JP5755360B2 - 耳型部、人工頭部及びこれらを用いた測定システムならびに測定方法 - Google Patents

耳型部、人工頭部及びこれらを用いた測定システムならびに測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、振動体を有する音響装置を人体の耳内部に収容させて、或いは耳に押し当てて振動伝達により音を聞かせる携帯電話機やイヤホン、ヘッドホン等の音響装置を評価するための測定システム等に関するものである。
特許文献1には、携帯電話などの音響装置として、気導音と骨導音とを利用者に伝えるものが記載されている。また特許文献1には、気導音とは、物体の振動に起因する空気の振動が外耳道を通って鼓膜に伝わり、鼓膜が振動することによって利用者の聴覚神経に伝わる音であることが記載されている。また、特許文献1には、骨導音とは、振動する物体に接触する利用者の体の一部(例えば外耳の軟骨)を介して利用者の聴覚神経に伝わる音であることが記載されている。
特許文献1に記載された電話機では、圧電バイモルフ及び可撓性物質からなる短形板状の振動体が、筐体の外面に弾性部材を介して取り付けられる旨が記載されている。また、特許文献1には、この振動体の圧電バイモルフに電圧が印加されると、圧電材料が長手方向に伸縮することにより振動体が屈曲振動し、利用者が耳介に振動体を接触させると、気導音と骨導音とが利用者に伝えられることが記載されている。
そして、このような伝達原理により音を伝えるものとして、手にもって、耳に押し付けて音を伝える電話機以外にも、人体の頭部のどこかに引っ掛けて保持されて使用されるイヤホンやヘッドホンが考えられる。
特開2005−348193号公報
そして、発明者は、上述した電話機や耳を含む人体の頭部のどこかに保持されて使用されるイヤホンやヘッドホン等の、外耳の軟骨を介しての骨導音を利用者に伝える音響装置を評価するには、振動体の振動によって人体の聴覚神経に近似的に作用する振動量を測定する必要があるとの認識に至った。
本発明は、上述した認識に鑑みてなされたもので、振動体を有する音響装置を評価できる測定システム及び測定方法やこれらに用いることが可能な各種部材等を提供することを目的とするものである。
本発明は、振動素子を備え、振動により音を聞かせる音響装置を評価するための測定システムであって、人体の耳を模した耳模型、及び耳模型に連なる人工外耳道部、並びに耳模型における耳珠に相当する位置に存在する人工軟骨部を備えた耳型部と、耳型部の内部で生じた気導音を測定するマイクと、を備える。
本発明によれば、振動体を有する各種の音響装置や補聴器等を評価することが可能となる。
本発明の第1実施の形態に係る測定システムの概略構成を示す断面図である。 測定対象の一例であるイヤホンを示す断面図である。 耳模型の断面図および平面図である。 耳模型及び人工軟骨部の平面図である。 人工側頭骨部の断面図および平面図である。 図1の測定システムの要部の機能ブロック図である。 本発明の第2実施の形態に係る測定システムの概略構成を示す図である。 本発明の第3実施の形態に係る人工側頭骨部の断面図および平面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態に係る測定システムの概略構成を示す図である。本実施の形態に係る測定システム10は、基台30に支持された耳型部50を備える。なお、以下の説明において、一例としての軟骨伝導型のイヤホンを音響装置100の一例として示している。音響装置100は、図2に示すように、人の耳の穴に埋入させる筐体101を有し、当該筺体101の内部に圧電素子102を備え、当該圧電素子102により筺体101を振動させるものである。さらに人の耳に当接する部位にゴム材103からな保護膜を設けている。ゴム材103は、外部からの摩擦や衝撃等を緩和するためのもので必須ではない。従って、振動伝達を阻害しにくいように膜状の物でよい。あるいは、アクリル樹脂等からなり、圧電素子102を覆う板状の被覆部材でもよい。
次に、本発明の測定システムに係る耳型部50について説明する。
