JP5710830B1 - 送信装置、受信装置および限定受信システム - Google Patents
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Abstract
Description
また、異なる関連情報サブシステムを並列運用する手法として、現在のデジタル放送では、サイマルクリプト方式が採用されている。
このサイマルクリプト方式は、限定受信方式を特定する限定受信方式記述子を、プログラムマップテーブル(PMT:Program Map Table)や限定受信テーブル(CAT:Conditional Access Table)に複数並列に記載する手法である(特許文献1、非特許文献2参照)。
この場合、サイマルクリプト方式では、ECMを伝送するパケットを識別するためのパケット識別を含んだ限定受信方式記述子をPMTに限定受信方式ごとに複数記載し、そのPMTを予め受信装置に伝送しておく。そして、受信装置は、PMTに記載されている複数の限定受信方式記述子の中で、自身の限定受信方式に適合する限定受信方式記述子に記述されているパケット識別によって、放送ストリームから、対応するECMを抽出する。
この場合、サイマルクリプト方式では、EMMを伝送するパケットを識別するためのパケット識別を含んだ限定受信方式記述子をCATに限定受信方式ごとに複数記載し、そのCATを予め受信装置に伝送しておく。そして、受信装置は、CATに記載されている複数の限定受信方式記述子の中で、自身の限定受信方式に適合する限定受信方式記述子に記述されているパケット識別によって、放送ストリームから、対応するEMMを抽出する。
また、放送事業者からは、各社のビジネスモデルに応じて、関連情報サブシステムを選択し、有料放送や無料放送のサービスを切り替えたり、暗号に使用する鍵長やアルゴリズムを更新して安全性を高めたいという要望がある。
この要望に応えるべく、同じ限定受信方式において、サービスの種類やセキュリティ強度が異なる関連情報サブシステムを選定することを考える。
すなわち、本発明に係る送信装置は、コンテンツをスクランブルするスクランブル鍵の関連情報として、受信装置共通の鍵情報と受信装置個別の鍵情報とを用いる限定受信方式により、放送ストリームに多重化したスクランブルコンテンツを受信装置に限定受信させる送信装置において、第1の限定受信方式情報設定手段と、第2の限定受信方式情報設定手段と、CAロード記述子設定手段と、を備える構成とした。
ここで、CAロード記述子設定手段は、CAロード記述子として、第2ロード指示の有無を示す第2ロード指示フラグと、プログラムに固有の識別子およびバージョンが含まれる第2プログラム識別と、第2プログラム識別のバージョンが単独指定または範囲指定であるかを示す範囲指定情報が含まれる第2ロード指示と、を第1テーブル又は第2テーブルの少なくとも一方に設定してもよい。
これによって、受信装置は、限定受信方式で用いる受信装置共通の鍵情報および受信装置個別の鍵情報の所在を認識することができる。
これによって、受信装置は、送信装置から指示された限定受信方式識別に対応する複数の関連情報サブシステムプログラムの中から1つバージョンを選定して動作させることができる。
ここで、CAロード記述子解析手段は、第2ロード指示の有無を示す第2ロード指示フラグと、プログラムに固有の識別子およびバージョンが含まれる第2プログラム識別と、第2プログラム識別のバージョンが単独指定または範囲指定であるかを示す範囲指定情報が含まれる第2ロード指示と、を含んだCAロード記述子から、第2プログラム識別および第2ロード指示を抽出し、プログラム選定手段は、CAロード記述子解析手段で抽出された第1プログラム識別と第1ロード指示と第2プログラム識別と第2ロード指示とにより、限定受信制御手段に記憶されている関連情報サブシステムプログラムの1つを選定してもよい。
本発明に係る送信装置は、1つの限定受信方式に対して複数の関連情報サブシステムプログラムを受信装置の限定受信制御手段に記憶しておき、送信装置から限定受信方式とそれに対応する関連情報サブシステムプログラムのバージョンを受信装置に指定する。そして、本発明に係る受信装置は、送信装置から指定された関連情報サブシステムプログラムのバージョンに切り替えて鍵配送処理を実行する。
これによって、本発明は、放送事業者のビジネスモデルに応じて、例えば、セキュリティ強度や機能の異なる関連情報サブシステムプログラムのバージョンを、送信装置が受信装置に切り替えさせることができる。
