JP5669021B2 - 積層体の加工方法 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂板とガラス板とを積層一体化してなる積層体の加工技術の改良に関する。
樹脂板の表裏両面の少なくとも一方にガラス板を積層一体化させた積層体(ガラス板積層体)は、ガラスに由来する高硬度、高耐久性、高気密性、ガスバリヤ性および高級感などといった諸特性と、樹脂に由来する軽量性や高耐衝撃性などといった諸特性とを兼ね備えている。従って、この種の積層体は、広範囲な分野、例えば液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ(FPD)、携帯電話やタブレット型PC等の携帯用電子デバイス、太陽電池、電磁調理器などの電気・電子機器のパネル用材料として、あるいは建築構造物や各種車両の窓パネル用材料などとしての使用が期待されている。特に、下記の特許文献1に記載されているように、相対的に薄肉のガラス板と、相対的に厚肉の樹脂板とを積層一体化させた積層体は、これと同一厚みのガラス板を使用する場合に比べて各種パネルの軽量化を図り得ることから、FPDや携帯用電子デバイス等、製品の軽量化が推進される用途での使用が期待されている。
上記の積層体は、通常、用途に応じた形状・寸法に切断した上で使用される。具体的な切断方法としては、例えば下記の特許文献2に記載されているレーザ溶断や、例えば下記の特許文献3に記載されているウォータージェット切断などが採用されるが、これらの切断法によって上記積層体を切断した場合、ガラス板の切断面はクラックやチッピング等の微小欠陥を有する凹凸面(粗面)に形成され、また、樹脂板の切断面も、レーザ照射時の熱影響による溶解等により、あるいはウォータージェット切断時の砥粒による荒れにより凹凸面(粗面)に形成される。かかる面性状の切断面を放置したままでは、微小欠陥を起点としたガラス板の割れ等、積層体を組み込んだ製品の品質上致命的な問題を招来する可能性が格段に高まる。そのため、上記の積層体を所定形状・寸法に切断した後には、積層体(ガラス板および樹脂板)の切断面を仕上げるための仕上げ加工を実行するのが通例となっている。
上記の仕上げ加工は、切断面を含む積層体端部を研削等の機械加工で所定寸法除去するようにして行われるのが通例であり、その際に適用し得る加工方法として、例えば下記の特許文献4に記載された方法を挙げることができる。具体的には、対向配置された2枚のガラス板が樹脂層(中間接着層)を介して積層一体化された合わせガラスの端縁部に研削加工を施すことにより、合わせガラスの端縁部に、2枚のガラス板の端縁部に亘って連続的に設けられた斜面取り部を形成する、というものである。
特開2003―39597号公報 特開2007−319888号公報 特開2001−79443号公報 特開2009−249266号公報
特許文献4の加工方法のように、ガラス板および樹脂板の端縁部を同時研削するようにすれば、仕上げ加工の加工効率を高めることができるとも考えられる。しかしながら、このような方法では、以下のような問題が生じ易いことを本願発明者は見出すに至った。
ダイヤモンドツール等の研削工具でガラス板と樹脂板とを同時研削すると、樹脂が粘性の高い材料であることなどを理由として、研削工具の研削面(被加工物を研削する部位)のうち樹脂板との接触部が早期に目詰まりし易い。このような目詰まりが生じた状態で研削加工を継続すると、樹脂板を所定態様で削り取ることができなくなることから、研削工具との摩擦による樹脂板の熱変形によって繊維状の大きな樹脂カスが生成され易くなる。大きな樹脂カスは、加工点の外側に排出され難いことから、生成された樹脂カスによりガラス板が圧迫され、ガラス板が破損等し易くなる。
上記のような問題が生じるのを可及的に回避するには、研削効率を低下させる(研削工具の送り速度や回転速度を遅くする)、研削工具の補修頻度あるいは交換頻度を高める、などといった対策を施せば良いとも考えられるが、何れの対策を採った場合でも加工効率が大きく低下する。