図1に示すように、耳型部50は、人工外耳道部52の周辺部において、基台30に支持されている。ここで、耳型部50は、基台30に対して着脱自在としてもよい。あるいは、接着樹脂や両面テープで固定されていてもよい。
耳型部50は、人の耳を模したもので、耳模型51と、該耳模型51に結合された或いは一体に形成された人工外耳道部52と、耳模型51の内部に埋設された人工軟骨部54と、人工外耳道部52の周囲を取り囲むように配置された人工側頭骨部57とを備える。
耳模型51は、人体の外耳の軟部組織(軟骨組織を除く)を模擬している。耳の形状をした部位と、当該耳の形状をした部位を覆う大きさを有し、中央部に孔が形成された部位とからなる。当該孔は、後述する筒状の人工外耳道部52に形成された音道と接続されて人工外耳道53を構成する。
耳模型51は、例えば人体模型のHATS(Head And Torso Simulator)やKEMAR(Knowles Electronics社の音響研究用の電子マネキン名:商標)等に使用される平均的な耳模型の形状と概ね同様の形状からなっていてもよい。耳模型51は、例えば、IEC60318−7に準拠した素材を構成する物質からなっていてもよい。この素材は、例えばショア硬度30から60(例えばショア硬度35やショア硬度55)のシリコーンゴム等で形成することができる。尚、本実施例では人工軟骨部54を備えることから、耳模型51に人工軟骨部54が埋設された後の硬さを、例えば人工軟骨部54を有しない従来からあるショア硬度35やショア硬度55の素材からなる耳模型の硬さと同じ程度とするために、耳模型51の素材自体は、例えばショア硬度35よりも軟らかい素材、例えばショア硬度20から30の素材を用いてもよい。尚、耳模型51には、図5に示すように、耳珠や対耳珠、耳輪等が形成されていてもよい。
人工外耳道部52は、耳模型52に設けられた孔に接続されて、音響装置とは逆側に向かって筒状に延在している。人工外耳道部52は、例えばショア硬度20から60程度の硬さを持ち、耳模型と同じ物質から構成される。例えばシリコーンゴムや天然ゴム等の軟質の物質であってもよい。
人工外耳道部52は、その壁面の厚みが薄すぎると加工が困難であり、厚すぎると、音響装置100からの振動伝達による外耳道の音響放射成分(外耳道の内壁が振動して外耳道内の空気を振動させることにより鼓膜に伝達されるため、気導音として検出される成分)を忠実に模擬できない恐れがある。そこで、たとえば0.3mmから2mm程度の厚みが好ましい。また、その直径(内径)は、例えば3mmから15m程度であればよい。人工外耳道部52は、もちろん耳模型51と一体的に金型や3Dプリンタ等により製造されてもよい。また、材料樹脂を流す際の金型の形状が複雑になる場合、別部材としてそれぞれを製造して、後に互いを接着剤等により接合してもよい。接着剤は、耳模型51および人工外耳道部52の素材を勘案して、同じ組成を含む接着剤が好まれる。例えば耳模型51や人工外耳道部52がシリコーンゴムの場合、接着剤もシリコーン系接着剤であることが好ましい。なお、図3において、人工外耳道部52は断面が矩形の筒状を成しているが、矩形に限られない。
人工外耳道53の長さ、つまり耳模型51に設けられた開口から人工外耳道部52の終端部までの長さは、人の耳の穴の開口から鼓膜(蝸牛)までの長さに相当するものであれば好適で、例えば10mmから40mmの範囲で適宜設定される。例えば人工外耳道53の長さはほぼ30mmである。
さらに、人工外耳道部52には、その終端の位置にプローブマイク用の挿入孔52zが設けられている。この挿入孔52zから挿入されたマイク58により、気導音と、外耳道の内壁が外耳道内の空気を振動させて生じる放射成分と、を併せて測定することができる。
図4に示すように、耳模型51の内部には、人工軟骨部54が埋設されている。人工軟骨部54は、人の耳の軟骨を模擬したものである。人工軟骨部54は、耳模型の形状を維持するとともに、音響装置100からの振動の伝達をより忠実に再現するのに好適である。人工軟骨部54は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)、天然ゴム、或いは薄く成型したポリ塩化ビニル等のプラスティックや、生体材料である乳酸ポリマーやエラスチン等で作製してもよい。そして上述したように、人工軟骨部54の素材や厚み等は、人工軟骨部54を耳模型51に埋入したのちの複合体として、従来周知のショア硬度35やショア硬度55の素材からなる耳模型と同じ程度の曲げ強度を有するように調整される。
