以下、本発明に係る各実施形態を、図1ないし図21Bを用いて説明する。
〔実施形態1〕
以下、図1ないし図12を用いて本発明の第一の実施形態に係る非接触電力伝送システムについて説明する。
本実施形態では、非接触電力送信装置としては、3Dコンテンツを表示可能なデジタルテレビ(DTV:Digital Television)、非接触電力受信装置としては、デジタルテレビから同期信号を受信して、それと同期し左右レンズの液晶シャッタの開閉をおこなうアクティブシャッター方式の3Dメガネからなる非接触電力送信システムを例に採り説明する。そして、特に、非充電対象となる非接触電力受信装置である3Dメガネは、複数あることを前提としている。
先ず、図1および図2を用いて本発明の第一の実施形態に係る非接触電力伝送システムの構成について説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態に係る非接触電力伝送システムの構成のイメージを示す図である。
図2は、本発明の第一の実施形態に係る非接触電力伝送システムの各部の構成を示すブロック図である。
本実施形態の非接触電力送信システムは、図1に示されるように、非接触電力送信装置として、3Dコンテンツを表示可能なデジタルテレビ1と、非接触電力受信装置として、3Dメガネ2,3,4からなる。
また、別の非接触電力受信装置の例としては、ワイヤレスヘッドホンやマイクなどの例も考えられる。
デジタルテレビ1の非接触電力送信部10は、複数の3Dメガネを収納する収納ポケット11,12,13,14を備えている。本実施形態では、四つの収納ポケットを備える場合を一例として示している。非接触電力送信部10は、デジタルテレビ1の背面へ収納可能であり、図1では、非接触電力送信部10を引き出している状態を示している。また、視聴に使用しない3Dメガネ3,4は、図1に示されるように、各々収納ポケット11,12に収納される。
このように、デジタルテレビ1は、非接触で電力を送信し3Dメガネ2,3,4を充電する機能と、3Dメガネ2,3,4を収納する機能を兼ね備えることができる非接触電力送信部10を有している。
デジタルテレビ1は、図2に示されるように、非接触電力送信部10、電源供給部201、電源回路部202、映像信号受信・再生部220からなる。
非接触電力送信部10は、収納ポケットへ3Dメガネ2が収納されたことを検知し、3Dメガネ2に電力を送信する部分であり、電源回路部202から送られる電力により駆動される。
非接触電力送信部10は、図2に示されるように、発振回路部211、増幅回路部212、出力検出部213、送信回路部214、送電制御部215、収納検知部216、状態表示部217で構成する。
発振回路部211は、電力を伝送する電力伝送信号を所望の周波数で発信させる部分である。発振回路部211の出力は、増幅回路部212に送られる。この発振回路部211における発振には、例えば、コルピッツ発振器を用いる。
増幅回路部212は、発振回路部211から出力された電力を増幅する部分である。増幅回路部212の出力は、出力検出部213を介して送信回路部214に送られ、送信回路部214に送信電力を供給する。
出力検出部213は、非接触電力送信部10における電力の出力状態を検出する部分である。この出力検出部213の詳細については、後述する。
送信回路部214は、増幅回路部212から供給された電力から磁界を発生させることにより、3Dメガネ2に電力を送信する。この送信回路部214の詳細については、後述する。
送電制御部215は、非接触電力送信部10を構成する各部を制御する部分である。出力検出部213で検出した電力量から、収納ポケットに収納された物体が電力の送信対象である3Dメガネ2であるか否かの判断や、3Dメガネ2への充電が完了したか否かの判断をするなど、非接触電力送信部10全体の動作を制御する。
収納検知部216は、収納ポケットへの物体の挿入や取り出しを検知する部分である。この収納検知部216では、それぞれの収納ポケットに対して、個別に物体の挿入や取り出しを検知し、送電制御部215にその情報を出力する。検知の方法は、例えば挿入された場合に、その重さでオフ状態からオン状態に遷移するプッシュスイッチを用いる。各収納ポケットへプッシュスイッチを配置し、個別に挿入や取り出しを検知できるように構成する。また、赤外線センサなどの手段により、収納を検知するようにしてもよい。
状態表示部217は、送電制御部215の制御により、収納ポケットに挿入された3Dメガネ2への電力伝送の状況などをユーザに表示して知らせる。状態の表示は、例えば、発光ダイオード(LED)の発光状態や発光色で表現する。このときには、それぞれの収納ポケットに対して、個別に状態を表示するようにする。
電源供給部201は、デジタルテレビ1が動作するための電力を提供する電源となる部分である。例えば、商用電源による交流電源や太陽光発電により得られる直流電源などがある。
電源回路部202は、電源供給部201から供給された電力からデジタルテレビ1の各部を駆動するための電力を生成する。電源供給部201から供給された電力が交流電源の場合は、整流、平滑化し直流電圧にした後、所定の電圧に変換して各部に送る。直流電源の場合は、整流、平滑化は不要となる。電源回路部202から非接触電力送信部10と映像信号受信・再生部220への電源供給は、それぞれ独立に制御される。リモコン操作などで映像信号受信・再生部220の電源がオフされた場合においても、非接触電力送信部10には電力が供給され、送電可能な状態が保持される。非接触電力送信部10が送電中でない場合は、収納検知部216にだけに電力が供給され、収納ポケットへの物体の挿入の検知をトリガに非接触電力送信部10全体に電力を供給するよう制御してもよい。この場合、映像信号受信・再生部220の電源がオフでも送電は継続され、かつ、待機時の電力量を少なくする効果がある。
映像信号受信・再生部220は、デジタルテレビ1のデジタルテレビとしての機能を実現する。映像信号受信・再生部220も電源回路部202から送られる電力により駆動される。
映像信号受信・再生部220は、図2に示されるように、チューナ部221、復調復号部222、デマックス部223、デコード部224、音声出力部225、合成部226、映像表示部227、ネットワーク接続部228、操作I/F部229、制御部230、OSD部231、メモリ部232、同期送信部233、アンテナ接続端子235、ネットワーク端子236、操作機器信号受信部237、外部入力端子238、外部入力I/F部239、スイッチ240、241で構成する。
チューナ部221は、アンテナ接続端子235を介してデジタル放送波が入力して、選局をおこなう部分である。チューナ部221は、受信すべきチャンネルのチャンネル周波数帯を抽出して、抽出した信号を直交復調によりベースバンド信号として、復調復号部222に出力する。
復調復号部222は、ベースバンド信号に対して、同期復調をおこない、デジタル放送信号を復号する部分である。この復調復号部222では、例えば、8PSK(Phase Shift Keying)を用いた同期復調をおこない、ビタビ復号やRS(リード・ソロモン)復号などの誤り訂正を施し、デジタル放送信号を復号してデマックス部223に出力する。ここでは、デジタル放送信号として、MPEG(Moving Picture Experts Groupe)方式によって圧縮符号化され、TS(Transport Stream)方式で多重化されたMPEG2−TSを扱う場合について説明する。
デマックス部223は、多重化されたMPEG2−TSから後段で使われる信号を分離・抽出する部分である。デマックス部223では、デマックス部223は、多重化されたMPEG2−TSから後段で使われる信号を分離・抽出し、放送番組などコンテンツを構成する映像信号や音声信号や字幕の信号ストリームであるPES(Packetized Elementary Stream)あるいはES(Elementary Stream)やデータ放送などのデータをデコード部224へ出力する。