このような実情に鑑み、本発明は、樹脂板とガラス板とを積層一体化させた積層体の切断面を、効率良く所定精度に仕上げることのできる加工技術を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために創案された本発明は、樹脂板の表裏両面の少なくとも一方にガラス板を積層一体化させた積層体を切断する切断工程と、切断工程により形成された積層体の切断面を仕上げる仕上げ工程とを有する積層体の加工方法であって、仕上げ工程は、研削加工によりガラス板の切断面を加工し、かつ、樹脂板の切断面の少なくとも一部を未加工の状態で残す第1段階と、未加工の状態で残した樹脂板の切断面のみを加工する第2段階とを有することを特徴とする。なお、ここでいう「積層体の切断面を仕上げる」とは、切断面を含む端部を所定寸法切除等することによって、積層体の切断面を微小欠陥等のない平滑面に仕上げる(あるいは、微小欠陥があってもそれが品質上問題のない程度の面に仕上げる)ことを意味する。
このように、積層体の切断面を仕上げる際に、まず研削加工によってガラス板の切断面を加工し(仕上げ)、かつ、樹脂板の切断面の少なくとも一部を未加工の状態で残す第1段階を実行するようにすれば、ガラス板の切断面(切断面を含む端部)を研削するときに、大きな樹脂カスが生成され難くなることに加え、樹脂板がガラス板のバックアップ材として機能するので、ガラス板の切断面に研削工具を押し付けた際にガラス板が撓み難くなる。これらのことから、第1段階で研削加工を実行する際には、研削工具の送り速度や回転速度を速めてガラス板の仕上げ加工効率を高めつつ、ガラス板に割れや欠損等の不具合が生じるのを可及的に防止することができる。そして、仕上げ工程に含まれる第1段階後の第2段階において、未加工の状態で残した樹脂板の切断面のみを加工する(仕上げる)ようにすれば、樹脂の仕上げ加工に適した加工方法を選択使用することができるので、樹脂板の切断面を効率良く仕上げることができる。以上のように、本発明においては、一段階で完了させ得る積層体切断面の仕上げ加工を、あえて二段階に分けて実行するようにした。そのため、一見すると切断面の仕上げに要する手間やコストが増大するとも考えられるが、本発明を採用することにより奏される加工効率の向上幅は、従来方法を採用した場合に生じ得る上述の問題を理由とした加工効率の低下幅を上回る。従って、本発明によれば、樹脂板とガラス板とを積層一体化させた積層体の切断面を、効率良く仕上げることができる。
なお、第1段階にて実行される研削加工においては、研削工具の目詰まり、ひいてはこれに起因したガラス板の割れを可及的に防止する観点から言えば、ガラス板の切断面のみを加工するのが望ましい。しかしながら、樹脂板の切断面を一切研削することなく、ガラス板の切断面のみを研削することは容易ではなく、これを実現しようとすると、研削加工条件を極めて精密に管理・制御する必要があることから却って加工コストの増大を招来するおそれがある。そのため、研削加工が実行される第1段階では、樹脂板の切断面の少なくとも一部を未加工の状態で残すこととした。逆を言えば、第1段階で樹脂板の切断面の一部を研削することを許容した。これにより、第1段階における研削加工条件を緩和して、研削加工を迅速に実行することができる。但し、樹脂板の切断面の研削範囲は、樹脂板を研削することによっても、大きな樹脂カスが生成されない範囲、換言すると研削工具に目詰まりが生じない(生じ難い)範囲を限度とするのが肝要である。
第1段階における研削加工は、研削工具を被加工面(ガラス板の切断面、あるいはガラス板の切断面および樹脂板の切断面の一部)に対して一定の接触力で接触させた状態で実行する(進行させる)のが望ましい。
このようにすれば、研削加工中に、ガラス板に過度の圧力が負荷され難くなるので、ガラス板が割れ難くなる。そのため、研削工具の送り速度や回転速度を速めて、仕上げ工程に含まれる第1段階での加工効率を高めることができる。
第1段階における研削加工を、研削面の面粗度(番手)が相互に異なる研削工具を使用して複数回実行するようにしても良い。