また、好ましくは、耳への当てつけ方の異なる色々なタイプの音響装置に対応できるように、図4に示すように、人工軟骨部54は、耳珠、対耳珠、対耳輪、対耳輪下脚、対耳輪上脚、耳輪、耳輪脚に相当する部位に存在していることが好ましい。
尚、音響装置のうち、特定のタイプを測定することだけを念頭に置いているのであれば、当該タイプに対応した必須の部位だけに人工軟骨部54があればよい。例えば耳珠だけ、或いは耳珠と対耳珠だけに人工軟骨部54を存在させることも可能である。3Dプリンタにより作製された乳酸ポリマーの軟骨の形状をした型枠の内部で、実際の人体や牛、羊等から採取した軟骨細胞を培養することにより得られた人工軟骨を用いてもよい。
図5に示すように、人工側頭骨部57は、大まかには、耳模型51の内部に埋設される埋設部57xと、埋設部57xに接続され、人工外耳道部52の外側の周囲を取り囲む例えば円筒状の筒状部57yとから構成されている。尚、埋設部57xと筒状部57yとが一体的に形成されていてもよいし、別体で作製したものを接続してもよい。
埋設部57xは、人体における側頭骨の鱗部、外耳孔、岩様部、頬骨突起、乳様突起を備えた側頭骨同様の広い面積を有してもよい。尚、例えば、音響機器として、骨伝導タイプのイヤホンだけを測定対象としたい場合等は、外耳孔とその周囲だけとしてもよい。
埋設部57xは、主として例えば一枚の板状体を用いている。人体の側頭骨は、実際には、乳様突起や、複雑な形状の鼓室部、頬骨突起等があるが、すべての形状を忠実に模擬してはいない。しかしながら、タッチパネル全体を振動させて、気導音と振動による音とを伝えるスマートフォン等の使用時に、(もちろん皮膚を通して)耳介軟骨と頬骨突起に同時に接触する場合を想定すると、幅広く振動する成分を拾うことができるように、人工側頭骨部57を外耳孔やその周囲だけでなく、幅広く覆うように設けていることには意義がある。尚、この埋設部57xには、耳模型51に埋設された人工軟骨部54に生じた振動が間接的に伝達されるように成している。これにより、耳介の軟部組織から耳介軟骨、さらに側頭骨(外耳孔)を経て、蝸牛へと伝達される振動成分や、皮膚等の軟部組織から側頭骨の外表面側(例えば乳様突起や頬骨突起)から外耳孔を経て、内耳へと伝達される振動成分を疑似的に再現することができる。
さらに、人工側頭骨部57は、筒状部57yを備えている。筒状部57yは、人体の外耳孔を簡略的に模擬している。筒状部57yは、人工外耳道部52の外周を取り囲む有底の円筒状の部材であり、埋設部57xと外耳孔に相当する部位の周囲において接している。尚、人工側頭骨部57の筒状部57yは、できる限り人工外耳道部52と接合されていることが望ましいが、耳模型51の経年劣化による取り換えを想定すると、必ずしも接合されていなくともよい。筒状部57yは、人工外耳道部52を内部に収容する長さ、直径を有するとよい。
また、筒状部57yには、その終端の位置にプローブマイク58を挿入するための挿入孔57zが設けられている。この挿入孔57zは、人工外耳道部52の挿入口52zと連通している。
ここで、人工側頭骨部57は、例えばSUSやアルミ等の金属材料、或いはポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂等の硬質樹脂材料からなっていてもよい。さらに、これらの材料の片側の主面に、多孔質層を設けてもよい。多孔質層としては、例えば大成プラス株式会社のミクロベント(商標)と呼ばれる多孔質プラスティック成型技術を用いてもよい。例えば、表面が平滑なポリカーボネート製の人工側頭骨の表面部分に、多孔質プラスティックを一体成型することにより、人体の側頭骨に近づけてもよい。
もちろん高価であるがハイドロキシアパタイト等の生体に近い材料により構成されてもよいことは言うまでもない。そのような材料であれば、振動特性が人骨に近いことが考えられ、測定値の校正の程度を小さくすることができる。