デコード部224は、デマックス部203で分離・抽出された音声信号のPESあるいはESをデコードし音声出力部225へ出力する部分である。また、デコード部224は、映像信号のPESあるいはESをデコードし合成部226へ出力する。
音声出力部225は、スピーカなどであり、デコード部224でデコードされた音声信号を音として出力する部分である。
合成部226は、デコード部224、OSD部231から入力された信号を合成して表示画面を構成し、映像表示部227へ出力する部分である。
映像表示部227は、例えば、液晶ディスプレイなどであり、デコード部224でデコードされた映像信号を表示する部分である。
ネットワーク接続部228は、通信処理部と伝送コンテンツ保護部を備えネットワーク端子236を介して、図示していないネットワークに接続された他の機器やインターネット接続されたサーバーなどとデータやコンテンツの送受信を行う。
操作I/F部229は、操作機器信号受信部237を介して図示していない操作装置からの入力信号を受信し、処理する部分である。ここで、操作装置は、例えば、リモコンやマウス、キーボード、タッチパネルなどである。操作機器信号受信部237は、操作機器の信号を受信する部分であり、赤外線などを用いて無線で操作装置からの入力信号を受信してもよいし、接続端子を介して操作装置を接続し、入力信号を受信してもよい。
制御部230は、OS(Operating System)やアプリケーションの実行処理をおこない、映像信号受信・再生部220を機能させるために各部の制御をおこなう部分である。
OSD部231は、制御部230の制御に従い、アプリケーションのユーザインターフェースの画面などを生成し、合成部226へ出力する部分である。
メモリ部232は、プログラムやデータを格納する部分である。メモリ部232は、揮発性メモリおよび不揮発性メモリで構成する。不揮発性メモリには、OSやアプリケーションなどの映像信号受信・再生部220を動作させるためのソフトウェアを格納し、揮発性メモリには、ソフトウェアの動作に必要なデータなどを一時的に格納する。
同期送信部233は、3Dコンテンツを再生する場合に、アクティブシャッター方式3Dメガネの液晶シャッタを制御する同期信号を生成し出力する部分である。同期信号は、赤外線などを用いて出力される。
外部入力端子238は、レーコーダーやプレーヤー、STB(Set Top Box)などの外部装置を接続する端子である。この外部入力端子238には、図示していない外部装置から非圧縮の映像・音声信号、または、圧縮された映像・音声信号や制御信号などが入力される。制御信号は、外部装置から入力される他、外部装置に出力することも可能である。外部入力端子238の一例として、HDMI(High-Definition Multimedia Interface(登録商標))規格や、DisplayPort(登録商標)規格の端子がある。入力された信号は、外部入力I/F部239に出力される。そして、映像・音声信号は、外部入力I/F部239からスイッチ240、241を介して映像表示部227、音声出力部225に出力されユーザに提供される。
外部入力I/F部239は、外部入力端子238から入力された外部入力信号を受信し、処理する部分である。この外部入力I/F部239により、映像信号は、スイッチ241に出力され、音声信号は、スイッチ240に出力される。制御信号などは、制御部230に出力される。
スイッチ240は、音声出力部255に入力する音声信号を切換えるスイッチである。外部入力I/F部239から入力された音声信号と、デコード部224でデーコードされた音声信号とを切り替える。
スイッチ241は、映像表示部227に入力する映像信号を切換えるスイッチである。外部入力I/F部239から入力された映像信号と、デコード部224でデーコードされた映像信号とを切替える。スイッチ240、241の切替えは、制御部230が制御する。
3Dメガネ2は、図2に示されるように、非接触電力受信部250、光学動作部260で構成する。
非接触電力受信部250は、デジタルテレビ1から送信される電力を受信し、光学動作部260を駆動する電源を供給する部分である。
この非接触電力受信部250は、受信回路部251、充電回路部252、2次電池253、負荷変調部254で構成する。
受信回路部251は、非接触電力送信部10より受信した電力を、充電回路部252に出力する部分である。受信回路部251の詳細については、後述する。
充電回路部252は、受信回路部251から供給された直流電圧を用いて2次電池253を充電する部分である。また、2次電池253が満充電になったか否かを検知する機能も有する。すなわち、充電回路部252は、満充電になった場合には、2次電池253への出力を切り過充電されないようにし、2次電池253の破損を防ぐようにする。
負荷変調部254は、充電回路部252が2次電池253に電力が供給されている間、所定の周期で負荷変調をかける部分である。これにより、3Dメガネ2からデジタルテレビ1における負荷電力の量が変化するため、デジタルテレビ1の出力検出部213は3Dメガネ2が充電中か、充電が終了したかを検出ことができる。負荷変調による充電状態の検出については、後に詳説する。
2次電池253は、光学動作部260を駆動する電源である。
光学動作部260は、3Dコンテンツを表示可能なデジタルテレビ1に表示された3Dコンテンツを視聴する機能を提供する部分である。
光学動作部260は、同期受信部262、復調部263、右レンズ部264、左レンズ部265で構成する。
同期受信部262は、液晶シャッターを制御するための同期信号を受信し、復調部263に出力する部分である。同期信号は、赤外線などでデジタルテレビ1の同期送信部233から出力される。
復調部263は、受信した同期信号を復調し、液晶シャッターを制御する信号を生成し右レンズ264や左レンズ265に出力する部分である。
3Dメガネ3、4の構成も3Dメガネ2の構成と同様である。
次に、図3および図4を用いて本発明の第一の実施形態に係る非接触電力伝送システムの内で、デジタルテレビ1の非接触電力送信部10と、3Dメガネ間で電力送信に関わる部分を詳細に説明する。
図3は、出力検出部213の構成を示すブロック図である。
図4は、デジタルテレビ1の送信回路部214と3Dメガネ2の受信回路部251の構成を示すブロック図である。
非接触電力送信部10の出力検出部213は、図3に示されるように、温度検出部811、充電状態検出部812、送電対象検出部813で構成する。
温度検出部811は、増幅回路部212の温度を監視し、正常な温度か、高温状態の異常温度かを検出して、結果情報を送電制御部215に出力する。
充電状態検出部812は、3Dメガネ2の充電状態を検出する回路である。充電状態検出部812の出力信号は、送電制御部215に出力され、送電制御部215にて充電状態を判定する。充電状態検出部812は、例えば、負荷電圧値が所定の閾値より大きければH(Hi)レベル、閾値以下の場合はL(Low)レベルなどのように、2値の状態に復調する負荷変動復調回路で構成する。この負荷変動復調回路の出力値、H、Lの周期は、3Dメガネ2の負荷変調部254の負荷変調の周期と関連する値となり、非接触電力送信部10から3Dメガネ2への非接触よる充電の効果が大きいとき(3Dメガネ2の2次電池253があまり充電されていないとき)には、充電状態検出部812から出力される負荷変調の周期と、3Dメガネ2の負荷変調部254の負荷変調は、近い値になり、非接触電力送信部10から3Dメガネ2への非接触よる充電がされていない(3Dメガネ2の2次電池253が充電完了のとき)には、、充電状態検出部812から出力される負荷変調の振動がなくなった状態になる。充電状態検出部812から出力される負荷変調の周期と3Dメガネ2の負荷変調部254の負荷変調の周期の関係については、後に詳説する。
