JP5699671B2 - 認証システム、認証方法、認証プログラム及び記録媒体 - Google Patents
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このような文字情報以外の情報として、ラスタライズされた複数の文字や記号を含む画像を提示し、画像中にある文字、記号列を読み取った結果を別途用意した入力フォームに入力させる視覚型アンチロボットテストが用いられることが多い。これは、人間は画像中の文字を読むことが容易であるのに対し、コンピュータプログラムでこれを行なうことが困難であること、あるいは、前述した迷惑行為によって得られる利益と、このようなプログラムを実行するコストを比較すると見合わないことを利用したシステムである。
特許文献1には、加工画像として課題画像にノイズを重畳させたり、或いは回転したり、夫々異なる画像処理を施して、ボットによる迷惑行為を防止する認証装置について開示されている。
また、特許文献1に開示されている従来技術は、コンピュータによる画像中の文字認識精度をより困難にする目的で、文字を含む画像に非常に大きな歪みやノイズを加える方法であるが、人間がこれを解読することも非常に困難になってきており、逆にサービスのユーザビリティを低下させてしまうといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、画像中の文字を認識する機能を有する「ボット」を利用しても、迷惑行為の実施を不可能とすると共に、人間には容易に認識可能な視覚型アンチロボットテストを提供することを目的とする。
システムとしては、ネットワークに接続されたサーバと情報処理装置により構成される。サーバは情報処理装置を操作する利用者が人間であるか否かを判定するためのテストプログラムを用意している。このテストプログラムは、人間には判断できるが、コンピュータには判別が困難で、且つ、判別できたとしても時間とコストがかかるような内容である。従ってサービスを要求する情報処理装置があった場合、その情報処理装置に対してテストプログラムに用いる画像を送信して、返信された回答内容により情報処理装置を操作する利用者が人間か否かを判別する。例えば、テストプログラムに用いる画像は、人間が記憶している記憶色を有するオブジェクトの一部、又は全部の色を、記憶色とは異なる色に変換した画像とする。これにより、簡単なテストプログラムにより情報処理装置を操作する利用者が人間であるか否かを正確に、且つ迅速に判別することができる。
本発明のサーバは、サービス要求がある情報処理装置に対して、その情報処理装置を操作する利用者が人間であるか否かを判定するために、テストプログラムとしての認証用画像を生成して、通信部を介して情報処理装置に送信する。その認証用画像を受信した情報処理装置は、質問に対する回答をサーバに返信し、受信した認証部において回答がテストプログラムが要求する答と一致しているか否かを判別する。もし、一致していれば、情報処理装置を操作する利用者が人間であると認証して、サービス提供部からサービスを提供する。これにより、サーバは、サービス要求のある情報処理装置を操作する利用者が人間であるか否かを正確に、且つ迅速に判断することができる。
情報処理装置が色を判断して、その色の名前を文字で答えるには、各色に対応付けた名前を記憶しておく必要がある。しかし、色の名前は、単に赤、青、緑といった呼び方だけでなく、肌色とか、水色とか他の名前で表現する場合がある。人間は、記憶色に対してこのように表現して文字で表すことは比較的簡単であるが、情報処理装置は非常に困難である。これにより、人間と情報処理装置との判断力に差をつけることができる。
請求項4は、前記情報処理装置は、前記認証用画像の中で変換された色に対して既定の色は何色であるかを、複数の色名の中から選択して前記サーバに返信することを特徴とする。
情報処理装置が理解困難とする手法は多々あるが、あまり複雑にすると、操作者が人間であっても操作性に支障をきたすことになる。そこで本発明では、既定の色は何色であるかを、複数の色名の中から選択するものである。これにより、操作性を損なうことなく、情報処理装置を操作する利用者が人間であるか否かを判別することができる。
本発明によれば、キー入力することなくマウス等のポインティングデバイスのみを使用して回答することが可能となり、「ボット」と人間とを判別する機能を損なうことなく、ユーザの負荷を軽減することが可能となる。
