JP5703512B2 - 実効中性子増倍係数の制御を伴う加速器駆動原子力システム - Google Patents

実効中性子増倍係数の制御を伴う加速器駆動原子力システム Download PDF

Info

Publication number
JP5703512B2
JP5703512B2 JP2013501639A JP2013501639A JP5703512B2 JP 5703512 B2 JP5703512 B2 JP 5703512B2 JP 2013501639 A JP2013501639 A JP 2013501639A JP 2013501639 A JP2013501639 A JP 2013501639A JP 5703512 B2 JP5703512 B2 JP 5703512B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
neutron
core
reactivity
change
count rate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013501639A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013524175A (ja
Inventor
カルロ ルビア、
カルロ ルビア、
Original Assignee
ジェイコブス ユーケー リミテッド
ジェイコブス ユーケー リミテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ジェイコブス ユーケー リミテッド, ジェイコブス ユーケー リミテッド filed Critical ジェイコブス ユーケー リミテッド
Publication of JP2013524175A publication Critical patent/JP2013524175A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5703512B2 publication Critical patent/JP5703512B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C1/00Reactor types
    • G21C1/30Subcritical reactors ; Experimental reactors other than swimming-pool reactors or zero-energy reactors
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C1/00Reactor types
    • G21C1/30Subcritical reactors ; Experimental reactors other than swimming-pool reactors or zero-energy reactors
    • G21C1/303Experimental or irradiation arrangements inside the reactor
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C17/00Monitoring; Testing ; Maintaining
    • G21C17/10Structural combination of fuel element, control rod, reactor core, or moderator structure with sensitive instruments, e.g. for measuring radioactivity, strain
    • G21C17/104Measuring reactivity
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C7/00Control of nuclear reaction
    • G21C7/34Control of nuclear reaction by utilisation of a primary neutron source
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21DNUCLEAR POWER PLANT
    • G21D3/00Control of nuclear power plant
    • G21D3/08Regulation of any parameters in the plant
    • G21D3/10Regulation of any parameters in the plant by a combination of a variable derived from neutron flux with other controlling variables, e.g. derived from temperature, cooling flow, pressure
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21CNUCLEAR REACTORS
    • G21C1/00Reactor types
    • G21C1/02Fast fission reactors, i.e. reactors not using a moderator ; Metal cooled reactors; Fast breeders
    • G21C1/03Fast fission reactors, i.e. reactors not using a moderator ; Metal cooled reactors; Fast breeders cooled by a coolant not essentially pressurised, e.g. pool-type reactors
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Plasma & Fusion (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
  • Particle Accelerators (AREA)