このようにすれば、単一の研削工具を用いて第1段階を実行する場合に比べて、ガラス板の切断面を迅速に仕上げることが容易となる。具体例を挙げると、まず、研削面の面粗度が相対的に大きい(番手が相対的に小さい)第1の研削工具を用いて被加工面を粗研削し、その後、研削面の面粗度が相対的に小さい(番手が相対的に大きい)第2の研削工具を用いて被加工面を精密研削する。この場合、第1の研削工具を用いた研削加工で必要十分な研削量を確保しつつ、第2の研削工具を用いた研削加工段階で被加工面を精密仕上げすることができるので、被加工面を効率良く仕上げることができる。もちろん、第1段階における研削加工は、3種類以上の研削工具を使用して実行することもできる。
第2段階では、切削加工により未加工の状態で残した樹脂板の切断面のみを加工することができる。
切削加工は、いわゆるエンドミル等、隣り合う刃部の間隔が大きく、目詰まりが生じ難い加工工具を用いて実行されることから、加工工具の回転速度や送り速度を速めて樹脂板の切断面を効率的に仕上げることができる。特に、切削工具の中でも、表面に保護皮膜が形成されていないいわゆるノンコート品は、刃部(刃先)が保護皮膜に覆われることなく鋭利な状態で露出していることから、いわゆるコート品に比べて樹脂に対する切れ味が良い。従って、ノンコートの切削工具を用いて樹脂板の切断面を加工するようにすれば、樹脂板の切断面の仕上げ加工を特に効率的に行い得る。
上記した本発明に係る加工方法は、ガラス板の一枚あたりの板厚が0.01mm以上0.7mm以下の積層体の切断面を仕上げる際の加工方法として特に好適である。このような薄板のガラス板は、特に割れや欠損等が生じ易いからである。
また、上記した本発明に係る加工方法は、ガラス板の一枚あたりの板厚が樹脂板の板厚よりも小さい積層体の切断面を仕上げる際の加工方法としても好適である。上記した従来方法の問題点は、相対的に厚肉の樹脂板と相対的に薄肉のガラス板とを積層一体化させた積層体の切断面を仕上げるときに一層顕著に現れるからである。
以上に示すように、本発明によれば、樹脂板とガラス板とを積層一体化させた積層体の切断面を、効率良く所定精度に仕上げることができる。
(a)図は本発明に係る加工方法の適用対象である積層体の概略側面図、(b)図及び(c)図は、仕上げ工程のうち第1段階を概念的に示す図である。 (a)図は、仕上げ工程のうち第2段階を概念的に示す図、(b)図は、仕上げ工程完了後における積層体の部分側面図である。 (a)(b)図共に、第1段階の変形例を概念的に示す図である。 (a)図は、他の実施形態に係る第1段階を概念的に示す図、(b)図は、他の実施形態に係る第2段階を概念的に示す図、(c)図は両段階の完了後における積層体の部分側面図である。 (a)図は、他の実施形態に係る第1段階を概念的に示す図、(b)図は、他の実施形態に係る第2段階を概念的に示す図、(c)図は両段階の完了後における積層体の部分側面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1(a)を参照しながら、本発明に係る加工方法の適用対象である積層体1の構成について詳述する。同図に示す積層体1は、樹脂板2の表裏両面にガラス板3,4をそれぞれ積層一体化したものであり、例えば携帯用電子デバイスのタッチパネルのカバー材に用いられる。ガラス板3,4の何れか一方又は双方は、接着剤層を介して樹脂板2と積層一体化させても良いが、図示例のように接着剤層を省略する場合には、例えば溶着により樹脂板2とガラス板3,4とが積層一体化される。
樹脂板2としては、厚み0.01mm以上10mm以下のものが使用され、積層体1をタッチパネルの保護カバーに用いる場合には、厚み0.1mm以上3mm以下の樹脂板2が好適に使用される。ここでは厚み0.7mmの樹脂板2を使用している。樹脂板2としては、例えば、ポリカーボネート(PC)、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド(PA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の各種樹脂材料で形成したものが使用される。