以下、本発明の各実施形態について図面を参照して説明する。なお、各実施形態において、同一の機能を有する手段には同一の符号を付し、説明を省略した。
[限定受信システムの概要]
最初に、図1,図2を参照して、本発明の第1実施形態に係る限定受信システムSの概要について説明する。
なお、デジタル放送の放送波Wは、地上デジタル放送、衛星放送、ケーブル放送等、無線、有線を問わない。また、このデジタル放送は、IPネットワーク等の通信回線を介して伝送する形態であっても構わない。
そして、受信装置2は、CATを解析し、指定された関連情報サブシステムプログラムPを選択して動作させる。
すなわち、受信装置2,2,…に共通の鍵情報である、スクランブル鍵Ksを含んだ共通鍵情報(ECM:Entitlement Control Message)の位置情報(パケット識別等)は、限定受信方式を識別する限定受信方式識別ごとに、PMTに記載されて伝送される。
これによって、限定受信システムSは、放送事業者が、限定受信方式ごとの複数の関連情報サブシステムプログラムPのバージョンを受信装置2において切り替えて動作させることができる。
以下、限定受信システムSを構成する送信装置1および受信装置2について順次説明を行う。
まず、図2を参照(適宜図1参照)して、本発明の第1実施形態に係る送信装置1の構成について説明する。
送信装置1は、コンテンツCをスクランブルするスクランブル鍵Ksの関連情報として、限定受信方式を識別する限定受信方式識別に対応付けた受信装置2共通の鍵情報と受信装置2個別の鍵情報とを用いる限定受信方式により、放送ストリームに多重化したスクランブルコンテンツSCを受信装置2に限定受信させるものである。また、送信装置1は、受信装置2に実装される関連情報サブシステムプログラムPを切り替えて動作させるものである。
ここでは、送信装置1は、スクランブル手段10と、ECM生成手段11と、EMM生成手段12と、PMT生成手段13と、CAT生成手段14と、多重化手段15と、を備える。
なお、スクランブル鍵Ksは、数秒に1回程度更新され、ここでは、適宜外部から新たなスクランブル鍵Ksが入力されることで更新されるものとする。
ここでは、ECM生成手段11は、生成した共通鍵情報(ECM)を、多重化手段15に出力する。このとき、ECM生成手段11は、ECMをパケット化し、そのヘッダ領域に、後記するPMT生成手段13で設定された鍵情報の位置情報であるECMのパケット識別(ECM_PID)を設定しておく。
なお、マスタ鍵Kmは、予め個々の受信装置2に付与されている固有の鍵であって、予め図示を省略した記憶手段に記憶されているものとする。
ここでは、EMM生成手段12は、生成した個別鍵情報(EMM)を、多重化手段15に出力する。このとき、EMM生成手段12は、EMMをパケット化し、そのヘッダ領域に、後記するCAT生成手段14で設定された鍵情報の位置情報であるEMMのパケット識別(EMM_PID)を設定しておく。
また、ここでは、EMM生成手段12が、受信装置2個別のマスタ鍵Kmでワーク鍵Kwを暗号化することとしたが、限定受信方式の管理単位を受信機メーカや受信機機種といったデバイス単位とする場合、当該単位で予め受信装置2に割り当てられたデバイス鍵でワーク鍵Kwを暗号化することとする。
ここでは、PMT生成手段13は、限定受信方式情報設定手段130を備える。
ここで、図3を参照して、PMT生成手段13が生成するPMTのデータ構造の例について説明する(適宜図2参照)。
この記述子領域には、限定受信方式情報設定手段130によって、限定受信方式情報(限定受信方式記述子)が設定される。
また、「鍵情報の位置情報」は、共通鍵情報(ECM)を伝送するパケットを識別するパケット識別(PID)である。
この限定受信方式情報(限定受信方式識別、鍵情報の位置情報)は、外部から入力される。
図2に戻って、送信装置1の構成について説明を続ける。
ここでは、CAT生成手段14は、限定受信方式情報設定手段140と、CA(Conditional Access)ロード記述子設定手段141と、を備える。
ここで、図4,図5を参照して、CAT生成手段14が生成するCATのデータ構造の例について説明する(適宜図2参照)。
また、記述子領域には、CAロード記述子設定手段141によって、CAロード記述子が設定される。
この限定受信方式情報(限定受信方式識別、鍵情報の位置情報)は、外部(例えば、放送事業者)から入力される。
また、「第2ロード指示」は、第1ロード指示と同様、受信装置2に記憶されている関連情報サブシステムプログラムPのロード(起動)を指示するための情報である。