厚みは材質により異なるが、例えば上記金属材料の場合、その厚みが0.1mmから1mm程度、硬質樹脂材料では、その厚みが2mmから5mm程度であればよい。人工側頭骨部57は、耳模型51の耳本体全体を覆う程度の面積を有し、耳模型の保持を容易とする。例えば、縦・横共に2.5cmから6cm程度である。人工側頭骨部57は、上述の耳模型51および人工外耳道部52と部分的に接合されており、このため、人工側頭骨部57には人工外耳道部52或いは耳模型51からの振動が伝播される。
耳型部50には、人工側頭骨部57の筒状部57yの底部の外側に振動検出部55が配置されている。振動検出部55は、例えば、圧電式加速度ピックアップ等の振動検出素子56を備える。図1では、人工側頭骨部57の筒状部57yの終端部に、例えばチップ状の振動検出素子56を配置した場合を例示している。振動検出素子56は、1個であってもよい。複数個の振動検出素子56を配置する場合は、筒状部57yの終端部に適時の間隔で配置してもよい。ここで振動検出素子56やプローブマイク58等のリード線は、図示していない。尚、振動検出素子56は、接着剤等により人工側頭骨部57に貼り付けられる。あるいは、振動検出素子56は、筒状部の底部と接する検出面とは逆側を、テープ材により固定されてもよい。
人工側頭骨部57に配置された振動検出素子56は、耳介軟骨から側頭骨を経て伝導される振動、頬の軟部組織から頬骨を経て伝導される振動、外耳孔の周囲に音響装置の振動部をあてがった場合に生じ、外耳孔を構成する骨を経て伝達される振動等のいずれか或いは全てを検出することができる。
また振動検出素子56は、例えば、小野測器社製の超小型軽量タイプのNP−2106や、リオン株式会社製のPV−08A、PV−90B等、市販のものを適宜選択すればよい。また、株式会社アコー社製のTYPE7302のように、0.2g程度の振動検出素子56は軽量であり、好適である。
人工外耳道部52の終端部(人の鼓膜に相当する位置)には、プローブマイク58を備える。マイク58は、人工外耳道53を通過した気導音を検出する。さらに、耳模型51や人工外耳道部52の内壁が振動することにより、これらの部位で発生した気導放射成分を検出する。
次に、イヤホン等の音響装置100が保持される保持構造について説明する。図1に示すように、音響装置100が、振動伝達方式のイヤホンの場合、イヤホンの筺体101を部分的にあるいは全部、耳の穴に埋入させる。耳型部50は、人体の耳の形状を模しており、耳介や外耳道を備えていることから、当該耳介や外耳道にイヤホンを埋入させるとよい。即ち耳模型51の耳の穴が保持構造として機能する。或いは耳掛け対応の補聴器の場合、耳模型51の耳介自体が保持構造として機能する。
図6は、本実施の形態に係る測定システム10の要部の機能ブロック図である。一または複数の振動検出素子56を備えた振動検出部55は、信号処理部75に接続される。信号処理部75は、振動検出素子56(のそれぞれ)の出力に基づいて、音響装置100から人体内部に伝播した振動量を算出する。ここで、従来周知のタッチパネルや押下キー等からなる操作部77により、いずれの振動検出素子56からの入力を検出並びに評価したいかを選択するようにしてもよいし、複数の振動検出素子56の振動量を平均化するようにしてもよい。また、振動処理部75は、マイク58の検出信号を処理する。これにより音響装置100からの気導音及び振動により人体内部で発生した気導音の総和を検出し、評価できる。
尚、信号処理部75の処理内容としては、たとえば測定信号(純音、純音スイープ、マルチサイン波等)の生成ができてもよい。或いは、イコライジング部やダイナミックレンジコンプレッション部を備えていてもよい。或いは検出された信号の位相調整や合成、高速フーリエ変換等の処理も行うとよい。また、低調波ひずみ或いは高調波ひずみを分析できてもよい。また、出力部76の出力形態に合わせて種々のファイル形式に変換するようにしてもよい。そして、処理された測定結果は、表示部、プリンタ、記憶部等の出力部76に出力されて、音響装置100の評価に供される。