Description

本発明は、加速器駆動システム(ADS)に関する。
近年では、加速器駆動未臨界炉、例えば超ウラン元素(TRU)燃焼炉及びトリウム系増殖炉、国際公開公報第95/12203号で開示されているようなエネルギー増幅器(EA)に関するかなりの関心が世界中で増大している。
未臨界システムでは、中性子の増倍は1未満であり、外部の陽子加速器によって生成される追加の中性子を、特に増殖反応連鎖の動作を確実にするために使用することができる。未臨界は、実効遅発中性子の寄与が通常の加圧水型原子炉(PWR)よりかなり小さく、小さい又は反対のドップラー温度係数で、冷却材の状況に応じておそらく正のボイド係数の場合の用途で特に有利であると思われる。U−238に基づく高速増殖炉、あるいは、Th−232に基づく高速又は熱中性子増殖炉の場合、未臨界動作は特に有益である。というのは、プロセスを終えるのに、1個ではなく2個の中性子が必要であるからであり、1つ目は、核分裂性親物質を生成するためのものであり、2つ目は娘元素を核分裂させるためのものであり、核分裂による中性子増倍よりわずかに少ないだけである。
よく知られているように、未臨界システムでは、中性子増倍係数kは、炉心の所定の中性子が連鎖反応を続ける可能性がある平均確率である。各々の入ってくる外部の加速器駆動中性子から開始するカスケードによって生成される二次中性子の結果として生じる合計平均数は、このときk+k+k+...=k/(1−k)=−1/ρによって与えられ、ここでρは、いわゆる過剰反応度である。未臨界システムでは、ρ<0である。
2つの成分、すなわち、即発核分裂中性子による瞬間的な寄与kと、最初の核分裂の発生の数秒後に中性子を発生する核分裂片の小さい部分βeffによって発生される遅発中性子による寄与kとが未臨界システムの中性子増倍に寄与し、k=k+kである。それらの遅延時間中、これらの中性子は自由中性子として存在せず、それらは原子核(Kr−87のような)中に「予め格納」されており、このような短い期間中、それらはどのような明らかな減速も吸収もされない。これらの中性子の格納の現象は、有効な応答時間を増加させる。
表1は、U−233、U−235及びPu239の核分裂性アクチノイドからの遅発中性子放出核分裂片の6つの崩壊系列を示している。中性子放出の指数関数的寿命と、断片核分裂率とが、各々の系列に関して、高速(非減速)中性子(βfast)及び熱中性子(βther)に関して与えられている。それらは、初期のアクチノイド状態の各々に関して大きく異なっている。
Figure 0005703512
表1に示すように、核分裂性元素U−233、Pu−239及びU−235の場合では、遅発中性子の特徴的系列の期間は、核分裂性アクチノイドの組成に応じて約1秒から約1分の間で変動する。もちろん、ソースに関係なく、ビーム駆動された外部中性子と遅発中性子の両方は、その後の中性子増倍を受ける。
反応度の種々の単位が慣用のものであり、それらの中に「ドル」($)がある。ドルは、中性子増倍係数kの変動Δkとして定義され、遅発中性子の寄与にちょうど等しく、すなわち、Δk=βeffであり、「セント」はドルの100分の1である。実際の値は、U−233については1$=2.1×10−3、Pu−239については1$=2.9×10−3、U−235については1$=7.3×10−3である。
これからわかるように、各々の同位体元素は、任意の実際的な燃料混合物に異なった数の遅発中性子を寄与する。したがって、原子炉システムに関してβeffの値を規定することが有益である。
Figure 0005703512
ここで、Peff(i)は、原子炉内に存在するnの同位体元素の混合物内の同位体元素(i)の全体の核分裂への断片的寄与である。Peff(i)は、原子炉の動作及び放射性崩壊によって時間と共に変化することに留意し、βeff(i)は、同位体元素(i)に関する遅発中性子の寄与である。
核燃料の未臨界システムの理論は、50年代から広範囲に論じられてきた。最近では、エネルギー増幅器及びADS概念の出現により、多数のほぼゼロ出力の未臨界配置が広範囲にわたって実験的に検討されており、その中で、CERN(スイス)でのFEAT、カダラッシュ(フランス)でのMASURCA、及び、ミンスク(ベラルーシ)でのYALINAの実験がある。
これらの実験では、反応性に関係するパラメータを識別する多数の方法が詳細に記載されている。これらの方法は、一般に、狭くパルス化された低出力ビーム源(例えば、ディラックのような形状の)使用に基づいている。それらは、きわめて少ない量の核分裂出力と、それほどでもない温度変化とを伴っている。それらは、較正目的と反応性の推定に適している。しかし、これらの研究は、実際的な反応性の監視と、代わりにビーム出力が大きくて連続的である場合の商用の高出力加速器駆動システムの動作のための必要なフィードバック制御手順、すなわち、通常の臨界炉の正規の方法の類似物とを規定するのにまったく十分であるというわけではない。
上述したほぼゼロ出力の未臨界配置とは異なり、商業指向のより大きい発電所(臨界又は未臨界いずれかの)では、温度変化は基本的役割を演じる。高出力システムでは、最も関連性が高い反応性フィードバックメカニズムは、炉心の燃料の瞬間的な温度分布に依存するドップラー効果である。材料が加熱するとき、反応断面積の共鳴はより広くなり、したがって、反応が起こる可能性が変化し、したがって、中性子増倍係数kが変化する。関連パラメータは、Δk=dk/dT(K−1の単位で)として定義される、いわゆる温度係数であり、ここで、Tは各々の燃料元素の絶対温度である。原子炉の体積全体にわたって適切に平均された〈Δk〉=〈dk/dT〉の実際の値は、炉心を構成する元素の性質に強く依存している。その値は、燃料の、そして冷却材材料の組成及びジオメトリに応じて正又は負のいずれかである可能性がある。
温度変化は、冷却材の、そして炉心の全体的な幾何学的構造の挙動にも影響を与えている。温度が上昇すると、対応してより少なくなる捕獲される中性子と、格子ジオメトリの幾何学的膨張とによって、冷却材濃度ρ(T)が低下する。中性子スペクトルと、したがって中性子増倍係数kとは、温度係数dk/dTに加算される変化を導入するいわゆるボイド係数dk/(dρ/ρ)と、幾何学的膨張中の「座屈」の変化とによって対応して修正される。
通常の臨界炉では、生成される出力の適時の変化(その実際の値ではない)は、時間の関数として中性子増倍係数kを調節することによって制御可能である。原子炉はこのとき、k≒1で、自己発生出力臨界モードで動作される。オペレータは、制御棒の動きの方向及び速度を直接、すなわち、実際には出力レベルの二次導関数を決定する。臨界炉は、出力変化の速度が許容可能に遅い、遅発中性子の寄与の範囲内でのみ制御可能であるため、1を上回る瞬間的なkは、決して1$を超えてはならない。これらの条件では、制御棒によって自己生成出力を機械的に調節するために十分な時間を可能にするために、変化の速度は、遅発中性子の存在によって決定される。例えば、標準的なPWRでは、k=1を超える1/1000の臨界定数は、反応速度の過度の上昇が起こる前に、制御バーを用いて臨界係数を修正するのに十分な時間を残して、中性子の数を毎秒約0.9パーセント増加させる。(k−1)が遅発中性子による全体的な寄与を超えると、原子炉は、最も劇的な結果を伴う、「即発」臨界になる。中性子の寿命は、典型的には、数マイクロ秒のオーダーであり、即発値をわずか1/1000超える臨界係数に関して、増殖速度は、各秒に係数(1.001)1000≒2×10だけ上昇する。
未臨界炉では、核分裂出力は、陽子ビーム電流によって直接駆動される。これは、熱核分裂により生成される出力Pthermと、外部加速器ビーム出力Pbeam=ibeam×T/eとの間の正確な釣り合いに対応しており、ibeamはアンペアでの陽子電流であり、eは陽子の電気素量であり、TはeVでの運動エネルギーである。PthermとPbeamとの間の乗率は、原子核カスケードによって発生されるようなk/(1−k)である。
現代的な加速器の開発は、陽子駆動高エネルギー核破砕中性子源を用い、実質的な中性子束の生成を可能にした。例えば溶融鉛のような重い原子番号のターゲットでの核破砕は、1GeVの運動エネルギーを有する陽子から成るビームに関して30もの中性子/陽子を生成することができる。このエネルギー領域の加速器、例えばサイクロトロン又は超伝導線形加速器(LINAC)は、その必要な一次電力供給の50%にもなるビーム出力Pbeamを生成することができ、したがって、原子炉から発生される電気のわずかな割合のみが加速器から必要とされる。
以前の未臨界プロジェクトでは、臨界度kの値は、1から十分に遠く、典型的にはk≒0.97又はそれより十分に小さく、しかし、十分な未臨界度マージンが最も例外的に不利な状態であっても事前に保証されることを確実にするのに十分に選択されている。「スクラム」メカニズムが、緊急停止の場合と、原子炉が非常に長期の期間中オフに保たれる場合にのみ必要とされる。
これらの条件(k≒0.97)では、1.5GWattの熱出力で慣例的に動作される未臨界EAは、例えば、鉛核破砕ターゲットへの1GeVの運動エネルギーの陽子ビームのために約24mAの電流ibeamを必要とする。これは、加速器自体と核破砕ターゲットの両方に関する実質的な技術的前進を意味する。
本発明の目的は、非常に大きい加速器を必要とすることなく、原子炉を高出力モード(商用エネルギー生産施設に適した)で効果的に制御することを可能にする動作の代わりのモードを提案することである。
加速器からより小さい出力を必要とするように、その寸法と、したがってその費用及び複雑さを減少させるようにするために、できるだけ大きい中性子増倍係数kの値で、未臨界状態で動作させることがここで提案される。
ADSを未臨界状態で動作させる方法が開示される。この方法は、
− 加速された粒子を核破砕ターゲットに向ける工程と、