送電対象検出部813は、収納ポケットに挿入された物体が送電対象装置である3Dメガネ2であるか、非送電対象装置であるかを検出する回路である。一例として、3Dメガネ2へ供給する電力である入射電力量と、供給先から反射された反射電力量を計測し送電制御部215に出力する反射量計測回路で構成する。供給先が3Dメガネ2の場合は、伝送損失が発生しないように設計されるため反射電力量は小さく、供給先が3Dメガネ2以外の物体(非送電対象物)の場合は反射電力量が大きくなる。したがって、送電制御部215は、入射電力量と反射量から伝送率=入射電力量/反射電力量を算出し、伝送率が所定の基準値より大きい場合に供給先が3Dメガネ2であると判断する。
接続端子821,822は、増幅回路部212と接続するための端子である。また、接続端子823、824は、送信回路部214と接続するための端子である。
次に、図4によりデジタルテレビ1の非接触電力送信部10と、3Dメガネ2の非接触電力受信部250が非接触で電力を送信する部分について説明する。
非接触電力送信部10の送信回路部214は、図4に示されるように、スイッチ部301、励振素子302,303,304,305、共鳴素子306,307,308,309、接続端子311,312、スイッチ制御端子313で構成される。
また、3Dメガネ2の非接触電力受信部250の受信回路部251は、共鳴素子331、励振素子332、接続端子333,334で構成される。
送信回路部214のスイッチ部301は、スイッチ制御端子313に入力される制御信号によって制御される。制御信号は、送信制御部215が出力し、a,b,c,dの各スイッチに対して個別にオン(接続)、オフ(切断)を制御することができる。
励振素子302,303,304,305は、スイッチ部301を介して出力検出部213に接続される。各励振素子に接続されたスイッチがオンのとき、発振回路部211で発振させ、増幅回路212で増幅された交流電流が供給され、共鳴素子に電流を誘起する。図4では、励振素子302は共鳴素子306と磁気的に結合する。同様に、励振素子303は、共鳴素子307、励振素子304は、共鳴素子308、励振素子305は、共鳴素子309と、それぞれ磁気的に結合する。
3Dメガネ2の共鳴素子331は、3Dメガネ2を収納ポケットに挿入したときに、非接触電力送信部10の送信回路部214の共鳴素子と磁界共鳴の関係となる位置に配置される。例えば、3Dメガネ2を収納ポケット11に挿入した場合は、共鳴素子331と共鳴素子306が共鳴関係を有するようになる。同様に、3Dメガネ2を挿入した収納ポケットに対応して共鳴素子331が共鳴関係を持つ共鳴素子が決定する。収納ポケット12に挿入した場合は、共鳴素子307と、収納ポケット13に挿入した場合は共鳴素子308と、収納ポケット14に挿入した場合は共鳴素子309と、それぞれ共鳴関係を有するようになる。
ここでは、図4のように、3Dメガネ2を収納ポケット11に挿入した場合を例に採り説明する。共鳴素子331と共鳴素子306が共鳴関係を有するようになるため、共振周波数によって共鳴素子306へ供給された交流電流により発生した磁界の振動が共鳴素子331に伝わり、共鳴素子331に交流電流が発生する。共鳴素子331と励振素子332は磁気的に結合する。そのため、共鳴素子331で発生した交流電流によって励振素子332に電流が流れ、接続端子333,334で接続された充電回路252に供給される。
励振素子302,303,304,305、励振素子332、および、共鳴素子306,307,308,309、共鳴素子331は、具体的には、例えば、電線を巻いた空心コイルで構成する。
次に、図5を用いて非接触電力送信部10の送電制御部215が制御のために用いるデータ構造について説明する。
図5は、送電管理テーブルの一例を示す図である。
送電管理テーブルは、送電制御部215が管理し、保持する管理情報を格納するテーブルである。
送電管理テーブルは、図5に示されるように、収納ポケットNo901、スイッチNo902、収納状態903、送電状態904、充電状態905、送電開始時間906などの各フィールドで構成する。送電制御部215は、この情報を参照して所望の収納ポケットで送電するためにオンにするスイッチのNoを取得し、収納ポケット毎に送電の状態を管理する。
収納ポケットNo901は、収納ポケットを識別する識別子を格納するフィールドである。図5の例では、図1で示した各々の収納ポケットの符号が収納ポケットNoの値として割り当てられている。
スイッチNo902は、収納ポケットに対応する共鳴素子に電流を誘起するスイッチを示すフィールドである。ここでは、“301a”のように、図4で示したスイッチ部の符号と各スイッチの符号を組み合わせた番号を割り当てるものとする。すなわち、このフィールドの値を参照することにより、収納ポケット11に送電するには、スイッチNoの値が301aなので、スイッチ部301のaのスイッチをオンにするようスイッチ部301を制御すればよいことがわかる。
収納ポケットNo901、スイッチNo902は、システムで予め定めた値が割り当てられ、送電制御部215によって値が更新されることはない。
収納状態903は、収納ポケットへの物体の収納状態を示す値を格納するフィールドである。例えば、何も挿入されていない空の状態は、値“0”、3Dメガネ2などの送電対象装置が挿入されている場合は、値“1”、送電対象でない物体である非送電対象物が挿入されている場合は、値“2”と表すものとする。
送電状態904は、収納ポケットNoで示された収納ポケットでの送電状態を示すフィールドである。例えば、電力を送電していない停止の状態は、値“0”、送電中の状態は、値“1”と表すものとする。
充電状態905は、充電状態を示す値を格納するフィールドである。図5では一例として、充電していない停止状態を値“0”、充電中の状態を値“1”、充電が完了した状態を値“2”、充電エラーが発生した状態を値“3”と表す。
送電開始時間906は、送電を開始した日時を示すフィールドである。ここでは、YYYYMMDDhh:mm:ssの書式で記述する。収納ポケットに送電対象の装置が挿入され、送電を開始したときの日時を記録する。その他の場合は、日時とも値を0にクリアする。
この図5の例では、第一レコード911により、収納ポケット11の状態は、3Dメガネ3が収納され、送電中で、充電中の状態であることを示しており、第二レコード912により、収納ポケット12は、3Dメガネ4が収納され、充電が完了し送電を停止した状態であることを示しており、第三レコード913により、収納ポケット13は、3Dメガネ以外の非送電対象物が挿入されているため送電を停止した状態であることを示している。また、収納ポケット14は、何も挿入されていないので送電を停止した状態であることを示している。
次に、図6ないし図12を用いて非接触電力送信部10の処理について説明する。
図6は、非接触電力送信部10が電力送信を開始するとき処理を示すフローチャートである。
図7は、送電対象装置の判定処理を示すフローチャートである。
図8は、充電完了検出の処理を示すフローチャートである。
図9は、第一の実施形態において、充電状態の判定処理を示すフローチャートである。
図10は、負荷変調周期Tを算出するために、出力検出部213が出力する電圧値の信号波形を示した図である。
図11は、収納ポケットからの装置の取出しを検出する処理を示すフローチャートである。
図12は、非接触電力送信部10における異常温度を検出するときの処理を示すフローチャートである。