このように、本実施の形態に係る測定システム10によると、人体の鼓膜における気導音レベルや、人体の耳の振動伝達の特徴が重み付けされた振動レベルを測定することができるので、音響装置100を正しく評価することができる。
尚、人の軟骨経由の振動伝達に相当する振動レベルが、どの程度の振動検出素子56による振動検出値に相当する音圧レベルとなるかの相関は、予め測定システムを作製する当初において、従来周知のごとく、実際の多数の被験者による調整法あるいは閾値法等によって、校正することにより得ることができる。特に、振動成分の校正は伝音性難聴者を被見者として採用するとよい。
(第2実施の形態)
図7は、本発明の第2実施の形態に係る測定システムの概略構成を示す図である。本実施の形態に係る測定システム110は、人体の頭部模型130をさらに備える。耳型部50や測定系、信号処理系については上述の実施例と同様でよい。頭部模型130は、例えばHATSやKEMAR等と同様の素材からなってよいが、上述した耳型部50や、マイクロフォン58或いは振動検出部55等の測定系を収容可能なように、頭部内部に比較的大きな空洞を設けてある。頭部模型130の耳型部50は、頭部模型130に対して着脱自在である。即ち、耳型部50の全部または一部を交換パーツとしてもよい。例えば耳模型51は樹脂製であるため経年劣化により振動特性に変化が生じることがあり、その防止という目的において交換パーツとすることは有効である。
そして、さらに、人体の側頭骨以外の頭蓋骨の各部を備えており、上述の人工側頭骨部57が頭蓋骨の一部となる。即ち、頬骨や上顎骨、下顎骨等を有し、これらと接合されていてもよい。
本実施の形態に係る測定システム110によると、第1実施の形態の測定システム10と少なくとも同様の効果が得られる。特に、本実施の形態では、人体の頭部模型130に、振動検出用の人工耳131を着脱自在に装着して音響装置100を評価するので、頭部の振動伝達の影響が考慮された実際の使用態様により即した評価が可能となる。
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、上記実施の形態では、測定対象の音響装置100として、イヤホン等の音響装置で、圧電振動子102が振動して筺体101に振動を伝え、当該筺体を介して耳に振動するものを中心に記載したが、スマートフォンのタッチパネルを振動板として用いるものや、人の頭部により保持されたヘッドホンのように耳全体を覆うようにして使用するものや、ヘッドマウントディスプレイに設けられた音響装置によって耳に振動を伝達するもの、或いは眼鏡のつるの部分に振動素子が埋設され、当該つるが振動することにより振動音を伝達させるものであっても、同様に評価することが可能である。
(第3実施の形態)
次に図8を参照して、側頭骨部57の変形例を示す。本変形例によれば、側頭骨部578は、外耳孔、鱗部以外に、頬骨突起、鼓室部、乳様突起、岩様部等を備える。これにより、各部位に音響装置が当接あるいは圧接された場合に生じる振動を検出できる。
これらは、樹脂や金属等によりなる場合、金型による成型等が好適である。あるいは石膏等の型により、作成されてもよい。また、生体適合性のある材料であるハイドロキシアパタイト等のリン酸カルシウムからなっていれば、振動特性の再現性の面で最良である。
(第4実施の形態)
次に、本発明の測定システムを用いた一例にかかる測定方法について、以下に説明する。
例えば下記にかかる測定のステップにより種々の測定ができる。(1)振動素子を備え、振動伝達により音を聞かせる音響装置を測定するための方法であって、人体の耳を模した耳模型、及び該耳模型に接する人工側頭骨部を備えた耳型部に、前記音響装置を当接させるステップ、(2)音響装置から試験音を発生させるステップ、(3)耳型部に配置された振動検出部により振動を検出するステップと、を経る。
さらに、(4)耳型部の人工外耳道部に配置されたマイクにより気導音を検出するステップと、を経てもよい。
10 測定システム
30 基台
50 耳型部
51 耳模型
52 人工外耳道部
52z 挿入孔
53 人工外耳道
54 人工軟骨部
55 振動検出部
56 振動検出素子
57 人工側頭骨部