ガラス板3,4としては、厚み0.01mm以上0.7mm以下のものが使用される。積層体1をタッチパネルのカバー材に用いる場合には、厚み0.01mm以上0.5mm以下のものが一層好適に使用され、厚み0.01mm以上0.3mm以下のものがより一層好適に使用される。ガラス板3,4としては、樹脂板1よりも薄板のものが使用され、ここでは、厚み0.1mmのガラス板3,4を使用している。ガラス板3,4は、その厚みが相互に異なるものとされる場合もある。使用可能なガラス板3,4の組成に特段の限定はないが、アルカリ成分を含まない無アルカリガラスで形成したガラス板3,4が特に好適に使用される。これは、組成にアルカリ成分を含むガラスの場合、経時に伴ってガラス中のアルカリ成分が抜け、積層体1に曲げ応力が作用したときに、アルカリ成分の抜けた部分が起点となってガラス板3,4が割れ易くなるためである。
接着剤層を設ける場合、その厚みは0.01〜2.0mm程度とされる。積層体1をタッチパネルのカバー材に用いる場合、接着剤層の厚みは0.01mm以上0.3mm以下とするのが好ましく、0.01mm以上0.1mm以下とするのが一層好ましい。接着剤層の材質としては、例えば、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、紫外線硬化性アクリル系接着剤、紫外線硬化性エポキシ系接着剤、熱硬化性エポキシ系接着剤、熱硬化性メラミン系接着剤、熱硬化性フェノール系接着剤、エチレンビニルアセテート(EVA)中間膜、ポリビニルブチラール(PVB)中間膜などが利用できる。
以上の構成を有する積層体1は、レーザ溶断やウォータージェット切断等の切断処理が実行される切断工程を経て所定形状・寸法に切り出されたものであり、切断工程により形成された切断面1aを有する。図1(a)中の拡大図に示すように、積層体1の切断面1aを構成する上側のガラス板3の切断面3aは、微小な凹凸が連続した粗面となっており、かつ無数のクラック5を有する[図1(a)では、便宜上、クラック5を2つだけ示している]。なお、詳細な図示は省略しているが、下側のガラス板4の切断面4aは、上側のガラス板3の切断面3aと同様の面性状を有する。また、同様に図示は省略しているが、樹脂板2の切断面2aは、微小な凹凸が連続した粗面となっている。
本発明に係る加工方法は、切断工程で上記のような粗面に形成された積層体1の切断面1aを(所定精度に)仕上げる仕上げ工程の構成に特徴があり、大まかに述べると、該仕上げ工程が、ガラス板3,4の切断面3a,4aを仕上げる第1段階と、樹脂板2の切断面2aを仕上げる第2段階とを有する点に特徴がある。以下、図1(b)(c)を参照しながら、ガラス板3,4の切断面3a,4aを仕上げる第1段階について詳述し、これに続いて図2(a)(b)を参照しながら、樹脂板2の切断面2aを仕上げる第2段階について詳述する。
図1(b)(c)は、積層体1の切断面1aを仕上げるための仕上げ工程に含まれる第1段階を概念的に示している。この第1段階では、研削加工によりガラス板3,4の切断面3a,4aが加工され(仕上げられ)、かつ、樹脂板2の切断面2aの少なくとも一部が未加工の状態で残される。具体的には、所定姿勢に保持された積層体1に対し、積層体1の切断面1aの厚み方向(積層体1の厚み方向。以下「厚み方向」という場合には同様である)両端部、すなわちガラス板3,4の切断面3a,4aを同時研削可能な断面V字状の研削面11を有する研削工具10を回転させながら接近移動させ、研削工具10の研削面11をガラス板3,4の切断面3a,4aに押し付けて切断面3a,4a(切断面3aを含むガラス板3の端部および切断面4aを含むガラス板4の端部)を研削する。この研削加工は、切断面3a,4aに含まれる微小な凹凸やクラック5等が略完全に除去される程度にガラス板3,4の端部が切除されるまで継続される。ガラス板3,4端部の切除寸法は、積層体1を切断するために採用した切断方法やガラス板3,4の厚み等によっても異なるが、例えば切断面3a,4aを基準として100〜300μm程度とされる。この研削加工により、本実施形態においては、樹脂板2の切断面2aの一部(切断面2aの厚み方向両端部)も加工される[図1(c)を参照]。従って、この研削加工が完了すると、ガラス板3,4の切断面3a,4aが図1(c)に示すようなテーパ状の平滑面3b,4bに加工され、かつ、樹脂板2の切断面2aの厚み方向中央領域が未加工の状態で残される。