− 核分裂性物質および親物質を備える核燃料が装填された炉心内で核破砕ターゲットからの中性子を増倍させる工程と、
− 実効中性子増倍係数が0.98より大きい範囲に維持されるように、炉心内の反応度を制御する工程と、を有する。
実効中性子増倍係数keffのこのような大きい値(典型的に、臨界の1または数$より小さい)での動作は、完全に異なる現象学を導入することがわかっている。k≒0.97の慣例的に推薦される場合とは異なって、ビーム生成された核破砕中性子の収量は、遅発中性子の数により小部分βeffと同程度になる。したがってそれらの中性子の両方は、増倍カスケードに同等に寄与する。陽子電流のどのような変化も、遅発中性子の特徴的時間パターンと共に、結果として生じる核分裂出力のかなり大きな変調を誘発し、中性子増倍係数k又は反応度ρの正確なオンライン推定を可能にする。
したがって実効中性子増倍係数keffは、(a)未臨界原子炉を動作させることができるkの最大値と、(b)安全に維持することができるkの最大値と両立するように制御することができる。
例えば、(1−k)=3.15×10−3及び1.5GWattの熱出力Pthermの高速U−233核分裂駆動未臨界原子炉は、加速器技術の現状の範囲内で、溶融鉛ターゲット内で良好に相互作用する電流ibeam=2.0mAの1GeV運動エネルギーの陽子ビームによって制御することができる。したがって、(1−k)=3.15×10−3での加速器の全体的な出力ゲインは、典型的にG=Ptherm/Pbeam≒750である。
一般に、本方法は、例えば0.5から5MWattの範囲内の合理的な加速器ビーム出力の商用エネルギー生産用途によく適している。
一実施形態では、実効中性子増倍係数の上述した範囲は、0.99より上で0.999より下であり、したがって、システム内のきわめて高い出力ゲインを提供する。
炉心内の反応度は、−4$より上の範囲内で有利に制御され、ここで反応度単位「$」は原子炉システムに関するものである。ドルでの反応性の好適な制御範囲は、−3$と−0.5$との間である。
きわめて高いk範囲での動作は、商業指向のより大きい発電所の加速器駆動未臨界炉心の調整制御に必要なすべての主要な測定に適した条件を提供する。大部分の既存の原子炉のように、典型的に中性子カウンタが炉心内に分配される。そのとき炉心内の反応度の制御は、
− 加速された粒子のビーム電流を減少させるためにステップ変化を適用する工程と、
− ビーム電流のステップ変化に応じて中性子カウンタによって提供される中性子計数率の変化を測定する工程と、
− 前記ステップ変化による即発中性子の損失に関係する計数率の低下を推定する工程と、
− 前記ステップ変化の前の計数率の値に対する計数率の推定された低下の割合を評価する工程と、を含んでもよい。
温度変化が存在しても中性子計数率の低下の統計学的に確実な評価を得るために、計数率の変化は、ビーム電流のステップ変化の後から前記ステップ変化の時間に向かって有利に外挿される。ステップ変化の時間での外挿値は、ステップ変化の直前の定常領域での遅発中性子の相対レベルの指標を与え、これはドルでの反応度ρに直接関係する。(i)ステップ変化後にそれ以上新しい核分裂を引き起こさない失われた核破砕中性子に関係する遅発中性子の崩壊と、(ii)炉心内部の温度変化によって引き起こされる増倍係数の変化とに起因して、このような「準安定」レベルは十分に長く維持されないために実際に達成することができない十分な計数統計をカウンタは必要とするため、ビーム電流のステップ変化の直後の中性子の量は、一般に、直接測定することはできないことに留意する。
特に、ビーム電流が減少した値に保たれ、中性子計数率の変化が外挿のために測定される、ステップ変化に続く期間は、100ミリ秒より長く、又は好適には、1秒より長くなる可能性がある。炉心構造の熱的ストレスを制限するために、ステップ変化は、ビーム電流の小部分にのみ対応する。典型的に、ステップ変化は、ビーム電流を50%未満だけ減少させる。
本方法を実際に実施する際には、核破砕ターゲットに向けられた加速された粒子は、連続的な粒子ビームの形式である。炉心構造の過剰な数の度重なる熱衝撃に関係する安全要求により、比較的短い期間中でも完全な陽子ビームの頻繁に繰り返される急激な(マイクロ秒での)遮断が、どのような大きい原子炉にも適用できないため、パルスビームはあまり適していない。
加速器駆動未臨界システムでは、主要な制御要素は陽子電流の変動性である。電流の変動は、一般に、許容可能な小さい変化率を有するべきであり、可能なときはいつも限られた振幅でなければならない。したがって、粒子ビームは、炉心内の反応性を推定する段階を除いて、好適には定格ビーム電流で動作され、反応性制御は、炉心内の中性子吸収制御要素の位置を調節する工程を有する。
維持することができるkの最大値は、ビーム変動によるkの増大に関係し、それは一般に、炉心の(負の)温度係数に関連付けられる。特に、kの動作値は、加速器の偶発的な故障によるビームの不可避な突然の損失、いわゆる「トリップ」が、条件k=1を決して超えないことを保証するために、臨界から十分に遠く離れていなければならない。臨界を防ぐために是正緊急措置が取られるように、ビーム「トリップ」をきわめて迅速に検出することが望ましい。陽子ビーム損失による例外的な突然の「トリップ」の発生後の燃料ピンの温度低下は、数秒のみの一次崩壊時定数により比較的速い。陽子電流の予期しない変化又は損失の突然の発生は、原子炉が作られる燃料棒の温度の主要な変化が生じる前でさえ、原子炉を潜在的な臨界状態から十分に離れさすような反応度低下(「スクラム」)による高速移動する制御棒の迅速な挿入を自動的に活性化するであろう。したがって、本方法の実施形態は、加速された粒子の任意の中断を検出する工程と、中断の検出に応じて、スクラム中性子吸収体を炉心内に挿入する工程とを備える。好適には、スクラム中性子吸収体は、加速された粒子の中断の検出に続く、100ミリ秒より長い、好適には1秒より長い期間後に炉心内に挿入される。炉心内に分配される中性子カウンタによって提供される中性子計数率の変動は、このような期間中に測定することができる。中断前の計数率の値に対する計数率の推定される低下の割合に基づいて反応度の値を得るために、中断による即発中性子の損失に関係する計数率の低下が次に推定される。
粒子ビームを公称ビーム電流で動作している間(炉心の反応度を推定する段階を除いて)に炉心の安定した動作状態を維持するために、反応度制御は、
− 炉心内に分配された中性子カウンタによって提供される中性子計数率を連続的に監視する工程と、
− 監視された計数率の逸脱状態の検出に応じて、炉心内の反応度を推定する段階を行う工程と、を有してもよい。
これは、反応度を修正する何らかの働き(制御棒の移動のような)が必要か否かを確かめる必要がある場合にのみ、動作の安定性をチェックし、反応度推定を得る(関連するビーム減少が熱変動を引き起こす)ことを可能にする。
前のものと組み合わせることができる他の選択肢は、反応度推定段階を周期的に行うことである。しかしながら、このような段階の周期性は、炉心への熱的ストレスを最小にするのに十分(通常は1時間より長く)でなければならない。
加えて、炉心の構造の度重なる熱衝撃を回避するために、ビーム「トリップ」の偶発的な発生は、好適には(従来の陽子加速器での通常の状況と比較して)非常に制限されなければならない。これは、加速器に関係するすべての構成要素に適切な追加を導入することによって防ぐことができる。例えば、加速された粒子は、ビーム電流の持続性を保証するために冗長な構成要素を有する加速器複合体によって提供することができる。
特に、加速器複合体は、個々のエネルギーゲインを適用するために複数の連続的に取り付けられた加速空洞を有する少なくとも1つの加速構造を有してもよい。空洞の1つのエネルギーゲインが失われると、失われたゲインは、加速RF位相角を使用して他の空洞間で再分配される。加速器複合体は、複数の加速構造を有してもよく、加速構造の1つで故障が生じた場合、少なくとも1つの他の加速構造のビーム電流が、加速された粒子の全体の電流を維持するために増加される。一実施形態では、複数の加速構造からの2つの粒子ビームが、磁気構造とセプタムとを使用して、核破砕ターゲットの上流で左右に合流される。これらの2つの粒子ビームは、同じ運動エネルギーを有する第1陽子ビームと陰イオンビームとを含んでもよく、核破砕ターゲットの上流で第1陽子ビームと合流される第2陽子ビームを提供するために、電子が陰イオンビームから取り除かれる。
本発明の他の態様は、未臨界加速器駆動原子力システムに関係し、
− 少なくとも1つの粒子加速器(必要に応じて可能な追加の待機冗長性で使用されるもの)と、
− 加速された粒子を受ける核破砕ターゲットと、
− 核破砕ターゲットに隣接し、親物質を備える核燃料が装填された炉心と、
− 炉心から熱を取り出す冷却材回路と、
− 炉心内に分配された中性子カウンタと、
− 中性子カウンタと協働し、実効中性子増倍係数が0.98より上の範囲内に維持されるように反応度を制御する制御システムとを備える。
本明細書に開示される方法及びシステムの他の特徴及び利点は、添付図面の参照による、非制限的な実施形態の以下の説明から明らかになるであろう。
本発明による方法を実行するために使用することができる未臨界原子炉炉心の概略的な図である。 厚い溶融鉛ターゲット上の各々の入射陽子に関する典型的な核破砕中性子収量を陽子エネルギーの関数として示す図である。 本発明を実施するために使用することができる二重スタンバイユニットを含む陽子加速器複合体の一例を示す図である。 加速器複合体の他の例を示す図である。 陽子電流のステップ減少の直後の残存する遅発中性子率の寄与を遅発臨界から離れた$の数の関数として表すグラフである。 U−233に基づく増殖炉の場合の、異なった動作状況を、全体的な中性子増倍係数k又は$の数の関数として表す図である。 任意単位(a.u.)での中性子計数率を、時間t=0でのビーム「トリップ」後の時間の関数として、図表を用いて表している。 任意単位での中性子計数率を、時間t=0でのビーム電流の30%ステップ変化後の時間の関数として表すグラフである。