請求項6は、前記情報処理装置は、前記認証用画像の中で変換された色に対してポインティングデバイスを用いてクリックして、既定の色は何色であるかを回答して前記サーバに返信することを特徴とする。
画像中の顔、空、草などのオブジェクトをコンピュータプログラムで認識するためには、これらオブジェクトの色が重要な役割を担うが、本発明では、これらの領域の色が本来の色とは異なる色に変換されているため、「ボット」などのコンピュータプログラムがこれらオブジェクトを顔、空、草などと認識するのは非常に困難であり、かつこれらの領域を検出することはより困難となる。さらに、色名で回答しなければならないため、「ボット」は顔というオブジェクトと、オブジェクトの色名との対応付けされたデータを予め用意しておいて、これを参照する必要がある。従って、「ボット」がこのテストをパスすることはより困難となっている。また、このような処理には大容量のメモリや高速なCPUを必要とするため、必然的にこれを実施するためのコストも上昇するため、ボットを用いた迷惑行為の実施は現実的ではなくなる。
ユーザは不自然な領域としてある部分をクリックし、さらに、本来望ましい色を回答欄に記入して送信ボタンを押下する。例えば、空等の特定のオブジェクトは、画像中の相対位置が、例えば、空の場合には画像上部に存在する確率が非常に高いため、自然画像のこのような性質を考慮した「ボット」であれば、テストをパスする確率をある程度向上することが可能になってしまうが、本発明においては、テスト画像を回転して表示することによって、このような推測を困難にする。
請求項8は、情報処理装置、及びサーバを備えた認証システムに係る認証方法であって、前記情報処理装置がクライアントとしてサービスを要求するステップと、前記サーバが、前記情報処理装置からサービス要求が発生した場合、該情報処理装置を操作する利用者が人間であるか否かを判別するためのテストプログラムに用いる画像を該情報処理装置に送信して、該情報処理装置から返信された回答が前記テストプログラムが要求する答と一致した場合に該情報処理装置を操作する利用者が人間であると認証するステップと、を含み、前記サーバは、人間が記憶している記憶色を有するオブジェクトの一部又は全部の色を他の色に変換した前記テストプログラムに用いる画像を前記情報処理装置に送信し、該情報処理装置は、該画像の中で変換された色に対して既定の色に関する回答結果を前記サーバに返信することを特徴とする。
請求項1と同様の作用効果を奏する。
本発明の認証方法をコンピュータが制御可能なOSに従ってプログラミングすることにより、そのOSを備えたコンピュータであれば同じ処理方法により制御することができる。
請求項10は、請求項9に記載の認証プログラムをコンピュータが読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする。
認証プログラムをコンピュータが読み取り可能な形式で記録媒体に記録することにより、この記録媒体を持ち運ぶことにより何処でもプログラムを稼動することができる。
即ち、システムとしては、ネットワーク150に接続されたサーバ200とクライアント100により構成される。サーバ200はクライアント100が人間であるか否かを判別するためのテストプログラムを用意している。このテストプログラムは、人間には判別できるが、コンピュータには判別が困難で、且つ、判別できたとしても時間とコストがかかるような内容である。従ってサービスを要求するクライアント100があった場合、そのクライアント100に対してテストプログラムを送信して、返信された回答内容によりクライアント100が人間か否かを判別する。例えば、テストプログラムとして、人間が記憶している記憶色を有するオブジェクトの一部、又は全部の色を、記憶色とは異なる色に変換した画像とする。これにより、簡単なテストプログラムによりクライアント100が人間であるか否かを正確に、且つ迅速に判別することができる。
CPU10は演算手段であり、装置全体の動作を制御する。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM30は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。HDD40は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OSや各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム等が格納される。また、I/F50は、バス80と各種のハードウェアやネットワーク等を接続し制御する。LCD60は、ユーザが状態を確認するための視覚的ユーザインタフェースである。操作部70は、キーボードやマウス等、ユーザが装置に情報を入力するためのユーザインタフェースである。