なお、第2プログラム識別および第2ロード指示は、第2ロード指示フラグが“0”の場合、その値が設定されない。また、第2ロード指示フラグが“0”の場合、第2プログラム識別および第2ロード指示の項目自体を削除してもよい。
また、「除外プログラム識別」は、受信装置2で起動させない関連情報サブシステムプログラムPのプログラム識別が1以上記述された情報である。
また、「ロードセキュリティ情報」は、関連情報サブシステムプログラムPの改竄を検出するための情報である。例えば、ロードセキュリティ情報は、受信装置2に記憶されている関連情報サブシステムプログラムPのハッシュデータである。このハッシュデータは、プログラム識別とハッシュ値とを対としたデータである。このハッシュ値は、関連情報サブシステムプログラムPを、予め受信装置2で既知のハッシュ関数(SHA256等)によって演算した値である。
また、ロードセキュリティ情報は、それぞれの受信装置2において、異なる関連情報サブシステムプログラムPがロード対象となる場合、少なくともロード対象となるプログラム識別ごとにハッシュデータが設定される。
なお、図5(b)の範囲指定情報は、4ビット目から6ビットまでが予約領域(reserved future use)であることを示す。
例えば、範囲指定情報は、“001”の場合、第1プログラム識別に含まれるバージョン以上(以降)の関連情報サブシステムプログラムPをロード対象とすることを示す。
また、範囲指定情報は、“010”の場合、第1プログラム識別に含まれるバージョン以下(以内)の関連情報サブシステムプログラムPをロード対象とすることを示す。
また、範囲指定情報は、“011”の場合、第1プログラム識別に含まれるバージョンのみの関連情報サブシステムプログラムPをロード対象とすることを示す。
つまり、範囲指定情報は、“001”または“010”の場合に範囲指定となり、“011”の場合に単独指定となる。
例えば、バージョン指定情報は、“0”の場合、範囲指定情報で指定されるロード対象範囲の中で、最新バージョンの関連情報サブシステムプログラムPをロード対象とすることを示す。
また、バージョン指定情報は、“1”の場合、範囲指定情報で指定されるロード対象範囲の中で、最旧バージョンの関連情報サブシステムプログラムPをロード対象とすることを示す。
また、CAロード記述子(限定受信方式識別、第1プログラム識別、第1ロード指示、第2ロード指示フラグ、第2プログラム識別、第2ロード指示、除外プログラム識別数、除外プログラム識別、ロードセキュリティ情報長、ロードセキュリティ情報)は、外部(例えば、放送事業者)から入力される。
また、ここでは、図3〜図5に示したように、ARIBのSTD−B10に準拠して、MPEG−2 TSの記述子形式でテーブル情報(PMT、CAT)を構成した例を示した。しかし、PMTやCATは、必ずしも記述子形式で記述する必要はなく、例えば、IPプロトコルのセッション記述プロトコル(SDP:Session Description Protocol1)形式、MMT(MPEG Media Transport)で規定される制御メッセージ形式として記述しても構わない。
また、前記した共通鍵情報や個別鍵情報についても、ECMやEMMのデータ形式とする必要はなく、IPプロトコルのセッション記述プロトコル形式、MMTで規定される制御メッセージ形式としても構わない。
図6を参照し、CAロード記述子の設定内容と、ロード対象になる関連情報サブシステムプログラムPのバージョンとの関係について、3つの具体例を説明する。
ここで、受信装置2には、“1.0”、“1.5”、“2.0”および“3.0”という4つのバージョンの関連情報サブシステムプログラムPが記憶されていることとする。つまり、各関連情報サブシステムプログラムPは、識別子が同一(例えば、“A”)であり、バージョンが異なっている。
第2ロード指示フラグには、“1(有り)”が設定される。また、第2プログラム識別には、識別子=“A”、バージョン=“2.0”が設定される。そして、第2ロード指示の範囲指定情報には、“010(以下)”が設定される。
また、第2ロード対象範囲とは、第2プログラム識別および第2ロード指示の範囲指定情報から求まるロード対象範囲である。
第2ロード指示フラグには、“1(有り)”が設定される。また、第2プログラム識別には、識別子=“A”、バージョン=“1.0”が設定される。そして、第2ロード指示の範囲指定情報には、“010(以下)”が設定される。
図2に戻って、送信装置1の構成について説明を続ける。
この多重化手段15は、多重化した放送ストリーム(例えば、MPEG2 TS)を、図示を省略した送信変調装置を介して、放送波Wとして、受信装置2に送信する。
