックスベース265の雌ネジ部297の外周所定箇所に形成された被破壊部300を破壊することで、主制御基板261aが雌ネジ部297ごとボックスベース265から外れており、雌ネジ部297が外れたボックスベース265に不正な主制御基板を取り付けることを防止できる。また、このボックスベース265は、その被破壊部300の破壊によって雌ネジ部297が外れた破壊痕跡が残っており、破壊痕跡のあるボックスベース265に不正な主制御基板を入れた状態での不正な収容ケースを遊技機に不正に取り付けていたとしても、その破壊痕跡から不正な収容ケースであることをホール関係者等が発見でき、ボックスベース265を再利用することができない。その結果、不正使用を防止できる基板ボックス263を提供することができる。
また、不正使用を防止できる基板ボックス263(例えば基板ケース)を備えたパチンコ機(遊技機)を提供できる。
また、基板ボックス263の封止部材280は、主制御基板261aが取り付けられたボックスベース265でのその主制御基板261aの取付面側にボックスカバー267を合わせた状態でボックスベース265およびボックスカバー267を開封不可に封止するので、封止部材280によってボックスベース265およびボックスカバー267が開封不可に封止され、基板ボックス263が不正に開封されることを低減できる。
また、主制御基板261aが取り付けられたボックスベース265でのその主制御基板261aの取付面側にボックスカバー267を合わせた状態でボックスベース265またはボックスカバー267の少なくとも一方を当該合わせ面所定方向にスライド移動させることでボックスベース265とボックスカバー267とを係止する係止部材270を備え、封止部材280は、係止部材270によって係止状態とされたボックスベース265およびボックスカバー267を開封不可に封止するので、封止部材280によってボックスベース265およびボックスカバー267が開封不可に封止されているので、基板ボックス263が不正に開封されることを低減できる。また、この封止状態では、係止部材270によってボックスベース265およびボックスカバー267がスライド係止されており、ボックスベース265およびボックスカバー267をスライド方向に直交する対向方向に開けることができず、基板ボックス263が不正に開封されることを低減できる。
また、係止部材270は、ボックスベース265でのスライド方向(長手方向)に平行な両辺(上面および下面)箇所にその辺方向に亘って複数個(各辺6個)配設された係止爪271と、ボックスカバー267でのスライド方向(長手方向)に平行な両辺(上面および下面)箇所にその辺方向に亘って複数個(各辺6個)配設されて係止爪271が係止される被係止部272と、を備え、係止爪271は、ボックスベース265からボックスカバー267の方に突出する突出部271aと、この突出部271aからスライド方向(ボックスベース265の長手方向)に延出した延出部271bとを有する鉤部273を備え、被係止部272は、鉤部273が挿入される開口部272aと、この開口部272aに鉤部273が挿入された状態でボックスベース265またはボックスカバー267の少なくとも一方を前記スライド移動させることで延出部271bが係止する留め部272bとを備えているので、ボックスベース265でのスライド方向と平行な両辺箇所でその辺方向に沿って配設された複数個(各辺6個)の係止爪271が、ボックスカバー267でのスライド方向と平行な両辺箇所でその辺方向に沿って配設された複数個(各辺6個)の被係止部272にそれぞれ係止されるので、封止部材280によってボックスベース265およびボックスカバー267が開封不可に封止された封止状態では、ボックスベース265の両辺で所定長さに亘って配置された複数個(各辺6個)の係止爪271でスライド係止されており、細状の不正具をボックスベース265とボックスカバー267との間に挿し入れるなどしてボックスベース265とボックスカバー267との間に隙間を開けたり、ボックスベース265およびボックスカバー267を開けたりすることを低減でき、基板ボックス263が不正に隙間形成や開封されることを低減できる。
この発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した実施例1のボックスベース265およびボックスカバー267は両者を合わせた状態でその少なくとも一方をスライド移動させることで、ボックスベース265の開口部265aをボックスカバー267で閉塞した状態となる構成を採用しているが、スライド無しの嵌め合わせ構造や、回動軸を軸心として回動式で組み合わせる構成などを採用してもよい。
(2)上述した各実施例では、取り外し防止部材として破断ネジ283,296を採用しているが、締め付け方向にのみ回せ緩める方向には回せないワンウエイネジなどの特殊ネジを採用してもよいし、取付後は係止部が被係止部に係止状態となって取り外し不可となる係止部材(例えば、係止爪を有する係止ピン)や、取付後は押込み部が取り外しを規制する状態となって取り外し不可となる押込固定部材(例えば、押し込みピン)などを採用してもよいし、接着剤での接着や溶着などを採用してもよい。
(3)上述した各実施例では、ボックスカバー267に係止爪271を設け、ボックスベース265に被係止部272を設けるようにしているが、それとは逆に、ボックスカバー267に被係止部272を設け、ボックスベース265に係止爪271を設けるようにしてもよい。
(4)上述した各実施例では、ボックスカバー267にの各辺(上面および下面)に6個の係止爪271を設け、ボックスベース265の各辺(上面および下面)に6個の単数個または6個以外の複数個設けるようにしてもよい。
(5)上述した各実施例では、被破壊部300、固定解除用被破壊部285および係止解除用被破壊部275は所定箇所を切断工具で切断破壊されるものとしているが、例えば、被破壊部300、固定解除用被破壊部285および係止解除用被破壊部275の肉厚を他の箇所と比べて薄くし、かかる被破壊部を押下することで破断するものとしてもよい。
(6)上述した実施例では、第1ケース体としてボックスベース265を例に挙げているが、第1ケース体としてボックスベース265とコネクタベース268とを例えば樹脂成型で一体形成されたものを採用してもよいし、複数部品で構成されたものを採用してもよい。また、第2ケース体としてボックスカバー267を採用しているが、複数部品で構成されたものを採用してもよい。
(7)上述した各実施例での封止部材280として、取付後は係止部が被係止部に係止状態となって取り外し不可となる係止部材(例えば、係止爪を有する係止ピン)や、取付後は押込み部が取り外しを規制する状態となって取り外し不可となる押込固定部材(例えば、押し込みピン)などを採用してもよい。
(8)本発明を各種(例えば第一種、第三種など)の遊技機に実施してもよいし、上記実施例とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される。)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞されることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。また、球が所定の入賞口に入ることで特別遊技状態となるパチンコ機として実施してもよい。さらに、パチンコ機以外にも、アレンジボール型パチンコ、雀球、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機等の各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する可変表示手段を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の遊技球の投入後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、あるいは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に有利な大当たり状態が発生させられ、遊技者には、下部の受け皿に多量の球が払い出されるものである。