以上に示されるシステム構成により、認証システムでは、クライアント100のユーザが実際の人間であるのか、または、自動化されたコンピュータプログラムであるのかが判別される。クライアント100とサーバ200との間の通信はHTTP又は暗号化されたHTTPであるHTTPSを介して行なわれる。サーバ200はクライアント100からの要求に応じてHTML形式の情報などをクライアント100に送信する。なお、クライアント100とサーバ200との間の通信で用いられる通信プロトコルは上記のHTTP及びHTTPSに限られない。
まず、クライアント100が有する各機能部について説明を行なう。入力部110は、クライアント100のユーザからの各種指示を入力する。入力部110は、図2に示す操作部70によって実現される。入力部110に入力される情報は、例えば、サーバ200からWebサービスなどのサービス提供を受けるためのサービス要求指示などである。表示部120は、クライアント100の動作状態等を表示する構成であり、図2に示すI/F50及びLCD60によって実現される。通信部130は、サーバ200との通信を行なうためのインターフェース部であり、図2に示すI/F50によって実現される。制御部140は、前述の入力部110、表示部120、通信部130を含め当該クライアント100の各種制御を行なう。制御部140は、図2に示すRAM20にロードされたプログラムがCPU10の制御に従って動作することにより構成される。
サーバ200は、クライアント100から受信した情報がテストプログラムが要求する答と一致しているか否かを判別し、判別結果が答と一致していた場合にクライアント100が人間により操作されていると認証する認証部210と、オブジェクトの一部又は全部の色を他の色に変換した画像を認証用画像として生成する認証用画像生成部220と、該認証用画像生成部220により生成された認証用画像をクライアント100に提示する認証用画像提示部230と、クライアント100との通信を行なう通信部240と、認証部210によりクライアント100が人間により操作されていると認証された場合、クライアント100から受信したサービス要求指示に応じてクライアント100にサービスの提供を行なうサービス提供部250と、認証部210、認証用画像生成部220、認証用画像提示部230、通信部240、及びサービス提供部250を含め当該サーバ200の各種制御を行なう制御部260と、を備えて構成されている。
利用者はクライアン100を介してサーバ200に対して認証の要求を行なう(S1)。サーバ200は、ユーザが人間であるかどうかを判別するためのテストプログラムをクライアント100に送信する(S4)。利用者はテストプログラムに対する回答をサーバ200側に送信する(S2)。次にサーバ200は、返送された回答が期待された回答かどうかを判断する(S5)。期待された回答であれば(S5でYES)、最低限ユーザ識別用文字列(ユーザ名)入力用フォームとパスワード入力用フォームからなるユーザ認証用画面を提示し(S6)、利用者に認証を促し、利用者はここにユーザ名とパスワードを入力する(S3)。サーバは入力されたユーザ名とパスワードが正規利用者のものであれば(S7でYES)、コンテンツ投稿用フォームを表示する等、実際に目的とするサービスの提供を開始する。
また、サーバ200が匿名でコメントすることを許可しているのであれば、図6に示すように、視覚型アンチロボットテストをのみを実施し、その後ユーザにコメント投稿フォームを表示し、コメントの投稿を促す。即ち、利用者はクライアント100を介してサーバ200に対して認証の要求を行なう(S20)。サーバ200は、ユーザが人間であるかどうかを判別するためのテストプログラムをクライアント100に送信する(S22)。利用者はテストプログラムに対する回答をサーバ200側に送信する(S21)。次にサーバ200は、返送された回答が期待された回答かどうかを判断する(S23)。期待された回答であれば(S23でYES)、コンテンツ投稿用フォームを表示する等、実際に目的とするサービスの提供を開始する。
尚、本実施形態および以下の実施形態において、説明を簡便化するためユーザに提示する画像を一個として説明を行なっているが、「ボット」がこのテストをパスすることをより困難とするためには、人間が記憶色を有するオブジェクトを含む複数の異なる画像を用いて実施することが望ましい。