次に、図7を参照(適宜図1参照)して、本発明の第1実施形態に係る受信装置2の構成について説明する。
受信装置2は、コンテンツCをスクランブルするスクランブル鍵Ksの関連情報として、限定受信方式を識別する限定受信方式識別に対応付けた受信装置2共通の鍵情報と受信装置2個別の鍵情報とを用いる限定受信方式により、送信装置1で放送ストリームに多重化されたスクランブルコンテンツSCを限定受信するものである。
ここでは、受信装置2は、選局・復調手段20と、多重分離手段21と、PMT解析手段22と、CAT解析手段23と、鍵情報取得手段24と、プログラム選定手段25と、限定受信制御手段26と、デスクランブル手段27と、を備える。
ここでは、多重分離手段21は、放送ストリームに多重化されて伝送されてくるプログラムマップテーブル(PMT)を分離して、PMT解析手段22に出力する。また、多重分離手段21は、放送ストリームに多重化されて伝送されてくる限定受信テーブル(CAT)を分離して、CAT解析手段23に出力する。
さらに、多重分離手段21は、放送ストリームに多重化されて伝送されてくる放送番組であるスクランブルコンテンツ(映像、音声等)SCを分離して、デスクランブル手段27に出力する。
なお、このPMT解析手段22は、限定受信方式情報以外にも、例えば、ARIBのSTD−B10で規定されている放送番組を構成する種々の符号化信号を伝送するパケットの位置情報(PID)を解析して抽出することができるが、本発明においては直接関係がないため、図示とその説明を省略する。
ここでは、限定受信方式情報解析手段220は、限定受信制御手段26の限定受信方式識別通知手段261から、当該受信装置2の限定受信方式を識別する識別子である限定受信方式識別を取得し、その限定受信方式識別に対応する限定受信方式情報をPMTから抽出する。
そして、限定受信方式情報解析手段220は、抽出した限定受信方式情報のうち、共通鍵情報の位置情報(ECM_PID)を鍵情報取得手段24に出力する。
なお、このCAT解析手段23は、限定受信方式情報、CAロード記述子以外にも、例えば、ARIBのSTD−B10で規定されている限定受信放送の種々の関連情報を伝送するパケットの位置情報(PID)を解析して抽出することができるが、本発明においては直接関係がないため、図示とその説明を省略する。
ここでは、限定受信方式情報解析手段230は、限定受信制御手段26の限定受信方式識別通知手段261から、当該受信装置2の限定受信方式を識別する識別子である限定受信方式識別を取得し、その限定受信方式識別に対応する限定受信方式情報をCATから抽出する。
そして、限定受信方式情報解析手段230は、抽出した限定受信方式情報のうち、個別鍵情報の位置情報(EMM_PID)を鍵情報取得手段24に出力する。
そして、CAロード記述子解析手段231は、抽出した第1プログラム識別および第1ロード指示をプログラム選定手段25に出力する。
また、鍵情報取得手段24は、多重分離手段21で分離されたEMMから、限定受信方式情報解析手段230で抽出された個別鍵情報の位置情報(EMM_PID)と同じパケット識別のパケットを抽出することで、限定受信方式識別(CA_System_ID)に対応したEMMを取得する。
この鍵情報取得手段24は、取得したECMおよびEMMを限定受信制御手段26に出力する。
ここでは、プログラム選定手段25は、プログラム識別取得手段250と、ロード指示判定手段251と、ロード指示手段252と、を備える。
これによって、プログラム選定手段25は、限定受信制御手段26に予め記憶されている関連情報サブシステムプログラムPを認識することができる。
このプログラム識別取得手段250は、取得したプログラム識別のリストをロード指示判定手段251に出力する。
そして、ロード指示判定手段251は、規則に適合するプログラム識別を1つ決定し、ロード指示手段252に、当該プログラム識別を出力する。なお、ロード指示判定手段251によるプログラム識別の決定手法は、その詳細を後記する(図10)。
なお、このとき、ロード指示手段252は、ロード対象となるプログラム識別とともに、CAT解析手段23で抽出されたロードセキュリティ情報のうち、当該プログラム識別に対応するロードセキュリティ情報(図4(c)参照)を、限定受信制御手段26に出力する。
なお、この限定受信制御手段26は、鍵情報を用いてスクランブル鍵Ksを生成する関連情報サブシステムプログラムPを実装した耐タンパ性を有するモジュールである。