上記した第1段階における研削加工は、研削工具10と被加工面(ガラス板3,4の切断面3a,4aおよび樹脂板2の切断面2aの厚み方向両端部)とを一定の接触力で接触させた状態で徐々に研削が進行する、いわゆる定圧研削として実行されることが好ましい。研削加工中にガラス板3,4に過度の圧力が負荷されることによってガラス板3,4に割れ等の不具合が生じるのを可及的に防止するためである。逆を言えば、定圧研削を採用することによって研削加工に伴うガラス板3,4の割れ等を可及的に防止することができれば、研削工具10の送り速度や回転速度を速めて、ガラス板3,4の切断面3a,4aの仕上げ加工効率を高めることができる。
また、この研削加工は、図1(c)に示すように、樹脂板2の切断面2aと研削工具10の研削面11の底部との間に間隙Cが設けられた状態で進行する。研削加工に伴って生成される切屑を加工点の外側に円滑に排出可能とし、研削精度が低下したり、ガラス板3,4が割れたりするのを可及的に防止するためである。
上記した研削加工によって、積層体1の切断面1aが上記態様に仕上げられると、積層体1は、仕上げ工程の第2段階に移送される。第2段階では、切削加工により、未加工の状態で残された切断面2aのみが加工される。より具体的には、図2(a)(b)に示すように、未加工の状態で残された切断面2aを含む樹脂板2の端部を仕上げ予定線FLに至って切除する(図2(a)中にクロスハッチングで示す領域を切除する)ことにより、樹脂板2の切断面2aが厚み方向に延びた平滑面2bに仕上げられる。この切削加工は、エンドミル等の切削工具を用いて実行され、切削工具としては表面に保護皮膜が形成されていないノンコート品が好適に使用される。ノンコート品は、刃部(刃先)が保護皮膜に覆われることなく鋭利な状態で露出していることから、表面に保護皮膜が形成されたコート品に比べて樹脂に対する切れ味が良好なため、樹脂板2の切断面2aを特に効率的に加工し得るからである。
以上のようにして、樹脂板2の切断面2aが平滑面2bに仕上げられると、積層体1の切断面1aを仕上げる仕上げ工程が完了する。
上記したように、本発明では、積層体1の切断面1aを仕上げる際に、まず研削加工によってガラス板3,4の切断面3a,4aを加工し、かつ、樹脂板2の切断面2aの一部を未加工の状態で残す第1段階を実行するようにした。このようにすれば、ガラス板3,4の切断面3a,4a(切断面3a,4aを含む端部)を研削するときに、大きな樹脂カスが生成され難くなることに加え、樹脂板2がガラス板3,4のバックアップ材として機能するので、ガラス板3,4の切断面3a,4aに研削工具10を押し付けた際にガラス板3,4が撓み難くなる。特に、本実施形態のように、樹脂板2が各ガラス板3,4よりも相対的に厚肉である場合にかかる効果が顕著に得られる。従って、ガラス板3,4の切断面3a,4aに研削加工を施す際には、研削工具10の送り速度や回転速度を速めてガラス板3,4の仕上げ加工効率を高めつつ、ガラス板3,4に割れや欠損等の不具合が生じるのを可及的に防止することができる。
また、仕上げ工程に含まれる第1段階後の第2段階において、未加工の状態で残した樹脂板2の切断面2aのみを加工するようにすれば、樹脂の仕上げ加工に適した加工方法を選択使用することができるので、樹脂板2の切断面2aを効率良く所定精度に仕上げることができる。具体的には、切削加工で樹脂板2の切断面2aを所定精度に仕上げるようにした。切削加工は、エンドミル等、隣り合う刃部の間隔が大きく、目詰まりが生じ難い加工工具を用いて実行される関係上、加工工具の回転速度や送り速度を速めて樹脂板2の切断面2aの仕上げ加工を効率的に行い得る。
以上で述べたように、本発明においては、一段階でも完了させ得る積層体1の切断面1aの仕上げ加工を、あえて二段階に分けて実行するようにした。そのため、一見すると積層体1の切断面1aの仕上げに要する手間やコストが増大するとも考えられるが、本発明を採用することにより奏される加工効率の向上幅は、一段階で積層体1の切断面1aを仕上げようとした場合に生じ得る問題を理由とした加工効率の低下幅を上回る。従って、本発明によれば、樹脂板2とガラス板3,4とを積層一体化させた積層体1の切断面1aを、効率良く仕上げることができる。