非接触電力送信部10の送電制御部215は、非接触電力送信部10を構成する各部を制御しており、以下の電力の送信制御の処理は、送電制御部215がおこなう。
非接触電力送信部10がおこなうときには、送電制御部215は、収納ポケット11〜14のいずれかに物体が挿入されたことが検知されたときに、電力送信開始の制御を始める(S401)。各収納ポケット11〜14への物体の挿入は、収納検知部216で検知し、挿入検知信号を送電制御部215に出力する。送電制御部215は、挿入検知信号の受信を待ち、挿入検知信号を受信すると、収納ポケットに物体が挿入されたものとして、S402の処理をおこなう。
挿入検知信号を受信すると、次に、送電制御部215は、収納ポケットに挿入された物体が電力の送電対象である送電対象装置であるか否かを判定するため、該当しない物体の挿入を検知した収納ポケットに送電し、それ以外の収納ポケットの送電を停止する(S402)。すなわち、図4に示したスイッチ部301を制御して該当の収納ポケットに対応する共鳴素子に電流を誘起するスイッチをオンにし、それ以外の収納ポケットに対応する共鳴素子に対応するスイッチはオフにする。このように、該当する一つの収納ポケットにだけ送電するのは、他の非接触電力受信装置へ電磁気的な影響が出ることを避けるためである。
次に、送電制御部215は、収納ポケットに挿入された物体が電力の送電対象である送電対象装置であるか否かを判定する(S403)。送電対象装置の判定処理については、図7を用いて後に詳述する。
そして、収納ポケットに挿入された装置が送電対象装置、すなわち、3Dメガネ2であった場合には、S405の処理をおこない、そうでない場合には、S407の処理をおこなう。
収納ポケットに挿入された装置が3Dメガネ2と判定されたときには、送電制御部215は、送電と送電中の表示を開始する(S405)。具体的には、送電制御部215は、該当の収納ポケットに対応する共鳴素子に電流を誘起するようにスイッチ制御信号を生成してスイッチ部301を制御する。収納ポケットに対応する共鳴素子に電流を誘起するスイッチの情報は、図5の送電管理テーブルを参照して取得する。送電制御部215は、例えば、収納検知部216から収納ポケット11への物体の挿入を検知したことを示す入検知信号を受信した場合は、収納ポケットNo901の値“11”でスイッチNo902の値を参照し、オンにすべきスイッチNoの値“301a”を得る(図4参照)。この情報から送電制御部215は、スイッチ部301のスイッチaをオンにするスイッチ制御信号を出力し、共鳴素子306に電流を誘起する。また、送電制御部215は、状態表示部217を制御しLEDを点灯するなどして、収納ポケット11で送電中であることを示す表示をさせる。
次に、送電制御部215は、3Dメガネ2が挿入された収納ポケットに関して、送電管理テーブルを更新し、更新した送電管理テーブルを送電制御部215の有するメモリなどに保存し(S406)、S402で送電を停止した収納ポケットへの送電を再開して(S409)、電力送信開始処理を終了する。送電管理テーブルは、各収納ポケットにおける送電状況を送電制御部215が管理するための情報である。図9に示すように、送電管理テーブルとして収納状態903、送電状態904、充電所状態905、送電開始時間906を記録する。ここでは、3Dメガネ2に送電を開始したところなので、図5の第一レコード911に示すように、収納状態903には、送電対象装置を収納していることを示す値“1”、送電状態904には、送電中であることを示す値“1”、充電所状態905には、充電中であることを示す値“1”、送電開始時間906には、送電制御部215が持つ時計から送電開始日時を取得して、それぞれのフィールドに格納する。
一方、収納ポケットに挿入されたものが、送電対象装置でない非送電対象物と判断した場合には、送電制御部215は、状態表示部217を制御し警告を示すLEDを点灯するなどして、収納ポケット11に非送電対象物が挿入されていることをユーザに示す(S407)。警告と送電中の表示は、点灯するLEDの色や、点滅の速さなどでユーザが区別できるようにする。例えば、送電中は0.5秒間隔の点滅、警告は1秒間隔の点滅などで表現してもよい。LEDの点滅の速さで表現する場合は、収納ポケット一つあたり一つのLEDで済むため状態表示部217を構成する部品の点数を少なくする効果がある。一方、LEDの色で表現する場合は、例えば、送電中は、“緑”、警告のときには、“赤”で表示する。この場合には、点滅制御が不要であるため、送電制御部215の処理が簡単になる。
そして、送電制御部215は、収納ポケットに非送電対象物が挿入されていること示す送電管理テーブルを生成して保存し(S408)、挿入を検知した収納ポケット以外の収納ポケットへの送電を再開して(S409)、電力送信開始処理を終了する。ここでは、図5に示す送電管理テーブルの第三レコード913に示すように、収納状態903には、非送電対象物を収納していることを示す値“2”、送電状態904には、送電していないことを示す値“0”、充電所状態905には、充電していないことを示す値”0“、送電開始時間906には、値を0クリアして、それぞれのフィールドに格納する。
次に、図7により、図6のS403の送電対象装置の判定をする処理について詳細に説明する。
本実施形態では、送電対象検出部813を反射量計測回路で構成して、送電対象検出部813から入射電力量と反射電力量の比である伝送率により、送電対象装置の判定をおこなう例について説明する。
先ず、送電制御部215は、送電対象検出部813から入射電力量と反射電力量を取得する(S701)。
次に、送電制御部215は、取得した入射電力量と反射電力量から伝送率を算出する(S702)。伝送率は、入射電力量がどれだけ効率よく送電対象に伝送されたかを示す値であり、伝送率=入射電力量/反射電力量で表わす。本実施形態では、収納ポケットに送電対象装置である3Dメガネ2が挿入されているとき伝送率の値が所定の基準値より大きくなるように設計する。すなわち、反射電力量が小さいときには、非接触電力送信部10から送電対象である3Dメガネ2に対して、効率よく電力が伝送されているということを意味する。
次に、伝送率が、所定の基準値より大きいか否かを判断する(S703)。そして、伝送率>基準値の場合には、S704の処理をおこない、その他の場合には、S705の処理をおこなう。すなわち、伝送率が、所定の基準値より大きいときには、収納ポケットに挿入された物体は、送電対象装置である3Dメガネ2であると判断する(S704)。
一方、伝送率が、所定の基準値より大きくないときには、収納ポケットに挿入されたものが、送電対象装置でないもの、すなわち、非送電対象物であると判断する(S705)。
以上の処理により、送電制御部215は、送電対象装置が挿入された収納ポケットを検知し、送電を開始する。また、非送電対象物を検知した場合は送電をおこなずエラーをユーザに通知する。これにより、ユーザの便利性、および、デジタルテレビ1の安全性と省電力性を高めることができる。
次に、非接触電力送信装置10の送電制御部215が、各収納ポケットに収納された3Dメガネに対して、充電完了の検出をするときの処理について説明する。
この充電完了検出の処理は、非接触電力送信装置10が電力を送電している間、数十秒毎など所定の時間間隔で実行する。
先ず、送電制御部215は、送電管理テーブルの充電状態情報905を参照し、充電状態情報905が充電中を示す値“1”のものを充電確認候補対象とし、確認候補の対象となる収納ポケットの一覧情報を取得する(S501)。送電制御部215は、充電確認候補対象の収納ポケットに対して、S502以下の処理が示すように一つずつ充電確認処理を実行する。