なお、プログラム識別は、関連情報サブシステムプログラムPとは別のデータで、関連情報サブシステムプログラムPと対応付けたものであってもよいし、関連情報サブシステムプログラムPの内部(例えば、先頭の所定バイト数)に埋め込まれた情報であってもよい。
これによって、関連情報サブシステムプログラムPは、鍵情報(ECM,EMM)から、スクランブル鍵Ksを生成することができる。
図7に戻って、受信装置2の構成について説明を続ける。
なお、ここでは、ロード手段264は、選定されたプログラム識別に対応する関連情報サブシステムプログラムPが改竄されていない場合のみ、ワークメモリ267に展開することとする。
ここでは、改竄検出手段265は、ロード手段264から、ロード対象となる関連情報サブシステムプログラムPのプログラム識別とロードセキュリティ情報とを入力し、そのプログラム識別で指定された関連情報サブシステムプログラムPに対して、ハッシュ関数(SHA256等)によってハッシュ値を演算する。
ここでは、ロード手段264によって、ワークメモリ267に関連情報サブシステムプログラムPが展開された後、図示を省略したCPUによって、当該プログラムが実行されることで、限定受信制御手段26において、関連情報サブシステムが動作する。
次に、限定受信システムSの動作について説明する。ここでは、図9,図10を用いて、本発明の特徴となる関連情報サブシステムの切り替え動作について説明し、図11を用いて、関連情報サブシステムによる限定受信動作について説明する。
最初に、図9を参照(構成については、適宜図1,図2,図7参照)して、限定受信システムSにおける関連情報サブシステムの切り替え動作について説明する。
具体的には、CAロード記述子設定手段141が、外部から、限定受信方式識別、…、ロードセキュリティ情報を入力し、CATに設定する(図4参照)。
プログラム選定処理でエラー無の場合(ステップS16でYes)、受信装置2は、ステップS15で選定したプログラム識別と、当該プログラム識別に対応した、ステップS14で抽出したCAロード記述子のロードセキュリティ情報を、限定受信制御手段26に通知する(ステップS17)。
なお、ステップS16,S19でNoの場合、限定受信制御手段26は、プログラム選定手段25にその旨を通知し、プログラム選定手段25が、エラーメッセージを画面上に表示することとしてもよい(ステップS21)。
これによって、限定受信システムSは、限定受信方式識別ごとに、セキュリティ強度や機能の異なる関連情報サブシステムプログラムPを柔軟に指定することができ、放送事業者のビジネスモデルに応じて、きめ細かく関連情報サブシステムプログラムPを切り替えることができる。
次に、図10を参照(構成については、適宜図1,図2,図7参照)して、図9のプログラム選定処理について説明する。
つまり、ロード指示判定手段251は、第1プログラム識別のバージョンのみをロード対象、そのバージョン以上をロード対象、または、そのバージョン以下をロード対象というように、第1ロード対象範囲を決定する(ステップS152)。
なお、第2ロード指示無の場合(ステップS153でNo)、ステップS152で決定した第1ロード対象範囲が、最終的なロード対象範囲となる。
つまり、ロード指示判定手段251は、第2プログラム識別のバージョンのみをロード対象、そのバージョン以上をロード対象、または、そのバージョン以下をロード対象というように、第2ロード対象範囲を決定する(ステップS155)。
ここで、第1ロード対象範囲および第2ロード対象範囲が重複する場合、ロード指示判定手段251は、これらのAND条件により、最終的なロード対象範囲を求める。
一方、第1ロード対象範囲および第2ロード対象範囲が重複しない場合、ロード指示判定手段251は、これらのOR条件により、最終的なロード対象範囲を求める(ステップS156)。
受信装置2は、ロード指示判定手段251によって、ステップS14で抽出した除外プログラム識別数が“0”であるか否かによって、除外プログラム識別の有無を判定する(ステップS158)。
つまり、ロード指示判定手段251は、除外プログラム識別に含まれる関連情報サブシステムプログラムPを、最終的なロード対象範囲から除外する(ステップS159)。
プログラム識別の数が“0”の場合(ステップS160で“0”)、受信装置2は、ロード指示判定手段251によって、関連情報サブシステムプログラムPをロードできないため、エラーをリターンする(ステップS161)。
受信装置2は、ロード指示判定手段251によって、ステップS163で取得したバージョン指定情報に基づいて、2以上のプログラム識別から、最旧(最小)バージョンまたは最新(最大)バージョンを表すプログラム識別を1つ選定し(ステップS164)、ステップS162の処理に戻る。