なお、第1段階にて実行される研削加工においては、研削工具10の研削面11の目詰まり、ひいてはこれに起因したガラス板3,4の割れを可及的に防止する観点から言えば、ガラス板3,4の切断面3a,4aのみを加工するのが望ましい。しかしながら、積層体1の厚みに寸法公差が設定等されているのが通例であるから、樹脂板2の切断面2aを一切研削することなく、ガラス板3,4の切断面3a,4aのみを研削しようとすると、研削加工の条件(研削工具10の送り量や姿勢等)を極めて精密に管理・制御する必要が生じ、加工コストを却って増大させるおそれがある。この点、本発明においては、研削加工が実行される第1段階において、樹脂板2の切断面2aの少なくとも一部を未加工の状態で残すこととした。逆を言えば、第1段階で樹脂板2の切断面2aの一部を研削することを許容した。そのため、第1段階における研削加工条件を緩和して、研削加工を迅速に実行することができる。
以上、本発明の一実施形態に係る積層体1の加工方法について説明を行ったが、本発明に係る積層体1の加工方法には、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。
例えば、仕上げ工程に含まれる第1段階でガラス板3,4の切断面3a,4aを仕上げる際に使用する研削工具10としては、図3(a)に示すようにテーパ状の研削面12を有するものを使用することもできるし、図3(b)に示すように円盤状の研削面13を有するものを使用することもできる。図3(a)(b)に示すような研削工具10を用いる場合、上側のガラス板3の切断面3aを仕上げる仕上げ加工と、下側のガラス板4の切断面4aを仕上げる仕上げ加工とを個別に実行する必要があるが、研削加工に伴って生成される切屑の排出性を、上述した実施形態に比べて高めることができる分、研削工具10の送り速度や回転速度を速めて、各ガラス板3,4を効率的に仕上げることができる。図3(a)(b)に示すような研削工具10を用いる場合においても、ガラス板3,4の切断面3a,4aを仕上げるための研削加工は、研削工具10とガラス板3(又は4)とを一定の接触力で接触させた状態で行う、いわゆる定圧研削として実行するのが望ましい。
また、仕上げ工程に含まれる第1段階では、研削加工を、研削面の面粗度(番手)が相互に異なる研削工具10を使用して複数回実行するようにしても良い。図示は省略するが、研削面の面粗度が相互に異なる3種類の研削工具を使用する場合を例にとると、まず、研削面の面粗度が最も大きい研削工具10(例えば120番手の研削面を有する研削工具10)を用いてガラス板3,4の端部を粗研削し、次いで研削面の面粗度が2番目に大きい研削工具10(例えば400番手の研削面を有する研削工具10)を用いてガラス板3,4の端部を大まかに仕上げ、最後に研削面の面粗度が最も小さい研削工具10(例えば1000番手の研削面を有する研削工具10)を用いてガラス板3,4の端部を精密仕上げする。このようにすれば、図1(b)(c)を参照して説明したように、単一の研削工具10でガラス板3,4の切断面3a,4aを仕上げる場合に比べて、ガラス板3,4の切断面3a,4aを迅速に仕上げ易くなる。
また、仕上げ工程に含まれる第2段階で採用し得る加工方法は切削加工に限定されるものではなく、第1段階と同様に研削加工を採用しても良い。本発明の構成上、第2段階ではガラス板3,4の切断面3a,4aが加工されることがないので、第2段階で樹脂板2の切断面2aを研削するのに伴って研削工具の目詰まりに起因して大きな樹脂カスが発生しても、この樹脂カスによるガラス板3,4の割れは可及的に防止することができるからである。