本発明の目的、特徴及び利点は、好適実施形態の以下の説明を用いて、本明細書でより詳細に例示される。さらに他の目的及び利点が、次の説明及び添付図面の検討から明らかになるであろう。すべてのこれらの特定の例は、例示の目的のみを意図しており、本発明の範囲を限定するものではない。
図1に概略的に例示されているようなADSでは、1GeVのオーダーの運動エネルギーを有する陽子のような高エネルギー粒子を、ターゲットを形成する重い原子核に向けることによって、核破砕中性子が、原子炉炉心100の中央領域に配置されたターゲット101内に発生される。核破砕ターゲットに適した様々な物質の中で、高エネルギー陽子に当たったときのその高い中性子収量のため、鉛が有利に使用される。また、液相中の鉛は、炉心から熱出力を取り出すために冷却材として使用することができる。ビスマスを含む他の元素は、核破砕ターゲットとして使用される魅力的な性質を有している。
図1に例示する炉心100は、液体鉛を含む容器102を有している。上述した核破砕ターゲットを形成する炉心の中央領域101は、燃料集合体103によって取り囲まれている。核燃料は、中性子捕獲後に核分裂性元素(U−233又はPu−239)を増殖させることができるTh−232又はU−238のような親元素を含んでいる。核分裂性元素は、他の中性子と反応させることによって核分裂させることができる。核分裂反応から結果として生じる即発及び遅発中性子は、ターゲットからの新しい核破砕中性子と共に、増殖及び核分裂プロセスを続ける。全体的な中性子増倍係数kは、臨界を回避するために1より下に保たれる。
図1に例示した構成では、燃料集合体103は、核分裂片からの運動エネルギーの移動によって加熱される溶融鉛中に沈められる。鉛冷却材から熱を取り出すために、1つ以上の熱交換器104が容器内に設けられる。二次回路は、タービンを作動させるために、例えば蒸気に基づいている。入射陽子ビーム105は、ビームチャネル107の端に配置されたビーム窓106を通って炉心の中央ターゲット領域101に入る。炉心100のレイアウトは、一般的には、関連する物理学も説明している国際公開公報第95/12203号に記載されているようであってもよい。
従来の臨界炉でのように、炉心内の中性子束を表す中性子計数率を連続的に得るために、中性子カウンタ110が炉心の燃料領域に分配されている。後述するように反応度を調節するために、制御棒システム111も炉心領域に設けられている。最後に、他の中性子吸収棒が、特定の動作状況が検出されたときに反応を停止させるために作動されるスクラム吸収システム112を形成する。
制御システム(図示せず)は、加速器複合体と、制御棒システム111と、スクラム吸収システム112とを含む設備を動作させるために加速器複合体及び原子炉炉心に設けられた、中性子カウンタ110を含む種々のセンサから情報を集める。このような制御がどのように行われるかを、以下にさらに説明する。
図2は、溶融鉛で作られた厚いターゲットの例示した場合に単一の入ってくる陽子によって生成される核破砕中性子の平均数を陽子エネルギーの関数として表す曲線を示している。
多数の技術的選択の状態が加速器に利用可能である。連続的な陽子強度は、陽子源の制御グリッドを用いて、迅速に、広い制限の範囲内で、所望ならゼロまで変化させることができる。
例示のために、二重冗長ユニットを有する1GeV超伝導LINACの場合が、図3に概略的に説明されている。同等の性能の代わりの加速方法を選択することができることは理解されよう。図3に示す加速器システムは、よく確立された設計のものである。これは、3つの主要区分、すなわち、
− 約10keVのエネルギー範囲の陽子を提供するソースと、陽子を約5MeVまで加速する高周波四重極(RFQ)と、それに続く15MeVで示される陽子エネルギーまで加速するドリフトチューブ型リニアック(DTL)とから作られたインジェクタ1と、
− 陽子を約85MeVまで加速させるための、常伝導又は超伝導のDTL構造を有する中間区分2と、
− 最後に、所定のエネルギー(例示的例では1GeV)までの加速プロセスを完了させる超伝導LINAC構造3とに分割することができる。
従来の加速構造とは異なる好適な特徴は、ビームの故障による偶発的な「トリップ」の非常に小さな率の要求である。それぞれ、能動的構成要素の適切な冗長性と、加速構造の適切な重複とに基づく2つの方法が以下に提示される。
冗長性は、加速器のすべての能動的構成要素に関して実現することができる。各々の加速空洞は、加速中に個々の粒子がその周囲で縦方向位相空間振動を行うRF同期位相角φを有する。1つの(又は多分それより多くの)空洞でのRFの偶発的な損失は、他の空洞が、それらが必要とする、対応するより大きいsin(φ)による電圧ゲインの増分を自発的に再分配することを許可するために十分な予備のRF電圧が存在するならば、加速されたビーム電流を維持するであろう。
重複は、ソースから最終的なエネルギーへの完全な加速構造を二重にすることにあり、2つの(又は多分それより多くの)完全に独立したチャネルが、2つの、近くにあるが別々にシールドされた容器に収容される。これは、必要ならば、図3に示すように、他の1つが動作しているときに、構造の1つへの制御された(修理)アクセスを可能にする。各々の独立した加速チャネルは、これらの各々を例えばibeam/2で動作するように通常に制御できるが、合計の必要な電流ibeamを提供することができる。2つの加速された陽子電流は、独立した変流器4及び5によって正確にかつ連続的に測定される。構造の1つの偶発的な障害(「トリップ」)が生じた場合、完全な電流ibeamは、他の既に動作している構造によって、無視できるほど短い(マイクロ秒のオーダーの)時間で引き継がれる。よく知られている慣習によれば、加速器の端で、2つのビーム輸送は、例えば適切な磁気セプタム6によって左右に互いに合流され、共通の偏向及び集束磁気輸送構造7を用いて、未臨界原子炉炉心100内の核破砕ターゲット101に輸送される。ビーム電流の合計は、専用の冗長変流器10によって常に測定される。
代替のシナリオでは、加速器の1つは、陰イオンH≡H≡(pe)eによって動作し、他の1つは、依然として陽子Hによって動作する。反対の符号を有する2つのビームは、磁気的に一緒に持ってこられ、非常に薄いストリッピング箔が、電子すなわちeを除去し、したがって、独自に合流された陽子ビームを生成する。図4に示すように、陽子ビームが変流器4によって測定されている間、別の変流器11は陰イオン電流を測定する。2つのビームは、2つの別個の偏向磁石12、13と、共通磁石14を用いて、一緒に持ってこられる。陰ビームは、薄い箔15によって除去され、結果として生じる陽子ビームは、(冗長)合計変流器10を用いて、核破砕ターゲットに輸送される。
冗長性と重複とに基づく同様の考察は、例えばサイクロトロンの代替と同様に、任意の他の代わりの加速方法にも適合する。
本発明によれば、原子炉内の3つの主要構成要素は、抽出された陽子ビーム電流によって動作される加速器駆動未臨界炉心を制御及び調節するのに必要なプロセスを提供する。それらの主要構成要素は以下のものである。
− 加速器電流の故障の場合と、特に、陽子ビームの偶発的な「トリップ」の場合、即発EAシャットダウンを迅速に行うスクラム吸収システム112。これは、中性子増倍係数kの値を安全な値に下げるために、高速中性子吸収「スクラム棒」を炉心に挿入することによって即座に作動する。このシャットダウンは、特に炉心の燃料ピン又は他の同等の構造での温度変化の結果を最小にするために、十分早い(すなわち、1秒のオーダーの)時期に行うべきである。
− 中性子感応性カウンタ110の均一に分配されたアレイ。よく知られた慣習にしたがって、この種のカウンタは、中性子にのみ感度がよく、例えばα、β、γ線又は他の電離粒子のような他の信号を明らかには記録しない。アレイのN個のカウンタは、中性子計数率dC/dt,i=1,...,Nを記録するために、炉心内に均一に分配される。有力な出力発生プロセスである核分裂プロセスによって、結合された中性子計数率の適切に重み付けされた和
Figure 0005703512
は、炉心の瞬時に生成される熱出力に正比例する。したがって、実際の瞬時の出力のむしろ間接的な測定は、原位置のカウンタアレイの測定によっていつでも置き換えることができる。結合された中性子計数率では高レベルの冗長性が推薦され、これは通常、例えば3つの重複チャネルアレイのうち2つの間の一致により行われる。
− 微細な機械的運動によって中性子増倍係数kの必要な変化を導入するために、原子炉炉心(制御棒)の体積全体にわたって分配された適切な数の中性子吸収装置を提供する制御棒システム111。
ここではそれらは、適切な粒子加速器によって供給される外部の中性子源から来る核分裂エネルギーによって支援される未臨界炉の動作を目的としているため、それらの適用範囲はまったく異なっているが、最後の2つの項目は、通常の臨界炉のものとよく似ている。
いくつかの異なった相補的な手順を、上述したシステムを用いて行うことができる。これらの手順の組み合わせは、加速器駆動未臨界炉心の動作及び制御に有用な測定を提供する。
最初の連続的に実行される手順は、未臨界炉の安定動作に関係する。外部核破砕源によって駆動される未臨界動作に容易に拡張される、臨界炉による広範な経験は、原子炉は、制御要素の位置の変化を必要とすることなく、数時間の一定出力での定常状態で通常に動作できることを示している。定常状態の挙動からの逸脱の原因及び影響は、システム温度、陽子電流、冷却材の流れ、又は負荷等のいくらかの変化のため、瞬間的であるか又は長期にわたる可能性がある。例えば、その中での燃料燃焼と核分裂生成物の蓄積とのため、それらは長い期間にわたってゆっくりと発展する可能性がある。原子炉出力を一定に保持すべきならば、kの値の変化を補償する何らかの手段が必要である。これらの変化の補償は、しばしば原子炉自体によって自己調節される。