Claims (10)
- クライアントとしてサービスを要求する情報処理装置と、
前記情報処理装置からサービス要求が発生した場合、該情報処理装置を操作する利用者が人間であるか否かを判別するためのテストプログラムに用いる画像を該情報処理装置に送信して、該情報処理装置から返信された回答が、前記テストプログラムが要求する答と一致した場合に該情報処理装置を操作する利用者が人間であると認証するサーバと、を備え、
前記サーバは、人間が記憶している記憶色を有するオブジェクトの一部又は全部の色を他の色に変換した前記テストプログラムに用いる画像を前記情報処理装置に送信し、該情報処理装置は、該画像の中で変換された色に対して既定の色に関する回答結果を前記サーバに返信することを特徴とする認証システム。 - 前記サーバは、
前記情報処理装置から受信した回答が前記テストプログラムが要求する答と一致しているか否かを判別し、該判別の結果が前記答と一致していた場合に該情報処理装置が人間により操作されていると認証する認証部と、
前記オブジェクトの一部又は全部の色を他の色に変換した画像を認証用画像として生成する認証用画像生成部と、
該認証用画像生成部により生成された認証用画像を前記情報処理装置に提示する認証用画像提示部と、
前記情報処理装置との通信を行なう通信部と、
前記認証部により前記情報処理装置が人間により操作されていると認証された場合、前記情報処理装置から受信したサービス要求指示に応じて該情報処理装置にサービスの提供を行なうサービス提供部と、
前記認証部、前記認証用画像生成部、前記認証用画像提示部、前記通信部、及び前記サービス提供部を含め当該サーバの各種制御を行なう制御部と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載の認証システム。 - 前記情報処理装置は、前記認証用画像の中で変換された色に対して既定の色は何色であるかを、文字入力して前記サーバに返信することを特徴とする請求項2に記載の認証システム。
- 前記情報処理装置は、前記認証用画像の中で変換された色に対して既定の色は何色であるかを、複数の色名の中から選択して前記サーバに返信することを特徴とする請求項2に記載の認証システム。
- 前記情報処理装置は、前記認証用画像の中で変換された色に対して既定の色は何色であるかを、1つの正解を含む複数の色のカラーパッチの中から選択して前記サーバに返信することを特徴とする請求項2に記載の認証システム。
- 前記情報処理装置は、前記認証用画像の中で変換された色に対してポインティングデバイスを用いてクリックして、既定の色は何色であるかを回答して前記サーバに返信することを特徴とする請求項2乃至5の何れか一項に記載の認証システム。
- 前記サーバは、前記テストプログラムに用いる画像として、人間が記憶している記憶色を有するオブジェクトの一部又は全体の色を他の色に変換し、更に変換した画像を回転して前記情報処理装置に送信し、該情報処理装置は、該画像の中で変換された色に対して既定の色は何色であるかを回答して前記サーバに返信することを特徴とする請求項1又は2に記載の認証システム。
- 情報処理装置、及びサーバを備えた認証システムに係る認証方法であって、
前記情報処理装置がクライアントとしてサービスを要求するステップと、
前記サーバが、前記情報処理装置からサービス要求が発生した場合、該情報処理装置を操作する利用者が人間であるか否かを判別するためのテストプログラムに用いる画像を該情報処理装置に送信して、該情報処理装置から返信された回答が前記テストプログラムが要求する答と一致した場合に該情報処理装置を操作する利用者が人間であると認証するステップと、を含み、
前記サーバは、人間が記憶している記憶色を有するオブジェクトの一部又は全部の色を他の色に変換した前記テストプログラムに用いる画像を前記情報処理装置に送信し、該情報処理装置は、該画像の中で変換された色に対して既定の色に関する回答結果を前記サーバに返信することを特徴とする認証方法。 - 請求項8に記載の認証方法をコンピュータが制御可能にプログラミングしたことを特徴とする認証プログラム。
- 請求項9に記載の認証プログラムをコンピュータが読み取り可能な形式で記録したことを特徴とする記録媒体。
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