送電制御部215は、充電確認候補対象から充電確認対象を一つ選択し、それが収納されている収納ポケットにだけ送電するようにスイッチ301を制御し、それ以外の充電中の収納ポケットへの送電を停止する(S502)。このように、充電の確認対象となる一つの収納ポケットにだけ送電するのは、他の非接触電力受信装置へ電磁気的な影響が出ることを避けるためである。
そして、送電制御部215は、選択した充電確認対象が充電状態であるか否かを判定する(S503)。充電状態の判定処理については、図9を用いて後に詳述する。
充電状態判定の結果(S504)、充電完了の場合には、S505の処理をおこない、充電中の場合には、S506の処理をおこない、充電異常を検知した場合には、S507の処理をおこなう。
充電状態判定の結果、充電完了の場合には、送電制御部215は、該当収納ポケットでの充電が完了したことを示す送電管理テーブルを生成して更新保存する(S505)。すなわち、図5に示した送電管理テーブルに関して、該当収納ポケットに関して、送電状態904の値を送電していないことを示す値“0”に、充電所状態905の値を充電の完了を示す値”2“に更新する。
充電状態判定の結果、充電中の場合には、送電制御部215は、該当収納ポケットの充電開始時間を参照し、現在時刻との差分から充電時間を算出する。そして、充電が完了すべき時間を示す基準充電完了時間と比較する(S506)。充電時間が基準充電完了時間より短い場合には、S509の処理をおこない、その他の場合には、S507の処理をおこなう。
S504の充電状態判定の結果、充電中の場合で充電異常を検知した場合、あるいは、S506で充電時間が基準充電完了時間より短くない場合、送電の不具合や、受電側である3Dメガネ2の故障の可能性があるため、該当収納ポケットへの送電を停止する(S507)。そして、送電制御部215は、状態表示部217を制御し、LEDを点灯するなどして充電エラーが発生したことユーザに通知する。
次に、送電制御部215は、該当収納ポケットで充電エラーが発生したことを示す送電管理テーブルを生成して更新保存する(S508)。すなわち、図5に示した送電管理テーブルに関して、該当収納ポケットに関して、送電状態904は、送電していないことを示す値“0”、充電所状態905は、充電エラーを示す値”3“に更新する。
S501で取得した確認候補対象となる収納ポケットでの充電確認を、全て完了した場合には、S510へ行く(S509)。まだの場合には、次の確認対象に対してS502〜S508の処理を繰り返す。
全ての確認候補対象となる収納ポケットでの充電確認を完了しときには、送電管理テーブルの充電状態情報905を参照し、充電状態情報905が充電中を示す値“1”の収納ポケットに対して送電を再開し、充電を続ける(S510)。
次に、図9および図10により、図8の充電確認対象が充電状態であるか否かを判定する処理について詳細に説明する。
本実施形態では、充電状態検出部812を負荷変動復調回路で構成した場合を例に説明する。すなわち、3Dメガネ2の負荷変調部254は、充電回路部252が2次電池253に電力が供給されている間、所定の周期で負荷変調をかける。これにより、3Dメガネ2からデジタルテレビ1における負荷電力の量が変化するため、デジタルテレビ1の出力検出部213は、3Dメガネ2が充電中か、充電が終了したかを検出することができる。
本処理では、充電状態検出部812の出力値を所定の周期で、所定の時間サンプリングして、3Dメガネ2の負荷変調周期を算出する。そして、算出した負荷変調周期Tが3Dメガネ2の負荷変調周期T0と同じ場合には、3Dメガネ2を充電中と判定し、サンプリングした充電状態検出部812の出力値の振幅の変動がなくなり(出力値が全てH(High)やL(Low)になったとき)、負荷変調周期Tが振幅変動が無くなったことを示す値Tqであったときには、充電完了であると判定する。3Dメガネ2の負荷変調周期T0は、出荷時などに予め送電制御部215に設定するものとする。
先ず、送電制御部215は、充電状態検出部812から出力信号の値を取得し、保持する(S1201)。
次に、送電制御部215は、充電状態検出部812から出力信号の値を取得を所定の計測時間Tdの間実施したか、すなわち所定の回数、出力信号の値を取得したか否かを判定する(S1202)。所定の計測時間Tdの間実施した場合には、S1204へ、実施していない場合は、S1203へ行く。所定の計測時間Tdは、3Dメガネ2の負荷変調周期T0より長い時間に設定する。
送電制御部215は、充電状態検出部812からの出力信号を、所定のサンプリング時間Ts毎に取得する(S1203)。サンプリング周期Tsは、3Dメガネ2の負荷変調周期T0のサンプリング定理を満たす値、すなわち、サンプリング周期Ts≦負荷変調周期T0/2を満たす周期に設定する。送電制御部215は、サンプリング周期Ts分の時間が経過したときには、S1201に戻り充電状態検出部812から出力信号の値を取得する。
サンプリング周期Tsで所定の測定期間Tdの間実施したら、取得した充電状態検出部812から出力信号の値から負荷変調周期Tを算出する(S1204)。図10に示すように、サンプリング毎に出力値が”H”、”L”を交互に繰り返す場合は、負荷変調周期T=サンプリング周期Ts×2となる。図10では、サンプリング周期Tsを負荷変調周期T0/2に設定している。よって、算出した負荷変調周期Tは3Dメガネ2の負荷変調周期T0と同じになる。一方、サンプリング期間中、出力値が全て“H”や“L”であった場合は振幅変動なしと判定し、負荷変調周期Tには振幅変動が無くなったことを示す値Tqを設定する。Tqの値は、例えば、測定期間Tdより長い時間Td×5などに設定する。
そして、算出した負荷変調周期Tから充電状態を判定する(S1205)。負荷変調周期Tの値が振幅変動が無くなったことを示す値Tqに等しい場合は充電完了と判断する(S1206)。負荷変調周期Tが3Dメガネ2の負荷変調周期T0に対して閾値範囲内の所定の周期であった場合、すなわち、|負荷変調周期T−負荷変調周期T0|<周期閾値αであった場合は、充電中と判断する(S1208)。その他の場合は、3Dメガネ2かデジタルテレビ1の非接触電力送信部10に不具合がある可能性があるため異常検知(S1209)と判断する。
ここで、負荷変調周期Tを算出するために、出力検出部213が出力する電圧値の信号波形を示すと図10のようになる。
図中の縦軸は、出力検出部213の電圧の出力値、横軸は、時間を示す。波形1301は、充電状態検出部812からの出力信号を表すものである。破線で示したタイミングで送電制御部215は出力信号の値を取得する。Tsは、送電制御部215は出力信号の値を取得するサンプリング周期で、Tdは、測定期間を示す。Tは測定値から算出した負荷変調周期である。
図10では、サンプリング毎に出力値が”H”,”L”,”H”,”L”を交互に繰り返している。よって、負荷変調周期Tは、サンプリング周期Ts×2で求められる。仮に、”H”,”H”,”L”,”L”を繰り返していた場合は、半周期がサンプリング周期Ts×2になるので、負荷変調周期Tは、(サンプリング周期Ts×2)×2となる。
以上の処理により、送電制御部215は、3Dメガネ2の充電完了を検知し、充電が完了した3Dメガネ2が挿入されている収納ポケットへの送電を停止するため、デジタルテレビ1の安全性と省電力性が高めることができる。
なお、図10では、充電状態検出部812を負荷変動復調回路で構成した場合を例に充電状態判定処理を説明したが、他の方式、例えば、反射量計測回路で構成してもよい。すなわち、この場合には、図7と同様のロジックにより、充電状態検出部812から、3Dメガネ2の非接触電力受信部250の入射電力量と、そこから返ってくる反射電力量の比である伝送率を計算し、伝送率が所定の基準値より大きいときには、その送信回路部214に対応する収納ポケットに挿入された3Dメガネ2の充電を続け、そうでないときには、充電を完了するように、送電制御部215が制御するようにする。