これらの通常状態では、その可能性がある変化を警告するために、その陽子加速器電流はその公称値に保たれ、中性子計数率dC/dtは時間の関数として連続的に記録される。制御要素の位置の有意な変化なしで、結合された中性子計数率(と、したがって熱核分裂生成出力Ptherm)は予め割り当てられた値に非常に近いままであることが一般に期待されるが、制御要素の位置は、中性子吸収制御棒の小さい機械的な運動によって必要に応じてわずかに調節することができる。システム温度、冷却材の流れ、又は負荷が、十分に安定したままである限り、原子炉の制御棒によって自動的に調節されるために、特に、炉心100内の温度変化からくるkへの寄与は、ほぼ一定のままであるべきである。
規定された状態を復元し、中性子増倍係数がどのような状況の下でも臨界から安全に離れていることを保証する主要な目的により、中性子計数率の有意な変化が生じるたびに、又は周期的に、炉心内の反応度を推定する段階が、下記で述べる十分な手順の後に行われる。
例えば、原子炉出力をオン又はオフにするため、又は、原子炉出力を発電に必要なレベルに調節するために、陽子電流の制御された変化を活性化することが必要である。稀ではあるが避けられないイベントは、陽子電流の全損である。きわめて短い時間の間でさえ(ミリ秒でさえ)、完全な陽子ビームを系統的にオン又はオフで切り替えることは、特別なイベントであると考えるべきであるが、非常に慎重に考慮しなければならない。
数秒間であっても、陽子電流のどのような変化も、炉心の燃料の温度の対応する変化を伴い、したがって、原子炉体積全体にわたって適切に平均された平均温度係数〈Δk〉=〈dk/dT〉と、冷却材のボイド係数dk/(dρ/ρ)と、炉心の構造の膨張との変化を伴うであろう。温度変化によるこれらの現象の異なった特徴的時定数は、実験的に確認されなければならず、遅発増倍係数kによる影響から分離しなければならない。
陽子電流の変化を説明するために、この影響を、一定のままになっている陽子電流の成分と、ステップ関数として変化している(小さい)振幅とに分解する。
全体のビーム電流の突然の遮断が、実際は、原子炉の構成要素のすべてではないとしても大部分の、特に棒の内部の燃料物質の大きな温度変化を引き起こす。したがって、日常的な動作としては避けるべきである。他方では、中性子カウンタの高い率とその結果として高い統計精度との観点から、計数率の比較的小さい変化であっても正確に評価することができる。
陽子ビーム電流の迅速な段階的変化の後、測定される中性子計数率での、(A)即発核分裂中性子k、(B)核分裂片によって発生される遅発中性子k、及び(C)温度の影響による変化ktempによる中性子増倍係数kの寄与を特定することができる。3つの影響の各々は、以下に論じるそれ自体の特別な時間依存性を有する。
(A)原子核カスケードの速い成分は、陽子電流の、示されたステップ関数によって素早く遮断されるであろう。1近くのkの第一次近似に有効な一点炉動特性モデルによれば、中性子数の減少は、時定数α=(1−k)/Λの速い指数関数的減少によって特徴付けられ、ここでkは即発中性子増倍係数であり、Λ≒1μsは平均即発寿命である。したがって、Λが既知であり、αが一定であるとすれば、αの測定は、kを推定するために使用することができる。実際には、中性子エネルギーの関数としての時間順の中性子不活性と、中性子エネルギーの関数としての複雑な横断面との存在を反映するため、αの値は、一定であることからは強く逸脱している。この非常に速い変化を評価することは、いわゆるk法によってパラメータαの時間変化の実験観測から即発増倍係数を決定するために、既に提案されている(A.Billebaud et al. “Prompt multiplication factor measurements in
subcritical systems: From MUSE experiment to a demonstration ADS”, Progress in
Nuclear Energy, 49 (2007), pp. 142-160を参照されたい)。Λは、実際の燃料組成が導入されるとすれば、例えばモンテカルロ計算を用いて、種々の異なったkp値から演繹的に知られることが必要である。加えて、遷移は非常に速く、1ミリ秒未満以内で起こるため、十分な統計的精度でこの短い時間の崩壊分布を決定するために、膨大な計数率dC/dtが必要である。この方法は、我々の場合にすぐに適用できるとは思われない。
(B)核分裂片によって発生される遅発中性子の効果は、次のように考えられる。この影響のため、計数率R=dC/dtの観測は、遅発中性子の残存とその後の崩壊とによって特徴付けられる準安定レベルに達するまで、ある時間、典型的には数秒の間、続けられる。R0+RBが、陽子ビームのステップ変化の前の率であるとし、ここでR0は、ステップ関数によってキャンセルされるビームの小部分に関連付けられる中性子計数率への寄与であり、RBは、変化しないビーム成分による率であるとする。R1が、遅発中性子の準安定レベルによるR0の残存寄与であるとする。遅発中性子(核破砕中性子のような)も、中性子増倍係数kによって増倍されることに留意する。ρ=(k−1)/kとして$の単位での結果として生じる反応度ρ/βeffは、
Figure 0005703512
を使用して評価することができる。
図5は、1、0.5、0.3及び0.15に等しい陽子電流のステップ減少Δi/iの直後の残存遅発中性子率の寄与を、遅発臨界から離れた$の数の関数として表している。$がより小さい値に近づくとき、残存遅発中性子率の影響は、漸進的に増加する。
核分裂性同位体元素としてU−233を使用する場合、図5は、横座標では遅発中性子の準安定レベル(初期)による寄与R1/(R0+RB)を示し、縦座標では(遅発)臨界からのサイズ及び$の両方でのk値を示している。Δibeam/ibeam=R0/(R0+RB)=1、0.5、0.3及び0.15、すなわち、陽子ビームでのステップの減少する値にそれぞれ対応する4つの曲線20、21、22及び23が示されており、ここで、Δibeamはビーム電流のステップ変化の大きさであり、ibeamはステップ変化直前のビーム電流の値である。前述のように、R0は、ゼロまでのステップ関数を受ける初期陽子ビームの割合であり、RBは、変化しないビーム成分による割合である。(遅発)臨界から1.5$に対応するk値は、破線24によって示されている。
図5に示すように、kが1に近づくと、遅発中性子による相対的な寄与は、サイズが大きくなる。例えば、(1−k)=1.5$に関して、断片遅発中性子の準安定プラトーは、Δibeam/ibeam=0.3に関してR1/(R0+RB)=0.12であり、Δibeam/ibeam=0.5に増加するとR1/(R0+RB)=0.20となり、Δibeam/ibeam=0.15に減少するとR1/(R0+RB)=0.06となる。信号R1/(R0+RB)=(0.120±0.005)は、(1−k)=(1.5±0.1)$の不確実性を与えるであろう。
図5から、遅発中性子の準安定レベル(初期)による影響への感度は、より小さいk値に関してはそれほどより有意ではないことが明らかである。例えば、k=0.975及び再びΔibeam/ibeam=0.3の伝統的な未臨界システムでは、遅発中性子信号は非常により小さく、すなわち、R1/(R0+RB)=(0.0259±0.005)になり、エネルギーゲイン
Figure 0005703512
でのかなり大きい測定される不確実性により、中性子増倍係数の非常により高い不確実性を招く。
図5から、実効中性子増倍率の値は、0.98より上(かつ、もちろん未臨界を維持するために1より下)の範囲、好適には0.99より上で0.999より下の範囲であるべきであることを決定することができる。図6に示すような動作図を得ることができる。反応度ρを監視するために十分な感度を確保するためのk>0.98又は0.99について、どのような値k≧1(又はρ>0)も、臨界を防ぐために回避しなければならない。図6の場合では、図5中の線24(U−233の場合でk≒0.9965)に対応して、原子炉の動作に関して−1.5$の未臨界値を設定している。ρが−0.5$(k≦≒0.999)より下のままである限り、動作状況は異常ではない。
原子炉の動作範囲は、(従来の臨界炉のように)ドル、すなわち反応度の値の点から規定することもできる。これは、ドルの値は実際に監視され、k値への変換は、炉心で使用されている核分裂性同位体(群)の特定の種類に依存するため、好都合である。図5及び6に基づいて、ρに関する範囲は、有利に−4.0$より上であり、典型的な範囲は、−3.0と−0.5$の間であろう。
(C)最後に、温度変化による影響を論じる。既に指摘したように、陽子電流のどのような(突然の)変化も、燃料温度の変化と、したがって中性子増倍係数kの変化とを引き起こす。これらの変化は、未臨界原子炉の実際の構造に依存し、それらは、状況によって大きく変化する可能性がある。これまで考えられているシナリオの大部分は、小さい負の全体的な温度係数によって特徴付けられる。陽子ビームの減少又は損失は、次に中性子増倍係数kの増加を生じ、これは、明らかに原子炉を臨界に、遅発臨界にさえしてはならない。
原子炉出力の変化による影響は、燃料の実際の組成及び古さに強く依存する。それらは、2つのパラメータ、燃料要素の熱伝導率kth及び熱容量cthに主に依存する。kthが比較的低いため、大きい温度変化が従来のピン構造の酸化物燃料棒に関して予想される。他方では、金属燃料棒は、高いkthのため、大幅により小さい温度変化をする。炭化物や窒化物のような他の燃料は、おそらく、酸化物の場合と金属の場合との間の中間値であろう。