次に、図11を参照(構成については、適宜図1,図2,図7,図8参照)して、限定受信システムSにおける関連情報サブシステムによる限定受信動作について説明する。
具体的には、限定受信方式情報設定手段140が、外部から、限定受信方式ごとに予め割り当てられた「限定受信方式識別(CA_System_ID)」と、当該限定受信方式に対応して、個別鍵情報(EMM)を伝送するパケット識別等を示す「鍵情報の位置情報(EMM_PID)」と、を入力し、CATに設定する(図4参照)。
そして、送信装置1は、多重化手段15によって、ステップS30で生成されたCATを、放送ストリームに多重化する(ステップS31)。
具体的には、限定受信方式情報設定手段130が、外部から、限定受信方式ごとに予め割り当てられた「限定受信方式識別(CA_System_ID)」と、当該限定受信方式に対応して、共通鍵情報(ECM)を伝送するパケット識別等を示す「鍵情報の位置情報(ECM_PID)」と、を入力し、PMTに設定する(図3参照)。
そして、送信装置1は、多重化手段15によって、ステップS32で生成されたPMTを、放送ストリームに多重化する(ステップS33)。
そして、送信装置1は、多重化手段15によって、ステップS34で生成されたEMMを、放送ストリームに多重化する(ステップS35)。
そして、送信装置1は、多重化手段15によって、ステップS36で生成されたECMを、放送ストリームに多重化する(ステップS37)。
そして、送信装置1は、多重化手段15によって、ステップS38で生成されたスクランブルコンテンツSCを、放送ストリームに多重化する(ステップS39)。
なお、ここでは、説明を簡単にするために、CAT、PMT、EMM、ECMおよびコンテンツCを、順次放送ストリームに多重化する流れで動作を説明した。しかし、これらの情報は、厳密には、個別のタイミングで放送ストリームに多重化される。
すなわち、受信装置2は、放送ストリームにCATが多重化されている場合、多重分離手段21によって、放送ストリームから当該CATを分離する(ステップS40)。
そして、受信装置2は、PMT解析手段22の限定受信方式情報解析手段220によって、ステップS42で分離されたPMTに設定されている限定受信方式情報から、当該受信装置2に予め設定されている限定受信方式識別(CA_System_ID)に対応する受信装置2共通の鍵情報の位置情報(ECM位置情報〔ECM_PID〕)を抽出する(ステップS43)。
そして、受信装置2は、デスクランブル手段27によって、ステップS48で分離したスクランブルコンテンツSCを、ステップS47で抽出したスクランブル鍵Ksでデスクランブル(復号)する(ステップS49)。
[限定受信システムの概要]
以下、図12を参照して、本発明の第2実施形態に係る限定受信システムSBの概略について、第1実施形態と異なる点を説明する。
限定受信システムSBは、CAロード記述子をCATではなくプログラムマップテーブル(PMT)に記載する点が、第1実施形態と異なる。
図13を参照(適宜図12参照)して、本発明の第2実施形態に係る送信装置1Bの構成について、第1実施形態と異なる点を説明する。
図13のように、送信装置1Bは、スクランブル手段10と、ECM生成手段11と、EMM生成手段12と、PMT生成手段13Bと、CAT生成手段14Bと、多重化手段15とを備える。
なお、スクランブル手段10、ECM生成手段11、EMM生成手段12および多重化手段15は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
CAロード記述子設定手段131は、限定受信方式に対応したCAロード記述子をプログラムマップテーブル(PMT)に設定するものである。
なお、限定受信方式情報設定手段130は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
ここで、図14を参照して、PMT生成手段13Bが生成するPMTのデータ構造の例について説明する(適宜図13参照)。
この記述子領域には、限定受信方式情報設定手段130によって、限定受信方式情報(限定受信方式記述子)が設定される。また、記述子領域には、CAロード記述子設定手段131によって、CAロード記述子が設定される。
なお、限定受信方式情報およびCAロード記述子のデータ構造は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
CAT生成手段14Bは、CATを生成し、生成したCATを多重化手段15に出力するものである。このCAT生成手段14Bは、限定受信方式情報設定手段140を備える。
図16を参照(適宜図12参照)して、本発明の第2実施形態に係る受信装置2Bの構成について、第1実施形態と異なる点を説明する。
図16のように、受信装置2Bは、選局・復調手段20と、多重分離手段21と、PMT解析手段22Bと、CAT解析手段23Bと、鍵情報取得手段24と、プログラム選定手段25と、限定受信制御手段26と、デスクランブル手段27と、を備える。
なお、選局・復調手段20、多重分離手段21、鍵情報取得手段24、プログラム選定手段25、限定受信制御手段26およびデスクランブル手段27は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
なお、限定受信方式情報解析手段220は、第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
そして、CAロード記述子解析手段221は、抽出した第1プログラム識別および第1ロード指示をプログラム選定手段25に出力する。
なお、CAロード記述子解析手段221の処理は、第1実施形態(図7のCAロード記述子解析手段231)と同様のため、説明を省略する。
なお、CAT解析手段23Bは、CATのCAロード記述子から第1プログラム識別および第1ロード指示を抽出しない以外、第1実施形態と同様である。このため、CAT解析手段23Bの説明を省略する。
図17を参照(構成については、適宜図12,図13,図16参照)して、限定受信システムSBにおける関連情報サブシステムの切り替え動作について、第1実施形態と異なる点を説明する。
具体的には、CAロード記述子設定手段131が、外部から、限定受信方式識別、…、ロードセキュリティ情報を入力し、PMTに設定する(図14参照)。
これによって、限定受信システムSBは、限定受信方式識別ごとに、セキュリティ強度や機能の異なる関連情報サブシステムプログラムPを柔軟に指定することができ、放送事業者のビジネスモデルに応じて、きめ細かく関連情報サブシステムプログラムPを切り替えることができる。
しかし、耐タンパモジュールである限定受信制御手段26の安全性が高ければ、改竄検出の処理を省略して簡易に限定受信システムS,SBを構成しても構わない。
また、受信装置2,2Bの限定受信制御手段26において、改竄検出手段265を構成から省き、ロード手段264が、プログラム選定手段25で選定されたプログラム識別に対応する関連情報サブシステムプログラムPを改竄検出することなく、プログラム記憶手段262から読み出して、ワークメモリ267に展開し、当該プログラムを起動させることとすればよい。
また、本実施形態では、限定受信方式としてサイマルクリプト方式を適用してもよい。
1,1B 送信装置
10 スクランブル手段
11 ECM生成手段(共通鍵情報生成手段)
12 EMM生成手段(個別鍵情報生成手段)
13,13B PMT生成手段
130 限定受信方式情報設定手段(第1の限定受信方式情報設定手段)
14,14B CAT生成手段
140 限定受信方式情報設定手段(第2の限定受信方式情報設定手段)
131,141 CAロード記述子設定手段
15 多重化手段
2,2B 受信装置
20 選局・復調手段
21 多重分離手段
22,22B PMT解析手段
220 限定受信方式情報解析手段(第1の限定受信方式情報解析手段)
23,23B CAT解析手段
230 限定受信方式情報解析手段(第2の限定受信方式情報解析手段)
221,231 CAロード記述子解析手段
24 鍵情報取得手段
25 プログラム選定手段
250 プログラム識別取得手段
251 ロード指示判定手段
252 ロード指示手段
26 限定受信制御手段
260 限定受信方式識別記憶手段
261 限定受信方式識別通知手段
262 プログラム記憶手段
263 プログラム識別通知手段
264 ロード手段
265 改竄検出手段
266 鍵記憶手段
267 ワークメモリ
27 デスクランブル手段
P 関連情報サブシステムプログラム
30 EMM処理手段(個別鍵情報処理手段)
31 ECM処理手段(共通鍵情報処理手段)
Claims (5)
- 限定受信方式により、放送ストリームに多重化したスクランブルコンテンツを受信装置に限定受信させる送信装置において、
前記限定受信方式を識別する限定受信方式識別と、受信装置共通の鍵情報の位置情報と、を含んだ限定受信方式情報を前記放送ストリームに多重化される第1テーブルに設定する第1の限定受信方式情報設定手段と、