57x 埋設部
57y 筒状部
57z 挿入孔
58 マイク
100 音響装置
101 筐体
102 振動素子
103 ゴム材
110 測定システム
130 頭部模型

Claims (17)

  1. 振動素子を備え、振動により音を聞かせる音響装置を評価するための測定システムであって、
    人体の耳を模した耳模型、及び前記耳模型に連なる人工外耳道部、並びに前記耳模型における耳珠に相当する位置に存在する人工軟骨部を備えた耳型部と、
    前記耳型部の内部で生じた気導音を測定するマイクと、を備える測定システム。
  2. 前記マイクは、前記人工外耳道部の終端に配置される請求項1に記載の測定システム。
  3. 前記マイクは、プローブマイクである請求項1または請求項2に記載の測定システム。
  4. 前記マイクは、音響装置が発した気導成分と、前記人工外耳道部から発生した気導成分とを併せて測定する請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の測定システム。
  5. 前記人工外耳道部の周囲を囲む筒状部をさらに備え、
    前記人工外耳道部は、前記筒状部と接合されている請求項1に記載の測定システム。
  6. 前記人工外耳道部の周囲を囲む筒状部をさらに備え、
    前記人工外耳道部は、前記筒状部と接合されていない請求項1に記載の測定システム。
  7. 前記人工外耳道部は、ショア硬度20から60の硬さである請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の測定システム。
  8. 前記人工軟骨部は、さらに対耳珠、対耳輪、対耳輪下脚、対耳輪上脚、耳輪、耳輪脚のいずれかに位置する箇所にも存在する請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の測定システム。
  9. 前記人工外耳道部の周囲を囲む筒状部をさらに備え、
    前記人工軟骨部は、前記筒状部と対向する位置に配置されている請求項1から8のいずれかに記載の測定システム。
  10. 人体の頭部模型をさらに備え、前記耳型部は、前記頭部模型に取り付けられる、請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の測定システム。
  11. 基台をさらに備え、前記耳型部は、前記基台に取り付けられる、請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の測定システム。
  12. 前記耳模型は、音響装置を保持可能な保持部を備える、請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の測定システム。
  13. 前記頭部模型は、音響装置を保持可能な保持部を備える、請求項10に記載の測定システム。
  14. 前記耳型部は、IEC60318−7に準拠した素材からなる部位を含む請求項1乃至請求項13のいずれかに記載の測定システム。
  15. 振動素子を備え、振動伝達により音を聞かせる音響装置を測定するための方法であって、
    人体の耳を模した耳模型、及び該耳模型に接する人工外耳道部、並びに前記耳模型における耳珠に相当する位置に存在する人工軟骨部を備えた耳型部に、前記音響装置を当接させるステップと、
    前記音響装置から試験音を発生させるステップと、
    前記耳型部の前記人工外耳道部に配置されたマイクにより気導音を検出するステップと、を経る測定方法。
  16. 人体の耳を模した耳模型、及び前記耳模型に連なる人工外耳道部、並びに前記耳模型における耳珠に相当する位置に存在する人工軟骨部を備えた耳型部であって、
    当該耳型部と、振動素子を備えて振動により音を聞かせる音響装置を評価するために、前記耳型部の内部で生じた気導音を測定するマイクと、を備える測定システムに用いられる耳型部。
  17. 請求項16に記載の耳型部と、人体の頭部模型とを備えた人工頭部。
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