核分裂出力の各々の(突然の)変化では、燃料温度の変化は、cthによる蓄積された熱の漸進的な変化と、kthによる構造の残りの部分へのその放散とによって生じている。同様に温度の変化は、中性子増倍係数kの値に影響している。kthは、燃焼の増加と共に悪化するその構造的特性に依存するため、一般に、燃料の自然な進化の間に非常に大幅に減少するであろうことに留意する。
例示のために、1.6GWattthの大きな、鉛冷却未臨界エネルギー増幅器と標準的な燃料ピンの形態での約50トンのトリウムウランMOX燃料とを検討してきた。炉心全体にわたって平均されたドップラー効果は、小さく負で、〈Δk〉≒−0.8×10−5−1であることがわかっている。主要な温度効果は、燃料棒、冷却材、及び、大幅により小さい効果と、一般に大幅により長い時定数とを有する炉心の残りの部分の、温度の速い変化によるものである。急激な電流変化に対するその時間応答は、燃料棒及び適切な組成の全体にわたって積分された二階微分方程式を用いて容易に計算される。それは、遅発中性子の特性時間よりはるかに短い時定数τthで指数関数によってよく表される。典型的な値は、冷却材の温度に対する燃料ピンの中心の最大温度変化で143℃から386.9℃までの係数2.8の増加について、初期のトリウムウランMOX燃料に関してτth=1.38s、20%質量の燃焼後にτth=3.94sである。結論として、中性子増倍係数kに対する温度時間応答は、未臨界炉の動作中に実験的に測定され、定期的に監視されるべき量である。
陽子電流のステップごとの変化による上述した影響(A)、(B)及び(C)を考慮すると、いくつかの選択肢が次のように考えられる。
図7では、稀ではあるが避けられないビーム「トリップ」のイベント、すなわち時間t=0で陽子電流全体を即座にゼロにするステップ変化が例示される。平均中性子計数率R=dC/dtは、遅発中性子により、我々の場合では臨界(図5中でレベル24)から1.5$離れているように設定されたkの値によって例示されている図5の曲線20をたどって、t<0に関して25で示される初期値R0+RBから、t≒0で準安定プラトー26まで減少する。
次に、原子炉の温度は、介入なしで自発的に減衰し、例えば図7に示すような曲線のファミリの1つに沿った中性子計数率の変化を引き起こす。選択される値は、上記で例示したトリウムウランMOX燃料に関する20%質量の燃焼の最悪の場合に対応するτth=4sである。種々の曲線27から37は、それぞれ、0℃、100℃、200℃、300℃、400℃、500℃、600℃、700℃、800℃、900℃及び1000℃の燃料平均化ピーク燃料炉心温度変化ΔTmaxを表している。小さいΔTmax(27)に関して、ΔTmaxが有意になるとすぐに計数率が遅発中性子の1つに続いている間、中性子計数率は、kの変化によって強く影響される。20%質量の燃焼後の前記例に関する推定値は、曲線31に近い。記録される中性子率は、推定される初期ΔTmaxより上でよく安定したままである。ΔTmaxが増加すると共に、ここでは専ら遅発中性子による中性子計数率は、より長い時間に延長され、臨界値に近づく場合の一定に近い値に近づき、しかしながら、この値は、遅発中性子は単独で燃料炉心で高温を維持できるため、除外される。
図7の挿入38では、「トリップ」後の最初の5秒がより詳細に示されている。十分な統計により、t≒0での準安定プラトー26の値R1+RBを注目すべき精度でスムーズに外挿することができる。遅発中性子増倍の値kは、その後、図5を用いて抽出される。
$での反応度は、式(1)から決定することもでき、
Figure 0005703512
ここで、
Figure 0005703512
は、t≒0での準安定プラトー26のレベルR1+RBの、図7に示すようなt<0での中性子計数率25のレベルR0+RB(図7の場合では、Δibeam=ibeamとしており、RB=0である)に対する比である。明らかに、所定の電流低下Δibeam/ibeamに関するρ/βeffを計算し、それを目標値又は範囲と比較するよりも、関連する比Xを、中性子カウンタの出力から単に計算し、目標値又は範囲をX値の点から表現することができる。R0+RBは、ビーム電流のステップ変化前の安定計数率として直接測定される。この率は安定しているため、それを確実に測定するのに十分な統計を得るために十分な時間が存在する。値R1+RBは、挿入38で見られるような、数10ミリ秒のオーダーのきわめて短い期間のみの間の実際の計数率を表している。実際には、カウンタ110は、このような短い期間中に確実な測定を提供するのに十分な中性子検出イベントを蓄積しない可能性がある。しかしながら、R1+RBの確実な値を得るために、ビーム電流のステップ変化後の、100ミリ秒より長い、又は1秒よりも長い、比較的より長い期間中に測定された中性子計数率を利用することができる。これは、ビーム電流がオフに保たれている間、t=0に向かうステップ変化後に測定される中性子計数率の値を外挿することによって行われる。外挿は、最小平均二乗、曲線適合、等を含む種々の既知の数値方法を使用して行うことができる。t=0では、外挿値は、非常によい精度でR1+RBを与える。必要ならば、計数統計を、数秒にわたって取得することができる。
曲線27は、無視できる温度の影響(ΔTmax≒0℃)に関する状況を表し、曲線37は、冷却材の温度に対する平均中心炉心温度ΔTmax=1000℃を表していることに留意する。温度シナリオがなんであれ、t≒0での準安定プラトー26のレベルR1+RBは、安全に推定される。
実際は、「トリップ」後の核分裂率の時間依存性は、より複雑な依存性を有する可能性があり、このより複雑な依存性は、ここでは単純な指数関数的解析の1つが例示され、特に、τthの値はこれらの基本の予想と異なる可能性がある。それにもかかわらず、点26での値R1+RBは、挿入38中に示されている手順に沿った分析的な「連続性」外挿によって正確に推定することができる。
中性子数の点で図7に示すような結果を有する「トリップ」イベントは、加速器複合体の変流器4、5、10を使用して検出される。検出後の数秒、核分裂出力をゼロ近くにする対応する大きい反応度縮小を伴う高速移動「スクラム」吸収要素112を即座に挿入することによって、自動的に中止される。しかしながら、本解析は、スクラムシステムの障害があっても回復不能の損傷が起こらないことを示している。また、スクラムシステムが活性化される前に、図7を参照して上述した推定手順を使用して、ビームトリップの直前の反応度ρ($での)の推定を得ることができる。
炉心100内の反応度を推定する他の段階は、反応度又は中性子増倍係数を監視し、それが必要な範囲内であることを確かめ、制御棒システム111を使用する任意の是正措置を取るために、ADSの通常の寿命中に使用される。
好適には、このような段階は、繰り返されると炉心の熱力学的安定性に関するリスクを示す可能性があるビーム電流の完全なシャットダウンを含まない。図5を参照すると、50%未満のビーム電流ibeamのステップ減少が適切であることを決定することができる。
図8は、Δibeam/ibeam=0.3の場合の例での図7のものと同様の図である。再び、(A)の速い成分と、(B)の遅発成分と、(C)の時間の関数としての温度変化との挙動が考慮されている。中性子計数率は、−30%によるビーム電流のステップ変化後の時間の関数としてシミュレートされている。数秒後、電流は元の値ibeamに戻されている。遅発臨界より1.5$下に対応する初期k値と、τth=4sとが、他のパラメータとして選択されている。39での中性子信号R0+RBは、40でR1+RBまで減少し、遅発中性子による完全な初期の寄与を維持している。種々の曲線41から49は、それぞれ0℃、40℃、80℃、120℃、160℃、200℃、240℃、320℃及び400℃の燃料平均化ピーク燃料炉心温度変化ΔTmaxを表している。予想されるように、ΔTmaxが有意になるとすぐに、中性子計数率はkの変化によって強く影響される。20%質量の燃焼後の前の例に関する推定値は、曲線43に近い。図8の挿入50では、ステップ変化後の最初の5秒が詳細に示されている。再び、十分な統計により、t≒0での準安定プラトー40の値R1+RBを注目すべき精度でスムーズに外挿することができることがわかる。中性子増倍係数kの値は、次に、図5及び曲線22を用いて抽出される。反応度ρ/βeffは、(2)を使用して推定することもできる。
加速器電流の漸進的な変化の上述した手順は、必要に応じて、負又は正のΔibeam両方による未臨界炉の全体の動作中に拡張することができる。各々のステップでは、中性子計数率dC/dt及び対応する核分裂生成出力が時間の関数として連続的に記録され、増倍係数k又はドル値の新たな値が計算される。燃料の温度は生成される出力と共に上昇するため、k値は有意に変化している。各々のステップでは、制御棒は、プロセスを通じてkの必要な値を維持するために、移動されることになる。
起動又はシャットダウンプロセス、あるいは、何らかの理由のために原子炉の出力を変化させるプロセスを含む、原子炉の性能のいくつかの組織的な変化は、時折起こらなければならない。加速器電流は、一連のいくつかの連続的な増加又は減少ステップで、漸進的に必要な値にさせられる。ビーム電流のこのようなステップ変化の後、結果として生じる中性子計数率は、図7又は8を参照して上述したものと類似した手順によって正確に測定され、t>0での値は、即発及び遅発中性子成分に関係する準安定プラトーの値を抽出するために、曲線の右側からt=0に向かってスムーズに外挿され、温度変化の漸進的に増大する影響を除去する。t≦0での対応する値で割られたこの外挿値から、$の単位でのkを計算することができる。各々のステップでは、制御棒は、必要に応じて原子力発電機構の条件を維持するために、漸進的に調節される。手順は、原子炉の必要な性能を最適化するために、任意に繰り返すことができる。
上述した実施形態は本明細書で開示される本発明の例示であり、種々の変更が、添付した請求項で規定されるような範囲から逸脱することなしに行うことができることは認識されるであろう。