次に、図11により、本実施形態における収納ポケットからの装置の取出しを検出する処理について説明する。
先ず、収納検知部216は、収納ポケットからの物体の取出しを検知すると(S601)、取出し検知信号を送電制御部215へ出力する。送電制御部215は、取出し検知信号の受信を待ち、取出し検知信号を受信するとS602の処理に行く。
次に、送電制御部215は、該当する収納ポケットの送電管理テーブルの送電状態905の情報を参照し、送電中“1”の場合は、スイッチNo902の情報から取得した値に該当するスイッチをオフする制御信号を生成し、スイッチ制御信号端子313へ出力する。これにより、該当する収納ポケットで送電をおこなう励振素子への給電が停止される(S602)。
該当する収納ポケットで送電を停止した送電制御部215は、状態表示部217を制御し、該当する収納ポケットでの送電を示すLEDを消灯する(S603)。
送電制御部215は、該当収納ポケットから物体が取り出されたことを示す送電管理テーブルを生成して更新保存する(S604)。物体が取り出された場合には、送電管理テーブルは初期状態に戻す。すなわち、該当収納ポケットに関して、収納状態903は、空を示す値“0”、送電状態904は、送電していないことを示す値“0”、充電所状態905は、停止を示す値”0“、送電開始時間906は、0クリアして更新する。
以上の処理により、送電制御部215は、収納ポケットからの装置の取出しを検知し、送電中の場合は、該当収納ポケットへの送電を停止する。これにより、収納ポケットが空の状態で送電することを防げるため、デジタルテレビ1の安全性と省電力性を高めることができる。
次に、図12により、非接触電力送信部10における異常温度を検出するときの処理について説明する。
ここで、非接触電力送信部10の温度検出部811は、増幅回路部212の温度を監視し、正常な温度か、高温状態の異常温度かを検出し送電制御部215に出力するものである。
先ず、温度検出部811は、増幅回路部212の温度を監視し、高温状態の異常温度を検知すると送電制御部215へ異常高温検知信号を出力する(S1401)。送電制御部215は、異常高温検知信号の受信を待ち、異常高温検知信号を受信すると、S1402の処理をおこなう。
異常高温検知信号を受信すると、送電制御部215は、送信回路部214からの全送電を停止するため、スイッチ部301のスイッチ制御信号端子313へ全てのスイッチ(301a〜301d)をオフする制御信号を生成し出力する(S1402)。これにより、全ての収納ポケットで送電をおこなう励振素子への給電が停止される。
次に、送電制御部215は、異常高温を検視したことをユーザに通知するため、LEDで異常を表示したり、警告音などを出力する(S1403)。
そして、送電制御部215は、異常発熱を示す管理情報を生成して更新保存する(S1404)。異常発熱を示す管理情報は、図5で説明した収納ポケット毎の送電管理テーブルとは別に、非接触電力送信部10全体の情報である非接触電力送信部管理テーブルとして保持される。図示しなかったが、非接触電力送信部管理テーブルには、非接触電力送信部10全体に関わる異常状態の情報とその発生時刻の情報を保持する。異常状態とは「異常発熱」や、何らかの原因で送信回路で電力送信が不能になったことを示す「送信不能」などがある。図5に示した送電管理テーブルと接触電力送信部管理テーブルを保持することにより、異常発生時にどの収納ポケットから送信していたかなどの状態を取得でき、異常原因を特定しやすくなる。
以上のように、異常高温を検知した場合は、すべての収納ポケットへの送電を停止する。これにより、デジタルテレビ1の使用時の安全性を高めることかできる。
以上の様に本実施形態では、デジタルテレビ1の制御だけで、送電対象装置である3Dメガネか否かの判定、充電完了の判定、送電対象装置の取出しの判定を実現する。これにより、電力を受信する側の非接触電力受信装置(3Dメガネ)に通信部や制御部を必要としない非接触電力送信装置(デジタルテレビ)、非接触電力受信装置、および、非接触電力伝送システムを提供することができる。そのため、非接触電力受信装置の小型化、軽量化、ひいては、低価格化に資することができるという効果がある。
〔実施形態2〕
以下、図13を用いて本発明の第二の実施形態に係る非接触電力伝送システムについて説明する。
図13は、第二の実施形態において、充電状態の判定処理を示すフローチャートである。
本実施形態の非接触電力送信システムでも、非接触電力送信装置としては、3Dコンテンツを表示可能なデジタルテレビ、非接触電力受信装置としては、3Dメガネからなることは、第一の実施形態と同様である。
第一の実施形態では、図6のS403において、図7に示されるように、送電対象か否かを判定するために、送電対象検出部813を反射量計測回路で構成して、送電対象検出部813から入射電力量と反射電力量の比である伝送率により、送電対象装置の判定をおこなう例について説明した。
本実施形態では、送電対象検出部813を負荷変動復調回路で構成し、3Dメガネ2の負荷変調部254は、充電回路部252が2次電池253に電力が供給されている間、所定の周期で負荷変調をかけて、各々の周期を比較することにより、送電対象か否かを判定するものである。
原理は、第一の実施形態で、充電確認対象が充電状態であるか否かを判定した処理と同様である。また、以下の説明における図10は、送電対象検出部813からの出力値と読み変えるものとする。
ここでも、3Dメガネ2の負荷変調部254の変調周期をT0、送電対象検出部813の算出された変調周期をT、サンプリング周期をTs、所定の計測時間をTdとし、負荷変調部254の変調周期をT0、サンプリング周期をTs、所定の計測時間をTdは、予め与えていくものとする。
このときに、第一の実施形態の図6のS403での送電対象か否かを判定する処理は、以下に示されるようになる。
先ず、送電制御部215は、送電対象検出部813から出力信号の値を取得し、保持する(S2201)。
次に、送電制御部215は、送電対象検出部813から出力信号の値を取得を所定の計測時間Tdの間実施したか、すなわち所定の回数、出力信号の値を取得したか否かを判定する(S2202)。所定の計測時間Tdの間実施した場合には、S2204へ、実施していない場合は、S2203へ行く。所定の計測時間Tdは、3Dメガネ2の負荷変調周期T0より長い時間に設定する。
送電制御部215は、送電対象検出部813からの出力信号を、所定のサンプリング時間Ts毎に取得する(S2203)。サンプリング周期Tsは、3Dメガネ2の負荷変調周期T0のサンプリング定理を満たす値、すなわち、サンプリング周期Ts≦負荷変調周期T0/2を満たす周期に設定する。送電制御部215は、サンプリング周期TsしたらS2201に戻り送電対象検出部813から出力信号の値を取得する。
サンプリング周期Tsで所定の測定期間Tdの間実施したら、取得した充電状態検出部812から出力信号の値から負荷変調周期Tを算出する(S2204)。図10に示すように、サンプリング毎に出力値が”H”、”L”を交互に繰り返す場合は、負荷変調周期T=サンプリング周期Ts×2となる。図10では、サンプリング周期Tsを負荷変調周期T0/2に設定している。よって、算出した負荷変調周期Tは3Dメガネ2の負荷変調周期T0と同じになる。一方、サンプリング期間中、出力値が全て“H”や“L”であった場合は振幅変動なしと判定し、負荷変調周期Tには振幅変動が無くなったことを示す値Tqを設定する。Tqの値は、例えば、測定期間Tdより長い時間Td×5などに設定する。