また、積層体1の切断面1aの仕上げ態様、すなわちガラス板3,4の切断面3a,4aおよび樹脂板2の切断面2aの仕上げ態様も、上記した実施形態に限定されるものではなく任意に変更することができる。例えば、仕上げ工程に含まれる第1段階では、図4(a)に示すように、ガラス板3,4の切断面3a,4aを含む端部を断面矩形状に研削する(ガラス板3,4のうち同図中にクロスハッチングで示す部分を研削する)ことにより、切断面3a,4aを積層体1の厚み方向と平行な平滑面3b,4bに仕上げる[図4(b)参照]。その後、第2段階において、樹脂板2の切断面2aを含む端部を図4(b)中に示す仕上げ予定線FLに至って切削加工で切除する(樹脂板2のうち同図中にクロスハッチングで示す部分を切削加工で切除する)ことにより、図4(c)に示すように、ガラス板3,4の切断面3a,4aを積層体1の厚み方向と平行な平滑面3b,4bに仕上げると共に、樹脂板2の切断面2aを積層体1の厚み方向と平行な平滑面2bに仕上げることもできる。
以上では、樹脂板2の表裏両面にガラス板3,4を積層一体化させた積層体1の切断面1aを仕上げる際に本発明に係る加工方法を適用する場合について説明したが、本発明に係る加工方法は、樹脂板2の表裏両面の何れか一方にのみガラス板を積層一体化させた積層体1の切断面1aを仕上げる際にも好ましく適用することができる。図5(a)〜(c)は、その一例として、樹脂板2の表面(上面)にのみガラス板3を積層一体化させた積層体1の切断面1aを仕上げる様子を模式的に示している。
まず、図5(a)に示す第1段階において、ガラス板3の切断面3aを含む端部に研削加工を施し、同図中クロスハッチングで示す部分を研削することによってガラス板3の切断面3aを図5(b)に示すようなテーパ状の平滑面3bに仕上げる。次いで、図5(b)に示す第2段階において、樹脂板2の切断面2aを含む端部に切削加工を施し、同図中クロスハッチングで示す部分を切削加工で切除する(樹脂板2の端部を仕上げ予定線FLに至って切削加工で切除する)ことにより、樹脂板2の切断面2aを、積層体1の厚み方向に沿った平坦面と、積層体1の厚み方向に対して傾斜したテーパ面とが連続した平滑面2bに仕上げる。
以上では、タッチパネルの保護カバーに用いられる積層体1の切断面1aを仕上げる際に本発明を適用したが、本発明は、フラットパネルディスプレイ(FPD)、電磁調理器、太陽電池等の各種電気・電子機器用パネルに組み込まれる積層体の他、建築構造物や各種車両の窓用パネルに組み込まれる積層体の切断面を仕上げる際に適用することももちろん可能である。
1 積層体
1a 切断面
2 樹脂板
2a 切断面
2b 平滑面
3 ガラス板
3a 切断面
3b 平滑面
4 ガラス板
4a 切断面
4b 平滑面
10 研削工具
11 研削面
12 研削面
13 研削面

Claims (6)

  1. 樹脂板の表裏両面の少なくとも一方にガラス板を積層一体化させた積層体を切断する切断工程と、該切断工程により形成された前記積層体の切断面を仕上げる仕上げ工程とを有する積層体の加工方法であって、
    前記仕上げ工程は、研削加工により前記ガラス板の切断面を加工し、かつ、前記樹脂板の切断面の少なくとも一部を未加工の状態で残す第1段階と、前記未加工の状態で残した前記樹脂板の切断面のみを加工する第2段階とを有することを特徴とする積層体の加工方法。
  2. 前記第1段階における前記研削加工を、研削工具を被加工面に対して一定の接触力で接触させた状態で実行することを特徴とする請求項1に記載の積層体の加工方法。
  3. 前記第1段階における前記研削加工を、研削面の面粗度が相互に異なる研削工具を使用して複数回実行することを特徴とする請求項1又は2に記載の積層体の加工方法。
  4. 前記第2段階では、切削加工により前記未加工の状態で残した前記樹脂板の切断面のみを加工することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の積層体の加工方法。
  5. 前記ガラス板は、その一枚あたりの板厚が0.01mm以上0.7mm以下である請求項1〜4の何れか一項に記載の積層体の加工方法。
  6. 前記ガラス板は、その一枚あたりの板厚が前記樹脂板の板厚よりも小さい請求項1〜5の何れか一項に記載の積層体の加工方法。
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