Claims (15)

  1. 加速器駆動原子力システムを未臨界状態で動作させる方法であって、
    加速された粒子を核破砕ターゲットに向ける工程と、
    核分裂性物質および親物質を備える核燃料が装填され、中性子カウンタが分配された炉心内で、前記核破砕ターゲットからの中性子を増倍させる工程と、
    実効中性子増倍係数が0.98より上の範囲内に維持されるように、前記炉心内の反応度を制御する工程と、を有し、
    前記炉心内の反応度を制御する工程は、
    前記加速された粒子のビーム電流を減少させるステップ変化を適用する工程と、
    前記ビーム電流の前記ステップ変化に応じて前記中性子カウンタによって提供される中性子計数率の変化を測定する工程と、
    前記ステップ変化による即発中性子の損失に関係する前記計数率の低下を推定する工程と、
    前記ステップ変化前の前記計数率の値に対する前記計数率の前記推定された低下の比を評価する工程と、を有する方法。
  2. 前記実効中性子増倍係数に関する前記範囲は、0.99より大きく0.999より小さい、請求項1に記載の方法。
  3. 前記炉心内の反応度は−4$より大きい範囲内で制御され、反応度単位「$」は原子炉システムに関するものである、請求項1に記載の方法。
  4. 前記炉心内の反応度は、−3$と−0.5$の間の範囲内で制御される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記中性子計数率の前記低下の前記推定は、前記ステップ変化後の前記計数率の変化を、前記ステップ変化の時間に向かって外挿する工程を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記ビーム電流が前記減少された値に保たれ、前記中性子計数率の変化が外挿のために測定される、前記ステップ変化後の期間が、100ミリ秒より長く、好適には1秒より長い、請求項に記載の方法。
  7. 前記ステップ変化は、前記ビーム電流を50%未満だけ減少させる、請求項からのいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記核破砕ターゲットに向けられた前記加速された粒子は、連続的な粒子ビームの形態である、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記粒子ビームは、前記炉心内の反応度を推定する段階を除いて、公称ビーム電流で動作され、前記反応度の制御は、前記炉心内の中性子吸収制御要素の位置を調節する工程を有する、請求項に記載の方法。
  10. 前記粒子ビームは、前記炉心内の反応度を推定する段階を除いて、公称ビーム電流で動作され、前記反応度の制御は、
    前記炉心内に分配された中性子カウンタによって提供される中性子計数率を連続的に監視する工程と、
    前記監視された計数率の逸脱状態の検出に応じて、前記炉心内の反応度を推定する段階を行う工程と、を有する、請求項またはに記載の方法。
  11. 前記反応度の制御は、好適には1時間より長い周期で、前記炉心内の反応度を周期的に推定する工程を備え、前記反応度の推定は、前記加速された粒子の電流を減少させる工程を有する、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記加速された粒子のどのような中断も検出する工程と、
    中断の検出に応じて、スクラム中性子吸収体を前記炉心内に挿入する工程と、をさらに有する、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記スクラム中性子吸収体は、前記加速された粒子の中断の検出後、100ミリ秒より長い、好適には1秒より長い期間の後に、前記炉心内に挿入され、前記中性子カウンタから提供される中性子計数率の変化が前記期間内に測定され、前記中断による即発中性子の損失に関係する前記計数率の低下が推定され、前記中断前の前記計数率の値に対する前記計数率の前記推定された低下の比が、反応度の値を得るために評価される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記加速された粒子は、前記ビーム電流の継続性を保証するために冗長な構成要素を有する加速器複合体によって提供される、請求項1から13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 少なくとも1つの粒子加速器と、
    加速された粒子を受ける核破砕ターゲットと、
    前記核破砕ターゲットに隣接し、核分裂性物質および親物質を備える核燃料が装填された炉心と、
    前記炉心から熱を取り出す冷却材回路と、
    前記炉心内に分配された中性子カウンタと、
    前記中性子カウンタと協働し、実効中性子増倍係数が0.98より大きい範囲内に維持されるように反応度を制御する制御システムとを備え
    前記制御システムは、前記加速された粒子のビーム電流を減少させるステップ変化を適用し、前記ビーム電流の前記ステップ変化に応じて前記中性子カウンタによって提供される中性子計数率の変化を測定し、前記ステップ変化による即発中性子の損失に関係する前記計数率の低下を推定し、前記ステップ変化前の前記計数率の値に対する前記計数率の前記推定された低下の比を評価するように構成されている、未臨界加速器駆動原子力システム。
JP2013501639A 2010-03-29 2010-03-29 実効中性子増倍係数の制御を伴う加速器駆動原子力システム Expired - Fee Related JP5703512B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/EP2010/054132 WO2011120555A1 (en) 2010-03-29 2010-03-29 Accelerator-driven nuclear system with control of effective neutron multiplication coefficent