そして、算出した負荷変調周期Tから送電対象か否かを判定する(S2205)。 負荷変調周期Tの値が振幅変動が無くなったことを示す値Tqに等しい場合は送電対象か、充電が完了した送電対象装置であると判断する(S2206)。負荷変調周期Tが3Dメガネ2の負荷変調周期T0に対して閾値範囲内の所定の周期であった場合、すなわち、|負荷変調周期T−負荷変調周期T0|<周期閾値αであった場合は、送電対象であると判断する(S2208)。その他の場合は、やはり、送電対象ではないか、3Dメガネ2かデジタルテレビ1の非接触電力送信部10に不具合がある可能性があるため異常検知(S2209)と判断する。
〔実施形態3〕
以下、図14ないし図15を用いて本発明の第三の実施形態に係る非接触電力伝送システムについて説明する。
本実施形態の非接触電力送信システムでも、非接触電力送信装置としては、3Dコンテンツを表示可能なデジタルテレビ、非接触電力受信装置としては、3Dメガネからなることは、第一の実施形態と同様であり、非接触電力送信の手段もその構成もほぼ同様である。
本実施形態では、第一の実施形態と異なる所を重点的に説明する。
本実施形態は、非接触電力受信装置である3Dメガネへの送電(充電)状態を、デジタルテレビ1の映像信号受信・再生部220を用いて表示するものである。
先ず、図14を用いて本発明の第一の実施形態に係る非接触電力伝送システムの構成について説明する。
図14は、本発明の第三の実施形態に係る非接触電力伝送システムの各部の構成を示すブロック図である。
図14に示されるように、本実施形態の非接触電力送信部10では、デジタルテレビ1において、映像信号受信・再生部220の制御部229と非接触電力送信部10の送電制御部215を通信I/F1010を介して接続する。
制御部229は、充電状態をユーザに提示するアプリケーションソフトウェアを実行し、充電状態を知らせる画面を生成し、映像表示部227に表示してユーザに提供する。
充電状態を示す充電状態情報は、送電管理テーブルの収納ポケットNo、収納状態、充電状態などで構成する。送電制御部215は制御部229からの要求に応じて、あるいは、送電制御部215が状態の変化を検知した場合にイベントメッセージとして送出する。状態の変化とは、例えば、充電の完了を検知した場合や、非接触電力送信部10の異常を検知した場合などがある。
次に、図15を用いて充電状態をユーザに表示するユーザインターフェースについて説明する。
図15は、充電状態をユーザに表示する画面の例を示す図である。
ここで、図15(a)は、収納ポケットごとの状態を表示しており、図15(b)は、特定の収納ポケットの状態変化を通しており、図15(c)は、非接触電力送信部10での異常の警告を表示する例である。
ユーザのリモコン操作などによって充電状態の表示を要求された場合に、制御部229が送電制御部215に充電状態情報を要求し、その情報を用いて充電状態を提示する画面を生成して表示する。このとき、図15(a)に示されるように、収納ポケット毎に充電の状態やエラーを示す情報を文章で表示する。
また、送電制御部215は充電の完了を検知した場合や、充電エラーを検知した場合などにイベントメッセージで制御部229に通知する。制御部229は、受信したメッセージ内容に応じて、図15(b)に示す様なダイアログを生成してユーザに表示する。このようにすることで、ユーザが自主的に確認しなくても、充電の完了やエラーの発生を即時にユーザに知らせることができる。
さらに、回復不可能な不具合を検知した場合も速やかに修理が必要であることなどを、図15(c)に示されるように、送電制御部215が異常高温を検知した場合のイベントメッセージに応じて表示するダイアログとして、ユーザに通知することができる。
以上のように本実施形態では、第一の実施形態と同等の効果に加えて、収納ポケットでの充電状態を映像表示部227に表示してユーザに提示するため、より利便性の高いシステムを提供することができる。
〔実施形態4〕
以下、図16ないし図17を用いて本発明の第四の実施形態に係る非接触電力伝送システムについて説明する。
本実施形態の非接触電力送信システムでも、非接触電力送信装置としては、3Dコンテンツを表示可能なデジタルテレビ、非接触電力受信装置としては、3Dメガネからなることは、第一の実施形態、第三の実施形態と同様であり、映像信号受信・再生部220の制御部229と非接触電力送信部10の送電制御部215を通信I/F1010を介して接続されていることは、第三の実施形態と同様である。
本実施形態では、さらに、デジタルテレビ1の映像信号受信・再生部220が表示する映像の種類を検知して、3Dメガネへの充電状態を表示する映像信号受信・再生部220と、非接触電力送信部が連携処理をおこなうものである。
本実施形態は、映像信号受信・再生部220が3Dの放送番組の受信を検知した場合、あるいは、外部入力端子238から入力された映像コンテンツが3Dコンテンツであることを検視した場合に、非接触電力受信装置3Dメガネの充電状態を表示するものである。
先ず、図16および図17を用いて映像信号受信・再生部220の処理について説明する。
図16は、3D映像の受信に応じて、表示部に3Dメガネの状態を表示する映像信号受信・再生部220の処理を示すフローチャートである。
図17は、デジタルテレビの3D映像表示時に、3Dメガネの充電状態をユーザに提示する画面の一例を示す図である。
先ず、映像信号受信・再生部220の制御部230は、デコード部224が受信する番組の変化や、入力信号の切換えなど監視し(S1501)、変化を検視したらS1502の処理をおこなう。
そして、制御部230は、映像表示部227に表示している映像信号が3Dコンテンツであるか、そうでないかを判定する(S1502)。
例えば、MPEG2−TSの放送番組を表示している場合には、MPEG−2 Videoピクチャレイヤのuser_dataに含まれる2D/3D映像の識別信号を利用する。user_dataはStereo_Video_Format_Signalingを有し、Stereo_Video_Format_Signalingを構成する7ビットの情報、Stereo_Video_Format_Signaling_typeで2D映像か3D映像かを判断できる。Stereo_Video_Format_Signaling_typeの値が”0000011”の場合は3D映像(3D Syde−by−Side映像)で、値が”0001000”の場合は2D映像である。
一方、外部入力I/F部239に入力された映像を表示している場合であって、外部入力I/F部239がHDMI(High-Definition Multimedia Interface (登録商標))規格のI/Fであった場合は、映像、音声データを送信するTMDSを用いて不可情報を送信するHDMIベンダー情報フレーム(HDMI Vendor Specfic InfoFrame)として送信される。HDMIベンダー情報フレームは、3ビットのHDMI_Video_Fomatというデータを持ちこの値で3D映像かその他の映像かを判断できる。値が”010”の場合は3D映像であることを示す。
判定の結果(S1503)、3D映像と判断した場合には、S1504へ行き、そうでない場合は処理を終了する。
3D映像と判断した場合には、制御部230は、通信I/F1010を介して非接触電力送信部10の送電制御部215へ充電状態情報を要求する。充電状態情報は、送電管理テーブルの収納ポケットNo、収納状態、充電状態などを含む情報である。送電制御部215は、保持している送電管理テーブル(図5)などの管理情報を用いて充電状態情報を生成して、制御部230に送信する。
そして、制御部230が、充電状態情報を取得すると(S1505)、取得した情報を用いて3Dメガネの充電状態を知らせる画面を生成し表示する。例えば、図17に示すように、3D映像を表示することを示すメッセージ1601と伴に、収納ポケット毎に3Dメガネの充電状態1602をユーザに提示する。充電状態1602は、△や◎などのアイコンで充電状態を表しているが、図15(a)のように文字で表してもよい。アイコンで表示する場合は、一目で状態を認識しやすいという効果が期待できる。なお、メッセージ1603はアイコンの意味を説明するものである。
このようにすることにより、ユーザは、3D映像の表示が始まるときや受信した映像が3D映像であった場合、あるいは、入力された映像が3Dであった場合に3Dメガネの充電状態を確認することができ、どの3Dメガネが使用可能状態にあるかを簡単に知ることができる。
なお、本実施形態では、非接触電力受信装置が3Dメガネである場合を例に説明したが他の装置に適用した場合でもよい。デジタルテレビ1の映像信号受信・再生部220が非接触電力受信装置の使用する機能の実行を検知した際に、送電制御部215へ充電状態情報を要求し、充電状態を表示することにより、同等の効果が得られる。
以上のように、本実施形態では、第一の実施形態と同等の効果に加えて、非接触電力受信装置(3Dメガネ)を使用するコンテンツを表示する際に、非接触電力受信装置の充電状態を映像表示部227に充電状態を表示してユーザに提示するため、より利便性の高いシステムを提供することができる。
〔実施形態5〕
以下、図18Aないし図20を用いて本発明の第五の実施形態に係る非接触電力伝送システムについて説明する。
本実施形態は、特に、3Dメガネ260とデジタルテレビ1の非接触電力送信部10との間で電力送信をおこなう構造の詳細を説明するものである。
図18A,図18Bは、本発明の第五の実施形態に係る3Dメガネ260の構造を説明する図である。
図19は、送信回路部214の励振素子302と共鳴素子306の配置を示した図である。
図20は、受信回路部251が収納ポケット11に収納された場合の送信回路部214との位置関係を示す図である。
以下の説明では、3Dメガネ260に非接触電力受信部250を内蔵した構成とし、収納ポケット11に3Dメガネ260を挿入する場合について述べる。
図18A,図18Bにおいて、3Dメガネ260のブリッジ部1701は、左右のレンズをつなぐ架橋にあたる部分である。
図18Aは、3Dメガネ260を図1に示した収納ポケット11に右レンズ264方向から挿入する場合の状況について示している。本実施形態では、3Dメガネ260は、フレーム前面部のブリッジ部1701に受信回路部251の共鳴素子331と、励振素子332を配置するようにする。共鳴素子331と励振素子332は、空心コイルで構成している。共鳴素子331は、3Dメガネ260の幅をkとしたとき空心コイルの中心部が3Dメガネ260の端からk/2となるように配置している。
ここで、図18Aと図18Bの違いは、図18Aが右レンズ264の方向から収納ポケット11に挿入し、図18Bが左レンズ265の方向から収納ポケット11に挿入する点である。
次に、図18Aないし図19により本実施形態の非接触電力送信装置と非接触電力受信装置における電力送信の特徴について説明する。
図19は、図3で示した送信回路部214の励振素子302と共鳴素子306の配置を示したものである。ここで、図19(a)は、収納ポケット11の下部に励振素子302と共鳴素子306であるコイルを巻きつけた場合、図19(b)は、収納ポケット11の中心部に励振素子302と共鳴素子306であるコイルを巻きつけた場合、図19(c)は、収納ポケット11の上部に励振素子302と共鳴素子306であるコイルを巻きつけた場合、図19(d)は、収納ポケット11から離れた場所に励振素子302と共鳴素子306であるコイルを配置する場合を、それぞれ示している。ここでは図示しないが、送信回路部214の励振素子303,304,305と共鳴素子307,308,309も同様な配置をとることができる。
また、上記した場所以外にも磁気共鳴現象が起こる範囲で励振素子302,303,304,305と共鳴素子306,307,308,309を配置してもよい。
図20は、図18A,図18Bと図19で示した受信回路部251が収納ポケット11に収納された場合の送信回路部214との位置関係を示している。送信回路部214と受信回路部251は、磁界共鳴の関係となる位置に配置する。なお、図20では、3Dメガネ260の外形および、レンズ264,265は図示していない。
ここで、図20(a)は、3Dメガネ260を右レンズ264から挿入した場合の受信回路部251の配置を示しており、図20(b)は、左レンズ265の方向から挿入する場合を示している。
図20(a)と図20(b)に示されるように、共鳴素子331は、3Dメガネ260の中心部に保たれるため送信回路部251の共鳴素子306のとの距離は等しくd1になる。
共鳴素子331との位置関係は図示しないが、図19(b)の場合の距離をd2、図19(c)の場合の距離をd3、図19(d)の場合の距離をd4とすると、これらの場合でも3Dメガネの挿入方向によらず、それぞれの距離は一定となる。
上記のような構成にすることにより、送信回路部241の配置や3Dメガネの挿入方向による伝送効率の劣化がなく一定とすることができる。
なお、本実施形態では、非接触電力受信装置2が3Dメガネ260である場合を例に採り、説明したが他の装置に適用した場合でもよい。
以上の様に本実施形態では、第一の実施形態と同等の効果に加えて、送電側共鳴素子306と受電側共鳴素子331の磁気共鳴の関係が挿入方向によらず同じになり、ユーザは、非接触電力受信装置2(3Dメガネ260)の挿入方向を気にせずに収納ポケット11に挿入することができ、ユーザにとって利便性の高い非接触電力受信装置を提供することができる。
〔実施形態6〕
以下、図21Aおよび図21Bを用いて本発明の第六の実施形態に係る非接触電力伝送システムについて説明する。
図21A,図21Bは、本発明の第六の実施形態に係る3Dメガネ260の構造を説明する図である。
本実施形態でも、特に、3Dメガネ260とデジタルテレビ1の非接触電力送信部10との間で電力送信をおこなう構造の詳細を説明するものである。
第五の実施形態では、3Dメガネ260のブリッジ部1701に、受信回路部251の共鳴素子331と、励振素子332を配置したが、本実施形態では、共鳴素子331と、励振素子332を、3Dメガネ260のテンプル部に配置するものである。
テンプルは、メガネのフレームの耳にかけるツルにあたる部分であり、図21Aに示されるように、本実施形態の3Dメガネ260は、右テンプル部1702、左テンプル部1703を有する。
本実施形態では、励振素子332、共鳴素子331は、図3Dメガネ260の左テンプル部1703に配置される。
収納ポケットに挿入する際、3Dメガネ260の左テンプル部1703と右テンプル部1702を折りたたむとき、3Dメガネ260の長さkとすると共鳴素子331の中心部がk/2となるように配置する。
ここでは、左テンプル部1703に共鳴素子331を配置しているが、共鳴素子331を右テンプル部1702に配置する構成でもよい。
上記では左レンズ265から挿入する場合を示しているが、右レンズ264から挿入する場合(図示せず)でも共鳴素子331の配置は変わることはない。このため挿入方向によらず磁気共鳴の関係が保たれる。
また、右テンプル部1702、あるいは、左テンプル部1703に共鳴素子331である空心コイルを配置するため、コイルの長さ方向に自由度が増し、空心コイルの巻き数を増やすことができる。
以上の様に本実施形態では、第五の実施形態と同等の効果に加えて、共鳴素子331を3Dメガネ260の右テンプル部1702、あるいは、左テンプル部1703に配置する構成とすることにより共鳴素子331である空心コイルの巻き数を増やすことで回路のQを高くすることができ、送信回路部214の共鳴素子306と受信回路部251の共鳴素子331間の電力の伝送効率を向上することができる。