前記限定受信方式識別と、受信装置個別の鍵情報の位置情報と、を含んだ限定受信方式情報を前記放送ストリームに多重化される第2テーブルに設定する第2の限定受信方式情報設定手段と、
前記受信装置に予め複数記憶された当該限定受信方式識別で特定される限定受信方式におけるスクランブル鍵の鍵配送処理を実行するプログラムである関連情報サブシステムプログラムの起動に必要なCAロード記述子を前記第1テーブル又は前記第2テーブルの少なくとも一方に設定するCAロード記述子設定手段と、を備え、
前記CAロード記述子設定手段は、前記CAロード記述子として、
前記限定受信方式識別と、
前記プログラムに固有の識別子およびバージョンが含まれる第1プログラム識別と、
前記第1プログラム識別のバージョンのみをロード対象とする単独指定、または、前記第1プログラム識別のバージョン以上もしくは以下をロード対象とする範囲指定であるかを示す範囲指定情報と、前記範囲指定情報が範囲指定のときに前記範囲指定情報で指定されるロード対象範囲の中で最旧バージョンまたは最新バージョンをロード対象とすることを示すバージョン指定情報とが含まれる第1ロード指示と、
を前記第1テーブル又は前記第2テーブルの少なくとも一方に設定することを特徴とする送信装置。 - 前記CAロード記述子設定手段は、前記CAロード記述子として、
前記受信装置で起動させないプログラムに固有の識別子およびバージョンが含まれる除外プログラム識別、
を前記第1テーブル又は前記第2テーブルの少なくとも一方に設定することを特徴とする請求項1に記載の送信装置。 - 限定受信方式により、送信装置で放送ストリームに多重化されたスクランブルコンテンツを限定受信する受信装置において、
前記放送ストリームに多重化された第1テーブルに設定されている、前記限定受信方式を識別する限定受信方式識別と、受信装置共通の鍵情報の位置情報と、を含んだ限定受信方式情報から、前記受信装置共通の鍵情報の位置情報を抽出する第1の限定受信方式情報解析手段と、
前記放送ストリームに多重化された第2テーブルに設定されている、前記限定受信方式識別と、受信装置個別の鍵情報の位置情報と、を含んだ限定受信方式情報から、前記受信装置個別の鍵情報の位置情報を抽出する第2の限定受信方式情報解析手段と、
前記第1および第2の限定受信方式情報解析手段で抽出された位置情報に基づいて、前記受信装置共通の鍵情報および前記受信装置個別の鍵情報を取得する鍵情報取得手段と、
前記限定受信方式におけるスクランブル鍵の鍵配送処理を実行するプログラムである関連情報サブシステムプログラムを複数記憶し、起動を指示された関連情報サブシステムプログラムによって、前記鍵情報取得手段で取得した鍵情報により、前記スクランブル鍵を生成する限定受信制御手段と、
前記放送ストリームに多重化された第1テーブル又は第2テーブルの少なくとも一方に設定されている、前記限定受信方式識別と、前記プログラムに固有の識別子およびバージョンが含まれる第1プログラム識別と、前記第1プログラム識別のバージョンのみをロード対象とする単独指定、または、前記第1プログラム識別のバージョン以上もしくは以下をロード対象とする範囲指定であるかを示す範囲指定情報および前記範囲指定情報が範囲指定のときに前記範囲指定情報で指定されるロード対象範囲の中で最旧バージョンまたは最新バージョンをロード対象とすることを示すバージョン指定情報が含まれる第1ロード指示と、を含んだCAロード記述子から、前記第1プログラム識別および前記第1ロード指示を抽出するCAロード記述子解析手段と、
このCAロード記述子解析手段で抽出された第1プログラム識別および第1ロード指示により、前記限定受信制御手段に記憶されている関連情報サブシステムプログラムの1つを選定し、前記限定受信制御手段に対して、当該プログラムの起動を指示するプログラム選定手段と、
を備えることを特徴とする受信装置。 - 前記CAロード記述子解析手段は、前記受信装置で起動させないプログラムに固有の識別子およびバージョンが含まれる除外プログラム識別、を含んだ前記CAロード記述子から、前記除外プログラム識別を抽出し、
前記プログラム選定手段は、選定した1つの前記関連情報サブシステムプログラムのプログラム識別が前記除外プログラム識別に含まれる場合、当該選定した1つの関連情報サブシステムプログラムを起動させないことを特徴とする請求項3に記載の受信装置。 - 請求項1に記載の送信装置と、
請求項3に記載の受信装置と、
を備えることを特徴とする限定受信システム。
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