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013524175A JP2013524175A (ja) 2013-06-17
JP5703512B2 true JP5703512B2 (ja) 2015-04-22

Family

ID=42255678

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013501639A Expired - Fee Related JP5703512B2 (ja) 2010-03-29 2010-03-29 実効中性子増倍係数の制御を伴う加速器駆動原子力システム

Country Status (8)

Country Link
US (1) US20130028364A1 (ja)
EP (1) EP2561514B1 (ja)
JP (1) JP5703512B2 (ja)
KR (1) KR101536675B1 (ja)
CN (1) CN102947889A (ja)
CA (1) CA2794769A1 (ja)
RU (1) RU2560928C2 (ja)
WO (1) WO2011120555A1 (ja)

Families Citing this family (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102789821A (zh) * 2012-06-14 2012-11-21 华北电力大学 一种新型钍基反应堆装置
BR112015022428B1 (pt) * 2013-03-15 2021-03-23 Sutherland cook ellwood Sistema de reator subcrítico acionado por acelerador
CN103325432A (zh) * 2013-05-15 2013-09-25 中国科学院近代物理研究所 液态靶系统
US9947423B2 (en) 2013-08-23 2018-04-17 Global Energy Research Associates, LLC Nanofuel internal engine
US11450442B2 (en) 2013-08-23 2022-09-20 Global Energy Research Associates, LLC Internal-external hybrid microreactor in a compact configuration
US11557404B2 (en) 2013-08-23 2023-01-17 Global Energy Research Associates, LLC Method of using nanofuel in a nanofuel internal engine
US9881706B2 (en) 2013-08-23 2018-01-30 Global Energy Research Associates, LLC Nuclear powered rotary internal engine apparatus
CN104392749B (zh) * 2014-10-08 2018-05-18 中国科学院合肥物质科学研究院 一种加速器驱动次临界系统的非能动停堆保护系统
CN104282345B (zh) * 2014-10-20 2016-12-07 中国科学院合肥物质科学研究院 一种维持加速器驱动次临界反应堆靶窗温度恒定系统
RU2557616C1 (ru) * 2014-12-10 2015-07-27 Общество с ограниченной ответственностью "Инжектор" Способ преобразования ядерной энергии в тепловую и устройство для его осуществления (варианты)
CN104898155B (zh) * 2015-05-26 2018-03-27 中国科学院合肥物质科学研究院 一种基于中子平均能量的次临界系统次临界度测量方法
RU2624824C1 (ru) * 2016-03-14 2017-07-07 Общество с ограниченной ответственностью "Финансовый партнер" Способ преобразования ядерной энергии в тепловую и устройство для его осуществления (варианты)
PL3459083T3 (pl) * 2016-05-19 2021-08-30 European Spallation Source Eric Sposób zapewniania źródła neutronów
CN107863162B (zh) * 2017-11-28 2019-09-24 中国科学院近代物理研究所 将反应堆从次临界状态转换到临界状态的方法
WO2020005526A2 (en) * 2018-06-08 2020-01-02 Claudio Filippone Reactivity booster-quencher, automatic power modules separator and related methods thereof
CN109243641B (zh) * 2018-10-18 2022-04-22 中国核动力研究设计院 用于压水堆失水事故的反应堆压力容器实验模拟体
US11246210B2 (en) * 2018-12-17 2022-02-08 Iron Oak Llc Laser wake-field acceleration (LWFA)-based nuclear fission system and related techniques
CN111782384B (zh) * 2019-04-03 2022-08-19 中山大学 一种基于精细中子时空动力学格子Boltzmann方法的GPU加速方法
US20220230769A1 (en) * 2019-05-30 2022-07-21 Westinghouse Electric Company Llc System and method to determine reactivity
CN112069670B (zh) * 2020-08-28 2024-03-08 中国核电工程有限公司 一种逼近临界过程中的有源临界装置蒙特卡罗模拟方法
CN113241201B (zh) * 2021-04-29 2022-03-04 西南科技大学 一种具有非均匀反射层的非均匀控制棒
FR3129243A1 (fr) 2021-11-15 2023-05-19 Bruno SANGLE-FERRIERE Dispositif de mise en œuvre de réactions de fusion nucléaire par ions accélérés
CN115331852B (zh) * 2022-08-29 2023-05-23 中国核动力研究设计院 一种次临界反应堆控制棒反应性价值测量方法
GB2624152A (en) * 2022-11-02 2024-05-15 Aurelia Lumina Ltd Power source
WO2024095198A2 (en) 2022-11-02 2024-05-10 Aurelia Lumina Ltd Power source
WO2024094317A2 (en) 2022-11-04 2024-05-10 Sangle Ferriere Bruno Device for the implementation of accelerated ion-based nuclear fusion reactions

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3932211A (en) * 1973-07-13 1976-01-13 Westinghouse Electric Corporation Method of automatically monitoring the power distribution of a nuclear reactor employing movable incore detectors
FR2620235B1 (fr) * 1987-09-08 1989-11-17 Commissariat Energie Atomique Dispositif de controle de criticite et de mesure de concentration de matiere fissile
US5774514A (en) * 1993-10-29 1998-06-30 Rubbia; Carlo Energy amplifier for nuclear energy production driven by a particle beam accelerator
JPH11144897A (ja) * 1997-11-07 1999-05-28 Toshiba Corp 線形加速器用高周波電源の制御方法
FR2806206B1 (fr) * 2000-03-08 2002-04-26 Commissariat Energie Atomique Procede d'incineration d'elements chimiques transuraniens et reacteur nucleaire mettant en oeuvre ce procede
JP2002202395A (ja) * 2000-12-28 2002-07-19 Hitachi Ltd 原子炉出力測定装置
FR2829281B1 (fr) * 2001-09-06 2003-10-24 Commissariat Energie Atomique Mesure absolue de la reactivite d'un systeme sous-critique
RU2218615C2 (ru) * 2002-01-03 2003-12-10 Государственное унитарное предприятие Государственный научный центр Российской Федерации Институт теоретической и экспериментальной физики Способ контроля реактивности в подкритической сборке
FR2856837A1 (fr) * 2003-06-30 2004-12-31 Commissariat Energie Atomique Procede d'amelioration de la surete des systemes nucleaires hybrides couples, et dispositif mettant en oeuvre ce procede
RU2362222C1 (ru) * 2008-03-14 2009-07-20 Федеральное государственное учреждение Российский научный центр "Курчатовский институт" Способ определения подкритичности остановленной ядерной установки без выхода в критическое состояние

Also Published As

Publication number Publication date
EP2561514A1 (en) 2013-02-27
CA2794769A1 (en) 2011-10-06
KR20130079360A (ko) 2013-07-10
WO2011120555A1 (en) 2011-10-06
CN102947889A (zh) 2013-02-27
JP2013524175A (ja) 2013-06-17
KR101536675B1 (ko) 2015-07-14
EP2561514B1 (en) 2014-04-23
US20130028364A1 (en) 2013-01-31
RU2012145866A (ru) 2014-05-10
RU2560928C2 (ru) 2015-08-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5703512B2 (ja) 実効中性子増倍係数の制御を伴う加速器駆動原子力システム
Abderrahim et al. Accelerator and target technology for accelerator driven transmutation and energy production
Biarrotte et al. Accelerator reference design for the MYRRHA European ADS demonstrator
Oettingen et al. Validation of gadolinium burnout using PWR benchmark specification
Van Atta et al. Electronuclear conversion of fertile to fissile material
Degweker et al. Physics and technology for development of accelerator driven systems in India
Solders et al. Accurate fission data for nuclear safety
Billebaud et al. The GUINEVERE project for accelerator driven system physics
Salvatores Accelerator driven systems (ADS), physics principles and specificities
Bogetic et al. Antineutrino flux from the EDF Hartlepool nuclear power plant
Cruz et al. Uncertainty analysis on reactivity and discharged inventory due to 235,238 U, 239,240,241 Pu, and fission products: Application to a Pressurized Water Reactor Fuel assembly
Ahmad et al. Accelerator-induced transients in accelerator driven subcritical reactors
Lantz et al. Fission yield measurements at IGISOL
Bouly Accelerator driven systems (ADS) & high power linacs
Tsekhanovich et al. Fission-product formation in the thermal-neutron-induced fission of odd Cm isotopes
Henderson Spallation neutron sources and accelerator-driven systems
Wong et al. Fusion nuclear science facility-advanced Tokamak option
Otani J-PARC E34 g-2/EDM experiment
Amouroux et al. Measurement of fission yields from the 241Am (2nth, f) reaction at the Lohengrin Spectrometer
Fiorito et al. Decay heat uncertainty quantification of MYRRHA
Marcus JET–World’s Largest Tokamak and its dt Fusion Experiments Plus TFTR’s
Ebrahimkhani et al. Sensitivity Analysis of Core Neutronic Parameters in Electron Accelerator-driven Subcritical Advanced Liquid Metal Reactor
Schvetsov The subcritical assembly at DUBNA (SAD): coupling all major components of an accelerator driven system (ADS) for nuclear waste incineration
Kumar et al. A review of nuclear waste transmutation using accelerator beams up to several GeV
POLANSKI VS BARASHENKOV, AN SOSNIN

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140107

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20140404

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20140411

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20140502

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20140513

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140606

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150106

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20150108

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20150108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150204

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5703512

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees